27: ◆DLsVqu3F.A[saga]
2020/04/14(火) 16:25:08.37 ID:MdKqWAU50
えみる「チッ…………」
うわ、えみるだ………
片手には柑橘系の缶ジュースを持ち、反対の手はガウンのポケットに突っ込んでいる。
なんでこんな時に限ってえみるが公園にいるんだよ………
えみる「あークソ………んで来ないんだよ………!」
しかも、イライラしている様子だ。
小さい子供が公園に入ろうとしていたが、そのえみるの様子を見て何か察したのか、Uターンして帰っていく。
えみるは貧乏ゆすりをしながらポケットから携帯を取り出した。
その時、ちょうど携帯の通知が鳴ったようで、えみるは携帯をいじった。
えみる「………ぁあ゛? んでドタキャンなんだよ………チッ………あーもう、別の奴呼ぶか…………ん?」
えみるがそう言いながら乱暴に携帯をポッケにしまった時、えみるは俺に気付いたらしい。
俺は慌てて目を逸らしたが、次の瞬間には柑橘系の匂いが心地よい音を立てて側頭部に当たった。
えみる「おいキモオタアギョウ………見てんじゃねえよ。ウゼーんだよ……!」
俺「ごめんなさいごめんなさい」
えみる「ぁあ゛?!」
えみるはカツカツと歩いて来て、俺の胸ぐらを掴んだ。
えみる「あーメンドクセェ………なんならこいつで………いや、ねえな、気持ち悪りぃ」
怖い怖い怖い怖い怖い。
えみる「でも………ウサバラシにくらいはなってもらうかんな!」
えみるはそう言いながら俺を引き倒し、何度か俺の腹部に蹴りを入れた。
俺「うっ……! う゛っ………!」
大きく振りかぶって、思いっきりドスン!と音を立てながら、理不尽な怨みをぶつけて来る。
俺「ぐ、ぅう………!」
えみる「…………あースッキリした。じゃあなキモオタアギョウ。チクったら………分かってんな?」
そう言いながらえみるは空缶を拾い、少し残った中身を俺にかけてから公園を去った。
〜
えみるの後ろ姿がすっかり見えなくなってから、俺は起き上がり土を払った。
全然痛くは無かったが、痛がらなきゃ何されるか分からないからな。贅肉が付いてて良かった。
それにしても、また柑橘系ジュースかよ………
あーあ、また洗わなきゃ行けないじゃねぇかよ………
〜
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