【安価・コンマ】ハーレムシミュレーター
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552: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/07/13(月) 23:01:59.36 ID:bnvW7p6g0
…
「Zzz…」
「…勇者どの」
「…ん、んん…っ」
「勇者どの」
「…えっ、何っ!?」
聞き慣れない声に、慌てて目を覚ます。
枕元で、一本の蝋燭が灯った。照らし出されているのは、一人の少女。黒い装束に頭巾を被り、赤い目でこちらを見ている。
「寝床に忍び入る無礼をお許しください。拙者、南岸の島国領より参りました、フウカと申します」
「島国…えっ? 何しに」
「勇者どのに無礼を承知で、ご周知いただきたく」
フウカは、重々しく言った。
「既にオリエズマでの滞在は、折り返しを過ぎました。このまま一度も、我らの元へはお遊びになられないつもりですか」
「え、えっと…」
「我らの領の巫女ツバキは、初日の宴で勇者どのに舞を披露し、その後の夜伽も務めました。もうお忘れですか」
「忘れてはないけど」
「我々にも、面目がございます」
じっと、アスラを見て言う。
「このままでは、ご用意したもてなしの数々が、全て無駄になります」
「…どうしろっていうの?」
「今は、こうして無理を承知で、訴え申し上げるのみ。しかし、このまま我が国を蔑ろにされるならば…」
顔を伏せ、更に声を潜める。
「…勇者どののお心を掴めず、あろうことか避けられることとなった、巫女フウカは…その命で、己の失態を償うことになりましょう」
「えっ? それって」
「それが、我らの流儀にございます。では」
蝋燭を消すと、寝室が再び闇に包まれた。
「ま、待ってよ!」
呼びかけても、応えるものは無かった。
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