【安価・コンマ】続・ハーレムシミュレーター【R-18】
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186: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/08/10(月) 21:47:46.70 ID:+tUGu/Rg0
「…死ぬって、何だろ」

 ふと零した呟きに、ウルルは顔を上げた。

「生きてるって、何だろ、死ぬって、何だろう。…昨日から、そんなことばっかり考えてる」

「…」

 ウルルは、しばらく黙ったまま彼の顔を見ていたが、やがてぽつりと言った。

「わたしは、羊さんを飼ってる。草を食べさせて、育てて、増やして、毛を刈って、殺して肉を食べてる」

「…殺す時、どんな感じ?」

「仰向けにひっくり返して、手足を縛るの。暴れるから。それから、心臓をナイフで刺すの」

 なんてこと無いように、淡々と言うウルル。

「刺す時…何を考えてるの」

「鳴きながら暴れるの。死にたくない、死にたくないって…そうだよね。痛いの、嫌だよね。死にたくないよね。ごめんね。…って、刺す。最初は辛かったけど、もう慣れた」

「慣れるの?」

「慣れるよ。慣れないと、生きていけない」

「…」

 アスラは、震える息を吐いた。

「…ずっとお世話になった人を殺すのは、やっぱり違うのかな?」

「…」

 するとウルルは、遥か向こうの羊の群れを指差した。

「…あの羊さん」

「…どれ?」

「昨日、勇者のところに近づいてった、雌の子だよ。春に、赤ちゃんを産んだの。でも、雄だったから、少し育てて殺したの」

 それからアスラを見る。

「…昨日の夜ご飯だよ」

「!?」

「わたしは、羊さんのことはよく知ってるよ。生まれたときから一緒だから。でも、殺す。わたしが羊さんを殺すのは、生まれたときからのお友達を殺すのと一緒。でも、慣れる」

「…」

 アスラは、よろよろと立ち上がった。隣に座る少女が、途端に恐ろしい怪物のように思えてきたのだ。

「どこに行くの」

「帰る」

 ウルルから目を背けたまま、彼は宮殿に向かって歩き出した。


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