【安価・コンマ】ハーレムシミュレーター 第二部【R-18】
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512: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/11/03(火) 12:36:45.96 ID:jheB15pa0
「…黙れ…黙れっ!!」

 遂に、アスラは剣を振り上げた。が

「っ、しまっ」

 狭い庵の天井に、切っ先が刺さってしまった。
 男はふんと鼻を鳴らすと、膝元の刀を掴んで立ち上がった。

「小童め。正義ごっこも大概にせよ」

 刀を抜き、正中に構える。アスラは身体強化の魔術で剣を天井から抜くと、振りかぶらずに切っ先を突き出した。

「ふんっ」

「らあっ!」

 刀で軽く払ったところに、肩から突っ込む。

「ぐあっ!?」

 勢いよく吹き飛ばされた男は、薄い庵の壁をぶち破り、夜の裏庭に転がった。
 剣を構え、大股に近づくアスラ。

「殺す…おれは、躊躇わない!」

 心臓めがけて突き出した切っ先を、転がって躱す男。そのまま立ち上がると、首元に刀を振るった。

「っ」

「謀略だけの頭でっかちと思うたか。たわけ…」

「せっ!」

 横薙ぎを引いて躱すなり、躊躇なく眼球を狙うアスラ。流石の相手も怯んだのか、足元が少しもつれた。
 その足を、アスラは力いっぱい踏みつけた。

「あだっ!? …っ!」

 更に胸を蹴り、相手を仰向けに倒す。剣を逆手に握ると、大きく振り上げて敵の心臓へ…
 ところが次の瞬間、アスラの身体がぐらりと傾いた。

「うわっ!?」

「…止めこそ、最も隙のないやり方に限るわ」

 仰向けのまま、両足でアスラの足を絡めて倒した男は、反対に立ち上がると、仰向けのアスラの胸に片足を乗せた。

「今際の際にこそ、獣は最も強いもの。心の臓を突く前に、手足を」

「手足を、とな」

 次の瞬間、男の体が硬直した。と思うや、両手足を大の字に伸ばした不自然な姿勢のまま、ふわりと宙に浮いた。
 右手をかざし、ゆっくりと歩み寄ってきたのは、フォンリンであった。

「…同感じゃ。儂も倣おう」

「あ゛っ! あ、がっ!? ぐぅっ」

 指を動かすと、みしり、めきりと音を立てながら、男の四肢がぐるぐると捻じれ、折れ曲がり、延ばされていく。
 そこへ、武器を携えた女たちが乱入してきた。

「殿に刃を向けたぞ!」

「謀反だ、捕らえよ…」

「黙れ」

 フォンリンが左手を突き出すと、女たちが一斉に見えない力に突き飛ばされ、倒れた。
 やがて右手を下ろすと、四肢を粉々に砕かれた男が、ぼとりと地面に落ちた。

「フォンリン…」

「きさまのことは聞き及んでおるわ、『キヌエ』」

 倒れた男…いや、キヌエの腹の上に立ち、見下ろす。

「儂の楽しみを奪いおって。所詮きさまも、ここに流されたのだと知れ」


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