【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【2頁目】
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658: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2021/02/23(火) 16:24:05.24 ID:zO5DXF6Lo
杏「………」
九尾の背中の揺れ、体にぶつかってくる風
ただでさえバランスが悪いのに、杏は今日が初めての実践だった。
バーテックスに襲われた経験はあるけれど
それを撃退した経験が杏にはないのだ。
自分の武器を模したものを使っての戦闘訓練を行ったことはある。
それはあくまで木の板だったり、
模擬戦として若葉達ほかの勇者に向けたものだった。
初戦闘。
怖くないと言えば嘘になる。
怖くて、不安で、苦しくて、辛い
けれど……戦えなければ足手纏いだ。
あの日、救われた時と何一つ変わらない
本気で力を使って抵抗すれば振り払えたにも関わらず、
それをせずに抑え込まれ、目の前で陽乃が大人を殴り飛ばすのを見ていることしかできなかったのと何も変わらない
杏「っ……はぁ……」
後悔した。
大人一人を怪我させてでも力を振り絞り、
あの場で立ち上がって、たった一言 "勇者に委ねろ" と言えばよかったと。
そんな後悔は、もうしたくない。
陽乃「跳ぶわよ!」
杏「はいっ!」
ビルの屋上から九尾が跳ぶ
長い胴体をまっすぐ伸ばして、限りなく平坦を保つ。
口にはしない九尾の気遣いに杏は小さく礼を述べて、クロスボウを構えた
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