【艦これ】提督「安価とコンマで学校生活」瑞鶴「その10……ふふっ」【安価・コンマ】
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8: ◆0I2Ir6M9cc[saga]
2021/02/21(日) 23:16:20.89 ID:mhnk73Hw0
ここからは各ヒロインのプロットを投下していきます。全体的に長文になってしまった為、分割して投下します。

・ビスマルク

(20到達時)
提督の両親に負けず劣らずの莫大な資産を持つ良家の1人娘として生まれる。両親は敏腕な実業家で、自らの仕事に誇りを持っていた為、ビスマルクも両親の影響を受けて自信家に育つ。
提督とはライバル企業の関係であり、大井とは違い家が近所という訳では無かったが、ビジネスの場でたまに顔を合わせることがあった。
当時はビスマルクは提督に『自分の両親の方が凄いこと』をアピールしていたが、提督は挑発されていることに気付かず、彼にとってビスマルクは顔見知り程度の存在だった。

ビスマルクは、提督や彼の両親のことを一方的にライバル視していたが、幼稚園や小学校自体は別々だった為、大井のように幼馴染と呼べるほどの関係では無かった。
それだけでなく、このタイミングで大不況が発生してしまう。ビスマルクの両親は業績悪化による赤字や倒産を防ぐ為に死に物狂いで働いたが、それでも赤字は拡大していく。
(※ここが提督や大井の両親との違いであり、提督の両親は上手く立ち回って赤字を最小限に留め、大井の両親は自分達が会社を経営していた訳では無かったのが逆に幸いした)
当初は有名私立小学校に通っていたビスマルクだったが、両親の業績悪化に伴い一般的な小学校へ転校することになる。

ビスマルクにとって、誇りに思っていた自分の社会的立場や尊敬する両親の立場が危うくなっていることを幼いながらに悟り、良家の令嬢としてのプライドが徐々に崩れていく。
他のクラスメイトに『両親はお金持ちで仕事が出来る。私はお嬢様』と説明しても信じて貰えず、それどころか『じゃあどうしてこんな普通の学校に通ってるの?』と反論されてしまう。
それでも、ビスマルクはいずれ今までのように華やかな生活に戻れることを信じ続けた。しかし、両親の顔は日に日にやつれていく。

中学生になる頃には、かつて住んでいた家さえ売り払い、比較的安い賃貸マンションで暮らすことになってしまう。
既に令嬢としてのプライドが崩れかけていたビスマルクは、両親に『どうして今までの生活に戻れないの?』と問いかける。
すると、両親は疲労困憊した様子で『……大丈夫。いつかは元の生活に戻れる……今は辛抱する時……』と、消えそうなほどに小さな声で呟く。

両親の疲れ果てた様子を見たビスマルクは、それ以上の追及は出来なかった。それどころか、嫌な予感が頭をよぎってしまう。
『このまま私達は没落し続けて、最終的に家を失って路頭に迷うことになっちゃうんじゃ……』そんな考えが浮かんだビスマルクは、言いようのない不安に駆られるようになる。
中学校でも、ずっと嫌な想像が頭から離れない。劣化していく生活環境、弱っていく両親……悪い想像ばかり浮かぶ要素が揃い過ぎていた。
そして、ビスマルクの悪い予感は……予想の斜め下、言い換えれば、最悪の形で現実のものになってしまう。

中学3年生になり、そろそろ高校入試本番や卒業が近付いて来たある日……この頃になると、ビスマルク達はマンションさえ住めなくなり、アパートで質素に暮らさざるを得なくなっていた。
ビスマルクの令嬢としてのプライドはほぼ崩れ去ってしまっていた。両親の実績や立場を自慢するようなことはせず、学費が安いという理由で公立高校合格に向けて受験勉強をしていた。
かつての栄光に縋ろうにも、厳しい現実がビスマルクの自信家だった性格を打ち砕く。彼女はもはや、両親に以前までのような期待は全く抱いていなかった。
だが、決して嫌っている訳では無い。虚ろな目になりながらも、自分や生活の為にと働いてくれている両親を、ビスマルクはむしろ心配していた。

そんな両親は、既に正気を失うほどに追い詰められていた。負債が膨れ上がり、それを返済する為に借金を繰り返した結果、もはや全てが手遅れになってしまっていた。
通常なら自己破産を考えるところだが、精神的に参ってしまっていた両親は、そのような真っ当な手段を取る選択が出来るほどの思考力は残されていなかった。
そして両親は……あろうことか、ビスマルクだけを家に残して夜逃げしてしまう。受験勉強や日々の不安で疲れ果てて眠っていたビスマルクは、そのことに気付けなかった。

翌朝、ビスマルクが目を覚ますと……部屋には借金取りが座っていた。不審者に恐れながらも、ビスマルクは不法侵入だと訴える。
しかし借金取りは、ビスマルクに小さな紙きれを差し出す。そこに書かれていたのは、ビスマルクにとって信じ難い内容だった。
『置いて行ってごめんなさい、ビスマルク』この一言だけで、ビスマルクは全てを察した。自分は借金返済の為に、両親に捨てられたのだ。
(※借金取りが不況に加えて7周目提督の父親がとどめを刺したことを伝える)
借金取りが色々と説明する中、ビスマルクは目の前が真っ暗になった。心配していた両親に裏切られてしまい、もはやプライドなんてものは粉々に破壊され尽くしてしまった。
(※この時点でビスマルクは提督のことをすっかり忘れていた。というより、そんなことを考える余裕さえ無かった)


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