【安価とコンマ】剣と魔法の世界で姫と結ばれたい9
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948: ◆gEU9La026k[saga]
2021/09/23(木) 23:20:46.86 ID:w1jFl8r70
――
……
「……」
「少し、待っていてくれ。今なにか飲むものを用意する」
「あ……」
「……っ」
「ん? どうした――」
言い終える前に、ジークはその体勢を崩していた。
一体何が? 予想だにしていなかったことに頭の動きも鈍る。
(リアローズに引っ張られた……?)
一応は答えに辿りつく。
しかしいくら存外に鍛えられているとはいえ、姫の細腕に引かれただけで体勢を崩すだろうか。
普段であれば、咄嗟の反応もできたかもしれない。
だが今はそれもできずに、踏み止まることさえもできない。
これが戦場であったなら、文句なく致命的な隙だ。
この状況下でまさかリアローズに引っ張られるとは思わなかった?
カタリナが犠牲となったことの動揺が残っていた?
どんな理由があろうと、結果は変わらないが。
「う……!?」
やがて倒れ込んだジークの顔は何かに包み込まれた。
(これ、は……)
温かく、柔らかい。
じわりと染み込んでくるような優しさを感じ、身体の力はさらに抜けていく。
ただ、落ち着く。
これ以外の言葉は思いつかなかった。
「ジークさん……」
「なっ――!?」
それの正体が、豊かに実ったリアローズの胸であるということに気がつくのには、少し時間がかかった。
表情は窺えないが、僅かに染まった頬の色は彼女の羞恥を……
そしてこの状況の不味さを、何よりも物語っていた。
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