[咲-Saki-][安価]京太郎「マッサージ屋-KYO-、開店です!」咲「」[R18?]
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557: ◆1jhB/ltcIM[saga]
2021/12/30(木) 23:30:32.29 ID:mVaP71Lr0

「どーん! お前のご主人様のお帰りだじぇ! 久しぶりだな!」

「おー、なんだ優希か。咲か和にでも聞いたのか?」

驚かせるべく突進した優希だったがあっさりと身体能力差で受け止められて持ち上げられる。

「ん? いやネットで。というか、のどちゃんも咲ちゃんも知ってて知らせないとか友達甲斐がないじぇ」

そうは言っても優希としてもあの二人が隠すのはまあ分からないでもないと納得する。
何しろ高校時代あからさまに京太郎への好意を隠してなかったのは優希だ。
咲は独特の距離感で好意というよりは執着していた感じであるし、和は1年組の中で最も恋愛感情を自覚するのが遅れていた。

優希だって自分一人が見つけた状態なら二人に知らせたか分からない。和は京太郎の好みのタイプだし咲はなにしろ付き合いの年季が違う。
中でも一番女と見られていなかったのは優希だろう。色々したにもかかわらず扱いが上昇しなかったという点では悲しみしかない。

とはいえ優希の絡み方は基本的に悪友の横暴さを兼ね備えていた感じであり、そこに京太郎が咲の扱いに慣れていたことから恋愛感情を見出すことはなかった。
アプローチも何だかんだでからかったり肝心なところでへたれたりと、ノリの軽さが目立ってガチ感が足りなかったのが敗因だろう。

それにしても三者三様に想いを寄せられていながら学生時代一切気づかなかったということを考えれば間違いなく京太郎は鈍感だろう。

「しっかしタコス屋になるかと思えばこんな店を構えるとは思わなかったじぇ」

「いやタコス屋の方がねーよ。ぶっちゃけ作り慣れたけどお前好みにカスタマイズされすぎてたし」

一優希のパフォーマンスとテンションをあげることに特化した特注品を作り続けただけで、コスパや売れ行きといった経営観念は完全に度外視の3年間だった。

本格的に学んだはずのマッサージでさえ今では道を踏み外し完全にいけない店になっている。
ある意味ではタコスを志した方が世間的には平和だったし被害者も生まなかっただろうが過去は変えられない。

同時に現状の爛れきった有様を受け入れ沼から抜けられなくなっている女性陣も相当いるのだが、そんな裏事情は優希が知るわけもない。

「ま、お前の腕が高校時代からどれぐらい上がったか見せてもらうじぇ」

優希、咲、久あたりは専門的に学ぶ前の手際をその身に受けている。
和やまこがその中に含まれていないのは異性への羞恥心とスタンスや性格の差。

今も優希は無防備に京太郎に体を預けるし、京太郎の方もいきなり手を出したりすることはない。
むしろ空いた時間を生めるように取り留めもないこれまでにあった日々を雑談にしながらリラックスした様子で優希の体の疲れをとる。

「けど、京太郎がもう社会人か。立派になったもんだな、あの雑用犬が」

悪意一切なしでこういう軽口を叩けるのは優希にとって心を許している表れでもある。
はたから聞かれれば噛みつく人間もいるだろうが、性質を理解している京太郎は軽く肩をすくめるだけで流す。

「昔っからお前はあんま凝らないけど変な動きするから姿勢矯正の方やってくからな」

「うむ、くるしゅうない」

きわめて平和な時間を過ごし、優希は自分の中に燻っていた気持ちが消えていないどころかむしろ離れていた時間によって過熱していたことを自覚するのだった。

なお余談ではあるが、優希はこの日何とはなしに付けたテレビで『魔王の電撃引退』のニュースを目にし、口に含んでいたジュースを盛大に零すことになる。


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