怪異探偵ソリィバレッタ「赤いドレスは血の先触れ」
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159:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:57:28.54 ID:z8WhOIbA0
「さあ、悲鳴を…あげてよ…じゃないとまた私、飽きられ…捨てられちゃう…」ギリ…ギリ…
「なきごえ…の…かちもないなら…だったら…もう、いらない…用済み…」ギリ…
締め上げられ薄れる意識の底、最後に残ったのは削ぎ落とされるような絶望。無意識に引きずり出されたのは湿ってお腹を重くするような罪悪感。
160:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:58:22.10 ID:z8WhOIbA0
懐かしいなぁ。
底の底に沈んだ名残。契約の残り香。置き土産の霊気。
積み重なった彼との思い出が、塵と変わり果てても尚。
バレッタ「同調、怪異“再現”──」
161:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:59:23.44 ID:z8WhOIbA0
バッギャアァッ!
「──な、にっ…!」
バレッタ「擬態怪法。『タイム・フェイク=ディープロック』…!」ピシィイイ───
162:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:59:57.19 ID:z8WhOIbA0
バレッタ「…構えの必要が無い分、威力に欠けるのが難点ですが」ゴフッ
バレッタ「ですが…これであなたを捕まえる手段は…用意できた、みたいだ」ガシッ
「な…はな、せ…!」
163:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 12:00:31.74 ID:z8WhOIbA0
嘘つき。嘘つき。嘘ばっかり。
恋は口だけ。愛は語るだけ。大切にするなんて嘘っぱち。
戦わせた。死なせた。守れなかった。また死なせた。
楽しませられない。喜ばせられない。何もできないから、また飽きられた。
あなたと一緒にいられて、嬉しいのはいつも私だけ。
164:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 12:01:23.31 ID:z8WhOIbA0
勝手に決めつけ、勝手に追い込まれ、悩んでるフリをしながら捨てられると思い込み。目を逸らして、耳を塞いで、私なんかを褒めてくれた、あなたを忘れたみたいに。
はじめからあなたはどこにもいってなかった。
私だけが逃げて、迷って、余計な回り道ばかりして。
165:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 12:02:03.09 ID:z8WhOIbA0
永遠が欲しい。幸せが欲しい。あなただけに愛されたい。
馬鹿にしてほしい。なじってほしい。吹き出して、面白がられて。
贅沢言えば、私に興味を持ってもらいたいな。
私には過ぎた話かしら。私が人間に生まれたから?私に何の力もないから?普通にまっとうに常識的に考えれば、永遠は否定されるべきだから?生者と死者だから?マスターとサーヴァントだから?
166:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 12:02:30.67 ID:z8WhOIbA0
諦めたくない。一緒に居たい。醜い妄執戀が私の正体。
町を作った。怪物を愛した。一人で遊ぶしかなかったから、怪物(わたし)はさんざん楽しんだ。
最初の願いから遠ざかっても。
さあ私は一体、誰でしょう。
167:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 12:03:12.73 ID:z8WhOIbA0
「私、もういくわ。確かめたいことがあるし…ここへはもう二度と来ないから」
何もない町。いつの間にかバレッタは見慣れた姿の彼女と一緒に、閉店したアパレルショップの並ぶ通りを歩いていた。
彼女は後ろ手に組んで前を歩いている。左手の薬指にはバレッタには意味のわからなかった、ゴールドのリング。
168:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 12:03:48.12 ID:z8WhOIbA0
バレッタ「あの…ここはあなたの町では?」
「うん。だから、もう二度と来ない」
背を向けたまま彼女が言う。長い赤髪が歩く度に揺れる。ヒールの靴音が静かに響く。
169:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 12:04:21.02 ID:z8WhOIbA0
バレッタ「自分の考えだけ…自分の気持ちだけですか、あなたは」
「…うん。ごめんね」
バレッタ「…謝らないでください。最低です、あなたは」
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