【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】
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573: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2022/09/17(土) 22:04:15.11 ID:Pn3iFO+K0
陽乃『何かがあれば。ね』
陽乃がそう答えると、ひなたは『何もない時なんてありましたっけ』なんて呟く。
運が悪いのか、陽乃はいつも災厄に見舞われている。
バーテックスも、大社も、四国に住まう人々も。
陽乃に対しての当たりは強く、心休まる場面が少なかったのは、ひなたも理解しているところだ。
そもそも、今だって十分に有事だと言えるだろうに、
それで何もないだなんて誰が認めるだろうか。
ひなたは唇をキュッと結ぶ。
陽乃といるからか、自嘲が癖になりそうだとひなたは思っているようで、
漏れかけたそれを飲み下して、喉を鳴らした。
ひなた『……若葉ちゃんの件が無事に済んだら、戻ってきます』
陽乃『余計なことは考えないようにしなさい』
ひなた『分かってます』
気持ちが通じ合うことが重要なら、
雑念が混じってしまえばリスクが大幅に増加することになる。
だからこその助言だろうと察したひなたは、感謝の意を込めて、陽乃の右手を摩る。
ひなた『若葉ちゃんは私の大切な幼馴染ですが、久遠さんは私の命の恩人です』
どちらも大切で、失いたくないと思っている。
そうしてそれは若葉も同じだろう。
3年前のあの日以前からの付き合いで、あの日も共にあり、死地を駆け抜けたひなたの幼馴染。
精霊を多用することによる副作用で少し荒れているみたいだけれど、
その心根までも曲がることはないと信じている。
ひなたは、久遠さんの幼馴染だったら。と、少しだけ考える。
そうだったなら、正式な巫女であれたのだろうかと。
傷つけ、傷つけられ続ける心を、守ってあげられるだけの何かがあっただろうか。と。
ひなた『行ってきます』
今はまだ、返答がないだろう言葉を残し、ひなたはもう一度、病室を出て行った。
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