156: ◆WEXKq961xY[saga]
2023/04/09(日) 16:31:02.15 ID:++s700uXo
…
カツラギ「…ん」ムクリ
カツラギ「喉乾いた…」ノソ
水を飲もうと寝室を出ると、リビングのソファに座ってミリィが何か書き物をしていた。
ミリィ「」カリカリカリ
カツラギ「何やってるんだ」
ミリィ「!」
ミリィが顔を上げる。テーブルの上には小さな妖精らしきものがふわふわと浮かんでいて、広げた本に光を落としていた。
ミリィ「魔術のお勉強よ」
カツラギ「精霊術のか?」
ミリィ「ええ。あたしの十八番だしね」
カツラギ「ふぅん…」
何枚も書かれた紙を覗き込む。魔法陣のような、地図のような、よく分からない図形が描かれている。しかし、獣身術師のカツラギには、少しだけ分かる箇所があった。
カツラギ「…生命樹か」
ミリィ「そう。あたしは詳しくないけど、獣身術でも使うんでしょ?」
カツラギ「ああ。枝から枝へ、進化の軌跡を行ったり来たりするのが獣身術。…精霊術は?」
するとミリィは、樹の幹を指差した。
ミリィ「この中にいて、樹の外をたゆたう無数の精霊と交信し、必要に応じて呼び寄せるの。例えば、この子は光の精霊。名前は『ルクス』」
ルクス「___」
テーブルの上に浮かぶ精霊が、くるりと宙返りした。
ミリィ「こうやって光を借りたり、姿を隠したりするときに力を借りるの。他の術も一緒。火が必要なら『ファーレンハイト』。水が必要なら『ガロン』、風を起こしたい時は『パスカル』…あたしのお友達の名前」
カツラギ「人によって呼び出す精霊の名前が違うのか」
ミリィ「そうね。でも、本当は皆同じ存在で、何て呼ばれたかで誰が呼んだか判断してるだけなのかも。精霊の気持ちは、人間には完全には理解できないのよ」
カツラギ「そりゃそうだろうな…水、貰うぜ」
カツラギは隅の水瓶から中身を掬うと、ごくりと飲み込んだ。
…
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