458: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/03/02(日) 13:27:07.87 ID:GhSZTFueO
魔術省の庁舎の最上階。空色の髪を肩で揃えた偽りのショタであるカーロンがレンとテーブルで向かい合う。
レン「なんでこんなにお菓子ケータリングされてるのよ」
カーロン「ワシの愛らしいビジュアルに公務員のおなご達がお裾分けしてきてのう。断るのも悪いので置いてるんじゃ。ワシはこういう甘いのより煎餅とかが好きじゃが。ほれ緑茶」
カーロンに呼ばれたレンは何事かと思った。先日のセピア国の魔物を解放し、魔物闘技場の非合法エリアを廃止させたことについて詳しく聞きたいのかと思ったがそういうことではないらしい。
レン「もっぐもっぐ」
魔術大臣であるカーロンの執務室には巨大な本棚や書類の山。何に使うか分からない魔導具に溢れている。はっきり言って雑然としていた。
レン「賢者様らしいわ。んでなんの用なの。セピア国の魔物は大丈夫?」
カーロン「おお〜ビーストテイマーの……なんとかってのが依頼を受けたと聞いたが、お主も一枚噛んでくれていたらしいの。本当に感謝しておる。セピア国との和解に大きく前進じゃよ」
カーロン「今日はその事ではなくてな、お主死んでくれんか」
レンが執務室の扉を見る。暗殺者が飛び出してくる様子はない。目の前の500歳の大賢者も魔法を発動する素振りもない。
レン「物騒なこというのやめてよね。どういうこと?」
カーロン「ふー…寿命縮まるわ。お主殺気でそこまで圧を出せるのか……王族直属占星術師が不吉な予言をしておってのう。アスモデウスがお主、というかレンを狙っておるらしいぞ」
アスモデウスとは、7年前に勇者レンが退けたソロモン72柱の最上位魔族の1体。レンが勇者の称号を得て、国が100年ぶりの勇者の誕生を認めたきっかけの存在でもある。
レン「ええ〜〜…………マジ」
激しい闘いの末アスモデウスの片腕を切り落とし撤退させたという逸話だけが伝わっているが、不意打ち待ち伏せ上等で運にも助けられた勝利だった記憶が甦る。
カーロン「お主が持ってきた闇のダイヤモンドもアスモデウスに献上する闇アイテムだったみたいでの。アスモデウスにとってアップル王国などどうでも良いのよ。奴の狙いは最早お主のみ」
レン「国に被害が及ばないようにあたしが死んだってことにしてアスモデウスの火の粉がかからないようにしようって?」
カーロン「お主にとってもそれが良いじゃろ。お主も強くなってるとはいえ、あんな化け物とまた闘えるか。強力なパーティができたとはいえそれを失う可能性は大いにある」
レン「確かにそれは嫌ね!あと、あたしがレンだってことは確かに魔族は知らないみたい。そのお陰で何度か不意打ちに成功してるし」
カーロン「今まではな。いつどこで奴らにお主がレンだと気付かれるか分からん。国内にも魔族が紛れている可能性はあるし、派手に国葬を行えば嫌でも奴らにも勇者レン死亡の情報は伝わるじゃろ。他の小粒な魔物がそれを好機として攻め込んできても、アスモデウスよりは遥かにマシじゃ。何より、本当はお主は死んでおらず戦力は下がっておらんのだからな」
レン「でも、死んだことにするの〜〜…………んんー故郷のみんな悲しむだろうな〜」
カーロン「すまんのう事実を伝えるわけにもいかん。お主がレンだと知っておるのはお主のパーティと他の勇者、ワシ、ワシが信頼を置く貴族、あとは王か。これ以上増やすわけにも行くまいどこから漏れるか分からん。」
レン「んん〜〜」
カーロン「お主が首を縦に振ってくれれば3日後にも騎士団を動かし、盛大に弔わせて貰うぞ」
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