537: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/10/14(火) 23:55:16.37 ID:K4MfLIOo0
魔王城最上階近く、ベルゼブブの部屋で豪奢な椅子に脚を組んで座っているベルゼブブの顔色は優れなかった。心配そうな風情でリンが両手を後ろで組んで付き従っていた。
ベルゼブブ「…フィアも死んでいるようだな」
リン「はい、幹部の集会にも姿を現さず魔力反応もありません…恐らく死神に」
ベルゼブブ「ウルシ…そしてアップル王国の勇者達…それ以外にも、人間領には幹部と戦える者が複数いる。これは数百年前では考えられぬ話だ」
リン「人間など、数ばかり多くて、ごく稀にオルフィア様のような例外が生まれるだけの存在と思っておりましたが…」
ベルゼブブ「魔王様は問題にしていないが、すでに大幹部三体にダレス、マグナス、ソロモン72柱の幹部達という強者が短期間に撃破されている。しかも我々に悟られぬように、なにやら水面下で動いているようだ」
リン「もしや魔王城に攻撃を」
ベルゼブブ「それもありうる、我々も急がねばなるまい」
リン「お言葉ですが、魔王様、何よりベルゼブブ様がおられる以上人間など物の数では無いかと」
ベルゼブブ「将として万全を期すのは当然のこと。人間どもが魔王様の心労になるなど万が一にも許されぬ。ヴァンガードの編成を急げ」
ヴァンガードとは魔王軍内外からスカウトしたメンバーにより編成される対人間殲滅部隊。ベルゼブブが直々に動き、硬軟織り交ぜた交渉で在野の強者を選りすぐっている。それだけ彼は人間を警戒していた。
スマートながらも険しい表情で分厚い本に目を落とす主の姿をリンは見つめた。ベルゼブブがここまで献身的だというのに魔王やオルフィアは何を余裕ぶっているのか。そもそも魔王お気に入りのバンダースナッチもオルフィアとの子供であるフィアも殺されている。腹立たしくはないのか。
リン(我々が人間どもと闘う理由は…ベルゼブブ様が魔王様に忠誠を誓う故…我々はそれに従うだけだと思っていましたが……)
ベルゼブブありきの魔王への忠誠を持つリンだが、それも怪しくなってきた。モヤモヤした心境に苛まれていると、そこに1人の幹部が入室する。
ベルゼブブ「オーダーズ。よく来てくれた」
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