【安価コンマ】帝国に追い狩られる姫と騎士・幾度繰り返してもお守りします
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907: ◆ra.jqt4ROA[saga]
2026/04/05(日) 17:32:15.60 ID:/AASZ07h0
「「!」」

アミィと女の視線が交錯する。ジト目は女は当然のようにアミィの潜伏を察知していた。

鋭い手刀がアミィの首筋目掛け繰り出される…が、読み切っていたアミィは風魔法で腕の軌道を反らし、反撃の蹴りをお見舞いする。

「ぅおっと」

しかし女は蹴りを曲芸のように身を反らし回避すると同時に高く跳躍する。

「お姉さん強いねぇ。あーあ結構値打ちモノっぽかったのに」

刹那の攻防は決定打を欠き引き分け……ではない。アミィの手には奪取した貴女のレイピアが握られれている。

攻防の間にアミィが取り返したのだ。

「それ返したしさ、これでチャラってことにしてくれない?」

女は建物の上に登っているのではなく、片手で壁に張り付いたまま涼しい顔をして言ってのける。

「ほざくな。貴様には聞きたいことがある。大人しくしてもらうぞ」

「え〜いいじゃんこういう街じゃスリなんてどこにでもいるしさぁ。ちょっとした出来心だよ?寛大に許してよ」

(なんだこいつ……合成魔獣か?それとも本当にタダのスリか?いずれにしてもこの態度は引っかかる…

こんな修羅場いくらでも経験したかのように…落ち着きすぎている)

「うわっ!」

女の子頬をアミィの矢が掠める。そう、彼女の狙いすました狙撃は回避されてしまったのだ。

「ここに留まってると命がいくらあっても足りなそうだし今はお暇させてもらおうかな」

(アミィの矢を事も無げに回避した…!?やはり只者ではない)

「貴様、何者だ!」

「ふふっ、よくぞ聞いてくれました。ある時はしがないスリ…またある時はどこにでもいる街娘……

しかしてその実態は!世間を騒がせる大泥棒、怪盗ゲッコーとは私のことさ!」

「ゲッコーですって…!?」

「おおっと、知ってくれているとは光栄の極みだ。なにせまだまだ若輩者なのでね」

「なら余計に逃がす訳にはいかなくなったわ!」

「怖いエルフのお姉さん…それに剣聖様もまたお会いしましょう。君たちのお宝、必ず頂戴するよ。アデュー♪」

緑色の目元を隠す怪盗マスクを付けたゲッコーがあっという間に闇夜に消えていった。

丁度陽が落ちる時間帯……どうやら時を稼がれていたようだ。

「ごめんなさいシャルちゃん…ちょっと熱くなっちゃった」

「剣を取り返してくれただけで十分だ。それより奴は…」

「ええ。自分で名乗った通り『怪盗ゲッコー』…ギルドでも指名手配されてる犯罪者よ。

シャルちゃんが気にしてるのは、ゲッコーが合成魔獣かどうかってことよね」

アミィの言葉通り、アミィの攻撃を二度も躱した反応速度に、魔力抜きで壁に張り付いた能力……

これで諦めた様子はなかったことからして、ヤツが合成魔獣だろうと人だろうと、対決は避けられないだろう。


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