【安価コンマ】帝国に追い狩られる姫と騎士・幾度繰り返してもお守りします
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◆ra.jqt4ROA
[saga]
2026/05/09(土) 09:29:47.82 ID:McvJlec/0
「わざわざ出てきやがって馬鹿が!てめぇもお前も!こいつで黙らせ──」
ズド
「……あ?」
ボルギスが素っ頓狂な声を出す。何が起こったのか。
フウラの足足首から伸びる氷の刃が水晶を掲げようとした腕を貫き、胴体深くまで達していた。
「ご…ごふぁ!?」
「お頭ぁあああ!」「許さねぇ!」「お頭の仇だぁ!」
「「「ぶごっ」」」
口々に叫んだ盗賊団を貴女が一振りで死体に変える。
ボルギスという司令塔を失った賊たちはまさに烏合の衆。統制も闘志もなく、ただ個々に慌てるだけの者たちは最早貴方とフウラの脅威ではない。
貴女が一人斬り捨て、フウラが二人を黙らせ、貴女が三人を貫き、フウラが四人を躯に変える。
畳み掛ける貴女たちに盗賊団は抵抗もロクにできずとてつもない速さで壊滅への一途を辿る。
(脆い…魔具の力が消えた途端にこの有様か)
これならばゴルトリスの群れの方が、遥かに脅威的だった。
「くそっ!オイてめぇら時間を稼げ!その間に、俺…が……」
痛みを堪え力を振り絞って叫んだボルギスの声が尻すぼみに小さくなっていく。
周囲を見回し、もう生きている子分が誰一人居ない事に気づいたのだ。
「…ゆ、許してくれ!俺らは帝国の命令で仕方なくやっただけなんだ!頼む見逃してくれよ!」
もう見栄を張って見せる部下が居なくなった盗賊の頭だった男の取った手段は、闘争ではなく命乞いだった。
「馬鹿?許す訳ない」
「そんなこと言わず許してくれよ!な!な!」
不思議だ。仮にも自分たちと同じ人が情に訴えかけているのに、少しも躊躇する気持ちが湧いて来ない。
今すぐレイピアを振るう事に、躊躇いがまったく無い。
貴女はかつてその日を生きるのに精一杯な貧しい暮らしをしていた人間だ。持たざる者が富める者を羨み妬む気持ちは分かるつもりだ。
しかし盗賊の行為は貧富の差は関係なく命も体も金も誇りも奪う者たち……
貴女が今現在も貧しき身分のままだったとして、ボルギスを殺すことを気に病む事も無いだろう。
「駄目だ。ここで惨めに死ね」
「そう…かよ!」
案の定、ボルギスは足元に隠していた水晶を拾い上げ、勢いのまま貴女へ翳す。
「指一本動かすんじゃねぇ!!」
ボルギスが拘束した対象は…
「なっ…!!?」
自分だった。
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