【安価コンマ】帝国に追い狩られる姫と騎士・幾度繰り返してもお守りします
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39: ◆ra.jqt4ROA[saga]
2026/04/19(日) 11:55:56.67 ID:jUjc2DdB0
「ほ、本当にここなのですか?」

目の前に見える建物は、人が数人住める程度の大きさはあるが…見出せる利点が他にあるとは思えない廃墟同然の建物だった。

窓ガラスにはヒビ割れが入り、ドアの建付けは見るからに劣悪で、壁の穴は修繕し切れていない。

『土塊の魔女』クランの看板や、依頼募集中の張り紙が無ければここに人が住んでいる事が貴女には信じられない。

「そのはず、だけど…パラちゃーん?」

アミィさんがドアをノックしながら呼びかける。

「「…」」

しばし待つが反応らしい反応が返ってこない。留守を疑ったその時、ドタドタと建物の奥から徐々に大きくなり音が迫り、貴女は思わずアミィさんの背に隠れる。

「やあようこそ歓迎するよ!ようこそ我らがクランへ!どんなご依頼でも喜んでお受け致しますとも!美しいお方!」

ドアを豪快に開くなりまくし立てたのはパラピノさんではなく、貴族のような恰好をした端正な顔の女性だった。

「いや、私たちは依頼者じゃなくて!」

「エルサ!またそうやって勝手に話を進めようとして!お客様が困惑していらっしゃるのが見て分かりませんの!?」

奥から現れたのは、金髪ロング縦ロールをした、高級なローブを身に纏うご令嬢のような姿。

「おや、これは失敬。貴女たちのような美しい女性を目にするとどうにも高揚してしまう質でね」

「は、はぁ…?」

ウィンクして見せる女性にますます警戒心を強めた貴女は、さらにアミィさんの後ろに身を隠す。

「だから、そういうところだといつも仰っていますのよ!」

声を荒げる常識のありそうな令嬢と、言われて肩をすくめる彼女は身なりだけなら王城に居てもおかしくはない。

それがこんな廃墟同然の建物から出てくるというアンバランスさが、不気味ですらある。

「うぇーいアミィおはよ〜〜………」

そして最後に現れたのは、昨日会ったパラピノだった。

その顔には生気がなくげっそりしている。

「パラちゃんどうしたの?」

「いやぁー話せば長くなるけど、まあ筆舌に尽くしがたいことがあってさぁ」

「どこがですの!昨日フウラさんと堂々巡りの魔法議論をした挙句なぜか飲みで決着をつけることになって、二人とも酔いつぶれただけじゃありませんか!」

「さっすがフローラ的確ぅ……うぇ………」

(この方たち大丈夫なのでしょうか……?)

アミィさんの知り合いの冒険者のようだが、以前城下町で見た道化師たちがこんな具合の間抜けさだったことを貴女は思い出す。

「んごふっ…げふっ…ごほん!気を取り直してぇ…ようこそ『土塊の魔女』クランへ!歓迎するよー!」


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