75: ◆ib9hhE8.ARVU[saga]
2026/08/08(土) 23:16:22.14 ID:esP1g021O
〜ツギノシティ〜
シリルに保護されたユウトは、トレーナーのサポートをしてくれるサポートセンターに来ていた。
そこで無償提供されている衣服を着用し、スタミナ薬を飲み、元気を取り戻すと次なる目的地を定める。
ユウト「話に聞いてたけど便利だね、この施設。ボクたちトレーナーはメスモンの攻撃に耐えなきゃいけないから、これからお世話になりそうだなー」
シリル「……そうだね……」
自動ドアをくぐり外に出た主人の後に続くシリルは、ケモ耳をぺたんと折って俯いている。
マリナとのバトルでトレーナーを守ることが出来なかった自分をずっと責めていた。優しいユウトに色んな言葉で励ましてもらったが、心のモヤモヤが晴れなかった。
そんな元気のない彼女の手に小さな手が重なり、そっと指が絡まる。
シリル「!」
ユウト「ねえシリル、あっちに美味しそうなジュースが売ってたよ。買いに行こうよ!」
屈託のない笑顔でくいくいと引っ張られる。
彼なりにどうにか元気づけようとしてくれているらしい。
シリル「……うんっ」
主人の幾度とない気遣いに触れて、いつまでもくよくよしていられないと前を向くことにした。
この先、勝つこともあれば、また負けることだってあるだろう。その度に落ち込んでいてはキリがない。
旅はまだ、始まったばかりなのだ。
〜メスモントレーニング施設〜
野生メスモンとのバトルを経て特訓をしようと意気込んだユウトとシリルは、メスモントレーナーであれば誰もが訪れるであろう施設の中にいた。
案内嬢「では、説明は以上となります! お部屋にご案内しますね!」
カウンターで綺麗な女性から詳しい話を聞いた後、トレーニングルームへ連れて行ってもらうことになった。
エレベーターを待っている間、ユウトはどうしても気になったことを質問する。
ユウト「あの……ちょっといいですか?」
案内嬢「どうぞ!」
ユウト「ここって完全防音設備だって言ってたけど、外にまで声が響いてましたよ」
トレーナーとメスモンがどんな激しい特訓をしても大丈夫なように、トレーニングルームは一切の音を遮断するらしい。
しかし建物に入ろうとした時、トレーナーやメスモンの声が漏れ聞こえてしまっていた。
案内嬢「ああ、あれは特訓の一環ですね!」
ユウト「特訓?」
案内嬢「わざと部屋の窓を開けて、声を我慢する練習をするトレーナーさんもいるようです!」
ユウト「な、なるほど」
案内嬢「他にも声を聴かせることで興奮度をアップさせ、その状況でメスモンのわざに耐える訓練だとか! 理由は様々です!」
ユウト「……」
自分もいつか、そのような特訓をしなければいけない日が来るのだろうかと羞恥心が沸き起こる。
いや、トレーナーである以上はいかなる状況にも対応しなくちゃいけない。
でなければバッジ集めなど夢のまた夢。ユウトは気を引き締めるのだった。
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