過去ログ - 【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」【長編小説】
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31:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/06(土) 15:31:10.72 ID:gCTWDI1i0


その「患者」が現れたのは、それから三日後の午前中のことだった。
夏の暑い中だというのに長袖を着た、女子高生と思われる女の子と、その母親だった。
圭介は、座ったまま何も話そうとしない女の子と、青ざめた顔をしている母親を交互に見ると、部屋の隅の冷蔵庫から麦茶を取り出して、紙コップに注いだ。
そして二人の前に置く。

「どうぞ。外は暑かったでしょう?」

女の子に反応はない。


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