過去ログ - らき☆すた SS 〜俺、こなたのおむつ替えだってやってたんだぜ?フフン〜
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21:コンクール参加作品 Desire[saga]
2008/11/04(火) 23:48:38.30 ID:93rR.Jk0

 三年生になり、受験生となったわたしの周囲は、とても慌しくなってきました。その中でも泉さんは自分のペースを崩すことなく過ごしていました。かがみさんはその事についてよく泉さんに意見していましたが、泉さんはあまりちゃんと聞いていないようでした。進路や受験をまるで他人事のように受け止めている泉さんを、わたしも少し心配でした。このまま進路も決まらずに卒業するのではないか?など、よからぬ考えが頭から離れませんでした。
 二学期が始まってすぐのある日の放課後、わたしは委員会の人に「いつまで泉さんと付き合っているの?」と聞かれました。わたしはその質問の意図がつかめず、どういうことなのかと問い返しました。その人は泉さんの成績の事を持ち出してきました。そして、あまり良くない生活態度の事も。そして、それがわたしにとっての悪影響になると。その人は言いました「友達は選んだ方がいいよ」…わたしは頭の奥の方が熱くなるのを感じていました。
 冗談じゃない。わたしが嫌々泉さんに付き合ってるとでも言うのか。泉さんと友達でいる事を決めたのはわたしだ。あなたじゃない。泉さん自身にならともかくあなたにそんな事を言われたくない。泉さんの事を何も知らないくせに。
 その人がその場からいなくなった後も、わたしの頭の熱はなかなか冷めませんでした。これほどまでに人に強く意見した事などいつ以来だったでしょうか。少し頭が冷えるのを待って、私はその場を離れようとしました。その時にばつの悪そうな顔でこちらを見ている泉さんに気がつきました。
 わたしが声をかけるより早く、泉さんが「みゆきさん、大丈夫?」と話しかけてきました。わたしはその質問には答えず、逆に泉さんにどこから聞いていたのかを質問していました。泉さんはわたしから目を逸らして、最初の方から聞いていたと素直に答えてくれました。わたしが何を言うべきか迷っていると、泉さんがもう用事がないなら一緒に帰ろうかと、誘ってくれました。
 泉さんの提案で、わたし達はバスを使わず徒歩で駅に向かう事になりました。そして、気がつきました。泉さんと二人きりで下校するのは、これが初めてではないかと。
 しばらくは二人とも無言で歩いていました。わたしは、先ほどの事を泉さんがどう思ってるのかそればかり考えていて、何か適当な事も話す事は出来ませんでした。
「さっきのアレ、わたしのために怒ってくれたのかな?」
 駅まで半分ほど来た辺りで、泉さんは唐突にそう聞いてきました。わたしはは黙ってうなずきました。そのわたしを見て泉さんは目を瞑ってしばらく考えるような仕草の後、いつもと同じ笑顔を浮かべわたしに向かって親指を立てて見せ、こう言いました。
「いやーおしい。女同士じゃなかったらコレ絶対フラグ立ってたね」
 わたしはそんな彼女に対し、苦笑するしかありませんでした。




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