過去ログ - 【恋の三角関数】スズカの好きな唇はそっち?こっち?それとも…【愛美と雪の板挟み】
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19:スズカ♂ ◆ZOIS.I0.aM[sage]
2011/03/17(木) 22:42:07.60 ID:NB3Gf5HUo
聞き取りづらい声だと思っていたけれど、愛美にとっては良い声らしい。
褒められたのでありがとうを口にしようとすると、被せ気味で愛美が言った。

『ありがとう、スズカ』

「…どういたしまして。こちらこそありがとう、愛美」

少しして、微かに笑い声が聞こえてきたのでこっそり胸をなでおろす。
愛美と一緒になってくすくすと小さな笑い声をあげた。

『スズカのことね。お母さんもお父さんも玲も、皆が心配してた』

「それは申し訳ないことをしちゃったなあ。顔くらい出せばよかった」

『だめ。来たら私が許さない』

「え、どうして?」

『危ないでしょ』

「あ、ごめんなさい」

それから少しのあいだ通話を続けたけれど、「好き」や「会いたい」といった言葉を口にはしなかった。
だから、内容のない会話だった。それでも、不安で空っぽだった胸には、いつの間にか幸せな気持ちが溢れていた。

「さてと…寝ますかっ」

『寝ますかっ、だって。かわいい』

「…寝ますよ!」

『うるさーい』

愛美の呂律が回っていない。酔っているのではあるまいな……。
普段から早寝をしている愛美にとって、今は本来であれば寝ている時間。
付き合わせちゃって私は阿呆だなあ、と我儘な自分を悔やみながら、私と愛美は就寝の挨拶として「また明日」を交わした。

通話を終えて、ケータイの画面をぼんやり見ていると、あることに気づいた。
今日は土曜日だ。
本来であれば数時間後に、愛美が私の家に来る予定だった。
そのことに気づくと、愛美に会いたくなった。


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