過去ログ - 【泣いたり笑ったり】能力者スレ【できなくさせてやる】
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]
2014/01/06(月) 23:36:54.95 ID:qWVqlQJno
【街中】
【からん、ころん。人通りの少ない道に響くは下駄の音、其れを奏でるは一人の男。着物の上に淡藍のインバネス・コートという古風な格好には下駄が良く似合う】
【とは言うものの、やはり今では滅多に効かない「からん、ころん」という足音は耳に残るのだろう。色々お洒落な靴が揃う中、しかも冬。その中で響くのだから余計に際立つのだ】
【―――だが際立っているのは音だけではなかった。聴覚はおろか、視覚にまでその異質が現れていた。―――その下駄は、普通の下駄では無かったからである】
【……―――「一本下駄」。それも異常に歯(接地用の突起部)が長く、20cm近くもあるように見える。どう考えても立つことすら困難なほど不安定な筈なのだが―――】
【その下駄を履く男は、まるで普通の下駄を履いているかのように歩いていた。全くぐらつく様子もなく、からんころんと音を立てて歩いているのが、余計に奇妙だった】
……この鍛錬は流石に大通りでは出来ないよな。久しぶりに履いたが、何だか前よりも滑らかに歩ける……鍛錬の成果が出ている、ということか。
―――……190cmからの視界がこんなものか。いつもの風景とは全く別のモノに見える……いや、別に羨ましがってなどいないぞ、いないのだ……
【不安定な下駄を履きながら、全くその様子を感じさせずに歩いている―――本人もその事実に驚いていた。話しによればコレも鍛錬の一つらしい】
【人影が無いからかブツブツと独り言を零しながら夜の街をからんころんと彷徨く。心の中では誰にも会わず、怪しまれずに帰路に着けるように祈っている自分自身が存在していた】
【偶に夜風に揺れるインバネスコートの右肩部分には緋色の鷹の紋章が縫われており、そして彼の左腰にはその緋色に近い茜色の鞘に包まれた刀が佩かれていた】
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