過去ログ - ここだけ純ファンタジー世界
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20:ハードレイン・ピロウズ ◆R14/hMGVIo[sage saga]
2016/08/17(水) 20:59:25.78 ID:ucB4nfVIo
>>19
外へ足を踏み出すと、ひやりと冷気を纏った風が被毛を靡かせる。人肌だったならどれだけ気持ち良かっただろうか、残念ながら感じ取る事はできない。
周囲にできたこじんまりとした野次馬集団を一瞥すると、やや大仰に溜息を吐いて。

無謀な事に、どうやら先手はこちらに譲るつもりらしい。相手の実力を見極められない程の馬鹿とはまったく、救いようのないものだ。
同時に、ずいと並んだ少女の言葉を耳にしてやや無遠慮に数秒、その表情を見つめて、

「……分かった、そっちは任せる。アイツらの言葉が間違いだって証明してやれよ」

ニッ、とギザギザの歯列を見せる。攻撃的にも思えるが、少女からするとお遊び程度の意思しか感じられない程度だろうもの。
すぐさま男たちへ向き直り、今度は彼らへと此方の戦闘体勢が整った事を見せる。
意識を向けてはいないが、野次馬の中には賭事を始める目敏い輩も出ている事だろう。そういった卑賤な観衆に対するパフォーマンスだ、派手に行こうじゃないか。

「―――口ばかり達者な若輩が、一丁前なツラしてんじゃねぇっ!」

観衆おあつらえ向きの大袈裟な動きで、挑発と同時に動く。獣人特有の筋力を活かして、ぐんと距離を縮め、前方へ。
先ずは小手調べといったところか。踏み込んだ足に勢いをのせ、身体の推進力を巧く流して半回転。
背中側にいる男ひとりを狙って蹴り出されたもう片足には勿論、鍛え上げた脚力をふんだんに盛り込んでおく。
上手く当たれば見事大きく吹っ飛ぶ事だろう、それこそ野次馬たちのど真ん中へと。
これで意識を繋ぎ止める事が出来たのならば、まぁ、男の実力を少しばかり認めてやっても良いかもしれない。


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