1:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 16:46:20.73 ID:oVMLduBOo
長くなりそうなのでこちらに移ってきました
前スレ
hayabusa3.2ch.sc
前スレの>>417のレスからの続きです
流れは前スレから追ってくれたらと思います
2:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 16:49:54.25 ID:oVMLduBOo
俺「あ、浴衣で二人乗りはさすがに危ないかな」
吉谷「いまさら何言ってんだww」
吉谷に、大げさに笑われた。
荷台によろよろと腰掛けたヒロコは、やっぱり少しおぼつかなかった。
3:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 16:52:37.42 ID:oVMLduBOo
俺「マジかwwwwww」
びっくりして、変な声が出てしまった。
さすがに照れくさくてしょうがないので、すぐに「急ぐよ!」と言ってペダルを踏んだ。
すっかり日が暮れて、橙に溶け込んだ町の中を思い切り走った。
4:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 17:02:20.63 ID:oVMLduBOo
吉谷「一気にいくぞ」
吉谷は、立ち乗りになり思い切り速度を上げた。
ヒロコに、「飛ばすよ!」と一言声をかけ、俺もそれに続いた。
広い県道の下り坂を、一気に駆け下りていく。
5:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 17:08:25.14 ID:oVMLduBOo
信号機、街路樹、すれ違う車、目に映る全てがオレンジで、
町中まるごと影が伸びていくような気がした。
俺「もうすぐ、着きそうだな」
走りっぱなしで、全身から汗が吹き出していた。
6:名無しのパー速民[sage]
2016/12/31(土) 17:56:19.73 ID:gS0O9RraO
前スレから追いついたけど面白いねー
支援!
7:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:20:55.22 ID:oVMLduBOo
それを聞いて「よっしゃ!」ともう一度思い切りペダルを踏んだ。
ひたすら道を下っていると、次第に町並みが変わっていき、
市街地のような場所に出てきた。
言われていた駅の前を過ぎ、ヒロコに促されるままお寺方面を目指した。
8:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:32:02.63 ID:oVMLduBOo
吉谷「よし、着いた!」
俺「間に合った間に合った!」
俺たちは息も切れ切れに、自転車置き場に自転車をぶち込んだ。
ヒロコが駆け出し「早く早く!」と急かしている。
9:名無しのパー速民[sage]
2016/12/31(土) 18:37:53.38 ID:3MW+u5AAo
町中まるごと影が伸びていくような気がした
↑読んでてあぁ〜ってなったわ
光景が目に浮かんだよ、すごい
10:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:44:51.11 ID:oVMLduBOo
寺の敷地内に入ると、そこら中に屋台が立っていた。
焼きとうもろこしやたこ焼きだの、醤油を焼いたような香ばしい匂いともに、
「いかがっすかー」という威勢のいい声が四方から響いている。
人の数も多く、走って進んでいくには、少し厳しかった。
11:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:52:23.11 ID:oVMLduBOo
進んでいくと広場に行き着き、寺の本堂のようなものが目の前に見えた。
横には、派手に電飾の飾りが施されたお手製ステージのようなものがあり、
見上げると、「夏祭りフェスステージ」と看板が掲げられていた。
ヒロコはそれに構うこともなく、本堂の脇にあったテントへと、
12:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:53:28.20 ID:oVMLduBOo
運営テントの中では、ハッピを着たスタッフが慌ただしく動き回っている。
何人かのスタッフと会話をし、受付の手続きを済ませる。
「ぎりぎりでしたね」と笑われてしまった。
スタッフ「グループ名が無しになっていますが、このままでいいですか?」
13:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:58:44.12 ID:oVMLduBOo
スタッフは「いい名前ですね」と笑って書面を訂正していた。
その後、どういう編成でどんな曲をやるかの説明を行った。
俺「あ、そうだ。マイクを2本用意してもらってもいいですか」
出し抜けに言ったので、吉谷が不思議そうに俺の方を見た。
14:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 19:02:39.30 ID:oVMLduBOo
俺「マイク用意するから、歌いたくなったら歌いな」
俺「ハモリとかコーラスとか、そんなんじゃない。歌いたいとこで歌えばいい」
俺「言ってたろ? ブルーハーツを聴いてると元気になるって」
吉谷は「なるほどね」と納得した様子で頷いていた。
15:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 19:10:03.70 ID:oVMLduBOo
俺「もちろんだよ。俺と一緒に歌おう」
俺「ギター弾きながらだと難しいと思うけど、歌いたいとこだけでいい」
そう言うと、「あたし、頑張るね!」と両手を元気に振り回した。
その表情は嬉々として、まるで夏休み前の小学生みたいだった。
16:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:11:02.03 ID:oVMLduBOo
スタッフ「リハーサルはないので、直前に簡単に調整を行います」
スタッフ「7時にはステージが始まりますので、出番は多分7時半過ぎくらいかと思います」
その後、俺たちは運営テントを後にし、広場の隅のベンチに腰掛けた。
広場を囲うように、周辺には無数の出店があり、
17:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:13:02.62 ID:oVMLduBOo
暗い世界に、楽しげな灯りがいくつも揺れている。
どこからともなく、子どものはしゃぐ声が聞こえた。
まさしく、夏祭りが始まったんだな、と実感した。
ヒロコは出店を見てくると言って、一人で入口通りの方に行ってしまった。
18:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:21:27.56 ID:oVMLduBOo
吉谷「渚のこと、黙ってて悪かったな」
「ああ……」と中途半端なニュアンスで返事をしてしまう。
吉谷「隠してるとか、そんなつもりじゃなかった」
吉谷「でも、俺も好きで……どうしようもなくなって」
19:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:27:20.18 ID:oVMLduBOo
俺「別に、俺も怒ってるとかじゃない。吉谷がそう言ってくれてよかった」
俺「これで、きっぱり諦めがつくし。俺も次へ踏み出すだけだよ」
吉谷「…そうか」
20:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:29:16.52 ID:oVMLduBOo
ヒロコ「ねえねえ!すごいよ! なんか色々あった!」
落ち着かない様子で、通りの方を指差す。
俺「まあ、お祭りだからねぇ」
ヒロコ「すごいねすごいね!」
21:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:30:02.69 ID:oVMLduBOo
吉谷が、小声で(行って来い)と俺の背中を叩いた。
「ええ?」と戸惑っていると、(いいから)と釘をさされた。
俺「ヒロコ、おごってやるから一緒に行こうぜ」
ヒロコ「え、いいの?」
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