14:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 19:02:39.30 ID:oVMLduBOo
俺「マイク用意するから、歌いたくなったら歌いな」
俺「ハモリとかコーラスとか、そんなんじゃない。歌いたいとこで歌えばいい」
俺「言ってたろ? ブルーハーツを聴いてると元気になるって」
吉谷は「なるほどね」と納得した様子で頷いていた。
15:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 19:10:03.70 ID:oVMLduBOo
俺「もちろんだよ。俺と一緒に歌おう」
俺「ギター弾きながらだと難しいと思うけど、歌いたいとこだけでいい」
そう言うと、「あたし、頑張るね!」と両手を元気に振り回した。
その表情は嬉々として、まるで夏休み前の小学生みたいだった。
16:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:11:02.03 ID:oVMLduBOo
スタッフ「リハーサルはないので、直前に簡単に調整を行います」
スタッフ「7時にはステージが始まりますので、出番は多分7時半過ぎくらいかと思います」
その後、俺たちは運営テントを後にし、広場の隅のベンチに腰掛けた。
広場を囲うように、周辺には無数の出店があり、
17:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:13:02.62 ID:oVMLduBOo
暗い世界に、楽しげな灯りがいくつも揺れている。
どこからともなく、子どものはしゃぐ声が聞こえた。
まさしく、夏祭りが始まったんだな、と実感した。
ヒロコは出店を見てくると言って、一人で入口通りの方に行ってしまった。
18:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:21:27.56 ID:oVMLduBOo
吉谷「渚のこと、黙ってて悪かったな」
「ああ……」と中途半端なニュアンスで返事をしてしまう。
吉谷「隠してるとか、そんなつもりじゃなかった」
吉谷「でも、俺も好きで……どうしようもなくなって」
19:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:27:20.18 ID:oVMLduBOo
俺「別に、俺も怒ってるとかじゃない。吉谷がそう言ってくれてよかった」
俺「これで、きっぱり諦めがつくし。俺も次へ踏み出すだけだよ」
吉谷「…そうか」
20:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:29:16.52 ID:oVMLduBOo
ヒロコ「ねえねえ!すごいよ! なんか色々あった!」
落ち着かない様子で、通りの方を指差す。
俺「まあ、お祭りだからねぇ」
ヒロコ「すごいねすごいね!」
21:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:30:02.69 ID:oVMLduBOo
吉谷が、小声で(行って来い)と俺の背中を叩いた。
「ええ?」と戸惑っていると、(いいから)と釘をさされた。
俺「ヒロコ、おごってやるから一緒に行こうぜ」
ヒロコ「え、いいの?」
22:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:32:55.32 ID:oVMLduBOo
ヒロコと二人で、寺の入口通りを歩いた。
道の両側を埋め尽くすように出店が立ち並び、
慌ただしく人々が往来していた。
俺「そうだ、下駄履かなくていいの?」
23:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:42:52.99 ID:oVMLduBOo
「下駄なんて初めて履く!」と興奮しながら、
ヒロコは俺の数歩先を元気よく歩いて行く。
その度にカランカラン、と小気味良い音が響き、
一歩、また一歩と夏の終わりに近づいていくような気がした。
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