9:名無しのパー速民[sage]
2016/12/31(土) 18:37:53.38 ID:3MW+u5AAo
町中まるごと影が伸びていくような気がした
↑読んでてあぁ〜ってなったわ
光景が目に浮かんだよ、すごい
10:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:44:51.11 ID:oVMLduBOo
寺の敷地内に入ると、そこら中に屋台が立っていた。
焼きとうもろこしやたこ焼きだの、醤油を焼いたような香ばしい匂いともに、
「いかがっすかー」という威勢のいい声が四方から響いている。
人の数も多く、走って進んでいくには、少し厳しかった。
11:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:52:23.11 ID:oVMLduBOo
進んでいくと広場に行き着き、寺の本堂のようなものが目の前に見えた。
横には、派手に電飾の飾りが施されたお手製ステージのようなものがあり、
見上げると、「夏祭りフェスステージ」と看板が掲げられていた。
ヒロコはそれに構うこともなく、本堂の脇にあったテントへと、
12:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:53:28.20 ID:oVMLduBOo
運営テントの中では、ハッピを着たスタッフが慌ただしく動き回っている。
何人かのスタッフと会話をし、受付の手続きを済ませる。
「ぎりぎりでしたね」と笑われてしまった。
スタッフ「グループ名が無しになっていますが、このままでいいですか?」
13:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 18:58:44.12 ID:oVMLduBOo
スタッフは「いい名前ですね」と笑って書面を訂正していた。
その後、どういう編成でどんな曲をやるかの説明を行った。
俺「あ、そうだ。マイクを2本用意してもらってもいいですか」
出し抜けに言ったので、吉谷が不思議そうに俺の方を見た。
14:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 19:02:39.30 ID:oVMLduBOo
俺「マイク用意するから、歌いたくなったら歌いな」
俺「ハモリとかコーラスとか、そんなんじゃない。歌いたいとこで歌えばいい」
俺「言ってたろ? ブルーハーツを聴いてると元気になるって」
吉谷は「なるほどね」と納得した様子で頷いていた。
15:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 19:10:03.70 ID:oVMLduBOo
俺「もちろんだよ。俺と一緒に歌おう」
俺「ギター弾きながらだと難しいと思うけど、歌いたいとこだけでいい」
そう言うと、「あたし、頑張るね!」と両手を元気に振り回した。
その表情は嬉々として、まるで夏休み前の小学生みたいだった。
16:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:11:02.03 ID:oVMLduBOo
スタッフ「リハーサルはないので、直前に簡単に調整を行います」
スタッフ「7時にはステージが始まりますので、出番は多分7時半過ぎくらいかと思います」
その後、俺たちは運営テントを後にし、広場の隅のベンチに腰掛けた。
広場を囲うように、周辺には無数の出店があり、
17:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:13:02.62 ID:oVMLduBOo
暗い世界に、楽しげな灯りがいくつも揺れている。
どこからともなく、子どものはしゃぐ声が聞こえた。
まさしく、夏祭りが始まったんだな、と実感した。
ヒロコは出店を見てくると言って、一人で入口通りの方に行ってしまった。
18:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:21:27.56 ID:oVMLduBOo
吉谷「渚のこと、黙ってて悪かったな」
「ああ……」と中途半端なニュアンスで返事をしてしまう。
吉谷「隠してるとか、そんなつもりじゃなかった」
吉谷「でも、俺も好きで……どうしようもなくなって」
19:1 ◆od.mCbJyhw
2016/12/31(土) 22:27:20.18 ID:oVMLduBOo
俺「別に、俺も怒ってるとかじゃない。吉谷がそう言ってくれてよかった」
俺「これで、きっぱり諦めがつくし。俺も次へ踏み出すだけだよ」
吉谷「…そうか」
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