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フレンダ「結局さ、私はあんたのことが―――」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 02:57:24.50 ID:qVJ30rAo
遅筆なのでゆったり進行になると思います
ご了承ください




「―――結局さ、これだから路地裏通るのは嫌なんだよね」

缶詰を入れたビニール袋をぶら下げた少女は、わざとらしく肩を下げ面倒くさそうに言い放った。

ただでさえ薄汚い路地裏で目立つ彼女の金色の髪は
夜と言うこともあってすっかり闇に埋もれたその場所で
かろうじてビルの間を抜けて届く月の光を受けて場違いなほど輝いている。

「ずいぶん余裕じゃねえか。まぁそのほうがこっちもいろいろ楽しめるってもんだ」

そう言いながら気持ち悪い笑みを浮かべ彼女を取り囲む4、5人の男達。

(最新のセキュリティやら何やらで治安のいい学園都市っていうけどさ―)

結局、こういうのはいなくならない訳なのよね。と彼女はさらに面倒くさそうな顔でため息をつく。

ましてや自分達のような組織が裏に存在するようなこの街だ
これが治安のいい都市というなら、都市の外はもしかしたらいつの間にか世紀末でも迎えているのかもしれない。
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2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 02:58:37.13 ID:qVJ30rAo
(それにしても―――)

こんなことならまっすぐアジトに帰ればよかった、と彼女は自分の行動を悔やむ。

学園都市の暗部組織『アイテム』に所属する彼女、フレンダ。

依頼された仕事を済ませ、後はアジトへと帰りソファーに倒れこめば
自動的に目を覚ましたときに目に飛び込んでくるのは下っ端の浜面が準備した朝食のはずだった(結局、彼女は缶詰を食べるわけだが)

しかし、いざ他のメンバーとアジトへ帰ろうとする際に肝心のその缶詰がきれていたのを思い出しあわてて買いに走り
なんとか閉店間際のスーパーで目当ての缶詰を購入し、近道だからと路地裏に入ったところ運悪く不良に絡まれてしまったというわけだ、

(こんなことなら浜面でも一緒に来てもらえばよかったかなー)

浜面とはいえ一応男だ。
いないよりはいたほうがこういう連中だって寄ってきづらかったかもしれない

まぁ、スキルアウト時代にいろいろいざこざのあった浜面じゃますますトラブルを呼んだかも知れないが―――
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:00:06.92 ID:qVJ30rAo
とはいえ、別にこの状況に危機感を感じている訳でもないし、浜面がいたところで彼に助けてもらおうという訳でもない

実際、彼女にとってはこんな路地裏でたむろしているような不良などたいした脅威ではないのだ。
それでも彼女がこんな状況になったのを悔やんでいる理由と言えば面倒であったからだ。

『掃除の後の後片付け』がただただ面倒だから。

彼女の左手には缶詰でいっぱいのビニール袋をぶら下げているが、右腕にはぬいぐるみが抱えられている。
高校生の彼女は、さすがにどこへ行くにもぬいぐるみが手放せないという訳ではない。
そんな彼女がぬいぐるみを持ち歩いている理由と言えば、もちろん仕事に必要なものだからであり
彼女の仕事柄、だいぶ物騒なぬいぐるみであることは安易に想像できるだろう。

幸い通りから離れた路地裏なので人が駆けつけてくる心配も少ない

(まぁ、結局、後片付け云々は浜面でも呼べばいいかな)

最悪、麦野の能力で消し屑にでもしてもらえばねー。
そんな半分冗談交じりのことを考えながらぬいぐるみを使うタイミングを伺う。
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:03:20.21 ID:qVJ30rAo
缶詰入りのビニール袋を手首にかけ、ポケットに入れた彼女の左手にはすでにスイッチが握られている。

「おぉ?なんか隠してんなぁ?いいよ、かかってこいよ?」

ほらほら、どうした?と、男の一人が挑発をしてくるがなんとも馬鹿っぽい。
もはや、ほんの少しでも相手をするのがバカバカしくなってくるほどになんとも珍妙な挑発を繰り出す男。

(メンドクサ・・・早く帰って鯖缶食べて寝よ)

ぬいぐるみを放る準備をしフレンダの指にスイッチが押し当てられ、ひやりとした感触が指に広がっていくのが分かる。
彼女のやわらかい指に硬いスイッチが少し食い込み少しずつ押し下げられていく。


―――が、不意に聞こえてきた足音に気づきスイッチから指が離れた。

どうやら路地の奥のほうからこちらに近づいてくるようだ。

音のするほうに目をやるがまだ暗くてよく見えない・・・こいつらの仲間だろうか?

もし一般人なら運がない。
巻き込まれて目の前の不良ともども浜面に後片付けされることになるだろうが、どうか恨むなら浜面を恨んでくれることを願うだけだ。
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:07:54.30 ID:qVJ30rAo
足音はもうすぐそこまで迫り、音の主が月明かりに照らされ姿を現す。

「あァ?わざわざ人気のない道選ンだってェのになンでこンな賑やかなンだァ?」

今日はなンかのお祭りですかァ?と男は興味がなさそうに言い放った。

白い肌に白い髪、それとは対照的にどこか深い暗さを帯びた瞳
見た目はだいぶ華奢な体つきで、右手には杖をつき左手に下げたビニール袋には大量の缶コーヒーが入っているようだ。

缶詰入りのビニール袋をぶら下げているフレンダとしてはなにやら近いものを感じないでもない。

「お、おい・・・コイツって」

「あぁ・・・間違いねぇ」

なにやら急に慌しくなった不良たちに気づき視線を戻すと、なにやらすっかり自分から白髪の男に興味がいってしまっているようだ。

一人の乙女としては、なにやらよく分からない男に負けたようで面白くないような気がしないでもなかった。
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:09:48.19 ID:ni1syoAO
スレタイが切ないな

最近フレンダスレが増えてきましたよね
しかもこのクオリティ
期待しております
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:11:59.78 ID:qVJ30rAo
>>6
レスthx
精一杯頑張ります!



「まさかこんな場所でテメェに会えるとはなぁ!!」

「あン?テメェなンて知らねェよ。とりあえず邪魔だからそこどけ」

「どけ?はっ・・・誰だ素直に言うこと聞くかよおおおおおおおおおおぉっ!!」

不良の一人が上着のうちポケットからナイフを取り出し、白髪の男に襲い掛かる
しかし、男はそんなこと気にも留めない様子でゆっくしと首のチョーカーに手を伸ばした

振り下ろされるナイフ――

が、そのナイフが男に届くことはない。

逆になぜか襲い掛かった男のほうが後方へ飛ばされ、ぐえっと間抜けな声を上げ蛙のように壁に叩きつけられる。
他の不良も各々武器を手に後から続く体制をとってはいたが、壁に張り付く仲間を目にし、もはや戦意は確実に失われていた。
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:14:16.14 ID:qVJ30rAo
「なンだ?こねェのか?何ならこっちから行ってもいいンだぜ?」

「ひいいいいいいいいぃっ!!」

「やっぱり化け物だあああああああぁ!!」

情けない悲鳴やありきたりな捨て台詞を残し去っていく不良達。
壁に叩きつけられた仲間をしっかり連れて帰るあたりまだ性根が腐りきってる連中ではなかったらしいが。

「チッ、やる気がねェなら最初からかかってくるンじゃねェよ」

「ねぇ、そこのあんた」

あン?と男は逃げた不良たちから視線をフレンダに移す
近くで見ると、彼の肌は年頃の彼女にしてみれば憎たらしいほどに―――、本当に透き通るほど白かった。
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:19:07.27 ID:qVJ30rAo
「いや、なんというかさ、助けられたちゃったから一応お礼いっとこうかと思って」

後片付けしなくてすんだしねー。などとはあくまで口には出させないが。

「はァ?おいおィ、何で俺がテメェを助けなくちゃいけねェンだ?自惚れてンじゃねェぞ」

「へ?いや別にそんな自惚れてる訳じゃな―――」

「俺ァあいつらが邪魔だからやった、それ以上でも以下でもねェ

 それとも何かァ?可愛い私を助けてくれた白馬の王子様とかそういうメルヘンに頭やられちゃってる人ですかァ?」

「なっ!?人が素直にお礼言ってるのにその返しはどういう訳よ!」

「テメェが勝手に礼を言ってきたンだ。俺がなンて返そうが勝手だろォが

 それとも何か?お礼とか言って誘ってるンですかァ?」

「誘っ!?結局、アンタもそういう人な訳ね!」

「あーあー、安心しろ。生憎、テメェみてェなのに興味はねェ」

じゃァな、缶詰女ァ。そういいながら男はまた月明かりの届かない闇の中へと消えてく。
あの憎たらしいほど透き通った白い肌は、意外なほどあっさり闇に飲み込まれて見えなくなってしまった。
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:26:18.52 ID:qVJ30rAo
――――

「で?あんたは昨日あんなにむくれてた訳?」

そう言い女はロングの茶色に染めた髪を軽くかきあげる。
ただでさえ女の自分から見ても整った容姿の彼女にはそんな些細なしぐさだけでとても様になる。

現に、窓際の席に陣取っていたせいか外を歩く男が彼女に視線を移したまま窓の端から端に消えていくのも珍しくない。

そんな彼女、麦野沈利はシャケ弁を箸で突っつきながらフレンダをに小ばかにするような笑みを向けていた。

「超くだらないですね・・・」

映画のパンフレット片手に話を聞いていた見た目12歳ほどの少女、
絹旗最愛もフレンダに目をむけこちらは心底呆れきったような顔をしている。

「なに?結局、私を慰めてくれる人はここにはいない訳なの?」

「大丈夫、ふれんだ。私はそんなふれんだを応援してる」

「・・・結局、滝壺だけだよ、私を癒してくれるのは」

何を応援していると言うのか分からないが、この少女、滝壺理后はいつもこの調子なのだから深く考えるだけ無駄だろう。
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:28:25.73 ID:qVJ30rAo
「まぁ、私が実際そんなこと言われたらキレちゃうかもしれないけどさー」

そういいながら、えいっえいっと鮭を箸で器用にほぐしていく麦野。
ちなみに彼女がシャケ弁を食べているこの場所はファミレスで、先ほどから店員がずっとこちらに視線を送っているが4人はまったく気にも留めていない。

唯一、先ほどからドリンクバーとテーブルをリレーし続けているパシリ兼雑用の浜面仕上だけは店員に軽く頭を下げていたりしているようだが

「なんというかさー、方や缶詰いっぱいのビニール袋で方や缶コーヒーいっぱいのビニール袋ってのが

 シュール過ぎて真面目に話し聞くのが馬鹿馬鹿しくなるのよね」

「と言うか似たもの同士で超お似合いじゃないですか?付き合っちゃえばいいですよ」

そういいながら絹旗は笑うのを必死にこらえていた。

・・・まぁ、全然こらえ切れておらずぷくくっと息が漏れているのだが

「付き合うとかは置いといてね、確かに一瞬・・・ほんとに一瞬気が合いそうとか思ったけどさ。結局、缶詰と缶コーヒーじゃ相容れないってわけよ」

「なに勝手に缶詰と缶コーヒーの間に超溝を作ろうとしてるんですか・・・」

「ここに缶詰缶コーヒー戦争の開戦を宣言します」

そう言い、まるで怒りをすべてぶつけるように鯖缶をフォークでガシガシとつつき続けるフレンダに
店員が一段と厳しい視線を送るが、彼女がこの視線に気づく日はおそらくこの先何年たとうと訪れないだろう。
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:38:17.64 ID:qVJ30rAo
「にしても、缶詰女とはよく言ったもんだな。確かにこりゃ缶詰女だわ、それより合う名前が思いつかねえ」

店員に頭を下げながら、目の前で鯖缶と格闘するフレンダを見ながら浜面は白髪男のネーミングセンスを褒め称える

「・・・浜面の癖に生意気。アンタも缶詰にしてあげようか?」

さすがのあたしもそんな缶詰食わないけどね。と攻撃対象を鯖から浜面へとかえトンボの目を回すようにフォークをくるくると回す。
なぜか浜面ではなく窓側にいる滝壺が目を回し始めているように見えるが気のせいだろう。

「私が缶詰女なら、アイツは缶珈琲男だってのよ」

「缶缶コンビですね。いいじゃないですか、缶詰めと缶コーヒーでいっぱいの袋を片手にもう片方の手はお互い握り合って仲良―――」

「・・・ぴったんこカンカン」

「・・・だからなんなんですか、滝壺さん」

どうやら今日も滝壺理后の天然は絶好調らしい
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 03:52:03.15 ID:qVJ30rAo
「にしても、そいつ不良を吹き飛ばすような奴なんだよな。念動力能力者とかだったのか?」

「いや、それがよく分からないんだよねー。なんか一瞬だったし」

「それに人をそんなに吹き飛ばすくらいの能力者ならレベル4以上だとは思いますが

 そんなレベルの念動力能力者は超限られますし、超目立つ風貌らしいですから有名になってもおかしくないと思うんですが」

確かに白い肌に白髪と目立つ風貌の上に杖をついていたので、高レベルの念動力能力者なら顔が知れ渡っていてもおかしくない。

「白髪で杖をついた・・・ね」

ほぐした鮭を口に運びながら麦野がつぶやく。

「なになに、麦野心当たりでもあるの?教えてよ。見つけ出してギャフンと言わせてやりたいのよね」

「ギャフンって実際に聞くの初めてだわ・・・。うぅーん、まぁ、もしかして程度だけど、うぅーん・・・どうかなー」

何ですか?超気になるから教えてください。と絹旗も映画のパンフレットなどにはもう興味はないらしく麦野に食いついてくる。
普段はやたら大人ぶってるがやはりお子様、こういう話題は気にせずにはいられないようだ。

「えぇー、どうしようかなー」

シャケ弁を端で弄びながら、二人の顔を交互に見比べニヤニヤしている。

「―――よし、内緒にしとこう。そのほうが今後面白いことになりそうな気がするの」

一番の年長者であるはずの彼女が、今日一番の子供のような意地悪な笑顔でシャケ弁の最後の一口をほお張った。
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:05:18.69 ID:qVJ30rAo
「さてと、それじゃあ会議もこの辺にしてそろそろ帰りましょうか」

ちゃんと自分の分の会計は各自だしなよ。と麦野は伝票をひらひらさせながらもう片方の手で代金を催促する。
全員がドリンクバーしか頼んでいなかったのでその掌には小銭が溜まっていった。

一方、テーブルには缶詰の空き缶やシャケ弁のプラスチック容器が放置されたままだ
もちろんどちらもこの店で注文したところでとうてい出てくる品物じゃない。

店員が引きつった顔でその缶詰の缶やらを片付けながらこちらをキッと睨み付けたため浜面は反射的に目をそらす。

「と、ところで今日は仕事ないしまっすぐアジトに戻っていいんだろ?」

「あー、あたしはちょっと寄り道して帰るわ」

「また缶詰?昨日あんなに買ってきたじゃない」

「いや、今日はこっち」

そういってフレンダは脇に抱えていたぬいぐるみを両手で麦野の前に突き出す。

「昨日のでさ、ちょっとストックきれそうだから補充しないと思ってさ」
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:17:20.78 ID:tdj78mM0
一方通行とフレンダのお話ですか?超期待してますよ
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:28:38.43 ID:qVJ30rAo
――――

「お、コイツなかなか可愛いかも」

ぬいぐるみの並ぶ棚を前にフレンダは目を輝かせていた。
こうしてみると学園都市の暗部で生きるものとしての面影はなく年相応の一人の女の子でしかない。

ちなみに、他のアイテムのメンバーとはファミレスで分かれたためここには彼女だけだ。

ちょっとした買い物なら車だそうかなどと浜面が柄にもなく気を利かせてきたが
付き添いがいるとなんとなく買い物を急かされている様な気になるので断った。

ぬいぐるみに囲まれてはしゃいでいるところを見られると馬鹿にされそうと言うのもあったのだが

「コイツも結構いい線いってるね。といっても、結局、爆発させちゃうわけなんだけどさ」

実際今まで長い間同じぬいぐるみを手元に置いたことはない。
仕事が入るたびにどんどん手元から去っていく。

一応、気に入ったものはなるべく仕事では使わないようにしているのだが
それでも一番長く持ったもので1ヶ月ほどだろうか。

結局、私って飽きっぽいのかもねー。とフレンダは手に取ったぬいぐるみに話しかけた
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:39:12.42 ID:fSPpbfo0
よさげなス感じですね。
期待しつつ読ませてもらいます。
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:43:18.30 ID:qVJ30rAo
>>15>>17
ありがとうございます!
期待にそえるよう頑張ります




「何で俺がこンなところでぬいぐるみの品定めなンてこと・・・」

これもクソガキのわがままのせいだな。と背後から聞き覚えのある声を聞きフレンダは振り返った。

白い肌に白い髪、それとは対照的にどこか深い暗さを帯びた瞳
見た目はだいぶ華奢な体つきで、右手には杖をつく。間違いなく昨日の男がそこにいた。
違うところと言えば、左手には缶コーヒー入りの袋の変わりに首にリボンを巻いたテディベアを持っていることくらいだろうか。

缶コーヒーがテディベアに変わっただけで人の印象はこんなに変わるのか、とフレンダは思わず噴出しそうになるも必死でこらえる

「あン?なンですかァ、人のことジロジロ見やがって?」

こちらの視線に気づいたのかいきなり毒のある言葉を浴びせてくる男。
だが、テディベアのせいか昨日から感じていた苛立ちは薄れ、むしろ滑稽でさらに笑いがこみ上げてくる

「い、いや、あんたは覚・・・くっ、えてないかもしれな・・・ぷっ、いけどさ」

昨日さ、路地裏であったの覚えてない?と堪えきれなかった笑いをまぶしつつ伝えるフレンダ。

「昨日?・・・あァ、なンだテメェ缶詰女か」

「今のあんたになら何言われても全然悔しくないわ。なに?あんたそういうのが趣味なの?」

「あァ?そういうの・・・ってンな訳ねェだろ。馬鹿にしてるンですかァ?」

一度手に持つテディベアを見つめてから、テディベアと一緒にこちらに視線を向ける男。
否定のつもりかテディベアを持つ手を小刻みに左右に振っているが、それが決定打となりフレンダはついに吹き出した。
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:44:45.01 ID:qVJ30rAo
「っくくく・・・はぁ、別にいいんじゃない?まぁ、一応知らない仲でもないわけだし、趣味は人それぞれだと思う訳よ」

「どうやら昨日のチンピラみてェになりてェらしいなテメェ・・・」

「さすがにそれは勘弁してほしいかなー」

そういいつつもフレンダはまだ顔がニヤついたままだ。

ファミレスではあれほど憎たらしかった男が目の前に現れたと言うのに
すっかりそんなことがどうでもよくなっているのだから、ぬいぐるみの癒し効果って凄いわ。と彼女はあたりのぬいぐるみを見回し思う。

「結局さ、それが趣味じゃないっていうなら納得するそれ相応の理由を提示しなきゃいけないわけよ」

「あァ?何でテメェにンなこと教えなくちゃいけないンですかァ?」

「別にいいんだよ。それならそれで、家に帰ってから目つきの悪い男が

 柄にもなくテディベア買ってたって話題で皆と盛り上がれるし」

「あン?」

男からしてみれば皆がどこの誰だか、というか目の前の女がどこの誰かすら分からないわけではあるのだが
知らないところで自分が面白おかしく語られるとなるというのは面白くないものだ。

男は少し思い悩んだ後、結局自分のプライドを優先したのかしぶしぶ口を開いた。
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:46:56.52 ID:qVJ30rAo
「うちのクソガキに買ってくるようにせがまれて仕方なく買いに来てンだ・・・」

実際は、電話でクソガキこと打ち止めにせがまれてから買わざるを得なくなるまで
打ち止めを預かってもらっている黄泉川らを交えての攻防が3時間程受話器越しに繰り広げられたのだが
そんなことをわざわざ語るような男ではないのでフレンダが知ることはない。

「え?何、あんたその歳で子持ちなの?」

「はァ?バカなンですかァ?ンな訳ねェだろォが。まァ、妹みてェなもンだ」

「妹をクソガキ呼ばわりってどうなの・・・」

「娘なら尚更どォなンだよ・・・」

しかし悪態をつきつつも、素直にぬいぐるみを買いに来ているあたりを見ると妹には頭が上がらないいのだろうか。

なんにせよ、目の前にいる昨晩、路地裏で今年最低の好感度をたたき出した男は案外悪い奴ではないのかも知れない。
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:47:47.87 ID:qVJ30rAo
「まぁいいや。ところでさ、それ買うの?」

「というか、俺ァぬいぐるみなンてよくわからねェからよォ・・・適当に買っていこうかと思ってなァ」

「妹さんから何か希望はなかったの?結局さ、そこが重要になってくる訳よ」

「希望?・・・あァ、そういや鳴く奴とかなンだとか・・・」

そンなぬいぐるみ存在すンのかァ?と言いながらこちらにテディベアを向けてくる。

「あぁ、グロウラー入りの奴ね。それじゃぁこれは全然違うよ」

「グロウラー?なンだそりゃ。ぬいぐるみひとつ買うだけだってのに面倒くせェな・・・」

そういいながら男は頭を気だるそうにかいている。

おそらくだが放っておいたらこの男は結局今手に持っているものを買っていってしまうだろう。
目の前で行われるそんな妥協がなんとなく許せない・・・一人のぬいぐるみ好きとして。

「じゃあさ、よかったら私がぬいぐるみ選んであげようか?」

ぬいぐるみ好きの性が自然とそう口走らせていた。
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:49:43.50 ID:qVJ30rAo
「テメェが?何で?」

「何でって、別に意味はないけど・・・それじゃぁ、昨日のお礼ってのはどうよ?」

昨日は口の悪いどっかの誰かのせいでちゃんとお礼してないし。とフレンダは付け加える

「いや、だからお礼も何も助けたわけじゃ―――。つーか、でもやっぱりこれでいいンじゃねェか?」

そういいながら両手でテディベアを高く掲げ顔を覗き込む男。
別段意味のない行動なのだろうが、なにやら可愛くすら見えてくる。

ギャップ萌。とても口には出せないがそんな柄でもない言葉が一瞬頭をよぎった。

「だからそれは喋らないから。結局、あんまり適当なの買っていくと妹さんも悲しむかもよ?」

「ン・・・・・・そうか。それはちょっと面倒なことになりやがる・・・それじゃァ、悪ィが選んでもらっていいか?」

妹というワードが出ると男は思いのほかあっさり折れた。
やはり妹に頭が上がらないのだろうか、それともただのシスコンか?

どちらにせよよほど妹思いなのは確かなようだ。

「まぁ、任せといて」

フレンダは得意げな顔で慎ましい胸をドンと叩いた。
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:51:30.98 ID:qVJ30rAo
――――

「で、コイツが鳴くぬいぐるみか」

そういい男がお腹を押すと、めえええええぇ。という泣き声が静かな店内に響く。

「他にもグロウラー入りのはあるけどさ、結局、それが私のおススメねー」

「俺にはどこがいいのか良く分からねェがなァ・・・」

首をかしげながら男はまたぬいぐるみのお腹を押し、店内に間抜けな泣き声を響かせる。
その間抜けな泣き声がまたなんとも可愛いのだがこの男がそれを理解する日は訪れるだろうか。

「にしても、グロウラー入りか・・・」

どうせ仕事用に改造してしまうため普段であればグラウラー入りのものなどわざわざ買うこともなかったのだが
こうしてみてみるとなかなかツボをついてくるデザインをしている。

「これは悩みどころよね・・・」

「なンだ。テメェもこれ欲しいのか?」

めえええええぇ。と泣き声を出させながらこちらにそれを向けてくる。

もしかしたら、なんだかんだこの男もそれが気に入っているのではないかと思うのだが、気のせいだろうか。
前言撤回、思いのほかこの男がこのぬいぐるみの可愛さを理解する日は早く訪れるのかもしれない。
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:52:55.41 ID:DDpy2IDO
前にvipで書き溜めするって言ってたやつだよね?
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:53:01.61 ID:qVJ30rAo
「なンだったら俺が買ってやってもいいが?」

予想外の提案が目の前の男から発せられる。

「・・・結局、どういう風の吹き回しな訳?」

だいぶファーストコンタクトと比べれば印象が変わったとはいえ、
ほいほい物を買ってくれるような人には見えないし、買い与えてもらうような理由も見つからない。

「まさかとは思うけど、私に惚れちゃったとか?さすがに物でつられるような安い女じゃないわよ」

「昨日も言ったが、自惚れンな。さっきも言ったが昨日は助けたつもりはねェ。

 だから『コイツ』を選んでもらったのは俺がテメェに貸しを作ることになっちまう。そして俺は貸しを作るのが大嫌いなンだ」

そこまで言うと、後は分かるな?とでも言いたげにこちらに目を向けてくる。

「実はあんたって結構頑固で面倒くさいやつだったりする?」

「なンだ?いらねェなら無理にとは言わねェが?」

「そうは言ってないわよ」

そう言いながら棚からテディベアを一体手に取り男にポンッと投げ渡す。

―――が、片手を杖に取られている男は少しバランスを崩しよろけ、それを見て笑い声を上げるフレンダ。

さきほどから店員がこちらを微笑ましく眺めていることに二人は気づいていないようだ。
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:55:57.80 ID:qVJ30rAo
>>24
VIPのほう見てた人いたかww
あれからだいぶたってまだあんまり書き溜めすすんでないんだけど
ちょっといきずまったから投下しながら書いたほうがいいかなと思って





――――

「これはテメェにくれてやる」

そう言いこちらに腕を突き出し、掌に乗るほどの小さな熊のぬいぐるみを差し出してくる。
どことなく面倒くさそうで詰まらなさそうで納得できないような表情をしている白髪の男。

といっても別にこの熊を差し出すことに対してではなく、熊を手に入れてしまったことに対しての感情なのだが

「まさか、カップルに間違われるとはねー」

あはは、と苦笑するフレンダ。

何でもレジの向こうで終始微笑ましいものを見るように二人を見ていた店員によれば
現在カップル限定イベントと称し、カップルで同じテディベアを購入すると漏れなく子供の熊ちゃんがついてくると言うものらしい。

「子供ねー・・・」

つまりは購入したテディベアをカップルに例え、近い未来生まれてくるであろう子供をイメージしたの物らしいのだが
別にカップルでもない相手であってもそういうイベントの趣旨を理解してしまうと少々相手を意識し顔も赤くなってしまうというものだ。

「て、ていうかさ、ほんとにこれ私が貰っちゃっていいの?妹に上げたら?」

「俺が頼まれたのはこっちだけだからなァ。余計なもの与えると付け上がるからいらねェ」

以外にしつけはしっかりしているようだ。これは妹に頭が上がらないという予想ははずれだったのかもしれない。
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:56:57.65 ID:qVJ30rAo
「まぁ、そういうことなら貰わなきゃ損よね」

そう言うと、フレンダはヒョイッと熊の子を取り上げ目の前まで運び、よろしくね。と話しかける。

「ンじゃ、俺ァ帰るとすっか。コイツ選ンでくれてありがとよォ」

左手に持ったテディベア入りの紙袋を振りながら、男はこちらに背を向け立ち去ろうと歩を進める。

「あー、ちょい待ち」

「あン?まだなンか用か?」

呼び止められ首だけをフレンダにむける。
その表情に、呼び止められたことに対する苛立ちなどが見られずに嬉しく思ってしまうのは気のせいか。
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 04:59:57.33 ID:qVJ30rAo
「なんというか、一応名前くらい聞いとこうかと思ってねー」

知らない仲じゃないんだし。と付け加えこちらもテディベアの入った紙袋を降って見せた。

「名乗るときはまず自分からって習わなかったか?」

「しつけは自分の妹だけにしてよね・・・。まぁいいわ、私はフレンダ。いい名前でしょ?」

「まァ、そこそこってところだなァ」

「言ってくれるじゃないの・・・、そんなあんたはご立派な名前なんでしょうね?」

「言わせといて悪いが俺は名前を忘れちまった」

何よそれ。そんなんでごまかす気?とフレンダが間髪いれず噛み付く。

「ごまかしてるンじゃねェよ。・・・まァ、いろいろあるってこった」

確かに男の目は嘘をついているようには見えない。
相変わらずどこか深い闇を背負ったような黒さを帯びている。

「・・・名前忘れるとかあんたどんだけよ。まぁいいわ。それじゃぁさ、結局、これからあんたをなんて呼べばいい訳よ?」

『これから』と確かに彼女は言った。またどこかで合いたいという意思の表れか。
少なくとも無意識にそう言ってしまったことに彼女自身は気づいていない。

「確かに名前はねェ。だが俺ァこれでも結構有名でな―――」

たぶん聞いたことくらいはあるはずだ。そう前置きし男は名前代わりの圧倒的な力の名を口にする。
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 05:00:57.78 ID:qVJ30rAo
いったんここまでにしておきます。
なるべく早く続きかけるように頑張りますが気長に待ってもらえれば幸いです。
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 05:07:07.23 ID:DDpy2IDO
>>26
スレ違いなのにラビットスレで聞いちゃうくらい楽しみにしてた
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/29(木) 07:27:42.32 ID:TekkeIDO
VIPでちらっとだけ書いてたクライマックスぽい一場面が凄い好きすぎた
あんな場面を生み出せる>>1のストーリーなら期待しかない

あの展開になってもならなくても面白くなりそうだ
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/04/29(木) 07:35:25.24 ID:ddkqJrY0
アクセラビット
アクセロリータ
アセクセロリータ

さあどれでしょう
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/29(木) 07:46:31.18 ID:O2OXn7U0
まさか……あれか……
支援ageせざるを得ない
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 08:01:14.78 ID:IpZLjCco
結局、超面白い訳よ。
期待させてもらうにゃー!
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 08:29:37.52 ID:xYjzObMP
期待
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 11:29:47.21 ID:2hBf2JM0
なにこれ俺得すぎる
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 14:02:32.91 ID:0owZMcwo
いいところで切るなwwww
これは期待できそうだ
38 :風邪ひいてむしゃむしゃしたから温存しといた書き溜め投下 [sage]:2010/04/30(金) 17:10:06.48 ID:9.qzNL.o
――――

「やっぱり、一方通行だったかー」

あっ、絹旗そこの雑誌取って。と催促しながら麦野はなぞなぞに正解した子供のような笑顔を見せている。

「知ってたなら教えてよね!心臓飛び出るかと思ったんだから!」

実際、白髪男の正体が学園都市第一位の一方通行と知ったときのフレンダの慌てようはすさまじく、
目の前のその第一位様が少し引いていたくらいだ。
その場は周りの目もあったのですぐに冷静を装ったが、アジトに戻ってまた気が高ぶったらしい。

「それにしても、一方通行ですか・・・。確かに言われてみれば聞いていた特徴と超一致しますね」

「俺もスキルアウト時代に仲間が何人か突っかかっていってやられたりしたから特徴くらいは知ってるが、言われりゃ確かに」

「というか、実際にあって何で気づかないのよ。普通、知ってて当然でしょ?」

学園都市第一位といえば確かに有名だ、それもどちらかといえば悪い意味で
なので一般人ならいざ知れず、不良や裏社会で生きるものならそれなりに特徴くらいは知っている。

もちろん、裏も裏の暗部で働くアイテムの一員であるフレンダだってそのはずなのだが―――
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 17:12:40.40 ID:9.qzNL.o
「え?そうなの?」

「・・・ほんとに知らなかった訳?」

どうやら一方通行の特徴など微塵も知らなかったらしい。
周りが当然のように知っていたことに対しポカーンとした表情を浮かべる。

今なら浜面にアホみたいな顔だと言われても否定できないだろう。

「・・・いますよね。一般常識が超欠如してる人って」

「俺の昔の友達にもいたな。人気アイドルグループとか全然知らない奴」

周りが可愛そうなものでも見るような目をこちらに向ける。
その視線に耐えかね視線をそらすと滝壺の姿が目に映る。

「滝壺だって知らなかったよね?」

最後の望みを賭け問いかけると、ニコリとこちらに笑顔を向ける滝壺。

なんという無垢な笑顔だろう。その笑顔はさながら天使の―――

「大丈夫、ふれんだ。私はそんな常識知らずなふれんだでも大好きだよ」

ザクッ。天使の皮をかぶった死神が最後の止めをさした音がした。
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 17:15:26.39 ID:9.qzNL.o
「にしても、一方通行に貢がせるとは」

浜面がテーブルの上にあるテディベアに視線を移す。

「しかも、その横の小さい熊は確かカップルイベントで貰えるやつです!」

「なっ!絹旗なんでそれをっ!?」

「フレンダのよくいくあの店の横の路地は私のお気に入りの映画館にいく超近道なんです」

その時にイベントの張り紙を超見ました。と、得意げな顔で絹旗が説明するなか、
麦野と浜面はフレンダを見つめニヤニヤしている。

「へぇ、カップルねぇ」

「いやっ!違っ―――」

「俺が買い物付き合うときとかに、一方通行が変な勘違いしで俺にやきもち焼いて攻撃しないように言っといてくれな?」

「浜面調子に乗―――」

「大丈夫、はまづらの骨は私が拾ってあげるよ?」

「え?滝壺、俺死んじゃうの?」

駄目だ、今のこいつらには何をいってもしょうがない。
沈黙。それが今できる最善の方法であり残された唯一の抵抗だった。
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 17:17:55.01 ID:9.qzNL.o
「それにしても、ファミレスじゃあんなに悪態ついてたのにねー」

ギャフンと言わせるんじゃなかったの?と麦野が沈黙に徹するフレンダに問いかける。
唯一の抵抗策であった沈黙だが質問されてしまっては口を開かざるを得ない。

まぁ、浜面ならシカトしてもいいのだが、相手は麦野だ。シカトなどしようものならどうなることか。

「・・・結構話してみるといい奴だったのよ」

「そういう些細な印象の変化から恋ってのは始まるのよねー」

やっぱりか。結局、そっちに話が進むのか。とフレンダは呆れつつ耳を両手で押さえて
なにもきこえませーん、だからからかっても無駄ですよー?とアピールしつつ我関せずを決め込む体制にはいる。

「ファミレスで麦野は面白いことになりそうって言ってましたけど、超当たってましたね」

いつの間にか麦野の横へと移動していた絹旗が話しに入ってくる。
どやら滝壺と浜面が夫婦漫才のような会話を始めてしまったためあぶれてしまったらしい。

「いえ―――」

麦野はニヤリとイタズラを思いついた子供のような笑顔をわざとらしく作った。

「たぶん、まだまだこれから面白いことになるわよ」

女の勘だけどさ。と付け加えた麦野は横のフレンダに目を向ける。
耳をふさいでいたフレンダは麦野が何を言ったか分からないが、目が合った瞬間に少し顔を赤めすぐに視線をそらしてしまった。
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 17:19:50.90 ID:9.qzNL.o
「まぁ、とりあえず今日のところはこの話はこの辺にしておいてちょっと話が―――」

「えぇー、もう少しフレンダを超からかいたいんですが」

「またいつでもからかえるでしょ。どうせ、しばらくこのネタは使えるわよ。だから今は話を―――」

「うわあああああぁっ!!このままじゃ俺は学園最強のレベル5にミンチにいいいいぃっ!?」

「大丈夫、浜面。私はそんな浜面も嫌いじゃないから」

「えっ、それってどういう・・・っていうかどっちにしろミンチは嫌あああああああっ!!」

「オイ、浜面ぁー。テメェらちょっとウルセーから黙れ」

「ヒィッ!わ、悪い・・・」

「あとは・・・」

麦野は、隣にいるフレンダに視線を落とす。と、彼女はまだ耳を両手でふさいで我関せずを決め込んでいた。

そんなフレンダの肩をトントンッと叩き、こちらに顔を向けたフレンダに対して耳から手を離すようジェスチャーで伝えると、
ちゃんと伝わったらしくしぶしぶ耳から手を離す。

どこかまたからかわれるのではないかと疑いの表情を浮かべてはいるが、

「えぇっと、それじゃぁやっと静かになったことだしさっそく話をさせてもらうわね」

そういうと彼女はグルッと全員の顔を見回し、腰に手を当て口を開く。

「『お仕事』よ、ちょっと狙撃手を一人始末して欲しいんだってさ―――」
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 17:21:45.33 ID:9.qzNL.o
――――

『ぬいぐるみ届けてくれたなら会っていってくれればよかったのに!ってミサカはミサカは―――』

「急いでたンだ、勘弁しろ」

あァちょっとまて電波が悪ィ。などと言いながら適当にはぐらかすこの男。

白い肌に白い髪、それとは対照的にどこか深い暗さを帯びた瞳、
見た目はだいぶ華奢な体つきで、右手には杖をつき、左手には携帯電話を持っている。

『でも、私が頼んだどおりのちゃんと買ってくれたんだねてミサカはミサカは少しアナタを疑ってたことを暴露してみたり』

「・・・ン、ガキの使いじゃねェンだ。頼まれたもンくらいまともに買えるに決まってンだろォが」

嘘だ。

正直、あの店でフレンダに出会わなければ注文とは違うものを買い今頃電話越しにグチグチなじられていたかも知れない。
そう考えながらフレンダに感謝しつつ受話器の向こうから聞こえてくる、めえええええぇというぬいぐるみが発する鳴き声に少し安堵する。

が、

『そういえば袋に入ってたレシート見たら同じのもう一つ買ったみたいだけどアナタも欲しかったの?』

ってミサカはミサカは、と受話器越しに聞こえてくる声に思わずピクッと反応する。
その表情はカンニングがばれそうになった子供のようなばつの悪そうな色が浮かんでいた。
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 17:26:44.74 ID:9.qzNL.o
「・・・店のミスじゃねェのか。俺がそンなもン欲しがるわけねェだろ」

とっさに嘘をついた。

自分で選んだものじゃないのがバレることもそうだが、
その選んで貰った相手に同じものを買ってやったことを知られたくないと、なぜかそう思ったからである。

「というか、次からこォいうもンは俺に頼むンじゃ・・・ン?」

キャッチが入り携帯を耳からはなし画面に目をやる。

そこには正直出たくない相手が示されていたが、
どうしようもないことに、それは同時に出ないわけにはいかない相手でもあった。

「チッ・・・悪ィな、ちょいと用事が出来たから切るぞ」

『え?ちょっとまってってミサカはミサ―――』

ブチッと強制的に電話を切ると、さっきまで聞こえていた五月蝿い声の変わりにやたら業務的な声が受話器から聞こえてきた。

『どうもこんばんは、一方通行。今大丈夫でしたか?』

「・・・どうせ大丈夫じゃなくても関係ねェンだろォが。さっさと用件だけ言いやがれ。どうせろくでもねェ用なンだろうがな」

『これは手厳しい。まぁ、そういうなら手短に用件だけ伝えましょう。』

『電話の男』は言われなくてもとでも言うように、淡々とした口調で話をすすめる。

『まずは、空港へ行ってアビミョンへ飛んでください―――』

詳しい話は空港へついてから。とだけ伝えるとプツッという音を最後に受話器からは単調な機械音が繰り返し流れるだけとなってしまった。

機械音しか発しなくなった携帯をポケットに乱暴に突っ込み、一方通行は気だるそうに空港のある23学区へと歩を進める。
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 17:28:18.54 ID:9.qzNL.o
短い書き溜めですがこのあたりで。
あとは本当に書き溜め残ってないんで今度こそ時間を空けての投下になると思います。
気長にまってやってください、では
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 19:12:31.97 ID:fmmq3wDO
乙!
期待してるから気長に待たせてもらうよ
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 19:13:35.04 ID:TaSHk9oo

ガンバ
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 19:31:17.38 ID:KhbifGEo
面白いと思う。
あとアビミョンじゃなくアビニョンじゃなかったっけ?
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 19:41:16.19 ID:9.qzNL.o
>>48
タイプミスですゴメンナさい
決してアビミョンだと思ってたわけじゃありませんタイプミスです
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 22:54:08.24 ID:9.qzNL.o
改めてアビミョンとか恥ずかしい///
しかも言い訳が逆切れっぽく見える・・・なんかゴメンナサイ恥ずかしかっただけなんですごめんなさい///
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 23:12:58.86 ID:KhbifGEo
いや、別に良くね?
気にするようなもんでもないぜ。
気にさせてしまったとしたら、悪いことしたな。すまん。
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 01:13:43.23 ID:twFQDq.o
やだこの>>1かわいい
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/01(土) 12:56:08.53 ID:5r8DghI0
まだかなまだかな
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 15:11:19.76 ID:glVtxU20
おお!あの人か!
待ってたぜ〜続きが楽しみだ
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 16:33:59.03 ID:qdjrhsso
おおっと、ついにフレンダが来たかー。応援しているぜ。
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 02:08:14.49 ID:NFHt/LI0
今日はこないのかな
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 07:12:57.16 ID:mv58wJIo
干<手こずっているようだな、尻を貸そう

フレンダSSが増えてきてうれしいよ紫煙
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 08:41:26.20 ID:7oye0MDO
打ち止めと入ったファミレスがアイテムが利用してるファミレスで一方通行とフレンダが再会する夢を見た
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 20:17:41.98 ID:NFHt/LI0
madaxa....?
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/02(日) 23:56:49.12 ID:B2YmI2DO
Inde...
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 08:26:23.80 ID:hjGF5IDO
インドX
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 16:25:22.35 ID:sn1BqyM0
GW終ったら着てくれるかな
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 18:43:44.52 ID:zkvqTsco
                                                                  /  ..-‐
                                                                /{ ∠ -‐≦-―…¬ヤ
                                                                _〈::レ:´:::::::::::::::::::::::::::::::<
                                            早く書けビーム      ,. ::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧._
                                                             ∠. -ァ::::::,イ:!:::lヽ::::::::::::::::::::::::<.  ̄
                         , - 、                ,.ヘ、                       /イ :::ハ|ヽ! !ヽ::::!:::::::::::::::\ `
                         r´ 「三三三l           !  ト、                     / l::,イ    !7::ヽ!::::::::::: '. ̄
                     (( .l.三三三l . ノ!            / \                        |/ ヽ - ィ\!::::::::.ト、::::!
                           ヾ≧彡'           ,/   /} _..-‐¬‐- .            ,rー≦マ,. イ Y⌒',、! \!
                                  , - 、   /     ,.r:´         ヘ         イ  イ ヘ厶イ.!   ヘ
                                  {   \ Y . : :´ }、          ',.  h_, .<  〈  /.l ./ D  !  ハ
 、    、 ’、  ′     ’      ;    ∧   | . : :´    1            ;r‐'   _, -‐ `ヽ.' l/     l   ハ,
  .. ’        ’、   ′ ’   .        { \. : :´  \  ,ノ           } ~廴ぅ'´       i      l.-‐Tフ
     、′・  ’、.・”;  ”  ’、             . : :´      ヘ√.            ;.            '        7.l  l
 ,;′   ’、   (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”;       . : :´                     ,’           .'         ,' !  l
’、  ・ .(; (´;^`⌒)∴⌒`.・ ”   ;     . : :´                     厶イ             /        ム !  l
 .、  ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;;ノ、"'人   ,.r: ´   ___弖丕二ニ=/1-- ‐ \¨  ̄             〈        ハ,_!  l__
    、(⌒ ;;;:;´'从 ;'   ;:;;) ;⌒ ;; :) )、 ̄ ̄ ̄         ヘ  / 〉    |    √              }ー-.. __,.∠.イ !  l_,∠
     ( ´;`ヾ,;⌒)>>1⌒ ;) `⌒ )⌒:`.・           Y  く_,ノ   ∨⌒′            /  !  l   ! ヘ  !  l,.イ
‘:;゜+° ′、:::::. ::: ´⌒(,ゞ、⌒) ;;:::)::ノ                                        /.   l  l  ', ∨l   !
    `:::、 ノ  ...;:;_)  ...::ノ ソ ...::ノ                                        廴_!__!__,..-ィ!  ヘ
                                                                 l    ! ヘ    マ-‐'′
                                                                 l    !   ヽ   丶
                                                                 l    l    ヽ   ’.

64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/05(水) 14:40:16.88 ID:P7Lmfi.0
支援
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 23:40:28.46 ID:pisVjkSO
待ってるぜ
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/07(金) 01:28:02.41 ID:HKtG3QAO
まだ????
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 00:42:05.83 ID:vlzOQo60
ずっと待ってるんだよ……
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 11:42:58.93 ID:E.MiGkEo
あわわわわ・・・・・・一週間以上も放置してしまったごめんなさい!!
思いのほかGW忙しくて書き溜め全然進まなかったんからほんとにちょっとだけだが投下しておく
頑張って土日中にもうちょっと投下できるようにすうから今はこれだけでなんとか見逃してくださいお願いします
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 11:43:46.92 ID:E.MiGkEo
――― 数日後

「はぁー、撃破ボーナスもうちょっとだったんだけどねー・・・・・・」

ATMの画面に表示された金額を確認しため息をつくフレンダ。
そこにはATMを操作する少女の見た目からは想像も出来ないような金額が表示されている。

競馬新聞片手に隣のATMを操作している、いかにも今から一勝負してきますという感じのおじさんも
この画面を覗き込んだら自分のちっぽけな一勝負など馬鹿馬鹿しくなりまっすぐ家に帰ってしまうかもしれない。
残念ながら学園都市製の銀行システムは操作者以外画面上の情報を認識できないようになっているので
このおじさんは予定通りちっぽけな一勝負になけなしの貯金を溶かしてしまうのだろうが。

ちなみに今回は一昨日の狙撃手撃破の報酬金を引き落としに来たのだが、予定より少ない報酬を確認し再びフレンダはため息をついた。

アイテム内恒例のターゲット撃破ボーナスを賭け、それぞれがこぞってターゲット撃破に乗り出し、
フレンダはターゲットが狙撃に使う予定のビルを突き止めあらかじめ先回りしトラップを設置、
いいところまで追い詰めたのだがいいところで麦野が現れおいしいところを掻っ攫われてしまった。

「骨折り損のくたびれ儲けってのはまさにああいうことよねー。用心してトラップ仕掛けすぎたわ・・・・・・」

よく見ると彼女の目の下にはうっすらと隈が出来ている。
というのもターゲットが麦野によりあっけなく撃破されたあと一人寂しくビル内の使わなかったトラップを回収し
最後のトラップを回収し終えたのは日付が変わってからだったからなのだが。
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 11:44:29.50 ID:E.MiGkEo
「まぁ、今日はこれくらいあれば足りるよね」

慣れた手つきで液晶に指を滑らせるとATMが口を開き、
そこから財布へと紙幣を入れ替え後ろで順番待ちをしているおばさんに場所を譲る。
横のおじさんが少し手間取っているせいか後ろにはちょっとした行列が出来ていた。

そんな行列を尻目に自動ドアの前に立つとセンサがフレンダを感知し左右に開き道を明け渡す。
学園都市製の強化ガラスのドアが開くと目の前には人の行き来でにぎわう大通りが姿を現した。
学園都市は人口の8割を学生が占めているため、人混みのほとんどは学生のグループや若いカップルで構成されている。

「あぁ・・・・・・どいつもこいつも、楽しそうね・・・・・・ほんとに」

人間の心理だろうか。
そういった小さな集団が構成する集合の中に個人として存在するとどうしても物寂しくあり、なにか面白くない。

出かける際に他のアイテムのメンバーにも一応声を掛けたのだが、
絹旗はいつも通り趣味の映画鑑賞に行くらしく、向くこうから一緒にどうかと逆に誘われた。
しかし、以前一緒に映画に行った際に自分にB級映画のよさは一生分からないだろう事は嫌というほど理解したので丁重にお断りしておいた。

浜面は荷物持ちでもさせられるのかと思ったのか声を掛けられる前にすでにアジトに姿は無く、
麦野に至っては朝早くからすでにどこかに出かけた後のようで今日はまだ姿を見ていない。

滝壺には午後から見たいテレビがあるという理由で断られてしまった。

「滝壺らしいと言えばそうなんだけどね。結局、テレビに負けたのはちょっと傷つく訳よ・・・・・・」

今頃、滝壺はアジトのテレビの前でお菓子を片手にどうぶつ起承転結の再放送を見ていることだろう。
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 11:45:16.35 ID:E.MiGkEo
「にしても、ほんとに今日は人多すぎじゃない?」

少し歩くたびに人にぶつかりそうになりながらフレンダは愚痴をこぼした。

どうやらこの人混みの原因は新しく出来たショッピングモールにあるらしく、
そういえば今朝テレビでショッピングモールグランドオープンなどと言いながら
『10分で考えました』みたいなチープなキャラが動き回るCMやっていたのを思い出す。

そのショッピングモールに向かう人の流れと出てくる人の流れがちょうどこの辺りでぶつかり人の渦を作り出しているらしい。

確かによく周りを見渡すとオープンイベントで配っているものだろうか、
CMで見たチープなキャラクターがプリントされた風船をもった親子連れや、やたらパンパンになったロゴ入りの紙袋を持った人がチラホラ見て取れた。

いっそこのまま流れに身を任せてショッピングモールを満喫してみようか?

そんなことを考えるものの周りがすべて友達連れや親子などばかりなのが少々決断を鈍らせる。

実際CMで見る限りなかなかの規模だったはずだ。
ああいうものは誰かとわいわい話しながら見るのが楽しいので、
あって一人で見て回るには体力的にも精神的にもあまりよろしくは無いと相場が決まっている。

「あぁー、まったくほんとに―――」
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 11:46:00.22 ID:E.MiGkEo
――――

「―――面白くねェ・・・・・・」

一方通行は人ごみのなかで言葉どうり、いかにも面白くなさそうな表情でそう愚痴をこぼす。
目の前を通ったカップルの男のほうが一方通行の表情を見てヒッと声をもらし、
女がそんな頼りない男に怪訝な視線を向けていたがそんなことは一方通行の知ったことではない。

先ほど路上で配っていたチラシから察するにどうやらこの人の多さは新しく出来たショッピングモールが原因らしい。
チラシの端には子供と戯れる手抜きかと思うほどチープなキャラクターが載っていた。

一方通行がそんな人ごみの中になぜいるのかと言われれば
別にそんなチラシを見てショッピングモールへ行こうなどと考えたわけではない。

本来なら冥土帰しのところへ行き電極の設計図を手に入れるはずだったのだが、
面倒なことに今あの病院には打ち止めが入院している。
前もって黄泉川から打ち止めの退院日を聞き出しておいたのだが、病院にいくとまだ打ち止めは入院したままだった。

「チッ、黄泉川の野郎・・・・・・クソガキと会っちまったらどうすンだ」

もちろん黄泉川はあえて間違った退院日を教えたのであり、その目的は一方通行を打ち止めあわせるためにほか無かった。
かと言って、暗部にまで落ちてしまった一方通行からしてみればそうほいほい打ち止めと接触する危険は犯せない。
打ち止めだけではない、黄泉川や芳川であってもも簡単に連絡を取るわけには行かないのだ。

かつて黄泉川は言った。
あんたを助けるのは案外簡単かもしれない、と。

確かにあの頃までなら濁った水面越しに黄泉川らから一方通行を見ることも出来ただろうし掬い上げることも出来たかもしれない。
しかし、今の一方通行は水面を遠く見上げても光すら届かないヘドロの中に埋もれてしまった。
黄泉川達からは掬い上げることはおろか見つけ出すことすらかなわないだろう。
そして無理に掬い上げようとすればその者も濁った水に絡み取られ二度と水面へはたどり着けなくなってしまう。

厄介なことに黄泉川とはそれが分かっていても自分からそんな底なし沼に飛び込んできてしまうような人間なのだ。
自分のような人間のために簡単に自分を犠牲に出来るヒーローのような人間なのだ。

だから尚更連絡など取れない。
今回、打ち止めの退院日の確認をする程度の連絡すら本来なら避けるべきだったのかもしれない。

もし一方通行を助けることが出来るとしたらそれは同じヘドロの中の住人だけなのだ。
掬いあげるのではなく、ともにヘドロをかきわけ這い出すほか手は無い。

とはいえ、一方通行自身はそんな助け合って一緒に頑張りましょうなどというものは最初から望んでいないのだが。
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 11:47:39.30 ID:E.MiGkEo
「さァて・・・・・・、これからどうすっかなァ」

アジトにでも戻ってみるのもいいのだが、なにやら土御門が標的の潜伏先の捜索を手伝って欲しいなどと言っていたのを思い出す。
結局、電極の件もあったので適当にあしらって出てきたものの今戻れば確実に手伝わされるに違いない。
それに、標的である人材派遣とやらの潜伏先のめぼしは大方ついているらしく自分がいなかろうと問題は無いはずだ。
仕事が終わってしまえばあの辛気臭い空間で他のメンバーとなんとも面白くない時間を過ごすことになってしまう。
グループは自分を含めメンバーに馴れ合いなど求めていないのだから必然的に面白おかしく談笑するなどということになるはずがないのだ。

「いっそこのまま流れに乗って行ってこの珍妙なマスコットと戯れっか?・・・・・・くだらねェ」

我ながら柄にも無いことをつぶやいたと自嘲的に吐き捨てる。
結標がこの場にいたら気持ち悪いものを見るような視線でも向けられていたかもしれない。

そんな柄にも無いことをつぶやくのもこの人の波に当てられたからだろうか、と一方通行は人ごみに目をやった。
だいぶ買い込んだのか大きく膨らんだロゴ入りの紙袋やらキャラクターがプリントされた風船がやたら目に付く。
と、そんな中なにやら見覚えのある人影が一瞬一方通行の視界に入る。
確認しようと視線を戻すとすでにその人影は人ごみにかき消されてしまっていた。

普段ならばそのままどうするでもなく放っておくのだが、いかんせん今の一方通行は退屈していた。
寄りかかっていた街路樹から背中を引き剥がすと、一方通行は人ごみの中へと進んでいき先ほどチラッと見えたウェーブのかかった金色の髪を捜す。

しかし、思いのほか人の行き来が激しい通りの中ですでにその辺りには姿は見えず、
先ほどの後姿が自分の知っている人物であるという確証もない。

それでも一方通行は辺りを見回しながらその少女が消えていった方向に歩き出す。

本当にらしくない。
これもきっと人の波に当てられたからなのだろう、とめんどくさそうに頭をかいた。
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 11:48:47.21 ID:E.MiGkEo
いったんこの辺りまで
5レスだけとか舐めてるのかとか思われるレベルかも知れないがほんとに申し訳ない
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 12:08:29.38 ID:BeIsMwso
おつー
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 12:56:59.16 ID:.poy0cDO
乙!
制作だしどんなに時間かかってもいいんだよ!
でもたまに顔出さないとHTML化依頼の話が出てくるからそこだけ気を付けてほしいかも
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/09(日) 03:20:26.94 ID:sjO7nDgo
乙。
やはり、フレンダは可愛いww
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/09(日) 06:56:19.29 ID:zq5zR.SO
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 03:39:58.82 ID:1SgPVmA0
フレンダかわええええ
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/10(月) 12:40:45.65 ID:8UgSoADO
土日中とか言ったのに結局投下できなくてすまんかった…
そして久々に就活で面接の予定入ったからまた間あくかもしれん
重ね重ね申し訳ない
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/10(月) 16:06:54.26 ID:b.fePEAO
生存報告があったからいいよ
まぁ忙しいなら無理しないでくれ
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 16:51:01.58 ID:WjuNOiU0
>>80

だいたいいつ頃になるか分かる?
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 16:54:30.78 ID:ZTQKUsAO
面白いな乙

一方通行とフレンダとかたまんね
制作だしゆっくりでいいから完結させてくれ
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 17:24:01.27 ID:m6sgP/Mo
>>80
まさかGEPPERに仲間がいるとは……
就活きついよねwwww
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 17:53:51.54 ID:o./FBkAO
ニートの俺には関係ないがな
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 19:09:12.77 ID:ZTQKUsAO
>>85
働け
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 19:52:41.55 ID:MUCQuUDO
フレンダかわういよ
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 21:38:24.97 ID:y3j0xAAO
すごい原作に溶け込んでるね

動物起承転結みたいハァハァ(*´д`*)
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/11(火) 09:59:31.99 ID:pFzXduMo
>>88
動物奇想天外…?
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/11(火) 13:19:00.48 ID:kBDp4cDO
>>89
>>70
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 10:51:19.21 ID:DckCusAO
結局早く更新して欲しい訳
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 18:20:02.48 ID:lAJsr.Io
どうぶつ起承転結とはちょっと色黒の司会者が送る動物の生から死までを追ったドキュメンタリー

というかちょっと流れ的にお気づきだろうと思うがここからデートパート?的な流れなんだが
デートとかしたことないから全然進まないんだほんとにすまない、モテなくてすまない。もう誰か俺とデートしてください
デートパート?が終わればあとはストーリーちゃんと考えてるからまだ安定して投下できるはず

とりあえず3レスだけ投下。
毎回ちまちました投下で申し訳ない。
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 18:21:09.92 ID:lAJsr.Io
――――

「滝壺と家に残ってどうぶつ起承転結見てたほうが正解だったかな」

確か今日はカンガルー特集とか言ってたっけ。と、
家を出る前に滝壺から得たどう活用していいか分からない情報を思い出す。

銀行を出た後、しばらくそのまま今後の予定をどうしようかあれこれ思い悩んでみたのだが結局いい案は浮かんでこなかった。
ならばいっその事と、人の流れに沿うようにだらだらと足を動かし始めてみたものの、
このままでは流れ着くのは自動的にショッピングモールであり、やはり一人で見て回るのはどうも気乗りしないのだ。

「あぁー、このまま流されちゃだめだわ。一旦ストップよ、ストップ!」

誰に言うわけでもなく自分に言い聞かせ、一旦歩みを止めるフレンダ。
ふと、目の前の服屋が目に入る。

通りに面しているため普段ならばそれなりに客で賑わっているいる店内も、
グランドオープンした大型ショッピングモールに客足をすっかり奪われまばらに客がいるだけとなっている。
店の奥では店員が妬ましそうに通りの人ごみを眺めていた。
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 18:23:18.17 ID:lAJsr.Io
そんな店員の恨めしそうな視線など気にも留めずフレンダはガラスに映った自分の顔を覗き込む。

「あちゃー、酷い顔だわ……」

コンシーラーで目立たないようにしてきたつもりだった隈は割とくっきり顔を見せ始め、
そのせいかただでさえ人ごみの中疲れて見える表情が輪をかけて悲惨なことになっている。
家を出るときはちゃんと目立たないようになっていた筈だっただけにショックが大きい。

と、フレンダは思っているのだが、

実際のところ、本人が思うほど隈も目立っている訳でもなく顔だってそれほど酷くは無い。
むしろ、この人ごみの中でもかなりレベルの高いほうであり、
その金色の髪と自慢の脚線美もあいまってかわざわざ振り返る男も珍しくほどだ。

しかし、自分のことというのはどうしても敏感になりがちであり、
年頃のフレンダとしては尚更のことである。
男っ気の無い生活を送っているとはいえ、こればかりはずぼらに出来ることでもない。

男っ気が無いといっても別にフレンダという人間に問題があるわけではない。
暗部に所属し闇に生きる身としてはどうしてもそういった話がなかなかなく、
仮にあったとしても一般人と恋仲にでもなろうものなら闇に生きるフレンダとしては最悪弱点にもなりかねず、
わざわざそのようなものを背負い込むほど彼女は物好きでもなければ被虐性癖者でもない。

共に歩いていくとするのなら同じ闇の住人になるのだろうが、知る限りそのような男は今のところ浜面くらいのものだ。
浜面はない。断じてありえない。結局、浜面は浜面であって浜面以外の何者でもありえない訳よ。というのがフレンダの結論であった。
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 18:24:23.80 ID:lAJsr.Io
「それにしてもホントに―――」

「おいおィ、ヒデェ隈だな」

突然掛けられた声にフレンダはビクッと体を振るわせる。
視線をガラス越しにゆっくりずらしていくと、いつのまにいたのだろうか。
見知った顔がそこにいた。

「……知らないの?隈が好きって人もたまにいるのよ」

「はンッ、そンな少数派のマニアック野郎にもてはやされてェのか?」

そんなデリカシーの欠片もない一言に、わざとらしくムッとした表情を作りガラス越しに一方通行を睨み付けようとするが、
店員がいつの間にかこちらに視線を向けていることに気づき一旦そちらにあははははと愛想笑いを送る。
改めて振り返り再び表情を作り直してから一方通行を睨み付けようとするが、
予想以上に一方通行が近い位置に立っていたため身長の低いフレンダは強制的に上目遣いになってしまい
その視線にはいまいちキレがなかった。

「あァ、はいはい。そンな可愛い隈目で上目遣いされちゃもうメロメロだァ」

棒読み気味に一方通行がそうこぼす。
杖を持っていないほうの手を軽く上げあさっての方を向き、
いかにもわざとらしく「こりゃ参りました」とでも言いたげなジェスチャーが、またフレンダをムッとさせた。
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 18:26:55.67 ID:lAJsr.Io
間あんまりあけないほうがいいかと思って投下しちゃったが
やっぱりちまちま投下するよりまとめてからのほうがいいのだろうか・・・次からどうするか考えとこく
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 18:30:30.13 ID:/0jKXrYo
ちまちまでもいい
早く見たい
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/13(木) 18:37:17.03 ID:lAJsr.Io
おk

ちまちまでもいいならちょっとでもある程度区切りがよければ
間空かないように投下するようにする
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 18:38:13.29 ID:/0jKXrYo
楽しみにしてる
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 18:58:35.20 ID:yUxFv2AO
乙&100GET
>どうぶつ起承転結とはちょっと色黒の司会者が送る動物の生から死までを追ったドキュメンタリー
Σ(||゜Д゜)ヒィィィィ
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 22:06:46.59 ID:Bw5WPrQo
>>100
最後に色黒の司会者が美味しくいただきそうだなww
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/15(土) 17:27:40.23 ID:EFVyk.60
うああああああ
フレンダかわええええええ
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/15(土) 20:41:11.53 ID:X8kIE.AO
結局アイテムは全員かわいいわけよ
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/20(木) 00:38:58.33 ID:6kN1eTU0
楽しみ支援
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 21:44:51.13 ID:IDK2qiAo
「で? いきなり現れて人のこと小馬鹿にしてなにか用なの?」

フレンダは問いかける。
本来なら予定もなく途方にくれていたところに思いがけず現れた知り合いなのだから、
むしろ喜んでもいいものなのだがその声の調子はどこか刺々しい。

一方通行が少々デリカシーに掛けたためか、
それとも「酷い顔」を思いがけず見られたためか、
どちらの理由にせよ結局のところフレンダも世間一般の同年代の女の子がそうであるように難しい年頃なのだ。

「ン? あァ、別に用なンかねェよ。ちょっと見覚えのある金髪がいたから見に来ただけだ」

「……ほんとににそれだけ?」

「他になンかあるってンですかァ?」

意外だった。

学園都市第一位である目の前の男は人をひきつけない、
むしろ好んで遠ざけるようなイメージをフレンダは持っていた。

先日のぬいぐるみを購入した際のことであっても、
目の前の男の正体をしってからはかなりイレギュラーなものだったのだと思っていた。

そんな男がそんな理由でまたこうして目の前に現れたことがただただ意外でしかたがなかった。
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 21:50:52.05 ID:IDK2qiAo
なんにせよそんなイレギュラーで意外な存在がまたこうして現れたことに、
めったに見れない珍種の動物に遭遇したような驚きを感じつつ、同時にどうしてこんな時にと溜息をこぼす。

「そう。―――あぁ、嫌なところ見られちゃったわね。よりによってこんな隈顔……」

「なンだ、ほンとにその隈気にしてたのか。言うほど目立ってねェぞ?」

「いやっ、結局さ、酷い隈だって言ったのはあんたな訳よ」

「……挨拶みてェなもンだろォが」

「だとしてもセンスとタイミングが最悪だわ」

フレンダのジトーッと湿った視線が一方通行に浴びせられる。
少しは悪かったと思っているのが一方通行の口からそれ以上反論が放たれることはなかった。
そんな様子を見て満足したのかフレンダの表情がやわらかいものへと変わっていく。

「まぁいいわ、許してあげるからその代わり今からちょっと付き合ってよ」

「……何で俺が言うこと聞かなきゃいけないンですかァ?」

あまりに突然の表情の変化はなにか裏があるとでもとったのか、
どこか警戒しながら一方通行は反抗してみせる。
こういった流れになったのにも自らに非があるためその反抗にもいまいち力がこもってはいないのだが。
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 21:52:32.86 ID:IDK2qiAo
「なによ、こんな可愛い子が誘ってるのにそのつれない反応は。第一位ともなると女の子もとっかえひっかえって訳?」

「どうしたらまだ2、3回しか会ってない人間にそンな偏見持てるように育てるンですかァ?」

「大らかに育てられたのよ。まぁ、冗談は置いといてさ、どうせわざわざ『つまんない挨拶』しに来たくらいなんだからどうせ暇なんでしょ?」

『つまんない挨拶』を強調され一方通行の眉がわずかに反応する。
表情こそ笑顔になったものの目の前の女はやはりまだ根に持っているのだろうか、
女とは分かりづらくなんとも面倒くさい連中ばかりだ、と知り合いの女の顔が3人ほど一方通行の脳裏をよぎった。

「だんまりは肯定ととってもいいのかしら?」

両手を腰に当て一方通行の顔を覗き込むように体を倒しながらフレンダが問いかける。
何か否定しようにも実際暇だった一方通行としてはこれといった反論があるはずもない。
そんな一方通行の様子を見て自らの勝利を確信したのか、
フレンダの表情は先ほどまでの柔らかい笑顔からニヤッとしたものへと徐々に変わっていく。


そんな笑みを向けられた一方通行の口から敗北宣言が放たれるまでさほど時間はかからなかった。
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 23:11:03.12 ID:O4axYdgo
キテルーーーー!!
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 23:35:49.12 ID:sqdMwkg0
きたきたー!!
この1レスだけでもうおもしれーw
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/22(土) 01:26:08.32 ID:4u1qmkSO
来てたのか!気付かなかった!
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/22(土) 16:12:49.89 ID:HZp1IkDO
>>1です
ちょっとPCがぶっこわれましたので、しばらく遅筆に拍車がかかります
携帯駆使してみるけど携帯の文字入力苦手なんだ…
毎度毎度申し訳ない
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 19:58:00.49 ID:xnwQgUAO
完結さえしてくれれば遅かろうが速かろうが無問題
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/22(土) 23:52:41.12 ID:e4JfxZQo
製作だしな
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/28(金) 09:15:06.02 ID:qWCfVzE0
あげないよ
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 17:23:45.31 ID:3R3QdUAO
あげ
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 19:52:58.53 ID:tKGoHgAO
まだー?
117 :生存報告兼PC直った報告でとりあえず今書いた1レスだけ [sage]:2010/06/04(金) 21:27:49.30 ID:4QX/5kMo
――――

「まァ、買い物に付き合ってやるのはいい……暇だからな」

先ほどまでの比ではないほどの人ごみの中、一方通行はつぶやく。
暇の部分が若干強調されて聞こえたのは気のせいではないだろう。
それはフレンダに対するささやかな抵抗だったのかもしれないが、
その当の本人は風船を配る珍妙な手抜きキャラクターに夢中でそのような意図は一切伝わっていないようだ。

「いやぁ、手抜きだと思ったけど本物はますます、どうしてなかなか……で?なんか言った?」

「だからよ……なンでわざわざこンなオープンしたてでごった返してる場所に来なきゃならねェんだよ。買い物ならさっきの通りで十分だろ」

「チッチッチッ……分かってないわ。結局、あんたは分かってない訳よ!」

ビシッ、と一方通行を指差すフレンダ。
漫画ならばその背後にはドーン!とでも言った擬音がでかでかと貼られたことだろう。

「こういう新しく出来たショッピングモールって言うのはね、最初張り切ってやっちゃった感が満載で面白いのよ!」

そう!あのキャラのように!と一方通行に向けていた指は手抜きキャラに向けられる。
こんどの擬音はドンッ!という感じだろうか。

「……くだらねェ」

その表情には諦めと呆れを3:5で混ぜたような色で塗られてしまっていた。
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 01:03:40.34 ID:PQWa7jM0
おー、来てた来てたwwww
頑張って書いてくれよー、完結に向かう限り住人はみんな>>1の味方だからなww
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 01:57:24.55 ID:yaDGddEo
結局何だかんだ言って皆1のことが好きって訳よ。
がんばって!
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 04:11:09.48 ID:Sq/hZj60
可愛い訳よぉぉおおおおおお
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 18:49:24.66 ID:12gtK.AO
フレンダは何しててもかわいい
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/06/08(火) 23:17:25.35 ID:OBVTohwo
――――

それにしても本当に騒がしい場所だと一方通行は思う。

彼の普段の生活での行動範囲といえばコンビニ程度、それも夜になってからだ。
人との深く関わることを避けていた結果、いつの間にか自然と人ごみを避けるようになっていた。
今では杖を使わなければ歩行すら困難であることもそれをさらに助長させる結果となっていたのかもしれない。

そんなところに暇なら付き合えなどという理由で律儀にのこのこ付いてくるような人間だっただろうか?
と、己の中で何度も問いかけるが、そうそうアンタは昔からそういう奴だったよ。などという答えが返ってくるはずがない。
むしろこの学園都市第一位という人間はそういうものとは対極の位置にいるはずなのだ。

「ちょっと、どうしたの!? ボーっとしてるとおいてっちゃうわよ!!」

フレンダが呼ぶ声に一方通行の意識がそちらに向けられる。

その姿はいつの間にか人ごみに半分ほど飲み込まれていた。
置いて行くというよりは、人ごみに飲まれて身動きが取れないから早くあんたもこっちに来なさいと言うのが本音だろう。

「……はァ」

「ちょっと! 溜め息なんてついてないで早く来ないとほんとに置いてンガッ! ホント早く来て!!」

はいはい。と面倒くさそうに杖を突きフレンダの元へと歩みを進める。

早くあの缶詰馬鹿を人ごみから引き上げないと、この人込みだ。
それが今生の別れにもなりかねない。

――――
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 23:17:52.97 ID:OBVTohwo
「はぁはぁ……酷い目にあった訳よ」

肩で息をしながらボサボサになった髪を整えるフレンダ。
その傍らでは一方通行が『心底どうしようもないもの』を見るような目を彼女に向けている。

「オマエは落ち着きってもンがねェのか? うちのクソガキだってもうちっと大人しく出来ンぞ」

「ぬいぐるみ屋の頃から思ってたけどもしかしてあんたって兄バカ? 流石のあたしもそこまで落ち着きがないはずは……なにその目」

「いや、無自覚ってェのは手がつけられねェと思ってよ……」

「無自覚ってどういう意―――、お願いだからその目止めてくれない? なんかこう、心に直接チクチクくるんだけどさ……」

何か反論しようとしようとするが、一方通行の『可哀想なもの』を見るような目がそれを拒む。
フレンダはもごもご何か言いたげに唇を振るわせるものの、向けられる視線にいたたまれなくなりその顔はどんどん下へ下へと角度を変えていった。

「……ちったァ反省したか? わざわざ付き合ってやってるンだからこっからは余計な手間かけさすんじゃねェぞ。分かったら顔上げろ」

「や、約束できないけど、極力頑張るわ!」

「……オマエ、マジでクソガキ以下だわ」

まったく反省が見られないフレンダに軽くめまいを感じ頭を抱える目の前の男に対して、
原因である可哀想な少女は訳が分からず首をかしげた。
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 23:19:49.22 ID:OBVTohwo
PCの修理のせいであまりにも間空きすぎたから
1レス以上できてたらそれを一日の終わりに投下する形で数日やってみる。
出来れば5レスづつは書き溜めしたいけどまたかなり間あいちゃったりしそうだからPC修理期間の穴埋め程度の感じで数日だけ。
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 23:25:48.31 ID:7sGorEM0
乙!フレンダかわええ
最近は楽しみなスレが多くて嬉しい
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 23:26:27.25 ID:3XcVGEAO
まぁSS書く人のPCは良く壊れるからね
本当良く壊れるから

カナリコワレチャウカラショウガナイヨネー
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 23:28:10.87 ID:zDOhyb.0
超乙ですよ。俺得すぎるカップリングなんで次も期待してるよー。
PCが壊れてあれだろうけど、気長に頑張ってください
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/09(水) 11:01:46.68 ID:0HdhxcAO
SS書いてたら仕事忙しくなったり病気になったりパソコン壊れたりするのが普通

完結まで応援する乙
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/10(木) 01:06:54.34 ID:CCxm2sSO
誰だって応援する
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 01:49:51.73 ID:Bj4gItIo
「ちょっと、大丈夫?」

フレンダは問いかける。
一応は頭を抱える一方通行を思いやっての言葉なのだろうが、原因である本人が無自覚で言ってくるのだからたちが悪い。

「あァ、オマエが大人しくしてりゃなンの問題ねえ」

「そう? それならちゃっちゃと見て回らなきゃ損よね。なんだかんだ無駄な時間食っちゃったわ」

「誰のせいだ……って、言ったそばから走るンじゃねェよ! やっぱり何も分かってねェじゃねェか! バカなンですかァ!? 無能なンですかァ!?」

一方通行に背を向け、すでに一歩目を踏み出しスタートを切ろうとしているフレンダに対して珍しく声を荒げる。
その声に出鼻をくじかれスタートダッシュを失敗したフレンダがバランスを崩しながら首だけで後ろを振り返る。

「そこまで言わなくても……。私だってさすがに凹むんだからもうちょっと気遣ってくれても言いと思うんだけど?」

「そォかそォか、気遣ってほしいか……じゃァまずはオマエが杖ついてる俺を気遣うところから始めねェとな?」

「あ……」

しまったといった様子で口を開くと、自然と声がこぼれる。
その視線は男の体重を支える現代的なデザインの杖へと向けられている。
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 01:50:33.69 ID:Bj4gItIo
一方通行とて別に本気で自分を気遣えと言っている訳ではない。
むしろ、彼の性格からすればそんなことでいちいち気を使われるのは我慢ならないことですらあるのだ。

しかし、こうでもいわなければ目の前の女は猪のようにただ人ごみに対して突き進むことを止めないだろう。
そうなれば後は今生の別れだ、自分だけが取り残され馬鹿を見ることになってしまう。
わざわざこんなところまで付いてきてやった上に勝手に消えられるような馬鹿を見る、そんな終わり方だけはごめんなのである。

フレンダはと少し何かを考えているかのように顎に指をそえて眉間にしわを寄せうんうん唸っていたが、
何か思いついたのか目を見開くとこちらにズンズンと近づいてくる。

「分かったわ」

「そりゃよかった。それじゃァもっとゆっくり落ち着いて見てまわ―――あンッ!?」

最後まで言い終わる前に一方通行の体がぐんと引き寄せられる。
フレンダが一方通行の手を強引に引き寄せたのだ。

「結局さ、私がエスコートしてあげれば良かった訳よ!」

手を引きながらどんどん人ごみをかき分け進んでいくフレンダ。

一方通行はと言えばもう何も言うまいと半分諦めのようなものを浮かべながら、
せめて転ばないようにと杖と足元に神経を集中させている。

そして、ふと思う。
人と触れ合ったのなどいつ以来だろうか。

手のひらに伝わる暖かい感触が自分にはとても不釣合いなものに感じて思わず苦笑もこぼした。
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/10(木) 04:41:46.81 ID:TNa5iOE0


不細工まじめ:がり勉                 イケメンまじめ:知的
不細工マッチョ:[ピザ]きもい           イケメンマッチョ:スポーツマン
不細工暗い:根暗キモイ            イケメン暗い:クール
不細工面白い:笑われ者            イケメン面白い:人気者
不細工高学歴高収入:金の亡者       イケメン高学歴高収入:エリート
不細工リーダー:調子に乗るな.          イケメンリーダー:頼りがいがある
不細工おしゃれ:勘違いもいいとこ       イケメンおしゃれ:イケテル
不細工低身長・高身長:キモイ・怖い.     イケメン低身長・高身長:カワイイ・カッコイイ
不細工フリーター:さっさと就職しろボケ   イケメンフリーター:夢に向かってがんばってね
不細工マニア:おたくキモイ、敬遠される   イケメンマニア:流行の発信源、関心持たれる
不細工子供っぽい:いつまでたってもガキ   イケメン子供っぽい:子供の心を忘れない
不細工童貞:一生そのままでいろ        イケメン童貞:私が捨てさせてあげるわ
不細工香水:悪臭公害                イケメン香水:女を寄せ付けるフェロモン
不細工告白:ストーカー・消えろ.        イケメン告白:最高のシチュエーション
不細工レイプ:逮捕                 イケメンレイプ:感じる
不細工自己中:激しくウザイ             イケメン自己中:自分をしっかり持っている
不細工バンド:身の程を知れ.          イケメンバンド:最高にカッコいい
不細工2、14:ただの邪魔者          イケメン2、14:私のチョコを受け取って♪
不細工優しい:下心あるのバレバレ.      イケメン優しい:もっと優しくして
不細工新入社員 : 歓迎会無し     イケメン新入社員 : 歓迎会あり、なぜか他部署からも女子社員が参加
不細工独り暮らし : 孤独死確定ね     イケメン独り暮らし : 御飯作りにいってあげる!
不細工が美容院 : 営業妨害       イケメンが美容院 : ようこそいらっしゃいました
不細工一人旅 : 自殺だけはするなよ        イケメン一人旅 : ロマンスたっぷり
不細工、ブスと付き合う : 底辺同士でお似合い     イケメン、ブスと付き合う : 女性を顔で判断しない、とても純粋な心の持ち主
不細工、美人と付き合う : ついに援交か・・・落ちたな    イケメン、美人と付き合う : あ〜ん、理想のカップル
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 20:21:01.93 ID:2wv5xnoo
一方通行とアイテムの組み合わせが流行ってて嬉しい

ああ・・・次はブロックだ
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 08:37:35.23 ID:eXvKeDgo
今追いついた
フレンダ可愛い
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 12:34:30.32 ID:88FXzQc0
>>124
ありがたし
頑張ってね
超応援してる
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 11:06:40.99 ID:ByCUN2DO
そろそろ生存報告くらい欲しいな
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/21(月) 17:49:08.52 ID:a9f.w.DO
待ってる
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 16:46:14.72 ID:zRO67MAO
俺得すぎる全力でC
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 08:56:37.86 ID:YN3UxcDO
>>1はどうしたんだ…?
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 20:51:37.60 ID:4Ls6ano0
>>1は犠牲になったのだ
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 21:03:55.36 ID:u./4SQso
>>/1
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/23(水) 21:33:31.90 ID:7ruNT.DO
>/>1/4/1
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 15:46:32.11 ID:26OXuIAO
PC壊れただの体調悪いだの言い出したら大抵こうなるな
書くのめんどくなって飽きてる状態だからもう来ないか一ヶ月に数レスとかざら
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/24(木) 16:51:18.82 ID:yuY7Xgwo
スレ立ててやるような長編をまともに完結させられる書き手は実は結構すごいんだな。
書く気なくなったんならそう言ってとっととhtml依頼出してくりゃいいのに。
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 19:57:45.13 ID:hJHFmIDO
俺は信じてる!
会社をクビになって、精神的にも経済的にもネットに繋げない状態だと!
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 20:16:19.84 ID:mf7.wKU0
>>145
そっちの方がひどくね?
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 01:48:08.94 ID:00DLePUo
――――

丸いテーブルを挟み向かい合うように座る二人の男女。

方や、この人ごみの中でも目立つ金色のウェーブのかかった長い髪に
その自慢の脚線美を見せびらかすかのように軽く足を交差させ椅子にもたれかかっている少女。

方や、髪も肌もすべてが白く、その白さが赤みがかった瞳をより鮮やかに引き立てる。
現代的なデザインの杖を椅子に立てかけ、テーブルに頬杖をついている姿は半ばうな垂れているようにも見える。

「いやぁ、やっぱりどこも人ヒトひとって感じよね。ほとんど見て回れないわ」

「あァ?」

うな垂れていた顔を上げる一方通行。
この時点ですでに十数店も店を出たり入ったりを繰り返したというのに、
まだほとんど見て回れたなったなどというのだから一方通行が耳を疑いたくなるのも無理はない。

射るような視線を向けられたとうの本人はアイスティーで満たされたグラスから顔を覗かせているストローを咥え
その水面を下げる作業に躍起になっているようで、まったくその視線に気づいていないようだ。

そんな、対面している男の不機嫌な様子にも気づいていないような、
よく言えば大らか悪く言えば少し鈍いフレンダのエスコートを一方通行はずっと受けていた訳だが、
それはエスコートとは名ばかりの強引に腕を引くだけでそこには配慮の欠片も見受けられないようなものだった。

自分の背後で人に、壁に、棚に、幾度となくぶつかりそうになっては杖を巧みに操り避けていた一方通行の苦労をフレンダは知らないだろう。
その証拠につないだ手の先にしっかり着いてきている一方通行を確認するたびにフレンダは満足気な顔を浮かべるのだ。
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 01:49:39.94 ID:00DLePUo
「ところでさ、ここ出たら次はどこから行ってみる?」

「まだ回る気なのかよ。もう十分見て回っただろォが……」

一方通行が疲れきった声できって返すがまったく意に介す様子も無く
フレンダはテーブルの上にショッピングモールのパンフレットを広げはじめる。

ショッピングモールのそこらじゅうに、ご自由にどうぞと置かれているそのパンフレットは
つい先ほど手に入れたにもかかわらずフレンダが雑に持ち歩いたためにすでにくしゃくしゃになっていた。

そんなシワだらけのパンフレットの上をフレンダの視線が隅から隅へとせわしなく動いていく。

ここから出たら、その視線の動きをなぞるようにモール中を隅から隅へと引き釣り回される近い未来を想像すると
一方通行の表情にはさらに疲れの色がのしかかっていった。

「確かに結構みて回ったんだけどねー。流石は大げさに宣伝するだけあって規模が凄いのよ」

「まさか全部回る気じゃねェだろうな? だったら俺は今からでも帰らせて貰いてェンだが……」

「流石に全部は回らないけどね。でも、まぁ? 仮に全部回るとしても買い物に付き合うって約束したアンタを帰すわけない訳よ」

顔はパンフレットに向けたまま、少し細めた目だけを一方通行に向け意地悪そうな笑顔を浮かべるフレンダ。
おそらく彼女が満足するまでこのショッピングモールから帰れないであろうことを理解するには十分な笑顔だった。
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 01:51:42.34 ID:00DLePUo
咥えたストローでグラスの氷を弄びながら、楽しそうにパンフレットを覗くフレンダを見つめながら一方通行は考える。

自分はどこで選択を間違えたのか?

買い物に付き合う約束を交わしたときか?
それとも大通りでフレンダを見かけて後を追ってしまったときか?
それとも……

答えが出るより早くフレンダのアイスティーのグラスの底からは枯渇を知らせる音が鳴り響く。
それと同時にパンフレットを乱暴に小さなかばんに押し込むとフレンダは勢いよく立ち上がった。

「それじゃぁ、後半戦突入といきましょうか?」

一方通行の目の前に差し出される手は、またあのエスコートのお誘いを意味している。
その手を取れば静かな買い物とは程遠いデスパレードの開幕となってしまうだろう。

一方通行はその手を見つめ、少し間をおいてから目の前のお冷を一気に飲み干す。

―――覚悟は決まった。


手を取り勢いよく引かれた感覚を全身で感じながら一方通行はふと思う。


もしかしたら、この瞬間自分はまた選択を間違えたのかもしれない、と
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 03:05:38.15 ID:3M1wQqQo
うおおおおお
続きがきてたー

151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 13:11:03.19 ID:.EaVAsDO
ずっと待ってたよ
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 17:27:36.89 ID:GEndisAO
生きててよかったと思える訳よ
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 12:49:15.58 ID:MOtfoj20
きてた!
やっぱり6月って上半期のなんとかで皆忙しいのかな
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 21:04:50.08 ID:olFLIYSO
キタ――――(・∀・)――――!!
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 23:21:14.29 ID:5afHC8g0
貴方を信じて待っていた
てか、ブックマークから削除しないで良かったw
これからも期待してる
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 11:46:09.95 ID:WZwdSUAO
やったーーーーー!
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 17:12:17.47 ID:xWgw8b60
この時を待っていた
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 18:20:01.75 ID:y/esero0
>>1来てた!これからも期待!
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 19:12:19.40 ID:2YjlPz20
今日はじめて読んだが、面白いなこれ
文章も上手いわ
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 07:16:52.66 ID:CkxNeEAO
まだかな、まだかな
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/10(土) 01:23:15.22 ID:qdcDUBAo
スパイウェアを仕込んでるJane Styleは危険です。

Google Adsense違反報告スレ Part10
http://pc12.2ch.net/test/read.cgi/affiliate/1267346244/

JaneStyleがスパイウェアみたいな動作するらしい件
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/poverty/1278496905/

【スパイウェア?】JaneStyleで書き込みしようとしたら、○○に情報が送信されていた件
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1278681871/


■Google Adsense 違反通報URL
https://www.google.com/adsense/support/bin/request.py?contact=violation_report


※個人情報漏洩による被害者をこれ以上出さない為に、
 このコピペを見つけた方は一人5箇所以上にコピペをお願いします。
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/16(金) 09:08:18.38 ID:t8TZNAAO
まだ待ってるわけだが
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/16(金) 21:03:50.34 ID:nwUS3oAO
作者どーしたんだ?
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 13:49:03.01 ID:kYhMe6AO
生存報告もないが
のんびり待つのが一番だろ
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 17:40:42.24 ID:RSRi1Tg0
>>1です
長い間、スレを放置してしまい申し訳ありませんでした。
諸事情で時間に余裕がなくなってしまったため、続ける事が困難になってしまいました。
大変残念ですが、ここで打ち切りという形にさせて頂きます。
スレ見ていただいた方どうもありがとうございました。
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 19:28:11.65 ID:z.IIS.6o
コピペ乙だけど
実際そうとも言えないわな
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 20:19:18.68 ID:Mf1Yfxwo
でもこいつ、現在進行形で進んでるスレにも貼ってたけどね
とりあえず、通報されてた
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 22:44:41.55 ID:tAJbmcAO
むしろこのスレまでわざわざ来たことを褒めてやりたいわ
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 21:16:51.31 ID:he/tmCoo
結局、フレ×ンダでいいのか?
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 12:34:38.49 ID:gJEmsEAO
結局待ってるわけよ
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 01:04:06.78 ID:n6jSAg6o
多くの人でにぎわう中でもそれはとても目立つ光景だ。

人ごみを掻き分けるようにウェーブのかかった金色の髪がなびき、
その跡に出来た獣道を白い影が懸命についていく。


短い休憩は手を引く速さをとりもどさせるにはそこそこ妥当な時間であり、
その後ろを付いていく足にたまった疲れを実感させるには十分すぎた。


一方通行は足をもつれさせながらも懸命に建て直し金色の髪が作り出す獣道を駆け抜ける。


ただ、不思議と先ほどまでと比べどこかマシになったと彼は思う。


食事時のため、人ごみが多少薄れたおかげもあるかもしれない。

ただ実際に大きな理由としてはフレンダが一方通行のことを意識して不器用ながらも気遣いを入れ始めたからだろう。
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 01:04:33.37 ID:n6jSAg6o
休憩のときに目の前に座る一方通行の疲れきった様子と
その横に立てかけられた杖を見て何も感じないほどフレンダは鈍くも泣ければ馬鹿でもない。
多少なり反省した結果が今の状態なのだ。

せめて後ろを付いてくる一方通行が付いてきやすいようにと
しっかり自分の後ろに道ができるように人ごみを裂いて道を作ってやっているし、
少し後ろがよろけたと思えば気持ち程度ではあるが走る速度を遅めてだっている。


一方通行から見ればなにも変わっていないように感じるほど些細な変化ではあるが
彼女なりに不器用ながら気を使っているのである。

そうでないとまた一方通行はその顔に疲れきった表情を浮かべてしまうだろう。

それではいけない。
せっかく一緒に買い物をしているのだから一緒に楽しんでもらいたい、とフレンダは思う。
ただ、そこでゆっくり歩くという選択肢が浮かばないあたりフレンダらしいといえるのかもしれない。
楽しいことがあると常に一直線で少し周りが見えなくなり選択肢を狭めてしまう。

つまるところ、おっちょこちょいなのだ。
決して、残念な子な訳ではない。
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 01:09:44.77 ID:n6jSAg6o
前回今回と間がかなり開いたうえにほとんどたいした投下が出来ずに申し訳ない
今はちょっと何を言っても言い訳しかできそうにないんだがこの二ヶ月は本当にだれてたとしか言いようがない
体調とか気遣ってくれた人とかいたようで本当に申し訳ない
危うく一ヶ月ルールになりそうだったから急いで投下しにきたんだけど実際ほとんどかけてないし
もしかしたらこの二ヶ月で愛想尽かしてしまった人もいるかもしれないが完結だけは絶対にさせたいと思ってる
あと一週間ほどで大分時間取れるようになるからそこから遅れを巻き返せるように頑張る
本当に申し訳ない
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 02:13:09.88 ID:SxcAuO.o
俺はお前を信じていたぜ
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 11:31:36.56 ID:ADtDtMDO

vipじゃないんだからゆっくりでいいんだよ
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 15:19:57.15 ID:5LkTmgAO

書いてくれるのならば何の文句もない
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 22:33:47.06 ID:OOF0wUAO
おk
ここしかフレ通行が無いからがんばってくれ
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 12:54:56.97 ID:cya.2dY0

179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 00:08:46.14 ID:GxAC26AO
待ってるよ
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 20:38:43.48 ID:1DadVwAO
頑張って巻き返してくれ
期待して待ってる
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 21:59:05.91 ID:rVVgvcE0
期待してるが気楽に書いてくれ
支援
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 01:52:08.98 ID:bI4p9fk0
支援
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 01:52:51.12 ID:bI4p9fk0
ageちったごめん
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 01:55:58.75 ID:PsGFaIAO
おかげで投下されてたのに気付いたわ
やっぱこの作品好き
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 02:06:28.47 ID:k0p1f9.0
フレンダと一方通行………
サバ缶珈琲和えか。ウマそうだ。支援。
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 02:22:52.60 ID:xtmHi9k0
>>177
だな
アイテム×一方はあるけどそれでもフレンダ×一方という訳じゃないしな

更新が無くても最初から読み直してにやにやしてるからいくらでも待てる
期待してるわ
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 06:57:05.20 ID:hPYVEUIo
>>186
俺と同じことしてるやつがいるとは。続き早く来てくれー
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 08:15:03.13 ID:sa5oagAO
この時期にageるのはマジやめとけ
洒落にならないから
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/13(金) 23:52:23.88 ID:VLcwRkDO
まだかなー

期待あげ
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 11:30:18.66 ID:VyP4Y9U0
きたいー
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 17:10:53.16 ID:U/3SrIAO
ここsage進行なのに何でageてんの?
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 08:15:48.63 ID:qcYTeP6o
終わったな・・・
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 11:26:48.17 ID:8UjWgkw0
つーか熱中症で何人も死んでるから>>1が死んでてもおかしくない
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 20:13:48.54 ID:9YH9JkAO
>>1の更新が遅いのはいつものこと
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 06:07:04.01 ID:lqHEj9w0
待てば待つほど来たときの期待は増えるのさ

因みにこのスレ30回以上読み直してる
それほどフレ通行のカプは好きだし価値がある

おまいらもそうだろ?
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 08:34:27.26 ID:QaELjoAO
別にお前が何回読んだとかどうでもいいから
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 15:56:53.27 ID:KxP2Mtso
温度差wwww
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 09:35:46.37 ID:/eVj1.AO
今日で一ヶ月
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/02(木) 23:44:53.58 ID:fu6OHDg0
完結させるならいつまでも待つが早めに戻ってほしいな
もっとフレンダと一方さんの絡みがみてええ
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 12:40:19.07 ID:WvwJvlEo
書き手のレスがないまま”1ヶ月”以上が経過したのでHTML化のご案内です

続ける意思がなくなった場合は以下のスレでHTML化依頼をお願いします
■ HTML化依頼スレ Part1
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1190564438/

続ける意思がある場合は2週間に1度ぐらいでいいので生存報告をよろしくお願いします
住み良い製作速報を作るため放置スレの削減にご協力お願いします
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 16:07:17.73 ID:j2GvkcDO
>>1マダー?チンチン
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 00:34:32.68 ID:3uCBuAEo
1週間の間に書き込みがほとんどなかったので、放置スレと判断してHTML依頼してきます
おつかれさまでした
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 09:08:05.13 ID:TmnLCMMo
残念だ
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 09:32:40.22 ID:hNLSlAAo
まことに
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 09:40:02.33 ID:h8oXkUAO
まあ>>1が書く気があるなら立て直すだろうからいんだけどね
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/14(火) 21:57:24.36 ID:qiGTm6AO
気付いたらこんなことに…
期待してたので本当に残念です。

でもまた>>1が一方×フレンダのスレを立てたなら必ず読みますから!
待ってますよ
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/20(月) 12:29:12.28 ID:gBfdWADO
>>1です
多忙なためバタバタしていました
放置のような状態になってしまってすいません

書き溜めは5レス分ほどあるのでキリのいいとこまで書いて週末には投下する予定です
気長に待ってくれると嬉しいです
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/20(月) 13:35:48.94 ID:WZ3GWAIo
おk待ってる
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/20(月) 19:29:00.91 ID:bUbKYxM0
報告きたー
楽しみにしてるよー!
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/20(月) 22:06:40.36 ID:HRV4XAk0
待った甲斐あったって訳よ
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 01:54:56.47 ID:mX/4Y/so
「……なァ」

「ん? なに? っと、危ない」

後ろを振り返った拍子に目の前を歩く背中にぶつかりそうになり、軽くステップを踏無用に身をかわすフレンダ。
流石にその動きにはついていけず体制を崩すが一方通行も何とか持ちこたえ、そのままでいいからちょっと話を聞けと目の前の少女に念を押す。
どうせ止まれと言ったところで、またすぐに走り出してしまうに決まっているのだ。
まだそれほどお互いを知るほどあっているわけではないが、それほど今日の彼女が嬉々としより一層歯止めが利かない状態であることくらいなら彼にだって分かるつもりだ。

「いやな、大したことじゃねェンだけどよ……」

こちらに向けられた背に向けて話す一方通行の表情には大したことじゃないと念頭に置いたにしては嫌な色が浮かんでいる。
そもそも、前を向いてろと言ったもののこうしていると自分の話がちゃんと耳に入っているのかどうかすら怪しくすら感じてしまうのだ。
もしかしたら既に目の前の人ごみに意識が言ってしまい、自分の独り言が繰り広げられているだけになっているのかもしれない。

「……一体どこに向かってンだ?」

「あー、特に決めてないわよ?」

どうしよっか? と一瞬こっちを振り返ろうとし、またぶつかりそうになるフレンダ。
それを見て半ば呆れつつ一方通行は自らの声が一応は届いていたことに対して安堵する、が一呼吸おいて我に返る。
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 01:55:28.63 ID:mX/4Y/so
「おい、ちょっと止まれ……」

「え?ゴメン、今なんて言ったの?」

流石に学習したのか顔はあくまで前を向け、あいた手を耳に当てこちらに少しだけ体を傾けるようにしてフレンダが聞き返す。
ピクッと、一方通行の口元が一瞬ひきつる。と、同時につないでいる手を引きお互いの距離を縮め耳にあてがわれた手に顔を近づけ口を開く

「止まれっつったンだ」

耳元で小さく、それでいて恐怖さえ感じるような囁きをされフレンダはひっ、と声を漏らす。
すっかり忘れていたが自分が引いている手の先にいるのは学園都市の能力者の頂点に君臨する第一位なのだという事を嫌でも思い出さされる。
しかたなく、しぶしぶ足取りをゆるめ比較的人の少ない通路の端まで移動すると、つないでいた手を離し大げさに勢いをつけ振り返る。

「で? なんだっての?」

「で? じゃねェよ! オマエは行き先も決めずに人のこと走らせてたのか? あァ!?」

「適当に歩き回って目についた店に入るのもショッピングのだいご味って訳よ」

「ああ、それもいいかもしれねェな……オマエがあンなダッシュじゃなくて尚且つ俺が杖ついてなけりゃァな……」

あぁ……しまった、とでも言いたげな顔を浮かべるフレンダ。
負担をかけないように人ごみをかき分けたし、よろければ足取りを少し緩めもした。
けれど肝心の目的地がはっきししていないのでは、結局無駄に走らせてしまっているだけなのだ。

「……マジなのかオマエ……、知り合いの腕のいい医者ならいるけどどォする?」

「ちょっと本気な表情でそういう事言われると流石に傷つくわよ……?」

何度も言うがおっちょこちょいなのだ。
残念な子なわけではない。
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 01:56:42.62 ID:mX/4Y/so
パンフレットとにらめっこを始めてしまったフレンダを一方通行は壁に寄りかかりながら眺めていた。
パンフレットは先ほど乱暴に鞄に突っ込んだせいかさっき見たときよりも酷くボロボロになってしまっている。

それにしても今日はペースを乱されっぱなしだった、らしくないじゃないかと遠くを見つめながら考える。

(なンつーか、あれだ……クソガキの相手をしてるときみてェな感じだ……)

もう一度フレンダへと視線を向けるとまだ行き先を決めかねているらしくうーうー唸りながら頭を抱えている。
その姿が以前ファミレスに連れて行きメニューを見ながら同じように唸っていた一人の幼い少女に重なる、と同時に一方通行は納得した。
そっくりなのだ、猪突猛進で能天気でマイペースで。
打ち止めとフレンダはそういう意味では本当によく似ているといえる。
きっとあったその時から息がぴったりあうタイプじゃないだろうか。

「ガキのおもりしなくて済むようになったと思ったら、中身そのままでかくなったクソガキに買い物付き合わされるとはな……」

「ん? うなだれてどうしたの?」

パンフレットから目をはなしこちらを気にするフレンダ。
その顔を見ると溜息の一つっでもつきたくなってきてしまう。

「なンでもねェ。……ただ―――」



「ただ、俺には女運ってのがねェなと思ってなァ」
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 02:15:25.70 ID:fDp59mMo
キテルー!
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 02:27:10.09 ID:mX/4Y/so
まずは放置しまくってしまって申し訳ないです
今書いてる部分のネタが出てこねぇ!!とか言ってたら約2カ月……
いや、あと1週間くらいしたら投下するとか言ってた矢先だったんでほんと口先野郎で申し訳ない

正直、一カ月ルールでスレ落ちてるのかと思ってだったらいっそ完結させてからスレ立てなおそうかなとか考えてたら
まだスレ残ってること教えてもらって、そして>>207は実は俺じゃないんだけどもちょうどいいきっかけだと思って少し投下を。
>>207で5レス書きためあるってあるんで最低5レスは投下しようと思ったんですけど、手元の2レス分すでに投下済みのやつだったという……
というわけで3レスだけという非常にカッコのつかない状態で申し訳ないです
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 04:24:57.71 ID:9JbEFn6o
それでも俺は続きを待つぞーッ!
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 08:38:59.38 ID:rBxaYOIo
待ってる
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 10:01:27.72 ID:Rj4hNvo0
きてるぅぅぅううううううう

フレ一方なんてここだけだからな
ちゃんと待ってたぜ
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 17:00:05.70 ID:ARuE3u.0
きてたー

頑張って書いてくれー
待ってるぜー
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 20:18:14.91 ID:xQE0VlYo
キテたー
221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 21:07:36.31 ID:NA5JJ.AO
わあぁぁ!
きてる!!
待ってましたっ!
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 22:28:10.23 ID:PPx7W/wo
>>215
超待ってました
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 06:09:35.61 ID:yj76IwAO
結局いちを超乙カクテイ!
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 23:22:30.27 ID:FeDkTuso
今日見つけて一気に読んだわけだ。乙
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 01:33:59.34 ID:.KBiLQSO
なんだかんだで待ってるんだぜ
226 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 16:09:21.27 ID:2.s/Pl60
いつまでも待つわ〜
227 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/02(木) 06:37:30.11 ID:rJwLndko
待ってるよ
228 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/15(水) 22:51:46.20 ID:j5QH3KM0
••••••とにかく何時までも待ってますから。
229 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 00:03:02.42 ID:Zjz1r4w0
わたし待つわ
230 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/16(木) 19:11:30.84 ID:elonmxMo
いつまでも待ーつーわ
231 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 10:24:05.35 ID:JOZZe6s0
たとえ貴方が書き込んでくれなくてーも
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