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一方通行「友達って最高だよなァ」上条「まぁな」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/27(日) 19:59:06.38 ID:njpJ8sc0
どうも、新スレ立てました!

上条「ブラック苦ッッ!」一方通行「…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276074792/l50 3スレ目

一方通行「足引っ張ンなよ三下ァ」上条「おう!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1275384032/ 2スレ目

一方通行「友達になってやンよ」上条「ハイ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1273633562/l50  1スレ目


途中荒らされたりしたせいで、もう4スレ目ですwww
ホモ系ではないとあらかじめ言っておきます。
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:22:39.08 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459358/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/27(日) 20:07:43.53 ID:njpJ8sc0
とりあえず、前スレの>>977以降の続きからいきます。
明日から投下しますんで、お楽しみに!
では、また明日!
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 20:13:03.84 ID:nCG58EDO
初春「上条×一方の濃厚なホモスレと聞いて飛んできました」
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/27(日) 20:19:59.53 ID:Mir8dRU0
>>3
初春は腐ってないだろ
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 20:27:42.33 ID:GBAkCIc0
>>4
冬川の描いた四コマだとイチャレー読んで「ふにゃー」する美琴とか
初春が上条通行の本買ったりしてたのよ
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 20:50:16.77 ID:PyocfH.0
当然、性格が引き継がれるわけではない。だから勘違いをされても仕方がない―わけがなかった。なぜなら、彼は今のところは虐殺の経験がないわけだし、他人を見下したこともないからだ。主観では。そこに、彼が今は会ってはならない人に遭遇する。
「あれ?あの白い髪の奴、見たことない?」

「あ?うん、まああるかもな。でも不幸な予感しかしないんですが」
美琴と上条だった。二人は美琴の洋服を買うために第5学区までやってきていたのだった
一方(だれだアイツらァ。イチャイチャしやがってェ)
もう一度いう。最悪の状況だった。
美琴「あ……!アンタは!!!」

上条「ん?どうかしたか御坂。欲しい服でもあったのか?不幸な予感しかしないんですが」

美琴「違う違う。多分……もっと不幸よ、」
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 20:51:56.42 ID:PyocfH.0
>>6すまん誤爆した
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 21:02:01.28 ID:YVNJMXMo
>>6どこのスレ?
9 :【misaka00001】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!red_res]:2010/06/27(日) 21:05:30.82 ID:L7D7Ypko
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10 :【misaka00002】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!蒼_res]:2010/06/27(日) 21:05:59.91 ID:L7D7Ypko
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11 :【misaka00003】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!桜_res]:2010/06/27(日) 21:06:30.20 ID:L7D7Ypko
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12 :【misaka00004】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!美鳥_res]:2010/06/27(日) 21:06:59.96 ID:L7D7Ypko
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13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 21:07:26.42 ID:GBAkCIc0
早速湧いてやがる
14 :【misaka00005】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!nasu_res]:2010/06/27(日) 21:07:29.73 ID:L7D7Ypko
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15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/27(日) 21:07:38.75 ID:8NzIUnA0
湧きやがった
16 :【misaka00006】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!red_res]:2010/06/27(日) 21:07:59.73 ID:L7D7Ypko
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17 :【misaka00007】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!蒼_res]:2010/06/27(日) 21:08:28.89 ID:L7D7Ypko
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18 :【misaka00008】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!桜_res]:2010/06/27(日) 21:08:58.89 ID:L7D7Ypko
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19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 21:09:00.36 ID:hh9.8wQo
こいつの所為でインデックスさんが嫌われるんじゃないかと心配な今日この頃
20 :【misaka00009】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!美鳥_res]:2010/06/27(日) 21:09:29.23 ID:L7D7Ypko
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21 :【misaka00010】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!nasu_res]:2010/06/27(日) 21:09:58.27 ID:L7D7Ypko
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22 :【misaka00011】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!red_res]:2010/06/27(日) 21:10:28.21 ID:L7D7Ypko
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23 :【misaka00012】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!蒼_res]:2010/06/27(日) 21:10:59.54 ID:L7D7Ypko
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24 :【misaka00013】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!桜_res]:2010/06/27(日) 21:11:29.66 ID:L7D7Ypko
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25 :【misaka00014】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!美鳥_res]:2010/06/27(日) 21:11:59.06 ID:L7D7Ypko
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26 :【misaka00015】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!nasu_res]:2010/06/27(日) 21:12:29.49 ID:L7D7Ypko
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27 :【misaka00016】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!red_res]:2010/06/27(日) 21:12:58.45 ID:L7D7Ypko
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28 :【misaka00017】ノtasukeruyo ……FL1-118-111-44-234.iba.mesh.ad.jp [age!蒼_res]:2010/06/27(日) 21:13:27.97 ID:L7D7Ypko
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29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 21:32:33.87 ID:nKuBV.co
いきなりかよ
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 21:42:16.77 ID:.W24Wbwo
よっぽどこのスレのファンなんだな
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 22:09:33.80 ID:A02U0YAO
粘着すぎてキモい
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 22:48:11.87 ID:Hkvvs.U0
だな
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 11:19:17.91 ID:TPB9FUAO
tasukeruyo使ってホスト晒してまでよくやるわ

ところでレスの色がしっちゃかめっちゃかなんだが、どうなってるんだ
がっくしから見てるんだが
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage!蒼_res]:2010/06/28(月) 11:39:51.77 ID:PnlTd9Yo
>>33
目欄じゃね?
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 15:15:09.99 ID:Qcg/.Xc0
BB2CでこいつだけNGにできないのはなんでなんだ•••
なえなえ
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 15:24:52.63 ID:LbCByug0
>>35
なんでなんだろうな。
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/28(月) 19:08:50.48 ID:M2foEzU0
>>35
頑張れば出来る
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 20:04:28.90 ID:ZZXx0.60
どうもこんばんは。
お待たせしました。では、今日も投下します。
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 20:07:14.16 ID:ZZXx0.60
―――朝、黄泉川家




「―――……………ン…」



カーテンから覗く陽射しで一方通行は目を覚ます。
眠そうな目を擦り、時計を見た。



「………九時か…」



久々に学生の登校時間を過ぎる時刻に起きた一方通行は、ふと隣りの布団を見る……。
しかし、そこに寝ているはずの居候、垣根帝督の姿はなかった。



(あの野郎……珍しく早起きじゃねェか。どンだけ気合い入ってンだ……今日の『デート』によォ…)



とりあえず起きるか…と一方通行も体を起こした。
垣根が今日ある少女とデート(?)をする事を聞いたのは三日ほど前。
就寝につく直前、別に訊いてもいないのに垣根から勝手に喋り出したのだ。


「オマエの自慢話には興味ねェ」と一蹴したのは勿論だが……どこか不安気なテンションだったのが気になる……。
いや…自慢と言うよりは、相談に近かったかもしれない……。



(確か待ち合わせは午後からだろ?なら別にンな早く起きる必要なンてねェじゃねェか…
まァ、俺の方はちと急がねェとやべェかもな……)



――そう、実はこの日……一方通行もある少女と会う約束をしていたのだ。
当然打ち止めは連れていけない。だが、今日は託児所代わりに使える垣根も出てしまう。



(あのクソガキは……どォすっかな……)
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 20:10:37.96 ID:ZZXx0.60
この重要な問題について一分ほど考えた一方通行は床に落ちた自身の携帯電話を拾った。



(仕方ねェ……ここはアイツに任せるしかねェか)



それから電話帳を開き、目的の人物のメモリを見つけた後、迷う事なく電話を掛けた。
どうやら数コールで相手は出たらしい。



「おォ、俺だ―――」




―――



――数分前、上条当麻はいつもの浴室兼寝室でゆっくりと目を覚ました。
いつ見ても体に悪そうな体勢だ……。



「………………」



そのまましばしボーッとしていたが、やがて思い出したように立ち上がった。



「――やべぇッッ!!課題やらねえと!」



浴槽から出る時、淵に足の小指をぶつけたりと軽く不幸な目にあうが、今の上条にはそんな事で叫んで
いる余裕などなかった……。



「時間がねぇ!何としてでも今日中に数学は終わらせなきゃならねえのに!クソッ!――」
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 20:16:23.43 ID:ZZXx0.60
バタバタと机に座り、まるでクイック再生でもしているかのような動きで課題に取り組む上条。
しかし、肝心の問題を解くスピードだけは速くはならなかった。
そんな朝から慌しい上条に反応するかのように、ベッドの上の布団が動いた。



「――うーん……とうま……また『かだい』やってるの?」



少し大きめのパジャマを着た禁書目録がのそりとベッドから起き上がった。
上条は振り返りもせずに――



「起きたか?メシはラップに包んで冷蔵庫に入れてるから、勝手に食べてくれ」



――と、余裕も穏やかさも感じられない声で告げた。



「むぅぅ……とうま、冷たいんだよ…」



少し泣きそうな顔で呟く禁書目録。
いつもならここで噛みつきのひとつでもくれてやるのだが、上条の背中から発する
鬼気迫るオーラがそれを許さなかった。
一昨日も噛みつこうとしたのだが、初めて本気で応戦されてしまってから禁書目録は少し弱気に
なっていた。


当然上条は暴力を振るったり怪我を負わせたりはしないが、ある意味本気の『ヤバイ目』をしていた。
禁書目録はそんな上条に戦慄し、本能に従って引き下がったのだ。
もしあのまましつこく食い下がっていたらと思うとゾッとした。



「……………」カリカリカリ


「……とうまが怖いんだよぉ………」
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 20:24:02.37 ID:ZZXx0.60
禁書目録はかつて見た事がない程に緊迫している上条にそれ以上言葉が出なかった。



「…………」



冬休み終了まであと四日。それまでにこの机の上にある大量の課題を全て終わらせなければならない。
元々、禁書目録に『自分離れ』をさせようとしていた事もあってか、上条の心は今…鬼と化していた。
……はずなのだが――



「――グスッ、グスッ……うぅぅ…」


「………?」



後ろで鼻を啜る声まで上げられては、流石に心を痛めずにいられなかった。
鬼にしたはずの心は……啜り泣きであっという間に崩された。
所詮、彼は善人である。すぐ近くで泣いている少女を放置する事など、
到底できやしないのだ。



「――……ふぅ……ごめん、インデックス……俺…ちょっとどうかしてたみたいだ……」



ふいに手を止めてそう言いながら振り返った上条の顔は、いつもの優しい顔に戻っていた。
憑りつかれた雰囲気も鬼気迫るオーラも完全に消えていた。
今は何ともバツの悪そうな顔を禁書目録に向けている。



「―――とうまぁ……とうまが戻ってきたぁ!」



――椅子に座ったままの上条に飛び掛るように抱きつく禁書目録。
上条はその体を優しく抱きしめてやった。
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 20:29:24.67 ID:ZZXx0.60
上条「ははっ、本当に悪かったよ。なかなか進まねえし量多いしで焦っちまってつい……補習も課題も
自業自得なのにインデックスに当たるなんて……最低だ俺…」


禁書「ううん、いいんだよ!私、とうまの邪魔はしないから………だから……ここにいていいかな……?」


上条「馬鹿、当たり前じゃねえか。ここはもうお前の家でもあるんだから」


禁書「うん!ずーっととうまといっしょだよ!」


上条「……………え?」


禁書「ッッ!!!ち、ちが――」



感極まってつい爆弾発言をしてしまった禁書目録は、顔を真っ赤にして取り乱した。と、その時――


――Purrrrrrrr♪と、上条の携帯電話が鳴り出した。



上条「――ん?誰だ?」


禁書(ホッ……たまには良いタイミングで掛かって来るんだね…)



――着信表示は『一方通行』だった。上条はすぐに通話ボタンを押して携帯を耳に当てる。



『――おォ、俺だ』


上条「おう、何か久しぶりな気がするな。っつってもほんの数日くらいか?」


『そォだな。っつかオマエ、あれから超電磁砲に電話したか?』
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 20:35:49.25 ID:ZZXx0.60
上条「へっ?御坂?……いや、してないけど……」


『やっぱりな……はァ…』



――急に溜息を吐いた一方通行に上条はポカンとした。



上条「は?どういう事だ?メールは返したハズだけど……」


『そのメールがそっけないって怒ってたンだよ。詫びの電話も寄越さないとはどォいう事だって言ってたぞ?』


上条「えぇぇぇ…………マジで?」


『そォいう訳だ。後で電話してやれ』


上条「うわぁ……そう言や結構あん時焦ってたからなぁ……つい適当に返しちまったかも……」


『勘弁して欲しいぜ全くよォ……俺らは超電磁砲の伝言役じゃねェンだぞ。しっかりしやがれっての』


上条「ん?…『俺ら』って?」


『あァ、垣根の野郎にも電話してたぞアイツ』


上条「マ、マジっすかぁあ!?っつーかアイツら番号交換してたのか……って、そう言えばお前も!いったいいつの間に!?」


『ンな事ァどォでも良いだろォが。とにかく超電磁砲からの伝言は確かに伝えたからな?』


上条「あぁ、確かに伝わった……不幸だ……垣根にも後で詫びなきゃな…」


『はァ?あンな非常識のボケナスに詫びなンざいらねェよ』
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 20:43:36.36 ID:5XEefGIo
インデックスがかわいすぎるんだよ・・・
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 20:47:31.43 ID:ZZXx0.60
上条「何?また喧嘩したのお前ら。ルームメイトなんだから仲良くやれよ」


『冗談じゃねェ!あの野郎マジでいっぺン死ンだ方がイイわ。ってか、いっそこの手で殺してやりてェわ』



―――そのまま垣根への愚痴が始まり五分が経過した……。



『―――でよォ、あのクソ野郎それから――』


上条「ハイハイ、お前らが仲良いのはよーく分かったからもうその辺にしときましょうね」


『は?オマエちゃンと話聞いてたのかァ!?』


上条「聞いてた上でそう思ったんだから仕方ないだろ。んで?もうないならそろそろ上条さん切りたいんですが…」


『オイ待て、まだ言ってねェ事があったわ。っつかコッチが本題だ』


上条「おう、何だ?」


『クソガキを預かれ。以上』


上条「………ハイ?」



――一瞬、思考が完全にフリーズした。



『っつー訳で、今から行くわ。じゃあな』



――そう言って電話を切ろうとする一方通行を慌てて止める上条。



上条「待て待て切るな一方通行!ちゃんと順を追って説明してくれ」
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 20:55:13.78 ID:ZZXx0.60
『あ?順を追うも何もねェだろォがよ。もォ少ししたらクソガキをソッチに送るから、今日一日しっかり面倒見てやれ
ってだけの話だ』


上条「……何で?」


『今日は黄泉川も俺も垣根も、珍しい事に芳川までもがいなくなっちまうンだよ。その間、アイツ一人ぼっちじゃねェか』


上条「……イヤ、だからお留守番させれば……」


『はァ!?ありえねェ事ほざいてンじゃねェぞ三下がァ!!打ち止めにそンな危ねェ橋渡らせるってのかァ!?』


上条「危ない橋って……留守番くらいで大げさな…」


『もしテロでも起こったら誰がアイツを守ンだァ!?あるいはアイツ一人の時に火事にでもなったら誰が助けンだァ!?
帰った時にいなくなったりでもしたらオマエどォ責任とってくれるってンだよ!!あァ!?』


上条「わ、悪かった。俺が悪かった。お前の言う通りだよ。だからそんなに怒んなって……」



一方通行が打ち止めに対して過保護だという事をすっかり失念していた上条であった……。



『チッ……まァそォ言うこった。もォ少ししたら家出っから――』


上条「――待った!俺…課題終わらせないとマズイんだよ……だから、その……御坂にでも預けたらどうでしょう?」


『もォそこまで行ってる時間がねェンだよ。あン?まさかイヤだとか抜かす気じゃねェだろォなァ?』


上条「イヤイヤ!そんな事は断じてありません!……けど……こないだも言ったがマジで課題の量が半端ないんだよ……
このままやっても上条さんの頭じゃあと四日で終わるかどうかってくらいなんだ…」


『安心しろォ。今日打ち止めがオマエと一緒にいて『楽しかった』っつったら、俺が明日付きっきりで課題手伝ってやるからよォ』


上条「――え!!?」パァァ
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 21:05:12.92 ID:ZZXx0.60
上条「そ、それは本当かッッ!?」


『ま、預かり料って事にしとけ。どンだけ量あるか知らねェが、この俺も手伝ってやるってンだから、
一日で終わンだろォ』


上条「……ウソ……マジ…?」


『まァ、それでもイヤだっつーンなら無理強いはしねェけどな。……仕方ねェから他当たるわ――』


上条「――んんやりますッッッ!!!」ビシッ!!!


『………あァ?』


上条「この上条当麻!全力を持って打ち止めに楽しい一日を提供する事をここに宣言しますッッ!!
ていうかやらせて下さい一方通行様ぁ!!」


『………なンつーか……よっぽど切羽詰まってやがったンだなァオマエ……』


上条「分かってくれるか……友よ」



――こうして、交渉は成立した。心の中でガッチリと握手を交わす。
ちなみに、この『即興、打ち止めを楽しませようツアー』にさらなる参加者が増える事を彼はまだ知らない。



『まァ良い、とにかく今から打ち止めをオマエン家まで送りに行く。オマエを信用してねェ訳じゃねェが、
一応言っとくぞ?』


上条「ん?」
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 21:08:51.99 ID:ZZXx0.60
『手ェ出しやがったりしたら……たとえオマエでも容赦なくぶっ殺すからなァ』


上条「――出さねえよ!!」


『おォ、信じてやる。そンじゃ後でな――』


上条「あぁ、待ってるぞ!じゃあな――」ピッ



一方通行との電話を切り終え、上条は両手をグッと握り喜びを表した。
電話に出る前とは明らかに表情が違っていた。



上条「――よしっ!よぉしっ!!希望が出てきたぜ!これなら何とかなるかも!」



何と言っても学園都市で最高の頭脳を持つ一方通行が協力してくれるのだ。
学校の先生自ら手伝いに来てくれるようなものである。いや、それ以上に強力な助っ人だ。
上条は、「失敗は絶対に許されないぞ!」と自分に気合を入れた。
そんな上条の背後にユラリ…と人の影が――



禁書「………とうまぁぁ……お腹すいたぁぁ」グウーー…


上条「!?――わ、悪いインデックス!待たせちまったな!すぐメシにすっから、もう少しだけ待っててくれ」


禁書「…そうしてくれると嬉しいかも。ところで、電話は誰からだったの?」


上条「あぁ、一方通行だ。実は――」




――上条は電話の内容を禁書目録にザッと説明した。
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 21:12:21.09 ID:ZZXx0.60
短いですが、今日はこの辺で。
続きはまた明日投下します。
それでは。
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 21:26:23.38 ID:BXW/OQAO
乙!
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 02:23:28.65 ID:q5XW4yg0
おつ

ていとくんの愚痴いう一通さんすごくかわいいwww
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 06:17:29.99 ID:RYgrecoo
癒しとはこういうことか
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/29(火) 20:57:43.79 ID:1uj31eY0
ども。少し寝すぎました……orz
後日談から書き溜めるやり方に変えたんですが……それがまだ終わってない……
と言う訳で、書き溜め終わり次第投下します。
パラグアイ戦始まる前に何とか終わらせたい…

55 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
56 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
57 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
58 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
59 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
60 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
61 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
62 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
63 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
64 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
65 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
66 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
67 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
68 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
69 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
70 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
71 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
72 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
73 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
74 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
75 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
76 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
77 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
78 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
79 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
80 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
81 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
82 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
83 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
84 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
85 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
86 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
87 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
88 :あぼーん :あぼーん
あぼーん
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 21:33:19.10 ID:RFtqLmMo
新手の埋め立て荒らしじゃね?
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 21:35:09.93 ID:IIq0Pvko
これ学芸都市じゃね?
荒し云々の前にそのまま載せてるんなら犯罪だぞ
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 21:56:16.70 ID:RYUTySQo
通報されたらアウトだな
92 :ぴぃ [sage]:2010/06/29(火) 21:56:42.38 ID:???
著作物?
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 21:59:26.17 ID:HNzVxmco
学芸都市もってるやつはまだか。
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 22:00:26.81 ID:IIq0Pvko
>>92
途中まででちゃんと読んだ事無いからわかんないんだけど
垣根「見せてやるよ・・・俺の力をな」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272460138/
このスレに大量にはってるんだよね
確か超電磁砲の特典小説だからもしそのままはってるのなら違法のはず
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 22:02:58.46 ID:/zpRdsk0
>>92
ID:???ってなに?
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 22:14:41.80 ID:ZO1p1Cwo
>>95
運営だからIDないんじゃね?
多分だけど……
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 22:33:47.76 ID:/zpRdsk0
>>96
ほー
無知ですいません
ありがとうございます
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 22:40:08.45 ID:L6l4VwAO
歪んだ愛を持った荒らしだね。
いや歪んだ愛=荒らしなのか。
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 00:56:26.16 ID:G6OIvQk0
にしても荒らし多いっすね…。
とりあえず書き溜め終わりました。
パラグアイ戦終わったら投下します。
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 01:00:46.17 ID:ahmXMNco
あれは荒しというより犯罪だから…
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:05:12.66 ID:G6OIvQk0
日本……ドンマイ!
って事で、今から投下します……。
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:07:41.22 ID:G6OIvQk0
――禁書目録に説明中――




上条「――って訳だ。打ち止めが来たら三人でどっか遊びに行こうな」


禁書「ホント!?わーい♪……でもとうま、『かだい』は大丈夫なのかな?」


上条「ふっふっふ……安心してくれ。もうその心配はなくなりつつある」(むしろ打ち止めを楽しませるためにも出かける必要がある)


禁書「そうなの……?」


上条「あぁ、という事でメシ食ったら出かける準備だ。今日は思い切り遊ぶぞ!」


禁書「うんっ♪」




元気良く返事を返す禁書目録に背を向け、キッチンに立つ上条。
朝食は夕べの残り物で済ますつもりだったのだが、気が変わったらしい…。
包丁を持ち、すっかり慣れた手つきで野菜を切る上条。




「〜〜〜♪」




鼻唄交じりに料理する上条は昨日とはまるで別人のようだった……。
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:13:01.02 ID:G6OIvQk0
―――黄泉川家・一方通行部屋



――「………」パタン



一方通行は携帯電話を折りたたみ、立ち上がって杖を持ち自室を出た。
黄泉川は仕事に行き、芳川は研究者だった時の友達と朝から会うと言っていた。そして、垣根は午後から初春と三度目の
対面を控えていた。……もっとも、初春はそれに気づいていない……。
リビングに出ると……打ち止めと垣根が仲良く談笑しながら寛いでいた。その光景に軽くイラッとしたが、
構わず冷蔵庫からいつもの缶コーヒーを取り出し、ソファーに座って飲み始めた。
そんな彼に気づいた二人は声をかける。




垣根「よう、誰と電話してたんだ?」

打ち止め「おはよー!急に怒鳴り声が聞こえてビックリしたよ。ってミサカはミサカは朝から不機嫌なアナタに臆せずに話しかけてみたり」

一方通行「オマエらには関係ねェ」




説明するのも面倒だ。とでも言いたげにコーヒーを啜る。
飲み終えた一方通行は垣根の「うっわ、つまんね」という野次を無視して打ち止めに声をかけた。




一方通行「オイ、とっとと着替えて出かける準備しろ」

打ち止め「えっ?」

一方通行「今日は俺もこのカスも用事があンだ。オマエは三下の所に行くンだよ」

打ち止め「えぇっ!?ってミサカはミサカは驚きを隠せなかったり!」

垣根「さっきの電話、やっぱ上条だったのか…」

一方通行「……まァな、それがどォした?」
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:21:05.16 ID:G6OIvQk0
垣根「いや…別に…」

打ち止め「なんでもなーい…」

一方通行「あァ?ンだよそのツラァ…」

垣根「……お前、自分が何叫んでたか覚えてねえの?」

一方通行「あ?」

打ち止め「『もしテロでも起こったら誰がアイツを守ンだァ!?あるいはアイツ一人の時に火事にでもなったら誰が助けンだァ!?
帰った時にいなくなったりでもしたらオマエどォ責任とってくれるってンだよォ!!』…ってミサカはミサカはじーん、と
思い出して感動してみたり」

一方通行「……………」

垣根「さっすが学園都市最強♪過保護レベルも第一位ってか?」

打ち止め「あのね、この人ミサカが石に躓いてコケたりするとすぐ消毒液と絆創膏買ってきてくれるんだよ。ってミサカはミサカは
優しいパパを演じる一方通行の武勇伝を報告してみる」

垣根「そこいらの親父より良い親父じゃねえか…」

一方通行「……………」

打ち止め「あとねあとね!ミサカがお鍋のアク取ろうとしたりしたら『火傷すンだろォが!俺がやっからオマエは取り皿構えてろ!』
って言うんだよ!」

垣根「………ぷっ」

一方通行「…………」

打ち止め「この人の武勇伝まだまだあるよ!次はね―――ってイタタタタ!!」

一方通行「グチャグチャ言ってねェでとっとと着替えてこいってンですよォこンのクソガキがァァ」グーリグーリ

打ち止め「ご、ごめんなさぁーーい!!」

垣根(良いなぁ……俺も打ち止めちゃんにグリグリしてみよっかな……けど今そんなことしたら確実に殺されるよな…)

一方通行「オマエも打ち止めも長生きしてェンなら、さっきの話全部忘れとけ。イイな?」ギロリ




――打ち止めに制裁を加えながら垣根を睨んで一方通行はそう言った。
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:24:36.20 ID:G6OIvQk0
垣根のそんな思考に気づくはずもなく、一方通行と打ち止めは着替えのため自室に戻った。
残された垣根は――



垣根「大丈夫……大丈夫だ。落ち着け、俺よ…」




――と、何やら自分に言い聞かせていた……。




―――




――その頃、常盤台女子寮――



「じゃ、行ってくるわね。黒子」



――常盤台指定のコートに身を包んだ美琴はルームメイトの黒子にそう言った。



「お姉様……上条さんにもご予定があるのですし、やはり連絡をとってから出られた方がよろしいのでは……?」



黒子はすっかり諦めた顔で言葉を返したが、美琴はすでに恋の暴走状態になりつつある……。
こうなった美琴を止められる人間は知らない。



「何言ってんのよ?あの馬鹿、この美琴様にここ数日電話もよこさないばかりか、どう見ても
手抜き丸出しのメールまで返してきたのよ?こうなったら直接乗り込んで一発カマしてやんないと気が
済まないっつーの!」
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:31:32.01 ID:G6OIvQk0
黒子「やはり……止めても無駄ですのね……」


美琴「無駄よ」キッパリ


黒子「そこまであっさり即答されては……もうわたくしは入り込めませんの…」


美琴「ごめんね…けど、アイツの事だけはいくら黒子でも譲れないの……」


黒子「いいえ、いいんですの。もう諦めましたわ。どうぞわたくしに構わずに行ってらっしゃいませ」


美琴「今度さ、どっか美味しいもの食べに行こ?」


黒子「え!?まさかそれって……お姉様からのデーt」


美琴「当然、初春さんと佐天さんも誘って…ね?」ニコッ


黒子「………ですわよね……勿論ですの」


美琴「うん、ありがと。さて…行くか……じゃあね――」




――バタン、と美琴は部屋を後にした。
黒子は美琴が出て行った後、しばらく経ってからこう呟いた。




黒子「お姉様……わたくしはお姉様自身を『諦めた』とは言ってませんの……いつか、必ず振り向かせてみせますわ……」




――今の段階では、とてもありえない幻想を持ち続ける少女がそこにいた。

こうして美琴はアポ無しで上条宅へ――
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:36:15.69 ID:G6OIvQk0
――初春宅――



すでに起床して朝食も済ませた初春と佐天。
食後のコーヒーを飲んでいる佐天はどこかソワソワしている初春に気づいた。



初春「………」ソワソワ


佐天「……初春ぅ、さっきから落ち着きないよ?大丈夫?」


初春「だ、大丈夫ですよ!」


佐天「……ま、『初デート』だから無理もないか。待ち合わせって何時からだっけ?」


初春「い…一時頃です…」


佐天「ねぇねぇ、私もついてってやろっか?」


初春「言うと思ってました!絶対駄目です!」


佐天「そんなこと言わずにさ、ちょっとだけ!ひと目見たら帰るから」


初春「駄目です」


佐天「ね〜ん♪初春〜ん♪」


初春「気持ち悪いです」


佐天「ひどっ!」


初春「甘えたって無駄ですから」
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:38:27.20 ID:G6OIvQk0
佐天「まだ喋った事怒ってるの?……だから悪かったってば。つい口が滑っちゃったんだって」


初春「…………別に、もう気にしてません」



――そう、美琴や黒子が今日の『初デート』の事を知っていたのは、佐天がうっかり喋ってしまったからだ。
美琴から「デート、上手くいくと良いね」と言われた途端、佐天に口止めをするのをうっかり忘れていた事を後悔した
のは言うまでもない。とは言え、美琴も…そしてなんだかんだで黒子も応援してくれたので、今では良かったと思って
いる。しかし、佐天が調子に乗ってしまったのは事実なので、少しぐらい反省してもらおうと初春が思ってても何ら不思議はない。




初春「佐天さん、先に言っておきますけど……もしついて来たりしたら……絶交しますからね?」


佐天「じょ、冗談だって……行かないから……その代わり、後でちゃんと話聞かせてよ?」


初春「分かってますよぉ。…さて、そろそろ準備しよっかな…」


佐天「え?ちょっと早くない…?まだ十時だよ?」


初春「シャワー浴びるんです」


佐天「頭のお花に水やり?」


初春「……しばきますよ?」


佐天「じゃ、途中まで一緒に行くのは良いっしょ?」


初春「……まぁ、それくらいなら…」


佐天「よっしゃ!」
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:45:10.85 ID:G6OIvQk0
初春「さ、佐天さん!ついて来たら本当に許しませんからね!絶対ついて来ないって約束してください!」


佐天「分かってるって♪」


初春「………信用しましたよ?」


佐天「うん♪」(フフ…馬鹿め。そんなつまらん約束、この私が守る訳ないでしょ。甘いな、初春よ……)




――そのまま浴室へ行ってしまった初春は、最後まで佐天の不敵な笑みに気づく事はなかった……。
どうやら懲りてはいなかったようだ。




―――




――黄泉川家、自室から出て来た一方通行と打ち止めは玄関へ向かった。
垣根も見送るため、玄関へ――



一方通行「ンじゃあ、行ってくる。オマエもせェぜェ頑張ンだな」


垣根「おう、俺ももう少ししたら出るわ。気ぃつけてな」


打ち止め「行ってきまーす!ってミサカはミサカはお兄ちゃんに手を振ってみたり」


垣根「打ち止め、上条によろしくな」


打ち止め「うん!」


垣根「一方通行も、上手くやれよぉ」ニヤニヤ
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:49:58.91 ID:G6OIvQk0
一方通行「馬鹿が、そンなンじゃねェっつの。一緒に服買いに行くだけだ」


垣根「それを世間じゃデートって言うのだよ、一方通行くん」


一方通行「オマエが言う世間ほど信用できねェモンはねェなァ」


垣根「ま、お互い頑張りましょうってこった」


一方通行「チッ……オイ、行くぞ打ち止めァ」


打ち止め「あっ、待ってぇー!」



――バタン!



垣根は二人が出た後、すぐに部屋に戻って出かける用意をした。
それから数分ほどで部屋から出てきた垣根の姿は………珍妙だった。



「うしっ!完璧!やっぱ俺って天才だわ♪これで初春さんも俺だと分かんねえだろ」



いつもの着崩したスーツや制服ではなく、革ジャンにニット帽という……まるで缶コーヒーのCMにでも
出てきそうな格好のまま、さらにマスクまで装着した垣根は言った。
一歩間違えれば不審者間違いなしのこの格好……警備員に見つかれば職質確定だ。


「ちょっと…っつかかなり早ぇけど、落ち着かねえし…もう出るか」


「大丈夫!俺の未元物質に不可能はねぇ!」



――明らかに場違いな決め台詞を吐き、そのまま垣根は家を出た。
寒い季節なので特に珍しい格好でもないが、周りから見れば変装している芸能人もしくは不審者だった。
本人はそんな視線に気づく事もなく、駅までの歩を進めていた
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 02:53:11.21 ID:0G4.btYo
未元物質で特殊メイクでもすればよかったんじゃね?と思ったが不審者丸出しのていとくんが可愛いから黙っとく
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:54:22.42 ID:G6OIvQk0
――上条宅――


―――ガサゴソ…


上条「………あれぇ……確かここに……んーと…」


禁書「とうま、何探してるの?」



――朝食後、何故か押し入れをゴソゴソと物色し始めた上条に禁書目録は後ろから話しかける。



上条「――んー、確かこの辺にしまったハズなんだが………………お、あったあった!」



押し入れのダンボール箱から一枚の封筒を取り出した上条。



上条「まさか……早くもこのヘソクリを使う事になるとはな……」パッ



そう呟いて封筒から取り出した三枚の輸吉を財布に収めた。



禁書「『へそくり』って…何?」


上条「密かに貯めた非常用の金ってトコかな」


禁書「いいの!?大事なんじゃ…」


上条「なぁに、上条さんの三学期が守られるためなら安いモンさ」


禁書「……?」
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 02:56:52.85 ID:G6OIvQk0
キョトン、としている禁書目録を尻目に上条はひとり考え込む。



上条(さぁて……どこに行くか……打ち止めはどこか行きたい所とかあるのかな……?
下手に行き先決めて期待外しちゃったりしたら本末転倒だ……今日は金もあるし、やっぱ打ち止めが
来てから決めた方がいいかもな…………いや、待てよ?)



――アーデモナイ コーデモナイ…



禁書(遊びに行くのにこんな真剣なとうま……初めてかも)




――――




――その頃、上条の寮付近の道では一人の幼女が元気良く走り周り、そのすぐ後ろには杖をついて歩く『過保護な保護者』
がいた。



打ち止め「あ!あの人の家が見えたよ!ってミサカはミサカはアナタの腕を引っ張りながら建物を指さしてみたり」


一方通行「見えてっから引っ張ンなクソガキィ!危ねェっての!」


打ち止め「どこか連れてってくれるのかなぁ?ってミサカはミサカは期待に満ちた目を向けてみたり」


一方通行「俺に向けてどォすンだよ……」


打ち止め「アナタはこの後デートだよね?ってミサカはミサカは確認してみる」


一方通行「だからそォじゃねェってオマエもあの野郎も何度言や分かンだァ!?」
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 03:05:24.88 ID:G6OIvQk0
一方通行は否定するが、打ち止めは聞いていないようである……。



打ち止め「……照れてるアナタも可愛い。ってミサカはミサカはからかってみたり」


一方通行「あァ?殺されてェのかオマエ」


打ち止め「ミサカは本当は反対なんだけど、今日は特別だよ!ってミサカはミサカは大人の心を見せたり」


一方通行「何だそりゃあ……」


打ち止め「だから、あの子を泣かせたら許さないんだからね!」


一方通行「もォ何とでも言えェ……。いちいち否定すンのも面倒臭ェわ」



――付き合ってらンねェ。と歩を進める一方通行……。



打ち止め「あぁん、待ってよー!ミサカを置いてかないでー!」


一方通行「………チッ」



――なんだかんだ言いながらも、立ち止まって打ち止めを待ってやる一方通行は
すっかり『保護者』が板についてしまったみたいだ。
自分の中で何が変わったのか分からなかった頃が今では嘘のようである。



一方通行「クソったれが……早く来いよこのクソガキ」



――もっとも、これまでの環境の中で形成された捻くれた性格だけはそう簡単に
直りそうもなかった…。
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 03:14:47.31 ID:G6OIvQk0
――上条部屋――



結局、打ち止めが来たら行き先を決める事にした上条は禁書目録と共に出かける用意をしていた。

おそらく、もうそろそろやって来るだろうという時間帯である。
上条と禁書目録はいそいそと出かける準備をしていた。
禁書目録は珍しくいつもの修道服ではなく、可愛い私服に身を包んでいた。
上条はそんな禁書目録に「すげえ似合ってるぞ」と、これまた無自覚にそんな台詞を
吐いていた。

流石は天然のフラグメイカーである……。

顔を赤くして嬉しそうな顔を見せつつ「う…うん…///」と言う禁書目録の仕草に
普通の男子ならKO必死なのだが……。

恐るべし、上条当麻!!



上条「――よしっ!準備完了!インデックスは?」


禁書「――私もOKなんだよ!」




二人が外出準備万端になって十秒もしない内に――


――ピンポーン♪



上条「――おぉ!ナイスタイミング!」


禁書「さすがあくせられーた!空気読めてるかも!」



――ガチャ



ドアの向こうにいたのは、やはり一方通行と打ち止めだった。
上条と禁書目録は揃って二人を出迎える。
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 03:22:46.38 ID:G6OIvQk0
――玄関





一方通行「よォ、三下ァ」


上条「おう、待ってたぞ。まぁ上がれよ」


一方通行「折角だが、もォ時間がねェンだ。俺はもォ行くわ」


上条「そうか…」


禁書「らすとおーだーっ!会いたかったよぉ!」


打ち止め「ミサカもー!ってミサカはミサカはミサカも会いたかったぁーって飛びついてみたりぃ!」




横で何故か抱き合う打ち止めと禁書目録……。ほんのニ〜三日前上条が課題に勤しんでいたので
黄泉川家に禁書目録を送り込んだ時があったのだが、打ち止めとはその時も会っているはずだが…。


よほど馬が合うのか、会う度に親密になっていく二人の幼女に上条と一方通行は温かい目を向けた。




一方通行「クソガキ、三下にうンと迷惑かけろよ」


打ち止め「もっちろん♪」


上条「オイ!そこは『迷惑かけるな』って言うところじゃないんでせうか?あと打ち止めも乗るな!」


禁書「私はかけないよ!とうまの迷惑になりたくないもん!」


上条「インデックスぅぅ……上条さんは嬉しいぞぉぉ…」
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 03:31:18.02 ID:G6OIvQk0
一方通行「――とにかく、任せたぞ。電話でも言ったが……何かあったらぶっ殺す」


上条「おう、大船に乗った気でいろ!お前も頑張れよ!……あと、くれぐれも明日は…」


一方通行「分かってンよォ。このガキが退屈しなかったらの話だがなァ」


打ち止め「え?」


上条「あぁ、任せてくれ!」


禁書「とうま!私を満足させないと許さないかも!」


上条「そのいやらしい言い方は周囲に誤解を生むからやめろ」


打ち止め「……どういう事か分かんないけど、楽しいことならしたいなぁー!ってミサカはミサカはわくわくしてみる」


禁書「とうまは今日太っ腹なんだよ!」


一方通行「あァ?そォなのか?」


上条「と、とにかく一方通行!俺にどーんと任せてくれ!」


一方通行「よし、頼ンだぞ。ンじゃあな――」


禁書「バイバイ、あくせられーた」


打ち止め「…………」




――少し寂しそうな打ち止めの視線が背中に刺さったが、気にせず一方通行は上条宅を後にした。
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 03:38:04.18 ID:G6OIvQk0
今回はここまでです。この後は
一通さん
上条さん
ていとくん
と三つに分かれますが、上手くやるつもりですので…。

>>111 それをしちゃうとr――おっと危ねぇネタバレするとこだったwww
未元物質抜きの変装には意味があるとだけ言っておきます。

では、また今日中に来ます。
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/30(水) 04:13:53.91 ID:FDMJSs2o
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 04:46:14.99 ID:XsN.rFAo
おっつんつん
上条さんと一方さんとていとくんが可愛くて生きているのが楽しい
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 06:27:35.39 ID:MtFpw0E0
一方とていとくんのかわいさがやばい
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 07:02:06.62 ID:Fsq7jE2o
インデックスと打ち止めがかわいくて出社するのが辛い
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 10:50:33.89 ID:MtFpw0E0
>>122
出社しないとおまえのせいでインデックスと打ち止めが泣くぞ
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 16:46:28.76 ID:G6OIvQk0
どうもっす。
ちょっと早めですが、投下再開したいと思います。
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 16:49:17.43 ID:G6OIvQk0
――――



「…………」カツ カツ カツ



一方通行は黄泉川家とは逆方向に歩いていた。決して道が分からない訳でも間違えた
訳でもない。この先にある公園に向かっていたのだ。
そう、ある『約束』を果たすために―――



―――Piriririri♪



「…………!」



その途中、一方通行の携帯が突然鳴り出した。ズボンのポケットから取り出して表示を確認した彼は、
周囲を見回し、人のいないビルの裏へ移動した。
そして、未だ鳴り続けている携帯の通話ボタンを押し、耳に当てて喋った。



「またオマエかよ。今日は仕事入れるなって言っただろォが」




電話相手は『いつもの指令役』だった。幾度とある暗部組織の中でも彼が所属する『グループ』はアレイスターからも
一目置かれており、その組織力も大きい。仕事の内容は主に『学園都市を脅かすものの排除』や『密輸、密売の阻止』
が大半だ。
例えるなら救急隊員のような仕事だが、一方通行にはそんな事はどうでも良かった。それよりも、今は『約束』の方が
大事である。
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 16:53:07.41 ID:HwweaNMo
もふもふ
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 16:55:06.77 ID:G6OIvQk0
「どォせまたつまらねェ仕事だろ?他のヤツに回すンだな。どっちみち、俺は今日は動けねェ。悪いが切るぞ――――何!?」



さっさと切ろうと、携帯から耳を遠ざけようとした一方通行だが……直前に『ある言葉』を聞いた途端、目を見開いて
手を止めた。彼はすぐ電話相手に声を返した。




「そォか………分かったのか……ソイツはご苦労だったなァ」ニヤァ




それだけ言って電話を切ってしまった一方通行は、そのままどこかへ電話を掛けた。
発信して数秒程で『もしもし』と返ってきた返事に向かって一方通行は開口一番に怒鳴り声を上げた。



「オイ!!オマエ一体どォいうつもりだァ!?『土御門』ォ!!」


『……………』



電話相手であるはずの土御門からは中々返事が返ってこなかった。―――



――――



――上条宅


上条、禁書目録、打ち止めは出かける前の小休止をとっていた。
ちなみに、『これからどこへ行くのかを決める会議』も兼ねている。
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:01:31.75 ID:G6OIvQk0
上条「打ち止め、どこか行きたい所あるか?」



――訊いてみるものの、ここで「どこでもいい」って言われたら非常に困ってしまうこの質問だが、打ち止めは悩むことなく
はっきりと答えてくれた。



打ち止め「『マリンランド』に行きたーい!ってミサカはミサカは即答してみる」

禁書「!――とうま!私もそこが良いかも!」

上条「水族館か……よし、決定だ!」

打ち止め「え、ホントに!?ってミサカはミサカはドキドキしながら訊いてみたり」

上条「当たり前だろ?じゃなきゃ訊いた意味がないからな。デズニーランドに比べたらさほど遠くも
ないし、……上条さんに異論はありませんの事よ。ってことで、もう少し休んだら行くか」

打ち止め「わーい♪イルカさんに会えるー!ってミサカはミサカは喜びの余り飛び跳ねちゃったりー!」

禁書「とうまー!私、すいぞくかんって行くの初めてかも!すっごい楽しみなんだよ!」

上条「ハハハハ、俺も楽しみだ!……っつーか、俺も行った事ねえや」

禁書「え?子供の時とか行かなかったの?」

上条「うーん……近くになかったしな…」(やべぇやべぇ…)

打ち止め「本当はあの人に連れてって欲しかったんだけど、あの人絶対嫌がるから…ってミサカはミサカは
諦めてたり」

上条「そ……そんなことはないんじゃないか?」

打ち止め「え?どうして?」

上条「イヤ……まぁ……その…なんとなくな…」




――何やら思い返すような素振りの上条に禁書目録も打ち止めも不思議な物を見るかのような目で
上条を見上げた。
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:12:25.01 ID:G6OIvQk0
上条(そりゃ俺もきっとそう思うだろぉな………こないだの事がなければ)



ふと、先週に行ったダブルデートを思い出す上条。



上条(汽車で一方通行に抱きつかれたり……ワニに食われかけたり……御坂と絶叫マシン巡りもしたっけ…………ん?)



何かが気になった上条は、その場で考え込む。
美琴と絶叫マシンに乗りまくって、上条は途中で意識を閉ざしている……。
気づいた時はベンチで美琴の肩にもたれ掛かっていた。
そこからだった……。何かを忘れている……そんな感覚が上条の頭に残っていた。




上条(…………何だ?何かが引っかかる……)




中々思い出せないが……かなり重要な事の気がした。
上条は何としてでも思い出そうと目を閉じて、少ない過去の記憶を脳内で探り出す。




禁書「とうま?どうしたのかな?」

打ち止め「大丈夫…?ってミサカはミサカは心配してみる」




――その時、ついに上条にあるシーンが浮かんだ。



上条「―――!!」
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:15:13.42 ID:G6OIvQk0
上条の脳裏に、つい先週入院して禁書目録と再会した時の場面が甦る――



――――――――――――――――――――



〜〜回想〜〜




「誤魔化したってダメだよ!私見たんだから!とうまと短髪がベンチに仲良く座ってたのを!!」


「――!!」


「……とうま……短髪の肩に頭乗せて『気持ち良さそう』に眠ってたよね……」


「――イ、インデックス!待て!落ち着いて聞いてくれよ。それはだな……」


「……私の記憶能力ナメたらいけないかも……短髪、すごく幸せそうな顔してた事もはっきり覚えてるんだよ」



『――短髪、すごく幸せそうな顔してた事もはっきり覚えてるんだよ――』



――――――――――――――――――――



上条(……………)




『すごく幸せそうな顔をしてた』……あの時、確かに禁書目録はそう言った。
今まですっかり忘れていた。何故このタイミングで彼はその事を思い出したのか……。偶然か必然かは誰にも
分からない。
ただ、これがどういう意味なのかだけは……上条にも分かりつつあった。
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:21:28.91 ID:G6OIvQk0
自分はあの時、美琴の肩に頭を乗せて寝ていた。(っていうか気絶してた)
美琴は自分が起きた時、特に嬉しそうなそぶりは…………………あった。

あの時は何故こんな自分と手を繋いで歩く程に上機嫌なのか分からなかったが………まさか………まさかである。
鈍感少年上条は……ついに正解を掴みとろうとしていた。



上条(まさか………御坂……アイツが、……俺の事を…?)



禁書「おーい、とうまー?」

打ち止め「石像みたいに固まっちゃったね。ってミサカはミサカは指でつんつんしてみる」

上条「なっ、ないない!そそそ、そんな事……何で御坂が俺みたいなヤツに――」

美琴「え?私がどうかしたの?」

上条「――ぎゃぁぁぁあああああああ!!!??」

美琴「――うわっ!?アンタ何いきなり叫んでんのよ!?……唾飛んだじゃない……ま、良いけど…」クスッ

禁書「短髪!?いつの間に!?」

打ち止め「わー!お姉様だー!おっす♪」

美琴「おっす、鍵開いてたから……きちゃった♪」

上条「………お、脅かすなよ御坂……寿命がニ〜三年は縮んだぞ…」

美琴「そんな驚く事ないでしょぉ?っていうかアンタ!」

上条「は、はい?」

美琴「よくもこの美琴様からの有難いメールをシカトしてくれやがったわね!」




――今にも放電しそうな勢いで上条に掴みかかろうとする美琴本人がそこにいた。
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:24:33.99 ID:G6OIvQk0
上条「おいおい、シカトって……メールは一応返しただろ?」

美琴「あんなのシカトも同じよ!おまけに電話も寄越さないし!普通男の方から掛けるモンでしょうが!
アンタどんだけデリカシーないのよ!?」

上条「い……いや……その…それは…」

美琴「何よ!?何か言いたいことでもある訳!?」バチッ バチッ……

上条「――す、すんませんっしたぁぁ!!」バッ

禁書「おぉ!?久々に見たんだよ!とうまのマル秘奥義『空中土下座』!」

打ち止め「なんていうか……無駄のない動きだね!ってミサカはミサカは評価してみたり」

上条「ど、どうかここでビリビリはご勘弁を!!上条さんの生活用品が!!」

美琴「………まぁ良いわ。今度だけは勘弁してあげる。……ところで、打ち止めがいるのに何で一方通行はいないの?」

上条「へっ…?アイツは今日―――」



―――



――その頃、とある路上では……




警備員「なんでそんな格好してるんですか?ま、まさか貴方!近頃この辺りに出没する通り魔ですね!?」

垣根「イヤ……マジでそんな怪しい者じゃないんで……」

警備員「ちょっとそこ(支部)まで来てもらっていいですか?」

垣根「あの……それはホント勘弁……この後予定あるんすよ…」




――予想通り、不審レベルも5な男は早速職質をくらっていた。
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:31:49.89 ID:G6OIvQk0
――警備員の格好が似合わないほどの温和な顔をした女性は中々垣根を解放してくれそうもなかった……。




警備員「でも、ここで見逃して事件が起こったらまた黄泉川さんに怒られちゃいます…」

垣根「だから起こしませんって!……っつーか俺、そんな怪しいっすか?軽くショックなんすけど…」

警備員「自覚無しっと…」メモメモ…

垣根「って何メモってんすかぁ!?」(何なんだこの警備員?)

警備員「ささ、詳しい動機などは支部で聞きますので任意で同行してください。拒否は許しません」

垣根「アンタ任意同行の意味分かってねえだろ!!」

警備員「きゃ……む、無駄な抵抗はやめてください!」

垣根「今この時間こそ無駄だ。……もぉいっそ黄泉川さんここに呼んでくれ。アンタの上司なんだろ?」

警備員「何故黄泉川さんを知って……あぁ、なるほど。前科で捕まった時にお世話になったんですね?」

垣根「まさに今現在お世話になってるんだが……」

警備員「まさか……脱獄!?」

垣根「だから違ぇっての!!アンタさっきからどんだけ着眼点ズレてんだよ!?よくそれで警備員になれたな!?」

警備員「私、これでも教師なんですよ♪」

垣根「警備員なら珍しくもねえわ!っつかそれで教師ってのが問題だろ……」

警備員「貴方みたいな反抗期な生徒はたくさんいますよ」

垣根「イヤ、訊いてねぇし……反抗してるつもりはこれっぽっちもありませんが?」

警備員「何でそんな格好してるんですか?」

垣根「風邪ひいてんすよ。あと自分寒がりなんで」

警備員「ふーん……」

垣根「イヤ!そこで疑いの目が出る意味が分かんねえんだけど!?ウソじゃねえし!」



――どうやらますます話がこじれているようだ…。
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 17:39:07.14 ID:nwGMPpMo
警備員=鉄装さん?
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:39:59.48 ID:G6OIvQk0
警備員「………怪しいです。何か身分を証明できる物があったら見せてください」

垣根「あぁもう!なら今学生証見せ―――あれ?」



一刻も早く解放されたかった垣根は財布の中を探るが………ない。



垣根「やっべえ!まだ再発行頼んでなかったわ!」

警備員「?」

垣根「警備員さん、すんませんけど身分証まだ持ってないんで……」

警備員「だと思ってました」

垣根「……は?」

警備員「自作自演は私に通用しませんよ。今の私は足を引っ張っていたあの頃とは違うんです」

垣根「……へ?何言って――」

警備員「と言う訳で、続きは支部でゆっくり聞かせてくださいね?」

垣根「はぁ!?意味分かんねぇ、ってかまたフリダシかよ………なんなのコイツ……もぉイヤ……誰か助けて……」




――この後、三十分近くの拘束を余儀なくされた垣根は待ち合わせ場所まで走るハメになった。
警備員として頑張っている黄泉川の印象も、このおかげで少しマイナスに変わった。




垣根「――っつーか、最初っから帽子とマスク取れば良かった話じゃね?」




そこに気づいたのは解放されてからだった……。
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:44:16.78 ID:G6OIvQk0
>>134 ご想像にお任せしますww




――上条宅




上条「―――と言う訳なんだが……」

美琴「アイツもデートなのか……そっかぁ………ふーん…」

打ち止め(何この反応……?ってミサカはミサカは新たなライバル登場の気配に危機感を抱いてみたり)

禁書「短髪、どうかしたの?」

美琴「べ、べっつにぃ!そ、それで、アンタらはこれからどうするの?今日は暇だったりするから、私も付き合って
あげても良いけど……」

上条「マリンランドに行こうかと思ってる」

美琴「お、良いわねー♪…で、まだ行かないの?」

上条「そうだな。インデックスに打ち止め、そろそろ行くか?」

禁書「うんっ♪お魚お魚〜♪」

打ち止め「はやく行こー!ってミサカはミサカは急かしてみたり」

上条「ははっ、イルカさんは逃げないぞー?……ま、俺も楽しみだし…ほんじゃあ行くとしますか!」

打ち止め「おー!」

美琴「この面子って初めてよね。違和感あるけど何か楽しみだわ」

禁書「ゴーゴー!」




――こうして、上条・美琴・禁書目録・打ち止めの四人は大型水族館へ向けて動きだした。

この先様々なハプニングが待ち構えている事など、この時の彼らにはまだ知る由もなかった……。
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:48:31.14 ID:G6OIvQk0
―――その頃、上条宅から少し離れた公園




「――時間です。まだでしょうか…とミサカは足を踏み鳴らしてイライラします…」




――常盤台の指定コートを着た少女、検体番号10032号こと御坂妹は待ち合わせ相手が
中々来ない事に苛立っていた。……無論、無表情のまま。




御坂妹「…………」




――そして約十分後、杖の音を響かせながら一人の男が歩いてくるのが見えた。
一瞬嬉しそうな顔をしたが、すぐに無表情に戻る。




一方通行「――よォ、待ったか?」

御坂妹「……十分ほど遅刻です。とミサカは時間にルーズなあなたを睨みます」ジー…

一方通行「悪いな。ちと『取り込ン』じまってよォ」

御坂妹「女性を待たせるなんて良い度胸ですね?とミサカは遠まわしに責めます」

一方通行「どこが遠まわしなンだよ……?」

御坂妹「まぁ良いでしょう。罰として今日はミサカに思う存分付き合ってもらいます。とミサカは会っていきなりの
絶対服従をあなたに求めます」

一方通行「へいへい、最初(ハナ)っからそのつもりだから安心しろォ……ンで、何処行くンだ?セブンスミストか?」

御坂妹「そのつもりだったのですが、実は他に行きたい場所ができてしまったので……。とミサカはプランの変更を告げます」
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:51:01.09 ID:G6OIvQk0
一方通行「はァ?オマエ今日は服買うンじゃ――」

御坂妹「それはまた『次』にでも行けば良いのです。今はそれより行きたい所があります。とミサカは早くも主導権を
握ります」

一方通行「………まァ良いけどよォ……ンで、何処に行きてェンだ?」

御坂妹「――これを。とミサカはパンフレットをあなたに渡します」

一方通行「またこのパターンかよ……っつか、こォいうの一体どっから手に入れてンだ?」

御坂妹「ミサカの施設(病院)をお忘れですか?とミサカはあなたの痴呆に愕然とします」

一方通行「あァそォでしたねェ……で、なンだこの愉快なイルカの写真はァ?」

御坂妹「……イルカさんはイルカさんですが?とミサカは問い返します」

一方通行「まさかイルカ見に行きたいとか言い出すンじゃねェだろォな?」



――その問いに……御坂妹はハッキリと答えた。



御坂妹「はい。本日のミサカの目的は、イルカさんと一緒に写真を撮ることです。とミサカは胸の内を明かします」

一方通行「またかよ!」

御坂妹「『また』とは心外ですね。とミサカは少しムッとします」

一方通行「……オマエ、ずいぶンとワガママ言うよォになったよなァ」

御坂妹「ミサカの夢は尽きることがありません。それに、あなたもこういうのは好きかと思いました。
とミサカは前回のデートを振り返った上で推測します」

一方通行「…………水族館ねェ……」




――興味が無さそうにも見えて、実はまんざらでも無さそうな……そんな表情で一方通行は差し出された
パンフレットを眺めていた。
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:53:07.91 ID:G6OIvQk0
――初春宅



「――佐天さん、そろそろ出ますよ?」




玄関ですでに靴まで履いた初春は、急かすように呼びかける。




「――ゴメンゴメン!お待たせ!」




呼ばれた佐天はバタバタと玄関までやって来た。




初春「早く行きますよ!――」

佐天「あぁ、待ってってばぁ!まだ靴ぅ――」




慌しく寮を後にする二人の少女。
佐天はパンフレットを眺めながら歩く初春の顔を覗き込む。





初春「――ひゃあっ!?な、なんですか?」

佐天「……ふーん、水族館かぁ……初デートにしては素敵なチョイスするねぇ初春ぅ」

初春「だ、だからデートじゃなくて……その……お礼っていうか…」

佐天「見苦しいぞ♪いい加減認めちゃえって。前自分で言ってたじゃん?イルカショー見たいって」

初春「た、たまたまですよ!」
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:55:13.35 ID:G6OIvQk0
佐天「ハイハイ、ごちそーさまな話を期待してますよ。良いな〜…私も彼氏欲しいなぁ〜…」

初春「さ、佐天さん!?言っときますけどまだ彼氏じゃないですからね!?」

佐天「ほぉう……『まだ』ねぇ…」ニヤァ

初春「――うっ……」(しまった……)




墓穴を掘るという、らしくない振る舞いをしてしまう初春。
どうやら相当浮かれているようだ……。
だが、それも運命的な出会いに憧れる年頃の少女からすれば当然なのかも知れない。
実際ある意味では運命的なのだが……それはまだ彼女の知らない事だった。




佐天「――成功、願ってるよ。初春」




佐天は散々茶化してきたものの、やはり親友の初恋(?)を応援したい気持ちが殆どだった。





初春「……本当にそう思ってます?」

佐天「当たり前じゃ〜ん!こやつ、私を信用してないな?スカート捲くっちゃうぞ?」

初春「してもいいですけど、今日ばかりは反撃しますよ?」

佐天「うわぁ……初春が反抗期だぁ……」

初春「同い年でしょ?」

佐天「私はいつだって反抗期だよ♪」

初春「嫌というほど知ってます」
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 17:59:08.76 ID:G6OIvQk0
――他愛無い(?)話をしながら、歩く二人。


佐天「じゃ、私コッチだから。頑張んなよ?初春」

初春「はい」

佐天「良い報告を期待してるからね」

初春「勝手に期待しないでください!……っ///」

佐天「あはは、照れるなって」

初春「も、もう!」

佐天「じゃあね、応援してるから――」

初春「……はい、ありがとうございます。佐天さん……じゃ、行ってきますね――」



――最後は親友らしい絆を垣間見せて、二人は別れた。
初春は真っ直ぐ待ち合わせ場所の駅を目指して歩きだした。
一方、佐天も反対方向の自宅へ踵を返した………が。



佐天「…………」



ふと立ち止まり、さっと物陰に隠れてバッグから何かを取り出す佐天。
着ていたコートを脱いでバッグにしまい、取り出した予備のコート(色違い)を羽織った。
さらにニット帽、伊達メガネを装着した佐天は再び路上に戻り、まだ見える後ろ姿を追う様に
歩き出した。


(初春のことだから、どうせ会わせてはくれないだろうと踏んで用意してて正解だったわ…。
ふふふ、さぁて……初春のハートを射止めたのがどんな人なのか、じっくり拝ませてもらおっかな)



初春の十メートル後ろをピタリとマークする様に追跡する佐天……。
スネークも真っ青の無能力者(レベル0)がそこにいた。


(別に冷やかす意味で尾行してる訳じゃない。親友として心配だから……ってことで♪)


何やら自分に言い訳をしているが、伊達メガネから覗くその目は……怪しく光っていた。
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 18:04:25.07 ID:G6OIvQk0
とりあえず、今日の分は終了です。
続きはまた明日投下しますので!

アニメでやってた鉄装ストーリーを見て、鉄装in禁書メンバー編を無性に書きたくなって
しまいましたwww
総合で書こうかコッチで書こうかちょっと迷ってます……。
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 18:41:39.54 ID:MtFpw0E0
おつ!
佐天さんすきだわーwww
続きも楽しみにしてるぜ!

あと鉄装さんの件はこっちで書いてくれたらおれは読む
総合はなんか好きくない
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 18:52:26.98 ID:G6OIvQk0
>>143 了解っす。
では何レスか書きますね!
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 19:07:37.43 ID:G6OIvQk0
※この話は本編とは何ら関係ありません。



―――季節はすっかり変わって秋


私、鉄装綴里(てっそうつづり)は今日も第七学区の学校から警備員の(アンチスキル)の支部へ向かって
走っていた。



一方通行編――



鉄装「あぁーーっっ!!その電車待ってぇぇええ!!!」



勢いよく乗車口へダイブする。今度は何とか間に合いそうだった。
しかし、中から出てきた人と運悪く衝突した。
駆け込みならぬ飛び込み乗車はまたしても失敗に終わったのだった……。



鉄装「――いたたたた……」


「――痛ってェ……ったく、何なンだっつーンだクソォ……」



ぶつかった頭を押さえながら目を開けると、そこには同じように頭を押さえた
細い体型の男が黄色い線の外側にいた。
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 19:20:07.32 ID:G6OIvQk0
鉄装「あわわわ、す、すみません!だ、大丈夫ですか!?」



驚いた私は痛みも忘れて男に駆け寄った。



一方通行「……大丈夫な訳ねェだろ。クソったれがァ……」



男は涙目だが、とても恐ろしい目で私を睨んだ。
不良が苦手な私は一瞬たじろいでしまう。



一方通行「どこ見て飛び込ンできてンだオマエはァ!?駆け込むンならまだしも頭から突っ込ンで来るたァどォいう
神経してンだコラァ!!」

鉄装「――ひぃっ……ゴ、ゴメンなさいっ!」

一方通行「ゴメンで済ンだら警備員はいらねェンだよ!」

鉄装「すいません……私、その警備員なんですけど……」

一方通行「……あァ?今なンつった?」

鉄装「とりあえず……ここじゃ邪魔なんで、移動しませんか…?」



乗車口で怒鳴る男に私は精一杯の勇気を込めてそう言った。



一方通行「………チッ」



舌打ちした男は立ち上がり、落ちていた杖を拾ってカツカツと歩き始めた。



鉄装「――あっ!ちょっと!待って下さいぃ!」
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/30(水) 19:22:27.01 ID:7AonICY0
もふもふ
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 19:31:39.51 ID:G6OIvQk0
無言で改札を出て行こうとする彼を慌てて追いかけた。



一方通行「――なンでついて来ンだよ?」



クルリ、と不機嫌丸出しで男は振り返った。



鉄装「あ、あの……本当にすみませんでした!お、お怪我の方は…?」

一方通行「あ?見て分かンねェのかオマエ」

鉄装「へ……?」

一方通行「重傷だ。二度と呼び止めンじゃねェ」



また、クルリと前を向いて今度こそ彼は切符を改札口に入れようとした……が、私は何を思ったのか彼の腕を強く引いていた。



一方通行「――うおォ!?」

鉄装「――ひゃっ!」


案の定、体重の軽そうな男は私でも簡単に引っ張れ……過ぎた。

そのまま勢いがつき過ぎ、二人そろって冷たい床にひっくり返る。


一方通行「――……ってェ……この野郎ォォ!!オマエ喧嘩売ってンのかァ!!」

鉄装「――ひっ……ゴメンなさい…」


さっきよりも凄い剣幕で怒られてしまった……あぁ、何で私はこんなにドジなんだろう……。
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 19:47:07.86 ID:G6OIvQk0
――駅内のカフェ


一方通行「なーンなーンでーすかァー?この展開…」

鉄装「あの……頭大丈夫ですか?」

一方通行「やっぱオマエ俺になンか恨みでもあるンだろ?そォだろ?」

鉄装「い、いえ!そんな!本当にすみませんでした!」

一方通行「はァ……もォイイっての……」

鉄装「ゆ…許してくれるんですか?」

一方通行「そりゃ五十二回も謝られりゃあなァ…コーヒーも奢ってもらったし、これ以上何を望めってンだ?」

鉄装「あ、ありがとうございます……」

一方通行「オマエ本当に警備員かよ?」

鉄装「や…やっぱり……見えませんよね…」

一方通行「俺の知ってるヤツとは…なンつーか、正反対過ぎンだろォ……」

鉄装「私……やっぱり向いてないんですかねぇ……はぁ…」

一方通行「………」

鉄装「いつもヘマやって、先輩に怒られて……それでも、こんな私でも!って思ってるんですけど……
いつも空回りで……」

一方通行「…………」

鉄装「いっそのこと……辞めようかなぁ……とか、何度も思ったんですけど……やっぱり辞められなくて…」

一方通行「……オマエはどォしたいンだ?」

鉄装「…え?」

一方通行「俺に何か言われて背中押されたいンなら、悪いが期待に添える気はねェぞ?」
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 19:59:55.24 ID:D8GosCg0
こっちでやってくれてるのか!!
ありがとう!

151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 20:02:30.19 ID:G6OIvQk0
一方通行「『甘ったれンな』とか『諦めるな』とか言うつもりはねェ。俺はそンなタイプじゃねェからなァ
ただ、これだけは言ってやる。オマエのプラスになるか分っかンねェけどなァ」

鉄装「………?」


一方通行「好きにしろ。どォ行きよォが、どォ選択しよォが全部オマエの自由だ」


鉄装「――!?」

一方通行「そこには間違いもなけりゃ正解もねェ。あるとしたら、それを決めンのもオマエの自由……だろォ」ニヤリ

鉄装「私の……自由……」

一方通行「ンじゃあな。ご馳走さン。あとはせェぜェ頑張ンだな」スクッ



立ち上がって彼はその場を去ろうとする。
私はその背中を呼び止めた。



鉄装「――待ってください!…せめて……お名前だけでも!」



――すると彼は振り返って、



一方通行「ハッ、よせ。悪党の名前なンざ、いちいち覚えとく必要はねェよ」



そう言って、今度こそ…彼は行ってしまった。
しばらくその背中を眺めていた私を現実に引き戻したのは、携帯の着信音だった。
電話に思わず出た私に、雷が落ちんばかりの怒声が飛んだ。



『――コラァーーッッ!!鉄装!!お前どこで油売ってるじゃんよぉぉ!!!』


鉄装「――すすす、すいませぇぇぇええええん!!!」



一方通行編・完  〜続く?〜
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 20:05:11.93 ID:D8GosCg0
やっぱ一通さんかっこいいな
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 20:08:41.35 ID:G6OIvQk0
以上です。小ネタにするつもりがつい真剣にwww
正直意味不明な終わりですいません…。けどまた機会があったら、誰かと鉄装さんを
絡めようと思います。次は打ち止めあたりでもwww

では、明日また本編の続き投下しに来ますんで、これで失礼します。
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 21:15:56.65 ID:d.n2J7wo
面白かったもっとやれ
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 21:30:05.32 ID:nwGMPpMo
これはこれで…外伝って感じでいいからまたいつか続き見たいなww
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/01(木) 15:18:25.72 ID:ntRYSaU0
…今日も投下するハズだったんですが、急用が入って
しまいました。
明日こそ来ます。ごめんなさい!
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 18:18:16.03 ID:0wg2oM60
>>156
把握

楽しみにしてる
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/07/02(金) 20:20:39.73 ID:hFy.tTM0
そろそろくるか?
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 20:52:00.99 ID:4C2J3zw0
こんばんは。
ちょっと遅くなりましたが、投下します。
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 20:54:51.12 ID:4C2J3zw0
―――学園都市、○○学区にある大型水族館『マリンランド』





――先週訪れたデズニーランド程ではないにしろ、やはりそれでも人の多さは否めなかった。
違いを比べるなら、カップルの比率が目立って見える事くらいだろうか……。


入り口前でチケットを購入した上条達はその集団の中でもひと際目立っていた。
が、本人達は気にも止めずに入園口へ――




――ワイワイ ガヤガヤ…




上条「……しっかし、すげぇカップル率高いな…」

美琴「デズニーランドの時もカップル結構いたわよ?もっとも、それ以外も多かった
から目立たなかったけどね」

禁書「すごいんだよとうま!あの白黒のイルカ!」

打ち止め「わぁ!大きい!ってミサカはミサカは驚いてみる」




――入り口付近のシャチ人形に注目する一同。
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:00:26.27 ID:4C2J3zw0
上条「シャチか……あれ作り物だぞ?」

美琴「実際あんなデカイのかしら?」

上条「お前も見た事ないのか?」

美琴「ま、まあね……」

上条「実は俺も!テレビでしか見た事ないから楽しみだ♪」ニコッ

美琴「///……そ、そう…」

禁書「とうまー!早く中入ろうよー!」

打ち止め「お姉様も早くー!ってミサカはミサカは何か怪しい雰囲気の二人を呼んでみたりー!」

上条「み、御坂。行こうぜ…」(打ち止めの野郎…)

美琴「う…うん」





――どこか気まずい空気を無理矢理押し隠した上条と美琴は、すでに入り口で待っている禁書目録と打ち止めに
呼ばれて歩み始めた。



上条(俺の推測が正しいなら……やっぱそういう事だよなぁ…)



珍しく意識する上条。
それもそうだ。彼はついに隣りを歩く少女が自分に好意を抱いている事に
気づいたのだから……。
しかし、だから今すぐどうこうできる上条でもなかった。
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:03:13.03 ID:4C2J3zw0
―――館内



まず最初に来園者を出迎えるのは、巨大な水槽で目まぐるしく泳ぎ回る白黒のイルカ達だった。




禁書「あ!とうま!シャチなんだよ!……にしてはちょっと小さいかも」

打ち止め「体の模様も少し違うね。ってミサカはミサカは必死に目で追ってみる」

上条「コイツは『イロワケイルカ』だな。別名『パンダイルカ』とも言う」

美琴「へー、可愛いっ♪……ってかアンタ詳しいわね?」

上条「イヤ……そこに書いてあるし」

美琴「あ…ホントだ」

打ち止め「泳ぐの早ーい!ってミサカはミサカは目で追うのがやっとだ!って台詞を引用してみる」

美琴「アニメの見すぎよアンタ…」

禁書「短髪もアニメとか見るの?『カナミン』とか」

美琴「私はゲコt――……ゴメン、あんま見ないわ」

上条(絶対今ゲコ太って言おうとしたな……)

禁書「とうま。このイルカさん、目がないんだよ。どうやって泳いでるのかな?」

打ち止め「目なんて見えなくても気でわかるんだよ。ってミサカはミサカは説明してみたり」

上条「上条さんでも分かる説明をありがとう打ち止め。インデックス、よく見ろ。黒い模様の中に目が
見えるだろ?あれが目だよ」
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:08:44.74 ID:4C2J3zw0
禁書「うーん……速すぎて見えないかも…」

上条「馬鹿め、気の動きをよく探ってみろ。お前以外は皆見えているぞ」

禁書「え?みんな見えてるの?」

美琴「……アンタそれ何のネタよ?」

打ち止め「ミサカも見えないー!」

上条「見えるっ!俺にも見えるぞー!」

美琴「しょっパナからナニこのテンション……」(ってか、なんだかんだ言って結構浮かれてるわねコイツ…)




まだ入り口でこれだけ盛り上がってて最後までもつのか……と美琴は少し不安になったらしい。




―――




美琴「あ、綺麗な熱帯魚がいっぱいいる♪」

禁書「イソギンチャク綺麗〜…」

打ち止め「あっ!ウツボはっけーん!ってミサカはミサカは報告してみる」

上条「まるで海の中を再現してるみたいだな。すげぇ……」

美琴「より忠実って感じね。さすが学園都市だわ」

上条「ん?インデックスは………っていたいた」

禁書「コッチは磯辺のお魚さんたちがいるんだよ!こんにちは〜」スッ
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:12:27.69 ID:4C2J3zw0
上条「こらインデックス!手を入れちゃいけませんって書いてあるだろ?」

禁書「ひゃっ!?………うぅ……見るだけで我慢するんだよ」

上条「よろしい。―――ぶわっ!?」




――その時、上条の顔面に水鉄砲が飛んだ。




打ち止め「どうしたの!?」

禁書「わ、私じゃないんだよ!」

美琴「……!ははーん……犯人はアイツね」





美琴が指さした先には、水面から顔だけ出した小さな魚がいた。




上条「『テッポウウオ』か……磯辺なのに何故?……何にせよ不幸だ…」




熱烈な歓迎を受けたようだ。
どうやらここでも不幸は尽きないらしい。



―――



上条「お?今度はサメか……すげえな…」

美琴「うわぁ……さっきより綺麗……」ウットリ
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:15:48.60 ID:4C2J3zw0
打ち止め「さっきが浅瀬なら、コッチは沖だね。ってミサカはミサカは見入ってみたり…」

禁書「フカヒレ……」ジュルリ



四人の視線の先にある巨大な水槽では、様々な種類のサメやエイが悠然と泳いでいる。
学園都市一の大型水族館にある名物の一つ、『海景色』である。
まさに、その景色は海の中を忠実に再現していた。




禁書「サメって怖いイメージかも…」

打ち止め「襲ってきたりしないよね?ってミサカはミサカは不安になってみる」

美琴「大丈夫よ。私もアンタも『電気使い』なんだから、水中じゃ無敵でしょ?」

打ち止め「そっかー!さっすがお姉様♪」

上条「だがな御坂。それだと近くに人がいたら巻き込むことになるぞ」

美琴「……あ」

禁書「短髪が海に入ってる時に入りたくないかも……」

上条「ってか一緒に海行くのが怖い」

美琴「だ、大丈夫よ!……多分」

打ち止め「うわ!なにアレ!ってミサカはミサカは変な頭のサメさんを指さしてみたり」

上条「シュモクザメ…別名『ハンマー・ヘッド・シャーク』か……あの部分は脂肪の塊らしいぞ」

美琴「だから何でそんな詳しいのよ…?」

上条「上条さんサメにはちょっと強いぞ。ちなみにお前らサメを怖いイメージでとらえてるかもしれないけど、
実際人を襲うサメなんて全種類の中の一部だけなんだぜ?」

禁書「え、そうなの!?」

打ち止め「ウソー!?ってミサカはミサカは疑ってみたり」
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:20:47.93 ID:4C2J3zw0
上条「ホントホント、実は殆どの種類が大人しいんだよ。そもそもサメは―――」

美琴「はい、長くなりそうだから省略。さっさと次行くわよ」

上条「ひでぇ!……インデックス、涎出てるぞ」

禁書「はっ!?………サ、サメさん、バイバーイ!ほら!とうま、行こ!」

上条(案の定、食う事考えてやがったなコイツ……)

打ち止め(あんな怖い顔なのに無害なんて……まるであの人みたい。ってミサカはミサカは内心でほくそ笑んでみたり)



―――――




―――マリンランド入り口前




――ガヤガヤ…




一方通行「―――ックシュン!」

御坂妹「ずいぶん可愛いくしゃみですね。とミサカは風邪ではないか心配します」




打ち止めに噂されているとは露知らず、一方通行は杖をつきながら空いている手で鼻の頭を擦った。
御坂妹はそんな彼のピッタリ横を歩いている。
その模様は、一見微笑ましいカップルに見えなくもない。




一方通行(……なンでか知らねェが、あのクソガキを急にシメたくなった……)

御坂妹「あ、入り口はここですね。とミサカはあなたの腕をひいて急かします。チケット買いましょう」
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 21:24:49.32 ID:/ql3P4Q0
>>1は今日は来るかな……?
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:29:42.66 ID:4C2J3zw0
一方通行「そンな急がなくても魚は逃げたりしねェだろォがよ。……しっかし…」

御坂妹「…はい?」




キョウハタノシイデートニシヨウネ ウン

イルカショータノシミダネ ハイ トミサカハ

ハマヅラ サメトカオソッテコナイカナ? ソントキハオレガマモッテヤルヨ




一方通行「…見事に周りはカップルだらけだなァ……」

御坂妹「ミサカ達もですよ?」

一方通行「やっぱコレって…デートなのか?」

御坂妹「ミサカが相手では……不満でしょうか?とミサカは不安になってみ――ひゃっ!?」

一方通行「誰がンなこと言った?くだらねェ事言ってねェでとっとと行くぞ」ワシャワシャ

御坂妹「あ、頭をかき回さないで下さいぃぃ!とミサカは懇願します」




仲の良さそうな雰囲気のまま、チケットを購入した二人は館内へ入っていった。




―――




一方通行「オイオイ、何だァこりゃあ……シャチかと思ったらやけに小せェじゃねェか」

御坂妹「まるで歓迎してくれているみたいですね。とミサカは手を振って返してみます………が華麗にスルーされました」
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:32:31.84 ID:4C2J3zw0
一方通行「アホ、分かる訳ねェだろォが」

御坂妹「っていうか泳ぐの速いですね。あんなに泳ぎ回って疲れないのでしょうか…とミサカは心配します」

一方通行「マグロとかと一緒なンだろォ。止まると死ぬンじゃねェのか?」

御坂妹「あなたは海洋生物に興味があるのですか?とミサカは尋ねます」

一方通行「イヤ……あンましねェけど、来たからにはそれなりに楽しまねェとなァ。滅多に見ねェし」

御坂妹「………そうですか」

一方通行「なンだその間はァ?っつか、オマエはどォなンだよ?」

御坂妹「ミサカは最近図鑑やテレビなどでで海の生き物達を拝見しました。海はとても興味深いです……。
神秘的というか……未知の世界というか…」

一方通行「まァ地球の大半が海だしなァ。実際海には知られてない生物とかも腐るほどいるンじゃねェか?」

御坂妹「あなたにもロマンのカケラがあったとは……とミサカは笑いを堪えます」

一方通行「あァ?お魚の仲間入りしてェのかァ?なンなら一緒に泳がせてやってもイイぜェ?」

御坂妹「さ、さぁ次に行きましょー♪とミサカは戦略的撤退を図ります」

一方通行「オイ待てコラ」




―――




??「うわぁ……すげぇ……いきなりパンダみてぇなイルカかよ。どうだ、見えるか?滝壺」

??「うん、とても綺麗……はまづらは見える?」



――とある二人の若者も偶然そこにいた。
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:35:22.41 ID:4C2J3zw0
浜面仕上…元『アイテム』の下っ端構成員。戦後、滝壺と交際を始める。基本チンピラ。


滝壺理后…元『アイテム』の構成員。浜面の現彼女。





浜面「あぁ…人多いけど、何とか見えるかな…」

滝壺「ねぇはまづら。私、シャチに……乗れるかな?」

浜面「さすがにそれは―――って、あれ?」

滝壺「どうしたの?はまづら」

浜面「イヤ……前の方に知ってるヤツがいたような……イヤでもまさか…」

滝壺「誰?」

浜面「俺の記憶が確かなら……間違いなく『アイツ』だよなぁ……けど……」

滝壺「確かめてくれば?」

浜面「イヤ、良いよ。折角のデートだしな。それにお前の側から離れたくねえし」

滝壺「……はまづら……馬鹿…///」

浜面「///……よ、よしっ!次行くぞ次!」

滝壺「あ、待ってよはまづら――」




人の多さが功を奏したのか、それとも館内が暗いせいか、距離数メートルまで近づいても
二人の『主人公』同士が気づき合う事はまだ無かった……。





※二人は付き合ってる設定です。
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:40:30.45 ID:4C2J3zw0
上条&美琴&禁書目録&打ち止め――




上条「…………セイウチって、リアルだとこんなデカイのか…?」

美琴「トドとかよりはすごいわね」

打ち止め「………」

禁書「………」




まるで四人を威圧するように佇む巨大なセイウチに少女二人は言葉を失くす。




美琴「――あ、あくびした」

セイウチ「ふぁ〜あ……」

上条「うわ、俺の頭が入りそうだ……」

禁書「すごい牙……ちょっと怖いかも」

上条「確かに、ガラス越しって言ってもなぁ……セイウチってアザラシみたいな感じに思ってたんだが、訂正だこりゃ」

禁書「食べようとしたら、逆に食べられそうだよ」

美琴「アンタ……あれでも食べる考えを捨てないってすごい事よ……?」

打ち止め「背中に乗れそうだね。ってミサカはミサカはじーっと見つめてみたり」

美琴「あんまり綺麗な絵じゃないわね…―――!」ブルッ

禁書「ん?どうしたの?短髪」
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:42:12.48 ID:4C2J3zw0
美琴「……チョロっと冷えちゃったみたい……ねぇ、お手洗い近くになかったっけ?」

打ち止め「サメさんの辺りにあったよ。ってミサカはミサカは思い出してみる」

美琴「げ……あそこまで戻んの……けどまぁ仕方ないっか……じゃ、ゴメン。行って来るわ」

上条「じゃあ俺達はこの先にある休憩所にいるよ」

美琴「オーケー、そんじゃ――」




タタタタ……と来た道を引き返していく美琴。
それを見送った上条達は小休止のため、付近にある休憩所へ――




禁書「バイバイ、セイウチさん♪」

上条「さて、椅子もあるし、座ってジュースでも飲むか?」

打ち止め「さんせー♪ってミサカはミサカは自販機へゴー!」



―――



一方通行&御坂妹――



一方通行「――ほォ……コイツは……」

御坂妹「――うわぁ……」



二人の目の前に広がる海の世界―――サメやエイ、イワシの群れやタコなどと言った住人達が自然のままに遊泳していた。
その余りに神秘的な光景に心も癒されていく――。
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:44:37.50 ID:4C2J3zw0
一方通行「まるで海ン中にいるみてェだ…」

御坂妹「潜水艦の窓からの眺めとは、まさにこれでしょうか…?」

一方通行「あァ、確か奥の方にもォ一つでっけェ水槽があンだろ?」

御坂妹「はい、この『海景色』に並ぶ巨大海中トンネル『海散歩』です。とミサカはパンフの知識を生かします」

一方通行「それって何か違うのか?」

御坂妹「ここは海底施設の窓みたいになってますが、ソッチはまるで海の中を歩いているような感覚です。
とミサカは説明します」

一方通行「……そりゃすげェ……最高に面白そォじゃねェか!」イキイキ

御坂妹(ようやく気分が乗ってきたようですね…とミサカは心の中で付け加えます)




――そんな会話をする二人の前を体長三メートルほどのずんぐりとしたサメが横切った。
ギロリとコチラに向けて放たれた眼光が印象的である。




一方通行「お?ついに海のハンターさンのおでましってかァ?」

御坂妹「オオメジロザメですね。とミサカはプロフカードを確認します」

一方通行「サメってのは意外と大人しいのが多いンだよな?確かワニザメとかジンベェザメみてェな…」

御坂妹「残念ながら…あれは雑食ですが、肉も好むようです。人を襲った記録もありますね……
とミサカは恐怖に顔を歪めます」

一方通行「まァ、あの見た目で小魚しか食わないってのも無理があるよなァ」

御坂妹「鯨などもそうですね。その代わり、莫大な量を摂取しますよ?」

一方通行「味より量ってかァ?チビチビ食うなンざ俺には無理だわ」
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:47:29.74 ID:4C2J3zw0
御坂妹「とてもその体型から出る言葉とは思えませんね……とミサカはあなたの体を見つめながら呟きます」

一方通行「……今すぐサメの餌になりてェか?」

御坂妹「やだなぁいつもの冗談ですよ。とミサカは暴力反対を訴えます」

一方通行「しっかし、同じのばっか食ってよく飽きねェよなァコイツらも」

御坂妹「あなたこそ、いつもコーヒーばかり飲んでますよね?とミサカは指摘します」

一方通行「そりゃ好きだからだ。人間なンかは好きなモンと嫌いなモンが人によってバラバラだろ?まァ、コイツらに
好き嫌いの概念ってモンがあンのかどォかは疑問だがなァ。要は別に食う事に幸せを感じたりしねェって訳だ。つっても
根本的に種族が違うンだから、そもそも俺らに理解しろっつーのが無理な話だろォな…」

御坂妹「……まさに生物の不思議ですね。とミサカは同意します」

一方通行「不思議……ねェ…」




一方通行は、だんだんこの目の前の少女が軍用クローンである事を忘れつつあった。




――――



――とある駅前(水族館から割りと近い)




「――そろそろ……時間ですね。何かドキドキしてきました……」




――午後一時前。この駅には待ち合わせによく利用される大きな柱時計がある。
何人かが時計の下で人と待ち合わせている光景が今日も見られる中、初春はどこか
ソワソワしながら柱時計を見上げてそう呟いた。
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 21:50:11.31 ID:/ql3P4Q0
しえん
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:50:24.83 ID:4C2J3zw0
「もうすぐ……会えるんだ……///」



――と思ったら今度は頬を赤く染め、嬉しそうな表情を浮かべている。
本人は違うと言っていたが、どう見てもそれは『恋する乙女』の顔だった。
そんな彼女から少し離れた場所で温かい視線を送っている親友がいるのだが、
完全に『隙』だらけな今の初春は全く気づかなかった。



「おーおー、初春のヤツ嬉しそうな顔しちゃって………一時頃だからそろそろ
来ても良い頃よね……何か私までドキドキしてきた…」



何故か佐天も落ち着きなくソワソワし始めた。
流石にマズイかな…とも思ったが、いまさら引き返すのも面倒だし、帰っても
どうせ暇だ。こうなったら最後まで見届けよう…と、ここまで来てしまった。



―――



それから数分後……初春のところへ真っ直ぐ近づいてくる一人の男が目に入った。



「……………!」



初春はその男にまだ気づかないが、佐天は「お!」とその男を目で追った。




―――数分前



「――ハァ、ハァ……クソッたれが……すげぇ時間喰っちまったじゃねえか」タッタッタッタッ…



垣根帝督は走っていた。
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:52:15.16 ID:4C2J3zw0
「全部あのメガネ警備員のせいだチキショォ……この俺を不審者扱いたぁどぉいう了見だっつーの…
黄泉川さんのケツの穴でも煎じて飲みやがれってんだ…」タッタッタッタッ…



走りながらも愚痴る辺り、流石である。



「だいたい、この格好のナニがそんなにおかしいってんだよ………まぁ怪しいのは自覚してるけどよ……
しょおがねぇだろぉが…」タッタッタッタッ…



―――愚痴って走り続ける事数分、駅前で立ち止まってビルのガラスに映る自分を見てチェックする。



「――よし、完璧!初春さんはもぉ来てんのかな……………お、いたいた」



柱時計の下で待つ初春の姿を確認した垣根は、ゆっくりと歩み寄っていった――。



―――そして………ついにその時は来た。



「あの……初春さん……だよね?」


「―――!」



――声をかけられて振り返った初春の目の前に……彼はいた。



初春「カッキーさん……ですか?」


垣根「あぁ、まぁな」



――初春にとって初対面、垣根にとっては三度目となる対面だった。
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 21:56:27.62 ID:4C2J3zw0
今日は以上になります。
また明日続き投下しに来ますね!
支援していただき、ありがとうございます!
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 22:03:26.21 ID:UY/c.mwo

明日も楽しみにしてるぜ
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 22:04:07.21 ID:5bZZBA.o
またいいところでwwwwwwwwwwwwww
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 22:14:53.12 ID:nG2RP8k0
くそwwwwwwwwww続きが気になるwwwwwwwwwwwwwwww
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 22:47:35.09 ID:YMVCh3Io
黄泉川さんのケツの穴を煎じて飲みたいです
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/03(土) 01:38:03.86 ID:waboF2AO
むしろ煎じない方向で飲みたい
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 10:46:21.11 ID:XL6WerQ0
一通さんと一日中いろんな缶コーヒーのみながら語り合いたい
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 17:11:40.12 ID:sD5vu2SO
うわああああぁぁぁぁぁぁぁああぁあああwwwktkwww
186 :【misaka00001】ノtasukeruyo ……p3055-ipbf605hiraide.tochigi.ocn.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo !red_res]:2010/07/03(土) 17:32:18.17 ID:tzCuun.0
                 (^o^)/
                /(  ) 
       (^o^) 三  / / >
 \     (\\ 三
 (/o^)  < \ 三 
 ( /
 / く
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189 :【misaka00004】ノtasukeruyo ……p3055-ipbf605hiraide.tochigi.ocn.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo !美鳥_res]:2010/07/03(土) 17:33:54.54 ID:tzCuun.0
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190 :【misaka00005】ノtasukeruyo ……p3055-ipbf605hiraide.tochigi.ocn.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo !nasu_res]:2010/07/03(土) 17:34:25.66 ID:tzCuun.0
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197 :【misaka00013】ノtasukeruyo ……p3055-ipbf605hiraide.tochigi.ocn.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo !桜_res]:2010/07/03(土) 17:38:41.79 ID:tzCuun.0
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198 :【misaka00014】ノtasukeruyo ……p3055-ipbf605hiraide.tochigi.ocn.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo !美鳥_res]:2010/07/03(土) 17:39:18.40 ID:tzCuun.0
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199 :【misaka00015】ノtasukeruyo ……p3055-ipbf605hiraide.tochigi.ocn.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo !nasu_res]:2010/07/03(土) 17:39:49.88 ID:tzCuun.0
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204 :【misaka00003】ノtasukeruyo ……p3055-ipbf605hiraide.tochigi.ocn.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo !桜_res]:2010/07/03(土) 17:44:09.08 ID:tzCuun.0
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205 :【misaka00004】ノtasukeruyo ……p3055-ipbf605hiraide.tochigi.ocn.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo !美鳥_res]:2010/07/03(土) 17:44:40.50 ID:tzCuun.0
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206 :【misaka00005】ノtasukeruyo ……p3055-ipbf605hiraide.tochigi.ocn.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo !nasu_res]:2010/07/03(土) 17:45:11.43 ID:tzCuun.0
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207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 17:46:09.26 ID:x4lo7pA0
またかよ・・・
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 17:54:59.38 ID:L1MCmDEo
また透明あぼんする作業がはじまる。
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 18:02:21.95 ID:C6FkaQAo
どういう執念があるんだ

やってることはしょぼいけど
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 18:41:59.34 ID:y/esero0
なんか荒らし毎回来るな……
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 00:07:23.98 ID:b2z3MdA0
まぁ……それだけ煙たがられてるって事ですかね?
正直文才も何もないんで仕方ないっちゃ仕方ないか…
見づらい所だらけですが……どうか長い目で見て頂けると幸いです。
もっと面白く書けたら良いんだが、自分にはこれが精いっぱいだ…orz

遅くなりましたが、今から少し投下します。
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 00:09:13.86 ID:b2z3MdA0
一方通行&御坂妹―――




二人は巨大水槽『海景色』をしばらく眺め、海の神秘を満喫していた。
彼らにとってはそうとう癒される光景だったのだろう……。しばし無言の二人だったが、
それは気まずい空気が流れているという訳ではない。
悠然と自然のままに泳ぐ魚達から目を離したくなかったのか、いつの間にか会話も忘れて
水槽に見入る一方通行と御坂妹――。

――そしてしばらく経ったところで、ようやく御坂妹が口を開いた。



御坂妹「――あの……」

一方通行「――あ?」



――何故かモジモジしている御坂妹。



御坂妹「お手洗いはどこでしょうか…?とミサカは尋ねます」



少し小さめの声で恥ずかしそうに言う御坂妹だが、一方通行にはハッキリ聞こえた。
彼は後ろを振り返って――



一方通行「お、ちょうどあそこにあるなァ。ここで待っててやっから行ってこいよ」

御坂妹「はい……それでは失礼します――」
213 :【misaka00002】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!蒼_res]:2010/07/04(日) 00:11:47.58 ID:38k4N0k0
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214 :【misaka00003】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!桜_res]:2010/07/04(日) 00:12:18.69 ID:38k4N0k0
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215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 00:12:30.36 ID:b2z3MdA0
――すぐ後ろの端にある化粧室に御坂妹は入っていった。
それを見送った一方通行は再び前を向いて海の景色を堪能する。



(こン中は…腐った人間が踏み込ンで良い領域じゃねェよな……)




――そんな事をふと考えながら……。まるで日常を忘れるような光景に彼はすっかり釘付けになっていた。
元々こういう自然の風景を眺める事は嫌いではない。
どうせなら、しっかり目に焼き付けよう。と、一方通行は目の前を通過した巨大なエイを目で追った。




(……………)




一方通行は気づかなかった。いや、今の彼なら気づかなくても仕方ないだろう…。
自分の少し離れた後ろを通過し、化粧室に入っていく見知った少女の姿に……。




美琴(あぁもう!何でこんなに混んでんのよ!?通りにくくてしょーがないっての!)




人混みを掻き分けるようにしながら進んできた美琴は何とか化粧室を見つけて入る。
その際、すぐ近くにいる一方通行に気づく事はなかった…。




美琴(案の定…ってヤツね。全部閉まってる……)




当然、化粧室もそれなりに混んでいた。幸い列ができる程ではなかったが、割りと多めの個室は全部『赤マーク』
だった。美琴は若干イラついた表情になる。
216 :【misaka00004】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!美鳥_res]:2010/07/04(日) 00:12:51.15 ID:38k4N0k0
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217 :【misaka00005】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!nasu_res]:2010/07/04(日) 00:13:22.64 ID:38k4N0k0
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218 :【misaka00006】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!red_res]:2010/07/04(日) 00:13:53.36 ID:38k4N0k0
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219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 00:14:19.28 ID:cQ/kfAYo
負けるな支援
220 :【misaka00007】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!蒼_res]:2010/07/04(日) 00:14:25.52 ID:38k4N0k0
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223 :【misaka00010】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!nasu_res]:2010/07/04(日) 00:15:59.36 ID:38k4N0k0
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224 :【misaka00011】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!red_res]:2010/07/04(日) 00:16:29.88 ID:38k4N0k0
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225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 00:16:54.09 ID:EybFCRMo
このSSはなんかよく喰らうな
226 :【misaka00012】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!蒼_res]:2010/07/04(日) 00:17:02.15 ID:38k4N0k0
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227 :【misaka00013】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!桜_res]:2010/07/04(日) 00:17:33.05 ID:38k4N0k0
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228 :【misaka00014】ノtasukeruyo ……hprm-53197.enjoy.ne.jp [sage saga ノtasukeruyo!美鳥_res]:2010/07/04(日) 00:18:04.02 ID:38k4N0k0
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229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 00:27:34.47 ID:5LJbCzIo
一方さんのスレがお好みらしい
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 00:31:39.09 ID:XZbtSLQ0
>>211
そんなことはない。
しっかりと続きを期待してまってるぜ!
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 00:32:41.91 ID:JtcBVkDO
またこいつかよ…
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 00:46:33.37 ID:b2z3MdA0
>>230 嬉しいお言葉ありがとっす!




美琴(………まだぁ?…誰でも良いから早く出なさいよね…)




――その時、ひとつの個室からザー…と水の流れる音が響く。
どうやらここの人が終わったようだ……。美琴はすぐ入れ替わりで入れるようにさりげなく扉付近で待つ。
そして……ガチャリと扉が開いた―――。




美琴「――――!!?」

御坂妹「――――!!?」




御坂美琴、危うくゴール手前で失禁のピンチ!!




―――――




――柱時計でついに対面する初春飾利と垣根帝督。もっとも、垣根の方はマスクと帽子で顔を隠しているが……。
初春は、そんな垣根の格好に――




(カッキーさんって……寒がりなのかなぁ…)




――と、垣根にとってはありがたい感想を抱いてくれた。
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 00:47:54.78 ID:b2z3MdA0
垣根「悪いな。待たせちまったかい?」

初春「い、いえ!私も今来たところですから!」

垣根「そうか…なら良かった…」

初春「あ…あのぉ……カッキーさん、本名は?」

垣根「『垣 帝人(かき ていと)だ。今まで通り『カッキー』、もしくは『ていとくん』で良いぞ」

初春「は、はぁ……では……ていとくん…で」

垣根「初春さんは下の名前何て言うの?」

初春「か…飾利です」

垣根「オーケー。じゃ、『かざりん』で」

初春「か、かかかかざりん!!?///」

垣根「あれ?友達とかからそう呼ばれねえの?」

初春「よ、呼ばれたことないですよ!……あの、ていとくんさんは…風邪ですか?」

垣根「オイwwていとくんさんって何だよ?普通にていとくんで良いって」

初春「す…すいません!///つ、つい『さん付け』が癖になってて……///」

垣根「ハハハ、初春さんって面白ぇな。イヤ別に風邪じゃねえけど、元々寒がりでさ……」

初春「そ……そうなんですか…」(顔見えないんですけど……)

垣根「ホント最近は冷えて困るわ。まぁ喉痛めてるし、油断してると風邪こじらせそうだからマスク
つけてっけど気にしないでくれ」

初春「は、はい。すみません……体調悪いのに……あと、この間は本当にありがとうございました」

垣根「気にすんなって……当たり前のことしただけだ」
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 00:51:17.00 ID:b2z3MdA0
初春「ていとくん…さん…は……///」

垣根「やっぱり『カッキーさん』で良いぞ?」

初春「うぅ……すいません…」

垣根(可愛いなコイツ……頭の花は相変わらず意味不明だけど)

初春「あの、カッキーさんは能力者なんですか?」

垣根「無能力者だ」

初春「………え?ウソ…」

垣根「本当だ。たまたま喧嘩慣れしてるだけだよ」

初春「そ、そうなんですかぁ……」

垣根「がっかりしたか?」

初春「い、いえ!ただ……あの不良達から私を助けたって聞いたから、てっきり能力者なのかなぁって…」

垣根「どうも俺には才能がないらしい。まぁ、能力とかレベルが全てじゃないからな」

初春「そうですよね!同感です!」

垣根「……とりあえず、ここで話しててもあれだし…移動すっか?」

初春「はい!あ…あの…一緒に行きたい場所があるんですけど……」

垣根「ん?ならそこ行くか。先導してくれ」

初春「は、はい。では、行きましょう――」



―――軽く自己紹介も終え、二人は歩き出す。
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 00:53:25.78 ID:b2z3MdA0
初春はまだ若干緊張しているのか、ぎこちない足取りで歩き始めた。
そのまま二人は駅に向かう。その様子を監視していた佐天涙子も何故か後を追い始めた。




垣根(よし……どうやらバレてねえ様だな。フフ、まぁざっとこんなモンよ)

初春(この人……やっぱりどこかで見た様な……名前もどこか聞き覚えが……うぅ、思い出せない…)




――二十メートル背後




佐天(顔が見えない……コッチ向かないかなぁ……ってか背ぇ高くない?マジでイケメンの予感が……クソォ、初春めぇ〜〜…)




―――――




――館内・女子トイレ




美琴の膀胱は一気に縮まった……。失禁は辛くも逃れたが、それよりも彼女には気になる事ができてしまった。
ともあれ、まずは用を済ませてからだと個室に入る。




御坂妹(……予想外のハプニングです…とミサカは平静を装いつつも内心動揺を隠せません…)
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 00:56:10.78 ID:b2z3MdA0
用を済ませて出た途端に美琴と遭遇した事は、彼女にとっても全く予想外の事態だった。
「ちょろーっとそこで待ってなさい」と言われて逃げ道を封じられた御坂妹は静かに佇み、美琴が出てくるのを
待っていた。

――やがて、スッキリした顔で美琴は出てきたが……御坂妹の顔を見た途端、再び引きつった表情に戻って尋ねる。




美琴「ふー…………で、アンタは何でこんなトコにいるのよ?」

御坂妹「ミサカは現在『あの方』と楽しいひと時を満喫中です。とミサカはお姉様の問いに答えます」

美琴「………それって……やっぱり…」

御坂妹「はい、一方通行です。とミサカは躊躇いなく明かします。さらに彼を外で待たせているミサカとしては、
一刻も早くこの場から立ち去りたいのですが?とミサカは許可を求めます」




すでに背を向けて去る気満々の御坂妹。美琴はその背中に声をかける。




美琴「…………待ちなさい」

御坂妹「……んだよ?とミサカは不機嫌な顔で振り向きます」

美琴「アンタ……」




カツ、カツ、カツ、とゆっくり御坂妹に近づく美琴。




御坂妹「な、何ですか……?とミサカは思わず身構えます」

美琴「アンタに……お願いがあるんだけど」ニコォ

御坂妹「………は?」



いきなり怪しい笑みを浮かべる『お姉様』に妹は戦慄した――。
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 00:57:45.96 ID:xIjNEi20
佐天さんと初春がすごくイイ
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 00:58:02.20 ID:b2z3MdA0
―――垣根&初春……+佐天




電車内で、楽しげに会話しているように見える二人に……佐天涙子は何故か新たな野望を抱いていた。




(……何よあの人…………どぉ見てもただの怪しい人じゃない!初春絶対騙されてるよ!)




確かに……真っ先に職質をくらった垣根の風貌は怪しさに満ちていた。
親友として初春を応援する目的が、親友の安全と無事を守る事にすっかり変わってしまった。
いつ初春が連れ込まれて暴行されてもおかしくない。そう考えると、ここで帰る訳には行かないのだった。




(近くに、あの男の仲間がいるかも知れないから……気は抜けない。…初春は私が守らないと!)




―――完全に誤解した少女は、親友から目を離すまい…と決意を固めた。



―――――



――佐天のそんな思惑など知るはずもないお花畑少女初春は、垣根との話に夢中だった。
その表情からは完全に緊張が無くなり、笑顔が溢れていた。




初春「カッキーさんは高校生なんですか?」

垣根「まぁな。つっても、そこいらの馬鹿校だけど。かざりんは何処中?」
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 01:08:36.20 ID:b2z3MdA0
初春「柵川中学…です///」




まだ「かざりん」と呼ばれるのに慣れないのか、少し照れながらも答える初春。
まさに初々しいとはこの事だろうか…。




初春「高校生かぁ……大人っぽいですね」

垣根「イヤ、そんなことねえよ。ガキっつーか……少なくとも俺の周りは馬鹿ばっかだったしな…」

初春「だった……?」

垣根「あ、いや、今もそぉなんだけどな。ハハハ…」(やべぇ)

初春「カッキーさん…」

垣根「ん……何だ?」ドキドキ

初春「カッキーさんも……やっぱり能力のレベルを上げたいって思いますか…?」

垣根「……えっ?」

初春「あ、すいません!失礼なこと訊いて……」

垣根「イヤ、気にしなくて良いぞ。俺は……そうだな……」

初春「…………」

垣根「やっぱ……せっかく学園都市に来たんだから、そりゃレベル上がったら嬉しい…かな」

初春「幻想御手(レベルアッパー)って…知ってます?」



――訊きづらそうな表情で俯きながらも、しっかり聞こえる声で初春は垣根に尋ねた。
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 01:14:33.39 ID:b2z3MdA0
垣根「それって……去年流行ったヤツか?」

初春「はい」

垣根(そう言やぁ…去年の夏頃それ使ったヤツにやたら挑まれたな……全員返り討ちにしてやったけど)



――ひとり回想する垣根に初春は続ける。




初春「実は……私の友達にレベル0がいるんですけど、私…その人は自分が無能力者なのを気にしてないと
思ってたんです」

垣根「………」

初春「けど……その友達は幻想御手を使ってて……本当は自分に能力がないのをすごく気にしてたみたいなんです。
私も正直自分のレベル上げたいし……」

垣根「……確か温度を一定に保つ能力だよな?……それ、かなりすげぇんじゃ…」

初春「そ、そんな……こんなの全然何の役にも立ちませんよ。レベルも1ですし…」

垣根「そうか?『自分だけの現実』(パーソナルリアリティ)が組み立てられれば案外強大な力かも知れねえぞ」

初春「そう…ですかね…?」

垣根(俺の未元物質も最初はしょぼかったしなぁ……っつか、レベル0じゃなくて3ぐらいって言っとけば良かった…)

初春「………カッキーさん?」

垣根「え?あぁ悪い。んで、何でその話を?」

初春「いえ……ただ、カッキーさんはどう思ってるのかなぁって…」

垣根「………うーん、あんま気にした事ない…かもな」

初春「?」

垣根「さっきも言ったが、何もレベルだけが全てじゃねえし。そんなモンあったってどぉにもならねえ事だってある」

初春「………」

垣根「レベル0や1が必ずしもレベル5に劣るとは思っちゃいねえし、逆に優れている面もあるかもしれねぇ。それに、レベル
が高けりゃ幸せなんて事もねぇよ。それなりに苦しい思いはしてるだろ……お前の知り合いにはそぉいうヤツいねえのか?」

初春「……います」
241 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 01:19:18.56 ID:b2z3MdA0
垣根「ならソイツらにも今度訊いてみな?俺みてぇな無能者の話よりはよっぽど良いと思うぜ?」

初春「す…すいません!何だか私……すごく失礼なこと訊いちゃって…」

垣根「あ、別に怒ってるとかじゃないぞ?……まぁ気持ちは分かるかな……」

初春「けどカッキーさんも……レベル5に知り合いがいるんですか?」

垣根「え?何で…」

初春「さっきの言い方だと、そんな風に聞こえましたから…」

垣根「ま、まぁな……」

初春「どんな人なんですか?」




――垣根は一呼吸置いて、少し恨めしそうに吐いた。




垣根「――ムカつく野郎だ」




それが一方通行か、はたまた自分自身の事なのか……垣根の口調からは読み取れなかった。


そんな二人から離れた座席で――




佐天(――何の話してるんだろ……こっからじゃ遠くて分かんないや。でもこれ以上近くに行ったらバレそうだし…)




――チラ、チラ、と様子を伺う怪しい女に向かい合う乗客は怪訝な顔を浮かべていた。
242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 01:21:34.15 ID:b2z3MdA0
上条&禁書目録&打ち止め―――


――館内休憩所



ジュースも飲み終わった上条達三人はお手洗いに行った美琴の帰りを待っていた。




打ち止め「お姉様遅いなー…ってミサカはミサカは心配してみたり」

上条「こんだけ人がいるからなぁ……きっとトイレも混んでんだろ。まぁ気長に待とうぜ」

禁書「とうま、ジュースおかわり!」

上条「インデックスさん、三杯目ですよ?お前よくトイレ我慢できるな…」

禁書「うるさいんだよ!それよりお昼まだかな?お腹ぺこぺこなんだよ」

打ち止め「ミサカもお腹すいたかも…ってミサカはミサカは空腹をアピールしてみる」

上条「……もう一時過ぎてんのか……確かに、そろそろどっかでメシ食わないとな。んじゃ、御坂が戻って
来たらその辺のレストランでも入るか?」

禁書・打ち止め「さんせー♪」



――と、その時……



打ち止め「――あ!お姉様だ!ってミサカはミサカは発見してみたり!」

禁書「ホントだ!待ちくたびれたんだよ」

上条「お、来たか。――おーい!御坂、コッチコッチ!」



「――お待たせし……お待たせ!とミ……トイレ混んじゃって参ったわよ!」



上条・禁書・打ち止め「?」
243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 01:26:23.34 ID:b2z3MdA0
今日はここで切ります。
また時間できたら投下しに来ますね。
黄泉川も勿論ですが、芳川のケツの穴も是非煎じずに飲みたい……
では。
244 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 01:32:00.99 ID:XZbtSLQ0
乙!
続きまってますよー
245 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 01:44:23.49 ID:5S2cTEDO
あれ?美琴×一方なの?
246 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 01:56:05.59 ID:nFTlp06o
入れ替わりネタかww

昔そういうSSがあったなぁ
247 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 01:58:36.65 ID:Jey/OWQo
一通はすぐ見破りそうだけど上条さんはしばらく気づかなさそうな

いやでもすぐに見抜くけど、面白そうだと思って観察してると言うのも…
248 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/04(日) 05:57:31.72 ID:qoAr0Eg0
もふもふ
249 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 07:45:51.78 ID:we287oDO
インデックスなら僅かな違いとか覚えてるんじゃね?
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 08:03:12.73 ID:MaI/Fhco
一方×御坂妹はもう終わりですか?
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 08:44:25.20 ID:231DUyko
入れ替わりネタが懐かしくて嬉しい

ちなみに一方 百合子 ていとくんすれは大半嵐来るから
このスレが〜だの下らん事考えるだけ無駄
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 08:47:21.86 ID:nFTlp06o
アニメだと中の人別人だけど設定上は同じ声なんだよな
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 12:11:09.62 ID:9rkIj9.0
一方さんなら分かるんじゃね?
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:10.74 ID:ujLQYIAO
そこには顔を真っ赤にして、小声で反論し続ける常盤台のお嬢様がいたとかいなかったとか。 

255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:10.87 ID:OI3ZJAAO
「ふにゃ〜〜」

256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:11.81 ID:dSrhoEAO
上条は煩悩退散と頭の中で繰り返しながら、美琴の質問に答えようとする。

257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:17.76 ID:AilurEAO
「なにいって……きゃあ!」

258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:19.92 ID:bCIlEMAO
美琴はインデックスを励ますように、力強く守ることを誓う。

259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:21.34 ID:AQITTYAO
その自身の身を顧みない優しさが、そのことで傷つく人がいることに気づかない優しさが、なにより美琴を苛立たせた。

260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:22.83 ID:fG/r0UAO
「原石? ダイヤモンドやルビーとかの?」

261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:24.88 ID:f7afj2AO
「あー、もうっ! なんで超能力は信じて魔術は信じないんだよ! 魔術はちゃんとあるっていってるのに。そんなに超能力は素晴らしいっていうの? ……じゃあみことは電撃を出せるとして、とうまはなんの力を持ってるのかな?」

262 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:29.43 ID:5LI.xcAO
上条はなるべく振動が伝わらないように、けれどなるべく早く走る。

263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:31.24 ID:HwmkF6AO
美琴は力強く笑い、炎剣を恐れずに立ち上がる。

264 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:32.89 ID:ctJ37QAO
先ほどまでは気づかなかったが、寮内には無数の紙が貼られていた。それらは美琴の放った高圧電流に触れると瞬時に焼かれ、次々と散っている。

265 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:33.19 ID:uLjS0AAO
「しゃあねえなあ、ったく……よし御坂、やっちまえ!」 

266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:34.54 ID:U.YJFoAO
「は、はい……」 

267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:39.97 ID:jDA7icAO
(ふ、不幸だー……)

268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:40.02 ID:WVf.9wAO
結局はインデックスを探すどこか、いつもの持ち前の不幸を発揮していた上条は、美琴とともにいったん寮に戻ろうとしていた。

269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:41.38 ID:vixUbAAO
後ろから、誰かが走る気配がすることに。

270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:42.09 ID:yELRYgAO
あまりの恐怖に頭でもおかしくなったのかと思ったが、美琴の瞳には強い意志が宿っている。

271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:45.64 ID:1UPCAAAO
「当麻っ!」

272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:48.13 ID:6v6bk6AO
上条は美琴の手をとり、決死の表情で逃げ去った。

273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:48.10 ID:HyWl5MAO
「だめ、だよ……まだ一人……魔術師が残ってる。……それ、に……その魔術師を……倒したとしても、また新しい、魔術師が来るかも、しれない……んだ、よ」

274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:47.20 ID:pNhQ1AAO
遅れて轟音が鳴り響き、衝撃波が学生寮の内部に炸裂した。

275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:48.53 ID:8uQ02.AO
「こんの若造がぁぁぁぁ! お姉様に手を出しやがってぇぇぇぇ! 死にさらせぇぇぇぇ!」

276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:52.02 ID:tO/9VgAO
「当麻、なんで――」

277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:47:54.63 ID:nuL7U6AO
「右手ってとても便利だよな」

278 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:03.36 ID:k1MyA2AO
「あまりの朴念仁ぶりに呆れてものもいえません、とミサカは全てのミサカを代表して嘆いてみます」

279 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:03.91 ID:16ks2QAO
美琴はちろりと舌を出して嘯いた。 

280 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:04.84 ID:wjqH0QAO
「いや、さすがにこれ以上追撃するのは酷じゃない」

281 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:07.78 ID:8pIjToAO
「美琴」

282 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:07.41 ID:DzSDGEAO
死してなお甦った炎の巨人は、主の命を果たそうと炎の拳を振り上げる。

283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:09.24 ID:HKohWsAO
まだ感じられる背中の温かみを感じながら、この温かみをなくしてなるものかと、疲労がたまった身体に鞭打ち、足を更に速めた。

284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:09.21 ID:vjP2I2AO
不遜な笑みを、男は浮かべる。

285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:12.72 ID:t1glh.AO
そこでようやく気づいた。

286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:17.12 ID:sRylWsAO
「別に、私は昨夜一〇〇三二号が、この方にしたことと同じことをしているだけですが、とミサカは答えながらも、更なるステップアップを目指し頬ずりを開始します」

287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:21.78 ID:vJr3WwAO
真剣な表情でインデックスの容態を確認する。

288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:22.49 ID:23ASkQAO
そんなインデックスを見て、美琴は疲れたような顔で、上条の手にタッチした。

289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:24.64 ID:1Jw0A2AO
じじむさいことをいう上条に、美琴はにやりと笑う。

290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:25.63 ID:PpIUXgAO
上条当麻と御坂美琴の関係はいったいなにか?

291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:25.60 ID:OHVN9IAO
「えっーと、アンタ、魔術師よね。あのステイルとかいう不良神父の仲間の」

292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:25.54 ID:HDzwiEAO
確かに上条が消したはずなのに、イノケンティウスは何事もなかったかのように、すぐさま復活した。

293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:25.58 ID:24bd1cAO
まるで仇のように、清掃ロボットを乱暴にどかした。

294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:26.96 ID:4/iwbwAO
美琴の顔はこれでもかというほど赤く染まっていた。目の焦点なんて合っていない。

295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:26.47 ID:ePbFNsAO
「どういうことなの?」

296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:28.75 ID:GLxKSsAO
それは次第に人の形をとり、炎の巨体をゆっくりと立ち上げる。

297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:27.97 ID:fNEMEkAO
緊張感が抜けた美琴の声に、上条もイノケンティウスを見た。そして驚く。

298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:29.17 ID:UxnVMIAO
「えー?」

299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:31.12 ID:ADjudAAO
「は、灰は灰に、塵は塵に――」

300 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:33.26 ID:38BM8kAO
こうして、なんだかんだでグダグダな捜索を続けて。

301 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:34.99 ID:l8FDhsAO
上条は次にくる不幸に構えるが、事態は予想外の方向に進む。

302 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:36.28 ID:ja.6x.AO
空いた手を、美琴のもう片方の肩に置く。

303 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:39.73 ID:jGm/v2AO
「殺す……君はここで殺す! 殺れ、イノケンティウス!」

304 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:39.76 ID:qjCQU2AO
「はあ? 紙? そんなものでアレを倒せるの? ……まあいいわ。アンタを信じてあげる」

305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:48:54.84 ID:keitfwAO
(qあwせdrftgyふじこlp!)

306 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:00.96 ID:lQYFs.AO
ステイルはイノケンティウスに美琴を叩きつぶすよう命じる。あわよくば上条が美琴を庇い、隙ができればいいと。

307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:05.04 ID:KiUpL.AO
真剣な顔つきの上条を時折複雑な心で見ながらも、頬を軽く張り、今のことだけを考える。

308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:07.07 ID:RPnAQwAO
「…………私は、その必要悪の教会で、一〇万三〇〇〇冊の魔導書を完全記憶し、管理する、禁書目録(インデックス)なの」

309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:07.18 ID:/FP0PQAO
「み、御坂センセーやりすぎです。明らかなオーバーキルです」

310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:07.63 ID:48GKgAAO
「むきーっ! なにわがままな子どもを見る目で見てるんだよ!」

311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:08.71 ID:lmZKFkAO
ステイルとの戦闘の後、二人はインデックスの手当をした。

312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:08.59 ID:JrTPW2AO
「おおっ。これはあれだね! ミサカの馬になってくれるんだわーい、ってミサカはミサカは飛び乗ってみる」

313 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:08.66 ID:9ZbZO.AO
「んで、この子だれ?」

314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:09.76 ID:MBgydkAO
無意識に下の名前で美琴を呼び、上条は駆ける。

315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:09.84 ID:egpw6cAO
上条は美琴の言葉にとっさに動けず、ゆらりと身体を揺らして壁に背をやった。

316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:10.44 ID:QiJW5oAO
パチパチパチ。

317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:13.18 ID:l7wB4YAO
「そろそろ決着つけようか、魔術師」

318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:16.51 ID:PD/MWkAO
そのことに美琴は顔を赤くしながらも、だめだめ、これはこいつの罠よと首を振る。

319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:20.65 ID:g7JeU2AO
「アンタ、面白いことをいってくれたわね。君みたいな少女になにができる、だって?」

320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:21.39 ID:pmRtdcAO
このように、自分以外の男でも同じ反応をするのだろうなと、てんで見当違いな結論に至ってしまう。

321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:22.69 ID:RsZH6YAO
確かに上条が消したはずなのに、イノケンティウスは何事もなかったかのように、すぐさま復活した。

322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:22.41 ID:x3p2csAO
その風紀委員は突然目の前で消えると、鬼神も裸足で逃げ出しそうな世にも恐ろしい表情で、上条の眼前に現れ飛びかかった。

323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:24.67 ID:LShs4YAO
瞬間、美琴の指からオレンジ色の光線が、イノケンティウスに向けて放たれた。

324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:25.45 ID:GLbOfwAO
「これ、あきらかに布団じゃないよな。……って、ちょっと待て。これって」

325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:26.34 ID:i52zSoAO
おとなしく黙る上条。その腕にしがみつきながら、美琴妹は言い返す。

326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:27.55 ID:h0qVcAAO
「私は、数ある十字教の中で……イギリス清教に属している……の。イギリスは、魔術の国だから……魔女狩りや異端狩り、宗教裁判……そういう『対魔術師』の文化が発達したの」

327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:30.24 ID:5QbxzQAO
「白井さんのことはお任せ下さい! 御坂さんは安心して、上条さんとのデートを楽しんできて下さいね♪」

328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:32.33 ID:NlVr4.AO
「この右手で触ると……それが異能の力なら、戦略級の超電磁砲だろうが、学園都市第一位のベクトル操作だろうが、神様の奇跡だって打ち消せます」

329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:35.07 ID:VjPQlwAO
まるで生き物のようにインデックスがいる辺りだけを避けながら、寮内を舐め尽くす。

330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:35.05 ID:vDccfUAO
(だあーーー!! こうなりゃやけだ!)

331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:36.18 ID:dkE1xIAO
そこには美琴にそっくりな少女と、美琴をそのまま幼くしたような少女が立っていた。

332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:39.84 ID:ujLQYIAO
「んじゃあ、第12学区に住んでるシスターさん?」

333 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:44.92 ID:5LI.xcAO
「魔法名だよ。といっても、君たちにはどうせわからないだろうから、わかりやすく説明してあげよう」

334 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:45.25 ID:bCIlEMAO
「ああ、そんなことか。ステイルっていったか。そいつならぶん殴っといたから来ないぞ」

335 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:44.69 ID:YLLBXMAO
全国からありとあらゆる学生を集め、超能力開発をしている学園都市では、学生がその実験の対象となる代償として、レベルに応じた奨学金を払っている。学園都市に七人しかいないレベル5と、最低ランクであるレベル0では、それはもう天と地との額の差がある。

336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:46.75 ID:SOtsG6AO
我を失っているステイルに、拳を強く握る。

337 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:47.67 ID:fG/r0UAO
「んじゃあ、第12学区に住んでるシスターさん?」

338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:47.71 ID:CzIr7sAO
「いやいや、さすがにわざとじゃなくても、あんな仕打ちをしてしまったからには、人間としてほっとけないのが筋でしょうよ」

339 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:49.22 ID:AQITTYAO
まだ立ち直れない美琴をどうにか立たせると、「んじゃ、またな」といい、上条は人ゴミに目を配らせながら先に進もうとした。

340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:50.78 ID:Kl7KjgAO
美琴妹と別れた後、上条と美琴はインデックスの捜索を続けた。

341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:51.35 ID:OI3ZJAAO
「……そういわれれば、確かにそうね。ていうかあの時も、もしアンタの幻想殺しが仮に発動したら、脱げるんじゃないかと思ってとめようとしたし」

342 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:51.29 ID:uLjS0AAO
上条当麻と御坂美琴の関係はいったいなにか?

343 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:52.87 ID:1UPCAAAO
「いいからほら、服を右手でさわってあげなさいよ。……ただし、それ以外に変なとこふれたら……」

344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:53.65 ID:dHVgh6AO
「御坂? なにかいったか」

345 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:55.88 ID:HwmkF6AO
「あー、確かにそういわれれば、ありうるかもしれないなあ。でも、あいつID持ってない不法侵入者だぞ。外部に超能力者なんているのか?」

346 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:58.08 ID:WVf.9wAO
「だったら俺ん家なんて来るんじゃねえよ、ビリビリ」

347 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:49:59.25 ID:f7afj2AO
「ん、んん! そうね、うん。今回は私も少しは悪いと思ってるから、家電を弁償するくらいはいいかなーって思ってるんだけど。それに当麻には、こんなんじゃ返せない大きな借りがあるし――」

348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:01.62 ID:jDA7icAO
美琴の制止で上条の手は、インデックスの真上で固まった。

349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:02.77 ID:tO/9VgAO
我に返った美琴が、形容しがたい気持ちで打ち止めの言葉を受け止める。

350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:03.74 ID:vixUbAAO
いきなりなオカルト用語に、美琴は困惑を覚える。先ほどの炎剣は能力によるものかと思ったのだが、普段なら笑ってしまうような別の可能性が浮上した。

351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:04.52 ID:utMMUsAO
右手をしっかりと握りしめ、ステイルに殴りかかろうとしている。

352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:05.04 ID:HyWl5MAO
確かに殺したはずだ。そう思いながらも迎撃の為に炎剣を振るう。

353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:06.51 ID:DzSDGEAO
「いやいや、そうじゃなくて、俺の右手でほどけたんだぞっていいたいんだってば」

354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:07.93 ID:pNhQ1AAO
「布団? いや干そうとは思ってたけど、まだ干してないぞ」

355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:10.57 ID:PpIUXgAO
「……き、ききききき、す――あ、ああああありえな、い、アイツがわ、わたわた私に」

356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:11.60 ID:nuL7U6AO
気づいたら、かつて絶望していた自分を救ってくれた、美琴の主人公と叫んでいた。

357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:13.28 ID:yELRYgAO
こうして、なんだかんだでグダグダな捜索を続けて。

358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:16.62 ID:00.BTEAO
「だあああぁぁ! そのはずなんだけどなあ!」

359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:19.73 ID:ctJ37QAO
「み、見たわね」

360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:19.82 ID:6v6bk6AO
そしてアイアンメイデンと化した修道服を急いで着ると、「バーカ、バーカ!」と捨て台詞をはいて寮から飛び出していったのだ。

361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:19.02 ID:HKohWsAO
「結局はインデックスを見つけなかったら、なにもわからないってことか」

362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:20.97 ID:vJr3WwAO
「はい、交代。もうなんか私疲れたから、あの子のいう通り、右手で修道服をさわるなりなんなりして、あやしてあげて」

363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:23.26 ID:6rZDD2AO
そういいながらも美琴の放った電撃を右手で打ち消し、上条は両手をあげてはおろし大仰に謝った。

364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:24.07 ID:wjqH0QAO
学園都市でも一人きり、二三〇万分の一の天災の、生まれ持っての能力。

365 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:26.69 ID:OHVN9IAO
地獄のそこから響いてくるような怒声をあげる学生達の後ろを、

366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:26.71 ID:vjP2I2AO
「なにあれ? あんなのあり?」

367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:27.65 ID:24bd1cAO
この男は明らかにこの学園都市に住む人間とは、異質であった。

368 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:28.02 ID:8uQ02.AO
「……そうです」

369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:29.42 ID:ePbFNsAO
ちなみにそのご飯は、美琴が上条に手料理を食べさせようと持ってきた材料で作られている。しかも上条が作ったということが、ますます怒りの炎に油を注ぐ原因となっていた。

370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:31.83 ID:t1glh.AO
しかし美琴は顔を真っ赤にしたままだ。電気をとめるどころか動こうともしない。

371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:32.71 ID:QOOyqwAO
「そんなの関係ないわ」

372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:35.47 ID:HDzwiEAO
あの医者なら、患者をどんなことをしてでも守ると信じられるからだ。

373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:36.45 ID:8pIjToAO
「原石? ダイヤモンドやルビーとかの?」

374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:36.49 ID:l8FDhsAO
こうして、なんだかんだでグダグダな捜索を続けて。

375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:37.10 ID:fNEMEkAO
割り勘で会計を終え(上条の懐事情を配慮して)、店前で美琴妹はこういった。

376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:37.44 ID:4/iwbwAO
あまりの恐怖に頭でもおかしくなったのかと思ったが、美琴の瞳には強い意志が宿っている。

377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:38.11 ID:GLxKSsAO
「悪いな打ち止め。今人捜しの真っ最中なんだ。……あんまりちゃんとできてない気もするけど、とにかく、遊ぶのは今度な」

378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:38.68 ID:jGm/v2AO
その傍らインデックスも「魔術は本当にあるんだもの。でも魔力がないから私は使えないだけだもん」と、よくわからない魔術用語混じりに言い張るが、二人はとてもじゃないが信じられなかった。

379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:40.86 ID:UxnVMIAO
インデックスはそういいながら、だだをこねる子どものように手足をばたつかせた。

380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:41.49 ID:x4FKmIAO
「私は、数ある十字教の中で……イギリス清教に属している……の。イギリスは、魔術の国だから……魔女狩りや異端狩り、宗教裁判……そういう『対魔術師』の文化が発達したの」

381 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:41.60 ID:ADjudAAO
インデックスの目が、驚きに見開かれる。

382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:44.62 ID:ja.6x.AO
まるで生き物のようにインデックスがいる辺りだけを避けながら、寮内を舐め尽くす。

383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:46.41 ID:48GKgAAO
美琴の抗議を無視し、上条は神裂に語りかける。 

384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:52.90 ID:d0GooYAO
「私は、数ある十字教の中で……イギリス清教に属している……の。イギリスは、魔術の国だから……魔女狩りや異端狩り、宗教裁判……そういう『対魔術師』の文化が発達したの」

385 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:54.55 ID:/FP0PQAO
すると、そこにいたのは――

386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:56.30 ID:R4PmsgAO
来る! 

387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:56.37 ID:akn3kgAO
「ほんと、バカだわ」

388 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:57.25 ID:lQYFs.AO
スパークする美琴に、やれやれとうんざりしながらも、上条は信頼の笑みと共にいった。

389 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:58.85 ID:a6HA3.AO
「ひゃ、ひゃい? と、当麻?」

390 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:50:58.90 ID:qjCQU2AO
すると周りの学生がいっせいに立ち止まり、ざわめき始めた。

391 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:00.53 ID:38BM8kAO
「当麻! 右手!」

392 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:00.97 ID:MBgydkAO
「は、灰は灰に、塵は塵に――」

393 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:03.15 ID:16R2JsAO
「み、御坂さん? もしやスーパービリビリパワーで寮内全てをビリビリしたとか」

394 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:05.77 ID:Jb6QUUAO
生唾を飲み込み、もう一度名前を呼ぶ。

395 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:07.92 ID:lmZKFkAO
「ふにゃ――ぐはぁ!」

396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:08.83 ID:NxlZMUAO
だが「食べ物のことを話したら、またお腹がすいてきたよー」とのんきにいう少女を放っておくこともできず、美琴はそもそもの原因を訊ねた。

397 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:08.89 ID:egpw6cAO
「当麻は黙ってて!」

398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:09.64 ID:g7JeU2AO
どれだけ食べ物が入るんだと、二人は戦々恐々とした。

399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:08.92 ID:9ZbZO.AO
「うわあ! み、美琴、倒れるな! せめて電撃とめろーーー!」

400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:10.69 ID:QiJW5oAO
おそらく寮内の至る所に貼られているはずだ。全てを壊す前に、イノケンティウスにやられてしまう。

401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:12.33 ID:JrTPW2AO
「おおっ。これはあれだね! ミサカの馬になってくれるんだわーい、ってミサカはミサカは飛び乗ってみる」

402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:13.52 ID:RsZH6YAO
脈絡もないことを訊ねる美琴に、首をかしげながらも上条は素直に答えた。

403 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:14.70 ID:PD/MWkAO
だが心配した上条がインデックスを探しに行こうといい出し、制止する美琴を適当にあしらって外に出たのだった。

404 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:16.38 ID:jQP2KsAO
(ふ、不幸だー……)

405 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:16.73 ID:23ASkQAO
「魔法名だよ。といっても、君たちにはどうせわからないだろうから、わかりやすく説明してあげよう」

406 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:19.47 ID:dHVgh6AO
「いや、さすがにこれ以上追撃するのは酷じゃない」

407 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:19.44 ID:x3p2csAO
美琴妹が登場した時点でも、かなりの人間が見物していた。

408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:19.55 ID:l7wB4YAO
「うそ、だ……イノケンティウス…………イノケンティウスぅぅぅっ!」

409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:26.43 ID:NlVr4.AO
なにかに祈るように、インデックスに話しかける。

410 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:28.14 ID:YLLBXMAO
「なにふてくされてるんだよ」

411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:30.13 ID:Kl7KjgAO
それだけなら漏電程度ですんでいただろう。実際さっきの電撃は怒りではなく羞恥で出ていたものだ。

412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:30.91 ID:pmRtdcAO
「……なっ!」

413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:30.90 ID:vDccfUAO
「なら、俺がその地獄から、お前を引っ張り上げればいいだけじゃねえか」

414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:31.98 ID:ujLQYIAO
美琴ではない、犯人だと名乗る男の声。

415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:33.61 ID:dSrhoEAO
右腕を振りかぶり、軸足に力をいれる。

416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:34.67 ID:AQITTYAO
その自身の身を顧みない優しさが、そのことで傷つく人がいることに気づかない優しさが、なにより美琴を苛立たせた。

417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:36.72 ID:2Kbh0AAO
そういいながらも美琴の放った電撃を右手で打ち消し、上条は両手をあげてはおろし大仰に謝った。

418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:37.09 ID:5QbxzQAO
「う、み、みみ、御坂?」

419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:39.30 ID:bCIlEMAO
「あっ、いや何でもない。ていうことは、インデックスがその原石だっていいたいのか?」

420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:41.20 ID:OI3ZJAAO
知らぬ間に足が一歩下がっていた。握った手が汗で滑る。

421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:42.70 ID:dkE1xIAO
正確には上条は医療品などを提供しただけで、実際の応急手当は美琴が行っている。その間に上条は、ステイルのイノケンティウスが敗れた原因を探っていた。

422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:45.95 ID:AilurEAO
「み、美琴」

423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:46.54 ID:fG/r0UAO
驚愕する上条。だが驚きも醒めぬ間に、不意に後ろから殺気を感じ、とっさに振り返った。

424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:48.11 ID:CzIr7sAO
「み、み、みみ、美琴?」

425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:49.04 ID:utMMUsAO
「殴るわよ」

426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:49.90 ID:1UPCAAAO
「うわー! うわー! 聞きたくなーい! そんな裏情報聞きたくなーい!」

427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:52.84 ID:HyWl5MAO
そのとき、美琴の中で何かが切れた。

428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:53.67 ID:uLjS0AAO
「てんめえぇぇぇぇぇぇぇ!」

429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:55.10 ID:HwmkF6AO
「むー」

430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:56.53 ID:8uQ02.AO
「み、美琴妹さん? こ、これ以上したら、上条さんはちょっと危ないことになるのですが!?」

431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:51:57.44 ID:WVf.9wAO
先の戦闘の余韻もよそに、上条は美琴をたしなめた。

432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:06.03 ID:pNhQ1AAO
「い、いったわね……。ふ、ふんっ、わ、私だってやればできるんだから」

433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:05.99 ID:U.YJFoAO
おそらく寮内の至る所に貼られているはずだ。全てを壊す前に、イノケンティウスにやられてしまう。

434 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:08.74 ID:6v6bk6AO
生唾を無意識に飲み込み、少しでも情報を得ようと問いかける。

435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:09.15 ID:00.BTEAO
「は、はい……」 

436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:09.80 ID:k1MyA2AO
どこか悲しそうな、いや寂しそうな美琴に、上条は胸が締め付けられる。

437 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:10.39 ID:jDA7icAO
「あいつは確かに間違ってたけど、これからも間違えなきゃならない道理はないだろ」

438 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:11.55 ID:nuL7U6AO
襲いかかるイノケンティウスを、上条はハエでも追い払うかのように右手で払った。 

439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:12.11 ID:ctJ37QAO
死の執行者は、残酷な宣告をする。

440 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:13.82 ID:vjP2I2AO
「一方通行(アクセラレータ)が新居に移ったので、ミサカは必要な生活用品を買うお手伝いを承りました、とミサカははしゃぎすぎて少々うっとうしく感じる上位個体にため息をつきます」

441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:15.45 ID:wjqH0QAO
火の粉をまき散らしながら、炎剣を振りかざす。

442 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:15.80 ID:HKohWsAO
あの紙に異能の力が宿っているのなら、上条の右手で壊せるだろう。だが、一つ一つ上条の右手で壊していくのは現実的ではない。

443 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:17.96 ID:f7afj2AO
ステイルが飛ばされた先で、巨大な炎が生まれた。

444 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:18.71 ID:16ks2QAO
ステイルの言葉は、拡散した電撃の爆音に掻き消された。美琴が放った電撃は、イノケンティウスもろともステイルを飲み込む。

445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:18.68 ID:yELRYgAO
「うおおおおぉぉぉぉぉ!」

446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:19.74 ID:DzSDGEAO
「なによう。私と一晩中追いかけっこしていたこともあるくせに。あの熱い夜を忘れたって言うの?」

447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:20.98 ID:vJr3WwAO
地獄の業火が顕現したといっても過言ではない炎。

448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:21.97 ID:t1glh.AO
「本当に、気が強い子だね。でももう強がりはおしまいさ」

449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:24.42 ID:4/iwbwAO
ビシッ、と敬礼すると、上条は美琴を部屋に置いたまま外に出ようとした。それをとめようと、慌てて美琴が立ち上がる。

450 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:24.49 ID:PpIUXgAO
「あいつは確かに間違ってたけど、これからも間違えなきゃならない道理はないだろ」

451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:25.40 ID:QOOyqwAO
だから――

452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:26.31 ID:OHVN9IAO
美琴はインデックスの顔色をうかがうように併走している。

453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:28.07 ID:8pIjToAO
「アンタ……」

454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:29.13 ID:jGm/v2AO
理性的な判断をとれなくなってきた上条が、思わずインデックスの身体を揺さぶろうとする。

455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:30.43 ID:24bd1cAO
美琴と同じ制服につけられたカエル(美琴はゲコ太と言い張るが)のカンバッチを見た上条は、悪い悪いといいながらも、挨拶し直す。

456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:31.07 ID:ePbFNsAO
どこか悲しそうな、いや寂しそうな美琴に、上条は胸が締め付けられる。

457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:33.87 ID:GLxKSsAO
その途中、先ほど上条達が起こしたいざこざを聞きつけやってきた、風紀委員(ジャッジメント)に見つかってしまった。

458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:33.83 ID:38BM8kAO
だが心配した上条がインデックスを探しに行こうといい出し、制止する美琴を適当にあしらって外に出たのだった。

459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:41.22 ID:23ASkQAO
目の前の炎の化け物から、身をすくませるような火の粉が飛び散っている。

460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:41.66 ID:1Jw0A2AO
頭を下げたまま微塵も動かない女に、上条も美琴も困惑を隠せなかった。

461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:42.58 ID:ADjudAAO
核弾頭という不穏当な言葉に、美琴は内心驚く。

462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:43.54 ID:keitfwAO
「二人とも、失礼なこといってるの聞こえてるんだけど」

463 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:45.62 ID:R4PmsgAO
「どういうことなの?」

464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:47.14 ID:ja.6x.AO
しかし美琴は目を軽く見開いたまま、動こうとしない。

465 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:49.49 ID:sRylWsAO
その自身の身を顧みない優しさが、そのことで傷つく人がいることに気づかない優しさが、なにより美琴を苛立たせた。

466 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:49.55 ID:qjCQU2AO
ぴしゃん、という音がしそうな勢いで、上条は背筋を伸ばした。

467 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:50.28 ID:jQP2KsAO
うつむいた顔からわずかにのぞいた顔は明らかに日本人ではなく、美琴と比べても遜色のない整った顔立ちをしている。頭にかぶった白いフードからは、綺麗な銀髪がたれていた。

468 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:50.72 ID:UxnVMIAO
不意に、御坂を強く抱きしめなければならない衝動に駆られた。

469 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:52.46 ID:a6HA3.AO
エアコンが故障して動かず、むしむしとした熱気が部屋の中に充満している。ならばうちわ代わりでもと下敷きを取り出そうとするが、踏んづけて割ってしまった。

470 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:54.90 ID:d0GooYAO
「み、みなさーん! お、おちついてくださーい! 喧嘩はよくないですよー!」

471 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:59.20 ID:x4FKmIAO
「お前がよけいなことを話したんだろうが! って、怒鳴りたいとこだけど、そうだな。早くインデックスを助けないと」

472 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:52:59.76 ID:akn3kgAO
「……ふ」

473 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:00.58 ID:NxlZMUAO
いぶかしげに上条の横まで歩き、彼が瞬きもせずに見つめる先を見る。

474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:00.70 ID:t9LDl.AO
「案外、魔術ってのも真っ赤な嘘じゃないかもしれないわね」

475 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:00.74 ID:48GKgAAO
美琴の異様な笑みに一瞬飲まれ、ステイルは炎剣を震わす。しかし弱い電撃を操ることしかできない小娘だと思い返し、持ち直した。

476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:01.65 ID:egpw6cAO
美琴は胸から顔を離し、上目遣いで上条を見つめる。

477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:02.91 ID:Jb6QUUAO
「とうま……おろし、て」

478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:06.96 ID:Ies802AO
他人の目がある前で、自分の願望全力全開で行動してしまった。

479 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:07.29 ID:MBgydkAO
そういって上条は歩を心なし早めて、あたりをきょろきょろと見回す。

480 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:08.51 ID:JrTPW2AO
自分だけが上条をバカにしていいとでも思っているか。上条は持ち前のスルー能力を遺憾なく発揮し、美琴の本意を勘違いしてため息をつく。

481 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:10.11 ID:16R2JsAO
(それは、なんか嫌だ)

482 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:13.52 ID:lmZKFkAO
肩に手をかけて隣に並ぶ。すると美琴は電気を浴びたかのように、大きく肩を上げた。

483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:15.58 ID:pmRtdcAO
グッと右手を握る。

484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:21.71 ID:PD/MWkAO
「私は、数ある十字教の中で……イギリス清教に属している……の。イギリスは、魔術の国だから……魔女狩りや異端狩り、宗教裁判……そういう『対魔術師』の文化が発達したの」

485 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:23.17 ID:LShs4YAO
「み、美琴妹さん? こ、これ以上したら、上条さんはちょっと危ないことになるのですが!?」

486 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:25.50 ID:9ZbZO.AO
そんなインデックスを見て、美琴は疲れたような顔で、上条の手にタッチした。

487 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:25.42 ID:x3p2csAO
「なにをしているのですか、とミサカはあの人と手をつなぐお姉様に、あんちくしょうと軽い嫉妬を覚えながらも問いかけます」  

488 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:25.47 ID:2Kbh0AAO
さらりと述べた上条の言葉に、インデックスは驚きながらも、なお下ろすよう訴える。

489 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:29.04 ID:dHVgh6AO
上条は「あっ、俺用事があって」と逃げだそうとしたが、美琴に襟をがっちりつかまれ逃げられない。

490 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:29.08 ID:l7wB4YAO
「どわはっ、いきなりビリビリは勘弁して下さい!」

491 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:29.70 ID:dkE1xIAO
死してなお甦った炎の巨人は、主の命を果たそうと炎の拳を振り上げる。

492 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:29.95 ID:GLbOfwAO
自分のせいで殺される為だけの妹たちを生み出してしまった。そんな気持ちもほんの微かだが残っているからだ。

493 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:32.17 ID:NlVr4.AO
「はっ、必要悪の教会? 一〇万三〇〇〇冊の魔導書? 確かにすげえな。実際に魔術を見ても、信じられねえような荒唐無稽の話だ」

494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:34.47 ID:h0qVcAAO
拭い終わったことを確認した上条は、再び走り出す。

495 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:36.79 ID:vDccfUAO
晴れやかな表情から一転、心の奥底の暗さを隠せない顔で上条が呟く。しかし首を横に振ると真剣なものに変えた。

496 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:36.83 ID:RsZH6YAO
しかし二人にとってはいつものことなので、たいして気にはしてなかった。

497 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:40.65 ID:5QbxzQAO
こうして二人の奇妙な関係は、今でも続いている。 

498 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:41.56 ID:OI3ZJAAO
「ばいばーい、ってミサカはミサカは手を振ってみる」

499 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:42.41 ID:dSrhoEAO
「さあ、こればかりは見てみないとわかんないわよ」

500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:43.04 ID:ujLQYIAO
「だあああぁぁ! そのはずなんだけどなあ!」

501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:48.17 ID:AilurEAO
「あはははは! どうやカミやん! こない援軍連れてきたら、さすがの幻想殺しでも殺しきれんやろ?」

502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:49.65 ID:bCIlEMAO
純白の修道服のようなものを着た少女だった。

503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:52.23 ID:f7afj2AO
「ネットの噂であがってるんだけど、アンタ『原石』って知ってる?」

504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:53.29 ID:LsiC2sAO
「うわー! うわー! 聞きたくなーい! そんな裏情報聞きたくなーい!」

505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:53.05 ID:fG/r0UAO
美琴の外部にいるかもしれない『原石』という言葉を思い出す。

506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:53:57.22 ID:AQITTYAO
ステイルが目で示した先には、インデックスが倒れている。

507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:00.87 ID:CzIr7sAO
美琴は痛ましげな表情を見せたが、すぐに毅然としたものに戻り、ステイルに強くいった。

508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:01.33 ID:HwmkF6AO
そんな上条の突飛な行動と真剣な表情に、美琴は訳もわからず頬を赤らめた。

509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:01.74 ID:SOtsG6AO
「はあはあ……くっ、はあ〜。み、御坂センセーは、なにゆえそんなに元気なんですか。これが若さというものか……」

510 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:02.77 ID:ctJ37QAO
頬を若干ぴくぴくさせながらも、右手でインデックスの修道服をつかむ。

511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:03.31 ID:5LI.xcAO
「私は、数ある十字教の中で……イギリス清教に属している……の。イギリスは、魔術の国だから……魔女狩りや異端狩り、宗教裁判……そういう『対魔術師』の文化が発達したの」

512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:04.96 ID:U.YJFoAO
その声で美琴がどれほど怒っているのか、上条にはよくわかった。

513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:06.56 ID:jDA7icAO
しかし上条は周囲に気を配っている余裕などなかった。

514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:06.80 ID:WVf.9wAO
妹の狼藉に怒り狂う美琴だったが、喧嘩になる前にとめようとした上条の顔を見た瞬間、硬直した。どうやら先ほどの出来事を思い出しているらしく、頬を赤らめている。

515 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:08.56 ID:vixUbAAO
「み、美琴? い、いやこれはなんというか……その」

516 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:09.29 ID:yELRYgAO
首を傾げるインデックスに、上条と美琴はいかに超能力は現実的なもので、魔術みたいなオカルトとは一線を画しているのか説明しようとしたが、インデックスはなおも首を傾げるばかりで理解できなかった。

517 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:11.59 ID:pNhQ1AAO
なにかに祈るように、インデックスに話しかける。

518 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:12.60 ID:uLjS0AAO
「……んん? 当麻、なんかその必要ないみたい」

519 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:18.17 ID:8uQ02.AO
その後、少しばかりぎくしゃくしながらも、遅めの昼食をとった。

520 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:18.51 ID:k1MyA2AO
「魔術師相手に戦ったんだぜ。そんなこと聞いたくらいで退くようじゃ、始めからお前を守ろうとしてねえよ」  

521 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:18.40 ID:HyWl5MAO
といいながら美琴妹は美琴の顔をおしぼりで拭く。実際は拭くというよりも、乱暴に擦るといったもので、美琴は顔をしかめながら目を覚ました。

522 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:19.90 ID:tO/9VgAO
そんな上条の突飛な行動と真剣な表情に、美琴は訳もわからず頬を赤らめた。

523 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:20.42 ID:16ks2QAO
「違うよ、ここに住んでる訳じゃないから」

524 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:20.12 ID:DzSDGEAO
男子の方が多いが、少なくない数の女子も混じっており、いずれも殺気混じりの怒号をあげている。

525 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:20.03 ID:VjPQlwAO
美少女といっても過言ではない容姿をしているが、今はしかめっ面でテーブルを指で叩いている。肩も軽く揺らしていて、その度に肩まで伸びた茶髪が揺れていた。

526 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:19.54 ID:wjqH0QAO
「一〇万三〇〇〇冊の……魔導書? でも、この子本なんて一冊も持ってないじゃない」

527 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:20.02 ID:6v6bk6AO
しかしよく見ると美琴の腕は微かに震えていた。まだ知り合いが大けがをしていることに、平静を取り戻せていないのだろう。

528 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:22.32 ID:8pIjToAO
美琴が指さす先を視線で追うと、ベランダになにか白いものがかかっているのが見て取れた。

529 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:22.24 ID:nuL7U6AO
「そんなの関係ないわ」

530 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:22.43 ID:vjP2I2AO
こうして、なんだかんだでグダグダな捜索を続けて。

531 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:23.77 ID:HKohWsAO
「ほんと、意外だな。まさかお前がここまで男に免疫がないなんてなあ。一応、お前もお嬢様だし、おかしくないっちゃおかしくないけど。でも、ビリビリ中学生がなあ」

532 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:27.09 ID:t1glh.AO
「そろそろ決着つけようか、魔術師」

533 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:26.82 ID:1UPCAAAO
知らぬ間に足が一歩下がっていた。握った手が汗で滑る。

534 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:26.84 ID:sRylWsAO
すると、そこにいたのは――

535 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:35.59 ID:ePbFNsAO
「まったく、あんな厄介な子、ほっとけばいいのに」

536 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:37.60 ID:23ASkQAO
そう問われると答えるのは難しい。

537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:37.62 ID:6rZDD2AO
「ほんと、意外だな。まさかお前がここまで男に免疫がないなんてなあ。一応、お前もお嬢様だし、おかしくないっちゃおかしくないけど。でも、ビリビリ中学生がなあ」

538 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:38.35 ID:4/iwbwAO
(なにを疑ってたかはよくわかんないけど、別に気にしてないから。んで、それよりどうするあのシスター)

539 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:38.95 ID:1Jw0A2AO
「名前の方をききたいのなら、ステイル=マグヌスだ。でも、ここはFortis931といっておこうか」

540 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:39.63 ID:GLxKSsAO
だが何故か、ドアの前に清掃ロボットがたむろしている。

541 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:39.66 ID:HDzwiEAO
「ちょっと家電が壊れたからって、生意気いってるんじゃないわよ。アンタどれだけ私に借りがあるって思ってるの?」

542 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:42.15 ID:fNEMEkAO
「お姉様ー、生きてる、ってミサカはミサカは生存確認してみる」

543 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:43.35 ID:UxnVMIAO
(だあーーー!! こうなりゃやけだ!)

544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:45.14 ID:ADjudAAO
アイツを信じている美琴は、恐れはしない。

545 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:50.18 ID:PpIUXgAO
「別に、私は昨夜一〇〇三二号が、この方にしたことと同じことをしているだけですが、とミサカは答えながらも、更なるステップアップを目指し頬ずりを開始します」

546 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:50.69 ID:qjCQU2AO
可愛く首を傾げる美琴に、上条の理性が萌え死にそうになる。

547 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:50.40 ID:ja.6x.AO
「うおおおおぉぉぉぉぉ!」

548 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:51.95 ID:24bd1cAO
ふと美琴がなにか呟いたようだが、上条の耳には届かなかった。

549 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:51.98 ID:Ies802AO
疲労が溜まった足をほぐしながら、むさぼるように酸素を吸い、吐き出す。

550 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:52.93 ID:jQP2KsAO
そこでようやく気づいた。

551 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:57.38 ID:jGm/v2AO
その間にも男は距離を詰め、まるでものを拾いに来たかのように、インデックスを無造作に掴み上げようとする。

552 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:58.22 ID:x4FKmIAO
土下座をせんばかりに美琴を褒め称えた。

553 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:54:59.99 ID:l8FDhsAO
上条の疑問はもっともで、超能力を開発しているのはここ学園都市だけである。

554 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:16.49 ID:NxlZMUAO
「美琴」

555 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:17.80 ID:d0GooYAO
美琴はインデックスを励ますように、力強く守ることを誓う。

556 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:21.35 ID:akn3kgAO
もし仮にステイルのいう言葉が本当で、悪意あるものがそれを手にしたらどうなるか。

557 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:22.02 ID:LsiC2sAO
「み、御坂ー! だ、大丈夫……かあ!」

558 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:27.12 ID:t9LDl.AO
「……アンタらぁ。ケンカ売ってんのかコラぁぁ!」

559 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:28.36 ID:16R2JsAO
正直なところ美琴が電撃で紙を焼き払っている間に、ステイルとイノケンティウスを同時に相手取って、無事持ちこたえられたかと問われると、難しかったと答えざるをえない。

560 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:30.88 ID:KiUpL.AO
「? あんたなにほうけてるの」

561 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:32.78 ID:/FP0PQAO
しばしの間があったが、結局は折れた上条は、美琴に笑いかけた。

562 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:33.78 ID:48GKgAAO
私だって、アンタの力になれるのだと。

563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:33.74 ID:keitfwAO
上条の方を見る。彼も女が危険な相手だとわかったのか、背中のインデックスを左腕でしっかり抱きながらも、右拳を構えていた。

564 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:33.71 ID:lmZKFkAO
「ふにゅう…………」

565 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:33.86 ID:RPnAQwAO
しかし上条は怯まない。

566 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:34.92 ID:9ZbZO.AO
その事件で上条は美琴と、その妹達の命を救い出した。

567 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:34.94 ID:Jb6QUUAO
美少女といっても過言ではない容姿をしているが、今はしかめっ面でテーブルを指で叩いている。肩も軽く揺らしていて、その度に肩まで伸びた茶髪が揺れていた。

568 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:36.36 ID:QiJW5oAO
上条はなるべく振動が伝わらないように、けれどなるべく早く走る。

569 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:37.37 ID:l7wB4YAO
幻想殺しが効かなかった原因は、壁に貼られていた紙が原因だったらしい。どういう理屈かわからないが、常時炎を形成する力を送るなりなんなりしていたのだろう。

570 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:38.89 ID:egpw6cAO
「ちょ、ま、待ちなさいよ! 冗談だから!」

571 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:39.16 ID:pmRtdcAO
隣でなにもかもわかった風に、「よかったな」って笑うバカを愛おしく想いながら、美琴は笑った。

572 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:40.07 ID:MBgydkAO
「ふ、ふにゃあ〜〜〜……」

573 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:46.35 ID:lQYFs.AO
案の定、インデックスは不審そうな目で上条を見る。

574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:47.17 ID:x3p2csAO
二人がインデックスの方に向き直ると、インデックスは歯をがちがち鳴らして怒っていた。

575 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:47.58 ID:RsZH6YAO
自身にも撃たれたこともある超電磁砲を見て、上条はたしなめながらも震える。

576 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:47.56 ID:g7JeU2AO
そういいながらつかつか歩み寄ると、美琴は美琴妹が抱きついている腕とは逆の腕に、恐る恐る手を伸ばした。

577 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:52.32 ID:i52zSoAO
目の前の素っ裸の少女は、羞恥に頬を赤く染め、涙目になりながらも歯をかち鳴らしている。

578 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:53.28 ID:h0qVcAAO
「お、お前ら、夏休みなのになんでこんな学園都市に残って……って、と、とにかく、ふ、不幸だっーーー!」

579 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:55:53.28 ID:GLbOfwAO
「なんだよインデックス。腹が減って行き倒れでもしたのか?」

580 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:03.38 ID:PD/MWkAO
「まったく、あんな厄介な子、ほっとけばいいのに」

581 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:11.18 ID:dHVgh6AO
美琴が羞恥プレーをかまして自滅したその後。

582 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:16.63 ID:5QbxzQAO
美琴の抗議を無視し、上条は神裂に語りかける。 

583 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:17.89 ID:NlVr4.AO
同時にスプリンクラーが作動するも、微かに水をまき散らしただけで、この階のものだけ、やはり同じ理由で次々と壊れる。

584 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:24.37 ID:vDccfUAO
上条は右手を突き出し、拳を握る。

585 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:26.45 ID:VjPQlwAO
「へ? いやさすがに魔術はないだろ」

586 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:27.14 ID:ujLQYIAO
ステイルはインデックスに炎剣を差し向けた。咄嗟に美琴が間に手を入れ庇う。

587 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:31.97 ID:bCIlEMAO
上目遣いで問い返す美琴に、もう上条はいろいろ大変だった。

588 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:33.20 ID:OI3ZJAAO
「いやいや、お前の問答無用の電撃の方が理不尽ですから!」

589 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:34.09 ID:5LI.xcAO
炎剣はツンツン頭の少年――上条の拳にいとも簡単に消された。まるで誕生日ケーキの蝋燭を消すような気安さで。  

590 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:36.57 ID:SOtsG6AO
「美琴」

591 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:39.76 ID:fG/r0UAO
もし仮にステイルのいう言葉が本当で、悪意あるものがそれを手にしたらどうなるか。

592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:40.60 ID:uLjS0AAO
「いや、それはこいつが、御坂妹と区別するためにそう呼べって」

593 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:41.49 ID:CzIr7sAO
二人で顔を寄せ合い、ひそひそと話し始める。

594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:42.71 ID:HwmkF6AO
釈然としない顔をした美琴の横から上条がいう。

595 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:42.74 ID:dSrhoEAO
「上条君……私、本気だったのに……」

596 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:44.37 ID:f7afj2AO
上条の力ない苦笑いを無視し、美琴は考え込む。

597 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:44.78 ID:utMMUsAO
しかし美琴が時折上条に遣る視線の熱や、赤らんだ頬を見るとそれだけではないように思える。

598 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:45.55 ID:1UPCAAAO
「ふう、老婆心を働かせて敵に塩を送るべきではありませんでした、とミサカはお二人が離れたことに安堵しながら、先ほどできた差を埋める為に抱きつきます」

599 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:48.90 ID:WVf.9wAO
「アンタねえ、これ以上痛い嘘を重ねても、哀れなだけよ」

600 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:48.76 ID:jDA7icAO
正確には上条は医療品などを提供しただけで、実際の応急手当は美琴が行っている。その間に上条は、ステイルのイノケンティウスが敗れた原因を探っていた。

601 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:48.85 ID:ctJ37QAO
「べ、別にうらましくなんて……あるけど、ともかく! アンタ離れなさい!」

602 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:50.98 ID:vixUbAAO
とっさに手を握り、美琴の漏電を防ぐ。

603 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:50.08 ID:AQITTYAO
上条の額から、熱気が原因ではない汗が流れる。

604 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:49.99 ID:tO/9VgAO
上条はまだじたばた暴れているインデックスを、どうにかなだめた。そして右手を差し出す。

605 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:49.15 ID:AilurEAO
「なーによアンタ、あんなことぐらいでバテちゃって」

606 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:51.74 ID:HyWl5MAO
出会った当初は、自分の電撃が効かない上条にムキになった美琴が追いかけ回し、それを上条が軽くあしらう関係であった。今のように美琴がしょっちゅう上条の部屋に来るなど、絶対にありえなかった。

607 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:56.36 ID:yELRYgAO
どんどん顔を赤くしながら、美琴は言葉を続けようとするが、上条の大声に遮られる。

608 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:56:57.77 ID:DzSDGEAO
かつてあの事件で、誰も助けてくれず、何もできず、ただ泣くだけしかなかった自分の姿と重なった。

609 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:00.91 ID:pNhQ1AAO
「み、御坂さぁーん。あなたはすばらしいお人です! 神様です! ありがとうございます。ありがとうございます!」

610 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:01.04 ID:PpIUXgAO
上条と美琴は、小さなインデックスのお礼を聞き、互いに顔を見合わせて笑った。

611 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:01.50 ID:nuL7U6AO
地獄の業火が顕現したといっても過言ではない炎。

612 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:09.21 ID:k1MyA2AO
「むむっ、魔術はちゃんとあるんだもん! イタイ子じゃないもん!」

613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:10.00 ID:HKohWsAO
右手をしっかりと握りしめ、ステイルに殴りかかろうとしている。

614 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:11.61 ID:vJr3WwAO
自分だけが上条をバカにしていいとでも思っているか。上条は持ち前のスルー能力を遺憾なく発揮し、美琴の本意を勘違いしてため息をつく。

615 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:14.56 ID:6rZDD2AO
(は、反則だー! なんですかこのかわいい御坂さんは! ちょっと目がうるうるしているとこも保護欲を誘われて、でも逆になんかたまらない気持ちになって……って、中学生相手になにを考えてるんだ!)

616 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:15.57 ID:t1glh.AO
(そうだよな。簡単に割り切れる訳ないもんな。額を打ち抜かれても、打ち止めを救おうとしたあいつを見なかったら、御坂はもっと黒い感情に捕らわれてただろうし……)

617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:18.15 ID:24bd1cAO
ただそれは美琴に比べるとあまりにも小さすぎて、その正体に気づくことはできないでいたが。

618 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:18.02 ID:6v6bk6AO
「は、はい……」 

619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:18.07 ID:sRylWsAO
すると美琴の電撃に身を散らされながらも、すぐに復活していたイノケンティウスの炎が、微かだが弱っていることに気づいた。再生スピードも若干落ちている。

620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:18.12 ID:OHVN9IAO
「美琴」

621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:20.22 ID:8uQ02.AO
「あきらかに偽名だよな。……どこかの学園都市一位を思い出すなあ」

622 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:19.87 ID:ePbFNsAO
そんなのんきな打ち止め声は、もちろん上条の耳に届くはずもなかった。

623 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:20.58 ID:vjP2I2AO
ちなみにいつの間に御坂に呼び名が戻ったあげく、恋人関係を否定されたことで、美琴の幻想もぶち殺したことに上条は気づいていない。

624 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:23.36 ID:QOOyqwAO
生唾を飲み込み、もう一度名前を呼ぶ。

625 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:25.10 ID:GLxKSsAO
「さあ、こればかりは見てみないとわかんないわよ」

626 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:25.05 ID:8pIjToAO
「そろそろ決着つけようか、魔術師」

627 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:32.97 ID:jGm/v2AO
もしかすると、紙ではなくこの文字に異能の力が宿っていたのかもしれない。スプリンクラーの水が、プリントされていた文字を滲ませたのか。ならば美琴が放った電撃が、偶然にもスプリンクラーを作動させたことは、運が良かった。

628 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:34.05 ID:HDzwiEAO
美琴はインデックスの顔色をうかがうように併走している。

629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:35.52 ID:l8FDhsAO
「ふ、不幸だっーーー!」

630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:36.32 ID:fNEMEkAO
こうして今、上条はインデックスを背負い走っている。

631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:39.04 ID:x4FKmIAO
美琴妹と漫才しながらも、上条はハッと美琴の存在に気づき、素早く美琴妹を引き離した。

632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:40.88 ID:ADjudAAO
「み、美琴」

633 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:44.21 ID:ja.6x.AO
インデックスを背負い直し、上条はインデックスに呼びかける。

634 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:45.07 ID:UxnVMIAO
美琴はそういうが、まだ疑念が残っていることを隠せていない声色だった。

635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:46.02 ID:48GKgAAO
来る! 

636 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:47.49 ID:qjCQU2AO
「違う違う、そうじゃなくて。ここでいう『原石』って天然の超能力者のことをいうのよ」

637 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:48.76 ID:38BM8kAO
「ア、アンタってやつはぁ……また、また新しい女かぁぁーーーーーー!!」

638 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:52.02 ID:R4PmsgAO
こうして、なんだかんだでグダグダな捜索を続けて。

639 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:51.74 ID:d0GooYAO
二人は今、学生寮から出て学園都市をくまなく歩いていた。

640 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:52.52 ID:keitfwAO
「なに? 短髪」

641 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:53.74 ID:/FP0PQAO
「なにいって……きゃあ!」

642 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:55.12 ID:akn3kgAO
美琴妹の言葉に我に返った二人は、きょろきょろと辺りを見渡す。

643 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:55.71 ID:lQYFs.AO
「アレ?」

644 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:57:57.77 ID:t9LDl.AO
「………………」

645 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:02.23 ID:16R2JsAO
「さあ、こればかりは見てみないとわかんないわよ」

646 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:02.86 ID:MBgydkAO
「ゴミでも散乱してるのかしら?」

647 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:03.77 ID:a6HA3.AO
「ええっ、俺?」

648 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:04.95 ID:NxlZMUAO
案の定、インデックスは不審そうな目で上条を見る。

649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:07.36 ID:lmZKFkAO
「それとね、同じくらいにミサカはあの人に感謝しているの。確かにあの人はミサカ達を一万人近く殺してきた。でも、あの人は自責の念に駆られながら、それでもミサカ達を守ろうとしているの。だからね、お姉様。ミサカはミサカは、あの人と一緒にいて、ちゃんと幸せに暮らしてるんだよ、ってミサカはミサカは本心からいってみる」

650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:08.43 ID:LsiC2sAO
御坂妹がそういった途端、上条は美琴の手を繋いで全速力で逃げ出した。先ほどの追いかけっこを軽く凌駕する勢いで、あれよあれよという間に人ゴミに消える。

651 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:08.48 ID:Jb6QUUAO
だから――

652 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:10.83 ID:JrTPW2AO
『むぅあてぇぇぇぇ!』

653 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:11.00 ID:9ZbZO.AO
インデックスの目から、一筋の涙が落ちた。

654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:12.14 ID:g7JeU2AO
「なら、俺がその地獄から、お前を引っ張り上げればいいだけじゃねえか」

655 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:12.93 ID:QiJW5oAO
右手をしっかりと握りしめ、ステイルに殴りかかろうとしている。

656 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:15.02 ID:egpw6cAO
壊れたラジオのようにぶつぶつと何事かを呟く御坂に、ひきつった笑みを浮かべる。

657 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:15.39 ID:l7wB4YAO
その結果――

658 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:15.74 ID:RsZH6YAO
なにも言い返せずにしょげる上条。そんな暑さとは別の理由でうなだれる上条に、罪悪感がわいたのか、保護欲がわいたのか、美琴は少し頬を赤く染めながら、呟くように声をかけた。

659 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:17.75 ID:PD/MWkAO
すると、突然美琴が叫んだ。

660 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:20.87 ID:dHVgh6AO
「み、美琴妹さん? こ、これ以上したら、上条さんはちょっと危ないことになるのですが!?」

661 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:20.83 ID:x3p2csAO
しかし、もうすでに美琴はノックダウンされていることに、上条は気づいていなかった。

662 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:25.03 ID:GLbOfwAO
すると、美琴はめちゃくちゃ幸せですよーというのを、まるで隠そうとしない笑顔を向けてくる。

663 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:25.77 ID:LShs4YAO
全国からありとあらゆる学生を集め、超能力開発をしている学園都市では、学生がその実験の対象となる代償として、レベルに応じた奨学金を払っている。学園都市に七人しかいないレベル5と、最低ランクであるレベル0では、それはもう天と地との額の差がある。

664 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:30.77 ID:NlVr4.AO
ステイルは当たれば怪我だけではすまない電撃を見ても、自身が絶対の強者であるかのように、笑みを崩さない。

665 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:35.46 ID:2Kbh0AAO
上条がいぶかしげに問いかける。しかし美琴は振り返るどころか返事すらしない。

666 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:35.50 ID:h0qVcAAO
「そもそもアンタ。まだ私が名字で呼ばれてるってのに、なんで名前の方で呼ばれてるのよ」

667 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:36.12 ID:vDccfUAO
「ラ、打ち止めさん。ア、一方通行さんに伝えて下さい。わたくし上条当麻は、お礼なんて一切いりません。どうぞお気になさらず、と」 

668 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:39.02 ID:pmRtdcAO
「神裂っていったか。お前、今泣きそうな顔をしているの、自覚しているか?」

669 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:39.73 ID:ujLQYIAO
「「はあ? 魔術結社?」」

670 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:41.11 ID:OI3ZJAAO
それだけなら漏電程度ですんでいただろう。実際さっきの電撃は怒りではなく羞恥で出ていたものだ。

671 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:41.98 ID:dSrhoEAO
「てんめえぇぇぇぇぇぇぇ!」

672 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:47.13 ID:5QbxzQAO
「う、ううう……。不肖、上条当麻です」

673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:48.58 ID:dkE1xIAO
ステイルの敗因は、美琴を侮り、軽んじ、無力な少女と断じたせいだ。いくら知らなかったといっても、超電磁砲相手に油断など許されるはずもないのに。

674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:47.06 ID:AQITTYAO
上条は美琴の手をとり、決死の表情で逃げ去った。

675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:48.57 ID:AilurEAO
そういって、美琴は不器用ながらも笑みを浮かべた。

676 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:49.77 ID:bCIlEMAO
その気になれば雷すら落としてみせる彼女にとって、この程度の技は動作もない。

677 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:52.59 ID:fG/r0UAO
「ギャー! 何故にーーー!」

678 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:54.24 ID:f7afj2AO
「なによ、妹にできて私にはできないって思ってるわけ?」

679 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:57.44 ID:CzIr7sAO
「え、ちょっと待って」

680 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:58:57.95 ID:YLLBXMAO
事もなげにいう上条に、美琴は盛大にため息をつき、肩をすくめた。

681 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:00.40 ID:SOtsG6AO
大規模な漏電を押さえられぬまま倒れる美琴を、上条は右手で抱き留めるはめになった。

682 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:01.40 ID:HwmkF6AO
理性的な判断をとれなくなってきた上条が、思わずインデックスの身体を揺さぶろうとする。

683 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:02.33 ID:ctJ37QAO
不穏な、電気の爆ぜる音が聞こえる。 

684 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:04.50 ID:U.YJFoAO
上条は怒声を上げ、バーコードの男に殴りかかった。だが怒り任せの拳は届くことはなく、上半身を軽く逸らされるだけで躱される。

685 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:05.18 ID:jDA7icAO
上条がそう思い、謝罪を述べようとすると――

686 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:05.16 ID:WVf.9wAO
上条はなるべく振動が伝わらないように、けれどなるべく早く走る。

687 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:07.79 ID:vixUbAAO
美琴というより、雰囲気は美琴妹に似ている少女は、はしゃぐ打ち止めを猫掴みし、美琴から引きはがした。

688 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:08.82 ID:yELRYgAO
「……まったく、そんな顔されちゃあ、なにもいえないじゃない」

689 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:10.88 ID:pNhQ1AAO
「なんでこんな? 小さな女の子に大怪我させてまで!」

690 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:13.71 ID:HyWl5MAO
妹の狼藉に怒り狂う美琴だったが、喧嘩になる前にとめようとした上条の顔を見た瞬間、硬直した。どうやら先ほどの出来事を思い出しているらしく、頬を赤らめている。

691 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:17.01 ID:8uQ02.AO
上条当麻には、イノケンティウスに勝つことは不可能だ。

692 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:16.98 ID:nuL7U6AO
ライバル何人増やすつもりよ、と美琴は呟くが、上条の耳にはほとんど届いていない。

693 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:17.05 ID:k1MyA2AO
「そ、それはまあ、なんというか習慣というか、突然下の名前で呼ぶのは失礼かと」

694 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:17.89 ID:16ks2QAO
そういいながらつかつか歩み寄ると、美琴は美琴妹が抱きついている腕とは逆の腕に、恐る恐る手を伸ばした。

695 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:18.69 ID:wjqH0QAO
「ぐ……ぐぐぐ。み、御坂さまです」

696 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:20.12 ID:DzSDGEAO
「「はあ? 魔術結社?」」

697 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:23.20 ID:1UPCAAAO
「ふえ? ちょ、ちょっとどういうこと?」

698 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:24.11 ID:uLjS0AAO
不幸だぁーと上条はうなだれた。

699 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:24.44 ID:8pIjToAO
すると、突然美琴が叫んだ。

700 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:26.20 ID:HKohWsAO
その気になれば雷すら落としてみせる彼女にとって、この程度の技は動作もない。

701 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:27.36 ID:tO/9VgAO
「ああ、心配しなくても大丈夫だよ。殺しはしない。僕はコレを保護しに来ただけだからね」

702 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:27.87 ID:vjP2I2AO
ライバル何人増やすつもりよ、と美琴は呟くが、上条の耳にはほとんど届いていない。

703 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:28.21 ID:sRylWsAO
(ふ、不幸だー……)

704 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:29.95 ID:t1glh.AO
「くっ……」

705 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:33.94 ID:vJr3WwAO
「よう、美琴妹。久しぶりだな」

706 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:37.19 ID:4/iwbwAO
「み、御坂妹の方か? ち、違いますよ? 上条さんは中学生に欲情するような人間じゃあ……抱きしめようとはしたが、ってぎゃあああああああああああなしなし今のなしだぁぁぁぁぁぁぁっ!」   

707 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:39.42 ID:ePbFNsAO
花飾りの少女、初春はにこやかなのにどこか腹黒さを感じさせる笑顔で、黒子を引きずり去っていった。

708 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:43.00 ID:23ASkQAO
「なーによアンタ、あんなことぐらいでバテちゃって」

709 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:44.02 ID:1Jw0A2AO
「いやぁ、女の子絡みだから行ってるつもりはないんだけどなあ……否定できない自分がここにいます」

710 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:44.71 ID:HDzwiEAO
「違うよ、ここに住んでる訳じゃないから」

711 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:47.45 ID:fNEMEkAO
「なんだよインデックス。腹が減って行き倒れでもしたのか?」

712 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:48.67 ID:UxnVMIAO
あきれた声色で訊ねる美琴。

713 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:49.59 ID:jGm/v2AO
遅れて轟音が鳴り響き、衝撃波が学生寮の内部に炸裂した。

714 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:48.59 ID:GLxKSsAO
「くそっ、くそっ……ふざけやがって。一体誰にやられたんだよ!」

715 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:50.20 ID:ADjudAAO
「み、御坂ー! だ、大丈夫……かあ!」

716 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:56.30 ID:R4PmsgAO
美琴ではない、犯人だと名乗る男の声。

717 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:56.25 ID:qjCQU2AO
無意識に下の名前で美琴を呼び、上条は駆ける。

718 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:56.18 ID:l8FDhsAO
あの医者なら、患者をどんなことをしてでも守ると信じられるからだ。

719 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:57.35 ID:38BM8kAO
ビシッ、と敬礼すると、上条は美琴を部屋に置いたまま外に出ようとした。それをとめようと、慌てて美琴が立ち上がる。

720 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:57.62 ID:PpIUXgAO
「ああ、心配しなくても大丈夫だよ。殺しはしない。僕はコレを保護しに来ただけだからね」

721 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 16:59:56.22 ID:ja.6x.AO
雰囲気にあてられ顔を赤らめながらも指をさす者。これは面白いものだとケータイで写真を撮る者。怨嗟の声を上げ、血管がちぎれそうなくらいに睨むもの。

722 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:01.29 ID:24bd1cAO
上条はしかし微細な表情には気づかず、のんきに左手をあげて挨拶した。

723 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:15.83 ID:keitfwAO
「違うよ、ここに住んでる訳じゃないから」

724 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:20.46 ID:/FP0PQAO
別の誰かが襲撃者を抱き上げると、美琴は烈火のごとく怒り、唸る電撃をまとって立ち上がった。

725 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:24.15 ID:lQYFs.AO
地平の彼方に吹き飛ばさん勢いで、ステイルの頬を打ち抜いた。

726 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:24.55 ID:KiUpL.AO
「ぶぶぅっ! し、ししししません! 紳士上条さんは決してそんなやましいことは、し、しませんぞ!」 

727 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:28.05 ID:RPnAQwAO
燻る煙で周りは見えないが、この情況で上条が生きているというには、あまりに絶望的だった。

728 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:28.89 ID:48GKgAAO
「しゃあねえなあ、ったく……よし御坂、やっちまえ!」 

729 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:28.62 ID:9ZbZO.AO
「あっー! ちょっと待って! 仮にコイツのいうことが本当だとしたら――」

730 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:29.95 ID:Jb6QUUAO
だが心配した上条がインデックスを探しに行こうといい出し、制止する美琴を適当にあしらって外に出たのだった。

731 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:30.57 ID:QiJW5oAO
しかし二人にとってはいつものことなので、たいして気にはしてなかった。

732 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:31.29 ID:l7wB4YAO
ため息をつき、訝しげに上条がのぞいてみると、そこには純白のシスターが倒れていた。

733 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:33.02 ID:PD/MWkAO
インデックスの額は気持ちの悪い汗でぬれており、呼吸も一段と粗くなっていた。

734 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:37.15 ID:pmRtdcAO
だが唇を噛んでから、無理矢理に口を開いた。

735 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:37.44 ID:2Kbh0AAO
「……こういうところが旗男だっていうのよ」

736 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:37.92 ID:x3p2csAO
「そこで、生まれたのが……『必要悪の教会(ネセサリウス)』。魔術師を討つために……相手の、魔術を調べ……対抗策、を練る。汚れた敵を討つために……自ら進んで、汚れる役割を持つ」

737 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:38.01 ID:MBgydkAO
雰囲気にあてられ顔を赤らめながらも指をさす者。これは面白いものだとケータイで写真を撮る者。怨嗟の声を上げ、血管がちぎれそうなくらいに睨むもの。

738 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:38.93 ID:JrTPW2AO
目の前の炎の化け物から、身をすくませるような火の粉が飛び散っている。

739 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:39.86 ID:i52zSoAO
そこには美琴にそっくりな少女と、美琴をそのまま幼くしたような少女が立っていた。

740 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:38.64 ID:GLbOfwAO
「お前がよけいなことを話したんだろうが! って、怒鳴りたいとこだけど、そうだな。早くインデックスを助けないと」

741 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:41.51 ID:h0qVcAAO
しかし雷の槍は、上条がとっさに突き出した右手に打ち消される。

742 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:41.45 ID:lmZKFkAO
「お姉様ー、生きてる、ってミサカはミサカは生存確認してみる」

743 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:43.06 ID:dkE1xIAO
「はあーーー。結局アンタは助けにいくのね」

744 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:44.95 ID:NlVr4.AO
「ふにゃ〜〜」

745 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:49.08 ID:vDccfUAO
どれだけ食べ物が入るんだと、二人は戦々恐々とした。

746 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:49.09 ID:VjPQlwAO
「私はさんざん恥ずかしいのを苦労して、当麻を名前で呼ぶようになったのに?」

747 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:51.89 ID:ujLQYIAO
「は、灰は灰に、塵は塵に――」

748 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:52.34 ID:RsZH6YAO
だが上条の言葉はそこで途切れた。

749 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:57.98 ID:bCIlEMAO
目の前の素っ裸の少女は、羞恥に頬を赤く染め、涙目になりながらも歯をかち鳴らしている。

750 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:58.48 ID:5LI.xcAO
「ちょ、ちょっと御坂さぁーん、なにをそんなにお怒りに!? って、ビリビリ漏れてる。ビリビリ漏れてますから!」

751 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:00:59.30 ID:g7JeU2AO
「――巨人に苦痛の贈り物を」

752 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:01.10 ID:CzIr7sAO
「なーんにも。別にぃ」 

753 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:02.17 ID:SOtsG6AO
上条は夢を潰された男子学生を代弁するような、白けた目を遣る。

754 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:04.23 ID:1UPCAAAO
(は、反則だー! なんですかこのかわいい御坂さんは! ちょっと目がうるうるしているとこも保護欲を誘われて、でも逆になんかたまらない気持ちになって……って、中学生相手になにを考えてるんだ!)

755 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:05.34 ID:uLjS0AAO
「前方400メートルから、不機嫌そうに上位個体を探す一方通行を視認しました、とミサカは暗に逃げろと告げてみます」

756 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:05.80 ID:f7afj2AO
「御坂? なにかいったか」

757 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:08.18 ID:HwmkF6AO
「あまりの朴念仁ぶりに呆れてものもいえません、とミサカは全てのミサカを代表して嘆いてみます」

758 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:09.71 ID:ctJ37QAO
「そっちだって魔術とは違うけど、電撃とか出してたくせに。なのに魔術は信じられないの?」

759 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:13.60 ID:AilurEAO
襲いかかるイノケンティウスを、上条はハエでも追い払うかのように右手で払った。 

760 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:13.57 ID:AQITTYAO
人一人をあっさり殺してみせたステイルだが、その声に揺らぎはない。あるのは人殺しと害虫駆除を混同しているような、背筋を凍らせる冷淡なもの。

761 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:14.57 ID:U.YJFoAO
命がけの戦闘を以前に経験していなければ、足がすくんでそのまま焼き切られていたかもしれない。

762 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:14.08 ID:WVf.9wAO
いつの間にか地べたに座り込み、のの字を書く美琴を、打ち止めが優しく抱擁し、御坂妹は冷たい目で上条を見た。

763 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:15.98 ID:jDA7icAO
それだけで美琴の意図を読んだ上条は、とっさに美琴に向かって右手をかざす。

764 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:16.86 ID:dHVgh6AO
「ひゃ、ひゃい? と、当麻?」

765 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:17.77 ID:vixUbAAO
そのすぐ隣にいつの間にか立ち上がっていたステイルは、痛む頬を気にしながらも、炎の巨人の名を呼んだ。

766 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:17.25 ID:tO/9VgAO
いつの間にか側にいた彼は、そっと美琴の肩に手を置いた。

767 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:29.74 ID:yELRYgAO
美琴の異様な笑みに一瞬飲まれ、ステイルは炎剣を震わす。しかし弱い電撃を操ることしかできない小娘だと思い返し、持ち直した。

768 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:31.57 ID:pNhQ1AAO
いぶかしげに上条の横まで歩き、彼が瞬きもせずに見つめる先を見る。

769 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:34.74 ID:nuL7U6AO
「わかんないけど、現にインデックスがここに侵入した以上、そういう可能性もあるってことよ」

770 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:35.94 ID:PpIUXgAO
幻想殺し(イマジンブレイカー)。

771 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:37.51 ID:k1MyA2AO
その気になれば雷すら落としてみせる彼女にとって、この程度の技は動作もない。

772 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:37.38 ID:DzSDGEAO
「ぐ……ぐぐぐ。み、御坂さまです」

773 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:39.03 ID:6v6bk6AO
とっぴな答えに二人の声が綺麗に重なった。

774 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:41.81 ID:00.BTEAO
目の前の炎剣から、恐ろしい熱気が伝わってくる。こんなもので叩き切られれば、骨まで残さず消滅してしまうだろう。

775 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:43.81 ID:HKohWsAO
ステイルはようやく気づいた。

776 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:44.58 ID:vJr3WwAO
よくよく見れば紙にはなにか文字が書かれていた。しかしそれは滲んでいて、元がなんの文字であったかはわからない。

777 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:46.93 ID:4/iwbwAO
こうして二人の奇妙な関係は、今でも続いている。 

778 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:46.99 ID:6rZDD2AO
上条は美琴を気に掛けながらも、打ち止めの言葉の続きを待つ。

779 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:49.33 ID:8pIjToAO
「えっと、まあとりあえず、自己紹介でもしましょうか。私の名前は御坂美琴。隣のバカは上条当麻。で、あなたの名前教えてくれない?」

780 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:49.75 ID:OHVN9IAO
散々走りに走り、クラスメートから命からがら逃げ出した上条は、繁華街の一角にいた。

781 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:51.29 ID:8uQ02.AO
「……おい、インデックス、大丈夫か? なあ、おい!」

782 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:51.19 ID:16ks2QAO
「……アンタそれ、本気でいってる?」

783 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:51.41 ID:24bd1cAO
他の階にはやはりあの紙が貼られていて、訝しげに紙を右手でとってみるが、紙が破れることはなかった。

784 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:51.28 ID:t1glh.AO
インデックスは、顔をくしゃりとゆがませた。上条の背中に顔をうずめ、嗚咽をもらす。

785 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:52.90 ID:ePbFNsAO
その瞬間、信じられないことが起こった。

786 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:56.88 ID:sRylWsAO
「本当よ。このバカに私の電撃防がれてたの見てたでしょ?」

787 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:58.41 ID:GLxKSsAO
そんな上条の突飛な行動と真剣な表情に、美琴は訳もわからず頬を赤らめた。

788 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:01:59.46 ID:HDzwiEAO
「はあーーー。結局アンタは助けにいくのね」

789 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:00.85 ID:l8FDhsAO
二人の目の前、そこには――

790 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:01.34 ID:jGm/v2AO
その風紀委員は突然目の前で消えると、鬼神も裸足で逃げ出しそうな世にも恐ろしい表情で、上条の眼前に現れ飛びかかった。

791 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:02.22 ID:fNEMEkAO
「お二人とも、周囲の不特定多数の人間に見られていますよ、とミサカはお姉様の真の実力に驚愕しながらも、どうにかピンク色空間を破壊するために進言します」

792 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:03.49 ID:QOOyqwAO
「み、御坂さぁーん。あなたはすばらしいお人です! 神様です! ありがとうございます。ありがとうございます!」

793 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:04.14 ID:vjP2I2AO
そういいながらも美琴の放った電撃を右手で打ち消し、上条は両手をあげてはおろし大仰に謝った。

794 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:04.21 ID:23ASkQAO
「異能の力はなんだろうと、幻想殺しで消せるんじゃないの?」

795 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:06.24 ID:UxnVMIAO
「俺はなんにも悪くないから。さわれっていったのはお前だからね。しかも全然ラッキーじゃねえし……」

796 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:08.87 ID:ADjudAAO
「なにあれ? あんなのあり?」

797 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:12.35 ID:ja.6x.AO
「白井さんのことはお任せ下さい! 御坂さんは安心して、上条さんとのデートを楽しんできて下さいね♪」

798 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:12.36 ID:48GKgAAO
もしかすると、紙ではなくこの文字に異能の力が宿っていたのかもしれない。スプリンクラーの水が、プリントされていた文字を滲ませたのか。ならば美琴が放った電撃が、偶然にもスプリンクラーを作動させたことは、運が良かった。

799 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:14.43 ID:qjCQU2AO
「上条貴様、また問題を起こしたのか!」

800 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:21.21 ID:d0GooYAO
隣で美琴が震えている。

801 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:21.67 ID:x4FKmIAO
「は、はい……」 

802 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:22.03 ID:/FP0PQAO
「あはははは! どうやカミやん! こない援軍連れてきたら、さすがの幻想殺しでも殺しきれんやろ?」

803 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:24.03 ID:akn3kgAO
「原石? ダイヤモンドやルビーとかの?」

804 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:24.56 ID:keitfwAO
代わりに隣で、私はさんざん苦労して手にいれたのに、と美琴がぶつぶつなにかいっていたことに、上条は気づいていない。

805 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:24.60 ID:lQYFs.AO
上条の右手は異能の力しか打ち消せない。決して脱衣能力があるという訳ではない。

806 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:26.98 ID:38BM8kAO
「ごふっ! こ、こらこら打ち止めさんや。そういうことは一方通行にしてもらいなさい」

807 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:26.96 ID:Ies802AO
なのに彼女は、主人公が差し出す手を払いのけようとする。

808 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:28.68 ID:MBgydkAO
「……いつか、わからせてやるんだから」

809 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:27.64 ID:Jb6QUUAO
ステイルは目の前に起きた現象を信じられず、もはや存在しない炎の巨人を呼んだ。

810 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:27.61 ID:jQP2KsAO
生唾を無意識に飲み込み、少しでも情報を得ようと問いかける。

811 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:30.63 ID:t9LDl.AO
出会った当初は、自分の電撃が効かない上条にムキになった美琴が追いかけ回し、それを上条が軽くあしらう関係であった。今のように美琴がしょっちゅう上条の部屋に来るなど、絶対にありえなかった。

812 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:33.66 ID:NxlZMUAO
気づいたら、かつて絶望していた自分を救ってくれた、美琴の主人公と叫んでいた。

813 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:34.14 ID:LsiC2sAO
上条が険悪な雰囲気になり始めた、そっくりな二人の少女によこやりをいれる。

814 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:36.08 ID:9ZbZO.AO
中にはあからさまに、怨恨のこもった目で上条を睨む男たちがいた。

815 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:35.79 ID:lmZKFkAO
「ああ。どっちだろうと、俺には関係ない。超能力だろうが魔術だろうが、それが異能の力なら、幻想殺しで消せる」

816 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:36.01 ID:RPnAQwAO
ため息をつき、訝しげに上条がのぞいてみると、そこには純白のシスターが倒れていた。

817 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:37.45 ID:g7JeU2AO
二人は安心させるように、穏やかな笑顔をインデックスに向けた。

818 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:37.36 ID:16R2JsAO
しかし次の瞬間、パキュンという甲高い音がした。

819 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:38.26 ID:QiJW5oAO
といいながら美琴妹は美琴の顔をおしぼりで拭く。実際は拭くというよりも、乱暴に擦るといったもので、美琴は顔をしかめながら目を覚ました。

820 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:42.65 ID:a6HA3.AO
「んん? なんだ?」

821 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:42.88 ID:PD/MWkAO
「くそっ、急ぐぞ美琴!」

822 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:43.46 ID:JrTPW2AO
上条は己のスルースキルを、初めて貫通して生まれた感情に揺さぶられていた。

823 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:42.36 ID:R4PmsgAO
「美琴は帰らなくていのか? もうそろそろ門限迫ってるんだろ」

824 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:42.32 ID:KiUpL.AO
頬を若干ぴくぴくさせながらも、右手でインデックスの修道服をつかむ。

825 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:42.83 ID:l7wB4YAO
「何度消そうと無駄だ。イノケンティウスは何度でも甦る」

826 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:45.90 ID:x3p2csAO
「てんめえ、上条! よくも補習逃れて常盤台中の女の子と遊ぶといううらやま、いやけしからん行為を働いたなあ!」

827 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:47.55 ID:dHVgh6AO
「いや、それはこいつが、御坂妹と区別するためにそう呼べって」

828 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:53.93 ID:NlVr4.AO
「う、うん。か、感謝しなさいよね。」

829 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:55.10 ID:GLbOfwAO
最後の愚痴は小さすぎて聞き取れなかった上条は、腕を大げさに振るう。

830 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:55.67 ID:YLLBXMAO
「み、みなさーん! お、おちついてくださーい! 喧嘩はよくないですよー!」

831 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:59.31 ID:Kl7KjgAO
その傍らインデックスも「魔術は本当にあるんだもの。でも魔力がないから私は使えないだけだもん」と、よくわからない魔術用語混じりに言い張るが、二人はとてもじゃないが信じられなかった。

832 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:02:59.45 ID:ujLQYIAO
花飾りの少女、初春はにこやかなのにどこか腹黒さを感じさせる笑顔で、黒子を引きずり去っていった。

833 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:02.14 ID:AQITTYAO
背中に張りついた打ち止めを下ろし、上条は埃を払って立ち上がる。

834 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:02.84 ID:vDccfUAO
ねじ曲げた腰のバネを解放するように、右拳を突き出す。

835 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:04.43 ID:dSrhoEAO
しかしそれでも上条は渋った。

836 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:06.17 ID:VjPQlwAO
上条の拳が、もう一度ステイルの頬を打ち抜いた。

837 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:04.40 ID:bCIlEMAO
「――巨人に苦痛の贈り物を」

838 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:06.91 ID:h0qVcAAO
学園都市にばれずに超能力を使うなど、不可能なのだ。

839 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:08.46 ID:SOtsG6AO
「あー、もうっ! なんで超能力は信じて魔術は信じないんだよ! 魔術はちゃんとあるっていってるのに。そんなに超能力は素晴らしいっていうの? ……じゃあみことは電撃を出せるとして、とうまはなんの力を持ってるのかな?」

840 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:08.72 ID:pmRtdcAO
とりあえず電撃を飛ばし、咄嗟に振り返って打ち消す上条の情けない顔を見て溜飲を下げると、美琴は襲撃者とその連れに振り返った。

841 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:09.40 ID:5LI.xcAO
誰に問うた訳でもない上条の疑問に、しかし返答する者がいた。

842 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:10.62 ID:fG/r0UAO
「いやいや、さすがにわざとじゃなくても、あんな仕打ちをしてしまったからには、人間としてほっとけないのが筋でしょうよ」

843 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:12.82 ID:AilurEAO
「……そうです」

844 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:12.89 ID:CzIr7sAO
「アンタねえ、人のこと勝手に値踏みしないでよ。アンタがいくら汚れてるっていっても、アンタがいくら危ないっていってもねえ」

845 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:13.60 ID:utMMUsAO
理性的な判断をとれなくなってきた上条が、思わずインデックスの身体を揺さぶろうとする。

846 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:14.56 ID:1UPCAAAO
「あー悪い御坂。さすがにちょっと疲れたわ」

847 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:17.46 ID:HyWl5MAO
「あのなあ、なに中学生が熱い夜とかぬかしてるんだよ」

848 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:18.96 ID:HwmkF6AO
知らぬ間に足が一歩下がっていた。握った手が汗で滑る。

849 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:19.37 ID:uLjS0AAO
「アンタ、前にもいったけどお嬢様に幻想を持ち過ぎよ。うちの中学には、これよりもっと行儀の悪いことをやっている子もいるわよ」

850 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:22.41 ID:8uQ02.AO
「素人にはわからないだろうけど、まあいい。教えてあげようか。コレはね、一〇万三〇〇〇冊の魔導書を持っているんだ」

851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:22.69 ID:WVf.9wAO
「あっ! お姉様発見! こんにちはーと挨拶しながら、ミサカはミサカはお姉様に突貫してみたり!」

852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:28.14 ID:jDA7icAO
「とうま……おろし、て」

853 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:29.98 ID:pNhQ1AAO
「ひゃ、ひゃい? と、当麻?」

854 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:32.15 ID:5QbxzQAO
美琴の周囲で青白い光が爆ぜた。美琴の激情に感応し、今にもステイルに襲いかかろうとしている。

855 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:32.45 ID:6v6bk6AO
「あっ、いや何でもない。ていうことは、インデックスがその原石だっていいたいのか?」

856 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:35.55 ID:f7afj2AO
「ふん、いくら来たからって返り討ちにしてやるわ。だからアンタは大人しく助けられてなさい」

857 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:36.57 ID:00.BTEAO
スパークする美琴に、やれやれとうんざりしながらも、上条は信頼の笑みと共にいった。

858 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:38.32 ID:nuL7U6AO
ツンツン頭の少年が、傷一つもなしに一本の矢のように駆け、迫っていた。

859 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:38.79 ID:vjP2I2AO
「ほら、どうせお前もなんだかんだいいながら、ついてくるんだろ。さっさと次探そうぜ?」

860 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:40.30 ID:ctJ37QAO
「アンタねえ、これ以上痛い嘘を重ねても、哀れなだけよ」

861 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:40.38 ID:vixUbAAO
魔術師という単語が、脳裏をちらつく。

862 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:38.24 ID:wjqH0QAO
なぜなら己の右手を信じているから。

863 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:38.28 ID:U.YJFoAO
人一人をあっさり殺してみせたステイルだが、その声に揺らぎはない。あるのは人殺しと害虫駆除を混同しているような、背筋を凍らせる冷淡なもの。

864 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:40.76 ID:HKohWsAO
「ひゃ、ひゃい? と、当麻?」

865 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:40.32 ID:PpIUXgAO
ステイルの炎剣が、美琴の叫び声でとまるはずもない。

866 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:41.84 ID:yELRYgAO
「っく、なんで!」

867 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:45.45 ID:t1glh.AO
いつどちらがキレるかという情況であった。

868 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:46.60 ID:4/iwbwAO
上条がいぶかしげに問いかける。しかし美琴は振り返るどころか返事すらしない。

869 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:47.28 ID:QOOyqwAO
「でも、アンタには関係ないでしょう?」

870 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:48.40 ID:OHVN9IAO
「な、なぜだ? ルーンはまだ残っているはずなのに。なぜイノケンティウスが……」

871 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:48.90 ID:8pIjToAO
「いや、俺にふられてもなにがなんだか……」

872 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:54.13 ID:jGm/v2AO
上条の額から、熱気が原因ではない汗が流れる。

873 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:55.27 ID:24bd1cAO
美琴は力強く笑い、炎剣を恐れずに立ち上がる。

874 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:56.14 ID:ePbFNsAO
上条は背中にいるインデックスを後ろ見、美琴はその手を握る。

875 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:56.09 ID:vJr3WwAO
脈絡もないことを訊ねる美琴に、首をかしげながらも上条は素直に答えた。

876 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:03:59.23 ID:GLxKSsAO
ここまで美琴の行動パターンが読めれば、美琴が上条にホレていると考えてもおかしくないのだが、気づけないのが上条当麻である。

877 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:00.21 ID:38BM8kAO
生唾を飲み込み、もう一度名前を呼ぶ。

878 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:04.27 ID:16ks2QAO
「…………私は、その必要悪の教会で、一〇万三〇〇〇冊の魔導書を完全記憶し、管理する、禁書目録(インデックス)なの」

879 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:06.83 ID:ADjudAAO
核弾頭という不穏当な言葉に、美琴は内心驚く。

880 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:09.85 ID:23ASkQAO
人一人をあっさり殺してみせたステイルだが、その声に揺らぎはない。あるのは人殺しと害虫駆除を混同しているような、背筋を凍らせる冷淡なもの。

881 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:09.73 ID:HDzwiEAO
上条は己のスルースキルを、初めて貫通して生まれた感情に揺さぶられていた。

882 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:09.68 ID:keitfwAO
「こんにちは、と挨拶を返しながらも、ミサカはまだ紅潮したまま手を離そうとしないお姉様を冷たく見つめます」

883 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:10.48 ID:1Jw0A2AO
散々走りに走り、クラスメートから命からがら逃げ出した上条は、繁華街の一角にいた。

884 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:12.13 ID:qjCQU2AO
燻る煙で周りは見えないが、この情況で上条が生きているというには、あまりに絶望的だった。

885 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:12.66 ID:R4PmsgAO
耳を塞いで騒ぎ立てる上条に、美琴は手を叩いた。

886 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:12.16 ID:ja.6x.AO
すると周りの学生がいっせいに立ち止まり、ざわめき始めた。

887 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:17.68 ID:a6HA3.AO
壊れたラジオのようにぶつぶつと何事かを呟く御坂に、ひきつった笑みを浮かべる。

888 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:17.62 ID:UxnVMIAO
「……はあ、まったく。ついてねーよな。お前、本当についてねーよ」

889 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:18.02 ID:sRylWsAO
「殺す……君はここで殺す! 殺れ、イノケンティウス!」

890 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:20.60 ID:d0GooYAO
「当麻、なんで――」

891 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:20.67 ID:jQP2KsAO
「前方400メートルから、不機嫌そうに上位個体を探す一方通行を視認しました、とミサカは暗に逃げろと告げてみます」

892 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:22.07 ID:lQYFs.AO
魔術師という単語が、脳裏をちらつく。

893 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:22.78 ID:akn3kgAO
訳のわからないことをいってたので、上条は空き缶を握り潰し、拳を握った。

894 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:22.75 ID:x4FKmIAO
美琴の抗議を無視し、上条は神裂に語りかける。 

895 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:22.82 ID:t9LDl.AO
イノケンティウスは、先ほどまでとは比べものにもならないくらいに、弱々しい炎となっていた。強風が吹けば、消え去ってしまうと思えるほどに。

896 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:23.54 ID:egpw6cAO
しかし先ほどまで散々に電撃を浴びせた炎の巨人を見て、怪訝そうな顔をする。

897 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:24.93 ID:fNEMEkAO
渋い顔をしながら、美琴のおでこをつついた。

898 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:24.95 ID:Jb6QUUAO
いつの間にか、人の気配がなくなっている。それどころか物音一つしない。

899 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:26.47 ID:NxlZMUAO
来る! 

900 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:28.72 ID:JrTPW2AO
「干されてたんじゃないよ。魔術結社に追われてて、逃げるときに飛び降りたら引っかかっちゃったんだよ」

901 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:28.39 ID:/FP0PQAO
我を失っているステイルに、拳を強く握る。

902 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:28.71 ID:MBgydkAO
「確か俺たち二人分あったよな。それで足りないって」

903 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:28.34 ID:48GKgAAO
まるで仇のように、清掃ロボットを乱暴にどかした。

904 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:32.30 ID:16R2JsAO
「ちょっと家電が壊れたからって、生意気いってるんじゃないわよ。アンタどれだけ私に借りがあるって思ってるの?」

905 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:32.71 ID:lmZKFkAO
別の誰かが襲撃者を抱き上げると、美琴は烈火のごとく怒り、唸る電撃をまとって立ち上がった。

906 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:34.24 ID:pmRtdcAO
それは次第に人の形をとり、炎の巨体をゆっくりと立ち上げる。

907 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:39.32 ID:9ZbZO.AO
ただそれは美琴に比べるとあまりにも小さすぎて、その正体に気づくことはできないでいたが。

908 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:39.31 ID:RPnAQwAO
「いや、そうだような。さすがに御坂に払ってもらうのは駄目だよな。金ならなんとかするから、お前が気にする必要はないぞ」

909 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:40.41 ID:KiUpL.AO
別の誰かが襲撃者を抱き上げると、美琴は烈火のごとく怒り、唸る電撃をまとって立ち上がった。

910 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:40.37 ID:PD/MWkAO
一方通行を憎悪の目で睨む美琴を思い浮かべる。

911 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:42.52 ID:LShs4YAO
「アンタ、前にもいったけどお嬢様に幻想を持ち過ぎよ。うちの中学には、これよりもっと行儀の悪いことをやっている子もいるわよ」

912 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:45.16 ID:GLbOfwAO
「思ってても、もらしちゃ駄目でしょうが!」

913 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:45.55 ID:2Kbh0AAO
あきれた声色で訊ねる美琴。

914 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:47.21 ID:RsZH6YAO
「邪魔だ!」 

915 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:48.34 ID:x3p2csAO
お互い平行線のまま会話が進み、ピリピリとした空気が三人の間に漂っている(正確には美琴とインデックスが睨みあっていて、上条は恐れ混じりに縮こまっている)。

916 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:48.30 ID:h0qVcAAO
土下座をせんばかりに美琴を褒め称えた。

917 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:48.88 ID:dkE1xIAO
「はい、交代。もうなんか私疲れたから、あの子のいう通り、右手で修道服をさわるなりなんなりして、あやしてあげて」

918 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:53.88 ID:NlVr4.AO
「ふん。超能力者か。厄介とまではいかなくても、うざったいな。まあいい。どうせ目撃者は殺すことになってるんだ。邪魔するなら排除すればいいさ」

919 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:54.84 ID:l7wB4YAO
先の戦闘の余韻もよそに、上条は美琴をたしなめた。

920 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:58.02 ID:Kl7KjgAO
「…………」

921 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:59.61 ID:ujLQYIAO
ため息をつき、訝しげに上条がのぞいてみると、そこには純白のシスターが倒れていた。

922 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:59.86 ID:vDccfUAO
全国からありとあらゆる学生を集め、超能力開発をしている学園都市では、学生がその実験の対象となる代償として、レベルに応じた奨学金を払っている。学園都市に七人しかいないレベル5と、最低ランクであるレベル0では、それはもう天と地との額の差がある。

923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:04:59.05 ID:i52zSoAO
イノケンティウスは豪と炎を滾らせながら、獲物に迫る。

924 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:00.87 ID:OI3ZJAAO
「なに急にしんみりした顔で見てるのさっ! じゃあ先にみことが電撃流してみなよ」

925 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:01.58 ID:dSrhoEAO
「……ん、んん」 

926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:03.30 ID:AQITTYAO
目の前の素っ裸の少女は、羞恥に頬を赤く染め、涙目になりながらも歯をかち鳴らしている。

927 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:04.44 ID:AilurEAO
「魔術師だよ」

928 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:03.71 ID:5QbxzQAO
いきなりなオカルト用語に、美琴は困惑を覚える。先ほどの炎剣は能力によるものかと思ったのだが、普段なら笑ってしまうような別の可能性が浮上した。

929 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:05.94 ID:bCIlEMAO
ここまで美琴の行動パターンが読めれば、美琴が上条にホレていると考えてもおかしくないのだが、気づけないのが上条当麻である。

930 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:09.88 ID:fG/r0UAO
「う、み、みみ、御坂?」

931 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:09.86 ID:f7afj2AO
(そうだよな。簡単に割り切れる訳ないもんな。額を打ち抜かれても、打ち止めを救おうとしたあいつを見なかったら、御坂はもっと黒い感情に捕らわれてただろうし……)

932 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:13.28 ID:CzIr7sAO
「悪いな打ち止め。今人捜しの真っ最中なんだ。……あんまりちゃんとできてない気もするけど、とにかく、遊ぶのは今度な」

933 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:17.24 ID:HwmkF6AO
お嬢様学校で有名な名門常盤台中学の制服を着ていて、間違ってもいたって普通の学生寮、それも男子寮にいてもいい少女ではない。

934 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:19.38 ID:ctJ37QAO
ワクワクと食べ物を出してくれると疑わないインデックスを、どうにか宥めながらも、美琴は内心ため息をついた。

935 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:22.73 ID:WVf.9wAO
美琴は気丈にもステイルを睨んだ。声に震えはなく、目からは憎悪が伝わってくる。

936 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:22.81 ID:U.YJFoAO
「アンタねえ、人のこと勝手に値踏みしないでよ。アンタがいくら汚れてるっていっても、アンタがいくら危ないっていってもねえ」

937 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:22.78 ID:5LI.xcAO
しばしの間があったが、結局は折れた上条は、美琴に笑いかけた。

938 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:24.48 ID:jDA7icAO
散々走りに走り、クラスメートから命からがら逃げ出した上条は、繁華街の一角にいた。

939 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:24.90 ID:vixUbAAO
上条は煩悩退散と頭の中で繰り返しながら、美琴の質問に答えようとする。

940 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:25.78 ID:yELRYgAO
「だめ、だよ……まだ一人……魔術師が残ってる。……それ、に……その魔術師を……倒したとしても、また新しい、魔術師が来るかも、しれない……んだ、よ」

941 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:27.94 ID:1UPCAAAO
「み、見たわね」

942 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:30.02 ID:uLjS0AAO
美琴の顔はこれでもかというほど赤く染まっていた。目の焦点なんて合っていない。

943 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:30.06 ID:VjPQlwAO
己の参上に気づいた美琴は、慌ててスカートを直すと上条を睨んだ。

944 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:33.39 ID:HyWl5MAO
美琴は力強く笑い、炎剣を恐れずに立ち上がる。

945 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:34.12 ID:8uQ02.AO
よくよく見れば紙にはなにか文字が書かれていた。しかしそれは滲んでいて、元がなんの文字であったかはわからない。

946 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:35.97 ID:DzSDGEAO
可愛く首を傾げる美琴に、上条の理性が萌え死にそうになる。

947 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:40.26 ID:tO/9VgAO
この二人には特殊な事情があった。

948 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:41.68 ID:00.BTEAO
ただでさえ羞恥心でいっぱいいっぱいだったのに、アイアンメイデンな修道服を、思い切り美琴に笑われたのがとどめとなったのだろう。

949 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:43.04 ID:nuL7U6AO
上条が険悪な雰囲気になり始めた、そっくりな二人の少女によこやりをいれる。

950 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:42.99 ID:k1MyA2AO
この二人には特殊な事情があった。

951 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:44.29 ID:16ks2QAO
「ふにゅう…………」

952 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:45.20 ID:wjqH0QAO
自身にも撃たれたこともある超電磁砲を見て、上条はたしなめながらも震える。

953 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:05:49.63 ID:YLLBXMAO
ついさっきまでは旺盛な食欲で昼食を平らげ、美琴と元気よく言い合っていたはずなのに。

954 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:07.78 ID:pNhQ1AAO
ライバル何人増やすつもりよ、と美琴は呟くが、上条の耳にはほとんど届いていない。

955 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:08.92 ID:8pIjToAO
しかし消えたかと思うと、またすぐに復活した。

956 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:11.02 ID:HKohWsAO
こうして今、上条はインデックスを背負い走っている。

957 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:13.69 ID:t1glh.AO
「お二人とも、周囲の不特定多数の人間に見られていますよ、とミサカはお姉様の真の実力に驚愕しながらも、どうにかピンク色空間を破壊するために進言します」

958 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:15.47 ID:sRylWsAO
大規模な漏電を押さえられぬまま倒れる美琴を、上条は右手で抱き留めるはめになった。

959 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:20.03 ID:vJr3WwAO
「いや、さすがにこれ以上追撃するのは酷じゃない」

960 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:21.34 ID:ePbFNsAO
「こんにちは、と挨拶を返しながらも、ミサカはまだ紅潮したまま手を離そうとしないお姉様を冷たく見つめます」

961 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:22.35 ID:6rZDD2AO
釈然としない顔をした美琴の横から上条がいう。

962 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:23.73 ID:23ASkQAO
インデックスは、顔をくしゃりとゆがませた。上条の背中に顔をうずめ、嗚咽をもらす。

963 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:26.33 ID:1Jw0A2AO
美琴の電撃を受けたはずのステイルが、無傷のまま呆然と呟いていた。

964 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:26.29 ID:HDzwiEAO
「……はあ、まったく。ついてねーよな。お前、本当についてねーよ」

965 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:28.03 ID:GLxKSsAO
美琴の抗議を無視し、上条は神裂に語りかける。 

966 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:28.78 ID:fNEMEkAO
「私の名前は、インデックスだよ」

967 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:30.67 ID:UxnVMIAO
(不法侵入者でもあるし、あんまり関わりあわないほうがいいんじゃない?)

968 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:32.54 ID:OHVN9IAO
人一人をあっさり殺してみせたステイルだが、その声に揺らぎはない。あるのは人殺しと害虫駆除を混同しているような、背筋を凍らせる冷淡なもの。

969 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:32.49 ID:38BM8kAO
上条はなるべく振動が伝わらないように、けれどなるべく早く走る。

970 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:34.01 ID:24bd1cAO
上条の額から、熱気が原因ではない汗が流れる。

971 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:34.91 ID:ADjudAAO
「へ? そうなのか。いやでも、やっぱさすがに悪いからさ、気にしなくていいよ」

972 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:35.93 ID:R4PmsgAO
目の前の炎剣から、恐ろしい熱気が伝わってくる。こんなもので叩き切られれば、骨まで残さず消滅してしまうだろう。

973 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:37.73 ID:ja.6x.AO
釈然としない表情でむくれる美琴に向かって、上条は指さした。

974 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:40.13 ID:jGm/v2AO
ステイルが目で示した先には、インデックスが倒れている。

975 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:40.86 ID:qjCQU2AO
上条は「あっ、俺用事があって」と逃げだそうとしたが、美琴に襟をがっちりつかまれ逃げられない。

976 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:42.33 ID:Ies802AO
釈然としない表情でむくれる美琴に向かって、上条は指さした。

977 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:42.90 ID:jQP2KsAO
「ちったあ俺たちのことを、信用しとけ」 

978 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:42.28 ID:x4FKmIAO
「本当に、気が強い子だね。でももう強がりはおしまいさ」

979 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:45.53 ID:NxlZMUAO
「いやいや、お前の問答無用の電撃の方が理不尽ですから!」

980 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:47.01 ID:d0GooYAO
上条は怒声を上げ、バーコードの男に殴りかかった。だが怒り任せの拳は届くことはなく、上半身を軽く逸らされるだけで躱される。

981 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:50.21 ID:akn3kgAO
学生が外に出て超能力を使った可能性もあるかもしれないが、ほとんどありえないだろう。外に出た学生は超能力の使用を禁じられるし、出るときにそれを見張るための処置も施される。 

982 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:50.33 ID:LsiC2sAO
「って、ちょっと待て! お嬢様にあるまじきことをいいながら、電撃飛ばすな!」

983 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:56.14 ID:a6HA3.AO
「でもでも、あの人はミサカがのったらつぶれるよ、ってミサカはミサカはあまりの虚弱体質を嘆いてみる」

984 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:58.53 ID:16R2JsAO
己の参上に気づいた美琴は、慌ててスカートを直すと上条を睨んだ。

985 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:06:59.80 ID:KiUpL.AO
それでも美琴は恐れない。

986 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:01.13 ID:/FP0PQAO
「アナタは本当にどうしようもない方ですね、とミサカはやれやれと肩をすくめます」

987 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:03.47 ID:9ZbZO.AO
「だめ……私は、助けてもらえる……ような、人間じゃ、ないんだよ……」

988 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:03.77 ID:lmZKFkAO
ちっちゃい美琴、打ち止め(ラストオーダー)はそういって美琴に抱きついた。今度はどうにか受け止める。

989 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:05.54 ID:QiJW5oAO
「み、御坂妹の方か? ち、違いますよ? 上条さんは中学生に欲情するような人間じゃあ……抱きしめようとはしたが、ってぎゃあああああああああああなしなし今のなしだぁぁぁぁぁぁぁっ!」   

990 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:06.98 ID:l7wB4YAO
「そもそも御坂、この悲惨な現状は元々お前のせいだろうが。昨日手加減せずに極大の雷を落としやがって。見ろ、おかげで上条さんの家電さんたちの八割はお亡くなりになってしまったじゃねえか!」

991 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:09.76 ID:MBgydkAO
それは当然のことだ。

992 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:09.84 ID:PD/MWkAO
「う、ううう……。不肖、上条当麻です」

993 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:11.03 ID:g7JeU2AO
「んで、この子だれ?」

994 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:12.41 ID:RPnAQwAO
「殴るわよ」

995 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:12.68 ID:2Kbh0AAO
そういうと炎剣を美琴に向け直す。それに動揺したように、美琴は辺りをきょろきょろ見渡した。

996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:12.38 ID:Jb6QUUAO
「う、ううう……。不肖、上条当麻です」

997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:13.39 ID:x3p2csAO
ここまで美琴の行動パターンが読めれば、美琴が上条にホレていると考えてもおかしくないのだが、気づけないのが上条当麻である。

998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:14.28 ID:GLbOfwAO
様々な人間の、目、目、目。

999 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:15.37 ID:i52zSoAO
上条当麻には、イノケンティウスに勝つことは不可能だ。

1000 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 17:07:16.16 ID:h0qVcAAO
「アンタなにすんのよ!」

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