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純「ジャズけん!」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 03:22:28.98 ID:9n2kvUAO
ここならダラダラ書いてもいいと聞いたのでダラダラやります
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 03:33:03.41 ID:9n2kvUAO
#1

4月、今年から高校生になりました。


純「憂はお弁当作ってるんだっけ?」

憂「うん、そうだよ」

純「毎朝大変でしょ?私なんて絶対無理だよ」

憂「そう?結構楽しいよ」

純「へぇ〜…まぁ憂はそういうの好きそうだもんね」

憂「えへへ」

純「あーあ、私もう購買のパンなんて飽きちゃった。給食が恋しい」
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 03:42:14.53 ID:9n2kvUAO
純「今思うとさ、給食って毎回違うメニューだから飽きないじゃん。しかもたまに美味しいのがあるし」

憂「なんかつい最近のことなのに懐かしいね」

純「高校も給食だったらよかったのに!」

憂(お姉ちゃんは給食と私のお弁当どっちが好きかな…)

純「カレーが食べたい…」

憂「純ちゃんは自分でお弁当作らないの?」

純「だから私には無理だよ。毎朝早く起きて作るなんて」

憂「一回やってみればいいんじゃない?慣れれば続くかもしれないし」

純「…こう見えてもさ、中学の時はお弁当生活に憧れてたんだよ」

憂「え?」
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 03:56:47.51 ID:9n2kvUAO
純「朝早く起きて、自分の好きなおかずばっかり入ったお弁当作ったりして」

純「カレーとか」

憂「カレーはお弁当には難しいんじゃないかな…」

純「それでね、お昼休みにはみんなでワイワイしながら食べて…」

純「『あ、それ美味しそう。私のと交換しようよ』『うん、いいよ』」

純「なんておかず交換して…」

純「いつの間にか料理も上達して、家庭科の成績も上がったりして充実した学校生活を送りたかったの!」

純「……送りたかったんだけど」

憂「だけど?」

純「私には無理だった。体が動こうとしない」

憂「あはは…」
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 04:07:30.21 ID:9n2kvUAO
純「なんか理想と違うんだよね〜高校生活。もっと大人になってると思ったんだけど…」

憂「制服もぶかぶかだしね。私もまだまだ子供かな」

純「いや…憂は着実に成長してるよ」

憂「え?」

純(胸が)

純「コホン…とりあえず、立派な高校生になるために部活を頑張ってみようと思う」

憂「ジャズ研だっけ?」

純「うん。先輩みたいにかっこよくなりたいな〜って…」

純「あっ、ごめんね軽音部」

憂「ううん、純ちゃんが自分で決めたならしょうがないよ」

憂「それになんとか新入部員も入ったってお姉ちゃん喜んでたし」

純「その新入部員って確か…」





梓「……」
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 04:15:53.87 ID:9n2kvUAO



純「えっと確か…」

憂「中野梓ちゃんだよ」

純「そうそう、それそれ!」

憂「かわいいよね〜」

純「なんか高校生に見えないよね」

憂「ギターがすごく上手なんだって。お姉ちゃんが言ってた」

純「へ〜」

憂「あと猫耳が似合うらしいよ」

純「猫耳……なぜ猫耳?」

憂「え?」




梓(なんか視線を感じる…)
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 04:26:17.15 ID:9n2kvUAO
純「なんか今まで絡んだことないタイプかも」

憂「声かけてみよっか」

純「ん……そだね」

純(悪い子じゃなさそうだし)

憂「あの〜…梓ちゃん」

梓「あっ…えっと、憂ちゃんだよね?唯先輩の妹の」

憂「うん、お姉ちゃんから梓ちゃんのこと聞いてるよ。ギター上手いんだってね」

梓「あぁ…そんな言われるほどでも」

憂「でもお姉ちゃんすごい褒めてたよ?」

梓「そ、そう?」

憂「うん!」
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 04:36:32.94 ID:9n2kvUAO
憂「梓ちゃんはいつからギターやってるの?」

梓「小学校の頃から…親の影響で」

憂「わぁ、すごいね!それじゃあ上手いのも納得できる」

梓「そんな…私なんてまだまだだよ」

憂「ふふっ、じゃあ今度梓ちゃんの演奏聴かせてね」

梓「う、うん…」

梓(なんか唯先輩と違ってしっかりしてるっぽい…)

純「ねぇ、普段どんな音楽聴いてるの?」

梓「えっ…」
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 04:48:25.04 ID:9n2kvUAO
純「あっ、私は純。鈴木純」

純「憂と中学が一緒だったんだ」

梓「そうなんだ…」

純「ちなみにジャズ研」

梓「ジャズ…ジャズだったらよく聴いてるよ。うちにレコードあるし」

純「へ〜いいな〜」

純「私はジャズ高校から…」

梓「純ちゃんの好きなバンドは?」

純「うん?」

梓「好きなバンド。ジャズでもいろいろあるでしょ?」

純「う、うん…」

梓「どんなバンドが好き?」

純「え…えっとねぇ…」

純(ヤバい…そういうのはまだよく知らないんだよね…)

純(なんて言える空気じゃないかも…)

梓(やっと音楽を語れる友達ができるかも)ワクワク
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 04:59:05.23 ID:9n2kvUAO
純「あー……」

梓「純ちゃん?」

純「……そうだ、梓ちゃんは中学のころどんな給食が好きだった?」

梓「え?」

純「さっき憂と中学の話をしててさ、給食のことで盛り上がってたんだよね〜」

純(これでなんとか誤魔化したい)

梓「給食…」

梓(なんでいきなり給食の話題……音楽は?)

純「給食美味しかったよね」

梓「えっと…」

梓(でも…こういう話には乗った方がいいのかな。高校デビューだし、悪い印象は与えたくないし…)

梓「……うん、給食美味しかったよね」

純「だよね!」

純(よし、なんとか流れが変わった…はず)

梓(これでいいのかな…)
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 05:05:48.91 ID:9n2kvUAO
純「私カレーが好きだったんだ」

梓「うん」

純「スパゲッティも美味しかったよね」

梓「揚げパンとかも」

純「でもあれ大きいから食べてる途中で飽きちゃうよね」

梓「え、そう?」

純「あれ?飽きない?」

梓「うん、牛乳と一緒なら」

純「あぁ…牛乳と一緒ならね」

梓「うん」

純「……」

梓「……」
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 05:14:06.09 ID:9n2kvUAO
梓(あれっ…なんか変なこと言った?)

純(話してたらなんか揚げパン食べたくなってきたなぁ…)

純(お腹すいてきたし…)

純「……」

梓「……」

梓(気まずい…)

純(お腹すいた…)

純「そういえば、憂は料理がすっごく上手いんだよね」

梓「え?」

憂「そ、そうでもないよ〜」

純「そんなことないって、お弁当超おいしいから」
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 05:26:37.29 ID:9n2kvUAO
梓「へぇ…」

純「家では家事全般やってるんだよね。掃除とか洗濯とか」

憂「そんな…特別なことでもないよ」

梓(やっぱりしっかりしてる!)

純「そうだ、せっかくだしお昼三人で食べようよ」

梓「え…」

憂「そうだね」

梓「いいの…?」

純「もちろん、私班で食べるんじゃなくて好きな友達と集まって食べるのが憧れだったんだ〜」

梓(友達…)

憂「梓ちゃんも一緒に食べようよ、ね?」

梓「えっと……う、うん!」

純「じゃあ決まりだね」

梓(友達か…なんだか高校生活うまくいきそう)
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 05:32:37.40 ID:9n2kvUAO
お昼


純「ふぅ、購買でなんとか買えた」

憂「お疲れさま」

純「やっぱり2、3年は手が早いよ。人気の商品があっという間になくなっちゃうんだもん」

梓(購買かぁ…そういえば行ったことないや)

梓(今度行ってみようかな…)

憂「梓ちゃんはお弁当なんだね」

梓「うん」

純「お母さんが作ったの?」

梓「ううん、自分で作ってみた」

純「え…マジ?」
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 05:44:08.45 ID:9n2kvUAO
梓「毎日じゃないけどね。でも、できる時は自分でやろうかなぁって思って」

梓「もう高校生だし」

純「へ、へぇ…そうなんだ」

純(私の当初の目標を実行してる!?)

梓「でも慣れてないから失敗しちゃって…」

憂「そんなことないよ、美味しそうだって」

梓「えー、憂ちゃんの方が美味しそうだよ」

憂「そう?なら玉子焼き交換してみる?」

梓「あ、うん。食べてみたい」

純「……」

純(なに…このおいてけぼり感は…)

憂「うん、充分おいしいよ」

梓「いや…憂ちゃんの方が圧倒的に美味しいんだけど…」
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 05:52:17.44 ID:9n2kvUAO
梓「やっぱり憂ちゃんってすごいんだね」

憂「玉子焼きぐらいでそんな…ねぇ純ちゃん」

純「……」

憂「純ちゃん?」

純「私のドーナッツも交換してー!!」

梓「な、えっ!?」

純「はい、チョコドーナッツ」

梓「あ、ありがとう…」

純「私だって明日からお弁当作ってくるもん!高校生だし」

梓「あ…うん、そうなんだ…」
梓「?」

憂「ふふっ、頑張ってね」

純(よーし…二人をあっと驚かすお弁当作ってやるんだから!)
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 05:54:39.97 ID:A4FrtEAO
期待そして支援
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 06:00:05.75 ID:9n2kvUAO
翌日


純「やったー!今日は購買でいろいろ買えたよ!」

梓「あれ…お弁当は?」

純「え?あぁ、あれね」

純「やっぱ私には無理。起きれないし作れない」

梓「……」

純「それより購買でいかに人気のパンを買えるか挑戦してみようと思うんだ。これも結構楽しいし」

純「目指せゴールデンチョコパン!」ビシッ

純「だからお弁当はいいや。あははっ」

梓「……」

梓(適当だこの人)



#1 おわり
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 06:03:19.49 ID:9n2kvUAO
とりあえずここまで。
今後は純メインでやろうかと思ってます。
ちなみに時系列は一年からで。
あとジャズ研はあまり関係ないかも。
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 07:09:33.78 ID:A4FrtEAO

下級生トリオの今後の活躍に期待
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 13:25:36.43 ID:/nFA8wDO
絵はないのか
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 13:25:59.19 ID:NcEw29MP
素晴らしい!乙!こういうの大好きだ
純ちゃんはもっと好きだが(←ココ重要)

後輩組は先輩組より性格が地味かもしれないが
それゆえにこういう日常的でどうでもいい話がリアルで面白い
あ〜〜マジでこういう新シリーズやってくれないかな…
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 13:32:39.49 ID:tOyAjmco
これはよい後輩ズ
クオリティ高い!
本編の修学旅行中の話みたい
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 14:00:56.33 ID:VRMs93oo
梓がまだ純に遠慮してるとこがリアリティあるね
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 16:42:32.12 ID:awSqxrUo
純ちゃん支援
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 16:55:54.81 ID:HWXVAoDO
初々しい三人が新鮮。
期待
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 19:45:16.15 ID:Tm9hAQYP
まさかひますぎの人か?
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 23:20:36.44 ID:9n2kvUAO
#2

純の部屋


純「う〜ん…」

純「……」カキカキ

純「うぐぐ〜…」

純「あぁもう!宿題分かんない!!」

純「……」グッタリ

純「はぁ…気晴らしにベースでも弾こう」
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 23:21:15.57 ID:6RYDcFQ0
素晴らしい
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 23:26:03.15 ID:VUQngp.o
ジャズ研って具体的に何やってんだろ
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 23:27:07.80 ID:9n2kvUAO
純「えっと確か…ジャズ研で課題が出てたんだっけ」ガサゴソ

純「あった、この曲を来週まで弾けるようにか…」

純「どれどれ」

ボン♪

純「ん…」

ボボン♪ボッ…

純「……」

ボン…ボボッ…

純「むっず…なにこれ」

ボッ…

純「……」

ボボッ…

純「あー!今日はもうダメ!!」

純「寝る!!」
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 23:32:29.09 ID:9n2kvUAO
翌日

学校


純「はぁ…現実はどうしてこう上手くいかないんだろうね〜…」

憂「どうしたの?」

純「五月病」

憂「まだ四月だよ」

純「なんかさぁ、もう高校生活絶望的かも」

純「宿題できないしベースできないし…」

梓「おはよう、憂ちゃん」

憂「あっ、おはよう梓ちゃん」
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 23:44:36.73 ID:9n2kvUAO
純「あぁ…梓ちゃん。おはよ」

梓「どうしたの?元気ないね」

純「ちょっと理想と現実のギャップについていけなくて」

梓「?」

憂「純ちゃんもいろいろ大変みたいなの」

梓「そうなんだ…」

純「高校ってさ、思ってたのと違うよね。理想はもっと華やかだったんだけど」

純「なんか拍子抜け。あーあ、早く大学に行きたいな〜」

憂「それはちょっと気が早いんじゃ…」

純「だって大学の方がなんか凄そうじゃん」

梓「そんなこと言ってると、あっという間に卒業式になっちゃうよ?」

純「むしろ早く卒業したいかも…」
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 23:52:27.79 ID:yxn/avIo
純はコインをピックがわりに演奏する渋い奴
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 23:53:40.38 ID:9n2kvUAO
純「梓ちゃんはさ、高校生活大変じゃない?」

梓「え…」

純「部活とかあるじゃん」

梓「でも、好きで選んで…」

紬『お茶淹れたわよ〜』
唯『あ〜ずにゃ〜ん!』ダキッ

梓「うっ…」

梓(そういえば全然部活やってないかも…)

純「私なんて難しい課題出されちゃって…もう挫折しそうだよ」

梓「課題…」

さわ子『演奏する時はこの猫耳をつけるのよ!』
梓『な、なんで…』
律『羞恥心をなくすためだ!軽音部入部の課題だと思え!!』

梓「……」グッタリ

憂「あ、梓ちゃんどうしたの!?」

梓「理想と現実のギャップにやられた…」
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 00:07:57.19 ID:SU/uhgAO
梓「ていうか純ちゃん部活はマジメにやってるんだね」

純「むっ?なにそれ」

梓「あっ…ごめん」

梓(てっきり適当な人だとばかり思ってたから…)

純「部活はちゃんとやるよ。憧れの先輩もいるし」

梓「だよね」

梓(私もそうだし…)

澪『梓!』
唯『あずにゃ〜ん!』

梓(いや…唯先輩は違うかも)

純「あっ、そうだ……先輩がいるから頑張れるんだ」

純「よーし、私も諦めずかっこいいベーシストになってやる!」

梓(切り替えはやっ!?)

憂「頑張って純ちゃん!」
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 00:15:59.12 ID:SU/uhgAO
純「そういえば憂は結局部活やらないの?」

憂「うん」

純「そっか…もったいない。なんでもできるのに」

憂「ふふっ、そんな万能じゃないって」

梓(たぶん唯先輩は憂ちゃんに良い所を全部持ってかれたんだろうなぁ…)

キーンコーンカーンコーン

純「あっ…授業のチャイムだ」

憂「じゃあまた後で」
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 00:26:05.99 ID:SU/uhgAO
放課後


先輩「お刺身ドボドボ陶人ゴク・・・食え食え中川食え食え弾ドボドボアジむむ・・・岡星ドボドボアジむむ・・・」

純「山岡食むむ・・・食むむ・・・チン山岡食むむ・・・食むむ・・・ドボドボ!」

〜♪

先輩「ストップ!!」

純「山岡ドボドボっ…」

先輩「出アジ食え食え陶人お刺身ドボドボお刺身お刺身陶人食え食え食え食え岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・アジむむ・・・食え食え食え食えアジフライ刺身雄山ゴク・・・!岡星アジフライアジフライ刺身一回最初フライ食むむ・・・食むむ・・・食え食え食え食え食むむ・・・食むむ・・・!!」

純「フライアジフライ陶人チンフライアジフライ陶人岡星むむ・・・京極ドボ食むむ・・・食むむ・・・お刺身ドボドボ…」

純(フライアジフライ京極ドボ食むむ・・・食むむ・・・怖ドボドボ先輩アジ食え食え陶人ドボ食むむ・・・食むむ・・・京極アジむむ・・・…)

先輩「ドボドボドボドボ?ジャズ研山岡食むむ・・・食むむ・・・サバイバルドボ食むむ・・・食むむ・・・ドボアジフライあぁ適当ドボドボドボゴク・・・っアジむむ・・・食え食え食え食えアジフライ刺身アジアジフライチンアジアジフライ陶人京極アジアジフライ陶人京極追ドボドボ抜フライ食むむ・・・食むむ・・・食え食え食え食え岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・アジドボドボゴク・・・食え食え中川アジフライ刺身京極アジ食え食え陶人フライ食むむ・・・食むむ・・・食え食え食え食え食むむ・・・食むむ・・・ドボ岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・」

純「山岡食むむ・・・食むむ・・・ドボドボ…」シュン

先輩「山岡アジフライ食え食え食え食え食むむ・・・食むむ・・・チン岡星アジフライアジフライ刺身一度」

純「……ゴクリ」

〜♪

先輩「岡星食むむ・・・食むむ・・・アジ食むむ・・・食むむ・・・外食え食え食え食え岡星アジフライ刺身岡星アジフライ刺身・・・アジむむ・・・食え食え食え食えアジフライ刺身!!」

純「山岡ドボドボドボドボ中川っ!?」
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 00:38:01.81 ID:SU/uhgAO
テスト
なにこれ
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 00:39:26.07 ID:41OW2Nw0
なんだただの文字化けか
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 00:45:23.34 ID:SU/uhgAO
放課後


先輩「じゃあ弾いてみて」

純「はい!」

純(先輩の前だと緊張する…)

〜♪

先輩「ストップ!!」

純「ひっ…」

先輩「出だしずれてるわよ!もう一回最初から!!」

純「ごめんなさい…」

先輩「いい?ジャズ研はサバイバルなの。適当にやってると、どんどん追い抜かれちゃうんだからね!」

純「すいません…」シュン

先輩「ほら、早くやって」

純「は、はい!」

純(今度は失敗しないように…)

純「……ゴクリ」

〜♪

先輩「また外れてる!!もう一回!!」

純「ひぃっ!?ご、ごめんなさ〜い!」
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 00:51:12.54 ID:SU/uhgAO
帰り道


純「あ〜疲れた」

純「……はぁ」

純「あの先輩の前だと緊張しちゃう…」

純(まさかあんな怖い先輩だなんて…)

純「……」

純「やっていけるか不安だ〜…」

憂「あっ、純ちゃん」

純「あれ…憂?どうしたのこんな所で」

憂「夕飯の買い物」
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 00:59:11.79 ID:SU/uhgAO

・・・・


憂「そっかぁ、部活でそんなことが」

純「うん、なんかあの人の前だと調子出なくて…」

純「めっちゃ怖いんだよ!」

憂「へぇ…」

純「あぁ…また明日も怒鳴られるかと思うと…」

憂「でも純ちゃんならきっと頑張れるよ」

純「そんな簡単に言われても」

憂「でも部活は辞めないんでしょ?」

純「まぁ…」

憂「大丈夫、いつもの純ちゃんなら乗り越えられるって」

純「いつもの私…?」
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 01:09:24.79 ID:SU/uhgAO
憂「たぶん純ちゃんは…急に環境が変わったからまだ戸惑ってるだけなんだよ」

憂「それで最近元気が出ないんじゃないかな?」

純「……」

憂「けど私の知ってる純ちゃんは、すごくマイペースだから…そういうのにもいつの間にか慣れちゃうと思うよ」

純「…それって褒めてるの?」

憂「うん!」

純「マイペースってねぇ…私は別にマイペースやってつもりはないんだけど」

憂「自分じゃ気づかないだけだよ」

純「えぇ〜…そう?」

憂「いいじゃない、マイペース。悪いことじゃないんだし」

純「う〜ん…」
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 01:19:19.61 ID:SU/uhgAO
憂「純ちゃん」

純「うん?」

憂「ファイト!」

純「…ぷっ、なにそれ」

憂「あれ?おかしかった?」

純「ううん…ありがと憂」

純「確かにちょっと、気をはりすぎてたのかもしれないね」

純「私らしくなかったかな?」

憂「今の純ちゃんは純ちゃんっぽいよ」

純「そう?ならこのままでいよっと」

純「でも私はマイペースに生きてるわけじゃないからね!」

憂「はいはい♪」
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 01:28:37.87 ID:SU/uhgAO
翌日

ジャズ研


純「……」

ボボン♪ボボッボン♪

先輩「…うん、いい感じ」

純「あっ、本当ですか!?」

先輩「昨日より断然良いわよ。どうしたの急に」

純「いや〜、ちょっと小難しいこと考えるのやめてみたんですけど…」

先輩「小難しいこと?」

純「えへへ、まぁいいじゃないですかそんなことは」

先輩「……ま、なんとなく分かるけどね」

純「え?」
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 01:33:59.19 ID:SU/uhgAO
先輩「ねぇ純」

純「は、はい」

先輩「ジャズ研にはもう慣れた?」

純「えっと…とりあえずは」

先輩「ジャズ、楽しい?」

純「はい!なんか段々好きなってます!」

先輩「そう…なら良かった」

純「先輩?」

先輩「やっぱり好きことは、楽しまないとね」

純「はぁ…?」

先輩「ふふっ…さて、続けましょうか」

純「あっ、はい!」
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 01:43:26.15 ID:SU/uhgAO
純(なんか今日の先輩は優しい…なんでだろう)

ボン♪ボボンッ♪

純「……」

純(ひょっとして…今まで私が勝手に怖い人って決めつけてただけなのかな)

純(だとしたら悪いことしちゃったな…先輩は憧れなのに)

ボボッ♪ボンボン♪

純(憂の言う通り、もっと肩の力を抜いてやれば案外上手くいくかもね)

先輩「今日の純、すごく良いわよ」

純「ありがとうございます!」

純(私は私らしくでいいんだ…その方が私にも、先輩にも良いんだし)

純(よし!今日から心機一転がんばるぞー!!)

先輩「じゃあ今日からもっと厳しくいきましょうか」

純「えっ」
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 01:49:07.47 ID:SU/uhgAO
翌日


純「練習がものすごくハードになりました」

憂「大丈夫?」

純「うん…疲れたけどさ、前より楽しくなったかも」

憂「そっか、よかった」

純「やっぱ楽しまなきゃ損だよね」

梓「はぁ…」

憂「あっ、梓ちゃんおはよう」

純「どうしたの?元気ないね」
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 01:55:12.59 ID:SU/uhgAO
梓「まだ理想と現実のギャップに苦しんでる…」

純「梓ちゃん、そのまま流れに身を任せて楽しんじゃえばいいんだよ」

梓「あのまま楽しんだら軽音部は終わりだよ…」

憂「?」

梓「はぁ…」

梓(もっと音楽に情熱をそそいでる人はいないのかな…)

梓「……」ジーッ

純「な、なに?」
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 02:06:01.61 ID:SU/uhgAO
梓「ちょっと聞きたいんだけどさ…純ちゃんってどうしてベース始めたの?」

純「え?」

梓「いや…気になって」

梓(純ちゃんは音楽には真剣だし…ちゃんと答えてくれるかな)

梓(憧れのミュージシャンがベース弾いてたとか…なんでもいいからこの学校で音楽の話をしたい!)

梓(お願い純ちゃん!軽音部は音楽やってないからせめてここでは…)

純「ベースねぇ…弦が四本で簡単そうだったからかな」

梓「……」

純「梓ちゃん?」

梓「そんなんばっか!!」

純「えぇっ!?」
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 02:14:05.53 ID:SU/uhgAO
梓「ごめん…なんでもない」

梓(始める理由は別になんでもいいのにね…)

梓(純ちゃんらしいって言ったら純ちゃんらしいけど)

梓(でも…)

梓「あぅ〜…」グッタリ

憂「梓ちゃん大丈夫?」

梓「なんで現実ってこう…上手くいかないんだろう」

純「それが現実だからよ」

憂「純ちゃんかっこいい!」

純「へへ〜」

梓「はぁ…」

梓(こんな調子で本当に大丈夫なのかなぁ…私)




#2 おわり
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 02:17:48.85 ID:SU/uhgAO
今日はここまで。



>>27
うん
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 03:07:31.10 ID:/LqJ0K.P
>>53
乙!
よかったら過去作教えてくれないか?
読みたいんだ
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 05:18:00.23 ID:tsN6YcAO
ひますぎの人には一度乙と言いたかった純好きの僕です
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 07:05:31.83 ID:41OW2Nw0
>>53
マジ本人かよ乙。思う存分暴れて下さい
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 11:41:29.65 ID:2tePDkAO
ひますぎといいこれといい作者は本当に純が好きなんだなと思える
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 14:11:22.22 ID:SU/uhgAO
>>54
梓「唯先輩の脳みそ美味しいです♪」
純「ひますぎ!」×4
純「ういすき!」
純「手のひらサイズ!」
純「憂と付き合うことになったんだけどさ」
ど井中 律「のうぎょう!」
純憂梓「私たちが主役!」
唯「あ〜ずにゃん!」ギュッ夏奈「うわっ!」
千秋「おい、朝だ起きろ」梓「えっ…」(途中から)


まとめサイト見てないからまとまってるかは知らない
59 : [sage]:2010/08/28(土) 14:40:16.50 ID:2tePDkAO
あれもこれも全てあんたの仕業か!
梓と夏奈のSSは特に楽しませてもらったよ
これからも期待してる
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 14:45:32.30 ID:2tePDkAO
メ欄ミスった
俺は1じゃないよ
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 17:14:32.99 ID:pbh7.iAo
千秋のやつは貴方だったのか……
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 18:16:23.19 ID:pbh7.iAo
あと千秋のスレは完スレしたの?
964までしかログ取ってなくて……
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 18:19:43.57 ID:/LqJ0K.P
>>62
1000まで行ったよ
最後まで小ネタとかあった
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 18:22:23.20 ID:pbh7.iAo
マジかよ……

最後寝なきゃよかった……
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 18:24:06.38 ID:pbh7.iAo
梓が悲鳴をあげてる所で終わってるからどうしたかと思ったら……orz
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 19:55:21.71 ID:2tePDkAO
まだのくすにあるはず
短い間に面白いSSをばんばん書ける1は神なのかもしれん
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 20:00:22.91 ID:pbh7.iAo
のくすって何処?
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 20:35:29.54 ID:2RptErQo
つggr
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 01:11:16.29 ID:aJCO7kDO
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 01:12:20.90 ID:OKwbAhQP
ここは保守いらないよ
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 02:57:22.69 ID:pwihDkAO
#3

お昼休み


純「じゃーん!今日はとうとうお弁当を作ってみました!」

梓「おぉ…」

憂「見せて見せて!」

純「では…ご披露します」

純「どうぞ!」カパッ

憂「あっ…」

純「え?」

梓「……中身ぐちゃぐちゃだね」

純「えぇっ!?嘘…本当だ!!」

純「こんなはずじゃ!?」

憂「バッグに入れて運んでる時に具が片寄っちゃったんだね」

純「そ、そんな〜…」
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 03:07:24.30 ID:pwihDkAO
純「せっかく頑張ったのに…」

憂「具の上にラップをかけてフタをするとズレなくなるんだよ」

純「へぇ〜、憂は物知りだね」

憂「えへへ」

梓「憂はなんでも器用にこなせて凄いなぁ。昨日遊んだ時も…」

純「えっ、昨日遊んだの?」

梓「え?うん…」

純「なんでよー、私も誘ってよー」

梓「ご、ごめん純ちゃん」

純「あ…でもどうせ昨日は部活だったんだ」

憂「また今度遊ぼうね」
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 03:16:04.88 ID:pwihDkAO
梓「昨日は楽しかったよね」

憂「うん!」

梓「憂ったらさぁ…」

憂「あははっ」

純「むぅ…」

純(なんか楽しそう…)

梓「また行きたいねー」

憂「そうだね」

純「…あっ、そうだ」

憂「どうしたの?」

純「おかず交換しようよ!これやりたかったんだ」
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 03:23:45.92 ID:pwihDkAO
純「はい、玉子焼き」

梓「え…私と?」

純「だって梓のお弁当にも玉子焼きあるし」

梓「まぁいいけど……はい」

純「どれどれ…」モグモグ

純「うん!普通に美味しい!!」

憂「よかったね梓ちゃん」

純「私のも食べてみてよ」

梓「あ…うん」モグモグ

梓「……」

純「どう?」

梓(微妙…)
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 03:34:14.52 ID:pwihDkAO
純「朝がんばって作ったんだ〜」

梓「へ、へぇ…」

梓(どうしよう…本当に微妙だ)

梓(不味すぎじゃないけど美味しくもない…)

純「ねぇ梓、どう?」

梓「えっと…」

梓(なんて言おう…何も思い付かないよ)

純「ねぇ、梓ったら!」

梓「………うん、食べれるよ」

純「食べれる?」

梓「いや…美味しいってこと」

純「本当!?」

梓(ごめん嘘)
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 03:41:51.44 ID:pwihDkAO
純「よかった〜、作ったかいがあったよ」

純「梓も甘い玉子焼き好きなんだね」

梓「え?」

純「私も甘いの好きだから今回は砂糖を入れてみたの」

梓「そうなんだ…」

梓(なんか苦かったんだけど)

純「私も自分の食べてみよーっと」モグモグ

梓(まぁ本人が満足してるならいいけどさ…)

純「……まずっ!?」

純「梓これあんまり美味しくないよ!!舌だいじょうぶ!?」

梓「ええーっ!?」
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 03:50:53.80 ID:pwihDkAO
純「こりゃ失敗だ、食べられないよ」

純「こんなの好きだなんて梓って変わってるね」

梓(せっかく気をつかって言わないようにしただけなのに…)

憂「……」

純「憂、これなんで不味いのかな」

純「いや、そこまで不味いわけじゃないんだけどなんか微妙なんだよね……ちょっと味見お願いしてもいい?」

憂「……」

純「憂?」

憂「あっ、ごめん…なに?」

純「…大丈夫?ボーっとしてるみたいだけど」
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 03:58:38.24 ID:pwihDkAO
憂「うん…大丈夫だよ」

梓「顔赤くない?」

憂「そう…?」

梓「うん。ひょっとして熱あるんじゃ…」

純「どれ、おでこに手を」ピタッ

純「あつっ!?熱じゃん!!」

憂「そういえば…さっきから寒気してた…」
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 04:08:32.83 ID:pwihDkAO
純「完全に風邪だ…」

梓「早退したら?」

憂「でもお姉ちゃんに……あっ、今日はお母さんいるんだった…」

純「帰って休みなよ。先生には言っておくから」

憂「早退…なんか悪いなぁ」

純「別に悪くないって。このまま憂が倒れたら大変だよ」

梓「そうだよ、早退したほうがいいよ」

憂「…ごめんね」

純「憂は謝んなくてもいいの。お大事に」

憂「ありがとう…じゃあ」

梓「気をつけてね」

憂「うん…」
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 04:16:38.11 ID:pwihDkAO
梓「フラフラしてるけど…本当に大丈夫なのかな」

純「憂も疲れたまってたんだろうね」

梓「そっか…そうだよね」

梓(唯先輩の面倒とか大変そうだし)

純「とりあえずご飯食べよっか」

梓「うん」

梓(あっ…そういえば純ちゃんと二人っきりなるの初めてかも)

純「う〜ん…このお弁当全部食べれるかなぁ」

梓「……」

梓(どうしよう…なに話していいか分かんない…)

純「梓、これ食べる?」

梓「いや…いい」
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 04:31:00.65 ID:pwihDkAO
純「そういえば聞いてよ、最近ジャズ研がまた厳しくなってさぁ…」

純「一年なのにこれでもかっ!ってくらい練習させるだよ」

梓「へ〜」

純「軽音部はどうなの?」

梓「…そこそこ」

純「そっか、あんまり練習してるイメージないからどうなのかと思ってた」

梓(まぁ当たってるけど…)

純「でもやっぱ部活は楽しいよねー」

梓「うん」

梓(本当はもっと練習したいんだけどね…)
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 04:37:44.96 ID:pwihDkAO
キーンコーンカーンコーン


純「あっ、昼休みももう終りか」

梓「席戻さないと」

純「そだね」

純(今日は梓といっぱい話せて楽しかったなぁ)

梓(憂…大丈夫かな)

純「ん…次は選択の授業だっけ。じゃあまた後で」

梓「うん」
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 04:47:36.46 ID:pwihDkAO
平沢家



憂「う〜…風邪ひいたのって久しぶり…」

憂「やっぱり辛いなぁ…」

憂「ケホッ、ケホッ」

憂「ズズッ…はぁ」

憂「早く治さなきゃ…」
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 11:20:04.70 ID:pwihDkAO
翌日


純「憂休みなんだって?」

梓「うん、まだ熱が下がらないみたい」

純「心配だなぁ」

梓「そうだね…」

純「今日はお昼ご飯分けてもらおうと思ってたのに」

梓「その心配?」

純「じゃあ今日も梓のもらおうかな」
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 11:26:57.99 ID:pwihDkAO
梓「えぇ〜…」

純「大丈夫、今日はちゃんとしたやつだから」

純「ほら」カパッ

梓「……なにこれ」

純「お弁当作る時間なかったから、コンビニで買ったパンをお弁当箱に入れてみた」

梓「意味ないじゃん」

純「雰囲気あるじゃん」

梓「そうかな…」

純「そうだよ」

梓「…純ちゃんってさぁ」

純「なに?」

梓「……なんでもない」

梓(よく分かんない人…)
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 11:45:35.82 ID:pwihDkAO
お昼


純「うん、コンビニのパンは私のやつより美味しい」

梓「だろうね」

純「む〜…でもコンビニに負けるなんて悔しい」

梓「最近はいろいろ美味しくなってるからしょうがないよ」

純「ねー、値段の割にけっこう満足できるし」

純「コンビニも進化してるんだなぁ」

純「良い時代になったもんだ」

梓「…なんか年寄りくさい」

純「あれっ、そう?」
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 11:54:07.53 ID:pwihDkAO
純「あ、サンドイッチ食べる?」

梓「うん…ありがと」

純「ツナとタマゴあるけど、どっちがいい?」

梓「タマゴ」

純「おぉ、梓はタマゴ派ですか。私とは違うね」

梓「え?」

純「私はツナの方が好きなんだ」

梓「ふーん」

純「好みが違うみたいだね」

純「お好み焼きともんじゃどっちが好き?」

梓「えっ…お好み焼きかな」

純「私はもんじゃ」
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 12:10:54.88 ID:pwihDkAO
純「カレーとハヤシライスは?」

梓「カレー…」

純「私はハヤシなんだよねぇ」

純「スイカとメロン」

梓「スイカ」

純「えぇっ、メロンの方が美味しいじゃん」

純「じゃあ野球とサッカーは?」

梓「サッカー…かな」

純「ふーん、私はどっちでもいいけどね」

梓(じゃあなんで聞いたの…)

純「犬と猫は?」

梓「ネコ」

純「あっ、それは一緒なんだ!よかった」
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 12:18:41.25 ID:pwihDkAO
純「いやぁ、一つぐらい好みが同じで安心したよ」

梓「……あれ?」

純「どうしたの?」

梓「じゃあさ…なんでタマゴ買ってきたの?ツナが好きなのに」

純「え?だって梓が食べると思って」

梓「えっ…」

純「うん?」

梓「……ううん、ありがとう」

梓「私のおかずもあげる」

純「やったー!やっぱり手作りの方が美味しいよ!」
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 12:33:18.76 ID:pwihDkAO
純「そういえば昨日軽音部の…律先輩だっけ?見かけたよ」

梓「律先輩を?」

純「うん、なんか生徒会の人に怒られてた」

梓「あぁ…」

純「あの人かっこいいよね〜」

梓「そうかな?けっこうおおざっぱな人だよ」

純「ふーん。あっ、あと澪先輩もいた」

純「澪先輩って美人だよねぇ」

梓「うんうん、それは同意」
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 12:50:23.04 ID:pwihDkAO
キーンコーンカーンコーン


純「おっ、昼休み終わっちゃった」

純「楽しい時間はあっという間だね」

梓「次の授業の準備しよっか」

純「あ〜…授業めんどくさい」

梓「あと二時間なんだから頑張りなよ」

純「憂のお弁当食べたかったなぁ」

梓(憂…風邪治ったかな)

純「明日は三人で食べれるといいね!」

梓「うん」

梓(三人か…いつの間にかグループできちゃってた)

梓「……」

純「ねえ、次なんだっけ?」

梓(ていうか、正直純ちゃんみたいな友達ができると思ってなかったかも…好みとかほとんど違うのに)

梓(高校は分からない所だなぁ…)

純「ねぇ梓ったら!」

梓「あっ…ごめんごめん。なに?」
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 12:55:25.48 ID:pwihDkAO
翌日

キーンコーンカーンコーン


梓(今日はまじめに練習できるかな…)

〜♪

梓(あっ、メール…憂からだ)

ポチポチ

梓「……あれっ、今日も休むんだ」

梓「まぁ無理はしない方がいいもんね」

梓「『お大事に』っと」ポチポチ

梓「ふぅ……」

梓「……」

純「おはよー!」

梓「あっ、おはよう純ちゃん」
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 13:00:37.35 ID:pwihDkAO
純「むふふ…」

梓「…なに?なんで嬉しそうなの?」

純「あとで教えるよ」

梓「?」

梓「まぁいいけど…」

梓「そうだ、それより憂今日も休むんだって」

純「えぇっ!?まだ治ってないの?」

梓「ほとんど治ったんだけど、一応今日は安静にするらしいの」

純「あぁそっか…それならよかった」
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 13:08:07.23 ID:pwihDkAO
純「でも今日は憂に聞きたいことがあったんだけどなぁ…」

梓「なにを?」

純「うん?大したことじゃないって」

梓「……」

梓(やっぱり二人は中学からの付き合いだから仲良いのかな…)

純「梓、今日もお昼一緒に食べようね」

梓「え…うん」

純「ふふふ…」

梓「?」
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 13:20:01.41 ID:pwihDkAO
授業中


梓(高校入ってもうすぐ一ヶ月…早い)

梓(いろいろ思ってた事と違うけど…こんなものか)

梓「……」

梓(まぁ悪くはないかも…)

梓「……」

梓「ふあぁ〜…」

梓「……」

梓(ねむ…)
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 13:24:19.80 ID:pwihDkAO
キーンコーンカーンコーン


純「ようやくお昼だー!」

梓「なんか楽しそう」

純「まぁね。なんたって今日は…」ガサゴソ

純「再びお弁当を作ってきました!」

梓「おぉ!」

純「今回は力作だよ〜」

梓「だから朝から嬉しそうだったんだ」
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 13:28:28.65 ID:pwihDkAO
純「うん。本当は憂に感想とか聞きたかったんだけどね」

梓「そっか…でも憂は休みだからしょうがないよ」

純「だよねぇ」

梓「私もお弁当…」ガサゴソ

梓「あ…あれ?」

純「どうしたの?」

梓「お弁当…忘れちゃったみたい」

純「あちゃー」

梓「はぁ…購買行ってくる」

純「ちょっと待った!」
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 13:34:48.65 ID:pwihDkAO
梓「な、なに?」

純「せっかくだから私のお弁当半分あげるよ」

梓「え…でも…」

純「お金もったいないでしょ?あげるって」

梓「…ごめん」

純「いいのいいの、梓にも食べてもらいたかったんだし」

梓「ううん、本当にごめん。なんか迷惑かけちゃって」

純「そんな変に気をつかわなくても。友達なんて迷惑のかけあいみたいなもんでしょ?」

梓「純ちゃん…」

純「ほら、食べよ」

梓「…うん」
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 13:43:09.70 ID:pwihDkAO
純「今日の玉子焼きは梓も満足すると思うよ。なんたって砂糖をたっぷり入れたからね」

純「いざ、梓にリベンジ!」

梓「リベンジって、なにそれ」

純「えへへ、まぁ食べてみてよ」

梓「うん」モグモグ

純「コンビニより美味しいでしょ?」

梓「……ねぇ、純」

純「なに?」

梓「ううん…ふふっ、なんでもない」

純「?」

純「そ、それより味はどう?美味しい?」

梓「う〜ん……あますぎ」






#3 おわり
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 13:44:31.41 ID:pwihDkAO
今日はここまで
明日は休みます
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 13:48:35.82 ID:Hu62RfMo
乙面白い
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/29(日) 14:34:05.59 ID:Y5Be7kso
いいな
最後あずにゃんが純を呼び捨てにしたのが凄いいい
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 17:55:09.30 ID:vdfwviE0
G.J.!
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 18:08:51.09 ID:1tk6PmYo
>>102
対して、純ちゃんは今回ははじめから梓を呼び捨てで呼んでるという
二人の他人に対する距離のとり方が顕れてていいよね
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 00:48:03.31 ID:vA18N5so
じゃずー
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/30(月) 01:10:46.35 ID:u.Ks/HYo
>梓「じゃあさ…なんでタマゴ買ってきたの?ツナが好きなのに」

>純「え?だって梓が食べると思って」

さりげなく優しい純ちゃん素敵
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 11:40:14.14 ID:xnO7V2AO
>>58の作品は一番上のマジキチ以外は百合ノートにまとめられている
夏奈梓も最近まとめてくれたみたいだ
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 21:02:18.56 ID:Ee6Oj7co
純ちゃんかわいすぎ。
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 18:48:37.42 ID:yJlmZQAO
#4


憂「はい梓ちゃん、この前言ってた本」

梓「ありがと、憂。これすっごく読みたかったんだ」

純「なになに?どうしたの?」

憂「あっ、純ちゃん」

梓「憂から小説借りたの。ほら、結構話題になったやつ」

純「あーそれ知ってる。映画見たよ」

純「ラストでヒロインが…」

梓「わーーーーーっ!!!」
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 18:51:58.31 ID:yJlmZQAO
純「おぉぅ…どうした急に」

梓「ネタバレやめてよ!まだ読んでないんだから!」

純「あ、ごめん。そっか」

純「映画も見てないの?」

梓「うん、前から見ようとは思ってたんだけど」

純「ふーん…そうなんだ。憂は?」

憂「私は両方とも見たよ」

純「あれ面白かったよねー。ラストでヒロインが…」

梓「にゃーーーーーっ!!!」

純「にゃあ?」
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 18:54:51.20 ID:yJlmZQAO
梓「だからまだ読んでないんだからやめてって!!」

純「あはは、ごめんごめん。ついうっかり」

純「あまりにも予想外のラストだったから話したくなって」

梓「純は今日一日中、口を閉じてて」

純「えーなにそれ」

憂「でも話したくなる気持ちは分かるよ。だってラストは…」

梓「憂もダメーーーーっ!!!」

純「まさかヒロインが…」

梓「だーーーもうっ!!」
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 18:58:14.08 ID:yJlmZQAO
憂「ごめんね梓ちゃん」

純「わざとじゃないんだって」ニヤニヤ

梓「もう何も聞こえないし聞かない。ていうか純はニヤけてるし」

純「そんなことないよ〜」ニヤニヤ

梓「はぁ…中間テストが終わったらじっくり読むんだからそれまで余計なこと言わないでよね」

純「あっ、もう中間テストか」

憂「初めてのテストだから緊張するね」

純「まぁ、一学期の範囲は楽勝でしょ」

梓「唯先輩はその時追試だったって聞いた…」

憂「そ、その時はたまたま調子が悪かっただけなの!」
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:00:57.56 ID:yJlmZQAO
純「憂のお姉さんって普段ボケーっとしてるイメージがあるね」

梓「イメージっていうか、まさにその通りだよ」

純「えっ、マジ?」

梓「ダラダラしてお菓子ばっか食べてるし、やる気あるんだかないんだか」

純「あはは、子供みたい」

純「でもギターは上手いんでしょ?」

梓「うーん…微妙。波が激しいんだよね」

純「へー。思ってたのと違う」

梓「それとは逆に憂はいつもしっかり…」

憂「……グズッ」

梓純(泣いてる!?)
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:02:50.92 ID:yJlmZQAO
憂「お、お姉ちゃんだって…やる時は…やるもん」グズッ

梓「あぁ…ご、ごめん憂!唯先輩だってやる時はもちろん凄いよ!!」アセアセ

純「そうだよ!私も凄いと思うよ!かわいいし!!」アセアセ

憂「ほんとう…?」

梓「うんうん!!」

純「憂のお姉ちゃんはすごい!!」

憂「…えへへ」

梓(まさか憂がここまで姉バカだなんて)

純(軽く新発見だ)
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:05:17.15 ID:yJlmZQAO
梓「それにしても、そろそろ勉強やりはじめないとね」

純「あっ、じゃあ放課後は図書館で勉強しようよ」

憂「それいいかも」

純「梓もいいでしょ?どうせテスト期間中は部活もないし」

梓「うん、いいよ」

純「あーよかった、ノート写してないところあるんだよね」

梓「そのために?」

純「大丈夫、梓が写してないところは私のやつ見せてあげるから!」

梓「いや、私はちゃんと書いてるし」
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:06:46.13 ID:yJlmZQAO
放課後


純「へー、結構勉強してる人いるんだ」

梓「テスト期間だしね」

憂「あっちの席でやろっか」

梓「うん」

純「なんかみんな頭良さそうに見える…」

憂「気のせいだよ」

梓「さっさと始めちゃおう」

純「よーし、がんばるぞ!」
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:09:13.89 ID:yJlmZQAO
一時間後


純「ねぇ、なんで勉強なんてしなきゃいけないの?」

梓「それは…日常生活で使うためでしょ」

純「数学は?」

梓「計算する時とかあるじゃん」

純「英語は?」

梓「外国行く時とか…」

純「じゃあ古文は?」

梓「え…古文は…」

憂「過去へ行った時のためとか」

純「あぁそっか…過去か…」

純「……」

純「はぁ〜…やる気でない」
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:11:27.99 ID:yJlmZQAO
梓「勉強しようって言ったのは純じゃん」

純「そうだけどー…」

憂「頑張って純ちゃん」

梓「このままだと純だけ追試だよ?」

純「むっ、失敬な!そこまで酷くありませんっ」

梓「じゃあ勝負する?」

純「………そんなことより勉強しよう」

梓「自信ないのか…」
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:13:19.53 ID:yJlmZQAO
さらに一時間後


純「ダメ……もう無理…」

純「絶望が私のゴールだ…」

憂「確かにちょっと疲れてきたね」

梓「うん…」

純「へへー」ガサゴソ

憂「どうしたの純ちゃん?」

純「じゃーん、ポッキー持ってきた」

純「みんなで食べよ」

梓「図書館でそういうのやっちゃダメだと思う」

純「じゃあ梓はいらないんだね」
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:15:10.80 ID:yJlmZQAO
梓「え…」

純「はい憂、あげる」

憂「ありがとう」

梓「……」

純「美味しいなー」ポリポリ

梓「……」

憂「そういえば、適度な糖分は集中力や思考力に良いんだって」ポリポリ

梓「むぅ…」

純「本当にいらないの?」

梓「……ま、まぁちょっとだけなら」

純「はいどうぞ」

梓「……」ポリポリ

純(なるほど、軽音部ではこんな感じなのかな)

憂(梓ちゃんかわいいー♪)
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:17:15.37 ID:yJlmZQAO
純「はぁー、みんなと勉強するとはかどるね〜」

梓「さっきまで疲れた疲れた言ってたのに」

純「甘いもの摂ったからもう大丈夫!」

純「それに憂がいれば分からない問題も教えてもらえるし」

純「暇なときは梓で遊べる!」

梓「私の存在意義って!?」

憂「梓ちゃんがいると癒されるってお姉ちゃんが言ってたよ?」

梓「素直に喜べない…」
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:18:51.90 ID:yJlmZQAO
十分後


純「疲れた…」

梓「はやっ!?」

純「私はポッキー1本につき10分しか活動できないの」

梓「意味分かんないよ…」

純「というわけでもう1本」

和「こら!ここは飲食禁止よ?」

純「っ!?」

憂「あ、和さん」
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:20:26.58 ID:yJlmZQAO
純(この人、生徒会の…)

和「それしまいなさい」

純「は、はい!ごめんなさい…」

梓「もう…純ったら」

憂「和さんもここで勉強?」

和「えぇ、テストも近いしね」

和「唯はどう?ちゃんとやってる?」

憂「う〜ん…」

梓(やってないんだ…)
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:22:47.26 ID:yJlmZQAO
和「はぁ…勉強するように言っておいてね」

憂「はぁい」

和「じゃあ私はもう帰るから。あんまり遅くなっちゃダメよ?」

憂「うん。バイバイ和さん」

和「あなたも、これからお菓子とか食べないように」

純「はい…」
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:25:12.01 ID:yJlmZQAO
純「ふぅ、怖かった」

梓「純が食べたりするから」

憂「でもいつもの和さんは優しいよ?」

梓「知り合いなの?」

憂「うん、お姉ちゃんの幼なじみだから」

梓「へぇ、あんなしっかりした人が」

純「なるほど、ああいうしっかりした人が側にいたから憂のお姉さんは今まで生きてこれたのか」

憂「お、お姉ちゃんもやればできるんだよ…?」
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:26:47.76 ID:yJlmZQAO
梓「外、暗くなってきたね」

憂「和さんも言ってたし、そろそろ帰ろっか」

純「今日はいつもより勉強できたな〜」

憂「テスト、良い点とれるといいね」

梓「うん、これだけやったら自信ついたかも」

純「あ〜…帰ったらリラックスしよっと」

憂「私は帰ったらお姉ちゃんに勉強教えないと」

純梓「……え?」
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:29:50.42 ID:yJlmZQAO
テスト当日


純「よし!がんばるぞー!!」

テスト終了


憂「お疲れ様」

梓「あ、お疲れ憂」

憂「なんとかなったかも」

梓「私も」

純「……」

梓「純、どうだった?」

純「いとこうず」

梓「お疲れ様」
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:31:50.44 ID:yJlmZQAO
帰り道


純「疲れた〜…帰ってなにしよ……」

純「久しぶりに本でも買って読もうかな」

純「えっと、なに読もう…」

純「う〜ん…あっ、これ梓が読もうとしてたやつだ」

純「私これ映画見たから結末知ってるんだよね〜」

純(ん…?帯に何か書いてある)

純「……」

純「えぇっ!?映画と結末違うの!?」
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:33:45.31 ID:yJlmZQAO
純「どうしよう…そんなの知らなかったよ…」

純「うわぁ〜超気になる」

純「値段は?」

純「……1500円」

純「高い…うぅ」

純「梓が読み終わったら借りようかな…いやでも気になるし」

純「……」

純「くっ…!」

純「あぁもう!しょうがない!!」
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:35:13.09 ID:yJlmZQAO
「ありがとうございました」

ガーッ

純「買っちゃった。いや、後悔はしてない」

純「結末を知らないまま眠れそうにないもん」

純「それにしても、予想外のことってあるもんだねぇ〜」

純「何も知らなかったよ…」

純「……はっ、そうか!」

純「勉強も同じなのかもしれない」
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:37:55.38 ID:yJlmZQAO
純「知らないことや、予想外のことが起きても平気なように知識を蓄えるんだ」

純「なるほど、ひょっとしたらすごい事に気づいたのかもしれない」

純「うん、そうに違いない」

純「今日の私、少し大人にった気がする。そんな気がする」

純「あー気分がいいな〜♪」

純「途中でドーナツでも買っていこっと!」

純(どうでもいいけど、本買うと頭よくなった気がするよね〜)
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:40:04.40 ID:yJlmZQAO
翌朝


純「ふぁあ〜…」

純「ねむい…」

純(遅くまで読んでたからなぁ…結局最後まで読めなかったけど)

純(でも今日中には読み終わるかな)

梓「でね、テスト終わったら読もうと思ったんだけど勉強の休憩中にちょこちょこ読んじゃったの」

憂「そうなんだ〜」

純「おはよ〜」

憂「あっ、おはよう純ちゃん」

梓「おはよう、純」
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:42:19.33 ID:yJlmZQAO
純「なんの話してたの?」

梓「この前憂から借りた本なんだけど」

純「あぁ、それなら私も…」

梓「まさかラストでヒロインが死んじゃう驚きだよね!」

純「……」

憂「でも映画だとまた違う結末なんだよ?」

梓「そうなんだ、今度映画も見なきゃ」

梓「あっ、純はネタバレしちゃダメだよっ!」

純「……」

梓「純?どうしたの?」

純「なんでネタバレするの!?」

梓「えっ」




#4 おわり
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:46:14.44 ID:yJlmZQAO
今日はここまで
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 20:40:27.94 ID:qr41RXsP
毎度乙
あ〜〜こういう話で動く後輩ズが見たい
いやまあ頭の中で充分「見えている」んだけどねww
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 20:48:34.67 ID:KtN9SJgo
otu
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 20:59:46.19 ID:pyuBdeQ0
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 23:08:41.88 ID:q9493gAO
乙!!
ほのぼのええのう


>>107
てか百合ノートって意外と有名なんだな
ちょっと嬉しい
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 23:51:21.49 ID:FxaDmSoo
素晴らしいキュンキュンする
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 14:58:47.27 ID:TA1W8MAO
昨日の放送は素晴らしかったです。
純の良さが存分に出てました。
このSSの純もああいう感じになれたらいいと思っています。

このSSでは純たちが一年生からのスタートなのであえて性格を幼めにしてみました。

知ってのとおり純はマイペースですが面倒見も良く、先輩の前では礼儀正しかったりします。
けど始めからそんな性格ではなかったと思います。
梓が軽音部のメンバーに影響されて成長するように、純も友達や厳しい先輩の影響を受けて今の純があるのだと個人的に設定しています。

たぶん、このSSはものすごく長くなるかもしれません。
ただ、長い分日常を絡めつつ、じっくりそういう成長を書いていきたいと思います。
文才はないので純の魅力を書ききれないかもしれませんが、せっかく書き始めたので三年の最後まで書こうとなんとかやってみます。
そして純に興味がなかった人が、少しでも興味を持ってもらえると嬉しいです。


普段こんなながったらしい感想みたいな事は書かないんですが、アニメが良かったので。
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 15:16:56.29 ID:CMkGSsEP
いつも乙
体に気をつけて無理せずゆっくりじっくりやってくれ
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/01(水) 15:27:09.68 ID:9z.0nHIo
>>1が純好きすぎてワロタwwwwww
ながいならトリつけるといいかも
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 17:08:05.48 ID:O5QgwYAO
純をこよなく愛するこの1なら原作・アニメが終わっても続けられそうだな
これからも頑張れ!
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 19:24:22.96 ID:D6DTUsYo
どうでもいい事だけど>>1は聡の友達の鈴木と純は姉弟だと思う派?
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 21:33:32.70 ID:vKQ5Kj2o
俺も純ちゃんが好きすぎて困るぜ…
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 21:55:00.71 ID:TA1W8MAO
>>144
思ってない。
弟がいたらいたで面白そうだけど。


今日は投下できないです。
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 22:20:57.62 ID:wnGptCUo
確かに今週の純は一つ一つの行動にらしさがあってよかった
このスレも普通に話も面白いけど純の行動にいちいちニヨニヨ出来るのがいい
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/02(木) 20:25:07.46 ID:2pWFfvUo
>>146
俺も思ってないな。

純ちゃんは憂と同じ中学、つまり唯と同じ中学だけど
律澪は唯と同じ中学じゃないみたいだし。
だから田井中弟の友達の鈴木は純ちゃんの弟とは考えづらい。

中学を超えてつるんでるんなら純ちゃんの弟なのかも知れないが、かなり可能性低いよな。

という支援。
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 22:49:57.30 ID:DA.TAUAO
#5

体育の時間


純「いくよー、レシーブ!」ポンッ

梓「サーブでしょ…」

憂「えいっ!」パスッ

梓「わっ!?」ポンッ

純「憂が敵だと手強いね〜」

梓「そんなこと言ってないでカバーしてよ!」

憂「はっ!!」バスッ

純「来た!アタック!!」バシッ!
ドスッ!

梓「いだっ!?」
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 22:53:15.11 ID:DA.TAUAO
梓「私に当ててどうするの!!」

純「あー、ごめん」

女子A「梓ちゃん大丈夫?」

梓「うん、とりあえず…」

純「私に任せて。梓の敵はとるよ」

梓「やったのは純でしょ。ていうかもう純のサーブじゃないし」

女子B「いくよー」ポンッ

女子C「わわっ!?」パスッ

憂「えいっ!!」バンッ!!

ドスッ!

梓「に゛ゃっ!?」
151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 22:54:59.89 ID:DA.TAUAO
憂「ご、ごめん梓ちゃん!」

梓「あぅ…」

純「まるでボールが梓のところに吸われていくようだ」

梓「冷静に解説しないでよ」

純「まぁ梓は休んでな」

梓「うん…そうする」

「梓ちゃん危ない!!」

梓「え?」

ゴシュッ!

梓「ふにゃっ!?」

純「おぉ…三連発」
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 22:57:10.95 ID:DA.TAUAO
昼休み


梓「なんか今日はついてない気がする…」

純「気のせいでしょ」

梓「だって…」

純「ほらしょげないで。フルーツオレあげるから」

梓「ありがと」ズズッ

梓「…中入ってないんだけど」

純「あれっ!?」

梓「…わざと?」

純「そんなはずは…飲みほしたつもりはなかったのに!」

純「ミステリーだ…」

憂「はい梓ちゃん、私のおかずあげる」

梓「ありがと」
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 22:58:50.48 ID:DA.TAUAO
純「むぅ…この甘えん坊上手め」

梓「なにそれ」

憂「でも今日の梓ちゃんは本当についてなかったね」

梓「なんでだろう…」

純「日頃の行いが悪かったりとか?」

梓「純じゃないんだから、ちゃんとやってるよ」

純「だよねー…ん?」

梓「そういえば朝の占いで最下位だった」

憂「そういうのって当たるもんなんだね」
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:00:52.30 ID:DA.TAUAO
純「まぁ、これだけ悪いことが起きたんだから後は良いこと起こるでしょ」

梓「そ、そうだよね」

純「でも二度あることは三度、三度あることは四度あるっていうし」

梓「うっ…」

憂「大丈夫だよ梓ちゃん、明日は良いことあるよ」

梓(それって今日はダメってこと!?)

純「しょうがない、迷える子猫を私が導いてあげよう」

梓「へ?」
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:02:46.49 ID:DA.TAUAO
純「私が占ってあげるよ」

梓「純が?」

純「こうみえても昔占いとかハマってたから」

憂「中学のころ流行ってたよね」

梓「本当に当たるの?」

純「任せてって。えーと…」

純「中野梓さん」

梓「は、はい」

純「今日はついてないですね」

梓「さっきからそう話してますよね」
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:04:23.48 ID:DA.TAUAO
純「あなたは今日、運がないです」

梓「はい」

純「ボールに当たったりしましたね?」

梓「はい。あなたも当てましたよね?」

純「フルーツオレも飲めなかった」

梓「あなたにもらったやつです」

純「なるほど、ついてない」

梓「これは占いですか?」
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:06:12.89 ID:DA.TAUAO
純「よし、分かりました」

純「今日は語尾『にゃん』をつけるといいでしょう」

梓「いやです」

純「そんなこと言わないでよあずにゃん」

梓「なんでそれを!?」

純「軽音部でそう呼ばれてるんでしょ?憂から聞いた」

憂「えへへ」

梓「ういーっ!!」

純「さて梓にゃん」

梓「梓にゃんじゃなくてあずにゃんだし!!」

梓「いやあずにゃんでもないからね!?」
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:07:40.84 ID:DA.TAUAO
純「えっとじゃあ……ラッキーカラーは黄色で」

梓「なんか適当になってない?」

純「黄色…黄色といえばカレー…」

純「あっ、放課後カレー食べに行こうよ」

梓「あれ?占いは?」

憂「いいね。梓ちゃんも今日部活ないでしょ?行こうよ」

梓「いいけど…」
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:11:10.33 ID:DA.TAUAO
純「むっ!?見えました!」

梓「はい?」

純「今日はカレーを食べると後々良いことが起きるでしょう!」

梓「はぁ…」

純「さらに中野さん、私と憂にカレーをおごりなさい」

梓「なんで」

純「おごるというのは梓が私と憂の分のお金を払うということです」

梓「知ってます。いやです」

純「あずにゃん」

梓「その名前で呼ばないで!!」

憂「ふふっ」
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:13:34.01 ID:DA.TAUAO
放課後


純「おまたせー」

憂「みんなそろったし行こっか」

梓「ていうかこんな中途半端な時間にカレーってのも…」

純「今日は体育があったからいいんだよ」

純「体育で消費したカロリー分を食べたってプラマイゼロだし!」

梓「夕飯食べれないよ」

純「いっぱい食べないと大きくなれないよ?」

梓「うるさい」
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:16:17.42 ID:DA.TAUAO



純「着いた!……ってあれ?」

憂「定期日だって」

純「そんなぁ!?」

梓「じゃあしょうがないね」

純「あっ、ならバイキング行こうよ!」

純「近くで新しくオープンして、安くて美味しいんだって!」

憂「バイキングかぁ…」

外人「Excuse me」

梓「わっ!?」

純「が、外人だ!」
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:17:47.97 ID:DA.TAUAO
外人「ペラペ〜ラ」

純「な、なんて言ってるの?」

梓「えっと」

外人「ペラペラペ〜ラ?」

梓「えっと〜…」

憂「ペ、ペラペーラ」

外人「Oh,thanks」

外人「アリガトウゴザイマシタ」

憂「どういたしまして」

梓純「おぉ〜!」
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:20:21.77 ID:DA.TAUAO
梓「英語で話してた…」

純「異文化交流だ…」

憂「道案内だったから、教科書に書いてあった通りに話してみただけだよ」

純「いや…十分すごいよ」

梓「うん、尊敬する」

憂「そ、そんな」

純「なんて言うんだっけ、こういう2ヶ国語話せる人のこと」

純「バ…バイ…」

純「バイセクシャル?」

梓「バイリンガル!!」
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:21:56.60 ID:DA.TAUAO
バイキング


純「え〜…ここもやってない」

憂「今日はどこもお休みだね」

純「せっかくバイリンガルがいるのに」

梓「それは関係ないでしょ」

〜♪

梓「あっ、メールだ」

憂「どうする?」

純「どうしよっか」

梓「……」
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:25:19.93 ID:DA.TAUAO
純「う〜ん…」

梓「ね、ねぇ…」

憂「どうしたの?梓ちゃん」

梓「唯先輩からメールが来たんだけど、今ファミレスにいるんだって」

梓「誘われたんだけど…行く?」

純「……」

憂「ファミレスかぁ…」

純「う〜ん…私はいいや」

梓「え…」

純「ほら、そういうのは軽音部で楽しみなよ」

純(入部断っておいてまだ顔合わせづらいし)

梓「そっか…憂は?」

憂「う〜ん…私もいいや」
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:27:38.39 ID:DA.TAUAO
梓「いいの?唯先輩もいるのに?」

憂「うん、今日は遠慮しておく」

梓「そう…?」

憂「軽音部の人たちによろしくね」

梓「うん…じゃあ」

純「梓…なんだかんだで軽音部上手くいってるみたいだね」

憂「そうだね…純ちゃんも入ればよかったと思ってる?」

純「べ、べつに」

憂「ふふっ」
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:31:22.46 ID:DA.TAUAO
純「憂はよかったの?唯先輩のところに行かなくて」

憂「私にはメール来てないから」

純「あっ…」

憂「別に嫉妬してるわけじゃないよ?」

憂「お姉ちゃんが軽音部を大切にしたいなら、それでいいと思うし」

憂「梓ちゃんにもその方がいいと思うし…」

純「寂しくない…?」

憂「……ちょっと」

憂「でも、ふつう部活の集まりに妹を誘ったりしないからしょうがないよ」
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:34:33.50 ID:DA.TAUAO
純「……」

憂「それに…」

純「え?」

憂「今行っちゃうと、純ちゃん一人になっちゃうから」

純「憂…」

憂「えへへ、二人でどこか食べに行こっか」

純「…よし!今日は私がおごってあげる!!」

憂「いいよそんな…」

純「ううん、おごりたいの!今日おごると良いことが起きる気がする!」

憂「占い?」

純「そう!」

憂「…ふふっ、じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」

純「まかせて!」
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:42:22.22 ID:DA.TAUAO
MAXバーガー


純「と言いつつ結局MAXバーガー」

憂「ここは年中無休でよかったね」

純「…憂と二人っきりの食事って久しぶりかも」

憂「本当だ。最近は梓ちゃんと三人で食べてたもんね」

純「うん…梓かぁ…」

純「梓も今ごろ向こうで楽しくやってるのかな」

憂「たぶん…軽音部の人たちは良い人ばかりだから」

純「…じゃ、私たちも楽しく食べよっか。せっかく憂と二人なんだし」

憂「うん!」
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:44:39.60 ID:DA.TAUAO
ファミレス


梓(なんか憂と純に悪いことしちゃったかな…)

梓(でもまぁ二人はいいって言ってたし…)

唯「あ〜ずにゃん、なに食べよっか?」

梓「…先輩があずにゃんって言うから友達にも広まっちゃったじゃないですか」

唯「へ?」

梓「なんでもないです。こっちの話です」

唯「そう…?で、なに食べる?」

梓「……じゃあカレーを」
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:47:33.83 ID:DA.TAUAO
鈴木家


純「ただいまー」

「にゃー」

純「あっ、まだお前だけか」

純「今日はお父さんもお母さんも遅くなるって言ってたもんね」

「にゃー」

純「はぁ…人間関係って難しいよね」

「にゃー」

純「…まぁお前は猫だから分かんないだろうけど」

「にゃー」

純「……」

純「ふあぁ〜…」

純「……」

純「ん…お風呂入って寝よ」

純「今日は一緒に寝よっか?」

「にゃー」
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:49:11.75 ID:DA.TAUAO
翌日


梓「あっ」

純「どうしたの?」

梓「当たりくじ当たってた…コンビニの」

純「おぉ!」

憂「よかったね梓ちゃん」

梓「うん」

純「今日は運勢良いんじゃない?」

梓「…カレー食べたからかな」

純「?」

梓「なんでもない」
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:50:50.42 ID:DA.TAUAO
梓「……」

憂「梓ちゃん?」

梓「やっぱりこれ、純にあげる」

純「えっ、なんで?」

梓「昨日の占いのお礼」

純「?」

純「まぁいいや、もらえるならもらっておこ」

憂「ちなみにこれ何がもらえるの?」

梓「フルーツオレ」





#5 おわり
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/02(木) 23:51:28.06 ID:DA.TAUAO
今日はここまで
次からは投下が1〜2日空くかも
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/02(木) 23:59:24.61 ID:LC/dbIAO
相変わらず乙です!
1の純愛に即発されて書いた純SSをVIPに近いうちに投下しようかな
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/03(金) 02:08:12.11 ID:/D9HXXso
純だけでなく憂や梓もかわええのう
製速SSは間延びしがちだけどここは一話完結方式だからいいね
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/03(金) 09:16:22.57 ID:lrIyFZEP
純「日頃の行いが悪かったりとか?」

梓「純じゃないんだから、ちゃんとやってるよ」

はぁ?梓うぜ
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/03(金) 10:13:44.15 ID:KpVezhcP
うおおおおお乙
純ちゃんのボケの押しっぷりが可愛すぎる
それでいて繊細だったりとすごくイイね
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/03(金) 14:47:32.06 ID:8pUtytso
本編でありそうな話だけど本編より面白いな
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/03(金) 20:24:17.86 ID:qpMswtIo
何故この>>1は俺の純ちゃんの性格をこうも知り尽くしているのか、それが問題だ。
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 01:08:58.54 ID:OiS/scAO
おつ!!

>>1脚本のOVAを見てみたい
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 02:59:59.15 ID:IM/0EkUo
あんまりハードル上げるような事ばっか言うなよ
>>1はマジほのぼのの申し子
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 05:10:29.96 ID:MwgO4sAO
5話「お留守番!」の時のような後輩トリオ独特の空気感が完全に再現されてて頭の中で映像が浮かび上がるな。

このssを3期としてアニメ化して欲しいわ

>>1頑張って!
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:11:38.31 ID:wzgKpIAO
#6


純「あ〜つ〜い〜」

梓「夏だもん…」

純「これは地球温暖化だよ…絶対」

梓「地球温暖化ってなんだか知ってるの?」

純「あれでしょ、クーラーとか使うと空気が悪くなって暑くなるっていう」

梓「適当…」

憂「じゃあ世界中のクーラーがなくなればいいのかな?」

純「それはダメ!溶けちゃうから!!」

梓「溶けるの?純って」
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:13:03.61 ID:wzgKpIAO
純「あ゛〜づ〜い゛〜」

梓「今日は体育で水泳があるんだからいいじゃん」

憂「学校のプールって初めて入るよね」

梓「うん、なんか楽しみ」

憂「お姉ちゃんも今日楽しみにしてたよ」

純「あーつーいーっ」

梓「もう、そんなこと言ってると余計に暑くなるよ?」

純「だってあついんだもん」

純「夏なんてなくなればいいのに」

梓「純って冬だと逆のこと言ってそうだよね」
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:14:20.47 ID:wzgKpIAO
憂「夏だもんねぇ」

梓「もうすぐ夏休みかぁ…」

純「二人はどっか行く予定あるの?」

憂「う〜ん…特にないよ」

梓「私も。今年は家でどこかに行ったりしないからつまんないよ」

梓「純は?」

純「田舎に行く」

憂「いいな〜」

純「田舎だから何もないよ」
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:15:00.77 ID:wzgKpIAO
梓「でも田舎ってなんかいいじゃん。ゆっくりできそうで」

純「あ〜つ〜い〜」

梓「またそれ…」

憂「い、い…イカ」

梓「えっ、しりとり?」

憂「梓ちゃんの番だよ」

梓「え〜っと…か、か…」

梓「カラス!」

純「あつい」

梓「しりとりは!?」

純「あつ゛い…」
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:17:18.35 ID:wzgKpIAO
一時間目
英語

純「あつい…」


二時間目
数学

純「あつ…」


三時間目
古文

純「……」


四時間目
体育

純「プールよ!プール!!」

梓「元気だ…」
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:19:19.01 ID:wzgKpIAO
着替え中


純「…憂ってスタイルいいよね」

憂「え…えっ!?」

純「胸あるし」

憂「そ、そんな風に見ちゃヤダよ」

純「私もまだ発展途上…のはず」

純「梓は…」

梓「な、なに?」

純「大丈夫、それはそれでかわいいよ!」

梓「いいよ…もうほとんど諦めてるから…」
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:23:44.10 ID:wzgKpIAO
純「プールだ!」バシャバシャ

憂「水温もちょうどいいね」

純「高校生だしバタフライも泳げるようになるかな」

純「梓はねこかきだよね」

梓「ねこかきってなに?」

純「犬かきみたいな」

梓「猫はおよげないし…」

憂「ねこかきってかわいいかも」

純「はぁ〜…水泳の時間は癒される」

先生「じゃーまずは25mを八本ねー」

純「え?」
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:28:23.23 ID:wzgKpIAO
純「ゼェーッ…ハァーッ…」

憂「じゅ、純ちゃん大丈夫?」

純「高校のプールなめてた…」

梓「私もさすがにつかれた。憂は余裕そうだね」

憂「えへへ」

純「はぁ…はぁ…」

梓「唯先輩も同じくらい体力あるの?」

憂「うーん…ないかな」

梓「だろうね」

純「つかれた…」

先生「次、平泳ぎ八本」

純「うぇっ!?」

梓「仕方ないよ、純」

純「もう水泳やりたくない…」

梓「さっきまで喜んでたのに」
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:31:48.97 ID:wzgKpIAO
お昼


純「この繰り返される日常にいい加減うんざりしてきた」

梓「……」

憂「……」

純「つかれたの」

梓「水泳で?」

純「うん。いや、毎日に!」

憂「毎日?」

純「だって毎日同じことばかりじゃん」

純「授業受けて、お昼食べて、部活して…」

純「なんにも変わらない日常」

純「なんか退屈!」
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:35:19.35 ID:wzgKpIAO
純「こう…刺激がほしいの!」

憂「刺激かぁ」

純「日常がガラッと変わる出来事でも起きないかなぁ」

梓「……」

梓(軽音部ののんびりした日常からは脱却したいかも)

純「どうしたら起きるかな?」

純「まさかこのクラスにすでに宇宙人や未来人がいたりして…」

憂「それはさすがにないんじゃ」

純「だよねぇ」

純「じゃあやっぱり憂が超人説が正しいのかな」

憂「ちょ、超人じゃないよ?」

梓「……」
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:38:46.25 ID:wzgKpIAO
梓「…やっぱり、毎日を変えるにはまず自分を変えるしかないのかもしれないんだよ!」

純「お、梓がそれらしいことを言った」

純「確かに一理あるかも…」

梓「私がしっかりしなきゃダメなんだ!!」

梓(でなきゃお茶ばっか飲んでる軽音部は潰れちゃう!)

梓「今日こそは…必ず充実した練習を!!」

純「梓が燃えてる…なぜかは知らないけど」

憂「軽音部のことかな?」

純「梓がしっかりしないとダメになるって…どんだけ」

憂「あはは…」
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:41:57.98 ID:wzgKpIAO
憂「私も今日はいつもと違ったことしようかな」

純「なにするの?」

憂「う〜ん…夕飯のおかずを豪華にしてみる」

憂「今日は肉じゃがの予定だったんだけど、変更して…」

憂「サーモンのカルパッチョとカボチャのスープとサラダと…」

純「へぇ〜カルパッチョかぁ。へぇ〜…」

純(カルパッチョ?)

憂「お姉ちゃん喜ぶかな〜」

純「けっきょく憂はお姉さんのために頑張るわけね」

憂「えへー」

梓(なら私は唯先輩に厳しくしよう)
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:43:43.80 ID:wzgKpIAO
純「私はどうしよう…なにしよっかな」

純「……」

純「なにも思いつかない」

憂「なんでもいいんじゃない?」

純「なんでもってのが究極的に難しいんだよねぇ…」

梓「ジャズ研をがんばるとか」

純「いつもがんばってます!」
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:45:28.97 ID:wzgKpIAO
憂「勉強をがんばるは?」

純「い、一応そこそこやってるよ」

梓「ドーナツを食べない」

純「それは無理」

憂「髪型を変える」

純「それも無理」

憂「動かない」

梓「喋らない」

純「全部やらないと私じゃなくなる!!」
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:48:43.26 ID:wzgKpIAO
純「もういいもん!一人で考えるから!」

梓「で、どうするの?」

純「……」

純「大人の女性になろう」

憂「大人って?」

純「それは…大人っていったら大人だよ」

純「大人…大人…」

純「……」

純「大人ってなに?」

梓「さぁ?」

キーンコーンカーンコーン

純「あっ、昼休み終わっちゃった…」
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:52:58.29 ID:wzgKpIAO
放課後
ジャズ研

ボン♪ボボン♪


先輩「今日は気合い入ってるね」

純「はい!」

先輩「どうしたの?急に熱くなって」

純「いやぁ、なんか自分を変えてみたくって…とりあえずいつもの二倍がんばってみようかと」

先輩「ふぅん…自分を変えるねぇ」
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 03:58:27.54 ID:wzgKpIAO
純「あれ?…なんかおかしいですか?」

先輩「ううん、別に」

純「でもやってはみてるんですけど…イマイチ変わった実感ないんですよね」

先輩「そりゃそうでしょ、急に変わる人なんていないんだから」

先輩「いきなり突拍子もないことしたって、失敗するだけよ」

純「はぁ…」

先輩「ま、無理しない程度にね」

先輩「二歩進んで一歩退がるぐらいがちょうどいいと思うよ」
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 04:01:37.33 ID:wzgKpIAO
純「先輩もそういう経験があるんですか?」

先輩「私?私は…」

先輩「二歩進んで…進んで…」

先輩「退がって…退がって…退がって…」

先輩「ようやく進んだと思ったらまた退がって…」

先輩「ふっ…ふふふ……」

純(聞かない方がよかったのかも…)

先輩「どうせ私なんか…」

純「な、何があったか知りませんけど元気出してください先輩!」
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 04:05:52.86 ID:wzgKpIAO
鈴木家


純(先輩も色々大変なんだろうな〜)

純(二歩進んで一歩退がる、か)

純「う〜ん…」

純母「純、夕飯作る間にお風呂入っちゃいなさい」

純「はーい」

純「……」

純「ねぇお母さん」

純母「なに?」

純「今日のご飯はカルパッチョ作ってよ」

純母「カルパッチョ?なにそれ?」

純「…知らない」

純母「は?」
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 04:07:49.22 ID:wzgKpIAO
純「ふぅ、食べた食べた」

純「しかしお母さんがカルパッチョを知らないとは…」

純「新しいものを食べれば新しい自分になれると思ったんだけどなぁ」

純「う〜ん……」

純「そうだ、さっき買った本でも読もうかな」

純「読書は教養を高めるし」ガサゴソ

純「あった、これこれ…」

純「!?」
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 04:10:07.81 ID:wzgKpIAO
純「こ、これ…」

純「前に買ったやつと同じじゃん!?」

純「しかも梓にネタバレされたやつだし!!」

純「また1500円無駄にしちゃったー!!」ガクッ

純「はぁ…」

純「ねぇ、あの頃の私…なんで買う前に気づかないのよ…」

純「……」

純「ベースでも弾こう…」
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 04:13:59.43 ID:wzgKpIAO
純「あ〜ぁ…お金ムダにしちゃった…」ブツブツ

純「あっ、ベースの弦張り替えなきゃいけないんだった」

純「え〜っと弦…弦…」

純「あれっ……ない…」

純「……」

純「本なんかより弦買いなさいよ…」

純「はぁ…今日は変なことに神経がまわってうまくいかないなぁ…」

純「……」

純「宿題…」

純「あっ!?ノート教室に忘れた!!」

純「うわ〜んっ!!もうやだーっ!!」
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 04:16:54.95 ID:wzgKpIAO
翌日


梓「はぁ…結局昨日も満足いく練習ができなかった」

梓「私はマジメにやろうとしてるのに…」

純「……」

梓「あ、おはよう純。昨日はどうだった?」

梓「私は全然だめ。うまくいかないよ」

純「……あつい」

梓「もう、またそれ?」

梓「昨日も言ってたじゃん」

純「だって今日もあついんだもん」



#6 おわり
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 04:18:22.06 ID:wzgKpIAO
今日はここまで
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 06:13:14.59 ID:2E04hEAO
乙!
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 13:58:30.55 ID:ah9b1RgP
このスレはあると安心するスレ
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 16:13:37.14 ID:jQ3O2sYo
バレンタイン回を見た後に見るとまた格別だな
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 00:01:16.36 ID:B1vjPgAO
おっつ


純ってこんなに可愛いんだな…
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 03:46:07.31 ID:ixASouY0
うん、こうして見ると純ちゃんって1番ヒロイン向きのキャラなんだよね。

そこを見抜いた>>1はやっぱスゴイよ。
心から乙です。
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 11:01:49.09 ID:sTLoTMAO
勘違いしないで欲しいな

僕は、2期が始まるよりずっと前から!

通りすがりの……純ちゃんスキーだ!
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:02:07.70 ID:6ZVWpAAO
#7


平沢家

こんにちは、平沢憂です。
今日は純ちゃんと一緒に夏休みの宿題をやっています。
お姉ちゃんは軽音部の合宿で家にいません。



憂「純ちゃん、麦茶持ってきたよ」

純「ん…」

憂「ちょっと休憩しよっか」

純「はぁーっ、疲れた」
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:03:59.76 ID:6ZVWpAAO
純「あー、せっかくの夏休みなのに宿題だなんて」

憂「でも早めに終わらせれば後が楽になるよ」

純「うん、憂がいてくれてよかった」

純「私一人じゃサボってたかもしれないし」

憂「……」ソワソワ

純「…どうしたの?」

憂「え?」

純「なんか落ち着きがないよ」

憂「えっと〜…」

純「ははーん、もしかしてお姉さんのことが心配?」
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:05:56.66 ID:6ZVWpAAO
憂「心配ってほどじゃ…」

憂「ただ怪我とかしてないかなとか、なにか問題が起きてないかなとか思ってて…」

純「それって心配してんじゃん」

憂「お姉ちゃん大丈夫かな…」

純「心配性だねぇ…あ、テレビつけていい?」

憂「うん、いいよ」

TV『続いてのニュースです』

217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:09:09.43 ID:6ZVWpAAO
TV『今朝、○○県××市で女子高生5人と思われる死体が近隣住人により発見され…』

憂「えっ…」

純「あ…」

TV『○○警察署では身元の確認を…』

憂「……」

純「……」

憂「……」

純「け、軽音部って四人だったよね…」

憂「梓ちゃんが入ったから…5人だよ」

純「だよね…」
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:10:33.32 ID:6ZVWpAAO
憂「……」

純「……」

憂「……」

純「えっと〜…」

憂「そうだ!で、電話すればいいんだ!!」

純「ああそっか!!」

Prrrr、Prrrr…
ピッ

憂「もしもしお姉ちゃん!?」
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:12:27.12 ID:6ZVWpAAO
憂「えっ…あの…」

憂「お姉ちゃんは…」

憂「……」

憂「はい…はい…」

憂「そうですか…」

憂「……」

憂「はい、分かりました」

憂「ではよろしくお願いします…」

ピッ
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:15:08.15 ID:6ZVWpAAO
憂「……」ポロポロ

純「な、なに?どうしたの!?」

憂「よかった〜」ポロポロ

純「へ?」

憂「あのね…グズッ…電話したら出たのが律さんでね」

憂「お姉ちゃん今お昼ご飯食べた後でお昼寝して…グズッ…これからみんなで…」

純「ちょっ、落ち着いてよ憂!結局無事だったの?」

憂「うん!元気だって!」

純「なんだ…驚かさないでよ」

憂「ごめんね」
221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:17:20.47 ID:6ZVWpAAO
純「まぁ何事もなくてよかったじゃん」

憂「うん、本当によかった」

純「はぁ…気が抜けたらお腹すいちゃったよ」

憂「私たちもご飯食べよっか。昨日の余ったシチューがあるの」

純「ぜひ!」

憂「ちょっと待っててね」

純「…ん?一人だったのに余るほどシチュー作ったの?」

憂「えへへ、ついうっかりしてて」
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:20:34.21 ID:6ZVWpAAO
モグモグ

純「うんっ!おいしい!!」

純「もしお腹いっぱいでもこれはおいしいかも」

憂「…」ニコニコ

純「…なんでそんなに笑顔?」

憂「なんでもないよ。気にしないで」

純「?」
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:22:50.78 ID:6ZVWpAAO
純「ごちそうさまでした」

憂「お粗末様でした」

純「ふぅ…少し食べ過ぎたかも」

憂「純ちゃんがいっぱい食べてくれたから、お鍋も空っぽになったよ」

純「あぁ〜…このまま寝ちゃいたい」

憂「体に悪いよ。宿題の続きしよ?」

純「んーっ!……はぁ」

純「勉強したくない…」
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:25:55.54 ID:6ZVWpAAO
純「そういえば夏休みに入ってから梓に会ってないな〜」

憂「こんど三人でどこか遊びに行く?」

純「う〜ん…今年はジャズ研も忙しいし、お盆には田舎も行くし…」

憂「そっか、残念」

純「まぁどうせ夏休み明けには会えるよ」

憂「みんな早く学校で会えるといいね」

純「でも夏休みは終わってほしくないんだよね〜」

憂「あはは」
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:27:20.31 ID:6ZVWpAAO
勉強中


純「うーん…」

憂「……」

純「ねぇ憂、ここ教えて」

憂「えっと、そこはね」

憂「ここをこうして…」

純「なるほど!ありがとう!」

憂「うんっ」
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:28:23.56 ID:6ZVWpAAO
純「……」

憂「……」

純「う〜ん…」

憂「……」

純「ねぇ憂」

憂「なに?」

純「休もっか」

憂「まだ10分しかやってないよ…」
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:29:42.59 ID:6ZVWpAAO
TV『それでは問題です』

純「あっ、クイズ番外やってる」

純「これちょっとやってみようよ」

憂「もう、純ちゃんったら」

TV『次の空白に入る文字はなんでしょう』

TV『ioaioeoii□uo…』
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:32:07.98 ID:6ZVWpAAO
純「えっ…う〜ん」

純「なにこれ…」

憂「……uかな」

純「え?」

憂「自信ないけどたぶん…いろはの母音を並べたんだと思う」

純「いろは?いろはって確か…」

純「いろはにほへと…と…と…」

TV『正解は‘u’です!』

純「当たってる!?」

憂「やった!」
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:34:19.97 ID:6ZVWpAAO
TV『問題です』

TV『ギリシア古典と密儀宗教のミトラス教に心酔し、改宗して異教復興を企てたが失敗した…』

TV『教会から背教者と呼ばれたローマ皇帝は誰でしょう』

純「ロ、ローマ皇帝??」

憂「えっとぉ…」

純「なんでローマの問題を日本で出すのよ〜!」

憂「でも世界史でやったよね?」

純「やったっけ?」

憂「うん」
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:36:09.04 ID:6ZVWpAAO
純「えぇ〜…なんだっけ…」

純「こういうのって名前のあとに3世とか4世とかつくよね」

純「ボンジュール3世かな」

憂「そ、そんな名前の人はいないんじゃ」

純「じゃあローマっぽい名前…」

純「ローマってフランスだっけ?」

憂「イタリアだよ」

純「イタリア…ピザ…」

純「ピザーラ3世!」

TV『残り30秒』

純「うわっ!ふざけてる場合じゃない!!」
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:39:19.19 ID:6ZVWpAAO
純「えっとえっと…」

純「キバーラ3世?キバットバット3世??」

憂「3世にこだわらなくても……あっ、分かった!」

憂「ユリアヌスだ!」

純「ゆ、百合アヌス??」

純「アヌスってなに?」

TV『正解はユリアヌスです』

憂「やったー!」

純「本当だ…」

純「こんな変な名前分かるわけないよ…」
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:41:41.08 ID:6ZVWpAAO
憂「えへへー、2問連続正解しちゃった」

純「クイズ番組はもういいや…分かんないし」

憂「じゃあ勉強しよっか」

純「えー…」

憂「勉強すればクイズも分かるかもしれないよ?」

純「うっ…なんか憂に乗せられようとしている…」

憂「えへへ」

純「……はぁ」

純「勉強すっかー」

憂「勉強すっぞー」
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:43:37.37 ID:6ZVWpAAO
>>227
×純「あっ、クイズ番外やってる」

○純「あっ、クイズ番組やってる」
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:44:55.42 ID:6ZVWpAAO

・・・・・


純「けっこう続かないね、やりたくないことは」

憂「純ちゃんは今なにやりたい?」

純「そうだねぇ…あっ!」

純「今年まだ海に行ってない!!」

憂「海かぁ」

純「この夏は無理かな…まぁいいけど。水着買ってないし」

純「あ〜それと冷やし中華も食べてないや。夏なのに」

憂「冷やし中華かぁ」
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:47:25.28 ID:6ZVWpAAO
純「そういう憂はなにしたいの?」

憂「私はね…みんなと一緒に過ごせたらいいかな」

純「みんな?」

憂「うん、お姉ちゃんと一日中まったりしたり」

憂「梓ちゃんや純ちゃんと遊んだり」

憂「誰かと一緒になにかを楽しめたらいいな〜」

純「ふーん…なんかいつもと変わんない感じだね」

憂「でもそれが楽しいから」

純「そっか…まぁそうかもね」
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:48:50.66 ID:6ZVWpAAO

・・・・・


純「はぁ…ようやく終わった」

憂「けっこう進んだ〜」

純「んー…ちょっと遅くなっちゃったね」

憂「あっ、夕飯作らないと!」

純「もう?」

憂「今日お姉ちゃんが帰ってくるからいっぱい作ってあげるんだ〜」

純「姉好きだね〜憂は」

憂「だってお姉ちゃんに会えるんだもん。嬉しいに決まってるよ!」

純「はいはい」
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:51:38.53 ID:6ZVWpAAO
純「あーぁ、私も憂みたいな妹が欲しいな」

純「憂といれば落ち着くし、楽しそうだもん」

憂「純ちゃんがお姉ちゃんってちょっと変かも」

純「じゃあ私が妹で憂がお姉ちゃん」

憂「私がお姉ちゃんか…それはおもしろそうかも」

純「そして梓が三女」

憂「梓ちゃんが三女…ぴったり!」

純「ね、末っ子って感じするよね」


TV『ニュースです。今朝死体で発見された女子高生5人の身元が判明しました』
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:54:14.52 ID:6ZVWpAAO
憂「あっ…」

TV『5人は○○高校の…』

純「……」

憂「……」

純「物騒だね」

憂「うん…」

憂「お姉ちゃんたちは無事だったけど、誰かが亡くなったことにはかわりないんだよね」

憂「せっかくの夏休みなのに…」

純「……」

純「と、とりあえず私は気をつけないと!」

憂「…そうだね」
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:56:13.32 ID:6ZVWpAAO
憂「さてと、夕飯作らなきゃ」

憂「よかったら純ちゃんも食べていく?」

純「…いや、いいよ」

純「二人で楽しみなって」

憂「遠慮しなくてもいいのに」

純「いいっていいって」

純「それにしても憂は頑張るね〜、勉強終わったばかりなのに」

憂「お姉ちゃんがいるから頑張れるんだよ」

憂「もしお姉ちゃんがいなかったら、今の私はいないかも」
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:58:24.35 ID:6ZVWpAAO
純「…そういうもん?」

憂「だって誰かのために何かしてあげれるのって、嬉しいでしょ?」

純「あはは…まだ私にはよく分かんないや」

憂「純ちゃんにもできるよ、そういう人」

純「そうかな?」

憂「そのうちね」

純「そういうもんか」

憂「うん、そういうもの」

純「ふーん……じゃ、そろそろ帰るね」

憂「またね」

純「うん、また…暇なときにね」
241 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 23:59:59.45 ID:6ZVWpAAO
純「誰かのためにか…」

純「憂は優しいなぁ」

純「……」

純「そういえば、梓も帰ってくるのか」

純「メールでも送っておこっと」

純「なんて送ろうかな…」

純「む〜」

純「どこ行ったんだろう」

純「なにしたのかな…」

純「……」

純「まぁいっか、疲れてるだろうし」
242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/08(水) 00:03:04.23 ID:6h35bgAO
中野家


梓「…疲れた」

梓「……」

梓「結局遊びつくしちゃった」ガクッ

梓「体も真っ黒だし……はぁ」

梓「毒されてるのかな…認めたくないけど」

〜♪

梓「あ…メールだ」
243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/08(水) 00:06:46.37 ID:6h35bgAO


―――――――――――――
From:鈴木純
Sub:合宿お疲れ様!
―――――――――――――


帰るまでが合宿だぞ!
不審者に気をつけろ〜ヽ(・_・;)ノ


―――――――――――――





梓「…?」


#7 おわり
244 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/08(水) 00:08:26.76 ID:6h35bgAO
今日はここまで
245 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 00:20:46.51 ID:CjykQo.o
乙です。

純はちょっと唯に似てる部分があるかも。
246 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 01:21:49.83 ID:Shd98YSO
(‘u’)
247 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 02:38:10.45 ID:6qrVCbAo
>>1は他の人のスレ荒らしてる?
248 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 09:06:19.82 ID:pU9xIaUP

憂・純・梓の3姉妹の設定で若草物語を思い出した。あっちは4人だけどww
憂=メグ(おっとり)に、純=ジョー(おてんば)に、
梓はベス(内気)&エイミー(おませ)の合成って感じ?
249 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 10:25:24.05 ID:ftQUGA2o
>>247
見てきた
ゲッパでID被りってのは考えにくいな
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 10:43:57.28 ID:6h35bgAO
>>247
してないよ
どこのスレ?
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/08(水) 10:48:49.71 ID:6h35bgAO
>>247
今見て来た
俺禁書読んでないよマジで
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 10:55:36.45 ID:Une8qu.0
本当なら管理人裁定をしてもらいたいな
管理人ならIPまで見えるし、IPは固定だし
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 10:59:29.68 ID:6h35bgAO
>>252
そうしてもらえるならそうして欲しい
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 11:30:43.61 ID:6h35bgAO
なんか俺もショックだわ…。
こんな所でいくらやってないって言っても信じてもらえないし。

禁書スレの人たちには迷惑かけたみたいで申し訳ないです。
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 13:12:20.52 ID:qdOTVAAO
俺の知らない間に何かがあったらしいが
>>1に嫉妬する何者かの犯行なのか?
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 13:19:21.84 ID:hezgDuYo
嫉妬でID同じにできたら怖すぎる
さすがに偶然だろう
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 13:25:44.82 ID:qdOTVAAO
そうだね
今回もよかった
いちおつ
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 13:58:54.83 ID:erbXClMo
>>250
両方とも楽しく読ませてもらってるんだけど

あっちに荒らしがわいたのでNG登録
でこのスレに戻るとあぼーんだらけ
ID確認したら例の荒らしと同じ

でも1と荒らしが同一人物とは思えないので1に確認してみました
つまらないこと聞いて申し訳ない
誤解でよかったです
259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 14:01:31.89 ID:erbXClMo
>>258>>247です
260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 17:11:24.01 ID:AsWx9No0
自治スレで疑いが晴れたようです
作者の人は潔白のようです

これからも頑張ってくださいね
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/08(水) 17:21:52.25 ID:dzfevnQo
31 名前:出来杉3.0 ★[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 17:00:05.27 ID:???
この荒らしの人と
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1281028247/508

>>26の人は
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282846948/l50
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1281028247/535

異なるEZ番号です

32 名前:出来杉3.0 ★[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 17:00:43.64 ID:???
>>30
残念ながらVIP別荘のID生産方式だと、ezwebはむちゃくちゃかぶりやすいです^^;





これからも似たような事が起きるかもしれんが頑張ってくれ
262 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 18:12:33.89 ID:qdOTVAAO
よかったよかった
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 21:37:10.13 ID:hezgDuYo
一安心だね
続き頑張ってください
264 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 23:30:09.94 ID:6h35bgAO
お騒がせして申し訳ありませんでした。
265 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/08(水) 23:33:49.65 ID:dzfevnQo
なんか今回の話は改めて読んだら怖いな
純たちが宿題やってたり普通に日常を満喫してる一方で殺人事件とか非日常的なことが起きてるとか
その後に憂がいつも通りが楽しいって言ってるのに説得力があった

あと憂がシチュー作りすぎたのが実は唯のためだったりとか色々細かいね
266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 23:48:42.79 ID:6h35bgAO
>>265
このSSはそういう感じで読み取ってもらえると嬉しい
読み取れなくても普通に面白い話を書きたいけど
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/09(木) 01:18:53.87 ID:jxou2YAO
面白くて好きな作品なので頑張ってください
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:08:01.07 ID:T0LKJEAO
#8


梓「憂!」

憂「あっ、梓ちゃん」

梓「こんなところで会えるなんて思ってなかったよ」

梓「買い物帰り?」

憂「うん、今日の夕飯の」

梓「重たそうだね…半分持ってあげる」

憂「えっ、いいよそんな」
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:09:49.17 ID:T0LKJEAO
梓「遠慮しないで」

憂「じゃあ…お願いしちゃおうかな」

梓「うん、よいしょ…」

梓(おもっ!?)

憂「大丈夫?」

梓「だ、大丈夫大丈夫」

憂「本当?」

梓「なんとか…」

梓「それより、今日はなに作るの?」

憂「えっとね、ミートボールとかぶのトマト煮」

梓(また凝った料理だなぁ…)
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:11:38.17 ID:T0LKJEAO
学校


純「あ゛〜…夏休みなのに練習厳しいな〜…」

同級生「研究会だと思ってなめてたわ…」

純「かき氷食べた〜い」

同級生「私オレンジ味…」

純「じゃあ私メロン…」

純「…てかオレンジ味ってあるの?」

同級生「どこかにあると思う」

純「オレンジかぁ…意外とイケるかも」
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:13:07.64 ID:T0LKJEAO
同級生「ところでさぁ、中野さんって軽音部だっけ?」

純「うん、そうだよ」

同級生「ギターだよね?」

純「そう」

同級生「いいな〜、私もギターやればよかった」

同級生「ドラムはもう嫌だ。疲れるし」

純「じゃあなんでドラム始めたの」

同級生「…私さ、昔おじいちゃんがいたんだ」

純「おじいちゃん?」

同級生「うん」
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:15:25.67 ID:T0LKJEAO
同級生「それでさ、覚えてないんだけど小さい頃おじいちゃんを叩きまくってたんだって」

純「ひどっ」

同級生「それでまた覚えてないんだけどさ、おじいちゃんに『よく人を叩く子だね〜』って言われたんだって」

同級生「だからドラム始めたんだと思う」

純「よく分かんない理由…おじいちゃんはドラムじゃないでしょ」

同級生「純はなんでベース始めたの?」

純「おしえなーい」

同級生「私は教えたのに」

純「ちょっと休ませてよ、練習で疲れてるんだから」
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:19:53.99 ID:T0LKJEAO
純「ジャズ研って、研究会なのに活動が本格的だよね」

純「なのになんでまだ部じゃなくて会なんだろう…人数だって少ないわけじゃないのに」

同級生「実は実は実は、それについて黒い噂を聞いたんだよ!」

純「黒い噂…?」

同級生「うちの学校は文化部が多くて管理が難しいから、生徒会が意図的に減らそうとしてるの!」

純「えぇ〜!?」

同級生「ほら、音楽系でも合唱部、吹奏楽部、軽音部とかがあるでしょ?」

同級生「多くて目障りだからジャズ研は会から部に上げてもらえないのよ!」
274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:24:28.11 ID:T0LKJEAO
純「なっ、そうなの!?」

同級生「世の中って薄汚れてるのね」

純(生徒会って確か…この前図書館で注意してきたメガネの人がいるところだ)

純(ムッカ〜…今度会ったら文句言ってやる!)

先輩「そんなわけないでしょ」

同級生「あっ…先輩」

先輩「ジャズ研究会はできて間もないし、活動実績がないから部に昇格できないだけよ」

先輩B「…音楽系の部が多いから昇格しにくいってのは当たってるけど」

純「なんだ…そういうことか」

先輩B「だから今年は練習を頑張るんですよね〜。10月のコンテストで賞取るために」

先輩「そう、その通り。よく言ったわ」

先輩B「まぁ人数も揃ってるくせして研究会だなんてダサすぎますからね〜」

先輩「ちょっと黙ってなさい」
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:25:37.60 ID:T0LKJEAO
先輩B「あ〜こわい」

純「コンテストかぁ」

同級生「それに学祭でもライブやるんだよね…」

先輩B「まぁ〜学祭はコンテストのリハーサルみたいなもんだから気楽にやりなよ」

先輩B「二人が出れるかは知らないけど」

純「うっ…」

先輩B「ジャズ研はサバ〜イバ〜〜ル」

先輩「あんたも練習しないと危ないわよ」

先輩B「ギターは上手いんで問題ないですよ〜」

先輩「はぁ」
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:27:16.60 ID:T0LKJEAO
先輩「少し休憩したらまた始めるわよ」

純「きついな〜…軽音部は楽だって聞いたのに」

先輩「軽音部?」ピクッ

純「あれ、知らないんですか?」

純「軽音部って、練習ほとんどやらないでお茶飲んだりおしゃべりしてるらしいですよ」

同級生「なにそれ!?いいな〜」

純「ねー」

先輩B「それってありなの?」

先輩「…休憩はなし。今すぐ練習を再開するわよ」

純「えぇ!?」
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:29:05.02 ID:T0LKJEAO
同級生「で、でも少し休憩って…」

先輩「そんな暇はない!」

純「ひっ!?」ビクッ

同級生「どうしたんだろう急に…」

先輩B「…嫉妬か」

純「え?」

先輩「なんでお茶ばっか飲んでるところが部で私たちが会なのよ…」ブツブツ

先輩「絶対昇格してやる…」ブツブツ

純「あー…なるほど」

先輩B「繊細だからね〜〜彼女は」

先輩「ほら、早く準備しなさい!」
278 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:30:32.71 ID:T0LKJEAO
先輩B「まぁ〜いいじゃないですか。休んでからでも」

先輩「ダメよ!少しでも練習して、コンテストで賞を取るんだから!!」

先輩「絶対に見返してやる…」

先輩B「見返すって、誰と勝負してるんだろうナ〜…ねぇ?」」

純「は、はぁ」

先輩「とにかく、練習するわよ!」

先輩B「いや、休んだほうがいいですって」

先輩B「途中で疲れて集中力が切れたら効率の良い練習できないですよ?」

先輩「……」

先輩B「ね?」

先輩「……しょうがないわね」
279 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:31:56.51 ID:T0LKJEAO
先輩「ただし、休むなら本気で休みなさい」

純(本気で休むって…?)

先輩B「いや〜よかったよかった。これで落ち着けるよ」

同級生「さすがです!」

先輩B「…まぁ〜あの人の気持ちも分からんでもないけどね」

先輩B「私は2年だけど、あの人は3年で今年が最後だし」

純「あっ…そっか」

先輩B「自分の在学中になんとかして、ジャズ研を部に上げたいんだろうね〜」

純「……」
280 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:35:00.28 ID:T0LKJEAO
同級生「そういえば、先輩がジャズ研にこだわってる理由ってなんなんですか?」

同級生「さっきも軽音部に反応してたりしてましたけど」

先輩B「あ〜〜〜なんだっけ」

先輩B「聞いた話だと…」

先輩B「あの人、確か軽音部に入部するはずだったんよ」

純「えっ、そうなんですか!?」

先輩B「でも当時の軽音部は怖い人だらけだったらしくてね〜。あの人ビビって入部するのやめちゃったんだって」

先輩B「かっこわるいよね〜」

純「あんまり聞きたくなかった話ですね…」
281 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:37:32.04 ID:T0LKJEAO
先輩B「でもどうしてもベースがやりたいからって、同じクラスの…先輩2を誘ってジャズ研を立ち上げたんだとさ」

純「へぇ〜」

先輩B「それで徐々に人が集まって、今のジャズ研があるわけ」

先輩B「ま、自分で作ったチームなんだからそれなりに誇りがあるのは当然だね〜」

先輩B「それなのに廃部しかかった軽音部が復活して、しかもお茶ばっか飲んでのんびりしてるのに部活として認められるなんて笑えちゃうよねー」

純「わ、笑い事ですか…」

同級生「けどなんかレアな話が聞けたなぁ」

先輩B「あの人には内緒だよ〜。バレたら頭グリグリされるから」

先輩「聞こえてるわよ」グリグリ

先輩B「アウチッ!」
282 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:39:21.29 ID:T0LKJEAO
先輩「まったく…なにを話してるかと思ったら」

純「すいません…」

先輩B「じゃあ猥談でもしましょうか?」

先輩「しません!休憩時間をもっと有意義に使いなさい!!」

純「ま、まぁまぁ…」

先輩B「やれやれ、厳しいナ〜」

先輩「はぁ…来年はあなたが部長になるかもしれないんだからしっかりしてよ」

先輩B「え〜めんどくさ〜い」

先輩「…そうね、部長って顔でもないし」

先輩B「んなっ!?」
283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:41:03.35 ID:T0LKJEAO
先輩「この部はまだまだ甘いわ」

先輩B「部じゃなくて会ですよ〜」

先輩「私が残っている間に存続できるかも危ういわ」

純「そんな…大丈夫ですって!なんとかなりますよ!!」

先輩「純…ありがとう」

先輩B「そうそう、私もいますから安心して引退してください」

先輩「あんたがいるから不安なのよ…」
284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:43:04.63 ID:T0LKJEAO
先輩「純」

純「あ、はい」

先輩「あなたは真面目にやりなさいよ。この子に影響されちゃダメだからね」
先輩B「失敬な。ビビりなくせして」

純「はい!頑張ります!!」

先輩「あなたもね」

同級生「は、はい!」

先輩「じゃ…練習再開しましょうか」

先輩B「だるい〜〜〜」

先輩「そんなんじゃすぐ後輩に追い抜かれるわよ」

先輩B「だって私ギター上手いもん」

純「あっ、私のクラスメイトもギター上手いんですよ」
285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:47:06.91 ID:T0LKJEAO
先輩B「あぇ?そうなん?」

純「はい」

純(あれ…そういえば私、梓の演奏聴いたことないや…)

純(まぁたぶん上手いんだろう…)

先輩「へ〜そんな子が軽音部に」

先輩「ジャズ研に入ってくれればよかったのに」ボソッ

純「でもなんか、ジャズ研のジャズはジャズとは違うとか言って入るのやめちゃったんですよね」

先輩「ッ!?」カチンッ

先輩B「言うね〜。自信家だ」
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:49:07.24 ID:T0LKJEAO
先輩「……」

純「せ、先輩?」

先輩「…今日は通常メニューにプラスして特別メニューもやりましょうか」

純「えっ」

先輩B「あ〜ぁ、その友達のせいで大変なことになっちゃった」

先輩「たかが一年のくせに…チッ」

純「!?」

先輩B「純、その友達に言っておいて」

先輩B「夜道に気をつけなって」

純「えぇっ!?」

先輩B「さてと、冗談はおいといて」

先輩B「私も気合い入れるか〜…ジャズじゃないなんて言われたら腹立つし」

純(ひょっとして…ジャズ研で梓株が大暴落!?)
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:51:24.35 ID:T0LKJEAO
平沢家


梓「ふぅ…」

憂「ごめんね梓ちゃん、家まで運ばせちゃって」

梓「いいのいいの…にゃっ!?」ゴトッ

憂「梓ちゃん大丈夫!?」

梓「ごめん…かぶ落としちゃった」

憂「あぁ、気にしないで。洗えば平気だから」


#8 おわり
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 23:53:26.03 ID:T0LKJEAO
今日はここまで
ジャズ研は好き勝手妄想して書きました
すいません
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/09(木) 23:54:20.41 ID:n0E5jMso
けいおん部は活動実績ないよな
さわ子の権力か・・・
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 00:16:29.39 ID:.oAxVD2o
以外と黒いな
291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/10(金) 00:52:42.17 ID:H0rSfuIo
梓の株が大暴落
梓がかぶを落とした

ダジャレかいッ!
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 01:07:04.47 ID:sHzizgYo
もうこれでスピンオフアニメ作ってくれよ
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 02:45:34.18 ID:HxiYPF.0
>>289
唯達より前の世代だと、多少は実績があったって事じゃないかしら?
さわちゃん先生だって、普通にギター巧かったわけだし
どんな実績なのかはわからんけども
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 08:50:28.98 ID:/AFy6IUP
会から部への昇格ストーリーktkr
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/11(土) 18:42:33.06 ID:7JK8alUo
このSSでは純ちゃんは最終的に軽音部に入るのかな?
ジャズ研では仲良くやってるみたいだし先輩や先輩Bが許すかどうか
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/11(土) 19:23:33.99 ID:QUs7GYgP
本編でも未来はそうなるからな(きらら最新号参照)
297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 00:15:17.25 ID:xepyHIAO
おつ!!


このスレは和む
298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 00:19:06.35 ID:8TwZK22o
あー、きらら見てないけどやっぱり純合流して軽音部存続するんだ
299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:20:37.86 ID:kU1yCoAO
#9


純「ひさしぶりー」

梓「あっ、おはよう純」

憂「おはよう」

純「まだあっついねー」

純「ん?…梓、背伸びた?」

梓「…嫌味?」

純「あれっ!?」

梓「全然伸びてないよ…」

純「そっか…久しぶりに会ったからそう見えた」

純「ドンマイ!」

梓「慰めなくていいから…」
300 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:24:41.32 ID:kU1yCoAO
純「それにしても夏休み明けって、みんなあか抜けた感じに見えるよね」

憂「うん、なんだか大人っぽくなったみたい」

梓「どうせ私は…」

純「あーほらほら、いじけないの」

純「梓も変わったと思うよ?」

梓「本当!?どこらへんが?」

純「………髪が」

純「伸びた」

梓「……」

純「……ごめん」

梓「謝らないで…」
301 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:27:48.32 ID:kU1yCoAO
憂「純ちゃんは大人っぽくなったね」

純「あっ、分かる?色々経験したからねー」

憂「経験!?」

純「うん」

純(夏休みはジャズ研で色々あったな〜)

純(ほぼ毎日練習してたからすっかりベースが上達したし)

梓「じゅ、純が…」

憂「純ちゃん…経験ってまさか///」

純「二人はなに考えてんのよ」
302 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:30:29.59 ID:kU1yCoAO
純「はぁ〜…今日からまた学校が始まると思うと憂鬱だな〜」

梓「私、朝起きるのつらかった」

純「夏休みの生活習慣が抜けないよね」

憂「お姉ちゃん起こすのも大変だったなぁ」

純「今日は始業式だからすぐ終わるけどさ…」

純「あぁ…その後ジャズ研があるんだった…」

純「うぅ〜…できれば今すぐ寝たい」

梓「なに言って…」

純「ぐぅー」

梓「本当に寝てる!?」
303 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:34:00.75 ID:kU1yCoAO
憂「寝ちゃダメだよ純ちゃん、始業式始まっちゃうよ」

純「んん〜…」

梓「純のことだから、昨日遅くまでゲームやってたんでしょ?」

純「そんなことやるわけないじゃん…」

純「漫画読んでたんだよ」

梓「同じことじゃん…」

純「そして帰ったら続き読むの」

梓「寝なくていいの?」

純「!」

純「ど、どっちにすればいいのかな…?」

梓「好きにすればいいんじゃない?」
304 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:35:54.26 ID:kU1yCoAO
始業式


校長「え〜…夏休みも終わり心機一転、新たな気持ちで…」

純「ねむ…」ウトウト

梓(また寝ようとしてる…)

梓「起きて、純」ツン

純「ちょ…くすぐったいよ」

梓「起こしてあげてるの」

純「もう…お返しだ」ツンツン

梓「ひゃうんっ!!!」ビクンッ

シーン

校長「……」

梓「あっ……///」

梓(じゅ、純!!)

純(他人のふり他人のふり…)
305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:38:39.20 ID:kU1yCoAO
梓「もう!さっきは最悪だった!!」

純「ごめんごめん、まさかあんなに敏感だなんて」

梓「むぅ…変なとこつつくから…」

憂「えいっ」ツン

梓「にゃっ!?」ビクッ

純「かわいいな〜梓は」

憂「ね」

梓「や、やめてよもうっ」

純「でも顔が赤くなってるよ?」

梓「変なとこ触るから…」

憂「梓ちゃんを見てると抱きつきたくなるな〜」

梓「唯先輩みたいなことは本当にやめて」

純「真顔だ」
306 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:40:38.21 ID:kU1yCoAO
純「さてと…」

憂「どうしたの?」

純「ん?二学期の目標でも考えようかなって」

梓「へぇ…」

純「なにか良い目標はないかな」

純「う〜ん…」

憂「思いついた?」

純「お金を…拾うとか」

梓「目標なの?」
307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:43:00.54 ID:kU1yCoAO
純「お金欲しいなー」

梓「まぁ…そりゃ欲しいけど」

純「どっかに一億円落ちてないかなー」

梓「そんな夢みたいなことあるわけないじゃん」

純「でも一億あればなんでもできるし…」

梓「一億円でなにするの?」

純「床にお札をばらまいてダイブしたい」

梓「使うんじゃないのか…」

純「梓は一億あったらどうする?」

梓「……」

梓「まず自分専用のスタジオを作って…それで新しいエフェクターとか機材を…」

純「結構本気で考えてるね」
308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:49:15.20 ID:kU1yCoAO
憂「私もなにか目標を考えようかな〜」

純「憂はどんな目標にするの?」

憂「えーっと…」

憂「お姉ちゃんにおいしい料理を作れるようにして、お姉ちゃんに気持ちよく過ごせるように掃除を頑張って」

憂「お姉ちゃんに…」

純「全部お姉さんのためかい!」

憂「うんっ」

梓「憂も相変わらずだね…」

純「自分自身のためになる目標とかはないの?」

憂「自分自身の…」

憂「うーん…お姉ちゃんのためにがんばるのが自分自身のためにもなるかな」

純「いや…まぁいいけどさ」
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:50:56.61 ID:kU1yCoAO
純「梓は?」

梓「え?」

純「二学期の目標」

梓「私は…ギターをがんばるとか」

純「なんか普通」

梓「いいじゃん、普通でも」

純「普通はダメだよ。せっかくの目標なんだからもっと壮大な感じじゃないと」

梓「じゃあ例えば?」

純「……」

純「クラスの全員からあずにゃんって呼ばれるようになる、ってのは?」

梓「絶対イヤ」
310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:53:08.46 ID:kU1yCoAO
純「ダメかぁ…良い案だと思ったんだけど」

憂(あずにゃんって呼びたいなぁ…)

梓「…軽音」

純「ん?」

梓「軽音部でライブを成功させる」

梓「それが私の目標っ!」

憂「梓ちゃん…」

純「梓は軽音部が大好きなんだね」

憂「そうなの!お姉ちゃんも梓ちゃんはすっかり軽音部色に染まったって言ってたし」

梓「そ、染まってないもん!」

純「ていうか軽音部色って?」
311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 00:56:14.02 ID:kU1yCoAO
梓「でも先輩たちがもうちょっと真面目に練習してくれれば…」

純「そうか…梓の目標は軽音か……」

純「けいおん!」

梓「…なに?」

純「言ってみただけ」

純「そういえばさ、ひらがなで『けいおん!』って書くとなんか可愛くない?」カキカキ

憂「あっ、本当だ」

梓「…いいかも」

純「『K-ON!』」カキカキ

憂「かっこいい!」

純「なんか文字的にヴィジュアル系バンドっぽいよね」

純「そういうの挑戦してみたら?」

梓「え、遠慮しておく…」

梓(さわ子先生みたいなのは勘弁)
312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 01:00:55.43 ID:kU1yCoAO
純「私の場合は…『ジャズけん!』になるのかな」

純「憂は…」

憂「『おねえちゃん!』」

純「結局そうなるんかい」

憂「じゃあ『ひらさわ!』」

憂「あっ、やっぱり『ゆい!』」

憂「はっ!?お姉ちゃんを呼び捨てにしちゃった!!」

憂「ど、どうしよう!呼び捨てだなんて///」

純「とりあえず落ち着きなさい」

梓「憂が壊れた」
313 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 01:01:57.49 ID:GSUsaWMo
帰ってこいwwwwww
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 01:03:28.44 ID:kU1yCoAO
純「『けいおん!』『ジャズけん!』『おねえちゃん!』」

純「目標もこうやって書くとゆるく見えるね」

憂「でも良いんじゃない?かわいいし」

純「そだね」

梓(ゆるい、かぁ…)

梓(そういえば高校に入ってから毎日ゆるい感じかも)

梓(そう考えると『けいおん!』って字はぴったり…)

梓「……」

梓「って、ゆるいままじゃダメでしょ私ー!!」

憂「ど、どうしたの!?」

純「今度は梓が壊れた」
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 01:05:16.16 ID:kU1yCoAO
純「あっ、もうそろそろ時間だ」

憂「帰らないとね」

梓「私は軽音部で打ち合わせがある」

純「私もジャズ研」

憂「そっか、二人とも頑張ってね」

純「それにしても、今日はなんか楽しかったなぁ」

純「久しぶりに二人に会えたからかも」

憂「……」

梓「……」

純「え?なに?」
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 01:07:10.55 ID:kU1yCoAO
憂「えへへー。寂しかったんだね純ちゃん」

純「さ、寂しい!?」

梓「ごめんね、夏休み会えなくて」

純「べ、別に寂しいとか思ってないし!!」

憂「本当は?」

純「寂しくないもん!」

梓「でも本当は?」

純「寂しくないもん!!」

梓「強がってる…」

憂「かわいいー」
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 01:10:03.76 ID:kU1yCoAO
梓「そういえば憂とは夏休み中しょっちゅう会ってたよね」

憂「うん、けっこう遊んだね」

純「……」

梓「律先輩に会った時はビックリりしたよ」

憂「あの時は楽しかったよねー」

憂「紬さんの執事さんが電話に出たりして」

梓「あはは、おもしろかったー」

純「あーもー!!二人ばっかりずるいー!!」

憂「やっぱり寂しかった?」

純「寂しくないもん!!」

梓「まだ言う…」
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 01:12:49.62 ID:kU1yCoAO


梓「はぁー…久しぶりの学校疲れたなぁ」

梓「それにしても、ちょっと拍子抜けしちゃった」

梓「みんな何だかんだで変わってないんだもん」

梓「……私もか」

〜♪

梓「?」

梓(純から電話だ)

梓「もしもし…」

純『あっ、梓?』

純『今すっごく眠いんだけどさ、マンガ読破した方がいいかな!?それとも寝た方がいいかな!?』

梓「……好きにして」



#9 おわり
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 01:13:28.61 ID:kU1yCoAO
今日はここまで
320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 01:25:34.89 ID:upvzPQwo


相変わらず再現度パネえ
普通に頭の中で永田声が流れるわー
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 03:23:54.00 ID:G/fSf2AO
乙です!
いつも楽しみにしております!
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 08:38:13.12 ID:QqLjlzIP
ZZZ…じゃなくて乙乙乙
確かにあのボイスが普通に脳内で再生されるんだよなww

『ジャズけん!』かもーん!純ちゃああああん
323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 10:37:11.71 ID:f0kxktko
乙乙
純たち新生軽音部の話でけいおん!!!やってくれないかなあ
そしたらこんな感じになるよね
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 13:30:24.09 ID:xepyHIAO
おつ

純ちゃん萌え
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 15:17:05.21 ID:mTKKaYAO


唯の次に純ちゃん好きだからヤバいわ
いや同じぐらい好き……いや唯より好きかもしれない
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 23:45:05.30 ID:p9zpQOMo
この日常が続いて欲しいと思うけど最後はこの三人も卒業しちゃうんだよね…
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/13(月) 00:03:49.11 ID:SqYO4s20
乙!
328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/14(火) 00:54:30.54 ID:eCLRF6SO
>>1
あずまんが好きでしょ?
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/14(火) 01:32:37.60 ID:U7LVBwAO
純ちゃんの底知れぬ素質を引き出す>>1がいると聞いて
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 01:16:25.90 ID:d2FJ0YAO
#10


純「高校でも遠足ってあるんだね」

憂「楽しみだね〜」

梓「どこ行くんだっけ?」

純「えーと…なんとか自然公園だったと思う」

憂「結構広くて秋の紅葉がきれいなんだって」

憂「栗拾いもできるから、いっぱい取ってお土産にしなきゃ」

純「松茸も取れるらしいよ」

梓憂「うそっ!?」

純「いや…嘘だけど」

梓「驚かさないでよ!」

純「そんな驚くとは思わなくて」
331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 01:17:44.13 ID:d2FJ0YAO
バス移動中


純「おぉ〜」

純「バスに乗ってるとなんかワクワクしてきた!」

憂「これから到着まで二時間だっけ」

梓「長いなぁ…」

純「わっ!ビルがいっぱい並んでる!!」

憂「バス酔いとか大丈夫?」

梓「うん、平気」

純「ねぇ、お菓子持ってきたから食べようよ!」

梓「純は楽しそうだね…」
332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 01:18:15.70 ID:5oZOl/Y0
なぜ今なんだ。あと5分で最終話なのに。なんで。
333 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 01:19:28.32 ID:d2FJ0YAO
パーキングエリア


純「うわぁ〜!パーキングだよパーキング!」

憂「色々あるね〜」

純「地域限定のお菓子とかもある…」

純「お土産買わない?」

憂「ふふっ、まだ早いよ」

純「でもなんかストラップを買おうとしてる人が」

憂「え?」

梓「か、可愛いからちょっと見てただけだって!」
334 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 01:21:12.15 ID:d2FJ0YAO
再びバス


純「たこ焼き買ってきたよ」

梓「もう?」

純「えへへ、見てたらお腹すいちゃって」

梓「ただの休憩で寄っただけなのに…」

純「食べる?」

梓「…じゃあ一個」

純「はい、憂も」

憂「ありがとう」

純「焼きそばもあるからね」

梓「どんだけ買ったの!?」
335 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 01:23:25.10 ID:d2FJ0YAO
純「ぐぅー」

梓「全部食べて寝ちゃった」

憂「朝早かったからご飯とか食べてこなかったのかな?」

梓「しょうがないなぁ…」

憂「あ、着いたみたい」

梓「純、公園に着いたよ。起きて」

純「う〜ん…」

憂「ちゃんと朝ご飯は食べてこないとダメだよ?」

純「朝ご飯…?」

純「食べたよ」

梓「なら食べ過ぎでしょ…」
336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 01:25:29.34 ID:d2FJ0YAO
憂「わぁー!紅葉がきれい!」

梓「まっ赤だ…」

純「写メ撮ろう!写メ!」

憂「あ、うん」

憂「1+1は?」

梓純「に!」

パシャッ

純「次は私が撮るね」

純「8785−7964は?」

梓「え…えっと…」

梓「2じゃないし!?」

パシャッ
337 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 01:58:51.93 ID:d2FJ0YAO
純「それにしても…本当にすごいね」

憂「このもみじ持ち帰りたいな〜」

純「あっ、ドングリも落ちてる」

梓「広いなぁ…辺り一面紅葉だらけ」

憂「風も気持ちいいし、秋って感じだね」

梓「うん、なんか葉っぱの良い匂いもするし…来てよかった」

憂「きれい…怖いくらいに」

純「見て!ドングリいっぱい拾った!」
338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:00:50.25 ID:d2FJ0YAO
純「う〜ん…歩いても歩いても、紅葉ばかり」

純「この道どこまで続いてるんだろ?」

憂「散歩しながらゆっくり楽しもうよ」

純「でも他のものも見たいな……あっ」

純「梓」

梓「なに?」

純「肩に毛虫」

梓「ひいぃっ!?」

純「あっはは!冗談だよー」

梓「こ、こら純!!」

憂「あっ、純ちゃん。肩に毛虫」

純「またまたぁ、憂が冗談なんてらしくないよ?」

憂「でも本当に…」

純「えっ」

毛虫「……」

純「ひいぃぃいっ!?」
339 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:04:38.82 ID:5oZOl/Y0
最終話おわったら更新されてた。わーい。
340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:05:13.82 ID:d2FJ0YAO
純「あー……心臓止まるかと思った」

梓「悪いことした罰だよ」

純「すいません」

憂「あっ!見て、湖がある!!」

純「うわ…でかっ!?」

憂「周りの景色が水面に映っててきれいだね〜」

梓「すごい…」

純「ネッシーとか住んでるかな」

梓「それはないでしょ」

純「なら何が住んでるの?」

梓「……モッシー」

純「は?」

梓「もみじだから…モッシー」

純「……ぷっ」

梓「なし!今のなし!!」
341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:08:35.45 ID:d2FJ0YAO
憂「ボートに乗れるみたいだよ」

純「じゃあ乗ろうよ!」

憂「すいません、ボート貸してください」

純「梓はボートに乗ったことある?」

梓「…ないかも」

純「じゃあ溺れないように気をつけないとね」

梓「溺れるものなの!?」

純「いや、私も乗ったことないから知らないけど」

梓「なにそれ…」

憂「ボート借りてきたよ〜」
342 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:10:40.18 ID:d2FJ0YAO
純「私漕ぐね!」

憂「お願い純ちゃん」

純「よしきた」ギィッ

純「よいしょ…よいしょ…」

梓「いいね…こういうの」

憂「うん、水面は涼しくていいね」

梓「葉っぱが浮かんでる」

憂「ふふっ」

梓「はぁ〜…のんびり」

憂「秋だねー」

純(あっ、腕がヤバい)
343 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:12:55.50 ID:d2FJ0YAO
憂「はぁ…」ウットリ

梓「ふぅ…」ウットリ

純「はぁ…はぁ…」

憂「……」

梓「……」

純「うっ…ぐぐぐ…」

憂「……」

梓「……」

純「うぅ…〜〜〜ッ」

憂「……」

梓「……」

純「ぷはぁっ!!」

憂「代わる?」

純「お願いします…」
344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:15:06.57 ID:d2FJ0YAO
純「あ〜…ボート疲れた」

憂「大丈夫?」

純「ちょっと休んでいこうよ」

梓「うん…歩き疲れたし」

憂「あそこでアヒルさんにエサあげられるんだって。私ちょっとやってくるね」

梓「憂は元気だなぁ…ねぇ純」

梓「……」

梓「純?」

純「私もやってくる!」

梓「あっ!?」

梓「…」

梓「ずるい!私もやる!!」
345 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:16:42.15 ID:d2FJ0YAO
憂「えいっ」バッ

アヒル「クワックワッ」

純「おぉ!いっぱい食べてる」

梓(かわいい…)

純「アヒルって変な顔してるよね」

憂「えー、かっこいいよ?」

梓「……」

梓(どうしてこうも感性が違うのだろうか…)

アヒル「クワックワッ」
346 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:19:06.39 ID:d2FJ0YAO
純「私もなんだかお腹すいてきちゃった」

梓「あんだけ食べたのに?」

純「歩いたりしたから平気だもん…たぶん」

憂「栗拾い行こうよ。終わった後は栗ごはんも食べられるんだって」

純「栗ごはん!?」

純「メリー栗スマス!!」

梓「……」

純「……」

憂「え?」

純(すべった…)
347 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:22:41.82 ID:d2FJ0YAO
栗拾い


純「うわ!もう他の班は始めちゃってるよ」

梓「拾った栗は持ち帰っていいからみんな一生懸命だ…」

純「私たちもちゃっちゃとやろうか?憂」

憂「うん!!」ビシッ

純(わぁお…)

梓(すごい気合い入ってる…)

憂(栗…いっぱい拾って帰らなきゃ!!)
348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:24:28.55 ID:d2FJ0YAO
純「ツンツンだ…ウニみたい」

梓「痛そう…」

純「う〜ん…大きいやつはどこかな」

純「あっ、梓!そこにあるよ!」

梓「えっ?本当だ」ヒョイ

純「よーし、私も…」

純「あっ!大きいドングリがある!!」

梓「栗は?」
349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:26:38.96 ID:d2FJ0YAO
純「あんまり拾えないもんだね」

梓「はぁ…腰が痛い」

純「年ですか?」

梓「違います」

純「あれ?そういえば憂は…」

憂「お待たせー」ドサッリ

梓(えぇーっ!?)

純(拾いすぎでしょ!?)

憂「あまり拾えなかったね」

梓純「その量で!?」
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:29:09.67 ID:d2FJ0YAO
昼食


純「こ、これは…!!」

純「栗ごはん!サンマ!お味噌汁!なんかのキノコの和え物!」

純「ここに住みたい!!秋限定で」

憂「美味しそうだね〜」

梓「予想以上に豪華…」

純「梓、大きい栗が入ってたからあげる」

梓「えっ…ありがとう」

梓(なんか純が優しい…)

純「じゃあそのサンマと交換ね」

梓「等価になってないー!!」
351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:32:14.20 ID:d2FJ0YAO
純「満腹だー幸せー」

憂「これからまた散策しよっか」

純「えー疲れたよぅ」

梓「私はどっちでも…」

憂「ならじゃんけんで決めようよ。勝った人のしたいことをするの」

純「いいよ、じゃんけん――」

三人「ポンッ!」

梓「勝った!」

純「あっち向いてホイ!」

梓(追加ルール!?しかも私が勝ったのに!?)
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:34:46.21 ID:d2FJ0YAO
純「で、梓はなにしたいの?」

梓「えっ…う〜ん」

憂「なんでもいいよ」

梓「うぅ〜ん…」

梓(いざ決めるとなると迷う…)

梓「えっとね〜…」

純「あっ!リスだ!!」

梓憂「え?」

リス「……」
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:36:28.54 ID:d2FJ0YAO
梓「うわ…か…っ」

憂「かわいい〜!!」

リス「……」

純「おいでー、おいでー」

リス「……」

憂「かわいいー!かわいいよ梓ちゃん!!」

梓「う、うん」ドキドキ

リス「……」タタタッ

純「あれっ!?」

憂「行っちゃった…」

純「追いかけよう!」
354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:39:05.92 ID:d2FJ0YAO
純「確かここにいるはず…」

梓「リスとかいるんだね、この公園」

憂「また会えないかな…」

憂「あのシッポがかわいいよね〜」

梓「手足がかわいいよ」

純「口が可愛くない?」

梓「なんか私たちって、見てるところが全然違うね」

純「じゃあ全部かわいいってことで」

梓「…そんなんでいいの?」

憂「あっ、いた!」
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:40:57.17 ID:d2FJ0YAO
リスA「……」

リスB「……」

リスC「……」




憂「三匹いるね」

梓「親子かな…?」

純「友達だったりして」

憂「なんか楽しそう…」

梓「……」
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:44:04.62 ID:d2FJ0YAO
リスA「……」

リスB「……」

リスC「……」





純「仲良いね、あの三匹」

梓「うん」

憂「そっとしておいてあげよっか…」

純「…だね。邪魔しちゃ悪いし」
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:52:26.96 ID:d2FJ0YAO
純「いやーでも可愛かったね」

憂「うん!」

梓「リスが見れただけでもラッキーだった」

純「やっぱリスと言えばあの口だね」

憂「えー?シッポもかわいいよ…」

憂「あっ、コスモス」

純「えっ?」

憂「たくさん咲いてる…きれい」

梓「ここは…花がいっぱいだね」

純「色々あるねぇ」
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:55:52.88 ID:d2FJ0YAO
憂「楽しいなぁ…」

憂「おもしろいものがいっぱいあるんだもん」

純「うん、本当は最初乗り気じゃなかったけど…」

純「案外楽しめるもんだね」

梓「……」

梓(そっか、見てるものは違うけど…)

梓(楽しい気持ちは同じか)
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:58:32.44 ID:d2FJ0YAO
帰りのバス


純「……」ガサゴソ

梓「なにやってるの?」

純「お土産をちょっと食べようかと…」

梓「はやっ!? 」

純「でもどうしよう…お腹いっぱいだ」

憂「あれだけ食べればそうなるよ」

純「……」

純「一口だけなら」

梓「食べるんかい」


#10 おわり
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 02:59:27.48 ID:d2FJ0YAO
今日はここまで
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/15(水) 03:02:50.34 ID:755kjYAO
乙!
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/15(水) 03:45:29.46 ID:XrRRjU6o
ありがとうございました。
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/15(水) 08:34:35.81 ID:aZgOLQAO
おつ
最終回終わっちゃったけど番外編とかあるからこれからも頑張って
364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/15(水) 11:41:16.47 ID:4yhL/DcP
乙!
リアルでも夏の暑さがやわらいできたからイイね
365 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/16(木) 19:21:57.14 ID:qER/UtMo
書籍化しようか
366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/16(木) 22:26:22.38 ID:huWAqnM0
本誌も終わっちゃったし、いい跡継ぎが見つかったな
きららの人に知らせなきゃ
367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/16(木) 23:51:30.09 ID:H73EdAko
ちょっと京アニとTBSに電話してくる
368 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 03:13:08.52 ID:CR/s22AO
つか本人じゃね?
369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 08:33:26.41 ID:TPsb.6sP
!!
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/17(金) 14:56:24.15 ID:p7E/kRM0
乙 だが、もう少し3人トリオ以外の登場人物が欲しいな
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 17:28:35.68 ID:eTUsAZc0
いや、トリオだけで基本十分だろ
番外編楽しみだな
372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 18:19:39.81 ID:S8SRecAO
>>370
軽音部メンバーは学祭まであまり絡ませないようにしている
それとタイトルにジャズけんと書いてあるので興味ないかもしれないがジャズ研の先輩の話も書こうと思ってる
あと和ちゃんがちょくちょく出るかもしれない
373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 18:33:16.69 ID:HYAt9EQo
>>372
軽音部が怖い人ばっかだからジャズ研立ち上げた先輩好きだよww
ジャズ研が研究会だったことの整合もこれで取れるし、設定としても上手いと思う
374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 19:07:49.17 ID:TZxYjZgo
むしろ先輩と先輩Bの参考画像を
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:21:16.87 ID:RMMwWsAO
#11


先輩B「…なにコレ?」

純「もみじ饅頭です。この前の遠足のお土産で」

先輩B「あ〜、あの公園か〜」

先輩B「私も去年行ったよ〜。紅葉きれいだったよね〜」

純「まさに秋って感じですよね」

ガチャッ

先輩「あら?…なにしてるの?」

純「あっ先輩!これ遠足のお土産です」

純「よかったらどうぞ」

先輩「遠足?」

先輩B「一年の時行くじゃないですか」

先輩B「なんとか自然公園ってとこ」
376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:22:26.07 ID:RMMwWsAO
先輩B「私ボート乗った〜」

純「あっ、私も乗りました!」

先輩B「漕ぐの疲れるんだよね〜」

純「私も腕パンパンになっちゃって」

先輩「……」

純「先輩も行きましたよね?」

先輩「……その日」

先輩「私風邪ひいて行けなかった…」

純「……」

先輩B「……」

先輩「……」

純「あの…えっと…」

純「いっぱいあるんで食べてください…」

先輩「うん…」グスン
377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:23:56.21 ID:RMMwWsAO
先輩B「そういえばもうすぐ学園祭だけど〜」

先輩B「純のクラスは何やるの?」

純「へ?私のクラスですか?」

純「お化け屋敷ですよ」

先輩B「あ〜…絶対行かない」

純「え!?」

先輩B「お化けは怖くないけど、ドッキリ的なものが苦手なんだよね〜」

純「そんな〜…来て欲しいです」

先輩B「う〜ん…考えとく」

先輩B「先輩はなにやるの?」

先輩「演劇よ」
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:25:28.83 ID:RMMwWsAO
先輩B「なに役?木とかフナムシとか?」

先輩「違うわよ。ていうかフナムシってなによ」

先輩「私は衣装担当」

先輩B「なんだ、つまんないの〜」

純「先輩ってそういうのもできるんですね」

先輩「まぁ…服のデザインとかは興味あったし」

先輩B「そうだ、ジャズ研の衣装も考えてくださいよ!」

先輩B「それで学祭やコンテストの時に着る〜」

先輩「そんな余裕あるわけないでしょ」

先輩B「余裕があればやるんですか?」

先輩「そ、それは…」
379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:26:47.67 ID:RMMwWsAO
先輩B「なんだよ、軽音部は派手だったのに〜」

先輩「…ッ」

先輩「軽音部は関係ない!それに私たちジャズ研は見た目じゃなくて中身!!」

先輩B「見た目だって立派なパフォーマンスだよね〜?」

純「え〜っと…まぁ」

先輩「か、かわいい衣装着たいなら軽音部に行けばいいでしょ!?」

先輩「よそはよそ!うちはうち!!」

先輩「そんなに軽音部に行きたいなら軽音部の人になっちゃいなさい!!」

先輩B「相変わらず軽音部コンプレックスがすごい人だ」
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:27:51.94 ID:RMMwWsAO
先輩「なによ…みんなして軽音部軽音部…」ブツブツ

純「い、いいんですか…あのままで」

先輩B「まぁいつものことさ…不器用な人なんだよ」

純「?」

先輩B「…それよか、学祭とコンテストに向けて練習始めよっか」

先輩B「部長〜、みんな集まってんだし始めるよ〜」

先輩「わかってる!」

先輩B「いつまでもいじけないでくださいよ」

先輩「いじけてないもん!」

純「…先輩たちって仲いいよね」

同級生「うん」
381 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:28:52.19 ID:RMMwWsAO
翌日


梓「〜♪」

純「おっと、ご機嫌ですなぁ梓さん」

梓「えへへ、だってもうすぐ学祭なんだもん」

梓「軽音部でライブができると思うと楽しみで」

憂「そっか、梓ちゃんは初ライブなんだね」

梓「うんっ!」

純「いいな〜、学祭出れるんだ」
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:29:51.52 ID:RMMwWsAO
梓「あれ?純はジャズ研で出ないの?」

純「ジャズ研は競争が厳しいのです」

梓「ふ〜ん…大変そうだね」

純「まったく、他人事だと思って」

憂「純ちゃんも来年は出れるよ」

純「むぅ…いいもん、今年はお化け屋敷がんばるから」
383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:31:34.32 ID:RMMwWsAO
憂「純ちゃんはなんのオバケだっけ?」

純「ふっふっふ…私は――」

純「ドラキュラだぁ!!」

憂「十字架っ!」

純「うわー!」

憂「ニンニクっ!」

純「ぐわー!」

憂「あとは首を切り落として心臓に杭を打って死体を燃やして灰を川に捨てれば退治完了だよ」

純「こわっ!?」
384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:32:43.16 ID:RMMwWsAO
純「憂はなんだっけ?」

憂「えへへ、魔女」

純「あ〜…なんか魔法かけられそうだね」

純「梓は?」

梓「私は…まだ決まってない」

憂「猫娘でいいんじゃない?」

梓「えっ」

純「あー!似合う似合う」
385 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:33:45.88 ID:RMMwWsAO
純「ネコミミつけて…」

純「にゃー!!、って驚かせばぴったり」

梓「ぜ、絶対イヤ!!」

梓「ネコミミなんて軽音部みたいなこと絶対イヤだからねっ!」

純「……軽音部って普段なにやってんの?」

梓「え?」

純「ネコミミつけて演奏してんの?」

梓「ち、違う!普通に練習してる!!」

純「…軽音部って謎だよね〜」
386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:34:46.48 ID:RMMwWsAO
梓「謎って…」

純「なんか何やってんのかよく分かんないじゃん」

純「本当にマジメに活動してんの?」

梓「うっ…」

梓(マジメかと聞かれると…)

純「ん?」

梓「…してるよ」

純「例えば?」

梓「え?」

純「例えばどんな練習してる?」
387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:37:16.81 ID:RMMwWsAO
梓「れ、練習はしてるよ…?」

純「だから練習内容だよ」

梓「練習内容は…」

梓「……」

梓「普通に演奏して合わせたりミーティングしたり…」

純「それだけ?」

梓「それだけだよ…」

純「ふーん、そうなんだ…」

純「てっきり軽音部のことだから、変わった特訓でもしてるのかと思った」

憂「変わった特訓って?」
388 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:39:15.60 ID:RMMwWsAO
純「例えば…」



律『今日の練習は学祭に向けての特別メニュー…』

律『ケーキの早食いだー!!』

唯澪紬梓『おー!!』

唯『ケーキおいしいー!!』

律『食え!ケーキを食うんだ!!』

律『私たち軽音部は、ケーキを食べるたびに強くなっていく!!』

梓『はい律先輩!!』

澪『ケーキを食べると力がわいてくる…!』

紬『エクセレント!!マーベラス!!』

唯『これで学祭のライブもバッチリだねっ!』

律『ケーキが一番、ケーキがあればなんでもできるっ!』

律『いくぞーっ!!1、2、3…』

五人『ダーーーーッ!!』
389 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:41:18.72 ID:RMMwWsAO
純「あとは…」



律『今日の練習は、コスプレだー!!』

律『我々のような舞台に立つ人間にとって、見た目は最も重要な要素!』

律『各々コスプレをして自分を磨きあげろー!!』

唯『私はメイドー♪』

澪『私はゴスロリー♪』

紬『私はナース♪』

梓『私はネコでーす♪』

律『そして私はアマゾネスだー!!』

唯『なんでやねーんっ』

五人『あっはっはっは!!』
390 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:42:41.92 ID:RMMwWsAO
梓「そんなひどくなーい!!」

純「ごめん、なんかそういうイメージしかなくて」

純「軽音部って奇想天外って感じじゃん?」

梓「少なくとも私は違うよ!誰がネコミミなんか…」

憂「似合いそうなのに」

純「やれやれ、これじゃお化け屋敷で猫娘も無理だね」
391 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:45:02.16 ID:RMMwWsAO
梓「私は裏方やるからいいよ…」

女「あっ、中野さん…座敷わらし役が空いてるけどやる?」

梓「えっ」

女「実は予定してた子が急にできなくなって…」

純「座敷わらしだって、かわいいじゃん」

憂「いいんじゃない?梓ちゃん」

梓「ざ、座敷わらし…」

女「どうかな?」

梓「いや…でも私裏方で…」
392 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:46:09.11 ID:RMMwWsAO
女「そっかぁ…」

梓「あっ、けど座敷わらしなら…」

梓「いや…そんな格好して唯先輩にでも見つかったら…」

梓「あーでもネコミミしないんだったら…」

梓「いやでも唯先輩のことだから…」

梓「けど…」

梓「う〜ん…」

女「ど、どっち…?」

純「優柔不断だな〜…」

純「よし!私が決めてあげる」
393 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:47:33.44 ID:RMMwWsAO
梓「純が?」

憂「どうやって?」

純「コインを上に投げて」

純「表だったら座敷わらし、裏だったら裏方をやるってことで」

梓「そんな適当な…」

純「んじゃいくよー」ピンッ

ピュー

純「あぁ!?私の100円が飛んでった!!」

梓「……」
394 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:48:39.85 ID:RMMwWsAO
純「100円!100円どこ!?」

女「どうする?」

梓「学校終わるまでには考えておく」

女「うん、分かった」

憂「座敷わらしでもお姉ちゃん喜ぶと思うよ?」

梓「それが不安なんだよ…」

純「100円見つかんないよ〜!!」
395 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:50:03.66 ID:RMMwWsAO
純「うぅ…グスン」

憂「元気出して純ちゃん」

梓「そのうち見つかるって」

純「…で、結局梓はおばけやるの?」

梓「考え中」

純「はぁ〜…私の100円が犠牲になったってのに」

梓「勝手に飛ばしたのは純でしょ」

純「むっ」

憂「まあまあ」
396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:52:06.52 ID:RMMwWsAO
梓「…私だってやりたくないわけじゃないよ?」

梓「けどおばけの格好したのを唯先輩とかに見られると、絶対にいじられるからいやなの…」

梓「唯先輩が抱きついてこなければ喜んでやるって」

純「つまりやりたいんでしょ?」

梓「そうだけど…唯先輩がいるからイヤ」

憂「そんな…お姉ちゃん悪いことしてないのに…」

梓「あっ…き、嫌いなわけじゃないの!ただ鬱陶しいっていうか…」

憂「鬱陶しい!?」ガーン

梓「ち、違う!今のは言葉のあやで…」
397 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:53:17.18 ID:RMMwWsAO
純「それで結局どうすんの?」

梓「だから、やりたいけど唯先輩が邪魔なんだって!!」

憂「邪魔!?」ガーン

梓「い、今のは言い過ぎた!」

純「鬱陶しくて邪魔な先輩か…」

純「唯先輩もかわいそうだね」

梓「ちーがーうー!そこまで言うつもりはなくてー!!」
398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:54:56.23 ID:RMMwWsAO
梓「唯先輩が喜ぶせいで私に被害が…」

純「優しそうな先輩なのに」

梓「…なにも考えてないだけだよ」

梓「私を見つけるたびに抱きついたりして…」

梓「……」

唯『あ〜ずにゃんっ!』ダキッ

梓『ふにゃっ!?』

梓「あぁもう!唯先輩のバカ!!」

憂「バ、バカ!?」ガーン

梓「だからー!!」

純「梓…不器用な子」
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:56:10.81 ID:RMMwWsAO
HR

キーンコーンカーンコーン


先生「えー、もうすぐ学祭なので準備に必要なものが早めに連絡すること」

先生「以上」

「きりーつ、礼」

純「さて、ドラキュラの衣装でも用意しておこ」

純「座敷わらしも頑張ってね」

梓「うぅ…今になって選んだの後悔してる」

憂「魔女か〜…どうしよっかな〜」
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 02:59:07.68 ID:RMMwWsAO
梓「はぁ…絶対先輩にいじられる」

純「いいじゃん、それで喜んでくれる人がいるんだから」

梓「純は唯先輩のぶっ飛び具合を知らないから言えるんだよ…」

純「…そのうち梓も軽音部に染まってぶっ飛んだりして」

梓「ない!絶対ない!!」

純「あはは!じゃあ私ジャズ研行ってくるね」

憂「いってらっしゃ〜い」

梓(私が唯先輩たちみたいに…)

梓「ないない…」
401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 03:00:11.21 ID:RMMwWsAO
放課後

ガラッ


純「こんにちはー」

先輩B「おいっす〜」

先輩「う〜…」

純「…なにしてるんですか?」

先輩B「なんか〜衣装のことで悩んでるんだって」

先輩「こっちにしようか…それとも…」

先輩B「優柔不断な人だナ〜」

先輩「ゆ、優柔不断じゃないわよ!」
402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 03:01:11.32 ID:RMMwWsAO
先輩「衣装をしっかり選ばないと…着る人に迷惑じゃない」

純「どれも良さそうですけど」

先輩「全然違う。こっちは派手すぎるし…」

先輩「こっちだとおとなしすぎるっていうか…」

先輩「ど、どれにしよう…」

先輩B「やっぱり優柔不断じゃん」

先輩「優柔不断じゃない!」

先輩「慎重なの…」

先輩「そう…私は慎重なの!」
403 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 03:03:57.33 ID:RMMwWsAO
先輩B「はいはい」

先輩「あぁもう…どれにすれば…」

純「かなり悩んでますね」

先輩B「まぁ最後の学祭なんだし…好きなだけ悩ませてあげな」

先輩2「ちょっと、なにやってるの。もう練習の時間よ?」

先輩「ごめん…衣装が決まらなくて」

先輩2「後で決めればいいじゃない」

先輩2「時間はまだあるのよ?」

先輩「そうよね…あとで決めよう」

先輩「ジャズ研の衣装」

先輩2「そっちかい!!」

先輩B「私たちは練習始めよっか〜」

純「あ…はい」

純(結局着るんだ…衣装)


#11 おわり
404 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/18(土) 03:05:01.94 ID:RMMwWsAO
今日はここまで
405 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/18(土) 03:11:56.46 ID:ISfkHIUo
おつ
406 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/18(土) 04:52:51.94 ID:04QaDbEo
そうか…
確かにけいおんは終わった…
だがスピンオフを出さないとは言っていない


つまり
407 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/18(土) 19:39:42.58 ID:c6QgLYUo
乙!
ジャズ研はなんだ、マイペースなやつらばかりなのか
408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/19(日) 01:32:09.99 ID:cdhG9AAO
>>406がいいこと言った
409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/19(日) 19:51:16.35 ID:2QM2fGwo
純ちゃんの得意の妄想が出たな
アマゾネスオチわろた

おつ
410 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 03:44:38.58 ID:JnlzZQAO
#12-A


純「そっちはオッケー?」

女1「うん、できたよ」

女2「こっちも」

純「よしっ…完成!」

憂「あっ、純ちゃんできた?」

純「うん、お化け屋敷の内装はこれでバッチリ」

純「ていうか憂…かわいい〜っ!」

憂「そ、そう…?」

純「うん!まさしく魔女!」

憂「純ちゃんもドラキュラの格好似合ってるよ」
411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 03:46:01.26 ID:JnlzZQAO
純「あれ…そういえば梓は?」

憂「梓ちゃんは軽音部のほうに行ってる」

純「あぁ…なるほど」

憂「純ちゃんはジャズ研に行かなくていいの?」

純「私はあとで」

憂「そっか、ライブがんばってね!」

純「…私は出れません」

憂「あっ」

純「うぅ…いいもーん!来年は絶対に出るから!」
412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 03:46:49.96 ID:JnlzZQAO
ジャズ研 部室


先輩「……」

先輩「……」

先輩「……」

先輩B「ビバ!」

先輩「ひゃあっ!?」

先輩B「な〜にやってんですか?」

先輩「べ、別に…」

先輩B「まだ集合時間でもないのに」

先輩「……」

先輩B「あ〜緊張してるんだ〜」

先輩「し、してない!!」
413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 03:48:57.97 ID:JnlzZQAO
先輩「精神統一してただけよ」

先輩B「ほうほう」

先輩「…それより、あなたの方は準備いいの?」

先輩B「私はほぼバッチリ」

先輩「なら、なんでこんな時間に部室に来てるのかしら?」

先輩「緊張してるの?」ニヤリ

先輩B「先輩をからかいに」

先輩「こらぁ!!」

先輩B「あはは、まぁ緊張せずいつも通りにやりましょうよ」

先輩B「せめて後輩にはカッコ悪いところ見せないぐらいにはね」

先輩「うっ…」
414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 03:50:12.20 ID:JnlzZQAO
お化け屋敷


純「梓遅いね〜」

憂「軽音部で大変なんじゃないかな…お姉ちゃん昨日まで風邪ひいてたし」

純「えっ、ヤバいじゃん」

憂「でも今日治ったみたい」

憂「たぶんライブには間に合うよ」

純「ドタバタだ…軽音部」
415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 03:51:17.94 ID:JnlzZQAO
憂「そういえばこの前ね、風邪ひいたお姉ちゃんの代わりに私が練習に参加したんだ」

純「うそっ!?」

憂「私、髪の毛下ろすとお姉ちゃんにそっくりだから…」イジイジ

憂「ほらっ」

純「おー…さすが姉妹」

憂「でも失敗して…正体バレちゃった」

純「よく見分けつくね、激似なのに」

憂「そ、それは…」

憂(胸の大きさでバレたなんて言えないや…)
416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 03:52:45.67 ID:JnlzZQAO
純「じゃあ…今日は梓と会えないのかな」

純「梓が当番のときは入れ違いだし」

憂「けどライブのときに会えるよ」

憂「純ちゃんも聴きに行くでしょ?」

純「うん、ジャズ研の演奏もあるから」

憂「お姉ちゃんたち、この日のためにいっぱい練習したんだよ〜」

純「私たちなんてもっとやってるよ」
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 03:54:35.79 ID:JnlzZQAO
ジャズ研究 部室


先輩B「あっ、忘れた」

先輩2「どうしたの?」

先輩B「ちょっとギター忘れちゃったみたいで〜」

先輩2「はぁっ!?」

先輩B「まぁ冗談なんですけどね」

先輩2「そういうのはやめて…」

先輩B「ジャズ研ジョークですよ、ジャズ研ジョーク」

先輩2「そんなジョークはない」
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 03:56:49.49 ID:JnlzZQAO
先輩B「…場を和ませようとしただけなんですけど」

先輩「もうすぐライブ…どうしよう…」

先輩「え〜と…こういう時どうすればいいんだっけ…」

先輩「そうだ!素数を数えればいいんだ!!」

先輩B「完全にパニくってる」

先輩2「…あの子は普段ああいう子なのよ」

先輩2「いつもは部長らしく気丈にふるまってるけど…本当は気が弱いヘタレっ子」

先輩2「でも部長になったからって無理してんの」

先輩B「知ってます」

先輩「2、3、5、7…」
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 03:57:32.57 ID:JnlzZQAO
ガチャッ

純「おはようございまーす」

同級生「お疲れ様でーす」

先輩「31、37、41…」

純「…なにしてるんですか?」

先輩B「精神統一中」

先輩2「えらいわね、一年なのに早く来て」

純「ちょうど仕事も終わったんで」

先輩「101、103、107…」

同級生「先輩って素数数えられるんですか?すご〜い」

先輩「131、137、139…」
420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 03:58:35.64 ID:JnlzZQAO
ガチャッ

「こんにちは」

「どうもー」

ゾロゾロ

先輩B「ほら〜、みんな来たよ〜」

先輩「えっ」

先輩2「部長、しっかりしなさい」

先輩「……」

先輩2「最後の学園祭なのよ?」

先輩「…わかってる」
421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:01:04.31 ID:JnlzZQAO
先輩2「みんな、集まって」

先輩「……コホン」

先輩「…今日の学祭はコンテスト前の予行演習みたいなものです」

先輩「でも、手はぬかないこと」

先輩「人前で演奏するんだからそれは当然よ」

先輩「今までの練習してきたことを思い出して…ミスのないように…」

先輩「真剣に!死ぬ気で!!」


先輩B「もっと気楽にやればいいのに」
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:03:00.45 ID:JnlzZQAO
先輩「いい?この学祭ライブでジャズ研の名前を広げるのよ」

先輩「私たちは演奏は素晴らしいものだって…色んな人に知ってもらうの」

先輩「私たちが頑張ればきっと認めてもらえるから、最後までしっかりね」

「「「はいっ!!」」」

先輩「出れない人もいるけど、あなた達はお客さんとして私たちのライブを楽しんでちょうだい」

「「「はい!」」」

先輩「以上!」

先輩「じゃ、舞台に出る人はまたあとで集合で」

純(先輩かっこいい!)

先輩(3037、3041、3049…)
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:04:28.56 ID:JnlzZQAO
純「ライブか…いいなー」

同級生「私たちはしょうがないっしょ、一年なんだし」

純「そうだけどさー…」

純(梓がうらやましい…)

同級生「ねぇねぇねぇ、純のクラスはなにやるの?」

純「前も言ったじゃん、お化け屋敷」

同級生「そっか、絶対行かないね」

純「来ないんだ」

同級生「だって怖がらせるのは好きだけど、怖いのは嫌いなんだもん」

純「あー…わかるわかる」
424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:05:56.97 ID:JnlzZQAO
お化け屋敷


純「ただいまー」

憂「わっ!!」バッ

純「わっ!?」

憂「あはは、驚いた〜」

純「ちょっ、憂!いきなりなに!?」

憂「本番前に練習しておこうかなって思って」

純「私で練習しないでよ…」

憂「ごめんごめん」

憂「それより純ちゃん、そろそろ私たちの当番」

純「はいはーい、了解しました」
425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:07:13.92 ID:JnlzZQAO
律「みーおっ!」

澪「なんだよ律」

律「いま暇だろ?どっか回ろうぜ」

澪「別にいいけど…」

律「さてと、どこ行こうかな」

澪「…律、今日のライブのことはちゃんと考えてるのか?」

律「んー?」

澪「このまま唯が来ないと…」

律「…きっと来るよ。とりあえず今は学祭を楽しもうぜ」

律「あっ、お化け屋敷がある!」

澪「!?」
426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:09:01.07 ID:JnlzZQAO
律「行こう!」

澪「や、やだ!」

律「よし決定!!」

澪「やだー!!」ズルズル

律「すいませーん、二人ですけどいいですか?」

女「どうぞ〜」

澪「いやぁぁああ!!」ズルズル

律「えぇいっ!観念しろぃ!!」ニヤニヤ
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:10:53.92 ID:JnlzZQAO
ガラッ

純「!」

純(誰か来た!)

憂(がんばろうね!)

純(まっかせて!)



律「意外と真っ暗だなー」

澪「ははっ…もう夜になったのか」

澪「早く寝なきゃ…」

律「おーい、しっかりしろー」

律「たかが学園祭のお化け屋敷だぞー?」

澪「そ、それで本当にオバケが出たらどうするんだよ!?」

律「でねえよ」
428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:13:28.02 ID:JnlzZQAO
律「そんな怖いんだったら早く進んで終わらせようぜ」

澪「うぅ…」

純(こっちに近づいてきた)

純(よーし…とびっきり驚かせよう)

純「ふふ…」

澪「な、なんか声がしなかったか!?」

律「え?聞こえなかったけど」

澪「うぅ…」

澪「オバケなんてないさ…オバケなんて嘘さ…」

律「なに歌ってんだよ」

純「ドラキュラッ!!」ババッ

澪「ひぃぃいいいっ!?」
429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:15:03.91 ID:JnlzZQAO
律「うわっ、びっくりしたぁ…」

律「澪に」

澪「あわ…あわわわわっ」ガクガクブルブル

憂(よし、私も…!)

憂「わーっ!!」ババッ

澪「だーーーっ!?」

純「ドラキュラッ!!」

憂「魔女ーっ!!」

澪「……」ブクブク

澪「」ドサッ

律(ありゃー…澪のやつとうとう気絶しちゃったか)
430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:16:59.15 ID:JnlzZQAO
澪「」グッタリ

純(あれ…?どうしたの?)

律(しょうがない、出口まで引きずって運ぼう…)

律「失礼しましたー」

澪「」ズルズル

純「……」

憂「……」

純「だ、大丈夫かなあの人…」

純「暗くてよく見えなかったけど、気絶した?」

憂「う、うん」

憂(ひょっとして律さんと澪さん…?)

純「すごいね私たち!お客さんを気絶させるなんて!」

純「オバケの才能あるよっ!!」
431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:20:13.74 ID:JnlzZQAO
・・・・・


純「ふぅ、終わったー」

憂「いっぱい驚かせたねー」

純「うーん…でもまさか気絶する人がいるとは」

憂(あれやっぱり澪さんかな…)

純「そうだ、どっか遊びに行こうよ」

純「せっかく色んな出し物があるんだし」

憂「あっ、私はまだ仕事があるから…」

憂「先に行ってて」

純「そう?じゃあお先に」
432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:21:45.78 ID:JnlzZQAO
純「さてと…」テクテク

純「……」

純「どこ行こう」

純(一人で回るのもなんかなぁ…)

同級生「純〜!」

純「あっ」

同級生「なにしてるの?一人?」

純「まぁね」

同級生「よかった〜純友達いないんだ」

純「いや、その言い方はないでしょ」

同級生「私も友達がクラスの当番でいないんだ。一緒に回ろうよ」

純「うん、いいよっ」
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:23:18.89 ID:JnlzZQAO
同級生「で、どこ行く?」

純「私も考えてたんだけど……そうだ!」

同級生「なに?」

純「映研に知り合いの子がいるから、そこ行こうよ」

同級生「映研かぁ…」

同級生「映研ってなにしてるの?」

純「さぁ…映画観たりとかかな?」
434 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:25:25.67 ID:JnlzZQAO
映画研究会


映女「つまり、私たちは自主映画制作とその上映を主な活動にしてるの」

純「映画作ってるの!?」

同級生「すごっ!!」

映女「観ていく…?」

純「もちろんお願いします」

映女「じゃあちょっと待ってて!今準備を…」

純「あ、ここってポップコーンないの?」

同級生「私はコーラで」

映女「それは売店に行ってください…」

純「えへへ、冗談冗談」

同級生(あれっ?ないの?)
435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:29:14.80 ID:JnlzZQAO
上映中


純「……」ジーッ

同級生「……」ジーッ

ナレーション『人類は、謎のキノコ細菌に覆われ滅亡しました』

ナレーション『生き残ったのは一人の少女と一匹のタヌキ…』

少女『毎日キノコばっかり』

少女『たまには別な物が食べたいね』

タヌキ『ポコッ』

純(タヌキが着ぐるみだ…)

同級生(しかもかわいくない…)

タヌキ『ポコ〜ッ!』

映女(かわいい…)

純(ていうか…あんまりおもしろく…)

同級生(ねむ…)

映女(やっぱり…つまんないのかなコレ)

映女(タヌキはかわいいけど)

純(それにしてもタヌキかわいくないなー…)
436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:31:19.02 ID:JnlzZQAO
上映終了


映女「ど、どうだった?」

純「あ〜…うん」

同級生「ふぁあ〜…」

純「えっと〜…」

純(正直微妙だったけど…)

映女「どう?」キラキラ

純(うわっ!?輝いた目でこっちを見てる!)

純「…よかったと思うよ」

映女「本当!?」

純「……」

純「あっ、主役の人は可愛かった」

映女「なんで一瞬沈黙したの…?」
437 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:33:07.43 ID:JnlzZQAO

・・・・・


純「それじゃ、次どこ行く?」

同級生「先輩たちのとこ行こうよ」

純「あ、いいねぇ…確かここらへんに」

先輩B「そこのお嬢ちゃんたち〜ちょっと寄ってきな〜」

同級生「先輩!」

先輩B「よく来たね〜、まぁ入りなよ」

純「ここはなにやってるんですか?」

先輩B「ん?キャバクラ」
438 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:35:17.06 ID:JnlzZQAO
純「え…」

同級生「へ?」

先輩B「冗談だって」

純「な、なんだ…びっくりした」

純(まさか学園祭でキャバクラって…)

先輩B「いや、嘘」

純「えぇ!?」

ガラッ

先輩B「二名様ご来店〜」

「「「いらっしゃいませー!」」」
439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:36:24.07 ID:JnlzZQAO
ワイワイガヤガヤ


純「うわー…繁盛してる」

先輩B「すごいでしょ?私が発案したんだ〜」

純「でもいいんですか?学祭でキャバクラって…」

先輩B「表向きはキャバクラじゃなくて談笑喫茶ってことにしてんの」

純「…そんなお店初めて聞きました」

先輩B「私が作った」

「「「ありがとうございましたー!」」」


紬「〜♪」
440 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 04:40:11.49 ID:JnlzZQAO
純「見た目は普通の喫茶店だけど…」

純「斬新だね…色々と」

純(なんか着てる服も色っぽいし)

同級生「これが大人の世界なのかな?」

先輩B「さ、二人もなんか頼みなよ〜」

先輩B「私が接待してあげる〜」

純「えっとじゃあ…なんか食べよっか?まだお昼前だけど」

同級生「いいよ」

先輩B「はい、メニュー。オススメはオムライスだよ〜」

純「じゃあそれを…」

純「って、高っ!!」

同級生「1300円!?」

先輩B「すいませ〜ん、オムライス2つ〜」

純「キャンセルでお願いします!!」
441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 04:42:23.23 ID:JnlzZQAO
先輩B「え〜?」

純「さすがに高すぎですよ…」

先輩B「なんだよ〜〜」

純「すいません」

先輩B「まぁいいや…同じ部活のよしみでケーキぐらいはおごってあげるよ」

純「本当ですか!」

同級生「ありがとうございます!」

先輩B「すいませ〜ん、ケーキ2つ〜」

純(……ん?)

純(ケーキは600円…オムライスは1300円…)

純「……」

純「あの〜…」

先輩B「ん〜?」

純「ケーキの代わりにオムライスってのは…」

先輩B「無理だナ」
442 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 04:43:37.22 ID:JnlzZQAO
「お待たせしました、ケーキでーす♪」

純(ちっちゃ…)

先輩B「あ〜そうだ、アーンしてあげる」

純「え?」

先輩B「アーンだよアーン。当店のサービスです」

純「いやいやいや」

先輩B「先輩の言うことが聞けないのかよ〜」

純「いやアーンはちょっと…」

先輩B「素直なやつだな〜」

同級生「私!私にやってください!!」
443 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:45:38.78 ID:JnlzZQAO
先輩B「はい、アーン♪」

同級生「アーン♪」

純(あっ、なんか楽しそう)

同級生「おーいしいっ!」モグモグ

先輩B「…そういえば聞いたんだけどさ〜、軽音部一人来てないんだってね〜」

純「そうなんですよ。友達も困ってるみたいで」

先輩B「大変だね〜、なんとか間に合えばいいけど」

純「先輩も心配してるんですか?」

先輩B「そりゃま〜…同じ音楽系の部活だし」

先輩B「いつものメンバーがそろわなくて不安な気持ちは、分かるしね」

先輩B「良い演奏するし、頑張ってほしいよね軽音部」
444 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:49:16.65 ID:JnlzZQAO
純「へぇー……先輩って軽音部のこと認めてたんですね」

先輩B「うん?」

純「あ、いやその…ほら、部長ってあんまり軽音部のこと好きじゃないじゃないですか」

純「だから先輩も…」

先輩B「私は違うよ〜。てか、あの人も本当はそうじゃないと思うんだけどね」

純「?」

先輩B「だいたい認めるもなにも…一生懸命、魂込めてやった演奏はみんな良いものなんだ」

先輩B「そういう頑張ってる人は否定しないよ」

純「……」

先輩B「どうした?」

純「先輩…なんか見直しました!」

純「先輩って結構マジメなんですね」

先輩B「…それは今までダメだと思われてたのかナ?」

純「あ…」

純「ち、違いますよ!やだなー、あははは」
445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:51:01.37 ID:JnlzZQAO

・・・・・


純「じゃあ私たちはこれで」

同級生「ケーキごちそうさまでした」

先輩B「あいよ〜…あっ、そうだ」

純「なんですか?」

先輩B「このケーキ、部長と副部長に届けてやって。講堂にいると思うから」

純「はい、分かりました」

同級生「ライブ頑張ってくださいね!」

先輩B「はいは〜い」

純(なんか…先輩の意外な一面が知れたな〜)
446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:53:28.66 ID:JnlzZQAO
講堂


純「ここかな?」

同級生「そうじゃない?」

純「あの…失礼しまーす」

先輩2「あら?純じゃない」

先輩「どうしたの?」

純「お二人にケーキの差し入れを」

同級生「どうぞ」

先輩「あぁ、あの子からか…」

先輩「わざわざありがとう」

純「いえいえ」
447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:55:06.37 ID:JnlzZQAO
同級生「演劇、もうすぐ本番ですか?」

先輩「そうよ、観ていく?」

純「すいません、私たちこれからクラス当番で」

先輩「そう…」

純「でも、ライブは必ず聴きに行きます!」

純「頑張ってください!」

先輩「うんっ」

和「すいませーん、お願いしまーす」

先輩2「はーい。ほら、行くよ」

先輩「じゃあまた後で。楽しみにしてね」

純「はい!」

純(やっぱ先輩かっこいいー)



先輩2「まだ素数かぞえてるの?」

先輩「か、かぞえてない!」
448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 04:59:09.10 ID:JnlzZQAO
純「先輩たちも大変だねー、クラスの出し物にライブに」

同級生「ほんとだねー…」

同級生「あっ、私はここで」

純「うん、了解」

同級生「よかったら私たちのクラスもあとで寄ってね!」

純「私のクラスもねー」

同級生「バイバーイ!」

純「…さてと、戻るか」

純「……」

純「それにしても…」


ワイワイガヤガヤ


純「今日はいつもの学校と全然違うなー」

純(お祭りだしそりゃそっか)
449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 05:00:49.00 ID:JnlzZQAO
純「ただいまー」

女「あっ、おかえり」

純「ライブまでちょっとやっていくね」

女「うん、お願い」

純「……」キョロキョロ

純「梓は?」

女「仕事が終わったからさっき部活の方に行っちゃった」

純「そっか、分かった」

純(憂は確か休憩中…)

純(それにしても、梓も大変だろうなぁ…頑張ってぐらいは言おうと思ったんだけど)

純「……」

純(あっ、そういえば梓のオバケ姿見てない)




12-A おわり
450 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 05:19:12.13 ID:i62eWoDO
乙です。
451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 07:10:58.71 ID:JnlzZQAO
後半は後程投下します
452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:02:21.52 ID:JnlzZQAO
12-B

講堂


先輩2「ふぅ…劇もなんとか終わったみたいね」

先輩「……」

先輩2「あと私たちに残ってるのは演奏だけ、か」

先輩2「学校での発表はこれで最後だろうし、頑張りましょうね」

先輩「……」

先輩2「ちょっと、聞いてるの?」

先輩「えっ!?な、なに!?」

先輩2「はぁ…」
453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:02:58.45 ID:JnlzZQAO
先輩2「あんたはこういう時にホント弱いんだから」

先輩「だ、だってぇ…」

先輩2「さっき純たちも期待してたでしょ?そんな弱気でどうするの」

先輩「はい…」

先輩2「シャキッとしなさい、部長」

先輩2「ほら、深呼吸でもして」

先輩「すぅー…はぁー」

先輩「…よしっ!」

先輩B「こんちわーっす」

先輩「さっそくリハ始めるわよ!!」

先輩B「はやっ!?」
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:03:56.22 ID:JnlzZQAO
純「……」イソイソ

女2「純ちゃん、お疲れ様。交代するよ」

純「あっ、ありがと」

女2「梓ちゃんのライブのこと、あとで教えてね」

純「うん、任せて」

純「じゃ、行ってくるねー」
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:04:47.63 ID:JnlzZQAO
純「この時間だったらちょうど間に合うかな」

純「ライブ楽しみっ」

純「……」

純「はぁ〜…私も出たかった」

純「いいなー、楽しいんだろうなー」

純「……」

純(私もいつか…やってやるんだから!)
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:05:28.15 ID:JnlzZQAO
講堂


ワイワイガヤガヤ

純「うわ、人いっぱい」

純「どこも座れないや…立ち見かな」

純「……」キョロキョロ

純(憂はいないのかな)

純「……」

純(まぁいっか…)
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:06:13.39 ID:JnlzZQAO
舞台裏

先輩「……」

先輩(大丈夫…三年間やるだけやったんだもん。きっと成功する)

先輩(私たちジャズ研が…すごいってところみんなに見せなきゃ)

先輩(そして部への昇格の足掛かりに…)

先輩「……」

先輩(そのためにも私が頑張って…!)

先輩B「…やれやれ」

アナウンス『間もなく、ジャズ研究会による演奏発表が始まります』

先輩2「くるわよ」

先輩「…っ!」
458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:07:42.71 ID:JnlzZQAO
アナウンス『間もなく、ジャズ研究会による演奏発表が始まります』

純(あっ、来た!)

パチパチパチ

先輩「……」

純(先輩!頑張って!!)

先輩「……っ」

ジジャーン♪

ダンッ♪ボボン♪ジャジャジャン、ジジャーン♪


純(わー!ジャズって感じ!)

ボンッ♪ジャーン♪ドンッダンッ♪タタンッタッ♪

ジジャーン♪

先輩(大丈夫…できてる)

先輩(この調子でミスしなければ…)

先輩B「……」
459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:08:40.50 ID:JnlzZQAO
ヴィン♪タンタタンッ♪ボッボボン♪


純(音が正確だ…まさに練習どおり!)

純(さすがです先輩!)

純「……」

純(そりゃそうだよね、あれだけ練習がんばったんだもん)

純(私もあれぐらい弾けるようになりたいなー)

ジャッジャッ、ジャッジャーン♪

純(あっ、終わった)

アナウンス『以上でジャズ研の演奏発表は終了です』


パチパチパチ
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:09:39.40 ID:JnlzZQAO
舞台裏


先輩「……」

先輩2「きちんとできたじゃない」

先輩「うん…」

先輩2「どうしたの?」

先輩「別に…」

先輩(ミスはしなかったけど…なんか満足できなかった…)

先輩「……」

先輩(緊張してたのよね…寝不足だったし…)

先輩B「う〜ん…ちとイマイチ」ボソッ
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:11:11.24 ID:JnlzZQAO

・・・・・

ワイワイガヤガヤ

純(次は…軽音部か)

純(梓も出るんだよね…どんな演奏するんだろう)

憂「わぁ!すごい、もういっぱいだ〜!」

憂「ここで見てよーっと」

純「あっ、憂」

憂「あっ!会えたぁ!」

アナウンス『これより軽音学部、放課後ティータイムによるライブを始めます』

ワーキャーキャー!
キャーー!!

純(始まった…ていかすごい盛り上がってる!?)

憂「お姉ちゃん…」
462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:12:44.99 ID:JnlzZQAO
ワーワー!キャー!!

先輩「……」

先輩B「うわ〜、始まる前からクライマックスですね〜」

先輩2「なんだかんだで人気あるからね」

先輩「……っ」

先輩B(あ、悔しそうな顔した)

先輩2「あれ?山中先生が出てる?」

ワーワー!!
センセー!!
ガンバッテー!!



律「……ワン・ツー・スリー!」
463 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:13:52.66 ID:JnlzZQAO
ジャッジャーン♪

澪「君の笑顔想像して、いいとこ見せたくなるよ♪」

澪「情熱をにぎりしめ、振り向かせなきゃ!」

純「あっ――」

純(澪先輩…かっこいい…)

梓「……」ジャッジャジャーン♪

純(梓ギターうまい…)

ジャッジャーン♪

憂「わぁ…!」

純「……」

純(なんか…すごい)

澪「かなり本気よー♪」
464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 15:14:51.38 ID:JnlzZQAO
ガチャッ

唯「はぁ、はぁ…」

憂「あっ、お姉ちゃん!!」

純「!」

唯「え?あぁうい!ピース!!」

憂「お姉ちゃん頑張ってー!」

唯「おぉ〜!!」

純(憂のお姉さん派手な登場だ!?)
465 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:16:10.42 ID:JnlzZQAO
先輩B「あっ、平沢さんだ」

先輩B「間に合ったんだ〜、よかった」

先輩「……」

パチパチパチ!!

ガンバレー!ユイー!
ガンバレー!!

唯「えっと…改めてまして放課後ティータイムです」

唯「今日は、私がギターを忘れたせいで遅れてしまいました」
先輩「……」
466 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:17:00.39 ID:JnlzZQAO
憂「それで…」

純「……」

純(すごいね軽音部…ギリギリで間に合ったよ)

ワーワー!キャーキャー!!
ユイー!!

唯「えへへっ」

純「……」

純(なんだろう…唯先輩のMC聞いてるとだんだん楽しくなってくる)

唯「最後までおもいっきり歌います!」

唯「ふわふわ時間!!」
467 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:18:14.67 ID:JnlzZQAO
ダダッジャジャジャッ♪ジャジャジャ♪ジャッ♪

唯「キミを見てると、いつもハートどきどきっ♪」

唯「ゆれる想いはマシュマロみたいにふーわふわっ♪」

純「わぁ…!」

憂「お姉ちゃんがんばれー!」

純「……」

純(す、すごい…)

純(技術はジャズ研だって負けてないのに……なんであんな良い演奏になるんだろう)

純(五人の音が一つになってる感じ…)

純(聞いてて楽しい!!)
468 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:18:53.10 ID:JnlzZQAO
唯「あーあ神様お願いー♪二人だけーの♪」

唯「ドリームタイムくだーさい♪」

先輩「……」

先輩B「いぇ〜い!!」

先輩2「いいわねこの曲…歌詞がちょっとアレだけど」

先輩「……」

先輩B「楽しそうですね〜軽音部」

先輩「……っ」
469 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:21:11.64 ID:JnlzZQAO

―――――
―――


唯「軽音、大好きー!!」


キャーキャー!!
ユイー!!
ミオチャンカッコイイー!!
ワーワー!!

純「……」

純(大盛況だ)

憂「すごかったね!お姉ちゃんたち!!」

純「うんっ!澪先輩の演奏に見とれちゃったよ!!」

純「梓もギターすごいし…最高だった!」

純「あと唯先輩歌うまかったね!」

憂「えへへっ!!」

純(……でも)

パチパチパチ!!
ワーキャー!

梓「…///」

純(なんだか梓が遠い…)
470 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:21:58.13 ID:JnlzZQAO
後夜祭


純「あー…文化祭も終わりかぁ」

憂「楽しかったね」

純「うん…でも疲れちゃった」

憂「ふふっ」

純「梓は?」

憂「お姉ちゃんたちといるんじゃないかな?」
471 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:23:10.37 ID:JnlzZQAO
純「そっか…」

純「……」

純「軽音部よかったね!」

憂「でしょっ!」

純「うん!ジャズ研の先輩もかっこよかったけど、澪先輩かっこよかったなー」

憂「そうだ、これから私も軽音部に合流するんだけど、純ちゃんもくる?」

純「え?私…?」

憂「うんっ!」

純「私は…」

純「……」

純「…いいや。ちょっと寄るところあるから」

憂「そっか…うん、分かった」

憂「じゃあ私行ってくるね」

純「行ってらっしゃい。梓によろしく」

憂「はーいっ」
472 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:24:10.35 ID:JnlzZQAO
純「……ふぅ」

純「……」

純「……」

純(すごかったなぁ…軽音部)

純(うまいとかそういんじゃなくて…本当にすごかった)

純(梓も…私なんかより全然上だ)

純「……」

純「……」

純(よしっ!!)
473 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:24:57.89 ID:JnlzZQAO
裏庭


先輩「……」

先輩「……グズッ」

先輩2「なにしてんの?」

先輩「!?」

先輩2「せっかくの後夜祭なんだから、参加しなさいよ」

先輩「……」

先輩2「はぁ…また塞ぎ込んでる」

先輩「…うるさい」

先輩2「今度はなに?」

先輩「……」

先輩2「…どうせ、軽音部のライブがうちの演奏より盛り上がって悔しいんでしょ」
474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:25:35.15 ID:JnlzZQAO
先輩「……」

先輩2「もう…いつまでいじけてるの?」

先輩2「私たちの演奏だってよかったじゃない」

先輩「…よくない」

先輩2「え?」

先輩「だって…軽音部の方が盛り上がったんだもん」

先輩「拍手も声援も…」

先輩「それに比べたら私たち…」

先輩2「……」
475 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:26:52.07 ID:JnlzZQAO
先輩「なんでよぉ…なんでなのよぉ…」

先輩「私たちは…グスッ…脇目もふらずに練習してきたのに…」

先輩「なんで軽音部の方が…ヒッグ」

先輩2「……」

先輩「なんで私たちはダメなのよぉ…っ」

先輩「う゛ぅ〜……っ」

先輩2「……あのさぁ」

先輩2「どんなに頑張っても…絶対に評価は高いってわけじゃないけど」

先輩2「自分で自分のやったことの価値を下げちゃ意味ないでしょ?」

先輩「……」
476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:28:16.39 ID:JnlzZQAO
先輩2「軽音部は確かにすごかったわよ。けど、だからって私たちが劣ってるわけじゃないの」

先輩2「私たちは私たちの演奏をした、そうじゃないの?」

先輩「……」

先輩2「……」

先輩「…私ね、今日あんまりうまくなかった」

先輩2「は?」

先輩「だってね…グズッ…ベース弾いててもなんだか楽しくなかったの…」

先輩「それがなんでか分かんなくて…」

先輩「…それでずっと考えてたら…軽音部のライブ見てたら…もっと分かんなくなって」

先輩「自分はなんのために弾いてるの?好きでやってるから?良い評価されるため?」

先輩「もう分かんなくなっちゃったの…」

先輩「なんでベース弾いててこんな気持ちにならなきゃいけないの…」
477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:29:08.90 ID:JnlzZQAO
先輩2「……」

先輩「うっ…うぅ…」

先輩2「…でも、軽音部の演奏は良かったってことは認めてるんでしょ?」

先輩「良かったわよぉ…良かったから悔しいんじゃない!!」

先輩2「なら、今日は反省しなくちゃね」

先輩2「私たちになくて、軽音部にあるものはなんなのか」

先輩「……」

先輩2「けどあんたは考えすぎ。もっと気楽になりなさい」

先輩2「ほら、後夜祭行こ?」

先輩「……」
478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:29:56.96 ID:JnlzZQAO
ジャズ研 部室


純「誰も…いない」

純「よしっ、ベースの練習開始!」

ボンッ♪ボボンッボンッ♪

純「……」

ボンッ♪ボボンッ♪

純「……」

ボッン…

純「あっ……」

純「失敗しちゃった…」
479 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:30:44.88 ID:JnlzZQAO
純「……こんなんじゃだめだ」

純「もっと…もっと頑張らないと」

先輩B「なーにしてんのかな?」

純「!?」ビクッ

先輩B「ほう…秘密の特訓ですか〜」

先輩B「えらいね〜」

純「あ…これは」

先輩「いきなりどうしたん?後夜祭始まってるのに」

純「……」
480 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:31:30.80 ID:JnlzZQAO
純「実は…今日のライブに感化されて…」

先輩B「軽音部の?」

純「あ…」

先輩B「大丈夫、その気持ちは分かるから」

先輩B「良かったよね〜軽音部」

純「…はい」

純「で、でも!ジャズ研ももちろん良かったですよ!!」

先輩B「うん、ありがと」
481 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:34:21.40 ID:JnlzZQAO
純「それで…梓のこと見てたらなんだか思ったんです」

先輩B「梓ってあのちっちゃなギターの子?」

純「はい」

純「で、その梓がギター弾いてる姿見てると…」

純「なんか…自分より遠くのところにいるなぁって」

先輩B「……」

純「自分がベース下手なのは自覚あるんですよ」

純「それだから余計に、距離みたいなのを感じて…」
482 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:34:52.38 ID:JnlzZQAO
先輩B「……ふ〜ん」

先輩B「要するに、純は梓ちゃんがライブに出て羨ましいんだ」

純「まぁ…そうなんですかね」

先輩B「なるほどなるほど…」

先輩B「じゃあ純、ちょっと私の前で弾いてみなよ」

純「え?」

先輩B「早く早く」

純「えっと…じゃあ」
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:35:42.67 ID:JnlzZQAO
純「……」

純(よしっ!)

ボンッ♪ボボンッボンッ♪

ボンッ♪ボンッ♪ボンッ♪

先輩B「……」

純「……」

ボッボンッ♪ボッボッ♪


――――――
――――
――
484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:36:35.35 ID:JnlzZQAO
純「どうでした…?」

先輩B「うん、いいんじゃないの」

純「あ、ありがとうございます!」

先輩B「おめでとう」

純「へ?」

先輩B「これで純は、梓ちゃんと同じ土台に立ったよ」

純「え…あの…」

先輩B「私の前で、ちゃんとライブやったじゃん」

純「えぇ?今のは私一人だし聴いてたのも先輩だけ…」

先輩B「関係ないよ」
485 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:37:33.38 ID:JnlzZQAO
先輩B「聴いてる人が大勢だろうが一人だろうが…」

先輩B「誰かのために一生懸命弾けばそれは立派な演奏だよ」

先輩B「誰かのためにやる音楽は良いもんだ」

純「そんな簡単な話なんですか?」

先輩B「そんな簡単な話なの」

純「はあ…」

先輩B「さーてと、私も弾こうかな」

純「先輩もですか?」

先輩B「私だって、純と同じ理由で来たんだし」

ガチャ

先輩「あ…」
486 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:38:37.14 ID:JnlzZQAO
先輩B「あ、なんか来た」

先輩「なんかってなによ…」

先輩2「先客がいたんだ」

純「先輩たち…どうしたんですか?」

先輩2「この子がどうしても来たいって言うから」

先輩「……」

先輩B「ははーん、私たちのお仲間ですか」

純「先輩も?」
487 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:39:30.20 ID:JnlzZQAO
先輩「…コンテストまで時間ないんだし、少しでも練習したいのよ」

先輩B「へぇ〜…マジメですねぇ」

先輩2「そんなこと言うなら、ここに来てる子みんな大マジメよ」

純「わ、私もですかね…?」

先輩2「もちろん」

純(なんか、ほめられたみたいでうれしい)テレテレ

先輩「……」

先輩B「…今日は60%ぐらいのできでしたね」
488 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:40:36.30 ID:JnlzZQAO
先輩「そうね…」

先輩B「本番で100%出すのは難しいけど…それを120%にまでしてるのが軽音部なんだなぁって思いました」

先輩「そう」

先輩B「それで考えたんですけどね…先輩も演奏が終わったあとに転んでパンツ見せれば盛り上がったんじゃないかと」

先輩「なんでそうなるのよ!!」

先輩B「冗談です、冗談」

先輩「…はぁ」

純「先輩たちも十分すごかったですよ?」

先輩「ダメなのよ…あれで妥協しちゃ」

先輩「私たちの三年間が無駄になる」

先輩2「……」
489 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:41:17.40 ID:JnlzZQAO
先輩「とにかく今は、ただ弾くだけ!」

先輩「コンテストはもっとすごい演奏にするんだから!!」

純(も、燃えてる!)

先輩B「じゃあ…せっかくだしセッションでもしましょうか〜」

先輩B「純もいっしょにね」

純「は、はい!!」

先輩2「ふふっ」
490 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:42:17.09 ID:JnlzZQAO
純(…私も梓みたいにライブできたらいいな)

純(今はまだまだだけど…いつかきっと!)

純(待っててね梓!私も梓を感激させるぐらいのベーシストになってやる――!!)

先輩「純!そこズレてる!!」

純「す、すいません!?」

純(まだ前途多難だけど…)





12-B おわり
491 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 15:42:52.44 ID:JnlzZQAO
今日はここまで
遅くなったうえに長くなってすいません
492 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 15:46:23.46 ID:9zLzKQAO
おつ!
493 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 16:03:12.16 ID:NRf9XQAO
こういうの良いなぁ…

しかし見てると唯達が憎くなってくるから困る
494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 16:52:29.70 ID:yc240gDO

最高だな
495 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 18:23:43.97 ID:COQoMoMo
>>493
わかる気がする

ジャズ研とか普段から真面目にやってるとこがかわいそうになるよね
496 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 21:21:58.77 ID:IuCi.mIo
先輩描写が半端ねえな。

支援。
497 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/25(土) 23:17:16.50 ID:/GqlnuYo
乙!
そういえば昨日ひますぎのスレが立ってたけどあれって>>1
498 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 00:17:54.94 ID:NTNVJMgo
かきふらいーおれだージャズ研のスピンオフの原案できたぞー早く描けー
499 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 01:07:44.35 ID:a/j8EAAO
おつ

スター性っていうのかね。
500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 01:46:46.17 ID:hi1IU6DO
憂「お姉ちゃんは天才だから仕方ないよ」
501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 03:19:49.77 ID:nz9qGUAO
こういうのは才能の差が如実に出るもんだ仕方ない
ライブの場合スキル云々もそうだが場を盛り上げる才能も必要な訳で

というか、落ち着いて聞くって先入観のあるジャズと
飛んで跳ねて騒いでryなロックの違いなんじゃないかしら
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 05:15:56.59 ID:NArfeG60
乙!アニメでやったら三週分ぐらいありそうな内容量w

今週のインタビューのセリフがさり気なく良い具合いにリアリティをプラスしてくれてて憎いね。
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 08:06:04.53 ID:K6ZpSmw0
乙!
しかしすごいな、ここの>>1は。
アンソロジーコミックなんかより、よっぽど面白い。
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 20:18:08.89 ID:6urcqi6o
>>501
譜面どおりきっちりやるってスタイルと荒くても楽しさや色々なものを全面に
出してやるってスタイルが文化祭みたいな場面でかち合うとジャズ研は分が
悪いだろうな
先輩人間像が整理できてないけど、ミスなく完璧にやったのに楽しくないって
気持ちはよくわかる、正確さを意識しすぎて場を楽しめなかったんだ
逆にミスばかりで荒い演奏でもやって良かった!ってライブもあるから音楽は
面白い
楽しんでやった後は見てた人からも楽しかったよって声をもらうよ
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/29(水) 05:38:54.49 ID:UW3CNRco
悩んでることも考えてることも違うけど最終的に一緒に練習するってのはいいな
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/29(水) 16:25:49.41 ID:deNu3EAO
#13

軽音部 部室


律「んじゃ、明日の練習は休みってことで」

唯「やったー!休みだー!」

唯「はっ!?でもそれじゃムギちゃんのお茶が飲めない!!」

紬「残念ねぇ」

澪「一日ぐらい良いだろ」

梓「……」

唯「あずにゃ〜んっ!明日休みだよ〜どうする〜?」ダキッ

梓「はぇ?なんですか?」
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:27:32.10 ID:deNu3EAO
唯「あれっ…あずにゃんなんかボーっとしてる」

梓「してませんよ」

唯「え〜?してたよね、りっちゃん」

律「あぁ、まるで病におかされて病室でただジーっとしている時に空を飛んでる鳥を見て」

律「『あっ、いいなぁ。私もいつかあんな風に飛べたらなぁ』」

律「って想うか弱い少女みたいにボーッとしてた」

澪「どんな例えだ!!」

唯「うっ…うぅ…かわいそうだよぉ」

紬「早く病気が良くなるといいわねぇ…」

澪「なんでホントの話みたいになってるんだ!?」

梓「……はぁ」

律「実はその病におかされた少女は澪だったのだ!」

澪「なんで私なんだよ!」ボカッ

梓(あんなライブの後だっていうのに…先輩たちは相変わらずだなぁ…)
508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:28:32.54 ID:deNu3EAO
翌日

キーンコーンカーンコーン


梓「……」

梓「……」

梓「……」

梓「……」

梓「……はぁ」





純「梓…どうしたの?」

憂「さぁ…?」
509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:29:16.50 ID:deNu3EAO
梓「……」

憂「梓ちゃんっ!」

梓「憂…」

純「なにボケっとしてんの?」

梓「え?なにが?」

純「いや、ずっとボーッとしてるじゃん」

梓「あぁ…うん…」

梓「……」

梓「え?なに?」

純「ダメだこりゃ」

憂「あはは…」
510 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:30:13.82 ID:deNu3EAO
憂「なに考えてたの?」

梓「…この前のライブのこと」

梓「なんかあれが終わったあとずっと何も考えられなくて」

純「燃えつきちゃったんだ」

梓「あー…そうなのかなぁ」

純「ほら、元気出して」

梓「……」

純「梓?」

梓「え?なに?」

純「重症だ…」
511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:31:07.74 ID:deNu3EAO
放課後


純「梓は?」

憂「あそこに…」

梓「……」

純「また黄昏てる…」

憂「梓ちゃん!!」

梓「ふにゃっ!?」

純「さっさと目覚ましなよ」

梓「さ、覚めてるよ」

憂「梓ちゃん、部活は行かないの?」

梓「あっ…今行くとこだったの!」

純「ホントに?忘れてたんじゃ…」

梓「わ、忘れてない!!」
512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:32:08.96 ID:deNu3EAO
梓「さぁ今日も部活だ、がんばろがんばろ」

梓「ファイトー!」

純「なんか無理してる感がすごい…」

憂「大丈夫かな」

梓「あっ、澪先輩!」

純「!」

澪「あぁ、梓じゃないか」

純(わっ…生澪先輩だ!!)

梓「これから部室に行くんですか?」
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:33:34.38 ID:deNu3EAO
澪「うん?なんで?」

梓「えっ…だって今日も部活あるんじゃ…」

澪「なに言ってるんだよ、今日は休みだろ?」

澪「昨日そう伝えたじゃないか」

梓「……うっかりしてました」

澪「ライブも終わったばかりだし、ゆっくり休むんだぞ」

梓「は、はい!」

澪「じゃあ私は職員室に行かないといけないから…」

梓「おつか…」

純「お疲れ様です!!」

梓(なんで純が!?)
514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:35:03.93 ID:deNu3EAO
純「か〜…っこいいね!澪先輩!!」

梓「とうぜん」フフン

純「私もいつかウチの先輩や澪先輩みたいな、かっこいいベーシストになりたいなー」

憂「なれるよ、純ちゃんなら」

純「えへへ、そう?」

梓「そういえばジャズ研は?」

純「え?私は休み」

純「今日練習があるのは大会のメンバーだけだよ」

梓「なんか本格的だ…」
515 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:36:15.97 ID:deNu3EAO
純「それじゃあこれからどうしよっか?」

純「久しぶりに三人で遊ぶ?」

梓「いいよ」

憂「あっ、ごめんね。今日は早く帰らなきゃいけないの」

純「そうなんだ…それじゃあしょうがないね」

憂「本当にごめんね。また今度」

純「うん、バイバイ」

梓「バイバイ、憂」
516 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:38:34.64 ID:deNu3EAO
純「なんだろ…唯先輩のお世話かな?」

梓「あはは、そうかも」

純「さてと、私たちも行こっか?」

梓「うん……で、どこに?」

純「…そういえば考えてなかった」

梓「もう…誘ったんだから考えてるかと思ったのに」

純「今考える…」

純「……」

純(ん?……そういえば梓と二人っきりで遊ぶのって初めてかも)
517 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:39:52.16 ID:deNu3EAO
純「……」

梓「……」

純(どこ行こう…)

純「……」ジーッ

梓「……なに?」

純「ん?なんでも」

純(梓ってなにするのが好きなのかな…)

純「う〜ん…」

梓「純?」

純「わかんないや、梓にパス」
518 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:41:20.57 ID:deNu3EAO
梓「へ?」

純「梓の好きなところでいいよ」

梓「私の好きなとこって言われても…」

梓「……」

梓「純にパス」

純「えーっ…梓にパス」

梓「いや、だから純にパス」

純「パス」

梓「パス」

純「決まんないよ」

梓「決めてよ」
519 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:42:53.79 ID:deNu3EAO
純「もう、梓ワガママだなぁ」

梓「ワガママって…」

純「んじゃー…適当にぶらぶらしよっか」

純「高校生らしく」

梓「なにそれ?」

純「なんか学校帰りにぶらつくのって高校生っぽいじゃん」

梓「高校生だけどね、私たち」

純「それに最近部活や学祭で忙しかったし…こういうのもいいでしょ?」

梓「まぁ…いいけど」

純「じゃ決定!行こ行こ!!」
520 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:43:41.08 ID:deNu3EAO
繁華街


純「ここは相変わらずにぎやかだね」

梓「そうだね…」

梓「……」

純「またボーッとしてる」

梓「し、してないよ」

純「あっ、かわいいバッグ発見…」

純「って高っ!!」

梓「私たちの買うものじゃないね」

純「じゃあ誰が買うんだろう…」

梓「大人とかでしょ」

純「私も大人だもーん」

梓「それはどうだろう…」

純「えー…」
521 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:45:24.02 ID:deNu3EAO
純「うーん…目新しいものとかないなー」

純「どこ行く?」

梓「そうだ、楽器店行こうよ!」

純「楽器?」

梓「うんっ!」

純「…好きだねぇ、梓」

梓「いいじゃん、別に」

純「まぁ他に行くとこもないし…」

純「うん、行こう」
522 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:46:23.76 ID:deNu3EAO
楽器店


梓「ここに来るとなんか落ち着くよね」

純「そう?」

梓「あっ、見てみてこのモデル!かっこいいよねっ!?」

純「うん…よく分かんないけどかっこいいのは分かる」

梓「こっちはベースの限定モデルがあるよ。見ないの?」

純「…いい。自分のベース以外興味ないから」

梓「へぇ…一途なんだ」

純(本当は高いベース見るとなんか悔しいから見たくないだけなんだけどね…)
523 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:48:05.93 ID:deNu3EAO
純「ふーん…」キョロキョロ

梓「なにか欲しいものあった?」

純「ん?特には…」

純「梓はなんか買わないの?」

梓「私もいいや。ネットで買った方が安いものもあるし」

純「へぇ〜、梓ってネットで買い物したりするんだ」

純「私そういうのめんどそうだから使わないんだよね」

梓「簡単だよ。今度なにか買ってみれば?」

純「んー、考えておく」

純「でも別に買うものない…」

純「……あっ」
524 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:49:10.47 ID:deNu3EAO
梓「なにか見つけた?」

純「これ欲しいかも」

梓「…ベースの教本?」

純「しかもDVDつきだよ!これならすぐに上達できるかも」

梓「やめときなって…絶対に続かないから」

純「そんなのやってみなきゃ分かんないじゃん!」

純「すいませーん、これくださーい」

梓(絶対無理だろうなぁ…)

純「ねぇ梓、お腹すいたし何か食べていかない?」
525 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:50:26.15 ID:deNu3EAO
マックスバーガー


純「あー、いい買い物した」

梓「うまくなりたいならジャズ研の先輩に教えてもらえばいいじゃん」

純「そうなんだけど〜…先輩たち最近忙しそうだからなかなか声かけられないんだよね」

純「それに今回の大会はジャズ研にとって重要なものだし…気合い入ってんだよ」

純「だから私は自主練でがんばるしかないのっ」

梓「……」

純「…梓?」

梓「いいな〜、そっちは真面目に部活やってて」

梓「純も音楽だけには真剣になれるみたいだし…環境が良いんだろうなぁ」

純「それじゃまるで音楽以外は真剣じゃないみたいだね…私」
526 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:51:23.31 ID:deNu3EAO
純「でも軽音部は学祭ライブ成功させたじゃん。みんなすごいって言ってたよ」

梓「そうだけど…その後がね」

純「あと?」

梓「なんかいつもみたいにダラダラっていうか、いまいち締まりがないっていうか…」

梓「ライブ終わった後なのにこんなんで良いのかなって」

梓「もっとモチベーション上げてバリバリ練習してもいいはずなのに…」

純「軽音部らしいじゃん」

梓「だから、それがイヤなのっ」
527 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:53:36.60 ID:deNu3EAO
純「ふーん……」モグモグ

梓「はぁ…このままダラダラ過ごしてていいのかな」

梓「せっかくの高校生活なのに…私までダメになりそう」

純「……」モグモグ

梓「私はもっと目標高く過ごしたいの」

梓「だから毎日をしっかりと…」

純「……」ゴクゴク

梓「…って、聞いてる?」
528 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:55:24.24 ID:deNu3EAO
純「聞いてる聞いてる」モグモグ

梓「…本当に?」

純「ていうかさ、梓もけっこう腑抜けてたんだから練習なんてできないでしょ」

梓「!!」

梓「ふ、腑抜けてないっ!!」

純「どうだかなー」

梓「……」

梓「とにかく私は…目標にまっすぐとした学校生活を送りたいの」

純「ふーん…大変そうだね」

梓「大変そうって…」

純「まぁ…だったら今の梓のままでもいいと思うけどね、私は」
529 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:56:40.77 ID:deNu3EAO
梓「えー…?」

梓「それじゃあ何も変わらない気が…」

純「食べ終わったしそろそろ出よっか」

梓「あ…うん」

純「…私、今日思ったんだけどさ」

梓「なに?」

純「梓って以外と…」

梓「?」

純「…やめた。やっぱなんでもない」

梓「な、なにそれ?気になる」

純「別に大したことじゃないよっ」

梓「こら純!教えろー!」
530 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:57:40.86 ID:deNu3EAO
純「さてと、もう帰…」

純「あっ!ゲーセン寄っていかない?」

梓「え?」

純「なんかクレーンゲームやりたくなってきちゃった」

梓「いいけど…」

純「よーし、いっぱい取るぞー!」
531 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:58:52.46 ID:deNu3EAO
ゲームセンター


チャリン

ウィーンウィーン

純「よし…そこだ!!」

ウィーン…ポロッ

純「あっ!?」

梓「落ちちゃった」

純「このぬいぐるみはダメだね、絶対取れないよ」

梓「諦め早っ!?」

純「じゃあ梓やってみなよ。無理だから」

梓「むっ」

梓「そう言われて引き下がるわけにはいかない…」

チャリン
532 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 16:59:53.30 ID:deNu3EAO
ウィーンウィーン

ウィーン…ポロッ

梓「!?」

純「ね?難しいでしょ」

梓「も、もう一回」

チャリン

純「チャレンジャーだねー、梓は」

ウィーンウィーン

ウィーン…ポロッ

梓「!!」
533 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:01:40.11 ID:deNu3EAO
純「あはは、だから無理だって」

純「ほら、他のゲームやりにいこうよ」

梓「もう一回…」

純「まだやるの?じゃあ私は適当にゲームやってくるね」

梓「うん」

チャリン

ウィーンウィーン

ウィーン…ポロッ

梓「にゃっ!?」

純(これは厳しい戦いになりそうだ…)
534 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:03:03.75 ID:deNu3EAO
数十分後


純「お金ちょっと使いすぎちゃったかな…」

純「まぁいっか」

純「そういえば梓の方はどうだろう?」





ウィーン…ポロッ

梓「あっ」

純(まだやってる!?)
535 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:04:54.78 ID:deNu3EAO
梓「うぅ…あとちょっとだったのに…」

純「もう諦めなって」

梓「……まだ」

純「え?」

梓「財布の中のお金はもうこれだけ…これがラスト!」

梓「最後の挑戦!!」

純「あーはいはい、私は止めたからね」

梓「やってやるんだから!!」

チャリン

ウィーンウィーン
536 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:06:00.37 ID:deNu3EAO
純「おっ…いい感じじゃん」

梓「ここからだよ…ここからが勝負」

梓「ここで失敗したら全てが水の泡…!!」

純(なんか気合い入ってる…)

ウィーン…

梓「!」

梓「い、いけっ!!そこっ!!」

純「あっ、あとちょっと!」

ウィーン…ストンッ

梓「!」

純「や、やった…」

梓「取ったどー!!」
537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:06:51.00 ID:deNu3EAO
純「やるじゃん梓!まさか本当に取っちゃうなんて!」

梓「えへへっ」

純「たいしたもんだよ」

梓「何回もやればコツつかむ…」

梓「……」

純「ん?梓?」

梓「なんかさ…冷静に考えたら」

梓「お金使いすぎた。財布の中カラっぽ…」

純「…ドンマイ」
538 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:08:10.86 ID:deNu3EAO
梓「はぁ〜ぁ、なにやってんだろ私」

梓「こんなくだらないことに真剣になっちゃって…バカみたい」

純「別にいいじゃん、それで」

純「ほら、梓が言ってた…」

純「目標にまっすぐな高校生らしくて」

純「それでぬいぐるみも取れたんだし」

梓「そういう意味で言ったんじゃないんだけどなぁ…」

純「まぁ一つのことに夢中になってさ」

純「財布もカラっぽになったけど、頭もカラっぽになってスッキリしたんじゃない?」

梓「…なんだか嬉しくないような」


純「細かいことは気にしない気にしない」

梓「はぁ…」
539 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:10:57.54 ID:deNu3EAO
純「あっ、私こっちだからここでお別れだね」

梓「うん、バイバイ」

純「梓、明日からはボーッとするんじゃないよ」

梓「わかってるよ」

純「じゃーね!」

梓「じゃーね」

梓「…ふぅ」

梓「……」

梓「頭もスッキリか…」

梓(シャキッとしなきゃ、私!)

梓「……」

梓「このぬいぐるみどうしよう…」
540 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:11:57.19 ID:deNu3EAO
鈴木家


〜♪

純「このフレーズが難しいなぁ…」

純「いたたっ、手が疲れてきちゃった」

純「うーん…」

純「……」

純「そうだ!気晴らしにネットしよう」

純「確か梓が買い物安くできるって言ってたし、ちょっと覗いてみようかな」
541 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:13:10.39 ID:deNu3EAO
カチカチッ

純「どれどれ…」

純「へー、いっぱいあるんだね」

純「あっ、ギターやベースも売ってる…」

純「……」

純「私が中古で買ったベースはどれくらいの値段なんだろう」

カチカチッ

純「!?」

純「な…安っ!?」

純「私のときより安っ!!」
542 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:13:57.73 ID:deNu3EAO
純「なにそれー!これじゃあ私損しちゃったみたいじゃん!!」

純「……」

純「……はぁ」

純「……」

純「いや、後悔はしてない」

純「このベースを買ってよかったんだ。私が自分の目で直接見て決めたんだもん」

純「……」

純「でもやっぱりショック」ハァ

純「あっ…今日買ったDVD…」

純「…まぁいいや、明日からで。なんかやる気出ないし」
543 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:15:23.52 ID:deNu3EAO
翌日

軽音部 部室


律「さーて、今日は――」

梓「練習頑張りましょう!!」

律「お茶飲もっと」

唯「わーい」

梓「結局そうなるんですか…」

紬「はいどうぞ、梓ちゃん」

梓「あっ、ありがとうございます」

唯「あ!あずにゃんそのぬいぐるみどうしたの?」

唯「かわいいね〜っ!」
544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:16:26.12 ID:deNu3EAO
梓「これは昨日ゲーセンで取って…唯先輩が好きそうだなと思って持ってきたんです」

唯「えっ!私にくれるの!?」

梓「はい、いいですよ」

唯「わ〜い!ありがとあずにゃーんっ!!」

梓「……」

梓「やっぱダメです」

唯「えぇ!?」

梓「ちゃんと練習したらあげます」


唯「そんな〜!!」
545 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:17:34.95 ID:deNu3EAO
梓「欲しかったら真面目にやってください」

唯「う〜…ぬいぐるみは欲しい…」

唯「でもお茶は飲みたい〜…!」

唯「どうしようどうしよう〜…」

梓「どんだけ悩んでるんですか…」

紬「うふふっ」

律「まったく唯はしょうがないな〜」

澪「お前も部長なんだからしっかりしろ」

梓「…クスッ」
546 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:18:51.01 ID:deNu3EAO
ジャズ研 部室


先輩「さ、今日も張り切って練習よ!」

先輩B「は〜い」

純「……」

先輩B「どうした純?なんか元気ないね」

純「いや…昨日ちょっとショックなことがありまして」

純「私はこのベース選んでよかったのかな〜って…」

先輩B「?」

先輩B「なんかよく分かんないけど…そういう時は楽器の声を聞けばいいんだよ〜」

純「が、楽器の声…?」
547 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/29(水) 17:20:32.37 ID:deNu3EAO
先輩B「こうやって自分の楽器を抱き締めれば、声が聞こえるはずだよ〜」

純「えぇ〜??」

純(そんなこと…)

先輩B「ほら、やってみなよ〜」

純「……」

純「…じゃあ」

純「……」ギュッ

先輩「…純、なんでベース抱き締めてるの?」

純「えっ!?あ、これはベースの声を…」

先輩B「聞こえるわけないじゃんそんなの」

純「えぇっ!?」

先輩「バカなことやってないで早く練習するわよ」

先輩B「面白いな〜純は」

純「も、もうなにも信用しませんからね!!」



#13 おわり
548 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/29(水) 17:22:45.72 ID:deNu3EAO
今日はここまで

>>497
時間があるときはVIPで書いたりもしたけどひますぎはない
あれはもう終わってるし
549 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 18:00:29.19 ID:NITZzcAO
純ちゃん可愛すぎる乙
550 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 01:32:02.90 ID:JEdj7.Qo
おお!きてたか!
このなんかいいなって空気がいいよね
551 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 15:00:38.83 ID:5G59D.AO
おつ!!
相変わらずいいね
552 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 23:11:35.65 ID:ZXOdQyEo
乙!!
ジャズ研の先輩たちの姿が脳裏に浮かんでくる気がする
553 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 23:14:34.71 ID:N4/WFjMo
これが映画の内容だとはこの時誰も思っていなかった

澪が純にベース教える方向に向かうと思ったけどなんでもなかったぜ!
554 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/04(月) 08:18:38.58 ID:AHT5Vxco
しえん
555 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 14:15:24.39 ID:STo11EAO
#14

――ジャズ研
  部室


純「なんかさー、プレゼントでもしようよ」

同級生「え?私に?」

純「いやあんたじゃなくて。ジャズ研の先輩たちにプレゼント」

純「コンテスト終わったら引退でしょ?それまでに何かお礼しようよってこと」

同級生「いいけど…なにプレゼントするの?」

純「それはまだ考えてない」
556 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:18:03.55 ID:STo11EAO
純「うーん…何にしよう」

同級生「花とかは?」

純「えー、花って枯れたらそれまでじゃん」

純「食べ物系にしようよ!」

同級生「食べ物だって食べたらそれまでじゃん」

純「じゃあ〜…」

同級生「…それにしても寒いね〜。今年はいつもより早く冬が来たって感じ」

純「え?あぁ、うん。そろそろ暖房がついても――」

純「!!」
557 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:19:21.06 ID:STo11EAO
純「そうだっ!」

同級生「なに?」

純「マフラーとかはどう?これからの季節使うだろうし」

同級生「お、ナイスアイディア!」

純「でしょー」

同級生「どこで買う?」

純「あ…今お金ないんだった」

同級生「じゃあどうすんの?」

純「……手作りとか」

同級生「作れるの?」

純「……」
558 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/05(火) 14:20:32.09 ID:STo11EAO
――翌日


純「お願い!マフラーの編み方を教えて!」

憂「ど、どうしたの急に?」

純「実は…ジャズ研のセンパイたちに何かプレゼントを贈りたいと思っていまして」

純「それでマフラーに決まったんだけど〜…」

憂「編み方が分からない?」

純「はい、そうです」
559 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:21:24.98 ID:STo11EAO
憂「そういうことだったら私は構わないよ」

純「本当!?ありがとう憂ー!」

憂「さっそく今日から作ろっか」

純「うん!」

梓「なんの話してるの?」

憂「あっ、梓ちゃん」

純「今日憂にマフラーの編み方教えてもらおうと思ってるんだけど…」

純「梓も来る?」
560 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:22:09.47 ID:STo11EAO
梓「マフラー?」

純「うん、引退するジャズ研の先輩に贈ろうと思って」

梓「ふーん…」

梓「私はいいや、今日部活だし」

純「そう?」

梓「うん、マフラーできるといいね」

純「任せて!なんたって憂がいるんだから!」

梓「まさか全部憂まかせじゃ…」

純「う、憂には教えてもらうだけだって!!」

憂「えへへ」
561 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:22:57.63 ID:STo11EAO
――放課後
ジャズ研 部室


先輩「……」

先輩B「はぁ〜寒い寒い。こんな日に練習なんてな〜」

先輩2「文句があるならこんな日に練習を入れた部長に言いなさい」

先輩B「こら部長、寒いぞコノヤロウ!」

先輩2「寒いのは部長のせいじゃないでしょ!」

先輩2「てかアンタ、センパイに対してよくそんな風に言えるわね…」

先輩B「それぐらい親しいってことですよ。ね〜?」

先輩「……」

先輩B「無視された〜!!」
562 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:23:36.52 ID:STo11EAO
先輩「あ、ごめん…なに?」

先輩2「なにボケッとしてんのよ」

先輩「別に…」

先輩2「はぁ…コンテスト前にレギュラーだけで練習しようって言ったのはアンタでしょ?しっかりしなさい」

先輩「してるわよ…」

先輩「……」

先輩B「……これじゃあコンテストもダメかナ」

先輩「!!」

先輩「アンタねぇ!!好き勝手言わせておけば――」

先輩B「だって本当のことじゃん。部長がそんなモチベーションでどうすんですか?」

先輩「っ……」
563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:24:45.97 ID:STo11EAO
先輩2「こら二人とも、やめなさい」

先輩「……」

先輩B「……すいません、言い過ぎました」

先輩「別にいいわよ…」

ガラッ
ゾロゾロ
「こんにちはー」
「今日も練習ですよね?」

先輩「……えぇ」

先輩「みんな、コンテストまで時間がないから集中して練習するわよ」

「「「はい!」」

先輩B「……」
564 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:25:26.31 ID:STo11EAO
――平沢家


純「むずかし〜…」

憂「ここはもうちょっとこうして…」

純「あぁ!なるほど」

純「…それにしても、マフラー編むのって大変だね」

憂「けど、一生懸命作ればきっと喜んでくれるよ」

純「うん…だといいな」
565 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:26:33.72 ID:STo11EAO
憂「そろそろ休憩しよっか?」

純「えー?まだ編みたいよ」

純「せめて3分の1くらいは終わらせてから…」

憂「ふふっ、じゃあちょっとだけね」

憂「でもゆっくりやってもいいと思うよ?」

純「うーん…一回休むとサボっちゃいそうだから」

純「なるべくできるとこまではやっておきたいかな」

憂「純ちゃんすてきー!」

純「えへへー」
566 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:27:27.65 ID:STo11EAO
純「……」

憂「……」

純「……」

憂「純ちゃん」

純「んー?」

憂「ジャズ研って楽しい?」

純「なに突然」

憂「聞いてみたくなっただけ」

純「…そうだねぇ」
567 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:28:04.57 ID:STo11EAO
純「楽しいよ」

純「練習は厳しいけど…それなのに充実してるし」

憂「そっかぁ」

純「でも…最近はちょっと厳しすぎるかな」

純「コンテストが近いのもあるけど」

憂「大変だね」

憂「でもなんだか青春って感じがする」

純「あはは、普通の部活だよ」
568 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:29:04.01 ID:STo11EAO
・・・・・


純「よしっ!結構できた」

憂「このペースなら間に合いそう」

純「うんっ!」

純「あ…もう遅くなるしそろそろ帰るよ」

憂「気をつけてね」

純「はいはーい」

純「憂、今日はありがと。あとは一人でがんばってみる」

憂「大丈夫?」

純「平気平気、なんとかしてみせるって」

憂「じゃあ…がんばってね」

憂「きっと純ちゃんの想いは伝わるよ」

純「そんなたいそうな想いでもない気がするけど…そうだといいな」

純「じゃ、私はこれで」

憂「うん、バイバイ」
569 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:29:50.19 ID:STo11EAO
純「寒いな〜。もうすぐ冬か…」

純「……」

純「つい最近高校入ったばかりだと思ってたのに…もう二年生になっちゃうよ」

純「なんか年を重ねるごとに時の流れが早くなってる気がする…」

純「……ん?」





梓「……」
570 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:30:25.56 ID:STo11EAO
純「梓!」

梓「あっ…純」

純「なにやってんの?部活帰り?」

梓「うん…途中で買い物してて」

純「へぇ、なに買ったの?」

梓「マフラー。もうすぐ冬だし」

純「あっ…」

梓「なに?」

純「…ううん、なんでもない」

純「ちょっと見せて」

梓「え?いいけど…」

梓「はい」

純「……」

純(やっぱり売り物はちゃんとしてるなぁ…)
571 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:31:11.81 ID:STo11EAO
梓「どうしたの?」

純「別に…見せてくれてありがと」

梓「うん…」

梓「?」

純「それにしても寒いね…」

梓「だって冬だし」

純「まだ冬前じゃん」

梓「もうほとんど冬だよ」

純「梓は気が早いなー」

純「ただでさえ高校生活なんてあっという間なんだから、もう少しゆったりしなよ」

梓「…よく分かんないよ」

純「そうですか」
572 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:32:07.37 ID:STo11EAO
純「うちなんてもうすぐ先輩が引退しちゃうんだよ」

梓「学校でも言ってたね」

純「そう!だから寂しくなってきてさ」

純「このままずっと一年生のままでもいいかなーって思ったり」

梓「…私は早く二年生に上がりたいな」

梓「後輩とか…欲しいし」

純「入ってきた新入部員より梓の方が後輩に見えたりしてね」

梓「!!」ガーン
573 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:32:46.12 ID:STo11EAO
純「冗談冗談、梓もそのうち大人っぽくなるって」

梓「……別にそんなの気にしてないし」

純「ふーん」ニヤニヤ

梓「本当だって!」

梓「私はただ、新入部員が入ってくれれば先輩たちもやる気出すんじゃないかって思ってるだけ」

純「そっちはそっちで大変なんだね」

梓「まったくだよ!相変わらずダラダラして…」
574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:33:28.38 ID:STo11EAO
――ジャズ研
  部室

先輩B「ホントに大変ですよね〜、こんな遅くまで練習なんて」

「お疲れさまでしたー」

先輩2「はい、お疲れ」

先輩B「私は疲れて動けない〜」

先輩2「なに言ってんのアンタ」

先輩「……」

先輩B「…あんだけ練習したのに物足りなさそうな顔してる人がいる」

先輩「…なによ」

先輩B「なんでもないですよ〜」

先輩「……」

先輩B「そうだ、お腹すいたしどっかで何か食べに行きません?」
575 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:34:11.57 ID:STo11EAO
――ファミレス


先輩B「考えてみれば私、センパイたちに奢ってもらうの初めてかも」

先輩2「誰も奢るなんて言って……まぁいいけど」

先輩「……」

先輩B「あっ!マロンパフェなくなってる!?」

先輩B「私あれ好きだったのに〜…」

先輩2「ちょっと、高いのはやめてよね」

先輩「……」

先輩B「暗い顔だな〜、なんか食べるときぐらい明るくいきましょうよ」

先輩「あんたには関係ないでしょ…」

先輩B「さいですか」
576 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:36:05.96 ID:STo11EAO
先輩「……」

先輩2「…今日の練習は良かっと思うわよ。みんな少しずつだけどスキルアップしてるし」

先輩「そうね…」

先輩B「先輩も私が入学した時より格段に上手くなってると思いますよ」

先輩2「何様なのよ、あんたは」

先輩「……」

先輩B「一応ほめたつもりなんですけど」

先輩「……むしろへたくそになってるわよ」

先輩B「は?」

先輩「練習すれば練習するほど…自分のベースが分からなくなっていく」
577 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:36:41.55 ID:STo11EAO
先輩B「なに言ってるんですか急に」

先輩「もう限界にきてるのよ、私」

先輩「がむしゃらに練習すれば前に進めると思ってたけど…大きな壁にぶつかって」

先輩「それを壊して進もうとしたけど、私じゃ壊せなくて…」

先輩「そしたらいつの間にか誰かがその壁を簡単に壊して、先に進んじゃうんだもん」

先輩B「……」

先輩「そんな光景見ちゃったら…なんだか自分のやってることがバカらしく思える」

先輩「もう…先に進める気がしないのよ」

先輩B「…あー、私も似たような経験ありますよ」
578 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:37:17.40 ID:STo11EAO
先輩B「私が小学生のころの話なんですけどね〜」

先輩B「バレンタインに好きな男の子に手作りチョコを渡そうとしたんですよ」

先輩B「でも同じクラスメイトにもその子が好きな女の子がいて〜」

先輩B「しかもその子のチョコはなんか知らない高級なやつだったんですね」

先輩B「こりゃちゃんとしたやつ作らないと負けるかな〜と思って、私は持てる限りの力でチョコを作ったんですけど…」

先輩B「これが全然ダメで〜、やっぱり高級なやつには勝てないな〜って」

先輩B「で、仕方ないから私は…」

先輩B「バレンタインの当日にこっそりと自分のチョコと高級なチョコをすげ替えたんです」

先輩2「最低じゃない!?」

先輩B「だって悔しかったんだもん」
579 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:38:21.03 ID:STo11EAO
先輩B「それで私は高級チョコ、向こうは私が作ったダメチョコを渡したんですよ」

先輩B「私はこの勝負もらったな、と思ってたんですけどぉ…」

先輩B「なんとその男の子は私が作ったダメチョコを選んだんです!つまりライバルの女の子を選んだの」

先輩B「なんか〜、手作りの方が愛情こもってるとか言って〜」

先輩B「私がこめた愛情だったのに〜〜っ」

先輩2「…あんたが悪いことするからでしょ」

先輩B「そうですね、その日以来私は悪事を働かないことにしました」

先輩B「だから先輩も悪いことしちゃダメですよ?」

先輩「……」

先輩2「なんか…話ズレてない?」
580 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:39:01.05 ID:STo11EAO
先輩「…そんなくだらない話と一緒にしないでよ」

先輩B「くだらない!?私の甘苦い思い出が!?」

先輩「私は真面目に話してるの!!」

先輩2「ちょっと、お店なんだから静かにしてよ」

先輩B「…だいたいさ〜、さっき自分のやってることがバカらしく思えるとか言ったけど〜」

先輩B「だったら一緒にやってる私たちはなんなのさ」

先輩「…っ」
581 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:39:38.13 ID:STo11EAO
先輩B「私たちもバカ扱いするんですか?」

先輩「……そんなつもりじゃない」

先輩B「ふーん…」

先輩「……」

先輩B「……」

先輩2「……」

先輩B「……先輩って結構人の目を気にしますよね」

先輩B「みんなに評価されたいとか、気持ちは分かりますけど〜…」

先輩「……」

先輩B「でも〜、私は思うんですよ」

先輩B「先輩は、自分が思ってるよりごくわずかの人にしか見られていませんよ」
582 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:40:33.27 ID:STo11EAO
先輩「――っ!」

先輩B「だってプロを目指してるわけでも、ましてやプロでもないんですよ?」

先輩B「たかが学校の部活…めっちゃ閉鎖的」

先輩B「先輩はそんなごくわずかの人たちに高い評価をもらうためだけにベース弾いてるんですか?」

先輩B「そんな肩に力入れなくても…」

先輩「……」

先輩B「女子高生が楽器持ってドンチャカやってること自体にジャズ研も軽音部も大差ないんだから、もっと気楽にやりましょうよ」

店員「あの…すいません、ご注文よろしいでしょうか…?」

先輩2「あっ、ごめんなさい」
583 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:43:18.50 ID:STo11EAO
先輩2「ほら二人とも、さっさとメニュー選んで…」

先輩「あんたに――」

先輩B「はい?」

先輩「あんたに何が分かるのよこの生意気バカ!!」

先輩B「生意気バカ!?」

先輩「人の気持ちも知らないで好き勝手言ってなんなの!!」

先輩B「私はいつも自分に正直でいたいから先輩にも率直に意見しただけですよバーカ!!」

先輩「バカ!?センパイに向かってなんてこと!!」

先輩B「だいたい先輩は考えすぎなんですよ!なにが壁にぶつかっただ、アホくさい!!」

先輩B「どっかのアーチスト気取りですか!!」

先輩「私はただ部長として責任を――」

店員「あの…」

先輩2「すいません、今すぐ出ていきますんで!」

先輩2「本当にすいません!!」
584 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 14:44:42.61 ID:STo11EAO
・・・・・

先輩B「あ〜ぁ、結局なにも食べれなかった」

先輩「……」

先輩2「あんたたちが騒ぐからでしょ!恥ずかしかったんだから!!」

先輩B「ごめんなさ〜い」

先輩「……」

先輩2「はぁ…ほら、アイス買ってきたからこれでも食べて二人とも頭冷やしなさい」

先輩B「もうすぐ冬だってのにアイスって……お腹しか冷えませんよ」

先輩2「冬にアイス食べてなにがいけないのよ。だったら食べなくていい」

先輩B「嘘ですごめんなさい。私あずきのやつで」
585 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:47:01.71 ID:STo11EAO
先輩2「――で、これからどうするの?」

先輩「……」

先輩B「……」

先輩2「こんな険悪な雰囲気のままコンテストに出たくないわよ?」

先輩B「だってバカって言ってきたのは向こうからだし」

先輩「煽ってきたのはあんたでしょ」

先輩2「はぁ……」

Prrr、Prrr

先輩2「あっ…ちょっと電話」ピッ

先輩「……」

先輩B「……」
586 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:47:57.47 ID:STo11EAO
先輩2「もしもし恵?」

先輩2「あぁ…うん……」

先輩2「…ふふ、わざわざありがとう」

先輩2「うん、じゃあね――」ピッ

先輩「……」

先輩2「…今の電話、なんだと思う?」

先輩B「愛の告白?」

先輩2「そんなわけないでしょ」

先輩2「もうすぐコンテストだからって、友達がわざわざ励ましの電話してくれたの」

先輩2「極わずかでもちゃんと見てる人は見てるのよ」

先輩「……」
587 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:48:43.52 ID:STo11EAO
先輩B「そっか〜…よかった」

先輩B「だったらその人のためにも頑張らないといけませんね〜」

先輩B「学祭のライブはあんまり良くなかったし、汚名返上しないと」

先輩「……」

先輩B「…私ね、ジャズ研で一番良かった演奏って新歓ライブの時だと思うんですよ」

先輩2「え?」

先輩B「私が入学した年の新歓ライブ…あれが一番よかったな〜」

先輩B「演奏してるのはセンパイたち二人だけで、あんまり上手くなかったけど…」

先輩B「楽しそうだったし」

先輩B「私もここに入れば楽しくやれそうだな〜って思って入部したんです」

先輩「……」
588 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:49:30.28 ID:STo11EAO
先輩B「そもそも私がギター始めた理由は親が楽しそうにやってたからなんですよ。それで私も楽しくなりたくて始めて」

先輩B「たぶん…大多数がそうだと思うんですけどね」

先輩「……」

先輩B「でも音楽にしろ何にしろ、続けていくと人の目に止まっちゃうんですよね」

先輩B「最初は自分が楽しみたいからやってたけど……段々と人の目が気になり始めて」

先輩B「そのうち他人にどうやったらウケるのか、どうやったら良い評価がもらえるかなんて考えはじめて…」

先輩B「いつの間にか自分のやりたいこともできなくなっちゃったり〜」

先輩「……」

先輩B「…それじゃあダメなんです」
589 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:50:09.61 ID:STo11EAO
先輩B「楽しむ気持ちを忘れたらそれで終わり」

先輩B「苦しいときはいったん初心に帰ってみな」

先輩B「自分の楽しい気持ちや一生懸命な気持ちを、聴いてる人に上手く伝えることができて…」

先輩B「はじめて良い演奏になるんだ」

先輩B「楽しく演奏する道具だから“楽器”ってね」

先輩「……」

先輩B「――って、ギターの先生に教わりました」
590 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:50:59.13 ID:STo11EAO
先輩2「なんだ…ギターの先生の話だったの」

先輩B「でも私はこの言葉を指標に生きてるんですよ〜」

先輩「……」

先輩B「…私たちも初心に帰った方がいいんじゃないですかね〜?」

先輩「……帰る」

先輩B「初心に?」

先輩「家に」

先輩B「あ、そう」
591 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:52:02.17 ID:STo11EAO
先輩2「そうね、もう遅いし帰りましょう」

先輩「…はぁ、あんたの長話聞いてたら疲れちゃった」

先輩B「えぇ〜!深いイイ話したのにぃ〜!!」

先輩「あんたが言うと浅く聞こえるのよ」

先輩B「なんだそれ!!」

先輩2「ふふ…」

先輩「ま…ちょっとした気分転換にはなったかな」

先輩B「…先輩」

先輩「なに?」

先輩B「先輩は一人で弾いてるんじゃないんですから、一緒に楽しくやりましょうよ」

先輩B「たぶんそうすれば…聴いてくれる人はどんどん増えると思いますよ」

先輩「……」
592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:52:39.01 ID:STo11EAO
――鈴木家


純「あー……疲れた〜」

純「一応それっぽい感じにできてるけど…」

純「完璧にはまだまだ程遠いな〜」

純「はぁ…眠い」

純「……」

純「でも先輩たちだって頑張ってるんだし…私も頑張るか」

純「よしっ!」
593 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:54:36.30 ID:STo11EAO
――数日後


憂「純ちゃん、マフラーできた?」

純「うん、二つも作ったんだよ」

憂「うそ!?すごーい!」

純「おかげで寝不足だけどね」

純「それに…最初の一つは失敗しちゃったし」

憂「見せてっ」

純「ほら…こっちは雑でしょ?長さも短いし」

純「でもこっちは完璧…だと思う」

憂「二つとも良いと思うよ?」

純「そう?」

憂「うん、一生懸命作ったってのが伝わってくる」

純「えへへ、ほめられると照れるね」
594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:55:23.84 ID:STo11EAO
純「でもなんとか間に合ってよかった〜。渡すのいよいよ明日だよ」

憂「きっと喜んでくれるよ」

純「うん…」

梓「あっ、マフラーできたんだ」

純「へへー、すごいでしょ?」

梓「へぇ〜……」

梓「なんでこっちこんな短いの?」

純「別にいいじゃん!梓が使うんじゃないんだから」
595 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:55:56.09 ID:STo11EAO
――翌日
コンテスト会場


純「うわー…人いっぱいいるね」

同級生「結構ハイレベルな大会だからね〜」

純「それより、プレゼントは持ってきた?」

同級生「もちろん。お母さんに手伝ってもらったんだ〜」

純「私も、友達にアドバイスもらった」

純(勢いで二つ持って来ちゃったけど)

「なに?プレゼントって」

純「コンテストが終わったら先輩たちに贈ろうと思って」

「あっ、いいな〜それ」

「先輩たち来たよ!」
596 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:57:04.06 ID:STo11EAO
「「「お疲れさまです」」」

先輩B「まだ疲れてないよ〜」

先輩2「こら、揚げ足とらない」

先輩「みんな…そろってるの?」

純「はい、みんないますよ」

先輩「そう…ありがとう、聴きに来てくれて」

純「?」
597 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:57:33.07 ID:STo11EAO
先輩「じゃあ私たちはそろそろ行きましょうか」

先輩B「は〜い」

純「あの…先輩!」

先輩「なに?」

純「私…先輩のベース大好きです!」

先輩「!」

純「だから…上手く言えないんですけど…」

純「頑張ってください!」

先輩「えぇ…精一杯がんばるわ」
598 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:58:11.52 ID:STo11EAO
――控え室


先輩B「あっ、ギター忘れた」

先輩「はあっ!?」

先輩B「冗談ですよ。ずっと背負ってるじゃないですか」

先輩「ちょっと…そういうのやめてよ」

先輩B「余裕ないな〜……純にがんばるとか言ったくせに」

先輩「うるさい」

先輩2「ちょっと、いつまでじゃれてるの?」

先輩「だってこの子が…」

先輩B「へへー」
599 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:58:52.65 ID:STo11EAO
先輩「さてと…みんな集まって」

「「「はい!」」」

先輩「もうすぐ…本番が始まります」

先輩「このコンテストは…私たちジャズ研が部に昇格できるかどうかに関わる大事なもの…」

先輩「って、みんなも分かってるわよね」

「「「……」」」

先輩「けど、ジャズ研だどうこう言う前に…」

先輩「こういう場で演奏を発表できることは、とても貴重な経験になると思うの」

先輩「だから…みんなには悔いを残してほしくない」
600 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 14:59:30.32 ID:STo11EAO
先輩「別に良い結果じゃなくても、誰も怒ったり失望したりしないわ」

先輩「私たちは…自分のやってきたことを信じて、あとは楽しみましょう!」

先輩「自分にとって、一番の演奏になるように」

「「「はい!」」」

先輩「さ…じゃあそろそろ行きましょうか」

先輩B「死ぬなよ」

先輩「私は戦場にでも行くのか!」
601 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 15:00:20.85 ID:STo11EAO
――会場内


純「どこも上手いとこばっかだね」

同級生「あ〜…うちの学校大丈夫かな」

純「……」

アナウンス『――続いて、桜ヶ丘高校ジャズ研究会の演奏発表です』

純「始まった!」
602 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 15:01:01.74 ID:STo11EAO
先輩「……」

―――だいじょうぶ。

私の高校三年間は無駄じゃない。

みんなとここまで来れたんだから。

先輩「……」

みんなとならできる……みんなとじゃなきゃできない。

私一人じゃできない。

楽しい時間。

最後に気づいてよかった。

先輩(…よしっ!)

短い間だけど……

――――――♪



――――
――

603 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/05(火) 15:03:20.37 ID:STo11EAO
パチパチパチパチ!!

          パチパチパチ!!

     パチパチパチ!!

パチパチパチ!!


純「わぁ……」

同級生「すっ…すごくない!?今の演奏!!」

純「う、うん…」

同級生「すごいな〜!本当にすごいな〜!!」

純「……」

純(これ…ジャズ研の演奏なんだよね)

純(初めて聴いたかも…うちのこんな演奏…)
604 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:04:28.01 ID:STo11EAO
――控え室


先輩B「あ゛〜…じぬ゛〜〜」

先輩2「……ふぅ」

先輩「……」

先輩2「…終わっちゃったね」

先輩「……」

先輩2「聞いてるの?」

先輩「聞いてるー…」

先輩2「うそつけ」

先輩「……」

アナウンス『まもなく、結果発表の時間です』

先輩「……」

先輩2「だってさ。ほら、行こう」

先輩「…うん」

――――
――

605 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:05:06.21 ID:STo11EAO
――会場外


純「あっ、先輩!」

先輩「みんな…」

「「「お疲れ様です!」」」

先輩B「ホントに疲れた〜」

先輩2「寄りかからないで、しっかり歩きなさい」

純「あ、あの…おめでとうございます!」

先輩「ふふ、ありがとう」

先輩B「ほらほら部長、みんなに見せましょうよ」

先輩「あっ、そうね…」ゴソゴソ

先輩「あれ…あれっ!?」

先輩2「どうしたの?」

先輩「ない…なくなってる!!」

先輩2「えぇ!?」

先輩B「じゃーん、準グランプリトロフィー、と賞状」

先輩「なんであんたが持ってるの!!」

先輩B「さっきこっそりと」
606 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:05:51.70 ID:STo11EAO
先輩「も〜…」

先輩B「はい先輩、おめでとうございます」

先輩「…あんたに渡されても嬉しさ半減よ」

同級生「でもすごいですね、準グランプリって!」

先輩2「まぁこれだけ結果を残せば…来年からジャズ研究“部”として活動できるわね」

先輩B「こうしてジャズ研に安息の日々がおとずれたのであった」

先輩「気を緩めないの。あんたのせいで来年廃部になるかもしれないんだから」

先輩B「私どんだけ信用ないんですか〜」

先輩「ふふっ」

同級生「ねぇ純」

純「うん、分かってる」
607 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:06:21.54 ID:STo11EAO
純「あの――」

純「先輩!」

先輩「ん?」

純「これ、私たちからです」

同級生「どうぞ」

先輩2「これは…?」

純「マフラー…です。手作りですけどよかったら」

先輩「私たちに?」

純「はい、先輩たちになにかお礼したくて…」

同級生「二人はジャズ研の創始者ですから」

「せー…の!」

「「「三年間お疲れ様でした!!」」」
608 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:06:56.07 ID:STo11EAO
先輩2「み、みんな…」

先輩「…ありがとう」

純「えへへ」

先輩B「そうだ!これからみんなでなんか食べに行きましょうよ!!」

先輩B「センパイたち二人のおごりで」

先輩2「何人いると思ってるの!?」

「二年のおごりでいいんじゃない?」

「そうそう、私たちが来年上に立つんだし」

先輩B「えー…しょーがないな〜」

先輩「そうよ、それぐらい寛大な心を持ちなさい、新部長」

先輩B「…え?私が?」
609 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:07:33.40 ID:STo11EAO
・・・・・

純「あー、美味しかった」

先輩B「……そう言ってもらえると軽くなった財布も喜ぶよ」

先輩「ならもっと喜ばせてあげよっか?」

先輩B「なんだよ〜引退したからってつけあがって〜〜」

先輩2「さて…もう暗いし帰るわよ」

先輩「みんな、帰り道は気をつけてね」

「「「はーい」」」

先輩2「…私たちも行こっか」

先輩「うん」
610 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:08:00.62 ID:STo11EAO
・・・・・

純「あー、美味しかった」

先輩B「……そう言ってもらえると軽くなった財布も喜ぶよ」

先輩「ならもっと喜ばせてあげよっか?」

先輩B「なんだよ〜引退したからってつけあがって〜〜」

先輩2「さて…もう暗いし帰るわよ」

先輩「みんな、帰り道は気をつけてね」

「「「はーい」」」

先輩2「…私たちも行こっか」

先輩「うん」
611 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:08:46.45 ID:STo11EAO
先輩「……」

先輩2「……」

先輩「……」

先輩2「……」

先輩「――う゛っ…うぅ…」ポロポロ

先輩2「あぁもう、みんながいないとこれなんだから」

先輩「だっでぇ〜〜〜っ」

先輩「プレゼントとかもらえるなんて聞いてなかったんだも〜〜んっ」

先輩2「はいはい」

先輩2「手のかかる子ね」
612 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:09:24.73 ID:STo11EAO
先輩「うあ〜〜〜んっ!!」ポロポロ

先輩2「ちょ、ちょっと!?人が見てるわよ!!」

先輩「あ〜〜〜〜んっ!!」

先輩2「……はぁ。まぁいっか」

先輩「私ジャズ研作ってよ゛がっだ〜〜〜っ!!」

先輩2「そうね」

先輩「みんなと演奏できてよがっだ〜〜〜っ!!」

先輩2「……そうね」
613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:11:12.13 ID:STo11EAO
純「……」

純「……」

純「……」

純(よかったな…先輩たちの演奏…)

純(私もいつか…あんな風にできるかな…)

純「………あ」

梓「あっ」
614 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:15:18.21 ID:STo11EAO
純「…こんなところでなにしてんの?」

梓「別に…ただ用事があったからその帰り道」

純「ふーん…」

梓「純は?」

純「私はジャズ研のコンテストの帰り」

梓「今日だったんだ」

純「そうだよ、すごかったんだから!」

純「最高の演奏だった!」

梓「そうなんだ…」

純「そうだ、途中まで一緒に帰ろっか?」

梓「うん、いいよ」
615 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:18:53.47 ID:STo11EAO
純「……」

梓「……」

純「……」

梓「…寒いね」

純「あれ、そういえばマフラーは?」

純「買ったんでしょ?」

梓「……忘れた」

純「…やれやれ、手のかかる子だね〜」

純「じゃあこれ貸してあげる」

梓「なにこれ?」

純「余った手作りマフラー」
616 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 15:23:32.51 ID:STo11EAO
純「ほら、二つ作ったでしょ?」

純「片方は先輩にあげちゃったから、もう片方は梓に」

梓「これ…短いやつじゃん」

純「文句あるならべつにいいけど」

梓「…やっぱ借りる」

純「どうぞどうぞ。私も持て余してたし」

梓「なんかいらない物の処分に利用された気がする…」
617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/05(火) 15:28:14.00 ID:STo11EAO
純「……」

梓「……」

純「マフラーどう?」

梓「まぁまぁあったかい」

純「そっか、よかった」

純「……」

梓「……」

純「あ、じゃあ私こっちだから」

梓「うん…バイバイ」

純「じゃあね、梓!」

梓「……」

梓「……」

梓「やっぱ短いなぁ…これ」



#14 おわり
618 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 15:29:35.21 ID:STo11EAO
これで先輩メインの話はたぶん終わりです
脚色多くてすいません
619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 15:35:43.27 ID:STo11EAO
>>610はミスって連投してました
620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 15:41:25.88 ID:AhSlhlgo
おちゅ

先輩キャラ立ちすぎだろw
これはもうスピンオフとして扱っていいレベル

かきふらいーおれだーこのスレ漫画化してくれー
621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 15:50:15.58 ID:sdYAiAAO


純ちゃんの手編みマフラーなら20万でも買う
622 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/05(火) 17:36:43.55 ID:h5yljGoo
純ちゃんマジいいこ
623 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 20:07:58.29 ID:2.38LIAO
イイハナシダナ〜
おつ

だけど途中で「先輩」がゲシュタルト崩壊したのはナイショダヨ
624 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 22:02:40.21 ID:QXbcjrg0
こんな良いキャラなのに先輩たちに名前が無いのが惜しい・・・
625 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 01:08:13.82 ID:xm6RjQAO
乙です

純ちゃんもいいけど、先輩Bもいいっすね!
626 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 18:30:32.17 ID:ElFH7tso
いいねこういうの。

誰かじゃずけんの先輩たちを描いてうpしてくれないかな。
627 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 07:33:33.43 ID:ljGUXVso
ほす
628 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 15:54:18.15 ID:6ZilB2E0
最終回でジャズけんの面々映ってたよな
あの中に先輩Bがいたかもと妄想している
629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 16:25:47.91 ID:pAhvr4wo
先輩B可愛いよ先輩B
630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 20:37:08.83 ID:zHpRU2DO
早く3人だけでの話を見たい
631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/09(土) 20:47:09.83 ID:PZ9b0nQo
すごいおもしろい。確かにこれはジャズけん!だなあ
632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:12:59.48 ID:/dOwakAO
#15


キーンコーンカーンコーン

純「梓、前に猫預かってくれてありがと」

梓「え?あぁ、うん」

純「これ、今さらで少ないですがどうぞ」

梓「……なにこの封筒?」

純「中に謝礼が入ってるよ」

梓「謝礼…?」

梓(まさか……お金!?)

梓「い、いいよいいよそんな!!受けとれないよ!!」
633 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:13:39.91 ID:/dOwakAO
純「えーなんで?」

梓「だって…そんな大げさなことしたわけじゃないし」

純「せっかく梓のために用意したのに…」

梓「だけど、お金はさすがにちょっと…」

純「お金?なにが?」

梓「は?」

純「私があげたいのはドーナツの割引券だよ」

純「封筒の中見てみて」

梓「……」

梓「あっ、本当だ」

純「まったく梓は、そそっかしいんだから」

梓「じゅ、純がややこしいことするからだよ!わざわざ封筒なんかに入れて…」
634 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:14:29.41 ID:/dOwakAO
純「なんかコレに入れた方がお礼っぽいじゃん?」

梓「もう……じゃあ、ありがたく受けとっておく」

純「どうぞどうぞ」

純「あっ、そうだ。放課後どうする?」

梓「放課後?」

純「もうすぐ試験だし、図書館で一緒に勉強しない?」

梓「あー…ごめん。学校終わったら先輩たちと約束があって」

純「そっか…」

梓「ごめんね」

純「ううん。いいよ別に」

純(憂はどうかな…)
635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:15:25.72 ID:/dOwakAO
――ジャズ研 部室


先輩「……」

先輩「……はぁ」

ガチャッ

先輩「!」

先輩B「あっ、いた」

先輩「な、なんであんたが…」

先輩B「ここで勉強しようと思って」

先輩「どうしてわざわざ…」

先輩B「だって図書館は飲食禁止だし〜」

先輩B「でもここなら、お菓子もジュースも食べ放題飲み放題」
636 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:16:01.03 ID:/dOwakAO
先輩「そんなことのために?」

先輩B「甘いもんは脳の疲労を回復させるんですよ」

先輩「はいはい」

先輩B「それにしてもいいな〜三年は。期末試験がなくて」

先輩「こっちはもうすぐ人生のかかった試験があるっての」

先輩B「大学受験ですか」

先輩B「…で、ここでなにしてるんですか?」

先輩「………勉強」

先輩B「わざわざこんなところで?」

先輩「い、いいじゃない!気分転換よ気分転換!!」

先輩B「ふーん……まぁいいけど」
637 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:17:00.00 ID:/dOwakAO
先輩B「じゃ、お邪魔します」

先輩「まったく…これじゃあ集中できないわ」

先輩B「でも一人じゃ寂しいですよ」

先輩「なに?あんた寂しがりやだったんだ」

先輩B「いや、先輩が」

先輩「なっ!?」

先輩B「分からないところがあったら教えてあげますよ〜」

先輩「っ!」カチンッ

先輩「ノーサンキュー!!」

先輩B「おぉ…英語だ。気合い入ってる」

先輩B「でもまだまだだね〜…」

先輩B「――No,thank you」

先輩「!?」

先輩B「こうやって発音するんですよ〜」

先輩「う、うるさい!」
638 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:17:42.83 ID:/dOwakAO
――二年生 教室


憂「ごめんね、帰ったらすぐスーパーに行かなきゃいけないの」

純「スーパー?」

憂「うん、半額セールが今日までなんだ〜。だから安いうちにいっぱい買っておこうと思って」

純「主婦だ…」

憂「だからごめんね。でも明日だったら大丈夫かも」

純「りょーかいっ」

純(憂もか……)

純(しょうがない、一人で勉強しよ)
639 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:18:44.88 ID:/dOwakAO
――図書館


純「……」

純「……」

純「……」

純「はぁ〜……」

純(だめ……全然頭に入らない)

純(このままじゃテストまずいなー…)

純(赤点なんて取ったら先輩になんて言われるか…)

純(憂ー梓ー!助けてー!!)

和「あら?」

純「あっ…」
640 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:19:29.45 ID:/dOwakAO
和「えっと…確か憂の友達の…」

和「純ちゃんだっけ?」

純「はい。こんにちは、和先輩」

和「そこの席いいかしら?他が空いてなくて」

純「どうぞ、いいですよ」

純(やった!救世主がきた!!)

純(和先輩なら頭も良さそうだし、分からないところを聞い…)

和「……」

純「……」

純(そんな気軽に話しかけれるほど仲良くはなかった…)
641 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:20:19.57 ID:/dOwakAO
和「……」

純「……」

純(どうしようかな…聞いてみようかな)

純(でも和先輩ってなんか怖いんだよね)

純(もし迂闊に話しかけたら――)

和『集中してるの、邪魔しないで』

純『ひっ…』

和『それにここは図書館よ。私語は慎みなさい』

純『ご、ごめんなさい!!』

和『分かったなら手を動かしなさい。試験はもうすぐなんだから』

純『はいぃ!!』

純(……ってことがありそう)

和「どうしたの?」
642 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:21:03.76 ID:/dOwakAO
純「はい?!」

和「教科書ジーっと眺めてるけど…なにか分からないところがあるの?」

純「いや…その…」

和「分からないところがあったら私が教えてあげるわよ」

純「え…いいんですか?」

和「えぇ、せっかくだし」

純「あ、ありがとうございます」

純(よかった…普通にいい人だった)
643 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:22:20.15 ID:/dOwakAO
純「ここと、ここが分からなくて…」

和「ああ、そこね」

和「ここは公式に当てはめて、こっちはその応用だから…」

和「……」カキカキ

和「はい、こういうことよ」

純「なるほど〜」

和「他にも何かあったら遠慮なく聞いてね」

純「はい!」

純(かっこいいなー…)
644 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:23:03.99 ID:/dOwakAO
和「……」カキカキ

純「……」

純(考えてみれば、先輩たちってみんなかっこいい…)

純(ベースが上手かったり、美人だったり、頭が良かったり)

純(みんな長所があって…)

純「……」

純(私はどうやったらかっこよくなれるんだろう)
645 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:23:47.87 ID:/dOwakAO
――軽音部 部室


律「ありえねぇ!!」

律「なんで部室に来てまでテスト勉強するんだ!?」

澪「いや…勉強するから集まったんだろ」

律「えー勉強やだやだー」

唯「やだやだー」

澪「なに言ってるんだよお前たちは…」

律「そうだ!気晴らしに演奏でもしようぜ!」

唯「はい!りっちゃん隊長!」

唯「私は大賛成です!!」

律「うむっ」

澪「気を晴らすほど勉強してないだろ!!」
646 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:27:06.94 ID:/dOwakAO
梓「テスト期間なのにそんなことしてて…いいんですか?」

唯「少しくらいはいいじゃ〜ん」

梓「さわ子先生、なにか言って…」

さわ子「ムギちゃん、おかわり」

紬「は〜い♪」

梓(餌付けされてる!?)

さわ子「お願い!今日だけは甘いもの欲しいの!!」

澪「はぁ……」

澪「仕方ない。梓、私たちはちゃんとやろうか」

梓「そうですね」
647 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:27:58.79 ID:/dOwakAO
律「やーい真面目ー」

澪「お前たちが不真面目すぎるんだろ」

さわ子「そうよ、テストが近いんだから勉強しなさい」

さわ子「赤点でも取ったりしたら部活できないのよ?」

唯「うぅ…」

律「はーい…」

梓(先生が今日初めて先生らしいことを!!)

さわ子(部活ができないとケーキが食べれない)

さわ子(それだけは阻止しないと…!)
648 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:28:45.66 ID:/dOwakAO
律「…しゃーない、やるか」

唯「ねーねーさわちゃん」

さわ子「どうしたの唯ちゃん?」

唯「数学の問題教えて」

さわ子「えっ」

唯「ここが分かんないの〜」

さわ子「……」

さわ子「私、音楽の先生だから〜」

唯「そっかぁ」

律(逃げたな先生)
649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:29:23.66 ID:/dOwakAO
唯「ならあずにゃんに教えてもらおうかなっ」

梓「何で私なんですか…」

唯「あれ?あずにゃん、それなに?」

梓「え?」

唯「その封筒」

梓「あぁ…これですか?」

梓「純からもらったんです。ドーナツの割引券」

唯「おぉ!!」
650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:30:04.08 ID:/dOwakAO
梓「ど、どうしたんですか?」

唯「いいな〜ドーナツ」

梓「……」

唯「……」ジーッ

梓「……一枚だけなら」

唯「あずにゃん大好き!!」ギュッ

梓「にゃっ!?」

唯「お礼にスリスリしてあげる〜」スリスリ

梓「や、やめてください!」

律「仲良いなーお前たちは」

唯「えへへ〜」

梓「はぁ……」

唯「学年が上がっても頑張ろうね、あずにゃん」

梓「…唯先輩は真面目にならないと上がれませんよ」

唯「ひどい!?」
651 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:30:48.76 ID:/dOwakAO
――ジャズ研 部室

ポトッ

先輩B「あっ、消しゴム落ちた」

先輩「っ…」ピクッ

ポトッ

先輩B「また落ちちゃった」

先輩「……」

ポトッ

先輩B「また、“落ちちゃった”」

先輩「いやがらせ!?」
652 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:31:23.80 ID:/dOwakAO
先輩B「いやだな〜リラックスさせようと思っただけなのに」

先輩「イライラしかしないわよ…」

先輩B「まぁ少しは休憩しましょーよ。無理は体に悪いし」

先輩B「私が安らぎの言葉を提供してあげますよ」

先輩「あぁそう……だったら“受かる”とか“当たる”って言葉なら嬉しいんだけど」

先輩B「えー……うーん」

先輩B「例えば?」

先輩「例えば……」

先輩「カルボナーラを食べて、受かる(ボナーラ)」

先輩B「………まさか真面目だけが取り柄の人がこんなこと言うとはなぁ」

先輩「無し!今のは無し!!」
653 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:32:04.97 ID:/dOwakAO
先輩B「あっ、私も思いつきましたよ」

先輩B「走行中のトラックにあたる」

先輩「交通事故じゃない!!」

先輩B「フグの毒にあたる」

先輩「あんた私を殺したいの!?」

先輩B「先輩が死んだらお葬式でスピーチしてあげますよ〜」

先輩「絶対ろくでもないことしか言わないでしょ…」

先輩B「そんなことないですよ」

先輩B「今実践してあげましょう」

先輩「……」
654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:32:40.16 ID:/dOwakAO
先輩B「――先輩は志が高く、素晴らしい人でした」

先輩B「常に目標を高く持つ姿勢は見習いたいものです」

先輩「……」

先輩B「思えば小学生のころから理想が高かったですね」

先輩「え…」

先輩B「確か小学生のころの夢は、セー○ームーンになって宇宙人を倒し星の王子様と結婚…」

先輩「わーーー!!なんであんたが知ってるの!?」

先輩B「元副部長(先輩2)から聞いた」

先輩「あーもー最悪!!こんなこと知られたら死んだも同然よ!!」

先輩「ていうかアンタより先に死ねないし!!」

先輩B「そうかそうか、死ぬんじゃないぞ」

先輩「もういいから喋んないで!」

先輩B「なに言ってるんですか、私がいなきゃ寂しいくせに」

先輩「寂しくない!!」
655 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:33:10.70 ID:/dOwakAO
――平沢家


憂「ふぅ、夕飯完成」

憂「いっぱい作っちゃったな〜…」

憂「……」

憂「お姉ちゃんが帰ってくるまでなにしよう」

憂「う〜ん…」

憂「お姉ちゃん遅いなぁ」

憂「……」

憂「寂しい…」
656 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:33:45.94 ID:/dOwakAO
憂「早く作りすぎちゃったなぁ…」

憂「うーん…」

憂「勉強しよ」

憂「そうだ…純ちゃん」

憂「まだ図書館にいるのかな?」

憂「メールメール…」

憂「あとお姉ちゃんにも一応送ろっと」
657 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:34:21.22 ID:/dOwakAO
――数分後


〜♪

憂「あっ、純ちゃんからだ」

憂「…へ〜、和ちゃんと」

憂「いいな〜」

憂「私も図書館行けばよかったかな…」

憂「でもお姉ちゃんの帰りを待たないといけないし…」

憂「……」

ガチャッ

憂「あ!」
658 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:34:57.36 ID:/dOwakAO
唯「ういーただいまー」

憂「お姉ちゃんおかわり〜!」パタパタ

唯「憂、はいお土産」

憂「え…これは?」

唯「ドーナツだよ」

憂「こんなにいっぱい?」

唯「あずにゃんからドーナツの割引券もらったの」

唯「対象商品は一つだったんだけど、お店に行ってみたら美味しそうなのがいっぱいあって…」

唯「おかげで割引券の意味なくなっちゃったよ〜」

憂「ふふっ、お姉ちゃんったら」

憂「ご飯できてるからドーナツの前に食べよっ」

唯「うん!」
659 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:35:52.53 ID:/dOwakAO
パクパクモグモグ

唯「でね〜、今日あずにゃんに叱られちゃった」

唯「真面目にしないと三年生になれないって」

憂「お姉ちゃんはやればできるから大丈夫だよ」

唯「えへへ、ありがとう憂」

唯「あっ…」

憂「どうしたの?」

唯「今日のご飯も美味しいねっ」

憂「!」

憂「あ、ありがとう…」

唯「えへへ〜」

憂「えへー」
660 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:36:24.72 ID:/dOwakAO
唯「ふぃ〜…たべたたべた」

唯「おなかいっぱいだよ〜」

憂「お姉ちゃんドーナツは?」

唯「た〜べ〜る〜」

憂「はーい」

唯「でも全部はたべれないかも」

憂「じゃあ残ったのは明日食べようね」

唯「あ〜い」
661 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:37:03.10 ID:/dOwakAO
唯「うん、あまいものはおいしいね〜」パクッ

憂「そうだね〜」

唯「ドーナツって丸くてかわいいよね。かじっちゃうのがもったいない」

憂「え?」

唯「だってこうやって食べちゃうと…」パクッ

唯「ほら、円が欠けちゃった」

唯「なんかつながってたものが離ればなれになったみたいヤだなぁ…」

憂「ふふっ、おもしろいこと考えるね」

唯「そう?でへへ」

憂(あっ、そうだ)

憂「ねぇお姉ちゃん」
662 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:37:33.50 ID:/dOwakAO
唯「なに?」

憂「ドーナツ、三つもらっていい?」

唯「え?いいよ、いっぱいあるし」

憂「ありがとう」

唯「ういも食いしん坊だね〜」

憂「これは明日の分だよ」

唯「明日?」

憂「うん、ちょっとね」

唯「ふ〜ん」
663 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:38:52.36 ID:/dOwakAO
憂「あっ、もうこんな時間」

唯「ほんとだ」

憂「お姉ちゃんといるとなんだか…時間が早く感じる」

唯「そうかな?」

憂「じゃあ私は勉強してるから、お姉ちゃん先にお風呂入ってて」

唯「はーい」

唯「…ねぇ、うい」

憂「なに?」

唯「勉強頑張ってね」

憂「!」

憂「うんっ!」

唯「じゃあ私、お風呂行ってくる〜」パタパタ

憂「…よしっ、勉強頑張らなきゃ」

憂「……」

憂(こういう生活がずっと続けばいいな…)
664 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:39:26.34 ID:/dOwakAO
――図書館


和「ふぅ…終わったわね。お疲れさま」

純「なんか…がっつり勉強しちゃいました」

和「けど、これでテストはなんとかなりそうじゃない?」

純「そうですね…あはは」

純「今日はありがとうございました」

和「じゃあ私はこれで」

純「はい、さようなら」
665 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:40:01.08 ID:/dOwakAO
純「はぁー…疲れた」

純「でもいつもより勉強できたなー…」

純「さすが生徒会の人、教え方がうまい」

純「……さてと、私も帰ろ」

先輩B「あ〜、図書館閉まってる〜」

純「え?」

先輩「あ、純」

先輩B「ホントだ〜、純がいる」

純「センパイたち…どうしたんですか?」
666 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:41:44.28 ID:/dOwakAO
先輩B「なんか〜この元部長が借りたい本があるとかいきなり言い出して〜」

先輩B「急いで来たらこの通り図書館は閉館」

先輩B「だから間に合うわけないって言ったじゃないですか〜」

先輩「…仕方ないわね。明日にしましょう」

先輩B「ちゃんと前もって借りとけばいいのに……相変わらず要領悪いな〜」

先輩「うるさいっ」

先輩「純は何してたの?」

純「試験勉強を」

先輩B「えらいな〜、部室で勉強してた人とは大違いだ」

先輩「アンタもしてたでしょ…」

先輩B「せっかくだし途中まで一緒に帰ろっか」
667 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:42:17.29 ID:/dOwakAO
純「先輩、大学はどこ行くんですか?」

先輩「第一志望は…R大」

純「そこ結構レベル高いところじゃないですか!」

純「頑張ってくださいね!」

先輩「うん、ありがとう」

先輩B「あっ、一万円落ちてる」

純「え!?」

先輩「あんたねぇ…」
668 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:43:12.97 ID:/dOwakAO
先輩B「まぁ落ちても浪人して、大学は私と同学年になるって道もありますよ」

先輩「死んでも御免よ」

先輩B「小学生のころはセー○ームーンに…」

先輩「わーーーーー!!」

純「ど、どうしたんですか?」

先輩「な、なんでもないわよ」

先輩「アンタって子は…!」キッ

先輩B「だって死んでもとか言うから…」

先輩B「ま、受かるといいですね〜」

先輩B「カルボナーラでも食べて」

純「???」

先輩「もうやめて…」
669 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:44:13.22 ID:/dOwakAO
先輩B「自分の言葉にはきちんと責任を持たなきゃ」

先輩「きーこーえーなーい」

純「あの…」

先輩B「ん?」

純「センパイたちって仲がいいですよね」

先輩B「そう見える?」

純「はい!」

先輩B「だってさ」

先輩「勘弁してよ……誰がアンタなんかと」
670 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:45:03.25 ID:/dOwakAO
先輩B「素直じゃないな〜」

先輩B「覚えておきな純。素直じゃない人って、こういう時にこっちの目を見ないんだよ〜」

先輩B「恥ずかしくて直視できないから」

純「なるほど…」

先輩「純に変なことを吹き込まない!」

先輩B「私はセンパイとしてアドバイスを」

先輩「はぁ……純、この子の言うことは信じちゃダメよ?」

先輩「あなたは真面目なんだから、変な風に染まらないでね」

先輩B「私だって真面目だよ〜!」

純「あははっ」
671 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:45:41.26 ID:/dOwakAO
先輩「あっ…私はここで」

先輩「じゃあね二人とも」

純「お疲れさまです」

先輩B「ちゃんと寝ろよ〜」

先輩「……」

先輩B「どうしたんですか?」

純「先輩?」

先輩「…ううん、別に」

先輩「帰りは気をつけてね。じゃ」
672 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:46:21.32 ID:/dOwakAO
純「…行っちゃいましたね」

先輩B「うん?そだね」

純「先輩…ホントに卒業しちゃうんだ」

先輩B「誰だってそのうち卒業するでしょ」

純「そうですけど…」

先輩B「そんな悲観的になることないよ。めでたいことじゃん、無事卒業できて」

純「…そう考えればそうですね」
673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:46:48.45 ID:/dOwakAO
先輩B「私たちもそろそろ行こうか」

純「あ、はい」

先輩B「はぁ〜…テストだるいな〜」

純「私は今日いつも以上に勉強したんで自信あります」

純「生徒会の人に教えてもらったんですよ」

先輩B「生徒会?私あんまり好きじゃないんだよね〜」

先輩B「なんかむつかしい人ばっかだから」

純「えー?そんなことないですよ」

先輩B「そう?純は交友関係広いね」
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:47:42.33 ID:/dOwakAO
純「んー…あんまりそうは思わないなぁ」

先輩B「でもあの子とも仲良いんでしょ〜?軽音部の…ほら」

先輩B「ちっちゃい子…アリサちゃんだっけ?」

純「梓ですよ」

先輩B「そうそう、それそれ」

先輩B「私、軽音部の人たちはあんまり知らないから憶測なんだけど〜…」

先輩B「変な子?」

純「いや、変では…ないですよ一応」

先輩B「ふ〜ん、軽音部って変わった人たちの集まりってイメージがあるからさ」

純「あ、でも……前に梓と二人で遊んだ時の話なんですけど」
675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:57:16.87 ID:/dOwakAO
純「梓って普段は真面目なんです。だから軽音部の現状に不満があるみたいで」

純「で、その日は梓の愚痴を聞いてたんですけど…」

純「梓ったら、文句言うわりには楽しそうに喋ってんですよ!」

純「本当は軽音部のこと大好きだけど口では上手く言えないみたいで」

純「あれは見てておもしろかったな〜……」

純「『素直じゃないね』、って言おうとしたんですけどやめておきました」

純「そう言うと怒りそうな気がして」

先輩B「へ〜」

純「しかも意地っ張りで強がりだから大変ですよ」

純「まぁ…それが梓なんですけどね」

先輩B「…純はその子のことちゃんと理解してるんだね」
676 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:58:24.86 ID:/dOwakAO
純「へ?」

先輩B「大好きな友達なの?アリサちゃん」

純「え…えぇ〜?」

純「…なんですかいきなり」

先輩B「楽しいんでしょ?その子といると」

純「まぁ…楽しいっちゃ楽しいですけど」

先輩B「なら大切にしなよ。気持ちが分かる相手ってのは、案外いないもんだからさ」

純「うーん…?」

先輩B「そのうち気づくよ」

先輩B「じゃ…私こっちだから〜」

純「あ、お疲れさまでした」

先輩B「純〜、赤点は取るなよ〜」

純「はーい!」
677 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:58:54.91 ID:/dOwakAO
純「ハー……」

純「帰ったら今日は早く寝よっと…」

純「……」

純「甘いもの食べたいなぁ…」

純「糖分は脳にいいって聞いたし」

純「……」

純「割引券一枚だけ残しておけばよかったかな」
678 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 21:59:36.97 ID:/dOwakAO
――翌日


純「ようやくお昼だー」

純「早く食べようよ!」

梓「そんなあわてなくても…」

純「今日はいつもより腹すいてるんだもん」

憂「じゃあこれ持ってきて正解だったね」

純「え?」

憂「じゃーん、ドーナツ!」

憂「昨日お姉ちゃんが買ってきてくれたの」

梓「それ…私のあげた割引券で?」
679 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/09(土) 22:03:42.38 ID:/dOwakAO
純「唯先輩にあげちゃったの?割引券」

梓「一枚だけ。どうしても欲しそうな顔してたから」

純「ふ〜ん…優しいなー梓は」

梓「し、仕方がなかっただけだって」

憂「お姉ちゃん喜んでたよ」

梓「そっか…」

純「よかったね梓」

梓「な、なにが!?」

純「べっつに〜」

純「それじゃあ、せっかくだし食べようかな」

憂「はい、どーぞ」

梓「私も…」

純「では、いただきまーす」

パクッ

梓憂純「あまーいっ」


#15 おわり
680 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/09(土) 22:06:36.88 ID:/dOwakAO
次の話と番外編を何話かやったら一年の話は終わりです。


>>630
すいません、三年まで行けたらがっつりやるんで。

でも純を軽音部に入れるかジャズ研に残すかは迷ってます。
681 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 22:36:02.94 ID:8tYvBZwo
期待!
682 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/09(土) 22:51:38.60 ID:PZ9b0nQo
なんか先輩Bと先輩の関係が切ないわ
683 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 23:50:30.36 ID:a6CtoYAO
あれ?
途中で二年になってなかった?
二年教室って出てたからさ…
684 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 23:53:37.18 ID:/dOwakAO
>>683
ミスです
一年に変換でお願いします
685 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 00:58:45.98 ID:2fF57gAO
乙ですよー
次の更新も楽しみにしてる!純ちゃんもふもふ!
686 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 03:30:34.78 ID:FzWZlKYo
安定の高クォリティ
687 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 06:55:15.12 ID:0x7UfwDO
モップ最高だなもふもふ
688 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 22:57:40.38 ID:0RmzwAQo
>>680
兼部ってことにしたら問題ないんじゃない?
689 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:28:10.79 ID:e6O6Z5so
公式とは別なんだし>>1が書きたい方でいいんじゃん
どっちに転ぶにしても楽しみにしてるぜ!
690 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 04:13:44.23 ID:b/H4cd.0
今Vipで書いてるの>>1
691 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 12:14:42.50 ID:JfYmokAO
>>690
最近はVIPで書いてないですよ
ちなみにどのスレですか?
692 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 14:41:33.51 ID:kPlTn9Eo
マフラーの話でこっそり曽我部先輩の名前が出てたのがよかった
693 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 15:24:06.98 ID:b/H4cd.0
>>691
ゴメン、もう落ちた
本当失礼しました
694 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/12(火) 01:05:09.10 ID:WRDvNNso
>>1
先輩
先輩2
先輩B
同級生
がどんな容姿か教えて
695 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 18:55:44.74 ID:Xcyc/6AO
>>694
簡単に

先輩:髪はストレートでセミロング。少し茶色がかってる。全体的に端整な顔立ち。味覚音痴。

先輩2:黒髪セミショート。つり目でクールな感じ。面倒見がいい。アイスが好き。

先輩B:茶髪でロング。少しくせ毛。おおらかで優しい顔つき。身長が167ぐらいで胸がDカップ。可愛いもの好き。

先輩A:ロングヘアでポニーテール。やや茶髪。おっとりした感じ。みんなのお姉さん的役割。出すタイミングがなかった。

同級生:みなみけの内田みたいな感じ。
696 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 21:20:39.99 ID:KJEPTnwo
>>695
お前もうどっかで脚本とか演出やれよwwww
697 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 01:45:07.82 ID:NesTyOAP
先輩Bのスタイルがけいおんだと規格外気味な件ww
698 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 09:10:50.52 ID:Kx/vXmUo
さわちゃんよりちょっと高いくらいか
699 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 16:47:58.57 ID:1kN1lkDO
個人的に先輩Bと唯達の絡みが見たい

先輩Bいいキャラしてらあ
700 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 17:28:03.16 ID:UOa0fjwo
>>695
もう名前付けていいレベルだよ
701 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/14(木) 10:26:57.81 ID:ocF9YQDO
とりあえず同級生の名前は
内田床でいいな
702 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 21:20:37.11 ID:8Rk.gcDO
>>697
三浦茜……なんでもない
703 : ◆eXN6fvAgkw [sage saga]:2010/10/22(金) 01:24:05.72 ID:ndPAfs.o
PCからテス
704 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/22(金) 01:27:07.37 ID:ndPAfs.o
すいません、最近忙しくて復旧直後に顔出せませんでした。
遅くても土曜には投下したいと思います。
705 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/22(金) 12:51:37.67 ID:.EF9mK2o
うん。楽しみにしてるよ。
706 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/23(土) 23:55:54.94 ID:2i.rbWIo
#16

――ジャズ研 部室


先輩2『部員…来ないわね』

先輩『……絶対に来る』

先輩2『て言っても、あの新歓ライブの出来じゃあね…』

先輩『ぅ…』

先輩2『このまま来ないようだったら、今年も…』

先輩『来る!来るったら来る!!』

先輩2『まったく…』

先輩『じゃあ賭けましょうか?来なかったら私のオススメの店でおごってあげる』

先輩2『いやだ、あんたの勧める店は全部美味しくないし』

先輩『お、美味しいし!!』

先輩2『はぁ…こんな調子で大丈夫なのか――…』

ガチャッ

先輩「!」

先輩B「あの〜…見学しに来たんですけど〜」

――――――――
―――――
――
707 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/23(土) 23:56:48.83 ID:2i.rbWIo
先輩2「――なんてこともあったわよね」

先輩「うん…」

先輩2「あの後、新入生が予想以上に入部してきてさ…」

先輩2「びっくりした」

先輩「うん…」

先輩2「……」

先輩「……」

先輩2「ティッシュ箱、あんたのために三箱ぐらい持ってきたけど使う?」

先輩「そんな泣かないし。ていうか今日は泣かないから」

先輩2「さて…どうだか」
708 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/23(土) 23:57:42.04 ID:2i.rbWIo
―― 一年 教室


梓「今日のさわ子先生がさ、いつもより美人だった」

梓「なんか化粧とかしてて」

憂「卒業式だからかな?」

梓「そっか…でも卒業なんて私たちにはまだ実感わかないよね」

純「おはよー」

憂「あっ、純ちゃんおはよう」

梓「おはよ」

純「なに話してたの?」

憂「今日は学校の雰囲気が違うなー、って」

純「あー、卒業式だもんね」

純「さっき三年生で泣いてる人とか見たよ」
709 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/23(土) 23:58:44.67 ID:2i.rbWIo
梓「へー…」

純「その人たちって、本番のときはどんだけ泣くのかな…」

純「泣きすぎて卒業式できなかったりして!」

梓「それはないよ」

純「けど中学のときは憂が泣きすぎて、式どころじゃなかったからなー」

憂「!?」

梓「えっ、そうなんだ」

憂「じゅ、純ちゃん!それは言っちゃダメ!!」

純「あはは、ごめんごめん」

憂「いじわるぅ」

梓「純は泣いたの?」

純「私?私はどうだったかなー…覚えてないや」

梓「…たぶん泣いてないんだろうね」
710 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/23(土) 23:59:26.14 ID:2i.rbWIo
純「そういう梓は?」

梓「泣くわけないじゃん」

純「嘘だね」

憂「ふふっ」

梓「な、泣いてないもん!」

純「たぶん大泣きしたんだろうな〜」

梓「してない!!」

純「どう思いますか?憂さん」

憂「梓ちゃんかわいい〜っ」

梓「あーもー!!」

ガチャッ

先生「はいみんな、席着いてー」

純「あっ、先生来た」

憂「席に戻ろっか」

梓「泣いてないんだからね!」

純「はいはい」
711 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/23(土) 23:59:52.54 ID:2i.rbWIo
・・・・・・


先生「えー、今日一年は特に役割はないので式の時は…」

純「……」

純(先輩…とうとう卒業しちゃうのか)

純(……)

純「……」

純(まだ教えて欲しいこと、たくさんあったんだけどなぁ…)

純「はぁ…」

純(どうしようもないか…)

純「……」

先生「――以上。時間になったら廊下に並ぶように」
712 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:00:54.46 ID:/iXNBdMo
――講堂前


先輩2「二年生が花つけてくれるんだって」

先輩「知ってる、去年やったし」

先輩2「なんか照れるわよね、こういうの」

先輩「そうだねー…」

先輩2「あっ、来たわよ二年。早く並びましょう」

先輩「……」

先輩(誰がつけてくれるんだろう…)

先輩(まぁ…どうせ知らない子だろうけど――)

唯「あの〜…」

先輩「!」
713 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:01:43.29 ID:/iXNBdMo
先輩「あ…」

唯「お花、つけてもいいですか?」

先輩「え、あっ……うん」

先輩(この子たしか、軽音部の…!?)

唯「失礼します」

先輩「……」

唯「えっと…こうかな?」

先輩(初めてこんな間近で見た…)

唯「……」

先輩(なんか…ふわふわしてる…)

先輩「……」

唯「…できた!」

唯「ご卒業、おめでとうございます」

先輩「あ、ありがとうございます…」

先輩(こんな子がステージに立つと輝くなんて…信じられない)

唯「先輩って、ジャズ研の人ですよね?」
714 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:02:35.65 ID:/iXNBdMo
先輩「ぁえっ!?…そう……だけど」

唯「やっぱり〜!学際のベース、すっごくうまかったです!」

先輩「っ!!」

唯「あんな正確に弾けるなんてうらやましいな〜」

唯「って、私はギターなんですけどね。えへへ」

先輩「あ…うん、……知ってる」

唯「じゃあ私はこれで」

先輩「はい……さようなら」

先輩「……」

先輩(…良い子)
715 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:04:06.99 ID:/iXNBdMo
唯「ねぇ澪ちゃん、さっきジャズ研のベースの人に会ったんだよ〜」




先輩「……」

先輩(軽音部って悪い人だらけだと思ってたけど…全然違ってた)

先輩(あんな優しそうな子なのに…)

先輩2「ねえ、列に戻れってさ」

先輩「……」

先輩(なんか…申し訳ない)

先輩「はぁ〜…」

先輩2「暗っ。なにがあったのよ」

先輩「ちょっと…自己嫌悪」

先輩2「?」

先輩2「よく分かんないけど…今から泣いたりしないでよ?」

先輩「むっ、泣ーかーなーいって言ってるでしょ」

先輩2「でもあんた、泣き虫なのは昔から変わらないし」

先輩「高校に入ってからはみんなの前で泣いたことないって…」

先輩2「そういえば…そうだったわね」

先輩「だから今日も、泣いたりなんてしない」
716 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:04:46.83 ID:/iXNBdMo
――講堂内

ワイワイガヤガヤ


純「あと何分で始まるんだっけ?」

梓「20分ぐらい」

純「そっか…長い」

梓「暇だなぁ」

純「……」

梓「……」

純「…トイレ行ってくる」

梓「え?…うん」

梓「……」

梓「私も行く」
717 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:06:19.56 ID:/iXNBdMo
――トイレ


梓「ジャズ研のセンパイも卒業するんだっけ?」

純「うん、二人ね」

梓「ふーん…」

純「あーもう!」

梓「どうしたの?」

純「髪型がきまらない…」

梓「いつもと変わんないじゃん」

純「全然違うから!この微妙なまとまり具合が」

梓「…?」

純「卒業式だっていうのに…」

梓「もうそれでいいんじゃない?」

純「よくないよー」

純「美容院にでも行けたらな〜」

梓「そんな時間ないって」

純「う〜ん…」

梓「……めずらしいね、純が髪型に気をつかうなんて」

純「毎日気をつかってるって」

純「それでも今日はうまくまとまらない…」
718 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:07:20.12 ID:/iXNBdMo
純「……」

梓「……」

純「うーむ…伸びちゃったなぁ」

純「昨日切りに行けばよかった」

梓「まだできないの?」

純「もうちょっと…」

純「……」

純「…なんか違うな〜」

梓「早くしないと始まっちゃうよ」

純「まだ時間あるでしょ?大丈夫だって」

梓「そう言ってる間に過ぎちゃう…」
719 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:08:08.25 ID:/iXNBdMo
純「だったら梓は先に戻っていいよ?」

梓「え〜……」

純「なに?」

梓「……じゃあ私も身だしなみ整える」

純「あっそう」

梓「……」

純「…先に戻っててもいいのに」

梓「いいじゃん、別に」
720 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:09:26.03 ID:/iXNBdMo
・・・・・


純「……よし」

純「ばっちり!今回は下の方に束ねてみた」

梓「いつも通りでよかったんじゃない?」

純「いや…やっぱ気分変えてみようかなって」

純「梓は?」

梓「もうちょっと待って…」

純「じゃあ私先に戻ってるね」

梓「えぇっ!?」

純「なーんちゃって。ちゃんと待ってるよ」

梓「もう…」

純「結局、梓待ちになっちゃった」

梓「本当は三年生が主役なんだからこんな事やらなくてもいい気もするけど…」
721 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:10:19.42 ID:/iXNBdMo
純「でも私たちもきちんとしてた方がいいじゃん」

梓「それはそうだけど…」

純「めんどうだったら、梓はやらなくてもいいよ」

梓「…とりあえず始めたことは最後までやりたいの」

純「律儀だね。手伝ってあげよっか?」

梓「ん…お願い」

純「まかせてー」

純「……」サッサッ

梓「……」
722 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:11:02.55 ID:/iXNBdMo
純「卒業式ってどんぐらいかかるんだろう」

梓「一時間ぐらい…かな?」

純「お尻痛くなりそう…」

梓「我慢するしかないよ」

純「我慢か…苦手なんだよね」

純「梓も苦手でしょ?」

梓「勝手に決めつけないで」

純「ごめんごめん。でもそんな気がしてさ」

梓「子どもじゃないんだから…我慢ぐらいできるって」

純「子どもじゃないのかぁー…じゃあ梓は大人なのかな?」

梓「…大人だよ、もちろん」

純「本当にぃ〜?」

梓「むっ…なに?」
723 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:11:36.26 ID:/iXNBdMo
純「正直、梓はまだ大人に見えないなー…色々と」

梓「色々って…?」

純「色々は色々」

梓「…身長はまだ伸びる」

純「あ、気にしてた?」

梓「絶対そっちの方だと思ってた」

純「えいっ」ギュッ

梓「いたッ!な、なに!?」

純「身長が伸びるツボ…ほら、頭のここら辺を指で押すと…」ギュッ

梓「あうっ!?」

純「身長が伸びるらしいよ」
724 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:12:17.26 ID:/iXNBdMo
梓「ほ、本当に…?」

純「あれ…下痢になるツボだったかも」

梓「!?」

純「身長は確かこっちだったかな…」ギュッ

梓「にゃっ!」

純「あ、こっちは身長が低くなるツボだった」

梓「なにー!?」

純「なーんちゃってね。全部ウソだよ」

梓「もー…変なことしないでよ」

純「でもこれで本当にお腹こわして身長が低くなったら笑えるよね」

梓「笑えないから」
725 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:13:08.22 ID:/iXNBdMo
純「でもさ、身長なんて気にしなくてもいいじゃん」

純「私と梓だって数センチしか違わないんだし」

梓「むぅ…」ペタペタ

純「…あぁ、胸か」

梓「!」

純「大丈夫、そのうち大きくなるって!」

梓「うわーん!!」

純「あはは…はいっ、できた!」

純「そろそろ戻ろっか」

梓「はぁ…頭が痛い」

純「頭が痛くなくなるツボ押してあげよっか?」

梓「も、もういいから!」
726 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:14:01.42 ID:/iXNBdMo
――講堂内


純「ただいまー」

憂「あっ、純ちゃん髪型ちょっと変わってる」

純「うん、思い切ってやってみた。大変だったけど」

憂「私も行けばよかったなー」

梓「行ったらお腹こわしてたかもしれないよ」

憂「?」

純「気にしない気にしない」

純「あっ、もうすぐ始まるから静かにしないと」
727 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:15:01.37 ID:/iXNBdMo
・・・・・

――卒業式


『卒業生が入場します。拍手でお迎えください』

パチパチ    パチパチ
   パチパチ
       パチパチ
  パチパチ       パチパチ
       パチパチ

純(始まっちゃった…)

純「……」

純(あっ、先輩だ!)

純(かっこいいなー…やっぱり)

純(つい最近まで一緒に部活してたのに……今はなんか遠い所にいるみたい)

純「……」

純(卒業か……ずっとここにいるわけにはいかないもんね)

純(もう大人になっちゃうんだ…先輩)

純「……」


『続きまして、卒業証書授与』

―――――
―――
――
728 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:17:17.37 ID:/iXNBdMo
「先輩たち、卒業しちゃったね」
「あとでみんな集まろうよ」      
「うん」                  「この後なにする?」
                      「私はねー…」




純「……」

憂「卒業式終わったね〜」

純「えっ…うん」

純「あー疲れたー」

梓「教室行こっか」

憂「うんっ」

純「……」

憂「純ちゃん?」

純「ん?…ああ、待って」
729 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:17:57.50 ID:/iXNBdMo
先輩B「やー…ようやく終わったぁ」

先輩B「長かったな〜 、校長や来賓の話なんていらないのに」

先輩A「もしかして寝てた?」

先輩B「まさか…寝かけたけど」

先輩A「しっかりしてよ、部長さん」

先輩B「部長、か……柄じゃないんだよね〜」

先輩A「そう?結構お似合いだと思うけど」

先輩B「勘弁してよ〜…これ以上部員が増えたりでもしたら、今よりもっと大変になるだろうし」

先輩A「けどやりがいはあるんじゃない?」

先輩B「やりがいか〜……私は自分のことで精一杯なんだけどナ〜」

先輩C「はぁ…なに情けないことを言ってるんだ」

先輩B「うわ、めんどくさいやつが来た」
730 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:18:56.27 ID:/iXNBdMo
先輩C「めんどくさいだと!?」

先輩B「なんか怒りそうだよこの人〜、助けて〜〜」

先輩A「いやーよ」

先輩C「そんなだらしなくていいのか、部長なんだぞ!」

先輩B「副部長が部長に説教かよ〜」

先輩C「お前が腑抜けてるからだ。先輩がいなくなる今、お前を躾けるのは私しかいない」

先輩B「動物じゃないんだぞ私は」

先輩C「いいか?私たちは最上級生として、後輩に模範をしめさなければいけない立場なんだぞ」

先輩C「少しはそれを自覚しろ」

先輩B「はいはい」

先輩C「返事は一回!」

先輩B「ま、私が働かない分は副部長さんが働いてくれると期待してるヨっ」

先輩C「こぉら!!」

先輩A「…新生ジャズ研究部もにぎやかになりそうね」

先輩A「ふふっ、頑張って部長さん」

先輩B「はぁー……しんどい」
731 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:19:55.41 ID:/iXNBdMo
・・・・・


先輩A「じゃ、HRが終わったら部室で」

先輩B「あいよ」

先輩C「ん?そういえばプレゼントの花束は?」

先輩B「顧問に預かってもらってる」

先輩C「そうか…」

先輩A「先輩たちに渡す時は二人で一緒に渡してね。きっと喜ぶから」

先輩B「どうかなぁ〜…花なんてもらっても私は喜ばないけど」

先輩A「先輩たちは喜ぶのっ」

先輩B「は〜い」

先輩A「それじゃ…またあとで」

先輩C「…今日は卒業式だってのに、いつもと変わらないなお前は」

先輩B「…私が卒業するわけじゃないし」
732 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:20:36.24 ID:/iXNBdMo
―― 一年生 教室


先生「―――では以上。用のない人はすみやかに下校するように」


キーンコーンカーンコーン

純「……よしっ」

憂「純ちゃん、一緒に帰ろ」

純「ごめん、これから少し用事があって…」

梓「用事?」

純「うん…」




同級生「純ー!早く行こー!」
733 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:21:45.41 ID:/iXNBdMo
純「あっ、ちょっと待ってて!」

憂「ジャズ研?」

純「うん、三年生の送別会みたいなもん」

梓「そっか…」

純「ごめんね、二人は先に帰ってて」

同級生「純!先輩たちが来る前に早く!」

純「分かってるて!」

純「じゃ…バイバイ」

憂「うん、バイバイ」

梓「じゃあね…」

梓「……」

憂「梓ちゃん、私たちも行こっか」

梓「あ…うん」

梓「……」

梓(純といるジャズ研の人…同い年かな)

梓「……いいなぁ」ボソッ
734 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:22:38.58 ID:/iXNBdMo
同級生「あ〜ぁ…先輩たちとも今日でお別れかぁ」

同級生「なんだかな〜…」

純「寂しいけどさ、しょうがないって」

純「先輩たち…ずっと高校にいるわけにはいかないんだし」

純「私たちは笑って見送ろうよ」

同級生「…なんか大人な考えだね」

純「そう?泣いて見送るよりはいいじゃん」

同級生「確かになー…」

純「ほら、笑顔笑顔」

同級生「こう?」
735 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:23:13.07 ID:/iXNBdMo
純「もっとこうだよ」

同級生「こうだ!」ニパァァ

純「それはちょっと…」

先輩B「やりすぎだナ」

純「あっ」

先輩B「部室行くの?一緒に行こうよ〜」

同級生「この笑顔ならよくないですか!?ほら!」ニパァア

先輩B「…たぬきみたい」

同級生「たぬき!?」

純「ぷっ」
736 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:24:32.85 ID:/iXNBdMo
――ジャズ研 部室


先輩A「ではもう一度打ち合わせを」

先輩A「案内された先輩たちが扉を開け…」

先輩A「先輩たちが入ってきたところでクラッカーを――パンッと鳴らす」

純「クラッカーは私が買ってきました」

先輩A「そして、私たちが花束を渡してお祝いの言葉を…」

先輩B「大げさだな〜…そこまでやる必要あるの?」

先輩C「先輩たちともコレで最後なんだから、いいだろ」

先輩B「最後…かぁ〜」
737 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:26:21.77 ID:/iXNBdMo
先輩A「はい、じゃあみんなクラッカー持ってて」

先輩B「…クラッカーなんて久しぶりに使うな」

純「考えてみればあんまり使いませんよね」

先輩B「普通はクリスマスパーティーとかで使うんだけどナ〜」

純「うちじゃそんな華やかにやりませんよ」

先輩B「恋人とはやらないの?」

純「…いないです」

純「先輩はクリスマスの時使わなかったんですか?」

先輩B「だって私バイトだったし」

純「……」

先輩B「……」

先輩B「まぁクラッカーなんて高校生のクリスマスとは無縁のものさ」

純「ですよねぇー…」
738 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:26:57.68 ID:/iXNBdMo
――職員室


先輩「先生、三年間ありがとうございました」

先輩2「ありがとうございました」

顧問「ん…お疲れさま」

顧問「て言っても、顧問として私は三年間力不足だったかもしれないけど…」

先輩「そんなことないです、先生が支えてくれたから…今のジャズ研があるんです」

顧問「……そう言ってもらえると嬉しいもんだ」

顧問「あんた達も三年間よく頑張ったよ。ゼロからのスタートだってのに」
739 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:27:56.89 ID:/iXNBdMo
先輩2「自分たちでも嘘みたいです」

先輩2「最初はどうなるかと思ったけど…」

顧問「実力だよ、ここまでやれたのは。大したもんだ」

先輩「そ、そんな…」

顧問「それじゃあ私は仕事があるからこの辺で。二人もジャズ研で集まりがあるんでしょ?」

先輩「あ…はい。では失礼します」

先輩2「ありがとうございました」

顧問「そうだ…」

先輩「なんですか?」

顧問「いつか、一緒に飲みに行こっか」

先輩「!」

先輩「はいっ!」
740 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:28:35.07 ID:/iXNBdMo
先輩「失礼しました」

先輩2「失礼しました」

ガチャッ…バタン

先輩「……」

先輩2「……」

先輩「いい先生だったよね」

先輩2「えぇ…あんまり練習には顔出さなかったけど、裏で色々お世話になったし」

先輩「私…お酒飲めるかな」

先輩2「あんた、すぐに酔いつぶれそうだよね」

先輩「そ、そんな弱くはない…と思う!」

「あっ、先輩ー!」

先輩「え?」
741 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:29:20.03 ID:/iXNBdMo
――ジャズ研 部室


先輩A「今迎えの子たちが先輩を連れてくると思うから、もうちょっと待ってて」

先輩B「はいは〜い」

純「なんか緊張してきたー」

同級生「一回試しにクラッカー鳴らしてみようかな…」

純「あ〜…手もとにあるとなんか鳴らしたくなるよね――…」

純「パンッ!!」

同級生「わっ!?びっくりー…ホントに鳴らしたのかと思った」

純「えへへ」

コンコン

純「!」

先輩A「来た!みんな準備して!」

先輩B「へ〜い」
742 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:29:58.93 ID:/iXNBdMo
ガチャッ

先輩「みんな――」

「「「ご卒業、おめでとうございます!!」」

先輩「!?」

純(今だ…クラッカーを!!)

パスッ…

純「……え?」

先輩A「あれ…鳴らない」

同級生「なんで?」

先輩2「な、なに??」

先輩B「…ねぇ〜これ湿気ってるよ〜」

純「えっ!?」

「本当だ、こっちも」「こっちもこっちも!」
         パスッ…
パスッ…         パスッ…
    パスッ…     
743 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:31:52.77 ID:/iXNBdMo
先輩C「鈴木ぃ!!これはどういうことだ!?」

純「ちゃ、ちゃんとコンビニで買ったやつなのに…」

同級生「でも湿気って鳴らないよ」パスッ…

先輩B「たぶん純には…買ったクラッカーを全部湿気させる能力があるんだよ」

同級生「うわっ、このタイミングに最悪な能力」

先輩C「鈴木…お前ってやつは!!」

純「ええぇぇぇぇ!?そんなー!」

先輩「ちょっと…これなに?」

先輩B「サプライズパーチー」

先輩A「ごめんなさい…本当はクラッカーが鳴るはずだったんですけど」

先輩2「あ、うん…そうだったの」
744 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:32:50.01 ID:/iXNBdMo
先輩「えっと…」

先輩A「そ、それじゃあ気をとりなおして…」

先輩C「これ、お祝いの花束です」

先輩2「ありがとう」

先輩B「はいどうぞ〜」

先輩「あ…」

先輩B「うん?」

先輩「……」

先輩B「どうしたんですか?」

先輩「なんか…花束に変なもの仕掛けたりしてないわよね…」

先輩B「どんだけ信用ないんだよ〜!」
745 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:33:19.39 ID:/iXNBdMo
先輩「まぁ……ありがとう」

先輩A「それじゃあ続きまして、お祝いの言葉を――」

先輩B「純が言います」

純「え!?」

先輩A「ちょ、ちょっと…」

先輩B「いいじゃん、まずは一年代表からってことで」

先輩B「ほら純早く〜」

純「そ、そんな急に無茶振りされても…」

先輩B「憧れの先輩と話せるんだから別にいいだろ〜?」ボソッ

純「なんで私が先輩に憧れてるってことを…!?」

先輩B「私はなんでも知ってるのだ」

先輩B「はい、いってらっしゃ〜い」ドンッ

純「わっ!?」

先輩「純…」
746 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:34:04.81 ID:/iXNBdMo
純「えっと…その…」

純(な、何を言えば……とりあえず感謝の気持ちを)

純「さ、三年間ご指導していただきありがとうございました!!」

先輩B「お前は三年間もお世話になってないだろ〜」

純「あ…」

先輩「ぷっ…あはははは!」

純(うわああああ!やっちゃったあああああ!!)

先輩「こちらこそ、ありがとうね」

先輩「純も、他の一年のみんなも」

純「ぁぅ…」

同級生「ほら純、笑顔笑顔!」

純「い、今はムリ!」
747 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:35:02.92 ID:/iXNBdMo
先輩B「お疲れさん。なかなか良かったよ」

純「良くないですよ〜…」

先輩A「次は部長ね」

先輩B「誰が部長だっけ」

先輩C「お前だろ!」

先輩B「は〜い…」

先輩「……」

先輩B「そんじゃまぁ〜…時間とらせるのも悪いから手短に」

先輩B「楽しかったですよ、一緒に部活できて」

先輩「……」

先輩B「特に先輩をイジってた時が一番楽しかったです」

先輩「…一度でいいからあんたの頭を殴りたいんだけど」

先輩B「暴力はダメですよ〜」
748 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:36:56.29 ID:/iXNBdMo
先輩A「もうちょっとしっかりした挨拶してよー」

先輩B「そんなこと言われてもなぁ〜…」

先輩2「別にいいわよこれで。あんまり湿っぽくされるとこっちも困るし」

先輩C「そ、そうですか?」

先輩B「…そうだ、もう一言」

先輩B「これは私一人だけじゃなくて、みんなの気持ちだと思うんですけど〜…」

先輩B「私たちに、ジャズ研という居場所を作ってくれてありがとうございました」

先輩「……」

先輩B「…はい、挨拶はこれでおしまい」

先輩「……うん」

先輩B「……」

先輩「……」

先輩2「…ありがとね」
749 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:38:31.45 ID:/iXNBdMo
・・・・・

先輩2「それじゃあ今度は私たちから…」

先輩「……」

先輩2「ほら」

先輩「あ…うん」

先輩「……今まで辛いことや苦しいことがいっぱいあったけど、私もみんなと一緒にやれてよかったと思ってます」

先輩「…………その」

先輩「――こんな私についてきてくれてありがとうございました!」

先輩2「私からも…ありがとうございました」

一同「……」

先輩「ジャズ研究部、みんなで盛り上げてね」

先輩「じゃあ…さようなら」



―――――
―――
――
750 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:40:46.35 ID:/iXNBdMo
同級生「終わっちゃったね…」

純「……」

先輩C「…あんまり長居するといけないから、私たちも下校するぞ」

純「はい」

同級生「帰ろっか、純」

先輩B「あっ、私はやることあるから残ってるね〜」

先輩A「やること?」

先輩B「ちょっとね…先に帰ってなよ」

先輩A「?…いいけど」

純「お疲れ様でした」

先輩B「はいよ〜」
751 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:41:50.46 ID:/iXNBdMo
――三年 教室


先輩「……」

先輩2「……」

先輩「……」

先輩2「……泣きたかったら泣けばいいのに」

先輩「泣かないもん…」

先輩2「そう…」

先輩「……」

先輩2「……」

先輩「……私」

先輩2「なに?」

先輩「部室行ってくる」

先輩2「……」
752 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:42:40.81 ID:/iXNBdMo
――ジャズ研 部室前


先輩「……」

先輩(なんで来ちゃったんだろう…思い残したことなんてないのに)

先輩「……」

先輩(けど最後にもう一度、部室に…)

先輩「……」

先輩(鍵…開いてるかな)

―――…〜♪

先輩「!?」

先輩(ギターの音…部室から!?)
753 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:43:53.50 ID:/iXNBdMo
ガチャッ―――

先輩「あ――…」

先輩B「先輩か」

先輩「あんた…なんでここに…」

先輩B「ギター弾いてるだけですよ〜」

先輩B「弾きたい時に弾くのが私の主義ですから。そのために毎日ギター持ってきてるんだし」

先輩「……」

先輩B「……」

先輩「…はぁ、なんで最後の最後にあんたと顔合わせなきゃいけないんだろう」

先輩B「なんですかその言いぐさは〜」
754 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:44:33.49 ID:/iXNBdMo
先輩「私は…一人になりたかったの」

先輩B「一人で泣きたかったんですか?」

先輩「そ、そんなわけ…」

先輩B「そういえば先輩、大学受かったんでしたっけ?」

先輩「え?そうだけど…」

先輩B「そっか…じゃあ先輩は春から大学生だ」

先輩B「寂しくなりますね…」

先輩「……」

先輩B「明日から先輩…高校の制服着ると、ただのコスプレになっちゃうんですよ」

先輩「うるさい!そんな心配誰もしてないわよ!!」

先輩「ていうか…私をおちょくるために残ってたわけ?」
755 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:45:08.03 ID:/iXNBdMo
先輩B「まさか。…さっきも言ったとおりギター弾いてるだけですヨ」

先輩「はぁ……」

先輩B「……」

先輩「……」

先輩B「…私に気にせず泣いてもいいんですよ〜。私、先輩が泣き虫だって知ってますから」

先輩「泣くわけないでしょ。泣き虫じゃないし」

先輩B「さいですか」

先輩「……」

先輩B「…大学行っても気を緩めちゃダメだぞ〜。変な男に騙されないように」

先輩「心配されなくても、男なんかに興味ないわよ」

先輩B「え…そっち系!?」

先輩「は?……あっ!」

先輩「ち、違う!!そういう意味じゃない!!」
756 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:45:58.34 ID:/iXNBdMo
先輩B「まさか…私のこともそんな目で見てたんですか!?」

先輩「見てないし!ていうかどんな目よ!!」

先輩B「いや〜〜!!」

先輩「ああもう!違うって言ってるでしょ!!」

先輩「私は…大学行っても音楽に集中したいから恋愛なんてしないってこと!」

先輩B「あ、ベース続けるんだ〜」

先輩「…当然でしょ」

先輩B「ふ〜ん…」

先輩「……なによ」

先輩B「まぁ、頑張ってください。やりたいことやるなら今のうちですよ」

先輩B「大人になると夢を追うどころか見る余裕すらない…らしいですから」

先輩「年下にそんなこと言われたくないんだけど」
757 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:47:17.67 ID:/iXNBdMo
先輩B「おっと失敬」

先輩B「お詫びに一曲…そうだ、先輩も一緒に弾きませんか?」

先輩「私はいいわよ、ベース持ってきてないし」

先輩B「な〜んだ…」

先輩「……」

先輩B「……」

先輩「…ねぇ」

先輩B「うん?」

先輩「あんたのギター…聴かせて」

先輩B「お安い御用で」

ジャッジャジャジ♪

先輩「……」

先輩B「……」

ジャーン♪
758 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:47:53.39 ID:/iXNBdMo
――帰り道


同級生「なんか…意外とあっさり終わったよね」

同級生「もっとしめやかなものだと思ってたのに」

純「あれでいいんじゃない?先輩たちもあまり大げさにしてほしくなかったみたいだし」

同級生「さっぱりしてるなー、純」

純「でも卒業しちゃったもんはしょうがないし……」

純「あっ!?」

同級生「どったの?」

純「靴…履き替えてないままだった」

同級生「えぇ〜」

純「ごめん先に帰ってて!」

純「私学校に戻ってるから」

同級生「もう…しょうがないな〜」
759 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:48:35.44 ID:/iXNBdMo
――ジャズ研 部室


・・・・・

先輩B「てゆ〜かぁ〜…なんで私が部長?」

先輩「え?」

先輩B「私よりも他にいるでしょ…部長候補」

先輩「なにか不満でもあるの?」

先輩B「大ありだっての」

先輩「いいじゃない…あなたならできるわよ」

先輩B「勝手なことばっか言って」

先輩「勝手なのはいつものあんたでしょう。人の苦労も知らないで」

先輩B「…先輩の苦労ぐらい知ってますよ」

先輩B「苦労しなきゃ…ジャズ研はここまで大きくならなかっただろうし」

先輩「……」

先輩B「でも大きすぎて、私じゃまとめきれないかな〜…」

先輩「…たかが高校の部活なのに、ずいぶんと弱気ね」

先輩B「弱気じゃないし、別に」
760 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:49:20.88 ID:/iXNBdMo
先輩「そう…それならいいけど」

先輩B「……」

先輩「みんなのこと、よろしくね」

先輩B「…もう行っちゃうの?」

先輩「あんたも早く帰りなさい。遅いと怒られるから」

先輩B「……」

先輩「…できるわよ、部長」

先輩「二年間…一緒に部活してずっとあんたを見てた私が言うんだから間違いない」

先輩B「…どんな目で見てた?」

先輩「普通の目」
761 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:49:48.24 ID:/iXNBdMo
先輩B「あっそ」

先輩「それじゃ、私は先に帰るから。ちゃんと鍵閉めて出るのよ」

先輩B「はいはい」

先輩「…またね、生意気バカ」

先輩B「はいよ、バーカ」

ガチャッ……

先輩「……」

先輩B「……」

―――バタン

先輩B「……」
762 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:50:38.77 ID:/iXNBdMo
先輩B「さてと…もう少し練習しようかナ」

先輩B「……」

先輩B「……」

ジャッジャジャ♪

先輩B「春からどうしようかなぁー…」

先輩B「……」

ジャッジャー…

先輩B「あっ…間違えた」
763 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:51:17.88 ID:/iXNBdMo
――三年 教室


先輩「…ただいま」

先輩2「グズッ…おかえり」

先輩「?……ひょっとして泣いてた?」

先輩2「そ、そんなわけないでしょ」

先輩「ふうん…」

先輩2「…そういうあんたは、目を真っ赤にして戻ってくると思ってたけど」

先輩「あの子と喋ってたら…なんだか泣く気も起きなくなっちゃった」

先輩2「…そっか」

先輩「……」

先輩2「……」

先輩「……帰ろっか。もうここにいたらいけない気がするし」

先輩2「……そうね」
764 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:52:20.60 ID:/iXNBdMo
――校門前


純「はぁ、ようやく学校着いた」

純「靴履き替え忘れるなんて…かっこわるいなぁ…」

純「―――あっ」

先輩「あ、純」

純「先輩!」

先輩2「なにやってるの?」

純「いやっ…ちょっと忘れ物を」

先輩「まったく…しっかりしなさい。もう二年生でしょ?」

純「すみません…」

先輩「用事が済んだら早く下校するのよ?」

純「はい…」

先輩「じゃあね」

純「…」

純「先輩、あのっ…」

先輩「ん?」

純(なんか言わなきゃ…これで最後になるかもしれないんだし)

先輩「純?」
765 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:53:19.25 ID:/iXNBdMo
純「私――先輩みたいなかっこいい先輩になります!」

先輩「……」

純「……」

純(なに言ってんの私ーーー!!もうちょっと別れの挨拶的なものを…)

先輩「…クスッ」

純「へ?」

先輩「純は純のままでいいんじゃない?」

純「私のまま…?」

先輩「髪、普段どおりの方が似合ってるわよ」

純「え、あれっ…」

先輩「ふふっ…じゃあね。今度会うときは、上手くなったベース聴かせてね」

純「先輩…」

先輩「……早く忘れ物取りに行きなさい。学校閉まっちゃうわよ?」

純「あ、はい!」タタタッ
766 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:54:35.67 ID:/iXNBdMo
先輩「……」

先輩2「かっこいい先輩だって、あんたが」

先輩「…おかしい?」

先輩2「すっごく」

先輩「私もそう思う」

先輩2「……ぷっ」

先輩「あはははっ」

先輩2「そうだ、帰る途中にあそこ行かない?ほら、雑誌に載ってたお店の…」

先輩「あーあれかぁ…」

先輩2「行こっ」
767 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:58:49.47 ID:/iXNBdMo
先輩「その前にお昼ご飯食べようよー」

先輩2「いいけど、どこで?」

先輩「なら、最近できたパスタの」

先輩2「だめだめ、あそこは不味いから」

先輩「ま、不味くない!!」

先輩2「あんたは…昔から舌がおかしいんだから」

先輩「おかしくないし!!」

先輩2「…ふっ」

先輩「ふふっ」

先輩2「私たち…あんまり変わってないよね」

先輩「うん…―――」
768 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 00:59:30.37 ID:/iXNBdMo
――校内 玄関


純「えっと…下駄箱下駄箱…」

純「あった、私の靴」

純「さっさと履き替えて――…」

純「……」

純「静か…もう誰もいないのかな?」

純「……」

純「部室にまだ誰かいたりして…」

純「ちょっと行ってみようかな」
769 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 01:00:18.89 ID:/iXNBdMo
――ジャズ研 部室前


純「……」

純(なーんて…いるわけないのになんで来ちゃったんだろう)

ガチャッ

純「!」

先輩B「あれ?なにしてんの?」

純「先輩…こそ」

先輩B「私はちょっと用があるって言ったろ〜」

純「あ、そうでした。…私は忘れ物取り来たついでに」

純「そうだ!さっき校門で先輩に会ったんですよ!」

先輩B「ん?そっか」

純「今度会ったら、ベース聴かせてほしいって」

先輩B「ふ〜ん…それまでに練習たくさんしておかないとな〜」

純「……」

先輩B「どうした?」

純「先輩たちがいない部室って…なんだか想像つかないですよね」
770 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 01:03:00.39 ID:/iXNBdMo
純「春からは新しい部員が入って、私が指導したりして…」

純「すごい違和感があるような」

先輩B「…二日ぐらいで慣れるよ」

純「だけどやっぱ想像できないなぁ…」

先輩B「ほれ、そんなことより早く出るぞ〜。遅くなると先生に怒られるから」

純「あ、はい」

純「そういえば先輩は部室でなにしてたんですか?」

先輩B「秘密〜」

純「えー教えてくださいよ」

先輩B「たいした事じゃないさ。気にしないでくれたまえ」

純「はあ…?」
771 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 01:03:44.13 ID:/iXNBdMo
先輩B「純、お昼食べた?」

純「いえ、まだです」

先輩B「じゃあどっか食べに行くかい〜?」

先輩B「特別にご馳走してあげるよ」

純「本当ですか!?」

先輩B「バイト代入ったからね」

純「やったー!」

先輩B「あ……ちょっと待って」

純「え?」

先輩B「ギター…部室に忘れてた」


#16 おわり
772 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 01:05:20.36 ID:/iXNBdMo
ここまで
今回は遅れてすいませんでした。
これで一年の話はおわりです。
あとはこのスレが埋まる程度に番外編をやってから二年に進みたいと思います。
773 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 01:20:39.16 ID:06C5vsAO
久々でも大満足のボリューム感。
番外編でまた3年組を見られるのを楽しみにしてる。
おつかれ!
774 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 02:09:11.01 ID:7iLxRsAO
おぉう…三年卒業か…寂しいな
775 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 03:41:09.35 ID:vXyq6AAO
乙 高校時代を思い出した
後輩なんてたいしていなかったけど

純ちゃんはどんな髪型でもかわいいもふもふ!
776 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 15:29:37.92 ID:7om47sAO
ここまで手間と時間をかけ、心もこめられたSSは初めてだ
おつ
777 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 19:51:32.31 ID:7iLxRsAO
先輩たち名前つけた方がいいんじゃない?
778 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 20:44:31.64 ID:ZCxqycDO
先輩Bだけでいいから名前付けて欲しいなあ
779 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 20:47:04.88 ID:xAYlDYDO
名前つけるとかないわ
780 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 22:33:22.49 ID:tSacs.AO
先輩Bは先輩Bって名前だろ
781 : ◆eXN6fvAgkw [sage saga]:2010/10/25(月) 00:25:31.05 ID:WPJpAako
先輩たちの名前や細かい設定はありますがSSでは使わないです
たぶんそっちの方がいいと思うんで
782 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 02:55:28.64 ID:099lJ/k0
>>1は良く分かっていらっしゃる
783 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 22:04:33.30 ID:gMiYN.Qo
>>781
お前すげえな尊敬するわ
なかなかできることじゃないと思う
784 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 04:31:26.76 ID:y8aHUwAO
確かにオリキャラに名前をつけるとややこしくなる上に原作から離れた別の作品になってしまうからな。それでダメになったSSを過去に見たことある。
785 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 16:25:48.09 ID:LAg5F.AO
SS上では名前なくていいから、このスレの最後にでもその設定などを載せてくれるとうれしいな

しかし、元はほとんどモブだったのに二期で出番増えて、映画でやるであろうアフターストーリーのメインキャラになって、このような主役のSSまで書いてもらえて、純は本当に大出世したな。
786 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 01:59:05.11 ID:DYGzl7wo
# 優しさと強さと・・・


 それは中学三年生のときの話。

純「憂ちゃん」

憂「なぁに? 純ちゃん」

純「鼻毛出てるよ」

憂「!?」

 当時の私の何気ない一言は、彼女の顔を紅潮させた。
 自分でも発言した後に気づく。
 「やば、言わないほうがよかった」

 しかし時すでに遅し。

憂「うわーん!!」

純「あっ、ちょっと!?」

 彼女は猛ダッシュでトイレに駆け込んだ。
787 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:00:34.21 ID:DYGzl7wo
純「……」

クラスメイト「純…あれはないって」

純「いやだって…出てたからつい…」

 そう、悪気はなかったのだ。
 ただ憂ちゃんの鼻からそよそよと鼻毛が顔を出していたのに気づき
 
 「あ、鼻毛じゃん!」

 と思ったことをストレートに口にしてしまっただけなのだ。
 決して悪気はない。

クラスメイト「だからってそんな直球に言ったら傷つくし」

純「だよね〜…やっちゃった」

 だがやはり、自分のやった行いは正しくない。
 彼女を悲しませてしまった。
 ここは素直に謝りに行こう。 
 私は憂ちゃんを追ってトイレに向かった。
788 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:01:29.78 ID:DYGzl7wo
純「はぁ…口には気をつけないとな〜」

 憂ちゃんとは三年生になって初めて出会った。
 第一印象はいつもニコニコして、優しそうな人。
 席が近かったこともあり、すぐに打ち解けた。
 
純「なんて言って謝ろうかなー…」

 人畜無害、誰かに悪口を言ったりイジメたりしない子。
 むしろ人の良いところしか見ようとしない。
 そんな純粋な子を傷つけてしまった。大罪だ。

純「あ…着いた」

 色々と考えているうちに私はトイレの入り口まで来ていた。
789 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:02:53.69 ID:DYGzl7wo
純「憂ちゃん…?」

憂「じゅ、純ちゃん…」

 憂ちゃんは鏡の前にいた。
 鼻が真っ赤になっている。
 恐らく鏡で自分の鼻を見ながら鼻毛を抜いていたのだろう。

 恥ずかしいのか、憂ちゃんは私と目を合わせるとすぐに手で顔を隠した。

憂「見ないで〜!」

純「と、とりあえず落ち着いて!」
790 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:03:52.54 ID:DYGzl7wo
憂「うぅ…」

純「え〜っと…」

 顔を隠すということは、まだ鼻毛が抜けていないということだ。 
 よく見ると耳たぶが真っ赤になっている。
 想像以上の羞恥な事態なのだろう。
 
純「憂ちゃん…」

憂「ちょっと待って! もうちょっと待ってて!!」

 恥ずかしそうにジタバタしている彼女を見て、改めて申し訳ない気持ちになった。
 ここまで彼女を追い詰めてしまうとは…自分は何てことをしてしまったのだろう。
 
純「……」

 謝るだけではダメだ、なにか罪滅ぼしをしなければ。
 それが今の私にできること、やらなければいけないこと。

純「憂!!」

 私は強く彼女の名前を呼ぶ。
 無意識のうちに呼び捨てになっていたが、気にせず言葉を続けた。

純「鼻毛…私が抜いてあげる」
791 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:05:11.13 ID:DYGzl7wo
憂「え…?」

 指の隙間から、憂の顔が少し見えた。
 涙目でこちらを覗いている。

純「ごめんねさっきは…つい口がすべっちゃって…」

憂「……」

純「本当にごめん! 憂の気持ちも考えないで…」

憂「純ちゃん…」

純「ごめん憂!!」

憂「…ううん、私こそ。急に逃げ出しちゃってごめんね」

 顔を隠していた手が解除された。
 憂の鼻には、まだ鼻毛が鼻息に吹かれなびいている。

純「鼻毛抜くの…手伝うよ」

憂「うん…ありがとう」

 私の誠意が伝わったのか、鼻毛排除の許可を得る事ができた。
792 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:07:27.61 ID:DYGzl7wo
純「抜きづらかった?」

憂「うん…」

純「…楽して抜ける鼻毛がないのはどこも一緒だね。まかせて」

 私は指先で憂の鼻毛をつまんだ。
 少しひっぱる。

憂「いたっ」

純「あっ、ごめん」

憂「気にしないで…思いっきり抜いていいよ。自分じゃ怖くてできなかったから…」

純「分かった」

 再度鼻毛をつまむ。

純「じゃあいい? 抜いちゃうよ?」

憂「うん! 一気に抜いちゃって!」

純「すぅ…」

 深く息を吸う。

純「せいやー!!」

 そして私は力の限り、鼻毛を引き抜いた。
793 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:08:13.93 ID:DYGzl7wo
憂「ひゃうっ!?」

純(抜けた!?)

 自分の指先を確認した。
 そこにあるのは黒く長い一本の毛。
 何毛?

 鼻毛だ。

 みごと抜くことに成功したのだ。

純「やったよ憂! ほら!」

憂「ほ、本当だ…」

 憂は鼻をおさえている。
 目も少し涙ぐんでいた。

憂「やった…ありがとう純ちゃん!」

純「そんな…これぐらい当然だよ」

 私は鼻毛をそこら辺にポイっと捨てた。
794 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:08:59.33 ID:DYGzl7wo
純「ごめんね憂…私のせいで」

憂「でも、純ちゃんのおかげで抜くことができたんだし…むしろ感謝してるよ」

 この子は本当に優しい子だ。
 私のことを、こうも簡単に許すなんて。

純「…憂は強いね」

憂「え?」

純「前になにかで聞いたんだけどさ、『許すということは、強さの証』なんだって」

 そう、どっかの偉人が言っていたように、まさにその通りだ。
 人を許すためには、相手の心をわかってあげようとする思いやりとやさしさが必要。
 
 『真の勇気とやさしさは、共に手を携えていく。勇敢な人間は、度量が広く寛大である』
 『寛大さほど強いものはなく、真の強さほど寛大なものはない』

 真の強さとやさしさは共存するもの。
 彼女の優しさは、強さでもあるのだ。

純「憂は強い! 私も見習わなきゃ」
795 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:10:05.64 ID:DYGzl7wo
 私たちは教室へと戻った。

クラスメイト「あ、おかえり…」

純「ねぇ聞いてよ、憂の鼻毛なんだけどさー」

憂「!」

純「あれ実は鼻毛じゃなくて、落ちたまつ毛がくっついてただけだったんだよねー」

クラスメイト「え? そうだったの?」

純「うん、私の勘違い」

憂「純ちゃん…」

クラスメイト「そそっかしいなー純は」

純「あはは」

 私と憂はアイコンタクトをした。
 お互い言わなくても分かる。

 今日のことは秘密にしよう。
 二人だけの秘密。

憂「ふふっ」

純「えへへ」

 秘密を共有したおかげで、憂との仲が深まった気がした。
 そんな気がした。


―――――――――

――――――

―――
796 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:11:22.20 ID:DYGzl7wo
純(…なんてこともあったなぁ)

梓「純? どうしたの?」

純「へ?」

梓「なんかボーっとしてるよ」

純「あぁ…なんでもないなんでもない」

梓「変な純―――…あっ、澪先輩」

純「え!?」

澪「やぁ梓、ちょっといいかな?」
797 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:13:53.60 ID:DYGzl7wo
梓「どうしたんですか?」

澪「今度の練習の時なんだけど…」

純(み、澪先輩! 澪先輩が目の前に!!)

澪「大丈夫かな?」

梓「はい、分かりました」

純「あの…澪先輩」

澪「ん?」

純(ど、どうしよう! 特に用はないけど話しかけちゃった!!)

澪「えっと…」

純「鈴木です、鈴木純っていいます!」
798 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:15:13.51 ID:DYGzl7wo
澪「鈴木さん…どうしたの?」

純「いや…その…」

純「練習がんばってください!」

澪「え…? ありが…とう」

純「あ…はい」

澪「…じゃあ梓、私は戻るから」

梓「はい、お疲れさまです」

純「……」

純「やったー!」

梓「なにが?」

純「澪先輩と話しちゃたよ〜」

梓「喜びすぎ――…あっ」
799 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:16:25.46 ID:DYGzl7wo
純「なに? また澪先輩が来た!?」

梓「ち、違くて…」

純「じゃあ何?」

梓「だから…その…」

純「?」

梓「……」

純「はっきり言ってよ」

梓「…ちょっと耳かして」

純「え?」

梓「…………純、鼻毛出てる」ボソッ

純「!?」

純「ま、まさか澪先輩に見られたんじゃ…」

梓「それはー…分かんない」

純「うわーん!!」ダダダッ

梓「純!?」


私は猛ダッシュでトイレに駆け込んだ。


# 優しさと強さと・・・

おわり
800 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:22:09.37 ID:DYGzl7wo
ここまで
最初はほのぼのを書くつもりだったんですが・・・
801 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 02:23:08.94 ID:Hugv81Eo
>>1なのか?
イイハナシ…?
802 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:26:38.87 ID:DYGzl7wo
>>801
番外編なんで…ちょっと雰囲気を変えてみようかなと…
803 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 08:21:19.78 ID:tMPWWYAO
でもまあいい話だったよ

ただのわがままだけど、一話分を毎回このくらいのレス数に分けて、間隔をあけて投下してくれると読みやすいな…なんてね
804 : ◆eXN6fvAgkw [sage]:2010/10/27(水) 08:53:34.52 ID:m8QHmkAO
>>803
長い話は次からそうしてみます。
まとめて投下よりそっちの方が読みやすいですかね。

今回は気分転換のつもりで適当にバカな話を書いたんですが…いい話と言われるとは
805 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 12:42:24.54 ID:tMPWWYAO
なるほど
そりゃあ鼻毛だしねぇ…
806 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:43:46.93 ID:xMAfeJYo
# 軽音部の夏


梓「……」

 夏休み――炎天下のなか、私は学校へ向かっていた。
 今日は軽音部の練習がある。
 長期休暇中でもこうやって集まれることは、嬉しいことだ。
 
 これでまともに練習をしてくれれば言うことなしだが…

唯「あーずにゃんっ♪」

梓「にゃっ!?」

 いきなり後から抱きつかれた。
 驚いて思わず声を出してしまう。

唯「偶然だね〜、こんなところで会うなんて。今から学校に行くんでしょ?」

梓「そうですけど…」

唯「じゃあ一緒に行こっか」

梓「そ、その前に離れてください。暑いです」

唯「え〜? もうちょっとだけ」

梓「ダメです、離れてください」

唯「あぁ〜ん、ケチー……あづぃ」

梓「もう…」
807 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:44:46.49 ID:xMAfeJYo
 今の時間はお昼を過ぎたころ、一番気温が高い時だ。
 しかし暑いと言いながら唯先輩は抱きついたままだった。
 夏の陽で熱した体は私から離れようとしない。
 
 こうなると死ぬほど暑くなる。
 
 ミーンミーンというセミの鳴き声が体感温度と苛立ちをさらに上昇させた。

梓「だーーーっ!!」

 私はしがみついた体を力いっぱい振り払った。

梓「いい加減にしてください!」

唯「いやぁ〜、久しぶりにあずにゃんに抱きつけると思うと嬉しくて」

 ヘラヘラと笑う唯先輩。

唯「それにしても暑いねー。私、暑いの苦手なんだ〜」

梓「だったら抱きついたりしないでくださいよ…」

唯「でもそこにあずにゃんがいるから」

梓「どんな理由ですか!」 

 いつものようにくだらないやり取りをしながら、私たちは横に並んで歩いた。
 セミは鬱陶しいくらいに鳴き続けている。
808 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:45:46.00 ID:xMAfeJYo
 学校に着くとグラウンドでは運動部が練習している。
 この暑いなか真剣に部活をしている姿を見ると、私たち軽音部も身を引き締めなければいけないと思える。

 だがそんな私の気持ちも知らず、唯先輩は行く道の途中で買ったアイスを幸せそうに食べていた。
 そんな姿を見るとため息をついてしまう。
 
 私たちはそのまま部室へと向かった。

 部室にはすでに澪先輩、律先輩、ムギ先輩の三人が先に来ていた。
 そしてあろうことか、部室でカキ氷を食べている。
 わざわざカキ氷機まで用意して。

 そんな光景を見て私は再び、今度は深くため息をついた。

唯「あ〜! みんな美味しそうなの食べてるー!!」

紬「ちゃんと二人の分もあるわよ。唯ちゃんはなに味がいい?」

唯「えっとねえっとね〜……うーんどれにしようかな」

梓「先輩たち…練習は?」

 少し不機嫌に質問をした。

律「これ食べてからな!」
 
 即答だ。
 信用できないが…ここで文句を言っても仕方がない。
 先輩たちは恐らく食べるのを止めないだろう。 

紬「梓ちゃんも一緒に食べましょ」

 ムギ先輩に促され、しぶしぶ席に座ることにした。
809 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:46:35.04 ID:xMAfeJYo
紬「梓ちゃんはなに味にする?」

梓「じゃあ…いちごで」

唯「はいはーい! 私もそれで!!」

紬「は〜い♪」

 楽しそうにカキ氷を作るムギ先輩。

律「ムギ! おかわりー」

 こんな暑い日でも元気いっぱいな律先輩。

澪「律、食べ過ぎるとお腹こわすぞ」

 今日もかっこいい澪先輩。
 けど、もうちょっと強く注意して欲しいときもある。

唯「まだかなまだかな〜」

 子どものようにはしゃぎながら、カキ氷ができるのを待つ唯先輩。

 いつもと変わらない風景。
 軽音部は今日も通常運行だ。

梓「……」

 本当にこれでいいのだろうか。
 他のは部活は頑張ってるというのに……
810 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:47:31.74 ID:xMAfeJYo
・・・・・


 カキ氷を食べ終え、一息つくと談笑が始まる。
 案の定、練習は開始しない。

唯「カキ氷って、食べるとなんで頭が痛くなるんだろうね?」

律「なんでだろうなー…冷たいからかな!」

澪「それだけじゃ理由にならないだろ」

紬「アイスクリーム頭痛っていうのよね、確か」

梓「あの…」

 しびれを切らした私は、口を開けた。

梓「そろそろ練習しましょう」

 はっきりと全員に伝わるように話す。
 これでダメなら怒鳴ってしまおうか。

唯「え〜…もうちょっと…」

澪「そうだな、始めよう」

 澪先輩が唯先輩の言葉をさえぎる。
811 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:50:13.75 ID:xMAfeJYo
律「んー…ぼちぼちやるか」

 律先輩もそれに賛同する。
 やはり部長として、やるべきことは分かってるみたいだ。

唯「もうちょっと休みたいなー…」

澪「何言ってるんだ、もう十分だろ。せっかく夏休みに集まったんだし、少しは練習するぞ」

 澪先輩たちが味方してくれた。
 これなら唯先輩も押し切れそうだ。 

梓「そうです! 澪先輩の言うとおりです!」

紬「唯ちゃんファイト!」

唯「は〜い…………よしっ!」

 急に顔を引き締めた唯先輩は、ギターを手に取りジャーンと鳴らした。

唯「やるからには全力でやるよ! フンス」

梓「唯先輩…!」

 そう、普段だらだらとしているがやるときにはやる人なのだ。
 一度スイッチさえ入れば…

唯「……」

梓「…唯先輩?」

唯「やっぱあづい…」

 そう言うと唯先輩は座り込んでしまう。

梓「はぁ…」
812 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:51:05.89 ID:xMAfeJYo
紬「じゃーん、冷えピタ〜」

 ムギ先輩は鞄から冷却シートを取り出し、唯先輩に渡した。

紬「はい、どうぞ」

唯「おぉっ!? これは伝説の冷えピタ!」

梓「なんの伝説ですか」

唯「ぴたっ!」

 冷えピタを手にすると、唯先輩はすぐにおでこに貼った。
 ものすごく気持ちよさそうな顔をしている。

紬「みんなもどうぞ」

澪「悪いな、ムギ」

律「サンキュー!」

紬「梓ちゃんも」

梓「すいません…わざわざ」

紬「いいのよ、気にしないで。これでみんな涼しくなるんだし」
813 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:51:42.65 ID:xMAfeJYo
 ムギ先輩の気配りに感動しつつ、私もシートをおでこに貼った。
 ひんやりとして気持ちがいい。
 頭もすっきりする。

律「よっしゃ、んじゃ始めるか!」

唯「おー!」

 唯先輩も完全に復活したみたいだ。
 各々楽器をセッティングし、自分の立ち位置についた。

律「じゃあまずは…ふでペンからな」

澪「わかった」

唯「ラジャー!」

律「ワンツースリーフォー!」

 スティックを鳴らし、カウントをすると演奏が始まる。

 ・・・・・
814 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:52:36.95 ID:xMAfeJYo
 ・・・・・


律「ぷはぁっ!! もう無理!」

澪「休憩するか…」

 練習を始めて二時間が過ぎた。
 久しぶりに充実した練習ができた気がする。

唯「ム、ムギちゃん…冷えピタの補充をば…」

紬「はいは〜い」

 冷却シートはすでにぬるくなっていた。
 汗ではがれかけている。
 ムギ先輩は再度私たちにシートを渡してくれた。

唯「あ゛ぁ〜〜…なんでこんなに暑いんだろ〜」

律「ドラム死ぬんですけど…」

梓「大丈夫ですか?」

 少し心配になり、唯先輩に声をかけた。
 先輩にしては珍しく頑張っていたので、倒れてしまわないか不安だ。

唯「大丈夫じゃないみたいです…」

梓「唯先輩…」

唯「水着のまま南極の海に飛び込みたい…」

梓「死んじゃいますよそれは!!」
815 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:53:06.42 ID:xMAfeJYo
澪「それにしても、今日は本当に暑いな」

紬「ニュースでこの夏一番の暑さって言ってたような…」

律「うげぇ…マジかよ」

梓「熱中症で倒れる人も多くなってるって聞きましたから…気をつけないといけませんね」

唯「ぐはぁっ!!」

 突如唯先輩が奇声をあげた。

梓「唯先輩!?」

唯「ね、熱中症で頭が〜!!」

紬「大丈夫!? しっかりして唯ちゃん!!」

律「唯!!」

唯「アイス! アイスが食べたいよ〜!!」

澪「結局そっちか!!」

律「まずいな…唯がアイス欠乏症になってしまった」

梓「なんですかそれ」
816 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:53:43.07 ID:xMAfeJYo
唯「うぅ〜…あいす〜、あいす〜」

澪「我慢しろ」

律「仕方ない…ムギ」

紬「はい! なんでしょう?」

律「余ってる冷えピタをくれ」

紬「ラジャー!」

 律先輩に指示されると、ムギ先輩はすぐにシートを渡した。
 まるで何かごっこ遊びを楽しんでいるようだ。

紬「どうぞ」

律「うむっ。では今から応急処置を始める」

 そう言うとシートにはってあるシールを剥がした。

律「覚悟しろよ…?」

唯「え?」

 ニヤリと笑う律先輩。

律「てりゃー!! ぴたっ」

 叫ぶと唯先輩の首筋に冷えピタを首筋にはっつけた。
817 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:54:57.21 ID:xMAfeJYo
唯「ひゃうんっ」

 すっとんきょな声をあげる唯先輩。
 いきなり首に冷たいものをはられたらそうなってしまうのも無理はない。

唯「はぅ〜…えぇですの〜」

 しかしすぐに冷えピタの快楽に堕ちてしまったようだ。

律「ふふふ…次は澪だー!!」

澪「!?」

 唯先輩に貼り終えると、標的を澪先輩に切り替えた。

律「待てー!」

澪「や、やめろー!!」

 逃げる澪先輩、それを追う律先輩。
 この暑いなか元気に駆け回っている。
 傍から見れば楽しそうだ。

紬「隙あり!」

律「ひゃいっ!?」

 いつの間にかムギ先輩がそれに参加し、律先輩の首元にシート貼り付けた。
 これには私も、「おぉ」と唸らせられた。
818 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:56:08.47 ID:xMAfeJYo
紬「やった〜!」

唯「あはは、りっちゃん『ひゃいっ』っだって〜」

 床で座りながらそれを見ていた唯先輩が笑う。
 律先輩の顔は真っ赤だ。

律「むぅ〜…」

 膨れっ面で唯先輩のもとに近寄った。

律「こんにゃろう! これでもくらえ!」

 そしてシートを二枚、唯先輩の両頬にはる。

唯「あうっ!?」

律「はっはっはっ、どうだー!」

唯「顔が冷たくて力がでな〜い」

 満更でもない表情だ。
819 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:57:07.09 ID:xMAfeJYo
澪「まったく、なにやって…」

紬「そ〜れっ」

澪「ひゃっ!?」

 ムギ先輩が澪先輩をも襲った。。
 冷えピタはりの達人なのだろうか。

律「バカめ! 油断したな!!」

梓「!?」

 不意をつかれた。
 律先輩の魔の手は私にのびた。

律「ていっ!」

梓「にゃあうっ」

 我ながら情けない声をだしてしまった。
 恥ずかしくなってしまう。

律「さてと…」

澪「残るはムギだけだな」

唯「ムギちゃんを捕まえろー!」

紬「きゃー」

梓「ムギ先輩! 自分だけずるいです!!」

 いつの間にか私もこの遊びに参加していた。
820 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 04:58:04.74 ID:xMAfeJYo
とりあえずここでいったん区切るという形で。
純は後半で出ます、はい。
821 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 09:18:46.52 ID:Qfn/sMko
楽しい空気が伝わってくるなw
822 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:08:10.62 ID:9DkJcbUo
 ・・・・・

 ――しばらくした後、騒ぎも静まり私たちは席に座り一息ついていた。
 いつもよりハードな練習直後にはしゃいだせいか、全員ぐったりしている。

唯「今日はこのままのんびりしよっか〜」

澪「いや、まだ時間はあるんだから休んだらまた始めるぞ」

律「あぢぃな〜…」

唯「あついね〜…」

梓「あんな動き回るからですよ。自業自得です」

 などと言っておきながら、私も汗だくだ。
 こんな姿でなにを言っても説得力がないことは分かっている。
 口では小言を言っておきながら、楽しんでしまったことを少し後悔した。

唯「ムギちゃ〜ん…カキ氷ある〜?」

紬「ごめんね、もう氷なくなっちゃったの」

唯「あぅ〜…」

 残念そうな声をあげながら、唯先輩は机にうつぶせた。

唯「あいすたべたい〜…」
823 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:09:10.26 ID:9DkJcbUo
律「唯の言うとおり、なんか冷たいもの食べたいな」

紬「そうね〜」

 それには私も賛成だった。
 こうも体が火照ってしまうと、冷たいものを欲してしまう。
 
 私はさっき食べたムギ先輩のカキ氷を思い出していた。
 きめ細かい氷が、口の中に入れた瞬間 にふわっと舌の上で溶けてゆく。
 シロップの甘さが広がり、何ともいえない……

 などと考えてる途中に、ふと我に返った。
 本来カキ氷を食べるなどという行為は、部室でするべきことじゃない。
 もちろんいつものお茶も。

 だが気づかないうちにそれを許容している自分がいる。
 さっきの冷えピタはり合戦もそうだ。
 つい楽しんでしまった。
 このまま軽音部のノリに流されたらマズイいのでは…

梓「あの、そろそろ練習を再開…」

 発言をしようとした、その時だった。

律「よし、買いに行くか!」

澪「何をだ?」

律「アイスをだ」
824 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:09:58.84 ID:9DkJcbUo
唯「本当!? やったー!」

梓「えぇっ!?」

律「と言ってもこのくそ暑いのに全員で行くのはあれだから……かわいそうだが、誰か人柱になってもらおう」

澪「人柱?」

律「じゃんけんで負けたやつがみんなの分を買いに行くのだー!」

紬「楽しそうね」

梓「楽しくないですよ全然!」

律「じゃあいくぞー」

梓「あっ、ちょっと待ってください!」

律「出さなきゃ負けよじゃんけんぽんっ!!」
825 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:10:42.31 ID:9DkJcbUo
 ・・・・・

 ――負けた。
 先輩たちからお金を渡され、結局私が買いに行くことになってしまった。

梓「はぁ…」

 トボトボとコンビニに向かう。
 太陽の光はまだ強い。
 また日焼けしてしまう前に早く用事をすませなければ。
 ペースを速めて歩き出す。

 数分歩き、コンビニに着いた。
 なんのアイスを買おうか…
 考えながら入り口付近まで行くと、窓ガラス越しから見覚えのある姿が見えた。

 あれは―――純だ。
 雑誌コーナーで立ち読みをしている。
 
 知り合いに会えて少し嬉しくなった。
 お店に入り、純のところまで歩を進める。
826 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:11:22.75 ID:9DkJcbUo
梓「純!」

純「あっ、梓じゃん」

 そっけない返事。
 肩透かしをくらったような気分になった。

梓「なにしてるの?」

純「ん? 立ち読みだよ」

梓「それは見ればわかるけど…制服着てるじゃん」

純「うん、部活の買出し中だから」

梓「…なのに立ち読みしてていいの?」

純「それがさぁ――…」

 純は店の奥の方へと視線を向けた。
 私もそれに合わせて同じ方向を見る。
827 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:12:14.74 ID:9DkJcbUo
 そこには桜ヶ丘の制服を着た女の人がいた。
 制服のリボンが青なので、唯先輩と同じ二年生なのだろう。
 赤みがかった髪に凛々しい顔つきをしている。
 一目で真面目そうな人だと判断できた。

 その人は今、アイスが売られているところで眉間にしわを寄せながら何か悩んでいる。

純「どのアイスを買うか迷ってるみたいで…さっきからずっとああなんだ」

梓「ふーん…」

純「だから決まるまでこうやって立ち読みして待ってるわけ」

 純は再び雑誌に目を戻した。

梓「なんの本?」

純「わかんない。なんかの情報誌かな」

梓「読んでるのに分かんないって…」

純「だって適当にパラパラめくってるだけなんだもん。あれ? そういえば梓は何しに来たの?」

梓「私も買出し」
828 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:13:13.07 ID:9DkJcbUo
純「一人で?」

梓「じゃんけんに負けちゃったから。…ちょっと涼んでいこうかな」

 コンビニはクーラーが効いているので心地がよい。
 少しここで避暑することに決めた。

梓「ジャズ研も練習あったんだ」

純「うん、朝からね」

梓「朝から!?」

純「そうだよー、大変だったんだから」

 純の言葉に驚愕した。
 いや、夏休み期間はどの部活もそれぐらいはする日があるのは当然だろう。
 それでも驚くのはやはり軽音部に毒された証拠なのか…

純「午前中はパート別練習に午後はセッションとか色々……まぁ一年は雑用とかもあるんだけどね」

 そう言うわりには先輩をほっといて立ち読みをしている純であった。

梓「へぇ〜…」

 しかし純の話を聞いてると羨ましくも思える。
 さっき二時間だけ練習して満足した自分が恥ずかしい。
829 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:13:53.70 ID:9DkJcbUo
純「梓は?」

梓「へ?」

純「軽音部、なにやってたの?」

梓「えっと…」
 
 言葉が詰まる。
 まさかカキ氷を食べたあと二時間ぐらい練習して今に至るとは言えなかった。
 そんなことを言ったら笑われそうで…

純「おやつ食べてちょっとだけ練習したとか?」

梓「!!」

純「あれ…あたり?」

梓「……ほぼ正解」

 こういうときに限って鋭い友人だ。
 目をあわせられない。

純「いいな〜、楽しそうで」

梓「私は純の方がうらやましいよ…」
830 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:15:11.01 ID:9DkJcbUo
純「あっ、ねぇこれ見て」

 純が雑誌のページを指さす。

純「冬に新しくショッピングモールが出来るんだって。近くだし行こうよ」

梓「冬に、でしょ。今は夏だよ」

純「だから冬に行こうよ。憂と三人で」

梓「だいぶ先の話…まだ半年ぐらいあるよ」

純「そういえばさ、休みの日に三人で出かけたことってないよね」

梓「え?」

 突然の問いかけに一瞬戸惑う。
 言われるとおり、三人で休日の日に出かけたことはない。

純「今度の日曜にどっか行く?」

梓「…ごめん、日曜は家の用事があって」
831 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:15:56.18 ID:9DkJcbUo
純「そっか、私もその日以外だと色々忙しいんだよね…たぶん」

 遊ぼうと思えば今まで遊べたのかもしれない。
 だが軽音部に入部して、生活の中心がそれに移っていた。
 同学年の子といるより唯先輩たちと一緒にいる時間の方が長い。
 私の居場所はすっかり軽音部に定着していた。

 そして今は純もジャズ研に居場所があり、憂にも…

梓「……」

 全員バラバラの所にいる。

純「ま、機会はあるだろうからその時にしよっか」

梓「うん…」

 雑誌を読みながら話しかけてくる純。
 こっちを向いてくれないことに、私は寂しさを覚えていた。

 と、次の瞬間。

純「ねぇ梓」

梓「あ…」

 いきなり私に顔を向けてきた。 
832 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:16:46.49 ID:9DkJcbUo
純「これあげる、手出して」

梓「これは…?」

 渡されたのは、透明な包装用紙につつまれた小さなお菓子。

純「キャラメル。疲れたときにでも食べて」

梓「あ、ありがとう」

先輩C「鈴木、もう戻るぞ」

 レジの方から声がした。
 どうやらジャズ研の先輩が買い物を終えたようだ。

純「あ、はーい。じゃあ梓、私はこれで」

梓「うん」

 雑誌を元のところに戻し、純は立ち去ろうとする。
 その時、純はこちらを振り向くと。

純「…梓」

梓「え?」

純「お互い、がんばろうね」

 そう言い残して、彼女は自分の居場所に戻っていった。
833 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:17:20.25 ID:9DkJcbUo
梓「お互いがんばろう…か」

 シンプルな言葉だが嬉しかった。
 頑張ってね、ではなく一緒に頑張ろう、と。
 所属する部活は違うが、なんだか志は同じようになった気分だ。

 もし軽音部に同学年の子がいたら、今みたいな感じになれたのだろうか。

梓「……そうだ、アイス」

 いや、変な考えはやめよう。
 ありもしないことを思うなんて、ただの妄想。
 虚しいだけだ。

 私は適当にアイスを取り会計を済ませ、コンビニを出た。
 夏の陽が再び私を照らす。
834 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:18:32.73 ID:9DkJcbUo
 帰り道、あれこれと思案していた。
 
 軽音部の四人の先輩。
 普段はだらしなかったりするけど、演奏するといい曲になる。
 その中に私が入っていいのだろうか。
 私が不協和音になるのでは…

梓「……」

 現状、軽音部には不満がある。
 他の部活のように、もう少し真面目に取り組んだほうが良いのではないか。
 比べてしまうと私たちの部は明らかにダメだ。

 だが、そんな状況を楽しんでいたりもした。
 自分たちには必要と言われ、お茶を飲んだりふざけあったり。
 楽しくおしゃべりしたり、笑いあったり…

梓「……?」

 楽しんでるということは、私もあの輪の中にすでに入っているという事なのか?
835 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:20:28.74 ID:9DkJcbUo
 不満不平を言いながらも、それを受け入れてる。
 けどそれを認めることができない自分もいる。
 そんな自分に嫌気もさして…

梓「……」

 ふと、純に言われたことを思い出した。
 
 一緒に頑張ろう。

梓「私も…がんばってみよう」

 すでに部室の前まで来ていた。

 扉を開ける。
 いつもの四人がいつもの席に座っていた。
836 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:21:11.91 ID:9DkJcbUo
律「おーっす、おかえり」

唯「あずにゃんお疲れ〜」

梓「律先輩、これお釣りです」

律「ん? いいよいいよ、細かいのはあげる。わざわざ買いに行ってくれたんだし」

梓「そういうわけにはいきませんっ」

 少し口を尖らせて言った。

梓「お金のことは、ちゃんと部長が管理しないとダメじゃないですか」

律「お、おぉ」

唯「あずにゃん、それよりアイスアイス〜!」

梓「あ、はい。どうぞ」

唯「やった!」

梓「その前に!」

唯「?」
837 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:21:59.15 ID:9DkJcbUo
梓「これを食べ終えたら、ちゃんと練習するんですよ?」

唯「も、もちろんだよ」

 目を逸らす唯先輩。
 私は少しイジワルな表情をして先輩に返した。

梓「…約束できない人にはアイスあげませんからね」

唯「えぇ〜!?」

梓「ちゃんとできますか?」

唯「します! 必ずします!」

梓「ならいいですよ、どうぞ」

唯「あっ、これ私の好きなやつだ! ありがとうあずにゃん」

梓「そうなんですか? 唯先輩がさっき食べてたのと同じのを適当に選んだだけなんですが…」

唯「またまた〜、照れちゃって」

 嬉しそうな顔をしながら、唯先輩は私に抱きついてくる。
838 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:22:32.87 ID:9DkJcbUo
梓「もう…暑いじゃないですか」

唯「いいのいいの」

梓「…こんな事してるうちに、アイス溶けちゃっても知りませんからね」
 
唯「そうだ! アイスイス」

 唯先輩は私から離れるとアイスを食べ始めた。
 幸せそうだ。

梓「まったく…」

澪「梓、私のもたのむ」

梓「あ、はい。みなさんどうぞ」

唯「えへへ、あ〜ずにゃんっ」

梓「なんですか?」

唯「私の分、ちょっとあげる」

梓「え?」

唯「はい、あーん」

梓「…あーん」

 唯先輩からもらったアイスは甘く、ほんのりと優しい味がした。
839 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:24:00.72 ID:9DkJcbUo
 ・・・・・

 部活を終え、私たちはそれぞれ帰路についた。
 私と唯先輩は来た時と同じように、二人で並んで帰っている。
 太陽は少し沈み始めていた。
 セミが一匹、ミーンミーンと鳴く音がする。

唯「ふぃ〜…今日は疲れたね〜」

梓「いつもこんな感じだったらいいんですけどね」

唯「そ、それじゃあ死んじゃうよー!」

梓「頑張りましょうよ、死なない程度に」
 
 微笑みながらそう言った。
 
 そうだ、失望や自己嫌悪などせずにもう少し頑張ってみよう。
 私に出来る可能な限りで。
 
 他の部活は関係ない、私はこの中でできることをするだけ。
 この軽音部を――私の居場所にするために。

唯「あっ、私用事があったんだ」

梓「え?」

唯「じゃあねあずにゃん、ここでお別れ」

梓「あ…はい。お疲れ様でした」
840 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:24:48.50 ID:9DkJcbUo
唯「バイバ〜イ」

梓「……」

 唯先輩の背中を見送る。
 段々と遠くなっていった。
 するとちょうど、さっきまで鳴いていたセミの音が静まる。

 ミーンミー……

梓「……」

 寿命が尽きて死んだのだろうか。

梓「…私も行かなきゃ」
 
 セミは一週間で死ぬ。
 それはセミにとって短いのか、長いのか。
 楽しかったのか、辛かったのか。 

梓「……」

 そういえば、純にキャラメルを貰ったのを思い出した。
 それを食べながら帰ろう。


# 軽音部の夏

おわり
841 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/29(金) 01:37:02.16 ID:9DkJcbUo
ここまで
一年のときは梓は軽音部、純はジャズ研、憂は家庭(?)にそれぞれ居場所があったと思います。
このスレ後半でジャズ研絡みが多くなったのも、純がジャズ研に居場所を確立したのを表すためでした。
そのおかげで憂梓純の絡みが減って少し物足りない気がしましたが、二年になったらそこら辺の関係を徐々に変化させたいです。
ちなみに番外編はあと二本ぐらいです。

地の文ってめんどくさいですね。
842 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/29(金) 02:59:37.25 ID:uckk/oYo
843 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 03:44:36.59 ID:6scoB6AO
おつおつもふもふ
844 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 07:03:59.79 ID:aeCuW.AO
でもやっぱり地の文はきれいに見えるな
845 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/29(金) 19:10:14.46 ID:QQR/YAgo
純ちゃんもふもふ
846 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 23:25:15.76 ID:r52gLZso
純ちゃんキャラソンおめでとう!!
847 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 02:14:56.31 ID:MyxoncAO
スピンオフ的なこのSSの番外編は
従来のけいおんSS同様、梓や唯たち軽音部がメインのストーリーなのに
妙にスピンオフっぽい。
……なに言ってるか分からんが、それだけ「ジャズけん」面白い!

純と梓、歩幅が違う二人の成長をもっと見ていたい
848 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:44:33.24 ID:MWue3Two
# ジャズ研の夏


純「ぜぇー…はぁー…」

 夏休み――炎天下のなか、ジャズ研究会は校庭でランニングをしていた。

純「ぜぇぜぇ…な、なんでこんな朝っぱらから走らなきゃいけないんですか…」

先輩B「はぁはぁ…そんなの、私が知るかっ…」

先輩C「十時にはソフトボール部がグラウンドを使う。私たちが使えるのは今の時間だけだ」

先輩B「使わなくていいよそんなの〜…はぁはぁ」

純「はっ、ひっ…」

先輩C「情けないぞお前たち。そんなことでジャズ研究会を生き残れると思っているのか」

先輩B「私、たちは…はぁっ…、軍隊じゃ、ないんだぞ…この、体力バカ」

純「ひぃひぃ…」

先輩C「ふっ、お前たちが体力なさすぎなだけだ。私は先に行くぞ」

先輩「みんなー、あと十週で終わりだから頑張ってー」

先輩B「し、死ぬ…殺される…」

先輩A「ほら頑張って」

純「おえ…」

先輩2「しっかりしなさい」
849 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:45:08.32 ID:MWue3Two
ランニング終了


先輩B「あ゛ー…」

純「…なんで走んなきゃいけないんですかぁ〜」

先輩「演奏には体力も必要なの。吹奏楽部だってどこだってやってるわよ」

純「えー…」

純(軽音部はやってるのかなぁ…)

先輩B「頑張って走るのなんて無意味だよ〜…バイクで走ったほうが速いんだし」

先輩「それじゃ体力つかないでしょ。グダグダ言ってないで、次は筋トレよ」

先輩「まず二人一組になって」

純・先輩B「うぇ〜〜…」

先輩A「はい、一緒にやりましょ」

先輩B「筋トレやだぁ〜…」

純(せ、先輩とやるんだったら頑張れるかも…)

先輩C「鈴木、お前は私とだ」
850 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:45:59.04 ID:MWue3Two
純「えぇっ!?」

先輩C「鍛えてやる、来い」

純(な、なんで〜!?)

先輩B「あいつ体育会系だから…すっごい厳しいぞ〜。ご愁傷様」

純(なんでこんな時にあいつ[同級生]はいないのよー!!)

先輩C「鈴木! 早く来い!!」

純「は、はい〜!!」

純(入部するとこ間違えたかも…)

先輩C「鈴木、聞くところによるとお前は部内で一、二を争うほど体力がないらしいな」

純「すみません…」

先輩C「いいか? 一年のうちにしっかりと鍛えておかないと来年レギュラーは取れないぞ」

純「はい…」

純(これじゃあ完全に野球部かなんかだよ…)

先輩C「そのためのトレーニングだ。意識してやれ」

先輩C「まずは腹筋、私が足をおさえてやる」
851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:46:31.68 ID:MWue3Two
純「はぁぁ…」

先輩C「早くしろ!」

純「は、はい!」

純「いっち…に…」

先輩C「もっと上げるんだ、それと背中は地面につけるな」

純「さんっ……し…ぃ……」

純「ぐはぁーっ…もうだめ」

先輩C「まだ十回もやってないぞ!!」

純「だ、だってランニングで疲れて…」

先輩C「はぁ…じゃあ私が先にやるからお前は足をおさえてくれ」

純「は〜い」
852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:47:16.21 ID:MWue3Two
先輩C「いっち、にっ…」

純「すご…どんな腹筋してるんですか」

先輩C「毎日っ、やってるからなっ…」

純「へぇ〜…ちょっとお腹触ってみてもいいですか?」ツン

先輩C「きゃあっ!?」ビクッ

純「!」

純(い、今のかわいい声先輩の…?)

先輩C「す、鈴木ぃ〜…っ!!」

純「ひっ!?」

先輩C「二百回だ! お前は腹筋二百回やれ!!」

純「えぇ〜!?」
853 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:48:04.01 ID:MWue3Two
先輩B「あ〜ぁ、かわいそうに」

先輩A「寝てないで、お腹上げる」

先輩B「あ〜…なんでこんなこと…」

先輩A「体力づくりのためでしょ」

先輩B「若いから体力は大丈夫だよ〜」

先輩A「ダイエットにもなるじゃない」

先輩B「太ってないから大丈夫」

先輩A「私なんて最近三キロ増えたのに…」ボソッ

先輩B「そういえば私は胸がおっきくなったんだよね〜…Eカップになっちゃった」

先輩A「…自慢?」

先輩B「まさか、こんなの大きくても邪魔なだけだって…」

先輩B「あっ、先輩に胸が重くて腹筋できないって言えばやらなくてもいいかナ?」

先輩A「間違いなく却下されるわ。ていうか逆に怒らせると思う」
854 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:48:48.37 ID:MWue3Two
――数十分後


先輩「みんなお疲れ様。部室に戻って少し休憩したらパート別練習よ」

「「「はい!」」」

先輩B「疲れた…動けない…」

純「私も…」

先輩B「もう帰りたいな」

純「そうですね〜…」

先輩「何をしてるの、戻るわよ」

純「あ、はい」

先輩B「おぶって〜〜」

先輩「甘えないの」

先輩B「全身動けませんよ〜…」

姫子「あの…もういいでしょうか?」

先輩「あぁ、ごめんなさい。ほら邪魔だから行くわよ」

先輩B「うぇ〜い……純、おぶって」

純「無理ですよ…」
855 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:49:25.80 ID:MWue3Two
――ジャズ研 部室


先輩B「あーたた…体痛い…」

純「もっと鍛えておけばよかった…」

先輩B「なんか楽して体力つく方法ないかな〜」

純「…もし私がスーパーサイヤ人だったらトレーニングしなくてもすむんですけどね」

先輩B「じゃあ私は聖闘士にでもなろうかナ」

先輩「現実逃避してないで、しっかり休みなさい」

先輩A「はい、スポーツドリンク」

先輩B「ポカリ?」

先輩A「アクエリ」

先輩B「私はポカリ派なのに…」

先輩「水分補給はちゃんとしてね、熱中症になると困るから」

純「はいっ」

先輩2「…あんたも変わったわね」

先輩「なにが?」

先輩2「だって一年のときなんか――…」ヒソヒソ
856 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:50:08.85 ID:MWue3Two
先輩『もうやだ〜走れない〜!!』

先輩2『走ろうって言ったのはあんたでしょ』

先輩『だってぇ…』

先輩2『ほら、立って』

先輩『うぅ〜…』

先輩2『もう…置いてっちゃうよ? 私先に行くから』

先輩『あっ!? 待ってよー!!』

先輩2『じゃあちょっとは頑張りなさい』

先輩『……』

先輩2『どうしたの?』

先輩『おぶって』

先輩2『…お先に』

先輩『ご、ごめん! 走る、走りますー!!』

先輩2『……』タタタッ

先輩『うわ〜ん! 待って〜!!』
857 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:50:37.81 ID:MWue3Two
先輩2「…――なんてこと」

先輩「わーーわーーーー!!」

純「!?」ビクッ

先輩「ちょっと! そういうこと言わないでよ!」ヒソヒソ

先輩2「ふふっ、ごめんごめん」

純「ど、どうしたんですか?」

先輩B「さぁね〜。ほい、アクエリ」

純「あ、どうも」

先輩A「あの二人だけの素敵なエピソードでもあるんじゃない?」

先輩B「素敵なエピソードねぇ〜…」

ガチャッ

同級生「すいません! 遅れました!」

先輩C「遅いぞ」

同級生「ごめんなさい…補習があって…」
858 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:51:16.22 ID:MWue3Two
先輩C「まったく、普段だらしないからそんなことになるんだ」

同級生「ひぃっ」

先輩B「お前もあんまり成績良くないけどな〜」

先輩C「わ、私は補習を受けるほど低くはない!!」

先輩B「ギリギリのくせに」

純「なんの補習?」

同級生「数学…」

同級生「しかも明日は英語でしょ、それに古文も…」

純「……留年しても元気でね」

同級生「ま、まだそうとは決まってないよ! それに純だって勉強苦手でしょ?」

純「私は期末テストそこそこだったもん」

同級生「えぇ〜? そうなんだ…」

純(直前で憂にノート見せてもらってよかった…)

先輩「全員揃ったことだし、そろそろパート練習始めましょうか」
859 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:52:31.47 ID:MWue3Two
 ・・・・・
 

先輩「初心者の子もいるし、もう一度基礎から教えるわよ」

先輩「ジャズベースっていうのは演奏では、4分音符を連ねたラインを演奏することによって…ウンタラカンタラ」

純「え、えっと…」

純(な、なにが…どうだか…)

先輩「――純、今私が言ったことをもう一度説明してみて」

純「え!?」

先輩「教えたでしょ?」

純(そんなぁ〜…全然わかんないよー)

先輩「ほら、早く」
 
純「え〜っと…ジャズベースっていうのは――…」

純「弦が四本で…音が低くて…」

先輩「…それはみんな知ってるわよ」

 クスクス

純「ぁうっ…すいません…」
860 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:53:33.87 ID:MWue3Two
先輩「こういう基本的な知識ぐらいは頭の片隅にでも入れておくのよ?」

純「はい…」




先輩2「……」


先輩『……』カキカキ

先輩2『なにしてるの?』

先輩『ジャズの勉強』

先輩2『へぇ…わざわざそんなノートまでとって』

先輩『いつか後輩ができたら私が教える立場になるんだし、完璧に覚えておかないといけないでしょ?』

先輩2『後輩、ね。…できるのかしら』

先輩『で、できるわよ! 来年にはきっと…』

先輩『部室に入りきらないぐらいにね』

先輩2『…ふふっ、だといいね』


先輩2「…クスッ」




先輩「じゃあ…実際に弾きましょうか。みんな、準備して」

先輩「まずはランニングベースからやるわよ」
861 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:54:04.56 ID:MWue3Two
ボンッボンッボンッ♪


先輩「押さえる場所にすばやく指を動かせるように」

先輩「それと的確にね」

ボッ・・・

純「あ…」

先輩「焦らなくてもいいのよ、落ち着いて」

純「は、はい」

ボボッ・・・

純「あっ!?」

先輩「純、慌てなくていいから正確にやりましょ」

純「ご、ごめんなさい!」

純(はぁ〜…面目ない)
862 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:54:38.89 ID:MWue3Two
――数時間後


先輩2「そろそろ休憩でいいんじゃない?」

先輩「そうね…ちょっと遅くなったけどお昼にしましょうか」


同級生「やったー! ようやくご飯だ〜」

同級生「純、食べようよ」

純「はぁ…」

同級生「なに? 落ち込んでるね。魚肉ソーセージあげるから元気だして」

純「それがさぁ・・・」パクッ

純「練習上手くいかなくて……あ、これ意外と美味しい」モグモグ

同級生「私もだよー、二拍三連のリズムが取れなくて…」

同級生「タカクラケン、タカクラケン…」

純「高倉健? なにそれ」

同級生「えへへ、こうやって叩けばできるって教えてもらった」

同級生「タカクラケン、タカクラケン」

純「タカクラケン、タカクラケン……ホントだ、二拍三連になってる」

同級生「でしょ?」
863 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:55:23.86 ID:MWue3Two
先輩B「〜♪」

先輩A「なにやってるの?」

先輩B「スケールの練習」

先輩A「ご飯の時間なのに…熱心ね」

先輩B「今弾きたいから弾いてるだけだヨ」

先輩C「練習もいいが栄養もとれ。倒れても知らないぞ」

先輩B「心配してくれてんの〜? 優しいねぇ〜」

先輩C「そ、そういうのじゃない!」

先輩B「ならついでに食べさせてくれない? 私はギター弾いてて手があいてないから〜」

先輩C「私はお前の召使いか!」

先輩B「私はお前の召使いか!」

先輩C「くっ、人のマネをするな!!」

先輩B「くっ、人のマネをするな!!」

先輩C「やめろ! ふざけるなぁ!!」

先輩B「やめろ! ふざけるなぁ!!」

先輩C「………私はバカです」

先輩B「うん、知ってる〜」

先輩C「お前ってやつはーーー!!」
864 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:55:51.81 ID:MWue3Two
先輩A「ほらほら、騒がないの」

先輩B「あ〜〜…遊んだらお腹すいた」

先輩C(くそっ…いつか目に物見せてやる…)

先輩「それにしても、暑いわね…」

先輩B「この部室クーラーないんですか?」

先輩2「残念ながら…来年つけてもらうしかないわね」

先輩B「今つけてもらわなきゃ意味ないよ〜」

先輩2「アイス食べたいわぁ…」ボソッ

ガチャッ

顧問「チィーッす」

純「あ、先生」
865 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:56:33.66 ID:MWue3Two
顧問「練習がんばってる? 様子見に来たよ」

先輩「…なんですか? その袋」

顧問「これ? ふっふっふっ…」

顧問「なんと私…今日パチンコで大当たりしたのだ!」

先輩「は、はあ…」

顧問「はい、お菓子とか色々お土産」

先輩2「アイスありますか!?」

顧問「んなもん溶けるだろ。スポーツドリンクはあるよ」

先輩B「ポカリ?」

顧問「DAKARA」

先輩B「世の中望むようにはいかないもんだナ〜…」

顧問「じゃあ私、この後行くところあるからこれで。引き続き練習がんばりなよ」

先輩「どこ行くんですか?」

顧問「ふっ…勝ったらみんなに美味いもんご馳走してあげるよ」

先輩B(あ…競馬場か)
866 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:57:21.61 ID:MWue3Two
先輩A「…自由な人ですね」

先輩2「昔レディースの総長だったらしいわよ」

純「え!?」

先輩B「グレートティ〜チャーってやつ?」

先輩「まぁ…優しい先生なんだしいいじゃない」

先輩「それよりみんな、好きなお菓子とっていいわよ」

先輩2「はぁ…アイス…」

先輩B「やったね、軽音部みたいだ」

純「軽音部はもっと高級なお菓子ですよ」

先輩「……」

先輩B「おっと、先輩の前では軽音部の話題は禁止だったかな〜」

先輩「別に…そういのじゃないわよ」

先輩「実は私もお菓子持ってきたの。みんなに食べてもらおうと思って」

先輩B「へぇ〜…気が利くじゃん」

先輩2(嫌な予感しかしない…)

先輩C「すいません、わざわざ」

先輩「いいのよ別に。私が好きなものをみんなにも食べて欲しいし…」ガサゴソ

先輩「はい、ジンギスカンキャラメル」
867 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:57:55.21 ID:MWue3Two
シーン・・・

先輩「………どうしたの?」

同級生「なんですか? キャラメル? 私食べまーす!」

純「あっ…」

先輩「どうぞ、はい」

同級生「わーい!、……」パクッ

同級生「ッ!?」ドサッ

純「倒れた!?」

先輩「え? なに??」

先輩B「純…そこにある死体を片付けるんだ」

純「は、はい」

同級生「うぅ〜ん…」

先輩「ちょ、ちょっとなによ!」

先輩2「あんたねぇ…なんてもの持ってきたのよ」

先輩「えぇ? だって美味しいじゃない」パクッ

先輩B「どんな育ち方したらそうなっちゃうんですか」
868 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:58:21.11 ID:MWue3Two
先輩「普通に育ってきたわよ! それより食べないの?」

先輩C「うっ…私は甘いもの苦手なんで…」

先輩B「甘くないから食べなよ〜」

先輩C「お腹いっぱいなんで結構です!!」

先輩「そう?」

先輩A(見つからないように隠れよっと…)

先輩B「そんな殺戮兵器食べれるわけないだろ〜」

先輩「殺戮兵器!? 作った人たちに謝りなさいよ!!」

同級生「く、口の中が…世界大戦…」

純「おーい、意味わかんないよー」

先輩「純、あなたは食べるわよね?」

純「え?」
869 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:59:10.96 ID:MWue3Two
先輩「食べるでしょ?」

純「あの…その…」

純(先輩の頼みでもそれは無理…)

先輩「大丈夫、美味しいから」

同級生「河が見える……死んだおじいちゃんがいる…」

純(この状況を見て食べれるわけがない!!)

先輩「いらないの…?」

純「あっ…と……」

純(でもさっき練習で迷惑かけたし…もらっておくべき…なのかな)

純「じゃあ…お昼ご飯食べたあとにいただきます…」

先輩「そう、よかった」

純(後で適当に処分しておこう…)

先輩B「私はそんなクソ不味いもんいらないんで」

先輩「あんたなんかにあげないわよ!」
870 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 09:59:53.49 ID:MWue3Two
先輩2「はぁ…そんなもの持ってくるならアイス持ってきなさいよ」

先輩「あんたはさっきからそればっかね」

先輩2「暑いんだし…しょうがないじゃない」

「先輩、のりありますか?」

先輩「え?」

「あとテープやマーカーも」

「ジャズ研のポスター作ろうと思ってるんですけど…」

先輩「備品がないの?」

先輩2「じゃあ買ってくればいいじゃない。ついでにアイスも」

先輩B「完全なアイス中毒者ですね」

先輩C「なら私が行ってきます。ちょうど欲しいものがあるんで」

先輩B「そんじゃ〜、あれも買ってきて。ポカリ」

先輩C「私はお前のパシリじゃない」

先輩B「いいだろ〜どうせ行くんだから〜〜。はい、お金」

先輩C「まったく…鈴木、お前も一緒に来い」

純「私ですか? なんで…」

先輩C「視界に入ったからだ」

純「えー…」
871 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:00:26.27 ID:MWue3Two
――コンビニ


純「はぁ〜…涼しい」

先輩C「それよりさっさと買い物をすませるぞ」

純「なに買うんでしたっけ?」

先輩C「まずはセロテープ…」

純「ありましたよ、はい」

先輩C「…これはガムテープだ」

純「くっつけば同じじゃないですか」

先輩C「セロテープだ! セロテープ以外認めない!!」

純「は、はい!」

先輩C「次にのり…」

純「どうぞ」

先輩C「そうそう、のりといえばこの黄色に赤ラベルの…って、これはボンドだろ!! 木工用の!!」

純(ノリ突っ込みだ…)
872 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:01:40.02 ID:MWue3Two
先輩C「もういい…私一人でやる」

純(せっかく来たのに…)

純「じゃあ私、立ち読みしててもいいですか?」

先輩C「好きにしろ」

純「はーい」

先輩C「さてと、アイスだが…」

先輩C「……」

先輩C「どれを買えば…」

先輩C「むむ…」



純(なんか悩んでる…)
873 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:02:54.79 ID:MWue3Two
先輩C(ソフトクリーム? ガリガリくん?)

先輩C(いや、スイカバーもあるぞ…)

先輩C(まさかハーゲンダッツか!?)

先輩C(くっ…あの人は一体どのアイスが好きなんだ!?)

先輩B『そんなのも分かんないのか〜? ば〜〜〜か』ニヤニヤ

先輩C(くそ〜っ!! なんでこんな時にあいつの顔が思い浮かぶんだー!!)

先輩C(腹立つーーーーっ!!)

先輩C「……」

先輩C(落ち着け私…冷静になるんだ)

先輩C(自分を信じるんだ、私は正しい)

先輩C(そう、この場合選ぶべきものは…)

先輩C(ブラックサンダーアイス! アイスとブラックサンダーが融合したハイブリットアイス!!)

先輩C「ふっ…これで決まりだ」
874 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:04:43.36 ID:MWue3Two
先輩C「さてと、目的の品も買ったし……あっ」

先輩C(そういえばアイツにポカリを頼まれていたんだ……しかたない、買うか)

先輩C「……あれ?」

先輩C(ポカリ…二種類ある…)

先輩C(普通のやつと、イオンウォーター…)

先輩C「……」

先輩C(あいつはどっちが好きなんだーーーー!!)
875 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:06:14.64 ID:MWue3Two
 ・・・・・


店員「ありがとうございましたー」

先輩C(結局二本とも買ってしまった…しかも一本自腹で)

先輩C(くそっ、なんで私があいつなんかのためにここまで……)

先輩C「鈴木、もう戻るぞ」

純「あ、はーい。じゃあ梓、私はこれで」

先輩C「はぁ…」

先輩C(そもそもあいつの頼みなんだから適当に選べばよかったんだ)

先輩C(なんならアクエリアスにしてあいつの残念がる顔を拝め…)

純「お待たせしました」

先輩C「…行くぞ」

ガーッ
876 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:06:51.65 ID:MWue3Two
純「うわ、外は暑いですねー」

先輩C「さっき誰かと話していたみたいだが…友達か?」

純「はい、梓っていう…軽音部の子です」

先輩C「なに? 軽音部だと?」

純「ギターすっごく上手い…らしいんですよ」

先輩C「ふん…」

純(あれ? もしかして軽音部嫌い…?)

純「そ、そういえばセンパイの欲しいものってなんだったんですか?」

先輩C「私か? 私はこれを…」ガサゴソ

純「…なんですかそれ?」

先輩C「プリキ○アのカードだ」

純「……観てるんですか?」

先輩C「い、妹が欲しがってただけだ! 勘違いするな!!」
877 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:07:37.05 ID:MWue3Two
――ジャズ研 部室


純「戻りましたー」

先輩「お疲れ様」

先輩C「どうぞ、アイスです」

先輩2「ありがと」

先輩C「あ…そのアイスでよかったでしょうか?」

先輩2「え? アイスならなんでもいいわよ」

先輩C「……そうですか」

先輩B「私のは〜?」

先輩C「…ほら」

先輩B「さんきゅ〜さんきゅ〜♪」

先輩B「……ん? なんで二本あるの?」

先輩C「そ、それは…」

先輩A「どっちが好きか分からないから、二本買ったの?」
878 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:08:33.43 ID:MWue3Two
先輩C「!?」

先輩B「なんだそりゃ、普通のやつでいいのに」

先輩C「ち、違うこれは……そうだ! お前が飲むと思って」

先輩A「私アクエリ派なんだけど」

先輩C「それも違う! お前はポカリ派だ!!」

先輩A「はいはい、じゃあポカリ派でいいわよ」

先輩C「なんだその顔は!?」

先輩B「うるさいやつだな〜」

先輩C「黙れ!! お前のせいでどれだけ私が苦しんだことか…」

先輩B「なんで私が悪者になってるんだよぉ〜」

同級生「う、う〜ん……」

同級生「あれ? 私なにやって…」

純「あ、起きた」
879 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:09:20.76 ID:MWue3Two
 ・・・・・

先輩「さて…そろそろ練習再開しましょうか」

先輩2「えぇ、分かったわ」

先輩「みんな集まって」

先輩B「あ〜だるいな〜〜」

先輩C「しゃきっとしろ」

先輩A「ふふっ」

同級生「ねぇ純、私記憶がないんだけど…なにがあったのかな?」

純「…思い出さないほうがいいんじゃない?」

同級生「?」

先輩「じゃあまず始めに――…」


―――――――――
――――――
―――
880 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:10:58.80 ID:MWue3Two
キーンコーンカーンコーン


先輩「お疲れ様、今日の練習はここまでよ」

先輩B「んーっ…やっと終わった〜」

同級生「純、帰ろー」

純「うん……あ、ちょっと待って」

純「先輩」

先輩「なに?」

純「今日の練習…迷惑かけてすいませんでした」

先輩「迷惑?」

純「あの…いっぱいミスしちゃったし」

先輩「…そうね。確かにミスは多かったけど……」

先輩「別にいいんじゃない? 練習なんだし」

純「先輩…」

先輩「まぁ一つアドバイスするなら――…」

先輩「上達の近道は毎日コツコツとやること。これだけよ」
881 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:11:35.43 ID:MWue3Two
純「毎日…」

先輩「そ、頑張ってね」

純「は…はいっ!」

純「今日はありがとうございました!」

同級生「純ー、行こーよー」

純「今行くよ」

先輩「気をつけて帰ってね」

先輩2「あんたは帰らないの?」

先輩「私は…まだいいや」

先輩2「そう、あんまり無理しちゃだめよ」

先輩「分かってるって」



先輩B「……」
882 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:12:39.86 ID:MWue3Two
 ・・・・・

――帰り道


同級生「う〜ん…なんで気絶してたんだろう」

純「だから思い出さなくていいって」

同級生「あっ!」

純「え?」

同級生「…お腹すいた」

純「なんだ……そういえば私もすいたかも」

同級生「どっか食べに行かない?」

純「賛成ー!」

同級生「私ハンバーガー食べたいんだけど」

純「ファミレス行きたい」

同級生「……」

純「……」

純・同級生「じゃんけんぽんっ!」
883 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:13:25.74 ID:MWue3Two
――ジャズ研 部室


先輩「さてと、みんなもいなくなったし…」

先輩B「一人で練習ですか?」

先輩「!?」

先輩「な、なんであんた…」

先輩B「つれないな〜…誰か誘ってやればいいのに」

先輩「…みんな疲れてるのにそんなことできるわけないでしょ」

先輩B「先輩は疲れてないの?」

先輩「私は…『疲れた』なんて言えないの。部長なんだから」

先輩B「やれやれ……ま、付き合ってあげますよ。練習」

先輩「さっきだるいとか言ってたくせに」

先輩B「大丈夫、後で先輩が美味しいものおごってくれるから」

先輩「するわけないでしょ」

先輩B「な〜んだ」

先輩「……」

先輩B「……」

先輩「ジンギスカンキャラメル食べる?」

先輩B「いらない」


# ジャズ研の夏

おわり
884 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/30(土) 10:14:28.86 ID:MWue3Two
ここまで
純ちゃんのキャラソン楽しみ


純ちゃんスレの>>813
なんですか?
885 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 13:03:31.57 ID:orUPw2AO
二年三年もそれぞれ1スレをいっぱいに使って書くのか…
映画とこれの完結のどっちが先かな?
886 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 00:17:17.00 ID:CvbjEsAO
あずにゃんが貰ったのジンギスカンキャラメルだったのかwww
887 : ◆eXN6fvAgkw [sage]:2010/10/31(日) 02:13:14.69 ID:qPtPUEAO
>>885
映画で三年の話をするならこのスレは二年まででもいいかなって最近思ってたりしてます
888 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 03:20:47.80 ID:vcKFoP2o
なるほど、あくまでアニメと食い違わない範囲でやりたいという事か
889 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 18:32:31.25 ID:GWDfLUAO
原作(アニメだけど)を壊したくないという思いもあるのか…

とりあえずそこは好きにやってくれい
890 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 03:01:22.81 ID:kUY372go
どこまでが公式設定でどこまでがここのssのオリジナル設定なのか時々わかんなくなる…
そんくらい違和感がない
891 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 15:36:45.74 ID:REu3ncUo
先輩Cがバルクホルンで再生された
892 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 23:25:59.52 ID:zIaotEAO
>>891同意
ちなみに先輩Bはエーリカだな
893 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 09:47:53.56 ID:vN9WP6DO
そういうのは心の中に留めてください
894 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:48:04.61 ID:0DkKRPIo
すいません、今日中に終わらせるため一気に投下します
895 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:48:37.84 ID:0DkKRPIo
# 憂と梓と純


――駅前


純「梓まだー?」

憂「もうちょっとで来るんじゃないかな?」

純「あ〜…ヒマだなぁ」

純「ねぇ、しりとりでもしようよ」

憂「え? いいけど…」

純「んじゃー…梨」

憂「シール」

純「ル、ル…ルビー」

憂「ビール」

純「ル? ルー…ルアー!」

憂「アール」

純「また『ル』!?」
896 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:49:16.19 ID:0DkKRPIo
純「ル、ル、ル…」

純「ルックス!」

憂「スリル」

純「また!?」

憂「がんばって純ちゃん」

純「う〜ん……ルーレット」

憂「トーテムポール」

純「っ……ルー大柴」

憂「バール」

純「いじわる〜!」

憂「ふふっ」

純「う〜〜〜ん……そうだ! ルール!!」

憂「ルイスキャロル」

純「!?」

梓「おまたせー、ごめん遅れちゃって」

純「梓ぁー! 憂がいじめてくる〜!!」

梓「??」
897 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:49:54.35 ID:0DkKRPIo
憂「ごめんね、純ちゃん」

純「もう憂とは絶対しりとりしないからね」

梓「よく分かんないけど…早く行こうよ、ショッピングモール」

純「あっ、そうだ。来るの遅いよ梓」

梓「さっき謝ったじゃん」

憂「それじゃあ行こっかー」

梓「うん…どんぐらいかかるっけ?」

憂「ここから…十分ちょっとぐらいかな?」

憂「冬にできたんだよね? 私まだ行ったことないんだ」

梓「私も。楽しみだね」

純「なに買おうかな…二人はなに買うの?」

憂「私は春物の服とかかな。梓ちゃんは?」

梓「私も服と…あとなにか小物」

純「私はなにしようかなー」

梓「決めてないの?」

純「んー…着いてから決める」
898 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:50:34.79 ID:0DkKRPIo
――ショッピングモール

純「うわ…想像してたのより広いね。人多いし」

憂「休みの日だからしょうがないよ」

純「梓、迷子にならないでね」

梓「ならないから!!」

純「よし、それじゃ服から見に行こっか」

憂「うん」

梓「あっ、ちょっと待って…」

ワイワイガヤガヤ ワイワイガヤガヤ

純「人多いなー…進みづらい」

憂「純ちゃんこっちこっちー」

純「あっと…そっちか」

純「あれ? 梓は?」





梓「憂ー! 純ー! どこー!?」
899 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:51:06.83 ID:0DkKRPIo
――十分後

純「あ、来た来た」

梓「ふ、二人ともひどいよ。置いていくなんて…」

純「いやだって、気づいたらいなくなてったんだもん」

憂「梓ちゃん大丈夫?」

純「だから迷子にならないでって忠告したのに」

梓「むぅ…」

憂「とりあえずお店入ろっか、もう目の前だし」

純「よっし、買うぞー」

梓「あ、買うもの決めたんだ」

純「うん、お店に入ってから決める」
900 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:51:35.85 ID:0DkKRPIo
――店内

純「おお…可愛い服がいっぱい」

憂「どの服にしようかなー♪」

純「こっちのオレンジのやつとかどう?」

憂「あっ、かわいい〜。お姉ちゃんに似合うかも」

純「お姉ちゃんの服かい」

梓「自分のは買わないの?」

憂「う〜ん…どうしようかな」

純「買えばいいじゃん、せっかく来たんだし」

憂「そう…だね。そうしようかな」

純「じゃあ憂の服選び手伝ってあげよう。憂の任せると全部お姉ちゃんのにしそうだし」

梓「そだね」
901 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:52:11.82 ID:0DkKRPIo
純「これはどう? ヒラヒラのやつ」

梓「このワンピースの方がいいんじゃない?」

純「だったらこっちのシャツにそのデニムを…」

梓「ダメダメ、それはバランスが悪い」

憂「ふ、二人とも…?」

純「厳しいね、梓」

梓「さわ子先生に教えてもらったからね。私も色々着させられたし」

純「ほぉ〜、すっかり軽音部の一員ですなぁ…」

純「あっ、これなんかいい感じじゃない?」

梓「それと…、あとはこれとこれも…」

純「もうめんどくさいから全部憂に着せよっか」

憂「え…」

梓「うん、そうしよう」

純「じゃあ憂、これ全部着て」ドッサリ

憂「全部!?」

純「試着はタダだし」
902 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:52:48.93 ID:0DkKRPIo
――数十分後


憂「まだ着るの?」

純「なんか人に着せるのって楽しいね」

梓「でしょ?」

憂「もう私はいいよ〜」ヌギヌギ

梓「あっ、カーテンカーテン」シャー

純「……」

梓「どうしたの純?」

純「今チラっと見えたんだけどさ…」

純「憂の胸って大きいよね」

梓「ちょ、なに言って…!?」

純「だって見えちゃったものは見えちゃったんだもん」

純「大きかったなー、憂の胸。どんぐらいあるんだろう」
903 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:53:31.85 ID:0DkKRPIo
梓「もぅ…」

純「なんで梓が顔赤くしてるの?」

梓「だ、だって意識しちゃうから…」

純「変なの。女どうしなのに」

純「あっ、そういえば澪先輩も大きいよね」

梓「はぇっ!? そ、そうだね…///」

純「ジャズ研の先輩にも大きい人がいるんだけど…どっちが大きいのかなー」

梓「…澪先輩は形もキレイだよ」ボソッ

純「え? なに?」

梓「ななっ、なんでもない!!」

純「?」

シャー

憂「おまたせー、今度は梓ちゃんが試着していいよ」

梓「あっ…うん」
904 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:54:16.20 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

梓「ど、どうかな? カジュアルな感じにしてみたけど」

純「うん、かわいいじゃん」

憂「梓ちゃんかわいい〜!」

梓「えぇ? かっここいいの選んだつもりなのに…」

純「梓が着るとなんでも可愛くなっちゃうんだよ。梓補正で」

梓「そんな補正いらなーい!!」

憂「思い切ってロック系の服にしてみたら?」

 ・・・・・

梓「どう?」

純「だめだ、かわいい」

憂「梓ちゃんかわいい〜!」

梓「うぅ…」

純「次はお姉系とかは?」

 ・・・・・

梓「これならどう?」

憂「かわいい〜!」

梓「なっ!?」

純「梓は何を着ても梓系になっちゃうね」

梓「うれしくなーい!!」
905 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:54:58.12 ID:0DkKRPIo
――――

梓「純は買うもの決まった?」

純「私? これとこれとこれ」

梓「試着しないの?」

純「平気平気。気に入ったもの買ってるから」

憂「一応した方がいいんじゃないかな?」

純「えー? 似合ってると思うんだけどなぁ」

 ・・・・・試着中

憂「純ちゃんどんな感じになるんだろう」

梓「……」ジーッ

憂「梓ちゃん?」

梓「えっ!?」

憂「どうしたの? 私になにかついてる?」

梓「う、ううん…なんでもない」

梓(さっき純が変なこと言ってたせいで…憂の胸を凝視してしまった…)

シャー

純「じゃじゃーん! どう?」

憂「純ちゃんかわいい〜!」

梓「似合ってるよ」

憂「じゃあお会計すませよっか」

梓「うん」

純「あれ? なんかあっさりしてない!?」
906 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:56:09.14 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

純「さてと、いきなり買い物したし次は色々見て回ろっか」

憂「色んなお店があるねー」

純「んー…あっ、楽器屋もあるみたいだし行ってみない?」

梓「いいかも」

純「憂もいい?」

憂「うん、いいよ」

純「よし、じゃあ行こう行こう!」

梓「そういえばさぁ…」

純「うん?」

梓「純ってなんの楽器やってるんだっけ?」

純「!?」

純「憂! 梓ったらひどいよぉ〜!!」

憂「よしよし」ナデナデ

梓「ご、ごめん。つい忘れてて…」

純「いいもん、梓なんか。憂は知ってるよね? 私のパート」

憂「え?」

純「ね? 知ってるよね?」

憂「えっとぉ〜……」

憂「タンバリン、とか…?」

純「!?」
907 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:56:54.01 ID:0DkKRPIo
――楽器店

梓「わー! すごい!」

梓「思っていたのより良いのいっぱいあるな〜!」

憂「すごいね〜、ギターだけでも数え切れない」

純「ムスッ……」

梓「ほら純、いじけないで」

憂「純ちゃんごめんね。元気出して」

純「いいもんいいもん…私は一人でベース見てますよーだ」

梓「ごめんごめん、謝ってるじゃん」

純「むぅー…しょうがないなー」

純「許してあげよう」

梓「どうもありがとうございます」

憂「純ちゃん優しいっ」

純「そ、私は強い子優しい子!」
908 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:57:51.44 ID:0DkKRPIo
純「ところでさ、憂はなんか楽器やらないの?」

憂「私?」

純「うん、弾けるんでしょ? ギター」

梓「そうそう、すっごく上手かったんだよ!」

憂「わ、私は別にいいよ〜」

純「もったいなー、上手いならやればいいのに」

梓「宝の持ち腐れだよ? それじゃあ」

憂「う〜ん…」

純「そうだ! ジャズ研に入らない?」

純「憂ならレギュラー取れるよ!」

梓「だめだめ、憂は軽音部に入るの!」

憂「それ決まってるの…?」
909 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:58:27.26 ID:0DkKRPIo
純「えー、いいじゃーん別に。そっちは唯先輩がいるんだし」

梓「唯先輩はなぁ……そうだ!」

梓「憂は軽音部で引き取るから、唯先輩はジャズ研にあげるよ。交換成立でしょ?」

憂「えぇ!?」

純「唯先輩かぁー…唯先輩じゃうちの空気に合わないと思うなぁ」

純「澪先輩だったらいいよ」

梓「絶対ダメ。なら唯先輩とジャズ研のギターの上手い人を交換しようよ」

梓「ほら、あの身長が高い…」

純「それはもっとダメ。部長だもん、あの人」

憂「お姉ちゃんの扱いって…」

純「冗談冗談」
910 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:58:54.66 ID:0DkKRPIo
――雑貨店

憂「あっ、これかわいい! ねえ梓ちゃん」

梓「どれ?」

憂「ほらこのバスケットが付いてる壁掛け」

梓「本当だ…いいかも」

憂「私もなにか買おうかなぁ・・・」

梓「このケースとかいいんじゃない? 雰囲気あって」

憂「わぁ」

梓「あっ、このネコの置物…唯先輩好きそう」

憂「あはっ、そうかも。じゃあ二つとも買っておこうかな」

梓「……あれ? 純は?」

憂「え? 純ちゃん?」

梓「いないんだけど…」

憂「どこいったのかな…?」

梓憂「???」
911 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 06:59:52.50 ID:0DkKRPIo
梓「じゅーん!!」

憂「純ちゃーん!」

梓「も〜…どこ行ったの」

憂「純ちゃんの行きそうなところは…うーん」

梓「純はなにが好きなのかな…それが分かればそこにいるんだろうけど」

憂「あちこち回ったけどけど見つからなかったし……ここかな?」

梓「寝具のコーナー?」

憂「ベッドで寝てたりして」

梓「まさか…ないない」

憂「でも純ちゃんよく寝るから――…あっ」

純「ぐぅー…」

憂梓(ほんとに寝てた!?)
912 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:00:57.63 ID:0DkKRPIo
純「ぐぅ…ぐぅ…」

梓「純ー、起きてー」

純「うぅ〜ん…」

梓「ほら起きて。恥ずかしいよ」

純「…あれ? いま何時?」

純「午後の1時ごろだよ」

純「え? ・・・学校は?」

梓「なに寝ぼけてるの…」

純「あれ……あっ、そっか」

純「ふぁあ〜…」

純「……」

純「おやすみ」

梓「起ーきーてー!!」
913 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:01:33.91 ID:0DkKRPIo
――ファミレス

純「あはは、ベッド見つけたらつい眠くなって」

梓「まったく…」

純「寝たらお腹すいちゃったなー…なに食べよう」

憂「ドリンクバー頼んでおく?」

純「んー、おねがーい」

梓「何にしようかな…」

純「注文決まった?」

梓「まだ……む〜」

純「私ハンバーグにしよっと」

憂「じゃあ…私はパスタで」

梓「むぅぅ〜……」

純「まだ決まんないの? 私が決めてあげよっか」

梓「自分で決めるよ」

梓「……」

梓「私もパスタ」
914 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:02:54.50 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

店員「お待たせしました。ご注文の品でございます」

純「きたきた!」

憂「おいしそうだね〜」

純「ハンバーグとパスタと、パスタ…」

純「私だけハンバーグ!?」

梓「今気づいたの?」

純「なにこの疎外感…私もパスタにすればよかったぁ〜」

梓「もう遅いよ」

純「憂、それちょっとちょうだい」

憂「じゃあ交換しよっか」

純「さんきゅっ」モグモグ

純「うまっ! パスタうまっ!」

憂「ハンバーグも美味しいよ」

梓「……」ジーッ

梓(ハンバーグ美味しそう…)

純「はい梓、ハンバーグあげる」
915 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:03:28.80 ID:0DkKRPIo
梓「え?」

純「なんか欲しそうな顔してたから」

梓「べ、別に食べたいわけじゃ…」

純「その代わり、梓のもちょーだい」

梓「あ、ちょっと! 行儀悪いよ」

純「気にしない気にしない」

純「そうだ、今のうちにデザート決めておこ」

梓「はやっ」

純「けっこう種類あるね……あっ、飲み物なくなったからドリンクバー行ってくるね」

梓「………いそがしいなぁー、純」

憂「ふふっ」
916 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:03:59.29 ID:0DkKRPIo
梓「それにしも、結構買い物したね。お金大丈夫かな…」

憂「目に入るとつい買っちゃうよね。私も使いすぎちゃった」

純「おまたせっ」

梓「…なにそれ。変な色」

純「え? コーラとかメロンソーダとか混ぜたらこうなった」

梓「いるよね…そういう人」

純「なによー、いいじゃん。おいしいんだし」ゴクゴク

純「梓も飲む?」

梓「遠慮しておく」

純「一応こだわってブレンドしたんだけどなぁ…」

純「おっと、デザート決めよっと」

梓「その前に食べ終えなよ」

純「んー、決めてからー」
917 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:04:52.04 ID:0DkKRPIo
梓「はぁ…自由だね、純」

純「急になに?」

梓「そう思っただけ。気楽そうでいいなーって」

純「失敬な、こう見えても毎日大変なんだから」

純「苦労してるんだよ私も」

梓「例えば?」

純「え? 朝の髪のセットとか」

梓「なにそれ」

純「癖毛は大変なの。ストレートの人には分からないんだろうけど」

梓「ふーん…」

憂「純ちゃん、頭にホコリがついてるよ」

純「うそ!? とってとって」

憂「はい、取れた」ヒョイッ

純「さんきゅーっ、憂」

梓「…やっぱ純は純だね」
918 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:05:46.76 ID:0DkKRPIo
純「なんかバカにされてる気がするぅー」

梓「別にそんなんじゃないよ」

純「梓は一度ジャズ研に来ればいいよ。私だってそこでは真面目に猛練習してるんだから」

梓「なんか想像できなないなー」

純「真面目にやってますー!」

憂「練習厳しいんだよね、ジャズ研」

純「うん。部長が代わってから少しは緩くなったけど、それでも厳しいほうかな」

純「軽音部はどう? 相変わらず?」

梓「相変わらずって…最近はちゃんとやってるよ」

純「本当に?」

梓「やってる。…学際終わってから少しだれたりもしたけど、先輩たちとは前よりも団結したし」

純「ほぉ〜、そうですか」

梓「私もだけど、先輩たちだってちゃんと練習してるんだから。家とかで」

憂「そうそう、お姉ちゃん毎日ギター弾いてるんだ」

純「へぇ…」
919 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:06:27.97 ID:0DkKRPIo
憂「昨日も夜中まで弾いてて、寝るの遅くなっちゃったの」

純「そうなんだ。あの唯先輩が…」

梓「唯先輩って、なにか一つのことに夢中になると止まらないよね」

憂「けどそれがお姉ちゃんらしいっていうか…お姉ちゃんの良いところだし」

梓「この前も軽音部で練習したときにさ――…」

純「……」

憂「あはは、それ私もお姉ちゃんから聞いた。律さん大変だったんだよね〜」

梓「そうそう、あれにはまいったよ」

憂「そいえばこれもお姉ちゃんが言ってたんだけど、先週軽音部で――…」

純「……」

梓「うんうん、あれも大変だったなぁ。軽音部全員大騒ぎで…」

純「もぉーー!!」

梓「ど、どうしたの純?」

純「二人ばっか軽音部の話しってズルイー!!」
920 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:07:11.05 ID:0DkKRPIo
純「私も話しに参加させてよ!」

梓「ごめんごめん。じゃあさ、ジャズ研の話聞かせてよ」

純「へ? ジャズ研の?」

梓「うん。なんか気になるし」

純「いきなりそんなこと言われてもなー…みんなが集まるときはだいたい練習とかだし」

純「でもいい先輩はいっぱいいるよ。上下関係に厳しい人もいるけど、基本優しい人ばかりだし」

純「あと同じ学年の子たちとも話してて楽しいかな」

梓「ふーん…」

純「ていうか…軽音部みたいに毎日ドタバタがあるわけじゃないから、そんな特に面白い話もないけどね」

梓「わ、私たちだって毎日騒がしいわけじゃないよ。やるときはやるんだから」

純「あっ、そうだ。これは結構前の話なんだけど…」

純「夏休みの練習に先輩がお菓子もってきたんだけどさ、それなんだったと思う?」

憂「なに?」

純「なんと…ジンギスカンキャラメルだったの! しかも先輩それが大好物みたいで」

梓「へぇ……ん?」

梓(ジンギスカンキャラメル?)
921 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:08:00.53 ID:0DkKRPIo
憂「すごい人だね。あれ不味いって聞いたんだけど」

純「うん、普通にかっこいい先輩なんだけどね」

梓「あーーーっ!!!」

純「な、なに!?」

憂「どうしたの梓ちゃん?」

梓「あの時のキャラメル、思い出した!!」

純「あの時…?」

梓「夏休みの!!」

純「………………あっ」

梓「死ぬかと思ったんだからね!?」

純「で、でも今こうして生きてるじゃん」

梓「そういう問題じゃなーい!!」
922 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:08:32.81 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

純「ふぅ…満腹」

梓「これからどうする? ここ広いから遊べるところいっぱいあるけど」

憂「そうだねー…ゲームセンターとかボーリング場もあるよね」

梓「どうしよっか。ねぇ純、どこがいい?」

純「んー? どこでもいいよ。私飲み物とってくる」

梓「あ…もう。どうしよっか?」

憂「うーん……梓ちゃんが決めていいよ」

梓「えぇ…? 困ったなぁ」

憂「梓ちゃんの好きなところでいいんじゃないかな?」

梓「む〜…」

純「ただいまっと。どうしたの? 難しそうな顔して」

梓「これからどうしようか悩んでるの」

純「どこでもいいのに」

梓「だから悩んでるんじゃん」

純「ふーん…だったらさ、カラオケでも行く?」
923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:09:14.56 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・


――カラオケ

憂「久しぶりだなぁ〜、カラオケ」

純「歌うぞー、っと」

梓「なんでカラオケ?」

純「思いついただけ。イヤだった?」

梓「ううん、全然」

梓「……なに歌おうかな」

憂「う〜ん…」

純「二人とも決まった?」

梓「ま、まだ」

純「じゃあ私先に入れちゃうね」ピピッ

〜♪

純「それじゃあ一番手いきまーす!」

憂「わー!」パチパチ

純「コホン」

〜♪

純『花は恥じらうものー!鳥はさえずるものー♪』

憂「純ちゃん上手〜!」

純(ふふん、私の歌で盛り上げてやる)

純『目立つのはやだけどなんで? 歌作っちゃう♪』

梓「憂、なに歌うか決まった?」

憂「あ、どうしようかな〜」
924 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:10:11.71 ID:0DkKRPIo
純『ベースが肝心、どんな物、人だって♪』

憂「次私が入れてもいい?」

梓「うん、いいよ。……あっ」

憂「どうしたの?」

梓「唯先輩からメールきてた」

憂「わっ、見せて見せて」

純『ブン!ブン!ブン!ブーーン!!』

〜♪

 ・・・・・演奏終了

純「はぁ、はぁ…ど、どうだった?」

梓「唯先輩、律先輩たちと遊んでるんだって」

憂「楽しそう〜」

純「聞いてない!?」
925 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:10:51.92 ID:0DkKRPIo
梓「あ…聞いてた聞いてた」

純「もぉー! 二人ともひどいよー!!」

憂「ほら、点数出てるよ」

純「え?」チラッ

純「75点!?」

純「びみょ〜…」

梓「カラオケの点数はあんまり気にしなくてもいいんじゃない?」

憂「あっ、次私だ」

梓「私も今のうちに入れておこ」ピピッ

純「ついでに私も」ピピッ

梓「もう決めたの?」

純「十曲ぐらいは決めてるよ」

梓「そういう時は行動早いよね…純」

〜♪

憂『朝陽浴びて 大きく伸びをしたら♪』

純「おぉ、優しい歌声」
926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:11:28.55 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

憂「なんでもどんどんやりたくなる 愛言葉♪」

〜♪

梓「いいなぁ、憂いいなぁー」

憂「えへへ、お粗末様でした」

純「癒された〜」

憂「はい梓ちゃん、マイク」

梓「次は私かぁ…なんか緊張する」

純「なに言ってんの、ライブじゃ大勢の前でギター弾いてるくせに」

梓「いや歌うとなると、なんか…」

梓(誰かとカラオケ来るのも久しぶりだし)

純「いつか軽音部でも歌う日がくるかもしれないんだし、練習だと思ってやれば?」

〜♪

憂「始まったよ、梓ちゃん」

梓「わわっ!?」

梓『た、ただ、独りきりじゃ知ることなかったグルーヴへ〜、じゃじゃ馬つれて♪』
927 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:11:54.47 ID:0DkKRPIo
憂「梓ちゃんの歌ってる姿ってかわいいよね〜」

純「ほんと…なんか小動物みたい」

梓『ちっちゃなボディは私の分身! 抱えて一歩踏みだす道場破り♪』

純「おっ、なんかのってきた」

憂「わぁ〜」

梓『今!背伸びして見た憧れだったstageへー♪絶対行くんだ!!」

純「なんか…踊り始めてない?」

梓『目を閉じても耳を澄ませばわかる、自分の居場所♪』

梓『理屈じゃないよね?ハート震えるNew World〜♪』

梓『おーーー!!』

純「わっ、シャウト!?」
928 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:12:55.91 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

梓「あ〜…なんかすっきりした」

純「ずいぶんと楽しそうだったね、梓」

梓「ちょ、ちょっとはしゃぎ過ぎちゃったかな」

憂「あはは、でも良かったよ」

梓「なんか…恥ずかしくなってきたんだけど」

純「まぁカラオケだし、そんぐらのテンションはいいんじゃない。あっ、飲み物頼もっと」

純「二人も飲むでしょ?」

憂「うん、喉カラカラだよぉ」

〜♪

梓「次の曲、純じゃない?」

純「そうだった。梓、代わりにメロンソーダ頼んどいて」

梓「ん、分かった」

憂「純ちゃんがんばれー!」

〜♪

純『チャッティングナウ!』

純『ガチでカシマシネバーエンディングガールズトーク♪』

梓「ノリノリだ」

憂「楽しいねー♪」

純『ドキドキが止まんない!フルスロットルな脳内!!』
929 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:13:37.47 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

純「いいね〜、やっぱ大声出して歌うと気持ちいいー」

梓「純はジャズとか歌わないの?」

純「ジャズ? 歌の方は私あんま知らないんだよね」

梓「ジャズ研なのに…?」

純「だ、だって私ベースだし」

梓「そういうの覚えたほうがいいよ。良い曲いっぱいあるし」

純「うーん…英語で歌えるかなぁ」

梓「日本語のやつもあるから大丈夫だよ…」

梓「そうだ! 帰りにうちに来なよ。CD貸してあげる」

純「…急だね」

梓「オススメとかあるし、ね? いいでしょ?」

純「はいはい、じゃあ後でね」

憂「私、ちょっとトイレ行ってくるね」

純「あ、うん。いってらっしゃ〜い」
930 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:14:14.24 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

――廊下

憂「ふぅ…」テクテク

憂「……」

憂(あれ? なんか見覚えのある姿が見えたような…)

憂(たしかこの部屋…)

憂「……」チラッ

さわ子『Maddy candy!! Maddy candy!! Maddy candy!!』

憂(あ、先生だ…しかも一人)

さわ子『アタマ!!アタマ!!首ぃ!!!』

憂「……」

憂(見なかったことにしよう…)
931 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:14:59.22 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

〜♪

憂『制服脱いだらちょっとスゴいよ? 着ててももちろん凄いけど♪』

純「たしかに憂は脱いだらすごいよね」

梓「ぶっ!?」

梓「い、いきなりなに言ってんの!!」

純「だってそうじゃん。私が男だったらほっとかないなー」

梓「いやらしいよ…純」

純「梓は脱いだらどうなるのかなー?」

梓「なっ!?」

純「なーんてね、大体想像つくから期待してないけど」

梓「お、大きなお世話!!」

憂『ゴキゲンなフレーズ♪ 無制限にリフレイーン♪』

 ・・・・・
932 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:15:34.50 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

梓『猫みたいに、爪を立てて自分守るように♪』

純「梓ってさ、ボーカルやんないのかな?」

憂「え? どうなんだろう」

純「絵的にはかわいいから似合いそうなのにね」

憂「そうだね〜…お姉ちゃんとデュエットなんていいかも」

梓『同じステージの上にいるじゃん! ってそれだけでなんか勇気沸くね♪』

憂「梓ちゃんかわいい〜!」

純「なんだかんだで気持ちよさそうに歌ってるなー」

憂「そうだ、写メに取ろう!」パシャリ

梓『低俗だってー高潔だって♪』

 ・・・・・
933 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:16:34.03 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

梓「あっ、もうそろそろ時間だよ」

憂「じゃあこれで最後の曲だね」

純「どうせならさ、三人でなにか歌おうよ」

梓「なに歌うの?」

純「んー…これ! 『レッツゴー』」ピピッ

〜♪

純「ほらほら、始まったよ。二人ともマイク持って」

レッツゴー!レッツゴーゴー♪ レッツゴー!レッツゴーゴー♪

梓「はい憂、マイク」

憂「ありがとう、梓ちゃん」

レッツゴー!レッツゴーゴー♪ レッツゴー!レッツゴーゴー♪

純「ふふーん、最後だし思いっきり歌うぞー」

憂「レッツゴー♪」

純『やっちゃった! 8時起床ヤバイ誰も起こしてくれない♪』

純『あ、今の出だし良くなかった?』

梓『いやそれより歌の続き…』

憂『観覧車よりもお姉ちゃんgogo!』

梓(勝手に歌詞変えてる!?)

梓『あーもー! 私も好きに歌うからね!!』
934 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:17:11.70 ID:0DkKRPIo
梓『発射ースタンバイ♪ちょっと不安だね♪』

純『ここまできたらー閉めるシーットベルトーーーーーー!!ゴホッゴホッ』

梓『のばしすぎ!?』 

憂『おk♪』

純『ギリギリ遅k…あ、あれ?このマイク音でないよ』

憂『言い訳ジョーク♪』

純『ねぇー、これ音出ないよこれー』

梓『壊れたんじゃないの? シンドイ時もナミダな時も♪』

純『ここにきて故障!?』

憂『赤点ショックショックショック!』

純『ちょ、梓貸してー!』

梓『信号ウェイトウェイトウェイト♪ 無理に決まってるでしょー』

純『じゃあ二人で使おうよ! 気まぐれロックロックロック♪』

梓『あっ、ちょっと!!』

憂『もっと行ける♪ 私も梓ちゃんのマイク使うー!』

梓『わわっ!?』

純『反省しても後悔しないでー♪どうにかー…』

純憂『レッツゴーーー♪』

梓『ゴーーーーーー!!』
935 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:17:43.28 ID:0DkKRPIo
 ・・・・・

――帰り道

純「あー! 楽しかった」

憂「また今度行こうね」

梓「はぁ…なんだか疲れちゃった」

純「梓が一番ノリノリだったよね」

梓「なっ、カ、カラオケだから別にいいの!!」

憂「梓ちゃんが歌ってるところ写メで取っちゃった」

梓「!?」

梓「け、消して消してー!!」

憂「え〜、あとでお姉ちゃんに見せたいんだもん」

梓「ダメー!!」

純「疲れたって言ってるのに元気だね、梓」

梓「むぅ〜……あっ、そうだ純」

純「ん?」

梓「うちに行こうよ。さっき言ったとおりCD貸してあげる」
936 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:18:25.05 ID:0DkKRPIo
――中野家


純「別に今日じゃなくてもいいのに」

梓「でもせっかくだし」

憂「ここが梓ちゃんの家かぁ」

純「そういえば初めて来るね」

梓「はい純、これ」ドッサリ

純「そんなに!?」

梓「だって聞いて欲しいのがたくさんあるんだもん」

純「だからってこんな聞けないって」

梓「パソコンの中にでも入れて後でじっくり聞きなよ」

梓「ジャズなんだし、勉強にもなるでしょ?」

純「先輩みたいなこと言って…しょうがないなぁ」

純「じゃ、ありがたく借りておくよ」

梓「うんうん、感想も聞かせてね」

純「それじゃあ私たちは帰ろっか」

憂「うん、バイバイ梓ちゃん」

純「またね」

梓「あ…うん」

梓「……」

梓「ちょっと待って!」

純「うん?」

梓「送っていく」
937 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:19:49.04 ID:0DkKRPIo
――帰り道

憂「最後の曲楽しかったよね〜」

梓「滅茶苦茶だったけどね」

純「マイクが壊れたのは困ったなー」

梓「純の使い方が悪いんだよ」

純「えー、私は悪くないよー」

純「きっと私に罪を着せようとするカラオケ店の陰謀だね」

梓「はいはい」

憂「こうやって三人でなにかするのって楽しいよね。またなにかやりたいなぁ〜」

梓「うん。また歌おうね」

純「それまでにちょっと練習しておこうかなー」

梓「じゃあさ、今度一緒にジャズ歌おうよ!」

純「梓歌えるの?」

梓「歌えるよ、一応」

純「へぇー…なら私もこれ聞いて練習しようかな」

梓「絶対歌おうね!」

純「はーい」
938 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:20:43.34 ID:0DkKRPIo
憂「ふふっ…あっ、もうここら辺でいいよ」

梓「え?」

純「そうだね。見送りご苦労さま、梓」

梓「あ、うん。…気をつけてね」

憂「バイバイ梓ちゃん」

梓「うん……」

純「……」ジーッ

憂「……」ジーッ

梓「…なに?」

憂「梓ちゃん、なんか寂しそうな顔してる」

梓「え?」

純「ははーん、私たちが帰っちゃうから寂しいんだ」

梓「ちょ、なにそれ! 全然そんなんじゃないよ」

純「よしよし、かわいい子だねぇ」ナデナデ

憂「よしよし」ナデナデ

梓「だーーっ!!ちがーーーう!!」

純「素直じゃないなー、梓」

梓「す、素直とかそんなんじゃないし…」

純「まぁさ、明日もまた学校で会えるんだし寂しがらなくてもいいんだよ?」

憂「そうそう、また明日があるんだし」

梓「明日……って」

梓「寂しがってないって! しつこいなー」

純「はいはい、それは失礼しました」
939 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:21:18.09 ID:0DkKRPIo
憂「そうだ! 一緒に写真撮らない? 携帯で」

純「え?」

梓「えぇ…いいよそんな」

憂「いいからいいから、二人とも集まって」

梓「もう…しょうがないなぁ憂は」

純「いいんじゃない? この三人で写真撮るのも初めてなんだし」

梓「そういえば…そうかも」

純「ほらほら梓、そこつめて」

梓「きつい…」

純「三人入ってる?」

憂「うん…たぶん大丈夫」

純「ピース!」

梓「純、手が私の顔と被ってる」

憂「いくよー。せー、の――…」

――パシャッ


# 憂と梓と純

おわり
940 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:22:18.46 ID:0DkKRPIo
# ジャズ研究会



――ジャズ研 部室

ガチャッ

純「こんにちはー」

先輩B「おいーっす」

純「あれ? 部長だけですか?」

先輩B「まぁねぇ〜…珍しくまだ誰も来てないみたい」

先輩B「それにしてもなんかこそばゆいねぇ〜、部長って響き」

純「部長がそう呼べって言ったんじゃないですか」

先輩B「そうだっけ? まぁどうでもいいんだけどさ〜そんなのは」

純「なにしてるんですか?」

先輩B「部室の整理。純も手伝え」

純「えー」

先輩B「部長の言うことは絶対じゃ」

純「…は〜い」
941 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:23:17.59 ID:0DkKRPIo
――職員室

先輩「失礼します」

顧問「ん?どうした? 三年は今日休みだろ?」

先輩「えぇ、そうなんですけど…受験も終わってやることがなくて」

顧問「そっか、タバコ吸う?」

先輩「吸いません」

顧問「あぁそう」

先輩「体に悪いですよ?」

顧問「たとえ体に悪かろうが値段が上がろうが、それでも戦い続けるのが喫煙者なんだよ」

先輩「……あの」

顧問「なに?」

先輩「前から失礼を承知で聞こうと思ってたんですけど……」

先輩「先生が元暴走族って本当ですか?」ボソッ
942 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:23:48.86 ID:0DkKRPIo
顧問「あぁ゛ん?」

先輩「ひっ…ご、ごめんなさ…」

顧問「なんてね、ウソウソ。ちなみに元暴走族ってのもね」

先輩「な、なんだ」

顧問「なんか顔が恐いからってさー、よく間違われるんだよね。高校のときなんか爽やかなテニス部だったのに」

先輩「そうだったんですか…」

顧問「ヒマなら私の青春時代の話でも聞いてく?」

先輩「いえ、結構です。暴走族かどうか知りたかっただけなので。ありがとうございました」

先輩「では失礼します」

顧問「え……それ聞きに来ただけ?」
943 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:24:56.85 ID:0DkKRPIo
――廊下

先輩(ふぅ…ずっと気になってたことが聞けてすっきりした)

先輩「……」

先輩(これからどうしよっかなー)

先輩「……」

先輩(部室…まだ練習は始まってないかな)

先輩(暇だし行ってみよう)
944 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:25:46.38 ID:0DkKRPIo
――ジャズ研 部室

ガサゴソ ガサゴソ

純「このスコアはどうするんですか?」

先輩B「あ〜〜…そっちにしまっといて」

純「はーい」

純「結構ゴチャゴチャしてますね、部室」

先輩B「私はゴチャゴチャしたままでも別にいいんだけど……おっ、面白そうなの見つけた」

純「え?」

先輩B「じゃ〜ん、謎のノート〜」

純「ノート?」

先輩B「読んでみようよ〜」

純「いいんですか? 勝手に」

先輩B「いいのいいの、部室にあったんだし」

先輩B「整理してるとこういうのが見つかるから楽しいよね〜」

純(まさか初めからそれが目的で…)
945 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:26:25.30 ID:0DkKRPIo
先輩B「どれどれ…」ペラペラ

先輩B「『今日はウォーキングベースを弾けるようにがんばった』」

純「……なんですかそれ」

先輩B「知らん。まだなにか書いてある」ペラペラ

先輩B「『誰も来なくて寂しい』…」

先輩B「……」

純「?」

ガチャッ

先輩「あれ? もう来てたんだ」
946 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:27:17.24 ID:0DkKRPIo
純「あっ、先輩」

先輩B「今日三年は休みじゃなかったんですか?」

先輩「やることないから…ってなにそれ?」

先輩B「このノート? さっき部屋掃除してたら見つけた」

先輩「それ…」

純「知ってるんですか?」

先輩「懐かしい…私が一年のときに買ったやつだ」

先輩B「一年のときに? そのわりには数ページしか書き込まれてませんけど…」ペラペラ

先輩B「こんなの何に使ってたんですか?」

先輩「まぁ…ジャズ研の日誌みたいなものよ。その日にあった楽しいことや思い出を書き残そうと思って」

先輩「けど私が一年のときは部員二人でまともに活動もできなかったし…途中で書くことがなくなっちゃったのね」

先輩B「そりゃまた暗い学校生活だったようで」

先輩「うるさい。二年になってからは急に忙しくなったから…ノートとることも忘れてたみたい」
947 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:31:07.16 ID:0DkKRPIo
先輩B「ふ〜〜ん…」ペラペラ

純「先輩、このあと予定とかありますか?」

先輩「え? ないけど」

純「あの、それじゃあ…よかったら練習を」

先輩「そうね、せっかく来たんだし」

純「!」

純「ありがとうございます!」

先輩B「ねぇ」

先輩「なに?」

先輩B「このノートさぁ〜…使ってもいい?」

先輩「いいけど……あっ」

先輩「だったらちょっと貸して」
948 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:33:55.83 ID:0DkKRPIo
先輩B「ほい、なにするんですか?」

先輩「久しぶりに…なにか書こうと思ってね」

先輩「……」カキカキ

先輩B「……もう寂しくないですもんね」

先輩「え?」

先輩B「いえいえ、なんでもないですよ〜」

ガチャッ

先輩A「こんにちは〜」

先輩C「先輩? どうしてここに」

先輩「あなた達の様子を見にね」

先輩B「うそつけ、暇なだけだったくせに」

先輩「うるさい。はい、ノート」

先輩「ちゃんと書くのよ」

先輩B「へいへい」ペラペラ

先輩B「……」





     ジャズ研は桜ヶ丘で一番最高の部活!!
     みんな大好き!!
                 byジャズ研元祖部長                






先輩B(シンプルだなぁ〜…)



# ジャズ研究会

おわり
949 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:35:31.61 ID:0DkKRPIo
終わりです。長くなって申し訳ございません。
950 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:48:46.27 ID:0DkKRPIo
というわけでこのスレはこれでおしまいです。
拙劣なところが多々あったと思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

ジャズ研のキャラは当初予定していたよりも大幅に一人歩きしてしまった・・・

なにか批評や不満点などがあったら遠慮なく言ってください。

次スレはしばらくしたらこっそりと再開する予定です。
では。
951 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 07:52:56.33 ID:7fb5NgDO
>>1乙!楽しかったよ
952 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:57:40.01 ID:0DkKRPIo
>>785のリクエストにより

〜どうでもいい設定集〜

先輩
・ジャズ研のかっこよくて頼りになる先輩。パートはベース。
・部長。
・一年の時はヘタレだったが、先輩になるにあたって毅然とした態度を貫くよう心がけている。
・でもたまにヘタレる。
・泣き虫。怖がり。
・理想を求めすぎて現実が見えないときがある。
・部長としての責任か、なんでも一人で背負おうとする節がある。
・間が抜けてる。
・味覚音痴。それでも自称料理上手。
・口癖は「うるさい」。
・日々迷走している。
・困ったときは素数を数えている。
・姉が二人いて両方とも優秀なためコンプレックスがある。
・趣味はファッションとガーデニング。
・軽音部に対しては色々と複雑な感情があった。
・努力家。
・面倒見はよく根は優しい。
・学年が上がるにつれて、それ相応に精神的に成長した。
・この人がいなかったら純は音楽に対して真面目にならなかった、という感じで書いた。
・先輩を主役にしたジャズ研創設期の話を考えていたが、純が出ないので没。
 代わりに憂の鼻毛という思いつきとノリだけの話を書いてしまってちょっと後悔。できればあれはバッサリなくなって欲しい。
953 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 07:59:17.94 ID:0DkKRPIo
先輩2
・クールな性格。
・パートはピアノ。
・副部長。
・先輩とは小学校からの付き合い。
・なにかとヘタレな先輩を気にかけている。
・猫舌。
・アイスが好き。冬でも食べる。
・家ではアイスの棒を使ってなにか工作をしている。
・趣味はアイスと絵を描くこと。
・思ってたより動かせなかったキャラでした。


先輩A
・ジャズ研のお姉さん的存在。
・パートはピアノ。
・穏やかで優しく礼儀正しい性格だが怒るとこわい。
・純のモフモフした髪を気に入っている。
・歌が上手い。
・先輩BとCのじゃれあいを優しい目で見守る係。
・カバンの中には常に飴と絆創膏が入っている。
・コーヒーが好き。先輩Bのアルバイト先でよく飲んでいる。
・これからどう動かそうか考えてるキャラ。
954 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 08:00:49.12 ID:0DkKRPIo
先輩B
・新部長。
・パートはギター。
・マイペース。
・身長高くておっぱい大きい。
・なんだかんだで頑張ってる先輩のことは一番尊敬してる。
・先輩をイジることが楽しい。
・純とは波長が合う。
・料理上手。
・表には出さないが寂しがりや。
・趣味はバイク。
・喫茶店でアルバイトをしている。
・運動が苦手。勉強は得意。
・辛いものが苦手。
・小動物的なかわいいものが好き。
・最初はちょい役で出すつもりがいつの間にか勝手に動き出して出番が多くなったキャラ。
・ジャズ研が一人歩きしたのもたぶんこのキャラのせい。
955 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 08:02:40.91 ID:0DkKRPIo
先輩C
・新副部長。
・パートはサックス。
・体育会系。
・厳格な性格をしている。
・妹がいる。
・運動が得意。勉強が苦手。
・機械系が苦手。
・先輩Bとはよく軽口をたたきあっている。
・一年のころは唯と同じクラスで、社会科見学のとき唯の行動があまりにトロトロしていてキレたことがる。という無駄エピソードがある。
・年上の前では真面目な子になる純に漫才ができる先輩を用意したいと思って書いたキャラ。
・最初は某最高な人と同じような性格だったが、あまりにキャラが濃すぎるので没。パートもベースだった。
  ・先輩C「なるほど、しかしなぜ私に?」
    純「……先輩が……最高だから……」
   先輩C「聞こえないな。もっと大きな声で言え」
    純「先輩は最高です!! どうか弟子にして下さい!!」没ネタ。
・そしていざ書いてみるとバルクホルンにキャラが似てると言われ、読み返してみると確かにバルクホルンだった。
・それでも名護さんは最高です!
956 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 08:04:18.32 ID:0DkKRPIo
同級生
・ジャズ研のアホ。
・パートはドラム。
・特に得意なことはない。
・アホだけが取り得。
・純のことを一番の友達だと思っている。

顧問
・顧問の先生。
・顔がこわいだけで元暴走族ではない。
・趣味は麻雀パチンコ競馬。
・パチンコで当った景品をたまにジャズ研に差し入れたりする。
・音楽のことはよくわからない。


名前は伏せました。
こんな設定はあってもなくても気にしなくていいです。
自己満足です、はい。
957 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/03(水) 08:06:37.35 ID:0DkKRPIo
              _ .. -――‐- 、_
.             /: : : : : : : : : : : : : : : \
       __  /: : : :/: : ::/: : .イ |: :ヽ : : : \
.       >: : :`く: : : :/: : ::/: : /_|: l: : :!|V: ヽ: :ヽ
      /: : : : : : :ト : /: : |: i: : :!´ ∨: : |l:|∨: |: i::i
     ノ: : : : : : : :|: : | |: :|:ハ斗.  レ‐' |`i:|::|: |:」
.    'イ: : : : : :!:|:人: :!:|: :|^ ==ミ    ,... イ!」ノ仆
     ソ:/: : : ::い: : ヽ_:ト、|  ''''     ⌒’{: |:ヘ!
     ´"∨!: : :ハ: : ::/ヘ      ___ `  |!/`  完
       |ハ:∧|\::\〈     i  ̄|   !
        ` `  \:`ヽ    丶..ノ  , ′
              `''┤ 、       /
          , -―‐-、」、 ` ーr‐'´
.         /      `丶ヽ、 |
         /         \'ー' 〉'´ ̄ ̄ \
         !       |    `''''′      ’,
         |       ヽ|           !    ',
958 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 08:20:53.73 ID:.Krbk02o
おつです!いつも楽しみに見てます。
次スレ楽しみにしてます!
959 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 11:32:42.88 ID:8o/aHIAO
乙!
神回を観たあとと同じ気分だぜ。
次スレ楽しみに待ってるよ。
960 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 11:38:57.01 ID:NDF9HOMo

おもしろかわいかったよ
961 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 13:52:15.23 ID:fTSasoAO
乙!すごく面白かった!
次スレ期待してる!
純ちゃんと>>1もふもふ!
962 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 14:59:23.81 ID:tOoUMH6o
不満点挙げようと思ったけど、特にないから腹立つ…もとい>>1おつ!
963 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 18:59:13.25 ID:4TB4hTco
純ちゃんのかわいさを気付かせてくれた>>1には頭が上がらんぜ
あと>>936の他人のCDをパソコンに取り込むのは法律的にグレーじゃね?
964 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 00:11:47.89 ID:pjOhPsAO
>>1乙!
次スレ待ってるぜ!

965 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/04(木) 03:16:09.32 ID:4z018AAO
乙!
漫画化希望
966 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 04:41:22.80 ID:kFdrLwDO
乙!
高木鈍ちゃんはやっぱり可愛いなあもふもふ
967 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 07:36:55.39 ID:5uFpxMDO
俺はつっこまないぞ
968 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/04(木) 11:48:23.29 ID:5fGHsq6o
まだ溜まったログ読めてないけど完結したらしいのでコレだけは言わせてくれ。

ホントお疲れ様でした。

そして何よりキャラソン発売決定おめでとう!!
969 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 14:14:28.00 ID:ZAaZxMAO
おつ
そして次スレもがんばれ!
970 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 22:27:47.42 ID:A4y/JYAO
乙です!
次スレも楽しみにしてます!!
971 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/11/04(木) 23:33:52.69 ID:xmDiIkEo
純「ジャズけん!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288880446/

一応立てておきました。
続きは一週間後ぐらいになります。
972 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 07:43:56.74 ID:p3Z2L.AO
おつ
973 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 21:35:12.27 ID:O45wSIUo

ほんと純ちゃん大好きだなww
次スレも楽しみにしてるぜー
974 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 12:46:04.27 ID:YW39sMAO
>>963
遅れましたが、まぁ目瞑っといてくださいww
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