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酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった2 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 02:38:52.45 ID:sRFRH.U0
勇者「どうも、勇者です。これは勇者と魔王系ssらしい」



≪過去スレ≫

○勇者募集してたから王様に会いに行った(初代スレ)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266908272/

収録内容
・勇者募集してたから王様に会いに行った(完結)
・勇者募集してたから王様に会いに行った・外伝 盗賊だけど今日勇者に解雇された(完結)


○酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった(二代目スレ)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269828571/

収録内容
・酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった(一部完結、二部153まで)※勇者募集の続編になります。
・酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった 番外編ss・魔法使いに大切なもの(完結)



≪まとめブログ様方≫

○【SS宝庫】みんなの暇つぶし様
http://blog.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1422410.html

○SS 森きのこ!様
http://morikinoko.com/tag/勇者募集してたから王様に会いに行った



≪リメイク用のブログ≫
http://sssukidesuuu.side-story.net/



≪あらすじ≫

勇者「前作から十数年後、新たな勇者達が魔王を倒すために旅に出た。しかし敵キャラ視点の話が長かったり、過去キャラの番外編があっ
たり、Qw0がし(ry……のせいで主人公達の出番が少なく、全然話が進んでないんだ!!いつになったら私達の出番は来るの!?」
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【クリスマス・年末・年始】連休暇ならアニソン聴こうぜ・・・【避難所】 @ 2024/04/30(火) 10:03:32.45 ID:GvIXvHlao
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714439011/

VIPでガンダムVSシリーズ避難所【マキオン】 @ 2024/04/30(火) 07:03:33.32 ID:jpWgxnqGo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714428212/

今日も人々に祝福 @ 2024/04/29(月) 23:42:06.06 ID:cZ/b8n+v0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1714401725/

ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part12 @ 2024/04/29(月) 20:01:59.10 ID:OQox+0Ag0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714388519/

私が書いた文だ 一度読んでみて @ 2024/04/29(月) 13:03:50.96 ID:zomKow9K0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714363430/

私が書いた文はどう? @ 2024/04/29(月) 12:48:33.59 ID:6mJNXBCE0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714362513/

感情から生まれたものたちとの物語【安価】 @ 2024/04/29(月) 10:45:54.36 ID:0XsgiyN10
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714355153/

【安価】タイトルからあらすじを想像して架空の1クールアニメを作る 2024春 @ 2024/04/28(日) 16:37:54.07 ID:PHuiugtM0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714289873/

2 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 03:09:13.39 ID:sRFRH.U0


--雪の町--

雪の降る夜、路地裏。

太男「ぐへへ。観念したかい?猫のお譲ちゃん」

細男「あ、あっー!いいですねぇその獣耳っ!わしゃわしゃしてあげたいですっ」

中男「ねーこーみーみー」

白猫亜人「ひ、ひぃ。怖いですにゃ……。お、おやめ下さい!それに私は貴方達と違って亜人ですよ?汚らわしいのでは……?」

細男「わ、わわわかってませんねぇ中には亜人じゃなきゃ駄目っていう人種もいるっていうことおぅふっ!!」

白猫亜人「にゃっ、にゃぁ……」

路地裏の奥へと追い込まれる白猫亜人。

???「待てぇい!!」

中男「ぬ!?何奴!?」

男達が声の主を探す。
声の主は、屋根の上で月を背にして立っていた。
3 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 03:09:45.15 ID:sRFRH.U0


--雪の町--

太男「な、なんだあいつはぐふ」

???「ひとーーつ、人の世の生き血を啜り」

バッ、ババ!!

屋根の上の人影はポーズを取る。

???「ふたーーつ、不埒な悪行三昧」

バッ、ババッバ!!

屋根の上の人影はセクシーポーズを取る。

???「みーーーーっつ、醜い浮き世の鬼を退治てくれよう!!!!」

ビシィン!!!!

人影は某超時空シンデレラの決めポーズを取った。

太男「キラッだ!」

細男「キラッだ!」

中男「キラァアアアアアアッ!!」

赤マントと鎧を身に纏った人影は、一人歓喜に酔いしれていた。

???「……決まった!」
4 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 03:10:58.09 ID:sRFRH.U0


--雪の町--

???「とうっ!!」

赤マントは屋根の上から飛び降り、白猫亜人の前で着地する。

シュタッ!!

???「情けない……。女一人に対して三人がかりとはな。チャバネゴキブリどもめ!」

太男「お、おまえなんかに言われる筋合いはないんだぐふ!!」

細男「そ、そそそうですっ!鉄仮面に赤マントなんて、かっこつけてっ!!」

中男「邪魔をするのなら死ねぇい!!」

白猫亜人「あ、危ない!!」

太男は赤マントに突進した。

ドシン!

???「甘い!」

赤マントは太男の突進を左手一本で受けとめる。そして正拳突き。

ドボッ!!

太男「ぐはっ!?」

巨体でありながら宙を舞う太男。
5 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 03:11:35.07 ID:sRFRH.U0


--雪の町--

細男「!!……こいつ。一筋縄ではいかなそうですね……」

中男「俺がやるお!」

中男は背中の剣を抜き走りだす。

中男「おおおお!!」

ヒュッ!

振り下ろした剣を赤マントは中指と人差し指で受けとめ、

バキン!

???「……安い剣だ」

いとも簡単にへし折って捨てる。

中男「え、え、え」

???「そして軽い振りだ。剣はこうやって振るうのだ」

ズバッ!!

中男「っっ!!!?」

抜いた瞬間すらわからない。中男が気付いた時には、既に大剣で切り裂かれた後だった。
6 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 03:12:15.62 ID:sRFRH.U0


--雪の町--

中男「があああ!!いでぇえええ!!」

???「……深くはない。すぐ医師に見せれば死ぬこともない」

中男「あぎょおおおおおおおおお!!」

???「……はぁ」

赤マントが中男に近づいた瞬間、

ヒュッ!!

???「!!」

ガイン!!

赤マントの頭部を石の塊が襲う。

細男「つ、つつつ土属性魔法レベル1!!や、やややりましたっ!!」
7 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 03:13:32.78 ID:sRFRH.U0


--雪の町--

思わぬ角度からの攻撃だったのか、不意を突かれた赤マントは鉄仮面が外れてしまう。

ガンっ

細男「おぅふっ!!わ、わわ私は魔法が使えるんですっ!!え、エリートなんですっ!!」

???「……」

赤マントはゆっくりと振り返った。

細男「はへ?……っ!?あ、あがががががが!!!」

???「……ちょっと痛かった」

細男「ろ、ろろロリ娘!!??」
8 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 03:14:15.34 ID:sRFRH.U0


--雪の町--

少女の額には小さなこぶが出来ていた。

細男「も、ももも申し訳すいませんっ!!よ、よよ幼女に手を出すなどと紳士としてあるまじき行為でしたっ!!」

???「……」

ザッザッ

少女は何も言わず細男に近づいて行く。

細男「し、しし真のロリコンたるもの、現実のロリには手を出さず、守るべし!!その私が、き、気概を加えてしまうなど!!」

???「……」

ザッザッザっ

細男「あ、あぁなんたることだぁ!!……こうなったら、痛いところをなでなでしてあげるしかないっ!ぺろぺろしてあげるしかないっ!!さぁ、こっちへ来るのです!!わたしあがぺっ!?」

ボゴっ!!!

少女の拳が細男の頬にめり込む。

???「……ぶっ飛べ!!」

その後、少女は風属性魔法を使用し、三人の悪漢を吹き飛ばしたという。
9 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 03:15:06.58 ID:sRFRH.U0


--雪の町--

???「全く!あんなのばかりなのか世の中は!!」

少女は腕を組んで怒っている。

白猫亜人「ありがとうございましたにゃ……そんな小柄なのに、お強いんですね」

???「あ、大丈夫だったか?怪我は無い?」

白猫亜人「はい。なんとお礼を申し上げればよいのか……」

???「いい、そういうのも私の仕事なんだ」

白猫亜人「……え?そんな若いのに警護団か何かの方なんですか?」

???「いや、違う」

白猫亜人「じゃあ……騎士様?」

???「それも違う、私は……」

少女の赤マントが揺れる。

???「私は勇者だからなっ」
10 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/06(月) 03:15:32.62 ID:sRFRH.U0
そ、それではまたいつかおあいしましょうノシ
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 04:07:25.00 ID:Ps5nJNwo
うぉっ
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 07:38:35.92 ID:tKcVu2ko
これはこれは
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/06(月) 08:34:23.90 ID:7WXWB6SO
ロリッ子+勇者?=…!?

しかし一人とは?
あ、前スレ埋める?
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/06(月) 08:36:44.92 ID:7WXWB6SO
スマソ
埋めるっていうか質問が無ければhtml依頼だせば?
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/06(月) 11:59:23.95 ID:FxKBgJ60
今前々スレ読み返してる
赤マントと仮面と鎧って貧ny……
前勇者が最初に身に着けてた服なんだな

これは確定か?
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 17:25:25.07 ID:CQ4hMPYo
これは乙
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/06(月) 20:11:26.90 ID:NCWaBsw0
前スレ乙でした

コレはwwww勇者タンきますか?
しかしそれじゃああの幸せ結婚生活は何処へ?
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 21:16:52.51 ID:tKcVu2ko
前スレ>>1000
>消滅するハッピーエンド。

おい













おい
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 23:11:06.47 ID:CQ4hMPYo
選択肢フラグですか
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/07(火) 16:58:00.36 ID:uT4nlI2o
そういえば勇者40過ぎてるんだよな
21 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:21:55.35 ID:9JhRlTw0
こんばんはー

ちょっとだけ書きためましたので放出します。区切りが悪かったですからね。
それではいきまうす
22 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:23:00.98 ID:9JhRlTw0


--雪の町--

???改め勇者「すまない、寝床を貸してもらって」

白猫亜人「いえいいんですにゃ!助けてもらったお礼をしたかっただけなんですから……」

勇者「そんなに気にしなくてもいいのに。ありがとう」

白猫亜人「……」

白猫亜人は紅茶を勇者のカップに注いだ。

白猫亜人「この町にはどういったご用で?」

勇者「あぁ、この町というか、近くのダンジョンを制圧しにきたんだ。もう終わったけど」

ズッ

白猫亜人は勇者が紅茶を飲んでいるのを凝視している。

勇者「?どうしたんだ?」

白猫亜人「にゃっ!?あ……あ、えと、確かにさっきは強かったですけれど、本当に勇者様なのかにゃ、と……」

23 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:24:07.99 ID:9JhRlTw0
10

--雪の町--

勇者「うん、まぁよく言われることだからな。私は成長も……あれだからよく疑われるんだ。ちょっと待ってくれ」

勇者は鎧の胸部分に手を入れるとまさぐり始めた。

白猫亜人「にゃ、にゃっ!?」

突然の出来事に驚く白猫亜人。

勇者「んと……あったあった、テレレレレレ〜ゆうしゃしょうめいしょ〜〜……こ、コホン、これを見てくれ」

勇者は赤面しながら証書を渡す。

白猫亜人「……この者を勇者と認める。なお、本人確認をする際には、その限りなく平らな胸を見てもらえればわかることとおも」

バシッ!!

勇者は白猫亜人から勇者証明書をひったくった。

勇者「……」

白猫亜人「……どうやってこれが入ってたのかと思ったけど、胸の部分はスペースになって」

勇者「違うから勇者じゃないから」

勇者の目は笑っていない。
24 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:25:07.30 ID:9JhRlTw0
11

--雪の町--

白猫亜人「え?」

勇者は自分で勇者と名乗っておきながら、勇者であることを否定した。

勇者「ち、ちち違うもん!!勇者じゃないから別にこれは!!」

白猫亜人「にゃにゃ!?貴女は勇者様なんですよね!?そして証書にある通りに胸は断崖絶壁ギアナ高地と」

勇者「そんな説明文じゃ無かったはずだ!!」

白猫亜人「むしろマイナスと」

勇者「へこんでないよ!!」

白猫亜人「着物はスレンダーの方が似合うかと」

勇者「慰めになってないよ!!」

ズイッ

白猫亜人「……とりあえず、確認させていただきますにゃ」

勇者「や、やめろぉぉぉぉぉぉ!!」
25 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:26:00.56 ID:9JhRlTw0
12

--雪の町--

チュンチュン朝チュン。

勇者「絶望した絶望した絶望した絶望した絶望した絶望した絶望した絶望した絶望した失望した絶望した絶望した絶望した絶望した」

白猫亜人「正真正銘の勇者様とお見受けいたしましたにゃ!!」

ベッドで恨めしそうに白猫亜人を睨む勇者。

勇者「……私をこんなに辱めてまで、確認したかった理由はなんだ?」

白猫亜人「あ……」

勇者「もとい、私が本当の勇者なのかを確認したかったのはなぜ?」

白猫亜人「……」

白猫亜人はしばらく沈黙し、そして勢いよく土下座した。

ガッ!

白猫亜人「無礼をお詫び致します勇者様!!大変申し訳ありませんでした!!私は、私は本当の勇者様を探していたんです!!是非お力をお貸し下さい!!」

勇者はベッドに座り直すと、真面目な表情で口を開いた。

勇者「聞こう。何があった?」
26 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:26:41.02 ID:9JhRlTw0
13

--雪の町--

白猫亜人「始まりは彼ら、王国の研究員達がこの地に来たことから始まりますにゃ」

勇者(……王国の研究員……)

白猫亜人「彼らはモンスターの生態調査だと言って、町外れに一軒の建物を建てたんですにゃ」

勇者(研究員が、もしあの人が来ていたなら……きっとまともな形で終わらせはしないはず……)

白猫亜人「彼らは確かに調査をしていました。でもモンスターの生態調査というよりは、何かの実験を繰り返しているようでした……」

白猫亜人の声は次第に震えたものとなる。

白猫亜人「彼らはたまに人員を募集してきました。モンスターの相手をするには我々だけでは難しいから、と。でも……戻ってきた人は一人も……いません」

勇者「……それで?」

白猫亜人「町の人達も変だと思っていたんです。でも役人さん達は彼らに協力しろ、と一点張りで……それで……それで二週間前に、夫……も」

勇者「連れていかれたのか」
27 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:27:28.91 ID:9JhRlTw0
14

--雪の町--

白猫亜人「私、怖かった!!だからあの人に行かないで、って何度もお願いしたんです……でも、あの人は正義感が強い人だったにゃ」



白猫夫『俺、行くよ。彼らが何をしているのか知りたいし、悪いことをしているんだったら止めたい』

白猫亜人『で、でもっ……もし、もし貴方が帰って来なかったら私っ!!』

白猫夫は白猫亜人の肩にそっと手を乗せる。

白猫夫『絶対に帰ってくる。俺はお前たちを残して死んだりしないから』

白猫亜人『……あなたっ!!』

白猫夫『お前っ!!』

ヒシッ



白猫亜人「そこから二時間にも及ぶ交尾が」

勇者「台無しだよ!!」
28 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:28:11.38 ID:9JhRlTw0
15

--雪の町--

白猫亜人「それであの人をずっと、ずっと待ちました。でも、いてもたってもいられなくて……私は……あの施設に行きました」

勇者「え……」

白猫亜人「あ、そういう意味じゃないです、忍び込んだんです。私元々盗賊だったんで隠密行動は得意なんですにゃ」

勇者(盗賊スキル+亜人の身体能力。確かにばれずに忍び込めるかもしれないな)

白猫亜人「過酷な重労働をさせていると思ったんです。だからその実態を紙に書き記し、役人に届けようと……思っていました……甘かった」

勇者「……」

白猫亜人「中の惨状を上手く説明出来る……自信がありません……私、私……」

彼女が見た施設の内部は、地獄だったという。
人間同士の殺し合い、攻撃魔法の威力実験のために貼り付けられた人、突然焼け死ぬ人間や、モンスターの顔や手足と交換させられた人間。

そして、

??『し、侵入者、はは、はっけン』

白猫亜人『!?……え?』

侵入した彼女を最初に発見したもの、それは

白猫亜人「四本の脚と毛むくじゃらの両手そして……夫の顔を持つ化物でした……」
29 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:28:47.67 ID:9JhRlTw0
16

--雪の町--

白猫亜人「必死で目を擦った!!でも、でもそれはああぁぁん!!」

白猫亜人は大声で泣き喚いた。自らの体を引き裂かれたかのようなひどい声で。

勇者「……く」

白猫亜人「私はっ、逃げました!!そして役所に伝えました!!でも!」



役所員『……はぁ、ったく怖い形相で話し始めるからなにかと思えば……。昼間っから夢見てんじゃねぇよ奥さん』



白猫亜人「……頼れる人はもういません。愛する人ももう……。だからお願いです……お願いです勇者様!!あの施設を破壊して下さい!!」
30 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:30:08.84 ID:9JhRlTw0
17

--施設--

この世界は地獄。

感電している少年「ぎゃあああああ!!」

???「……あれが始まってからどれくらいになる?」

?「……さぁ。もうずっとですよ〜」

感電している少年「あああああ!!」

???「かわいそうだな……早く楽になっちゃえばいいのに。ああなったらどのみちおしまいなんだから」

?「そうですね〜」

地獄は続く。生きているからこそ続く。

なまじ他人より強いせいで、私は他人より長くここにいる。

感電している少年「あああっ、ああ、あ、ああ」

???「そろそろか……」

?「そうですね〜」

いいなぁ……弱くて。
31 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:30:37.38 ID:9JhRlTw0
18

--施設--

感電している少年「ああ……あ……あ」

私はちょっとだけ強いからいつまでもここにいる。
明日は私の番だと、ずっと怯えて生き続ける。

感電している少年「……」

???「終わったか。南無……」

?「……ふ」

全く持って羨ましい限りだ。
彼はほんのちょっとしか地獄を味わわずにあの世に逃げ込んだ。
それもこれも彼が弱いからこそ手に入れた特権。

?「ふふ……ふふふ〜」

???「……気でも触れたのか?」

?「ふふふふふふ〜」

早く私にもあれが来ないかな。

???「いや……それも当然か……。早く寝たほうがいいぞ36号」

?改め36号「ふふふふ〜」

だって私は早く死にたいのだから。
32 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:31:48.15 ID:9JhRlTw0
19

--施設--

研究員「中々持ちこたえまーすねー、本国から持ち込んだあの三十番台はー」

ロン毛研究員「百番台がゴロゴロと死んで行く中すごいですよね。三十番台はどんなアプローチでしたっけ?」

眼鏡研究員「確かモンスターと中身全とっかえ……あ、あれは五十番台か。えーと」

研究員「鬼の心臓。それと細胞の活性化ですかーね」

眼鏡研究員「おお、そうだそうだ。あの伝説の生物と言われる鬼のサンプルを利用した実験番台でしたな。鬼など眉唾物でしたが……こうまで成果を見せ付けられては、信じるしかないかもしれませんね」

ロン毛研究員「私は見たものしか信じません。石のようになった鬼の血の結晶だなどと……あれはきっと魔石か何かで……」

研究員「なんでもいいじゃないですーかw今は人造勇者の実験中、他のことなんかに目もくれーず、成果にだけ目をむけまーしょ」
33 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:32:41.58 ID:9JhRlTw0
20

--施設--

ゴポッ

ロン毛研究員「それはなんですか研究員?」

研究員「あー、これですーか?見せたこと無かったでしたけー?」

ロン毛研究員はカプセルに入った胎児を指さして言った。

研究員「これはですねー、人造勇者実験と同時進行でやってるんですーよ。着手したのはこっちのが早いんですがねー」

ロン毛研究員「へぇ……胎児のわりに、魔力量が恐ろしい数値を示していますね……。研究員、貴方世界を滅ぼしたりしないでくださいよ?」

研究員「あはー。そんなことするわけないじゃないですかー」

眼鏡研究員(……ちょっと不安ですね。北の王とまた違ったベクトルの頭脳の持ち主……最狂の頭脳……)

研究員「あーはーはーはー」





            勇者募集してたから王様に会いに行った
               番外編ss・isの踊子
34 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:35:55.84 ID:9JhRlTw0
今更ながら952さんにコメント返してなかった……心遣いありがとうございます。さすがに私も危険を感じ始めましたので、またちょろちょろと休んでしまうかもしれませ。ご了承いただければと……

それではきりがいいので、本日はこれにて終了とさせていただきます。

それでは質問、疑問などがありましたら書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/07(火) 19:37:10.52 ID:uT4nlI2o
乙、踊り子との出会いってもうちょっとライトな話だと思ってたよwwww
36 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/07(火) 19:57:33.23 ID:9JhRlTw0
南の王国と北の王国であれ?と思う方もいるかもしれませんが、ちょっとやりやすくおもしろくするために変更いたしました。ご了承ください……。
け、決して寝ぼけてて勘違いしたなんてことないんだからねっ!!??
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 20:33:44.02 ID:hzhR1cSO
こいこい
勇者って今45か…
合法ロリ……ゴクッ
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 21:00:48.43 ID:hzhR1cSO
スマン上は無視してくれ

リアルを頑張れ!
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/07(火) 22:05:10.98 ID:fNsRygDO
30分か・・・
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/07(火) 22:29:44.52 ID:IZR.qcDO


ツインテファンなんだが…しまいにゃ泣くぞ…
面白いからいいけど
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 00:59:38.61 ID:CGxvooUo
結局そっちもやるのかい
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 07:43:00.74 ID:A71tp6DO
猫にゃんの交尾か…。
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/16(木) 05:31:54.24 ID:8R8yPQDO
乙です。
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 00:56:47.98 ID:ExbBtlY0
久々に来たら2スレ目まで入ってたのか乙
頭の処理能力が追いつかなくてキャラが覚えられないwww死にたいwww
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/19(日) 07:35:32.61 ID:gpM6F2DO
最後の投下から結構経つがスレ主は元気にやっているのだろうか?
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/19(日) 14:06:49.82 ID:5Up0mTwo
あぁもう二週間近くになるのか
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/20(月) 13:00:34.24 ID:LLQxpsSO
今1はSSS(死にそうな 就職 戦線)の最前線で戦ってるよ

奴はきっと帰ってくる
待とうではないか
48 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/22(水) 23:35:31.74 ID:5UJXguA0
お久しぶりです。。
長いこと放置で本当すいません。

もはやラストチャンス。がんばります。

ssは現在書き溜めにしています。もうしばらくお待ちくださいm(__)m
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/22(水) 23:51:22.02 ID:Ud4r1EDO
1の生存を確認! 元気にしてればそれでよし!
続きは気長に待つさ(^^ゞ
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/23(木) 01:52:15.20 ID:vc9y0gSO
確認

無事を祈る
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 03:07:43.02 ID:RXKwI3Mo
生きてたか
頑張ってください
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 07:29:43.13 ID:BkPoXcMo
ポケモンやってんじゃねーだろうなwwwwww
無理しないでください
53 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 11:56:18.74 ID:/Kiw7os0
明日は鰻屋の説明会……
こんにちわー。私です。色々とありがとうございます。

本当は全部書き終えてから一気に投下しようと思いましたが、最近書けてないので、小出ししたいと思います。それでは随分とあいてしまいましたが、投下しますー。
54 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 11:58:05.99 ID:/Kiw7os0
21

--施設--

勇者「……」

勇者は施設のダクト内に忍びこんでいる。



勇者『駄目だ、君はここで待機していろ』

白猫亜人『え!?にゃ、にゃぜですか!?私はある程度だけど施設内の構造を理解しています。役に立てる自信はあります!!それに頼むだけ頼んで自分は傍観だなんて、いやです!!』

勇者『駄目だ』

白猫亜人『なぜ……ですにゃ』

勇者『私は諸事情により単独行動がなれている。そして……』

白猫亜人『……』

勇者『き、君では狭くて通りづらい場所でも……私なら入れるし』

白猫亜人『ごめんにゃ』
55 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 11:59:31.40 ID:/Kiw7os0
22

--施設--

勇者(ここも通れそうだな。よし、装備換装、軽装ver)

バシュッ

勇者の装備が鎧からセーラー服に変化する。

勇者(……便利な魔法なんだけど、なんでこれ……まぁいいや)

勇者はほふく前進でダクトの中を通っていく。

もぞもぞ

勇者(うー……埃が。我慢我慢)

もぞもぞもぞもぞ

勇者(ん?)

芋虫実験体「……」

勇者の目の前に人並大の芋虫がいた。
56 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:00:28.69 ID:/Kiw7os0
23

--施設--

勇者「ぎゃっ、ぎゃわああああああああああああ!!!!!!」

芋虫実験体「おぎょぽぽぽぽぽぽ!!!!?」

ドゴオオオン!!!!

勇者はダクトを破壊した。


ロン毛研究員「何事です!?この騒ぎは!?」

警備員「一部の実験体が暴れています!!」

眼鏡研究員「そんな、警備用の完全に制御した実験体以外、厳重に管理しているはずなのに!!」

研究員「……ふむー」

研究員は手元の小石を眺めている。

研究員「ふふーん」
57 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:02:16.45 ID:/Kiw7os0
24

--施設--

ペガサス実験体「んー……ペガサスデース」

キリン実験体「ふー、ふー」

勇者「……つい取り乱してしまった」

合成実験体「し、しんぬーさ」

合成実験体は口から火炎弾を吐き出した。

勇者「!?」

ドオオン!!!!

施設内で巨大な火柱が上がる。

キリン実験体「やったか?」

ペガサス実験体「ちょwそのセリフはまずいデース」

58 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:03:15.88 ID:/Kiw7os0
25

--施設--

勇者「熱いなぁもう」

燃え盛る炎の中から、大剣を構えた勇者が涼しい顔で歩いて出てくる。

ペガサス実験体「かすり傷すら無いデース」

キリン実験体「おのれ!!名を、名を名乗れ!!」

勇者(こいつらも……元は人間……なんだよね。でもこうなっては)

キリン実験体「名乗りやがれええええええ!!!!」

キリン実験体が叫ぶと、体の周囲に竜巻が発生する。

勇者(……可哀そうだけど、やるしかないよね)

キリン実験体「くらえええええええええ!!」

竜巻が勇者を襲う。
59 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:04:12.61 ID:/Kiw7os0
26

--施設--

ペガサス実験体「び、便乗するしか無いデース!」

ペガサスは鼻から水を大砲のように発射する。

ビュオオオオオオオオオオ!!!!

勇者「……ごめん、炎属性付与」

勇者が大剣に炎を宿す。そして振り抜く。

ゴオオオオオオオオ!!!

ペガサス実験体「!?」
60 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:05:08.97 ID:/Kiw7os0
27

--施設--

ゴオオオオオオオオ

施設内が劫火に支配される。

ペガサス実験体「そ、そんなバカな……トゥーンデース」

勇者「……やっぱり……私には仲間なんていらないのかもしれない」

勇者は自分の大剣を見つめて佇んでいる。

キリン実験体「俺らの、魔法攻撃を一振りで押し返しただと!?」

勇者「ちょっと本気でやれば周囲がこれだもの……」

合成実験体「う、うほーーーーーー!!!!」

合成実験体は勇者に向かって突進する。

キリン実験体(俺達はこれでも、伝説の勇者の力を組み込まれた存在だってのに、こいつ……)
61 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:07:13.21 ID:/Kiw7os0
28

--施設--

???「なんだ?さっきから外が騒がしいな……」

36号「とんちきパーティでもしてるんですかね〜」

???「そんなわけないだろう」

36号の隣室にいる女性はため息をつく。

???「きっと何かあったんだ」

36号「ふふ……あったからなんだと言うんです?貴女こそ長いことここに入れられてたせいで狂っちゃいましたか〜?1号」

???改め1号「……」

36号「いいじゃないですか、なんであれ。誰かが助けに来ることは無い。私達が助かること、それだけは絶対にありえない。それさえわかってればいいじゃないですか〜」

1号「お前……」

36号「トラブルにしろ、新しい実験にしろ、早く私達が終わるように祈っていましょう〜」
62 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:08:22.99 ID:/Kiw7os0
29

--施設--

眼鏡研究員「ちょ、ちょっと!!この魔力反応を見てください!!」

眼鏡研究員は六角形の石を二人に向けた。

ロン毛研究員「!?まさかこの膨大な勇者因子反応は……オリジナルですか!?」

眼鏡研究員「あぁ、恐らくどこから情報を手に入れて潰しに来たんでしょう!!まずいぞ、勇者には俺達がこんな実験をしているだなんて教えていないんだ!」

ロン毛研究員「くそ!!……!?いやまてよ、だったらこれは王国の研究だと勇者に言えばいいだけじゃないんですか!?」

研究員「無理でしょーねー」

ずずっ

コーヒーをすすりながら研究員が口をはさむ。

眼鏡研究員「!?なんでですか研究員さん!!」

研究員「あの子は徹底的に教え込まれ叩きこまれていますからねーあのお硬い大賢者様にーww。そこに悪事があればなんであれ叩き潰すようにとー」
63 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:10:17.45 ID:/Kiw7os0
30

--施設--

ロン毛研究員「いやでも、見知った私らの顔を見れば納得してくれないものでしょうか?これは王の命であり王国の意志なんだすよ?」

研究員「あの子が私達を発見したら、即座に攻撃してきますよー。王国に扮したどこぞの手先、いや王国の裏切り者と考えつくかもしれませんねー」

ロン毛研究員「うぐ……じゃあどうすれば……」

研究員「逃げます」

眼鏡研究員「!!そんな簡単に言いますが、資料やデータを整理する時間だって!!」

研究員は自分の頭をこつこつと指でつつく。

研究員「もう全部入ってますー」

ロン毛研究員「!?……は、はは。やっぱりアンタはすごい人ですよ!!」
64 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:11:38.14 ID:/Kiw7os0
31

--施設--

ロン毛研究員「よし逃げましょう!!一刻も早く!!」

研究員「待って下さいー。王国がやっていたという証拠だけは消していかねばなりませんよー」

眼鏡研究員「しかしもう王国の研究部隊がこの施設を使用しているという情報は周知の事実です。今更……」

研究員「北の王国にその届け出を出したのは眼鏡さんですよねー?」

眼鏡研究員「え?あ、はいそうですけど」

研究員「そして勇者に顔を知られているのは貴方達二人だけとー」

ロン毛研究員「何を今更……それを言うなら貴方だって」

研究員はポケットから錠剤のようなものを取りだした。

眼鏡研究員「それは?」
65 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:12:42.42 ID:/Kiw7os0
32

--施設--

研究員「うふふー」

研究員はそれをポイと自分の口の中に放り込んだ。

ロン毛研究員「!?なんだ、何を食ったのです!?まさか自殺する気では!?」

研究員「あほですかぁ、しませんよー。これは自分の顔を変える薬ですよー。やれやれ、魔法の才能からきしだから、変身するにも道具の力を借りなければならないなんて不便ですー」

ボコボココ

研究員の顔が波打ち、顔の造形が変わっていく。
研究員は変形が終わるころ合いを見計らい、ポケットから手鏡を取りだして自分の顔を確認した。

研究員「おうおう、いいじゃないですかー」

それはまるで蛙の顔。

眼鏡研究員「い、いとも簡単に自分の顔を捨てやがった……」
66 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:13:13.92 ID:/Kiw7os0
33

--施設--

ロン毛研究員「く、くっ!!背に腹は代えられない!!早く私にもそれを下さい!」

研究員「え?何を言ってるんですかー?これは私一人分しかないですよー?ゲロゲロww」

ロン毛研究員「ええ!?それじゃあ私達はどうするんですか!?」

研究員「そうですねー」

研究員はさも考え事をしているかのようなポーズを取る。そしてカプセルのところに行く。

コツコツ

研究員「起きて下さいー。君を使う時が来たようですー。ちょっと時期が早かったですけど仕方がないですからねー」

????『ゴボッ』

バキっ、バキィン

カプセルにひびが入り、緑色の液体が廊下を濡らしていく。

眼鏡研究員(……)
67 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:13:55.91 ID:/Kiw7os0
34

--施設--

????「ヴー……」

バキバキ

二つの尻尾を持つ胎児がカプセルを割りながら出てくる。

パシャっ

ロン毛研究員「そいつには何か能力があるんですか!?そいつがいれば私たちもなんとかなるんですか!?」

研究員「えー。なんとかなりますよー。さぁ、とりあえずあれだ、やってごらんー」

研究員は胎児に命令を下すと、胎児が動き出した。

????「ヴー」

バヂン

眼鏡研究員「……え」

一瞬のことだった。
胎児は跳躍し、一瞬でロン毛研究員の頭部を粉砕した。
68 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:15:07.23 ID:/Kiw7os0
35

--施設--

????「ヴー」

研究員「ほぉう。中々素晴らしいじゃないですかー。では次は……」

眼鏡研究員「ひっ!?あ、貴方!!元から私達をここで始末する気だったのですか!?」

研究員「いえね、私が一人で逃げるのと、貴方達と一緒に逃げるのと、どっちの方が安全かなんて考えたら一目瞭然じゃないですかー」

????「ヴー」

研究員「貴方の口から情報が漏れる心配もありますしー。ほら、人の口にはどうのこうのって言うじゃないですかー」

眼鏡研究員「ひ、ひっ!!」

研究員「他人の実験の仕方も見れて有意義でしたー。と言っても貴方方の無能さは目に余りますねーw結局私自身が行った1号と36号以外3日も生き延びられなかったのですから」

????「ヴー」

研究員「ここでの研究を糧に、本国に帰ったら必ずや成功体を作ることをお約束いたしますー。ではではー」

ベチャッ
69 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:15:57.86 ID:/Kiw7os0
36

--施設--

ペガサス実験体「ば、化物デース……」

勇者「……」

フロアには数十体の実験体が無造作にころがっている。

ペガサス実験体「わ、わたしたちは弱くナイデース!!弱くない……筈なのに……こうも簡単に……」

じゃり

勇者がペガサスに視線を向ける。

ペガサス「どきっデース!!」

勇者「……お前ももうおやすみ」

勇者の掌に赤い光が灯る。

ガシャアアアアン!!!!

勇者「!?」

施設の二回のガラスが破られ、中から5人の実験体が飛び出してきた。
70 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:17:20.93 ID:/Kiw7os0
37

--施設--

がいこつ実験体「バカメ!!スキガデキルノヲマッテイタノダ!!雷属性魔法レベル4!!」

トイレ実験体「土属性魔法レベル4!!」

扇風機実験体「水属性魔法レベル4!!」

納豆実験体「火属性魔法レベル4!!」

靴下実験体「氷属性魔法レベル4!!」

ドッゴオオオオオオオオオオオオン!!!!

各属性の最強魔法が勇者を襲う。
しかし勇者は微塵も揺らがない。

勇者「全方位逆転バリアー」

がいこつ実験体「なに、」

全ての魔法が反射される。

チュドドドドドオドオオオオオン!!!!!
71 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:18:02.41 ID:/Kiw7os0
38

--施設--

ペガサス実験体「レベル4魔法を全部跳ね返したデース!!で、でたらめデスゆーぎボーイ!!」

勇者「……残るはお前のみだ」

勇者は大剣を構える。

ペガサス実験体「……逃げるが勝ちデース!!」

バサバサ

勇者「に、逃げるなっ!」

戦闘で空いた穴からペガサスは逃げ出した。

勇者「……まぁいいか。一体くらい。あんま危害を加えそうな奴じゃないし」
72 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:18:37.72 ID:/Kiw7os0
39

--施設--

その後勇者が施設を探索していると、ある部屋の扉が急に開いた。

研究員「た、助けてゲロー!!」

中からカエル顔の人間が飛び出してきた。

研究員「もう実験される人生は嫌だゲロ!!あんた助けに来てくれたゲロね!?よかったゲロー!」

????「ヴー」

研究員は胎児を抱きながら勇者のもとに駆け寄った。

勇者「……そうだ、助けに来た。他にもまだいるのか?」

勇者は燃えている資料と、床に散らばった二人の死体を見ながら問うた。

研究員「この階にはもういないゲロが、地下にはまだいるかもゲロ」

勇者「そうか。じゃあ地下に行こう」

勇者は踵を返し、地下への階段を探す。

研究員(うーふーふー)
73 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:19:38.21 ID:/Kiw7os0
40

--施設--

勇者「地下への入り口がどこにあるかわかるか?」

研究員「多分あっちかなゲローリ」

????「ヴー」

勇者「ここ……かな?」

勇者が瓦礫をどかすと、地下へと続く空洞を発見した。

研究員「おぉーあったゲロー!よかったゲロー」

勇者は通路を確認した後、大剣の柄に手を伸ばし研究員を切り付けた。

ブシッ

研究員「!?なんでゲロ!?」

深くは無い傷口を押さえながら研究員は叫ぶ。

勇者「……白々しい。貴方はこの施設の人間だろう?」

研究員「!!……」
74 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:20:41.83 ID:/Kiw7os0
41

--施設--

勇者「顔は変えようとも、体に染み付いた薬品の匂いは誤魔化せない」

研究員「や、薬品をかぶっちまったんだゲロ!!」

勇者「その割りに服は濡れてないじゃん」

研究員「……濡れるッ!!」

勇者「ただ言いたかっただけでしょ!!」

????「ヴー」

勇者「なぜ他の研究員を殺したの?やっぱり口封じ?……研究員さん」

研究員「!!……ふふふ。しばらく見ない間に、ちょっとは成長したみたいですねー。この状況化でもちゃんと観察しているしー。段々勇者が板についてきたようですなー、勇者ちゃん」
75 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:21:21.83 ID:/Kiw7os0
42

--施設--

勇者(……やっぱり)

研究員「例え半信半疑でのかまかけだったとしても、十分評価に値しますよー。でも、なぜ私だと?」

勇者「貴方の実験は結果だけを求めているから品が無いんです。すぐに……わかる」

研究員「ふふふ。全ては結果が出てから取り繕えばいいと思ってますのでー。しかし無駄になっちゃいました、この顔。ゲコッ」

勇者「……これは王様の命令なんですか……?」

研究員「さあねー」

勇者「ッ!」

勇者は大剣を強く握り締める。

研究員「ふふふ。勇者ちゃん、今、嘘発見スキル使ってるでしょ。お見通しさっ」
76 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:22:22.70 ID:/Kiw7os0
43

--施設--

勇者「……」

研究員(これ以上話して情報を与える必要は無さそうだなー)

????「ヴー」

研究員「あぁ、ごめんごめん、もう行こうねー。じゃあ勇者ちゃん、私はおいとまさせていただくよー」

研究員はひらひらと手を降って勇者に背を向けた。

勇者「!!逃がすか!!」

研究員「やっぱり顔見知りの私でも殺すの?」

勇者「殺す。私は全ての悪しき行動を駆逐する義務と権利がある!!」

研究員「ふーん。一体勇者様って何様な職業なんだろねー。まぁいいやー」

研究員は再び勇者と向かい合う。

研究員「勇者ちゃん、一つだけ忠告してあげるー。勇者ちゃんはきっと悲劇的な結末を送ることになるよー」
77 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:23:12.27 ID:/Kiw7os0
44

--施設--

勇者「な、何を言って」

研究員「……今のは私なりの勇者ちゃんへの贈り物。未来がわかっているなら覚悟もしやすいでしょ?」

勇者「ッ!!ただの呪咀にしか聞こえない!!」

勇者は全力で切り掛かった。

????「ヴー」

ガキィィィン!!

勇者「……な」

しかし大剣は胎児の尻尾で防がれてしまう。

研究員「じゃあ、次があるかはわからないけど、またねー」

ズブブ

胎児から天使のような羽が生える。

バサッバサッ

勇者(私の攻撃が……防がれた?)

勇者は彼らが穴から外にでていくのを呆然と眺めていた。
78 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:24:16.25 ID:/Kiw7os0
45

--施設--

白猫亜人(うわ、随分すごいことになってるにゃ)

ダクトの中から白猫亜人が顔を出す。

白猫亜人(やっぱりマジもんの勇者様だったんだ……)

シュタッ

ダクトから飛び降りて着地。

白猫亜人(やっぱり勇者様にだけ任せておけない……あの人は、あの人だけは!!)

白猫亜人は四足で疾走する。そこは野生の力なのか、風のように通路を駆け抜ける。

白猫亜人(確か前はここら辺辺りで……)

道の先まで見渡すも、生物の姿を確認することもできない。

白猫亜人(……捜し回るにゃ)
79 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:25:22.79 ID:/Kiw7os0
46

--施設--

勇者(この施設で一体何の実験をしていたんだろう。資料は燃えていたからな……)

カンカン

勇者は地下への階段を降りていく。

勇者(どの実験体も強かった。大賢者様を除けば、あれほど強い敵はみたことがない)

カンカンカン

勇者(!!……何か感じる。何だこの感覚……呼び合っている?共鳴?)

勇者は新しい感覚に戸惑いを感じた。
80 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:25:51.89 ID:/Kiw7os0
47

--施設--

1号「……何かが来るね。凄いプレッシャーだ……でもこれを知っている」

36号「なんでですかね〜……」

1号「多分」

ギィ

彼女らのいるフロアのドアが開かれる。

勇者「ここか?」

勇者は檻の中に入れられている二人の少女の姿を確認した。

1号「……あれがオリジナルなんだろう」

36号「……ふ、ふふふふ!」

81 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:26:35.75 ID:/Kiw7os0
48

--施設--

勇者「君達……二人だけか?」

勇者は辺りを見回しながら質問する。

1号「助け……なのか?……そして勇者、だな?あんた」

1号は警戒しながら立ちあがった。

勇者「……あぁ、そうだ」

勇者は檻に近付いて行く。

勇者(……彼女たちは、大丈夫なのか?人に害をなさないようであれば助けるのだが)

36号「ふふ、ふふふふ!!」

36号は立ちあがり檻を掴む。

ガンっ

36号「貴方が、貴方が天下の勇者様ですか〜!!」

勇者「?」
82 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:27:18.02 ID:/Kiw7os0
49

--施設--

1号「おい」

36号「今も人助けの最中なんですか?勇者様は〜。さすが勇者様です〜。こわーい人達に体をいじくり回されている可哀そうな私達を助けに来てくれたんですか〜?感激です〜」

勇者「……何が言いたいんだ?」

36号「全ての元凶が何様だって言ってるんですよ〜」

勇者「!?」

1号「おい36号……」

36号「でも残念ですね〜ここに人はいませんよ〜?ここにいる実験体は全て、ある化物から抽出されたエキスを元に、非人道的な改造を受けた化物もどきですからね〜!!」

勇者「まさか……まさかそういうことなのか?」

36号「そうですよ〜。間違いありません〜。いじくられた私の体が答えるんですよ〜。分かたれた体がそこにあるってね!!」
83 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:28:13.35 ID:/Kiw7os0
50

--施設--

36号は檻を揺らす。

36号「お前が、お前が全ての元凶だ!!お前なんかがいたから人は夢を見たんだ!!人類の希望?はっ!!私達にとってはちっとも希望なんかじゃない!!」

勇者「っ……」

勇者は36号を直視できず視線をずらす。

1号「もう気が済んだだろ、やめるんだ」

36号「1号は悔しくないんですか!?憎くないんですか!?こいつがいなければ私達がこんな目にあうことなんて無かった!!こいつが人知を超えた化物だったからっ……くっ」

36号は地面にしゃがみ込んだ。

1号「……なぁ、あんた。あんた……自分のデータとか、血液とか、誰かに渡したことあるか?」

勇者「……あぁ」

36号「!!」
84 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/09/23(木) 12:29:35.94 ID:/Kiw7os0
それではきりがいいので、本日はこれにて終了とさせていただきます。

大変空いてしまってごめんなさい。現実という最大の敵との交戦中です。いましばらく……

それでは質問、疑問などがありましたら書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/23(木) 13:03:03.30 ID:vc9y0gSO
話が複雑になってきたけど大丈夫か?書き手も読み手も。一応俺は何とかなってるが

誰か相関図を書いてくれたらうれしい

てかペガサスwwあからさますぐるwwww

途中トイレとかの捨て駒っぷりがまたなんともww

今回色々シリアスの中にネタが多かったなww濡れる!とか
落ち着いて考えたらひんに…勇者今セーラーか……ゴクリ…
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/23(木) 13:04:10.23 ID:vc9y0gSO
あ〜リアルで死ぬなよ
応援してる
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 16:04:10.27 ID:UTBjEqko
乙なんだぜ
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 16:18:41.67 ID:TBEIEx2o
ペガサスってそっちかww
乙ww
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 20:46:22.20 ID:RMkrY2DO
謝る事なんて無いでしょ。
無理せずマイペースに完結させて貰えればそれで良いと思う。
いつも有り難うとお礼を言いたい!
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 22:04:11.47 ID:Bat53gDO
支援
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 23:29:01.20 ID:EGwK0Q20
ここの>>1は投げはしないと思うが
そろそろ生存報告くらいほしいな
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 00:41:49.72 ID:l4U0Sr2o
今リアルで忙しいんだから察してやれよ…
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 00:58:50.54 ID:zeSZkMk0
それだけ楽しみにしてるってことだよ
94 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2010/10/07(木) 09:15:13.49 ID:uw.bHsDO
ごめんなさい放置でした!!今日帰ったら更新……出来るかな?……いや、したいと思います!!m(__)m


95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/07(木) 09:29:40.47 ID:L5SCz.SO
確認

マジで無理すんなよ
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 18:29:25.42 ID:hozHhpMo
うほ
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/07(木) 20:41:48.05 ID:4MApRz60
やべぇ、テンション上がってきたwwww
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 20:44:29.83 ID:NhXmT5ko
おk
待っていたぞ
99 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 21:50:07.04 ID:ZmaCCcs0
Qw0「こんばんはー………………人生どないしよ」

@しょぼいとこでもとりあえず就職だっ!!
A男なら夢に生きるんだ!!






お久しぶりです。10時ごろからss再開したいと思います!
どうかそれまでに、あの、おさらいとかしておいた方がより楽しめるかと……長くあいたせいでお忘れでしょうから……

m(__)m!!
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 21:54:09.25 ID:fyL5/kIo
>>99
夢は何?
101 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:00:15.44 ID:ZmaCCcs0
えーっと、
創作系です。。今はそこまでしか。。。。
102 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:00:49.28 ID:ZmaCCcs0
51

--施設--

1号「自分から提供したのか?」

勇者「いや。……だが今思えばそれが何に使われるのかなんて、容易に想像できたことだな」

1号「……だろうな」

勇者はいまだに自分のことを睨んでいる36号に向き直る。

勇者「しかし私を怨むというのなら逆恨みだ。私の存在まで恨まれる理由は無い」

35号「ぐう!!」

勇者「ともかく、君らは外見上は人と変わらないし、会話も十全に出来るようだ。もし君らが人を傷つけないと約束するのなら、そこから出そう」

1号「人を傷つける?そんな気なんてないさ。この力だって欲しくて手に入れたわけじゃないんだ」

勇者「そう……だろうな」(でも人に恨みは……)
103 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:06:55.48 ID:ZmaCCcs0
52

--施設--

36号「腹が煮え繰り返りそうです……なんで、なんであんたなんかに命を握られなきゃならないんですかっ……」

1号「もうやめろ……彼女の言う通り、それは逆恨みだ。恨むなら施設の研究員達を恨め……」

36号「わかって……ます、わかってますよ!!それでも恨んでないと狂いそうになる!!少しでも今の状況を生み出したことにかかわり合いがある奴を、片っ端から!!」

36号は涙に滲んだ瞳で勇者を睨む。

36号「正しいとか真実とかどうだっていい!!」

36号は過去を振り替える。かつて自分のことを姉と慕う少年の笑顔。

36号「私の日常が奪われたことには変わりないんだ!!」

黒服の男達に連れ去られようとしている幼き日の自分。

36号「私の体を元通りにしろ!!」

黒服の男達に飛び掛かった弟は切り捨てられる。

36号「ただ……ただお前が憎い!!」

1号「……!?これは……暴走!?やめろ36号、落ち着け!!戻れなくなる!!」

36号の体の所々が裂け始め、魔力が漏れはじめる。
104 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:14:49.66 ID:ZmaCCcs0
53

--施設--

空を漂う研究員と羽の生えた胎児。二人は鳥も飛ばない高度から施設を眺めていた。

研究員「そろそろ彼女らは接触しましたかねー。36号は勇者と会った時にスイッチが入るようにしてありましたから。さて、最後の実験は高みの見物ですー」

1号「36号!!ダメだ!!」

36号「う、ううう!!ウアアイアアアア!!」

36号は鉄枷を粉砕する。

1号「!?対魔物質で出来た枷を!?」

勇者「!!」

ギギギィ

36号が手を触れると、檻は簡単に歪み始めた。

36号「アアアアアアア!!」

そして強力な魔力爆発が発生する。

ドゴォォォン!!
105 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:23:17.57 ID:ZmaCCcs0
54

--施設--

勇者「げほっ、ごほっ。今のは一体……」

粉塵を払い、視界を確保しようとする。

ユラッ

勇者「……っ」

立ち上がった影が視界の端に映る。そして、

36号「あ、亜は波はは!!凝んな体にナッテカラ、本気なんてダシタコトなかっ他けど、スゴい……なんてちから!!今ならドンナも野でも壊せそう〜」

勇者「……力に飲まれている」

1号「や、やめるんだ!抑えろ36号!!」
106 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:31:56.19 ID:ZmaCCcs0
55

--施設--

36号「……もう無理デスよ1号……私、リミッター外れちゃったミタイデスもん〜……貴女はニゲテくだ再〜貴女まで傷つける理由ナンテ無いデスから〜」

1号「自分の身を案じて言ってるわけじゃない!」

36号「わかってマスよ、それくらい私二だって……でも、モウ、止められ、ない!!」

36号は渾身の力を込めた右足で勇者を狙う。

ドゴッ!!

勇者「ぐっ!」

勇者はそれを左腕でガードするが、いとも簡単に弾き飛ばされてしまう。

ドザッ

勇者「私が……ガード仕切れない?」

勇者は痺れた自分の左腕を見て驚いていた。
107 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:40:54.14 ID:ZmaCCcs0
56

--施設--

36号「アタリマエです夜〜いくら模造品と言えど私の力は貴女の力。効かぬ道理は無いです余〜」

36号は跳躍し、勇者に次の一撃を放つ。

36号「ドゥリルゥ……」

36号は空中で回転する。右足に一極集中された魔力は閃光を放ち、光の帯のように目に映る。

勇者(やばい……あの光は私の、六色魔法の光!!)

36号「イナズマ蹴り!!」

足に集中させたのとは別の魔力を反対方向に放出。36号は空中で推進力を得て、爆発的な速度で落下した。

ギュン!!

勇者「!!」(回避がまにあ)

ドギャギャギャギャギャ!!
108 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:47:30.51 ID:ZmaCCcs0
57

--施設--

勇者は防御体制を取るだけで精一杯。クロスした両腕の上で36号はコマのように回転している。

ビヂ、ビヂャヂャヂャヂャ!!

あっという間にガントレットは突破され、その下の肉が掘られ始める。

勇者「ぐっ、ぐああっ!!」

36号「ヤリ、ますねェェ、まさか、今のワタシの攻撃をスキルも魔法も使わずにタエテルだナンテ!!」

しかし回転は止まらず、勇者の血が部屋を塗りつぶしていく。

1号「36号!!」

勇者(ダメだ、まずい、ガードを下げたいけど踏張ってないと押し込まれる!!でもこのままじゃ自分から差し込むことに!!)

36号「おら、オラオラ、おララララー!!」

36号は更に魔力を放出、回転速度が増していく。
109 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:52:33.66 ID:ZmaCCcs0
58

--施設--

勇者(だめっ!!もう耐えきれない!!)

バヂュン!!

腕を粉砕した36号の爪先が勇者の平たい胸に接

勇者「独自開発魔法、アリスパーティ」

ビャー!!

36号の攻撃が身体に触れるか否かの瞬間、六色の光が勇者から放たれた。

1号「ぐっ!?」

36号「うおっまぶし!」

眼も眩むような閃光。
110 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 22:55:48.75 ID:ZmaCCcs0
59

--施設--

36号「なにが……起こったンデ巣か〜……」

気付けば36号の回転は止まっていた。しかも空中であの体勢のまま。

36号の自分の右足を見てみると、そこには4つの変な物がまとわりついていた。

?「やいやいやい、よくもうちのアリスをいじめてくれたにゃ」

??「アリスさん、今腕を治しますっ」

???「ひひww久しぶりだなぁおっおっww」

????「お、おで」

36号「!?」

奇妙な猫と、眼鏡をかけたウサギ、動く帽子と、巨大なうさぎ。
111 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:04:55.58 ID:ZmaCCcs0
60

--施設--

眼鏡をかけたウサギはぴょんぴょんと跳びはねて移動する。そこには片腕のとれた小さな少女がいた。

??「アリスさん!大丈夫ですか!?」

勇者改めアリス「痛い……」

少女は体育座りをしてうずくまっている。

アリス「早く治して……白兎」

??改め白兎「了解です」

白兎は小さな両手をアリスの腕に向けると、水の治癒魔法がかけられた。

白兎「すぐよくなりますよ、私のアリス」
112 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:08:35.74 ID:ZmaCCcs0
61

--施設--

???改め帽子屋「ひひひwおいらは帽子屋ww」

?改めチェシャ猫「俺はチェシャ猫だにゃ」

????「お、おで!」

帽子屋「ひひひwこのどんくさいのが三月兎www」

????改め三月兎「お、おで」

36号「な、なんデスかこれは〜。何かのお遊戯デスか〜……ふっ!!」

36号は身体を思いきり捻り、足に纏わりついていた奴らを弾き飛ばす。

1号「36号やめろ!仮にも勇者の魔法なんだ、しかも追い詰められた状況で使ってきた。これは危険だ!!もう馬鹿なことはよせ!!」

36号「駄目デスヨ1号〜。今やらなきゃ無残に朽ちて行ったハラカラが浮かばれません〜私の恨みがキエマセン〜」
113 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:17:37.55 ID:ZmaCCcs0
62

--施設--

36号(こいつらがヤバイッテのは分かって益代〜……マガリナリニモ今の私ノ攻撃を無傷デ不正じゃったンデスカラ〜)

36号は地面を踏みしめた。

びしぃっ!!

それだけで地面はひび割れ、無数の石が舞う。

36号「雷属性攻撃魔法、雷石砲!!」

36号は空中を漂う石々目がけ、電力を帯びた右足で蹴りだした。

バチィっ

チェシャ猫「にゃ?」

ドシュドシュドシュゥぅん!!!
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/07(木) 23:20:19.21 ID:L5SCz.SO
ちょwwwwwwwwww
盗賊達じゃねぇかwwwwwwww
115 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:23:50.59 ID:ZmaCCcs0
63

--施設--

電速の砲弾が放たれる。
しかし、

三月兎「おでっ!!」

三月兎は全身を土塊と化し、その攻撃を全て弾いた。

36号「!?」

三月兎「!し、しまった」

ヒュン!

仕損じた石がアリスに向かって飛んでいく。

アリス「!……守って」

その一言でアリスの影から炎が出現しアリスを覆う。
石はアリスを守る炎の膜によって跡形もなく融かされた。
116 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:31:03.25 ID:ZmaCCcs0
64

--施設--

1号「なんだこの魔法は……本体の勇者が、先ほどより圧倒的に弱体化している……そんな魔法ありえるのか??」

アリス「……」

帽子屋「教えてやんよwwwおいら達はアリスパーティwww友達も仲間も、あいつの傍には一人たりともいないwwそんな中で苦し紛れに産みだしたのがおいら達さwwwwあいつは自分の魔力で作りだしたものしか友達がいねぇんだよwwwぶべっ!!」

三月兎の拳が帽子屋の頭を叩く。

三月兎「あ、アリスさんの、悪口は良くない……」

帽子屋「けへへww何言ってんだよwwお前だってそういう用プログラミングされてるだけなんだぜwwwおいらは皮肉がかりなのさwww」

1号「……ややこしすぎる魔法だな」

36号「……」
117 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:31:39.82 ID:ZmaCCcs0
65

--施設--

36号「は、一人が寂しい〜?何をイッテンダカ〜。とりあえず、あの人の能力が激減シタトいうことは……」

ドッ

36号は跳躍し、再び空中で回転を始める。

36号「アッサリと殺しやすくナッタってことにほかならないじゃないデスカ〜!!」

チェシャ猫「そうはいかねぇんだにゃ」

36号「!?」

36号は驚きのあまり体勢を崩す。それもそのはず、いきなり顔だけの猫が出現したのだから。

36号「なっ」

チェシャ猫「スキル、インビジボゥ。さらにポリゴンフラッシュ!!」

ビカッ!!

チェシャ猫の眼球が光り輝き、36号の視覚を奪い去る。

1号「36号!!」
118 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:32:24.45 ID:ZmaCCcs0
66

--施設--

36号「くぅ〜くらくらします〜吐き気をもよおします〜」

36号は地面に着地した後も立ちあがることが出来ない。

帽子屋「うぅしwwおいらもやってやんよwwサンダーww」

ビッシャァアアン!!

36号「ぎゃうっ!!」

帽子屋「ひひひwwいてぇだろwwwおいら達は勇者から一属性ずつ奪って独立してんだwww雷魔法だけなら勇者とそん色ねぇんだぞww」

チェシャ猫「……お前ばらしすぎてんぞ。いくら喋りたがりのうるさい設定だからっていいすぎにゃ」

帽子屋「うwるwせwww」

36号「……奪う〜?」

1号(勇者は全六属性……そしてあのへんてこなやつらは全部で4体。なら今の勇者本体は2属性しかないとでも?)
119 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:33:00.69 ID:ZmaCCcs0
67

--施設--

36号(これはイイことを聞きました〜。さっきの白兎は水の魔法を、でかい兎は土、うるさい帽子は雷、そして本体は火をツカッタわけです〜。本体を叩くのに適していない属性は風、これは駄目です〜。火に負けちゃいマスカラね〜。あと出てないのは風と氷ですけど、相性的に水で押すのが安定ですカね〜)

36号は両手を合わせて魔力を圧縮する。
そして

36号「対単体水属性攻撃魔法、レベル3!!」

激流のような水が36号の掌から放出される。

帽子屋「あーwwwやっちまったなwwwwばーかばーかww」

36号「!?」

帽子屋「おいら達は自由意志があるようでいてねーのさwwさっきから言ってるようにプログラミングされてっからよぉwww」

1号(!!嫌な感じが)

チェシャ猫「完膚なきまでの殺意を感じたにゃ。アリスのためにお前を殺す」
120 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:33:46.09 ID:ZmaCCcs0
68

--施設--

白兎「アリスさん下がってください!水属性防御魔法、水鏡!!」

ドバッシャーン!!

白兎が作りだしたのは薄い水の壁。本来なら激流に耐えるわけがないのだが、まるで水の鏡が別次元への入り口にでもなっているかのように水を無効化していた。

三月兎「ふんっ!!」

激流を掻い潜って接近してきた三月兎は、36号の下からアッパーを繰り出す。

ガシィン!!

36号「っ!!」

36号はそれを左のひざで防ぐも、その破壊力の前に後ろに倒されてしまう。

チェシャ猫「ほーれ」

36号の落下位置にチェシャ猫の顔が出現する。大きく口を開けたと思うと、その中から小さな風の刃が無数に飛び出して36号を襲った。

バシュバシュバシュ!!!!
121 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:34:21.36 ID:ZmaCCcs0
69

--施設--

36号「ぎゃああああああ!!!!」

1号「なぜだ……完全体の勇者ですら押していた36号が、なんでこうも一方的に……」

帽子屋「そりゃー当たり前だぜww確かにおいら達は勇者の6分の1しかパワーがねぇ。でもおいら達には勇者にある弱点が存在しねぇのさww」

36号「弱……点?」

チェシャ猫「おい喋り過ぎだにゃん。この帽子ひっぱって使い物にならなくしてやるにゃん」

ぎぎぎぎぎ

帽子屋「あてててwwwwひひwwどんだけひっぱってもおいらは喋るぜwww男は数でも早さでもねぇ、皮の伸び具合だwwwww」

チェシャ猫「またろくに見てないやつのネタを使ってるにゃ」

帽子屋「勇者の弱点、それはなww迷いだ」
122 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:35:29.59 ID:ZmaCCcs0
70

--施設--

帽子屋「どんな人間にもそりゃぁあるさwwでもな、あいつのは異常だぜwwマイナススキルとしてくっついてんのよwwwどうやっても取りようがねぇ不治のスキルwwwただおいら達には関係ねえのさww」

36号「!!」

帽子屋の帽子の中からナイフが飛び出してきて36号の腹部を抉った。

36号「!!!!」

帽子屋「ひひひwwおいら達の姿がファンシーだからってあなどんなよwwwこうなったおいら達はガチの殺意を持ってお前らを殺すんだぜwwwガチの殺意は実力差だってひっくり返すのってことを覚えとけよwwヒーハー!!!!」

ザクザクザクザクっ!!!

36号「ぐっ、あうっつ!!あああああああああああ!!!!」

チェシャ猫「まぁそういうことだにゃん」

猫は36号の前で口を開き、

三月兎「おっで!」

三月兎は36号に拳を振り下ろした。

べゴン!!!!
123 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:37:04.17 ID:ZmaCCcs0
それでは本日はこれにて終了とさせていただきます。

人生の決断を迫られる私。明日はあるのか!?
今度は近いうちに来たいと思いますので、なにとぞ、なにとぞ見捨てないでくだしゃんせ……

それでは質問、疑問などがありましたら書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/07(木) 23:41:20.33 ID:L5SCz.SO

マイナススキルか
新しい設定だけど他のやつにもあるのか?
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 23:43:23.85 ID:xUqzPhMo
>>123
乙!俺は応援しかできないけどがんばれ!
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 23:43:29.23 ID:zeSZkMk0

時間軸が混乱してきたんだが
本物の盗賊たちは専門学校で修行中だよな?
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/07(木) 23:47:32.78 ID:L5SCz.SO
>>126
・踊り子と出会うまでの物語
・旅をしている

この二点から専門学校で頑張ってるところかと
128 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:53:50.77 ID:ZmaCCcs0
>>124
人間だれしも弱点を持っているもの……マイナススキルはほぼ全員についています。たまに無い人もいます。世の中才能なんですね・・・

>>125
ありがとうございます!いつも励みになってます。。

>>126
はい。isの踊子編は過去のその時間帯のお話になっております。丁度第十一のダンジョン制圧終了時って感じですかね?
129 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/07(木) 23:56:07.58 ID:ZmaCCcs0
ダンジョン云々は勇者のことでしたーーー

>>127さんの言うとおりです。

まだ勇者が絆を手に入れる前ですねー。だからこそ使えるスキルがあって、単体なら勇者がどのような戦法を取るのか、といったこととかをやろうとおもってました。
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/08(金) 00:09:44.55 ID:v5SoOYSO
ん、成る程

もちろんモデルは奴らだよなww

無理すんなよ
131 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/08(金) 00:45:10.79 ID:1dxjD1U0
初期状態はお兄さんやお姉さんや白ワニの人格が反映されていました。この時は仲間をやった彼らの影響が強いようです。
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 21:13:36.32 ID:SdIuxJko
ポリゴンフラッシュwww
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 00:51:01.13 ID:cJIwIgo0
ポリゴンフラッシュ最強じゃね?
134 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2010/10/24(日) 13:44:14.85 ID:l8Sv0.DO
復活してましたか!とりあえず生存報告です。近日中に書き込みにきますm(__)m
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 14:00:08.13 ID:zcU1hREo
>>134
待ってるよ!
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 14:02:33.41 ID:H1p/50Qo
てるよ!
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 15:04:08.79 ID:WSRZ8ISO
てるよ
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 16:11:14.08 ID:oI0cXyco
てるよ
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 17:16:28.55 ID:ijHvAqYo
てるよ
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 19:25:15.98 ID:RsA3sYDO
てるよ
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 20:50:21.27 ID:AJHapRE0
るよ
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 21:38:01.19 ID:UoSS5Mc0
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 22:04:39.22 ID:en5LDZgo
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 11:18:11.95 ID:FguzIQDO
yo
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 13:08:01.67 ID:ccMfb1I0
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 13:30:41.86 ID:OHkmfrco
147 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:04:33.51 ID:AZOqHoA0
ねーちゃん!近日中って今さッ!
こんばんは。
長らく間を開けてしまい申し訳ないです。それでは再開させていただきますm(__)m
148 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:06:10.90 ID:AZOqHoA0

71

--施設--

帽子屋「ひひひひひwwwどういうつもりだお姉ちゃん??」

1号「っ」

右手で帽子屋のナイフを、左手で三月兎の拳を、背中で猫の攻撃を防いだ一号。

1号「すまなかった勇者!!もうこの辺でやめてくれ!!36号だってどうしようもなかったんだ!!」

アリス「……」

アリスは一号の言葉に反応を示さず、ぼーっと足元を見ている。

1号「おい、聞いているのか!!勇者!!」

帽子屋「聞いてるけど聞いてないよwww」

1号「!!」

帽子屋の中から6本の細い腕が飛び出し、それぞれの手に握られたナイフで切りつけた。
149 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:10:14.57 ID:AZOqHoA0
72

--施設--

ドシュっ

1号「ぐっ!!」

帽子屋「あそこでうずくまってるのは勇者じゃねぇww確かに核であることに変わりはねぇけど、おいら達も勇者の一部だっつーのww」

1号は36号を抱えてそこから走り出す。

36号「1、ごう」

帽子屋「ひひひひwwこの魔法は、誰にも頼れない勇者が危機に陥った時に発動する魔法だwww」

チェシャ猫「勇者が戦闘続行になるまでの間、俺らが全力で守るにゃん」

三月兎「お、おで」

帽子屋「この魔法は勇者が完全回復するか、完膚無きまでに敵を破壊するまで解除されないんだじぇwwwwwやめてって言っても強制だからやめられんのよwwwww」
150 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:15:35.30 ID:AZOqHoA0
73

--施設--

ドゴオン!!

白猫亜人「あきゃっ!!」

??改め白猫実験体「うぎゅるるる」

勇者達とは違う所で、二人は闘っていた。

白猫亜人「あ、あなた……」

白猫実験体「ふしゅrぅうろぁう」

白猫実験体の背中から蟷螂の腕が飛び出し、白猫亜人を襲う。

シュッ!!
151 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:19:30.60 ID:AZOqHoA0
74

--施設--

白猫実験体の攻撃は白猫亜人の腕をかすめただけだが、かすり傷とは思えないほど出血している。

白猫亜人「あなた……やっぱり私の事、思い出せないにゃ?」

白猫実験体「うぎゅるるる」

白猫亜人「そう……そうだよにぇ……」

白猫亜人は右手の指先に力を込める。

白猫亜人「……あれはどう考えても死亡フラグだったものね」

白猫亜人は駆ける。

白猫実験体「が、がぱっ」

突然白猫実験体の口は開かれ、そこから魔力が発射される。

ドゴオオオッ!!
152 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:23:05.51 ID:AZOqHoA0
75

--施設--

1号「止められない……だと」

帽子屋「今あいつの意識は無いのさwww言わばオート、故の躊躇無しだww」

帽子屋はナイフを投げつける。

1号「っ!」

ギイン!!

1号は落ちていた瓦礫の破片でナイフを打ち落とす。

1号(……いや、勇者が完全回復するまでと言ったな?なら時間稼ぎをすれば……)

1号はそっと36号を地面に下ろす。

36号「1号?」

1号「落ち着いたか?もう発散できただろ……しばらく離れてろ」

バキっ

1号は自分の手枷を破壊する。

36号「っ!」
153 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:27:26.18 ID:AZOqHoA0
76

--施設--

帽子屋「なんだお姉ちゃん、やっぱりあんたも敵なのかいwwじゃあ……」

1号「そんなつもりじゃないが、しばらくの間お相手願うよ」

1号は右手に風、左手に炎の魔力を集中させる。

チェシャ猫「!」

そして両手を中央で合わせる。

パンっ

1号「二属性複合攻撃魔法、二色剣」
154 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:31:26.32 ID:AZOqHoA0
77

--施設--

帽子屋「ひひひひww四つ属性が足りねぇんじゃねぇのかお姉ちゃんwww勇者もどきなんだろ?六ついっぺんに使ってみなよwww」

1号(そんな簡単に六属性使えるか!魔力消費も維持するコントロールも楽じゃないんだ、ただでさえ持久戦になりそうだってのに)

帽子屋の攻撃を二色剣で切り払う。

三月兎「おでっ!!」

三月兎は跳躍し、1号に飛び蹴りを放つ。

1号「っ」

1号は二色剣を分離させ、雷の剣で足に斬りつけた。が、

バチっ

1号「しまった、こいつ土ぞくせ」

ドギョッ

三月兎の蹴りは一号の右腕をへし折った。
155 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:35:33.04 ID:AZOqHoA0
78

--施設--

1号(強い、単純に強い!!)

ドザザッ

1号は36号の傍まで吹き飛ばされる。

36号「い、1号、何やってるんですか、やめて下さいよ」

1号「……ったく誰のせいでこんな目に合ってるんだか」

1号はすぐに立ちあがりアリスパーティに向かい合う。

1号「勇者を怨むのはやめようぜ」

36号「……今だってあいつは私達を苦しめているんですよ」

1号「それは36号が追い詰めたからだ。いいか?6等分されたようなやつらに私達は押されてるんだぞ?勇者が本気で私達を殺そうとしているのならとっくにやられてる」

36号「!!」

1号「通常時の勇者は36号に一度も攻撃をしなかったしな」
156 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:40:32.87 ID:AZOqHoA0
79

--施設--

帽子屋「はっwwしらねぇよwww何の話をしてるんだかwwそんな話したところで意味ねぇのに、おいら達は具現化された殺意、あいつの敵は全部殺すのよwwww」

1号は右手の雷の剣を失ったことに気付き、片手だけで新たに二色剣を作りだす。

1号(……もう私達の身体なら回復が始まってるはず。それなのに36号は立てない。……心が折れてしまったか。喧嘩っぱやいくせに心がなぁ)

1号は剣を回しつつ様子をみる。

1号(話を聞く限りじゃこれらは勇者の分身らしいし……倒したらまずい感じがするな)

チェシャ猫「行くにゃよ!!」

宣言とともにチェシャ猫が姿を消す。
157 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:44:32.31 ID:AZOqHoA0
80

--施設--

1号(消えた!!なら……)

1号は二色剣を水と雷に変化させ、空間をなぎ払った。
すると電気を浴びた水流が発射される。

バシャっバチバチっ!!

チェシャ猫「あびびびび!!」

1号(うし、姿が消えてるわけじゃないんだな)

帽子屋「……うーんww結構めんどくさい敵やなぁww勇者の適応力を上手く使えてやがるぜwwww」

白兎(発想は至って単純。見えない敵に対して、面で攻撃しただけ……。でもこの状況下で、瞬時に属性を変えて対応してきた。それは確かな彼女の力……)

白兎はじっと1号を観察していた。
158 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:49:05.98 ID:AZOqHoA0
81

--施設--

1号(いやな感じだなあいつ……探ってやがる。後ろに控えてるって意味でもそうなんだろうな。なら)

1号は二色剣を氷と土に変え、地面に突き刺した。

バキバキバキバキ!!

1号「地形変化亜種、氷迷宮」

地面から氷がせりあがり、アリスパーティ達を分断した。

チェシャ猫「にゃっ!?」

白兎「なっ!!」

三月兎「お、おで」

帽子屋「ひひひwwww……やられたぜ」
159 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 21:57:20.68 ID:AZOqHoA0
82

--施設--

1号(これで少しは……いやだめだ、風属性がいた。すぐに破壊されてしまう!!)

1号は属性の相性を思い出し、腕に回復魔法をかけながら迷宮へ向かう。

三月兎「お、おで寒いの、にが、て」

三月兎は一歩も歩くことが出来ず、ガタガタと震えている。

ザクザク

帽子屋「ひひひwwこんなナイフじゃちっとも削れねぇww雷も有効じゃねぇしwwてかこの氷、透けて向こう側が見えるくせに、反射しまくってて位置がわからねぇww」

チェシャ猫「この氷……結構魔力錬り込んでるにゃね。これで時間稼ぎしようと考えたんだろうけど、風属性の俺がいることを忘れてるにゃ?いやそれだけ焦ってたのかにゃ?どちらにせよ、選択ミスだにゃ。こんだけおおがかりにやっちゃったら破壊された時の損失もドデカだにゃ」

そう言ってチェシャ猫は口を大きく開けた。

バリィン!!

チェシャ猫「!?」

大きく息を吸い込み吐き出そうとした瞬間、破壊しようとした目の前の氷から1号が飛び出してきた。
160 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 22:02:08.96 ID:AZOqHoA0
83

--施設--

チェシャ猫(!?向こう側には何も映っていなかったのに……しまっ)

ドジュウ!!

二振りの炎の剣がチェシャ猫に突き刺さる。

チェシャ猫「ぐぶふっ!!この氷……幻覚症状を……付加して……にゃ」

ドサリ

1号が剣を引き抜くと、チェシャ猫は地面に倒れこんだ。

1号「よし、厄介なのは倒せた。後は」

1号は剣を氷属性に変化させる。

1号(腕も修復し終わった。十分戦闘に耐えられるレベルだが、ここは迷宮の維持に力を割いた方がいいな)

作り上げた剣を地面に刺す。
161 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 22:06:58.09 ID:AZOqHoA0
84

--施設--

チェシャ猫「……止めは刺さないのかにゃ?それも仕損じではなく、わざと」

むくりとチェシャ猫の頭が持ち上がり、1号の方を向く。

1号(!?まだ動けるか!)

チェシャ猫「俺らを一体でも倒してしまうと、勇者は甚大なダメージを受ける……そう考えたんにゃね」

1号「……」

チェシャ猫「優しい人だにゃ。命をかけた戦いの最中だというのに、相手のことまで考えてあげるだにゃんて」

1号「別に……」

チェシャ猫「でもおばかさんだにゃ。俺らには躊躇いも戸惑いも一切無いんだにゃ」

チェシャ猫は口から無数の風の刄を吐き出した。
162 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 22:10:01.71 ID:AZOqHoA0
85

--施設--

1号「!!」

バリバリバリィン!!

暴風と風の刄が、容赦無く氷ね迷宮を破壊していく。

チェシャ猫「……情けをかけた相手が、君に情けをかけるとは限らない」

ガラガラガシャァン

1号「しまった!」

既に後の祭り。
全ての氷が破壊されたわけでは無い。だが、この損傷では迷宮の意味を成さない。
163 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 22:22:50.37 ID:AZOqHoA0
86

--施設--

帽子屋「ひひひwwズタボロじゃねぇかチェシャ猫ww」

三月兎「み、みんな、いた」

白兎「アリスさんは無事ですよ。今チェシャ猫さんも治してあげます」

1号(一瞬で集まった!?まずい、せめてチェシャ猫だけでも!!)

1号は急いで振り返るもそこにチェシャ猫の姿は無かった。

チェシャ猫「ごめんよ嬢ちゃん」

どこからか響いてくる声。

1号(迷彩……か)

帽子屋「ひひひww形勢逆転だなぁwwじゃあ食らってみるか?勇者の極みを」

三月兎「勇者の極みを」

白兎「勇者の極みを」

アリス「…………」
164 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 22:27:25.51 ID:AZOqHoA0
87

--施設--

白猫亜人「がはっ!!」

ドガシャン!!

白猫実験体「ぎゅるりる」

白猫亜人は、白猫実験体の毛深い腕に掴まれ、何度も壁に打ち付けられている。

白猫亜人(……図体のわりにこのきど)

ドゴッ

白猫亜人(ぐっ!!……機動力。しかも私を遥かに上回るこ)

バキャッ

白猫亜人(がはっ!……攻撃力と防御力。でも)

バキッ

白猫亜人(ぐっ!……で、でも、スキルを使うことは出来ないっぽいにゃ!!)

ドシャっ

白猫亜人「これなら私でも殺してあげられるにゃ」
165 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 22:32:13.75 ID:AZOqHoA0
88

--施設--

白猫実験体「!?」

白猫亜人は腫れた顔で笑うと、するりと白猫実験体の手からすりぬけた。

白猫亜人「スキル、猫じゃらし抜け」

白猫亜人は着地するや否や、飛び掛かる。

白猫亜人「猫ひっかき!!」

ズバシュッ!

白猫実験体「ぎゅるりる!!」

白猫亜人(浅い、そして硬い!)

その攻撃は白猫実験体の両腕で防がれてしまう。しかもほとんど効いてはいないようだ。
166 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 22:33:00.63 ID:AZOqHoA0
89

--施設--

白猫実験体「ぎゅるりる!!」

シュバババ!

猛攻。
恐ろしい早さで繰り出される手刀、打撃、掌底。
それらが一撃でも当たろうものなら、体はバラバラになってしまうかもしれない。

白猫亜人「っっ」

それらを紙一重で交わし続ける白猫亜人。

ビシッ!!

白猫実験体「ぶっ!」

嵐を掻い潜った白猫亜人の一撃か顎に着弾、白猫実験体をわずかに仰け反らせる。
167 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 22:33:59.43 ID:AZOqHoA0
90

--施設--

白猫実験体「ぎゅるりる!!」

白猫亜人「!!」

続けざまに攻撃を加えようとした白猫亜人を右の手刀が襲う。

ガチィ!!

白猫亜人は即座に反応し、左肘と左膝で白刃取りを試みる。が、

ブシュッ

白猫亜人(つっ!!少し間に合わなかった)

手刀の先端が白猫亜人の腹部に埋没している。
……。
先っちょだけ入ってしまった。

白猫実験体「先っちょ!先っちょだけだから!!ね!!」

白猫亜人「……」
168 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/25(月) 22:35:29.14 ID:AZOqHoA0
本日はこれにて終了とさせていただきます。
また近いうちに来たいと思います。
それでは疑問、質問などがありましたら書きこんでおいてください。
お疲れさまでした!!m(__)m
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 22:44:41.87 ID:GWIUhGEo

まさかの下ネタEND
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 03:12:35.22 ID:2znRJ12o
otu!
171 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:09:28.34 ID:bc1CD9U0
こんにちわー。
書き溜め終わりましたので今日で完結させます。では投下していきますー。
172 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:10:03.96 ID:bc1CD9U0
91

--施設--

ギリギリ

白猫実験体「ぐぁば!!」

白猫実験体は手刀を振りぬき、地面に叩きつけようと企む。

白猫亜人「んっ!!」

白猫亜人はまるで猫の様に体をひねらせ、地面に手をつく。そして腕の力で跳躍し、顔面を蹴った。

どがっ!!

白猫亜人(……普通にヤレルと思ったけど、ダメージはほとんど与えられてない……やっぱりこれしかないにゃ)

白猫亜人は両手に魔力を集中させる。

白猫実験体「ぐりゅりぃる!!」

白猫亜人(攻撃を繰り出すだけで避けようとはしないのね。防御も反射的にとっているだけのようだし)
173 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:11:17.70 ID:bc1CD9U0
92

--施設--

白猫実験体「ぎゅるりる!!」

ボゴ

白猫亜人は頭部を攻撃するように見せ掛けておいて足を殴った。

白猫実験体「おぐ!」

白猫亜人(本当に堅い……でもフェイントにも対応出来ないのなら)

白猫亜人が何かのアクションをするたびに白猫実験体は過剰に反応する。

ボゴ
ボゴ
ボゴボゴ

幾度となく蜘蛛のような足に殴打を加える。

白猫亜人(まだ!?こんなに殴ってるのに!)

シュ!!

焦りから生まれた一瞬の隙を敵が突いてくる。

ブチャ

白猫亜人「あがっ……」

白猫亜人が気付いた時には、自分の顔の右側が無くなっていた。
174 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:11:56.06 ID:bc1CD9U0
93

--施設--

白猫亜人(か……かろうじて交わしたのに、いや擦った?擦っただけでこんな……)

白猫亜人は目眩を起こしながらもなんとか距離をとる。
そして恐る恐る右側を触ってみた。

ピチャッ

触っても痺れていて感覚がない。だが顔の骨格はある。ちゃんとついているようだ。致命打ではない。

白猫亜人(でも片目と耳は失ったみたい……)

触る迄もなく、視界の変化で気付けようものだが、気が動転していて、眼窩に触れるまで理解出来なかったのだ。

白猫実験体「ぎゅるりるる」

白猫実験体はゆっくりと近づいてくる。それに呼応して構えようとするが、ぐらりと態勢を崩してしまう。

白猫亜人(ん……思ったより深刻なダメージかもしれない。早めに決着をつけないとにゃ)

白猫実験体はゆっくりと近づいてくる。
175 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:12:29.64 ID:bc1CD9U0
94

--施設--

帽子屋「ひひひwwwやるじゃなイカwww」

チェシャ猫「しぶといにゃ」

三月兎「おふ、おふ」

白兎「……ここまで持ったことは誉めてさしあげます。けれどもう限界でしょう……」

1号「はっ!はっ!はっ!」

1号の体はあまりに無惨。切り裂かれて叩き潰されて血まみれになりながらも必死に耐えていた。

白兎(とはいえ、後一歩が中々届かない……。確実に勝てる、これは決まり切ったこと。なのにゴールが近づいてこない……よくもまぁあの状態でのらりくらりと致命打を避けますね……)

36号「い、1号!!もうやめてください!!自分の体が今どうなってるかわかってます!?」

1号「仕方ないだろ……やるっきゃないんだから、さっ」

ガキィン!

帽子屋のナイフを氷の剣で弾く。
176 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:13:09.09 ID:bc1CD9U0
95

--施設--

白兎「……帽子屋くん、もうやめましょう」

帽子屋「あ?何言ってんだてめぇwwやめられるわきゃねえだろww」

1号(?仲間割れ?それとも時間制限がきたのか?)

白兎「勘違いしないでください。このままやってても時間制限がある分こちらが不利なんです。だから、あれをやりますよ」

チェシャ猫「!!……えげつない奴にゃ」

帽子屋「ひ、ひひひww参謀長の命令じゃあ仕方ねぇ……やるぜ、我らがアリスの抜群の目覚めのためにwww」

三月兎「ゆ、融合魔法陣、展開」

バジューン

三月兎が地面を殴ると光り輝く陣が出現する。
177 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:14:13.72 ID:bc1CD9U0
96

--施設--

チェシャ猫「許せにゃ嬢ちゃん。せめて苦しまないようにやったげるにゃ」

陣の中に帽子屋、チェシャ猫、三月兎、白兎の四体が入る。

1号(融合魔法……禁術じゃないか。どこでそんなものを!)

アリスパーティの四体は融合し新たな姿となる。

?「ふしゅるるる」

36号「……化け物」

?「我が名はジャバウォック」
178 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:14:44.87 ID:bc1CD9U0
97

--施設--

?改めジャバウォック「ウゴォォォ!!」

黒光りしたむき出しの筋肉。魔獣のような頭部に唸り声。
まさしくそれは化け物と呼ぶにふさわしい。

ビリビリ

1号(……駄目だ話にならない。さっきのと戦闘力が違いすぎる。あの小さな勇者の体にこれほどの力があるなんて……)

36号(何かに捕まっていないと吹き飛ばされる気さえします……)

ジャバウォック「ねぇ力欲しい?ねぇねぇ」

1号&36号「うっざ!!」
179 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:15:56.58 ID:bc1CD9U0
98

--施設--

ジャバウォック「力が欲しけりゃくれてやんよ?」

1号「……。えと、くれるのか?」

ジャバウォック「やんよやんよぉ。はい受け取ってちょ」

そう言ってジャバウォックは魔力球を形成し発射した。

1号&36号「!?」

チュドオオン!!

1号がかろうじてその攻撃を交わすと、後ろの施設が吹き飛んだ。

1号「っ!……」

ジャバウォック「なんだぁ受け取れよぉん。愛のキャッチボールっうふっ」
180 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:16:45.08 ID:bc1CD9U0
99

--施設--

1号「……質問がある」

ジャバウォック「ん?なにかなレディー。おじさん何でも答えちゃうよん」

1号「お前でそれほどの力があると言うのに、なぜ勇者は先ほど遅れをとったんだ」

ジャバウォック「んん?言わなかったっけ?勇者は甘ちゃんのへたれだって。だぁからあんな海賊版なんかに追い込まれたぁのよぉ」

1号「……それだけとは思えない」

ジャバウォック「……んふ悪いけどぼくちんの役割は帽子屋と違って秘密をばらしちゃったりはしないんだなぁ。ぼくちんの役割は」



ジャバウォックが地を蹴ると一瞬で1号の目の前へ。

ジャバウォック「ストレスを発散し、敵を絶対に破壊すること」

1号「っ」

ドグシャァア!!

36号「い、1号ーー!!」
181 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:17:38.40 ID:bc1CD9U0
100

--施設--

ジャバウォック「んあ?これ……氷?」

1号(氷属性魔法、氷像分身。こいつにはかなわない、時間稼ぎも出来ない。なら)

ジャバウォック「あぁん……成る程。逃げようってのね。むっちりバデーのお姉ちゃんもいなくなってるし。でもなぁ」

ジャバウォックは胸が倍に膨らむほど空気を吸い込む。

ジャバウォック「ごばあ!!」

そして炎を吐き出した。

ジャバウォック「逃げても無駄よっ!この炎はぼくちん以外の生命反応を追尾して燃やし尽くすのさっ」

しかし炎は前進せず、それどこらかジャバウォックの方に向かってくる。

ジャバウォック「んん!?なんでかなっ!?かなっ!?ぼくちん達は安全なはずなのにあちっ!!あちあちっ!誰だこの熱い炎吐いた奴!!畜生!!」

ジャバウォックは自らの吐いた炎を振り払おうとしている。
182 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:18:19.90 ID:bc1CD9U0
101

--施設--

ジャバウォック「まてまてまだ慌てる時間アッチィ!!どゆことだどゆこと!?対象を書き替えたの?いやそんな高度なことをこの短時間の間には出来アッチィない」

ジャバウォックが振り替えるとアリスの周りにまで火が近づいていた。

ジャバウォック「アリスちゃんは炎シールドでなんとかなるから大丈夫だけど……まさか」

ブゥン

1号がアリスの上空から接近する。

1号(ステルス化と飛行能力付加!!一つに集合したのがあだとなったな!!)

1号は炎の膜に手を突っ込んだ。

ジュッ

1号「ぐっっ!!っっでも!!」

ジャバウォック「なっ!何をするだァ――ッ」

1号「回復させる!!」
183 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:18:56.25 ID:bc1CD9U0
102

--施設--

1号が行った回復魔法によりアリスの体は一瞬で回復する。

ジャバウォック「……やられたずぇい!!」

1号「よし、これで……」

1号は焼け焦げた腕を引き抜く。

ジャバウォック(戦力を集中させたのが裏目に出たか……まさか最初から狙って……はないね)

ジャバウォックは二人に向けて拍手を送る。

ジャバウォック「ブラボー! おお… ブラボー!!そのままアリスを倒すことも出来ただろうに……。感動した!」

1号「はいはいどーも……ててて」

1号は自分の体に回復魔法をかけている。

1号「というかいつまでいるのだ?まさか治りきったら戻るというのは嘘だったのか?そんならもう詰みなんだが」
184 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:19:33.99 ID:bc1CD9U0
103

--施設--

ジャバウォック「うにゃ、もう戻るさ。では、」

そういってジャバウォックは紳士のように頭を下げる。

ジャバウォック「アリスへの配慮、誠に痛み入る。願わくば二人の未来に幸があらんことを」

1号「気にするな。元々こちらの不手際だ」

スクッ

アリスがゆっくりと立ち上がり、そして手を伸ばす。

アリス「おいで、ジャバウォック」

バシュ

ジャバウォックの体はアリスの体の中に入っていく。

1号「……」

36号「……」

ジッジジジ

全ての要素を取り入れたアリスは変貌していく。
185 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:20:24.39 ID:bc1CD9U0
104

--施設--

シュウウ

勇者「……ん?ここは……」

1号「……」

36号「……」

勇者「……」

1号「……」

36号「……」

勇者「……な、なんかあったの?」

勇者は無自覚だった。
186 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:21:28.46 ID:bc1CD9U0
105

--施設--

1号「……ふっ」

36号「はぁ……あれだけ暴れといてよくもまぁ〜……もう怒る気力も無いです〜」

36号は天を仰ぐ。

36号(……本当はわかってた。勇者だって同じように利用された実験体なんだ。……でも黒い感情が抑え込めきれなくて……私は何てバカなことをしたんだ。……勇者はもっと辛い思いで戦ってきたのかもしれないのに)

勇者「ん?んん?」

1号(いつの間にか36号からあの感覚が消えている……制御出来るようになったのか?……それとも、ストレスを発散出来たとかの可能性も……てことは全て勇者の手のひらの中?……いや考えすぎだな)

そうして1号は自分の体に回復魔法をかけるのをやめた。

36号「?まだ傷が残って、って!私なんか回復させる必要ありませんよ!!もうだいぶ治ってきてるんですから!」

1号は36号に回復魔法をかけ始める。

勇者(……これあいつらやったのかな……。緊急時だったから構成ミスったのかな?……やばあ)

1号「……うん、もう私の体は限界みたい……だからさ」

36号「!?」
187 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:22:10.59 ID:bc1CD9U0
106

--施設--

勇者「あわ、あわわわわわ!?」

勇者はガクガクと震えている。

1号「いや、断じて言うが君のせいじゃないよ。体をいじくられたせいで、どのみち長くはなかったんだ」

36号「1……号」

1号「よかったよ。36号が無事に生き延びられただけでも。この日だけを待っていた」

1号は36号の頭を撫でる。

1号「勇者、この子を頼みたい」

36号「!!」

勇者「……」
188 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:23:12.07 ID:bc1CD9U0
107

--施設--

1号「強がりばっか言うし、何事にも感情が先行しちゃうめんどくさい子だけどさ……私の娘みたいなもんだから」

36号「い、ち……ごう」

1号「それにこの子も実験体だ。そう寿命が残ってはいないだろう……旅の途中で勇者の足手まといになるかもしれない。でも!勝手だとわかっていても……」

勇者は1号に向かって直立不動の姿勢を取る。

勇者「私は勇者だ。私の旅の同行は、はっきり言って最大級の危険を伴う。彼女は旅の最中に何度も危険な目に会い、もしかしたら四肢を失うかもしれない」

1号「……」

36号「……」

勇者「だが誓おう。彼女を私に預けてくれるのなら、決して死なせはしない。私が守ってみせる!勇者の名にかけて!!」

36号「な、な、」

1号「……すまない。お願いするよ」

1号は勇者に向かって微笑む。

勇者「貴女の願い、聞き入れた」

勇者は1号に向かって微笑む。

フォン、グシャ
189 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:23:54.38 ID:bc1CD9U0
108

--施設--

36号「……………」

勇者「!!!!」

1号は

研究員「……やれやれー。一体全体どんな結末になるのかと思いきや……興ざめですー」

急降下してきた

????「あうー」

羽と尻尾の生えた胎児に踏み潰された。

36号「あ、う……あ」

36号はとっさに飛び散った脳をかき集めている。

研究員「それにやったらやりっ放しというのも人間としてまずいですしー、ちゃんと責任取って後片付けに来ましたー。先ほどお別れを済ましたというのに申し訳ないです勇者ちゃんー」

36号「いち、ご……」
190 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:24:35.96 ID:bc1CD9U0
109

--施設--

研究員「ん?えっと……型番は忘れてしまいましたがなんとか号君ー。貴女を潰すつもりで落ちて来たんですけども……しくじっちゃいましたね。じゃあこっちできちゃないジャムになってるのは元妻かー」

36号「……ひっ」

36号は地面に頭をつけて涙を流す。

研究員「最後くらい話をしとこうと思ったけど、まぁいいかー。実験材料にすると決めた時に、この人との縁は切ったのだしー」

????「あうー?」

研究員「あぁいいですよそれもう潰しちゃってもー。もうこのシリーズでやれることはもうありませんからー」

胎児は36号の頭を掴み持ち上げた。

研究員「脳を掻き集めればまだ蘇生は可能だと考えたんですかー?無駄ですよ。もうこの人の寿命では蘇生出来ないレベルでしたからー」

36号「うっ、……うああ」
191 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:25:34.01 ID:bc1CD9U0
110

--施設--

研究員「にしても甘ちゃんな勇者ちゃんなら少しは邪魔してくると考えていたのですがおかしいですねー?それとも実験体の命には興味が無いですかー?この研究所内でも殺して回ってましたしねー。勇者ちゃんの邪魔がないのならやりやすくて嬉しいのですー手間が省けますー」

????「うー」

研究員「あぁごめんよー。もういいよ、ばきゃしなさいばきゃー」

ボッ

????「!」

胎児は咄嗟に36号から手を離した。

ブオン!!

そして空を勇者の大剣が切り裂く。

????「あ、あう」

勇者は36号と研究員達の間に立つ。
その顔はまるで鬼のようで。

勇者「研究員……お前は許さないッッ!!!!」
192 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:26:30.10 ID:bc1CD9U0
111

--施設--

研究員「……なんだ、やっぱり邪魔しにくるんじゃないですかー。時間差はやめてくださいよー」

研究員はおどけた感じに頬を膨らます。

研究員(この子が手を引いた……?圧倒的な強度を持っているこの子が身の危険を感じたということー?)

勇者「……こんなこと、こんな残酷なこと!王国の総意であるはずがない……これは全てお前の独断だったんだな!?」

研究員「違うですよー……と言っても聞く耳持たないですよねー。なんでそんなに怒っているのか理解に苦しみますよー。なんでその子を庇うのですかー」

勇者「私は頼まれたんだ……お前らが踏みつぶしたあの人から、彼女を守るように!!」

ガァン!!!!

????「あ、あだ」

勇者の斬撃から研究員を庇う胎児。
おっかなびっくりで自分の尻尾を見るも傷一つついていない。それを確認した胎児はほっと安堵の息をつく。

勇者「……その赤ん坊、そういや硬かったんだっけ。なら……全属性複合攻撃魔法、六色剣っっ!!」

ギイイイイイイイイン!!!!

勇者の大剣が六色の光に包まれる。
193 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:27:06.85 ID:bc1CD9U0
112

--施設--

研究員(死の光というやつですかー。……さすがのこの子でも今はまずいかもですねー)

ドギャッ!!

勇者の高速の斬撃を食らい、研究員の視界から胎児は消えた。

????「ぶえ?!」

ドゴオン!!

弾き飛んだ胎児を追い、勇者は駆けて行く。

勇者「ああああああああああああああ!!!!」

????「あー!!」

フォン!!

胎児が迎撃のために放った尻尾の攻撃を、勇者はなんなく交わして見せる。

ドジュドジュ!!

そして二撃、胎児を切りつけた。
194 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:27:58.37 ID:bc1CD9U0
113

--施設--

ドロッ

????「あ?……う、うぶっ!!あーん、あーん!!」

自分の身体が傷つけらたことを知って胎児は泣きだした。

勇者(今のは完全に殺すつもりで斬ったのに、切傷があまりに浅い……)


36号「……」

その戦いを36号は抜け殻のように眺めていた。

研究員(やれやれー。というか今地味に絶対絶命じゃないですか私ー。私戦闘能力皆無なんですから、この実験体の心が折れて無かったら私死んでるじゃないですかー)
195 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:28:54.08 ID:bc1CD9U0
114

--施設--

ガギン!ギン!ブシュッ!!

勇者(危険だ、この子はまずい。絶対にこの場で仕留めなくては……今を逃せば手が出せなくなるかもしれない!!)

????「あーん!あーん!!」

胎児の攻撃を悉く掻い潜り、弾き返し、返しの刃で傷を付けていく。

ドシュドシュドシュっ!!!!

研究員(ひゅー。恐ろしい剣捌きに体捌きですー。あのでたらめなスペックのうちの子相手にああまで押すとはー。まぁ人間相手ではそうはいかないんでしょうがねー)

斬撃を幾重にも重ね、一点のみを斬り続ける。

ドパッ

????「ぶっ!?」

そして遂に胎児の右腕は斬り落とされた。
196 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:29:27.94 ID:bc1CD9U0
115

--施設--

研究員(まずいですねー、やはりさすがに次期が早すぎたということでしょうかー。撤退ですね)

研究員は服の中から赤色の玉を取りだした。

研究員「今回はこの辺で終わりにしておきましょー勇者ちゃん。私の負けでいいですからー」

ボウン!

研究員が赤色の玉を地面に投げつけると赤い煙が辺りを包み始める。

勇者「!!」

????「あうあー!!」

胎児は煙幕に乗じて研究員のところにまで行くと、急いで抱えて空に飛んで行った。

バサッ

勇者「!!逃げるな!!」

研究員「またどこかでお会いすることがないよう願ってますよー勇者ちゃーん」

研究員はひらひらと手を振っている。

勇者(くそっ!!……今の現状を越える力がいる……。あの赤ん坊や魔王を倒すための……奥義が)

無力さを感じ、大剣を強く握る勇者。
そして36号はじっと勇者を見ていた。
197 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:30:10.67 ID:bc1CD9U0
116

--雪の町、町はずれ--

三日後。

勇者「さて……と」

パンパン

勇者は手についた土を落とすために手を叩く。
勇者は今回の件で死んだ者全ての墓を作ったのだ。

勇者(偽善だってわかってる。今後同じようなことがあっても、また弔う時間があるとは限らないんだ……)

それでもやれる時は、と呟いて手を合わした。

白猫亜人「ありがとうございましたにゃ。もう犠牲者が出ることもない……それに旦那も死んでゆけましたにゃ」

勇者「うん。いや、私は何も出来なかったよ……腑甲斐ない」(行くなと言ったのにこの人研究所に忍び込んだな。右のガーゼ……)

白猫亜人「何をおっしゃいますやら!勇者様のお力が無かったら、きっと何も変わりはしなかったにゃ」

勇者「……どうだろう」
198 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:31:03.02 ID:bc1CD9U0
117

--雪の町、町はずれ--

白猫亜人「……あの勇者様?失礼なのは重々承知でお願いがありますにゃ」

勇者「だめ」

白猫亜人「私を魔王討伐の旅に連れていってくだ……にゃっ!?」

勇者「だめ」

白猫亜人「ななな、なんでですにゃ!私こう見えて優秀なんですよ!?きっとお役に立てると思いますにゃ!!」

白猫亜人は勇者に抱きつき舐め始めた。

ペロペロペロペロ

勇者「あ、ひゃっ!?や、やめっ!くすぐ、わっ!!」

白猫亜人「勇にゃんペロペロ(^ω^)」

勇者「もうペロペロはしないって約束したじゃないですかー!」

一時間後の、話の本筋に戻るまでペロペロは続く。
199 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:32:54.65 ID:bc1CD9U0
118

--雪の町、町はずれ--

勇者「はぁんっ……はっはっ」

白猫亜人「さすがに、はっはっ。舐めすぎましたにゃ」

既に満身創痍の二人だった。

勇者「はっ、はっ、と、とにかく……理由は貴女の体が、一番よくわかってるでしょ?」

白猫亜人「……うく」

白猫亜人は俯く。

勇者「その子にいっぱい愛情を注いであげること。それが貴女が一番やらなくちゃいけないことでしょう?」

白猫亜人「……ぐす。はいにゃ」

勇者「それに私には既に仲間がいる。だからその申し出は却下させてもらう。……これからは今までの分も幸せに」

白猫亜人「……っはい!……ありがとうございましたにゃ。勇者様!!」
200 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:34:11.16 ID:bc1CD9U0
119

--雪の町、町はずれ--

勇者「さて、次は東の王国に……いやそろそろ戻って見ようかな」

勇者は一人、町の門を潜る。36号はあれから……姿を消した。

勇者(あんなことがあった後だ。やっぱりすぐには決断がつかないだろう。だが私も忙しい。彼女が決断できるまで待つわけにはいかない)

勇者は門を振り返る。

勇者(ごめん。約束護れなくて。でも本当にあの子のためを思うなら、私の旅に連れていくのは得策じゃない……)

勇者は一礼すると、草原へと続く道を歩きだす。



??「やー、ひどいですね〜連れてってくれるって行ったのに置いてっちゃうつもりだったんですか〜?」

突然声がかけられる。
勇者が視線をあげると、岩の上に彼女が立っていた。

勇者「な、なにその寒そうな服!?」

??「あぁこれですか〜?いいでしょ〜自分で縫ったんですよ〜。服屋さん回っていらない布とかもらって。いつまでもあんな服じゃいられないですし〜」

彼女は肌を露出させた服を身に纏っている。

そう、所謂、

露出魔があらわれた!
201 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:35:42.34 ID:bc1CD9U0
120

--雪の町、町はずれ--


??「……私が行かないとでも思ったんですか〜?」


  どんな生にも意味はある。


勇者「……思わない」


  そして人の生の意味は、誰のために死ねたかなんだ。と、あの日私は結論付けた。


??「ふふ。またイライラしてきたらこの前みたいに攻撃しちゃうかもですよ〜?ナウなヤングは危ないのです〜」


  あの人は私のために死んだ。


勇者「それならまた返り打ちにするだけだ」


  なら私はこの人のために死のう。


??「……ふふ」


  それが私の仕返しと恩返し。

だって人は死を重ねて未来に進んで行くんだから!
202 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:37:42.78 ID:bc1CD9U0
121

--草原--

勇者「とゆーわけでだ。私は君と出会ったのは南の王国で、ということにする」

??「えー?なんでですか〜?」

勇者「……今説明したのに。だーかーらー!今回の事件のことが私の仲間の耳に入ったら、変な詮索を受けることになるかもしれないでしょ?」

今回の一件は、
事情を知らない人からしたら北の研究所が襲撃されただけのことだし、彼女の身分を証明するものがないのも事実。

??「別に構わないんですけど〜……まぁいいや了解です〜」

勇者「うん。それじゃ……あれ?そういや名前なに?」

??「えー!!まだ私の名前言ってなかったでしたっけ〜」

勇者「言ってない絶対」

??「じゃあちゃんと覚えてくださいね勇者様〜。私の名前は」

草原でくるりと舞う彼女は言った。



町はずれに作った墓。
その中の一つに、オンシジウムの花が添えられている。

そしてその墓には粗末な板がささっており、幼さの残る字が書いてあった。

名も無き母の墓。



            勇者募集してたから王様に会いに行った
               番外編ss・isの踊子
                    完

203 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/10/28(木) 12:39:04.07 ID:bc1CD9U0
やっと番外編が終わったです……。次回から本編を再開します!!

それでは本日はこれにて終了とさせていただきます。

それでは質問、疑問などがありましたら書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 12:54:31.78 ID:RKuKSe6o
>>203
乙!本編楽しみに待ってるよ
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 14:32:47.92 ID:SM0GZ1Ao
おつおつ

質問だけど、番外編タイトルのisって何の略ですか?
文中に示されてたなら文盲さーせん^^
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 16:28:35.66 ID:jI8QiS2o
>>203
面白かった!
乙でした!
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 18:27:44.78 ID:TW1H4YSO
>>205
勇者と踊り子が仲間になるまでの物語

踊り子の名前がある物語といったら伊豆の踊子

伊豆=is
ということではないか?

深い意味はないと思われ

前回の「魔法使いに大切なこ」とも「魔法遣いに大切なこと」の名前をパロったもんだったし


とにかく乙
ようやく本編かwwww
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 19:08:35.34 ID:.aJa4hwo

どうでもいいけどなんで自分で考えない連中ばっかなの?

ば(ry
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 19:25:34.21 ID:RKuKSe6o
>>203 乙
船に乗ったのが4ヶ月前で、老婆に会ったのが2ヶ月前か……
話の流れ忘れてるから読み直してくるよ
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 20:39:02.85 ID:SM0GZ1Ao
>>207
トン なるほどなぁ

>>208
作者とのコミュ
どうでもいいならなんでわざわざ噛みつくようなこと言うの?

知(ry
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/28(木) 21:35:30.63 ID:Io46Y.c0
本編期待age
「Qw0 ◆7b3JfpIY/2が勇者SSの本編を開始するようです」
のスレ立ててこようか?ww
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 21:37:43.00 ID:BZqcpvMo
まだ半分もいってないぞぉ
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/28(木) 21:53:12.91 ID:Io46Y.c0
>私の仕返しと恩返し。
ここについてkwskお願い
214 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 21:20:24.57 ID:mB1c2LI0
こんばんはー。お久しぶりですー

isの踊子の元ネタはご存知!!伊豆の踊子です!チャットでも踊子さんのハンドルネームがあんなことになってましたしね。
isには色々意味を込めました。もちろん元ネタの要素も含めました。
しかし悲しいかな、時間の経過というものは残酷で……あまりおぼえてませんorz
だからまぁ、あんま深い意味がないということでお願いします。m(__)m


私の仕返しと恩返し
ここはにごして終わらせようと思いましたが。
まぁえーと。踊子さんの心の中も簡単には割り切れないとかそんな感じで思っていただければ幸いかと。


あと 喧嘩はいけめせん!では最下位です!
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 21:21:28.17 ID:xSUPa.go
どわー!
216 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 21:23:50.49 ID:mB1c2LI0
154

--船--

??「というわけじゃ。めでたしめでたし……ってあら。つい黄色の本まで読んじゃったわおほほほ」

ポニテ「くー、すー」

??「寝とる!?」

ポニテは腹を出して寝ていたのでした。

ジジジ

そこにスキルを解除したアッシュが姿を現した。

アッシュ「……こいつが何か迷惑を?」

??「おやおや、お連れさんかえ?」

アッシュ「……えぇ……仲間です」

??「そうかいそうかい。何も迷惑なんてかかっちゃいないよ。孫が、いいやひ孫がいたらこんな可愛いのかしら、なんて思えてねぇ」

アッシュ「……こいつが肉親なんて、俺からしたら考えられません」

アッシュはポニテを担ぎあげる。

アッシュ「こんなことされても起きないほど、不用心だし」

??「ふぇっふぇっ。信用の証なんじゃないのかね」

アッシュ「……」

アッシュはぺこりと頭を下げるとそこから立ち去った。
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 21:24:20.79 ID:eAookASO
>>214
ああ、そういえば4月1日のチャットの時、踊り子は薫だったな
218 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 21:29:51.25 ID:mB1c2LI0
155

--船--

ポニテ「ねねね!!釣りしたい釣り死体!!」

アッシュ「起きたそうそう元気だな!!……勝手にすればいいだろ?」

ポニテ「道具無い!餌ない!!」

アッシュ「勝手に工夫してやんなさい……」

ポニテ「えー!?じゃぁ、じゃぁ私の剣とー……あ!!」

ポニテはいきなり駆けだしレンに飛びついた。

レン「ふにゃっ!?」

ポニテ「餌みぃーーけっ!!よぉし、レンちゃんを糸で潜りつけて、っと」

レン「にゃーにゃー!!にゃああああああああ!!」

ツインテ「ちょっ!!だめっ!やめて下さい!レンさんが可哀想ですよぉ!!」
219 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 21:32:40.75 ID:mB1c2LI0
156

--船--

?男「お譲ちゃん達ずっと元気だねぇい。はっはっは」

ツインテ「あ、すいません騒がしくしてしまって!!気分を害されましたか?」

髭の生えたワイシャツ姿の男は陽気に笑う。

?男「いやいや気にしなくていいよぉ。若い女の子が戯れてるのを見るだけでおじさん歓喜だから。むしろお金を払わなくちゃいけないよ」

ツインテ「え、え、え?」

?少女「こほん。ご主人さま……」

傍で控えていたメイド服の女の子が咳をする。

ポニテ「おっ!なになに?なにかおもしろいものでもみっけたの??」
220 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 21:38:22.02 ID:mB1c2LI0
157

--船--

?男「お譲ちゃん達、この船に乗ってるってことは武術大会に出るつもりなんだろぃ?」

ポニテ「ほえ?武術大会??なにそれ!おもしろそう!!」

ツインテ(確か……聞いたことがあります。ぶっちゃけちゃえば天下一武道会)

アッシュ(何?……そう言えばそんな時期か。めんどくさいな)

レン「にあー」

レンはメイド服の女の子の傍へ近寄ると匂いを嗅ぎ始めた。

?少女「っ!」

アッシュ「俺達はそれには出ない」
221 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 21:41:27.62 ID:mB1c2LI0
158

--船--

レン「……懐かしい匂いする」

レンは抱きついて首の匂いを嗅いでいる。

?少女「や、やめてくださいっ」

ツインテ「こ、こらレンさん!いけませんよ!?」

ツインテが近寄ってレンを引き離す。

レン「……すん」

?男「……ふぅん、でねぇんだ。もったいねぇ。今年の優勝賞金はすごいって話だぜぃ?」

ポニテ「それ強い人いっぱいくる!?ねぇねぇ!!私わくわくしてきたぞ!!」

ツインテ「ポニテさん!アッシュ君は出ないって言ってますよ!」
222 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 21:46:12.16 ID:mB1c2LI0
159

--船--

?男「まぁ出たくないのに無理やりでてもな。なぁお譲ちゃん、船の上じゃ暇だろ?せっかくなんだし俺とちょいと勝負しねぇか?」

男はツインテを指さした。

ツインテ「え?ぼ、ボクですか??」

ポニテ「えー!!私したい私死体ーー!!」

?男「わりぃな元気なお譲ちゃん。まずはそこの大人しいお譲ちゃんからだ」

ツインテ「えっと……痛くしないでくださいね?」

?男「……誤解されちまうじゃねぇか」
223 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 21:52:07.94 ID:mB1c2LI0
160

--船--

アッシュ「ツインテ」

男に近づくツインテにアッシュが声をかける。

ツインテ「あ、はい。なんですか?」

アッシュ「……気をつけろ」

ツインテ「?は、はぁ」

ツインテは頷いてから男の前に座る。

?男「いいか、ルールは簡単。このダイス転がして、ってダイスわかるか?サイコロだサイコロ。これを振って出た目が奇数なら俺の勝ち、偶数ならお譲ちゃんの勝ちだ。いいか?」

ツインテ「え、ええと、わかりまs」

アッシュ「まて」
224 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 21:56:16.30 ID:mB1c2LI0
161

--船--

?男「どうしたんだ兄ちゃん?」

アッシュ「振る前にダイスを確認させてくれ」

?男「ヒュー。ひひひwほらよ」

アッシュは男からダイスを奪うと確認する。

アッシュ「……6面ダイスだが、6が無くて代わりに1が二つあるぞ」

?男「がはははwばれちゃったww」

ツインテ「ず、ずるいです!!自分の方が有利じゃないですか!!」

?男「わりぃわりぃ。じゃあ逆にしよう。俺は偶数が出たら勝ち。奇数が出たらお譲ちゃんの勝ちだ。お譲ちゃんが勝ったら1万円やろう」

ツインテ「え、それってかなりボクが有利じゃ……」

ポニテ「もーー!!なんでもいいから勝負やってよーーー!!」
225 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:00:11.85 ID:mB1c2LI0
162

--船--

アッシュ「!!ばっ、まだ相手が」

?男「ふっ。成立だ。俺が勝ったら」

男はダイスを投げた。

カツン

?男「お譲ちゃんは俺に惚れる!!」

ツインテ「!?」

アッシュ「!!!!」

コロコロコロコロ

ツインテ「な、なに言って。そんなの勝負じゃないです。だって、ぼ、ボクが人を好きになるのかどうかなんてボクが決めることで」

コロリ

ダイスが示した数字は4。
226 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:03:31.55 ID:mB1c2LI0
163

--船--

アッシュ(馬鹿野郎!!相手の条件をちゃんと聞かずにやるから!!)

?男「にっ、俺の勝ちだ」

ツインテ「で、でもボクそんな、うっ」

ポニテ「ツインテちゃん?どうしたの?」

レン「……ツインテ?」

ツインテ「………」

アッシュ(聞いたことがある。限定的な条件下で魔法、スキルの効果をはね上げさせる方法があると……これは)

ツインテ「あはんっ!!惚れたっ!!」

アッシュ「チャーム!!!!」
227 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:08:18.27 ID:mB1c2LI0
164

--船--

ツインテ「あーん、なんてカッコイイんですかーっハートハート。ボクどうにかなっちゃいそう……」

?男「はっはっはっ、可愛いぜぇお譲ちゃんw」

ツインテはくねくねしている。

ポニテ「そ、そんな!ツインテちゃん、こんなおじさんが好みだったのかっ!!」

レン「ツインテー、ツインテー」

レンはツインテの服を引っ張るのだが反応は無い。

?男「よぉーし、じゃあ下の客室行こうかー、はっはっはっw」

アッシュ「まて!!」
228 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:11:22.12 ID:mB1c2LI0
165

--船--

?男「ん?どうした兄ちゃんよ」

アッシュ「……お前、賭博師だな」

?男改め賭博師「おうよ、いかにも。紹介が遅れたな、俺はさすらいの賭博師だ。そんでこいつが俺の相棒の調教師」

?少女改め調教師「ぺこり」

アッシュ(はめられた!!……運を底上げする賭博師のスキル、この勝負元から勝ち目は無かった!!)

賭博師「……兄ちゃん達、結構素材は良さそうなのにまだ経験が足りないな。怪しいことしてたのに気づいたなら、最後まで疑い通さなきゃ」

アッシュ「っ!!」

ツインテ「ねー、賭博師様ー。早く行きましょう。ボク……はーとはーとはーと」
229 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:18:43.25 ID:mB1c2LI0
166

--船--

アッシュ「な、つ、ツインテ!!?」

ツインテの赤らめた顔を見てアッシュは膝から崩れ落ちる。

賭博師「あーりゃりゃ。おもしろくなってきたわwほれどうすんだ兄ちゃん。奪い返さないのか?」

アッシュ「!!……やるに決まってんだろ」

アッシュは腰からナイフを取り出した。

調教師「!?」

賭博師「おいおい、血の気が多くていけねぇ。普通ここはギャンブル勝負って展開になるはずだろう?」

アッシュ「こっちの方が手っ取り早い」

ユラリ

ポニテ「おもしろそうだけど、だめー!!」

ポニテがアッシュを捕まえて羽交い絞めにする。
230 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:24:01.66 ID:mB1c2LI0
167

--船--

アッシュ「なっ!?こ、コラ貴様!!離せ!!」

ポニテ「今暴れると駄目だよー!!アッシュ君が本気でやったら、この人達殺しちゃうし船も沈んじゃうもん!!」

賭博師「……おいおい物騒だな」

レン「……ツインテ返して」

レンはくいくいと賭博師の服を引っ張る。

ツインテ「っ、賭博師様に触れないでください!」

バシッ

レン「!!」

ツインテはレンの頬を叩いた。
231 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:28:14.67 ID:mB1c2LI0
168

--船--

レン「に、にゃあぁ。ツイン……テ?」

賭博師の前にツインテが立ち塞がった。

ツインテ「賭博師様に害をなすというのなら、ボクが相手になります!!」

賭博師「ひゅー」

アッシュ「そん……な」

かくっ

アッシュは燃え尽きたボクサーのように色を無くす。

ポニテ「……」

レン「う、ツインテ……うぅ」

レンは大粒の涙を眼に浮かべる。

ポニテ「ねー、おじさん?」

賭博師「ん?」

ポニテ「ツインテちゃん、返して?」
232 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:31:06.37 ID:mB1c2LI0
169

--船--

賭博師「貰ったものは返せないーw」

ツインテ「さいっこ……まじしびれる。はーとはーと様はーと」

ごごご

ポニテ「ツインテちゃんは私達の大事な仲間なの。これからもずっと一緒に旅したいんだー。だからお願い。わがまま言わないでさー」

ごごごご

賭博師(……こ、こえー。笑ってるのにめっちゃこえー)

調教師「ご主人さま……」

ポニテ「そっちは最初ずるしようとしたんだし、あの勝負だって後から条件言ってずるい。少しぐらいは私達の言い分聞いてくれてもいいでしょ?」

ちりっ

賭博師(が、ガソリンぶっかけられてマッチ棒つきつけられてるみたいな恐怖感だぜ……)
233 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:36:27.76 ID:mB1c2LI0
170

--船--

?軽い女性「やれやれ、そこらへんでやめてくんないかなー。うちらまでひやひやするよー」

この一件をずっと見ていた三人の大人が口を出す。

?眼鏡女性「それに大人が子供を手玉に取っているのは、はたから見ていておもしろいものじゃないです」

?大男「なぁ、アンタ。大人げないことしてないでスキル解いてやりなよ。それとも奴隷商人とかじゃあないんだろ?……」

賭博師(おいおい、変なのまでひっかかっちゃったよ。ぱっとみどれも強いなぁ……名をあげてる人間はいなさそうなのにまぁ。世界は広いってことなのかね)

賭博師は冷静に三人を観察した後、ポニテに向き合った。

賭博師「ふぅ……でもお譲ちゃん。全部が全部お譲ちゃんの言うとおりだとしてもだ。成立した内容を問答無用でひっくり返せというのは少々強引なんじゃねぇか?仮にも俺らは勝負をしたんだぜ」

ポニテ「うっ」
234 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:42:05.66 ID:mB1c2LI0
171

--船--

賭博師「俺は真剣勝負のつもりでやったんだ。負けても文句はないけど、それじゃあ道理がさぁ」

アッシュ「ふざけるな!お前のやったことは詐欺同然だ!!」

ヒュー、と口笛を吹く。
威勢がいいねぇと賭博師。

賭博師「ならどうだお譲ちゃん。ギャンブルの不満はギャンブルで。不服があるんなら再戦を挑めばいいだけなんじゃねぇか?」

ポニテ「!受けてくれるの?」

賭博師「おうよもちろんww」

?眼鏡女性「……また騙そうとしているのが見え見えです。なんならここで」

眼鏡女性は壁に立てかけていたハルバートに手を伸ばす。

?軽い女性「やめな。ここで騒ぎを起こしてどうするんだよ。それにあの子らだって馬鹿じゃないでしょう」
235 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:45:45.21 ID:mB1c2LI0
172

--船--

ポニテ「じゃあ、私が勝ったらツインテちゃんを解放してね」

賭博師「オッケー!じゃあ俺が勝ったら元気のいいお譲ちゃんと猫のお譲ちゃんを貰う」

レン「にゃっ!」

ポニテ「えー!なんでなんでー!こっちは二人も出さなきゃいけないのさー!!」

アッシュ(一応帽子で猫耳は隠してあるんだが……まぁ色々ばればれか)

賭博師「なんでって、ツインテちゃんがそれだけ可愛いから」

ポニテ「ぶっちゃけたー!?」

ツインテ「きゃるるーん」
236 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:48:23.76 ID:mB1c2LI0
173

--船--

ポニテ「うぅぅう!!じゃぁ勝負方法は決めさせてもらうよ!!」

アッシュ「反論しないのかよ!」

ポニテ「自慢じゃないけど無理だよ!!あの白くて滑らかな肌!!透明感があって艶艶で……もう同じ生物とは思えないほどなんだよ!!もう陶器だよ!!人間陶器!!すべすべで綺麗で一度良い匂いがしてたまらない!!肌を撫でたり舐めまわしたりした日にはもう夜も寝れないくらいなんだよっ!!」

アッシュ「毎晩そんなことしてのか!!そら寝苦しいとか言うわけだよツインテ!!」

賭博師「……ちら」

賭博師はそっとツインテの頬に触れる。

ツインテ「はぅぅ。賭博師様ぁ」

ツインテは頬を赤らめて目を潤ませて見つめている。

賭博師「ごくり」

?軽い女性「なんだか私の好きな匂いがする。ベーコンでレタス的な」
237 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:49:10.36 ID:mB1c2LI0
174

--船--

ポニテ「じゃあ勝負は各々が持ってるサイコロを振って、出た目が大きい方の勝ちね!!」

賭博師「おっけー……って、各自が持ってるサイコロ?お譲ちゃん達も持ってるのか?」

ポニテ「うん!もちろんサイコロは六面で最高の数字は6だよ!ルールはそれでいい?」

賭博師「よおしわかった。じゃあどっちから振る?」

ポニテ「おじさんからお願い!!あ、レンちゃんちょっと」

レン「なに……?」

ポニテはレンの耳をつまみ上げ内緒話。
238 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:50:08.24 ID:mB1c2LI0
175

--船--

賭博師「よぉおし、ダイスロール!!」

賭博師は宣言して賽を振った。

カンカラララ

アッシュ(そうか、なるほど。あいつのサイコロは6が無い、どころか最低の数である1が二つもある。こっちがまともなダイスを使えば、必然的に勝率が高くなる……だが)

賭博師「……そうだお譲ちゃん。一つ言い忘れてたけどさ」

ポニテ「なに?」

賭博師は左の掌の中身を見せた。

賭博師「……俺がほかにダイスを持ってないとは言わなかったよ?」

掌のダイスには1が二面。まごうことなく先ほどのいかさまダイスだった。
239 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:50:52.99 ID:mB1c2LI0
176

--船--

出た目は6。

賭博師「……おまけに運もついてるんだなぁこれが」

ポニテ「!!」

アッシュ(まずい!!最高数字の6……最低でも6を出さないとこちらの負けだぞ……どうするつもりだポニテ!!)

賭博師「さぁ、お譲ちゃんの番だ。ダイスを振りなよ」

ポニテ「……ちょっと待って。まだダイスの準備が出てきてないの」

賭博師「?この期に及んで何を言ってるんだい?各々が持っているサイコロって言ってたじゃないか?」

ポニテ「うん、だからちょっと待ってよ」

レンがポニテの後ろで赤い石を取りだした。

レン「……錬金ツール、起動」
240 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:51:26.74 ID:mB1c2LI0
177

--船--

バシュッ!

アッシュ「!!」

一瞬でレンの周りを道具が埋め尽くす。しかもふよふよとそれらは浮いている。

レン「素材は……この貝でもいいか。錬成開始」

バチィっ

?軽い女性「……へぇ」

?大男「はは、こりゃとんだ余興を見れることになったな」

賭博師(錬金工場を必要とせず錬成を行えるっての?いやこれが持ち運び可能な錬成工場ってことなのか?)

レン「錬成終了……ポニテ」

レンはぽいとそれを投げてよこす。

ポニテ「ありがとー!!レンちゃん!!いざ勝負だ!!」

ポニテは賽を振るう。
241 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:52:09.48 ID:mB1c2LI0
178

--船--

からからから

アッシュ「……」

調教師「……ごく」

カラン

ダイスの目は


ハゲ男「うおおおおおおおお!!6をひいたぜえええええ!!」

レン「びくっ!!」

いつの間にか周りはギャラリーでいっぱいになっていた。

ワーキャー

ポニテ「引き分け!!」
242 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:52:51.65 ID:mB1c2LI0
179

--船--

賭博師「ふっ……ははははっw何が引き分けだっつーの。これ全部『6』じゃねぇかw」

ポニテ「うんそうだよwだってルールは『サイコロは六面で最高の数字は6』だもんね!全部6でもルール破ってないよね!」

アッシュ「……アホだ」

賭博師はサイコロを色々な角度から眺めている。

賭博師「うーん……参った!次の勝負をする必要も無く俺の負けだ!抜けてるかと思いきや中々やんじゃんお譲ちゃんw」

ポニテ「えへへwって!早くツインテちゃん返して!!そういう約束でしょ!!」

賭博師「へーへー。つうか、もうそろそろ解けるころじゃないか?」

ツインテ「L・O・V・E・らぶ……あれ?ここは……」

アッシュ「!?スキル解除もしてないのに……」

賭博師「……へ、どうよ。西の王国まで退屈せずに済んだぜ?」

プオー!

ラッパの音が鳴り響く。港の近い証拠だった。
243 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:53:42.50 ID:mB1c2LI0
180

--船--

ハゲ男「なんだ。お遊びの勝負だったのかよつまらねぇ」

ギャラリーは港に近づいたということもありその場からいなくなっていく。

ポニテ「なんだー!元からこういうつもりだったの?!」

賭博師「ギャンブルを楽しむのに一番必要なのは緊張感だからなw」

ツインテ「な、なんかよくわからないけどひどいことをしていたような……」

レン「……」

レンは無言でツインテに抱きついた。

アッシュ(……腑に落ちない。『サイコロは六面で最高の数字は6』……仮にも賭博師であるこいつがそんな穴だらけのルールを見逃すだろうか)

ポニテ「あ、ちなみになんだけど、調教師さんて、やっぱりモンスターとかを調教してるんだよね?」

調教師「はい。夜は賭博師さんに調教されていますけど」

賭博師「うぉおおい!!」
244 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:54:25.65 ID:mB1c2LI0
181

--船--

調教師「でもよかったのですか?ご主人様。数字が全部6のサイコロはご主人様だって……」

調教師は小さな声で賭博師に話しかける。

賭博師「あーあー、いいんだよ」

賭博師はそれを手で払う。

賭博師「やっぱしお譲ちゃん達大会に出ないか?結構いい所まで行けると思うぜ?」

ポニテ「私は出るつもりだよー!!」

アッシュ「出ない!!というか西の王国内に入るつもりはない、ここで船を乗り換えるだけだ!」

ツインテ「ほっ」

ポニテ「えー!?やだー!!出る出る絶対出るー!!ね!?ツインテちゃんも出たいよね!?」

ツインテ「絶対に出たくないですはーと」
245 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:55:00.09 ID:mB1c2LI0
182

--船--

ずずん

ふとっちょ船員「ん?なんか今の揺れおかしくないか?」

ひげ船員「んん……もしかして……海のモンスターか?」

船員たちが海面を見ようと顔を乗りだすとそこには



ポニテ「うわーんやだー!!出るったら出るのー!!一人でも出るんだからー!!」

賭博師「あー、個人戦は確か今日が決勝だ。もう出られないぞ……」

ツインテ「ぽ、ポニテさん、ここは抑えて」

ワーキャー!!

その時船首の方から悲鳴が聞こえた。

ふとっちょ船員「い、イカだ!!侵略に、ひっ!!イカが侵略にきたぞおおおおおおおおい!!」
246 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:55:26.05 ID:mB1c2LI0
183

--船--

巨大イカ「げっそげそげそげそげそげきげそげそ」

でかい。
巨大イカが水面から体を出すと、ツインテ達の場所に影が出来るほどに。

ツインテ「っきゃー!!」

アッシュ「で、でかい!!あの時のゴーレム程とはいかないが」

ポニテ「うわーイカだー!!おいしそー!!」

?軽い女性「やれやれ、楽観的でいいわね」

軽い女性は弓を取りだした。

?軽い女性「海上でモンスターと出くわしたら倒さなきゃ。じゃないと私達は海の藻屑よ」

ポニテ「もずく!!」
247 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:55:52.91 ID:mB1c2LI0
184

--船--

巨大イカ「いかー!!」

巨大イカは巨大な手を振り下ろした。

ビュウン!!

アッシュ「!!」

ドシン!!

ツインテ「きゃああああああああ!!!!」

イカの一撃で船は揺れる。

バキバキバキ
248 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:56:45.97 ID:mB1c2LI0
185

--船--

ポニテ「これはイカんよ!!ただちにやっつけなくちゃ!!」

ツインテ「ででで、でもどうやって!?」

レン「ツインテは下がってて……おいで、ゴーレム」

レンの服の中から小さなゴーレムが出現する。

ゴーレム「ががががが」

ゴーレムは巨大イカに突進する。

べしっ

小さな体で果敢に挑むゴーレムであったが、巨大イカの触手に弾かれ海へと吹き飛ばされてしまった。

レン「はうっ!!」
249 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:57:19.78 ID:mB1c2LI0
186

--船--

アッシュ「あんなんでなんとかなるわけないだろ……ここは俺が、っと」

アッシュはナイフを取り出すが思いとどまる。

アッシュ(俺がやったら海の生態系が崩れるかもしれないか……)

アッシュはナイフをしまうと振り向いた。

ポニテ「ほえ?」

アッシュ「ポニテ」

くいっと親指で指図。

ポニテ「ほえーい!!」

ポニテは万歳のポーズでその意図を受け取ったとアピール。
250 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:57:51.19 ID:mB1c2LI0
187

--船--

ガインガイン!!

?眼鏡女性「っ!肉が厚くて硬い……盾男さん!」

?大男改め盾男「おう!!」

ガイン!!

巨大な盾でイカの攻撃を弾く。

盾男「ちっ、こりゃきつい相手だ……弓女ならいけんじゃないのか?」

?軽い女性改め弓女「……無理ね。試してみたけど私の弓じゃ弾かれちゃうわ。大体斧女の攻撃で弾かれるってどんな装甲よ」

?眼鏡女性改め斧女「……海に逃げますか?」

盾男「いやそれも考えたが、多分奴の眷属が待ちかまえてると思うぜ」

ハゲ男「ぎゃああああわああああ!!」

盾男「ほれ」
251 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:58:23.25 ID:mB1c2LI0
188

--船--

賭博師「ふぅむ。お前これどう思うよ」

調教師「ご主人様のすごく……大きいです」

ばちん

調教師「あいたっ!!」

賭博師「……うし、ここは避難安定だな。あいつ呼び出せ」

調教師「あいつって、シーモンさんですか?」

賭博師「そう」

調教師「わかりました。すー」

調教師は大きく息を吸うと、

調教師「ぴしぇ92いqj4gtぁ」

超音波を発射した。
252 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 22:59:34.43 ID:mB1c2LI0
189

--船--

アッシュ「!?な、なんだこの音は!!」

斧女「なにを、やっているの?」

調教師「ふぅ。もうすぐ来るそうです」

賭博師「そうか」

弓女「ちょっと!!あんたたちも手伝ってよ!!触手何本あると思ってんのよ!!」

ザバァ!!

遠くの海が盛り上がる。何か大きなものがこの船に迫っていた。

斧女「なに?またモンスター!?」

ザババッ!!

シーモン「シーモンキー!!!!」

大きな猿が海から出現した。

盾男「シーモンキーは猿関係ねぇから!!」
253 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:00:23.49 ID:mB1c2LI0
190

--船--

シーモンキーは賭博師と調教師をいそいそと担ぎ始める。

賭博師「じゃあそういうことで、後よろしくぅ」

調教師「皆さんお先に失礼します」

調教師がぺこりと頭を下げるとシーモンキーは海へと飛び込んだ。

盾男「!?な、ばか!!下には眷属のイカが!!」

がばっ

盾男が急いで下を除くとそこにはイカを踏み台にして元気に走り回るシーモンキーの姿が!

盾男「……なるほど。てか逃げやがったよ」
254 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:01:02.36 ID:mB1c2LI0
191

--船--

ポニテ「うっほほーい!!」

そんな中、場違いな浮かれた声が響く。

弓女「!?ま、待ちな!!あぶねぇ!!」

ポニテはキーンのポーズで触手を駆けあがっていくではないか。

盾男「まずい!!あいつの触手で叩かれてでもしたら、あの子死ぬぞ!!」

アッシュ「……」

ツインテ「……」

レン「……」

盾男「こ、こら!お前たちもなんで止めないんだよ!!あの子危ないぞ!!」
255 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:01:55.82 ID:mB1c2LI0
192

--船--

巨大イカ「げそげそー!!」

ポニテ「じゅっる」

巨大イカはその時恐怖を覚えた。

自分の触手を駆けあがってくるその少女を見て、
限界まで大きく見開かれたその目で見つめられたので、

巨大イカ「い、イカーーーーー!!」

ぶーーーー!!

特大の量のイカスミ。
川の増水による鉄砲水すら上回る水圧。
しかし

ドパン

ポニテ「ぷっは!」

それを飲み干してなお直進してくるのだ。
ものっそい笑顔で。
256 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:02:29.75 ID:mB1c2LI0
193

--船--

ポニテ「ひょっ」

ポニテは触手を蹴って、大きく跳躍する。

巨大イカ「ゲソ!!」

そして大きく、口を、開けた。

斧女「ま、まさか」

ツインテ「こんな形ですけど、ポニテさんの今日の食費が浮きそうですね」

ポニテ「いひゃひゃひまふ」

ガブシュッ!!!!
257 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:03:05.96 ID:mB1c2LI0
194

--船--

ガフッ、ズジョッ、ズルルル。

ポニテ「ガフッ!!ガフガフッ!!グルルッ!!」

ズチャッ、ブヂィッ、ガブっ。

斧女「うっ!」

斧女はその光景を見て口を押さえる。

ブチブチブチっ、ジュルル。

弓女「イカを……喰ってる」

ガウッ、ハグッ。

ツインテ「やはり空腹だったんですね・・・彼女」

アッシュ「アミノ酸を自ら取り込んでいるというのか?ポニテが」

盾男「……どうでもいいけどハルバート弾いてんだぞあのイカの装甲」
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 23:03:56.08 ID:3QtHKPMo
>>255
ポニテww飲み干したww
259 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:03:58.50 ID:mB1c2LI0
195

--船--

ポニテ「ぷー!お腹いっぱい!!えへへww」

アッシュ「全部喰いやがった!!」

斧女「その体の一体どこに……」

レン「……」

プオー


巨大イカに襲われるというハプニングがあったが、船は無事港に到着したのだった。


アッシュ(……しかし、このタイミングでモンスターが?港に近いこんな場所で……)

ポニテ「見てみてツインテちゃんー!妊婦!!」

ツインテ「わーごいすー」(棒読み)
260 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:04:41.06 ID:mB1c2LI0
196

--港--

ポニテ「よっしゃー!!大会大会ー♪」

アッシュ「だから行かないといっとろーが!!これからすぐあっちの船で南の王国に」

でぶ船長「ん?にーちゃん南の王国に行きたいのか?でも南の王国行きの船は大会期間中はねぇぞ」

アッシュ「!?」

ポニテ「おお!?ならその間することもないんだし大会でちゃうしかないよねっ!!ねっ!!」

ツインテ「えー……大会やですよ〜」

レン「にやー」
261 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:06:15.51 ID:mB1c2LI0
197

--港--

ツインテ「でも確かに船が無いんじゃ大会が終わるまでここに滞在しないといけませんよね」

アッシュ「!?ツインテまで!!」

ツインテ「あ、ボクもアッシュ君と同じで、大会参加には賛成しませんよ!!安心してください!」

アッシュ(……そういうことじゃねええ)

アッシュはガシガシと頭をかく。

弓女「よっ」

船から降りてきたさっきの三人組に挨拶される。

弓女「先ほどは世話になったね。あんなばけもん食っちまうとは恐れ入ったよ」

ポニテ「えへへへーww」

斧女「それでも大会で当ったら手を抜きませんよ?出ないのなら話は別ですが」

盾男「じゃあそういうことで。君達の旅の無事を祈っている」

三人は西の王国の中心街へと歩いていく。
262 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:07:10.12 ID:mB1c2LI0
198

--港--

ポニテ「ほらほらー!どうせすることもないんだしいいじゃなイカー!!」

ツインテ「はまってるんですか?それ」

レン「……レンも何か食べたい。ツインテ、クッキー欲しいの」

レンがツインテの服を引っ張る。

ツインテ「はい。とりあえずアッシュ君、食事にでも行きませんか?」

アッシュ「…………………」

しかしアッシュは俯いているだけ。

ツインテ「あ、あれ?アッシュ君?どうかしましたか??」
263 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:07:40.45 ID:mB1c2LI0
199

--港--

アッシュ「……わかった。船が動くまで、大会が終わるまでここに滞在することにする」

ポニテ「きゃほーいい!!大会は!?大会は!?」

アッシュ「好きにしろ。ただし!!」

ツインテ「??」

アッシュ「この国に滞在中は俺は単独行動を取る」

ツインテ「!?」

ポニテ「え、なんで?」

アッシュ「……うるさい。以上だ」

アッシュはフードを被り、一人歩いていってしまう。

ツインテ「あ、アッシュ君……」
264 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:08:33.29 ID:mB1c2LI0
200

--港--

ツインテ「なんか……怒っていっちゃいましたね」

ポニテ「うん、なんでだろー?大会興味ないのかなー??」

ツインテ(大会がどうとか言うよりは、この西の王国全体がという気がする……)

レン「……お腹空いたー」

ツインテ「あ、ごめんなさい。ポニテさん、とりあえず中心街に行きましょう。アッシュ君にも何かあるんだと思います」

ポニテ「そっかー。そだねー」

アッシュがパーティから離脱した。



賭博師「……ほぉ」

物陰からその様子をうかがう二つの影。

調教師「ご主人様。ちょっとお話が」

賭博師「なんだ」

調教師「はい、あの……反対方向から憲兵が近づいてきています」

賭博師「……早く言えよそゆこと」
265 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/01(月) 23:09:46.19 ID:mB1c2LI0
やっと二部始まってから書きたかったことが書けました……長い道のりでした。
それでは本日はこれにて終了とさせていただきます。

質問、疑問などがありましたら気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 23:10:59.62 ID:3QtHKPMo
>>265
乙!
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 23:11:02.03 ID:eAookASO
もうどこから突っ込んでいいのかwwwwww

侵略イカ◯にエヴァに…

ポニテはもはやアラレちゃん+ガッちゃんみたいだし…
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/02(火) 11:59:23.62 ID:v93epYMo

ポニテがもう人間じゃねえええwwwwww
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 05:11:59.47 ID:diSHwUco
乙!
面白かったぜww
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/03(水) 07:35:35.97 ID:57sF3S.o
おつんつん
271 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 21:54:33.75 ID:D00Yolc0
こんばんはー。少し書き溜めたので投下したいと思います。 22:00くらいからしますー
272 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:01:23.92 ID:D00Yolc0
201

--コロシアム--

ワーキャー

実況「さぁ!さぁさぁさぁ!!ついにこの武術大会の個人戦に決着がつこうとしています!!決勝はこれ以上の好カードはないんじゃないかと思われますがどうですか解説さん!!」

解説「そうでもなくね?」

実況「はい!全否定です!!赤コーナーはご存知!!西の王国の勇敢なる戦士、槍兵!!彼はまだ若いのに数々の猛者を倒してきていますからね!!近頃配属先が変わるという噂もちらほら……そこのところはどう思いますか!?解説さん!!」

解説「それソースある?」

実況「はい!ただの噂でしたね!!続いて青コーナー!!こちらもまだ若い!!流星の如く現れた可憐な闘士、包帯女!!彼女強いですねぇ。全身包帯というのがまたかっこいいですよね!!躯にしても志々雄にしても包帯で姿を隠してるやつは強いやつが多いですからね!!」

解説「ボノレノフェ……」

実況「ボノレノフ強いだろ!!ディスってんすか!!」

ツインテ「なんだこの実況と解説……」
273 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:02:54.35 ID:D00Yolc0
202

--コロシアム--

ポニテ「おおー!!でもここ来て正解だったね!!戦いも見れるし、食べるものもいっぱい売ってるし!!」

ツインテ「はは……というか大会でどこのお店も休みだったから、ここに来るしかなかったんですけどね。まぁ食べ物があってよかったです」

ドグシャッ

オオー!!

ツインテ「……あんな戦い見ながらよく皆さん食事できますね、おぶ」

レン「むぐむぐ」

ポニテ「もっきゅもっきゅ」

ツインテ「やっぱりポニテさんも食べるんですよね、わかってました……」
274 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:03:27.84 ID:D00Yolc0
203

--コロシアム--

ポニテ「あ、このイカの刺身おいしいよー!!レンちゃんもどうぞー!!」

レン「……あーん」

ツインテ「またイカ食べてんですかって、だめー!!イカ食べちゃだめー!!猫はイカダメなんですよ!?」

レン「……イカ」

ポニテ「えー、じゃあこっちの焼き玉ねぎどうぞ!」

ツインテ「だめー!!ネギ類もだめー!!レンさん殺す気ですか!?」

レン「……おにおん」

ポニテ「えーもー注文が多いなー。じゃあ、はいっ、生の豚肉ー!!」

ツインテ「……猫とか関係無くひどいし……。もしかしてレンさんのこと嫌いですか?」

レン「……ぶたにくー」
275 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:03:55.08 ID:D00Yolc0
204

--コロシアム--

槍兵「はっ、はっ……やるぜぇアンタ!!よくもまぁ、それだけの実力を持ちながら影に潜んでたなぁ」

槍兵は銀色の槍を構えながらじりじりと距離をつめていく。

包帯女「そりゃぁもう強くなるために必死だったのさ。表舞台に出てこれないほどね」

槍兵「どんな修業だよ!……まぁいいさ、俺はこの王国の兵士を代表して優勝するぜぇ。出ないと開催国として格好がつかねぇからなぁ」

ドッ

槍兵が地面を蹴り、渾身の攻撃をしかける。

ヒュッ!!

包帯女「っ!」

ヒュヒュヒュヒュヒュヒュ!

まともに刺されば一撃でアウト。そんな突きのラッシュを全て掌で叩き落とす包帯女。

ババババババ!

包帯女(槍の刃には毒でもつけているんだろう?)

包帯女は的確に柄だけを攻撃している。
276 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:04:27.06 ID:D00Yolc0
205

--コロシアム--

槍兵(弾かれた衝撃で体が左右に揺さぶられたら負けだぜぇ。踏ん張れ俺の体!!)

ババババババ!!

包帯女「くっ!!」

包帯女は勢いに押され、少しずつ後ずさりをし始める。

包帯女(体力的には悔しいけど奴の方が上か!!長引かせられない!)

ドッっ!!

渾身の力を込めた掌底で大きく槍を逸らす。

槍兵(!!来るか!?)

ダンっ!

包帯女が地面を踏みしめ、右の拳を大きく引いた。

包帯女(突きには……突き!!)

槍兵「おおおおおおおおおおお!!!!」

包帯女「闘士師範代直伝!!超正拳突き!!」
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 22:04:55.94 ID:aydr5eoo
まってた!
278 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:05:20.12 ID:D00Yolc0
206

--コロシアム--

ごちん

レン「あぶっ」

よそ見していたレンはマントを被った人とぶつかってしまう。

?マント「ん?」

ツインテ「あ!こらレンさん!!すいませんお怪我はありませんか!?」

?マント「いや……こちらも不注意だったと謝罪する」

ツインテ(女性?でもなんか……)

?青年「おい、なにやってんだ。早く行くぞ。試合終わっちまうよ」

男が現れてマントの女性を促す。

?マント「あぁ今行く。では」

レン「……まぐろぅ……」

レンの手に持っていたまぐろの刺身は、ぶつかった衝撃で落ちてしまっていた。
279 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:06:07.14 ID:D00Yolc0
207

--コロシアム--

ポニテ「がつがつばくばくもしゃもしゃ」

ツインテ「うぅ……またも食費が……というか、ポニテさんばかり食べてないでちょっとはレンちゃんにもわけてあげてください!」

ポニテ「えへへへwごめんねぇ?はい、焼き蛙」

ツインテ「そんなもの食べてたんですか!?」

ポニテ「なんかこうやって書くと焼き鮭みたいに見えるよね」

ツインテ「右っ側だけです!!」

レン「げこげこ」

ツインテ「あぁあ!食べてるし!!」

レン「まいうー」
280 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:06:56.22 ID:D00Yolc0
208

--コロシアム--

実況「決まったああああああああああ!!!!遂に決まりました!!27分という長き戦いの果てに、勝利の栄光は槍兵選手のものとなりました!!」

ワーキャー

実況「聞いてくださいこの歓声を!!実にすばらしい試合でした!!槍兵選手と包帯女選手、そのどちらかが決勝に上がってこれなかったらこれほどの試合にはならなかったでしょう!!勝ってあっぱれ槍兵選手!負けてあっぱれ包帯女選手!!」

解説「実にいい返しでしたね。今思えば一攻防前のあの時に勝負は決まっていたかもしれませんね」

実況「真面目に解説してる!!??」

ワーキャー

槍兵「はっ、はっ、はっ。いやぁ危なかった……一手遅かったら俺の首が吹っ飛んでたぜぇ……」

槍兵は手を差し出す。

包帯女「くあー……くそ。負けるとは思わなかった。やっぱ世界には強いやつがいっぱいいるな」

包帯女はその手を掴む。
281 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:07:32.09 ID:D00Yolc0
209

--コロシアム--

ツインテ「あ!!肝心な所見ないうちに勝負がついてる!!」

ポニテ「私はちゃんと見てたよーww」

レン「レンも……」

ツインテ「う!……うぅ」

ポニテ「強かったねぇ〜。本当に強かった。でもここにいる人達が世界の全てじゃないんだ」

レン「……こく」

ポニテ「中には表に出てこれない人もいれば興味を持たない人達もいる……ふ、ふふふ!!」

ツインテ「……恐ろしい話ですね。とてもじゃないですけど、あの人達にだって追いつける気がしません」

ポニテ「わーくーてーかー!!!!よし!!大会でよう!!」

ツインテ「え!?……個人戦はこれで終わりって言ってましたよね?」

ポニテ「うん、だから団体戦」
282 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:08:04.42 ID:D00Yolc0
210

--コロシアム--

ツインテ「だ、だだだ団体戦ー!?」

ポニテ「うん、さっきパンフレットもらっちゃんだ。それによるとね?シングル(個人戦)が今日で終わりだけど、明日からチーム(団体戦)が始まるの!!マックス(五人制)には出れないけど、トリプル(三人制)には出れるよね!!ぴったりww」

ツインテ「えええええええ!?あの、あそこで戦ってるような人達を相手にするんですよ!?」

ポニテ「シングルとチームは別物だから出てくるかわからないけれど、いーじゃん!力試しには持って来いだよ!!」

ツインテ「いやいやいやいやボク試すほどの力ないですもんっ!!」

レン「くあー……」

レンはあくびをしている。
283 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:08:59.63 ID:D00Yolc0
211

--コロシアム、特別部屋--

?女「シングル戦が終わりました。大したトラブルも無く進んでいます」

?男「あぁそうか。我が国に活気が戻って来ているのは見ていて喜ばしい」

?女「王様がなさることに間違いなどありませんよ」

?男改め西の王「……あぁ」

コンコン

その時不意にドアが叩かれる。

?女「何用です?今、王様は休まれているのですよ?」

ガチャリ

?蛙顔「いやはやすいませんです秘書さんー。私もちょっと上から見てみたくてーwうわ高いー!」

蛙顔の人物が部屋に入ってきた。
284 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:09:28.75 ID:D00Yolc0
212

--コロシアム、特別部屋--

西の王「……お前がそんな理由で来るはずが無い。なんのようだ?」

?蛙顔「いえですねー、例の件が結構順調でしてー、見てもらおうかとw」

?女改め秘書「ならここに持って来なさい!貴方は王に出向けと言うのですか!!」

?蛙顔「あははーwいえね、実はもう持ってきてるんですよー。お前達ー」

?1「光学迷彩解除」

?2「光学迷彩解除」

?3「光学迷彩解除」

ブゥン

秘書(!?私が気配すら感知できなかった!?)

?蛙顔「古代の対人兵器、ここまで復元できましたよー」
285 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:10:03.79 ID:D00Yolc0
213

--コロシアム、特別部屋--

西の王「ふむ……」

?蛙顔「こらー。王の御前で失礼ですよー。ちゃんと挨拶なさいなー」

?1「はっ。私はこの三体のリーダー、ウーノと申しますわ」

?2「私はドゥーエちゃんでーす!」

?3「トーレです。よろしくお願いします」

?蛙顔「チーム、セックスピストルズです」

秘書「本気にするからやめろ」
286 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:10:38.24 ID:D00Yolc0
214

--コロシアム、特別部屋--

西の王「……もう使えるのか?」

?蛙顔「はいそりゃもちろんー。一応ご説明させていただきますとー、右からお金持ちの令嬢設定でー」

?1改めウーノ「はいですわ」

?蛙顔「次の髪飾りのボンボンがついているのが妹属性のドゥーエでー」

?2改めドゥーエ「お兄ちゃんっ」

?蛙顔「最後がちょっと大人しめな幼馴染の同級生ですー」

?3改めトーレ「毎朝起こしにいきます」

?蛙顔「はい!!どうですか!?パーフェクト!?」

西の王「……実戦で使えるのか?」
287 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:11:12.42 ID:D00Yolc0
215

--コロシアム、特別部屋--

?蛙顔「実戦!!あぁさすが西の王様であらせられる!!もちろんですよー、彼女達はいかなるシチュエーションも」

ピタっ

蛙顔の男の首にナイフが当てられる。

秘書「そんなことを王様が聞いているとでもお思いですか?」

ドゥーエ「あー!パパー!」

?蛙顔「……うふふーwもちろん大丈夫ですよー。私の折り紙つきですー。彼女らを投入すれば、そうですねぇ。補給なども含めて三日もあれば一国落とせるんじゃないでしょうかー?」

秘書「!?」
288 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:12:06.84 ID:D00Yolc0
216

--コロシアム、特別部屋--

蛙顔の男はくるくると回り始める。

?蛙顔「うふふふふーよかったですねー。これで因縁深い東の王国もー、20年くらい前にお世話になった中央の王国にもー、その腰ぎんちゃくの北の王国もー、全部まとめてぶっ飛ばして世界征服できますねーw」

西の王「……そんなことが目的ではない。次の魔王を倒すために使うだけだ」

?蛙顔「うふふふふーwwいいじゃないですかー、貴方なら世界の王にふさわしいと思いますよー?自国民からは大人気のその手腕ー、世界の貧しい人達にも味あわせてあげたらいいではないですかーw」

秘書「お前がこの国のことに口を出すな!!」

ドンっ!!

ウーノ「あっと、すいません。つい自動で動いてしまいましたわ」

ドゥーエ「こんなところで危なっかしいことしちゃまずいよねーあはははー」

トーレ「だ、大丈夫ですか?」

秘書は三人に体の自由を奪われている。

秘書(ぐっ!!……初動ですら私を越える!?……一度目で私の速さを分析していたの?)

西の王「……とりあえずはご苦労だった、研究員」

?蛙顔「はいーw」
289 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:12:55.15 ID:D00Yolc0
217

--コロシアム、受付--

ポニテ「まだ団体戦のエントリー残ってますよねー!?」

受付嬢「……よくもまぁ、明日から始まるってのにそんな聞き方が出来ましたね……」

ツインテ「そうですよね!?何日も前から埋まってるに決まってますよね!!」

受付嬢「はい。特に今回は戦後初めて西の王国で開催されるということで、観客や旅行客も例年以上ですから……」

ツインテ「はい残念!!はい終了!!いやー残念でしたねーポニテさん!!こういうことなら仕方ないですよ、今回は諦めてまた次回挑戦してください(一人で)。ささ、行きましょう?今夜はボクが腕によりをかけて晩御飯作りますからっ」

ポニテ「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

ツインテ「三点リーダー多っ!!??」

レン「くー、すー」

レンはツインテの背中におぶられて寝ている。
290 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:14:14.50 ID:D00Yolc0
218

--中心街--

ツインテ「ほらぁ、ポニテさん元気出して下さいよ〜」

ポニテ「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

ツインテ「うぅ……あ、ほ、ほらおいしそうなアイス売ってますよ!?西の王国限定アイスですって!ポニテさん何が好きですか??ボク買ってきます!」

ポニテ「……」

ツインテ「……はい、聞かなくてもわかることでしたね。全部ですよね、全部」

とってって

ツインテはアイス屋まで走っていく。

ツインテ「すいませーん」

アイス屋のおっちゃん「あいよぉ可愛いお譲ちゃん!!おじさんロリコンだからサービスしちゃうよぉ!」

ツインテ「あはは……えっと、全種類ください。タワーみたいに乗っけてく感じで!」

アイス屋のおっちゃん「……全部?25種類?」
291 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:15:14.01 ID:D00Yolc0
219

--中心街--

ツインテ「はい、おっととと!ポニテさん買ってきましたよ!!」

ツインテは高く積まれたアイスを器用にバランスを取ってポニテの所にまで持ってくる。
どうやっておっちゃんが積んだのかは永遠の謎だ。質問されても答えられない。

ひゅばっ

ツインテがポニテの口の近くにアイスを持っていくと、アイスは一瞬で消滅した。

ポニテ「もちゅもちゅごりもちゅ」

そして咀嚼するポニテ。

ツインテ「……すいませんポニテさん。ちょっと硬かった部分なかったですか?是非吐き出して欲しいんですけど」

ツインテの右手首から先も消滅していた。
292 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:16:06.13 ID:D00Yolc0
220

--中心街--

ポニテ「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

ツインテ「うわー。一瞬で喰われると痛みも鈍いんだー。こわー……痛みに気付くまでタイムラグあったよ……」

ポニテ「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

ツインテ「あーもー!ポニテさん、いい加減暗くなるのはやめて下さいよぉ。そりゃぁ確かにがっかりかもしれないですけれど、他にも楽しめることはいっぱいありますよ!!別の角度から考えましょうよ、大会を見てるだけでもきっと楽しいと思うんです」

ポニテ「……………?別の……角度?」

ツインテ「はい!!」

ポニテ「別の角度で……大会に参加?」

ツインテ「……いえ違います……」

ポニテ「別の角度で大会に参加する……つまり出場する人を闇討ち?」

ツインテ「怖い!!」

ポニテ「出場者のチームを殺して出場権を取るってことだねっ!?」

ツインテ「怖い!!!!」

ポニテ「その手があった!!ヤろう!!是非ヤろうツインテちゃん!!」

ツインテ「ポニテさんが怖い!!!!」

レン「くー」
293 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/03(水) 22:17:27.47 ID:D00Yolc0
まさかの速攻落ちですいません。また溜まったら、もしくは時間がたっぷりある時に参ります。

それでは質問、疑問などがありましたら気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 22:19:58.58 ID:aydr5eoo

まったりで構わんのさ
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 22:23:04.90 ID:27OWBwko
>>293 乙!
ポニテが人間の味を知ってしまったか……
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 23:42:00.31 ID:TN1298Q0
いかん…ツインテがピッコロで脳内変換される・・・手首どうやって治したの?
297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/04(木) 11:26:14.88 ID:SDGZ2ASO
>>296
前作見てないのか?
298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 11:43:57.52 ID:qTqfzT6o
盗賊の復元を考えれば手首の一つや二つ軽いもんだな
299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 21:44:13.27 ID:S78gmwDO
乙です。
待ってました。次回更新が楽しみです。ありがとう
300 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:17:13.44 ID:RWrcTJg0
こんばんはー。こんな時間に……きちゃった//

手首は、ポニテに吐かせて固めてくっつけた感じですかねw

ではまた少量ですが投下します。よろしくお願いしますm(__)m
301 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:17:59.03 ID:RWrcTJg0
221

--海沿い--

ザザーン

アッシュ「……」

アッシュは一人堤防に座り、海を見ながらたそがれていた。

アッシュ(くそ、あいつら……うぅ、ツインテ……)

はぁ、とため息をつく。

?「らんらんららん、らりらりらーん♪」

フードを被った少女がアッシュの後ろを通り過ぎていく。

アッシュ(ちっ、うるさいな。アホが。しね)

?「おろろろ!?一人で落ち込んでる少年発見っす!」
302 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:20:42.41 ID:RWrcTJg0
222

--海沿い--

ばふっ

アッシュ「!?」

?「おりおり〜どうしたっすかー?青春してっかー?少年ー」

アッシュの頭に覆いかぶさる少女。

アッシュ「っ!いきなり過ぎて何も言えん!!なんだ貴様!!知らない人間に構ってくるな!」

ビシッ

アッシュはそれを払いのける。

?「あたっ」

少女はバランスを崩し、地面に尻をつく。

?「あはは、乱暴者っすねー」

フードが取れて、金色の髪の毛と小さな角が露わになった。

アッシュ「……亜人か」
303 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:21:14.96 ID:RWrcTJg0
223

--海沿い--

アッシュ(今日は亜人によく会うな……)

?改め金髪「ありゃー。もしかして君、亜人とか差別する人っすかー?」

アッシュ「……いや」

金髪「うーん。嘘はついてみてないみたいっすねー!きゃほーい!嬉しいっすー!」

万歳ポーズで喜ぶ金髪の少女。

アッシュ「だからと言って好きなわけじゃない」

金髪「うおぅっ!?」

アッシュ「じゃあそいうことだから構うな」

アッシュはそこから離れようと歩きだす。

金髪「でも君からは匂いがするっすよ。猫科の亜人の匂いが」

アッシュ「!!」
304 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:21:40.67 ID:RWrcTJg0
224

--海沿い--

金髪「友人とかー、仲間とかにいるんじゃないのかな?」

アッシュ「……だったらなんだよ」

金髪「……君はいい人っすw周りの人たちと同じようにしてるのが一番いいはずなのに。場所によっては仲間に亜人がいるだけで入れてく

れない所もあるっすよ」

アッシュ「そんなのは亜人だってばれないようにすればいいだけだ」

金髪「でもリスクがある。だって人と亜人は違う生き物なんだから」

アッシュ「……いきなり抱きついてきたり、……なんなんだオマエ」

金髪「あはは。あたいと友達になって欲しいっすよ!」

アッシュ「……嫌です」
305 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:22:52.09 ID:RWrcTJg0
225

--海沿い--

金髪「なんでー!?どうしてっす!?」

アッシュ「そのウザさが嫌だ。俺の仲……知り合いの一人に似てる」

金髪「知り合いをそんな悪く言っちゃだめっす!!」

アッシュ「今自分で自分を貶めたぞ!?」

金髪「まぁまぁー。あたい西の王国に来たばっかりで右も左もわからないんすよ。おまけに仲間もいない一人ぼっちなんす。だから」

アッシュ「……なんで一人にいるのかは聞かない。でもなんで」

金髪「追われてるっす」

アッシュ「……あ?」
306 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:23:55.55 ID:RWrcTJg0
226

--海沿い--

金髪「黒の組織っていう犯罪組織に追われてるっす。超怖いやつっす。あたいずっと変な薬作らされてたっすよ。でももうやんなって抵抗したら捕まったっす。そこで自分のポケットに隠し」

アッシュ「真実はいつも一つ。お前の言っていることは嘘だ!!」

金髪「な、なんでわかったすか!!」

アッシュ「……俺も読んでたからな」

金髪「むむむ!?同士でしたか!!いいですよねー、○ナン!!黒の組織編だけでまとめて売りだしたりしないですかねあれ」

アッシュ「まて、危ない気がするぞこの会話」
307 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:24:38.64 ID:RWrcTJg0
227

--海沿い--

金髪「まぁ黒の組織に追われているというのは嘘っすけど、追われていること自体は嘘じゃないっす」

アッシュ(……亜人。亜人ならそれもありうるか……。どこかの見世物小屋、ピー、ブラックマーケット……なにも悪さをしなくたって追われる理由がある。こいつもどっかから逃げ出してきたのだろうか)

金髪「ちなみに砂漠の風っていう盗賊団なんすけど」

アッシュ「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

金髪「そのネタは既にやったっす!」

アッシュ「じゃあな」

金髪「あぁ!!さっそうと去っていかないでってっす!!」
308 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:25:18.23 ID:RWrcTJg0
228

--海沿い--

アッシュ「いやいやいやふざけろ!!なんであんな組織と関わり合いにならなくっちゃぁならないんだ!!危険度ランクトップの最悪な犯罪集団じゃないか!!」

金髪「あ、あはー」

金髪は申し訳なさそうに頭をかく。

アッシュ「どいつもこいつも高額賞金首、隊長クラスに至っては各王国のトップスリーに匹敵すると言われ、そいつらを率いるボスは鬼のように強くて残虐だって話だ!!」

金髪「……」

アッシュ「お前が何の理由でそいつらから追われてるかは興味がない、というか言うな。俺はあんなのとは関わりたくない。じゃあな」

金髪「そうしてあなたは去っていくのね!?」
309 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:25:52.74 ID:RWrcTJg0
229

--海沿い--

金髪「うぅぅ、待って下さいっすよー、後生、後生ですからぁ!!」

アッシュ「えぇい邪魔だ!服から手を離せ!!」

アッシュが金髪を引きずっているかのような絵面。

金髪「飛び出してきたはいいけどお金も無いし頼れる人もいないんすー!!お腹もすくし、一人はさびしいんすよー!!」

アッシュ「ちぃ!!最初に飛びついて来たのは俺が一人でいたから仲間にしやすいとふんでいたのか!!」

金髪「……ソンナコトネッス」

アッシュ「嘘っぽい!!」

ドゲシっ

金髪「あうん」

アッシュのチョップで金髪は地面に倒れる。
310 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:26:38.28 ID:RWrcTJg0
230

--海沿い--

ごろつき「うぃーひっく、あぁん、バカップルが騒いでんのかとおもったけどよひっく、よくみりゃ女の方は亜人か?」

金髪「はっ」

今の倒れた拍子に角が出てしまったことをさとりフードを深くかぶり直す。

ごろつき「きったねぇ亜人が……おう兄ちゃん、今俺が助けてやるよぉ」

ごろつきは酒の入ったコップを投げ捨てると袖をまくった。

金髪「ひぃっ!!」

アッシュ「……」

ごろつき「ただの労働力が人間様こまらしちゃ駄目だろがっ!!」

ゴッ
311 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:27:11.92 ID:RWrcTJg0
231

--海沿い--

金髪「あうんっ!」

到底女子供に向ける拳ではない。正真正銘の殴打。

ドガっ

金髪「ぎひゃっ!」

アッシュ「お、おい」

ごろつき「あぁん?なんだよ、お前がやる予定だったのかよ。まさかそれともお前……」

ごろつきは金髪を掴むのをやめアッシュに近寄ってくる。

ごろつき「あいつの仲間だって言うんじゃねぇだろうな?亜人のよぉ!!」

金髪「……ぅ」
312 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:27:45.02 ID:RWrcTJg0
232

--海沿い--

アッシュ「ち、違う」

金髪「っ!!」

ごろつき「そうかい安心したぜwwほれそろそろ暗くなる。けぇんな」

シッシッと手で払い、アッシュを遠ざけようとする。

金髪「あっ、あぁ」

ざわざわ

いつのまに人が多くなってきているが誰も止めようとしない。

アッシュ(っく!!……今はまずいさすがに目立つわけにはいかないんだ……)

べきっ

金髪「あぁ!!」

アッシュ「!!」
313 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:28:17.43 ID:RWrcTJg0
233

--海沿い--

アッシュ「まて」

ごろつき「あ!?まだなんか用かよ!!てめぇこいつの仲間じゃねぇんだろうが!!」

アッシュ「あぁ」

金髪「痛い……」

金髪の少女は地面に蹲り小刻みに震えていた。

ごろつき「なら」



アッシュ「…………………ペットだ」

ごろつき「あ?ペット?」

アッシュ「そうだ、俺んちのペットだ。だから、もうやめろ」

金髪「……」
314 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:29:12.68 ID:RWrcTJg0
234

--路地裏--

日は完全に沈み、辺りは暗闇に支配されていた。
アッシュと金髪は路地裏で木箱に座り、傷の手当てをしていた。

アッシュ「……」

金髪「……」

アッシュは無言で傷薬を額に塗り、金髪は無言で俯いている。

アッシュ「……すまなかった」

金髪「差別しない、って言ったっす」

アッシュ「……」

金髪「嘘ついたっすか」

アッシュ「っ!」

金髪「それともあたいが砂漠の風に追われてるからっすか」
315 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:29:48.06 ID:RWrcTJg0
235

--路地裏--

アッシュ「……違うな、どちらかと言えば、亜人だから、だ」

金髪「やっぱり……」

アッシュ「すま」

金髪「もういいっす」

金髪は手当てをしていたアッシュの手を握る。

金髪「助けてくれたのは貴方です……感謝してるっす。ありがとう」

アッシュ「……助けてなんか、いない」

金髪「ごめんっす、逆ギレでした……貴方は自分の身を危険にさらしながらも助けてくれたと言うのに……」

アッシュ(こいつから……こいつの言葉から親しみが消えた……)
316 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:30:27.43 ID:RWrcTJg0
236

--路地裏--

金髪「うん、ウジウジしててもしゃーないっす。よいしょっと!」

金髪は勢いよく立ちあがるとパンパンと尻を叩く。

金髪「ちょっとだったけど話せて楽しかったすよ。またあたいと一緒にいたら迷惑かかっちゃうしwwじゃぁ……」

そう言って金髪は路地裏から走って行った。

アッシュ「あ……」

アッシュは金髪に向けて手を伸ばした。
伸ばしただけで動けない。

アッシュ「くそ!俺だって……せめてここじゃなかったら、レンの様に助けられたんだ……くそあの女!!」

アッシュは全速力で駆けだした。

アッシュ「待てよ!!」
317 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:31:03.19 ID:RWrcTJg0
237

--海沿い--

金髪「っ」

しかし金髪の少女は止まらない。

アッシュ「くそ!俺に速度で勝てると思うなよ!!移動速度上昇、レベル3!!」

ドッ!!

金髪「!?」

恐ろしいスピードで飛んできたアッシュはそのまま金髪にぶつかった。

どごっ!!

金髪「きゃん!!」

アッシュ「ごぶふっ!!」

金髪「い、痛いっす!!なにするっすか!!」

アッシュ(ごふっ……なんで俺がめっちゃダメージ受けてるんだよ)

アッシュはぐいと金髪のローブを引っ張る。

アッシュ「……一緒にいてやる。しばらくの間だけだがな!!か、勘違い、すんなよ」
318 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:31:32.50 ID:RWrcTJg0
238

--墓場へと続く道--

街灯も無い真っ暗な道に三人の影があった。

ポニテ「ぬっふっふー!!」

ツインテ「や、やめましょうよポニテさん……危ないですよぉ。暗いし、変な人が出歩いているかもしれないじゃないですか……」

レン「……はかばー」

ポニテ「甘いよツインテ隊員!!そんなことで大会に参加できるとでも思ってるのかね!?」

ツインテ「出たくないですよぉ〜。それにこんなとこ歩いてる人なんていやしませんよぉ」

ポニテ「いや、いるよ!!以外とこういうところにいるもんなんだよっ!!大会参加者っていうのは!!」

ツインテ「ポニテさんが大会参加者の何を知っているというんですか!!」
319 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:32:00.33 ID:RWrcTJg0
239

--墓場へと続く道--

ポニテ「むぅ。確かに人が全然来ないね!!なんでだろう、墓場はチェックしておくべきじゃないのかな??」

ツインテ「こんなとこ観光場所として来る人なんているわけないじゃないですか」

ポニテ「いや大会で死んだ時のことを考えて」

ツインテ「死後の心配!?」

ポニテ「うーん……でもこれは間違いだったかもしれないね……あ!!」

ツインテ「ひゃあっ!!な、なんですか!?もしかして幽霊が出たんですか!?」

ポニテ「いやあれ!!なんかこっちに来てるよ!!」

ズシッ、ズシッ

重そうな音を立てて、大きな男がこちらに向かってきている。
320 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:32:41.08 ID:RWrcTJg0
240

--墓場へと続く道--

ポニテ「あの体躯、あの面構え……やるね、彼はやるよきっと!!あの顔はやる男だ!!間違いない、あの人は大会参加者だ!!」

ツインテ「馬鹿なこと言ってないで、と言いたいですけど、確かに……。むしろあの人以上に闘技場という言葉が似合う人はいないんじゃないかと思えるほどむきむきですね」

レン「まっちょ」

ズシッ、ズシッ

ツインテ「……遠近感おかしくないですか?なんとなくですけど、私達の二倍くらいの身長がある気がします」

ポニテ「そりゃ大男だもんっ大きいさ!!」

ツインテ「名前的には巨人の方があってる気がしますけど……2M半くらいでしょうか」

ズシッ、ズシッ
321 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:33:30.24 ID:RWrcTJg0
241

--墓場へと続く道--

ポニテ「いよぉし、行くよツインテちゃん!!大会参加資格をかけて勝負だ!!」

ツインテ「え、えぇぇ!?本気で行くんですか!?もし参加しない人だったらとか、この際考えない方向なんですか!?」

ザンっ

ポニテは大男の前に立ちふさがった。

ズシッ

それを見て大男も歩みを止める。

ポニテ「やぁやぁ我こそは勇者の一角、ポニテ!!大会の団体戦参加資格をかけて勝負だ!!」

ポニテが腕を組んで大声で叫んでいるのを大男が眺めている。

ツインテ「ひぃぃ〜!!本当に言っちゃった!!」

レン「ばか」

?筋肉質な大男「お、おで」
322 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/05(金) 00:34:44.24 ID:RWrcTJg0
くぅ、番号ミスったせいで21個投下になってしまった!!
今回はここで終わりにしたいと思います。
段々とペースを上げて書いていきたいと思います。

それでは質問、疑問などがありましたら気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/05(金) 01:17:24.33 ID:GHrk4oSO
砂漠の風ってあれだよな?
盗賊が解雇されたルートの盗賊団

今誰がリーダーなんだろう?
楽しみだな

謎の大男…だと?
お前は死んだはずじゃ…
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/05(金) 01:38:33.94 ID:d3ljWjY0
お、おづ
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 01:41:30.45 ID:ahoQ5Cso

本来ならツインテが危ないのに全然そんなこと無い不思議
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/05(金) 22:04:33.35 ID:nHRari.0
乙です
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 23:16:51.31 ID:WgyVeLYo
328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 23:36:02.42 ID:JnxhUEw0
乙です。
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 01:02:57.25 ID:v0fMVaQ0
こんな時間に失礼します。ちょいと投下させていただきます。
330 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/11/10(水) 01:03:49.27 ID:v0fMVaQ0
242

--墓守の小屋--

?筋肉質な大男「そ、粗茶ですが」

大男は三人にお茶を差し出した。

ポニテ「うわーい!!」

ツインテ「よ、よかったんでしょうかホイホイついて来てしまって……ちょっとした事件ですよ……あ、ありがとうございます……」

レン「熱い……ふー」

ツインテ達は、あの後大男が住んでいる小屋に招かれたのであった。

大男が、月の出る夜、人気の無い場所にある小屋に、幼い少女達(少なくとも外見上は)を連れ込んだのである。
憤怒アグネス。

?筋肉質な大男「し、心配するな。そ、そんな特殊な性癖、な、ない」

ツインテ(なぜだろう……お前が言うな!って声が聞こえる……)
331 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:05:53.83 ID:v0fMVaQ0
243

--墓守の小屋--

?筋肉質な大男「そ、それより、団体戦に、出たいのか?」

ポニテ「うん!出たいんだ!!参加資格おくれ!!」

?筋肉質な大男「あ、あれ?湯飲みが、無い。お、おかしいな、出したと思ったのに。ま、待ってろ」

筋肉質な大男は立ち上がり、再びお茶を入れに行く。

ズシッ

ツインテ「……ポニテさん。湯飲みごといったですか……」

ポニテ「えへへ。飲み物だけだったから、歯ごたえがあるものも欲しくてつい」

ツインテ「……進化というか悪化というか、段々人じゃなくなってきてますね……そ、そろそろ本気で身の危険を感じてきました」

レン「ふーふーわふー」
332 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:09:53.03 ID:v0fMVaQ0
244

--墓守の小屋--

?筋肉質な大男「た、確かに参加資格、も、持ってる」

新しい湯飲みにお茶を入れて帰ってきた大男は、椅子に座るなり語った。

ポニテ「うおーい!ちょうだいちょうだい!!」

?筋肉質な大男「お、おでは正直、出たくないから、あげてもいい」

ポニテ「やたー!!」

?筋肉質な大男「で、でも君たちでは、あ、危なすぎる」

ポニテ「?」

?筋肉質な大男「き、君たちは、まだ、弱いから、危険。だから、渡せない」

ポニテ「!?私達弱くないもん!!勇者だもん!!」
333 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:12:05.56 ID:v0fMVaQ0
245

--墓守の小屋--

?筋肉質な大男「!!ゆ、しゃ?」

大男は驚いた表情を見せ、三人を観察し始めた。

?筋肉質な大男「ど、どこが?」

ポニテ「むきー!!」

ツインテ「あはは……」

?筋肉質な大男「き、君たちは、のびしろがある。人より、いっぱい。と、特に君と君」

大男はツインテとポニテを指差す。

?筋肉質な大男「も、もし、ちゃんと修行すれば、十年もすれば、世界でもトップレベルになれる」

ポニテ「!!」

?筋肉質な大男「で、でもそれは未来の話。か、仮定の話。い、今の君たちは、はっきり言って、弱い」

ポニテ「にゃ、にゃんだとー!?」
334 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:12:46.34 ID:v0fMVaQ0
246

--墓守の小屋--

ポニテは怒り心頭で立ち上がる。

ポニテ「私達は強いもん!北の王国でおっきなゴーレムを倒したんだから!!」

?筋肉質な大男「な、なにそれ」

ツインテ(!あの一件は隠された……ということ?)

?筋肉質な大男「と、とにかく、君たちに武術大会はまだ早い。あ、諦めて」

ポニテ「いーやーだー!!」

ツインテ「ポニテさん……」

ポニテ「だって私達は……強いんだ!!レンちゃんもアッシュ君もツインテちゃん……も私も!!」

ツインテ「ちょっとボクのとこで考えましたね!?普通に弱いから弱いって言ってくれてよかったんですけど」

ポニテ「だって私は……私はパパとママの子供だもん!!」

ボッ

ツインテ「!!」

レン「!!」

?筋肉質な大男「!!」
335 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:13:22.56 ID:v0fMVaQ0
247

--酒場--

?女「ん」

?男「?どうかしたのか?テンテン」

?女改めテンテン「いや、町外れで強力な魔力爆発が起こっただけのようだと報告」

包帯女「そっかー……って強力な魔力爆発って大丈夫なの!?」

テンテン「まぁ大丈夫だろう。範囲は極めて小規模だと観測」

包帯女「……ねぇ義足、一応憲兵とかに言っておく?」

?男改め義足「ん、まぁ大丈夫だろ。それより飲みを切り上げて懐かしの実家訪問しようぜ!せっかく帰ってきたってのにまだ行けてないからな」

包帯女「そうだな。墓参りも……夜行くもんじゃないけど」

テンテン(墓場で爆発が起こったのだが黙っておこう)
336 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:13:56.87 ID:v0fMVaQ0
248

--墓地--

メラメラ

小屋は激しく燃えている。

ツインテ「あ、危なかった……とっさに魔力障壁を出さなかったら」

レン「しっぽこげた」

小屋から離れた位置に二人はいる。その二人の衣服や髪の毛が少し焦げていた。

?筋肉質な大男「お、おでの小屋が」

大男は火の中からがっかりした顔で歩いて出てくると、膝をついた。

ガラガラ

ポニテ「ふー、ふー」

続いてポニテが瓦礫をはねのけて登場。全身から炎が吹き出ていて、まるで火の化身の様。
337 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:14:31.76 ID:v0fMVaQ0
249

--墓地--

ツインテ「ぽ、ポニテさんっ、やめてください!!落ち着いて」

ポニテ「ぶっ倒して奪ってでも出てやるもん!」

?筋肉質な大男「……わ、わかった。そ、そこまで言うなら実力を見てみよう」

ざっ

大男はゆらりと立ち上がった。

?筋肉質な大男改め闘士「も、元勇者パーティー、闘士。いざ参る」

ポニテ「!!」

ツインテ「!!」

レン「!」

ドン!!

筋肉の塊が猛然とポニテに突進する。
338 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:15:01.63 ID:v0fMVaQ0
250

--墓地--

ポニテ「と、闘士さん?……パパとママが言ってたあの」

ツインテ「この人が……」

レン「伝説の……人物」

闘士「攻撃力上昇、レベル4」

ドガァァァァァン!!

闘士の拳はやすやすと大地を裂いた。

ポニテ「あぶなっ!!あんなの食らったらさすがの私でも」

ポニテはバク転で距離をあけ、背中に差した二本の剣を引き抜く。

ジャリン

ポニテ「う、うわわ!わくわくする!行くよ!!」
339 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:15:57.83 ID:v0fMVaQ0
251

--墓地--

ポニテは高く跳躍、月を背にしての一撃。

ポニテ「ああぁぁ!!」

ズガァァン!

ポニテ「!?」

ギリッ

ツインテ「そんな!!腕で防ぐなんて!!」

闘士「ふんす」

闘士はポニテの右腕を握るとぶん投げた。

ポニテ「ぎゃんっ」

闘士「そ、そんなんじゃ危ない。やっぱり、だ、だめ」
340 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:16:26.12 ID:v0fMVaQ0
252

--墓地--

ポニテ「まだまだー!ほら、ツインテちゃんもレンちゃんも行くよ!!」

ツインテ「え、えぇ!?な、なんでボクもなんですか!」

ポニテ「あったりまえじゃない!私達全員の力を試してるんだよっ!?ほら早く!」

ツインテ「わ、引っ張らないで下さい!というかわくわくしすぎです」

ズシッ、ズシッ

ツインテ達に向かってゆっくりと歩いてくる大男。

ツインテ「……わかりました。ボクも確かめてみたいですから」

ポニテ「お!ツインテちゃんがやる気になった!!」

闘士「い、いいぞ、来い」
341 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:16:59.75 ID:v0fMVaQ0
253

--墓地--

ポニテ「対単体、炎属性魔法レベル3!!」

ドヒュン!!

炎球が闘士に向かって飛んでいくが、

バジュ

闘士の腕の一振りでかき消されてしまう。

ポニテ「!?」

闘士「き、君たちにとってそれはレベル3魔法なんだろうけど、し、質が低い。お、おでらなら、そんなのレベル2で上回れる」

ポニテ「な、なにをー!?」
342 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:17:41.18 ID:v0fMVaQ0
254

--墓地--

ポニテは一人突っ込んでいく。

ツインテ「あ、一人じゃ!!」

レン「武具錬成、羽足……ツインテ」

レンはいつの間にか工房を呼び出し、武具を作っていた。そしてそれをツインテに差し出す。

レン「これを穿けば早く動ける。魔力も使うけど、ツインテなら大丈夫だとおもう」

ツインテ「レンさん……わかりました!」

ガギィン、ギィン、ガッ、ガガ

ポニテ「かたーい!すごい、すごいね!すごく硬いね!!」

闘士「……ふ」
343 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:19:03.42 ID:v0fMVaQ0
255

--墓地--

ポニテ「じゃあ0距離だ!!炎属性魔法レベル2!!」

ドゥン!

今度は闘士の胸に着弾するも、

闘士「お、同じこと」

闘士は無傷で現れ、ポニテに張り手を繰り出す。

バチィ!

ポニテ「あぶっ!」

ガードはしたものの、またしてもポニテは吹き飛ばされてしまう。

ドシッ

それを回り込んだツインテが受けとめた。

ツインテ「大丈夫ですか!?ポニテさん!」

ポニテ「えひひ、やられちゃった」
344 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:20:15.08 ID:v0fMVaQ0
256

--墓地--

ツインテ「次は三人で挑みましょ。ボクはスピードで撹乱します。隙をついて一撃を」

ツインテは杖を構えようと……

ツインテ「……そういやボクって杖……いつから持ってなかったでしたっけ」

だらだらと汗を流すツインテ。

ポニテ「知らないけど、結構前から手ぶらだよねっ」

ツインテ「……落としたんだ……うぅ、RPGなのに。捨ててないのに」

ポニテ「まぁ、レンちゃんに新しいの作ってもらえばいいじゃない!」

レン「なんなら今すぐにでも」

レンの眼がキラリと光る。

ツインテ「……うんありがと。でもとりあえず今は素手で行ってきます」
345 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:21:23.12 ID:v0fMVaQ0
257

--墓地--

ギュンッ

闘士「は、速い」

ツインテ(体が軽い!一蹴りでこんなにも……よしっ!)

闘士「ふ、ふんっ」

ヒュバヒュバッ

闘士はツインテに向かって攻撃するが、まるで当たらない。

ツインテ(間に合わないと思ったタイミングでも避けられる。すごい)

闘士「……」

ポニテ「んー……駄目だ。こっちもしっかり警戒してる……二人を同時に視界に入れられるよう、調節して攻撃してるのかー」

ヒュッ、ヒュバ

闘士「ちょ、ちょこまかと!ス、スキル、振動波」

ダンッ!!
346 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:21:51.06 ID:v0fMVaQ0
258

--墓地--

闘士が思い切り地面を叩く。すると

ビビビビビ

ツインテ「!?振動で足が地面から離れない!!」

ポニテ「う、動けないよ!!」

レン「にゃにゃにゃにゃにゃにゃ」

スッ

闘士「う、動かないなら、速く走れる人も、無意味」

ドベキ

ツインテ「っ」

闘士の拳が、ツインテのあばら骨を砕く音が響く。

ポニテ「……ツインテちゃん!!」
347 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:23:29.27 ID:v0fMVaQ0
259

--墓地--

レン「にゃあああ!!」

地面から解放された二人はツインテに駆け寄る。

闘士「き、傷ついた仲間がいるからって、む、無策で寄ってきちゃ、だめ」

闘士は二人に対し拳を突き出した。

闘士「ス、スキル、空拳」

闘士が何もない所で正拳突きの仕草をする。ただそれだけで、

ドボッ

ポニテ「ごふっ!!」

ボゴッ

レン「にゃんっ!?」

二人が吹き飛んだ。

闘士「……や、やっぱり、駄目だ。きょ、今日はここまで」
348 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:24:41.59 ID:v0fMVaQ0
260

--墓地--

ポニテ「や、やだ……私は、出たいんだ」

がくがくと震えながらポニテは立ち上がった。

闘士「……」

一方、ツインテとレンは微動だにせず地面に伏している。

闘士「き、君のわがままで、か、彼女たちを危険に捲きこんで、い、いいの?」

ポニテ「……辛いことも楽しいことも、共に味わうのが仲間なんでしょ?」

闘士「……」

ポニテ「私、学校に通ったことないの。だから人間の友達なんてツインテちゃん達が初めてなの……」

闘士「……」

ポニテ「だから、こんな大会でも一緒に出てみたいの!!一個でも多く思い出を作りたいのっ!!」

闘士はぼりぼりと頭をかき、そして、

闘士「……そ、そうか。どうしてもでたいというのなら……わかった」

ポニテ「……え?」

闘士「その代わり、一個条件がある」
349 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/10(水) 01:27:06.99 ID:v0fMVaQ0
はいそうです。あの砂漠の風です。ちなみに砂漠の風はこの世界で最大の盗賊団です。あのルート関係無しに存在しています。

今日はここで終わりにしたいと思います。
それでは質問、疑問などがありましたら気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 01:32:45.78 ID:qpufB6Yo
>>349
乙!大男が闘士と言うことはツインテの尻が危ないな……
351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/10(水) 01:48:15.46 ID:Ro2HcgSO
なぜ闘士が生きている
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 02:02:16.27 ID:bviAa.DO
乙です。
闘士がやたら格好イイ
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 02:02:39.34 ID:ITAYmaI0
乙!

>>351
なにか引っ掛かってると思ったら…それだw
354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 02:26:10.08 ID:g/zrjnko
闘士を助けに行ったルートじゃないか?
闘士が重要なアイテム持ってたからどうとかってくだりがあった気がする
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 02:43:11.02 ID:DZvOoRQo
最初のスレのBESTEND後ってことだろう
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/10(水) 12:17:53.12 ID:Ro2HcgSO
まて、わからなくなってきた

今作は
正史(闘士は死亡、南は奴隷国。これが正史だよな?)

真GOODエンド

どちらの後の話だっけ?
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 13:31:57.66 ID:aeddJa6o
正史の続きだろ。だから本来は死んでるはず。

作者のミスで無ければ、そのうち話の中でわかるだろう
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/10(水) 14:38:14.20 ID:FuDV3iAo
本来の正史では、途中で闘士を助けにいかないといけなかったが
作者の温情で闘士見殺しにしたのにGoodEndにした。
闘士を助けにいったGoodEnd世界での話だと思えばいいんじゃないか。
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 20:35:30.65 ID:xXEziTQo
前スレ見る限り>>357だな
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 17:30:26.20 ID:FVojY8co
死んだ死んだって言うけど
この世界制限付きだけど死んでも普通に生き返るよな
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/11(木) 18:36:14.76 ID:IJrIWBUo
前スレ130-132
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/12(金) 09:57:12.33 ID:PVkRY6SO
前スレ953
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/12(金) 19:40:24.07 ID:DG.Yuzgo
正史はTRUE ENDだろ
364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/13(土) 11:02:15.20 ID:J/EwpkAO
初期と番外編は読んだけど、酒場で募集はなんかつまんない
365 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/13(土) 13:14:35.19 ID:M31nQ6DO
そうか?俺は好きだぜ
366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/13(土) 23:11:35.52 ID:wCPLGoAO
俺は酒場のが好き。
ツインテ可愛いよツインテ
367 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 22:46:45.32 ID:SCy3RwAO
「今のは余のメラミだ」
368 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 23:14:43.31 ID:6eVwJFYo
404 名前:Qw0 ◆7b3JfpIY/2[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 00:41:45.64 ID:8Xz3KdY0 [1/32]
いくつかルートを書きましたが、前レスで安価の末に成り立った一本の話、それを正史と呼ぶことにします。
本当のところハッピーではありませんが、闘士が死に、南の王国が占領された世界の続きとなっています。
正史からは外伝が生まれたり続編へと続いたりしますが、正史以外のルートからは外伝や続編は生まれないことにしています。

若干救われない所がありますが、皆様の協力の末に出来た正史を私は大切にしています。

405 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/03(土) 04:18:47.10 ID:GN88DYA0
つまり
盗賊&貧乳→結婚?
賢者&踊子→王位
闘士→戦死
クラッチ→徘徊中

の流れか?
410 名前:Qw0 ◆7b3JfpIY/2[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 11:58:27.47 ID:8Xz3KdY0 [2/32]
>>405
クラッチってなんですか??
まぁ大体そんな感じの流れですね!
369 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/16(火) 04:55:10.39 ID:G83YG9Io
もうその話は終わったって
370 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 17:39:53.00 ID:Gp1g/Xwo
いゆ
371 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:05:38.75 ID:Q1eanaE0
こんな時間に失礼します。書き溜められたので投下します。
長い期間留守にしてしまい申し訳ないです!
少し議論とかされてて、書いてるほうとしては嬉しいです。

出来る限りおもしろくなるよう善処しますので、暇があったら見ていただければ……っ!!

それでは投下します。
372 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:06:30.24 ID:Q1eanaE0
261

--墓場へと続く道--

闘士「も、もう暗いから、気を付けていけよ」

ポニテ「うん!ありがとうね!!」

レン「ぺこ」

ツインテ「い、いきなり押し掛けて家を焼くわ、戦いを挑むわ……本当にごめんなさい!!いつか必ず弁償しに来ますから!!」

闘士「ん、ん。べ、別にだいじょぶ」

闘士はそっとツインテの頭に手をおいた。

闘士「そ、それよりもきみ。も、もっと逞しくなったら……またおいで」

ツインテ「っ!!」

ツインテは何かとてつもなく恐ろしいものを感じた……。

ツインテ「あ、は、はい」

ツインテはにっこりと微笑む闘士の顔を凝視する。

ツインテ(なんでだろう……今、恐怖を感じた……どうして?どうしてボク……お尻が怖いよ……)
373 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:07:13.39 ID:Q1eanaE0
262

--墓場へと続く道--

その様子を物陰からじっと見ている二つの影が。

賭博師「ふぅむ……」

調教師「ご、ご主人様、外が暗いです……よい子はもう寝る時間ですよ!!」

賭博師「む」

賭博師は何かを思い出し、胸の内ポケットから薬を取りだした。

賭博師「ほれ」

薬を調教師の口に放り込む。

調教師「あむん……ま、また調教されてしまった」

賭博師「濡れ衣だ!?」

闘士「そ、それよりもきみ。も、もっと逞しくなったら……またおいで」
374 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:07:40.02 ID:Q1eanaE0
263

--墓場へと続く道--

賭博師達は墓地から去っていくツインテ達の後ろ姿を見る。

賭博師「やれやれ。やっと帰ったか。まさかバトルなんて始めるとは思わなかったぜ」

調教師「です」

賭博師「まぁ、予想以上に得るものがあったな。これだから悪事はやめらんないね」

調教師「ストーカーは犯罪です」

賭博師「ストーカーじゃない。あの子らが悪漢に襲われないか心配だから見張ってただけだぜ」

調教師「ストーカーの言い訳に近いセリフですご主人様」

賭博師「むしろ襲われることを期待した」

調教師「……」
375 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:08:11.89 ID:Q1eanaE0
264

--街道--

ホーホー

三人は夜道を歩いている。

ツインテ「よかったですね、参加票譲ってもらえて」

ポニテ「うんっ!話せばわかる人でよかったよ!」

思い切り拳を交えてたくせに、とツインテ。

レン「ツインテが死んでたら回復もままならなかったにゃ……」

ポニテ「そんなことないよ?私もちょっとはできるもん」

ツインテ「火属性の蘇生、回復魔法……怖すぎます……」

レン「火は不死鳥の例があるから蘇生は一応可能だけど……」

二人は気持ちポニテから離れる。
376 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:08:50.79 ID:Q1eanaE0
265

--街道--

ツインテ「あ、そうだ。結局あの人とどんな約束をしたんですか?」

ポニテ「?約束?何のことです?」

ツインテ「条件がどうとか、言ってたじゃないですか」

ポニテ「……あの時まだ意識あったんだ!?」

ツインテ「かろうじて……ですけどありました。ボクが死んだら教会に行かなきゃならなくなりますから。そして神父様にお渡しするお金も無いですから……」

レン「そうなのかー」

ポニテ「うーんと……えへへ!内緒!」

ツインテ「うぅ……隠し事は無しですよ〜。一応ボク達も血反吐吐きながら頑張ったんですよぉ?」

ツインテは大げさにため息をつく。

ツインテ「まぁ……いいです。(ボクもなぜか性別詐称してる身ですし)それにしても、あの人……一体誰だったんでしょうか」

ポニテ「ふぇ?」
377 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:09:24.32 ID:Q1eanaE0
266

--墓地--

闘士「き、今日は、野宿か」

闘士は燃え残った小屋の残骸を集めて焚き火をしている。

賭博師「よっ。さっきの戦い見てたぜ。あんた強いねぇ」

調教師「……ぺこ」

そこに賭博師達がやってくる。

闘士「……み、見られてたのには、気付いてた」

ヒュー、と賭博師。

賭博師「まぁだろうな。なぁアンタ。団体戦出ないか?俺たちと組んで」

闘士「こ、断る」

闘士は賭博師達に背を向けたまま断った。
378 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:10:09.43 ID:Q1eanaE0
267

--墓地--

賭博師「おいおい……訳も聞かずに即答かよ」

闘士「お、お前、悪い奴だ。か、金の臭いしかしない」

調教師「……」

賭博師「とんだ言い草だなwwだがまちがっちゃいねぇ。オレは自分を良い奴だと思ったことは生まれてこのかた一度だってねぇ」

闘士「……さ、去れ」

賭博師「まぁ一応話聞いてくれよ。アンタ、変化師だろ?」

闘士「!」

賭博師「西の最大戦力、三本角。その候補の一人、変化師。大方その姿も変化させてるんだろ?なんであの闘士様の格好してんのかまでは知らないが」

闘士「……ち、違う。あ、あってるが違う」

賭博師「?」

闘士「お、おでは変化師……あの闘士おじさんの甥っ子だ!」
379 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:10:46.22 ID:Q1eanaE0
268

--墓地--

賭博師「ありゃま……」

闘士改め変化師「だ、だからこの姿は変化させてるわけじゃない。に、似てるだけ」

賭博師「なるほどね……じゃあ何であの闘士の名を語る必要が?」

変化師「お、お前に言う必要なんて、な、ない」

賭博師「……まぁいいさ。なぁ頼むよ、一緒に」

変化師「くどい!」

変化師はプレッシャー、特大の殺気を二人に放つ。
しかし賭博師は涼しい顔をして、

賭博師「あの子達危険だよな」

変化師「……?」

賭博師「あまりに未熟。下手をすれば大会で後遺症を残すかもしれない」

変化師「……い、医療班は、優秀だ。そ、そんなことは、ない」

賭博師「精神の話さ」
380 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:11:30.03 ID:Q1eanaE0
269

--墓地--

調教師「……」

賭博師「一生消えない傷が出来るかもだぜ?」

変化師「……お、脅してるつもりか?お、おでが三本角候補の一人だと知っておいて」

変化師はゆらりと立ち上がり賭博師達と向かい合った。

賭博師「……そんなんじゃないさ。ただあの子達に参加資格を渡した責任を取れと言ってるのさ」

変化師「っ」

賭博師「あんたは慈悲のつもりであの子達にあげたんだろうけど、失策だね。優しさはためにならないぜ?」

変化師「……」

賭博師「俺達と組め。そんであいつらの敵を少しでも削ってやろうぜ」

変化師「……」
381 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:12:06.80 ID:Q1eanaE0
270

--墓地--

賭博師「それにもしあの子達と当たっても、あんたなら上手くあいつらを倒せるだろうよ」

変化師「ぐっ……」

賭博師「優しさを施すなら最後まで、だろ?それでもあの英雄の甥なのか!変化師!!」

変化師は強く握り締めた拳を繰り出した。

ビュッ!!

賭博師「……」

その拳は賭博師の顔の前で停止する。

変化師「……わ、わかった、チームを組んで、やる」

賭博師「……ふっ」
382 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:12:35.07 ID:Q1eanaE0
271

--宿屋--

ツインテ「はぁ……結構疲れました。心なしか体内壊されると、一層……」

ドタタタ

ポニテ「ツインテちゃんツインテちゃん!!ここ露天風呂があるらしいよ!!行こうよ行こうよ!!」

レン「……私は?」

ポニテ「あ」

ポニテは動きを停止させる。
一番亜人と仲の良いとされる国、西の王国。
しかしそれも前戦争までの話。今は……。

ツインテ「……だ、大丈夫だと思います。さすがに西の王国の宿屋が入浴拒否なんてするわけが」

レン「……客は?」

ツインテ「っ」
383 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:13:02.38 ID:Q1eanaE0
272

--宿屋--

ツインテとポニテは黙ってしまう。
それを見たレンは、

レン「大丈夫二人とも。こんなこと今までだっていっぱいあった。気にしないで行って来て、私は濡れタオルで拭くにゃ」

そう言ってレンは二人の背中を押して部屋のドアを閉めた。

パタン

ツインテ「あ」

ポニテ「あう……タオルもまだ取ってないのにー」

ツインテ「……ポニテさん」

ポニテ「うし!露天風呂行こう!!」

ツインテ「!!ポニテさん!!」

ポニテ「ふぇ?何?」

ツインテはポニテに詰め寄った。
384 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:13:31.12 ID:Q1eanaE0
273

--宿屋--

ツインテ「そ、そんな無神経すぎます!!レンさん可哀そうじゃないですか!!一人ほっておくんですか!?嫌ですそんなの!!レンさんを一人にするくらいなら一日くらいお風呂を我慢することなんて」

ポニテ「?何勘違いしてるの?レンちゃんも一緒に行くんだよ」

ツインテ「……へ」

ポニテ「当たり前でしょっw私達仲間で友達なんだから!!」

ツインテ「え、いやでも、それは」

ポニテ「というか、最初から私は反対だったんだよ。亜人であることを隠して旅をするなんて。そんな窮屈なのは絶対おかしい」

ガシッ

ポニテは部屋のドアを掴むが開かない。

ポニテ「……」

部屋には鍵がかかっていた。
385 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:14:30.75 ID:Q1eanaE0
274

--宿屋--

ポニテ「レンちゃん、開けて」

シーン。
部屋の中からの返答は無い。

ツインテ「ポ、ポニテさん、無理に」

ポニテ「ツインテちゃん、ツインテちゃんのそのやさしさはよくないよ」

ツインテ「!!」

ポニテ「ツインテちゃんが一人で可哀そうだからお風呂にはいかない。でも今はそっとしておこうとかそういうんでしょ?」

ツインテ「……っ」

ポニテ「それはツインテちゃんが怖がって逃げてるだけじゃないの?」

ツインテ(ぽ、ポニテさんが真面目だ!!ちゃんと思考してる!!)
386 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:14:59.76 ID:Q1eanaE0
275

--宿屋--

ポニテ「というわけであけます。筋力強化レベル2」

バキっ

いともあっさりドアを破壊して中に入るポニテ。

レン「!?」

レンはベッドの上で丸くなっていた。

ツインテ「あ、あー!無理しないでくださいよぉ!」

レンは戸惑いの視線をポニテに向けると、ポニテが手を差し伸べてきた。

ポニテ「行こうポニテちゃん!露天風呂なんだよっ!!」

ポニテはレンがいつまでも手を掴んでこないので首根っこを掴んで持ち上げた。

レン「にゃ、にゃー!!」
387 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:16:12.50 ID:Q1eanaE0
276

--宿屋--

ズンッズンッ

ポニテはレンを担ぎ、ツインテはその後ろからタオルなどをもって付いていく。

レン「にゃ、にゃっ!だ、駄目ポニテ、み、みんなに、みんなにみられ、る」

ポニテ「いーのいーの!堂々と行くんだよっ!!」

宿の店主「あー!ちょっとちょっと!お譲ちゃん達、亜人なんて連れて来ちゃだめじゃないか。って、さっきの、帽子の子?」

ドスドスと音を立てて店主が駆け寄ってくる。

宿の店主「隠してたの?こういうの困るなー……。お客さん達に迷惑がでちゃうじゃないかぁ」

レン「……」

宿の店主「はー。だいたい子供だけで泊まりたいなんていうからおかしいと思ったんだよ。こんなことなら泊めるんじゃなかったなー」

ツインテ「っ!!そ、そんな言い方って」

ポニテ「店主……焼いて喰うぞ」
388 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:17:02.56 ID:Q1eanaE0
277

--宿屋--

宿の店主「へ?」

店主は周囲の温度が急激に上がっているのに気付く。

ポニテ「黙って聞いてればべらべらと好き放題……。レンちゃんが一体誰に迷惑をかけたって言うんだ!!」

ポニテは険しい剣幕で店主にくいつく。

宿の店主「や、そりゃそうなんだけど、でも気にするお客さんはいっぱいいるんだよ!」

ポニテ「どこにいるの?会わせて。ちゃんと話し合う」

宿の店主「会わせて、って言われても……」

弓女「おーそうだそうだ。私達は別にきにしねーぞ」

宿の店主「!?」

その場に三人の浴衣姿の大人が現れた。

ポニテ「あっ!!船の!!」

弓女「よー奇遇だな、ちっこいの達w」
389 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:17:49.56 ID:Q1eanaE0
278

--宿屋--

ツインテ「弓女さん達も一緒の宿だったんですか」

盾男「うむ。中心に近い宿はどこももう空いて無くてな。だから仕方なく外れのボロ宿屋に泊るはめになった。君らもその口だろ?」

ポニテ「あははーw一緒だねー!!」

斧女「ぼろい上に食事のレベルも平均以下、なのに大会使用の割高値段設定……その上店主の性格に難があるのでしたらいっそ野宿の方がましなのではと……」

宿の店主「いっ!?」

弓女「あー、かもなーw」

盾男は店主に歩み寄る。

盾男「どうかな店主。ここにいる6人は問題無いと言っている。6人だ。今日のこの宿屋の宿泊客の過半数を占めている」

宿の店主「な、なんで宿泊客の数を」

盾男「全員がキャンセルしたら売上的にも困ると思うし、ここは店主の心の広さを見せてみてはいかがか?」

宿の店主「……う」
390 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:18:51.85 ID:Q1eanaE0
279

--宿屋、女子脱衣所--

ポニテ「やー!ありがとねーお姉さん達ー」

弓女「気にすんなってー。どうせなんくせつけて料金を上乗せしようとか考えてたんだろうぜ。あの手の顔の男はみんなそうだ」

斧女「下品な顔でした。覗き穴が無いかどうかもチェックしておかないといけませんね」

レン「にゃ、にゃー……私」

弓女「ん?何してんだよ、ほらさっさと脱げって!」

レンの服をぽいぽいと剥いでいく弓女。

レン「にゃにゃにゃー!!」

斧女「温泉はみんなで入るものです。一人風呂もそれはそれでおつなものですが、みんなで入る良さに比べたら微々たるものです」

ポニテ「そうだよ!レンちゃん!!」

レン「……レン、耳とか尻尾の毛が……お風呂汚しちゃうかもしれないよ?」

弓女「気にしねーって!!私らだっていろんなとこの毛が抜けるっつーの!!」

ポニテ(そういやなんだかなんだ言っていつも湯船に入らなかったのはそういうこと……)

斧女「あら、そういえばツインテールの子はどうしたのですか?」

ポニテ「ふにゃっ?」
391 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:22:23.01 ID:Q1eanaE0
280

--宿屋、男子脱衣所--

ツインテ「はぁよかった。本当によかったです。レンさんもちゃんとみんなとお風呂に入れることになってw」

盾男「う、うむ」

ツインテ「改めてお礼を言います、ありがとうございました。おかげでポニテさんが武力で解決しなくて済みました!」

盾男「う、うむ」

ツインテはぺこりと盾男に頭を下げる。

ツインテ「ふぅ。……それと久しぶりにゆっくり男風呂に入れそう。よかったぁw」

盾男「ぶっ!!??」

そう言うとツインテはおもむろに上着を脱ぎ始める。

盾男「ちょ、ちょっと待て君ィィィーーーーー!!何をしているー!?!」

ツインテ「へ?何をって、服を、脱いでるんですけれど」

盾男「まてまてまてまて!!何を考えてるんだ!!私は確かに紳士的なポジションをやってのけられる男だ!もちろん特殊な性癖も無い!!だが」

キラッ

盾男「が、がああああ!!肌が!真珠のような肌が私を魔道にいいいいいいいい」

ツインテ「?おかしな盾男さんですねw」

盾男「駄目だ駄目だ駄目!!いくら相手が子供だろうと、駄目だ!!この年齢はさすがにアウトだ!そして犯罪だ!絶対に、絶対に一緒に入ると化そんなことがあってしかるべきではよし入ろうではないか」

そこには盾男のすばらしい笑顔が!!

※体験版ではお風呂シーンがスキップされます。
392 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/19(金) 02:23:08.13 ID:Q1eanaE0
今日はここで終わりにしたいと思います。

それでは質問、疑問などがありましたら気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
393 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 02:49:15.51 ID:4tGZ.qso
いつの間にか始まって終わってた


ツインテは男だけど女だと勘違いされてるんだったっけ?
394 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/19(金) 07:07:30.86 ID:mOZO112o
まさかの体験版wwwwww
製品版はどこで買えますか?ww
395 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/19(金) 07:22:35.22 ID:lk/QZgSO
体験版…だと?
>>386でポニテが自分に行こう!って言ってる
396 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 07:44:17.24 ID:rN8/7DUo
乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 


製品版はいつ発売ですか?
397 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 17:27:30.10 ID:0j8kZ1w0
乙!

製品版?2万までなら出せる、なるべくはやくそうきゅうに発売してくれ
398 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 20:27:39.71 ID:P4A3ms2o
>>392
乙!
399 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/20(土) 00:29:19.32 ID:WzhURwDO
乙です。製品版なんだ…ろ……もちろん……
400 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/20(土) 05:04:20.02 ID:jZuIsK60
乙。
しかし、闘士(甥)までそっちの趣味か…w

さぁて>>1よ、製品版の発売日をkwsk
401 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/20(土) 16:19:32.80 ID:vPY7cgDO
盾男死んだな…
402 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 22:55:01.40 ID:sq8Xxj.0
お久しぶりです。ちょっと遅い時間帯ですが、これから少し書きたいと思います。
せ、製品版はえっと……おや?こんな時間に誰か来たようだ……
403 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 22:56:20.28 ID:sq8Xxj.0
281

--宿屋--

レン「でね、弓女にしっぽ握られた」

ツインテ「あらあらwwそれから?」

レン「あと、耳も噛まれたの」

お風呂上がり。
ツインテ達は自室の窓を開けて涼んでいた。
レンは俯せの格好でベッドに横たわり、ツインテはベッドに腰掛け、櫛でレンの髪の毛の手入れをしている。
レンは頭をツインテに預けながら、風呂で起こった事を包み隠さず報告していた。石鹸の色だとか、桶の形だとか、それこそ些細なことでさえ。
その恥ずかしさと嬉しさが入り混じった表情やうねうねと動く尻尾を見て、ツインテはつい嬉しくなってしまい、話があまり頭に入ってこなかった。

ポニテ「それはそうとさーツインテちゃん」

ツインテ「?はい?なんでしょうか」

ポニテ「なんで……男湯行ったん?」

そんな微笑ましい、ほのぼのムードを崩壊させる質問が飛んできた。
ポニテの表情は至って真剣、隙あらば喉笛に食い付こうと身構える猛獣にも見えた。
……あながち間違いではない。

ツインテ「……」

受けを誤れば……必死。
どうすれば誤魔化せる?どうしたらこの獣を納得させることが出来るだろうか……。
否、ここが真実を告げる絶好のチャンスなのではないか。
ツインテは櫛を置き、唾を飲み、キッ、と顔に力を込めてポニテに向かい合った。

ツインテ「……ボクは」

その時確かに聞こえたのだ。神の声が。
神は言っている……今はいうべきではないと。

ツインテ「……お、男湯に入りたかったので……」

ポニテ「……ビッチ」

確信を持って言える。確実に受けを間違えた。
404 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:00:52.33 ID:sq8Xxj.0
282

--宿屋--

ポニテ「ビッチ!デコじゃないけどビッチ!」

ツインテ「ち、違いますよ!!ビ、ビビ……ッチじゃないです」

思わず赤面してしまうツインテ。

ポニテ「はしたない女の子だよツインテちゃんは!!嫁入り前の女の子が……なんてはしたない!!」

ツインテ「ぼ、ボク嫁入り前の女の子じゃないですから!!……ていうかポニテさん、そういうのとか気にしないような、もっとおっぴろげな人だと思ってました」

ポニテ「なんですて!?嫁入り前じゃない!?既婚!?」

ツインテ「違うそっちを否定したんじゃない!!」

ポニテ「誰なの相手は!!吐いちゃいなさい!!」

レン「はい」

パッと挙手する猫。

ポニテ「まさかのレンちゃん!!」

ツインテ「違いますよー!!」

ポニテ「私はアッシュ君だと思ってたのに」

ツインテ「そこはプラスとプラスです!!」

ポニテ「なにが?」
405 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:03:11.33 ID:sq8Xxj.0
283

--宿屋--

ポニテ「あぁそうだ、伝言があったんだ」

ツインテ「?伝言?誰からですか?」

ポニテ「弓女おねーさん達!団体戦で当たっても手加減無しだからなって!」

ツインテ「!あの人達も出るんでしたか……まぁあの船に乗ってた冒険者は、ほとんどの人が出るつもりでしょうけど」

レン「ツインテは、盾男と会話しなかったの?」

ツインテ「うーん、それなんですが顔も合わせてくれませんでした。ずっとそっぽ向いて鼻血を……」

ポニテ「はなぢ?」


--露天風呂--

宿の店主「……なんで男湯が血の池になってるんだ……」
406 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:06:08.44 ID:sq8Xxj.0
284

--宿屋、盾男達の部屋--

盾男「……」

弓女「なー、こいつ蘇生しなくていーんじゃないか?あんな幼い子と風呂入って出血死って……」

斧女「同感です。血液なら回収しに行かなくても輸血でなんとかなりますが、果てしなく蘇生してやろうという気持ちが起きません。紳士だと言うから、お金節約の意味も込め同部屋にしましたが、もはや信用に足りません」

弓女「……だな」

二人は盾男の死体の扱いについて考えていた。

弓女「とりあえずこいつ外だして寝ようぜ」

斧女「そうしましょう」

盾男「……」

どさっ

盾男の死体が部屋の外に投げ捨てられる。
407 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:10:00.42 ID:sq8Xxj.0
285

--路地裏--

アッシュ「くそ、まだ夜風が寒いなマジ死ね」

金髪「うぅ、路地裏だからまだマシなはずなんすけど、海に近いからですかねぇ。あばばば」

金髪はガクガクと震えて鼻水を垂らす。

アッシュ「……」

アッシュは上着を広げる。

金髪「うわ、不審者のポーズっす!ほぉーれお嬢ちゃん、みたいなっ!」

アッシュ「ち、違う!!……くそ、似合わないことはやるもんじゃねぇ」

金髪「……」

金髪はそっと近寄ってアッシュと肩を寄せる。

金髪「……うふふ、あったかいっす」

アッシュ「結局入んのかよ」
408 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:13:17.33 ID:sq8Xxj.0
286

--路地裏--

金髪「えへへ、やっぱり優しいっすね……」

アッシュ「や、優しくなんてないんだからねっ!?」

金髪「気持ち悪いっす」

アッシュ「……ほらこれも」

アッシュは巻いていたマフラーを解いて、金髪の首に回す。

アッシュ「ふん。俺は優しく無いから完全に渡したりはしないんだ。だから半分貸してやる」

金髪「ひぃ!リア充がいるっす!!」

今年も寒くなってまいりました……。
409 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:16:30.76 ID:sq8Xxj.0
287

--大木--

チュンチュン

新しい朝が来た。
賭博師達は大きな木の下で夜を越したようで、小さなテントと焚き火の跡があった。

調教師「おはようございますご主人様。朝ごはんの用意ができました」

賭博師「……ん、んぅ……あぁごくろ。ふぁあ」

あくびをしながら、腹をかきながらテントから出てくる賭博師。

賭博師「あー、朝飯なによ」

調教師「ねずみでちゅ」

ガシャーン!!

受け取った皿を投げ捨てる賭博師。

調教師「あー……おいしいのに」

賭博師「無駄にムニエルとか、凝ってんじゃねーよ!!昨日はGだったし……少しはまともなものにしてください!!」

切実な願いだった。
410 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:18:12.36 ID:sq8Xxj.0
288

--大木--

調教師「では、はいこれです」

賭博師「ん?」

大きな皿にこんもりと乗せられた土くれがそこにはあった。

賭博師「……調教師ぃ、そういうのは」

調教師「土ではないです。ねちゃねちゃしているし、芳しい匂いがしませんか?」

賭博師「む」

確かに言われてみれば、それから良い匂いがするのだ。

賭博師「むぅ〜。これは一体なんだ?」

調教師「それは……」

調教師はちょこんと頭を下げスカートを両手で広げてメイドのポーズ。

調教師「ご主人様の舌で味わってみてはいかがでしょうか?」

賭博師「むむ。中々小粋な返しじゃねえか。どれ」

賭博師はそれをわし掴んで口に運ぶ。はたからみたらまるでぼた餅を食べているかのよう。
411 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:20:10.21 ID:sq8Xxj.0
289

--大木--

むちゃむちゃ

賭博師「おっ」

これは……。

賭博師は確認のためにもう一度皿に手を伸ばす。

むちゃむちゃ

賭博師「んぐ」

賭博師は何度も租借し味わった。そして飲み込む。

賭博師「調教師よ」

調教師「はい、ご主人様。お分りになりましたか?」

賭博師「あぁ、多分な」

賭博師はにやりと笑って答えた。

賭博師「これうんこじゃね?」

調教師「うんこです」
412 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:21:36.38 ID:sq8Xxj.0
290

--大木--

賭博師は皿を持ちあげ、さながらパイ投げのように調教師の顔にぶつけた。

べちゃ

賭博師「あ、アフォかー!!食うまでわからなかったわー!香牛の糞かこれ!!あまりにいい匂いだから香水の原料になるとか言う……」

調教師「あ、朝からス『見せられないよ!』イだなんて……」

身をよじらせ頬を染める調教師。

調教師「と言いますか、味わって排泄物だとわかるということは以前にも食したことがあるのですか?」

賭博師「実は俺のこと嫌いでしょ調教師さんて」

調教師「いーえ?滅相もございません。だ・い・す・き!」

賭博師「……」

調教師「……」

賭博師「とりあえず吐いてくるぜ……」

調教師「いってらっしゃいませ」

賭博師は大木の下まで歩いていくと盛大に戻した。

賭博師「おろろろろろろろろ」

そこに既に吐瀉物があったのは何故なのか。
413 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:23:46.46 ID:sq8Xxj.0
291

--宿屋--

ポニテ「うんことかゲロとか下品なんだよっ!!」

ツインテ「え、え?いきなりどうしたんですか?……」

レン「ふぁあ」

三人は食堂に集まり朝食を取っていた。

ポニテ「288〜290を読んでみればわかるよ!」

ツインテ「発言がメタ過ぎる!!」

パタパタ

食堂に新たな人影が現れた。

弓女「おっ、早いな。おはよー」

斧斧「おはようございます、皆さん」

ポニテ「おはよーお姉さん達!!」

ツインテ「おはようございます」

レン「……おはよ」
414 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:24:51.64 ID:sq8Xxj.0
292

--宿屋--

弓女「今日からだな団体戦。よく眠れたか?」

ポニテ「うんっ!ぐっすり!!」

ツインテ「……ば、万全とはいえないです」

レン「……うん」

斧女「店主、二人分の朝ごはんを頼みます」

宿の店主「おはようございます。了解しました……ん?二人分?三人分じゃないのですか??」

弓女「あぁいい、二人分だ。もう一人はそろそろ意識を取り戻す頃だろうからな」

ツインテ「意識??」
415 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:25:51.08 ID:sq8Xxj.0
293

--宿屋--

斧女「そういえば聞くのを忘れていましたが、貴方達のブロックは何ですか?」

食事の最中、そう斧女が尋ねた。

ポニテ「ブロック?何それ?」

弓女「何それってお前……登録した時に言われただろ?紙も渡されただろうし」

ポニテ「あぁ!なんか紙は貰ったよ!!ね、ツインテちゃん!?」

ツインテ「…………………………………………………………」

ポニテの横でツインテはガクガクと震えていた。

ポニテ「……どうしたのツインテちゃん」

ツインテ「……私達、闘士さんから出場枠を譲ってもらいましたけど、受付での登録が済んでませんよね?……」

ポニテ「そんなのいるの?」

ツインテ「……多分」

レン「にゃあ」
416 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:26:41.98 ID:sq8Xxj.0
294

--中心街--

ツインテ「はっ、はっ、はっ!!」

ツインテ達三人は早朝の町中を走る。

ポニテ「うわーん!お腹減ったー!」

レン「……」


--宿屋、10分前--

弓女「なんかめちゃくちゃだなお前ら……」

斧女「しかしそれなら早く行ったほうがいいでしょう。譲るという行為がシステム上許されることなのか定かではありませんが、開会式の直後に全チームを紹介するようです。登録したチームと違うとなると……」

ガタっ

ツインテ「い、急ぎましょうポニテさん!!登録しに行かないと!!」

ポニテ「えー!!まだ朝ご飯食べてないのにー!?」

宿の店主「……すでに6人前平らげてますけれど」
417 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:27:51.19 ID:sq8Xxj.0
295

--コロシアム、受付--

ツインテ「あ、あの!!」

受付嬢「?あら昨日のお譲ちゃん達」

走ってくるツインテ達を受付嬢が視界に入れる。

ツインテ「あのっ、あのっ!」

受付嬢「……残念だけど当日なら参加出来るというものではないのよ?キャンセルも無いし、キャンセルがあったところで今更組みこめないの」

ツインテはポケットの中に手を突っ込み、ぐしゃぐしゃになった参加票を取りだした。

受付嬢「えっ!?それ……」

ツインテ「ぼ、ボク達、この人達の代わりに出ることになったんです!!」
418 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:29:12.10 ID:sq8Xxj.0
296

--コロシアム、受付--

受付嬢「……盗品?」

ツインテ「ち、違います!!その、と、闘士って名乗る人に譲ってもらったんです。……多分偽名なんでしょうけど」

受付嬢「闘士!?ちょっとそれ見せて……」

受付嬢はツインテから参加票を受け取るとそれに目を通していく。

受付嬢「……なるほど。確かにあの人はこんな大会なんて出たがっていなかった……」

ツインテ「だ、駄目……なんでしょうか?」

受付嬢(でもその嫌いな大会を子供達に押しつけるほど貴方は薄情ものではない……熱意に負けたのかな)

ポニテ「もふもふ。ふインテひゃんー。とうろくおふぁったー?」

レン「やだー!!レン食べちゃ駄目ー!!」

食人鬼がコロシアムに近づいていた。
419 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:29:38.31 ID:sq8Xxj.0
297

--コロシアム、受付--

ツインテ「あーーーーー!!何してるんですかポニテさんー!!レンちゃんをー!!」

ポニテ「ひ、ひがうよ!!ひょ、ひょっと味見をと……」

ポニテはレンの頭にかじりついていた。

レン「にゃあー!!にゃー!!」

泣きながら逃れようとするレン。しかし地味に両手を拘束しているポニテであった。

ツインテ「鬼!!悪魔!!人手無しです!!」

受付嬢「……大丈夫なんだろうかこのメンバーで」
420 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:30:12.02 ID:sq8Xxj.0
298

--コロシアム、受付--

受付嬢「こらあなたたち、こっちに来て話を聞きなさい」

ツインテ「はうっ!?」

ポニテ「ほえ?」

レン「にゃああ……唾液べとべと」

受付嬢「……本当は大会運営上のルールにおいてグレーゾーンだけど……変化師がそう望むのであれば私がなんとかしておきます」

ツインテ「……え?」

ポニテ「えええ!!よくわかんないけど、出てもいいんだよね!?」

受付嬢「えぇ。ちなみに失敗した場合は私の命が無いけれどね」

ツインテ「な、なんという……」
421 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:31:13.16 ID:sq8Xxj.0
299

--コロシアム、受付--

受付嬢「まぁ大丈夫だと思うわ。それで貴方達のチーム名だけれど、今登録されてるのはガチムチマッスルズなわけなんだけど。これは変化師とその部隊のメンバーなのかしら……」

ポニテ「やだそんなのっ!!名前はもう決めてあるんだ、『ユーシャーズ』ってね!!」

受付嬢「!?ゆ、勇者?」

ポニテ「うんっ!!」

受付嬢(勇者って、そんなまさか……いやでも変化師が参加資格を譲るくらいの力があるってことは本当に勇者だってことなんじゃ?え?嘘わかんない……)

ツインテ「あはは……」

受付嬢「!そうだ!!本当に勇者だと言うのなら、どこかの国の勇者証明書を持っているはずよ?見せて!!」

ツインテ「あ、あれですか。ちょっと待って下さい」

ごそごそと探しだすツインテ。
しかし、

ツインテ「……あれ、無い」

勇者証明書を紛失した。
422 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:32:01.32 ID:sq8Xxj.0
300

--コロシアム、受付--

受付嬢「……はぁ」

受付嬢はおおきくため息をついた。

受付嬢(まぁそんなことだろうと思ったわ。そんな簡単に勇者がいてたまるものですか。しかもこんな子供が)

ポニテ「ほ、本当なんだからっ!!」

受付嬢「はいはい。とりあえずユーシャーズで登録を済ませておきます。開会式は1時間後だからそれまでゆっくりしてたら??」

ポニテ「うわーん!信じてないー!!」

ツインテ「え……どうして?ボク肌身離さず持ってたのに……なんで」

レン「ツインテ、気にしないで」


そして一時間後。

実況「それではお待たせいたしました!!武術大会 in 西の王国コロシアム、団体戦の開会式を始めたいと思います!!」

ワーワー!!

ポニテ「やっと二部のサブタイトルまで来たね!!」

ツインテ「メメタァ」
423 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/23(火) 23:32:36.81 ID:sq8Xxj.0
本日はこれにて終わりにしたいと思います。

それでは質問、疑問などがありましたら気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m
424 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 23:56:20.91 ID:6s6l6lQo
乙!
425 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 07:55:05.61 ID:vgstggMo

面白かった
けどアッシュに殺意がわいた
426 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 09:42:27.55 ID:fan1KgSO
このはちゃめちゃ加減がいいwwwwwwww
何か最初を思い出すwwww
427 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 22:12:35.89 ID:D8zCYZI0
乙です。
428 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 22:50:26.93 ID:yif7msAO
乙!
最初に変化師が嫌々ながらも大会参加してたのには何か他の理由があるの?
429 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/25(木) 22:27:55.58 ID:To9zqjko
おつん
430 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 01:59:35.96 ID:3qPZ6Ho0
こんばんはー!ちびっと投下しに来ましたー。

変化師がなぜ大会に参加していたのか。
それは、開催国なのに強い奴が一人も出てなかったりしたら国の体裁が……。ということで槍兵と変化師は上の命令で出場させられてたんですねー。
変化師はよほど嫌だったのか、ツインテ達に渡してしまいましたけども。

ちなみに各国のトップスリーは出場できません。
変化師と槍兵は三本角になってもおかしくないレベル(というか裏では確定)でしたが、この大会に出場させるためにわざと遅らされたのです。
では投下します。
431 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:00:53.50 ID:3qPZ6Ho0
301

--コロシアム--

西の王「……以上で私の話は終わる。みんな、互いの誇りをかけて存分に闘うがいい」

ワーキャー

実況「西の王様、お話ありがとうございました!!次に出場チームの紹介に移りたいと思います!!」

ワーキャー

実況「まずはAブロックです!!なぜかこのブロックはざわざわしたチームが集まっていますよぉ!!最初のチームは、チーーーーム、かいじいいいいい!!!!」

ざわ……ざわ

実況「リーダーのかいじさんを筆頭にギャンブル狂がそろっているチームです!!負けたら焼土下座をすると意気込んでいるそうです!!」

負け前提……ざわ

解説「駄目っ……!」

実況「そしてなにがあったのかは知りませんが、紆余曲折を経てAブロックに登場、チーーーーーム、ギャンブラー!!」

ワーキャー

賭博師「Aブロックか。見てなかったわ」

実況「このチームにはなんと!我が国の変化師が入っています!優勝候補の一角と言っていいでしょう!!」

変化師「……」
432 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:01:44.28 ID:3qPZ6Ho0
302

--コロシアム--

ツインテ「!!あの人……やっぱり闘士さんじゃなかったんだ。ていうかなんで出場して……」

ポニテ「あれれー?おかしいのー!もしかして本当は出たくてたまらなかったのかな?」

レン「にゃー」

実況「というわけで癖者ぞろいのAブロック、全8チームでしたー!!続いてBブロックの出場チーム!!……こ、このブロックは死のブロックになると思われます……ま、まずは個人戦準優勝の包帯女選手率いる帰郷組チーーーーーム!!!」

ワーキャー!!

実況「本来優勝候補筆頭、と言いたいのですが、このブロックの出場チームは恐ろしいものぞろいです……。2チーム目はち、チーム機動六花……」

ざわ……

包帯女「辞退します」
433 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:02:19.74 ID:3qPZ6Ho0
303

--コロシアム--

実況「というわけでね、魔法少女ブロックでしたねBブロック。中にはね、正統派な魔法少女さんたちもいるので危ないかなー?なんて気もしますけどね。まぁ、ね。安全に終わるといいですね大会。以上全8チームでしたー!!」

解説「絶叫オフにも行きました!!」

実況「個人的なことはおやめください。では続いてCブロックの出場チーム!!このブロックは特にしばりもなければネタも無いみたいですね」

解説「たぶん勇者しばりにしようと考えたのですけど、勝てそうな相手が見つからなかったんだと思います」

実況「おおっとネタばれだー!!」

どっ

ポニテ「どっ、じゃないよ」

実況「このブロックの紹介は別にいいですね。次行きましょう」

ツインテ「ぼ、ボク達のブロックが飛ばされた……」
434 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 02:02:25.95 ID:iMAK3EDO
きてたー!
435 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:03:09.05 ID:3qPZ6Ho0
304

--コロシアム--

実況「そしてそして!!最後のDブロックの紹介です!!まずは、おぉすごく懐かしいですね。レオタードに身を包んだ女性怪盗!!猫目!!」

ワー北条ーキャー

実況「下手をすると知らない人もいらっしゃるんじゃないでしょうかね。都市狩人ですら古い感じですよね」

解説「全巻持ってます」

実況「続いてチームウインドー!!このチームには有名人がいないですね。急造のチームなんでしょうか?是非ともがんばってもらいたいものです!!」

盾男「俺らのチームだ」

ポニテ「あ!おねーさん達!!」

弓女「私らが当るとしたら準決勝か。それまで負けんなよ?」

ポニテ「当然!!」

ツインテ「盾男さん顔色悪いですね」

実況「以上、4ブロック、全32チームの紹介でした!!続いて校歌斉唱!!」

ツインテ「どこの!?」
436 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:04:21.55 ID:3qPZ6Ho0
305

--コロシアム--

実況「さて一回戦は今日の正午から行われます!!5日間にわたって繰り広げられる夢の祭典、ここに開催いたします!!」

ワーキャー


--コロシアム、外--

一時間後。

ツインテ「ボク達の試合は今日の七試合目らしいですね。それまでまだ時間があるかと」

ポニテ「そなの?じゃあご飯タイムだね!!」

ツインテ「またですか……それより勇者証明書を探したいのですけれど……」

ポニテ「よくない?そんなの」

ツインテ「よくないですよ!!」
437 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:05:21.73 ID:3qPZ6Ho0
306

--コロシアム、外--

???「やぁ幼女達」

ざりっ

ツインテ達の前に黒い服を着た三人組が現れる。

???「俺らはチーム義賊。そんで俺がそのリーダーの義賊だ」

義賊と名乗った青年は手に持っていた肉を食いちぎる。

ツインテ「チーム義賊……私達の初戦の相手」

???改め義賊「そゆこと。まぁ君らも思う所があって出場してるんだろうから辞退しろだなんて野暮なことは言わねぇさ。でも手加減できないかんな?覚悟しとけよ?」

ツインテ「……はい」

ポニテ「うんっ!!全力全力っ!!」

義賊「じゃぁ……戦場で」

義賊達はその場から去っていく。
438 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:06:14.42 ID:3qPZ6Ho0
307

--コロシアム、外--

賭博師「ほーん。最初の相手は義賊か」

そこに賭博師と調教師はケバブを食べながら現れた。

ポニテ「あっ!!船で逃げ出したずる男!!っていうかなんでみんな食べ物食べてるのっ!!」

賭博師「ずる男って……変なネーミングつけてくれちゃってまぁ」

調教師「ずるムあごぷっ」

調教師の口にケバブをねじ込む賭博師。

賭博師「……まぁあれだ。気を付けな。あいつらは結構有名だからな」

ツインテ「有名な義賊って……」

賭博師「んー。でも腕は立つって噂だぜ」

ツインテ「そう……でしょうか?」
439 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:07:23.12 ID:3qPZ6Ho0
308

--コロシアム、外--

ポニテ「うん。楽勝に行けそうだよね!!」

賭博師「……まじかい」

レン「……問題無い」

調教師「……」

賭博師(ま、んなの当たり前か……)

ツインテ「あれ、そう言えば賭博師さん達試合は……」

賭博師「あぁ勝ったよ。相手はチームシルバーゴールドだったかな。やっぱり三本角候補だけあってすごいわ。変化師一人で勝っちまった。相手が戦闘タイプじゃなかったんだけどもな」

調教師「私達は見てただけでした」

ポニテ「そっかーやっぱりあの人強いなー」

賭博師「……言いたいのはそんだけだ。じゃあ当ったらよろしくな」

そう言うと賭博師と調教師は去って行った。
ツインテ達に背を向けた賭博師は内ポケットから紙を取りだす。

賭博師「……勇者の力……か」

賭博師が取りだしたものは勇者証明書だった。
440 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:08:40.37 ID:3qPZ6Ho0
309

--コロシアム、外--

大会スタッフ「こんなところにいましたか!!チームユーシャーズさん、そろそろ出番ですので用意してください」

ツインテ「え、え!!ももも、もうですか?心の準備が……」

ポニテ「いよっしゃあああ!!やっと出番だああー!!!」

レン「にあー」

弓女「おー今からかー頑張れよー!ポニテ達ー」

衣服がボロボロになった弓女達がコロシアムから出てきた。

ツインテ「あ、闘ってきたんですか。どうでしたか?」

弓女「んー。そんな危なくは無かったかな」

斧女「勝ちました。確か相手はポルターガイストがどうのこうのっていう……」

レン「すまーと」
441 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:09:19.27 ID:3qPZ6Ho0
310

--コロシアム--

実況「さぁ次は一回戦第七試合です!!チーム義賊VSチームユーシャーズ!!」

ざわ

実況「あ、と言っても勇者とは全く関係無いそうです!!」

どっ

ポニテ「どっ、じゃないよ!」

義賊「さぁやろうぜ……幼女共」

実況「あ、ちなみに義賊さん達には逮捕状が出ていますので、試合終了と共に兵士達が捕まえる予定です!!」

義賊「……まじかよ」

ツインテ「……早く逃げた方がよくないですか」
442 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:10:00.78 ID:3qPZ6Ho0
311

--コロシアム--

実況「それでは、試合開始!!」

義賊「行くぞ、インビジブルフォーメーション」

義賊右「サー」

義賊左「イエッサー」

ビュゥン

ツインテ「!!消えた!?」

義賊達は開始早々姿を消した。

ポニテ「うおー!おもしろーい!!」

ツインテ「お、おもしろがってる場合じゃないですよ!!どうするんですか!!」

レン「……錬金ツール、起動」

レンは工場を呼び寄せる。
443 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:11:01.44 ID:3qPZ6Ho0
312

--コロシアム--

義賊(!?簡易用錬金術工場だと!?……)

レン「これでスキル看破の眼鏡つくる」

ツインテ「あ、な、なるほど!!でもそんなに相手が待っては」

義賊(そうさ、スキル、盗む!!)

シャッ

義賊はレンのアイテムを盗もうと手を伸ばす。

ドシュっ

ポニテ「よっと」

義賊「!?」

ツインテ「ひっ!?」

ポニテの剣が見えない何かを切り裂く。
そして、右手首が宙を舞った。
444 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:11:36.98 ID:3qPZ6Ho0
313

--コロシアム--

実況「おおーーと!!ポニテ選手!!見えなくなった義賊チームにいきなり深手をおわせたああああ!!」

ワーキャー

義賊「なっ!!て、てめぇ……俺達の姿が見えてるのか!?」

ポニテ「うんにゃ。全く見えてないよ」

義賊「ふ、ふざけやがって!!全く見えないやつが出来る攻撃じゃない!!」

ポニテ「ううん、本当に見えないよ。でも見えないだけ」

ポニテはいつのまにか抜いた二振りの剣を構える。

ポニテ「そう見えないだけ。その代わりおにーさん達が忍ばせてる足音は聞こえるし、殺気もちゃんと感じてるよ」

義賊「なっ!!」

義賊右「ど、どうしますかリーダー……」

義賊(ふざけんなよ……いくらスキル消音を使って無かったからって俺らの足音が聞こえるだなんて……そんな)

ポニテ「それに」

ポニテは怪しく笑う、

ポニテ「おにーさん達……おいしそうなニオイガスルシ……」

ツインテ「逃げてー!!義賊さん達逃げてー!!」
445 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:12:34.22 ID:3qPZ6Ho0
314

--コロシアム--

義賊「匂い……試合前喰ってた肉のことか……くそっ!!犬並の嗅覚かよ!?インビジブルフォーメーションパート2!!散開しろ!!」

義賊右「サー!」

義賊左「がふっ!!」

ズバシュッ

義賊「ん?義賊左!?どこにいる!?見えねぇんだから返事をしろ!!」

ポニテ「……ふぉふぉじゃないの?」

ポニテは何かを咥えたまま空を見上げているような体勢だ。
そして、

義賊左「あがっ……」

ブゥゥン

スキルが解除され義賊左が現れた。ポニテに腹を噛まれた状態で……

ポニテ「エーステ(erst)」
446 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:13:23.09 ID:3qPZ6Ho0
315

--コロシアム--

ビチャッ

ポニテは義賊左を吐き捨てる。

観客「ひ、ひー!!あいつ人を食ったぞー!!」

パニックになる観客達。

ポニテ「食べてない食べてない。歯で攻撃しただけだよw」

ベロリと口の周りの血を舐めるポニテ。

ツインテ「せ、説得力がありません……」

義賊「……っ!!あいつは駄目だ!!残りの二人を狙う!!リーダーは確かツインテって名前だ。そいつを狙う!!」

義賊右「サー!」

ポニテ「リーダー!?ツインテちゃんいつの間にそんなおいしいポジションを!!ひどいや!!レッドは私がやるって思ってたのに!!」

ツインテ「い、言うてる場合ですか!!登録の時に仕方がなかったんですぅ!!」
447 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:14:39.65 ID:3qPZ6Ho0
316

--コロシアム--

実況「せ、凄惨な戦いになってまいりました……。しかし、リーダーがリングアウトするか戦闘不能になるか、はたまた降参しない限り勝敗はつきません!!」

ツインテ「い、一番弱いボクがリーダーって、やばくないですかっ!?」

ポニテ「いーなー!!私も集中攻撃されたいー!!」

義賊右「くらえっ!!」

ツインテ「!?」

見えない攻撃がツインテを捕え
バクっ!!

ポニテ「あおん」

その動きを追跡して捕食するポニテ。

義賊右「ぐはっ!!あ、後は頼みました……リーダ……」

レン「ツインテ、アイテムできたー」

ツインテ「もうそれどころでは……」

ツインテ達の足元は血で出来た水たまりが……。
448 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:15:28.82 ID:3qPZ6Ho0
317

--コロシアム--

ポニテ「あぁと一匹ぃ」

ポニテが口を開くと義賊右が闘技場に落下する。
口からは唾液と血が入り混じった体液がぽたぽたと……。

義賊「こ、こいつ、鬼か……っ!!そうだ!こいつは鬼だろ!?鬼に違いない!!」

ポニテ「ひひひひどいいなああぁ、れれっきとしたああにににんげんだだだああぁあよおおお」

ツインテ「ひいいいいいいい!?」

レン「レン怖い」

ポニテは剣を投げ捨て四足移動をし始める。

ポニテ「もううう一匹はあどこだあああああ?」

解説「ここでEVAよりダマを思い出す私はハレグゥマニアです」
449 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:17:12.71 ID:3qPZ6Ho0
318

--コロシアム--

義賊(こりゃまじでリーダーだけを狙わなきゃだな!!ガキだと思ってたけどとんだ化物だ!!)

義賊はポニテから遠ざかり反対方向からツインテを狙う。

ヒュンッ!!

レン「だめ」

義賊が接近するよりも早く、レンが防御姿勢に入る。

義賊(!?あいつも俺の位置に気付いて!?)

レン「錬成、超大鎌」

レンの体の数倍はあろうかという大きな鎌が出現し、レンはそれを担ぐ。

義賊「!?錬成がはやっ!!」

レンは敵の位置に検討を付けて大鎌を振り抜いた。

ズバシャッ!!
450 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:18:27.13 ID:3qPZ6Ho0
319

--コロシアム--

実況「……え、えーっと……義賊選手が胴体真っ二つとなりましたので試合終了ーー!!視聴者ももう勘弁してくれと言わんばかりの血みどろの試合に幕が下りましたー!!勝者、チームユーシャーズ!!」

わ、わー

解説「うぅむ。大穴かもしれませんね。このチーム」

実況「おっと!?解説さんが真面目な顔をしているぞお!?このチームはどこまで勝ちぬけるのか!?がんばれチームユーシャーズ!よく闘いましたチーム義賊!!両チームにもう一度大きな拍手を!!」

ワーパチパチパチ

実況「なおチーム義賊が目を覚ます場所は牢屋の中でございます!!」

どっ

ポニテ「このノリうざいねww」

ツインテ「ボク何もしなかったですね」
451 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:19:26.50 ID:3qPZ6Ho0
320

--コロシアム--

スタッフ「お、お疲れ様でしたー。明日もがんばってくださいー」

弓女「おーう、やっぱつえぇじゃねぇかポニテww」

ポニテ「えへー!ありがとーう!!」

ポニテは駆けよって弓女に抱きつく。

弓女「うげっ。こらこらこら、血がついちゃうだろ」

斧女(……錬金術師の強さは錬成したものの質とスピードで測れる。そのうちのスピードだけなら既に大錬金術師レベルかもしれない……レン、恐ろしい子)

レン「にゃー。おなかすいた」

盾男「では飯でも食いにいくとするか!」

ツインテ「あ、盾男さんいたんですかw」
452 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/11/27(土) 02:21:41.58 ID:3qPZ6Ho0
やっとこさ大会が始まりました!!当初予定していたものよりも勝手に話がすり替わっていってしまい、プロットが意味をなさない状態です。

それでは、本日はこれにて終わりにしたいと思います。
疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。喜びます。

読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m次回にご期待下さい!
453 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 02:23:11.87 ID:iMAK3EDO
乙!
しばらく肉くえねぇ…
454 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 02:40:37.62 ID:aUA8Tbko

ポニテがだんだんと人間やめてくなwwwwww
455 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 04:26:02.90 ID:PfcBcAso
>>452 乙!
ポニテが完全に人の味を覚えてしまった……
ツインテは回復特化っぽいけど、なんか特別な魔法できたっけ?
456 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 20:00:15.02 ID:xgmfOzc0
乙です。
457 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 20:35:18.15 ID:pURsmdko
乙!
458 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 22:41:54.19 ID:OeaghIDO
そろそろ来るかな?
459 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/06(月) 23:32:26.28 ID:maMBzFk0
あの……エスパーですか??

こんばんは。長らくお待たせいたしました……本当に申し訳ないです!!
では少しですが書いていきたいとおもいます。。。

主要人物はちょっとレア系の何かをご用意していますので、どうかこれからもよろしくお願いいたしますm(__)m
460 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/06(月) 23:39:42.12 ID:maMBzFk0
321

--酒場--

ポニテ「きゃほー!ご飯いっぱいあるー!!」

テーブルはたくさんのご馳走で埋め尽くされている。

ポニテ「いいの!?みんな食べていいの!?」

弓女「そのみんなに私たちが含まれてなきゃな……」

ツインテ「なんで食事するだけで死活問題になってるんでしょう……」

レン「にゃあー」

斧女「今日は盾男さんのおごりですのでどうぞご遠慮無く」

盾男「ははは。臓器いくつ売れば賄えるだろうか」

事実上の死刑宣告だった。
461 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/06(月) 23:44:54.69 ID:maMBzFk0
322

--酒場--

弓女「まぁでも?こいつはツインテちゃんの裸体を拝んだわけだし?仕方ないっちゃ仕方ないわな」

ツインテ「ら、裸体って別にそんな……それに前は見られてないですけど……」

ポニテ「とゆことはお尻はみたんだね!?」

ポニテの恐るべき振り。

盾男「……」

キーワードに触発されてふるふると震えて鼻血をたれ流す盾男。

弓女「……お前食事抜きな」

斧女「不潔……」

ポニテ「ロリコン」

レン「社会のくず」

ツインテ(……お、おいたわしや……)
462 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/06(月) 23:52:51.56 ID:maMBzFk0
323

--酒場--

弓女「てーか女5で男1ってとんでもねぇハーレム野郎だぜ。しかもみんな美人だしなww生きてるだけで幸せだろ?」

ツインテ(比率4対2ですー)

ポニテ「そだねー!もがっ」

ポニテは口に片っ端から食料をつめていく。

盾男「……ふっ、三十路が」

弓女、斧女「!!」

ボソリと呟いた盾男の言葉に過剰に反応する二人であった。

ポニテ「おねーさん達30越えてるんだー?」

弓女、斧女「!!!!」

ツインテ「ぽ、ポニテさん大きな声で言っちゃだめっ!!」

ツインテは慌ててポニテの口に食料を注ぎ込む。

ポニテ「あがもが」

レン「……レンも食べる。あむ」
463 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/06(月) 23:58:20.93 ID:maMBzFk0
324

--酒場--

弓女「……ふ、ふふふ」

斧女「わ、わかってませんね。女はむしろ30越えてからですよ……」

盾男「……失われし湯上がり卵肌」

ガッシャーン!!

弓女「てっめえ上等だぁ!!何が紳士だ!!最初の設定はどこへ行った!?」

盾男「紳士ですら魔道に引きずり込むほどの威力がツインテちゃんの肌にはある!!」

ツインテ「ぼ、ボクのせいですか!?」

斧女「本部に帰ったら貴方の部屋を捜索します。もしそれでロリィのが出てきたらどうなるかわかってますね?」

盾男「ない、断じて無い!!むしろ俺は歳上のバインバイン派だったんだ!」

弓女「うわっ!?身の毛もよだつカミングアウトだわ!!年下でよかったー」

盾男「いや、俺の方が年下たがら……」

弓女「!?え?フケ顔?」

盾男「ぐふ……気にしてることを……」
464 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:05:08.62 ID:78/6CV20
325

--酒場--

包帯女「ちょっとアンタ達静かにしてよ!こっちは明日の作戦考えてんだからさ!!」

酒場の奥の方から怒鳴り声が。

包帯女「さっきから聞いてればくっだらないことで大声だして、馬鹿じゃないの!?」

ざわざわ準優勝の包帯女ざわざわ

弓女「く、下らないだぁ!?女の沽券に関わることを下らないだと!?」

包帯女「えぇ、下らないわ。こっちは今日の作戦次第では確実に死ぬのよ!!死活問題なのよ!!」

ツインテ「こ、個人戦準優勝の人がそこまで言うだなんて……明日の相手はどんな人達なんでしょうか……」

義足「あー悪いな。ちょっとこいつ今余裕無いからさ」

義足は包帯女を取り押さえようと立ち上がる。

弓女「は!大体うるさいのが嫌ならこんなとこで作戦会議なんてしてんじゃねぇよ!部屋に籠もって部屋の隅でガタガタふるえて命乞いしてな!」
465 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:08:48.78 ID:78/6CV20
326

--酒場--

包帯女「むかつく女……ッ!!どこで会議しようが私達の勝手でしょ!?食事も一緒に出来るんだから効率的なのよ!!」

弓女「効率的なわけがあるかよ!ビビって思考も狂ってんじゃねぇのか!?」

包帯女「なんですって!?」

ズカズカズカズカ

二人は制止を振り切り詰め寄った。

弓女「……大会じゃどうせ当たらないだろうからここでけりをつけとくか?二回戦で消えるんだろ?」

包帯女「そっちこそ!!帰りの身支度を済ませておいたら?」

ポニテ「がふがふ」

レン「あむあむ」

盾男「どくどく」

ツインテ「あ、あわわ!け、喧嘩はよくないでふっ!!」

弓女「……」

包帯女「……」

二人はにらみ合ったままお互いに一歩下がり、

弓女「っ!!」

包帯女「!!」

拳を振り抜いた。

ドガァァン!!

弓女と包帯女の拳がぶつかり合う。
466 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:11:52.88 ID:78/6CV20
327

--酒場--

ワーキャー、ドガシャン

テンテン「ぴぴっ。シミュレーション終了。敵、最大魔法攻撃は私の防御力を遥かに上回ると予測……ん?なにやらさわがしい」

ワーキャーガシャン

義足「あー……。ちとな。包帯女が暴れだしたんだよ……また」

テンテン「またか。全くいくつになっても騒がしいやつだ」

義賊「ははは……。ってそういやテンテン、やっぱり向こうの方が上か?」

テンテン「試しに私の惑星間攻撃ビームにも耐えられるシールドを展開したと仮定して試してみたが抜かれた」

義賊「……よくわからんがこえぇな」
467 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:18:51.94 ID:78/6CV20
328

--酒場--

ドカバキズガ

女同士の激しい殴りあいが始まった。

酔っぱらい「いーぞ姉ちゃん達ぃ!もっとやれぃ!!」

へべれけ「がははは!」

物が飛びかう戦場になった酒場。ツインテ達はテーブルの下に避難している。

ツインテ「あ、あわわ。どうしたらいいんですか!?早くけ、喧嘩を止めないと!!」

ポニテ「むぐむぐ。好きにさせてあげたらいいよー。おねーさん達も溜まってるんだよー」

斧女「すぐ手を出すのは弓女の悪い癖ですね。淑女たるものお淑やかに」

盾男「痛い!?何でつねってるの!?」

ツインテ「でもっ……ちょっとボク、向こうの人と話し合ってきます」

ツインテは戦場となった酒場をはいはいで進みだす。

レン「レンも行く」

その後を追うレン。
468 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:24:18.05 ID:78/6CV20
329

--酒場--

ドガッ

弓女「ぐはぁっ!!」

包帯女の裏拳が弓女の側頭部を直撃する。

弓女(重い……だてに個人戦で準優勝してない、か)

弓女は倒れそうになるのを踏張り、包帯を掴んで引き寄せた。

包帯女「っな!」

ガチン!!

そして強烈なヘッドバッド。

包帯女(いっっったー!!この女……中々やるわね)
469 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:25:12.91 ID:78/6CV20
330

--酒場--

ツインテ「あ、あのー……」

義足「あん?」

ツインテとレンは、無事に義足達のテーブルに辿り着いた。

義足「あぁ、あっちの女の人の仲間、かな?」

ツインテ「は、はいそんなところです!こ、この度はご迷惑をお、おかけして……」

義足「あはは。何言ってんの。むしろうちのがつっかかってったんだから、こっちが謝らなくちゃ」

ごめんよ、と義足。

ツインテ「喧嘩を止めたいんですけどどうしたらいいでしょうか……」

義足「んー。難しい。なんなら気が済むまでやらせた方がいいかもね。後を引いて明日の試合に影響が出たら嫌だし」

ツインテ「そ、そんなのダメ!……です」
470 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:26:28.35 ID:78/6CV20
331

--酒場--

義足「あはは。冗談冗談。このままやってたら憲兵来ちゃうだろうしな。どうしよかテンテン?」

レン「あむあむ」

テンテン「なにこの生き物可愛いすぎる……やばい。まじぱないっ」

テンテンはレンに焼き魚を与えていた。

テンテン「義足。これ持って帰りたいと熱望する」

レン「あむあむ」

義足「人様を物扱いすんな!」

ツインテ「あはは……」

テンテン「奴らを止める方法?私がショックガンを打ち込めばいいだけの話だろJK」

義足「俺は生命活動を止めろとは言ってないぞポンコツ」
471 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:27:31.07 ID:78/6CV20
332

--酒場--

ワーギャー

喧嘩の火種は飛び火して、あちらこちらで新たな争いが発現していた。

義足「っちゃー。もはや火元だけの問題じゃなくなっちまったよ」

ツインテ「あわわわ」

レン「あむあむ」

テンテン「やばいーぎゅってしたいぎゅって!!ダメかな?犯罪かな?」

テンテンはキャラ設定の崩壊が始まっている。

ツインテ「あ、気になっていたのですが、明日の対戦相手はどんな人達なんですか?個人戦準優勝の人があんなに心配する相手って想像もつかなくて……」

義足「……チーム機動六花。ってわかる?」

レン「!!」

焼き魚をはぐはぐしていたレンは動きを止めた。

ツインテ「あはは……ごめんなさい不勉強で。わからないです」
472 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:29:01.48 ID:78/6CV20
333

--酒場--

義足「いやこの場合は知らない方がよかったぐらいさ。変に意識すると普段の実力を出せなくなる」

ツインテは唾を飲む。

ツインテ「そ、そんなに強い相手なんですか?」

義足「強い。五柱って、わかるよね?」

ツインテ「は、はい。確か勇者に最も近いとされる五つの職業のことですよね?」

義足「そう、完全上位職業。各種につき一人、世界にたった五人しかいないとされる最強の人類」

ツインテ「……まさか」

義足「そのまさかだ。その五柱の一人が次のチームにいる」

ツインテ「!!」

レン「魔導長……」

義足「そうさ。こと破壊にかけては右に出るものはいないとされる魔導長。その彼女が率いるチームこそがチーム機動六花」
473 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:29:58.63 ID:78/6CV20
334

--酒場--

ツインテ「あ、あわわ」

義足「その力は各国の三大戦力の比ではない。槍兵にまがりなりにも渡り合えたのとは訳が違う。五柱はそれよりも遥かに上の存在なんだから……」

ツインテ「そ、それが相手では仕方が無いですね……」

あんなにてんぱってしまうのも、とツインテ。

義足「まーね。でもそっちのお姉さんの言うとおりさ。真面目に会議をしたいのなら宿ですればよかったんだ。あえてそうしなかったのは、少しでも活気のある所に身を置いて落ち込むムードをなんとかしたかったのかもしれない」

ワーギャー

ツインテ「落ち込む……ですか?」

義足「ん……まぁ結果的にいい気分転換になってるのかなww」

包帯女「はぁ!」

包帯女は空中で回転し踵落としを放つ。
474 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:30:36.57 ID:78/6CV20
335

--酒場--

義足「さてと。そろそろ二人を止めようか。憲兵来ちゃったら大会から弾かれちまうし」

義足はそう言って立ち上がると、椅子に足を乗せて右足のズボンを捲り上げる。

キラン

ツインテ「そ、それは」

ズボンの下にあったものは鉛色の色をした肌……否、

ツインテ「それは……オートメイル!?」

義足「ハガレン完結おめでとう!!お疲れさまでした!!」
475 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:31:22.33 ID:78/6CV20
336

--酒場--

ツインテ「こ、こほん。えと、それ……服の下に鎧をつけているんですか??」

義足「あぁこれはね。理解できないと思うけど、機械っていうロストテクノロジーらしいんだ」

ツインテ「?機械?ですか?」

義足「あぁ。俺、昔に色々あって右足の膝から下を無くしちゃってさ」

ツインテ「あっ……」

ツインテは悪いことを言ってしまったと気付き、慌てて口を押さえる。

義足「ん。全然。気にすることないさ。今じゃこっちの方が便利なくらいだ」

義足は右足についているカバーのようなものを開ける。

ツインテ(!?足がパカッて!?)

そして自分の腰に指していた青色の棒を引き抜き、右足の空洞の中に差し込んだ。

ガシャッ

義足「うし。準備完了」
476 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:31:56.35 ID:78/6CV20
337

--酒場--

レン「じー」

レンはそれを食い入るように眺めている。

テンテン「もういいのか?魚、もういいのか??」

テンテンは魚を振ってレンを振り向かせようと必死だった。

ツインテ「それは、なんなんですか?」

義足「まぁ、みてなよ。ブルーカートリッジリロード!」

ガシャコン!

義足の右足から人のものとは思えない音がした。
そして、

ツインテ「!!魔力反応!!」

義足「水属性拘束魔法、レベル3!!」

義足の詠唱が終わると同時に水の縄が出現し、包帯女へと向かって行った。
477 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:32:38.08 ID:78/6CV20
338

--酒場--

シュルルッ

包帯女「!?こ、これは義足の拘束魔法!?あっ!」

包帯女を締め上げる魔法の縄。

弓女「はっ、はっ……なんだこれ?」

包帯女「こ、このぉー!!義足ーー!!」

義足「ふっ」

ツインテ「す、すごい。なんですかこの装置!!魔力量低そうなのにすごい!!」

義足「……結構ずっぱり言うのね」

ツインテ「あっ!」

レン「じー」

レンは義足の右足を凝視していた。
478 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:33:34.01 ID:78/6CV20
339

--酒場--

レン「これ、どんな技術使ってるの?材質は鉄と魔鉱石?ゴムも中で使われてるのかな。すごい……こんな義肢みたことない。どうやって操作してるんだろう」

義足「ちょ、ちょっとお譲ちゃん?」

テンテン「ふふ。それは私が作ったのだ。今の世界では失われた技術だからな。どうだ、教えてやってもいいと提案」

義足「おま!西の王にだけ渡す技術だろこれ!」

テンテン「細かいことは気にするな」

包帯女「く、こ、この!!私はいつまでこの格好なのよ!!恥ずかしい!!」

弓女「はっはー。良い様だぜww」

ワーキャー

義足「あっと、しまった。あいつだけ止めても仕方ねぇな」
479 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:34:09.99 ID:78/6CV20
340

--酒場--

ツインテ「あ、じゃ、じゃあ後はボクがやりますね」

義足「……え?後って」

ツインテ「水属性範囲拘束魔法、レベル3!!」

バシュッ!!

ツインテが魔法を唱えると、四方八方に魔法の縄が飛んでいく。

義足「!?」

ギュル

へべれけ「なにっ!?」

シュルル

弓女「おぶっ!!」

にゅる

ポニテ「もくもくっ!?」

義足(……こ、この場所の人間全てに拘束魔法だと!?この娘……一体)

ツインテ「あ、ま、間違えて関係ない人まで!!」

盾男「……なぜ俺だけ亀甲(ry」
480 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 00:35:32.88 ID:78/6CV20
本当にお待たせしました!これからはまた早くできるといいなぁと思い……ます。

それでは本日はこれにて終わりにしたいと思います。
疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。

読んでいただき、ありがとうございました!!m(__)m次回にご期待下さい!
481 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 00:36:35.62 ID:ZHPntNoo
>>480 乙!
盾男ww
482 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 00:50:10.12 ID:PNVG6fMo
亀甲縛りww
乙!
483 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 01:15:19.77 ID:sRZOgW60
乙です。
亀甲www
484 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 01:31:39.06 ID:zgfYLZco
亀甲縛りとかwwwwwwwwww
485 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 01:32:06.81 ID:5WYtssDO
ホントに来たー!
乙!
486 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 09:42:26.72 ID:e/drkKY0
おつ
まさか盾男を意識しているんじゃ・・・
487 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 09:42:28.61 ID:DgeO6kSO
足がパカと聞いてギャグ漫画日和を思い出した俺は爆ぜてくる

テンテンあの時から何があったしwwwwww
488 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/07(火) 13:09:51.61 ID:SswwnAAO
もしかしてツインテは義足の魔法を見て習得したのか?
489 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 18:27:18.03 ID:PNVG6fMo
見て修得とか、ストラゴスかよ
490 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 20:08:59.13 ID:78/6CV20
惑星のさみだれ完結記念!すばらしかったです。本当に名作でした!!

10時頃からまた再開したいと思います。皆さまどうかよろしくお願いいたしますm(__)m
491 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 20:20:52.96 ID:x5.Sezwo
wwktk
492 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 21:58:34.35 ID:78/6CV20
341

--北通り--

アッシュ「ったくあのやろー……腹はへったけど金がないだって?完全にたかる気まんまんじゃねぇか」

アッシュは両手にたこ焼きを持って夜道を歩いている。

金髪「あ、アッシュ君ー!こっちっすこっちー!!」

ベンチに座っていた金髪は、アッシュの姿を確認するとブンブンと手を振った。

アッシュ「見えるわ!目立つな馬鹿め!」

金髪「あふっ!?こ、怖いっす!!なんでっすか!?こちとら主人をずっと待ってた犬の気持ちを行動に移してみただけっす!!」

アッシュ「わけわからん!!」

ほら、とたこ焼きを手渡すアッシュ。

金髪「わー!なんすかコレ暖かいっす!!あ、そだ。ありがとうっすアッシュ君!!」

アッシュ「うっせ。早く食え」
493 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:01:31.44 ID:78/6CV20
342

--北通り--

金髪「はて。これなんすか?どうやって食うっすか?」

アッシュ「ん?なんだお前たこ焼きも知らないのか……ってあぁ、まぁ東の王国とこの国くらいでしか食えないかこれ」

アッシュはたこ焼きに串を刺す。

アッシュ「!」

その時何かを思いついたアッシュはにやりと不気味な笑みを浮かべる。

アッシュ「これは、中の内容物を吸って食うんだ」

金髪「ほえー!この丸いのを吸うんすかー。周りのもおいしそうっすけど食べないんすか?」

アッシュ「そんな食い方してるのは何も知らない田舎者だけだ。ナウなヤングは吸うんだ」

金髪「はー!シティボーイってやつっすか!!」
494 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:06:45.79 ID:78/6CV20
343

--北通り--

金髪「この串は何に使うんすか?」

アッシュ「まずこの串でたこ焼きに穴を開けるんだ。ちょちょいと」

ぐりぐり

金髪「ほーほー。って熱っ!!熱いっすアッシュ君!!中すごい高温っすよ!?」

アッシュ「そんでこの穴に口を付けて一気に吸うんだ」

金髪「こんな熱いのを!?」

アッシュ「親の仇だと思って飲むんだ」

金髪「親の仇!?」

アッシュ「慣れてくればやみつきになる」

金髪「はー。そういうもんなんすかー……。わかったっすあたいやってみるっす!」

金髪はたこ焼きに口をつけ、内容物を一気に吸った。

ずッ

金髪「!?」
495 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:12:44.89 ID:78/6CV20
344

--北通り--

金髪「a0o43t7g3いjけlw93えhf29お4うえぎhkjfrk:えせlkjわおえいg!!!!」

アッシュ「あはははは!!馬鹿だ!!」

金髪「あついー!!喉が!!喉が!!ああああああ!!」

アッシュ「あはははは!!」

金髪「みずーー!!みじゅうーー!!あばばばば!!」

アッシュ「はっはっはっ!!」

金髪「みみみ水が無いのならこの際アッシュ君の生き血でもやむを得なく!!」

アッシュ「勘弁しろ。水だほれ」

ごくごくごくっ

アッシュからひったくった水を一気に飲み干す金髪。
496 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:15:40.39 ID:78/6CV20
345

--北通り--

金髪「うぅ、まだ喉が痛い……アッシュ君、また嘘ついたっすね……」

アッシュ「バーカ。騙される方が悪い。んなもん熱いに決まってるだろが。少しは自分で考えろ」

金髪「うっ。これだけの悪行をしておいてこの言い草!ひどい、アッシュ君、あんたは地獄の鬼の生まれ変わりに違いないっす!!」

アッシュ「はっ、鬼なんてこの世にいるか」

そう言ってアッシュはたこ焼きを一つ口に入れる。

金髪「うう〜!!」

アッシュ「ほれ熱いうちに食え」

金髪「もう熱いのなんて嫌いっす……」

アッシュ「……」

すっかり拗ねてしまった金髪。

アッシュ「いらないのなら俺が食う」

ひょいぱく

金髪「あ、あー!!何してるっすかー!!」
497 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:21:02.35 ID:78/6CV20
346

--北通り--

アッシュ「何って、たこ焼き食ってる」

金髪「そんなこと言ってるんじゃないっす!!どうして自分のがあるのにあたいの食べてるっすか!!」

アッシュ「いらんのだろう?」

金髪「いるに決まってるっす!どうしてそういうことができるっすか!!」

あーもー、と頭を抱える金髪。

金髪「……あむ」

そして金髪も一つ口に運ぶ。

金髪「……おいしい」

アッシュ「だろ。金だこのが一番上手い」

金髪「……おりゃ」

ひょいぱく

アッシュ「ぬあっ!?」

アッシュからたこ焼きを奪う金髪。
498 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:24:33.48 ID:78/6CV20
347

--北通り--

アッシュ「き、きさま!」

金髪「アッシュ君だって一個取ったっす!!これでaikoっす!!」

アッシュ「テトラポットを登るのか」

金髪「とりあえずこれで許してあげるっすよw」

アッシュ(おのれ……元々は俺の金で買ってきてやったというのに……)

金髪「あーむw」

金髪はよっぽど気にいったのかにこにこしながらたこ焼きを食べている。

アッシュ(というかこいつ、最初のたこ焼きで火傷してないのか?うまそうに食いやがって)

金髪「おいひーw」

アッシュ「ふっ」

アッシュは無詠唱スキルを発動する。

アッシュ(攻撃速度上昇、レベル1)
499 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:27:48.91 ID:78/6CV20
348

--北通り--

金髪「あーん」

金髪が最後のたこ焼きを食べようと口を開けた瞬間、

シュバッ

たこ焼きが消えた。

金髪「!?」

アッシュ「むちゃむちゃ」

アッシュは首だけを高速で動かし、金髪のたこ焼きを奪い食ったのだ。

金髪「あ、あー!!奪ったっすね奪ったっすね!!最後のたこ焼きーーー!!」

アッシュ「ふぁんふぉふぉふぉふぇふ?(なんのことです?)」

金髪「思いっきりハフハフしてるっすー!!」
500 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:31:18.55 ID:78/6CV20
349

--北通り--

金髪「ゆ、許せんっす……食い物の恨みは恐ろしいんすよ……」

金髪は血の涙を流しながらアッシュを睨んでいた。

アッシュ(別にもう一個くらい買ってきてやるっての。……からかいがいのあるやつだ)

アッシュは咀嚼し終わり、飲み干そうとした瞬間

ガシッ

アッシュ「!?」

アッシュは両手で顔を掴まれた。

金髪「たこ……やき……」

ギギギ

目の前には、目を見開いて涙を流す金髪の顔が。

金髪「たこ焼きたこ焼きたこ焼きたこ焼き」

アッシュ「ちょ」

ズキュゥゥゥゥン!!
501 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:34:26.80 ID:78/6CV20
350

--北通り--

アッシュ「っっっ」

金髪「んっ」

じゅる






眼鏡をかけた少年「あーママーアレ見てー」

少年の母親「え?どうし、っ!?み、見ちゃいけません!!」

母親と思しき女性は少年の目に手を当てて、そそくさとその場から去っていく。


金髪「っぷは」

金髪はぺろりと唇を舐める。

金髪「えへへ、おいしかったっすw」

アッシュ「っっっっっっっっっっっ」
502 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:38:55.85 ID:78/6CV20
351

--宿屋--

ポニテ「ラヴコメか!!……いや、違った。お風呂に入ります!」

宿屋に帰って早々、ポニテは宣言した。

ツインテ「あ、はい。そうですね、汗かきましたし(冷や汗の方)、入りましょうか」

ポニテ「そうです!入るんです!HEY!レン!!」

パチン

ポニテが指を鳴らすとレンがツインテの左腕に纏わりついた。

ツインテ「……あの?」

ポニテ「今日こそ同じ風呂場で洗いっこをします!!」

ツインテ「な、なんだってーー!!」

ポニテ「ツインテちゃんをこのまま温泉に連れ込んであらゆる場所を洗い尽くす。例えこの身が朽ち果てようともだ……」

ツインテ(馬鹿な……体験版ではお風呂シーンは無いハズだぞ……)
503 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:42:15.65 ID:78/6CV20
352

--宿屋--

ツインテ「ちょっ、れ、レンさん離して下さい!!ボクは男湯に入るんです!!」

レン「やっ!ツインテが男湯に行くならレンも行く!」

ツインテ「な、何言ってるんですか!?若い女性がはしたない!!そんなの絶対に駄目に決まってるじゃないですか!!」

ポニテ「ツインテェ……よくもツインテちゃんがそのようなことを」

レン「……ツインテ……レンのこときらい?」

レンの瞳に涙を溜める攻撃。

ツインテ「かはっ!!」

ツインテは成す術も無く吐血する。

ツインテ「そ、そんなわけないじゃないですか!で、でもお風呂は一緒には……」

ポニテ「私やレンちゃんの誘いを断ってまで男湯に入りたいだなんて、ツインテちゃんマジビッチ」

ツインテ「ど、どうしたらいいんですかー!!」
504 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:46:31.96 ID:78/6CV20
353

--宿屋--

ワーキャー

玄関先でもめている三人を見ている弓女達。

弓女「……」

斧女「弓女……」

弓女「あぁ、わかってるよ。酒場で見たあれ。あれだけの対象を一度に拘束できるなんて……」

斧女「はい。巨大イカを対処したポニテの戦闘力、超高速の錬成を可能とするレン、そして……ツインテ。もしかすると私達が一番気をつけないといけないのはこのチームかもしれませんね」

弓女「あぁ……必ずポニテ達は勝ちあがってくる」

二人は険しいまなざしで三人を見ていた。


--酒場--

盾男「……おい」

そして放置される盾男。
505 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:51:34.14 ID:78/6CV20
354

--宿屋--

弓女「お前ら何もめてんだよ。さっさと宿に入れ。私達が入れないだろうが」

ポニテ「だって!!ツインテちゃんが私達と入りたくないっていうんだよ!?男湯に行こうとしてるんだよ!?」

ツインテ「い、いえそれはだって、や、そのっ!!」

弓女「ふっ」

弓女はやさしくツインテの肩に手を置いた。

弓女「そらぁツインテもいっぱしの女の子なんだ。裸を誰かに見れらたくないって気持ちがあってもおかしくねぇ」

ポニテ「男湯には入るけどね」

弓女「でもいいんだツインテ。体に自身が無くたっていいんだ。それはそれでありなんだ」

斧女「……まじめな顔して何を言ってるんですか弓女」

弓女「よっと」

ツインテ「!?」

担ぎあげられてしまうツインテ。

弓女「それにあの盾男を堕としたと言われる肌を見てみたいしな」

ツインテ「ひっ!人攫いー!!」
506 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:54:47.07 ID:78/6CV20
355

--宿屋--

ツインテ(やばいやばいやばい!!つ、ついにばれちゃう!!……って、ばれていいんだ。そうだ。むしろばらすいい機会だったんだ……みんなの裸を見てからじゃ遅いよね、今言わなくちゃ!!)

ツインテはじたばたするのをやめて、神妙な顔で告白した。

ツインテ「あ、あの!!ぼ、ボク男の子なんです!!」

ポニテ「……」

レン「……」

ツインテ「だ、だから昨日も男湯に入ってたんです!!」

弓女「……」

斧女「……」

ツインテ「で、ですから、お、おろしてくだ」

弓女「うるせえ!!お前みたいに可愛い男がいるか!!」

ツインテ「ぴぃっ!!!!」
507 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:55:48.59 ID:78/6CV20
356

--宿屋、女子脱衣所--

ドサリ

ツインテ「あう」

脱衣所に捨てられるツインテ。
弓女は椅子にどっかとまたがり腕を組んだ。

弓女「さぁ、見せてもらおうか!!」

ツインテ「あ、あうう!!」

ポニテ「おっぱいだよ早く!!」

ツインテ「は はい…」

スッ

レン「つ…ツインテさん」

パサッ

ツインテ「ポ…ポニテさんやっぱりやめましょう。こんなこと……ね」

ポニテ「ダメだよ!!だったら無くした勇者証明書をさっさと見つけてきてよ!!」

ポニテ、レン、弓女、斧女「証・明・書!!証・明・書!!」
508 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:56:24.66 ID:78/6CV20
357

--宿屋、女子脱衣所--

艶艶

弓女「お、おお……!!」

斧女「まさかここまでとは!!」

ポニテ「はうー!!お持ち帰りー!!」

レン「はうー」

ツインテ「う、うっう……」

そこには一糸まとわぬツインテの背中姿が。

ツインテ(で、でもいいんだ。恥ずかしいけど、これで、これでみんなはボクを男の子だと認めてくれるはずなんだ)

ポタリとツインテの涙が床に落ちる。

弓女「ぐへへへ。こっちを向くんだ」

斧女「弓女……よだれ。まさか貴方まで魔道に堕ちるつもりですか?」
509 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:57:29.52 ID:78/6CV20
358

--宿屋、女子脱衣所--

ツインテ(わざわざ見せびらかすなんて変態も同然の所業だけれど……仕方ないよね、お父さんお母さん、お許しください……)

ポニテ「じ、焦らすんじゃねぇよぐへへへ」

レン「……ポニテ気持ち悪い」

ツインテ「っっっ!!」

そして、

ツインテは遂に覚悟を決めて振りかえった。

ポニテ「!!??」

レン「にゃー」

弓女「!!!!」

斧女「こ、これはっ!!!」
510 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 22:58:38.27 ID:78/6CV20
359

--宿屋、女子脱衣所--

弓女「ど、どういうことだ……これはどういうことなんだッ!?」

斧女「私にもわからない……」

ポニテ「つ、ツインテちゃんのアソコの部分に……」

レン「にゃー」

ツインテ(ふ、ふふ……終わりましたか?ボクの人生はここで終わりになるんですか?ふ、ふふふ)

ツインテは天井を見上げた。すると次から次へと涙がこぼれてくる。

ツインテ「そうです……これがボクなんです。これが本当のボクなんです。何度も言った通りにボクは!!」

弓女「み、見えん……大事なところだけ光のようなものでさえぎられて見えない……」

ツインテ「え?」
511 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 23:00:01.74 ID:78/6CV20
360

--宿屋、女子脱衣所--

斧女「!!そう言えば聞いたことがあります。伝統技術、光渡しと呼ばれるものの存在を!!」

弓女「!?な、なんだそれは!!」

斧女「女性のアーンな部分やイヤーンな部分が映らないようにする特殊技術です!!」

ポニテ「!?そんな!!どの角度から見ても見れないよ!?」

ツインテ「一昔前のテレビを下から覗きこむ人ですか!!」

ツインテの前でしゃがみ込んでいるポニテであった。


--酒場--

盾男「はぁっはぁっ///」

酒場のマスター「お客さん……そろそろ店じまいだぜ?」
512 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 23:02:11.82 ID:78/6CV20
ふぅ・・・
というわけでちょっと普段と毛色が違ったかもしれないエペソードでした?

それでは本日はこれにて終わりにしたいと思います。
疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。

読んでいただきありがとうございましたァ!!m(__)m次回作にご期待下さい!
513 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/07(火) 23:03:23.65 ID:78/6CV20
あ、次回です。間違えたアァ
514 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/07(火) 23:06:30.76 ID:FU2XOpc0
乙ですー

しかし何という最終回誤爆wwwwww
515 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 23:07:36.60 ID:U3nKw7s0
びっくりしたじゃまいか
516 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/07(火) 23:07:50.41 ID:LFfsnPs0
乙ー

光渡しってwwwwww
517 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 01:54:44.37 ID:eGkR4Ako
ツインテを男って理解してるやついたっけ?
アッシュはわかってるんだっけか
518 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/08(水) 07:43:54.55 ID:yzlhxKAo
くそわろたwwww乙wwwwww
>>517
アッシュはツインテが気になってるみたいな描写があったから
分かってないみたい
519 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/09(木) 10:42:05.56 ID:6zGNUcSO
なんつー誤爆wwwwww

てかまさかの姉DVDネタwwwwww
520 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/11(土) 23:56:11.14 ID:.cc4vMDO
ツインテはなんでわざわざ男湯に入ったんだ?
部屋の風呂に入ればいいものを…
521 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 02:54:16.90 ID:lBX8N0oo
部屋にないんだろ
522 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 15:08:20.19 ID:ABkQ5MDO
あれ、なかったっけ?
523 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 19:46:24.49 ID:5.3cMwDO
そろそろ来るかな?
524 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 23:49:13.32 ID:XEHn8Yoo
また予言発動なのか
525 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 00:18:57.91 ID:09IEzis0
……………………
まことにお久しぶりです。預言者がいると聞いて……。
その、あまりにびっくりしたので、その書きこみを見たから投下しに来たのでは?なんて取られそうでちょっと待機しておりました。
それではまた少量ですが書いていきますね!どうぞよろしくおねがいします。
526 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 00:20:10.15 ID:09IEzis0
361

--宿屋--

ポニテ「はぁ〜いいお湯だった!!」

レン「きもちよかった」

ツインテ「……」

風呂上がりの三人は自室で寛いでいる。

ツインテ(一体どういうことなのでしょう……世界が規制をかけてきたということなの?……もうボクのパオーンはあれなの?シュレディンガーなの?シュレディンガーのパオーンなの?)

ツインテはベッドに突っ伏して、世界について考えていた。
否、ちんこについて考えていた。
527 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 00:25:58.97 ID:09IEzis0
362

--宿屋--

ポニテ「いやぁでもやっぱりツインテちゃんはすべすべでいいなぁ!触りがいがあるってもんよ!おっぱいは残念仕様だったけどね!!」

ツインテ(あ、あってたまるかー……)

レン「レンも同じくらいよ。気にしないでっ」

レンの方向性を間違えた気遣い。

ツインテ(気をつかわないで欲しいですー……胸板は欲しいけど)

ツインテは自分の胸に手を当てた。

ポニテ「!!ほっほう!!揉んで大きくしようって魂胆だね!?よかろう、レンちゃん手伝ってあげようぜ!!」

レン「はぁはぁ」

とたんに手をわきわきし始める二人。

ツインテ「ひっ!?こっ、こっちにくるなァァァァァ」

そんな感じで夜は更けていくのでした。
528 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 00:31:56.95 ID:09IEzis0
363

--コロシアム--

翌日。

実況「さぁ二回戦も終盤にさしかかりました!途中、観客を守るための防御障壁が破れ、観客が蒸発しかけるといったトラブルもありましたが、概ね予想の範疇と言えましょう。ではここでゲストを紹介しましょう。先ほどの血湧き肉踊る戦いは皆様の心にまだ焼き付いているのではないでしょうか!?チーム機動六花より、リーダーの魔導長さんです!!」

魔導長「どうもなの〜」

わーきゃー

実況「まずは三回戦進出おめでとうございます」

魔導長「ありがとうなのっ!」

実況「いやぁ、凄い試合でした。事実上の決勝戦だったのでは、という意見もちらほらと……」

魔導長「うんっ。あの子達凄く強かったの!」

実況「ですね。チーム帰郷組、あっと驚く秘策を用意してきました。まさかあんな方法で中距離魔法攻撃を防いでくるなんて……そして大会会場の都合上、遠距離攻撃が出来ないのを良いことに、素晴らしい戦術を見せてくれました」

魔導長「わたし遠距離攻撃大好きだからすごく困ったの!!でも雷魔法使いちゃんが頑張ってくれたの!」

実況「そう、チーム機動六花には近距離を得意とする雷魔法使い選手がいました!凄かったですね、一人で三人相手にしてましたからねぇ」
529 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 00:37:32.53 ID:09IEzis0
364

--コロシアム--

魔導長「疾風魔法使いちゃんの召喚術も凄かったの!」

実況「守護騎士を召喚したあれですね。事実上の6人+1匹対3人になりましたからねぇ。チーム帰郷組もここまでかと思ったのですが、……いやはや、そこはただでは終わりませんでした」

魔導長「あんな奥の手を残してたなんて、ビックリだったの!」

実況「ま・さ・に奥の手!一般的に弱いとされるあの魔法とスキル、こんな相乗効果があったのかと専門家を唸らせました!」

魔導長「うんっ。それであまりにうざかったからキレちゃったの!てひひ」

実況「もうどうなろうと構うものか、と言いたげな魔翌力砲撃でした!皆様お馴染み、星・光・破・壊・砲!!これにはさすがのチーム帰郷組も耐えられませんでした」

魔導長「ちょっとだけ本気出しちゃったの☆」

実況「リングが消滅するほどの一撃を耐えただけでも私は彼らに拍手を送りたい!!」
530 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 00:45:22.12 ID:09IEzis0
365

--コロシアム--

ポニテ「?なんで実況の人がずっとお喋りしてるの?次私達の試合でしょ?」

スタッフ「もう少しだけ待って下さい。今リングを固定しているので」

ツインテ「そういえば……さっきリングが消滅、とかなんとか言っていましたけどあそこにはちゃんとリングありますよね?それに会場はなんだか騒がしいですし」

スタッフ「あぁ、いえさっきね、我が国の変化師がちょっとしたパフォーマンスをやったんですよ」

ポニテ「パフォーマンス?」

スタッフ「変化師が前の闘技場からリングを運んで来たんですよ。魔導長へのお礼だと言って」

ツインテ「……お礼?」

スタッフ「いいものを見せてもらったお礼だそうですよ」


531 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 00:55:50.87 ID:09IEzis0
366

--コロシアム--

実況「さぁ!!やっと準備は整いました!!いよいよ、解説さんも注目しているチームユーシャーズの試合が始まります。対するは古豪の呼び声高い、昔話ーズ!!それでは二回戦、第五試合です!!」

わーきゃー

ときじぃ「えー天気じゃぁ」

いちばぁ「ほーじゃのぉ」

ツインテ達の前に立っているのは二人の老人。

ツインテ「……ボク、あの人達昔みたことがありますよ」

ポニテ「おじーさんとおばーさんだね!!」

レン「二人しかいない」

実況「おっとぉ!?確かに昔話ーズには二人しか見当たらないようですが……これは」

ポニテ「ねーねー、この大会って三人一組じゃないと駄目なんじゃないの?」
532 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 01:01:14.68 ID:09IEzis0
367

--コロシアム--

ときじぃ「おみゃーさんらには見えんのかね?あそこで小さく蹲ってる坊が」

ときじぃはリングの端を指さす。

いちばぁ「わしとじっちゃと坊の三人チームじゃぁ」

リングの端には

?「……」

何か影のようなものがいるようないないような……。

実況「……………………見えますか?」

解説「私シャーマンじゃないんで」

魔導長「私も見えないなのっ☆」

ポニテ「なんでこんなチーム、大会登録する時に許可だした!!」

ツインテ「嘘なんですよね!?幽霊とかいないですよね!?」
533 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 01:06:45.94 ID:09IEzis0
368

--コロシアム--

ときじぃ「ばかぁいっちゃいかん。わしらは強いんじゃぞ。なぁばぁさんや」

いちばぁ「はいな、じいさん」

ツインテ「……」

実況「一回戦の時には三人いたのでしょうか?なぜか覚えていません!!それではとっとと始めたいとおもいます!!試合開始ぃぃ!!」

ドッ

レン「ぐみゅっ!?」

ドッガアアアアン!!

いちばぁ「あれぇ。りーだーはあの子じゃなかったのかい?」

試合開始とほぼ同時、いちばぁは一瞬で距離を詰めてレンを場外に弾き飛ばした。
534 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2010/12/17(金) 01:07:42.13 ID:09IEzis0
369

--コロシアム--

実況「こ、これはあああああああ!!まさに電光石火!!いちばぁ選手、一撃でレン選手をリングアウトに追いやったああ!!」

レン「う、うそにゃ」

ポニテ「っ!!てや!!」

ポニテはいちばぁに向かって全力で剣を振り下ろすも、

ブン!

いちばぁ「ほっほっ」

いちばぁは身軽なフットワークでかわす。

ポニテ「……やっかいだね。ツインテちゃん、下がってて!!」

ツインテ「あわわ、もも、もう二体二になっちゃいました!!」
535 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:08:30.92 ID:09IEzis0
370

--コロシアム--

ときじぃ「まだまだぁわかいもんには負けんよぉ」

そう言ってときじぃが腕をまくると、

ぼごっ、メキキッ

岩のように盛り上がった筋肉が姿を露わした。

ざわわ

実況「おぉぉおおっと!!すごい筋肉だあああ!!」

ときじぃ「ほっほ」

シュン

ポニテ「?!」

ガギィィン!!

ポニテ(っ!!なんて重い一撃!!ただの蹴りがここまで!!)
536 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:09:43.04 ID:09IEzis0
371

--コロシアム--

ツインテ「ポニテさん!!」

ポニテ「来ちゃ駄目だよ!!ツインテちゃんはリーダーなんだから!!」

ツインテ「で、でも出来ることは……」

ガンガンキィンっ!ドガっ!!

ポニテは二振りの剣で老人達の攻撃を捌く。

しおばぁ「なかなかやるわねぇおじょうちゃん」

しおばぁはポニテの首筋目がけ、手刀を繰り出した。

ドシュ!!

ポニテ「ぐあっ!!」

ポニテはそれを避けきることができず、頬を裂かれてしまう。

魔導長「私の知ってる日本昔話じゃないなー☆」
537 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:10:37.21 ID:09IEzis0
372

--過去、墓地--

闘士「その代わり、一個条件がある」

ポニテ「条件?なになに?」

闘士「そ、それはだ」

闘士はズボンの中から参加票を取りだした。

闘士「き、きみがその子たちをまもること、だ」

ポニテ「なんだー!そんなの簡単だよー!だからそれ早くちょーだい!」

闘士「ず、ずっとだ」

ポニテ「ふぇ?」

闘士「ずっとまもりつづけるんだ」

ポニテ「ずっと……」

闘士「そ、そう、ずっと。だ、だから君は、君自身も守らなくてはならない」

ポニテ「!!」
538 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:11:48.60 ID:09IEzis0
373

--過去、墓地--

闘士「き、きみがやられちゃったら、その子たちを守ることができないから」

ポニテ「う、うー」

闘士はポニテの手にそっと手を重ねて参加賞を渡す。

闘士「だ、だから、無理はしちゃだめ。ぜ、絶対にしちゃダメ」

闘士は真剣な顔でポニテを見つめていた。

ポニテ「……わかった。約束するよ!」


--コロシアム--

ポニテ(くぅっ!!自分も守りながら闘うってのは結構辛いよ!!)

変化師「あ、あいつ。さ、さっそく約束やぶってる……猫ちゃんが」

539 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:12:51.70 ID:09IEzis0
374

--コロシアム--

ときじぃ「ぽうっ!!」

ダンっ!!

ときじぃは気合とともに地面を踏みこむ。

ポニテ「!!」

ときじぃの右手に集約された魔力。その危険度を瞬時に認識したポニテは、そこから離れようと駆けだした。

いちばぁ「ほっほー」

しかし、いちばぁが逃げ道を塞ぐ。

ツインテ「ポニテさん!!」

ときじぃ、いちばぁ「ときじぃ&いちばぁ、クロスレボリューション!!」

魂を乗せた二つの拳が、前後同時にポニテを襲う。
540 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:14:19.20 ID:09IEzis0
375

--コロシアム--

ドグシャアア!!

ポニテ「っっっづ!!」

ポニテは剣で防御するのを諦め、腕を畳んで受け止めた。

いちばぁ「……ほぉ、止めおった。まだ幼いというのにようやるねぇ」

変化師「!!!!」

ポニテ「いっつー……こんなに痛いのママと遊んでた時以来だよー」

ときじぃ「……まだ意識があるのか。やりおるの」

ボッ

いちばぁ「!?」

突然ポニテの体から炎が噴き出し、闘技場全体を支配する。

ツインテ「あちっ!?」

ポニテ「ちょっと、本気、だす」
541 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:15:51.07 ID:09IEzis0
376

--コロシアム--

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

実況「お、おおおおっと!!これはどうしたことか!!ポニテ選手、火属性魔法を使ったのはいいが、これは……」

魔導長「!!……へぇ、中々やるじゃない……」

実況「お、おおっと。今魔導長の顔が一瞬暗くなって怖かったですよーー!!」

ゴオオオオオオオオオオオオ!!

ツインテ「あ、あちっ!!ボ、ボクもいるの知ってますかーー!!ポニテさーーん!!」

そういいながらも、ツインテは水魔法の防御壁でなんとかしのいでいる。

レン「……すごい魔力量……」

ツインテ(でも、ポニテさんて……こんなに持っていたの?)

ゴオオオオオオオオオオオオオオ!!

いちばぁ「ひっ、ひいい!!あ、あついよじいさん!」

ときじぃ「わしもじゃばぁさん!」

ポニテ「……ひひー」
542 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:18:21.92 ID:09IEzis0
377

--コロシアム--

解説「多分これは特殊なスキルからなるものでしょう」

実況「解説さんが遂に喋ったーーー!!特殊なスキルというと!?」

解説「ポニテ選手のデータを見てみますと、彼女は非常に大食漢らしいです。でもそんなに食べるような体型をしていませんよね」

実況「は、はぁ。痩せの大食いという言葉もありますが……というかそれとどういった関係が?」

解説「彼女の大食いと、あの恐ろしい魔力量、二つを繋ぎ合わせて説明することができるスキルが一つだけあるんです」

ポニテ「ふあー。久しぶりに放出できたよー!おしっこをずっと我慢して我慢して出す感じに似てるから好きー!」

魔導長「常時発動型レアスキル、魔力変換炉……」

実況「レアスキル!?それはどういう能力なのでしょうか!?」

解説「体の維持に使う以外のエネルギーを、全て魔力に変換するスキルです」

実況「な、なんだってー!?」
543 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:20:44.68 ID:09IEzis0
378

--コロシアム--

実況「聞きましたか皆さん!!これはポニテ選手!恐ろしいスキルを隠し持っていました!!彼女は食べた物のエネルギーを魔力として使えるそうです!!それは老廃物も全て魔力に変換できるということ……つまり、うんこしない!!」

魔導長「さっきおしっこがどうとか言ってたの☆」

ゴオオオオオオオオ!

ツインテ「そ、そうか……だからポニテさんあんなにご飯ばっかり食べてて……ってあれ?そりゃあ溜めこんでおくのに越したことはないけれど……ポニテさんの食事の仕方、それを理由とするには……」

いちばぁ「れ、れあしゅきるー?お、おそろしいもんがあったもんじゃ」

ときじぃ「う、うむ。まるでこれじゃ、太陽が二つあるようなもんじゃ……」

急激な温度の上昇による脱水症状。老体にはあまりに酷である。

ポニテ「そういえば……あったね、そんな昔話が」

ざりっ

ポニテはゆっくりと老人たちに近づいていく。

ポニテ「ヤタガラスがさ、太陽に変身してさ、村を日照りにしちゃう話っ」

ゴオオオオオオオオオ!!
544 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 01:22:19.86 ID:/p0.1Bko
うんこしないww
545 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:23:40.79 ID:09IEzis0
379

--コロシアム--

ゴオオオオオオオオオお!!

いちばぁ「ひ、ひい!!あ、熱い!!」

ポニテ「魔力を火属性に変換してるだけだよ?特殊なことは何もしてないのにっ」

実況「ま、まるで火の化身!!太陽が二つあるようだーーー!!魔力障壁があるにもかかわらず、こちらにもその熱さが伝わってきています!!」

魔導長「温度自体は障壁関係ないの☆」

レン(これはすでに地形変更レベル……)

ジュッ!!

ときじぃ「……ひっ」

ときじぃ達の体が火に触れるたびに、二人は苦しそうに呻いた。

実況「こ、これは決定でしょう!!手足を焼かれては動くことすらできません!!」

ときじぃ「ま、……まいった」

実況「決まりましたー!!今降参が宣言されました!!勝者、チームユーシャアアアアアアアアアアズ!!」
546 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:24:59.78 ID:09IEzis0
380

--コロシアム--

スタッフ「消化班急げ!!」

ブシュー

実況「それにしてもまたもや主人公らしからぬ戦い方で勝利を決めましたチームユーシャーズ。果たしてこの快進撃はどこまで続くのか!?皆さん、もう一度盛大な拍手を彼らにー!!!」

わーきゃー

ブシュー

ポニテ「ふぅ。ちょっとやりすぎちゃったwwでもこれでツインテちゃんを守ることが出来たんだし、オーライだよねっ!ねっ!ツインテちゃんっ!」

振りかえったポニテが見た物とは、

ツインテ「……」

レン「……ツインテ氏また死亡」

ヤムチャのような姿で倒れているツインテだった……。
547 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/17(金) 01:28:32.76 ID:09IEzis0
>>517
現在ツインテが男の子だという事実を知っているのは、ツインテの両親とツインテのみです!!
ポニテはちんちんを見た筈なんですけど、勘違いだったと勝手に決め込んでいます。

>>520
すいません描写不足でした。
この世界の宿屋は、自分の部屋にシャワーとかはありませんので。



それでは本日はこれにて終わりにしたいと思います。
疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。

読んでいただきありがとうございました。m(__)m次回更新にご期待下さい!
548 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 01:32:48.52 ID:/p0.1Bko
乙!
なんだかんだで2人ともわりと強いなー
アッシュ、もっとがんばれ。今出番ねーけど
549 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 01:59:01.70 ID:LSXA1kDO
乙!
ツインテが全く働いてねぇw
550 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 03:11:18.46 ID:abqvIsDO
乙です。
うんちしないなんて、アイドルですかw
551 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 00:59:18.47 ID:EonPqDo0
こんばんはー。
突然ですがゲリラ投下いたします。それでは始めますー。
552 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 00:59:59.62 ID:EonPqDo0
381

--食事ロード--

アッシュ「ほれ買ってきてやったぞ雌」

アッシュは手に持っているたい焼きを金髪に差し出した。

金髪「ななっ!?言うに事欠いて雌犬ですって!?ひどすぎるっす!!やり直しを申請するっす!!」

犬とは言って無いしとアッシュ。

アッシュ「ならどんな呼び方ならいんだよ」

金髪「執事みたいにやって欲しいっす!!」

アッシュ「……呼び方じゃないの?作法のほうに問題があったの?」

金髪は真剣なまなざしでアッシュを見つめている。

アッシュ「……はぁ。じゃあなんだ、黒執事みたいにやればいいのか?」

金髪「いやデスノのワタリで」

アッシュ「しっぶ!!」
553 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:00:34.33 ID:EonPqDo0
382

--食事ロード--

アッシュ「なぁ」

金髪「あい?なんでふ?」

金髪はおいしそうにたい焼きを頬張っている。

アッシュ「お前、追われてるんじゃなかったか?」

金髪「ごくん。はい。追われてるっすよ?」

アッシュ「……随分と余裕だな。とてもそうは見えないんだが」

金髪は手を合わせてごちそうさまと呟く。

金髪「そんなずっと逃げてられないっすよ。それに今はアッシュ君といるのが楽しいっすからw」

アッシュ「俺は迷惑だがなっっ!!」

金髪「えぇ!?今の切れるとこっすか!?仮にも女の子から、一緒にいると楽しい発言をされたのにっ!?」

アッシュ「……………………初めてだったのに」

ツインテを思いながらボソリと呟くアッシュだった。
554 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:01:18.44 ID:EonPqDo0
383

--食事ロード、和食屋--

ポニテ「ね〜え〜!いい加減機嫌直してよーw」

ツインテ「いやですっ!!ポニテさんはボク達のことなんてどうでもいいんですよっ!!わかりますか!?肺の中から焼けるんですよ!?

その苦しみが……う、うぅ」

ポニテ「死んで無かったんだからいーじゃない細かいことはw」

ツインテ「その考えはおかしいと思います!!世界で問題になってるほとんどのことは細かいことになっちゃいますよ!!」

ツインテは珍しくプチギレていた。

レン「ツインテ、この魚おいしいよ?あーん」

ツインテ「うぅ……あむ」

弓女「まーまー。そんな怒んなよツインテ。せっかくお互い三回戦進出を決めたんだ。ぱっといこうぜぱっと」

斧女「比較的私達のブロックは楽でよかったですね」

盾男「……俺を盾にしてやりたい放題だからだとおもうんだ」

弓女「職業柄仕方ないだろが」
555 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:01:56.56 ID:EonPqDo0
384

--食事ロード、和食屋--

賭博師「よっ、お邪魔するぜ」

調教師「ぺこり」

ツインテ達の食事の席に賭博師達があらわれた。

弓女「あ、船のやつ!」

斧女「だれも同席していいとは言ってませんけれど」

賭博師は近くのテーブルから椅子を持ってきて、勝手に座りだした。

賭博師「まぁまぁ。全員三回戦行きのチームらしく、仲良くしようや」

ツインテ「あ、賭博師さん達も勝ち上がったんですか?」

賭博師「おいおいチェックしてないわけ?残念だなぁ」

調教師「……」

レン「じー」

レンは調教師をガン見している。
556 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:03:37.56 ID:EonPqDo0
385

--食事ロード、和食屋--

弓女「んで何の用だよ。あたしらの作戦でも聞きにきたのかー?」

賭博師「なんだ、作戦会議してたのか?そりゃ聞きてぇぜ。でもまぁ今回は違う話だ。ただ一緒に飯を食おうと思ってさ」

斧女「……うさんくさいですね。盾男の次に信用できません」

盾男「そんなにランク下がってるの今!?」

賭博師「信じてくれよ。こいつの作る料理ひでぇんだぜ!?この前なんてミミズでハンバーグ作りやがってさ!!」

調教師「新妻の知恵です」

ポニテ「どっかの都市伝説みたいだね!」

弓女「味はどうだったんだよ」

賭博師「それを聞くかぁ〜?ふつー。……まぁ食用とかあるくらいだし、悪くなかったよ。原料知った後吐いたけど」

調教師「あの木はゲロを栄養にすくすくと育っています」

557 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:04:14.00 ID:EonPqDo0
386

--食事ロード、和食屋--

弓女「てか食事中にミミズとかゲロの話をしにきたんなら帰れこの野郎!!」

賭博師「ちゃうちゃう!頼むからまともな料理食わせてくれよ。あ、お姉さん、これ二つ頼むわ」

給仕「はい、野菜テンプレ定食二つですね?かしこまりましたー」

ツインテ(噛んだ)

ポニテ(言い間違えた)

弓女(テンプレ?)

賭博師(天ぷら定食ちゃんと来るかな……)

そんな中、斧女は賭博師を不思議そうな顔で見ている。

斧女「……前から思っていたのですが、貴方の顔、どこかで見た気がするんですよ」

賭博師「んー?何?俺ってば有名人だったのか?モテル男はつらいねーw」

斧女「……勘違いかもしれません。貴方のような下品な顔はどこにでもいそうですし」

賭博師「ひでぇ!!」
558 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:04:50.23 ID:EonPqDo0
387

--食事ロード、和食屋--

ポニテ「おねーさんっ!!この定食とこれ、ダースで持ってきて!!」

ツインテ「きょ、今日はいつになく食べますね……」

レン「にゃー」

弓女「……」

盾男「まぁその理由も明かされたわけだ。まさかレアスキルだったとは……」

ポニテ「えへへへ」

賭博師「あー!あー!でもあれだぞ、あぶねえぞ?レアスキル持ちだなんてのがばれちまうのは」

ポニテ「へ?なんで?」

ポニテは賭博師の所に運ばれてきた野菜の天ぷらを食い入るように見つめている。

賭博師「そら貴重だからだよお譲ちゃん。よくてどっかの国のスカウトに連れてかれるか、秘密の研究所に拉致られるか、どっかの金持ち

にさらわれるか、変な組織がetc……」

ツインテ「え、えぇ!?」
559 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:05:55.88 ID:EonPqDo0
388

--食事ロード、和食屋--

賭博師「大体本気で強いやつや特殊な能力を持っているやつが、公の大会に出ること自体間違ってる……なぜか今回は魔導長出てるけどな。三本角候補の二人は、どうせ三本角になったらデータが公開されちまうからあんまし関係ないのかもしれないけれどよ」

ポニテ「なんで?なんで大会とか出ちゃだめなの?自分の強さがどんなものか試してみたくなふじゃんもふもふ」

ポニテは光速の手さばきで野菜の天ぷらをかすめ取り口に入れた。

賭博師「あ、こらー!!……はぁ。だって考えてもみろよ。大会なんてみんなに手の打ちばらしてるようなもんだぜ?どんな職業についてるのかにもよるけど、今後の人生で確実に不利にならぁな」

ツインテ「!!な、なるほど確かに……」

賭博師「武術大会なんてのは人材発掘の儀式みたいなもんだ。色んな国のスカウトが会場にいるぜ。もっとも西の王国はそれを見越してやってるんだろうけど、残念ながら表の組織だけが狙ってくるわけじゃないしな」

弓女「……」

ポニテ「別にそんなの倒しちゃえばいいだけだしw」

賭博師「……身も蓋もねぇな」
560 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:06:35.97 ID:EonPqDo0
389

--食事ロード、和食屋--

賭博師「さてそう上手くいくかな、だって手の打ちをばらしたということは、自分の価値をさらすだけでなく、自分の弱点をさらしているんだぜ?」

ポニテ「弱点なんてないもん!」

賭博師「そっか?例えば……うーん。お譲ちゃんは燃費悪いみたいだから、飢餓の魔法とか打たれたら速攻で自滅するんじゃないか?」

レン「!!」

盾男「飢餓の魔法ってたしか」

斧女「相手の身体エネルギーを減少させる部類の魔法です。空腹にさせることで行動を制限します」

賭博師「そーそー。見た所お譲ちゃん、そのスキルを扱いきれてるようには見えないしな」

ポニテ「っ」

ツインテ(そうだ……ただ溜めこむだけの能力ならこんなにも食事を取ろうとは思わないはず。ポニテさんは計算で戦えるタイプじゃないし……ということはポニテさんは純粋に空腹なんだ……それは)

賭博師「お譲ちゃんはそのスキルに食われてるんだろ」
561 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:08:34.99 ID:EonPqDo0
390

--食事ロード、和食屋--

ポニテ「……そんなことないもん」

ポニテはそう言ってご飯をかきこんだ。

ツインテ(そうだ……ポニテさんのスキルは恐らく、生命維持に必要な分以外のエネルギーだけを魔力に変換してるわけじゃない。必要なエネルギーも自動で変換されてるんだ。次から次へと食事しないと生命を維持できない程に……)

レン「……」

弓女「でもポニテ結構胸あるよな」

斧女「確かに。生命維持に不必要なエネルギーを魔力に変えるというのなら真っ先に無くなるのは二つの膨らみでしょう」

賭博師「む……確かにそうだな。あれ?俺間違えちゃったか?」

調教師(それほど大事な部分なのだという解釈もありますが)

盾男「なんだよ、無駄に不安を煽るなんてなんてやつだ。楽しく食事を出来ないのなら離席してもらおう」

弓女「そうだそうだ!!盾男と一緒にどっかいけ!!」

盾男「俺も!?」
562 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:09:15.00 ID:EonPqDo0
391

--食事ロード、和食屋--

斧女「いやむしろ私達がここを離れましょう」

すっと立ちあがる斧女。

弓女「へ?」

斧女「私達はもう食事を取り終えましたし、これからはスウィーツタイムです。では賭博師、調教師、ごきげんよう。大会で当たった時は容赦しませんのでそのつもりで」

ツインテ「え?ぼ、ボク達もですか?あ、じゃ、じゃあお先に失礼します」

ポニテ「えー!ご飯終わりー?」

弓女「今度はデザート食えデザート」

レン「にゃー。おいも食べたい」

ツインテ、ポニテ、レン、弓女、斧女が離席した。

盾男「……」

賭博師「……なんか、あんた大変だな」

盾男「……わかって、くれるか?」

盾男は一筋の涙を流す。

賭博師「てかあいつら金払わないで出ていきやがった!!ひでぇ!!」
563 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:09:57.83 ID:EonPqDo0
392

--酒場--

包帯女「ぷはーー!!おやじーー!!もう一杯ー!!」

義足「おい包帯女ー、もうやめろよ体に悪いぞ?……大体昼間だってのに」

包帯女「うるしゃいうるしゃーい!!何よ!悔しくないの!?わらひ達闘ってる所をカットされたのよ!?あんなに頑張ったのに!!しかも負けたし!!」

義足「仕方ねぇよ……ばけもんだもん」

包帯女「くそーー!!しかもあいつら本気じゃなかったわよ絶対!!見下してたもんっ!!きーーー!!」

テンテン「ががぴー」

かつてテンテンと呼ばれていたもの……それは今、アシモにクリソツな物体と化していた。

義足「……はぁ。回復魔法では機械直せないしよ……構造わかってないと修復魔法使えないし……どうしよこれから」

義足は深いため息とともにテーブルに突っ伏した。
564 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:11:27.88 ID:EonPqDo0
393

--食事ロード--

ポニテ「あっ!!」

アッシュ「む!」

ポニテは前から歩いてくるアッシュを発見し指差した。

弓女「おぉ。そういや船に乗ってる時にはもう一人仲間いたんだっけか」

ポニテ「アッシュ君久しぶりっ!!……ってその隣の女の子……誰?」

金髪「はえ?アッシュ君、この人達はお知り合いっすか??」

アッシュ(くっ!!面倒くさいことに……ここはさっさと場所を変えた方がよさそうだ)

ポニテ「はわわ、ま、まさかアッシュ君……その子……現地妻?」

アッシュ「ばっ!何を言ってやがる!!」

ツインテ「お待たせしましたー皆さんクレープ買ってきましたよー。って、アッシュ君?」

アッシュ「な、なな!」
565 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:12:41.90 ID:EonPqDo0
394

--食事ロード--

ツインテ「うわーお久しぶりです。まだ二、三日しかたってないですけど……なぜかそんな風に感じちゃいましたwお元気でしたか?ご飯食べてますか?あれ?その人は……」

アッシュ「ち、ちちちちち違うぞ!?こ、ここここここれはご、ごごごごかいだ!!」

残像が出来るほど動揺しだすアッシュ。

ポニテ「私の眼でもとらえきれないよ!!」

金髪「……ふーん」

金髪はツインテを一瞥するとアッシュの左腕に自分の腕をからませていった。

アッシュ「!?ば、ばか何してんだお前!!」

金髪「わたくし達、見ての通りお付き合いしているんですのことよ?」

ポニテ「な、なんだってー!!」

アッシュ「なにいいいいいいいいい!?」

レン「にゃー」

ツインテ「……」
566 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:13:20.64 ID:EonPqDo0
395

--食事ロード--

アッシュ「ち、ちち違うんだツインテ!こいつの言ってることは全部ウソだ!!」

金髪「毎日一緒に温め合って寝ていますのことよw」

ポニテ「な、なんだってー!!」

レン「にゃー」

ツインテ「……」

アッシュ「き、きさま!!……せっかく今まで面倒みてやったというのに、どういうこと」

金髪「ずっと一緒にいてやる。とか言われたんですのことよ!」

ポニテ「プロポーズだとおおお!?」

金髪「昨晩だって腕を広げてこっちに来い、って誘われて……キャッ」

ポニテ「破廉恥過ぎるぞこの野郎!!」
567 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:13:51.08 ID:EonPqDo0
396

--食事ロード--

アッシュ「ち、ちが、ちがうんだ、し、しんじてくれ、ツインテ……」

アッシュは白眼をむいて、口からあわを噴き出しながら痙攣していた。

斧女「……壮絶ですね」

ポニテ「ちゅーは!?ちゅーはしたのか!!」

金髪「しましたw」

アッシュ「かはっ!!」

アッシュは体の穴という穴から血を垂れ流し始める。

弓女「……どこの屍人だ」

ポニテ「アッシュ君のその反応……どうやら嘘ではないようだね!!」

アッシュ「ひゅー、ひゅー……つ、ツインテ……」

アッシュは震えながら腕を伸ばした。

金髪「……」

そして金髪はとどめとばかりにアッシュの頬に
568 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:14:23.85 ID:EonPqDo0
397

--食事ロード--

弓女「ひゅ〜!見せつけてくれんねぇww」

ポニテ「あ、あがが!!は、破廉恥だよっ!!」

レン「にゃー」

アッシュの垂れ流す液体の色がどす黒い何かに変色する。

斧女「……この子人間ですか?」

最もな疑問を口にする斧女。

ツインテ「……そうですか。そういうことだったんですね」

アッシュ「!!!!!!!!!ツイ」

ツインテ「なんでアッシュ君がこの国に入りたくないのか。今わかりました……この西の王国はアッシュ君の出身国なんですね」

ポニテ「?それと今の状況にどう関係があるのっ!?」

ツインテ「多分アッシュ君は、昔の知り合いに今の知り合いといる所を見られたくなかったんですよ……」

アッシュ「!?」
569 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:15:09.69 ID:EonPqDo0
398

--食事ロード--

斧女「あー、ありますね。グループによってノリを使い分けていたりしますし」

弓女「そっかぁ?あたしはそんなことないけどなー」

アッシュ「ち、違う!!違うぞツインテ!!」

ツインテ「そりゃぁ男の子ですもん。母国に愛する人の一人や二人、いない方がおかしいですよね……」

弓女「おい、なんか10代前半がすごいこと言いだしたぞ」

アッシュ「ツインテ……」

ツインテ「そこは別に何もおかしくないですよ……でも、アッシュ君が、そこまで、ぼく、達と、一緒に、いるところを、見られたくない、だなんて……思ってただなんて……」

徐々に顔を歪め、ポロポロと涙を零し始めるツインテ。

アッシュ「!!!!」

ツインテ(それほどまでに、ボクは役立たずだったんだ……今までの旅でも、この大会でだって……ボクは、ボクは何の役にも立っていない。アッシュ君達からしたら、一緒にいるのすら恥ずかしい存在だったんだ!)

レン「ツインテ……」

レンはツインテの傍に近寄っていく。

ポニテ「ツインテちゃん……そんなにもアッシュ君のことを……」
570 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:15:52.39 ID:EonPqDo0
399

--食事ロード--

アッシュ「」

ツインテの涙を見たアッシュは石と化した。

弓女「ツインテ……よしよし、辛かったな」

弓女はそんなツインテを抱きしめてやる。

ツインテ「ひぐっ!う、ううぅ」

ポニテ「最低だよアッシュ君!!こんなにもツインテちゃんはアッシュ君のことを想っているのにこれみよがしに!!」

アッシュ「な、なに!?想っているだと!?」

アッシュはおまわぬ言葉で石化が解除されるが、目の前に広がっていたのは地獄だった。

斧女「理由はどうあれ、女を泣かせるのはかっこよくないですね」

アッシュ「な、なぜだ……俺はどこをどう間違えた!?」

金髪(さすがにちょっと……やり過ぎたっすかね)
571 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:17:03.46 ID:EonPqDo0
400

--船着き場--

ザザーン

アッシュ「……」

まるで廃人のようになって、小さく佇んでいるアッシュ。
アッシュはぼーっと海を眺めていた。

金髪「あ、あのー……ドリンクを買ってきたっすよー?」

アッシュ「……ぐす」

そしてときたま、昼間のことを思い出しては啜りあげていた。

金髪(ま、まさかあのドSなアッシュ君がここまで落ち込むだなんて……そんなにもあのツインテールの子のことが好きだったんすか……)

金髪は少しだけ顔を曇らせるのも、

金髪「あ、アッシュ君!本当〜〜〜〜に申し訳なかったす!!だから、元気出して下さいっすよ!!」

アッシュ「……」

金髪「あ、あのツインテールの女の子が泣いていたのは所謂SHITなんすよ!!それはつまり、それだけアッシュ君のことを想っていたってことなんす!!」

アッシュ「!!」

金髪「だからアッシュ君、気を取り直して元気に行こうっす!!チャンスをピンチに!!」

アッシュ「……逆だろ」
572 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:19:17.06 ID:EonPqDo0
401

--路地裏--

金髪「ささ、ついたっすよ!あたしらのマイホームっす!」

アッシュ(……くそ。いつまでもへこんでたってしかたないな……よし)

アッシュは深呼吸をして気分を入れ替えた。

アッシュ「……ふん、今度はこっちの番だ」

金髪「はい?」

アッシュ「メイドのように出迎えろ」

金髪「……いやっす」

アッシュ「な、なんでだ!!さっき俺が執事らしくやったんだから等価交換すべきだろ!?」

金髪「ワタリの執事と等価交換するのなら、それ町のばあちゃんのメイドが一番釣り合うと思うっすが」

アッシュ「墓穴を掘った!!」

アッシュは頭を抱えてしゃがみこむ。

アッシュ「……いやいやなにをまじに残念がってるんだ俺は。それはそれで面白そうだし……よしやってみろ」

金髪「え……まじでやるっす?」

アッシュ「まじ。少なくともお前は俺に多大な借りがあるはずだ」

金髪(……口調とかわからねーっすよ。まぁメイドなんてこんな感じにしときゃ大丈夫すよね)

金髪はスカートを持ち上げてお辞儀した。

金髪「おかえりなさいませご主人様。お風呂にします?ご飯にします?それとも……」

金髪は頬を赤らめた。

アッシュ「ごくっ」

金髪「ワ・タ・リ?」

アッシュ「どういう選択肢だ!!」
573 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/18(土) 01:20:57.91 ID:EonPqDo0
というわけで中途半端な番号になってしまいましたが、今日はこの辺でおいとまします。
疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。

読んでいただきありがとうございました!!m(__)m
次回更新にご期待下さい〜!
574 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 01:26:11.33 ID:b3XItgDO
乙!
アッシュ君とツインテが可愛すぎて生きるのが辛い
575 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 02:12:51.46 ID:2pjDphwo
今日は予言者出なかったのかww
576 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 05:20:51.09 ID:OTzpycDO
乙です。
更新、感謝
577 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 17:06:56.60 ID:pGNdrfAo
おつー
今回も面白かった
578 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 07:48:00.91 ID:Lx5Vsyko

朝からコーヒーぶちまけた
579 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/20(月) 14:18:18.99 ID:PKSXIkDO
〜楽屋裏なんでもかんでも〜

踊子「はい〜唐突に始まりました無駄コーナ〜。これはQw0が書き込みにこれない時のための場つなぎ&裏の解説をするためのコーナーらしいです〜。一回目はわたし、踊子が担当させていただきます〜」

・テーマ:船上で選んだ本について・

踊子「まずはこれですね〜。あの黄色とか色のついた本を選ぶ選択肢のことです〜。あれは本来、本編の物語に非常に関係してくる選択肢でした〜。どっちの番外編を選ぶかによって、そこで登場したキャラがピー」

《しばらくお待ちください》

踊子「……結局禁止なんですか〜?だめ?……はぁ。まぁいいです〜。とにかくどっちの本のキャラが本編に出るかを決めるものでした〜。ちなみに選んだ本の方のキャラとは限りません〜。選ばれなかった本のキャラが本編に出てきたのかもしれません〜。てか言い回しが面倒くさいですね。ぶっちゃけテンテン達と研究員」

《スタッフに取り押さえられる踊子》

踊子「ちょ、汚い手で触らないで下さい!!セクハラで訴えますよ!?はぁ!?……はいはい真面目にやりますよ〜。まぁ選択肢どうこうって言っても、あのアフォが結局両方書いちゃいましたからね、今後どうなるのかわからないみたいですよ〜W本当マヌ」

《ザー》
580 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 16:08:22.86 ID:phPeqgSO
つまりご飯にはタラコってことでおk?
581 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 08:13:38.80 ID:bpnZKEDO
いや、真の答えは「海苔の佃煮」だ
582 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 10:23:26.65 ID:065el2DO
何を言っている
ちりめんじゃこに決まってるだろう?
583 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 15:43:41.82 ID:1ZrySlM0
シャケほぐしに熱々ごはん+ゴマ これぞ黄金比 !!
584 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 07:43:43.50 ID:tb6yw6DO
なら梅干しは貰っていくぞ
585 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 19:58:57.75 ID:RKQZekAO
タマゴちゃん(;´Д`)ハァハァ
586 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 17:52:15.90 ID:VsNBzCk0
えと……ご飯のおかずスレになってしまいましたけど、続きを投下したいと思います。
587 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 17:53:05.42 ID:TyCvpSAo
わほー!
588 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:21:00.52 ID:VsNBzCk0
402

--宿屋--

ツインテは誰もいない部屋の中で、枕を抱いて寝っ転がっている。

ツインテ(なんでボク泣いちゃったんだろ……足手まといになってることがこんなにも辛く感じるだなんて……昔のボクならそんなことなんとも思わなかったのに)

足をパタパタ。

ツインテ(駄目ならすぐにでも旅をやめて帰ろうと思ってたのに……おかしいね)

ぼふっ

ツインテ(そっか……ボク……みんなとずっと一緒にいたいんだ)



その様子をドアの隙間から見ているポニテとレン。

ポニテ「は、はわわわ!!かわいいよぉお!!乙女かっ!!」

レン「……」

その日の夜、レンはアッシュを暗殺する計画を立てたとか立てないとか。
589 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:22:00.11 ID:VsNBzCk0
403

--コロシアム--

翌日。

実況「三回戦はダイジェストでお送りいたします」

解説「まじですか」

実況「三回戦第一試合は、チームギャンブラーがチームカイジを焼き土下座させて勝利しました!」

解説「金は命より重い・・・・!」

実況「第二試合はチーム機動六花が勝ちました」

解説「説明すらない」

実況「第三試合はチームユーシャーズがPK戦のすえ、辛くも勝利!!」

解説「中に誰か入ってればよかったんですけどね」

実況「そして第四試合の勝者は今決まりました……チィィィム、ウィンドォォ!!」

わーきゃー

実況「ここに準決勝へとコマを進める四チームが出揃いました!!」
590 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:22:38.53 ID:VsNBzCk0
404

--コロシアム、特別部屋--

西の王「この度はわざわざ出向いていただきありがとうございます」

??「別にいいのよぉ。西の王国は海産物がおいしいしねぇ」

秘書「お茶でございます」

??「あらありがとう。この人……あなたのこれかしら?」

西の王「御冗談を」

秘書「私なんかでは陛下とはつり合いません」

??「ほほほ。それは本当なの〜?」

老齢の淑女は口に手を当てて笑う。

西の王「それより予言者様、今年の予言を」

??改め予言者「そうねぇ」
591 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:23:29.27 ID:VsNBzCk0
405

--宿屋、食堂--

その夜、宿屋の食堂で無言で食事をする六人。

ツインテ「……」

ポニテ「はむほむっ。がぶがふっ」

レン「あむ」

カチャカチャ

弓女「……」

斧女「……」

盾男「……」

ツインテ(き、気まずい……)

弓女「まぁ……お互い勝ち続けてるんだから当然ちゃぁ当然だけどよ。明日はついにうちらが闘うことになるんだな」
592 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:24:13.69 ID:VsNBzCk0
406

--宿屋、食堂--

あの後行われた抽選の結果、準決勝第一試合の組み合わせはチームユーシャーズ対チームウィンドとなったのだ。

ツインテ「は、はい……」

斧女「ツインテ、食事が進んでいませんよ?それとも明日の敵とは一緒に食事は取れませんか?」

ツインテ「そ、そんなんじゃないんです!!……でも、出来たら弓女さん達とは、戦いたくなかった、です。だって、二人ともとてもいい人ですから」

盾男「なんで三人じゃないの!?また俺だけはぶられた!?」

弓女「私らは本気でいくぜ」

ツインテ「!!」

斧女「ええ当然です。私達は優勝するためにこの大会に参加したのですから」

ツインテ「っ……」

弓女「……後腐れないように言っておく。私達はな、この大会の団体戦の優勝賞品を取りにきたんだ」

ツインテ「優勝……商品?」

盾男「サタンボーン……所謂魔王の骨と言われているアレだ」
593 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:25:11.09 ID:VsNBzCk0
407

--宿屋、食堂--

レン「!!」

ツインテ「魔王の骨……まるで魔王の一部分で作られているかの如く、異常な力を持った構築物のことですよね?……」

弓女「そうだ。私達はあれが欲しいんだ。だから明日はお前たちを倒す」

ツインテ「っ!!」

斧女「えぇ。ですから痛い目にあいたくないのであれば棄権することをお勧めします」

ツインテ「そ、そんな……」

盾男「悪いが、これも役目なんでね……ごちそうさま」

ガタガタ

三人は立ちあがる。

ポニテ「ふふんっ!こっちのセリフだよ!!明日は私達がお姉さん達を倒して見せるよっ!!」

ポニテはニコニコ笑いながら箸を振り回す。

弓女「ふっ。その意気だ」

三人は食堂から姿を消した。
594 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:26:26.14 ID:VsNBzCk0
408

--宿屋、女子露天風呂--

カポーン

ツインテ「はぁ」

ポニテ「どうしたのツインテちゃん、ため息なんかついちゃって、さっ」

バシャっ

ツインテ「わぷっ!や、やめてくださいポニテさん!……ため息だってつきたくもなりますよ。だって……」

ポニテ「あんなに仲良くなった人達と戦わなくちゃならないから?」

ツインテ「……はい。それに弓女さん達はちゃんとした目的があってこの大会に参加しています。それに比べてボク達は……単なるノリで参加しているだけじゃないですか。もし勝ってしまったらあの人達に申し訳ないです……」

ポニテ(さりげなく勝つ方向で考えているのがツインテちゃんの結構すごいところだよね)

レン(にゃー)

ポニテ「でもさツインテちゃん、私は優勝したいんだよ」

ツインテ「……したいだけじゃないですか」

ポニテ「うん。それはちゃんとした目的にはならないのかな?」
595 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:27:26.79 ID:VsNBzCk0
409

--宿屋、女子露天風呂--

ツインテ「わかりません……でも」

ポニテ「私はこの仲間だから優勝したいの」

ポニテはズイっと顔を近づけて言った。

ポニテ「私の仲間はこんなにすごいんだよって、世界中に知らしめてやりたいのっ!!」

ツインテ「ぽ、ポニテさん何言って、っていうか顔ちかっ!」

ポニテ「それに弓女さん達だって全力で戦ってくれることを望んでいるよ!!さっきのは私達を突き放すために言ってたんじゃない、発破をかけてたんだよ!!」

ツインテ「……っ」

レン「ツインテ、しっかりたたかおう」

ツインテ「うぅ……」

ポニテ「それにツインテちゃん、これはアッシュ君を見返すいい機会だとは思わないかっ!?」

ツインテ「!?」
596 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:28:25.04 ID:VsNBzCk0
410

--宿屋、女子露天風呂--

ポニテ「この大会で優勝したらきっといいアピールになるよっ!!(女性の魅力的に)そしたらあっちからごめんなさいしてくるよ!!」

ツインテ「そ、そっか……これで優勝したら、アッシュ君も見直してくれるかもしれない……(戦力的に)」

レン「ぶくぶくぶく」

レンは湯の中で爪を研いでいた。

レン(アッシュコロスアッシュコロスアッシュコロス……)

ツインテ「そうですね……確かに全力で戦わないのは失礼にあたります……わかりました!明日は、明日は絶対に勝ちましょう!!」

ポニテ「おー!!」

レン「アッシュはぁはぁ」

月の出る夜の露天風呂にて、三人は目標、優勝を掲げる。

ツインテ(はっ!!……もう女子露天風呂に入るのが当たり前になってしまった)

ツインテの大事な所は、もはや自分でさえ確認出来ない。
597 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:29:06.97 ID:VsNBzCk0
411

--コロシアム--

実況「さぁこの夢の祭典も残すところ今日を含め二日間のみとなりました!!それでは早速、準決勝第一試合のチームを発表させていただきたいと思います!!」

わーきゃー

実況「まずはバランスの取れたチーム構成、華は無くとも安定感はある!!チーム、ウィィィンドォォォォォ!!!!」

わーきゃー!!

弓女「てんめっ!!華が無いとはなんだ華が無いとは!!」

斧女「そういう意味で言ったのではないのでしょうが、多少腹が立ちますね」

盾男「……」

実況「そしてもう一チームは若き新星、チーム、ユウウウウウウウウウシャアアアアアアアアアズ!!!!」

ツインテ「う、うわ。今までより観客の数が多い……」

ポニテ「ふっふっふー!!」

レン「にゃー」

弓女「よぉ、昨日はよく眠れたかよ」
598 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:30:09.75 ID:VsNBzCk0
412

--コロシアム--

ポニテ「うんっ!!」

ツインテ「正直……よくは」

レン「にゃー」

斧女「三者三様ですね」

ツインテ「でも」

弓女「?」

ツインテ「ボクは、ボク達は全力で戦います。全力で戦って、貴方たちに絶対に勝ちます!!」

弓女「…………へっ!!そうこなくっちゃ!!」

ポニテ(あんなに内気だったツインテちゃんがよくぞここまで……これが愛の力なのかなー!)

実況「それでは両チーム、準備は大丈夫でしょうか!?」

6人は静かに頷いた。

実況「それではあああああああああ、準決勝第一試合いぃぃぃぃ始め!!!」
599 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:30:47.71 ID:VsNBzCk0
413

--コロシアム--

ダンっ!!

斧女「!!」

斧女は斧を構えて一番に駆けだす。

ガギィィイン!!

ポニテ「くぅ!!結構重いよぉ!!」

それを二つの剣で受け止めるポニテ。

斧女「ふっ!!」

ギシッ

斧女は斧に自分の体重を乗せ、更に圧力をかける。

ポニテ「ぐっ!!」

レン「錬金ツール、起動」

レンは道具を取り出し一瞬でゴーレムを作りだす。

ゴーレム「まぎょまぎょまぎょ!!」
600 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:31:37.29 ID:VsNBzCk0
414

--コロシアム--

ゴーレム「まぎょぉぉ!!」

ゴーレムは斧女に向かって拳を振り下ろす。

弓女「おいおい、これは団体戦だっつの」

バキィン!!

レン「!!……氷矢」

ゴーレムの体には弓女が放った矢が刺さっており、ゴーレムは氷の彫像となっていた。

弓女「一人に複数で構ってたら、他のがフリーになっちまうぞ?」

ツインテ「はっ!!盾男さんがいない!?」

盾男「上だ」

ポニテ「!?」

ドグシャアア!!
601 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:32:26.12 ID:VsNBzCk0
415

--コロシアム--

解説「盾落とし。重量のある盾を下にして落下する、盾兵の数少ない攻撃技ですね。これはツインテ選手、まずいかもしれませんよ」

レン「ツインテー!!」

ポニテ「よくもっツインテちゃん、をー!!」

ギャリン!!

ポニテは斧女を弾き飛ばす。

斧女「ぐっ!」

弓女「どきな斧女、盾男!!」

斧女「!!」

盾男「!!」

弓女が何をしようとしているのか察したのか、二人はさっとその場を離れた。

弓女「氷属性付加、十連矢射」

ドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュ!!

602 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:33:18.05 ID:VsNBzCk0
416

--コロシアム--

ポニテ「!!氷の矢がいっぱい!私の後ろに!」

ポニテは剣を構え迎撃しようとするが、

ブゥン

ポニテ(!?魔力が出ない!?)

斧女「スキル、魔力一時停止。私と接触したものは一時的に魔力が使えなくなります。こういうのもあると参考までに」

ヒュンッ

ポニテ「やば」

バッキャアーーーーン!!

ざわざわ

弓女「全弾……命中」

リングの上には巨大な氷の構築物が出来あがっていた。
603 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:34:44.36 ID:VsNBzCk0
417

--コロシアム--

実況「ま、まさに瞬殺!!チームユーシャーズ、一瞬の油断から氷漬けになってしまったぁぁぁぁーー!!」

弓女「手ごたえは?」

盾男「あった。ろくなものも装備していないツインテでは耐えられないだろう」

弓女「……そっか」

斧女「あの子達にもきっといい教訓になったことでしょう。あの歳で戦いの場に出てくるのはいささか早い」

弓女「はぁ。だな」

じゅぅうう

弓女「……?なんだ?」

じゅううううううう

斧女「!!まさかあの氷を中から溶かして!」

じゅううううううううううううう

盾男「馬鹿な!!凍った状態からなんて魔法が使えるか!!」

?「なら答えは簡単、凍ってないんだよっ」

どばぁあああん!!

氷をぶち破って、ポニテが飛び出す。
604 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:35:27.17 ID:VsNBzCk0
418

--コロシアム--

弓女「な、にぃ!!」

ポニテは両手の剣をリングに突き刺して魔法を唱える。

ポニテ「範囲殲滅、火属性魔法、レベル2!!」

とぐろを巻く炎がポニテの両手から発射される。

ゴオオオオオオオオオ!!!!

斧女「!!水属性防御魔法レベル3!!」

ドバシャアン!!

斧女が作りだした水の障壁と、ポニテの放った炎がリングで押し合っている。

斧女「ぐ!相性がいいはずなのに!!」

ゴオオオオオオオオ!!

実況「ポニテ選手は未だけんざああああい!!しかしリーダーであるツインテ選手は大丈夫なのでしょうか!?ねぇ解説さん!!」

解説「あの歳で殲滅系まで使えるとは恐ろしい才能ですね。通常、対単体、範囲、範囲殲滅と後になればなるほど習得は難しいのですが」
605 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:36:12.21 ID:VsNBzCk0
419

--コロシアム--

盾男「俺がやる!」

盾男は斧女の前にまで行くと、盾を構えて炎に特攻した。

ジュヨオオオオオオオオ!!

弓女「!?盾男!!」

斧女「盾男さん!」

盾男「スキル、魔力相殺!!」

パキュィイン

盾男が魔力を放出すると、ポニテの火の魔法は消え去った。

ポニテ「う、うそ。結構魔力練り込んだんだけどなぁ今の!」

盾男「くそ、随分持ってかれたぜ。たった一発でこのざまか」

解説「魔力相殺は、相手が使った魔力量と同じ分の魔力を払うことにより1:1交換で相殺できる便利なスキルですね。肉体系はこのくらいしか魔法対策が無いので必須扱いです」
606 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:36:59.21 ID:VsNBzCk0
420

--コロシアム--

弓女「……どうやって私の矢から」

ガラっ

氷の壁が崩れて、中から二人が姿を現す。

ツインテ「ボクが水魔法で全弾受け止めました。いてて」

盾男「!?確実に潰したはずだが……」

ツインテ(回復持続……よかったかけておいて。体力が全開なら一撃死することはないってのは本当だった)

レン「ポニテ」

レンはポニテにブローチを投げて渡した。

ポニテ「?これなに?」

レン「今から30分間だけ、付けてる物はスキルの対象にならない。魔力一時停止はもう気にしないでいい」

斧女「!?」

ツインテ「範囲回復、水属性魔法、レベル3!!」

青く澄み切った魔力がツインテ、ポニテ、レンの体を癒していく。

ツインテ「さぁ、反撃開始です!!」
607 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/23(木) 18:40:56.17 ID:VsNBzCk0
前半戦終了というわけでまた書き溜め&休憩に入ります



また今日のうちに来たいと思います。もしこれなかったらごめんなさい。m(__)m
それでは!!
608 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 19:21:05.23 ID:sNxFt0Yo
乙乙
ついに女の子になっちゃうか
609 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 19:44:56.43 ID:2AxpwGs0
寧ろ今までツインテは、自分の性別を勘違いしていたのでは。
610 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 20:58:05.60 ID:S2ioEEE0
乙です。
611 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:01:03.47 ID:AZSD4bQ0
後半戦です。
書き溜めは終わらなかったので書きながらいきたいとおもいます!
612 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:02:32.18 ID:AZSD4bQ0
421

--コロシアム--

弓女「ちっ……容赦無く問答無用でやったのによ……」

弓女は矢籠から新たに矢を取りだす。

弓女(まて、ツインテは水魔法で受け止めたって言ったな……。どんな魔法だ?それを凍らせられたことには変わりないんだが……)

盾男「弓女!!お前はツインテに矢を打ち続けろ!!斧女!!お前はレンをやれ!!あのチームは前線で戦えるやつはポニテしかいない。必然的に守りは薄いはずだ!!」

ツインテ「!!」

弓女「オッケー!!」

斧女「了解です!!」

チームウィンドの三人はツインテ達目がけ走り出す。

ツインテ(確かにそうだ。ボクやレンさんは本来は補助系の職業なんだ。ガチ前線系で固められた三人に突っ込んでこられたら……くっ!)

ツインテは思考を巡らしている間にゴーレムは氷の呪縛から抜け出すことに成功する。

ツインテ(どうしよう、どうしたらいい!)

レン「錬成、爆弾」
613 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:18:01.27 ID:AZSD4bQ0
422

--コロシアム--

盾男「ぎょっ!?」

レン「ツインテ、気にしないでいい。ツインテが戦い苦手なのはわかってる。だから、レン達がまもってあげる」

ツインテ「レンさん……っ!!駄目なんですそれじゃ!!ぼ、ボクは、ボクはみんなの役に立ちたいんだ!!」

弓女「っ!とりあえず言われた通りに撃ちまくる、っかっと!!」

ドシュドシュ!!

ツインテ「水属性魔法、触手!!」

うにょろん

ツインテは水でできた触手でもって氷の矢を受け止めていく。

どぷん、パキパキ

弓女「なーる。あれで受け止めてたのか。凍っちまっても切り離せばいいだけだしな。中々うまくかんがえられてやがる」
614 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 00:18:14.08 ID:ZuAbZXko
間に合わなかったかと思ったらそんなことはなかった
615 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:23:52.38 ID:AZSD4bQ0
423

--コロシアム--

斧女「っ!!」

ドォン!!

斧女は投げつけられた爆弾をなんとか回避するも、その威力を目の当たりにして驚く。

斧女(十分な殺傷力を持っている……まさかこんなのをいくつも作れるとか言わないでしょうね?……)

レン「……避けられた。錬成、爆弾×20」

斧女「!?!?」

レン「ゴーレム、投げて」

ゴーレム「まぎょおお!!」

ヒュンッ、ヒュンっ

斧女「ちょっ!!」

ドドドドドゴオオン!!!!
616 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:29:42.52 ID:AZSD4bQ0
424

--コロシアム--

実況「おぉっと激しい展開になってきました!!さすがに準決勝ともなると違いますね!!……というか斧女さん大丈夫でしょうか。死んでいたとして、死体が残って無いと復活が……」

ボフッ

黒煙を抜け、猛スピードでレンに突っ込んでくる斧女。

斧女「やりますね!!でも私達は飛び交う砲撃の中を前進したことだってあるんですから!!」

レン「!!ゴーレム!!」

ゴーレム「まぎょおお!!」

スッ

振りまわすその腕の力に決して逆らうことなく、斧女は攻撃を受け流す。
そしてがら空きになったレン。

斧女「もらいました!!」

レン「!!」

ドシュッ!!
617 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:35:22.30 ID:AZSD4bQ0
425

--コロシアム--

斧女が切り裂いた物は、レンの形をした土塊だった。

斧女「!?これは、土人形!!」

レン「忍法変わり身の術……なんちゃって」

斧女「!?」

ゴーレムの顔が崩れ、中から本物の顔が現れる。

斧女(ゴーレムと一体化していた!?そんな時間なんて無いはず!!まさか、最初から本物は)

ドゴシッ!!

ゴーレムを纏ったレンの一撃が斧女を弾き飛ばす。

斧女「がはっ!!」

レン「シュレディンガー……攻撃してみなければ本物かどうかわからないにゃ」
618 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:37:14.85 ID:AZSD4bQ0
426

--コロシアム--

斧女「ばかっ……な!!」

斧女はリングの端で悶えている。

斧女(いや……多分そうだ……レンは、『錬成できる錬成物』を錬成していた!!)


ポニテ「くあっ!!」

ギィンガキィン!!

盾男「ほっ、ほっ!!」

ポニテ「か、硬いぃぃ!!なんで突破できないのー!!」

解説「あの勇者討伐戦争以前は攻撃的な魔法やスキルがもてはやされましたが、これも時代の流れというのでしょうか。現在は回復系魔法や防御系に重きが置かれています。モンスターを相手にするより、人間を相手にすることが多くなった結果だと言われています」

実況「そしてモンスターよりも人間の方がやっかいだと……」
619 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:38:02.08 ID:AZSD4bQ0
427

--コロシアム--

ギィン!!

ポニテ「あっ!!」

盾に弾かれバランスが崩れたポニテ、それを盾男は見逃さなかった。

盾男「盾アタック!!」

ドゲシっ!!

ポニテ「いった!!」

ポニテは衝撃でリングの外にまで飛ばされそうになるが、剣を突き立ててブレーキをかける。

ギギギギギギい!!

ポニテ「あっぶなぁ!!」
620 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:39:13.04 ID:AZSD4bQ0
428

--コロシアム--

弓女「撃ち続けろったって、こっちは無限に撃てるわけじゃねぇんだぞ!!」

バシュバシュ

ツインテ「きつい、けれど耐えられないレベルじゃない!!」

うにょれろん


レン「斧女には寝てもらう」

斧女(っつ!!さっきの一撃でアバラがやられてる!!レンの攻撃を捌き切れるかしら!)

ドンッ、ズドン!!

レンの攻撃をかわし、時にはハルバートで弾く斧女。だが、徐々にリングの端へと追いやられていく。
621 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:39:59.45 ID:AZSD4bQ0
429

--コロシアム--

弓女「おい!斧女がやべぇぞ!!」

盾男「!!」

盾男はポニテを一瞥すると斧女の元へと走る。

ポニテ「わ、私を無視だとぉ!?うがー!!」

ポニテは急いで立ち上がり、自身の魔力を爆発させた。

ボッ!!

盾男「!?」

ゴオオオオオオオオオオオ!!

炎の渦が盾男を襲い、盾男は盾で防ぐしかなくなった。

盾男「ぐっ!!今度は相殺しきれん!!斧女!!」
622 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:40:43.85 ID:AZSD4bQ0
430

--コロシアム--

斧女「は、そんなに私は頼りないですか?こんな子供に負けるほど、私は生ぬるく生きちゃいません、よっ!!」

レン「っ!」

ズドンッ!!

レンの攻撃をバク転で交わし距離を取ると、ハルバートに魔力を込め始める。

ぎゅぃぃぃん

ツインテ「!!」

ポニテ「!!」

レン「!!」

弓女「ば、馬鹿野郎!!マジになってんじゃねぇ!!」

ぎち、ぎちぎちぎち

斧女のハルバートはまるで生き物のように動き始めた。
623 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:41:51.13 ID:AZSD4bQ0
431

--コロシアム--

解説「これは、魔斧!!」

実況「斧女選手のハルバートがおかしいことになっているぞおおー!?解説さん、魔斧とは一体!?」

解説「所謂魔剣の類です。悪魔が取り付いた呪具、生きた武器……通常の武装とはわけが違いますよ」

実況「なんと!!これは斧女選手!とんだ隠し玉を持っていました!!」

斧女「この子の情報が完全にばれてはまずいので本気はだしません。でも、しっかりガードしたほうがいですよ?」

魔斧「ぎちぎちぎちぎちぎち」

レン(何これ……ひどく気持ち悪い感じがする!!)

ツインテ「レンさん!!」

ヒュッ

パキィィィン!!

ツインテ「!?しまった!!」

弓女「ふぅ、やっと隙だしたか」

ツインテは両足を凍らされてしまう。
624 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:42:40.24 ID:AZSD4bQ0
432

--コロシアム--

レン(怖い怖い怖い、これは)

斧女「申し訳ありませんレン。貴女はそれほどまでに私を追い詰めたのです。誇ってください」

ポニテ「レンちゃん!!」

ポニテは盾男への攻撃を止めて、斧女へと矛先を変える。

盾男「っ!移動速度上昇、レベル4」

盾男は全身のばねをギリギリまで溜め、

ポニテ「対単体、炎属性魔法、れべ」

ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

ポニテ「がはっ!!」

瞬間的に盾男の突進を感知して避けようとするが、盾でリングに叩きつけられてしまう。
625 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:43:44.29 ID:AZSD4bQ0
433

--コロシアム--

レン(何がくる?あれは何?今から妨害に行って間に合う?いや多分無理にゃ。返り討ちにされる。じゃあどうすればいい?せめてあの攻撃の種類が何かわかれば)

レンは思考の渦に飲まれ、勝手に身動きができなくなっていた。

斧女「」

斧女が腕に力を込めたその刹那、レンは弾かれるように錬成を開始する。

レン「錬成、魔力ブロ」

ドジャッ


ツインテ「……え」

振り抜かれた斧女のハルバート。しかしレンは切り裂かれてはいなかった。

斧女「そんなことは、ありません」

レン「ごぼっ」

斧女(私の魔斧は肉だけを切る。そして肉しか切れない)
626 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:44:32.50 ID:AZSD4bQ0
434

--コロシアム--

レンは力を失ったように倒れると、ゴーレムの体の維持ができなくなったのか砂のように消えた。

ツインテ「!?」

砂煙の中から現れたのは、

ポニテ「れ、んちゃん」

胴体を両断されたレンの体だった。

ポニテ「うわああああああああ!!」

冷静を欠いたポニテは盾の下でもがき暴れ、炎を噴き出す。

盾男「うわ!あちっ!!ポニテめ、まだこんな魔力が!!」

ポニテ「ああああああああああああ!!」

ドオオオオン!!

全身を炎で纏った突撃、しかしそれすらも盾男は防ぎきってしまう。

盾男「冷静を失っちゃおしまいだぜ。……すまねぇなポニテ」

ドッ

ポニテ「!?」

盾男はポニテを押し上げて宙へと吹き飛ばした。

盾男「盾正拳」

ドギャッっ!!
627 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:45:40.17 ID:AZSD4bQ0
435

--コロシアム--

ドシャっ

盾男の攻撃をまともに受けたポニテはそのまま場外へと飛んでいきリングアウト。

ポニテ「あっぐ……」

そして立ちあがろうと試みるも、そのまま気絶してしまう。

ツインテ「っっ!!」

実況「こ、これは決まってしまったか!?チームユーシャーズ、開始10分で仲間を二人失ってしまったーー!!さらにチームウィンドの三人はほぼ無傷です!!実力差的にもこれはきつい!!」

解説「えぇ、これは棄権したほうがいいでしょう。ツインテ選手は両足を凍らされているわけですしね」

ツインテ「ポニテさん、レンさん……」

弓女「……わりぃなツインテ。だがお前達の本気、見せてもらった。その歳にしちゃ大したもんだよ。武術大会の準決勝にまで来たんだ。誰も弱いなんていいやぁしないよ」

ツインテ「……」

盾男「ツインテ。頼む、棄権しろ」
628 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:46:17.80 ID:AZSD4bQ0
436

--研究室--

薄暗い部屋の中に蛙顔の男がフラスコをいじっている。そしてその横には三人の女性が立っていた。

研究員「やれやれー。さすがにちょっと飽きて来ましたねー」

ウーノ「?何が飽きたのでしょうかマスター」

ドゥーエ「えー?パパのことだよー?きっとこの退屈で平穏な日々に飽きたに違いないよっ」

研究員「ほほー。さすがドゥーエちゃんー。よくわたしのことがわかっていますねーw」

トーレ「でも、そんなこと言ってどうする気なんですか?」

研究員「そうですねー」

研究員はひときわでかいカプセルの元へと近づいていく。
そのカプセルの中には尻尾の生えた筋肉質な青年が入っていた。

???「ゴポッ」

研究員「この子を起こしてめちゃくちゃにしてもらっちゃいましょうかねー。私が手塩にかけた人造魔王ちゃんに」

???改め人造魔王「ゴポポッ」
629 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:47:12.88 ID:AZSD4bQ0
437

--コロシアム--

実況「三時間半に渡る大激戦から、約二時間。リングの整備も完全に整いました。十分後より、準決勝第二試合を始めたいと思います!!」

わーきゃー

実況「しかしやはり強かったチームウィンド!!経歴不詳なれどその力は本物、安定した力を見せつけて準決勝進出を見事決めました!!そこでお疲れのところでしょうが、チームウィンドのリーダー、盾男さんに来てもらっています!!よろしくお願いします!!」

わーきゃー

盾男「……」

実況「……あ、あの盾男さん?まだどこか具合が悪いのなら医療部隊が」

盾男「いや、そういうんじゃない。違うんだ」

解説「……」

実況「あー……話は聞いています。チームウィンドとチームユーシャーズは同じ宿に宿泊し、食事を共にされたこともあると……」

盾男「あぁ、そういうのもあるが、今は、違うんだ」

盾男は自分の両手をじっと眺めている。

盾男「俺達は、……本当に勝ったのか?」
630 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:47:50.19 ID:AZSD4bQ0
438

--宿屋、食堂--

ポニテ「あうー!!負けちゃったよー!!うわーん!!」

ツインテ「ごめんなさい……また足をひっぱってしまいました」

レン「そんなことない、ツインテはよくがんばったよ」

ツインテは涙ぐみながらレンのお腹に手を当てる。

ツインテ「大丈夫ですか?痛くないですか?」

レン「うぅん大丈夫。ツインテが治してくれたんでしょ?」

ツインテ「……はい。だから、なおさら」

レン「ツインテの魔力の余韻を感じるの。とても温かい」

ツインテ「レンさん……ぐすっ」

ポニテ「え、私邪魔?」
631 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:49:09.35 ID:AZSD4bQ0
439

--宿屋、食堂--

ポニテ「はぁ、でも負けてショックだ……みんなで優勝したかったうー」

ツインテ「ポニテさん……」

ポニテ「ん……。体力は元通りだけど、魔力とか精神的疲れまで治ってるわけじゃないからちょっとだるいやw私先に部屋で寝ててもいい?」

ツインテ「あ、はいわかりました。ボク達はここでお茶でも飲んでるのでゆっくりしてください」

ポニテ「うん、ありがとー。じゃぁまた晩御飯で!」

ポニテはひらひらと手を振って階段を上がっていく。

ツインテ「……やっぱり相当ショックだったんでしょうね。優勝できなくて」

レン「それもそうだろうけど、違うと思う」

ツインテ「え?」

レン「多分ポニテは、レン達が」

ガシャァン

その時、二階のほうからガラスの割れる音が聞こえてきた。

ツインテ「!!もしかしてポニテさんが倒れたのかも!?」

レン「行こう!!」

急いで階段を駆け上り、自分たちの部屋のドアを開ける。

バンっ!!

ツインテ「大丈夫ですかポニテさん!!……え?」
632 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:50:20.78 ID:AZSD4bQ0
440

--コロシアム--

実況「あれ?……一体どうしたことでしょうか?チーム機動六花はちゃんと三人いるのですが……チームギャンブラー、変化師選手しかいません!!」

変化師「……?」

解説「賭博師選手と調教師選手はどうしたのでしょうか」


--宿屋、自室--

ツインテ「な、何を……しているんですか……」

自室は窓ガラスの破片が散乱し、予期せぬ人物が立っていた。

調教師「……」

レン「調教師……」

そして調教師は気を失っているであろうポニテを横に抱えていた。

ツインテ「な、何をしているかと聞いているんです!!」



ゾクッ

その時ツインテとレンはおぞましい悪寒と寒気を感じた。

調教師「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっは」

調教師の顔が初めて変化した、
とてもとても恐ろしく
とてもとても気味の悪い
笑顔。
633 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:52:04.04 ID:AZSD4bQ0
クリスマスイヴというやつですね。……へへへ。

本日はここで終わりにします。
疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。

読んでいただきありがとうございましたm(__)m
次回更新にご期待下さい!
634 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 00:54:05.53 ID:mm.9BA.0
乙!
いいところで切るなぁ
635 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2010/12/24(金) 00:54:12.48 ID:AZSD4bQ0
ぎゃあー

ストーリー番号437、
準決勝進出 と書いてありますが 決勝進出 です。
深くお詫びいたします。。。
636 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 00:57:34.43 ID:0tIYvIMo
>>633 乙!
ツインテ一人で三時間以上戦った上にレンの蘇生もやったのか
ツインテやるじゃん
637 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 02:07:34.62 ID:Cz6nnsDO

ツインテさんこの前ニートとか言って本当にスンマセンっした!
ってか触手って……ゴクリ…
638 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2011/01/01(正月) 00:19:49.66 ID:2POEQsDO
あけましておめでとうございます。今年もがんばります。よろしくお願いしますm(__)m
639 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 00:21:39.07 ID:XnO10rso
おめでと!
640 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 00:25:54.60 ID:0fi2vbMo
>>638
あけおめ!
641 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 00:27:28.34 ID:PwY7y6DO
あけおめっ!
今年も更新ゆっくり楽しみに待ってるぜっ!
642 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 01:02:54.69 ID:8KLSfeYo
あけおめー
643 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 01:26:31.22 ID:.eDlZMgo
あけましておめでとうございます。
今年も>>1の作品楽しみにしています。
644 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 02:17:11.66 ID:bldWPO.0
あけおめええええええ!!!
645 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 21:52:07.82 ID:QeZKqfko
あけおめー
646 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 00:19:27.55 ID:aSp.rkSO
あけおめこ
647 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/07(金) 21:22:03.72 ID:cVZnMMDO
大変お待たせいたしました。帰宅次第投下したいとおもいます。日付が変わるかは微妙なとこです……。

お待たせしましたと言っておいてなんですが、今しばらくお待ちください!
648 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/07(金) 21:22:47.77 ID:UWQBEeco
wwktk
649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/07(金) 22:24:46.58 ID:fgRieSIo
コテ忘れてるよww
投下承知
650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/07(金) 22:48:49.33 ID:syxaJlk0
NOW LOADING………
651 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:03:52.05 ID:ZabB3xM0
お待たせしました!!投下します!!
652 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:05:00.37 ID:ZabB3xM0
441

--コロシアム、秘密通路--

カツンカツン

うす暗い通路を秘書が歩いている。

秘書「仕事です、出て来なさい」

ザっ!!

秘書の一言に呼応し、黒づくめの集団が出現する。

黒づくめの男「どんな任務でしょうか、黒の女王」

秘書「その名はやめなさい。今はただの秘書です」

黒づくめの女「はっ」

秘書「……予言者様の予言が出ました。この一年で我が国に襲いかかるであろう災厄の日がわかりました」

黒づくめの少年「それはいつなのですか?」

秘書「タイミングの悪いことに今日です。こんなことであればもっと早く予言をしてもらうのでした。しかし今更それを言っても仕方がありません」
653 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:05:58.44 ID:ZabB3xM0
442

--コロシアム、秘密通路--

黒づくめの老人「なるほど、それで我らの出番なのですな」

秘書「そうです。疑わしきもの、反乱分子を見つけ次第始末して下さい。あぁ、蘇生は可能なようにしてくださいね」

黒づくめの仮面「了解しました。黒の女王」

秘書「……。それにしても貴方たちも物好きですね。組織から抜けた私の下にわざわざ来るだなんて」

黒づくめの少女「歴史の裏で暗躍してきた暗殺者集団、月の手袋。その長い歴史の中でも異彩を放った黒の女王。貴女以上の暗殺者は二度と登場しますまい。我らの頭領は永久に貴女だけです」

秘書「そうですか……では勝手にしなさい」

黒づくめの醜男「はっ。それでは我ら椿組。任務に出向きます」

シュバッ!!

秘書「……やれやれ。一体どんなことが起こるというのでしょうね」

秘書は踵を返し、暗い通路を進んでいく。
654 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:07:52.12 ID:ZabB3xM0
443

--宿屋、自室--

調教師「なにを?なにをですって?おめでたい貴女達にはきっと想像もつかないのでしょうねぇえ」

ツインテ「な、なにを、言って」

ツインテはガクガクと震えていた。
今だ味わったことの無い恐怖の中にいる。

レン「ポニテをどうするつもり?」

調教師「あははははは。言ってもいいですけど、言いません」

レン「……そう、わかった!!」

レンが錬金ツールを取りだそうとした瞬間、

ドガシッ!!

レンはいきなり後ろに吹っ飛んだ。

レン「!?」

ツインテ「!!レンさんっ!?」

?「しゅしゅしゅしゅる」

調教師「あはははは。スケレオン、次はそっちの女を」
655 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:08:34.12 ID:ZabB3xM0
444

--宿屋、自室--

?改めスケレオン「しゅしゅる」

ツインテ(!!み、見えないけれど、この部屋には何かいる!!)

シュル

ツインテ「っ!!が、がへっ!!」

見えない縄のようなものがツインテの首に絡みつく。

調教師「あははははは。苦しい?それとも気持ちいい?スケレオン、もっとしてあげて頂戴」

スケレオン「しゅしゅるる」

ギシシ

ツインテ「がっ、ひゅあー、ひゃう」

ツインテは宙に浮き始める。

ツインテ(くるし、く、首がしまって!!)
656 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:09:23.60 ID:ZabB3xM0
445

--宿屋、自室--

レン「いたにゃにゃ……っ!?ツインテっ!」

レンは宙に浮かぶツインテを見て状況を察し、即座に鎌を錬成する。

レン「そこ……だっ!」

レンが思い切り鎌を振り下ろすと、

ザシュ

カクレオン「ぎしゃー!!」

何も無い場所から緑色の血が噴き出した。

調教師「あぁ、そうか。においでわかっちゃいますか。亜人ですものね」

おいでカクレオン、と調教師。

ツインテ「げほえほっ!!……な、何を」

調教師「いけない、あまり時間をかけるなと言われておりました。では皆さんご機嫌よう」

シュタッ

ツインテ「!!」

言うが早いか、調教師は窓から飛び降りた。
657 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:10:19.53 ID:ZabB3xM0
446

--宿屋、自室--

レン「っ」

レンは慌てて窓に駆け寄り、家々の屋根を走っている調教師を確認した。

ツインテ「そんな……なんでポニテさんが……お、追い掛けなきゃ!!」

レン「ツインテ、アッシュをさがしてきて!」

ツインテ「!?」

レン「ポニテ達はレンが追う」

ツインテ「そ、そんな!一人じゃ危ないですよ!」

レン「でもレンじゃなきゃおいつけない。亜人のレンじゃなきゃ」

ツインテ「っ……」

レン「たぶん賭博師も敵。だからほかにも呼べるだけ呼んできて!」

そしてレンも窓から飛び出した。

ツインテ「あ、あわわわわ!た、大変なことに!あ、アッシュ君や弓女さん達を探さなきゃ!!」
658 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:11:17.77 ID:ZabB3xM0
447

--コロシアム--

実況「これは……試合放棄なのでしょうか?規定では試合時間を10分過ぎた場合、自動的に不戦敗になってしまいますが……」

解説「準決勝にまできたのに、もったいないですねぇ」

変化師(……な、何かしら企んでいるとは思ったが……このタイミングでいなくなって何になる?)

実況「……残念ですが時間です。チームギャンブラーは不戦敗。よって、チーム機動六花が決勝に駒を進めます!!」

わーきゃー

???『ちょおっとまったぁー』

ブゥン

実況「?そ、空に映像が映し出されています!!……蛙面?」

西の王「!!あいつ、なにを……」

???『どーもですー皆様ー。こーんにーちわー』

ざわざわ

秘書「……嫌な予感がしますね……研究員め」
659 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:12:07.10 ID:ZabB3xM0
448

--コロシアム--

???改め研究員『むふー。随分お強い人が集まっているようですねー』

魔導長「これはなんのイベントなの?」

変化師「……」

研究員『あ、西の王ー、今まで色々とお世話になりましたー。なりましたけどそろそろつまんなくなってきたんで出てこうとおもうんですよー』

ざわざわ

研究員『やっぱねー飽きちゃったんですよー。代わり映えしない毎日なんて暇以外のなにものでもない。やっぱりね、人間は戦いをしてなきゃいけない生物なんですよー』

ざわざわ

研究員『戦いの中でこそ技術は研かれ、戦いの中でこそ作られる物語があるー。……そして戦いの中でこそ得られる研究がある』

細身の兵士「……あ、う……」

秘書「……兵士達の様子がおかしい?」

闘技場の至る所に配置された兵士達が奇怪な行動を取り始めた。

研究員『だからこれは平和ボケした貴方たちに送る、私なりのプレゼントですー』

たくましい兵士「が、があああああ!!」

兵士達は咆哮とともに人に襲い掛かった。
660 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:13:29.35 ID:ZabB3xM0
449

--コロシアム、特別部屋--

キャーワー!!

老練の兵士「ぐしゅるる!」

秘書「!?貴方まで!」

西の王「っ!!」

西の王の傍らで待機していた兵士の一人が、剣を片手に襲い掛かった。

秘書「主人に触れるな!!」

ズバシャ!

老練の兵士「ご、ひゅー……」

ドサ

喉笛をかききられた兵士は床に突っ伏した。

秘書(いつかは何かしらやるとは思っていましたが……しかし研究員が今好きかってやっているということは、見張りにつけた彼はやられましたか)

秘書はナイフについた血を払うと、

秘書「主人様、早く安全な場所にご避難を……と言いたい所ですが、そんな場所は無さそうですね」

西の王「……だな。あいつめ、この前の健康診断で兵士達に何か細工でもしたのか」

秘書「わかりません。ただ今は誰一人として信じられません。私から離れないようについてきて下さい」
661 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:14:09.76 ID:ZabB3xM0
450

--コロシアム、特別部屋--

西の王「……」

バタン!!

勢いよく開かれる特別室の扉。

槍兵「王さまぁ!生きてっかぁ!?」

変化師「お、おうさま!」

駆け込んできたのは二人。

秘書「貴方たち……」

秘書は無言でナイフを構える。

槍兵「待て秘書さん、俺達は変になっちゃあいねぇぜ!王を守りにきただけさ」

変化師「お、おで」

秘書「……信じられる状況ではありません」

槍兵「だろうけどよ、そんなこと言ってる場合じゃないだろ。このままじゃまた国がやられるぞ!」

秘書「……」
662 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:15:40.18 ID:ZabB3xM0
451

--コロシアム、特別部屋--

西の王「動ける奴らは全部で何人いる?」

変化師「お、おで達の他に数人」

西の王「ち、少ないな……」

西の王はそう呟くと特別部屋の外のバルコニーに向かう。

ギィ

秘書「西の王様、何をなさるつもりですか」

わーきゃー

赤い服の観客「や、やめてきゃー!!」

ズブシュッ!!

西の王「……っく!!」

ワーキャーワーキャー

闘技場全体が地獄絵図と化していた。
663 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:16:43.43 ID:ZabB3xM0
451続き

--コロシアム--

魔導長「うわわ〜。次から次へとなの!」

雷魔法使い「これは一旦引いた方がいい、危険だ」

盾男「何が起きてるんだ……おらぁ!!」

ガイン!

筋骨兵士「げべふ!」

弓女「はー!はー!私らは連戦で疲れてるってのに!!」

斧女「肉体の疲労は癒されてるはずですが?」

弓女「うっさいわね!精神的によ!」

どげし!

はげ兵士「あべし!」
664 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:17:50.12 ID:ZabB3xM0
452

--コロシアム--

盾男「……ふむ。しかしチャンスっちゃあチャンスだな」

弓女「あぁ!?何がよっ!!死ぬチャンス!?」

盾男「獲物を取るチャンスだ」

斧女「!!……確かに。どのみち私達ではあのチームには勝てないでしょうしね」

弓女「ふん、なら最初から力付くでやっちまえばよかったんだ。それならあんな嫌な想いしなくて……」

斧女「……割り切りなさい弓女」

弓女「わかってるよ!」

盾男「じゃあ王国の外で待機してる本隊に知らせないとな」

わーきゃー

女観客「ひ、ひぃ!!誰か助けてー!」

眼鏡観客「寄るな寄るなー!」

兵士達は片っ端から観客を斬り付けている。逃げ惑う血塗れの人々。

西の王「我が声を聞け!!皆のもの!!」

ざわ

太眉観客「……お、王様!」
665 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:18:30.21 ID:ZabB3xM0
453

--コロシアム--

西の王「何をしている、それでも西の王国の民か!!戦え!!生き残れ!!手段などいくらでもある!!」

ざわ……ざわ

西の王「予期せぬ出来事に混乱するのも無理は無い、戦いを全く経験したことがない者も中にはいろう」

ざわざわ

西の王「だがそんな泣きごとが許される時ではないとわかるはずだろう!!原因は必ず俺らが発見し、なんとかしてみよう。だからそれまで生き延びよ!!またあの時のように国を好きかってされてはいけないのだ!!」

ざわざわ!

西の王「戦え、そして生き残れ!!これは王の命令であるっ!!」

ざわわー!!

入歯観客「……ふ、ふふ!こんなのは久しぶりじゃい。筋力強化レベル1」

入歯観客は観客席を引き剥がして装備した。

犬顔観客「そうだよ、逃げる必要なんてない、こいつらだって人間じゃねえか」

犬顔観客は上着を脱ぎ捨てた。

ほくろ観客「……そうよ、うちの店の娘が斬られちゃったっていうのに、なんで私が逃げてるのよ!」

ほくろ観客はメリケンサックを装備した。

赤い観客「負けてらんないのよぉぉアンタたちにぃぃ!!」

赤い観客は兵士をけたぐり吠える。
666 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:21:37.29 ID:ZabB3xM0
454

--コロシアム、特別部屋--

秘書(……相変わらずの効力ね。王クラススキル、王の言。王の言ったことに絶大な説得力を持たせるスキル。例え王を良く思って無かったとしても、絶対に間違っていることであろうとも、その言葉は人々の心の奥深くを支配する……)

西の王「よし、少し予定より早まったが」

西の王は槍兵と変化師に短い角のペンダントを渡す。

槍兵「これは?」

西の王「三本角の証だ」

変化師「!!」

西の王「これをもってお前達二人を、西の王国の最大戦力『三本角』に配属する!!今この瞬間からお前達は三本角となった!その名に恥じぬよう、ありったけの民を救ってみせよ!!」

槍兵と変化師は勢いよく跪く。

槍兵、変化師「は!!」

西の王「うむ。そしてお前も行け秘書」

秘書「!何をおっしゃいますか。私は貴方を護るためだけに傍にいるのですよ」

西の王「自分の身くらい自分で守れる」

ズラッ

そういって西の王は壁のツインソードに手を伸ばした。

西の王「あれから鍛練を欠かしたことはない……余計な心配というものだ」

秘書「お言葉ですが、あの男がこれだけで終わらせるとは思えません。きっと」

西の王「わかっている……わかっていて抱え込んだのだあの男を。いいからゆけ、行って早くに終わらせてこい」

秘書「……わかりました。ご武運を……」
667 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:22:35.56 ID:ZabB3xM0
455

--港町--

レン「っ!にがさ、にゃい!!」

レンは一度に八本の剣を錬成し、調教師の進路に落とした。

ガガガン!!

調教師「……やれやれ。この子を抱えたままでは逃げ切れないようです」

レンは屋根を飛び降りて調教師と対峙する。

レン「なんでこんなことするの?冗談ならやめて」

調教師「……冗談?はっ、冗談でこんなことするわけないでしょ……?」

レン「……」

調教師の表情の変化を見て、レンは無意識に恐怖を感じてしまう。

調教師「……この子はね、売るんです。金と権力しか持ってないどっかのアホに」

レン「……人身売買」
668 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:25:17.09 ID:ZabB3xM0
456

--港町--

調教師「容姿は悪くないですし、レアスキル持ちだからさぞいい値段がつくでしょう。しかも仮とはいえ勇者ですし」

レン「……レン達のチーム名をそのまま信じたわけじゃないよね……なら勇者証明書を取ったのは、調教師達なの?」

調教師「ふふふ」

調教師はずっとニヤニヤと笑っていた。まるでそれしか表情を知らないかのよいに。

レン「……そんなことやめて。いまならゆるす」

調教師「?やめませんよ。幸せそうな奴は嫌いですから」

調教師は自分の帽子を取って見せた。

調教師「貴女はわかっていたとおもいますが、私も猫亜人です。しかも特別な、三大希少種の……ね」

レン「……」

調教師「雪のような純白『白雪』、燃えるな鮮紅『紅蓮』そして……『蒼天』」

レン「……猫亜人、三大希少種。別名生ける宝石……だね」
669 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:26:03.85 ID:ZabB3xM0
457

--港町--

調教師「さすがに少しは調べていますか。そりゃそうですよね。貴女はその内の一つ、白雪種なのですから」

レン「……」

調教師「まぁ何が言いたいかって言うと、私は最初、同じ希少種に会ってみたかったんですよ。希少種。同じ希少種ならきっと、私の苦しみもわかってくれると思っていたから」

レン「やっぱり……辛い目にあっていたの?」

調教師「……さぁ?良いとは言えないでしょう」

レンはうつむいた。歪んでしまった同族を直視出来なかったのだ。

レン「……わかる。レンも辛かった。もしパパが拾ってくれなかったら」

調教師「あぁ?」

調教師の顔の筋肉に力が入った。決して変わることはないが、その内に秘めた感情は間違いなく、

調教師「お前に何がわかるっ!!仲間達と幸せそうに生きてるくせしやがって!!お前にわかるはずがない!!わかるのならそんな顔して生きられるものかッ!!」

調教師は燃えるように激怒した。
670 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:26:40.57 ID:ZabB3xM0
458

--コロシアム外--

ツインテ「はっ、はっ……あれ?コロシアムが凄く騒がしい……試合に興奮しているのとは違うような……」

盾男「じゃあさっそく用意をする。あのいかれた兵士達が来ないように見張っててくれ」

弓女、斧女「了解」

ツインテ「あ!弓女さん達!!」

弓女「!?ツインテ!?」

ツインテ「よかった……!探してたんです、アッシュ君はどこにもいなかったから!あのっ!」

斧女「っ!何があったのか知りませんが早くここから立ち去りなさい!ここは今戦場になっています!」

ツインテ「え!?い、いやそれはよくわからないけど、助けてください!!ポニテさんがさらわれたんです!」

弓女「!?」

ツインテ「それで今、レンさんが追ってくれてますけど、多分他にも仲間がいると思うんです!!お願いします、力を貸して下さい!!」

弓女「……っ」

斧女「……」

盾男「……」

沈黙。それはツインテが予想していたのとは違う反応だった。
671 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:27:54.42 ID:ZabB3xM0
459

--コロシアム外--

ツインテ「え……あ、あの」

盾男「ツインテすまない。君達が今非常にまずい状況にいるだろうことは理解できた。だが力を貸すことはできない」

ツインテ「……え……」

弓女「……ごめんな、本当にごめん」

斧女「他の人を……いや、それも無理ですね。この騒ぎで皆手一杯でしょう」

ツインテ「な、なんでですか!?あ、あんなに仲良くしてくれていたのに!!……た、戦ったからですか!?」

弓女「違う!!お前達のことは……本当に……友達だと思ってる。この数日間だって、任務中だってのに凄い楽しかった!」

弓女は拳を握りしめている。

ツインテ「だ、だったらどうして!!」

ツインテは既に涙ぐんでいる。
もう何を言おうと聞こうとも、彼女らの意志が変わらないことを理解していたから。



任務中。



盾男「今任務の大詰めを迎えようとしていて手を離せない……。何にでも優先順位があるように、俺達にとって任務は一番優先しなくてはならない……。ツインテ……俺達はな……砂漠の風の一員なんだ」
672 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 00:28:54.47 ID:ZabB3xM0
460

--コロシアム外--

魔導長「おりゃー」

ちゅどーん

変化師「し、身体変化、右腕を剣に!」

変化師の右腕が巨大な剣に姿を変えたかと思うと、迫りくる兵士を根こそぎ薙ぎ倒した。

槍兵「ちぃ、やりづれぇ!!結局こいつら操られてるだけだもんな!!なるべく綺麗に殺さねえと!!」

シュ

槍兵の前を一筋の影が横切った。そして、

ドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュ!!

一瞬で血の海と化すコロシアム。

秘書「何をやっているのですか槍兵。さっさと殺していかねば日が暮れてしまいますよ」

槍兵「……相変わらずおっそろしい腕だ」
673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 00:48:32.18 ID:4XG97sDO
久しぶりにきたー!
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 01:12:39.00 ID:R.Il5J6o
ありゃ?中断?
675 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:22:00.63 ID:ZabB3xM0
461

--コロシアム外--

大柄な兵士「ぐおお!!」

秘書「!」

ズバシュ!!

全身鎧で固めているはずなのだが、いとも簡単に人体だけを切り裂かれて倒れる兵士。

槍兵「おいおい前に出すぎじゃねぇか?秘書さんよ」

ズバッ

秘書「問題ありません。護る対象が無いのなら百人を同時に相手取ろうともいけます」

ズバズバ

言ってる間も斬り続ける秘書。

槍兵「……そうかい。ばけもんだな」

秘書「いえ、純百パーセント人間ですよ」
676 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:23:12.54 ID:ZabB3xM0
462

--宿屋--

ツインテ「どうしよう!どうしよう!!」

ツインテは泣きながら力を貸してくれそうな人を探していた。
だがほとんどの人間がコロシアムに集まっている今、戦えそうな人物は町にはいないのだ。

ツインテ「う、うぅ!!」

ツインテは涙を拭いながら町を走る。そしていつしか宿屋に戻ってきていた。

ツインテ「……結局、ボクは……何も出来てない」

宿屋の店主「あっ!帰ってきた!!どうかしたんですか!?」

ツインテ「あ、……あう。店主さん……」

宿屋の前で泣きじゃくるツインテ。

宿屋の店主「さっきなにやら騒がしかったから、心配になって部屋を覗いてみたら荒らされているじゃないですか。しかも貴女たちは誰もいないですし。何かの事件に巻き込まれたのかと思ったのですが……」

ツインテ「うっ、うあぁ」

宿屋の店主「……やっぱり何かあったんですね?」
677 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:23:59.75 ID:ZabB3xM0
463

--宿屋--

ツインテはことの経緯を宿屋の店主に話した。

宿屋の店主「なるほど……事情はわかりました。困りましたね……」

ツインテ「はい……ひっく」

宿屋の店主「コロシアムでも今大変なことが起きているようですし、事態は最悪だ……」

ツインテ「うぅ……」

宿屋の店主「……何が最悪って、それは貴女が今ここで泣いていることです」

ツインテ「……え?」

宿屋の店主「頼れる人はいない。でもそれは本当ですか?」

ツインテ「……て、店主さんが、力を貸して、くれるんですか?」

店主を首を横に振る。

宿屋の店主「いいえ、私は完全に無力です。若いときならいざ知らず、今の私は客からお金を巻き上げることしか考えていない悪徳店主ですから」

ツインテ「あうぅ……」
678 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:24:44.82 ID:ZabB3xM0
464

--宿屋--

宿屋の店主「まだ……一人いますよ、頼りになる人が」

ツインテ「……ぐす」

店主はそっとツインテの手を握った。

宿屋の店主「貴女がいる!!」

ツインテ「!?」

ツインテはあまりに驚いたため涙が止まった。

ツインテ「だ、駄目です、ボクは、ボクなんかじゃ……」

宿屋の店主「駄目なことなんてありませんよ。私はたったの数日間ですが貴女たちの戦いを見てきています。そして準決勝、貴女が最後に見せたがんばりを!!」

きょとんとするツインテ。

ツインテ「て、店主さん大会なんて興味無かったのかと思ってました。コロシアムに足を運んでくれてたのですか?」

宿屋の店主「こ、こほん。とにかく、貴女は力を持っている。それは確かです。持っていないのは自信だけだ!今持ちなさい!!そして貴女が仲間を助けるのです!!」
679 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:25:46.34 ID:ZabB3xM0
465

--宿屋--

ツインテ「ボクが……ボクだけでみんなを?」

宿屋の店主「はは。はたから見たら、危ない場所に子供が行くように促している悪い大人ですねwwでも……後悔させたくないんですよ」

ツインテ「……」

宿屋の店主「仲間の命がかかっている。そして今力を持っているのは貴女だけだ……自分の命をかける理由としては不足だと思いますか?」

ツインテは涙を拭いた。

ツインテ「……思いません。だって、みんな、みんな大事な人らからっ!!」

でも結局涙がでちゃう。

ツインテ「行きます……ボク、行きます!命をかけて助けだします!!」

ツインテはすっくと立ち上がった。
680 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:26:35.46 ID:ZabB3xM0
466

--宿屋--

宿屋の店主「あ、待ってください。確か玄関に……」

宿屋の店主は玄関に入り、なにやら棚をまさぐり始めた。

宿屋の店主「あぁありました。武器を今装備していないようですからこれを」

店主が差し出したものは古びたナックルグローブ。

ツインテ「これ……」

宿屋の店主「いやぁ恥ずかしい。私が昔夢を追っていた時のものです。お古なんで申し訳ないんですが……準決勝の試合内容を見るからに、今の貴女にはこれが一番合うような気がして……」

ツインテ「……」

ツインテはグローブを装備した。

ぐっぱぐっぱ

ツインテ「うん、ありがとうございます!!頂いていきますね!!」

宿屋の店主「いえいえ礼には及びません。特別料金として、既に宿代に追加してますからw」

ツインテ「悪徳だー!」

そしてツインテは走りだす。レンの向かった方向へと。
681 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:27:14.21 ID:ZabB3xM0
467

--コロシアム--

ズバズバズバ

槍兵「おいおい……結局ほとんど秘書さんだけで倒しちまったよ」

変化師「ふ、ふご」

秘書(ぬるい……あの男がこんなにぬるいわけがない!)

ブ、ブブ

再び空に研究員の顔が映し出された。

研究員『第一ステージ完了ー。お疲れさまでーすー。あ、でも休憩は無いんですよ残念ー』

秘書「……あいつ」

研究員『とゆわけでー、さっそくですが第二ステージに移りたいと思いますー。ポチっとな』

ガー
ガー
ガー
ガー

コロシアムの四方から箱のようなものが盛り上がり、中から四体の、

秘書「!?ま、まさか!!」

槍兵「……おいおい冗談きついぜ」

変化師「お、おで」

研究員『第二ステージの相手は人造魔族ですー。本邦初公開ですよー!?』

サキュバス「ぎしゃー」

ワーウルフ「がうがう」

ミイラ「まみまみ」

ヴァンパイア「ちゅー」

四体の魔族が人々に襲い掛かる!
682 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:27:41.76 ID:ZabB3xM0
468

--屋台道--

アッシュ「白いたいやきうめぇwwうぇww」

金髪「アッシュ君……やっぱしショックだったんすね」
683 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:28:27.12 ID:ZabB3xM0
469

--港町--

レン「……に……ぁ」

ツインテ「……はっ、はっ……」

あれから走りまわったツインテは、結果的にレンを見つけることが出来た。

レン「……に」

ツインテ「はっ、はっ……あ、あぁ……」

辺りには至るところに剣や斧などの武器が散乱し、かなりの血痕が飛び散っていた。

レン「……みぃ……」

一目でわかる。
レンはここで調教師(or調教師達)と戦闘になり、

レン「……にゃ……にゃああ」

無残にも敗北したのだ。

ツインテ「れ、レンさん!!」
684 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:29:08.87 ID:ZabB3xM0
470

--港町--

ツインテ「レンさん!!レンさんしっかりしてください!!大丈夫ですか!?レンさん!!」

ツインテは急いでレンに駆け寄り上半身を起こした。

ツインテ(血だらけだ……)

レンの体はレンの物と思しき血液で濡れている。

レン「にっ……にあ」

ツインテ「調教師さんにやられたんですか!?一体どんな攻撃を!!」

レン「……にゃ……」

ツインテ「……」

ツインテは奇妙さを感じ取った。

ツインテ「れ、レンさん!?聞こえてますよね!?」

レン「にゃぁ」

レンは力無さげに鳴いた。
685 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:29:48.91 ID:ZabB3xM0
471

--港町--

ツインテ「だ、誰にやられた……んですか?」

レン「……にゃあ」

ツインテがもう一度同じ質問をしても、レンはか細く鳴くばかり。

ツインテ「……うっ」

ツインテはたまらなくなって、せき止めたはずの涙がまたこぼれ始めた。

ツインテ「うっ、うぅ……レンさん……」

レン「に、にあ……」

レンもツインテの顔を見て鳴く。


ツインテ「……レンさん…………喋って……下さい……よ」
686 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:30:54.70 ID:ZabB3xM0
472

--港町--

ツインテはまた涙を拭う。

ツインテ(駄目だ、泣いてちゃだめだ!!さっき誓ったばかりじゃないか!!)

ツインテはレンに回復魔法をかけた。
青白い光がレンの体を覆う。

ツインテ「ど、どうですか?レンさん?」

レン「……」

見た限りの外傷は消え去った。
しばらくの沈黙の後レンは、

レン「……にあ」

またか細く鳴いた。

ツインテ「っ!!!」

レンの傷は大方治ったはずだった。
しかしそれでも

レン「……に」

レンは人語を口にしなかった。
687 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:32:01.57 ID:ZabB3xM0
473

--港町--

ツインテ「どうして……どうして!!??回復魔法をかけたのに!!どうしてレンさんを治せないの!?なんで」

こんなにつらそうなの

ツインテは頭を抱えて思考を巡らした。

ツインテ(どうしよどうしよどうして?なんで!!なんで治らないの!!どうにかして原因を探さなくちゃ。こういう時どんな魔法が使えるんだっけ。考えろツインテ思い出せツインテ。ボクは確か全部読んだはずだ!!)

ツインテはしばらくの沈黙の後、

ツインテ「!!そうだ!!ダメージ履歴を見ればいい!!確かそんな魔法があったはずだ!!」

ツインテは記憶の隅から魔法を引っ張りだした。

ツインテ「ダメージ履歴観覧、対象レンさん!!」

ツインテはレンに向けて魔法を唱えた。

ツインテ(最後のダメージは7分前……箇所は頭部……!?)

ツインテの頭の中を、理解したくない文字の羅列が駆け巡る。

ツインテ「……ひどい。そんな……脳を、素手、で」

ツインテは嘔吐する。
奮い立たせた心は、ただの一撃で折れたのだ。
688 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:33:04.05 ID:ZabB3xM0
474

--港町--

レン「に……あ」

ツインテ「げふっ!!っぐ!!だ、駄目だ!!諦めちゃ駄目だ!!」

ツインテは自分の顔を両手で叩く。

ツインテ(破壊……持ち去られたのは一部分。一部分だろうと無いものを治すことはできない。医学に精通していない素人が行ったんだ、今のレンさんが大丈夫なはずがない!!それに消毒もしていない手でやられたのなら黴菌も入ってるはず……どうしたらいいの!?)

ツインテは再び頭を抱えた。

レン「……」

レンはツインテの行動を見て何を感じたのか、ツインテの服を引っ張った。

レン「……にあ」

ツインテ「っ……?」


レン「だいじょうぶ、だから」


まるでそう言いたいかのように、
ツインテを困らせないように
レンは笑った。
689 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:34:02.98 ID:ZabB3xM0
475

--港町--

ツインテ「だめです、助けます。絶対に助けるんです」

ツインテの瞳には狂喜が宿っていた。

ツインテ「駄目です絶対助けます。何を犠牲にしても絶対に!!」

レン「に、にあ……」

ツインテはぶつぶつ言いながらレンを助けるための方法を考え出そうとしている。

ツインテ(高度な医療の魔法本も一応読んだんだ。何か思い出せ、思い出せツインテ!!出ないと、レンさんが死んじゃうかもしれないよぉ!!)

レン「にあ……」

レンはそんなツインテを見て、静かに涙を流した。
690 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:34:42.69 ID:ZabB3xM0
476

--コロシアム--

ワーウルフ「がうがー!!」

魔導長「人造魔族だなんて……とんでもないものを研究していたようなの!!無属性攻撃魔法、レベル4!!」

ドンっ!!

ワーウルフ「がぁああ!!」

雷魔法使い「うん。これは後で調べてみる必要がありそうだ……でも今は!!」

ズシャッ!!

ミイラ「まみー!!」

雷魔法使いは雷で作った鎌でミイラを斬る。

槍使い「ちぃ!!うちのお抱え研究者があんなもん操ってるってことはやっぱり」

変化師「お、おで」
691 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:35:15.71 ID:ZabB3xM0
477

--コロシアム--

サキュバス「もっきゅもっきゅ!」

氷属性魔法がコロシアム全体に注がれる。

ビュオオオオオ!!

変化師「!!し、身体変化、ドラゴン!!」

変化師はドラゴンに変化すると口から炎を吐きだした。

ボオオオオオオオ!!

秘書(くっ!!人以外が相手では私には何もできない!!)

ヴァンパイア「ちゅーちゅー」

ヴァンパイアの放つ無数の蝙蝠が一斉に起爆する。

ドゴオオオン!!

変化師『グオオオオオ!!』

蝙蝠の爆発にやられてコロシアムに倒れる変化師。
692 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:36:14.87 ID:ZabB3xM0
478

--港町--

ツインテ「無いなら……作るしかない」

ツインテは右手の親指の爪を噛みながらぶつぶつと呟いている。

ツインテ「材料は?動物を捕まえて脳を、駄目だ。レンさんの体に合うかわからないしそんなもので代用できるかわからない。なら人間には人間の材料を使えばいいのかな、駄目だ。人を犠牲にしたってレンさんが悲しむだけだ。じゃあボクのを使えば、駄目だ。そうしたら治す人がいなくなってしまう」

レン「に、にあ」

レンはツインテの言葉を理解することができない。
が、その普段からは想像もつかない姿に不安を感じていた。

ツインテ「レンさんの体に合うにはやっぱりレンさんの体を使うしかない。でも脳の一部を再現するなんてことができるのかな、一体どれだけの体を使っちゃうかわからない。そんなことはしたくない。それじゃあ助けてることにはならない。やっぱり専門家に、駄目だ。そんな時間があるとは思えない。今やらないと本当にまずいんだ」

ツインテは強く爪を噛み続けている。
693 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:37:55.30 ID:ZabB3xM0
479

--港町--

ツインテ「レンさんのこの血から遺伝子情報を読み取って再現するしかないけれど、でもやっぱり材料がいる。血だけじゃ圧倒的に足りない。やっぱり肉が必要なんだ肉肉肉肉肉……あ」

ツインテは何かに気がついた。
そしてほっとした感じの笑みを浮かべる。

ツインテ「よかった、その手なら上手くいけそうだ……レンさん!大丈夫です、ボクが絶対に治して見せます!!上手くできるかどうか……いえ、絶対にうまくやってみせます。だから、レンさんの命、ボクに預けてくれませんか?」

ツインテは言葉が通じないレンに訴えた。
強く、濁りの無い純粋なまなざしで。

レン「にあ、にあ」

レンは何かをしようとするツインテが心配でしきりに鳴くのだけれど、ツインテは

ツインテ「人体パーツを作るのなら、人体パーツを素材にするのが一番です!レンさんの血を設計図に、そして」

ツインテは微力ながら自分の左腕に肉体強化をかけた。

ブチ

レン「!!」

そしてツインテは自分の右腕を引きちぎった。
694 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:38:40.77 ID:ZabB3xM0
480

--菓子屋道--

アッシュ「ふがしうめぇwwww」

金髪「おいたわしや……」
695 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/08(土) 01:42:23.79 ID:ZabB3xM0
新年しょっぱながこんなのでよいのかしら……。
随分と間を開けてしまってすみません!改めましてあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたしますm(__)m

あ、途中の空きはですね、新年一発目だし、引きのいいところまでやろうと思って書き足していました。

ちょっとダークになり過ぎた感が否めませんが、本日はここで終わりにします。また早いうちに書きに来たいと思います。

それでは疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございましたm(__)m
次回に続く。
696 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 01:43:07.85 ID:R.Il5J6o
乙!
重い新年一発目だぜ……
だが、それがいい(キリッ
697 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 01:45:21.50 ID:HVVFGMAO
超乙かれぃ。舞ってたぜ
698 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 01:53:54.73 ID:s1azg6I0
アッシュがんばれよwwwwwwww
699 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:30:29.12 ID:B7T9/gSO
アッシュwwwwww
700 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 03:14:11.29 ID:z5IcYIAO
超乙!

捕らわれの身ということで、ポニテがやっとメインヒロインらしくなってきたな。
701 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 03:30:13.79 ID:n1ZJtkYo

一気に重い話になったのにアッシュのせいでいろいろと台無しだww
702 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 05:04:26.46 ID:50EJmO2o
>>695 乙!
ツインテが覚醒しそだな〜
アッシュは仕事しろww
703 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 17:33:46.54 ID:Bmwmnxg0

所で斧女と弓女って初代スレの隊員1と隊員2?
704 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/09(日) 00:49:12.49 ID:JU6bj260
こんばんは。ちょっと挨拶にだけ来ました。
えとですね、随分前のことなのですが、
このスレの番外編ss・isの踊子を見直してたらですね、あまりに不自然な個所がありました。どうも一つ抜けていたようです。
それでメールBOXを探してみたら……リク○ビとかのメールで埋もれていました……。今更ですけれど、せっかくなので置いておこうと思います。

あ、リクナ○で思い出しました。就活について少し話しておきます(無駄情報)。
皆さんにご心配をおかけしました、(したかもしれない)私の就活ですが、この度、晴れて!


……茨の道を行くことを決めました。orz
あ、敢えてですからねっ!?敢えてなんだからっ!!

……詳しくは伏せさせていただきますが、またその影響で空いてしまうかもしれません。どうかご了承頂けると幸いですm(__)m

>>703
そうです!!やー、そこに気付いてくれるとは嬉しいですー。
705 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/09(日) 00:50:03.78 ID:JU6bj260
これ忘れてました。レス174、ストーリー番号93の続きです。

93,5

--施設--

白猫亜人「……」

白猫実験体「ぎゅる……り…よ」

しかし、白猫実験体は明らかに動きが鈍くなっていた。

白猫亜人(常時発動スキル。分類、蓄積攻撃。効果、移動速度低下……やっと効いてきたのかにゃ)

白猫実験体「ぎゅる、るり」

今度は白猫亜人の方から、白猫実験体に近づいた。

白猫亜人「今までお世話になりました。ご苦労様……でしたにゃ」

白猫実験体「ぎゅ……らり……」

白猫実験体はゆっくりと手をのばして、

白猫亜人「!!」

白猫亜人のお腹を、愛でるように撫でた。

白猫亜人「っ……………………………………………………………………………スキル、鋼爪っ!!」

ザシュ
706 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 01:59:40.60 ID:503cgM60
なんという今さら
707 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 01:59:44.43 ID:kCA89o6o
氷河期だもんなー…
乙です
708 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 12:36:27.72 ID:CHe05kiDO
ん? どうなったんだ?
709 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 14:33:00.84 ID:hIDwUu7io
逆境の中、茨の道を進むとか
なんと漢らしいと褒めればいいのか、ドMめがと褒めればいいのか難しいところww

なにはともあれ、頑張ってくださいませ
710 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/11(火) 20:52:43.70 ID:0ab57knDO
ポニテを買ったヤツは地獄を見るだろうな、食費的な意味で
711 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 22:52:19.52 ID:OzVNifVp0
こんばんはー。
お久しぶりでございます。あ、色々とありがとうございます。今後も頑張らせていただきます。m(__)m

では少量ですが投下していきたいと思いますです。
712 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 22:53:59.20 ID:OzVNifVp0
481

--コロシアム外--

盾男達は狼煙をあげることに成功し、今は三人とも武器の手入れをしていた。

シャッシャッシャッ

弓女「……」

盾男「……」

斧女「……ポニテ達、大丈夫でしょうか……」

盾男「さぁ……。今は忘れた方がいい。これからあの中に入って魔王の骨を奪うんだ。迷いは捨てておけ」

斧女「……でも!」

盾男「お前の気持ちはわかってる。……副部隊長命令だ。忘れろ」

斧女「……はい」

弓女「……」
713 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 22:54:38.05 ID:OzVNifVp0
482

--菓子屋道--

アッシュ「ヒャッハー!!アイスもうめー!」

金髪「あ、アッシュ君、やけぐいはその辺でやめといたほうがいいっすよ。おなかピーピーになってしまうっすよ」

五段重ねのアイスを頬張るアッシュに注意する金髪。

アッシュ「うるさい。寝て起きた昨日のことを考えたらやっぱり不安になったんだ!!食わずにいられるか!!」

金髪「もう……。そんなに大事な人ならコロシアムに試合を見に行ってあげたらよかったのにっす」

アッシュ「……それとこれとは別だ」

アッシュはガリガリとコーンを噛み砕く。

金髪(毎試合コロシアムの近くまで行ってウロウロしてたくせにっす……)

わーきゃー

金髪「ん、さっきからなんか慌ただしくなってきたっすね?」

アッシュ「む」

金髪「コロシアムで何かあったのかもっすね」
714 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 22:55:09.22 ID:OzVNifVp0
483

--菓子屋道--

アッシュ「むむ」

それを聞いたアッシュはさっと立ち上がる。

アッシュ(あいつらの試合はもう終わったんだからコロシアムにいるとは限らないが……)

金髪「……いくっすか?」

アッシュ「……野次馬心に火が点いただけだ」

金髪「ふふ。相変わらず意地っ張りっすね〜。素直にあの子達が心配なんだ、って言っちゃえばいいっすのに」

アッシュ「うっせ!!」

そう言ってアッシュは歩きだした。

金髪「あぁ待ってくださいっす……ん?狼煙?」

コロシアムの方に、赤い煙が昇っているのを確認する金髪。

金髪「……」
715 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 22:56:12.50 ID:OzVNifVp0
484

--コロシアム--

ヴァンパイア「こいつら大したことないね」

サキュバス「全くだな」

ミイラ「せっかくフルパワーでやれるとおもったのにー」

ワーウルフ「所詮ただの人間ということでしょうか」

変化師「ぐっ!!」

崩壊寸前のコロシアムの中で四人の魔族は怪しく笑う。

槍兵「……はっ、化物どもめ、血がたぎるってぇもんだぜ」

槍兵は強がって見たものの、満足に立ちあがることもできないほどにダメージを受けていた。

魔導長「……私の魔砲でも倒せないなんて恐れいったの」

秘書(あの五柱なら魔族と単体で渡り合えるはず……だが四体も一度に現れては!!)

実況「実況は続けるべきなんでしょうか」
716 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 22:57:17.66 ID:OzVNifVp0
485

--コロシアム--

サキュバス「さぁ凍れ人間ども!!範囲攻撃氷属性魔法レベル4!!」

バッキャーン!

疾風魔法使い「あかん!範囲防御風属性魔法、レベル4!!」

ビュオオオオ!

二つの魔法がコロシアムの中心で激突する。

サキュバス「っむ!風には押し戻されるか!」

雷魔法使い「今のうちに私が斬ります!雷属性移動速度上昇、レベル4!!」

シュンっ!!

雷魔法使いは雷の鎌を掲げてサキュバスへと走る。

ワーウルフ「移動速度上昇、レベル1」

雷魔法使い「!?」

ガギィイン!!

雷魔法使いはワーウルフの爪を弾いて逸らす。

雷魔法使い(レベル1の移動速度上昇で同等のスピードだなんて!)
717 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 22:58:26.66 ID:OzVNifVp0
486

--コロシアム--

ミイラ「スキル、縛りプレイ!!」

バシュルル

ミイラの放つ包帯が変化師の体を締め付ける。

変化師「う、うおおおおおおおおおお!!ちょーきもちEいいいいいいいいいい!!!!!」

解説「なぜその技を女に使わない!!」

実況「解説さん……」

槍兵「変化師!!さっさと抜けやがれ!!」

変化師「ぬ、ぬぅ……。し、身体変化、スライム!!」

ぬるるる

変化師はぬるりと包帯をすり抜けてミイラの体に纏わりつく。

ぬるるる

ミイラ「う、うおおおおおおおおおお!!同類だったのかあああああああ!!!」

解説「だからなぜ(ry」
718 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 22:59:34.17 ID:OzVNifVp0
487

--コロシアム--

槍兵「ぐはっ!!」

ヴァンパイア「ふほほほほ!!弱いね!!弱すぎるよ人間!!」

ヴァンパイアの放つ無数の蝙蝠の攻撃を受け続ける槍兵。

ドドドドドド!!

槍兵「っっちぇぇい!!」

ドシュッ!

蝙蝠「ぎぃ!」

一匹の蝙蝠を貫くも、それは瞬時に再生してしまう。

槍兵(くそ、対多戦が苦手な俺とは相性がわりぃぜ、おまけに)

槍兵「おおおおおおおおお!!」

ヴァンパイア「っ!」

ズシャッ!!

槍兵は槍でヴァンパイアを突き刺してみるが、まるで効果がない。

ヴァンパイア「ふふふ。無駄なことだよ」

槍兵「てーか日光駄目じゃなかったかよ吸血鬼ってよ!!」
719 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:00:18.30 ID:OzVNifVp0
488

--コロシアム--

ワーウルフ「おおおおお!!」

雷魔法使い「はあああああ!!」

ギャリンギギガギン!!

ワーウルフと雷魔法使いによる高速の撃ちあい。

ワーウルフ「ほぉ。ただの人が魔族である私と渡り合うとは」

雷魔法使い「っっく!!」(これで渡りあえてなど、あ!!)

ズブシュッ!!

弾き損じた爪が雷魔法使いの腹部を引き裂く。

雷魔法使い「っっ!!、あっ、が……」

魔導長「雷魔法使いちゃん!!無属性攻撃魔法、レベル3!!」

ワーウルフ「!!」

ドゴオオオオオン!!
720 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:01:08.85 ID:OzVNifVp0
489

--コロシアム--

魔導長の魔法攻撃は氷の壁によって阻まれる。

サキュバス「……無属性?聞かない属性だねぇ」

魔導長「くっ!」

疾風魔法使い「アンタの相手は私やで!!」

サキュバス「!!上か!」

いつのまにか上空で待機していた疾風魔法使いは無数の風の刃を生成していた。

疾風魔法使い「範囲殲滅風属性魔法レベル4!!」

ビュオオオオオ!!

ミイラ「!!ここは俺が!炎属性防御魔法レベル4!!」

ミイラは空中に炎の壁を作りだした。そして風を受けた炎の壁は、その姿を巨大化させる。

疾風魔法使い「しまっ!!」

ミイラ「自分で肥え太らせた魔法で焼け死ぬといい!!」

ゴオオオオオオオオ!!
721 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:02:51.96 ID:OzVNifVp0
490

--コロシアム--

槍兵「げはっ、ごほっ!……」(くそ、やるしかねぇ。奥の手だから誰かが見てる前でやりたくなかったんだけどよぉ)

ボロボロになった槍兵はそれでも槍を構える。

ヴァンパイア「やれやれまだやるのかい?君のただ鋭いだけの槍じゃどうにもならないというのに」

槍兵「はんっ。こいつを喰らってからもう一度言ってくれぇ!!」

ギィン

槍兵は槍に魔力を込める。

サキュバス「!!これは……」

サキュバスは槍兵のやろうとしていることを理解した。

サキュバス「ヴァンパイア、避けろ!!」

ヴァンパイア「何を言ってるんだいサキュバス。僕にそんなものが」

槍兵「奥義、呪いの槍!!」
722 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:03:39.44 ID:OzVNifVp0
491

--コロシアム--

サキュバス「あれは元々私の奥義だ!!本来は投擲して使うもんなんだが……って」

ヴァンパイア「……ぐふ」

ヴァンパイアの胸部には槍兵の槍が貫通していた。そしてボロボロと崩れ始める体。

ヴァンパイア「ば、馬鹿な!!体が、不死の体が!!……これは波紋!?」

サキュバス(ちぃ。接近戦に独自に改良したのか……中々出来るやつだ)

サキュバスは大きな羽を羽ばたかせて槍兵に接近する。

サキュバス「はんっ、人間の魔力量じゃぁ一回撃ったらガス欠だろう!?」

槍兵「!!俺のこの技を知ってるやつがいるとは驚きだなぁ、っ!!」

ガギィイン!!

サキュバス「どうした?槍に力がのってないぞ?」

槍兵「うるせぇえ!!ごがっ」

ゴシャッ

サキュバスの手刀が槍兵の頭を叩き割る。
723 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:04:26.70 ID:OzVNifVp0
492

--コロシアム--

魔導長「魔族を一体落とせたのは大きかったけど、槍兵君が!」

魔導長は雷魔法使いと疾風魔法使いを回収し、魔力による防壁を張っていた。

ワーウルフ「後は貴女を倒せば怖い人物はいなくなりますね」

ドガッドガガッ

ワーウルフは魔法障壁に攻撃し続ける。

ミイラ「しゃー!!」

ボコッ

秘書「っがはっ!!」

ミイラのかかと落としが秘書の背中に落ちる。

ミイラ「随分と動きが鈍いじゃねぇか。やっぱり人相手じゃないと満足に動けないっての?」

秘書「っぐっ!!」
724 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:05:05.88 ID:OzVNifVp0
493

--コロシアム--

変化師「お、お前の相手はおでだ!!」

左腕を折られた変化師は後ろからミイラに掴みかかった。

ミイラ「ぬおっ!!……しぶといな。筋肉男」

ドガっ!!

変化師「がふっ!!」

ミイラの肘鉄が変化師のアバラを粉砕した。

ミイラ「今度こそ確実に息の根をとめてくれる」

ミイラは変化師の首を握りしめた。

変化師「が、がげっ!!」

秘書「へ、変化師!!」

バキっ

変化師「……」
725 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:06:33.62 ID:OzVNifVp0
494

--コロシアム--

秘書(……なんてこと。このメンツでも魔族四人相手では叶わないの!?)

ヴァンパイア「あー死ぬかと思った」

秘書「!?」

頭をぼりぼりとかきながら、少し小柄になったヴァンパイアが姿を現した。

サキュバス「ん、なんだ、生きてたのかい」

ヴァンパイア「なんだとはひどいね。実際危なかったよ、本体の蝙蝠を逃がしておかなかったら削りきられていたとおもう」

秘書「!!」

魔導長「……一人も、倒せていないの」

秘書(……まだか!!もう、待てない!!)

バヂィイイ!!

ワーウルフの腕が魔導長の魔法障壁を貫通する。

ワーウルフ「やっと障壁に穴があきましたか」

ミイラは秘書の頭部を掴み、持ち上げた。

ミイラ「絶望したか?人間よぉ」

秘書「……っぐ!!」
726 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:07:29.94 ID:OzVNifVp0
495

--コロシアム--

ミイラは秘書を掴んでいる手に力を込める。

ぎしっ

秘書「あぐあああああ!!」

ミイラ「ふん!他の奴らは少しは抵抗したというのに、お前はそんなものなのかい」

秘書「がっぐっ!!……つ、ば……」

ミイラ「あん?」

変化師「ひ、秘書さん……」

変化師は地面を這いずってミイラの足首を掴んだ。

ミイラ「けっ、恐ろしい生命力だな、首の骨折ったはずなのに……大人しく待ってろ、順番にやってやるから」

ドオオン!!

ヴァンパイア「ふっ」

ワーウルフ「さすがに私達三人の攻撃の前には持たなかったようですね」

魔導長「魔法障壁が!!」

サキュバス「はっ!死にな!!」

ザっ

黒づくめの仮面「ヘイ!黒の女王!!準備が整いました!!」
727 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:08:14.36 ID:OzVNifVp0
496

--コロシアム--

ミイラ「なんだあいつ、まだ動ける兵がいたのか」

黒づくめの醜男「黒の女王、いつでも行けますぞ!!」

秘書「……やれやれ。今頃研究員の首を持ってくる頃かと期待していたのに……私の命令とは違うことをしているとは」

黒づくめの仮面「残りの者は依然として命令をこなしております。違反しているのは私達だけ……どうか罰を」

秘書「いえ、ファインプレーというやつですよ。特別に許しましょう」

ミイラ「……なんだこいつ、何を喋ってやがんのだ」

ミイラは自分の掌の中で喋る秘書を気味悪く感じていた。

黒づくめの醜男「では行きますぞ!結界魔法、」

黒づくめの仮面「種族変換領域、人間!!」

ぶぅぅぅぅぅぅん

魔導長「これ……は」

サキュバス「なんだいこの魔法は……なんか、変な感じが」

秘書「……」

秘書は人知れずニヤリと笑った。
728 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:08:53.51 ID:OzVNifVp0
497

--コロシアム--

ミイラ「なんだかよくわからないが、ぐちゃしとくか」

ミイラは腕に力を込め

ミイラ「……ん?」

ることが出来なかった。

ドサリ

ミイラ「!!??な、なに!!俺の腕が斬られてる!!」

秘書「……ふー……」

秘書がナイフを構える。

ミイラ「て、てめぇ!!」

ズバシャッ!!

秘書「……少ないですね、八等分止まりとは」

ミイラ「え」

ミイラは八つの肉塊にされて地面に転がった。
729 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:09:48.42 ID:OzVNifVp0
498

--コロシアム--

サキュバス「なにぃ!!」

ワーウルフ「馬鹿な!!魔族を一瞬で!!」

ヴァンパイア「!?あの女はどこへ行った?」

秘書「貴方の」

ブシッ

秘書のナイフがヴァンパイアを解剖した。

秘書「後ろです」

ヴァンパイア「ごふ」

ドサっ

サキュバスとワーウルフは弾かれるように、秘書との距離を開ける。

サキュバス「ワーウルフ!!」

ワーウルフ「わかっています!!物質生成、小月!!」
730 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:11:20.07 ID:OzVNifVp0
499

--コロシアム--

ワーウルフは小さな月を作りだし、その光を浴びたことにより変貌が始まる。

秘書「よくわかりませんが、もう何をやっても無駄ですよ」

高速で接近する秘書。

サキュバス「氷属性攻撃魔法、レベル2乱れ打ち!!」

バキバキバキバキバキ!!

秘書「!」

空中に逃げていたサキュバスは上空から氷の弾丸を連射する。

秘書「」

しかし秘書はスピードを殺すことなく全て避け、ワーウルフに向かう。

サキュバス「まずい!!ワーウルフ!!」

ワーウルフ「ワオーーン!!」

四足形態になったワーウルフの頭部に

ドブシュッッッ!!

深々とナイフが突き立てられる。

秘書「……三つめ」

サキュバス「くっ!!この短時間で三人も!!」

魔導長「す、すごい……」
731 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:14:08.91 ID:OzVNifVp0
500

--??--

その様子をモニター越しに眺めている研究員。

研究員「はーなるほどー。対人最強の力を持つ秘書さんは、人外との戦闘では実力が発揮できないですからねー……。人間としか相性がよくないのなら、相手を人間に変えてしまえばいい、と」

研究員はにたにたと笑っている。

研究員「やっぱり君の出番は来るかもしれませんねー」

ゴポッ


--コロシアム--

ギャリン、ズバシャッ!!

サキュバス「ぐはっ!!」

右の羽を斬り取られたサキュバスは地面へと降下する。

ドシイイン!!

サキュバス「う、ぐう、人間如きにいいいいい!!」

秘書「……ふふふ」

すたすたと歩み寄る秘書は、眼にもとまらぬ速さでサキュバスの首を跳ねた。

ドッ

秘書(ふふふふふ。気分がいいですね。弱点を克服して無敵になるというのは……。ここまで気分が高揚したのは久しぶりです)
732 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/12(水) 23:16:38.30 ID:OzVNifVp0
わーい二部500行ったよー……長すぎだ!!orz ごめんなさい。

本日はここで終わりにします。また近いうちにこれればなと。

それでは疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございましたm(__)m

次回、アッシュ遂に働く!の巻
733 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 23:29:38.82 ID:R7+E5leno
乙でした
734 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 23:44:42.51 ID:s1e7UFTgo
>>732 乙!
500か……
そういえば、前作から含めるとそろそろ1周年なんだな

アッシュがようやく働くのか……
けど、秘書とかに比べると主人公パーティーはまだまだ弱いよな?
勇者としてまだ覚醒してないよな?
735 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/12(水) 23:51:57.77 ID:e1tqzIEs0
元から最強ぽかった秘書が、公式チートになってらっしゃるww

乙でしたー!
736 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 00:07:45.80 ID:3f7ADIgDO
乙です

秘書頑張りすぎてベジータの予感
737 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 00:23:29.62 ID:70wgIudZ0
サキュバスを相手にするならそれ相応のなんていうかアレな展開をですね
738 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 01:36:40.06 ID:qsuGlP1to
おつ
長くても私は一行に構わんッ
739 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 22:15:21.81 ID:/MnTI0rf0
乙です。
楽しいなー
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

740 :真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
741 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/14(金) 00:35:44.11 ID:hQKY8gPZ0
な…なんなんですか?ここ、どこですか?

……なんちゃって。


本当にすいません!!依頼する前に書きこんでおくべきでした……orz
……あぁあ数少ない見ている方が更に減少……。

ま、それでも新世界でがんばって行きたいと思います!!
よかったらこれからも見てってやってくださいm(__)m


P.S.
サキュバスはしっかりサキュバスしないといけないよねッ!
サキュバス番外編でもまた……いつか……
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 01:03:39.32 ID:Err6391Yo
見てますよー
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 01:30:54.68 ID:lYb7D4qyo
>>741
ちょっと驚いたけど移転してもついてくぜ
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 07:44:57.37 ID:+Bnw6KZdo
みてますよん
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 08:11:59.69 ID:Ql1SqF7AO
5分くらいかかった
746 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:27:13.17 ID:czxnqYs00
こんばんはー!
ありがとうございます、一生懸命書かせていただきます。
それでは移転一発目行きたいと思います。

なうろーでぃんぐ・・・
747 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:32:14.07 ID:czxnqYs00
501

--コロシアム--

研究員『ブラボー!さすが秘書さんですー。そのコンボがある限り、もしかしたらもしかしたら、モノホンの魔王でさえ倒せてしまうかもしれませんですねー』

夕日が差し込み始めたコロシアムに響く研究員の声。

秘書「……次は貴方の番です研究員。今に私の部下が貴方の居場所を突き止めるでしょう」

研究員『えええー!それは怖いですねー。じゃあ第三ステージ始めてもいいですかねー?』

秘書「!?」

その言動には一切の焦りが感じられなかった。
それどころか恐るべき言葉を口にしたのだ。

魔導長「第三……ステージ。!!秘書?さん!今のうちに倒れた人の回復を!!」

秘書「わかっています!!」

秘書は内ポケットから回復アイテムを取り出して変化師に渡す。

秘書「大丈夫ですか?飲み薬ですが根性で飲んで下さい。やはり中から治療する方が効果が強いですから」

変化師「お、おで」

秘書(あとは……槍兵を蘇生させる!!)
748 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:38:31.06 ID:czxnqYs00
502

--コロシアム--

魔導長「雷魔法使いちゃんと疾風魔法使いちゃんも蘇生アイテムで」

魔導長は取り出したアイテムで二人の蘇生を図る。

変化師「ごくっ、ん……お、おで!!」

変化師の体力が全快した。

雷魔法使い「う、うぅん……あ、魔導長……おはよぅ」

疾風魔法使い「ぷあっ!!死ぬかとおもったわ〜……ってあれ、もしかして私、死んでた?……」

槍兵「あー、頭が軽い気がするぜ……ありがとな秘書さんよ」

雷魔法使いと疾風魔法使いと槍兵の蘇生が成功した。

秘書(……よし、次に来るのは恐らく……)

研究員『えー、お待たせいたしましたー。それでは我が国の誇るアイドルグループの登場ですーw』

ドオオオオオオン!!

轟音とともに地面を突き破って飛び出してきた三つの影。

ウーノ「それではよろしくお願いいたしますわ皆さん」

ドゥーエ「手加減しちゃいやだよー!?」

トーレ「……うん、いくよっ」

発光する飛行物体が三体現れた。
749 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:39:18.21 ID:czxnqYs00
503

--コロシアム--

秘書(やはりあれらか……だがこのコロシアムに、種族変換領域の中にいる限りあれらすら人間扱いとなる。私の敵ではないです)

秘書はナイフを構えると変化師に向かって駆けだした。

秘書「変化師!」

変化師は無言で頷くと、指を組んで秘書を待った。

槍兵「はっ、人間カタパルトってか?」

秘書は跳躍して変化師の腕に乗る。

変化師「お、おでええええええええええええ!!」

そして変化師は力の限り秘書を吹っ飛ばした。
空中で待機しているトーレの元へと。

秘書「まずは一つ!」

秘書は振り被って

トーレ「ね、姉さん」

ウーノ「あ、ごめんなさい、忘れていましたわ。アンチマジックフィールド展開ですわ」

ぐにゃり

秘書「え」
750 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:39:58.33 ID:czxnqYs00
504

--コロシアム--

キィン!

秘書「!!」

秘書の攻撃はトーレの左手によって防がれてしまう。

秘書「なっ!!」

魔導長「あの子、今なんて……」

雷魔法使い「アンチマジックフィールドって……!?まずいよ魔導長!私、魔法を使うことができないよ!」

湿布魔法使い「……私もや……。そんな、こんなことがありうるんか?」

ヒュルルルル、ドサっ

落下してきた秘書を変化師が受け止める。

秘書「…………こんな機能まで積みこんでいたのかっ!!」

ウーノ「あらあらっ。なんだか恥ずかしいですわ」

照れながら顔を隠すウーノ。
751 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:41:13.31 ID:czxnqYs00
505

--コロシアム--

槍兵「けっ!!魔力依存の連中は下がってな!あとは俺と変化師がやってやる」

槍兵は長い槍を二、三度回すとウーノに向かって構える。

変化師「お、おで!!」

秘書(……確かに体力消費系のスキルでなら対抗できる……でもそれだけでどうにかできる相手じゃない。やはり魔法は必須、どうにかしてこれを解除しないことには……)

ドゥーエ「あ、ごっめーん、おにーちゃん!!やる気出してるところ悪いんだけどさっ、アンチスキルフィールド展開っ!」

ぐにゃぐにゃ

秘書「……」

魔導長「……」

雷魔法使い「……」

疾風魔法使い「……」

槍兵「……」

変化師「お、おで」
752 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:47:03.58 ID:czxnqYs00
506

--コロシアム--

実況「な、なんとおおおおおおおお!!三技のうちの二つが使用不能になってしまったあああああああああ!!これは絶対絶命だあああああああああああ!!!!!」

トーレ「あ、はい」

申し訳なさそうに手をあげるトーレ。
そんなトーレはみんなの注目を自分に集めると、

トーレ「……アンチオーギフィールド」

ぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃん



西の王「ば、かな!!」

ダンっ!!

テラスの柵を叩く西の王。

西の王「馬鹿な!!人の持つ技を全て使用不能にしただと!?……なら人間は通常攻撃のみで、あの機械兵士と戦わねばならないというのか!?」

研究員『あ、ちなみに第四ステージまであるので、さっさと突破して見せてくだしあー』

場の空気に似つかわしくない、能天気な声が響く。

ウーノ「さて、二人とも?戦闘準備をしましょうか」

ガシャンガシャガシャ

ウーノの右腕はみるみるうちに形状が変わっていき、

ウーノ「右腕攻撃パーツ、M134、準備完了ですわ」
753 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:47:48.40 ID:czxnqYs00
507

--東道--


その頃、コロシアムに向けて集結しつつある集団があった。

ザザザザッ

細身の盗賊「こっちの道でいいんですか?」

?「えぇ、占いによるとこのルートが一番人と接触しないハズです」

赤顔の盗賊「うちの部隊長の占いは世界一ィィィ!!」

?「そ、そんなことありませんよぉ。予言者様に比べたら私なんて」

鶏盗賊「そうコケッ。占隊長にそこまでの力はないコケッ」

?改め占隊長「……」

ぶちっ

鶏盗賊「い、痛!?我輩のとさか、あ、……あれ?」
754 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:48:40.24 ID:czxnqYs00
508

--西道--

ザザザザッ

四、五人から構成される少数グループ。
それらが各方面から、一挙に中央のコロシアムへと駆けている。

ザザザザッ

??「私達が最初に魔王の骨を奪い、あの方に献上します。わかりましたか?」

刺青盗賊「いわずもがなっ!忍隊長!!」

サングラス盗賊「忍び隊長率いるこの部隊こそが最強であると知らしめてやりましょう!!」

??改め忍隊長「……よろしい。全てあの方のために」


--南町の上空--

バサバサッ

???「……憎き西の王国……」

西の王国上空を、筋骨隆々な鷲の亜人が部下を連れて飛んでいた。

???「……行きますよ、飛行部隊……」

雀亜人「了解ちゅん!鷲隊長!」

???改め鷲隊長「……ふしゅるぅ〜」
755 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:49:08.64 ID:czxnqYs00
509

--骨董通り--

金髪「アッシュ君、アッシュ君。なんか私、嫌な予感するっす」

アッシュ「あ?……縁起でもないこと言うな、シネ」

金髪「し、死ねとかひどいっす!!……あ、あのコロシアムに、なんかすごいのがいる気がするんす」

アッシュ(すごいの?……亜人の感覚で何かを感じ取ったのか?)

ぎゅっ

金髪はアッシュの腕をつかんだ。

金髪「い、行っちゃいけないす!」

アッシュ「あ、こら!離せ!」

金髪「離さないっす!……行ったら死んじゃうっすよ。アッシュ君の手に負えるレベルじゃないんす!!」

アッシュ「金髪……」

フードが頭からずり落ちるほど必死に懇願する金髪を見て、アッシュは立ち止まった。
756 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:50:39.29 ID:czxnqYs00
510

--骨董通り--

アッシュ「……バカか」

金髪「へ……?」

アッシュ「なら尚更俺が行かなきゃいけないだろ」

金髪「な、なんでっすか!?」

アッシュ「だってあいつらがもしあそこにいたらピンチだろ。強い俺が助けてやらなきゃあな」

金髪「……」

アッシュ「……っち、心配するな、お前も一応守ってやる。こ、この数日間一緒にいた間柄だからな!!」

か、勘違いしないでよねッ!?とアッシュ。

金髪「……うぅ。本当に危ないんすよぉ」

ザザザザッ

そこに、

伊達男「うむん?……あれは……」

顔長盗賊「どうしましたか副部隊長?……子供?」

アッシュ「!?」(なんだこいつら……こんなに近くに来るまで気配を感じなかった!?)

金髪「あっ!!」

伊達男「……こんなところにいたのか」

伊達男は金髪を見て苦々しくつぶやく。

アッシュ「お前ら……なんか用か?」

伊達男「いや少年、君には用が無い。用があるのはそっちの少女の方なのだ」

アッシュ達は砂漠の風構成員達と接触した。
757 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:52:13.28 ID:czxnqYs00
511

--骨董通り--

アッシュ「金髪に、用……だと?……ッ!」

金髪「……」

金髪はそっとアッシュの後ろに隠れた。

アッシュ(まるでこいつを知っている見たいな言い草じゃないか)

金髪はアッシュの後ろで、フードを深く深く被り直した。

アッシュ(……そうか見られたのか。亜人を差別する団体……ではないだろう。そんな奴らがここまで肉体を鍛えているものか……それに金髪のこの態度……)

金髪「……ッ」

アッシュ(十中八九、砂漠の風!!)

伊達男「なぁ少年、君が後ろに匿っている少女は俺の知り合いなのだ。いやよかった。無事で何より。知り合いの家から突然いなくなったと聞いて捜し回っていたんだ」

伊達男は人当たりの良さそうな顔で、アッシュ達に近づいていく。
758 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:53:24.29 ID:czxnqYs00
512

--骨董通り--

黒肌盗賊「副部隊長……?」

伊達男「今までずっと一緒にいてくれたみたいでご苦労。迷惑をかけたな。後は俺が引き受けよう」

伊達男は腕を広げてアッシュにアピールする。

アッシュ「……ごくっ」

伊達男「ん、そうか……面倒をかけた礼をせねばな。多少少ないが取っておいて欲しい」

伊達男は財布を取り出した。

アッシュ「……金髪、こいつらなんだな」

金髪「……」

伊達男「そうさ。俺はその子の知り合いで」

アッシュ「こいつらが砂漠の風なんだな?」

伊達男「っ!!」

爺盗賊「こやつ、わしらのことを!」
759 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:55:37.62 ID:czxnqYs00
513

--骨董通り--

伊達男「……まさか後ろの少女から聞いたのかな?」

アッシュ「どうなんだ、金髪!」

金髪「そ、そうっす!!こいつらが砂漠の風っす!!」

シャキイン

アッシュは腰からナイフを引き抜くと構えた。

アッシュ「……まさかこんなガキの自由まで奪うような組織だとはな……」

伊達男「?何を言ってるんだ、俺は」

アッシュ「悪党の言葉など聞かず!こいつは……渡さない!!」

金髪「アッシュ……君。砂漠の風なんかと関わりあいになりたくない、って言ってたのに……」

伊達男はナイフを構えるアッシュを見てため息をついた。

伊達男「……はぁ。ならばよろしい。なに、こんなことになるんじゃあないかと予想していたよ……。じゃあ力付くで行かせてもらうとしよう。正義吐く力無き少年よ!!」

伊達男はステッキを取り出した。

伊達男「お前達は手を出すなよ?」
760 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:57:09.95 ID:czxnqYs00
514

--骨董通り--

キィンガキィン!!

アッシュ「ぐっ!」

伊達男「遅い、遅いよ少年!!」

数度の打ち合いの後、弾き飛ばされるアッシュ。

ドガッ!

アッシュ「がはっ!!」

伊達男「ほらほらほら、休んでいたら追撃がくるぞ!」

アッシュ「!!」

ドズ!

振り下ろされたステッキを紙一重で交わすアッシュ。
そのステッキが地面に刺さっているのを見て恐怖を感じる。

アッシュ「ああああああああああああ!!!!」

アッシュは立ちあがると、伊達男に向かって突進した。
761 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:58:06.82 ID:czxnqYs00
515

--骨董通り--

アッシュ(副部隊長でこれか!!)

ギィン!!

アッシュの渾身の一撃をいともたやすく防いで見せる。

伊達男「ふむ。土属性攻撃魔法、レベル2」

もこもこ

アッシュ「!?がはっ!」

ドゴ!

盛り上がった地面がアッシュの腹部を強打する。
衝撃で蹲りそうになるアッシュの顔面を伊達男の右足が蹴りあげた。

ゲシ!

金髪「アッシュ君!!」

その勢いを利用してバク転で距離を開けたアッシュは、口元の血を拭った。
762 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 00:58:52.03 ID:czxnqYs00
516

--骨董通り--

アッシュ「……ぐ」

伊達男「どうしたのだ少年、魔法は使わないのかね?スキルもだ」

伊達男はステッキを回しながら歩み寄る。

アッシュ「……使っていいのかよ」

伊達男「無論。むしろ使わなければ君に勝ち目は無いと思うが?」

アッシュは横目で金髪を見る。

金髪「?あ、アッシュ君?」

アッシュ(金髪がいなけりゃ……)

伊達男「……ふむ。どうやら使う気がないようだ」

伊達男はステッキに魔力を込めた。

伊達男「ならば、君にステッキな一撃をプレゼントしよう」
763 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 01:00:02.49 ID:czxnqYs00
517

--骨董通り--

伊達男がステッキを上段に構える。

金髪「!!それは、アッシュ君逃げてっす!」

アッシュ(バカ野郎、逃げたらお前捕まっちまうじゃねえかよ)

金髪「アッシュ君!!……もしかしてあたしがいるから力出せないっすか!?そんで防戦一方だったすか!?なら大丈夫っすよ!!だってあたし亜人す!たいていのことには耐性あるっすよ!!」

アッシュ「!!……そういやそうか……まぁただ負けちまうのもいやだしそうするしかなさそうだな……」

そう呟いたアッシュの両手が紫色に変色し始めた。

伊達男「?……これは……」

アッシュ「毒属性攻撃魔法、レベル2!!」

ドジュウ!!

アッシュの手のひらから打ち出されたものは、ヘドロ状の猛毒だった。
764 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 01:01:05.68 ID:czxnqYs00
518

--骨董通り--

伊達男「っ!!」

伊達男はかろうじてその攻撃を避けた。

伊達男「……少年。この属性は……」

黒肌盗賊「毒……属性?」

金髪「アッシュ……君……」

アッシュ「……」

黒肌盗賊「……はは。毒属性なんてそんな属性あるわけないよ、なぁ爺。火水風土氷雷の六属性だもんな」

爺盗賊「……」

伊達男「……欠陥属性遺伝者《ラッカー》か……」

顔長盗賊「??ラッカー、って、なんですかそれ」

爺盗賊「……人類が昔扱っていた属性は六つ以上だと言われておるんじゃ。ただ今残っている六属性以外はな、人類の進化の過程で不要とされたのか、自然に無くなっていったという説がある……」

アッシュ「……」
765 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 01:04:17.73 ID:czxnqYs00
519

--骨董通り--

爺盗賊「だが今の世になっても、極稀にそれらの属性を持って生まれてくる子がいるんじゃよ。悲しいかな」

伊達男「その確率はおよそ千人に一人。……なるほど、君はどうやらこちら側に属すべき人間のようだね」

アッシュ「……なに?」

伊達男「我らはユートピアを作ろうとしているのだよ。何の差別も無い国をね」

アッシュ「!!」

伊達男「君の生い立ちを知るわけではないが、君も差別されて生きてきた口ではないか?ラッカーの社会での地位は亜人並なのだし」

金髪「アッシュ君……」

アッシュ「余計な心配だな、そんな差別など受けていない……」

伊達男「……本当かい?」

アッシュ「くどい!」

ガキィン!

アッシュ「何を思うところがある!?こんな強い属性、他にはない!」

ドジュルル

伊達男「っ」
766 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 01:06:35.93 ID:czxnqYs00
520

--骨董通り--

黒肌盗賊「あいつ!水属性攻撃魔法、レベル1!」

横から放たれた水の弾丸。

アッシュ「!?」

アッシュはなすすべも無く吹き飛ばされる。

バシャッ!

アッシュ「ぐ!」

伊達男「手を出すなと言っただろう!」

黒肌盗賊「!!す、すいませんつい……」

アッシュ「……ち」

アッシュは立ち上がり、再度臨戦態勢を取る。

伊達男「……しかしやはり不便なものだ。そんな欠陥属性じゃなければ、この程度の魔法攻撃を防ぐこともできたろうに」

アッシュ「ッッ!」

伊達男「六属性は例え相性が悪かろうと、ある程度は闘うことができる。更に欠陥属性はサイクルに含まれていない……故にどの属性の弱点も突くことができないのだ」

伊達男は無表情で語る。

伊達男「毒で水の攻撃は防げまい。毒で土の攻撃は防げまい」
767 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/15(土) 01:08:52.38 ID:czxnqYs00
本日はここで終わりにしたいと思います。
また近いうちに来る予定です。

それでは疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

次回、ツインテ……?の巻
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/15(土) 01:20:03.88 ID:H6Yamk7+0
前勇者パーティは三本角とかと比べたらどのくらい強いんだ?
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 07:05:53.97 ID:8t+i/kd9o
湿布魔法使い「……私もや……。そんな、こんなことがありうるんか?」

ちょっと笑った
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 12:10:08.95 ID:pN9fRY+SO
ああこれが前言ってた特殊な属性か

>伊達男「?何を言ってるんだ、俺は」
本当に何を言ってるんだよwwwwww
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 16:37:50.70 ID:GSINx/yno
乙!GEPの一覧になくなってたから驚いてこっち検索したぜ;

>>770
アッシュにセリフを遮られただけだろww
772 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2011/01/17(月) 01:12:11.94 ID:TCMNVtoDO
お返事だけしにきました。大体な感じで表しますと、

勇者〉〉越えられない壁〉〉五柱(平均値)〉盗賊王≧疑似魔王踊子〉三強系(平均値)=魔法使い≧闘士≧踊子〉盗賊〉〉〉賢者


な感じですが、貧乳さんは精神に枷があるので、常にフルパワー出せない感じです。
前勇者パーティは一応死線を幾度か越えているためなんだかんだで強い方です。三部終盤状態です。
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 20:16:21.20 ID:xnIlXJKAO
もうすぐ最初のスレから一年かぁ
毎日更新してないか見に来てるぜ!
ってか、賢者とか盗賊の再出演がないのか気になる
774 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:03:31.58 ID:yLUH+LPn0
もう一年……懐かしいような早いような。もうそんなに経ったのですね……
とりあえず今までのキャラは全員出す予定ではあります。どんな形であれ……ね!

あ、こんばんは。ちと遅い時間帯ですが投下しに来ました。それではいきまーす!
775 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:04:08.15 ID:yLUH+LPn0
521

--骨董通り--

アッシュ「……まぁそうだな。お前の言うとおりだ。俺の属性では魔法攻撃を防御することなんてできはしない。物理攻撃ならまだ対策はあるがな」

金髪「じゃ、じゃあなぶり殺しにされちゃうっす!!」

アッシュ「だけどお前ら、毒属性を使うやつと戦ったことがあるか?」

伊達男「いや。ただでさえ数の少ないラッカーだ。この時代で、他に毒属性ラッカーが存在するかどうかすら怪しい……」

アッシュ「そうだ。一生に一度会うか会わないかってレベルの属性なんだ。そんな属性の対策なんてとるか?」

シュー

伊達男「む」

アッシュ「得意な属性には万全を期した闘い方を、優劣無しの属性には工夫が必要だ、弱点属性には他よりも重点的に思考を巡らす必要がある。だが、ラッカーなら?」

爺盗賊「……」

アッシュ「所詮ラッカー、無対策でもどうとでもなる、そんな考えを持ってはいないか?」

シュー

伊達男「……そこに付けいる隙がある、と」

アッシュ「そうだ、弱者故に、弱者過ぎるがゆえに無警戒。だから俺は最強なんだ」

黒肌男「うっ……」

バタリ

黒肌男が突然ふらつき始めて、ついには倒れてしまう。
776 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:05:09.74 ID:yLUH+LPn0
522

--骨董通り--

伊達男「!?どうしたのだ!?おい!」

シュー

アッシュ「そして俺は勇者候補だ」

アッシュはお構いなしに話を続ける。

アッシュ「勇者として覚醒した暁には、六属性が解放されるという……そうしたら俺は、人類史上初の、七属性を持つ勇者となる」

爺盗賊「ら、ラッカーが勇者になれるわけ、ぐっ」

バタリ

金髪「……」

その光景をアッシュの後ろから見ている金髪。

伊達男「!……ぐ、な、なんだ、俺も視界が」

顔長盗賊「ふ、副隊長」

バタリ

アッシュ「馬鹿め……」

伊達男「しょ、少年、時間稼ぎ、だったのか……長々と、喋っていたのは……」

シュー

アッシュ「当たり前だ。そんなペラペラと戦闘中に喋ってたまるか。毒属性範囲攻撃魔法、レベル3」

伊達男「毒ガス、こうげk」

バタリ
777 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:06:07.82 ID:yLUH+LPn0
523

--骨董通り--

金髪「え?ど、毒ガス攻撃!?こ、怖いっす!!……今はなんともないっすけど」

アッシュ「安心しろ、お前は風上だから大丈夫だ。解除」

シュー……

金髪「す、すごいっす!!砂漠の風の副部隊長達をやっつけちゃったっす!!」

アッシュ「まだ死んじゃいねぇよ」

アッシュはナイフを持ち直して、伊達男達のもとに近づいた。

金髪「!?あ、アッシュ君!!何をするつもりっすか!?」

アッシュ「何って、殺す」

金髪「!!」

アッシュ「俺の属性もばれた、今の攻撃方法もばれた。次はこんな手を喰らう連中じゃない、今やっとかないと俺が危ない」

金髪「だ、駄目っす!!」

がばっ

アッシュ「どわ!!な、何をする!!HA☆NA☆SE!!」

金髪「もうやめてアッシュ君!とっくに伊達男達のライフは0よ!」

アッシュ「いや残ってるし!だからこれから止めを!」

金髪「アッシュ君が人殺しなんてしちゃダメっす!!」
778 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:06:34.08 ID:yLUH+LPn0
524

--骨董通り--

アッシュ「金髪……」

金髪「あ、アッシュ君、いい人っす。こんなあたしにもやさしくしてくれたっす。それに、さっき言ってたじゃないっすか!勇者になるって!勇者が人殺しだなんて駄目っす!!」

アッシュ「……っく」

アッシュはなぜか金髪の腕を振り払えずにいた。

アッシュ「だが、今後自分の身が」(仲間の命も危うくなっちまう!)

金髪「それなら、それならまた返り討ちにできるくらい強くなったらいいっすよ!!」

アッシュ「!!」

金髪「誰も殺さず、誰よりも強くなればいいんす!!」

アッシュ「……出来るかそんなこと」

金髪「出来るっす!!アッシュ君らしくないっすよ!!」

アッシュ「……はぁ」

アッシュはナイフを鞘に戻す。

チン

アッシュ「やる気無くなった。仕方ないからやめてやる」

金髪「アッシュ君!」
779 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:10:02.54 ID:yLUH+LPn0
525

--骨董通り--

ガバッ!

金髪はアッシュに飛びついた。

金髪「えへへー!やっぱりアッシュ君はかっこいいっす!!」

アッシュ「うるせえ!当たり前だ!!そして離せ!!」

タタタタタッ

二人がリア充しているとそこに、

レン「はっ、はっ……!!」

血濡れの服をきたレンが駆けてきた。
それを見たアッシュは驚きを隠せない。

アッシュ「れ、レン!!お前どうしたんだそれ……何があった?」

レン「あ、あっ詩ゅ。あっしゅ」

アッシュはふらついたレンの肩を抱く。

アッシュ「どうした!?何があった!!ツインテとポニテは!?」

レン「はっ、はっ……アッシュ、つ、ツインテ達を、助けて」

アッシュ「!?」
780 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:10:36.34 ID:yLUH+LPn0
526

--骨董通り--

アッシュ「一体何が……」

金髪「この子相当弱ってるっス……それなのにここまで走って……」

アッシュ「っ……」

レン「はぁっ、はぁっ」

レンは辛そうに息をしながらアッシュの服を掴んだ。

アッシュ「レン!」

レン「ポニテが、さらわれたの」

アッシュ「!!」

レン「レンは、やられた……それで今ツインテが、追ってる……けど」

レンはポロポロと涙を流す。

レン「ツインテも、やられちゃうよ……!!お願い、アッシュ、ツインテを助けて……。ツインテは今、右腕がない」

アッシュ「……な」
781 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:11:03.61 ID:yLUH+LPn0
527

--骨董通り--

レン「ツインテは、レンを助けるために、自分の右手を犠牲にしたの……早く、港町へ……」

アッシュ「……」

金髪「アッシュ君、いってあげるっす」

アッシュ「金髪……」

金髪「あたしはもう大丈夫っす。風の砂漠もあたしを探しにきているわけじゃなさそうっすから、路地裏に隠れてればきっと大丈夫っス」

アッシュ「……」

アッシュは倒れている伊達男達を見る。

アッシュ「悪いがそうさせてもらう。戦いが終わったら、路地裏でまた会おう」

アッシュはそう告げるとレンを抱えた。

金髪「……うん、待ってるっすよ」

金髪は笑顔で手を振った。

タタタタ!

アッシュ「レン、とりあえずお前を宿屋に運ぶ!」
782 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:12:31.68 ID:yLUH+LPn0
528

--骨董通り--

金髪「……」

金髪はアッシュ達が見えなくなるまで手を振っていた。

伊達男「げほっ、ごほっ」

と、その時、伊達男が咳をしながら立ちあがった。

金髪「……」

伊達男「やれやれ……毒ガス攻撃とはね。奥歯に仕込んだ中和剤が無かったら俺までやられていたところだ……部下にも薬を飲ませてやらなければね」

伊達男はいそいそと薬を取り出して部下たちの口元に持っていく。

伊達男「あんな感じでよかったでしょうか?」

金髪「まぁまぁの演技だったっすよ。咄嗟にしては上出来っす」

伊達男「やれやれ……まさか抜け出したと思ったらこんな所にいるとは……」

伊達男は頭を抱えるポーズ。

金髪「だが色々とおもしろかったっす。この数日間は」

人間というのもまだまだ捨てたものでは、と金髪。
783 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:13:24.58 ID:yLUH+LPn0
529

--コロシアム--

バルルルルルルル!!

眼帯観客「ひぃ!!げっ!」

バルルルルルルル!!

裸観客「こ、こんなことがっ!!」

バルルルルルルル!!

槍兵「ちっ、くしょおおおおおおおおお!!」

血まみれの槍兵は槍を抱えてウーノ達に突進する。

ドゥーエ「あれー!お兄ちゃん死んで無かったんだ?死んだふりしとけばいいのにっ!ばっかだなー!w」

ドゥーエの銃口が槍兵に向いた瞬間に、槍兵は走りの角度を

ドゥーエ「ロックオーン、バキューン!」

バルルルルルルル!!

抵抗空しく、槍兵は一瞬でミンチにされてしまう。

秘書「魔法も、スキルも、奥義も封じられて……勝てるはずがない……」

ドバッ!

流れ弾に当たった秘書の頭部は吹き飛んだ。
784 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:14:02.43 ID:yLUH+LPn0
530

--コロシアム--

盾男「ちぃ!すげぇことになってやがる!!」

チュンチュンチュン!!

再びコロシアム内部に戻ってきた盾男達は地獄を見た。

弓女「っつ!!しかもここでは魔法も使えないようだしよぉ!!どうすんだ!!」

斧女「どうもしませんよ、私達は西の王が持っている魔王の骨を奪うのみ」

トーレ「あれ?まだピンピンしてる人間がいる」

彼らの頭上に現れたトーレ。

盾男「!!」

トーレ「私お掃除が得意なんだよ?家庭的でしょ?」

トーレが銃口を向けた。

ドジュウウ!!

トーレ「あっ!?」

その時トーレの肩を光線が撃ち抜いた。

ウーノ「なにやつですわ!?」
785 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:14:51.85 ID:yLUH+LPn0
531

--コロシアム--

ウーノ「あれは……」

ドゥーエ「かっくいー!!」

トーレ「……アセモ先輩?」

包帯女「ちょっと、皮膚疾患みたいな名前で呼ばれてるわよ?」

テンテン「偉大なるアシモ先輩の名を間違えるとはとんだスクラップだ」

義足「やれやれひどい状況に出くわしちゃったな……まぁでも不謹慎だが俺達にとっちゃ仕官のいいチャンス。てかテンテン喋れたの!?」

二階観客席からの砲撃、それを放ったのはテンテンだった。

テンテン「修復モード終了、通常モードに移行する」

バキャッ

アシモの殻を破り、中からテンテンが姿を現す。

ウーノ「!……私達と同じ機械兵士?」

ドゥーエ「検索終了ー、該当無しだってー!ってことは」

トーレ「私達より後に作られた機体?」

魔導長「仲間……なの?」
786 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:15:41.91 ID:yLUH+LPn0
532

--コロシアム--

盾男(今の攻撃、俺達を守ってくれたと考えていいのか?)

弓女「盾男」

盾男「しっ……不意を突くチャンスはきっとくる。今は協力してこいつらを倒したほうがいいかもしれない」

斧女「既に私達も標的としてカウントされていそうですし。妥当でしょう」

トーレ「……勝てる気でいるんですか?」

研究員『あららー。まさかまだ機械兵士が残ってただなんてー。しかもちゃんと稼動してるなんてすごいですねー。誰かが直したんですかねー?』

義足「西の王様!!お願いがございます!!」

西の王「……ん?なんだ」

義足「もし我々がこの者達を打倒した暁には、我ら三人を三本角にしていただきたい!!」

変化師「!!」

魔導長「倒す……?そんなこと……」

西の王「あ〜……さっき二人決めちゃったから後一枠しか空いてないんよ。だから一人でよければ」

包帯女「えぇ!?」
787 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:16:46.05 ID:yLUH+LPn0
533

--コロシアム--

義足「ってか軽いな!!……それに一人だけかぁ……」

西の王「……それよりも本当になんとかできるのか?こいつらは我が国の最高戦力で挑んでも太刀打ち出来なかったのだぞ?」

包帯女「そのことでしたらお任せ下さい。そのためのテンテンです」

いつのまにかサングラスをかけていた義足と包帯女。

テンテン「結局私まかせか。やれやれ。だがまぁ、私としてもアシモ先輩を侮辱されて黙っていることはできない」

ジャキジャキィン

テンテン「戦闘モードに移行完了、テンテン、出撃する」

シュイー

宣言したテンテンが発光したかと思うと、

ガっ

ウーノ「!?」

一瞬で移動したテンテンはウーノの頭部を掴んでいて、

テンテン「どっせえええええええええええい!!!!」

ブンっ!!

遥か彼方に向かって放り投げた。

ウーノ(くっ、早いっ!!)
788 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:17:31.87 ID:yLUH+LPn0
534

--コロシアム--

バシュッ

それを追って飛び立つテンテン。

トーレ「姉さん!!」

ドゥーエ「ブン投げられたー!!」

りゃにぐ

魔導長「!!常時発動魔法が動いてるなの!!」

雷魔法使い「魔法が使える!魔導長」

疾風魔法使い「アンチマジックフィールドとかいうセコ技の範囲圏外になったんや!!」

変化師「お、おで!!どのみち魔法むり!」

ドゥーエ「どうする?トーレちゃん。ウーノちゃん飛んでっちゃったけど」

トーレ「……後を追おう。姉さんだけじゃまずいかもしれない。私達対機械兵士用の装備じゃないもの」

ドゥーエ「そうだね!じゃあ一時休戦だよ!!」

バシュバシュっ!!

西の王「なに?」

二人はウーノ達を追って飛んでいく。
789 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:18:12.63 ID:yLUH+LPn0
535

--港--

賭博師「ふぃ〜。ネムレシアの粉をこれだけ嗅がせとけば一日くらい持つだろ」

調教師「……くちゃっくちゃっ」

人気が少なくなった港で、小さな船にポニテを乗せている賭博師達。

賭博師「……しっかし驚いたぜ。まさかお前が血だらけで帰ってくるとはよ。まぁ相手の血なんだろうが……」

調教師「……くっちゃくっちゃ」

調教師は無表情で何かを噛んでいる。

賭博師「……ポニテをさらう時に止められたのか?ヤッたのか?どいつをだ?」

調教師「……猫です」

賭博師「なるほど、そうか」

賭博師は調教師の頭に手を乗せる。

ぽん

賭博師「うし……夜になる前に出るぞ」

調教師「……くちゃくちゃ」
790 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:19:04.22 ID:yLUH+LPn0
536

--港--

賭博師「ほれ、手伝ってくれ調教師、モンスター使ってもいいからさ」

調教師「……」

賭博師「おいこら、返事しやがれ。お前だって早いとここっから出てきたいだろう?」

調教師「……ご主人様」

賭博師「なんだよ、ほら手を……お」

ツインテ「……」

二人は港の入口付近にいるツインテを見つけた。
距離にしておよそ100メートル。

賭博師「追って来たのか……って右腕……なんだお前、レンだけじゃなくてツインテも壊してたのか?」

調教師「いいえ……」

賭博師「となると……まぁいいか。あれも売払うか?それとも撃退するか?」

ツインテ「……」

調教師「……!pきゅあらうあいう9!!」

調教師が超音波を発すると、

ゴオッ!!

空から羽の生えたゴリラが降ってきた。

ツインテ「……」
791 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:19:31.25 ID:yLUH+LPn0
537

--港--

羽ゴリラ「うほほほー!!」

賭博師「つっ!……ちっ、まさかあいつ呼ぶとは思わなかったぜ。胸糞悪くなるもん見ることになるのはぁ……。俺は船ん中入って準備してるからな」

賭博師はそう言うと船の操縦室に入って行った。

ツインテ「……」

ズシ、ズシッ

羽ゴリラの巨大な腕で行うナックルウォーキング、その凶悪な重量は、通った道をでこぼこにへこませていく。

調教師「……やっちゃってくださいまし」

羽ゴリラ「うほほほー!!」

ボコボコボコボコ!

羽ゴリラはドラミングをした後、構えもしていないツインテに飛びかかった。

ツインテ「……」

バギっ!!!!



賭博師「ほれ調教師、もう行くぞ?あのゴリラならもう終わってんだろ?あのアホゴリラの死体で遊ぶ癖はやめさせてくれって……あ?」

操縦室から顔を出した賭博師の上を越えて、

バッシャーーーーン!!

羽ゴリラが海に着水した。
792 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:20:15.96 ID:yLUH+LPn0
538

--港--

調教師「っ!」

賭博師「なっ……嘘だろ?まさかツインテが吹き飛ばしたのか?体重1tもある羽ゴリラを!?」

ツインテ「……」

カッカッ

ツインテは、ゆっくりとした歩調で賭博師達に近づいていく。

残り80メートル。

賭博師「……才能はあると思ってたがよ。羽ゴリラをこの短時間でどうにかするのは簡単じゃねぇぞ?」

調教師「ぁ8479あ3874うhg29!!!!」

ツインテ「……!」

調教師は再び超音波を発する。
すると現れたのは、

デカモグラ「もぎゅー!!」

四足金魚「ぎょえええ!!」

ドッ!!ゴッ!!

賭博師「!?」

ツインテに飛びかかった瞬間、二体のモンスターは吹き飛ばされる。

バシャバシャーン!!

残り60メートル。
793 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:21:27.25 ID:yLUH+LPn0
539

--港--

賭博師「……見えたぜ。賭博師の目はごまかせねぇ……ツインテ、あいつグローブつけた拳でぶん殴ってやがる。どっからあの破壊力が生まれるんだ?」

調教師「あ、あ、あああ!!08いうれhんが9うぃうじぇkjlk2あ!!!!」

三度超音波、主人のピンチと駆け付けたのは羽を持つ四体のモンスター。

右牛「ぐもおおおお!!」

左牛「ふもおおおお!!」

赤コンドル「ぴやあああ!!」

屍コンドル「あ;0489がおい!!」

ツインテ「……」

ドッ!ガっ!ズガっ!ゴンっ!

バシャバシャバシャバシャーン!

賭博師「……っ!!」

調教師「はぁ、はぁっ!!……ぐぅ!」

賭博師「なるほど……自身の魔力をわざと暴発させることにより破壊力を手に入れてるわけか……それによって損傷した箇所も瞬時に修復させてやがる……」

ツインテ「……」

残り40メートル。
794 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:24:42.18 ID:yLUH+LPn0
540

--港--

調教師「うああああああ!!来て!!バジリスク!!」

バサッ

バジリスク「ギャオオオオオオオ!!」

調教師の悲鳴をかけつけ、天空より小型の竜種が飛来する。

賭博師「!!いきなり切り札のバジリスクかよ!!あいつはまだお前も使いこなせて」

メギッ

ツインテ目がけ落下してきたバジリスク、それに合わせたツインテの拳は見事バジリスクの顔面を捉え、

バッシャーン!!

ツインテ「……」

残り20メートル。

賭博師「な、りゅ、竜種すら退けるだと?」

調教師「そ、そんな……」

ツインテ「……なんで……こんなことをするんですか」

賭博師「っ!!」

ツインテ「どうして、ポニテさんをさらったり、レンさんを……レンさんをあんな目に合わせたりしたんですか……!」

残り、

ツインテ「なんでこんなことになっちゃったんですかっ!!」

ドッ

ツインテは一足で船の上空にまで跳ぶと、膨大な魔力を込めた左の拳を船に叩きつけた。

バガアアアアアアアアアアン!!!!

賭博師「ぐあぁ!?」

調教師「きゃあああ!!」

ツインテ「貴方達は……」

舞い散る船の破片は次々に海へと落ちていく。

ツインテ「……お前達は『俺』が殺す」
795 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/20(木) 02:28:51.94 ID:yLUH+LPn0
本日はここで終わりにしたいと思います。
今度こそ近いうちに……!

それでは疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

次回、人の造りし××?の巻
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 03:30:17.22 ID:fPYeyoJho
ツインテ…女の子が俺なんて使っちゃ…
あ、乙です
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 10:49:40.13 ID:iTTQfRZAO
ツインテ△
乙です
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 11:17:58.91 ID:CCi4TmyFo
ツインテ△
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 18:07:52.56 ID:7EnQgPcJo
乙乙!
まったくwwktkさせてくれるぜ
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 21:48:44.90 ID:evYA/tyAO
乙!ツインテかっこよすぎ!
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 00:17:33.49 ID:aVOtVJaxo
>>795 乙!
調教師がくちゃくちゃしてたのはまさか……
次も楽しみだ〜!
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 17:11:31.99 ID:SK8sSjmHo
スキルと奥義の詳しい説明が欲しいです
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 20:03:52.51 ID:RDSy7knAO
魔法は【属性】に応じて、魔翌力を消費して使える技。『単体』『範囲』『範囲せん滅』など。レベル4が最高。レベル5が最強。
スキルは【職業】に応じて魔翌力や体力を消費して使える技。
奥義は【個人】に応じて体力や魔翌力を消費して使える技。自分で編み出すか、伝授される以外では習得できない。奥義が使えないと半人前。

以上ウソつきました。正しい回答は過去のスレに書いてありますよ。
804 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 02:12:46.33 ID:NCzNCRs/0
>>802

○スキル:体力消費のものが大半です(魔法の魔力消費と差別化したかったというのが本音。実際は出来ていない)。実際は魔力消費のものばかり出てきていますね。あと常時発動スキルとかあります。これは名前の通りずっと発動してます。これで魔力消費し続けたせいで死亡、というのはないです。危険域までいくと自動でスキルが止まります。スキルもレベル制にしようかな、今更過ぎるですよね。

魔法:魔法です。魔力消費のしかないです。説明不要。new 常時発動魔法もあるよ!
あと魔法は魔力を属性細胞に通すと属性が発現うんちゃら。なので属性細胞を通さないというめんどくさいわりにはメリットが少ない手順を踏む(むしろ骨の折れる荒業)と無属性になります。

奥義:その人個人しか使えない必殺技。編み出すか、誰かから伝授(この場合複数人使える)、もしくはパク(ryオマージュする。基本的に体力か魔力(あるいは両方)を大量消費して発動します。その変わり威力、効力は絶大(ホントニー?)。奥義を習得すると一人前とみなされます(ホントニー?)。

という過去レスからの引用です、が!
803さんの説明が素晴らしいのでそちらの方が十二分にわかっていただけるかと。
803さん、ありがとうございました!嘘なんですか!?
805 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 02:14:02.18 ID:NCzNCRs/0
初期(没)設定お披露目コーナー

Qw0「今回のコンセプトは萌え!」



ツインテ「絶対嘘だ……」
806 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 02:15:23.98 ID:NCzNCRs/0
こんばんは!日本やりました!
日本代表があんなにがんばったのに私が頑張らないわけにはいきません!

完全に書き終わってないので少しづついきたいとおもいます。
なうろーでぃんぐ
807 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 02:21:04.98 ID:NCzNCRs/0
あ、ちょっと設定がみっかったので投下。

魔力というエネルギーを、属性細胞に通すことで属性が発現する。これは空気を吸うのと同じように当たり前で自動的に行われる。無属性魔法は属性細胞に魔力を通さずに体外へ出す高等技術。ただしえらく面倒くさいわりにはメリットが無いに等しい。属性耐性で軽減されなくなるが、弱点をつくことは出来ないし、追加効果も得られない。
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 02:23:49.29 ID:axzVLGbxo
まだかなまだかなwwwwww
809 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 02:31:02.16 ID:NCzNCRs/0
541

--港--

バチィ!!

突如、ツインテの髪を結わえていたリボンが弾け飛ぶ。

バサッ

ツインテの髪型がロングヘアに変わる。

ほくろ通行人「拘束具が!」

短髪通行人「拘束具?」

ほくろ通行人「そうよ。あれはリボンではないの。ツインテ本来の力を私たちが押え込むための拘束具なのよ」

港の通行人がなんか喋りだした。

ほくろ通行人「その呪縛が今、自らの力で解かれていく…私たちには、もうツインテを止めることはできないわ…」

調教師「誰ですかあなた達……」
810 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 02:37:24.60 ID:NCzNCRs/0
542

--港--

ツインテ「はぁ〜……さいっあく。さしもの俺でも無からは作りだせねぇってのによ」

ツインテは自分の右腕があった場所を見て、憎々しげに吐き捨てる。

賭博師「お前……お譲ちゃん、ツインテだよな?」

ツインテ「はぁ?見て分かんねぇのかよ?あと呼び捨てにすんじゃあねぇ。ツインテ様だ。さ、ま!!」

賭博師「……」

調教師「……」

二人は変貌したツインテを見て驚いた。

賭博師「二重人格者か……」

ツインテ「ちげぇよタコ。教えてやる気もねぇけど」

賭博師「く、口悪いなぁ……あの大人しくておしとやかで幼くて、妹にして可愛がってやりたくなるようなツインテが……好きな奴がいたら泣くぞ?」

ツインテ「はっ、あめぇ。ドMの変態豚野郎が泣いて喜ぶ仕様だろ?」

ツインテはいい感じの見下した表情。

賭博師「……世も末だ……天使が悪魔に変わろうとは……断じて言うが、前の方が需要は多いぞ?」

調教師「ご主人様、なんですかその姿。いつのまにそんな格好になったんですか」

気付けば賭博師は裸で、縄+変なマスクをつけて正座していた。
811 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 02:43:06.47 ID:NCzNCRs/0
543

--港--

賭博師「はぁはぁ!!」

ツインテ「……いや引くわ」

ツインテのゴミを見る目攻撃。

賭博師「ふぉぉぉ!!」

賭博師のテンションが上がった。涎をまき散らしながら。
いわゆる我々の業界ではご褒美です。

調教師「……」

賭博師は知らないことだが、ゴミを見る目だったのでは一人では無い。



その頃水面を漂うポニテ。

ちゃぷちゃぷ

ポニテ「むにゃむにゃ。レンちゃんおいしーぬ」
812 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 02:48:09.14 ID:NCzNCRs/0
544

--港--

ツインテ「……なにはともあれ、だ。俺の右腕が無くなったのは、お前達が原因なわけだ」

ズズズ

賭博師「!!」

調教師「!!」

凶悪な敵意を持った魔力が空間を支配していく。

ツインテ「ポニテがさらわれたのも、レンが脳みそいじくりまわされたのもどーでもいい。そんなこたぁどーでもいい。ただ俺の右腕が無くなっちまったのがっ、むしょーに腹が立つ!」

ぎちぎちぎち

魔力がまるで意志があるかのように動きだす。

ツインテ「だからお前ら……万回死ね」

ズズン!

ツインテの魔力が空間を完全に制圧した。

賭博師「なんだ……生暖かい感じが」

調教師「……これは……」

ツインテ「奥義、絶対回復領域」
813 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 02:54:10.40 ID:NCzNCRs/0
545

--港--

賭博師「回復……領域?」

ツインテ「……そうだな、説明してやるか。絶対回復領域は、俺を中心にした、半径一キロ以内で起こる全てのダメージを瞬時に回復させる」

賭博師「?治療用の奥義とは珍しいな……だが」

ツインテ「これは心優しーーい俺様が密かに考えて作り出した奥義。誰も傷つけない、傷つけさせないための力」

ツインテは船の残骸から陸地にジャンプする。

ツインテ「だが本来は、だ。ものは使い用って言うだろ?悪用してやるよ」

ドッ

ツインテは自分の足元で魔力を暴発させ、目にもとまらぬ早さで移動した。

メギャッ!!

そしてツインテの拳をモロに受けた賭博師の顔は、一切抵抗すること無く破裂した。

じゅる

調教師「!!」

しかし一瞬で再生される。
814 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:01:35.52 ID:NCzNCRs/0
546

--港--

調教師「……回復魔法や蘇生魔法が技術革新で革命的に早くなったと言っても……これは早すぎる」

賭博師「はっ、はっ……俺は、今」

グシャ

再び潰れる賭博師の頭部。そして瞬時に治る。

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

修復されては破壊される顔。殺されては生き返らせられる賭博師。

賭博師「がぼっ!?こ、こんな!」

ツインテ「はっ!自分の脳汁で溺れかけるとかイカしてんなぁお前!!」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

調教師(死んでいる間はもちろん思考出来ない。思考出来るのは再生されて意識が繋がる一瞬だけ。そんな短時間で何かできるの……?その意識は断続的に繋がっているの?)

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

調教師「パターン入った」
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 03:10:42.05 ID:457HuOOVo
乙です
ツインテ△
816 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:11:12.10 ID:NCzNCRs/0
547

--港--

アッシュ「はっ、はっ……は?」

やっとのことでツインテを発見したアッシュは自分の目を疑った。
なにせあの可愛らしい、花も恥じらうようなツインテが、

ツインテ「ひゃははは!!」

とか言いながらマウントで賭博師の頭部を破壊し続けているのだ。

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

アッシュ「……人違いカナー?」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「あぁーすっきりするぜ!どうだ?俺の拳の味は!!」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

アッシュ「……人違いだといいナー」
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 03:11:16.36 ID:457HuOOVo
ぼーっと読んでる間に投下が始まっていただと・・・
いろいろと申し訳ない
818 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:14:43.65 ID:NCzNCRs/0
548

--港--

ツインテ「もう一個教えてやんぜ。この奥義の悪用ってのはよ、相手に死ぬほどの苦痛を何度も味わわせるためだけにあるんじゃあない。知ってっか?回復魔法の原理ってやつを」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「まぁ知らないよな。知るはずがない。ごく一部の魔導書や、偉い奴くらいしか知らないことだ。世間には公表されない秘密の一つってやつ?」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「回復とか蘇生っておかしいよなぁ。簡単すぎねぇか?そんな簡単に治らねぇだろ普通。簡単に人が生き返るわけねぇだろ」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「だからこれも当たり前。回復とか蘇生魔法ってのはな、そいつの残りの寿命削ってんだよ」

調教師「!?」

アッシュ「!?」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!
819 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:22:55.15 ID:NCzNCRs/0
549

--港--

ツインテ「魔法なんて魔の法って書くくらいなんだ、魂を代価に発動しててもおかしかねぇだろ?それ以上の見返りは貰ってるはずだ。ただ攻撃よりも回復のほうが魔法は不得意だった、って話だ」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「攻撃魔法を使う時も回復魔法を使う時も、少量だが寿命は削られる。まぁ許容範囲だ。生きてりゃ寿命は削れてくもんだ。ただ回復魔法は、対象者の寿命も削るのさ。怪我のレベルによって変わってくるが……蘇生なんてしたら寿命がどれだけ縮むのか……なっ!」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

調教師「や、やめろー!!」

その説明を聞いた調教師は目の前の状況を理解し、ツインテに飛び掛かる。

アッシュ「!ツインテ!!」

ツインテ「おっと、そういやレンをいじくったのはお前だったんだっけ?つい殴りやすそうな顔してたからこっちをやっちまったが」

シュルル

ツインテの右腕があった部分から水の触手が伸びる。その数、八本。

調教師「あっ!!」

調教師は触手に巻き付かれてしまい、なんとか抜け出そうと藻掻く。

ツインテ「水属性拘束魔法、レベル3。お前も見てるだけじゃ退屈だったか?世界でここでしか味わえないアトラクションだもんな。いいよ、お前にも死の味を教えてやるよ」
820 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:23:34.34 ID:NCzNCRs/0
550

--港--

ミチッ

調教師「!!っぎ!!」

ツインテ「なんだよ。ただちょっと、上と下に引っ張っただけじゃねぇか」

ぎち、みちち

アッシュ「つ、ツインテ……」

ツインテ「あ?なんだいたのかお前。何しにきたんだ?」

賭博師「はっ、はっ……」

ツインテ「おっと、手を休めちまった……ってお前どっかでみたことあるツラだと思ってたが、あれか、東の王国の第一王子じゃねぇか」

アッシュ「!?」

調教師「……ごしゅ、じんさ……」

ゴシャッ!

ツインテ「高貴な血筋をもってるくせに何してんだか。王族の面汚しが」

ゴシャッ!

調教師「や、……め」
821 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:24:27.94 ID:NCzNCRs/0
551

--港--

アッシュ「ツインテ、もう十分だ……やめろ」

ゴシャッ

ツインテ「あ?……何言ってんだお前。随分甘いこと言うようになったじゃねぇか。お前なら確実に命取りに行くだろ?」

ゴシャッ!

アッシュ「……せめて一撃で楽にしてやれ」

ツインテ「ファック」

ゴシャッ!

ツインテ「よりによってこの俺様にたてついたんだ。万回死ぬしかねぇ」

ゴシャッ!

アッシュはツインテの左腕を掴む。

ツインテ「……なんだよこの手」

アッシュ「そういう役は俺の役だ……でもツインテ、お前はしちゃ駄目だ……駄目だ」

ツインテ「……意味わかんねー」
822 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:25:09.55 ID:NCzNCRs/0
552

--港--

賭博師「っ!!」

アッシュがツインテを止めたこの一瞬、賭博師は最後のチャンスとばかりに、

賭博師「奥義、上位地形変化、賭博場!」

ぎゅわわ!!

賭博師の奥義が発動し、空間の色を変えていく。

アッシュ「これは……」

ツインテ「ちっ、お前が余計なことすっから反撃させちまったじゃねぇか!」

ゴイン

ツインテの拳は賭博師に当たる寸前で止まる。

賭博師「はっ、はっ……これからは攻撃をするにもサイコロを振ってもらおうかい、お嬢ちゃん」

ツインテ「……ち。なにが上位地形変化だよ。俺が出した魔力を上書きして使いやがって……ただの便乗野郎じゃねぇか。賭博師なら自分のベットくらい出しやがれ」

賭博師は上に乗ったツインテを押し退けた。
823 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:25:56.82 ID:NCzNCRs/0
553

--港--

賭博師「さて、この賭博場は1対1専門なんだ。出てってもらおうか」

グン

調教師「!?」

アッシュ「な!?」

アッシュ達は見えない力で、フィールド外にまで投げ飛ばされた。

ツインテ「サシだぁ?生意気だなぁ……だがまぁ受けてやるよ、そういや船での借りをまだ返して無かったしよ」

賭博師「グッド!」

投げ飛ばされたアッシュは体勢を立て直してツインテのもとに行こうとするが、

ヴヴヴ

特殊な力でさえぎられてしまう。

アッシュ「ツインテ!!くそ!中に入れない!!」

調教師「……っ、バジリスク!!」

バジリスク「ぎゅああ!!」

バシャッ

海から牙の欠けたバジリスクが飛び出した。
824 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:26:45.55 ID:NCzNCRs/0
554

--港--

調教師「よかった……バジリスクは耐えてた!」

アッシュ「げっ!?竜種!?」

アッシュはあからさまにビビった。

アッシュ(調教師って竜まで操れるのか?……いやいや無いだろ、階級が上の奴は操れない!!竜種なんて第一階級、頂点捕食者じゃねぇか……)

調教師「……なんで、って顔しています、ね」

調教師はバジリスクの頭を撫でながらアッシュに話し掛ける。

調教師「人は竜種を操ることは出来ない、それが通説です。私だって竜種はきついです。なんてったって捕食者と被食者の関係なんですから」

アッシュ「亜人だから……いやそれじゃ理由としては弱いか」

アッシュは、話を伸ばして対抗手段を考える時間を稼ぎに入る。

調教師「えぇ……でも当たらからずも遠からず。正解は私が特別な猫亜人だから」

アッシュ「なるほど……聞いたことがある。猫亜人の三大稀少種は、それぞれ特別な力を持っている、と」

アッシュはばれないように掌に毒を溜め始めた。

調教師「詳しいですね。そう、私はその一つ、紅蓮。有する力は、言葉を使わない相手とも会話が成り立つ」

アッシュ「痛い妄想とかじゃなくて?」

調教師「妄想じゃなくて」
825 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:27:54.16 ID:NCzNCRs/0
ファファファ555

--港--

調教師「だからこの子も私に従ってくれてるわけではないんです。私を理解して……友達になってくれてる」

アッシュ(一瞬痛い子かと思ったけど……それが本当なら、やばい。竜とさえ仲良くなれるだなんて)

アッシュは焦りを感じ、次なる話題を探す。

アッシュ「……なんでポニテをさらったんだ。レンにだってなぜあそこまで」

調教師はアッシュの質問を聞くと、目を見開いた。

調教師「あの子は私のことがわからなかった。いや本来ならわかるはずだった。あの子は私。稀少種がどんな扱いを受けるか。誰かの保護が無かったら、私達なんて路傍に落ちた宝石。宝石と例えてはいるけどそんなにいいもんじゃない。綺麗じゃない」

ぶつぶつと呟き始める調教師。

アッシュ「あ、やばいこいつ」

調教師「……。なんでこんなことするかって?アタリマエ。ご主人様のためだから。……というのはタテマエ。本当はね、私みたいな生き物をたくさん作りたかったから」

ケタケタと笑い始める調教師。

調教師「私達紅蓮種はモンスターや動物と意志疎通が出来る。でも、その中でも私は特に力を貸してもらえる!すごいでしょ!えへへ!!みんな言うんだよ、誰も何もそんなこと喋ってないのに!!カワイソウカワイソウっていつも言って!」

ケタケタケタケタ
826 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:28:54.42 ID:NCzNCRs/0
556

--港--

バジリスク「ギャオ?」

調教師「うん、大丈夫です!じゃあバジリスク、あの人を殺して」

アッシュ(遂に来るか……!とりあえず目を見ちゃ駄目だったんだよな!?バジリスクってのはよぉ!)

バジリスク「ギャオオオオオオオオオオオオ!!」

バサッ

バジリスクは羽ばたくと、アッシュ目がけ飛翔する。

ゴォオオオ!

アッシュ「う、おおおおおおおお!!」

アッシュはなんとか転がってその攻撃を避ける。

アッシュ「移動速度上昇、レベル3」

アッシュは転がりながら魔法を唱え、立ち上がると同時に調教師に向かって駆けだす。

アッシュ(竜種なんかと戦えるか!このまま本体を叩く!!)

アッシュはナイフで調教師を切り裂いた。

ズバッ!!

調教師「……!」
827 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:29:36.63 ID:NCzNCRs/0
557

--港--

切り裂かれた調教師はよろめくと、人のものとは思えない奇声を発した。

調教師「ぎみゃああああああああ!!」

アッシュ「くっ!?これは確か移動速度を低下させる奴!!」

うにょうにょ

調教師の姿が変貌していく。

幻覚使い「ぎみゃぎみゃ」

アッシュ「!?」

調教師「ごめんね幻覚使い……後でちゃんと治療してあげるから。バジリスク」

幻覚使いの後ろから出てくる調教師。

アッシュ(しまった!こいつ、全然冷静だった!影武者なんて作ってやがった!!)

振り向こうとしたアッシュの背中を、バジリスクの紫色の爪が切り裂いた。

ズバシャッ

アッシュ「がはっ!!」
828 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:30:41.49 ID:NCzNCRs/0
558

--港--

賭博師「では賭けをしよう」

ツインテ「だりぃ。やだね」

賭博師「……」

ツインテ「それよりここのルールを教えろよ。賭博場って言うからには相手にちゃんと説明するんだろうなぁ?」

賭博師「やれやれ、まぁその通りだ。ルールは簡単、賭けをしよう」

ツインテ「……結局か」

賭博師「お譲ちゃんが勝負に勝てばポニテは返す。だが負けた場合はあの猫亜人ちゃんをもらう」

ツインテ「はっ、そんな賭けかよ。やれやれいいぜ」

ゴイン!

ツインテの拳は賭博師の眼前で止まる。

賭博師「いきなりかよ……もうちょいとルール聞いてくれねぇかな」

ツインテ「だっりぃな……早くしろ」

賭博師「う、うん」
829 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:31:49.18 ID:NCzNCRs/0
559

--港--

賭博師「ここ賭博場での戦闘は完全ターン制になる。そして毎ターン一度だけダイスを振って攻撃の成否を判定する。失敗したら何があっても攻撃出来ない」

ツインテ「まじかよ……」

ツインテは心底めんどくさそうな表情で賭博師を見る。

賭博師「おっふぅ!……で、それとは別に二つ特殊サイコロがある。これは自分のターンでのみ使用できるサイコロと、相手ターンのみ使用できるサイコロだ。ここまでは大丈夫かな?」

ブルブルと震える賭博師は勢い余って尿が出る。

ぼわん

ツインテの前に三つのサイコロが出現した。そしてツインテはそのダイスに書かれていることを把握する。

ツインテ(こざかしい手だな。だが自分の領域で戦えるというのは非常によくできてやがる)

賭博師「サイコロに何が書かれているかも理解したな?」

ツインテ「あぁ、とっとと始めようぜ」

賭博師「む……ちゃんと聞いとかないと損をするのはお譲ちゃんだぜ?まぁいいやじゃぁ先攻後攻を決めるコイントスだ」

ピン

賭博師「表or裏?」

ツインテ「うらぁ」

賭博師がゆっくりと手をどけると、コインは表をさしていた。

ツインテ「よし、ずっと俺のターン!」

ゴイン!

賭博師「めちゃくちゃだこの子!!」
830 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:33:01.99 ID:NCzNCRs/0
560

--港--

賭博師「まずは先攻俺のターン、ダイス1をダイスロール」

カラコロン

賭博師「出た目は2。ちなみに偶数なら攻撃できて奇数は出来ない。6なら3ターン振らずに攻撃できて、1なら3ターン攻撃できない。オーライ?」

ツインテ「見りゃわかる。書いてあるもん」

賭博師「じゃあ自分のターン中なのでダイス2をダイスロール」

カラコロン

賭博師「出た目は4。ちなみに偶数なら戦闘力が2倍になって、奇数は2分の1。6なら最大強化、1なら最弱低下。オーライ?」

ツインテ「……ピキピキ」

賭博師「ふぅ。まぁ女子供を殴る趣味は無いんだがよ、いっきまーす」

賭博師は振り被った。
ツインテはそれを見てとっさにガードするが、

バギっ!!

ツインテ「っ!!」

賭博師「ガードは出来ない。確実にHITするからな」

ツインテは口の血を拭う。

ツインテ(ってぇ……こいつ!!)
831 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/22(土) 03:40:25.96 ID:NCzNCRs/0
人造魔王「ふざけんな!!予告詐欺、いくない!!」


そんな叫びが聞こえてきたとかなんとか。
本日はここで終わりにしたいと思います。

それでは疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

予告

女の子と交わした約束を果たすために東京大学合格を狙うアッシュ。しかしそう簡単に上手くいくはずが無く二浪。そんな彼が行き着いた場所は女子寮だった。

ツインテ「新しい管理人さんですか?」

新たな出会いに心弾むアッシュ。この女子寮は彼にとっての楽園になるのか?

次回「不法侵入」


ツインテ「当たり前のようにボクは女子寮にいるんですね」
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 03:48:55.25 ID:Wyhw3KY1o

ツインテええええええええええ俺をなぶってくれえええええええええええ
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 04:16:22.14 ID:jYNXbotA0
終わりがないのが終わり
それが絶対・回復・領域!
おつ
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 04:25:44.20 ID:fuOZMYTdo
>>831 乙!
始めのころはポニテ>レン>アッシュ>ツインテだったのに
暴走ツインテ>>アッシュになったのか……アッシュ頑張れ

そういえばレン以外の過去は出て来てないな。ツインテは身分高そう
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 11:00:40.33 ID:Wbfq7aZSO
人造魔王がやさしくて萌えた
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 14:32:49.59 ID:44D2lL8Eo
乙!!
アッシュも少しずつ過去を見せてきたね
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 04:39:05.90 ID:KOJdFg4go
乙!暴走ツインテもこれはこれ好きだぜ・・・

>>836
今回アッシュの過去に触れる様なのあったっけ?
「東の国の第一王子」の事なら賭博師の事だと思うが・・・
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 13:18:10.02 ID:+ZNgNAlDO
乙乙

やっと見つかったw
続きが読めて良かったw
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 00:34:19.59 ID:czzCM5be0
ツインテが元のキャラに戻れるかが心配だ…。

乙でしたー!
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/26(水) 22:06:25.83 ID:7TB0ix+e0
ツインテ・・・
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/26(水) 23:30:14.19 ID:lPfLsdf1P
ツィンテェ…
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/27(木) 18:12:50.05 ID:076Wcd150
盾男達と戦った時って、
ツインテは今みたいな状態だったのか?
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 03:58:11.83 ID:abkA+y7a0
>>1
今回出てきた人造魔族って、大勇者のパーテイーが魔族になってたら・・・みたいな感じ?
サキュバス=大魔法使い ワーウルフ=大盗賊 ミイラ&ヴァンパイア=大剣士or大賢者みたいな
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/28(金) 15:12:29.40 ID:+II7v0Tp0
人造魔族のサイズがわからん
秘書がミイラの掌の上に乗るってミイラどんだけでかいん?
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 21:17:59.32 ID:9eRnGSwj0
前回もサキュバスとか出て来たけど
強さどう?同じくらい??
同じくらいなんだとしたら、品乳パーティつええな
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 21:24:41.53 ID:EVCO3bkAO
サキュバスとワーウルフって[勇者募集してたから王様に会いに行った]のキャラと一緒?あと、受付と秘書って同じではないの?
847 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 00:47:02.83 ID:IGZfHZM80
皆さんこんばんは!お久しぶりです……本当に。
日本代表やりました!すごいですね!ぜひ優勝してもらいたいです!
現在ssは編集作業中です。1時までには随時投下していきたいと思います。よろしくお願いいたします。m(__)m


>>836
東の国の第一王子 という説明に関してでしたら、837さんのおっしゃっている通りでございます。ちょっとわかりづらかったです。申し訳ないです。

>>842
ちょっと濁します。でも俺モードでは無かったですよ。暴走モードか。

>>843
そうです!全員分の死体回収した研究員がいじくりまわしてできました。

>>844
ミイラの掌の大きさは、秘書の頭部をすっぽり包めるくらいの大きさです。ちょっと大男な感じです。あれ!?描写ミス!?

>>845
大体同じくらいです。ただ記憶とか人格とかちょっといじってるので完全に同じとは言えないですね。

>>846
サキュバスとワーウルフは同じ死体から作ったものですね。ほぼ一緒です。
受付はジョブチェンジして秘書になりましたので、同一です。

848 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 00:59:42.52 ID:IGZfHZM80
561

--港--

賭博師「さぁ次はお嬢ちゃんの番だ。振りな、サイコロを」

ツインテ「……」

ツインテは無言でサイコロを手に取った。

ツインテ(だりー。この空間維持に使われてる魔力を暴発させてやろうかと思ってんだが、一度勝負を受けたらそういうことはできないらしいな)

カラコロン

出た目は4。

賭博師「50%とはいえ引きが強いな」

ツインテ(なんとか途中で見つけるしかねぇ)

続いて二つ目のダイスを振った。

カラコロン

出た目は3。

ツインテ「!」
849 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:10:21.65 ID:IGZfHZM80
562

--港--

賭博師「残念、攻撃力は二分の一、だ。さぁいつでもいいぜ?きな」

賭博師は右の頬っぺたを突き出した。

ツインテ「ってめぇ!」

ツインテが激昂し、左腕を振りかぶった瞬間、

賭博師「……いややっぱり怖いな。ダイス3を振らせてもらうぜ」

賭博師はツインテのターンにサイコロを振った。

ツインテ「なにっ!?」

カラコロン

出た目は6。

ツインテの確実にヒットするはずの攻撃は空振りした。
850 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:17:53.51 ID:IGZfHZM80
563

--港--

賭博師「ダイス3は相手ターンのみ振れるダイスさ。偶数なら回避できるって寸法よ」

ツインテ「……!」

賭博師「まぁ奇数だと受けるダメージが倍になっちまうんだけどな」

ツインテ「汚ねぇぞ、さっきいいやがれ!!」

賭博師「やれやれ、説明を切り上げさせたのはお嬢ちゃんだぜ?それにダイス2とダイス3は必ず振らなきゃいけないわけじゃないからなぁ」

ツインテ「……」

賭博師「じゃあ俺のターン。同時に振るか」

カラコロンカラコロン

賭博師「ダイス1は6。ついてるぜ、これで俺は3ターン必ず攻撃出来るわけだ。ダイス2は2。威力も倍でハッピー」

ツインテ「……ダイス3」

カラコロン

ツインテ「っ……5かよ」

賭博師「あらら。じゃあ倍の倍で4倍ってことで。いくぜ?」

ドバギッ!!
851 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:21:35.51 ID:IGZfHZM80
564

--港--

ツインテは強烈な一撃を受け、フィールドの壁まで吹き飛ばされた。

ダンッ

ツインテ「がはっ!」

壁にぶつかり崩れ落ちるツインテ。

賭博師「ほらお嬢ちゃんさっさと立ちな。自分のターンは1分しかないんだぜ?」

ツインテ「ぐっ……」

ツインテはふらふらと立ち上がる。
顔面への一打はツインテの脳を揺らしていた。

ツインテ(賭博師自体は攻撃力が低い……だが攻撃力を上げてのノーガードアタック……そして)

ツインテはダイスを振る。

カラコロンカラコロン

賭博師「お!あー惜しい。ダイス2は6だけど、肝心なダイス1が1とはな。これでお嬢ちゃんは3ターン攻撃出来ない」

ツインテ「……っ」

カラコロン

賭博師「連続攻撃中なのでダイス2しか振らないわけだが……出た目は6、悪いなお嬢ちゃん」
852 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:22:30.30 ID:IGZfHZM80
565

--港--

賭博師の右腕が筋肉ムキムキに変貌した。
体との比率がアンバランス過ぎて非常に気持ち悪い。

ツインテ「……ダイス3」

カラコロン

出た目は1。

賭博師「……これはちょっときついぜ?4倍に2倍で夢の8倍って奴よ。……まぁこれで意識は無くなっちまうだろうな」

ツインテ「……この賭博場とやらは、運まで操作してやがるみてぇだな」

賭博師「気付いた?さすが。これは俺の運を上昇させて相手の運を下降させる力もあるのさ。だから」

ジリ

賭博師「この中に引きずり込めば、例え勇者だろうが魔王だろうが、俺の敵じゃないのよ」

ジリ

ツインテ「はっ。お前じゃ勝てねぇよ」

バグシャッ

ツインテの頭部は砕け散った。
853 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:24:01.24 ID:IGZfHZM80
コロロ

--港--

調教師「……ご主人様の方は決着がついたのでしょうか。外からでは確認できませんから……」

バジリスク「ぎゃお」

調教師はバジリスクの首に寄り添うように立っている。そして足下には倒れたアッシュが。

調教師「……そういえば名前も知らなかったですね。ふふ。でも中々素敵な死に様だと思いますよ?」

アッシュ「……」

調教師「バジリスクの毒を受けると体は麻痺して動けなくなり、徐々に体が溶けて死に至るんです……ふふ。蘇生魔法も効かないんですから」

アッシュ「……」

調教師「……行こう、バジリスク」

バジリスク「ぎゃお」

調教師とバジリスクが賭博師の方へと向かう。
854 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:25:39.50 ID:IGZfHZM80
567

--港--

調教師「……?そういえばあれだけ時間が立っているのに、少しも溶けて」

振り返った調教師は、

アッシュ「!!」

ガシッ!

アッシュに捕まり盾にされる。

調教師「!?な、なんで動けて!!」

アッシュは毒を帯びたナイフを調教師の首元に。

アッシュ「俺にはどんな毒も効かない(嘘だけど)。俺の体に流れてるのは血じゃなくて毒だからな!(嘘だけど)」

調教師「そ、そんな」

バジリスク「ぎゃお!」

アッシュ「ばっ!やめろくんな!!こいつの命がどうなってもいいのか!?」

アッシュの勇者らしからぬ脅し。
855 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:27:35.46 ID:IGZfHZM80
568

--港--

バジリスク「ぎゃ、ぎゃお!」(訳・お、おのれ卑怯だぞ人間!!)

アッシュ「卑怯でケッコー、コケコッコー!!」

バジリスク「ぎゃおぎゃお!!」(訳・おにゃのこを人質にするなんて……それでも男として恥ずかしくないのか!!)

アッシュ「うるせー!!俺に取って自分の命以上に大事なおにゃのこなんてツインテしかいないんだよ!!」

バジリスク「ぎゃおーん」(訳・なにをー!?何開き直ってんだよ、ばーかばーか!!調教師ちゃんだって負けず劣らずいい子なんだぞ!?可愛いし!!)

アッシュ「は〜?こいつのどこがいい子なんだよ!?知ってんだぞ、こいつのやったこと!!それに可愛いってのは今関係無いだろ!!しかし猫亜人のロングヘアーって見たことなかったけど、ヤバイ可愛いな!!」

調教師「なんでバジリスクと普通に会話出来てんですか!?紅蓮種でもないのに!!」

バジリスク「ぎゃぎゃお!」(訳・でしょ!?可愛いよね!!毎日しっかり手入れしてるからさらさらだよ!!)

アッシュ「なんだと!?どれ……」

チン

アッシュはナイフをしまって、調教師の髪の毛を指で味わった。

アジアンー

アッシュ「……やばこれ……指先が幸せ。すっげさらさら……」
856 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:28:29.21 ID:IGZfHZM80
569

--港--

バジリスク「しかもすごい良い匂いするんだよ!」

調教師「普通に人語喋っちゃった!?」

驚きの連続、ギャグパート。

アッシュ「ど、どれどれ」

アッシュは調教師の髪の毛に顔を埋めた。

アッシュ「すーはーすーはー!!」

調教師「ひゃああん!!やだぁー!!な、なんですかこの人!!ちゃんと私のこと人質として扱って下さい!!」

カオスなセリフが飛び出す。

バジリスク「ぎゃお?」(訳・どや?)

バジリスクのどや顔も飛び出す。

アッシュ「……やばい。なんか匂いだけでぼっ○する」

調教師「シリーズ最高レベルの変態だー!!」
857 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:29:25.76 ID:IGZfHZM80
570

--港--

バジリスク「ぎゃこうがにんぽうちょー」(訳・わかるわかるwwしかも着痩せするタイプだからわからないだろうけど、中々ナイスバディなんだよ調教師ちゃんは!)

アッシュ「……ごくり」

アッシュは調教師の背筋を伸ばして、胸を強調させてみた。それを調教師の顔横から見下ろすアッシュ。

調教師「ち、ちょっと貴方たち」

アッシュ「……いーい張り具合だ……む!?こ、これで着痩せしているだと!?ばかなっ!!」

バジリスク「ぎゃおす」(訳・にやり)

アッシュ「あ、ありえん……これが大人のお姉さんの魅力ということか……いくらポニテが多少あると言っても所詮は子供……」

調教師「!?鼻血がどばどば出てる!!死ぬよ!?」

アッシュを横から見ると、徐々に



の形になっていく。男の悲しい定めである。
858 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:30:21.00 ID:IGZfHZM80
571

--港--

バジリスク「ぎゃれおん」(訳・くっそー!調教師ちゃん人質にされちゃあ手を出せないよ!僕の大事な人だしね!!くっそー。それでもしおっぱいをポロリなんてされようものなら、僕は完全に手出しが出来なくなっちゃうぜ!!)

調教師「意味わかんない意味わかんない!!何言ってるのか全然わかんない!あとわざとらしく振るなー!!」

アッシュ「くそ!!本当はこんな人間の屑のような行いはしたくないんだが、竜種と戦わずにすむのならやるしかねぇ!!ホント仕方ない!!仕方なさすぎてヨダレがでる」

アッシュはおもむろに調教師のメイドエプロンに手を伸ばす。

調教師「えっ、えっ!?こんな下らないことでR-18化!?やめた方がいいよ!?今作ってるらしいSS-WikiにR-18タグついちゃうよ!?」

アッシュ「むしろ本望」

むしろこのSSの項目は作られない可能性すらある。

アッシュ「はぁ、はぁ」

バジリスク「はぁ、はぁ」

調教師「ひぃぃ!!ら、らめえええええええええ!!」
859 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:31:50.52 ID:IGZfHZM80
572

--港--

アッシュ「……という夢を見たのさ」

調教師「…………」

アッシュ「長い三点リーダーはやめてください。まるで夢じゃなかったように思われるじゃないですか」

調教師「……………………」

アッシュ「な、なんもしてないだろ!?さもなにかがあったような無言はやめてください!!」

調教師「胸、尻、太もも……」

アッシュ「意味深にそういうキーワード言うのやめて!!」

バジリスク「ぎゃおん」(訳・横島……)

調教師「……バジリスク、貴方は貴方で、普段私と話している時とは全く違う性格でしたね」

バジリスク「ぎゃおぎゃお!!」(訳・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!)
860 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:32:49.58 ID:IGZfHZM80
573

--港--

調教師「……」

ビリ

アッシュに解放された調教師だったが、今、彼女は体の自由が効かない。拘束された際に麻痺毒を流し込まれたのだ。
そして……

調教師「あんなものを飲ませるだなんて……」

アッシュ「的確に言ってくれないと俺の立場が本気で危うい」

アッシュは調教師に毒の玉を飲ませたのだ。毒の玉は遠隔操作で外隔を壊すことができ、そうなれば中の毒液は……。

調教師(っく、行動が封じられた……)

アッシュ「あとは大人しく見てな。警備隊に引き渡すまでな」

バリン

その時、賭博場のフィールドが破壊された。それはつまり、賭博場内での決闘が終わったと言うこと。

アッシュ「ツインテ!?」

中から現われたのは無傷の賭博師。
そして

賭博師「やれやれ。無意味な殺生は好きじゃないんだが」

頭部を破壊されたツインテが地面に横たわっていた。

アッシュ「!!!!」
861 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:34:37.74 ID:IGZfHZM80
574

--港--

ぺた

アッシュは亡骸になったツインテを見た瞬間、膝をついた。
まだ蘇生の余地はあるにもかかわらず。

調教師(それだけショックが大きかったってことですか……)

調教師はバジリスクに目で指示を出した。

調教師(今なら、やれる)

バジリスク「ぎゃお」

バジリスクはアッシュの後ろから近づいていく。

賭博師「なんだ。そっちも決着がつきそうだな」

あ゛あ゛

調教師(?一体なんの音?)

あ゛あ゛あ゛あ゛

賭博師「……これは」

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

アッシュ「……ツイ……ンテ」

ツインテ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

賭博師「なにぃぃ!?」

ツインテの死体が賭博師の後ろに立っていた。
その姿は異様。
上顎から上が無いのにかかわらず立っている。
862 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:35:26.73 ID:IGZfHZM80
575

--港--

賭博師「なん……だこりゃ」

ありえない光景に賭博師は息をのむ。

バシュン

そしてなんと、

ツインテ「ひゃははは!!」

ツインテの飛び散った肉片が一瞬で集まり、元の状態に戻ったのだ。

賭博師「!?なっ、か、確実に殺したはずだ!?賭博場は片方が死なない限り解除されない……!」

ツインテ「あ?死んだよ。死んださ。盛大に脳漿ぶちまけた」

賭博師(そうだ、幻覚などでごまかしたりは出来ない。賭博場で詐欺は出来ない!なら、どうやって)

ツインテ「なんでもかんでも喋るかよ、ちったぁてめえで考えやがれ」

ツインテは左拳を突き出した。

ツインテ「……お前に勝ちは最初から無いわけだが?まぁせいぜい俺を楽しませるためにもがけ。第二……いや第三ラウンドだぜ詐欺野郎!!」
863 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:35:59.37 ID:IGZfHZM80
576

--コロシアム--

研究員『あれまー、ウーノさん達どっか行っちゃいましたねー。仕方の無い子達だなー全くー。帰ったらお仕置きしなくちゃー』

研究員の声が響く中、生き残った者達は死者の蘇生と負傷者の治療をしていた。

研究員『いいですよー。段々治療行為も早くなってきましたねー。せめてそれくらいでないと実践じゃ意味無しですものねー』

西の王「こいつ……」

研究員『戦いの最中に休憩なんて無いんですよー。自分で時間を作ってやらないとねー』

秘書(……楽しんでやっているだけなのか?それとも本当に)

秘書はまだ生き返ったばかりの回らない頭で思考する。

槍兵「くそ。生き返って1ターン目は行動ができねぇぜ!」

魔導長「なんの話なのかなっ?」
864 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:37:09.89 ID:IGZfHZM80
577

--コロシアム--

研究員『それではさびしい限りですが、これが最後ですー。どうか乗り切ってみてくださいー』

ごごご

盾男「!地震か?いや」

ごごごごご

義足「これだけの騒ぎを引き起こした、あのマッドサイエンティストの切り札……怖いな」

ごごごごごごごごご!

雷魔法使い「この震動……まさか下から!?」

どがぁぁぁん!

リングを破壊して現われたのは、

人造魔王「きゅいーん」

二面、四腕、四脚、三尾の化け物だった。

研究員『本邦初公開、人造魔王ちゃんですー』
865 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:38:08.49 ID:IGZfHZM80
578

--コロシアム--

秘書(!!まさか……まだ試験段階だったはず!!……強引に動かしたのね)

秘書は自分の知る人造魔王と、似ても似つかない今の姿にショックを受ける。

研究員『それではラスト、第四ステージの開始ー』

変化師、槍兵、盾男、弓女、斧女、義足、包帯女、秘書は身構えた。

包帯女「消耗してるとはいえ、八対一!楽勝だわね!!」

包帯女は、言うが早いか二階席から飛び降りた。

人造魔王「きゅいーん?」

それを察知してか、人造魔王の左の顔が包帯女を捉える。

変化師「あ、危ない!!」

何かを感じ取った変化師は、人造魔王目がけて猛然と走りだした。

変化師「し、身体変化、象の腕!!」

人造魔王「スキルシヨウ、ロクショクホウ」
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 01:39:01.18 ID:gRbGYRtz0
来てるじゃないか、続けてくれ
867 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:39:51.13 ID:IGZfHZM80
579

--コロシアム--

がばぁっ!!

人造魔王の口が大きく開いたかと思うと、そこに恐ろしいまでの魔力が発現する。

ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ!!

魔導長「!!」

秘書「!!」

盾男「!!」

包帯女「……え?」

変化師「ま、間に合えぇぇ!!」

変化師の象種の腕が人造魔王の顎を捉える。

ドガっ!!!!

人造魔王「きゅいーん」

全身全霊の一撃だったにもかかわらず、人造魔王の口を閉じさせることすら叶わない。
ほんの少しだけ射線をずらすのが精一杯だった。

どぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!

発射された六色砲は紙一重で包帯女の真横を擦り抜けていった。
868 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:42:03.52 ID:IGZfHZM80
580

--コロシアム--

包帯女「きゃあああああ!!」

直接当たってはいないのだが、その威力は凄まじいものがあり、包帯女の体は流血とともに吹き飛ばされた。

義足「包帯女!!」

義足は飛び出して包帯女を受け止めた。

ガシッ

義足「包帯女!!今回復魔法をかけてやるから!!」

人造魔王「……きゅいーん。はずしちった」

変化師「はっ!はっ!はっ!はっ!」

変化師はすぐさま距離を取る……が。

斧女「ま、まともにあたっていたら……蘇生すら出来なかったでしょうね」

盾男「まさかこんなボス戦が用意されていようとは……」

肉片一つ残すことなく、全てを消し去るだろう威力。
それを目の当たりにして、コロシアムのメンバーは人造魔王に恐怖した。

人造魔王「きゅいーん」

そして夜の帳が下りる。
869 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 01:49:23.91 ID:IGZfHZM80
クールキャラだったはずのアッシュはどこへ……(´;ω;`)

それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


予告(嘘)

果てしなく巨大な階層都市の中を、探索者盗賊は何千フロアも放浪する。求めるものは「感染前」の「ネット端末遺伝子」。そしてついに見つけた保有者は、

闘士「遺伝子が欲しいならベッドに横たわればいいじゃない」

盗賊はネット端末遺伝子を諦めることにした。

次回「珪素生物、踊子」

870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 01:54:59.91 ID:lSAXuLSpo
>>869 乙!
まさかのギャグパートwwそしてツインテのイリュージョン
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 03:36:09.33 ID:C831HJkgo
乙!
相変わらず面白いなww

ギャグだからアッシュがバジリスクと会話できたのか、本気でできるのかは気になるところww
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 07:00:29.84 ID:tS1aGJ560
乙!
アッシュwwwwww
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:53:52.04 ID:rDf2paBAO
今さらでわるいんだが、
Qw0の書き物書き物の 第二部110〜120の中のサキュバス「……同胞サキュバスの仇です。御覚悟を」と、 第三部31〜40(C:0)の王様「私がお前の……乳だ」は書き換えないのかい?
874 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/01/29(土) 16:25:22.61 ID:IGZfHZM80
>>873
ありがとうございます!サキュバスのは全然気付いて無かったです。
乳はもう、それはそれでいいかなぁとか思ってましたwいや直した方がいいというのならすぐにでも直します。

他にもなにかありましたらよろしくお願いいたしますー
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:00:17.84 ID:rDf2paBAO
勇者=貧乳だからそのままでいいと思うわ
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 19:18:51.34 ID:kUuiR6iyo
王様ちっちぇーな
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 23:00:17.29 ID:kZjOvg5DO
今更だがツインテってゴムの髪止めじゃなくてリボン装備だと知って俺の脳内がデストロイ
さて、早くリボンの色を教えるんだ
878 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2011/01/31(月) 12:32:06.14 ID:yszhiZ9DO
友人と話し合ったらこんなカラーになりました。 

ツインテ
髪色・水色
リボン・白

アッシュ
髪色・暗い紫
ブリーフ・白(部分により黄色)

ポニテ
髪色・赤
ゴム・黒

皆さんはどんな感じで想像していましたか?
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 13:50:15.65 ID:WluzbSxAO
髪色はツインテ=白桃、ポニテ=茶、アッシュ=灰、くらいに想像してた。

ていうか、アッシュって名前だからてっきり灰色かと思ってたんだぜ……。
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 14:23:16.94 ID:8A0aD0MDO
アッシュとポニテはぴったり当たってた
ツインテは金髪で妄想してたぜ
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 14:43:26.01 ID:Mci9mKMKo
ツインテ
髪色・茶色
リボン・白

アッシュ
髪色・赤

ポニテ
髪色・黄色
ゴム・オレンジ

こんな感じかな
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 15:08:21.15 ID:y0lDVh7Ro
>>878
アッシュの髪は名前から白とか銀系想像してた
あとはそのまんまかなぁ
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 15:11:05.25 ID:ERPZrXzgo
ツインテのリボンが赤でアッシュは紫だと思ってた
あとは予想と同じ
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 16:02:00.57 ID:8XJVwPEl0
ツインテ
髪・黒
リボン・赤

アッシュ
髪・銀

ポニテはまんま同じ
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 18:23:02.34 ID:rLvXuosSO
ツインテ
髪色:栗毛
リボン:水色

アッシュ
髪色・黒
ブリーフ・白(部分により黄色、または茶色)

ポニテ
イメージ:
髪色・やや茶色
ゴム・赤
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 19:29:23.74 ID:yNKCaHcHo
勝手なイメージ
ツインテ 黒髪、色白、水色リボン、青地に白縁の服
アッシュ 青髪、色黒、服は濃い青、黒のマント
ポニテ  赤っぽい髪、小麦色の肌、黄色いリボン、赤系の服
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 21:59:13.66 ID:vOJ3VfM+o
ツインテ:金髪・赤か緑眼・赤リボン
アッシュ:銀に近い亜麻色髪・アンバーか灰眼・むしろトランクス
ポニテ:金髪・青眼・茶ゴム

描写読み落としとかありそうだけどこんなイメージだった
やっべえ全然擦ってねえwwwwww
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 00:59:26.50 ID:qRWDVzUx0
くそっ・・・ブリーフには突っ込んだら負けなのかっ……!
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 07:24:44.91 ID:iJ5HRmzDO
>>888
なんだお前、そんなにツインテのパンツの色が知りたいのか?
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 01:30:26.03 ID:2jYdHT9DO
乙乙!
カラー談義が白熱してたが…

次回もサービスサービスが無いぞ!(>_<。)

891 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2011/02/04(金) 22:47:50.07 ID:GjAYZKQDO
ご無沙汰でした。今日投下したいとおもいます。しばしお待ち下さいm(__)m
なうろーでぃんぐ
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 22:48:50.54 ID:47kIBjp9o
ktkr
893 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/04(金) 23:56:52.32 ID:MZree3o90
あ、皆様の予想が嬉しかったので、本編の前にちょっとこれを

2011年、2月改訂版

○ツインテ
髪色:水色
リボン:白
備考:シリーズ一可愛い

○アッシュ
髪色:暗い紫ところにより灰(場所によって色が違うというわけではない) new
ブリーフ:茶(全部) new
備考:イケメン

○ポニテ
髪色:赤
ゴム:黒
備考:将来有望

他のイメージについては今は保留と言うことでお願いいたします。いいなと思ったアイデアは随時取り入れさせていただきます。m(__)m
894 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/04(金) 23:58:48.14 ID:MZree3o90
581

--コロシアム、上空--

ビュン、ビュン

西の王国上空で、赤い色のレーザーが飛び交う。

テンテン(くっ、私のほうが何世代も新型のはずだが……)

ビュン

ウーノの放つレーザーがテンテンの服に穴を開ける。

テンテン(アレとの戦闘用に作られた私と、汎用型のこいつらとでは分が悪いか!)

ビュンビュンビュン

三機のレーザー攻撃が次第にテンテンを追い詰めていく。

ウーノ<どうやら向こう様は局所特化らしいですわね>

ウーノは回線で連絡を取り合っている。

トーレ<そうみたいね。新型だからといって絶対に強いわけじゃないよ>

ドゥーエ<まー、私達は汎用型の最高傑作だからね!多分!>

ウーノ<とはいえ新型は新型、びっくり兵器を搭載している可能性もあります。気を引き締めてかかりましょう>
895 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:08:55.78 ID:qEL3aq+n0
582

--コロシアム、上空--

ビュン、ジジジ

テンテン(シールドに回していられるエネルギーも馬鹿にならない……)

バシャッ

テンテンはソードを展開するとウーノに特攻した。

ウーノ「ひゃっ!?」

ジィウン

ウーノは辛うじて攻撃を回避。

トーレ「接近専用兵装!?そんな古くさい武器私達でさえ装備してない」

ウーノにかわされたテンテンは空中で方向転換しトーレを襲う。

バヂィッ

トーレはレーザーシールドでそれを弾く。

テンテン「先輩方はご存知無かろうが、人類最後の敵にはほとんどの射撃攻撃が効かなかったのだ。屈折されてな!」

バヂィッバヂィッバヂィッ
896 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:14:46.92 ID:qEL3aq+n0
583

--コロシアム、上空--

トーレ「ぐ!押し切られる!?」

ドゥーエ「ドゥーエちゃぁぁん、キィィック!!」

テンテン「っ!?」

ドギィン

急降下してきたドゥーエの一撃を受けたテンテン、体勢を立て直すこともできず、地面に激突した。

ドォォン!

トーレ「しょ、小姉さん」

ドゥーエ「ふふん!近接兵装が無くたって、パンチとキックで応戦だ!」

ドゥーエは腰に手を当て笑っている。

ウーノ「相手が近接だからってこちらも戦い方を合わせる必要は無いですわ、おもいっきり射撃しましょ?」

トーレ「あ、そうか」

ドゥーエ「え、えぇ?近接には近接で答えるのがロボットものの宿命じゃないの!?」

ウーノ「勝てればなんでもいいですわ」

ウーノはにこりと笑って射撃する。
897 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:20:30.36 ID:qEL3aq+n0
584

--市街地--

テンテン「いたた……シールド無しでは通常攻撃ですらダメージがでかい」

テンテンは瓦礫を押し退けて立ち上がる。

ガラガラ

部屋着の女性「ひっ!!」

部屋着の男性「な、なんだ?……何が起きて」

テンテン「……」

テンテンはカップルの部屋に落下したようだ。

テンテン「……リア充共め」

カップルの服装は一緒、マグカップの形も一緒。それのなにがテンテンにそうさせたのかわからないが、

バシャっ

テンテンはおぞましい武装を

ドオオン
898 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:21:45.67 ID:qEL3aq+n0
585

--コロシアム、上空--

ウーノ「?な、なぜか下で爆発が起きましたですわ。一体なにが」

ドゥーエ「何が起きたのっ!?何が起きたの!?」

トーレ「あ」

ヒュンッ

テンテンが再び浮上してくる。

テンテン「……」

ウーノ「貴女……一体何をしたのですか?」

テンテン「私は私達ロボットの使命を遂行したまでだ」

ウーノ「……使命?そんなものは仕える主人によって変わってくるものでは……?」

テンテン「確かに、一理ある」

ドゥーエ「君の使命はさっきの爆発と関係があるの??」

テンテン「むろん。私の使命はリア充を爆発させるためだけに存在する」

ウーノ「……」

トーレ「……可哀そうな子。敢えて『誰が』とは言わないけれど」
899 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:23:07.41 ID:qEL3aq+n0
586

--コロシアム、上空--

トーレ「そういや貴女、番外編で強力な兵装使ってなかった?」

テンテン「……」

ウーノ「たしか重力どうたらこうたら」

テンテン「なぜそれを知っている」

ドゥーエ「前スレだっけ?それっ」

テンテン「どうしてそういうことを言うの!?」

ウーノ「で、どうしたのですか?」

テンテン「……諸事情から使えなくなった」

トーレ「諸事情というのはどういう部類の事情?」

テンテン「大人の事情」

ドゥーエ「……」

大人は汚い。

テンテン「表向きは弾が無くなった、ということらしい」

ウーノ「とんだ裏事情ですわ」
900 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:23:57.65 ID:qEL3aq+n0
587

--港--

ドォン!!

賭博師「くはっ!!」

ツインテ「ひゃはははは!!どうしたよ賭博師ぃ、さっきまでの強気な姿勢はどこへ行ったあぁあ!!」

ドゴッ!!

ツインテに腹部を強打された賭博師は海にまで吹っ飛ばされる。

ヨロッ

ツインテ「と」

攻撃の反動でかよろけてしまうツインテ。

ツインテ(……ち。腕一本の重みがここまで重要とはな。注意しなけりゃまっすぐ歩くこともできねぇ)

アッシュ「……」

アッシュは複雑そうな顔でツインテを見ていた。

ぶるっ

その横で、調教師が震えた。
901 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:24:54.12 ID:qEL3aq+n0
588

--港--

調教師「ひっ……く、暗いよ……暗いよおおおおおお!!」

調教師は頭を抱えてしゃがみ込んだ。

バジリスク「ぎゃ、ぎゃお!!」

調教師「暗いよ、怖いよぉ、やだやだやだやだ!!」

調教師は目を見開いて、涙と涎と鼻水を垂らしながら震える。

アッシュ「なっ、ど、どうしたんだよ!!おい!!」

アッシュは調教師のあまりの変貌っぷりに動揺してしまう。
そしてアッシュが調教師の肩に触れた瞬間。

調教師「!?うっ」


バシャバシャ

調教師は胃の中のものを吐き出した。
902 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:25:40.12 ID:qEL3aq+n0
589

--港--

アッシュ「!!ご懐妊!?まさかあの時のが……って言ってる場合じゃねぇ、しっかりしろ!!」

調教師「っ!!げぇえ!!」

バシャバシャ

調教師は戻し続ける。

賭博師「はぁ……だから早く行きたかったのによ。おい少年、この薬飲ませてやってくれねぇか?」

海から上がってきた賭博師はアッシュに錠剤を投げて渡した。

パシッ

アッシュ「……お、おう」

アッシュが調教師の口に手を近づけると、

調教師「ひぃい!!ち、近づかないで!!やめて、触らないで!!」

調教師は自分の吐瀉物で汚れることも厭わずに暴れだした。

バジリスク「ぎゃお……」
903 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:26:39.58 ID:qEL3aq+n0
590

--港--

ツインテ「なんだあいつ。おかしな奴だな」

賭博師「……なぁ、もう俺らの負けだ。勘弁してくれねぇかな」

ツインテ「……は?」

予想だにしない賭博師の提案。

賭博師「俺らの負けだって言ってんのさ。もちろんポニテのお譲ちゃんも返す。どうだい?」

賭博師はすっかりびしょ濡れになった服を絞りながらツインテに問うた。

ツインテ「ふざけんじゃねぇ。ここまで好き放題やっておいて、虫が良すぎだろうが!!」

ツインテの握った拳からは魔力が迸っている。

賭博師「……だよな。劣勢ならともかく、押してる相手にそんなこと言われても、って話だよな。しかも相手は憎い仇……」

ツインテ「……」

賭博師「仕方ないよなぁ。俺だってこれ以上危ない賭けはしたくないんだが……仕方ねぇ」

賭博師はそう言うと懐からまたサイコロを取りだした。
904 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:27:30.85 ID:qEL3aq+n0
591

--港--

ツインテ「はっ。またサイコロか。もうインチキ空間は無くなったんだ、お前の詐欺くせぇルールはもう意味ねぇぜ?」

賭博師「あれはもうできねぇよ?お譲ちゃんと違って俺にゃあそんなに魔力ないからねぇ。だからこれが最後のダイスロールよ」

ツインテ「……」

ツインテは一瞬身構えるも、すぐに普通の体勢に戻った。

ツインテ(……嫌な感じがした気が……気のせいか?)

賭博師「運力上昇、レベル4。さらにスキル、一か八か!!」

ギュイイン

賭博師は魔法とスキルを唱え、サイコロを振るった。

カラコロン

出た数値は、6。

ツインテ「?それがなんだというんだ……!!」

ゴゴゴゴゴゴ

ツインテは目を疑った。

賭博師「ふぅ。こえぇこえぇ。何回やってもこのスキルはこえぇわ」

賭博師の体は変化師並の筋骨隆々とした逞しい体つきになり、魔力量はツインテを上回っている。
905 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:28:21.84 ID:qEL3aq+n0
592

--港--

ツインテ「な……なにしやがった」

賭博師「ただのスキルさ。奥義ですらねぇ。ただたんに6が出れば目の前の相手以上の戦闘力が手に入る」

ツインテ「!!」

ツインテは一歩後ずさる。

ツインテ(簡単すぎるだろ……そう簡単にここまでの力は手に入らねぇ……。釣りあうリスクとしては、1から5が出た場合は……死ってとこか?)

賭博師「運を最大上昇させても確実じゃないからなぁ。全くどうしようもねぇスキルよ」

ツインテ(絶体絶命の奥の手として残しておく分には優秀なスキルだな……)

ツインテは拳に力をこm

ドンっ!!

ツインテ「!!」

ツインテは賭博師の蹴りを受け吹き飛ばされた。

賭博師「ファイナルラウンドだ、お譲ちゃん」
906 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:29:03.79 ID:qEL3aq+n0
593

--港--

アッシュ「ツインテ!!」

バジリスク「ぎゃお」

アッシュが視線がツインテに向いている間に、接近したバジリスクはアッシュの腕を切り裂いた。

ザブッ

アッシュ「がっ!?き、きさま!!」

アッシュの左腕は切断される寸前でなんとか繋がっている状態だった。
そしてバジリスクは、アッシュの掌からこぼれおちた薬を舌で回収すると調教師に渡す。

調教師「はぁ、はぁ!!んぐっ」

アッシュ「てめぇ……お前の主には俺が毒を仕込んだってこと忘れてんのか!?」

アッシュはナイフを引き抜いた。

アッシュ「あ」

調教師の吐瀉物の中には毒の玉があった。

調教師「はぁ、はぁ、おえ……貴方を……殺します」
907 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:29:36.27 ID:qEL3aq+n0
594

--コロシアム--

人造魔王「きゅいーん」

槍兵「くそ……」

盾男「……まるで歯が立たない」

包帯女「……ぐっ!」

西の王(能力を制限されていたさっきとは違う……なのにこの有様か……!)

人造魔王「もっと遊ぼうよ、お兄ちゃん達ィ。もっと激しく。ちゅみみーん」

少年と少女の顔が同時に喋る。人造魔王の声がコロシアムに絶望を与えた。

変化師「つ、土属性攻撃魔法、レベル2!!」

ドゴゴ

人造魔王「コオリゾクセイコウゲキマホウ、レベル4」

バキャャャャン!!

変化師「ぐはぁぁ!!」

土の攻撃を氷で押し戻された変化師は観客席まで吹き飛ばされる。

秘書(どんな魔法を使おうと、ノータイムで弱点属性を放ってくる……六属性を相手にするのがこんなにやっかいだったとは)

秘書は焼けただれた左腕を押さえている。
908 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:30:24.65 ID:qEL3aq+n0
595

--コロシアム--

人造魔王「もっと遊ぼうよォちゅみ……きゅいーん」

疾風魔法使い(さっきも間違えてたな)

人造魔王「僕にもっと経験値を頂戴きゅいーん」

義足「経験値ねだる魔王とか笑えないよね」

これ以上強くなる気?と義足。

雷魔法使い「!!そうだみんな、複属性合成魔法攻撃なら押し負けずにいける!」

弓女「なるほど……試してみる価値はありそうですね……。この中に雷か風属性の人はいますか!?」

雷魔法使い「あ、私はかみな」

疾風魔法使い「うちは風属性やでぇ!!」

弓女「私は水属性です。ではいきますよ!!水と風の複合攻撃魔法、レベル4!!」

疾風魔法使い「おりゃー!!」

小規模の嵐が発生し、人造魔王を襲う。

人造魔王「水?風?きゅいーん?」

ドオオン!!

雷魔法使い「……う」
909 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:31:15.51 ID:qEL3aq+n0
596

--コロシアム--

秘書「!!やつは今判断に迷いが生じていました!!次行って下さい!!」

次に手を挙げたのは槍兵。

槍兵「俺もそっちのねーちゃんと一緒で風属性なんだけどよ、俺とぶちこみてぇ奴はいねぇか??」

魔導長(複合魔法において風属性は便利なの。なにとでも相性がいいからなのっ)

雷魔法使い「あ、じゃ、じゃあ私と」

弓女「しっかたねぇなぁ。じゃあ私が組んでやるよ。氷と風の複合攻撃魔法レベル4!!」

槍兵「しゃー!!」

コロシアム内で吹雪が発生し、人造魔王を襲う。

人造魔王「氷?風?こ、こなあああああああゆきいいいいいいいいいいいねええ!!」

ビュオオオ!!

雷魔法使い「う、うぅ」
910 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:32:12.33 ID:qEL3aq+n0
597

--コロシアム--

変化師「お、おで土属性」

雷魔法使い(うっ。雷と土じゃ相性がよくない……また私何もできないよ……)

がっくりとうなだれる雷魔法使い。

変化師「そ、槍兵、やるぞ」

変化師が槍兵の背後から近寄った。

槍兵「はっ、はっ。って、ちょ、ちょっとまて。俺ァ元々魔法行使するタイプじゃねぇんだから少し休ませろよ。それにあっちのねーちゃんだって風属性なんだから、あっちとやれあっちと。あっちと合体しろ」

疾風魔法使い「うわ、最低な下ネタやなー」

その言葉を聞いてワナワナと震えだす変化師。

変化師「俺はっっ、男がいいんだっっ!!いくぞ!!土と風の複合攻撃魔法、レベルふぉおおおおおおお!!」

槍兵「どもる設定を無視してまで!!アッー!!」

全てを削る砂嵐が人造魔王を襲う。

人造魔王「神砂嵐ィィ!!」

オパウ!

雷魔法使い「あ!!雷と土で電磁砲できたんじゃなかったっけ……」
911 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:33:58.10 ID:qEL3aq+n0
598

--コロシアム--

人造魔王「ヴヴヴ……こいつらの攻撃、相性有利とれないきゅいーん」

秘書「いくら六属性を使えようと、一人では複合魔法が作れない!!勝った!!」

魔導長「え?一人じゃ出来ないの?」

秘書「え?」

魔導長「いや前ね。体が氷と火で出来てるモンスターが出てる漫画を見てね、思ったの。個人でも複数の属性使えるなら、複合魔法使えるんじゃないかなっ?」

秘書「……」

そんなやつもいたなぁ、と秘書はしみじみと思いだした。

人造魔王「右手に火きゅいーん。左手に風きゅいーん」

雷魔法使い「!?ま、まさか!!」

人造魔王「ヒトカゼノフクゴウコウゲキマホウ、レベル4」

灼熱の熱風がコロシアムを襲う。

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
912 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:36:01.05 ID:qEL3aq+n0
599

--コロシアム--

ゴオオ!!

義足「づっ……まさか、学習したのか?俺達の行動を参考にして……」

槍兵「元々の魔力量がケタ違いだから、威力もやべぇぜ……一撃でこれかよ……ついてねぇ」

秘書「はぁっ、はぁっ!!」

秘書は盾にした瓦礫に背を預ける。

秘書(化物だ……こんなまがいものでさえこれなのに……あの少女は)

ジュッ

秘書「!?しまった……感覚が無くなっているとはいえ迂闊だった……」

秘書は熱した岩に触れてしまったということになる。

べりっ

秘書「!!……」

秘書の背中がべろりと剥がれた。

西の王「湿った天ぷらの衣がはがれたみたいになっとるね」

包帯女「最悪な例えだ……」
913 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:36:43.93 ID:qEL3aq+n0
600

--コロシアム--

人造魔王「きゅいーんきゅいーん」

ズシンズシン

人造魔王は死に体となった秘書達のもとへと近づいてきた。

魔導長「どうしようか……私の全力前回の魔砲なら、無属性だし軽減はさせない。それでも倒せる気はしないけど」

雷魔法使い「魔導長……。それでも諦めないでやってみよう。時間は、私が稼ぐ!!」

雷魔法使いは鎌を担ぎ直す。

雷魔法使い「……ごめんね。帰ったらちゃんと整備してあげるから」

槍兵「イエッサー」

疾風魔法使い「あんたが答えるんかい」

疾風魔法使いは無い左腕でツッコミを入れた。

疾風魔法使い「あかんよ雷魔法使いちゃん。一人でやらせるわけにはあかん。うちも一緒にいく」

雷魔法使い「疾風……」

ザっ

そこに新たな人影が。

金髪「あれ〜?なんか変なのがいるっすよ」
914 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:50:07.40 ID:qEL3aq+n0
600……二部でこれなの……?

もう少しで二部終わると思います。そろそろです。そろそろ。

それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


次回予告。

ラオシャン○ン亜種を一人で倒せずレンに手伝ってもらっていたポニテだったが、そのレンだけに目当ての天鱗が出てしまい関係が悪化してしまう。

ポニテ「理不尽だけどなんかむかつく。だって私はがんばってたし、レンちゃん二死してるんだよ!?」

しかしポニテにとって一緒に狩ってくれる仲間はレンだけだった。

賭博師「お譲ちゃん。いいのがあるよ」

そしてついにポニテは、天鱗欲しさに悪魔猫という禁断の技に手を出してしまう。

次回「友達なんていらない」


ポニテ「ラオのクエに連れてけないじゃん」
915 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 00:52:03.35 ID:qEL3aq+n0
ちなみに今ツインテは、ポニテとレンのせいで女の子用パンツ穿いてます。
色は


いや、そんな! あの手は何だ! 窓に! 窓に!
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 00:57:48.04 ID:d8RRJIHxo
>>915 乙!
かなり急な展開で次が楽しみだ
待ってるよ!
そういえばレンの設定は?
917 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/05(土) 01:29:55.32 ID:qEL3aq+n0
>>916
あ、忘れてました!



2011年、2月真改訂版

○ツインテ
髪色:水色。
リボン:白。
備考:長めのツインテール。シリーズ一可愛い(現在)。

○アッシュ
髪色:暗い紫ところにより灰(場所によって色が違うというわけではない)。
ブリーフ:茶(全部) 。
備考:ちょっと前髪長い。イケメン。

○ポニテ
髪色:赤。
ゴム:黒。
備考:肩にかかるくらいの尻尾。将来有望。

○レン new
髪色:白。
眼鏡:赤フレーム。
備考:ショートヘア。つるぺったん。


全員の平均年齢は14くらいかなぁ……かなぁ

※なお、コメントの説得力次第によっては変更させていただく場合がございます。ご了承くださひ。m(__)m
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 01:45:00.49 ID:GkQ2b63AO
乙!


レンは黒ングだと信じてたが玉砕した
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 01:57:52.46 ID:ziCr1ESFo
乙!
次回予告ワロタww
賭博士との戦いは形勢逆転の連続だなー
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 02:10:56.85 ID:qLxNnLG00
レンは眼鏡の色ブロンズの髪が黄緑色
ロングヘアを想像してた…かすりもしないorz
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 02:20:33.52 ID:XQ4XQFYj0
>>918
同士よ…
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 02:39:27.28 ID:sb7jXq0DO
レンはクロネコヤマトじゃないのか
それとツインテェ…
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 13:26:49.42 ID:Qq3PI/goo
レンが白毛の設定は>>669で出ているぞ
まぁ、自分もレンが眼鏡だったの忘れてたけど
平均14歳だと前作のパーティーよりだいぶ若いな
前作は平均25歳くらいかな?
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 23:59:36.57 ID:O2Mp+1ZDO
前作ってパーティの年齢設定でてきてたっけ?
勇者が27歳で盗賊が高卒5年ニートだから23歳か?

それ以外は勝手に
賢者:盗賊と同じ
闘士&踊り子:盗賊より上で勇者より下 25歳くらい
魔法使い:20歳くらい
って感じで想像してたけど
実際どうなんだろ?
925 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:23:18.12 ID:Vq7dVhD60
お久しぶりです。
えと、レンは白雪だから白……ですねぇ。
もっとどかっとやりたかったのですが、まだ書き途中なので、いつもの如く20投下ということで一つお願いいたします。
926 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:26:09.76 ID:Vq7dVhD60
年齢設定は一応、

盗賊23
勇者27
賢者24
魔法使い25
闘士21
踊子25
受付17
こんな感じであります。
927 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:31:01.92 ID:Vq7dVhD60
601

--南の漁村--

南の王国の外れに位置するこの漁村には、様々な人達が海産物を買いに訪れる。

肌黒漁師「おう嬢ちゃん、べっぴんさんだねー!!魚食ってかないか!?」

肌黒漁師は、野菜をどっさり入れた手提げ袋を持った女性を呼び止めた。

ブラ「あ、ありがとうございます。でも家に人を待たせているので……」

肌黒漁師「ありゃ残念!!待たせてる人って嬢ちゃんのこれかい!?」

肌黒漁師は小指を立たせた。

ブラ「ち、違います!!」

肌黒漁師「あはは!!そうかそうか!ほれこれもってきな!!」

そう言って肌黒漁師はバケツにいっぱいの魚を渡した。

ブラ「え、え!こ、こんなにいっぱい悪いです」

肌黒漁師「なーに、それどうせ売り物にならねー奴だからいーの!いっぱい食いな!!せっかくのべっぴんさんもやつれてちゃあなぁ!!がはは!!」

ブラ「あ……」
928 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:31:57.07 ID:Vq7dVhD60
602

--南の漁村--

ブラは深く頭を下げて礼を述べると家路を急いだ。

ブラ(……全然痛んでる部分なんて無いじゃない。商品にならないなんて嘘……本当にここの人達は優しいのね。私が同じ肌の色だからかな?)

ブラは自然と頬が緩んだ。

ブラ(ここは私の両親の故郷なのかな……?私何も知らないからな……私の生まれ故郷は一体どこなんだろう)

ブラは掘立小屋の戸を開けた。

ガララ

ロリメイド「あ、やっと帰ってきたでございましゅ!どこほっつき歩いていたんでしゅか!!」

ブラ「あ、ごめんなさい……安く食料が手に入る所がすごく遠かったので……」

ロリメイド「口答えするとは人間のくしぇに生意気な!!」

べビメイド「あうー」

ブラ「あはは……」
929 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:33:25.79 ID:Vq7dVhD60
603

--南の漁村--

ブラ(あの後私達は命からがら逃げました。しかしアンシュ様は何か思いつめていたようで……安全な場所についた途端、彼女達を作り始めました)

べビメイド「あうあうー」

よちよち

ブラ(赤ちゃんの体にメイドの格好というのも新しいですね……)

ブラは足元にはいよるべビメイドを抱き上げた。

ブラ(アンシュ様は瀕死の番犬さんを取りこんで……ご自身の残り少ないエネルギーで彼女達をつくりあげて……そして)

アンシュ改めヤミ「おー、かえったかブラ。はらがへった。なんかつくれ」

ブラ(こんなに……ちっちゃくなってしまわれた)

掘立小屋の中には、幼児化したヤミとメイド×2と小さな犬がいた。

ブラ(どうしてこんなことになってしまったのでしょうか……まるでここは保育所で、私は保母さんのよう……)

番犬改めパピー「へっへっへっへっ!!きゃんきゃん!!」

パピーはブラの足元にすり寄っている。
930 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:34:24.99 ID:Vq7dVhD60
604

--コロシアム--

槍兵「ガキが迷い込んで来やがった……おい、今あぶねぇぞ!!さっさとコロシアムからでてけ!!」

金髪「ふんふ〜ん!ご忠告感謝っす!」

ニコニコと笑う金髪。しかしその歩みは止まらない。

包帯女「ちょ、ちょっと本当に危ないんだって!!」

人造魔王「きゅいーん?」

人造魔王は金髪の存在に気付き、体をそちらに向けた。

義足「!!くそ!!」

義足は右足についているカバーのようなものを開け、腰に指していた黄色の棒を引き抜き、右足の空洞の中に差し込んだ。

ジャカッ

義足「雷属性攻撃魔法、レベル2!!」

バヂイイ!!

人造魔王「きゅいーん」

不意打ちを食らってもなんともない人造魔王。

義足(だろうとは思ったよ、でもまぁ、せめて俺に注意が向けば)
931 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:35:35.73 ID:Vq7dVhD60
605

--コロシアム--

盾男「弓女!!」

弓女「くっ!!わかったわよ!」

弓女は右足を引きづりながら金髪のもとへ。

弓女(あの子を一端コロシアムの外に連れていく。それまで死ぬんじゃないわよ!!っていうか他の砂漠の風はどうしたのよ!!)

弓女はここでやっと気付いた。

弓女「?あ、あんたアッシュと一緒にいた子じゃないか。なんでこんな所に一人で」

金髪「……」

金髪はジー、と弓女の顔を凝視する。

金髪「はぁ。やっぱりそうなんじゃないかと思ってたけど、気付いてなかったんすね」

大げさにがっかりしてみせる金髪。

弓女「は、はぁ?よくわかんないけど話してる場合じゃないんだって!!ほら」

金髪の腕を掴もうとした弓女は

弓女「うっ!!」

金髪「そこで見ているがいいっす」

弓女(この、プレッシャー……まさか)
932 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:36:31.25 ID:Vq7dVhD60
606

--コロシアム--

金髪はスタスタと人造魔王に近づいていく。

人造魔王「きゅいーん?」

義足「なっ!?せっかくこっちに引きつけたのになにやってんだよあの子!!」

金髪「すごいっすね。まさか人為的に魔王を作りだしてしまうだなんて。まぁ本物に及ぶべくもないデッドコピーみたいすけど」

その様子をモニター越しに見ている研究員。

研究員「なんですかーあの子ー。……ん?金色の……髪?」

スタスタ

なおも歩き続ける金髪。

盾男「そ、そこの少女!!止まれ!!死ぬぞ!!」

金髪「……?」

ゆらり、と金髪の少女は振り返った。

金髪「……はぁ。まだ気付かないっすか?盾男君もまだまだっすねぇ。そんなんじゃ部隊長の座は遠いっすよ?」
933 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:37:44.03 ID:Vq7dVhD60
607

--コロシアム--

盾男「!?……な……まさか君は……いや貴女様は……!!」

ぞわぞわ

金髪の体が蜃気楼のように揺れている。
そして

雷魔法使い「髪の毛が伸びて……背も」

ぞわぞわ

斧女「!!……まさか直々に出向いてくるとは」

金髪「……盾男君、弓女ちゃん、斧女ちゃん、給料二割カットっす!!」

そこにはすらりと伸びた手足、長い金色の髪を靡かせた女性がいた。

ざっ!!

盾男、弓女、斧女は勢いよく跪いた。

盾男、弓女、斧女「はっ!!」

重力が狂うほどの存在感を持つ何かが立っていた。
934 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:38:47.31 ID:Vq7dVhD60
608

--コロシアム--

金髪「お初にお目にかかるっす西の王」

西の王「む……」

金髪「あたしは現、砂漠の風が頭領、鬼姫というもんす」

西の王「!?」

秘書「!!」

魔導長「!!」

包帯女「なっ!?」


バンっ!!

モニターを叩きつける研究員。

研究員「う、うひひひひひひひひひ!!砂漠の風の頭が鬼だっていう話を噂には聞いてましたけど、伝説の鬼亜人、いや本当に鬼が生きてたんですかー!?うひゃひゃひゃひゃ!!」

げらげらと笑う研究員。
935 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:41:10.38 ID:Vq7dVhD60
609

--コロシアム--

西の王「……盗人がなんのようだ?」

金髪改め鬼姫「ひひ。盗人って言ってるならわかるんじゃないすか?盗人は盗みを生業としてるんすよ?」

西の王「何を目的に……何を盗みに来た」

鬼姫「全てを……なんちゃって。盗みにきたとか言っておきながら、実はこの国をぶっ壊すつもりだったんすよ。我らが同胞達を使い捨てるこのいかれた国をね」

西の王「!?」

秘書(国を……潰す?)

鬼姫「だからまぁ……いややめとくっす。今は少なくともそんなことはしないっす。今は、ね」

西の王「……」

鬼姫「西の王、取引っす。この怪物ぶっ倒すっすから、魔王の骨をくれっす」

西の王「!?人造魔王を倒すだと!?」

鬼姫「どうっす?考える必要あるっすか?」

西の王「いやしかし」

鬼姫「今貴方が一番恐れなきゃいけないケースは、あたしに殺されて魔王の骨を奪われたあげく人造魔王が暴れまわってこの国が滅亡する、ってことじゃないすか?」
936 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:43:14.21 ID:Vq7dVhD60
610

--コロシアム--

西の王「……………………そうだな。人造魔王を倒してくれるというのなら安いもんだ。お願いする」

鬼姫「ははは。若いだけあって結構柔軟すね。他の国の王様じゃそうはいかないかもっすよ。じゃあ」

人造魔王「スキルシヨウ、ロクショクホウ」

ドギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

疾風魔法使い「!?あかん!!」

待ちくたびれた人造魔王は、鬼姫目がけ六色砲を放つ。

盾男「!!鬼姫様!!」

斧女「ぼ、ボス!!」

バヂィン!!

魔導長「!?」

その砲撃を右手の甲で弾いて見せる鬼姫。

ゆらり

鬼姫「魔王退治といくっすか」

盾男「濡れた」
937 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:44:26.24 ID:Vq7dVhD60
611

--港--

ドガドガドガドガドガっ!!

息もつかせぬ速さで殴りあうツインテと賭博師。

ツインテ(っ!!ここへきて右腕が無いのが響いてきやがる!!っち!!)

ツインテは背中から生やした触手を地面に突き刺し、その反動で賭博師との距離を開ける。

賭博師(よく闘うぜ……ってか魔力ってそんなに個人差あるものなのかって言いたくなるわ)

賭博師は大木のような足で地面を蹴る。

ドッ!!

ツインテ「!?はえっ!!」

賭博師「明日に向かって!!」

ツインテ(まずい、ガードを!)

賭博師「打つべし!!」

ボゴっ!!
938 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:45:24.06 ID:Vq7dVhD60
612

--港--

ツインテは港に停泊している船に突っ込んだ。

どっ、がっ、ごっ!!

賭博師(これで終わりだろ……いや終われ!!)

ツインテ「……ち。また服が汚れた」

船の瓦礫の中からツインテは立ちあがる。そして服についた埃をはたいている。

ぱんぱん

賭博師(……ダイヤモンドで出来てんのかよ……全然傷つかない……ん?おかしいな?)

賭博師は賭博場でのことを思い出す。

賭博師(俺は一度お譲ちゃんの頭部を砕いてる。今はあの時ほどのパワーは無いけど、お譲ちゃんに致命打を与えるくらいの威力はあるはずだ……まるっきりノーダメってことはないだろ?)

賭博師は自分の右腕を見る。

賭博師(今だってガードごとアバラを軒並み砕いたはずだろ。ってことはだ)

賭博師は一筋の汗を垂らす。

賭博師「お譲ちゃん、もしかして不死身か?」

ツインテ「んなわけないだろ」
939 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:46:20.33 ID:Vq7dVhD60
613

--港--

ツインテ「……ふーん。だがちっとは気付いてるみてぇじゃん。おもしれぇ。絶望を味わってもらうために教えておこうかな」

賭博師「ひゅー。自分で手の打ちばらしてくれちゃうわけ?優しいねぇ」

ツインテ「バーカ、そんなことするわけねぇだろ」

賭博師「!?」

遠くのツインテと喋っていた賭博師だったが、その時なぜか背後からツインテの声を聞いた。

ドガっ!!

賭博師「ぐあっ!?」

ツインテ「お返しだインチキヤロー」

ツインテの左拳が賭博師の脇腹に陥没する。

賭博師(ぐうう!!残骸の上に立ってるのは……)

船の上のツインテの姿はゆらゆらと揺れると、

パシャっ

水になって消えた。
940 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:47:21.91 ID:Vq7dVhD60
614

--港--

賭博師(こっちのツインテは直球タイプかとおもったらそうでもねぇ……っくそ、俺はまともな回復魔法使えないってのによ)

賭博師は脇腹を押えながらふらふらと立っている。

ツインテ(ち、さすがの俺様も今日は魔力を使いすぎた。早めに決着をつけなきゃな)

ツインテはじりじりと賭博師の近くに、

賭博師「俺には故郷に腹を空かした兄弟が八人いる」

ツインテ「!」

賭博師「……とか言ったら見逃してくれないか?」

ツインテ「王子が何言ってやがる」

賭博師「はは……だよなぁ。実際駄目なもんは正当な理由があったってやっちゃあ駄目だしな」

ツインテの拳が賭博師の顔面を打ちすえる。

ドッ

賭博師「ごふっ!!」
941 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:49:14.69 ID:Vq7dVhD60
615

--港--

賭博師「へ、へへ……効くぜぇ。こんだけ強くなってもダメージを無効にできるわけじゃねぇしなぁ」

賭博師は再び構えた。

ドガっ!!

賭博師の蹴りをツインテは左腕で受ける。

ゴッ!!

ツインテの触手攻撃を賭博師は足で弾く。

賭博師「……」

ツインテ「……」

ドガドガゴッバキッタカトラッズガッバッタッドガッ!!

二人の拳が幾度も交差する乱打戦。

ツインテ「ぐっ!」

賭博師「がっ!」

口を切っては血を吐いて、それでもなおまた相手に向かっていく二人。
そして

ツインテ「はっ、はっ……」

ツインテは全ての触手を解除し、その分の魔力を左拳に込めた。

賭博師「俺も疲れちまった……やるか、最後の」

賭博師は右拳を引いた。
942 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:50:16.41 ID:Vq7dVhD60
616

--港--

調教師「はぁ、はぁ」

アッシュ「……もうやめろ。お前、ふらふらじゃないかよ。その症状も重けりゃ、多分その薬の副作用もでかいんじゃないのか?」

調教師「黙れ!!分かった風な口をきくな!!」

調教師の顔は、涙や鼻水でぐしゃぐしゃだった。

調教師「みんな分かったみたいな顔して、わかるはずなんてないのに!!私を理解してくれる人なんて、いやしないのに!!」

バジリスク「ぎゃお」

バジリスクはアッシュと調教師の間に入った。
まるで調教師を守るかのように。

アッシュ「よくわからないけど……じゃあ賭博師も違うのかよ」

調教師「」

アッシュ「俺はなんも知らないけどよ、船で見た限りじゃ、お前達のやりとり……すごく仲がよさそうに見えたぜ?」

調教師(ご主人……様?)
943 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:51:20.88 ID:Vq7dVhD60
617

--港--

賭博師「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ツインテ「はああああああああああああああああああああああああああ!!」

その横で、賭博師とツインテの戦いに決着がつこうとしていた。

ツインテ「攻撃力上昇レベル2&魔力暴発レベル3!!」

ドッっ!!

ツインテの左拳と賭博師の右拳がぶつかり合う。

賭博師「ぐうううう!!!!」

ツインテ「ああああああ!!」

ブチブチブチブチ!!

お互いの腕の至る所に切れ目が発生、血しぶきが飛び散った。

賭博師「……ちぇ」

ほんの一瞬早く、賭博師の拳は限界を迎えた。

ブシャッ!!
944 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:52:07.79 ID:Vq7dVhD60
618

--過去、東の下町--

ある館の主「これはこれは遠い所からわざわざ出向いて頂きまして、ありがとうございます!!ささ、こちらでお食事を用意しております。どうぞ!!」

??「いや、いい。それより早く視察を済ませたいのです」

初老の男性は、若い男性のマントを受け取った。

ある館の主「はぁ、仕事熱心でございますなぁ。時期国王様となると、私なんぞとはおっしゃることが違いなさる!!」

??「俺が次の王になるかはまだ決まったわけではありません」

ある館の主「またまたご謙遜を!国の皆が思っていることですよ?あのたわけた第二王子が第一王子より先に生まれなくて本当によかったと」

??改め第一王子「……弟の悪口はやめていただきたい」

ある館の主「あ!!も、申し訳ございません!!口が過ぎました!!」

第一王子「いえ。それよりも……」

ある館の主「あ、あ!そうでしたな!!ではさっそくご案内させていただきます!!」


6年前の冬のある日。
945 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:53:46.56 ID:Vq7dVhD60
619

--過去、東の下町--

ある館の主「――――で、あるわけでして」

第一王子「ちょ、ちょっと待って下さい」

初老の男性から説明を受けていた第一王子はこめかみを押さえた。

第一王子「……それは、それでは彼らに人権はあるのですか?」

ある館の主「はぁ……おかしなことをおっしゃいますな第一王子様はw」

初老の男性はかかかと笑う。

ある館の主「もちろんあります。ただ、この世界の誰しもが安定して生きることは出来ないのですよ」

第一王子「っ!」

ある館の主「これは彼らが皆望んでやっていることなのです。そうすることで彼らは対価として居場所や地位を手に入れているんです」

生まれながらに恵まれた人にはわからないでしょうが、とある館の主。

第一王子「……皆、納得している……のですね?」

初老の男性はにこりと笑って、

ある館の主「もちろんですとも」
946 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:54:43.42 ID:Vq7dVhD60
620

--過去、東の下町--

第一王子「はぁ……」

第一王子は用意された部屋のベッドで横になる。

第一王子「これが……現実なのか」

ある程度予想はしていた。が、それを上回った真実がそこにはあった。

第一王子「……綺麗に取り繕っていても結局……くそ!父上はこのことを知っているのか?」

コンコン

その時誰かがドアをノックする。

第一王子「はい、どなたですか?」

??「……主にこの部屋に来るように言われたのですが……」

第一王子「はぁ」(……まさかとは思うが暗殺者では……?)

第一王子は机の上に置いていた短剣を胸に忍ばせてドアの所へ。

第一王子「今、あけます」

ガチャリ
ギィ

??「……」

そこには

第一王子「……君は?……!」

燃えるような赤い色の頭髪を持つ猫亜人の少女が立っていた。

ジャラッ

金色の首輪をして。
947 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/11(金) 22:57:23.82 ID:Vq7dVhD60
なんで過去にいったの……

もう少しで終わり……たいです。そろそr

それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

   次回予告


???「お前たちは何故現れる」

???「何故、邪魔をする」

???「王国、ニート、そして勇者」

???「すべては私が作り上げたもの」

???「荒廃した世界を、人類を再生する」

???「それが私の使命」

???「力を持ちすぎたもの」

???「秩序を破壊するもの」

???「プログラムには、不要だ」

???「私は守るために生み出された 私の使命を守り、この世界を守る」

???「修正プログラム 最終レベル」

???「全システムチェック終了」

???「戦闘モード起動」

???改めトリガー「ターゲット 確認 排除開始」

次回「開始して早々に強化手術を受けたレイヴン」


テンテン「私がやるべきだったろ今回の配役」
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 23:28:55.20 ID:tzrRV94Qo
>>947 乙!
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 00:35:24.57 ID:5aPg8sUko
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/12(土) 13:09:58.34 ID:uNC2s4IG0
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 14:06:31.48 ID:a8B21M2N0
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 17:28:38.05 ID:ompZHuwco
乙乙
魔法使いは10代かと思ってた
今作では皆けっこういってるんだな
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 18:36:28.36 ID:RadOs2Juo
乙!

なんで過去にいったのて、あんたがそうしたんだろー!ww
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 23:10:37.04 ID:mAy66JlDO
アッシュの片想いがこの先どうなるのか凄く楽しみ
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/15(火) 00:01:08.80 ID:kfM1CgaD0
人造魔王とisの踊り子の『羽と尻尾の生えた胎児』とは別物?
956 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/18(金) 23:20:56.96 ID:uzNl35Rl0
もう何も恐くない

お久しぶりでございます。更新したいと思います。今回はリアルタイムなので多少時間がかかってしまうと思われますがご了承ください。

>>955
どうでしょうか。難しいラインですw
957 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/18(金) 23:28:45.99 ID:uzNl35Rl0
621

--過去、東の下町--

第一王子「何しにここへ……」

??「主に……この部屋に来るように、言われたのです」

第一王子「っ!!」

つまりはそういうこと。

??「……ふっ、う」

赤い髪の少女は震えている、

第一王子「……とりあえず中へ入りなさい」

??「……」

バタン

第一王子(……こんな子が……)

第一王子はどうしたものかと考えるが、何ができるわけでもない。
とりあえずこの部屋に置いておくことにした。

第一王子「そこのベッドに腰掛けていいよ」

そして第一王子は食事を取って無いことを思い出し、鞄の中から缶詰を取りだした。

??「……?」

第一王子「これかい?王族の嗜みとでも言うべきか、私は外出する際は外で何かを口にしないことにしているんだ。だから缶詰を持ち歩いている」
958 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/18(金) 23:37:44.73 ID:uzNl35Rl0
622

--過去、東の下町--

??「……王子様が……缶詰?」

第一王子「わ、笑うなよ?正直僕は城で出される料理よりもこういった食べ物のほうが美味しいと思うんだ。栄養バランスもすばらしいし」

??「僕って……」

第一王子「え」

第一王子はつい、普段一人のときに使っている一人称が出てしまった。

??「……くすくす」

第一王子「くっ!仕方ないだろ、治らないんだから……よく本当の性格は子供っぽいって言われるけど」

??「……くすくす。よかった」

第一王子「なにが?」

??「怖そうな人じゃ無くて」

少女は不安と安堵が入り混じったような表情を見せる。

第一王子「……心配するな、僕はそういうことはしない」

??「え?」

第一王子「だから、しない。僕は今から鯖缶を食べる」
959 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/18(金) 23:48:08.58 ID:uzNl35Rl0
623

--過去、東の下町--

??「でも、主が」

第一王子「あいつはこの部屋に来るように言っただけだろ?別に何もおかしいことはないさ。あのじじい、僕にごますってもっとおいしい汁を吸おうとか考えてんだぜ」

もしくは共犯にしようと考えてるのかな、と第一王子。

??「……う」

第一王子「?どうした?」

??「……それ、いい匂いがする」

少女は第一王子が頬張る鯖の味噌煮に目が釘付けになっている。

第一王子「……もう一缶あるけど、食べる?」

??「え!いいの!?」

第一王子「すげぇ喰いついた!!」

そりゃもう尻尾がビーンってなるくらい。

第一王子(やっぱり、あまりろくな物を食べさせてもらっていないのかな?いやそれも違うか?)

パキャッ
960 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/18(金) 23:57:36.46 ID:uzNl35Rl0
624

--過去、東の下町--

第一王子は缶をあけると少女の前に、

第一王子「あ、待った」

??「にゃ!?」

ベッドの上の少女は涎を垂らして第一王子の顔を見つめた。

??「な、なんで」

第一王子「これだって僕の夕飯なわけなんだし、ただであげるのはなー。何か一芸を見せてもらおうかな」

??「……一芸?」

少女は可愛らしく首を傾げる。

第一王子「そう一芸!僕を楽しませてくれたならこれを進呈しよう」

??「……なんだ、結局そっち方面にいくんじゃない」

少女はいそいそと第一王子の傍にまでいくとおもむろに

第一王子「だめー!!!!そういうんじゃなくて!!もっと!ちがくて!!なんか違うの!!」
961 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 00:11:57.63 ID:6ugweEVF0
625

--過去、東の下町--

??「……でも私こういうのしか自信ない。逆にこういうのなら自信ある」

第一王子「そういうセリフはやめてくれ……首を絞めることになる」

??「……誰の?」

第一王子「キーを叩いてる人の」

??「じゃあ、どうしたらいいの……」

第一王子「そうだな……じゃあ、笑って見せてくれ!」

??「にゃ?」

第一王子「笑顔だよ笑顔。君はまだ一度も僕に笑顔を見せてくれていない」

先ほどの笑っている時でさえ無表情だった。

??「……笑えない」

第一王子「え」

??「笑う、ってことがわからない」
962 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 00:17:20.02 ID:6ugweEVF0
626

--過去、東の下町--

第一王子「……う」

??「り、りろんはしってる」

第一王子「理論知ってんのかすごいな」

第一王子は頭をかく。

第一王子(……弱ったな。別に缶詰めの一つや二つ素直にくれてやればいいのだけれど、こういう展開にもっていった以上今更な……)

??「じゅる」

そうこう悩んでいる間も、少女は涎を垂らし続ける。

第一王子(駄目だ。このままじゃシーツが汚れて寝れなくなる!……ん)

第一王子はメトロノームのように動く少女の尻尾に目を奪われる。

第一王子「……」

ぎゅっ

??「ふにゃああ!!」

予想以上の反応を見せ、ベッドに倒れこむ少女。
963 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 00:28:12.48 ID:6ugweEVF0
627

--過去、東の下町--

??「にゃ、にゃにするの……?」

少女は身をよじらせて悶える。目線は尻尾を握る手と第一王子の顔をいったりきたり。

第一王子「いや、うねうね動いてたからちょっと気になって」

??「そんなちょっとコンビニ言ってくるみたいな口ぶりで……。というかいくら気になったからっていきなり女の体の一部を」

ぐにゅぐにゅ

??「にゃあっ!?や、やめ!!ぐにゅぐにゅやめめっ!!」

少女は力なくベッドの上で暴れている。

第一王子(ほほう……これはこれは)

第一王子はねこじゃらしをいじるかのように上下にさすったりしてみる。

??「あっ、あっ!!」

第一王子「ふふふ。いいさわり心地じゃないか……」

シュッシュッ
964 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 00:35:52.04 ID:6ugweEVF0
628

--過去、東の下町--

第一王子「いい毛並みだね。このサラサラ加減がたまらない」

??「ふっ、ふんっ……」

第一王子「あむ」

??「食べたー!?」

第一王子は少女の尻尾の先を口に含んだ。

じゅるる

??「や、やめてにゃぁ、あ」

第一王子「ふももも?」

??「しゃ、喋っちゃだめっ!!にゃん!」

少女は息も絶え絶え、涙で溢れた瞳でこちらを見てくる。

第一王子「……」

嗜虐性をくすぐるその表情。

がぶ

??「あにゃっ!?かんじゃ、患者だめぇ!!」

少女は患者の受け入れを拒否した。
965 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 00:42:49.13 ID:6ugweEVF0
629

--過去、東の下町--

第一王子(……何してんだ僕。これではまるで変態のようじゃないか。いけないいけない)

ちゅぽん

??「はっ、はっ……?」

少女はびくびくしながら第一王子の顔をうかがってくる。

??「お、終わ……り?」

第一王子「あぁ、終わり。悪ふざけは終わり。ほら」

パッと尻尾から手を離す。

??「あう」

少女は解放された自分の尻尾を顔元に近付けて確認する。

??「……」

第一王子「よし。ご飯食べよう。あ、その缶は君にあげるから。食べていいよ」

第一王子はベッドから降りてテーブルに向かう。

??「……」
966 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 00:48:22.66 ID:6ugweEVF0
630

--過去、東の下町--

つん

第一王子「ん?」

少女に背中を向けてテーブルに向かっていた第一王子の背中を何かがつついた。

第一王子「今なんか」

??「!!」

少女は第一王子が振り向いた瞬間にベッドの端にまで移動してドアの方に視線をやる。

第一王子「……んん?」

??「……」≪自分じゃないですョ。関係無いですョ。という表情≫

第一王子「……気のせいか?あ、缶詰、ベッド汚さないように降りて食べてくれよ?」

そして第一王子は再びテーブルに向き直す。

??「……」

そろりそろりと少女はベッドの上を移動して

つん

第一王子「……」
967 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 00:56:20.34 ID:6ugweEVF0
631

--過去、東の下町--

今度は反応しないで見る。

つん、つん

第一王子(なんだ?構って欲しいのか?)

サッ

勢いよく振り返ると、

??「!!」

また慌ててベッドの上を移動する。

??「……」≪違いますョ?自分はずっとここにいましたョ?という表情≫

第一王子「……はぁ、こっちで食うか」

第一王子は椅子をベッドの方向に向けて鯖を口に入れた。

もぐもぐ
968 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:08:13.61 ID:6ugweEVF0
632

--過去、東の下町--

??「……」

自分の缶詰に手を出さず、じーっと第一王子を見つめている少女。

第一王子「……ん?どうした?食べないの?」

??「っ」

少女はそろそろ缶詰の前にまで行くと指で取って口に運ぶ。

もぐもぐ

??「……おいしい」

第一王子「だろ?やっぱり鯖を味噌で煮込んだもの、って言ったらこれだよね」

??「やまのてせんげーむ」

しばらくの間二人無言で鯖を食う。

??「……」
969 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:09:15.14 ID:6ugweEVF0
633

--過去、東の下町--

第一王子「ちょっと量は少ないけれど、まぁしょうがないよね。君も我慢してくれ」

??「……」

少女は口の周りにとろっとした味噌をつけたまま第一王子を見ていた。

第一王子「どうしたんださっきから……ほら口も噴いて」

??「ぶっ!!」

第一王子「すまん違う、拭いて」

少女は自分の口周りを舌でなめた後、まるで猫のようにぺろぺろと自分の指をなめ始めた。

第一王子(……こうして見ると、本当に猫なんだな。可愛い顔してるけど)

いや猫もカワイイ顔してるけど。

つん

第一王子の甲を少女の尻尾が触れた。

第一王子(さっきもこんなふうにつついてきたのか)

つん、つん
970 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:10:54.39 ID:6ugweEVF0
634

--過去、東の下町--

第一王子「どうし」

しゅる

開いた掌の中に尻尾が潜りこんだ。

第一王子「……え?」

??「……」

第一王子「……さっき見たいに、しろってこと?これ」

第一王子が握ろうとすると

しゅる

逃げる尻尾。

??「……」

第一王子「??違うのか?」

しかしまた第一王子の手の中に。

第一王子「……」

ぎゅっ

??「あっ!」
971 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:12:23.51 ID:6ugweEVF0
635

--過去、東の下町--

第一王子(……もしかして)

??「ふ、うんっ」

ベッドの上で体を捩じらせる少女。

第一王子「(※このコメントは不適切な表現があったため削除されました)?」

??「……」

恥ずかしげにコクンと頷く少女。

第一王子「……ごく」

※この文章は不適切な表現があったため削除されました。

??「にゃっ」

※この文章は不適切な表現があったため削除されました。

第一王子「でも(※このコメントは不適切な表現があったため削除されました。)」

??「……」

※この文章は不適切な表現があったため削除されました。
972 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:13:22.93 ID:6ugweEVF0
636

--過去、東の下町--

※この文章は不適切な表現があったため削除されました。
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973 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:14:21.14 ID:6ugweEVF0
637

--過去、東の下町--

第一王子「なんだこれは!!まるで僕が何か不適切な何かを行ったみたいじゃないか!!」

??「……ぽ」

第一王子「えぇい!遊んであげただろ!顔を赤らめるな!離せ!」

??「……わたしとのことはあそびだったの?」

第一王子「あぁそうだ、勘違いするな!!僕は君だから気になって接していたわけじゃない!!ただボクがロリコンだっただけの話さ!」

??「ひどい!」

第一王子「くそう!第一ちょっと透け気味の薄い部屋着なんか来やがって!!こうしてやる!!」

第一王子は少女の脇に手をやるとくすぐり始めた。

こちょこちょこちょ

??「にゃっ!?にゃははははは!!や、やめ!!」

第一王子「ほらほらほら!!」

??「にゃははは!や、やめてやめて!!にゃははは!!」

第一王子「そらそらそらそら!!」

??「や、やめ、おろろろろろろろろろろろろろ」

第一王子「!?」
974 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:15:42.47 ID:6ugweEVF0
638

--過去、東の下町--

第一王子「お、おい!!私の部屋を訪ねてきた少女が!!」

ある館の主「おや、昨晩はお楽しみでしたね」

第一王子「お約束言ってる場合ですか!!いきなり戻したかと思うとそのまま……」

ある館の主「あー……随分長い間使用されていたみたいですからねぇ。薬が切れてしまったのでしょう」

第一王子「……?なんだ薬って」

ある館の主「あの子はちょっと、夜を苦手としていましてね。暗くなるだけで不安になってしまうのですよ。それを薬で抑えているのですが……」

第一王子「夜が怖い?猫亜人の特性……なのか?」

ある館の主「さぁ。私にはわかりません。まだ続けるのでしたらこの薬をお持ちください」

第一王子はあえて館の主の言葉には取りあわず薬を持って部屋に戻った。

第一王子「……」

第一王子は自分の部屋に戻るまでの通路で考え事をする。

第一王子(……ふざけるなよ。あのおびえ方は、歪だ。元々の特性じゃないことくらい、僕自身わかっているだろうが!)
975 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:16:17.36 ID:6ugweEVF0
639

--過去、東の下町--

ギィ

??「ひいいい!!」

第一王子「……」

第一王子が部屋に入ると、少女は部屋の隅で蹲っていた。
シーツやカーテンで巣を作るように丸まっている。

第一王子「……お薬、持ってきたんだ。大丈夫だから」

??「にゃああああああああ!!」

少女は首だけだした状態で第一王子を威嚇する。
涙を流し、ガタガタと怯えながら。

第一王子「……ほら、何もしないから。これを飲んで」

??「しゃあああああああああああ!!」

バリっ!!

第一王子「つっ!!」
976 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:17:14.39 ID:6ugweEVF0
640

--過去、東の下町--

整えられたと言っても所詮亜人の爪。たやすく第一王子の腕は引き裂かれる。

第一王子「っっ!!だ、大丈夫、ほら」

??「にゃあー!にゃあー!!」

鳴きながら吐きながら、少女は自分の巣から出てこようとしない。

ボタボタ

第一王子は少女の口に薬を押しこみ、水を飲ませた。

??「んー!!んー!!」

ガシャン!!

バタバタと暴れるせいで、持っていたガラスのコップは落ちて割れてしまう。

??「……はー、はー……」

第一王子「大丈夫……だから」

??「はー、はー……」

次第に落ち着いていく少女の息。
977 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:18:04.89 ID:6ugweEVF0
641

--過去、東の下町--

??「すー、すー」

やっと寝静まった少女の傍らで、第一王子は水の鏡ようなものと会話をしていた。

東の王『なんだ息子。こんな時間に連絡を取ってくるとは』

第一王子「是非父上にお聞きしたいことがありまして」

東の王『……ふん、聞こう』

第一王子「この町の、裏のシステムについて知っていますか?そしてそれは国が絡んでいるのですか?是非お聞かせ願いたい」

東の王『……』

東の王は鏡の向こうであごひげをさすっている。

東の王『やはり、といえばやはりか。正義感の強いお前のことだ。必ずこうなるとは思っていた』

第一王子「っ!!……父上!!ではやはり」

東の王『話してやるから変な気をおこすなよ?』

東の王は語り始めた。
978 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:19:28.97 ID:6ugweEVF0
642

--過去、東の下町--

??「すー、すー」

十数分の王の説明。
第一王子の拳を握りしめる力は徐々に強くなっていった。

第一王子「っ……!!」

東の王『……なぁ、息子。もう少し広い視野で物事を見ろ。いつも言っているだろ?お前の視野はせまい。目先の正義しか見ていない。だから誰も救えない』

第一王子「!!父上!!人の上に立つ者として、そのような行為を黙認していいのですか!?人道的とは思えない!!」

東の王『……戯け。適材適所というやつだ。いや適所すら無い奴を無理やり組み込んでやっているんだ。何も無かった者は色んな物を手にし、彼らが喉から手が出るほど欲していた居場所を与えてやっている。そして結果的に国の発展にもつながっているだけのこと』

第一王子「違う!!そうせざるを得ないように貴方達が追い込んだのだ!!金が絡むとすぐこれだ!!貴方達大人はひどい言い訳で世界を言いくるめている!!」

東の王『お前がガキなだけだ。すぐにわかる。人の生きる世界はどうしようもないんだ、と』

第一王子「……わかりました」

東の王『?やけに聞きわけがいいな』

第一王子「いえ、その意味ではありません、父上と分かりあうことができない、というのを理解しました」

東の王『……ならばどうする?』

第一王子は王族の証である指輪を放り投げた。

第一王子「僕は……自分の道を行く!!!!」
979 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 01:22:19.68 ID:6ugweEVF0
もう少しで終わり(ry

それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
※このコメントは不適切な表現があったため削除されました。
読んでいただき※このコメントは不適切な表現があったため削除されました。



     次回予告

勇者「私、勇者17歳。親友は男友達の盗賊とトリガー。いつまでもずっと三人一緒だと思ってた。私がその不思議な力を手に入れるまでは」

女子高生・勇者は、ある日踏切事故にあったのをきっかけに、時間を過去に遡ってやり直せるタイムリープ能力に目覚めてしまう。

次回「やり直したい過去がある」

トリガー「俺・・・未来から来たって言ったら 笑う?」

勇者「頭を憐れむ」
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 01:24:50.95 ID:yHKdw9aSo
乙!
鯖缶食べたくなってきた…
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 01:26:01.47 ID:g5lU2KsAo
>>979 乙!
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 01:46:15.96 ID:V/Gi37y/o
おつつ!
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 08:00:45.33 ID:Z2k0eHF6o
おつ
色々ひっでぇwwwwww
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 08:50:34.98 ID:yWTFd+7AO
乙です

>>972
SSの削除は止めて下さい
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 10:22:38.22 ID:aoB7AS0b0
乙乙
一瞬スレ間違えたと思った
986 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:16:51.72 ID:6ugweEVF0
643

--港--

賭博師「……はっ、そのありさまがこれかよ……」

右腕を無くしたツインテと、右腕が破壊された賭博師が対峙していた。

ツインテ「はっ、はっ、はっ……あ?何言ってんだオマエ」

賭博師「くくくく。いやぁ、なるほど。走馬灯ってやつか。たった数年前のことだっつーのに、随分と前のことのように思えるぜ」

まるで自分じゃないかのようだ、と賭博師は呟く。

ツインテ「?……衝撃で頭いかれたか?」

ツインテは再び触手を展開し、ゆっくり賭博師へと近づいていく。

調教師「!?」

その様子を横から見ている調教師。
またガタガタと震えだす。

調教師「ご、ごしゅ……」

アッシュ(止めをさすつもりか?)

賭博師「……あいつはさ」

ツインテ「?」

賭博師は力なく俯いたまま喋りだした。

賭博師「あいつは悲しい奴なんだよ……あいつはいつまでたっても一人なんだ。仲間がいないから……同じ目に合ったやつが他にいないから、傷をなめあうことすら出来ない」

ツインテ「……は?」(あいつ?調教師のことか?)
987 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:17:47.69 ID:6ugweEVF0
644

--港--

賭博師「あいつさ、いつまでたっても暗いのダメなんだ。夜中になる度にガタガタ震えてよ、にゃーにゃー泣くんだ。にゃーにゃーにゃーにゃーずっと泣きながら震えてゲロ吐くんだ。それが本当に……ずっと続くんだ……」

ツインテ「……」

賭博師「だから俺が増やしてやるんだ。あいつの仲間を。それしかあいつに出来ることが無かったんだ……。俺は護ってやることは出来ても仲間にはなれない。傷が無いのに仲間のふりするやつなんか信じられないもんな」

調教師「!?」

賭博師「……仲間は自分で作るもんだろ?だから俺があいつの居場所を作ってやる」

賭博師は震える足に力を込め、再び立ちあがった。

ツインテ「……」

賭博師「俺は理解者になってやれない。なぜなら俺は、一部の隙もなく愛されて幸せに生きてきたからだ。完璧に幸せだったと言える。不満をもったり辛いと思ったことはもちろんあるが、それすら幸せの範疇だ。……そんな俺が不幸な人間に出来ることなんて、結局無かった」

ツインテ「……」

賭博師「あいつと同じような境遇の奴を見つけても俺一人じゃ連れだすこともできねぇ。駄目だ駄目だ、って、これはおかしい、って文句言ってるだけでなにもできねぇ……これなら……あの親父の方がまだましじゃねぇか!!」

しゅるしゅる

ツインテ(!……体がしぼんでいく。強化タイム終了か)

賭博師「結局全員が幸せになることなんてありえない。そんな平等はありえなかった。だから俺は……誰もが幸せになれないのなら……」

アッシュ(俺空気だなー……)

賭博師「全ての人間を等しく不幸にしてやると決めた」

ツインテ「!?」

調教師「あ……」

賭博師「全員不幸な平等な世界。みんなを幸せになることは不可能だが、みんなを不幸になることは可能だ。みんな同じ不幸を味わったなら悲しみも苦しみも共有できるだろう?……世界の心を一つにできる。そして世界中があいつの仲間になる……どうよ俺の救世論」

ツインテ「……哀れだな」

ドゴッ!!

ツインテの触手が賭博師の腹部を強打した。
988 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:18:39.12 ID:6ugweEVF0
645

--港--

賭博師「ごふっ!!」

ツインテ「……勘違いすんなよ?その単純で簡単な思考回路が哀れっつってんだよ」

賭博師「……」

ツインテ「……自分の考えを理解して欲しいのか?それとも同情して欲しいのか?まさかこの期に及んで説得出来るだなんて思ってんじゃねーだろうな」

賭博師「……け、全くお譲ちゃんは厳しいな……」

賭博師はちらりと調教師の方に視線を送る。

賭博師「……うだうだ言って悪かったよ。だがあいつは見逃してやってくれねぇかな。俺の命令でむりやり従わせてたんだよ」

調教師「!?ごしゅ」

ツインテ「んな風には見えねぇよ」

賭博師「……ちぇ。普通そこは信じるもんだろ」

ツインテの触手の先端がドリル状に変形する。

賭博師(このお譲ちゃん揺さぶりもまったくきかねぇし。……まじで詰みか)

調教師「ま、まって!!」

ツインテ「……?」

調教師が大声で叫ぶ。

ツインテが調教師の方に視線をやると、

バジリスク「ぎゃる……」

バジリスクがアッシュを襲おうと構えている。

調教師「そ、その人を解放して!でないと、この人を、殺します!!」

ツインテ「……何交渉材料にされてんだオマエ。ほんっと使えね」

アッシュ「……うぅ……」
989 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:19:19.39 ID:6ugweEVF0
646

--港--

賭博師「お前……」

ツインテ「好きにしたらいいじゃねぇか」

調教師「!?」

アッシュ「え!?」

ツインテ「別にそいつが苦しめられようが殺されようが俺様にはかんけーねー」

賭博師「……同情するぜ少年」

調教師「っ!!ほ、本気で殺しますよ!?」

ツインテ「やってみろよ。それより早く賭博師ぶっ殺してやるから」

アッシュ「どんな早撃ち勝負になってるんだこれ!?」

調教師「う、うぅ!!」

ツインテ「つか、別にそいつ殺されても蘇生すりゃいいだけだし。焼かない限り肉片が消失することはないし」

調教師「うぅう!!」

ツインテ「はっ。八方塞がりなんだよ猫ォ」

ツインテは触手を振り下ろした。

調教師「や、やめて!!」

調教師は駆けだして、賭博師に覆いかぶさった。

ガバッ!

ツインテ「……」

アッシュ「……!?おいツインテ!!」

ギャリギャリギャリギャリ!!
990 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:19:58.66 ID:6ugweEVF0
647

--港--

無数のドリルは、覆いかぶさった調教師ごと賭博師を掘った。

ビシャビシャビシャビシャッ!!!

調教師「がっは……」

賭博師「ばっ!お、おまえ……な、なにして」

アッシュ(今のタイミングなら確実に触手を止められた……ツインテ、お前……)

調教師は大粒の涙をこぼしながら、血で濡れた手で賭博師の頬に手をやる。

調教師「……知らなかった……今までのこと、全部、私のために……してたんですか……」

賭博師「っ!!」

調教師「おかし、いとおもった……です。あの屋敷を出たあとも、あんなに頑張って……それでも何も助けられなくて……無理して、やつれて、思いつめて、次第に心を病んで……結局あの人達と同じことに手を出して……」

賭博師「……」

調教師「私を……理解できていない……なんて、思ってたんですか」

賭博師「っ!」

調教師「幸せな人は嫌いです……なんで私だけ不幸にならなきゃいけなかったのかって、幸せそうに笑う人達がすごく、妬ましかった」

賭博師「っ……」

調教師「夜が、今でも怖いです。暗いのが怖いです。今でもお母さんを思って啼きます……これは完全に払拭することができない心のしこり……」

賭博師「……」

調教師「でも貴方がいるから夜を乗り越えてこれた!!……あの時の缶詰の味は今も忘れない!!」

賭博師「……お前……」
991 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:20:30.92 ID:6ugweEVF0
648

--港--

ツインテ「……」

ぎゃりぎゃりぎゃり!!

調教師「あああああああ!!」

賭博師「ぐああっ!!」

ツインテはドリルを再び回した。

アッシュ「お、鬼か!!」

調教師「はっ、はっ……で、でもわ、わたし…随分前からもう……他人の幸せなんて、どうでも、よかったんです」

賭博師「ひゅー、ひゅー……」

調教師「白雪の子には……わかったようなことを言われて、ちょっと、久しぶりに怒りがこみ上げてしまいましたけど……でももういいんです……だって、私ももう……幸せを、知りましたから」

賭博師「っ!!」

調教師は力なく賭博師に倒れこんだ。

賭博師「………………………………ごめん……僕は…………」

賭博師は一筋の涙を流す。

調教師「わたしは、……あな、たと……いれたら、それだけで」

賭博師「ごめん……でもお前と一緒に終われるなら、こんな終わりも悪くはな、いか、もな」

賭博師は調教師の背中に手を回す。
調教師は半びらきの眼で最後に賭博師を見た。

調教師「!……ふふふ。ご主人さま、血で、真っ赤です、よ。まるで、同じ紅蓮種みたい……」

賭博師「……」

血に濡れた賭博師と調教師、赤く染まった二人は抱き合って事切れた。
992 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:21:00.16 ID:6ugweEVF0
649

--港--

ツインテ「やれやれ。上手く死ぬタイミングを調整すんのもむじーもんだな」

アッシュ「お前……ツインテ」

アッシュはツインテを睨んで立っている。

ツインテ「……んだよ」

アッシュ「……命を弄ぶだなんて、やっぱりお前らしくない!」

ツインテ「わけわかんねーこといってんじゃねぇよ、俺は俺だ俺様だ」

ツインテは触手を解除して左手に魔力を集めた。

アッシュ「!!何する気だ!!」

ツインテ「黙って見てろ。水属性蘇生魔法、レベル2」

ぽわわわわん

ツインテの放つやさしい魔力の光が賭博師と調教師の体に降り注ぐ。

アッシュ「!!……」

賭博師「……ん?あ、あれ?俺は死んでいたはずじゃ……」

調教師「ご主人……様?」

パンパンとツインテは手を叩く。

ツインテ「はいはい、胸糞悪くなるような茶番はしめーだ、おめーら。綺麗な死に方で全部水に流そうとしてんじゃねーぞ?」

賭博師「!?……ま、まさかさっきみたいに俺らを何度も殺す気か……?」

ツインテ「あ?」

調教師「ご、ご主人様!!」

調教師は賭博師を庇うように立ち上がる。

ツインテ「何言ってんだオマエ。こっちももう疲れてんだよ。さっさとやることやれや」

賭博師「や、やること?」

ツインテ「あぁ!?人に迷惑かけたらごめんなさいだろうが!!」
993 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:21:35.79 ID:6ugweEVF0
650

--港--

港には賭博師と調教師がツインテの前で土下座していた。

賭博師「す、すいませんでしたああ!!」

ツインテ「すいませんで済むかぼけぇえ!!俺は片腕無くしてんだぞこらぁ!!どう落とし前つけてくれるんじゃあ!!」

調教師「え、えぇえ!?あ、謝れば許してくれるのではないんですか!?」

ツインテ「常識的に考えて謝って全て解決するわけねぇだろバーカ。大体お前ら今まで何回こういうことしてきてんだよ」

賭博師「えっと……三回、くらいですかね」

え?っといった感じで驚きながら賭博師の顔を見る調教師。

ツインテ「ほんっとうにそれだけか?」

賭博師「す、すすすすいません!!6回です!!全部で7人です!!」

アッシュ「子供の嘘かっ!!」

ツインテ「倍も違うじゃねえーか!!なんで嘘ついたんだファッキン!!いいか?よく聞けよ?」

クドクドクド

ツインテのお説教が始まる。
それを見つめるアッシュ。

アッシュ(……わざと……だったのか?全部。最後のだって彼らの本当の気持ちを……わふー><)

ツインテ「大体おまえらお互いがお互いを気遣って歪んでるふりをしてたってとこか?ば〜〜〜〜っかじゃねえの!?」

賭博師「すいませんすいません!!」

調教師のために悪事をしてる、と思われないように自分が歪んだふりをした賭博師。
それでも賭博師と歩むために、同じように歪もうと思った調教師。

調教師「ごめんなさいごめんなさい!!」

ツインテ「校庭100周」

賭博師、調教師「校庭ってどこ!?」
994 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:22:07.63 ID:6ugweEVF0
650

--港--

港には賭博師と調教師がツインテの前で土下座していた。

賭博師「す、すいませんでしたああ!!」

ツインテ「すいませんで済むかぼけぇえ!!俺は片腕無くしてんだぞこらぁ!!どう落とし前つけてくれるんじゃあ!!」

調教師「え、えぇえ!?あ、謝れば許してくれるのではないんですか!?」

ツインテ「常識的に考えて謝って全て解決するわけねぇだろバーカ。大体お前ら今まで何回こういうことしてきてんだよ」

賭博師「えっと……三回、くらいですかね」

え?っといった感じで驚きながら賭博師の顔を見る調教師。

ツインテ「ほんっとうにそれだけか?」

賭博師「す、すすすすいません!!6回です!!全部で7人です!!」

アッシュ「子供の嘘かっ!!」

ツインテ「倍も違うじゃねえーか!!なんで嘘ついたんだファッキン!!いいか?よく聞けよ?」

クドクドクド

ツインテのお説教が始まる。
それを見つめるアッシュ。

アッシュ(……わざと……だったのか?全部。最後のだって彼らの本当の気持ちを……わふー><)

ツインテ「大体おまえらお互いがお互いを気遣って歪んでるふりをしてたってとこか?ば〜〜〜〜っかじゃねえの!?」

賭博師「すいませんすいません!!」

調教師のために悪事をしてる、と思われないように自分が歪んだふりをした賭博師。
それでも賭博師と歩むために、同じように歪もうと思った調教師。

調教師「ごめんなさいごめんなさい!!」

ツインテ「校庭100周」

賭博師、調教師「校庭ってどこ!?」
995 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:23:22.91 ID:6ugweEVF0
651

--港--

ツインテ「ん?……ちっ、まだ暴れ足りないけど、時間がきちまった……いいかてめーら。ちゃんと償えよ!?あとアッシュ!!」

ふわふわ

アッシュ「え?」

ツインテ「……んでもねー」

飛び散っていたツインテのリボンが、ツインテ目がけて飛来する。
そして。

しゅるる

リボンはツインテの魔力に触れると元通りに修復され、ツインテの髪を結った。

ツインテ「……」

アッシュ「こ、この髪型はまさしく」

ツインテ「……う」

ツインテはスー、っと涙を流した。
そしてツインテは地面に膝を付けて二人の目線の高さに合わせる。

ツインテ「その……ボクが、いや厳密に言うとボクじゃないんですけど、それでも賭博師さんの寿命を随分削ってしまった……それはもうどう謝っても返してあげることは出来ません。だからこんなことを言えた立場じゃないのはわかってます。でも、でも言わせて下さい。これからもしっかり生きて下さい」

アッシュ「お、おお」

ツインテ「貴方達はお互いに大切な人が傍にいる。これからはどんな苦難も乗り越えられるはずです。そして……しっかり生きてしっかり償って下さい。貴方達は不幸にした人達を自らの手で助け出して、謝って、奪った幸せを返してあげなくちゃいけないんです!!」

ツインテは賭博師の手を取って、微笑みかけた。

賭博師「は、はいい!!僕達が間違っていました!!聖女様!!」

調教師「聖母あぁあ!!」

二人は涙を流しながらツインテの左手を握る。
変な宗教の誕生の瞬間である。

アッシュ「お、おおおおお!!」

アッシュの瞳から次から次へと涙があふれてくる。

アッシュ「これだ……これでこそラブリーマイエンジェルツインテたん!!」

ポニテ「へっきし……なんか寒いなむにゃむにゃ」
996 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:24:18.24 ID:6ugweEVF0
652

--コロシアム、上空--

ウーノ「まさか……1対3で押されるとは思いもしませんでしたわ」

ドゥーエ「うん、悔しいけれど、私達はまだ調整段階だしね!」

トーレ「……屈辱……」

テンテン「ふ。所詮は私にかかればこの程度よ、とドヤ顔。さぁ部屋の隅でガタガタふるえて命乞いをする心の準備はOK?」

ざ、ざざざ

その時ウーノ達に無線が入る。

ウーノ<!!研究員様ですか!?助けていただきたいですわ!破壊されそうです!!>

研究員<あー。君達もう十分ですよー。わたしは塔の所にいるので拾って下さいー。脱出しましょー>

トーレ<……人造魔王はどうなったんですか?>

研究員<あの子は残念ながらやられちゃいましたー。いやー君たちにも見せてあげたかったですよー。生きた鬼がいたんですー。もうあの人造魔王ちゃんがひたすら押されてですねー>

テンテン(……こいつら無線で会話しているのか?ならば早めにけりをつける!!)

テンテン「右腕部及び脚部を、エネルギーに変換開始」

チンチンの右腕と両足が一瞬で消え去ってしまう。そしてテンテンは発光しだした。

テンテン「モード・背水の陣」

ギイイイイイイイン!!

ウーノ<研究員様!それよりもこの機械兵をどうにかしないと!!>

研究員<あー?じゃぁドゥーエちゃんのお尻を叩いてみて下さいー>

ドゥーエ「え?……こう?」

パン
ブッ!!

その空域を灰色のガスが埋め尽くした。

テンテン「く!?煙幕か!?しかもくさっ!!」

ドゥーエ「いつの間にこんな機能をつけたのー!?!!恥ずかし乙女!!」

トーレ「とりあえず逃げさせてもらいます……。次にあった時は決着をつけるから!」

バヒューン

テンテン「……ち、このモードをさらしたと言うのに逃がしたか……」
997 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:24:51.83 ID:6ugweEVF0
653

--コロシアム--

人造魔王「ぐあぁ、ほあぁ!!」

コロシアムの中心には、魔法の紐で全身を縛られた人造魔王がもがいている。

槍兵「すげぇ……あの人造魔王をいとも簡単に……」

秘書(こいつが砂漠の風の頭……逃がしたくない、だが……どうすることもできない!!)

鬼姫の周りには全部隊長が集結していた。

占隊長「ボスが弱らせていなかったら束縛できませんでしたよ。抑え込む時に暴れただけでうちの鶏死んじゃいましたし」

忍隊長「……」

鷲隊長「ふしゅるるる」

筋隊長「ふはあはは!!我が筋肉に叶うものなしぃぃ!!」

蜂隊長「ぶーん。とっても汗臭いぶーん。ワキガぶーん」

鯱隊長「み、みず。みずくれぇいビチビチビチ」

変化師「……あ、あの筋肉質な男……いい!!」

魔導長(やれやれ。どっかで見たことあるような奴ばっかりなの)

鬼姫「さて、西の王から魔王の骨はもらったっす。じゃあここをおいとましようっすかね。あ、占隊長ちゃんは後で盾男君の班を怒っておいて欲しいっす」

占隊長「盾男君〜?はぁ、また何かもめごとを起こしたんですかぁ」

盾男「す、すいません占隊長……」

鬼姫は夜空に輝く月を見ている。

鬼姫(……)
998 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:25:25.54 ID:6ugweEVF0
654

--夜道--

レン「あーん!あーん!」

ポニテ「ごめ、ごめんねぇえ!!わた、私のせいでぇえ!!」

ツインテ「そ、そんなに気にしないでください。ボクが右腕を失ったのは、回復魔法の不勉強がたたったせいなんですから」

レンとポニテは泣きながらツインテに抱きついていた。

レン「れ、レンのせいだもんっ……だからレン、一生ツインテと、いっしょにいる!!」

ポニテ「うわぁあん!!私もいるうう!!」

そしてその横で土下座している賭博師と調教師。

ポニテ「きっ!!あんたたちのせいで……あんたたちのせいでツインテちゃんがねぇ!!」

ポニテは全身これ火の化身となり燃え上がる。

賭博師「すいませんすいませんすいません!!」

ツインテ「も、もうやめてください!!賭博師さん達との戦いはもう終わったんです。だから、もういいんです」

ポニテ「……うぅ。ツインテちゃんにそんなこと言われたら……私手が出せないよ」

とかいいつつ賭博師の頭に醤油をかけているポニテ。

賭博師「え?え?」

ポニテ「私醤油の焦げた匂いがとても大好きナンダァアア」

賭博師「ひいいいいいいいいいいい!!」

わーぎゃーわーひー

ツインテ「……」

その騒ぎをなんとも言えない表情で眺めているツインテ。
999 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage saga]:2011/02/19(土) 20:26:37.56 ID:6ugweEVF0
655

--夜道--

盾男「……よ」

ツインテ「!?」

宿屋に向かう道に盾男達三人と占隊長が立っていた。

弓女「よかったみんな無事で……!?つ、ツインテあんた!!」

斧女「っっ!!……ツインテ……」

盾男「っぐ……」

ツインテ「あ、あはは。皆さん元気そうでよかったです。そう言えばコロシアムの騒ぎは収まったんですか?ボク達こっちが忙しくて」

がば

ツインテ「……あ」

弓女「ううぅ!!ごめんなっ!!ごめんな!!手伝ってやれなくて……ちくしょお!!ツインテ片腕無くなっちまってるじゃねぇかよぉ!!」

ツインテ「弓女さん……」

斧女「ごめんなさいツインテ。私達は……貴女達を……」

ツインテ「……いいんですよ。誰にだって優先することはあります。それにボク達は誰も死ななかったんです。だから」

占隊長「なるほど。この子達に迷惑をかけたんですか。全く情けない子達!……ツインテさんと言いましたか、私の部隊の子達と仲良くしてくれたみたいでありがとうございます」

ツインテ「い、いえ、そんな迷惑だなんて!」

アッシュ「部隊?」

ツインテ「多分砂漠の風の部隊なんだと思います」

アッシュ「な、なにい!?」

一斉に距離を取るツインテとレン以外のみんな。

弓女「う、わかってても辛いな」
1000 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:28:14.16 ID:6ugweEVF0
予告

勇者と盗賊を取り込んだまま凍結される霊山。

廃棄される実験体。

幽閉される亜人種。

戦場へと投下される次世代の兵士達。

胎動する十代目魔王とその従者。

ついに集う、運命を仕組まれた人造勇者達。

果たして、ハッピーエンドを望む人々の物語は、どこへ続くのか。

次回 酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった:III 〜Triangle〜

さぁ〜て、この次も、サービス、サービスゥ!

※なお、無断で内容を変更させていただく場合がございます、あらかじめご了承ください。
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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上条「退学ですかぁ!?」小萌「そうなんですよー」 @ 2011/02/19(土) 20:06:20.71 ID:FuNIHYct0
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好きな人いるんだがそいつに安価 @ 2011/02/19(土) 19:55:53.32 ID:v/9Vc02AO
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近所の女子高生とかにギター教えてるpart8 @ 2011/02/19(土) 19:31:54.87 ID:woFwde6ao
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禁書SSばっかうっぜ〜な〜 書いてる奴死なねーかな〜 @ 2011/02/19(土) 18:57:42.96 ID:WYccpwIFo
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霊っていると思うか? @ 2011/02/19(土) 18:46:43.27 ID:AHwdei9DO
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とある黒夜の母娘物語《ハートストーリー》 @ 2011/02/19(土) 18:07:25.75 ID:PbcToQ4f0
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ムンナ虐待スレ @ 2011/02/19(土) 18:02:41.32 ID:5eNpoze50
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けいおんSS 雑談スレ Part.34 @ 2011/02/19(土) 17:39:28.94 ID:Ikv7Hpya0
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