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酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった3 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:31:35.54 ID:6ugweEVF0
盗賊「おいっす。久々!!これは勇者と魔王系ssなんだってよ」



≪過去スレ≫

○勇者募集してたから王様に会いに行った(初代スレ)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266908272/

収録内容
・勇者募集してたから王様に会いに行った(完結)
・勇者募集してたから王様に会いに行った・外伝 盗賊だけど今日勇者に解雇された(完結)


○酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった(二代目スレ)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269828571/

収録内容
・酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった(一部完結、二部153まで)※勇者募集の続編になります。
・酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった 番外編ss・魔法使いに大切なもの(完結)


○酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった2(三代目スレ)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294928266/

収録内容
・勇者募集してたから王様に会いに行った 番外編ss・isの踊子(完結)
・酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった(二部655まで)




≪まとめブログ様方≫

○【SS宝庫】みんなの暇つぶし様
http://blog.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1422410.html

○SS 森きのこ!様
http://morikinoko.com/tag/勇者募集してたから王様に会いに行った



≪リメイク用のブログ≫
http://sssukidesuuu.side-story.net/



≪あらすじ≫

盗賊「えっと、主人公が男の娘と厨二君とカニバっ娘の三人が繰り広げる……旅。うん、旅。無駄に長いから気を付けたほうがいいな」
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【クリスマス・年末・年始】連休暇ならアニソン聴こうぜ・・・【避難所】 @ 2024/04/30(火) 10:03:32.45 ID:GvIXvHlao
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714439011/

VIPでガンダムVSシリーズ避難所【マキオン】 @ 2024/04/30(火) 07:03:33.32 ID:jpWgxnqGo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714428212/

今日も人々に祝福 @ 2024/04/29(月) 23:42:06.06 ID:cZ/b8n+v0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1714401725/

ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part12 @ 2024/04/29(月) 20:01:59.10 ID:OQox+0Ag0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714388519/

私が書いた文だ 一度読んでみて @ 2024/04/29(月) 13:03:50.96 ID:zomKow9K0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714363430/

私が書いた文はどう? @ 2024/04/29(月) 12:48:33.59 ID:6mJNXBCE0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714362513/

感情から生まれたものたちとの物語【安価】 @ 2024/04/29(月) 10:45:54.36 ID:0XsgiyN10
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714355153/

【安価】タイトルからあらすじを想像して架空の1クールアニメを作る 2024春 @ 2024/04/28(日) 16:37:54.07 ID:PHuiugtM0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714289873/

2 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:33:42.74 ID:6ugweEVF0
656

--宿屋、前--

宿屋の店主「そわそわそわそわ」

ツインテ「あ」

宿屋の店主は宿屋の前でぐるぐると回っていたが、ツインテ達4人を見つけると急いで駆け寄ってきた。

宿屋の店主「お、おかえりなさい!帰ってこなかったらどうしようかと思ってずっと…………ツインテさん」

ツインテ「あ、あは。みんなして同じようなリアクション取らないでくださいよ」

宿屋の店主「だ、だだだってあなた……くぅ」

だばだばと泣き始める宿屋の店主。

ツインテ「お、大げさですよ」

ポニテ「ていうかあの守銭奴が泣いてる!!」

レン「……気持ち悪い」

宿屋の店主「う、うるさいです!!食事も用意してあるしお風呂も沸いてます!!だから好きなようにしてくつろいでいってね!!」

至れり尽くせりの気持ち悪さだった。


その夜。

レン「すー、すー」

ポニテ「ぐおーぐおー」

ハードな一日を終えたレンとポニテは、ツインテをしっかり抱きかかえて寝ていた。

ツインテ「う、うぅ。寝苦しいよ……でもこれも最後か……」

ツインテは天井に右腕を伸ばす。

ツインテ「……」

否、伸ばそうとしてみるだけ。

ツインテ「……ちっとも高い代価じゃなかった。むしろ安すぎるくらい……でも……」

ツインテはそっと目を閉じた。

ツインテ「うん……明日は、ちゃんと言わなくちゃ」
3 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:34:28.37 ID:6ugweEVF0
657

--宿屋、前--

翌日。

ポニテ「お世話になったの!」

ツインテ「お世話になりました」

宿屋の店主「いえ、こちらこそこの数日間は楽しかったですよ。その……」

宿屋の店主はツインテの右腕の部分を一瞬見る。

宿屋の店主「気を付けて下さい。これ、お守りですから」

宿屋の店主は緑色の宝石のペンダントをツインテに渡した。

ツインテ「これは……」

宿屋の店主「妻の形見です。なんでも所有者を危険から救ってくれるまじないがかけられているとか。私が持っていても仕方がありませんし、どうか持って行ってくれませんか?」

ツインテ「え、で、でもこんな」

宿屋の店主「これはお願いです」

ツインテ「……わかりました。ありがたく貸してもらいますね。旅が終わったら返しにきます」

宿屋の店主「……ふふ。待ってますよ」

ポニテ「なんだかんだですっげーいい人じゃんおじちゃん!宿代も最初に言ってたのより随分安かったし」

宿屋の店主「そ、そんなことありませんよ。貴方達の知らない所でしっかりお代は頂いているんです!!」

レン「……つよがり」

宿屋の店主「あ、レンさんはもうちょっと自分の体型にあったデザインの下着をつけることをお勧めします」

レン「!!」

田代だった。
4 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:35:06.84 ID:6ugweEVF0
658

--船着き場への道--

ポニテ「さいってーだよ!!あのエロ店主!!」

アッシュ「全くだ。男の風上にもおけんやつよ……さて、次の目的地だが」

ツインテ「あ」

レン「?どうしたのツインテ」

ツインテはわざとらしく咳をしてみんなの注意を促す。

ツインテ「その、あのですね」

ツインテはちょっと恥ずかしそうに頭をかく。

アッシュ「?忘れ物か?なら俺が取りに言ってやるぞ」

ツインテ「いや、ちょっとですね」

ポニテ「ばかっ!!アッシュ君のバカ!!女の子には男の子がふれちゃぁなんねぇ私物とかだってあるんだよ!?」

アッシュ「む?それはすまない……」

ツインテ「そうじゃなくてですね」

レン「?ゆうしゃしょうめいしょならレンが持ってるよ。昨日とばくし達に返してもらったから」

ツインテ「……違うんです」

アッシュ「……ツインテ?」

ツインテ「次の目的地は、その三人で決めてもらいたいんです。ボク……このパーティを抜けようと思うんです」

アッシュ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

アッシュ、ポニテ、レン「なにい!?」
5 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:36:14.69 ID:6ugweEVF0
659

--船着き場への道--

アッシュ「な、何を言っているんだお前は!!ぜ、絶対にそんなことをきょ、きょきょきょかしなななな」

ポニテ「な、なんでなんで!?私のせい!?」

レン「レンが悪いの!?レン!?」

ツインテ「ち、違いますよ!!皆さんのせいじゃないです!!むしろ……」

ツインテはマントを右腕の付け根を見せる。

アッシュ「……っ」

ツインテ「ただでさえ……ボクは戦力になりませんでした……この王国に来る前だって、来てからだって……でもこれで決定的になったんです。今のボクじゃ、今まで以上に皆さんの足を引っ張ることになる」

ポニテ「ツインテちゃん……」

ツインテ「あ、勘違いしないでくださいね?こうなったことは後悔していません。むしろ誇りに思っています。こんな無力なボクでも、レンさんの命を守ることができたんですから……」

レン「……ツインテ……」

ツインテ「でも、もうボクはまともに戦えない。皆さんと一緒に……ひっく……旅をすることができない……うっ……魔王討伐なんて……ボクなんかがいたら……う、うぅ!!」

ボロボロと泣きだすツインテ。

アッシュ(ストレート状態のツインテを知っている俺からしたら、十分戦えると思うんだが、それを今言うのはさすがに空気読めてないか)

ポニテ「じゃーもう勇者やめる!」

ツインテ「!?」

レン「……」

アッシュ「な、何言って」
6 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:37:03.48 ID:6ugweEVF0
660

--船着き場への道--

ポニテ「ツインテちゃんと一緒にいられないんじゃ意味ないもん!!だったら勇者やめる!!魔王討伐なんてどうでもいいっ!!」

レン「れ、レンも!!」

アッシュ「お、おま」

ツインテ「何言ってるんですか!!駄目です!!ポニテさん達の実力は一番近くで見てたボクがわかります!!ポニテさん達ならいつの日か魔王を倒せます!!ポニテさん達が魔王を倒さないで誰が倒すんですか!!誰が世界を救うんですか!!」

ポニテ「いーのっ!!」

がばっ

ポニテはツインテに抱きついた。

ポニテ「私だって本当は勇者になりたい。勇者になるために始めた旅だもん!!……でももうそんなことよりツインテちゃん達と一緒にいることのほうが大事になったんだ!!」

ツインテ「ぽ、ポニテさん……」

ポニテ「だからもういい……ずっと田舎で療養でもいいの!!世界が滅んじゃったっていいの!!」

レン「レンもツインテがいるところに行く!!」

アッシュ「あ、アッシュも!!」

ポニテ「お前は抱きつくんじゃねぇ!!」

ゲシッ

顔面を蹴られるアッシュ。
7 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:37:56.06 ID:6ugweEVF0
661

--船着き場への道--

アッシュ「っつつ……けどよ、本気で言ってるのか?」

ツインテ「……そ、そうですよ」

アッシュ「本気でこのパーティを抜けたいってことと、勇者をやめるってこと」

ツインテ「今のボクじゃ本当に何も……」

ポニテ「いーもんねー!私小さな村の中で勇者目指すから!!」

レン「随分規模が小さくなった」

アッシュ「……お前らの気持ちはわかった」

アッシュはぼりぼりと頭をかいてツインテ達に背を向けた。

ツインテ「あ……」

ポニテ「……アッシュ君……」

レン「アッシュ……」

そしてアッシュは歩きだした。

ツインテ「あ、アッシュ君、このペンダント!ボクが持ってても仕方が無いから……」

アッシュ「断る。それはお前が預かったものだろう?人におしつけるな」

ツインテ「あ、う……」

ポニテ「ひどいよアッシュ君!!バーカ!!」

アッシュ「うっさい!!早く行くぞ!!砂上船は午後に一本しかないんだから!!」

ツインテ「……え?」

ポニテ「砂上船?」

アッシュ「お前ら……昨日の砂漠の風の女のお礼、忘れたのか?」
8 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:38:33.05 ID:6ugweEVF0
662

--過去、夜道--

占隊長「部下が迷惑をかけたみたいだから、お礼に占ってあげるわ」

ツインテ「占い……?」

盾男「あぁ、占隊長の占いは超高確率で当るからな。もう予言に近いレベルだぞ」

占隊長「余計なことは言わなくていいんです。ではどの子を……うん、ツインテールの子、占ってあげるからこの水晶に手をかざしてね」

ツインテ「え、あ、はい」

ぼわー

占隊長「ネレバネルホド〜」

アッシュ「なんだその呪文」

弓女「そうね……東に言ってみなさい。いいことが起こるはずよ」


--船着き場への道--

ポニテ「あーそういえばそんなこと言ってたっけ」

レン「言ってた。ポニテの忘れん坊」

ポニテ「食うぞ猫」

レン「にゃんっ!!」
9 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:39:31.73 ID:6ugweEVF0
663

--船着き場への道--

ツインテ「いやでも……」

アッシュ「……それに知らないのか?東の王国は医療魔法、医術は世界最高レベル。もしかしたらツインテの右腕をどうにかする手立てがあるかもしれない」

ツインテ「!!」

ポニテ「!!」

がぶ

レン「どさくさにまぎれてレンを噛むなー!!」

ツインテ(まだ右腕をどうにかする方法が……ある?)

アッシュ「だ、だからそれまで勇者は廃業だ。ただの冒険者、いや観光客だ!!」

顔を真っ赤にして宣言するアッシュ。

ポニテ「わーい!!なんだかんだ言って優しいからアッシュ君好きっ!!」

レン「ツンデレ」

アッシュ「ちげぇし!そんなんじゃねぇし!?」

わーぎゃー

ツインテ「……」
10 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:40:44.11 ID:6ugweEVF0
664

--過去、夜道--

占隊長「でも大変なことになっちゃったね。まだ若いって言うのに……」

ツインテ「あはは……」



--船着き場への道--

ツインテ「……」

……そんなことないです。

ポニテ「よしこのさいだからアッシュ君も味見しておこうかなっ!!」

アッシュ「なんだこのカニバ!!やっぱりお前は除隊だ除隊!!」

レン「レンが抑える」

わーきゃー

ツインテ「あははは」

ツインテは涙を拭って思いきり笑った。



だって不便になっちゃったけど、不幸じゃないですから。



      酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった
              第二部
         武術大会 in 西の王国コロシアム
               完




アッシュ「あ……そういえば金髪を忘れていた!!」
11 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/19(土) 20:45:32.09 ID:6ugweEVF0
えーと、ですね。とりあえず長きに渡ってみていただいた方、ありがとうございます!!
えぇと、二部が始まったのって……2010/06/21(月) 22:22:42.37 ID:dm6UOcY0

・・
・・
・・
・・
6月!?……なんという……

とりあえず二部終了しましたので、本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
三部に続く!
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 20:46:12.43 ID:bAZQWKIMo


チンチンの右腕と両足が一瞬で消え去ってしまう。そしてテンテンは発光しだした。

ここは突っ込んだら負けですか
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 20:59:33.29 ID:OcZhtpgEo
>>11 乙!
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/19(土) 21:13:05.72 ID:/SqHdC/f0
>>11 乙!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 22:28:23.32 ID:J1QfgsrX0
>>11乙乙
砂漠の風の隊長の狐がいない…
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 23:10:06.01 ID:Z2k0eHF6o
乙乙!!
初代スレからもうすぐ1年ですね
これまでもこれからも楽しみにしてます
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 01:52:32.83 ID:/Q+SqJ/No
乙!!
長かったぜ〜2部。
でも面白かったぜ。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 03:22:16.27 ID:4k6nbAhDO
乙!
ツインテが可愛い過ぎて胸が沸騰しそう
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 10:44:33.48 ID:papWS80f0
今更だけどアッシュ君のキャラが崩壊してるっていうか砕け散ってるよね
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 11:41:27.98 ID:v/fE7OWpo
乙です

>>19
主人公になり切れずにギャグキャラになっちゃったな
だがそれがいい
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 02:44:52.69 ID:gM/z6qxro
乙!
ツインテは右腕じゃなくてチンコを犠牲にすれば良かったと思うんだ
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 08:08:44.39 ID:10Bn+J/DO
>>21
レンが可哀想だろ
それに付いててこそのツインテだろう、違うか?
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 14:05:03.46 ID:Lo3GoyJV0
>>21
>>22

ツインテってチンコ生えてたの?
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 12:06:08.58 ID:DymplDvAO
男根!恐ろしいほどに男根!
25 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/23(水) 00:50:50.89 ID:/vwR6Iq10
ついに来ました。
今日は……皇太子様、そして友人の誕生日になります。いやぁめでたい!


はい。

……もう一つの誕生日でもありますね……ふふふひひひひひ。

ハッピーバースデイ、このss!!

というわけで一周年を記念して、ブログの方にssをうPさせてい・た・だ・き・ま・し・た。


……すいません。完全にただの蛇足です。第四部と銘打ってはいるものの、内容は3部の最後の方の空白の出来ごととなっています。

実はこの話は最初から考えていたものではありました。が、2010/03/09日。この日から諸事情により数日間でかける予定でした。なかなかいい所でひっぱったまま日にちを開けるのはよくない、と考えた結果、この話はお蔵入りになりました。

なので今更ではありますが、がんばって書きました。一日で書いたのでちょっとクオリティがアレな気もしますけどそれこそ今更。中には以前のままの方がいい、という人もいらっしゃるかと思います。そういう人からしたらまさに蛇足。

でもまぁ……気が向いたら読んでやってください。それでは一年間も続けられたことに、一年間も応援していただいたことに感謝してノシ

26 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/02/23(水) 00:51:41.95 ID:/vwR6Iq10
ツインテはちんちんついてこそのツインテ!


え……で、ですよね?あれ?
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:00:23.53 ID:y+22e9lSO
一周年おめ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:15:58.10 ID:6q0QR7eyo
Happy birthday to this SS!

ついにツインテのチンチンは作者にも見えなくなったかww
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:18:15.57 ID:cpLQJEoXo
もう一年か……早いなぁ
建った当時から追ってます
頑張ってください!
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:46:04.69 ID:y+22e9lSO
第四部見てきた
お前は感動させたいのか笑わせたいのかどっちだwwwwww

しかし勇者と盗賊はやはりいいなあ…
今作には出るのかな…
それとカブトはどうなった?
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 03:24:16.28 ID:DS2V0ibNo
一周年おめでとう!第四部も面白かったよ!
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 16:07:44.35 ID:5pis7tZro
そうかもう一年たったのか

4部乙
やっぱ盗賊と勇者のコンビはいいな
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 16:49:07.09 ID:EhoFP5fZo
一周年おめですよ
四部もお疲れさまでした、面白かったですb
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 01:49:21.92 ID:ZRmyTiB50
久々にスレのぞいたら続編出来てたwww

これから読むが出来ればあらすじを3行で頼む
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 07:57:36.92 ID:J3dDhYoDO
>>34

ツインテ
覚醒
腕ポロリ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 20:47:23.66 ID:xM//omyHo
腕ポロリでわろてしもうた
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 18:40:57.48 ID:y9mGR//DO
そろそろ来るかな?
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 21:25:04.09 ID:JWSEXRRm0
そろそろ来るか?
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/06(日) 23:00:15.94 ID:V3DW0ftG0
予言当たりませんね…。

そろそろ来ますかー?
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 01:21:16.34 ID:h8cuqYzio
明後日に来るとみた
41 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2011/03/07(月) 18:27:38.46 ID:cfgJVIJDO
長らくお待たせいたしました!今日の十時頃から第三部を始めたいと思います!
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 18:58:04.97 ID:plZajxf9o
ktkr
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 21:05:48.20 ID:pWCTbnSSO
ふむ
44 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:42:29.87 ID:HADo9Cup0
それでは、行きます!
45 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:42:58.00 ID:HADo9Cup0


--砂漠--

ビュオオオオ!

吹き荒れる砂嵐。

謎の男「……」

謎の女「……ッ」

その中で対峙する男と女。

ツインテ「あぐっ……ぽ、ポニテ、さん、レン、さん」

ツインテは血だらけになった体でポニテ達にはい寄ろうとする。

ポニテ「……」

ポニテはレンを抱きかかえたまま事切れているようだ。

ツインテ「ッ……アッシュ、くん?」

ポニテから3メートル程離れた場所で、アッシュは8つの肉片に切り裂かれていた。

ツインテ「そんな……なんで、なんでこんなことに……」

謎の男?「……」

謎の女?「っ!!」

ガキィン!!

残骸となった砂上船の上で、男と女が火花を散らす。
46 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:45:53.39 ID:HADo9Cup0


--過去、砂漠--

遡ること10分前。

ザザザザー

ツインテ「うわぁ。これが砂上船……ボク、初めて乗りました!」

アッシュ「砂漠は危険だからな。飛行生物に乗っていく選択肢もないわけじゃないが、奴らを手なずけられるレベルの者となると貴重でな。自然と依頼料が高くなる」

ポニテ「がばばば。砂おいしー♪」

ポニテは船から身を乗りだして砂に頭を突っ込んでいる。

ツインテ「死んじゃうからー!」

レン「……飛行生物……。調教師操ってた。ばじりすく」

アッシュ「あれはまだ幼体だからよくて二人までしか運べない。それにあいつらにはあいつらの旅がある。俺らに構ってる暇は無いさ」

ツインテ「……」
47 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:47:41.88 ID:HADo9Cup0


--更に過去、夜道--

賭博師「お嬢ちゃん、本当ありがとうな、目が覚めたよ。それと右腕……すまねぇ。謝って許してもらおうだなんて考えちゃいねぇが……俺ら」

ツインテ「過ぎたことです、気にしないでください」

にこりと笑うツインテ。

賭博師「……つええなお嬢ちゃん。いや、ツインテ様」

ツインテ「……ん?」

調教師はツインテの手を両手でつかむと瞳をキラキラ輝かせて言った。

調教師「ツインテ様の言葉、身に染みました。これからは私達が不幸にしてしまった人達を助け、世界中の不幸な人達に手を差し伸べて生きて行きたいと思います!!」

ツインテ「ツインテ……様?」

賭博師「これからは旅の行く先々でツインテ様の教えを世界中に伝道していきます!」

ツインテ「や、ちょっ!」

調教師「ツインテ様マジ教祖!」

賭博師「ツインテ様マジ女神!」

赤面するツインテ。

調教師「美少女!」

賭博師「美少女!」

調教師「美少女!」

アッシュ「イジメかっ!!」

新たな宗教が誕生した。
48 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:48:11.24 ID:HADo9Cup0


--更に過去、夜道--

賭博師「じゃあ俺らはここいらでおいとまさせていただきますよ」

ツインテ「え。こんな夜遅くにですか?」

賭博師「まぁ、変化師に見つかると色々めんどくさいしなぁ」

ぼりぼりと髭をこする賭博師。

調教師「善は急げ、ということにしておけばいいのに……」

ポニテ「調教師ちゃん!次は負けないからね!」

調教師「……はい」

ポニテと調教師はガバッと抱き合う。

レン「……」

その様子を見ているレン。

調教師「あ……」

それに気付く調教師。

調教師「あ、その……」

調教師は言葉に詰まる。

レン「……ごめんなさいにゃ」

調教師「え」
49 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:48:53.35 ID:HADo9Cup0


--更に過去、夜道--

レン「勝手にわかったようなことを言って、ごめんなさいにゃ。きっと、調教師は傷ついた」

調教師「……ッ」

レン「思いあがりだったにゃ。だからごめんなさい」

調教師「あ……」

調教師はレンのもとに少しずつ近づいていく。

調教師「私の方こそ、ごめんなさい!貴女にはとてもひどいことをしてしまった……」

ツインテ「……」

レン「……レンなら大丈夫。ツインテにもらったから」

顔に手を当てる調教師。

アッシュ「……やれやれ。謝る対象がいっぱいだな。連鎖してやがる、ややこしい」

ツインテ「そ、そんな言い方しなくても」

賭博師「……ほれ、そろそろ行くぞ調教師」

調教師「あ、はい。……それじゃあレンさん」

レン「うん」

賭博師「じゃあツインテ様、俺達は行かせてもらいますよ。どうかご達者で」

ツインテ「はい。賭博師さん達もお気を付けて」

賭博師「っと、そうだ」

賭博師は背中を向けたところで立ち止まる。

賭博師「……亜人保護団体には気を付けてくだせぇ」
50 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:51:49.22 ID:HADo9Cup0


--過去、砂漠--

ツインテ「あの去り際の一言はどういう意味だったんでしょうね」

アッシュ「さぁな。俺はあまり東の王国については詳しくないからな。それにあの国はあまり情報を開示していない」

ポニテ「はいはいはーい!レンちゃんをパーティに入れてるから、勘違いされちゃうってことじゃないのかな?」

レン「レン?」

ポニテ「ほら、亜人保護団体て亜人の不当な扱いとか、人権を無視したきつい労働とか取り締まってるじゃん。私達、こんな幼いレンちゃんを冒険の旅につれていってるんだよ?」

ツインテ「……ありえます。幼いレンさんを危険な旅に同行させて酷使してると思われたら……」

レン「れ、レンはじぶんのいしでついていってるんだよ?」

アッシュ「あっちは洗脳しているんじゃないかと疑ってくるだろうな。ダメージ履歴なんて調べられたら一発でアウトになるだろう」

ツインテ「あ」

ポニテ「社会的地位が低い者達を守ろうとする集団ってのは、やろうとしてることは立派なんだけど、やってることは過剰で危険だったりするからね!」

ツインテ「やめて下さい。ポニテさんまじでやめて下さい」

ポニテ「ファッキン海の糞犬」

ツインテ「あ、そういう方向なら全く問題ないですね。てゆうか上の説明と違いますよね」

ポニテ「ツインテェ」
51 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:52:23.02 ID:HADo9Cup0


--過去、砂漠--

アッシュ「……」

ツインテ「……アッシュ君、心なしか元気がありませんね」

ポニテ「あぁ多分あれじゃない?金髪の女の子!浮気相手!」

ツインテ「……」

じわぁとツインテの瞳に涙が。

ツインテ(あの時の哀しい気持ちが)

アッシュ「うるせぇな。まぁそうだよ。自分から約束したのに当の俺が忘れてたとか……」

アッシュは頬杖をかいて、流れる砂を見ている。

アッシュ「せめてあいつらに忠告でもしておくべきだったか」


--更に過去、夜道--

弓女「じゃあ、私らそろそろ行かなきゃいけないから」

ツインテ「はい。色々ありがとうございました」

斧女「……」

斧女はツインテを抱き寄せた。

斧女「けなげな子……。これからの旅はもっと気をつけていくのですよ?……そちらも男は頼りないようですから」

アッシュ「なぬ!?」
52 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:52:49.19 ID:HADo9Cup0


--更に過去、夜道--

ツインテ「そんなことないです。すごく頼りになるボク達のリーダーです」

アッシュ「つ、ツインテ……」

ポニテ「浮気癖があるけどね」

レン「てき!」

盾男「彼も可哀そうな立場なのだな……いや素直にうらやましい」

占隊長「ほら貴方達、ボス達を待たせているのですから行きますよ」

弓女「はーい。じゃあなツインテ達。もしお前らにその気があるならうちんとこ来いよ。入れてやっからさ!」

ツインテ「そ、それはどうなんでしょうか。世界的指名手配には……」

斧女「ふ。でもこういう人生も楽しいですよ」

斧女はポケットからナイフを取り出した。

斧女「砂漠の風の証です。これを見せれば隊員達から攻撃されることはなくなるでしょう」

ツインテ「あ、ありがとうございます」(砂漠の風の一員だと思われて国家権力に捕まることはないのかな?……)
53 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:53:44.45 ID:HADo9Cup0


--過去、砂漠--

ツインテ「そうだ。このナイフって武器にはなるんでしょうか、アッシュ君」

アッシュ「ん……どうだろうな。俺はナイフ使いではあるがそんなに詳しいわけでは」

レン「ツインテ、それ貸して」

レンは錬成工場を展開させて言った。

ツインテ「レンさん。もしかしてわかるんですか?」

レン「レン、少し鑑定できるから」

アッシュ「ほぉ。便利だな」

ポニテ「てゆうかすごい便利だよレンちゃん。幅広い知識とスキルでサポート役としては完璧だよ!どっかの誰かさんとは大違いだよ!」

ツインテ「はう!」

アッシュ「今のは俺に言ったのか?……このごくつぶしが!!」

ポニテ「うふふふ!残念でした!美少女はいるだけで役に立つんだよ!」

アッシュ「なら美少年もいるだけで役に立つだろ!」

レン「ばかばっか」
54 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:54:47.10 ID:HADo9Cup0
10

--過去、砂漠--

わーきゃー

アッシュとポニテは喧嘩をしている。

ツインテ「はわわわ!や、やめましょうよ二人とも!」

レン「ツインテ鑑定できた」

レンはツインテの服をぐいぐいと引っ張った。

レン「このナイフはちょくせつせんとうはむり」

ツインテ「あ、やっぱりそうですか」

レン「?わかってたの?」

ツインテ「いえ、なんとなくですけど」

レン「……。でもこのナイフは特殊な力が宿っている……と思う」

ツインテ「特殊な力ですか」

わーきゃー

ツインテ「あ!あの二人止めないと、ってきゃー!!」

ポニテ「がふがふっ!!」

アッシュ「クマに食われるのってこんな感じなのかな、ママ」

アッシュの腹部を食い散らかしているポニテがいた。
55 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:55:28.43 ID:HADo9Cup0
11

--過去、砂漠--

ツインテ「な、仲間内で喧嘩するのやめてくださいよぉぉ!!そ、それとポニテさん!!人食べるの禁止いいい!!」

わんわん泣きながらツインテは二人を説教する。

ポニテ「つ、ツインテちゃん、いつのまにかちょっと強くなったね」

顔面をぼこぼこにされたポニテが呟く。

アッシュ(ツインテのもう一つの一面の影響か……?)

レン「ツインテを泣かすの許さない」

レンは拷問機械を錬成していた。

ザザザザー

リボンの少女「あ、待ってもこもこー!」

もこもこ「きゅー」

もこもこと呼ばれたもこもこした生物と少女が駆け寄ってくるもこ。

ポニテ「わー!なにこれ可愛い!!」

ポニテは近づいてきたもこもこを抱きかかえた。

もこもこ「きゅー、きゅー」

ツインテ「わ、すごい……もふもふしたい」

アッシュ「可愛いきゅんっ」
56 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:56:25.30 ID:HADo9Cup0
12

--過去、砂漠--

リボンの少女「あ、ありがとうお姉ちゃん達、もこもこ捕まえてくれて」

ポニテ「この子もこもこって言うの?可愛いね!はいっ!」

ポニテはもこもこを少女に手渡した。

リボンの少女「うん!私の大事な友達なの!!」

リボンの少女はまぶしい笑顔で答える。

もこもこ「きゅー」

ツインテ「これ、初めて見たんですけど、やっぱりモンスター……ですよね?」

リボンの少女「うん、そうだよ」

アッシュ「もこもこ。ふわふわモンスター。なまえのとおりもこもこしたがいけんのかわいいモンスター。あいがんどうぶつとしてひとびとにあいされている」

レン「何図鑑?」

ツインテ(モンスターでも共存していけるのがいるんだ……)「触ってもいいですか?」

リボンの少女「うん、いいよ!」

ツインテはもこもこの頭を優しくなでる。

もこもこ「きゅー」
57 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:56:54.57 ID:HADo9Cup0
13

--過去、砂漠--

リボンの少女「お姉ちゃん達、東の王国に何しにいくの?」

ツインテ「えっと、怪我しちゃったから治療を受けに行こうと思って向かっているんですよ」

リボンの少女「怪我?」

ツインテ「はい……ちょっと」

ツインテはちょっと困り顔で笑う。

リボンの少女「ふーん。早く治るといいね!」

ツインテ「うん、ありがとう」

ポニテ「ちなみにこの子って食用?」

もこもこ「きゅ、きゅー!」

ツインテ「ポニテさん、そういうのやめてって言いましたよね?」

ツインテの魔力で作りあげた半透明な触手がポニテを拘束して持ちあげた。

ポニテ「か、軽い冗談だよツインテちゃん!っていうかツインテちゃん、ちょっと怖いかなっ!!」
58 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:57:36.99 ID:HADo9Cup0
14

--過去、砂漠--

女旅行客「!?きゃ、キャー!!」

男旅行客「な、なんだこいつら!!」

ツインテ「!?」

砂の海から船に何かが乗り込んできた。

砂魚人「ぎょえええええ」

アッシュ「モンスター……。砂上船に飛び込んでくるほどの速度とは」

バチン

アッシュはナイフを取り出す。

ポニテ「おおー!!やっと昼ごはんにありつけるよー!!」

ギャリン

ポニテも二本の剣を引き抜いた。

ツインテ「あ、あわわわ」

レン「ツインテ、こんどこそレンが守る!錬成!!……え」

レンは自分の体に違和感を感じた。

レン「???」

ツインテ「レン、さん?どうかしたんですか?」

レン「これって……」
59 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:58:08.10 ID:HADo9Cup0
15

--過去、砂漠--

ポニテ「おりゃああああああ!!」

ズババッ!!

砂魚人「ぎょええええ!!」

アッシュ「ふんっ!!」

ドシュッ!!

砂魚人「ぎょおおおああ!!」

アッシュ「くそ、船に乗るとこんなことばっかりだな」

ポニテ「ちょっと数が多いかも!」

ポニテとアッシュが次々に砂魚人を倒していく。

リボンの少女「すごい……」

もこもこ「きゅー」

船員「こ、この中に戦闘が出来るお客様はいらっしゃいませんかー!?」

謎の女「……」

柵を背に座っている女が立ちあがった。この暑さだというのに、彼女はマフラーをしている。
60 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:58:35.35 ID:HADo9Cup0
16

--過去、砂漠--

ツインテ「え、え、レンさん、その魔力反応……」

レン「う、うん……この力……この、属性」

レンは自分の魔力に驚きを隠せない。なぜなら、

レン「!!試してみる!水属性攻撃魔法、レベル2!!」

ドバシャアア!!

アッシュ「!?」

ポニテ「!?」

アッシュとポニテはレンの魔法を避ける。

砂魚人「!?ぎょええええ!!」

ドパーン!!

砂魚人は砂漠へと押し戻された。

レン「やっぱり……」

ツインテ「レンさんの属性が……水に!?」
61 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 21:59:02.18 ID:HADo9Cup0
17

--過去、砂漠--

レン「……土属性防御魔法、レベル1」

メキキ

レンは自分の右腕に土属性魔法をかけてみる。

ツインテ「変わったわけじゃない……じゃあレンさんは二つの属性を使えるように!?」

ポニテ「す、すごいー!!」

アッシュ「っ!!……デュアルか」

レン「……これもツインテのおかげ。ツインテが助けてくれたおかげ」

ツインテ「副作用が出てしまったのかと……よかった」

ザバアアアアアアアアア!!

超砂魚人「ぎょぼえええええええええええええええええ!!」

ツインテ「!?」

砂上船の前方に巨大な砂魚人が立ち塞がった。

アッシュ「くっ!さっきのやつらの親玉ってとこか!!」

ポニテ「こいつはでかいね!!」

再び武器を構えたアッシュとポニテ。
62 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 22:00:16.01 ID:HADo9Cup0
18

--過去、砂漠--

ツインテ「あ、あわわわ」

レン「今のレン達なら、大丈夫」

レンはポニテ達にかけよる。

アッシュ「……俺はまた相性が良くなさそうだからひっこむか」

そう言ってアッシュはナイフをしまう。

ポニテ「……いつもそんな感じじゃない?」

アッシュ「う、うるさい!」

ポニテ「壁にもならないし攻撃能力も低いし魔法駄目だし!」

アッシュ「ぐ、ぐぬぬ」

ツインテ「そ、そんなことないですよ!!ポニテさん言いすぎですよ!!お腹が好きすぎて悪い子になってますよ!」

アッシュ(ツインテは優秀な回復役、レンは二重属性のサポート役、それに……ポニテの突破力は悔しいが強力だ……くそ!これじゃ俺に残されているのはイケメンだということだけじゃないか!)

アッシュは悔しそうに地面を叩いた。

超砂魚人「攻撃してもよい?」
63 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 22:01:25.32 ID:HADo9Cup0
19

--過去、砂漠--

超砂魚人「ぎょおおおおおおおおおおおお!!」

ポニテ「!?しもた!?」

アッシュ「!!間に合わない!!」

振り下ろされる巨大な腕。

リボンの少女「きゃあああああああああ!!」

ザっ

レン「!?」

謎の女「……」

レン達の前に謎の女が現れた。

ツインテ「あ、あぶな!!」

ズバン!!

超砂魚人「ぎょええ!?」

超砂魚人の腕は巨大な手裏剣で両断される。

謎の女「……」
64 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 22:02:26.64 ID:HADo9Cup0
20

--過去、砂漠--

ズズズゥゥン!!

超砂魚人「ぎょええあああああ」

砂漠に沈む超砂魚人。

ツインテ「す、すごい。一分足らずで……しかもたった一人であのモンスターを!!」

謎の女「……」

男観光客「あ、ありがとうございました皆さん!」

ポニテ「いいところは取られちゃったけどねー」

女観光客「君たちもすごかったわ!ありがとう!!」

男旅人「あ、あの、もしかして……勇者様に縁ある人では?」

アッシュ「!!」

ポニテ「ありゃ!?気付いちゃったかー!やっぱりオーラがにじみ出ちゃうのかなー!あはははー!」

照れ臭そうに頭をかくポニテ。

男旅人「いや君達じゃなくて」

謎の女「……うん」

ツインテ「え」

謎の女「私は勇者パーティの一人、シノビ」

アッシュ「え」

ポニテ「え」

ツインテ、アッシュ、ポニテ「えええええええええええええええ!?」
65 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/07(月) 22:04:52.94 ID:HADo9Cup0
随分お待たせいたしました。これより三部幕開けです。
忙しかったり自信喪失したりでかなりあいてしまったことをお詫びします……。

では本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



     次回予告

もしも……もしもだよ、魔法でどんな願い事でも叶えてもらえるって言われたらどうする?


レンべぇ「ポニテー、魔女を倒すために僕と契約して魔法少女になってよ!」

ポニテ「うんっ、いいよー。じゃあ早速だけど願い事いい?」

レンべぇ「君は物わかりが良くて助かるよ。願い事はなんだい?ポニテ。なんでも言ってごらん」

ポニテ「えっと、魔女をこの世から一掃して欲しい☆」

レンべぇ「……それじゃ物語が進まないじゃないか。わけがわからないよ(笑)」


次回、「そんなの絶対おかしいよ」


アッシュ「というかどう考えてもポニテは赤ポジだよな」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 23:35:41.99 ID:JYAITiP4o
>>65 乙!
レンが強化された!
アッシュ……
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 07:07:36.13 ID:NDE4QmoDO
アッシュもポニテもツインテもレンも作者も
死ぬなイ`
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/08(火) 20:12:18.35 ID:Zty45lKo0
アッシュが一番最初に勇者覚醒するフラグ…とか?

乙でした!
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 23:44:04.55 ID:9PIAViRDO
ペロッ………これは二日後に来るな  ( ̄ー+ ̄)キラッ


頑張って下さい
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 23:52:02.87 ID:IMrNzhflo
いやいや明日ですよ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 13:16:41.05 ID:GOGxrBdDO
余り急かすのは良くない
予言は8日目からがマナーだと俺は勝手に思ってる
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 01:05:48.28 ID:D9p84ZPSO
そんなに急かすな

一ヶ月二ヶ月待つ気でいろよ

ただ、リアルな生存報告は欲しいかな…
被災してなきゃいいが…
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/12(土) 05:57:51.28 ID:PZazbjKb0
地震大丈夫かなー
74 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/12(土) 13:07:25.13 ID:kEZXeLKH0
大変なことになりましたね……。
ご心配おかけしました、大丈夫です生きてます。
皆様もがんばって生きて下さいね!!無事この災害を乗り切りましょう!
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 13:45:06.85 ID:D9p84ZPSO
無事で何より…
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 14:18:28.66 ID:H8DOPTmxo
無事だったかよかった
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 20:44:13.55 ID:CBrHJnA+0
余震koeeeeee
がちで気を付けてくれ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 18:31:42.42 ID:O0O+o/yDO
大変なのは重々承知だがそろそろ来て欲しいんだぜ
79 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2011/03/23(水) 12:23:21.01 ID:D9pf8EYDO
大変お待たせしました!本日更新します。時間は停電次第……ですが。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 12:25:14.97 ID:0ijVmdFDO
更新予告キタ!これで勝つる!
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/03/23(水) 21:25:27.88 ID:Z5kqTmUG0
お待ちしておりました!
82 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:04:13.58 ID:gKzVzw2b0
本当にお待たせでした……それではいかせていただきます!
83 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:06:49.18 ID:gKzVzw2b0
21

--過去、砂漠--

男旅人「あぁやっぱり!!東の王国出身の勇者パーティの一人に、長いマフラーを巻いた女性がいるって聞いたもんだから!!」

謎の女改めシノビ「うん」

女観光客「え!?本当に勇者パーティの一員なのですか!?あ、握手してください!!」

わーきゃー

ツインテ「……」

アッシュ「なん……だと」

ポニテ「ど、どういうことなの?」(cvゆっくり)

レン「にゃー……」

ツインテ「勇者さんって、ほ、ほかにいたんですね……」

アッシュ「……そんなはずが」

シノビ「?」

シノビは困惑するツインテ達に気付いて近寄ってきた。

シノビ「大丈夫?けがはない?」
84 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:12:22.19 ID:gKzVzw2b0
22

--過去、砂漠--

ツインテ「あ、はい。大丈夫です。怪我は、ないです」

アッシュ「……」

シノビ「そう」

ポニテ「あのさー!おねーさんしつもーん!!」

シノビ「?」

ポニテは勢いよく手を挙げた。

ポニテ「あのさ!おねーさんって本当に勇者パーティの一員なの!?」

シノビ「うん」

アッシュ「証拠は……あるのか?」

男旅人「ちょ、ちょっと君達!!助けてもらったのに失礼じゃないか!!」

シノビはごそごそとマフラーの中に手を入れると、ある紙を取りだした。そしてそれをアッシュに手渡す。

アッシュ「!!……右の者を勇者パーティの一員として認める……東の王」
85 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:19:57.26 ID:gKzVzw2b0
23

--過去、砂漠--

ツインテ「!?」

レン「勇者は各国から一人まで認定できる……勇者の素質が王が認めたのなら」

アッシュ(しかも勇者だけに渡すのならともかく、パーティの一人一人にまで渡しているとは……力の入れようが違う)

ポニテ「そ、そんなの悔しくないもんねー!!私達だってもってるもん!!レンちゃん!!」

レン「勇者は廃業したって、にゃっ!」

ポニテはレンの衣服の中に手を突っ込んで勇者証明書を取りだした。

男旅人「あはははは。そんなバカな。勇者様が二人もいるなんて聞いたことが無いよ」

ポニテから証明書を受け取ったシノビは、

シノビ「……本物」

女観光客「え!?」

群がってくる人達。

男観光客「右の者達を三人で勇者として認める……」

ツインテ「仲間の一人でさえ証明書持っているって言うのに、ボク達は三人で一枚……」

アッシュ「泣けるな」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 22:22:14.55 ID:/8vLmaWO0
すっげ!リアル更新
87 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:29:44.52 ID:gKzVzw2b0
24

--過去、砂漠--

シノビ(本当に本物……北の王、あの人は何かを企んでいる……?)

ポニテ「どーだおねーさん!!つまり私達はライバルってことなのだ!!」

シノビ「残念だけど違うわ」

ポニテ「なにッ!?」

シノビ「知らないと思うけど……勇者因子って、知ってる?」

アッシュ「……」

ツインテ「わからないです……みんなは知ってますか?」

ポニテ「うんにゃ」

レン「レンも」

シノビ「……勇者因子っていうのは、世界中で一人だけに現れる勇者の証。これを持つ者は全ての属性を操れる」

ツインテ「全て……すごい。レンさんでさえ二属性なのに」

レン「ふんす」

シノビ「そしてあの人は、ちゃんと六属性を使いこなしている」

アッシュ「!?」
88 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:37:16.69 ID:gKzVzw2b0
25

--過去、砂漠--

ポニテ「ん?どゆこと?」

ツインテ「え、えっと。その勇者っていうのは同じ時代に一人しか存在しなくて、勇者っていうのは全属性使えるものらしい……です」

ポニテ「?私火しか使えないよ?」

ツインテ「ボクも……水しか使えません」

ポニテ「?おかしくない?」

ツインテ「いえ、おかしいとかじゃなくて……」

シノビ「そう、言いたくないけれど、君達は勇者じゃない」

シノビはきっぱりと言い放つ。

ポニテ「な、なにーーーー!?」

シノビ「だからもし、魔王討伐の旅をしているのだったら諦めて帰って。怪我をしないうちに」

ポニテ「な、なるんだもん!私勇者になるんだもん!!」

ツインテ「廃業するとか言ってたわりにめっちゃ執着してますね……」

レン「にゃー」
89 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:43:12.98 ID:gKzVzw2b0
26

--過去、砂漠--

男旅人「お譲ちゃん達、君たちも十分強かった。それに証明書も本物っぽいのは認める。だけれどもう勇者様はいるんだよ。諦めて故郷に帰ったほうがよくないかい?」

ポニテ「……」

リボンの少女「お、お姉ちゃん……」

もこもこ「きゅーきゅー」

あからさまにテンションがガタ落ちするポニテ。

ツインテ(まさか……こんなことが……)

アッシュ「……」

レン「レンはツインテが勇者じゃなくてもついてくよ?」

ツインテ「あはは……」

シノビ(言いすぎてしまったかな。いや、それがこの子達のためになるのなら)

ザッバアアアアン!!

シノビ「!?」

ツインテ「!?さっきの大きい魚人が立ちあがってます!!」

超砂魚人「……」
90 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:44:45.95 ID:gKzVzw2b0
27

--過去、砂漠--

シノビ「……確実に仕留めたはず……」

超砂魚人「やれやれ。こいつは結構使えると思ったんだけど、見かけ倒しか」

ツインテ「男の人の……声」

ズバシャッ!!

超砂魚人の体は真っ二つに割れ、中から何かが飛び出してきた。

ダンっ

謎の男「よっと」

くるくると回転しながらの着地。謎の男はぱっぱと服の埃を払うしぐさを見せる。

謎の男「庶民の船はほこりっぽいから嫌さ。さてシノビちゃん、やっと見つけたよ。魔王の骨を渡してもらおうか、持ってるんだろ?」

シノビ「……ッ!」

アッシュ「魔王の骨……」

男旅人「あ、あんたまさかあのモンスターを操ってたのか!?」

ドスっ

男旅人「ぐっ!?」

謎の男「悪いけど男には興味ないんだよね。近寄らないでくれるかな」

謎の男は男旅人の胸を剣で刺した。
91 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:45:20.73 ID:gKzVzw2b0
28

--過去、砂漠--

女観光客「きゃあああああああああああ!!」

ツインテ「い、いきなりなにを!!」

ポニテ「あいつ悪者だ!!」

シノビ「……撒いたと思ったのに……しつこいぞ電王……」

謎の男改め電王「悪いけれどそれが任務なんだよね。一人の女性にいつまでも執着しているのは我ながら情けないとは思うんだけど」

アッシュ「!!電王……だと」

レン「アッシュ……知ってるの?」

ツインテ「今治しますから!気をしっかり持って下さい!」

ツインテは男旅人の治療を開始する。

シノビ「あんたなんかに渡すものなんて……無い」

電王「そうかい……残念だよ。それじゃあ……って、ちょっと待ってよ今いい所なんだから……まぁいいか。女性と闘うのは好きじゃないしね。はいチェンジ」

シノビ「?」

電王が目を閉じて再び目を開けると……

電王「……っくく。やっと闘えるぜぇ」
92 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:46:45.16 ID:gKzVzw2b0
29

--過去、砂漠--

ツインテ(あの人容赦無く急所を……そのせいで少し時間がかかりそう)

アッシュ「ツインテ、この船を降りるぞ!!」

アッシュはツインテの肩を掴む。

ツインテ「え?ど、どうしたんですかいきなり。ちょっと待って下さい!もう少しでこの人の」

アッシュ「そんな場合じゃない!!」

ポニテ「あ、アッシュ君どうしたの!?」

アッシュ「レン!急いで小型船を作れ!!」

レン「すぐには無理……」

ツインテ「ま、待って下さい!!まだ治療がすんでないんです!!」

アッシュ「ほっとけ!!どのみち助からない!!」

シノビ「多重人格にして、多重職業……確かその人格は」

電王「はんっ!!!くらいな!!スキル、剣嵐!!」

ドシュドシュドシュドシュ!!!

アッシュ「!?くそ!!」

アッシュはツインテの前に立ち、両手を広げた。

ツインテ「……え」
93 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:47:31.93 ID:gKzVzw2b0
30

--砂漠--

ビュオオオオ!

吹き荒れる砂嵐。

電王「……」

シノビ「……ッ」

その中で対峙する男と女。

ツインテ「あぐっ……ぽ、ポニテ、さん、レン、さん」

ツインテは血だらけになった体でポニテ達にはい寄ろうとする。

ポニテ「……」

ポニテはレンを抱きかかえたまま事切れているようだ。

ツインテ「ッ……アッシュ、くん?」

ポニテから3メートル程離れた場所で、アッシュは8つの肉片に切り裂かれていた。

ツインテ「そんな……なんで、なんでこんなことに……」

電王「……」

シノビ「っ!!」

ガキィン!!

残骸となった砂上船の上で、男と女が火花を散らす。
94 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:48:06.98 ID:gKzVzw2b0
31

--砂漠--

電王「やるじゃねぇか女ぁ!ちぃと気にくわねぇが俺の攻撃を耐えるだなんてよぉ!!」

シノビ「!!よくも!!」

ガキィン!!

ツインテ「アッシュ君……ボクを庇ったせいで、こんな……」

アッシュは誰よりも前にいたはずなのに、今は誰よりも遠くで転がっている。

ツインテ「……ひどい……」

シノビ「ああああああああああああ!!」

電王「っ!!しゃああ!!」

ギィンギィン!!

ツインテ「ボク達は……無力過ぎ」

ツインテはアッシュの顔に手を伸ばすが、届くこと無く

ツインテ「……る」

ドサリ

ビュオオオオオオオオオ!


      酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった
              第三部
         あああああああああああああ(仮)
95 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:48:43.19 ID:gKzVzw2b0
32

--失われた王国--

ポニテ「さぁここはどこでしょーかっ!!」

レン「あの世に一票」

ツインテ「あ、ボクも」

便乗してツインテも手を挙げる。

アッシュ「……まじでどこだここ」

ツインテ達は石造りの家の一室で目が覚めた。

ツインテ「……ボク達……砂漠で死にました……よね」

アッシュ「ツインテが蘇生したんじゃないとすれば……天国もありうるのか」

ツインテ「……窓から見える景色、ここも砂漠なんでしょうけど……オアシス」

老人「お、気付いたかね少年少女達」

部屋に老人が入ってくる。

ツインテ「……えっと」

老人「あぁ状況が読めないぜよ?お前達は砂漠で死んでたから拾ってきて蘇生したぜよ」

ツインテ「さらっと死んでたとか言われるとショックですね」
96 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:49:24.40 ID:gKzVzw2b0
33

--失われた王国--

老人「……何があったぜよ?そらぁもうひどいありさまだったぜよ。多分他にも乗客がいたんだろうけど、船の上にあったのはお前達の死体だけだったぜよ」

ツインテ「……!」

アッシュ「……多少の対抗力が無ければコマ切れ状態で砂上にまで吹っ飛んでるだろうな……」

ポニテ「ね、ねぇおじいちゃん、私達より小さな女の子がいたはずなんだけど……」

老人「……残念だけど言ったぜよ。お前達だけだった……ってな」

ツインテ「そんな……」

レン「ツインテ……」

老人「まぁ……もしかしたらどっかで生きてるかもしれないぜよ。悲観的になるよりもとりあえずお前達は飯を食えばいいぜよ」

ポニテ「全く持ってその通りぜよ!!」

ポニテは勢いよくベッドから飛び上がると老人の横をすり抜けていった。

老人「おっと。元気のいいお譲ちゃんぜよ。食事は一階に用意してあるぜよー」

ポニテ「匂いでわかるー!」

老人「動物?」
97 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:49:56.65 ID:gKzVzw2b0
34

--失われた王国--

ツインテ「とりあえずお礼を。本当にありがとうございました。おかげさまで助かりました」

老人「おうおう。やっとお礼の言葉が聞けたぜよ。……そのなんだ、お前の右腕は元から失ってたんぜよな?」

ツインテ「あ、はい。そうです」

老人「ぜよな。断面が古かったから。まぁしばらくゆっくりしていきんさいぜよ。ここはいいとこぜよ?人はここを楽園と呼ぶ」

アッシュ「楽園……」

老人「かつて何百年、何千年前に砂漠の王国っちゅーもんがあったんぜよ。ここはその遺跡ぜよ」

普通に住んじゃってるけど、と老人。

ツインテ「本で読んだことがあります。かつて砂漠に繁栄を極めた王国があったと……」

アッシュ「そんなものが砂漠にあったのか」

レン「ツインテ物知り!」

ツインテ「そんなことないですけど。てへぺろ」
98 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:50:34.62 ID:gKzVzw2b0
35

--失われた王国--

カチャカチャ

ポニテ「がふがふっ!!」

老人「す、すごい食べっぷりだぜよ……」

ツインテ「す、すいません。お金は後で何とかして支払います……」

老人「お金はここじゃなんの価値もないぜよ」

ツインテ「え」

老人「働かざるもの食うべからずぅぅ」

ツインテ「は、働くって、な、何をしたらいいんですか……?」

老人「ふ、ふふふふふふふふ」

アッシュ「貴様!!はめたな!?」

ツインテ「はめる!?」

アッシュ「あ、いや、そっちじゃなくて……」
99 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:51:30.20 ID:gKzVzw2b0
36

--失われた王国--

老人「っと、そうじゃな、ツインテールの君は……」

老人はツインテの右腕の部分を見ながら喋る。

老人「そこの猫の君、この子の義手を作ってあげたらどうぜよ?」

レン「もう作ってある」

ツインテ「え?」

レンはテーブルの下に潜り込み、何かをごそごそ。

レン「これ!」

そして取りだしたるは銅色の義手。

ツインテ「!!」

レン「にゃんにゃんアーム一号。今ある材料じゃこれしか出来なかった……。でも、日常生活に支障をきたすようなものじゃないとレンは胸を張る」

ツインテ「レンさん……ありがとうございますっ!」

ツインテは本当に嬉しそうにレンの頭を撫でた。

むしゃむしゃ

ポニテ(レンちゃんの職業、誰も言ってないよね?)
100 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:52:10.14 ID:gKzVzw2b0
37

--失われた王国、酒場--

その夜。

わいわいがやがや

ツインテ「で……これが仕事ですか」

そこにはバニー姿のツインテ達が!!

老人「うむ。ここのマスターがウェイトレスを募集してると言ってたからなぁ。手伝ってやれぜよ」

男兎亜人「助かるよ先生。ただでさえ人数厳しいってのに、うちのが風邪ひいちゃってて数たんなかったんだよ」

老人「なぁに助け合い助けあいぜよ。いつもマスターにはいい酒飲ませて貰ってるぜよから」

ポニテ「うひー。これはずかしーww」

レン「猫なのに兎て。耳6つもあることに……」

アッシュ「お前らはいいだろ。俺はただの変態だぞ」

そこにはバニー姿のアッシュが!!

老人「お前だって食うたぜよ。食ったら働く。シンプルぜよ」

アッシュ「にしたって俺がこんな格好しても重要が無いだろうが」

青髭「そこのぼうやー!ちょっとこっち来なさいー!」

老人「……ふふふ」
101 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:53:11.28 ID:gKzVzw2b0
38

--失われた王国、酒場--

わいわいがやがや

ツインテ「お待たせしましたー!ビール三つでーす」

イルカ亜人「おおありがとうお譲さん。可愛い」

ミノタウロス「ぶひいいいいいいいいいいいい!!義手っ娘萌ええええええええええええええ!!」

ツインテ「あ、あははは」

頭髪が薄めな男性「こらっ!!不謹慎ですよ!!」


ポニテ「ほいほいーこっちもお待ちどうさーん!」

ドンっ!!

魚人マダム「あらん。元気で可愛いうさちゃんだこと。食べてしまいたいギョ」

アリクイ亜人「奥さん、人食いはやめたっていってたじゃないかニョロ」

魚人マダム「そうだったわおほほほ」

ポニテ「どっちが先に食い終わるか競争してみない?」

じゅる

魚人マダム「え?」
102 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:53:57.19 ID:gKzVzw2b0
39

--失われた王国、酒場--

レン「……それだけ?」

レンは上目遣いで豚を見る。

豚「ぶ、ぶひいいいいいいいいいいいいいい」

枝豆亜人「おつまみ適当に二皿追加って言ってるマメ」

レン「……それだけ?」

レンは上目遣いで豚を見る。後、手をにゃんってやってる。

豚「ぶひゃああああああああああああああああああああ!!」

枝豆亜人「お酒じゃんじゃん持ってきてって言ってるマメ」

レン「ありがとにゃんっ」

豚「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

枝豆亜人「……なんと末恐ろしいにゃんこ。将来が楽しみマメ。」

レン「……あれ?そういえばアッシュがいない」
103 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 22:55:11.32 ID:gKzVzw2b0
40

--失われた王国、酒場の裏--

アッシュ「や、やめろおおおおおおおお!!」

青髭「んもうっ!!ちょっとくらいサービスしなさいよぉ!!」

サソリ亜人「尻尾ねじ込む」

アッシュ「こ、この手のネタは偉大なる先人だけやってりゃいいんだよ!!二枚目の俺がやることじゃない!!」

青髭「自分で二枚目とか自・意・識・過・剰・さ・ん。んふ。でもそこが可愛いぜごるぁあ!!」

アッシュ「ひぃ!!よくあるオカマな人の変貌が!!」

アッシュは人として失ってはならないものを失おうとしていた。(差別的表現)


パチャッ

月明かりが照らす夜の世界。

パシャっ

人知れず、池の中から少女がはいあがってきた。

わーきゃー

酒場は相も変わらずにぎわっている。

リボンの少女「……もきゅー」
104 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/23(水) 23:01:10.62 ID:gKzVzw2b0
お久しぶりでした。大変なことが起きてしまいましたね。被害に遭われた方、心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。
一刻も早く事態が収まることを願うばかりです……。原発の作業をしてくれている英雄に敬礼!!

闘士「うおー!東電の幹部は俺にまかせろー!」

では本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



    次回予告

こんにちは(こんにちハスター)
ありがとう(ありがとウイチロソプトル))
こんばんは(こんばんハイパーボリア)
さようなら(さようなラーン=テゴス)

まほうのことばで
たのしいなかまがポポポポ〜ン

次回、サキュバス「ちょっと原子炉冷やしてくる」

105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/03/23(水) 23:32:30.05 ID:Z5kqTmUG0
乙乙。

電王は名前的に人造勇者なのかな。これを倒せるようにツインテ達がなれる気しねーな…。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/03/23(水) 23:35:17.72 ID:Id8NdscRo
>>104 乙!
アッシュwwww
ツインテはナチュラルにバニーなのね
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 23:44:31.72 ID:/8vLmaWO0
ぽぽぽぽーんwwww
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/24(木) 03:10:34.90 ID:hEdHkOnXo


お前が幹部かよww
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/24(木) 05:52:48.87 ID:kzxaNFOC0
ぽぽぽぽおおおおおおおん…
すまん取り乱した。ツインテの解放モードのナックルで殴るとこ想像したらかっこよすぎわろたw


アッシュ←最初の頃めっちゃ強そうなタイプだったのに所詮ネタキャラになったままww
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/03/27(日) 10:32:37.22 ID:r8RePjtg0
乙です。
111 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/31(木) 23:58:56.02 ID:mY/eG4Aa0
急ですが更新します!
112 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/03/31(木) 23:59:38.84 ID:mY/eG4Aa0
41

--西の王国--

西の王「やれやれ……随分と国を引っ掻き回してくれやがって」

秘書「お疲れ様です」

秘書は西の王の上着を預かる。

コンコン

側近兵「お休みのところ失礼します王様。先程王国から緊急の書簡が届いた次第で」

西の王(姉さんからか?)「入れ」

側近兵「はっ」

秘書「……」

西の王は側近兵から書簡を受け取り目を通した。
そこに書かれていたのは……

西の王「む……!?これは……」
113 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:00:07.10 ID:DmbWwsBq0
42

--北の王国--

北の王「王国から書簡ん?はて。一体全体なんのようでっしゃろ」


--東の王国--

東の王「ふん……」

東の王国は書簡をパンと叩く。


--西の王国--

秘書「なんと書かれていたのですか?」

西の王は険しい表情をしている。

西の王「………………人造勇者達が各地で魔王化している、と」

秘書「!!」

西の王「現在確認されているのは3体。ストロンガー、J、G。製造工程が同じことから、今後も増えることが予想される……」

西の王は書簡をグシャグシャに握り潰す。

西の王「姉さん……」
114 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:01:05.23 ID:DmbWwsBq0
43

--西の王国--

秘書「だ、大丈夫です。姉君は一つ前の段階の人造勇者です。彼らと同じようになると決まったわけでは」

西の王「だからと言ってならないとは言いきれないだろ!」

秘書「うっ」

西の王「元々安定度で言えば姉さんの方が圧倒的に下だ!!何かの拍子に変わってしまってもおかしくはない!!」

秘書「それは……」

西の王「馬車を出せ、王国に行く」

秘書「え、ええ!?」

西の王は急いで正装に着替え始めた。

バタン

秘書(め、名君なんだけどなぁ……)

秘書は部屋を出た後ため息をついた。

秘書(太陽とシスコンむーん……)

秘書は兵士に馬車の手配を命じた。
115 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:01:31.26 ID:DmbWwsBq0
44

--失われた王国、酒場--

ポニテ「あはははは」

レン「にゃはははは」

ツインテ「誰だ未成年にお酒飲ませたのー!」

老人「ミーぜよ」

老人はビシッと自分を親指で指す。

ツインテ「な、なんて堂々と……」

老人「この国では子供だろうとちょっとならお酒飲めるんぜよ」

ツインテ「み、未成年の飲酒は体によくないんですよー!!」

老人「ちょっとだって。ちょっとぜよ」

ポニテ「あははははツインテちゃんあわててる〜。かーいいんだからー」

ポニテはツインテに抱きつくとそのまま押し倒した。
116 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:02:14.21 ID:DmbWwsBq0
45

--失われた王国、酒場--

むぎゅっ

ツインテ「わぷ!ちょ、ポニテさんまとわりつかないでくださ」

ポニテ「……」

ツインテ「?……あ、あの?」

ポニテ「ベッド……行こうか?」

ツインテ「い、いやー!!」

レン「レンもー」

ツインテ「いやー!!」

アッシュ「アッシュもー」

ポニテ「ワンパターンか!!」

ドゲシ!

ポニテのキックですい臓が破裂するアッシュ。

アッシュ「!!…っ!!っっっっ!!」

嫌な汗を流して崩れ落ちるアッシュ。
117 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:03:42.61 ID:DmbWwsBq0
46

--失われた王国、酒場--

ポニテ「ってかいつのまにもどってきたんら?ひっく」

アッシュ「っっ!!ひゅっ!!っっっひゅー!!」

滝のような汗。それと涙に涎に鼻水に。アッシュはガクガクと痙攣を起こしている。

老人「……まずくねー?」


・・・・・


ツインテ「お、終わりました」

ツインテの治療魔法が終わるとアッシュが体を起こした。

アッシュ「はっ、はっ、はっ……殺す気か!!」

ポニテ「殺す気なり」

レン「!!似てるにゃ!」

ツインテ「あのロボットそんなこと言わないですよ!」

アッシュ「ツッコミで死にかけるとは……うかつにボケもできんじゃないか……」

ツインテ「ボケだったんですかあれ」
118 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:04:16.35 ID:DmbWwsBq0
47

--失われた王国、酒場--

まぁいい、とアッシュ。

アッシュ「……朗報だ」

ポニテ「?らにが?」

アッシュ「入り口のところを見てみろ」

ツインテ「?」

ツインテが視線を送った先には、

がつがつがつ

リボンの少女「きゅー」

ツインテ「!!あ、あの子は!!」

ポニテ「!!」

レン「にゃあ」

入り口近くのテーブルで、少女ががっついて料理を口に運んでいた。
119 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:05:03.09 ID:DmbWwsBq0
48

--失われた王国、酒場--

ポニテ「よかったー!助かってたんだね!?」

ポニテは急いで少女に駆け寄る。

リボンの少女「?きゅー……」

リボンの少女はポニテに抱き締められ、困ったような顔をした。

ポニテ「きゅー?」

リボンの少女「きゅー」

ポニテ「……」

リボンの少女「きゅー」

ツインテ「!!」

アッシュ「……恐らく失語症だろう」

ポニテ「そっか……酷い目にあったもんね」

ぎゅ

リボンの少女「もきゅー?」
120 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:05:36.43 ID:DmbWwsBq0
49

--失われた王国、酒場--

ツインテ「失語……」

レン「!?」

ツインテの魔力がざわざわとささくれだつ。

ツインテ(あの時の、あの時のレンさんのような!!)

レン(っ!やっぱりアレはツインテのトラウマになってしまった!!)「アッシュ!!」

アッシュ「どうした?……っ!!ツインテのリボンが震えて……」

ツインテのリボンは風を受けているかのように靡いている。

レン「アッシュ!!ツインテの気を紛らわせて!!」

アッシュ「!!了解した!!来いポニテ!!」

事の甚大さを誰よりも理解しているアッシュはポニテを呼んだ。
121 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:06:18.10 ID:DmbWwsBq0
50

--失われた王国、酒場--

ポニテ「ん?なにー?」

アッシュ「なんかお前芸はないか!?」

ポニテ「ゲイ?」

アッシュ「言うと思ったシネ!芸だよ芸!!パーティーとか飲み会でする一発芸はないのか!!」

ポニテ「あーあーあれね。鯨取って来たらいいのねー?」

アッシュ「そーそーそー、ってそれは捕鯨やないか!!」

ビシッ

アッシュとポニテはその場で地団太。

アッシュ、ポニテ「うぅぅー!!シー、シェパード!!(掛け声)」

ツインテ「……」

レン「……」
122 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:07:22.97 ID:DmbWwsBq0
51

--失われた王国、酒場--

アッシュ「くっ……駄目か……しぶといやつめ」

ポニテ「密かに練習していたというのにショックだよ……次行こう!アッシュ君!!」

アッシュ「待て!『奴』はもういっぱいいっぱいだと言ってるぞ!!赤面してるぞ!!そしてすごく滑ってるぞ!!」

ポニテ「スキーとギャグは滑ってなんぼだよアッシュ君!!何を恐れることがあろうか!!」

アッシュ「なにそれかっこいい!!くそ!毒を食らわばなんとやらだ!!ポニテ、Mの5だ!!」

ポニテ「らじゃー!!」

こほんこほんと咳をするポニテ。

ポニテ「この前ねー?友達が家に遊びに来たんですよー、お土産にすげえ高そうなケーキ買ってー。で、居間でお茶飲みながらもくもく食べてたらですね、テレビの番組の司会者が言うわけですよ。
なんかね、この時期やたらと幽霊が出るらしいんだ、って。そんなバカな話があるかいー。って思って振り返ったら……友人がいないんですよ。
さっきまで一緒に喋ってたのに。もしかしたら帰ったのかと思って玄関に行ってみたんだけど鍵はしっかりかかってるの。内側からしかかけられないやつまで。
友達が来たのは夢だったのかな?って一瞬考えるんだけど、テーブルの上には手付かずのケーキがちゃんとおいてあるの!!本当、怖いよね!!」

アッシュ「お前が怖いわ!!」

ビシッ

アッシュとポニテはその場で地団太。

アッシュ、ポニテ「ううー!!シー、シェパード!!」

ツインテ「……」

レン「……」
123 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:08:07.80 ID:DmbWwsBq0
52

--失われた王国、酒場--

アッシュ「もう耐えられない……」

ポニテ「負けちゃ駄目だよアッシュ君!てか心が折れるのは私のはずだよ!!」

アッシュ「こんなの俺のキャラじゃない……もっとイケメンらしい仕事があるはずなんだ……」

ポニテ「イケメンイケメン煩いよアッシュ君!!次、Wの2!!」

やれやれ……、とアッシュ。

アッシュ「去年のクリスマスだったかな。俺はケーキを予約するの忘れてたから急いで当日に買いに行ったんだ。そしたら人気の店だったんだが運良く1ホール残っててな。『これ下さい』って買ったわけだ。そしたら売り場のお姉さんが、『ありがとうございますー。今日は彼女さんと過ごされるんですか?ww』……って」

ポニテ「……」

ツインテ「……」

レン「……誰の実体験?」
124 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:08:35.68 ID:DmbWwsBq0
53

--失われた王国、酒場--

ツインテ「とりあえず落ち着きました……ご迷惑をおかけしました」

アッシュ「あ、あぁ……気にするな」

ポニテ「うん……」

レン「すげぇテンション下がっちゃってるにゃ」

リボンの少女「きゅー」

ツインテ「そう言えばこの鳴き声って、もこもこちゃんのですよね……」

アッシュ「……一緒にいない所を見ると死んだか。もこもこのことが忘れられないんだろうか」

ポニテ「可哀そうだよ……」

レン「いつもなら美味しそうだったのにとか言うのに……」

ポニテ「私そこまで不謹慎じゃないもんっ!」
125 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:09:05.54 ID:DmbWwsBq0
54

--失われた王国、酒場--

リボンの少女「きゅー」

ツインテ「そういえばこの子、どんな目的で東の王国行きの船に乗っていたんでしょうか?両親も乗ってたのかな……」

アッシュ「わからん。だがこの年齢で一人旅というのはおかしいな」

ポニテ「うん……。ねぇ!東の王国についたらこの子の家族、親族を探してあげようよ!!」

レン「今回はポニテがまともだ!」

老人「ほう」

ツインテ「いいですね。賛成です!ボクは構いませんよ!」

アッシュ「ふん……断る理由が無い」

ポニテ「アッシュ君たら素直じゃないんだからーw」

リボンの少女「きゅー」
126 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:09:31.54 ID:DmbWwsBq0
55

--失われた王国、露天風呂--

カポーン

ツインテ「……どこにでも露天風呂あるんですね」

ポニテ「なんかあのおじいちゃんが作ったとか言ってたけどねー!やっぱり気持ちいいやねー!!温泉っ!!」

レン「ぬくい」

リボンの少女「きゅー」

アッシュ「きゅー」

目隠しをした状態で温泉に入っているアッシュ。

ポニテ「言っておくけどその手ぬぐい取ったらひどいからねっ!?ここは混浴だし、分けて入るほどスペースも時間も無いから今回だけなんだからね!!」

ツインテ「あははは……」(もう慣れましたボク)

アッシュ「つ、ツインテと同じ風呂……」

静かにボルケーノしようとしていた。
127 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:10:11.24 ID:DmbWwsBq0
56

--失われた王国、露天風呂--

ポニテ「!……ふふふ」

ツインテ「な、なんですかいきなり嫌な笑い方して」

ポニテ「いやーさー。なんでかむしょうにツインテちゃんの肌を撫でまわしたくなっちゃったわけでへへへへ」

レン「ポニテ、サポートして。レンが奴の動きを止めたらレンもろともで構わんやれ」

ポニテ「了解」

ツインテ「な、ななななな!」

風呂の中で後ずさるツインテ。手をわきわきさせながら迫る二人。

リボンの少女「きゅー?」

それを見守る少女。

アッシュ「な、何が行われようとしている!?」
128 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:14:51.05 ID:DmbWwsBq0
57

--失われた王国、露天風呂--

ばしゃばしゃばしゃ

ツインテ「や、やです!やめて下さいよぉ!!」

ポニテ「うへへうへへ」

レン「にゃはははは」

ツインテ「実はまだ酔ってた!?」

ばしゃばしゃ

アッシュ「な、こ、こんな時に見えないとは全く持って使えぬ目玉め!!」

アッシュは悔し涙で手ぬぐいを濡らした。

ツインテ「あっ!ちょっ、レンさんそこは」

アッシュ「!!何が起こっている!!」

アッシュは必死に考えた。

アッシュ(手ぬぐいを取らずに見る方法だ、どうすればいい、どうしたら……心の目?いやそんなものあるものか。あぁくそう!!)

アッシュはばしゃばしゃと湯を叩いた。

リボンの少女「きゅー?」
129 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:15:26.24 ID:DmbWwsBq0
58

--失われた王国、露天風呂--

かちん

ポニテ「あたっ!って……かちん?」

ポニテのひじがあたったのはツインテの義手……。

ツインテ「あたた。もうふざけ過ぎです……よ?」

ポニテとレンが涙ぐんでツインテを見ていた。

ポニテ「ご、ごめ、わ、私のせいで、こ、これ」

レン「ひっく。れ、レンのせいで」

ポニテとレンはツインテに抱きついてわんわん泣き始めた。

ツインテ「な、泣き上戸に変わった!?てゆうか裸でくっつかないでください!!お、おっぱ」
130 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:16:10.33 ID:DmbWwsBq0
59

--失われた王国、仮部屋--

アッシュ「む!?思いだした……そう言えば盗賊の上級スキルに確かあったぞ。しかし……今の俺にそんな大それたことができるものなのか?……は、柄にも無く弱気なことを言っちまったぜ……いくらこの先で必要な場面があろうと、今を逃したら意味がない!!行くぞ!!」

アッシュは眼球に魔力を集約させた。

アッシュ「我が眼は全てを見通す死神の眼なり!!うおおおおおおおおおお!!」

ばっしゃあああん!!

アッシュは立ちあがり、月に向かって吠える。

アッシュ「スキル、透視眼!!!!」

びかっ!!

アッシュの量目が眩い光を放つ!!

アッシュ「で、出来た!!出来たぞ!!さすが俺!!」

手ぬぐい「ぴきーん。魔力反応を感知、眼球を潰します」

ばちゅん

それを感知したレン特製の手ぬぐいがアッシュの眼を……。

アッシュ「あぎゃー!!!!」
131 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:17:01.57 ID:DmbWwsBq0
60

--失われた王国、仮部屋--

すーすー

リボンの少女「きゅー」

皆が寝静まった頃リボンの少女はベッドを抜け出して月を眺めていた。

リボンの少女「きゅー」

硝子のような瞳。動かぬ表情。

リボンの少女「きゅー」

めりめり

突然少女の背中が隆起しだしたかと思うと……

めりめりめり!!

少女が真っ二つに分かれてそこからもこもこの顔が飛び出した。

もこもこ「きゅー」

がたっ

ポニテ「んー?少女ちゃん?」

ポニテが目をごしごしと擦りながら起きてきた。

リボンの少女「きゅー?」

少女は何事も無かったのように首をかしげる。
132 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 00:25:09.50 ID:DmbWwsBq0
えっとながらくおまたせいたしました。本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

今日はそうかぁ。あの日かぁ。
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 00:27:14.49 ID:swbsXVIUo
てぬぐい怖ぇwwwwww
乙でした
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 00:55:40.21 ID:GNWQjOySO
ポークビッツを思い出したwwwwww
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 07:20:38.58 ID:UqtAiFKjo
乙ですwwww
逆めそ?
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 10:58:22.43 ID:RPfYQMpDO

もしかしてアレか、「今日は終わり」ってのが嘘なのか!
今夜もう一度来るんだなヤフー!
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/04/01(金) 13:44:45.82 ID:tqB05abf0
>>136
成程、それは素敵過ぎる嘘だwwww
乙でした、アッシュのささやかな成長を喜ぶべきなのか…。
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/04/01(金) 16:16:25.65 ID:7000Zpq/0
乙です。
139 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/01(金) 21:53:31.56 ID:DmbWwsBq0
いつも読んでくださってありがとうございます。
誠に勝手ながら、一身上の都合によりこのssは打ち切らせていただくことになりました。本当に申し訳ございません。

残りはQw02さんによる新作を投下させていただきたく思います。どうぞご了承ください。
140 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:54:12.62 ID:DmbWwsBq0
<1> 

 カーン。

 先輩「おーい行ったぞそこの一年!!走って取りに行け!!」

 坊主「うすっ!!」

 俺は今年入学したばかりの高校一年生。所属は野球部。故に頭は坊主。
 背はそんなに高くない。体重もあまりあるわけじゃない。バッティングは得意とは言えない。別段足が速いわけではない。かと言って守備が巧いなんてわけにもいかない。
 でも運動神経が悪いわけじゃなくて、あくまで良くないだけ。ついでに言えば学業もそこそこ。おまけに言えば顔もそこそこ……うん。

 坊主「あの先輩無駄に飛ばしすぎだろう……しかも大ファールだし」

 入部して1週間が立ち、やっと部活の流れにも慣れ、どの先輩が怖いのか正確に理解しはじめた今日この頃。 

 坊主「はっ!はっ!」

 ボールは校庭の隅から校舎の裏へと駆けていく。これは野球部のグラウンドの立地上、最も長い球拾いコースとなる。

 坊主「あーラッキー!木陰でちょっと休んで……駄目だあの先輩ずっと見てるし」

 振り替えると先輩は鬼の形相でこちらを睨んでいた。先輩は後輩を監視してケチをつける義務でもあるのかと思いつつ、俺は素直に観念して校舎裏へと足を踏み入れた。
141 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:54:47.24 ID:DmbWwsBq0
<2>
 
 坊主「こっちに来たけはずだけど……草の下入ってたらやっかいだなぁ……あ」

 ここは人気の少ない校舎の裏である。そして綺麗に折り畳まれた制服が……地面に置いてある。
 
 坊主「これ……も、もしかして」

 まごうことなきうちの女子の制服だ。っていうことはだ。もしかしてそういうことなのか?  
 
 坊主「いやでもこんなご丁寧に畳んで……しかも全部」

 ん?

 坊主「いや、ってことはこの中身の人は」

 ザっ

 魚人「あ」

 坊主「あ?」

 ……ご想像出来るだろうか?

 坊主「あ、あが……」

 魚人「見られて、しまった……」

 校舎裏には真っ裸の魚人フェイスの女の子がいた。
142 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:55:22.19 ID:DmbWwsBq0
<3>

 坊主(ぴ……ピンク……)

 いかに異様な頭部を持とうとも、直ぐ様目線がそこに向かってしまったのは男としてしょうがないことと言いきれるだろう。てゆうか見られているのに全く隠そうとしない女の子。女の子?

 魚人「それ、私の」

 ジャリ

 魚人は俺の持っている制服を指さし、砂を裸足で踏みしめてゆっくりと近づいてきた。

 坊主「あ、あわ」

 異様な光景である。
 めちゃめちゃ異様な光景である。

 坊主「う、う、うわああ!!」

 俺は制服をその場に置いて逃げ出した。一糸まとわぬ(少し疑問の残る表現だが)姿を見られた彼女の方が普通は逃げ出す側なのだが、

そこはほら、俺はまだ少年だし?
 
 坊主「うあああああああああ!!」
 
 軽く涙を零しながら俺は走る。最初に見た異性の裸があんなのなんて思いたくなかったのだ。
 なんとかしてこの頭の中の画像を消してしまいたい。そのためならば、今なら先輩の鉄拳制裁もありがたく受け入れられる。
 
 坊主「うああああああああああ!!」

 没個性の塊。そんな俺にとって彼女は眩しいくらいに個性的存在だった。
 いや、冒涜的だった。




    冒涜的な彼女。
143 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:55:49.40 ID:DmbWwsBq0
<4>

 地味子「ちょっと付き合って欲しいのだけれど」

 次の日の放課後速攻で呼び出された。

 坊主「あ、う、うん」

 眼鏡「うお!なんだよ坊主!!もしかしてお前地味子と!?」

 絡んできた隣の席の眼鏡。

 坊主「ちげぇよそんなんじゃねぇよ」

 呼び出された理由次第では本当に。

 すたすたすた

 俺が了承の意思を示したのを確認するとさっさと教室から出ていってしまう地味子。

 坊主「あ、おい」

 ガタっ
 
 慌てて地味子の後を追った。

 眼鏡「ちぇー。坊主に先こされたわー」
144 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:56:20.35 ID:DmbWwsBq0
<5>

 すたすたすた

 自分の先を歩く女の子を見る。

 地味子「……」

 地味子。図書委員でいつも本ばっかり読んでる典型的な暗い子。発言することさえ稀有なクラスの中でも目立たないタイプ。

 坊主(……そんな地味子があんな大胆なことをするかな?……でもそういう奴に限って変なことするとも言うし)

 すたすたすた

 坊主(って、なんであの件のことだと決めつけてるんだ俺は。違う要件で俺を呼びだしたのかもしれないじゃん。そもそも同じ学年の同じクラス同士って出来すぎだし……そうだよ、きっと違うんだ)

 すたすたすた

 坊主(第一俺は顔は見てないから確認のしようが無いし……あっちからは俺の顔見えてたんだろうけど)

 ぎぃ

 着いたのは、屋上。

 地味子「足気を付けて」

 坊主「あ、うん」 
145 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:56:48.90 ID:DmbWwsBq0
<6>

 坊主(屋上来たの初めてだわ。ていうかそんな簡単に開いちゃっていいのかよ、色々問題になってるだろうに)

 俺は屋上に踏み入れて外の景色を見まわす。田舎なので絶景。と言っても見飽きた感のあるいつもの風景だが。

 地味子「坊主君。昨日見たよね?」

 いきなり直球が飛んできた。

 坊主「えっと……なにを?」 

 見逃しのストライク。まだだ。まだアレのことだと決まったわけでは……。

 地味子「裸」

 坊主「……」

 ツーストライク。い、いやまだだ。誰のかって特定してないし場所も聞いてな

 地味子「昨日校舎の裏で私の裸、見たよね?」

 坊主「見ましたごめんなさい。ピンクでした」

 三振。そしてなぜか反射的に謝ってしまった。

 地味子「……」

 坊主「って、お、俺が悪いわけじゃねぇぞ!!そっちがあんなところで裸だったのが悪いんじゃねぇか!!一体何をしてたんだよ!!」

 地味子「それは……」

 急にもじもじしだした地味子。
146 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:57:17.27 ID:DmbWwsBq0
<7>

 地味子「その……放課後に図書館で調べものをしていたのだけれど、クトゥルフ様関連の書籍があって読み耽ってしまったの」

 坊主「クトゥルフ様?」

 なんだそりゃ。しかも様付けとか……。

 地味子「そうしたら段々ムラムラしてきちゃって……深きものどもは普段一体どんな気持ちでいるのか、とか考えていたらその気持ちを味わいたくなっちゃって……つい」

 坊主「つい!?ついで校舎の裏で素っ裸になってたの!?」

 地味子「丁度手頃な魚人の被りものがあったからつい……」

 坊主「丁度そんなものが学校にあるかよ!!」

 いかん。駄目かもしれないこの子。
 俺はぼりぼりと頭をかく。あ、フケだ。
 
 坊主「……で?俺はどうしたらいいの?別に釘刺さなくても黙ってるつもりだったけど?」

 地味子「イア、違うの。そういうことじゃないわ」

 坊主(イア?……いや、か)

 地味子「坊主君、多分狙われることになるわ」
147 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:57:49.49 ID:DmbWwsBq0
<8>

 坊主「え?国家権力に?」

 なんでだよ。この場合猥褻物陳列罪が適用されて地味子が捕まるんじゃないのかよ。いつだって男は弱い立場だよ。

 地味子「違う。もっと恐ろしい存在よ」

 坊主「軍が動くのか!?」

 それも国家権力な気もするけど。ていうか軍が動くとか相当だよ?秘密兵器の設計図でも地味子の体に書かれてたのか?俺は乳首しか見て無かったけど……。てゆうか軍て。

 地味子「……旧支配者よ」

 坊主「……」

 冒涜的というよりももはや電波的だった。さっきから言ってることがさっぱり理解できずにいる。

 地味子「私はあそこで儀式を行っていたの。そして坊主君はその儀式を見てしまった……」

 坊主「……儀式」

 段々ひどい方向に向かっているのがわかる。そして段々俺はイライラし始めていた。
148 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:58:20.55 ID:DmbWwsBq0
<9>

 地味子「どの眷属が坊主君の命を狙ってくるかわからない。だから」

 坊主「あーもううっせぇ!!わけわかんねぇことばっか言ってんじゃねぇ!!」

 地味子「!?」

 怒鳴ってしまった。

 坊主「さっきから電波的な単語並べやがって!!素直に謝って欲しいとかそういうんならストレートに言えよ!!回りくどいんだよ!!」

 怒りながら少し罪悪感。なんで俺が怒ってるんだよ、しかも女の子に対して……。ちょっと弱い者いじめをしているような気分になってきた。

 地味子「……SAN値に早くも変化が現れた。危険な兆候だよ」
 
 坊主「……」

 前言を撤回する。駄目だこの人。

 地味子「これからは出来る限り一緒に行動しようと思うの。少なくとも学校にいる間だけでも」

 なんか言いだした。
149 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:58:51.16 ID:DmbWwsBq0
<10>

 坊主「……え?いや、一緒にって、え?」
 
 地味子「坊主君が勝手に首を突っ込んできたせいなんだけど、まきこんでしまったことにも変わりが無い。だから私が責任を持って、坊主君を立派な崇拝者にして見せる」

 地味子はものすごく真面目な顔で俺を見ている。

 坊主「いや……あの」

 地味子「そうだ。はい、これ」

 坊主「?」

 地味子が渡してきたのはラヴクラフト全集という本。6冊。

 坊主「明日までにちゃんと読んで来てね。知識があるのと無いとじゃ危険度が違うから」

 坊主「……」

 何が……何が危険なんですか?
 
 こうして俺と地味子の冒涜的な生活が始まるのでした。
150 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:59:30.03 ID:DmbWwsBq0
<11>

 次の日。

 地味子「坊主君。聖書はちゃんと読んできた?」  

 坊主「あぁ、一応……」(聖書って)

 地味子「うん、いい心がけだよ」

 そう言って地味子はニコっと笑った。

 坊主「……」

 内容は……ホラーな内容だった。あまり例えるのは得意でないからなんと表現すべきかわからないけれど、ようは直視することさえはばかれるような化物を崇拝したりしなかったりする話だ。

 坊主(……なんで素直に徹夜して読んじゃうかな俺も)

 昨日の夜は熾烈を極めた。今まで一度も眼にしたことが無い文字、辞書を引いても存在しない専門用語のオンパレード。野球しかやってこなかった俺の脳はいともたやすく許容オーバー。

 地味子「ね、ね。どの旧支配者に興味を持った!?」

 坊主(本当にこいつは狂信者だなぁ)
151 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 21:59:55.90 ID:DmbWwsBq0
<12>

 数学の先生「はい、じゃあね。この問題を二人で組んで出来たら持ってきてね。終わった人から休み時間にしていいよ」

 眼鏡「何が出来たやつからだよ。この問題めちゃめちゃむじいじゃん!おい坊主……ってお前と組んでもなぁ」

 坊主「うるせぇ、俺だってお前と組みたくねぇよ」

 地味子「じゃあ私と組もう、坊主君」

 坊主「!?」

 気付けば後ろから地味子が這い寄ってきていた。

 坊主「地味子……お前」

 眼鏡「おっ!そういや地味子成績いいもんな、よかったじゃん坊主!」

 坊主「こいつ。絶対楽しんでやがる」

 坊主は眼鏡を睨む。

 地味子「大丈夫、私SAN数は得意よ」

 坊主「いや数学なんですけど」
152 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 22:00:31.73 ID:DmbWwsBq0
<13>
 
 眼鏡「ってーかさ。地味子はこいつのどこがいいの?」

 坊主「何を聞いてやがる」

 地味子「?言ってることがよくわからないけれど」

 眼鏡「えー?だってお前ら付き合ってんじゃねーの?」

 坊主「違うっつってんだろ」

 地味子「私達は恋愛関係じゃないよ。同じ神を崇拝しているだけ」

 坊主「やめろ、頼むからやめろ。そんな説明はだめだ」

 眼鏡「そっかー。まぁそうだよなー。坊主が俺より先に彼女が出来るわけねーもんなー。なんてったって坊主と違って、俺様こんなにイケメンだし?なぁお前もそう思うだろう地味子」

 眼鏡は髪の毛をサラッとやって見せる。
 
 地味子「非常に名状しがたいフォルムをしているよね」
153 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 22:01:11.87 ID:DmbWwsBq0
<14>

 地味子「ここよ」

 坊主「理科実験室……本当にそれっぽいな」

 今俺は地味子に案内されて理科実験室にまで連れてこられた。
 理科実験室。放課後は名称を変え、

 地味子「ここがラヴクラフト部。略してラ部の部室よ。素敵でしょ」

 坊主「なんで公式に認可された部なのかが不思議だわ……」

 ガラララ

 坊主「うっわ気持ち悪い!!」

 中には、もうこれ見よがしに儀式しますよ的なアイテムが勢ぞろいしていた。

 地味子「まだあの子達は来て無いみたいね」

 坊主「なんだ、他にも同じようなのがいるんか」

 地味子「えぇ、坊主君で5人目よ」

 坊主「俺を数に入れるなよ!!俺野球部入ってるし!!」

 地味子「あ!そこの魔法陣を視界に入れてはいけない!!脳を焼き切られるよ!!」
154 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 22:01:42.75 ID:DmbWwsBq0
<15>

 翌日。
 
 坊主「どういうことか説明してもらおうか」

 地味子「?何を?クトゥルフ様の魅力について?」

 坊主「いらんわ!!俺が野球部を止めさせられたことについてだよ!!」

 地味子「あっ」

 坊主「あっじゃない!あっじゃないよ!?」

 地味子「さ、さぁ私は知らないわ。っていうか一端の生徒がそんなこと出来るわけないじゃない」

 坊主「今日先輩に言われたんだよ!!あの鬼のような先輩がガタガタ震えながらお前は今日から野球部に来るな、じゃないと俺はあの女に殺される、って!!」

 地味子はそれを聞いてニヤリとほほ笑む。

 地味子「いい感じのSAN値減少具合ね」

 坊主「言ってる場合か!!しかも顧問に話をしようとしたのに今日いないみたいだし」

 地味子「莫迦め! 顧問は死んだわ!」
 
 坊主「死んだの!?まじでなにしたてめぇ!!」
155 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 22:02:35.99 ID:DmbWwsBq0
<16>

 坊主「くそ……なんかよくわからないけれどまじで野球部退部させられたし」

 地味子「仕方ないよ。あんな球ころ遊びなんてしてる暇じゃないんだから」

 坊主「お前は今全国の野球ファンを馬鹿にした」

 地味子「命には代えられないでしょ?」

 坊主「本当に危険ならな」

 はぁ、っとため息をつく坊主。

 坊主「しかしお前本当に寝ても覚めてもクトゥルフなのな。他に好きなもんないのかよ。オタクっぽいんだからアニメとかはみないのか?」

 地味子「そういう低俗なのは……と言いたいけどアニメはEVAとか好き」

 坊主「お。俺もEVAは好きだぜ。じゃあ本当に好きなら、好きなセリフとか言ってみなよ。俺はやっぱ、笑えばいいよ、かなぁ」

 地味子「私はそうね。私アスカが好きだし、あのセリフかな」

 坊主「ほう。あんたバカァ?とかか?」

 地味子「ミサトもイア。シンジもイア。ファーストはもっとイア。パパもイア。ママもイア。でも自分が一番イア!もぉぉイア。がまんできない!!……っていうセリフが」

 坊主「ちょっと手を加えてません!?」
156 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 22:03:13.84 ID:DmbWwsBq0
<17>

 坊主「もっと女の子らしい趣味を見つけるべきなんじゃないのか?」

 地味子「別に私は無理にほかの趣味を見つけようとは思わないんだけど……」

 坊主「おさげだってやめて前髪もいじれば結構可愛くなるんじゃないの?」

 地味子「……」

 坊主「後は、そうだな。うちの妹もそうだけど大抵ディ○ニーキャラ好きじゃん。その感じじゃディ○ニーランドとか行ったことないんじゃないのか?」

 地味子「あまり興味が持てない。あ、でもインスマウスには行ってみたいかな」

 坊主「なんでそれ出した!?関係無いじゃん!!」

 地味子「人外による夢の世界ということで。鼠顔が魚顔の違いしかないし」

 坊主「マスコットキャラかどうかで随分違うわ!!」

 地味子「ミッキーインスマウス」
157 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 22:03:41.71 ID:DmbWwsBq0
<18>

 坊主「おい。今日も他のやつこないのかよ」

 地味子「色々みんなも忙しいんだと思う。やることいっぱいあるから」

 坊主「……この部の目的ってなんだ?」

 地味子「……坊主君はあまり知らないと思うけれど、実はこの町は世界中から色んな本が集められてるの」

 坊主「なんか嫌な感じがしてきた」

 地味子から借りた本の中にはとんでもない書物が登場していた。そんなものが実在するとは思えないが。

 地味子「実はこの町に来たナコト写本が何者かによって盗まれたの」

 坊主「とんでもねぇ!!絶対嘘だ!!ってか実在しないだろ!!」

 地味子「いやいやするし」

 坊主「しないし!!創作だし!!」

 地味子「私達はそれを悪用される前に見つけ出して保管することが目的なの」

 坊主「流しやがった……」
158 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 22:04:18.39 ID:DmbWwsBq0
<19>

 坊主「くそ。まじがいきちさんじゃないかあいつ……」

 坊主母「あら、今日は早いのね?野球部はどうしたの?」

 坊主「あぁ〜!!やめたんだよ!!」

 坊主母「え!?やめたってどういうことよ!?ちょっと!!」

 だんだんだん

 坊主は階段を駆け上がり自分の部屋のドアノブに手をかけた。

 坊主(うっせぇ。俺だってどういうことだか聞きてぇっての……全部あいつのせいだろうけど)

 バタン

 坊主「はぁ、疲れた。飯までひと眠り……んおっ!?」

 窓を見て坊主は凍りついた。なぜなら窓には血のような真っ赤な液体で、

 『明日は牡猫の血を持ってきて。儀式に使うから』

 と書かれていた。

 坊主「窓に!窓に!」
159 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 22:04:53.49 ID:DmbWwsBq0
<20>

 パタン

 地味子「ただいま」

 にゅる

 「オカエリ。最近トテモタノシソウダネ?」

 地味子「うん。今日もとても楽しかった」

 地味子は鞄を置くと制服を脱ぎ始めた。

 「ソレハ坊主トイウ子のオカゲ?」

 地味子はネクタイを解く指を止めた。

 地味子「……そう、かもしれない。まだ坊主君はイアイア私に付き合ってるようだけど……」

 にゅる

 「……ハヤク本当ノ意味デ仲良ク出来ルトイイネ」

 地味子「うん。ありがとうショゴス」

 地味子が上を見て笑った。そこには天井に貼りつくアメーバのような存在がうごめいていた。

 地味子「てけり・り!てけり・り!」

 「てけり・り!てけり・り!」
160 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/01(金) 22:05:44.14 ID:DmbWwsBq0
    ・次回予告・

普段と変わらない日常を過ごす筈だった。しかしその平穏を打ち壊すが如く、ラヴクラフト部を襲撃する謎の集団。彼らの目的もまたナコト写本の奪還にあった。
状況をいち早く理解した坊主は、彼らに対抗するべく、残りの部員を探しに町を奔走する。
一方、一人で彼らの相手をしていた地味子は徐々に押され絶対絶命のピンチを迎える。その時アメリカから一人の部活メンバーが来日して……。


   次回、冒涜的な彼女
   第二話・病的な彼女
 
 次回更新は2012年4月1日予定!
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 22:54:40.34 ID:naluCZIuo
おい、こっちも面白いじゃないかww
とりあえずこのスレ終わったら書いてくれww
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/04/01(金) 23:30:16.92 ID:tqB05abf0
本当に今日中に来てたとかwwそして面白いというwwww

乙でしたー。
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 01:31:12.75 ID:wYGjlrWDO
また来年かぁ…
>>1乙!
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 01:37:48.23 ID:t6KzMLhh0
乙wこれはこれで続いて欲しいイアまじで
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/02(土) 02:59:33.94 ID:c5CDjSiLo
なにこのSAN値がりがり削られそうな話ww
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 07:34:43.69 ID:B3qfNu+wo
くっそわろたwwwwwwww
乙wwwwww
167 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/02(土) 22:43:13.71 ID:VmiUWdRr0
打ち切りなんて……



     *      *
  *     +  うそです
     n ∧ _ ∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *

脳内の編集長を説得しました。なのでまだまだ続きます。今後もよろしくお願いいたします。
なるべく早く来ますので、なにとぞ、なにとぞ……

それにしても今回の4/1ネタはまた去年のようにしくじったとおもってひやひやもんでした。まぁちょっとしくじった感はいなめないですけど……。
各方面で自粛気味になったエイプリルフールを、少しでも楽しんでいただけたら幸いでしたということで!ノシ
168 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 17:45:48.54 ID:rdrv8T+l0
本日更新予定です。よろしかったらどうぞ!
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/06(水) 18:45:20.84 ID:4zn5s/alo
おっおっおっ
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/06(水) 19:18:36.72 ID:84wfePcwo
期待
171 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:35:47.64 ID:rdrv8T+l0
そいではいきます!
172 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:36:23.80 ID:rdrv8T+l0
61

--失われた王国--

ポニテ「んじゃありがとねー!!」

老人「うむ。気を付けていくぜよ」

ツインテ「本当に昨日のウエイトレスだけで恩は返せたんでしょうか?」

老人「十分すぎるぜよ。君らの写真も飛ぶように売れて、げふんげふん」

アッシュ「貴様一体裏で何をやっていた……それを寄こせ!」

レン「どうりでパシャパシャ音がしてるとおもったにゃ」

老人「特にツインテールの子のはけがよくてね」

ポニテ「くっ!美少女ツインテールおしとやかボクっ娘に更に義手属性まで加わったツインテちゃん!!私たちに勝ち目はもうないのか!?」

レン「レンは元より勝つ気などない!!」

ツインテ(あはは。男の子なんですけどねー……)

アッシュ「いくらだ!?いくらで買えるんだ!?」
173 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:38:59.30 ID:rdrv8T+l0
62

--砂漠--

ざざざざー

ツインテ「すごいですねレンさんのこの船!小型だけどざくざく砂の上走ってます!!」

レン「にゃー。レンの作るものは基本的に動力が魔力だから心配だったの。さすがに東の王国までは道のりが長いから……でもツインテの魔力ならどうってことなかったかもしれないにゃ」

ポニテ「ふひぃんふぇちゃん、きつくない?替わろうか?」

ポニテは老人に持たせて貰ったおにぎりを頬張りながらツインテに声をかけた。

ツインテ「全然大丈夫ですよ。ボクも少しくらい皆さんの役に立ちたいですし!そしてやっぱり食料はボク達の口には入らないんですね」

アッシュ「食糧が尽きる前に着くしかないな」

リボンの少女「きゅー」

リボンの少女がツインテの服を引っ張る。

ツインテ「あ、喉が渇いたんですか?ちょっと待って下さいね」

ツインテは水属性魔法で水を作りだし、水筒に注いでいく。

じょろろ

ポニテ「あ!ツインテちゃんが汁出してる!!」

ツインテ「言い方を変えて下さい!!」
174 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:51:21.28 ID:rdrv8T+l0
63

--砂漠--

アッシュ「つ、ツインテ。その、なんだ……俺も喉が」

ツインテ「あ、はい。あっ、でも水筒今使っちゃってますし……じゃあボクの手でよかったら」

ツインテは自分の手でお椀を作る。

ポニテ(どういうイベントだー!!)

アッシュ「ツインテ汁はぁはぁ」(む、そうだな、いれものがないんじゃ仕方ないな)

ポニテ(変態だー!もとい反対だー!)

ポニテはにやにやしながらその光景を見ている。

レン「!?つ、ツインテそんなのむぐっ」

ポニテはレンの口を塞ぐ。

アッシュ「じゃ、じゃあ」

アッシュはツインテの手に舌を這わせる。

ぴちゃ

ツインテ「あはは。なんかくすぐったいです。それに右手の隙間から水垂れちゃってますね」

アッシュ「レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ」

ツインテ「……なんでそんなに必死なんですかね?」
175 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:51:58.53 ID:rdrv8T+l0
64

--砂漠--

ポニテ「あ、見えたよ東の王国!!あれでしょ!?」

アッシュ「あぁ。思ったより把握着いたな。ツインテ御苦労」

ツインテ「いえ、全然大丈夫ですよ」

レン「にゃー」

リボンの少女「きゅー」

ぐらぐら

ツインテ「あ、あれ?これ船の揺れとは違いますよね」

ズオオオオオン

砂亀「あんぎゃー!!」

船の前方に巨大な亀が出現した。

ポニテ「!?」

ツインテ「お、お、おおおきいいいいいいいいい!!」
176 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:53:19.91 ID:rdrv8T+l0
65

--砂漠--

ポニテ「ううし!アッシュ君食後の運動だ!」

アッシュ「馬鹿か?食後なのはお前だけだ」

アッシュはシャリンと音をさせてナイフを抜き取る。

ポニテ「えへへごめんー!」

ポニテも二本の剣を抜いて構えた。

ツインテ「ぼ、ボクも」

レン「ツインテはいい。ここに来るまでに魔力使ってるんだから」

レンは錬金ツールを取りだして巨大な鎌を作り上げる。

ポニテ「じゃあ行くよ!早いもん勝ちだからね!!」

ダンっ

アッシュ「一人で倒せるのか?」

トッ

レン「二属性試してみたい」

ぴょんっ

ツインテ「う、うぅ……皆さんカッコイイ。ボクもいつかあの中に……」
177 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:54:34.83 ID:rdrv8T+l0
66

--砂漠--

ポニテ「プラズマ火球やばかったねーw」

アッシュ「思った以上に強力だったな……」

レン「ふんす!」

レンはどや顔で決めポーズを決めていた。

アッシュ「……元々器用だったレンが二重属性になったことによって、幅広くなんでも出来るようになったな」

ポニテ「うん。ツインテちゃんの細胞使ったせいか魔力も増加してる。もう私達より強いかもしれない」

アッシュ「……」

レン「ふんす!」

アッシュ「ふ……そうかもしれん」

ツインテ「皆さん大丈夫ですかー!?お怪我のほどは!?」

アッシュ(常に俺達の回復してたくせに……あるわけないだろ)
178 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:55:27.28 ID:rdrv8T+l0
67

--砂漠--

ポニテ「うひひ。さーて亀のお味はどんなかなー?」

アッシュ「まてやめろ」

ポニテ「うえ?」

アッシュ「……こいつには毒を打ちこんだ。お前でも危険かもしれない」

ツインテ「毒?いつのまに毒なんて打ちこんでたんですか?というか携帯してたんですか」

ポニテ「……なるほど」

アッシュ「……丁度いい、話しておこう。俺は欠陥属性の持ち主で、属性は毒なんだ」

ツインテ「!?」

ポニテ「ふえー!そんな属性あったんだー!?」

レン「……だろうと思った」

アッシュ「あんま他の奴らに言うなよ?知ってるやつ少ないんだから」

ポニテ「にひひーww」

アッシュ「なんだよ気持ちわりい」

ポニテ「いやいや、なんだかアッシュ君もちっとは丸くなって打ち解けて来たかなってさ!!」

ツインテ「すごいですね!レアな属性だなんてかっこいいです!!」

レン「隠してたとこ悪いけど、誰もそれで差別したりしないにゃ」

アッシュ「……」
179 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:56:32.36 ID:rdrv8T+l0
68

--砂漠--

ぱちぱちぱちぱち

アッシュ「?」

砂漠の中を拍手しながら歩いてくる剣士がいる。顔に傷を持つ、髭を生やした侍のような男が。

?「素晴らしい腕でござった!これほど大きな砂亀を大した被害も無く討伐せしめるとは……いやはや感服!」

ポニテ「おっさん誰?」

?「おっさ!……拙者まだ20代でござるのに……まぁいいでござるよ。拙者、辻斬りと申すもの。訳あって武者修行中の身にござる」

ツインテ「辻斬りって……辻斬りですよね?」

?改め辻斬り「いかにも!やや!!これはまた麗しいおなごでござるなぁ!!」

辻斬りはツインテの前で跪くとツインテの左手を手にとり、甲にキスをした。

ポニテ「おー!」

ツインテ「はわっ!?」

レン「侍そんなことしない」

アッシュ「ってめぇ!!」

アッシュはナイフで辻斬りを切りつけた。
180 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:57:47.90 ID:rdrv8T+l0
69

--砂漠--

ひゅばっ!

辻斬り「おっと」

アッシュ「!?」

アッシュのナイフは完全に空振り、辻斬りはいつのまにかアッシュの後ろへと移動している。

辻斬り「危ないでござるなぁ。刃物はむやみやたらに人に向けてはいけんでござるよ?」

アッシュ「……っ!!」

辻斬り「しかし折角腕利き同士が出会ったんだ、」

チンっ

辻斬りは刀の鍔に手をかけた。

辻斬り「どっちがより強いか試してみるのもまた一興」

ツインテ「ま、待って下さい!!ボク達は別にもめごとを起こすためにここに来たのでは!」

アッシュ「どいてろツインテ、こいつ元々俺達と戦うために近づいて来たんだ」

ポニテ「やる気むんむん!辻斬りだって自分で言ってたしねー」

ツインテ「そんな……」

辻斬り「なぁに殺しはしないし苦しめるつもりもござらん。ただ拙者の修行のためにいっちょお手合わせ願うでござるよ」
181 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 21:58:44.04 ID:rdrv8T+l0
70

--砂漠--

アッシュ「……俺は本気で行くからな。死んでもしらんぞ」

辻斬り「怖いでござるなぁ、はっはっ。そしたらそしたらでござるよ。ではいざ尋常に」

アッシュ「!!」

ダッ!

アッシュは駆けだした。

辻斬り「?無策で突っ込んできた?いやきっと何かあるでござるな。ではその罠にかかってみよう」

シュンっ

辻斬りの一閃。

アッシュ「!?」

それはアッシュの腹部をチラリとかすめて流れていった。

辻斬り「おお!!完全に両断したと思ったのに!!」

ギィアン!!

そのまま突っ込んできたアッシュのナイフを鞘で受ける辻斬り。
182 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:00:11.77 ID:rdrv8T+l0
71

--砂漠--

ギリギリギリギリ

辻斬り「今のはなんでござろう?タイミングをずらした走法なんでござろうか?その齢にしてはまっこと恐るべき才能!!」

アッシュ(こいつ、何のためらいも無く振り抜きやがった!しかもあの速さ、避けるどころか防げぐことすら……)

ギィン!

アッシュ「ぐっ!!」

ポニテ「アッシュくーん!手伝おうかー?」

アッシュ「煩い!不要だ!!」

アッシュは体勢を立て直し再び辻斬りに挑む。

レン「……あの人相当強い」

ツインテ「た、たしかに強そうです」

ポニテ「アッシュ君、対術だけなら相当強いはずだよ。でも完全に遊ばれちゃってる」

ギギギギン!!

辻斬り「うーん、素晴らしいでござる!!溢れる才能というやつか!?うらやましいでござるなぁ」

アッシュ「ッ!!舐めやがってぇええ!!」
183 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:01:16.30 ID:rdrv8T+l0
72

--砂漠--

ドス

倒れたアッシュの顔の前に刀を突き立てる辻斬り。

辻斬り「ふう。拙者の勝ちでござるな。いやはや危なかった……数年取ったらまた勝負したいですな!」

辻斬りが手を差し伸べる。

アッシュ「ふざ……けるな!!」

どぷ

辻斬り「!」

アッシュの体から毒が溢れだして砂漠すら汚染する。

じゅわわ

ポニテ「う、おお。これは中々凶悪な属性だね」

レン「!空気も吸っちゃだめ!ツインテ、風上に!」

ツインテ「だ、駄目ですよアッシュ君!!そんなことしちゃ!!」

アッシュとの距離を開けた辻斬りは嬉しそうに顔を歪めた。

辻斬り「『ラッカー』……これは次と無い好機でござるな!!」
184 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:02:21.59 ID:rdrv8T+l0
73

--砂漠--

アッシュ「毒漬けにしてやる!」

ぶくぶくぶく

辻斬り「よぉし、編み出したばかりのこのスキルを試すでござる!!」

ツインテ「や、やめてくださいよーー!!」

アッシュ「ああああああああああ!!」

辻斬り「スキル、無物斬り!!」

ヒュン

まだアッシュとの距離があるというのに辻斬りは刀を振るう。
すると

すぱっ

アッシュ「!?なっ!!」

アッシュの体を纏っていた毒が全て飛び散った。

辻斬り「おおお!!出来たでござる!!ひゃほーい!」

アッシュ(毒だけを斬ったってのかよ!?しかもあの距離から……馬鹿な)

辻斬り「これで女の子の服だけを斬ることが出来るでござる!!」

レン「服は物体じゃん」
185 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:04:56.96 ID:rdrv8T+l0
74

--砂漠--

アッシュ「ぐうう!!」

辻斬り「いやあいい体験でござった。感謝するでござるよ。毒だろうが水だろうがあまり関係なかった気がするでござるがね」

アッシュ「!!」

辻斬り「いや?毒ガス範囲外から攻撃できるとわかっただけでも非常に有意義でござるな!!」

アッシュ「」

アッシュは我を忘れて駆けだした。
その時

ポニテ「あ、あのー……ごめん、なんかすごいことになっちゃったw」

レン「にゃん……」

リボンの少女「きゅー!きゅー!」

どずん!!

アッシュと辻斬りの間に着地したのは、

ツインテ「お前ら……」

アッシュ「!!弾けるリボンの香り!!」

バツン

ツインテ「やめろっつってんだろーが!!」

どごっがごっ
186 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:06:03.80 ID:rdrv8T+l0
75

--砂漠--

ツインテ「す、すいません!!これボクがやったんですか?ほんとごめんなさい!!」

アッシュ「……」

辻斬り「あっはっはっ……恐ろしい威力でござった。じゃがいもの気持ちがわかるでござる」

ツインテは二人の怪我を治療していた。

ポニテ「なるほど……あれがツインテちゃんのもう一つの顔、ストレートモード。昔も雪山でらりっちゃってた時があったけど、あれも関係してるのかな?」

レン「とりあえずレンはいつものツインテが好き」

ひしっ

ツインテ「あはは……」

辻斬り「いやはやつい調子に乗ってしまって申し訳ない。拙者反省しているでござるよ」

アッシュ「けっ」

ポニテ「うし!その怪我治し終わったら私ともやろーよ!」

ツインテ「駄目です」

真顔でポニテを見つめるツインテ。

ポニテ「そ、そのほんのり笑顔は怖いかなー。で、でもそのおにーさんだってきっとやりたいと」

ツインテ「駄目です」

ポニテ「はい」
187 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:06:51.51 ID:rdrv8T+l0
76

--東の王国、大門--

辻斬り「ここでござるよ」

ツインテ「わざわざありがとうございます!」

辻斬り「いやいや大したことじゃないでござるよ」

アッシュ「けっ」

ポニテ「アッシュ君入国する時いつも機嫌悪いww」

レン「子供」

リボンの少女「きゅー」

辻斬り「……」

ツインテ「どうかしましたか?」

辻斬り「知っていてやっていることかもしれないし、余計なことかもしれないのだが……その子」

ツインテ「?あぁこの子は砂上船で事故にあった子で……この国に送り届けに来たんです」

辻斬り「……敢えて言うまい」

ツインテ「?」

辻斬り「それよりもだツインテ殿」

ツインテ「はい?」

辻斬り「拙者の子を産んで下され」
188 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:07:50.00 ID:rdrv8T+l0
77

--東の王国、大門--

東の王国門番兵「えー、時刻は午後2時32分、容疑者確保。連れてけ」

東の憲兵「おらこっちだ!しっかり歩け!!」

辻斬り「ち、違う!!拙者ロリコンじゃござらん!!ただ純粋にツインテ殿のことを!!」

東の憲兵「みんなそう言うんだよロリコンは」

辻斬り「背が低くて可愛くて従順で胸がペタンコな子が好きなだけなんでござるって!!」

東の憲兵「これ以上自分を不利にする発言はやめるべきだ」

辻斬り「恋愛に歳の差は関係無いって言ってたもん!!」

辻斬りは捕まった。

ツインテ「……」

アッシュ「けっ、いい気味だ」

ポニテ「……」

レン「にゃー」

リボンの少女「きゅー」
189 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:09:02.18 ID:rdrv8T+l0
78

--東の王国、城下町--

ポニテ「うわー!個性的な街並みだねー!」

アッシュ「東の王国。他と違う独自の文化を多々持っている王国だ」

ツインテ「あ、あのそう言えば聞きたいことがあるんですけど」

アッシュ「ん?」

ツインテ「アッシュ君、髪の毛灰色っぽくなってませんか?」

ポニテ「え?そうなの!?そういう描写が無かったから気付かなかったよ!」

アッシュ「む……。さっきは少し毒を使いすぎたからな。毒素が抜けて色が変わったんだ」

ポニテ「なにそのおもしろ設定」

ツインテ(ということは毒の魔法は多様出来ないってことなのかな……)

アッシュ「まぁ心配しなくていい。魔力が補充されればすぐよくなるだろう」

ポニテ「そっか!!じゃあさっそく宿屋に行こうか!」

ツインテ「だ、駄目です!!まずはこの子の家を探してあげましょうよ」

ポニテ「あ、そうだね。それにツインテちゃんの腕もどうにかしないといけないしね」
190 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:11:26.34 ID:rdrv8T+l0
79

--東の王国、城下町--

農家のおじさん「ん?あ!!君は聖騎士さんとこのお孫さんじゃないか!」

ポニテ「おじさんこの子のこと知ってるの!?」

農家のおじさん「あぁ!!しかし砂上船が事故にあったと聞いてたから心配していたんだが……そうか」

リボンの少女「きゅー」

ツインテ「……ボク達この子と同船していたんです。なんとかボク達は助かったんですけど、この子は言葉が……」

農家のおじさん「!!……そうかい。辛かったろうに」

農家のおじさんは少女を優しく抱きしめた。

農家のおじさん「残念なことだが……ご両親は遺体で発見されたそうだ」

ポニテ「!?……やっぱり」

農家のおじさん「この子は両親と三人で生活していた。当然身寄りもいない……だからこの子が望むなら私が引き取るとするよ。あの家とは家族ぐるみの関係だったからね」

アッシュ「……」

農家のおじさん「君達、この子を助けてくれて、送り届けてくれてありがとう!今晩の宿は決まっているのかい?よかったらうちに止まって行かないか?うちも若いのが出ていったから、家内と二人暮らしで部屋はあまってるんだよ」
191 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:12:53.77 ID:rdrv8T+l0
80

--東の王国、城下町--

ポニテ「……ううん、私達急いでるの。だからそれはいいや」

アッシュ「……いいのか?」

ツインテ「ボクは一日くらいどうってことないですよ?」

ポニテ「うん、別れはすぱっとしなきゃね!」

農家のおじさん「そう、かい。残念だな。話を聞きたかったんだが」

ポニテ「少女ちゃん、がんばって生きるんだよ!!暗い過去に押しつぶされちゃだめだよ!!」

ポニテは少女に抱きつくとすぐに離れた。

リボンの少女「きゅー……」

ポニテ「じゃあね!!」

ツインテ「ふっ。お元気で」

リボンの少女「きゅー」

少女は無垢な瞳でツインテ達を見ていた。

農家のおじさん「しかしこの世界に神はいないな……ただでさえ両親を亡くしたというのに、こんな小さな子の声まで奪っていくだなんて……」

農家のおじさんは悲しい表情で少女を見つめている。

東の憲兵「すいません、ここらへんで少女に抱きついた中年男性がいる、という通報を受けて駆けつけたのですが」
192 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/06(水) 22:15:51.65 ID:rdrv8T+l0
それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

    次回予告

賢者です。この前親戚の子が来た時に遊戯王が好きだっていうので勝負をしてみたんですよ。懐かしいなぁ遊戯王、何年ぶりなんだろう?
自分は売るのもめんどくさくてしまってあったデッキを見つけ出し、勝負をしたんです。
うふふ、驚くぞう。だってこのデッキにはあの伝説のブルーアイズが三枚入っていて、サンダーボルトももちろん三枚!!こんなカード持ってないだろう?と大人げなく自慢しつつ、社会の厳しさを教えてやろうと考えていました。

親戚「うわー、ふっりーw」

賢者「はっはっ。ってこれ親戚が生まれる前のカードじゃん」

親戚よりお年を召したカードが私の手の中にありました。

とりあえず禁止とかあるみたいだけど無視!だってこれしかないから!

親戚「じゃあぼくのたーんね、ぼくはこのカードをしょうかんするのね」

賢者「攻撃力200wwしかも攻撃表示ってちょっとww」

親戚「これのこうかでてふだからこいつをとくしゅしょうかん」

賢者「ちょっと待って」

親戚「?」

賢者「なんでいきなり二体もでちゃったの」

親戚「こーゆー効果なの」

賢者「……なるほど。あれかそういえばそういう奴がいたなぁ。おっさんの奴」

親戚「で、これとこれをぼちにおくってシンクロしょうかん」

賢者「ちょっと待って」

親戚「?」

賢者「ちょ、今これ、どっからだしたの?」

親戚「えくすとらでっき」

賢者「どこそこ」

親戚「ここ」

賢者「なんで出てくるの」

親戚「シンクロするとでてくるの」

賢者「まじで」

親戚「まじで」

頭の中では虹が流れる。

賢者「なんで白いの?」

賢者「しらないww」

   次回、サンダーボルト三枚入ってるのに負けました。今の遊戯王はおっさんにはちとよくわかりません。勉強したいと思います。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/04/06(水) 22:41:42.09 ID:MBFAVulFo
>>192 乙!
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/04/07(木) 07:09:03.55 ID:Z45rSZHA0
乙!
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 09:12:07.84 ID:sknB+jaSO
今回は誤字が多かったな

変態法師様がいた気がしたが気にしない
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 11:03:11.66 ID:jHb4rnAk0
東の国の警備堅いww
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/04/07(木) 15:58:13.70 ID:eTK7Xtwp0
乙。
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/04/10(日) 20:35:30.76 ID:JhmDfY/AO
次はいつかなー。
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/04/13(水) 19:28:42.83 ID:95dePqJI0
乙です。
200 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 20:54:01.32 ID:Zgi6S8wu0
お待たせいたしました!本日10時頃から更新したいと思います!
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/13(水) 20:58:54.16 ID:eJncYOQOo
おっおっ
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 21:20:30.70 ID:+eXE/G7k0
きたきたあ!
203 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:01:32.67 ID:Zgi6S8wu0
81

--大学病院--

医者「このサイズの腕ならすぐいけそうだね。お金あります?」

医者はあっさりと言い放つ。

ツインテ「……え!!」

ポニテ「え!?ほ、本当に治るの!?ツインテの右手再生するの!?」

医者「あはは。蜥蜴じゃないんだから。簡単に言えば移植するんですよ。他人の右腕をね」

ツインテ「……え」

ポニテ「そ、それってどうなの……」

医者「100%自分の体じゃなきゃだめだって言うのなら再生治療という手もあります。ただ再生治療はまだまだ実験段階の域をでないですし、費用もかなりかかっちゃいますね」

あと時間も。と医者が言う。

レン「……」

ポニテ「その移植する人の腕って、誰かのを切って移植するんでしょ……?」

医者「……」

医者はにやにや笑う。

医者「なるほど。だから君達困ったような顔してるのかぁ。違う違う」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 22:01:34.31 ID:XZpK7y+I0
時間だ
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/04/13(水) 22:03:22.42 ID:DroCYxHAO
うおおおお
206 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:05:39.98 ID:Zgi6S8wu0
82

--大学病院--

医者「僕達は提供されたものしか使わないよ」

ツインテ「せ、世界中のどこに自分の腕を提供する人達がいるんですか」

医者「お金に困ってる人」

ツインテ「!!」

医者「それと聞こえは悪いけれど、死体とか、ね」

ポニテ「だめじゃん……」

医者「ダメじゃん?それは随分と視野の狭い考え方ですね。不要になったものを必要なもののために役立てる。これが悪いことかな?」

レン「……にゃー」

医師はカリカリとカルテに書きこんでいる。

医者「自分が死んだら他の困っている人のために使って下さい、という立派な決断だ。彼らの意思を尊重するのなら受け入れるべきじゃないだろうか」

ツインテ「う……」
207 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:09:03.04 ID:Zgi6S8wu0
83

--大学病院--

医者「……とはいえ無理強いをするつもりは無いけれどね。有難迷惑だなんて言われちゃ彼らにも申し訳が立たないし」

ツインテ「……」

レン「……」

医者「医者である僕の意見を言わせてもらえるのなら、ツインテちゃん、早くに手術した方がいいと思う」

ツインテ「!!」

医者「君はまだ若いんだしチャンスがあるならすがりつくべきだ。その義手も中々いい出来だけどそれに慣れちゃいけない。それに少しだが魔力の拒絶反応が出ている」

レン「え……」

医者「魔力の巡りが少し調子が悪いんだ。今は症状すら出ないだろうけど、年月とともにそれは蓄積される」

ツインテ「……」

レン「ツインテ、本当?」

ツインテ「自覚はないですよ。あ!だ、だからそんな悲しい顔しないでください!!」
208 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:12:39.04 ID:Zgi6S8wu0
84

--大学病院--

医者「そう言えばレンちゃんだっけ?彼女の頭部の施術は良くできていたよ。人体を他人の一部に変化させるとは素晴らしい技術だ。後遺症も無いと思う」

ツインテ「は、はぁ」

医者「ボクとしては君は医療関係の道に来て欲しいな。ちゃんとしたところで学べばきっといい医者になれるよ」

ツインテ「ほ、本当ですか!ボクお医者様になれるんですか!?」

アッシュ「おい!」

ポニテ「それでいいのか勇者候補!」

医者「っと、話がずれたね。まぁゆっくり考えたらいいよ。大事なことだからね」

ツインテ「……」

医者「でも出来ることなら、移植をお勧めするよ。提供して下さった人達の意思を無駄にしないためにもね。君みたいな美少女に使われるなら本望だろう」

ツインテ(とうとう女の子で通ってしまいました……)
209 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:19:17.69 ID:Zgi6S8wu0
85

--メインストリート--

ポニテ「はーあー!ツインテちゃんの腕がにゅるんと生えてくるもんだと思ってたのになー」

ツインテ「人外ですかボクは!」

レン「にゃー」

アッシュ「でもどうするんだ?費用ならなんとかできるぞ」

ツインテ「はい……結構、考えちゃいますよね」

ポニテ「……でもさー。ツインテちゃんがレンちゃんにしてあげたこととあまり変わらないよね」

ツインテ「!……」

レン「ポニテ!」

レンはポニテにかじりついた。

ポニテ「あいたっ!!だ、だってそうじゃん!ツインテちゃんは自分の身を犠牲にしてレンちゃんを助けたんだ!!それと変わらないでしょ!あいたっ!!こら猫!!」

レン「にゃーにゃ!!」

ツインテ「う……」

アッシュ「俺も……ツインテがいいならやった方がいいと思うぞ」
210 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:25:09.78 ID:Zgi6S8wu0
86

--メインストリート--

アッシュ「今後に影響が出るんだろ?なら貰っちまえばいい」

ツインテ「アッシュ君……」

ポニテ「そうだよ!誰もむりやり奪いとったりするわけじゃないじゃん!!ツインテちゃんは人を助けたからその分助けてもらう!それでいじゃん!!猫!いい加減にしろ!!」

がぶ

レン「にゃーーーー!!」

アッシュ「やばいレンがアヘ顔してる!!まじだ!!」

アッシュは慌ててポニテとレンを引き離す。

ツインテ「……そうですね……あ、でもボクが貰ってしまったら他の人が」

アッシュ「そんなこと言ってたらいつまでたっても誰かのためになれないかもしれない」

レン「……ツインテ」

レンはツインテにとことこと近寄ってくる。

ツインテ「レンさん」

レン「ツインテ、貰おう」
211 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:32:09.26 ID:Zgi6S8wu0
87

--メインストリート--

レン「感謝して大事に使わせて貰おうよ」

ツインテ「……」

ポニテ「うん!医者さんも言ってたけどツインテちゃんの一部になれるなら本望に決まってるはずさ!!」

アッシュ「気がねするな」

ツインテ「皆さん……そうですね。わかりました。明日にでもお願いしに行きたいと思います!!」

レン「にゃー!」

ポニテ「よおし、そうと決まれば前祝いでご飯いくぞー!!」

アッシュ「いつも食ってるくせに」

ツインテ「あ」

レン「?ツインテどうしたの?」

ツインテ「そう言えば辻斬りさんはどうなったんでしょうか」

ポニテ「あ」
212 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:33:08.85 ID:Zgi6S8wu0
88 

--牢獄--

監獄長「し、失礼いたしました!!」

辻斬り「あーあー、いいでござるよ。拙者もちと悪かったでござるし」

監獄長「は、はぁ!!全く憲兵の奴は……おい!この方の刀をお持ちしろ!!」

見張り「はっ!!」

ガチャガチャと音を立てて走る見張り。

辻斬り「やれやれ……」


--メインストリート--

アッシュ「あいつなら大丈夫だろ」

レン「にゃー」

ポニテ「アッシュ君よっぽどあの人のこと嫌いなんだねーw」

アッシュ「違う。そんなんじゃない……あいつは恐らく」
213 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:41:52.49 ID:Zgi6S8wu0
89

--牢獄--

見張り「お持ちいたしました!」

監獄長「いやぁ立派な刀ですねぇ!もしや噂に名高い父君の名刀では!?」

辻斬り「……関係無いな」

辻斬りは刀をひったくる。

監獄長「も、申し訳ありません!!このことは父君にはどうかご内密に……」

辻斬り「関係無いと言ってるでござろう!!」


--メインストリート--

アッシュ「あいつはあの剣豪だ」


--牢獄--

辻斬り「父上とは……剣豪とは既に縁を切ってござる!!」
214 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:42:37.43 ID:Zgi6S8wu0
90

--王国--

新王「この度は遠路はるばるお越しいただき、恐悦至極……」

東の王「……前置きはいい要件に移れ」

西の王(姉さん姉さん姉さん姉さん姉さん姉さん姉さん!あぁ姉さん!!相変わらずなんて美しいんだ……!)

北の王「いやはや懐かしい顔ぶれでっしゃなww皆老いたようですが、それはそれで渋くていいでんなww」

妃「相変わらずの北の王節ですね〜不快〜」

秘書(全くもって)

北の王「ててて。こりゃ手厳しいww」

新王(やれやれ。全ての国のトップの会談か……こりゃ相当胃にくるだろうね……)

キリキリ
215 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:45:40.98 ID:Zgi6S8wu0
91

--王国、牢獄--

カツンカツン

新王「こちらです。足下が暗くなっているのでおきをつけて」

カツンカツン

北の王「見せたいものって牢獄にいるんですのん?」

新王「ええ。先日我が王国の領土内にて三騎士が捕えました」

東の王(三騎士……)

新王「……これです」

新王は地下のろうそくに火を付ける。

ぼっ

北の王「!?こ、これは」

東の王「……」

影月「……まぶしいなぁ」

新王「皆さんをここに集めたのも彼です」
216 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:46:06.18 ID:Zgi6S8wu0
92

--王国、牢獄--

新王「人造勇者の一人、影月です」

北の王「こいつは……たしか東の王国に所属した……」

東の王「……」

影月「やれやれひどい扱いやなー。せっかくわいがボロボロになりながらも情報持って来てやったって言うのに」

影月は切れた唇を舌でなめている。

新王「彼が言うには他の人造勇者が集まって何かを企てている……と」

東の王「そんなことを言うためにお前はここに来たのか?」

影月「そんなことってなんやねん。大事なことなんやぞー」

東の王「……三年前に我が国から逃げ出したお前の言うことを俺が信じられるとでも?」

北の王「もうそんなに前になりまっか〜。あれはてっきり王国さんがしかけた罠かと思いましたでほんま」

妃「まぁ先代の王様ならそういうことを企んでいてもおかしくないですけどね〜」
217 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:46:32.69 ID:Zgi6S8wu0
93

--王国、牢獄--

新王「三年前、人造勇者達は、まるで申し合わせたように失踪した……全ての国から一斉に。その理由から答えてもらおうか」

影月「それは簡単なこっちゃ。わいらには時間がないからや」

東の王「……時間?」

影月「具体的なことはまだ言えん。言ったら殺されるかもしれんしぃ」

東の王「ッ」

ズラッ

東の王は腰に指していた剣を引き抜いた。

東の王「言わねば即刻その首を切り落とす」

影月「それでも言わんわな」

新王「やめておきましょう東の王。それよりも今は彼から情報を引き出すことが大事です」

北の王「そ、そうでっせ!わて血は苦手なんですよぉ!!」

新王「勇者さん……勇者に匹敵する力を持った者達が集まって一体何をするつもりなのか、全て教えてもらうとしましょう」
218 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:47:18.73 ID:Zgi6S8wu0
94

--大学病院--

医者「それじゃあ麻酔するから気を楽にしていてね」

ツインテ「はい。お願いします先生」

医者「うん。けど一日で決断してくれるとは思わなかったな」

ツインテ「素直に受け取ろうと思ったんです。ボクなんかが腕を貰っても貰う価値が無いと思ったんですけど……ボクがその腕を使って他の人達を救えばいいと決めました」

医者「ほう……」

ツインテ「あ、なんか眠くなって……きました」

医者「安心して。眼がさめる頃には全部終わってるから」

ツインテ「ふぁい」

医者「……」

ツインテ「くー、すー」

医者「むらむらしてきた」
219 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:48:04.22 ID:Zgi6S8wu0
95

--大学病院--

ポニテ「ツインテちゃん大丈夫かなー」

アッシュ「眠らされるんだろ!?やばいよな!?あんな美少女が診察台に無防備な姿で寝てるんだぞ!?やばくね!?止めに行こうぜ!?」

レン「アッシュきょどりすぎにゃ……一緒にいこう」

ポニテ「あははー!二人ともツインテちゃんのこととなると大変だねー!」

アッシュ「あ、当たり前だろ!?仲間なんだから!!」

レン「ツインテは俺の嫁」

ポニテ「じゃぁ、じゃあ!私が同じようなことになっても心配してくれるんだよね!?」

アッシュ「勝手に犯されてろ」

レン「死ね」

ポニテ「ひでぇ!!」
220 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:48:39.38 ID:Zgi6S8wu0
96

--大学病院--

3時間後。

ツインテ「う……んぅ……」

医者「はっ、はっ……お、起きたかい?しゅ、手術は無事成功だよ……!」

ツインテ「あ、ありがとうございます先生……先生?」

医者「ん!?ど、どうしたのかな!?」

ツインテ「なんで急いでズボンのベルトを治そうとしているんですか?」

医者「ちょっとした手違いがあってね。大丈夫だ問題ない」

ツインテ「とっても怖いんですけれども……あ」

ツインテは自分の右腕を見た。

ツインテ「……すごい、動く」

医者「……どうだい?久しぶりの自分の右腕は」

ツインテ「……すごいです……こんなにも暖かい」

ツインテは少し細身の自分の右腕を動かしている。
221 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:49:06.63 ID:Zgi6S8wu0
97

--大学病院--

がちゃ

アッシュ「!?ツインテ!!」

ツインテ「ぐすっ……あ、皆さん。もう入って大丈夫、ですよ」

レン「!!!!なんでツインテ泣いてるの!?」

ポニテ「まさかー!!」

ツインテ「あ、違うんですよ。ちょっと先生が」

アッシュ「おのれロリコンめ何をしたー!!」

バンっ!!

アッシュがツインテを押しのけて部屋に入ると、

医者「すーはー!つ、ツインテちゃんが三時間寝てた診察台の香り!!」

かちゃかちゃ

ポニテ「アウトだあああああああああ」
222 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:49:57.02 ID:Zgi6S8wu0
98

--スラム街--

ポニテ「いやーでもよかったねー!ちゃんと相性もいいって言ってたし、当日に退院できるなんて!」

ツインテ「魔法医療も発達しているらしいですね。後は一週間この飲み薬を食後に朝昼晩一錠ずつ飲めばいいらしいです」

アッシュ「ほ、本当に何もされてないんだな!?お、お父さんは心配で」

レン「医療費は半額でいいよ、っとか言ってたからなおさら心配にゃ。あの医者、ツインテの残り香シーツをどうするつもりなんにゃろう……」

ツインテ「あはは、考え過ぎですよ皆さん。とてもいいお医者様でしたよ。ボクもあの人のような立派なお医者様になれたらいいなぁ」

アッシュ「もう勇者とか魔王の文字がでてこねぇ……ってあれ?話しながら歩いていたら雰囲気が違う通りにでたな」

レン「すごく……スラムっぽいです……」

ポニテ「うんスラム街らしいよー」

ツインテ「ポニテさん、知ってるんですか?」

ポニテ「だって↑に書いてあるじゃん!」

ツインテ「ひでぇ!!」
223 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:50:26.34 ID:Zgi6S8wu0
99

--スラム街--

包帯イカ亜人「……」

道路の脇に座り込む亜人がツインテ達を見ている。

ツインテ「……こう言うのもなんですけど、貧しい感じの人達の集まりのようですね。あと亜人が本当に多い」

ポニテ「というかほとんど亜人だね。亜人のスラム街なのかな」

アッシュ「……異様だな」

レン「うん。レンが昔いたところも荒んでいたけれど、ここまでひどくなかった」

ツインテ「町並みは綺麗……だから尚更に感じてしまい……ますよね」

松葉づえ狐亜人「……」

ポニテ「もしかしてここはあれかな。戦争とかで被害にあった人達が身を寄せ合って生きている場所なのかな」

ツインテ「……かもしれません」

レン「逆にそうじゃなきゃ……おかしいにゃ」

ポニテ「だ、だよね!じゃなきゃみんながみんなこんなことになってるわけないよね!」
224 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:51:05.45 ID:Zgi6S8wu0
100

--スラム街--

包帯インコ亜人「……」

車いすアルマジロ亜人「……」

ツインテ「み、みんな見てますね」

レン「……気を付けて。敵意を感じる」

アッシュ「急いでメインストリートに戻るぞ」

その時、一人の子供の亜人が駆け寄ってきた。

包帯犬亜人「ま、まって!」

ツインテ「?な、なんでしょうか」

包帯犬亜人はじぃっと何も言わずツインテを見ていた。

包帯犬亜人「……」

レン「なんの用にゃ!」

包帯犬亜人「……それ」

包帯犬亜人には、

包帯犬亜人「返して」

右腕がついて無かった。
225 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/13(水) 22:53:19.02 ID:Zgi6S8wu0
お久しぶりでございました。これからは少しずつ更新頻度を増やしていきたいと脳内の偉い人が言ってました。それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

  次回、ツインテのなく頃に
   お楽しみに!!
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/13(水) 22:54:46.69 ID:DroCYxHAO
見習いBwwwwww
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/04/13(水) 23:32:11.02 ID:Qek1m9CFo
>>225 乙!
新王ってポークビッツの賢者だっけ?
ツインテが男の子に戻る日は来るのだろうか……
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/14(木) 08:51:25.42 ID:LKr8cDQLo
乙乙
シリアスになってきたな
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/14(木) 20:29:05.80 ID:pI8ROlhu0
先が実に気になる展開で良い!
乙乙次回を楽しみに待っております。
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 22:03:04.82 ID:2DJWbl4wo
乙!
新王以外の王が前どんな感じだったか(ポジションとか)忘れた…誰か纏めてくれ
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/15(金) 00:34:27.56 ID:uw+nnEePo
言い出しっぺの法則
見直してこようぜ!
232 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2011/04/18(月) 12:21:48.04 ID:NM2/AJIDO
今日更新予定です。ためしの更新強化週間やってみます。新生活応援キャンペーン!
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/18(月) 14:58:52.28 ID:2IgZxpQ4o
わっふる
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 17:42:17.16 ID:Wj2VONASO
こいこい
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/04/18(月) 17:58:34.84 ID:10G+NGJV0
乙です。
更新、楽しみ。
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/18(月) 18:39:33.46 ID:JDc1Z4VAO
わーいわーい≡┗(^o^)┛
237 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:35:18.34 ID:QbPeGrgS0
始めますー
と、その前に>230さんの質問に答えさせてもらいます。
えと、こんなんでいいんでしょうか?あまり変わってないですけれども

○王国
戦争中に王様死亡。賢者が新しく王国の王(新王)となり、踊子が妃に。二人の間には子供が一人。

○東の王国
前作から引き続き、東の王が続投。

○西の王国
サキュバス襲撃により西の女王死亡。今は見習いB(西の王)が王の座についている。受付が彼の秘書に。

○南の王国
前作から引き続き、南の王(亜人王)が続投(政権は奪われている)。

○北の王国
前作から引き続き、北の王が続投。
238 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:36:21.18 ID:QbPeGrgS0
101

--丘の洋館--

キバ「げほっ!ごほっ!」

魔法使い「おwかwゆwあwちwいwwwwうぇっ」

魔法使いは笑いながら、自分の顔にぶっかけられたおかゆを拭く。

キバ「あ、ごめんね魔法使い……せっかくぶほっ!!」

魔法使い「もうナレーターwwwってまたwww」

キバはベッドでおかゆを食べている。

魔法使い「ったく、俺様が看病してるんだから早く治れってのwww」

キバ「うん……ごめん」

魔法使い「w」

キバ「でも……勇者さんもこんな感じだったのかな……」

魔法使い「え」

キバ「魔王に……近づくことがこんなにも……」

魔法使い「……」
239 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:36:53.16 ID:QbPeGrgS0
102

--メインストリート--

アッシュ「やってくれたぜ……」

ポニテ「何が亜人保護地区だよ!!ひどいよ!!そんなのって無いよ!!」

レン「にゃー!!ツインテ大丈夫?」

ツインテ「えぇ、ボクは大丈夫です……」

ツインテは強く噛み締める。

ツインテ「……ですがあの先生ともう一度お話する必要がありますね!!」

ツインテは右腕に義手を装着して言った。

アッシュ「無理はするなよ?またかなりの血を失ったんだ」

ツインテ「大丈夫です。鉄分は比較的取ってますし。というか取らされてます」
240 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:37:43.84 ID:QbPeGrgS0
103

--大学病院--

医者「あれ?また君たちか。どうしたんだい?……ってツインテちゃん右腕は!?」

医者はツインテの右腕に生身の腕じゃなく義手がついているのを見て驚いた。

医者「落としちゃったのかい!?」

ポニテ「そんな簡単に取れるかっ!」

ツインテ「あるべき場所に返しました……」

医者「あるべき場所?……そうか、君達あの地区に入ったのか。困ったな」

ツインテ「……あの右腕の持ち主の子が……ボクに返して、って言ってきたんです」

医者「……やれやれ。平然と契約違反とはねぇ。これだから教育を受けてないものは困る。やっぱり亜人も学校に通わせるべきだよなぁ」

ツインテ「何言ってるんですか!?あの腕!あの子から無理やり奪ったものだったんですね!?」

医者「……」

ツインテ「あの場所にいた人達……みんな同じだった……方腕が無かったり方足が無かったり方眼が無かったり……みんな、みんな貴方達が!!」

医者「あまり院内で大声を出さないで欲しいな。診察室に行こうか。お友達も一緒にね」

ポニテ「あ!ここからちょっとめんどくさい話になるので苦手な人は<112>にスキップしてね!!」

ツインテ「今誰に言ったんですか!?」
241 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:38:24.55 ID:QbPeGrgS0
104

--大学病院--

医者「結論から言うと、僕達は提供された人体しか使用していない」

ポニテ「何言ってるんだよ!!提供した人が返せなんて言うものか!!死んだ人がどうとか言ってたくせに!!」

医者「んー……詳しくは話せないんだけどなぁ。でも話がややこしくなるよりかはいいのかな」

医者は棚から書類を取り出した。

医者「あの子のは……これか。ほらご覧、誓約書ってやつさ」

ツインテ「……!」

そこには、私は自分の意志で右腕を提供します。という旨のサインが書かれていた。

アッシュ「無理やり書かせたに決まっている……!」

医者「うーん……君たちには難しいかもしれないがこれは取引なんだ」

レン「こんな取引あるものかにゃ!」

医者「当たり前過ぎてわからないだろうけれど、居場所っていうのはとんでもなく大事なことなんだ」

医者は会話が成り立たないと判断し、一方的にしゃべりだした。
242 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:39:13.06 ID:QbPeGrgS0
105

--大学病院--

医者「自分の居場所。国であったり、県であったり、市であったり、地区だったり、心の拠り所だったり。みんな自分自信の場所を見つけるために人は生きている」

ツインテ「……」

医者「君たちだって治療のためにこの国に来たんだろうけど、帰る場所はあるだろう?帰れる場所が。帰っていい場所が。そんな当たり前のものすら持たない人達がいるんだ」

医者は足を組む。

医者「そういう人達の居場所を求める願望っていうのはもの凄く強いんだ。渇望と言ってもいい。彼らは自分の居場所を作るためにあらんかぎりの努力をする」

医者はツインテと視線を合わせた。

医者「ツインテちゃん、今の世界を見て答えてほしい。亜人はどんな立場にいる?」

ツインテ「……それは」

ツインテはレンを見る。

レン「にゃあ……」

医者「っと。亜人が仲間にいる君たちに言うのは少し意地悪だったな……。まぁわかるだろうから言うけど、とてもひどい状況に立たされているよね」

レン「……」
243 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:39:57.49 ID:QbPeGrgS0
106

--大学病院--

医者「敗戦国家……というのもあるけどもとから扱いがイーブンじゃあなかったね。残念だけど亜人は人じゃない、なんて公然と言う人だっている」

医者はコーヒーに口をつける。

医者「彼らの言うこともわからなくはない。だってモンスターと亜人の違いは明確に存在していないんだから」

ツインテ「!!そ、それはあまりにも!!」

医者「いや実際遺伝子レベルで似てるんだよ。亜人は人とコミュニケーションを取れるモンスター、っていう言い方をした学者もいたけど、モンスターだってコミュニケーション取れるもんね。片言だけど喋れる種族もいるし」

ポニテ「そんなのっ、外見でわかることじゃん!!人と亜人は似てるもん!!」

医者「人間によく似たモンスターもいるし、限りなくモンスターに近い亜人もいるじゃないか」

ポニテ「っ!」

医者「結局のところぽいかぽいじゃないかでしか判断出来てないんだよね」

ツインテ「……話がずれてます」

医者「そんなことないよ。ようは今の人間達は、モンスターみたいな生き物と隣り合わせに住みたくなんて無い、ってことさ」
244 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:41:49.11 ID:QbPeGrgS0
107

--大学病院--

医者「亜人の大多数は南の王国で暮らしていた。でも南の王国がああなってしまったので逃げて来た亜人もいるんだ。そういう亜人は住むところが無くて食べるものもない。そんな生活が続くとどうなる?結局彼らは犯罪に走るしかなくなってしまうんだ。結果、亜人のイメージをより悪くしてしまう……悪循環だね」

ツインテ「……」

医者「そんな彼らを受け入れたのが我が王国の亜人保護団体だ。世界中に支部を持っているけれど、受入場所は本国のあの地区しかない」

レン「受け入れる代わりに……体の一部を寄越せと脅したのか!」

医者「違う違う!そう噛み付かないで欲しいな……。彼らを受け入れることには国も了承した。でもそこまで。国も国民も、税金を消費してまで難民を養おうとは考えなかった。まぁ普通そうだよね。不景気なんだし」

ツインテ「そこは亜人さん達に働き口を斡旋してあげたらいいじゃないですか!」

医者「亜人に出来る仕事なんて無かったんだよ」

アッシュ「……」

医者「知っての通り亜人は総じて強力な肉体を持っている。それを有効活用できたらいいんじゃないかと誰でも考える。でも実際人間てなんでも出来るんだよ」

なんでもは言いすぎか、と医者が笑う。

医者「東の王国は国土のわりに人口が多いしね。働き口自体がそもそも不足していると言える。なのにわざわざ亜人を採用するべきなのか?」

ポニテ(大事な話だけど飽きてきちゃった)
245 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:43:35.89 ID:QbPeGrgS0
108

--大学病院--

医者「しかも亜人というだけで偏見を持つ人は多い。受け入れた職場が上手く機能しなくなるのでは?って声もあったね。そりゃそうだ。もし隣に座ってるのが肉食系だったら?僕なら仕事に身が入らないだろう」

アッシュ(ポニテも似たようなもん……亜人に失礼か)

医者「ゆえに必然的に亜人がする仕事は、人間が嫌う仕事か、体を売るか……ってなっちゃったんだよ」

ツインテ「無責任過ぎます!保護するって言ったのに……結局してることは虐待じゃないですか!その選択肢を選ばざるを得ない状況にしてるんです!!」

医者「そうだね。弱った亜人は働けないから体を売るしか無いしね……でも嫌なら出ていくべきなんだ」

レン「!」

医者「牢に繋いで監禁してるわけじゃないんだ。どうかこの国に居座り続けて下さいなんて、言ってるわけでもない。逃げたきゃ逃げればいい。でも彼らが逃げないのはそれでもまだマシだからなんだよ」

ツインテ「そんな……。あの人達、ボク達のことを凄い目で睨んでました……みんな本当に辛い生活をしているはずなのに……」

医者「優しいねツインテちゃんは。でもどうしようも無いんだよ。こんなこと言いたくないんだけれど僕達程度の力じゃどうにもならない事なんだ……。だからせめて僕は、提供された生体部品があますことなく役立てられるように努力してるんだ。亜人の体でも拒絶反応無く人に使えるように」

ツインテ「っく……じゃあ彼らはあのままなんですか?搾取され続けるんですか?」

医者「……自国の問題は自分たちで解決すべきだと思うし、種族の問題なら尚更だよね」

ツインテ「……」
246 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:46:09.52 ID:QbPeGrgS0
109

--大学病院--

ツインテ「せ、先生なら少しは働きかけることができるんじゃないですか?事実を知る先生なら!」

医者「……僕は亜人を差別なんてしたりしない。だけど特別に扱ったりもしない。もちろん差別している人達が一番悪いと思ってるけど、彼らにも全く咎が無いとは言えないよ。それに一介の町医者たる僕に出来ることは限られている。今の状況を打破できる可能性があるとすれば彼ら自身がやるしかない」

ツインテ「そう……ですか」

医者「……まぁ納得はしてくれてないとは思うけど、今日の所はそれで勘弁してくれないかな。医療費ももちろん返すよ。患者を満足させてあげられないなんて医者として失格だからね」

ポニテ「あーうー……」

医者「それと、また自分で腕を切り離したんだろ?そんなおいそれと付けたりはがしたりするもんじゃないないんだよ、普通は。おいで、見てあげよう」

ツインテ「あ……ありがとうございます」

アッシュ「……」

レン「ツインテ……」
247 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:46:48.40 ID:QbPeGrgS0
110

--メインストリート--

ツインテ「はぁ……」

ポニテ「なんか大人のずるい言い訳に言いくるめられた感じー」

レン「レンぷりぷり」

アッシュ「……だがどうしようもないよな」

ポニテ「!アッシュ君までそんなことを言い出すとは思わなかったよ!!」

アッシュ「亜人保護団体の庇護が無ければやつらは住む場所すらない。これは事実だろ!」

ツインテ「アッシュ君……」

アッシュ「仕方が無いで済ませようとは思わない。だがどうしようもないだろ……」

ポニテ「うー……」

ツインテ「……ボク」

ツインテは右肩を抑えた。

アッシュ「!……」

ポニテ「ツインテちゃん……」

レン「ツインテ……」

ツインテ「ボク……腕一本が、こんなに重いものだなんて、思わなかった……!」
248 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:47:28.60 ID:QbPeGrgS0
111

--大学病院--

医者「……」

大豚亜人「ぶひ。医者君〜なかなかの名演説だったぶひよ〜?」

医者「!!……いらっしゃったんですか院長」

大豚亜人「ぶひひ」

大豚亜人は、顔に包帯を巻いたナースを二人連れて現れた。

大豚亜人「丁度通りかかったらおいしそうな匂いがしたんでとなりの部屋から見させてもらったぶひ」

医者「はぁ。相変わらずですね院長」

大豚亜人「あんのツインテールの娘もいいけど猫耳の娘もおいしそうだったぶひ。次来たら……ぶひひ」

包帯ナース「……」

包帯ミニスカナース「……」

大豚亜人「それと医者君?……実験のことには喋ってないぶひよね?」
249 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:48:00.79 ID:QbPeGrgS0
112

--宿屋--

ツインテ「今日はここでチェックインですね。中々古風で素敵です!」

アッシュ「今思ったんだが、リボンの少女とわざわざ別れて宿取る必要無かったよな」

ポニテ「わかってないなーアッシュ君は!!前も言ったけど別れはスパッとするもんなんだよ!!」

レン「宿代のことも考えろにゃ」

ポニテ「なんだとー!?この猫ー!」

レン「猫で何が悪いっ!」

アッシュ「昨日はなんだかんだで野宿だったしな」

ツインテ「テントでの雑魚寝は正直苦しかったです……ポニテさんやめてっていうのに色々触ってくるし……」

レン「上を見上げるとアッシュの褌下半身だったにゃ」

ポニテ「赤褌だよ赤褌!」

アッシュ「そんなギップル的イベントをした記憶はない」
250 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:48:38.34 ID:QbPeGrgS0
113

--宿屋--

レン「記憶にございません、とかまるで腐った政治家」

ポニテ「……ツインテちゃんにギップルポジションについてもらったらどうだろうか?」

アッシュ「ツインテ、今日も野宿にしないか?キリッ」

レン「ツインテが褌!?」

ツインテ「あはは……ボクテント張る機能無いんですけど」

アッシュ「張れなくてもいい、ただ無防備な下半身を晒してくれればいい」

ポニテ「なんかイケメソが最低なことを言い出した!!」

レン「レンならテント張る機能を追加させることもできる」

レンはチラッチラッツインテを横目で窺う。

ツインテ「ね、寝てる間にボクを改造とかしないでくださいね……?」

ポニテ「魔改造」
251 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:49:10.59 ID:QbPeGrgS0
114

--宿屋--

ポニテ「まぁなにはともあれチェックインだよ!!たのもー」

宿男「はいはいはい」

パタパタと音を立てて宿の中から現れた宿男。

宿男「あれ、お子さん四人だけで宿泊ですか?」

ポニテ「……あれぇ?」

アッシュ「こいつ……」

レン「どっかで見た顔にゃ」

ツインテ「西の王国の店主さん!?」

宿男「……西の王国の彼に会ったんですか?」

ポニテ「ここまで似てて別人!?あ、兄弟とか!?」

宿男「いえ、全くの他人ですよ。それどころか向こうは私のことは知らないでしょう」

ツインテ「ふ、複雑な関係なんですね……」

レン「パワポケで見た設定にゃ」
252 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:49:55.99 ID:QbPeGrgS0
115

--宿屋--

宿男「彼を知っているのであれば……特別に安くしましょうね」

ポニテ「きゃほーい!!おじさんありがとー!!」

ツインテ「あ、ありがとうございます」

宿男「一部屋でいいんですよね?」

アッシュ「いや男と女分けるだろjkjk」

レン「アッシュにレン達を襲う勇気はない」

ポニテ「アッシュ君が襲うとしたらツインテちゃんだけだしね!!」

ツインテ(襲う!?……やっぱりボクアッシュ君に嫌われてるのかな……)

アッシュ「な、なにをバカなこと言ってやがる!!お、俺は別に」

アッシュはチラッチラッツインテを横目で窺う。

レン「とりあえず同室でいいにゃ」
253 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:50:44.80 ID:QbPeGrgS0
116

--宿屋--

ギシッ
ギシッ

ポニテ「なんか全体的に暗い感じだねー」

宿男「結構古い建物でして……」

ツインテ「少し怖いです」

宿男「あ……言うの忘れてましたが、夜中の十二時以降、絶対に部屋から出てはいけませんよ……?」

ポニテ「なんかフラグ来たー!」

アッシュ「なぜだ?」

宿男「なぜと言われましても……お客さまの身の安全を保証するためですから」

ギシッ
ギシッ

宿男「ではここがお部屋になります。洗面所、お手洗いはあちらです。それではごゆっくりと」

ギシッ
ギシッ

レン「ちょーこわーい」
254 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:51:27.94 ID:QbPeGrgS0
117

--宿屋--

ツインテ(まぁこのメンバーなら何が起きても大丈夫だよね……)

カチャリ、ギィ

ツインテが部屋の鍵をあけドアノブを回す。

ツインテ「おじゃましまーす……」

中は和風な一般的旅館部屋。

ツインテ「ほ。思ったより普通だ」

アッシュ「当たり前だ。こんなちょっと町から離れ寂れた所にある暗い感じのボロ旅館だからって、そんなベタなお約束はあるまいよ」

ツインテ「そ、そうですよね!ベタ過ぎますよね!あ、皆さん上着掛けますよ。ボクやります」

ツインテがみんなから上着を受け取ってクローゼットを開ける。

人形「……」

ツインテ「……」

中には荒縄で縛られた両腕の無い人形があった。

ツインテ「ぴぎゃぁぁぁ!!」
255 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:53:22.37 ID:QbPeGrgS0
118

--宿屋--

ポニテ「ツインテちゃんどうしたの!?今時ぴぎゃぁぁぁは無いよぴぎゃぁぁぁは!!うっ!?」

アッシュ「……こ、こんな所に人形を置くか普通」

赤い着物を着た黒髪の人形は異様な雰囲気を醸し出している。

レン「……昔この地域では人食い鬼がいたとされる伝承がありました……」

アッシュ「なんか語りだした!?」

ツインテ「あわ、あわわ……あれ?」

ポニテ「どうしたの?」

ツインテ「……この畳の汚れ……血……みたいに見えませんか?」

ツインテが腰を下ろした畳には、確かに染みがあった。

アッシュ「……まるで血だらけの人間がはい回ってついたような感じの染みだな」

ツインテ「ぴぎゃぁぁぁ!!」

ツインテは慌てて立ち上がり壁に手を付けた。

ツインテ「ま、まずくないですか!?まずくないですか!?この旅館まずい感じがしませんか!?」
256 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:54:04.75 ID:QbPeGrgS0
119

--宿屋--

ポニテ「あははは。ツインテちゃんたらやだなぁ。そんなことあるわけないじゃまいか」

チョロチョロ

ツインテ「ぽぽぽポニテさああん!!下が大洪水ですうう!!小川レベルじゃない!!」

おもらしポニちゃん。

レン「ポニテ、まさか……」

ポニテ「う、うううう!!」

ポニテは頭を抱えてしゃがみ込んだ。

ポニテ「わ、私食べられないものは苦手なんだよぉぉ!!お化けとか!!」

ツインテ「判断基準がわからないです!!」

ガタ

その時壁に手をついていたツインテは掛け軸に触れてしまった。
257 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:55:06.98 ID:QbPeGrgS0
120

--宿屋--

ツインテ「あ、と。掛け軸が曲がってしまいました。直さないと。あ」

バサバサ

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

掛け軸の裏にはお札がびっっしりと張られていた。
しかも掛け軸でよくわからなかったが、壁をよくみると染みのようなものがあり、それは人の形をしている……。
お札はまるで、壁の染みを封じているように見えた。

じょろろろ×4

ポニテ「こんなところで連れションするとは思わなかったよ!!」

アッシュ「よぉし、みんなでオムツを買いに行くぞ!!」

ツインテ、ポニテ、レン「おお!!」

今、一致団結の時……!(←アオリ文)
258 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/18(月) 21:58:03.17 ID:QbPeGrgS0
前半のシリアスが嘘みたいさ!(こんばんは)
それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

         次回予告

その昔、西の王国に武王を名乗る女王ありき。

<どどん>

魔族に攻め込まれて死亡した西の王国の支配者、西の女王。これは彼女が存命していた時の物語。


東の王「……あいつは最悪に魔女だった」

         次回「サウスクイーン」


次回「ってか読んでくれてる皆さんにサイドストーリーを好き勝手に書いてもらうっていう企画はどう(ry」

友人「ねーよ」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/18(月) 22:34:58.17 ID:JDc1Z4VAO
どうしてこうなった…

乙!
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 23:29:20.81 ID:T2iuX5hIO
乙です

西の女王だと、
ウエストクイーンではないかと
思うわけだが。
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 23:45:48.96 ID:Wj2VONASO
前半のシリアスはどこいったwwwwww

本当にアッシュがギップルみたいになるのかと思ったじゃねーかwwwwww
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/19(火) 02:33:03.27 ID:pt240rqpo
乙!前半すっごいシリアスだったのに後半wwwwwwwwww

>>230ですが王まとめありがとうございました。もっと交替多いのかと思いこんでた
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/04/19(火) 06:54:23.92 ID:SLAgLxXp0
乙です。
スルメだわ
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/19(火) 22:08:29.22 ID:Zt6JdB/V0
乙乙。

いつも通り、
シリアスとギャグどちらも楽しませて頂きましたwwwwwwwwwwww
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/19(火) 22:16:18.39 ID:Q0ZTwJkmo
乙!
次回たのしみにしてます
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/19(火) 23:45:03.55 ID:lig2884AO
今更だけど勇者募集真グッドエンドルート 21〜30の「黒いフード(……一発、殴ってやらなくては気が済まない。あいつ)」ってフラグ回収された?あとこれは魔法使いだよね?
267 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2011/04/20(水) 07:55:11.60 ID:mKDAModDO
>>260さん
四天王と言っておきながら五人いる!的なギャグだったのさ!……ということにしておいてはいただけませんでしょうか。
べ、別に英語苦手なんじゃないんだかんねっ!?


>>266さん
通常ルートでは、魔法使いは戦争二日目に瀕死状態に陥り、キバに連れられて表舞台から姿を消します。
ただグッドエンドでは、魔法使いにそのイベントは無く、戦争後、王国の軍団長として勇者を追って旅に出ます。

そして旅先で彼らを発見、戦意0の勇者を追い込むのですが、盗賊との一騎打ちに敗北。魔法使いは一度王国に戻った後、彼らを追って再び旅へ……。


と行った裏話があるわけです。第四部蛇足の中で書こうかと思ったんですが、
1、通常ルートでは魔法使いは追跡に行かなかった。

2、魔法使いが追跡した場合、勇者の角が欠けてないとおかしい。

という理由から明かされなかったお話でした。
いい質問ありがとうございました。


……ちなみになんですが、自分ちょっと変態さんなんで、秘密や伏線を残したままにして、後は読者さんに勝手に解釈してもらえたら嬉しいなぁ。とか考えちゃう性癖があります。
もちろん、明かさなきゃいけないものは明かします。後言いづらいですが伏線まきっぱで忘れてるのもあります。

まぁだから……変だなぁと思ったら突っ込んでくださいね/////


本日更新予定です。
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/20(水) 08:05:00.50 ID:9phx6gFDO
おっおっ
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/20(水) 13:32:07.98 ID:cMHCB3Rio
待ってるよー
270 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 20:55:47.75 ID:Xju1Z6hg0
121

--宿屋--

アッシュ「そしてなんでご丁寧に戻ってきたんだ俺達は」

ツインテ「キャンセルしてそのまま違う宿に行けばよかったのに……」

ポニテ「とりあえずクローゼットは開けないこと、あの畳には近づかないこと、掛け軸周辺は見ないこと。OK?」

ツインテ、アッシュ「サー、イエッサー!」

一斉に全員で部屋の隅で丸くなり、目を閉じ耳を塞ぎガタガタと震えだす。

ツインテ「怖くない怖くない怖くない」

アッシュ「人形はSMプレイ、畳は血尿、壁は邪王炎殺黒龍波」

ポニテ「さっき掛け軸がずれた時に、『おい、黒龍波くらったみたいになってんぞ!』……ってツッコミ入れてたら神だったなぁアッシュ君」

レン「黒龍波で出来た跡って結局ダメにゃん」

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ポニテ「……」

ツインテ、アッシュ、ポニテ「怖くない怖くない怖くない怖くない」
271 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 20:56:29.31 ID:Xju1Z6hg0
122

--宿屋--

宿男「皆さんお食事の準備が整いました……」

ツインテ、アッシュ、ポニテ「ぴぎゃぁぁぁ!?」

レン「い、いきなり入ってくるにゃよ」

宿男「すいません、ノックはしたんですがね……フェーフェッフェッ」

アッシュ「お前そんな笑いじゃなかっただろ!?後からキャラ作ろうとしてんじゃねぇ!!」

宿男「こほん。失礼。では参りましょう」

宿男はそういうとツインテ達に背を向けて、掛け軸をじっと見た。

宿男「……」

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ポニテ「……」
272 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 20:57:52.84 ID:Xju1Z6hg0
123

--宿屋--

レン「……」

宿男「……」

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

宿男「……じゃあいきますか」

ツインテ「いやいやいや!!なんか言って下さいよ超怖いですから!!」

アッシュ「なんだ!?なんだその思わせ振りな沈黙は!?」

ポニテ「またちびるぞ!?いいのか!?この歳になってのおもらしはかなり恥ずかしいんだぞ!?」

レン「ムーニーマン倍プッシュだ」
273 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 20:58:37.78 ID:Xju1Z6hg0
124

--宿屋--

ギシッ
ギシッ

ツインテ「うぅ……なんでこんなことになったんでしょうか……」

アッシュ「……思い当たる原因があるとすれば、今アイツが怖い話にはまってるってことだ」

ポニテ「外部要因ひでぇー」

アッシュ「夏を先取り!とかわけわからないことを言いながら読み漁ってるらしい」

ツインテ「どうせはまるならけいおん!とかそういう萌え萌えしたものにして欲しいです……それならお茶飲んでお菓子食べて幸せです」

アッシュ「なるたるとかエルフェン読み返されたらどう影響が出るかわからんな……」

レン「ギャグパートのメタ過ぎ発言は当ssの特徴としてお捕らえくださいにゃ」

ギシッ
ギシッ
274 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 20:59:31.87 ID:Xju1Z6hg0
125

--宿屋--

宿男「はい、こちらがお食事の部屋となっています」

どよ〜ん

ツインテ「いやいやいやこんなに広いのに蝋燭一本とか!!」

ポニテ「くらぁっ!!(叱る意味で)」

宿男「で、こちらが皆さんの席になります。ご自分の写真があるところにお座り下さい」

ツインテ「いやいやいやこれ不謹慎過ぎますよ!!」

ポニテ「イェーイ!!」

アッシュ「ちょっと洒落にならない」

レン「かなりだにゃ」
275 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:00:34.14 ID:Xju1Z6hg0
126

--宿屋--

もくもくもくもく

ツインテ「……なんか満足に味わえないです」

ポニテ「うぅ。部屋のはじっこだから蝋燭の明かりが心許ないよぉ」

アッシュ「二メートル先にあるはずの向こうの席が見えん」

ポニテ「むぐ……………………〜〜〜!!!!」

ツインテ「どうしたんですかポニテさん……ってキャー!!く、口から髪の毛がいっぱい!!」

宿男「あ、私の髪の毛が混入してたみたいですねすいません」

アッシュ「お前のかよ!!どっちみち不快じゃねぇか!!」

ポニテ「この量はまずい量だよ!!」
276 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:01:28.80 ID:Xju1Z6hg0
127

--宿屋--

宿男「あ、そちらのお客さん、もう食べていいんですよ?」

ポニテ「?もう私達勝手に食べちゃってるけど……ん?そちらの?」

ぺちゃ

ツインテ「!?」

むしゃむしゃ

ツインテ「こ、これは……」

ポニテ「卑猥な音が聞こえるよ!!」

レン「食事の音にゃ」

ツインテ「え!?え!?目の前にお客さんいるんですか?暗くてわからないけど!」

アッシュ「いつのまにそこに座ったんだ!?」

むちゃむちゃ

レン「気配は……ある」

むちゃむちゃ
277 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:01:59.14 ID:Xju1Z6hg0
128

--宿屋--

ポニテ「あぁ見えないことがこんなに怖いなんて!!」

アッシュ「ポニテ!火魔法で照らせ!!」

ポニテ「!!さっすがアッシュ君!火属性魔法レベル0.1!」

ポッ

ポニテの人差し指に火が灯る。そしてその光が映し出したものは……食い漁ったかのように汚く残された配膳だけ。

ツインテ「ひぃ!!誰もいない!!」

アッシュ「だが今の今まで食っていた痕跡があるぜ……」

レン「気配は一瞬で消えたにゃ」

宿男「もうお食事はいいので?」

ツインテ「……もうボクは喉を通りません。食べ物を粗末にはしたくないのですが」

ポニテ「私も……いい」

アッシュ「ポニテが食事を残すだとぉ!?」

レン「天変地異の前触れにゃ……」
278 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:02:36.11 ID:Xju1Z6hg0
129

--宿屋--

宿男「じゃあお風呂に行かれたらいかがですか?温泉はの本場と言えば東の王国ですから。ゼハハハ」

レン「さっきと笑い声が違うにゃ」

ツインテ「しかし……お風呂……ですか」

ポニテ「……一日くらい入らなくてもいいよね?」

アッシュ「女としてその発言はどうなんだ?」

ポニテ「もう……ゴールしてもいいよね?」

ツインテ「アカン!!」

ポニテ「あーのーうーみーーー」

アッシュ「とりあえず部屋に戻るか」

ガラ

アッシュが廊下に出た時、アッシュは何かしらの違和感を感じ取った。

アッシュ(?……何か視線を感じる?)

アッシュが廊下の先を見ると

人形「……」

部屋にいたはずの人形がそこにいた。
279 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:03:19.31 ID:Xju1Z6hg0
130

--宿屋--

アッシュ「あんぎゃあ!!」

宿男「あらあら。みんなが食事に行っちゃって淋しくてついてきたのかな?」

ツインテ「さらりと凄いこと言った!?」

宿男「あ、私がちゃんと部屋まで持ってくんで先階段あがってください」

アッシュ「その人形俺達の部屋に置く必要あるのかなぁ!?」

ツインテ「そそそそうですよね!!」

宿男「いやぁでもこれもオプションに入ってるし」

レン「今日のありがた迷惑スレはここですか!?」

宿男「この子だってお客さんのことを気に入ってるみたいだし。なぁ」

人形「……ニィ」

と笑ったように見えた。



膀胱「開門!!全部開門だ!!いそげぇぇ!!」

括約筋「へへ……こいつは忙しくなるぜぇ!!」

↑ただいまイメージ映像でお送りいたしております
280 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:03:45.62 ID:Xju1Z6hg0
131

--宿屋--

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

げっそり。

ツインテ「……もうボク水分残ってないです」

ポニテ「私もなんだよ」

アッシュ「俺なんて後ろまで盛らした……」

レン「にゃあ」

ツインテ「最初にサービスオプションにチェック入れた人、手をあげてください」

スッ

挙手するポニテ。

ポニテ「……ごめん。素敵なサムシングって書いてあったから」

アッシュ「それ関東しかわからないっぽいよ」

ポニテ「まじか」
281 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:04:25.65 ID:Xju1Z6hg0
132

--宿屋--

レン「……っていうか、」

人形「……」

市松人形「……」

レン「なんで増えたの」

ツインテ「サービスオプション追加した人、手をあげてください!!」

スッ

挙手するアッシュ。

アッシュ「すまん……夜のお供に☆って書いてあったからてっきり……」

ツインテ「あははははははははははははははははははははは!!」

ポニテ「あぁ!!ツインテちゃん壊れた!!懐かしい!!久しぶり!!」

アッシュ「あぁもうなんでこんなことになったぁ!!」

レン「レンこんなツインテはじめて!」
282 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:05:05.92 ID:Xju1Z6hg0
133

--宿屋--

ツインテ「あはははは」

レン「ツインテ怖い。真顔は怖い」

アッシュ(これも人格チェンジなのか?いやリボンは無事だ。リボンが重要な役割を果たしているのかと思っていたが)

ポニテ「……ねぇ、ちょっとちょっと」

アッシュ「あぁ?なんだよ今考え事の真っ最中なんだよ」

ポニテ「ちょっと!」

ポニテはアッシュの首を回し強引に振り向かせた。

人形「……」

アッシュ「……」

アッシュのすぐ後ろに人形が……。

アッシュ「きゃ、キャー!!な、なんで!?部屋の隅に置いてあったよね!?」

ポニテ「だよね!?だよね!?位置変わってるよね!?あとね?あとね?」

アッシュ「なんだよ早く言え!今みたいなのはもうごめんだぞ!?」

ポニテ「も………………………………もう一体が………………見当たらないんだよね」
283 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:05:36.84 ID:Xju1Z6hg0
134

--宿屋--

ツインテ「あははは……は」

レン「……」

アッシュ「……そ、それもう完全に移動してんじゃん……」

ポニテ「うわーん!!なんでこんなことになったんだよー!!誰か安価間違えたろ絶対ー!!」

レン「シリアスパート入るかと思ったら実はそんなこと無かった」

アッシュ「正直差別とか亜人問題とかもうどうでもいい。早くこの旅館から脱出したい」

ツインテ「……はぁ。やっと落ち着いてきました」

レン「あ、もとのツインテだ」

ポニテ「……それよりさ。探さないとまずいよね?あの人形……」

アッシュ「あぁちゃんと把握しておかねばおちおち眠ることも出来ない」

レン「……」

ポニテ「沈黙はフラグくさいからやめてっ!!」

レン「も、もう片方も、いないんだけど」
284 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:06:04.87 ID:Xju1Z6hg0
135

--宿屋--

アッシュ「……」

ポニテ「……」

ツインテ「……」

レン「にゃ、にゃー?」

ポニテ「……オーケー……こうなりゃやけだ、徹底交戦だ」

ポニテは両手に火の玉を作り出す。

レン「火事はやめろにゃ」

アッシュ「く……よし、宿男に頼んで人形だけでも持ってってもらうとしよう」

ツインテ「そうですね……。それが一番良さそうです」

ポニテ「……ってことはこの部屋を出て会いにいくわけだ。この旅館のどこにいるかわからない人を探して」

アッシュ「仕方ないだろ?ならお前こんな状態で寝れるのか?」

ポニテ「う、うぅ」

ツインテ「……行きましょう。早くしないと出歩いちゃまずい時間になっちゃいますし」

レン「にゃー」

四人はー部屋をー脱出したー。
285 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:06:30.51 ID:Xju1Z6hg0
136

--宿屋--

ギシッ

アッシュ「い、行くぞ」

ポニテ「お、おー」

むぎゅっ

ツインテ「ポニテさんそんなにくっつかないで、あんっ」

レン「ツインテー、手つないで?」

ポニテ「わ、私もだよ!!」

ギシッ
ギシッ

アッシュ「しかし暗いな……ぽつぽつとランプがあるだけだし……」

ツインテ「うぅ……ランプの赤い光怖いよぉ」
286 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:06:57.63 ID:Xju1Z6hg0
137

--宿屋--

ポニテ「階段はそこを左だよね?」

レン「確かそうにゃ」

アッシュ「くそ、なんで階段のとこにランプつけとかないんだよ、暗くてあぶねぇだろが、シネ」

ボッ

ツインテ「あ、階段の下の方でランプの光が!」

ポニテ「店主がつけてくれたのかな?アッシュ君今言ったこと聞こえちゃったかもねー!」

アッシュ「ふん、知るか」

ギシッ
ギシッ

四人は階段を降りたところで違和感を覚える。

レン「……誰もいないにゃ」

ツインテ「ゆ、床にランプが置いてあるだけですね……これを持ってきた人はどこに行ったんでしょうか……?」

アッシュ「わからん……とりあえずこれを使わせてもらうか」

アッシュはランプを拾う。
287 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:07:38.88 ID:Xju1Z6hg0
138

--宿屋--

アッシュ「おい店主!話があるから出てこい!」

シーン

アッシュ「……ぬ」

ツインテ「い、一階にいないんでしょうか?」

ポニテ「てかアッシュ君、出てこいはないぜ」

レン「とりあえず進んでみよう」

ギシッ
ギシッ

アッシュ「ん、ここは飯食ったところか」

ツインテ「ろくに食事出来ませんでしたけど」

ポニテ「うぅ、あまり食べてないことを思い出したらお腹が空いてきた。あぁ、なんか食事の幻聴まで聞こえてきたよぉ」

カチャカチャ

ツインテ「……ボクも聞こえますね」

ぺちゃ、ぬちゃ

レン「……」
288 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:08:46.15 ID:Xju1Z6hg0
139

--宿屋--

アッシュ「そんなバカな……」

アッシュはそーっと襖をずらして中を覗く。
しかし中は真っ暗で何も見えない。

むしゃむしゃ

アッシュ「……こんなに暗いのに飯が食えるのか?……」

ぴた

アッシュ「!!」

アッシュの声が聞こえたのか、突如食事の音が止まる。アッシュは反射的に襖を閉めた。

パタン

アッシュ「……さ、先を急ぐぞ」

ポニテ「う、うん。あ!!」

ぼーん、ぼーん

ツインテ「!?」

その時、旅館全体に時計の音が鳴り響いた。

ポニテ「……まずいよ?私の腹時計だと12時になっちゃった……」

ツインテ「正確だー!!」

アッシュ「く……急ぐぞ!!」

ギシッ
ギシッ
289 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:09:22.67 ID:Xju1Z6hg0
140

--宿屋--

四人は管理人室前に到着する。

ツインテ「こ、ここですね。いるとすれば」

ポニテ「た、多分」

アッシュ「あぁ……じゃあ開けるぞ」

アッシュがドアに手を掛けようとしたその時、

ツインテ「きゃあああああ!!」

アッシュ「ど、どうした!?」

ポニテ「耳元で大声出さないでよー!!」

ツインテ「れ、レンさんが……レンさんが……」

ツインテは一度しゃがみこみ、再び立ち上がった。

にゃんこ「にあー」

ツインテ「れ、レンさんが暫く見ない間に猫になっちゃってます……」

アッシュ、ポニテ「な、なんだってー!?」

にゃんこ「にゃにゃにゃん」

ポニテ「やべー!可愛いー!!っ言ってる場合じゃねぇ!!なんで!?いつ気がついたの!?」

ツインテ「さっきまでずっと手を握ってたんですけど、食堂過ぎた辺りからレンさんが手を離したんです……変だなぁとは思ったんですけど……うぅ」

アッシュ「これがまさか12時を過ぎたらという……」

暗闇を恐怖が支配する。
290 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/20(水) 21:11:03.63 ID:Xju1Z6hg0
今週は最低でももう一回! 
それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


    次回予告

人が一人もいなくなった世界。そんな大地で意味も無く畑を耕し続けるロボットがいた。

初代勇者「そーだ、あれでこれこれどうこうして、じんるいかいほうしちゃおー!」

人外少女「おー」

ロボは人類最後の敵性種族である少女とともに、巨大な塔を目指す。

これが最初の物語。


  次回、「ロボットは笑わない」 
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/04/20(水) 23:29:33.70 ID:OfIRfmrGo
>>290 乙!
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/20(水) 23:34:14.68 ID:62S4KKpz0
予告の方がシリアス…だ…と…


乙乙。この寒い夜にそういう話は酷いよ!
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/20(水) 23:56:43.46 ID:PqmkFsUSO
あーのーうーみー
どーこーまでーもー…

何だろう、この連中を真後ろから驚かしたい
294 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2011/04/23(土) 11:59:13.50 ID:pA24LJzDO
本日更新予定です。夜にお会いしましょう。九時くらいかな。
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/04/23(土) 12:03:53.34 ID:cqH6bRI+o
>>294
待ってるよ!
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/23(土) 12:35:29.97 ID:HGyp9gOAO
わくわく!
わくわく!
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/23(土) 13:50:14.75 ID:O10/VZ7P0
今日はリアルタイムで追えるぜ…。
楽しみに待ってる。
298 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 20:55:07.80 ID:eQBIXoPP0
141

--宿屋--

ポニテ「まじもんの猫ちゃんになっちゃうなんて……」

アッシュ「……いや、すり替えられたんじゃないか?」

ツインテ「すり替え!?だ、誰にですか!?」

アッシュ「わからん……わからんが」

ポニテ「あ!変化の魔法って可能性もあるね」

アッシュ「!!ツインテ!!この猫のダメージ履歴を見てみろ!!レンならこの前の頭部のやつがあるはずだ!!」

ツインテ「は、はい!!」

にゃんこ「にゃっ」

しかしぬこはツインテの腕を擦り抜けて闇の中に消えていった。

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ポニテ「……レンちゃんのことは諦めよう」
299 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 20:55:45.15 ID:eQBIXoPP0
142

--宿屋、管理人室--

ガチャリ

アッシュ「……ここにはいないみたいだな」

ツインテ「ですね」

アッシュ「ならどこにいる?見回りでもしているのか?」

ツインテ「どうなんでしょう……レンさんのことも気になりますし……」

アッシュ「あぁ。そうだな……レンをまず探そ……つ、ツツツツインテ!!お、おおおお前何と手繋いでるんだ!!」

ツインテ「何ってポニテさんじゃないですか。ねぇポニテさん」

市松人形「……」

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ツインテ「もうやらぁぁぁぁ!!うわーん!!」

ツインテ号泣。

バツン

後、

ツインテ「ざけんなぁ人形っころがぁぁ!!」

暴走。
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/23(土) 20:55:56.53 ID:O10/VZ7P0
始まった!
301 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 20:56:21.59 ID:eQBIXoPP0
143

--宿屋--

アッシュ「きた!メイン救世主きた!これでかつる!!」

ツインテ「んでこんなことになってんだテメー!!」

がば!

ツインテはアッシュの胸ぐらを掴むと持ち上げた。

アッシュ「あひゅん!」

ツインテ「あっちの俺の精神力が0になっちまってんじゃねぇか!!それにポニテ達を……お前金玉ついてんだろうが!!びびってねーで女守れや!!」

アッシュ「デュフフフwwし、しーましぇーんww」

ツインテ「……はぁ。ここはどこだ?今の状況を説明しろ」

アッシュ「ぶくぶく…………」

ツインテ「……墜ちやがった」
302 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 20:57:20.65 ID:eQBIXoPP0
144

--宿屋--

アッシュ「……は!!」

ツインテ「やっと起きたかカス虫」

アッシュ「カス虫……」

アッシュは自分の顔を撫でる。

アッシュ「な、なんか顔が痛いんだが」

ツインテ「起こすために肉体言語使ったからな」

アッシュ「……」

ツインテ「まぁとりあえず話せ」

五分後。

ツインテ「……なるほどね。そりゃああっちの俺様じゃあ耐えられねぇわ」

アッシュ「……」

ツインテ「とりあえずあの二匹探すぞカス虫」

アッシュ「か、カス虫っていうのはその……」
303 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 20:59:00.84 ID:eQBIXoPP0
145

--宿屋--

ツインテはアッシュの喋っていることを無視し、ランプで自分の周囲を照らした。

ツインテ「……ほぉ……消えたな人形」

アッシュ「!?市松人形が……」

周囲には先程まであったはずの市松人形が消えていた。

ツインテ「アッシュ、スキル使用透視眼」

アッシュ「む?アレは生きているものにしか効かないが……」

ツインテ「怪奇現象が生きてねぇっていうのか」

アッシュ「……幽霊はそりゃあ生きてねぇよ?」

ツインテ「てめぇ、いくつだよ!!幽霊なんざいるわきゃねえだろ!!」

アッシュ「えぇ!?30レスくらいかけてやってきた流れを全部否定した!!」

ツインテ「ほらやれ」

ツインテはアッシュの頭を手で掴み、力を込めた。

アッシュ「あたっ!す、スキル使用、透視眼」

ぎぃぃん
304 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:00:14.67 ID:eQBIXoPP0
146

--宿屋--

アッシュはその状態でキョロキョロと見回す。

アッシュ「何もね……!?二階に何か光ってるもんがあるな……」

ツインテ「どこら辺だ」

アッシュ「?そこら辺」

アッシュは天井に向かって指差した。

ドガァン!!

その瞬間、ツインテはアッシュが指差した部分を触手で破壊した。

パラパラ

アッシュ「な、なんばしよっとね!?」

ツインテ「捕まえ……た!!」

ビタン!!

一階に叩きつけられたのは市松人形。

アッシュ「ひ、ひぃ!!」
305 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:01:25.11 ID:eQBIXoPP0
147

--宿屋--

ツインテ「大方次に俺等が移動しそうな場所に先回りしようとしてたって所か」

ツインテは触手で市松人形の手足の自由を奪い、釣り上げた。

市松人形「……」

ツインテ「あいつらをどこにやった」

市松人形「……け」

市松人形の顔に表情が形づくられる。

市松人形「けひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

アッシュ「ひいい!!わ、笑ったああ!!」

ツインテ「あ?うるせえよ」

メギャッ

ツインテは市松人形の頭部を掴むとそのまま握りつぶした。

ツインテ「あ。こわしちった」

アッシュ「えぇぇぇ!?」
306 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:02:36.35 ID:eQBIXoPP0
148

--宿屋--

ツインテ「せっかく四肢をちぎりながら拷問してやろうと考えてたのによ」

アッシュ「えぇぇぇ!?」

市松人形「ぎ、きひ、きひひひ」

市松人形はぐしゃぐしゃになった頭部を震わせながら笑った。
眼球は一つ飛び出し、中の素材が所々見えている壮絶な状態である。

市松人形「呪ってヤルゥゥ……呪ってやるゾオオオオオ」

ツインテ「お、大丈夫だったか。じゃ拷問開始しまーす」

キュイイイイイン

市松人形「……けひ?」

ツインテは残りの触手をドリル状に変化させる。

その回転する先端が人形の腹部を掘る。

市松人形「る、るるるるるるるるるるるるるるるる」
307 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:04:17.83 ID:eQBIXoPP0
149

--宿屋--

アッシュ「う、おぶ!……もう見れません!!見たくありません!!」

ツインテ(部品に戻るまで粉々にしてやったのに動力炉が見つからない。完全な操り人形なのか、もしくは……)

ふよふよふよ

アッシュ「ぬ!?か、髪の毛だけ飛んでる!!空飛ぶスパゲティモンスターのよう!!」

ツインテ「そこか!」

シュバ!

ツインテは触手でそれを捕縛する。

ギシ

髪の毛『……ひ』

ツインテ「三つ数える前に出てこい。さもないと、あの人形よりもっと悲惨な目に合わせてやる」

キュイイイン

ドリルフル回転。

ツインテ「ひとーつ」

髪の毛『……ぴ』

バサ

髪の毛を払いのけ出てきたのは、

?『すいませんでしたっぴ!!だからもう勘弁して下さいっぴ!!』
308 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:04:48.72 ID:eQBIXoPP0
150

--宿屋--

アッシュ「!!こいつ……妖精か……!?」

二対の羽を持つ可愛らしい妖精が恐怖に怯えた顔で現れた。

ツインテ「……こんな人里にまで妖精がいるとはな……」

?『す、すいませんでしたっぴ!やっておいてなんですけど、妖精はいたずらをしないと死んでしまう体質なんですっぴ!だから許して欲しいっぴ!』

妖精は涙を流しながら謝罪した。

アッシュ「……ち。妖精はイタズラ好きと聞かされていたが……やられたぜ」

ツインテ「んなわけねぇだろ」

ツインテはドリルをキュイキュイ言わせながら妖精に迫った。

妖精『ぴ!?』

ツインテ「イタズラしなきゃ死ぬとか、どう考えても無理ある設定だろ」

妖精『……』

アッシュ「設定否定……」

ツインテ「つか普通に考えてありえねえだろが」

妖精『ほ、本当に申し訳ないですっぴ!!ほんの出来心だったんですっぴ!!息をするように嘘をついてしまう生き物なんですっぴ!!』
309 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:06:09.29 ID:eQBIXoPP0
151

--宿屋--

ツインテ「ぴっぴぴっぴうるせぇ!!当初アイドルポジションで作られた存在なのに黄色い鼠にその座を奪われたモンスターが主人公のマンガを思い出すからやめろ!!」

妖精『残念、デクナッツリスペクトですっぴ』

ツインテ「……」

キュイイイン

妖精『あー!ごめんなさいごめんなさい!!でも語尾は差別化のためにも外すことができないっぴ!』

ツインテ「ちっ……。お前仲間いんだろ?呼べ」

妖精『へ?』

ツインテ「他の仲間をここに呼べ」

妖精『え、えっと……』

キュイイイン

妖精『あ、そ、それやめて!!怖い怖いほじられちゃうから!!』
310 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:07:35.66 ID:eQBIXoPP0
152

--宿屋--

人形『ど、どうもすいませんでしたっび』

妖精『もっと深く頭下げるっぴ!!怒られるぴよ!?』

ツインテ「……謝るときぁは」

人形『び?』

ツインテ「姿見せろやぁぁ!!」

バキャーン

妖精『わ、わーー!!』

ツインテは人形を踏み砕いた。

赤妖精『び……びっくりしたっび……』

中から飛び出した赤妖精は半泣きになりながら地面に腰をついていた。

ザッ

ツインテ「……」

赤妖精『び、び?』
311 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:08:13.26 ID:eQBIXoPP0
153

--宿屋--

ツインテ「自己紹介、始め!!」

赤妖精『び、びー!!』

妖精『了解しましたっぴー!!僕はぴっちですっぴ!!』

赤妖精『私はびっちですっび!!』

アッシュ「片方名前が可哀想!」

ツインテ「……赤い方、お前気にくわねえから改名しろ」

赤妖精改めびっち『え?な、なんでですかっび?いい名前だと思ってるっび』

ツインテ「いいから改名しろ」

妖精改めぴっち『な、なんて傍若無人な御方だっぴ……』

びっち改めぱっち『いやさすがにそう簡単に名前を変え……変わってるっぱ!?どういう力で……って語尾まで変わったっぱ!?』

ツインテ「よし」

ぴっち『そんなばなな……』
312 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:10:20.76 ID:eQBIXoPP0
154

--宿屋--

ぱっち『……ご察しの通り、私達はここに住み着いてる妖精なんですっぱ。お客さん達にここを満喫してもらうために私達は日々頑張って痛い痛い痛い!!羽もげますっぱ!!引っ張らないで下さい!!』

なんとかツインテから解放されたぱっち。

ぱっち『血……血出てないっぱ?』

ぴっち『なんとか大丈夫みたいっぴ』

ツインテ「俺様に嘘をつくな。次嘘をついたら、トンボの羽をむしるようにお前達の羽をむしる」

ぱっち『趣味でした』

ぴっち『ここの宿は何か人ならざる者を呼び寄せる力があるみたいなんですっぴ。僕ら以外にもたまに同業者がくるんですっぴ』

レギュラーは僕達だけですけど、と付け足すぴっち。

ぱっち『いやでも本当お客さん達いいリアクションでしたっぱ!!みんなすぐ漏らすから私達クスクス笑ってたんだっ痛い!!貴女達のでこぴんが私達にとってどれだけ致命的なダメージを与えるか理解してるっぱか!?』

ぴっち『あわわわ』

ぱっちは吹っ飛んだ首を回収しぶつくさいいながら装着した。

ツインテ「嘗めた口を叩くな。次にふざけたことをぬかしやがったら理科室でやった蛙の解剖実験のようにしてホルマリンに漬けてやる」

ぴっち『この度は我社の不手際により、お客様方に不快な思いをさせてしまったことを深くお詫びいたします』

ぐしゃ

結局踏んだ。
313 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:12:02.00 ID:eQBIXoPP0
155

--宿屋--

ぴっち『ぱぁぁぁぁち!!』

ツインテ「おっと、間違えた」

アッシュ「お、おいツインテそれはさすがにやりすぎじゃ」

ツインテ「あ?黙ってろ。こいつらにとっちゃこんなこと屁でもねぇ。妖精は不死身なんだからよ」

ぴっち(つーても痛いもんは痛いですっぴよ……)

ツインテ「とりあえずあいつらを連れてこい」

ぴっち『あいつら……と申しますと?』

ツインテ「はぁ?あいつらはあいつらだろ!ポニーテールと猫だ」

ぴっち『あぁお連れさん達のことですっぴか』

ツインテ「てめーらが連れ去ったくせによくもまぁいけしゃあしゃあと……」

パキッ

ツインテを左手の骨をならす。

ぴっち『ぼ、暴力反対ですっぴ!!お、お連れさんを連れてきたらいいんですっぴね!?行ってきまーす!』

ぴっちはぱっちを抱えると闇の中に消えていった。
314 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:13:12.24 ID:eQBIXoPP0
156

--宿屋--

レン「むにゃむにゃ?」

アッシュ「気が付いたか?レン」

結局妖精達では運べないということで、妖精はポニテ達の居場所に案内する形になった。

レン「アッシュ……?あ!ツインテ!」

レンはツインテに抱きつこうとする。

ツインテ「軽々しく触れるな」

バチィ

ツインテの触手に弾き飛ばされるレン。

レン「にゃ……これは噂のツインテストレートモード?」

レンは頬を押さえる。

ツインテ「時にレンよ。おぬし、なかなか強いな。俺様は殺す気で殴ったのだぞ。誉めてつかわす」

アッシュ「どこの蟻だ」
315 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:13:54.41 ID:eQBIXoPP0
157

--宿屋--

ポニテ「とにもかくにも全員無事に全員集合でよかったね!一時はどうなることかと思ったけど」

ぴっち『じゃ、じゃあ僕達はここら辺でおいとまさせていただきたいなぁ、って』

ツインテ「待て」

ぴっち『ぴ!?』

ツインテ「まさかお前、これだけ俺達に迷惑をかけておいてばっくれるつもりか?」

ツインテの魔力が空間を支配していく。

ぴっち『怖い!!な、何をすれば許して貰えるんですかっぴ!!』

ぴっちはぱっちを抱き抱えたままがたがたと震える。

ツインテ「そうだな」

ツインテはぴっち達を掴み上げた。

ツインテ「お前達は未来永劫俺様に仕えろ」

ぴっち『ぴ、ぴー!?』

ポニテ「……話には聞いてたけど、むちゃくちゃな性格だっぴ」

ぴっちとぱっちが仲間(しもべ)になった。
316 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:14:34.79 ID:eQBIXoPP0
158

--宿屋--

翌朝。

ツインテ「う、うーん!……あ、あれ?いつのまにボク寝てたんでしょうか?気絶しちゃったのかな……って、み、皆さん大丈夫ですか!?」

ツインテが見たものは天井からぶら下げられてるアッシュ達だった。

ポニテ「あっ……お目覚めですかツインテ様……」

ポニテは顔を赤く染めもじもじ君。

アッシュ「お、おはようございますツインテ様。私は醜い豚でございます。ぶひぶひ」

レン「亀甲縛りとかくせになったらどうしてくれますにゃ」

三人は敬語で、ぶら下げられてて、亀甲縛りだった。

ツインテ「……も、もう一人のボクが出てきたんですね。何を……やらかしたんでしょう」

ポニテ「何って……やん!」

ポニテはクルクルと回っている。

ぴっち、ぱっち『ツインテ様!!おはよござっす!!』

ツインテ「ひぃ!?人形がスクラム組んで挨拶してきた!!」
317 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:15:24.14 ID:eQBIXoPP0
159

--宿屋--

ツインテ「なるほど……そんなことが」

アッシュ「やー、何から何までツインテ様のおかげっすよ。あざっす!!」

ポニテ「私達が今無事なのも、ケツに穴が開いてるのもツインテ様のおかげっす!あざっす!!」

ツインテ「それはボクと関係ないですよ!?」

レン「ツインテ様ー」

ぴっち、ぱっち『セット!ハッ!ハッ!』

ツインテ「な、なんですか?昨日の夜、ボク何したんですかぁ!?そして人形さんそれはアメフトですよ!!」

ポニテ「いやーでもよかったよみんな何事も無くてー」

レン「こわかったの」

アッシュ「全くこのイタズラ妖精共が」

ぽこ

ぴっち『いた!痛いっぴよ!!』

アッシュ「しかし一体どうやってレン達を連れ去ったたんだ?タネを明かせ」

ぱっち『連れ去ったって……なんのことっぱ?』
318 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:16:31.30 ID:eQBIXoPP0
160

--宿屋--

アッシュ「こいつら……ツインテがおとなしくなったら途端にこれだ。今更しらばっくれてんじゃねぇ」

ぴっち『いやいやいやもう僕達嘘はつかないっぴ!お腹開かれてホルマリンに漬けられるのなんて嫌っぴもん!!』

アッシュ「……」

ぱっち『昨日もなんか話が噛み合ってない気がしたっぱよ』

アッシュ「お前らがポニテ達をさらったんだろうが!だからツインテに言われて隠し場所に案内したんだろ!?」

案内した……アッシュは自分で自分の言葉に疑問を感じた。

ぴっち『何言ってるっぴ!僕達はツインテ様に、ポニーテールの子達を連れて来いって言われたから探しに行っただけだっぴ!!でも僕達じゃ運ぶことなんて出来なかったからお前達を呼びに言ったんじゃないかっぴ!!』

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

アッシュ「待て待て待て、ってことはポニテ達を連れ去ったのはお前達じゃないのか!?」

ぴっち『だからそう言ってるっぴ!見つけるのだって凄く大変だっぴよ!!』
319 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:18:36.75 ID:eQBIXoPP0
161

--宿屋--

ポニテ「……食堂にいたのは君達なんだよね?」

ぴっち『食堂?僕達は廊下にいたっぴよ?』

ツインテ「……あの、一つ良いですか?」

アッシュ「なんだ?ツインテ様」

ツインテ「あ、様付けはやめてください。……あのですね。屏風のところに染みがあったじゃないですか」

ポニテ「あったねツインテ様。なんか札で封印してた感があったよねツインテ様」

ツインテ「様はやめてください。で、今ふと気になってみたら……染みが無いんですよ」

ばっ!

全員が一斉に掛け軸を確認する。

アッシュ「……ない」

ポニテ「一体どこへ……ってセリフ自体がすでにおかしいね!」

ツインテ「こ、ここです」

ツインテは自分の真下を差した。ツインテの布団に、なにか染みのようなものが……。

アッシュ「!!染みが……移動?つ、ツインテ何もないのか!?」

ツインテ「はい……無いと思いたいです」

ツインテは寝巻を捲って足首をみんなに見せた。
そこには

ツインテ「……これがアウトじゃないなら」

ツインテの足首には、墨を塗った手で掴んだような跡があった。



アッシュ「……チェックアウトォォォ!!」
320 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:19:25.80 ID:eQBIXoPP0
162

--メインストリート、軽食屋--

アッシュ「なんという一夜の悪夢……完全に睡眠不足だ」

ツインテ「折角作戦会議をしようとおもったのに……」

ポニテ「あ。すっかり忘れてたよ!亜人保護団体の件だよ!!」

アッシュ「だが、どうする?……俺たちが亜人の力になってやれることは、はっきり言って無いぞ?」

レン「……にゃ」

アッシュ「俺達が行動することによって、逆に亜人の首を絞めてしまう可能性もある」

ポニテ「むー……」

レン「……レン、亜人だから言うけど、やっぱり何もしてほしくないと思う。今の生活は変えたいけど、今の生活すらできなくなったらと思うと……。時間に任せるのが一番」

ツインテ「……そうかもしれませんね」



1、なら、ボク達が亜人に対する考え方を、世界を変えよう。どれほどの年月がかかっても。

2、それでも目の前で苦しんでいる人を助けたい。それが正しい選択で無いとしても。

※ストーリーが極端に分岐します。
321 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/23(土) 21:20:57.31 ID:eQBIXoPP0
ちょっとオーバーしちゃいましたてへっ!
久しぶりの安価いきます。月曜までに多かった方を書きますのでよろしくです。
それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m




     次回予告

少女は死闘の末、魔王を倒す。それは少女の旅の終わりを意味していた。

二代目勇者「勝ちました!私魔王に勝っちゃいました!!」

二代目魔王「ぎぎぎ。プシュー。ヤラレチッタ。ジャア次は、君ノ番」

二代目勇者「え?」

少女の旅は終わり、代わりに少女の逃避行が始まる。

これは二つ目の物語。


  次回、「二代目勇者「今日から魔王!」」 
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/23(土) 21:33:09.65 ID:O10/VZ7P0
乙乙。

両方見たい気持ちはあるけどここは

でお願いします。

怪奇現象の謎は解けずに終わるのかな…?
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 21:33:48.05 ID:xzD8QcEj0
乙!!
どうしてこうなった…って位キャラ変わったなwwwwww特にアッシュwwww
安価は1かな
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/23(土) 21:42:34.02 ID:+F+SwWoao
乙ですよ
どっちも見たいけど・・・
1が多くなりそうだし、あえて2で!!
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 21:59:47.02 ID:40egkqQDO
おっおっ
安価は1で
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/23(土) 22:05:00.32 ID:08E7PEoRo
乙!!
俺は安全に1を選ぶぜ!
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 22:10:54.18 ID:lj1DV0/SO
2だな
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/23(土) 22:13:37.73 ID:vJy9AtwZo
1でー
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/23(土) 22:17:21.89 ID:1KY98cmwo
2はろくな結果にならなそうだなぁ
2で
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/04/23(土) 22:43:33.82 ID:Bj6pcEnuo
>>321 乙!
2はそのうち書いてくれると信じて安価は1でお願いします
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 22:53:37.17 ID:HXBYM0BDO
>>1乙。何故か〇スタード思い出した(笑)
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 00:00:03.47 ID:9UQ0uRzlo
1が多いから2!
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/24(日) 01:18:54.64 ID:MYNhmpoEo
2しかないだろjk
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 06:17:57.63 ID:6oFiXPRKo
乙乙
このパーティだと1の方がしっくりくるかなー
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/24(日) 06:28:24.67 ID:IRfvhYXAO
ツインテ様乙です!
1ですかな。
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/04/24(日) 07:32:29.11 ID:WvgbTOon0
乙!
1かな
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 11:30:27.05 ID:+IJgLLmY0
2だと失敗しそうだ
だから2
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 14:09:13.84 ID:toB47/wDO
2!
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/24(日) 19:07:01.63 ID:BeddKYLho
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/24(日) 19:43:30.14 ID:8tM2aoiOo
1がいい
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 23:28:07.24 ID:jDxIH3JDO
1と2だけだと思うな
342 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/25(月) 00:16:09.18 ID:uHC2TRzo0
多数の安価ありがとうございました!
11対7で1ルートに行くことが決まりました!!

……大分私の心理が読まれてる感じがしてきて怖いです。。。
ご察しの通り、1の方が全体的視野で見たら犠牲が少ないルートです。私個人としては2の泥沼にご招待したかったというのが本音……。
それでは近日中にまた続きを投下しに来たいと思います。m(__)m

343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/25(月) 07:53:24.53 ID:kg99WA/AO
待ってます!
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/25(月) 17:23:55.05 ID:5OFxWgALo
別ルートはブログで!ってとこですか
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 17:39:23.31 ID:UB3zr07DO
続きもいいけど3人がツインテちゃんに亀甲縛りされる過程が見たい
346 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:45:55.78 ID:bJBuR8bG0
ゲリラ投下じゃあ!!

別ルートは……どう、でしょうかw気長にお待ちください。とは軽々しく言えないですねぇ。

亀甲縛りにする過程はちょっと都条例にひっかかる恐れがあるのでここではとても!!18禁版ならあるいは……。

それではいかせていただきます。
347 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:46:21.96 ID:bJBuR8bG0
163

--メインストリート、軽食屋--

1、なら、ボク達が亜人に対する考え方を、世界を変えよう。どれほどの年月がかかっても。


ポニテ「むぃー……」

アッシュ「それでいいんじゃないか?俺達が首突っ込んだからってよくなるとは思えない。それだけの力が俺達には無い……」

レン「にゃあ。――そんなに思ってくれてる人がいるだけでも嬉しいにゃ」

レンはツインテの左手を握る。

ツインテ「……じゃあ南の王国に行きませんか?」

アッシュ「!?」

ポニテ「……い、いきなり総本山だねぇ」

ツインテ「今最も亜人が差別されてるであろう亜人の国。ボク達はそれを見ておかなきゃいけないと思うんです」

アッシュ「……まぁ突貫するんでなく、現状把握の意味でなら悪くないか」

ポニテ「……ふふ」

ポニテはクスクスと笑いだした。
348 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:46:56.96 ID:bJBuR8bG0
164

--メインストリート、軽食屋--

アッシュ「何がおかしい暴食女」

ポニテ「いやぁ、最初の頃に比べてツインテちゃん随分変わったなぁ、って思って」

ツインテ「え?ぼ、ボク変わりました?体積以外で」

ポニテ「少なくともブラックジョークは言わなかったね……」

ポニテ「ツインテちゃんが恥ずかしげもなく自分の意志を示すなんて、初めてあった時の印象からは考えられなかったなぁ」

ツインテ「そ、そうですか?そんなに変わってないと思いますけど」

アッシュ「いや、お前は変わったよ。自信を持てツインテ」

ツインテ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

ツインテ、ポニテ、レン「お前がゆーなっ!」

アッシュ「!?な、なぜだ!?」
349 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:48:20.70 ID:bJBuR8bG0
165

--メインストリート、軽食屋--

ツインテ「最初はクールでかっこよかったのに!」

ポニテ「今の子達にわからない例えを出せば、ゼルガディスさんみたいだったのに!!」

アッシュ「俺のcvはグリリバさんだったのか!!」

レン「最近アニメでやったみたいだから普通にわかるかも」

ポニテ「それが今じゃ単なるネタキャラじゃないか!!ツインテちゃんは進化したけどアッシュ君は退化だよ!!」

アッシュ「う、うぐ……。ほ、ほら、クールなイケメンで近寄りづらいと思ってたんだけど、ふとしたきっかけで仲良くなったらオタ趣味全開のエロゲオタだった、っていうようなよくあることと同じじゃないか!」

レン「ねーよ」

ポニテ「しかもお母さん知ってるんですからね!?この前アッシュ君が洗濯係だった時、ツインテちゃんの服に顔を埋めているのを!!」

アッシュ「!!!!」

ツインテ「え?ボクの服?」
350 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:48:50.90 ID:bJBuR8bG0
166

--メインストリート、軽食屋--

ポニテ「今回ちょっと量が多かったから手伝ってあげようかなー、って思って見に行ったらね!?『はぁっはぁっ……さ、さっきまでツインテが来てた服……すぅーはぁー』って!!」

ツインテ「えっ!?」

アッシュ「い、いいいい言ってねーしそんなこと」

レン「したことを否定しろにゃ」

ポニテ「『あ……これツインテの汗の匂いが……すんすんすーん』」

ツインテ「なっ、どこ嗅いでたんですか恥ずかしい!!」

ツインテの顔が恥ずかしさから赤くなる。

アッシュ「だ、だって脇はチェックしておくところだと思って……」

レン「おかしくないよね?みたいな顔して言ってんじゃねぇよ」
351 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:49:19.86 ID:bJBuR8bG0
167

--メインストリート、軽食屋--

ポニテ「『……ごく。さ、さて次はいよいよメインだ』アッシュ君は息を荒げて、ツインテちゃんの使用済みの白い下着に手を伸ばした」

ツインテ「や、やめてー!!」

ツインテはポニテを掴み、ガクガクと揺さ振る。

レン「ツインテ!?ポニテを止めても過去の出来事は止められないよ!?」

ポニテ「アッシュ君は生地の触り心地を数分に渡って味わうと、そのまま顔を近付けた」

ツインテ「え、えぇー!?」

アッシュ「はわ、はわわわ」

ポニテ「『つ、ツインテの、ぱぱぱぱぱん!ぱっ、ぱぱぱぱぱんちゅ!!』」

ツインテ「きゃー!!」

アッシュ「ち、違うぞ!?サンチュって言ったんだ!!」

レン「なんだか翌日あっためなおしたスキヤキのようだ」

ポニテ「チャプチュじゃねそれ」
352 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:50:37.74 ID:bJBuR8bG0
168

--メインストリート、軽食屋--

ポニテ「アッシュ君は、それはそれはいとおしそうに抱き締めた。ジョナサンがDIOの首を抱き締めているシーンをご想像願いたい」

アッシュ「く、くわー!!て、的確だー!!」

ポニテ「そしてアッシュ君はとうとう禁断の場所に手を付けようとしていた。それはつまり……裏地」

ツインテ「いーやぁぁ!!」

ポニテ「顔を近付けたアッシュ君はその一番臭いが濃い部分を嗅ぎ続けた……二時間くらい」

レン「だからあの日帰ってくるの遅かったにゃ!?」

ツインテ「あ、アッシュ君……本当なんですか?」

アッシュ「……っく!」

顔を背けるアッシュ。

ツインテ「本当のことを話して下さい。ボクアッシュ君のこと……信じたいんです」

アッシュ「……く」
353 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:51:17.71 ID:bJBuR8bG0
169

--メインストリート、軽食屋--

ポニテ「アッシュ君……」

レン「アッシュ……」

アッシュ「……あぁ、その通りさ。俺が犯人だ……」

ポニテ「それは知ってるぜ」

アッシュ「だ、だってそこにぱんちゅがあれば嗅ぐだろ!?舐めるだろ!?」

いらんことまで白状してしまうアッシュであった。

ツインテ「!!な、ななな!?なめ、舐めたんですか!?」

アッシュ「……はい」

ポニテ「罪が増えるよ!やったねアッシュ君!!」

ツインテは顔を真っ赤にしてアッシュに怒鳴った。

ツインテ「変態!!変態!!変態!!変態!!」

アッシュ「キレイ……ツインテちゃん キレイ…………」
354 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:51:48.26 ID:bJBuR8bG0
170

--メインストリート、軽食屋--

レン「こんなことばっかやってるから進みが遅くて無駄に長くなるんにゃ」

ポニテ「だねー。そのあげく滑るしねー」

ツインテ「い、いくら匂いフェチだからって限度があります!今度からボクが洗濯を受け持ちます!いいですね!?」

アッシュ「そんな!?それだけは勘弁してくれないか!?俺の癒しタイムが……」

結局ツインテはアッシュが異常なまでの匂いフェチだと認識した。

ポニテ(匂いフェチなだけであそこまでしないしょー)

レン(例え何フェチだろうとあれは許される行いではないにゃ)

ぱたぱた

ぴっち『そろそろ僕達も話に混ぜてくれっぴ』

ぱっち『完全に忘れてたぱっちね』

ぴっち『つか朝の通勤タイムに電車に乗りながら書く内容じゃないぴっち』
355 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:52:25.98 ID:bJBuR8bG0
171

--メインストリート、軽食屋--

ツインテ「あ、妖精さん達」

ツインテの周りを飛び回る妖精達。

アッシュ「そうだな。妖精を誰につけるか決めるか」

ポニテ「いきなりキメ顔されてもなぁ。この変態」

アッシュ「っ!も、もういいだろ!!」

ポニテ「で、つけるって何?」

レン「レンも知らない」

アッシュ「レンも知らないとは思わなかったな。じゃあ説明するが、妖精は戦闘をサポートしてくれる」

ぴっち『お望みとあらばっぴ』

ぱっち『正直めんどくさいけどっぱ』

アッシュ「普通にサポートしてもらうのもいいが、やはり一番いい使い方は武器やアイテムに宿らせる」

ツインテ「武器に……宿る?」
356 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:53:02.08 ID:bJBuR8bG0
172

--メインストリート、軽食屋--

アッシュ「効果付与だか属性付与だか個体によって変わってくるんだが、まぁ単純に戦闘能力は上昇すると考えていいだろう」

ポニテ「ほうー!パワーアップイベントだね!」

アッシュ「二人までしかパワーアップ出来ないがな」

ポニテ「はいはい!私ほしー!!」

アッシュ「まぁ待て。付与するものとの相性もあるし、それが使う者にとって有益じゃないかもしれん」

ポニテ「ぶー!ぶー!戦闘能力アップって言ったくせに!!」

アッシュ「基本的にはだ。例えば効果が炎の威力を弱めるとかだったらお前には使えまい」

ポニテ「む……むぅ」

ぱっち『あ、それ私の効果っぱよ』

ツインテ「……え?」

ぱっち『すげー。よくわかったぱね!私は別名、火殺しと呼ばれてるっぱ』
357 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:53:40.11 ID:bJBuR8bG0
173

--メインストリート、軽食屋--

ポニテ「………………………………」

アッシュ「……ぱっちはポニテ以外に付けよう」

ツインテ「成る程。一見プラス能力かと思いきや、組み合わせを考えないとマイナスに働いちゃうんですね」

アッシュ「あぁ。後、マイナスじゃないが、人によっては効果が全く出ないパターンもある。例えば錬金術の精巧さを上昇させたりする効果。これは錬金術師じゃないと意味が無い」

ぴっち『あ、僕その効果だっぴ!アッシュすごいぴね〜まるで超能力者みたいっぴ』

アッシュ「……なん……だと」

レン「じゃあぴっちはレンが貰うにゃ」

ポニテ「うああああああああああん!!」

アッシュ「じゃあどうするか。ぱっちは俺ら三人の中で決めるとしよう。……と思ったがレンは除外だな」

レン「?どうして?」

アッシュ「妖精を一体つけるだけでも魔力消費量が増える。ためしてみればわかるさ」
358 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:54:17.54 ID:bJBuR8bG0
174

--メインストリート、軽食屋--

レン「成る程。了解したにゃ」

アッシュ「じゃあ俺かツインテってことになるが、ツインテ使ったらどうだ?魔力量も多いし」

ツインテ「うーん。と言ってもボク、水属性だから元々軽減出来るんですよね」

アッシュ「だが、無駄だじゃない。普段なら75%にまで威力を押さえることが出来たと仮定した場合、妖精をつければ50%まで軽減出来るようになる。いやこの妖精がどれだけ優秀かわからんがな」

ぱっち『失礼っぱ!ぱっちは強いっぱよ!』

ツインテ「そうですか……。もしかしてアッシュ君がぱっちさんをつけると、魔力量がおっつかなかったりします?」

アッシュ「さすがにそれは無いな。一匹なら耐えられる」

ぱっち『一匹とは酷い言いかたっぱ!!……さっきから話してる理論で言ったらツインテちゃんには私つかない方がいいっぱ』

アッシュ「?なぜだ」

ぱっち『既に妖精がついてるアイテム持ってるっぱもん』
359 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:54:57.01 ID:bJBuR8bG0
175

--メインストリート、軽食屋--

ツインテ「え!?」

アッシュ「なに!?それはどれだ!?」

ぱっち『あのペンダントっぱ』

ツインテ「西の王国の店主さんにもらったやつです……で、でも一度も姿を拝見したこと無いんですが」

ぱっち『んー、寝てるか死んでるかしてるかと』

ツインテ「し、死!?」

アッシュ「ふざけた妖精だな。叩き起こすか」

ぱっち『やめたほうがいいっぱ。誰でも自然に起きたほうが幸せっぱ』

アッシュ「ぬう。しかし役に立たないんじゃ意味が無いぞ」

ツインテ「あはは。まぁいいじゃないですか。ボクは起きてくれる日を気長に待ちます」

アッシュ「……ツインテがいいなら別にいいが」

ぱっち『じゃあ私はあんたにつくっぱ。何につけばいいっぱ?』

アッシュ「そうだな。じゃあマントに頼む」

ぱっちはマントを住みかにした。

ぱっち『くさ!年代物っぱ!!』
360 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:55:32.67 ID:bJBuR8bG0
176

--メインストリート、軽食屋--

??「ねーねー。君達ーこの子見なかったー?」

ツインテ「はい?」

突如隣のテーブルで食事をしていた女性がこちらに歩いてきて、紙を手渡した。

??「いやねー。仲間とここで落ち合う約束だったんだけどさー、キャハハ!!待っても待っても来ないんだよねー」

?「僧侶、笑うところじゃないぞ。うすっ!!」

がたいのいい男がぬっと立ちあがり、僧侶と呼ばれた女性の頭部を掴んだ。

??改め僧侶「キャハハ!女性の頭を簡単に持つなー!!」

?「すまん。で、お前達、こいつを見なかったか?無口なやつなんだが。うすっ!」

ツインテ「……これ砂上船に乗ってた人!!」

ポニテ「あー!あのお姉さんだー!」
361 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:56:32.18 ID:bJBuR8bG0
177

--メインストリート、軽食屋--

僧侶「やっぱりあの船に乗ってたのかー。うーん、ありがとー。あとはこっちでさがしてみるよっ!」

?「手間かけさせたな。情報提供の礼にここの食事代は俺達が持っておく。うすっ!」

ポニテ「まじで!?ありがとー!!」

アッシュ「まった、あんたたちあの女と仲間って言ったな」

僧侶「?言ったよん?それがどうしたのかいー?」

アッシュ「ってことは……勇者の仲間なのか?」

?「やれやれ。シノビの奴はそれを明かさなきゃいけない状況に巻き込まれたのか」

レン「ふつーに出してたけどにゃ」

僧侶「じゃー仕方ないから私達のも見せちゃうぜ!ほら!!」

毎度おなじみ勇者証明書、否、勇者パーティ証明書を提示された。

?「まぁよかろう。減るわけじゃなし」

バッ!!

ツインテ「勇者パーティの、僧侶さんと戦士さんですか……」
362 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:57:07.21 ID:bJBuR8bG0
178

--メインストリート、軽食屋--

ツインテ「なんでバラバラに旅をしているんですか?」

僧侶「それはー。十代目勇者さんがばらばらに探したほうがいいとか言ってー。そんでまおむぐっ」

?改め戦士「おいおい。口軽すぎだろ。そこらへんにしとけ」

僧侶「ぷあっ。へーへー。じゃあ私達だけで行きますかー」

アッシュ「どこ行くんだ?」

僧侶「……私達は正義の味方、勇者パーティだよ?」

ゾクッ

ポニテ「!?」

戦士「絶対的正義を行使するのみよ」

強力なオーラがツインテ達を圧倒した。

ツインテ(す、すごい!!この人達、一人一人が三強クラスかも!!)

ガララン

二人はそうして軽食屋から出ていった。

店員「お、お客さーん!!お代ーー!!」
363 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:57:47.91 ID:bJBuR8bG0
179

--メインストリート--

ツインテ「ふう。お腹も膨れましたし、それでは向かいましょう、南の王国へ」

ポニテ「……」

アッシュ「そうだな。砂上船この前破壊されたせいで更に本数減ったからな。海路という手もあるが……」

レン「でもせっかく東の王国に来たのに、残念だったにゃ」

ツインテ「っ。仕方ありませんよ。あれはボクが貰っていいものじゃありませんでした。それにレンさんが作ってくれたこの腕も、悪くはないですよ?」

ツインテは強がって笑う。

レン「ツインテ……」

ポニテ「……あ、あのさ」

アッシュ「どうした?」

ポニテ「この国を出るならさ、最後にリボンの少女ちゃんにお別れしに行かない、かな?」

アッシュ「……はぁ。あれだけスパっとした別れがいいとか言ってたくせに」

ポニテ「う、うるさいなぁ!気になっちゃうんだから仕方ないじゃん!!それにもう当分会えないんだし」

ツインテ「いいじゃないですかアッシュ君。会いに行きましょうよ」
364 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 00:58:28.22 ID:bJBuR8bG0
180

--メインストリート--

アッシュ「む……。まぁみんなが行くというのなら俺もついていくしかない」

レン「やーいツンデレー」

アッシュ「そうやってキャラを壊そうとするな!!」

ツインテ「じゃあ行きましょう!善は急げです!!」

ポニテ「おーー!!」

レン「にゃー」

ツインテ「……ん?」

アッシュ「どうした?」

ツインテがごそごそとスカートをいじっている。

ツインテ「いや、ちょっと気になることが、ありまして」

チラッ

パンチラに撃ち落とされるアッシュ。

アッシュ「ぶっ!!」

ツインテ「あ、あれ?あれあれ!?嘘!!本当に!?」

ツインテは遂にスカートをめくりあげて確認し始めた。

ポニテ「つ、ツインテちゃん何をし始めているの!?痴女ーー!!」

ツインテ(ど、どうしよう……ち、ちん○んが……無い!?)

ぱっち『にやり』
365 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/04/26(火) 01:00:32.72 ID:bJBuR8bG0
これからは週三ペースでいけたらなぁと考えています。まぁ色々なものと折り合いをつけてやってきますのでご容赦ください。
それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


        次回予告

南の方角に、黒い肌を持つ部族の村があった。
その部族には、代々先祖から受け継がれてきた言い伝えがある。


霊山に住む魔物の王に槍を突き立てし者、勇者となって世界を平和に導く


三代目勇者「……」

これは三つめの物語。

   次回、とある部族の勇者試練。
366 :Qw02 ◆0H/0dQv4.Q8B [saga]:2011/04/26(火) 01:01:14.42 ID:bJBuR8bG0
……くけー。
俺もそろそろ書きたいぜ……
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/26(火) 01:03:56.89 ID:TThG9nz4o
ちんこ消失だと……!?wwwwww
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 01:38:27.90 ID:7po4/fJSO
ちんぴんが無くなったんだろ
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/04/26(火) 01:47:48.55 ID:QBGnyCSko
>>364 乙!
ツインテがようやく認識したか……
スカートはもうデフォなんですね
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/26(火) 21:14:01.48 ID:5j8KIoAt0
乙乙。

本編も気になるが、疑問は予告の方に出てくる。

初期の頃は、勇者因子持たない人間だけで魔王と戦う、
って場面が多分に起こりうるような気がするのですけど、
そーいう人たちは全て返り討ちにあったのですか?

それとも…。
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/26(火) 23:39:22.57 ID:698lBSwAO
>>250
>ツインテ「あはは……ボクテント張る機能無いんですけど」
フラグだったとは
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/27(水) 21:13:12.62 ID:mZwJ6E9AO
>>371
そこに気付くとは…
やはり天才か…
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/30(土) 06:57:06.85 ID:shoRY7cAO
そろそろか!?
そろそろなのか!?
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/04(水) 13:44:25.13 ID:sB/DrFlDO
そろそろかな
多分今日だな
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/04(水) 18:57:46.56 ID:SWd6mYK6o
いやいや明日だよ
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 00:20:04.61 ID:h+eML+yDO
週3回更新…
2日で三度更新とか胸熱
377 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 :2011/05/06(金) 06:55:16.59 ID:/acSKDtDO
システム……サイキドウ……ピピピ

本日更新予定デス。
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/06(金) 07:17:01.13 ID:ICegjVYAO
やったやった
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/05/06(金) 20:27:31.58 ID:k7Rgq98AO
夕った!ツインテが夕った!
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/05/06(金) 20:55:46.42 ID:2itmkyQY0
待ってましたー!
381 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:41:28.83 ID:jnVG2jCk0
GW……来れずにすいませんでした……。皆さんはどうでしたか?楽しめましたか?
私は寝取られました。

>>370さん
えっと、勇者因子の存在を知るのは現代の王国関係者、後裏で糸を引く一部の者だけであり、その存在は一般には公開されていないものです。なので昔も今もたくさんの人間が魔王に挑んでは殺されています。誰もが自分こそ勇者になれると信じて。たまに捕獲されて新しいモンスターに(ry
なのでいつの時代でも多大な犠牲がでていますね。

それでは始めさせていただきます。
382 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:42:42.86 ID:jnVG2jCk0
181

--メインストリート--

アッシュ「一体どうしたツインテ。何か落としたのか?」

ツインテ(ち、ちん○んて落としたりするものなのかな……)

ポニテ「女の子にしかわからない悩みなら私が聞くよ?」

ツインテ(男オンリーの悩みです。いや男に聞いてもダメな気がするけど)

レン「ツインテ、どうしたの?」

ツインテ「な、何を言ってるかわからないと思いますが……その、ちん○んが……無いんです」

アッシュ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

アッシュ「ツインテ落ち着け!それは元からだ!!」

ツインテ「元からじゃないですよ!!」

はぁ、はぁと息を荒立てるツインテ。
383 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:43:27.40 ID:jnVG2jCk0
182

--メインストリート--

ポニテ「こいつぁー、何を言ってるのかさっぱりだじぇ」

ツインテ「だ、たからちん○んが!ちん○んがー!」

アッシュ「やめろ!連呼するな!……反応してしまうだろ」

アッシュは申し訳なさそうな顔で頬を赤く染める。

ツインテ「はっ!!だ、だめ……ちん○んが無いと……ボク、ボク!!」

ポニテ「ツインテちゃん?」

頭を抱え込んでしゃがむツインテ。

ツインテ「に、逃げて下さい!奴が目覚める!」

レン「レン、ちゅーにでもツインテすき」

バツン

ツインテのリボンが……右側だけ弾けた。
384 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:44:40.83 ID:jnVG2jCk0
183

--メインストリート--

バサッ

アッシュ「!?リボンが……ということは」

ポニテ「サイドテール……モード?」

ツインテ「ん〜……いっえーーい!!久々の外だ〜!きもちいー!」

サイドテールのツインテは背伸びをする。なんか言っててこんがらがる。

ツインテ「やっほー、初めまして皆さん、私ツインテでーす」

ぶいっとばかりにダブルピース。

ポニテ「一人称が私だっ!」

アッシュ「なんか随分と女の子っぽいツインテだな。いや普段も女の子なんだけど。言っててこんがらがる」

ツインテ「あー。それはあれでしょ。君達が見てるのは中性のツインテでしょ。私は女性のツインテだからっ」

レン「はきはきしたツインテもすき」
385 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:45:36.92 ID:jnVG2jCk0
184

--メインストリート--

アッシュ「……とりあえず、なんでお前が出てくることになった?」

ツインテ「えー?ちん○んが無くなったから」

自分の頬を人差し指で押しながら首をかしげるツインテ。

アッシュ(駄目だ何言ってるかわからん)

ツインテ「ふーん……。ぴっち、ぱっち。ちょっと出てきてよ」

ツインテは仲間の顔を一通り見た後、妖精を呼び出した。

ぴっち『は、はいですっぴ』

ぱっち『なんのようっぱ?』

ツインテ「これさー。あんたたちがやったんでしょ?」

ぱっち『!!』

ぴっち『べ、別にそ、そそそんなことは!!』

アッシュ「なんだ、こいつらまたなにかしでかしたのか!?」
386 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:46:19.87 ID:jnVG2jCk0
185

--メインストリート--

あわあわと震えだしたぴっちは、涙目になりながら白状する。

ぴっち『僕はついてるからこそ良いんじゃないか!って力説したんだっぴ!!こんなに可愛い子が女の子なわけがない!って!!』

ぱっち『でも中にはついてないほうがいい、っていう人もいるんだっぱもん』

ぴっち『それを言ったら普通はついてちゃ駄目だっぴ。ついてないほうが少数派みたいな言い方しちゃだめだっぴ。そこんところはきちんとしとかないとっぴ』

アッシュ「こいつらは何の話をしてるんだ」

ぱっち『だから彼らの要望を叶えるために取ってみたんだっぱ!!』

ツインテ「ふぅん。なるほどねー……」

ツインテは妖精達に近づいた。

ぴっち『ぴ!?ご、ごめんなさいっぴ!!』

ぱっち『す、すぐ元通りにするから許してっぱ!!』

ビシッ!

ツインテ「グッジョ!」

ツインテは親指を立てた。
387 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:47:35.79 ID:jnVG2jCk0
186

--メインストリート--

ツインテ「それはそれはなんて素敵なことをしてくれたのかしらあなた達!お礼にちゅーしちゃおっかなー」

レン「!!レンも!」

烈火炎装のポーズで飛びつくレン。

アッシュ「やっぱ見た目は一緒なのに変わるなぁ……」

ツインテ「うーん。あの子ったら身なりにも力入れて無いんだねぇ。スカート長いなぁ」

ポニテ「!!だよね!せっかくの美脚なのに隠しまくりでもったないよね!私たちも常々そう思っていたんだよ!!」

ツインテ「ねぇアッシュ君、ナイフ貸して?」

アッシュ「ん?……あぁいいが何に使うんだ」

ビィィィ

ツインテはアッシュから受け取ったナイフでスカートを切った。
388 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:48:12.95 ID:jnVG2jCk0
187

--メインストリート--

ツインテ「うんっ、このくらいかなっ?」

ツインテは短くなったスカートでヒラリと回転してみる。

アッシュ「ぬあ!?見えるようで見えない超絶妙なミニだとぉ!?……ぶ!!……ふ、ふともも」

レン「アッシュ最近血出しすぎ。体の色素が全体的に灰色っぽくなってる。」

ポニテ「つ、ツインテちゃん、恐るべき女子力だぜ……スカート短くしただけでこうも変わるだなんて!!」

ツインテ「よしじゃあいこっかっ」

アッシュ「ぬ?どこにだ?」

ツインテ「あれ?誰かに会いに行くんじゃ無かったっけ?」

ポニテ「あぁ?……あーそうだったそうだった。そういやそんなこと言ってたね」

レン「……大事なことじゃなかったのかにゃ」

アッシュ(ツインテール時がおとなしくて、ストレート時が暴君で、サイドテール時が明るい感じ……なのか?)
389 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:48:50.45 ID:jnVG2jCk0
188

--東の王国、村--

ポニテ「あれー?この町ってこんなに人気が無かったっけ?」

アッシュ「む。確かにそうだな。まだ昼なのに働いてる人がいないとは」

レン「……お昼時でもないし、休憩中?」

ツインテ「うーん。なんか変な臭いがするなー……」

ポニテ「リボンちゃん!遊びに来たよー!!」

リボンの少女「もきゅ?」

リボンの少女が家の奥から姿を現した。

ポニテ「あー久しぶりー!!」

ポニテは駆け寄るとフライング抱きつき。

リボンの少女「もきゅっ……」

アッシュ「全く。2日やそこらで久しぶりもないだろうに」

レン「ポニテの戯れはつらい。リボン嫌がってる」
390 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:49:22.82 ID:jnVG2jCk0
189

--東の王国、村--

ツインテ「……家の中からもしてる……?」

ツインテは家の中を嗅ぎまわる。

スッ

ポニテ達の騒ぎを聞き付けてか、農家のおじさんも部屋のドアを開けて出てきた。

農家のおじさん「もきゅー?」

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

農家のおじさん「もきゅ?」

アッシュ「いやもきゅじゃなくてだな……」

ポニテ「いい歳したオッサンがもきゅとか……ないわー」

ツインテ「……」
391 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:49:54.62 ID:jnVG2jCk0
190

--東の王国、村--

農家のおばさん「もきゅっきゅ?」

そこにおばさんも加わった。

レン「全員に口調が移っちゃってるみたいにゃ」

リボンの少女「もきゅ」

農家のおじさん「もっきゅもっきゅ」

農家のおばさん「もきゅー」

アッシュ「はぁ、わかったからアンタらはもうやめろ、話にならないだろが……つかウゼー」

レン「……きしょ」

ツインテ「ねぇポニテちゃん、その子から離れよ?」

ポニテ「え?なんで?」

ツインテ「いいから。ほらこっち」

ちぇー、と言いながらポニテはしぶしぶ離れる。
392 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:50:32.02 ID:jnVG2jCk0
191

--東の王国、村--

ツインテ「アッシュ君、私はあまりわからないから聞くけど、この女の子って元々こんな喋り方なの?」

アッシュ(わからない?ツインテの記憶を全部引き継ぐわけじゃないのか?)「元々、というか最初は普通に喋ってたさ。ただ事故に巻き込まれて精神的ショックを受けた……そのせいで飼ってたペットの喋り方を真似するようになっちまった」

ツインテ「……ペット」

リボンの少女「もきゅ……」

ツインテは少女を観察している。

ポニテ「ツインテちゃん?」

ツインテ「ペットって動物……じゃあないよね」

アッシュ「恐らくモンスターだ。知ったふうな口調で図鑑説明しちまったが、正直見たことのない種類だった」

ツインテ「……」

ずる

ツインテは魔力を出して周囲を覆い始める。

ポニテ「!!ツインテちゃん何してるの!?」
393 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:50:58.10 ID:jnVG2jCk0
192

--東の王国、村--

ツインテ「アッシュ君にしては軽率だね、これからはもっと透視眼を多様するべきなんじゃない?」

アッシュ「……!まさか」

アッシュは透視眼で少女達を見た。その眼に映ったものは、

もこもこ「もきゅー?」

みちみちみち

アッシュ「寄生型モンスター……だと……」

レン「!?そんな……」

ツインテ「どんな手段で寄生してくるかわからないよ、みんな気を付けて!」

ポニテ「な、何言ってるのみんな……う、嘘だ!そんなのって嘘だ!」

ポニテは少女とツインテの顔を交互に見る。

ポニテ「だって、そんな……」
394 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:51:43.47 ID:jnVG2jCk0
193

--東の王国、村--

ツインテ「……多分死の危険に直面したことで本能的に寄生したんだと思うの。生きてた少女の体を……いや、もしかしたら死体に寄生しているのかも」

レン「……腐敗臭はしてないにゃ。人の臭いとはちょっと違うけれど」

農家のおじさん「もきゅもきゅ」

ツインテ「そしてこれは繁殖なのかな……2日やそこらで2体も増えてる。まったくもってよろしくないスピードだよね」

ぞろぞろ

近所の子供「もきゅ」

たれ眼なお姉さん「もきゅん」

家の中に入ってくる村人達。

アッシュ「!?他にもいたのか!!」

ツインテ「身なりが綺麗というのもまずいよ。確実に人の文化を理解している。喋りだしたら見分けるのも困難だ」

ツインテは触手を展開する。

ポニテ「ま、待ってツインテちゃん!!」
395 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:52:17.69 ID:jnVG2jCk0
194

--東の王国、村--

ポニテはリボンの前に立ち、両手を広げる。

ポニテ「な、何言ってるのかわからないよ!リボンちゃんにそんなの向けないでよ!」

アッシュ「ポニテ、その娘はもこもこだ。あのもこもこが人間の皮を被ってるだけだ。しかも殺して……な」

シュピィン

アッシュもナイフを抜く。

ツインテ「ポニテちゃんこっちに来て。どんな手段で攻撃してくるかわからないんだし」

ポニテ「ち、違う……リボンちゃんはそんなことしない……」

リボンの少女「もきゅー……?」

うつむいたポニテに近づくリボンの少女。

ツインテ「!!」

アッシュ「大丈夫だ。この距離ならあいつが何かする前に切り付けられる」

アッシュは乗り出したツインテを制し、二人の行動を見守っている。
396 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:52:57.85 ID:jnVG2jCk0
195

--東の王国、村--

ツインテ「ここにいる人達はやられちゃってるのに?随分と悠長だと思うよ」

アッシュ「それでも確証が欲しい。人を攻撃する瞬間を確認したい」

ツインテ「……甘いんだか冷酷なんだか」

ポニテ「ね?リボンちゃん!リボンちゃんは人を襲わないよね!?ね!?」

少女に向き合って話し掛けるポニテ。

リボンの少女「もきゅ」

ポニテ「ほら!!リボンちゃんはそんなことしないって!!」

アッシュ(……死体を操って生きるタイプだとしても、人からしたらそれは人を襲っているようにしか見えないだろうが。ここを離れたら警備隊に連絡をしよう)

レン「ポニテ……」

アッシュ(なぜだか知らんがポニテはあいつに相当入れ込んでる。……出来るなら目の前で殺したくない)

リボンの少女「……もきゅ」
397 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:53:56.78 ID:jnVG2jCk0
196

--東の王国、村--

ポニテ「だ、大体おかしいんだよ!リボンちゃんがモンスターなわけないよ!リボンちゃんはあの砂漠で私達以外に生存した唯一の生存者なんだから!」

リボンの少女「もぉきゅう」

ツインテ「!!ポニテちゃん!!」

ぎちぎちぎち

ポニテの後ろで少女の顔が裂ける。少女の頭部は四つに分かれ、まるてバナナの皮のように剥けていく。

ポニテ「だからナイフとかしまってよ!お願いだから!」

アッシュ「ばか!後ろだ!!」

リボンの少女改めもこもこ「もきゅ?」

ポニテ「リボン……ちゃん……?」

振り向いたポニテが見た物……。

アッシュ「くそ!ぐっ!?」

がしっ

農家のおじさん「もきゅう」

アッシュの腕をおじさんが掴んだ。
398 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:54:58.79 ID:jnVG2jCk0
197

--東の王国、村--

アッシュ「づ!?離せ!!」

もこもこ「もぉきゅうヴヴ」

もこもこは裂け目の中心にある赤い口を広げた。

レン「!!ポニテ!!」

ポニテ「そんな……」

もこもこの花弁がポニテに迫った。

ドガァァァン!!

アッシュ「!?」

レン「!!」

ポニテに食らい付こうとしたもこもこは弾き飛ばされ家の壁を突き破る。

ポニテ「……ツインテちゃん?」

ツインテ「……」

ひゅんひゅん、びしっ!
399 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:55:28.00 ID:jnVG2jCk0
198

--東の王国、村--

ツインテは触手を束ね、形を変形させ、根元で多数に分かれた鞭を作り上げた。

アッシュ「ノーマルは拳、ロングはドリル、サイドポニーは……鞭?」

ツインテ「ポニテちゃんのばかぁぁ!!」

ひゅひゅん

ポニテ「!?」

ツインテが振るった鞭はポニテを打ち据える。

ドガガガ!

ポニテ「きゃあああ!!あぐ!」

ポニテは生き耐えて、地に伏した。

アッシュ「!!あの硬いポニテを一撃で!?」

レン「一撃では無いけれど、すごいにゃ……」

ツインテ「アッシュ君、ポニテちゃんを抱えて!」

アッシュ「お、おう」

アッシュはさりげなくおじさんを切り捨てポニテを担ぎ上げた。
400 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:56:36.98 ID:jnVG2jCk0
199

--東の王国、村--

ツインテ「……逃げよう。私達じゃ相手に出来ない」

アッシュ「確かにお荷物込みじゃあちと厳しいな」

ツインテ「……そんなレベルじゃないと思うよ」

もこもこ「もきゅ」

もこもこは壁の穴から這い戻って来た。

アッシュ「!?ポニテを一撃で倒した攻撃を食らって!?」

ツインテ「吹き飛ばすための攻撃と打ち据えるための攻撃じゃダメージは変わってくるからね。……でも、結構本気で叩いたんだけどなぁ……」

ツインテは少し悔しそうな表情を見せる。

農家のおじさん「もきゅー」

農家のおばさん「もきゅー」

レン「……アッシュ、パーティ全体に移動速度上昇をかけて!」
401 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 22:57:20.31 ID:jnVG2jCk0
200

--東の王国、村--

ザザザザ!!

アッシュ「はっ!はっ!はっ!」

レン「にゃっ!にゃっ!にゃっ!」

ツインテ「……っ!」

高速で村の中を駆けるツインテ達。

アッシュ「ば、ばかな!!こいつ……」

農家のおばさん「もきゅー」

ガザザザザ!

アッシュ「追い付いてきてやがる!」

ツインテ(他にも何体か後ろからついてきている。全部来てないのは必要無いと判断したから?それとも能力に差があるの?……いずれにしても、野放しにはしておけない!)


      酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった
              第三部
         あああああああああああああ(仮)





      酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった
              第三部
         




      酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった
              第三部
         もっきゅー。もきゅきゅ?もきゅ!
402 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 23:02:16.73 ID:jnVG2jCk0
        次回予告

夢にまで見た大型連休。親戚の家に行って帰って来たQw0は、自分の体の異変に気付く。
体調不良。○痢と○呂のダブルパンチ。
交互に繰り返されるそれは徐々にQw0の体を蝕んでいく……。

Qw0(ユッケは食べてないんだけれど……)

   次回、「私の勇者様がこんなにDQNなわけがない!」

四代目勇者「おい!!この私の話の内容がこれっぽっちも紹介されていないではないですか!」
403 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/06(金) 23:03:22.78 ID:jnVG2jCk0
あ、
それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

なるべく月水金辺りになれるといいなぁ……。
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/06(金) 23:04:03.55 ID:ICegjVYAO
乙!!
お体は大切になさってね…
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/06(金) 23:16:50.01 ID:XhRzwJy70
洋館ものの次は、パラサイト・ホラー。
>>1め。どこまで読者を怖がらせるつもりなんだ…。

乙乙。御身体は御大事に。
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 23:24:51.99 ID:qZC5AF1SO
いいね


ツインテの右リボンが外れたんだっけ?
左リボンだけが外れたらどうなるんだろう…
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/06(金) 23:42:51.82 ID:vvId0U8oo
寝取られたってどういうこっちゃ

408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 00:11:43.71 ID:WEbN8e7DO
乙乙!急かして済まんかった、いのちだいじに!
ツインテちゃん精神崩壊→ロング
ツインテちゃん女の子化→サイド?
って感じかな?

ってあれ、親父いつの間に俺の後rrrrrrrrrrrr



もきゅ?もっきゅもっきゅ!
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 15:35:27.02 ID:CFzb8mxDO
今日くるかなwktk
410 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:32:49.79 ID:uRJ8wUzN0
来ますとも! それでは投下しますー
411 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:33:18.71 ID:uRJ8wUzN0
201

--東の王国、村--

レン「錬金ツール!!」

レンは走りながら赤い石を取り出した。

アッシュ「あ、おい!」

レン「錬金、槍!!」

ばしぃん!

レンは槍を作ると、おばさんに向かって行った。

農家のおばさん「もきゅー」

ガバッ!

おばさんの顔も分かれ、中の口が大きく開く。

ガギィィン。

レン「!!はじかれた!」
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 21:33:45.92 ID:CFzb8mxDO
きたー!
413 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:34:01.34 ID:uRJ8wUzN0
202

--東の王国、村--

農家のおばさん改めもこもこ「もぎゅぁあ」

ひゅる

もこもこの口がレンを捉えようとしたその時、レンの腹部を触手が巻き付いた。

ぎゅん!

ツインテ「おっと。大丈夫?レンちゃん」

ツインテはレンを引き寄せ抱き抱えるとそのまま走る。

レン「あ、ありがとにゃ」

ツインテ「だめだよ無策で飛び込んじゃ。敵の力もろくにわからないんだから」

レン「う、うにゃ」

もこもこ「もきゅもきゅ」

もこもこは尚もツインテ達を追尾する。

ツインテ(足止めしないと追い付かれる!)

アッシュ「ツインテ、ポニテを頼む!」

アッシュはポニテを投げてよこす。それをツインテは触手で受けとめた。

ツインテ「アッシュくん!」
414 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:34:46.23 ID:uRJ8wUzN0
203

--東の王国、村--

もこもこ「もきゅーもきゅーうぅぅ!」

もこもこはアッシュに狙いを定め方向を変える。

ガザザザザ!!

もこもこが口を突き出した瞬間、

アッシュ「複合スキル、毒沼!!」

ドジュウ!!

もこもこ「!?」

もこもこは目の前に出現した毒の落し穴にブレーキをかけることなく飛び込んだ。

じゅわわわ

ツインテ「やるぅ」

アッシュ「今のうちに逃げるぞ」

ザザザザ
415 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:35:36.70 ID:uRJ8wUzN0
204

--大学病院--

大豚亜人「ぶひゅー、ぶひゅー……」

僧侶「年貢の納めどきー。きゃはは!」

戦士「うすっ!悪は滅びる」

床にはナース達が無惨な姿で転がっている。戦闘ではなく虐殺の類がここで行われたのだろうか。

大豚亜人「そ、そうぶひか。お前達だったんぶひね!?おれっちの美術館から魔王の骨を奪った悪党は!?」

僧侶「えー?今のどこからそんな結論に?」

大豚亜人「誰よりも税金払ってるおれっちを敵に回そうだなんて考える奴はこの国にはいないぶひ!昨日はおれっちの美術館、今日はおれっちの大学病院。立て続けに狙われるなんてことがあるとしたら、よそもんの同一人物に間違いないんだぶひ!!」

僧侶「……一理あるかな?アルカナ」

戦士「うすっ。なかなかどうして。ふんぞりがえって悪道楽に金を注ぎ込んでいるだけのバカかと思っていたのだが」

大豚亜人「ちょ、調子にのるなぶひ!おれっちの根は既にこの東の王国の奥深くにまで伸びているぶひ!おれっちに手を出すということはこの国と敵対するということぶひよ!?」

僧侶「東の王国乗っ取り計画のこと?きゃはは!」

戦士「保護した亜人に、まさか裏から支配されかけているとは……先生も浮かばれないな」

大豚亜人「!?お前先生を知ってるぶひか!?」
416 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:36:35.22 ID:uRJ8wUzN0
205

--大学病院--

戦士は大豚亜人の首を掴み持ち上げた。

僧侶「恩をあだで返すなんてくそみたいな種族だねっ!」

戦士「あぁ。万死に値する」

大豚亜人「ぶひゅっ、ぶひゅる!お、おれっちを殺そうとしたところでむだぶひよ!この大学病院の医者の技術力なら簡単に蘇生……を」

大豚亜人は僧侶の首にかかっているロザリオを見た。

大豚亜人「短めの十字に、長めの×の米型ロザリオ……お前……」

僧侶「きゃはは!ご存知〜?じゃあこれもわかるかしら!」

僧侶の両手に魔力が集められる。

大豚亜人「や、やめろ、おれっちが悪かったぶひ!もうしないから!手をひくぶひから!!」

僧侶「スキル、蘇生不能攻撃〜!きゃはは!」

グジャ
417 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:37:35.07 ID:uRJ8wUzN0
206

--大学病院--

医者「……終わりました?」

戦士「おやクライアント。こんなとこに来てはまずいのでは?」

僧侶「きゃはは!そうだよ。あなたも同罪として裁かれちゃうかもよ?」

私達に。とぺろりと舌を出す僧侶。

医者「……それならそれでいいんですよ」

医者はしゃがみこんで大豚亜人の目を閉じさせた。

僧侶「あれあれ?優しいんだー。きゃはは!」

医者「……患者は平等に、死者は平等に」

戦士「……」

医者「ありがとうございました。私一人の力ではどうにもできなかったもので」

戦士「気にしないでもらいたい。我々の目的は悪の駆逐なのだから」

僧侶「キャハハ!まじ勇者さんの命令いみふー!そうそう!情報の提供、感謝するよきゃはは!」
418 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:38:01.77 ID:uRJ8wUzN0
207

--大学病院--

医者「……私は殺さないのですか?彼らに加担していたんですよ?」

戦士「無理やり力で従わさせられていた者まで範囲を広げたら、我々は眠る暇も無くなってしまう。うすっ!」

医者「……」

僧侶「きゃはは!それに貴方達は利用価値もあるしね!これからも頑張って仕事に励むよーにっ」

戦士「……特にこれからが本当の意味で大変になるだろう」

医者「亜人保護団体の幹部の一人がいなくなったわけですからね」

僧侶「彼が関与していたところは大きいからね。亜人保護団体は解体に向かうだろね!きゃはは!」

戦士「この国の亜人がどうなるかは全て貴方次第だ。貴方には責任がある。良かれ悪かれ、この世界のバランスを崩したのだから」

医者「……」
419 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:38:30.82 ID:uRJ8wUzN0
208

--東の王国、村--

村のじいさん「もひゅもひゅもひゅ」

アッシュ「入れ歯ねーのに無理すんなじーさん!」

ツインテ「はっ、はっ……二体おいついてきた!」

ガザザザ!

レン「……!」

レンは錬金ツールを使い、ゴーレムを作り上げる。

ツインテ「!」

レン「いけ!ゴーレム」

ゴーレム「ごぉぉ!」

ゴーレムは勢いよく飛び出すとじいさんの顔面をけたぐった。

どご

村のじいさん「もひゅ」

蹴られたことにより首があらぬ方向に曲がってしまった。
420 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:39:26.04 ID:uRJ8wUzN0
209

--東の王国、村--

ツインテ「うあ、衝撃映像」

しかし、

村のじいさん「もひゅ」

ぐぱぁっ

じいさんの顔が開く。
そしてゴーレムの足を銜え込んだ。

ずじゅる

ゴーレム「ご」

村のばあさん「もひゅひゅー」

遅れてやってきたばあ様もゴーレムに取りついた。

じゅるる

ゴーレム「ご、ごぉぉ!」

二体のもこもこに組し抱かれたゴーレムは抵抗むなしく捕食され始めた。
421 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:39:53.01 ID:uRJ8wUzN0
210

--東の王国、村--

ずぞぞ

アッシュ「!あいつらあんなものまで食うのか!?」

ツインテ「今のうちに逃げよう!まず村を出ないと!!」

ツインテ達は再び走りだしたのもつかの間、

村の少年「もっきゅー」

大事な頭部をどこに置いてきたのか。首無しの少年が四足歩行で迫る。

アッシュ「!!どうやって喋ってやがる!」

ツインテ「想像以上にまずいかも!」

レン「錬成、ブーメラン!!」

レンはブーメランを少年目がけて投げる。

ざきゅ

村の少年「もきゅ!」

ブーメランの軌道が読めなかったのか、それとも視覚が無いのか、それはあっさりと命中し少年の左腕を切断した。

レン「……っ」
422 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:40:33.44 ID:uRJ8wUzN0
211

--東の王国、村--

ツインテ「レンちゃんナイス!!」

村の少年はバランスを崩し、地面に横たわっている。

アッシュ「全体移動速度上昇、レベル2!!」

アッシュは継続のためスキルを上掛けさせた。

ザザザザ

ツインテ「ここを抜けたら……!?」

谷のような道。隆起した両側に、もこもこが二体ずつ構えていた。

アッシュ「く、一気に駆け抜けろ!!」

ツインテ達が来るのを待ち構えていたもこもこ達は、ツインテ達が接近してくるのを見計らい、自らの片腕を引きちぎる。

ツインテ「!?」

アッシュ「何をやってやがる……?」
423 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:41:18.91 ID:uRJ8wUzN0
212

--東の王国、村--

レン「……!」

もこもこ達は自らの腕を曲げ、まるでブーメランのような形にしたてあげる。

ツインテ「まさか」

ブン

もこもこの投げた腕はブーメランの軌道を描くことはなく、アッシュの足元の地面に命中した。

ドバッ!!

アッシュ「ぐ!」

もこもこ「もきゅ?」

ツインテ(あんなのでブーメランの代わりになるわけないし、狙いも雑……でも)

アッシュ(あれは……レンの真似だったのか?)

レン(真似……だとしたらなぜこいつらが?ブーメランを見せた個体とは違うはずなのに)
424 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:42:43.36 ID:uRJ8wUzN0
213

--東の王国、村--

ブブブン!!

残りの三体が腕を投げてくる。

ツインテ「みんな私の後ろに!!」

ツインテは触手を作り出し、腕を片っ端から弾いていく。

バシバシバシ!!

ツインテ(重い……!)

もこもこ「もきゅ……」

もこもこはツインテの動きをじっと観察していた。

アッシュ「!!やめろツインテ!!それも真似される!」

ツインテ「!!」

アッシュ「ち、あまりやりたくないがやるしかねぇ!!」

アッシュは毒を生成し、ナイフにしみ込ませていく。
425 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:43:18.42 ID:uRJ8wUzN0
214

--東の王国、村--

アッシュ「スキル、飛ぶ斬撃、毒属性風味!!」

どしゅどしゅどしゅどしゅ!!

空中を走る四つの毒の刃がもこもこ達を切り裂いた。

もこもこ「もきゅー!!」

その隙にもこもこ達の間を走り抜けるツインテ達。

ツインテ(あまり……効いてない?)

アッシュ「はぁ、はぁ」

レン「アッシュの色素がぬけてくにゃ。大丈夫かにゃ?」

アッシュ「はっ……余裕だぜ」

ツインテ「きゅ、きゅんっ!」

汗(脂汗)を飛び散らせたイケメンのイイ感じの笑顔。
破壊力は中々のものである。
426 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:44:10.33 ID:uRJ8wUzN0
215

--東の王国、村--

アッシュ「っし、抜けた!!後はこの街道をちょっと行った先に警備隊がいたはずだ!」

ツインテ「あと一踏張り!!」

レン「にゃん!!……!?アッシュ危ない!!」

アッシュ「ぬ?」

アッシュの下に大きな影が出現する。

アッシュ「ち!上か!!」

ひゅるるるる……ドーン!!

砲台のように飛んできたもこもこ達がツインテ達を襲う。

どごーん!

アッシュ「がはっ!!」

避けきれなかったアッシュはポニテを庇おうとするものの、二人揃って吹き飛ばされる。
427 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:44:54.73 ID:uRJ8wUzN0
216

--東の王国、村--

ツインテ「アッシュくん!」

どごーん!

ツインテ「っ!?」

ツインテの近くに落ちたもこもこの衝撃で、ツインテはバランスを崩して倒れこんでしまう。

ドサっ

レン「!!ツインテ!!」

ツインテ「はっ」

ひゅーーーーん

そこにもこもこが落ちてくる。

ツインテ(急いで触手を鞭にして迎え撃たないと。でも、落下速度で威力の上がってるあれを弾けるほどの力を出せるのかな……ってなんでこんなに考えられるのかな)

スローモーションの世界。
思考ばかりが先行し、手を出すよりも先に

ツインテ「あ」

もこもこが目の前に。

ザシュ!
428 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:45:40.63 ID:uRJ8wUzN0
217

--東の王国、村--

ド、ドーン!!

ツインテ「……え?」

ツインテの眼前に迫っていた肉の壁が消えた。

ツインテ「え」

ツインテはきょろきょろと周りを確認すると、地面には二つに分断されたもこもこの肉片がめり込んでいた。

ザリっ

?「やっ」

ツインテの前に立っている影。それは、

?改め辻斬り「怪我は無かったでござるか?」

辻斬りはにこりと微笑んだ。

アッシュ「ぐふ……あ、アイツは……」

レン「この前の男!!」

ツインテ(……誰?)
429 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:47:12.49 ID:uRJ8wUzN0
218

--東の王国、村--

辻斬り「やれやれ。拙者が偶然通りかかってよかったでござるな。あんなのを喰らっていたら体が飛散して集めるのが大変だったに違いないでござるよ」

ツインテ「あ……ど、どうも」

もこもこ「もきゅもきゅきゅー」

辻斬り「なにやら面倒くさそうなモンスターに襲われて大変な目にあってるようでござるな」

辻斬りは刀を持ち替える。

アッシュ「おい!!そいつらに手を出すな……厄介なことになる!!」

辻斬り「おや?この前の少年。そんなにボロボロになって少年らしくもない。はっはっはっ」

アッシュ「うるせい!!」

辻斬り「ふむ……しかし手を出すなとは異なこと。ここで処理せねば少年達を助けることが出来ないし、この先の城下町にも被害が出てしまうかもしれんでござる」

アッシュ「……く」
430 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:49:14.59 ID:uRJ8wUzN0
219

--東の王国、村--

辻斬り「まぁ、仕方無いと割り切るしかないでござる。なんでもかんでも上手くいくわけじゃないでござるよ人生は」

もこもこ「もきゅー!!」

もこもこの攻撃をさらりと交わす辻斬り。

辻斬り「大事の前の小事にござるよ」

ギラン

辻斬りの刀が怪しい光を放つ。

アッシュ「くそ!!そいつらはどのみちろくに攻撃が効かないんだ!!やるにしても一人じゃどうにもできねぇぞ!!」

ドシャッ

もこもこ「もぉきゅぅぅ!!」

ツインテ「!!」

一刀の元に切り捨てられるもこもこ。

辻斬り「ふむ。いい斬り応えよ」
431 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:51:57.11 ID:uRJ8wUzN0
220

--東の王国、村--

ズバシャッ!

もこもこ「ふんもっきゅー!!」

アッシュ「馬鹿な……そうやすやすと……さすがは剣豪と言ったところか」

辻斬り「剣豪?違うでござるよ……あんなのと一緒にしないで欲しいでござる」

ヒュンヒュン

辻斬りは刀を振るい、血を払う。さながらその姿は舞踏のよう。

アッシュ「!!あの剣豪じゃないのか!?それほどまでの剣技を持ちながら……」

辻斬り「嬉しいことを言ってくれるじゃないの。しかし」

ビシッ

辻斬りは刀をアッシュに向けて宣言する。

辻斬り「二度と剣豪がどうとか言わないで欲しいでござる」

普段と大して変わらないその表情。なのにそこには強烈な威圧感があった。

アッシュ「ごく」

辻斬り「さぁて、あとひとーつ」

ひゅんひゅん

もこもこ「も、もきゅ」

辻斬りは最後に残ったもこもこにゆっくりと近づいていく。

辻斬り「お前は解析のためのサンプルになってもらうでござる。だからあまり暴れて無駄な傷をつけてくれるなよ……?」
432 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 21:53:24.40 ID:uRJ8wUzN0
ss用の体が欲しい。そしたらあと二個くらい同時にや(ry
それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


         次回予告

彼は魔王の魔王による魔王のための勇者。
彼は彼の仕える魔王のために、今いる魔王を倒す。

そして、

五代目勇者「もし俺が人間に危害を加えるようになったら……俺を頼む」

五代目勇者は自分の従者である二人に願いを託す。

これは五つめの物語。

         次回「半分の人類が天に昇る空」
433 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/09(月) 22:07:48.42 ID:uRJ8wUzN0
あ、ちなみに寝取られた、っていうのは寝る時間で休みが吹っ飛んだという意味でした先週。寝ることに休みを取られた……っていうしょーもない話でした……。
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 22:26:03.86 ID:61xjYOUSO
久々にイケメンのアッシュを見た
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/09(月) 22:56:04.33 ID:Urb6DihV0
乙乙。
魔王に育てられた勇者ってのも面白いね

イケメンアッシュは極めて久々ですwwwwww
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 02:44:47.04 ID:HJfkv6lDO
おつ!
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 17:23:17.51 ID:4xFErKqDO
水曜だ!今日はくるかな?
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/11(水) 20:40:34.73 ID:KNfWj2dAO
いや、明日じゃない?
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/12(木) 03:33:07.57 ID:6Fu+A0h+o
いやいや金曜日だよ
440 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:15:46.09 ID:SivJYrJo0
昨日これなくて申し訳ないです。それでは投下しますー。
441 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:16:46.80 ID:SivJYrJo0
221

--東の王国、城下町--

警備兵「……」

アッシュ「俺らが知る限りの情報は以上だ」

警備兵「にわかには信じたくないんだが……こう実物を提示されると信じないわけにはいかないな」

警備兵はもこもこの死体を担ぎあげる。

警備兵「状況はわかった、この件は上に支持を仰ぐことにする。もう遅いから君たちは宿に向かいなさい。あ、それと後で使いの者を送るからどこら辺で宿をとるかだけ教えてもらいたい」

レン「どうするにゃ?」

ツインテ「じゃあここら辺で宿を探してみますっ」

警備兵「そうか……わかった。それじゃあ」

警備兵は足早に去っていく。
442 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:17:16.70 ID:SivJYrJo0
222

--東の王国、城下町--

アッシュ「ううむ。大丈夫だろうか」

ツインテ「きっと大丈夫じゃない?東の王国の兵の質は高いって聞くし」

レン「上は腐ってるけどにゃ……」

ツインテ「あ、道理で静かだと思ってたらポニテちゃん死んだままだったよ、あはは」

アッシュ「わかってて放置してたんかとおもた」

ポニテを下ろしに、ツインテに近づいてくるアッシュ。

ツインテ「あ……そ、そんなこと……ない……よ?」

ツインテはアッシュを上目遣いで見ながら頬を赤くするのだった。

レン「にゃんかピンチ!?」
443 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:17:45.00 ID:SivJYrJo0
223

--東の王国、城下町--

ポニテ「あう……」

ツインテ「ごめんねポニテちゃん、あの状況じゃ意識を飛ばすしかないと思ったの……」

アッシュ「誤る必要はないぞツインテ、あれはポニテに非がある」

レン「アッシュ……」

アッシュ「なんたるざまだポニテ。お前が現実を受け入れ無かったせいで、あわや俺達は全滅する所だった」

ポニテ「!!……」

ツインテ「あ、アッシュ君そこまで言わなくても」

アッシュ「いいやここはしっかり言っておくべきだ」

ポニテ「うぅ……」

アッシュ「言え。何がお前をそうまで執着させた?なんだかんだでいつも冷静なお前らしくもない!」

ポニテ「……っ」
444 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:18:18.31 ID:SivJYrJo0
224

--東の王国、城下町--

ポニテは俯いてしまう。

ツインテ「せ、せめてもう少し経ってからにしたほうがよくないですか……?」

アッシュ「ダメだ」

アッシュはきっぱりと言い切る。

アッシュ「おそらく俺達はもこもこ討伐のために駆り出されるだろう。奴らと戦ったことがあるのは俺達だけだからな。そしてもう一度あんな状況に陥って見ろ。……次はどれだけの被害が出るかわからん」

お前の命だって、とボソリと呟く。

ポニテ「……うぅー」

アッシュ「あの少女に何かを重ねているなら思い違いだ。あれは砂上船で死んだんだ!」

ポニテ「――っ!!」

ポニテは次第に涙を浮かべる。

ポニテ「うっく……ひっく」

アッシュ「泣いてもダメよ!」
445 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:19:50.41 ID:SivJYrJo0
225

--東の王国、城下町--

ツインテ「……アッシュ君、やめよ?」

アッシュ「ツインテ、だが」

ツインテ「私達が行くことになっても、その時だけポニテちゃんをパーティーから外せばいいだけじゃない」

レン「そーだそーだアッシュのDT」

アッシュ「ぬこは黙ってろ!……確かに考えてみるとポニテは死んでたから、奴らとの戦闘経験は無いな」

ツインテ「何かがポニテちゃんに躊躇いを生じさせると言うのなら、その場につれていかなければいい」

ポニテ「あ……う」

ツインテはポニテの手を握る。

ツインテ「いいんだよポニテちゃん、言いたくないことの一つや二つ、誰だって持ってる。私達に言ったからって何か出来るわけじゃないし」

アッシュ「……わかってればサポートのしようはある」

ツインテ「ふふ。なんだかんだ言ってアッシュ君はポニテちゃんのこと気に掛けてるみたい」

ポニテ「!!」
446 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:20:18.31 ID:SivJYrJo0
226

--東の王国、城下町--

アッシュ「ち、違う!お、俺はその、俺に被害が及ぶようなことが起きないようにだな!!」

ツインテ「慌ててるー!可愛いっ」

アッシュ「なぬっ!?」

ツインテ「まぁだからこの話は一先ず置いといて……生還祝いにご飯食べいこう!」

レン「カニ食べいこう」

ツインテはポニテの手を引いた。

ポニテ「あう……ありがとうみんな」

アッシュ「ふん、俺は納得してないからな」

レン「アッシュは素直じゃないにゃ」

アッシュ「素直関係ないし!」

ポニテ「……みんなを危ない目にしてごめんね……」

ポニテはぽろりと涙を溢す。
447 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:20:58.96 ID:SivJYrJo0
227

--東の王国、城下町--

レン「ぶっちゃけると今更にゃ」

アッシュ「確かに今までも危険な目に合わされていたような気がする」

ポニテ「えぇ!?」

ツインテ「あははは」

アッシュ「……ふ」

レン「にゃー」

ポニテ「うー……いぢわる」

すねるポニテ。

ツインテ「ほら早く行きましょ?さっき警備隊の人に、ここら辺で美味しいご飯のところ聞いたんですから」

アッシュ「いつの間に!?」

レン「出来る女にゃ!」

ポニテ「……うん、いっぱい食べる!!」

辻斬り「拙者実はずっと傍にいたでござる」
448 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:21:34.05 ID:SivJYrJo0
228

--東の王国、城下町--

辻斬り「ここら辺で美味しい食べ物と言えばさばを味噌で煮込んだあれにござるよ」

ツインテ「そんな料理があるんですかー?」

上目遣いでニコニコツインテ。

辻斬り「……さっきから言いたかったのでござるが、ツインテ殿ちょっと見ない間にすごくおにゃにょこらしくなってござる。や、何を言ってるのかと思われること請け合いなのだが」

ポニテ「何ていうか、自分の可愛さを理解した上で武器として使い始めた感じだよね!」

アッシュ「はっ。辻斬りめ、何を言うかと思えば……ツインテは前から可愛かっただろうが!!」

ツインテ「じゅんっ」

レン「つ、ツインテ!?」

辻斬り「まぁとにかく行くでござるよ。拙者が案内するでござる」

ツインテ「やったーっ!東の王国の料理楽しみー!」
449 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:22:01.29 ID:SivJYrJo0
229

--東の王国、城下町--

辻斬り(くお!?こ、この何気ない会話の中で、要所要所に組み込んでくる表情や仕草!!……なんという……なんという!!)

ツインテ「?どうかしたんですか?」

耳にかかった髪をかきあげるツインテ。

辻斬り「……おじさん間違いを起こしかねんでござる。誘っていらっしゃる?」

ツインテ「えー?何をですかー?」

辻斬り「いちいち上目遣ぶはっ!!」

可愛さ余って吐血。
狂気の沙汰である。

ツインテ「だって辻斬りさん背が高いんだもん」

辻斬り「げぶはっ!!」

レン「出血死するのは店案内し終わってからにしてくれにゃ」

冷たいぬこにゃん。

辻斬り「けんぷふぁっ!!」

レン「どさくさに紛れてなんか言った!!」
450 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:22:34.25 ID:SivJYrJo0
230

--東の王国、城下町--

ポニテ「ううぅ……ただでさえ無敵に近かったツインテちゃんが前より数段可愛くなっちゃうなんて!ね!アッシュ君!!」

アッシュ「ん……そうか?」

アッシュの反応は思ったよりも淡白だった。

ポニテ「あれ?アッシュ君らしくない反応じゃない?」

レン「確かに。動揺するなりなんなりコロ助なり、この手の質問を受けたらテンションが上がるはずにゃんだけど……」

ポニテとレンは首を傾げる。

アッシュ「……可愛いことに変わりはないが、前のほうが可愛いかった気がする。なぜだかわからんが」

そう言ってアッシュは前を歩くツインテと辻斬りが話しているのを見ていた。

辻斬り「お嬢さん、今夜一緒の部屋に泊まりませんか?」

ツインテ「えー?一緒の部屋で何するんですかー?」

辻斬り「がぶすれいっ!!」

レン「もう吐血なんだかただ叫びたいのかわけがわからないにゃ……あ、わけがわからないよ!」

ポニテ「てかアッシュ君がツインテちゃんのこと可愛い可愛い連呼してる件」
451 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:23:38.83 ID:SivJYrJo0
231

--東の王国、さばの味噌煮屋--

レン「まさかメニューが一つしか無いとは思わなかった」

表の看板に書いてあるメニューを見てレンが呟いた。

辻斬り「それだけ自信がある、ということでござる。まぁ騙されたと思って食ってみるがいいでござる」

ワイルド店主「おう!わけぇ冒険者さん方。ゆっくりしてくんな!うちの飯はうめぇから」

レン「さばしか出せないくせにまずくてたまるかにゃ」

アッシュ「はい、最近レンちゃんがツンツンしてると思います」

奥のテーブルに通されるアッシュ達。

ツインテ「じゃあ、私アッシュ君の隣ー!」

アッシュの隣に座るツインテ。

ポニテ「女の子が自分から横に座ってくれてうれしく無いわけが無い!!男の心理を理解した上での行動だよ!!これで男は『あれ?実はこの娘俺に気があるんじゃ……』って勘違いさせちゃうパターンだよ!!」

レン「それでその後男がいざ告白してみても『え……ごめんそんなつもりじゃなかったんだよね……』ってやや引き気味な視線で拒絶されるパターンだっ!!」

辻斬り「男の心情は拙者に語らせてくれでござる!!」
452 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:24:06.75 ID:SivJYrJo0
232

--東の王国、さばの味噌煮屋--

ワイルド店主「さぁ食ってくんな!!」

ごたた

テーブルの上に置かれたのはさばの味噌煮と味噌汁と漬物とご飯。

アッシュ「うーむ」

ポニテ「改めて思うんだけどファンタジーに和食は合わないね!」

レン「今更にゃけどね」

辻斬り「はいじゃあ手を合わせて、いただきますでござる」

ツインテ「いただきますでござるっ」

辻斬り「ござるまで言わなくていいでござるよ。はっはっはっ」

ツインテ「えっ」

しくじった、と呟いて下を向くツインテ。

アッシュ「いただきますでござる」

ポニテ「いただきますでござる」

レン「いただきますでごにゃる」

もくもくと食事が開始される。
453 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:24:35.74 ID:SivJYrJo0
233

--東の王国、さばの味噌煮屋--

パクパクムシャムシャズズー

アッシュ「……で、だ」

アッシュは味噌汁を置く。

アッシュ「てめぇはいつまでいやがるんだ!!」

ダンッ

アッシュはテーブルを叩いた。

辻斬り「?拙者のことでござる?」

自分を箸で指して?マークな表情を浮かべる。

アッシュ「お前以外に誰ガイル……ここは俺等仲間だけで食事をとる休息の時間なんだよ。お前がいちゃ休まるものも休まらねぇ」

辻斬り「ふむ……」

辻斬りは箸を茶碗に置く。
454 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:25:07.70 ID:SivJYrJo0
234

--東の王国、さばの味噌煮屋--

辻斬り「……」

アッシュ「……」

辻斬り「え?拙者ってもう仲間じゃなかったでござる?」

アッシュ「何勝手になった気でいるんだよ!!お前なんか仲間じゃない!!」

辻斬り「はっはっはっ。こりゃ失敬。じゃあ……仲間に入れてくれでござる」

よろしく、と辻斬りはアッシュに握手を求める。

アッシュ「入れるかぁ!!」

ポニテ「えー?別に私はいーと思うけどなぁ」

アッシュ「あん!?」

ポニテ「だってアッシュ君前の章で言ってたじゃん、男の仲間が欲しいって。しかも前衛が」

レン「前の章て」
455 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:25:49.88 ID:SivJYrJo0
235

--東の王国、さばの味噌煮屋--

アッシュ「む……」

ポニテ「打たれ強いタイプじゃ無さそうだけどめちゃくちゃ強いし!ぴったりじゃないかな?」

アッシュ「むむ……」

ツインテ「辻斬りさん仲間になるんですかー!?これからよろしくどうぞっ」

辻斬り「はっはっはっ。よろしくでござるよ」

アッシュ「そこ勝手に話決めてんじゃねぇよ!!」

レン「……アッシュ」

アッシュ「なんだ!?」

レン「辻斬りをなかまにできない理由はなに?」

アッシュ「!……それは」

レン「実力は申し分ないにゃ。性格だって悪そうにはおもえない」
456 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:26:30.62 ID:SivJYrJo0
236

--東の王国、さばの味噌煮屋--

辻斬り「ぬこ殿は拙者の味方でござるか!仲間になった暁には毎晩毛繕いをさせてもらうでござるよ」

レン「さわるにゃ汚らわしい」

辻斬り「痛いっ」

アッシュ「……」

ツインテ「アッシュくん?」

アッシュは辻斬りを睨んだまましばらく黙っていた。そして、

アッシュ「お前……なんの目的でこのパーティに入ろうと考える?」

辻斬り「面白そうだからにござる」

きっぱりと言う辻斬り。

アッシュ「……このパーティの旅の目的が魔王討伐にあるとしてもか?」

辻斬り「!!魔王ってあの!?」

アッシュ「あぁ、あの魔王だ。あの魔王を俺達は倒しに行く。命懸けで」
457 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:27:08.87 ID:SivJYrJo0
237

--東の王国、さばの味噌煮屋--

辻斬り「……」

ツインテ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

アッシュ(さぁお前はどんな表情を見せる?素直に信じておじ気付くか?それとも他の大人のように子供だなんだとバカにするのか?)

辻斬り「ほう……なるほどなるほど」

辻斬りはみんなの顔を見渡して幾度か頷いて見せる。

辻斬り「だからこんなにも才能に溢れた者達ばかりなのでござるかぁ」

アッシュ「!?」

辻斬りは合点がいったとばかりににやりと笑った。
458 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:28:27.85 ID:SivJYrJo0
238

--東の王国、さばの味噌煮屋--

辻斬り「はぁ……羨ましいでござるよ。才能があり、未来があり、人生を費やす価値のある目標がある……さらに美男美女揃い……ワオッ!!羨ましすぎる!!」

そう言って辻斬りはとても悔しそうな顔をする。

辻斬り「それじゃあ拙者が入る余地など無いでござるなぁ……」

ツインテ「辻斬り……さん?」

辻斬り「ツインテ殿達があと数年間鍛えたなら、それはそれは相当な腕前になるでござろう……。しかしその頃には拙者が老いてしまう。その数年の間、拙者は全盛期を維持し続けることができるのか……?」

辻斬りは顎鬚をじゃりじゃりといじりながら喋っている。

辻斬り「……まことに残念でござる……若さというのは最強の武器でござるなぁ……失ってから初めて気付くでござる」

辻斬りは何やら勝手に納得し始める。

辻斬り「あいわかった。それほどのものを背負っているのなら拙者が入るわけにはいかんでござる。まだ若くて才のあるものを五人目に迎い入れるがよろしかろう!」

辻斬りはまたにこりと笑う。
459 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:30:50.76 ID:SivJYrJo0
239

--東の王国、さばの味噌煮屋--

レン「ようはレン達が強くなる前におじさんになっちゃうってことかにゃ」

辻斬り「でござる」

ポニテ「今いくつなの?」

辻斬り「28」

ツインテ「え!20代前半にしか見えないですけど」

辻斬り「あははは。お世辞が上手いでござるよツインテ殿」

アッシュ「……それにたかが数年。別にお前の腕がそう落ちるとは思わないが」

辻斬り「いやいやまだ若い人にはわからないだけでござる。気付いた時には昔のように無茶できない体になってるんでござるよ……拙者もまだ若い方ではあるが、それでも衰えを感じ始めているでござる」

アッシュ「……」

辻斬り「だから若いツインテ殿達は今の若さを大事に思うといいでござる。今のツインテ殿達にはなんでもできるパワーがあるのでござるよ」

ツインテ「辻斬りさん……」

辻斬り「最近ちんち○んが昔のような固さを維持できんのでござる」

アッシュ「何言ってんだオマエ!!」
460 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:32:19.07 ID:SivJYrJo0
240

--東の王国、さばの味噌煮屋--

ポニテ「辻斬りにはそのパワーがないの?」

辻斬り「……無いでござる。思考の柔軟さすら失われていくのがわかるのでござる」

ポニテ「むー……わかんないー」

辻斬り「なんでもそうなんでござるよ。当たり前にあるものの大事さは、失わないとわからないんでござる。失う前から大事なことはわかっている、なんて拙者も思ってたんでござるがね。いやはや実際は想像以上のものを失うのでござる」

アッシュ「30代前半で老いたとか言ってたら、もっと上の層に怒られるぞ」

辻斬り「ははは。違いない」

ポニテ「ふーん。むしゃむしゃ。じゃあわたひ、らいひにいひるよ!ひまを!!」

ポニテはにっこりと笑って宣言する。

アッシュ「……おいポニテお前なにをむしゃむしゃしてやがる」

アッシュは自分の皿からさばの味噌煮が無くなっていることに気が付いた。

ポニテ「むしゃむしゃしてやった。ご飯なら誰のでもよかった」

アッシュ「よかねーよ!!
461 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/12(木) 22:33:33.27 ID:SivJYrJo0
一つ想定外なイベントが入るだけで更新が遅れるとは……申し訳ないです。
それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

         次回予告

誰よりもびびりで運動音痴な少年。
学校ではいじめられ、家庭では内弁慶。
そんな彼の夢に、突然魔王が現れた。

六代目魔王『ハヤクワタシヲコロシニコイ。サモナイト……』

少年が夢に魘され飛び起きると、首には赤い首輪がはめられていた。

六代目勇者「そんな……じゃ、じゃあああああの夢は本当のことだったの!?い、一年以内に魔王を倒さないと僕は……死ぬ」

これは六つめの物語。

         次回「六代目勇者の憂鬱」

六代目勇者「スポーツテストで全国ビリ取った……死にたい」
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/05/12(木) 23:16:30.61 ID:VCOxiYOZo
乙!!
相変わらずおもしろい
メインキャラのイメージイラストきぼんぬ
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/12(木) 23:34:52.75 ID:X7YlRpvSO
そういえば、パーティーは5人まで可だもんな
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/13(金) 21:09:00.20 ID:HPOHdJEDO
金曜日だが…明日かな?
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/13(金) 21:45:26.12 ID:bv8mTTdAO
明日なら嬉しいが、
恐らく日曜では?
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage ]:2011/05/13(金) 21:46:25.51 ID:5P/9XgXJ0
乙です。
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/14(土) 20:11:51.58 ID:g30IM7mDO
さて1週間の締めに来るのかな?
468 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:14:58.85 ID:cLd277qN0
まにあつた
では とうか いきまふ
469 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:15:31.98 ID:cLd277qN0
241

--旅館、女湯--

かぽーん

ポニテ「はわー」

ツインテ「気持ちいー……私温泉て初めてなんだよねー」

ぱしゃぱしゃとお湯を肩にかけるツインテ。

レン「いつも一緒に入ってるんだけどにゃ」

ポニテ「なんで行くとこ行くとこで温泉湧いてるんだろうね〜」

レン「多分誰かの頭が湧いてるんだにゃ」

ポニテ「ほほう……うまいね!」

ポニテはグーサインをレンに向ける。

レン「ふふふ」

ツインテ(いつも入ってるんだ?一緒に。……あの子もちょっとは成長したのかな)

ツインテは口角を少しあげる。
470 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:16:02.66 ID:cLd277qN0
242

--旅館、女湯--

ポニテ「あっ!!」

レン「どうしたにゃ」

ポニテ「ツインテちゃんのあの秘部を隠す光的なものが無くなってるよ!!」

レン「!本当だにゃ!……っていつも確認してたのかにゃ?」

ポニテ「うん。目を細めたら見えないかな、とか色々試してたよ!」

レン「何をやってるんにゃ」

ポニテ「というか……」

ポニテはツインテの体を上から下まで舐めるように見る。

ツインテ「な、なに?」

ポニテ「心なしか体つきまで変わったような……おっぱいちょっと大きくなった気がするし」

レン「そういわれれば腰のくびれも前より……」
471 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:16:40.48 ID:cLd277qN0
243

--旅館、女湯--

ツインテ「あはは。やだなぁ前からだよ前から!」

そう言ってツインテはポニテに抱きついた。

バシャ!

ポニテ「あぶ!」

ツインテはそのままポニテに覆いかぶさる。

ツインテ「ふふ……まぁ私も実はちょっと気にしてるんだよね〜。ちっぱい」

レン「……」

レンは自分の胸を死んだ魚のような眼で確認した。

レン「ちっぱい……」

ツインテ「だから……お互いに揉んで大きくしようぜっ!今よりさらに高みへ!!」

バシャ!
472 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:17:23.38 ID:cLd277qN0
244

--旅館、女湯--

ポニテ「あわっ!?い、いつもと立場逆だお!!あんっ!」

もにゅり

レン「れれれレンもまぜてっ!」

レンはそんな二人にダイビング。

バッシャーン!!

ツインテ「きゃはは」

ポニテ「あはは」

レン「にゃはは」

ツインテ達の笑い声が響く……。



--旅館、男湯--

アッシュ「……」

辻斬り「ザ・温度差でござる」

男湯でアッシュと辻斬りは何も喋らずに体を洗っている。
473 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:18:24.02 ID:cLd277qN0
245

--旅館、男湯--

アッシュは体を洗いいつつ横目で辻斬りを確認する。
辻斬りは長い髪をトリートメント。完全に仕草が女性のそれ。

アッシュ「くそ……時間ずらせよな」

辻斬り「?拙者に言ったでござる?」

アッシュ「他に誰がいるんだ」

辻斬り「はっはっはっ。何を言うかと思えば。裸の付き合いというものは素晴らしいものなのでござるよ。例え親の仇であろうと、湯船では友達でござる」

アッシュ「ねぇよ」

辻斬り「あるでござる!ちゃんとコーヒー牛乳、一緒にイッキもこなさないと」

アッシュ「親の仇と、んなこと出来るか!」

辻斬り「逆を言えば建物から出たら何をしようがいいでござる」

アッシュ「……極端すぎる」

風呂上がりのコーヒー牛乳を一緒に飲み合った後に殺し合いかよ、とアッシュ。
474 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:18:49.46 ID:cLd277qN0
246

--旅館、男湯--

辻斬り「まぁそれは置いといて。せっかくの温泉なんだから、楽しまな損でござるよ」

アッシュ「む……」

確かに、とアッシュは頷く。

アッシュ(……くそ。こいつといると変だ……角を取られる感じというか)

ちゃぽん

アッシュは口を湯の中にいれてぶくぶくと息を出す。

アッシュ(……そもそもなんで俺は……あぁそうか。俺はこいつにあっさりと負けたのが悔しくて)

辻斬り「ほふぃー……」

辻斬りは気持ちよさそうに身震いしている。

アッシュ(……まだまだ弱い……体も、心も。今のままじゃ、あいつらを守ってやるなんて、とてもじゃないが言えない)

アッシュは拳を握り締める。
475 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:19:30.98 ID:cLd277qN0
247

--旅館、男湯--

アッシュ(今までの旅だって運がよかっただけだ……誰一人かけることなく続けてこれたのは)

アッシュの脳裏にツインテの銅色の義手が甦る。

アッシュ(……ツインテには悪いことをした。とっくのとうにあぁだこうだ言ってる場合じゃない……な)

アッシュは何かを決心した。

辻斬り「あ!」

その時辻斬りは大きな声を出してアッシュを指差す。

アッシュ「?」

辻斬り「これは申し訳ないでござる。まさか口をつけてるとは露知らず」

ざぱ

アッシュ「?何がだ?」

辻斬り「いやその、拙者今おしっこしちゃったので」

アッシュ「ぶばはっ!!」

辻斬り「いやぁ〜。まさか飲尿プレイをするとは……はっはっはっ」

アッシュ「笑えるかクソ野郎!!シネ!!」
476 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:20:01.56 ID:cLd277qN0
248

--旅館、女部屋--

ポニテ「お布団ふかふか〜」

ポニテは敷かれていた布団の上で寛いでいる。

ツインテ「うぅ……さすがにちっぱいは強く揉まれると痛い……」

揉むではなくつねるに近かったとツインテは呟いた。

レン「レンも!」

ふんす!とばかりに胸を張る。

ツインテ(なぜ自慢気?)

ポニテ「あははー。おっぱいなんていっぱいご飯食べればすぐおっきくなるよ!」

ツインテ「普通ならないよ!!」

ツインテはポニテに詰め寄った。

ツインテ「いーいポニテちゃん!!ポニテちゃんみたいな特殊体質でもない限り、普通は真っ先にお腹と頬っぺが膨らんじゃうんだから!!」

ツインテはポニテの頬をもにもにして言った。
477 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:20:55.51 ID:cLd277qN0
249

--旅館、女部屋--

ポニテ「あ、あひゅ。い、いはいよ〜……」

ツインテ「うぅ〜……いいなぁこの頬っぺた。凄い滑らかなフォルム……」

ポニテ「滑らかじゃないフォルムってあるの?」

ツインテ「お風呂で見たけど、全体的に無駄なお肉が一切ついてない素敵ボディ。それでいてこっちは中々のものをもっている……」

ほにゅん

ポニテ「やだツインテちゃん、くすぐったい」

身を捩らせるポニテ。

ツインテ「……う、うあー!!もうっ!!何この体ー!!卑怯過ぎるじゃんー!!」

ポニテ「な、何言ってるのさ!!ツインテちゃんだって激カワ小悪魔フェイスにしっとりスベスベお肌、アジアンいらずのさらさらヘアーなんかを装備してるくせに!!そっちに比べたら私なんてゴミカスだよ!!」

レン「自虐的過ぎるにゃー」
478 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:21:55.79 ID:cLd277qN0
250

--旅館、女部屋--

ツインテ「わかってない……全っっ然、わかってないよ!!てゆうかポニテちゃんおもいっきり美人さんじゃない!!優劣なんて無いよ、それはもう相手の趣味次第のレベル。髪の毛だっていつも人の見てない所でさり気なく手入れしてるくせに!」

ポニテ「うぐ……な、なんで知ってるの!?……そ、それにツインテちゃんてすごくいい匂いするし!!同じ石鹸使ってるはずなのにどうゆうことなの!?(cvゆっくり)」

ツインテ「そ、それは……わ、脇の臭いなのよ!!」

レン「何か言い出した」

ツインテ「ポニテちゃんこそ、その垂れ流しにしてる素敵な少女臭のせいで、一体私がどれだけムラムラしたことか!!」

ポニテ「え。ムラムラしてたの?」

ツインテ「多分。わかんないけど」

レン「てきとーなツインテもすき」
479 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:22:21.54 ID:cLd277qN0
251

--旅館、女部屋--

ポニテ「ツインテちゃんは料理も出来て素敵!」

ツインテ「戦ってるポニテちゃんの姿はさながら戦乙女!」

ポニテ「うなじ萌え!」

ツインテ「腰からお尻にかけてのライン萌え!」

ポニテ「顔小さくて可愛い!」

ツインテ「たまに見える八重歯がたまらない!」

レン「何合戦?」

ツインテとポニテは息を切らしながらお互いの長所を褒め続けている。

ポニテ「はぁ、はぁ、はぁ……絶っ対ツインテちゃんの方が可愛いもん」

ツインテ「ポニテちゃんだって超美少女なくせに……」

レン「以上、隣の芝は青かった。からお送りいたしましたにゃ」
480 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:22:54.86 ID:cLd277qN0
252

--旅館、女部屋--

ポニテ「レンちゃんは猫耳可愛い!」

ツインテ「ちっちゃくてにゃーにゃー可愛い!」

レン「なぜ飛び火したし……」



--旅館、男部屋--

アッシュ「あいつら。壁薄いから丸聞こえだっつの」

辻斬り「アッシュ殿は全くどうしてイケメンでござるなぁ」

アッシュ「……男もやるきか……」

辻斬り「うむ。お互いを知り仲良くなるいいチャンスではなかろうか!」

アッシュ「お断わりだ、お前と仲良くする気などない」

辻斬り「いじっぱりでござるなぁ」

ふ、とアッシュの耳に息を吹き掛ける辻斬り。
481 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:23:21.95 ID:cLd277qN0
253

--旅館、男部屋--

アッシュ「ぎゃあ!き、貴様なにして!!」

辻斬り「はっはっはっ。スキンシップでござるよスキンシップ」

辻斬り「しかし困った。男は誉める部分が少ないでござる。イケメンって言っておけばある程度当てはまるし」

アッシュ「そんなこと言ったら可愛いやつには美少女って言っておけば大抵当てはまるだろ。てかやらんでいい、やらんで!」

辻斬り「……む?そういえば男だけの時に必ず発生する、あるイベントを消化してなかったでござるな」

アッシュ「男同士の……イベント?」

辻斬りは浴衣をガバッと脱ぎ捨てた。

アッシュ「!?」

辻斬りの筋肉質な肉体とアレが露わになる。

辻斬り「ち☆ん☆ち☆ん☆見せ合いっこ!!」

アッシュ「するかぁぁぁぁぁ!!」
482 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:23:55.10 ID:cLd277qN0
254

--旅館、女部屋--

辻斬り「ち☆ん☆ち☆ん☆見せ合いっこ!!」

アッシュ「するかぁぁぁぁぁ!!」

ポニテ「!!と、とうとう向こうではベーコンでレタス的な展開が!」

ツインテ「ホモ!?ホモなの!?きゃー!!」

ポニテ「違うよBLだよ。ホモ違うから」

ツインテ「……ごめん……なさい」

ポニテは今までに見たこと無いほどの険しい表情を見せた。

レン「にゃー、男同士とかきもちわるいにゃ」

レンは舌を出して首を振る。

ポニテ「……レンちゃんちょっとこっち来なさい」

レン「にゃ、にゃー?」

レンは有無を言わさず別室に連れていかれる。
483 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:24:31.43 ID:cLd277qN0
255

--旅館、男部屋--

辻斬り「さぁ存分に見せ合おうぞアッシュ殿!!男の魂をぉぉぉ!!」

アッシュ「やめろぉぉぉ!!って何で既に」

『つじぎりのかたくなる!』

アッシュ「状態なんだよ!!」

辻斬り「拙者バイでござるし」

アッシュ「」

とんでもないカミングアウトにアッシュのカラーは完全に白一色に。

辻斬り「はっはっはっ。片刃の刀を使いながらも両刀使いという粋な設定にござるぜ」

アッシュ「」

アッシュは言葉がでない。

辻斬り「というわけで」

ズバッ

『つじぎりのいあいぎり。アッシュのゆかたがきりさかれた』
484 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:25:00.76 ID:cLd277qN0
256

--旅館、男部屋--

アッシュ「……っは!な、何をしやがる!」

意識を取り戻したアッシュは斬られた浴衣を手で押さえ、体を隠す。

辻斬り「……なかなか魅力的な格好になったでござるな」

アッシュ「ざけんなぁ!!涎を拭うなぁあ!!なんでだよ!なんで最近俺はこんな扱いなんだぁ!!」

辻斬り「む、そうでござった。一応言っておくべきでござろうか?」

辻斬りは深呼吸をしたのちに、

辻斬り「ここから先はノンケはダメだ。すまない、ホモ以外は帰ってくれないか!」

辻斬りは誰かにそう言った。

辻斬り「よし、それでは始めるでござる」

『つじぎりのあなをほる!』

アッシュ「わ、あわ、アーッ!」
485 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:25:28.59 ID:cLd277qN0
257

--旅館、女部屋--

ツインテ「はぁ、はぁ。やべぇこれ。ずずっ……あ、ポニテちゃん達お帰り!今凄いことになっちゃって……レンちゃんどうしたの?」

レン「……」

レンは魂が抜けたようにふらふらしながら部屋に入ってきた。

ポニテ「レンちゃんにBLの良さをたたき込んであげたの」

レン「受け……責め……」

レンは虚ろな表情で呟いている。

ツインテ「……」

レン「雄同士ー、まーたー、がって」

レンは白眼をむいて何かの歌を歌っている。

ツインテ「……ようこそ、新たな世界へ。ウエルカム トゥ「ザ・ワールド」」

ツインテは直立してレンに向かって敬礼する。
486 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:26:38.82 ID:cLd277qN0
258

--旅館、裏手--

年増仲居「あら?」

外にゴミを出しに行った仲居は、暗がりの中にポツリと立っている幼女を見つける。

幼女「……」

白いワンピースを着たツインテールの幼女は俯いたまま動かない。

年増仲居「あらあら、お嬢ちゃんどうしたのこんなところで!?」

仲居は小走りで近づき、屈んで幼女に目線を合わせた。

幼女「……」

年増仲居(この子お客様の子供かしら?……顔面蒼白……ね。具合が悪いのかしら?)

幼女はしばらく仲居の顔を観察した後、その小さな口を開いた。

幼女「……き」

年増仲居「ん?どうしたの?」

幼女「もきゅ」
487 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:27:32.51 ID:cLd277qN0
259

--旅館、裏手--

突然幼女の口が大きく開かれ、中から長いホース状のものが飛び出した。

年増仲居「!!」

バギッ!

それは閉じていた仲居の口を侵略する。

バギバギっ

ホースは歯を折り進み、喉の奥を貫いた。

年増仲居「ごべっ!!」

仲居は苦しみもがくのだが、凶暴な力に勝てるわけがない。

年増仲居「がばっ、げっ」

仲居はその場に倒れた。

幼女「……」

幼女はホースをしまい、倒れた仲居を覗きこんだ。

幼女「もきゅ」

年増仲居「……………………もきゅ」
488 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:28:09.65 ID:cLd277qN0
260

--国防隊城下町支部--

選抜兵「……はぁ」

警備兵「以上が今回の件の詳細です。私は非常にまずいと思うんですよ。だから一緒に行ってもらえませんかね?」

選抜兵は前髪をいじりながら答えた。

選抜兵「えー?俺が行くのかよー。やだよー、俺この後美容室予約してあるし」

警備兵「せ、選抜兵さん!そんなこと言ってる場合じゃ!」

選抜兵「最近俺全然家に帰ってないんだぜ?パンツだって三日前の裏返してさらに裏返して穿いてるレベルだぜ?他の奴に頼めよ」

中佐「おい選抜兵。行け」

イスに座って話を聞いていた中佐が口を開く。

中佐「お前レベルじゃないと駄目なんだよ。あーだこーだ言ってないで行け!」

選抜兵「ちっ。わかった……行く。行けばいいのだろ?ふん、公務員は楽なんじゃねぇのかよ。完全にブラック企業だぜ!ギブミー休みー」

警備兵(なんだって自分より若い小娘相手にこんな気苦労を……)
489 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/14(土) 23:29:02.55 ID:cLd277qN0
なんか……書きこみがすぐ反映されない……?
それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

         次回予告

彼の女は人形師。
歴史上最強の人形師。

それもそのはず、彼女が操る人形は、

二代目魔王人形「おそうじおそうじー」

四代目魔王人形「……」

七代目勇者「あ!散らかさないでって言ったじゃん!!」

……歴代魔王達なのである。

これは七つめの物語。

         次回「嘘つき七代目勇者と壊れた魔王。」
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/14(土) 23:30:46.14 ID:Rw/hphfK0
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/14(土) 23:40:35.24 ID:+uyCsHiA0
乙乙。

久々なホモ展開ェ…。
でも、本筋としては盛り上がってきたね。
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/15(日) 00:10:53.34 ID:Pqp4gY4SO
久々なホモ展開wwwwww

初代では割と頻繁だったからな
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/05/15(日) 01:03:21.11 ID:K8noEpiPo
>>489 乙!
494 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:41:32.08 ID:eUw2aCjt0
こんばんわー。

いまさらですが返信忘れてました!
イラスト……わ、私じゃ描けません……。
お、お客様の中に絵師様は、絵師様はいらっしゃいませんか!?

友人に頼んでみるしかないかしら……更新いたします。
495 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:42:07.14 ID:eUw2aCjt0
261

--旅館、女部屋--

ツインテ「うーん。エネルギー切れてきちゃったかも」

ポニテ「エネルギー?どゆこと?」

ツインテ「まぁ例えなんだけど、前面に出るにはエネルギーが必要なんだよね。で、キャラによっていられる時間が変わってくるのよ」

ポニテ「ふ、ふむ?」

レン「ふむ」

ツインテ「で、私はもうそろそろ時間が来ちゃうんだけど……ぴっちにぱっち」

シュイーン

ぴっち『及びですかぴっち』

ぱっち『何のようっぱ?』

ツインテは手招きをして近寄らせ、内緒話をする。

ツインテ「ちんちん戻して。妖精の不思議な力で」

ゴニョゴニョ
496 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:42:47.22 ID:eUw2aCjt0
262

--旅館、女部屋--

ぴっち『あ、戻す気になったんっぴね!わかりましたっぴ』

ぱっち『えー、そっちのほうが可愛いっぱ〜』

ツインテ「まぁまた出てくるから。じゃあお願いね」

ぴっち『了解っぴ!』

ぱっち『了解っぱ〜』

ポニテ「何の話してたの?」

ツインテ「内緒だよっ。さぁ妖精達!やるのだっ!!」

ぴっちとぱっちはツインテの頭の上を旋回し始める。

ぴっち『汝のあるべき姿にー』

ぱっち『戻りたまえー』

ぴっち『yo!!』

ぱっち『say!!』

ポニテ「夏が!?」
497 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:43:17.64 ID:eUw2aCjt0
263

--旅館、女部屋--

シュイシュイシュイーン

ツインテに光の粉のようなものが降り注ぎ、

ツインテ「……ん、んう?あ、あれ?」

ツインテが目を開いた。

ぴっち『ふぅ、なんとか成功のようだっぴ』

ぱっち『確率で言えばフィフティフィフティだったっぱ』

ポニテ「まじで!?し、失敗してたらどうなってたの!?」

ぴっち『あ、いや、その……』

ぱっち『んーと、ツインテしゃんの全ての人格が交ざり合って、人格同士の生存権をかけた争いが勃発。そのあと全部の人格が溶け合って自我が無くなっちゃう……感じっぱ』

レン「ひでぇ!!りすくをまえもってせつめいしろにゃ!!」

ツインテ「??……何か……あったんですか?」


--旅館、男部屋--

辻斬り「……力抜いて(囁くような感じでcv櫻井)」
498 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:43:45.56 ID:eUw2aCjt0
264

--酒バー--

医者「……はぁ」

通信兵「久しぶりに貴方から呑もう、なんて連絡が来たからおかしいと思いましたよ」

通信兵はビールに口をつける。

通信兵「ん。何度口にしても好きになれそうにない味です。そういえば選抜兵は呼ばなかったのてすか?」

医者「あいつは今日も忙しいらしい。誘ってはみたんだがね」

通信兵「そうですか。現場は忙しそうですね。あー裏方でよかった」

医者「……はー」

通信兵「こら。何ため息をついているんです。女々しい奴ですね」

医者「……はぁー。もう俺やってけるかわかんねぇよ」

医者はテーブルに体を投げ出した。

通信兵「……そういえば貴方のお勤め先はあの大学病院でしたね。同情します」

あの豚は私も嫌いです、と通信兵はグラスを傾ける。
499 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:44:46.00 ID:eUw2aCjt0
265

--酒バー--

医者「まぁそれもそうなんだがなぁ」

通信兵「あぁそれと」

パシィン

通信兵『私のとこに情報が入ってきたんですが、豚さんが行方不明らしいんですよ。貴方……関与してませんよね?』

通信兵は会話の途中でテレパシーに切り替えた。

医者「……」

医者はグラスをしばらく眺めた後、一気に飲み干した。

医者『してるさ』

通信兵『やはり』

医者『なんだ、もうわかってたのか』
500 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:45:16.96 ID:eUw2aCjt0
266

--酒バー--

通信兵『いえ、女の勘って奴ですよ……貴方らしくもない。堪え忍ぶのが貴方の信条じゃなかったのですか?』

医者『耐えなきゃいけないのが俺だけならそうしたさ』

カラン

通信兵「……」

医者『もうこれ以上彼らを犠牲にするのが嫌になった』

通信兵『バカですね。今までなんのために耐えてきたんですか。これじゃ全部パーじゃないですか』

医者「……」

医者はウェイターを呼びつけ酒を頼む。

医者『……なんでだろうな……なんであんなことしたのか』

通信兵『私に聞かないでください』

医者『……今までだってなんとか耐えてきたのにな。……ふむ。あの子達のせいなかもしれない』

通信兵『あの子達?』
501 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:45:56.84 ID:eUw2aCjt0
267

--酒バー--

医者『患者だ。腕を治しに来た子供たちだ。多分外国の子なんだろうな。だからあの区域に入ってしまった』

通信兵『多分外国って、出身国がカルテに書いてあるでしょうが』

医者『あぁそういやそうだった』

通信兵(……随分まいってますねこれは)

医者『患者があんなことを言ってくるとは思わなかったんだよなぁ。やっぱり俺も傲慢だったのかな……。患者を治療して、患者が笑顔になる。だからこれはそこまで悪いことじゃない。って、思ってたのかもな』

通信兵「……」

医者『患者のために。それだけを免罪符にして仕事を続けてきた。でも今回の患者は違ったんだよ。つけた腕が他人のものだと知ると切り離して持ち主に返したらしいんだ。子供がだぜ?』

通信兵『子供のくせに高い医療技術をもってますね』

医者『そこじゃないだろ。俺その姿見て……あぁ、俺こんなんじゃだめじゃないか、って思ったんだ……多分』

通信兵『……はぁ。で、勢い余って豚さんをどうにかしちゃったわけですか』

医者『あぁ。勇者パーティに頼んだ』

通信兵『!?この国に来てるんですか』
502 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:46:28.83 ID:eUw2aCjt0
268

--酒バー--

医者『二人だけだったがな。他は知らない。彼らは悪を滅するのが我らが役目、と言って快く引き受けてくれた』

通信兵『じゃあ殺したんてすね?』

医者『殺した』

はぁ、と通信兵は大きなため息をつく。

通信兵『まさか同期から犯罪者が出ようとは……しかも次世代黄金期と呼ばれるメンバーから』

医者『まぁそこは申し訳ないと……って結構みんなだめじゃね?』

通信兵『そう言えば王子が亜人誘拐して失踪してますね。侍はやりたいことがあるって言ってプラプラしてますし』

医者『まともなのはお前と選抜兵くらいなもんだ』

通信兵『あのレズのどこがまともですか。もう部署の女の子は全員食ったらしいですよ』

医者『最低だなあいつ。何やってんだ』
503 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:47:05.53 ID:eUw2aCjt0
269

--酒バー--

通信兵はビールを飲み干した。

通信兵「ぷはっ」

医者「新しいの頼むか」

通信兵「いえ。明日に差し支えるから私はここで」

医者「……そうか」

通信兵『勘違いしないでください。お役所勤めだからってチクったりしません』

通信兵は立ち上がり、料金をテーブルに置く。

通信兵『貴方は……いつか私達がやろうとしたことを先走ってやっただけなんですし』

医者『……地位を得てからの約束だったのにな。ごめん』

通信兵『……一番辛い道だったね。ごめん医者君』

潰れるのが先じゃなくてよかった、とボソリと呟いて通信兵は去っていく。

医者「……」

カラン

医者「あいつ金足りてねーじゃん」
504 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:47:43.14 ID:eUw2aCjt0
270

--旅館--

若い仲居「あ!やっときた!!年増仲居さん!!どこに行ってたんですか!?帰ってくるの遅いですよ!!」

きゃんきゃん怒る若い仲居。その横を無表情で通る年増仲居と幼女。

ハゲた中居「あれ?その子誰?」

年増仲居「……」

幼女「もきゅ」

二人の仲居は、帰ってきた年増仲居の様子がおかしいことに気付く。

年増仲居「な゛、な゛んでも……ない゛」

若い仲居「……?年増仲居さん?」

片言に近い喋り方。それは喋るのに慣れてないものが試行錯誤で言葉を発しているようで……。

ハゲた中居「おい大丈夫かよ」

幼女「もきゅ」

がぱ

幼女の口が開きハゲた中居に向けてチューブが伸びる。

ハゲた中居「ごげっ!?」
505 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:48:13.66 ID:eUw2aCjt0
271

--旅館--

若い仲居「きゃあああ!?」

若い仲居は悲鳴を上げて地面に尻をつける。

若い仲居「な、な、な!?」

年増仲居「だい゛じょ、じょじょ、うぶ」

年増仲居は若い仲居に近づくて若い仲居の頬に触れる。

若い仲居「はっ!ひっ!ひぃ!」

年増仲居「゛゛」

年増仲居は笑顔で若い仲居の頬を撫でる。

若い仲居「ご、ごめんなさいっ、ゆる、ゆるしてくだっ」

若い仲居は首をふり、涙を流し、見当違いの謝罪を繰り返す。

若い仲居「あ、あぁぁぁ!!たすけっ、た、たすけてっ」

がぱ

年増仲居の口が大きく開かれる。

若い仲居「ひ、ひぃ!?や、やがぼっぇ」

じゅる
506 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:48:43.89 ID:eUw2aCjt0
272

--旅館--

若い仲居『ゼンもこもこにつげる。ワレワレハにんげンの言語を会得シタ』

若い仲居は頭に手を当て何かを念じている。

若い仲居『コレと、殻があれば、ワレワレハ人間社会二とけコメるだろう』

若い仲居の周りにいる仲居もこもこ達は何も無かったように衣服を直している。

女将「ちょっとあんたたち?今叫び声が聞こえたんだけど何かあったのかい?」

ぱたぱたと音を立てて女将さんがやってくる。飛んでないよ。

若い仲居「いえ、ナにも無いです……」

女将「はぁ。何もないのにあんな大声出すんじゃないよ。お客様に迷惑がかかるじゃないか」

若い仲居「ハイ、ごめンナさい」

若い仲居はお辞儀をする。

女将「……ふぅ。じゃあとっとと持ち場に戻っておくれ!さっきからお前達が戻ってこないって、大変なんだよ」

年増仲居はゆっくりと女将の後ろから近づいて、

年増仲居「ごべんん、だざい」
507 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:49:18.03 ID:eUw2aCjt0
273

--旅館、女部屋--

がばっ

ツインテ「っ!……?」

飛び起きたツインテは、何か言い知れぬ不安を感じ取る。

ポニテ「むにゃむにゃ」

レン「すーすー」

ツインテ「この気配……なんだろう。何か嫌な感じがする……」

しかし実際に何かが起きたわけではないのでポニテ達を起こすのは、はばかられる。

ツインテ(……思いすごしだといいけれど)

ぶるっ

ツインテ(う。おしっこしたくなっちゃった)

ツインテは布団を抜け出し、ふすまを開けた。
508 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:49:45.60 ID:eUw2aCjt0
274

--旅館、男子トイレ--

ツインテ「……」

男子トイレの前でツインテは突っ立っていた。

ツインテ「……今、誰もいないよね。じゃあこっち使ってもいいよね」

見えない誰かに許可を取って、ツインテは男子トイレのドアをあける。

がらがらがら

ぱちっ

電気をつけ、中のサンダルに履き替えて小便器へと向かう。

ツインテ「えへへ。ここでするの久しぶりだぁ。いつも毎回座らなくちゃならないから大変だったんだよねー」

そこでツインテは気付く。

ツインテ「……しまった。ボク今女物の下着を穿いてるから……出来ない」
509 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:50:13.51 ID:eUw2aCjt0
275

--旅館、男子トイレ--

ガチャッ

ハゲた中居「……」

ツインテ「あ」

そこに中居が入ってきた。

ツインテ「あ、ち、違うんです!!ボクこんな姿ですけどれっきとした男の子なんです!だからこっちであって」

ハゲた中居「……」

中居は全く意に介さず隣の小便器に立つ。

ツインテ「あ、はは」

ツインテは必死に弁護してたのか恥ずかしくなり下を向く。

ツインテ(そもそもなんでこんなに男として生きることが大変になっちゃったんだろう……髪の毛切ろうかな)

ハゲた中居「……もきゅ」

中居はぐるんと首をツインテの方に突きだして、突然満面の笑みを浮かべる。
510 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:50:46.77 ID:eUw2aCjt0
276

--旅館、男子トイレ--

ツインテ「へ?あ、あの。ど、どうかしましたか?」

ハゲた中居「もきゅ」

中居は口を大きく広げると……

ツインテ「へ?」

中からチューブ状のものが飛び出した。

ツインテ「!?」

ドギュっ!!


--旅館、女部屋--

ポニテ「すかー、すかー」

レン「すー、ぴー」

年増仲居「……」

寝ている二人を確認した年増仲居はにやりと笑って近づいていった。
511 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:51:39.96 ID:eUw2aCjt0
277

--旅館、女部屋--

ポニテ「すかー、すかー」

レン「すー、ぴー」

がさがさ

年増仲居は四足で歩行しポニテに近づいていく。

ポニテ「すかー」

年増仲居「……もきゅ」

年増仲居はポニテの寝顔を前にすると、口を大きく開いた。

ポニテ「炎属性攻撃魔法、レベル2」

年増仲居「!?」

ボウ!!

ポニテが放った火の球は年増仲居の腹部に命中し、そのまま体を焼いた。

年増仲居「もおおきゅううううううう!!」
512 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:52:11.66 ID:eUw2aCjt0
278

--旅館、女部屋--

ポニテ「……まさか……こんな所にまで出現するなんて」

年増中居「もおおおぎゅうううううう!!」

ポニテ「あの時は手を出せなかったけど、私はもう迷わない!!私は仲間を守るために闘う!!」

異変に気付いたレンも飛び起きて状況を把握する。

レン「!!」

レンがきょろきょろと辺りを見回すのとポニテがあることに気付いたのはほぼ同じ時間。

ポニテ「ツインテちゃんがいない!?」

レン「ポニテ!!ツインテがいない!!」


--旅館、男子トイレ--

ツインテ「あがっぐぶ!!」

ツインテの喉に太いチューブが差し込まれている。
513 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:52:52.89 ID:eUw2aCjt0
279

--旅館、男子トイレ--

ツインテ(まずい!痛い!苦しい!!こ、これをどうにかしなきゃ!!)

ツインテは触手を出すと、中居に二本、チューブに四本を伸ばす。

ハゲた中居「もきゅ?」

中居は伸びてきた触手を両手で掴むと強引に引っ張った。

ずん

ツインテ「おげっ!?」

黒いホースはさらに深く入ってしまう。

ツインテ(息が、く!!)

ツインテは触手でチューブを引き抜こうとするのだが、ぬめってうまく掴めない。

ハゲた中居「もきゅう」

ツインテ(意識が……)
514 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:53:27.47 ID:eUw2aCjt0
280

--旅館、女部屋--

年増仲居「もおきゅうう」

火を消した仲居はふらふらとポニテ達に歩み寄る。

ポニテ「!!レンちゃん、匂いを辿ってツインテちゃんの許に行って!!」

レン「!!……了解にゃ!ポニテ、ゆだんするなにゃ!」

レンは入り口に向かって駆けだした。

年増仲居「もっきゅううう」

それに反応した仲居がレンに飛びかかる。

ポニテ「うおりゃああ!!」

ポニテのダイビングキックが仲居の腹部に命中し吹き飛ばす。


--旅館、男子トイレ--

ツインテ「はぁっ!!はぁっ!!……」

ツインテは壁にもたれかかり喉を押さえて息を荒げていた。

ハゲ中居「もきゅう……」

しゅぴぃん

窓から現れたその人物はナイフを中居に向ける。

選抜兵「やれやれ。可愛い子を男子便所に連れ込んで何をする気だったんだ?このハゲ!!」
515 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/16(月) 21:56:17.49 ID:eUw2aCjt0
今週は週三はきついと思われます……。
といったところで本日は終わりになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
それでは読んでいただきありがとうございました!m(__)m

         次回予告

お人よしの大勇者。
きつい性格の大魔法使い。
理想を夢見る大剣士。
大剣士をサポートする大賢者。
元砂漠の風の大盗賊。
彼らは五体の魔王を倒し世界を平和に導いた……はずだった。

食堂の娘「だから……やめた方がいいって言ったのに」

少女は悲しい顔で大勇者の前から姿を消し、大勇者は魔王に婚約を申し込みに行く。

これは八つめの物語。

         次回「俺勇者だけど魔王に婚約申し込む。〜婚約物語〜」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/16(月) 22:00:19.28 ID:cuJSyUN5o
帰ってきたらちょうど終わっとった
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/16(月) 22:41:23.62 ID:GYd2GLo20
乙乙。
ツインテが元に戻って良かった…かな…

次回予告がいよいよ大勇者まで来たのな
次回の次回予告が楽しみだな
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 22:58:30.96 ID:SloY/r0SO
アッシュ…
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/17(火) 00:06:01.12 ID:s3dBmGV3o
大勇者も駄目人間だったのか……
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 01:34:58.92 ID:TUlJ7Bui0
乙乙

ハゲ中居ww
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/05/17(火) 06:18:17.52 ID:gEBpmbK00
久しぶりに来てみたらホラーに次ぐホラーだったでござるの巻
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 07:53:11.13 ID:K+LPaEtDO
乙、余り無理せず頑張れ
ところでツインテの口に太いモノを無理やrうわなにするやめ
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/05/17(火) 16:05:41.64 ID:PxxkMRtb0
おつ
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 20:52:29.75 ID://C3CqHgo
乙!

絵の話題が出てたので、絵師という訳ではないが勝手に個人的なポニテのイメージ(パス:ponite)
描写の読み落としあったらすまんぬ。色塗ったら「なんか違う…」となったので中途半端
不快でしたら消します
http://wktk.vip2ch.com/upload.cgi?mode=dl&file=6904
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/05/17(火) 20:55:28.77 ID://C3CqHgo
すまねえ…何故か眉を描き忘れた…
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 21:17:33.52 ID:v1L1q2dDO
ktkr!完成版が見たい!
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/05/17(火) 21:25:22.96 ID:yprEVTmQo
おっおっ
他キャラもおながい
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 23:34:36.76 ID://C3CqHgo
投下した後で「鞘はクロスした方がいいだろ」とか
「髪はもう少し短くないと下ろした時にツインテと被る、というか設定真改訂版見落として一個前見てた…」
とか気付いていかんorz

典型的なバストアップしか描けないタイプだから全身描くと一気にズコーってなるわ…すまん
正直配色設定が髪ゴム以外全部食い違ってたから、自分で色乗せるの怖いww
他のキャラは>>1さんの許可が下りて且つ余裕が出来たら
529 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/17(火) 23:56:03.32 ID:y1K9FfSE0
こんばん……あぁあ!イラスト化されておる!!ポニテー!!

>>528さん
余裕がありましたら、ぜひぜひお願いいたしたます……!!書いてる側としてはやはり絵とかになるのは嬉しいものでありまして……。



あ、次回更新は18日22時頃を予定しておりやす。。
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 23:59:29.67 ID://C3CqHgo
何度も申し訳ない、パス同じで修正版。何故か一つ目のロダで500エラー…
http://nullpo.vip2ch.com/upload.cgi?mode=dl&file=2517

皆の瞳の色って何色なんだろう
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 00:03:44.81 ID:Dv5Gs7oqo
何という入れ違い…喜んでいただけた様で何より
許可も下りたことなのでその内投下させていただきますー

次回更新予告wwktk!

そして修正版でもまた眉描き忘れただと…
532 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 00:20:25.09 ID:6CaxsBrM0
目の色出して無いとか駄目な私……。

とりあえず、これを出しておきます。
え、これおかしくね?って声があったら変わるかもしれません。なのでどうぞよろしくお願いします。それではドロン!!

2011年、5月改訂版

○ツインテ
髪色:水色。
目の色:濃い青。
リボン:白。
備考:長めのツインテール。今はスカート穿いてる。シリーズ一可愛い(現在)。15歳。

○アッシュ
髪色:暗い紫。(毒魔法を使うと色素が無くなって灰色に)。
目の色:濃い紫。
マフラー:茶 。
備考:ちょっと前髪長い。イケメン。ブリーフ。14歳。

○ポニテ
髪色:赤。
目の色:金。
ゴム:黒。
備考:肩にかかるくらいの尻尾。将来有望。13歳。

○レン 
髪色:白。
目の色:赤。
眼鏡:赤フレーム。
備考:ショートヘア。ロリつるぺったん。16歳。
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/05/18(水) 01:12:09.13 ID:VXTnh+0AO
ポ、ポニテが13歳で、レンが16歳だと……。
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/18(水) 02:13:47.66 ID:L/XIuTn5o
背丈は?
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 07:56:34.00 ID:cwGRmGASO
しっぽって見て

え、ポニテ人外?って思った俺はポニーテールって事を忘れていた
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/18(水) 18:40:46.90 ID:LRwOT2jAO
肩にかかる位の尻尾ってwwwwww
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 21:23:54.09 ID:Vp065k+DO
ゆうしゃの中ではツインテが最年長なんだな
意外だ
538 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:00:15.85 ID:6CaxsBrM0
2011年、5月改訂版 改

○ツインテ
髪色:水色。
目の色:濃い青。
リボン:白。
身長:140。
備考:長めのツインテール。今はスカート穿いてる。シリーズ一可愛い(現在)。15歳。

○アッシュ
髪色:暗い紫。(毒魔法を使うと色素が無くなって灰色に)。
目の色:濃い紫。
マフラー:茶 。
身長:150。
備考:ちょっと前髪長い。イケメン。ブリーフ。14歳。

○ポニテ
髪色:赤。
目の色:金。
ゴム:黒。
身長:143。
備考:肩にかかるくらいの尻尾。将来有望。13歳。

○レン 
髪色:白。
目の色:赤。
眼鏡:赤フレーム。
身長:130。
備考:ショートヘア。ロリつるぺったん。16歳。

こんな感じでいいですかね?それでは投下します。
539 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:00:50.37 ID:6CaxsBrM0
281

--旅館、男子トイレ--

ハゲた中居「もきゅ」

選抜兵(やれやれ。探索を命じられてさっそくこれかよ……)

選抜兵はナイフとは別に札を取り出す。

ハゲた中居「もきゅ?」

中居は物珍しそうに札を観察している。

選抜兵(と……そうだ。こいつら学習機能があるとか言っていたな。むやみに使うのはまずいかもしれない)

ツインテ「げほっ、ごほっ」

選抜兵(そうも言ってられんか。こいつを守りつつやらなきゃならん。出し惜しみはしない)

選抜兵は札に魔力を注ぐ。

ハゲた中居「もきゅー」

中居が選抜兵にむかって突進を繰り出した。
540 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:01:31.03 ID:6CaxsBrM0
282

--旅館、男子トイレ--

選抜兵「札スキル、停止札!!」

ぺたっ

ハゲた中居「も、もきゅ」

顔に札を貼られた中居はぴたりと動きを止めてしまう。

チャキ

選抜兵「悪く思うな」

逆手に持ちかえたナイフで首を切り裂いた。

ブシュ!!

ハゲた中居「もきゅううう」

段々顔から血の気が引いていき、中居はそのままトイレに倒れ込んだ。

選抜兵「……ふぅ。堅いな」

選抜兵はナイフについた血を飛ばし、ナイフケースにしまう。
541 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:02:07.78 ID:6CaxsBrM0
283

--旅館、男子トイレ--

選抜兵「大丈夫かお嬢ちゃん」

ツインテ「はぁっ、はぁっ、だ、大丈夫、です」

ツインテは胸に手を当てて苦しそうに息をしている。

選抜兵「大丈夫そうには見えないな……どれ」

選抜兵はツインテの頬に優しく触れ、顔を近付けた。

選抜兵「具合を見てやろう」

選抜兵はそう言って顔を近付ける。

バンッ!!

レン「ツインテ!!無事かにゃ……にゃっ!?」

選抜兵「ん?」

レン「にゃ……にゃにしてるにゃー!!」
542 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:02:48.17 ID:6CaxsBrM0
284

--旅館、男子トイレ--

レンは鎌を作って選抜兵に切り掛かった。

選抜兵(!?錬成が早い!!)

ガギィン!!

選抜兵は咄嗟にナイフを引き抜き対応する。

選抜兵「勘違いするなよ猫のお嬢ちゃん。俺は下のこいつから守ってやっただけだっつうの」

レン「にゃ?……」

レンはもこもこの死体を確認すると、鎌を引っ込めた。

レン「そうだったのか。すまなかった」

レンはぶっきらぼうにそう言うとツインテに駆け寄る。

レン「ツインテ!!ツインテだいじょうぶ!?」
543 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:03:37.70 ID:6CaxsBrM0
285

--旅館、男子トイレ--

ツインテ「はぁ、はぁ」

選抜兵「やれやれ……げ。このナイフに傷をつけやがった」

選抜兵は自分のナイフを見て驚きの声をあげる。

選抜兵「これ剣豪様に三強候補に選ばれた時に買ってもらったナイフなのに……」

はぁ、と選抜兵は深くため息をついた。

選抜兵(……魔金属で作られてんのになぁ)

選抜兵は信じられないといった顔でレンを眺めた。

選抜兵「……じゅるり。っと涎が」

選抜兵はりりしい顔のまま涎を拭う。

レン「!!そ、そうだ、早くポニテのとこに戻らないと!!ポニテがひとりでたたかってるからっ!!」

ツインテ「ぽ、ポニテさんが?」
544 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:04:10.07 ID:6CaxsBrM0
286

--旅館、女部屋--

ツインテ達が部屋に戻ると、そこは……

年増仲居「もきゅ?」

地獄絵図だった。

レン「ポニ……テ」

選抜兵「うあ……こりゃひどいな……」

年増仲居「もきゅ」

仲居は部屋に入ってきた三人にターゲットを移す。

ツインテ「あ……あぁ」

その惨状を見たツインテは膝を落とす。

ツインテ「う……うあああああああ!!」

部屋には……バラバラになったポニテの体が散乱していた。
545 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:04:47.96 ID:6CaxsBrM0
287

--旅館、女部屋--

体液は部屋中に飛び散っており、壁には臓器が貼りついている。

選抜兵(一体どうすりゃこんなことになるんだよ)

思わず鼻を押さえてしまうほどの異臭が部屋に充満している。

年増仲居「もきゅ」

ドチャッ

そんな部屋の中心に立っていた仲居は、手に掴んでいたポニテの頭部を投げ捨て、三人に飛び掛かる。

ドッ

選抜兵「お前……楽に死なさねぇからな!!」

シュ

選抜兵が札を取り出すよりも早く、ツインテが飛び出した。

ツインテ「あああああああああ!!」
546 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:05:28.51 ID:6CaxsBrM0
288

--旅館、女部屋--

レン「ツインテ!?」

ツインテの義手によるパンチ。それを仲居は軽々と受けとめ、

バギャッ!

ツインテ「!!」

握力を持って粉砕する。

バラバラ

年増仲居「もきゅう」

そして仲居は右腕をツインテに向かって突き出した。

選抜兵「ち!!」

咄嗟に選抜兵はツインテに札を投げる。

選抜兵「札スキル、強制転移!」

ビュン

選抜兵が叫ぶと、札の貼られたツインテと選抜兵の場所が一瞬で変わった。

レン「!?」

ツインテ「な」
547 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:06:16.64 ID:6CaxsBrM0
289

--旅館、女部屋--

選抜兵「……くそ」

どばきゃっ!!

選抜兵はそのまま仲居の腕に貫かれてしまう。

選抜兵「がはっ」

年増仲居「もきゅ?」

仲居は目の前にいた人間が変わっていることに気付き、不思議そうに首をかしげた。

選抜兵(あー……最悪。馬鹿だな俺。普通に考えて俺がやられちゃダメだろ……こいつらは俺が倒さなきゃなんないのに)

ツインテ「ぐ!!」(ボクのせいで、あの人まで!!なんで!?体に力が入らない!!)

ドッ

ツインテは自分の両足を叩く。
壊れた義手で叩いたため、ツインテの右太ももが傷つき、出血しだした。

レン「!!ツインテ駄目だよ!」
548 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:07:17.57 ID:6CaxsBrM0
290

--旅館、女部屋--

年増仲居「もきゅ」

仲居は選抜兵に向けて口を開く。

選抜兵「……」

選抜兵は札を取り出し、仲居の口に左腕ごと突っ込んだ。

ズボブッ!

年増仲居「もぎゅ!?」

選抜兵「札スキル、魔力暴発」

キィン

年増仲居の体が光を帯び始め、

選抜兵(ち、しっかり銜え込みやがって)

ボッ

爆発した。

ドガァァン!!
549 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:07:50.57 ID:6CaxsBrM0
291

--旅館、男部屋--

若い仲居「……」

女将「……」

ひゅんひゅん

辻斬り「……なんてことでござる。まさかここにまで出現してくるとは」

辻斬りは斬り殺した二人の死体を眺めている。

アッシュ「っ!隣部屋が危ない!!」

辻斬り「ござるな」

ひゅひゅん

辻斬りが目にも止まらぬ速さで刀を振ると、

バカッ!!

壁が切り裂かれる。

バラバラバラ

辻斬り「ショートカットでござる」
550 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:08:55.58 ID:6CaxsBrM0
292

--旅館、女部屋--

アッシュ「ツインテ!!だいじょ、!?」

辻斬り「……これは」

ツインテ「げほっ、ごほっ」

そこには部屋の中心に肉片を集めている小さなゴーレムと、顔を血だらけにしたツインテがいた。

アッシュ「ツインテ……」

ツインテ「こっちの部屋に入らないで!!」

アッシュ「!?」

ツインテは左手に魔力を集約させぶつぶつと呟いている。そしてツインテの傍に肉片を置きにくるちびゴーレム。

レン「いまポニテをそせいしようとしてるの。だからはいらないで。アッシュ達はもこもこ達がこないようにここをまもって」

アッシュ「!!まさかこれがポニテか……わかった!」

状況を理解したアッシュは女部屋の入り口に回った。
551 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:09:36.25 ID:6CaxsBrM0
293

--旅館、女部屋--

選抜兵「まさか一瞬で治してくれるとは思わなかった……やるねぇ」

選抜兵は自分の左腕を動かして喋る。

辻斬り「ん?選抜兵じゃないでござるか」

選抜兵「ん?あ!お前なんでこんなとこに!!」

辻斬り「はっはっはっ。色々あったんでござるよ」

選抜兵「……ふん。まぁいいや。お前がいるのならここの守りは十分だろう。私はオフェンスに回る」

選抜兵はそう言うと部屋から出ていった。

ツインテ「げほっ、ごほっ……」

ツインテは積まれた肉塊に目をやる。

ツインテ「ッ!……絶対に……助けて見せる」

ツインテは蘇生魔法の構築に入る。
552 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:10:07.74 ID:6CaxsBrM0
294

--???--

巻き角の青年「やれやれ……」

何も無い真っ暗な空間に、青年が上を向いて立っている。

巻き角の青年「困ったことになっちゃったね。立て続けにイレギュラーなことばかり……いや?そうでもないか」

想定されたイレギュラーになるのか、と青年は呟く。

巻き角の青年「さっさと次の魔王を決めないからこんなことになっちゃうんだよ。魔王の役割が一つとは限らないだろうに」

巻き角の青年は大げさにため息をつく。

巻き角の青年「でもまぁ……今の人間達にはいい薬になるかな。最近平和過ぎて暇だったろうし」

くすくすと青年は笑う。

巻き角の青年「油断してると滅ぼされちゃうかもね。なんてったってあれは、ある意味古代人類を滅亡に追いやった種族なんだから」
553 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:11:25.97 ID:6CaxsBrM0
295

--旅館内--

選抜兵「……」

選抜兵は気配を消して、旅館の中を移動している。

選抜兵(もう旅館内の人間は全てやられたと思っていいんだろうなぁ。とすると……三、四十人くらいか?……多いなぁ)

しゅぴっ

選抜兵はカードホルダーから札を数枚抜き取る。

選抜兵(にしては静かだな。誰の気配もしやしない)

曲がり角を慎重に曲がってみるものの、廊下には誰もいなかった。

選抜兵(って違うだろ。俺達があれだけ騒いでたっていうのに、こんなに静かな方がおかしいんだ。普通の人間が残ってるなら、誰かが様子を見に来るに決まっている)

選抜兵は試しに部屋の中を見てみようとドアに手をかけた。

ぴちゃ

選抜兵「!」

その時生暖かい液体が首筋に落ちる。
554 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:12:00.18 ID:6CaxsBrM0
296

--旅館内--

バッ

選抜兵(しまった!)

選抜兵が上を向くとそこには天井に張りついた浴衣姿の男性がいた。

浴衣男「もきゅ」

シャ

浴衣男は選抜兵に対して飛び付いてくるが、それを前に飛び込むことでかわす。

ズザッ!!

浴衣男「もきゅ……」

浴衣男は顔から地面に突っ込んだため情けないポーズ。

選抜兵(くそ。俺の探知にひっかからないってどんだけだよ!!そして姿から察するにこいつは元客か……)

選抜兵が札を振るうと、

シャキン

札が剣に変わる。
555 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:12:35.82 ID:6CaxsBrM0
297

--旅館、女部屋--

赤ん坊「もきゅう」

アッシュ「く、くそ!!やりづれぇよ」

赤ん坊は手を前に突き出し、二足歩行でアッシュ達に迫る。

辻斬り「拙者も女子供は斬れんでござるよ」

レン「アッシュのこときったじゃん」

辻斬り「いやいや、アッシュ殿は一流の武人でござるもん。斬るっていうほど斬ってないし」

レン「じゃああれも一流の武人だとおもえばいいじゃん」

辻斬り「……」

言われて赤ん坊を見る辻斬り。

赤ん坊「もきゅー」

とてちてとてちて

辻斬り「はっ!!……赤さん……」

何らかの結論に達した辻斬りだった。
556 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:13:05.89 ID:6CaxsBrM0
298

--旅館、女部屋--

チャキ

辻斬り「相手が赤さんなら……拙者手加減などせんでござる!!」

辻斬りは両手で刀を構えると、歩く赤ん坊目がけ全速力で走った。

辻斬り「うおお!!からたけわりぃ!!」

振り下ろした刄。

ぱしっ

白刄取る赤さん。

辻斬り「あ、赤さぁぁぁぁぁん!!」

赤さん「もきゅう!」

赤さんは懐に潜り込むと、空中回転蹴りを辻斬りに放った。

ドボッ!!
557 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:14:00.24 ID:6CaxsBrM0
299

--旅館、女部屋--

辻斬り「ごひゅっ」

ガッ!

辻斬りは天井に叩きつけられ、畳に落ちる。

ドサっ

辻斬り「ぐ、ぐふ……さすが赤さんでござる」

レン「ポニテ肉塊にされた状況でギャグってんじゃないにゃ!!」

レンが非常に道徳的なツッコミをしました。

レン「どいてろやくたたずども!」

まるでゴミを見るような目でアッシュ達をどかすと、レンは鎌を作り出し、赤さんを切り裂いた。

ズバシャッ!

赤さん「もきゅうううううううう」

アッシュ「あ、赤ちゃん斬るとか……げ、外道!!」

レン「うるせえ!!もうおまえもしね!!」
558 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:14:56.07 ID:6CaxsBrM0
300

--旅館、女部屋--

ツインテ「準備完了です、いきます!!」

レン「!!」

アッシュ「!!よし、いけ!!」

辻斬り(いやしかしここまで破壊されているのに、ツインテ殿で治せるのだろうか)

ツインテ「水属性蘇生魔法、レベル3!!」

ギュイン!!

部屋中にある肉塊と血が渦巻いて結びついていく。

ツインテ「ッ!!」

みち、みちみち

ツインテは両手から膨大な魔力を費やして、高速で修復していく。

辻斬り「!!すごい……数秒足らずで人の形に!!」

ツインテ「げほっ!!これで、最後おおおおおおおおおおお!!」

ドシュウ!!

眩い光とともにポニテが畳の上に降り立った。

ポニテ「う、うん?あれ?私」

レン「!!」

アッシュ「!!い、一応これは成功……したのか?」

ポニテ「あれ?どうしたのみんな変な顔して……へ!?」

ツインテ「げほっ!ごほっ!!……ち、力がうまくコントロールできない……!」

ポニテの蘇生は成功した。
しかし

辻斬り「QBみたいでござるねww」

ポニテの両腕は耳から生えていた。
559 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:17:46.52 ID:6CaxsBrM0
本日の更新はここまでです。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
それでは読んでいただきありがとうございました!m(__)m


         次回予告

全てはここから始まった。

ニートの少年と下水道の少女。紆余曲折を経て出会った彼らを待ち受ける運命とは……。
世界は魔王を倒したくらいじゃ変わらない。
魔王は倒したくらいじゃ終わらない。

これは彼らが、逃れえぬBADエンドに立ち向かう物語。

       次回、「勇者募集してたから王様に会いに行った〜勇者の貧乳は撃ちぬけない〜」
560 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/18(水) 22:21:58.26 ID:6CaxsBrM0
2011年、5月改訂版 再改 身長修正ver

○ツインテ
髪色:水色。
目の色:濃い青。
リボン:白。
身長:155。
備考:長めのツインテール。今はスカート穿いてる。シリーズ一可愛い(現在)。15歳。

○アッシュ
髪色:暗い紫。(毒魔法を使うと色素が無くなって灰色に)。
目の色:濃い紫。
マフラー:茶 。
身長:160。
備考:ちょっと前髪長い。イケメン。ブリーフ。14歳。

○ポニテ
髪色:赤。
目の色:金。
ゴム:黒。
身長:157。
備考:肩にかかるくらいの尻尾。将来有望。13歳。

○レン 
髪色:白。
目の色:赤。
眼鏡:赤フレーム。
身長:130。
備考:ショートヘア。ロリつるぺったん。16歳。
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 22:22:25.20 ID:cwGRmGASO
ちょいちょい笑わすなwwwwww
レンがまるで汚い物を見るような目で…
ご馳走さまです

やっと勇者かと思ったら
〜勇者の貧乳は撃ちぬけない〜
じゃねーよwwwwww

何か予告の感動?がぶち壊しだろwwwwwwwwwwww
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/05/18(水) 22:41:47.32 ID:FXGhm1mQo
乙乙
ついに予告が初代スレに到達かーと思ったら
↑と同じ感想を抱きました。
コーヒー返せよ!
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage ]:2011/05/18(水) 22:55:20.25 ID:Ep5ZzYjG0
なにで撃ち抜くつもりだったんだ…
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/18(水) 23:30:51.92 ID:5nb2+AgV0
乙乙。

初代スレの予告は酷い
吹いたわこんにゃろwwww
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/19(木) 00:20:45.37 ID:COnKRxr+o
乙!
くっそ本筋はシリアスな筈なのにところどころでぶっ壊しすぎだwwww
しかし年齢順が思っていたのと真逆だとは
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/19(木) 01:43:51.47 ID:Gu6yhxKLo
3人の中でツインテが一番年上って
かなり前だけどネタとして出てたのは覚えてる
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/20(金) 20:00:55.63 ID:+f5y7nbDO
無理だと宣言されてても楽しみにしちゃう金曜日!
568 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:21:45.15 ID:bf5pTbwW0
ふ、ふふふ!今週がモチベあがってしもたので、無理を通して道理を蹴っ飛ばす!
更新しますー
569 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:22:44.16 ID:bf5pTbwW0
301

--旅館、女部屋--

ポニテ「え、えーととりあえず……ぼ、僕と契約して死ぬまで養ってよ!!」

辻斬り「うおお!まじもんのあのマスコットでござるよ!!拙者感動!!」

アッシュ「やってる場合か!!」

レン「みみからうではえてる……きもちわるい」

ポニテ「もしかしてツインテちゃん私のこと嫌い?……」

ツインテ「ごめんなさげほっ!」

ポニテ「謝らずに否定して!?」

アッシュ「……ツインテ、お前さっきから変な咳してないか?」

レン「!レンもおもってた。ツインテ……」

ツインテは口に手を当てて咳をしている。

ツインテ「それよりもポニテさんの腕をちゃんとした場所に付け治します」
570 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:23:25.87 ID:bf5pTbwW0
302

--旅館、女部屋--

ポニテ「……あの、さ。もうすでにがっちりくっついちゃってるんだけどさ。どうしたらいいのかな?」

アッシュ「……切る……しかないんじゃないか?」

レン「うん」

辻斬り「残念ながら」

ポニテ「やっぱりー!?やだこわいよー!!」

ツインテ「き、気持ちはわかりますが我慢してもらわないと」

ポニテ「そうは言っても……突発的な怪我と、さぁやるぞ!ってピアスの穴空けるのでは違うでしょ!?それとおんなじ!!」

ツインテ「う、うーん。ボクやったことないので」

ポニテ「いや私だってないけど、多分そうだろうなぁ、って想像して言っただよ!」

アッシュ「ええいうるさい!仕方ないな!!」

アッシュはそう言うと、ナイフに毒をしみ込ませた。
571 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:23:56.57 ID:bf5pTbwW0
303

--旅館、女部屋--

アッシュ「ほれ」

ツプ

ポニテ「あたっ!な、なにするんだよアッシュ君!!」

アッシュはポニテの腕を少し切り付けた。

アッシュ「……神経毒だ。すぐ痛みなんか感じなくなる」

アッシュは照れくさそうにポニテから視線をそらす。

ポニテ「つ、ツンデレ!?ツンデレしちゃった!?」

アッシュ「う、うるせえ!!ツンデレの元々の意味も知らんくせに!!」

レン「より多くの人間が知ってるほうが正しくなるんにゃ」

ポニテ「あー、ぼーっとしてきた。感覚無くなってきたー」

アッシュ「よし、じゃあ誰が切る?」
572 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:24:30.62 ID:bf5pTbwW0
304

--旅館、女部屋--

レン「あ、レンためしたいわざがあるからレンやりたい」

ポニテ「まってレンちゃん。ためしたいって何?」

レン「」

レンは無言で鎌を作り上げる。

ポニテ「まってレンちゃん。これだけははっきりさせておこうと思うの。私のこと嫌い?」

レン「……」

レンの作った新しい鎌は、刄部分に水が流れるデザインになっていた。

ヴぃいいいいいい

レン「ウォーターカッター内蔵鎌。きれあじばつぐん!」

ポニテ「まってレンちゃん。答えてない。私の質問に答えてないよ」
573 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:25:17.17 ID:bf5pTbwW0
305

--旅館、女部屋--

レン「アッシュ、辻斬り、ポニテを押さえてて」

ポニテ「大丈夫!?ホントに大丈夫!?」

ヴぃいいいいいい

ポニテは引っ張られた腕と固定された頭、そして目の前の鎌に恐怖を覚える。

レン「じゃあいくよ。せーのっ」

レンは振り被り、

ズバシャ

ポニテ「ぎゃばぁぁ!!」

レンが垂直に振り下ろした鎌は、抜群の切れ味を持ってポニテの頭を真っ二つにした。

アッシュ「普通にひでぇ!!」
574 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:26:00.12 ID:bf5pTbwW0
306

--旅館、女部屋--

TAKE2

ポニテ「レンちゃんひどいよ!!なんのためらいもなく私の頭目がけて振り下ろしたよ!!」

レン「やー、めんごめんご」

ポニテ「軽くない!?そしてキャラ違くない!?」

レン「つぎはまじめにやるから」

ポニテ「はい、さっきのは真面目じゃなかったことが発覚しました〜。先生ご立腹です〜」

レン「つぎはふりぬくから」

ポニテ「……わけがわからないよ」

ツインテ「げほっ」

ポニテ「というか、今私死んでたんだから、その間に切って治して蘇生してくれればよかったのでは?」

ツインテ「……ごほっ」

ポニテ「お願い、ツインテちゃんだけは視線をそらさないで」
575 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:26:37.36 ID:bf5pTbwW0
307

--旅館、女部屋--

レン「はーい、ちくっとしますよー」

ポニテ「麻酔してんのに!?」

レン「アッシュ、辻斬り、ツインテを押さえてて」

ポニテ「私を押さえろ!!切るのにツインテちゃん関係無いよ!!」

レン「うーん……この鎌切れ味いいんだけどおもくて上手くねらいさだまんないにゃ」

ポニテ「それならなんで切る役立候補したぁぁぁ!!」

レン「じゃあやる」

ポニテ「やな予感しかしないよ……」

フォン、ズバシャ!

辻斬り「ぎゃばぁぁ!!」

ポニテを押さえていた辻斬りが真っ二つになった。

ポニテ「コントロール悪すぎだよ!!」

フォン

ポニテ「ぎゃばぁぁ!!」
576 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:27:04.42 ID:bf5pTbwW0
308

--旅館、女部屋--

TAKE27

ポニテ「意識無いうちに何回してんだよ!!」

レン「これで二十七回目」

ポニテ「回数は知ってる!そういうこと言いたかったんじゃないよ!!」

レン「あ、じゃあしっかりおさえててくださいにゃ」

幼女「もきゅ」

浴衣女「もきゅ」

ポニテ「手伝ってもらってるの!?」

レン「じゃあいきまーす」

ツインテ「うぅ……シリアスなはずなのに……」
577 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:27:49.69 ID:bf5pTbwW0
309

--旅館、女部屋--

ポニテ「ポニテちゃん完全復活だよ!!」

アッシュ「無駄に長い道のりだった」

レン「そんなことばっかやってるから長くなるんにゃ」

辻斬り「いつもこんな感じなんでござるか?素敵」

レン「あ、お疲れ様でしたにゃ」

幼女「もきゅー」

いやいやなんもなんも、と言った感じで手を振って部屋から出ていく二人。

アッシュ「……あいつらには本分を思い出してもらいたい」

レン「まったくだにゃ」


--旅館--

選抜兵「ぜひゅー、ぜひゅー……役割分担がおかしい予感」

裸女「もきゅ」

選抜兵「ktkr!!」
578 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:28:29.60 ID:bf5pTbwW0
310

--旅館、女部屋--

浴衣女「って違うもきゅ!」

バタン!

乗りツッコミで戻ってきたもこもこ達。

アッシュ「くそ!やはり戻ってきたか!」

レン「シリアス感、再燃」

辻斬り「なぜ拙者らをそうまでして襲うんでござろう」

ポニテ「ていうか喋ってるし!」

浴衣女「ふふふ。私は言語パッチもらったからねもきゅ」

アッシュ「言語パッチ……だと……?」

浴衣女「さぁ、観念して私達の苗床になるもきゅ」

幼女「もきゅ」
579 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:29:14.45 ID:bf5pTbwW0
311

--旅館、女部屋--

二人はジリジリと近づいてくる。

辻斬り「やれやれ」

辻斬りは刀を抜いて静かに構える。

アッシュ「!!」

辻斬り「拙者基本的には殺生嫌いなんでござる」

浴衣女「……」

辻斬り「このまま引けば見逃すが、前に踏み出すようであれば、斬る」

辻斬りは全身からピリピリとした殺気を放つ。

アッシュ(ぐ……悔しいがこいつ、本当に強い!!)

アッシュにそう思わせるだけのプレッシャー。威嚇。
580 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:30:10.58 ID:bf5pTbwW0
312

--旅館、女部屋--

アッシュ「って、何温いこと言ってんだ辻斬り!!こいつらをやらなきゃまた情報持ってかれるだろ!」

辻斬り「うぅむ。そういやそうだったでござるな。なら」

シュバ

辻斬りが刀を振った。

浴衣女「?そんな遠くで振って何の意味があるもきゅ」

幼女「もきゅも……」

幼女が自分の体に異変を感じ、軽く腹を撫でる。

スッ

幼女「も、もも、もきゅううう!!」

ドブシャア!!

辻斬り「寄らば斬る、引けど斬る。ぶっちゃけもうなんであれ、斬る」

幼女の上半身がずれ落ちた。
581 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:31:10.54 ID:bf5pTbwW0
313

--旅館、女部屋--

アッシュ(!!あのもこもこを中距離攻撃で両断するか……)

浴衣女「!!……怖いもきゅね……まだ強度が足りないもきゅか……」

浴衣女はジリジリと部屋の入り口に向かって後退り。

アッシュ「!逃がすか!!」

レン「にゃあ!!」

アッシュとレンが飛び出すのだが、

辻斬り「!いかんでござる!」

ガシッ

浴衣女「ばかめもきゅ」

アッシュとレンを捕まえた浴衣女。

浴衣女「こいつらがどうなってもいいのかもきゅ」

浴衣女は首筋に爪を突き付ける。
582 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:32:30.37 ID:bf5pTbwW0
314

--旅館、女部屋--

アッシュ(!……不覚!)

レン(動きだしすらみえなかった)

ツインテ「げほっ、アッシュ君!レンさん!」

浴衣女「……おや?」

浴衣女は咳き込むツインテを見てニヤリと口角をあげる。

辻斬り「二人を放すでござるよ。放してくれたらもう斬らないよ?」

浴衣女「うっそだー!?絶対斬るもきゅね。そんな口約束信じられないもきゅ」

辻斬り「どうすれば信じてもらえるでござる?」

浴衣女「そうだねぇ……まずは後ろの奴を殺せもきゅ!」

浴衣女はツインテのことを顎で指す。

辻斬り「アッシュ殿、レン殿、すまんが死んでおくれでござる」

レン「みすてるのはやっ!」
583 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:33:02.81 ID:bf5pTbwW0
315

--旅館、女部屋--

アッシュ「いや、いい判断だ、やっちまえ俺らごと!!」

浴衣女「しょ、正気かもきゅ!?」

アッシュ「元より自分のミスで捕まったんだ」

レン「ツインテにまた魔力つかわせちゃうのがこころぐるしいけどにゃ」

二人は不敵に笑う。

ツインテ「アッシュ君……レンさん」

ポニテ「し、しくじった癖にかっこいい」

辻斬り「んー……やっぱりこのパーティいいでござるなぁ……じゃあお二方、すまないがちょっと死んでもらうでござる」

チャキ

辻斬りは刀を鞘に納め、居合いの構えを取る。

浴衣女「ひっ!」

異様な雰囲気を感じ取った浴衣女。
584 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:33:33.33 ID:bf5pTbwW0
316

--旅館、女部屋--

タン

軽い足取りで辻斬りが踏み込む。

ツインテ(!!ゆっくりに見えたのに一瞬で距離を詰めた!?)

辻斬り「スキル、居合い」

ズバシャ!!

電光のような居合い斬り。盾にされていたアッシュとレンは当然のことながら両断されてしまう。
しかし辻斬りの斬撃は、盾などお構い無しにその後ろも切り裂いた。

辻斬り「……うん?」

切り裂いた。

辻斬り「……」

切り裂いたのは……空気。後ろに誰かいればよかったんですけどね。

アッシュ「THE 無駄死に!!」

レン「犬死に!!猫だけど!!」

ガクッ

二人のそんな断末魔。
585 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:34:04.16 ID:bf5pTbwW0
317

--旅館、女部屋--

辻斬り「……おのれ……逃げるとは卑怯でござるぜ!!」

辻斬りは必死にモツを中に戻している。

辻斬り「あれ?ちょっとレン殿のほうが多くなっちゃったでござる……?」

辻斬りは首を傾げる。

選抜兵「おい、敵を逃がすな。俺が仕留めたからいいものの、あのままじゃ……ん?」

浴衣女の死体を担いで部屋に入ってきた選抜兵は二人の死体を見る。

選抜兵「……まだドジっ子なのかお前」

辻斬り「てへっでござる」

ツインテ「ドジっていうレベルじゃないですぅぅぅ!」

ポニテ「唐突だけどレバー食べたい」
586 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:34:31.60 ID:bf5pTbwW0
318

--旅館、女部屋--

アッシュ「はぁ。なんとか元通りか。すまんなツインテ」

レン「ありがとツインテ」

ツインテ「どういたし、まして」

冷や汗をかきながら微笑むツインテ。

アッシュ「……辻斬り、もうここにもこもこはいないんだろ?」

辻斬り「むう……拙者の探知範囲にはいなさそうでござる」

アッシュ「じゃあ病院に向かおう。何かツインテがおかしい」

辻斬り「……確かにつらそうでござる。あいわかった。ちと遠いが大学病院に行くでござる!」

選抜兵「……おいお嬢ちゃん。体調悪いのはいつからだ?」

ツインテ「……トイレで……戦った時……からです」
587 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:35:25.68 ID:bf5pTbwW0
319

--旅館、女部屋--

ポニテ「!?戦った!?もこもこと!?」

アッシュ「なに!?なんで早く言わないんだ!?」

ツインテ「え?」

選抜兵「……口になんか出されたか?」

ツインテ「どろっとしたの……飲んじゃいましたけど」

アッシュ「ぶっ!」

レン「鼻血出してる場合じゃない!」

ポニテ「と、とりあえず早く連れてこ!今なら大丈夫だよ!」

バツン

その時ツインテのリボンが二つ弾けた。

ツインテ「ッッッくそ!!何でさっさと開いて出さねぇんだよ!!この馬鹿っ!!」

ストレートのツインテは体を乗っ取ると触手ドリルを展開し、自分に向かって放つ。

ツインテ「っ」

ピタッ

アッシュ「な、なんだなんだ?」

ドリルが服に触れるか触れないかというところで、ツインテの動きが停止する。
588 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:36:53.37 ID:bf5pTbwW0
320

--旅館、女部屋--

レン「ツイン……テ?」

ツインテ「……」

ツインテは触手を待機状態に引っ込めた。

辻斬り「!!……」

選抜兵「……」

ツインテ「はぁ……」

ツインテは深呼吸をする。

アッシュ「おいツインテ!」

ツインテ「あぁ……大丈夫大丈夫……なんとか抑えこんだ」

ツインテは心配するなと手を振るう。

ポニテ「ほっ。なんだよ驚かさないでよー。まぁこっちのツインテちゃんが出てきたならなんも心配いらないか!」

アッシュ「ふぅ、心臓に悪いぜ。よし急ごう」

アッシュ達は振り返り一歩足を踏み出した。

ドブシュ

辻斬り「……な」

辻斬りが、自分の体を貫いたものがなんなのかを理解する頃には、

ズッドズズッ

アッシュ「!!」

ポニテ「!?」

選抜兵「!がっ!」

レンを除くその場にいた人間が触手によって貫かれた。
589 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/20(金) 23:38:51.55 ID:bf5pTbwW0
本日の更新はここまでです。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
それでは読んでいただきありがとうございました!m(__)m


         次回予告

トリガー「この国では、成長途中の女性は少女って呼ぶんだろ だったら、いずれ魔王になる君たちのことは勇者って呼ばないとね」

勇者「意味わかんねーよ」

盗賊「なんかQBにしか見えなくなってきたぞ」


    次回、「次回予告のタマがなくなったゾ!」
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/05/21(土) 01:08:18.23 ID:mxDFwLvlo
>>589 乙!
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/21(土) 06:22:36.44 ID:IS2fZ0PAO
ホントにいらっしゃった乙。
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/21(土) 15:28:53.70 ID:hwev+O4t0
乙としか言えない
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/21(土) 22:39:27.80 ID:9i3+wNxj0
乙乙。
ツインテの魔翌力量は化け物か…っ!!
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/23(月) 02:40:37.24 ID:U5INq0o2o
今週は月水土と予想
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/23(月) 20:20:56.52 ID:ORojQ3MAO
今日、来てくれるかな!?
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/23(月) 20:31:07.77 ID:NE9l3xSDO
週三更新イイ!
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/23(月) 20:31:46.67 ID:NE9l3xSDO
週三更新イイネ!
598 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 20:57:55.58 ID:9oB07uLT0
マヤ「いけます!!本日22:00から作戦開始です!」
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/23(月) 21:25:58.96 ID:U5INq0o2o
さっそく来てくれた!
全裸待機してるぜ
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/05/23(月) 21:31:39.27 ID:S9y/EoBKo
>>598
了解した
待機してる
601 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 21:57:49.11 ID:9oB07uLT0
321

--旅館、女部屋--

ポニテ「ぐぅあ!!……嘘……」

レン「そんな……まさか」

ツインテ「ハロォーウ?人間諸君」

触手を引き抜いたツインテは邪悪な笑みを浮かべた。

ツインテ「あっれぇ?完全な不意討ちだったのにぃ……猫ちゃんを庇うなんてやるじゃない?」

アッシュ「げほ」

ポニテ「ぐぅ」

アッシュとポニテは咄嗟に射線上からレンを突き飛ばしていたのだ。

アッシュ「レン……逃げろ……あの医者を連れてくれば、なんとかなるかもしれん」

ポニテ「え、えへへ。時間的に……間に合わなそうだけど」

だからレンちゃんだけでも無事でよかった。

レン「あ、あぁあ」
602 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:01:59.54 ID:9oB07uLT0
322

--旅館、女部屋--

アッシュ「……ふん。次俺等を見かけたら、迷わず殺せ……ぐ」

ポニテ「あー……おなかすい……た」

レン「」

アッシュとポニテが、生き耐えた。

ツインテ「反応して動いたからほんのちょっとだけ急所からずれたけど、それもあまり変わんなかったわね」

レン「アッシュ……ポニテぇ」

レンはへたりと座り込んでしまう。

ツインテ「……あは、心折れちゃったじゃん。戦意が無いやつ生かしても、二度手間になるだけだったね」

レン「ツインテ……」

レンはポロポロと涙を溢す。

ツインテ「……戦場で泣くなんてダメ猫さん」

ギシィン

ツインテの触手がレンを貫いた。
603 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:03:47.43 ID:9oB07uLT0
323

--旅館、女部屋--

ツインテ「さて……これでこいつらに仲間を宿せば、我らはもっと強い生命体になれる」

ツインテが選抜兵の足を触手で掴み、引き寄せる。

ツインテ「……さっきの肉を貫いた感触じゃなかった?……」

ツインテが再びレンに視線を向けると、

レン「ひっく……にゃあ」

めそめそと泣くレンと、小さなゴーレムが傍らに立っている。盾となってレンを守ったのだろう。ゴーレムの胴体には深い傷痕が残っている。

ツインテ「二度もし損じるなんて」

レン「やだぁ。レン、ツインテとたたかいたくないよぉ」

ツインテ「……私もだよレンちゃん」

ツインテはにこりと笑う。

ツインテ「私だって戦いたくないよ」

レン「ツイン……テ」

シャカ

ツインテの触手が全て攻撃態勢に移る。

ツインテ「だから戦わずに死んで」
604 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:07:08.74 ID:9oB07uLT0
324

--旅館、女部屋--

ガギャギャギャギャン

ツインテ「!」

ゴーレム達がツインテの触手からレンを守る。

ちびゴーレム「もごごー!!」

レン「お前達……」

バチン

ちびゴーレムはレンの頬を叩く。

レン「!」

ちびゴーレム「もっ!もも!!」

ちびゴーレムは身振り手振りでレンに戦えと訴える。

ちびゴーレム「もー!!」
605 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:09:22.51 ID:9oB07uLT0
325

--旅館、女部屋--

レン「うにゃ……」

ツインテ(ちっちゃいなんかを作り出す力か……中々面白い力を持ってるな)

ツインテはレンに近寄る。

ちびゴーレム「もも!!」

レン「……わかったにゃ。わかってるにゃ」

レンはごしごしと涙を拭く。

レン「まだ手遅れじゃにゃい……泣いてる暇なんかにゃいってことくらい」

レンは立ち上がる。

レン「レンが……レンがツインテをたおして、みんなを教会につれてくにゃ!!」

レンは錬金ツールを取り出した。
606 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:12:13.17 ID:9oB07uLT0
326

--旅館、女部屋--

ツインテ「まだやる気なんだ?言っておくけど、今の私、結構強いんだから」

ツインテは魔力を解放する。

レン(あれだけ蘇生魔法を使ってもまだいっぱい魔力のこってる。そんなのもとからしってる!!)

ツインテ「はぁ……すごい。この体があればなんでも出来そう!」

ツインテは足元で魔力を爆発させて加速した。

ギュン!

レン「!!錬成、盾!」

ガィィン!

レンは盾を作り上げ、ツインテの攻撃を防ぐ。

ツインテ「……かった。これじゃあナックルのほうが壊れちゃうかなぁ」

レン「錬成、ゴーレム!!」

バシュ

レンは続け様に錬成、ゴーレムが畳の下から盛り上がる。

ゴーレム「ごぉぉ!!」
607 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:18:02.98 ID:9oB07uLT0
327

--旅館、女部屋--

ツインテ「今度は中々でかいね」

ゴーレムは、飛び掛かった瞬間に全身を触手で絡め取られ、地面に倒されてしまう。

どずん

ツインテ「あはは。凄いや!この体色んな情報持ってる!ゴーレムを倒すにはぁ」

ズガッ

ゴーレム「!!ごぉぉ!!」

ツインテ「emethの eを削って、methにすればいいんだ?」

ゴーレムは力なく土塊に変わってしまう。

レン「!!」

ツインテ「へーすごいな。この知識というのは図書館で得られるのか。みんなに教えてあげなくちゃ」
608 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:20:46.17 ID:9oB07uLT0
328

--旅館、女部屋--

レン「ッ!させない!!錬成、」

ツインテ「遅い」

ドバッ

ツインテの掌から水流が放たれた。

レン(!無詠唱!)

バシャーン

レンは持ちこたえられずに、流されて部屋の外に。

レン「わぷ」

ツインテ「なるほどね……下位属性の一つ、水属性。下位というカテゴリーではあるけど……ふふふ」

ツインテは魔力を練り上げる。

ツインテ「全ての命に関わる水、その応用性は他の属性の比ではない」

レン「けほっこほっ」
609 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:22:27.92 ID:9oB07uLT0
329

--旅館、女部屋--

ツインテ「攻撃、防御、補助、治療エトセトラエトセトラ……更に多大な魔力を用いた攻撃は、」

レン「!」

ツインテ「全てをねじ伏せる、超火力」

ツインテの周囲に圧縮された水が漂っている。

ツインテ「水属性範囲攻撃魔法、レベル4」

ドバッシャァァァ!!

旅館の中を水が恐ろしい早さで流れていく。

バリィン!

行き場を失った水は、二階の窓から飛び出した。

ツインテ「……なるほど、一説では最強の属性と言われているのか……ふふ」
610 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:23:18.96 ID:9oB07uLT0
330

--旅館、女部屋--

レン「……にゃ……」

木の柱に打ち付けられたレンはぐったりとしている。身体中に痛々しい打撲の跡があり、中には出血している箇所もある。

ぴっち『ぴぃ!頑張るっぴレン!!早く起き上がるっぴ!!』

レンの周りを飛び回るぴっち。

レン「……にゃあ」

レンはガクガクと足を震わせながら立ち上がる。

レン「はぁ……はぁ」

ツインテ「まだやる気?根性ってやつなのかな?」

ツインテは弱り切ったレンを見て笑う。

レン「錬、成!加速靴!!」

ジュイン

錬成によって靴のデザインが変わり、レンは駆け出した。
611 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:24:40.47 ID:9oB07uLT0
331

--旅館、女部屋--

バチャ

ツインテ「!早い」

バチャチャチャチャ!

地形が濡れているのもお構い無しに、レンは一気に詰め寄った。

ツインテ「ふふ、くらえ!」

ツインテは触手をレンに向かって突撃させた。

レン「ッ!」

ドドドドド!!

ツインテ「!?かわされた!?」

速度上昇の効果を受けた、猫亜人の俊敏性は侮れない。

レン「ツインテ!!」

レンは全ての触手を掻い潜った。
612 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:26:16.35 ID:9oB07uLT0
332

--旅館、女部屋--

ツインテ(これじゃあ捉えきれない、なら)

レン「錬成!」

ツインテ「人格チェンジ!!」

レンのすぐ目の前で、ツインテのリボンが一つ復活する。

キィン

ツインテ(サイドテールモード……ね。ちんちんを股で挟んで隠せば変身できるのか)

レン「、槍ィィ!!」

レンは床から槍を作り、ツインテに向かって突き出した。

ガシャァッ!

それをツインテは壊れた義手で反らす。

ツインテ「ッ」

そして触手を束ねて鞭を作り、左手で掴んだ。

レン(ぐ!この体勢からじゃ回避、できない!)
613 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:27:05.26 ID:9oB07uLT0
333

--旅館、女部屋--

ドギャッ!

レン「げにゃっっ!」

ダンッ

鞭の束で殴られたレンは天井に叩きつけられた後、地面に転がる。

ツインテ「ふー、ふー」

レン「あ、ああ……」

レンは咄嗟に防御体勢を取ったことで大ダメージを受けずに済んだ。
だが鞭の攻撃を最前線で受けた左腕は今にもちぎれ落ちそうになっている。

ぴっち『れ、レン!頑張るっぴ!!今のは惜しかったぴよ!!』

ツインテ「これで片腕同士、イーブンだねー。はははは」

バチィン!

ツインテは鞭で地面を叩く。
614 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:28:09.50 ID:9oB07uLT0
334

--旅館、女部屋--

レン「か……勝てないにゃ」

レンは骨まで露出した自分の左腕を見て、またポロポロと涙を溢す。

ぴっち『!!れ、レンの弱虫!今はレンが頑張らなきゃ、れ、レンしか頑張れないんだっぴよ!!』

レン「っ」

レンは食い縛り、恐る恐る顔をあげて変わってしまったツインテを見つめた。

ツインテ「ほらやろうよ。私にもっと経験値頂戴よぉ」

ツインテはニタニタと笑っている。

びくっ

レン「うにゃ……」

ぴっち『レン!立つんだレン!子にゃんこのままでいいのかっぴ!』
615 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:29:21.89 ID:9oB07uLT0
335

--旅館、女部屋--

ぼわぁ

?『そうだよ。わたしをつかって?』

??『ぼくも力かしたげるからー』

レン「……にゃ?」

ぴっち『?どうしたんだっぴ?』

???『おうおう、おれっちらの旅館をこんなことにしやがって。敵討ちだ!やっちまえ!』

????『ご主人達みんなやられちゃった……私も力を貸すよ!』

わーきゃー

レン「……ものがしゃべってる」

レンは奇妙な声に耳を傾ける。

ぴっち『え?物が喋ってる?な、何言ってるっぴ?頭おかしくなったっぴ!?』
616 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:30:18.35 ID:9oB07uLT0
336

--旅館、女部屋--

?????『ふぇふぇ。猫のお嬢さん、わしを使うのじゃさすれば』

レン「……ふん、ふんふん」

レンは柱に向かって相づちを打っている。

ぴっち『お、終わったっぴ……こ、こうなったらぴっちがなんとかするしかないっぴ!』

レン「お前はこっち」

むぎゅ

ぴっち『ぐえ』

レンに握りしめられ苦しそうにもがくぴっち。

ツインテ「……もうかかってこないならやっちゃおかな。元々速攻で全員殺そうとしてたんだし、さ!」

ツインテが鞭を振るう。

びゅわ!

レン「!!錬成、盾!」

地面から盛り上がった盾が鞭の攻撃を防ぐ。

バヂン!!
617 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:31:09.45 ID:9oB07uLT0
337

--旅館、女部屋--

ツインテ「ん、またそれぇ?」

ひゅんひゅん

ツインテは今度は回転をつけて鞭を振るった。

ドドドバキャッ!

ツインテ「ほーら、盾は壊れたよ。出ておいで子猫ちゃん」

破壊された盾。しかしその後ろには誰もいなかった。

ツインテ「いない……ん?」

代わりにあったのは下へと続く穴。

ツインテ「穴?穴掘って下の階に行ったのか?……逃げたか」

ツインテはため息をつくと踵を返し、ポニテ達の死体のところに戻った。

ツインテ「ここまで闘っておいて逃げるなんて……つまらないの」

ツインテはがっかりしたようにため息をついた。
618 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:31:50.92 ID:9oB07uLT0
338

--旅館、女部屋--

ツインテはポニテの死体に近づき、口をあけさせた。

ツインテ(ならちゃっちゃっと仲間増やし)

ズシャ

ツインテ「え」

その時ツインテの右足を槍が貫いた。

ツインテ「!?いたっ!?」

ツインテは槍を抜こうとするのだが返しがあってなかなか抜くことが出来ない。

ツインテ(まさか、あいつ……ぐ!!)

じゅぽ

ツインテ「〜〜っ!」

傷口を広げながらも何とか抜き取り、治療のためにツインテールモードに変わる。

バシュン

ツインテ「水属性、回復魔法レベル2」

ほわぁん

ツインテの足は一瞬で完治する。

ツインテ「よし、これで」

ズシャシャシャ!!

ツインテ「がっ、なっにぃ!?」

完治したのもつかの間、下からいくつもの槍が飛び出して、ツインテの体を貫いた。
619 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:33:03.74 ID:9oB07uLT0
339

--旅館、女部屋--

ツインテ「ぐはっ!!くそぉ!」

ツインテは触手で一本一本掴むと強引に抜ききった。

ツインテ「がはっ!!……くそ!!」

ツインテが床を破壊しようと触手を構える。

ひゅん

ツインテ「はっ!?」

目の前の壁から槍が作られ、ツインテ目がけて飛んできた。

ヒュン、ぶしゃ!

ツインテ「…………ッ!!」

槍は顔をあげたツインテの喉を貫く。

ツインテ「げへっ、ぎ」


--旅館、男部屋--

床「命中したよ喉に!」

レン「喉……ごめんにゃツインテ。早く助けなきゃ!!」

レンは隣の部屋で階段を作っていた。

壁「よぉし、そこから天井に穴あけな!」

レン「うん!」

障子「あの子、槍を抜いて回復してるよ!」

レン「わかった!」

ぴっち『……』

ギシッミシッ

ぴっち『い、一体レンは何と会話してるのっぴ?……』
620 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:34:39.31 ID:9oB07uLT0
340

--旅館、男部屋--

ミシシッ

レン「こっちでいいの?あ、そっちか」

ぴっち『!!そっか!レンは白雪種っぴ!!白雪は物の声を聞くとか言ってたっぴ!!』

レンは天井裏で何やら作業をしている。

ぴっち『ぴぃ……はたから見るとただの痛い人っぴね……』


--旅館、女部屋--

ツインテ「……」

ツインテは触手を展開し、部屋の中で警戒している。

ツインテ(なんだこれは……なんで、私の居場所を的確に攻撃してくる?あいつは見えているのか?)

ズズ

ツインテ「!!」

天井から複数の槍が降り注ぐ。

ドシドシドシドシ!!

それらをなんとか触手ではねのける。

ツインテ(こんだけ落としておいて一本も仲間に刺さっていない。やっぱりわかってるのね……私の場所が!!)
621 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/23(月) 22:35:55.33 ID:9oB07uLT0
本日の更新はここまでになります。
それでは疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



         次回予告

勇者パーティ対魔王軍による大激戦から一ヶ月。両種族はお互いに歩み寄る道を選んだのであった。

そして、

勇者「……む、むう。なんで俺がこんなことを」

魔王「あの勇者様?こ、この服……似合ってないでしょうか?」

両種族の代表同士のお見合いがスタートする。

戦士「ひどいよ!私というものがありながら魔王なんかと結婚なんて!絶対ぶっこわしてやるんだから!」

バードマン「そうです!魔王様ともあろう方が人間なんぞと結婚なんて、絶対に許されませんぞ!」

庭の木の影から不穏な空気を出している二人がいたとかいないとか。


       次回、勇者「なりゆきで魔王と付き合うことになったんだけど」


ハヌマン「もう勇者系はこの作品以外書ける気がしないので、温めてたネタ、全部次回予告のタマとして出すことにしたのであった」

ロックマン「ぶっちゃけた」
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/23(月) 22:37:00.13 ID:9/DIu4xSO
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/23(月) 22:38:18.28 ID:ORojQ3MAO

乙乙
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/05/23(月) 22:39:25.34 ID:hAm7OKcno
>>621 乙!
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/23(月) 23:09:42.43 ID:xmfsuQ9w0
乙乙。熱い展開でいい。

そして、更に置いてけぼりな、
アッシュェ…
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/24(火) 01:32:49.83 ID:cieKa2o/o
たまにはアッシュも活躍させてやってくださいww
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/24(火) 08:33:05.22 ID:/vV+2HVSO
前の章で賭博師の寿命を蘇生回復で大分削ったってツインテが言ってたがこの章見てると勇者パーティの寿命のほうが賭博師よか短くなりそうだww
628 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:39:15.95 ID:qalIeR4+0
サイドテールツインテ「アッシュのことは諦めてって、言ったでしょぉ?」

遅れましたが投下していきます……。

629 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:40:00.37 ID:qalIeR4+0
341

--旅館、女部屋--

ズッ

ツインテ「!!」

ドシュドシュドシュ!

ツインテは下から飛び出した槍を紙一重でかわす。

ツインテ「ふ。もうそれはきかないよ。作られるときに魔力反応がするからね」

ギシッ、ギシッ

ツインテ「さぁさっさとでてきなよ!隠れてないでさ!出ないと仲間を……」

ツインテは触手をポニテの首元に添える。

どがぁん

レン「待つにゃ」

レンは天井を破壊して部屋の中に飛び降りた。

ツインテ「ふ。お久しぶりぃ」

レン「……」
630 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:40:32.38 ID:qalIeR4+0
342

--旅館、女部屋--

ツインテ「もうこそこそするのはやめね。真正面から堂々とやろうよ」

レン「……」

レンは無言で立ちすくむ。

ツインテ「鉄で左腕を補強したんだ?でもずいぶん血を失ったみたいだね……顔色も真っ白」

レン「後ちょっとか」

ツインテ「?自分が死ぬまで?はは」

ツインテはゆっくりと近づいていく。

ミシッ、ミシッ

ツインテ「随分手間取らせてくれたよ……でもま」

ツインテは触手を構える。

ツインテ「これで終わり」

レン「今だ!!錬成、槍!」

ツインテ「遅いよ!」
631 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:41:03.88 ID:qalIeR4+0
343

--旅館、女部屋--

ミシッ、バキバキ!

ツインテが踏み込んだ瞬間、床が抜けた。

ツインテ「!?」

レンが槍で畳を突くと、床は完全に破壊された。

ドバキャ!

床全体が抜けたことにより、下の部屋に落下するツインテ達。

レン「!!」

レンは槍をかかえ、ツインテ目がけて飛び込んだ。

ツインテ(そうか、あいつは錬成の材料を建物から使っていた!!何度も錬成を続ければ強度が弱まるのは当然!!)

レン「っ!」

ツインテ(そしてこの一瞬の隙をつこうというのか……地面が無ければ踏張ることはできない)

レンは槍をツインテに向けて突き出した。

ツインテ「だけど残念ね、私には触手があぐっ!!」

ドブシャ!!

ツインテ「あ、あぶばぁ……?」

ツインテは7本の槍に串刺しになる。
632 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:41:45.51 ID:qalIeR4+0
344

--旅館、下部屋--

ツインテ(ら、落下地点に、前もって、槍を!!はやく、回復、しないと)

レン「にゃあああ!!」

ツインテ「!!」

ドプ!

レンの槍がツインテの胸部を貫く。

レン「こんなにしちゃってごめんにゃ!でもぜったいたすけるから!!錬成、」

ツインテ「がは、がばは!」

レン「封印鎧!!」

レンは槍の材料を使ってツインテに鎧を装着させていくく。

レン「これを着たらもう魔力は使えないにゃ……だから連れていくまで回復できないで痛いまんまにゃ」

ツインテ「ひゅー、ふー!」

レン「じゃあね……ツインテ」

ガオン

最後に残って顔のマスク部分、その外界につながる最後のスペースが閉められた。
633 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:42:18.96 ID:qalIeR4+0
345

--王国--

カッカッカッ

東の王「ふん……吸血鬼の一件があったばかりだと言うのに。最近どうも不運続きだな」

剣豪「新種のモンスターってのは一体どんな奴なんだ。面白い相手なら俺が受け持ってやってもいいんだが」

東の王「……前回に比べれば被害は少なめにすんでるようだし、俺としては若いのに経験を積ませてやりたい」

剣豪「……甘ちゃんばっかで足元掬われんじゃねーか?」

東の王「そしたらお前がいけばいい」

剣豪「……やれやれ。老害がいつまで若い奴らのケツを拭かなきゃならんのやら」

東の王「ふん、それがお前の仕事だ」

バタン

馬車に乗り込む二人。

東の王「だせ」

ユニコーン「ヒヒーン。ペガサスデース!」

剣豪「そのネタもうやったぜ」

馬車は夜の空に吸い込まれていく。
634 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:42:45.69 ID:qalIeR4+0
346

--大学病院--

深夜だと言うのに、慌ただしく走り回る看護士。

医者「内科で治療魔法を使える先生を起こしてきてくれ!」

細眉看護士「はい!」

どしっ、どしっ

医者は鎧を担いだまま院内を走るゴーレムに目をやる。

医者「詳しく話を聞きたい。手術室に一緒に来てほしい」

レン「理解、だにゃ」

レンは意識が朦朧としながら壁に寄り掛かっている。

医者(こんなになりながらも、十体のゴーレムを使役してここまで運んでくるとは……)

医者はレンとその周りの死体を見回して思う。

医者(……なんで辻斬りまで死んでいるのかはわからないけど……)
635 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:43:12.48 ID:qalIeR4+0
347

--大学病院--

医者は両手に魔力を集め、レンの肩に置く。

医者「水属性回復魔法、レベル3」

レンの体は水色に光り、怪我をした部分が完治する。

医者「さらに水属性魔力供給魔法、レベル2」

レン「!そんなにしなくたっていいにゃ!その力はツインテのために取っておいて!」

ドン、と医者を突き飛ばすレン。

医者「ととっ。……そうは言ってもね、ちゃんと話を聞けるのは君にだけなんだ。だから君にはしっかりしてもらわなくちゃならない」

レン「っ!」

医者「ツインテちゃんを救うには君の力も必要なんだ」

医者はレンに手を差し伸べる。

レン「……わかった。レンも協力する。だからお願い!!」

医者「その先は言わなくても結構。僕は医者だ。ツインテちゃんは必ず助けてみせる」

医者はにこりと笑ってレンの手を握る。

医者「行こう。僕の戦場に案内する」
636 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:43:42.00 ID:qalIeR4+0
348

--南の王国近辺の村--

ヤミ「ブラ、腹が減ったぞ」

小メイド「遅いでございます!下準備はすでにやっておいたからさっさと作れでございます!」

パピー「キャンキャン!ヘッ!ヘッ!ヘッ!」

赤子メイド「ばぶー」

ブラ「……あはは」

ブラは思わず苦笑い。

ブラ「ちょっと待ってくださいね今すぐ料理しますから」

ブラは割烹着に着替え始める。

小メイド「大体いつも遅いでございます!こんな時間までどこほっつき歩いてるでございます!?」

ブラ「食材買うためにパートしてるんですけど……」

パピー「キャンキャン!」
637 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:44:18.30 ID:qalIeR4+0
349

--南の王国近辺の村--

小メイド「そ、そもそもご飯なんていらないんでございます!私達は人間食べればいいだけなんでございます!」

ヤミ「だが、ブラの作る飯はうまいぞ」

小メイド「う……」

パピー「キャンキャン」

小メイド「う、うるさいでございます!犬!!」

ドカッ

パピー「キャインキャイン!!」

ブラ「あ!パピーさん苛めちゃいけませんよ!罰としてメイドさんのコロッケ一つ少なくしますからね!」

小メイド「!?そ、そんなー……」

赤子メイド「あーうー」

ブラ(……お母さん。今日もこの家は平和です)

小メイド「ご、ごめんなさいするから!ごめんなさいするから!」

小メイドは半泣きになりながらブラの割烹着を掴んでぴょんぴょんと跳ねている。
638 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:44:56.13 ID:qalIeR4+0
350

--南の王国近辺の村--

ブラ「はい、じゃあいただきます」

ヤミ、小メイド、パピー、赤子メイド「「いただきます!!」」

ブラ「パピーさんと赤ちゃん喋った!?」

ヤミ「そら喋るさ食事時だもの」

がつがつ

小メイド「うめーでございます!」

パピー「ハウッハウッ!」

もぐもぐ

赤子メイド「あーうー」

ブラ「……うふふ」

ブラは喧しい食事の風景を見て、つい頬が緩んでしまう。

ブラ(こんなに食事が楽しいだなんて思わなかった。最初はあまり喜んで食べてもらえなかったけど……今じゃ、)
639 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:45:33.34 ID:qalIeR4+0
351

--南の王国近辺の村--

小メイド「あぁ!私のウィンナー食べるなバカ犬!!」

パピー「へむへむへむへむ!」

ブラ(こんなだもんね)

さすがにちょっとね、とブラは困ったように笑う。

ヤミ「ブラ、おかわりだ」

小メイド「わ、わだひもれごふぁいまふ!」

赤子メイド「倍プッシュだ」

パピー「キャンキャン」

ブラ「今一人鼻が高くなった!?」

ブラは目を擦ってもう一度確認してみると、

ヤミ「早くくれ」

ブラ「……」

みんなが空の茶碗を突き出していた。

ブラ「……はいっ」

ブラは全員の茶碗を受け取った。
640 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:46:12.08 ID:qalIeR4+0
352

--南の王国近辺の村--

ブラ「ふー」

食器洗いを済ませ割烹着を取るブラ。

ブラ「お手伝いいつもありがとうございます。メイドさん」

小メイド「ふ、ふん!お、お手伝いなんかじゃないんだかんね!?そ、そこに汚れたお皿があったからなんだからねっでございます!!」

ブラ「……」

なでなで

小メイド「あ、頭撫でるなでございます!!」

ブラ(小学生くらいのメイドさんは思春期入ってる感じのツンツン具合が可愛い……)

小メイド「や、やや、やーめーろーよー」

ブラ「うざい男子小学生みたい」
641 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:46:49.09 ID:qalIeR4+0
353

--南の王国近辺の村--

パピー「ペロペロ」

ブラ「きゃっ、くすぐったいですよパピーさん」

パピーは暇さえあればブラをぺろぺろしている。

パピー「ペロペロペロペロ」

パピーは執拗なまでにブラの生足を舐めている。

パピー「ペロペロペロペロペロペロ」

椅子に座っているブラに飛び乗って、首筋を舐め始める。

ブラ「あーっ、くすぐったいですって。ちょっとー」

パピー「ペロペロペロペロペロペロペロペロ」

ブラ「……言っておきますけどバターは塗りませんからね」

パピー「!?」

それはそれは冷めた目だったと言う。
642 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:47:15.72 ID:qalIeR4+0
354

--南の王国近辺の村--

ヤミ「これの続きが読みたいんだ」

ヤミはブラにジャンプを突き出す。

ブラ「あ、気に入りましたか?マンガ。じゃあパート先でまたもらってきますね」

ブラはボロボロになるまで読み込まれた雑誌を見て微笑む。

ブラ(毎回貰えるわけじゃないと思うから、貰えなかった時は買ってこよう!……うふふ)

ヤミ「うむ。頼むぞ」

ブラ「どれが好きなんですか?」

ヤミ「ハンターハンター」

ブラ「あれ!?今やってましたっけ!?」

ヤミ「まじ休載とか勘弁。仕事させるために魔王になってこの世界支配しようかな」

ブラ「……」

漫画の休載のせいで世界が危ない。
643 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:47:42.45 ID:qalIeR4+0
355

--南の王国近辺の村--

ヤミ「まぁ冗談はおいといて。王道的なのは一応読むぞ」

ブラ「ワンピースとかですか。面白いですよね」

ヤミ「ブリーチ、ナルト、銀魂、リボーン辺りか」

ブラ「……ん?」

ヤミ「後はエニグマとかかな」

ブラ(なんかチョイスがちょっと腐っぽいような)

ヤミ「後なんだかんだで一番楽しみにしてるのは、めだかだな今は」

ブラ「……なんか初めて読んだような感想じゃないですね」

ヤミ「とりあえずマンキン打ち切った編集部には罰をくれてやりたい」

ブラ「何年前から読んでるんですか!?」
644 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:50:00.04 ID:qalIeR4+0
356

--南の王国近辺の村--

ヤミ「To LOVEるを打ち切ったのも……いやあれは結果的にダークネスを生むことになったからな。むしろ褒美をやるべきか」

ヤミは、ふん、っと鼻を鳴らす。

ブラ「真顔でそんなことを!!」

ヤミ「まじダークネスやばい。ダークネスはやばすぎる。今のジャンプにはえっちなのが足らないよな。メルヘンは際どいネタが多かったりするが、視覚的に楽しめるわけじゃないしな」

ブラ「もう喋らないで!!貴方のためにも!!」

ヤミ「諸事情により俺の名前がこんなことになったわけだが、俺はハルナちゃん派だ」

ブラ「そんなカミングアウト聞きたくありませんっ!!」

ヤミ「あのロリ具合がたまらない。えろい」

ブラ「あれ?そんなにロリキャラでしたっけ彼女」

ヤミ「あと口癖がいい。しゃーなしだな!」

ブラ「」
645 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:50:34.33 ID:qalIeR4+0
357

--南の王国近辺の村--

ザー

ブラ「ほらヤミ様、万歳してください万歳」

ヤミ「む」

言われてばんじゃいするヤミ。

ヤミ「……毎日入らなくてもよくないか?そんなに汚れるわけじゃないと思うが」

ブラ「いけません。不潔なのは敵ですよ」

ヤミ「敵か」

ブラ「敵です」

ごしごし

どたたた

ブラ「う……やな予感がします」

ヤミ「奇遇だな」

ガラララ!

小メイド「おらー!おそいでございます!私達も待ちくたびれたので入っちゃうのであります!」

パピー「キャンキャン!」

ブラ「うぅ……お風呂狭いっていつも言ってるのにぃ……」
646 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:51:12.18 ID:qalIeR4+0
358

--南の王国近辺の村--

ヤミ「……」

小メイド「狭い?狭いと言ったなでございます!ならば浴槽に入って待ってるでございます!いわゆる一番風呂でございます!」

とおっ、と小メイドは跳躍した。

むんず

小メイド「あえ?」

びたん!

空中で足を捕まれた小メイドは床に顔を打ち付けてしまう。

小メイド「い、いはぁいでございましゅ」

ブラ「だーめです。ちゃんと体洗ってからです」

小メイド「べ、別に洗ってから入ろうが、入ってから洗おうが変わんないでございます!」

ブラ「変わります!これはマナーなんです!衛生面的にも」

ヤミ「的か」

ブラ「的です」

小メイド「う、うぅ……」
647 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:51:44.08 ID:qalIeR4+0
359

--南の王国近辺の村--

バシャァ

ブラ「はいヤミ様入っていいですよ」

ヤミ「ふふふ、一番風呂だ」

小メイド「あーっ!ずるぃっ!」

ぴょんぴょん跳ねるメイド。

ブラ「ほらメイドさん、ここ座ってください。洗ってあげますから」

ブラはヤミが座っていた椅子を叩く。

小メイド「う〜〜」

小メイドは仕方なしとばかりにしぶしぶ座る。

小メイド「今日こそ一番風呂だと思ったでございますのに……」

ブラ(あはは……なんでこんなことで本気で悔しがってるんだろ……まぁ子供ってそういう所あるのよね……)

ブラは小メイドにシャンプーハットをつける。
648 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:52:15.53 ID:qalIeR4+0
360

--南の王国近辺の村--

がしょがしょ

ブラ「もう、しょげないでください。明日はメイドさんに一番風呂入らせてあげますから」

小メイド「本当かでございます!?」

目をキラキラさせて振り向くメイド。

ブラ「あ、いきなり振り向いたら!」

シャンプーハットがずれて目にしこたまシャンプーが注入される。

小メイド「ぎ、ぎにゃー!!」

パニックになる小メイド。

ブラ「あっ、あっ、あっ。じっとしててください!」

小メイド「うわぁぁん!痛いでございますぅ!」

ビェーと泣き始めるメイド。

ヤミ「……やれやれ」

ブラ「?そう言えばパピーさんは?」

脱衣場でひっくり返って鼻血を出している小型犬の姿がそこにはあった。
649 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/26(木) 00:54:28.58 ID:qalIeR4+0
本日の更新はここまでになります。
それでは疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

         次回予告

今度の主人公はモンスター。モンスター目線から紡がれる勇者と魔王系ss。

変わりもののモンスター、ミノは人間を観察し、自分たちもパーティを組んだらよいのではと考えるようになる。そして……

       次回、ミノタウロス「薬草ちゃんともった?」
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/26(木) 00:55:21.69 ID:oa7JPviDO
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/05/26(木) 00:57:18.19 ID:O4EQl+2Uo
>>649 乙!
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/26(木) 02:43:47.35 ID:++2H3+yTo
おつー

こいつらって元アンシュ達だっけ
久々の出番だな
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/26(木) 04:20:08.02 ID:TNv8Bpufo

ひょっとしてほんとに月水土に投下してくれるのか…?
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/26(木) 11:37:54.29 ID:Lrt9lkiSO
なにこれかわいい
ヤミがハルナを持って行くなら美柑はもらいますね
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/26(木) 17:49:58.70 ID:twmW6CaG0
やっと追いついた
ずいぶん長いこと続いてるんだな

それならユーはもらっていきますね
656 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:33:48.90 ID:ftCT4cM70
今日でした!投下しまふ。
657 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:34:22.56 ID:ftCT4cM70
361

--南の王国近辺の村--

ブラ「けどヤミ様?」

ヤミ「どうした」

ちゃぷ

ブラ「こういっちゃなんなんですが……全然背、伸びませんね」

小メイドと湯船につかっているブラは、シャワーを浴びているヤミに話し掛ける。

ヤミ「うむ。やはりこの食事では魔力の補給が足りてない。現状維持が精一杯だ」

ブラ「……」

ヤミ「そんな顔するな。お前の料理の味を知ってからは、人間なんか食おうと思わなくなったぞ」

小メイド「ふ、ふん!感謝するがいいでございます人間!!」

後頭部でブラの胸を弾ませながら小メイドは胸を張って言う。

ブラ「……はい。感謝してます」

ブラはにこりと笑った。
658 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:34:54.78 ID:ftCT4cM70
362

--南の王国近辺の村--

小メイド「な、なにマジ顔で返してるでございます!?ちょ、ちょっとはなんか、その」

ゴニョゴニョ

小メイド「これじゃあ私が嫌な奴でございます」

ぶくぶくと顔半分を沈ませる小メイド。

ブラ「……そういう時は鼻から下を沈ませたりするんですよ?右半分とかやめてください……ちょっと怖いです」

ヤミ「じゃあ先あがる」

ブラ「あ、はい。湯冷めしないように暖かくしてくださいね」

ヤミ「うん」

ブラ「後牛乳は手前の古いのから飲んでくださいね」

ヤミ「うん」

ブラ「後下着は洗濯したのを椅子の上に置いといたのでそれを」

ヤミ「母親か!!」
659 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:35:22.73 ID:ftCT4cM70
363

--南の王国近辺の村--

次の日。

ブラ「じゃあ行ってきますね」

ヤミ「うむ」

小メイド「いてらでございます」

パピー「キャンキャン!」

赤子メイド「あーうー」

バタン

ヤミ「……行ったな、よし」

扉が閉まるのを見計らい、ヤミは意気込みを見せる。

小メイド「?なぜにそのような力の入れようで?」

ヤミ「うむ。俺はある計画を実行に移そうと思う」
660 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:35:52.50 ID:ftCT4cM70
364

--南の王国近辺の村--

小メイド「!?」

パピー「!?」

赤子メイド「!?」

ビッシャーン、と電流が走る漫画的効果。

小メイド「そ、その計画というのは?」

ヤミ「うむ」

ヤミは腕組みをして宣言する。

ヤミ「お風呂拡大化計画だ」

小メイド「な、なんだってー!?」

一同がキバヤシっぽい顔になる漫画的効果。
661 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:36:36.76 ID:ftCT4cM70
365

--南の王国近辺の村--

小メイド「お、お風呂が大きくなる!?……か、考えただけで夢がひろがりんぐ!」

パピー「キャンキャン!」

赤子「あーうー」

ヤミ「うむ。そうだろう」

小メイド「やっぱりヤミ様は天才でございます!そんなことを思いつくなんて!」

ヤミ「うむ。俺もそう思う。発端は昨日、ブラが風呂が狭いと嘆いていたからなのだ。下僕の望みを叶えてやるのも主のつとめ」

小メイド(なんだ。そうゆうことでございますか)

自分で思いついたわけじゃないんじゃん、と心の中で思う小メイド。

小メイド「何はともあれお風呂がでっかくなるのはいいことでございます」

ヤミ「うむ。よしでかくするぞ」

どや顔のヤミ。
662 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:37:46.69 ID:ftCT4cM70
366

--南の王国近辺の村--

小メイド「ラジャーでございます!!」

パピー「キャンキャン!」

赤子メイド「あーうー」

ビシッと敬礼する小メイド達。

ヤミ「……」

小メイド「……」

パピー「キャンキャン」

赤子メイド「あーうー」

ヤミ「……」

小メイド「……?」

パピー「キャンキャン」

赤子メイド「あぶ」

ヤミ「……」

小メイド「あ、あのヤミ様?」
663 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:38:23.88 ID:ftCT4cM70
367

--南の王国近辺の村--

ヤミ「どうした、早くでっかくするぞ」

小メイド「はい!」

ヤミ「……」

小メイド「……あ、あれ?あの、どうやったらでっかくなるんでございますです?」

ヤミ「なんだ、そんなことも知らんのか」

小メイド「も、申し訳ありませんでございます。何分浅学でして……」

ヤミ「無知は罪と言ったものだ。だが知らぬと正直に言うことは勇気ある行為だ。誇るがよい」

小メイド「は、ははっ。ありがたき幸せにございます。……ではでっかくする方法をご教授していただきたくございます」

ヤミ「知らん」

腕を組んだまま堂々と胸をはるヤミ。

ヤミ「俺はとにかくでっかくしたいだけで、やり方とかは一切わからん!!」

小メイド「威風堂々!!」
664 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:38:51.15 ID:ftCT4cM70
368

--南の王国近辺の村--

パピー「キャンキャン」

赤子メイド「あうー」

ヤミ「……とりあえずナビ子に聞こう」

小メイド「……ですね」

小メイドは気付かれないようにため息をついた。

小メイド「じゃあさっそく通信してみます。スキル、テレパシー」

じ、じじ

ナビ子『はい、ナビ子でーす!』

小メイド『あ、久しぶりでございます。ちょっと聞きたいことがあるでございます』

ナビ子『ごめんなさーい。いまー、ナビ子はバカンス中でー連絡が取れませんっ。だからー、ピーッとなったら要件と名前を言ってね!』

小メイド「留守んなっとる!!」
665 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:39:32.41 ID:ftCT4cM70
369

--南の王国近辺の村--

ヤミ「まじで……俺がやる」

ざ、ざさ

ナビ子『はいはいはーい。ナビ子ちゃんでーす!ヤミ様お元気ー?全然連絡くれないんだもんっ、ナビ子寂しかったぁ!』

ヤミ「なんだ、いるじゃないか」

小メイド「居留守使われた!うぜぇでございます!!」

ナビ子『でー、なんのようなのかなっ?』

ヤミ『風呂のサイズを大きく改良したい。どうすればいい』

ナビ子『うーん、漠然としてていきなりすぎて、ナビ子ちゃんよくわかんない!!まぁいいやぁちょっと検索してみるねん!……ピーガガガーピョロー』

小メイド「どんな感じでございますか?」

ヤミ『接続音が聞こえる』

ナビ子『テテ、テーンテーンテーン、テテッテレレテレレレーン』

ヤミ『なんかのテーマソングが流れ始めた』
666 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:40:03.67 ID:ftCT4cM70
370

--南の王国近辺の村--

ナビ子『今回の匠は』

ヤミ『長くなるのか?』

ナビ子『もうっ!ヤミちゃんのいけずぅ!ヤミ様の頭じゃ口頭で説明しても覚えられないだろうから、今から情報を圧縮して送るね!!』

ヤミ『お前さりげなく俺をバカにすんじゃないよ』

ぴろりーん

ヤミ「ファイルを受信したよっ」

小メイド「ファイルが届いたみたいでございますよヤミ様」

ヤミ「うむ。誰だ俺の着ボイス設定したの」

パピー「キャンキャン」

ナビ子『無事送れたー?』

ヤミ『あぁ届いた。今から見てみる』

小メイド「わくわく」

ナビ子『わくわく』
667 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:40:33.09 ID:ftCT4cM70
371

--南の王国近辺の村--

ヤミ『……』

小メイド「わくわく」

ナビ子『わくわく』

ヤミ『ナビ子』

ナビ子『なにっ?』

ヤミ『なんかイケメンばっかの画像フォルダが送られてきたんだが』

ナビ子『あっ、あー!!ま、間違えちゃったー!!ヤミ様見ないで!そのまま消して!!』

ヤミ『ササ×マダ?なんだこの×というのは』

小メイド「女性が最も好む記号です」

ヤミ「偏見じゃありゃせんか?」

小メイド「中尉が無事ならいいでございます」
668 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:41:02.29 ID:ftCT4cM70
372

--南の王国近辺の村--

ぴろりーん

ヤミ「ファイルを受信したでしゅっ!」

上目遣いショタヤミちゃん。

小メイド「か……可愛い!!」

ヤミ「しかもランダムかよ着ボイス!!……とりあえずファイルを開くか」

ナビ子『わくわく!』

ヤミ「お も い」

小メイド「や、ヤミ様が処理落ちしてるー!?ナビ子!何送ったでございます!?」

ナビ子「劇的ビフォーアフター全話」

小メイド「せめて厳選しろでございます!!」

お前の仕事はなんなのだ、と怒る小メイド。

ヤミ「お ち ん こ」

小メイド「どさくさ紛れに何言ってるでございます!?」
669 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:41:36.01 ID:ftCT4cM70
373

--南の王国近辺の村--

がさっ

ヤミ「ふぅ……偉い目にあった」

ナビ子『ごめんなさーい。久しぶりだったから遊びたくて』

小メイド「ふざけたAIでございます!大体ナビ子は」

がみがみとテレパシーでナビ子をしかる小メイド。それを横目にヤミは考えている。

ヤミ「……その辺にしてやれ」

小メイド「で、ですが!」

ヤミ『いいんだ。ナビ子、今度からちょいちょい連絡をする』

ナビ子『!?本当!?わーい!!』

小メイド「ヤミ様……」

ヤミ『だからさっさと風呂の改造の仕方を送れ。今日は時間が無いんだ』

ナビ子『了解だにゃん!』
670 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:42:46.56 ID:ftCT4cM70
374

--南の王国近辺の村--

ぴろりーん

ヤミ「ファイルを受信したちんこー」

小メイド「最低な着ボイスきたー!!てかなんでそんな着ボイス入れてるでございます!!」

ヤミ「俺だって知りたい。そもそも俺らロボでもないのにこのネタはどうなんだ?」

小メイド「それこそいまさらでございます……」

ヤミ「まぁいい。開くぞ」

小メイド「はい、お願いしますでございます」

ヤミ「……」

小メイド「わくわく」

ヤミ「……」

小メイド「わく……わく?」

ヤミ「am56t6gj6786m 8425jm265tjgpmgjmgad478jj9t9k5n24wtg」

小メイド「トロイキター!!」
671 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:43:13.89 ID:ftCT4cM70
375

--南の王国近辺の村--

小メイド「やれやれくっだらないことでレス消化し過ぎなんでございます」

パピー「起承転結の承ばかり延々と書くのは辛くて、こうでもしないとやってられないらしい」

小メイド「んな事情はどうで喋った!?」

パピー「キャンキャン」

小メイド「……気のせい?でございます」

ヤミ「am56t6gj6786m 8425jm265tjgpmgjmgad478jj9t9k5n24wtg」

小メイド「あ、はい。作業にとりかかるでございます」

小メイドはお風呂場に入るとボロい壁に向かって、

小メイド「えいっ」

どがっ!!

正拳突きを放った。

がらがらがら

小メイド「壁をとっぱらったっでございます。作業開始でございます」

ヤミ「am56t6gj6786m 8425jm265tjgpmgjmgad478jj9t9k5n24wtg」
672 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:43:57.03 ID:ftCT4cM70
376

--南の王国近辺の村--

小メイド「わかってるでございます。とりあえずやるしかないでございます。もう戻れないあの頃でございます」

小メイドは腕をまくる。

ヤw9ミ「am56t6gj6786m 8425jm265tjgpmgjmgad478jj9t9k5n24wtg」

小メイド「はい。各々方、道具をもて!って名前まで侵食され始めてるでございます!?」


《BGMプリティウーマン》

小メイド「ハンマーは、えーっと」

ヤw9ミ「am56t6gj6786m 8425jm265tjgpmgjmgad478jj9t9k5n24wtg」

ヤミが手渡しでメイドにハンマーを渡す。

小メイド「あ、ヤミ様わざわざありがとうございますっ!」
673 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:44:25.07 ID:ftCT4cM70
377

--南の王国近辺の村--

《ぷぅりうーまん》

とんてんかんっ

釘をくわえて走るパピー。赤子メイドはそれに乗って支持を出している。

赤子メイド「――」

パピー「――!」

赤子メイドがはしゃぎ、嬉しそうにパピーの横っ腹を足で叩く。

どご

パピー「ッ――!?」

びっくりしたパピーは釘を飲み込んでしまう。

パピー「っ、っ、っ〜!!」

パピーは自分の喉から釘を取り出そうとする。
ドッピオリスペクトな行為。ただドッピオと違うのは、釘が既に気管に入っていたということ。

ぶしゃぁっ!!
674 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:44:53.69 ID:ftCT4cM70
378

--南の王国近辺の村--

《ぷぅりうーまん》

ヤw9ミ「――」

ヤミは小メイド達に支持をだしている。

小メイド「――」

小メイドは拾ってきた石を積み上げて岩風呂の形を整えていく。

パピー「――」

パピーは地面の臭いを嗅ぎ、何かをさがしているようだ。

パピー「!――」

その時パピーが何かを発見し吠える。

小メイド「!」

小メイドはパピーが何かを感じる場所に行き、全力で拳を振り下ろした。

どごん!!
675 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:45:24.59 ID:ftCT4cM70
379

--南の王国近辺の村--

ぶしゃああああああああああああああああ!!

数メートルのクレーターが出来たかとおもいきや、亀裂が生じてそこから湯が噴出する。

小メイド「!!」

小メイドはそのまま温泉に打ち上げられてしまう。

ヤw9g.j「!!」

パピー「――」

村のおっちゃん「?」

村のひげおっちゃん「?」

何事かと村のみんながその光景に集まってくる。

赤子メイド「――」

ブラ「!?」

パート先から走ってかけつけたブラはその光景に驚愕する。

ブラ「……」

《ぷぅりうーまんっ》
676 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:45:59.92 ID:ftCT4cM70
380

--南の王国近辺の村--

ちゃぷ

ブラ「はぁ……なるほど。それであんなことしてたんですね」

小メイド「そうなのでございます。べ、別に感謝しろだなんて言ってないでございますからね!!」

ブラ「あはは……おかげでこの仮屋……ひどいことになっちゃったのにそんなこと言いますか」

小メイド「だ、大事の前の小事でございます」

ブラ「……温泉でびしょびしょになっちゃったのに小事……」

ブラと小メイドは、リビングで腰まで温泉につかりながら会話していた。

ヤw9g.j「am56t6gj6786m 8425jm265tjgpmgjmgad478jj9t9k5n24wtg」

ブラ「まぁ……村のみんなは温泉が湧いたーって言って喜んでいましたけれど」

ブラは窓から外を見る。

村のおっちゃん「ぎゃははは!!」

外では村の人間が即席の温泉に楽しそうに入っている。

mw2tw9g.j「am56t6gj6786m 8425jm265tjgpmgjmgad478jj9t9k5n24wtg」

ブラ「……はぁ。まぁ悪気は無かったようですし、皆さんも喜んでくれているようですから……まぁいっか」

ブラは苦笑する。

10010「10010111101001011010100110010011010101001101001011010010011010010100110」

ブラ「さっきから気になってたんですけれど、このバーチャファイターみたいにカクカクした人だれですか……?」
677 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/05/27(金) 22:48:35.71 ID:ftCT4cM70
新しい読者さんが増えたのかしら!ゆっくりしていってね!!
……現在の進行状況を言っときますと、8部構成(2011年5月現在)の中の3部なんですがね。えへへ……へへ。

本日の更新はここまでになります。
それでは疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



         次回予告

勇者「ぬおおおおお」

魔王「おりゃあああ」

勇者と魔王の大激戦から2000年後。

日本。

女子高生「……おわ。お父さんお父さん!庭に氷漬けの人間がいる!!」

地震により地下の地層から偶然出てきた氷漬けの勇者。現代で彼らはどう生きるのか?

       次回、勇者「な、 なんなんですか? ここ、 どこですか?」
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/05/27(金) 22:52:42.79 ID:v52iDg86o
>>677 乙!
まだ3/8だと……
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/27(金) 23:06:08.43 ID:AgFufURSO
うはwwwwwwwwwwww夢がひろがりんぐwwwwwwwwwwww

今回はネタ回だな
顔半分とかwwwwww
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/05/27(金) 23:14:03.03 ID:ivAwHmYqo
8部ておい
あと二年はかかりそうだな頑張れ
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/27(金) 23:20:57.45 ID:dUs+UzFAO
>>677

乙です!
まだまだ続くのね!最後まで見てやるんだから!!
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/28(土) 09:12:22.65 ID:1DrAsA/Bo
>>680第二部が終わるのに何カ月かかったと思ってるんだ?
3〜4年は続くぞ
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/05/28(土) 13:09:16.78 ID:hwJ9xib20
盗賊と勇者が出るならなにも言わないよ
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/31(火) 02:23:22.22 ID:EFVU/SiAO
次はいーつかなー(´・ω・`)
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/31(火) 03:14:58.74 ID:gyuKApPwo
今日の夜だよ
686 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 17:48:34.10 ID:fIjHwQIa0
遅くなりました!本日更新します!
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/01(水) 19:53:55.55 ID:OVINWHvAO
待ってました!!!
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/01(水) 19:55:11.59 ID:FMYvNZnNo
wwktk
689 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:35:55.97 ID:fIjHwQIa0
381

--東の王国、大東図書館--

通信兵「……」

通信兵が大東図書館に着いた時はすでにもぬけの殻だった。

ぎし

図書館の中は足の踏み場も無いほどに、本が乱雑に散らかっている。

通信兵(……全部読み漁った、って考えて間違いないようですね)

通信兵は眼鏡を上げる。

通信兵(まずい。情報に聞いていた通りのモンスターだとしたら……)

がしゃ

通信兵「!?」

がらがらがら

通信兵が物音をしたほうに振り向くと、そこには熊がいた。
690 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:36:49.05 ID:fIjHwQIa0
382

--東の王国、大東図書館--

通信兵「はぁ、なんだ熊か」

熊程度じゃ慌てない通信兵さん。

熊「そうだよ。熊さんだクマー」

通信兵「ですよね。どうせそういうこったろうと思ってました」

通信兵はため息をついた。

通信兵《本部、図書館が襲われたのは本当みたいです。敵がどこに消えたのかはわかりませんが》

通信兵はテレパシーで本部と連絡を取る。

熊「僕と遊んで肉塊になってよ!」

熊は猛然と駆け出した。

通信兵《それとこいつら、生意気にも置き土産を置いていきました》
691 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:37:28.37 ID:fIjHwQIa0
383

--東の王国、大東図書館--

熊「がぁお!」

熊が飛び掛かると通信兵の体を擦り抜けてしまう。

スカッ

熊「あれ?」

通信兵「……私で調べようって魂胆ですか。雷属性分身魔法、レベル3」

通信兵が十人に増える。

通信兵《というわけで通信終わり!》

熊「増えたクマー」

熊は首を動かして分裂した通信兵の場所を確認する。

通信兵「試すのは、こっちのほうですよ」

熊「クマったなー」

熊は一番近い所にいた通信兵に突撃するも、

ブゥン

熊「クマー」

擦り抜けてしまう。
692 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:38:22.41 ID:fIjHwQIa0
384

--東の王国、大東図書館--

熊「クマー……じゃあ今度はこっちクマー」

熊の右手が通信兵の頭に触れた瞬間、

バチィン!

熊「クママー!し、痺れクマー!?」

通信兵(幻影魔法+罠魔法……獣を罠にかけるにはもってこいでしょう?)

全ての通信兵は熊に向かって両手を突き出す。

熊「くばばばばば!?」

通信兵「「「雷属性対単体攻撃魔法、レベル3」」」

ビシャシャシャーン!!

雷が熊に直撃する。
693 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:38:55.65 ID:fIjHwQIa0
385

--東の王国、大東図書館--

ぶしゅー

熊「く、くまー」

熊は焦げた臭いを発しながら床に倒れこんだ。

通信兵「討伐完了」

通信兵「さてさて。さっさと外で待機してる部隊に……」

ぴちゃ

通信兵は熊に近づこうとした足を止める。

通信兵「……水?」

熊の周囲には少量の水が転々と存在している。

通信兵(トイレの近くでもないんだし、他に図書館に水があるわけがない)

通信兵は分身を近づけていく。
694 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:39:27.91 ID:fIjHwQIa0
386

通信兵(対単体のレベル3です。まともに食らえば一撃のハズ……)

通信兵の分身が熊に触れようとした時、

熊「ぐまー!」

熊は起き上がり通信兵に攻撃した。

スカッ

熊「今のは痛かったクマー!!」

熊は焼けた体に水を染み込ませていく。

通信兵「!?」

熊「でもあれクマ。純水ならあまり電気を通さないっつーのは本当だったクマー」

びしゃびしゃ

通信兵(こいつ!魔法が使えている!!……失念してましたね……知能はもはやモンスターの枠に納まらない、魔族クラスなら魔法も使えるか……)

熊はのしのしと歩き始める。

通信兵(そして私の攻撃を軽減しやがりました。水属性の分際で!)
695 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:40:29.96 ID:fIjHwQIa0
387

--東の王国、大東図書館--

熊はにやりと笑い通信兵目がけ走る。

熊「さっき君だけが僕に近寄って来なかったクマー!!それにやっぱ戦いでは一番遠くで安全に戦いたいクマものね!!」

通信兵「!!こいつ……雷属性移動速度上昇魔法、レベル2」

バシィン!

通信兵は体に電気を纏う。

熊「水属性範囲攻撃魔法、レベル3!」

通信兵「!?」

熊の口から放たれた水流が図書館を飲み込んでいく。

バシャーン!!

通信兵「くっ!」

たっ、しゅたっ

通信兵は浮島のように点在する本棚の上を移動する。
696 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:41:33.95 ID:fIjHwQIa0
388

--東の王国、大東図書館--

じゃぼっ

熊「ぷひぃ。どうクマ?室内プールの完成クマ!」

通信兵「汚いです。本の残骸だらけだし」

熊「いいじゃないかクマー。お姉さんも泳ごうクマー」

通信兵「嫌です。熊畜生なぞと水浴びする趣味はありませんよ」

熊「ひどいクマー!?僕こんなに可愛い熊なのにクマ」

通信兵「熊の怖さがわかってれば誰も可愛いなんて言ったりはしないです」

熊「それは心外クマ!僕達が何したって言うクマよ!」

通信兵「三毛別羆事件」

熊「……あれを出すのは卑怯って言うもんクマよ」

急におとなしくなるクマ。
697 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:42:06.24 ID:fIjHwQIa0
389

--東の王国、大東図書館--

熊「あれは一部のアホがハッスルしちゃっただけクマ。みんながみんなああだと思わないで貰いたいクマ」

もう一つ言わせて貰えればあれはヒグマで僕はツキノワグマだクマ、と弁明する熊。

通信兵(やれやれ……三毛別熊事件まで知ってますか。もうこの図書館にある情報は完全に網羅されてますね。)

熊「もう怒ったクマ!お姉さんも食べちゃうクマ!!」

熊はバシャバシャとクロール。

通信兵(それにどうやってこの空間を作り上げた?水を外に漏らさずに建物の中を水でいっぱいにするには……)

通信兵が窓に目を向けた。

通信兵(結界か……)

バシャバシャ

通信兵「やれやれ、雷属性攻撃魔法」

バチバチ

熊「……それはちょっと待ってほしい熊……」

自分が置かれた状況を把握した熊は切なそうな顔をする。
698 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:42:35.83 ID:fIjHwQIa0
390

--東の王国、大東図書館--

通信兵「レベル3!!」

通信兵は水に手を突っ込んだ。

バチチチチチ!!

熊「く、くまー!!」

水の中にいた熊は電撃を避けることができない。

熊「しびびびびび!」

熊は大げさに痺れたアクションをするが、

熊「なんちゃって」

通信兵「!?」

ペロリと舌を出し、勢いよく水面から飛び出した。

バシャッ!
699 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:43:21.95 ID:fIjHwQIa0
391

--東の王国、大東図書館--

通信兵「っ!」

それをかろうじてかわす通信兵だったが、

どぼんっ

態勢を崩した通信兵は水の中に落ちてしまう。

通信兵(なんであいつ無事で……この水、しょっぱい?)

熊「くままま!!どうクマ?普通の水で作るのもあれだから塩水で作ってみたクマよ!」

通信兵「!!」

バシャン!

熊は再び水の中に。

熊(さぁ、電気は拡散しちゃってそれほどダメージは与えられないクマよ?どうするクマ?)
700 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:43:53.92 ID:fIjHwQIa0
392

--東の王国、大東図書館--

通信兵(っく!早く水面に!!)

通信兵は熊の進行方向とは逆に泳ぐ。
だが熊のほうが圧倒的に早いのだ。

じゅぼぼぼ

熊(ふふふーん。水の推進力強化は早いくまぜ)

よく見ると熊が水を掻く時に、自然には発生しない水流が出来ている。

通信兵(あとちょっと!!)

通信兵が水面から手を出そうとす

ガボォ!

通信兵「!?」

る直前、熊に横から追突されてしまった。

ゴボボ

そのままどんどん引きずられて潜っていく通信兵。
701 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:44:35.25 ID:fIjHwQIa0
393

--東の王国、大東図書館--

通信兵(がはっ!息が!!)

熊(ふんふーん。水属性魔法には、水中でも息が出来る魔法があるくまよ)

熊は通信兵の右ふくらはぎに噛み付いた。

ぐしゅ

通信兵「っ!」

獣の力で噛み付かれた左足は、一瞬で骨まで砕かれてしまう。

通信兵(こ、の!)

熊(美味クマー。お姉さんベジタリアンクマー?)

通信兵は熊からなんとかもがれようとあがくのだが、水中に自分の血を撒き散らすだけだった。

熊(無駄クマ無駄クマー)

熊は払い除けようとする通信兵の腕を左腕で押し退けて、そのまま太ももを噛み砕く。

ぐぶしゅ

通信兵「〜〜っっ!」
702 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:45:25.36 ID:fIjHwQIa0
394

--東の王国、大東図書館--

ごぽ

通信兵の口が開かれ気泡が水面に向かって登っていく。

通信兵(ダメー……ジ、窒息……寸前、大ピンチ……)

途切れそうになる意識の中、通信兵は、

ガシッ

熊「?」

熊の頭部を両手で掴む。

通信兵《さーて、周囲は塩水じゃなくなった件について》

熊「!?」

熊が慌てて周りを見回すと、夥しい量の赤い液体に囲まれていた。

熊(くままー!?てかなんで頭の中に声が響いてクマ!?)
703 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:46:09.26 ID:fIjHwQIa0
395

--東の王国、大東図書館--

通信兵《さらに0距離攻撃ですよ……貴方、釣られちゃいましたね。なんちゃって》

熊(俺様が釣られクマー!やめるクマ!お姉さんだってただじゃすまないクマ!!)

通信兵《死なばもろとも……雷属性攻撃魔法、レベル4》

バチャチャーン!!

熊(クママママママママー!!!!)

通信兵(うあああああああ!!まだだ!!完全に息の根を止めるまで!!もうこんなチャンスはない!!)

バチバチバチバチ!!

熊「」

バシャア

熊の体力が尽きたからなのか、水を図書館の中に閉じ込めていた結界が破れ、次々に溢れ出していく。

通信兵(結界が破れた……細胞にため込んだエネルギーは全部空……あとはもう……)

通信兵と熊は一切身動きすることなく図書館の外へと流された。
704 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:47:00.07 ID:fIjHwQIa0
396

--東の王国、大東図書館--

ドバッシャァア!

通信部下「!!中から大量の水が!!」

通信部下達は流されないように建物の上に避難し、通信兵を探す。

バチャ、バチャ

「お――こ―ち―――信兵―が――ぞ!」

もやのかかった意識の中、通信兵は目を開く。

通信兵「がはっ!げほごほっ!!」

通信部下「よかったご無事で!これをお飲み下さい。インスタント魔力の元です」

通信兵「……」

通信兵は一瞬渋い顔をするがそれを受け取り飲み干す。
705 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:47:41.54 ID:fIjHwQIa0
397

--東の王国、大東図書館--

回復部下「とりあえず出血は止めました。今輸血の用意もさせています。ただ……」

回復部下の視線の先を通信兵が確認する。

通信兵「あぁ。流された時にどっか行ったんでしょうね」

左足の膝から下が無い。

通信兵「こう言ってしまうのは正直、いやかなり悔しいですが、これでも極めて軽微な被害だったと言えます」

通信部下「!!次期三強と言われている通信兵様ですら……」

通信部下は驚きを隠せない。そこに輸血の道具を持った者達が来て準備し始める。

通信兵「私はガチ戦闘要員では無いですから」

回復部下「……それでも貴方はこの国で十本の指に入る実力者じゃないですか」

通信兵「まぁそうなんですけどね。それほど……敵の下っぱは強いってことになります」

通信部下「!!下っぱ!?」

通信兵「はっ、最悪ですよ。やつらは図書館にあった全ての情報を持っていっただけじゃなく、今の自分たちがどれだけ人間に対抗できるのかを調べた」

通信兵は唇を噛む。
706 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:48:17.35 ID:fIjHwQIa0
398

--東の王国、大東図書館--

通信兵「……さて、ここからは王の判断に委ねましょう。連絡した時間から見てそろそろ帰ってきているでしょうし」

通信兵は肩を借りて立ち上がると、瓦礫の上で作業している部下に向かって言った。

通信兵「私の足を探しているならやめてください。あれは焼き切ったんで回収しても使い道ないです」

回復部下「申し訳ないですが、それについては私の判断で途中で打ち切らさせてもらってます。この切断面を見るに治療は難しいですから」

通信兵(あら。優秀ですね)「ということはまだ見つけて無かったんですか。敵の死体を」

通信部下「申し訳無いです。敵の姿もわからなかったので」

通信兵「わからない?……私の戦闘を外から傍受してなかったのですか?」

通信部下「はぁ……それが結界のようなもののせいか中の様子は何も」

通信兵「!……なるほど。そういった機能まであったんですか」(どうりで返事がなかったわけだ)

回収部下「通信兵様!熊の感電死体がありました!まさかとは思いますが」

通信兵「あぁそいつです。私の敵」

通信部下「く、熊?」
707 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:48:56.79 ID:fIjHwQIa0
399

--東の王国、大東図書館--

通信部下は驚きの声をあげる。

通信兵「あいつらは人だけじゃない、動物でもなんでもいいってことですよ。寄生対象」

回復部下「!?」

通信兵「やれやれまた忙しく……」

通信兵は四肢を持たれて運ばれる熊を見る。そして、何かの違和感に気付いた。

熊「」

通信兵「……?」

熊「」

通信兵「……!?貴方達離れなさい!!早く!!」

回収部下「え?」

次の瞬間、熊の腹が一気に膨れ上がり、大爆発を引き起こした。

ドグォォォン!!
708 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:49:56.92 ID:fIjHwQIa0
400

--東の王国、大学病院--

ガチャ

医者「またせたね」

レン「……」

医者とレンが扉を開けて部屋に入ってくる。

アッシュ「ど、どうなんだツインテは!?」

ポニテ「ツインテちゃんは大丈夫なんだよね!?ね!?」

辻斬り「マイハニーは無事なんでござるよな!?インテリ眼鏡殿!!」

医者「……」

レン「……」

アッシュ「おい、もったいぶらずに言えよ!!」

医者「手は尽くした。でも……もう遅かった。ツインテちゃんは全身至る所にまで寄生されていたんだ」

ポニテ「……え」

医者「すでに脳幹まで支配されてる。もうツインテちゃんは、ツインテちゃんじゃない」
709 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/01(水) 21:51:58.23 ID:fIjHwQIa0
月曜来れなくて申し訳なかったとです……。ね、ねむ……
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



         次回予告

盗賊「俺もとあるみたいな二つ名が欲しい!」

賢者「男の子の夢ですよね!」

踊子「そんなん恥ずかしくていりません〜これだから男は〜」

勇者「わくわく!」

踊子「……」

勇者「あ!?……そ、そうだよね子供っぽいよね!」

踊子「はぁ。仕方ないですねぇ……私がつけてあげます〜。じゃあまずは盗賊さんから」

盗賊「わくわく!!」

踊子「有象無象」

盗賊「ただの四字熟語!?」

踊子「賢者さんは〜、絶対防御<ATフィールド>」

賢者「ふぐぅっ!」

勇者「私は私は!?」

踊子「……」

踊り子はビシッと勇者の胸を指して言った。

踊子「断崖絶壁<エル・カミニート・デル・レイ>」

勇者「」

トリガー「じゃあ僕は最悪着地<バッドエンド>っていうのはどうかな」


       次回、とある勇者の断崖絶壁。


闘士「お……おでは?」
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/01(水) 22:00:21.27 ID:XsTvz3RPo
>>709 乙!
ツインテ達も良いが、勇者パーティーも良いな〜
本編以上に次回予告が気になる
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/01(水) 23:38:42.19 ID:9nogEvki0
乙乙。
>三毛別羆事件
なんというネタを引っ張ってくるwwww

どうでもいいが次回予告読んでて
戯言シリーズに、《屍》(トリガーハッピーエンド)
というのがあったのを思い出したぜ
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 07:27:10.26 ID:CGucGl0SO
ツインテ…
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/06/02(木) 22:00:16.16 ID:196Z/hgL0
これどうやって収束させるんだよwwwwww
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/03(金) 19:15:27.25 ID:wcfcBlUAO
きっとツインテは助かるよね?よね?
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/03(金) 20:09:29.12 ID:wcfcBlUAO
きっとツインテは助かるよね?よね?
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/03(金) 20:10:21.29 ID:wcfcBlUAO
>>715


大事だから2回言った
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 20:40:49.46 ID:eQS6znUDO
これ酒場のガチムチ(第一部参照)が知ったら号泣するな
718 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:14:26.42 ID:tMqcZqLN0
一日遅れで投下します!
719 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:14:56.74 ID:tMqcZqLN0
401

--東の王国、大学病院特別室--

ツインテ「ぐむー!!」

ベッドに拘束された状態でじたばたと暴れるツインテ。

医者「今は魔力を封じているから安全だよ」

ツインテ「むーむー!!」

鎧のマスクをつけたままツインテは暴れる。

ポニテ「あう……」

辻斬り「なんと……」

アッシュ「本当に……寄生されっぱなしなのか……本当に全力でやったのかよ!?」

がし

医者の胸ぐらを掴むアッシュ。

医者「したさ。あまり言うべきでは無いのだけど、かなり危険なことも試してみた。それでも……無理だと判断したんだよ」

アッシュ「ッ!……ッ」
720 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:15:26.65 ID:tMqcZqLN0
402

--東の王国、大学病院特別室--

アッシュは何かを医者に言ってやろうとするのだが、言葉が見つからない。

レン「ツインテぇ……」

レンはツインテの傍に行きマスクに手を置く。

ポニテ「ほ、本当に……もう打つ手が、ないの?」

医者「……遅すぎた」

辻斬り「まじでござるか……」

辻斬りはがっくりと腰を落とす。

ガチャ

そこに選抜兵が入ってきた。

選抜兵「よ、おまえら」

辻斬り「せんちゃん」
721 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:16:00.59 ID:tMqcZqLN0
403

--東の王国、大学病院特別室--

選抜兵「やめろよその呼び方。……悪いけど上に連絡させてもらった」

アッシュ「!?」

ポニテ「え!え?」

選抜兵「あの旅館で何があったのか、そして今のその子のことも」

レン「!?な、なんでそんなことを!!そしたら」

医者「……軍でモルモットにされるでしょうね」

ポニテ「!!ひ、酷いよ!!なんでそんなこと言っちゃうのさ!!そんな、そんな!!」

選抜兵「……この件はもう綺麗事を言ってられる状況じゃない。さっき確認したら、通信兵もやられたらしい」
722 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:16:36.81 ID:tMqcZqLN0
404

--東の王国、大学病院特別室--

医者「!?……完全に死んだのですか?」

選抜兵「そこまではわからない。だが俺は全力であいつらを駆除しなければ、東の王国が、いや世界中がまずいことになると判断した」

辻斬り「東の三強候補が二人もやられちゃうくらいでござるしな」

選抜兵「三人だろ」

辻斬り「……」

アッシュ「……よくもそんなまねができるな」

アッシュは噛んだ唇から出血する。

アッシュ「それが大人かよ、子供を守るのが大人の役目じゃないのか!?」

選抜兵「守りたかったさ!だけどシフトした。人類存続より優先すべきことなんて存在しねぇ!!」

睨み合うアッシュと選抜兵。
723 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:17:12.05 ID:tMqcZqLN0
405

--東の王国、大学病院特別室--

医者「……アッシュ君。どうか留まって欲しい。選抜兵だって泣く泣く下した決断なんですよ」

選抜兵「知った風な口振りはよしてくれよ医者」

医者「彼女はね。大の子供好きなんですよ。美少女好きのレズなんですよ」

ポニテ「今いる情報?」

医者「誰よりも子供の無力さを、大人の身勝手さを知っている。だからそれを変えたくて強くなったのに、結局大嫌いな大人と同じ決断をするしかない……」

選抜兵「……妄想はそこまでにしてくれよ」

レン「……ッ」

シュ

レンはアッシュのナイフケースからナイフを抜き取った。

アッシュ「!?」

辻斬り「レン殿!」
724 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:18:06.49 ID:tMqcZqLN0
406

--東の王国、大学病院特別室--

レン(もうもとにもどらないのなら、実験台にされちゃうくらいなら!)

レンはツインテの喉元にナイフをあてた。

レン「ッ……」

レンの瞳は涙で滲んでいる。

ポニテ「レンちゃん!?だめぇぇ!!」

ポニテが必死に叫ぶも、レンは振りかぶり

ギュっ

そのナイフを

ブシャッ!!

アッシュ「ッ!!……勝手に、人のナイフを使うなッ」

レン「!?」

アッシュは素手で振り下ろされたナイフを止めた。
725 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:19:13.00 ID:tMqcZqLN0
407

--東の王国、大学病院特別室--

ぽた、ぽたた

アッシュ「諦めるな」

ナイフの刃を握っているせいで血が床に落ちる。

レン「ッ!……れ、レンは全部見てきたんにゃ……」

選抜兵「……」

レン「医者がどうやっても、半日かけても切り離せなかったにゃ……」

辻斬り「……」

レン「何かを試すたびに、どんどん駄目だってことが、わかって……」

ポニテ「レンちゃん……」

レン「もう、もうツインテは戻ってこないんにゃ!!」

バシッ!

アッシュは左手でレンの頬を叩く。
726 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:20:03.48 ID:tMqcZqLN0
408

--東の王国、大学病院特別室--

レン「ッ!」

アッシュ「勇者パーティの一員のくせに諦めてんじゃねぇ……諦めるにはまだ早い。俺はまだなにもしてない」

医者「え」

アッシュがレンからナイフを奪い返すと、レンは地面に座り込んでしまう。

アッシュ「……」

アッシュは横目でうなだれるレンを見る。

パチン

そしてナイフをケースにしまった。

アッシュ「俺がもこもこを切り離す」

辻斬り「な、なんと!!アッシュ殿は回復魔法も使えるのでござるか!!」

アッシュ「いや」
727 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:20:41.52 ID:tMqcZqLN0
409

--東の王国、大学病院特別室--

ポニテ「アッシュ……君?」

選抜兵はボリボリと頭を掻き毟る。

選抜兵「そこの小僧。みっともねぇな、いつまでも出来もしないこと言ってんじゃねぇよ。そこの医者がダメ、っつったら基本的にゃみんなダメなんだよ」

変な理屈の選抜兵。

アッシュ「やってみなくちゃわからないだろ」

選抜兵「わかるさ、お前みたいな奴に人を救えるわけがない」

アッシュ「!……」

選抜兵「お前の歩き方、体の動かし方、気配のぼやかし方、その全部がお前の過去を物語ってんだよ」

辻斬り「……っ、選抜兵やめるでござる」

選抜兵「お前は、暗殺者、だろ」

ポニテ「!?」

レン「!」
728 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:21:17.45 ID:tMqcZqLN0
410

--東の王国、大学病院特別室--

アッシュ「……違う」

選抜兵「何度か暗殺者とは手合わせしたことがある。そんくらいは見抜けるんだよ……」

アッシュ「……」

選抜兵「暗殺者が勇者を名乗ってるってだけでもおかしいのに、殺し屋が人の命を救うだ?むちゃくちゃだろ」

辻斬り「よすでござるよ選抜兵!」

アッシュ「……何度も言わせるな。俺は暗殺者じゃない、勇者だ!……三人で一人のな」

ポニテ「アッシュ君……」

医者「選抜兵……僕はアッシュ君に乗ってみようと思います」

選抜兵「はぁ?」

医者「助けられる可能性があるならすがってみるべきですよ」
729 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:22:48.82 ID:tMqcZqLN0
411

--東の王国、大学病院特別室--

選抜兵「お前まで何言ってんだよ!また……っち」

視線を反らす選抜兵。

ポニテ「う、うん!ツインテちゃんを救うんだ!!こんな終わり方でいいわけがないもん!」

ポニテは蹲っているレンに駆け寄る。

ポニテ「レンちゃんもそうでしょ!?ツインテちゃんを諦めたくないよね!?」

レン「っう……」

ポニテはレンの顔を掴んで額を合わせる。

ポニテ「ね!?」

レン「……う、うぇえ、ツインテェ!!」

選抜兵「ッ……」

辻斬り「やらせてあげようでござる。いややるべきでござるよ、やれることがあるのなら。やってダメなら死ぬほど泣いて後悔すればいいだけでござる」
730 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:23:59.18 ID:tMqcZqLN0
412

--東の王国、大学病院特別室--

医者「うん」

選抜兵「……お前が匙投げたんじゃねえかよ」

医者「……はい。僕の知る医療では何も出来なかった……。選抜兵、貴方はあの時の僕らと被るからそこまでむきに」

選抜兵「だまれがり勉」

ピシャッと言い放つ選抜兵。

医者「……でももしアッシュ君のやり方で切り離すことが出来たなら、今後寄生された人達を救う手立てになりますよ」

選抜兵(医療技術、医療の知識、共に世界最高クラスのお前が出来ないのにガキができるわけないだろうに……)

選抜兵は医者と辻斬りを交互にジト目で睨む。

選抜兵(やってダメなら自分達を責め続けることになるっていうのがわかってるんだろうが)

選抜兵はドアのノブに手をのばす。

選抜兵「はぁ……半日もねえぞ?。大体あと八時間くらいで本部からお嬢ちゃんを受け取りにくるだろう」
731 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:24:36.87 ID:tMqcZqLN0
413

--東の王国、大学病院特別室--

アッシュ「!」

辻斬り(ここに来るのにそんなに時間かからんでござるぜ)

医者(選抜兵が時間稼ぎでもする気なんでしょ)

アッシュ「なら早速取り掛かる。医者とレン、力を貸してくれ」

医者「もちろん立ち会いますよ」

レン「全力でサポートするにゃん!」

ポニテ「私は!?私は何をしたらいいの!?」

アッシュ「あんパンでもかじっとけ」

ポニテ「わかった!!」

辻斬り「拙者は何をしたらいいでござる!?」

アッシュ「知らねぇよ。死ねよ」

辻斬り「わかった!!」
732 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:26:13.64 ID:tMqcZqLN0
414

--東の王国、大学病院--

カツカツカツ

足早に手術室に向かうアッシュ達。

ガラガラガラ

レン「ツインテ……」

ツインテが乗った担架をレンが押す。

医者「具体的にはどうするつもりなんですか?こちらで用意するものもあるだろうから前もって教えて下さい」

アッシュ「寄生生物だけ殺す」

医者「……」

レン「……」

静まり返る二人。

アッシュ「……何だよ」
733 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:27:00.12 ID:tMqcZqLN0
415

--東の王国、大学病院--

医者「いや……思った以上の答えが返ってきたもので」

レン「んなこと出来ないから大変なんにゃ!もこもこの命とツインテの命は今、繋がってるようなものなんにゃ!」

アッシュ「だろうな。そんなのは承知の上だ。あと医者、ありったけの毒を用意してくれ」

医者「薬、ではなく毒ですか?」

アッシュ「そうだ」

アッシュはニヤリと笑う。

アッシュ「毒も薬も同じようなもんだろ?」

レン、医者「「ちげーよ!!」」

アッシュ「ビクン!?」

レン「レン、もう駄目な感じがしてきた……」

医者「苦しませるだけにならないことを祈るしか……」
734 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:28:26.53 ID:tMqcZqLN0
416

--東の王国、大学病院手術室--

真っ白な部屋の中央にある手術台にツインテを移している。

アッシュ「……」

アッシュは何を思ったかマスクを外す。

カパッ

ツインテ「ぷあ」

アッシュ「……」

ツインテ「うおっまぶし!?ずっと真っ暗だったからきついぜ!そこにいるのは……誰かな?」

アッシュ「俺だ」

ツインテ「なんだ、アッシュ君かぁ。一体何をしにきたのかな?」

アッシュ「お前を殺しにだ」

ツインテ「!?……へぇ、とうとう仲間なんてどうでもよくなっちゃった?ツインテ悲しいな」
735 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:29:31.26 ID:tMqcZqLN0
417

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「ぶるなよ。寄生虫」

アッシュはナイフを取り出した。

医者「アッシュ君!?それは」

アッシュ「俺にはメスよかこの方が馴染む」

レン「なんかもう……めちゃくちゃにゃ」

ツインテ「無理だぜそんなん。私はもうこの体と同化してるんだから」

アッシュ「もこもこの位置はどんな風になってるんだ?調べてあるんだろ?」

医者「これです」

医者が開いて見せたノートには、ツインテの体のどこにどんな形で寄生しているのかが細かく記載されていた。

アッシュ「ふむ」

ツインテ「は、無駄だよん。私があれから場所代えてないと思ってんのかよ、古いぜ」
736 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:30:24.43 ID:tMqcZqLN0
418

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「……む。まぁそうか」

アッシュはノートを見るのをやめてツインテに近づいた。

ツインテ「お、また全身引っ掻き回すのかしら?」

アッシュ「……」

アッシュはツインテの口に布を詰め込む。

ツインテ「もごご」

アッシュ「だからこそ、俺の出番なんだよな」

医者「?」

アッシュ「スキル、透視眼」

ツインテ「!!」

アッシュの両目からランセルノプト放射光が。

アッシュ「……なんだ、さほど場所、変わってないじゃないか」

医者「ほ、欲しいそのスキル」
737 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:31:44.18 ID:tMqcZqLN0
419

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「麻酔とかは効くのか?」

医者「それが最初の30分ほどで効果を無くしたんですよ。もこもこの耐性を作る力は凄い……」

なので今は魔力を封印し、体中の自由を奪っている、と医者。

アッシュ「くそ。じゃあツインテ……今は聞こえてないかもしれないが……痛くする」

レン「……」

アッシュ「だから耐えてくれ」

アッシュはナイフを、

医者「ってダメです!そんな刃物で患者の体を裂いたらダメージが大きすぎます!」

アッシュ「すぐにあんたが処置すればいい。ナイフだって念入りに消毒したんだ」

医者「なんて……子供なんだ……」

アッシュ「いくぞ医者。まずは右の太ももだ。すぐに治してやってくれ」

医者「……わかりました。いつでもどうぞ」
738 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:38:47.51 ID:tMqcZqLN0
420

--東の王国、大学病院手術室--

ツプ

レン(!速い)

アッシュは一瞬で太ももを切った。もこもこが各部位に伸ばした拠点をかすめるように。



ようやく切られたことを認識したのか、太ももが血を滲ませる。

医者「水属性回復魔法、レベル1」

医者がすぐに治療にあたる。

医者(速い。そしてなんて綺麗な切り口だろう……)

アッシュ「……よし。レン、細胞を培養する装置を作れるか?」

アッシュは自分のナイフの先を見ながら尋ねる。

レン「レンをなんでも屋と思わないで欲しいにゃ。でもホムンクルス生成の装置で似たようなのを作ったことがあるから大丈夫かもにゃ」

アッシュ「よしさっさと頼む」

医者「そんな装置作るのにどれだけ時間がかかる」

レン「錬金ツール、錬成」

バシュ

レン「有り合わせので作ったからちょと自信ないにゃ」

医者「……」
739 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/04(土) 23:42:38.81 ID:tMqcZqLN0
金曜来れなくて申し訳なかったとです……。ね、ねむ……
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



         次回予告

盗賊「あの頃は、あの頃の夏は、皆が俺の後をついてきてた。そう、あの日だって」

踊子「盗賊が来なくたってどうだっていいけどさ、けど、あんたみっともないよ!」

魔法使い「闘士ってなんだよ。お前未だにそんなこと言ってるのか?」

きみっとなっつのおわーりー

踊子「みっともないのは、私だ」

魔法使い「学校も行かずに闘士の名前を呼んで、頭になんか湧いたんじゃね?」

勇者「闘士のことになると人変わるのってさ、あんたも同じじゃない?」

闘士「知ってるよ。おで、自分が死んじゃったことくらい、知ってるよ」


       次回、あの花がおもしろすぎてやばいです。


賢者「……」
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/04(土) 23:53:37.30 ID:46aRzcEho
>>739 乙!
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/05(日) 00:12:43.66 ID:m/t4wZ1v0
乙乙。

アッシュ君、勇者より医者の適性があるみたいでwwwwww
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 00:46:20.14 ID:d1W+TJzQo

>>741こんな医者いややわww
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/05(日) 07:37:52.53 ID:mrSNl3Kpo
おつー
なんとなく直死の人を思い出した
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 08:41:16.61 ID:8z+kY/gSO
めんまが闘士とかいやすぐるwwwwww
745 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 22:34:30.06 ID:AfUD3c3a0
あ、更新します。23時くらいからです。
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/06(月) 22:44:04.85 ID:RcH1vh9Po
>>745
待ってるよ!
747 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:01:42.58 ID:AfUD3c3a0
421

--西の王国--

人造魔王「ママー、これどこに置けばいいの?」

人造魔王は巨大な器材を運んでいる。

秘書「それはあっちです。あとママと呼ぶのはやめなさい」

人造魔王「わかったママー」

ズシン、ズシン

秘書「全然わかってないし」

人造魔王「ふんふふーん」

人造魔王は大きな身体でスキップしながら鼻歌。

秘書「スキップはやめなさい!揺れるでしょ!?」

人造魔王「ごむぇんママー」

東の王「……めっちゃ懐かれたな」
748 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:03:48.48 ID:AfUD3c3a0
422

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「よし」

アッシュはナイフについた肉片を容器の中に落とす。

アッシュ「もこもこだけ培養してくれ」

レン「わかったにゃ。早くやった方がいいにゃ?」

アッシュ「あぁ、なるべく早くだ」

レン「了解したにゃ」

レンは魔力を込める。

ゴポッ、ゴポポッ

肉片はぶよぶよと体積を増していく。

医者(何をするつもりなのか?)
749 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:04:58.09 ID:AfUD3c3a0
423

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「よし」

アッシュは容器に手を伸ばして、肉片を少しだけちぎって取り出した。それを台の上に置き、アッシュは医者を呼ぶ。

アッシュ「これから色んな毒を試していく。人体には影響がなく、もこもこにだけ刺さる毒を見つける」

医者「!?」

アッシュ「あんたは人体に影響が出るかどうかの判別をやって欲しい」

医者「……さすがにそれは夢物語だ……同じ生物で、同じ身体で生きているのに」

アッシュ「でも絶対に無いとは言いきれないだろ?」

医者「……」

実際には無いと言っても過言じゃないよ、と医者。

アッシュは右人差し指に毒を作り肉片に落とした。

じゅっ
750 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:09:35.40 ID:AfUD3c3a0
424

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「……これじゃダメか」

じゅうう

少しだけ体積を少なくさせることに成功したが、完全に殺すことは出来なかったようだ。

アッシュ「強めにやって、加減調整していく方が効率がいいか……」

アッシュは右手に魔力を集約させる。

アッシュ「毒属性攻撃魔法、レベル4」

ジュワァ

アッシュの指から黄金に輝く液体があふれ出る。

医者(お、黄金の毒ってどんなですか!)

ジュワワワァ!!

さすがの肉片もこれにはかなわないのか、一瞬で溶けて消えさった。
751 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:10:21.04 ID:AfUD3c3a0
425

--東の王国、大学病院手術室--

じゅわ

アッシュ「ふぅ。これでダメなら完全にお手上げだった。ふん……まだ望みはあるってことじゃないか。なぁ」

アッシュがどや顔で振り向くと、

医者「……」

レン「……」

ツインテ「……」

びくんびくん

痙攣している三人。

レン「……」

犯人は、アス。
レンは吐血した血で文字を書く。

アッシュ「しまった。これ空気もまずいことになるんだった」
752 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:10:58.79 ID:AfUD3c3a0
426

--東の王国、大学病院手術室--

医者「君はアホかー!!」

アッシュ「いや、アホじゃない」

医者「いやアホだー!!院内で毒ガス作るとかテロかー!?」

さすがの医者もキレる。

レン「シュコーポー」

医者とレンは毒ガス対策のマスクを着用している。

アッシュ「大丈夫だ。空気中に長時間いられないタイプだから、この部屋の外には影響がない。多分」

医者「多分!?」

レン「シュコーポー」

アッシュ「よし次やるぞ。時間が無い」

医者「あぁあ……もう怖い」
753 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:11:27.83 ID:AfUD3c3a0
427

--大学病院手術室から50メートル離れた待合室--

ポニテ「?なんか手が痺れてきた気がする?」

辻斬り「あっはっはっ。アッシュ殿が毒ガスを散布してたりしておろろろろろろ!!」

ポニテ「ぎゃー!!」

ポニテの目の前で盛大にゲロをぶちまける辻斬り。

ポニテ「き、きったなーい!やめてよ、つじー!」

辻斬り「す、すまないでござろろろろろ!!」

ポニテ「ぎにゃー!?」

ポニテは急いで離れたいのだが手足が痺れて動けない。

辻斬り「はぁ、はぁ……こ、これはまさか……」

ポニテ「……まさか?」

辻斬り「……あの時か」

ポニテ「出来るか!」

辻斬り「そ、そうでごもろろろろ!!」

ポニテ「!?ぎゃばああごぼっごばば!!」

壮絶な絵面である。
754 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:12:11.36 ID:AfUD3c3a0
428

--大学病院待合室--

辻斬り「……そういえば気になっていたことがござりんぐ」

ポニテ「うぷ……なに?」

辻斬り「ポニテ殿はなぜ死んでいたでござる?あんなぐちゃぐちゃにされて」

ポニテ「?ぐちゃぐちゃだったの?」

辻斬り「ぐちゃぐちゃだったでござる。それはもうひどい有様でござった。なぜ敵に寄生しようとするもこもこがあんなことをしたのか気になってござる」

ポニテ「ふむ」

辻斬り「なんか相手が嫌がることしたでござる?」

ポニテ「んー、あの時はね、あのまま戦っても勝てないと判断したんだよね」

辻斬り「ほう?」

ポニテ「もちろん、体調万全、準備万全なら勝ってたと思うけどね。室内だったから武器も満足に使えなかったし」

辻斬り「ふふふ、甘いでござるよポニテ殿。そんなことのせいにしているようじゃまだまだにござる」

ポニテ「む」
755 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:12:56.06 ID:AfUD3c3a0
429

--大学病院待合室--

辻斬り「どんな不利な状況だろうと勝たねば全て言い訳になっちまうでござる。世界は不平等、同等の条件で戦うことなんざ、あり得ないのでござるよ」

ポニテ「……うっせーひげ!!」

辻斬り「卑下でござる」

ポニテ「……まぁいいや、話戻すと、負けたら私の身体奪われちゃうじゃん?」

辻斬り「ござるな」

ポニテ「それじゃあツインテちゃん達に危険が及ぶかもしれないじゃん?私のふりして近づいてグサッ!とか。だから私、自害しました」

辻斬り「……ん?」

ポニテ「こういわゆる切腹をね!してみたんす!背骨も全部ズバッと真っ二つに」

辻斬り「そんなの切腹じゃない!」

自分で身体を両断するとは恐ろしい子、と辻斬り。
756 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:14:00.06 ID:AfUD3c3a0
430

--大学病院待合室--

辻斬り「……しかしふむ、合点がいった」

ポニテ「いったの?」

辻斬り「うむ。恐らく、奴らは宿主先がその意味をなさなくなったことを知って、キレたんでござろう」

ポニテ「キレたん?」

辻斬り「例えるなら、新生活に向けて新しい土地に部屋を借り、家具なども一通り揃え、友達達にも引っ越すことを告げ、それで軽くお別れ会なんぞをしたにも関わらず、地震でパーになってひどいやるせなさを感じる感じにござる」

ポニテ「誰の話?」

辻斬り「友達に至っては就職先まで……自然怖すぎでござる……。しかし日本昔話には、大津波がきて大変な思いをしたという話がちゃんと残っていたのでござる。だが利便性を考えるとそれもまた……」

ポニテ「誰の話?」

辻斬り「うっせぇビッチ。まぁだからもこもこにとってはポニテ殿の中に入りたくて入りたくてしょうがなかったのに目の前でおじゃんになってプラチナむかついたんでござるよきっと」

ポニテ「……カレンだよ!」

辻斬り「いやツキヒでござる」
757 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:14:50.63 ID:AfUD3c3a0
431

--大学病院待合室--

ポニテ「そんなことよりさー」

辻斬り「ござる?」

ポニテ「つじーって身体の色緑色だったっけ?」

辻斬り「どんなナメック星人でござるよ。そんなわけが……ってそういうポニテ殿こそデンデみたいでござる……」

二人の肌の色は現在色鮮やかな緑。

ポニテ「……何かが起こってるの?この病院……」

ガチャ

ドアから部屋の外を見る辻斬り。

辻斬り「ご飯!こっちに来てみろ!」

ポニテ「うるせぇツジコロさん」

でも行くポニテ。
758 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:16:30.43 ID:AfUD3c3a0
432

--大学病院待合室--

辻斬り「見るでござるよ」

ポニテ「?」

患者「あーうー」

ポニテ「……ゾンビ?」

院内をゾンビが徘徊していた。

ポニテ「これなんてバイオ?」

辻斬り「いつも思ってたんでござるが、なんでゾンビって同士討ちしないんでござる?」

ポニテ「うん?」

辻斬り「いやだからなぜゾンビ同士共食いしないのか、ということでござる」

ポニテ「うーん?私だったら腐った肉よりジューシーな肉食いたい」

辻斬り「……なるほど。なら次の疑問でござる」
759 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:17:39.27 ID:AfUD3c3a0
433

--大学病院待合室--

ポニテ「うん、なんでもくるといいよ!」

辻斬り「なんでゾンビは生者を襲った時に、しっかり食べないのか」

ポニテ「……」

辻斬り「ゾンビって人間を襲うじゃないでござるか。で人間がゾンビに噛み付つかれたら場面が切り替わることが多いんだけれど」

ポニテ「ふむ」

辻斬り「いつゾンビは食べるのをやめるのでござるかねぇ?みんなで捕食して食べつくしたら新しいゾンビが生まれないと思うの」

ポニテ「ふむふむ」

辻斬り「実際、噛み付いて終了みたいなところあるでござろう?もしお腹がいっぱいになったからやめたのなら、次の人間を襲わなくても

いいわけだし、そんな爆発的に増えないと思うんでござる」

ポニテ「なるほどなるほど。んー……私が考えるにそれはだね。あっ、あの子おいしそうだなー、ちょっと食べてみようかな、パクっ、あ……思ったよりおいしくない……次の子探そう……。って感じなんじゃないかな?」

辻斬り「20年間悩み続けていた問題が解けたでござる」

ポニテ「まじで?やったー!」
760 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:19:01.49 ID:AfUD3c3a0
434

--大学病院待合室--

ゾンビ「がぁぁ!!」

バタン!

辻斬り「ゾンビが部屋に入ってきてござる」

ポニテ「つじー」

辻斬り「なんでござる?」

ポニテ「私手足動かないや」

辻斬り「……拙者も動かなくなってるでござる」

ゾンビ「あぁー」

ジリジリとポニテ達に近づくゾンビ。

辻斬り「地味にピンチでござるな……」

ポニテ「あー!よるな変態バカ痴漢!」

ゾンビから避けようとポニテは顔を反らす。
761 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:20:03.18 ID:AfUD3c3a0
435

--大学病院待合室--

辻斬り「おのれー!ポニテ殿のうら若き肢体を貪ろうなどと、この死体許すまじ!!」

辻斬りは全ての力を振り絞って身体を起こした。

ぽふ

辻斬り「あ」

しかし倒れてポニテの胸に突っ込んだ。

ポニテ「にぎゃー!?」

辻斬り「くっ……よくもやりやがったなゾンビめ!!天国をありがとう!」

ぐりぐり

ポニテ「やめろぉぉ!!」

バン!

ポニテ「!?」

扉によっかかるようにして入ってきたのは、

東の憲兵「ぐ……少女が襲われたという通報があったので来てみれば!!」

辻斬り「!?貴様!!なぜここに!?」
762 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:27:05.68 ID:AfUD3c3a0
436

--大学病院待合室--

東の憲兵「ロリコンあるところに我はいる。ロリコンは悪だ!!社会のごみだ!!逮捕なのだぁ!!」

ゾンビ「がぁ」

東の憲兵「あぁ」

男らしく叫ぶ憲兵だったが、ゾンビに噛み付かれて倒れこんでしまう。

ゾンビ「あむあむ」

東の憲兵「あぁ」

辻斬り「何しにきたでござるアイツ」

ぐりぐり

ポニテ「お前はいつまでやってんだー!!おいゾンビ!!さっさとこいつもゾンビにしてやれ!!」

ゾンビ「イエッサーマム」

辻斬り「!?ポニテ殿裏切るでござるか!?……く!わかったでござる!拙者このまま身をていしてゾンビからポニテ殿を守るでござるよ!」
763 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:30:53.63 ID:AfUD3c3a0
437

--大学病院待合室--

ポニテとゾンビの間にいる辻斬りは、ゾンビを睨んで言った。

ポニテ「え」

ゾンビ「あーうー」

辻斬りの発した闘気によって、感情の無いはずのゾンビが恐れをなす。

辻斬り「……そしてゾンビになったあかつきには、いの一番にポニテ殿を襲うでござる!!」

ポニテ「最悪だー!!」

辻斬り「ふふふ……乳に歯形つけてやるぜ」

ポニテ「誰でもいいから助けてー!!寺生まれのTさん助けてー!!マイコー助けてー!!」

どぅっどぅっどぅっどぅっどぅん。どぅっどぅっどぅっどぅっどぅん

その時どこらともなく音楽が流れだした。

どぅっどぅっどぅっどぅっどぅん。どぅっどぅっどぅっどぅっどぅん

そう、ゾンビであるのなら、踊りださずにはいられないあの音楽が。

辻斬り「ま、まさか!?」
764 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:34:11.86 ID:AfUD3c3a0
438

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「出来たわww」

医者「案外簡単に出来るもんなんですね。やらせてみてよかったー」

レン「早くのませよう。レンがくちうつしするっ」

レンは貸してのポーズをする。

アッシュ「バカやろう!!一応毒には違いないんだ。ここは毒に耐性のある俺がやるしかないだろ」

レン「やだ!レンがするっ!」

貸してのポーズにジャンプを加えるレン。

医者「いや口から攻撃してくるからダメですよ……」

アッシュ「……」

レン「……」

アッシュ「……キスできるなら死んでもよくね?」

レン「やはりアッシュは今のうちに殺しておかないと将来邪魔になりそうにゃ」
765 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:36:33.92 ID:AfUD3c3a0
439

--ツインテの意識--

ツインテもこもこ「おいお譲ちゃん。起きな。起きるもきゅ」

ツインテ「うん……うん?貴方は……」

ツインテもこもこ「もこもこだよ。えーと、あれだ。旅館のトイレでアンタの体内に産み付けられたもこもこ、って言えばいいかな」

ツインテ「……なるほど」

??「くそが!!」

ドガっ!!

急に現れたストレートツインテがもこもこを殴り飛ばす。

ツインテ「!?」

??改めストレートツインテ「さっさと俺様の中から出てけよ寄生虫が!!」

ツインテもこもこ「……残念だけど、ここは精神の世界だから殴っても意味がないわ。だから大人しく話を聞いて頂戴よ」

サイドテールツインテ「ふー……精神世界……ねー。全員集合なんてどうやったんだろう」

???ツインテ「……」

はじっこの方で体育座りをしているツインテが一人。

ツインテ「……これ……全部ボク!?」
766 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:38:41.97 ID:AfUD3c3a0
440

--ツインテの意識--

ストレートツインテ「実際に会うのは初めてか。俺様の付属品どもめ」

サイドテールツインテ「だねー。でも言っとくけど私が主人格だからね!!」

???ツインテ「……」

ツインテ「うーん……なんか複雑な気分です。把握してない人格もありますですし……というかそんな性格なんだ……」

ツインテは自分達を見て驚きを隠せない。

ストレートツインテ「んだテメー、やんのかこらぁああ!!」

サイドテールツインテ「言っておくけど、私ケッコー強いよ?」

???ツインテ「…………」

ツインテ「表で何してるかよくわからないからなぁ……うう」

ツインテもこもこ「おいおいちょっと私の話を聞いてよ」

びしっ

ストレートツインテとサイドテールツインテの槍と鞭がもこもこに向けられる。

ストレートツインテ「なんだよ寄生虫。勝手に俺らの体を奪っておいて何の用だっつーんだよ!」

サイドテールツインテ「ねー。自分が消されそうでピンチだから協力して欲しいってとこでしょ」

ツインテもこもこ「!?……お見通しか。すごいね。表の情報は全部こっちが牛耳ったと思ったんだけど……」

サイドテールツインテ「甘く見ちゃ駄目だよ?」

ストレートツインテ「い、いつのまにお前だけ!!」

ツインテもこもこ「そうだ……どうやら私だけを殺す手段を手に入れたようなんだ……でも私はまだ死にたくない。だから、共生しないか?」

ツインテ「……え?」
767 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/06(月) 23:40:45.95 ID:AfUD3c3a0
月曜は特に地獄だぜ!!毎日更新とか神の所業なの!?
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



         次回予告

受付「……いいでしょう、貴女を次の私の主としましょう」

勇者「!!」

受付「末長く……我が主でいてくださいね」

勇者と受付が手を組んだifストーリー。


盗賊「くそ!!勇者さんが牢獄から消えた!?」

賢者「!!王様が殺害されたようですよ!?」

踊子「あの子……なにやってるのよ!!」

闘士「おで!!」

       次回、勇者募集してたから王様に会いに行った、IF1
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/06(月) 23:43:45.72 ID:beu5JSXK0
乙!
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/06(月) 23:44:25.83 ID:RcH1vh9Po
>>767 乙!
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2011/06/06(月) 23:51:36.91 ID:ekU4mCmC0


バイオのゾンビはすげー代謝がいいから常に空腹だとかなんとか
あとゲームにはゾンビが共食いしてる場面もあったよな、どうでもいいけど
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/07(火) 00:15:37.44 ID:YnsCupcyo
乙! 辻w斬りwwww

随分前にポニテの絵をうpした者です。もっと早く来るつもりが…
ツインテのつもりで描きましたが、1読者のイメージということでお願いします
(配色違うとはいえ、線画だけだと脳内再生に使ってたキャラに似てしまっていかんですね…)
http://wktk.vip2ch.com/upload.cgi?mode=dl&file=8564 (DLPW:twin)

後描くにあたって本編を読み返したところ、酒場1スレ目>>155
ポニテが「私達もう15歳云々」言っていたのです
が実際は設定の13歳でいいんでしょうか…?
772 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2011/06/07(火) 00:44:53.32 ID:XDr/sNpDO
つ、ツインテがいるー!ありがとうございますー!m(__)m

えー、皆さんに謝罪します。設定ミスです。ポニテの年齢は13歳が正しいです。なんか納得できるように今後フォローしていきたいと思います。
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/07(火) 01:27:08.93 ID:8cH37Shco
ちょっと>>767のifが読みたいよ
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/07(火) 09:36:06.46 ID:Gw8/VFfAO
リアル時間で2年くらい経ってたりするんだっけ?
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/07(火) 16:14:11.90 ID:ECaew38s0
さりげなく化物語ネタが入ってた嬉しい
776 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:27:24.09 ID:GMKSoRzT0
行きます!
777 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:28:09.52 ID:GMKSoRzT0
あ、バイオ情報ありがとうございました!
778 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:29:13.15 ID:GMKSoRzT0
441

--ツインテの意識--

ストレートツインテ「共生だぁ?ざけてんじゃねぇぞ」

サイドテールツインテ「そうだよー?君を生かしておく必要性が感じられないもん」

???ツインテ「……」

ツインテもこもこ「ッ!わ、私がいれば、色んなものに耐性を持つことが出来るわよ!?肉体の強化だって得意!」

ストレートツインテ「うるせぇ!俺は気に食わないもんはなんであれ認めねぇ」

サイドテールツインテ「……君、たまにテレパシーみたいなもので仲間と通信してたよね?」

ツインテもこもこ「……してたけどそれが?」

サイドテールツインテ「あっちからも情報入ってくるんだよね?」

ツインテもこもこ「……入ってくる」

サイドテールツインテ「ふむふむ。あ、あと、その通信ってさ、オートで送受信しちゃうのかな?それとも好きな奴だけ?」

ツインテもこもこ「……オート」

???ツインテ「嘘つき」
779 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:30:08.27 ID:GMKSoRzT0
442

--ツインテの意識--

ツインテもこもこ「!?」

今まで押し黙っていたウェーブの髪の毛のツインテが口を開く。

ストレートツインテ(俺あいつ知らねぇ……けど)

サイドテールツインテ(嘘看破の力でもあるのでしょうか?)

ツインテ「蚊帳の外ー」

サイドテールツインテ「この状況下で嘘つくなんて……わかってないね。それともよっぽど仲間想いって言ってあげたほうがいい?」

ツインテもこもこ「す、すまない!もう嘘はつかない!!真面目に答えるから!!」

ツインテもこもこは床に頭をつける。
……
床ってなんだろ。

サイドテールツインテ「……じゃあ質問2ー。君はどの程度私達の体を作り替えたのかな?私達を最初に襲ったもこもこは頭がパカッと割れてたんだけど」

ツインテもこもこ「頭が割れるタイプは一個前の世代までなんだ。私達は宿主の体を極力生かした運用が出来るようになっている」

サイドテールツインテ(でないと共生しようなんて提案は出してこないか。もこもこが死んだら私達も死んじゃうような作りにされてたら意味ないもん)
780 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:30:48.17 ID:GMKSoRzT0
443

--ツインテの意識--

ツインテもこもこ「実際私が寄生する前と後で変わったのは、外皮の強化ともこもこ臓器が増えたことくらいだ」

サイドテールツインテ「もこもこ臓器?」

ツインテもこもこ「わ、私達の核だ」

サイドテールツインテ「ふぅん……じゃあそれを壊しちゃえば君たちを倒すことが出来るんだ?」

ツインテもこもこ「……でも大きさは小さいビー玉一つ程度。さらに普段は心臓の中にいるけど、場合によっては体中を移動出来るから……」

サイドテールツインテ(切除は不可能か)

ストレートツインテ「もうぶっ殺していいか?少なからずむかついてんだよ俺様は」

仲間を俺様の手で殺しやがって、と小さく呟く。

サイドテールツインテ「質問3」

ストレートツインテ「だぁ!もういいだろうが!!」
781 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:31:52.12 ID:GMKSoRzT0
444

--ツインテの意識--

サイドテールツインテ「よくないよ。さっき説明したじゃん、ここは精神世界なんだから。いくら暴力をふるったって殺せやしないんだよ」

ストレートツインテ「うぐ……」

ツインテ「ボクいらない子すぐる」

???改めウェーブツインテ「……」

サイドテールツインテ「質問3、君と共生するとして、私達の安全はどう保証されるの?」

ツインテもこもこ「?」

サイドテールツインテ「いや、?じゃなくてさ。だって、はい共生します、って言っておいて、後で裏切って体の主導権取ることも可能だよね?」

ツインテもこもこ「……はっ!なるほど……」

ストレートツインテ(今気付いた)

ツインテ(今気付いた)

サイドテールツインテ(ち、バカだったのか)
782 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:32:26.38 ID:GMKSoRzT0
445

--ツインテの意識--

ツインテもこもこ「う、うーん。そんな気は無かったけど……うーん。気付いちゃったからには、やっぱり不安になるわよね?」

サイドテールツインテ「なる」

ツインテもこもこ「じゃあどうしたらいい?」

サイドテールツインテ「もこもこ臓器を私達の手が及ぶ所に置くこと」

ツインテもこもこ「!?む、無理もきゅ!もこもこ臓器は外に出せないんだきゅ!!」

サイドテールツインテ(しめた、いい情報聞けた。なら細切れにしてもこもこ臓器を露出させれば、寄生されても解放できる!)

ストレートツインテ(焦るともきゅ語尾復活すんのか?)

サイドテールツインテ「なら外に露出しなくても結構、ただし場所は指定するし、核は私達の触手で包ませて貰うよ」

ツインテもこもこ「む、むぅ」

サイドテールツインテ「危険なことをしようとしたら悪即プチ。もちろん身体中に神経伸ばすのも禁止。これなら君と共生してもいいよ」
783 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:32:55.06 ID:GMKSoRzT0
446

--ツインテの意識--

ストレートツインテ「勝手に決めんなサイドテール!!俺様はこんなやつ」

怒鳴るストレートツインテに近づいて耳打ちするサイドテールツインテ。

サイドテールツインテ「うまくすればもこもこ全部倒せるかもしれないよ」

ストレートツインテ「!?ど、どうやってだよ」

サイドテールツインテ「ゴニョゴニョ」

ストレートツインテ「ふむふむ」

ツインテ「……暇い」

ウェーブツインテ「……くぁ」

あくびるウェーブツインテ。
784 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:33:25.50 ID:GMKSoRzT0
447

--ツインテの意識--

ストレートツインテ「……わかった。共生プラン乗ってやるよ」

サイドテールツインテ「ふふ、きっまりー」

ツインテ「わ、わー……」

複雑な表情で拍手をするツインテ。

ウェーブツインテ「……」

ぺちぺち。

ツインテもこもこ「い、いいもきゅ!?本当にいいもきゅね!?よかったもきゅ!そうと決まったら早く表の連中説得してもきゅ!!」

サイドテールツインテ「その前に全身を侵食してる神経を引っ込めてよ。後核の移動」

ツインテもこもこ「え、えぇ今やるもきゅ?」

ストレートツインテ「たりめぇだろごるぁ!!」
785 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:33:57.28 ID:GMKSoRzT0
448

--ツインテの意識--

ツインテもこもこ「わ、わかったから怒らないで!!核はどこに移動させればいいもきゅ!?」

サイドテールツインテ「んー、右肩かなー?」

ストレートツインテ(最悪切り離せるしな)

ツインテもこもこ「わかったもきゅ!急いでやるから早く説得して!!意識戻すよ!?」

ツインテ「け、結局ボクよくわからないまま終わった!!」

ぐにゃり


--東の王国、大学病院手術室--

ツインテ「……う、ん」

ツインテが意識を取り戻し目を開けると、

アッシュ「ん、んー」

アッシュが顔を近付けている所だった。

レン「やめるにゃ!けがれるにゃ!」

げしげしとアッシュを蹴るレン。

医者「……早くやれよ」
786 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:34:36.04 ID:GMKSoRzT0
449

--東の王国、大学病院手術室--

ツインテ(あ、せ、説明しないと)

ツインテは目をつむったアッシュを見ながら叫ぶ。

ツインテ「み、皆さん聞いて下さい!!」

アッシュ「!?意識を取り戻しやがったか」

レン「もこもこの話なんか誰も聞きゃしないにゃ」

医者(……もしや)

アッシュ「さっさと目をつむれ!俺は天使のような寝顔にぶっちゅするんだ!!」

レン「今殺すしかない!!」

ツインテ「ひぃ!こっちの世界もなんかやばい!」

医者「ちょっと待ってください」
787 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:35:19.09 ID:GMKSoRzT0
450

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「なんだ!」

レン「すきあり!」

さくっ

アッシュ「あ……」

鎌でさっくりされるアッシュ。

医者「脳波を調べてみましたが、それはもこもこじゃないみたいです。ツインテちゃんですよ!」

アッシュ「そ、そうか……いやなぜ今精神が」

ツインテ「あ、えとですね。全ツインテちゃんによる脳内会議の結果、もこもこちゃんとは共生することになったんですよ」

アッシュ「……」

レン「……」

医者「……」

アッシュ、レン、医者「は!?」
788 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:36:25.73 ID:GMKSoRzT0
451

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「え!?俺の努力無駄!?っていうかどゆこと!?」

ツインテ「あ、えっと」

その後、ツインテによる説明が約五分間行われた。

アッシュ「……説明されても何を考えているのかさっぱりわからないけど……本気なのか?」

ツインテ「本気、みたいです」

他人事なツインテ。

レン「……その核というのはちゃんと掌握してるの?」

ツインテ「はい、今さっきちゃんと掌握出来ました。もこもこさんは今右肩にいます」

医者「もし僕ならそんな危険をおかそうだなんて思わないけど……それも選択か」

ツインテ「あはは……」

アッシュ「……ツインテがいいならそれでいいが」

アッシュは渋々納得したようだ。
789 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:37:14.13 ID:GMKSoRzT0
452

--東の王国、大学病院手術室--

レン「……ツインテがそう願うのならレンは尊重する」

医者「思わぬ形での決着ですね。……でもアッシュ君、お手柄だよ。君の諦めない行為のおかげで、この結果に結び付けることができた」

アッシュ「ふ、当たり前田の……ふん。勇者が諦めてどうするんだ」

レン「今は勇者休業とか言ってたくせに」

アッシュ「うるさい!」

医者「さて……約束の時間も後少しですし、みんなに報告しに行きましょう」

アッシュ「ツインテ、立てるか?」

アッシュは手を伸ばす。

ツインテ「あ、はいありがとうございます」

ツインテはその手を取って立ち上がる。

レン「む、むきー!ツインテにさわるなー!」
790 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:38:07.34 ID:GMKSoRzT0
453

--東の王国、大学病院手術室--

ツインテ(髪の毛真っ白になってる……随分無理させちゃったんだろうな)

ツインテはアッシュの頭を見て思う。

ツインテ「あ、あの!また迷惑かけてごめんなさい!!」

アッシュ「む」(こいつまた……泣くのか?)

ツインテ「ありがとうございます!」

アッシュ「……む」

ツインテ「アッシュ君が助けてくれたんですよね?」

アッシュ「……結果的には何もしてないような気もするがな」

レン「にゃー!レンも頑張ったの!」

ツインテ「あ、レンさんもありがとうございます」

抱きついてきたレンを受けとめるツインテ。

ツインテ「今度は、今度こそはボクが助けますから」

ツインテはにこりと笑顔を二人に向ける。
791 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:38:36.81 ID:GMKSoRzT0
454

--東の王国、大学病院手術室--

アッシュ「……おう」

照れ臭いのか顔をそらすアッシュ。

ツインテ「って血でてますよ!?鎌刺さってる!!」

レン「にやり」

医者「ほら、いつまでも遊んでないで行きますよ」

がちゃり

ゾンビ「あーうー」

医者「……」

ドアを開けて見えた世界。それは、

医者「ら、ラクーンシティになっとるー!?」

ゾンビ「あーうー」
792 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:39:09.06 ID:GMKSoRzT0
455

--東の王国、大学病院--

選抜兵「お前等何やったんだよ……邪神でも召喚したのか!?どうやったらあんな酷いことになるんだ!!」

医者「アッシュ君が解毒薬も作れたからよかったものの……危うく大惨事だった」

選抜兵「途中でめっちゃかっこいい黒人男性が颯爽と現れてゾンビを引率してたぞ」

医者「さすがだよマイコー……」

パカラ、パカラ

その時、近づいてくる蹄の音が聞こえた。

選抜兵「……来たか」

選抜兵はゆっくり立ち上がる。

王の使い「遅くなってすまない選抜兵。サンプルを回収しに来たぞ」

選抜兵「お疲れさまです」

選抜兵はビシッと敬礼。
793 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:39:39.01 ID:GMKSoRzT0
456

--東の王国、大学病院--

医者「お久しぶりです王の使い様。医者です」

王の使い「おぉ医者か。久しいなぁ!目に隈を作りおって……元気なのか?」

医者「はは。なんとか」

王の使い「そうか……積もる話もあるのだが事は急だ。早急に城下に戻らねばならない」

選抜兵「……それがですね、残念ながらサンプルは渡せなくなりました」

王の使い「ん?……まさか逃がしたのか!?」

王の使いは馬車から降りる。

選抜兵「いえ、状況が変わりました。彼女の仲間による必死の努力のおかげで、今は共生という形になりました」

王の使い「なんと!詳しく説明してもらおう」
794 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:40:17.40 ID:GMKSoRzT0
457

--東の王国、大学病院--

ポニテ「本当に格好良かったなー!」

辻斬り「拙者なんてムーンウォークまで教えてもらったでござるよ!」

レン「い、いいな!いいな!」

アッシュ「う、うらやましくなんてないんだからね!?」

ツインテ「うらやましいです!!」

煎餅を食べお茶を飲みながら談笑している五人。

ぴっち『僕にも煎餅欲しいっぴ!』

ツインテ「あ、ボクのあげますよ」

ぴっち『わーい、ツインテ様は優しいから好きだっぴ!!』

ぱっち『たまに優しくなくなるっぱけど』

ダンダンダンダン、ガチャ!
795 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:40:54.97 ID:GMKSoRzT0
458

--東の王国、大学病院--

アッシュ「?」

その部屋に入ってくる三人。

選抜兵「王の使い殿!」

医者「はぁっ、はぁっ」

王の使い「……」

ポニテ「?誰おじさん」

王の使い「……件の子はどれだ?」

選抜兵「……ツインテールの子です」

王の使い「そうか……。君、私と一緒に来てもらおう」

ツインテ「!」
796 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:41:27.64 ID:GMKSoRzT0
459

--東の王国、大学病院--

医者(やはりこうなったか)

アッシュ「こ、こいつはもう、もこもこに支配されてるわけじゃないんだ!引っ張っていく必要は……」

アッシュは言葉を無くす。

アッシュ(……共生してるサンプルなんて、何よりも貴重なはずだ……)

王の使い「理解が早くて助かる」

ポニテ「け、検査とかだけだよね!?」

王の使い「もちろん検査はする」

レン「……検査だけならここでも出来るにゃ」

王の使い「やれやれ、身構えてもらってる所悪いが、少なくとも私はその子に危害を与えるつもりはないよ」

医者(そう、問題なのは軍部)

王の使い「大丈夫、実験体になんかさせない。私も出来る限り力を尽くすことを誓おう。今は何より情報が欲しいのだ」

ツインテ「はい。ボク行きます」

即答するツインテ。
797 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:42:42.48 ID:GMKSoRzT0
460

--東の王国、大学病院--

アッシュ「!?」

ポニテ「え!?」

レン「!!」

辻斬り「なんと!」

ツインテはすっくと立ち上がり王の使いの許へ。

王の使い「ありがとう。君の早い決断はきっとこの国を救うだろう」

アッシュ「ば、かな」

選抜兵「……」

ツインテ「大丈夫です。ボク、こうなることを予想してましたから」

というかボクの中の人が、とツインテは言う。

ツインテ「多分何かやりたいことがあるんだと思います。だから心配しないでくださいね」

アッシュ「心配するなってお前……」

王の使い「いくぞ少女よ」

ポニテ「いやいやいやいや」

レン「にゃ、にゃー!?」

辻斬り「売られていく少女」

ツインテがパーティから抜けた。
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 22:45:04.75 ID:TNijOuMaP
(ち○ち○も根元から抜けた)
799 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/08(水) 22:45:19.82 ID:GMKSoRzT0
リアル時間では……三カ月から半年ほどくらいでしょうか。時間経過は。多分!

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



         次回予告

サキュバスに助けられ王国から逃げ出した後、

サキュバス「おはー」

魔王勇者「……なっちゃったね」

フランケン「お、おで」

カトブレパス「なってしまったものは仕方がないですよ魔王様」

ニンフ「まぁいいじゃないですか〜元々私人間嫌いでしたし〜」

ウェンディゴ「……母ちゃんに怒られるぅ」

魔王はじめちゃいました!

       次回、勇者募集してたから王様に会いに行った、IF2
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/08(水) 22:46:18.29 ID:TNijOuMaP
>>1乙ぱい
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/08(水) 22:49:00.31 ID:TRD20vC3o
>>799 乙!
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/08(水) 23:49:18.45 ID:Ry3kM7nk0
乙乙。
円滑な展開で良いな。

しかし盗賊がウェンディゴ…。
そんなにゴツいイメージじゃ無かったで意外。
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 10:51:49.20 ID:3miwvGcSO
マイコーはそっちで踊っていたのか…
804 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 20:57:08.53 ID:RTT3E8gr0
行きます……
805 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 20:57:41.78 ID:RTT3E8gr0
461

--南の王国近辺の村の近辺--

元賢者師範「……はー」

元魔法使い師範「おい溜め息つくなよ」

元闘士師範「まーでも溜め息もつきたくなるよなー」

元賢者師範「人間裏切って力を手に入れたのにこのありさまじゃあ……はぁ」

元魔法使い師範「……毎日毎日得体の知れないモンスターの見張り……だもんな」

三体の魔族は溜め息をつく。

トカゲ男「きゅい、きゅるる」

元闘士師範「いない?わかった。じゃあ最後に海沿い調べていなかったら次行こう」

トカゲ男「きゅる」
806 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 20:59:01.41 ID:RTT3E8gr0
462

--南の王国近辺の村の近辺--

元魔法使い師範「一匹逃げ出したくらいで、魔王軍の部隊を三つもださなきゃいけないものかね」

元賢者師範「元魔王軍、な。はぁ、やめてぇ。体も作り替えられちゃったから西の王国に戻るわけにもいかないし」

元闘士師範「てか俺らが手引きして滅ぼしたんじゃないかよ西の王国。未練がましいなぁ」

元魔法使い師範「あの頃は魔王がこんなに早く倒されるとは思わなかったもん」

元賢者師範「……しかも魔王のギアスが死後も有効だとは……俺らどうなっちまうんだろ」

元闘士師範「さぁな。神様にでも助けてください、ってお願いしてみな」

元魔法使い師範「……神様っていうか、勇者にかもな」

元賢者師範「……」

元闘士師範「……永遠の安らぎ……ね」

元魔法使い師範「俺らみたいなのが生きるのに疲れた時に、剣を振るって解放する……案外勇者のいる意味ってそういうことなのかもな」

元賢者師範「……意味がわからんよ」
807 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 20:59:32.08 ID:RTT3E8gr0
463

--南の王国近辺の村の近辺--

トカゲ男「きゅるきゅる」

元闘士師範「あぁはいはい、いなかったのね。了解了解。じゃあ次行くか」

三人の魔族は立ち上がり、各々が乗ってきた骨馬に乗る。

骨馬「ひひーん」

元魔法使い師範「はいやっ!」

パカラ、パカラ

走りだす骨馬とそれについてくる数百体のモンスター。彼らは何もない海岸線を走る。



元闘士師範「ん?」

ジジッジ

ビュウン

女村人「きゃあああ!?」

元賢者師範「!?これは」
808 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:00:14.26 ID:RTT3E8gr0
464

--南の王国近辺の村、北区--

骨馬「ひひーん」

わーきゃー

元魔法使い師範「い、いきなり村が現れやがった」

わーきゃー

元賢者師範「なるほど……外からじゃわからない結界でも張ってあったのか」

わーきゃー

元闘士師範「はは、さすがに俺ら魔族クラスの接近は防げなかったか」

わーきゃー

元魔法使い師範「入るまでわかんなかったけどな」

わーきゃー

元賢者師範「暇潰しだ。遊ぼうぜ」
809 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:00:42.95 ID:RTT3E8gr0
465

--南の王国近辺の村、北区--

元賢者師範は背中から太い黒光りしている杖を取り出すと、村人の群れめがけて投げた。

ブゥン

男村人「!?」

バギャバギャキャッ!!

元賢者師範「はっはー!見ろよストライクだ。十本以上ぶち折ったぜ!?」

十二人の村人が体の骨を砕かれて死に至る。

男村人「が、ひゅー……」

元闘士師範「一本残ってんぞ」

元賢者師範「む……」

パカパカ

賢者師範は骨馬で近づいていく。

男村人「ひっ、だ、だずげ」

元賢者師範「骨馬、お手」

グシャッ!!

お手と言われた骨馬は、血だらけで横たわる村人の背中を踏み砕いた。
810 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:01:17.88 ID:RTT3E8gr0
466

--南の王国近辺の村、北区--

元魔法使い師範「こっち側に来て唯一良かったことは、人を狩る楽しさを知れたことだな」

元闘士師範「はは、ちげぇねぇ」

ブラ「なんて……ことを」

元賢者師範「ん?」

逃げる人の波、その中で一人だけ流れに逆らうものがいた。

ブラ「なんて酷いことを……」

元魔法使い師範「褐色肌……そういやこいつらほとんど褐色だな。奴隷達がどっかから逃げ出してきて身を寄せあっていきてんのか」

ブラ「許せない……」

ブラは大粒の涙を溢す。

元闘士師範「女、逃げないのか?」

ブラ「逃げても、追い付かれます」
811 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:02:00.54 ID:RTT3E8gr0
467

--南の王国近辺の村、北区--

元賢者師範「まぁ、そりゃそうだ」

ブラ「こんなこと、やめなさい!」

元闘士師範「やめなさいっ……あははは!」

元賢者師範「やめろって言われてやめるほうが不自然だぜ女」

笑い飛ばす師範達。

ブラ「それでもやめろとしか言えないんだもの!」

元魔法使い師範「……」

しかしいつまでも毅然とした態度をとるブラに苛立ちを覚える。

元賢者師範「……さぁモンスター共、命令してやるぞ」

賢者師範は振り返って大声を張り上げる。

元賢者師範「もこもこを探してこい!ただし隅から隅までくまなくだ!人間を見つけたら腹捌いて胃の中まで確認しろよぉ!?」

モンスター「「「がぎゃあああ」」」
812 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:02:31.80 ID:RTT3E8gr0
468

--南の王国近辺の村、北区--

ブラ「!?な、なんてことを!!」

弾けるように村に散っていくモンスター達。

子供村人「ひ、ひいゃぁぁぁぁ!!」

コアラ男「らっこ、らっこー」

コアラ男は両手の鋭い爪を子供の胸に突き刺したかと思うと、思い切り切り開いた。

ズブシャァ!

ブラ「うっ!!」

思わず目を背けてしまうほどの光景。

ブラ「なぜ力をこんなことに使うのですか!!強い力は何かを守るためだけに使われるべきなんです!!」

元魔法使い師範「ははは。どんなおとぎ話だよそりゃあ」

元闘士師範「持ってるもんを試したくなっちまうのが人ってもんだろ?」
813 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:02:58.75 ID:RTT3E8gr0
469

--南の王国近辺の村、北区--

ギャアーヒィー

元魔法使い師範「強くなればなるほど敵に飢える。雑魚を蹴散らしたくなる」

魔法使い師範は土を操り、村人達に向けて放つ。

ドガガガ!

老婆村人「ぐぅっ!」

ブラ「ッ!!」

ブラは師範達に向かっていく。

元賢者師範「骨馬」

骨馬「ひひーん」

ドガァ!

ブラ「っあ!!」

近寄るブラを前脚で蹴り飛ばす。か細いブラの体は、
814 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:03:31.82 ID:RTT3E8gr0
470

--南の王国近辺の村--

ヤミ「しゃあっ!!あがり!」

小メイド「ヤミ様ウノって言ってないから無効でございます。カード引いてください」

パピー「きゃんきゃんっ!」

赤子メイド「だーうー」

ヤミ「しまった!!」

小メイド「では私はスキップをだすでございます」

ヤミ「ええぇ!?また!?」

パピー「きゃんきゃんっ!」

パピーはドロツーを二枚出す。

小メイド「!!勝負のターンでございますね!?」

赤子メイド「だーうー」

赤子メイドが出したのはドロフォー三枚。
815 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:04:13.88 ID:RTT3E8gr0
471

--南の王国近辺の村--

小メイド「!?やるでございますね……まだ何回かターンが回ってきても余裕そうな出し方でございます!!じゃあ私も」

小メイドが出したのはドロフォー一枚。

ヤミ「ふむ。一体どこまでやれるかな」

ヤミが出したのはスキップ一枚。

小メイド、パピー、赤子メイド「「「いやいやいやいや」」」

ぶんぶんと手を振る二人と一匹。

ヤミ「な、なんだよ。これも英語だぞ?」

小メイド「ドロー系はドロー系でしか返せないでございます。スタンドはスタンドでしか倒せないのと同様に」

ヤミ「まじか」

まさかの二十枚ドロー。

パピー「きゃんきゃんっ?」

小メイド「あ、色は赤でございます」
816 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:04:47.72 ID:RTT3E8gr0
472

--南の王国近辺の村--

パピー「きゃんきゃんっ!」

パピーが出したのはスキップ一枚。

小メイド「お、ありがたいでございます。ならお返しに」

小メイドが出したのもスキップ一枚。

ヤミ「飛ばすな」

パピー「きゃんきゃんっ!」

パピーが出したのは、またスキップ一枚。

小メイド「あちゃー、もう切れちったんでございますよ……じゃあリバースでも」

ヤミ「こら。ずっと俺のターンが来ないぞ」

小メイド「そういうものが勝負の世界なんでございます」

ヤミ「そうなのか」
817 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:05:59.23 ID:RTT3E8gr0
473

--南の王国近辺の村--

赤子メイド「だーうー」

赤子メイドは赤の3を出す。

パピー「きゃんきゃんっ!」

パピーは青の3を出す。

ヤミ「よし。やっときたか。これはなんだったか。リバース?」

ヤミはカードを見て考えた後、

ヤミ「……」

嘔吐した。

ヤミ「おろろろろろ」

小メイド、パピー、赤子メイド「「「いやいやいやいや」」」



小メイド「しかし……」

わーきゃー

小メイド「外が騒がしいでございますね。温泉客も全くこないでございますし」

ヤミ「うむ」

バタン!

その矢先、家のドアが荒々しく開かれる。
818 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:06:31.61 ID:RTT3E8gr0
474

--南の王国近辺の村--

近所のおじさん「ヤミ君達いるかい!?」

ヤミ「どうした神々しい」

小メイド「騒々しいでありますよヤミ様。いや確かに頭の天辺が光り輝いていて神々しくあるでございますが」

近所のおじさん「うるさいよ!」

ヤミ「なるほど、言い直そう」

こほんと咳払いを一つ。

ヤミ「どうした眩しい」

近所のおじさん「最悪だよこいつら……」

近所のおじさんも咳払いをして言った。

近所のおじさん「魔族とモンスターが攻めてきたんだ!早く逃げよう!」

ヤミ「魔族……」

小メイド(なんだその程度でありますか……って言いたい所でありますが、今の私達では厳しいかもでございますね)

パピー「きゃんきゃんっ!」
819 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:06:59.45 ID:RTT3E8gr0
475

--南の王国近辺の村--

近所のおじさん「こっちに来るのももう時間の問題なんだ!!さぁ行こう!!」

近所のおじさんはヤミ達の手を掴み、早くと急かす。

小メイド(やれやれ、自分の心配をしたらいいのにでございます……)

ヤミ「まだブラが戻っていない」

近所のおじさん「ッ!」

近所のおじさんは辛そうな顔を見せる。

ヤミ「あいつが帰ってくるまでここを離れるつもりはない」

近所のおじさん「……ぶ、ブラちゃんは魔族達が来た地区で働いていた……残念だけど……きっと」

ヤミ「……」

目を背けるおじさんをヤミは見続けている。

近所のおじさん「君たちだけでも逃げるんだ……!今のうちなら君らだけでも」

ヤミ「……」
820 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:07:28.43 ID:RTT3E8gr0
476

--南の王国近辺の村--

小メイド「ヤミ様……」

ヤミ「……心遣い感謝する」

近所のおじさん「ヤミ君……」

ヤミ「だがブラは大事な俺の従僕なのだ。失うわけにはいかない」

小メイド「……ふ」

近所のおじさん「だ、だが君たちまで危険な目にあわすわけには!!」

ヤミ「心配するな俺達は強い」

パピー「きゃんきゃんっ!」

赤子メイド「だーうー」

小メイド「そうでございます!!」

むん、と胸を張る小メイド。

ヤミ「この村は俺達が守る」
821 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:08:09.44 ID:RTT3E8gr0
477

--南の王国近辺の村--

ザ、ザザ

小メイド『あーテステス。本日は晴天なり。聞こえるでありますか?』

ヤミ『あぁ』

パピー『きゃんきゃんっ!』

赤子メイド『だーうー』

小メイド『よかでございます。ではこの回線は緊急用でございます。基本的には各々モンスター群を討伐し、最終的には北区に集合であります。いいでございます?』

ヤミ『溶解した』

小メイド『了解して欲しいでございます。それでは皆様、ご武運を』

パピー『きゃんきゃんっ!』

赤子メイド『だーうー』
822 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:08:40.42 ID:RTT3E8gr0
478

--南の王国近辺の村、西区--

赤子を乗せた小さな子犬が村を駆けていく。

パピー「はっ、はっ、はっ」

赤子メイド「だーうー」

巨大コウモリ「ぎゃー!!」

巨大コウモリがパピー達を狙って急降下。

赤子メイド「だーうー」

ばちばち

赤子メイドの両手から小さな電気が弾ける。

赤子メイド「だーうー!」

ジジャン!

巨大コウモリ「ぎぃー……」

こうかはいまひとつのようだ。
823 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:09:32.52 ID:RTT3E8gr0
479

--南の王国近辺の村、西区--

パピー「きゃんきゃんっ!」

パピーが口から氷のつぶてを吐き出した。

こつん

巨大コウモリ「……ぎぃ」

こうかはいまひとつのようだ。

巨大コウモリ「ギィヤー!!」

怒った巨大コウモリは赤子メイド達をつばさで打ち付ける。

バチ、バチ!

赤子メイド「だーうー!」

パピー「きゃんきゃんっ!」

青年村人「!?あ、赤ちゃんと子犬がモンスターと戦ってる!!……くっ!!」

偶然通りかかった青年は、パピー達を発見すると巨大コウモリから救うために捨て身の体当たりをかます。

どごっ!
824 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:10:20.78 ID:RTT3E8gr0
480

--南の王国近辺の村、南区--

化物薔薇「まきゃー」

小メイド「……はぁ。めちゃくちゃいるでございますね」

骨人「あっあっあっあっあっ」

小メイド「今のエネルギー残量でどこまでやれるかわからないでございますが……」

ワンタン「わおーーん!」

小メイド「ヤミ様に命令されたらやるしかないでございますよ」


--南の王国近辺の村、東区--

ヤミ「やれやれ。数だけは無駄に多いな」

鋼ワニ「ぐるるるるる」

飴堕魔「ころころころころころ」

ヤミ「さぁ死ね微糖なモンスター共。魔王が通るぞ」

ザザっ

小メイド『下等ですヤミ様!』
825 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/10(金) 21:11:02.48 ID:RTT3E8gr0
川上とも子さん(´;ω;`)……
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



         次回予告

魔王「世界半分あげるから僕と契約して仲間になってよ!」

勇者「いいよ」

盗賊「!?」

ここに勇者と魔王の至上最強最悪のタッグが誕生した。

勇者「世界から悲しみを絞り切るためには、破壊しかないよね……」

魔王「この子俺より黒くね?」

盗賊「俺達どうすればいいの……」

       次回、勇者募集してたから王様に会いに行った、IF3
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 21:40:27.14 ID:VV5278qSO
師範…

奴らいつ人間やめた?
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/10(金) 22:06:21.07 ID:L4iV2rWb0

師範たちがこんな風になってたなんて…

あれ? 盗賊の師範はいないのか?
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/10(金) 23:35:56.33 ID:35Q0UC9Eo
>>825 乙!
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 23:48:51.29 ID:P9VDgYsDO
市販てまさか最初の話の最初に出て来た修業場のか?

なにはともあれ乙
ツインテの行く末が気になるぜ
830 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:41:02.68 ID:fn0YwTLM0
こんばんはー。
えとですね。師範は今回初出ですね。

それについては、ここで補足させていただきます。
なぜ西の王国が一夜で滅亡したのか。
さすがに魔族一体とモンスター群だけで、一国は落とせません。
しかし実際に西の王国は滅ぼされました。その背景にはなんかあったんでしょうね。
当然いるはずの三強や、三強の次戦力である師範達はあの時何をしていたのか……?

更新しますー!

831 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:41:38.48 ID:fn0YwTLM0
481

--病院の施設--

ツインテが連れていかれた後、ポニテ達は病院で泊まるようにと医者に勧められたのだ。

ほーほー

ポニテ「お金が浮くのはいいことだよね。これから何があるかわからないんだし」

アッシュ「あいつらは……どこかに行かずにここにいろ、っていう意味で施設を使えって言ってきたんだと思うぞ」

ポニテ「そっかぁ」

ポニテは病院の中庭で夜空を見上げる。

ポニテ「……そういえばさ、私みんなに言ってなかったことあるよね」

アッシュ「?」

ポニテ「なんでリボンちゃんに執着してたのか、ってやつ」

アッシュ「あぁ……もういいだろその話は」

アッシュはわざとそっけ無く返す。
832 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:42:48.67 ID:fn0YwTLM0
482

--病院の施設--

ポニテ「うぅん。言うよ。じゃないと隠し事しちゃったみたいでやだし、前に進めない気がするし」

アッシュ「けっ、全部自分のためかよ」

ポニテ「あはは!そうだね!」

ポニテはけらけら笑うとアッシュに視線を合わせた。

ポニテ「あの時は追及しないでくれてありがとう。心の準備が出来てなかったから、もしかしたら取り乱して泣いちゃってたかもしんない」

アッシュ「はっ……」

泣くぐらいがなんだ、とアッシュは呟く。

ポニテ「私ね、……私も同じようなことになったことがあるんだよ」

アッシュ「!」

ポニテ「2年前、パパとママと船に乗ってどこかに行こうとしてたんだけど、途中で大嵐に会っちゃったの」
833 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:43:20.79 ID:fn0YwTLM0
483

--病院の施設--

アッシュ「……」

ポニテ「昼までは全然晴天だったのに、いきなり真っ暗になって、すごい嫌な空気がして本当に怖かった……うぅん、怖かったじゃすまされなかった」

ポニテはじっと星を見ている。

ポニテ「大きな波が船を襲ったの。すごい音がして、ぐるんぐるん揺れて、みんなの叫び声が聞こえてくるの」

アッシュ「……」

ポニテ「私は傍にいて欲しかったんだけど、パパとママは看板に行っちゃったの。船員を手伝ってくる、って」

ポニテのまばたきの回数が増え始める。

ポニテ「船室はランプが消えて真っ暗になっちゃうし、色んなものがぶつかって痛かったんだ。私はパパ、ママ!って心の中で叫ぶしか無くて必死に耐えてたんだけど、気付いたら気を失ってたらしいの」

アッシュ「……」

ポニテ「多分何かがぶつかって気絶しちゃったんだろうね。私が次に目を覚ましたのは漁村の病院だった。真っ白な天井を今でも覚えてる」
834 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:45:25.86 ID:fn0YwTLM0
484

--病院の施設--

アッシュ「……」

ポニテ「私があの船で唯一の生き残りだった。というかなんで生き残れたのかわからないってレベルだったらしいんだ」

アッシュ「……被ったのか」

ポニテ「うん……被っちゃった」

アッシュ「バカだな……」

ポニテ「うん……」

アッシュ「……それからどうして旅をしようだなんて思ったんだ?」

ポニテ「あ、うん。実の所を言うとこの旅……パパとママを探すためのものでもあるんだ」

アッシュ「!!」
835 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:46:23.92 ID:fn0YwTLM0
485

--病院の施設--

ポニテ「あの船で死亡が確認された人って実は少ないの。それは当たり前のことかもしれないけど、ほとんどの人は流されちゃったから……」

アッシュ「なるほどな……」

だからか、とアッシュは小さく呟いた。

ポニテ「私、死体をこの目で確認するまでパパとママが死んだなんて思わない。いつか、絶対に見つけだしてやるんだ!」

アッシュ「……ん?じゃあ勇者だって言ってたのは嘘か?」

ポニテ「へ?いやいやそれは嘘じゃないよ。私はれっきとした勇者だぜ!」

アッシュ「……本当なのか疑わしいな」

ポニテ「ほ、本当だもん!!」

ポニテはむきになって頬を膨らます。

アッシュ「……見つかるといいな」

ポニテ「へ?」

アッシュ「両親」

ポニテ「あ……うん!」

ポニテは花のような笑顔をアッシュに向けた。
836 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:46:57.76 ID:fn0YwTLM0
486

--病院の施設--

アッシュ「……あと、このことは俺だけに話すもんじゃないだろ」

ポニテ「ん?」

アッシュ「少なくとも旅を始めた三人。もう一人の勇者、ツインテにも言わなきゃな」

ポニテ「……そうだね!!」

アッシュ「そのためにはまずは……」

ポニテ「ツインテちゃんの奪還!!」

アッシュ「……するためにもこもこを倒さなきゃな」

ポニテ「あ、そっか!」

ぐす、ひくっ

アッシュ「……何か泣き声が聞こえるんだが」

暗やみから姿を表したのはレンと辻斬り。

レン「ポニテ……ぐす」

辻斬り「まさかそんな辛い運命を背負っていたとは……ひくっ」

アッシュ「盗み聞きしてやがったな」
837 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:47:24.42 ID:fn0YwTLM0
487

--南の王国近辺の村、南区--

小メイド「ちぃ」

バチバチバチィ

団子長男「ぎゃあああ!!」

小メイド(やっぱり数が多いでございます……これだけ魔力を節約して戦っていたというのにもう底をつきそうでございます)

団子次男「んごぉぉ!」

小メイド「!?」

どごっ!

小メイド「ぐっ!」

団子の突進を横腹に受け態勢を崩す。

小メイド「しま」

腐鼠「ちゅう」

腐舒粢「ちゅう」

倒れた小メイドに一斉に飛び掛かるモンスター達。
838 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:47:58.50 ID:fn0YwTLM0
488

--南の王国近辺の村、南区--

ドサドサドサ

団子三男「にじゃぁぁ!!」

ガブリ

団子は小メイドの太ももに食らい付く。

小メイド「がっ!?」

ガブリ

ガブリ

ガブリ

全身をモンスター達に食われ始めた小メイド。

小メイド「や、ぎっ!」

ぶしゅう!
839 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:48:45.49 ID:fn0YwTLM0
489

--南の王国近辺の村、南区--

ヘドロ男「だぁぁ」

小メイド(負けた……でございます……こんな、こんな雑魚共に……)

ぶしゅ!

ガブリ!

小メイド(申し訳……ございません……ヤミ様……わだ)

ぶしゅ!

ガブリ!

小メイド(くや……しい……こん、なやつらに……食われて………………はっ!!)

ガブリ

団子次男「ひょひょひょお!?」
840 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:49:17.11 ID:fn0YwTLM0
490

--南の王国近辺の村、南区--

ヘドロ男「!?」

小メイドは団子に噛み付き、

グシャグシャ!

噛み砕き、飲み干した。

小メイド「……くく。人のエネルギーばっか食してたからついうっかりしてたでございますよ……」

ゴゴゴ

小メイドに再び魔力の灯火が灯る。

小メイド「私達、別にエネルギー源なんてなんでもよかったでございます」

団子三男「ガクガクブルブル」

モンスター達は急に震えだす。

小メイド「……ふふ。腹に納まりきるかなぁ」
841 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:49:43.65 ID:fn0YwTLM0
491

--南の王国近辺の村、西区--

パピー「がつがつ」

赤子メイド「がつがつ」

青年村人「はっ……はっ」

左手を押さえて地面に座り込んでいる青年は、巨大コウモリを食しているパピー達を見ている。

青年村人(助けようとしたのに逆に助けられてしまった……なんなんだこの赤ちゃん達)

ぴろぴろん

その時何かの効果音がなった。

赤子メイド「あーうー」

でっでっでっでっでっでっでっでーん
でっでっでっでっでっでっでっでーん

赤子メイドの体が変形し始める。

てろてろん!ちゃーちゃーちゃ、ちゃちゃちゃちゃっちゃちゃーん!

赤子メイド「おめでとう!あかごメイドはようじメイドにしんかした!」

青年村人「ええええ!?」
842 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:50:15.24 ID:fn0YwTLM0
492

--南の王国近辺の村、西区--

ぴろぴろん

また何かの効果音がなった。

パピー「きゃんきゃんっ!」

でっでっでっでっでっでっでっでーん
でっでっでっでっでっでっでっでーん

パピーの体が変形し始める。

青年村人「ま、またなにか始まった!?な、なんなんだ!?」

てろてろん!ちゃーちゃーちゃ、ちゃちゃちゃちゃっちゃちゃーん!

パピー「おめでとう!パピーはにわとりにしんかした!」

青年村人「なんでだよ!!」
843 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:50:46.10 ID:fn0YwTLM0
493

--南の王国近辺の村、東区--

ヤミ「むぐむぐ。味はまずいが、魔力量は人より多い個体も少なくない。……見つけたぞ人の代用品」

石板「ひ、ひぃ!」

ヤミ「お前は硬そうだな」

そういうとヤミは石板に手をあて、

じゅるり

ヤミ「ドレイン」

石板「……ぎゅ」

どさり

ヤミ「……」

ヤミは辺りを見回した。

ヤミ「ふん、たわいもない。大して腹も膨れちゃいないし」
844 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:51:13.78 ID:fn0YwTLM0
494

--南の王国近辺の村、東区--

ざ、ざざ

小メイド『皆さん終わったでございますか?』

ヤミ『丁度今終わった所だ』

赤子メイド改め幼児メイド『こっちもおわりまちたでしゅ。ひさしぶりにじんごはなせるようになりまちた』

ヤミ『む。よかったな』

小メイド『わ、私だって中学生くらいにまでなりましたでございます!』

幼児メイド『ただパピーたんが……』

ヤミ『どうした?』

小メイド改め中学生メイド『無視ですかでございます!?』

パピー改め鶏『こけ……』

中学生メイド『……一体どんな成長を……?』
845 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:51:42.57 ID:fn0YwTLM0
495

--南の王国近辺の村--

ざっざっ

ヤミ『ふむ……いいなみんなフォルムチェンジして……』

ヤミのしょぼん声。

中学生メイド『や、ヤミ様!?』

ヤミ『俺だけ何も変わらない。ショタのまんまや……』

幼児メイド『ヤミしゃまがなまったでございましゅ!』

ヤミ『いいさ、俺はいつだってのけ者なんや……』

中学生メイド『しょ、ショタショタなヤミ様も素敵だと思うでございます!!』

幼児メイド『そ、そうでしゅよ!かわゆいっ!』

ヤミ『やめてくれ。男に可愛いは誉め言葉じゃないんや……』

鶏『こけー!!こっこっこっこけー!!』

ヤミ『……』

中学生メイド『……』

幼児メイド『……』
846 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:52:17.18 ID:fn0YwTLM0
496

--南の王国近辺の村--

鶏『こ、こけっ?』

ヤミ『……あいつに比べたらましか』

中学生メイド『そうでございますよ!あんな家畜に成り果てた奴にくらべたら!!』

幼児メイド『そのうち、しょくたくにならんでもおかしくないレベルでございましゅ!!』

鶏『こけっ!?』

ざり

ヤミ『……というか、いつまでテレパシーで話してるんだ?』

ざり

中学生メイド『まぁ……流れでございます』

三人と一匹は既に合流して仲良く歩いていたのだった。
847 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:52:42.54 ID:fn0YwTLM0
497

--南の王国近辺の村、北区--

元賢者師範「なんだよもう無理なのか女」

元闘士師範「ははは、自分から言い始めたことだってのによ」

元魔法使い師範「あーあ。意識無くなっとるわ」

ブラ「……」

元賢者師範「おら起きろ!!」

バキッ

ブラ「ぎっ!」

脇腹を蹴られて意識を取り戻すブラ。

元闘士師範「ほらほら。ここの村人に手を出さない代わりにお前が相手になってくれるんだろ?」

ブラ「は、はい……」
848 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:53:52.97 ID:fn0YwTLM0
498

--南の王国近辺の村、北区--

元魔法使い師範「村人は百四十二人だっけか?なら……えーと……後九十七回耐えなきゃな」

ぐしゃ

ブラ「ッッッ!!」

棍棒で叩かれて死んでしまうブラ。

元賢者師範「それ絶対適当な数言ったろ。蘇生魔法レベル1」

しゅうう

ブラ「……はっ!げほ、ごほ」

元闘士師範「おい完全に修復しろよ。すぐ壊れておもしろくねぇ」

元魔法使い師範「完全蘇生なんてしてたらさすがに魔力が足りねぇよ。火属性攻撃魔法」

元賢者師範「火は止めろ。消し炭にされたら蘇生できなくなる」

元魔法使い師範「ちぇ、じゃあ骨馬にやらせるか」

元闘士師範「あ、薄い本的な内容考えてた人、腹筋な」
849 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:54:24.91 ID:fn0YwTLM0
499

--南の王国近辺の村、北区--

骨馬「ひひーん」

骨馬はブラを見下ろし、足をあげた。

ブラ「ひっ!」

ブラは骨馬に強烈な恐怖を感じ、後ずさりしてしまう。

元賢者師範「なんだ、やめるのか?なら村人は」

ブラ「!!や、やります」

ブラは歯を食いしばり、馬の前に首を垂れた。

骨馬「ひひーん」

ぶおん!!

ブラ「っ!!」

ドシュン!!

骨馬「……ひひーん?」

振り下ろした先にブラはいない。
850 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:55:23.11 ID:fn0YwTLM0
500

--南の王国近辺の村、北区--

中学生メイド「……スキル雷動」

メイドは一瞬でブラを抱えて移動していた。

ブラ「め、メイド……様」

中学生メイド「全く手間をかけさせる奴隷でございます。……重いでございますよ胸にそんなでかいのつけて!!」

幼児メイド「とちゅうからちがうことにふまんをいだいてるでございましゅ!!」

元賢者師範「何だお前ら……。言っておくがな。その女は自らその身を差し出してるんだぞ?」

中学生メイド「!」

元闘士師範「そうだ。お前らが今生きていられるのはこいつが俺らのおもちゃになってくれてるからなんだぜ?」

中学生メイド「……わけがわからんでございますね」

ブラ「わ、私が犠牲になれば、村は襲わない、って、約束を……」

ざっ

ヤミ「嘘だぞブラ」

ブラ「!……あ、ヤミ様」

ヤミ「こいつらはモンスターで村を襲っていた」

ブラ「!?」

元賢者師範「てめ、折角おもしろかったのによぉ」

ヤミ「……よくがんばったなブラ。後は任せろ」

ブラ「あ、で、でもヤミ様」

幼児メイド「もうモンスターはぜんぶっころしたでございましゅ。あんしんしてみてるがいいでございましゅ」
851 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/13(月) 21:56:04.63 ID:fn0YwTLM0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



         次回予告

盗賊「ど、どうしよう泣きやまないんだけど!!」

勇者「えー!?おむつは見た!?」

盗賊「見た!ほかほかしてない!」

勇者「じゃあお腹すいてるんだよ、ミルク作らなきゃ!!」

盗賊「よし俺作る!勇者抱いててくれ」

勇者「わ、わかった」

赤子「おぎゃー!」

勇者「よしよしー今パパがご飯つくってきまちゅからねー」

赤子「あーんあーん!!」

ぽこぽこ

赤ちゃんは勇者の胸を叩く。

勇者「……ごめん。出ないんだ……」

       次回、盗賊、勇者の子育て奮闘記!
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/13(月) 22:06:39.78 ID:/udeyzZno
え?
子ども出来ても出ないぐらいまな板なの?
全く膨らまないの?
ぺろぺろ
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/06/13(月) 22:11:28.18 ID:TLs1bwdZo
ふざけたげんそうをぶっころしたでございましゅ
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/13(月) 22:48:06.96 ID:iq4hTqqSO
一応
看板×
甲板○


鶏ってwwwwww
ポケモンよりデジモン並のビックリ進化だぞwwwwww
そんなことより勇者かわいいよ勇者
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/13(月) 23:56:15.49 ID:X09FXfzfo
>>851 乙!
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/17(金) 19:21:38.43 ID:nmjsyvybo
今日来るかな〜
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/17(金) 20:10:23.70 ID:RU0dJ/uAO
いやー来るだろ今日は
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/17(金) 23:07:28.74 ID:evRHbW9DO
こなぃねぇ……
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 16:33:35.44 ID:3yGzxFws0
今日だな
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/18(土) 16:51:02.97 ID:S7HuJzPBo
こうして一週間は過ぎる
861 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 17:07:04.17 ID:sqUVrJqs0
遅れてごめんなさい。
今日更新します。今しばらくお待ちください!
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/18(土) 17:25:19.91 ID:r6yIIanao
ktkr
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/18(土) 17:27:18.16 ID:f1IQ50bAO
>>861
愛してる
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/18(土) 20:50:31.73 ID:IqflMRkP0
wktk
865 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:00:35.98 ID:sqUVrJqs0
501

--南の王国近辺の村、北区--

元闘士師範「……なぁに言ってるんだろうねこのがきんちょ達は」

元賢者師範「モンスターを全滅とは、嘘にしては言い過ぎだぁ」

元魔法使い師範「それに俺らを倒せると思ってんのかい?」

中学生メイド(魔族クラスが相手では、流石に力不足かもしれないでございますね)

ヤミ「スキル、威圧」

ギン!

ヤミの鋭い眼光が師範達を威圧する。

元闘士師範「ふん、何がんたれてんだよ小僧」

ヤミ「ふむ。ダメか」

幼児メイド「うー!まえにくらべていりょくがおちてるでございましゅ!」
866 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:06:53.29 ID:sqUVrJqs0
502

--南の王国近辺の村、北区--

ヤミ「中学生メイド」

中学生メイド「はっ」

ヤミは中学生メイドを指差して言った。

ヤミ「ブラを安全な所にまで連れていけ」

ブラ「っ!ヤミ様私」

ヤミ「早く行け」

中学生メイド「了解でございます。ご武運を」

中学生メイドはブラを抱えて村に向かって走りだした。

ザザザザ

ブラ「め、メイド様!?てっきり反対すると思ってたのに!」
867 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:12:15.78 ID:sqUVrJqs0
503

--南の王国近辺の村、北区--

ザザザザ

中学生メイド「……ちょっと前までは、主を置いてこんなことする気になんてならなかったでございますが」

ザザザザ

中学生メイド「いや……ぶっちゃけ今もよくわからないでございますが……でもまぁお前が死んだら……」

ブラ「?」

中学生メイド「飯炊き係がいなくなるでございますから」

それと多分まずいことになる、と中学生メイドはつぶやいた。

ブラ「!……でも……わ、私だってヤミ様達を見捨てて逃げたくなんか無いです!!」

中学生メイド「!」
868 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:15:46.56 ID:sqUVrJqs0
504

--南の王国近辺の村、北区--

ブラ「足手まといかもしれないけれど、自分だけ安全なところで待ってるのなんて嫌です!!」

中学生メイド「この……ヤミ様のお気持ちを」

ブラ「一人で皆の無事を、祈って待ってる方が辛いんです!」

中学生メイド「……」

ブラ「はっ、はっ!」

中学生メイド「……はぁ。つくづくしゃくに触る女でございます」

ブラ「う……ごめんなさい」

ザザザザー

中学生メイドは急ブレーキをかけ、そして反転した。
869 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:16:39.45 ID:sqUVrJqs0
505

--南の王国近辺の村、北区--

ブラ「!!メイド様……」

中学生メイド「勘違いするなでございます。ヤミ様のお気持ちを理解しない自己中女にほとほと嫌になったんでございます。お前なんかの安全のために、ヤミ様を危険な目にあわせてらんないでございます」

ブラ「うぅ……そんな言い方しなくても」

中学生メイド「飛ばすでございます。しっかり掴まれでございます」

中学生メイドは

バチバチ

脚部に雷を纏った。

中学生メイド「スキル、雷動」

ギュン!!

ブラ「わぷ!」

ザザザザ

ブラ(本当にどうでもよくなったのなら、私なんて捨てて戻ればいいのに……)

ザザザザ

ブラ(ごめんなさい)
870 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:18:06.60 ID:sqUVrJqs0
506

--南の王国近辺の村、北区--

中学生メイド「!!ヤミ様!!」

ギャギャギャギャ!!

中学生メイドが思い切りブレーキをかけ、舞い上がる砂ぼこり。

元賢者師範「ん。あいつら帰ってきやがったぞ」

元闘士師範「はは。探す手間が省けたぜ」

ヤミ「ぐ」

ヤミは闘士師範に踏み付けられていた。

ブラ「!!ヤミ様!!」

中学生メイド「お前は下がってろでございます!!」

メイドはブラを後ろに投げると闘士師範に立ち向かって行く。

ゴキッ

ブラ「ぐふっ」
871 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:21:40.83 ID:sqUVrJqs0
507

--南の王国近辺の村、北区--

中学生メイド「ヤミ様を足下に!足下に!足下にィィィィ!!よくもぉ!!」

元闘士師範「くるかぁ!?攻撃力上昇レベル3!!」

メキメキ

闘士師範の左腕の筋肉が膨れ上がる。

ブオン!

それを中学生メイドはなんなく避ける。

中学生メイド「遅い!」

中学生メイドは右手に電撃を纏わせて拳を突き出した。

元賢者師範「おいおい、効果付与、必中!」

賢者師範が唱えた魔法が闘士師範の腕に宿る。

ぽわん

賢者師範の魔法の効果で、闘士師範のパンチが瞬時に軌道修正され、

バガギャッ!!

中学生メイド「ぶっ!!」

中学生メイドの顔面を捉えた。
872 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:25:20.77 ID:sqUVrJqs0
508

--南の王国近辺の村、北区--

元闘士師範「あぶね〜。こいつそこそこ早いわ」

元賢者師範「たく危なっかしいなぁお前は。俺がいなきゃ頭持ってかれてたぞ」

元闘士師範「ざけんな!俺はそう簡単にやられるほどやわじゃねーっつの!!」

元魔法使い師範「てか今左腕相当無理な動きしてたぜ?笑えるわ!」

元闘士師範「む……」

ブラン、と力なく闘士師範の左腕が揺れる。

元闘士師範「折れとるがな!!」

中学生メイド「ぎ、ぎっ……」

立ちあがろうと腕に力を入れるメイドだが、体を起こそうとしては地に伏せる。
873 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:26:54.34 ID:sqUVrJqs0
509

--南の王国近辺の村、北区--

元賢者師範「ぶふっ!まじで折れてるww」

元闘士師範「お前のせいだろがぁぁ!!」

元魔法使い師範「筋肉バカなわりにはひ弱すぎるww」

だーはっはっ、と豪快に笑う師範達。

ヤミ「……む?帰ってきたかメイド」

闘士師範の足の下で目を覚ますヤミ。

中学生メイド「や、ヤミ様。今、お助けしますでございます」

ヤミ「それはいいが、む。なんだブラがいるじゃないか……お前」

中学生メイド「ヤミ様!私を、食してくださいませ!」

元闘士師範「俺の足元がなんだか騒がしいじゃねぇか」

ヤミ「……今動けんし」
874 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:27:34.24 ID:sqUVrJqs0
510

--南の王国近辺の村、北区--

元賢者師範「お、まだ意識ある。中々頑丈だなぁ」

賢者師範はゆっくりとメイドに近づいた。

幼児メイド「お、おねえしゃま」

シャカシャカシャカシャカ

幼児メイドもはいつくばって近づいてくる。

幼児メイド「おねえしゃま、わたちとがったいしてくだしゃい」

中学生メイド「!なるほど、その手があったかでございます!!」

元闘士師範「は、合体だぁ?」

闘士師範はニヤニヤと笑っている。

元魔法使い師範「あくえりおーん」

幼児メイド「おねえしゃま!!」

中学生メイド「よくってよ!!」

ぽうっ!!
875 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:28:14.79 ID:sqUVrJqs0
511

--南の王国近辺の村、北区--

ポウッ!!

スローモーションで中学生メイドの口に飛び込む幼児メイド。

幼児メイド「おぉねぇぇしゃゃまぁぁ」

中学生メイド「のりこぉぉぉ」

ゴックン

元魔法使い師範「な、仲間を、食った?」

元賢者師範「よくそこまで口が開いたな……」

中学生メイド「お、おおおおおおおおおおおお!!力が、漲るぅぅぅ!!」

べきごき

中学生メイドの体が変形していく。

ヤミ「む、元のメイドに戻ったか?」
876 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:29:33.03 ID:sqUVrJqs0
512

--南の王国近辺の村、北区--

ぶしゅー!

中学生メイド改めメイド「……ふ、ふふふ……やっと元の大きさに!!」

成人女性の体を手に入れたメイド。

メイド「これで歯がゆい思いをすることは……あれ?」

メイドは自分の体を見下ろして違和感に気付く。

ブラ「胸が、ぺったんこですね」

メイド「ちぃ!まだ力が不十分なのでございます!?」

元賢者師範「……なんかお前らもまともな人間じゃなさそうだな」

メイド「そうでございます、悪いが人間なんかと一緒にしないでもらいたいでございます」

ざり

元闘士師範「……あん?」

メイドは闘士師範に早足で接近する。
877 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:30:30.27 ID:sqUVrJqs0
513

--南の王国近辺の村、北区--

元闘士師範「俺様になんか用かい?ぺったんこメイド」

メイド「どけよでございます」

バチッ!

元闘士師範「!?」

メイドの繰り出した張り手、それは軽々と闘士師範の巨体を吹っ飛ばした。

元闘士師範「ぬぉぅ!?」

ズザザー

メイド「……申し訳ありません、助けるのが遅れてしまいましたでございますヤミ様」

メイドはヤミを拾い上げると埃を払う。

ヤミ「よい。これ以上ない屈辱だったが、同時に貴重な体験でもあった」

メイド「ヤミ様はお心がお広いでおございます」
878 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:31:23.93 ID:sqUVrJqs0
514

--南の王国近辺の村、北区--

元闘士師範「……」

元魔法使い師範「おい闘士師範、お前いつまで……?……!?こいつ死んでやがる!」

倒れた闘士師範を起こそうとした魔法使い師範。しかし掴んだ腕からは脈を感じない。

元賢者師範「あんな一撃でか?……なるほど即死攻撃か」

メイド「ブラ」

ブラ「は、はい」

メイド「ヤミ様を頼むでございます」

ブラ「はい!ヤミ様こっちに!」

ヤミ「人間に守られるほど落ちぶれちゃいねぇんだけど」

そう言いながらしぶしぶ歩いてブラの許へ。

ぼふっ

ブラはヤミを後ろから抱え込む。

ヤミ「……これになんの意味が?」
879 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:32:01.30 ID:sqUVrJqs0
515

--南の王国近辺の村、北区--

元闘士師範「てめぇ……」

メイド「!」

生き返った闘士師範が指を鳴らして近づいてきている。

メイド(蘇生魔法か。魔族級に何度も生き返られては面倒でございますなぁ)

元賢者師範「おらおらせっかく生き返らせてやったんだ。頑張って雪辱晴らしてみせろよ!」

元闘士師範「うるせーよ!」

メイド(あいつが回復役でございますか……)

メイドはスカートをつまみ上げてお辞儀する。

メイド「我らの主にした暴挙の数々、我らの奴隷を弄んだ数々、決して許せんでございます。……これより報復を行うでございます」

元魔法使い師範「!やってみろぉ!!」
880 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:32:28.63 ID:sqUVrJqs0
516

--南の王国近辺の村、北区--

メイド「雷動」

ギュン

メイドの場所が瞬時に変わる。

元賢者師範「き」

メイドは賢者師範の背後に回り込んでいた。

メイド(まず一匹)

元闘士師範「おらぁ!」

メイド「!?」

ドギャッ!!

闘士師範の剛腕から繰り出されるパンチを受け止めるメイド。

メイド(私の速さに対応したでございます?)

メイドは痺れた自分の右腕を掴む。
881 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:32:59.00 ID:sqUVrJqs0
517

--南の王国近辺の村、北区--

元闘士師範「さっきは油断したが、二度目はねぇぞぉ!!」

バチバチっ

メイド(同属性でございますか)

元賢者師範「え」

賢者師範はメイドが最初にいた場所を指差そうとしている。

メイド「雷属性構築魔法、雷鎧」

メイドは雷で出来た鎧を作り、装着する。

元闘士師範「!……殴り合いをご所望とはイカスじゃねーの」

闘士師範が両腕に力を込めると、パンパンに膨れ上がった。

メイド「」

元闘士師範「」

ガァァン!

両者の拳が衝突する。
882 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:33:31.88 ID:sqUVrJqs0
518

--南の王国近辺の村、北区--

バヂヂヂヂ!!

メイド(っ!威力はまだ向こうの方が上でございますか!!)

元闘士師範(大して魔力を使ってないくせに耐え切った!?)

バヂン!!

両方向に弾かれる二人。

元賢者師範「や」

メイドは態勢を建て直し、全身から電撃を発する。

メイド「ぴっかぁ!!」

バチバチバチバチィ!!

メイド「うおおおおおおおおおおおおお!!」

元闘士師範「ああああああああああああ!!」

ドガガガガがガガガ!!

元賢者師範「が」
883 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:34:14.44 ID:sqUVrJqs0
519

--南の王国近辺の村、北区--

元闘士師範「ぐはっ!!」

メイド「あぐっ!!」

二人はボロボロになって吹き飛ばされていく。

元賢者師範「っ」

メイド(効力が、切れる)

元闘士師範(次の一撃で、決める)

メイド(出し惜しみは無しでございます!!全力全開!!!)

バチバチバチバチバチ!!

元闘士師範「うおおおおおおおおおおお!!」

バチバチバチバチバチ!!

メイド、元闘士師範「「奥義!!」」

二人が黄金に輝き、

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
884 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:35:32.98 ID:sqUVrJqs0
520

--南の王国近辺の村、北区--

元賢者師範「た」

賢者師範が指差した。

メイド「はっ、はっ……」

元賢者師範「って、いる!」

指差した場所には血だらけのメイドが腕を押さえて立っていた。

ヤミ「ご苦労」

メイド「いえっ、もったいないお言葉でございますっ、はっ」

元賢者師範「!?闘士師範のやつがいねぇ……」

元魔法使い師範「あいつ……」

メイド「げぷっ」

元賢者師範「……まさか」

メイド「さぁ、残り二体も食らうでございます!!」

じゅわ

全身の傷が一瞬で修復されるメイド。

ヤミ「まぁまてメイド。あとの二人は俺にやらせろ」

メイド「ヤミ様……ですが」

ヤミ「心配するな。弱い状態でも使えるスキルを思い出したのだ」

ヤミは二人の師範に掌を向ける。

ヤミ「スキル、レベルドレイン」
885 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/18(土) 22:37:58.49 ID:sqUVrJqs0
忙しくてもこれからはかきこに来たいと思いました……。
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


   次回予告

それは千年の呪い。

勇者「私は確かめなくちゃいけないの……例えこの先に何が待ちうけていようとも」

何故勇者の胸は成長しないのか。これはそのルーツを探る旅。

黒マントの男「ふぇふぇ、その胸は呪われておるのよ」

勇者「!?」

徐々に明らかになっていく秘密。そして謎の組織、砂漠のパイ団

勇者「それが世界の意思だと言うの!?」

壮大なスケールで贈る感動のラブストーリー。


勇者「私の……私の胸には夢がつまっていなかった!!」

   次回、勇者募集し(ry〜ちっぱい〜
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 22:40:09.49 ID:3yGzxFws0
呪われてたのか……
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/18(土) 22:42:51.83 ID:VNH6H80to
>>885 乙!
やったね勇者!ちっばい仲間が増えたよ
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/19(日) 19:41:29.09 ID:CejblERe0

砂漠のパイ団wwwwww
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/20(月) 23:06:59.63 ID:1Wc2LccDO
来ないのかな?
890 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2011/06/21(火) 01:01:02.31 ID:8uR3fAtDO
ごめんなさい書きあがりません……水曜日には必ず……
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/21(火) 01:29:09.72 ID:B3uSaYJZ0
>>890

無理しなくていいからな
書けるときに書いてくれ
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/21(火) 21:20:12.23 ID:iK1IN2RAO
>>890
応援してる!
そんなに頑張り過ぎるなよ
893 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:42:30.46 ID:jAsstTH20
うぅっ。なんか申し訳ないです(;_:)
それでは投下させていただきますね!!
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/22(水) 22:44:35.55 ID:u2hFYNiDO
キター!
895 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:44:43.05 ID:jAsstTH20
521

--南の王国近辺の村、北区--

元魔法使い師範「ぐう……」

元賢者師範「レベル吸うなんて……反則だぜ」

師範達は仰向けに倒れている。師範達の体はボドボドだ。

ヤミ(ふむ。レベル差があればあるほど効果が大きいのか。覚えておこう)

メイド「お見事でございますヤミ様」

ブラ「……」

元魔法使い師範「はん。俺らをどうするつもりだよ」

ヤミ「ん。食う気でいるが」

元魔法使い師範「……食うんか」

メイド「今までもそんな感じでやってきましたでございますから」
896 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:45:51.67 ID:jAsstTH20
522

--南の王国近辺の村、北区--

元賢者師範「はぁ。こんな幕切れとはなぁ……」

賢者師範は顔に手を乗せた。

ブラ「……一つ、いいですか?」

ブラは師範達に話し掛ける。

元賢者師範「なんだよ」

ブラ「貴方たちって、元々……人間、ですよね」

元魔法使い師範「よくわかったな」

ブラ「私、子供の頃に一度、西の王国に行ったことがあります。その時に……五大師範という人達を見ました」

元賢者師範「ははは!懐かしい名前だぁ!」
897 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:47:00.64 ID:jAsstTH20
523

--南の王国近辺の村、北区--

元魔法使い師範「……西の王国に褐色か。そりゃ相当目立つ、あ!!」

魔法使い師範は大声をあげる。

元魔法使い師範「お前あのサーカスにいたがきんちょか!」

元賢者師範「……あぁ!そういや見に行ったわ!見世物小屋みたいだったやつか」

ブラ「……」

元魔法使い師範「よく覚えてんなぁお前。ガキの頃の話だってのに」

ヤミ(話がよくわからん)

メイド(お腹すいたでございます)

ブラ「人間だった貴方たちが……なんでこんな」

元賢者師範「……人間側にいても勝てねぇ。あの時はそう思ったんだよ」

元魔法使い師範「だから魔王側に寝返った。そして魔族に改造された矢先に魔王がぶっ殺されちまった。本当についてねぇ」
898 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:47:33.30 ID:jAsstTH20
524

--南の王国近辺の村、北区--

ヤミ「何を勘違いしている、お前らは魔族じゃない」

メイド「ヤミ様?」

ヤミ「完全な魔族は改造されたからと言ってなれるものではない。お前らは魔族風味の粗悪品だ」

元賢者師範「……はは。やっぱそっか。そんな気がしたんだよなぁ」

元魔法使い師範「同じ魔族であるはずの、サキュバスやワーウルフに全然勝てる気しなかったしな」

ははは、と乾いた笑い。

元賢者師範「……不思議か?女。人間を裏切って魔王側につくのが」

ブラ「はい……」

元魔法使い師範「だけど俺等だけじゃない。政府が発表してないだけで実は結構いるんだぜ?」

元賢者師範「今の苦しい生活よりはマシ、とか言って来たやつもいたな。まったく苛政は虎よりもなんちゃら」
899 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:50:06.56 ID:jAsstTH20
525

--南の王国近辺の村、北区--

ブラ「なんで、人間として生きられなかったんですか」

元魔法使い師範「そりゃあ俺達が弱かったからさ」

元賢者師範「あぁ、弱い」

二人はきっぱりと言い放つ。

元魔法使い師範「人として生きることが俺等には無理だったのよ」

元賢者師範「力を求めて子供の頃からずっと鍛えてきた。それでも……それでも俺達は絶対に勇者には叶わない」

ブラ「!?」

元魔法使い師範「悔しいじゃねぇか。当時子供だった勇者なんぞに完敗だなんてよ……」

元賢者師範「五大師範なんて呼ばれて浮かれてた自分たちを心底軽蔑したもんよ。五人掛かりで少女に1ダメージも与えることが出来なかったんだからな」

ヤミ(勇者……)

元魔法使い師範「俺等は強くなりたかった!そしてもう一度あいつと全力で!!」

元賢者師範「まぁ……今となっちゃ昔の話だよな」
900 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:50:42.18 ID:jAsstTH20
526

--南の王国近辺の村、北区--

ヤミ(勇……者)

元魔法使い師範「殺せ」

元賢者師範「食え」

ざわざわ

段々と人が戻ってきている。

おばさん村人「あ、あいつらがうちの亭主を」

包帯おじさん「よくもこんなひどいことを」

村人は怒りと悲しみに震えている。

メイド『ヤミ様、ここで捕食はまずいでございます』

ヤミ『わかっている。指から吸うだけにしておこう』

ヤミは手刀を振り下ろした。

鶏「こけー」

メイド「今までどこ行ってたでございます!?」
901 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:52:13.34 ID:jAsstTH20
527

--東の王国、玉座の間--

ツインテ「あわ、あわわわ」

東の王「亜人保護団体の豚が死んだ?……ふん、そうか。だが今はどうでもいい。下がれ」

連絡兵士「はっ」

東の王が手で払うと連絡兵士は音も無く部屋から消えていく。

選抜兵「……」

医者「……」

ツインテ(な、なんで)

東の王「……」

ツインテ(なんでボク東の王様と謁見させられてるのー!?)

ツインテは小奇麗な椅子に座らされてガクガクと震えている。
902 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:53:27.81 ID:jAsstTH20
528

--東の王国、玉座の間--

東の王「それでツインテとか言ったな?」

ツインテ「は、はい!」

背筋をピンと立てるツインテ。

東の王「ん?ツインテ……お前どこかで会ったことがあるか?」

ツインテ「へ?」

東の側近「東の王様。こちらに資料が」

東の王「ん」

ぺら

東の王は手渡された資料に目を通していく。

東の王「ふ……どうりで。ふふふ、ははははは!!」

ツインテ「!?!?!?」
903 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:55:32.39 ID:jAsstTH20
529

--東の王国、玉座の間--

突然笑い出す東の王。

東の王「ははは……はぁ……今回は災難でしたな。姫君」

ツインテ「ボク男の子なんです」

東の王「側近、使いの者を出しておけ」

さらりと無視られるツインテ。

東の側近「はっ」

足早に王座の間から出ていく側近。

東の王「さてツインテちゃん」

ツインテ「ちゃん!?」

東の王「今もこもことやらはどこにいる?」

ツインテ「あ、はい。今は右肩にいます」

東の王「完全にコントロール出来ているのか?」

ツインテ「え?コントロール?え、えっと」

しどろもどろになるツインテ。
904 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:57:31.21 ID:jAsstTH20
530

--東の王国、玉座の間--

東の王「……」

ツインテ(あ、あわわ。わ、わかんないよぉ。だってよくわかんないうちに脳内ツインテちゃん会議終わっちゃったし!……もうそろそろ充電されたよね?)

太ももをすりあわせてもじもじするツインテ。

東の王「?……」

ツインテ(挟んで、と)

パンッ

ツインテのリボンが一つ弾けた。

バサッ

ツインテ「ふぅっ。やっぱりあの子じゃ説明は無理だったかぁ。ということで説明するために人格をチェンジしました。……っと。あのー、説明しづらいのでこの人達を下げて貰えませんか?」

この一瞬で、玉座の間にいた兵士達はツインテに剣を突き付けていた。
905 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:58:55.31 ID:jAsstTH20
531

--東の王国、玉座の間--

東の王(感じが変わった……ギミックを用いた人格変換?……)

ツインテ(はー。やっぱり信用されてないみたいねー)

東の王「……多重人格者なのか?」

ツインテ「そんな感じです。決してもこもこが動きだしたわけでは無いのでご安心を」

東の王「……信じよう。下がれ」

王宮兵士達「「「はっ」」」

音もなく定位置に帰っていく兵士達。

東の王「もう一度質問する。今もこもこは完全にコントロールしているのか?」

ツインテ「していません。私達は共存関係にありますので」

東の王「む?」
906 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 22:59:39.68 ID:jAsstTH20
532

--東の王国、玉座の間--

ツインテ「もちろん勝手なことが出来ないように何十にも保険をかけています。前のように乗っ取られることはまずありません」

万が一の時、切り離しやすいように右肩を選んだわけですし、とツインテ。

東の王「意志疎通は可能か?」

ツインテ「可能です」

東の王「情報は引き出せるか?」

ツインテ「可能です。ただしもこもこをコントロールしているわけでは無いので、どこまで信じられるものかはわかりません。ですが嘘を言えば死ぬ、くらいは理解しているようなのである程度は信頼できます」

東の王「なるほど……今から完全に支配することはできないのか?」

ツインテ「残念ですが、もこもこに支配しようと接続したら、逆に支配されかねません」

東の王「ふむ……ならば聞き出して貰おう。もこもこの目的は何か?」

ツインテ「もこもこの目的は、人の知識を手に入れること。そして自分たちの住みかを作ること。そして……人を根絶やしにすること」

選抜兵「!?」
907 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 23:00:07.78 ID:jAsstTH20
533

--東の王国、玉座の間--

医者「まさか……」

東の王「……なぜ人の知識を得ようとする?そして人を滅ぼさなくてはならない理由とはなんだ?」

ツインテ「かつてもこもこは人との戦いに破れて絶滅しかけたことがあるようです。その時に人の強さに憧れを抱き、そして復讐を誓った……と」

東の王「いつの話だそれは!大体今までどこに隠れていた!?」

ツインテ「……約六万年前ともこもこは言っています。そして彼らは霊山に封印されていたと」

東の王「六万年……にわかには信じがたいが……霊山……なるほどな。人が寄れぬ神域か。あそこならば確かに理解もできよう」

東の王は顎髭をいじる。

東の王「だが誰が封じていた?もこもこを封じるすべを持っていたのはどこの誰だ?」

ツインテ「魔王」

東の王「……は?」
908 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 23:01:28.41 ID:jAsstTH20
534

--東の王国、玉座の間--

ツインテ「もこもこを封じていたのは、代々魔王だったようです」

選抜兵「まさか!仲間であるモンスターを封印していたって言うのかよ!?」

ツインテ「もこもこはモンスターではないともこもこは言ってますが……」

医者「……でもそれなら辻褄が合うかもしれません。現在、世界は魔王がいない空白の平穏の時代です。魔王不在が彼らの封印を弱めたと考えるなら……いや、おかしいですよ。それならなぜ今までの平穏の時代にもこもこが現れなかったのか?」

東の王「確かにな。魔王が倒されて不在になることが条件だとするなら六十年前にももこもこは出てきていたはずだ」

ツインテ「そこはもこもこにもよくわからないと言っています。ただ、封印が弱まってきたので出てきたのだと……」

東の王「……なるほど」

ツインテ「!?……あ、それと……このまま封印が弱まり続けると、強力な個体が蘇る可能性があると」

東の王「これ以上面倒になられても困る。が、子孫のためにも滅ぼしておいたほうが得策かもしれん」

ツインテ「今霊山は魔族や魔王城に配備されていたモンスター達によって押さえ込まれていると。そしてそれでも緩やかに封印は解けかかっているらしいです」
909 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 23:02:39.44 ID:jAsstTH20
535

--東の王国、玉座の間--

東の王(まだ魔族が残っていたのか?)「魔王がそこまでして封印に力を入れるとは、ふん。奴め……」

東の王は目を細くする。

東の王「もう一つ質問だ。今地上に出てきているもこもこの数と、場所を教えて貰おう」

ツインテ「現在総数は……二万」

選抜兵「なにぃ!?」

東の王「その数、全てが人に寄生したわけではないな。動物にも取りつけるのであったな」

ツインテ「はい。場所は一ヶ所に集まっています。東の王国の領土、湿地帯に彼らの住みかが作られていると」

東の王「く、また面倒くさいところに……。わかった。今日のところは十分だ。下がってよいぞ」

ツインテ「いえ、あと一つお伝えしたいことがあります」

東の王「なんだ……」

ツインテは一呼吸置いて話を続ける。
910 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 23:03:57.38 ID:jAsstTH20
536

--東の王国、玉座の間--

ツインテ「最初に霊山から逃げ出したのは偵察型の第一世代もこもこでした。第一世代の特徴は宿主の身体中を作り替えてしまうというもの」

選抜兵「……」

ツインテ「それの発展型、第二世代もこもこは、宿主の体をあまりいじくらず、宿主の特長や能力を行使出来ると言ったものでした。ちなみに私の体にいるもこもこも第二世代です」

医者「……」

ツインテ「そして今、湿地帯では人間の知識を取り入れたもこもこ達が第三世代を作ろうとしています」

東の王「ち、選抜兵!」

選抜兵「はっ」

東の王「お前はすぐ湿地帯に行けるように支度しろ。部隊はいくつ使おうと構わん」

選抜兵「はっ、仰せのままに」

東の王「……大戦か。今年は本当に運が悪いな」

東の王は険しい表情のまま笑う。
911 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 23:04:36.70 ID:jAsstTH20
537

--湿地帯、ファクトリー--

ピチャッ

可愛らしいもこもこ達が洞窟の中を所狭しと駆け巡っている。

青もこもこ「うんせっ、ほいせっ」

赤もこもこ「違うもきゅ!これは最後に入れろと何度言ったら覚えるもきゅ!?」

黄もこもこ「ごめんもきゅ〜……」

緑もこもこ「見て見てー」

もこもこは人間の兵士の口から侵入する。

ギコオン

緑もこもこ「僕が一番人間をうまく使えるんば」

紫もこもこ「きゃっ!きゃっ!」
912 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 23:05:50.08 ID:jAsstTH20
538

--湿地帯、ファクトリー--

黄もこもこ「こらーっ!さぼるなもきゅー!」

緑もこもこ「わわ、ごめんなさいもきゅ!」

黄もこもこ「全く!」

そこに一匹のもこもこが走ってやってきた。

灰もこもこ「えーん!僕の宿壊されたもきゅー」

赤もこもこ「なんとっ!ひどいことするもきゅ……あまりにひどいので通報しますた」

青もこもこ「うんせっ、ほいせっ」

灰もこもこはもきゅもきゅ泣いている。

茶もこもこ「いつまでも泣いてないでお前も第三世代作るの手伝えもきゅー」

茶もこもこは灰もこもこのしっぽを掴むとずるずると引きずっていく。

灰もこもこ「もきゅ?なにこれもきゅ。グロデザインもきゅ」

第三世代を見た灰もこもこはそう口にする。
913 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 23:07:22.09 ID:jAsstTH20
539

--湿地帯、ファクトリー--

赤もこもこ「人間のがとりんぐとかいう機能を再現してみた最新鋭のもこもこだもきゅ」

茶もこもこ「もう人間に寄生して知識を取り込む必要はなくなったもきゅ。こいつらができちまえば簡単に人間なんて制圧できるもきゅ」

灰もこもこ「すごいもきゅ!僕もやるもきゅ!あ!新しい知識を手に入れたんもきゅよ。魔力シールドとかいう」

青もこもこ「うんせっ、ほいせっ」

赤もこもこ「すごいもきゅ!それも組みこんだら超つえぇはずもきゅ!」

茶もこもこ「いやいや駄目もきゅよ。一個体に色んな機能を積み込むより、専門に特化させたのを複数種類作った方がいいと学んだもきゅ。だからそいつにはそれ以上詰み込まないもきゅ」

灰もこもこ「ちぇー」

茶もこもこ「でもこっちのやつはまだ特徴無いから積めるもきゅよ?」

灰もこもこ「じゃあそっちを僕担当するもきゅ!!」

青もこもこ「うんせっ、ほいせっ」

第三世代もこもこ「……びこーん」
914 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 23:08:05.15 ID:jAsstTH20
540

--王国、王座の間--

伝令兵「新王様、東の王様より緊急のお手紙が」

新王「東の王から?ご苦労だった。どれどれ……」

ぺらり

新王が手紙を開け中身を読み始める。

妃「ん〜?どったんですか〜?」

のし

ドーナッツを片手に現れる妃。

新王「は、はわわわわわ」

手紙を持つ手がぷるぷると震えだす新王。

妃「……新王さん?」

新王「い、いますぐ東の王国に行くぞ!!三騎士とその隊にも準備させよ!!」

妃「……ウォー?」
915 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/22(水) 23:09:10.13 ID:jAsstTH20
んー……色々見直した方がよいかもしれねです……。
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


   次回予告

今彼らは何をしているのか?

盗賊「……」

勇者「……」

これは彼ら側から見たお話。


   次回、酒場で戦士(ry〜サイドチェンジ
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 23:20:12.52 ID:YM+xOYLSO
もこもこは代々魔王が…
代々の魔王ですら封印で手一杯ってことか…

ついでにもこもこはダンゴ大家族みたいな姿でおk?
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/23(木) 00:01:45.16 ID:VbzcM6ZB0
乙乙。

いよいよ、ツインテの素性が明らかに…?
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/23(木) 00:11:58.36 ID:qKGXSjr1o
>>915 乙!
もこもこの現状は人間に寄生してないのかな?
宿主が無くても生きていける?
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/23(木) 19:37:00.47 ID:eDi7tRrG0
乙!
もこもこがどんどん進化していってる…
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 22:30:57.76 ID:Rv4GbnTDO
>>918
初登場時にもこもこしてたからもこもこなんだろ

それはそうと今日は来るかな?ツインテのことが気になる
921 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 22:54:43.76 ID:CPkjgodT0
541

--丘の洋館--

魔法使い「キバ、朝食を持ってきっ!?」

トレーを運んでいた魔法使いは、一瞬で身構える。

キバ「あ、魔法使い。大丈夫だから安心して。ゴホッ」

剣豪「よう」

キバのベッドに腰を下ろしている剣豪の姿がそこにはあった。

魔法使い「――何しに来たんだ」

剣豪「ふん、言葉遣いがなっちゃいねぇぜまったく」

目上は羨むもんだろ、と言いながら立ち上がる剣豪。

剣豪「あるモンスターと戦争するから力を貸せ」

キバ「なんだってさ。私は、行こうと思うんだ魔法使い」

魔法使い「っ!!」
922 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 22:55:30.44 ID:CPkjgodT0
542

--丘の洋館--

ガシャアン

魔法使いはトレーを落としてしまう。

キバ「あう!?アップルパイがぁ……」

魔法使い「剣豪、あんたわかって言ってるのか……キバはとてもじゃないが戦える状態じゃない!」

剣豪「魔法使い、わかって言ってるんだろうな?お前らは今東の王国に見逃してもらってるだけなんだぜ?断れる状況じゃねぇ」

魔法使い「!!」

魔法使いは握りこぶしを作る。

キバ「魔法使い、これは国のみんなのためなんだから……!?ダメ!魔法使い!!」

魔法使い「……ならアンタを倒して違うとこに移り住むことにする」

バチバチバチィ!

剣豪「ほぅ。おもしれぇ。やってみろ若造」

剣豪も構える。
923 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 22:56:07.73 ID:CPkjgodT0
543

--西の王国--

西の王「……」

ぺらり

秘書「未知のモンスターによる未曾有の危機ですか……我が国のためにもここは力を貸すべきでしょう。東のからは色々支援も受けていることですし」

西の王(だな。友好度を計りに来ている……?今後の付き合いにも関わってくるな)

秘書「我が主、どういたしますか?」

秘書は西の王に質問する。

西の王「三獣を向かわせよう。すぐに手配しろ」

秘書「いけません我が主。最高戦力を全て貸し出すなどと。その間に他国やモンスターに攻め込まれたらどうするのですか」

西の王「ん……そう?」

秘書「はい。向かわせるのは槍兵、変化師、それとあの子で良いでしょう」
924 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 22:56:42.86 ID:CPkjgodT0
544

--北の王国--

北の王「ひぇー!とぉんでもないことになってまんがなー」

人形師「どぅーなっているんですか北の王様ー」

召喚士「オイラやな予感がするのでヤンス」

北の王「これはなかなかの悩みどころでっせ〜」

人形師「?」

北の王(戦力を貸し出したら手の内をばらすことと同意やさかい。それに肝心の自国の警備がおろそかになっちまうだに……)

召喚士「北の王様?」

北の王「決めました。召喚士、人形師。二人はすぐに東の王国に向かっておくれやす」

召喚士「えぇ!?なんでオイラ達なんでやんすか!!若い狩人を向かわせたらいいでやんす!!」

人形師「確かにこの歳で遠征は骨が折れますねぇ」

北の王「これは決定事項でっせ。つべこべ言わんと素直に行きんしゃん」

召喚士(ぐぬぬ)

人形師(私達二人より、狩人が一人いれば十分だと判断したのですかぁ)
925 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 22:58:06.10 ID:CPkjgodT0
545

--南の王国--

亜人王「なるほど……」

亜人王は手紙を畳んだ。

東の使い「要件は理解したか?」

亜人王「……ええ」

東の使い「ならば話が早い。お前以外の三獣と、亜人兵を1万ほど貸すがいい」

亜人王(……断る権利も持ち得ないのか)

??「亜人王様」

亜人王「虎男……」

??改め虎男「吾輩なら大丈夫でがお。どうかご命令を。きっと同胞達も生きて連れて帰るがお」

狐男「おいらも行けるコン!」

亜人王「……迷惑をかける」
926 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 22:58:46.18 ID:CPkjgodT0
546

--南の王国近辺の村--

村はどんちゃん騒ぎ。

ヤミ「うむ!これも中々だ」

小メイド「本当。これも素敵な味でございます」

幼児メイド「おいしいでごじゃいましゅ!」

にわとり「こけーっこっこっこっ、こけーっ」

ブラ「あの、こんなにご飯……皆さんだって決して裕福では」

ヤミ達は祭の真ん中でたくさんの料理を振る舞われていた。

おばちゃん村人「いいのよぉ!村のピンチをすくってくれたんですもの!お礼くらいさせてちょうだいな」

ヤミ「うむばばあ。これもうまいぞ」

ブラ「ばばあて……」
927 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 22:59:16.54 ID:CPkjgodT0
547

--南の王国近辺の村--

おばちゃん村人「……それにこれは鎮魂の祭でもあるんだ……はしゃぎたいのさ」

中年村人「うおおー!!」

泣きながら、笑いながら裸になって踊っている。

ブラ「あ……」

おばちゃん村人「ちゃんと神父さんや牧師さんがいる村なら……もっと生き返らせたかもしれないね……」

小メイド「……」

ヤミ「……」

おばちゃん村人「あ、ごめんなさいね!せっかくの料理がまずくなっちゃうわね!……だからしばらく貴方たちを讃えさせて頂戴」

中年村人「うおおー!!ブラちゃんは俺の嫁ーー!!」

ブラ「……あはは」

ヤミ「そうだしっかり食えブラ」
928 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:00:37.38 ID:CPkjgodT0
548

--南の王国近辺の村--

ブラ「はいっ。あ、私にも出来ることがありました」

すくっ、とブラは立ち上がる。

ヤミ「?」

ブラ「私、歌手なんですよ職業」

ヤミ「なんだ、奴隷かと思ってたぞ」

おばちゃん村人「え!?ヤミちゃんの性奴隷!?」

ブラ「そうそう、って、そんなわけないでしょ!?」

ブラは顔を赤くして否定する。

ヤミ「よくわからんがそうだ」

ブラ「!!や、ヤ〜ミ〜さ〜ま〜!」

ゴゴゴゴ

小メイド「!?あれは私達がイタズラをして本気で怒った時に出る幻の奥義!?」

ヤミ「ま、まてブラ!」

ブラの体からは残像がでている。

ギャー
929 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:01:51.55 ID:CPkjgodT0
549

--南の王国近辺の村--

おばちゃん村人「準備できたわよ」

ブラ「ありがとうございます」

ブラは急いで作られたステージに立つ。

ざわ

ブラ「あ……えと、皆様、私学が無いからなんと言えばいいのかわからないのですが……今回は本当に大変なことになってしまって……被害に合われた方、お悔やみ申し上げます」

ざわざわ

おばちゃん村人「し!静かにしな!」

ブラ「あの……どうか気をしっかり持っていただきたいんです。ご家族を亡くされた方や怪我を負ってしまった方がいらっしゃるかとは思うんですが……それでも生き残ったからには頑張って生きなきゃいけないと思うんです」

村人達「「「……」」」

ブラ「な、なんかえらそうでごめんなさい!……でも私本当にこの村が、みんなが大好きなので」

ヤミ「むしゃむしゃ」
930 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:03:45.08 ID:CPkjgodT0
550

--南の王国近辺の村--

ブラ「私は今まで……生きてきて楽しいなんて思ったことが無かったんです。好きな人も死んじゃったし」

小メイド「くちゃくちゃ」

ブラ「でも今私、幸せです。この村の人達はみな優しいし、ヤミ様達もよくしてくれて……あ!ち、違うんですよ!?こんなことがあったのに幸せだなんてその」

わかってるよー、と村人の声。

ブラ「はい……えと、だから歌います。これしかできないから。私の想い」

ブラは胸に手を当てた。

ブラ「曲は、ブッ生き返す!」

ヤミ「ん?」

小メイド「ん?」

幼児メイド「ん?」

村人達「「「ん?」」」
931 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:04:30.77 ID:CPkjgodT0
551

--南の王国近辺の村--

ブラ「――――!!」

まさかのホルモン系女の子である。

おばちゃん村人「オペラ的なことが始まるかと思ったのに……あ、枕飯食ってる」

ズボ、ズボズボ!!

子供村人「!?か、かーちゃん!!とーちゃんが棺桶から!!」

母親村人「何よ……とーちゃんなら死んで……え?」

父親村人「や、やぁ」

照れ臭そうに手を挙げる父親村人。

母親村人「……うそ」

母親村人は顔を手で押さえ、涙ぐんだ。
932 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:05:11.48 ID:CPkjgodT0
552

--南の王国近辺の村--

わらわら

婆さん村人「じ、じいさんや」

爺さん村人「帰ってきたで婆さん」

むきむき村人「帰ってきた!黄泉の国から村人達が帰ってきた!!」

わーーーーーー!!

歓喜の声をあげ抱き合う村人達。

わーきゃー!!

おばちゃん村人「ま、まさかこの歌の力かい?この歌には蘇生効果があるのかい!?」

ブラ「――〜っ!!」

髪を振り乱してヘドバンしてるブラ。
933 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:05:52.35 ID:CPkjgodT0
553

--南の王国近辺の村--

爺さん村人「ありがたやありがたや」

中年村人「せ、聖母様やったんや!!ブラちゃんは聖母様やったんや!!」

歯ギターしてる聖母様。

ワーー!!

ヤミ「よくわからんがよくわからん」

小メイド「まったくでございます」

幼児メイド「ごじゃいましゅー」

ヤミ「だがまぁ……」

ヤミは騒いでる村人や興奮しすぎて白目を剥いてるブラを見て思う。

ヤミ「悪くはないかもしれん」
934 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:07:12.61 ID:CPkjgodT0
554

--南の王国近辺の村--

ブラ「はぁ、はぁ、おらー二曲目行くぞおらー!!バックダンサーカモーン!!」

手招きされるヤミ達。

小メイド「やれやれ。行くでございますか」

小メイドは立ちあがりブラの許へ。

ブラ「鯉のメガラバ!!」

ワーー!!

おばちゃん村人「大変大変、もっとお料理作らなくちゃ!!鎮魂祭はおしまい、だってもう復活祭だもの!!」

おばちゃんは近くにおいてある鶏を掴む。

鶏(やめろ、頼むヤミ様!!気付いてくだされ!!貴方たちが一緒にいるのはただのにわとりなのこけ!)

にわとり「こけーっ」

ブラの後ろでブレイクダンスを踊るにわとり。

鶏(本物はこっちこけーっ!!)

サクッ

鶏(こけーっ!!)
935 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:07:48.94 ID:CPkjgodT0
555

--東の王国、玉座の間--

翌日。

東の伝達兵「ひ、東の王様!!」

ガチャガチャ!

東の王「どうした騒がしい。やつらがもう来たのか?」

東の伝達兵「は、はい!!王国の王が兵士たちを連れてやってきました!!」

東の王「ふむ。やはり中央が一番乗りか……何をそんなに慌てている?」

東の伝達兵「そ、それが」

ひゅるるるるるどごおおおおおおおおん!!

東の王「!?」

何かの炸裂音が鳴り響く。

東の王「……何があった?」
936 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:08:16.29 ID:CPkjgodT0
556

--東の王国、玉座の間--

東の伝達兵「はっ!!何を勘違いしたのか、今この国は王国の兵士たちによって攻め込まれています!!」

東の王「なんだと!?」

東の伝達兵「王国は……新王、三騎士三名の姿を確認、兵の数は恐らく2万に及ぶかと思われます!!」

東の王「……」

東の伝達兵「現在各部隊隊長や三強候補達が対応してますが……」

どがぁああん!!

東の王「……ここは任せた」

東の伝達兵「は、はっ!!」

東の王は足早に玉座の間を後にする。

東の伝達兵「……はっ!?わ、私はここで一体何をすればいいので!?」
937 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:08:58.02 ID:CPkjgodT0
557

--東の王国、城内--

ドオオン!!

選抜兵「ぐっ!?くそ……何とち狂ってやがんだお前ら……」

??「ふふふ〜何も狂ってやいないさ〜」

男は竪琴を引きながらくるくると回っている。

選抜兵(見たことは無いけれど、戦闘スタイル、有無を言わさぬ確かな実力。こいつ、王国の三騎士の一人……)

??「さぁ、レディにはもうしわけないがそこをどいてもらうよ〜」

選抜兵「吟遊詩人か!!」

??改め吟遊詩人「ん?やはり僕の美しさと美声はどこへ行っても有名らしいね〜」

吟遊詩人は困ったような顔をする。

選抜兵(……馬鹿っぽいな。なんかいけそうな感じがする)

選抜兵は懐からカードをドローする。

選抜兵「ドロー!!」

吟遊詩人「タイトルは道具殺し」

バチィン!
938 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:10:10.85 ID:CPkjgodT0
558

--東の王国、城内--

選抜兵「!?札が砕け散った!?」

吟遊詩人「昔々〜辺境の村に〜道具を汚く扱う〜男がいたのよ〜」

ボロロロン

吟遊詩人は歌い始める。

選抜兵(く!!歌系のスキル!!)



--東の王国、東の塔--

医者「ここから先には入らないでいただきたいんですよ……大体なぜこのような」

??「駄目だよっ!!だって命令なんだよっ!!新王様のご命令なんだよっ!」

ぴょんぴょんと猿のように跳ねる少女。

医者(……この娘、魔力量が半端ないですね……特徴からして、彼女は恐らく王国の三騎士が一人、画家!!)

??改め画家「あ、あぁあ!!もうだめっ!描きたいっ!!ペンが呼んでるキャンパスが呼んでるっ!!描いていいっ!?描いていいよねっ!?」

画家は背中に背負った筆をいくつか取り出した。
939 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:10:50.75 ID:CPkjgodT0
559

--東の王国、城内客室--

がちゃり

ツインテ「きゃっ!?」

東の王「む」

東の王がドアを開けると、着替え中のツインテの肌が目に飛び込んできた。

東の王「む、すまぬ。ノックを忘れていた」

ツインテ「あ、い、いえ。こっちこそ鍵もせずに着替えていたのが悪いんですから」

東の王「ってそれどころではない!!急いでこっちに来てくれ!!」

ツインテ「え?」

東の王「少しまずいことになっている。さっきから聞こえているだろう?この音を」

ドガーン

ツインテ「あ、はい。花火かなんかですか?」

東の王「違うわ!!これはだな、王国の」

ひゅるるるるるるる

東の王「!?」

がしゃああああああああああああん!!

窓を突き破って飛来したものは……
940 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:12:22.73 ID:CPkjgodT0
560

--東の王国、城内客室--

妃「超ドリルキック〜うふふふ〜未だに現役ですよ〜」

新王「うぷっ……気持ち悪くなった……ってそれどころじゃ、あの子を探さなくちゃ!!」

妃は抱きかかえていた新王を降ろす。そして二人は目の前の東の王とツインテを見つけた。

東の王「……」

ツインテ「……」

ガラスから守るために、半裸のツインテに咄嗟に覆いかぶさった東の王。それははたから見たら……

新王「きょっ、きょえええええええええええええ!?!?」

妃「あらまぁ〜」

東の王「ち、違うぞこれは!!」

ツインテ「そ、そうです勘違いですよ!?ボクは何もされてませんよ!?」

ツインテは東の王の下から出て新王達に駆け寄る。

新王「そ、そうあぎゃあああああああああああああああああああああ!?」

右腕の無いツインテを見て発狂する新王。

妃「……」

ゴゴゴゴゴゴ

新王と妃の魔力の圧力が急上昇していく。

ツインテ「ち、違いますって!!お、落ち着いてください!!お父さんお母さん!!」
941 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:15:40.45 ID:CPkjgodT0
遅くなりました!

もこもこの姿はなんでしょうね。ちょっとメリープみたいなのを想像すると幸せになります。
後、元々もこもこは寄生しなくても生きていけるのでモーマンタイです!


……あと、月曜更新はかなりきついものがあるかもしれません。。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
942 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/24(金) 23:16:33.09 ID:CPkjgodT0
あ、ツインテの素性が明かされちゃいましたけど、ご想像通りでしたか??
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/24(金) 23:17:37.42 ID:mjg5AvHKo
>>941 乙!
盛り上がってきたなー
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 23:19:09.27 ID:j1diZRwSO
まさか賢者と踊り子の娘だったとは…

少し予想はしてたが
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 23:20:34.52 ID:j1diZRwSO
てかブラwwwwww

クソワロタwwwwwwしかもスゲーwwwwww
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/25(土) 00:05:04.96 ID:9+2xOhNx0
乙乙。
踊り子も、ある意味多重人格みたいな感じがあったしね。
そう言えば、魔法属性は親のを受け継がないのかな?
それとも、踊り子の勇者因子のおかげでどの属性も遺伝しえただけ?

しかしブラのキャラがヤバいwwwwwwww
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/25(土) 00:07:34.44 ID:9+2xOhNx0
>946
っと思ったら、賢者水属性だった…死にたい…
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 04:44:05.03 ID:DgysXIQIO
誰か表作って纏めてくれない?
一生のお願い使う。
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 04:44:42.95 ID:DgysXIQIO
誰か表作って纏めてくれない?
一生のお願い使う。
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 07:57:49.77 ID:NZehl3ODO
二回言っても言い出しっぺの法則
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/26(日) 21:29:20.83 ID:NIR4vBmAO
おつおつ〜
面白くなってきましたな!

ツインテは、賢者と踊子の娘と分かったところで、本名が明かされたりするの??
ツインテはアッシュがつけたんだもんね
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 15:45:16.96 ID:1wKqm+yDO
月曜はきついのか
無理せずゆっくりな
けど別に火曜に来てくれてもいいのよ?
953 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:04:37.11 ID:NfuzTD0E0
|ω・`)チラ それでも来ちゃったんだ

えーと属性の遺伝について。
属性遺伝は、片方の親(父か母かはランダム)から、その親の属性とその両脇の、計三つの属性のからランダムで選ばれる。
遺伝する親の属性が火なら、火を中心として水と風の三つの中から選ばれる。
親の属性が同じ属性だと、強い子が生まれやすい。その反面、同じ属性の親からは欠陥属性が生まれやすいとか。

ちなみに属性の並び方(相性順)
火→風→氷→土→雷→水→火


なのでツインテちゃんは普通に考えたら賢者の属性の方が遺伝したと考えるべきなんですけど、踊子の勇者因子はどの属性でも遺伝させられるのでぶっちゃけわからないですねw


|ω・`)チラ 纏めて頂けるのかしら。どきどき



えー。これはssなので本名とかどうなんでしょうwもうツインテちゃんはツインテちゃんのままでいいのかな??

それでは更新します。
954 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:07:43.13 ID:NfuzTD0E0
561

--東の王国、会議室--

東の王「集まったか」

東の王は部屋のメンバーの顔を一人一人見て確認する。

剣豪(ふ……あいつやっぱり中々やるぜ)

目を瞑りクックッと笑う剣豪。

魔法使い(ち……くそくそくそ!!)

ぼこぼこに顔を腫らした魔法使い。

キバ「だからやめろって言ったのにー。けほっ」

咳き込むキバ。

召喚士「やー、そうそうたる顔ぶれでやんす」

召喚士は周りを見渡した。

人形師「ふふ、凄いですねぇ」

人形師はニヤニヤしている。
955 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:11:11.51 ID:NfuzTD0E0
562

--東の王国、会議室--

槍兵「やれやれ。本当にここまで戦力が必要な相手なのか?」

頭を掻いているのは槍兵。

変化師「お、おで」

変態師は男のケツを目で追っている。

人造魔王「アハハハハ。ナニヤルノ?ナニヤルノ?」

ずっと笑っている人造魔王。

選抜兵「確かに。だがやつらは油断のできない相手だ」

選抜兵は腕を組んで壁によっかかっている。

通信兵「もうちょっとマシなデザインなかったんですか」

義足の文句を言う通信兵。

医者「やれやれ」

医者は緊張感の無さに呆れている。
956 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:13:14.00 ID:NfuzTD0E0
563

--東の王国、会議室--

虎男「……」

押し黙る虎男。

狐男「……」

プルプルと震えている狐男。

新王「腕がー腕がー!!ツインテちゃんの腕がー!!」

号泣している新王。

妃「ツインテちゃん、なにがあったの〜?ことと次第によっちゃあその原因を作ったやつに、ふざけてるわね、使いますよ〜?」

全身から悪意が染み出ている妃。

吟遊詩人「なんという悲劇〜」

竪琴で音楽を奏でる吟遊詩人。

画家「大丈夫っ!?大丈夫っ!?なんという英樹!!ぶぎゃはは」

自分で爆笑している画家。

ツインテ「あうあう……」

おろおろあうあうしてるツインテ。

東の王「……改めてひどい集団だなぁ」
957 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:16:46.91 ID:NfuzTD0E0
564

--東の王国、会議室--

ツインテ「あれこれこうだったんです」

新王「……なるほど……それは立派だったねツインテ。僕は親として誇りに思うよ……で、でもそんなに若いのにうぐ!」

ボロボロと涙を溢す新王。髪の毛も同じくらい落ちる新王。

妃「ツインテちゃん、いらっしゃい〜」

ツインテ「お、お母さん?」

妃はツインテを抱き寄せる。

妃「ツインテちゃん、たくましくなりましたね〜。友達を助けるために文字どおり身を切るだなんて……お母さんは嬉しいですよ〜」

ツインテ「お母……さん」

ぎり

ツインテ「!?」
958 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:20:32.31 ID:NfuzTD0E0
565

--東の王国、会議室--

妃「で、ツインテちゃん?その猫ちゃんに会わせてくださいな〜。え?何もしないですよナニモ〜」

ぎりぎり

ツインテ「い、痛い!?痛いですお母さん!こ、怖い!」

東の王(誉められることを自分の子供がしたのだが、その子供が代わりに犠牲になってしまって素直に喜べない……親だな)

変化師(つ、ツインテ、ロイヤル)

選抜兵(や、やべー……俺、王族相手にあんなこと……)

東の王「……ごほん、それでは本題に移りたい」

東の王の発言とともにしんと静まりかえる。

東の王「まずは我が国の国難のために集まってくれたこと、感謝する」

妃「私は違いますけど〜」

ツインテ「!?お、お母さん!」

慌ててツインテは妃を注意する。
959 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:22:01.92 ID:NfuzTD0E0
566

--東の王国、会議室--

東の王「……ごほん!それじゃあ討伐目標のもこもこについて説明する。説明兵」

説明兵「はっ。それではこれから皆様にお配りする資料に目を御通し下さい」

がさがさ
パラパラ

新王「なになに、『週刊、彼氏のお願いどこまでOK?』」

通信兵「……最低」

槍兵「んだこれ」

選抜兵「やべー。最近の若い子脚なげー。かわえー。何食ってんだろ」

説明兵「…………間違いました」

説明兵はそれらを回収して新たに配りなおす。

がさがさ
パラパラ

人形師「なになに、『ドキッ!貴方だけに見せちゃうもこもこ十八のひ☆み☆つ!』」

剣豪「タイトルはたいして変わらんな」
960 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:23:39.99 ID:NfuzTD0E0
567

--東の王国、会議室--

説明兵「以上で説明を終えますが、何かありますか?」

スッ

新王が静かに挙手をする。

新王「ツインテが請け負うアンテナという任務について」

ざわざわ

説明兵「このツインテ様に担当してもらうアンテナは、もこもこと共存している彼女にしか出来ない、本作戦のキーです。もこもこの通信を傍受して、もこもこの行動に先手を打つものであります」

ツインテ(もう完全に女の子として話が進んでる……)

新王「……前線に立つわけじゃないのか。ツインテに危険は無いと考えていいんだね?」

説明兵「はっ」
961 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:24:27.34 ID:NfuzTD0E0
568

--東の王国、会議室--

新王はしばらく腕を組んで考えていた。

新王「わかった。私からはもう無いよ」

妃「はぁ。ツインテちゃんがこんな大役をおおせつかって母親としては嬉しい限りですわ〜」

見るからに不満そうな妃。

東の王(……あからさまだな。王国の致命的過ぎる弱点が露呈したな)

びくん

ツインテ「え?」

ツインテは肩のもこもこから連絡を受けた。

ツインテ「えっと……敵の第三世代試作型が動きだした?」

選抜兵「!?」
962 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:25:04.54 ID:NfuzTD0E0
569

--東の王国、会議室--

東の王「どういうことだ、敵が動いたのかツインテ」

ツインテ「はい。最初に出来た一体で力を試しにくるみたいです……」

シュタッ

忍兵「東の王様!!一大事でござります!敵が動きだしてござります!」

慌ただしく入ってきた忍兵。

人形師「……」

変化師「……」

東の王「ん……知ってる」

画家「知ってるしっ!」

妃「知ってますよ〜」

忍兵「え、えぇ!?」
963 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:25:41.26 ID:NfuzTD0E0
570

--東の王国、会議室--

槍兵「試そうってのか?やつら人間様をなめてんのか……おし、俺が行ってささっとぶっ殺してくるぜ」

槍兵は持っていた槍をぐるりと回転させて肩に乗せると、そのまま入り口に向かって行った。

東の王「まて」

それを制止する東の王。

槍兵「なんですかい?一体だけなら一人で十分じゃねっすか?」

東の王「そういう問題ではない」

選抜兵「そうさ、アンタじゃない。行くのは俺だ」

横から選抜兵が出ていった。

通信兵「!?選抜兵何を言って……」

東の王「……お前も何を言っとるか」
964 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:27:49.55 ID:NfuzTD0E0
571

--東の王国、会議室--

選抜兵「東の王様、どうか俺に行かせて下さい!!」

バッ

選抜兵は東の王に頭を下げる。

東の王「……」

ツインテ「選抜兵……さん?」

選抜兵「奴らの力を測るには俺が最適なはずなんだ。俺の手の内が全部ばれるということは無いですし」

東の王「……」

選抜兵「それになにより、俺がこの中で一番弱い……。万が一負けたとしても俺なら大した損失にならない!」

画家「ぎゃはは」

虎男「……」
965 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:29:28.44 ID:NfuzTD0E0
572

--東の王国、会議室--

選抜兵「お願いします!!」

東の王「……馬鹿め」

医者「馬鹿ですか選抜兵君。一番弱いと考えているのならなおさら一人で行くべきじゃないですよ。万が一負けでもしたら回収が大変です」

選抜兵「その時は回収しなくていいんだ。捨て置いてくれていい」

東の王(……確かにこの状況に置いて、先陣を切るのが我が国の戦士、というのは望ましいな。だが……)

選抜兵「ッ……」

東の王(何か思う所があるのか……ふむ。これでこいつが成長するのであれば……ありか)

選抜兵「王!!」

東の王「よかろう、見事撃破してみせよ、選抜兵!」

選抜兵「!!ありがとうございます!!」

通信兵「やらせてあげましょう、医者君。馬鹿はやらなきゃ気がすまないんですよ」
966 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:30:12.49 ID:NfuzTD0E0
573

--東の王国、会議室の外--

そこにはアッシュ達がこそこそと聞き耳を立てていた。

アッシュ「なんか……とんでもない事になってきたな……」

アッシュは透視眼で中の様子を調べている。

ポニテ「うーんみんな強そうだ!」

ポニテは感覚で中にいるみんなの強さを測っている。

レン「にゃー!レン、ツインテに会いたいのにー!」

レンは泣きべそをかきながらにゃーにゃー言っている。

辻切り「つ、辻切りしたい……!!中にはつわものどもが腐るほどいるというのに……。今飛び込んで行ったら一体どれだけやれるでござろうか……!」

涎を垂らす辻斬り。

アッシュ「おいお前ら少しは静かにしろ、中のやつらに聞こえたら」

バタン
967 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:31:18.16 ID:NfuzTD0E0
574

--東の王国、会議室の外--

勢いよく開かれる会議室のドア。

アッシュ「あ……」

選抜兵「お前ら……一応これはすげぇ会議なんだぞ。っていうか見張りの兵士はどこ行ったんだよ……」

ポニテ「……えへ」

ポニテは申し訳なさそうにお腹をさすった。

選抜兵「……ま、まじ!?食ったの?殺して!?」

アッシュ「お前っポニテっ!紛らわしいことしてんじゃねぇ!!」

辻斬り「兵士どもはあっちで寝てるでござるよ」

選抜兵「ッ!!……ってそうか、お前がいるなら見張りレベルじゃどうしようもないか」

辻斬り「拙者は何もしてないでござるよ」

選抜兵「なに……?」
968 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:32:35.61 ID:NfuzTD0E0
575

--東の王国、会議室の外--

東の王「お前らもそんなところにいないでこっちに来い」

選抜兵「え?この中に……?」

選抜兵はアッシュ達の顔を一人ずつ見た後に、ため息をつく。

選抜兵「足手まといになっちゃいますよこいつらじゃ」

アッシュ「なんだと!?」

ポニテ「聞きずてならぬえぇ!!」

レン「にゃあ!!」

辻斬り「ござりんぐ」

辻斬りだけ一人鼻をほじっている。

東の王「とりあえずお前だけでもこっちに来い侍」

辻斬り「……拒否するでござる」
969 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:35:55.97 ID:NfuzTD0E0
576

--東の王国、会議室の外--

医者「!?ちょっと辻斬り君!」

辻斬り「拙者はもうこの国のためには剣を振らないと決めたのでござる」

剣豪「……ちっ」

チンっ

剣豪は鍔に指をかけ、入口の辻斬り目がけて駆けだした。

ダダダダダダダダダ!!

アッシュ「!?」

ポニテ「ッ、やばっ!」

レン「っにゃ!!」

アッシュとポニテとレンは咄嗟に身がまえた。自分たちを攻撃しようとしている三強クラスの相手。それは彼らにとって初めての体験だった。

剣豪「」

シュ
970 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:36:40.31 ID:NfuzTD0E0
577

--東の王国、会議室の外--

ガギイイイイイイイイン!!

剣豪の抜刀を辻斬りの刀が防ぐ。

がち、がちがち

剣豪「……いつまで甘えたこと言ってんだ、ガキ。それでも俺の倅か?」

辻斬り「拙者にもう親などいないでござる。母国も無いでござる。この身は正義のためだけに振られる、ただ一陣の刃にござる」

がちがちがち

アッシュ(斬撃が)

ポニテ(全く)

レン(見えなかったにゃ……)

がちちがち

つばぜり合いは、アッシュ達の目の前でまだ続いている。
971 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:37:40.33 ID:NfuzTD0E0
578

--東の王国、会議室の外--

東の王「やめろお前達!こんな時に仲間同士で争ってどうする!」

剣豪「仲間?」

辻斬り「違うでござる」

ぎりぎりぎり

東の王(この似た物親子が……)

ツインテ「つ、辻斬りさんやめてください!」

辻斬り「ッ!」

ギィン!!

辻斬りは刀を弾いて剣豪を退ける。

剣豪「おっ?」

チン

辻斬り「拙者ツインテ殿に言われたことは守るでござる」
972 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:39:00.23 ID:NfuzTD0E0
579

--東の王国、会議室の外--

剣豪「……腑抜けたか。けっ」

チン

剣豪は刀を鞘に納めると元の場所にまで戻り荒々しく席に着いた。

妃「あらあらあら〜もしかしてあの人達がツインテちゃんのパーティ達ですか〜?」

ツインテ「あ、はいそうです」

アッシュ「うお!あの巨体……王国の妃か」

ポニテ「やめた方がいいよ聞こえちゃうよ」

レン「ピザぷぎゃぁww」

妃「おい猫ちょっとこっち来いよ」

妃の魔力が臨界点を迎えようとしていた。
973 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:39:28.03 ID:NfuzTD0E0
580

--東の王国、会議室--

剣豪「昔はムッチンプリンのすんげぇいい女だったのにな」

新王「はい……子供を産んでから少しずつ体重が増えていって今では……うぅ、見る影もありません」

妃「禿げが何言ってるんですか〜?」

妃はレンの頭を鷲掴み。

ぎりぎりぎり

レン「い、痛いにゃ!!ぷぎゃww痛いにゃあ!!」

妃「この子がツインテちゃんの……うふふ」

ツインテ「や、やめて下さいお母さん!!レンさんが痛がってます!!」

シーン

アッシュ「……」

ポニテ「……」

レン「……」

辻斬り「……」

アッシュ、ポニテ、レン、辻斬り「「「ん?」」」
974 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:40:28.02 ID:NfuzTD0E0
月曜日は……やはり毎回これるかわかりませんのでそのつもりでお願いいたします。
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

次スレ立ててきまふ。
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/27(月) 23:44:16.93 ID:Td5LNOilo
>>974 乙!
妃の性格はそのままだが、外見が劣化したのかwwww
976 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/27(月) 23:45:41.08 ID:NfuzTD0E0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309185826/

これが新スレになります。次スレでもよろしくお願いいたします。

もうちょっとここの残りレス数は微妙になってしまいましたので、雑談とか質問とかあればそういうので埋めたいなぁと思います。
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします() [sage]:2011/06/28(火) 00:07:46.03 ID:7t4c4fJ/o
>>976
欠陥属性って毒以外出てたっけ
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/28(火) 07:12:32.51 ID:sBfph1uAO
乙です

まさか…脳内でムチムチの踊子と好青年な賢者想像してたのに
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/28(火) 07:39:10.65 ID:4jPTIkmFo
前の話から15年後だったっけ
40歳くらいだよな・・・不憫
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 07:48:51.25 ID:dTMwprNSO
まあきっと俺の勇者は変わらないがな
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/28(火) 16:21:07.20 ID:fwnYYVjUo
ない乳勇者だもの劣化する部分なんてry
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/28(火) 20:57:16.07 ID:h7ArrbwIO
相関図頼む。
深緑の魔王とか荒ぶる魔王は出てこないの?
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 21:11:12.93 ID:dTMwprNSO
>>982
お前それ別作品wwwwww
984 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/28(火) 22:32:24.82 ID:8zn4PrRT0
解答にきました!

>>977
実は毒ともう一つ出てきてたりします。ちなみに現段階では欠陥属性は7つ考えてます。

>>982
な、なんのお話でございましょう(・_・;)
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/28(火) 23:03:50.85 ID:WK9LEnsP0
乙乙。

欠陥属性が通常の属性持ちから生まれるのは了解。
では、欠陥属性持ち同士の子供は属性どうなるの?

毒以外の属性…
ありがちな『光』『闇』は勇者と魔王の『六色〜』で
出てきているようなものだから、欠陥属性としては出てこない…のかな。
出揃うのが今から楽しみだわ。


>>982 はこれだと思う。
↓奴隷商「さあさあ、本日の目玉だよ!」
http://morikinoko.com/archives/51693651.html
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 16:04:54.29 ID:/Nzz1LiDO
>>985

一気に読んだ
これも良作だなぁ・・・
987 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 20:53:25.22 ID:iq4xJIGY0
こんばんはー。中々埋めることが出来ない……ので、少しこちらにも投下することにします。

>>985
欠陥属性自体がレアなので出会う確率は少ないと思われますが、欠陥属性が高い確率で生まれます。もしくはその系統の属性になるでしょう(ちなみに毒は一応水の系統です)。
欠陥属性だらけの一族があるとか……。

あ、わざわざ探して頂いてありがとうございます!とてもおもしろそうなので空きが出来たら読んでみたいとおもいます。読むリスト多いなぁ……

988 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 20:54:34.67 ID:iq4xJIGY0
581

--東の王国、会議室--

アッシュ「なん……だと」

ポニテ「わー、ツインテちゃんのお母さんふくよかー!」

レン「そっちじゃないにゃ……だってこの人」

辻切り「王国の妃殿でござる。それを母と呼んだツインテ殿はつまり……」

妃「うふふ〜」

アッシュ「……王国の姫ということだ」

ポニテ「……お、お姫様だったの!?ツインテちゃん」

ツインテ「や、やめてくださいポニテさん!それに姫じゃなくて王子……」

妃「戸籍上は女の子です〜」

ツインテ「なんで!?」
989 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 20:55:11.62 ID:iq4xJIGY0
582

--東の王国、会議室--

妃「だって私娘が欲しかったんですもの〜」

妃はツインテを抱きしめすりすり。

妃(ちんちん切って女の子にしようとネットで相談したこともありましたね〜……)

医者「……」

医者は腕を組みながら鋭い眼差しでツインテ達を見ていた。

医者(……回復履歴調べられたら……私の人生終わる!!)

背中を汗でびしょびしょにしている医者であった。

吟遊詩人「ららら〜。僕らの大事な姫に変なことしてないだろうね〜」

画家「ぎゃはは!してないよねっ!?してないよねっ!?まさかねー!!」

アッシュ「……」
990 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 20:55:53.12 ID:iq4xJIGY0
583

--東の王国、会議室--

ポニテ「失礼な!」

レン「レンは何も変なことしてないにゃ!」

辻切り「……」

吟遊詩人「ららら〜……こっちを向き給え男性諸君〜」

画家「ぎゃはは!私達の可愛い可愛いツインテちゃん!妹のように思ってきたツインテちゃん!……まさか手ェ出したんじゃねぇだろうなこら」

すごい怖い二人。

アッシュ「し、してないよっ!!パンツ盗んでクンカクンカなんてしてないよ!!」

辻切り(あ、アッシュ殿――)

三強クラスに凄まれて思わず口走るアッシュ。

新王「にこ」

新王はにこりと笑う。

新王「やれ」
991 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 20:56:25.57 ID:iq4xJIGY0
584

--東の王国、会議室--

吟遊詩人、画家「いえっさー」

吟遊詩人達に担がれて連れていかれるアッシュ。

アッシュ「ぎゃ、ぎゃー!!」

ツインテ「だ、だめです吟お兄ちゃん!画家お姉ちゃん!」

ツインテは吟遊詩人達を止める。

ツインテ「アッシュ君は、アッシュ君はボクの大事な人なんですからー!!」

新王「!?」

妃「あら〜?」

吟遊詩人「!!」

画家「ぎゃは!!」

アッシュ「どきんっ!?」
992 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 20:56:52.01 ID:iq4xJIGY0
585

--東の王国、会議室--

ざわ……ざわ

ツインテ「あ、あれ?何でシーンとなってるんですか?」

ポニテ「れれれレンちゃん、すごいね!?愛の告白だよっ!?」

レン「ぎり」

レンは血走った目でアッシュを睨み、自分の親指を噛んでいる。

吟遊詩人「……」

画家「……」

どさ

吟遊詩人と画家はアッシュを放り捨てる。

アッシュ「いたっ……つ、ツインテ……お前」

吟遊詩人「かーーっぺっ」

びちゃ

アッシュは顔にたんを吐き捨てられる。
993 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 20:57:50.23 ID:iq4xJIGY0
586

--東の王国、会議室--

画家「け」

どが

画家はアッシュの顔面を踏みつける。

ぼそ

画家「今日はこのへんにしといてあげるけど〜」

ぼそ

吟遊詩人「……君たちは一国の姫を守り切れずに、片腕を失わせてしまった。そのことは覚えておくように」

アッシュ「っ!!」

吟遊詩人達はくるりと反転しツインテのもとへ。

ツインテ「だ、駄目です!あんなひどいことしちゃ!!」

吟遊詩人「ららら〜ごめんよ〜」

画家「ぎゃはは!ツインテー!」

画家はツインテに抱きついた。
994 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 20:59:31.35 ID:iq4xJIGY0
587

--東の王国、会議室--

ポニテ「……確かに私達は」

レン「ツインテを、守れなかったにゃ……」

アッシュ「……っぐ!」

辻切り(やれやれ……)

辻切りは頭をかいた。

辻切り(……しかし王国の姫様だったとは……)

辻切りは楽しそうに笑うツインテ達を見ている。

辻切り(じゃあ……あの娘との関係はあるのでござろうか……)

辻切りは自分の胸を撫でる。
そこには大きな傷痕があった。

辻斬り(あの四つ結いの、少女と)
995 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 21:00:45.25 ID:iq4xJIGY0
588

--東の王国、会議室--

東の王「王国サイド諸君。そろそろ本題に入ってもよいかね」

新王「あ、これは申し訳ない。許して欲しい」

ペコリと頭を下げる新王。

ぱらり

妃(頭を下げる度に風とともに旅立っていく髪の毛であった〜)

東の王「通信兵」

通信兵「了解です。すぐに部屋の中央に映し出します。雷属性通信魔法、レベル3」

ブゥン

モニターに、荒れ地の高台にいる選抜兵の姿が映る。

槍兵(うお、離れた場所の映像を映してやがる。なんだよ東のやつらもイイのいるじゃねぇか)

通信兵「選抜兵聞こえますか?」

ザッ

選抜兵『オッケー、しっかり聞こえている』
996 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 21:04:19.54 ID:iq4xJIGY0
589

--東の王国、会議室--

選抜兵は札の詰め込みをしているようだ。

選抜兵『あむ』

そして一枚札を飲み込んだ。

ツインテ「!もこもこは九時の方向、3キロ先にいます」

選抜兵『了解。……目標を肉眼で確認』

召喚士「目いいでやんす。うらやましいでやんす」

人形師「いつもぐるぐる眼鏡ですからねぇ」

試作もこもこ「……」

選抜兵『!……気付かれたみたいだ。これから作戦を開始する』

東の王「選抜兵」

選抜兵『はっ』
997 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 21:05:32.94 ID:iq4xJIGY0
590

--東の王国、会議室--

東の王「……無理に捕獲しようとしなくていい。殺せそうなら殺してしまえ。危険だと判断したなら逃げてもかまわん」

選抜兵『……はっ』

通信兵「目標をアップで写します」

ブン

虎男「……」

変化師「こ、これは」

映し出されれるもこもこの映像、それは黒い鎧を身に纏った騎士のようであった。右腕はランス、左腕は盾のついたガトリング砲。そして

光る三つの眼球が奇妙さを醸し出していた。

ヒュッ

通信兵「!?消えた!?どこへ」

選抜兵『ぎゃああああ!?』
998 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 21:12:32.79 ID:iq4xJIGY0
ここでssの話が出ていたので私からも。

 魔王「完全攻略、魔王城っと……」

 魔王「勇者は可愛いなぁ」

 王「本気で魔王倒す」勇者「えっ?」


有名作品ですよね??この三つは(というかこの3つしかssを読んだことがないのですが)大変おもしろく、私もかなり影響を受けたと思います。
どれも素晴らしい作品ですので、もし読んでいなかったらいかがでしょうか?
999 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 21:13:00.35 ID:iq4xJIGY0
それでは次スレでお会いしましょう
1000 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2011/06/29(水) 21:13:40.25 ID:iq4xJIGY0
まさか自分はもこもこに憑依されないなんて思ってないだろうな。
やつらはお前らの心の隙間をいつも狙ってるんだぜ?

次回、もこもこ

お前の心にも影がある。
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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禁書のいいスレはなに? @ 2011/06/29(水) 20:30:42.30 ID:gAWIp0Rn0
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【無料】VIPでMinecraftやろうぜ!【ブラウザゲー】 @ 2011/06/29(水) 20:16:00.64 ID:lnt5aDkQ0
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ここだけ魔王の城 ただしこんま00で魔王様に怒られる @ 2011/06/29(水) 19:58:47.25 ID:2Am1J8jDO
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ぱんつの想うところによると・・・ @ 2011/06/29(水) 18:55:24.37 ID:jvZjqzLao
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男「俺の周りはヤンデレしかいない」 @ 2011/06/29(水) 18:54:10.97 ID:TuZnXV2O0
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風斬「魔法少女?」ほむら「ええ」一方通行「メルヘンすぎるだろ・・・・・・」 @ 2011/06/29(水) 18:53:54.44 ID:mmqcsjUpo
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家出中ニート娘。 @ 2011/06/29(水) 18:23:53.35 ID:FzfjGSeAO
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京介「妹たちに安価で悪戯する」 その3 @ 2011/06/29(水) 15:48:05.47 ID:VI0bNXsQo
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