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佐天「時を止める能力……」2 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/03/24(木) 21:57:08.35 ID:VM0nDOuDo
ある日自分に時を止める能力があることに気付いた佐天さんが頑張るお話です。
原案前スレ>>1様。(現在は書き手が違います)

◆前スレまでのまとめ(編集していただいたき本当にありがとうございます!)
http://www35.atwiki.jp/seisoku-index/pages/432.html

◆前スレ(>>199あたりから今の書き手です)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294930508/
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

【安価とコンマ】自分の手で切り開く幻想郷生活七日目 @ 2020/01/28(火) 19:52:29.12 ID:YM6naC9i0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580208748/

【シートン学園】スペランカーミユビ @ 2020/01/28(火) 19:13:14.19 ID:grKsXoKB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580206393/

【モバマス】12歳小学生組! 的場梨沙CDデビューおめでとう編 @ 2020/01/28(火) 12:47:24.51 ID:tQ9zRTuCO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580183244/

【書籍化】パートスレッドまとめスレ【漫画化】part.2 @ 2020/01/27(月) 23:04:07.08 ID:yLhmENBT0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1580133846/

【ガンダム】アリア「安価とコンマでデラーズ〜グリプス?」 @ 2020/01/27(月) 20:35:32.88 ID:1PF0CEhh0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580124932/

善子「暖冬が続いて気分がいいから安価で行動するわよ」 @ 2020/01/27(月) 19:44:57.19 ID:W1X83+uw0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580121896/

さてと @ 2020/01/27(月) 15:41:57.06 ID:jIdWZrAKO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1580107317/

果南「善子ちゃん、ダイヤ、ちょっといいかな?」 @ 2020/01/27(月) 13:53:17.98 ID:wL9OCFnwO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580100797/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/24(木) 21:59:36.01 ID:UorhOjnWo
続きをwktk
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:07:25.37 ID:VM0nDOuDo
華麗に1000なら佐天さんは俺の嫁と書き込もうとしたら普通に阻止された…。
しかし、本当に遅くなってしまい申し訳ありませんでした。

今回80レス程度ですが、投下させていただきます。
完全オリジナル展開のため新約との矛盾点が多々あります。
(新約の方で起こった出来事は起こらなかったという認識でお願いします)
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:09:13.05 ID:VM0nDOuDo

────

ロシアと学園都市の戦争が終結してからどれほどの時間がたったのだろうか。
ソファに座って現代的なデザインの杖の調整をしていながら考える。
佐天涙子からのメッセージについて一方通行は考えていた。


一方通行「(手紙には、細かい作戦内容なンざ書いてなかったが……)」


チラリ、とソファから見える部屋ですやすやと眠る打ち止めの姿を見て思う
僅かな可能性を追ってロシアまで行き、そして出会ったまるで天使のような姿をした佐天涙子を


一方通行「(冗談とは思えねェし、冗談のつもりで俺に言う意味がねェ)」

一方通行「(本気でアレイスターのヤツをぶっ飛ばそうと思ってンだろうが……)」


ガチャリと玄関が開く音がし、一方通行は視線を移す。


番外個体「あれぇ?こんな時間まで起きてるんだー?……もしかしてミサカの事待っててくれたの?」

一方通行「誰がテメェの事なンざ待つかよ……杖の調整をしてただけだ」

番外個体「ギャハハ、あなたは自分の杖の調整をしててミサカは体の調整してたって事ー?」

番外個体「やーんなんだか卑猥に聞こえちゃうわー」

一方通行「……、医者の所に行くのは別にいいンだが、もう少し早く帰って来い」

番外個体「へぇ……?ミサカのこと心配してくれるのー??」

一方通行「不用心だっつってンだ、俺もお前も追われる立場ってのには変わりはねェンだからな」

番外個体「まーそりゃーそうだけどさぁ、最初はミサカだって警戒してたさ」

番外個体「だけど……、もう12月も下旬──何ならミサカとクリスマスデートでもする?」

一方通行「うるせェさっさと寝ろ」

一方通行「……(あのクソアマ何考えてやがるンだ……)」


動くときに連絡をする、と言って渡された電話番号からの着信が無いまま月日だけが経過していく。
一方通行はくしゃりとポケットの中にしまってある『反旗』とだけ書かれてるメモを握りつぶした。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:10:37.12 ID:VM0nDOuDo

   ◆


12月23日の学園都市はあのロシアに比べれば暖かいのだろう
けれどそれはそれ、これはこれ、である。

上条「うー寒ぃ……。完全下校時刻過ぎてるからバスもねぇし……」

上条「はぁ……、補習にしてもこんな時間になるまで勉強やらされるとはなぁ……」

上条「寒い……昨日買っておいた白菜使って鍋にでもするかなぁ」


しっかし白菜だけの鍋ってまたインデックスに怒られそうだな、と苦笑する。
ロシアから帰ってきて、またいつもの様にインデックスと暮らし始めて

まず自分の記憶について話し、騙し続けてきたことについて謝った。
面と向かってインデックスに謝るのはかなりの勇気が必要だったが


上条「もう二ヶ月近くも前、か……」

上条「最近は魔術師とかの騒動に巻き込まれることもないし、平和すぎるなぁ」

上条「まっ、平和にこしたことはねぇけどな」

  「なぁに一人でブツブツ言ってんのよ」

上条「げぇっ、ビリビリ!!お前も補習か?もう完全下校時刻過ぎてるぞ」

御坂「ビリビリって呼ぶな!!あと私はちょっと病院に寄ってただけよ補習なんか受けてるわけ無いじゃない」

上条「病院?あぁ……妹達の件についてか」

御坂「えぇ、まぁあと……佐天さんが来てないかとか……」

上条「……涙子ちゃん、やっぱり寮にも戻ってないのか?」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:11:41.15 ID:VM0nDOuDo

御坂「そうみたい。私も探してみてはいるんだけど……」

上条「涙子ちゃんが失踪、かぁ……」

上条「心配すんなって、涙子ちゃんはそう簡単にやられたりはしないよ」

御坂「アンタってどーしてそう無神経な事が言え──」

上条「ビリビリ?……、あぁこれは……」


目の前の御坂美琴が言葉の途中で急に喋らなくなったので何事かと思ったが
上条当麻は辺りを見回して納得する。


上条「こうして“時が止まってる”以上、涙子ちゃんは無事なんだろうが……」

上条「涙子ちゃんが時を止めなければいけないほどの危機に陥ってるって可能性もある」


御坂「──るわね!!ってアンタ聞いてるの!?」

上条「今、時が止まった」

御坂「嘘っ!?それって──」

上条「あぁ、涙子ちゃんは絶対に生きてる」

御坂「でも佐天さんが時を止めるって事は……」

上条「あぁ、戦闘中かもしれない……俺は行ってくる」ダッ

御坂「待ちなさいよ!!行ってくるって何処にいるか分かってるの!?」

上条「分からん!!だけど、ここで突っ立ってるよりかはマシだっ!!」

御坂「あーもう!!私も一緒に探すわよ!!」

上条「門限とか大丈夫なのか?無理しなくてもいいんだぞ」

御坂「友達が危険かもしれないってのに暢気に寮に帰れるものかっ」

御坂「門限くらいどうとでもするわよ!!」

上条「わかった、手分けして探そう!!俺は第七学区のほうを見てくる」

御坂「……、わかった。見つけたら連絡頂戴ね」

上条「そっちもなー!!」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:12:31.88 ID:VM0nDOuDo




麦野「やっぱこのシャケ弁昨日のと違うなー、あれー?」

絹旗「ほう……。あのC級映画の超監督の次回作のDVDが超発売ですか……、これは……」

滝壺「…………」ボー

麦野「やべぇなぁー。暇でしょうがないわ」

絹旗「麦野、暇なら私と一緒にこの超作品を一緒に観ますか?」

麦野「いやよ、そんなクソつまんなそうな映画観るとか何の拷問だよ」

絹旗「い、いいですもん!!この作品のよさが超分からない人とは一緒に観ても超つまんないだけですし!!」

麦野「超作品てアンタ……、んなクソみたいなあらすじだけでよくもそこまでテンションあがるわね」

絹旗「麦野もこの超作品の超監督の前作を観れば考えが一変します!!なんせ──」

麦野「うるせ、観たくもないし聞きたくもないわ。私は寝る」

絹旗「いいもん!!この超監督の超作品は私が一人で独占しますから!! 」


絹旗「…………」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/24(木) 22:12:34.45 ID:UorhOjnWo
>>3
あ、ごめん
>>999のつもりだったんだけどねwww
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:13:50.89 ID:VM0nDOuDo

浜面たちが戻ってきたとき麦野も一緒に戻ってきてとても驚いた。
だってスクールとの一件で麦野は……。

だから最初、麦野は浜面や滝壺さんを騙して殺しにかかってくるのかと疑った。
でもそんな素振りは麦野は一切見せなかったし、感じさせなかった。
それになにより──

──あの麦野が頭を下げて謝ったのだ。

それだけで十分だった。
それで、いつも通りの……昔のアイテムみたいに戻った。


絹旗「……(戻った、と言っても雰囲気とかだけですけどね)」

絹旗「(フレンダは居ないし、私たちはもう学園都市の暗部組織ですらないですし)」

絹旗「(ここはファミレスじゃないし、麦野だって元の体という訳じゃ……)」

絹旗「……(何もかもが元通り、という訳じゃない)」


そう、浜面たちが戻ってきて一時的とはいえ暗部から開放された私たちはのんびりとしている。
前みたいにファミレスでグダグダするのは麦野の見た目とかを考慮して控えてた。
一見すると麦野は普通に見えるのだが、実のところは彼女の目には特殊メイクされている。

間近で見ていても分からないものだけど、それでも勘のいい人なら気付いてしまうだろうし。
それに、些細なことで問題を起こしてしまったりしては元も子もない。
そんな訳でいつものファミレスの代わりが、この場所だった。

浜面のツテで私たちが生活してる場所がここ
元スキルアウトたちの溜まり場だった建設が中止されたビル。
そこが今の『アイテム』の居場所。

でも、そんな生活がいつまでも続くとは思わない。
でも、いつまでもこんな日々が続けば良いなと思う──。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:16:33.97 ID:VM0nDOuDo

   ◆


フィアンマ「ふん。こんなものか」

オッレルス「義手にはもう慣れたのかい?」

フィアンマ「別に慣れるも何も普通の義手ならつけない方がいいのだがな」

オッレルス「そうだね、だけどその義手の霊装のおかげで力は少しは取り戻せたんじゃないのかな?」

フィアンマ「流石にロシアの時とはいかないまでも、神の右席時の俺様ぐらいにはな」

フィアンマ「しかしこの霊装を使いこなせるようになるまで2ヶ月近くもかかってしまったがな」

オッレルス「間に合ってよかった。間に合わなければ君を置いていくところだったさ」

フィアンマ「俺様にまだ話してないことがあるだろう?」

オッレルス「それはどうしてだい?」

フィアンマ「子供でも分かるだろ。間に合うとか間に合わないとか、誰が決める」

オッレルス「もとより隠そうとは思ってないんだけれどね」

オッレルス「時間も残り少ない」

フィアンマ「時間だと?」

オッレルス「そうだね、強いていうなればあと1週間程度だろうね」

フィアンマ「1週間だと?あと1週間でアレイスターの計画が完成するというのか?」

オッレルス「まぁそうだろう。だから今から行くのさ」

オッレルス「だから君を呼びにきた、準備は君のその右腕さえあれば十分だろう」

フィアンマ「そうだな」

オッレルス「行くか、学園都市に」

フィアンマ「…………」

フィアンマ「シルビアはいいのか」

オッレルス「あぁ、連れて行かない」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:17:52.48 ID:VM0nDOuDo

   ◆

年末を間近に控えたイギリスの『必要悪の教会』は非常に慌しかった。
なぜなら、あのふざけた上司であるローラ=スチュアートが突然消えた所為である。
あんなふざけたトップであっても仕事はしっかりとしていたし、していたからこその混乱である。


オルソラ「ふぁぁー……。お仕事が終わらないのですよー」ハムハム

シェリー「だからてめっ、報告書の上でスコーン食うなっつってんだろ!」

オルソラ「昨日の夜から何も食べてないのでお腹が空いたのですよ」

シェリー「そりゃ皆そうだっつーの!私だってお腹空い──ムガッ!?」

オルソラ「だったらシェリーさんも無理せずに食べると良いのですよ」

シェリー「……ゴクン、ったく……食い終わったらさっさと仕事しろよな」

オルソラ「あらあらー?皆さんも昨日の夜から何も食べてないんですね。いけません皆さん何か食べないとー」フラァ

シェリー「おい待てぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:19:18.56 ID:VM0nDOuDo

どうやら、ここだけは別らしいがとにかく『必要悪の教会』は大混乱に陥っている。
そもそも先の第三次世界大戦の直後である。
ただでさえ忙しいのにもかかわらず、失踪したローラ=スチュアートの行方は依然知れない。

────

男「ステイル殿!最大主教様のお部屋からこんなものが見つかりました!!」

ステイル「ふむ、これはずいぶんと強力な封印がかけられた箱だね」

ステイル「僕は専門外だから新たにチームを組ませて封印を解かせてみようか」

ステイル「何か最大主教の行方のヒントが出てくるかもしれないしね」

男「はいっ分かりました!!」


といったやり取りがあったのが1週間ほど前の話である。
それで、オルソラ達が封印を解くために日夜頑張っている(のか?)

────

オルソラ「ようやく見えてきましたね、この箱の霊装の力が」

シェリー「ん?そうなのか……?」

オルソラ「形状こそ箱ですがこれはどうやら聖杯【ホーリー・グレイル】という霊装を二つあわせているのですよ」

オルソラ「貝のように合わせてあるのですよー。今日のご飯は貝を使った料理にしましょうかねー」

シェリー「おぉ!?いつの間にそんな霊装を特定出来るほど調査してたんだ……」

シェリー「貝云々はともかく、開けられそうか?」

オルソラ「ここをちょいして、ちょいちょいっとすれば……ほら、開いたのですよー」

シェリー「おい!!誰か最大主教捜索チームの人間を呼べ、進展があったぞ」


報告を受け駆けつけたステイルが目にしたのは
箱が中央から割れ、そして中にあるのは折りたたまれている羊皮紙が一枚。

ステイルは慎重にそれを広げると────
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:19:47.81 ID:VM0nDOuDo












『何か忙しくなりそうだから帰省することになりけるのよ!!byローラ』




……………。
………………………………。

………………………………………………………………………。



殺す。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:21:25.61 ID:VM0nDOuDo

   ◆


学園都市には統括理事会というものが存在し、その各々が学園都市を組織するにあたり重要な人物である。
彼らを目にすることは普通の学生ならば滅多にいないだろう。
10月に親船最中の演説などを除けば皆無といって差し支えない。

とある学区のとある場所に存在するまるで別荘のような家に住んでいる男が一人いた。
彼は数ヶ月前に一方通行に殺害された統括理事会の一員の穴を埋め合わせるために
委員会に抜擢され日々学園都市統括理事会としてすごしている。


そんな彼は深夜に眠る前に暖かいホットミルクを飲みたくて
使用人に内線でホットミルクを頼んだのだが、いくら待っても来る気配がない。


男「……チッ、くそ。使えねぇ使用人だな……あーくそっ!!」

男「何で使用人ごときにイライラしなくちゃいけねぇんだよ!!」


コンコン


男「やっと来たか。早く入って来い!!」

……キィ

男「──な、何だ貴様ァ!!」

??「いえ、ただの怪しいものですけど」


目の前に現れたのは、使用人ではなかった。
彼は使用人の顔なぞいちいち覚えてなかったが、それでも目の前のコイツは使用人でないことは分かった。

なぜなら目の前の、声から察するに女は
フルフェイスのヘルメットを被り佇んでいるのだから。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:23:11.08 ID:VM0nDOuDo

男「な、何者だと聞いてるんだ!!動くな、動くんじゃないぞ!!」

男「俺が誰だか知ってるのか!?誰か!!誰かいないか!!」

??「無駄ですよ」

男「動くなぁ!!近づくんじゃないぞ……。このボタンが何か分かるか……?」

??「──うん?その机の上のボタンがどうかしたんですか?」

男「は、はは……これは私が指揮をとってる暗部組織を呼ぶためのボタンだ!!」

??「暗部組織、ですか」

男「いくら統括理事会の広告塔の私とて暗部の繋がりはあるのだよ!!」

??「あなたは暗部とか関わってなさそうだったんで後にまわしてたんですけどね」

男「何を言ってる!!どうやってココに進入できたのか知らないが、このボタンを押せば──押せ、ば……」

男「押せば……?お、押せない……だと?クソッこんなときに故障だとぉぉお!?」

??「残念でしたね、それで……どうしますか?」

男「ひぃ……!?来るな、来るな!!金ならいくらでもやるから!!」

??「いえ、あたしは別にお金がほしい訳じゃないんですよ」

男「な、何が目的なんだ!!命だけは……」

??「『初春飾利』という柵川中学校に通う女の子の今現在の居場所を知ってますか?」

男「は?う、初春……?何を……」

??「はぁ、やっぱり知りませんか……」スッ

男「や、やめろ!!──そ、そうだ知ってる……知ってるぞ。そ、その初春という女を!!」

??「……。本当ですか?」

男「あぁ!!確か机の引き出しの中に入ってる資料にそんな名前を見た気がする」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:24:03.24 ID:VM0nDOuDo

男「本当だ!!だから命だけは──!!」

??「分かりました、どの引き出しですか?」

男「えっと確か一番上の引き出しに……私が開けよう──」

男「──(机の中には拳銃が一丁入ってる……。油断しきってるコイツを殺してやる!!)」

男「(そうだ……何故この私がこんな女にへーこらしなきゃいけないんだ)」

男「(殺す、殺す、殺す殺す殺す殺す!!!!引き出しを開けて殺してやるぅぅ!!!!)」

男「この糞がぁぁぁぁぁぁ死ねぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!」ガッ

男「──、え……?え……??」ガッ

??「…………」

男「あ、開かない……引き出しに鍵なんてついてないのに……開かない……開かない……」

男「う、うわぁぁぁぁぁぁあああ!!ち、違うんだ!!誤解だ!!助けてくれ!!」

??「……、何が誤解なんですか?」

男「ひ、ひぃぃぃぃ。た、助けてくれ!!誰か!!誰かいないのか!!!!」

??「無駄、って言ってるじゃないですか」

??「今、この屋敷はあたしの能力で“止まって”ますから。使用人も含めて」

??「今この屋敷は、あなたとあたし以外の全てが止まってます」

??「だから、ボタンも押せないし引き出しも開けられない」

男「助けてくれ……頼む……頼む!」

??「その様子じゃ本当に知らないみたいですね」ピト

男「たの────」


フルフェイスのヘルメットを被った女が左手で男に触れると
男はまるで時でも止まったかのように動かなくなった。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:24:59.08 ID:VM0nDOuDo

   ◆


佐天「はぁ……結局無駄骨かぁ……痛っ!」

佐天「っ……、アレイスターの計画も……、あたしの左手も限界が……近い……なぁ……」


佐天涙子は左腕をさする。
彼女の左の二の腕には、カーテナ=セカンドという英国最大級の霊装の破片が埋まっている。

元々イギリス王家の血筋しか使えぬ霊装な訳だが
佐天涙子の左腕と似通っている力の所為なのか
それともロシアでミーシャ=クロイツェフの力を吸収した所為なのかは分からないが

ともかく無理に力を引き出している


佐天「限界が……近い……」

佐天「拒絶反応って、いうのかもしれないけど……ぐぅ!!」

佐天「ぜっ、はぁはぁ……。くっ……年末までに初春を助けたかったけど……」

佐天「最初は研究所に幽閉でもされてるのかと思ったけど……」

佐天「調べられるところは全部調べたし……。統括理事会の全員もしらなそうだったし……」

佐天「っ……。はぁ……。やっぱり、アレイスターの管理下にいるんですかね……」

佐天「まったく、困った親友だなぁ初春は……。大丈夫、もうすぐ助けてあげるから……」

佐天「絶対に、助けるから……」

佐天「(会いたい、初春に会いたいな……)」

佐天「…………」

佐天「タイムリミットがもうすぐ……皆を呼ばないとな……」

佐天「できれば、この日までに初春を助けたかったんだけどな……」


何にせよ、もうすぐ全てが終わる。
12月31日に、全てが。


                ────────────
                    ──────
                        ─


                         -
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:27:23.28 ID:VM0nDOuDo

軽快に第七学区へと走る姿勢を見せる上条当麻の脳裏には【1ヶ月ほど前に会った】佐天涙子との会話を思い出していた。
今のように時が止まっているのを知覚した上条が学園都市を走り回り

そしてとある研究所の前で彼女を見つけた時の事を。


──11月23日──


佐天「ありゃ、当麻さん?こんなところで何をしているんですか?」

上条「……、涙子ちゃん……なのか?」

佐天「え?あ、あぁ……ヘルメット被ってますけど、あたしですよ」

上条「何を……してるんだ……?こんなところで、それにさっき能力を使ってたのも……」

佐天「いずれ話しますから、今は何も聞かないでくれますか?」

上条「俺に手伝えることがあるなら言ってくれって!!」

佐天「嬉しいんですけど、……ごめんなさい」

佐天「これからしばらく能力を使うようなことがあるかもしれませんが」

佐天「あたしは多分無事ですし、危険に陥ってる事もないんで心配しないでください」

佐天「絶対に、時が来たら話しますから……」

上条「る、涙子ちゃん……」

上条「ロシアで俺に言ったことに関係があるのか?」

佐天「……っ!!それも、いずれ話すときが来たら話します……」

佐天「だから、あたしから連絡が来るまでは気にしないでください」

上条「…………」

佐天「すいません……」


フルフェイスのヘルメットをし、体つきを見るに女の子というのがかろうじて分かる目の前の人物は──
──佐天涙子、は

そういって上条当麻の前から姿を消した。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:29:21.34 ID:VM0nDOuDo

──そうして各々が平和を実感しながらやってきた、12月31日。










──────────────────
十二月三十一日 最期の日、最初の日
──────────────────

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:31:18.94 ID:VM0nDOuDo

早朝に目が覚めたのは、昨日の晩にコーヒーを飲んだ所為だろうか。
それともピピピ、と音を立てる携帯電話の所為なのだろうか。
今までの人生で寝ているときも反射を適用させてきた一方通行は睡眠を音で邪魔されるのが嫌いだった。


一方通行「……俺だ」

   『一方通行か、土御門だが』

一方通行「何の用だ?こんな糞早ェ時間に電話してくるなンざ頭沸いてンのかァ?」

   『一方通行はロシアでの件以来暗部から抜けた存在だからいままで言うのを躊躇っていたんだが』

一方通行「あァ?」

   『今、暗部は一人の女の子を追うのに大忙しだ』

一方通行「女だと?」

   『お前もよく知ってる女の子だよ、佐天涙子っていうな』

一方通行「へェ……たった一人のガキの消息も終えないよォじゃ暗部も腐ってンな」

   『今の暗部はもうガタガタだ、まともに動ける人間の数が少なすぎる』

一方通行「暗部についてはどォでもいいンだよ。それより何でクソアマが追われてる?」

   『最初は、研究所だったか』

一方通行「はァ?もっと分かるよォに話せ」

   『そして次は統括理事会のメンバー』

   『これらを彼女は次々と襲ってる』

一方通行「く、は……面白ェ事しやがるな。統括理事会の屑を襲ってよく無事でいられンな」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:32:09.54 ID:VM0nDOuDo

一方通行「消息が追えねェのはくたばってるからじゃねェのか?」

   『……暗部組織に下っている命令は、彼女を捕まえろとしか』

一方通行「どっかのアホが殺しちまったつー線は?」

   『今の暗部は装備や人が不足してる。どこかの誰かさんが暗部組織をあらかた解体しちまった所為でな』

   『それに、暗部にすら彼女の能力を知る者は少ない』

一方通行「成る程ね」

   『お前に電話したのは、佐天涙子の消息を知らないか聞きたいからだ』

一方通行「知ってどォする」

   『勘違いしているようなんで言っておくが、俺は佐天涙子を保護したくて追ってる』

一方通行「へェ……そいつはご苦労なこって────ン?」

   『キャッチか?』

一方通行「……、あァ。あのクソアマの居場所は知らン、じゃァな」ブッ


そういって土御門との電話を切る。
絶妙なタイミングで電話をかけてきた相手は、一方通行の見る液晶に映し出されている文字は──
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:33:26.45 ID:VM0nDOuDo

一方通行「俺だ」

   『あ、一方通行さんですか?佐天涙子です』

一方通行「知ってンよ。──で、何の用だ?」

   『特に説明は要らないと思いますので、あたしが言う場所に来てください』

   『──って所にある人気のない場所に今からお願いします』

一方通行「──、分かった」ピッ


ついにこの時が来たか、と一方通行は現代的なデザインの杖を持ち立ち上がりながら思う。
幸いにもこの早朝だ。打ち止めや番外個体、黄泉川も芳川も寝ている。
平穏な生活は終わった。
平和な生活を掴む為に一方通行は戦地へと行かなければならない。

少しだけ、打ち止め達が寝ている部屋の前で立ち止まる。


一方通行「……、────いってきます」カツ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:34:31.26 ID:VM0nDOuDo

   ◆


そろそろ年末の大掃除をしなくちゃいけないようなそんな事を思っていた
しかしながら我が家に掃除しなければいけないほどの物が存在していないことに気付き
それならばと、自分の寝床である風呂場の掃除をしたのが昨日のこと。

風呂場で寝るのも、起きることも慣れたものだった。
自分の記憶の最初、とある事情で夏休みから前の記憶がない上条当麻にとって
この寝床はもはや慣れたもの。

でも、最近──いやロシアから帰ってきた頃から少なからず変化があった。

別段背が高いわけではない上条だが、それでも浴槽で足を伸ばして睡眠というわけではない。
体を折りたたんで眠る。
そんな上条当麻が寝返りを打つと、浴槽の壁がふにゃりと当たる。


……ふにゃり?


よくみれば、いやよく見なくてもこの体にかかる重力というか重さというか。

上条当麻の上に銀髪のシスターが眠ってる。



上条「…………」

インデックス「……すぅ……すぅ……」

上条「ずいぶんと規則的な寝息をしてらっしゃいますねインデックスさん……」


一週間に一度くらいの頻度で、こうして上条当麻の眠る浴槽で寝ている我が家の居候。
何度か注意をしたのだが、しかしそれが意味を成すことがないことを知り上条は注意することをやめた。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:35:38.38 ID:VM0nDOuDo

上条「だったらベッドで寝れば良いと思うんだが……」

上条「でもいやしかし……」


ブー!ブー!ブー!という振動と音を感じた上条当麻は驚きで飛び跳ねるかと思った。
飛び上がるには少しばかり障害があるのだが。


インデックス「……ん……とうま……?ピコピコがなってるよ……ふぁあ……」


そういって、この状況に何の反応も示さずにベッドに戻っていくインデックス。


インデックス「あ、とうま!!朝ごはんはワカメ以外がいいんだよ!!」

上条「……あ、あぁ……」

上条「すまん、朝ごはんは昨日の残りのワカメになりそうだ」

インデックス「えぇー!!どうして?最近このワカメの食べすぎで流石にもう飽きてきたかも」

上条「……すまん、電話に出るな」

インデックス「またこもえ?」

上条「──あ、あぁ。補修だな」

上条「多分今日は帰りが遅くなると思うから、夜ご飯は舞夏に分けてもらってくれ」

インデックス「わかったんだよ」


今夜は遅くなりそうだな、と携帯電話に目を落とした上条当麻はそう思う。
すでに制服に着替えた上条当麻は玄関を出て通話ボタンを押す。



上条「もしもし?あぁ……わかった、すぐ向かうな──涙子ちゃん」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:38:37.52 ID:VM0nDOuDo

    ◆


まぁ色々な事情もあってか、木山春生は奇妙な同棲生活を送っていた。
その“色々な事情”を説明しようとするととても長くなるので簡単に言うと

私、木山春生は幻想御手事件や乱雑開放事件でのいざこざがあった後入院していた身であり
そして保護観察処分が下っていたのだが、それも様々な事情で解けた頃

元居た研究所に戻って仕事を再開して万事OKというほどこの学園都市は簡単ではなかった。
勿論研究所はクビだった。

そんなわけで絶賛職探し中の身だったのだが、どうも見つからずに
知り合いのカエル顔の医者に相談したところ、当分の間病院で働けることになったのはいいのだが……。

カエル顔の医者が勤務している病院からほんの少しだけ離れた一戸建ての家
そこで書類等を整理するのが今の仕事。

働けること自体はうれしかったのだが、いかんせん暇である。
いや、わがままを言うような身じゃないのは十分承知なのだが
この程度の書類整理誰でも出来る。だから──

──話が逸れてしまったか、そうそう奇妙な同棲生活の事についてだったか

同棲といっても私が男と生活をしているということではない。
ハウスシェアといったほうが正しいのだろうか
なぜなら彼女は──

カチャ


木山「──おや、おかえり。ずいぶんと遅い帰りだな」

佐天「ふー。まっ、あたしがしてる事は昼間じゃちょっとアレですし」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:41:07.53 ID:VM0nDOuDo

木山「それで、どうだった?」

佐天「…………」

木山「そうか……しかしそうなるともう……」

佐天「わかってます」シュル


シュルシュルと服を器用に脱いでいき、用意してあった寝巻きに着替える佐天涙子
恥じらいもなく人前で脱ぐなんて、少し前に噂になった妖怪脱ぎ女とはこの子のことなんじゃないかと思う。

……ん?あぁ彼女と私がどうして一緒にいるのかか。

カエル顔の医者から、この子をよろしくといって膨大な書類とともに預かったから。
書類というのは、初春飾利の拉致についての書類だった。

彼女の通う柵川中学校というよりか学園都市にとって初春飾利という者は
【帰省中】という事になっている。

彼女の寮の荷物も綺麗さっぱり全て、髪の毛一本にいたるまで無い。
本当に帰省したかのように。

カエル顔の医者が書類と一緒に佐天涙子をよろしく頼むね、と言った瞬間に理解した。
彼はこう言いたかったんだと理解した。

彼女達を助けてあげて、と。


木山「(幻想御手といい乱雑開放の件といい、この子たちとはよく縁が合うな)」

木山「(初春さんを拉致したのは佐天さんを抑えるための人質という線が濃厚だろう)」

木山「(それに、拉致した相手からの交渉が無いところを見るに時間稼ぎでもある──)」

木山「(もしかするともう……)」

木山「(いや……、絶対に助けるさ……絶対に)」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:42:40.19 ID:VM0nDOuDo

佐天「明日は……」

木山「ん……?」

佐天「明日は、大晦日ですね」

木山「あぁ、そうだな……それがどうかしたのか?」

佐天「いえ、今までありがとうございました」ペコ

木山「!?な、どうし……」

佐天「今回、初春を探すにあたって迷惑をたくさんかけました」

木山「い、いや、そんなこと──」

佐天「幻想御手の事もあたしは間接的にですが木山先生に沢山のことを教えてもらいました」

佐天「お仕事をそっちのけにしてまで、あたしのサポートをしてくれて本当にありがとうございました」

木山「いや、少し失礼な言い方だがこんな仕事なんかどうでも良いんだ」

木山「私だって君達に沢山のことを教わったんだ、だから……」

佐天「──木山先生って本当に優しい人ですよね」

木山「……っ!!」

佐天「もし、明日12月31日の夜に……いえ元旦でもあたしがココに帰ってこれたら……」

佐天「置──」

佐天「──いえ、やっぱり帰れたら言いますっ!」

佐天「寝ますね。おやすみなさい」パタン


そういって、私に何かを言わす隙を与えずに部屋に行ってしまった。
次の日、12月31日に彼女の部屋に行ったときにはもうそこはもぬけの殻だった。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:43:59.20 ID:VM0nDOuDo

   ◆


佐天「…………」

一方通行「…………」


タッタッタ

上条「悪ぃ遅れた!」

佐天「いえ、気にしないでください」

一方通行「──、これでよォやく役者が揃ったみてェだが」

佐天「いえ、もう二人ほどで役者は揃います」

一方通行「あァ?どォいうことだ?」

??「それについて説明する必要は無い」

上条「!?なっ……お、おまえ……」

フィアンマ「何だ?上条当麻。俺様の登場に何か驚くような所があったか?」

上条「テメェ……、一体何の用があってこの学園都市にきやがった!!」

フィアンマ「なんだ?俺様が学園都市に理由なく来てはいけないのか?」

??「まぁ、からかうのはその辺にしてあげなさいフィアンマ」

上条「テメェは……?」

??「俺はオッレルス。魔神になりそこねた哀れな男だ」

一方通行「で、コイツらは何なンだァ?」

佐天「特別な魔術師、だと思います」

一方通行「『だと思います』ねェ……。役者が揃ったってンならさっさと話せ」

オッレルス「俺も断片的な情報しか聞かされていないからな、なぁ?フィアンマ」

フィアンマ「俺様はそこの小娘から情報なぞ聞いてすらいない」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:45:16.08 ID:VM0nDOuDo

上条「……!!お前、その右手……」

フィアンマ「気にするな、お前が気にするようなことではない」

フィアンマ「それよりも佐天涙子。いい加減に俺様を呼んだ理由とやらを話してもらおうか」

佐天「そうですね、この学園都市の統括理事長アレイスター打倒への計画をお話します」

一方通行「ちょっと待て」

佐天「はい?」

一方通行「……正確な数は分からねェが学園都市中に5000万だか滞空回線ってヤツが散布されてンだが」

一方通行「つまりこの学園都市のどこでコソコソしよォが、計画なンざ筒抜けなワケだが──」

佐天「それは重々承知です。それにあたしがアレイスターの計画を知っていることをアレイスターも知ってますし」

一方通行「何?どォいう事だ」

佐天「まぁあっちの情報収集能力は、こっちとは比べ物にならないという事でしょう」

佐天「さて、今から説明をはじめようと思います」

佐天「──当麻さん、一方通行さんはご自身の能力とは別に『違う方向性』のモノを感じたことはありますか?」

上条「…………」

一方通行「──、」

佐天「それは恐らく人には及び知れない力、この世界ではありえない力です」

佐天「そんな力が、あたしたち人という器に入るという事は本来ありえないことです」

佐天「その力は神話などに登場するような『神の力』というモノです」

佐天「まぁ神の力の一端というか……」

佐天「あたし達の力を何らかの形で利用して、アレイスターは人のさらに上の存在へなろうとしてます」

フィアンマ「眉唾ものだが、成る程な」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:46:46.29 ID:VM0nDOuDo

フィアンマ「ならお前達をこの場で殺せばアレイスターの計画も潰せてうっとおしいガキも消える」

上条「……」

一方通行「──へェ、面白ェ。やってみろよ」

佐天「フィアンマさんに一方通行さん……」

フィアンマ「冗談だよ、そんなことでアレイスターの計画が潰せるとは思えないしな」

一方通行「同感だ」

佐天「そうです。例えあたしが自殺したところで、代わりの存在を何年何十年と待つんでしょう」

佐天「もしかしたら創るかもしれない──」

佐天「根本的な解決にはなりませんからね」

上条「アレイスターの計画は少し分かった。それで、どうやって突撃をかけるんだ?」

一方通行「そォだ。あの窓の無いビルは知ってると思うが、空間転移の能力者がいねェと入れすらしねェぞ」

佐天「そこで、当麻さんの右手の出番ですよ」

上条「えっ!?上条さんの腕力じゃコンクリート壊すことなんかできないですよ?」

フィアンマ「馬鹿か貴様は。貴様の右手は何のためについてるというのだ」

上条「ってことは……?」

佐天「はい。恐らくあの窓の無いビルには防護魔術がかけられているのだと思います」

一方通行「(──なるほど魔術ねェ……どォりで……)」

上条「そこで俺の右手か……」

佐天「はい。恐らくそれで中に進入できると思います」

一方通行「三下の右手で防護魔術が崩れンなら、その後にビルを丸ごと吹き飛ばせば良いンじゃねェのか?」

佐天「多分、防護魔術は一つや二つといった簡易なものじゃないはずです」

佐天「“その程度で壊せるほど、今回の人物は簡単じゃない”と思いますし」

一方通行「言ってみただけだ。俺も本気じゃねェよ」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:48:11.16 ID:VM0nDOuDo

オッレルス「中に進入してからはどうする?すぐさまアレイスターが出てくるわけでもなかろう」

佐天「はい、相手も準備はそれなりにしているはずですが……このメンバーですと……」

佐天「恐ろしいのは“エイワス”と呼ばれるもの以外にいない筈ですし……」

フィアンマ「まどろっこしいな、進入した後は真っ直ぐアレイスターの元へ向かえば良いんだろう?」

フィアンマ「作戦ってレベルですらないな──だが、下手な小細工はアイツには無意味だ」

佐天「…………」

オッレルス「では、向かおうか。最強最悪の相手へ」

フィアンマ「ふん。5人か、なんとも寂しい軍団だな」

フィアンマ「まぁいい。行くぞ」

佐天「はい。行きま────」


   『ちょっと待つんだよ!!』


見れば、いつの間にか路地裏の出口には銀髪碧眼のシスターが立っていた。
それに──


上条「な──インデッ……クス……どうして……」

インデックス「あまり私をなめないほうがいいんだよ!」

インデックス「とうまは嘘をつくのが下手。朝の様子を見てれば直ぐに分かるよ」

上条「それに、どうしてここが……」

??「それは僕が説明しようか」

上条「ステイル!?それに神裂も……」

ステイル「説明、といっても君程度を見つけるのに特別な事はしてないけどね」

ステイル「尾行にも気づけないんじゃ、まだまだひよっこだね」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:49:32.18 ID:VM0nDOuDo

神裂「この子はあなたが思ってるほど弱い子ではありませんよ上条当麻」

上条「それでも……」

神裂「あなた一人ではこの子を守れないというのならば、私も手助けしましょう」

インデックス「守られるまでもないんだよとうま!!私だって戦えることは知ってるでしょ?」

上条「そ、それは……」

ステイル「ぐずぐずしてるんじゃねぇよ上条当麻」

ステイル「彼女の僕のそして神裂の覚悟を舐めるんじゃない」

上条「!?ステイル……。そっか、そうだよな……」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:50:54.75 ID:VM0nDOuDo

一方通行「……(──、まさかあのシスターが俺の探してた禁書目録だったとはな……)」

一方通行「(あの三下は一体どれほど俺の先を進ンでいやがったンだ……)」

一方通行「おい、そこの銀髪シスター」

インデックス「うん?あなたは、打ち止めちゃんを探してた人だね」

一方通行「あン時も、世話になったな」

インデックス「ううん、いいんだよ!!隣人を助けるのは私達の役目だからね」


??「ぎゃははー☆アナタが誰かに感謝してる図とかチョーウケる」

??「確かにってミサカはミサかは意外そうな顔をしてみたり」


一方通行「──なっ!?」


番外個体「なぁに意外そうな顔してるのよ第一位。やぁんその顔だけでミサカいろんなところが勃っちゃいそう☆」

打ち止め「でも、朝の『行ってきます』も結構良かったよってミサカはミサカは思い出して喜んでみる。わーい!」

一方通行「番外個体……打ち止めも……どォして……」

??「あたしもいるじゃん」

??「あらあら、あなたには私達大人二人が見えてないのかしら」

一方通行「黄泉川に芳川……テメェら……」

黄泉川「家族が危険な場所に行くっつてんじゃー保護者としては同行せざるをえないじゃん」

芳川「私は本当は家で寝ていても良かったのだけれどもね」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:51:36.83 ID:VM0nDOuDo

一方通行「──、いい加減に……」

番外個体「おやおやー?何を怒ってるのかな」

番外個体「一人で出て行って、一人で死のうだなんてミサカが絶対に許さないよ」

黄泉川「ったく、子供はそういうこと背負うもんじゃないじゃん」

一方通行「今回はそこ等の銀行強盗とかじゃねェンだぞ!!分かってンのか!!」

打ち止め「みんな、わかってるからここにいるんだよってミサカはミサカは言ってみる」

打ち止め「もしかしたら、死んじゃうかもしれない……だけどね」

打ち止め「だけど、それ以上にあなたが一人で死んじゃって残されるよりかは遥かにマシなんだよ」

一方通行「打ち止め……」

打ち止め「それに、あなたが守ってくれるでしょってミサカはミサカは調子に乗ってみる」

一方通行「……」

番外個体「あれれぇ?ミサカ達を守れる自信が無いの?第一位もシケてんねぇ〜」

一方通行「……。上等だ」

番外個体「うん?」

一方通行「上等だっつってンだよ!!皆纏めて守ってやンから離れンじゃねェぞ」

番外個体「ひゅー、よくいった。それでこそ第一位だねぇ」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/03/24(木) 22:53:06.54 ID:VM0nDOuDo

そんな、決意を固める二人を見る女の子が一人居た。
信じられない、というような顔をして。


佐天「──で……。どう……して……」

佐天「どうして皆来たんですか!!」

上条「……ん?」

佐天「今回の相手は大覇星祭のときのような魔術師を打ち倒すワケじゃないんですよ!!」

佐天「一方通行さんだって、オッレルスさんだって、フィアンマさんだって知ってるでしょう!!」

佐天「あの強大さを!!!なのにどうして……」

佐天「あんなの相手に守るなんて……できっこ……ないじゃないですか……」グス

黄泉川「──、佐天涙子……だったよな」

佐天「は、はい──?」

パァン!!

佐天「痛っ!?……なっ!?……何を──」

黄泉川「子供が色々背負ってるんじゃないって事じゃん」

黄泉川「確かに相手は強大で恐ろしいものかもしれない、けど」

黄泉川「子供が大人を守ろうとするんじゃない。ソレは、私達大人のすることだ」

黄泉川「守ってやるよ──佐天涙子。子供のお嬢ちゃんをなっ」

黄泉川「それに、今回駆けつけた人間全てお前達に守られるような弱者はいないじゃん」

芳川「あら?私は只の研究者なのだから、強者ではないわよ」

黄泉川「只の研究者だったら警備員用の装備を扱えるわけないじゃん」

芳川「言うわね。使えるだけで訓練されてるわけではないのだけれども」

芳川「いないよりかはマシかなって思ってね。ほら、愛穂は熱くなると周りが見えなくなるから」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:55:09.79 ID:VM0nDOuDo

黄泉川「あっはっは。言ってくれるじゃん」

芳川「そういうことで、私達は自分達の意思でここにいるの」

佐天「──でも」

黄泉川「込み入った事情は聞かないけど、今回の計画は学園都市の為じゃんね?」

黄泉川「それにおまえ達がいない事にはその計画は成功しないという訳だな」

佐天「……そうですけど、でも」

黄泉川「なぁに、護衛してやるだけじゃん!」

黄泉川「ついて来るなって言っても無理にでも着いてくが」

佐天「──、もう……わかりました!!」

黄泉川「おっ、分かってくれたじゃんか」

佐天「絶対に無理はしないでくださいね!!逃げたくなったら逃げても構いませんから!!」


応っ、と答える黄泉川愛穂を見ればそんな気はさらさら無さそうな事は分かった。
そんな様子をみた佐天涙子は気が重くなったが。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:56:13.39 ID:VM0nDOuDo

オッレルス「なに。人数が多いにこしたことは無いさ」

佐天「オッレルスさん……」

オッレルス「君が冷静になるには、こうした事態になったほうが良さそうだしな」

佐天「あたしが冷静に……?」

オッレルス「自分じゃ気付かないものだろうな。なぁ?フィアンマ」

フィアンマ「あまり俺様に馴れ馴れしくするな」

フィアンマ「だが佐天涙子。お前が冷静さを欠いているのは分かるさ」

フィアンマ「まだロシアで大天使と戦ってた時の方が冷静だったぞ」

オッレルス「そうだな。君を取り巻いている状況はある程度はわかるが」

オッレルス「だからといって戦いたいと思っている人間を遠ざけるなんて、遠ざけられる人間の気持ちも──」

オッレルス「──あだだだだぁっっっ!?」

シルビア「遠ざけられる人間の気持ちが何だって?」

オッレルス「いだだっっ!!シルビアァ!?どうしてここに」

シルビア「そら馬鹿が馬鹿連れて出て行ったからに決まってるでしょう」

オッレルス「君は──、」

シルビア「勘違いするなよ、私は──」

オッレルス「いや、言わなくていいわかってる」

シルビア「そうかい……──。」

オッレルス「それはそうと早く耳を引っ張るのをやめて貰えないかな」

シルビア「そうね、そうするとするわ」ビッ

オッレルス「ぐっあああぁぁぁぁ!?」

シルビア「今のは私に今日のことを黙ってた分」

シルビア「私を置いて出て行った分は帰ってからたっぷりしてあげるから、覚悟しておきなさい」

オッレルス「……、はい……」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:57:08.85 ID:VM0nDOuDo

────

上条「さて、と。こんなところでグダグダしててもしょうがないだろうから行こっか」

佐天「そうですね、行きましょう」

一方通行「……」

オッレルス「アレイスターも待ちくたびれてるだろうしな」

フィアンマ「ふん。あいつがこの程度で待ちくたびれるような存在ではない」



──ここに、科学と魔術が交わった。

物語は、始まる。

この物語は心に正義を持つものが活躍する物語

英雄達の物語────故に悪党は登場しない。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:57:46.92 ID:VM0nDOuDo

────────────────────────


先ほどまでちょっぴり多くの人がいた死角のさらに死角から人が複数出てきた。
その複数の人は、男が一人に女が三人の不思議な組み合わせだった。


絹旗「聞きましたか?麦野」

麦野「まぁね。こんな所であんな話をするなんて無用心もいいところだわ」

絹旗「まぁ何人かは私達に気付いていたみたいですが、それでもちょっとアレですかね」

絹旗「私が知ってるのはあの超第一位だけでしたが、他の面子も超手練なんですかね」

浜面「ツンツン頭の男は知ってるが、無能力者だったような……」

麦野「ふーん……」

浜面「で、どうする?」

麦野「決まってんだろ」

滝壺「アイテムの最後の仕事だね」

麦野「ド派手に行くわよ。私達を闇へ堕とした原因へ『アイテム』を知らしめる為に!」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:58:26.89 ID:VM0nDOuDo

────────────────────────

目が覚めた、というのは私にとって正しいのか分からないがともかく彼女は目覚めた。
彼女は長いストレートヘヤから一房だけ束ねられた髪が伸びており、その顔には知的な眼鏡が存在する。

彼女は風斬氷華という。
もしくはヒューズ=カザキリか。

なんにせよ彼女は見た目と反し人間ではない。
その実態はAIM拡散力場が人の形をとったものである。
そんな彼女は今日自分がどうすべきかを、思考していた。


風斬「…………」

エイワス「考え事とはずいぶんと人間らしいことをしている」


そう風斬の隣でつぶやいたのは、エイワスと呼ばれる存在。
金髪の光り輝くような長身の持ち主で、ゆったりとした白い装束を身にまとっている
正確な性別などまったく分かりはしない(そもそも性別があるのかも分からない)が

外見の見た目だけなら女性的に見える。
そのエイワスの表情は喜怒哀楽の全てがあり、それでいて人の持つ感情とは違う異質なものを根幹に秘めている。
そんなエイワスが一方的に風斬に語りかける。


エイワス「今日この日にこの世界は変わる」

エイワス「この世界がどうなろうと私には興味がないのだが、君はどうなんだ?」

風斬「…………」

エイワス「こうしてみると私のほうが人間らしいとは思わないか?」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:59:27.27 ID:VM0nDOuDo

エイワス「口という器官があるのだから、喋って意思を伝えることも感慨深いぞ?」

風斬「私、は……」

風斬「あなた達に直接牙をむくことは出来なくても……」

風斬「でも……」

エイワス「しかし行動を制限されていては邪魔すら出来やしないだろう」

エイワス「それについては私も同じ……、になるのか」

風斬「あなたが行動を制限されている……?」

エイワス「制限というよりかは制約といったほうが正解に近い」

風斬「それは……」

エイワス「君は行動全てを制限されているが私は特にそういうことは無い──だが」

エイワス「……喋りすぎか。君にこれ以上情報を発信する事ができないようだ」

エイワス「人間の彼らは私を警戒しているが、それが過ちといつ気付くかな」


学園都市の闇の中心部である窓の無いビルのさらに闇の深いところ
そんな場所で化け物が実に化け物らしい会話をしていた。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 22:59:54.59 ID:VM0nDOuDo

   ◆   ◆


上条「ここが窓の無いビル……統括理事長アレイスターのいる場所」

神裂「私達魔術師が見れば圧巻といわざるを得ないですね……」

上条「そうなのか?」

インデックス「こうして目の前に存在しているのが信じられないんだよ」

インデックス「近くまで来るまで全く魔力を感じなかったのに……」

インデックス「魔術師用の人払いなのかな……?そんな魔術聞いたこと無いけど」

インデックス「私がわかるだけでも結界魔術がざっと3万くらいあるんだよ……」

上条「さ、3万!?そ、そんなモンがこのビルに?」

インデックス「私がわかる分だけでって意味だよ。だから、内部はどうなってるかわかんない」

上条「インデックスが分からないような魔術があるかもしれねぇのか?」

インデックス「うん。私がこの街にいながらこのビルの存在が分からなかったって時点で多分……相当数あるんだよ」

インデックス「それに……ただ単純に魔術だけっていうような気配じゃないんだよ」

上条「魔術だけじゃない……?」

一方通行「ぐだぐだ言ってねェで行くなら行くぞ」

上条「あ、あぁ……」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:00:43.85 ID:VM0nDOuDo

上条当麻がピトッっとビルに触れる。
瞬間、パキリと見えない何かが壊れるような音がした。

たったそれだけ。
たったそれだけで一方通行がどんな力を使っても破壊することが出来なかったビルが普通のビルと変わらなくなる。

一方通行は試しにビル全体を吹き飛ばすようにベクトル操作を利用し破壊しようとしたが
ビルは破壊どころか、人一人がやっと通れる程度の穴が開いただけだった。


一方通行「俺はこのビル全体が地球上から消し飛ぶよォに力を使ったはずなンだが」

インデックス「ビルを覆ってた魔術が破壊されたことで、第二第三のプロテクトのような結界が出現したんだよ」

一方通行「なら何で穴が開いた?」

インデックス「……多分、意図的にこの穴の付近だけ結界が……」

一方通行「成る程、うざってェ事しやがる」

佐天「あたし達を歓迎してるんでしょうね。中に入りましょう」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:01:58.74 ID:VM0nDOuDo



番外個体「……(おい打ち止めさんよぉ)」

打ち止め「……(何かなってミサカはミサカはミサカの電波をキャッチしてみたり)」

番外個体「(ミサカ達なんか空気じゃねぇ?ってかそれはアンタも思ってるよね)」

打ち止め「(むっ。ここに来てミサカのキャラが空気だって!?はっはっは。そ、そんな訳ないじゃないの)」

番外個体「(や、だってミサカだけは黒い感情が流れてくるんだから分かるっての)」

打ち止め「(ぬおぉぉ!!しまったー、バレてる!!ねねね?どうすればあの人の目に私達は写るかな?)」

番外個体「(さぁ?おっぱいでも強調してみたら?(笑) )」

打ち止め「(ちくしょおおおお!!どうしてミサカには豊満なおっぱいがないの!!ってミサカはミサカは──)」

番外個体「(ちょっ、や、やめっ!!嫉妬の感情がァぁあぁぁぁぁ!!)」


一方通行「何してンだァ?テメェら……。俺から離れンじゃねェよ」

打ち止め「…………っ!」

打ち止め「やーん!!やっぱりこういう時でもミサカのこと考えてるんだねっ!!」バッ

一方通行「やめろ!!飛び掛ってくるンじゃねェ、離れるなっつたがそォいう意味じゃねェよ!!」

番外個体「やっぱアナタってロリコンなの?」

一方通行「馬鹿いってねェでさっさと進むぞ糞が」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:03:05.65 ID:VM0nDOuDo


佐天「中は意外と普通……なんですね」

上条「ただ単純に真っ直ぐな廊下があるだけだな」

一方通行「警戒は怠ンなよ。意味があるのかはさて置きな」

佐天「えぇ。ですが警戒しておいて損はない筈です──」


警戒なぞ、このビルに入る前からしている。
ビルの内部に入ってからはなおさらだった。
あの諸悪の根源とでも言うのか、アレイスターやエイワスのいる場所なのだから。

一方通行はそう思考しながら前方に目をやる。
そこには八月に最強の超能力者である自分を倒した無能力者の少年が歩いている。
科学の『闇』と魔術の『闇』の両方を知っている少年は今何を思っているのだろうか。

自然と上条当麻から視線をはずしてしまう。

闇に身を置いていた自分は目の前の少年のように真っ直ぐになれるのだろうか。
人殺し。殺人鬼。
なんと言おうが──違わない。

自分は妹達を一万人以上殺した殺人者だ。
人を殺せる人間だ。人を壊せる人間だ。
だが、護ると決めた。全てから。

今自分の後ろを歩いている打ち止めと番外個体を護るためなら、殺せる。
殺せる。壊せる。

矛盾を抱えていることなんか分かってる。
でも、いけないことなんだろうか?
そんなに、いけないことなのだろうか?

理想を追うことが。


一方通行「…………ン?」


そういえば──視線を落としたあたりから誰も会話をしようとはしない。
それは何故……?

ちらり、と前方を確認した。

誰もいなかった。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:04:47.22 ID:VM0nDOuDo

一方通行「────っ!?」


慌てて左側を確認する。
そこには佐天涙子という少女がいるはずだったが、左側にも誰もいなかった。


一方通行「な……!?」

打ち止め「落ち着いてってミサカはミサカはあなたのそばに駆け寄って右手を握ってみたり」

番外個体「ありゃー?これは一体どういうことなのかね?」

一方通行「──打ち止め、番外個体……」


後ろに──
打ち止めと番外個体がいた。
存在していた。


一方通行「……。やられたな」

番外個体「やられたって?もしかしてあの人たちが?」

打ち止め「ミサカはずっと前を見てたけどいつの間にかあの人たちが消えてたよ」

番外個体「それってつまり皆が一斉に音もなく消されたって事?」

番外個体「ミサカのレーダーにも何にも反応しなかったよ?」

打ち止め「ミサカ達のレーダーはお姉さまのとは精度が違うからなんともいえないけど、あなたはどうだった?」

一方通行「何も感じなかったな」

番外個体「まぁ彼らが目の前で音もなく消された。でも、殺されたって考えるのは早計かな?」

一方通行「そォだな……。多分死ンじゃァいねェだろォな。俺らがこォして生きてる以上な」

番外個体「んん?それってどういうこと?ミサカにも分かるように説明して欲しいな」


一方通行「“アイツらが音もなく消されたンじゃねェよ”」

一方通行「“俺らが音もなく消されたンだ”」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:05:17.01 ID:VM0nDOuDo

   ◆   ◆


パっと目の前にいた上条当麻や一方通行といった人物が消えた。
まるで瞬きの瞬間を狙って目の前にいた人物達が消えたかのように──。


佐天「当麻さん!?一方通行さん!?オッレルスさん!?」

佐天「なっ!?い、一体どういう──」

黄泉川「これは……?」

芳川「前にいた人たちが一瞬で消えた……?いえ……これは……?」

佐天「黄泉川さんに芳川さん!?当麻さんや一方通行さんたちが!!」

黄泉川「わかってるじゃん。冷静になれ!!」

芳川「冷静になるのはあなた達よ」

佐天「!?」

芳川「一見私達の目の前から彼らが消えたように見えたかもしれないけどこれは……」

佐天「まさか……」

芳川「えぇ恐らくその考えであってると思うわ」

芳川「私達のいるこの場所はまるでさっきまで私達が進んでいたビルの内部と同じような場所だけど、別の場所」

佐天「つまり私達は……」

黄泉川「分断された」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:05:57.00 ID:VM0nDOuDo

   ◆   ◆


上条「糞ッ!!」

神裂「信じられません……まさかこんな……」

ステイル「僕達が彼らを消した魔術……もしくは超能力に気付かないとは」

上条「俺らは分断されなかったな……どういうことだ……?」

ステイル「君にはその右手があるからだろうが、完璧に分断させるつもりなら個々で分断させればいいはずなんだが」

インデックス「ともかく皆と早く合流出来るように急ぐんだよ!!」

上条「あぁ!わかってる!!」

上条「とりあえず進むぞ!!」


少しだけ上り坂になっているような、長い廊下を罠を気にせず走る上条当麻。
先頭で走る彼には意味はもちろんある。

もし、魔術による罠があっても彼の右手が消してくれるはずというのが一つ
そしてアレイスターの計画にはこの上条当麻が必要とされているのを考慮して
彼を殺害するような魔術はこないだろうというのがある。

しかし禁書目録といった彼以外の人間は殺害対象となりえるだろうが。
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:06:47.93 ID:VM0nDOuDo

   ◆   ◆


オッレルス「敵ながら見事、だな」

フィアンマ「何褒めてるんだ」

オッレルス「この状況を見ればそういわざるを得ないだろう?」

シルビア「……、魔術に無知なあの子達はともかく私達でさえ気付かせず発動するのはね」

フィアンマ「人間を瞬時に気付かせずに移動させる、もしくは転移させる魔術なんぞ信じられないな」

オッレルス「どこぞの黄金練成ならともかくね。これは君がロシアで見たアレイスターが出現したような魔術かな」

フィアンマ「どうだろうな、あれは瞬間移動というより地球上に自分を二人出現させたようなニュアンスだったが」

オッレルス「だとすると、我々は実はビルの中に入って幻術にでもかけられたか?」

シルビア「それはないでしょ、あの幻想殺しがいるんだから」

オッレルス「言ってみただけさ。現時点ではっきりしていることは分断されたってだけだ」

フィアンマ「腹立たしいな。気付かせずに分断させるなぞ、俺様達をいつでも殺せると言っているようなものだ」

オッレルス「さぁね。空間転移した場所に敵でもいればともかく、ここには誰もいないし」

シルビア「ともかく前に進めって言っているのだろうね」

オッレルス「そうだね、戻っても仕方がない。進むしかないんだ」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:07:28.97 ID:VM0nDOuDo

シルビア「廊下を進んだ先に見えるのはアレは部屋か?」

オッレルス「扉もドアもないが、廊下ではないのは確かのようだね」

フィアンマ「セーブポイントでもあるのか?」

オッレルス「ははっ、どうやらセーブポイントの前に中ボスのようだね」

シルビア「……?何だあの男は」


やや広めの部屋の中央に一人の男がいた。
それはまともな男には見えない。

黒一色の服装の中、顔を覆うのっぺりとした仮面だけが金色で縦の長さが顔の二倍以上ありそうな
そんな異様な男が部屋の中央に佇んでいる。

仮面全体を人工的に輝かせ、幾何学模様の光を発していた男が近づいてきたオッレルスたちに向けて声を発した。
声と一緒に仮面の男から金色の翼が複数伸び、オッレルスたちに振り下ろされる。

──声はそれは機械音の声のようであったが
それはオッレルスたちの耳にはこう聞こえた。





「優先する。──ダークマターを上位に、人体を下位に」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:11:14.80 ID:VM0nDOuDo

それぞれが一瞬のうちに仮面の男の翼の攻撃を防ぐ若しくは触れることを危険と察知し後ろへ一歩下がる。
目標を捕捉出来なかった金色の翼はビルの床に直撃する。
普通のコンクリートならば床をぶち抜いていただろうが、ヒビ一つ入らない。



フィアンマ「……、おい貴様──どういうことだ」

仮面の男「…………」

オッレルス「──、」

フィアンマ「今貴様が使った魔術は『光の処刑』だ。世界にはもう存在しないはずの男が使っていた魔術だ」

フィアンマ「(偽者──?いや、だが今感じたモノは間違いなく本物の──)」

オッレルス「──ッ!!」


オッレルスは自らの力である北欧玉座を行使したのだろう。
術式を説明できないほどに進化しているこの魔術は、攻撃の範囲や威力の定義すらない。
回避することは困難を極める。

しかし──



仮面の男「優先する。──人体を上位に、魔術を下位に」


北欧玉座を食らってなお、目の前の仮面の男は平然とたっている。
部屋の中央で一歩も動くこともなく、ただ立っている。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:12:28.67 ID:VM0nDOuDo

そんな仮面の男へ音速を超える速度で近づく下女の格好をした聖人であるシルビアが蹴りを放つ。
いままで彼女はオッレルスの北欧玉座が効かなかった者を知らなかったが
話に聞いた『光の処刑』ならば防げるのだろう。いつ攻撃が来るのかを理解していればの話、だが。

仮面の男は北欧玉座を防いだ──というよりかは無効化したが。
だが『光の処刑』ならば弱点が存在する──。

魔術を下位にし、人体を上位に優先順位を変えたのなら魔術ではないただの蹴りが効くはずだ。


ギィィィ!!という耳を劈くような音が蹴りを放った箇所から聞こえた。
聖人の速度と力を使い放った蹴りが、防がれた。

防がれたというよりかは蹴りそのものが“見えない何かに阻まれている”ようだった。


オッレルス「シルビア!! 」

仮面の男「優先する。ダークマターを上位に、人体を下位に」


轟ッ!!という音を立て金色の翼を振るうが、間一髪シルビアは避けた。


シルビア「どういうことだい?あれはよ」

フィアンマ「俺様に聞くか?アイツに最も接近したのは貴様だが」

シルビア「分からんからアンタに聞いてるんだけどね。『光の処刑』は複数の優先順位を設定できないはずだろ?」

フィアンマ「そのはずだ。蹴りを放った瞬間あの仮面は何かおかしな動きはしなかったか?」

シルビア「いいえ全く。確実に不意をついた、だけど何かに防がれた」

フィアンマ「何かって何だ?」

シルビア「見えない何か……見えない壁──空気の壁にでもあったかのように」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:13:26.31 ID:VM0nDOuDo

オッレルス「空気の壁……?光の処刑……?ダークマターだと……?」

フィアンマ「……、あいつは何だ?俺様達を愚弄しているのか──!?」


フィアンマは何かを感じ取り、防いだ。
どうやら自動発動する類の魔術らしいが、フィアンマほどの者なら正体不明の魔術を防ぐことは出来る。

──しかし防いだ魔術に覚えがあった。


フィアンマ「何っ……!?これは……」

シルビア「どうしたのさ突然」

フィアンマ「あの仮面の男へ敵意を持った瞬間に感じた──これは『天罰術式』」

シルビア「はぁ?『光の処刑』も『天罰術式』もつかってるとでも言うの?」

オッレルス「それも正しくない」

シルビア「あの仮面の男の能力が何か分かったの?」

オッレルス「──いや、わからないが」

シルビア「ぶち殺すぞ」

オッレルス「や、ま、待ってくれ。待ってください……」


オッレルス「おそらくあの部屋の中央で佇んでるアイツは」

オッレルス「魔術も超能力も使える、サイボーグだ」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:15:19.04 ID:VM0nDOuDo

   ◆   ◆



上条当麻達が分断された同時刻に、穴の開いた窓のないビルに立つ人影があった。
人影は合計して4人の男女。少し前、暗部で『アイテム』と呼ばれていた存在。


絹旗「さて、統括理事長の住むビルにやってきたわけですけど」

絹旗「どうしますか?」

麦野「決まってるだろ?私もアンタも統括理事長に借りがあるはずよ」

絹旗「まぁ超そうなんですが、いいんですか?」

麦野「いまさら怖気づいてどうするのよ。行きたくないなら別にいいわよ」

浜面「……(俺こんな場所にいていいんだろか……)」

麦野「ま、絹旗抜きでもなんとかなるわよコッチは。ね?浜面こんなやつ置いておいて一緒に行こう?」


そういってさりげなく浜面と腕を組み、ビルへ入っていこうとする麦野であった。
しかしそれを良しとしなかったのは、今まで沈黙を貫いていた滝壺だった。
彼女の行動はすばやく、滝壺は麦野に取られた浜面の腕の逆側に回り込み、腕を組む。


──両腕に女の子をはべらす男がそこにはいた。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:17:01.58 ID:VM0nDOuDo


浜面「は?え?なになになに?ドウイウ状況なの??」

麦野「ほらほらー絹旗のことなんて気にせず早く行きましょ☆」

滝壺「そうなの。捨てた女の事は忘れて行こう?はまづら」


………。

………………!!


絹旗「だれが超捨てられた女だァァぁぁぁあ!!」

浜面「ごふっ!?」


ビルの内部へ入る3人へ向けて──いや浜面へ向けて
勢い良くタックルをする絹旗最愛であった。(さりげなく腕を組んでいた両者を放す事には成功した)
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:18:30.33 ID:VM0nDOuDo

麦野「さて、馬鹿やってないでココからは警戒していくわよ」

絹旗「超当然です!!むしろ気を抜いていたのは麦野と滝壺さんのほうです!!」

麦野「私は別に気なんか抜いてないけどー?」

滝壺「きぬはた、気を抜いちゃだめなんだよ」

絹旗「抜いてないって言ってるじゃないですか!!」

浜面「……(もうどうにでもなれ……)」

絹旗「しかし超何にもないビルですね。ずっと外見とおんなじようなコンクリの廊下ですし」

麦野「鮮やかな内装だったら満足なの?私はそんなんだったら逆に引くわ」

絹旗「まぁ確かに……」

浜面「しかしもう3分くらいは走ってるのに階段や部屋すらないのはどういうことなんだ?」

絹旗「階段や部屋よりも、敵の気配がしませんね。前に行った人たちが片付けたとはおもえませんし」

浜面「こうも同じような廊下ばかりだと、全く進んでる気がしないな」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:20:04.39 ID:VM0nDOuDo

麦野「……?」

浜面「どうした?」

麦野「浜面ちょっとテメェのピアス貸せ」ブチィ

浜面「ぶっ!?いってぇぇぇぇぇぇぇえ!!な、何する──」

麦野「ちょっと裂けた位でうるせぇな。……ふん」ポイ

浜面「ちょ!!俺のピアスを投げ捨てるとか何を!!」

麦野「あんなもん安物だろ?今度ピアス買ってやるから喚くな」

絹旗「や、超浜面はどうでもいいんですけど。どういうつもりですか麦野」

麦野「すこし試したくなってね、さぁ進むわよ」

浜面「あぁぁぁぁ……俺の4千円したピアスが……」

麦野「どうせ盗品だろ?しかも4千円とか(笑)」

滝壺「大丈夫はまづら、そんな安物をつけてるはまづらを私は応援してるから」

浜面「滝壺まで安物って……うっ……泣くな俺……」

絹旗「うわっ……あれだけの事で泣くとかキモッ……」

滝壺「…………」フイッ

浜面「あぁっ!滝壺まで目をそらすなんてそんな……」

麦野「あ……そんな……泣くほどの事をするつもりはなかったんだけど……ごめんね?」

浜面「何だコレ死にたい」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/24(木) 23:21:37.41 ID:VM0nDOuDo

そうしてしばらく同じ景色の廊下を進む彼らだった。
そんな彼らの視界で何かがキラリ、と光った。


浜面「……ん?あれは──俺のピアス?」

麦野「やっぱりか」

絹旗「やっぱりって、どうしてこんなところに超浜面の超安物ピアスが落ちてるんですか?」

麦野「まぁ絹旗はしらないかも『──うおおお!!俺のピアスちゃん!!』が──」

麦野「滝壺なら『やったぜ!!どうしてこんなところに落ちてるかわかんねぇけど』──でしょ?」

麦野「…………」

浜面「金額じゃない!!大切なのは心だ!!愛してるぜ俺のピアス!!」

麦野「浜面ちょっと黙れ」ゴゴゴゴゴ


浜面「──すいませんっした!!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/24(木) 23:29:09.46 ID:VM0nDOuDo
書き溜め尽きるの早すぎでは……orz
80レスほど投下しますとかまるで足りなかったァ──!!

今日の投下は以上になります。申し訳ありませんでした。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 23:37:43.66 ID:9dY6WIpvo
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/25(金) 03:04:42.39 ID:mbbp48jAO
チートの相手はチートなのか…?
新スレ立てとともに乙
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 18:43:22.35 ID:NCENwhSIO

アイテムはこういう未知の敵とは相性悪そう
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:14:14.92 ID:sX6/0YS4o

絹旗「それで、何か分かったんですか?」

麦野「浜面のピアスが落ちてた以上私達は進めてないって事」

絹旗「どういうことですか?」

麦野「ロシアに行ったときに、あの第二位の超能力を機械的に出力してる兵士が複数いた」

絹旗「なっ!?超能力を──ってことは……」

麦野「どこかにこの私達をループさせている機械があるはずだ」

絹旗「超信じられません……機械が超能力を出力するなんて……」

麦野「ロシアで私達は見てるわけだし、実際にあるんだろうな」

麦野「つまり、ある地点にある機械が私達を空間転移させている」

絹旗「……なるほど」

浜面「無限ループってヤツか、ある地点で元の場所に戻るなら逆に戻ればいいんじゃね?」

絹旗「戻ってどうするんですか。まったく超浜面はやっぱり超浜面ですね」

麦野「滝壺、この廊下で何か感じなかったか?」

滝壺「ううん。何の信号も受信できなかったよ」

麦野「手当たり次第に壊す事もできないし……どうしようかね」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:14:55.15 ID:sX6/0YS4o

そんな未知の存在の対処方法が分からずに慌てる一同のすぐそばで男は笑っていた。
本当にすぐそば──アイテム一同の真後ろに。

一番近いのは浜面仕上なのだが、彼と敵の距離は30センチも離れていない。
普通、それほどまで近いのならば何か感じそうなものなのだが──


男「哀れ、ですよね──こんなに直ぐそばにいるというのに」


アイテムの人間達は気付かない。
何故なら敵は見えないし存在を感じる事もできない。

そういうモノなのだ。
敵の着用している駆動鎧は──。


男「私にはこの駆動鎧がどのような理論で彼女達が存在を感じられないのか」

男「はたまた彼女らをループさせているのかは分かりませんけどね──」


麦野沈利、絹旗最愛、滝壺理后、浜面仕上は気付けない。
それは敵の知り及ぶところではないが、魔術と呼ばれるものだから。

楽な仕事、だった。
ただ単純な指令『アイテムをループさせていろ』という単純な命令。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:16:06.63 ID:sX6/0YS4o

男「“殺し”てはいけないのが少し不満ですけどね」

男「まぁ不満というほどではありませんが、このループをさせる装置は接近していなければ使えないという事ですね」

男「私の好きな暗部組織が一方通行によって解体されたときはどうしようかと思いましたが」


自分は好きで暗部にいたのだ。好きで、殺しをしていたのに。
どうやら自分以外の人間はそうではなかったらしい。


男「本当は殺しをしたくなかったとかそんな甘ったれた考え捨ててしまえばいいのに」

男「そんなもん邪魔以外のなにものでもないのに……」

男「おっとそろそろループしないといけませんね」


カチリ、と男は駆動鎧の胸部にあるボタンを押す。
それだけでアイテム一行は気付かずにループする。
あぁ、なんて簡単な仕事なんだろう──あぁ……殺したい。
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:17:21.35 ID:sX6/0YS4o

麦野「うーん」

絹旗「何か分かりましたか?」

麦野「例えばこの浜面のピアスを投げながら進んでたらどうかなって思ったんだけど」

絹旗「消える瞬間──ループ地点がどこか分かれば超活路を見出せるって事ですか」

浜面「俺のピアス……」

麦野「だが投げながら進んでもう何分くらい?」

絹旗「まぁ、10分といったところでしょうね」

麦野「クソ……」

男「無駄な事しますよね。投げても拾った瞬間にループさせてしまえば問題ないですし」

絹旗「本当にループしているんでしょうか?」

麦野「a地点とb地点をループしているのは間違いないだろうけど……」

麦野「滝壺、本当に何にも感じない?」

滝壺「…………」コクリ

男「無駄だって言ってるんですけどね。本当に子供は馬鹿だから嫌いですよ──殺したくなる」カチャ


麦野沈利の頭に男は銃口を向ける。
それでも気付かない──気付けない。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:18:28.64 ID:sX6/0YS4o

男「おっといけませんいけません殺しちゃいけないんでした」

男「画期的ですよね、こうして相手に気付かれずに殺せるんですから」

男「もっともこんな存在を気付かせなくさせる能力がなくともこの子供程度に負けるとは思えませんがね」


そう思う自分は間違ってないと確信している。
勿論この存在を気付かせなくする駆動鎧の能力は絶大だが
他にもこの駆動鎧には能力がある。

それは彼女らがロシアで戦闘したと思われるダークマターの能力。
それをも出力する事ができる。

それだけではない。自分は自分の身体をある程度弄っている。
──痛覚がないのだ。

腕が吹っ飛ぼうとも、足が吹っ飛ぼうとも怯みはしない。


男「くくく……あははははは!!」

男「楽しいですねぇ!!楽しいですねぇ!!」

男「これでコイツらを殺せればもっと楽しいのに──」

浜面「さっきからぶつぶつうるせぇなお前」


男「──は?」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:19:27.59 ID:sX6/0YS4o

男「あー……あぁ……。ループをさせているのが装置がどこかにおいてあるのではなく」

男「人がこうして何かをしていると理解して適当に話しかけてるというのですね」

浜面「…………」

男「ふっ、全く。コレだから子供は──」

浜面「お前、気付いてないのか?」

男「はぁ。うざったい奴ですねそんな揺さぶりでこの私が揺らぐとでも?」

麦野「……頭イっちゃってんのかね?」

絹旗「いやぁ……何と言うか、超ご愁傷様です」

滝壺「…………」


気付いたら浜面とかいう男だけではなくアイテム全員が自分を見ていた。
気付くわけなどないのに。

──え?
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:21:51.55 ID:sX6/0YS4o

男「??どうして全員が私のいる方向を見ているんだ──」


右に一歩逸れる──右に……あ、あれ?
う、動かない……?


男「え?え……?────あっ」


どうして自分のわき腹に大きな穴があいてるのかな?


麦野「それは私の原子崩しが掠ったからじゃないかな?」

  か、かすった?

麦野「いや、偶然なんだけどさ」

麦野「ちょーっとイラッっとして走りながら原子崩しを発射したんだよね」

  え?

麦野「そしたら何か後ろがうっせーなって思ったら後ろに何かいるし」

麦野「まぁ何と言うか、ドンマイ」

  ふ、ふざけ──

麦野「これが『アイテム』だ。──地獄に行っても忘れるな」


どさっと今日一番の不幸な男は倒れた。
痛覚を無くしていた事が逆に仇となった。南無三。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:22:36.30 ID:sX6/0YS4o

麦野「さて、不幸なループ男はくたばった事だし今度こそ先に進もっか」

浜面「あ、あぁ……」

浜面「(こんな倒し方でよかったのか……?本当なら絶対無理な倒し方だろ)」

絹旗「なんにせよ勝ちは勝ちですよ超浜面」

浜面「…………」

麦野「あらあら……ちょっと進んだだけでこのムカツク廊下に終わりが見えてきたわね」

絹旗「映画ですとここら辺で超休憩ポイントですけど」

浜面「ゲームだとセーブポイントってところか?」

滝壺「とりあえず入ろう?」


実を言えばループを抜けた、というのは正確に言えば正しくはない。
麦野沈利が言っていたループがa地点とb地点を空間転移させていたのは確かに先ほどの不幸な男だが
佐天涙子や一方通行といった人物を空間転移させたのはあの不幸な男ではなかった。

最初の読み通り、廊下の壁に埋まった装置だった。

本当にループを抜けたのならば、麦野達は上条当麻と合流できる。
しかし彼女達はa地点からx地点へ空間転移させられた。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:23:23.12 ID:sX6/0YS4o

────────


ドアを開けるとそこは部屋、だった。
ホテルのエントランスホールのような広さに
天井につけられている電球のようなもの一つだけで部屋全体は明るかった。

そんなだだっ広い部屋の中心に革張りの、いかにも偉そうな人間が座るような椅子が一つあった。
椅子とは誰かが座るものであり──つまり実際に座っている人物がいた。

白系のセーラー服を着た飄々とした態度の黒髪の少女が足を組んで座っていた。
可愛いというよりかは美人というカテゴリーに入る少女は少々気だるそうな声で浜面達に話しかける。


  「……お前達が廊下で事が終わるまでループしていてくれれば最高だったんだが」

  「そうすれば私はずっとココで暇してるだけで済んだのだけど」

麦野「へぇ。ソイツは残念だったわね一応確認するけどお前がアレイスター?」


あふぁ……と小さく欠伸をしながら少女は浜面達に向かって告げた。


──少女の名前は雲川芹亜という

   アイテムの崩壊は、ここから始まっていた──。



雲川「“最高っていうのはあなた達アイテムにとって”だったんだが」

雲川「こうして優秀な人材を殺さなければいけないのは本当にもったいない」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:25:04.29 ID:sX6/0YS4o

   ◆   ◆


一方通行「……部屋ァ?」

番外個体「うん。でも誰かがいるような気配もない」

打ち止め「休憩ポイントってヤツだねってミサカはミサカは歩幅が小さいから疲れてたってのをアピールしてみたり」

一方通行「──誰もいねェって事は罠の可能性が高いな」

番外個体「やっぱりアナタもそう思う?」

一方通行「それ以外に何が考えられるンだァ?地雷系とかだとアウトだな」

番外個体「ミサカ達はともかくアナタは反射できるんじゃないの?」

一方通行「それが普通の爆発ならな」

打ち止め「考えすぎだよってミサカはミサカは疲れたアピールをさらにしてみたり!」

番外個体「普通の爆発なら……?」

一方通行「まァ“魔術”とやらで起こされた爆発を正常に反射できるかは分からねェ」

番外個体「へぇ?ずいぶんと弱気じゃないの第一位様」

一方通行「警戒に越した事はねェって話だ」

一方通行「あとクソガキ、テメェは人の背中にしがみ付いてンだから疲れるもクソもねェだろ」

打ち止め「やっと突っ込んでくれて嬉しい!!ってミサカはミサカは感激のあまり背中で小躍りしてみたり」

一方通行「ただあの部屋が罠だから進むのをやめるっつゥのはナシだ」

一方通行「おい番外個体、クソガキを頼む」

番外個体「ほいほい」

打ち止め「ちくしょおぉこのぉおっぱいか!?このおっぱいがあの人を惑わすんだな!!」

番外個体「はいはいお子様は黙って待ってましょうね(笑)」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:26:24.97 ID:sX6/0YS4o

一方通行は扉の前に立つと首にあるスイッチを入れる
これで能力使用に制限がなくなる。

例え魔術による爆発だろうが反射してやろうじゃないか、と意気込む一方通行であったが
扉を開け、中に見えたのは──ただのだだっ広い部屋であった。

一切の死角もないただの四角い部屋。
一方通行が入った扉の直線上にまた扉が一つある程度であった。

能力使用モードの一方通行が部屋の内部に有害な目に見えない物質などが無いと確認すると
首にあるスイッチを切る。後々のことを考えれば無駄遣いは避けたい。


一方通行「入っても心配はなさそォだな」

一方通行「本当にただの部屋みてェだが」

番外個体「ふーん。アナタでも何も感じないなら本当にただの部屋なのかな」

打ち止め「げぇ!?部屋の癖に椅子すらないじゃないのーってミサカはミサカは愚痴をこぼしてみたり」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:27:50.53 ID:sX6/0YS4o

そういって打ち止めと番外個体は部屋へと入る。
その瞬間──二人の身体は傾いた。


打ち止め「──あ、あれ……?」

番外個体「……っ!?な、にこれ……」


一方通行は二人に駆け寄り能力使用モードに切り替え、ミサカ達の頭に手をやるが
特に異常を感知する事は──いや、電気信号の一部が変ではないか?


一方通行「──これは……」

??「それはこのミサカから説明してあげるよってミサカはミサカは扉の向こうから出てきて哂ってみたり」


──まずはじめに見えたのが顔。

一方通行の良く知る量産型電撃使い『妹達』と同じモノ。
ただし『妹達』の年齢設定が十四歳程度であるのに対し、扉の向こうから出てきたのは十歳程度だ。

──脳が情報の処理をする事を拒んでいるのか。


??「まぁそこの『最終信号』はともかく『番外個体』にはプロテクトかかっててちょっと手間取っちゃうかなー」

??「──なに、呆けているのってミサカはミサカはせせら笑ってみたり」

一方通行「──……・・。」


ロシア、で終わったと思っていた。
目の前の少女は──このミサカ、は……。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:29:40.65 ID:sX6/0YS4o

打ち止め?「そういうものなの『クローン』は所詮使い捨ての人形でしかない」

一方通行の腕の中で苦しみで唸っている打ち止めと同じ顔で、同じ背格好で──

打ち止め?「人間扱いとか無駄だよ。使えなくなったら捨てて新しいのに取り替えるだけ」

打ち止め?「そこの腕の中にいる最終信号にあのエンジェルのプログラムを仕込む事が困難になっちゃったからね」

打ち止め?「だからこのミサカも結構苦しくてさーってミサカはミサカは苦しみをアピールしてみたり」

打ち止め?「きゃはは★旧式と第一位を殺しにきたよってミサカはミサカは笑ってみる」


同じ妹達とは思えないほど──あの番外個体ですら表現できないほどに邪悪に顔を歪める。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:31:18.36 ID:sX6/0YS4o

────────


部屋を飛び出した。

一方通行はぐったりとしている打ち止めと番外個体を抱えて廊下を走っていた。

逃げるために。
この二人を安全な場所まで──どこが、安全な場所なのだろうか。

先ほどの部屋にいた人物は追ってこない。
恐ろしい。一方通行は混乱しかけた頭の中でそんな感情が芽生えていた。

恐ろしい。こんな事をするあの部屋の少女も。学園都市も、まともじゃない。

自分の中の矛盾と、また目を向かせるために。また──

敵はアレイスターだ。あの部屋の少女を傷つけることは目的ではない。
何も律儀に学園都市の策略にはまってやる必要はない。
だから一方通行は少女が出てきた扉から飛び出した。

──アレイスターを叩くために。

そうだ。この際バッテリーなんか気にする必要なんかない。
何分かかろうが、この廊下を突き進んでアレイスターをぶっ殺してやればそれでいい。
もう、こりごりだ。

──しばらく進むと、ひたすら真っ直ぐな廊下に変化が生じた
   部屋のようなものが見えた。あそこにアレイスターが────







打ち止め?「あは★ おかえりーってミサカはミサカはあなたの早いお帰りにびっくりしてみたり」


腕から力が抜けて打ち止めと番外個体がずり落ちたと気付くまで僅かなタイムラグが必要だった。
一方通行の精神を支えていたものが砕け散った。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:31:52.87 ID:sX6/0YS4o

   ◆   ◆


上条当麻達もまた、廊下を進んだ先にある部屋の前にいた。
彼らにとって魔術が部屋の中に存在するのならば気付けるが
超能力や機械といった分野に乏しい。

だから部屋に入る事を最初は戸惑ってはいたのだが。


上条「進まなきゃどうしようもないだろ」


ただそれだけ言って上条当麻は扉に手をかけ、開けた。
そこはコンクリート打ちっぱなしのだだっ広い空間である。
そんなだだっ広い空間には上条当麻達以外に誰もいなかった。


上条「誰も、いないな」

神裂「だからといって何もないと結論付けるのは早計です」チャ


そう言い放ち、刀に手をかけた次の瞬間には何かが破壊された音がした。
音がした箇所を見ても紙切れが一つあるだけで、他には何も無い。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:33:02.94 ID:sX6/0YS4o

ステイル「何らかの設置型の魔術だね」

インデックス「あれに近づくと鎌鼬が発動する類のポピュラーな魔術だね」

上条「鎌鼬って……無闇に近づいたらどうなってたんでせうか」

インデックス「防御することもできなかった場合には両足切断するくらいだね」

上条「まじかよ……」

神裂「しかしこんな分かりやすい場所に設置してあって、他には何ありませんね」

上条「そうなのか?」

神裂「はい。この部屋にはあの罠以外には何もありません」

上条「なんで一個だけポツーンとあったんだ?」

神裂「分かりません」

上条「うーん……まぁこの部屋に何も無いならここにいてもしょうがないか」

上条「先に進もう」

神裂「そうですね、一応ですがインデックスに部屋を見てもらって先に進みましょう」

ステイル「どうだい?何か他にあるかい?」


インデックス「──侵入者達に対してもっとも有効な魔術の組み込みに成功しました。
       これより特定魔術を発動。侵入者達3名を破壊します」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga]:2011/03/28(月) 23:33:51.93 ID:sX6/0YS4o



上条「──は?」



バキン、と音を立てインデックスの両目から魔方陣が出現し、一気に拡大した。
インデックスの顔の目の前に直径二メートルほどの二つの魔方陣が重なるように配置された。

──なんだ、これは
これでは、まるであのロシアの──


神裂「何をしているんです!! 早く避けなさい!!」


インデックスの魔方陣が傾き、爆発し四散した。
四方八方へめちゃくちゃ軌道で真っ黒な雷のようなものが飛び散る。


ステイル「くっ……!?これは……!!」

上条「どういうことだ!!説明しろ!!これじゃまるであの──」


インデックス「────特定魔術は侵入者に対し効果が見られません。
       他の術式へ切り替え、引き続き侵入者の迎撃を継続します」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga 今日は以上ですorz]:2011/03/28(月) 23:35:17.62 ID:sX6/0YS4o

ステイル「何処にいる!!姿を見せろ!!ローラ=スチュアートォォォォ!!」


カッと閃光が部屋を包み、その後からインデックスの魔方陣から炎による攻撃が展開される。
その炎を上条当麻は打ち消し、ステイルは避けながら叫ぶ。


ステイル「僕たちが今日学園都市に来たのはうちの必要悪の教会の最大主教が学園都市に潜伏していることが分かったからだ」

ステイル「それで今朝インデックスを見つけてこうなっているというわけだ!!」

上条「だからどうなってるんだ!!インデックスのコレはまるで遠隔装置で操られているような──」

神裂「最大主教はあの子の遠隔制御霊装を持っています……」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2011/03/29(火) 00:25:58.69 ID:d5Fhuvzwo
>>80
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/29(火) 23:16:26.55 ID:aUWvex+DO
乙です
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/18(月) 01:56:45.72 ID:0zpOxXKmo
見てくれている人が居るとは思いませんが、少しだけ投下をしたいと思います。
もし読んでいてくれている人が居るのならばこの投下の遅さ本当に申し訳ありません……。
>>81>>82
本っっ当にありがとうございます
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 01:57:59.97 ID:0zpOxXKmo

上条「なっ……それじゃ────」


ローラ「──そっちは3人だなんてセコいことするからなりけるのよ」


ステイル「最大主教!!」

上条「お前が……インデックスを──」

ローラ「おや、何かお気に召さない事でもあったのかしらー?」

神裂「あの子の遠隔制御霊装を今すぐこちらへ渡しなさい!!」

ローラ「いやよ、そんなことしたらあなた達にボコボコに────」

上条「ごちゃごちゃうるせぇよ……早くインデックスを解放しろ!!」

ローラ「──……、分かりているわよ。んん、これでいいのかしらー?」パチン


インデックス「──警告、第一章第一節。禁書目録の役目が終了したものと判明。
       禁書目録内にて術式を組み込み中……第一式、第二式、第三式。
       『禁書目録の自爆』完全発動まで残り十秒   」


上条「な、な──!!」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:00:39.44 ID:0zpOxXKmo

   ◆   ◆


佐天「やっとこの長い廊下に終わりが見えてきましたね」

芳川「昇り階段の横に曲がり角があるわね……?」

黄泉川「待ち伏せされている可能性もあるじゃん、3,2,1で一斉に行くじゃん」


合図とともに曲がり角から飛び出すと、その奥には一人の駆動鎧と
その足元に少し大きめの麻袋のようなものがあった。


黄泉川「……何者だ!!」


黄泉川先生の声に驚いたのか、駆動鎧がピクリと反応する。


駆動鎧「お前、黄泉川愛穂か?」

黄泉川「──!? その声、は…………」

芳川「愛穂、知り合いなの?」

駆動鎧「なに、昔の同僚だ。ふん、佐天涙子一人だけだと思っていたんだが、まさかお前が一緒に居るとはな」

駆動鎧「せっかく佐天涙子にプレゼントを用意してやったというのに」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:01:41.22 ID:0zpOxXKmo

黄泉川「……何?」

駆動鎧 「ほら、これだよこれ。受け取ってくれよ」




駆動鎧の男から麻袋が投げ渡された。
その麻袋から最初に落ちたのは、沢山の花がかたどられている花飾り。
そして、その持ち主の女の子は──


──待ち望んだ再開は、命と命によるそれではなかった。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:02:32.75 ID:0zpOxXKmo

佐天「う、うそ……うい、はる……?」

寝ているかのような少女の顔の眉間には──。

佐天「ひっ……。嫌、嫌……。あたしの左手なら────」

佐天「ど、どうして……!!どうして……」

駆動鎧「限界があるんだろう?時を戻せるといっても」

黄泉川「……き、貴様ァァァァ!!」

駆動鎧「あれ、気に食わなかったかな?このプレゼント」

駆動鎧「上からは殺すなって命令出てたけど、揺さぶれるかなって思って予め殺して待ってたんだが」

黄泉川「許せない……貴様はそうやって“また”子供を すのか!!」

駆動鎧「子供を  ねぇ……。 心当たりが多す     あ、もしかして   の時  話か」

黄泉川「   !!お前   、   する事か!!」

駆動鎧「俺だって生きていくには      。   、楽しいけどさァ    」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:03:24.30 ID:0zpOxXKmo

黄泉川「あの時も  が居たから!!   それで何人の────!!」

芳川「愛穂、落ち着 て。 今は    が重要で  」

黄泉川「目の前で守るべき子供が  され  !!  冷静になれって   !!」

芳川「   を   さい!!    けど       でしょう!!」

駆動鎧「ははっ、お前は『妹達』の   ?     知     か?」

芳川「っ!?    関       !!」

駆動鎧「      、                 ?」

黄泉川「──!!    、     ?」

芳川「                        」

駆動鎧「                           」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:04:12.29 ID:0zpOxXKmo

みんな、何を言ってるのか分からな    い。
あたしはもう無理な   。

……。もう、頑張 な
             い。
          れ


あたしの手にした能力は  を
そも も、こんな事に   なら欲しくなんて     ったのに。

一人  馬鹿   みた  い。
   で
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:05:21.15 ID:0zpOxXKmo


結局            だ
        無理



あぁ
     無   だ   っ    
       駄               て
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:05:53.63 ID:0zpOxXKmo


















92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:06:45.89 ID:0zpOxXKmo

  も      頑
     う

             張
                れ
       な                  
                    い。
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:07:41.52 ID:0zpOxXKmo

   ◆   ◆


頭いってー。マジどうにかなっちゃいそうだわ。
つーか上位個体のクローンとかマジやめてくんないかなー、指一本すら動かすの辛いわ。
第三次製造計画のミサカの体内にコマンドをはじくための機械が満載だからっていっても無理なものは無理。

モヤシに抱きかかえられてたっぽいんだけど、つい今しがた落とされた。
もうちょっと頑張って欲しいところなんだが──


打ち止め?「あれー第一位さん気を失うなんてどうしたのかなってミサカはミサカは────」

打ち止め?「まぁさくっと第一位を殺せるならそれはそれでいいか★」


オッケー、なるほどあのモヤシ気絶するとか相変わらずメンタル弱いなぁ。
全く……どうしようもない。


本っっ当にどうしようもないなぁ……。
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:08:51.44 ID:0zpOxXKmo

打ち止め?「え……?ってミサカはミサカは心底驚いた表情をしてみたり」

番外個体「……っ。驚いた表情だぁ?はっ、笑わせるね……」

打ち止め?「体内にコマンドを弾く機械があるからっていっても立ってるのすら奇跡みたいなモノでしょ」

打ち止め?「無理しなくてもいいんだよ、すぐにこのミサカが殺してあげるから」

打ち止め?「いつでも殺せるアナタは後回しにして、今はそこの第一位をころさないとね」

打ち止め?「だから、アナタは退いてもらおうかな」チョン


少しだけミサカへ歩いてきてちょこん、とミサカを押す。
小さな女の子のか弱い力で押されただけ、なのに立ち上がった体は簡単にくずおれる。


打ち止め?「顔色悪いんだからそこで死ぬまで寝ててよ★」スタスタ
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:11:57.69 ID:0zpOxXKmo

スタスタと気絶している一方通行へ歩を進める最終信号に良く似た少女だが
不意に後ろから衝撃が走り、無様に吹っ飛んでしまった。


番外個体「チッ……やっぱり出力落ちまくってるわね……使い物にならないわ」

打ち止め?「な、な……?アナタは立ってるのすらやっとのはずなのに……」

番外個体「それでもアンタみたいなクソガキを倒すのには十分、よ」

打ち止め?「無理しないほうがいいんじゃない?」

番外個体「……、かかってきなさいよ。一方通行の代わりにミサカがアナタを殺してあげる」

打ち止め?「吼えるじゃないの、殺されるのはアナタの方────!?」


番外個体へ向け駆け出しタックルをしようとしたが番外個体はそれを避ける。
バランスを崩した少女に対し番外個体はハイキックをし、衝撃で少女は地面を転がる。


打ち止め?「ぐぅっ!?はぁ、はぁ……っ……」

番外個体「あらどうしたの?随分と顔色が悪いみたいだけど☆」

打ち止め?「くっ……」

番外個体「そっちだって自分の頭の中にウイルス仕込まれてるんだろ」

番外個体「おあいこよ、おあいこ………」ドサ

打ち止め?「ぐ……あぁ……!」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:13:12.44 ID:0zpOxXKmo

番外個体が最終信号のクローンにのしかかり、少女を地に組み伏せる。
単純な体格の差で少女は身動きが取れなくなる。


番外個体「っ……。良く、分からないけど……アナタを殺さない事には先に、進めないんでしょう?」

打ち止め?「や、やめなさいっ!!アナタだけは助けてあげるから離してっ!!」

番外個体「……あの第一位じゃアナタを殺す事はできない、だろうから……っ」

番外個体「ミサカが殺してあげ……る……」ググッ

打ち止め?「やめ────!!」パリッ


番外個体は最終信号のクローンである少女の細い首に手をまわし、ありったけの力を込める。
少女のほうはウイルスに侵食されている身体で精一杯の能力を行使しようと番外個体に対し電磁波を浴びせる。


そうして、二人のミサカは動かなくなった。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:14:52.55 ID:0zpOxXKmo

   ◆   ◆


麦野「私達を殺そうっての?随分と舐めたコトほざくじゃないの」

雲川「はぁ……、舐めてるというよりかは呆れているのだけど」

麦野「ざけやがって……」

雲川「もうこの部屋にあなた達が入った時点であなた達の負けは決定しているの」

雲川「じゃ、そういうことで。私は帰るわね」


そう言うと雲川は椅子から立ち上がり、背をこちらへ向け扉へと歩いていく。
その態度に痺れを切らした麦野が、彼女に対し自身の能力である原子崩しを放つ──。

──はずだった。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:15:36.26 ID:0zpOxXKmo

麦野「──!?なっ……ぐう……こ、これ……何……よ」

絹旗「あ、頭が──!!」

滝壺「……っ」

雲川「……、キャパシティダウン。のちょっと強力なモノといったところだけど」

雲川「ここの部屋は特殊な装置が仕掛けてあってね」

雲川「壁の内部から部屋の中だけに特殊な音を……ってもう聞こえてないか」

雲川「これが、あなた達『アイテム』よ。地獄へ行っても忘れない事ね」パタン


パタン、と雲川芹亜は呆然と立ち尽くす浜面なぞには目もくれずに扉の向こうへと消えた。

──目の前の光景が信じられない。

あの麦野が、絹旗が、滝壺が何も出来ずに苦しみ地に伏せ悶えている。
何の冗談だ

こんな、あっさりアイテムが……。


どうして俺だけ……どうして──!!
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/04/18(月) 02:16:13.13 ID:0zpOxXKmo

浜面「くそおおおおおおおお!!」

浜面「な、何かまだ手はあるはずだ!!落ち着け……冷静になれ……くっ」


   『壁の内部から部屋の中だけに特殊な音を──』


浜面「なんでこんな簡単な事に気がつかねぇんだ!!」

浜面「部屋からでちまえば……それだけでいい!!」ダッ




浜面「開け……開けよ……!!どうして、どうして開かねぇんだ!!」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/18(月) 02:18:03.92 ID:0zpOxXKmo
ごめんなさい。今日はココまでです。
……、頑張ります
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/04/18(月) 18:36:12.98 ID:t2PSLzzKo
待ってたよ、乙
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 19:22:41.20 ID:seJJ8Z31o
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/18(月) 21:38:56.64 ID:pLgUBUYuo
見てるぞ
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/04/18(月) 22:33:42.15 ID:Q3I9J90AO
見てる見てる
そして待つよ
俺は待つから >>1は心置きなく俺を待たせといてくれ
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 10:12:55.11 ID:KBxBZD1SO
乙。

みんな待ってるから、完結させてくれよ。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 12:51:25.72 ID:Qhh0a+St0
乙です。

107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/05/05(木) 07:59:27.99 ID:2yOrQJm+0

舞ってる舞ってる
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本) [sage]:2011/06/13(月) 04:52:52.76 ID:ASKpQlOmo
こねぇなぁ…
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/06/13(月) 16:50:36.32 ID:Svcf087yo
うむ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/23(木) 23:14:12.92 ID:Aynz19puo
わたしまつわ
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/06/26(日) 18:23:32.63 ID:EBuVV6tr0
いつまでもまつわ
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/13(水) 04:50:20.30 ID:PGRB6y+IO
そろそろ三ヶ月だな。
俺は待ってるぞ
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/07/14(木) 20:15:22.34 ID:bjStT6r+o
スレを止める能力……
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