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一方通行「バカみてェな三下を顔面パンチしたら記憶喪失になった」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 10:53:36.75 ID:bLNXevr40
・こちらでは初のスレ立てです。
・SS自体も二回目で、しかも一回目は一年以上前なので、ほぼ初心者です
・遅筆なので、3日〜一週間に一回投稿できればいいなと思いますので気長に待ってくれると嬉しいです
・タイトル通りあわきんが記憶喪失になります
・もしかしたら同じようなSSが存在するかもしれないので、その時は二番煎じとしてお願いします。
・時系列的には九月三十日以降の話で、一方通行は黄泉川家にいます。えっ、木原君? 木原君は登場する前にそげぶされました
・キャラ、設定崩壊あるかもしれません
・一応ほのぼの系にしようと努力してます
・文章力は前書いたSSが「ちょw中w学w生wのw文w章wかwよ」的な感想があったので皆無です
・地の文などは、文章力のなさを露見してしまうので極力使わないようにしたいです
では、よろしくおねがいします
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1328838816
(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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]: ID:???
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ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/
少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/
渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/
二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/
佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/
全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/
君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 10:55:04.75 ID:bLNXevr40
周囲をビルに囲まれた、片側三車線もある広い道。
完全時刻に近いこの時間、車一台はおろか、人っ子一人通っていなかった。
しかし、その代わりに道路のアスファルトはビシビシと砕け散り、宙に砂塵が舞っていた。
その中で一人の狩人が、一匹の兎を狙っていた。
ビルとビルの間を降りしきるガラスの破片の雨。
その上空に滞在する鉄製のキャリーケースを持った一人の少女。
顔中汗まみれになり、口を手で押さえ、襲いかかる吐き気から必死に耐えている。
空中にいることによる浮遊感がさらに彼女の吐き気を催す。
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 10:56:50.18 ID:bLNXevr40
そんな彼女に向かって一人の白い影が、大砲の弾のような速度で、不気味な笑い声を上げながら近づいていく。
背中に四つの空気の渦をまとい、ガラスの破片の層をもろともせずに、
一直線に彼女に向かって行く姿は大気圏を突破するロケットのごとく。
真っ白な体とは裏腹に鬼のように、魔物のように、悪魔のように、
口元が裂けた、歪んだ笑みを浮かべる怪物が、
宙に浮く少女の目の前に到達する。
恐怖で染まった少女の顔を、容赦なく怪物の拳が襲いかかる。
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 10:57:02.40 ID:u7CriOXSO
文章うんぬんの前に言い訳が見苦しい
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 10:58:38.38 ID:bLNXevr40
彼女はとっさに片手で持っていたキャリーケースを自分と相手の間に持ってくる。
盾代わりとなった鋼鉄のキャリーケースは、少女の代わりに拳を受け止める。
しかし、その鉄の塊は、もろくて繊細なガラス細工がちょっとした衝撃で割れてしまうように、
怪物の拳を受けて、中に入っていた『中身』ごと粉々に砕け散った。
目の前にキャリーケースの破片と『中身』の部品がばら撒かれる。
怪物はそんなことは気にせずに、拳を引き戻し、再び少女の顔に狙いを付ける。
「悪りィが、こっから先は一方通行だ」
歪んだ笑みを、さらに歪に歪め、
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:01:27.82 ID:bLNXevr40
「進入は禁止ってなァ! 大人しく尻尾ォ巻きつつ泣いて無様に元の居場所へ引き返しやがれェ!!」
鋼鉄を粉々に破壊した拳が、少女の顔面の中央へと突き刺さる。
ゴキィ、と何かが折れる音がした。
彼女の痛覚が働く前に、彼女は斜め上空へと、高い高い高層ビルの屋上へと吹き飛ばされた。
―――そして彼女は意識と大事なものを失った。
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 11:01:55.50 ID:zJ2NVPpDO
てっきり上条さんがまた記憶喪失になるスレかと
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:03:40.05 ID:bLNXevr40
1.黄泉川家の新住人
−黄泉川家・リビング−
一方通行「…………ハァ」
打ち止め「どうしたの? ってミサカはミサカは溜め息をつくあなたに質問してみる」
一方通行「これからめンどくせェ事が起こるとわかって、溜め息を吐かねェヤツなンているのかよ」
打ち止め「……普通、面倒くさい事があっても、顔色一つ変えずにこなすのが人間じゃないの?
ってミサカはミサカは自分の知識の中から情報を引き出してみる」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:06:55.50 ID:bLNXevr40
一方通行「俺はそンなマゾ多君じゃねェよ。それにその定義って人間じゃなくてアンドロイドかなンかの定義じゃね?」
打ち止め「そっかぁ……って、そういえば面倒くさい事って……さっきかかってきたヨミカワからの電話の事?
お使いでも頼まれたの? ってミサカはミサカは電話の内容を予想してみる」
一方通行「違ェよ。お使いなンかをこの俺に押し付けるかよ。せまッ苦しィこの部屋にもう一人住居人が増えンだよ」
打ち止め「えっ!? それってホント!? ってミサカはミサカは情報の真偽を確かめてみる」
一方通行「ウソ言って俺に何の得になるってンだ。どうせ言うならもっとまともなウソを言うわ。
例えば、オマエが楽しみしてた冷蔵庫の中にある限定プリンを食べた、とかな」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:08:51.90 ID:bLNXevr40
打ち止め「ええええええぇぇぇぇええええ!! あれ食べちゃったのー!? ってミサカはミサカは冷蔵庫に向かって全速全身!」
一方通行「ウソって言ってンだろうが。大体俺は甘いもンなンて食わねェよ」
打ち止め「……冷蔵庫の中にミサカのプリン発見! ってミサカはミサカは安堵しながらプリンを取り出してみる」
一方通行「オイ、さっきおやつ食っただろうが」
打ち止め「プリンの話ししてたらおなか減っちゃった、てへ、ってミサカはミサカはプリンを食べるために猫を被ってみる」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:10:52.74 ID:bLNXevr40
一方通行「プリンの話なンてしてねェよ。してたのはこれから来るだろう同居人についての話だ」
打ち止め「そうそう、その新しく来る人ってどんな人なの? あなたみたいな変人かな? ってミサカはミサカは考察しつつプリンのフタをオープン!」
一方通行「たしか黄泉川は俺と同じくらいの年代の女って言ってたな。
どうせこンな時期に引っ越して来ンなンてろくな人生歩んでるような人間じゃねェと思うがな」ビシッビシッ
打ち止め「ちょ、痛っ、痛っ、もしかして、さっき言った変人って言葉にちょっと怒ってる? ってミサカはミサカは無表情でチョップしてくるあなたに尋ねてみる」
一方通行「別に怒ってねェし。ただチョップの素振りしてたら、手の動く範囲にたまたまオマエがいただけだしィ」ビシッビシッ
打ち止め「絶た痛っ、絶対怒ってるー!!」
一方通行「そういや知ってっか?」
打ち止め「えっ、何?」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:13:23.14 ID:bLNXevr40
一方通行「おやつと晩飯の間に間食してるようなガキは、将来的に体重八十キロ台の大女になるんだぜェ」
打ち止め「……う、嘘だもん。学習装置にはそんな情報なかったもん、
ミサカネットワークにもそんな情報ないもん、ってミサカはミサカはスプーンに乗ったプリンを器に戻しながら反論してみる」
一方通行「別に信じなくていいぜ。ただしオマエが将来有望な女力士になっても俺には関係ねェしな」ニヤニヤ
打ち止め「…………うう」
打ち止め「うわぁーーーーん!! 一方通行のバカぁぁぁ!! ってミサカはミサカはプリンのフタを閉めて冷蔵庫に戻しながら暴言を吐いてみる!!」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/02/10(金) 11:15:10.00 ID:swsngSfo0
夜じゃないんだったら、ちっちゃいときは食わせてやれよ、一方さん
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:16:12.09 ID:bLNXevr40
一方通行「ハイハイ、バカでいいから静かにしてくれ。オマエの声は頭にキンキン響くンだよ」
ピンポーン
一方通行「あァ? 黄泉川か?」ピッ
黄泉川『おっ、一方通行か。さっき電話で言った通り同居人になる子を連れて帰ってきたから、鍵開けて欲しいじゃん』
一方通行「……わかった少し待ってろ」ピッ
一方通行(さァて、こンないわくつきの人間の巣窟にこれから住み込もうって言うモノ好きは、一体どンなヤツなのかねェ?)
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:18:20.89 ID:bLNXevr40
打ち止め「なになにー、どうしたの? ヨミカワたち帰って来たの? ってミサカはミサカは玄関に向かって猛ダッシュ!!」トテチテ
一方通行「オイ、あンま走ンじゃねェぞ。こけて怪我しても知ンねェからな」
打ち止め「はいはーい。今カギを開けるねー、ってミサカはミサカは三重ロックをスムーズに開けてみる」ガチャ
黄泉川「おっ、二人ともそろってるじゃんかよ」
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:20:19.93 ID:bLNXevr40
一方通行「そもそもこの二人が出かける事なンて滅多にねェじゃねェか。クソガキがたまに抜け出そうとするけどな」
打ち止め「ミサカもたまには外の世界を満喫したい、ってミサカはミサカは明日どこかに連れてけと抗議してみる」
一方通行「やなこった。オマエのギャアギャアやかましい大声+アグレッシブ猛ダッシュに付き合いたくねェしな。
そもそも杖付きのこの体じゃァ、オマエについていくこと自体無理難題なこった」
打ち止め「ぶー、何のために私たちが代理演算してあげてると思ってんの? ってミサカはミサカはその首に付いてる電極を指さしながら聞いてみる」
一方通行「少なくともガキの子守りのためじゃねェけどな」
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:21:49.56 ID:bLNXevr40
ギャアギャアガヤガヤギャアギャアガヤガヤ
黄泉川「はいはいストーップ! 喧嘩はまた後にしてくれ。とりあえず私たちを部屋に入れて欲しいじゃん」
一方通行「おォ、すまねェ」
打ち止め「あっ、ごめん」
一方通行「……ところで新入りってのは結局誰なンだよ?」
打ち止め「そうそう、ミサカも早く知りたい、ってミサカはミサカはわくわくしながら新キャラ登場を待ってみる」
黄泉川「じゃあ紹介するじゃんかよ。今日からここで一緒に暮らす……」
一方通行「………………………………………………は?」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:22:57.48 ID:bLNXevr40
結標「結標淡希です。どうぞよろしくお願いします」ペコリ
一方通行「……………………………………………………………………はァ!?」
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]:2012/02/10(金) 11:26:36.79 ID:bLNXevr40
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
いいわけが見苦しくてすみません
次回は書き溜めがまだ多少残ってるので3日後には間に合うと思います
またその時はよろしくお願いしますm(_ _)m
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 11:28:18.01 ID:E1Yh+rRZo
期待して舞ってる
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/02/10(金) 11:49:10.25 ID:HHX8pDGAO
さらしか
さらしなのか
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/02/10(金) 13:01:38.08 ID:SAQpl6GAO
決まっておろう
さらしでござる
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 13:34:51.83 ID:lJ+z+A5Wo
さらしをさらせ、さらさらさら
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/02/10(金) 13:59:47.83 ID:8MRYscAAO
奇態して舞っている
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/02/10(金) 14:38:00.10 ID:kyfVwmxAO
じゃあ俺は嬌態して待ってる
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 17:50:10.70 ID:gbYEhlHko
なら俺は変態してる
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 17:51:05.27 ID:hhR8Uncf0
きたい
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/10(金) 17:56:18.19 ID:GfHwm9uU0
キタイシテマッテルカラ
29 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:19:25.76 ID:J6hzxqOs0
予想外に早く書けたので今から投下します
>>21-23
残念でした!! さらしじゃなくて適当な私服でした!!
さらしじゃなくてすいませんでした……
30 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:20:43.63 ID:J6hzxqOs0
2.記憶喪失
−黄泉川家・リビング−
一方通行(オイオイ何の冗談だこりゃァ? 何をどうしたらこンな状況に陥ることになるンですかァ?)
黄泉川「――じゃあ改めて紹介するじゃん。今日からここで一緒に住む、結標淡希じゃんよ」
結標「よろしくおねがいします」
打ち止め「よろしくー! ってミサカはミサカは元気いっぱいに挨拶してみる」
一方通行「………………」
31 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:23:03.14 ID:J6hzxqOs0
黄泉川「そこのちっこいのが打ち止め。で、そこでぶすっとしてる白髪が一方通行じゃん」
結標「ラストオーダーにアクセラレータ……? 外国の方ですか?」
黄泉川「うーんまあ、そこんとこは気にしないで欲しいじゃん」
打ち止め「ミサカは日本人のお姉様の体細胞から生まれたかられっきとした日本人だよ、ってミサカはミサカは挙手をして主張してみる」
結標「……何が何やらだけど、わかったわ。よろしくね打ち止めちゃん」
打ち止め「よろしくアワキお姉ちゃん!」
32 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:25:38.45 ID:J6hzxqOs0
黄泉川「おい打ち止め。何で淡希は名前+お姉ちゃん呼びで私と桔梗は苗字だけで呼んでるじゃん?」
打ち止め「えっ、だってアワキお姉ちゃんはお姉さんだけど、ヨミカワとヨシカワはおbぎゃー、
そのグリグリ攻撃はやめてえええ!! 命だけわー、ってミサカはミサカは命乞いをしてみる」
ワイワイガヤガヤ
一方通行「……………………オイ」
33 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:27:24.09 ID:J6hzxqOs0
一方通行「……オイオイ違うだろうが!!」
打ち止め「?」
黄泉川「?」
結標「?」
一方通行「おいとぼけンじゃねェよ結標ェ! オマエはあンな事をされた人間の前で何楽しく談笑しちゃってンですかァ? あァ!?」
結標「あんな……事………?」
打ち止め「ごめんねアワキお姉ちゃん。あの人、前まで脳みそシェイク状態だったから、ちょっと頭がおかしいの」
打ち止め「というか、たぶん元々頭がおかし―――」
34 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:29:22.80 ID:J6hzxqOs0
一方通行「誰の頭がおかしいってェ?」ビシッビシッ
打ち止め「痛い、痛い、さっきよりチョップが鋭くなってる、ごめん、ごめんなさい!」
一方通行「……結標。オマエのその鼻に付いてるモンはなンだ?」
結標「え? ……医者が鼻の骨がちょっと歪んでるから、これを付けて強制しようって……」
一方通行「そうだよなァ。でも人間の体ってのはよっぽどなことがねェ限り、そンな風に鼻の骨が矯正しなきゃいけねェ程ひん曲がって生まれてこねェンだよ」
結標「……………………………」
35 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:30:09.20 ID:J6hzxqOs0
一方通行「それなのに歪ンでるってことはなァ、外部から何らかの衝撃を与えなきゃいけねェンだよなァ結標?」
結標「え?」
一方通行「それをやったのは誰かぐらいオマエは分かってンだろォ?」
結標「…………知らない……」
一方通行「まだとぼけてるつもりだってンなら教えてやるよ。その鼻を歪ませたのは正真正銘このアクセ―――」
黄泉川「一方通行!!」
36 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:33:35.18 ID:J6hzxqOs0
一方通行「あァ? ンだよ黄泉川ァ!」
黄泉川「淡希は…………記憶喪失じゃん」
一方通行「………………ハァ?」
黄泉川「九月十四日に頭部にダメージを負って、自分が誰だったかさえ分からないじゃん」
一方通行「あの時、か………………」
黄泉川「だから、お前と淡希の間に何があったのかは知らないけど、淡希は何も覚えてないじゃん」
37 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:35:35.43 ID:J6hzxqOs0
一方通行「…………本当か結標?」
結標「…………はい」
一方通行「そうか…………」
「……………………………………………………………………………」
打ち止め(あわわー、このバカセラレータのせいで空気がなんか変になった、ってミサカはミサカはどうにかこの空気を盛り上げようと脳みそをフル回転させてみる)
38 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:36:53.18 ID:J6hzxqOs0
一方通行「…………さっきの悪かった。まァ、これからよろしく頼むわ結標」
結標「…………はい! 一方通行」ニコ
黄泉川「よーし、じゃあこれから新住居人歓迎パーティーを―――」
打ち止め「い、一発芸をやります! お姉様のモノマネ、ってミサカはミサカは狙いを定めて構えてみる」
一方通行「は?」
39 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:38:02.44 ID:J6hzxqOs0
打ち止め「ちぇいさあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
一方通行「ちょ、オマ、ゴフッ!?」ガコッ
黄泉川「…………………………」
結標「…………………………」
一方通行「…………………………」チーン
40 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:38:52.25 ID:J6hzxqOs0
打ち止め「…………………………あれ? もしかしてミサカ、空気読めてない?」
一方通行「…………………くけ……」
打ち止め「え、何?」
一方通行「くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくけけこかくけきかこけききくくくききかきくこくくけくかきくこけくけくきくきくきこきかかか―――――ッ!!」
打ち止め「え!?」
黄泉川「え!?」
結標「え!?」
41 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:41:10.68 ID:J6hzxqOs0
一方通行「ヤベェよ、最高にヤッべェよ!! 最ッ高におもしれェぞォ!!」
打ち止め「え? え?」
一方通行「なンだよなンなンだよなンなンですかァ!? この素敵で愉快な恐ろしいほどのイラつきはァ?」
打ち止め「え? え? え? え? え? え?」
一方通行「―――こンのォ、クソガキがァああああああああああああああああああああああ!!」カチ
打ち止め「ご、ごめんなさいって、ミサカはミサカは戦術的撤たごめんなさああああああああああああい!!」
42 :
1
[saga]:2012/02/11(土) 10:44:03.74 ID:J6hzxqOs0
「シリアス書くのって難しいね」
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださった皆様ありがとうございました
また早く書ければ変わりますが、基本的にまた三日後以降に会いましょう
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/11(土) 10:57:05.01 ID:lcCglbI/o
ワロタ
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2012/02/11(土) 10:58:52.56 ID:ObMtsi+jo
このあわきんがショタコンなのかどうなのか
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 11:17:30.91 ID:nhJ4tAdDO
>>1
乙することを強いられているんだ!
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 12:02:10.81 ID:3vCwZHf7o
打ち止めのキャラどうなってんだ
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/02/11(土) 13:15:05.07 ID:6xqfA4PCo
この打ち止めはお姉様似なんだよ
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/11(土) 13:31:48.87 ID:E79bZO9Vo
打ち止めはかわいいなあ!
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
:2012/02/11(土) 13:34:07.87 ID:v4BYkKmQ0
ってことは時間枠適にはミサワはでないのか・・・
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 14:40:43.79 ID:4iDISBdL0
この打ち止めはかなり可愛い!
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 19:00:58.54 ID:Cn+QIaY+o
案内役がこんな状態でどうすんのアレイ☆さん
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 20:30:04.44 ID:rqke7Es20
この打ち止めウザいな…
つか体細胞とかいきなり喋りすぎだろう
新約での黄泉川と番外個体の初対面の感じからして、黄泉川ですら打ち止めがクローンだって知らないのに
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/02/11(土) 23:52:58.95 ID:7V1Y+JtW0
知らなくても何かしら勘付いてるだろ美琴と面識もあるのに
隠し事にズケズケ踏み込んでくのは主人公の仕事だしな
54 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 07:57:11.57 ID:3I4vWvL/0
みなさんおはようございます
予想外にノリに乗っていて早く書けたので投下します。
※このSSに至らぬ点が多々あったようで申し訳ないと思います
一応原作は読んでいますが、どうやら読み込みが足りなかったようですね
いこうこのような事がないように気を付けたいと思いますm(_ _)m
55 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 07:59:17.32 ID:3I4vWvL/0
3.脱NEET
−黄泉川家・リビング−
一方通行「くぁwせdrftgyふじこlp」ピクピク
結標「…………これ、大丈夫なの?」
打ち止め「だ、大丈夫大丈夫。ちょっとミサカネットワークの接続を切っただけだから、ってミサカはミサカは説明してみる」
結標(ミサカネットワーク?)
56 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:00:34.10 ID:3I4vWvL/0
一方通行「あzsxdcfvgbhンjmk、l!!」ガタガタ
結標「何か怒っているように見えるけど」
打ち止め「それはこの人の生命線を断たれてるようなものだからね」
結標「なんだかよくわからないけど戻してあげないの?」
打ち止め「ヤダ! 戻したらまた怒られるのは目に見えてるし、ってミサカはミサカは予想してみる」
結標「どちらにしろ戻したら怒られるんじゃないの? それなら早めに戻した方がいいんじゃない?」
打ち止め「はっ、そうか。どうせ怒られるなら早めの方がいいもんね。じゃあ戻す、ってミサカはミサカはビビッと電波を送ってみる」ビビッ
57 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:02:19.81 ID:3I4vWvL/0
一方通行「mkjンhhbgクソガキィいいいいいいいいい!!」ガバッ
打ち止め「ぎゃああああああああごめんなさあああああああああああい」ドテドテ
ヤメテーッテミサカハミサカハ
ウルセェヨベクトルチョップヒャクタタキノケイダ
ギャーソレミサカシンジャウ
ハイ1,2,3,…
イタイイタイイタイ
結標「…………………………」ポカーン
黄泉川「ははは、騒がしい連中で悪かったじゃん」
結標「あ、いえ、にぎやかでいいと思います」
黄泉川「そう言ってくれると嬉しいじゃん」
黄泉川「まあ、もう一人の住人はどっちかと言ったら静かな方だから、これ以上騒がしくはならないと思うし」
58 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:03:54.59 ID:3I4vWvL/0
一方通行「そういや芳川は一緒じゃねかったのか?」
黄泉川「おっ、お仕置きタイムは終わったか」
打ち止め「痛いー、絶対ミサカの身長縮んだよー、ってミサカはミサカは頭をさすりながら言ってみる」
一方通行「元々チビなンだから関係ねェだろうが」
打ち止め「えー、ミサカだって本当は他の妹達みたいにお姉様と同じ身長で生まれてくる予定だったのにー」
一方通行「ハイハイわかりましたよーと。で、結局芳川は一緒じゃねかったのか?」
59 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:05:09.11 ID:3I4vWvL/0
黄泉川「いや、一緒じゃなかったじゃん。てか桔梗がどっかに出かけるなんて珍しい」
一方通行「いつも家に引きこもってパソコンしてるニート野郎だしな」
結標「あのー、その、えーとその芳川さん? ていう人がもう一人の同居人?」
黄泉川「そう。芳川桔梗。私の昔馴染みじゃん。前まで研究者やってたんだけど……」
打ち止め「ヨシカワは研究所一つ潰しちゃって絶賛ニート中! ってミサカはミサカはヨシカワの壮大な過去の一部分を―――」
芳川「誰がニートか」ビシ
60 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:06:24.89 ID:3I4vWvL/0
打ち止め「あたっ!? もう、今日はなんだかいっぱい頭を叩かれてる気がする、ってミサカはミサカは今日の出来事を振り返ってみる」
黄泉川「桔梗! 帰ってたのか」
芳川「ええ、ちょっとコンビニに行ってきたの」
一方通行「オマエいつの間に家を出てたンだ? ずっと家にいたが気がつかなかったんだが」
芳川「私が家を出てた時は、キミは寝てたんだけどね」
61 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:08:46.69 ID:3I4vWvL/0
一方通行「……あァ、仮眠とってる時か」
芳川「その時は打ち止めも一方通行のお腹の上で寝てたしね」
一方通行「……何か寝苦しいと思っていたンだが、そういう事だったのか」
打ち止め「な、何のことかなー、ってミサカはミサカはシラを切ってみる」スヒュー
芳川「ところでそこのお嬢さんはどこのどなたさん?」
62 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:09:48.50 ID:3I4vWvL/0
黄泉川「ああ、そういえば桔梗には紹介してなかったじゃん。今日から増える居候じゃん」
結標「結標淡希です」
芳川「(結標淡希……どっかで聞いたことあるような)芳川桔梗です。よろしく」ペコ
結標「こちらこそ」ペコリ
打ち止め「そういえばヨシカワはコンビニに何しに行ってたの? ってミサカはミサカは手ぶらのヨシカワを見て聞いてみる」
一方通行「どうせ暇潰しに立ち読みをしに行ったとか、そんなくだらねェことだろう」
芳川「バイトの面接に行っていたのよ」
63 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:11:00.05 ID:3I4vWvL/0
一方通行「はァ!?」
黄泉川「なっ!?」
打ち止め「なん……だと…!? ってミサカはミサカはオサレに驚いてみる」
結標「?」
64 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:12:00.60 ID:3I4vWvL/0
一方通行「オイオイ芳川ァ。冗談ならもっとおもしれェこと言ってくれよォ」
打ち止め「そうそう、昨日まで『働いたら負けかなと思ってるキリッ』、とか言ってたヨシカワがそんな」
芳川「そんなセリフ一言も言った事ないんだけど。ほら、ちゃんと履歴書も書いてるし」ピラ
黄泉川「な、桔梗が履歴書なんてものを書く日が来るなんて……」
芳川「愛穂……あなたまで……。一体あなたたちは私のことをどう思ってたの?」
黄泉川「働かない居候」
打ち止め「The ニート」
一方通行「穀潰し」
芳川「よしわかった。あなたたちは私の敵ね」
65 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:12:40.43 ID:3I4vWvL/0
結標「……あの」
芳川「何かしら結標さん?」
結標「何て言うか……頑張ってください!」
芳川「……やめて、そのかわいそうなものを見るような目で励ましの言葉を投げかけてくるの」
66 :
1
[saga]:2012/02/12(日) 08:15:40.69 ID:3I4vWvL/0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで読んでくださった皆様ありがとうございました
一方通行も不登校やん、というツッコミはなしでおねがいします
ではまた書けたら来るお(^ω^
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/12(日) 08:45:20.94 ID:JjVvxxuXo
白あわきん(^ω^)ペロペロ
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 08:51:37.87 ID:R8y+TeeIo
乙
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/12(日) 09:26:49.67 ID:TSUndueHo
だが一方さんには8兆円の借金がまだ存在してないから大丈夫
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 10:31:42.42 ID:VD8BlZIS0
The ニートwwwwww打ち止めww
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/12(日) 11:27:52.84 ID:05d4EubFo
原作読んでないけど芳川はまだニートなの?
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/02/12(日) 17:03:34.23 ID:QkI6B0YAO
そもそも荒川がニートとは限らんだろ
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 17:06:54.19 ID:R8y+TeeIo
荒川アンダーザブリッジ
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/02/12(日) 17:09:48.44 ID:HqEpu1zs0
荒川とはいったい……
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/12(日) 18:56:16.95 ID:05d4EubFo
あ、荒川・・?
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 21:23:29.01 ID:CYFaZcSRo
芳川アンダーザブリッジ
77 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:44:58.96 ID:Z4Vpexyl0
皆さん月曜日だよ!おはようございます!
また早く書けちまったぜ
俺って意外と遅筆じゃない……?って調子に乗ったら書けなくなりそうですね
では投下します
78 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:45:59.97 ID:Z4Vpexyl0
4.歓迎パーティー
-黄泉川家・食卓-
黄泉川「―――えーでは、黄泉川家に新しい仲間が増えた記念に……カンパーイ!!」
打ち止め「カンパーイ!!」
芳川「ふふ、乾杯!」
結標「か、乾杯!」
一方通行「……乾杯」ボソ
黄泉川「はい、そこ! 声が出てないじゃん!」ビシッ
79 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:47:05.28 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「うっせェなァ、こンなこと何の意味が―――」
黄泉川「はい!! では改めて、カンパーイ!!」
打ち止め「カンパーイ!!!」
芳川「乾杯!」
結標「か、乾杯!」
一方通行「ンだよこれ? 起立の合図にちょっと遅れただけで全員にやり直しを強要する教師のあれか!?」
80 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:47:50.79 ID:Z4Vpexyl0
黄泉川「そんなの当たり前じゃん。ウチのクラスは少しでも遅れたりしてたら完全下校時刻まで返さないじゃん」
一方通行「そういやオマエ、教師だったな」
黄泉川「まあ、そのおかげでウチのクラスはしごき甲斐のない優等生クラスになったんだけどね」ハア
一方通行「オマエが担任のクラスなンて死んでも入りたくねェな」
芳川「そういえば、私のことは散々ニート扱いしたくせに、キミは学校に行ってないじゃない。この不良少年!」
81 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:49:15.53 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「あァ? 俺はいいんだよ。行っても行かなくても変わんねェンだよ」
打ち止め「こうやって友達ができずに、変な趣味に走るぼっち厨二病患者が出来上がるのね、ってミサカはミサカは目薬を隠しながらあなたを哀れんでみる」ウル
結標「打ち止めちゃん。貴女のその語尾って、隠し事とか絶対に向いてなさそうよね」
一方通行「どォせ俺の所属する特別学級には俺以外の人間がいねェンだから、行っても行かなくても友達なンて作りようねェだろうが」
芳川「休み時間に他のクラスの人と会いにいけずに、孤高の狼(笑)みたいになっていくのね」ププ
82 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:50:19.03 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「芳川ァ! よォし、今からオマエを大好きな研究所に向かって窓からブッ飛ばしてやるよ!!」カチ
打ち止め「やめてー、こんなことをしても友達増えないよ。どうせなら挨拶して友達増やそうよ! はい一緒に、ありがとウs」
一方通行「はいAェェCィィいいい!」ビシッ
打ち止め「いったあああああああ!! 頭がああ! 絶対頭割れたあああ! ってミサカはミサカは頭頂部を確認、あれ割れてない」
83 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:51:14.60 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「そンな簡単にチョップで人の頭が割れるか!」
打ち止め「でもあなたなら頭蓋骨どころかダイヤモンドさえ割れるよね」
黄泉川「あー、お前ら静かにするじゃん!! せっかく作った特製煮込みハンバーグが冷めちゃンじゃンかよ!!」
打ち止め「はあーい」
一方通行「……チッ」
結標「……あのー、芳川さん?」
芳川「ん? 何かしら結標さん」
84 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:52:34.22 ID:Z4Vpexyl0
結標「あの二人って仲が悪いんですか?」
芳川「いや悪くない悪くない。むしろ良いくらいね」
結標「そうですか。そんな風には見えないけど」
芳川「一方通行の方がちょっとぶっきらぼうなだけよ」
結標「それは見ればわかります」
芳川「むしろ相思相愛って言ってもいいんじゃない?」
結標「なっ!? それってロリコ―――!?」
85 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:53:26.64 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「あァ!? うるせェぞ結標ェ! バラバラに解体されたくなかったら、少し黙りやがれェ!!」
結標「あっ、ごめんなさ―――」
黄泉川「お前が一番うるさいじゃん!!」ガゴン
一方通行「イッテェェェええええええ!! オマ、教科書の角で思い切り殴ンじゃねェよォ!!」ジタバタ
86 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:55:07.43 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「つゥか、これ数T・Aの教科書じゃねェか!! オマエ体育教師じゃなかったっけ!?」
黄泉川「はい、ではいただきまーす」
打ち止め「いただきまーす」
芳川「いただきまーす」
結標「い、いただきまーす」
一方通行「無視すンじゃねェよ、黄泉川ァああああああああ!!」
87 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:55:55.71 ID:Z4Vpexyl0
結標「あっ、このハンバーグすごくおいしい」
打ち止め「ヨミカワ。これほんとおいしいね!」
黄泉川「だろー、今回のはかなりの自信作じゃん!」
芳川「愛穂の料理はいつ食べてもおいしいわ」
一方通行「………………………………チッ」
88 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:56:49.49 ID:Z4Vpexyl0
芳川「ほんとねー。これを炊飯ジャー一つで作ってるのが信じられないわ」
結標「えっ、すごい。これを炊飯ジャーで作っているんですか!?」
黄泉川「そうじゃんよ。炊飯ジャーは万能調理機器じゃん!」
打ち止め「アワキお姉ちゃんは料理とかしないの? ってミサカはミサカは素朴な質問をしてみる」
結標「え、え、りょ、料理? えーと、ちょっと覚えてないかなー、なんて」アセ
打ち止め「そっかー、そういえば記憶喪失だったしね」
結標「そうそう記憶喪失。あははー」
芳川(何か隠してそうな顔ね)クス
一方通行「…………チッ、くっだらねェ」モグモグ
89 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:57:56.63 ID:Z4Vpexyl0
芳川「会話に入れずに寂しい思いしてる一方通行くんは料理はしないのかな? ま、聞かなくても分かる気がするけど」
一方通行「チッ、分かってンなら聞くンじゃねェよ」
打ち止め「じゃあ二人とも黄泉川に料理教えてもらえばいいんじゃない? ってミサカはミサカは提案してみる」
一方通行「ハァ?」
結標「えっ?」
黄泉川「おうおう、先生はいつでも教えてやるじゃん!」
90 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 08:59:13.98 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「誰がこンな炊き出し戦隊炊飯ジャーのレッドみたいなヤツに、料理なンて教わるか!」
黄泉川「ぶー、じゃあオマエは私より上手く料理ができるのじゃんか?」
一方通行「俺を誰だと思ってやがる? 俺は学園都市超能力者第一位の一方通行だぜ? 料理の一つや二つ余裕なンだよ」
一方通行「何なら明日の晩飯俺が作ってやってみてもいいくらいだぜェ!」
一方通行(まあ俺ならベクトル操作すれば料理なんてよゆ―――)
打ち止め「わー、一方通行の料理楽しみー! もちろん能力は使わないんだよね?」
91 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 09:00:09.37 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「……………………………はっ? 何聞こえない」
打ち止め「だから、もちろん料理にベクトル操作なんて無粋なもの使わないよね、ってミサカはミサカは再度確認を取ってみる」
一方通行「…………なン……だと…!?」
92 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 09:02:12.15 ID:Z4Vpexyl0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで読んでくださった皆様ありがとうございます
一方さんがはまづらみたいになってるのは多分気のせい
これからどんどんキャラ崩壊して行きそうで怖いですorz
ではまた書けたらきます
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 09:44:09.08 ID:asorFxr/o
乙ー
なんかシリアストーンだけど、キャラはギャグ調なのが違和感の原因かなー
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 09:50:07.13 ID:xLMV9SeH0
おつ!
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/02/13(月) 10:10:47.33 ID:S1UFxxkAO
炊き出し戦隊炊飯ジャーふいた
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 11:26:59.74 ID:z1OyIqk9o
ベクトルクッキング封印だと……!?
正気か打ち止め!あんな食べて美味しい見て楽しい調理法なんて他にないんだぞ!!
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/02/13(月) 11:32:56.50 ID:fOVt7JLAO
乙
一方さん、使い慣れてない包丁で指切らないか心配だわ
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 12:47:33.91 ID:Eh5LGXmvo
とりあえず料理本の暗記からだな
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/13(月) 15:13:53.21 ID:bPIVd5e6o
エプロンを着て包丁を危なっかしく扱う一方さん
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 15:40:59.54 ID:j7GNHuTa0
乙
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 17:07:54.63 ID:SyODJOqM0
良スレ発見
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/02/13(月) 19:45:44.20 ID:B5k9sIrp0
自分自身のベクトルだけ操作すりゃバレ…あ
代理演算でバレるかww
103 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:27:04.25 ID:Z4Vpexyl0
皆さんこんばんは本日二回目の投下だよ☆
これまで四回投下してるけど、実は夜の投下は初めてなんだよ☆
だからテンションがちょっとおかしいんだよ☆
たくさんのレスうれしいんだよ☆
これより投下するんだよ☆
104 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:28:59.50 ID:Z4Vpexyl0
5.料理と第一位
-黄泉川家・リビング-
一方通行「……つゥーかよォ。何でこの俺が料理なンてしなきゃいけねェンだ?」
一方通行「ネットで料理について調べれば調べるほどめんどくさくなるンだが」
一方通行「今日食ったハンバーグなンて、肉と玉ねぎとその他諸々を合成した物体を手の中でキャッチボールとかして空気抜かなきゃなンねンだぜェ」
一方通行「『誰でもできる! 簡単五目チャーハン』とか書いてるけど、これぜってェムリだろ。五種類の食材を全部混ぜられるモンなのかァ?」
一方通行「『料理の基本 卵焼き』……。そもそも卵を割って、殻を入れずに黄身だけ入れるとかとか常人のする事じゃねェよな」
一方通行「生まれて一度も包丁握ったことねェクソ野郎に一体何を求めてンだあのガキは?」
105 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:30:05.83 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「あー、能力さえ使えりゃ余裕なンだがなァ」
一方通行「レシピ通りに食材を扱やいいンだろ? あー、能力さえ使えりゃーなァー」
一方通行「大体あのクソガキが能力禁止とか言い出すのが悪いンじゃねェか?」
一方通行「能力を奪われた俺が作った料理と比べたら、調理実習を受けた小学生の料理は高級レストランのフルコースのメインディッシュぐらいには感じるぞ」
一方通行「あー、ベクトル操作さえできればなァ」
一方通行「…………………………………………」
106 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:31:02.02 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「……ったく、やめだやめだァ。何で俺がこンなことで悩まなきゃならねぇンだ」
一方通行「大体、料理なんてせずに手間のかからねェカップラーメンとかそういうインスタント食品で十分じゃねェか」
一方通行「てか、カップラーメンって最強じゃねェ? 簡易性とおいしさを備えた最強の料理だな。料理界の第一位だな」
一方通行「それに、外に行けば金を払うだけで料理を出してくれる店なンて数え切れねェ程この学園都市に存在するンだ」
一方通行「まあ、そこまで行くのに時間がかかってめンどクセェンだがな」
一方通行「いやー、さっきの俺はちょっと錯乱してたな。あンなバカげたことを言うなンてな」
一方通行「あァー、忘れよ忘れよ。料理なンてこれっぽっちも知りませェーン」
107 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:31:44.54 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「……………………………………………………」
一方通行(結標淡希……。あのバカげた実験の発端の一部分である『残骸』を、理由は知らねェが『樹形図の設計者』を再構成しようとした女)
一方通行(それが何であんなにボロボロになってたのかは知ンねェが、とりあえず鼻の骨を折るくらいの力で殴ってやったけど……)
一方通行(まさか記憶が飛ぶとは思わなかった……それに何の因果かアイツがここに居候するなンてな)
一方通行(こンなヤツは、どっかのワケアリの子を預るのが趣味です、とか言ってそうな熱血バカが預るべきなンだよ)
一方通行(……そういえばウチの家主も同じような人種だったな)
108 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:32:41.84 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「……まあ、とにかく記憶が飛ンでて良かったと思うべきだな」
一方通行「記憶有状態だったらどれほど気まずい雰囲気に、それはおろか血みどろの殺し合いが起こるなんてことがあったかもしンねェからな」
一方通行「そういやアイツどのくらいまで記憶失ってンだ?」
一方通行「そもそも今のアイツは超能力は使えンのか?」
一方通行「……あとで聞いてみるか」
打ち止め「なに一人でブツブツ言ってるの? ってミサカはミサカはパソコンの前で独り言を言っているあなたを心配しながら話しかけてみる」
109 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:33:35.82 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「おォう打ち止め、風呂は上がったのか?」
打ち止め「ふふふ。ねえ、何かいい香りとかしない? ってミサカはミサカは得意気に聞いてみる」
一方通行「あァ? ………何か妙な匂いがすンな」
打ち止め「ふふふ。今の私は黄泉川が新しく買ってきた『深緑の香り石鹸』のいい香りに包まれた超絶無敵の森ガールなのだッ! ってミサカはミサカは威張ってみる」フン
一方通行「深緑の香りなンて聞いて、俺にはいい匂いとはいい思えねェけどな。木や草の汁の匂いなンて、唾液を苦くさせるような匂い、としか思ったことねェよ」
打ち止め「まあ実際は深緑の香りって言っても、いい香りがするように加工された何かの匂いなんだけどね、ってミサカはミサカはマジレスしてみる」
一方通行「だろうな。大方適当に果物の香りとかを合成しただけのモンだろうしな」
110 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:34:35.20 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「つゥか、森ガールって一体どういう意味なンだ? 富士の樹海辺りでさまよってる女か何かか?」
打ち止め「何その怖い表現? ミサカもテレビで見ただけでさっぱり意味は分からん、ってミサカはミサカは開き直って無知を威張ってみたり」フン
一方通行「森ガールって言うくらいだから、頭が花畑になったりとかしてンじゃねェ? いろんな意味で」
打ち止め「おおー、その手があったとは。さすが学園都市第一位の発想は違いますなー、ってミサカはミサカはあなたを羨望の眼差しで見つめてみたり」
一方通行「ハイハイ、で、俺になンか用か?」
打ち止め「別に何でもないよ、ただお風呂上がったことを伝えに来ただけだよ、ってミサカはミサカは報告してみる。
111 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:35:30.19 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「用がねェンなら俺は風呂に入るぞ」
打ち止め「いってらっしゃーい、ってミサカはミサカは手を振って見送ってみる」ノシ
打ち止め「………………て、何かを忘れているような気がする」
打ち止め「うーん……………ハッ!」
打ち止め「まだアワキお姉ちゃんがお風呂に入ってた、ってミサカはミサカは何故忘れていたのか自分でもわからない衝撃の事実を思い出してみたり」
112 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:36:40.42 ID:Z4Vpexyl0
一方通行「ハァ、つゥか何でガキはテレビとかで見た事をすぐにまねしたがンだ?」
一方通行「あー、あれなのか? 小学生のガキとかがやる戦隊物のごっこ遊びとかみてェなモンなのか?」
一方通行「そンな環境で育ってねェから、これっぽっちも理解できねェな……」
一方通行「………………あァ? 風呂場の電気点けっぱなしじゃねェか。ったく、省エネってのはこういう所に気を遣わなきゃいけねェンじゃねェのかよ」ハァ
一方通行「まあ、学園都市の電力のほとんどが風力発電とか太陽光発電だから、あンま関係ねェンだろうがな」ガラ
113 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:37:24.96 ID:Z4Vpexyl0
結標「…………………………………えっ?」
一方通行「ハァ…………どうしてここに住ンでる女どもはこうも不用心なンだ?」
114 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:38:30.04 ID:Z4Vpexyl0
結標「な、な、な、…………」
一方通行「オマエなァ、中にいるンだったらカギぐらい閉めろ」
一方通行「まさかそンな常識まで記憶喪失で飛んじまったンじゃねェよなァ? もしそうならこちらとしても何か悪い気が……あァ?」
結標「き、き、き、き、」
一方通行「き?」
115 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:39:09.26 ID:Z4Vpexyl0
結標「キャァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアア!!!」
ドンガラギャッシャーン!!!!!!!!!
116 :
1
[saga]:2012/02/13(月) 22:42:36.43 ID:Z4Vpexyl0
今回はここで終わりたいと思います
ここまで見てくださった皆さんありがとうございました
キャラ崩壊しないように気にしたら、筆(キーボード)が進まなくなったので、
もう面倒くさいからキャラ崩壊上等の方向で行かせていただきたいと思います。
てか、今回のキャラ崩壊ひどすぎワロタw
ではまた書けたらきます(^ω^)ノシ
追伸
>>103
は偽物です、僕じゃありません
仮に僕だとしても邪悪なるもう一つの意思(ry
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/14(火) 02:07:14.64 ID:I/6J9C4C0
乙
118 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 09:57:35.03 ID:w59zHkrX0
皆さんおはようございます
今欲しいものはタイムマシンの
>>1
です
では投下を始めたいと思います
119 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:00:35.33 ID:w59zHkrX0
6.二人
-黄泉川家・結標の部屋-
一方通行「―――だから悪かった、って言ってるじゃねェか」
結標「……何で人の裸を見た後なのに、そんなに平然と話しかけてこられるの?」
一方通行「はァ? 何で?」
結標「えっ? 何でって、あの……私の裸とか見て……そのなんとも思わなかったわけ?」
一方通行「何だァ? オマエは俺に『今夜のおかずは結標たンだァグヘヘ』とか言って欲し―――っと危ねェ」スッ
一方通行「その周りにあるモンを見境なく投げてくンのやめてくねェ?」
一方通行「さすがの俺でも頭に『学園都市製 すごいパーンチでも壊れない超耐久目覚まし時計』が直撃したら死ぬし」
結標「だったらそんな下品な発言は私の前ではよしてちょうだい」
120 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:02:10.55 ID:w59zHkrX0
一方通行「別にいつもそンなこと言ってるつもりはねェンだけどなァ」
結標「いつもって、私、貴方のいつも知らないし。この家だって今日来たばっかだし」
結標「そもそもほとんど初対面の人にそんなこと言われたら、下品な人間と思うしかないじゃない」
一方通行「俺から見たら初対面じゃねェけどな」
結標「………………ねえ」
一方通行「あァ?」
結標「私がどんな人間だったか教えてくれない?」
121 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:02:51.70 ID:w59zHkrX0
一方通行「………オマエ、記憶を取り戻してェのか?」
結標「そりゃそうよ。この……何と言うか……」
一方通行「………………」
結標「ええと、そう、スッキリしない感じ! というかこのモヤモヤがヤなのよ」
一方通行「つまり、そのモヤモヤをスッキリしたい、と?」
結標「ええ、お願い」
一方通行「…………わかった、教えてやる」
結標「ありがとう!」
122 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:04:56.33 ID:w59zHkrX0
一方通行「ただし、そンなにオマエが期待してるような事は教えてやれねェぞ」
結標「え? それって、どういう……?」
一方通行「俺とオマエが会話した時間、今まで生きていた中で、全て累計しても五分も満たねェからな」
結標「……それって、もしかして、貴方はこれといった知り合いというわけでもなく……」
一方通行「まあ、完璧な他人というわけだな。例えるなら道がわからないので聞いた人と丁寧に教えてあげた人、みたいな関係だな」
結標「……うわぁ、それは完璧な他人だわ」
一方通行「まあな」
123 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:06:04.05 ID:w59zHkrX0
結標「ここで記憶を一気に取り戻せると思ったのにな」ハァ
一方通行「まあ、一応俺が知ってる範囲で教えてやるよ」
結標「……わかったわ。お願い」
一方通行「えェと……第一印象は『露出狂』」
結標「…………………えっ? なに?」
124 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:07:05.94 ID:w59zHkrX0
一方通行「だから、普通に乳首さらしたり、無様なローアングルさらしたりする『露出狂』」
結標「」
一方通行「オーイ、結標。どうかしたか?」
125 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:07:44.47 ID:w59zHkrX0
結標「ふっざけんじゃッないわよォおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
一方通行「あン!?」ビク
126 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:08:46.22 ID:w59zHkrX0
結標「なにそれ? 露出狂って!! うわぁあああああああああ!! なんだそれえええええええええ!?」
一方通行(くだらねェ音声は反射反射、っと)カチ
結標「露出狂ってことはあれか? 変態だったのか私は!?」
結標「病院で見たテレビのニュースとかで報道されてた、あの裸コートの変態親父と同類だったのか私はァあああああああああ!!」
結標「うわァあああああああああああああ!! イヤだァああああああああああああああああああ!!」
黄泉川「うるさいッ!! 静かにするじゃん!!」ガラッ
結標「あっ、すみません」
127 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:09:44.32 ID:w59zHkrX0
一方通行(………おっ、やっと終わったか)カチ
結標「………何か私、記憶を取り戻したくなくなってきた」
一方通行「まあそのほうがいいだろうな」
一方通行(露出狂だろうがなンだろうが、ロクな記憶じゃねェだろうしな)
一方通行「じゃあ、もう一つの情報を教えてやるよ」
結標「……何? これ以上私の心を傷つけないで。ここで実は私は『日々小学生の男の子を狙っている変態ショタコン野郎』とかいう情報を言われたら、もう絶対立ち直れない気がする」
128 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:11:27.08 ID:w59zHkrX0
一方通行「いやァ、ショタコンとかは知らねェけどな。オマエが持っている能力のことだ」
結標「能力?」
一方通行「あァ、詳しくは知らねンだけどな。おそらく俺が見た限り『空間移動』だな」
結標「『空間移動』って、テレポートとかするあれ?」
一方通行「そうだ。俺の攻撃を避けようとして、二回ぐらいテレポートしていったからな」
結標「攻撃って、一体私と貴方はどういう関係だったの?」
一方通行「……………で、『空間移動』について何か覚えてねェか?」
結標「(……無視された?)ええと、ちょっと待って。ええと」
129 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:11:52.22 ID:w59zHkrX0
結標「……………………………………」
一方通行「…………………………………」
結標「……………………………………」
一方通行「…………………………………?」
130 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:13:41.70 ID:w59zHkrX0
結標「……………セイッ」フン
一方通行「…………はァ?」
ゴン!!
一方通行「イッテェええええええ!! なンだこれ? ってこれは『学園都市製 すごいパーンチでも壊れない超耐久目覚まし時計』じゃねェか!? 何で上から……はッ」
131 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:14:41.66 ID:w59zHkrX0
結標「ぬふふふふふ」ニヤニヤ
一方通行「…………まさか、オマエか?」
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン
結標「すごーい! これがテレポートってヤツね。何となくやり方はわかるわ」
一方通行「オイ、辺りにあるモン無差別に俺の頭の上にテレポートさせンじゃねェよ!!」
結標「きゃはははほんとすごーい!! 手で掴まなくても物が動かせるって楽しい♪」
一方通行「新しいおもちゃを買ってもらったガキかよオマエは!?」
結標「おっ?」
一方通行「あン?」
132 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:15:21.30 ID:w59zHkrX0
結標「この重そうな机……もしかしたら私なら飛ばせるかしら?」ニヤニヤ
一方通行「おいやめろ」
結標「えー、どうしようかなー?」
一方通行「やめろっつってんだろォが!!」ガバッ
結標「きゃー、一方通行に押し倒されたー。この後私はどうなっちゃうのかしら」
一方通行「うるせェよ。別にどォもしねェよ。だから机をテレポートとか危ねェことするのはやめろ」
結標「きゃー、犯されるー!」
一方通行「オマエも結構下品じゃねェか!!」
133 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:15:56.03 ID:w59zHkrX0
ガラッ
一方通行「!?」
結標「!?
打ち止め「……………二人とも何してるの? ってミサカはミサカはかなり密着してる二人に疑問を抱いてみる」
二人「」
134 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:16:35.27 ID:w59zHkrX0
一方通行「あァ? 別になンでもねェよ!」スッ
結標「そうそう打ち止めちゃん。別になんにもないって」アセ
芳川「はーい、子供はおねんねの時間ですよー、と」ガシ
打ち止め「あっヨシカワ。あの二人何して―――」
一方通行「……………………」
結標「………………………」
135 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:17:20.33 ID:w59zHkrX0
黄泉川「二人とも」
二人「!?」ビク
黄泉川「仲が良いのはいいけど、ほどほどにするじゃん」
二人「………………………はい、すみませんでした」
136 :
1
[saga]:2012/02/14(火) 10:19:49.88 ID:w59zHkrX0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで読んでくださったみなさんありがとうございました
一応原作小説のほうを基にして書いてますので、
アニメだけ見てる人は「?」となるかもしれませんがご了承ください
ではまた来ますん
137 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 16:14:44.77 ID:DQ8g2VvK0
乙
138 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 18:03:59.54 ID:FkDtXiKY0
乙
139 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:39:31.18 ID:j7mOo5/R0
みなさんこんにちは。
今まで接続できなくてちょっとビビったw
でもおかげで結構書けたわ
じゃあ投下します
140 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:40:30.24 ID:j7mOo5/R0
7.あわきんの持ち物検査
-黄泉川家・結標の部屋-
結標「あー、この家に来てまだ一日目だっていうのに……」
結標「くそー、一方通行のせいで酷い目にあったわ」
結標「……いや、酷い目にあったというか酷い目で見られたと言った方が……」
結標「……って、そんなどうでもいいことは置いといて、この……」ドサ
結標「ダンボールの中を確認しなきゃね」
141 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:41:09.23 ID:j7mOo5/R0
結標「ふふふ、このダンボールはただのダンボールではなく、実は私の記憶を取り戻すのに必要なダンボールなのだ!(裏声)」
結標「カエルみたいな顔をした医者に『患者の必要とするものは何でも揃えるのが僕の主義でね』と言われて渡されたものなのだ(裏声)」
結標「…………私、誰に向かって話してんだろ?」
結標「これってあれよね。傍から見たら独り言の多い変人にしか見えなくない?」
結標「それに語尾が『〜なのだ』って……どこのハムスターの語尾だよ。自分で言ってて恥ずかしくなってきた」
結標「…………いや、独り言はボケ防止に有効とかどっかで聞いた事がある気がするから、大丈夫よね……そう大丈夫」
142 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:42:18.08 ID:j7mOo5/R0
結標「よし、では運命のダンボール箱オープン!!」ビリ
結標「よおし、まず一品目!」ガサガサ
つ軍用ライト
結標「………懐中電灯? 何でこんなホームセンターに普通に売ってそうなものが入ってるの?」
結標「これって、普通に家にあるようなものじゃないの?」カチ
結標「って眩しっ!? これ普通のライトじゃない、何か特別なライトだこれ」
結標「うーん、何も思い出せそうにない気がする。でも持つとなんかしっくりくる」
143 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:42:58.08 ID:j7mOo5/R0
結標「……………………続いて二品目!」ガサガサ
つ霧ヶ丘女学院の制服(ボロボロ)
結標「…………制服? 私が通っていた学校の制服かしら?」
結標「しかもところどころ継ぎ接ぎじゃない。私ってもしかして貧乏だったの?」
結標「って、このスカート短っ! これもう絶対普通に下着とか丸見えでしょ?」
144 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:43:41.50 ID:j7mOo5/R0
結標「……あれ? ブレザーとスカートはあるけど、ブラウスとかそういう中に着る物がないじゃない……」
結標「……………………………………」
一方通行『露出狂』
結標「…………ははは、嘘よね? まさかスカートだけ穿いて、後はブレザーを羽織っただけの変態女だったとか絶対ないわよね?」
結標「…………………………………」
145 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:44:39.43 ID:j7mOo5/R0
結標「………よーし、気を取り直して次いってみますか」
結標「ええと……………三品目ドン!」ガサガサ
つさらし
結標「これは何かしら? 手拭? タオル? にしては素材がいいような気がする」
結標「それに何だか結構長い」
結標「うーん…………」
結標(何かあったよねー、こんな感じの服? というか下着に近い物)
146 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:46:16.87 ID:j7mOo5/R0
結標「もっとまともなものないの?」ガサゴソ
結標「……………四品目」ガサガサ
つ子供服のカタログ
結標「………何でこんなものが入ってるの?」
結標「子供の服ってことは弟か妹でもいたのかしら?」
結標「………まさか子供がいるってわけじゃあるまいし」
結標「………ん? 所々付箋が貼ってある」ペラ
147 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:47:17.20 ID:j7mOo5/R0
結標「あらかわいい男の子。パッと見四年生くらいかしら?」
結標「こっちのコは二年生くらいかしら? ほっぺたぷよぷよでやわらかそう」
結標「このコいかにも素直じゃなさそうって顔してる。まさしくツンデレってヤツよね」
結標「わぁ、こっちのコすっごくかわいい! もう何かペロペロしたい!!」
結標「………………………はい?」
148 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:48:25.10 ID:j7mOo5/R0
結標(今、私は、何て、言った?)
結標(たしか、聞き間違いじゃ、なければ、ペロペロ、と言った)
結標(ペロペロ、って、あれだよね、舌で、このコを、ペロペロ)
結標(かわいい→大好き→ペロペロ→変態→おまわりさんこっちです)
結標「いやいや私に限ってそんな………」
結標(……でも、この胸を締め付けるような気持ちは何? このコ達を見てると何と言うか……)
結標(切ない初恋(というかまあ恋なんてした記憶なんてないんですけどね)に似ている気がする)
結標「…………………………………」
結標「はっ!? まさか私って―――」
149 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:49:05.04 ID:j7mOo5/R0
結標「『ショタコン』だったっていうの!!?」ガーン
150 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 18:52:04.55 ID:j7mOo5/R0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
実際に、原作のあわきんはショタコンなんでしょうかねえ?
実はもう一本完成してるので、今日の21:00ぐらいにもう一本投下したいと思います
ではお楽しみにー
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/02/15(水) 19:42:38.11 ID:TM5rH32z0
最近いいあわきん見ないから嬉しい
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/02/15(水) 20:59:31.30 ID:/ooL0BF2o
トラウマがないって事は自分を飛ばせるんだよな
もしかしてレベル5になれる?
153 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:00:06.67 ID:j7mOo5/R0
みなさんこんばんわ。本日二回目の投下です
どうぞお楽しみを
※注意
今回の内容は、かなりのオリジナル要素が入っています
原作完全至上主義のかたは注意ください
154 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:02:26.04 ID:j7mOo5/R0
8.始まりの終わり
-黄泉川家・結標の部屋-
結標「………………………………はぁ」
結標「まさかの自分がショタコン兼露出狂の変態女だったという事実は、記憶喪失の私の心にはダメージが大き過ぎるわ」
結標「……………………………」
結標「今日はもう遅いし、この壊れかけのglassheartを癒すためにもう寝ましょう」
結標「…………………………………」キョロキョロ
結標「…………………………………」ガララ
結標「…………………………………」
結標「……………………ってあれ?」
155 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:04:05.91 ID:j7mOo5/R0
-黄泉川家・リビング-
黄泉川「……ぐぬぬ」
一方通行「オイオイさっきまでの威勢はどうしたっていうンですかァ?」
黄泉川「ちょっと今話しかけないで欲しいじゃん」
芳川「愛穂。もう諦めたら?」
黄泉川「誰が諦めるじゃんよ。今日こそ勝つって決めたじゃん」
芳川「勝つって、私あんまり詳しくないけど、この状況で勝つのは無理ってことは何となくわかるのだけど」
一方通行「あァー、コーヒーうめェ」ケラケラ
ガラッ
結標「………あのー」
156 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:05:35.89 ID:j7mOo5/R0
芳川「あら結標さん。こんな大人の時間に何か用かしら?」
結標「大人の時間って、一方通行もいるじゃないですか?」
結標「というか、こんな夜遅くに何やっているんですか?」
芳川「将棋よ」
結標「将棋……って、あのボードゲームの将棋ですか?」
芳川「そうよ、って言っても私はコーヒー片手に見ているだけだけど」
157 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:07:32.34 ID:j7mOo5/R0
黄泉川「………ぐぬぬ、王将をここに動かすじゃん」
一方通行「バカめ、はい王手ェ」パチン
黄泉川「何ぃ? そんなところに伏兵がいたなんて」
一方通行「戦いは常に二手三手先を読んで行うモンだって、どっかの仮面の人が言ってた」
黄泉川「くそー、だったら金将でその駒をとるじゃん」パチン
一方通行「ハイハイそンなところに金を置いてくれてありがとうございまァす」ウマー
黄泉川「ぐぬぬぬぬ、王将を逃がすじゃん」パチン
一方通行「オラオラァ、もっと逃げろォ!!」
一方通行「狩人を楽しませるならキツネになれよ。食われるだけの豚で終わってンじゃねェよ! 王手だァ!!」パチン
黄泉川「だァあああああ、くそぉおおおおおお!!」
158 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:08:49.92 ID:j7mOo5/R0
結標「………いつもこんなことやっているんですか?」
芳川「いつもって言えばいつもかしら? 私たちが愛穂の部屋の居候になってから、まだそんなに長くないからこの対局もまだ十回満たないわ」
結標「そうですか。ところで何で将棋?」
芳川「うーん、あれは居候し始めて二日目、いや三日目だったかしら」
結標(何だか長い話しになりそうな気がする)
159 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:10:01.25 ID:j7mOo5/R0
芳川「みんなで夕食を食べてた時の話なんだけど……」
結標「はあ……」
芳川「当時の一方通行はかなり反抗期だったわ。って言っても今も結構反抗期してるけど」
結標「昔はあれよりひどかったんですか?」
芳川「そうよ。夕食までに帰ってこないし、いざ帰って来たかと思うと夕食はコーヒーだけで済ませてるし、昼夜逆転生活は当たり前だったし……」
芳川「あ、そうそう。これは居候になる前の生活のことも含まれてるから」
結標(コーヒーだけって、だからあんなにやせてるのか……)
160 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:11:18.06 ID:j7mOo5/R0
芳川「そんな一方通行の心を開くために愛穂はいろいろやってたけど、ことごとく失敗しちゃってね」
芳川「でもある日事件が起こったの」
結標「………………」ゴクリ
芳川「私と愛穂と打ち止めで夕食を食べている時だったわ。たまたま子供の時何して遊んでたかとか話しててね」
芳川「そんな中、たまたま一方通行がソファーに寝転がってテレビを見てたの」
芳川「で、愛穂が『昔は将棋とかやってて一度も負けた事なかったじゃんよ』とか、『将棋ほど面白いゲームを人生で一度も見た事ない』とか言っててね」
結標(…………………何となくオチが見えた気がした)
161 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:12:26.56 ID:j7mOo5/R0
芳川「たまたま聞いてたんでしょうね。いきなり一方通行が『将棋ってあれだろ? いろいろ余計な機能を付けた劣化版チェスだろ?』とか言ってしまったの」
芳川「それを聞いた愛穂は激怒。『私が勝ったら将棋は面白いゲームだと認めるじゃんかよ!!』とか言って、それ以来毎日のようにこの時間帯は対局してるわ」
結標「………で、結局今の戦績はどれくらいなんですか?」
芳川「最初は数えてたけど今は忘れちゃったわ。だってずっと一方通行が勝ってるから数えるのも馬鹿馬鹿しくなってくるし」
結標「そうですか」
162 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:13:32.75 ID:j7mOo5/R0
黄泉川「…………こっちに王将を逃がすじゃんよ!」
一方通行「あはッ、ぎゃはッ! かかったな三下め」
黄泉川「!?」
一方通行「これで詰みだ」パチン
黄泉川「だァあああああ!! また負けたァあああああああああ!!」
芳川「どうやら勝負はついたみたいね。結果はわかっていたけど……ところで結標さん」
結標「はい?」
163 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:14:39.98 ID:j7mOo5/R0
芳川「結局こんな時間に何しに来たの?」
結標「えっ? ああ、ええと、あっ、そうだ思い出した。私の部屋にベッドはおろか布団すらないんですけど?」
黄泉川「えっ!? 毛布一枚もなかったじゃんかよ!?」
結標「はい、一枚も」
黄泉川「ああー、参ったなー。あまりの布団なんてウチにはないじゃん」
芳川「こんな状況で、何で結標さんを引き取ろうと思ったのか私は知りたいわね」
164 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:15:36.46 ID:j7mOo5/R0
一方通行「こんな時間に何やってンだ結標?」
結標「ちょっとね。布団がなくて困ってるのよ」
一方通行「あァそういやこの家、今いる人数ギリギリだったしな」
芳川「愛穂……」
黄泉川「なははー」アセ
一方通行「……だったら、俺の使えよ」
結標「………………えっ?」
165 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:17:06.41 ID:j7mOo5/R0
一方通行「だから、俺の使ってる布団使えよって言ってンだよ。俺はソファーで十分だしな」
結標「…………で、でも……」
一方通行「何だァ? 俺なンかが使ってるモンはイヤってかァ? だったら別にいいンだぜ? 地べたに無様にみすぼらしい姿で寝てるがいい」ケラケラ
結標「ぐぬぬ………」
166 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:18:13.07 ID:j7mOo5/R0
黄泉川「でもそしたら一方通行が寒い思いをするじゃんよ。いくら残暑残ってる季節でも夜は寒いし」
一方通行「俺みてェなクズが風邪をひこうが何しようがかまわねェだろう」
黄泉川「そんな風に自分を簡単にクズとか言うのやめたほうがいいじゃん」
一方通行「うっせェな、別にかまわねェだろ、俺がいいって言ってんだしよォ」
黄泉川「………わかった、じゃあ一方通行は私と一緒に寝るじゃん!」
一方通行「はァ?」
結標「えっ!?」
芳川「ぶっ!? ごほっごほっ!!」
167 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:19:19.36 ID:j7mOo5/R0
黄泉川「そうしたら誰も寒い思いはしなくて済むじゃん」
一方通行「オマエ……絶対バカだろ? 自分で何言ったかわかってンのか?」」
黄泉川「何って……そのままの意味じゃん?」
一方通行「ダメだコイツ。完全なバカだわ」
芳川「ダメよ愛穂。彼と一緒に寝て、もし何か間違いでも起きたら……」
黄泉川「ないない」
一方通行「ないない」
168 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:20:28.32 ID:j7mOo5/R0
黄泉川「いくら学園都市第一位とか言っても所詮子供じゃん。子供とそんな間違いが起きるわけないじゃん」
一方通行「つゥか、こンなBBAに発情ヤツなンていンのかよ?」
黄泉川「何ぃー、だったらこの大人の魅力満点のプロポーションを見ても何とも思わないじゃんかよ?」ボンキュッボン
一方通行「はァッ? 何生きた化石が粋がってンだァ? 受精卵に戻ってから出直してこい」
芳川「うわぁ……」
結標「うわぁ……」
一方通行「何ですかァー? 何か文句がある人は挙手してからお願いしまァす」
169 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:21:33.00 ID:j7mOo5/R0
黄泉川「はい! はーい!!」ノ
一方通行「ハーイでは誰も文句がないようなので、今回はこれでお開きとしたいと思いまァす」
黄泉川「おい無視すんな! はい! はーいじゃん!!」ノ
一方通行「うるせェぞカブトガニ。おとなしく博物館に無様に引き返して保護されてろ」
ガンッ!!
一方通行「ゴ……ガァ…………!?」バタ
170 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:22:40.71 ID:j7mOo5/R0
結標「……あ、一方通行?」
芳川「ちょっと愛穂。さすがに六法全書の角で思いっきり殴るのはアウトよ。下手したら殺人になる……」
黄泉川「あー、もう! こんなヤツ知らないじゃん! もう寂しく床の上で凍え死ぬといいじゃん!!」テクテク
芳川「ちょっと愛穂。凍死する前に彼、撲殺されてるわよ」
結標「……あれ? 黄泉川さんって、一方通行の心を開くとか何とか言ってませんでしたっけ?」
芳川「あー、まあ、あれでしょ。将棋に負けた事とか、ストレスとか、将棋に負けた事とか」
芳川「一方通行がムカついたとか、将棋に負けた事とか、そういうのがいろいろ爆発しちゃったんじゃない?」
結標「どんだけ将棋に負けたの悔しがってるんですか……?」
171 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:23:53.10 ID:j7mOo5/R0
芳川「まあどちらにしろ今日はお開きね。じゃあ結標さん、おやすみなさい」
結標「あっ、おやすみなさい」
結標「……………って私の布団とかは!?」
一方通行「………あァ、死ぬかと思った」
結標「あら一方通行。無事だったのね」
172 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:25:04.41 ID:j7mOo5/R0
一方通行「当たり前だ。あンな攻撃で死ぬワタクシじゃあないのでございまするのことよ」
結標「…………えっ? 何て?」
一方通行「そんなことだろうと、勝手にミーの持っていいからね布団」
結標(何か日本語おかしくなってる!?)
一方通行「拙者は定位置就寝でざンすよ。では参られる」
結標「(頭殴られておかしくなったのかしら?)何言ってんのかさっぱりだけど、布団はありがたく貸してもらうわ……」
173 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:26:09.49 ID:j7mOo5/R0
一方通行「………………………………………」zzz
結標「………………………………………」ジー
結標「……眠ったのかしら?」
結標「ふふふ、ありがとね一方通行。そしておやすみなさい」
こうして、騒がしい私の居候生活の初日は幕を閉じた。
174 :
1
[saga]:2012/02/15(水) 21:28:17.29 ID:j7mOo5/R0
今回はここで終わります
ここまで見てくださった皆様ありがとうございました
ちょwwwたかが一日書くだけでこんなにレス使うとかwww
とりあえずキャラ崩壊すいませんでしたm(_ _)m
ではまた書けたら会いましょうノシ
175 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 21:29:52.95 ID:wqqw2jPD0
乙です
176 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 21:38:14.52 ID:FkDtXiKY0
乙
177 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 21:51:48.03 ID:UWq8eRBGo
舞ってる
178 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 21:57:06.83 ID:EBSUQmRKo
乙じゃん
179 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 09:59:36.97 ID:6fr80NHU0
皆さんおはようございます
投下しまーす
180 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:00:31.41 ID:6fr80NHU0
9.早朝
-黄泉川家・黄泉川と打ち止めの部屋-
打ち止め「……………………………」zzz
黄泉川「…………………ごがぁ………」zzz
打ち止め「……………………………………んん」ムク
黄泉川「…………………スピー………」zzz
打ち止め「………………………あれぇ? 朝? ってミサカはミサカはぁ眠い目こすりなにゃがら時計を見てみりゅ」
打ち止め「……………………六時前くらい?」
181 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:01:28.10 ID:6fr80NHU0
打ち止め「…………………………………」キョロ
黄泉川「……………………むにゃ………………」zzz
打ち止め「黄泉川まだ起きてないんだね、ってミサカはミサカは確認してみる」
打ち止め「うーん、二度寝してもいいんだけど、もしまた寝て次起きると時間が九時とかぐらいだったら時間を無駄にした感じがするしなー、ってミサカはミサカは考えてみる」
打ち止め「……………………………………………」
打ち止め「よし、今起きよう、ってミサカはミサカは早起きを決行してみる」
182 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:02:07.42 ID:6fr80NHU0
-黄泉川家・リビング-
一方通行「……………………………」zzz
一方通行「…………………………おァ?」ムク
一方通行「いつの間に寝てたンだ? つゥか今何時だ?」キョロ
一方通行「………………六時くらいか」
一方通行「…………てか、何でリビングのカーペットの上で俺は寝てたンだ?」
一方通行「昨晩黄泉川と将棋をしてからの記憶が全然ねェンだが……」
一方通行「俺まで記憶喪失とか言ったら洒落になンねェぞ」
一方通行「………何か頭がやけに痛むンだが」ズキ
183 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:02:37.08 ID:6fr80NHU0
一方通行「……………………………………」
一方通行「……………コーヒーでも飲むか」ムク
一方通行「えェと、冷蔵庫の中にたしか一本くらいあったはずだが……」ガチャ
一方通行「………………………………」
一方通行「クソッ、切らしてたか」チッ
184 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:03:25.24 ID:6fr80NHU0
一方通行「あァ、カフェイン中毒者からしたら、朝コーヒーが飲めないと発狂してしまそうなンだが」
一方通行「って言っても、朝起きるなンて久しぶりだけどな」
一方通行「………めンどくせェけど買いに行くか」
ガラッ
打ち止め「……………誰か起きてるの?」
一方通行「打ち止めか。やけに起きるの早ェな」
185 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:03:58.55 ID:6fr80NHU0
打ち止め「あなたこそいつもお昼前後くらいに起きるのに、ってミサカはミサカは早起き一方通行に驚いてみたり」
一方通行「まァ、目が覚めたもんはしょうがねェだろ。つゥか頭がやけに痛むのが気になって寝てられねェよ」
打ち止め「ミサカは二度寝の欲望に打ち勝って早起きしたんだよ! ってミサカはミサカは胸を張って自慢してみる」エヘン
一方通行「黄泉川はまだ起きてねェのか?」
打ち止め「うん。ぐっすり眠ってたよ、ってミサカはミサカは報告してみる」
一方通行「……………………………」グゥ
打ち止め「……………………………」グゥ
186 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:04:39.08 ID:6fr80NHU0
打ち止め「な、何だかお腹が空いたかも、ってミサカはミサカはお腹を押さえて恥ずかしながら報告してみる///」
一方通行「そうだなァ。久しぶりに早起きとかくだらねェことしちまったから、腹が減ったな」
一方通行「コンビニで適当な食いモン買ってくるわ。何か食いてェモンあるか?」
打ち止め「うーん、そうだなぁ……」
打ち止め「一方通行が作った目玉焼きとか食べたい、ってミサ「じゃあ行ってくるわ」って、無視しないで!」ガーン
187 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:05:15.11 ID:6fr80NHU0
打ち止め「ミサカもコンビニ行きたーい! ってミサカはミサカは駄々こねてみたり」
一方通行「あァ? 家にいろ」
打ち止め「ミサカも買い物とかしたーい! ってミサカはミサカはさらに食い下がってみる」
一方通行「こちらからしたら、ワイワイギャアギャア走りまわられると、何かと面倒なンだよ」
打ち止め「じゃあ走りまわらないようにするから、お願い! ね? ってミサカはミサカは上目遣いでお願いしてみる」
一方通行「……………………………………」
188 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:06:16.39 ID:6fr80NHU0
打ち止め「お願い!」
一方通行「……………チッ、勝手にしやがれ」
打ち止め「わーい! ありがとうってミサカはミサカは歓喜のあまり抱きついてみたり」ガシ
一方通行「だァー、引っ付くな離れろ」
一方通行「……そォだ、オマエも出るンだったら一応書き置きとかしとくか」
打ち止め「え、何で? ってミサカはミサカは突然の変わった行動について疑問に思ってみる」
一方通行「こンな朝っぱらから二人して家を出てたら、黄泉川とかが……えっと……その、あれだ、心配するだろうが」
打ち止め「そっかぁー。それは盲点だったね」
189 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:07:18.08 ID:6fr80NHU0
一方通行「とりあえず、このチラシの裏にでも書いとくか。えーと……」
一方通行「『ガキと一緒に朝飯買いにコンビニ行ってくる
欲しいモンがあったら俺の携帯に電話しろ
運が良かったら買ってきてやる
一方通行』っと」
一方通行「……こンなモンか、じゃあ行くぞ」
打ち止め「あ、待ってぇー、ってミサカはミサカはあなたの後を追ってみる!」
190 :
1
[saga]:2012/02/16(木) 10:09:23.81 ID:6fr80NHU0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございます
今回はちょっと短気がするが気のせいだと信じたい
ではまた書けたら会いましょー
191 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 11:43:04.47 ID:8xZlBGZ40
おつおつ
192 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 18:39:12.57 ID:1V3tGSrR0
皆さんこんばんは
やっと家に帰ってこられてぜ
と言う訳で今日も21:00位に投下しようと思います
193 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/02/17(金) 20:53:11.25 ID:hUJt99vVo
把握
194 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:00:36.51 ID:1V3tGSrR0
11.コンビニ
-近くのコンビニまでの道中-
打ち止め「お出かけ、お出かけ、るんるんるん、ってミサカはミサカはうきうき気分でスキップしてみたり」
一方通行「オイ、走らねェ約束じゃァねェのかよ」
打ち止め「走ってないよスキップだよ、ってミサカはミサカは屁理屈を言ってみる」
一方通行「どちらにしろ杖付きの俺には追いつけねェじゃねェか」
打ち止め「だから何のための能力(ry」
一方通行「こちとら能力の使用に十五分間の使用制限があるンだよ。そンな無駄なことに使ってたまるか」
195 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:05:14.15 ID:1V3tGSrR0
>>194
すみません。今回は11じゃなくて10ですね
打ち止め「しかし、この時間帯ってすごいね。太陽の光が何と言うか……朝なのに夕焼けみたい、ってミサカはミサカは空を見上げながら感想を述べてみる」
一方通行「………朝焼けぐれェふつうに見ねェのか」
打ち止め「ミサカはこんな風景初めて見たよ、ってミサカはミサカは朝にも夕焼けがあると言う事に感動を覚えてみる」
一方通行「あァ、そうか。オマエはこンな時間帯に外になンて出たことねェのか」
打ち止め「うん! ってミサカはミサカは返事をしてみる」
196 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:05:58.41 ID:1V3tGSrR0
一方通行(今まであのガキに何かあったら、と思って外に出させないようにしてたが)
一方通行(それってあれだよな。監禁しているのと同じだよなァ)
一方通行(これじゃァ、あのガキを守るところか逆に傷つけてしまうのかもな……)
一方通行「なァ打ち止め」
打ち止め「えっ? 何?」
一方通行「オマエ遊園地とか行きたいとか言ってなかったっけ?」
197 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:07:09.04 ID:1V3tGSrR0
打ち止め「うん。いっつもテレビとかで見る度行きたいと思っちゃうの」
打ち止め「だからミサカを連れて行ってくれたりすると、ミサカはミサカは幸せ指数が八十ほどアップしてみたり」
一方通行「………………………わかった。連れていってやるよ」
打ち止め「……………えっ!? 今何て言った?」
198 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:08:10.43 ID:1V3tGSrR0
一方通行「だから連れて行ってやるって言ったンだよ、その……遊園地に」
打ち止め「え、え、えっ? ウソ!? もしかして今日は季節外れの雪が降ってくるんじゃ、ってミサカはミサカはあなたの放った言葉に驚愕を覚えてみたり」
一方通行「あァ? 何を言ってやがンだ?」
打ち止め「そ、そうか。何だこれは夢だ夢。きっと次のシーンで布団からガバッッて起き上がるミサカが映るはず」
打ち止め「そしてその後、『何だ、ただの夢か』って言葉と共に起床するに違―――」
一方通行「………………………」ビシッ
199 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:08:40.14 ID:1V3tGSrR0
打ち止め「いったぁ!? 何するの? チョップされるようなことをした覚えのないのに、ってミサカはミサカはチョップされたことに疑問を持ってみたり」
一方通行「痛い、ってことはこれは夢じゃねェな。よかったじゃねェか」
打ち止め「おおお、そうか。夢か現実かをはっきりさせるためにあなたはミサカをチョップしたのね、ってミサカはミサカは感心してみる」
打ち止め「ってええええええええええええええええええ!?」
一方通行「うるせェぞ。ご近所様に迷惑だろが」
200 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:09:28.14 ID:1V3tGSrR0
打ち止め「えっ!? ほんとに遊園地に連れて行ってくれるの? ってミサカはミサカはあなたの頭がおかしくなったんじゃないか、と心配しながらも聞いてみる」
一方通行「あァ? そンなこと言うンだったら連れていかねェぞ」
打ち止め「わー、うそうそ! 行きたい行きたいです! ってミサカはミサカは必死にアピールしてみる」
一方通行「ハイハイわかりましたよォっと。じゃあまたいつかな」
打ち止め「えぇー! 今日行くんじゃなかったのぉ? ミサカ的には今日行くようなスタンスで話してたんだけど、ってミサカはミサカはガッカリしてみる」
一方通行「バカかオマエ。すぐのすぐにそンな大それた場所に行けるわけねェだろうが」
打ち止め「ぶー、まあいっか。遊園地に行けると決まっただけミサカにとってはかなりのラッキーだもんね、ってミサカはミサカはにししと笑ってみる」ニシシ
一方通行「………………………ったく、めンどくせェ」
201 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:10:19.05 ID:1V3tGSrR0
-マンション近くのコンビニ-
打ち止め「わーい、やっと着いた、ってミサカはミサカはハシャイでみる」
一方通行「頼むから店の中ぐれェ静かにしてくれよ」
打ち止め「了解、ってミサカはミサカは返事をしてみる」
ガララ、ピンポーン!
打ち止め「念願のコンビニだイエーイ!! ってミサカはミサカは勢いよく入店してみる!」
一方通行「クソガキがァ! 早速約束守れてねェじゃねェか!」
202 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:11:00.39 ID:1V3tGSrR0
店員「いらっしゃいませ、とミサカは迷惑な客にも冷静に挨拶をします」
打ち止め「わあぁ、コンビニって思ったより広いんだね、ミサカはミサカは感想を述べながら走ってみる」タタタ
一方通行「オイ、転んでも知らねェぞ。あと、一言も喋るなクソガキ」
店員「……こんな時間に珍しいですね、とミサカは時計を見ながらあなたに話しかけます」
一方通行「おォ、オマエか。毎日ご苦労なこった。ええと……」
203 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:11:57.42 ID:1V3tGSrR0
御坂妹「10032号です、とミサカは自分の検体番号をため息交じりに名乗ります」
一方通行「しかも、こんな住処から遠いコンビニまでわざわざ本当にご苦労なこった」
一方通行「たしか研修だっけか?」
御坂妹「はい。社会に出ていろいろなことを勉強してこいと、ミサカは冥土帰し言われた事をそのまま復唱します」
一方通行「しかし、よりよって何でこンな悪環境な場所で働こうと思ったンだ?」
御坂妹「まあいろいろ理由があるんですよ、とミサカは意味深な言葉を吐きます」
一方通行「ふーン……」
204 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:12:33.08 ID:1V3tGSrR0
御坂妹「ところで、今日は上位個体も一緒なのですね、とミサカはあそこではしゃいでいるクソガ……上位個体を見てあきれながら呟きます」
一方通行「あァ、たまたま同じ時間に起きちまったからな」
御坂妹「あなたがこんな朝早くにコンビニに出向くのもたまたまですか? とミサカは一方通行の頭の寝癖を見ながら質問してみます」
一方通行「こればかりは俺にもわかんねェな。昨日の夜の記憶がなぜかぶっ飛んでて、いつ寝たかも曖昧だしな」
御坂妹「まさか飲酒して酔っぱらってしまって記憶が飛んだんじゃあ……とミサカは未成年の飲酒は絶対にやめましょうと注意を呼びかけます」
一方通行「俺がンなモン飲むわけねェだろうが……あァ、でも」
御坂妹「でも……?」
205 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:14:31.63 ID:1V3tGSrR0
一方通行「何か頭が痛てェンだよな。頭痛って感じじゃあねェンだけど……」
御坂妹「それは完璧に二日酔いの症状ですね、とミサカは即座に指摘します」
一方通行「違うんだよなァ」
御坂妹「何がですか? とミサカは今から言い訳でも言うであろう一方通行に嫌気をさしながら聞いてみます」
一方通行「頭痛っていうのは頭の内側の部分が痛むじゃねェか? 俺の場合外側の部分、主に頭頂部辺りが痛むンだよなァ」
御坂妹「……つまり、一方通行は別に酒を飲んで酔っ払って記憶が飛んだわけでなく、何ものかに頭部を殴られて記憶が飛んだ、そう言いたいわけですね? とミサカは情報を整理しつ
つ確認します」
一方通行「まァそういうことだ。って言っても殴られたかどうかはわかンねェけどな」
206 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:15:01.78 ID:1V3tGSrR0
御坂妹「まあその話は置いといて、ミサカから良い情報を提供してあげましょう、とミサカは綺麗に話題を転換させます」
一方通行「……その話の切り替えが綺麗かどうかは置いといて、何だ? その良い情報ってのは」
御坂妹「今日から缶コーヒーの新商品が発売されているので買ってみてはどうですか? とミサカは一方通行に販促してみます」
一方通行「おっ? そりゃ良い情報だな。今飲ンでるヤツが飽きてきた所だったしな、ちょっと行ってくるわ」ノシ
御坂妹「ではごゆっくり、とミサカは心にもない事を言います」
207 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:15:55.43 ID:1V3tGSrR0
打ち止め「わぁー、いろいろなお菓子がいっぱいあるー、ってミサカはミサカは目をきょろきょろと泳がしてみたり」
一方通行「何見てンだよ。朝飯買いに来たンじゃねェのか?」
打ち止め「ええー、今日のおやつも買っちゃおうよー、ってミサカはミサカは腕の中いっぱいのおかしをあなたの持っている籠に全部投下しちゃってみたり」
一方通行「どンだけ食うつもりだクソガキ……」
打ち止め「ミサカは実は大食いキャラなのでこれくらい余裕なのだー、ってミサカはミサカは設定を後付けしてみる」
一方通行「ウソつくンじゃねェよ。この前、お腹いっぱいとか言って晩飯残したヤツが大食いなわけねェだろうが」
打ち止め「ちっ、ってミサカはミサカは舌打ちしてみる」
208 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:17:25.24 ID:1V3tGSrR0
一方通行「今日の分買うンだったら、どれか一つにしろ」
打ち止め「じゃあじゃあ、一週間分をまとめて買うと言う事で―――」
一方通行「どォせ一日で食っちまって、晩飯の時にまた、お腹いっぱいとかほざく気だろうから無理」
打ち止め「ちっ、見透かされてたか、ってミサカはミサカは本日二度めの舌打つをしてみたり」
一方通行「つゥわけで、とっとと菓子を選んじまえよ。俺は早く家に帰って腹を満たして二度寝の続きをしてェンだ」
打ち止め「ぶー、じゃあミサカはせっかくだからこの赤い方のお菓子を選ぶぜ、ってミサカはミサカはポテトチップスを手に取ってみる」
209 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:18:31.98 ID:1V3tGSrR0
一方通行「とっとと朝飯何食うか決めちまえよ」
打ち止め「じゃあミサカは朝ごはんにこのチョコレートを「菓子以外な」ちっ、ってミサカはミサカは三度目の舌打ちをしてみる」
打ち止め「というか、そろそろミサカのボキャブラリーがないと思われそうなので、ミサカはミサカはもう舌打ちはやめようと心の中で決心してみたり」
210 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:19:31.42 ID:1V3tGSrR0
一方通行「……えェと、あァこれか。アイツが言ってた新商品ってのは」
一方通行「……ふむふむ。まァ、悪くねェンじゃねェの?」
一方通行「とりあえず、ここは様子見に十本だけ買ってみるか……」
一方通行「…………………………………」ガチャガチャ
一方通行「……念のために、いつも買ってた分も保険として五本買っとくか……」ガチャガチャ
211 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:22:05.47 ID:1V3tGSrR0
打ち止め「うーん、よし! ミサカはとりあえず無難にサンドイッチのミックスサンドを選ぶぜ、ってミサカはミサカはサンドイッチを手に取ってみる」
一方通行「おォ、それで良いのか?」ガチャガチャ
打ち止め「うん! って何このがちゃがちゃ音?」
一方通行「あァ、俺の持ってる籠だろ」
打ち止め「って、えええ! 何この缶コーヒーの多さ!?」
打ち止め「あなただけこんなに買って、ミサカはおかし一袋ってなんかずるい!! ってミサカはミサカはこの不平等さについて抗議してみる!」
一方通行「あァ? 良いだろうが別に。そもそも俺の金だし」
212 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:22:46.82 ID:1V3tGSrR0
打ち止め「みーさーかも籠いっぱいのお菓子食べたいー!! ってミサカはミサカは駄々こねてみる」
一方通行「飲み物は飲み物、お菓子はお菓子ですよォと」
打ち止め「お願い! ミサカもたくさんのお菓子が欲しい、ってミサカはミサカは必殺上目遣いでお願いしてみる」
一方通行「……………………………」テクテク
打ち止め「……………………………」
一方通行「すいませーン、お会計お願いしまーす」
打ち止め「く、さすがに同じ手は通じないか……ってミサカはミサカは手と膝をついて残念がってみる」orz
213 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:23:40.92 ID:1V3tGSrR0
御坂妹「―――BASS STRONGBLACKが五点、ミックスサンドが一点―――」ピピ
一方通行「…………………………………」
御坂妹「合計で二四七五円になります、とミサカは代金を請求します」
一方通行「カードで」
御坂妹「かしこまりました、とミサカは袋詰めしながら了承します」ガサガサ
一方通行「…………ン」ピ
打ち止め「あれー、10032号? 何でこんなところにいるの? ってミサカはミサカは変なエプロンを着た10032号に質問してみる」
214 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:25:34.54 ID:1V3tGSrR0
御坂妹「ああこれはこれは、散々大量のおかしをあらゆる手で要求したあげく入手できたのは結局ポテトチップス一袋だけの上位個体ではありませんか、とミサカは腹の中で笑いながら挨拶をします」
打ち止め「ぶー、そんなことより質問に答えてよ、ってミサカはミサカは何かムカつく10032号に再度質問してみる」
御坂妹「また同じ説明をするのは面倒なので、それについての情報をミサカネットワークを介して上位個体に送ります、とミサカは袋詰めしながら電波を送ります」ガサガサ
打ち止め「…………ちょっとー! その情報『かくかくしかじか』としか書いてないよ! ってミサカはミサカはあからさまに説明する気のない10032号に文句を言ってみたり」
御坂妹「……はあ、こんなジョークで顔を真っ赤にするなんて上位個体もまだまだクソガk……子供ですね、とミサカはこんなことで涙目になってる上位個体を見下ろしながら鼻で笑います」フン
215 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:28:47.03 ID:1V3tGSrR0
御坂妹「では本物の情報を送ります、とミサカは商品の入った袋を一方通行に渡しながら本物の情報を上位個体に送り付けます」ビビ
一方通行「……ン」ガサ
打ち止め「………『借金取りに追われているので、ここでお金をつくって借金を返すため』……か」
打ち止め「へー、なんかすごいことになってるんだねー、ってミサカはミサカはかわいそうな10032号に憐みの視線を浴びせてみる」
御坂妹「ではかわいそうな下位個体のためにとっとと上位個体には帰って欲しいのですが、とミサカは明らかに仕事の邪魔になってる下位個体にこの店から出る事を要求します」
一方通行「とっとと帰ンぞクソガキ」
打ち止め「あっ、待ってー! ってミサカはミサカはあなたの後を小走りで追ってみる」
御坂妹「ありがとうございました! またお越しくださいませ、とミサカは接客マニュアル通りのテンプレあいさつを言いながら、上位個体はもう来るなと密かに思います」
216 :
1
[saga]:2012/02/17(金) 21:32:59.61 ID:1V3tGSrR0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで読んでくださったみなさんありがとうございました
今回はゲストとして妹さんを出してみました
妹達が出ると、セリフが横に伸びてしまうなw
あと妹達の語尾はボキャ不足の私には難しすぎるorz
ではまたノシ
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/17(金) 21:39:51.60 ID:GDI5tZO60
乙
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/18(土) 00:02:01.54 ID:nLEpBAXDO
妹は何で借金なんかあるんだww
おつ
219 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/02/18(土) 00:04:50.82 ID:8AEs4w0Co
妹達の語尾は難しいよね
俺もSS書いた時に苦戦した
220 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 20:20:05.41 ID:qBum0j6T0
みなさんこんばんわ
今回も21:00辺りに投下したいと思います
とその前に……
いろいろ読み返して気付いたんですが、
このSS誤字脱字あり過ぎワロタwww
だったので、ちょっと訂正します。
>>218
御坂妹「上位個体に適当にあしらうための嘘ですよ、とミサカは懇切丁寧に説明します」
221 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 20:22:55.98 ID:qBum0j6T0
訂正
>>83
黄泉川「あー、お前ら静かにするじゃん!! せっかく作った特製煮込みハンバーグが冷めちゃンじゃンかよ!!」
↓
黄泉川「あー、お前ら静かにするじゃん!! せっかく作った特製煮込みハンバーグが冷めちゃうじゃんかよ!!」
>>128
『空間移動』→『空間移動能力者』
>>145
と
>>146
の間に
結標「………………そうだ! さらしだ!」
結標「そうそうお祭りとかで、女の人が半纏とかの下に着るヤツだ」
結標「………………………………」
結標「さっきの制服とこれを組み合わせてみると……」
結標「スカート穿いた状態でブレザー羽織って、その下にさらしを巻く……」
結標「…………………………………」
結標「さっきよりマシにはなったけど、どちらにしろこれって露出狂じゃない?」
結標「………………………はぁ」
を追加
>>168
一方通行「つゥか、こンなBBAに発情ヤツなンていンのかよ?」
↓
一方通行「つゥか、こンなBBAに発情するヤツなンていンのかよ?」
>>215
御坂妹「ではかわいそうな下位個体のためにとっとと上位個体には帰って欲しいのですが、とミサカは明らかに仕事の邪魔になってる下位個体にこの店から出る事を要求します」
↓
御坂妹「ではかわいそうな下位個体のためにとっとと上位個体には帰って欲しいのですが、とミサカは明らかに仕事の邪魔になってる上位個体にこの店から出る事を要求します」
たくさんあり過ぎて本当に申し訳ありませんでしたm(_ _)m
まだあるかもしれませんので、見かけたら申しつけてください
222 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:00:19.39 ID:qBum0j6T0
では投下始めまーす
223 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:01:10.87 ID:qBum0j6T0
11.始まりの朝
-黄泉川家・結標の部屋-
結標「……………………………………」zzz
結標「……………………………んん」
結標「………………………………朝?」ムク
結標「……………………………」
結標「……………………………」クンクン
結標「……………何この匂い。何か一方通行の匂いが……」クンカクンカ
結標「!?」バッ
224 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:02:23.82 ID:qBum0j6T0
結標(ちょっとこれ一方通行の布団じゃない!?)
結標(なんで一方通行の布団が私の部屋にあるのよ!?)アセ
結標「……………………………………………」
結標「………よくよく思い出したら昨日の夜、頭のおかしくなった一方通行に布団借りてたわね」
結標「……ふぅ。何取り乱してるのよ私は」
結標「そういや一方通行は起きてるかしら? 布団返さないと……」
結標「あんな感じだからまだ寝てそうだけど……」
結標「とりあえず起きるか」ヨイショト
225 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:03:37.52 ID:qBum0j6T0
-黄泉川家・リビング-
ガラッ
黄泉川「おお淡希。おはようじゃん!!」
結標「あっ、おはようございます!」
黄泉川「朝ごはん作ってあるから、顔洗ってくるじゃん」
結標「あ、はい」
226 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:05:24.63 ID:qBum0j6T0
-黄泉川家・洗面所-
結標(うーん、あのテーブルの上……トーストの乗った皿その他exが二セットという状況から推測すると……)ジャー
結標(一つは確実に私の分だけど、もう一つは一方通行のかしら?)バシャバシャ
結標(芳川さんは話した感じはしっかりしてそうだから、芳川さんのじゃあないわよね)キュッキュッ
結標(子供は何か早起きってイメージがあるから打ち止めちゃんのではないかな?)ゴシゴシ
結標(やっぱり一方通行で間違いないと思うわ、たぶん)
227 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:06:44.35 ID:qBum0j6T0
-再びリビング-
芳川「………あら結標さんおはよう」モシャモシャ
結標「お、おはようございます」
芳川「あらどうしたの? その珍しい物を見るみたいな目は」ゴクゴク
結標「あ、いえ」ガラ
黄泉川「淡希は飲み物はどうするじゃん? 牛乳、ウーロン茶、麦茶、緑茶、コーヒー、ココア。この中から選ぶじゃん。もちろんMIXもオッケイじゃん!」
結標「何そのドリンクバーでやるような遊び? コーヒーでお願いします」
黄泉川「了解じゃん!」ガチャ
228 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:07:32.28 ID:qBum0j6T0
結標「………………………………」
芳川「………………………………?」モシャモシャ
黄泉川「はい、コーヒーじゃん」カチャ
結標「あ、ありがとうございます……」
黄泉川「〜〜♪」
結標「………………………………」
芳川「……………どうかしたの?」
結標「………いえ、ちょっと」
芳川「?」
229 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:08:35.13 ID:qBum0j6T0
結標「黄泉川さん。昨夜はあんなに機嫌悪かったのに今は上機嫌だなあって」
芳川「ああ、それなら大丈夫よ」
結標「? どうしてですか?」
芳川「愛穂はそういうのは寝るだけで解消するから、次の日に不機嫌持ち越しとかはしないの」
芳川「まあ、つまり、簡単に言えば単純ってこと」
黄泉川「誰が単純だって?」ゴツン
芳川「痛っ? もう愛穂ー」
ワイワイガヤガヤ
結標(二人は本当に仲がいいんだなー)モシャモシャ
230 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:09:52.05 ID:qBum0j6T0
結標「あ、そういえば」
芳川「今度はどうしたの?」
結標「一方通行はもう起きてますか?」
黄泉川「一方通行は私たちが起きる前から起きてたじゃん」
結標「えっ? そうなんですか。なんか意外ですね」
芳川「そうなの。私たちからしても意外だったわ。居候生活初じゃない? 彼が朝起きたの」
結標「本当に昼夜逆転生活してたんですねー」
231 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:11:46.77 ID:qBum0j6T0
芳川「と言うより、彼は睡眠時間が極端に長いのよ」
結標「長い?」
芳川「一日十時間睡眠とかもう普通だったし、すごい時なんて夜八時に寝て、次の日の昼の三時に起きるなんて事があったのよ」
結標「ちょっと、それって一日の四分の三以上寝てるじゃないですか!?」
芳川「普段からあんな低燃費なのに、どうしてそんなに睡眠できるのか私には理解ができないわ」
結標「たしかにそうですね……」
232 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:12:42.56 ID:qBum0j6T0
芳川「……そういえば愛穂?」
黄泉川「何?」
芳川「あの二人の姿が見えないんだけど……どっか行ってるの?」
黄泉川「これを見ればわかるじゃん」つメモ
芳川「………………………………………」
結標「………………………………………」ノゾキ
―――――――――――――――――――――――――――――――
ガキと一緒に朝飯買いにコンビニ行ってくる
欲しいモンがあったら俺の携帯に電話しろ
運が良かったら買ってきてやる
一方通行
―――――――――――――――――――――――――――――――
233 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:13:37.78 ID:qBum0j6T0
芳川「……へえ、あの子がねえ……ほんと今日は珍しい日ね、雪でも降るんじゃない?」
結標「……? そんなに珍しいんですか? これ」
黄泉川「一方通行は、打ち止めの事を心配していつも打ち止めが外出しようとするのを止めてたじゃん」
黄泉川「だから、早起き、打ち止めと外出、極めつけにはこんな書き置きなんて残されたらもう珍しいとしか言いようがないじゃん」
結標「へー、そうなんですか……」モグモグ
234 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:14:37.09 ID:qBum0j6T0
芳川「そういえば、欲しいものがあったら電話しろとか書いてあるから、電話したら買って来てくれるかしら?」
黄泉川「うーん、多分もう間に合わないと思うじゃん。この子らがいつここを出ていったのかわからないけど」
芳川「大丈夫よ。どうせ打ち止めが必死に駄々こねて時間稼ぎをしているはず……!」ピピピ
結標「……本当に大丈夫なのかしら?」ゴクゴク
芳川「……………………………!」プルルルルピッ
一方通行『…………もしもし』
235 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:15:58.15 ID:qBum0j6T0
芳川「一方通行。私パシリで定番のやきそばパンが欲しいんだけど」
一方通行『……はァ、わざわざ電話をかけてきたと思ったら、人をパシリ扱いとか舐めてやがるンですかァ?』
芳川「どうせまだコンビニでもたついてるんでしょ? だからやきそばパンが欲しい」
一方通行『どンだけやきそばパン欲ィンだよ? まあ残念ながらその願いはかなえられねェぜ』
芳川「どうして?」
一方通行『どうしてって、そりゃ……』
ピンポーン
<カエッテキタヨーッテミサカハミサカハオオゴエデホウコクシテミル
<ウルセェゴキンジョサマニメイワクダロウガ
一方通行『……つゥわけで、ここのカギ開けてくれ』
芳川「…………………はい」
236 :
1
[saga]:2012/02/18(土) 21:18:18.34 ID:qBum0j6T0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
今さらながら、このいちいちカギ開けてくれーのシステムに違和感を感じてきた
ちなみに一方さんの睡眠時間は実際は知りません
ではまたノシ
237 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/02/18(土) 21:58:22.57 ID:asBQIU+ko
乙!
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/02/19(日) 10:45:40.29 ID:QW5HDjrS0
おつ
一方さん寝すぎワロタ
身長伸ばしたいのかなwwww
239 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:34:54.33 ID:nJRVvPS70
みなさんこんばんわ
書けたので投下しまーす
240 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:36:02.13 ID:nJRVvPS70
12.食卓にて
-黄泉川家・食卓-
打ち止め「サンドイッチうまー、ってミサカはミサカはサンドイッチを頬張りながら感想を言ってみる」モグモグ
一方通行「食いながら喋ってンじゃねェよ。行儀悪りィだろうが」
打ち止め「はーい、ってミサカはミサカはサンドイッチに入っているハムを味わいながら返事をしてみたり」モシャモシャ
一方通行「だから喋んなっつってンだろ!」
241 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:36:35.16 ID:nJRVvPS70
芳川「……しかし、キミがこんな時間にここにいるって言うのは本当に珍しいわね」
一方通行「あァ? たまたま起きただけだ」
一方通行「つゥか、頭に謎の痛みが襲いかかってきてるっつゥのに、やすやすと寝てられるかってンだ」
黄泉川「!?」ギク
一方通行「? どうした黄泉川?」
黄泉川「一方通行……その……」
一方通行「?」
242 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:37:12.36 ID:nJRVvPS70
黄泉川「昨日はごめんじゃん」ペコリ
一方通行「はァ?」
黄泉川「ついカッとなっちゃって……本当にすまないと思ってるじゃんよ」
一方通行「………オマエは何を言ってンだ?」
黄泉川「………え?」
一方通行「俺にはオマエが何言ってンのかさっぱりなンだけどよォ」
打ち止め「一方通行は昨晩の記憶がないらしいんだよ、ってミサカはミサカはタマゴサンドを手に取りつつ解説してみたり」ハム
芳川「愛穂……」
黄泉川「と、とりあえずほんとごめんじゃん!」
一方通行「…………まァ、どォでもいいけどよ」
243 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:38:19.74 ID:nJRVvPS70
結標「そういえば一方通行?」
一方通行「何だ?」
結標「布団を貸してくれてありがとね。助かったわ」
一方通行「布団? 俺、布団なンか貸したか?」
結標「まあ貴方には覚えがないでしょうけどね。この状況なら……」
黄泉川「そうだ!」
一方通行「ンだよ、いきなり大声なンか出しやがって……?」
黄泉川「一方通行にちょっと頼みがあるじゃん?」
244 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:39:19.59 ID:nJRVvPS70
一方通行「…………言ってみろ」
黄泉川「今ウチには淡希の布団だけないじゃん」
一方通行「そォいやそうだな。……あァ、だから昨晩俺が結標に布団なンて貸すとかいう展開になったのか」
結標「本当に記憶が飛んでるのね」
黄泉川「そこで一方通行には、今日、淡希と一緒に買い物に出かけて欲しいじゃん」
一方通行「買い物だァ?」
結標「え?」
245 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:40:27.92 ID:nJRVvPS70
黄泉川「まだここに居候しにきて間もないじゃん。だから服とかいろいろ必要なものを今日一気に揃えときたいじゃん」
一方通行「そりゃァ、まあ、そうだろうけどな」
一方通行「だが、何で俺?」
黄泉川「いっつも暇そうにソファーで昼寝してるじゃん」
黄泉川「残念ながら、私は平日は教員としての仕事があるじゃん」
一方通行「まァそうだな……だけどよォ」
246 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:41:19.81 ID:nJRVvPS70
一方通行「同じ暇なら芳川でいいだろうが。同性が一緒の方が結標も買い物しやすいンじゃねェのか? そうだろ結標?」
結標「ん? あ、ええ、まあ……」
黄泉川「桔梗は今日は部屋に籠って作業しなきゃいけないって言ってたから無理じゃん」
一方通行「あァ? そンなのどォせ口から出まかせだろ……ってあの野郎! いつの間に消えやがった!?」キョロキョロ
打ち止め「じゃあミサカが行くー、ってミサカはミサカは第三勢力としてこの話し合いに参戦してみたり」ノ
一方通行「オマエは家に引きこもってろよクソガキ」
打ち止め「ぶーぶー」
247 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:41:56.24 ID:nJRVvPS70
一方通行「つゥわけで、消去法で俺に回ってくるってわけか……」ハァ
結標「あのー、私一人で行くって言う選択肢はないんですか?」
黄泉川「じゃあ淡希は布団がどこに売ってるのかとか知ってるじゃん?」
結標「え? そ、それは……」
黄泉川「じゃあ服はどこで買うのかは?」
結標「それは聞いたことある。たしか『セブンスミスト』とか言う名前の店だったような」
黄泉川「じゃあそれがどこあるかは?」
結標「……ぐぬぬ」
248 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:42:22.46 ID:nJRVvPS70
黄泉川「ハイじゃあ決まり! 一方通行よろしく頼むじゃん」
一方通行「わかったわかった、行けばいィンだろ行けば」
打ち止め「ミサカも行きたーい、ってミサカはミサカは自己の存在を主張してみる」ノ
一方通行「いいから留守番してろ」
打ち止め「ぶーぶー!!」
249 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:43:17.69 ID:nJRVvPS70
黄泉川「じゃあ、私はこれから学校に行くじゃん。昼ごはんは冷蔵庫の中に入れてあるから、チンして食べるじゃん」
黄泉川「いってきまーす!!」ノシ
打ち止め「いってらっしゃーい!! ってミサカはミサカは手を振りながら見送ってみたり」ノシ
結標「…………何かごめんね、私の無知のせいで……」
一方通行「別にオマエは悪くねェよ」
一方通行(実質悪いのは記憶喪失にさせた俺だしな)
一方通行「……まァとりあえず、出発は昼過ぎってことでいいか?」
結標「えっ? こういうのって昼までに終わらせてしまうのが得策じゃないの?」
一方通行「そうだろうけどな。だけど……」
結標「だけど?」
250 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:44:18.15 ID:nJRVvPS70
一方通行「悪りィが久しぶりにこンな時間に起きたから眠いンだよ」フワァ
結標「あ、そう」
一方通行「昼過ぎぐらいになったら起こしてくれ」ゴロン
結標「う、うん。わかったわ」
一方通行「……………………………………」
結標「って、昼過ぎって、貴方は昼ごはんは食べなくていいの?」
一方通行「……………………………………………」
結標「?」
一方通行「……………………………………………」Zzz
結標「って、寝るの早っ!?」ガーン
打ち止め「たぶん、あの人の寝るスピードはギネスに登録されてもいいくらいに早いよ、ってミサカはミサカはごちそうさまをしながら解説してみたり」
251 :
1
[saga]:2012/02/19(日) 18:47:03.00 ID:nJRVvPS70
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
ついにスレの四分の一に辿り着きましたね
だけど信じられるか? 物語的にまだ二日目の朝なんだぜ?
まあ、行き当たりばったりだけどこれからもよろしくおねがいしますm(_ _)m
252 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/02/19(日) 21:11:31.24 ID:08dcsoR2o
おつ!
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/19(日) 21:50:13.20 ID:35/7CfzQo
かれ!
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/19(日) 22:03:41.67 ID:v5/9Eszso
さま!
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(静岡県)
[sage]:2012/02/19(日) 22:04:47.28 ID:6e6KSyMuo
ですの!
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/02/19(日) 23:24:48.03 ID:GJ5sIT3AO
おつ!
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/02/19(日) 23:38:27.75 ID:QW5HDjrS0
乙です
この一方さんならのび太と競える……寝るスピードを
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
:2012/02/20(月) 10:35:15.47 ID:JPDd8jyAO
良スレ
259 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:49:54.74 ID:fO+Gt3HH0
みなさんこんばんわ
やっとPCが使えるようになったので投下します
260 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:51:14.15 ID:fO+Gt3HH0
13.淡希と打ち止め
-黄泉川家・リビング-
結標「……ふぅ、しかし昼まで待つのは退屈ね」←寝巻から私服に着替えた
打ち止め「あれー、アワキお姉ちゃん。その腰に着けてる黒い者は何? ってミサカはミサカは珍しい物体に興味が湧いてみたり」
結標「ああ、これ? ちょっと変わった懐中電灯よ」カチピカッ
打ち止め「うわ眩しい! ってミサカはミサカは突然の強力な光に目を眩まされながら驚いてみる」
261 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:51:59.07 ID:fO+Gt3HH0
結標「一般的に売ってる懐中電灯と違って何かこれ大きいし、光りの強さも違うし、ちょっと変わってるのよね」
打ち止め「それで、アワキお姉ちゃんは何でそんな変なものを腰に着けてるの? ってミサカはミサカは興味本位で聞いてみる」
結標「うーん、これと言って理由はないんだけど……ただ、これを持ってるとなんか落ち着くのよねえ」
打ち止め「ふーん、そうなんだ。何だかその懐中電灯って武器になりそうだよね、堅そうだし、ってミサカはミサカは懐中電灯を指さしながら使用案の一つを提案してみる」
結標「……そうね。たしかにこの堅さなら、下手な鈍器より強いかもしれないしね」ブンブン
打ち止め「アワキお姉ちゃん、懐中電灯は周りに人がいないか、物がないかよく確かめてから振ってね、ってミサカはミサカは某家庭用ゲームのリモコンみたいな諸注意を投げかけてみたり」
結標「残念ながらこの懐中電灯にはストッパーが付いていないわよ」
262 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:52:46.89 ID:fO+Gt3HH0
結標「しかし暇ねえ……入院中もそうだったけど、この時間帯は面白いテレビ番組やってないのよねー」
打ち止め「ヨミカワは仕事で、ヨシカワは引きこもり、あの人はいつも寝てて……」
結標「? どうしたの打ち止めちゃん」
打ち止め「居候生活が始まっておおよそ半月。ミサカは何もする事がなく、ただただ暇で退屈な生活を……」
打ち止め「強いられているんだ!! ってミサカはミサカは某ロボットアニメのセリフをオマージュしてみる」
結標「………うん、まあ、そうね」
263 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:53:46.12 ID:fO+Gt3HH0
打ち止め「何かいい暇潰しはないのー、ってミサカはミサカは解決策の提案を要求してみる」
結標「ええと……この家にはゲーム機とかないの? プレ○テとかW○iとか……」
打ち止め「そんなものあったら、こんな暇な生活を強いられることなんてないよー、ミサカはミサカは半分あきらめムードで床に寝ころんでみる」ゴロリ
結標「それ言われればそうね。じゃあ漫画や小説みたいな本を読むとかは?」
打ち止め「ここにある漫画は全部読んだし、小説は何か難しくて読む気が起きない、ってミサカはミサカは自分の読書力のなさに絶望してみたり」
結標「うーん、まいったわね」
結標(私は本読んで暇潰しはできるけど、その間打ち止めちゃんは結局暇な訳だしねー)
264 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:54:19.30 ID:fO+Gt3HH0
打ち止め「うー、本当に何かないのー、ってミサカはミサカは床の上をごろごろ転がりながら暇を潰してみたり」ゴロゴロ
結標「……服、汚れるわよ」
打ち止め「ゴロゴロー」
結標(ダメだこの子、早く何とかしないと……)
265 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:54:57.33 ID:fO+Gt3HH0
結標「……………そうだ!」ピカーン
打ち止め「えっ? どうしたのアワキお姉ちゃん!? ってミサカはミサカはアワキお姉ちゃんの思わせぶりな行動に期待を抱いてみたり」ガバッ
結標「新しくゲーム機とかかってくればいいんじゃない?」
打ち止め「おぉー! その発想はなかった! ってミサカはミサカはアワキお姉ちゃんにグッジョブしてみる」
打ち止め「あっ、でもミサカお金持ってないよ? ってミサカはミサカはポケットの中から十円玉三枚と五円玉一枚を取り出してみたり……」
266 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:55:48.29 ID:fO+Gt3HH0
結標「大丈夫よ。私がそれなりにお金持ってるから」
打ち止め「えっ、すごい! アワキお姉ちゃんはお金持ちだったんだね、ってミサカはミサカは羨望の眼差しでアワキお姉ちゃんを見つめてみる!」
結標「ふふふ、まあね(本当はカエル顔のお医者さんに『生活に必要なものを集めるためのお金』としてもらったものだけど、まあいいわよね)」
打ち止め「じゃあ早速買いに行こー! ってミサカはミサカは隊長気分で先陣を切ってみる」
結標「ちょっと待って、一方通行に一応言っといた方がいいんじゃない?」
打ち止め「ああ、多分大丈夫だと思うよ」
結標「? 何で?」
267 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:57:20.17 ID:fO+Gt3HH0
打ち止め「大丈夫というか、眠ってる状態のこの人なかなか起きないし……」
打ち止め「起こしたら起こしたで機嫌が悪くなっちゃうからほっといた方がいいよ、ってミサカはミサカは触らぬ神に祟なしの精神を実行してみたり」
結標「そ、そう。じゃあ行きましょうか」
打ち止め「レッツゴー!! ってミサカはミサカは玄関に向かって猛ダッシュしてみたり!!」ドタドタ
結標「ちょ、ちょっと待って、打ち止めちゃーん!!」バタバタ
ガチャ
ピ―――――――――――――――ガチャコ
268 :
1
[saga]:2012/02/20(月) 22:59:06.56 ID:fO+Gt3HH0
短いですが今回はここまでです
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
今回少なかった気がするので明日は二本投下できるように努力します
ではではノシ
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/21(火) 01:09:31.37 ID:Hj5E6tgDO
友達から
270 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:13:52.24 ID:9L7dFBFS0
みなさんこんにちは
書けたので早速本日一本目を投下したいと思います
271 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:15:18.16 ID:9L7dFBFS0
14.怖い二人組
-マンション前の大通り-
結標「……さて、ゲームを買うと意気込んでマンションを出たのはいいけど」
結標「どこにゲームが売ってるかとか私にはさっぱりだわ」
結標「と、言う訳で打ち止めちゃん、場所とかわからない?」
打ち止め「ミサカは滅多に外に出る事がないから、そんな情報さっぱりなのだ! ってミサカはミサカは胸を張って威張ってみる!」エヘン
結標「まいったなー、場所がわかんないと買いに行きようがないのよね」
272 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:15:53.58 ID:9L7dFBFS0
打ち止め「そうだ! 携帯電話とかに入ってるGPS機能を使えばわかるのでは? ってミサカはミサカはこの状況の打開策を提案してみる」
結標「おお! それは良い案ね!」
打ち止め「じゃあ早速道を調べてみよう! ってミサカはミサカは携帯電話を要求してみたり」
結標「あ、ちょっと待ってね……」ゴソゴソ
結標「……………………………」ゴソゴソ
打ち止め「………………………………」ジー
273 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:16:39.68 ID:9L7dFBFS0
結標「……………………………あれ?」ゴソゴソ
打ち止め「………………………………?」ジー
結標「…………………………………」
打ち止め「……………………どうしたの? ってミサカはミサカは顔面蒼白になってるアワキお姉ちゃんに尋ねてみる」
結標「………………部屋に携帯置いてきた」
打ち止め「…………嘘……でしょ……?」
274 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:17:24.60 ID:9L7dFBFS0
結標「ら、打ち止めちゃんは携帯持ってないの?」
打ち止め「実はミサカも置いてきちゃったんだ、ってミサカはミサカは舌を出してドジっ子ポーズをしてみたり」テヘペロ
結標「\(^O^)/」
打ち止め「ど、どうしよう……ってミサカはミサカは絶望的な状況に打ちひしがれてみたり」
結標「………い、いや、まだ手はあるわ!」
打ち止め「それってどんな手!? ってミサカはミサカはわずかな希望に食いついてみる!」
結標「それは…………」
打ち止め「それは…………?」
275 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:18:00.13 ID:9L7dFBFS0
結標「人に聞いてみる!!」
打ち止め「おお! 至ってシンプルな解決策だね」
打ち止め「今まで何でこんな簡単な方法を思いつかなかったんだろう、ってミサカはミサカは自分の頭に軽く小突いてみたり」コツン
結標「よおし、じゃあ適当な人に聞いてくるわ」テクテク
打ち止め「待ってアワキお姉ちゃん! ってミサカはミサカは袖を掴んで引きとめてみる」ガシ
結標「どうしたの?」
打ち止め「そんな適当な人に聞いても恐らくダメだよ、ってミサカはミサカは断定してみる」
打ち止め「人の良さそうかつ、そういうものに詳しそうな人に聞いてみなきゃ、ってミサカはミサカは最低条件を提示してみる」
276 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:18:36.62 ID:9L7dFBFS0
結標「……それもそうね。人は、都会になればなるほど冷たくなってくる、みたいな感じだし、よく吟味してから質問した方がいいわよね」
打ち止め「よし! それじゃあその人を捜そう!! ってミサカはミサカは目を凝らして良さそうな人を捜してみたり」ジー
結標「よ、よし」ジー
打ち止め「………………………………………」ジー
通行人A(…………………………何? この子?)テクテク
結標「……………………………………………」ジー
通行人B(…………………………何だこの人?)テクテク
打ち止め「………………………………………」ジー
通行人C(……………………迷子か何かか?)テクテク
結標「……………………………………じゅるり」ジー
男子児童(……………………………ひっ! 何かこのお姉ちゃん怖い)ガクブル
277 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:19:20.57 ID:9L7dFBFS0
打ち止め「………………………………………!!」ピコン
打ち止め「ちょっとそこの人! ってミサカはミサカは如何にもチンピラぶってるけど、実は優しい心を持ってそうなあなたに指を指しながら声をかけてみる!!」
チンピラ「……いぃ!? お、俺!?」
打ち止め「ゲームがどこに売ってるか知りませんか? よければそこまで案内もお願いしたいかも! ってミサカはミサカは頼み込んでみる」
チンピラ「げ、ゲーム? 何だ突然?」
結標「ちょっと私達、ゲームを求めて外出したのはいいけど、場所がさっぱりで困ってたのよ」
チンピラ「そ、そうなんすか(うわー、綺麗な人だな……)」
278 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:20:47.34 ID:9L7dFBFS0
打ち止め「だからチンピラぶってても、実は心優しいあなたに声かけてみたの! ってミサカはミサカは理由を簡潔に語ってみたり」
チンピラ「って、俺が優しい人確定かよ!?」
打ち止め「お願い! ってミサカはミサカはあの人でも一回は通じた上目遣い戦法を駆使して頼み込んでみる」ジー
チンピラ「うっ、……でも俺忙し――」
結標「ねえ、こんなに小さい子が頼み込んでんだから、まさかこのお願いを無下にするなんてことはないわよねえ?」つ軍用ライト
チンピラ「……何であなた様は物騒なモンを手に持ってんですか?」
結標「大丈夫、ただの懐中電灯だから。別にこれで貴方を殴ろうなんてこと、微塵も思っていないから安心して」ブンブン
チンピラ「じゃあ何で素振りとかしてんだよ!?」
279 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:21:35.22 ID:9L7dFBFS0
打ち止め「ねえお願い、ってミサカはミサカは目薬を後ろに隠しつつ涙目戦法で再度頼み込んでみる」ウル
チンピラ「目薬とか声に出してるじゃねえか! それじゃあ嘘泣き確定だろうが!!」
結標「……………………………………」ガコンガコン
チンピラ「アンタはアンタで何でコンクリートの像を懐中電灯で叩いてんだよ!?」
結標「これといった意味はないわ。別にこのコンクリート像の顔の部分を貴方の顔に見立てて殴ってる訳じゃないわ」ガコンガコン
打ち止め「……………………………………………」ウルウル
結標「…………………………………………………」ガコガコガシャーン
チンピラ「………………………………………うう」タラッ
280 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 15:25:44.46 ID:9L7dFBFS0
一回目はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございます
SS書いてると、その書いてるキャラがさらに好きになるよね
あわきんかわいいよあわきん
ではではノシ
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/21(火) 15:58:40.05 ID:ADswsBiDO
浜面…か?それともただのチンピラA?
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/21(火) 18:16:43.46 ID:6ncquh6xo
軍用懐中電灯固すぎだろw
283 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 18:58:48.00 ID:9L7dFBFS0
みなさんこんばんは
21:00くらいに投下できると思います
284 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 20:59:52.86 ID:9L7dFBFS0
そろそろ投下しますねー
>>282
ヒント:能力
285 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:00:58.92 ID:9L7dFBFS0
15.ゲームショップ
-マンション付近のエリアにあるゲームショップ・駐車場-
チンピラ「…………ほら、着いたぞ。ここなら大抵のゲームはあるだろ」
打ち止め「わーい、念願のゲームショップだあ! ってミサカはミサカは踊りながら喜びを表現してみる」
結標「ありがとう。おかげで助かったわ」
チンピラ「あ、いえいえ(半分脅されてたもんだけどな)」
286 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:01:42.87 ID:9L7dFBFS0
結標「ところで、貴方の名前は?」
チンピラ「あ、別に名乗るほどのモンじゃねえよ」
結標「いや、名前を知らないとこれからちょっと困るから」
チンピラ「困る、って何だよ?」
結標「ふふふ、わからない?」
チンピラ「…………まさか」タラッ
結標「そのまさかよ」
チンピラ「…………………………」
結標「………………………」
287 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:02:25.15 ID:9L7dFBFS0
チンピラ「εダッ≡≡ヘ( ´Д`)ノ」
打ち止め「あっ、逃げた」
結標「…………………………」ブン
288 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:03:37.67 ID:9L7dFBFS0
ストン
チンピラ「ぶっ!?」ドコン
チンピラ「な、何だ!? って、ええっ!? 何か靴の先にに刺さってる、ってこれ釘じゃねえか!!」
チンピラ「何でこんなモンが……はっ!?」
結標「ふふん」ニヤ
チンピラ「あはははは、『空間移動能力者』の方でしたかー」
289 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:04:56.11 ID:9L7dFBFS0
打ち止め「大丈夫ー? ってミサカはミサカは無様にこけたあなたを同情の眼差しで見つめてみたり」
チンピラ「チクショウ! こんな幼女に憐みの視線を向けれるなんて」ウル
結標「別に取って食おうなんて考えてないわ。ただちょっと買い物に付き合って欲しいだけなの」
チンピラ「何でだよ!? 買い物くらい自分たちでできるだろ!?」
チンピラ「もしかして、俺からたかる気か!? もしそうならやめとけ」
チンピラ「俺はゲームを買えるような大金を現在持ち合わせてねえんだよ!」
結標「別にそんなゲスな事をするために引きとめてる訳じゃないわよ」
チンピラ「じゃあ何でだよ!?」
290 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:05:48.35 ID:9L7dFBFS0
結標「いやー、帰り道がわからないっていうか……ちょっと不安だから送ってもらおうと思って」
チンピラ「いや普通わかるだろ!? ほら、あそこ!!」ビシッ
チンピラ「あそこに見えてるのがお前らがつっ立ってたマンション!!」
チンピラ「あそこに向かって歩けば迷わず行けるって!」
結標「もしその事を忘れて、逆方向に向かって進んだらどうするつもりよ?」
チンピラ「ありえねえだろ!! どこの三刀流の剣士だよそれ!?」
結標「もー、こんな美少女二人組を捕まえておいて、家に送らずこのままほっとくってどうよ? ねえ?」
打ち止め「そうだそうだー! ってミサカはミサカは便乗して野次を飛ばしてみる」ブーブー
チンピラ「美少女とか自分で言ってんじゃねえよ!! それに捕まったのはお前らじゃなくて俺ッ!!」
291 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:06:40.25 ID:9L7dFBFS0
結標「ふぅ、わかったわ。そんなに言うなら引き留めないわ」
チンピラ「ほ、ほんとか!? よっしゃー、これで解放され――」
結標「ただし十秒ごとに頭部に釘がテレポートしてくるけどいい?」
チンピラ「本格的に脅しにかかってるじゃねえかチクショウ!!」
打ち止め「そうだそうだー! ってミサカはミサカはよくわからないけど便乗してみる」
チンピラ「よくわからないことには便乗してはいけません!」
結標「で、冗談は置いといて……」
チンピラ「冗談には聞こえなかったんですが……」
292 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:07:55.54 ID:9L7dFBFS0
結標「私たちが困ってて不安なのも本当よ。だからお願い……ね?」
打ち止め「ミサカもお願いしてみる」ペコ
チンピラ「………………………はぁ」
チンピラ「……はいはいわかったよ、付き合います、付き合わせていただきます」
打ち止め「やったー! ってミサカはミサカは飛び跳ねながら喜んでみたり!」
結標「じゃあ、早速店内に入りましょ。ええと……」
浜面「浜面だ。浜面仕上」
結標「結標淡希よ。よろしくね浜面くん」
打ち止め「打ち止めだよ、ってミサカはミサカは流れに乗って自己紹介してみる」
浜面「とっとと買い物終わらせようぜ。俺もそれなりに忙しいからさあ」
浜面(はあ、これは後で麦野に確実に殺されるな……)
293 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:09:03.66 ID:9L7dFBFS0
-同ゲームショップ・店内-
打ち止め「おおおー! すごい数のゲームが棚にいっぱい敷きつめられてる! ってミサカはミサカは店内の状況を解説してみたり」
結標「確かにすごい数ね。一生を使っても遊びきれない自信があるわ」
浜面「まあな。このショップは学園都市内でも五本の指に入る大型ゲームショップだしな」
浜面「しかもこの店ゲームをレンタルとかあるんだぜ」
結標「CDとかDVDとかのレンタルってのはあるけど、ゲームは聞いた事ないわね」
結標「それって儲からないんじゃないの?」
294 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:09:56.07 ID:9L7dFBFS0
浜面「まあそう思うだろ?」
浜面「だけどRPGとかみたいな超大作は一週間ちょっとじゃあ遊びきれないだろ?」
結標「……まあ、そう……かな?」
浜面「何で疑問形なんだよ? まあいいや。だから、期間を延長したり、売ってるやつをそのまま買ったりしたりするから、結構儲かってるらしいぜ」
結標「へえー、結構考えてるのね」
打ち止め「アワキお姉ちゃーん!!」トテチテ
結標「どうしたの打ち止めちゃん?」
打ち止め「これおもしろそうだよ! ってミサカはミサカは手に持ってるゲームソフトを見せびらかしてみる」
つ『学園都市クエスト』
295 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:11:03.90 ID:9L7dFBFS0
結標「学園都市クエスト……? ドラ○エのパクリか何か?」
浜面「ああ、これは今学園都市で一番流行ってるゲームだな」
結標「流行ってるの!? このパクリゲームが!?」
浜面「パクリパクリ言うなよ。店員がこっち見てるぜ」
結標「あ、ははは」
浜面「それに、そんなパクリというほどパクってるような内容じゃないけどな」
結標「へー、どんな内容なの?」
296 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:12:02.29 ID:9L7dFBFS0
浜面「まあ、あれだ。ド○クエに例えたら、魔王が学園都市第一位の超能力者『一方通行』」
結標「ぶっ!?」
打ち止め「えっ、あの人このゲームに出るの!? ってミサカはミサカはこのゲームの興味指数が十割ほど増えてみたり」
浜面「何だ? お前ら第一位と知り合いなのか?」
打ち止め「知り合いどころか一緒に住んでるんだよ! ってミサカはミサカは今も家で寝ているであろうあの人を想像しながら言ってみる」
浜面「へえ、すごいなそれ……やっぱ超能力者って……その、怖いのか?」
打ち止め「ううん。あの人はぶっきらぼうなところもあるけど優しい人だよ! ってミサカはミサカは笑顔で話してみたり」
297 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:12:36.40 ID:9L7dFBFS0
浜面「優しい……のか。ウチの全身ビーム砲とはエライ違いだな……」ボソ
浜面「…………!?」ブル
浜面(何だ!? 何か寒気がした気がしたんだけど)キョロキョロ
結標「?」
打ち止め「?」
298 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:13:10.23 ID:9L7dFBFS0
結標「ところで魔王が一方通行なのはわかったけど、じゃあ勇者は誰なの?」
浜面「勇者はあれだよ、何の特徴もない至って普通の高校生。名前と性別を自由に決めて進めていって、最終的に学園都市一の能力者を目指すゲームだよ」
結標「ふーん。まあ、いたって普通のRPGね……たぶん」
浜面「この学園都市には無能力者が多いからな」
浜面「超能力にあこがれて、せめて仮想世界の中ぐらいは能力者でありたいって人が多いから、このゲームが人気なんだよな」
結標「私にはわからない考えね。能力は一応持ってるし、そもそも記憶がないから何を思ってたのか全然わからん」
299 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:13:40.93 ID:9L7dFBFS0
浜面「まあ、それなりにやり込み度が高いゲームだから、あんまり学校行ってるような真面目君にはお勧めできないけどな」
打ち止め「ならミサカ達は大丈夫だね、ってミサカはミサカは自分たちの今の境遇に感謝してみる」
浜面(何だ? もしかして、不登校か何かなのか?」
結標「そうね、じゃあこれを買いましょうか」
浜面(しかし、思ったより早く決まってよかった……)ホッ
300 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:14:54.83 ID:9L7dFBFS0
結標「ところでこれは何のゲーム機を買えばプレイできるの?」
浜面「ああこれの?」
浜面「そこに置いてある『A−STAR』っていうゲーム機がそうだ」
結標「これか……よっと、って重っ!?」
浜面「ああ、そりゃあネットとかで『無駄な機能を無駄に付け過ぎて無駄に重くなった略して3M』とまで言われてるからな」
301 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:15:51.50 ID:9L7dFBFS0
結標「は、ははは、お、重い……」ユラ
浜面「……ッと危ねえ」トン
浜面「そんなに重いなら俺が持とうか?」
結標「あらほんと? 悪いわね浜面くん」
浜面「まあ、どうせだしな……よっと」ガシ
302 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:16:36.42 ID:9L7dFBFS0
結標「じゃあ会計を済ませに行こうかしら」
浜面「てか金は持ってんのか? このゲーム機普通に八万くらいはするぞ?」ヨロ
結標「」
打ち止め「八万円ってそれはゲームの中だったら高いの? ってミサカはミサカは重そうに荷物を持っているハマヅラを心配しながらも尋ねてみる」
浜面「ああ、圧倒的に高いぞ。学生という立場を全く考慮してない価格設定だよな」
303 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:17:20.85 ID:9L7dFBFS0
浜面「って、どうした結標の姉さん?」
結標「な、な、何でもないわ! じゃ、じゃあ会計を済ませに行きましょ」アセ
浜面「あ、ああ」
<アリガトウゴザイマシター
結標(医者からもらったお金がほとんど消えた……)
304 :
1
[saga]:2012/02/21(火) 21:20:44.88 ID:9L7dFBFS0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで読んでくださったみなさんありがとうございます
今回のゲストは浜面です
やっぱり浜面みたいなツッコミ役がいてくれたら書きやすいですね
その分、他のキャラがキャラ崩壊しそうになったりするけどw
ちなみに、この痛々しいゲームの設定は文章の嵩増しに使わせていただきましたw
ではまた来ます
※浜面はおそらくもう出演の予定はありません
305 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/02/21(火) 21:26:14.69 ID:WmLYIUcm0
おつ
つーかこれあわきん金なくなって一方さんにおねだりフラグじゃね?
306 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2012/02/21(火) 21:44:35.39 ID:f0nsC+qMo
>>304
ラスト一行がよく見えないが、乙
307 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/21(火) 21:58:12.54 ID:nBkQuoqQo
乙
ゲーム機の名前からして、もう嫌な予感しかしねえや!もっとやれ!
308 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/21(火) 22:00:08.18 ID:eGL2mmOxo
おつ
>>306
年増にビームで消されr(ry
309 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/02/21(火) 23:00:58.00 ID:MSRLY+iDO
あり?一方さんの能力制限が30分の頃って浜面まだスキルアウトじゃなかったっけ?
310 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/02/21(火) 23:02:10.62 ID:MSRLY+iDO
>>309
間違えたwwww
一方さんの能力制限が15分の頃って浜面まだスキルアウトじゃなかったっけ?
311 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/21(火) 23:32:29.93 ID:YHnZhhG1o
確かにそげぶされた後だったような気がするな
312 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/02/22(水) 02:19:13.76 ID:7fIcnls4o
これは一方さんが暗部落ちしてないIFだから真相は
>>1
のみぞ知る
313 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 06:46:11.93 ID:mIhpisW20
どうも
>>1
です
>>310
の質問に答えようと思います
一応時系列は九月三十日以降、つまり居候生活が始まった日以降の話です
たしか打ち止めが居候生活が始まっておおよそ半月と言っているので、今は十月の十四日前後となります
原作では、浜面がアイテムの下部組織になっているのは、十五巻の十月九日なので時系列的には入っててもおかしくはないと思います
しかし、一方さんが暗部堕ちしてないのでいろいろ矛盾点が出てしまうのですが、そこは脳内補完でお願いしたいと思います
自分の説明不足で皆さんを困惑させてしまい、誠に申し訳ないと思います
これからはそういう点を気を付けていきたいと思います
長文失礼しました
314 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/22(水) 11:49:14.76 ID:n8lVxxZ1o
彗星木原いつだっけ?
315 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/22(水) 19:25:32.99 ID:zQd8zlOf0
いっそのこと木原君も居候にしたらいいじゃない
316 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:17:58.16 ID:mIhpisW20
みなさんこんばんわ
今回はちょっと多めに書いた気がする
あと今回から少しシリアスパートとなります
下手くそシリアスですがご了承ください
※浜面はもう出ないとか書いたけど、出さないと話し進まなかったから出させていただきますすみません
317 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:18:35.32 ID:mIhpisW20
16.空間移動
-マンション前-
浜面「……ほら、着いたぜ。お前らの突っ立ってたマンションに」
打ち止め「おおっ! ほんとに着いた、ってミサカはミサカはハシャいでみる」
浜面「俺を見くびるんじゃねえよ。これくらいの道案内ぐらい楽勝だぜ」
結標「本当にありがとうね。よかったら部屋上がってく? 何ならお茶の一杯ぐらいならご馳走するけど?」
打ち止め「そうだね。それはいい案かも、ってミサカはミサカは賛成してみたり!」
318 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:19:42.16 ID:mIhpisW20
浜面「いや、そんないいって。それに、一応俺だってこれから結構忙しいんだぜ」
結標「あら、その忙しいっていうの嘘じゃなかったのね」
浜面「嘘なんてつくかよ。はぁ……遅れた理由何にしようかな……」
結標「……まあ、何というかがんばってね」
浜面「じゃあ、そろそろ俺は行くかな。ほい荷物」スッ
結標「はい、って重っ!? ほ、本当にありがとね」ヨロ
319 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:20:24.12 ID:mIhpisW20
浜面「じゃあ、俺行くから。じゃあな」
打ち止め「バイバーイ! ってミサカはミサカは右手を大きく振って見送ってみたり」ノシ
結標「…………」
打ち止め「…………」
結標「……じゃあ、部屋に戻りましょうか」
打ち止め「うん、そうだね、ってミサカはミサカは元気いっぱいに返事をしてみたり」
320 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:21:06.65 ID:mIhpisW20
-マンション・入り口-
打ち止め「…………」テクテク
結標「お、重い……」ヨロヨロ
打ち止め「ああぁー!! ってミサカはミサカは重要な事を思い出して驚愕してみる」
結標「どうしたの打ち止めちゃん?」
打ち止め「大変、大変だよアワキお姉ちゃん!」
結標「だから、何なのよ?」
321 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:21:41.30 ID:mIhpisW20
打ち止め「こ、このままじゃ、部屋に帰られないかもしれない! ってミサカはミサカは衝撃の事実を述べてみたり!」
結標「………………」
結標「ナ、ナンダッテー」
打ち止め「な、何なのその棒読みは!? それにさっきの間は? ってミサカはミサカは眉一つ動かさないアワキお姉ちゃんに尋ねてみる」
結標「打ち止めちゃんって、まさかここのカードキー持ってないの?」
打ち止め「い、いやー、居候生活初日に閉め出されたりしたから、一応ヨミカワに作ってもらったんだけど……」
結標「……だけど?」
322 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:22:56.00 ID:mIhpisW20
打ち止め「そのカードキーを部屋の中に置いて来ちゃった、ってミサカはミサカは恒例のドジっ娘ポーズを取ってみる」テヘ
結標「…………」
結標「ナンデスッテー」
打ち止め「もー、アワキお姉ちゃーん!! 何か微妙に言葉が変わってるけど、棒読みなのは変わってないー、ってミサカはミサカは裾を引っ張って憤怒の感情を露わにしてみたり」
結標「ははは、ごめんごめん。でも、それについては問題ないわ」
打ち止め「それってどういうこと?」
結標「それは……」ガサゴソ
結標「……はい!」つカードキー
打ち止め「って、えええぇ! 何でアワキお姉ちゃんがカードキーを持ってるの? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
323 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:23:53.10 ID:mIhpisW20
結標「実を言うと私も黄泉川さんにカードキーを作って、登録してもらっていたのよ」
打ち止め「な、何だってえぇー! ってミサカはミサカは思わず驚いてみたり」
結標「というわけで……」スッ
ピ――――ガチャン
結標「……ほら、開いたわよ」
打ち止め「わぁーい! まさか入れるとは思わなかった、ってミサカはミサカは喜びのあまりエレベーターに向かって走り出してみたり」
結標「あんまり走るとコケるわよ」
324 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:24:38.91 ID:mIhpisW20
打ち止め「…………」
結標「どうしたの打ち止めちゃん? って、これほんと重い」
打ち止め「……アワキお姉ちゃん。これ見て、ってミサカはミサカは指を指してみる」スッ
結標「ん?」
『エレベーター点検中にて使用禁止』
結標「……はっ!?」
結標「待って、打ち止めちゃん。私たちの部屋って何階だっけ?」
打ち止め「……十三階だよ、ってミサカはミサカは答えてみる」
結標「/(^o^)\」
325 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:26:39.85 ID:mIhpisW20
-マンション・七階-
打ち止め「ふー、疲れたー。やっぱり階段で上の階に上がるのはキツいね、ってミサカはミサカは太ももをマッサージしてみる」モミモミ
結標「……ぜぇ……ぜぇ……」
打ち止め「大丈夫? ってミサカはミサカは息を切らしてるアワキお姉ちゃんにを心配してみる」
結標「……ぜぇ……腰が……」
打ち止め「えっ? 腰が痛いの? もしかしてもう年なんじ――」
結標「打ち止めちゃん? それ以上言ったら貴女の体を空中に逆さまにしてテレポートさせるわよ」ニコニコ
打ち止め(こ、怖い。笑顔だけど目が笑ってない、ってミサカはミサカは心の中でヒッソリと思ってみる)ビクッ
326 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:27:29.29 ID:mIhpisW20
打ち止め(……って、テレポート?)
打ち止め「そうだアワキお姉ちゃん!」
結標「何? 打ち止めちゃん」
打ち止め「この重い荷物を階段の上にテレポートさせればいいんだよ! ってミサカはミサカは打開策を発案してみたり」
結標「…………………………」
打ち止め「……………………………?」
327 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:29:24.57 ID:mIhpisW20
結標「お、おおー! その手があったか……」
結標「さすが打ち止めちゃんねー。アッタマいいー!」
打ち止め「いやー、それほどでもー、って照れながらも謙遜してみる」テレ
結標「しかし、今まで能力の存在を綺麗さっぱり忘れてたわ」
打ち止め「……あれ? さっき自分でテレポートって……」
結標「さあて、この能力を使ってガンガン階段を上っていくわよ」ブンッ
打ち止め「…………………………」
328 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:30:17.86 ID:mIhpisW20
-マンション・十三階-
シュン
打ち止め「わーい、やっと着いたー! ってミサカはミサカは目的階の到着を喜んでみたり」
結標「……ぜぇ……ぜぇ……やっぱり荷物持ってなくても階段はキツい」
打ち止め「あともう少しだよ、ってミサカはミサカは応援してみる」
329 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:31:35.95 ID:mIhpisW20
結標「テレポートって結構演算が面倒くさいわ」ブン
シュン
打ち止め「へー、そうなんだ」
結標「偏に能力といっても、必ずしも簡単便利とはいかないのね」ブン
シュン
打ち止め「便利さと使い易さは反比例しているんだね、ってミサカはミサカは頭良さげなことを言ってみる」
結標「反比例なんて難しい言葉を知ってるなんて、打ち止めちゃんは物知りだねー」ブン
330 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:32:26.53 ID:mIhpisW20
シュン
打ち止め「えへへー、ってミサカはミサカはニヤニヤを隠しきれなかったり」ニヘラ
結標「……とか言ってる間に部屋の前ね」
打ち止め「早く入ってゲームしようよ、ってミサカはミサカは急かしてみたり」
結標「はいはい」ガチャガチャ
結標「?」ガチャガチャ
打ち止め「?」
331 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:33:22.44 ID:mIhpisW20
結標「……………………」ガチャガチャ
結標「……………………」
ピンポーン
打ち止め「………………………」
結標「…………………………」
ピンポンピンポーン
打ち止め「……………………」
結標「…………………………」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
結標「ちょっとー!! 一方通行ー!!」ドンドン
打ち止め「ヨシカワー!! 開けてー!!」ドンドン
332 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:34:15.32 ID:mIhpisW20
-この流れで十分後-
結標「だめね。完璧に寝てて起きないわ」
打ち止め「うー、どうしてあの人はこんなに鳴らしても起きないの? ってミサカはミサカは愚痴ってみる」
結標「まさか、ここのカギを持ってなくて詰むとは思わなかったわ」
打ち止め「電子ロックだったら、まだミサカでも開けられたけど……」ガックシ
結標「さて、ここからどうするか……」
打ち止め「うーん、ってミサカはミサカは腕を組んで考えてみる」
結標「…………………」
打ち止め「…………………」
333 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:35:12.93 ID:mIhpisW20
結標「……そうだ!」ピカン
打ち止め「何か良い案が? ってミサカはミサカは期待を抱きながら聞いてみる」
結標「私が一回あの部屋の中にテレポートする→中からカギを開ける→打ち止めちゃんとゲーム機が中に入る→みんな幸せ」
打ち止め「おおお! さすが『空間移動能力者』ってミサカはミサカは羨望の眼差しで見つめてみたり」
結標「じゃあ、早速……すぅ、はぁ」
打ち止め「おお、やる気ですなー」
334 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:36:13.19 ID:mIhpisW20
結標「…………………では、行ってきます」ゞ
打ち止め「御武運を!」ゞ
結標「……………………」ブン
シュン
打ち止め「おお! 消えた! ってミサカはミサカは実況してみたり」
335 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:36:56.81 ID:mIhpisW20
-黄泉川家・玄関-
シュン
結標「………………………」シュタ
結標「よし、テレポート成功」
結標「さすが私ねー。まさか物だけでなく自分の体までテレポートできるなんて」
結標「この能力はかなり便利ねー」
<アワキオネエチャンカギアケテー
336 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:38:07.96 ID:mIhpisW20
結標「ああ、はいはい、じゃあカギを開けますよ―――ッ!?」ガクン
『密室の中への転移なんて私にかかれば楽勝よ!』
結標「な、な、な、なにこれ!!?」
337 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:39:17.61 ID:mIhpisW20
『…………………あれ? 何で私の足が地面に埋まってるの?』
結標「えっ!? 何なの……これ!?」
338 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:40:12.38 ID:mIhpisW20
『わ、わ、私の……私の足が、、、あああァあああああああああああァあッああああああああ!!!!!』
結標「!?!?!?!? 何なの!? これ……うっ!?」
結標「――――――――――――――――!?」
<アワキオネエチャンドウシタノ-?ハヤクアケテー
<アワキオネエチャン!? アワキオネエチャン!!
339 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:40:59.45 ID:mIhpisW20
<アワキオネエチャン!!
一方通行「Zzz――――――――ン?」
一方通行「ンだァ、騒がしい……」ムク
一方通行「あンのクソガキがァ、俺の眠りを妨げやがって……」
一方通行「………………玄関の方か?」
一方通行「これはお仕置き確定だなァ」カツンカツン
340 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:41:33.16 ID:mIhpisW20
一方通行「オイ! 騒がしいぞクソガキィ……はァ?」
一方通行「……こんなところでうずくまって何やってンだ結標?」
結標「……………………………………」
一方通行「……オイ無視すンじゃねェよ結じ……め?」
一方通行「………って、オイッ! 結標!! しっかりしろ!! オイッ!! 結標ェ!!」
341 :
1
[saga]:2012/02/22(水) 23:46:14.42 ID:mIhpisW20
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
一応あわきんのトラウマ復活のシーンなんですが、伝わったでしょうか
こういうシーンはやっぱり地の文が不可欠だと今思ったw
あと一方さんがちょっと熱血過ぎたですかね?
>>314
一応九月三十日だった希ガス
>>315
それも結構おもしろいかもしれませんね。居候は無理でもゲストとしてだったら可能かも
ではまた来ますノシ
※今度こそ浜面の出番はないと思います
342 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/23(木) 00:03:37.65 ID:PUqG5ObJo
*いしのなかにいる*
343 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/23(木) 00:18:37.42 ID:73ezQ/oao
片足石に突っ込んだくらいなら、慌てず、ちょっと横に飛べば済む話じゃないの?
と原作読んでて思ったんだが違うんだろうか
344 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/02/23(木) 03:29:38.73 ID:NKWOF6nWo
>>343
数ミリの隙間もない石の中で筋組織動かしたらかなりいたそうだけど
345 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/23(木) 06:38:56.05 ID:mcpqR+qLo
>>343
そうなんだけど、ちょっとお間抜けなあわきんはそのまま足を引き抜いてしまったんだ
346 :
343
[sage]:2012/02/23(木) 08:07:51.33 ID:73ezQ/oao
お間抜けなあわきんめんこい
つーか乙も言わずに雑談とか失礼だったなすまん
乙でした!
347 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:21:46.11 ID:0DCKPyCG0
みなさんこんにちは
今さらだが原作見直したらあわきん床じゃなくて壁に足突っ込んでたwww
もう地面と書いてしまったので床として通して行こうと思いますすみません
では投下します
348 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:23:23.42 ID:0DCKPyCG0
17.結標淡希
-黄泉川家・芳川の部屋-
芳川「…………………………………」カチャカチャ
芳川「…………………………………」ゴクゴク
芳川「…………………………………」トン
芳川「…………………………………」カチャカチャ
芳川「…………………………………」カチャッターン
コンコン
芳川「どうぞ」
349 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:24:08.48 ID:0DCKPyCG0
ガチャ
一方通行「オイ、何かわかったのか?」
芳川「大方ね……ところで結標さんは?」
一方通行「ガキが看てる」
芳川「いや、そうじゃなくて、どういう状態」
一方通行「あァ? 寝てるけどそれがどォした?」
芳川「いえ、寝てるのなら別にいいわ」
一方通行「……何でそんなことを聞ィてくる?」
芳川「結標さんがどういう感じか知りたかっただけよ」
350 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:24:57.62 ID:0DCKPyCG0
一方通行「……で、俺が何て言えばオマエは慌てふためくンだ?」
芳川「そうね……例えば、ひどく何かに脅えていたり、錯乱状態になってたり、とか」
一方通行「オイオイ、いくらなンでもそりゃねェだろ……たかが気絶してただけだろ?」
芳川「ふふ、まあ、そう思うわよね」
一方通行「はァ?」
芳川「このディスプレイを見てちょうだい」
一方通行「あァ? 何かの研究データか?」
芳川「そう……彼女、『結標淡希』の軽い履歴データよ」
351 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:25:55.50 ID:0DCKPyCG0
一方通行「……どォ見ても俺には軽いとは思えねェデータ量だけどな」
芳川「くわしく言うと、彼女が記憶喪失する以前の実験などの履歴データってところね」
一方通行「ンなモンよく見つかったな」
芳川「こればかりは偶然ね。残っていた研究者時代の資料を漁ってみたら出てきたのよ」
一方通行「こンなモン残しとくなンて、まだ研究職に未練でもあるのかよ」
芳川「まあ、成果さえ残せば安定したお金を貰えるのはいいと思うけどね」
一方通行「そンな自分が優秀ですよアピールしてンじゃねェよ」
芳川「別にそんなつもりはないわ」
352 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:26:48.14 ID:0DCKPyCG0
一方通行「つゥか、実験データなンて持っているってことは、オマエ結標と会ったことあンのかよ?」
芳川「いいえ、ないわ」
一方通行「なら、何で持ってやがる?」
芳川「研究者にはいろいろあるのよ。キミならよく知ってるでしょ」
一方通行「……チッ、くっだらねェ」
一方通行「……で、今回の結標が倒れた原因ってのは、これを見ればわかるのか?」
芳川「さて、どうかしらね? 確実性はないけどいくつかの仮説は作れると思うわ」
一方通行「…………」
芳川「では、ディスプレイを見ながら口頭で説明していきましょうか」
一方通行「さっさとやれ」
芳川「相変わらずせっかちねキミ……まあいいわ」
353 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:27:20.77 ID:0DCKPyCG0
芳川「では、まず軽くプロフィールから」カチ
芳川「結標淡希。霧ヶ丘女学院第二学年」
芳川「キミも知っての通り空間移動系の能力者、その中で上位に位置する『座標移動』」
芳川「ちなみに強度は『大能力者』よ」
一方通行「『座標移動』……。そォいやァ聞ィたことあるな」
一方通行「たしか、通常の『空間移動能力者』と違って、始点と終点が固定されねェから、モノに触れなくて転移が可能ってヤツだろ」
354 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:28:06.78 ID:0DCKPyCG0
芳川 「流石第一位ね。能力に関しての知識が広いわね」
一方通行「そォいうわけじゃねェよ。たまたまクソ野郎共から聞ィただけだ」
一方通行「一時期、次期『超能力者』だ、とか何とか騒がれてねかったか?」
芳川「そういえばそんなこともあった気がするわ……」
一方通行「まあ、二年前ぐらいのことだしな」
355 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:28:46.39 ID:0DCKPyCG0
芳川「しかし、本当に流石ね。この資料の八割ほどはもう必要無くなったわね」カチカチ
一方通行「じゃあ、とっとと残りの二割を教えろ」
芳川「ふふふ、分かったわ」
芳川「じゃあ、ちょっと質問なんだけど」
一方通行「あァ?」
芳川「その一時期、『超能力者』になれると騒がれてた『座標移動』が、何故未だに『大能力者』なのか……」
一方通行「そりゃァ、あれだろ……」
一方通行「…………」
芳川「…………」
356 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:29:41.11 ID:0DCKPyCG0
一方通行「……能力の数値が規定値に達しなかった、か?」
芳川「うーん、まあ、半分正解ってところね」
芳川「最大飛距離八〇〇メートル以上、最大重量は四五二〇キログラム」
芳川「他の『空間移動能力者』と違って桁違い数値だと思わない?」
一方通行「ギャハッ、ンだァ? その馬鹿みてェな数値は?」
一方通行「俺の知ってる数値でも精々百キロぐらいのモノを、八〇〜一〇〇メートル飛ばせる程度のモンなンだけどな」
一方通行「しかも、これだけ飛ばせりゃ『大能力者』ですよ、つゥ数字なンだけどよォ」
一方通行「そォ考えると、結標はすでに『超能力者』と呼ばれてもおかしくねェだろ」
357 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:30:17.60 ID:0DCKPyCG0
芳川「たしかにそうね。じゃあ『空間移動能力者』が『大能力者』になれるか、なれないかの基準を知ってる?」
一方通行「……たしか、自分の体重を飛ばせるかどうかじゃァねかったか?」
芳川「そう。要するに自分自身を自由自在に転移できれば、それでもう『大能力者』ってわけ」
芳川「逆に言えば、それができなければ大能力者以下というわけ」
芳川「ここまで言えばもうわかるんじゃないかしら?」
芳川「何故、彼女が『超能力者』ではなく『大能力者』なのか……」
一方通行「……まさかとは思うが」
358 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:31:39.76 ID:0DCKPyCG0
一方通行「アイツは……自分自身を飛ばせねェのか?」
芳川「御名答」
一方通行「……はァ、残念ながらそりゃァありえねェ話だ」
芳川「あら、どうして?」
一方通行「俺が……アイツと初めて会ったとき、たしかにアイツは自分自身を……それも二回も転移させていたぞ」
芳川「誰も不可能とは言っていないわ」
一方通行「不可能じゃァねェンならできンだろ?」
芳川「ふぅ……では、その真相を話しましょう」
359 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:32:41.05 ID:0DCKPyCG0
芳川「彼女は二年前のカリキュラムで、足に大怪我を負っている」
一方通行「…………」
芳川「カリキュラムの内容は外から密室の中への自分自身の転移」
一方通行「あァ、何となく理解した」
芳川「って、早いわね」
一方通行「……つまりあれだろ? 転移座標の計算をミスって、自分の足が床なり壁なりに埋まっちまって」
一方通行「引っこ抜いたらあら不思議。足が皮をむかれたオレンジ状態でした、つゥ話だろ?」
芳川「その通りよ。ここからはあくまで推測だけど」
芳川「恐らく彼女はその事件がきっかけで、自分自身の転移をためらうような体質になってしまったのではないかしら」
360 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:33:17.83 ID:0DCKPyCG0
芳川「……要するにトラウマってことね」
一方通行「……だけどよォ」
一方通行「それは記憶が存在するケースの話だろ」
一方通行「今の記憶のねェ状態のアイツが倒れた理由にはなンねェだろうが」
芳川「うん。たしかに記憶がなければトラウマも存在しない」
芳川「だけど、別に彼女の記憶が一つも残らず、跡形もなく消滅したわけじゃあないわ」
芳川「ただ思い出すことができないだけ。言うならば、記憶の倉庫の扉の鍵を無くした状態ね」
芳川「だから、何かの拍子にカギを見つける……記憶が復活するかもしれないわ」
芳川「良い記憶にしろ、悪い記憶にしろ……」
361 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:33:53.63 ID:0DCKPyCG0
一方通行「……つまり、アイツは自分自身を転移させ、その瞬間トラウマを思い出して気絶した」
一方通行「そォいうことか?」
芳川「そういうこと。なぜ思い出したかは、体がトラウマを覚えていた、という考えが妥当かしらね」
一方通行「……はァ。めンどくせェ話だな」
芳川「彼女も災難ね。一番最初に思い出した記憶が、まさかトラウマなんてね」
一方通行「……まァな」
362 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:35:02.58 ID:0DCKPyCG0
芳川「これからの対処法としては……」
一方通行「自分自身の転移を極力使わせない、だろ?」
芳川「そうね。自分自身の転移がきっかけで他の記憶が蘇るかもしれないけど、そんなに良い記憶が蘇るとは思えないし」
一方通行「……とりあえず今日の買い物は中止だな」
芳川「あら、一人でも行ってくればいいのに」
一方通行「馬鹿かオマエは? 布団はともかく服とかそォいうモンはアイツがいねェと買えねェだろうが」
芳川「たしかに下着とかは貴方には恥ずかしすぎてハードルが高すぎるかしらね」
一方通行「コロスぞ」
363 :
1
[saga]:2012/02/23(木) 17:38:17.44 ID:0DCKPyCG0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで読んでくださったみなさんありがとうございました
今回はまさしく説明乙の回でしたね
禁書Wikiにはお世話になりました(^p^)
間違った解釈とかしてそうだから、こういう能力系の話は怖いですね
自分の頭の悪さがマジで露見してしまうからね\(^O^)/
ではまたノシ
364 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/23(木) 17:39:16.82 ID:g/QEJLLco
乙
一方さんなら買い物に行く時点で女装してけば自然に買え…
365 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/23(木) 17:42:39.90 ID:aEyJrcNUo
おつおつ
366 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/02/23(木) 19:57:53.24 ID:q1I9U3dTo
乙
>>364
お前ぶっ殺されんぞ!
367 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/23(木) 20:18:12.41 ID:1Re2/kzro
百合子百合子百合子
368 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:50:35.72 ID:0DCKPyCG0
みなさんこんばんは
本日二回目の投下です
未だにシリアスシーン続くのはきついですね
シリアスの才能なさすぎワロタ状態です
やり方がわかったので今回から酉をつけてみました……ってついてるかな?
369 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:51:29.94 ID:0DCKPyCG0
18.蘇るトラウマ
『―――今回のカリキュラムは鍵のかかったこの部屋に、自分自身を転移させることだ』
『何? そんな簡単な事でいいの?』
『あまり気を抜かない事だ……油断は自分の身を滅ぼすぞ』
『何を言ってるのよ。私は次期『超能力者』と言われてる『座標移動』よ。こんなくだらないことでミスなんてする訳ないわ』
『……だといいがな』
370 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:52:11.35 ID:0DCKPyCG0
『まあいいわ。とっとと始めましょ? 私は早く帰ってゆっくりしたいの』
『では、カリキュラムを開始する』
『ハイハイ』
『密室への『空間移動』なんて楽勝よ』
シュン
371 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:52:48.24 ID:0DCKPyCG0
『…………』
『……何が油断が身を滅ぼすよ。こんなテレポートの基本中の基本をミスなんてする訳ないじゃない』
『よし、あとは向こうに戻るだけね』
『……ってあれ? 動けない?』
『…………何で?』
『…………………………………』
『…………………何で私の足が地面に埋まってるのよ?』
372 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:53:36.67 ID:0DCKPyCG0
『まさか、私がミスをしたと言うの?』
『ま、いいか。こんなのミスの内に入らないわ』
『とっとと抜いて戻るか」
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
『――――――――ッ!?』
『わ、私の……足?』
373 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:54:20.14 ID:0DCKPyCG0
『わ、わ、私の……私の足が、、、あああァあああああああああああァあッああああああああ!!!!!』
374 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:55:56.97 ID:0DCKPyCG0
-黄泉川家・結標の部屋-
結標「―――――――――ッ!?」ガバッ
結標「……はぁ!……はぁ!……はぁ!……」
結標「はぁ……はぁ……はぁ……」
結標「……ゆ……め?」
結標(な、何だったの? あのやけにリアルな夢は……)
結標「――――――うっ!?」
結標(お、思い出すだけで、吐き気がする)
375 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:56:25.60 ID:0DCKPyCG0
結標「……………ここは……私の部屋?」キョロキョロ
一方通行「……………………」Zzz
結標「あ、あ、一方通行……?」
一方通行「―――おァ? ……おォ結標、起きたか」
結標「……何してるの? 私の部屋で」
一方通行「いやァ、別にィ、何でもねェよ」
結標「いや、何でもないはないでしょ」
376 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:57:09.66 ID:0DCKPyCG0
結標「何で貴方は私の部屋の隅っこで寝てるのって聞いてるのよ」
一方通行「…………はァ」
結標「何でそこで溜め息をつくのよ?」
一方通行「あァ……何つゥか……あれだ……看病してたンだよ」
結標「か、看病!? 貴方が?」
一方通行「しょうがねェじゃねェか。クソガキは疲れて寝ちまってンだからよ」
結標「そ、そうなの?」
377 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:58:18.25 ID:0DCKPyCG0
結標「……って、看病って……何で私寝てたの?」
結標「たしか、打ち止めちゃんと一緒に外に出ていって……」
一方通行「オマエは玄関で寝てた」
結標「寝てた? 何で?」
一方通行「さァな、クソガキにでも聞ィてろ」
結標「えぇー!?」
378 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 22:59:59.91 ID:0DCKPyCG0
一方通行「そォいやオマエさ」
結標「な、何?」
一方通行「……オマエ、何か記憶が戻ってたりしねェか?」
結標「えっ? ええと……これと言っては」
一方通行「……ホントォかよ?」
結標「ほ、本当よ」
一方通行「ま、いいか」カツン
ガラッ
379 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:00:39.54 ID:0DCKPyCG0
結標「……………………………………」
結標(たしか、暇つぶしのゲームを買いに行って)
結標(浜面くんに道案内してもらって)
結標(クソ高いゲームを買って)
結標(またまた浜面くんに道案内してもらって)
結標(エレベーターが壊れてたから、階段を昇っていった所までは覚えてるんだけど……)
結標「……そこからどうしたかは全く思い出せない」
結標「どうして私は寝てたの?」
380 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:01:34.07 ID:0DCKPyCG0
結標「うーん……」
一方通行「オイ、なに一人でブツブツ言ってンだ?」
結標「あ、いえ。何でもないわ」
一方通行「? ほら、昼飯持ってきたぞ」
結標「あ、ああ、ありがとう」
結標「……って、もうお昼なの?」
一方通行「あァ? 何言ってンだ、もう昼の二時過ぎてンだぞ」
結標「えっ? 二時って……私、そんなに寝てたの?」
381 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:02:16.36 ID:0DCKPyCG0
一方通行「それはもうグッスリな」
結標「まさかそんなに寝てるとは思わなかったわ」
一方通行「とりあえず、とっとと飯食って寝とけよ」
結標「……食べるのは分かるけど、寝るって何? それに看病って?」
一方通行「いやァ、俺が言うのも何だけどさァ」
結標「うん」
一方通行「オマエ、顔色かなり悪りィぞ」
382 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:03:03.54 ID:0DCKPyCG0
結標「えっ?」
一方通行「まァ、オマエの健康な顔色がどンなンかは知ンねェンだけどな」
結標「そ、そう……」
一方通行「………………………………」
結標「じゃ、じゃあ、いただくわ」
結標「いただきます」カチャン
383 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:03:31.88 ID:0DCKPyCG0
一方通行「………………………」ジー
結標「…………………………」モシャモシャ
一方通行「………………………」ジー-
結標「……………………………」モグモグ
一方通行「…………………………」ジー--
結標「……………………な、何よ?」ゴクン
一方通行「いや別にィ」
384 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:04:11.04 ID:0DCKPyCG0
一方通行「…………………………」ジー
結標「…………………………」ゴクゴク
一方通行「…………………………」ジー-
結標「…………………………………」イラッ
一方通行「…………………………」ジー-
結標「だぁー!! もう! 何なのうっとおしい!!」
一方通行「ンだようるせェなァ。とっととメシ食っちまえよ」
385 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:04:58.87 ID:0DCKPyCG0
結標「そんなにジロジロ見られたら、喉を通る物も通らないわ!!」
一方通行「デケェ声出してンじゃねェよ。ガキが起きるだろうが」
結標「もう! 食事の邪魔だからどっか行ってよ!」ブン
一方通行「ちょ、待っ―――」
シュン
結標「…………まったく」
結標「………………………」モグモグ
386 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:05:51.42 ID:0DCKPyCG0
-黄泉川家・リビング-
打ち止め「Zzz……………」スヤスヤ
シュン
一方通行「……………………」
芳川「……あら、おかえり」
一方通行「……………………」
芳川「てっきり、私はドアから出てくると思っていたのだけど」
一方通行「俺もそのつもりだったンだけどな」
387 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:06:36.96 ID:0DCKPyCG0
芳川「……ところで、結標さんの様子はどう?」
一方通行「顔色以外は大丈夫だと思うが……」
一方通行「残念ながら俺たちの予想は外れたみたいだ」
芳川「……それはどういう事かしら?」
一方通行「アイツは何にも思い出してねェらしい」
芳川「それは本当?」
一方通行「アイツが嘘をついてるって可能性もあるが、おそらくアイツは嘘はついてねェ」
芳川「どうしてそれがわかるの?」
一方通行「今まで嘘の塊どもと接してたから、それなりにわかンだよ」
388 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:07:22.63 ID:0DCKPyCG0
芳川「……まあ、一応キミの言う事を信用したとして」
芳川「彼女がどうして気を失うなったのかしら」
芳川「この子の証言からして、自分自身を転移させたのは間違いないのだけど」
打ち止め「…………Zzz」スーピー
一方通行「一時的に記憶が復活したとかそンなンじゃねェのか?」
芳川「または拒否反応を起こすくらいに体にトラウマが染みついていたか……」
389 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:08:13.18 ID:0DCKPyCG0
一方通行「とりあえず、自分自身の転移はやめさせた方がいいだろうな」
芳川「そうね」
一方通行「……あとで俺から伝えとく」
芳川「そう、キミしては珍しいわね」
一方通行「……何がだ?」
芳川「キミの口からそんな言葉が出るなんてね」
一方通行「……たまたまだ」
芳川「たまたま、ね……」
390 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/23(木) 23:13:44.69 ID:0DCKPyCG0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
実を言うと17と18は本来逆の予定でしたが
後々のために今の順番となりました
なので矛盾点とかがあるかもしれませんorz
あとトラウマの回想シーンで壁でなく床に埋まっているのは(ry
ではまたノシ
※女装百合子おもしろそうですね。考えときます
391 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/24(金) 04:07:25.65 ID:DhlPsCY+0
トラウマうまうま
392 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:43:29.82 ID:P+6pG48c0
みなさんこんばんは
ちょっと投下しますねー、と
今回から三回分くらいはギャグパート?となります
393 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:44:07.45 ID:P+6pG48c0
19.一方策謀(ハメラレータ)
-黄泉川家・リビング-
打ち止め「……………………」Zzz
打ち止め「…………う、ううん?」
打ち止め「……あれ? ミサカいつの間に寝てたんだろ? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
打ち止め「…………あっ、そういえばアワキお姉ちゃんは!?」
一方通行「うるせェぞクソガキィ。結標が起きちまうだろうが」
394 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:44:50.82 ID:P+6pG48c0
打ち止め「あ、ごめんなさい」
打ち止め「……って、アワキお姉ちゃんまだ寝てたの?」
一方通行「あァ、四時間前ぐらいに一度起きてから、昼飯食って寝た」
打ち止め「そうなんだ……ねえ」
一方通行「あァ?」
打ち止め「アワキお姉ちゃん一体どうしたの? 良くなるの? ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
395 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:45:20.16 ID:P+6pG48c0
一方通行「……気にすることはねェよ。すぐに良くなる」
打ち止め「ほんと?」
一方通行「ホント」
打ち止め「ほんとにほんと?」
一方通行「ホントにホント」イラ
打ち止め「ほんとにほんとにほn―――」
一方通行「うるせェンだよ!! ホントつってンだろクソガキィ!!」
打ち止め「ご、ごめんなさい!」
396 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:46:08.28 ID:P+6pG48c0
芳川「小さい子に当たるなんてらしくないわね」
一方通行「……居たのか芳川」
芳川「今来たところだけど」
一方通行「チッ」
芳川「ところで、キミにとって非常に重要な案件があるんだけど」
一方通行「ンだよ? その案件って」
芳川「愛穂が警備員の仕事で帰ってくるのが遅くなるの」
397 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:46:45.14 ID:P+6pG48c0
一方通行「そォか、それがどォした?」
芳川「……わからないの?」
一方通行「はァ? だから何だよ?」
芳川「帰ってくるのが遅くなるのよ?」
一方通行「だから、アイツが早く帰ってこようが、遅く帰ってこようが、俺には関係ね―――?」
一方通行(いや? 待てよ)
一方通行「……………………」
打ち止め「ミサカには何が何だかさっぱりなんだけど」
芳川「大丈夫、いずれわかるわ」
398 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:47:18.15 ID:P+6pG48c0
一方通行「……! そォいう事か」
芳川「キミにしては随分気付くのが遅いんじゃない?」
一方通行「うるせェな、つゥかこれ、あンま俺に関係なくねェか?」
芳川「そうでもないと思うけど」
打ち止め「ねえねえ! ミサカにも教えてー! ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方通行「オイ、ガキ。今何時だ?」
打ち止め「えっ? …………大体六時半くらいだね、ってミサカはミサカは時計に目を向けて答えてみる」
399 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:47:47.66 ID:P+6pG48c0
一方通行「黄泉川の存在と、この時間帯何をするかを考えりゃァ、自然とわかってくるはずだ」
打ち止め「ええと……」
打ち止め「…………………………」
打ち止め「あ、わかった! ってミサカはミサカは理解してみる」
打ち止め「いつも晩御飯をつくってくれるヨミカワがいないんだね!」
一方通行「そォいうわけだ」
400 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:48:35.15 ID:P+6pG48c0
打ち止め「だったら晩御飯どうするの? ってミサカはミサカは素朴な疑問を尋ねてみる」
一方通行「もう時間もあンまねェし、店屋物とかでいいンじゃねェか」
打ち止め「わーい、だったらお寿司とか頼もうよ! ってミサカはミサカはおねだりしてみる」
一方通行「何贅沢言ってンだこのガキは? まァ、いいけどよォ」
一方通行「じゃあ、今日は寿司だな。ちょっと電話してくる」
芳川「ふふふ、何を言っているの一方通行」
401 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:48:56.90 ID:P+6pG48c0
一方通行「ンだよ? 何か間違ったこと言ったか?」
ピッ
ボイスレコーダー『何なら明日の晩飯俺が作ってやってみてもいいくらいだぜェ!』
一方通行「」
芳川「早く作って欲しいのだけど一方通行」
一方通行「オイオイ、何冗談言って――」
打ち止め「わーい、あなたの料理楽しみー! ってミサカはミサカはウキウキしてみる」
一方通行「オイッ! 寿司はどうした寿司は!?」
402 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:50:04.44 ID:P+6pG48c0
打ち止め「お寿司よりあなたの料理の作った料理が食べたーい、ってミサカはミサカはあなたのおいしい料理を期待してみる」
一方通行「……大体よォ、冷蔵庫に材料あンのか? 材料がなけりゃァ作れるモンも作れねェだろうが」
一方通行「それに買いに行くにしても、もう完全下校時刻に近けェから買いにけねェだろ」
芳川「それには及ばないわ」
一方通行「はァ?」
芳川「ハイ冷蔵庫オープン!」ガチャ
冷蔵庫『パンパンだぜ』
打ち止め「わー、冷蔵庫の中にお野菜とかお肉とかいろいろ入ってるー、ってミサカはミサカは驚きながらも解説してみる」
一方通行「\(^O^)/」
403 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:50:36.16 ID:P+6pG48c0
ガラッ
結標「あのー、おはようございます?」
打ち止め「あー! アワキお姉ちゃんだ!」ドタバタ
打ち止め「もう寝てなくても大丈夫なのー? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
結標「うん、大丈夫大丈夫、平気よ」
結標「……ところで」
打ち止め「?」
404 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:51:35.05 ID:P+6pG48c0
一方通行「」
結標「一方通行はあんなところでつっ立って何してるのよ?」
芳川「たぶん、逃れることのできない絶望に打ちひしがれるのかしらね?」
結標「そうですか」
結標「……って、気付いたらもうこんな時間じゃない!」
打ち止め「どうしたのアワキお姉ちゃん?」
結標「はあ……結局こんな布団とかいろいろ買いにいけなかったわね」
打ち止め「ドンマイ。今日いけないのなら明日行けばいいよ、ってミサカはミサカは励ましてみる」
405 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:52:26.31 ID:P+6pG48c0
結標「そうね。ありがとね打ち止めちゃん」ナデナデ
打ち止め「えへへ」
結標「……そういえば、黄泉川さんを見かけないわね」
芳川「愛穂は警備員の仕事で帰りが遅くなるみたいよ」
結標「そっか、黄泉川さん警備員でしたもんね」
結標「で、それと今の一方通行が関係あったりします?」
芳川「さすが結標さん、するどいわね。そうよ」
406 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:53:01.62 ID:P+6pG48c0
芳川「とりあえず、これを聞いてくれればわかると思うわ」サッ
結標「?」
ボイスレコーダー『何なら明日の晩飯俺が作ってやってみてもいいくらいだぜェ!』
結標「……ああ、これ昨日の会話のやつですね」
結標「……まさか」
一方通行「結標ェえええええええええ!!」
結標「な、何よいきなり!?」ビク
407 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:53:40.87 ID:P+6pG48c0
一方通行「俺と一緒に……料理しようぜ」
結標「」
408 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/24(金) 18:56:00.77 ID:P+6pG48c0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで読んでくださったみなさんありがとうございました
今さらだけど、一方さんって語尾に〜だぜ、って言わなくね? と思う今日この頃
まあ、ギャグパート?だから良いかなと思う訳ですが
ではではノシ
409 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/24(金) 20:24:00.23 ID:IafkSoKIO
おっつん
410 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/02/24(金) 22:22:43.28 ID:CFsReNNto
おつおつ
一方さんあんなこと言うからwwww
411 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/25(土) 00:28:12.85 ID:vLllE5Jeo
死亡フラグ立ってない?ww
一方さんが一緒ならダークマター料理は阻止できる……か?
412 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/25(土) 02:23:57.71 ID:0sq7GyTKo
おそらく料理できない一方通行+未現物質のあわきん=生命錬成
413 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/25(土) 07:32:31.65 ID:tM7RvePfo
エリスちゃんが誕生するな
414 :
乙
[乙]:2012/02/25(土) 15:28:01.80 ID:8dvIOjdy0
乙
415 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/25(土) 17:56:27.47 ID:RC+YmAK8o
ぜ は言わないね
416 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/02/25(土) 18:05:29.55 ID:4LmtcP+AO
乙
>>408
一応駒場戦で言ってるよ、ぜ
417 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 18:52:11.97 ID:zbHSwCGk0
みなさんこんばんは
思ったより料理編が長くなったので三分割にしてお送りしたいと思います
とりあえず今晩の21:00に会いましょう
418 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:01:19.05 ID:zbHSwCGk0
では投下します
419 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:01:54.11 ID:zbHSwCGk0
20.三分クッキング 〜注意:釣りです〜 (前篇)
-黄泉川家・キッチン-
タララタタタ♪ タララタタタ♪ タララタタタタタタタタタン♪
一方通行「……一方通行と」
結標「あ、淡希の……」
一方・結標「三分クッキングー(棒)」
<ワーパチパチパチ
420 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:02:44.39 ID:zbHSwCGk0
一方通行「……って、なンでやねン!?」ガシャン
打ち止め「おお! あなたが関西弁でノリツッコミするなんて……ミサカはミサカは内心引き気味に驚いてみる」
芳川「キミにそこまでユーモアがあったなんて、あの頃から随分変わったわね」
一方通行「うるせェ、お前らがやらせたンじゃねェか!」
打ち止め「しかし、エプロン装備の家庭的な一方通行が見れるなんて、正直ミサカは思わなかったよ」
一方通行「そりゃァ、一生着るつもりはねかったからな」
芳川「ふふふ、結標さんも似合ってるわよ」
結標「あ、あはは、ありがとうございます」アセ
421 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:03:13.25 ID:zbHSwCGk0
結標「ちょ、ちょっと一方通行!?」ヒソ
一方通行「何ですか結標さン?」ヒソ
結標「貴方、料理できるの?」ヒソ
一方通行「あァ? 俺ができるとでも思ってンのかァ?」ヒソ
結標「えっ? できないの? 昨日あんなに豪語していたのに……」ヒソ
一方通行「だから」ポン
結標「え?」
422 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:03:55.40 ID:zbHSwCGk0
一方通行「頼むぜ、結標先生」グッ
結標「な、な、な、何言ってんのよ!? 私、料理できないわよ!」ヒソ
一方通行「……はっ? 何? 聞こえない」ヒソ
結標「だ・か・ら、私は料理はおろか、食材というものに触った記憶すらないって言ってんのよ」ヒソ
結標「そもそも昨日の会話を聞いていなかったの?」
一方通行「えっ? そンな如何にも料理できますよ的な『お姉ェさン(ババア)オーラ』を放っていながらも?」
結標「そんなオーラ放った覚えは一度もないわよ! 貴方が勝手に思い込んでただけでしょ!」ヒソ
一方通行「/(^O^)\」
423 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:04:56.03 ID:zbHSwCGk0
打ち止め「ねえねえ! 今日は何を作ってくれるの!?」
一方通行「それは結じ――」
結標「一方通行!? 今日は何を作るのかしら!?」
一方通行「えっ? えェと、あれだ。あれ……」チラ
一方通行「……今回はオムライスを作ってみたいと思いまァす」
424 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:06:00.99 ID:zbHSwCGk0
結標「おいいいいいいいい!! 何勝手に高難易度激ムズ料理に挑戦しようとしてんのよおおお!?」
一方通行「いやァ、あれだ……ノリ」
結標「お前はノリで料理が作れるのか!?」
一方通行「あァ? そンなモンで料理が作れたら苦労なんかするわけねェだろうが」
結標「ふざけんなあああああ!! 何でよりにもよってオムライス? せめて、目玉焼きとかまだ可能性のありそうな料理選びなさいよ!」
一方通行「学園都市第一位の俺がそンな三下みてェな料理を作るわけねェだろ」
結標「料理界の三下が何を言ってんのよ、まったく」
一方通行「まァ、俺たちはレベル5とレベル4の頭脳を持ってンだぜ。何とかなるだろ」
結標「これは詰んだ」
425 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:06:31.94 ID:zbHSwCGk0
一方通行「それに……」ジロリ
結標「?」
打ち止め「楽しみだねー、ってミサカはミサカはわくわくしながら話しかけてみる」
芳川「ふふ、そうね。とくにどうあがくのかとかが楽しみね」
一方通行「ガキの注意が向こうに向いている」
結標「それがどうしたのよ?」
一方通行「今なら能力を使える!!」
結標(この人、能力がないと本当にダメ人間ね)
426 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:07:43.24 ID:zbHSwCGk0
一方通行「ここにはきちンとレシピが用意されている」
結標「だから、オムライス選んだのね」
一方通行「じゃあ、始めるか。冷蔵庫から、玉ねぎとグリーンピース、あと鶏肉を持ってきてくれ」
結標「は、はい」
結標「持ってきました」
一方通行「よし、あとはこれを切り刻むだけだが」
結標「何か表現が怖いんですけど」
427 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:08:31.68 ID:zbHSwCGk0
一方通行「この程度の量だったら能力を使えば一瞬だ!」カチ
一方通行「うォおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ゴウゥ
一方通行「……………………」
結標「……………………」
一方通行「何?」
結標「何をやってるのよ貴方は?」
一方通行(能力が使えねェ!?)
一方通行(馬鹿な!? きちンと能力使用モードにしているはず――!?)
打ち止め「ふふふ」
428 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:09:15.70 ID:zbHSwCGk0
一方通行「……………………」
打ち止め「ふふふふ……」
一方通行「………まさか?」
打ち止め「(^∀^)bグッ」
一方通行「……………………」プルプル
結標「…………どうしたの?」
429 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:10:02.19 ID:zbHSwCGk0
一方通行「クソガキコロス」ガコン
結標「ちょ、ちょっと何してんのよ一方通行!」ガシッ
〜しばらくお待ちください〜
結標「……ぜぇ、ぜぇ……とにかく、レシピ通りにすれば料理ができるはずなんだから、ちゃんとやりましょうよ」
一方通行「チッ」
430 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:11:21.12 ID:zbHSwCGk0
一方通行「ハイ、じゃあ、まず鶏肉を鶏肉だったのかどうかがわからなくなるくらいに、バラバラの肉塊したいと思いまァす」
結標「だから、いちいち表現が怖いのよ貴方」
一方通行「何か都合よく包丁が二本あるので、二人でとっとと切り刻ンできましょォ」
結標「はいはい」
ズドンッ
結標「!?」
一方通行「オラオラァッ!! とっとと肉塊にしてやるから大人しく切り刻まれてろやクソ鶏共がァ!!」
ズドンッ
結標「ちょ、ちょっと、ストップ、ストォォォップ!!」
431 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:12:21.89 ID:zbHSwCGk0
一方通行「何だよ結標?」
結標「危ないじゃない! そんな頭上から包丁を垂直落下させて肉を切る奴がどこにいるか!?」
一方通行「あァ? ここにいるだろ」
結標「貴方絶対馬鹿でしょ!? いろいろな意味で!」
一方通行「この学園都市(ryに向かって何を言ってンだオマエは?」
結標「演算能力が高い=頭がいい、ってわけじゃないってことが、貴方を見ればよく分かるわ」
432 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:13:01.30 ID:zbHSwCGk0
一方通行「じゃァ、オマエはわかるのかよ?」
結標「……何がよ?」
一方通行「これの切り方」
結標「……………………」スヒュー
一方通行「オイ」
結標「……………………」スピュー
一方通行「オイ、目を背けンな、こっちを見ろ」
433 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:14:51.46 ID:zbHSwCGk0
結標「はいはいわかりませんよ! でも、貴方のやり方が正しくないってことは十分わかるけどね」
一方通行「じゃァ、オマエがやってみろよ」
結標「わ、わかったわ……」
結標「……とりあえず、ゆっくり切ってみましょう。たしかこんなだったような……」
結標「って、鶏肉切りにく!? この! この! この!」ギチギチ
一方通行「……………………」ジー
結標「くそぉ………ふん! おらっ! てい!」ガシガシ
一方通行「……………ヘッ」
結標「……………………」
一方通行「……………………」
結標「…………オイ」
一方通行「あァ?」
434 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:15:29.56 ID:zbHSwCGk0
結標「今、鼻で笑ったわよね?」
一方通行「笑ってねェよ」
結標「笑ったわよね?」
一方通行「笑ってねェし」
結標「笑っ・た・わ・よ・ね!?」
一方通行「いやァ、あまりに滑稽だったモンでつい」
435 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:16:54.90 ID:zbHSwCGk0
結標「……………………」プルプル
一方通行「『鶏肉切りにく』って……、審議拒否させていだきまァす」ププ
結標「……………………」ブン
シュン
一方通行「おァ!?」バッ
ヒューン、ストン
一方通行「あ、危ねェじゃねェか! 少しタイミングがずれてたら、脳天に包丁が突き刺さってたぞ!」
結標「次、笑ったら体内に転移させる」
一方通行「サーセンwww」
436 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:17:41.07 ID:zbHSwCGk0
結標「しかし、この肉が硬過ぎるのよ」
一方通行「たしかにな。包丁ってのはサクって切れるイメージがあるからな」
結標「うーん、どうにかして柔らかくできないかしらねー」
結標「……………………」
一方通行「……………………」
結標「……………………」ポンポンポン
結標「!!」チーン
結標「ひらめいたわ!」
一方通行「あァン? 何かわかったのか?」
結標「この状況の打開策がわかったのよ! ちょっと待ってて」テクテク
一方通行「?」
437 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:18:47.02 ID:zbHSwCGk0
結標「持ってきたわよー、私達の切り札」テクテク
一方通行「……一応聞くが、何だそりゃァ?」
結標「何って、この硬くて切りにくい肉を柔らかくするための切り札!!」
結標「ジュウナンザーイ(裏声)」
一方通行「……………………」
結標「これをかけるだけで、何とお肉が柔らかくなってしまうのだ(裏声)」
一方通行「……………………」ビシッ
結標「あたっ!?」
結標「ちょ、ちょっと何すんのよ!?」
438 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:19:35.59 ID:zbHSwCGk0
一方通行「オマエ、今俺たちが何をしているのか理解してンのか?」
結標「料理」
一方通行「なら、何で柔軟剤!? こンなモン食い物にかけたら猫も食いつかない産業廃棄物状態になるわ!」
結標「いやいや、そんなバカな」アハハ
一方通行「笑いながら蓋を開けンじゃねェ」ガシッ
結標「ちょ、ちょっと返しなさいよ!」
一方通行「ダメでェーす、これは没収でェーす」
結標「(´・ω・`)」
439 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:20:10.40 ID:zbHSwCGk0
一方通行「……つゥかよォ」
結標「何よ?」
一方通行「それ使えばいいンじゃねェか?」
結標「それって?」
一方通行「能力」
結標「えっ? 私の能力?」
一方通行「そォだ」
440 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:20:50.32 ID:zbHSwCGk0
一方通行「俺はクソガキに妨害されて能力は使えねェけどよォ、オマエは普通に使えるじゃねェか」
結標「う、うん、まあね」
一方通行「たしか『空間移動』って、転移先に物体があったら、それを押しのけて移動するモンだろ?」
結標「そりゃそうだけど……あ、そうか!」
一方通行「やっと気付いたか、遅せェ」
結標「この包丁を鶏肉の切りたい部分に転移させれば」
一方通行「お肉が簡単に真っ二つってわけだ」
結標「さすがレベル5。頭がいいわね」
一方通行「いや、この程度で頭がいいって言われても」
441 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:21:23.39 ID:zbHSwCGk0
結標「よ、よし、じゃあいくわよ?」
一方通行「オーケーでェす」
結標「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ――ッ!!」ブンブン
ストンストンストンストンストンストンストンストンストンストンストン
T/O/R/I/N/I/K/U
結標「ふぅ、一丁あがり」
一方通行「お疲れ様でェす。じゃァ、次これもお願いしまァす」サッ
結標「え、えええええぇ!?」
442 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:22:09.49 ID:zbHSwCGk0
〜五分後〜
T/A/M/A/N/E/G/I
結標「……ぜぇ、ぜぇ……ぜぇ……」
一方通行「お疲れ様でェす」
結標「ま、まさか、まだ切る物があるの!?」
一方通行「い、いや別にねェけど」
結標「よ、よかった……これ以上の能力使用は……マジでキツイ」
一方通行「あー、ハイハイ」
443 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:22:46.17 ID:zbHSwCGk0
一方通行「ハーイ、次に米と一緒に炒めてチキンライスを作りたいと思いまァす」
結標「は、はーい」ゼェゼェ
一方通行「えェと、まずフライパンを準備してくださァい」
結標「は、はいはーい」ゼェゼェ
結標「………………………」ガサガサ
一方通行「………………………」
444 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:23:21.70 ID:zbHSwCGk0
結標「……………………?」ガサガサ
一方通行「………………………」
結標「…………………あれ?」ガサガサ
一方通行「…………どォした?」
結標「……フライパンってどれだっけ?」
一方通行「オマエ、それマジで言ってンのか?」ピキ
445 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/25(土) 21:27:30.73 ID:zbHSwCGk0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
今さらですけどキャラ崩壊注意です
しかし、このあわきん病人なのにがんばってるな、と投下してて思った。
ちなみに、
>>1
は料理をしたのは高1の調理実習以来なので
?となる描写があるかもしれませんがよろしくおねがいします
ではではノシ
446 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/25(土) 21:29:36.51 ID:cQzFUcHk0
おつおつ
447 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/25(土) 21:30:58.78 ID:tNInsVqco
ぶっちゃけオムライスは作るだけなら簡単な類
『美味く』作るのは慣れetcが必要だけど
448 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/02/25(土) 21:43:05.56 ID:GsRMjDyJo
オムレツならともかくオムライスは割と簡単だよな
449 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/25(土) 21:58:06.83 ID:VdihqcGEo
なるほど炊飯器しか無いのか
450 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/02/25(土) 21:59:27.96 ID:4LmtcP+AO
素人には難しいんじゃね?
俺作れねーwwwwwwww
451 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/25(土) 22:13:45.90 ID:04MKfw2yo
黄泉川家にフライパンがあるのか、という問題はあるがな
452 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/25(土) 22:36:32.32 ID:tNInsVqco
>>450
オムライスってチキンライスとソースで大概の味が決まるからそれっぽく見せたければソースにレトルトハヤシ使えばおk
チキンライスは味見しながら作れるから初心者でも簡単、炒飯と違ってコツなんかも特に無い
レトルトハヤシ使うと味濃くなるからチキンライスよりバターライスの方がいいかも。こっちは具がいらないから更に楽
卵で包むのが苦手なら「ふわとろ()」にして上に乗せるだけでいい。これなら卵を数使えば誰でもできる
問題は1品に対して洗い物が多くなる事だ
>>449
,451
忘れてたww
あわきんが料理下手じゃなくマジで見つからなくて言ってる可能性もあるのかww
453 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/26(日) 03:31:07.16 ID:iBPTI7gUo
卵2つ溶いてフライパンに薄く広く流し込んだあと弱火で焼いた後に別のさらに移し、そのあとチキンライス作って皿に移した広い卵焼きに乗っけて包んでオムライスーっつってる俺と同じ作り方の奴いる?
454 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:05:26.31 ID:RXRkPl5M0
みなさんおはようございます
ちょwwwオムライス簡単だったとはwww
料理もまともに作れないのにこんなSS書いてもいいのかと思う今日この頃
>>449
,451
一応12巻に、使われていないだけで炊飯器以外の調理器具がある描写があるので、
フライパンぐらいあるのではないか、と思ってくれると幸いです
では投下します
455 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:08:02.87 ID:RXRkPl5M0
21.三分クッキング 〜注意:釣りです〜 (中篇)
-黄泉川家・キッチン-
一方通行「さて、やっとのことでフライパンを用意できたわけだが……」
結標「……面目ないです」
一方通行「このレシピによるとフライパンに油をひくらしいが……これってどういうことだ?」
結標「油を入れるんじゃない? たぶん」
一方通行「つゥことは、油が必要な訳か。よし結標、油持って来い」
結標「え、ええ!? たまには貴方が持ってきてよ!」
456 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:09:26.89 ID:RXRkPl5M0
一方通行「いやァ、俺杖付きだから機動力がないンだよ」
一方通行「それに俺はこの電磁調理機器を起動する方法を模索する作業に入らねェとな」
結標「……わかったわよ。ちょっと待ってなさい」テクテク
一方通行「……さてと」
〜十分後〜
一方通行「ボタン一つで余裕だったわけだが……アイツ遅せェなァ……」
結標「持ってきたわよー!」テクテク
一方通行「おお、やっとか―――はァ?」
結標「はい油」
457 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:10:03.87 ID:RXRkPl5M0
一方通行「……これ何の油?」
結標「何ってただのサンオイルじゃない」
一方通行「サンオイル?」
結標「そうサンオイル。いやー、この季節売ってるところが少なくて困ったわ。ふー、疲れた」
一方通行「……オマエ、ホントに料理する気あンの?」
結標「もちろん!」キリ
一方通行「………………………」ゴツン
結標「痛ッ!? こ、今度は何よ!?」
一方通行「これ確実に食えるモンじゃねェだろ!?」
結標「大丈夫よー、だってここにココナッツオイル配合って……」
458 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:10:51.20 ID:RXRkPl5M0
一方通行「………………………」ガシッ
結標「?」
一方通行「………………………」カツンカツン
-黄泉川家・リビング-
一方通行「………………………」カツンカツン
打ち止め「あれー、どうしたの? そんな怖い顔してー? ってミサカはミサカは……」
一方通行「………………………」ガララ
一方通行「元の居場所へ引き返しやがれェ!!」(*`Д´)ノィョ――――――――――――――――――――――――――――――――★
結標「私の買ったサンオイルが外へ!?」
459 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:11:39.42 ID:RXRkPl5M0
窓の外<ギャーソラカラナゾノエキタイガーフコウダー
芳川「不法投棄はダメよ?」
一方通行「うるせぇ、コレは正当な理由だ」
結標「ちょっと、何すんのよ!?」
一方通行「誰がサンオイルを持って来いと言った?」
結標「いやー、一方通行が油が必要って言ったから……」
一方通行「それなら調理用の油なり何なり持ってこいよ!!」
結標「そういう重要なことは最初に言いなさいよ!!」
460 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:12:08.24 ID:RXRkPl5M0
芳川「……一方通行」
一方通行「ンだよ芳川」
芳川「サラダ油なら流しの横にあるじゃない」
一方通行「……は?」
芳川「だから流しの横」
一方通行「……あれって油だったかよ。てっきりレモン汁か何かかと」
結標「ってことは、私が買いに行ったサンオイルは無駄となったわけ?」
一方通行「どちらにしろ無駄だろ」
461 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:12:46.49 ID:RXRkPl5M0
-再びキッチン-
一方通行「ええと、フライパンを熱したから……」
一方通行「次は油か。油をよこせ」
結標「どれくらい?」
一方通行「あァ? ちょっと待て……材料一覧には小さじ二杯って書いてあるな」
結標「小さじって何よ? グラムで言いなさいよ」
一方通行「グラムと言うよりミリリットルじゃねェ? つゥか、そンなモン書いてねェよ」
462 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:13:26.82 ID:RXRkPl5M0
結標「くそー、量さえわかればテレポートさせるのに……」
一方通行「めンどくせェ……適当に入れろ」
結標「適当ってどれくらいよ?」
一方通行「おそらく少量だろ。油ばっか取るのは体に悪りィって聞くし……」
結標「わかった。じゃあ入れるわね」ドッパァー
一方通行「オイ、これ入れ過ぎじゃね? 水溜りならぬ油溜りができてるぞ?」
結標「そう? そんなに多いとは思わないけど?」
463 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:14:17.79 ID:RXRkPl5M0
油『跳ねまくるぜい!!』ピシャピシャ
一方通行「……ッ!? 熱ッ!? オイ、ぜってェこれ入れ過ぎだろ!?」
結標「そうね。散弾銃の如く油が飛び散ってるもんね」
一方通行「まァいい。とにかく、とっととチキンライスを作り終えるぞ」
一方通行「俺は左手しか使えねェからオマエは材料を入れてくれ。俺が混ぜる」
結標「わかったわ。で、何を入れればいいの?」
一方通行「たしか、鶏肉だったはず」
464 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:15:06.89 ID:RXRkPl5M0
結標「ハイ入れるわよ!」ドパァー
油『跳ねまくるにゃー!!』ピシャー
一方通行「熱ッ!! いきなり入れンじゃねェ!! アッチ!! クソッ!! 反射さえ使えれば……」
ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方通行「……………………」
ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結標「……………………」
ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
465 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:16:20.40 ID:RXRkPl5M0
結標「……それって混ざってるの?」
一方通行「あァ? 料理ってこんなモンだろ?」
結標「ただフライパンを前後に動かしてるだけじゃない」
一方通行「……そンなモンだろ料理なンて」
結標「まあ、そんなもんよね……」
〜五分後〜
一方通行「つゥか、いつまでこれ炒めりゃいいンだ?」
結標「レシピには鶏肉の色が変わるまでって書いてあるけど」
一方通行「……片面が黒焦げなンだが……」
466 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:17:03.46 ID:RXRkPl5M0
結標「……急いで次の段階に行きましょう」
一方通行「……そうだな」
一方通行「じゃあ次は野菜を頼む」
結標「了解」スッ
一方通行「ちょっと待て」
結標「何?」
467 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:17:50.27 ID:RXRkPl5M0
一方通行「また油が跳ねられても困るから、ゆっくり入れろ」
結標「もー、わかってるって……あっ、手が滑った」ドパァー
油『まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜい!』パチパチ
一方通行「がァァああああああああああああああああ!! オマエぜってェわざとだろォォおおおおおおおおおおおおお!!」
結標「はははー、ごめんって……ええと、あと塩コショウも入れないとね」ドパァー
一方通行「おいィ! ぜってェ、これ入れ過ぎだろ!?」
結標「大丈夫よ………………たぶん」ボソ
一方通行「オイ、何か不吉な事呟かなかったか!?」
468 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:18:35.74 ID:RXRkPl5M0
〜さらに五分後〜
一方通行「オイオイ、いつまでこれ炒めりゃいいンだ?
結標「ええと……野菜に火が通ったら、だって」
一方通行「これ通ってンのか?」
結標「……さあ?」
一方通行「めンどくせェから進めるぞ」
結標「わかった。じゃあ、ご飯を」ドパァー
一方通行「……さすがにもう跳ねるほど油は残ってねェか」フゥ
一方通行「で、これはどれくらい炒めりゃいいンだ?」
結標「ええと……これといっては書いてないけど」
一方通行「………………………」
結標「………………………」
469 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:19:28.99 ID:RXRkPl5M0
〜例の如く五分後〜
一方通行「……これでいいだろ」
結標「これを食べるの?」
一方通行「……まだだ。ケチャップ持って来い」
結標「わかったわ」テクテク
結標「……はいケチャップ」ドパァー
一方通行「オイ! これ入れ過ぎじゃねェ!?」
結標「適量って書いてるから多分大丈夫よ」
470 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:19:59.71 ID:RXRkPl5M0
一方通行「つゥか、これ本当にケチャップか!? 何か液体っぽいし、匂いがすンげェ鼻に衝くンだが?」
結標「……ええと」タラ
一方通行「あァ? どォした?」
結標「……これケチャップじゃなくてタバスコでした」テヘ
一方通行「」
471 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/26(日) 09:23:18.28 ID:RXRkPl5M0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
おそらくこれを読んだ人が全員が思っている事かもしれませんが
「フライパン持つ人間代われば!?」
もちろん自分も思いました
ではではノシ
472 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/26(日) 10:19:41.60 ID:SFcuUJdAo
乙
えーと、未元物質作ってるんだよね?
473 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/26(日) 10:54:07.78 ID:+Zh4PxYho
※作った物は責任を取って食べましょう
474 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/02/26(日) 12:34:55.53 ID:vIcnDFCl0
あわきんって公式で殺人料理だっけ?
475 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2012/02/26(日) 13:11:43.97 ID:rmzF698AO
インデックスさんこっちです
476 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/26(日) 13:51:46.26 ID:QN2bwRGCo
まあ一方さんの活躍で致命的なものを入れられることは防げたから、普通の失敗料理程度に収まるんじゃないかな?
477 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/02/26(日) 14:10:52.75 ID:AFghtUXAO
結局、未元物質になって食えなくなるに10ペリカ
478 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/26(日) 15:25:38.60 ID:TflaQQoIO
>>474
原作で小萌「結標ちゃん野菜炒め練習しますよ」っていう感じ(うろ覚えだが)の描写があった
これがどういった解釈であれ小萌>結標であるから、料理の腕が突出して高いというわけでもないみたい
479 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/26(日) 18:39:35.77 ID:+Zh4PxYho
そもそも「野菜炒めを練習」だからな
普通練習するものじゃないだろ野菜炒めって
480 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2012/02/26(日) 19:39:21.69 ID:M4frgOrCo
野菜切ってフライパンにいれて塩胡椒軽く降るだけでできるもんなwwwwww
481 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 14:59:44.57 ID:/ksOLXxY0
みなさんこんにちは
ちょっと投下しますねー、と
482 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:01:00.15 ID:/ksOLXxY0
22.3分クッキング 〜注意:釣りです〜 (後編)
-黄泉川家・キッチン-
一方通行「」
結標「」
チキンライスの予定だったもの『私を食ったらジ・ゴ・ク・ユ・キ確定ね』
一方通行「……オイ」
結標「……なに?」
483 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:01:51.32 ID:/ksOLXxY0
一方通行「これホントにチキンライス?」
結標「……材料が合ってるからそうじゃない?」
一方通行「材料が合ってても調味料が違うだろ」
結標「そうだっけ?」
一方通行「塩コショウとケチャップだけでいいモノを、タバスコを入れた上に、辛さを軽減するためにいちごミルクとか追加したのはオマエじゃねェか」
結標「そうだっけ?」
一方通行「はァ……とりあえず料理続行だ」
結標「えっ!? まだ続けるつもりなの!? これ以上の犠牲は……」
一方通行「自分で犠牲とか言ってンじゃねェ!」
484 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:02:29.31 ID:/ksOLXxY0
一方通行「形だけでも作ってみれば、もしかしたうめェかもしれねェだろうが」
結標「これはおいしくするとか、神でも無理なんじゃない?」
一方通行「よし、今度は上に乗せる卵の部分だ」
結標「ええと……まず卵を割って溶き卵にするらしいわ」
一方通行「一番の問題は俺たちが卵を上手く割れるのかだな」
結標「えっ? 卵を割るくらい簡単じゃない」
一方通行「はァ!? マジで!?」
485 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:03:18.60 ID:/ksOLXxY0
結標「うん。ほら」グチャ
卵『俺の屍を越えてゆけ!!』ボトッボトッ
一方通行「……誰が卵丸ごと潰せと?」
結標「……言われた通り割ったのよ!」
一方通行「……はァ、頭痛てェ」
一方通行「とりあえず、この器の中に殻を入れずに卵を割るンだよ」
結標「……それって不可能じゃない?」
一方通行「あァ? 何で?」
486 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:04:14.57 ID:/ksOLXxY0
結標「だって割ったら殻入るじゃない。例えるならコップの中に入ってる水を、破片を入れずに割って出すようなものでしょ?」
一方通行「いや、そンな心配をする必要はねェ」
結標「? 何で?」
一方通行「詳しくは知らねェけど、卵の中には膜があって、その膜が殻の破片がばらつくのを多少は防いでくれるから問題ねェ……たぶン」
結標「ふーん」
一方通行「とにかく今は卵を割るぞ」
結標「おー」
487 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:05:08.36 ID:/ksOLXxY0
〜しつこい様だが五分後〜
卵の残骸達(ブラザーズ)『』
一方通行「ダメだ。全然いいように割れねェ」グチャ
結標「力の加減がまるでわからないわ」バキッ
一方通行「……つゥかさァ」
結標「何よ?」
一方通行「卵の中身だけテレポートできねェ?」
結標「おお! その手があったか!」
結標「……って、また私が働くわけか」
一方通行「ハイ、よろしくお願いしまァす」
結標「…………………はぁ」
488 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:05:39.69 ID:/ksOLXxY0
〜驚異の五分後率〜
一方通行「さすがだな。オマエの能力便利過ぎだろ」
結標「もう……ゴールして……いいよね?」ゼェゼェ
一方通行「何言ってンだオマエ? とっとと次の作業に行くぞ」
結標「鬼! 悪魔!」
一方通行「何とでも言いやがれ」
結標「変態! ロリコン!」
一方通行「知ってるかァ!? 俺の悪口言ったヤツはなァ、普通ならミンチになるンだぜ!?」
489 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:06:55.54 ID:/ksOLXxY0
一方通行「えェと、新しいフライパンを用意する……と。新しいフライパンはよ」
結標「……はい」ガサゴソ
一方通行「で、そのフライパンに油をひいて……結標、油」
結標「……はい」ガチャ
一方通行「今度こそ入れ過ぎるなよ? いいか? 絶対にだぞ? フリじゃねェぞ!?」
結標「わかってるわよ、あっ、しくった」ドッパァー
油『悲劇は何度でも蘇るさ」パチャパチャ
一方通行「結標ェェえええええええええええええええええ!?」ガバッ
結標「ご、ごめんなさーい!」ドタドタ
490 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:07:47.29 ID:/ksOLXxY0
一方通行「ったく……ええェと、次は溶き卵を入れるのか。結標」
結標「これって全員分を分けてやった方がいいかな?」
一方通行「そォいや、オムライスって個別に食うモンだったな」
結標「じゃあ、分けて入れるわね」コポポ
ジューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方通行「こうやって広げながら……」
結標「ええと、卵の表面が乾く前にチキンライスの上に乗せるらしいよ」
一方通行「これはまた、わかりにきィい説明だな」
491 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:08:58.08 ID:/ksOLXxY0
結標「……………………………」
一方通行「……………………………」
結標「そろそろじゃない?」
一方通行「了解了解。チキンライス(の予定だったもの)を皿に移し替えたか?」
結標「大丈夫、ぬかりないわ」
一方通行「よし、行くぞ」
一方通行「おらァああああああああああああああああああああああああ!!」
―――
――
―
492 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:09:45.84 ID:/ksOLXxY0
-黄泉川家・リビング-
打ち止め「もー、まだかなー、お腹空いたー! ってミサカはミサカは空腹を訴えてみる」
芳川「まあ、ゆっくり待ちなさい。そろそろできるのではないのかしら?」
打ち止め「しかし、あの人の料理かー、一体どんな味なんだろうなー、ってミサカはミサカは期待に胸を膨らませてみる」
芳川「あんまり期待しない方がいいわよ」
打ち止め「そういえば、芳川は携帯持って何してるの? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
芳川「保険を掛けてるのよ」
打ち止め「保険?」
芳川「そう保険」
ガチャガチャ
493 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:10:18.35 ID:/ksOLXxY0
芳川「あら、どうやら完成したようね」
ガチャガチャ
打ち止め「わーい! 待ちに待ったあの人の作った料理だあー! ってミサカはミサ……えっ?
ガチャガチャ
494 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:10:52.86 ID:/ksOLXxY0
一方通行「お待たせいたしましたァ……」
ガチャガチャ
芳川「………………」ピッピッ
ガチャガチャ
結標「お、オムライスです……」
495 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:11:37.13 ID:/ksOLXxY0
オムライスの予定だったもの『俺のテイストに常識は通用しねえ』
昨晩の夕食時、黄泉川家にお寿司が届けられました。
※『オムライスの予定だったもの』はスタッフがおいしくいただきました
496 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/27(月) 15:15:10.70 ID:/ksOLXxY0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
料理なんてほとんどした事なかったんで、手探り書いたのですがどうでしょうか?
しかし、このあわきんを見ると、某神漫画のバグ魔思い出した
まあ、向こうは料理が得意らしいけどね
ではではノシ
497 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/27(月) 15:36:29.53 ID:vGKG8AAdo
スタッフさんが死んじゃう!
498 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/27(月) 16:03:43.24 ID:u8GsOU3to
スタッフさん二人しかいないよ!
499 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/27(月) 18:16:35.79 ID:n0KmgcHwo
打ち止め地味に性格悪いな
500 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/27(月) 18:52:00.57 ID:oliWwyMKo
打ち止めの言葉に皮肉は無いだろw
501 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:24:35.91 ID:JGx7rvz70
みなさんこんにちは
投下します
502 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:25:05.73 ID:JGx7rvz70
23.二日目終了のお知らせ
-黄泉川家・リビング-
一方通行「…………」
結標「お風呂上がったわよ」
一方通行「……あァ、後で行く」
結標「……どうしたの?」
一方通行「何がだ?」
結標「いや別に。ただ、貴方がソファーに座っている姿がちょっと珍しくて」
一方通行「はァ? 何言ってンだオマエ? ソファーは座るもンだろ」
結標「いやー、何か貴方っていつもソファーに寝ころんでるイメージがあるから」
一方通行「まだ会って二日も経たねェような関係なのに、よくいつもとか言えるよな」
結標「あははー、ごめん」
503 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:26:04.36 ID:JGx7rvz70
一方通行「そォだ、結標」
結標「何?」
一方通行「ちょっと話があンだけどいいか?」
結標「何よ突然? まあ、いいけど」
一方通行「そォか」
結標「で、何?」
一方通行「まァ、座れよ」
結標「うん」ドサ
504 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:27:02.51 ID:JGx7rvz70
一方通行「……………………」
結標「……早く話しなさいよ」
一方通行「オマエさァ……さっきまで気ィ失ってただろ?」
結標「う、うん。打ち止めちゃんから聞いたんだけど、私が転移した後すぐ気を失ったらしいわね」
一方通行「それについての話しなンだが」
一方通行「オマエ、何にも思い出した事はねェって言っただろ」
結標「事実思い出してないしね」
一方通行「それはホントか?」
結標「あれ? さっきもこんな感じの流れで話ししなかった?」
一方通行「そォいやそォだったな」
505 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:27:41.20 ID:JGx7rvz70
一方通行「まァ、率直に言うわ」
一方通行「オマエ、自分自身の転移をやめろ」
結標「えっ? な、何で?」
一方通行「また気ィ失われてもめンどくせェだけだからな」
結標「ちょ、ちょっと、それってどういう事なの?」
一方通行「こっから俺が言う事はあくまで推測だ」
一方通行「オマエにはわかンねェかもしンねェけどよォ、記憶を失う前のオマエにはトラウマがあったンだ」
結標「……トラウマ?」
506 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:28:10.81 ID:JGx7rvz70
一方通行「あァ。そして、オマエはそのトラウマを思い出すたびに著しく体調を崩すような体質だった」
結標「で、でもそれって記憶がある時の私でしょ?」
一方通行「まァな。だが、そんな体質だったら、頭で覚えてなくても体が覚えているって可能性があるだろ」
結標「そんなのありえるの?」
一方通行「言っただろ? あくまで推測だって」
一方通行「だけどオマエはあるアクションを起こして、気を失った」
結標「……自分自身の転移」
507 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:29:12.20 ID:JGx7rvz70
一方通行「ああ。おそらく、それがトリガーとなってオマエの体に負荷がかかるってわけだ」
結標「そして私は気絶する、ってわけ?」
一方通行「そォいうこった。だから、自分自身の転移はこれ以上はやめとけ」
結標「……うーん。いまいち実感がないわね」
一方通行「まァ、『空間移動』は便利で、使わないともったいないってのはわかるが……」
結標「……わかったわ。要するに自分を転移しなきゃいいのよね」
一方通行「あァ、そういうことだ」
結標「じゃあ、これから気を付けるわ」
508 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:30:14.61 ID:JGx7rvz70
ガチャ
黄泉川「よぉー! ただいまじゃーん!」
結標「あっ、おかえりなさい黄泉川さ……ん?」
一方通行「外で飲んできやがったのかコノヤロウ」
黄泉川「いいじゃんかよー、付き合いも大切じゃん?」
一方通行「はァ……まァ、どォでもいいか」
黄泉川「じゃん!」
一方通行「あァ? つゥか、その手に持ってるもんは何だ?」
黄泉川「ああ、これか? なんかー家の前に落ちてたじゃーんよー」
一方通行「外に落ちてたモン拾ってきてンじゃねェよ」
結標「あっ! それって私達が買ってきたゲーム……」
509 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:30:58.62 ID:JGx7rvz70
一方通行「あァ? そンなモン買いに行ってたのか?」
結標「え、ええ。ちょっと暇潰しにでもと……」
一方通行「で、何でそんなモンが部屋の外に放り出されてンだ?」
結標「さ、さあ?」
黄泉川「まーあ、これが淡希の物ならよかったじゃん! はい、部屋に置いとくじゃんよ!」
結標「あ、はい……って重っ!?」
510 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:33:08.19 ID:JGx7rvz70
結標「お、重い……」
一方通行「……大丈夫かオマエ?」
結標「だ、大丈夫大丈夫。じゃあ、私はもう寝ますんで、おやすみなさい」
黄泉川「おやすみじゃん!」
一方通行「おォ……」
ガラッ
黄泉川「……………………」
一方通行「……………………」
511 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:34:13.22 ID:JGx7rvz70
黄泉川「さーて、一方通行ー」
一方通行「ンだよ?」
黄泉川「今日も始めるじゃーんよ! 将棋!」
一方通行「まだ懲りてねェのかよ。つゥか、そんな状態で俺に勝てると?」
黄泉川「なめんじゃねーよ、実を言うと酔ってるほーが強いじゃんよー!」
一方通行「酔拳じゃァあるまいし、そンなことあるわけねェだろ」
一方通行「つゥか、酒臭せェから先に風呂入ってこい!」
黄泉川「はーい」テクテク
一方通行「………………はァ」
一方通行「めンどクセェ…………」
2日目終了のお知らせ
512 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/28(火) 12:35:53.90 ID:JGx7rvz70
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
よく見たらこのスレも残り半分を切りましたね
あっという間だなーと思いました
ではではノシ
513 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/28(火) 16:05:05.37 ID:2DuXZGhBo
おつ!
一方通行やさしいな
514 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 20:53:34.03 ID:I+zUuG800
皆さんこんばんは
投下を始めたいと思いまーす
515 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 20:54:27.10 ID:I+zUuG800
24.肉食のナマケモノ
-黄泉川家・食卓-
打ち止め「ヨミカワー! おかわりー!! ってミサカはミサカは元気にご飯をもう一杯要求してみる」
黄泉川「おお打ち止め、今日はよく食べるじゃん」
打ち止め「今日は何かお腹が減ってるのー! ってミサカはミサカは空腹アピールをしてみる」
芳川「そんなにいっぱい食べたら太るわよ」
打ち止め「なっ!?」ガーン
黄泉川「大丈夫じゃんよ。子供はたくさん食べるくらいがちょうどいいじゃん」
打ち止め「そ、そうだよね、ってミサカはミサカは止まっていた箸を再び動かしてみる」
516 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 20:56:18.85 ID:I+zUuG800
p
一方通行「うっせェぞクソガキィ、メシの時くらい静かに―――zzZ」ガシャン
結標「ちょっと一方通行! ご飯食べながら寝ないでよ」
一方通行「Zzz―――うるせェ、俺はあと十時間は寝るンだよ――zzZ」
結標「どんだけ寝れば気が済むの?」
芳川「まるでナマケモノね」
黄泉川「ほら、一方通行! シャキッとするじゃん!」バシン
一方通行「痛ッ!? 黄泉川ァああ!!」
517 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 20:57:42.51 ID:I+zUuG800
黄泉川「寝るならご飯を食べてからにするじゃん」
結標「寝るのはいいの!?」
一方通行「大体よォ、何でこの俺が早起きなンてくっだらねェことを二日連続でチャレンジなきゃなンねェンだよ?」
黄泉川「いつもダラダラしているのだから、朝位ちゃんと起きるじゃん」
打ち止め「そうだよー! 早起きは三文の徳なんだよ! ってミサカはミサカは昨日テレビで知った言葉を使ってみたり」
一方通行「三文なンてシケた金もらうくらいなら、睡眠を続行するわ」
打ち止め「三文って何円くらいなの? ってミサカはミサカはふと疑問に思ってみる」
一方通行「一文三十円くらいとかじゃァねかったか?」
芳川「そうね。大体早起きする度九十円くらいの徳があるってことね」
一方通行「たかが九十円で早起きなンざするか。と言う訳で早く寝させろ」
518 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 20:58:36.86 ID:I+zUuG800
黄泉川「とにかく朝ご飯は食べるじゃん!」
一方通行「あァー、ホント勘弁してください、眠いンですってェ……」
打ち止め「うわぁ、何かあなたの敬語にちょっと違和感を感じる、ってミサカはミサカは本音を包み隠さず言ってみる」
黄泉川「寝たければ、まずこの朝食を食べ終えてからじゃん」
一方通行「ふざけンじゃねェよ、俺は肉食なンだよ、サラダなンて食わなくても生きていけるンだよ」
黄泉川「好き嫌いはゆるさないじゃん。ちゃんと食べなさい」
一方通行「好き嫌いじゃねェよ、食いたくねェンだよ」
打ち止め「人それを『好き嫌い』と言う、ってミサカはミサカは某兄さん風に言ってみる」キリ
芳川「何か給食を残して、昼休みまで食べさされてる小学生みたいね」
519 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 21:00:03.58 ID:I+zUuG800
結標「……あ、そうだ。私、今日医者に呼ばれてたので朝は病院行きますね」
打ち止め「病院って、どこか悪いの? ってミサカはミサカは心配しながら聞いてみる」
結標「たぶん、この鼻に着けてる矯正じゃない? たしかそろそろ取ってもいい頃だし」
打ち止め「おおー! ついに淡希お姉ちゃんの真の姿を目の当たりにできるんだね! ってミサカはミサカはわくてかしながら期待してみる」
結標「真の姿って……そんな大げさな」
黄泉川「そうだ! これをみんなに渡すのを忘れてたじゃん」ゴソゴソ
黄泉川「はい、みんな受け取るじゃん」ガチャ
520 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 21:00:32.19 ID:I+zUuG800
芳川「これって、玄関のカギかしら?」
黄泉川「そうそう。締め出される人が多いみたいだし、もうちょっと早く作るべきだったじゃん」
打ち止め「わーい! これでミサカも出入り自由だー! ってミサカはミサカは手に入れた自由を噛み締めてみたり」
一方通行「どォせオマエは部屋に忘れて締め出されるオチだろ? 目に見えてェンだよ」
打ち止め「うう。言い返せないのが悔しい」
結標「そんなこと言ってる暇があれば、その皿の上に乗ってるサラダを減らしたら?」
一方通行「うっせェンだよ! 言われなくても減らすっつゥの!」
521 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 21:01:22.19 ID:I+zUuG800
一方通行「こんな雑草共、俺の力にかかりゃァ一瞬で木端微塵だァ」カチ
打ち止め「はい! 能力ボッシュート! ってミサカはミサカは心を鬼にしてみる」
一方通行「クソがァああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ガンガン
結標「こんなヤツが本当に学園都市第一位なのか疑わしくたってくる光景ね」
芳川「所詮は子供ってことね」
結標「ああ、それわかります。何かコーヒーとか飲んで大人ぶってる感じがありますよね?」
芳川「それは激しく同意だわ」
一方通行「オイ、オマエら後で覚えとけよ? ぜってェ殺すからな? マジで殺すからな?」
522 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 21:02:05.33 ID:I+zUuG800
結標「殺すしか言わない所とかボキャ不足って感じがするし」
芳川「そうよね。決まって殺す、ミンチ、肉塊ばっかり言ってる気がするしね」
一方通行「ァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」
黄泉川「うるさいじゃん!!」ゴツン
一方通行「……すンませン」
〜食後〜
一方通行「おえェ、トマトのぶよぶよ、レタスのしゃきしゃき……」ブツブツ
打ち止め「大丈夫? ってミサカはミサカはあなたの頭を撫でてみる、ってあれ? 撫でても怒られない!?」
523 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 21:03:18.42 ID:I+zUuG800
芳川「たかがサラダを食べただけで廃人コースってどうなのよ?」
結標「野菜も食べずに何を食べてたんでしょうか?」
芳川「居候する前は、よく昼食にフライドチキンとかハンバーガーとか、そういう系統の食べ物を持ってきてたけど」
結標「……一応ピクルスは食べられるんですね」
芳川「たぶんピクルス単体だったら無理でしょうけどね」
結標「やっぱりそうですか」
524 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 21:03:56.77 ID:I+zUuG800
黄泉川「あっ、そういえば淡希」
結標「何です?」
黄泉川「結局昨日は布団その他諸々を買いに行かなかったじゃん?」
結標「あ、はい……いろいろあったもので」
黄泉川「だったら病院帰りにでも寄っていけばいいじゃんよ」
結標「そうですね。そうします」
黄泉川「じゃ、一方通行よろしく」ポン
一方通行「はァ!? ふざけンなババァ!! 何でまた俺!?」
芳川「野菜を無理やり食べさされた怒りをここで解消する気ね」
打ち止め「かわいそうな一方通行……」
525 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 21:05:20.54 ID:I+zUuG800
一方通行「俺はこれから夢の中十時間コースを旅行するから忙しィンだよ!」
黄泉川「たまには出歩いてでも運動しないと体に悪いじゃん」
黄泉川「それに、どうせ昨日行くつもりだったんだからいいじゃんよ」
一方通行「昨日は昨日、今日は今日だ。悪りィが今日こそは芳川の出b……ってまたアイツ消えやがった!?」
結標「と、とりあえず私はそろそろ出発しますね」
黄泉川「はい、子供は風の子、外に行ってくる! GO!!」
一方通行「チクショウが、覚えとけよ黄泉川」カツンカツン
黄泉川「いってらっしゃーい」
打ち止め「いってらっしゃーい、ってミサカはミサカは手を振って見送ってみる」ノシ
526 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/02/29(水) 21:07:14.35 ID:I+zUuG800
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
これ書く前まで、鼻の骨折設定忘れてたわww
しかし、どんどん一方さんがダメ人間になっていく……
ではではノシ
527 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/29(水) 21:28:35.70 ID:recJ6918o
r ‐、
| ○ | r‐‐、
_,;ト - イ、 ∧l☆│∧ 良い子の諸君!
(⌒` ⌒ヽ /,、,,ト.-イ/,、 l 早起きは三文の得というが、
|ヽ ~~⌒γ⌒) r'⌒ `!´ `⌒) 今のお金にすると60円くらいだ。
│ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /| 寝てたほうがマシだな。
│ 〉 |│ |`ー^ー― r' |
│ /───| | |/ | l ト、 |
| irー-、 ー ,} | / i
| / `X´ ヽ / 入 |
528 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/29(水) 21:37:41.41 ID:B4ZImKmoo
乙
寝るわ
529 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/29(水) 21:38:30.59 ID:IX541+5O0
60円を笑う者は60円に泣く
530 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/29(水) 21:44:48.22 ID:fugioeSio
乙ー!黄泉川家なごむわー
あと細かいことだが「食べさされた」じゃなくて「食べさせられた」な
531 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/01(木) 01:13:03.07 ID:k5V+30/+0
乙
>>496
あれは只食材が違っただけだからなあ。
しかし逆に考えると、地上の物は食べても腹壊さないのか?
やはり人間よりは丈夫ということか。
532 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 17:59:23.70 ID:k2N+MBFZ0
卒業式終わったキャッホーイ!!
皆さんこんにちは
投下したいと思います
>>527
三文って六十円だったのか? うわあ、やっちまったorz
>>530
うわあ、やっちまった恥ずかしいorz 書いてる間は気付かないものなんですね。これからは気をつけます
>>531
料理というよりドジっ娘の部分ですね。LCかわいいよLC
533 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:00:04.10 ID:k2N+MBFZ0
25.冥土帰し
-病院までの道中-
一方通行「あァ……めンどくせェ……」
結標「まあ、いいんじゃない? 見るからに体力なさそうだから、体力作りという事で……」
一方通行「はァ? 舐めてンのかオマエ?」
結標「別にぃ、舐めてなんかいないわよ」
一方通行「………………はァ」
結標「何よ?」
534 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:01:08.22 ID:k2N+MBFZ0
一方通行「つゥか、俺は体力作りとかする必要ねェし」
結標「あら、何で?」
一方通行「俺には体力を使う機会なんてほぼ皆無なんだよ」
結標「えっ? じゃあ例えばだけど急いでる時とかどうするの? そんな杖付きの体で」
一方通行「俺にはこれがあるだろうが」コンコン
結標「あー、能力……ね」
一方通行「これがあれば大抵のことは何とかなるしな」
535 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:01:48.49 ID:k2N+MBFZ0
結標「その便利能力のせいで、そんなガリガリの体になったのか」
一方通行「……どォやらオマエは本気で死にてェようだな」
結標「やだなー、冗談よ冗談」アハハ
一方通行「……チッ」
結標「……しかし、マンションから病院って結構距離があるのね」
一方通行「まァな、普通の人間ならバスとか車使うだろ」
結標「こんな時間に行っても病院は空いてないだろうと思って、歩いていこうとか思ったのが失敗かしらね」
一方通行「何でそンな考えにいたったのか俺は知りてェンだけど」
536 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:02:25.29 ID:k2N+MBFZ0
結標「ちょっと軽い食後の運動にいいかな、と思って」
一方通行「そンなモンに巻き込まれた俺カワイソー」
結標「そういえば、珍しく打ち止めちゃんが付いてこなかったね」
一方通行「あァ? そォいえばそォだな。いつもなら、うっとォしいくらいにまとわり付いてくるンだが」
結標「何かあったのかしらね?」
一方通行「別に俺は一向に構わねェンだがな」
一方通行「あのクソガキがいると無駄な体力が使わされるからな」
537 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:03:39.13 ID:k2N+MBFZ0
結標「……だからこそ体力を付けなきゃいけないんじゃないの?」
一方通行「……くっだらねェ。何でこの俺がガキのために体力なンざ付けなきゃいけねェンだ」
結標「別に打ち止めちゃんのためとかじゃなくて、貴方自身のためじゃない?」
一方通行「ハイハイわかりましたよォー、と」
結標「何か流されたような気がしたんだけど……」
538 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:04:10.64 ID:k2N+MBFZ0
一方通行「……ちょっといいか」
結標「ん? 何?」
一方通行「ちょっと疲れたから休憩したいンだが……」
結標「貴方……まだ二キロも歩いてないんじゃない?」
一方通行「ヤベェよ、足がプルップルだぜェ、生まれたての小鹿状態たぜ」プルプル
結標「……本気で体力作りした方がいいんじゃないかしら?」
539 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:04:46.31 ID:k2N+MBFZ0
-第七学区・とある病院-
冥土帰し「はい、じゃあお大事にね?」
患者「ありがとうございました」
冥土帰し「ふぅ……次の患者を呼んでもらえるかな?」
ナース「はい」
<結標さん、結標淡希さん
540 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:05:17.72 ID:k2N+MBFZ0
結標「どうもこんにちは」
冥土帰し「はい、こんにちは……おや?」
一方通行「……………………」
冥土帰し「やあ、久しぶりだね? 一方通行」
一方通行「……はァ、そォいう事か」
結標「えっ、どうしたの?」
541 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:06:24.50 ID:k2N+MBFZ0
一方通行「何かおかしいと思ったンだよ。こンな都合よく結標がウチに来るなンてな」
一方通行「全部オマエの策略か? 冥土帰し」
冥土帰し「ふふ、何の事だから僕にはさっぱりだね?」
一方通行「チッ、言ってろ」
結標「?」
冥土帰し「はい、では結標さん? 鼻がどんな感じか一度診せてもらうよ」
結標「は、はい」
冥土帰し「……………………」
結標「……………………」
542 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:06:55.17 ID:k2N+MBFZ0
冥土帰し「うん、ちゃんと治ってるね。矯正を外そうか」
結標「ありがとうございます」
一方通行「鼻の骨折ってのはこンなに早く治るモンなのか?」
冥土帰し「僕を誰だと思っているんだい? この程度の骨折なんてすぐさ」
一方通行「さすが冥土帰し、っつゥことか……」
冥土帰し「はい、じゃあ外すよ?」
カチ
冥土帰し「はい、取れたよ」
543 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:07:37.05 ID:k2N+MBFZ0
結標「……何か変な感じがしますね」
冥土帰し「それは意識が戻った時から付けてたものだからね?」
一方通行「用が済ンだンなら、とっとと行くぞ」
冥土帰し「まあちょっと待ってもらえるかな? 一方通行」
一方通行「……ンだよ?」
冥土帰し「今の君にはあまり必要ないかもしれないが、一応渡しておこうと思ってね?」スッ
544 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:08:13.46 ID:k2N+MBFZ0
一方通行「……これは……俺の付けてる電極?」
冥土帰し「そうだ。だが、能力の使用時間は今の倍の三十分だ」
一方通行「……オマエ、俺がここに来る事も見越して、それを用意してたのか?」
冥土帰し「残念ながら僕には予知の能力はないんだけどね?」
一方通行「……………………チッ」ガシ
545 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:08:52.72 ID:k2N+MBFZ0
結標「じゃあ、お世話になりました!」
冥土帰し「はい、二人ともお大事にね?」
一方通行「俺は患者じゃねェよ」
冥土帰し「何を言っているんだい? 一度僕が受け持った患者は最後まで僕の患者さ」
一方通行「……くっだらね」カツンカツン
冥土帰し「……ふぅ。じゃあ、次の患者をお願いできるかな?」
ナース「はい」
546 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/01(木) 18:09:54.96 ID:k2N+MBFZ0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
一方さんは体力がないとか書いたけど、実際はあるんだよ
『輝きすぎるほど輝く翼』を食らっても意識があるくらい体力はあるんだよ
てか、普通に一方さんって、一般人よりはるかに体力あるよね
ではではノシ
547 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/01(木) 18:10:46.08 ID:XqJmFeJco
乙。
一方さンが強化された!
548 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/01(木) 21:45:54.75 ID:nVCZDiDZo
乙
卒業おめでとう
549 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/01(木) 23:10:56.66 ID:+3nf9ABDO
乙
いや
>>1
は卒業を見送る側の妙齢の女性である可能性も……
550 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
:2012/03/02(金) 02:25:43.14 ID:8xRNlW6AO
乙
最初から読んでやっと追いついたよw
551 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/03/02(金) 02:42:36.81 ID:F6iTAp7AO
上条さんのパンチもそこそこ耐えたし能力無しで拳銃だけでもそこそこ戦えたりな
552 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/02(金) 07:48:09.95 ID:+3SvgFJAO
おつ
>>549
普通に学生側じゃね?
料理高1のとき以来してないらしいし
553 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/02(金) 12:51:00.04 ID:l3m88EUIO
乙
卒業おめでとー
俺も昨日卒業だった
554 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/02(金) 18:58:57.87 ID:EDFAqvnJ0
やっと追いついた
555 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:09:29.23 ID:dT7am5KW0
みなさんこんばんは
今日も元気に投下を始めたいと思います
>>548
,553
ありがとうございます!
>>550
,554
いらっしゃいませ! これからもよろしくおねがいしますm(_ _)m
>>552
おっしゃる通り昨日卒業したばかりです
でもまだ童(ry
556 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:10:09.03 ID:dT7am5KW0
26.-To Be Continued-
-第七学区・とある家具屋-
店員「ありがとうございました!」
一方通行「……さて、必要な布団は買ったし、さっさとマンションに戻るか」←布団はマンションに送ってもらいました
結標「待てい!」ガシッ
一方通行「あァ? 何だよ必要なモンは買っただろうが」
結標「まだだ!」
557 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:10:38.26 ID:dT7am5KW0
結標「まだ私の衣服とか日用品とかがまだじゃない!」
一方通行「えェー、そこまで聞ィてないンですけどォ」
結標「布団とその他諸々って、黄泉川さん言ってたじゃない」
一方通行「そンなこと言ってたような気もするが、言ってなかったよう気もするンだが……」
結標「とにかく、セブンスミストとやらに早く案内してくれる?」
一方通行「はァ、めンどくせェなァ、ホント」
558 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:11:24.56 ID:dT7am5KW0
-第七学区・セブンスミスト-
一方通行「ハイ着きましたよォ、と」
結標「おお、ここがセブンスミストかぁ……噂通りの大きさね」
一方通行「あンま期待すンじゃねェぞ。ここには普通のモンしかねェからな」
結標「別にそんな高級ブランドの物を買おうとか思ってるわけじゃないから、別にいいわよ」
一方通行「そォですかい……あァ、めんどくさ……」
一方通行「とっとと買い物終わらせよォぜ。俺は早く夢の中へ旅立ちてェンだよ」
結標「どんだけ寝たいのよ貴方?」
559 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:12:00.37 ID:dT7am5KW0
-セブンスミスト・洋服売場-
結標「……すごい品揃えね」
一方通行「あァー、マジで帰りてェ」
結標「あ、これかわいい」ガチャ
一方通行「いつもなら、今ごろソファーの上だろうな……」
結標「うーん、こっちもいいかなー?」
一方通行「今ー私のー願ーい事がー」
結標「あ、こっちのもいいかも!」
一方通行「叶ーうなーらばー、安眠したーいィー」
結標「……さっきからあなたは何変え歌歌ってるのよ?」
560 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:12:50.03 ID:dT7am5KW0
一方通行「いやァ、暇なンで自分の気持ちを歌にしてみた」
結標「買い物に来て暇、って……」
一方通行「つゥか、俺の買い物じゃァねェし」
結標「そうね……じゃあ私の服選ぶの手伝ってよ」
一方通行「はァ? 何で俺がそンなめンどくせェこと―――」
結標「ハイ! コッチとコッチはどっちがいいと思う?」
一方通行「あァ? どっちでもいいわそンなモン」
結標「どっ・ち・が・い・い!?」ギロ
一方通行「あ、ああ、じゃァコッチで」
結標「じゃあこっちね。ちょっと試着してくるわね」テクテク
561 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:13:35.15 ID:dT7am5KW0
一方通行「……………………」
一方通行「……何だってンだ?」
〜試着後〜
結標「ど、どうよ?」
一方通行「……なンつゥか」
結標「…………………」
一方通行「まァ、良いンじゃね?」
結標「……何か適当ね」
562 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:14:11.52 ID:dT7am5KW0
一方通行「別にイイだろ。似合ってねェ訳じゃねェンだし」
結標「そこは『似合いすぎて目が眩むぜ(キリ』ぐらいは言ってくれてもいいんじゃない?」
一方通行「オマエは俺に何を期待してやがンだ?」
結標「いや、まあ、わかってたけども……」
一方通行「ニアイスギテメガクラムゼキリ」
結標「何かすっごいムカつく」
563 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:15:13.97 ID:dT7am5KW0
一方通行「あァー、暇だ。コーヒーが飲みてェ……」
結標「そうだ、貴方も何か新しい服とか買ってみたら?」
一方通行「はァ? 何で俺が服なンて買わなきゃいけねェンだよ?」
結標「貴方と過ごして三日目だけど、ずっと同じような格好してるから、ちょっと気になって」
一方通行「……服なンてどォでもよくね?」
結標「どうでもよくないわよ。ていうか、そのTシャツ何? ウルトラマン?」
一方通行「うっせェな、何でもイイだろうが」
564 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:16:07.43 ID:dT7am5KW0
結標「……ふふ」ニヤ
一方通行「な、何だよ?」
結標「どうせだからこれとか着てみない?」スッ
一方通行「……オマエはバカですか? 何で俺が女モノの服なンて着なきゃいけねェンだよ?」
結標「いやー、貴方の外見って中性的だから、女ものの服とか似合うかなあ、なんて」
一方通行「そうか、オマエの言い分は分かった……だが断る」
結標「ちぇー、ちょっとくらいいいじゃない」
565 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:16:54.36 ID:dT7am5KW0
一方通行「つゥか、俺みてェな野郎が女装なンかして誰得だよ?」
結標「うーん、少なくとも今の私得?」
一方通行「はァ……バカな事考えてねェで、とっとと残りの買うモン決めやがれ」
結標「はーい」
〜会計中〜
店員「―――以上で三三八〇〇円になります」
結標「はいは……ん?」
結標(そ、そういえばゲームとか買ってて、そんなにお金余ってなかったー!!)ガーン
566 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:17:45.98 ID:dT7am5KW0
結標「……………………」
一方通行「……オイ結標。何やってンだよ、さっさと金払えよ」
結標「……あ、あ、そ、そうね……」アセ
一方通行「……まさか、昨日ゲームとかくっだらねェモンに金使ってお金が足りなくなった、っつゥバカみてェな展開になってる訳じゃァねェよなァ?」
結標「……ギクッ!!」
一方通行「オイオイ、図星かよ」
567 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:18:32.06 ID:dT7am5KW0
結標「ど、ど、ど、どうしよ一方通行!」アセアセ
一方通行「…………はァ、しゃァねェなァ、カードでお願いしまァす」スッ
店員「かしこまりました」ピッ
結標「あ、一方通行……」ウル
一方通行「うぜェンだよ、泣いてンじゃねェよ」
結標「一方通行ァあああああああああ」ガシ
一方通行「抱きついてくンじゃねェ! うっとォしィ! ふざけンじゃねェよクソババアが!!」
店員(何こいつら。とっとと粉塵爆発してしまえばいいのに……)
568 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:19:12.22 ID:dT7am5KW0
-セブンスミスト・女性用下着売場付近-
結標「おっ、こんなところに下着売場がある」
結標「そういえば、下着の数もあんまり多くないのよね……」
結標「!!」ピカーン
結標(そうだそうだ、ここに一方通行を連れていけば、もしかしたら照れて真っ赤になったかわいい一方通行が見れるかもしれない)
結標(よーし、そうと決まれば早速行動だ!)
結標「ねえねえ一方通行!?」
一方通行「あァ?」
569 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:19:52.47 ID:dT7am5KW0
結標「実は下着も買いたいんだけど?」
一方通行「あ、そゥ、好きにすれば」
結標「……あれ?」
一方通行「あ?」
結標(……おっかしいなー、本来なら顔を真っ赤にして『ちょ、オマ、そういうのは俺に言うンじゃねェよ!!』とか言ってくれると思ったんだけど)
結標(……この程度じゃあビクともしない……か)
結標(よし、それなら)
結標「一方通行!」
一方通行「ンだよ? 買うならさっさと行ってこい」
570 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:20:53.55 ID:dT7am5KW0
結標「ちょっとついて来てくれる?」
一方通行「……はァ?」
結標「ダメ?」
一方通行「いや、ダメっつゥか、何で俺がついていかねェといけねェンだ?」
結標「あのー、さっき洋服を奢ってもらった身からして非常に言いにくいんだけど……」
一方通行「あァ」
結標「下着を買うお金すらないの! だからついて来て!」
結標(まあ、嘘だけど)
一方通行「……あァ、そォいう事か」
結標(ど、どうだ!? ついて来てくれるか!?)ドキドキ
571 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:21:44.34 ID:dT7am5KW0
一方通行「……わかった。ついて行きゃァイインだろ?」
結標(よっしゃー!! かかった!! これで恥ずかしがる一方通行が見れる!!)
-セブンスミスト・女性用下着売場-
結標「……さーて、どんなのにしようかな?」キョロキョロ
一方通行「……………………」
結標(今のところターゲットに変化はなし……か)
結標(下着売場に連れ込んだだけじゃ、顔色一つ変えないってことか)
結標(じゃあ、次の作戦を開始するか!)
572 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:22:11.36 ID:dT7am5KW0
結標「ねえ、一方通行」
一方通行「あン?」
結標「どんな下着が良いと思う?」
一方通行「……はァ?」
結標「だから、どんな下着が良いと思う? 色とかデザインとか……」
一方通行「……そンなモン俺に聞いてどォするってンだよ?」
結標「まあ、そう言われればそうよね」
一方通行「?」
573 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:23:22.70 ID:dT7am5KW0
結標(くそっ、思ったよりターゲットは手強い……)
結標(こんな環境でこんなこと聞かれれば、顔色一つぐらい変えてもいいじゃない、普通)
結標(……なら、次の作戦!!)
結標「ねえ、一方通行!」
一方通行「次は何だよ?」
結標「こっちとこっちのどっちがいい!?」
結標(どうだ? この作戦なら少しは動じるはず……)
一方通行「……………………」
結標(どうだ!?)
574 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:24:23.22 ID:dT7am5KW0
一方通行「……はァ、だから何で俺にそンなこと聞くンだよ?」
結標「えっ、いや、それは……」
結標(な、何だと!? こ、これでも顔色一つ変えないだと!?)
一方通行「大体よォ、そォいうモンは他人の趣味とかで選ぶもンじゃねェだろ」
一方通行「自分の趣味がおかしいとか思って聞いたのだったら、安心しろ」
一方通行「別にそンな事で悩む必要なンざねェンだよ。だから、自分の選択に自信を持て。わかったな?」
結標「あ……はい」
575 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:25:14.94 ID:dT7am5KW0
結標(か、顔色変えるどころか、何か説教された!?)
結標(こ、コイツ何もの!? ここまでしてダメなんて……)
結標(……だ、だったら最終手段を決行する!!)
結標「ね、ねえ、一方通行!?」
一方通行「今度は何だ!?」
結標「し、下着を試着してみるから、ちょっと見て欲しい……なんて」
一方通行「」
結標(ど、どうだ。さすがにここまですれば……)
576 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:26:23.24 ID:dT7am5KW0
一方通行「……オマエ、自分で何言ってンのかわかってンのか?」
結標「……えっ?」
一方通行「大方、俺を恥ずかしがらせよォとして、いろいろやってンだろォけどよォ」
一方通行「……オマエ、今、すっげェ恥ずかしい事言ってるぞ」
結標「…………………………はっ!?」
結標「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜///」カァ
一方通行「……オマエ、気付いてなかったのかよ?」ハァ
577 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:27:11.15 ID:dT7am5KW0
-第七学区・とあるファミレス-
結標「……はぁ。何やってんだろ私」
結標(よくよく考えたら、裸を見ても何にも思わないようなヤツが、下着程度でどうにかできるわけないわ」
一方通行「まァ、いいじゃねェか。一時の気の迷いなンざ、誰にでもある……多分」
結標「……もうやだ」グデーン
一方通行「ファミレスで机に突っ伏してンじゃねェよ。行儀悪りィだろうが」
結標「まだ食べ物頼んでないからギリギリセーフでしょ?」
一方通行「いやいや、常識的にアウトだろ」
578 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:27:50.73 ID:dT7am5KW0
結標「もう死にたい」
一方通行「はァ……ここのメシは俺が奢ってやるから元気出せよ」
結標「何から何まで、本当にすみません」
一方通行「いやイイって。こンなファミレスの料理の値段なンてたかが知れてるからな」
結標「……じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」
一方通行「注文する料理が決まったらそこのボタンを押せ。俺はもう決まってるからな」
結標「ちょ、ちょっと待って」アセ
一方通行「別に焦らせるために言ったわけじゃねェけど」
579 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:28:19.18 ID:dT7am5KW0
結標「……ええと、どれがいいかな? これかな? いいや、これも……」アセアセ
一方通行「ゆっくり決めりゃァいいじゃねェか」
結標「……よし決まったわ」
一方通行「じゃァ、そこのボタンを押せ」
結標「わかったわ」カチピンポーン
ウェイトレス「はい、ご注文は何にいたしましょう?」テクテク
580 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:28:51.33 ID:dT7am5KW0
一方通行「この特製コーヒーってヤツ。ミルクと砂糖はいらね」
ウェイトレス「はい」ピピ
一方通行「オマエは?」
結標「えっ? 貴方、食べ物は頼まないの?」
一方通行「俺はこれだけで十分だ」
結標「そ、そう。じゃあ、私はシーザーサラダで」
ウェイトレス「はい」ピピ
581 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:29:43.87 ID:dT7am5KW0
一方通行「オマエこそ、そンだけで腹は減らねェのか?」
結標「だ、大丈夫に決まってるじゃない。サラダがあれば十分でしょ」
一方通行「あァ、そう。で、オマエは飲み物どうすンだ?」
結標「飲み物? ああ、ドリンクバーでいいわよ」
一方通行「わかった。ドリンクバー一つで」
ウェイトレス「はい。では、ご注文を繰り返させていただきます」
ウェイトレス「特製コーヒーがお一つ、シーザーサラダがお一つ、ドリンクバーがお一つ。以上でよろしいでしょうか?」
一方通行「あァ」
ウェイトレス「かしこまりました。では、少々お待ちください」テクテク
582 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:30:47.73 ID:dT7am5KW0
結標「貴方……昼食にコーヒー一杯って」
一方通行「あァ? 別に構わねェだろうが」
結標「それだけで足りるのかがホント疑問だわ。よくサラダだけで足りるのかとか聞けたわよね?」
一方通行「そもそも、俺はあンまりメシは食わねェンだよ」
結標「へー、貴方って少食だったのね」
一方通行「まァな。さらに、今日の朝にサラダとかいう余計なモンを無理やり食わされから腹減ってねェンだよ」
結標「それなら納得がいくわ」
一方通行「こちとら、端っから不規則な生活してンだから、今さら規則正しい生活なンてする気さらさらねェしな」
583 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:31:17.87 ID:dT7am5KW0
ウェイトレス「お待たせいたしました。特製コーヒーです」カチャ
一方通行「あ、ハイ」
結標「じゃあ、私もドリンクバーで飲み物取ってくるわね」ガタ
一方通行「おォ、いってらっしゃい」
一方通行「………………………」
一方通行「………………………」ズズズズズ
一方通行「…………………はァ」
一方通行「……コーヒーうめェ」
一方通行「………………………」ズズズズズ
584 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:31:53.72 ID:dT7am5KW0
結標「ただいまー」ガチャ
一方通行「おかえり」
結標「……特製コーヒーって言っても、全然量はないのね」
一方通行「まァ、ファミレスのコーヒーなンてそンなモンだろ」
一方通行「無くなったら、また頼めばいいし、何よりこの少ない量のコーヒーをチビチビ飲んでいくのがおいしい」
結標「ふーん」ゴクゴク
585 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:33:01.95 ID:dT7am5KW0
一方通行「……オマエはそれ何飲んでンだよ? そンな色の飲み物ドリンクバーにあったか?」
結標「ああ、これ? メロンソーダと白ブドウソーダのミックスよ。おいしいわよ」
一方通行「……未だにドリンクバーで飲み物混ぜる行為が理解できねェンだが」
結標「えー、結構楽しいわよ? 混ぜる時のわくわく感とか飲む寸前までのドキドキ感とか」
一方通行「飲み物で遊んではいけませェン」
結標「別に遊んでる訳じゃないし。どっちかと言ったら料理に近いんじゃない?」
一方通行「料理をナメてンじゃねェぞ。料理は素人がやるようなモンじゃねェ。痛い目にあったの忘れたか?」
結標「あははー、あれはもう黒歴史に葬り去られましたー」
586 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:33:42.31 ID:dT7am5KW0
ウェイトレス「お待たせいたしましたー、シーザーサラダになります」ガチャ
結標「あ、はい」
ウェイトレス「ご注文は以上でお揃いでしょうか?」
結標「問題ないです」
ウェイトレス「かしこまりました。ではごゆっくり」ペコ
587 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:34:22.33 ID:dT7am5KW0
結標「さあて、いただきまーす」サク
一方通行「………………………」ズズズズズ
結標「………………………」シャリシャリ
一方通行「……つゥかさァ」
結標「うん?」モシャモシャ
一方通行「よくそンなサラダとか食えるよな?」
結標「別に普通じゃない? 取り立ててマズイというわけじゃあないし」ボリボリ
588 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:34:53.64 ID:dT7am5KW0
一方通行「なンつゥか、その葉っぱみてェな味がイヤなンだよなァ」
結標「ふーん、私は別に気にならないけど」モグモグ
一方通行「まァ、こればかりは味覚の違いだな」ズズズ
結標「そうね」パクパク
一方通行「……そのサラダに入ってる茶色いモンって何だ?」
結標「これ? クルトンだけど」
589 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:36:12.31 ID:dT7am5KW0
一方通行「クルトン? 何だそれ? どっかの古代兵器の名前か?」
結標「違うわよ、パンを焼いたお菓子みたいなものよ」
一方通行「そンなモンがサラダと合うとは到底思えねェけどな」
結標「……何なら一口食べてみる?」
一方通行「……いや、遠慮しとくわ」ズズズズ
結標「そう。それは残念ね……おいしいのに」カリカリ
590 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:36:58.80 ID:dT7am5KW0
〜食後〜
結標「はい、ごちそうさまでした」
一方通行「じゃあ、そろそろ出るか? それとももうちょっとゆっくりしていくか?」
結標「もう出ましょ? その方が貴方からしてもいいんじゃない?」
一方通行「……まァ、そォだな」
一方通行「じゃァ、行くか」カツン
結標「……ホントに奢ってもらっていいの? 昼食代を出すくらいのお金は持ってるのに」
一方通行「別にィ。オマエの分の代金なンてあってないよォなモンだ」
結標「そう。ありがとね」
591 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:37:50.21 ID:dT7am5KW0
<アリガトウゴザイマシター
一方通行「……さて、お次は日用品とやらか」
結標「そうね」
一方通行「……日用品って、何を買うんだ?」
結標「うーんそうねえ、新しい歯ブラシとか、化粧水とか乳液も欲しいわね」
一方通行「……そンだけならすぐ買えたんじゃねェのか? コンビニとかで」
結標「うーん、まあそうよね」
592 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:38:23.38 ID:dT7am5KW0
一方通行「つゥか、そンだけなら一々俺まで連れて行かせるなっつゥの」
結標「そ、それだけって……い、いや、まだあるわよ」
一方通行「あァ? まだあンのか? 何だよ?」
結標「い、いや、その……」
一方通行「だから何だよ? 教えてくれねェとわかンねェだろォが」
593 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:38:53.94 ID:dT7am5KW0
結標「あ、貴方には関係ないものだからいいわ」
一方通行「……何だそりゃ?」
結標「お、女の子にはいろいろあるのよ、いろいろと」
一方通行「女の子()」
結標「…………………」ガツン
一方通行「痛って!?」
594 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:39:56.20 ID:dT7am5KW0
-第七学区・帰路-
結標「あー、いっぱい買ったわー」
一方通行「買い過ぎだボケ」
結標「女の子には買う物がたくさんあるのよん♪」
一方通行「だからと言って、これは買い過ぎだろ。何で杖付きの俺まで荷物を持たなきゃならねェンだ?」
結標「男女の買い物で、荷物持ちである男が荷物を持たないわけにはいかないでしょ」
一方通行「あァ、くっだらねェ。これベクトル操作してマンションのベランダまで吹っ飛ばしていいか?」
結標「な、なに考えてるのよ!? ダメに決まってるじゃない!」
一方通行「チッ。やっぱダメか……」
595 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:40:53.22 ID:dT7am5KW0
結標「……そうだ。ここら辺で休憩でもする?」
一方通行「俺はどっちでもかまわねェが」
結標「じゃあ、そこのベンチにでも座ってて。飲み物買ってくるから」
一方通行「あァ? それなら俺が買ってくる。オマエは座ってろ」
結標「いやいや、私が行くって。服だって昼食だって奢ってもらったんだし……」
一方通行「……そォか。だったら、俺ブラックな」
結標「了解ー」
596 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:41:31.92 ID:dT7am5KW0
結標「……はいコーヒー」
一方通行「ン」
結標「……ふー、久しぶりに長時間出歩いたから疲れちゃった」
一方通行「付き合わされた俺はもっと疲れちゃった」
結標「何よ? まだそんなこと言ってるの? ここまで来て」
一方通行「疲れたのは事実だろォが」
結標「……………………」
一方通行「……………………」
597 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:42:59.84 ID:dT7am5KW0
結標「……ねえ」
一方通行「……あァ?」
結標「……今回の買い物、楽しくなかった?」
一方通行「はァ?」
結標「私と居て……楽しくなかった?」
一方通行「……何言ってンだオマエ?」
結標「私は貴方いろいろ回れて、楽しかったし……」
結標「……まあ、思い出したくないこともあったけど」
一方通行「あァ?」
結標「ねえ、一方通行はどう思った?」
598 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:43:57.35 ID:dT7am5KW0
一方通行「……そりゃァ」
結標「……………………」
一方通行「………………………」
結標「……………………」
一方通行「……悪く……はなかった」
結標「……それだけ?」
一方通行「あァ! それだけだ! これ以上俺に何を求めてやがンだ!?」」
結標「……ふふふ、別に!」
599 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:44:54.19 ID:dT7am5KW0
結標「私さあ……」
一方通行「何だよ?」
結標「最初不安だったんだ」
一方通行「何がだ?」
結標「気が付いたら病室のベッドで寝てて、記憶が無くなってて、自分が何者なのかなんて考えてて……」
一方通行「…………………」
結標「いざ退院する時に、貴方たちの家に居候することになって……」
結標「こんな私を受け入れてくれるのか、本当に不安だった……」
600 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:45:45.95 ID:dT7am5KW0
一方通行「……バカだろオマエ」
結標「えっ?」
一方通行「オマエのことを受け入れねェヤツが、居候なンて普通引き受けるか?」
結標「そ、それは……」
一方通行「それに黄泉川は、俺みてェなクズまで受け入れようとする馬鹿だ。そんな心配する必要端っからねェよ」
結標「……そうよね。今思えばそんな心配する必要なかったわ」
結標「黄泉川さんや芳川さんや打ち止めちゃん、そして貴方に会えて、本当によかった……」
601 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:46:36.71 ID:dT7am5KW0
一方通行「居候始めてまだ三日目だってンのに、何言ってンだオマエ?」
結標「あ、あれ? まだ三日目だっけ?」
一方通行「あァ。そォいう言葉は一年くらい経過してから言いやがれ」
一方通行「それか何だァ? オマエの頭の中だけ未来にタイムスリップでもしてンのか?」
結標「あはは、もしかしたらそうかもね」
一方通行「ハッ、ホント何言ってンだオマエ」
結標「ふふ、ホントよね」
602 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:47:35.83 ID:dT7am5KW0
結標「……ねえ一方通行」
一方通行「ンだよ?」
結標「これからも居候同士、一緒に過ごすわけよね」
一方通行「……まァ、そォだろォな。どれくらいの間過ごすかは知ンねェけどよォ」
結標「そっか……」
一方通行「…………………」
結標「……………………」
603 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 22:48:30.35 ID:dT7am5KW0
結標「……ねえ」
一方通行「あァ?」
結標「これからも……よろしくね」ニコ
一方通行「……………………おォ」
〜おわり〜
604 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/02(金) 22:51:25.84 ID:ZOdB0BS5o
え?
605 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/02(金) 22:52:22.15 ID:0ZwWI9oeo
プロローグのおわり、だろ
こっからが本編だ!
606 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/02(金) 22:54:21.86 ID:+3SvgFJAO
おおおおお落ち着くんだ
今回のタイトルを見てみるんだだだだだ
607 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/02(金) 23:00:35.30 ID:dT7am5KW0
黄泉川家にあわきんを入れてみたい
↓
でも、いろいろ面倒くさいことがあるなー
↓
そうだ、記憶喪失にすればいいんだ!
と思いついて、すぐさまスレを立てて二十日くらいが経ちましたね
正直行き当たりばったりだったんで、グダグダしてて申し訳ないと思います
これまで見てくださったみなさんありがとうございました
今回で、アニメでいう第一期が終わります
明日からは伏線(というほどのものでもないが)を回収するためOVA的なものを投下しようと考えています
できれば、それも読んでくれると嬉しいです
ではではノシ
608 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/02(金) 23:03:03.69 ID:ZOdB0BS5o
乙!
舞ってる
609 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/03/02(金) 23:20:24.27 ID:8OT965QVo
超乙
次はOVAですか
ここから曲芸商法がはじまるんですねわかります^q^
610 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[saga]:2012/03/03(土) 15:24:58.74 ID:PBeiSMqE0
乙!
楽しみに待ってる!
611 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/03/03(土) 15:26:40.10 ID:PBeiSMqE0
本当にごめんなさいメール欄ミスりました…
612 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/03/03(土) 17:20:51.86 ID:W04JC4DAO
千葉ェ…
613 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:06:00.82 ID:19jzjODl0
みなさんこんばんは
本日も投下して行きますか
今回からEXとなり、時系列がバラバラです
今までみたいに居候開始から〜日後などという概念はありません
その辺りを理解して読んでいただけると嬉しいです
614 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:06:58.60 ID:19jzjODl0
EX.1 アルバイト
-黄泉川家・リビング-
テレビ<エーツヅイテノニュースデス
芳川「…………………………」
一方通行「…………………………」
芳川「……暇だわ」
一方通行「働けニート」
615 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:07:51.33 ID:19jzjODl0
芳川「あら、暇と言っただけでニートって言われるとは思わなかったわ」
一方通行「そォいや、前、アルバイトの面接を受けに行ってたとか言ってたが、結局アレどォなったンだ?」
芳川「そういえば、まだ連絡が来ないわね」
一方通行「落ちたンじゃねェのか? うちではニートは引き取れませン、ってなァ」
芳川「それはないとは思うんだけど。マニュアル通りの回答したから完璧だったはずよ」
一方通行「マニュアル通りってところがすでに怪しィンじゃねェか?」
芳川「でも、アルバイト急募っていう貼り紙がしてあったから、落ちるとは思えないんだけど」
一方通行「もうすでに、バイトが決まってたンじゃねェか? 面接は行うだけ行って」
芳川「……ふむ。まあ、それならそれで別にいいけど」
616 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:08:49.54 ID:19jzjODl0
一方通行「残念ながらニート脱出ならぬか」
芳川「一応、働こうという意欲を見せたから、ニートの定義から外れるんじゃないかしら?」
一方通行「今さっき、別にいいやみたいなこと言わなかったか?」
芳川「キミだって傍から見たら不登校の引きこもりなのに、よくそんな口が利けるわね」
一方通行「俺はイインだよ」
芳川「レベル5だからって学校に行かないのは甘え」
一方通行「面接失敗したからって、他のバイト先を探さないのは甘え」
617 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:09:30.34 ID:19jzjODl0
芳川「面接は失敗した覚えはないわ。全部テンプレ通りの何の面白味のない回答だったもの」
一方通行「どォでもいいわそンなモン」
<プルルルルルルルル
芳川「あら、珍しく私の携帯電話が鳴ってるわ」
一方通行「いい歳した大人がそンな寂しィ事言うンじゃねェよ」
芳川「キミも同じようなものでしょ?」ピッ
一方通行「ンだと?」
618 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:10:17.61 ID:19jzjODl0
芳川「もしもし?」
芳川「……はい、そうです」
芳川「……はい……はい、ありがとうございます」
芳川「……はい……では、よろしくおねがいします」
芳川「……失礼します」ピッ
619 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:10:58.36 ID:19jzjODl0
一方通行「……何の電話だよ?」
芳川「バイトの合格通知ってところかしらね」
一方通行「落ちたンじゃなかったのかよ?」
芳川「私は一言も落ちたなんて言ってないのだけど」
一方通行「まァいいか。脱ニートおめでとさン」
芳川「その脱ニートと言われるのは気に入らないけど、ありがと」
620 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:12:00.33 ID:19jzjODl0
一方通行「で、いつから働くンだ? 元ニートさン」
芳川「受かろうが落ちようが、結局ニート呼ばわりされるのね」
芳川「とりあえず、明日の午後から出ることになったわ」
一方通行「午後っつゥことは、昼過ぎだからそンな人がいねェ頃の時間か」
芳川「おそらく、オリエンテーションを兼ねてるのじゃないかしら?」
一方通行「だろォな。まァ、せいぜいクビにならねェよォにガンバれよ」
芳川「まあ、これで私は脱ニートと言う訳だから、貴方も脱引きこもり頑張りなさいよ」
一方通行「チッ、だから俺は(ry」
―――
――
―
621 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:12:29.43 ID:19jzjODl0
-第七学区・とあるコンビニ-
芳川「今日からお世話になります芳川です。よろしくお願いします」
店員「ああ、どうも。こちらこそよろしくお願いします」
芳川「ところで、私は何をしましょうか?」
店員「あ、別に敬語じゃなくていいですよ。俺の方が年下ですし」
芳川「そう。ならそうするわ。ところで私は何をすればいいのかしら?」
622 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:13:06.44 ID:19jzjODl0
店員「うーん、そうですね。レジとかはできますか?」
芳川「マニュアルは一通り読んだから大丈夫だとは思うわ」
店員「じゃあ、レジお願いしてもいいですか? 俺は肉まんとかおでんとかの補充してますから」
芳川「わかったわ」
店員「何かわからない事があったら俺に聞いてくださいねー」タッタッ
芳川「……………………」
―――
――
―
623 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:14:15.50 ID:19jzjODl0
―
――
―――
芳川「―――以上で一二八〇円になります」
芳川「……一五〇〇円お預かりします」ピピガチャ
芳川「二二〇円のお返しになります」チャラ
芳川「ありがとうございましたー」
芳川「……ふう」
店員「すごいですねー芳川さん。レジ完璧じゃないですか!」
芳川「この程度の機械、研究者時代に使って機材に比べればどうということはないわ」
店員「へー、芳川さんって研究者だったんですか」
芳川「まー、今は研究所一つ潰しちゃって無職だったのだけどね」
店員「そ、壮絶な過去をお持ちで……」
624 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:15:05.44 ID:19jzjODl0
芳川「キミはどうなの? バイトしてるってことは何か欲しいものでもあるの?」
店員「い、いえ、そういうわけじゃあないのですが……」
芳川「? じゃあどういうわけ?」
店員「実は先月不幸なことに、一ヶ月分の生活費が入ったサイフをどこかに落としてしまって……」
店員「それで、これはマズイとバイトを始めて今に至るわけですよ。はい」
芳川「それは災難ね」
店員「……まあ、どうせ放課後は買い物に行く以外は暇だったんで、時間の有効活用と考えたらバイトを始めて良かったと思えますよ」
芳川「ふふふ、そうね」
―――
――
―
625 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:15:50.84 ID:19jzjODl0
―
――
―――
芳川「いらっしゃいませー」
芳川「鮭弁当が三点、鮭おにぎりが五点」ピッピッ
芳川「以上で一九五〇円になります」
芳川「……ああ、カードですね」ピッ
芳川「お弁当は温めますか?」
芳川「……………………」ガサゴソ
芳川「ありがとうございましたー」
芳川「……あんな鮭ばかり買って、熊か何かなのかしら?」
店員「……はい?」
626 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:16:41.71 ID:19jzjODl0
芳川「いらっしゃいませー」
芳川「サバの味噌煮が十点、サバのカレー煮が十点」ピッピッ
芳川「以上で二一〇〇円になります」
芳川「……二五〇〇円お預かりします」ピッ
芳川「四〇〇円のお返しになります」
芳川「……………………」ガサゴソ
芳川「ありがとうございましたー」
芳川「……今、学園都市って魚類が流行っているのかしら?」
店員「……はい?」
627 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:17:18.65 ID:19jzjODl0
芳川「いらっしゃいませ……あら一方通行じゃない」
一方通行「よォ。ちゃンと店員やってンじゃねェか」
芳川「ふふふ、私を舐めないでいただきたいわね」
一方通行「まァ、どォでもいいけどよォ。ほい」ガチャン
芳川「また、こんなに缶コーヒーばかり買って……」
一方通行「うるせェよ。店員が客の買い物に口出してんじゃねェよ」
628 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:18:01.37 ID:19jzjODl0
芳川「はいはい……ええと、ジョーンズ うまみBLACKが七点、WANDAブラックWANDAが十点」ピッピッ
芳川「……ぷ、プッツンプリンが一点……ぷぷ」ピッ
一方通行「オイ、これは俺ンじゃねェぞ! クソガキの分だぞ!」
芳川「わ、わかってるわ……プッツンプリンて……ぷぷ」
一方通行「ブッ殺すぞクソババァ」
芳川「い、以上で二三七〇円になります……ぷぷ」
一方通行「いつまで笑ってるつもりだオマエ? カードで」
芳川「かしこまりました。カードですね」ピッ
629 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:18:47.43 ID:19jzjODl0
芳川「あ、缶コーヒーは温めますか?」ププ
一方通行「よォし、今からオマエを圧縮して電子レンジでチンしてやるよ」
芳川「まったく。冗談に決まってるじゃない」
一方通行「真面目に仕事しやがれ」
芳川「はいはい」ガサガサ
芳川「はい」スッ
一方通行「ン」ガサ
芳川「ありがとうございましたー。またのお越しをー」
一方通行「オマエがいない時限定でまた来るわ」カツンカツン
630 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:19:28.87 ID:19jzjODl0
店員「―――休憩終わりましたー」テクテク
芳川「……ねえ」
店員「はい?」
芳川「この店って変な人ばかり来るのね」
店員「……はい?」
631 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/03(土) 22:22:59.51 ID:19jzjODl0
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございます
文章を見ればわかるとおり、
>>1
はコンビニのバイトはやったことありません
主に肉体労働のバイトしかやったことないので、販売系はまったくでわかりません
なので、変なところがあると思いますが、ご了承お願いします
ちなみに、名前は変わってますが、このコンビニは前、一方さんが打ち止めと行ったところです
ではではノシ
632 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/03(土) 22:42:43.12 ID:MbaeVq+1o
おーいニアミスww
633 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/04(日) 00:44:49.27 ID:kZuPZZoco
おつ!
634 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:17:08.28 ID:oGyO5usEo
みなさんこんにちは
今日も投下、やってやるぜ!!
635 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:19:25.84 ID:oGyO5usEo
EX.2 従犬部隊
-黄泉川家・リビング-
テレビ<オマエナンカキライダ ソンナ
打ち止め「ねえねえ」
一方通行「あァ?」
打ち止め「お腹が空いた、ってミサカはミサカは三時のおやつを要求してみる」
一方通行「……適当にそこら辺にあるモン食えばいいだろ?」
打ち止め「そこら辺ってどこら辺? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方通行「どこら辺って……冷蔵庫の中とか、いつもの菓子の入った棚の中とか……」
打ち止め「探しても一つもなかったんだけど、ってミサカはミサカは戦果を報告してみる」
一方通行「……俺にどォしろと?」
636 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:20:28.38 ID:oGyO5usEo
打ち止め「コンビニに連れて行って! ってミサカはミサカは元気いっぱいにお願いしてみる」
一方通行「……めンどくせェ」
打ち止め「このままじゃァ、ミサカは飢え死にしちゃうよー、ってミサカはミサカは空腹を訴えてみたり」
一方通行「一おやつくらい抜いても死にやしねェよ」
打ち止め「もし死んだらどうするつもりなの?」
一方通行「もしももクソもねェよ。死なねェッつってンだろォが」
打ち止め「むー、こうなったら……」
637 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:21:24.63 ID:oGyO5usEo
打ち止め「アワキお姉ちゃーん!!」
結標「へっ? 私?」
打ち止め「コンビニ連れて行ってー!!」
結標「えっ? ちょ、ちょっと待って。このドラマが終わるまで待って……」
テレビ<オネエチャーン ヨシヨシリョウクン
打ち止め「ミサカは知ってるよ。このドラマがあと一時間近く放送される事を……」
結標「芳川さんにでも連れて行ってもらったら?」
打ち止め「ヨシカワはバイトに出かけてるよ、ってミサカはミサカは事実を述べてみる」
結標「あ、そうか。バイト始めたんだっけ……」
638 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:22:16.48 ID:oGyO5usEo
打ち止め「アワキお姉ちゃん連れて行ってー!」
結標「……あ、一方通行が連れて行ってあげなさいよ!」
一方通行「はァ!? 何で俺が?」
結標「どうせ暇でしょ」
一方通行「何言ってンだオマエ? 俺は忙しィンだよ」
結標「ハイハイ昼寝で忙しいんですねわかります」
639 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:23:13.56 ID:oGyO5usEo
一方通行「大体オマエだって暇だろうが。そンなクソつまンねェドラマの再放送なンか見て何がおもしれェンだか」
結標「なっ!? この野郎、コウくんを馬鹿にしたわね!?」
一方通行「天才子役()」
結標「よろしい、ならば戦争だ」
打ち止め「ふ、二人ともやめて! ミサカのために争わないで、ってミサカはミサカは悲劇のヒロインを気取ってみる」
ピンポーン
打ち止め「あ、誰かが来た。お客さんかな? ってミサカはミサカは速足で玄関に向かってみる」トテチテ
一方通行「ガキを甘やかすとロクな大人になンねェンだよ! ソース俺」
結標「ぐぬぬ、それを言われると納得せざる負えない……」
一方通行「オイ、ふざけンなよ! 否定しろよオイ!」
640 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:24:08.37 ID:oGyO5usEo
<ドナタデスカッテミサ…ウワッカッテニハイラナイデッテミサカハミサカハ…
ガチャ
一方通行「大体よォ……はァ?」
結標「……どうしたの?」
一方通行「あはッ! ギャハハハハハハッ!!」
結標「!? な、何よいきなり!?」
641 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:25:32.90 ID:oGyO5usEo
一方通行「木ィィ原クンよォ!! ンだァ!? その思わせぶりな登場はァ!? ヒトのツラ見ンのにビビって目ェ背向けてたインテリちゃンとは思えねェよなァ!!」
642 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:26:44.89 ID:oGyO5usEo
木原「いやぁ、俺としてもテメェと会うのはお断りだったんだけどな。一般常識的に考えてしょうがねえじゃねえか」
結標「……誰?」
一方通行「わざわざこンなところまで何しに来やがったクソ野郎が!?」
一方通行「俺を研究機関かどっかに連れに戻そォと考えてンなら、とっとと引き返しやがれ!! ミンチになる前になァ!!」
木原「別にそんなつもりはねぇよ。勘違いが甚だしいんじゃねぇのかナルシスト君?」
一方通行「なら何しに来やがったンだ木原君よォ!?」
木原「何って……あれだよ、あれ。引越しの挨拶に決まってんじゃねぇか」
一方通行「………………はァ?」
―――
――
―
643 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/04(日) 15:27:15.24 ID:JO9PeJHZo
木原くンきたー!!!!
644 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:27:33.53 ID:oGyO5usEo
―
――
―――
結標「……お茶でいいですか?」
木原「あぁ、どうぞお構いなく」
一方通行「で、オマエの後ろに立ってるスーツの集団は何なンだァ?」
木原「コイツら? 俺の部下だけど」
一方通行「何でオマエは引越しの挨拶に部下巻き込ンでンだよ?」
木原「いやー、引越しっつってもテメェが思ってるような引越しとは違うんでな」
一方通行「……どォいうことだ?」
645 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:28:13.00 ID:oGyO5usEo
木原「よーし、馬鹿でマヌケなクソガキのために、懇切丁寧に説明してやろーかな」
一方通行「スクラップにするぞク・ソ・ヤ・ロ・ウ」
木原「あぁ? 殺れるモンなら殺ってみろよクソガキ」
一方通行「上等じゃねェか!!」カチ
結標「どうぞ、お茶です」
木原「あぁ、有難うございます」
結標「あ、後ろの方々もどうぞ」
後ろの人達「………………………」
結標「?」
646 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:29:25.99 ID:oGyO5usEo
木原「おいお前ら。せっかくくれるっつってんのに、無視はねぇだろ」
後の人A「よろしいのですか?」
木原「あぁ? そこで貰わなかったら失礼だろ。わかんねーのかなクズども、殺すぞ」
後ろの人達「り、了解」カチャ
結標「!?」
後ろの人達「ありがとうございます!!」バッ
結標「い、いえ……」
一方通行「そろそろイイかな木原君? 早くオマエを解体したくてうずうずしてンだけどよォ」
647 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:30:40.00 ID:oGyO5usEo
木原「いやぁ、別に今テメェを潰しても構わねぇんだけどよ、今日は残念ながら騒動を起こしに来たわけじゃねぇんだわ」
結標「そうよ一方通行。どんな因縁があるかは知らないけど、一応お客様じゃない」
一方通行「……チッ」カチ
木原「そーいや説明すんのどっかの馬鹿のせいで忘れてたな」
一方通行「殺す」
木原「おいおい、この程度の煽りでキレるとかカルシウム足りてるのかなー?」
結標「もう、一方通行。説明が進まないじゃない」
木原「そこのお嬢ちゃんの言うとおりだぜ。黙って聞いててくれるかなー?」
一方通行「……早く終わらせろクソ野郎が」
648 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:31:26.84 ID:oGyO5usEo
木原「よし、じゃあ説明に入るかな」
木原「まず、俺達は別に隣の部屋を住処にするために引っ越してきたわけじゃねぇ」
木原「あの部屋はオフィスとして使うために借りたんだよ」
一方通行「オフィス? オマエ起業でもしたのか?」
木原「まぁな。前までは『猟犬部隊【ハウンドドッグ】』っつう学園都市直属の暗部組織だったんだけど、部隊丸ごとクビになっちまってな」
一方通行「あはッギャハッ! ざまァねェじゃねェか木原くゥゥン?」
木原「おいおい、黙って聞いてろっつったろ。殺されたいのは分かったからさー」
649 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:32:44.86 ID:oGyO5usEo
木原「まあ、とりあえず路頭に迷ったから会社でも創るかなと思ってな」
木原「クビになったそこのクズども引き連れて、新しい会社を創ったわけだ」
結標(すごい行動力だな……)
木原「まぁ、業務内容は簡単だ。『犬の散歩から暗殺まで。金さえ払えば何でもやる何でも屋』」
木原「その名は『従犬部隊【オビディエンスドッグ】』っつうわけだ」
650 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:33:40.52 ID:oGyO5usEo
一方通行「……ギャハッ、あぎゃははッ!! オイオイ、飼い主に無様に尻尾振る奴隷犬だァ? 負け犬の木原君にはお似合いじゃねェか」
木原「何勘違いしてるのかな? 奴隷犬はコイツら。俺は働かねーよ」
結標「……つまり、木原さんはその何でも屋の社長ってことですか?」
木原「そうそう。何かやって欲しかったら何でも言ってね」
結標「は、はあ……」
木原「あっ、そういえばあれ渡すの忘れてたわ。おい! そこのオマエ」
社員A「じ、自分ですか?」
木原「そーだよ、オマエ。あれだ、あれ持って来い!」
社員A「あ、あれとは?」
木原「おい、わかんねぇのかなー? 殺すぞクズ」
社員A「わ、わかりました! あれですね!?」
651 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:34:36.19 ID:oGyO5usEo
〜五分後〜
社員A「持ってきました。これですね」スッ
木原「おいおい、五分間待たせるとか、舐めてんのか、あぁ!?」ガシッ
社員A「ひ、ひぃ、す、すみません!」
木原「ったく……あ、これどうぞ皆さんで食べてください」つお茶菓子
結標「あ、ありがとうございます」
一方通行「あれ、だけで、そンなモン持ってこさせるとか、ぜってェバカだろオマエ」
木原「あん? 伝わりゃいいんだよ伝わりゃぁ」
―――
――
―
652 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:35:05.56 ID:oGyO5usEo
―
――
―――
木原「そろそろお暇させてもらうわ。他の住民にも挨拶に行かねぇとなぁ」
一方通行「わざわざ社長自ら行かなくてもいいンじゃねェのか?」
木原「馬鹿言うなよ。コイツらが挨拶なんて高尚な事出来るわけねェだろ」
一方通行「どんだけ信用してねェンだよ」
木原「じゃあ、何か用事があったらいつでも来てくれや。金さえ払やぁ何でもしてやるぜ」
結標「は、はい」
653 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:35:48.15 ID:oGyO5usEo
木原「そういや、オマエらの保護者は居ねェのか?」
結標「今、両方出てます」
木原「そーか、じゃあそいつらによろしく言っといてくれや」
結標「わ、わかりました」
木原「じゃあ、またな」
一方通行「二度と来るンじゃねェよ」
654 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:36:47.10 ID:oGyO5usEo
結標「……変わった人たちだったね」
一方通行「オイオイ、あれで変わった人だったら、そこら辺のスキルアウトどもが一般人通りこして善人レベルにランクアップするぞ」
打ち止め「……ねえねえ」
一方通行「あ? あァ、そォいやオマエ全然喋ってねかったな」
結標「どうかしたの打ち止めちゃん?」
打ち止め「うーん、何かあのキハラって人苦手かも、ってミサカはミサカは率直な感想を述べてみる」
一方通行「ギャハッ、それが普通の感想だわな。変わった人とか言い出すバカとは違ってな」
結標「何? それって私が普通じゃないって言うの?」
655 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:37:24.83 ID:oGyO5usEo
一方通行「……さァな」
結標「ちょっと、流さないでよ」
打ち止め「……結局、ミサカのおやつ買いに行けなかったな、ってミサカはミサカはしょんぼりしてみる」
一方通行「菓子ならさっき木原がくれたヤツ食えばいいじゃねェか」
打ち止め「えっ? いいの? あんな高そうなお茶菓子」
一方通行「別に構わねェだろ。少なくとも俺はいらン」
打ち止め「わーい、ミサカはミサカはお茶菓子に突撃ー!!」
一方通行「……単純なヤツ」
656 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:38:44.69 ID:oGyO5usEo
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございました
今回のゲストは、前要望があった木原君です
結構無理やり感がありますがどうでしょうか
657 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/04(日) 15:39:28.38 ID:oGyO5usEo
途中送信しちゃったごめんなさい
ではではノシ
658 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/03/04(日) 15:50:37.94 ID:Vc99ObGxo
乙
どうして木原くんはクビになったんだ……
659 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/04(日) 15:55:11.11 ID:kwtGmgpAO
乙
木原君キター
>>658
そげぶされたからじゃね?
>>1
の注意書きに書いてる通りに
660 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/03/04(日) 22:30:55.05 ID:5bnKtIlAO
木原くん!
661 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/04(日) 23:22:39.86 ID:JYe1Raxso
木原クン!
662 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/05(月) 18:02:59.75 ID:JYATvHeTo
おォォォォォいィィィィ!!
木ィィィィィィ原くゥゥゥゥゥゥンよォォォォォォォ!!!!
663 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:29:19.63 ID:H/1Gu/a7o
みなさんこんばんは
今晩も投下を頑張りたいと思います
※今回の話はいろいろと酷いので、それでも構わない方は肩の力を抜いて読んでみてください
>>658
,659
木原くんは9月30日に天使の召喚に失敗したので首になりますた
まあただのご都合主義ですねわかります
664 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:30:12.41 ID:H/1Gu/a7o
EX.3 そげぶマン
テレビ番組。テレビ番組にはいろいろなジャンルが存在する。
バラエティー番組やクイズ番組などの娯楽系番組があれば、ニュース番組やワイドショーなどの情報番組などもある。
それらは人々の間へ浸透していき、今では欠かせぬモノとなっていった。
もちろん学園都市のテレビにもそれらの番組が放送される。
その中でも、学園都市オリジナルながらも、高い視聴率を誇る番組があった。
665 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:30:41.31 ID:H/1Gu/a7o
その名は『そげぶマン』。
名前の通りヒーローが怪人を倒すという、至ってシンプルなアニメーションである。
学園都市で放送される児童向けアニメ四天王の一つである
学園都市の技術を最大限に駆使されたそのクオリティや、ご都合主義の塊のようなストーリー.
それらは学園都市内に住む夢見る少年から中二病患者まで、子供達の心を瞬く間に魅了していった。
これは、とある少年と少女が、このアニメに魅了されていくお話である。
666 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:31:20.55 ID:H/1Gu/a7o
-黄泉川家・リビング-
テレビ<ナンデヤネン! ワハハハハ!!
一方通行「…………」ボー
打ち止め「ねえねえ! チャンネル変えてもいい? ってミサカはミサカはリモコン片手に聞いてみる」
一方通行「あァ? 別に構わねェけど」
打ち止め「わーい、ありがとー! ってミサカはミサカは透かさずチャンネルを変えてみる」ピッ
一方通行「こンな時間にオマエが見るよォな番組あったっけか?」
打ち止め「んーん。別にないよ」
667 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:32:26.13 ID:H/1Gu/a7o
一方通行「じゃァ、何でチャンネル変えたンだ?」
打ち止め「今からアニメの再放送が始まるっていう情報をミサカネットワークで拾ったから、ちょっと気になって……」
一方通行「アニメ? くっだらね……」
打ち止め「でもでも、学園都市の子供たちの中では大人気らしいよ、ってミサカはミサカはネットワーク内の情報を駆使して弁解してみる」
一方通行「まァ、別にどォでもいいけどよ」
打ち止め「……そろそろ始まるかな? ってミサカはミサカは時計を見ながら言ってみる」
テレビ<チャーチャチャー♪
打ち止め「あっ! 始まったみたいだよ、ってミサカはミサカはわくわくしながら画面を凝視してみる」ジー
一方通行「……さァて、寝ようかな、と」ゴロン
668 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:33:08.17 ID:H/1Gu/a7o
――――――――――――――――――――――――
朝
上藤『俺の名前は上藤浄真。至って普通の男子高校生さ』
上藤『さあて、今日も学校に行って補習を頑張るか!!』
???『ちょっとオマエ! 待ちなさいよ!!」
上藤「ん? ああ、何だ琴美か」
琴美「何だって何よ!? 今日こそ勝負してもらうわよ!!」
上藤『コイツは美作琴美。俺の幼馴染みの中学生だ』
上藤『昔から事あるごとに勝負を挑んでくる変な所があるが、決して悪い奴ではない』
上藤「お前なあ、上藤さんはこれから補習に行かなきゃならないんですよ」
上藤「だから、勝負はまたいつ―――うお!?」バッ
669 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:33:55.58 ID:H/1Gu/a7o
琴美「チッ、外したか……」
上藤「いきなり何すんだよ? 後頭部を狙って回し蹴りとか下手したら死ぬぞ!?」
琴美「どうせオマエは何やっても当たらないんでしょ!? ならいいじゃない!?」ゴォウ
上藤「ああーもうっ!」
上藤「最悪だああああああああああああああああああ!!」
タララッタ〜♪(OP)
――――――――――――――――――――――――
一方通行「……何だこりゃ?」
打ち止め「うーん、何かこんな光景をどこかで見たことあるような……ってミサカはミサカはネットワーク内で検索をかけてみる」
一方通行「つゥか至って普通の高校生が何でいきなり中学生とバトってやがンだ?」
打ち止め「まあ、まだ始まったばかりだしいいんじゃない? ってミサカはミサカは視聴を継続してみる」
670 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:34:25.98 ID:H/1Gu/a7o
――――――――――――――――――――――――
夕方
上藤「ああー、朝はケンカ大好き中学生と絡まれ、さらに補習が長引いてもうこんな時間か……最悪だ」
上藤「まあ、こんな時はさっさと家に帰ってゆっくり寝てしまおう……」
上藤「……はあ」
???「……はぁ……はぁ……はぁ」タッタッ
上藤「……ん? ちょっ」
ドカン
671 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:35:22.21 ID:H/1Gu/a7o
上藤「うわっ!? 痛つつ……」
???「痛ったーい!! ちょっと何やってるのかな!?」
上藤「な!? ぶつかって来たのはソッチだろ!?」
???「わ、私が悪いって言うのかな!?」
上藤「さっきのは絶対お前が悪い」
???「……はっ!? ヤバい、逃げないと」
上藤「逃げる? 何が?」
???「あ、アンタには関係ないかも! それじゃあ!!」タッタッ
上藤「な、何だったんだ?」
――――――――――――――――――――――――
672 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:36:19.10 ID:H/1Gu/a7o
一方通行「スンマセーン、この白いヤツどっかで見たことある気がするンですがァ」
打ち止め「そうなの? このアニメ見たことあったの?」
一方通行「いや、そォいうわけじゃなくて現実の話だよ」
打ち止め「そうなんだ……へぇー、ミサカがいない所でこんなかわいい女の子と……」ブツブツ
一方通行「あァ? 何ブツブツ言ってンだオマエ?」
打ち止め「何でもない!!」
一方通行「何をそんなに怒ってンだ?」
打ち止め「怒ってない!!」
一方通行(わけわかンねェ……)
673 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:37:11.26 ID:H/1Gu/a7o
――――――――――――――――――――――――
夜
上藤「あー、ついてねえなあ……」タッタッ
上藤「まさか学校に部屋の鍵を忘れるとは……」タッタッ
上藤「普段から予備のカギも持ち歩いとくべきだった……」タッタッ
メラメラ
上藤「……ん? 何だ?」
上藤「……火事?」
ドカアアアアアアン!!
674 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:38:17.18 ID:H/1Gu/a7o
上藤「うわ、何だァ!?」
???「はっ、はっ、ごほっ、ごほっ!!」
上藤「お、オマエはさっきの……」
???「あ、アンタはさっきぶつかって来た」
上藤「ぶつかって来たのはお前だろ!?」
????「ふふふ、まさか一般人にこんなところを見られてしまうなんてね」
上藤「!? 誰だ!?」
イノケン「僕の名前はイノケン=ステルス。その子の持っているある『モノ』を狙う怪人さ」
上藤「か、怪人だって!?」
――――――――――――――――――――――――――
一方通行「……自分から『一般人に見られたか』とか言っときながら、自分で説明しだしたぞこの怪人」
打ち止め「やっぱり、子供向けのアニメだからツッコミどころがいろいろ多いね、ってミサカはミサカは半分ワクワクしてる自分がちょっと悔しかったり」
一方通行「まァ、オマエはガキだしな」
675 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:38:54.25 ID:H/1Gu/a7o
――――――――――――――――――――――――――
???「に、逃げて!! 早くここから!!」
上藤「逃げるって、逃げれるわけねえだろ!! こんなボロボロな小さな女の子を置いてッ!!」
???「ふ、ふふっ、私は大丈夫よ。だから早く……ッ痛!?」
上藤「おいっ! 足を怪我してるじゃねえか!!」
???「あ、アンタがいても邪魔なだけなのよ。だから早く逃げて」
イノケン「ふん。その子の言うとおりだよ」
上藤「何!?」
イノケン「キミみたいな一般人が、怪人である僕に勝てる訳ないじゃないか?」
イノケン「だから、とっととここから立ち去るべきだね」
???「そうよ! だから早く―――」
上藤「……ふざけんじゃねえ」ボソ
???「……えっ?」
676 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:39:52.46 ID:H/1Gu/a7o
上藤「ふざけんじゃねえぞ!!」
???「!?」
上藤「そんなに小さい体で、そんなにボロボロなクセに、強がってんじゃねえよ!!」
???「な、べ、別に私は強がってなんか―――」
上藤「嘘ついてんじゃねえ!!」
???「!? う、嘘なんかじゃ……」
上藤「だったら、何でお前はそんな涙を流してんだよ!?」
???「えっ? わ、私、いつの間に涙なんか……」
上藤「助けてやるよ。こんなクソ野郎、俺がぶったおしてやる!!」
〜CM〜
―――――――――――――――――――――――――――
一方通行「無理じゃねェ!?」
打ち止め「えっ、何で!? ってミサカはミサカは驚きながらも尋ねてみる」
一方通行「いやいや、さっきまで『至って普通の男子高校生』って言ってたやつが、怪人に勝てるわけねェだろ普通」
打ち止め「で、でもでも、もしかしたら彼にはすごい力が……」
一方通行「まァ、それが妥当だろォけどな……」
677 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:40:29.87 ID:H/1Gu/a7o
―――――――――――――――――――――――――――
イノケン「ふーん。僕を倒す、って?」
上藤「ああ」
イノケン「ふはははははっ!! 何をバカなこと言っているんだい?」
イノケン「三千度もの炎を操るこの僕にかい!?」
イノケン「無理だね! 絶対にキミは勝てない!! 百パーセント言いきれるね!!」
上藤「そんなの……やってみねえと……」
上藤「わからねえだろぉがッ!!」ダッ
イノケン「ふふふ、そこまで言うなら……」
イノケン「死ね」
ゴォパァアアアア!!
678 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:41:04.84 ID:H/1Gu/a7o
ゴォウウウウウウウウン!!
???「!? そんな……」
イノケン「ふははははははは!! どうだ!? 僕の三千度の炎の味は!?」
イノケン「まあ、聞いたところで……もう消し炭になってるかな?」
「……誰が」ダッ
イノケン「!?」
679 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:42:06.43 ID:H/1Gu/a7o
上藤「誰が消し炭になったって!?」ゴォウ
ガコン!!
イノケン「ごふっ!!!!!?」ガコンダコン
???「ど、どうして生きてるの!? アンタさっき三千度の炎に飲み込まれたはずじゃあ……」
上藤「バーカ。いくら三千度の灼熱の炎でも……」
上藤「いくら即死級の攻撃でも当たらなきゃノーダメだろ?」
――――――――――――――――――――――――――――
一方通行「いやいやいやいやいや、オマエあれは当たってたろ!?」
打ち止め「お、おお!」キラキラ
一方通行「……あァ?」
打ち止め「す、すごい……」キラキラキラ
一方通行「……やっぱり、何にも考えねェガキから見たらおもしれェのか?」
打ち止め「か、かっこいい……」キラキラキラキラ
680 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:43:21.01 ID:H/1Gu/a7o
――――――――――――――――――――――――――――
イノケン「ふふふふふふふふふ、よくもこの僕をここまでコケにしてくれたな」
イノケン「もうゆるさん!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ゴゴゴ
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
上藤「な、何だこりゃ!?」
上藤「ほ、炎の巨人!?」
イノケン「これが僕の最終形態。『魔女殺しの魔王』だっ!!」ドン
イノケン「さっきのまでの数千度のちっぽけな炎とは違うぞ? 今の僕の体表面の温度は一万度だ!!」
上藤「ば、化け物かよ……」ガクッ
イノケン「ふははははははははははははは!! さっきまでの威勢はどうしたんだい?」
上藤「く、くそぉ……」
――――――――――――――――――――――――――――
681 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:44:17.79 ID:H/1Gu/a7o
一方通行「オイ待て。一万度って、普通もう終わりじゃね?」
一方通行「太陽の表面がたしか六千度だった気がすンだけど、これおかしくね!?」
一方通行「コンクリートの一つも溶けてねェぞこれ!?」
打ち止め「ど、どうするんだろ……」ゴクリ
一方通行「……ダメだ。もう心を無にして見よォ」
682 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:44:50.42 ID:H/1Gu/a7o
――――――――――――――――――――――――――――
???「……ねえ」
上藤「お、お前!? 下がってろって言ったろ!?」
???「アンタはここで死ぬ必要はないんだよ」
上藤「何……だと?」
???「ねえ怪人! アンタの狙いは私の持ってる『O.H.T.Tストーン』が狙いなんでしょ!? 」
上藤「『O.H.T.Tストーン』……何だよそれ?」
イノケン「ふふふ、たしかにそうだけど、それが何か?」
???「これを渡すから、この人を見逃して欲しいんだよ!!」
イノケン「……僕と取引をしようと?」
???「…………」コク
イノケン「ふむ……」
683 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:45:35.64 ID:H/1Gu/a7o
イノケン「たしかに良い取引だけど、残念ながらノーだ」
???「!? 何で!?」
イノケン「だって、普通に手に入る物をわざわざ取引してまで手に入れる必要はないだろ?」
イノケン「それにそこの一般人は僕の顔を傷つけた。だから逃がす気はさらさらないね」
???「そ、そんな!」
イノケン「と、いうわけでまとめて死んでもらうよ!!」
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
上藤「く、クソォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
684 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:46:04.73 ID:H/1Gu/a7o
ピカァアアアアアアアン!!
イノケン「!? 何だと!?」
上藤「あ、あれ? 生きてる」
???「『O.H.T.Tストーン』が光ってる!? ま、まさかアンタが!?」
上藤「えっ? 何?」
???「アンタ名前は!?」
上藤「えっ? か、上藤浄真だけど」
???「じょうま! これを……」スッ
上藤「えっ、これって?」
685 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:47:02.69 ID:H/1Gu/a7o
イノケン「クソッ! まさか『O.H.T.Tストーン』の適応者か!? やらせるか!!」
グォウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!
???「十万三千の魂よ! かみどうじょうまに力を――――」
クワァアアアアアアアアアアアアン!!
上藤「う、うわあああああああああああああああ!!」
686 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:47:35.38 ID:H/1Gu/a7o
―――
――
―
イノケン「……やったか!?」
イノケン「ははは、やってやった」
イノケン「あとは『O.H.T.Tストーン』を回収するだけ――」
?????「平和を脅かす悪の使者よ……」
イノケン「!?」
?????「キサマが私欲のためにこの少女を傷つけてもいいなんて幻想を持ってやがるなら」
687 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:48:07.46 ID:H/1Gu/a7o
そげぶマン「まずは、その幻想ブチ壊してやる!! 『そげぶマン』参上!!」シュターン
〜つづく〜
―――――――――――――――――――――――――――
688 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:49:11.35 ID:H/1Gu/a7o
打ち止め「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」キラキラキラ
一方通行「うォォおおおおおおおお!! すげェ続きが気になるッ!」
打ち止め「早く来週にならないかな!? ってミサカはミサカは床を叩きながら待ちきれないアピールをしてみる」ドンドン
一方通行「クソがァ、カッコいいじゃねェか『そげぶマン』。チクショーめがァ……」
ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ
結標「……何だこれ?」
『そげぶマン』制作:A.C.STAFF 提供:統括理事会
689 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 22:51:51.32 ID:H/1Gu/a7o
―― ┼ | ‐┼ 7 !ヽ |__ 〃 | ヽ
|/´`ヽ .l __| { | /´ | |
(___ /| し | (__jヽ ヽ_ノ (__ し
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございます
深夜のテンションで書きました、反省はしているが後悔はしていなすみませんでした
おわびに何か質問があれば答えようと思います
あ、何でこれ書いたの? とかはやめてくださいほんと
ではではノシ
690 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/05(月) 22:57:33.32 ID:567UmGtTo
ワ、ワロタ
691 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/05(月) 23:00:39.84 ID:qbaAdcWEo
>>738
ワワワワロタ
692 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/05(月) 23:01:43.36 ID:yeVSZ0Yuo
……
>>691
未来予知とは……! やるな!
693 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/05(月) 23:10:14.74 ID:LUSxeIFAO
そげぶマン!
694 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/05(月) 23:12:29.06 ID:QkyDpJ7do
続きを頼む
695 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/05(月) 23:14:40.17 ID:ZkakC7SAO
イノケン・ステルスワロタwwwwww
696 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/03/05(月) 23:38:20.63 ID:ABFCmDux0
>>738
に期待
697 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/03/05(月) 23:46:17.23 ID:kINEkHKh0
そげぶマンの定期投下はあるんでせうか
698 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/05(月) 23:50:45.94 ID:H/1Gu/a7o
どうも
>>1
です
寝る前に質問に答えます
>>697
ありませぬ。もはや別スレでやれレベルの文量になりそうですし……
ではではノシ
699 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/06(火) 07:17:56.71 ID:2YJJWsaW0
>>698
別スレでやろう
700 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/06(火) 08:19:44.92 ID:UavvowDIO
乙…そげぶまんイケメン
O.H.T.Tストーンってなンなンだァァァあァァァ!!!!???
701 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/03/06(火) 14:00:14.86 ID:r+goo7xZo
>>699
つまり続きをやれとww
702 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:14:26.39 ID:Say5TFyno
みなさんこんばんは
そろそろスレも終盤に差し掛かってきたところですかね?
では投下するんだよ!
>>699
ちょwww今のスレで手いっぱいだっていうのにwww
というか鈴科百合子が打ち止めのチカラを借りてアクセラレータに変身する展開くらいしか考えてないからから無理でござるスマソ
>>700
Google翻訳で十万三千を英語で翻訳してみろ
あとはわかるな?
703 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:15:45.57 ID:Say5TFyno
EX.4 大食らいシスター再び
-第七学区・地下街-
一方通行「……はァ、いつの間にこンなところに来たンだ?」
一方通行「暇潰しに散歩でもしようと外に出たが、まさかこンなところまで来るとは思わなかった」
一方通行「能力の制限が付いて不便極まりねかったが、その分俺の体力が増えてンのかもしれねェな」
一方通行「っつっても、こンなに歩きゃァ多少は疲れるか」
一方通行「適当な店にでも入って休憩でもしてるか」カツンカツン
ガン
???「あう!」
一方通行「あン?」
704 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:16:36.88 ID:Say5TFyno
一方通行(ンだァ? 何かが足に引っ掛かった……)
一方通行「…………………」
???「うーん……」
一方通行「何やってンだオマエ?」
???「……うー、お腹空いた」
―――
――
―
705 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:17:11.27 ID:Say5TFyno
-第七学区・ハンバーガーショップ-
一方通行「……で、またオマエは『とうま』ってヤツに昼飯を作ってもらえず置いてけぼりにされたってわけか暴食シスター」
禁書「暴食シスターじゃないんだよ! インデックスなんだよ!」ガツガツムシャムシャ
一方通行「ハンバーガー二一個目に現在進行系でチャレンジしながらそンなこと言われてもな」ハァ
禁書「ところであなたはまたあの子を捜してるの? あの茶髪にアホ毛の子」バクバク
一方通行「いいや、俺はただの散歩だ」
706 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:18:03.38 ID:Say5TFyno
禁書「ふーん、そうなんだ」ニヤ
一方通行「……ンだその顔は?」
禁書「暇なら、またとうまを一緒に探して欲しいんだよ!」モグモグ
一方通行「口に食べ物が入ってる時に喋ってンじゃねェぞ。せめて、手で隠せ」
禁書「あっ、……恥ずかしいんだよ///」バッモグモグ
一方通行「オマエがそれを言うと何かすごく不自然だな」
禁書「むー、何かなそれ?」モシャモシャ
707 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:18:33.36 ID:Say5TFyno
一方通行「つゥか、人捜しなら警備員か風紀委員に頼んだ方よくねェか?」
禁書「あんちすきる? じゃっじめんと?」
一方通行(相変わらずの現代知識の欠如っぷりだなァオイ)ハァ
禁書「?」モグモグ
一方通行「……まァ、どォせ暇だし別に構わねェよ」
禁書「やったー、ありがとうなんだよ!」モグモグ
一方通行「だから、隠せっつってンだろ!」
禁書「わっ、ごめんなさい」バッ
一方通行「ったく……」
708 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:19:20.57 ID:Say5TFyno
一方通行「……ンで、そのとうまってヤツはどんなヤツなンだ? 姿形がわからねェモンを捜し当てられるほど俺は有能じゃねェぞ」
禁書「そう言われればそうかも。うーん……別に普通の人だよ」
一方通行「……何か特徴はねェのか? 俺から見たら大体の人間が普通なンだよ」
禁書「あなたが言うとすごい説得力だね」
一方通行「ほっとけ」
禁書「ええとね。何と言うか、ツンツンした髪型が特徴かも」
一方通行「ツンツン? 髪が立ってンのか?」
禁書「よくわかんないけどたぶんそう」
709 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:20:27.77 ID:Say5TFyno
一方通行「……チッ、それだけか?」
禁書「それだけだよ」
一方通行「オイオイ、そのとうまってヤツはどンだけ特徴がねェンだよ?」
禁書「そう言われても、それくらいしかないんだよ」
一方通行「ツンツン頭のヤツなンて、そこら辺捜しゃァざらにいるぞ」
禁書「そうなの? よくわかんないかも」
710 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:21:14.41 ID:Say5TFyno
一方通行「……あァ、あれだ。写真とかねェのか? 携帯電話の中とかによォ」
禁書「写真はないけど、けいたいでんわならあるんだよ」バッ
一方通行「貸せ」
禁書「はい」スッ
一方通行「…………」カチャ
一方通行「……オイ、電池切れてンぞ」
禁書「でんち?」
一方通行「ちゃンと充電してンのかこれ?」
禁書「じゅうでん?」
711 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:21:53.54 ID:Say5TFyno
一方通行「……はァ、ダメだこりゃ」スッ
禁書「何かわかった?」
一方通行「これでわかったら、それこそ超能力者だろォな。俺には無理だけど」
禁書「あなたも超能力者ってやつなの?」
一方通行「……まァな」
禁書「ふーん」モグモグゴクン
一方通行「…………」
禁書「ねえねえ」
一方通行「あァ?」
禁書「こっちのでらっくすめがとんちーずばーがーってやつも食べてみたいんだよ!」キラキラ
一方通行「……勝手にしろ」ハァ
712 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:22:35.97 ID:Say5TFyno
-第七学区・表通り-
一方通行「……はたして、これと言って特徴のない人間を俺は見つける事ができるのかねェ」ハァ
禁書「何一人でブツブツ言ってるの?」
一方通行「何でもねェよ」
禁書「そういえば、たぶんだけど特徴がまだあったんだよ」
一方通行「あァ? 言ってみろ」
禁書「今日とうまは短髪と出掛けるって言ってたんだよ! だから短髪が一緒にいるかも」
一方通行「短髪? 誰だそれ?」
713 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:23:17.86 ID:Say5TFyno
禁書「茶髪で短髪な品のない女なんだよ」
一方通行「……それこそどこにでも居そうなやつだよな」
禁書「うーん、何となくだけどこの前あなたが捜してた子とちょっと似てる……かも」
一方通行「あァ? アイツと似てるだァ?」
禁書「うん。でも短髪の方がちょっと大きいかな」
一方通行「…………」
一方通行(アイツに似てて少し大きいってまさかオリジナルか? 品のねェってところでクローン共ではねェと思うし)
一方通行「……はァ、めンどくせェことになりそうだな」
714 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:24:03.28 ID:Say5TFyno
禁書「どうしたの? 何かわかった?」
一方通行「あァ、めンどくせェってことはわかった」
禁書「何それ?」
一方通行「何でもねェよ」ハァ
禁書「……あっ!!」
一方通行「あァ? 何だもう見つけたのか?」
禁書「あのくれーぷって食べ物を食べてみたいんだよ!」
一方通行「オマエ……本当に捜す気あンのか?」
―――
――
―
715 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:24:44.25 ID:Say5TFyno
―
――
―――
禁書「うんうんおいしい」モグモグ
一方通行「……オマエ、さっきハンバーガー三〇個食ったばっかだろ」
禁書「デザートは別腹ってテレビで言ってたんだよ!」ムシャムシャ
一方通行「にしても限度があンだろ」
禁書「このいちごきな粉味おいしいんだよ」クチャクチャ
一方通行「……はァ」
716 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:25:15.83 ID:Say5TFyno
禁書「あなたも食べてみる?」スッ
一方通行「人に奢ってもらっといてそれはねェだろ。俺は甘いモノは食わねェ」
禁書「感謝はしてるんだよ」モグモグ
一方通行「感謝してンならとっとと食い終わって、とうまってヤツを見つけてくれ」
禁書「うん。そうする」ゴクン
717 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:26:00.83 ID:Say5TFyno
一方通行「……そのとうまってヤツはどこに行くかとか聞いてねェのか?」
禁書「うーんとねえ、えいがに行くって言ってたんだよ!」
一方通行「映画か……ここら辺ならあそこしかねェな」
禁書「心当たりがあるの?」
一方通行「まァな。この辺りで映画館って言ったら、有名どころの大型のヤツと、路地裏とかにあるマニアックなのしかやってねェヤツの二つぐれェだしな」
禁書「へー、よくわかんないけどあなたって物知りなんだね!」
一方通行「……別に普通だろ」
718 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:26:27.57 ID:Say5TFyno
禁書「そうでもないよ。とうまに聞くといつもいつもわかんないとか適当に返されるんだから」
一方通行「そりゃァ、単にソイツがめンどくせェだけじゃねェか?」
禁書「むー、どちらにしろあなたは良い人なんだよ!」
一方通行「良い人……ねェ……」
一方通行「……まァいい、とっとと映画館に行くぞ。今ならソイツらもいるかもしンねェからな」
禁書「わー!! すごい!!」
一方通行「……? 聞いてンのか?」
719 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:27:13.75 ID:Say5TFyno
禁書「トルコアイスってすごいね!! すっごく伸びてる!!」
一方通行「……は? トルコアイス?」
おじさん「ハイ!!」ビヨヨーン
禁書「おおー!!」キラキラ
おじさん「オイシイヨ」ビヨーン
禁書「おいしそー!!」キラキラキラキラ
一方通行「……今度はデザートのデザートは別腹って言うつもりかコラ」
720 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:27:46.05 ID:Say5TFyno
-第七学区・大型映画館-
一方通行「……ふゥ、さてお目当てのとうまクンは居ンのかねェ?」キョロキョロ
禁書「アイスうまうま」ペロペロ
一方通行「オマエとっととそれ食っちまえよ」
禁書「えっ、何で?」ペロペロ
一方通行「そンなモン映画館内に持って入るとか、普通に非常識だろ」
禁書「へー、そうなんだ。じゃあ食べるね」ガブッ
一方通行「あのLLサイズを一口で食べるか……」
721 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:28:19.15 ID:Say5TFyno
禁書「じゃあとうまを捜すんだよ!」
一方通行「っつっても、どうやって捜すかだな。ソイツらが映画を見てンだったら劇場にいることになるな」
禁書「それなら中に入って捜すんだよ!」
一方通行「それは無理だ」
禁書「えっ? 何で?」
一方通行「この中に入るには券を買わなきゃいけねェンだ」
禁書「じゃあ買えばいいんじゃないのかな?」
一方通行「バカかオマエ。見る気もねェ映画の券買ってどうする気だ?」
一方通行「それに映画ってのは時間帯ごとに放映するのが決まってンだよ」
禁書「つまり、どういうことなのかな?」
722 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:28:49.52 ID:Say5TFyno
一方通行「今券を買ったところで中には入れねェンだよ。劇場入口に改札みてェな装置があるからよ」
禁書「かいさつって何?」
一方通行「……はァ、何でもねェよ。ただ入れねェってことだけ理解しろ」
禁書「うん、わかった」
一方通行「つゥか、とうまクンはどンな映画を見るかとか聞いてねェのか?」
禁書「んーん。聞いてないんだよ」
一方通行「……つゥことは持久戦か。映画が終わるの待つという作戦になるな」ブツブツ
723 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:29:16.14 ID:Say5TFyno
禁書「ねえねえ!」
一方通行「あァ?」
禁書「あれが食べたいんだよ」
一方通行「あ、ああポップコーンか……ってまだオマエ食うつもりなのかよ?」
禁書「そろそろおやつの時間だってお腹の時計が私に示しているんだよ!」
一方通行「まだ二時なンだが……」
禁書「一時間の誤差なんてあってないようなものなんだよ!」
724 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:29:59.40 ID:Say5TFyno
一方通行「……はァ、わかったわかった買えばいいンだろ買えば」カツンカツン
店員「いらっしゃいませー!」
一方通行「どれが欲し――」
禁書「全部!!」
一方通行「……ポップコーン全種類ください」
禁書「LLがいいかも!」
一方通行「……全部LLで」
店員「か、かしこまりましたー」アセ
―――
――
―
725 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:30:28.94 ID:Say5TFyno
―
――
―――
禁書「やっぱり塩味はオーソドックスでおいしいんだよ。あ、でもキャラメル味も甘くておいしいんだよ」モシャモシャ
一方通行「店員の顔引きつってたぞ」
禁書「バーベキュー味も悪くな――」モキュモキュ
一方通行「オイ! ちょっと食うのやめろ!!」
禁書「? 何かな?」クシャクシャ
726 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:31:40.39 ID:Say5TFyno
一方通行「今この時間帯の映画が終わって客が出て来てンだが、それらしい人間が全く見当たらねェンだが」
禁書「んー、ほんとだね。とうまも短髪も見当たらないね」
一方通行「つゥか、そのとうまってヤツはいつ出掛けたンだ?」
禁書「うーんとね、朝の十時十三分だったんだよ」
一方通行「……は?」
727 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:32:20.91 ID:Say5TFyno
禁書「あれ? 聞こえなかったかな? 朝の十時十三分。正確には十時十三分二八秒だったはずだよ」
一方通行「……それってつまり、ソイツらはもうすでに映画を見終えて、どこかで昼飯を食い終えて、どこかでキャッキャウフフしてるっつゥわけか?」
禁書「えっ!? そうなの!? きゃっきゃうふふは困るんだよ!」
一方通行「…………」
禁書「…………?」
一方通行「無駄骨じゃねェかァ!!」ガン
禁書「ひゃ!? ぽっぷこーんわさび味がこぼれた!」アセ
728 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:33:25.23 ID:Say5TFyno
一方通行「ここにポップコーン食いに来ただけじゃねェか!」
禁書「何をそんなに怒ってるのかな? ぽっぷこーん食べる? おいしいよコンソメ味」
一方通行「いらねェよ! 俺が欲しいのは自由と解放だけだ」
禁書「あんまりイライラすると体に悪いよ。こういう時は糖分を取った方がいいかも。はい、チョコレート味」
一方通行「……ハァ、とっとと食っちまえよそれ」
禁書「どうしたの? 何か悩みごとでもあるの? 私はシスターだから何でも相談するといいかも」エヘン
729 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:34:33.07 ID:Say5TFyno
一方通行「シスターさン、いつなったらとうまクンは見つかるンですかねェ? 教えてくださいシスターさン」
禁書「そ、それは……」
一方通行「それは?」
禁書「それは……わからないんだよ」スイー
一方通行「……もォいい。さっさとそれを食い切れ」
禁書「う、うんわかったんだよ! がんばるんだよ!」モシャモシャ
一方通行「……はァ」
一方通行(いつになったら帰れるンだろォな俺は)
730 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:35:23.85 ID:Say5TFyno
-第七学区・とある公園-
一方通行「……つゥかさァ」
禁書「何?」
一方通行「もう捜す意味ほとンどねェよな?」
禁書「そうなの?」
一方通行「だってよォ、オマエ最初言ってたじゃねェか。昼飯ねェからとうまを捜してるって」
禁書「うん、そうだよ。とうまを捜しているんだよ!」
731 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:35:59.78 ID:Say5TFyno
一方通行「もう昼飯とっくに終わってンじゃねェか! つゥかもう五時回ってるし!」
禁書「あ、ほんとだ! よくよく考えたらお昼もおやつも食べてたんだよ!」
一方通行「だったらもォ見つける必要ねェだろ。もしかしたら家に帰ったら戻ってきてるかもしンねェだろ」
禁書「うーん、それもそうだよね」
一方通行「だったらさァ、もう今日はこの辺にしてお開きとしよォや」
禁書「でもでも、何か見つけない時が済まないというか……」
732 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:36:54.24 ID:Say5TFyno
一方通行「そォいやオマエ、前会った時は三毛猫抱えてねかったか?」
禁書「え、……あ、スフィンクス。今ごろ家で寂しそうにしてるかも」
一方通行「さっさと行ってやれよ。猫さンは寂しいと死んじまうンだぜェ?」
禁書「え、え、え!? そ、それは困るかも! じゃ、じゃあね白い人!!」タッタッ
一方通行「…………」
一方通行「……ふゥ、やっとこの長い散歩が終わるっつゥわけか」
タッタッタッ
733 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:37:25.95 ID:Say5TFyno
一方通行「……あァ?」
禁書「…………」タッタッ
一方通行「……どォした? 忘れ物か?」
禁書「うん、ちょっと忘れ物なんだよ」
一方通行「ああ、で、何を忘れたンだ?」
734 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:37:55.23 ID:Say5TFyno
禁書「あなたの名前を教えて欲しくて……」
一方通行「……別に名乗るほどのモンじゃねェよ」
禁書「でもずっと白い人って呼ぶのも何か変なんだよ!」
一方通行「別に構わねェよ白い人でも黒い人でも」
禁書「よくないんだよ! 名前教えて!!」
一方通行「…………」
禁書「教えて!!」
735 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:39:07.75 ID:Say5TFyno
一方通行「…………はァ、わかった教えりゃイインだろ」
禁書「うん!!」
一方通行「……一方通行」
禁書「あくせられーた?」
一方通行「そうそう一方通行。それだけだ」
禁書「うんありがとねあくせられーた。じゃあ今度こそ行くねあくせられーた」タッタッ
736 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:39:52.36 ID:Say5TFyno
一方通行「…………」
一方通行「……やっと行っ――」
禁書「ご飯おいしかったんだよ!! ありがとう!! またねあくせられーた!!」ノシ
一方通行「…………」
一方通行「……チッ、あンだけ奢らせて、あンだけ歩かせてお礼の言葉がたったこれだけかよ」
一方通行「…………」
一方通行「ハイハイまたなインデックスさんよォ」カツンカツン
737 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:40:45.23 ID:Say5TFyno
-第七学区・とある高校の学生寮-
ガチャ
禁書「ただいま! スフィンクスー生きてるー!?」
スフィンクス「にゃー」トコトコ
禁書「あ、よかったスフィンクス生きてたんだね」ダキッ
スフィンクス「にゃー?」
上条「お、おかえりなさいませインデックスさま」ドゲザ
禁書「……何やってんのとうま?」
738 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:41:46.55 ID:Say5TFyno
上条「お昼ごはんを用意するのを忘れてしまい、誠に申し訳ありません。どうぞ、この馬鹿野郎の頭を噛み砕いてくださいませ、ははー」
禁書「別にいいんだよ。もうお昼もおやつも食べて来たんだよ!」
上条「あ、あれ? 小萌先生のところでも行ってたんでせうか?」
禁書「違うよ。白い人に奢ってもらったんだよ!」
上条「白い人って、あの時ハンバーガーを奢ってくれたって言ってた人か?」
739 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:43:00.62 ID:Say5TFyno
禁書「うんそうだよ! くれーぷとかアイスとかぽっぷこーんとかいろいろ食べさせてくれたんだよ!」
上条「……お前、それはさすがに不味いだろ。ちゃんとお礼言ったんだよな? 相手のゴキゲン取ったんだろうな?」
禁書「ちゃんとお礼は言ったんだよ! 見くびらないで欲しいかも」
上条「そ、そうか……はあ、改めて俺もその白い人にお礼しに行った方が良いかな?」ハハ
禁書「あ、そういえば白い人が名前を教えてくれたんだよ!」
上条「えっ、ほんとか? これは本当にお礼しに行かなきゃな……で、なんていう人だ?」
740 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:43:33.61 ID:Say5TFyno
禁書「あくせられーただよ!」
上条「はいはいアクセラレータアクセラレータ……は? 今何て!?」
禁書「あくせられーただよ。とうまは物覚えが悪くて困るかも」
上条「完全記憶能力を持ってるお前と比べんじゃねえよ。それにしても、アクセラレータってまさか……」
禁書「……ねえとうま!」
上条「はい?」
禁書「お腹空いたんだよ!」ニコ
741 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/06(火) 22:49:08.70 ID:Say5TFyno
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございます
あひゃひゃ
>>738
さん早く面白いこと言ってくださいよー……って俺じゃん!?
面白いこと言えなくてサヒヒwwwフーセンwww
今回のゲストはSSで何かとウザがられてるインデックスさんです
皆さんから見たら今回のインさんはどうでしたでしょうか?
やっぱりウザデックスさんでしょうか?
ちなみにこの話を書いた理由は最近某再構成SSを読んだからというのは内緒です
ではではノシ
742 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/06(火) 22:52:00.54 ID:os0AVpySO
三下のお礼回に期待
743 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/06(火) 22:55:00.85 ID:/03QcHCho
キャラに違和感無いのにこの要らない子っぷり流石です
744 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/07(水) 01:11:55.24 ID:ufj/BkTko
ウザデックスだったな
>>1
オツデックス
745 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/03/07(水) 02:28:43.40 ID:iivp/cGo0
乙
白白はかわいいじゃないか
746 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/07(水) 02:54:24.94 ID:VUCz6tb3o
せっかく白白で振りまわされる一方さんがかわいかったのに、後書きで
ウザがられてるとか叩き目的で書いたっぽく言われると微妙な気分になるな…
747 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 09:01:49.58 ID:0s0kXlT0o
みなさんおはようございます
投下ではないですが先に謝罪をしたいと思います
不適切な発言により不快な思いをさせてしまったことについて
本当に申し訳ないと思います
わたくし自身も別にインデックスを嫌って叩き目的でこれを書いたわけではありません
むしろ愛おしく思って書きました。
ですが、『可愛く書いてみたのですがどうでしょうか?』と書くのはあまりにアレだったので
『ウザデックスさんでしたでしょうか』という質問をしてしまいました
結果このような発言で不快に思っている方も大勢いたと存じ上げます
本当に申し訳ありませんでした
これからは発言にも気を付けて書いていきたいと思いますので
これからもどうぞよろしくおねがいしますm(_ _)m
748 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/07(水) 09:39:26.82 ID:/bngIBeyo
別に謝るほどじゃないぞwwwwwwwwwwww面白いからこのまま続けてくれ
続き舞ってる
749 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/03/07(水) 10:40:11.87 ID:z1K116JAO
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ
750 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/07(水) 11:34:19.38 ID:5uBUC1vT0
ポイズン
今の若い子はこの歌知らないんだろうな
>>1
よ頑張れ
751 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:09:15.94 ID:0s0kXlT0o
みなさんこんばんは
ちょっと遅いですが今夜も投下頑張ります
今回はAAを多用するので携帯の方は見にくいかもしれません
その点はご了承をお願いしますm(_ _)m
752 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:10:03.63 ID:0s0kXlT0o
EX.5 学園都市クエスト
-黄泉川家・リビング-
打ち止め「アワキお姉ちゃーん」トテチテ
結標「どうしたの打ち止めちゃん?」
打ち止め「そういえば、ゲーム買ったっきりで遊んでないよね、ってミサカはミサカは隅っこで埃を被っているゲーム機の箱を見て言ってみる」
結標「そうね。結局いろいろあって遊べなかったのよね」
打ち止め「じゃあ、今遊ぼーよどうせ暇だし、ってミサカはミサカは暇つぶしにゲームをすることを提案してみる」
結標「そうね。じゃあそうしましょうか」
打ち止め「わーい、ついにゲームで遊べるぞ、ってミサカはミサカは両手を上げて喜びを表現してみたり」
―――
――
―
753 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:10:51.70 ID:0s0kXlT0o
―
――
―――
結標「……うぉぉ、相変わらず重いなこれ」
打ち止め「ファイト! ファイト! ってミサカはミサカは精一杯アワキお姉ちゃんを応援してみる」
結標「よ……いしょ!!」ガチャン
結標「……あとは箱の中から本体を出すだけね」カパ
結標「……このぉ! おらぁぁ!!」ガチャン
打ち止め「ちょ、ちょっとアワキお姉ちゃん!? そんなに乱暴にしてもいいの? ってミサカはミサカは大きな落下音に少し戸惑いを見せてみたり」
結標「あ、ああ、箱に、ナパーム弾が直撃しても壊れない、って書いてあるから大丈夫大丈夫」
打ち止め「うわぁ、なんという無駄な耐久力……ってミサカはミサカは唖然としてみたり」
結標「まあ、その無駄な耐久力を発揮するための素材を使っているせいで、こんなに重いのかもしれないけどね」
打ち止め「特殊な合金でも使ってるのかな、ってミサカはミサカは何となく予想してみる」
結標「さあ? 書いてないから何とも言えないわ……」
754 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:12:06.22 ID:0s0kXlT0o
結標「……ええと、このプラグをテレビに繋いで」カチャ
結標「これをコンセントに刺す、と」カチ
結標「打ち止めちゃん、そこにあるゲームソフトを取ってもらえない?」
打ち止め「うんわかった、ってミサカはミサカはテーブルの上に置いてある箱を手に取ってみる」
打ち止め「はいアワキお姉ちゃん!」つ学園都市クエスト
結標「ありがとね」スッ
結標「……ええと、このディスクを」カチャ
結標「んーと、どこかなー?」
打ち止め「ここじゃない? ってミサカはミサカは説明書を見て一致させながら人差し指を指してみる」
結標「あ、ああ、ここね。ありがと」カチャウィーン
結標「……はい、じゃあ起動!」ピッウォーン
テレレーレーレーレーレー♪
755 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:12:53.07 ID:0s0kXlT0o
『学園都市クエスト』
打ち止め「おおー! これって学園都市かな? ってミサカはミサカは画面に映る背景を見て分析してみる」
結標「すごい画質ね。まるで本物の学園都市の風景を見ているかのようね」
打ち止め「ところでどっちが操作するの? ってミサカはミサカは素朴な疑問を浮かべてみる」
結標「打ち止めちゃんが操作してもいいわよ」
打ち止め「えっ、いいの?」
結標「うん。私は見てるだけでいいから」
打ち止め「わかった! じゃあお言葉に甘えてミサカはミサカはボタンをポチっとな!」
ア はじめから
つづきから
オプション
ピコーン
756 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:14:25.15 ID:0s0kXlT0o
『あなたの性別を教えてください』
結標「……性別だって」
打ち止め「うーん、ここは普通に女の子にするべきだろうけど何か違いはあるのかな、ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
結標「ちょっと待って。うーんとね……」
結標「どうやら男を選んだ場合に体力とか身体能力が上がりやすくて、女を選んだら知力とかが上がりやすいみたいよ」
打ち止め「うーん、要するに脳みそ筋肉かガリ勉か、ってこと? ってミサカはミサカは二つの特徴を一言で表してみたり」
結標「でも能力のレベルとかには影響ないらしいわよ」
打ち止め「ううう、何だかよくわかんない、ってミサカはミサカは頭を抱えてみる」
結標「どっちでもいいんじゃない? 浜面くんが言ってように誰でも能力が使えるようになるらしいし」
打ち止め「……じゃあ普通に女の子にしよー、ってミサカはミサカはガリ勉を選択してみる」カチ
.男
ア 女
ピコーン
757 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:15:27.09 ID:0s0kXlT0o
『あなたの名前を教えてください』
打ち止め「……名前だって」
結標「打ち止めでいいんじゃない?」
打ち止め「そうだね、じゃあ……」
打ち止め「…………」
打ち止め「……でも名字と名前両方決めるらしいよ、ってミサカはミサカは画面を見ながら報告してみる」
結標「うーん、そうしたら名字も決めなきゃいけないのか……」
打ち止め「じゃあアワキお姉ちゃんの名字借りて良い? ってミサカはミサカは提案してみる」
結標「別に構わないわよ」
打ち止め「やったー! じゃあ今度こそ……」
打ち止め「む、す、じ、め、ら、す、と、お、ー、だ、ー、っと」
758 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:16:12.00 ID:0s0kXlT0o
『【むすじめ らすとおーだー】これでよろしいですか?』
打ち止め「ハイ! ってミサカはミサカは元気よくボタンを押してみる」カチ
ア はい
.いいえ
ピコーン
結標「まさか全部ひらがなとは思わなんだ……」
759 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:17:18.81 ID:0s0kXlT0o
『では、これからする質問に答えてください』
『Q.1 あなたは白色と黒色だったらどっちが好き?』
打ち止め「……何これ? 答えればいいのかな? ってミサカはミサカは助言を求めてみる」
結標「うん。どうやら心理テストみたいなもので、回答のパターンによって能力の種類が変わるみたいね」
打ち止め「ふーんそうなんだ。じゃあ自由に答えていけばいいんだね、ってミサカはミサカは確認を取ってみる」
結標「大丈夫よ」
打ち止め「よーし、ええと、白と黒だったらあの人の髪の色が真っ白だからここは『白色』だね、ってミサカはミサカは即答してみる」
ア 白色
.黒色
ピコーン
打ち止め「ドンドン答えていくぞー! ってミサカはミサカはしっかり意気込んでみる」フンス
―――
――
―
760 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:19:28.15 ID:0s0kXlT0o
―
――
―――
『Q.500 犬と猫だったらどっちが好き?』
打ち止め「……ふわぁー、これ一体何問あるの? ってミサカはミサカはあまりの質問の数にうんざりしてみたり」
結標「……説明書には書いてないわね」
打ち止め「もー、早くゲームをやりたいー! ってミサカはミサカは猫が好きだから迷わず猫を選んでみたり」カチ
.犬
ア 猫
ピコーン
―――
――
―
761 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:21:10.33 ID:0s0kXlT0o
―
――
―――
『Q.1000』
結標「だぁー!! どういうことなのこれ? 何でゲームを開始して一時間は経っているはずなのに、未だに物語が始まらないのよ!?」
打ち止め「お、落ち着いてアワキお姉ちゃん。怒っても物語は始まらないよ?」
打ち止め「ミサカも正直イラついているけど、ミサカはミサカはちょっと大人になってアワキお姉ちゃんをなだめてみたり」ドオドオ
『みなさんお疲れさまでした。これが最後の質問となります』
打ち止め「ほ、ほら、やっとこれで終わるんだよ? ってミサカはミサカはまだ始まってもいないのにエンディングを迎えた気持ちになってみたり」
結標「ほ、ほんとね。早く答えてゲームを始めましょ」
『正直この質問攻めにムカついていましたか?(笑)』
結標「…………」
打ち止め「…………」
結標・打止「「当たり前だコラァァああああああああああああああああああああッ!!」」ガチャン
ア はい
.いいえ
ピコーン
762 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:22:10.96 ID:0s0kXlT0o
―――――
学園都市。
東京西部に位置する完全独立教育研究機関。あらゆる教育機関・研究組織の集合体であり、
学生が人口の8割を占める学生の街にして、外部より数十年進んだ最先端科学技術が研究・運用されている科学の街。
また、人為的な超能力開発が実用化され学生全員に実施されており、超能力開発機関の側面が強い。
総面積は東京都の約3分の1に相当する巨大都市で、総人口は約230万人(その8割は学生)。
それぞれ特色のある23の学区から構成されており、それぞれの学区で独自の条例が、学園都市の法律とは別に制定されている。
〜省略〜
打ち止め「……あれ? スタートボタンを押してもスキップされない? ってミサカはミサカは長い説明に我慢できなかったり」
結標「初見くらいはちゃんと読みなさいよ。一応ゲームに必要な設定かもしれないじゃない」
打ち止め「えー、面倒くさーい」
テンテンテンテーテテ♪
結標「あ、始まったみたいよ?」
打ち止め「おおー! わくてかが止まらないぜ、ってミサカはミサカは気持ちをそのまま声に出してみる」
763 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:23:25.42 ID:0s0kXlT0o
―――――
四月十五日(金)午後四時〇〇分 星黒高校 1−A教室 〜放課後〜
らすとおーだー(以下らすと)「私の名前は『むすじめ らすとおーだー』」
らすと「今年から学園都市の学校に通うことになった高校生です」
らすと「今日は昨日あった身体測定の結果が帰ってくる日だ」
らすと「私には一体どんな能力が隠されてあるのかわくわくしてます」
先生「……ええと、次はむすじめ」
らすと「は、はい!」
―――――
結標「……らすとおーだーって、文面で見るとすごい文字数多いのね」
打ち止め「そうだね。結構今さらだけど」
打ち止め「しかし、どんな能力かわくわくするね、ってミサカはミサカは画面内の自分と同じ気持ちになってみたり」
結標「…………」
結標(私にもこんな時期があったのかな? 記憶がないからさっぱりだけど……)
764 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:24:12.24 ID:0s0kXlT0o
―――――
先生「えー、むすじめらすとおーだー。お前の測定結果だが……」
らすと「…………」
先生「異能力者【レベル2】の電撃使い【エレクトロマスター】だ」テッテレレー
らすと「や、やった。今日から私も能力者……」
先生「これからも精一杯努力するように」
らすと「は、はい!」
―――――
打ち止め「わーい! ミサカと同じ電撃使いだぁ、ってミサカはミサカは内心ちょっと残念だけど喜んでみたり」
結標「すごい偶然ねー、いくつもある能力の中で自分と全く同じ力が手に入るなんてね」
打ち止め「どうせならあの人と同じベクトル操作とかだったらおもしろそうだったのに……」
結標「これ一応RPGだから、一方通行の能力だったらユルゲーになってしまうわ」
打ち止め「それもそうか、ってミサカはミサカは舌を出してうっかりアピール」テヘ
765 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:26:06.30 ID:0s0kXlT0o
―――――
四月十五日(金)午後四時〇〇分 星黒高校 1−A教室 〜放課後〜
R子「ねえねえ。身体測定の結果どうだった?」
らすと「電撃使いのレベル2だったよ!」
この女の子はR子さん。
星黒高校に入学した時に知り合った友達です。
中学の時から学園都市に住んでるから、私なんかよりずっとココに詳しいんだぁ。
R子「れ、レベル2? す、すごいな、らすとおーだーちゃんは」
らすと「そんなことないよ。R子さんはどうだったの?」
R子「私なんて全然」
R子「中学の時から万年無能力者【レベル0】の空力使い【エアロハンド】」
R子「埃一つぐらいしか動かせないダメダメ無能力者さ。あはは」
らすと「R子さん……」
―――――
766 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:26:43.32 ID:0s0kXlT0o
◎選択肢
1『元気出して? R子さんはR子さんだよ』
2『大丈夫だよいつか上がるよ。一緒に頑張ろ? ねっ?』
3『あははー、ごめんねなんか勝手に能力者になっちゃって。ま、お互いがんばりましょ?』
打ち止め「……何か選択肢が出てきたよ? ってミサカはミサカはどれにしようか迷ってみる」
結標「何か明らかに地雷臭のする選択肢があるのだけど……」
打ち止め「とりあえず三番は無しだね、ってミサカはミサカは冷静に判断してみる」
結標「残すは一番と二番ね? 一見どちらも励ましの言葉に見えるけど……」
打ち止め「ミサカは二番だと思うな、ってミサカはミサカは自分の意見を提示してみたり」
結標「あら、どうして?」
打ち止め「一緒に頑張ろ、ってところが友情っぽいと思います」
767 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/03/07(水) 23:27:30.31 ID:HIXFK0ih0
r子……涙子か
768 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:28:05.64 ID:0s0kXlT0o
結標「うーん、残念ながら私は一番だと思うな」
打ち止め「えっ、どうして? ってミサカはミサカはアワキお姉ちゃんに理由の提示を求めてみたり」
結標「二番の一緒に頑張ろ、たしかに良い言葉だとは思うわ。しかし……」
打ち止め「しかし?」
結標「二番は能力面のことしか言っていない! しかし一番はちゃんと人間性に触れているのだ!」キリ
打ち止め「な、なんと!」
結標「恐らくこのR子ちゃんは傷ついているわ。だから人間部分を慰めてあげれば……」
打ち止め「でも逆に嫌がられないかなー、ってミサカはミサカは推測してみたり」
結標「うーん、まあ打ち止めちゃんが思う方を選んでみれば? たぶん三番を選ばない限り失敗はないと思うから……」
打ち止め「そうだね。じゃあアワキお姉ちゃんを信じて一番を選んでみるよ、ってミサカはミサカはボタンを押してみる」ピコ
ア1『元気出して? R子さんはR子さんだよ』
.2『大丈夫だよいつか上がるよ。一緒に頑張ろ? ねっ?』
.3『あははー、ごめんねなんか勝手に能力者になっちゃって。ま、お互いがんばりましょ?』
ピコーン
769 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:29:05.78 ID:0s0kXlT0o
―――――
らすと「元気出して? R子さんはR子さんだよ」
R子「ば、馬鹿だなー! らすとおーだーちゃんはー。私はいつも元気元気」
らすと「そ、そう? ならいいんけど……」
R子「らすとおーだーちゃんは優しいねー、このこの」ウリウリ
らすと「うわ、ちょっと、やめて、あははははは」
R子「わははははははは!」
R子「ありがとね。らすとおーだーちゃん」ボソ
らすと「……えっ? 何か言った?」
R子「別にー、何でもないって。じゃあそろそろ帰ろー!!」テクテク
らすと「ま、待ってR子さん!」テッテッ
―――――
打ち止め「おおおー! さすがアワキお姉ちゃん。R子ちゃんが元気になったね!」
結標「いやいや、それほどでもー」
打ち止め「やっぱりお姉ちゃんは人生経験が豊富だね、ってミサカはミサカは尊敬の眼差しで見つめてみたり」キラキラ
結標「いやいや、人生経験って言っても記憶喪失しちゃってまだ一年間も満たない人生経験だけどね」
打ち止め「そ、そうだったごめん! ってミサカはミサカは頭を下げながら自分のデリカシーのなさに怒ってみたり」
結標「べ、別にいいわよそんなこと。記憶なんてなくても十分楽しいし」
結標「ほら、ゲーム進めるわよ」
打ち止め「……うん! ってミサカはミサカは元気一杯返事をしてみる」
770 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:30:14.45 ID:0s0kXlT0o
―――――
四月十五日(金)午後四時一五分 第七学区 通学路 〜下校中〜
R子「そういえばらすとおーだちゃんに超能力者【レベル5】のことは教えたっけ?」
らすと「ううん。何それ?」
R子「まあその名の通りレベル0からレベル5までの六段階で査定される能力者の中でトップ」
R子「学園都市にただ一人しか存在しない最強の能力者」
R子「その名は超能力者一方通行!」
らすと「へー、そんなにすごい人なんだー」
R子「すっごく強くてすっごくお金持ちでさらにイケメンって言う噂らしいよ」
R子「一度でいいからこの目で見てみたいなー一方通行さま」
―――――
結標「きゃははははは! 一方通行様ってきゃはは! この世界での一方通行はイケメンなんだ? あははははは!」
打ち止め「ちょ、ちょっとアワキお姉ちゃん。そんなに笑う必要はないよー、あの人は現実世界でもその……カッコいいよ」ボソ
結標「ほほぉ、さては打ち止めちゃん。アイツに惚れてるな?」
打ち止め「えっ、そ、その、え、えへへ……///」
結標「こんな可愛い娘に好かれてるなんて隅に置けないわねアイツも」
771 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:31:56.25 ID:0s0kXlT0o
―――――
R子「そうだ、今日はどっかよって行かない?」
らすと「うんいいよ。どこに行く?」
R子「うーん、そうだなー、……!?」
らすと「どうしたのR子さん?」
スキルアウトA「おらおら! 金を出せっつってんだろぉがコラッ!!」
バコドコ!!
メガネ「ひ、ひぃ! 勘弁してください!」
スキルアウトB「つべこべ言わず出せって言ってんのがわからないかなー?」
メガネ「こ、このお金だけはダメなんです! 今月の生活費が……」
スキルアウトB「あァ!? 知らねえなー。んなこと俺達には関係ねえだろうがよ」
R子「……うわぁ、あの人かわいそう。カツアゲにあってる」
らすと「何なのあの人たち!? 何であんなことを……」
R子「あいつらは武装無能力集団【スキルアウト】って言って」
R子「能力開発とかで上手く行かなくてやけになった不良やチンピラみたいなものよ」
R子「ああいうのには関わらない方がが良いよ。後から仕返しされても困るし」
らすと「……そうなんだ」
―――――
結標「うわー、まさに絵に描いたようなチンピラね」
打ち止め「あのメガネの人かわいそう、どうにかしてあげられないのかな? ってミサカはミサカは心配してみる」
結標「うーん、どうだろうか?」
772 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:32:32.41 ID:0s0kXlT0o
―――――
スキルアウトC「……あァ!? 何見てんだテメェら!?」
R子「あ、いえ別に……」
らすと「…………」
R子「ちょっとらすとおーだーちゃん! 早く行こ!」
らすと「……私は」
選択肢
1『こんなの見過ごせないよ! 私はあの人を助ける!」
2『そうだ! 風紀委員を呼ぼう!」
3『……そうだね。行こう」
―――――
打ち止め「選択肢キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!」
結標「これはどうすればいいのだろうか……」
773 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:33:16.16 ID:0s0kXlT0o
打ち止め「そんなの一番に決まってるよ! 悪いヤツを倒してみんな幸せ! ってミサカはミサカは一番を希望してみたり」
結標「うーんでもこれは難しいんじゃない?」
打ち止め「? 何で?」
結標「レベル2クラスの能力しか持ってなくて、スキルアウト三人を果たして相手にできるのか……」
打ち止め「うーんどうだろうか? ってミサカはミサカは頭を抱えて考えてみる」
結標「だからここは安全策二番を推すわ!」
打ち止め「でもでも、風紀委員さんはすぐに来てもらえるのかなー? ってミサカはミサカは疑問に思ってみる」
結標「まあゲームだから大丈夫じゃない?」
打ち止め「そうだね。ゲームだもんね! ってミサカはミサカは納得しつつ二番を選択してみる」カチ
.1『こんなの見過ごせないよ! 私はあの人を助ける!」
ア2『そうだ! 風紀委員を呼ぼう!」
.3『……そうだね。行こう」
ピコーン
774 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:34:22.85 ID:0s0kXlT0o
―――――
らすと「そうだ! 風紀委員を呼ぼう!」
R子「えっ? 別にそんなことしなくても誰かが呼んでるよきっと」
らすと「もし誰も呼んでなかったらどうするの!?」
R子「え、そ、そうだね。だったら私が呼ぶよ」カチ
R子「…………」プルルルル
R子「あ、もしもし風紀委員ですか? あ、はい、事件です。恐喝です」
R子「えっと場所は―――」
スキルアウトC「おいおい何をしているのかなお嬢ちゃん?」
R子「ひっ!?」
スキルアウトC「今すぐその電話を切れ。じゃないとちょっと痛い目に遭うことになるぜ?」ボキボキ
R子「あ、あ、あ、その……」ガクブル
らすと「やめてよ!」
スキルアウトC「あん!?」
らすと「一体何でそんな悪いことするのあなたたち!?」
スキルアウトB「あァ!? そんなのお前には関係ねえだろうが」
スキルアウトA「このお嬢ちゃんうっとおしいな」
スキルアウトC「俺がヤっとくからお金の方よろしくー」
スキルアウトA「りょうかーい」
スキルアウトB「俺にも残しとけよ」
スキルアウトC「じゃ、痛い目に遭うってことでよろしくね!?」
らすと「…………」キッ
タタタターン♪
775 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:35:24.77 ID:0s0kXlT0o
┏━━━━━━━┓
┃らすとおーだー ┃
┃───────┃
┃HP:45 正常 ┃
┃AP:10 (゚∀゚) ┃
┃LV: 1 ┃
┗━━━━━━━┛
___
i:::::::::::::::::::ヽ
l/^_,ヽ,_:;;ノ
从 ・ω・)
/~ヽ、; i ^つ
(⌒'し' / ⌒)
(_) ⌒(_)
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃スキルアウトが現れた▼ ..┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
結標「おー、ゲームを開始して約一時間十五分。やっと戦闘が始まった」
打ち止め「結局風紀委員を呼んでもダメだったね、ってミサカはミサカは戦闘画面を見てわくわくしてみたり」
結標「たぶん一番を選んだりしたらあのスキルアウトが三人になっていたのでしょうね」
776 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:36:15.60 ID:0s0kXlT0o
┏━━━━━━━┓
┃らすとおーだー ┃
┃───────┃
┃HP:45 正常 ┃
┃AP:10 (゚∀゚) ┃
┃LV: 1 ┃
┗━━━━━━━┛
___
i:::::::::::::::::::ヽ
l/^_,ヽ,_:;;ノ
从 ・ω・)
/~ヽ、; i ^つ
(⌒'し' / ⌒)
(_) ⌒(_)
┏━━━━━┓.┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃|>戦う .....┃.┃どうする? .┃
┃ 作戦 .....┃.┃ .┃
┃ アイテム ..┃.┃ .┃
┃ 逃走 .....┃.┃ ...┃
┗━━━━━┛.┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
打ち止め「うーんどうするアワキお姉ちゃん? シンプルに戦う? それとも逃げる?」
結標「たぶんこういうイベント戦闘は逃げられないと思うから、戦うしかないと思うわ」
打ち止め「よーし、じゃあ『戦う』で」カチ
ピッ
777 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:37:14.30 ID:0s0kXlT0o
┏━━━━━━━┓
┃らすとおーだー ┃
┃───────┃
┃HP:45 正常 ┃
┃AP:10 (゚∀゚) ┃
┃LV: 1 ┃
┗━━━━━━━┛
___
i:::::::::::::::::::ヽ
l/^_,ヽ,_:;;ノ
从 ・ω・)
/~ヽ、; i ^つ
(⌒'し' / ⌒)
(_) ⌒(_)
┏━━━━━┓.┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃|>攻撃 ...┃.┃どうする? .┃
┃ 能力 .....┃.┃ .┃
┃ 特技 ...┃.┃ .┃
┃ やめる ....┃.┃ ...┃
┗━━━━━┛.┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
打ち止め「こうげき? のうりょく? とくぎ? 何がなんだかサッパリ、ってミサカはミサカは子供らしくシンプルに『攻撃』を押してみようと考えてみたり」
結標「ちょっと待って、今説明書で探すから……」ペラペラ
打ち止め「問答無用! ってミサカはミサカはボタンをプッシュ!!」カチ
結標「ちょ、待っ―――」
778 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:38:17.37 ID:0s0kXlT0o
┏━━━━━━━┓
┃らすとおーだー ┃
┃───────┃
┃HP:33 正常 ┃
┃AP:10 (゚∀゚) ┃
┃LV: 1 ┃
┗━━━━━━━┛
___
i:::::::::::::::::::ヽ
l/^_,ヽ,_:;;ノ
从 ・ω・)
/~ヽ、; i ^つ
(⌒'し' / ⌒)
(_) ⌒(_)
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃らすとおーだーの攻撃! ...┃
┃べしっ!! ┃
┃スキルアウトに4のダメージ ...┃
┃スキルアウトの攻撃! ┃
┃バキッ!! ┃
┃らすとおーだーに12のダメージ▼ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
打ち止め「わっ! すごいダメージを受けちゃった、ってミサカはミサカは現状報告してみたり」
結標「……言わんこっちゃない、女主人公は身体能力が弱いから肉弾戦は向かないのよ」
打ち止め「もー、それを早く言ってよー、ってミサカはミサカは自分のことを棚に上げて文句を言ってみたり」
結標「結構最初の段階で言ってた気がするけど……」
打ち止め「じゃあどうすればいいの? ってミサカはミサカは打開策を求めてみたり」
結標「じゃあ、次は『能力』で攻撃してみましょう」
打ち止め「わかった、『能力』だね、ってミサカはミサカは巧みにコントローラーを操って『能力』にカーソルを合わせてみたり」カチ
779 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:38:56.37 ID:0s0kXlT0o
┏━━━━━━━┓
┃らすとおーだー ┃
┃───────┃
┃HP:33 正常 ┃
┃AP:10 (゚∀゚) ┃
┃LV: 1 ┃
┗━━━━━━━┛
___
i:::::::::::::::::::ヽ
l/^_,ヽ,_:;;ノ
从 ・ω・)
/~ヽ、; i ^つ
(⌒'し' / ⌒)
(_) ⌒(_)
┏━━━━━━━━━┓.┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃|> 電撃 ..┃.┃敵単体に電撃攻撃! ...┃
┃ ――――― ...┃.┃一定の確率で動けなくする ..┃
┃ ――――― .┃.┃ (AP3消費)..┃
┃ ――――― ...┃.┃ ...┃
┗━━━━━━━━━┛.┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
結標「うん。多分これで攻撃した方がダメージが大きいのじゃないかしら?」
打ち止め「APって何?」
結標「たぶん能力を使用するためのエネルギーか何かじゃないかしら? ほら、HPの下にあるやつ」
打ち止め「ホントだ! ってことは電撃攻撃は三回しか使えないってこと? ってミサカはミサカは計算結果を報告して確認を取ってみたり」
結標「うんそういうことね。まあ、最初の敵だから二、三回で倒せると思うけど……」
打ち止め「じゃあ、これを選ぶね! ってミサカはミサカはビリビリアタックを決行してみたり」カチ
ピコーン
780 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:40:11.38 ID:0s0kXlT0o
┏━━━━━━━┓
┃らすとおーだー ┃
┃───────┃
┃HP:33 正常 ┃
┃AP: 7 (゚∀゚) ┃
┃LV: 1 ┃
┗━━━━━━━┛
ww ww
___
i:::::::::::::::::::ヽ
Σ l/^_,ヽ,_:;;ノ て
.Σ 从\・ω\) て
Σ /~/、; i/^つ て
Σ (⌒'\' / \) て
Σ(_) ⌒(_)て
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃らすとおーだーの能力発動! ...┃
┃『電撃』攻撃 .┃
┃ビリッ!! ...┃
┃スキルアウトに16のダメージ .. ┃
┃スキルアウトはしびれて動けない▼ ┃
┃ .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
打ち止め「あ、一定の確率で動けなくなった、ってミサカはミサカは思わぬ幸運に喜んでみたり!」
結標「これはラッキーね。一気に畳み掛けましょ!」
打ち止め「了解! ってミサカはミサカは結標参謀の指示に従ってみたり!」カチカチ
781 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:41:10.18 ID:0s0kXlT0o
┏━━━━━━━┓
┃らすとおーだー ┃
┃───────┃
┃HP:33 正常 ┃
┃AP: 4 (゚∀゚) ┃
┃LV: 1 ┃
┗━━━━━━━┛
ww ww
___
i:::::::::::::::::::ヽ
Σ l/^_,ヽ,_:;;ノ て
.Σ 从\・ω\) て
Σ /~/、; i/^つ て
Σ (⌒'\' / \) て
Σ(_) ⌒(_)て
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃らすとおーだーの能力発動! ...┃
┃『電撃』攻撃 .. ┃
┃ビリッ!! ...┃
┃スキルアウトに21のダメージ ....┃
┃スキルアウトを倒した▼ .. ..┃
┃ .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
トゥルルル〜♪
打ち止め「や、やった! 倒したよ! ってミサカはミサカはミサカの完全大勝利ー!!」ワーイ
結標「やったわね! 打ち止めちゃん!」ワーイ
782 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:42:09.17 ID:0s0kXlT0o
┏━━━━━━━┓
┃らすとおーだー ┃
┃───────┃
┃HP:33 正常 ┃
┃AP: 4 (゚∀゚) ┃
┃LV: 1 ┃
┗━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃らすとおーだーは50の経験値を手に入れた▼ ..┃
┃ ┃
┃ .┃
┃ ...┃
┃ .┃
┃ .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
テレレレッテッテッテー♪
783 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:43:03.69 ID:0s0kXlT0o
┏━━━━━━━┓
┃らすとおーだー ┃
┃───────┃
┃HP:35 正常 ┃
┃AP: 7 (゚∀゚) ┃
┃LV: 2 ┃
┗━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃らすとおーだーのレベルが上がった .┃
┃HPが2、APが3、攻撃が1、防御が1、素早さが2、知力が3、.┃
┃能力技能が2、がそれぞれ上昇した ┃
┃¥500を手に入れた▼ ..┃
┃ .┃
┃ .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
打ち止め「おおおおお! 何かレベルアップした!? まさかのもう強能力者【レベル3】!? ってミサカはミサカは腰を抜かして驚いてみたり」
結標「そういうわけじゃなさそうよ」
打ち止め「えっ? どういうこと? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
784 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:43:33.81 ID:0s0kXlT0o
結標「多分能力的なレベルじゃなくて、身体能力のレベルが上昇したのではないかしら?」
結標「その証拠にレベルが1から2に上がっているもの」
打ち止め「うーんよくわかんないけど、強くなってことでいいの? ってミサカはミサカは確認を取ってみる」
結標「うん。そういう事で構わないと思うわ」
打ち止め「よおし! じゃあじゃんじゃん戦ってレベルアップと行こうかー!! ってミサカはミサカは意気込んでみたり」
結標「おー!」
プッツーン
打止・結標「!?」
785 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:44:38.17 ID:0s0kXlT0o
テレビ「」シーン
打ち止め「……なん……だと?」
結標「……うそ……でしょ?」
黄泉川「ゲームは一日一時間じゃん♪」
打ち止め「」
結標「」
その夜は二人して枕を濡らしたという。
結標「次の日ゲーム機を起動したらオートセーブ機能があったみたいでデータが残ってました」
打ち止め「さすが学園都市製のゲームだね! ってミサカはミサカはこのゲームを作った会社を褒め称えてみたり」
786 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/07(水) 23:52:35.22 ID:0s0kXlT0o
今回はここまでにしたいと思います
ここまで見てくださったみなさんありがとうございます
携帯電話の人は本当にすみません
今回はこんな設定あったなーと思う人も大勢いると思いますが
懐かしき浜面と一緒に買いに行ったゲーム回です
最初は文面だけで頑張ろうと思ったのですが、
なんか次第に凝ったのが作りたくなって
その結果がこのAA乱発でしたすみません
もはやSSじゃなくね? と思う人もいると思いますが本当にそうですね
まあ、こんな手間のかかることは二度としたくないですねww
最後にお知らせです。
明日15:00くらいからにこのSSおそらく最後の回を投下します
その使用レス数が150は越えているので休憩をはさみながら投下して行きたいと思います
休憩中にレスとかくれると嬉しいです
来れる人がいれば見に来てみてください
一緒に完結を迎えてみませんか?
と慣れ合い厨の
>>1
からのお知らせでした
ではではノシ
787 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/07(水) 23:53:55.67 ID:Gmn9YcT+o
おつー
788 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/03/07(水) 23:59:39.05 ID:HIXFK0ih0
乙
789 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 00:03:26.09 ID:x/4tPS40o
乙
150超の一挙投下とかwwktk
790 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/03/08(木) 00:40:08.44 ID:Ipdh/RxCo
乙
本編が終わったら番外編としてゲームを進めていくのを
期待してるよ
791 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 01:25:45.84 ID:wSnBcKqGo
最後だと・・悲しすぎる・・
792 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 09:31:23.11 ID:z+Pbyf5G0
乙
>>749
>>759
俺は俺を騙す事無く生きていく
齢18だがコミックス全巻持ってるぞ。
……18ってまだ若いよね?
793 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 11:12:15.78 ID:JFN8XHJIO
18歳ってのはなァ……ババァなンだよ
794 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:00:17.52 ID:lURsS44ro
みなさんこんにちは
いよいよ最後の投下ですね
長いので区切りのいい所で休憩を挟んでいきたいと思います
795 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:01:16.54 ID:lURsS44ro
EX.6 Knight.Parade
-黄泉川・リビング-
打ち止め「ねえねえ!」
一方通行「あァ?」
打ち止め「これ見てみて、ってミサカはミサカはチラシを差し出してみる」サッ
一方通行「……『スターランドパーク』だァ? ンだこりゃ?」
結標「たしか、今月に新しくオープンする予定の遊園地じゃなかったかしら?」
一方通行「……あァ、たしかに遊園地みたいなことは書いてるな」
796 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:02:04.83 ID:lURsS44ro
芳川「ネット上で話題になってるわね。今までの常識を覆すようなアトラクションがある遊園地だそうよ」
一方通行「ヘェー……で、これがどォしたンだ?」
打ち止め「……連れて行って! ってミサカはミサカはお願いしてみる」
一方通行「……は? 何で?」
打ち止め「だってだってー、この前あなたは遊園地に連れて行ってくれるって言ってくれた、ってミサカはミサカは思い出してみる」
一方通行「……あァ、そォいやそンなこと言ってたな」
打ち止め「だから、連れて行って欲しい、ってミサカはミサカは再度お願いしてみる」
黄泉川「いいじゃん。連れて行ってあげれば」
797 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:02:54.55 ID:lURsS44ro
一方通行「……いや、別にいいンだけどよォ」
打ち止め「やったー!! ほんとは、また眠いとか言って断られそうと思ってたけど、ってミサカはミサカは予想外の回答に歓喜してみたり」
一方通行「でも、これ今週の日曜日にオープン……つゥことは二日後か」
打ち止め「何か問題でもあるの? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
一方通行「いいや。オープン初日に加え、その日は日曜日だから人が多いなと思ってな」ハァ
芳川「そうね。パスの予約が開始直後に終了したらしいし」
結標「そ、それはすごいですね……」
一方通行「そンな人気だったら、人がゴミのようにウジャウジャ湧いて出るだろォな」
798 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:03:38.67 ID:lURsS44ro
打ち止め「ねえねえ、それってどういうこと? ってミサカはミサカは会話の流れが把握しきれなかったり」
芳川「率直に言えば、初日には行かない方が良いってことよ」
打ち止め「えええええええええええええええええええええええええ!!」
一方通行「うるせェぞクソガキ!」
打ち止め「ミサカは初日に行きたい! ってミサカはミサカは希望を言ってみたり!」
一方通行「はァ!? バカですかオマエは? 初日に行っても何にも良いことねェぞ」
打ち止め「ううう、それでも行きたいって、ミサカはミサカは信念を曲げずに言ってみる」
一方通行「何がオマエをそこまで駆り立てるンだよ?」
結標「……たぶん、これじゃない?」サッ
799 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:04:30.95 ID:lURsS44ro
一方通行「あァ?」
結標「ほら、初日にナイトパレードをするらしいよ」
一方通行「ナイトパレード? 大覇星祭でやってたヤツみたいなモンか?」
結標「大覇星祭? 何それ?」
芳川「学園都市で行われる、まあ、簡単に言うなら体育祭みたいなものね」
結標「……ああ、そういえば一時期病院内に、体操服を着た怪我人がたくさん来るなんてことがあったけど、そんな行事が行われてたんですね」
黄泉川「で、その大覇星祭の初日にイルミネーションや花火とかで夜空を彩る、って感じのパレードが行われてたじゃん」
結標「へー、いいなあ、見てみたかったなー」
800 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:05:03.61 ID:lURsS44ro
一方通行「……つまり、オマエはこれが見たいから初日に行きたかったわけか?」
打ち止め「……う、うん。ミサカ、このパレードを貴方と一緒に見たいんだ、ってミサカはミサカは要望を言ってみたり」
一方通行「……芳川」
芳川「何?」
一方通行「さっき予約が終わったとか何とか言ってたよな?」
芳川「ええ、それが?」
一方通行「それって、予約してねェヤツは入れねェのか?」
801 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:06:07.51 ID:lURsS44ro
芳川「さあ? それはどうかは知らないけど、八万枚でパスがすぐに売り切れて販売中止、ってあったからどうでしょうね?」
一方通行「チッ、そりゃァ面倒なことになってやがンな」
打ち止め「そ、それってどういう事なの? ってミサカはミサカは恐る恐る聞いてみる」オロオロ
一方通行「もしかしたら、行っても中には入れねェかもしれねェってことだ……」
打ち止め「そんな……」グスン
芳川「でも、パレードの花火くらいは外からでも見れるんじゃない?」
一方通行「まァ、それで十分だろ。アトラクションはまた日を改めて行けばいいしな」
打ち止め「……う、うん、わかった。ってミサカはミサカは……納得してみる」
802 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:06:35.37 ID:lURsS44ro
一方通行「………………………」
一方通行「ちょっと、出てくる」カツンカツン
芳川「あら、こんな時間にどこに行くつもり?」
一方通行「何でもねェよ」
一方通行「ただの買い物だ」
803 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:07:30.54 ID:lURsS44ro
-ファミリーサイド・従犬部隊オフィス-
木原「……オイ!!」
社員A「は、はい!!」
木原「会社を立ち上げてからしばらく経つが、何で一人も客が来ねぇんだ!?」
社員A「さ、さあ?」
木原「わざわざ、新聞社脅してまで広告を配らせたってのによー、無駄骨じゃねぇか!」
社員B「おそらく、その広告に問題があるのでは?」
木原「あぁ!? どーいうことだ?」
社員B「この配られたチラシを見てください」ペラ
木原「あん?」ジロ
社員B「……………………」
木原「……………………」
木原「何がおかしいんだ?」
804 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:08:11.73 ID:lURsS44ro
社員B「この『犬の散歩から暗殺まで』ってところです!」
木原「……だから、何がおかしいんだっつうの」
社員B「この『暗殺』の部分ですよ!」
社員B「こんな暗殺までやるような会社に、犬の散歩なんて普通頼みませんって!」
木原「……テメェ、マジで言ってんのか?」
社員B「『何でもやります』というキャッチコピーにした方が良いと思います」
木原「チッ、しかたがねえ。あと一週間待って客が来なかったら考えてやるか」
社員一同(俺(私)たちの給料は果たして出るのだろうか?)
805 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:08:46.76 ID:lURsS44ro
ガシャーン!!
社員一同「!?」
木原「あん?」
一方通行「木ィィィィ原くゥゥゥゥゥン!!」カツンカツン
社員一同「」
木原「………………………」
木原「らっしゃーいッ!! 一方通行!!」
―――
――
―
806 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:09:45.63 ID:lURsS44ro
―
――
―――
一方通行「―――ッつゥわけで、スターランドパークの予約パスを用意しろ」
木原「おいおい、学園都市最強()の小僧が、ガキのいいなりなんて笑わせる話だぜぇ」
一方通行「そォいう返事は聞ィいてねぇンだよ。いいから黙ってイエスと言え」
木原「スターランドパーク。週末に新しくできるテーマパークか」カタカタ
木原「たしかに、予約パスはすでに販売が終了してるな」
一方通行「だからオマエに頼んでンじゃねェか。売られてンだったら普通に買うわ」
木原「相変わらずムカつくガキだなー、おい」
一方通行「オマエなら裏ルートとかで入手とかが可能だろ?」
木原「……あぁ……まあ、可能っつったら可能だわな」
一方通行「恐喝、強盗、殺しでの入手はなしだ」
木原「……似合わないねぇ。前までのテメェならそんなモン気にしなかっただろーに」
一方通行「黙れ。オマエは大人しく予約パスを用意してりゃァイインだよ」
木原「チッ、まあいいや。もちろん金は払うんだろーなぁ」
一方通行「当たり前だろ。これは取引だ」
807 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:10:29.91 ID:lURsS44ro
木原「ひゃははは、いいだろ。コイツにサインしろ」ペラ
一方通行「ンだこれ?」
木原「何って、ただの契約書だろ。依頼を頼んだだけ頼んで、トンズラさせねぇためのな」
一方通行「……わかった。妙なことは書いてねェよォだからな」カキカキ
一方通行「……ほら」ペラ
木原「よーし、契約成立だ」パシ
一方通行「で、具体的にどォやって手に入れるつもりだ?」
木原「まあ、焦るな。手に入れる算段はすでにできている」
一方通行「それは何だ?」
木原「ちなみに、今回売るのは物じゃねぇ。情報だ」
一方通行「情報だと?」
木原「ああ。コイツを手に入れる方法だ」
808 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:11:11.04 ID:lURsS44ro
一方通行「オイオイ、手抜きかよ木原くゥン?」
木原「手抜き? 馬鹿言うんじゃねぇよ。コイツを手に入れるには多額の金が必要なんだよ」
一方通行「金? 何で金なンか必要なンだ?」
木原「馬鹿かテメェは? 暴力で手に入れたらいけねぇっつったのはテメェだろ?」
一方通行「……まさか、オマエが律儀にそンなことを守るなンてな」
木原「まあ、一応契約条件だしな。何よりこっちの方が楽だ」
一方通行「まァいい。早くその情報を言え」
木原「まあまあ、焦るんじゃねぇよ早漏君。説明ぐらいさせてくれてもいいじゃねぇか」
一方通行「……チッ。早くしろ」
809 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:12:06.58 ID:lURsS44ro
木原「よーし、まずこういう数が限られたもの、いわゆる限定品って言われているのは知ってるか?」
一方通行「あァ、プレミアとかそォいうのだろ?」
木原「今回の予約パスは端から消費するために買うもんだからちょっと違うが、本質は変わらねぇ」
木原「実はこういうものは高く売れる。なぜかわかるか?」
一方通行「……限定っつゥくらいなら、数少ねぇ……つまり希少価値があるからか?」
木原「ま、そうだな。世に出回ってる数が少なければ少ないほど、それに比例して持ってる人数が限られてくるわけだ」
一方通行「……それって普通じゃねェか?」
木原「最後まで聞けって。そういう限定品は数が少ねえからなぁ、みんな欲しがるもんなんだよ」
木原「欲しいからこそ、それ自体に高い値がつく」
木原「それはテメェが欲しがってるパスも同じだ」
一方通行「……どォいう事だ?」
木原「わかんねぇのか? 八万枚限定で売られたパス。これイコール初日に入場できる権利みてぇなもんだ」
木原「このスターランドパークに行きたいやつは全員思うだろうな。初日に行きたいと」
木原「まして、初日にはナイトパレードっつう特典付きだしな」
木原「だけど、このパスが欲しいヤツ全員に手に入ったかどうかっつったら否だ」
一方通行「あァ、そりゃ限定だしな」
810 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:12:35.87 ID:lURsS44ro
木原「だから、持ってねぇやつは全員欲しがるもんだ。だが手に入れようにも、もう普通には売られてねぇ」
木原「しかし、もしもだ。その価格よりちょっと多い金を払うだけで、その権利を買えるとしたら?」
木原「限定と言う催眠にかかったバカどもは、もちろん買うだろう」
木原「もし、たかが一万円ちょっとの紙切れが、数十万円の紙切れになったとしてもだ」
一方通行「……まさか」
木原「ああ、そのまさかだッ!! 買うんだよ、その安っぽい紙きれをよぉ!! 高い金でぇ!!」
811 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:13:12.37 ID:lURsS44ro
一方通行「……だけどよォ、それは無理じゃねェか?」
木原「あん?」
一方通行「仮にそんな高い金を注ぎ込んでまで買おうと思うものを、そうやすやすと手放すとは思ェねンだよソイツらが」
木原「ああ、その点は大丈夫だ」
一方通行「はァ?」
木原「この八万枚限定のパスを買ったやつが、全員が全員スターランドパークに行きたくて買ったわけじゃーねぇんだよ」
木原「いるんだよ。そういう心理を利用して、一儲けしようとする輩、転売屋ってヤツがよぉ」
一方通行「……つまり、その転売屋ってヤツから買うってことか?」
木原「まあ、そういうこった」
812 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:14:04.63 ID:lURsS44ro
一方通行「方法は分かった。で、その転売屋っつゥのはどこにいるンだ?」
木原「ここにいるよ」
一方通行「……………は?」
木原「だから、ここにいるよ」
一方通行「…………………………はァ!?」
木原「だから、ここにいるっつってんだろクソガキィ!!」
一方通行「まさか、オマエが転売屋……」
木原「あぁ? 違う違う。何勘違いしてんだよ。あんなクソ野郎どもと一緒にすんじゃねぇよ」
一方通行「あァ? オマエじゃねかったら、じゃァ、誰なンだよ?」
木原「まあ、これ見ろって」クル
一方通行「……パソコンか?」
一方通行「…………」
一方通行「……オークションだァ?」
木原「そうそう、転売屋のホームグラウンド。ネットオークション」
813 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:14:43.31 ID:lURsS44ro
木原「さて、『スターランドパーク 予約パス』検索っと」カチャカチャ
木原「……おうおう、転売屋が蔓延ってんじゃねぇか」
木原「しかし、買う方もイカレてんじゃねぇか? こんな紙切れに五十万なんてよ?」
一方通行「だけど、これなら好都合じゃねェか」
一方通行「オークションだったら、高い金注ぎ込めば必ず手に入る」
木原「レベル5の財力だったら余裕だろうな」
一方通行「……アリガトよ木原。これでパスを買いに行く事ができる」
木原「よーし、じゃあ報酬の金を払ってもらおうか?」
一方通行「わかってるわかってる。百円くらいか?」
木原「舐めてンのかクソガキィ!? そんな金で商売成り立つか!!」
814 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:15:13.57 ID:lURsS44ro
一方通行「じゃァ、いくらなンだよ?」ハァ
木原「七億」
一方通行「…………………はァ?」
815 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:15:42.68 ID:lURsS44ro
木原「七億円だよ七億円。早く出せよクソガキ」
一方通行「オイオイ、木原くゥン。情報一つでこンな金額って詐欺じゃねェのか? あァン!?」
木原「あぁ? 何言ってんだ一方通行。契約書にサインしたじゃねぇか?」
一方通行「は?」
木原「『指定された金額を支払います』ってここに書いてんだろうが!!」
一方通行「普通、一回数万円くらいじゃねェのかよ? こォいうヤツって」
木原「見ろよ、そこの貼り紙」ビシ
一方通行「あァ?」
816 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:16:24.42 ID:lURsS44ro
一方通行「……依頼料一回七億だと?」
一方通行「つゥかンだァ? この貼り紙。今さっき貼った感がすげェンだけどよォ」
木原「あぁ? 関係ねぇよ小僧! 指定したんだから払えよ!?」
一方通行「……チッ、クソッたれが」
木原「さあさあ、早く出せよ一方通行。何なら金がそろうまで待ってもいいんだぜ?
木原「ただし、一日ごとに利子が十割つくけどな? ぎゃははははっ!!」
一方通行「……………………………」
木原「さすがのレベル5のガキでも、そんな大金持ってるわけねぇか?」
木原「これでテメェは返し切れねェの借金を背負って、一生泥の中だ。ぎゃはははははっ!!」
一方通行「……あはッ、ギャハハハッ、あはぎゃはアギャはッ!!」
817 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:16:59.27 ID:lURsS44ro
木原「……おいおい、テメェ。状況判断能力が壊れちまってんのか?」
一方通行「何面白ェことほざいてンだよ? 笑わせてくれるなよ木原くゥゥン?」
木原「あ?」
一方通行「いやァ、久々に腹の底から笑ったわ。ぎゃはっ! まだ笑いが止まんねえよ」
木原「はぁ?」
一方通行「久しぶりに笑わせてくれたお礼だ。チップだ。受け取れ木ィ原くゥゥン」ペラ
木原「あん?」ペラ
『小切手 ¥1,000,000,000』
818 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:17:31.50 ID:lURsS44ro
木原「」
一方通行「オマエがそンな数億とか無茶苦茶な金額請求してくンのは端っから読めてンだよ」
木原「く、クソガキが……」orz
一方通行「レベル5ナメてンじゃねェぞ三下が」カツンカツン
819 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:18:10.78 ID:lURsS44ro
〜スターランドパーク開園当日〜
-黄泉川家・リビング-
打ち止め「……はぁ」
黄泉川「どうしたじゃん打ち止め? 楽しみにしてた遊園地に行ける日だっていうのに」
芳川「でも、行ったところで中には入れないのだけどね」
打ち止め「……うう」
芳川「打ち止め。貴女に一つ伝えたい事があるのだけど」
打ち止め「何? ってミサカはミサカは元気はない声で聞いてみる」
芳川「もし、外からパレードを見るつもりなら早めに向かった方が良いわよ? ま、もう遅いけど……」
打ち止め「……それってどういう事?」
芳川「予約パスが手に入らなかったたくさんの人たちが、パレードだけでもと周辺に集まって来てるのよ」
芳川「まあ、簡単に言うと花見の場所取りみたいなものね」
打ち止め「そ、それって、今から行っても見れるのはせいぜい花火だけってこと? ってミサカはミサカは恐る恐る聞いてみる」
芳川「ええ、そういうことよ」
820 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:18:47.76 ID:lURsS44ro
打ち止め「そ、そんな!? ってミサカはミサカは絶望に打ちひしがれてみたり」
結標「……でも、それって交通の邪魔とかで警備員が取り締まったりするんじゃないんですか? どうなんですか黄泉川さん?」
黄泉川「ええと、その遊園地の代表取締役があらかじめこうなる事を予想して、警備員に交通整理とかを頼んで来てるらしいじゃん」
結標「交通整理……て、周りに集まってくる事自体は許してるってことですか? 警備員も」
黄泉川「まあ、そういうことになるじゃん。上が決めた事だから何とも言えないけど」
芳川「と、言う事は愛穂? 貴女もその交通整理をしに行くという事?」
黄泉川「そうじゃん。昼から出勤じゃん」
結標「こんな休日にまでごくろうさまです」
黄泉川「はははー、いいじゃんいいじゃん、好きでやってる事だし」
821 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:19:16.25 ID:lURsS44ro
打ち止め「……ところであの人はいつ帰ってくるのー? 一昨日の夜に出たっきり帰ってこないんだけど、ってミサカはミサカはぼやいてみる」
結標「そういえば帰ってきませんね」
黄泉川「まったく! あの悪ガキ何してんだか」
芳川「まあ、たぶん、今日中には帰ってくるのではないかしら?」
結標「? 何でそんなこと言えるんですか?」
芳川「彼あんなだけど、打ち止めとの約束を破るような馬鹿じゃないし……」
結標「……そう、ですね!」
芳川「それに、彼が幼女の泣き顔なんて見たいはずないしね。だって彼ロリk―――」
ボゴン!!
芳川「あたっ!? 何よ……スリッパ?」
822 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:19:49.78 ID:lURsS44ro
一方通行「誰がロリコンだってェクソババァ!?」カツンカツン
打ち止め「あ、アクセラレータ?」
結標「あら、お帰りなさい一方通行。随分と遅かったわね」
一方通行「まァな。ちょっと、やっかいなことになってやがってな――」
ガコン!!
823 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:20:32.78 ID:lURsS44ro
一方通行「痛って!? 何しや―――」
黄泉川「この悪ガキ!! 心配させんじゃないじゃん」ダキッ
一方通行「お、オイ! やめろ! 離れろ! ふざけんじゃねェぞオイ!」
黄泉川「帰らないなら帰らないってちゃんと連絡するじゃん……馬鹿」ウル
一方通行「……すまねェ」
芳川「……ところで、唐突に感動的な再開シーンモドキをやってる所悪いけど、キミは今まで何しに行ってたの?」
824 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:20:59.50 ID:lURsS44ro
一方通行「あ? あァ……コレを買いに行ってた」スッ
結標「そ、それってまさか予約パス!?」
芳川「よくそんなモノが手に入ったわね」
一方通行「まァ、元の値段よりはるかに高くついたけどな」
打ち止め「一方通行……」ウル
一方通行「……つゥわけで、オマエはこれで正々堂々パレードを見に行けるってわけだ」
打ち止め「あ、ありがとう……」ウルウル
825 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:21:26.63 ID:lURsS44ro
一方通行「泣くンじゃねェよ、みっともねェ。ガキは何も考えずただ笑顔で笑ってりゃイインだよ」
打ち止め「う、うん」ゴシゴシ
打ち止め「ありがとうね! 一方通行!!」ニコ
一方通行「ケッ、やっぱりオマエには笑顔――――」
ピィィィィィィィィィ……。
826 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:22:10.03 ID:lURsS44ro
一方通行「が―――――――――」バタン
打ち止め「きゃ、きゃー!! ど、どうしたの!? ってミサカはミサカは突然のアクシデントに焦りを見せてみたり」ドタバタ
芳川「……あー、どうやら電極の電池が切れてしまってようね。たぶん家にいない間、能力使用モードばかり使ってたのじゃないかしら?」
一方通行「くぁwせdrftgyふじこlp」ピクピク
結標「うわー、カッコいいこと言おうとしてたっぽいのにかわいそうね」
打ち止め「うわーん! あなた起きてー!!」ブンブン
一方通行「ほあwfのあflじゃンrげぇあ」グラングラン
827 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:22:39.70 ID:lURsS44ro
芳川「たしか、昔使ってたやつが残ってなかったかしら?」
結標「そういえば、病院で貰ってましたね」
芳川「結標さん。彼の部屋からチョーカー持って来てもらえる?」
結標「わ、わかりました!」ドタドタ
打ち止め「わぁーん!!」ガシガシ
一方通行「をえいsjhdkンvsじゃs」バンバン
黄泉川「……ふふふ、やっぱり騒がしいのっていいじゃんね」
828 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:23:50.47 ID:lURsS44ro
一方通行はこんなに金持ってんのかは知らね
キリが良いので休憩
30分から再開します
829 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:30:32.85 ID:lURsS44ro
-第六学区・スターランドパーク入口-
一方通行「あァー、体のアチコチが痛てェ」
打ち止め「ご、ごめん。ミサカが叩きすぎたせいで……」
一方通行「別にオマエは悪くねェよ。そもそも俺の不注意のせェだしな」
一方通行「それに、歩くのには支障はねェよ」
打ち止め「そ、そう……よかった、ってミサカはミサカは安心の溜め息を吐いてみる」
一方通行「……つゥか、何でババァ二人組は来ねェンだよ!?」
830 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:31:09.95 ID:lURsS44ro
結標「しょうがないじゃない。黄泉川さんは警備員の仕事で、芳川さんはバイトなんだし」
一方通行「ったく、人がせっかく電池切れを起こしてまで人数分のパスを手に入れたっつゥのによ」
打ち止め「そうだよねー、どうせならみんなで行きたかったよね、ってミサカはミサカは少し残念がってみる」
一方通行「まァ、いいか。人数少ねェ方がラクだし」
結標「でも、打ち止めちゃんがいる時点で楽ではないと思うけど」
一方通行「まァな」
打ち止め「?」
831 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:31:47.49 ID:lURsS44ro
係員「ただいま十時となりました。これより開園します。押さず走らずゲートをお通りください」
結標「……どうやら開園みたいよ」
打ち止め「わーい!! やっと入れるー、ってミサカはミサカは今までにないくらいはしゃいでみる!!」バタバタ
一方通行「係員が走るなっつってたの聞こえなかったのかクソガキ!」
打ち止め「ごめんなさい。でも、楽しみで楽しみで無意識に走ってしまうのだー、ってミサカはミサカは止まらないー!!」ドタドタ
一方通行「……結標」
結標「……はあ、わかってるわ」ブン
シュン
832 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:32:30.20 ID:lURsS44ro
打ち止め「わーい!! って痛っ!? って、あれ? ミサカもっと前にいたような気がしたんだけど……」キョロキョロ
一方通行「一々動き回ってンじゃねェ!」
打ち止め「あ、あれ? 何であなたがこんなところにいるの?」
結標「私がテレポートさせたのよ」フリフリ
打ち止め「あ、そういうことか、ってミサカはミサカは全部把握してみたり」
結標「ダメよ打ち止めちゃん。私たちから離れたら」
打ち止め「えー、ミサカは早く中に入りたーい、ってミサカはミサカは――」
一方通行「次離れたらベクトルチョップ千叩きな」
打ち止め「……はい、ごめんなさい、ってミサカはミサカは前より一ケタ多いお仕置きの回数に恐怖を覚えてみたり」
833 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:32:59.95 ID:lURsS44ro
係員「……次の方どうぞ!」
打ち止め「はい! ってミサカはミサカは挙手をして次の人アピールをしてみる」ノ
係員「あははー、お嬢ちゃん。パスは持ってるのかな?」
打ち止め「うん、持ってるよ! ってミサカはミサカはポケットからパスを……ん?」ゴソゴソ
係員「…………」
打ち止め「……あれ?」ゴソゴソ
係員「……どうしたのー? お嬢ちゃん?」
打ち止め「……お、落としちゃったかもしれない、ってミサカはミサカは空っぽのポケットを見て青ざめてみたり」タラ
834 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:33:36.44 ID:lURsS44ro
結標「打ち止めちゃん? どうしたの?」
打ち止め「ぱ、パスを落としちゃった!! ってミサカはミサカは絶体絶命のピンチだと悟ってみたり」アセ
結標「えっ? ま、まさか、あの時に……」
打ち止め「ど、どうしよー、ってミサカはミサカは助け船を求めてみたり」アセ
結標「ど、どうしよう、って言われても……」アセアセ
結標「ど、どうしましょう? 一方通行……ってあれ? 一方通行?」
打ち止め「あれ? あの人どこにいったの? まさかもう中に……」
一方通行「オイ、クソガキ」ビシ
打ち止め「って痛っ! あれ、どこに行ってたの? ってミサカはミサカは……ってそれはミサカのパス!」
一方通行「ったく、落としてンじゃねェよ、探す身にもなれよクソガキ」スッ
結標「貴方……この人混みの中、一体どうやって捜し当てたのよ?」
一方通行「あァ? 俺の能力使えば余裕だろ」シレ
結標(どんだけ万能なのよ? ベクトル操作……)
835 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:34:10.44 ID:lURsS44ro
打ち止め「あ、ありがとう! ってミサカはミサカは内心ホッとしながら感謝してみる」
一方通行「そンなことより、とっととパス出せよ。後がつっかえてやがンぞ」
打ち止め「あ」
<オイハヤクシロヨー モタモタシテンジャネエヨ イツマデカカッテヤガンダー
打ち止め「ご、ごめんなさい!! ってミサカはミサカは謝罪をしながらパスを渡してみる」
係員「はい、確認できましたよ。最後まで楽しんでくさいねー」
打ち止め「わーい!! やっと中に入れたー!! ってミサカはミサカはこの開放感に浸ってみたり」ドタドタ
一方通行「オイ! あンま動き回ンじゃねェぞクソガキィ!」
―――
――
―
836 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:34:47.37 ID:lURsS44ro
―
――
―――
-スターランドパーク・ゲート前広場
打ち止め「うわー、すっごく広いねー、ってミサカはミサカはこの広大な空間に驚きを隠せなかったり」
一方通行「だが人の数がこれだから、そンなに広いとは感じねェけどな」
結標「初日は予約パスを買った人だけ入れるから、大体ここに八万人いることになるわね」
一方通行「まァ、あとから来る人間もいるだろォから、それよりちょっと少ねェンじゃねェか?」
打ち止め「すごーい!! いろいろなアトラクションがあるね、ってミサカはミサカは周りを見渡しながら報告してみたり」
結標「さっきゲートで貰ったパンフレットを見る限り、大きいアトラクションだけでも七〇種類、小さいのも含めれば一五〇種類のアトラクションがあるらしいわよ」
打ち止め「そ、そんなにあるの? ってミサカはミサカは膨大な数のアトラクションに呆気をとられてみたり」
一方通行「全部周るのに確実に一週間以上かかるな」
結標「どこに行こうか迷ってしまうわね」
一方通行「つゥか、そんな七〇種類も作れるくらい、遊園地のアトラクションの種類ってあったか?」
結標「ああ、それなら一つの種類のアトラクションにいろいろなやつがあるらしいわよ」
結標「例えば、ジェットコースターなら一〇種類、コーヒーカップなら一三種類、とか」
一方通行「無駄すぎンだろそれ」
結標「そうね」
837 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:35:19.80 ID:lURsS44ro
一方通行「どンだけ広いンだよここ? 一五〇もアトラクション入るなンてよ」
結標「……どうやら、アンダーグラウンドっていう地下世界があって、そこにもたくさんあるらしいわね」
一方通行「スケールがデカ過ぎて、逆に笑っちまうな」
打ち止め「ねえねえ、早く乗り物乗ろうよ! ってミサカはミサカは二人の袖を引っ張ってみる」
一方通行「引っ張ンじゃねェよ。まず計画を立ててからだろ」
結標「そうね。数が多い上広いから、計画的に周った方が良さそうね」
一方通行「とりあえず、周りたいところを各々述べろ」
打ち止め「ジェットコースターに乗りたい!! ってミサカはミサカは要求を言ってみる」
一方通行「ジェットコースターっつっても、一〇種類あンだから、どれか選択しろ」
打ち止め「うーん、そうだねー。……この『トルネードスクリューコースター』に乗りたい! ってミサカはミサカはパンフレットに指を指してみる」
838 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:35:50.52 ID:lURsS44ro
一方通行「……イヤな予感しかしねェ名前のアトラクションだなァオイ」
結標「そ、そうね。打ち止めちゃん、この『セブンスターズレディバグ』の方が良いんじゃない?」
一方通行「何だそれ?」
結標「この遊園地にあるジェットコースターの中でも、比較的にゆっくりな分類に入る子供用コースターだって」
打ち止め「ぶー、ミサカを子供扱いしないで欲しいんだけど、ってミサカはミサカは訴えてみたり」
一方通行「ガキをガキ扱いして何が悪りィンだよ?」
打ち止め「ぶーぶー!」
結標「とりあえず、この『トルネードスクリューコースター』はやめた方が良いわ」
一方通行「そォだな。ガキの体には負担が強すぎる」
結標「私でも、胃の中にある物が逆流してきそうで怖いわ」
一方通行「つゥわけで、ガキ用のジェットコースターで決まりだな」
打ち止め「嫌だ! ミサカはもっと楽しそうなやつが良い!! ってミサカはミサカは地団太を踏みながら抗議してみる」ドスドス
一方通行「クソガキィ……」
―――
――
―
839 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:36:32.06 ID:lURsS44ro
―
――
―――
-スターランドパーク・スカイラインコースター-
ガチャンゴォウウウウウウウウンギュワー
<ワーワーキャーキャーヒャッホーイイエーイハガァァァイエェェェェェ
結標「……というわけ、ジェットコースターの中で真ん中くらいに位置する、『スカイラインコースター』に来ました」
打ち止め「わーい、これが実物のジェットコースターなんだね、ってミサカはミサカはテレビで見た時以上の迫力にビックリしてみたり」
一方通行「オイオイ、これ本当に真ん中なのか? すげェスピード出てンぞ」
打ち止め「もしかして、あなた怖いの? ってミサカはミサカはあなたの意外な弱点にニヤニヤしてみたり」ニヤニヤ
一方通行「あァ? 何バカなこと言ってンだクソガキ。これでも昔は音速を超える速度でビルの間を飛び交ってたンだぞ」
一方通行「この程度のおもちゃで怖がるわけねェだろォが」
結標「たぶん怖いと言うより、打ち止めちゃんのことが心配なんじゃない?」
打ち止め「えっ、そうなの? 何だー、ミサカのことを心配してくれてたのかー」
一方通行「はァ? 別に心配なンかしてねェし」
打ち止め「またまたー、そんなに照れなくてもいいのにー、ってミサカはミサカは指でツンツン――」
一方通行「ブン殴るぞクソガキが」プルプル
打ち止め「しようと思ったけど、命が惜しいのでやっぱりやめてみたり」ソー
840 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:37:08.65 ID:lURsS44ro
一方通行「そォいや、あンま人が並んでねェな。八万人来てンだったら、てっきり二、三時間待ちはザラかと思ったが」
結標「そうね。まあ、一五〇種類もアトラクションがあるのだから、それなりに人数が割れるのじゃない?」
一方通行「見た感じからして、一番速度の速いジェットコースターに人が集まってるよォだな」
結標「これなら、結構な数一日で周れるんじゃない?」
打ち止め「ねえねえー、待ってる間に次行くアトラクション決めとこうよ! ってミサカはミサカは提案してみる」
一方通行「ああ、そォだな。じゃァ次は結標。オマエが決めろ」
結標「えっ? 私? うーん、そうねえ……」
一方通行「出来れば安全なヤツにしろよ。このクソガキに気絶されたらめンどくせェからな」
打ち止め「ひどーい! ミサカはそんなにやわじゃないよ、ってミサカはミサカは自分の耐久力の高さをアピールしてみたり」
一方通行「あァ? ナニ愉快な寝言ほざいてやがるンですかァ?」
打ち止め「寝言じゃないよ、ちゃんと起きてるよー」
一方通行「そもそもオマエ、前まで乗り物自体乗ったことねかったくせに、いきなりジェットコースターって、絶対オマエ吐くだろ?」
打ち止め「吐かないよー、ミサカはミサカは頑丈ですよーと」
一方通行「これに乗った後もそんな戯言を言えるといいな」
結標「よし! 決まったわ!」
841 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:37:42.19 ID:lURsS44ro
一方通行「あァ? 何に乗るつもりなンだ?」
結標「この『スピニングバードスイングタワー』に……」
一方通行「却下」
結標「えー、何でよ? 面白そうじゃない?」
一方通行「さっきの話聞いてたか? 俺は安全なヤツを選べって言ったンだよ」
結標「でもこれ絶叫度はそんなに高くないわよ?」
一方通行「……ンだよ、その絶叫度ってのは?」
結標「そのアトラクションの激しさというか、怖さというか……」
結標「まあジェットコースターに例えるなら、どれくらいの高さから、どれくらいのスピードで降りるかとかの総合点を五点満点評価したものね」
一方通行「ヘェー、そンなモンがあンだな」
結標「ちなみにこの『スカイラインコースター』は三点で、さっき言ったスピニングバードスイングタワー』は二点」
結標「さっき私が勧めてた『セブンスターズレディバグ』と同じ絶叫度よ」
一方通行「……つまり、同じ絶叫度だから、このクソガキが乗っても大丈夫だと?」
842 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:38:44.23 ID:lURsS44ro
打ち止め「ミサカは満点でも大丈夫だよー! ってミサカはミサカは心配性なあなたに言ってみる」
一方通行「ふざけンな、オマエに満点は十年早ェ。それと心配なンかしてねェ」
結標「とりあえず、この『スカイラインコースター』に乗ってみないと判断しようがないんじゃない?」
一方通行「そォだな。これに乗って万が一ガキがピンピンしていたら、それに乗っても大丈夫ってことだな」
結標「そういうこと」
打ち止め「だからミサカは満点(ry」
一方通行「だから十年(ry」
係員「……えー、次のお客様どうぞー!」
結標「あ、順番が周ってきたみたいよ」
打ち止め「お、おおー、ついにミサカ達の出番か、ってミサカはミサカは戦に出る武将のような気持ちで足を進めてみる」ブルブル
一方通行「あァ? あれだけエライ口利いたクセに、ビビってンじゃねェか?」
打ち止め「び、びびってなんかないよ! 武者震いだよ! ってミサカはミサカは訂正を求めてみたり」
一方通行「ハイハイわかりましたよー、と」
一方通行「つゥか、今さらだがガキの身長で制限に引っ掛かったりしねェのか?」
結標「どうやら大丈夫みたいよ。シートベルトと安全バーが変形して身長六〇センチまでは固定出来るらいいわ」
打ち止め「さすが学園都市製! ってミサカはミサカは高度な技術を褒め称えてみたり!」
843 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:39:23.96 ID:lURsS44ro
係員「あのー、すみません」
一方通行「あァ?」
係員「誠に申し訳ないのですが……」
一方通行「ンだよ?」
係員「身体に障害のある方はご遠慮していただいているのですが……」
一方通行「あ? ああ、それなら問題ねェ」カチ
係員「あ、ああ、普通に立てる方でしたか。それは誠に申し訳ありませんでした。どうぞお楽しみください」
一方通行「あァ……」
結標「……ちょ、ちょっといいの? 能力使用モードは制限時間があるんじゃなかったっけ?」
一方通行「そォだな。ちなみにこれは古い方だから十五分しかねェ」
結標「ど、どうするつもりなの? いくらジェットコースターって言っても、出発して到着する時間は二分弱はあるわよ」
一方通行「なァに、別に乗ってる時も能力を使う必要はねェよ」
結標「えっ? そうなの?」
一方通行「学園都市の遊園地は結構前にジェットコースターの事故があって、人一人が死んでンだ」
一方通行「それ以降は安全装置とかその辺が強化されてるから、障害者が振り回されて落下するみてェなことは多分ねェだろ」
結標「まあ、言われてみればそうよね」
一方通行「それに、万が一落下したところで俺にはこれがあるしな」コンコン
結標「相変わらず万能ねえ、ベクトル操作」
844 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:40:02.20 ID:lURsS44ro
係員「しっかりとシートベルトを締めて安全バーを下ろしてください。あと荷物は隣に置いてある籠の中にお入れください」
打ち止め「うおー、何か緊張してきた」ブルブル
結標「大丈夫打ち止めちゃん?」←打ち止めの隣に座っている
一方通行「オイクソガキ。ちゃンとバッグを籠の中に入れろ」←打ち止めの後ろに座っている
打ち止め「あ、忘れてた」ヨイショト
係員「シートベルトの確認をします」
結標「あ、どうぞ」
係員「……はい、問題ないですね」
打ち止め「ふふふ、さ、さあそろそろしゅ、出発だぜー」ブルブル
結標「打ち止めちゃん、もはや語尾を言う余裕もなくなったのね」
打ち止め「だ、大丈夫だよミサカは正常だよ、ってミサカはミ――」
係員「では安全バーをロックしますので、勝手に安全バーを上げないでくださいね」
ガタン
845 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:40:33.82 ID:lURsS44ro
打ち止め「ぎゃー、何か下りてきたー!?」ガタ
一方通行「落ち付けクソガキ。係員が見てンじゃねェか」
係員「あのー、よろしいですか?」
結標「どうする打ち止めちゃん? 引き返すなら今よ?」
打ち止め「だだだだ大丈夫だよ、みみみミサカはオールオッケー準備万端でございますのよ」
一方通行「口調がめちゃくちゃじゃねェか」
係員「えー、ではこれより出発いたします。空の旅をお楽しみください!」
プルルルルルルルルルルルルルルル
846 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:41:02.08 ID:lURsS44ro
打ち止め「おおー、いいいいいよいよ出発でござるかー!」
ガタン
結標「……ふう。いざ出発すると緊張するものね」
ガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタン
一方通行「……緊張するとかバカかよオマ――」
847 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:41:27.72 ID:lURsS44ro
ガタン!!
一方通行「ッエーイ!!」
結標「何声を裏返してるのよ? 貴方だって緊張しているんじゃない?」ニヤニヤ
ガタガタガタガタガタガタガタ
848 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:41:54.78 ID:lURsS44ro
一方通行「べ、別に緊張なンかしてねェし。むしろソファーの上に寝転がってるくらいにはリラックスして――」
打ち止め「うわ、つ、ついに頂上だねっ!! ってミサカはミサカは――」
ガコン ギュォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
結標「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
打ち止め「ぎゃああああああああああああああああああ、ってミサカはミサカはぎゃあああああああああああああああああああああ!!」
一方通行「くぁwせdrftgyふじこl」
―――
――
―
849 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:42:36.89 ID:lURsS44ro
―
――
―――
結標「あー、楽しかった!」
打ち止め「ふふふふふふふふ、よよよよ余裕だったぜ、ってミサカはミサカは震える唇を必死に動かして喋ってみる」
一方通行「あァー、死ぬかと思った」
結標「ところで貴方何で演算切ってたの?」
一方通行「あァ? あれだあれ、操作を誤って切っちまったンだよ」
結標「そう。それは災難だったわね」
打ち止め「あれー、何でジェットコースターに乗ってる間に電極を操作する必要があったのかなー? ってミサカはミサカはニヤニヤしながら聞いてみる」ニヤニヤ
一方通行「……さァて、次のアトラクションに向かおォぜ」カツンカツン
打ち止め「あ、待って無視しないでよー、ってミサカはミサカはあなたの後を追ってみる」テクテク
結標「……予想外に怖かったのね」
850 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:43:18.60 ID:lURsS44ro
-スターランドパーク・スピニングバードスイングタワー-
テッテレレテッテレレ〜♪
グルングルングルングルングルングルングルン
<キャーヒャッホーイドッセーイ
一方通行「……初めは名前だけ聞いて何かと思ったが、よォするに回転ブランコか」
結標「……貴方は一体何だと思ってのよ?」
一方通行「チャイナ服を来たババアに回転蹴り食らわされるのかと」
結標「何それ?」
打ち止め「おおー、すっごい回転してる、ってミサカはミサカは見たままの光景を言ってみる」
一方通行「まァ、案の定こォいうアトラクションは人気がねェのか空いてるな」
結標「これなら待たずに乗れそうね」
一方通行「そォだな。それにコレなら怖……楽しめそォだな」
打ち止め「……今怖いって言わなかった? ってミサカはミサカは気のせいだと思うけど聞いてみる」
一方通行「……気のせいだろ」
結標「まあとにかく、さっさと乗りましょ? 時間は限られているのだから」
一方通行「おォ」カツンカツン
打ち止め「はーい」テクテク
―――
――
―
851 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:44:10.99 ID:lURsS44ro
―
――
―――
係員「すみません。体の不(ry」
一方通行「チッ……問題ねェよ」カチ
係員「すみません(ry」
結標「貴方、もうあらかじめ電極のスイッチ入れといたら?」
一方通行「そォだな。一々このやり取りがめンどくせェ……」
打ち止め「でも、一応時間制限とかあるから節約するに越したことはないんじゃないかな? ってミサカはミサカは助言をしてみる」
一方通行「別にそンなに気にする必要はねェだろ」
結標「でも、そんな考えを持って行動した結果が朝のアレでしょ?」
一方通行「アレはな、学園都市の端から端まで飛び回ってたからその分電池を使ったからだ」
一方通行「こンなお遊び程度の能力使用で電池切れになってたまるか」
打ち止め「うーん、まあそこまで言うなら止めないよ、ってミサカはミサカは納得してみる」
打ち止め「じゃあ、このブランコに乗ろうよ!」
―――
――
―
852 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:44:33.16 ID:lURsS44ro
―
――
―――
係員「はい、では不思議な空の世界をお楽しみください」
ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
打ち止め「うわー! 始まる始まる、ってミサカはミサカは胸を躍らせてみたり」
結標「楽しみねー」
一方通行「…………」
ガタンガタンガタンガタンガタン
グルングルングルングルングルングルングルン
打ち止め「わあああああああああああああ!!」
結標「ヤッホーーーーーーーーーーーーー!!」
一方通行「…………………………………………」
―――
――
―
853 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:45:22.88 ID:lURsS44ro
―
――
―――
打ち止め「あー、楽しかった! ってミサカはミサカは感想を言ってみる」
結標「いやー、久しぶりに童心に帰ったわ。子供の頃の記憶なんてないけど」
一方通行「…………」
打ち止め「すごかったね。何か世界が傾いているみたいに感じた、ってミサカはミサカは不思議な空の世界というキャッチフレーズに納得してみたり」
結標「そうね。あんな感覚滅多に味わえないんじゃない?」
一方通行「なァ?」
打ち止め・結標「「何?」」
一方通行「どこがおもしろかったンだ?」
打ち止め「…………」
結標「…………」
一方通行「…………?」
結標「よし、次のアトラクションに行こう」テクテク
打ち止め「そうだね、ってミサカはミサカは次の目的地に向かって歩き出してみたり」テクテク
一方通行「オイ、ちょっと待てよオイ!」カツンカツン
854 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:46:12.89 ID:lURsS44ro
-スターランドパーク・オープンカフェ-
結標「よくよく考えたら次行くアトラクション決めてなかったわね」
打ち止め「そうだねー、ってミサカはミサカはコップを片手に相槌を打ってみる」
一方通行「次はオマエが決めろよ」
打ち止め「えっ? ミサカ? あなたは行きたいところとかないの? ってミサカはミサカは思わぬ展開に戸惑ってみたり」
一方通行「俺は別にこれと言って行きてェ所はねェしな」
結標「相変わらずこういう事には関心がないようね」ハァ
一方通行「ンだよ? 文句あンのか?」
結標「別にー、でももう少しぐらいは遊びに対して関心を持ったら?」
一方通行「遊び……ねェ。考えたことねかったなァそンなの」
打ち止め「たしかにそうだよね。あなたは遊ぶというより寝る方を優先してるしね、ってミサカはミサカはあなたの生活リズムを思い出してみたり」
打ち止め「でも、アクセラレータもアワキお姉ちゃんがウチに来てからは結構変わったんだよ、ってミサカはミサカはアワキお姉ちゃんに感謝してみたり」
結標「えっ? そうなの? 別に感謝されるほどのことはしてない気がするけど……」
一方通行「オイクソガキ。余計なこと言ってンじゃねェぞ」
855 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:46:55.40 ID:lURsS44ro
打ち止め「アワキお姉ちゃんが来る以前なンて絶対に早起きなンてしなかったもん! ってミサカはミサカはいくら起こしても全然起きなかったあなたを思い出してみたり」
一方通行「あァ? そンなのただの気まぐれだろ」
打ち止め「えー、でも絶対早起きする割合が増えてるよね?」
一方通行「……チッ、くっだらね」
結標「ふふふ、昔話もいいけどこれからのことを考えましょ?」
一方通行「ああそォだな。次はどのアトラクションに行くか」
打ち止め「無難にメリーゴーランドとかどうかな? ってミサカはミサカは提案してみる」
結標「メリーゴーランドか……あれって子供が乗る分はいいのかもしれないけど、大人の私たちが乗るのはちょっとねー」
一方通行「メリーゴーランドは俺には不向きのアトラクションだ。どォしても乗りてェンならオマエ一人だけで乗れ」
打ち止め「うーんそこまで言うなら別のが良いかな? ってミサカはミサカはパンフレットを眺めてみたり」
結標「このコーヒーカップ系のヤツは? そんなに人気もなさそうだし、貴方の体にも優しいでしょ?」
一方通行「つゥか、そンなの乗って楽しいか、って話しになンねェか?」
打ち止め「あ、でも絶叫度四点のコーヒーカップがあるよ! ってミサカはミサカは指を指してみる」
856 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:47:38.73 ID:lURsS44ro
結標「『サイクロンカプセル』。あからさまに嫌な予感しかしないわね」
一方通行「これあそこにあるヤツじゃね?」
結標「えっ?」
グルグルグルグルグルグルグル
<キャーワースゴーイヤバーイオエー
結標「…………」
一方通行「……アレはないな」
打ち止め「ミサカもさすがにあれに乗る勇気はないかも」
857 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:48:37.63 ID:lURsS44ro
結標「うーん、というか今何時?」
打ち止め「十一時をちょっと過ぎたくらいだよ! ってミサカはミサカはネットワークから時刻情報を拾ってきてみたり」ビビ
結標「ということは、次のアトラクションに行ってから昼食を取るって行く感じで行くわけね」
一方通行「そォだな。あンまりちょうどいい時間過ぎても人が多くてうっとォしいしな」
結標「じゃあこの近くにあるアトラクションに行って後に、またここに戻ってくるってのはどう?」
打ち止め「賛成ー! ミサカ実を言うと少し歩き疲れていたんだー、ってミサカはミサカは現状報告してみる」
一方通行「……じゃァこの近くにあるモンっつったら……」キョロ
グルグルグルグルグルグルグル
<オエーオエーオエーオエー
一方通行「……アレは除外」
結標「……そうね。ある意味お腹空きそうだけど」
打ち止め「う、見てるコッチが吐きそうになってくる」
一方通行「オイ吐くンじゃねェぞめンどくせェから」
858 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:49:15.15 ID:lURsS44ro
結標「……そうだ、これとかどう?」
一方通行「あァ?」
打ち止め「うん?」
『恐怖! Dr.GENSEIの館』
一方通行「……お化け屋敷ってヤツか」
結標「うん。絶叫度満点だからきっと叫び過ぎてお腹がペコペコになると思うわ」
打ち止め「こ、これはちょっとキツイかも、ってミサカはミサカ怖気付いてみる」ボソ
一方通行「まァ、暇潰しにはなるか」
打ち止め「えっ?」
結標「たぶんこの絶叫度ってイコール恐怖度ってことよね? 楽しみだわ」
打ち止め「えっ?」
一方通行「……どォした?」
結標「もしかして怖くて入りたくない?」
打ち止め「え、え、そ、それは……」
859 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:49:59.43 ID:lURsS44ro
一方通行「じゃァオマエは出口で大人しく待ってるこったな」
打ち止め「そ、それは嫌だ! ミサカも行く、ってミサカはミサカは内心かなりビビってるけど参加宣言してみる」ブルブル
結標「……やめた方が良いんじゃない? かなり体が震えてるし」
打ち止め「行くって言ったら行くのー!」ブンブン
一方通行「……まァいいや。じゃァ行くか」カツン
結標「あ、私がお金払っとくね」
一方通行「おォ、先に行ってるぞ」
結標「うん、わかったわ」
一方通行「オイ、行くぞ」
打ち止め「う、うん」トボトボ
860 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:50:34.42 ID:lURsS44ro
-スターランドパーク・恐怖! Dr.GENSEIの館-
一方通行「おーおーいかにもって感じの建物だなァオイ」
結標「廃病院ならぬ廃研究所ってところ?」
打ち止め「ううー、こ、怖い、ってミサカはミサカはこれ以外の言葉が出てこなかったり」
<ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
打ち止め「!?」ビク
一方通行「あァ? あの建物防音工事してねェのか?」
結標「まあ、逆にしてない方が周りから見れば怖いのかもしれないしね」
一方通行「まァ、どォでもいいや。あの叫び声にネタバレされる前に中に入るぞ」カツンカツン
結標「そうね」テクテク
打ち止め「…………」テクテク
―――
――
―
861 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:51:21.38 ID:lURsS44ro
―
――
―――
受付「ぎゃはは、いらっしゃいませぇ。三名様ですかぁ?」
結標「あ、はい」
一方通行「こンなところまで演出してンのか。凝ってンなァ……」
打ち止め「…………」ブルブル
結標「打ち止めちゃん、やめるなら今よ?」
打ち止め「み、み、ミサカは一人はヤダ」
一方通行「……ハイハイ知らねェぞ? 気絶しちまってもよォ」
打ち止め「だ、だ、だ、大丈夫だって、何たってミサカには九九六九人の妹達が付いてるんだから、ってミサカはミサカは強がりを言ってみる」
一方通行「……オイ、ココって途中退出は可能なのか?」
受付「あぁ、そうだな。チェックポイントにいる係員に言やぁ大丈夫だ」
一方通行「そォか……」
受付「っつってもチェックポイントは一つしかねぇんだけどなぁ? ぎゃははっ!」
一方通行「つゥわけで、すぐダメだと感じたらすぐ言ゥンだぞ。わかったな?」
打ち止め「う、うんわかった、ってミサカはミサカは了承してみる」
862 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:52:03.39 ID:lURsS44ro
結標「じゃあ入りましょ。準備はいい?」
一方通行「おォ」
打ち止め「…………」コク
結標「はい! 扉オープン!!」
ガチャン!!
係員「ぎゃはは、三名様ご案内ー!」
ウィーーンガチャン!!
863 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:53:18.25 ID:lURsS44ro
ちょっと休憩
16:00から再開します
ちなみにこっから先はしばらく地の文ありの無駄意味不シリアスとなります
864 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 15:59:56.13 ID:lURsS44ro
-恐怖! Dr.GENSEIの館・ロビー-
一方通行達が入口の扉をくぐり、最初に目にしたのは薄暗いロビーだった。
二人ほど入れそうな受付に、どこにつながっているのかわからない扉。
四人座れるかどうかの大きさの横長の椅子が六つ等間隔で配置されていた。
誰もいない受付。誰もいない待ち合い。誰もいない空間。
それらが彼らの恐怖のボルテージを上昇させていく。
一方通行「……見た感じロビーか?」
結標「そうね。しかし辺りに散らばってる血痕とかがもうあからさまよね」
865 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:00:38.09 ID:lURsS44ro
彼女が言うとおり、大理石でできた床、横長の椅子、コンクリートの壁。
この空間にあるあらゆるものに赤い液体が付着していた。
窓から入る微量の光を受け反射しているところから、この液体はまだ渇いていないと言う事がわかる。
打ち止め「…………」
周りの見慣れない光景を見て、少女は無言で体を震わせる。
一方通行「やっぱガキにはこのレベルでもキツイか?」
打ち止め「だ、大丈夫」
大丈夫、大丈夫、そう心で呟きながら足を進めていく。
866 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:01:07.89 ID:lURsS44ro
結標「さっさと進みましょ? あ、こっちに行けばいいのね」テクテク
そう言うと結標は矢印の看板の示す通り、奥の通路に一人で速足で歩いていく。
一方通行「あァ、ちょっと待てよオイ」
それを見た一方通行は杖を器用につきながら後を追っていく。
その後ろを小さな少女打ち止めが不安そうについていく。
867 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
:2012/03/08(木) 16:01:42.35 ID:yHnBz44D0
乙!
>>1
ちゃんと休憩とって体壊さないようにね!
868 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:01:42.35 ID:lURsS44ro
結標「…………ひっ!?」ビク
通路の曲がり角を曲がった結標は引きつった顔で声を上げる。
目を大きく見開き、口に手を当てる。
一方通行「……あァ? どォし……!?」
打ち止め「ど、どーしたの? ッ!?!?!?!?」
あとからついてきた二人も、彼女が見た光景を目の当たりにする。
869 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:02:37.41 ID:lURsS44ro
廊下の曲がり角には爆発した後のように大量の赤い液体が広がっていた。
その中央には、バラバラになったヒトの形をしていた何か。
人間か人形か、本物か偽物か、そんな区別をする事ができないほどに、バラバラになっていた。
赤い塊の中に、紫色をした何かや、ピンク色をした何かなど、とにかく色々な物が散乱している。
結標「こ、これはひどい……わね」
吐き気を必死に抑えるように結標は体を折り曲げる。
ここに来てから臭う生臭さが彼女の吐き気を加速させる。
870 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:03:19.91 ID:lURsS44ro
一方通行「ホラーと言うよりグロテスクの間違いじゃねェのか?」
打ち止め「なななななななななななななななな!!?」
小さな少女をどうしようもない恐怖が襲う。
彼女はその気持ちを言葉にできずにただ震え、その光景を凝視するだけだった。
一方通行「もう見るな。ガキには目に毒過ぎる……」
そう言うと、一方通行は杖の持っていないもう片方の手で打ち止めの頭を無理やり引っ張り、体へ抱き寄せた。
Tシャツ越しでも彼女の振動が彼の体に伝わってきた。
871 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:03:55.58 ID:lURsS44ro
結標「つ、次に進みましょ」
吐き気を押さえきったのか、彼女は次に進むことを提案する。
このままここにいてもどうしようもない。
そう思って、彼女は足を踏み出した。
一方通行(……この中にいると昔の研究所暮らしを思い出す)
一方通行「チッ、胸糞悪りィ場所だ……クソッたれ……」
一方通行はそう吐き捨てて、その場を後にした。
872 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:04:52.91 ID:lURsS44ro
-恐怖! Dr.GENSEIの館・廊下-
結標「……今度は廊下?」
彼女たちの目の前には一直線の廊下があった。
奥の方は暗くて見えないが、おおよそ二〇メートルくらいである。
一方通行「両側のガラス越し見えるのは手術室……いや、実験場ってところか?」
廊下の両側にはそれぞれ対になるように部屋が三つずつあった。
その中は様々な実験器具や手術台が置いてある。
それらの器具には大量の血痕が残っていた。
打ち止め「な、な、何か寝てない? ってミサカはミサカは部屋の中を眺めてみる」
少女が言うように、その部屋の中にはそれぞれ二、三人の人間が転がっていた。
青い手術着を真紅の赤で染めて、手術台や床の上で力を抜いたようにダランとしている。
873 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:05:30.62 ID:lURsS44ro
一方通行「大方、実験によって殺されたモルモット、って感じの設定か?」
結標「酷いわね。その設定」
一方通行「まァな。現実にあったらブチ壊したくなるほどヒデェ設定だな」
打ち止め「……あ、出口が見えてきたよ」
彼らが歩いているうちに、暗がりで見えなかった廊下の出口が見えだした。
そこには暗闇へとつながる階段があった。
一方通行「出口っつっても廊下のだろ」
結標「ここまで何も無しってのもおかし――!?」
そう彼女が疑問を持ったその時。
ダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテ。
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ。
それぞれの部屋の中にいた人間がその場から消えていた。
それらは部屋から廊下側の扉、窓に張り付いて、こちらの方へ出ようとしていた。
鍵がかかっていたのか、出る事ができずにただただ扉や窓を開けようとする音が廊下に鳴り響く。
彼らの視線は一直線に三人の方へ向いていた。
874 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:06:24.96 ID:lURsS44ro
打ち止め「きゃ、きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
当然の恐怖に理性を失い、幼い少女は本能の赴くままに真っ直ぐ、全力で走り去っていく。
その小さな体はあっという間に暗闇の中へと消えていった。
一方通行「チッ、走ンじゃねェクソガキ!」
舌打ちをしながら、彼は首元にあるチョーカー型電極のスイッチを入れる。
通常モードから能力使用モードへと変更する。
ダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテ。
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ。
未だに廊下には、こちらの世界へ入ってこようとする亡者たちの、消えそうな声と、金属音が鳴り響いている。
一方通行「結標、俺が能力で先に行ってガキを捕まえてくる。あとを急いで追って来い。わかったな!?」
そう確認を取ると、彼は足元へと力を込める。ミシミシと靴の裏側から地面をこする音が聞こえる。
結標「わ、わかった」
875 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:07:00.07 ID:lURsS44ro
ダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテ。
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ。
一方通行「じゃァ、先行ってるぞ」
次の瞬間、彼は靴の裏のベクトルを操り一瞬で廊下から暗闇へと飛び込んでいった。
結標「は、速い……」
結標「……って、こんなことしてる場合じゃなかったわ。早く追わないと……」
そう言うと、彼女は急いで廊下を駆け抜けていく。
後ろで未だに音が聞こえるが、全部無視して前へ進む。
ダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテダシテ。
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ。
876 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:07:38.57 ID:lURsS44ro
-恐怖! Dr.GENSEIの館・チェックポイント-
一方通行「……チッ、あのクソガキどこに行きやがった?」
一方通行の眼球が上下左右と忙しく動き回る。
それと同時に彼は移動に必要な様々なベクトルを操り、
複雑に入り組んだ細い道を慣性の法則を無視した挙動で高速移動する。
一方通行「これだけ動いて見つからねェってことは、まさか追い抜いちまったのか?」
後ろを振り向く。そこには眼中にもなかったが人を驚かせようとする仕掛けがあった。
大量のやけどをした痕が目立つ長髪の女の人形が、天井からぶら下がっていると言う仕掛けだ。
自動追尾機能でもあるのか、その人形の赤い目玉は彼のいる方を向いていた。
877 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:08:16.86 ID:lURsS44ro
一方通行「そンなことはねェはずだ。あのガキを最優先に視界を動かしたはずだ」
そうつぶやくと、一方通行は再び前を向く。
そこには今まで気付かなかったが、『CheckPoint』と血のようなもので書かれた看板が立っていた。
後ろには受付のようなものがあり、そこには一人の人間が座っていた。
看護婦が着るような俗に言うナース服を着ていた。
しかし、その体表面には緑色のぬちゃぬちゃしたようなものや、
例の如く大量の帰り血のようなものを浴びていた。
目が隠れるほど長い前髪が、さらに恐怖感を煽る。
878 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:08:59.36 ID:lURsS44ro
その人間を確認した一方通行は首元のスイッチに手を当て、
能力使用モードから通常モードへと変更させた。
杖を器用に使い、その人間の方へと足を進める。
一方通行「オイ、オマエ」
視界に入れば必ず嫌悪感を覚える格好をした人間に、何も臆せず彼はいつも通りの声で話しかける。
看護婦「ふひひ、なんでございましょうか?」
一方通行「ここを一人のガキが通らなかったか?」
看護婦「子供? でしょうか? ふひひ」
一方通行「背は俺の腰ぐらいまで、髪は茶髪、淡い水色のワンピースを着て、男物のワイシャツ羽織っていて、体にはカエルのキャラクターの形をした鞄をかけている」
879 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:09:41.92 ID:lURsS44ro
一方通行は看護婦に打ち止めに関する特徴を全て伝えた。
もしかしたら気持ち悪がられるかもしれないが、そんなことを気にする余裕も必要性も彼にはなかった。
看護婦「それは女の子でございましょうか? ふひひ」
一方通行「あァ。で、どォなンだ? 通ったか通ってないのか?」
看護婦「ふひひ、通りましたよ」
その解答はあっさりとしたものだった。
まあ、ここ遊園地の中のアトラクションであるわけで、別に殺し合いや騙し合いが応酬する場ではない。
そのような環境に長い間浸かっていた一方通行は、いつの間にかこんな場違いな場所で用心深くなってしまっていたようだ。
880 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:10:27.95 ID:lURsS44ro
一方通行(通ってなかったら通ってなかったでめンどくせェが、通ったンならもうアイツはゴールするしかねェってことか……)
小さな少女はすでにこの唯一途中下車する事の出来るチェックポイントを越えてしまっている。
つまり彼女はもう、これから続く地獄のような道を歩いてゴールするしかないということだ。
一方通行「さァて、どこまで行きやがったンだ? クソガキがァ……」
首元の電極をいじりながら彼は思う。
こんなことになるならあの少女をここに入れるべきではなかった。
入る前に止めて彼女が不貞腐れてしまっても、あとでいくらでも埋め合わせする事ができる。
しかし、今はこの地獄に近い環境を彼女一人にしてしまっている。
正直このお化け屋敷は遊びではない。子供に本格的にトラウマを植え付けようとする仕掛けだ。
早くあの子のもとへ駆けつけ、少女の心の支えになってやらなければならない。
881 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:11:15.52 ID:lURsS44ro
一方通行「……すぐに追いついてやる」
そうつぶやくと、彼は思い切り地面を踏みつける。
この建物全体が地震でも起きたかのように振動する。
脚力、空気抵抗、風力、慣性、などのあらゆるベクトルを変換し彼は音速を超える速さで移動する。
その間にある邪魔な仕掛けを全て無視しして。
ここにある仕掛けがいくら壊れようが関係ない。
ただ早く彼女の所へたどり着く。
あの子にこれ以上恐怖を与えないためにも。
882 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:11:51.29 ID:lURsS44ro
-恐怖! Dr.GENSEIの館・死体安置所-
打ち止め「……ここは……どこ?」
少女は周りを見渡す。
人一人入るような木製の箱があちこちに転がってた。
その中からは赤い液体や、黒い髪の毛のようなものなど、
彼女にとっては目に毒なようなものが溢れ出していた。
その代わりに、鉄製の柵が道なりに置いてあり、出口までの道のりを表している。
あの気味の悪い箱に近づくためにはこの柵を乗り越えなければならない。
反対のことを言えばこの柵さえ乗り越えなければ、あの恐怖の原因に近づくことはない。
883 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:14:14.24 ID:lURsS44ro
打ち止め「な、なんでこんなところにいるの? ってミサカはミサカはネットワークを介して下位個体たちに尋ねてみたり」
ネットワーク上にいる妹達からの情報によると、
自分は二番目の仕掛けから意識が錯乱し、その場を立ち去ろうと一生懸命逃走した。
その間にたくさんの仕掛けがあり、それに遭遇する度に悲鳴を上げ、上げればまた逃げる。
それらの繰り返しで現在いる位置に辿り着いたと言う。
10032『全く上位個体は子供ですねー、こんな仕掛けごときで理性を失うなんて、とミサカ10032号は上位個体が見てきた造り物に内心ビビりながらも嘲笑します』
14510『そうですよ。あの人が近くにいたのですからそこは彼に抱きつくべきでしょ、とミサカ14510号は共有感覚で彼に抱きつけなかったことへの文句を言います』
19090『脳内お花畑は黙っていてください。それより早くここから脱出するべきです、とミサカ19090号は上位個体へアドバイスをしてみます』
14510『は? 黙るのはあなたですミサカ19090号。ここは戻ってあの人のもとへ行くべきです、とミサカ14510号はアドバイスの上書きを試みます』
10039『どちらにしても、ここから早く出た方がいいのでは? とミサカ10039号は喧嘩する二人の間を割って提案します』
10032『どういうことでしょう? とミサカ10032号はミサカ10039号に質問します』
10039『まず外に出る事で安全を手に入れます。その後中から出てきた一方通行へ泣きつきます』
10039『そうしたら二人の利害も一致するのでは? とミサカ10039号は争う二人のために懇切丁寧に説明します』
14510・19090「それだ! とミサカ14510(19090)号はミサカ10039号の案に賛成します』
884 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:15:07.17 ID:lURsS44ro
打ち止め「つ、つまりミサカはどうすればいいの? ってミサカはミサカは指示を仰いでみたり」
10032『つまりとっととそこから逃げろよ、とミサカ10032号はとりあえず上位個体に指示を出してみます』
打ち止め「わ、わかった! ってミサカはミサカはミサカ10032号の指示に従ってこの場の脱出を試みてみたり」
ミサカネットワークからの指示により、少女は出口に向かって足を進める。
今はどっちかと言うと涼しい季節なのに、室内には冷房がかかっていた。
寒くて震えるのか、怖くて震えるのか、どちらかはわからないが彼女の体は小刻みに振動していた。
打ち止め「も、もうー、こんな季節なのに冷房何かつけないでよ、ってミサカはミサカは環境を考えない係員に意味もなく文句を言ってみたり」
そんな独り言をブツブツとつぶやきながら、周りからの恐怖を緩和させる。
怖さを紛らわさせるために、今は他の妹達に積極的に話しかけて、という指示を出しているが、
彼女たちも怖いのか、まったくと言って話しかけてこない。
先ほどのミサカネットワーク内の会話を見てわかるように、会話に参加しているのは極少数だ。
打ち止め「むー、出口は見えるんだけど全然辿り着く気がしない、ってミサカはミサカはこの不親切設計に文句を垂れてみたり」
そう彼女が呟いた次の瞬間。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
885 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:16:15.52 ID:lURsS44ro
この建物全体が揺れる感覚がした。
その揺れに驚き、思わず尻もちをついてしまう打ち止め。
彼女は焦りを見せながらも、ネットワークに確認を取る。
打ち止め「ね、ねえ。今、学園都市に地震とか起きてるの? ってミサカはミサカは学園都市に住んでいる妹達に聞いてみたり」
10032『いいえ。ミサカの方では確認できません、とミサカ10032号は率直に述べてみます』
10039『こちらでも確認できません、というか正直同じ場所に住んでいるから報告する意味なくね、とミサカ10039号は何となく思った事を口に出してみます』
19090『こちらも確認はできません、というか隣に10039号がいるので報告する必要はないですね、とミサカ19090号はミサカ10039号に同意します』
14510『学園都市には地震を抑えるアブソーバが付いているので多少の振動は吸収されてしまいますよ、とミサカ14510号は上位個体のネタにマジレスします』
打ち止め「ね、ネタじゃないよ! それよりこれはどういうこと? ってミサカはミサカはこの事態を全然理解できなくて困ってみたり」
頭を抱えて困惑する少女に、さらなる事態が襲いかかる。
886 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:17:12.33 ID:lURsS44ro
ゴガガガガガガガガガガ。
打ち止め「……えっ?」
どこからともかく木と木が擦り合う音が聞こえてくる。
困惑する彼女はこの音を聞きさらに困惑する。
ガタン。
何か重い物が落ちる音がした。
その音の発生源に打ち止めは首を向けた。
そこには……。
『イーーーカーーーーセーーーーンーーゾーーーーーーー」
887 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:17:55.42 ID:lURsS44ro
木の箱からのめき声をあげながら、二、三メートルくらいの大男が這い上がって来た。
身体中の皮が剥がれ、肉が腐り落ち、所々に見える白いものが不気味さを際立たせていた。
頭には茶ばんでいてわかりにくいが、たくさんの包帯が巻かれていた。
その包帯の間から、どこを見ているのかわからないが鋭く眼光が輝いていた。
打ち止め「きゃ、きゃああああああああああああああ!!」
思わず声を上げた。
しかし、謎の男と自分との距離は間に柵を挟んでおおよそ十メートル弱。
普通に振りむき、走れば逃げ切れる。
相手がスプリンター選手のような速度で走ってこない限り、逃げ切れないなんてことはない。
そう考え、彼女は後ろを振り向く。
しかし、そんな考えは一瞬で砕け散った。
888 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:18:25.66 ID:lURsS44ro
「アアーアーアーアーアーアアアーアーアーアーアアーアーアー」
「カーエーセーエエーエエエーエーエーーエエ」
「ヤーーーラーーーナーーイーカーーーーーアアーアーアーア」
打ち止め「ひっ!?」
彼女の周りにはたくさんの大男が周りこんでいた。
確認しただけでも五人。
少女は思い出す。
部屋を見回して最初に疑問に思ったたくさんの木箱。
数は一〇以上は存在していたと記憶している。
もし、仮に。
それらの箱全部にこの化け物たちが入り込んでいたら。
889 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:19:12.63 ID:lURsS44ro
ガタンガタンガタンガタン。
その乾いた音を聞き、少女は思わず体をビクンとさせた。
右を見ると二人の大男が。
左を見ると三人の大男が。
後ろを見ると逃げ場を塞ぐように立つ一人の大男が。
前を見ると五人もの大男が立ち塞がる。
四面楚歌。昨日たまたま見たクイズ番組の中で出された問題の解答。
それが今現実に起こっていた。
打ち止め「ひ、ひぃ……ひぃい」
思わずその場に座り込む少女。
何でこんなところに来てしまったのだろう。
そんな後悔の念が彼女の中に渦巻く。
アーアーアーアアーアーーアーアーアーアーーアーーアーアーーアア
うめき声がもうすぐそこに近づいてくるのがわかった。
すでに囲まれた。もう終わりだ。
そう思い、彼女は目を瞑った。
890 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:20:05.01 ID:lURsS44ro
大男の巨大な手が、少女に向かって伸びた次の瞬間。
轟、という爆風と共に周りの大男たちが吹き飛ばされていく。
しかし、その爆風は打ち止めという少女を避けて巻き起こっていた。
「チッ、手間かけさせンじゃねェぞクソガキ」
その周りに吹き荒れる風の音が鳴り響く中、たしかにその声だけは少女の耳に届いた。
打ち止め「あ、アクセラレータ!!」
一方通行「……余計な体力使わせやがって」
打ち止め「アクセラレータ!!」
ヒーローの参上に思わず涙する打ち止め。
そして一方通行に飛びかかろうとする少女。
しかし。
891 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:20:51.57 ID:lURsS44ro
一方通行「アレだけ勝手に行くなっつったろがゴラァ!!」
打ち止め「痛い痛い痛い痛い痛い――」
少女の頭を彼は何回も何回もビシビシと叩く。
やめてという声も無視して叩く。
だが、次第にその勢いは弱まって行く。
一方通行「……はァ、さっさと出るぞガキ」
打ち止め「う、うん! ってミサカはミサカは大きな声で返事をしてみる」
「ニーーガーーーーーサーーーンゾーーーー」
先ほど暴風に吹き飛ばされた大男たちが再び立ち上がり、うめき声を上げながらこちらへ向かってくる。
一方通行は汚い床につばを吐きながら、首元のスイッチに手を当てる。
一方通行「ここまでしてまだ吹き飛ばされたりねェってンのかァ? たかがお遊びでオマエらがなぜそこまですンのかは知ンねェけどよォ……」
電極のスイッチが押される。
ベクトル操作。
その瞬間。この場の支配権は全て彼の手の中に納まる。
一方通行「俺が誰だかわかって歯向かってるってことだよなァ?」
口元をビキビキと割れていく。その中に生える獣のような牙が輝く。
892 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:21:33.50 ID:lURsS44ro
一方通行「あはぎゃはあがぎゃあはあはははははッ!!」
悪魔のような不気味な笑い声を上げながら左手を大男の腹部へ突っ込む。
バチバチバチという音と共に五本の指が包帯だらけの皮膚に突き刺さる。
ゾンビ「オオオオオ?????アアアアアアアアアアア???」
突然動けなくなり、戸惑いの声を上げる大男。
その光景を見て一方通行は口角を釣り上げる。
893 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:22:27.04 ID:lURsS44ro
一方通行「ギャハハハッ! そォいう事か。その汚っねェ着包みは全部駆動鎧っつゥわけかァ?」
重量一トンはありそうな巨大な体を片手で軽々と持ち上げる。
メキメキと音を上げながら中から機械の部品のようなものがボロボロと落ちてくる。
一方通行「そォだよなァ、この能力者の街で遊園地を開くンだァ! それぐらいの装備は整えとかなきゃ危ねェよなァ!? あァ!!?」
叫び声と同時に大男を近くにある壁に向かって投げ飛ばす。
一方通行「まァ、俺にはまったく関係ねェ話だけどな、ギャハッ!」
大男の巨体が壁へ激突した瞬間、その体がコナゴナに砕け散った。
「ひ、ひぃいいいいい」
中から真っ黒な特殊部隊が着ているような装備を着こなす男が出てきた。
894 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:23:15.43 ID:lURsS44ro
周りに立っている大男たちはその光景を見てたじろぐ。
さっきから上げていた不気味なうめき声さえ彼らから出てこない。
一方通行「オイオイこりゃァどォいう事だァ? ただのお化け屋敷の仕事熱心な係員かと思ったら、中から出てきたのは俺かクソガキを狙ったクズ野郎でしたってかァ?」
真っ白な頭をボリボリと掻き毟りながら、着包みの無くなった男へとゆっくりと歩いて近づいていく。
一方通行「上等ォじゃねェか!! オマエら全員生きて帰られると思うなよォ!? 体の部品一つ一つゆっくりと丁寧に解体してやっから喜べカス共ォ!!」
そう言うと、彼は触れた瞬間血液を逆流させ血管を爆破させる悪魔の手を、黒ずくめの男に向かってゆっくり振りかざす。
男の表情は絶望と恐怖によってクシャクシャに崩れ去った顔で、その真反対に一方通行の表情は怒りと快楽とどちらと共とれる邪悪な笑み。
数秒後、その男はバラバラの肉塊になるはずだった。
だが。
895 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:23:49.12 ID:lURsS44ro
「――――――――こんのぉ!」
一方通行「…………あァ?」
一つの足音が一方通行に向かって進んできた。
地面を蹴る早さからして走ってきていることは簡単に理解できた。
一方通行はつまらなさそうにそちらの方へ視線を向けようとした。
一方通行(どこのバカだァ? 俺には反射っつゥ絶対防御があるって言うのによォ。さて、どう料理してや―――)
「――――クソガキィ!!」
男の拳が一方通行の頬へ突き刺さった。
896 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:24:19.06 ID:lURsS44ro
一方通行「ご……がぁ……!?」
その衝撃で地面を転がっていく。
すぐさまベクトルを操作し、体勢を立て直す。
一方通行(反射が……効いてない!?)
チョーカー型電極の方へ目を向ける。
だがいつも通り能力使用モードを意味する赤いランプが点灯していた。
それを確認し、すぐさま目線を前に向けた。
897 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:24:47.67 ID:lURsS44ro
一方通行「……………は?」
思わず声が出てしまった。
なぜここにいる?
なぜ反射が効かない?
なぜこんなことになっている?
いろいろな疑問が渦巻く中、彼が真っ先に出した名前。
一方通行「木ィィィ原クゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」
898 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:25:46.49 ID:lURsS44ro
木原「あーあー、ちょっとうるさいから黙っててくれないかなー?」
木原数多。
一方通行の能力発現に関わった科学者の中の一人。
元猟犬部隊のリーダー。
現従犬部隊の社長。
一昨日顔を合わせたばかりの男が一方通行の前に立ちふさがっていた。
一方通行「あはぎゃははっ!! ンだァ? その頭についてる飾りはァ? コスプレ大会開くンなら別の所でやってくれないかなァ?」
彼の言うとおり木原の側頭部にはフランケンシュタインを髣髴とさえる大型のボルトのようなものが二本刺さっていた。
木原「あぁ? コスプレじゃねぇよ、仕事だ仕事」
一方通行「……クソッたれがァ」
899 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:26:45.86 ID:lURsS44ro
一方通行「結局は俺達を狙ったバカどもの犬だったってことかァ? 木ィ原ァァああああああああああああああああああああああッ!!」
脚力のベクトルを操り、ロケットのような速度で木原に突撃する。
だがそんなことも気にもせずに木原は表情を変えずに口を動かす。
木原「だからさぁ……」
体の軸を二〇センチほど横にずらす。
すると、一方通行の体がちょうど木原の体の横を通るような位置関係となった。
一方通行は視線だけを下に向けた。
そこには木原数多の右腕がミシミシと握力を上昇させる音が鳴っていた。
900 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:27:34.33 ID:lURsS44ro
木原「黙ってろっつってんだろクソガキィ!!」
木原の右拳が一方通行の顎を容赦なく貫いた。
反射を通り越しての渾身の一撃だった。
一方通行「がァ………あァァ……!?」
人中を貫いた一撃は一方通行の頭蓋骨を揺さぶり、容赦なく彼の意識が奪い去った。
一方通行(クソ……野郎ォ……が……)
消えゆく意識の中、不安そうにこちらを見つめている打ち止めの姿だけが視界に映った。
901 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:28:21.06 ID:lURsS44ro
-スターランドパーク・第3休憩所-
一方通行「……お……あァ?」ムク
一方通行「いつの間に寝てたんだ俺はァ?」
一方通行「…………」
木原「よぉ一方通行ーようやくお目覚めか?」
一方通行「あァ? 木原か。何でここに……!?」
一方通行「木ィィ原くゥゥン!! あンときはよくもやってくれたなクソ野郎ォォがァ!!」
木原「まあまあ落ち付けって。そもそもテメェが勝手にお化け屋敷の中で暴れ出すのが悪りぃんだろ?」
一方通行「……チッ。つゥか何でオマエがこンなところにいたンだ?」
木原「まーあれだ、俺の職業思い出してくれたらわかると思うぜ」
一方通行「あァー、何だっけかァ……奴隷だっけなァ……」
木原「殺す」ブン
一方通行「ハイ反射反――ごふっ」ガコン
木原「あひゃひゃひゃ! ざまあねぇねなーマゾヒストクン?」
一方通行「……一体どォいう事だこれは?」
902 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:29:03.01 ID:lURsS44ro
木原「テメェの反射は絶対的な壁じゃねーだろが?」
一方通行「は? 何だよそれ?」
木原「ただ力の向きを逆にして跳ね返してるだけの単純な構造だ」
木原「だったら跳ね返る寸前に拳を引き戻してやればいい話だ」
一方通行「……つまりオマエは寸止めで俺を殴ってるってことか?」
木原「そうそう。理解が早くて助かるねー、さすがレベル5のクソガキだわ」
一方通行「ありえねェだろそれ。理屈的には合ってんだろォがそンなモンわかってて実践できるモンじゃねェだろ」
木原「おいおい、誰がそのくだらねえ力を発現してやったと思ってんだ?」
一方通行「チッ、ふざけた野郎だ」
903 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:29:26.62 ID:lURsS44ro
一方通行「……つゥかそンな話をしてる場合じゃねェ。何でこンなところにいンだよオマエ?」
木原「……はぁ、まあ面倒臭ェけど説明してやっか」
木原「俺の会社従犬部隊は何でも屋みてぇなもんだってのはわかるか?」
一方通行「あァ、そンなわかりきった事いちいち説明してんじゃねェよ」
木原「は? テメェが奴隷とかふざけた事抜かすからこっちがわざわざ説明してやったんじゃねーか」
一方通行「何そンな言葉に煽られてンですかァ? バカなンですかァマゾ太クン?」
木原「殺す」ブン
一方通行(そォ何度も同じ手は食ゥか。風のベクトルを操ってガード)ブォオオオン
木原「…………」ピー
一方通行「なっ? 俺の風の防壁が!?」
木原「厨二発言お疲れさまでしたマゾヒスト君!?」ブン
一方通行「ごはっ!?」ガコン
904 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:30:28.08 ID:lURsS44ro
木原「じゃあ話し続けンぞ?」
一方通行「…………」
木原「お前が仕事の依頼をしに来た後、一向に仕事が来なくて暇だったんだよ」
一方通行「ニート乙」
木原「それでよお、寂しくむなしく部下共と大富豪してたときにその電話がかかって来たんだ」
一方通行「大富豪ってトランプのアレかよ? ぎゃはははッ!! おもしれェなァオイ!?」
木原「その電話の主が何とこのスターランドパークのオーナーでよお」
一方通行「(´・ω・`)」
木原「世界で最高の遊園地を作りてーからってよぉ、俺に世界で一番怖ぇお化け屋敷を作ってくれって依頼があってよー」
一方通行「で、その結果オマエはその無様なフランケンシュタインってかァ!? ぎゃはははッ!!」
木原「つーわけで、そのスターランドパークの従業員何人借りて、そいつらを徹夜でみっちり教育してやったわけだ」
一方通行「あははぎゃははは!! それでオマ――」
木原「その結果があのお化け屋敷っつうわけだ。わかったかなー?」
一方通行「……で、何であのクソゾンビ共は俺たちを襲って来たンだ?」
木原「ああ、あれ? あれは俺のせいだ。ごめん」
一方通行「は? それどォいう事だオマエ?」
905 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:31:22.77 ID:lURsS44ro
木原「実は俺変装してこのお化け屋敷の受付やってたんだよ」
一方通行「……ああ、あの変態はオマエだったのか」
木原「それでテメェがこのお化け屋敷に来たからサービスしてやろうと、ゾンビ役の俺の部下たちにある通達をしたんだ」
一方通行「……言ってみろ」
木原「『一方通行達を脅かせられなかった給料なしな』ってな」
一方通行「……その達ってのにクソガキや結標も入ってたっつゥわけかオイ?」
木原「そーいうことー。まあまさか俺もあの打ち止めって娘をあそこまで泣かせるとは思わなかってよー」
木原「まーなんだぁ、ここは御破算ってことでどうよ? オマエもそうとうウチの設備破壊したしな」
一方通行「……チッ、まァいい。そォいうことにしてやるよ」
木原「つーわけであとはせいぜい遊園地をごゆっくり堪能する事だな」
一方通行「つゥか今何時だ?」
木原「あ? あーと、二〇時前だけど何? ああ、安心しろ。このサービス精神旺盛な遊園地は二四時まで開いてるから」
一方通行「……てことは、オイ、ナイトパレードは何時からだ!?」
木原「あん? 二〇時だけど、あ、もしかしてガールフレンドと約束してたりするわけ? ぎゃはははざまぁ!」
『このパレードを貴方と一緒に見たいんだ、ってミサカはミサカは要望を言ってみたり』
一方通行「チッ、能力使用モードにして捜しゃァまだ間に合うだろクソが!」カチ
木原「…………」
906 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:32:09.28 ID:lURsS44ro
一方通行「どこに居やがるンだアイツら?」
木原「おいクソガキ」
一方通行「何だよ木原クン? 悪りィが俺は忙しいンだ、あとにしろ」
木原「まあ落ち付けって、コイツはただの独り言だ。……そーいや、パレードが始まる八時に中央広場の噴水で待つ、ってあの娘が言ってたな」
一方通行「木原……オマエ」
木原「ああ? 何返事してんだテメェ? これは独り言だっつってんだろ。さっさと出ていけクソガキ!!」
一方通行「……アリガトよ」
ドォウン!!
907 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:32:55.63 ID:lURsS44ro
木原「…………」
木原「……へっ、まだまだケツの青いガキだなぁあいつも」
木原「おいテメェら、今日で契約期間は終わりだ! 後始末して撤収するぞカス共!」
社員一同「はっ!」
木原「……そうだな、今夜は社員全員で飲み会とでも行くかぁ?」
社員A「えっ、自分達も行ってよろしいんですか?」
木原「あ? 別に構わねえよ。一方通行の馬鹿が十億なんてアホみてーな大金置いていったんだからよー」
木原「今日は俺のおごりだ! サービス精神旺盛な俺に感謝しろよカス野郎ども!!」
社員一同「りょ、了解!!」ザッ
908 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:34:02.47 ID:lURsS44ro
ちょっと休憩
御指摘されたように休憩時間伸ばします
17:00に再開します
909 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 16:59:58.95 ID:lURsS44ro
-スターランドパーク・中央広場-
打ち止め「……あの人遅いね、ってミサカはミサカは少し心配になってみる」
結標「そうね。彼、睡眠時間の長さも結構異常だしね」
打ち止め「でもさすがに八時間も寝るなんてことはないよね、ってミサカはミサカは尋ねてみる」
結標「うーん、どうかしらね? 一日の四分の三を睡眠に使った経歴があるのだからないとは言えないかしらね」
打ち止め「うー、もー、あの人寝過ぎ! ってミサカはミサカは文句を垂れてみたり」
結標「まあ、それには激しく同意だわ。掃除してる時にソファーの上とかで寝られたらうっとおしいものね」
打ち止め「もう少し他のことに時間を有意義に使って欲しいな、ってミサカはミサカは要望を言ってみたり」
結標「私に言われても困るんだけどね」
910 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:00:47.07 ID:lURsS44ro
打ち止め「……そういえばこんな会話前もやらなかったっけ? ってミサカはミサカは既視感に襲われてみたり」
結標「あー、そういえばそうね。わりと最近だった気がするけど」
打ち止め「そんなことよりあの人はまだ来ないのー? ってミサカはミサカは地団太を踏んで憤怒の感情を表にしてみたり」
結標「まあまあ落ち付いて」
打ち止め「あ、でも最悪キハラが起こしてくれるって言ってたから大丈夫だよね? ってミサカはミサカは最後の希望を思い出してみたり」
結標「でもそれって閉園時間にだったよね、たしか……」
打ち止め「あれ? そうだっけ?」
結標「うん。間違いはないと思うわ」
911 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:01:34.16 ID:lURsS44ro
打ち止め「あれ、あれれー? 何か伝言頼んだ時はいかにもその時間には起こす的な雰囲気を醸し出していたのにー?」
結標「会話の内容を見てみると、閉園時間には起こすって感じだからただの雰囲気だけだわ」
打ち止め「えっ? それ? 本当!?」
結標「これは大変だ。彼もう起きてこないかもね、はは」
打ち止め「そ、そんなー、ってミサカはミサカは絶望に打ちひしがれてみたり」
ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ
結標「……何か周りが騒がしくなってきたわね」
打ち止め「どうしたのかな?」
912 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:02:13.74 ID:lURsS44ro
結標「ええと……ああ、あと一分でパレード開始らしいわね」
打ち止め「えっ? もうそんな時間なの? ってミサカはミサカは時間の経つ早さに違和感を覚えてみたり」
結標「まあ、時間なんてそんなものよ。早く終わって欲しい時は遅くて、長く続いて欲しい時は早くて……」
打ち止め「うー、時の流れって残酷だー」
結標「……そんなこと言っている間にあと十秒ね」
10!! 9!! 8!!
913 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:02:49.98 ID:lURsS44ro
打ち止め「わ、わ、もうカウントダウンに入っちゃったよ、ってミサカはミサカはザ・ワールド!って言って時を止める努力をしてみたり」
7!! 6!!
結標「時間を止めちゃったら一方通行もずっと起きてこないんじゃない?」
5!! 4!!
914 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:03:51.26 ID:lURsS44ro
打ち止め「ううぅ、あの人……もう来ないのかな、ってミサカはミサカは涙目になりながら呟いてみたり」グスン
3!! 2!!
結標「まあ大丈夫じゃない? だって朝芳川さんが言ってたじゃない」
1!!
結標「アイツは貴女との約束を破るような馬鹿じゃないって……」
0!!
915 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:04:30.02 ID:lURsS44ro
ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーードォンドドドドドン!!!!
結標「ね? 一方通行」
一方通行「…………」カツンカツン
916 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:05:01.37 ID:lURsS44ro
打ち止め「……えっ?」
結標「随分と遅い御到着じゃない? 王子さま♪」
一方通行「オイオイ、一応コレ間に合ってンだろ? 八時の時点ではここに着いてたンだし」
打ち止め「あ、アクセラレータ……」
結標「何言ってんのよ。女の子を待たせただけでもう三〇分は遅れたことになるわよ」
一方通行「いつからこの世界は女至上主義の世界になったってンだ?」
結標「でも待たせるという行為はダメでしょ?」
一方通行「……チッ」
917 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:05:28.13 ID:lURsS44ro
打ち止め「アクセレータ……」
一方通行「あァ?」
打ち止め「アクセラレータ」ガシ
一方通行「ンだよ?」
打ち止め「この――」
一方通行「は?」
918 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:06:27.99 ID:lURsS44ro
打ち止め「バカァァあああああああああああああああああああああああ!!」
一方通行「!?」ビク
打ち止め「バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ――」バコバコ
一方通行「み、耳元で騒いでンじゃねェよクソガキ!」
打ち止め「いっつもいっつもいっつもいっつも寝過ぎなんだよバカバカバカバカバカバカバカバカ――」ベシベシ
一方通行「……はァ、すまねェなァ、オマエをまた不安な気持ちにさせてたみてェだな」
打ち止め「わかってるならもっと早く来いこのばかぁああああ……」エグエグ
一方通行「…………はァ」
―――
――
―
919 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:07:02.15 ID:lURsS44ro
―
――
―――
ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーードォンドドドドドン!!!!
「おーおー盛大に始まってるじゃんよ!」
「ちょっと黄泉川さん! そんなところでつっ立ってないで交通整理手伝ってくださいよ!」
「そうですよぉ! ただでさえ休日出勤で人数少ないんですからぁ」
「はははー悪い悪い。でもこれを見て思うじゃんよ」
「……何がですかぁ?」
920 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:07:54.99 ID:lURsS44ro
「これを見て笑顔になってくれてる子供たちを見ると、今まで守ってきたかいがあったってもんじゃん?」
「黄泉川さん……」
「よーし! 今夜は仕事終わりに一杯行くか?」
「で、でも明日は普通に学校があるんですよ?」
「固いこと言うなよ鉄装ー! ちょっとぐらいいじゃんよ?」
「……わかりましたぁ。ちょっとだけですよ?」
「ははは、やったじゃん! 今夜は飲み明かすぞー!!」
「えっ? ちょっとだけじゃないんですか?」
「二人とも、遊んでないでさっさと交通整理に戻ってください!」
「へーい」
―――
――
―
921 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:08:33.93 ID:lURsS44ro
―
――
―――
ドォンドドドドドドドドドドドドドドォン!!!!
「―――ありがとうございましたー」
「またお越しください、とミサカはリピーターになってもらえるように努力します」
「……うーん、この音がするってことはもう始まったのかしら?」
「何がです? とミサカはあなたの言った言葉に疑問を抱いてみます」
「ナイトパレードよ。今日オープンした遊園地のね」
「ああ、スターランドパークのことですね? それぐらい知っています、とミサカは自分の知識の豊富さをひけらかします」
「ここらじゃあ音しか聞こえないけどもね」
「そうですね、とミサカは相槌を打ちます」
922 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:09:31.14 ID:lURsS44ro
「あら? あそこには貴女たちの上位個体がいるんだから、感覚共有してもらえば見れるのではないかしら?」
「そうしてもらいたいのは山々ですが、あのクソガキの野郎が感覚共有を切りやがったので、
私たち下位個体はその光景を目の当たりにする事ができないのです、とミサカはふざけんな上位個体がと憤怒の感情を露わにしながらも懇切丁寧に説明しました」
「そ、そう……それは残念だったわね」
「なので今晩はあの幼女が寝られないようにお化け屋敷の中の映像を一晩中ネットワークを通して送りつけてやります、とミサカは嫌がらせを画策します」
「うーんやるのは勝手だけど、どっちみち最終信号の権利でシャットアウトされるのじゃない? その嫌がらせ」
「な、そ、そういえばそうでした。おのれ上位個体め、とミサカは権力の差に歯噛みします」
「ま、いずれいいことがあるわよ」
ピンポーン
「「いらっしゃいませー」」
―――
――
―
923 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:10:38.55 ID:lURsS44ro
―
――
―――
ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンドォォォォン!!!!
「ほほー、これは凄いですねー」
「ほんと。綺麗」
「いやー、こういうところにタダで来られるなんて、やっぱり人望は厚い方がいいんですねー」
「はぐっはぐっ……こもえ、おかわり頼んでもいいかな?」
「もー、シスターちゃーん。まだ食べるのですかー? たまにはこの綺麗な花火やイルミネーションに目を向けてみてはどうですかー?」
924 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:11:16.54 ID:lURsS44ro
「確かに綺麗だけど、これだけじゃあお腹は膨れないんだよ」
「……花より団子」
「うーわかりました。あと一杯だけですよー、わかりましたか?」
「うん! ありがとうなんだよ!」
「……こんなことなら。上条くんと来たかった」
「大覇星祭のナイトパレードも。わけあって一緒に回れなかったし……はあ」
―――
――
―
925 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:11:48.69 ID:lURsS44ro
―
――
―――
ドドドドドドドドドドドドドドドォンバァアアアアアアアアン!!!!
「はぁー、超ド派手ですねー。この花火の爆発音がこの間見た映画の大砲の音に超似てます」
「はぁ? アンタこの前、超ベッタベタのラブコメ見に行きます、とか言ってなかったっけ?」
「? はい、ラブコメでしたが」
「……何でラブコメに大砲なんて似合わなさすぎるモンが出てくんだよ?」
「いえいえ、あの映画には大砲が超不可欠ですよ? 東京を襲った巨大パンダを大砲で撃たなかったら、パンダは恋のキューピットになってくれませんでしたし」
「……相変わらず訳の分からん映画を見てんのねえ」
「結局、絹旗の趣味は理解不能って訳よ」
926 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:12:31.27 ID:lURsS44ro
「はあ? いつも変な味のサバの缶詰大量摂取してる変人には超言われたくないですね」
「何を言ってるのかなー、結局、サバ缶が最強の食べ物って訳よ。お子ちゃまにはわかんないかなー?」
「寝言は寝てから言ってください。何なら超グッスリ眠れるように手伝って上げましょうか?」
「……つーかさあ、浜面の野郎遅くね?」
「そういえば飲み物買いに行かせたっきり帰ってきませんね」
「結局は浜面は浜面って訳よ! ってアレ? 滝壺もいなくない?」
「……ほんとですね。さっきまでそこに居た気がしたんですが」
「…………」
「「「まさかアイツら!?」」」
―――
――
―
927 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:13:03.69 ID:lURsS44ro
―
――
―――
ヒュォーーーーーーーーーーーーーーンパパパパパパン!!!
「……綺麗だねはまづら」
「あ、そ、そうだな」
「はまづら……」ギュッ
「……えっ?」
(やばいやばいやばいやばい近い近い近い近い!!)
「…………」
「……ゴクリ」
928 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:14:01.29 ID:lURsS44ro
(こ、これはあれだよな? ロマンチックってヤツだよな?)
「……はまづら?」
(もうこれは行くしかねえのか? 男浜面、言っちまうしかねえのか!?)
「どうしたのはまづら?」
「た、滝壺ッ!!」
「何? はまづら」
929 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:14:28.73 ID:lURsS44ro
「お、お、俺は……」
「…………」
「お、俺は滝壺のことが―――」
「……東北から信号がきてる……」
「好k……えっ?」
バビュン!!
930 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:15:00.73 ID:lURsS44ro
「うわっ!? これって麦野の……」
<ハーマーヅーラー
「って、あ、あの、その……」
「スンマセンでしたァああああああああああああああああああああ!!」ダッ
「……あともう少しだったのに」ボソ
―――
――
―
931 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:15:40.12 ID:lURsS44ro
―
――
―――
パラランパララランパララランパララン!!!
「……ふつくしい」
「貴方はいつから某コーポレーションの社長になったのかしら?」
「いやー本当に美しい物を見ると、思わず心の中の言葉が漏れちまうんだよな」
「……きも」
「しかし花火みたいな激しい輝きもいいが、このイルミネーションの幻想的な光もまたいいよなぁ」
「貴方がそんなだからメルヘンチックな翼が生えてくるんじゃない?」
「は? 何言ってんだお前? あれは俺の意思関係なく出てくるって何度も言ってんじゃねえか」
932 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:16:15.24 ID:lURsS44ro
「無意識の内に『自分だけの現実』がメルヘン一色になった結果がその翼なんじゃない?」
「なん……だと……」
「…………」
「まあいいや。別にどうでもいいしよぉ、そんなこと」
「……どうでもいいのかよ」
「おっ、さっきのさっきの花火の美しさはすさまじかったな。心理定規、お前もそう思わねえか?」
「……そんなことよりさ」
「あん? そんなことって何だよそんなことって?」
「私のドレスはどう? 今日のために新調してきたのだけど? まだ貴方から感想とか聞いてなかったわ」
「……は?」
「……ど、どう?」
933 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:17:16.91 ID:lURsS44ro
「はぁ……何ガキが一丁前に背伸びしてんだ?」
「……なっ!?」
「大体ファッションってのには年相応のだな……あ?」
パチン
「痛たっ!? テメェ何しやがる!?」
「一生そこでメルヘンやってろエセホストが!!」ズンズン
「……え?」
「ああもしもし砂皿ね。今すぐこの馬鹿の脳天を狙撃してちょうだい……えっ? 無理? やれ今すぐ」
「……何怒ってんだアイツ?」
―――
――
―
934 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:18:21.09 ID:lURsS44ro
―
――
―――
ドドドドンドドドォオオン!!!! パラランパンパン!!!!
「ふふふ。こんな綺麗なイルミネーションや花火に囲まれて優雅にお茶を飲むのは乙なものよねぇー」
「そうですね。しかし女王。よくこんなところに来ようと思いましたね?」
「何でそう思うのぉ?」
「いえ、常盤台の女王である貴女が、こんなケダモノが蔓延る場所に来ようなどと……」
「別にぃー、たまにはいいじゃない。アナタだってここ乗り物に乗った時は結構ハシャイでいたじゃない♪」
「そ、そんな! あ、あれは別にハシャイでるわけじゃ……」
「ハイハイ……あっ、そこの店員さん? いちごショートもう一つお願いしたいのだけどぉ?」
935 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:18:56.97 ID:lURsS44ro
「女王! ダメです! 今日はイベントだからとかこつけて散々食べたじゃないですか!?」
「えー、いいじゃなぁい? 今日ぐらい別にぃ」
「ダメです。そう言った油断が危険だと何度言ったら――」
「……えい☆」ピッ
「…………」
「じゃあ今日もエクレア二〇個早食いタイムアタック行ってみましょう☆」
「……承りマシタ」テクテク
「がんばってねぇー♪」ノシ
「…………」
「じゃあ改めて店員さん? いちごショートもう一つお願いできるかしらぁ♪」
―――
――
―
936 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:19:26.78 ID:lURsS44ro
―
――
―――
ヒューパパパパンパパパパパンヒョオーーーーーーーーーンパパパン!!!!
「うわぁー、綺麗ですねー」
「いやー来れてよかったねー、まさか偶然買った予約パス四枚が最後のパスだなんてビックリしたね」
「でもその内の一枚は使われずに廃棄処分なのはもったいないですよねー」
「……あの類人猿が……よくもお姉さまを……本当だったら私が……」ブツブツ
「……まだ言ってるんですか白井さん? いい加減あきらめてパレードを楽しみましょうよ」
937 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:20:26.14 ID:lURsS44ro
「しかし御坂さんは例の上条さんとデートかー、青春だねー」
「何言ってるんですか佐天さん。まだ私たちだって花の中学生ですよ? そんなオバサン臭いこと言わないでくださいよ」
「なーにー? 言ったなー? うーいーはーるー!!」ガバッ
「ちょ、ちょっと止めてください佐天さん! こんな人がたくさん居る場所でー!」バッ
ざわ………ざわ………ざわ……ざわ……。
「ひゃ、ひゃー、みんな見てるじゃないですかー!」
「しかし御坂さんの告白成功すると良いなー」
「華麗にスルーしないでください! まあ、そうですね。御坂さんと上条さんが恋人同士になってくれれば白井さんの変態行動が少しでも自重されると思うので」
「認めませんの!! あの麗しきお姉さまがあんな腐れ類人猿て付き合うなんて、断じて認めませんの!!」
938 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:21:08.64 ID:lURsS44ro
「でも恋愛は個人の自由ですよ白井さん」
「ダメですの!! 何なら今からその告白を私が妨害しに―――」
ガコン!!
「へぶし」
「わっ、白井さんが謎の男に殴られた!?」
「ぐっ…ふふふ…貴方? この私が風紀委員と知っての狼藉ですの? って何で私がこんな不愉快な言葉遣いをしなければなりませんの?」
「知らん!!」
「「「!?」」」ビク
939 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:22:19.55 ID:lURsS44ro
「な、何ですの貴方!?」
「お前の事情なんてまったくもって知らねえ、だがな! 人の恋愛を妨害するなんざぁ根性が足りねえ!!」
「あ、貴方なんかに何がわかりますの!? 私がどれほどお姉さんのことを思ってきたか……」
「それがあんなパッと出の類人猿なんかに奪われる憎たらしさが!?」
「いや、白井さん。まだ奪われると決まったわけじゃ……」
「うるさいですの!」
「ふん! 怒りを他人にぶつけることでしか晴らすことができねえようだな。根性がねえ証拠だ!」
「黙りますの!! ふふふ、いいでしょう。私は今からお姉さまの告白を妨害するため、腐れ類人猿の後頭部にドロップキックを食らわせに行きますの!」
940 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:22:58.69 ID:lURsS44ro
「貴方がどこの誰だか知りませんが、ジャマするのなら容赦しませんの!」シャキーン
「ちょ、ちょっと白井さん止めましょ――」
「いいだろう」
「ってあなたも了承しないでください!」
「では、風紀委員白井黒子、貴方を倒しお姉さまのところへ参りますの……いざ!! クケケケケ!!」シュン
「人の恋路をジャマする根性の無いヤツはー、俺に殴られ根性付けろ!!」ゴゥ
ドカァアアアアアアアアアン!! シャバシュバドカァアアアアアアアアアン!!!
シュバシュババコバコドカドカバキィィィィィィィィィィィン!!!
「うわぁ、何か白井さんが変な人とドラゴンボール張りの戦闘を始めちゃいましたよ! どうしましょう佐天さん!?」
「いやー、青春だねー」
「もー、佐天さーん!!」
―――
――
―
941 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:23:25.34 ID:lURsS44ro
―
――
―――
ヒューーーーーンバンバンババババンバンバンババババンババババババン!!!!
「うっわぁー、派手だなこりゃー」
「…………」
「……? どうしたんだ御坂? 黙りこくっちまってよ」
「な、何でもないわよ!」
「ふーん、なら良いけどよ」
942 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:23:58.96 ID:lURsS44ro
「…………」
(ヤバいヤバいヤバいどうしようこれ!?)
「…………?」
(あれよね? これってあれよね? ロマンチックってヤツよね!?)
「……御坂?」
(せっかく高い金出して競り落とした予約パスを無駄にするわけにはいかないわよね?)
「おーい御坂さーん」
(これはもうこ、こ、こ、こ、告白するしかないわよね!?)
「おい返事しろよビリビリ」
「び、ビリビリ言うな!」ビリビリ
943 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:24:35.00 ID:lURsS44ro
「わっ、いきなり電撃出すなよ!」パキン
「えっ? あ、ああごめん」
「!?」
(み、御坂が謝っただと?)
「……ねえ」
(あ、ありえねえ。あのビリビリ中学生が謝るなんて)
「……? ちょ、ちょっとねえ?」
(まさかこれから何かが起きるのか?)
「ちょっと! アンタ! ねえ!!」
(もしかしてこれは不幸の前触―――)
「……無視すんなやゴォルァァあああああ!!」バチバチ
「って、おわぁー!? な、何だよ?」パキン
944 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:25:07.72 ID:lURsS44ro
「アンタが無視するからでしょうが!」
「……で、何だよ? 飲み物でも欲しいのか? なら買ってくるけど」
「ち、違うわよ! そ、そのあの……アンタに聞いてもらいたいことがあるのよ!!」
「はあ、何でしょうか御坂さん? そんな改まって」
「あ、あ、あ、あのね? じ、実は私ね」
「うん」
「あ、あ、あ、あ、あ、アンタのことがね?」
「……俺のことが? 何だよ」
945 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:25:53.52 ID:lURsS44ro
「…………」ゴクリ
「あ、あの、アンタのことがね!! 好―――」
ドカァアアアアアアアアアン!!
「―――きぃ!!」
「うわぁ! なんだあの爆発!? カラフルな煙だなーおい」
「…………」
「……で御坂。最後の方もう一回言ってくれない? アンタのことがす、ぐらいから聞こえなかったからよ」
「…………こんのぉ」プルプル
「今野?」
946 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:26:33.56 ID:lURsS44ro
「鈍感野郎ォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」バリバリバリ
バリバリバリバリバリバリバリバリバッシャーン!!
「ええええええええッ!! 何でええええええッ!?」シュタッ
「うるさい!! 死ね!! 死ね!! 死ね!! このバカァァああああああああッ!!」バリンバリンバリン
「理不尽だ!! 無茶苦茶だ!! だぁーもう……」
「不幸だァァああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」
―――
――
―
947 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:27:13.83 ID:lURsS44ro
ドカァアアアアアアアアアン!!
バリバリバリバリバリバリバリバリバッシャーン!!
打ち止め「……何だか周りが騒がしいね? ってミサカはミサカは周りのざわつきがちょっと気になってみたり」
一方通行「あァ? 花火上がってンだから当たり前だろ」
打ち止め「んーん、そういう騒がしいじゃなくてもっと違う何か……」
一方通行「別にいいだろ。パレードだからってバカどもが騒いでるだけだろ?」
打ち止め「……そういうものなのかなー、ってミサカはミサカは無理やり納得してみる」
948 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:28:30.66 ID:lURsS44ro
ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!
打ち止め「あっ! どうやら最後の連弾花火みたいだよ? ってミサカはミサカは今までにない数の閃光を見て期待を抱いてみたり」
一方通行「おーおー、すげェ数だな。百はあるんじゃねぇか?」
打ち止め「あっ、花火が爆発するよ!! ってミサカはミサカは背伸びして眺めてみたり」
949 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:29:46.70 ID:lURsS44ro
ドォンドドドドドドドドドドドドドドォン!!!!ドォンドドドドドン!!!!ババババンバババンバンドォオオオオン!!!!
打ち止め「……綺麗だね、ってミサカはミサカはあなたの手を握りながら呟いてみる」
一方通行「……あァ、そォだな」
打ち止め「……ミサカね。またここに来たい! ってミサカはミサカはあなたを上目遣いで見ながら頼み込んでみたり」
一方通行「……はァ。わかったわかった連れて行ってやるよ。いつでもな……」
打ち止め「ホント!? ってミサカはミサカは信じられないからもう一度聞き返してみる」
一方通行「あァ? ンなこと言うンなら連れて行ってやンねェぞ?」
打ち止め「うう、いじわる……」ウルウル
950 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:31:07.16 ID:lURsS44ro
一方通行「あァ……もォ、嘘だ嘘だ、連れて行ってやる! 絶対にだ」
打ち止め「わーいやったー引っ掛かったー!! 嘘泣きした甲斐があったぜ、ってミサカはミサカは持ってた目薬をポケットに隠しながら喜んでみたり」」
一方通行「なっ!? クソガキィ、嘘泣きだったのかこの野郎ォ!」
打ち止め「へへーん、もうあなたは連れて行くって言ったもんね!」
打ち止め「もうこの言葉はミサカネットワークに配信されたから全妹達が証人だもんね、ってミサカはミサカは勝ち誇りつつ精一杯のドヤ顔をしてみる」ドヤ
一方通行「……はァ、くっだらね」
結標「いやー、貴方達ってホント仲いいのねー」ニヤニヤ
951 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:31:46.70 ID:lURsS44ro
一方通行「あァ? オマエ居たのかよ?」
結標「なっ!? 失礼な。最初からずっといたわよ! 貴方達のいちゃいちゃをずっと眺めてたわよ!? ほんとごちそうさまでした!!」
打ち止め「たぶん全読者がアワキお姉ちゃんの存在を忘れてたと思うよ、ってミサカはミサカはメタ発言をしてみたり」
一方通行「そりゃァオマエアレだろ、ずっと空気と一体化してたモンなァ」
結標「……いつから私は空気キャラと化したのよ?」
一方通行「そンなの知るかよ」
結標「何か一方通行が冷たい!」
一方通行「気のせいだろ」
結標「気のせいではないわ。さっきまであんなに饒舌に喋っていたのに、今は言葉の文字数が少ない」
一方通行「何言ってンだオマエ?」
952 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:32:27.23 ID:lURsS44ro
打ち止め「あっ! 最後のフェニッシュの花火だよ! ってミサカはミサカは目をパッと開けてしっかりと見つめてみたり」
一方通行「やっと終わりか……」
結標「何かあっという間だったわね」
一方通行「まっ、こンなモンだろ花火なンて……」
打ち止め「たーーーーーまやーーーーーーーーーー!!」
953 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:33:07.17 ID:lURsS44ro
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954 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:33:38.94 ID:lURsS44ro
一方通行「バカみてェな三下を顔面パンチしたら記憶喪失になった」
〜おわり〜
955 :
◆ZS3MUpa49nlt
[saga]:2012/03/08(木) 17:34:53.96 ID:lURsS44ro
と言うわけでこれでこのスレは終わりですね
これまで見てくださったみなさん誠にありがとうございました
最後らへんはもう無理やり感がありましたがなんとか無事終える事ができました
こんなSSに付き合っていただいてありがたい限りです
土曜日くらいにHTML依頼を出すつもりなので
その間、何か意見・感想・質問などあればどうぞ申してください
またどこかで会いましょうではではノシ
956 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/08(木) 17:36:57.04 ID:pGoo7sSMo
乙!
957 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/08(木) 17:38:43.06 ID:VWqh/o2ho
おつ!
楽しかったぜ!
958 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/03/08(木) 17:43:45.96 ID:JOH+C+jr0
乙!
面白かった!
959 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 17:48:33.84 ID:iatKS66eo
お疲れ
960 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/08(木) 17:54:44.34 ID:X19uVBWAO
乙
>>607
>今回で、アニメでいう第一期が終わります
>明日からは伏線(というほどのものでもないが)を回収するためOVA的なものを投下しようと考えています
2期はあるよな? な?
961 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 18:05:14.69 ID:l45gPBSDO
いちゃらぶか…
ふぅ
あわきン空気だったなァ
962 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/03/08(木) 18:57:41.01 ID:bZZOXbST0
乙!
あわきんがイチャラブしてる通行止めに嫉妬するところを書いてくれるんでしょ?
963 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 19:05:28.05 ID:MDpgVvmyo
乙乙!!!
終わりとか寂しすぎるからまじでおま
2期に期待ですね^^
964 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 19:07:39.79 ID:MDpgVvmyo
乙乙!!!
終わりとか寂しすぎるからまじでおま
2期に期待ですね^^
965 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 21:06:49.58 ID:s0lrJrZDO
面白かった、ありがとう!
966 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/08(木) 21:43:56.27 ID:Y2ZFihyKo
なんかあわきんが居たことの意味があんまなかったような気がした乙
967 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 21:46:24.13 ID:7w/8o69ho
超乙でした
968 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 22:28:15.78 ID:KV3OfY+0o
んー、記憶喪失したのがあわきんなんだから、結標通行が良かったけど
おもしろかったよ乙
969 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 23:03:14.98 ID:L16RAprDO
最後の方で御坂妹と話してたの誰?
970 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 23:06:30.59 ID:YGXaVQfyo
俺
971 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/08(木) 23:28:24.44 ID:pGoo7sSMo
よしかわじゃないか
972 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/08(木) 23:46:39.12 ID:X19uVBWAO
芳川だな
妹も芳川もたしか同じコンビニで働いてたはず
上条さんはデートだしね
973 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 23:49:55.10 ID:VVUj1maJo
最高だった!!
974 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 23:50:12.39 ID:L16RAprDO
thks
975 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/09(金) 00:47:04.52 ID:myIGhGUTo
乙
梅
976 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/09(金) 09:44:34.58 ID:zydvF/bAO
早く2期を書く作業に戻るんだ
977 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/03/09(金) 10:36:03.53 ID:SFCbfUeOo
記憶喪失に関して話を終わらすまで私はずっと待ち続けるぞ!
いちおつだ!
978 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/16(金) 21:36:53.86 ID:xHcX2CUIO
うめ
979 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/03/17(土) 00:44:38.11 ID:a2FzrQTJo
うめ
980 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/17(土) 03:12:55.33 ID:aQ5XbjPIO
埋め
981 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/03/17(土) 03:14:35.64 ID:0CBmJ3C4o
埋めトラ三兄弟
982 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/17(土) 10:15:02.21 ID:T58k5Bmro
楳
983 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/17(土) 12:59:17.56 ID:EagI7igIO
うめ
984 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/17(土) 14:58:37.80 ID:6GmaurpZ0
結局これ二期ないの?
985 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/17(土) 15:13:31.14 ID:T58k5Bmro
自分
>>1
じゃないけど コレ↓
結標「何でコイツと同じクラスなのよ!?」 一方通行「それはコッチのセリフだ」
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1331555151/
986 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/17(土) 15:38:51.49 ID:IxMw+CoZ0
>>985
おおあったのかサンクス!
482.24 KB
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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