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フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 18:50:10.36 ID:7xBJ6s0AO



◆H0UG3c6kjA改め◆2/3UkhVg4u1Dです。





・右方のフィアンマさんが世界を救う為に(略)上条さんと仲良くなろうとするお話

・時間軸不明、原作1巻寸前の平行世界

・基本はほのぼの進行

・キャラ崩壊注意

>>1は(安価スレの割に)遅筆




※注意※
当スレのフィアンマさんは女の子です。
安価次第で著しく展開が変わります。
エログロ展開の可能性があります。
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▼ 萠龍会 ▼ @ 2020/06/06(土) 16:28:38.26 ID:inmiqiqd0
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穂乃果「雨があがったら」 @ 2020/06/06(土) 16:13:29.98 ID:C64DeSw80
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VIP落ちた @ 2020/06/06(土) 13:16:44.58 ID:b/JHwZ200
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【モバマス】恋はストロベリームーン @ 2020/06/06(土) 10:43:55.99 ID:hHwqlfVDO
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【イナズマイレブンGOクロノ・ストーン】天馬「皆ともっと仲良くなりたい」【安価】 @ 2020/06/06(土) 09:57:57.66 ID:eJzzjP+H0
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【リトバス】理樹「ストーカーに狙われるようになった」 @ 2020/06/06(土) 01:34:01.19 ID:3998YRn80
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【イナイレ安価】クロス・オリオン @ 2020/06/06(土) 00:14:53.35 ID:EA/3YXpu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1591370093/

月を見るたび思い出す @ 2020/06/05(金) 22:46:05.37 ID:2b6aeKr40
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 18:50:57.72 ID:064dRcaSO
スレたて乙。どうしたフィアンマさんww
3 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/11/22(木) 18:52:23.42 ID:UJap73Kb0

○右方のフィアンマ


一人称は『俺様』。

『神の右席』の『右方』『赤』『神の如き者』を司るローマ正教所属の魔術師。
『右方のフィアンマ』として扱う術式は『神の如き者』に関連した『聖なる右』など。
その身に『世界を救える程の力』を宿し、その特殊な才能や思考法を元に、『神の右席』の一人であるにも関わらず例外的に通常魔術と特殊術式を併用出来る、所謂天才。
自らの職業を示す赤い衣装と、ローマ正教式の修道服の一部(=黒いフードのみ)を身につけている。
その(ちぐはぐな)衣装が示すように、ローマ正教の修道女でもある。

"白馬の王子様"を割と本気で信じてしまっている系女子。
世界平和と人類皆平等について極限まで突き詰めて考えた結果、世界が歪んでいることに気がついた。
世界の歪みは自らの手で正さなければならない、という常軌を逸した考えから、ローマ教皇や他の右席メンバーからは『敬虔なのかねじ曲がった信仰心の持ち主なのかわからない』として眉をひそめられている。
優秀な魔術師だが、人が傷つく・殺害するのは苦手。同情的で涙もろい気質。
しかし、(世界を救う・身を守る為にどうしても)必要とあらば容赦はしない。

料理上手。ただし、和食は上手く作れない。
肝心なところで詰めが甘かったり微妙に失敗したりするドジっ娘。
頭は悪くないのだが、日常生活において、やや常識が欠けている。所謂世間知らず。
とある"理由"から、情緒不安定。その"理由"に、世界を救わなければならないという妄執にも似た義務感が付随している。

神の右席内で最年少の16歳。
身長に栄養分諸々を取られた為か、胸が無い(=AAサイズ。本人は時折気にしている)。
赤い髪をセミロング程度に伸ばしている。
色白で細く、美人系寄りの可愛らしい顔立ちをしている。


彼氏居ない歴=年齢。
友達居ない歴=年齢。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/22(木) 18:52:24.62 ID:7xBJ6s0AO
+
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 18:52:32.01 ID:xYyn9Jql0
どうしたフィアンマさん!
6 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/11/22(木) 18:53:33.19 ID:UJap73Kb0

○上条当麻


一人称は『俺』。

ありとあらゆる異能の力を破壊・消滅させる『幻想殺し』の右手を持つ学園都市に住む男子高校生。
本作ではインデックスと出会わない為、記憶は消えず、過去の記憶から人間不信気味。
神聖にして異能を消し去るその右手の副作用のせいかどうかは不明だが、とことん不運。
右手が異能の力を消すことと幸運が消えることとを関連付けて解釈しているので、自分の右手を億劫に思っている。
一般的な男子高校生らしい感性をしている少年。
正義感はそれなりに強いが、基本的に厄介・面倒事を嫌う。
ただし、お人好しな面があるので、一度気を許す(=自分のテリトリーに入れる)とどこまでも優しくする。
そのせいで何度か裏切られたことがあるので、現在はどんな人間に対しても半信半疑。


可愛い女の子と運命の出会いを果たしたい系男子。
女性にモテる傾向にあり、しかしそのことに気がつけない為、親友からは『上条属性の女子が沢山居る』と揶揄混じりな注意を受けている。
が、彼は未だに(自分がモテているとは)信じていない。
髪をツンツンに立たせているのは、少しでも女の子にモテたい為。
尚、年下は恋愛的に対象範囲外。
肝心なところで鈍感なので、自分の恋愛事には疎い。

人が傷つく姿はなるべく見たくない性格。
とはいえ、自分と自分の周囲の大切な人を傷つけるものには容赦しない。
フィアンマとはまた違う形の歪んだ思想を抱きつつ日々を過ごしており、自らを『偽善使い(フォックスワード)』などと自嘲する。
完全なお人好しではなく、完全な人嫌いでもない、そこに関してはとても人間らしい少年。
自分のせいで周囲が不幸になっている、と思い込んでいる節がある。
その為、自分の身体、特に右手を触ろうとする友好的な相手には必ず警告する。
また、人助けに積極的であるのも、その劣等感から。

所謂早年生まれで、15歳(高校一年生)。
平均とはいえ、周囲とやや差のある身長の低さを時折気にしている。
黒い短髪をワックスでツンツンに立たせている。
適度に日焼けをした、健康的な容姿。


彼女居ない歴=年齢。
友達居ない歴=0年。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/22(木) 18:53:34.51 ID:7xBJ6s0AO
+
8 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 18:54:33.26 ID:UJap73Kb0

世界を救わなければならない。
最終段階に入った。
これまでに払ってきた決して少なくはない犠牲を無駄にしない為にも、必ず成功させなければならない。

フィアンマ「……」

右方のフィアンマは、自らにそう言い聞かせていた。
特別な右手を持っている自分にはその権利があり、義務がある。
本来、彼女はその為に幾つもの悲劇の下地を作り、沢山の人間を傷付け、戦争を起こす筈だった。

が。


フィアンマ(平和を築く為に戦争を起こすのは本末転倒じゃないか…?)

考え直していた。
尊大な口調とはうらはらに、彼女はいたく臆病な性格をしていた。
別の言い方をすると、平和的で優しいというべきか。
とかく、他人の痛がる顔が嫌いなのである。


大天使の素体はロシアに居る。
知識の宝庫はイギリスに居る。
幻想殺しは日本に居る。


その内2人は宗教組織にそれぞれ頑丈に守られているだろうから、今はまだ手を出しにくい。
となれば、先にこの右手を完成させるべきか。

フィアンマ(切り取…、…う)

痛いだろうな、可哀想に、と思い涙目になりながら、考える。
合法的に、納得した上で、あらかじめこう、麻酔をかけて切断してもらうだとか、そういった方法で譲ってもらいたい。

フィアンマ(…友好関係を築くしかないか)

暴力による略奪では、後々面倒事に発展し易い。
何より、なるべく暴力は振るいたくない。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/22(木) 18:54:34.42 ID:7xBJ6s0AO
+
10 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 18:55:06.08 ID:UJap73Kb0

そんな訳で、右方のフィアンマは学園都市へ侵入した訳である。
部下を使うという手もあったが、自分の思い通りの事を進めるには、やはり自分が直接出向くのが一番だ。

そして。

フィアンマ「……」


道に、迷った。
辺りを見回す。
現在地が何処かすら、さっぱりわからない。
上条当麻の容姿は、調べたので知っている。
つまり、あの少年さえ見つかれば、道がわからずとも問題は無い。

フィアンマ(…そのはずだ)

不安を誤魔化しながら、フィアンマはてくてくと歩く。

少し移動し、高い場所から辺りを見回すと、住宅の中、偶々カーテンの開いていた窓越しに、上条当麻を発見した。
接触して、何と話しかけよう。
考えていると、足が滑り。

フィアンマ「…、」

落下した。
幸運にも、上条宅のベランダに引っかかった事で死亡や負傷(を防ぐ為の魔力消費)は免れた。
強打した腹部が痛い。
どうして肝心な場面で妙に失敗してしまうのか、と非常に情けない気分になりながら打ちひしがれていると、窓が開いた。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/22(木) 18:55:07.01 ID:7xBJ6s0AO
+
12 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 19:01:48.96 ID:7xBJ6s0AO



上条当麻は、授業の遅れ相殺用課題をぐだぐだとやっていた。
太陽光で暖まりながら取り組もうと、珍しくカーテンを開けっ放しで。

上条「昼飯何食おっかなー…」

何食べよう、というよりも、何作ろう、といったニュアンスで。
呟きを漏らし、上条はシャープペンシルをテーブルに置いた。
煮物を作るなら、今から仕込んで晩御飯に頂くのがベストだ。煮物作ろう。
というのはただの大義名分で、この課題からの一時逃避(キュウケイ)をしたかっただけだったりするのだが。

そういった訳で立ち上がった上条は窓の外、ベランダの手すりに落下してきた奇妙なものを目撃した。
明らかに人間の形をしていた。そんなシルエットだったように思う。

上条「…え? は? えっ?」

窓越しにしっかりと見てみる。
とても中性的だが、恐らくは女の子。
フードから察するに、シスターだろうか。
訳もわからぬままに、とりあえずは暴漢ではないだろうという判断を下し、上条は窓を開けた。

フィアンマ「…っ、」

上条「…結構な勢いで落ちたみたいだけど、どっか痛めてないか?」

ひとまずは、心配の言葉。
かけられ、フィアンマは顔を上げた。
視線がかちり合う。
そうやら優しい少年のようだ。
弱者アピールをすれば、友好関係を築く取っ掛かりになるかもしれない。
何か言葉を返さなければ。そう思い、口を開いた。

フィアンマ「…ぁ…、…>>14



《補足事項


※安価の連続取得・連投行為はご自由に(良識の範囲内で)

※どうしても捌けない場合はコンマにしたり安価下で適宜対応していきます。

フィアンマちゃんはこんな感じの子です
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 19:03:04.94 ID:064dRcaSO
indexさんやー!!

何歳くらいなんだ……?
Ksk
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 19:03:06.97 ID:xYyn9Jql0
わざわざ作ったのかwwwwww

ksk
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 19:05:59.53 ID:064dRcaSO
って、16才か。紹介が所どころSSのネタなのね


安価なら、


お、お腹うった………
16 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 19:16:56.64 ID:UJap73Kb0
>>14様 >>1の本気がこれで終わりかけました >>15様 普通に書いていたのですが今まで書いてきたもの達と一致してる部分あるかもしれません、だいぶ》



フィアンマ「…ぁ…、…お、お腹うった………」

とはいっても、実際には強者。
弱者アピールとはいっても、男性の庇護欲を掻き立てるようなか弱い系ヒロインの文句など咄嗟には浮かばない。
ひとまず事実を述べ、本当に地味に痛む腹部の感覚へ、がくりと項垂れる。
上条はしばらく迷った結果フィアンマを可哀想だと思ったのか、苦く笑って受け入れた。
彼女の手を引いて家に招き入れ、窓とカーテンを閉める。

上条「あー…痛そうだな。冷やすか? っていっても、腹だしな…無闇に冷やすと今度は胃腸痛くしそうだよな」

鎮痛剤という便利な代物は見つからず。
冷やすのとは正反対にこれで良いか、と上条はカイロを差し出した。
去年の冬の残りである。つい買ったはいいものの、何だかんだで冬を乗り切ってしまった以上、宝(と言う程のものでもない)の持ち腐れであったから。
差し出されたカイロを手に、フィアンマは首を傾げる。
科学サイドに対しては銃器等の知識はある。あるのだが、こういった日常生活用のものまでは、わからない。

フィアンマ「……、」

しゃかしゃか。
振ってみると砂のような音がしたが、特に変化は見られない。
そもそも開封しなければ何の意味も無いのである。
ビニール袋の中にある未開封のカイロなど、ただの鉄粉だ。

上条「…も、もしかして使い方わかんないのか?」

まさかそんな訳はないだろうといったイントネーション。

フィアンマ「…、……」

わからない。
が、ここで頼ってしまってもいいものか。
あまり迷惑をかけると友好関係を築く以前に面倒な人間だと嫌われるのではないか。
色々と思考が渦巻き、フィアンマは口ごもる。
助け舟を出すべきか、と上条は言葉に悩んだ。

上条「…>>18
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/11/22(木) 19:20:01.62 ID:zEW6X2ki0
ksk
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 19:21:59.20 ID:j9xZ8aqj0
…ちょっと貸してくれ
19 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 19:38:45.47 ID:UJap73Kb0

上条「……ちょっと貸してくれ」

フィアンマ「……」 

す、と差し出されたカイロを受け取り、上条はぴりぴりと開封する。
そしてゴミとなったビニールを捨て、中身であるカイロを破かない程度にぐしぐしと揉み込んだ。
もしかすると日本以外にカイロは無いのかも、と思うことにしたのである。
使ったことがなければ、わからないものだ。否、普通は察しがつくものだが。
揉み込む内に程よく温まったカイロを返され、フィアンマは温かいそれを不思議そうに触る。
子猫が毛糸玉へ戯れるような、ややおっかなびっくりとした様子。
やはりカイロ自体を使用したことが無いのだと解釈し、それならば仕方無いかと穏やかな気持ちで受け入れた上条だったが。
そもそも何をどうしたら少女が、まして修道女と思われる子が、こんな科学最先端ど真ん中の学園都市で高いところから落ちてくるというのか。

上条「…ところで、何で落ちてきたんだ?」

フィアンマ「…足を滑らせたんだ」

上条「いや、それはわかるけどさ」

足を滑らせた。落ちた。ギリギリベランダに引っかかって事なきを得た。しかし腹部強打で痛い。
そこの辺りの話は、わざわざ聞かずともわかっているのだ。
問題は、それ以前のお話である。

上条「あんな高さから落ちてきたって事はさ、つまり、屋根とか歩いてた訳だろ?」

フィアンマ「…そうだな」

上条「その辺りの話」

フィアンマ「…、追われている」

上条「…追われて?」

適当な言い訳を捜した結果が、『追われている』。
こんな細いだけの少女が追われる必要が何処にあるのだろう、と上条は首を傾げる。
こう、凶悪面であったり、並々ならぬ雰囲気だったり、そうであれば犯罪者だとか、そういった理由で追われていても、おかしくないのだが。

上条「誰に追われてるんだ?」

フィアンマ「…>>21
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 19:51:05.43 ID:vQYdduTb0
さぁ安価スレ大好きなSO!
安価を取るが良い!
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 19:57:13.58 ID:RtlKXdHIO
SOは何処にでも湧くからなwwww
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 19:59:05.52 ID:vQYdduTb0
>>21

安価を取るつもりがないけどもコメントしたいときは
kskstを入れよう!
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 20:16:27.35 ID:pxrbXRl80
怖い人
24 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 20:24:02.17 ID:UJap73Kb0
>>12により安価下》


フィアンマ「…怖い人」

上条「…怖い人?」

あまりにも抽象的な答えに、上条は頭を悩ませる。
前述の犯罪者に対しての偏見に関してはまったく気付いていないようだ。
ヤのつく職業、だとか。ものすごく怖いあの先生、だとか。
上条の脳内に浮かぶのはそれくらいなもの。

上条「んー…その怖いっていう種類はわかんねーけど…警備員に言った方が、」

フィアンマ「警備員は頼れない」

上条「……」

とはいっても。
一介の男子高校生は、こんな状況にどうすればいいかわらず。
腹部をカイロで温め、だいぶ調子を取り戻したフィアンマは、そんな困った様子の上条へ、おずおずと切り出した。

フィアンマ「…か、…匿って、もらえないだろうか」

一般人にあからさまな嘘をついていることによる多大な罪悪感に声を震わせ、彼女は言う。
幸いというべきか、上条の目には、彼女がその『怖い人』とやらにとてつもなく怯えているのだと映った。
そうはいっても、ペットとは訳が違う。
人を匿うというのは、とても体力を使うことと聞いている。

上条「うーん…」

フィアンマ「…頼れる相手が居ないんだ」

断られませんように。
仲良くなって、右手を譲ってくださいと言えますように。
どうか平穏に、思うがままに事が進みますように。

そんなことを神に祈りながら、フィアンマは上条の表情を窺う。
人間不信気味で、不思議なお人好しである少年の、顔を。

上条「……>>26
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 20:26:54.05 ID:yScgqMhqo
それは、ゆっくり考えるとして
とりあえず、なんか食べるか?
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 20:42:19.92 ID:pxrbXRl80
家事手伝いはしてくださる?
27 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 20:51:07.71 ID:UJap73Kb0

上条「……家事手伝いはしてくださる?」

フィアンマ「…和食以外の料理であれば作れる。掃除も得意な方に入る、……洗濯は…洗濯機が、よくわからんが」

上条「つまり、大体の家事は出来るんだな?」

フィアンマ「出来るつもりだ。…それに、手伝う」

こくこくと何度も頷いて、フィアンマはそう肯定した。
快い返事に対し、家事をしてくれるのならしばらく、短い期間だけでも置いておいてあげようか、と考え。
上条はまた少し悩み、彼女を見つめる。

上条「…ちょっとフード脱いでもらっていいか?」

フィアンマ「?」

きょとんとしながら、フードを外す。
これは霊装で無い為、脱いでしまっても何の問題も無いのだ。
セミロングの真っ直ぐな赤い髪。明るい、金色の瞳。目鼻立ちはよく整っている。
少し、いや、だいぶ打算的だったが、この可愛い顔が見られて家事もしてくれるのなら良いか、と上条は考えた。
見た目で判断するのは人間として良くない行いではあるが、彼は男子高校生である。
得体の知れない女の子と住むのなら、どうせなら、美人の方が良い。

フィアンマ「…、…もう被っても良いか」

上条「あぁ、うん。ごめんな」

顔を見せるのが好かないのか、落ち着かないのか。
フードを被り直した彼女の温まった腹部から、くきゅるるという音が聞こえた。
立派な腹の虫の鳴き声である。

上条「………」

フィアンマ「……、…」

上条「…」

フィアンマ「……。…お構いなく」

覚えたてのように、ぎこちない日本語でそう言った彼女に、上条は小さく笑った。

上条「>>29
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 20:54:17.73 ID:064dRcaSO
沸くとか地味に傷つくぜ…安価↓
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 20:57:37.77 ID:pxrbXRl80
インスタントラーメンで良いか?
ちょっと待っててくれ
30 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 21:14:02.18 ID:UJap73Kb0

上条「インスタントラーメンで良いか? ちょっと待っててくれ」

煮物では遅すぎる。
かといってすぐ作れるようなレパートリーは浮かばない。
カップ麺は無かったが、幸いにもインスタントラーメン(袋)を常備してあったことが功を奏した。
空腹の為、インスタントナントカ? と首を傾げつつも、フィアンマは制止せずに大人しく待った。
ほどなくして。
アミノ酸によって演出された良い匂いが、台所から流れ、やがて部屋を侵食する。
ラーメンということは中華料理だろうか、と首を傾げ、しばし待つ。
十分と経たずに、上条は箸を突っ込んだラーメン丼を手に戻ってきた。
その中には塩味のインスタントラーメン(調理済)が入っている。

上条「はいどーぞ」

フィアンマ「…、……」

自分の思っていたものと少し、いや、だいぶ差異がある。
インスタントラーメンどころかインスタント食品を食べたことが無いフィアンマは、非常に戸惑いながら箸を触る。
箸の持ち方はわかっている。
上条に見守られる中食欲のそそられるままに、ずるずると啜った。

上条(インスタントラーメンも食ったことねえのかな。…もしかして、修道女っていうより、お嬢様…とか?)

フィアンマは、やyしょっぱい味の感想を、口の中で呟く。

フィアンマ(…>>32
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 21:26:40.57 ID:pxrbXRl80
おいしい…ポロポロ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 21:34:49.55 ID:t5OQA+fl0
珍味ですねえ
33 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 21:49:13.31 ID:UJap73Kb0

フィアンマ(…珍味ですねえ)

食べ物と認識するのは良いが、料理として認識するには少々特殊な味。
違和感のある味に不思議がりながらも食べ進め、スープを残して食べ終える。

フィアンマ「…あ」

そういえば食前の祈りをしていなかった、と思い出し。
慌てて祈る様子に、天然なんだろうかと感じながら、上条は器を片付ける。
ひとまず空腹を満たすことには成功し、フィアンマはさてどう話をしたものかと悩んだ。
自慢ではない、むしろ自虐になるが、彼女には友人というものが無い。
テッラやアックアとはまあまあ友好的な関係を築けているが、彼等は同僚であり。友人とカウントしてはならない。
どうすれば友人が出来るか、彼女は詳しく無い。むしろ、教えて欲しい側である。
スキンシップをとるべきか。しかし、日本人はスキンシップが苦手だったような。

フィアンマ「……」

上条「ん…」

器を洗って片付け、上条が戻ってきた。
課題の続きをしようか、とシャープペンシルに手をかける。
充分休憩はとったので、煮物を作る気が削がれたのだ。
対して、やることの無いフィアンマは上条の手元を見つめる。

上条「……」

かりかり、という筆記音が響いた。





フィアンマはどうする?>>+2
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/22(木) 21:50:26.08 ID:pxrbXRl80
おっかなびっくりしながら上条さんの髪の毛触る
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/22(木) 21:53:06.61 ID:RtlKXdHIO
SOは安価とることに命かけてるもんな
気持ち悪いぐらい安価スレにいるから言われるんだよ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2012/11/22(木) 23:13:27.39 ID:828Hi3Nbo
上条さんにもたれ掛かって寝る
37 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/22(木) 23:27:40.89 ID:UJap73Kb0
>>12により安価下》


しばらく見続けていたのだが、高校生用の数学の式など、見ていてもつまらないもので。
かりかりかり、という規則正しい音に耳を傾けていれば、退屈も相まって自然と眠気が募る。
ましてや、迷子になったり、しくじって落下したり、疲れていたのだ。
疲れがその眠気を後押しし、うつらうつらとしている内にとうとう耐え切れず、フィアンマは眠りに就いた。
ぽふ、と頭を上条の肩にもたれ、器用にも、座ったままで。

上条「…って、あれ」

やりかけだった課題がようやく片付き、彼が意識を日常へ向け直した時。
フィアンマは、上条の前にも関わらずすやすやと熟睡していた。

上条(…寝ちゃったのか)

寝顔はどんな人間でも可愛いと言われるが、顔立ちが整っていれば可愛さも増す。
今日初めて会った不審人物で、得体も、身元も知れないのに、上条は警戒することなく、毛布を彼女の体にかけた。
毛布で身体をくるまれ、その暖かさに心地よさを覚えているのか、寝顔が和む。
そんな様子を見つつ静かに課題とペン入れ達を片付け、上条はほっと一息ついた。

フィアンマ「…ん…」

上条「……」

眠ったままに。
何かを、フィアンマは手探る。
そして上条の右手を引き当てると、毛布の中に引き込んで握った。
細い指。けれど、柔らかで白い指。女の子の、男性とは違う、小さな手だ。

上条「……ん゛、…んっんー」

異性と手を繋いだ経験などほとんど無い(あるにしても、本当に本当に幼い頃の、記憶があやふやな頃の話だ)上条は、緊張に固まる。
視線の先を不可解な方向へとズラす。

よりにもよって、『右手』。これでは、彼女を不幸にするのではないか。
そんな懸念が渦巻く中、しかし、彼女を揺さぶり起こしてまで拒絶することか、と悩む。





上条はどうする?>>+2
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/22(木) 23:46:03.16 ID:HHDM8kNMo
そのまま寝顔を見てる
そのうち寝ちゃう
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 00:02:19.86 ID:pgEQuOiSO
しっかり握って、そのまま進める
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 00:05:48.94 ID:ueGv1onIO
>>39
安価スレに湧くゴキブリSOという名前をあげるよ
41 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/23(金) 00:41:07.44 ID:38eIgxhZ0

そこまでする必要は無いだろう。
上条は、そう思う。そもそも、怖い誰かから追われている(ということを素直に信じるのであれば)彼女は既に不幸だ。
きっと、自分に触ったところで、不幸度は変化無いに違い無い。そう、思いたい。
どうせ自分は生きているだけで周囲に不幸を振りまいてしまうのだから、その辺りは気にしなくたって、いいんじゃないか。
そんな、沢山の理由を自分に並べ立てたのは、久しぶりに、親以外に触れたこの感覚が、心地良いからだろうか。
思い出したように、左手で鞄から英語の問題集を引っ張り出す。課題には入っていないが、時には自習するのも悪く無い。

上条(…気を、許しちゃ駄目だ)

自分のせいで怪我をさせたくない。
そして、お前のせいで怪我をしたと言われたくない。
誰も不幸にしたくない。
でも、今、この瞬間だけは、心地良さに甘えても、良いのではないだろうか。
だって、彼女から握ってきたんだから。
そう、誰にともなく言い訳を重ね、左手でペンを握り直す。
かりかり、と答えを綴った。合っているか間違っているか、解答と示し合わすのは、億劫だった。

上条(…駄目だって、わかってんだけど、な……)

心中で呟く。
いけないとわかっているのに、それでも気を許しそうになるのは、どうしてだろう。理由がわからない。
多分、心を遠ざける前に近づかれてしまったからだろう、と少年は予想する。冷静に分析する。

フィアンマ「…すぅ…」

上条「…知らない男の肩に頭もたれて寝るってのはちょっとばかし警戒心足りないんじゃないですかね」

独り言をぼやきながら、上条は出来上がった問題集を片付ける。
そろそろ陽が暮れてきた。夕飯を作ろうかと、悩む。





その頃。
聖ピエトロ大聖堂内では、一人の傭兵と一人の教皇が向かい合っていた。
端的に言えば、片方が片方に、指示を下している。

アックア「命令とは何であるか」

教皇「右方のフィアンマの捜索、及び帰還促進を頼みたい」

アックア「…了解するが。…何故である」

珍しく異議を唱えるのは、フィアンマを自由にさせたいと思っているからか。
後方のアックアにしては珍しく雄弁気味だった。

教皇「理由か。…>>43
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 00:47:33.60 ID:pgEQuOiSO
Ksk
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 00:54:24.19 ID:ueGv1onIO
ゴキブリSO=ID:pgEQuOiSO
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 01:09:29.92 ID:pgEQuOiSO
あの娘の頭の中にあるアカシックレコードの鍵を他組織に使われないため
45 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/23(金) 01:44:11.39 ID:zWL0kSwc0
>>12により安価下》


教皇「理由か。…あの娘の頭の中にあるアカシックレコードの鍵を他組織に使われないためだ」

アックア「…『虚空年代記(アカシックレコード)』?」

教皇「鍵、といえばいいのか。本体といえば良いのか」

説明が難しい、といった様子。
アックアは、思わず聞き返した。

アカシックレコード。

別名をアカシャ年代記ともする『それ』は、人類の魂の活動の記録の概念。
アーカーシャに映る業(カルマ)の投影像。
十字教的に解釈するのであれば、最期の審判を行う為に必要な、それぞれの人間の罪状や善行、人格―――魂の全てを余さず記したモノ。
一般に話題に上るものは、暗黙的に、様々な問いかけに回答するエドガー・ケイシーのものを指しており、用語の影響力の及ぶ範囲では神智学上に定義されたものでもある。
ありとあらゆる預言と奇跡、成功をその者に授ける『原典』の名に、それがある。

『虚空年代記』。

その禁忌にも等しい内容故に遠く昔に破棄されたと聞いていたのだが…どうやら、真実は違うようだ。
かの『禁書目録』にさえ記されていない、人の、命の尊厳を冒し脅かす恐れさえある、『原典』。
先代教皇が右方のフィアンマ、その『中身』たる心優しい彼女にこそ託そうと、授けたもの。
それが、彼女をいつまででも『右方のフィアンマ』へ縛り付ける。
『神の右席』に見合わぬ優しさと弱さは、彼女がそのような器ではなかったから。
力なき者に無理やり刃を持たせ、戦場へと突き出す。そして、撤退を許さない。
何と非情で残酷なことだろうか、と。ウィリアム=オルウェルは、思う。

教皇「…『原典』によって生かされている以上、多少の傷は傷害には、ならないだろう」

アックア「……、」

『アックア。…怪我を、しているのか。…傷は、…深く無いようだが、一応手当をしておけ』
『…教皇さん。休憩を取らないと倒れることになるぞ』

教皇「…早急に」

教皇の表情は、険しかった。
組織的な理由もあるが、フィアンマに苦しんで欲しくないと、そう個人的に思うのも、また事実。
後方のアックアは、現教皇もまた心苦しい決断をしているのだと感じ、無言のままに背を向ける。
場所は、捜せばすぐに視える。




一方。
上条家は、夕飯の支度中である。
忍び寄る不穏な雰囲気を察知することも無く、伸びやかに、穏やかに。

フィアンマ「…ところで、何を作っているんだ?」

上条「>>47
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 01:45:56.25 ID:pgEQuOiSO
Kskしよい
47 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/11/23(金) 02:05:43.56 ID:zWL0kSwc0

《今日は寝ます。明日(=今日)は多分昼過ぎ(二時位?)に来ます。
お疲れ様でした》
48 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/11/23(金) 02:06:37.48 ID:rBI7vdrAO

《安価下でお願いします》
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 02:07:15.77 ID:pgEQuOiSO
乙安価↓
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/11/23(金) 03:04:29.49 ID:6l701/V20
カレーライス
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/23(金) 08:50:29.96 ID:AAZzvyRmo
乙でした
52 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/23(金) 13:43:35.68 ID:bELzBI1r0
>>30 ×やy ○やや》


上条「カレーライス」

フィアンマ「…ヨーグルトを入れても良いものなのか?」

上条「隠し味ですのことよ。お前は違うのか?」

それぞれの家の味が出る料理。それが、カレー。
なので違いがあっても仕方無いのだが、どうやら彼女の作るそれはだいぶ違うようだった。

フィアンマ「そもそもこの固形の妙なものは入れんな。スパイスの調合から始めるものではないのか」

上条「えええ…本格的過ぎるだろ」

固形の妙なもの、とは即ち、先ほど上条が使用したカレールー(中辛)である。
外国にはやっぱり無いのかな、とカイロと同じく感謝しながら、上条は思い出したように問いかけた。

上条「そういえば、名前聞いてなかったな。俺は上条当麻。上条が苗字。お前は?」

フィアンマ「…俺様は、…>>54
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 14:16:19.28 ID:pgEQuOiSO
クラウディア・ブゾーニ(Claudia・Busoni)
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/23(金) 14:28:33.79 ID:52us42md0
フェリーチェ=ミカエリス
55 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/23(金) 14:49:17.41 ID:bELzBI1r0

フィアンマ「…俺様は、…フェリーチェ=ミカエリス。ミカエリスが苗字だ」

フェリーチェは、男性名。フェリーチャが女性名だ。
ミカエリスという苗字はあり得るかもしれないが、名に関しては嘘である。
そもそも孤児だった彼女に正確な名前など無いのかもしれないが。
イタリア語に詳しくない上条は偽名と勘ぐるでもなく、そのままそれが名前なのだと感じ、頷いた。

上条「じゃあ、フェリーチェが名前なんだな」

フィアンマ「そうだ。…どちらで呼んでくれても構わん」

上条「…んー」

クラスメートの女子のことは、皆苗字で呼んでいる。
しかし、これから同居する仲なのだから、苗字ではよそよそしいような。

上条「名前でいいか? 俺のことも、名前で呼んでくれていいからさ」

フィアンマ「……当麻?」

上条「そうそう」

フィアンマ「…当麻、か」

噛み締めるように、名前を呟く。
事務的で無い関係。友人と呼べるかはまだ曖昧だが。
勿論、フィアンマは上条の右手を回収する為に此処へやって来たのだが、やっぱり個人的な私情を挟んでしまうもので。
そもそも『世界を救う』というのは彼女だけの思想・発想ではないのだから、仕方のないことだ。

上条「…と、そろそろいいかな」

火を止め、炊き上がって久しい、蒸らし済みのご飯を器によそう。
蜂蜜は入れないのだろうかとちょっぴり残念に思いながら、フィアンマはスプーン等を用意する。
ちなみに彼女は調理中に『このルーには既に蜂蜜成分があるんだよ』と説明されたが、奇怪な固形物という評価を覆しはしなかった。

上条「はい召し上がれ」

フィアンマ「父よ、あなたの慈しみに感謝してこの食事をいただきます…」

十字教徒らしいお祈りに面倒臭そうだなという印象を覚えながら、上条はただ一言『いただきます』と手を合わせた。
彼は、『自分が不幸の根源である』というその思想を除くと和やかな状況を好む少年である。
だから、こうして誰かと食卓を囲むのは、楽しいと思えた。

上条「辛かったか?」

中辛であったことを思い出し。
ぱくりと一口口に含んだきり何故だか固まったフィアンマに、上条は問いかける。

フィアンマ「>>57
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 14:50:38.40 ID:pgEQuOiSO
Kskしよい
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 14:54:21.44 ID:O0Pzz7tDO
私にはまだ辛いな…ハチミツかけよう
58 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/23(金) 15:08:55.12 ID:bELzBI1r0

フィアンマ「俺様にはまだ辛いな…ハチミツかけよう」

口の中がヒートアップしている。
地獄の業火を思い浮かべながら、フィアンマは蜂蜜シロップを手にとった。
完全な蜂蜜はどうしても価格が高くなってしまう為、液糖の混じったものを買っておいたのである。
一応かけて良いかと上条に許可を取った後にきゅっきゅと蓋を緩め、とろとろとした中身をカレーにかけていく。
上条が今回用いたルーは林檎と蜂蜜が入っており、甘めであることで有名なのだが、我慢出来なかったようだ。

上条(今度は甘口で作ってあげようかな…)

一度懐に入れてしまえば。
一度警戒心を解かれてしまえば、上条はどこまでも人を信用する。優しくする。
多量のシロップをかけて辛さの相殺されたベタ甘カレーを食べ、幸せそうな笑顔を見せる彼女を見て。
上条はそんなことを思いながらシロップの容れ物を冷蔵庫に片付け、食事を進めるのだった。

食事を終え。入浴を終え。歯磨き(上条の買い置きの新品歯ブラシを拝借した)を終え。
魔術的にとある空間から取り出した着替え(とはいっても下着の着替えだが)と元の服を身に付け、フィアンマは何処で寝かせてもらおうか悩んでいた。
ちなみに上条は取り出した瞬間を見ていないので、逃亡生活用に何処かにしまっておいたのだろうと推測している。
そんな、寝床に悩む彼女を尻目に、上条は風呂場の換気を始めた。

フィアンマ「そんなに直ぐに換気をする必要があるのか?」

上条「カビとかはそうそう生えないし心配は無いんだけど、流石に水で濡れるところに布団は引けないからな」

フィアンマ「…布団?」

上条「俺のベッド使っていいぞ。あんまり綺麗じゃないけど、掃除はしたから」

フィアンマ「…いや、俺様が風呂場で寝る」

上条「女の子をそんな寒々しいところで寝かせる程、俺は鬼畜じゃないんです」

だから気にするな、と言葉を付け加え、上条は換気が終わるのを待つ。
対して、フィアンマは困った後、思うままに言葉を返した。

フィアンマ「……一緒に寝るのでは、駄目なのか?」

上条「え」

フィアンマ「…俺様は胸が無い。だから、…所謂"当たる"…劣情を催させる恐れが無い。男が隣に寝ていると思えば…」

うまく言葉を繋げられず、困った声音での誘いに、上条は口ごもる。

上条「いやー、でも…」

上条(見たところ俺と同い年かちょっと年上だしな…すっごい子供とならともかく、同年代の女の子とベッドを共にしていいものか…?)

抜けがけやでカミやん、と何処かで聞こえた気がした。
勿論、"そういう"誘いではないこと位わかっている。添い寝というやつだろう。

上条「…>>60
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 15:10:08.73 ID:pgEQuOiSO
まぁいいや
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 15:36:47.53 ID:pgEQuOiSO
じゃあ一緒に寝よう。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 15:54:24.07 ID:ueGv1onIO
ゴキブリSOはニートなのか?
62 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/23(金) 16:14:22.15 ID:mkjd1myl0

上条「…じゃあ一緒に寝よう」

ここで好意を一刀両断して断ってしまうのも申し訳ない。
極めて日本人的な感覚からおす結論付けた上条は頷いて、換気をやめた。
ついでに、浴槽内へ敷こうと思っていた敷布団も片付ける。
言葉が足りなかったと自省していたフィアンマだが、上条の言葉にほっとしながら頷き、ベッドへと向かう。
学生の一人暮らし、まして『無能力者』ともなると、その生活、及び生活に用いられる家具は質の良くないもの。
薄いせんべい布団にも等しいベッドへ座り、そのまま壁際へ身体を寄せる形でフィアンマは毛布を自分の体にかける。
上条も彼女が入ったのを確認してから、ベッドに潜り込む。
両者共他人と一緒のベッドで眠るのは保護者以外初めてのことだったので、いたく緊張した。
上条は修学旅行の経験があるが、それでさえ一人で布団で寝たのだ。同室と同ベッドでは感覚が違う。

上条(ね、寝れんのかな…)

昼寝はしていない。勉強や家事はした。
常識的に考えれば眠くなる筈だ、と思いながら上条はフィアンマの方へ一度視線をやる。
彼女はというと、緊張感が無いのか、既に眠っていた。

上条(早っ!?)

早寝選手権などというものがあれば上位に入るのだろうな、と思いながら上条も目を閉じる。
深呼吸を繰り返すと、隣から形容し難い良い匂いがした。
どうして女の子って生き物は良い匂いがするんだろう、と常日頃から思う疑問を再認識しながら、上条は緩やかに眠りへ堕ちていった。




翌日。
夏休みにはまだ入っていないので、当然ながら、上条当麻は学校へ行かなければならない。
『いってらっしゃい』と眠そうなフィアンマに手を振られ、上条は学校へ行った。
いつも通りの授業、いつも通りの友人、いつも通りの不幸。
途中不良に絡まれている女子中学生を助ければ、何故か文句を言われ、雷撃を浴びせられた(久しく上条は自分の特別な右手に感謝した)。
そんなこんなで、今日も不幸だったなあと神様を呪いながら、いつも通りに上条は帰宅したの、だが。

いつも通りではなかった。
昨日以上に、異常な光景。

まず、自宅の部屋の前、廊下が血まみれになっている。
次に、一人の大男が、これまた巨大な…そう、メイスとでも言おうか。
とにかく、巨大な得物を持って、自分の部屋の前に居る。

そして。
そんな男の足下には、黒いフードと、赤い衣装。
それから、細い少女の身体。彼女の身体には、槍のようなものが突き刺さっている。
廊下を染める赤い赤い、ペンキのような体液は、彼女の身体から流れ出していた。
あまりにも日常から剥離した光景に、上条は一瞬、大男はフィアンマの友人で、死んだフリをしているのかと、思った。
違う。男の目はどこまでも冷徹で、フィアンマを静かに見下ろしている。
一刻も早く手当をしなければならないのに。病院に連絡する様子も見られない。

上条「……、ぁ…フェリー、チェ…?」

喉が渇く。
声が、うまく出てこない。
掠れた声に対してピクリともしないフィアンマとは逆に、大男は視線を上条へ向けた。
上条は、この空間の空気が冷え切っていて、恐ろしいものだと肌でピリピリと感じながら、敵意を向けた。

上条「…テメェが、…やりやがった、のか」

アックア「>>64
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 16:26:11.30 ID:pgEQuOiSO
Ksk
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/11/23(金) 16:27:36.06 ID:fr68V6rr0
だとしたらどうする?
65 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/23(金) 16:47:22.99 ID:mkjd1myl0

アックア「だとしたら、どうする?」

挑戦的な台詞。
疑問の形をとってはいるが、認めたようなものだ。
そして実際、この惨状は後方のアックアが起こしたもの。
アックアとしても、まさか右方のフィアンマがこんな様に氷の槍を防御することなく受けるなどとは、思っていなかった。
しかし、フィアンマは数々の打算によって、攻撃を受けた。
上条は何も知らない。フィアンマの打算も、アックアの目的も。
知ったところで、やることは何も変わらない。

上条「決まってんだろ」

右拳を握り締める。
大男相手に大立ち回りが出来る自信なんて、無い。
数人相手の喧嘩なら確実に逃げてきた自分が、腕力で勝てる相手など限られている。
だって、自分は無能力者だから。
それでも、それは拳を握らない理由にはならない。ここでフィアンマを見殺しにする理由にはならない。

上条「テメェを一発ぶん殴って、フェリーチェを病院に連れて行く。それだけだ」

アックア「威勢の良い言葉だ。良いだろう。その拳、受けて立つのである」

向けられた得物。
恐ろしいとは思いながらも、上条は走り出す。
得物を振り下ろすまでに腹部へ一発。
それが駄目でも、隙間をかいくぐる形でフィアンマを抱きかかえ、病院へ向かえればそれで良い。

アックア「しかし、身の程を知らないというのも、また不幸であるな」

呟いて、アックアは得物を振り下ろす。
聖人。それも、聖母と『神の子』、両者に似た身体的特徴を持つ後方のアックアの動きについていけるものなど、本当に本当に限られている。
上条は咄嗟に右手を突き出し、物理的な攻撃だと瞬時に判断すれば手を引いた。
目的通りフィアンマを抱きかかえ、非常階段へと向かう。そんな上条の背に、氷が向けられた。
氷の杭に対し、上条は今度こそ消せるという確信を持って右手を突き出す。
触れられた氷は水となり、その水分は空気に溶け消えた。
彼女の身体を抱え直し、上条は非常階段を下って、外に出る。病院へ向かって走り始めた。

対して。

一般人相手に手加減とまでは言わずとも、少々甘く見てしまっていたアックアは、疑問を覚えていた。
学園都市製の能力なのかどうかはわからない。が、あの少年は自分の氷を消し去った。だが、メイスには手を引いた。
異能の力を消す、神にさえ逆らう特殊な右手。その力。

アックア「『幻想殺し』…」

呟いて、アックアは得物をしまった。
そして、少女の為に全力で動いている少年に、少しだけ時間を与えることにした。




走る上条に、フィアンマは血液を口から零しながら言葉をかける。

フィアンマ「…病院、には…行け、ない。…俺様には、…IDというものが、無い」

上条「ゲストIDも無いのか?」

フィアンマ「無い…、」

上条「ッ…ど、どうすればいい、」

焦りながら、頼れる相手を脳内で検索する。
思い浮かんだのは、小柄で優しい、自分の担任の先生。
まずはそこへ向かうべきか、と、逃げることも考えながら走る上条。
そんな彼へ、フィアンマは先ほどまでと違った口調で言う。

硬質な、義務的な。

彼女が話しているのではない。
彼女の物理的な生命の危機に、同じく知識(が他者に伝わっていかなくなる)危機を感じている『原典』―――『虚空年代記』が、彼女の口を借りて、『預言』という形で話しているのだ。
どうしたらいい、という疑問の形に対して、解答を与える。
祈りに応じて、預言と解法とを授ける。
フィアンマが死んでも、仮死状態となるだけで、数時間放り置けば、自動的に生き返ることは出来る。
だが、それは『原典』にとってあまり好ましい状況ではない。故の、預言。

フィアンマ「>>67
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/23(金) 17:43:28.65 ID:p9AV/Hdbo
ksk
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 18:01:46.87 ID:pgEQuOiSO
――――ワタシはローマ正教、神の右席所属、『右方のフィアンマ』。その脳内に組み込まれた原典、『虚空年代記』、Akashic Recordです…―――
―――この肉体は放置しても消滅はしませんが、現在の時刻から92時間は行動不能になります。襲撃者に備えるため、早急に損傷の修復に力を貸していただけると幸いです―――
68 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/23(金) 18:14:02.35 ID:mkjd1myl0

フィアンマ「『――――ワタシはローマ正教、神の右席所属、『右方のフィアンマ』。その脳内に組み込まれた原典、『虚空年代記(Akashic Record)』です…―――』」

上条「アカシック…?」

聞いたことはあるが、どういった内容の単語だったかまでは、意味までは、思い出せない。
上条にとって重要なのはそこではなかった。

フィアンマ「『―――この肉体は放置しても消滅はしませんが、現在の時刻から92時間は行動不能になります。襲撃者に備えるため、早急に損傷の修復に力を貸していただけると幸いです―――』」

天使のお告げの様な、と例えれば良いのか。
まるでエコーでもかけたかのように、響く声。
脳内に直接語りかけてきているかのようだ、と思いながらも、上条は返事をした。

上条「勿論だ、何をしたら良い…?」

フィアンマ「『―――貴男の身体には、その手順を行う力がありません。魔術師。或いは、学園都市外の人間。他者に手順を依頼しなさい―――』」

諭すような。
しかし、やはり冷えて硬い声音。

上条「手順…?」

思いながらも、上条はひとまず、担任である月詠小萌の家へ向かった。
激しいノックをすれば、何事かと、家主たる彼女は部屋ドアを開けて顔を覗かせた。

小萌「か、上条ちゃん? どうしたのですかー、こんな時間に」

上条「先生、何も言わずに力を貸してくれ」

小萌「力? えっと、何かわからないお勉強でも、」

上条「この子を、助けて欲しいんだ」

きちんとドアを開け、小萌はそうしてようやく上条の腕に抱かれた少女の姿を確認した。
本物の血液に塗れた姿に「ひっ」と息を呑み、事の重大さを理解した小萌は上条達を招き入れる。
病院には、との言葉にはとにかく行けないのだと押し通し、上条はフィアンマを小萌の家の畳に横たわらせる。

上条「何でもする、汚れた畳だって弁償だってする、だから―――」

小萌「わっ、わかりました。どうすればいいのです!?」

上条「この子の言う通りにしてくれ」

『虚空年代記』はフィアンマの中に眠る『世界を救える程の力』を転用する形で彼女の身体を修復しながら、預言を授ける。

フィアンマ「……>>70

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/23(金) 18:17:47.41 ID:MPx0RvmAo
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     l   , , ,             ●      l
    .|        (_人__丿     、、、  |    わかんない
     l                      l
    ` 、                       /
      `ー 、__               /
         /`'''ー‐‐──‐‐‐┬'''""´


70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/23(金) 20:19:08.00 ID:PO7mYPht0
幻想殺しが邪魔になるのでこの部屋からしばらく退室していて下さい
71 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/23(金) 20:31:34.04 ID:WoeyiSgB0

フィアンマ「『―――命名、"幻想殺し"が邪魔になるので、貴男はこの部屋からしばらく退室していて下さい―――』」

上条「退室、」

フィアンマ「『―――退室しなさい』」

凛とした声に歯噛みしながら、上条は一旦外に出る。
そして、自分の右手を見た。
不幸を呼び寄せる、災厄の右手。
ありとあらゆる異能の力を消し去る、『幻想殺し』。
やっぱり、彼女に手を握られた時、手を離せば良かった。
手を引いて、揺さぶり起こして、自分から引き離せば良かった。
やっぱり、自分と一緒に居ると、自分に触れると、誰かが不幸になる。

上条「…ちくしょう」

無力感に、呟く。
しばらくの後、小萌に呼ばれて部屋に戻った上条は、だいぶ調子を取り戻した様子の彼女を見、安心した。
それと同時に、学園都市外から来たであろう彼女がどのようにして、まるで能力で治療を行いでもしたかのように治ったのかを、気にした。
気になるがままに疑問をぶつければ、フィアンマ本来の口調で言葉が返ってきた。
二人きりにしてあげようと思った小萌は、「もしかすると先生はお風呂が長くなって二人のことを忘れちゃうかもしれません。でも、何があったのか、いつか話してくださいねー」と笑って、風呂場に消えた。
二人きりとなった部屋の中、フィアンマは疲れた様子で"魔術"について語る。
にわかには信じ難いものの、長々とした解説を聞き、上条はどうすれば良いのかと迷う。
フィアンマに対して、命を賭ける必要は無い。だって、昨日会ったばかりの人間なのだから。
でも、自分の右手に触れて不幸になったのなら、救わなければならない。
自分のせいで不幸にしてしまったのだから。

上条「……それで、アイツ…後方のアックアには、どうやったら勝てるんだ…?」

フィアンマ「…難しいな。如何なる方法を使っても、…並みの魔術師ではまず不可能だ」

上条「……ごめん」

フィアンマ「…何故謝る」

フィアンマの打算。
怪我をすることによって、上条に自らに対しての情を湧かせる。
見事それに成功したが、謝罪の意味がわからず、フィアンマは首を傾げた。

上条「…俺の、せいだ」

フィアンマ「……?」

上条は、フィアンマが追われる事情に何ら関与していない。
にも関わらず、もう一度謝罪をして。

上条「…>>73
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 20:33:09.32 ID:pgEQuOiSO
Ksk
73 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/11/23(金) 21:32:27.01 ID:WoeyiSgB0

>>71 ×…並みの魔術師ではまず ○並みの魔術師ではおろか、一般人なら確実に


今日は寝ます。明日も昼頃に来ます。
お疲れ様でした。
安価下でお願いします》
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 21:33:57.03 ID:pgEQuOiSO
乙安価↓
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/23(金) 23:09:41.09 ID:52us42md0
俺のこんな右手があるから…
76 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/11/24(土) 13:58:26.59 ID:m7NBuo6AO

《ちょっと遅れますが夕方までには始めます
申し訳ありません》
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 14:38:53.09 ID:+vUVmOrSO
舞ってる
78 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 14:47:04.70 ID:fh98tocv0
《このスレは全然流れ早く無いので連続など気にせず安価を取得していただけると幸いです》



「…俺のこんな右手があるから…」

「…右手?」

ぴくり、と反応し。
彼女は疲れ気味ながらも無理矢理に起き上がる。
畳の上に脚を伸ばしたまま座り、上条の右手を見た。

何の変哲も無い、少年の右手。
神の奇跡すら消し去り殺す、幻想殺しの右手。

「…俺、さ。…昔から、幸運ってのがゼロなんだ。誰だって、一回位は『あ、俺運良いな』って思ったことあると思うんだけど、俺にはそれが無い。多分、その原因はこの右手なんだ。自分だけならまだ良かったんだけど…どうやら、これは周りにも不幸を撒き散らしちまうみたいでさ。……フェリーチェが昼寝した時、俺の右手に触ったんだ。本当は、俺はそこでフェリーチェを起こして、触るなって言わなきゃいけなかった。でも、出来なかった。………人に普通に触ってもらえて、嬉しいって、思っちまった。…最低だよな。自分が良いからって勧告せずに、手を離すこともなく居たんだから。だから、…だから、今お前が不幸なのは、さ。俺が原因なんだよ。それだけじゃない…世界のありとあらゆる不幸は俺のせいなんじゃないかな、って思う。俺の右手は、第三位の『超電磁砲』だろうと何だろうと、異能の力なら消してしまう。フェリーチェを治療したその『魔術』っていう『特別な力』も。俺の意思に関わらず、全部。……人の幸せを壊す、最低の手なんだ。不幸の根源、ってやつかな。…それをわかってて自殺するだとか、そういう手段を取れない俺はもっとクズなんだけど。……でも、これまでは不幸にしてきた相手は、助けられるだけ助けてきた。でも、お前は無理かもしれない。……ごめんな…」

完璧な思い込み。加害妄想。
仮にそうだとしても、言葉の通りに事実だったとしても、上条は悪く無いのだ。
自殺する勇気などというものは、勇気とは言わない。そんな形の自己犠牲では、上条があまりにも報われない。
生まれついての右手によって、不運。そしてそれが周囲を不幸にする。後者は、只の加害妄想。

「…そんなことは、無い」

過去、自分も同じような壁に突き当たった、否、現在も似たような思いを持つフィアンマは、それを否定する。
そんなことはない。あってはならないことでもある。

「お前の手は、世界を救える手だ。人を、救える手だ。…神の奇跡たる幸運を消せるのなら、神の罰である天罰をも消せる。つまり、神の罰に苦しむ人を確実に救えるということだ。聖母の慈悲にも似た、優しい力だ」

「……」

フィアンマの右手に、現在の上条の右手があったなら。器と力が合致していたのなら。
フィアンマは何一つ迷わずに世界を救えた。完全な右手だった。出来損ないではなく。
自分が必要だと思っている右手は、素晴らしいものだとフィアンマは、思う。
だから、否定させたくない。上条の意見には同意しない。

「…俺様には、お前の不運をどうにかすることは、出来ない。だが、これだけは言っておく。今回のことは俺様にのみ責任がある。そして、世界のほとんどの不幸は、当麻が悪いんじゃない。世界が歪んでいるから起こってしまうだけだ。…だから、当麻は悪く無い」

フィアンマは手を伸ばし、上条の右手をそっと握って自分の胸元に引き寄せる。
祈るような体勢で上条の右手を握り込み、泣きそうな顔をした。
上条が可哀想で。上条にそんな事を思わせた悲劇や不幸や不運が、悲しくて。

「世界の歪みだって、当麻のせいじゃない。…当麻は、何も悪く無い。俺様は、当麻が生きていたから、救われたんだ」

右手を完成させられる。世界を救える、と。
上条は知らないことだが、前述のことが確定しただけで、どれだけフィアンマの不安は解消されたことだろうか。
上条はそんな事情を知らない為、アックアの放った氷を消して命を救ったことだと、勝手に解釈する。

「だから、不幸の根源などと言うな。自分が誰かを不幸にしたなどと言うな。誇って良いのは、たとえ不幸にしたという思い込みが前提にあったとしても、当麻が人を救ったことだけだ。当麻は悪く無い。当麻の右手は、悪い右手なんかじゃない。最低などではない」

少なくとも、俺様はそう思う。絶対に。

言葉をそう締めて、今にも泣き出しそうな顔で自分の右手を抱きしめるフィアンマに一時閉口し。
上条はしばらく黙って、彼女の言葉の意味を噛み砕いた後、言葉を返した。

>>80
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 14:48:15.74 ID:+vUVmOrSO
ksk
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 14:51:22.21 ID:/THTWrJFo
……ありがとう
81 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 15:20:25.74 ID:fh98tocv0

「……ありがとう」

そう簡単に、考えを変えることなど出来ない。
それこそ、記憶を喪うだとか、死ぬだとか、そこまでの変革が無ければ、急激には。
でも。
不幸と不運と加害妄想に冷え切った上条の心は、今の言葉で多少なりとも、温まった。
不幸の根源だと言っているのに、そんな右手を褒め、尚右手を抱きしめ、自分は悪く無いと、泣きそうな顔で精一杯想ってくれる少女の為に。
命を張っても良いのではないか。それが人間ではないのか、と上条は自らに問いかける。

今まで自分は、ただ他人に被害を撒き散らし、その責任を右手に押し付ける卑怯者だった。
今日からは、それを、やめよう。
右手が不運を撒くから助けるのではなく。
目の前で困っている、悲しんでいる人が居るから、立ち上がろう。
自分のせいかどうか、そんなことは関係無い。

「……、…何とかして、俺が助ける」
「………」
「…『怖い人』に。…あんな、お前を刺して顔色一つ変えないような野郎に、明け渡したりはしねえよ。…絶対、助けるからな」
「……うん」

上条の右手を抱きしめる力を緩め、フィアンマはこくりと頷いた。
打算はあった。計算も、ある。でも、先ほどの言葉全て、彼女の本心だ。
たとえそこに『原典』による『精神干渉』『記憶干渉』が含まれているとしても、彼女が思い、一生懸命伝えたことには、違い無い。






小萌の家から出て。
血に汚れた服を公園の水道で軽く水洗いした後、フィアンマは上条の隣で歩いていた。
家に戻る勇気は無かった。待ち構えている恐れがったからだ。
かといって歩き回っているのも、警備員に見つかって面倒なことになる。
見つかって保護された方が安全かと思ったものの、アックアが警備員程度に倒されるとも思えない。

そんな訳で。
二人は第二二学区へとやって来た。

上条「アミューズメント施設…ってのは良いんだけどさ。お風呂とか思いっきり『水』だろ? 後方のアックアって、それが得意分野じゃねえのかよ」

フィアンマ「そこに『水』があっても無くても、扱えることには変わり無いからな。正直、何処に居ても一緒だ」

上条「?」

クエスチョンマークを浮かべている上条へ、空気中の水や地下に流れる水などを操ればどうということは無い、と簡単且つ丁寧な説明を行ったフィアンマは、アミューズメント施設内のプラネタリウムを眺め、表情を和ませていた。

フィアンマ「本物の夜空とは明らかに違うが、美しいことには美しいな」

上条「地上のカメラが撮影した映像の再現らしいぞ」

そういえばフィアンマは学生割引が使えないのか、と考え込む上条に対し、フィアンマは上条の学生証を要求した。
ものの数分、それらを眺め触った後、フィアンマはまるで自分が上条と同じ学校に通っているような学生証が現れた。
完全な偽造。しかし、魔術に精通しない限りは見破れない。

上条「え、何それ、どうやったの」

フィアンマ「説明すると長くなる」

面倒臭いから話さない、と首を横に振り。
ひとまずこれで(偽の)身元証明も出来る、と頷き、フィアンマは上条を見た。

フィアンマ「アミューズメント、だったか。色々と入っているようだが、何をするんだ?」

上条「温泉とかボーリングとか色々とあるみたいだけど…っていうか、遊んでて大丈夫なのかよ?」

フィアンマ「大丈夫だ」

最悪、この右手を振るう事になるだろう、とフィアンマはぼんやり思う。

上条「じゃあ…うーん…」

何をして遊ぶか。施設なら沢山ある。お金も、上条にはそれなりの持ち合わせがあるし、フィアンマもだいぶあるようだ。




何をして遊ぶ(例:ボーリング、プール的なお風呂、温泉等)>>+2
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 15:38:38.48 ID:+vUVmOrSO
スライダー
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 15:49:48.38 ID:byyud04b0
ポケモン
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 15:50:51.89 ID:+vUVmOrSO
プール的お風呂
85 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 16:05:06.40 ID:fh98tocv0

上条「じゃあ、上の階のゲームセンター行こうぜ」

フィアンマ「…ゲーム?」

上条「ポヘモンっていう育成ゲームがあるんだけど、それの格ゲー版があるんだよ」

フィアンマ「…かく?」

上条「あ、そっか。詳しくないんだったか…まぁいいや、とりあえず行こうぜ。多分楽しいからさ」

上条に言われるがまま移動した先は、一般的hなゲームセンター。
何人か夜遊び派の学生が遊んでおり、時々楽しそうな歓声を上げている。
サンドバッグを殴った威力を競うのだろうか、と首を傾げるフィアンマの手を引いて、上条は格闘ゲームコーナーまでやって来た。
入口の両替機で両替をしておいた為、上条はその内の三枚程、百円玉を手渡した。

上条「あの投入口っていうのに入れて、ボタン押すんだ。ひとまずやり方は教えるから、終わったら対戦しようぜ」

フィアンマ「…こうか」

百円玉を投入口へ1クレジット。
タイトル画面で適当なボタンを押し、モード選択はトレーニングモード。
キャラクター選択に関して適当に選ばせたところ、兎のようなキャラクターとなり。
親切なことに台へ貼られているコマンド表を元に、時々実践を交えて上条はそのキャラのコマンド入力方法を教える。

上条「と、ここでこのゲージが溜まったら…」

フィアンマ「…なるほど」

こくこくと頷き、一通り扱えるようになったところで、トレーニングモードの規定時間が終了する。
もう1クレジット追加させたところで上条はフィアンマの台と向かい合っている青い台へと座る。
クレジットを投入して勝負を開始すれば、挑戦者、つまりはプレイヤー同士の戦いとなる。

上条(手加減してあげた方が良いよな?)

上条も上級者とは言えない。が、初心者の中の初心者という程ではない。
手加減のことを念頭に入れながら勝負を開始する、と。

上条「早、ってまた回避かよ!」

『預言』(神の如き者の特性)、『相手の情報の確認』(虚空年代記の特性)という資質を持っている彼女に、人間からの不意打ちは通用しない。
それは現実世界においての戦闘だけではなく、こういったゲームに関しても、だ。
そして『原典』は、必要となる("鍵のかかっていない")知識を彼女に与え、時にその指先を操る。
当然、手加減をやめたとしても、上条が勝つなどまず不可能な話である。

フィアンマ「…緊急回避はこうか」

手元のコマンド表は見ていない。覚えているのだから、見る必要は無い。
ただ内側から促されるまま回避をして、電撃を食らわせる。

上条「あ、駄目だこれ死んだ…」

フィアンマ「これで、俺様の勝ちだ」

必殺技コマンドを入力し終えれば、演出に入って終了。
がっくりと項垂れる上条の様子を見、フィアンマは慰めるか迷った。

フィアンマ「…当麻?」

上条「慰めないでくれ、惨めになるから……」






何をして遊ぶ(例:ボーリング、プール的なお風呂、温泉等)>>+2
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/24(土) 16:06:14.79 ID:m7NBuo6AO
>>81 ×フィアンマはまるで ○フィアンマがまるで》
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 16:09:16.69 ID:+vUVmOrSO
カラオケ
88 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 16:14:05.65 ID:fh98tocv0

いたく残念な思いで余ったお金を返してもらい、上条は次にどうしようかと考えた。
もし。もし仮に、失敗してフィアンマを連れ去られてしまったとしても。
彼女に楽しい思い出をあげたい。どうやら、本当に、楽しいことを知らないようだから。

上条「カラオケ行くか」

フィアンマ「空オーケストラの略だったか」

上条「…何でそれは知ってるんだ?」

ゲーセンは知らないのに、と不思議に思いながらフィアンマの手を引いて歩き、エレベーターに乗る。
そしてだいぶ下の階に行くと、カラオケボックスのある場所へ辿りついた。
三時間程度で良いだろうと受付を終え、上条はドアを開けた。
モニターと、選曲用機械と、椅子、荷物置き、上着かけ。
一般的で普遍的な広さの部屋。

上条「来た事はあるのか?」

フィアンマ「いや、今回が初めてだ」

上条「そっか」

なら手本がてら先に歌おう、と上条は選曲機械を手にとる。
曲名検索、アーティスト検索、履歴、など様々な項目の中、曲名検索を選択した。






上条は何を歌う?(曲名)>>+2
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 16:24:16.84 ID:+vUVmOrSO
ksk
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 16:30:16.59 ID:+vUVmOrSO
FrowのGO!!!
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/24(土) 16:32:02.37 ID:m7NBuo6AO
懐かしい…
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 16:33:46.84 ID:+vUVmOrSO
そしてスペルまちごうたww
FLOWだww
93 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 16:46:59.35 ID:fh98tocv0

上条「ジー、オー…と、いっぱい出るな…アーティストから探すか」

フィアンマ「……」

上条の手元をじっと覗き込み、どう入力するのか学びながら、フィアンマは大人しく待つ。
上条は充電を兼ねているマイク置きからマイクを引き抜くとゴミを片付け、検索結果を送信した。
モニターが少々の待機の後に歌詞を表示すると共に、音楽が流れ出す。

上条「音を立てず忍び寄る影が いつも僕らを惑わせる 有言実行 大きな風が うねりを上げて吹き荒れる」

音痴ではなく、素晴らしい歌声と賞賛を受ける程でもなく。
一般的な上手さの曲を聞き、フィアンマは騒がしいと思うと共に笑みを浮かべた。
こうして誰かと一緒に過ごすのは、知らないものを知るのは、楽しい。
童話の中、王子に連れ出されたラプンツェルの如く。
知らないものを知って楽しく思う反面、フィアンマは胸が痛む感覚を覚える。

フィアンマ(…いつか、喪うものだと、わかっているのに)

上条に近づいたのは、穏便に『幻想殺し』を回収する為。
世界を救った後、彼と会う事は無い。だから、楽しいのは、今だけだ。

上条「久々だからやっぱ声出ないな…決まったか?」

フィアンマ「色々と考えてはいたのだが。…んー」

入れたのは、アーティストにカバーを何度もされたことのある聖歌。賛美歌といった方が正しいかもしれない。
マイクの電源を入れることをうっかり忘れかけながら、歌を歌う。
上手い、というよりは、響きのある歌声。そもそも、賛美歌に上手い下手はあまり関係無い。
しかし、澄んだ歌声だなあ、と上条は思った。

上条「歌上手いんだな」

フィアンマ「…幼い頃から聖歌は叩き込まれたからな」

へー、と相槌を打ち、上条はのんびりと褒める。
彼もまた、誰かと過ごすことを楽しいと思った。
特殊な右手を持っている二人は、何かと似通っているのかもしれない。


それからもしばらく歌い、三時間が経過して。
恐る恐る家に戻れば、アックアは居なかった。
それどころか、何もかも夢であったかのように、血で汚れた廊下が綺麗になっている。

上条「…アイツが、掃除したってのか…?」

フィアンマ「ヤツは『水』を扱う。何の不思議もあるまい」

『人払い』も解かれていた。アックアの性格から考慮して、今夜戻ってくることは無いだろう。


ひとまず、異変が無いかどうか耳を澄ませながら眠り、朝が来た。
夜遊びをしていたので本当は疲れて寝たいところだが、上条は学校に行かなければならない。
それを除いても、緊張したこの状況下でぐっすり眠ることは出来ないだろう。

上条「…今日は学校休もうかな」

フィアンマ「……そこまで迷惑をかける訳にはいかん。…行ってこい」

上条「>>95
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 16:48:43.46 ID:+vUVmOrSO
また襲われたらどうすんだよ!
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 16:56:19.02 ID:byyud04b0
学校行くのだるい
96 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 17:06:12.41 ID:fh98tocv0

上条「学校行くのだるい」

適当な嘘。
此処で真面目な文句を並べれば並べる程、尚更迷惑をかける訳にはいかない、と言われるのが目に見えていたから。
学校位一日行かなくたって大丈夫、と言えるほど、上条は優秀な生徒ではない。逆をいく。
必死に学校へ行かなければ、また相殺用課題が出されて大変疲れるに決まっているのだ。
でも、それだけだ。フィアンマと違って、命の危機がある訳じゃない。だから今日は休んででも守る、と上条は決めた。

上条「大丈夫、お前の本国はどうか知らないけど、日本の学校は結構緩いから」

そんなことを言って、上条は小萌に連絡をした。
昨夜のことを知っている小萌は、上条の『体調不良』を苦い笑い声で承諾した。
これで、学校を休む手続きは終わった。
良かったのだろうかと申し訳ない様子のフィアンマの頭を撫で、上条は苦笑いをする。

上条「俺の学校一日休んだ分とフェリーチェの身の安全だったら、後者の方が重いんだよ。だから、気にすんな」

フィアンマ「…すまない」

上条「謝るなよ。……俺も、…助けて、もらったからな」

両親以外に、自分を不幸の根源などではないと、本気で想ってくれる人が居た。
そのことをよく理解しただけでも、上条は救われたし、助けられたのだ。





夕暮れ。
外に出た上条は、フィアンマと共に人のあまり居ない場所へ向かっていた。
公園へ向かう途中、急に人が居なくなる。『人払い』であることは明白だ。

上条「…来るか」

呟いた。
陽が暮れて真っ暗になった闇の中から、一人の大男が現れる。

アックア「時間は与えた。幾つもの選択肢があった筈である」

上条「そうだな。その時間で、俺もフェリーチェも多少楽しい思いが出来た。…だから、尚更渡す訳にはいかねえ」

アックア「……」

一歩も動いていない男の重心が、下に落ちる。
影から取り出された巨大な得物。昨日と、同じ。

上条「…、何で、コイツを追ってやがる。コイツが何をした」

アックア「話す必要は無い」

殺す為でなく、意識を刈り取る為に。
アックアは踏み込み、上条へ攻撃を開始する。







上条はどうする?>>+2
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 17:27:59.45 ID:byyud04b0
ダンス
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 17:36:25.72 ID:Mk+zAoQM0
頭突き
99 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 17:48:17.06 ID:fh98tocv0

回避を出来る程のフットワークの軽さは無い。
受け止められる程の持久力も無い。
殴りつけるには少々の誤差が生じる。

結果として、上条は頭突きという手段を選んだ。

奇想天外な動きに対し、反応がコンマ一秒程度だけ遅れる。
アックアの腹部に殴りつけた衝撃にも似た攻撃が加わるが、上条はそこで留まらない。
右手をアックアの体に沿わせることで魔術攻撃を封じる。
物理的な獲物で仕留めるには距離が近すぎる為、アックアは仕方なく素手で暴力を行った。
子犬か何かのように掴みあげられ、上条は放られる。
ブランコの囲いにまともに背中をぶつけ、息が止まった。視界が白く染まる。
アックアは既に上条を視界に捉えることすらせず、フィアンマへと向き直った。

フィアンマ「…ローマ正教からの命令か」

上条に対する、一人の少女としてのそれではなく。
神の右席、右方のフィアンマとしての、男性的で、義務的な、問いかけ。

フィアンマ「…最初からお前を出してくるとは思わなかった」

アックア「貴様に釣り合う力の持ち主は限られている。ただそれだけの問題である」

フィアンマ「お前を倒し、此処に残ると言ったら、どうする?」

アックア「…>>101
100 :LN :2012/11/24(土) 17:54:34.20 ID:7Ajjf7dIO
クリームシチュー
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 17:55:31.32 ID:byyud04b0
濡れる
102 :LN :2012/11/24(土) 17:57:23.56 ID:7Ajjf7dIO
あっ、間違えましたすみません
103 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/11/24(土) 18:07:26.19 ID:m7NBuo6AO
>>102
大丈夫です


20時までには戻ります》
104 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 19:31:44.70 ID:QqhVOU3T0

アックア「…『Faigh fliuch(湧き出づる聖母の泉によって地は満たされる)』」

余計な問答をするつもりの無いアックアはそう呟いて、地面、その地下に流れる自然本来の水を引き出す。
その水分はにじみ出て地面を濡らし、氷を用いるアックアの高速移動や術式の準備が万全に整った。

右方の燃える赤に対し、後方の冷えた青。
雄弁なフィアンマに対し、寡黙なアックア。

ありとあらゆる点で対照的な、二人。
『神の力』、そして身体的特徴の繋がりから聖母に関する術式を行使し、水を手中に。
フィアンマは少し迷った後、目を伏せた。

フィアンマ「そうか。出来る事なら、戦いたくは無かったのだが」

暴力を振るいたくなかった。
そんなことを呟いた彼女の右肩から、奇妙なものが剥離する。
上条は意識朦朧としながら、そんな彼女の右肩を見ていた。
巨大で彼女の細い肩に不釣り合いな、禍々しい形をした、光で出来た―――腕?

フィアンマ「問答すら無用と一蹴のであれば、もはや仕方あるまい」

右手を振る。
たったそれだけの動き。
アックアが眼中に迫っていた、そのことを無視しているかのような、一振り。
虫を払うような、非力な細い腕の動き。
ただそれだけで、後方のアックアは吹き飛ばされた。
正確には、巨大な腕―――『聖なる右』が吹き飛ばしたのだ。
負傷したアックアへ、一歩踏み込んで平行移動をして間近に迫ると、フィアンマは冷酷な表情で言った。

フィアンマ「まさか、俺様に勝てるなどと甘い夢を抱いていた訳ではないだろう?」

アックア「……」

手加減を、された。アックアは、そう感じた。
そして、右方のフィアンマは。
言外に、これ以上痛手を喰らいたくなければ帰れ、と言っていた。
言い換えれば、これ以上自分に手を挙げさせるなと、そういうことでもある。
これだけの負傷であれば弁解の余地となる。そして、フィアンマを本当に、心の底から本気で連れ戻すつもりの無かったアックアにとっては、それで充分だった。

アックア「警告はした」

フィアンマ「あぁ」

短い言葉のやり取りの後、一瞬だけ、濃い霧が展開された。
そして霧が晴れた時、そこにアックアの姿は無かった。
フィアンマは周囲にぐるりと視線をやった後、上条に駆け寄る。

フィアンマ「…、立てる、か」

上条「…>>106
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん) [sage]:2012/11/24(土) 19:52:40.91 ID:lV53IIfW0
kskst
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 20:20:32.74 ID:+vUVmOrSO
な、何だよ今の…助かった、のか…?
107 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 20:34:23.31 ID:QqhVOU3T0
>>104 ×一蹴の ○一蹴するの》


上条「…な、何だよ今の…助かった、のか…?」

フィアンマ「…あぁ、もう問題無い。ひとまずは」

上条「そ、そっか…何か、役立たなくてごめんな、」

げほげほ、と噎せる上条の背中を摩りながら立ち上がらせ、フィアンマは首を横に振る。
自分の為に立ち向かってくれたことだけで、嬉しかった。それと同時に、申し訳ないとも思う。
何はともあれしばらくは安全が確保されたことで、上条は心から安堵した。
状況はいまいち掴めないものの、フィアンマ曰くあの男―――アックアは同僚で、個人的な恨みから来た訳ではないから問題無い、と説明されたことを、鵜呑みにする。

上条「…じゃあ、帰るか。…後、」

フィアンマ「…ん?」

上条「…何で追われてるのか、教えてくれよ」

帰ったら。
付け加えられた言葉に、さてどのようにして誤魔化そうか、嘘を織り交ぜようかと悩みながら、フィアンマは上条宅へ帰るのだった。

自分の身体には『原典』があること。
『原典』とはどのようなものか。
右方のフィアンマという役職のこと。

後暗いところはやや抜いて、そう話された上条は、内側から湧き出る正義感に眉を寄せていた。

上条「…酷い話だな。怖いし」

フィアンマ「…ある種。俺様は化物といったところだが、そこか?」

上条「そうじゃねーよ。大体、フェリーチェが化物とは思わないし。…ただ、そんな拘束力の高い地位に無理やり座らされるのって嫌だし、俺なら怖いな、と思っただけだ。……だから、…これからも、出来る限り、助ける」

フィアンマ「……」

そう言葉を締めて、上条は夕飯を作り始めた。
本当に心優しい少年だと、フィアンマは思う。申し訳なさが、胸を締め付ける。
しかし、まだ目的は伏せておかなければならない。






夕飯や入浴を終え。
二人共に眠った翌日、上条はようやく学校へ行くことが出来た。
本日、七月一九日。明日からは夏休みである。

小萌「でも上条ちゃん、上条ちゃんはお休みした分とか諸々引っ括めて自習ですからねー」

上条「ふ…不幸だ…」

やっぱりな、と項垂れる上条にかけられるのは、笑い混じりの同情による慰め。
親友も同じ場に来るということで、少々元気づけられた上条なのであった。

上条「ただいま」

補習はあれど明日から夏休み、ということで多少元気を出した上条は帰宅する。
危惧していた惨状はそこには無く、フィアンマは台所に立っていた。
まだ午後三時半なのだが、夕食を作り始めるには程よい時間だ。

フィアンマ「…お、お帰り」

やや言い慣れない様子でそう言ったフィアンマは、鍋と冷蔵庫をきょろきょろと見比べていた。

上条「何してんだ?」

フィアンマ「何を作ろうか迷っていたのだが。何か希望はあるか?」

上条「>>109
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 20:35:32.96 ID:+vUVmOrSO
ksk
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/24(土) 20:37:27.45 ID:BjVKtnOl0
和食以外はいけるんだよな。
フィッシュアンドチップスを食べてみたい
110 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 20:58:27.91 ID:QqhVOU3T0

上条「和食以外はいけるんだよな。フィッシュアンドチップスを食べてみたい」

フィアンマ「…あれはあまり美味しいものではないのだが…」

上条が望むのならばまぁいいか、と考え、フィアンマは油を温め始める。
衣用に小麦粉、ビールの代わりに料理酒、玉子、塩。
こちらは泡立て器でクリーミーになるまで混ぜ、室温で寝かせる。
寝かせておく間に用意するものがある。

もう一つの衣用に小麦粉、ベーキングパウダー。
冷蔵庫から取り出した白身魚を切り分け、塩コショウをまぶす。タイムは無かった為、バジルで代用。
じゃがいもは皮付きのままよく洗い、クシ切りにした後、水に浸けてアク抜き。

フィアンマ「…玉ねぎは要るか?」

上条「んー…いや、明日料理に使うからいいや」

アク抜きを終えたジャガイモの水気をよく取り、油の様子を見て。
低温から揚げるのがコツである。
中まで火が通ったのを確認し、油の温度を上げてカリっと揚げ、冷めない内に塩を振る。
これで、フィッシュアンドチップスの内、ポテトが出来上がり。
本当は玉ねぎも揚げた方がチップスの量は増えるのだが、上条の先ほどの発言によって今回は不使用。
もう一つの衣、つまりは小麦粉とベーキングパウダーを付ける。
余計な粉をはたき、寝かせておいた衣に付けたら、170℃の油で6分ほど揚げる。
くし切りにしたレモンと共に皿へよそえば、あっという間に出来上がり。

フィアンマ「…少し量が足りんな」

衣はまだ余っている。
冷蔵庫の中にあった笹かまをカットして揚げ、よそう。
油の処理をしつつパンを軽く焼き、マーガリンを濡れば主食となる。

フィアンマ「本来はビールを使うべきだったが、日本では未成年に酒を売らないからな…」

上条「まぁ、ビールなんてそのまま呑むイメージすごい強いからな…」

フィアンマ「ビールはあまり好かんのだがね」

上条「呑んだ事あるのか?」

フィアンマ「イタリアでは16歳以上の人間は酒が飲める」

上条「うらやま…しいようなそうでもないような」

ビールの味を思い浮かべたのか苦々しい表情を浮かべるフィアンマに苦笑し、上条は配膳を手伝う。

上条「はい、いただきまーす」

フィアンマ「父よ、ここにある食物に祝福を」

上条「…それ、疲れないか?」

フィアンマ「急いで食べる時は祈らないが、それ以外は原則祈ることになっているからな。疲れはしない。慣れだ」

挨拶を済ませ、ポテトを食べる。
ファーストフード店より塩気の少ない、美味しい、いたって普通のフライドポテトの味。
続いて、白身魚。フィッシュアンドチップスというそのままの料理名の、前半。

上条「ん…」

フィアンマ「…口に合わないか」

上条「>>112
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 21:00:09.75 ID:+vUVmOrSO
食った事ないけど文の限りじゃうまそうだ安価↓
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/24(土) 21:02:45.83 ID:ppKxS/Vr0
実際は芋は芋の味オンリー
魚は場所(店)によって変わるらしい
かなり油でがっつり揚げるから魚の味より
油の味の方が強いらしいぞ
加速下
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 21:04:02.02 ID:+vUVmOrSO
へー。今度出す店探してみよっかな…安価↓
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/24(土) 21:05:36.61 ID:ppKxS/Vr0
本番イギリスの店の話だからね?
イギリスでは味付けは店でせずに
塩やらソースやらの調味料をつかって
お客様のお好みで!らしい
加速下
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 21:10:31.36 ID:+vUVmOrSO
食ってみてー。

安価なら……そ、素材の味を大事にした料理なんだな!
116 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 21:21:47.03 ID:QqhVOU3T0
>>110 ×濡れば ○塗れば  うわ恥ずかしい…近頃誤字率高くて申し訳ないです  本場の味はそんな味なのか…イギリス……》


上条「……そ、素材の味を大事にした料理なんだな!」

正直、自分の作った料理だったら、レシピに対してボロクソに言っていたかもしれない。
不味いというのとはまた違う。こう、あからさまに物足りないが、何が物足りないのかわからない味。
自分から要求したし、フィアンマがベストを尽くしてくれたことはわかるので、上条は口ごもり気味に笹かまを食べる。
笹かまフライは笹かま自体に塩気があるので、まあまあ美味しくいただける。レモンをかければ、まあまあ。
本当に、そう、素材の味、素材らしい味がする。油の臭いが付加されただけ、といった感じの。
フィアンマはそんな上条の様子を見、食事の手を止めて立ち上がると、台所に引っ込んだ。
上条が首を傾げていると、ホワイトソースらしき甘い匂いがした。
やがて彼女が鍋ごと持ってきたのは、バターの残りと小麦粉の残り、冷蔵庫内の牛乳を使ったホワイトソースだ。
素材から作るというのはなかなか珍しいので上条は目を瞬いたが、そもそも彼女はインスタントラーメンやカレールーを知らない人間だったのだ。
スパイスからカレーを作るように、牛乳からシチューを作ったのだろう。それの応用。
とろとろとしたホワイトソースを白身魚にかけ、レモンを脇に除けて。

フィアンマ「…これで多少はマシになると思うのだが」

鮭のムニエル(ホワイトソース掛け)という料理がある。

上条「ありがとな」

礼を言って、食べる。
ホワイトソースの甘い、そして適度な塩味が先ほどの微妙さを覆っていた。
鍋を片付け、再び食事の席へついたフィアンマは、食事を再開しながら上条の様子を窺う。

フィアンマ「これ以上の対処は出来んが、多少マシにはなったか?」

上条(>>118
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/24(土) 21:24:18.76 ID:ppKxS/Vr0
イギリス人本人が認めたメシマズ大国イギリス

kskst
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 21:57:09.15 ID:+vUVmOrSO
ああ、美味いぞ
119 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 22:07:42.74 ID:7ltOjK3y0

上条(ん、)

上条「ああ、美味いぞ」

思ったままに言われ、フィアンマは安堵の笑みを浮かべる。
機転の利きを褒めるように、右手を伸ばして頭を撫でた。
上条に撫でられたことが嬉しいのか、彼女は素直にはにかむ。
一人称が特殊じゃなかったらモテるのかな、とうっすら思いながら、上条は夕飯を食べ進めた。



夕飯や入浴を終え。
いつも通り歯磨きを済ませ、上条と同じベッドに入ったフィアンマは、おずおずと切り出す。

フィアンマ「当麻」

上条「ん?」

フィアンマ「…当麻と同じ学校に通っても良いか」

夏休みが明けてから、と言われ、上条はうーんと考え込んだ。

上条「んー…」

フィアンマ「…その、…学校というものに通った経験が無くて、だな。…迷惑なら、別に行かずとも良いのだが…興味がある」

上条「>>121
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/24(土) 22:26:19.80 ID:ppKxS/Vr0
良いけど手続きはどうすんの?
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 22:27:16.13 ID:byyud04b0
学費は自分で払えよ
122 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 22:31:39.38 ID:7ltOjK3y0

上条「学費は自分で払えよ」

そこまで世話になるつもりはない、とフィアンマは首を縦に振り。
手続きは自分でする、との言葉に、上条は突っ込むことなく頷いた。



夜が明けて。
学生待望の夏休みである。
初日は補習無し、という訳で、上条は暇を持て余していた。
クーラーは壊れていないし、部屋に居てだらけていても良いのだが。
フィアンマも退屈なのか、時計を見たり、考え事をしている。
時々上条の教科書を手に取り、数学の数式を眺めてみたり。

上条「暇だな」

フィアンマ「そうだな」

上条「何処か行きたい場所とかあるか?」

フィアンマ「>>124
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 22:34:26.53 ID:+vUVmOrSO
ksk
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/24(土) 22:42:12.76 ID:PS/yjIEt0
プールとやら
125 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 22:50:07.13 ID:7ltOjK3y0

フィアンマ「プールとやら」

上条「プール?」

フィアンマ「に、行ってみたい」

興味がある、と言葉を紡いで、フィアンマはぱたりと教科書を閉じた。
本棚に片付けた上で、上条を見つめる。

上条「プールか、良いな。でも水着無いだろ」

フィアンマ「販売している場所は無いのか?」

上条「んー、と…此処から一番近いのはセブンスミスト、とかかな…」

携帯で検索しながら呟き、上条はこくりと頷いた。




外に出ると、うだるような、とまではいかないものの、暑い。
目的地は室内プールだが、その前に水着を購入すべく、二人は迷った結果ショッピングモール内の水着コーナーへやって来た。
これから夏本番なので、一角全て水着コーナーと化している。

上条「俺は適当に決めるか…あんまり数も無いし」

ビキニパンツだとかで冒険するつもりはなく。
ズボンにも似たデザインの海パンを選択した上条は、ちらりとフィアンマを見やった。
物珍しいからか、きょろきょろとしている。

上条「決まりそうか?」

フィアンマ「…当麻が決めてくれないか」

上条「俺?」

突如任命され、上条は女性用水着売り場を眺めて悩む。
一人だと変態チックだが、フィアンマが隣に居るので問題は無い。




水着(例:黒のワンピースタイプ等。色、或いは形のみでも可)の候補(複数可)>>126-127
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/24(土) 22:51:19.97 ID:PS/yjIEt0
初春が着てたやつ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 22:51:55.29 ID:+vUVmOrSO
ヴェスペリアのリタが着てたやつ
128 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 23:07:08.79 ID:7ltOjK3y0
《リタちゃんの水着を調べたら沢山出てきたので適当に選びました》


上条「んー、んー…これとこれかな」

一つは。
黄色い、二段フリルスカートワンピース型。
胸元にはリボンが結ばれており、肩紐は補足、一見キャミソールのようだ。
黄色一色という訳ではなく、オレンジの、歯車のような、コスモスの様な柄が描かれている。
手に取りやすいお手頃値段で、なかなか可愛らしい。

もう一つは。
下着に近い形で、布地はピンク。
履き口などには白いラインが引かれている。
スポーツブラとパンツに近い形かもしれない。ビキニ程の際どさは見られない。
付属品か、白い薄手のパーカーもついている三点セットで、お手頃な値段だ。

上条「どっちにする?」

フィアンマ「こちらにする」

どちらにしようかな、天の神様の言う通り。
指を動かして適当に決めた結果、前述の後者の水着となった。
上下ワンセットの下着にも似た形の、可愛らしい水着。

上条「ん、じゃあ会計するか」

フィアンマ「…自分の分は自分で、」

上条「めちゃくちゃ高額って訳じゃないし、別にいいよ」

俺が払う、と少し格好をつけて財布を開く。
これで良いのだろうかと首を傾げつつも、フィアンマは上条に任せることにした。




そして。
やってきた室内プールは、程よく空いていた。
先に着替え終わっていた上条は暇そうにフィアンマを待っていた。
やって来たフィアンマは少々寒かったのか、パーカーを羽織っている。

上条「おー」

フィアンマ「…待たせてしまってすまなかったな」

普段着ている服が長袖だからか、或いは人種の問題か、肌は白い。
細い脚は水着の形の問題で存分に露出されている。

上条「いや、別にいいけど」

フィアンマ「…似合っていると、思うか?」

パーカーの端を握り、フィアンマはおずおずと問いかける。
一人称が特殊なだけで、彼女は割と普通の感覚をした女の子なのだ。
当然、連れ合いの男性が恋人でなくとも、反応は気になるものだろう。

上条「>>130
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 23:08:58.53 ID:+vUVmOrSO
ksk
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/24(土) 23:13:37.26 ID:1CKUHXd8o
すげー可愛いぜ
似合ってるよ
131 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 23:28:08.43 ID:7ltOjK3y0

上条「すげー可愛いぜ。似合ってるよ」

フィアンマ「…そうか」

上条の言葉にほっとしながらはにかみ、フィアンマはパーカーから手を放す。
特別な事情をいくら持っていようとも女の子は女の子なんだなあ、と呑気な感想を抱きながら、上条は大きなプールへと誘った。
水に濡れても問題無いのだが、一応は泳ぐ妨げになってしまわないよう脱いでおく。

上条「ところで泳げるのか?」

フィアンマ「カナヅチでは無いと、っぁ」

言った途端、プール内の階段を踏み外し、ざぼん、という水音と共にフィアンマは水中へ沈んだ。
慌てて引き上げる上条に寄りかかる形で、やや落ち込む彼女を、上条は苦笑しつつ慰める。

上条「ま、まぁ、そういうこともあるって」

フィアンマ「……いい加減この重要なところでミスをするクセをどうにかせねばならんな」

上条「いいんじゃねえの? 致命的なドジじゃなきゃ。ドジっこって需要あるし」

フィアンマ「…需要?」

上条「あ、いや何でもないです、気にすんなしないでください。そ、そんなことより、足大丈夫か?」

フィアンマ「…くじいてはいないようだ」

うっかり妙なことを言いかけた、と視線を逸らし。
そんな上条に寄りかかったまま、フィアンマは自分の状態を確かめた。
どうやら足は挫いていないようだ。幸運なことである。
そんなこんなでくっついたまま、数秒過ごしていると。

??「ちょ、ちょっと!」

女子中学生の声が聞こえた。
鈴を鳴らしたような声。少女らしい、可愛いという印象の強い美貌。

上条「ん? あー、何だビリビリか」

??「ビリビリ言うな!」

上条「ちょ、プールで電気は流すなよ? 大事故だぞ?」

??「そんなことわかってるわよ!」

ちなみにこのプールは純水などを駆使しており、ほとんど電気を通さない。
なので、電撃能力者でも気兼ねなくやって来られる室内プールなのだが。

フィアンマ「…誰だ」

上条「あぁ、アイツ? 御坂美琴」

美琴(なっ、何で説明の時にはフルネームなのに…ッ!)

バチン、という音と共に、御坂美琴の前髪が跳ねる。
まさか公共の場所でそれは無いだろうとは思いつつも普段雷撃の槍を浴びせられる経験から、上条は咄嗟にフィアンマを左腕で抱きしめ、右腕を突き出せるように準備する。
身長差の関係で、抱きつくとも表現出来るだろうか。

美琴「こ、公共の場で何してんのよアンタ―――ッ!」

バチバチ、という音が響く。
周囲の人はプールの特性をわかっているので、あまり反応せず。現代人などそんなものだ。

美琴「っていうか、その人誰? 知り合い?」

フィアンマを指差し、美琴は問いかけた。
何故キレ気味なのかさっぱり掴めないままに、上条は答えた。

上条「>>133
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 23:29:40.18 ID:+vUVmOrSO
従妹だキリッ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/24(土) 23:30:16.73 ID:PS/yjIEt0
えーっと……お、俺の遠い親戚だ
134 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/24(土) 23:38:14.43 ID:7ltOjK3y0

上条「えーっと……お、俺の遠い親戚だ」

突然空から降ってきて何やかんやあって現在一緒に暮らしてるよくわからん女の子です、などと紹介出来る訳もなく。
視線を泳がせ気味にそんな事を言った上条に、鋭いツッコミが入る。

美琴「遠すぎるでしょうが!」

上条「俺の母親の妹の息子の従兄弟の父親の弟の母親の旦那の従兄弟の娘の兄貴の友達の再従姉妹の娘さんなんです!」

美琴「え? えーっと、母親の、妹の息子の…」

一気にまくし立てた嘘だが、途中『友達』という単語が入ってしまっている以上、まったくの他人である。
もはや親戚ですら無いのだが、まくし立てられて混乱した美琴にはわからない。

美琴「?? えっと、もっかい言ってくれない?」

上条「だから、母親の妹の息子の従兄弟の父親の妹の兄の姉の旦那の娘の兄貴の友達の息子の再従姉妹の娘さん」

クエスチョンマークを浮かべる美琴にうまく誤魔化せたと謎の安堵を覚えている上条に対し。
抱きしめられたまま閉口していたフィアンマは、顔を赤くして言葉を紡ぐ。
異性に抱きしめられたことなど、父親代わり相手にしか無かったので、ドキドキとしてしまったのだ。

フィアンマ「…いつまで抱きしめているつもりなんだ」

上条「あ、ごめんごめん…」

気付けば長いこと抱きしめてしまっていた、と反省の念と羞恥を思いつつ、上条はフィアンマから離れる。

上条「…何か顔赤いけど、大丈夫か?」

フィアンマ「>>136
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 23:40:32.00 ID:+vUVmOrSO
暑さで火照っただけだプイ
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 00:10:15.63 ID:5pOIGIvSO
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/25(日) 00:10:25.68 ID:snKDiuy80
大丈夫だ、問題にゃ…ない
138 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/25(日) 00:20:55.15 ID:KsVYo4EJ0

フィアンマ「暑さで火照っただけだ」

ぷい、と顔を逸らしての台詞に、室内プールは概ね涼しいのにと上条は首を傾げる。
そうしている内に美琴本来の連れである少女が現れた。

??「お姉様! お姿が見えないと思ったらこんな場所に居たんですの?」

美琴「ちょ、ちょっと知り合いに声かけてただけよ」

??「知り合い? あそこのバカップルのことですの?」

抱きしめるのをやめて離れても、先ほど転んだ影響で何となく手を繋いでいた上条とフィアンマを見やり、少女は首を傾げる。
長い髪を二つに結んだ、所謂ツインテールの髪型の可愛らしい女の子だ。
可愛い顔とは逆に、年齢や容姿に見合わない程、露出度の高い水着を着用している。
そこまで確認した後、上条はようやく黒子の発言を認識し、はっと手を離した。

上条「ビリビリの知り合いか?」

美琴「だからビリビリ言うなーっ! …知り合いっていうか後輩」

黒子「初めまして。わたくし、常盤台中学の白井黒子と申しますの」

上条「俺は上条当麻。ご丁寧にどうも…」

黒子「お姉様の露払いも兼ねております。それでは失礼いたします」

言うなり、黒子は美琴に触れ、美琴と共に消えた。

フィアンマ「…空間移動、というものだったか」

上条「多分そうだろうな」

何はともあれこれでもうバタバタしない、とほっと一息つき。
大型プールでちゃぷちゃぷと適当に泳ぎ、上条は感想を問いかける。

上条「楽しいか?」

フィアンマ「楽しい」

柔らかく笑み、ゆるやかな速度で泳ぐ。
言葉通り本当に楽しそうだ、と思いながら、上条は館内マップを見た。






どんなプールに行く?(ウォータースライダー・温泉プール等)>>139-140
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 00:22:38.00 ID:5pOIGIvSO
一緒に滑れるタイプの、かなり高いとこからグルングルン回ったり急直下に落ちたりするスライダー
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/25(日) 00:23:24.35 ID:snKDiuy80
高波プール
141 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/25(日) 00:40:19.12 ID:KsVYo4EJ0

上条「他にも色々プールの種類あるみたいなんだけど、行ってみるか?」

フィアンマ「そういえば大型施設だったか」

行ってみたい、と頷くフィアンマを連れて、上条は移動した。
マップを見て目星はつけてある。

一つ目は、高所恐怖症や心臓の弱い方にはおすすめしませんといった注意書きのなされているウォータースライダー。

長々とした階段を昇ってようやく辿りついた。
見晴らしは良い。そして、ルートは果てしなく長い。
着地場所はどうやらとても深いようだ。怪我の心配は無い、ものの。

上条「…もしかして高所恐怖症なのか?」

フィアンマ「いや、そういう訳ではない。果てが見えているのだから、恐らく何の問題も無いのだろう」

言いながらも、フィアンマは上条にひしっと抱きついている。
右方のフィアンマとして、はたまた救世主として働く時以外は、優しさに付随して臆病な性格なので、仕方のないことではある。
後ろからぎゅうと抱きつかれ、無い胸(とはいっても男の硬い胸板ではなく、あくまで貧乳の女の子のそれだ)を押し付けられ、動揺しながら上条は注意書きを見やって言う。

上条「『二人までは可能です。三人同時に滑るのはおやめください』…一緒に滑るか?」

フィアンマ「…」

こく、と縦に動く首。
上条は少し迷ってフィアンマを先に通すと、後ろから抱きしめる形で座った。
少し脚で周囲の壁を蹴れば、既に流れている水流に流されて勝手に滑っていく。

上条「うおおおおおお目が廻る…ッ!」

ぐるんぐるんと回ったり、左右に引っ張られるように滑ったり。
ほとんどジェットコースターに乗っている気分で振り回されていると、急直下でドボン。
最後まで彼女を抱きしめたまま落ちた上条は、ぶくぶくと空気を吐きだしつつ顔を出した。
流されるまま、陸へ上がる。とはいっても床暖房の効いた床だが。

上条「ぷはっ、…フェリーチェー?」

フィアンマ「……けほ、」

水から顔を出し、陸までやって来たフィアンマはというと。
じわじわと目に涙を溜めていた。
泣き出しそうな、というよりも、ほとんど半泣きである。

上条「!? な、何で泣いてんの…?」

フィアンマ「…>>143
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 00:42:27.27 ID:5pOIGIvSO
な゙、泣いて、だい……らいじょうゔ問題、ない
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/25(日) 00:43:35.60 ID:snKDiuy80
ごわがっだああああ
144 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/25(日) 00:51:13.00 ID:KsVYo4EJ0

フィアンマ「…ごわがっだああああ」

恥も外聞も無く、恐怖にぐすぐすと泣く姿は非力な乙女である。
そんなに怖かったのか、とかわいそうに思いながら上条は手を伸ばし、ぽんぽんとフィアンマの背中を叩いて頭を撫で、慰める。
その姿は完全にカップルのそれだが、上条達は気付いていない。そして、指摘されても否定するだろう。

フィアンマ「こ、こわかっ、水、廻、」

上条「あー…うん、落ち着いて、な?」

よしよし、と慰めながら、ひとまず休憩所へ移動する。
プール内の一角に設けられたベンチと自動販売機が置かれた場所だ。
計算も打算も何も無く、泣きやもうと努力するもなかなか泣きやめずにぐすぐすと泣いているフィアンマを宥め、上条は自販機を見やって問いかけた。
入場料がお高めの為か、携帯等を持ち込めないようにしてあるからか、この自販機は無料である。
泣いている人間を慰めた経験などロクに無い上条はあたふたとしながらどうにかしようと口を開いた。

上条「えーっと、何か飲むか? ほら、落ち着くかもしれないし」

フィアンマ「っ…グス…>>146

145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 00:52:21.23 ID:5pOIGIvSO
ksk
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/25(日) 01:11:17.29 ID:5pOIGIvSO
暖かい飲み物を
147 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/25(日) 01:16:39.59 ID:KsVYo4EJ0

フィアンマ「っ…グス…暖かい飲み物を」

上条「暖かいやつだな」

プールで身体が冷えた客用にか、『あたたかい』は用意されていた。
あたたかいココアを購入し、プルタブを開けて、上条はのんびりと差し出した。
フィアンマはだいぶ落ち着きを取り戻し、ぐすっと鼻を啜った後、ココアの缶を受け取った。
ちびちびと呑む姿を見やりながら、上条も適当に購入する。
暖かいいちご牛乳は、さほど甘党でもない上条の渇いた身体に染み込んでいった。

少し休憩した後。
泣いた後という片鱗すら見えなくなった、元通りのフィアンマを連れ、上条は高波プールへやって来た。
10分置きに大きな波がくるものの、溺れないようすぐ引くという親切設計だ。

フィアンマ「…高波だな」

上条「高波プールだからな」

フィアンマ「これはどうやって遊ぶものなんだ」

上条「色々とあるけど…んー」





上条はどうする?>>+2
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/25(日) 01:18:07.07 ID:snKDiuy80
サーフィンしてみる
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 01:28:48.70 ID:5pOIGIvSO
たまには上
150 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/25(日) 01:44:37.14 ID:KsVYo4EJ0

上条は迷い悩み、視線を横にやる。
そしてサーフィンボード置き場から一つのボードを手にすると、波に向かって慣れないながらも漕ぎ出してみた。
ぱちゃぱちゃと手で漕ぎ、頭の中にぼんやりとあるサーファーの姿を思い浮かべ、波に乗ってみる。
プロサーファーではないので酷くグラついたが、それでも何とか波に乗ることは出来た。
楽しいし、風が心地良いと感じる。
ふと視線を向けると、フィアンマは考え事をしている表情で、プール端に腰掛けていた。
しかし、上条と目が合った途端、可愛らしい笑顔で手を振る。
上条は片手でボードを押さえてバランスを取りつつ手を振り返すと、波の形のままに、落ちていった。
落下というよりも、滑り落ちる感じではあった。
水面に到着したところでボードから滑り落ち、上条は最後の最後で格好がつかないと項垂れた。
ボード片手に近寄ると、フィアンマは見ている方が楽しいと感じたのか、周囲のサーファー(のように波乗りをしている一般客)を見ていた。

フィアンマ「随分と高い波だったな。怪我は無いか?」

上条「大丈夫大丈夫」

フィアンマ「格好良かった」

にこ、と笑みを浮かべながら面と向かって褒められ、上条は慣れない感覚に口ごもる。
その場を逃げ出すようにボードをしまったところで、放送が流れた。
清掃を行う為、本日は午後から休館です、とのことである。

上条「…帰るか」

フィアンマ「そうだな」

顔を見合わせて笑み、それぞれが脱衣室に消える。



施設内のシャワーを浴び、髪を乾かし、元の服に着替えた二人は室内プールから出た。
プールで身体を動かした為か、程よい疲れが身体に残っている。

上条「今日は外食にするかな…」

フィアンマ「何処に行くんだ?」

上条「んー…」

此処から近い場所は、ファミレスだとか、ファーストフード店だとか、そんなもの。
予算的に、というか、身の程的にも、高級レストランなどに行くつもりは無い。
水着や着替え前の下着等が入ったバッグは、フィアンマが魔術を使って家へ送ったので、身軽である。
ちなみに周囲は空間移動能力の一環だと思ったらしく、何の問題も無かった。






何処に食べに行く?(例:蕎麦屋、ファミレス等)>>+2







《今日は寝ます。
明日は夕方位に来ます。小ネタ浮かびそうなので、浮かんでも投下しに来ます。
お疲れ様でした》
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 01:45:47.37 ID:5pOIGIvSO
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/25(日) 01:46:56.56 ID:AZ2v30Ye0
ラーメン
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/25(日) 09:53:19.74 ID:mQOjSDvno
乙でした
154 :小ネタ:怪我 ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/11/25(日) 13:55:44.25 ID:9Vxhu1PAO


―数年前―


フィアンマ「……」きょろきょろ

アックア「む」がちゃ

フィアンマ「よく帰ったな、アックア」

アックア「今先の帰還である」

フィアンマ「……、…怪我をしている様に窺えるが」

アックア「事実、そうであるな」こく

フィアンマ「…ッ…」じわっ

アックア「」

フィアンマ「…、…何故怪我をした」

アックア「……不可抗力の過失である」

フィアンマ「……馬鹿が」ぐすぐす

アックア「…」よしよし

アックア(リーダーとは思えない甘さであるな…)
155 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/25(日) 16:52:55.02 ID:skDebWaA0

候補地を頭に浮かべて悩んだ結果、ラーメン屋に向かうことにした。
食券制のラーメン屋なのだが、オススメマークがついているものが多すぎて、どれがオススメなのかもはやわからない。

上条「そういえば、ラーメンは食ったことあんのか?」

フィアンマ「こういった普通のものであれば、一回だけ経験があるが」

上条「へー。日本の?」

フィアンマ「あぁ。具が多かったイメージがある」

そんな会話をしながら店に入り。
珍味としか思えなかったインスタントラーメンの味を思い浮かべ、フィアンマは食券を眺めた。
日本語が読めないという訳ではなく、沢山あり過ぎて悩むのだ。
前述の通り、オススメマークがやたらと貼り付けてあるという理由もあるが。

上条「んー…」

フィアンマ「……」

過去一度だけ食べた経験があるフィアンマだが、それは自分で食べようと思った訳ではなく、偶々食事場所に迷って入ったラーメン屋で適当に店主に選んでもらった為、種類すら覚えていない。
食券に表示されているのは、ラーメンや餃子、トッピング。
ラーメンの種類は沢山あり、オーソドックスな味噌や醤油、塩や豚骨。
学園都市の開発メニュー、つまりは妙な内容のものもある。





上条が食べるラーメン>>+2
フィアンマが食べるラーメン>>+3
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 17:49:00.37 ID:5pOIGIvSO
ksk
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 19:27:57.14 ID:5pOIGIvSO
シンデレラ味(わからなかったら豚骨)の、麺の固さは針金
158 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/11/25(日) 19:34:56.87 ID:9Vxhu1PAO
《何やら体調が優れないので今日は寝ます
お疲れ様でした 明日は夜に来ます

フィアンマちゃんが食べるラーメン内容は安価下でお願いします》
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 19:37:08.74 ID:5pOIGIvSO
乙お大事に安価↓
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/25(日) 20:07:58.44 ID:bXXX4Fmvo
ネギラーメン
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/11/25(日) 21:18:57.46 ID:S5rzR9/AO
このスレ見る時毎回フィアンマが「アンアン」って言ってんのかと思ってしまうWWWWW
安価は↓
162 :小ネタ:和食 ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/11/26(月) 07:36:21.91 ID:1THvHq8AO
>>161様 重要なところでどもってしまっただけなのです、性格的に…いや>>1としてはアンアン言わせたいですが》




上条「ちょっと味噌汁作ってみてくれないか?」

フィアンマ「味噌スープか。以前和食の調理はあまり得意でないといった筈だがな」

上条「その微妙ってのがわかんないからちょっと気になって」

フィアンマ「…そうか。後悔するなよ」


鍋<ウッス


フィアンマ「…完成だ」どや っお玉

上条「…ん」ずず

上条(美味しいお湯の味がする…味噌汁っていうか、正に味噌スープ)しんみり

フィアンマ「……」じと

上条「…うん、まぁ、日本人の感覚とは違うもんな…」ははは

163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/26(月) 08:16:33.11 ID:SVgDDWLSO
乙。
どうでもいい話だが、普通のお茶漬けはあまり外国人にはうけないが、コーヒー茶漬けは舌にあうらしいの
164 :小ネタ:和食2 ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/11/26(月) 09:34:29.05 ID:1THvHq8AO


上条「今日の昼飯お茶漬けでいいか?」

フィアンマ「……」うーん

上条「苦手なら別の作るけど」

フィアンマ「…コーヒーはあるか?」

上条「? あるぞ」

上条(貰いモンだから美味しく無いかもしれないけど)

フィアンマ「コーヒー茶漬けであれば食べる。通常のそれはあまり食べ付けん」こく

上条「…こ、コーヒー茶漬け?」

フィアンマ「あれは美味いからな」うん

上条(わ、わからん、フェリーチェの味覚が全く持ってわからん…!)

フィアンマ「…」るんるーん

165 :小ネタ:和食3 ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/11/26(月) 09:35:43.06 ID:1THvHq8AO


上条「…今日のお弁当の卵焼きをフェリーチェに任せた上条さんが悪かった、悪かったけどさ」


フィアンマ「う」

上条「何をどうしたら醤油とカラメルを間違えるトラブルが起こるんでせう!?」

フィアンマ「…似ているだろう?」

上条「似・て・ね・え・よ! 匂いでわかるだろ!」

フィアンマ「ソイソースの匂いを真面目に嗅ぐ必要は無いだろう」

上条「その結果ソイソースじゃなかったけどな」

フィアンマ「……」しゅん

上条「…」もぐ

フィアンマ「…責任を取って全て食べる。俺様が悪かった。……だから無理をして食べずとも、」

上条「失敗したことは、ともかく。…この三切れは、フェリーチェが俺の為に作ったものだろ。ちゃんと食べるよ」

フィアンマ「……怒っていないのか」

上条「怒る話でも無いしな」

フィアンマ「……」ぎゅう

上条「っ、お、わ、何、何だよ」あたふた

青ピ(学校であからさまにいちゃつく事無いやろ……)

166 :小ネタ:和食4 ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/27(火) 07:18:25.91 ID:ihLrZXcAO
《今日、明日と用事が入ってしまったので本編更新が出来なくなりました。昨日も出来なくて申し訳ありません》


フィアンマ「…モチか」

上条「いやいや、お餅は正月に食べるものですのことよ。大福な」

フィアンマ「…ダイフク?」

上条「そうそう。クリーム大福なら舌に馴染むかと思って。よく噛んで食べろよ」っクリーム大福

フィアンマ「……」もっちもっち

上条「ん」もぐ

フィアンマ「……」もっちもっち

上条「美味い?」もぐもぐ

フィアンマ「…美味しい」ふにゃ

上条「そっか、良かったな。これも食べるか?」っ草大福

フィアンマ「…」もっちもっち

上条「……」

フィアンマ「…けほ」うう

上条「やっぱりヨモギはキツかったか…」さすさす
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/27(火) 08:40:34.43 ID:uVxLxeAro


ホンワカして寝不足の辛さがやわらぐ
168 :小ネタ:和食5  ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/11/27(火) 20:20:20.10 ID:6s0IazCV0

上条「何か今日肌寒いな」

フィアンマ「……」

上条「…フェリーチェ?」ちらっ

フィアンマ「……」ぶるぶる

上条(寒さに口も利けなくなってる!?)えええ

フィアンマ「…さ、むい」うう

上条「そんなんで真冬大丈夫なのか…そうだ、肉まんか何か奢ってやるよ」

コンビニ店員「いらっしゃいませー」

フィアンマ「? この間のダイフクのようなものか?」

上条「あんまんはそれに近いけど、ちょっと違うかな。和菓子のお饅頭とはまた別物だから」

フィアンマ「…温かいのか?」

上条「温かい」うん

フィアンマ「…食べる」

上条「じゃあ半分こするか…どれがいい?」

フィアンマ「…Pizzaまん?」

上条「何でそこだけネイティブな発音なの? って思ったけどお前の本国イタリアだっけ。すいませーん、ピザまん一つください」

コンビニ店員「かしこまりましたー」



コンビニ店員「ありがとうございましたー」

上条「ん、」っピザまん(1/2)

フィアンマ「…」もぐ

上条「ちょっと辛いかもしれないな」もぐ

フィアンマ「…ピザじゃない…」もぐもぐ

上条「…うん、まぁ、仕方ないな」

フィアンマ「……これはピザじゃない」もぐもぐ

上条(否定しつつも気に入ったのな)
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/27(火) 22:08:27.14 ID:ihLrZXcAO
+
170 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/27(火) 22:08:29.03 ID:6s0IazCV0
《ちょっとだけ更新します》


上条当麻は疲れていた。
人間は、疲れていると大事な判断を間違えてしまう生き物である。

上条「ガラス麺のシンデレラーメン…ガラスっぽい歯触りをお楽しみいただけます…?」

結果として、上条少年が新しいからとただそれだけの理由でそのラーメンを選んだのは、疲労のせいである。
フィアンマはというと、そんな上条の選択を訂正させる訳でもなく、自分が何を食べるかで悩んでいた。
ハズレないもの、ハズレないもの。
彼女の思考に対し、その精神に融けている『原典』は最適な答えを出す。
即ち、平均的な値段の、平均的な味の、ちょっぴりネギの多いネギラーメンである。
焦がしネギなので少し苦いかもしれないが、フィアンマは自分の思考を信じることにした。


そして。
現在、上条は口の中の非常事態に不幸だと呻くことも出来ないまま項垂れていた。
シンデレラスープ。
それはノンアルコールカクテルの一種である、『シンデレラ』そのもの。
作り方は簡単で、オレンジ・ジュース、パイナップル・ジュース、レモン・ジュースをカクテルしただけのもの。
単品として飲む分には美味しいのだが、如何せん、ラーメンの麺には合う筈もなく。
加えて、上条の口の中で禍々しく存在を主張している細麺は、まるで針金。
噛んでも噛んでも一向に小さくなる気がしてこない。
ううう、と小さく項垂れる上条に対し、フィアンマは僅かばかりの哀れみを抱いた後。
半分程量の減った丼を上条の前に差し出した。こちらはいたって普通の、前述通り、ネギラーメンである。

上条「…いいのか?」

フィアンマ「飲み込めん程不味いのだろう?」

上条「……お前さ、ちっちゃい頃から『いい子』って言われてこなかったか?」

フィアンマ「そうだが」

だよな、と相槌を打ち、上条は涙目で感謝の言葉を口にしながら残りをいただいた。
不幸でも幸運でもない日だ、と思いながら。


帰宅し、洗濯物の片付け。
何度目かの洗濯機の扱いを教えながら、上条は一人増えた日常にそれなりの安らぎを感じ始めていた。

上条「さて、と。風呂入って寝ますかー」

フィアンマ「…ん」

フィアンマは、上条とだいぶ打ち解けているのを感じていた。
それと同時に、こんな暮らしがいつまでも続けばいいと、祈ってしまっていることも。

そして、そんな都合の良い未来は、訪れないということも。
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/27(火) 22:08:31.35 ID:ihLrZXcAO
+
172 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga !蒼_res]:2012/11/27(火) 22:09:41.90 ID:6s0IazCV0

現、右方のフィアンマ。
『神の如き者』の属性を持ち、天使にも近い身体を持つ、『神の右席』の実質的リーダー。
そして、その脳内に『虚空年代記』を宿す、一人の少女。
彼女の本名は、『Ofelia=Cannavacciuolo』。
日本語読みをするのであれば、オフィーリア=カンナヴァッチュオロという。
有名な悲劇『ハムレット』のヒロインの名前にも、それがある。
彼女には元々、名前が無かった。生まれついての孤児だった。
幸いにして容姿が良く(幼さも手伝い)素直で愛らしかった為、同年代の同じ孤児の少年から得る食べ物で一日一日を生きていた。
しかし、5歳になった頃。スリをしてくれていた少年達は、餓死をした。
自分のせいだと考え、泣きながら彷徨い歩いたヴァチカン市国の中。



やがて幼い彼女は、一人の老人と出会うことになる。
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/27(火) 22:09:43.23 ID:ihLrZXcAO
+
174 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga !蒼_res]:2012/11/27(火) 22:10:13.96 ID:6s0IazCV0

雨の酷い夜だった。
その老人は、枢機卿と呼ばれていた。
教皇選挙に幾度も負け、悔しさという邪念から解放されたいと、神に祈っていた。
そんな教会へ入り込んだ彼女は、泣きながら助けてくださいと言った。
そして、その老人は言葉を受け入れた。優しい老人だった。
本当に、どうしてローマ教皇の地位へ就けなかったのか、わからない程に。

『名は何という?』
『あ、…ぁ、…おなまえ、…ない』
『そうか。では、名前を付けてやろう』

自分の服が汚れてしまうことも厭わずに、老人は彼女の髪を撫でた。
涙で汚れた頬を拭き、優しく微笑んで。

『私はミケーレ=カンナヴァッチュオロだ。苗字は私の物にしても良いか?』
『はい…』
『…では、今日からお前の名前をオフィーリア=カンナヴァッチュオロとする』
『…おふぃーりあ』

その日から、彼女には人権が生まれた。
老人はよく少女の世話をして、家族として、娘のように、孫のように愛した。
生粋の聖職者である彼には子供も妻も居なかった。
二人だけの寂しくも暖かな家庭に、オフィーリアは安息を、安穏なる幸福を、覚えていった。
老人の言うままに、料理を覚えた。勉強をした。
学校には行かずとも、自分で勉強をすれば充分だった。

老人は枢機卿でもあり、優秀な魔術師でもあった。
故に、オフィーリアはやがて、魔術というものを学びたいと思うようになった。
最初こそ老人は渋っていたものの、彼女に『神の如き者』の適性があることを知り、教えるようになった。

『勤勉だったら、ミケーレおじい様のようになれる?』
『どれ程偽っても、お前は女だからなあ。だから、ローマ教皇より、上の地位を目指せば良い』
『ローマ教皇様より、偉い魔術師になるの?』
『そうだよ』

少女が『神の右席』の座に着く才覚があることを見越して尚。
不安を抱えたまま、老人はやがて天寿を全うする。

『…おじい様、死んじゃうの?』
『…すまないな』
『…俺を、一人にするの?』
『…すまない。……最後に、一つだけ頼んでも良いか』
『…何…?』
『嘘で良い。"教皇"と呼んでくれないか』
『……教皇さん』
『…ありがとう。…オフィーリア。お前に、渡そうと思っていたものがある』

死ぬ前に、彼はオフィーリアに一冊の『原典』の知識全てを授け、鍵を与え、原本を燃やした。
重要な機密を持っていれば、ローマ正教の加護を受けられる。
少女の幸福を祈って授けた莫大な『遺産』は、やがて彼女の心を拘束するようになった。
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/27(火) 22:10:15.28 ID:ihLrZXcAO
+
176 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/27(火) 22:10:54.86 ID:6s0IazCV0

八歳で、『右方のフィアンマ』の座へ。
彼女は、その幼さ故に『預言』へ頼った。
迷えば、悩めば、思えば、答えがある。
やがて彼女は、『預言』に半ば支配されるようになった。
性格は、心優しいまま。しかし、心は分離する。

預言を受けた、『右方のフィアンマ』としての冷酷さ。
彼女本来の、『オフィーリア=カンナヴァッチュオロ』としての甘さ。

普段は後者が顔を出す。当たり前だ、それが彼女という人間なのだから。
しかし。
預言に従って決めたことは、冷酷に取り組む。
そして、現在の優先順位は右方のフィアンマの方だった。
今や、『オフィーリア=カンナヴァッチュオロ』は『右方のフィアンマ』に逆らえない。


世界中の人を幸せにする為に、世界中を傷つけると決めてしまえば。
もう、それは決して覆せない未来の確定事項なのだ。


「…俺様が、…悪いの、かな」

上条の寝顔を眺め、呟く。
内側から湧き出す『預言』は、そんなことはないと庇う。

「…全部、…俺様が悪いのかな」

薄々感づいてはいる。
戦争を起こして、思った通りに世界を救っても、それは所詮恐怖政治による表面的な平和に過ぎないと。
神罰を下すべきは、自分のような人間が成り上がった先に至る神上の仕事ではないと。
四大属性を躍起になって正して、世界の寿命を延ばして、その為に沢山の人間を傷つけても無意味だと。
それでも、もう逆らえない。諦められる段階ではない。

「…やり直したい」

上条当麻とは、もっともっと、別の形で出会いたかった。
そうして、仲良くなったら、何の不安も無しに、素敵な友達になれたに違い無い。
そんなことを思いながら、彼女は目を閉じる。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/27(火) 22:10:56.13 ID:ihLrZXcAO
+
178 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/27(火) 22:11:41.36 ID:6s0IazCV0

八月八日。
本日、見事なる快晴なり。
そんな訳で、上条はフィアンマと共に参考書を購入しに行ったのだ。
質の良い参考書を買ったからといって学力が上がる訳ではないが、気持ちの問題である。

フィアンマ「何の科目の参考書を購入するんだ?」

上条「全般的なヤツ…だと高いしな…んー」

とりあえず数学、と購入を終え。
調度昼過ぎだとファーストフード店に寄ったは良いものの、運悪く満席となっており。
唯一空いている席といえば。

??「……」

巫女さんが一人で陣取っている四人がけの席だ。
上条は密かにフィアンマへ目配せをした。
相席をしてもらうか、それとも諦めて持ち帰りにしてもらうか。
対して、フィアンマは自分は相席でも構わないといった態度。
少し迷って黙った後、上条はその巫女服少女に声をかけた。

上条「あ、あのー…」

??「食い倒れた」

上条「へ? …えーっと…」

姫神「私。姫神秋沙。職業。魔法少女」

上条「…お前の親戚?」

フィアンマ「…そう、思うのか?」

上条の言葉に、フィアンマはため息を漏らす。
何でもいいが、バリューセットの載ったトレイはそれなりに重いので、さっさと決着をつけたい。

上条「あの、相席したいんですけど…良いですかね?」

姫神「>>180





《今日はここまでです。やっぱりガチで風邪引いてたっぽいので今日は寝ます。お疲れ様です》
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/27(火) 23:35:30.91 ID:PROEhwHRo
どうぞ
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/27(火) 23:57:21.16 ID:EMraETlX0
181 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/28(水) 20:16:40.88 ID:2DaozsyJ0

姫神「どうぞ」

あっさりとした承諾にややきょとんとしながらも、上条達は姫神の好意に甘えることにした。
知らない人の隣に座るのを避けた結果、姫神の正面に上条、フィアンマが並んで座ることになり。
食い倒れた巫女服少女はぐったりとテーブル上に身体を横たわらせたまま、今しばらく自由な時間を満喫していた。

もぐもぐとハンバーガーを適当に口に突っ込んで咀嚼しながら、上条は不躾とならない程度に目の前の巫女服少女を眺める。
黒髪ロング。清楚で可愛らしい顔立ちの少女だ。今はほとんど顔は見えないが。
どこぞのお嬢様学校所属か、それにしては制服じゃないし、と首を傾げる上条を気にかける様子も無く、フィアンマは食事を進めていく。
やがて少女はのろのろと起き上がり、ゆっくりと二度程深呼吸をした後、上条達を見て言葉をかけた。

姫神「ここで相席になったのも。きっと。何かの縁。お願いしたいことがある」

上条「お願い?」

長年の不幸体質から他人に対して警戒しながらも助けようとする姿勢を崩せない上条は、反射的に同情的な声音で聞き返す。
対して、姫神は落ち着いた様子でこう言った。

姫神「クーポン券で。全てのハンバーガーを購入した結果。さっきまで行き倒れていた。それで。今は電車賃が無い。という訳で。不足分の百円を貸して欲しい」






上条はどうする?(台詞可)>>+2
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/28(水) 20:58:57.70 ID:mc1ijMzIO
...家に帰れなくなったのか?
無計画すぎるだろ...ほらよ」っ100円玉
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/28(水) 21:23:05.47 ID:SDQiqR3SO
184 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/28(水) 21:43:31.28 ID:2DaozsyJ0

上条「…家に帰れなくなったのか?」

姫神「大体そういうことになる」

上条「無計画すぎるだろ…ほらよ」

苦く笑って差し出される百円玉。
姫神は善意の施しを受け、やんわりと微笑む。
清楚な美人に似合う、柔らかで綺麗な笑顔だ。

姫神「ありがとう。いつか。恩返しするね」

百円玉を受け取り、姫神はがさごそとしまいこんだ。
胸元にしまっている気がしたものの、そのようなお色気シーンは情欲の悪魔を呼ぶとしてフィアンマに目元を塞がれた為、上条は終ぞお宝シーンを見ることが出来なかった。
うう、と項垂れる上条を尻目に、未だ重く残る満腹感にゆっくりと呼吸しながら、姫神は立ち上がる。
そんな少女に対し、フィアンマはおもむろに十字架を差し出した。
どこから取り出したのだろうと一瞬首を傾げ、空間移動能力を持っているのかと判断した姫神は、きょとんとしながらその十字架を受け取った。
何やらオシャレなアクセサリーとはまるで違い、やや物々しい雰囲気すら持っている。

フィアンマ「『神の子』は言われた。"『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい』これが最も重要な第一の掟である。第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい』"と。……ローマ正教式の、その辺の教会程度の強度と効果は持っている。副次的効果だが、お前の『特殊な力』―――悩みの種の力を抑える役割を持つ。穴の部分に紐を通し、首に掛けろ。効果が出る」

姫神「…え。」

思わず、姫神は目を瞬いた。
ローマ正教だのどうのという話はよくわからないが、この人は何故、自分がこの能力、と呼んで良いのか―――『吸血殺し』を疎んでいることを、どうして知ったのか。
勿論、カラクリはある。タネも仕掛けもない手品とは違う。フィアンマは姫神秋沙のストーカーという訳でもない。

彼女の脳内の『虚空年代記』が彼女の善意(眼前の少女=隣人を救いたい)という意思を汲み取って、勝手に"検索・取得"した結果である。
科学サイドの常識で語るならば、『虚空年代記』は、鍵のかかっていないパソコン(宗教防壁を大量に張っていない普通の人間)から自由に、必要なだけのデータ(過去、経歴、能力の簡易的説明を直感という形でフィアンマは受ける)を盗み出せるということだ。

要望が『音楽を聴きたい』であるならば、検索エンジン、ダウンロード、情報や内容の正誤の分別、全てを『原典』が行い、音楽を聴かせる。

検索エンジンを例に上げたが、これはなかなか説明として適当な言葉である。
状況のみを入力しても正しい答えを。正しい答えが見つかるまで検索し、正しい詳細を教えてくれるのだから。
並みのブラウザよりも優秀である。

そして、『直感』や『予測』という形で『預言』を受け取った彼女は、空間転移術式の応用で、前々から持っていた教会級の霊装を取り出した。
何でもない、ただそれだけのこと。

なのだが、それは彼女にとっての常識であり、日常であり、普段で、当然であり。
姫神は驚き、そんな姫神の様子を見、上条は首を傾げている。

姫神「ありがとう。でも。えっと。どうしてわかったの。私の能力のこと」

フィアンマ「…>>186
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/28(水) 21:53:38.80 ID:Ms2JYACBo
ナイショ♪
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/28(水) 21:56:20.47 ID:B56Cwqmc0
そういう能力なんだ
187 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/28(水) 22:08:47.38 ID:2DaozsyJ0

フィアンマ「…そういう能力なんだ」

学園都市製の能力開発を受けていない上に『原石』と呼べるか曖昧な魔術的才能持ちである以上、嘘である。
とはいえ、彼女自身にそういった特性・能力は備わっている以上、まったくの嘘という訳でもなく。
いまいち納得のいかない様子の姫神を追い立てるように、フィアンマは渋々といった様子でネックレスにありがちなシンプルな細いチェーンを差し出した。
こちらは血液を付着させては消し去る(隠す)、といった行為の繰り返しから、『自分を狙う敵』に対して自分を見つけられなくするという効果がある。
自分を狙っていない相手には案外見つかってしまうのだが(姿を完全に消し去るそれではない)、自分を探そうと躍起になればなる程見つからなくなる。
このチェーンは。
姫神秋沙という少女が『三沢塾』―――フィアンマにとっては見知らぬ敵から守る為の案である。

フィアンマ「これで掛けろ」

姫神「…ありがとう」

善意に甘えることにした姫神はそのチェーンを受け取り、先ほどの十字架の穴部分に通し、首にかける。
そして再度、一度だけお礼を言うと、今度こそ姫神は店内から出て行った。
家に帰る、といった歩調ではなく、何者かから逃げている、といった調子で。
フィアンマは彼女の逃走先を確保するまでのお節介な善意は発揮せず、彼女に道を選ばせることとして。
まるで何事も無かったのかのように、残っていたポテトを口に運んだ。

上条「…なぁ」

フィアンマ「んー?」

上条「…フェリーチェってさ。魔術師ってヤツの中でも、優秀なのか?」

フィアンマ「…それは、…どうだろうな」

愚問だな、とフィアンマは思う。
色んな意味で。




そして、帰り道。
本来起こる筈だった悲劇から、とある少女は逃げ切り。
上条は自宅へ帰る途中、フィアンマによって道中引き止められていた。

フィアンマ「当麻、野良猫が居るぞ」

上条「あー…そうだな」

フィアンマ「三毛猫のようだ」

上条「……」

フィアンマ「…飼わないか?」

おずおず、といった様子で切り出され。

上条「>>189
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/28(水) 22:15:59.57 ID:SQYViBuVo
寮で猫飼ってよかったかなぁ?
まぁ、1人も2人も一緒か
189 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/11/28(水) 22:18:29.57 ID:Yg2Mq9MAO

《今日は寝ます。
安価下でお願いします》
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/28(水) 22:20:58.14 ID:B56Cwqmc0
んー?あ、こいつオスだ珍しー
191 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/29(木) 18:12:05.14 ID:nGDwYqbD0

上条「んー? あ、こいつオスだ珍しー」

ひょい、と。
フィアンマが指差していた三毛猫を抱き上げ、上条はマイペースに言う。
まだロクに目も開いていない三毛猫の顎下をくすぐり。
さてどうしようかと悩む素振りを見せ、上条はちらりとフィアンマを見やる。
猫飼いたい、という感情がダイレクトに滲んでいる。と、思う。

上条「三毛猫のオスって珍しいしなー…」

フィアンマ「……」

上条「…仕方ない、ウチペット禁止だけどどうにかして買うか」

フィアンマ「!」

上条の言葉に対し、フィアンマは嬉しそうな笑みを零した。
そんな彼女の様子を眺め、上条も表情を和ませる。
正直、発見しておいてこんな子猫を放り置くのも気が引ける。
フィアンマに三毛猫を抱かせ、上条は帰ろうと促して歩き出す。
幼い猫を見やりつつ、フィアンマは首を傾げた。

フィアンマ「名前は何にするんだ」

上条「>>193
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/11/29(木) 18:13:00.66 ID:x8lQKESAO
>>191 ×買う ○飼う》
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/29(木) 18:13:30.12 ID:fhRYebtU0
シャミセン
194 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/29(木) 18:25:05.01 ID:nGDwYqbD0

上条「シャミセン」

猫「なーぉん」

フィアンマ「三味線は猫の皮を張り付けるのではなかったか? 嫌だと言っているようだが」

上条「伝統芸能の為に犠牲になってるみたいだけどな。そんなに嫌がってもないだろ」

猫「なー」

フィアンマ「…嫌がっているぞ?」

上条「…とりあえずシャミセン(仮)でいくか…」

恐ろしいネーミングセンスだと思いつつ、フィアンマは猫をあやしつつ歩く。
上条も同じような歩調で歩きながら、ふと、とある建物に目を向けた。

『三沢塾』。

彼にはフィアンマのような特別な性質は存在しない。
しかし、これまで生きてきた中で培ってきた、不幸の前兆に対しての人並み外れた直感のようなものは時々発揮される。

上条「…なあ、フェリーチェ」

フィアンマ「…ん?」

上条「あの建物、何か変じゃないか?」

アウレオルス=イザードが支配下に置いた、『三沢塾』。
その内部には大量の魔力が蓄えられている。
が、外部にバレないよう細工がなされている。
しかし、完璧な偽装はかえって疑惑を生むもので。

フィアンマ「………」

上条「…気のせいならいいんだけどさ」

フィアンマ「…いや、気のせいではないと思うが」

上条「…どうする?」

フィアンマ「…>>196
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/29(木) 18:36:08.39 ID:0ykhiarpo
行ってみる
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/29(木) 18:45:23.25 ID:fhRYebtU0
行ってみよう
197 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/29(木) 18:51:13.86 ID:nGDwYqbD0

フィアンマ「…行ってみよう」

ひとまず、猫を置いてから。
そう言葉を付け足し、さっさと家に戻り。
猫に暖かな毛布をかけ、上条とフィアンマは二人で『三沢塾』の入っている一二階建てビルへやってきた。
大きなビルと不穏な雰囲気を見上げ、上条は今更ながら思い出したように言う。

上条「フェリーチェ」

フィアンマ「何だ?」

上条「そりゃそうだろ。……これは勘なんだけど、さ。…すごく、嫌な…不幸になる気が、するんだけど。…お前は、家に居た方が良かったんじゃないか?」

フィアンマ「当麻は行くんだろう?」

上条「そりゃあ、まぁ。面倒臭いことは嫌いだけど、こういうのは別だし。……ただ、フェリーチェまで付き合わなくても」

上条が思い浮かべるのは、アックアによって血まみれにされたフィアンマの姿だった。
もうあんな風になられるのはゴメンだった。
誰が相手であろうと、絶対に。そうなられる位なら、家に居て欲しい。
うっすらとだけれど、そんなニュアンスを読み取って。
実に日本人男性の亭主関白的な考えだ、と思いながら、フィアンマは口を開く。

フィアンマ「>>199
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/29(木) 18:53:25.49 ID:e5EkK5u8o
魔術が相手ならわたしもいた方がいい
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/29(木) 19:02:48.55 ID:JFU3FSs8o
200 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/29(木) 19:17:31.59 ID:nGDwYqbD0

フィアンマ「魔術が相手なら俺様もいた方がいい」

上条「そりゃそうかもしれないけど…」

フィアンマ「…そんなに心配してくれるということは、俺様を守ってくれるんだろう?」

上条「……まあ、……否定はしねえけど」

土壇場で女の子を敵の前に自ら突き出す腰抜けではない、と上条は思う。
加えて、彼女が言ったように、仮に相手が科学ではなく魔術であった場合、フィアンマが居てくれた方が良い。
ビルを壊して入るなどの発想は無かった為、上条達は普通に入る。
上条の右手―――『幻想殺し』によって魔力の欠損を感じ取った錬金術師アウレオルス=イザードは、ビル四棟で眉を潜める。

アウレオルス「…現然。何者だ?」

呟き。彼はこの事態に対応しようと、考えを巡らせる。
そんな彼の背後には、白い修道服を纏った少女が静かに眠っていた。
彼女の名はインデックス。
その身に世界中のありとあらゆる魔道書・邪本悪書103000冊を宿す、完全記憶能力保持者。

そして。

アウレオルス=イザードが、心から救ってあげたいと、そう願っている、少女。



一方。
フィアンマと上条は、自分達よりも後に入ってきた人物に警戒されていた。

????「……イギリス清教ではないようだね。一般人が迷って入るとは思えない。何だかんだで『人払い』は敷いたからね」

フィアンマ「…魔術師。イギリス清教『必要悪の教会』所属、ステイル=マグヌスか」

ステイル「おや、僕も有名になったものだ」

『虚空年代記』で情報を読み取り、フィアンマは名前当てクイズのように言う。
正体を見破られたステイルは、さてどうするかと二人を見た。

上条「何かこの建物から嫌な予感がして入ったんだ」

簡易的に説明し。
上条の言葉に、ステイルは『人払い』の適用されない一般人然とした少年に困った様子を見せる。

上条「やっぱり、此処に何かあるのか?」

トラブルに関わる気満々である。

ステイル「>>202
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/29(木) 21:17:17.51 ID:waWd3xzIo
邪魔だ。このまま帰れ。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/29(木) 21:32:15.58 ID:x2RzmHDWo
203 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/29(木) 21:47:37.97 ID:DG9s9d1r0

ステイル「邪魔だ。このまま帰れ」

対して、ステイルの返答は決まりきったものである。
彼は『必要悪の教会』の一員。
そして、無闇矢鱈と一般人を巻き込むつもりなど無かった。
協力を請わなければならないという理由だって、何処にも無い。
素っ気ない、しかしある意味で思いやりに溢れた言葉に、上条は従わない。

上条「ダメだ」

ステイル「…素人に手を出されても足手まといになる」

だから、帰れ。
入口ドアを指差して、再度の促し。
上条は再び、首を横に振った。
仕方がないので視線をフィアンマに向ければ、彼女は彼女で好き勝手に内部構造を調べていた。

フィアンマ「……んー」

ステイル「…」

自分の素性を知っているということは魔術師か、と判断しながらも。
やはり一般人を、何の関係も無い人間を巻き込みたくないステイルは、フィアンマに向かって何事かを言おうと口を開く。

フィアンマ「…内部、侵入者攻撃不可。…『生徒及び建物への干渉不可』。…コイン理論か」

ステイル「おい、」

フィアンマ「衝撃は倍化。動くものに触れれば一方的に干渉を受ける。…内側だけか。つまり、外側からの攻撃には無力。ま、行ってみる価値はあるか…」

ステイル「…聞いているのか」

フィアンマ「…迎撃の際には幾度も『コインの裏側』への移動が必要となる、か。表側からの干渉に制限…」

上条「何かわかったのか?」

フィアンマ「結界が張られているようだ。再生型だから、当麻の右手が触れても消えない。…いや、魔力は消しているのかな? 居場所がバレていると思うぞ」

まったくもって話を聞く気の無いのか、所謂天然なのか、一切話を聞く様子の見られない二人に、ステイルは眉を寄せる。
かといって炎剣で暴力的に追い払う訳にもいかず。
仕方が無い、適当に蜃気楼を応用した術式で騙そう、とステイルは試みる。

試みた、が。

フィアンマ「…この俺様に、蜃気楼による攪乱などという初歩的な術式が通用すると?」

局所に目立たないように貼り付けたルーンを燃やされた。
上条にはそもそも『幻想殺し』があったので、通用しない。
動揺するステイルに対し、フィアンマは少しだけ困った顔をした。
そして何かを言いかけた途端、ドアの中に『三沢塾』に通っているであろう一般生徒が入ってきた。
三人の姿が見えないのかそのまま歩いてくる。そして、ぐいぐいと押し、潰されそうになる。
動いて回避をしながら、フィアンマは建物内へ仕掛けられている術式を簡易的に説明した。
そうして説明しながら、また生徒に押しつぶされてしまわないよう、上の階へ向かう。
非常階段を昇っていきながら、ステイルはフィアンマを見やる。

ステイル「君は魔術師か」

フィアンマ「…>>205
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/29(木) 21:52:16.03 ID:HVOjsvcT0
(ステイルに近寄って耳元で)神の右席右方のフィアンマだ。よろしく、あぁあと俺様が神の右席で
あること、右方のフィアンマであることは他言しないように、もしもしゃべったら遠慮なく潰す
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/29(木) 22:14:01.53 ID:25xjDvW6o
見ての通りだ
206 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/29(木) 22:32:54.84 ID:DG9s9d1r0

フィアンマ「…見ての通りだ」

しれっ、という効果音でもつきそうな自己紹介。
そんな言葉を受け、それ以上深くは突っ込まずに、追い出すことは妥協する形でステイルは歩く。
今回のことは珍しく自分ひとりが向かわせられた仕事なのだ。
そして、一刻も早くインデックスを助ける為にも、どうしても手伝いたいという人間が居るなら、力になってもらった方が事は早くて済む。
やがて目的の階へと辿り着き、ガチャリとドアを開けた先。
エレベータが開いた。干渉出来ない筈の、エレベーターが。
中から出てきたのは、一人の青年。

緑に染めたオールバックの、長身の男。
パラケルススの末裔たる、チューリッヒ学派の錬金術師。
アウレオルス=イザード。
元ローマ正教の『隠秘記録官』である。

『虚空年代記』に干渉されるまでもなく彼の素性を知るフィアンマは、目を瞬いた。
怯えや緊張ではなく、不思議だといった様子で。

フィアンマ「…アウレオルス=イザードか」

アウレオルス「廓然。何故我が素性を知るのかは知らないが、邪魔をするというのであれば容赦はしない」

ステイル「二人共下がってくれないか。此処は本来、僕の戦場だ。…『我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931)』!」

言うなり、ステイルが前へ出る。
数箇所へルーンを貼り付け、詠唱を短略的に済ませて現界したのは、『魔女狩りの王』。
教皇級の威力を持つ、炎の巨人。
対して、アウレオルスは臆するでもなく一言だけ言った。

アウレオルス「『消えよ』」

途端、あれだけ燃え盛っていた、そして半永久的に継続するはずの『魔女狩りの王』が、消失する。
だが、そこで止まるステイルではない。
インデックスという一人の少女を守る為なら、彼は何だってする。
炎剣を振りかざし、アウレオルスに届く直前。
錬金術師は治療か何かに使うと思われる鍼を自らの首筋に軽く刺し、言った。

アウレオルス「『弾けよ』」

無表情で、どこまでも冷淡に。
上条が庇うまでもなく、ステイルの体は命じられた通り、内側から『弾け』た。
血液と臓物のシャワーが一帯に降り注ぐ中、顔色一つ変えず、青年はフィアンマと上条を見た。
治療する余地も無い、ぐちゃぐちゃの死体。

上条「ッ……」

明確な『死』に、上条の喉が干上がる。
喉元まで上がった胃液を無理矢理に飲み込む。
フィアンマは少しだけ泣きそうになり、視線を逸らした。

アウレオルス「快然、何故邪魔をする」

面倒そうな声だった。何かに焦っているかのような声でもあった。
彼もまたフィアンマと上条を魔術師と判断した訳ではないらしく、帰る猶予を与えてくれているようだ。

フィアンマ「邪魔も何も、お前はそもそも何をしようとしている」

アウレオルス「憤然、貴様には関係の無いことだ」

上条「人を殺してまで、そんな最低なことをしてまで、やりたい事って、何だよ」

上条の言葉に、青年は少しだけ黙った。
インデックスの愛らしい笑顔や、人に傷ついて欲しくないと願う姿を思い浮かべ、言葉を返す。

アウレオルス「………>>208
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/29(木) 22:34:15.45 ID:HVOjsvcT0
この少女の命を救う
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/29(木) 22:48:37.37 ID:4+boGHhC0
この子を苦しめる、『首輪』、そしてもう一つ、あの女狐が仕掛けた術式を破るため。
209 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/29(木) 23:12:32.76 ID:DG9s9d1r0

アウレオルス「………この子を苦しめる、『首輪』、そしてもう一つ、あの女狐が仕掛けた術式を破るため」

話したのは、インデックスが泣いてしまうようなことをしている罪悪感から、だろうか。
この子とは誰かと聞き返した上条に対し、アウレオルスは言いよどんだ後、二人を連れて上へ向かった。
白い、塾生が勉強に使うと思われるテーブルの上に毛布が敷かれ、その上にテーブルクロスのようなものをかけた、その上。
真っ白な修道服に包まれた、一人の少女。
一応は警戒しているのかインデックスに不用意に二人を近づかせることなく、アウレオルスは言う。

アウレオルス「現然…あの子だ」

『首輪』とは何か。
『禁書目録』を管理する為の残酷なシステム。
女狐とは誰か。
イギリス清教のトップ、『最大主教』。
具体的にどうやって助けたいのか。
完成した『黄金錬成』を用いて、傷つけることなく『首輪』だけを消し去りたい。
その為に沢山のものを犠牲にして、形振り構わず生きてきた。
そう語ったアウレオルスの背中は、悲しげだった。
彼は知っている。
自分がどのように尽力したとしても、インデックスが自分へ微笑むことなど無いと。
そして、自分のことなど、記憶の片隅にすら、存在してはいないということを。
上条は、その不幸を自分のせいだと思わないよう一生懸命堪えながら、それでも謝りそうになって。

その代わりに、助けを提案した。

上条「なぁ」

アウレオルス「…何だ、少年」

上条「…俺の右手に、特別な力がある。…魔術に関する創られたものが『首輪』なら、あっさり壊せる筈だ。そんな、下地が人の命なんてモンじゃなくても」

アウレオルス「……」

信用したのは、上条から感じる、不幸を甘んじて受け入れ、生きてきた人間特有の悲哀さが見えたからかもしれない。

フィアンマ「…当麻」

上条「大丈夫、思い込んではいねえよ。今回は、普通に、助けたいんだ。酷い話だろ、そんなの」

上条が提示した条件は、ステイルを生きかえらせること。
それだけではなく、犠牲にしてきた人間を全て生きかえらせること。
元より猟奇殺人犯のような嗜好は持っていないアウレオルスは、頷いた。
上条はおずおずと、アウレオルスに指摘された通り、インデックスの口の中へ右手指を差し入れる。
パキィン、という甲高い音の後、インデックスという少女は、『自動書記』を起動しながら起き上がった。
アウレオルスは一瞬だけ動揺しながらも、フィアンマに急かされるまま、なだめられるまま、『黄金錬成』でインデックスを眠らせた。
『首輪』の破壊イメージは具体的に浮かばなかったが、『自動書記』が眠りに就く様は、容易にイメージ出来たから。

あまりにもあっさりと進んだ事態にこれで良かったのか、と思いながら、条件通り全てを蘇らせ。
アウレオルスは呆然と、インデックスを見つめた。
ステイルは目を覚ませば攻撃をしてしまうと思われた為、眠らせたままに。
白い少女は先ほど発動しかけた『自動書記』ではなく、少女として、目を覚ます。

インデックス「……あなたは、誰?」

上条とフィアンマは、一歩引く。
本来起こる筈だった悲劇は、またしても起こらない。
インデックスの不思議そうな表情に、アウレオルスは少しだけ傷つきながらも、言葉を発した。

アウレオルス「…アウレオルス=イザードだ」

インデックス「アウレオルスだね、わかったかも」

もう、彼は凶行に及ばない。
『黄金練成』を無闇矢鱈に行使する必要なんて、どこにもない。




ステイルを連れて、フィアンマと上条は『三沢塾』から出てきた。
達成感のようなものに駆られ、『清めよ』との一言で綺麗になった自分たちの身体を見やりながら、ステイルの身体を揺さぶる。
そして目を醒ました彼に、丁寧に説明をした。
全てがうまくいった。うまくいきすぎている程に。しかしこれは現実だ。
自分ではない誰かがインデックスを救ったことを悔しく思いながら、ステイルは呟く。

ステイル「…>>211
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/30(金) 00:42:33.24 ID:O4qCRuSAo
礼を言っておこう。ところで君は何者だい?
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/30(金) 01:43:39.10 ID:Uvv9iLzpo
一応例は言っておく。しかし君は何者なんだい?
212 :名無しNIPPER [sage]:2012/11/30(金) 17:53:23.68 ID:zN/lQDH20
213 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/11/30(金) 21:47:40.70 ID:6rV9Wf650

ステイル「…一応、礼は言っておく。しかし、君は何者なんだい?」

ステイルの素朴な疑問に対して。
上条の手前というのもあるが、正体を隠して、彼女はにこりと微笑む。
どこか、酷薄な笑み。彼女本来のそれとは言えない、作られた微笑。

フィアンマ「フェリーチェ=ミカエリス。通りがかりの魔術師だよ」

またの名を、『rappresaglia094(報いる者)』。
敢えてそれは言わなかった。その魔法名に篭められている思いを看破されてしまっては困るから。
ステイルは一応インデックスの様子だけを見に行き、『首輪』から解放され、楽しそうにアウレオルスと談笑する姿を見て表情を和ませた。
そして、たった一言、簡素な礼の言葉を述べ、裏路地へ去っていった。


今日一日何かと慌ただしかったな、と思いながら、上条はフィアンマを連れて家へ戻る。
甦ったとはいえ死体を見た影響で、食欲はいまいち湧かなかった。

上条「…何か、疲れる一日だったな」

フィアンマ「そうだな」

フィアンマの浮かない表情に目をやり、上条は首を傾げる。
起こってしまってもおかしくない悲劇なんてほとんど無かったのに、彼女はどうしてこんなにも落ち込んでいるのだろう。

『人を殺してまで、そんな最低なことをしてまで、やりたい事って、何だよ』

上条がアウレオルスに言った、一言。
その言葉は、凶行を起こして世界を救わんと考えているフィアンマの心に深く突き刺さっている。

フィアンマ「……」

上条「…元気無いな。疲れてんのか?」

フィアンマ「>>215
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/11/30(金) 22:03:19.59 ID:O4qCRuSAo
いや、えっと…あ、シャミセンが心配
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 18:01:19.76 ID:RzFkzlwSO
…なぁ、例えば、例えばの話だが、もしお前が何もしなければ、かなり大勢の人間が辛く苦しい思いをすることになるとする。
だが、救うためには一定数以上の人達の犠牲が必要になるとする。

お前ならどうする?
216 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 20:30:00.42 ID:73uBSDl30

フィアンマ「…なぁ、例えば、例えばの話だが、もしお前が何もしなければ、かなり大勢の人間が辛く苦しい思いをすることになると、する」

上条「? ああ、わかった」

心理テストか何かだろうか、と思いながら、上条は前提条件を脳内で設定する。
より身近、想像しやすい、適当なシチュエーションに置き換えて。
フィアンマは一度立ち上がり、上条の下から離れるとお湯で濡らし、絞った温かなタオルで子猫、もといシャミセン(仮)の身体を拭く


彼女になついた猫は大人しく身体を拭かれ、のんきにもうなうなと甘えた鳴き声を漏らした。
そんな愛らしい三毛猫の様子に目を細め、フィアンマは言葉を再度放った。

フィアンマ「だが、その状態から彼らを救うためには、一定数以上の人達の犠牲が必要になるとする」

上条「…何かアバウトだな」

フィアンマ「…なら、こうしよう。右には黒、左には白のスイッチがある。白いボタンを押せば、左の部屋に居る十人の人間が助かる代わりに、右の部屋の十人は餓死寸前まで出られない。…いや、餓死をして尚、出られないかもしれない。…黒いボタンを押せば、右の部屋に居る十人の人間が助かる代わりに、左の部屋に居る十人は餓死寸前まで出られない。否、先ほどと同じ。……絶対に壊せない壁だ。そして、どうしても、どちらかを選ばなければならない。後、五時間以内に選ばなければ、両方の部屋、合わせて二十人が苦しみながら死ぬ。生殺与奪権を持つのは自分だけで、この権利を、選択権を、誰か他者へ押し付けることは出来ない」

上条「……」

重い話だ、と上条は思う。
心理テストに似せた相談事なのだろうか、とも。
上条は、深く深く、考えた。
自分が死ねばどうにかなる問題では無い。
放り置けば、全員が犠牲者となる。
どちらかを選べば、選ばなかった方は傷つき、最悪の場合死に至る。

フィアンマ「お前ならどうする?」

フードに隠され、猫を見る為に俯いている彼女の顔は、見えない。

上条「…壁を殴って壊す、かな」

フィアンマ「絶対に壊せないと言っただろう」

上条「それでも、俺に誰かの生き死にを決定する権利なんて、あっちゃならないんだ。だから、全員助けるように頑張る。たとえ、それで俺の手が骨折しようと、何だろうと。俺が死んでその全員が助かるっていう選択肢が提示されたら、迷わずそっちを選ぶけど…そんな簡単な話でもないんだろ。壁を壊す為に最大限努力する。制限時間の五時間の内、四時間五十九分を。…残り一分でもう一度考えたら、……壁越しに話をする。…死にたいって思ってる人は、助けない」

フィアンマ「………」

普通は選べない。つまり、そういう回答だ。
それにしても。

フィアンマ(自分の手が骨折しようと、何だろうと、壁を壊す…か)

本当に、こんな例え話の通りだったら、そう出来たのに。
でも、現実は違う。
世界は確実に歪んで崩壊へ向かっている。
そして、それを止める義務も、権利も、その全ては自分にある。
誰かがやらなければならない。自分にしか出来ない。
たとえどんな重荷でも、逃げ出してはならない。

フィアンマ(…誰も怪我をしないで、誰も苦しまないで、誰も血を流さずに。……これまでに血が流れてしまっている以上、出来ない)

無血開城、という言葉が、フィアンマは好きだった。
話し合いによって開かれた困難打破。
問題の内容によっては出来ないこと。だから、今回は出来ない。

上条「…っていうか、その質問は何なの? 心理テストか?」

フィアンマ「…、いや、ふと思い浮かんだだけだよ」

深い意味は無いんだ、とフィアンマは微笑む。
困ったような微笑み。上条はまだ、気づけない。
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/12/01(土) 20:30:05.69 ID:g7ZsazHAO
+
218 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 20:31:01.26 ID:73uBSDl30

八月二十日。
御坂美琴は、ぼんやりと悩んでいた。
いや、この表現は正確ではないのかもしれない。
好きでぼんやりとしている訳ではなく、あまりの事態によってぼんやりとせざるを得ないのだ。

美琴「……」

絶対能力進化実験。
御坂美琴が、その頭を悩ませて尚、良い解決法が見つからない事件。
やれるだけのことはやった。
自分の妹とも呼べるクローン達の為に、沢山の実験所を潰した。
けれど、そのどれにも意味は無かった。
学園都市という大きな闇に対して、光の世界で過ごしてきた一介の女子中学生が立ち向かおうとしたことが、そもそも無謀だったのか。
うだるような暑さの中、人目が無いことを確認してから、美琴はため息を吐き出す。
たとえば、自分が立ち向かって、死ぬという形で実験内容を一時中断させたとしても。
『樹形図の設計者』が健在である以上、再計算をされて実験は再開され―――妹達は、殺される。
自分に何の非も無かっただなんて、そんなことは言わない。
何も疑わずにDNAマップを差し出してしまった幼い頃の自分を、ぶっ叩きたい程に後悔はしている。

美琴「…私が落ち込んで全部解決するんなら、世の中上手くいくわよね」

独りぼやいて、美琴は自販機の前に立つ。
落ち込んでいても空腹は覚えるし、喉も渇く。
人間とは何と図太い生き物なんだろう等と自嘲しながら、美琴は深呼吸した。
そして、『ちぇいさー!』という可愛いのか酷いのかよくわからない一言と共に、自販機へと上段蹴りを入れた。
自販機はがたごとと揺れ、適当な飲み物をげろりと吐き出す。
取り出し口から取り出し、豆乳サイダーという名前に顔を顰めながらも、美琴はプルタブを引いた。
ふと視線を横にやれば、ツンツン頭の高校生。
どんなカラクリか能力かは知らないが、自分の必殺技である『超電磁砲』をしれっと消す無能力者。
半ば条件反射的にバチン、と前髪が跳ね、ツンツン頭の高校生こと上条当麻は後ずさった。

上条「待って待ってストップ!」

美琴「ストップ、じゃないわよ! …っていうか、さっきの見た?」

上条「…あの、お前が自販機にちぇいナントカって蹴り叩き込んだところ?」

美琴「そうそう。あちゃー、見られちゃってたのね…ハイ、口止め料。大事に飲みなさいよね」

敢えて明るく振舞う美琴だが、その雰囲気にいつものからっとした快活さは無い。
上条は口止め料として差し出されたヤシの実サイダー(これは美味しいので美琴は寮に持って帰ろうと考えていたものだ)を受け取りながら、彼女の様子を窺う。
不幸の前兆に敏い彼は、こうした時、どうしても反応してしまう。
面倒事は嫌なのに、厄介事は面倒臭いのに、どうしても。

上条「どーも。っていうかコレ、美味しいのか?」

美琴「美琴サマのお墨付きよ。それはマトモな部類だから、安心しなさい」

幾ら何でも本当に不味そうなものを他人にやったりはしない、と笑う美琴。
しかしやはり、彼女本来の快活さは無かった。
比較的素直にヤシの実サイダーをいただいてしまいながら、上条は何かあったのかと口を開こうとして―――彼女の後ろに居る、"もう一人の御坂美琴"の存在に気がついた。

上条「…!? み、御坂が二人!?」

その言葉に、御坂美琴はやや動揺しながら振り返る。
軍事用ゴーグルと思われる無骨なモノを額に装着した御坂美琴(?)は、無表情のままに上条を見やった。

御坂妹「お姉様の妹です、とミサカは間髪入れずに答えました」

上条「妹? ってことは、双子ちゃんか」

美琴「…、」

こっち、来なさい。
そう言って、美琴はその場から去っていった。
やはり何かがおかしいと感じ取りながら、上条は空き缶をゴミ箱に放る。
その空き缶は勢いよくあさっての方向へ飛んでいき、掃除用ロボへ直撃したのだった。
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/12/01(土) 20:31:02.49 ID:g7ZsazHAO
+
220 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 20:32:00.45 ID:73uBSDl30

八月二十一日。
昨日は結局、首を突っ込んでしまって。
泣きながらもうどうしようもないのだと嘆く御坂美琴と協力して、やれるだけのことをやってみた。
たとえば、御坂美琴の特性を使って研究所各所をハッキングして『超電磁砲』の飛距離を滅茶苦茶伸ばして『樹形図の設計者』を破損させることにどうにか成功したり。

本日。
これでもう未来に待つ結果を怖がることなく死ねるなどと言って操車場に向かおうとする美琴を引きとめようと、雷撃の槍どころではない攻撃を受けまくり。
そんなボロボロの体で、それでもしかし美琴を死なせる訳にはいかないからと単身で操車場へ向かい。
命を張って学園都市第一位と戦い、本当に数度死にかけたり。
それでもどうにか勝利を収め、ふらふらズタボロの状態を御坂妹に心配されたり(御坂妹に感情がしっかりとあるということを上条が密かにものすごく喜んだのは内緒である)。
結局気を失い次に目が醒めたのは知らない病室で、御坂妹の胸に触っていたり。
そんな役得の思いをした後、御坂美琴からこれはお礼だと高級そうなクッキーをいただいたり。

しっちゃかめっちゃかな不幸の連続に。
それでも、この手で誰かを守ることが出来たのだと。
フィアンマが言ってくれた、『自分の手は人を救える手』という実感を得て。
良かった、とベッドへ静かに身体を預けていた上条当麻、15歳は。

現在進行形で、不幸な目に遭っていた。
とはいっても、学園都市第一位が復活してもう復讐にやって来ただとか。
御坂妹がやっぱり処分される運命のようでした、とか、悲劇の確定ではなく。
傷ついて欲しくないと思った少女が、眼前でぼろぼろと泣いてしまったことである。

上条「え、いや、その、えと、」

フィアンマ「帰って、こな、いとおもえ、っば」

上条「か、上条さんも頑張ってたんですよ? あの、恐ろしいことが起きないように根回しするだとか、人が死なないように戦うだとか、こう、ええと、…名誉の負傷というか」

フィアンマ「名誉があろうと無かろうと負傷っ、は負傷だ、他人が、ひくっ、懸かって、いようと、ッ、いなかろう、と、当麻が死にかけて怪我を負ったのは紛れもない事実じゃないか…ぐすっ…」

上条「………ごめん」

言い訳が効きそうに無いと判断し、上条は素直に謝罪した。
御坂妹と御坂美琴の命を救うことで頭がいっぱいだったが、フィアンマに同じことを黙ってされたら、嫌だ。
そして、そんな自分が嫌だと感じることをしてしまったことによる罪悪感。
御坂美琴と学園都市中を疾走していたせいで、ロクに家に帰っていなかった気がする。
ごめん、と謝罪したことは上条の目論見通りに響かず、むしろ逆方向へ響き。
当麻の馬鹿、うわああん、と泣かれてしまい、上条は視線の先を右往左往させる。
生憎、人を泣かせてもその申し訳なさからすぐその場より立ち去ってきた人生経験のせいで、人の泣き止ませ方だとか、慰め方だとかは、不得手なのだ。







上条はどうする?>>+2
221 :名無しNIPPER [sage]:2012/12/01(土) 20:49:53.92 ID:FnEm5hu90
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 20:51:30.14 ID:426vEVc1o
抱き締める
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 21:01:29.33 ID:RzFkzlwSO
一方「飛ばされた、だと…いやそりゃ再構成もンじゃやりつくされてっからくどいって人は多いかも知れねェが…」ガーン
224 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 21:12:01.77 ID:73uBSDl30

上条は悩み、視線を彷徨わせる。
そして本当に申し訳ないと思いながら、彼女の身体を抱きしめた。
身長差の関係で上条の肩へ顎が乗る形で、フィアンマはきょとんとしながら身体を預ける。

「…でも、友達に死んで欲しく、無かったんだ」
「……、」
「…ごめんな」

動揺と驚愕に抱きしめ返すことの無い彼女の身体をしっかりと抱きしめ。
上条は目を閉じ、少し低い体温と、自分の体温が融和する感覚に浸る。
学園都市第一位、『一方通行』。
あの人間と戦うことに、幾度も訪れた命の危機に、怖いと思わなかった訳ではない。
濃厚な死のイメージが脳裏に浮かんだ時、走馬灯の一部には彼女が居た。
自分の生き死にに本気で涙を流し、こうして会いに来てくれる彼女が。
強く抱きしめられ、フィアンマはようやく思い出したように、上条の背中へ腕を回す。
そして、ぎゅう、と抱きしめ返すと、ぽつり。
一言だけ、涙声で言った。

「…おかえり、当麻」
「…ただいま、フェリーチェ」

その一言で、言葉を交わしたことで。
上条当麻は自分が本当の意味で日常に戻ってきたのだと、確認するのだった。
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 21:12:05.62 ID:g7ZsazHAO
原作丸写しになりそうだったから…申し訳ない…一方さんは強く生きてください
226 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 21:12:49.29 ID:73uBSDl30

入院生活は短期で済み。
上条当麻は、学園都市から厄介払いされることとなった。
当たり前の措置でもあり、救済措置でもある。
学園都市第一位の『超能力者』を倒した『無能力者』。
噂は噂を呼び、結果として、上条は恐ろしいスキルアウト集団に追いかけられることとなった。
どうにか冷却期間を置こうと考えたお偉方は、ひとまず上条当麻を追い出すことにしたのだ。
とはいっても永久追放だとか、そういうあからさまで物騒な名目ではなく。
あくまで療養の為(?)の一時帰宅を許された、とそういう訳である。
当然あまり喜ばしいことではないのだが、帰郷などそうそう出来ることではないので、上条は素直に飲み込むことにした。
あっという間に手続きは済まされ、フィアンマを一人寮へ置いていくのは申し訳ない、と思った上条だったが。

警備員「はい、外出許可…二名下りてますね」

上条(えー…)

どうぞ、と笑顔で通され、一時的にさらば学園都市。
フィアンマはそもそもこうなることを知っていたようで、落ち着いている。
最初、フィアンマが『当麻についていく』と言って聞かなかった時大丈夫なんだろうか、タクシーの荷台に隠れさせるべきかと悩んだ上

条の思考時間はまったく無駄であったようだ。

そんな訳で、やって来たのは上条両親の下。
久しい再会にのんびりと言葉を交わした上条は、内心困り果てていた。
それというのも、両親がフィアンマに興味を示した為である。
頼むから魔術とかそういう話はするなよ、と思いながら。
上条は彼女との関係性をどう誤解されないよう話すべきか、考えていた。

詩菜「それで、当麻さん。このシスターさんはどなたなの?」

刀夜「父さんも知りたいぞ。学園都市は科学の街だった筈だが…?」

上条「>>228
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 21:14:03.07 ID:RzFkzlwSO
ラピュタの冒頭シーンを思い出してくれ。

………思い出した?それが俺達の出会いと経緯だ
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 21:15:03.57 ID:x40fdDcq0
えーっと……か、彼女…
229 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 21:25:51.30 ID:73uBSDl30

上条「えーっと……か、彼女…」

刀夜「彼女なのか? 何だ当麻、どうして父さんに教えてくれないんだそういうことを!」

断然乗り気な父親と、ちょっぴり寂しそうながらも「あらあら、当麻さんも成長したのね」と言わんばかりの優しい瞳をしている母親。

上条「あ、いや、彼女というと語弊があるというか…」

刀夜「うん? 違うのか?」

上条「その、ですね…えーと…」

詩菜「あらあら、当麻さん的には、まだ彼女とかそういう言葉を使うのは恥ずかしいことなのかしら?」

上条「そういう訳でも…いや恥ずかしいけど…違うというか…」

もにょもにょ、と話す息子に、両親は首を傾げるばかり。
上条は助け舟を求めるようにフィアンマを見やる。
彼女は彼女で上条の発言をきちんと聞いていたのか、あわあわとしてしまっている。

フィアンマ「か、の…恋…いや、俺様は修道女であって、…聖職者…しかし、…いや…えっと、でも……」

上条(フェリーチェさああん、あなたがそこで恥ずかしがってる時間で上条さんが追い詰められてるんですけど!)

顔を赤くしながらフードの布と手で顔を隠してしまっている。
ダメだ、これではアイコンタクトも通じない。
うう、と唸った上条は、ひとまず適当に誤魔化すことにした。
有耶無耶にしてしまおう、といった算段である。



どうにか成功して。
従兄弟が来るということで、上条達は海の家へと移動した。
両親は色々とやることがあったらしく、二人は部屋に取り残される。
二人きりなど、同居していればザラにあること…というよりもいつもそうなのだが、先ほどの会話があったので、気まずい。

上条「……その、…嫌だった、よな?」

フィアンマ「な、にが」

上条「勝手に彼女とか、言われて…言っちゃって…」

フィアンマ「…嫌じゃ、ない、…なかった」

上条「……無理しなくてもいいんだぞ?」

フィアンマ「無理などしていない、…俺様は」

上条「……フェリーチェは?」

フィアンマ「………う、……そもそも、どういう意図があってあんな発言をしたんだ」

上条「>>231
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 21:27:12.10 ID:RzFkzlwSO
説明に困ってつい……

まぁそうなれたらいいかな、とは思ってるけどボソボソ
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 21:33:17.98 ID:0JnnJN3d0
>>230

232 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 22:00:33.41 ID:6OUpOauJ0

上条「説明に困ってつい……」

申し訳ない思いと共に、上条は俯く。
フィアンマが残念そうな、しょんぼりとした顔をしたことに気付かないまま、一言を付け足す。

上条「まぁ、そうなれたらいいかな、とは思ってるけど」

ぼそぼそ。
小さな声の内容を不運にも聞き逃し、フィアンマは落ち込んだままでいた。
傍から見ている分にはお互い今考えていることを話し合えば解決する、といったことでしか無いのだが、当事者達は本気で落ち込んでいる。


両者共恋心に気づけないまま、お互いの気持ちにも気付かないまま、時間は過ぎ行く。




八月二十八日。
上条当麻は、暑い部屋でだるんだるんとしていた。
眠気と暑さに目を開ける気になれない。

??「おにーぃちゃーんっ!」

なれなかったのだが。
唐突にボディプレスを受け、無理やり起こされた。
一体誰だ、と上条はだるそうに目を開ける。
自分をお兄ちゃんなどと呼びそうな少女は、従妹兼幼馴染(とはいっても接触はほとんど無い)である竜神乙姫なもの。
一体何なのだ、と目を開けて。

上条「……へ?」

美琴「おにいちゃん、いつになったら起きるつもりなの? ご飯冷めちゃうよ?」

上条「待て待て、俺に妹は居ないぞ。っていうかお前は何なの? 新しいドッキリなの? おはようございます謎の朝ですなの?」

美琴「? お兄ちゃんが何言ってるのかさっぱりわからないんだけど。いいからご飯!」

下に来てねー、と言い残し。
御坂美琴は階下へ降りていった。
一体何なのだろう。やはり、新手のドッキリなのか。
しかし、『超能力者』である彼女が『外』へ出るには重労働。ドッキリ程度で来るとは思えない。

上条「謎過ぎる…」

思いながら、上条はそっとふすまを開けてみた。
他意は無い。フィアンマはまだ寝ているのだろうか、という予想に基づいた何の気なしの行動だ。
ちょうど着替えている途中だったらしい、ズボンを手にして座っているフィアンマと目が合った。

上条「あ」

フィアンマ「……」

今日のパンツは赤い生地にに白いリボン飾りの刺激的な、可愛いデザインのパンツ。
そんなことを認識した上条は、ふすまを閉めた。
そう、元はといえばあの御坂美琴がボディプレスなど仕掛けて自分をたたき起こしたのが悪いのだ。
それによって混乱したこの脳が勝手にやってしまったことなのだ。
そう言い訳をして、口には出せないまま、上条は恐る恐る声をかけた。

上条「……フェリーチェさん、怒って、る?」

フィアンマ「…>>234
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 22:20:53.48 ID:RzFkzlwSO
ksk
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 22:23:49.65 ID:itPTPdKSO
……エッチ
235 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 22:58:10.89 ID:6OUpOauJ0

フィアンマ「……エッチ」

上条「う」

反論出来ない。
此処で言い訳を重ねると恥の上塗りとなる。
どうやら怒ってはいないらしい、と判断して。
上条は真面目に一言謝ると、先に行ってるから、と一言言い残して階下へ下った。
どうも両親にフィアンマを紹介した時から、気まずい。
それにしても可愛いパンツだった、と思いに浸りかけるもぶんぶんと首を横に振り、邪念を振り払う。
御坂美琴謎の朝ドッキリ事件はまあいいやと脳内で適当に処理し、上条は階下で驚きの状況を目撃した。

御坂妹が海の家の娘さんとして働いていて、海の家のご主人はこの間会った魔術師、ステイル=マグヌス。
御坂美琴がすっかり馴染んだ様子でテレビを見ており、そのテレビ画面にはニュースキャスターとして働いている小萌先生。
上条を出迎えた両親の内、刀夜はいつも通りとして。
母親である上条椎菜の普段着を着た、インデックスだったか、銀髪の少女だ。

上条「…………えええ?」

腑抜けた声しか出ない。

刀夜「おはよう当麻、あの子はどうしたんだ?」

上条「あ…いや、もうすぐ着替えて降りてくると思うんだけど…」

振り返れば、見慣れたフィアンマの姿。
刀夜とフィアンマだけがいつも通りの様子で、他がおかしい。

上条「………えええ?」

もう一度呻き、上条はがっくりと項垂れた。







八月二十九日。
昨日は神裂火織という露出狂に近い衣装の女性との出会いを果たし。
そんな彼女の胸についつい目を惹かれていたことをフィアンマに知られ、だめ、と抱きつかれたり。
これまで普通の親友だと思っていた土御門元春が魔術師且つ多重スパイであったことを知らされたり。
現在世界中で起こっているのは『御使堕し』と呼ばれる一大事ということを知らされたり。
その原因を解決するべくロシア成教からもミーシャ=クロイツェフという魔術師が派遣されているということを知らされたり。
火野神作という連続殺人犯に殺されかけたが、それは前述のミーシャという修道女が助けてくれた。

上条「…不幸だ」

はー、とため息を漏らして。
今回、あまり積極的に関わろうとしないフィアンマを不思議に思いながら、上条はできる限りの協力をした。



術者は、自分の父親で。
理由は、自分を助けたかったから。

重い事実に、それでも前を向いて上条が説得したところ、勘違いであったということが判明して。
結果的に、どうしてこうなってしまったのか。

上条宅という名の儀式場は土御門の手により、徹底的に破壊された。



上条「…何か俺、いつも入院してる気がする」

フィアンマ「…そうだな」

上条「……何か、…今回はあんまり関わらないようにしてたけど、何か理由あんのか?」

フィアンマ「……アウレオルス=イザードの時とは違い。…神裂火織等の所属しているイギリス清教と、俺様の所属している宗教が違う、からな」

上条「…そっか」

言いよどむ彼女にどうして動揺の色が見えるのか。
上条当麻には、終ぞ、わからなかった。
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 22:58:11.95 ID:g7ZsazHAO
+
237 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 22:58:51.76 ID:6OUpOauJ0

八月三十日。
夏休み二日前だが、宿題に追われる上条に希望などなかった。

上条「だ、ダメだ、終わらない…」

不幸だ、と項垂れる上条当麻。
彼の夏休みはトラブルでだいぶ潰れたので、確かに不幸としか言い様が無い。
勿論自分が首を突っ込んだというのもあるが、それにしても。

上条「うう…」

フィアンマ「でももう少しじゃないか?」

上条「そうだけど…」

その数問が解けないのだ、と上条はだるそうに机に上体を預ける。
フィアンマは上条の手からペンを攫い、かりかりと数式を綴った。
何故わかるのだ、とため息をとめどなく漏らす上条。

フィアンマ「魔術を扱うには最低限の知識が必要になるからな」

上条「じゃあ魔術師って皆頭良い訳…?」

ちくしょう、と意味の不明な悔しさに駆られつつ。
上条はむくりと起き上がり、数学の宿題を終わらせるのだった。


八月三十一日。

どうしてこうなった。

思いながら、上条は高級ホットドッグ(一つ二千円)を食べていた。
勿論『無能力者』の彼が進んでこんなブルジョワジーな食事をするはずもなく。
当然、現在隣で同じものを食べている『超能力者』第三位、御坂美琴の奢りであった。
土御門や青髪ピアスとだべっていたところ、連行されたのだ。
何でも、苦手なヤツが居るから恋人のフリをして欲しいだとか、そういう話で。
仕方なく付き合っていた上条だが、途中から事情が変わった。

アステカの魔術師と名乗る男が、自分を殺しに来たのだ。





壊れた廃ビル、ガレキの下。
敗北した男は、アステカの魔術師は、上条を見上げていた。

海原「彼女を、守ってくれますか。…彼女、…御坂美琴と、彼女の周囲の世界を」

勝利した上条は、ゆっくりと深呼吸を繰り返した。

上条「>>239
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:00:48.91 ID:0JnnJN3d0
当たり前だ。俺は全てを守り抜く、そのためなら悪魔にだって魂を売ってやる
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:01:04.05 ID:RzFkzlwSO
飛び飛びになるのは仕方ないかもしらんが、せめて所々変えたり、独自解釈とか、ストーリー改変とかしないとマジで素人SSになっちまう…安価↓
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:03:32.63 ID:g7ZsazHAO
安価スレとはいえやっぱり改変して書くべきですね…本気出します申し訳無いです 安価下で
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:03:41.44 ID:9TOrsUafo
お前は……お前はどうするんだよ
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:07:46.96 ID:wLA1dj3Bo
>>8の時点でサーシャが素体ってわかってたのって予言のせい?
st
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:21:01.61 ID:RzFkzlwSO
ぶっちゃけ飛んだシーンかなりあるが、フィアンマさんがいたら…の美味しいネタてんこ盛りだったというに……ちくせう
244 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 23:32:59.95 ID:6OUpOauJ0
>>242 そうです >>243様 フィアンマちゃんあんまり関係しようとしなかったのではしょっても良いかな、と…》


上条「お前は……お前はどうするんだよ」

上条の問いかけに、魔術師はしばし黙り込む。
彼は考える時間を取った後、微かに笑った。

海原「…簡単なことですよ。…自分のような、彼女の前に現れるべき人間でない者は、彼女の前に現れないで、彼女と彼女の世界を守ります」

悲しげな声だ、上条は思った。
フィアンマが不可解な例え話をした時のような、優しくも無理の感じられる笑顔。
馬鹿だな、と上条は吐き捨てる。
怒りこそしないものの、目を見開く魔術師へ、上条は告げる。

上条「現れるべきでないとか、そういう問題じゃねえだろ。適切な立場に居なきゃ、影から守るしかねえのかよ。違うだろうが」

海原「……」

上条「大事なヤツが居るなら最善を尽くせよ。俺はお前に頼まれなくたって、アイツのことは守る。困ってる人が居たら、きっと勝手に

助けちまう。ここ最近はそうだったし、これからだってきっとそうだ。…だから、俺に頼むな。お前一人が守りきる自信を持てよ」

本当に大切なものは、他人に預けない。
本当に大事なものは、自分の手で守りぬくべきだ。
そう考えている上条は、冷たくも真っ直ぐな言葉を放つ。
それに当てられたのか、海原光貴の顔をした魔術師は、苦く笑った。

海原「…貴男のようなヒーローなら、頷いてくれると…思ったのですが、ね」

上条「…俺は、ヒーローなんかじゃねえよ」

フェリーチェが優しいと認めてくれて尚、疫病神だから。
そう心の中で呟いて、上条は彼を引っ張り上げる。
彼に必要なのは約束なんかではなく、治療だった。



咄嗟に隠れてしまった御坂美琴は、自分のブラウスの胸元を強く握りしめていた。

『俺はお前に頼まれなくたって、アイツのことは守る』

美琴(…ば、ばか。そういう意味じゃないわよ…!)

しばらく、顔を出すことは無理そうだった。
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:33:01.11 ID:g7ZsazHAO
+
246 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/01(土) 23:33:29.68 ID:6OUpOauJ0

九月一日。
上条当麻は通常通りに登校した。
転校してくるのは予定通りフィアンマだけかと思いきや、そうではなく。
彼女と上条があの日金銭・物理的に助けた姫神秋沙という少女も、転校してきたのだった。
風斬氷華という子も転校はしてきたのだが、上条のクラスへ来た訳ではないので、カウントしない。
姫神秋沙。
彼女曰く、『悩んでいる力(=吸血殺し)』を抑えた結果、所属していた学校から追放されたと。
申し訳無い気分になったフィアンマと上条へ礼を言い、姫神は優しく笑むだけだった。
確かに救われたのだ、彼女は。苦しい思いから、解放された。

姫神「だから。そんなに申し訳なさそうな顔を。しないで欲しい」

フィアンマ「…とは言ってもな」

上条「…うん」

しょっぱい顔をする二人をフォローする姫神は、初対面の時よりずっと元気そうだった。


そんな訳で。
授業を終えた二人は、のんびりと自宅に向かって歩いていた。

上条「何か切らしてるものってあったっけ?」

フィアンマ「…砂糖?」

上条「あー、そういや切らしてたっけ」

安いといいな、等と世間話をしながら和やかに歩いていたのだが。
平穏とは長く続かないものらしい。

突然の衝撃と、周囲の学生の悲鳴。
衝撃の元となったのは、ゴーレム=エリスだった。
正体を一瞬で見抜いたフィアンマとは逆に、意味のわからないままの上条。
土人形に追われているのは、一人の学生。

9月1日にとある高校に転入して来た高校生。
長いストレートヘアから一房だけ束ねられた髪が伸びており、知的な眼鏡がややずり落ちている、少女。
上条は突発的に走り出した。言うまでもなく、人形が少女へ危害を加えるのを防ぐ為に。

上条「ッ!」

右手を前に突き出す。
人形は『幻想殺し』によって一時的に壊れたものの、周囲の物体を吸収して再生していく。

上条「な、何なんだ、コレ…大丈夫か?」

右手は防御の為に突き出したまま、左手で女子学生の身体を起こす。
女子学生は上条の右手を見、まるでそのことで意思を持ったかのように目を瞬かせる。

風斬「あ、あの、」

上条「話は後だ、今は逃げた方が、ッ」

言いかけ、ゴーレム=エリスの横薙ぎの一撃に上条は伏せる。
そして少女を軽く突き飛ばして攻撃を回避させると、げほげほと咳き込んだ。
粉塵となって舞い上がった泥を吸ってしまいそうになる。
アンチスキルは先ほどから対応しているらしいが、なかなか解決しそうにない。
そんな折、上条は人形の向こうに一人の女を見た。

『必要悪の教会』所属の魔術師。
シェリー=クロムウェル。

そんなことを知らない上条は、けれどその奇抜な服装に魔術師であると予想した。

上条「何でこんな事を、げほっ」

シェリー「>>248
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:52:24.79 ID:itPTPdKSO
加速
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:58:54.82 ID:RzFkzlwSO
あんたに教えてやる義理はない…と言いたいけど、質問に正直に答えてくれたらいいよ?

虚空年代記はどこにある?
ちなみに、私以外の凄腕魔術師も参戦し、潜入してる。隠しても見つかるのは時間の問題。隠すなら…痛い目に合わす。
249 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 00:12:08.49 ID:hAd49XSZ0

シェリー「あんたに教えてやる義理はない…と言いたいけど、質問に正直に答えてくれたらいいよ?」

上条「…質問?」

風斬を庇う形で、体勢で、上条は聞き返す。
シェリーは肩を竦め、気軽な調子で言った。
そう、図書室で探している本が無いから、探している。
そんな、軽い調子で。

シェリー「『虚空年代記』はどこにある?」

上条「…あか、しっく…?」

『その脳内に組み込まれた原典、『虚空年代記(Akashic Record)』です…―――』

上条の脳裏に浮かぶのは、様子の違ったフィアンマの様子。あの日の出来事。
そんな上条の表情に『知っている』と判断したシェリーは、薄く笑む。

シェリー「ちなみに、私以外の凄腕魔術師も参戦し、潜入してる。隠しても見つかるのは時間の問題。隠すなら…痛い目に合わす」

上条「……知らねえな、そんなモン」

上条はこの瞬間、シェリーを敵とみなした。
アックアと同じように、フィアンマを傷つけるのであれば容赦をする必要は無い。
シェリーはチョークを取り出して陣を描いていく。
陣といっても簡易的なもので、ゴーレムに指示を与えるためのもの。
指示を受けた泥人形は上条を殺す為に腕を振り上げる。
各所から顔を覗かせた男達は、彼女の言うところの『凄腕魔術師』なのだろう。
右拳を握る上条だが、予想だにしないことが起きた。

フィアンマが、『聖なる右』を使った。
彼女の前に、ありとあらゆる要素は関係無い。
手を出せば全て終わってしまう彼女に必要なのは、他者を傷つける必要理由だけだ。

一斉に倒れた魔術師達に訳のわからないまま、上条はきょとんとする。
アンチスキル達も何が起こったのかわからないままに、彼女達を回収した。

上条は、フィアンマが何かしたのだろうかと思いながら彼女を見やる。
とある高校の制服に身を包んだ彼女は既に『聖なる右』を消しており、普通の女学生にしか見えなかった。
ただ、彼女は彼女自身の右手に視線を落としている。どこか、後悔した様子だった。
上条は彼女に駆け寄り、どこか落ち込んだ様子のフィアンマに声をかける。

上条「…大丈夫か?」

フィアンマ「…>>251
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 00:15:10.04 ID:FBhjYcZSO
聖なる右がチートすぎるな…話が即終了するww安価↓
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 00:16:57.16 ID:x9zakIG80
ふぇぇぇ…ペタン
252 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 00:29:40.67 ID:hAd49XSZ0

フィアンマ「…ふぇぇぇ…」

ぺたん、と乙女座りをして落ち込むフィアンマに、上条は動揺したものの。
なるほど先ほどの一撃はやはり彼女のやったことか、と思いながら上条はしゃがんで視線を合わせる。

上条「フェ、フェリーチェ?」

フィアンマ「ぅ…し、死んでいなかったか…? 大丈夫か…?」

上条「えーっと…」

アンチスキルに連れられていく意識を刈り取られた魔術師達を見やりながら、フィアンマは不安そうに問いかける。
大丈夫大丈夫、と慰めて立ち上がらせ、上条は彼女の頭を撫でる。
情緒不安定な面はよくよくわかっているので、往来でこうして泣いてしまっても仕方がないと上条は考える。
よしよし、と背中を摩られ、死んでいないし怪我もしていないようだったぞと言われ、落ち着きを取り戻し、フィアンマはぐしりと目元を擦った。
そんな二人に対し、気弱そうな少女はおずおずと声をかけた。

風斬「あの、」

上条「あ、大丈夫だったか?」

風斬「は、はいっ。…その、…助けて、くれて…ありがとう、ございました」

良かった、と笑んで、自己紹介をし合い。
握手をしようと上条が右手で風斬の手を握った瞬間、『消えた』。
戸惑い、混乱する上条に対し、フィアンマは予測立てて話した。
彼女は人間ではない。天使に近い。
科学サイドの常識で語るなら、AIM拡散力場の集まりで出来たのだろうということだ。
完全に消滅していないのであれば、また会える。
とはいっても消してしまったということで、上条はどん底まで落ち込んでいた。



数時間後、再び現れた風斬に何度も重ねて謝罪し、上条はようやく胸の重荷を下ろした。
風斬は『死』を知ったことで自我を得た。
そうは言わなかったが、上条を恨むような台詞は離さず。
次からは左手で触るから、という結論に至り、解散した頃にはすっかり陽が暮れていた。

上条「…やっと買い物出来るな」

フィアンマ「ん…」

上条「…あのさ」

フィアンマ「…ん?」

上条「………さっき、自分の右手、見てただろ。…何か、あんのか?」

フィアンマ「…>>254
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 00:30:50.54 ID:FBhjYcZSO
ksk
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 00:32:10.08 ID:x9zakIG80
風斬wwwwww kskst
255 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/02(日) 00:57:46.05 ID:hAd49XSZ0
>>252 ×離さず ○話さず

咳が止まらないので今日は寝ます。お疲れ様でした
安価下でお願いします
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 01:01:06.45 ID:FBhjYcZSO
乙。風邪気をつけてな安価↓
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 16:49:21.41 ID:tvFRP+fko
当麻と同じだよ、俺様の右手も
258 :小ネタ:風邪 ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/02(日) 18:03:08.22 ID:EQis7znAO

フィアンマ「…けほ」

上条「熱あるんだからちゃんと寝てろよ?」

フィアンマ「…ん」

上条「……」がさごそ
フィアンマ「…?」

上条「……ちょっとひやっとしますよー」ぺたんっ

フィアンマ「ッッ」びくっ

上条「冷えピタって言うんだよ、コレ。しばらく貼ってれば良くなるからな」

フィアンマ「…」こく
上条「じゃあちょっとお粥作ってく、」

フィアンマ「…」がしっ

上条「…フェリーチェ?」

フィアンマ「…げほ、…ひ、とり…に、しない…で」ぎゅう

上条「いたたたた…わかった」

フィアンマ「…ひとり、嫌い…」

上条「……そう、だよな。…風邪の時って心細いもんな」

フィアンマ「…」

上条「……」

フィアンマ「…おじい様、が…しんで、から…ずっと、ひとりだった…から…」

上条「……おじい様?」




―――そして、彼女は意識朦朧ながら。
自らの過去と、原典を授けられた理由と、その原典に振り回されている人生を、語った。
上条はそれらを静かに聞いた後、たった一言だけ相槌を打った。

「そっか。それでも、俺にとってのお前は、ただ優しいだけな、普通の女の子だよ」
259 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/02(日) 18:07:29.89 ID:EQis7znAO
《20時には再開します》
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 18:27:09.89 ID:TgEr9llmo
風斬消滅で不覚にも噴いてしまった
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 18:40:30.36 ID:FBhjYcZSO
乙。本名は名乗らなかったのか…
262 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 19:33:35.65 ID:WZjoke8R0
>>260様 風斬ちゃんは犠牲になったのだ… >>261様 敢えて名乗らなかったようです》


フィアンマ「…当麻と同じだよ、俺様の右手も」

何かあるのか、という問いかけに、フィアンマはそう返した。
落ち込んでいるというよりも、どこか寂しげな様相で。

上条「…俺と同じって、『幻想殺し』?」

フィアンマ「正確には違うが、似たようなものかな」

人を不幸にする右手。
人を救う、右手。

相反しているように見える二つの要素を兼ね備えた特殊な右手。
上条とは正反対に絶対の幸運を確約された特別な右手。

フィアンマ「…人の幸せを願えば願う程、どこかの誰かを不幸にする。救う為の力で、それでも俺様には暴力という手段しか無い」

上条「……、」

フィアンマ「…一緒にしてはいけない、な。…当麻の右手よりも、悪いんだろう。使い方が悪いのだから、俺様が悪いんだ。俺様が馬鹿で弱くなければ、こんな風に思わなかったかもしれない」

フィアンマの言っていることは、上条にはよくわからなかった。
それでも、彼女が自分と似たような壁に突き当たっていることは、わかる。
そうでなければむしろ、あの日自分へ話したあの言葉が響く訳もないのだが。
右手を見下ろし、フィアンマは自嘲気味な笑みを浮かべる。

フィアンマ「何かを救おうとすれば、何かを喪うことになる。誰かの幸せを願う程、誰かを不幸にする。それでも、俺様は願わずにはいられない。世界中の人々が幸せで、平和で、心地良い世界に生きることを」

上条「…別に、それは悪いことじゃねえだろ」

言って、上条は手を伸ばす。
そして、彼女の右手を、自分の右手で握った。

上条「誰だって、幸せになりたいし、普通は誰かに幸せになって欲しいと思うよ。それを口に出すかどうかは別として。…勿論、裏目に出ることだってある。俺たちみたいに変な右手なんて持ってない普通の人だって、誰かを助けようとして誰かを傷つけたり、不幸にするんだろ。それでもやめようと思えないのは、やっぱり誰かに幸せになって欲しいっていう優しい思いの方が、誰かを見捨てようとする冷たい思いより強いからだ」

言いながら、何と綺麗事を並べ立てるのだろうと上条は思う。
けれど、彼はもう彼女の前でだけは、自分を自嘲しない。
『偽善使い』だとしても、彼女の思いを支えてあげたかった。

上条「たとえ自分の思いで誰かを傷つける結果になったとしても、今度はその傷つけた人を助ければいい。救おうと頑張ればいい。…違うのか?」

フィアンマ「……」

わからない。
そう五文字をぽつりと呟いて、やっぱり彼女は寂しそうに笑った。
どれだけの言葉を並べて話し合っても、分かり合えないと。
彼我の"本当の勇気の差"を、わかっていたからかもしれない。
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 19:33:40.83 ID:EQis7znAO
+
264 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 19:34:48.06 ID:WZjoke8R0


上条当麻の前で、『フェリーチェ=ミカエリス』として過ごす一方で。
彼女は『右方のフィアンマ』として、着々と戦争の下準備を始めていた。
本当はこんな手段と用いたくは無いが、そろそろタイムリミットだ。
今年が終わるまでに成功させなければならない。猶予が無い。

「…当麻は、嫌いになるかな」

こんな自分の姿を知ったら。
思いながら、彼女は指示を出す。

「…世界を救えば」

皆が幸せになる。
皆を幸せにしたら、自分だって幸せになれる。

『オフィーリア。お前は、周りの沢山の人を幸せにしなさい』

自分を愛してくれた、今は亡き家族がそう言った。
その為に努力してきたことを無駄にする訳にはいかない。
流れた血を清算する為にも、やれるだけのことをやらなければならないのだ。
自分に逃げ道など用意されていない。
たとえ死んでしまっても、やれるだけのことをやり遂げなければ。

「…世界を、救ったら」




オフィーリア=カンナヴァッチュオロの幸せを踏み台にして。
上条当麻を含む全世界の人々が、幸せになれるはずだから。






「『rappresaglia094(報いる者)』。……全ての人々の願いと苦しみに救いという形で報いるのが、俺様の存在理由だ」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 19:34:49.35 ID:EQis7znAO
+
266 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 19:35:27.56 ID:WZjoke8R0

九月十九日。
大覇星祭始まりである。
『大覇星祭』とは、学園都市に所属する全学校が合同で行う超大規模な体育祭。
開催期間は9/19〜25の七日間。
要は、異能者が繰り広げる大運動会である。
その為、燃える魔球や凍る魔球、消える魔球はザラであり、外部からの注目度も高い。
種目は学校単位のものから個人単位まで多岐に渡り、個人種目では上位三位内に入ると表彰される。

一日目ということで長ったらしい開会式を過ごしながら、上条は暇そうに親友と喋っていた。
フィアンマはというと、学生生活の中でも最も仲良くなったといえる姫神秋沙と会話している。

姫神「フェリーチェさんは。何か。興味のある種目はある?」

フィアンマ「んー…吹奏楽部の複数校合同パレード、というやつか」

姫神「私も。興味があるから。一緒に見よう」

和やかな会話の中約束を取り付けたフィアンマは、大覇星祭の雰囲気を楽しく感じ取っていた。
聖職者として、右方のフィアンマとして長年堅苦しい生活を送ってきた彼女に、お祭りの経験は無かった。
確かに祭と称される内容のイベントはあったものの、それらの内容は楽しいものではない。
儀礼的な意味合いの強い窮屈なお祭りと違い、今回はどこを見ても楽しそうだった。

開会式を終え、しばしの休憩(正しくは準備時間)である。
上条はごたごたと多い人ごみの中、フィアンマへと近寄る。
体操服から出ている白い腕は日焼けで痛くならないのだろうかと不安に思いつつ、上条は問いかける。

上条「そういえば、運動って得意なのか?」

余談だが、フィアンマはうまいこと魔術を応用して先生方の認識を騙している為、能力開発は受けていない。
魔術を使う度に支障を発生させる訳にはいかないからである。

フィアンマ「>>268
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 20:01:02.53 ID:FBhjYcZSO
ksk
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 20:08:38.25 ID:TPNLooDWo
人並みにはな
269 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 20:24:12.10 ID:WZjoke8R0

フィアンマ「人並みにはな」

多分、という言葉を呑み込んでそう彼女が答えたところで、放送案内が飛ぶ。
第一種目は棒倒し。
高等学校部門の第一種目にあたり、高校の一学年分の生徒が参加する団体競技である。
敵対する二組のグループが長さ7メートルぐらいの棒を各クラス一本立て自軍の棒を守りつつ相手の棒を倒す、とルールだ。
一般的なルールではあるものの、そこはやはり学園都市。
能力者は能力を使って勝利をもぎ取ろうとするし、この競技に限っては学園都市側もそれを推奨している。

上条「そっか。とはいえ、気をつけろよ。能力者は能力使うから火炎とかあるだろうし」

宗教上の問題で許されている為、フィアンマは体操服に修道服のフードを被っている。
勿論宗教のみではなく、彼女があまり顔を見せたくないという理由も、そこにはあるのだが。
それに火がつかなければいいがと思いながら、上条はフィアンマを手招いて競技場へ向かう。

フィアンマ「そんなに気をつけずとも、最悪当麻が守ってくれるだろう」

上条「え、」

フィアンマ「……冗談だよ」

上条「…別に、俺は冗談じゃなくても…お前のことなら守るし…」

肝心なところで態度も台詞も通じあわないので、いつまでたっても発展しないのがこの二人である。






上条「ちくしょう、負けた…」

フィアンマ「努力が必ず実を結ぶ訳でもあるまい」

仕方が無い、と緩く首を横に振り、フィアンマは上条を慰める。
第一種目の棒倒し、上条の学校は残念ながら負けてしまった。
小萌先生が残念そうな顔をしていたことが尚更悲しい。

現在行われているのは四校同時借り物競争。
個人種目である為、上条達はのんびりと駄弁りながら歩いていたのだが。
借り物競争選手、御坂美琴の借り物の条件が上条に相当した為。
そんな彼女に引っ張られ、上条は持って行かれてしまった。
結果的に一人になったフィアンマは姫神とのパレード鑑賞へ移行することにしたので、問題は無く。


姫神「? さっきまで。上条君と。歩いていなかった?」

フィアンマ「そうだが、連れ去られてしまってな」

姫神「連れ。去られ?」

フィアンマ「そうだよ。…ところで」

姫神「何?」

フィアンマ「お前は、当麻のことが好きなのか」

軽い調子での質問に、姫神は無表情で(というか感情があまり顔に出ないタイプなのだ)沈黙する。
しばし黙った後、彼女は言葉を返した。

姫神「>>271
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 20:45:34.99 ID:tvFRP+fko
姫神はどっちかっていうとフィアンマさんにフラグ立ってる気がするksk
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 21:01:26.41 ID:AE+zwueSO
……それなりに。
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 21:01:38.86 ID:1wSWB3YV0
うん。ライバルだね
273 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 21:17:48.94 ID:WZjoke8R0

姫神「……それなりに」

友達としては好きである。これは普通のことで。
しかしそれ以上に、異性としても好きかというと、微妙なラインに姫神は立っている。
決して上条のことは嫌いではないが、心底から愛しているかというとそうでもないような。
否定とも肯定ともつかない曖昧な答えに、フィアンマは小さく笑う。

フィアンマ「そうか」

姫神「どうして。そんなことを。聞くの?」

フィアンマ「…もし、お前が当麻のことを好きなら。……当麻を幸せにしてあげて欲しかったんだ」

姫神「……フェリーチェさんが。するのでは。ダメなの?」

フィアンマ「…駄目だ」

寂しそうな笑みは、フードに隠した。
上条と一緒に居るフィアンマも、フィアンマと一緒に居る上条も、世界で一番幸せそうな顔をしているのに、どうしてそんなことを。
不思議には思えど、そこまで突っ込んで聞いてしまっても良いものかいまいち判断のつかなかった姫神は、パレードへ視線を向けた。
複数の学校の吹奏楽部が合同で演奏する曲目は、その辺のオーケストラに負けない耳心地だ。

姫神「楽しい」

フィアンマ「…ん」



一方。
上条当麻は御坂美琴から解放され、安息の場所を求めてふらふらとしていた。
そんな彼へ、土御門元春は声をかける。少し、申し訳なさそうな声音で。
何事かと近寄った上条は、トラブルの前兆に眉を潜める。
そこに居たのは、かつてアウレオルスに対峙した魔術師、ステイル=マグヌス本人の、姿。
そして聞かされたのは、学園都市が危機に瀕していること。
『刺突杭剣』―――否、正しく判明した呼称で表すのならば、『使徒十字』という恐ろしい霊装を持っている敵が潜入していること。
その解決へ、出来ることなら上条当麻の『幻想殺し』を借りたいと、そういう話だった。



フィアンマはというと、小萌先生を発見して近寄っていった姫神秋沙と別れ。
上条を探してきょろきょろとしていた。当然、この人ごみでは見つかる筈もなく。
仕方が無いので何処かで休んでから動こう、と思ったところで、上条の両親へ拾われた。

刀夜「おや、君はこの前の」

フィアンマ「お久しぶりです」

敬語を使うのは慣れない、と思いながらも使い。
刀夜と詩菜に連れられるまま、フィアンマは移動した。
ちょっと寂れた、しかしだいぶ人の居る喫茶店へ、上条の食事場所を取る為に。




上条「それで、そのオリアナ=トムソンってやつを止める為に、俺はどうすればいいんだ?」

土御門「本当にいいのかにゃー? カミやんは一般人だし、楽しんで来てもいいんだぜい?」

上条「それが成功したら大覇星祭どころじゃねえだろ。さっさと終わらせて、さっさと戻ろうぜ。…で、何をすればいいんだ?」

土御門「>>275
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 21:37:02.22 ID:P/Qy8Xxe0
大人しく逆レイプされてくれ
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 21:39:45.93 ID:puKO1FSyo
276 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 21:51:07.30 ID:WZjoke8R0

土御門「ソイツに襲われても、大人しく逆レイプされてくれ」

上条「!? ど、どういうことだよ!」

土御門「こっちから色々と術式を混合してかけたんだ。今のヤツは、性欲の比率が他の欲求に比べて最優先にきてる。…そして、…俺は、カミやんになるべく戦っては欲しくない」

上条「土御門…」

土御門「…時間稼ぎって意味もあるけどにゃー。カミやんには、この、何処でも位置がわかるボールペンを渡しておく。一定以上動きが止まったらこっちへ通知が来るようにしておくから、なるべく時間を稼いでくれ」

上条「……わかった」

逆レイプを甘んじて受けるかどうかはともかく、翻弄して時間を稼ぐことが命題。
わかった、と頷いた上条へ先ほど言った通り特殊な作りのボールペンを手渡し、土御門は奔走し始めた。
一刻も早く日常へ帰る為に、一刻も早く非日常へ対応しなくてはならない。

ステイル「すまないが、協力してもらうよ」

上条「別に申し訳無く思ってもらう必要はねえよ。毎回、俺が自分で首突っ込んでるだけだしさ。…ところで、自己紹介したっけ?」

ステイル「君とはしていなかったな。改めて自己紹介しようか。僕はステイル=マグヌス。イギリス清教所属の魔術師だ」

上条「俺は上条当麻。右手がちょっと妙なだけで、何の変哲もない高校生だけど、よろしくな」

一度だけ握手をして、別れる。
上条は一瞬だけフィアンマを巻き込むか、頼るか、迷って。

上条(…いや、…なるべく、遠ざけておいた方が、いい)

彼女を危険な目に遭わせる必要性は感じられない。
そう判断して、上条はオリアナ=トムソンの特徴情報を元にあてもなく走り出した。




一方。

詩菜「はい、どうぞ」

フィアンマ「…ありがとうございます」

フィアンマは詩菜―――上条の母親から甘そうなジャムサンドを受け取り、両手で持ってもぐもぐと食べていた。

刀夜「ところで、やっぱり君はウチの当麻の恋人なのか?」

もぐ、と口に含んだまま、フィアンマは顔を赤くして固まる。
視線を迷わせ、もごもごと言った。

フィアンマ「…>>278
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 21:53:10.62 ID:f+xZAvbN0
あれは焦ってとっさに出た言葉だそうです
278 :小ネタ:一人称  ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/02(日) 21:54:47.98 ID:EQis7znAO

上条「そういえばさ」

フィアンマ「ん?」

上条「何でお前、一人称が『俺様』なんだ?」

フィアンマ「…」うーん

上条「いや、純粋に気になってさ」

フィアンマ「…話すと長くなるぞ?」

上条「別にいいけど」

フィアンマ「…口調はおじい様の影響を強く受けたと、自分では思う」

上条「何だっけ、所謂尊大口調ってやつだっけ。慣れたせいか、あんまり偉そうな感じはしないけどな」

フィアンマ「一人称は、…生い立ちの関係でそもそもが『僕』だった」

上条「なるほど。世話してくれた男の子の影響受けたんだっけ」

フィアンマ「そうだな。それで、おじい様と生活する内に『俺』へとシフトした」

上条「あんまり厳しくない人だったんだな」

フィアンマ「敬語や語学はともかく、一人称については言われなかったな」こく

上条「それで、『俺』から何でまた変わったんだ?」

フィアンマ「身近に居た男の一人称が『俺』ばかりでな。埋もれるだろう」

上条「個性が?」

フィアンマ「個性が。で、様をつけてみた訳だ」

上条(そんな理由で…)

フィアンマ「そして今日に至る」

上条「…ま、馴染んでる一人称が一番だよな」うん




《安価下》
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 21:55:10.91 ID:/9WcRR//o
恋人には……なりたいかもしれないが……まだ…………いやその前に俺様は……ブツブツ
280 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 22:07:52.34 ID:WZjoke8R0

フィアンマ「…恋人には……なりたいかもしれないが……まだ…………いやその前に俺様は……聖職者というか…修道女の括りに…いやしかし…」

ぶつぶつと続く言葉はあまり聞こえなかったものの、その表情に刀夜は薄く笑った。
不幸を甘んじて受け、悲しそうにしていた息子は、この女の子と一緒に居る時、幸せそうな顔をしていたように、思う。
上条当麻の母親である上条詩菜も、フィアンマのそんな様子にお嬢様然とした柔らかな笑みを浮かべる。
若く見えても彼女は大人であり。恋愛の何たるかを、うっすらとながら知っている。

知らないのは、二人の間にある特別な事情。

詩菜「フェリーチェちゃん、だったかしら」

フィアンマ「…はい」

ちら、と詩菜の表情を窺う少女へ、彼女はのんびりと告げた。

詩菜「思っていても。想いは言葉に出して、表情に出して、行動に出さないと、伝わらないものよ」

フィアンマ「………」

果たして、自分にそんな権利があるだろうか、とフィアンマは思う。
上条を如何に大切と思っていても、自分は彼の右手目当てに近づいたのだ。
それは、死にかけている大富豪へ財産目当てに這いよる売女と同じような真似ではないか、と。
そんな自分が、彼に好きだと告げていいものか。

フィアンマ「……俺様と、一緒に居て。…彼は、…息子さんは、幸せそうに、見えますか」

刀夜「私の見た限りでは、幸せそうに見えたよ」

フィアンマ「…そうですか」

誤魔化すように飲んだアイスコーヒーは、カフェイン特有の苦々しい味がした。







オリアナ=トムソンは、追われていた。
包帯のようなものに包まれた大きな『何か』を持って、学園都市を歩き回りながら。
『運び屋』として、追われる人生に慣れている彼女は、裏路地の進路に立ちふさがる一人の少年に困っていた。
どう見ても普通の学生のようだが、どうやら自分を追いかけているイギリス清教側に居るらしい。

オリアナ「お姉さん、困らせてくる男の子は嫌いじゃないけど…今捕まる訳にはいかないのよ」

上条「その包帯みたいなヤツの中身は知ってる。それを使って学園都市をどうするつもりだ。そんなにローマ正教が大事なのか?」

オリアナ「そうでもないかな。ローマ正教はお姉さんを雇ってるだけだから…」

上条「学園都市中の人の意思を無理やり捻じ曲げてローマ正教の思い通りにさせるのがどれだけ最低のことか、わかってんのかよ」

オリアナ「>>282
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 22:24:22.39 ID:7XXhnE940
それはそうと……ねぇボウヤ、ボウヤスッゴくお姉さんの好みだわぁ…ジュルリ
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 22:26:46.38 ID:/9WcRR//o
うえ
283 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 22:42:39.51 ID:WZjoke8R0

オリアナ「それはそうと……ねぇボウヤ、ボウヤ、スッゴくお姉さんの好みだわぁ…」

上条「…」

ぎくり、と背中が緊張に動くのを感じながら、上条は一歩下がる。
土御門から言われた言葉を覚えていない訳ではない。
しかし、ここで大人しく本当に逆レイプされるのもいかがなものか。
確かにオリアナ=トムソンのスタイルは良い。甘いボディライン、大きな胸、美しい顔出ち。
つやつやとした金髪はその胸と同じようにふよふよとやわらかそうだ。

上条(いや、でもフェリーチェの方が…って、今はそんなこと考えてる場合じゃない)

なるべく動かないでいることで、ボールペンの探査機能を発動させる。
勿論、その通知を受け取った土御門やステイルはそこへ向かう。
早く来てくれと思いながら、上条はしばらく会話を引っ張ることにした。



第二種目『大玉転がし』に参加すべく、一旦上条夫妻と別れたフィアンマは、競技場へとやって来ていた。
クラスメートの内、土御門と上条の姿が見当たらない。

フィアンマ「…またトラブルだろうか」

オリアナ=トムソン―――『運び屋』による『使徒十字』の件に巻き込まれてしまったか、と上条の無事を祈りつつ。
開始位置へ姫神と共につき、女子部の競技が始まった。




上条はオリアナとの距離を測りかねていた。
あまり近づけばヤられ、遠ざかれば興味を失われる。

オリアナ「そんなに怖がらなくてもいいのよ? これでも、それなりに上手なんだから」

上条「う…」

彫刻よりも整った素晴らしい女体が、性行為を迫ってくる。

土御門「カミやん」

そこへ間に合ったのは、親友兼魔術師の土御門元春だった。




大玉転がしを終え。
フィアンマはというと、青ピに誘われるまま、街中を歩いていた。
上条が問題に巻き込まれてしまった(と予測出来る)以上、しばらく上条夫妻の下へは戻らないだろうと予測したからである。

フィアンマ「そういえば、いつものナンパとやらはどうしたんだ。日課ではなかったのか?」

青ピ「>>285
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 22:50:13.97 ID:FBhjYcZSO
いやいや、流石のボクも、こんな可愛すぎる娘と一緒やのにナンパなんてせーへんよー?

…なぁ、カミやんやなくて、ボクを選んでみぃへん?後悔させへんからさ?
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 22:55:33.01 ID:FBhjYcZSO
うえ
286 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 23:11:16.90 ID:WZjoke8R0

青ピ「いやいや、流石のボクも、こんな可愛すぎる娘と一緒やのにナンパなんてせーへんよー?」

フィアンマ「…可愛すぎる?」

それは無いだろう、とばかりに不思議そうな顔をするフィアンマへ、青髪ピアスはほのぼのとしながら笑んだ。
彼にかかれば大抵の女の子は可愛いの部類に入るが、それを除いても、一般的にフィアンマは中性的な美少女へ分類される。

青ピ「…なぁ、カミやんやなくて、ボクを選んでみぃへん? 後悔させへんからさ?」

フィアンマ「選ぶも何も、俺様は当麻の恋人という訳ではないしな。…でも、修道女だから青髪も却下だ」

青ピ「つれないわー」

残念、と笑う青ピに肩をすくめてみせ、フィアンマはゆっくりと歩く。
楽しそうな人ごみの中に居るのは、悪く無い気分だ。






気絶させたオリアナをステイルに任せ。
土御門と上条は、ようやく日常へ戻ってきた。
時刻は夕暮れ…とまではいかないものの、おやつ時に近い。
オリアナを倒した時、リドヴィアと名乗る敵からの宣戦布告はあったものの。
ナイトパレードという人工の光が夜空を埋め尽くすと知っている以上、最早恐る必要は無かった。

全て、終わったのだ。

日常に戻って最初に感じたのは空腹である。
舞夏が待っているからと言う土御門と別れ、上条は連絡を受けて両親の居る喫茶店へとやって来た。

刀夜「あれ、あの子とは会わなかったのか」

上条「あの子って…フェリーチェ?」

詩菜「そう。フェリーチェちゃん、競技に出てから当麻さん探して戻ってきますー…、って言ってたんだけど…あらあら、迷子かしら」

上条(…誰かと一緒に居てくれればいいけど…)

ひとまず食事を、と、詩菜から受け取ったサンドイッチを食べ。
ふと斜めを見やれば、御坂美琴と、その姉と思しき女性の姿。
御坂美琴と、目が合った。

美琴「ぐっ、偶然ね」

上条「おー、玉入れは勝ったのか?」

美琴「>>288。それより、罰ゲームのこと覚えてるんでしょうね」

罰ゲーム。
実は大覇星祭の準備期間中、会話の流れで罰ゲームを取り付けられてしまったのだ。
内容はいたってシンプルで、常盤台中学がとある高校に勝ったら、御坂美琴のお願いを上条は何でも聞かなければならない。
逆もまた然り、である。
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:16:24.33 ID:FBhjYcZSO
乾杯
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:17:13.72 ID:otMAQK0E0
圧勝
289 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 23:24:47.66 ID:WZjoke8R0

美琴「圧勝よ。それより、罰ゲームのこと覚えてるんでしょうね」

罰ゲーム。
実は大覇星祭の準備期間中、会話の流れで罰ゲームを取り付けられてしまったのだ。
内容はいたってシンプルで、常盤台中学がとある高校に勝ったら、御坂美琴のお願いを上条は何でも聞かなければならない。
逆もまた然り、である。

上条「げっ…」

美琴「忘れたとは言わせないわよ?」

上条「忘れてねーよ。でも、ウチの高校だってそんなに弱い訳じゃないんだからな?」

美琴「絶対勝つからね!」

そんなに命令したいことがあるのか、と上条はやれやれといった調子でため息をつき。
両親から罰ゲームとは何かと突っ込まれ、バツの悪い思いをしながら適当に誤魔化した。
御坂美琴と食事をしていた女性は姉ではなく母ということを知らされ、老化とは何なのかと不思議に思う上条。
しかし、そろそろ上条にとっての第三種目、全校男子・騎馬戦予選A組が開始する。
あまりちんたらと食事や雑談で時間を喰ってしまう訳にはいかないと食事を終えた上条は、両親に場所案内をしてから競技場へ向かった。


競技場に到着し。
客席に両親が居るのを目撃した後、上条は更に見回した。
この騎馬戦は男子限定の為、女子は観客席か、はたまた競技場外に居る。
上条の探索を裏切らない形で、フィアンマは応援席に座っていた。

上条「おーい」

やや気の抜けかけた声を出し、上条は手を振る。
フィアンマはこちらを向き、口パクで何事かを言った。

フィアンマ『>>291
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:31:09.44 ID:FBhjYcZSO
ksk
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:32:24.66 ID:otMAQK0E0
助けてくれ
292 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 23:41:19.13 ID:WZjoke8R0

フィアンマ『助けてくれ』

上条「た、す…え、何でだ?」

口パクを読み取り、上条は注意を払って彼女の周囲を見る。
何か敵らしき魔術師の姿は窺えない。
どうやら、彼女の隣に座っている子供が泣いているようだ。
放っておけない性格をしている彼女は上条に助けを求めるしかなかったのだろう。
しかし、ここで競技を放り出して小萌を困らせる訳にはいかなかった。
男子達に『小萌先生を笑顔にしてやろうぜ!』と呼びかけ、上条は再度フィアンマを見る。

上条「すぐ行く!」

フィアンマ『わかった』

意思疎通を交わし、上条は競技へと向き直る。
あの子供が何なのかはさっぱりわからないが、ひとまずさっさと目の前の難題を片付けてしまおう。





上条の気合を入れる喝の効果が発揮されてか、騎馬戦予選は見事に勝ち残った。
二日目に本戦があるのでそちらに出場しなければならなくなったが、小萌が嬉しそうに喜んでくれたことで、男子達の疲れは癒えた。
また、予選中に沢山の得点を取ったことで、一時的に常盤台中学の得点を上回った。

上条(これで罰ゲーム回避出来っかな…)

思いながら、彼はフィアンマに近寄る。
泣いている子供をどうにかあやしたのか、小さい女の子は泣き止んでいた。
不安げに辺りを見回し、落ち込んでいる。
そんな小さな子をフィアンマが慰めなだめる、の繰り返し。

上条「その子、どうしたんだ?」

フィアンマ「迷子のようだ」

上条「学園都市外から来たっぽいな…」

フィアンマ「…名前は言えるか?」

女の子「>>294
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:42:50.16 ID:otMAQK0E0
上条フェイリス
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:43:00.69 ID:FBhjYcZSO
左方のテッラですねー
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:43:10.13 ID:/9WcRR//o
おいwwwwww
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:43:58.70 ID:FBhjYcZSO
おうふ…kskがわりにジョークで書いたら…wwww
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:48:35.98 ID:nVPfVpdDO
良スレ発見なうえにフィアンマの設定が私にどストライク
しっかり最初から読むけど今の状況が気になる
出来れば誰か産業で

298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:53:38.95 ID:FBhjYcZSO
原作再構成モノ

時系列はだいはせいさい事件終了後

迷子の女の子発見、名前を聞くと「左方のテッラですねー」
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:57:55.73 ID:nVPfVpdDO
>>298
最後の一文ワロタwww
なるほど、だから皆も草生やしてたのか
ありがとうお世話になりました、追い付くように頑張ります
300 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/02(日) 23:59:40.29 ID:WZjoke8R0
《ちくしょう、吹いた…笑いすぎて腹痛い》


女の子「さほうのてっら、ですねー」

フィアンマ「……」

フィアンマ(そういえば、この間テッラが迷子の女の子を助けたと、世間話の中で言っていたか)

女の子「? あれ、でも、それってこのあいだたすけてくれたひと…? あれあれ…?」

上条「…大丈夫かな、この子」

大丈夫かな、行く末。
上条は思いながら、天然なのか話が通じていないのかよくわからない女の子の手を引いて歩き始めた。
まずは迷子についての放送をしてもらうのだ。
女の子はもう片手が空いている事が寂しかったのか、いつも親とはそうしているのか、左手を伸ばしてフィアンマの手を握った。
身長差の関係でやや宙に浮くのを楽しみ、女の子はにこにこと微笑む。

女の子「あのねー、きょうのためにね、おとうさんがおやすみとってくれたの」

上条「お父さん、忙しいのか?」

のんびりと相槌を打ち、上条はアンチスキルに迷子情報を案内してくれるよう伝えた。
名前を知らずとも案内してくれるらしく、男性のアンチスキルは即座に対応してくれた。
元々は天真爛漫な性格なのか、女の子は楽しそうにフィアンマの手を握っている。上条の手も。

女の子「なんだかおとうさんとおかあさんみたい」

上条「え、似てるのか?」

女の子「うん! おかあさんはやさしくてね、おとうさんもやさしいの。それでね、わたしにあまいー、っていつもおかあさんにおこられてるんだ」

フィアンマ「母親が強い家庭か…」

上条「今はそれが主流らしいぞ?」

そんな会話をしている内に、迷子案内を聞いた親が部屋に入ってきた。
二人の手を離し、女の子は嬉し涙さえ浮かべながら両親へ抱きつく。

母親「すみません、ご迷惑をおかけして…」

上条「いや、いいんですよ。調度時間もあったんで」

暇だったからやった、という風を醸し出して、上条は柔らかく笑んだ。
彼にも両親は居るが、学園都市で育っている以上、関係性は薄い。
だから尚更、こうした家族の感動の対面というものに、幸せな雰囲気を感じ取れるのだ。



そして、一日目の競技は終了した。
18時30分ジャストに始まるナイトパレードへフィアンマを誘うかどうか、上条は悩んでいた。
もしかしたら、クラスの男子や、姫神、小萌先生といった面々と、彼女は過ごしたいかもしれない。

上条「…あのさ」

フィアンマ「ん?」

上条「この後、ナイトパレードっていって、花火とかが打ち上がるんだけど」

フィアンマ「ほう」

上条「その、二人で見ないか?」

フィアンマ「>>302
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 00:01:06.05 ID:8tNzX1SSO
デートの誘いか?
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 00:04:40.21 ID:5F+xvpZJ0
何故だ
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 00:15:27.71 ID:LY95bJdPo
思い出せフィアンマ、上条さんの両親の言葉を!

した
304 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 00:19:35.89 ID:c2jLfL5X0

フィアンマ「何故だ」

上条「何故って…その…」

わかれよ、とは、上条は思わない。
彼女はあまり他人の心の動きに(こういう時)聡くないと知っているからだ。
しばらくもごもごとした後、上条は適当な理由を作って並べる。

上条「…俺が、フェリーチェと二人で見たいからだよ」

フィアンマ「…俺様と見ても、誰と見ても、夜空や花火の美しさは変わらんぞ?」

上条「心理的な問題の話」

フィアンマ「…心理?」

上条「別に嫌なら断ってくれても、」

フィアンマ「…嫌な訳じゃない。ただ、」

上条「ただ?」

フィアンマ「…誘う相手なら、俺様以外にも居るだろう。吹寄制理だとか、他にも…色々と」

上条「何でそこで吹寄の名前が出てくるのかはよくわかんねえけど、俺はお前を誘ってるんだよ。他の誰かじゃなくて」

フィアンマ「…なら、見る。…当麻と一緒に、見たい」

一応は頷いてくれたことに安堵し、上条はほっと胸をなでおろす。
打ち上がる花火は様々な形をしており、その一つ一つに彼女は興味を示した。

どうして、あんな風に火が消えていくのか。
どうして、あんな風に形が途中で変形するのか。

科学の方が詳しい上条は、足りない知識はうやむやにしながら言葉を返す。
そんな上条の拙い説明に、それでも一生懸命話してくれているのだと受け取ったフィアンマは、楽しそうに相槌を打った。

こんな幸せな日々がいつまでも続けばいいのに。
それを自分で壊す日がまもなく来るのだ、と。
そんな哀しいことを、思いながら。




大覇星祭、二日目である。
第一種目は騎馬戦・本戦A組。
昨日勝利した上条の組は当然、この戦いに参加することが確定している。

上条「フェリーチェ」

フィアンマ「何だ?」

上条「何かこう、勝てるおまじないとか、無いの?」

フィアンマ「>>306
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 00:20:31.43 ID:/pwKCXdz0
やった所で右手で消してしまうのでは?
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 00:20:50.27 ID:8tNzX1SSO
額にキスでもしてやろうか?
307 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 00:29:59.42 ID:c2jLfL5X0

フィアンマ「額にキスでもしてやろうか?」

上条「キ、っ!? …もっと自分を大切にした方が、いいぞ?」

フィアンマ「……額への接吻は祝福の口づけ。知らんのか」

上条「知らない。十字教ってそんな言い伝えあるのか」

フィアンマ「まぁ、説明すると長くなるな。で、するのか」

上条「割とマジでしてくれんのか?」

上条の問いかけには、期待と揶揄の色。
こんな往来でまさかするはずがないだろうという見くびりと、応援だとしても女の子から口付けてもらえるという期待。
フィアンマは少しだけ視線を地面に落とした後、目を閉じろと一言告げた。
目を閉じた彼の額へ、柔らかな感触。せいぜい一秒程度触れたところで、離れる。
お互いに目を開け、互いの赤い顔を見て、閉口した後。
フィアンマは珍しくものすごく偉そうに言った。

フィアンマ「この俺様にここまでさせたんだ。必ず勝利の知らせと共に帰ってくるんだろうな?」

ものすごく偉そうで尊大、なのだが。
顔が真っ赤で、且つ羞恥からか目尻に涙さえ浮かんでしまっているので、正直威圧感は減退気味だ。
対して上条はしばらく顔を洗えないなどと考えながら、笑顔で頷いた。

上条「優勝して、帰ってくるよ」


 



有言実行。
周囲の『まさかとある高校が優勝出来る訳がない』という予想を覆しての大勝利。その末の本戦優勝。
あれは本当に呪いの類だったのか。幻想殺しの効かない呪いなどあるのか、と思いながら、上条は帰ってきた。
嬉しさのあまり感涙していた小萌先生や男子達と優勝の喜びを分かち合った後、上条はフィアンマの下へ戻ってきた。

上条「ただいま。一瞬駄目かと思ったけど、勝てたみたいだ」

フィアンマ「>>309
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 00:36:39.03 ID:8tNzX1SSO
えっ!?マジで?!
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 00:42:23.35 ID:OLAw+vguo
おめでとう
310 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 00:54:27.93 ID:c2jLfL5X0

フィアンマ「おめでとう」

はにかみ混じりの笑みを見せ、彼女は一言そう言った。
ありがとう、と礼を言い、上条はフィアンマを連れて歩き出した。
今日は両親が来ていないので、自分達で昼食の場所取りをしなければならない。
初日と変わらず来場者が多いので、人ごみに呑まれてしまいそうになる。
上条は手を伸ばし、フィアンマの右手を、左手でしっかりと握った。
握手にも似た、指は絡ませない普通の握り方。
フィアンマは最初、戸惑って力を込められないままでいたが、上条の一歩先を行く後ろ姿を見ながら、握り返した。
迷子にならないように。

フィアンマ(…ずっと、こうしていたい)

俯く。そうすれば、フードに隠れた彼女の顔を窺い知る人間は誰も居なくなる。

フィアンマ(当麻と、一緒に歩いていたい。…ご飯が食べたい。学校に行きたい。家に帰って、とりとめもないやりとりがしたい。足りない食材を一緒に買いに行きたい。明日のお弁当の中身について少し言い争いたい。……当麻と、一緒にいたい)

泣いて縋る代わりに、フィアンマは強く手を握り返した。
さも、力が抜けてしまいそうになったから、とでも言うように。




九月二十五日。
大覇星祭最終日。
上条は結局常盤台中学には負けてしまったなー、だとか、あのビリビリ中学生は存外フォークダンスが上手だったな、などと思いながら。
来場者数ナンバーズに何の気なしに回答していた内容がドンピシャ、つまりは1等だったということを聞き。
見事、北イタリア5泊7日のペア旅行チケットを貰い受けたのだった。

上条「今日は不幸じゃない! でも人生最後の運を使い切った気がする!」

フィアンマ「…何かあったのか?」

上条「これもらったんだよ」

ほら、と差し出されるペアチケット。
フィアンマはチケットを一瞥し、首を傾げる。

フィアンマ「で、誘う相手は決めてあるのか?」

上条「>>312
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 00:56:22.43 ID:8tNzX1SSO
木山先生を
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 00:56:39.87 ID:LY95bJdPo
お前に決まってるだろ?
313 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 01:09:27.58 ID:OM4BFMRw0

上条「お前に決まってるだろ?」

フィアンマ「人生最後の運を使い切って当てたであろうチケットだろう?」

上条「それは物の例え…というか、マジだけど。ほら、イタリアってお前の本国だろ?」

フィアンマ「まぁ、それはそうだが」

上条「一緒に行こうぜ」

イタリア語わかんないから翻訳してくれ、と付け加えつつ。
上条のほんわかとした誘いに、フィアンマはこくりと頷いた。
現在行われていることを考慮すれば、学園都市から離れた方が安全であるからだ。




翌日、九月二十六日。
空港を発つ際にひと悶着あったものの、二人は飛行機に乗り込んだ。
一日かかるフライトの後、イタリアに到着。
居る筈のガイドさんは手違いの為かおらず、個人的に見て回ることに。

上条「って訳でフェリーチェ…あれ?」

振り返れば、何故かフィアンマの姿は見当たらず。
迷子になってしまったのか、自分が迷子なのか、よくわからないまま、上条は歩き出す。
いかんせんイタリア語はわからない為、人に聞くことも出来ない。

上条(でもあの赤い服なら目立つよなー…)

きょろきょろ。
見回した先、上条は人間違いで声をかけた。
ローマ正教式のフードという何とも曖昧な判断で。
その相手の、修道女。名は、オルソラ=アクィナスという。
『法の書』の一部暗号を解読したばかりに命を狙われ、結果的にアウレオルスとインデックスに救われた、現イギリス清教所属の少女。

上条「フェリーチェ?」

オルソラ「? どなたのことでございましょう?」





この分でいくと、上条は女王艦隊問題に首を突っ込むだろうと予測しながら。
フィアンマは北イタリアから遠く離れた場所、聖ピエトロ大聖堂へとやって来ていた。
正確にいえば、帰ってきたというべきか。しかし、彼女はこの大聖堂を愛おしく思っている訳ではない。

フィアンマ「ビアージオ=ブゾーニは既に動いているのか?」

淡々と。
『右方のフィアンマ』としての顔で、問いかける。
問いかけを受けているのは、一人の女。
黄色い装束を纏った、『神の火』を司る前方のヴェント。

ヴェント「>>315
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 01:24:00.72 ID:8tNzX1SSO
ksk
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 01:33:46.48 ID:8tNzX1SSO
あー、まぁ………。


あのアホなら女王艦隊使って、彼女とクルージングしにいったよ……
316 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 01:43:32.43 ID:OM4BFMRw0

ヴェント「あー、まぁ………」

フィアンマ「…歯切れが悪いじゃないか。何か支障でも?」

完全に『右方のフィアンマ』として動いている時、基本的に彼女はフードをかぶらない。
既に鋼鉄の冷徹さという仮面を被っている以上、必要無いからだ。
そしてそのことが、彼女の中における区別なのかもしれない。

ヴェント「あのアホなら女王艦隊使って、彼女とクルージングしにいったよ……」

フィアンマ「…彼女?」

ヴェント「ま、少し予定が遅れるってハナシ。そんなに支障は出ない筈だケド」

あまり支障を出すようならこちらにも考えがある、とばかりに、ヴェントは退屈そうに息を吐き出す。
そして、そんなことより、とフィアンマを見やった。

ヴェント「長い事何処行ってたワケ?」

フィアンマ「俺様が何処に居ようと勝手だろう?」

ヴェント「まぁね。でも、立場考えなさいよ」

肩を竦め、彼女は立ち上がる。
ヴェントは科学サイドを潰せれば何でも良いのだ。

恨みを晴らせるのなら、何でも。



一方。
オルソラという修道女に案内を頼んでしまっていた上条は。
『女王艦隊』という霊装が科学サイドへの攻撃を仕掛けていると聞き、巻き込まれる形でオルソラと共に解決へ向かっていた。
黒幕である人間はわかっている。

上条(そういえば、フェリーチェはこういう事、知ってる立場なのかな…)

詳しく聞いていなかった、と思いながら、上条は眼前の敵を殴る。
アニェーゼ=サンクティスやルチアといった、口や態度は攻撃的でも優しい少女達を救う為に奔走する。
こんな不幸を振りまく右手でも誰かを救えると、上条はもう、確信したから。

上条「よ、やく…辿りついた…」

げほ、と噎せながら、氷で出来たドアを殴るようにして開ける。
ローマ正教の司教、ビアージオは面倒そうに上条を見やった。

上条「こんな事して、最悪戦争になるってわかってんのか、テメェ…」

ビアージオ「>>318
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 01:46:16.10 ID:8tNzX1SSO
ksk
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 02:02:29.34 ID:8tNzX1SSO
戦争?何の話だ?

私はただ女王艦隊を拝借して、キャーリサとお忍びクルージングデートしてるだけなのだが?

英国側にも裏で許可はとってある。我々の仲を引き裂きに来たのなら容赦はせんぞ?

私は面倒ごとが嫌いなんだ
319 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 02:12:18.59 ID:OM4BFMRw0

ビアージオ「戦争? 何の話だ?」

上条「…わかってねえとは言わせねえぞ」

ビアージオ「私はただ女王艦隊を拝借して、キャーリサとお忍びクルージングデートしてるだけなのだが?」

上条「…?」

ビアージオ「英国側にも裏で許可はとってある。我々の仲を引き裂きに来たのなら容赦はせんぞ?」

困った様子である。
どうにも話が食い違うのは、自分が勘違いをしているのか。
釈然としない様子の上条へ、ビアージオは面倒そうに言う。

ビアージオ「私は面倒ごとが嫌いなんだ」

上条「…アニェーゼを『刻限のロザリオ』にして『アドリア海の女王』を発動させるつもりなんだろうが」

ビアージオ「何だ、そんなことか」

面倒そうに、男は話す。
彼は面倒なことをひとまとめにして片付ける性格をしている。

ビアージオ「それを行うのは夜の話。今はただ、回遊を楽しんでいるだけだよ」

つまり、放り置けば夜には実行される。まったくの嘘ではなかったということだ。
天草式十字凄教が少し困った様子で話していたのは、こういうことだったのだろう。

上条「そうかよ。なら、邪魔するしかねえな」

ビアージオ「…面倒臭い異教の猿だ」





女王艦隊の壊滅。物事は正史通りに進む。
イギリスの第二王女キャーリサに恨みを買ったことを肌で感じながらも、上条はあまり後悔していなかった。
何かを助けようとすれば、何かを犠牲にする必要があるから。
アニェーゼを中心としたシスター達には礼を言われたものの、やはりどこかもやもやとした感情を得ながら、上条はホテルへとやってきた。
幸い目立つ怪我はしていないので、今回は病院のお世話にならずに済んだ。

上条「…」

ガチャ。
ドアを開けると、フィアンマはベッドで眠っていた。
部屋をツインかダブルを選べるチケット内容だったのだが、ダブルにしたのだ。
いつも一緒に寝ているから、そちらの方が落ち着くという理由があった。

上条「…何処行ってたんだよ」

呟きながら、上条はフィアンマの寝顔を眺めつつベッドに腰掛けた。
彼女はすやすやと安眠している。







上条はどうする?>>+2
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 02:22:07.46 ID:QQ5prf+Oo
ksk
321 :小ネタ:猫  ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/03(月) 02:27:15.50 ID:uEKBfXZAO

フィアンマ「…」なでなで

シャミセン「にゃー」ごろごろ

上条「猫派なのか?」

フィアンマ「どちらかといえばそうなるな」

上条「へー」

フィアンマ「当麻はどちらなんだ」

上条「俺も猫派かな」

フィアンマ「ほう」

上条「大型犬に襲われた思い出があるもんで…」

フィアンマ「…嫌な思い出だな」

上条「はは…」

フィアンマ「……」よしよし

シャミセン「…なー」すりすり

上条「猫って無条件で可愛いよな」

フィアンマ「子猫は特に、な」こく

上条「科学的な根拠はもう出てるけど、それでも可愛いものは可愛いよな」よしよし

シャミセン「なーぉん」ぺろ

上条「猫か…」

フィアンマ「…にゃー」

上条「…今何か言ったか?」

フィアンマ「言っていないが」

上条「そっか」

フィアンマ「…にゃぁ」

上条「……」なでなで

フィアンマ「…」もごもご




《今日は寝ます。お疲れ様でした。明日(今日)は夜に多分来ます。
安価下でお願いします》
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 02:32:43.81 ID:LY95bJdPo
かわいすぎるーおつ!
した
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 02:34:48.07 ID:nOF4e+ADO
乙です、やっと追い付いた!
そしてどうしても気にったことが1つ…フィアンマの身長はいくつぐらいですか?
容姿や体型は出てましたが身長は書いてなかったので、ちなみに上条さんは168pですことよ?


安価した
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 07:37:07.18 ID:jVbN+1+b0
フィアンマ抱き枕にして寝る
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 10:23:41.09 ID:CugA47+bo
乙でした
326 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 19:00:06.01 ID:b+xYyjLj0
>>323様 大体171〜173(成長中)の見込みで書いております。原作は178cm位ありそうですが、今回は少し低めの設定です》


上条「…心配したんだからな」

そんな独り言をぼやいて、上条はフィアンマの隣へ寝転ぶ。
そしてしばらく迷った後、彼女の身体を後ろから抱きしめた。
身長差の関係でどうしても抱きついている感が否めない。

上条(…身長伸ばしてー…)

このままでは男の沽券に関わる、と思いながら、目を閉じる。
走り回ったり、知らない人と過ごしたこともあって、疲れた。
場所が学園都市ではない以上未だ落ち着かないというのは、確かにあるのだが。
彼女が一緒の部屋に居るということで、日常が証明されているようなものだった。

上条「…おやすみ」

呟いて、上条は深呼吸を繰り返す。
全身にのしかかる疲労は睡魔となって、少しずつ、彼の意識を夢の中へ引きずっていった。




翌日。
北イタリア5泊7日のペア旅行、内1泊が経過。
起きてシャワーを浴びた二人は昼頃までごろごろと寛いだ後、何処へ行こうかとマップを広げた。
昨日居なかった理由は道に迷ったと適当に話したフィアンマはマップを眺め、話を逸らす。
上条もアドリア海の女王の件を話す気は失せた為、お互い隠し事をした状態での行き先相談である。

フィアンマ「さて、何処へ行くか…」

上条「んー…といっても、俺イタリアなんて来たこと…あったかな」

覚えてない、と思いながら、マップを見渡す。




二人は何処へ行く?(北イタリア内。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2参照)>>+2
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 19:06:14.77 ID:LY95bJdPo
サン・マルコ広場をまわる
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 19:09:31.20 ID:8tNzX1SSO
モンテ・ナポレオーネ通りで高級ブランド店をういんどーしょっぴんぐ→ブレラ絵画館で絵画鑑賞→運河沿いのナヴィリオ地区の側でディナー
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 19:10:44.72 ID:osrwjjsl0
ベルガモ
330 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 19:35:09.89 ID:b+xYyjLj0

上条「とりあえず、行く場所を決めて、ルートを決めて、後はなぞるように行こうぜ」

上条の発言に頷き、ルートを決める方向で考えた。
幾度かの話し合いを経て、一つのルートを決める。
まず向かう場所はモンテ・ナポレオーネ通り。ウィンドーショッピングを楽しもうと、そういう訳である。

そんな訳で、二人はいたって普通の交通手段で通りまでやって来た。
イタリアを代表するブランド店が数々と並ぶ通りは、女性客やカップルが目立つ。
イタリア人美女が何人も通り過ぎて行くことに上条は幾度か視線を奪われかけるが、フィアンマがその度にくい、と上条の服を引っ張った。

フィアンマ「…可愛いと思わないか?」

指差す先は、美しいドレスのようなワンピースが展示されたショーウィンドー。
ふわふわとした作りは着膨れしそうだったが、細身で背の高い女性であれば似合うことだろう。
上条としては格好をつけて買ってプレゼントをしたいところだが、生憎レベル0学生の奨学金で買える値段では無かった。
別に買って欲しくて言った訳ではないフィアンマは上条の相槌にのんびりと笑み、彼の手を引いて歩いていく。

次に二人が向かったのはブレラ絵画館である。
一階部分は大学となっており、二階が絵画館の入口だ。
そしてかれこれ二十分程、上条は一枚の絵画の前から動こうとしないフィアンマに少し困惑していた。

上条「…これ、そんなに素晴らしいのか?」

フィアンマ「当たり前だろう。アンドレア・マンテーニャの『死せるキリスト』だぞ?」

上条にはよくわからない世界だったが、敬虔な十字教信者であれば必ず目が奪われるものだそうだ。
最も、十字教に馴染みのない人にとってもその表現方法や奥深さには見るものを釘付けにする美しさがあり、各時代の人々の価値観や歴史を肌で感じることができるのがこの場所なのだが。
彼女が目を輝かせている幻想は壊さないでおこう、と思いながら、上条も絵画を眺める。
芸術に強い興味は無いが、気持ち、教養が身に付いたような―――気が、する。


運河沿い、ナヴィリオ地区。
この場所が最も美しく見えるのは、夕暮れ時。
夕陽を反射する水面はどこまでも美しく、幻想的だ。
陽が暮れれば周囲の店がそれぞれ光を点け、それが水辺を彩ることもあり、優雅で綺麗だ。
この運河の建設にはレオナルド・ダ・ヴィンチも設計に加わり、かつては『水の都』と呼ばれた時期もあったという。
とはいえ、埋め立てられてしまった場所が多く、そのままの面影として残しているのは、このナヴィリオ地区位なものだが。

そんな地区に建っている、景観の良いレストランで。
平凡な学生の身分でこんな場所で食事をしていいのだろうかとかしこまった様子の上条と、慣れた様子のフィアンマはディナーをしていた。
当初の予定通り事が運び、夕暮れに調度此処へこられて良かった、と両者共思う。

フィアンマ「…振り回してしまった感は否めないが、楽しかったか?」

上条「>>332
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 19:36:33.43 ID:8tNzX1SSO
もちのハリーの親友だよ
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 19:43:25.92 ID:sxvVxzfF0
……ゼェゼェ
ちょっと疲れたかな…ハァハァ
333 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 20:00:37.98 ID:b+xYyjLj0

上条「……ぜぇ、…ぜぇ……ちょっと、疲れたかな…はぁ…」

フィアンマ「少し急ぎ足だったからな。配慮が足りなかったか」

はい、と差し出される水を飲み、上条は数度深呼吸を繰り返して落ち着きを取り戻す。
なるべく夕暮れ時までにこの場所へたどり着こうと努力したのだ。
フィアンマはすんなり間に合ったものの上条は地下鉄に乗り込みそびれたりしたので、疲れがあるに決まっている。
こんな時までも不幸体質は邪魔をするのか、と恨めしく思いながらも、上条はパスタを口に運ぶ。
トマトベースのそれは甘く、時々鷹の爪が辛味を効かせているものの、それすら程よく美味しさを構成していた。
アラビアータソースというものだっただろうか、と思いながら、上条は食事を進める。
その向かいに座るフィアンマも手馴れた様子で食事を進めていく。

上条「…テーブルマナーとかしっかりしてるんだな」

フィアンマ「出来ないと困るからな」

むしろ、パスタを主食としていれば自然とフォークやスプーンの扱いに慣れる、といったところか。
幼い頃から和食に慣れ親しんできた上条が何の疑問も苦戦も無く箸を扱ったり、刺し箸は行儀が悪いと判断出来るのと同じことである。



そんなこんなで、のんびりとした旅行を終え。
上条とフィアンマは、無事、学園都市へと帰ってきた。
慣れ親しんだ学生寮の軽い掃除をした後荷物を片付け。
時差ボケを解消しようと寝込んでいたら、あっという間に時が過ぎてしまった。
時が過ぎるのは早いものだなぁなどとのんきに考えながら上条はカレンダーを捲る。

本日、九月三十日。
上条当麻は大覇星祭罰ゲームにより、御坂美琴へ一日付き合わされることとなった。
言う事を聞けといっても乱暴な内容は無く、基本的にはデートをしているだけ。
御坂美琴を特別意識している訳ではない上条は、気軽な調子で付き合い。
やれゲコ太のストラップ目当てのペア携帯購入だの、やれ和菓子を買ってだの、そんなお願いを受け入れていた。

そして、上条と離れて同じく一人であるフィアンマはというと、シャミセンを連れて散歩に出ていた。

加えて、現在。

一方「…なンなンですかァ…」

無邪気なシャミセンは、白い悪魔と呼ばれた学園都市第一位へ懐いていた。
流石に猫を蹴飛ばす趣味は無い一方通行は困惑のままにシャミセンを見下ろしている。

フィアンマ「すまない、人に懐き易いんだ」

一方「…はァ」

フィアンマ「…何か悩み事でも?」

修道女然とした様子で問いかけるフィアンマはシャミセンを抱き上げようとはしない。
現在、一方通行は何やかんやあって同居することとなった打ち止めを捜している。
何故学園都市にシスターが、と胡乱気な表情を浮かべる一方通行に、首を傾げ。

フィアンマ「…探し人か?」

一方「>>335
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 20:28:44.23 ID:7V9CxLsf0
嫁を探している
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 20:44:10.86 ID:8tNzX1SSO
あ、あァ、実は…うっ!(ヤッベェ、朝飲んだコーヒー、やっぱ消費期限切れてやがったァアアア!!!!!は、腹がイテェ!!!!ナニコレナニコレっめちゃくちゃ腹がイテェヤバいヤバいヤバいヤバい、おい、知らないやつとはいえ人前で漏らし……)ビチチ……

………………。


…………今の事は、誰にも言わねェでもらえると、パンツ買ってきてもらえると助かるンだが、頼めねェだろォか……グス
336 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 21:03:12.67 ID:b+xYyjLj0

一方「あ、あァ、実は…うっ!」

フィアンマ「?」

打ち止めの所在について情報を聞き出そうか。
そう考えた彼は口を開いて、しかし。

一方(ヤッベェ、朝飲んだコーヒー、やっぱ消費期限切れてやがったァアアア!!!!! は、腹がイテェ!!!! ナニコレナニコレっめちゃくちゃ腹がイテェヤバいヤバいヤバいヤバい、おい、知らないやつとはいえ人前で漏らし……)

思って、周囲を見渡す、が。
公衆トイレの類は無い。何をしたところで間に合わない。
最終手段としては能力を使って汚濁流をせき止めることだったが、今のバッテリー残量でそれを行う訳には。

考えては、いけなかった。
そんなことで、時間を割いてはいけないはずだった。
そしてそのことが、彼の運命を黒く塗りつぶした。

びちち。
三文字にして平仮名で表記すればさほどエグくもない。
しかし、現状は正に惨状だ。シャミセンはというと、流石に彼から離れてフィアンマの足下にてお座りしている。
周囲の人々は幸い気づいていないらしく、この惨状をはっきり視界に入れたのはフィアンマのみ。
これまでロクに人に頼ってこなかった学園都市第一位は、虚しく悲しく辛い思いで、しばし黙り込んだ。

一方「………………」

フィアンマ「……」

一方「…………今の事は、誰にも言わねェでもらえると、後、パンツ買ってきてもらえると助かるンだが、頼めねェだろォか……」

本気で泣きそうになりながら、羞恥をこらえて彼は言う。
フィアンマは彼の状態を正しく認識した上で、ポケットから取り出した金の折り紙を周囲にばらまく。
本物の黄金である必要は無い。彼女が聖別したそれは、色という属性が符号しているだけで、黄金の代わりとなる。

          H    S    Q    L    D
フィアンマ「『これよりこの場所は不可視なる我が領地と成す』。…ひとまず、これで俺様とお前以外、此処を見られないようにしておいた。しばらく動かずに待っていてくれ」

一方「……」

堂々と魔術を使って結界を構成した後、フィアンマはまるで聖母の如き、聖女のような優しい笑みを浮かべ。
動かないというよりも動けないままでいる一方通行をほんの短い間だけ置き、替えの下着を買いに行った。



替えの男性用下着、水無しで飲める下痢止め、一方通行が元々穿いていたそれに限りなく色合いの近いズボン、ゴミ袋、お徳用雑巾。
フィアンマが購入してきたそれらの施しを受けて着替え、後処理を行い。
あまりにも大きすぎる借りと弱みを彼女に作ってしまった一方通行は、非常にナーバスな思いでファミレスに居た。
フィアンマはというと、そんな彼の向かいで膝の間にシャミセンを隠し、奢ってくれるということで、何を頼むか悩んでいた。

フィアンマ「…まぁ、そう落ち込む必要もあるまい。幸い、俺様以外の人間は目撃しておらんし…俺様の対処によって、現状復帰は出来ただろう。好きなものを頼んでいいというのは感謝するが、そろそろ元気を出したらどうだ」

ファミレスのメニューを開いた状態で手にしたまま、フィアンマは聖『神の如き者』の加護を受けている者らしく、今にも神聖な光が背後に降り注ぎそうな優しい微笑を浮かべている。
一方通行はそんな彼女の笑みに励まされながらも、やはり元気は出そうになかった。

一方「>>338
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 21:04:10.69 ID:9EV7dljS0
死のう…
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 21:26:44.83 ID:8tNzX1SSO
あァ………うン……

なァ、オマエシスターか?シスターにしちゃあ色合いが違ェが…

もしよければ、俺の罪をちょっと聞いてもらえねェか?
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 22:03:06.24 ID:nOF4e+ADO

>>1様、身長の件に答えてくださりありがとうございます!
キャラ紹介で高身長なのは想像ついたのですが、どうしてもフィアンマの脳内再生がインデックスさんになってしまい高身長なのは私の勘違いなのでは……と思い気になったので質問させて頂きました

……マジレスはなんだか苦手っす

340 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 22:13:41.65 ID:b+xYyjLj0
>>339様 身長については迷い迷って記載していなかった>>1の完全なミスというか甘えでした申し訳ないです…》



変わらず落ち込む一方通行に、しかしこれ以上の慰めはかえって侮辱だろうと考えたフィアンマは沈黙のままにメニューを眺め。
やがてパンケーキとレモンティーのセットを注文した後、運ばれてきたそれを丁寧に切り分け始める。
そんな彼女に向かって、学園都市最強は言葉をかける。

「なァ、オマエシスターか? シスターにしちゃあ色合いが違ェが…」

「職業上衣服は揃えていないが、修道女である事には変わりないな」

衣服が赤であることは修道女らしからぬと久しく思いながら、フィアンマはこくりと頷いた。
一方通行はしばらく黙った後、静かに問いかける。

「もし良ければ、俺の罪をちょっと聞いてもらえねェか? …はン、所謂懺悔ってヤツだ」

「罪を悔いることは恥じることではない。…話してみろ」

切り分けたパンケーキに、ついてきたメイプルシロップ(風蜂蜜シロップ)をかけ。
フォークの背中で丁寧に塗り込みながら、フィアンマは優しく促した。

「……俺は、…自分が一人であることが嫌なばっかりに、それから逃れようとした。…その為に選ンだ結果が、散々だった」

「…詳しく話してくれないか」

「…俺は、この学園都市の『超能力者』の中でも、第一位―――一方通行って呼ばれてる。本名は、もう忘れた」

「……」

温かなレモンティーに砂糖を溶かし。
無理やり話の続きを急くでもなく、彼女はこくりと頷くことで相槌を返す。

「当然、化物、腫れ物扱いは当たり前として。…現時点での最強よりも先、…無敵になれば、誰も傷つけないで済むと思った。…俺の能力は『ベクトル操作』。シスターにゃちとわかり辛いかもしれねェが、要するに攻撃をそっくりそのまま跳ね返すのが特性とでも解釈してくれりゃァイイ」

「……」

「…二万通りの方法で、か弱い女殺せば無敵になれるって話があった。…馬鹿だったからなァ。頭脳がどれだけよかろうとも、寂しさに視界の曇ってた俺は、そンな最悪の条件の実験を呑ンじまった」

「……」

「…勿論、研究者共には、泥人形だと思え。殺すンじゃなくて壊すだけだと思え。…そう、言われた。……俺はそれを呑ンだ。信じた。人を殺してるっていう重荷から逃げたい、ただそれだけの理由でなァ…」

甘いパンケーキを口に含み。
フィアンマは、丁寧な調子で先を促した。
一方通行は、どうして先ほど会ったばかりの修道女然とした少女にこんなことを話しているのか、自分でもわからなかった。
打ち止めに言うには、あまりにも醜い言い訳だったからかもしれない。
世界で一番恥ずかしい瞬間を見られた彼女になら、どんな弱みを見せてしまってももはや構うまいと、そんな思考なのかも、しれないが。

「……最強の先の、無敵になれば。もう二度と、俺に攻撃を仕掛けようとする馬鹿は居なくなると思ったンだ。…本当は、そォじゃなかった。例えカミサマとやらにも届く力を持ったって、歯向かう奴は絶対に居る。…それを、わかっていなかった。見ないフリをした。どンなに拒絶されても、俺は誰かに手を伸ばしてみるべきだったンだ。ガキだったとか、そういう言い訳をしないで。誰か、俺をわかってくれそうな大人に、子供に、…手を伸ばせば、良かったンだ…」

友達を作れば良かった。
どんなに拒否されたとしても、いつか拒否をしない人物を捜して、友達になってくれと。
そうして自分の居場所を自分で作らなかった成れの果てが、今の自分だ。
自嘲して、一方通行は笑った。明らかな、自らへの嘲笑だった。

「…実験をした。…一万三十一人を殺した。無残に、…愉しささえ見出しながらな。…一万三十二回目の実験の時、邪魔が入った。ソイツは俺と真逆の野郎だった。…俺の力が効かねェクセに、『無能力者』だって話でよォ。……安堵しなかったといえば、嘘になるンだろォな」

「…そうか」

341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 22:13:45.03 ID:uEKBfXZAO
+
342 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 22:14:49.90 ID:b+xYyjLj0

パンケーキを食べ、ゆっくりと咀嚼しながら、フィアンマは続きを促す。
丁寧な促し方に一度だけ深呼吸をした後、一方通行は言葉を続ける。

「その後、俺は実験に使われる予定の無かったちっこいガキに会った。今までの実験で殺した女と、殺し損ねた残りの女を統括する役目を持った、…それでも、穢れのねェ優しいガキだ」

「……」

「ソイツは…ソイツは、俺のやった事全部知ってて、それでも俺と一緒に飯食いてェって、…『いただきます』と『ごちそうさま』が言ってみてェって、ぼやいた。まだその頃の俺は馬鹿だったから、一度見捨てちまった。……色々とあって助けて、今は一緒に暮らしてる。今、こうやって杖ついて生活してンのはその時の無茶した後遺症だ。これが天罰なのかもしれねェ」

「……」

「…馬鹿だよなァ。…本ッ、当に………馬鹿だなァ、俺…何やってンだ……」

テーブルに肘をつき、その手で頭を支え、頭を垂れる。
目を閉じ、唇を噛み締めるその姿は、罪の重荷に押しつぶされそうに見えた。
旧教を信仰するフィアンマに、免罪符を売る資格は無い。売ろうとも、思わない。
だから、一対一で、一人の少女として、言葉を返すだけ。

「……なら、今出来ることを、精一杯すれば良い」

「…今、出来ることを…?」

「…何でもかんでもわがままを叶えるというのは、子供に対して良いことではない。だが、次にその優しい子供がお前に何か求めてきた時。…『一緒にいたい』だとか、…『一緒に帰ろう』だとか。…そういったことは、全て叶えてやれ。照れ隠しに口を突いて思わぬ事を述べてしまったなら、それをカバーする程の行動を見せろ。人を誰か、一人でも殺した時点でやり直すことなど、出来はしない。絶対に。………だから、今を精一杯生きるしかないんだ。もうこれ以上の罪を犯さないように、被害者と向き合って、一生罪を洗い流すしかない。俺様に諭されたから、では意味が無いがね。自分がそうしたいから、一生懸命に罪を償う。たとえそれが何の意味をもたらさずとも、その子供はきっと、お前を愛してくれる。…これでは語弊があるかな」

言って、言葉を言い換える。

「完全に許すことは、絶対にありえないとしても。…お前が罪を洗い流そうと一生懸命命を賭けて贖う姿を、あざ笑うようなことはしない。努力が実を結ぶことは夢物語に過ぎないが、どんな綺麗事だったとしても、突き通せば信念になる」

フィアンマが言っていることは、フィアンマが出来ないことだ。
だから、その綺麗事に満ちた夢物語の実現は、一方通行に託す。

「一生後悔しろ。一生苦しめ。死を迎えるその最期の一瞬さえ、罪を犯したことは忘れるな。事実を踏まえた上で、胸を張れずとも、地べたを這い蹲ることになろうとも、生き続けろ。…そうすればいつか、お前は許してもらえるよ」

地獄で苦しみ、煉獄で苦しみ。
辛いことを乗り越えた先に福音は訪れると、フィアンマは信じている。
右手を伸ばし、一方通行の細い肩に触れた。
温かな右手は、『神の子』の起こした奇跡すら再現せしめる幸運の右手。

「………、こンな話して、悪かったなァ。…オマエみたいなイイ奴は、聖人君子と話してンのがお似合いだ」

「謝る必要は無い。……何処も悪く無い人間に、医者は必要か?」

「…? いらねェな」

「病人には医者が必要な様に。…罪人には、救いが必要だ」

たった一人で抱え込む必要は無い。罪とは、環境と人とが起こすこと。
そう思うのは、人間に原罪があるとする十字教徒だからだろうか。
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 22:14:51.04 ID:uEKBfXZAO
+
344 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 22:15:17.24 ID:b+xYyjLj0

フィアンマ「…この世界に罪を犯していない人間は居ない」

その罪とどう向き合って生きていくかが重要だ。
そう述べて、パンケーキを食べ終わったフィアンマはレモンティーを口にする。
一方通行は思い出したように諸々(雑巾など)に使われたと予想される額よりも多めの札を差し出し。
しばらく黙って、下を向いて、考え込んだ。

一方(一生後悔する。一生苦しむ。死ぬ前のその最期の一瞬まで、罪を犯したことは忘れない。その事実を踏まえた上で、胸を張れずと

も、地べたを這い蹲ることになろうとも、…生き続ける)

死んでお詫びするというレベルの罪の重みではない。
生き続けるというのもなかなかどうして辛いことだが、一方通行の償いは、それでこそ成立するのかもしれない。

フィアンマ「……少しは、楽になったか?」

札をありがたく頂戴し、多すぎる分は返そうとしたフィアンマだが、彼はそれを拒否する。
後で募金箱にでも入れようかと思いながら渋々受け取ったフィアンマは、一方通行を見やる。
顔を上げた彼の紅い瞳には、先ほどよりも光が宿っているように思えた。

一方「>>346
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 22:17:56.91 ID:uEKBfXZAO
>>340
「あァ………うン……」

を脳内追加補完お願いします
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 22:36:14.72 ID:LY95bJdPo
ああ、ありがとう
オマエとアイツは……どこか似てるところがあるのかもしれねェな
347 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 22:48:26.33 ID:b+xYyjLj0

一方「ああ、ありがとう」

すっきりとした顔で、彼は素直に礼を言う。
借りがある相手だからこそ、素直になれるのかもしれない。

一方「オマエとアイツは……どこか似てるところがあるのかもしれねェな」

フィアンマ「…アイツ?」

一方「何でもねェよ」

上条当麻は、間違っている幻想を壊して。
オフィーリアは、優しい幻想を築き上げる。

やり方は違えど説教をしていることは間違い無い。
そして何より、何故だかその言葉には説得力があった。







夕方。
一方通行と別れたフィアンマは、静かに街中を歩いていた。
ふと感じる魔力の源泉の色に十分な心当たりを感じ、立ち止まる。
後に『0930』と呼ばれる事件が、幕を開けた。


ざあざあと降りしきる雨の中、上条は打ち止めを守りながら走っていた。
守るとはいっても所詮は非力な無能力者の少年、限界がある。

打ち止め「このルートは多分安全ってミサカはミサカは…ッ」

走る、走る。
途中脚を痛めた打ち止めを抱えて、上条は街を走った。
様子がおかしい。何処を見ても、倒れている人しか居ない。
頼みの綱のアンチスキルも見当たらず、後ろからは特殊部隊とでも呼ぼうか―――正確には『猟犬部隊』が、二人を追い、迫っていた。

上条「っ、はぁ…」

そんな彼を助けるかのようにして現れた人影の名は、前方のヴェントといったが。
天罰術式で『猟犬部隊』を気絶させたに過ぎず、目的は上条当麻の殺害。

フィアンマ「……」

雨の中。
服も髪も一切濡らしていないフィアンマは、ぼんやりとしていた。
前方のヴェントによる学園都市への奇襲。
これを皮切りに、戦争への衝動はまずます高まっていくだろう。







フィアンマは何処へ行く?(学園都市内)>>+2
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 22:54:08.75 ID:8tNzX1SSO
ksk
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 23:39:58.62 ID:8tNzX1SSO
セブンスミスト
350 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/03(月) 23:57:16.07 ID:kO7izIBO0

フィアンマがふらりと向かった先は、セブンスミスト。
上条と買い物をした夏のことを思い出しながら、雨の街を歩く。
まだお別れをする必要は無い。
けれど、ヴェントの実力を考慮すれば、当麻は今宵死んでしまうかもしれない。

入ってみた店の中、店員は全て倒れていた。
噂話でもしていて、敵意や警戒心を抱いてしまったのだろう。
ヴェントの天罰術式の犠牲者だが、特別哀れには思わなかった。
外傷が無いからかもしれないし、これ以上傷つけられることは無いとわかっているからかもしれない。
店のレジに近寄ったフィアンマは財布を取り出し、一方通行から受け取った金銭の余り分を、レジ脇の募金箱へと突っ込んだ。
小さな募金箱へぐいぐいと万札を押し込んだ後、財布をしまいこむ。

フィアンマ「…可哀想なオフィーリア。王子様と幸せになれると、そう思って…そんなことを思ってしまったのにな」

呟いて向かう先は、先ほど強烈な光を放った人工天使の、『元』の下。
風斬氷華と呼ばれている少女は、とある事情によって恐ろしい天使へと変貌させられた。
まるで娼館に放り込まれたいたいけな少女のようだと思いながら、フィアンマは移動する。
頭の中の『預言』は、人工天使を救う方法を彼女の脳内へ的確に羅列していた。
どの術式を用いれば良いか、何処へ行けば良いか、どう移動すれば効率的か。

フィアンマ「…哀れなオフィーリア。……いずれ溺死すると識りながら、それでも正気には戻れない」



上条当麻は、前方のヴェントと対峙していた。
傍に居る風斬氷華は舌を突き出し、目はほとんど白目を剥き、常軌を逸している。
しかし、少しずつ、ほんの少しずつ、その状態は凡解しつつあった。

上条「もしかして、フェリーチェが…?」

思う上条へ、風の弾丸が飛ぶ。

ヴェント「余所見してんじゃ、ない、わよ…げほっ」

血を吐きだしながら、女はハンマーを振り上げた。
じゃらりと長い鎖が宙を巻い、衝撃が吹き荒れる。

上条「ッ、大丈夫かよ!」

ヴェント「アンタに心配されることじゃない…ハッ、……上条当麻。一つ、愉快なことを教えてあげましょうか」

上条「愉快…?」

弟の為の復讐だと叫び。
その叫びに反論を受ける形で自分の自分勝手さを再確認したヴェントは、ボロボロだった。
そして、そんな傷ついた人間は、どんな行動に出るか予測もつかない。

ヴェント「>>352
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 00:13:34.36 ID:Vmg0rnMSO
あんたがフィリーチェって呼んでる奴はねェ、あんたに大嘘ついてんのよ?
名前も、職も、心も。

何もかもウソっぱち。アイツは私達ローマ正教裏組織のリーダー、右方のフィアンマ。世界を救うためとか言って、逆に破壊するために、あんたの右手を欲しがる狂信者。
あんたに近づいたのだって、偶然でも、運命でもない。『仕事』で、あんたのとこに『来た』のよ?

後ね?ここの地下深くに、爆弾仕掛けて来ちゃった☆
352 :小ネタ:手持ちの   ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/04(火) 00:34:37.20 ID:KJ7ywubR0

上条「手持ち花火買ってきたんだけど、やるか?」

フィアンマ「…手持ち?」

上条「そうそう。打ち上げと違って手で持ってやるんだよ。文字通りだけどな」

フィアンマ「…やる」


上条「準備完了、と。花火の先っぽをロウソクの火に当てて燃やすんだ」

フィアンマ「火薬が詰まっているのか」

上条「周囲を汚さないエコな火薬らしいけどな」

フィアンマ「……」


花火<パチパチパンッ


フィアンマ「…綺麗だな」ふふ

上条「途中で色変わるタイプだったかな、それ」

フィアンマ「途中で、…、…本当だ」

上条「…火傷しないようにな」

フィアンマ「ん…」

上条「……あのさ、」

フィアンマ「…ん?」

上条「…何でもない」

フィアンマ「何だ、言いかけたのなら最後まで言えば良いじゃないか?」

上条「いいんです、ナシナシ!」

フィアンマ「……これもやりたい」

上条「線香花火? 難しいぞ」

フィアンマ「難しいからこそ興味が湧くんだ」こく

上条「気をつけてな…はい」っ線香花火

フィアンマ「………じわじわと燃えるのか」

上条「放っておくとパチパチし始めるけどな」

フィアンマ「…当麻」

上条「ん?」

フィアンマ「…綺麗なものを見せてくれて、ありがとう」

上条「…な、何だよ急にかしこまって」

フィアンマ「たまには真面目に言っておくべきかと思ってな」

上条「…こんな安物でいいなら、いくらでも買ってやるよ…あ、いくらでもはやっぱ無理か…」

フィアンマ「…来年も、出来たら良いな。これは、夏の風物詩なのだろう?」

上条「そうだな。日本の風物詩だ」

フィアンマ「………来年も、……出来たら、良い…な…」

上条「…そんな心配しなくたって、俺が入院でもしてない限り大丈夫だろ」

フィアンマ「……はは、そうだな」



《今日は寝ます。お疲れ様でした。
安価下でお願いします》
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 00:44:25.86 ID:v0e+gtmDO
>>352
乙です、大変面白かったです
身長の件ですが>>1様は自分を卑下しすぎですよ、しっから[身長に栄養を取られた]と書いてあったうえにとても分かりやすいキャラ説明でしたので自信を持ってください
どうしてもハッキリ知りたかった私が勝手に深く聞いただけですから

余談ですがフィアンマの設定はとても私の好みで、このフィアンマを創作した>>1様を神と崇めたいくらいです

安価した
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 00:59:38.85 ID:Vmg0rnMSO
乙。安価なら>>351
355 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 16:24:26.98 ID:bX8NGDp30
>>353様 ありがとうございます…あ、よろしければ三次創作か何かで使ってください》


ヴェント「あんたがフェリーチェって呼んでる奴はねェ、あんたに大嘘ついてんのよ? 名前も、職も、心も」

上条「…何、言って…?」

血を口端から垂らしながらも、ヴェントは薄く薄く笑む。
人を傷つける人間特有の、酷薄な笑顔。
上条は罠か何かかと思いながらも、耳を傾けてしまった。

ヴェント「だから、何もかもウソっぱちだって言ってんの。アイツは私達ローマ正教裏組織のリーダー、『右方のフィアンマ』。世界を救うためとか言って、逆に破壊するために、あんたの右手を欲しがる狂信者」

上条「……、…何…?」

ヴェント「あんたに近づいたのだって、偶然でも、運命でもない。『仕事』で、あんたのとこに『来た』のよ?」

吊り上がる口端。
女性らしい口元から飛び出る言葉に、上条は耳を疑う。
確かに、右方のフィアンマと前方のヴェントは響きが似ている。
そして彼女の所属はローマ正教で、眼前のヴェントも同じくローマ正教所属だ。

ヴェント「後、ね? ここの地下深くに、爆弾仕掛けて来ちゃった☆」

上条「、テメェ…!」

アックア「心配せずとも、それは既に解除済みである」

ヴェント「アックア…!」

これ以上学園都市の人々を傷つけるつもりなのかと頭に血が上った上条だが、一人の傭兵が静かに言葉を挟む。
上条に数度殴られたことや、学園都市の『妨害』等によって心身共にボロボロなヴェントを引取りに来た、後方のアックアが。

ヴェントの話、アックアの存在、フィアンマが追われている理由―――全てが、上条の頭の中で繋がる。

余計なことを、と吐き捨てようとして。
ふらりと倒れた彼女を支え担ぎ、アックアは小さく息を吐き出す。
風斬は既に動きを停止しており、水たまりの中へへたりこんでいた。

上条「……なぁ、」

アックア「…そう案じなくとも、ヴェントの『天罰術式』に用いる霊装はもはや効力を失っている。直にこの街の人間は目を覚ます」

上条「…そうか。……質問が、ある」

アックアの言葉にひとまず周囲への心配は減退する。
となれば、残るは極個人的な疑問のみ。

アックア「質問か」

上条「…右方のフィアンマは、お前達のリーダーなのか。こんな風に命令を下して、遠まわしに戦争を起こそうとしてるのか。…どうなんだ」

アックア「…>>357
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 16:26:11.37 ID:hxp0xHtT0
戦争?違うな間違っているぞ
救済だ
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 16:27:22.11 ID:6FsDULrm0
神の右席の本当の支配者はフィアンマではなくお前の父親だ。
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 16:30:39.64 ID:Vmg0rnMSO
盛 り 上 が っ て き ま し た 
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 16:36:38.32 ID:bq7RhBfI0
あの人ならありうる
360 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 16:45:12.04 ID:bX8NGDp30

アックア「…『神の右席』の"本当"の支配者は『右方のフィアンマ』ではなく…お前の父親だ」

上条「…なん、…」

アックア「話はそれで終いであるか。こちらとしても、退かなければならん理由が存在するのである」

言うと、アックアはヴェントを抱えたまま、一度だけ足元を蹴った。
何かの術式を用いたのか爆風が吹き荒れ、上条は思わず顔を腕で覆う。
次に腕を退けて前を見た時、既にそこには誰の存在も確認し得なかった。

上条「…どういうことだ…?」

情報の攪乱を受け、上条は混乱していた。
上条の周囲の人物を話題の中心に置くことで、上条の思考をあちらこちらへ分散させる。
人の殺人を悪魔の真似だと誤魔化すような、後方のアックアの優しさに上条は惑う。
幾ら何でも一組織の構成員が機密情報をベラベラと話したりはしない。
だが、ヴェントが『真実』を話したことを知っていたからこそ、『それらしい類似話』をかぶせる形で、アックアは嘘をついた。
結果的に混乱のみを残された上条は首を力なく横に振って、思考を放棄する。
もう、何を信じればいいのか、わからなかった。
だから彼は、ひとまず風斬に近寄って、言葉をかけてみることにした。

上条「大丈夫か、風斬。どこか痛めてないか?」

風斬「…どう、して。…私、…ばけ、ものなんです、よ…? 心配、なんて…」

上条「…自分で何かを考えて、誰かを助けようと頑張れる奴は、化物なんて言わないんだよ」






木原数多と一方通行の間で身柄が揺れていた打ち止めの脳内を術式によって少し弄ることによって風斬を元に戻し。
一方通行の体へ最低限の治療を施したフィアンマは、上条の家へ帰ってきていた。
途中から防護術式を解除した為、彼女の体も、髪も、ずぶ濡れになっていた。
そんな彼女を見て、上条は問い詰めようか、それともいつも通りに話しかけようか、悩む。




1.問い詰める

2.タオルを差し出す



上条の行動(数字指定)>>+2
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 16:51:21.24 ID:bq7RhBfI0
両方がいいなぁ…
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 16:53:57.86 ID:6FsDULrm0
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 16:54:45.65 ID:TIqjQhh6o
黒幕ワロタ
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 16:55:53.17 ID:BUxwN0AAO
黒幕が…そんな…知らなかった…
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 16:56:17.29 ID:Vmg0rnMSO
ある程度予想はしてたけども…ちくせう。負けねェ!絶対歴史の修正力(>>1)に負けたりなんかしない!
366 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 17:05:27.67 ID:bX8NGDp30
>>360 ×悪魔の真似 ○悪魔の仕業 ×嘘をついた ○言葉を放った》


冷えた身体を温かいタオルで包んであげるのが甘さだとして。
上条は、安易にそうはしなかった。本当のことを知りたかった。
今目の前に提示されている優しい幻想などではなく、本当のことを。
そしてその真実全ては、誰かから聞いた噂ではなく、彼女本人から知らされた言葉によって認識したかった。

「……フェリーチェ」

「…ん?」

彼女の笑顔はボロボロだった。
疲れたと表現すればいいのか、弱っているようだった。

「教えて欲しいことが、ある」

「…何だ? 俺様の答えられる範囲で良ければ、何でも答えるぞ」

痛々しく笑む彼女の顔を見ていられなくて、上条は背を剥ける。

「…前方のヴェントと戦った。…後方のアックアと、また顔を合わせた」

「……そうか」

「それで、さ。色々と変なことを、言われたんだ」

「…どんなことを?」

フィアンマは静かに上条に近寄り。
目を閉じて、上条を後ろから抱きしめた。

「…フェリーチェは、『右方のフィアンマ』で。俺の右手を欲しがってて、…更にその上の黒幕が、俺の親父だなんて、言われた」

「………」

「…おかしい、よな。俺も、変なギャグとしか思えない。だから、否定して欲しいと、思ったんだ」

「………」

「…フェリーチェが一言、…嘘だって、知らないって言ってくれたら、俺はそれを信じるよ」

上条も、ボロボロだった。
後ろから抱きしめてくる少女の顔を見るのが、怖いと思える程に。






1.本当のことを全て包み隠さずに話す(世界救済ルート)

2.わからない、と流す(日常ルート)




フィアンマの行動(数字指定投票。1IDにつき1票)>>368-370
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 17:07:58.96 ID:Vmg0rnMSO
1
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 17:08:37.64 ID:6FsDULrm0
1
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 17:11:50.22 ID:BHICiBo60
2
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 17:21:35.17 ID:wd1pnLnj0
1。
371 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 18:59:48.42 ID:tFlpCJ0R0
《結果:1(2票) 2(1票) よって世界救済ルート。ご協力ありがとうございます》


「…嘘、なんだよな? アイツ等が言ってることなんか、全部嘘で、俺は騙されてるだけなんだよな。…フェリーチェは、『神の右席』から逃げてきたんだろ。…そう、だよな…?」

掠れた声。
上条の問いかけに長い間沈黙した後。
フィアンマは、雨に濡れた唇で言葉を紡ぎ始める。

「…殺人事件が起きて、…死体を発見して。それは悪魔の仕業だと、或いは呪いによるものだと、言われて。…当麻は、どう思う?」

「……事故じゃない限り、誰かが殺したに決まってる」

「そう言うと、思ったよ。…でも、厳密にはどちらとも言い切れない。殺人者は悪魔に駆り立てられたのかもしれないし、呪いによって突き動かされたのかもしれない」

「…何が言いたいんだよ」

「…どちらかが本当のことじゃなくて、どちらも本当のことである可能性だってある、という話だよ」

閉口する上条をぎゅうと抱きしめて、フィアンマは言葉を選んだ。

「……俺様が右方のフィアンマと呼ばれていること。世界を巻き込んで戦争を起こそうとしていること。当麻の右手を欲していること。お前の父親がローマ正教に所属していること。全て、真実だ」

「…騙したのか。俺が右往左往してるの見ながら、演技してたのかよ」

372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 18:59:51.23 ID:BUxwN0AAO
+
373 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 19:00:36.28 ID:tFlpCJ0R0

上条自身が思っていたよりもずっと、冷たい声音で言葉が出た。
フィアンマは怯えるように一瞬肩を震わせ。
口の中の唾液を呑み込んだ後、答える。

「…アックアに襲われたのは、わざとだった。怪我をして、手当をしてもらうことで、当麻に多少なりとも情を湧かせたかった」

「……」

「…当麻の右手については、思っていることをそのまま述べた」

「……」

上条は、振り返らない。
今、彼女がどんな顔をして話しているかを、知ろうとしない。

「お前の右手は、『幻想殺し』は世界にたった一つしかない特別な右手だ。それを取り込めば俺様の力は完全なものとなる。…世界中を巻き込んで戦争を起こし、悪意を表出させ、それを敵として設定し、右手を完成させて、世界を救う。それが、俺様のやるべきことだ。お前の父親はこの救済の…『プロジェクト=ベツレヘム』の為に、尽力してくれた」

「…ずっと、騙してたんだな」

「…否定はしない」

唇を噛み締める上条を強く抱きしめ。
フィアンマは、目を伏せる。

「……或いは。…自らが敷いたレールから飛び降りる事が出来ない馬鹿な女を助けてくれることを、期待したのかもしれない」

「…、」

「…確かに、俺様は嘘をついてきた。全部、…ぜんぶ、嘘を、ついてきた。…でも、……でも。……当麻と、一緒にいたかったことは、ほんとうなんだ……当麻と、過ごした日々が楽しかったことは、嘘じゃない。幸せだった。いつまでも続いていけばいいと、思っていた。当麻の右手を友好的に、平和的に受け取るのが目的で接触した筈なのに、…いつの間にか、楽しく感じてしまっていた。知らないものを沢山見せてもらって、…その度に、離れがたいと、思った。……当麻とご飯を食べるのも、一緒に寝るのも、一緒に学校に行くのも、お弁当の中身についてだとか、くだらないことで言い争うことさえ、楽しかった。このままずっと、こんな時間が過ぎていけばいいのにと、何度も思った」

「…」

上条は、何も言えなかった。
言わなかったのかもしれない。
彼女の声は震えていて、涙に濡れていた。
抱きしめる腕の力は強く強く、上条を振り向かせまいとするかのようだった。

「当麻は、許してくれないかもしれない。俺様の事を、嫌いになると思う。でも、俺様は当麻の事が大好きだったし、これからも大好きだよ。…これは、…これだけは、誰にも否定させない。嘘じゃ、ない」

背後から嗚咽が聞こえていても。
上条は振り向いて、彼女を抱きしめることはしない。
けれど、裏切られたという気持ちは不思議と消えていた。
きっかけがどうあれ、彼女は確かに、自分という人間と仲良くなろうとしていた。
利用する為に。でも、利用を戸惑う程に。
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 19:00:37.66 ID:BUxwN0AAO
+
375 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 19:01:30.51 ID:tFlpCJ0R0

撫でられるのが、好きだった。
笑ってくれる顔が、好きだった。
怒った顔も、嫌いじゃない。

『オフィーリア。お前は、周りの沢山の人を幸せにしなさい。そうすれば、お前も幸せになれるから』

自分を愛してくれた、今は亡き家族がそう言った。
その為に努力してきたことを無駄にする訳にはいかない。
流れた血を清算する為にも、やれるだけのことをやらなければならないのだ。
自分に逃げ道など用意されていない。
たとえ死んでしまっても、やれるだけのことをやり遂げなければ。

『…だが、もし、…どんなお前でも受け入れると言ってくれる人が居たら。修道女をやめて、結婚しなさい。或いは、親友で居るよう努めなさい』

そんな言葉を思い出したところで、今更どうにもならない。

『何かを救おうとすれば、何かを喪うことになる。誰かの幸せを願う程、誰かを不幸にする。それでも、俺様は願わずにはいられない。世界中の人々が幸せで、平和で、心地良い世界に生きることを』
『…別に、それは悪いことじゃねえだろ』

右手を握ってくれた日、彼にだけは嫌われたくないと思った。
こうして手を繋いで一緒に歩いていたいと、思った。

『そっか。それでも、俺にとってのお前は、ただ優しいだけな、普通の女の子だよ』

『原典』を抱えていても。
特別な右手を、力を、持っていても。
どんな地位にあっても。
普通の女の子だと言ってくれて、嬉しかった。

フィアンマ「…やり、直したい…」

上条「……、」

フィアンマ「…全部、やり直したい…当麻と出会うずっと前から、やりなおしたい……」

今だに顔を知らない母親の胎の中から、やり直したい。
呼吸さえままならないままに涙を零し、彼女は腕の力を強める。
たすけて、と、掠れきった声で呟いた。

これで、全部終わりなんだ。
何もかも、全て終わりなんだ。

フィアンマ「……俺様の本当の名前は。…役職でも、…偽名でも無い名前は、…オフィーリアと、言うんだ。…もう、こんな風に抱きしめたりしない。こんな風に、触ったりしない、……当麻って、呼ばない。フェリーチェ=ミカエリスは、死んだものと思ってくれていい。……だから、……一度だけ、………一度だけで、いいから。……、…オフィーリアって、…呼んでくれ」

上条「…>>377
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 19:31:46.51 ID:Vmg0rnMSO
ksk
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 19:34:25.36 ID:6VMASvXSo
………さようなら、フェリーチェ


オフィーリア、お前がフィアンマで有りたくないのなら俺が……………

俺がお前を止めるよ

378 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 19:53:52.02 ID:tFlpCJ0R0

上条「…………さようなら、フェリーチェ」

フィアンマ「……」

最後の最期、呼んでくれなかった。
それもまた仕方がないことかと、自嘲気味に薄く笑んで。
腕から力を抜き、フードを取って床に落とすと、フィアンマはこの部屋から立ち去ろうとする。
そんな彼女をもう少しだけ引き止めるかのように。
上条当麻は、言葉を紡ぐ。

上条「オフィーリア、お前がフィアンマで有りたくないのなら、俺が……………」

その言葉の先を、待ってしまう。
赤い髪は、上条と出会った頃より少し伸びた。
半年にも満たない優しい時間は、きっかけがどうあれ、二人の心を癒したことに変わりは無かった。
だから、上条は黙らない。
これまで彼女が見せてくれた表情全てが嘘だなんて、思わないから。

上条「俺がお前を止めるよ」

フィアンマは。
オフィーリアは、自分の右手を握りしめた。
体液の溢れ出て仕方のない目元を服袖で拭い、声を出さずに笑みを浮かべる。
白馬に乗ってはいないし、特別容姿が整っている訳でもない。

それでもやっぱり、この少年は自分にとっての王子様<ヒーロー>だ。

肩につく程度まで伸びた髪を揺らして、彼女は一度だけ頷いた。
そして、修道女としての立場を示すフードを上条の部屋に残し。

フィアンマ(…ありがとう。当麻、大好き)

一人、部屋を出て行った。




ぴりりり。
ふと鳴った携帯に、上条は視線をやる。
発信者は御坂美琴。
そういえば、携帯を購入した時に自然と携帯番号を交換したのだったか。
彼女とする通話は、無料だったはずだ。

上条「…もしもし」

美琴「も、…もしもし。……何か元気無いわね」

上条「…何か、用か?」

美琴「別に用って程でもないけど、ほら、無料なら話した方が得じゃない? だからかけてみただけ。ふ、深い意味なんかないわよ? 後、今日は何か学園都市の様子がおかしかったし、巻き込まれてないかと思って。…それにしても、元気ゼロって感じね。…本当、何かあったの? ……アンタがしてくれたことには到底届かないけど、悩み相談とか、愚痴る位なら乗るわよ」

上条「>>380
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 19:55:04.64 ID:Vmg0rnMSO
ツンデレ乙ー。ピッ

さて、飯の準備するか…
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 19:59:41.45 ID:FdHfdtt/0
実はな……顔が濡れて力が出ないんだ
381 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 20:17:22.43 ID:tFlpCJ0R0
>>378 美琴「」は美琴『』に脳内変換お願いします》


上条「実はな……顔が濡れて力が出ないんだ」

美琴『…はっ!?』

上条「実は上条さんの正体はコッペパンマンだったんだ」

美琴『え? え? いやいや待って、どういうこと?』

上条『ちょっと色々あって元気が…あー、これはコッペパン補給しないと駄目かもしれねえ』

美琴「こ、コッペパンなら何でもいいの?」

上条『多分大丈夫…あ、ピーナッツバターとか入ってると更に良しかもしれませんのことよ…』

美琴「ピーナッツバター入りコッペパンね。わかった、あ、明日の朝渡すから!」

言うなり、御坂美琴との通話が切れた。
騙され易いタイプなんだろうか、やっぱり中学生の女の子だな、などと思いつつ。
明日の昼食を見事ゲットと思う反面、お金はちゃんと返そうと思った。
そして。
上条は、本当に自分の顔が濡れていることに気がついた。
振り返れば、もう彼女は部屋に居ない。落ちているのは、彼女が自分の前ではほぼいつもしていたフードだった。
黒い布をそっと拾い上げ、上条はそれをベッドへ軽く畳んで置く。

『当麻は、許してくれないかもしれない。俺様の事を、嫌いになると思う。でも、俺様は当麻の事が大好きだったし、これからも大好きだよ。…これは、…これだけは、誰にも否定させない。嘘じゃ、ない』

上条「…嫌いになんかなる訳ねえだろ。……俺だって、お前のことが大好きだったし、大好きだよ」

笑って欲しいと思えた。お帰りと言ってくれて、嬉しかった。
些細な日常が幸せだと思えたのは、彼女が来てからだった。
例え第三者に、騙されていたのかと嘲笑されたとしても。
どんな悪意よりも、彼女の涙を信じることにすると、決めた。

絶対に、止める。
そして、『右方のフィアンマ』から、『オフィーリア』を助けよう。
そう、強く、思う。






十月三日。
フィアンマの居なくなった生活にほんの少しだけ慣れた上条は、飲み物をバッグへ突っ込んで学校に向かった。
小萌は突然失踪したフィアンマのことを心配していたが、今は復帰した時にサポートすべく、万全の姿勢でいる。
動きが無いことにはどうすれば彼女を救えるかわからない上条は、ひとまず、真面目に学生生活を謳歌している。
朝には御坂美琴からありがたくピーナッツコッペパンを頂いたので、昼食にも困らず、退屈な毎日。

そんな訳で、現在はクラス総出でのすき焼きパーティーに参加中なのであった。

上条「…姫神って、あんまり食わないタイプなのか?」

姫神「>>383
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 20:21:28.03 ID:Vmg0rnMSO
ぶっちゃけ本気で止める気なら、フィアンマさんの右手切り落とすなり右手で触れ続けるなりして、出ていかさずに監禁でも何でもすればよかったよね
安価↓
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 20:23:33.53 ID:vBsWNVa30
ギャ○曽根より食べるけど。今そんなに食べたら迷惑だから
384 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 20:36:27.83 ID:tFlpCJ0R0
>>382様 それは少し思ったのですが、前条さんは不幸コンプレックスだから堅実な未来を選ぶかな、と。後は"まだ"病んでないので…》


姫神「ギャ○曽根より食べるけど。今そんなに食べたら。迷惑だから」

上条「そんなに食えんのかよ」

すごいな、と嫌味でもなんでもなく言いながら、上条も少しずつすき焼きを口に運ぶ。
甘いタレと卵が絡み合った肉は噛む度に旨みが染み出して、美味しい。
きっと、彼女は食べたことが無い味だろう。

上条(…でも、食わせてやれないんだよ、な。…助けるまでは)

ぼんやりと思い、苦い表情になると水を飲み干す。
姫神はそんな上条の様子を見、そっと視線を逸らした。
上条は何も語らないが、何かがあったことくらい、察する事は出来る。

姫神「…上条君。春菊が。食べ頃」

上条「あんまり好きじゃないんだよな、春菊…」

小萌「上条ちゃん、好き嫌いは駄目ですよ! ちゃーんとお野菜も食べてくださいねー」

上条「はいはーい」

小萌「はいは一回ですー!」

見た目小学生ロリ教師に叱られつつ、上条はやっぱり、肉を食べるのだった。





バチカン、聖ピエトロ大聖堂。
右方のフィアンマは、退屈そうに本を読んでいた。
魔術に関するそれではなく、有名な悲劇『ハムレット』だ。

フィアンマ「…」

テッラ「失礼しますねー」

フィアンマ「……テッラ」

ぱたん、と本を閉じ。
少女らしさなど欠片も無い冷酷な青年の体で、低い声で言葉を放ち、フィアンマはテッラを見やる。
もはや彼女に、優しさや同情心など存在しない。
そんなものは、心の底、奥底の深淵へと押し込めた。

フィアンマ「『C文書』を使用するのだったか。上手くいく見込みはあるのか? 生半可な気持ちで動かれては支障が出る」

テッラ「>>386
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 20:46:12.84 ID:6VMASvXSo
ksk
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 20:47:24.71 ID:wd1pnLnj0
救済とか面倒臭くなったので辞職してパン屋になる。
387 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 21:01:35.04 ID:tFlpCJ0R0

テッラ「救済とか面倒臭くなったので、辞職してパン屋になります」

そちらの方がローマ正教徒を手っ取り早く幸福に出来る筈だ、とテッラは言う。
今までの彼女であれば、それでは困る、と真面目に諭した事だろう。
だが、現在の彼女はもはや『オフィーリア=カンナヴァッチュオロ』としての面影を持たない。
『右方のフィアンマ』として、冷徹に動き、冷酷に事を成す。

フィアンマ「そうか」

だから、彼女の返事は単調だった。
そして、やった事も、単純だった。

彼女は宙へ出現させた黄金の剣で、彼の身体を中央から半分に斬った。
ロールケーキを半分こにでもするかのように。
そして、切られたロールケーキがクリームをあふれさせてしまうように、彼の身体の断面からは臓物と血液がぼたぼたと落ちた。
事態が呑み込めないまま、それでもどうにか『光の処刑』で身体を修復して生命を保とうとしたテッラと目を合わせ。
右方のフィアンマは、悪意など欠片もない酷薄な笑みを浮かべた。
元々、彼女は一定の犠牲と自分の幸福を捧げて世界を救うつもりでいる。
だから、テッラ一人の命が『必要な犠牲』に変わってしまうのも、無理の無い事ではあった。

テッラ「…が、……ぉご…ッ?」

術式を構成しようと、悪あがきをしている。
そう判断したフィアンマは、もう一度黄金の剣を振るった。
右手を軽く振るだけで、重そうな剣は容易に振るわれる。
そして、テッラの首を切断した後、黄金の剣はひとりでに燃えて消えた。
フィアンマは腰掛けていた簡素な椅子から立ち上がり、彼の死体へ近寄る。
光のない瞳と視線を合わせ、うっすらと笑んだまま、彼の首を持ち上げた。
その首の断面からはぼたぼたぼた、と血液が落下して床に広がり、歴史的建造物を汚していく。
それでも尚、彼女は笑っていた。愉しそうに、笑っていた。

フィアンマ「……」

テッラの首を持ったままの彼女の下へ来たのは。
一人の青い傭兵。彼は彼女の手元を見、静かに困惑していた。

フィアンマ「…必要だから殺しただけだよ。何故そんな顔をする?」

アックア「>>389
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 21:13:04.37 ID:Vmg0rnMSO
おのれェェェ!!!!!よくもテッラををををォォ!!![ピーーー]必要性0だったではないのか?!

もういい、私はお前にほとほと愛想が尽きた。『神の右席』を脱退させて貰うのであるッ!お世話になりました!
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/04(火) 21:17:23.32 ID:apDQUZQ10
おのれェェェ!!!!!よくもテッラををををォォ!!!
殺す必要性0だったではないのか?!

もういい、私はお前にほとほと愛想が尽きた。『神の右席』を脱退させて貰うのであるッ!お世話になりました!
ちなみに我が輩は女には興味ないのである
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 21:18:30.76 ID:BUxwN0AAO
さり気なくホモネタワロタ アックアさん…
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 21:24:25.25 ID:Vmg0rnMSO
まさか採用されるとわ………



ただやっぱりテッラさん[ピーーー]必要性0だよね?機密保持のためにしろ忘却系術式組むなりすればよかったし安価↓
392 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 21:33:48.05 ID:tFlpCJ0R0
>>391様 特別、必要性の無い死です》


アックア「おのれェェェ!!!!! よくもテッラををををォォ!!! 殺す必要性は0だったのではないのか?!」

フィアンマ「…?」

アックア「もういい、私はお前にほとほと愛想が尽きた。『神の右席』を脱退させて貰うのであるッ! お世話になりました!」

あまりの動揺に、寡黙なアックアが叫んだ。
対して、フィアンマは不思議そうな顔をするばかりで。

アックア「ちなみに我が輩は女には興味ないのである」

そう言い捨てて、アックアは部屋から出て行った。
濃厚な血液の香りの中、フィアンマは小首を傾げる。

フィアンマ「…世界を救えば、死者も皆蘇らせる。だというのに、何を怖がる必要が? それに、一応抵抗はしていたようだが、お前だっていち早く天の国に向かえたんだ。そう悪い話でもあるまい。お前はいつも幸せについて追及していたからな」

同意を求めるように死体へ話しかけるのは、狂気の様だった。
けれど、誰も彼女を止めない。彼女はただ、孤独に突き進む。
右手を完成させ、世界を救い、死者を皆蘇らせる。
そして地上を楽園にする。そうしなければならない。
自分を追い立てる為にわざわざ死体を作り、フィアンマはぼんやりとした表情で呟く。

フィアンマ「…さて。では、他の駒に動いてもらうとしようか」






サブ演算装置保管庫での戦いを終えて。
上条はのろのろと病室のベッドで起き上がった。
あんなに大人数のスキルアウトを相手にしたのは、初めてだった。
悲痛を叫び、御坂美琴の母親を殺そうとしていたあの金髪の男は、今頃捕まっているのだろうか。
疲れを圧して、立ち上がる。どうにも調子が出ない。

上条「………」

無力感が押し寄せるのを感じていた。
やはり、彼女の手を握って、無理やり引き止めておくべきだったのかもしれない。

上条「…俺、間違ってんのかな」

自分の右手を見つめて、自問自答する。
質問に対する答えは、きちんと自分で出した。

上条「>>394
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 21:35:43.61 ID:apDQUZQ10
いや、俺は間違ってはいない…
間違っているのは世界の方だ!!
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 21:36:53.42 ID:Vmg0rnMSO
…今はわからないけど、俺は今できる事を、今自分が正しいと思う事をする。

……会いに行くか。直接。
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 21:37:55.03 ID:6VMASvXSo
いや、間違っててもフィアンマは、絶対に止めてみせる。
後悔するのは、その後でもいいさ
396 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 21:52:27.09 ID:tFlpCJ0R0

上条「…今はわからないけど、俺は今できる事を、今自分が正しいと思う事をする」

それが、『偽善使い』と自嘲した、自分という存在だと、上条は自分自身で思う。
誰かの幸せを願えば願う程、どこかの誰かを不幸にする、と彼女は言った。
きっと、彼女は自分が間違った道をどこまでも、いつまでも進むとわかっている。
だって、彼女は一度だって、『世界を救いたい』などと言わなかった。
救わなくてはならないから、自分以外には出来ないから、やらなければならない。
いつだってそんなスタンスで、寂しそうに、自分の幸福を犠牲にして、他人を犠牲にして。
いつもそうやって生きてきたのだろう。そして、歪みゆく彼女を誰も止めなかった。

周囲を傷つけながら救いたいと願い。
上条の幸せを祈りながら上条を不幸にして。
大切に思う人間を滅茶苦茶にして、いつかの採算で合わせようとする。

『…全部、やり直したい…当麻と出会うずっと前から、やりなおしたい……』

確かに、彼女は狂っているかもしれない。
救いようが無い位、第三者から見れば頭がおかしいかもしれない。
自分の過去の意思一つ、もはや自力では捻じ曲げられない彼女を憐れむ人は、誰も居ないのかもしれない。

けれど。

彼女を狂わせたのは、優しくしなかったのは、愛さなかったのは、この世界の方ではないだろうか。
自分達の不幸を上条一人に負わせ、罵り、石を投げ、包丁を突きつけた、こんな冷たい世界なのではないだろうか。
上条当麻は聖人ではない。聖者ではない。どんな罪人にも事情があって、だから許せとは思わない。
でも、彼女がおかしくなったのは彼女のせいとは思わない。

彼女を愛したかつての家族が"善意"で託した『預言』が、彼女の意思を侵した。
彼女を推薦したかつての権力者が"善意"で託した『未来』は、『預言』によって穢された。

止めて欲しいと叫んだ彼女を止めなかった自分にだって、もしかすると責任がある。
オフィーリアはいつだって周囲の善意に振り回され、可哀想な人生を送ってきた。

上条「……会いに行くか。直接」

世界を憎みながら、それを憎悪と正しく認識した上で我慢している上条には、彼女の想いがわかる。
彼女は世界を憎んでいるが、それを憎悪ではなく、愛と認識してしまっている。

上条「もう、間に合わないかもしれないけど。でも、立ち向かわないと、いけないよな」

彼女を取り巻いてきた、暖かで悲惨な運命に。
『たすけて』と、その声を、自分は、聞いたのだから。







十月某日。
上条は何者に強制されることもなく、正規の手続きを終えた上で、イタリアへとやってきた。
今回は旅行ではない。やってきたのも、前回来た北イタリアではなく、南イタリアである。

上条「…で、バチカンって、どっちなんだ…?」

うう、と項垂れる上条。
不幸にも道に迷ったのだった。






道案内をしてくれる人物(禁書キャラ名。1人)>>+2
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 21:57:54.70 ID:PyaLS6AU0
テッラの亡霊
398 :小ネタ:住居  ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/04(火) 22:00:23.42 ID:BUxwN0AAO


上条「そういえば、お前は今まで何処に住んでたんだ?」

フィアンマ「? イタリアだが」

上条「いや、お国じゃなくて。場所」

フィアンマ「バチカンだよ」

上条「何か有名だよな」

フィアンマ「ローマ正教の本拠地だからな」

上条「教会暮らしだったのか?」

フィアンマ「あぁ」

上条「聖ナントカ教会ばっかりだよな」

フィアンマ「聖人を祝して建造しているものが多いからな」

上条「一番有名なのは?」

フィアンマ「…全てが有名な以上何とも限定し難いが…」

上条「じゃあ、フェリーチェが住んでた教会、教えてくれよ」

フィアンマ「………」

上条「…フェリーチェ?」

フィアンマ「…聖ピエトロ大聖堂」

上条「…ぴえとろ?」

フィアンマ「ペトロのイタリア語読みだ」


《安価下》
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 22:00:36.96 ID:My50PYyF0
安価上
400 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 22:07:53.84 ID:tFlpCJ0R0

(っちですねー…)

かつてフィアンマとした会話をおぼろげながら思い出し。
しかしバチカンの場所は大まかに地図でしか見た事が無かった為、わからない。
歩けばすぐに到達出来る距離と予測は出来るのだが、うまくいかない。

(こっちですよー…)

先ほどから頭が痛いが、もしかするとこれは時差の影響なのだろうか。
出てきた時間も睡眠時間もそんなに問題無かったよな、と思い返しながら、上条はため息を吐き出す。

上条「駄目だ、誰かに聞いてみるかな…」

テッラ『聞けと言っているのがわからないのですかねー…人語を解さないか、異教の猿がッ!』

上条「うぉおっ!?」

上条(異教の猿って滅茶苦茶久々に言われたぞ…!)

素っ頓狂な声を出した上条に対し、周囲の人はちらりと一瞥して去っていく。
どうやら電話か何かをしていると判断してくれたらしい。
唐突に罵られた上条はきょろきょろと辺りを見回す。
ふと、ものすごく透けた、小柄な白人男性の存在に気がついた。

上条「…ええ…?」

風斬と同じ原理で出来ているのだろうか。
しかしここはバチカン、学園都市とは違う。
魔術も科学も集まれば人を創りだすのだろうか、と思いつつ、上条は恐る恐る問いかける。

上条「あのー…どちら様ですか? 何か、その、生きてる人っぽい雰囲気ゼロなんですけど…」

言いながらもビビっていないのは、上条が普段不幸な目に遭遇して慣れているからだろうか。
それとも、オカルトにすっかり感覚が慣れきってしまったからだろうか。不明だ。

テッラ『>>402
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 22:08:40.52 ID:PyaLS6AU0
死人のテッラですねー
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 22:08:46.17 ID:Kre4QoF/0
我は救世軍の者だ
403 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 22:14:14.34 ID:tFlpCJ0R0
《左方が一文字ずれて死方…》


テッラ『我は救世軍の者だ』

テッラ(一度言ってみたかったんですよねー、こういうの)

上条「…きゅう…何だって?」

テッラ『耳掃除をオススメしますよ。…道に迷っているように見えたのですがねー」

上条「あ、あぁ…実はバチカンの…何だっけ、聖…ペトロ? 聖堂に行きたいんですけど」

幽霊相手にもギャグテンポで会話出来るのは、余程肝が据わっているか、主人公気質かのどちらかである。
テッラはやれやれと肩を竦め、聞き返す。

テッラ『イタリアに聖ペトロ聖堂など存在しませんねー。聖ピエトロ大聖堂の間違いでは?』

上条「あ、多分それです、それ」

日本語がわかる上に目的地へ案内してくれそうな人(?)発見、と上条は胸をなでおろす。
何故透けているのか等詳しくは聞かず、二人揃って歩き始めた。

上条「…そういえば、やっぱり…生きてる人じゃない、ですよね?」

テッラの丁寧な口調につられ、上条も自然と軽めの敬語使いになる。

テッラ『そうですねー、残念ながら』

上条「…何かさっき軍とか言ってましたけど、やっぱり戦争で死んじゃって、地縛霊とかそういう?」

テッラ『>>405
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 22:15:29.78 ID:PyaLS6AU0
>>403

良く聞こえないからもう一回言って
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 22:16:52.28 ID:Kre4QoF/0
あ〜〜〜 聞こえんなぁ!!
406 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/04(火) 22:28:26.05 ID:BUxwN0AAO
>>404様 やっ、やめてください、突っ込まないでください…>< >>1が悪かったです救済されてきます》
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 22:29:37.49 ID:PyaLS6AU0
突っ込む……なんかエロい
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/04(火) 23:14:28.81 ID:Vmg0rnMSO
安価が…一応置いとこうか。

安価なら、『右方』に、彼女に殺されたんですねー
409 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 23:17:26.30 ID:90qNVES70
《どちらを採用するか少し迷っているのでコンマ安価をさせてください

>>+1のコンマ以下 22:14:14.3(4)←ココでテッラの台詞決定

0~4  あ〜〜〜 聞こえんなぁ!!

5~9 『右方』に、彼女に殺されたんですねー》
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 23:18:16.27 ID:heO60pJq0
おちん
411 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/04(火) 23:38:31.16 ID:90qNVES70
>>410により判定『7』。ご協力ありがとうございます》


テッラ『『右方』に、彼女に殺されたんですねー』

あっさりとした答えに、上条は息を呑む。
何が何でも世界を救わねばならないと言ったのは、人を手にかけたからだったのか。
もはや引き下がれないとそういう姿勢だったのは、流れた血に報いる為だったのかもしれない。
そんな上条の思いにも気付かず、テッラは言葉を続ける。

テッラ『つい数日前の事ですが。……とはいえ、恨んではいませんよ。今の彼女は、『預言』に支配されておかしくなっていますから』

上条「…今、アイツはどうしてるんだ」

テッラ『おや、親しげな話し方ですねー? なるほど、『幻想殺し』…彼女が滞在していたのは貴男のところだった訳ですか』

ふむふむ、と納得した様子で彼は進む。
上条をやや先導する形で。

テッラ『…彼女は今、自分が何をしているのかすらわかっていませんよ。表向きは理性的ですが、内面は恐らく混乱して、今にも泣きそうな思いでいることでしょう。つまり、心細いというやつですねー』

上条「……」

テッラ『……『預言』に意思を全て任せ、放棄することで。これ以上自分の精神が壊れないようにしたんでしょうねー。…あそこまで歪む前に、せめて私が諭しておくべきだったのかもしれません』

上条「…昔から、知り合いだったんですか。フェ…、…オフィーリアと」

テッラ『知り合いというよりも、同僚と言いましょうか。最初こそ、こんなに幼い子供が果たしてやっていけるのかと思いましたが、彼女に備わる『原典』が自然と馴染ませていきました。…それでも尚、人が死ねば大泣きし、傷ついた姿を見れば涙ぐむ、優しい少女だったのですがねー』

上条「……」

テッラ『…少なくとも、もう力以外で彼女を止める術は無いと思いますよー。……或いは』

上条「…或いは?」

歩いている内に、大聖堂の前へと辿り着く。
この最新部、『奥』に。右方のフィアンマは、居る。

テッラ『貴男ならば、止められるかもしれませんねー。その忌々しい右手は、彼女の奇跡の悪用すら打ち消すでしょうから。…一つ、忠告しておきます』

上条「…」

テッラ『彼女が胸元に揺らしているあのループタイ。あれは『虚空年代記』の『鍵』を"象徴"しています。言うなれば、彼女の精神と対を成す、物理的な鍵とでもいいますか。とにかくあれを壊せば、彼女の意思は回復します。……という訳で、私は用がありますから。精々死なないでくださいよ』

ローマ正教徒以外の命を重んじるつもりは無いのか、道案内を済ませたテッラは何処かへと消える。
上条は意を決して、大聖堂の中へと入った。

靴の音が、存外響く。
警備員は数人配置されているようだが、上条は見かけ、普通の少年。
特にボディチェックを受けないし、警戒もされない。

歩いて歩いたその先。
重い鉄の扉を開けると。

血まみれだった。

上条「う…!」

思わず気分が悪くなる程、血なまぐさい。
酸化した血液の臭い。洗っても落なさそうだ。
視線を奥に向けた先、立っていたのは、見慣れた一人の人影。

上条「…、」

何と呼ぶか、迷った。

フィアンマ「…誰だ」

上条「>>413

412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 23:41:49.21 ID:heO60pJq0
俺だオフィーリア
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 23:53:54.32 ID:F6O2ozV6o
俺だよ、オフィーリア
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 00:02:01.59 ID:jOQ7NqJSO
ローラだよ〜☆
415 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 00:08:51.77 ID:PI51Gw7j0

上条「俺だよ、オフィーリア」

フィアンマ「……『幻想殺し』。上条当麻か」

つまらなそうな表情で淡々と。
"彼"は言う。
『虚空年代記』と『右方』『赤』『火』『神の如き者』に関する知識によって形作られた、『右方のフィアンマ』という"幻想"。
何もかも怖くなった、やりたくないと願ったオフィーリアが最後に意識を委ねる為に創り出した、もの。

"彼"は上条当麻を知らない。
簡単な例を上げて説明すれば、多重人格のようなもの。
ただし一般的なそれとは違い、必要な記憶は共有し、不要な記憶は共有しない。
そして、オフィーリアと明確に区別しても問題無い程に、優しさや慈悲の欠片もない。
けれど、彼が生み出された目的である『世界の救済』が終われば、全てはオフィーリアという一人の少女に降りかかる。

フィアンマ「まさかお前の方から出向いてくれるとはな」

口元を歪ませ、フィアンマは血液で汚れた指で、壁に何かを綴る。
大聖堂全体が不気味に揺れた。天井から降ってきた鋭い欠片を、上条は咄嗟に避ける。

フィアンマ「禁書目録の確保、大天使の素体による四代属性の位置修正はまだ済んでいないが…まぁ、先に右手だけを完成させるというのも、悪くはない」

くすりと笑って、右方のフィアンマはゆらりと水平に右手を掲げた。
そんな彼の肩からは、メキメキと巨人の腕のようなものが乖離する。

フィアンマ「かつて『神の如き者』は史上最大の武器をもって、『光を掲げる者』を斬り捨てた。神聖なる黄金の剣とも、形の無い、人の言葉では説明出来ない武器とも呼ばれている」

そんな事を話しながら、フィアンマは血液の付着した靴で地面を擦る。
調度汚れを落とすかのような動きだったが、それは違う。
小さな魔法陣を中心として、ありえない出来事が起きた。
天井内に雲が生じたのだ。それも、神の怒りを表すかのような。

フィアンマ「そして、『神の如き者』は神の右の座へ座る事を唯一許された大天使。俺様はそれを司る。…言っている意味はわかるか?」

雷が襲い来ると考えた上条だが、違う。
降ってきたのは、強力な酸のようなもの。
咄嗟に右手を突き出す彼の前へ、一人の老人が立ちふさがった。

ローマ教皇。
彼は、そう呼ばれていた。

上条「ッッ…」

教皇「…被害は無いか、少年」

上条「ッ、…はい…」

教皇は手にしている杖を一度振り、酸を防ぐ盾のようなものを作る。
上条の右手で触れればすぐさま壊れてしまうが、教会レベルの結界だ。









上条はどうする?>>+2
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 00:13:42.80 ID:YPKNmUvS0
中条さんが暴れ出す
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 00:13:54.60 ID:jOQ7NqJSO
教皇を殴り飛ばし、これは俺とアイツの問題だから手を出すな的な発言


安価↓
418 :小ネタ:千歳飴  ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/05(水) 00:28:58.45 ID:zHo86C6AO


フィアンマ「…」じー

上条「何か気になるものでも売ってたのか?」ひょこっ

フィアンマ「これだ」っ千歳飴(白)

上条「あー、長いヤツな」

フィアンマ「……」

上条「……」

フィアンマ「……」じー

上条「……だ」

フィアンマ「……」じとー

上条「……め……」

フィアンマ「……」じぃいい

上条「わかったよ、買います買いましょう買わせていただきます三段活用!」

フィアンマ「当麻は物分りが良いな」にこにこ




フィアンマ「ん、む…」ちゅっちゅ

上条(…やっぱり買うんじゃなかった)むらむら

フィアンマ「んん、…ん…、っは…」じゅる

上条(うう……)むらむら


《今日は寝ます。お疲れ様でした
安価下》
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 00:45:55.91 ID:jOQ7NqJSO
乙。安価なら


な……!じーちゃん?!飛行機事故で死んだんじゃなかったのか?!
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 01:02:23.29 ID:zHo86C6AO
衝撃の展開…おじいちゃん…
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 01:05:52.28 ID:jOQ7NqJSO
そうでもなけりゃ助ける理由が思い付かぬのよな
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 01:08:16.59 ID:zHo86C6AO
教皇さん自身は人類皆平等を実現したいだけの優しい人だから…あ、幻想殺しの右手が(文字通り)フィアンマさんの手に渡るとマズいからっていう現実的な理由も…?
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 01:14:42.49 ID:jOQ7NqJSO
優しいかどうかわからんし、そもそもフィアンマさんの世界救済計画について知っとるかわからんし…。大体、知ってたとしても、ほぼ勝ち目のない相手に挑むのは何かよっぽどの理由がないとアレじゃね?
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 01:17:48.60 ID:zHo86C6AO
優しいかどうかは曖昧としても、16巻読む限りだとフィアンマさんの考えをきちんと知った時点で食い止めるっぽいです あれは戦争止める為か 後はこのスレのフィアンマさんの場合正気失ってるからとか…いや原作からしてキチデレだけれども
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 01:26:12.50 ID:jOQ7NqJSO
おいおい…救済計画を知ってて、戦争を止めるつもりなら、もっと色々妨害工作やら何やらしてなきゃ教皇さん頭悪過ぎるぜ…
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 01:34:56.38 ID:zHo86C6AO
きっと幾つかのイレギュラー発生がそれ(=妨害)だったんだよ… 後はオフィーリアちゃんに情があったのとフィアンマさんの良心を信じたのと…しかし詰めが甘い
まさか戦争を起こして救うとは思わなかったんじゃ
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 01:44:46.33 ID:jOQ7NqJSO
いや救済計画を知っていたなら戦争を起こす事も知ってたんじゃ?
もし『今までのイレギュラーが妨害だった』と仮定するなら、何をどうすれば相手の目的を阻害できるか、を知ってたって事になるわけで。
で、もし知っているならば、それこそ初期段階でフィアンマさんが上条さんちにいた段階時に何らかの手を打てばよかったし、最悪、インさんのような首輪術式みたいなんつければ。

というか憶測の域を出ない上に二次創作のスレについて議論?は無意味なよーな…
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 05:26:17.46 ID:zHo86C6AO
虚偽の救済計画をうっすらと聞かされていたとか、そういう可能性が発見されました。
確かに無意味な議論だったような…いや、話し合いは大事です。

今日は夜に来ます
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 11:37:40.20 ID:PM5taCcLo
フィアンマ中心にシリアスしまくってるけどさ
真の黒幕は上条刀夜なんだよな・・・
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 11:50:28.56 ID:zHo86C6AO
フィアンマちゃんとえんだああしても事件が解決する訳じゃない…
431 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 15:58:47.33 ID:4aGdfiom0

フィアンマ「おや。ローマ教皇ともあろうお方が異教徒を庇うとは。意外な事だ。隣人愛かね」

嘲弄するような彼の声に、ローマ教皇は威圧感を籠めた鋭い視線を向ける。
その視線を感じただけで通常の人間であれば震え上がることだろうが、フィアンマは頓着しない。
否、本当は怖がっていても―――表に出すことが、出来ない。
上条はローマ教皇を見上げ、その老人の容姿を確認した後、目を見開く。

上条「な……! じーちゃん?! 飛行機事故で死んだんじゃなかったのか?!」

教皇「正確には私はお前の祖父の兄に当たる」

まったくの他人ではなかった。
思わぬ状況に動揺を隠せないながらも、上条は何とか落ち着いて前を見た。

教皇「残念な事だが、貴様には黙ってもらうぞ」

フィアンマ「どうやって?」

聞き返し、フィアンマは右手の指をゆっくりと動かす。
対して、ローマ教皇は指を組み、祈るような体勢で術式を発動する。
精神と肉体を切り離す、特殊な術式。

増援は他にも来た。
表立って内部を警備していた、或いは隠れて警備をしていた魔術師が、部屋へと踏み込んでくる。
大広間のような『奥』の中央、魔法陣からは踏み出さずに、フィアンマは右手を振った。
数十人の警備員も、ローマ教皇も、まとめて吹き飛ばされた。
勿論上条も例外ではなく、壁へと背中を叩きつけられる。が、右手を突き出していた為、ダメージは他の人員よりも少ない。

フィアンマ「その程度の力で俺様の前に立つとはな」

死屍累々と虫の息でぐったりとしている無謀な挑戦者達を悠々と眺め、右方のフィアンマは首を傾げる。
そこに、上条の知る彼女の姿は無いように思われた。容姿がそっくりの別人と言われたら、信じたかもしれない。
元はテッラの体に流れていた、今は乾いた血液で汚れた左手。
その手で胸元のループタイ―――『鍵』に触れ、彼は上条を見た。

フィアンマ「…さて。右手をいただこうか。何、拒否をすれば切断、しないのなら気絶させて切断、痛みを感じるか感じないか、ただそれだけの違いだ」

上条「>>433


432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 16:16:47.55 ID:jOQ7NqJSO
ksk
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 16:18:25.88 ID:KBUN6K2I0
俺はお前を助ける
434 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 16:27:28.04 ID:4aGdfiom0

上条「俺は、お前を助ける」

上条当麻は、一歩も引かない。
命の危機なんて、何度も掻い潜ってきた。
自分が正しいと思ったことを、自分の意思で行う。
それは幼い情動のようにも、魔術師の鑑のようでもある。

フィアンマ「発言の意味が分かり兼ねるな」

上条の言葉に、右方のフィアンマは首を傾げたまま、薄く笑んだ。
魔法陣にあらかじめ設定がなされているのか、彼は一度陣の左側を踏んだ。
靴の裏に塗りつけられていた血液が模様を描き、地面から黄金に光り輝く壁が現出したかと思えば、光線が飛んでくる。
咄嗟に右手を出して打ち消そうとするが、超電磁砲などとは勝手が違うのか、消えることは無い。
継続的な行動に、右手の骨がぎしぎしと軋んで痛むのを感じながら、上条は必死に考える。
この距離を保つ限り、絶対にこの拳が届くことはない。そして、中距離の武器などどこにも無い。
自分には能力など無いし、魔術だって使えない。
能力者が魔術を使った場合のデメリットの問題ではなく、右手が術式を打ち消してしまうから。
どうすれば対応出来るか、一発でも攻撃を当てられるか、わからない。
考えている間に、第二撃の準備が完了する。

特別な文句は紡がない。
呪文を要せずして、術式は発動する。
彼はたった一度、右足を右にトン、とついた。
まだ空中分解をしていない『第三の腕』が、長大な剣を握る。
大聖堂の中が滅茶苦茶になってしまうことも構わず、『第三の腕』はその剣を横薙ぎに振るった。
当然、上条は前面の光線と側面の剣、両方からの攻撃に対応しなくてはならない。






上条はどうする?>>+2
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 16:32:11.36 ID:KlcTHqse0
斜めに回避
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 17:11:42.85 ID:cCiS5SXDo
うえ
437 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 17:27:54.94 ID:4aGdfiom0

上条「ッ、ッ…!」

床に倒れ込む形で、斬撃と光線、両方を避ける。
右手は自分の胸の前に置いて防御としたが、幸い斬撃は振り下ろされない。
と、『第三の腕』がもがき苦しむように蠢き、消滅した。
空中分解。
右方のフィアンマは少し面倒臭そうな顔をした後、ループタイを軽く握る。
まるで何者かに相談を持ちかけるかのように。
オフィーリアという少女の負の側面を集めた欠陥人格は、『預言』通りに効率的に動く。
誰を傷つけても構わない。世界を救う為なら、当然の犠牲だ。
大聖堂を破壊した破片が先程の警備の魔術師達に降り注ぐ。
気絶していて、彼等が避けられないとわかっていながら、彼は顔色一つ変えない。
上条は再び自分の中で確認し直す。
今目の前に居る敵は、彼女と同じだと思っては、いけない。

フィアンマ「…懲りもせず。よく立ち向かえるものだ。『幻想殺し』に恐怖を消す力でも?」

くつくつと笑う。
けれど、その声には揶揄よりも侮蔑の色が多く含まれていた。
殺されそうになって尚、臆せずに立ち向かう様は馬鹿馬鹿しい、と。
そう、言わんばかりに。

上条「…、」

フィアンマ「…もうそろそろ、その勇気を放棄したらどうだ」

上条「……他人の幸せを心から喜べるような優しい女の子が、『助けて』って言ったんだ。『やり直したい』って泣いたんだ。こんな、右手がちょっと妙なだけで強さなんか全然無いただの高校生に、助けてくれって。それで、立ち上がる理由なんて充分だろ。お前に立ち向かう勇気の準備なんて、充分だろうが!」

少年の光は、強さは、消え失せない。

予想するに、右方のフィアンマはもう『聖なる右』はしばらく使えない。
となれば、通常魔術で攻撃してくる筈だ。








上条はどうする?>>+2
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 18:38:08.99 ID:1VCLTsPSo
オフリィーリアと叫び呼び掛ける
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 18:49:17.48 ID:jOQ7NqJSO
右手を掲げ特攻。
440 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 19:22:24.27 ID:SolegE/q0

そして、上条にとって通常魔術と相対することは得意分野に入る。
勿論、どんな攻撃を受けても打ち消せる自信はあるのかといえば、まったくもって無い。
でも、これ以上自分が攻撃を渋ることで、周囲に被害が振りまかれることは避けたかった。
上条は深呼吸をした後、全ての幻想を滅ぼす右手を掲げて走り出す。
避けることも、逃げることも、盾を使うこともしない。
そして右方のフィアンマは、そんな彼の行動に対する『預言(こたえ)』を受けそびれた。
答えを得てから動くまでのコンマ二秒程度のタイムラグ。
けれど、不幸に慣れ親しんだ上条にとってはその一瞬の遅れなど、充分過ぎる――――進む時間への、猶予。

右方のフィアンマは二歩下がって、炎を放つ。
上条は恐るべき動体視力でそれらを捉え、右手で握り潰す。
次に床を侵して湧き上がった熱湯に歩みを止めそうになりながら、右手を足下へ触れさせる。
水に含まれた熱どころではなく、熱湯ごと消し去る。
少しよろけた上条に対し、『聖なる右』をどうにか復活させた右方のフィアンマは、右手をぐいと後ろに引き、

振って、術式を行使する直前で。

上条を傷つける直前で、彼は奇妙な動きをした。

人を傷つける自分の右手を止めるように、自分の左手で、自分の右手首を掴んだのだ。

上条「は、」

上条は、ほんの少しだけ笑った。
嘲笑している訳ではない。ただ、嬉しかった。
狂ってしまって尚、彼女は最後の最後、自分をこれ以上傷つけることを躊躇ってくれたのだと。
『預言』に支配された、委ねた精神で、残った心で僅かに抵抗した。
自分で決めた道に、初めて反抗した。

上条「お前が、壊してくれって言うなら。やり直したいって、言うなら。…俺は、その幻想をぶち殺してやる」

握った右拳が、フィアンマの顔面へ届いた。
痛みに顔を歪め、それでも右手を左手で握ったまま、床から彼女の足が離れる。
宙を舞うループタイに手を伸ばし、上条はその右手でぎゅっと握る。
ちぎれたそれは、まるで砂で出来た細工のように、上条の手の中でぼろぼろと壊れていった。

物理的な、象徴である『鍵』を失くし。
精神干渉の減ったフィアンマは、オフィーリアは、きちんと、意識を取り戻した。
近づいてくる足音に怯え。
振りかぶられた少年の右拳に、彼女は両腕で自分の顔を守った。
魔術も何も無い、暴力を嫌う彼女の平和的な抵抗。
でも、いつまでも、予想していた痛みは訪れない。

上条「……、」

フィアンマ「…ぁ、…」

周囲の惨状と、ところどころ怪我をした上条と、自分が仕出かした事の重大さに。
起き上がることも出来ないまま、彼女は掠れた声で呟いた。
本当は大声で言いたかったのかもしれないが、生命力の大量消費や体中の痛みに、声がうまく出てこない。

フィアンマ「ごめ、なさい…ごめんなさい…」








上条はどうする?(台詞可)>>+2
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 19:24:27.65 ID:jOQ7NqJSO
やっぱ殴っちゃう過程は必要なんすね上条さんww

安価↓
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 19:26:48.09 ID:KTIome1E0
抱きしめて 大丈夫だよおかえりオフィーリア
と言って気絶
443 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 19:54:10.30 ID:SolegE/q0
>>441様 前条さんも『上条当麻』ですから…それにしても女の子の顔面殴るのは良くない いや男性でもだめですけど》


上条は手を伸ばし、止めどもなく謝り続ける彼女の頭を撫でる。
そして抱き起こし、優しく抱きしめると、心から安堵した表情で言った。

「大丈夫だよ。…おかえり、オフィーリア」

ごめんなさい。許してください。ごめんなさい、ごめんなさい、ゆるして…。
神様相手なのか、誰を相手取ってなのか。

謝り続ける彼女の涙を拭ってあげたいと思った上条だが、ここが限界だった。
話したいことは山ほどあったが、それらが言語として出力される前に。
パソコンの主電源ボタンを押したかのように、彼の意識は、途絶えた。





目が覚めると、病室だった。
病院というのは世界各国、先進国は内装が似ているようで。
真っ白な、少しだけピンクがかった天井を見上げ。
上条は、緩やかに息を吐きだした。
傍らには時計があり、そこには日付も表示されていた。
こちらへ来たのは、記憶が正しければ、十月六日だったはずだ。
そして、カレンダー時計に表示されている数字は、『October.9』。つまり、十月九日。
三日間もずっと寝ていたのか、と思いつつ、上条はのろのろと身体を起こす。
予想していたのと違って、彼女の姿は無かった。
何らかの罰を受けているのだろうか、と思いながら、上条は視線を落とす。
あれだけのことをしたのだ、最悪死罪でもおかしくない。そう思うと、泣きそうだった。
唐突に病室ドアへノックが響き、返事をする。入ってきたのは、"透けていない"、実体のある―――『救世軍の者(さほうのてっら)』。

上条「…!!?」

彼が今生きている背景にはフィアンマが『奇跡』を立て続けに行使して、今まで殺してきた人間を蘇らせただとか、今の今まで蘇生直後にも関わらず大聖堂の復旧作業を手伝わされたりだとか、色々と理由がある。
それらを知らない上条は、幽霊がゾンビにグレードアップ(?)したようにしか思えず。

上条「え、は、えっ、何、え?」

テッラ「お見舞いですねー。異教徒の猿の見舞いなど本当は嫌だったのですが、貴男には感謝すべき点がありますし」

クッキーの入っていると思われる箱を上条の枕元へ勝手に置きながら、そんなことを彼は言う。
上条は色々と疑問が噴出しかけたが、こらえて、最優先事項を問いかける。

上条「……、…オフィーリア、…フィアンマの、処遇は、どうなったんだ…?」

テッラ「>>445
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:06:05.47 ID:yT1mSYyQ0
私がなんとか色々頑張って原典の暴走ってことで
カタをつけたからなんとか国外追放程度に
なりましたねー
感謝してくださいねー
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:08:07.56 ID:jOQ7NqJSO
…『右方のフィアンマ』はクビになりました。ローマ正教、『神の右席』から除籍です。まー、当然と言えば当然ですねー。
原典からの精神汚染があったとは言え、殺人、教皇への攻撃、世界救済計画、面会に来ただけの民間人への強力な術式行使…これら全てが公に露見してしまいましたからねー…

ああ、心配はしなくて結構ですねー。『オフィーリア』は除籍されていません。神の右席からは除籍されましたが、彼女は今も敬虔なローマ正教の修道女ですねー
446 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 20:24:20.93 ID:SolegE/q0

テッラ「…『右方のフィアンマ』はクビになりました。ローマ正教、『神の右席』から除籍です。まー、当然と言えば当然ですねー」

のんびりとした調子の声。
上条はその先に続く言葉の中に不穏な単語が無いかどうか、気を配る。

テッラ「『原典』からの"精神汚染"があったとは言え、殺人、教皇への攻撃、世界救済計画、面会に来ただけの民間人への強力な術式行使…これら全てが公に露見してしまいましたからねー…」

上条「……、」

命や身柄は、と問いかける前に、テッラは先んじて事実だけを簡潔に言う。

テッラ「ああ、心配はしなくて結構ですねー。『オフィーリア』は除籍されていません。『神の右席』からは除籍されましたが、彼女は今も敬虔なローマ正教の修道女ですねー」

『右方のフィアンマ』に罪はあれど、彼女(オフィーリア・カンナヴァッチュオロ)に罪は無い。
そこまで解釈してくれたかどうかは別として、どうやら彼女は無事のようだった。
『鍵』が壊れ、精神汚染の恐れは大幅に減った。
なので、『禁書目録』にイギリス清教が取り付けた『首輪』のような機構は設置されていない。
除籍程度の扱いで済んだには、他にも色々と理由があるようだ。
貢献度が損害を上回った時、組織というものはその人間を咎めなくなるのかもしれない。
良かった、とほっと胸をなでおろす上条に対し、伝えるべきことは伝えたとばかりに、テッラは病室を出ていく。
さり際の一言によると、フィアンマは疲弊しながらも人を蘇生させたようだ。彼もその一人だそうで。

再び一人個室に取り残され、上条は今頃彼女は何をしているのだろうと考えた。
イメージとしては、色んな場所へ奔走して、沢山やるべきことをして、謝っている、気がする。

そんなことを暇そうに、ベッドへ座ったまま考えていた上条だが。
不意に、病室のドアが微妙に、本当に微妙に開いている事に気がついた。
テッラは勢いよく閉めずに丁寧に閉めた為、開く筈が無い。
まさかまた幽霊とかじゃないだろうな、と密かにビビる上条は、ドアの隙間を見つめた。
ふと、金色の、見覚えのある瞳と目が合う。

上条「…オフィーリア?」

フィアンマ「…」

扉の向こうで、どこかの誰かさんがびくりとした気が、する。

上条「>>448

447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:31:50.56 ID:jOQ7NqJSO
ksk
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:31:59.06 ID:cCiS5SXDo
……入ってこいよ
449 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 20:39:28.61 ID:SolegE/q0

上条「……入ってこいよ」

フィアンマ「……、」

入っていいのかな、という雰囲気が漂っている。
上条の促しの言葉に怒っているかどうか測りかねているらしい。

上条「…入ってこないなら俺から行くぞ」

フィアンマ「…、…」

流石にけが人の上条を立ち上がらせたくはなかったらしい。
フィアンマは静かにドアを開け、丁寧に後ろ手で閉める。
雷に怯える子供のように少しずつにじり寄ると、視線をさまよわせた。
疲れている上に、落ち込んでいる。見て丸分かりだった。

フィアンマ「……」

上条「……」

えっと。
何かを言いかけ、彼女はそう言葉を零した。
辛抱強くその先を待つ上条だったが、いつまで経ってもフィアンマは言葉を放とうとはしない。
数分黙り込んだ後、絞り出したように、蚊の鳴くような声で、彼女は言う。
静かな病室でなければ聞こえない、落ち込んだ声で。

フィアンマ「…………止めに来てくれて、ありがとう。…ごめんなさい」

上条「>>451
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:41:49.93 ID:jOQ7NqJSO
ksk
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:46:24.80 ID:1VCLTsPSo
当たり前だろ、俺はお前が好きなんだから
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:46:57.40 ID:Pj0hqHR60
謝らないでくれオフィーリア

俺はお前の事が大好きだから助けに行ったんだ
お礼もいらないよ
453 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 20:53:45.09 ID:SolegE/q0

上条「当たり前だろ、俺はお前が好きなんだから」

フィアンマ「…、…うん」

ぽふ。
頭に手を乗せ、前後させる形で上条は彼女の頭を撫でる。
フィアンマは撫でにくさを考慮すると見舞い客用のパイプ椅子を傍らに置き、腰掛けた。
彼女はとても迷った様子で口ごもり、何かを言いかけ、呼吸ごと飲み込む。
長年『預言』に何かと頼りきりだった彼女は、あまり気の強い方ではない。

フィアンマ「………」

上条「……」

フィアンマ「…かみ、…上条さん」

上条(うわ違和感)

何だってそんな呼び方をするのだ、と未だかつてない強い違和感に眉を潜め、上条はフィアンマを見つめる。
ふと、視線を落とす。
彼女の手にはところどころ包帯や絆創膏が巻かれていて痛々しい。
大聖堂の復旧作業中に怪我をしたのだろうか、と上条は思う。

上条「はいはい、上条さんですよ。何だ?」

違和感でもやもやとしながら、上条は努めて明るく聞き返す。
彼女自身もそう呼んでいて違和感があるようだ、微妙な顔をしている。

フィアンマ「、…当麻って、…呼んでも、良いか?」

上条「>>455
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:55:47.74 ID:jOQ7NqJSO
ダメですねー。許せませんねー?

455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 20:56:49.18 ID:S/LR8hSFo
いいよ、オフィーリア
456 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 21:04:53.20 ID:SolegE/q0

上条「いいよ、オフィーリア」

許可を出され、フィアンマは嬉しそうに表情を輝かせる。
一度許可を得て勇気が出たのか、似たような問いかけを重ねた。

フィアンマ「…触ってもいいか」

上条「いいよ」

フィアンマ「…抱きしめてもいいか?」

上条「いいって」

何だって当たり前のことを質問するのだろうかと首を傾げ。
上条は、彼女の発言を不意に思い出した。

『……俺様の本当の名前は。…役職でも、…偽名でも無い名前は、…オフィーリアと、言うんだ。…もう、こんな風に抱きしめたりしない。こんな風に、触ったりしない、……当麻って、呼ばない。フェリーチェ=ミカエリスは、死んだものと思ってくれていい。……だから、……一度だけ、………一度だけで、いいから。……、…オフィーリアって、…呼んでくれ』

上条(ああ、なるほど)

精神汚染が減っても、彼女の本質は生真面目なそれらしい。
自分で言ったことなど勝手に撤回すればいいのに、わざわざ許可を求めたりして。
そうやって生きてきたのだろうから、仕方のないことではあるが。

うろうろと彼女は痛々しい手と細い指をあてもなく彷徨わせ。
やがて上条の左手に触れると、そっと握った。
傷に障るのか少々痛そうな顔をしているが、離すつもりはないらしい。

フィアンマ「…やり直しても、……いい?」

上条「ちょっとずつな。…小萌先生は、お前が学校に戻ってくるの楽しみにしてたぞ」

フィアンマ「……」

だから、一緒に帰ろう。
            オフィーリア 
そう笑いかける少年に、悲劇のヒロインは、一度だけ、頷いた。















―――第一部、完。
457 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/05(水) 21:05:41.69 ID:zHo86C6AO
という訳で、ちょっと第二部の準備をしてきます。
スレはそのままで。
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:06:30.59 ID:Z+UOZ1r30
さて、後は親父との対話か……?
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:22:23.50 ID:jOQ7NqJSO
一方さんやはーまづらぁ視点、暗部編やらだろうか
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:25:40.11 ID:8HOlb284o
乙でした
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:28:37.52 ID:zHo86C6AO
最後の最後でルビズレ…くやしい…
462 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 21:37:23.88 ID:SolegE/q0



フィアンマ「安価で、」上条「幸せなら何でもいいです」





◆H0UG3c6kjA改め◆2/3UkhVg4u1Dです。





・(元)右方のフィアンマさんが世界を救う為に努力している途中から上条さんと仲良くなった後のお話

・時間軸不明、一五巻辺りから派生平行世界

・基本はほのぼの進行

・キャラ崩壊注意

>>1は(安価スレの割に)遅筆




※注意※
当スレのフィアンマさんは女性です。
安価次第で著しく展開が変わります。
エログロ展開の可能性があります。
小ネタを挟む可能性があります。
テーマは『最大限の不殺主義』。



感想・雑談・考察・予想は引き続きお気軽にどうぞ。
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:37:31.17 ID:zHo86C6AO
+
464 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/05(水) 21:38:21.89 ID:SolegE/q0

○(元)右方のフィアンマ(本名:Ofelia=Cannavacciuolo《オフィーリア=カンナヴァッチュオロ》)

一人称は『俺様』。

『神の右席』から除籍されたローマ正教所属の魔術師。
元とはいえ、『右方のフィアンマ』として扱える術式は『神の如き者』に関連した『聖なる右』など。
その身に『世界を救える程の力』を宿し、その特殊な才能や思考法を元に、『神の右席』に所属出来る身体であるにも関わらず例外的に

通常魔術と特殊術式を併用出来る、所謂天才。
自らの職業(=右方のフィアンマ)を示していた赤い衣装を、現在は単なる衣服として使用している。
ローマ正教の修道女。

"白馬の王子様"を割と本気で信じてしまっている系女子。
夢は『上条当麻のお嫁さん』。
世界平和と人類皆平等について極限まで突き詰めて考えた結果、世界が歪んでいることに気がついた。
世界の歪みは自らの手で正さなければならない、という常軌を逸した考えに囚われ、一時正気を喪った。
優秀な魔術師だが、人を傷つける・殺害するのは苦手。同情的で涙もろい気質。
しかし、身を守る為にどうしても必要とあらば容赦はしない。

料理上手。ただし、和食は上手く作れない。
肝心なところで詰めが甘かったり微妙に失敗したりするドジっ娘。
頭は悪くないのだが、日常生活において、やや常識が欠けている。所謂世間知らず。
『虚空年代記』と呼ばれる、禁書目録にすら保管されていない特殊な『原典』を所有・保有している。
現在はその『原典』による精神汚染が減退している為、概ね自分の思うように人生を生きている。
世界を救わなければならないという義務感はだいぶ減った。

16歳(高校一年生)、とある高校に通学中。
身長(172cm)に栄養分諸々を取られた為か、胸が無い(=AAサイズ。本人は時折気にしている)。
赤い髪を順調に伸ばしている。
色白で細く、美人系寄りの可愛らしい顔立ちをしている。

イメージ(

彼氏居ない歴=年齢。
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:38:23.10 ID:zHo86C6AO
+
466 :読まなくてもいい? キャラ紹介 [saga]:2012/12/05(水) 21:39:04.17 ID:SolegE/q0

○上条当麻

一人称は『俺』。

ありとあらゆる異能の力を破壊・消滅させる『幻想殺し』の右手を持つ学園都市に住む男子高校生。
過去の記憶から人間不信気味。世界への憎悪を我慢している。
神聖にして異能を消し去るその右手の副作用のせいかどうかは不明だが、とことん不運。
右手が異能の力を消すことと幸運が消えることとを関連付けて解釈しているので、自分の右手を億劫に思っていた。
現在は人を救える優しい右手として、自分に誇りを持つよう心がけている。
一般的な男子高校生らしい感性をしている少年。
正義感はそれなりに強いが、基本的に厄介・面倒事を嫌う。
ただし、お人好しな面があるので、一度気を許す(=自分のテリトリーに入れる)とどこまでも優しくする。
そのせいで何度か裏切られたことがあるので、現在はどんな人間に対しても半信半疑。


可愛い女の子と運命の出会いを果たしたい系男子。
夢は『オフィーリアと暖かい家庭を築いて楽しい食卓を囲むこと』。
女性にモテる傾向にあり、しかしそのことに気がつけない為、親友からは『上条属性の女子が沢山居る』と揶揄混じりな注意を受けている。
が、彼は未だに(自分がモテているとは)信じていない。
髪をツンツンに立たせているのは、少しでも女の子にモテたいと考えている為。
尚、年下は恋愛的に対象範囲外。
肝心なところで鈍感なので、自分の恋愛事には疎い。

人が傷つく姿はなるべく見たくない性格。
敵味方の区別にいつも難儀する。
自らを『偽善使い(フォックスワード)』などと自嘲する。
完全なお人好しではなく、完全な人嫌いでもない、そこに関してはとても人間らしい少年。
自分のせいで周囲が不幸になっている、と軽く思い込んでいる節がある


所謂早年生まれで、15歳(高校一年生)。
平均的とはいえ、周囲とやや差のある身長(現在169cm)の低さを時折気にしている。
黒い短髪をワックスでツンツンに立たせている。
適度に日焼けをした、健康的な容姿。

イメージ(

彼女居ない歴=年齢。
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:39:05.50 ID:zHo86C6AO
+
468 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 21:40:17.47 ID:SolegE/q0

本日。
十月九日は、学園都市の独立記念日だ。
大いなる野望を抱えたとある男は。
学園都市第二位と呼ばれているとある男は、だるそうにしていた。
やる気が無いかといえばそうではないのだが。
本日、暗部抗争を起こす必要性について考え直しているのだ。
彼は猟奇殺人鬼ではない。
仕事だから、仕方なく、必要な範囲での殺しを行っている。
だからといって自分を正当化する訳ではないが、だるいものはだるい。
だるいの三文字に込められた感情は沢山ある。

垣根「…学園都市第一位を調べてみたが、さっぱり統括理事長と連絡とってる感じしねえな」

そう。
彼は、学園都市第一位まで無理やり成り上がることに疑問を感じていた。
仮に、地位は自分で替えが利いたとしても、アレイスターが自分に興味を持つかどうか。
そして何より。

ムカつくことに、学園都市第一位は最近、殺しをしないらしい。

最終信号のわがままに優しく付き合って生きているようだ。
安穏な生活。羨ましいとは、特に思わないものの。

垣根(何かキッカケでもあんのか?)

彼は、研究所でたらい回しにされていた(モルモットの)頃の一方通行を知っている。
彼はいつも刺々しかったし、殺しても心が痛むことはなさそうな人間だったような気がする。

垣根「あー……」

だるい。
また呟いて、彼はテーブルに上体を預ける。
どうしてだか、自分には悲劇がつきまとう。
うまくいけば、そう思えば思う程失敗する。

垣根(よし、接触するか)

そして穏便に、平和に、納得してもらって、学園都市第一位の座を譲っていただくことにしよう。

何処かのシスターと似たようなことを考え、垣根は頷くのだった。

垣根(とは言っても、どうすりゃ仲良くなれるんだ?)

垣根(…>>470、とか?)
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:42:33.95 ID:+ChQSZ8d0
>>1またイラスト頑張ったのか
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:44:35.82 ID:jOQ7NqJSO
後は画りょ……


ていとくんの心理的出発点がすでに違うのか……安価↓
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:45:39.38 ID:I0KaXVpDO
初対面で仲よくなるには普通の挨拶じゃダメだよな
とりあえず差し入れに好物でも探しておこう
472 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 21:54:21.61 ID:SolegE/q0
>>470様 心配するな。自覚はある 綺麗な垣根さんです、聖職者向きかもしれません》


垣根(初対面で仲良くなるには普通の挨拶じゃダメだよま。とりあえxず、差し入れに好物でも探しておく、とか?)

効率的に殺す為には。
癪ながらも自分より上位の存在を殺すには、情報がいる。
沢山の情報を集めれば自然と弱みや弱点、致命的なものがみえてくる。
弱みを知れるというよりも、相手の人物像、全体像が把握出来るということだ。
そんな訳で、垣根帝督は一方通行について収集していた情報を洗い直す。
明晰な頭脳でもって推測し、予想し、想像し、仮定する。
いくらかの選択肢の用意、脳内シミュレーション。

垣根「…これでいけんだろ」

多分。
そんな事を呟き、垣根は学園都市へと繰り出した。
一方通行の居場所は把握済みだ。
『仕事』を終えた彼は現在、最終信号とファミリーレストランで食事をしている。
そして、そのファミリーレストランが混み合っていることまで把握した上で、動く。

店員「いらっしゃいませー! 申し訳ありません、ただいまお席混雑しておりまして、ご相席いただいてもよろしいですか?」

垣根「あぁ、大丈夫だ」

頷く垣根にほっとした顔をして、女性店員は一方通行と打ち止めが食事をしていた四人がけの席へ案内する。
相席よろしいですかと店員に問われ、一方通行はほんの少しだけ垣根を品定めするように視線を向けた後、承諾した。
かくしてどうにか一方通行と同じテーブルについた垣根は、真面目に思案する。
どうにかして仲良くならなければ。警戒心をとかせるのは難しいが、殺すよりもマシだ。

垣根「>>474
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 21:59:05.25 ID:Z+UOZ1r30
久しぶり、だな
何か刺々しい雰囲気が柔らかくなったな
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 22:01:32.75 ID:Mn4sMvXR0
>>473

あ、お姉さん、ゲコ太ハンバーグとライスとドリンクバーお願いします
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 22:02:20.52 ID:jOQ7NqJSO
誤字が…

安価なら

俺が着てるリスパジャマ(フード付)、可愛いだろ?ヤフオクで落としたんだ

よかったらもう一着あるから、そこのお嬢ちゃんにどうだ?
476 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 22:15:23.98 ID:SolegE/q0
>>472 ×ダメだよま ○ダメだよな   大変失礼しました…》


垣根「久しぶり、だな。何か、刺々しい雰囲気が柔らかくなったな。…あ、お姉さん、ゲコ太ハンバーグとライスとドリンクバーお願いします」

店員「はいっ、ゲコ太ハンバーグに単品でライスをお一つ、ドリンクバーですね、かしこまりました、ごゆっくりどうぞー」

話の発展は一旦保留して、腹ごしらえを最優先することにした。
何しろ一方通行について詳しく調べ直していたせいで、ロクな食事を摂っていなかったのだ。
ちなみにゲコ太ハンバーグとは注文者の条件に制限のあるお子様メニューではなく、通常のメニューだ。
しかし、ハンバーグの形はゲコ太のシルエット、今ならファミレスオリジナルデザイン『店員ゲコ太』ストラップがついてくる子供向け。
打ち止めは本物のお子様の為、どうやったって食べきれないそれの注文を諦めた。
だが、ストラップは欲しい。現に、彼女の愛らしい瞳は現在進行形できらきらと輝いている。
いくら天真爛漫とはいっても勝手に『ストラップください』などとは言えない。
垣根帝督がゲコ太を好きである可能性を考慮すれば、打ち止めはどうしても言い出せないのだ。
我慢すればする程焦がれてしまうのが、人間の性。

打ち止め(…う…うううーっ…ってミサカはミサカは悲しげに心の中で唸ってみたり…)

打ち止めはちらりと隣の垣根を見上げる。
ちょうど運ばれてきたハンバーグはほかほかと湯気を立て、ライスも甘い香りを放っている。
こちら特典です、とテーブル上に置かれた店員ゲコ太(赤)。
勿論、垣根はゲコ太など、興味は無い、まったく無い。
だから、ストラップをくださいと言われれば普通にあげるつもりだった。
わざわざ『あげようか』と言い出すには、打ち止めの態度が密か過ぎる。
そんな慎ましやかな乙女打ち止めに替わって、保護者状態の一方通行は言葉を練ってから、発言する。
そして、ちょうど、過去に研究所へ居た頃、垣根の顔を見たことを思い出したらしい。

一方通行「>>478
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 22:17:13.48 ID:jOQ7NqJSO
……………オマエ、ひょっとして………『はな垂れていとくん』か?
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 22:21:17.63 ID:cCiS5SXDo
て……て…………。ていとくン? ハテ
479 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 22:28:19.66 ID:SolegE/q0

一方通行「て……て…………。ていとくン?」

はて、と首を傾げる。
あだ名を覚えているとは意外だ、と思いながら、垣根はにこやかにハンバーグを切り分ける。

垣根「そうそう、ていとくん。思い出したか?」

打ち止め「あなたにも友達が居たのねってミサカはミサカは感涙に咽びそうになってみる!」

一方通行「うるせェ、静かにしろ」

すかさずツッコミ、一方通行はやれやれとため息を吐き出す。
そして垣根の方へ再度視線を向けると、食事を開始した彼に話しかけてみることにした。
全てが垣根帝督の思うままに、事が運ばれていく。

一方通行「そォいや、俺と第一位の座を争ってるヤツが居たなァ、と」

垣根「ハッ、正に俺だな。ま、今は第二位に落ち着いたけどよ」

打ち止め「学園都市第二位? ってミサカはミサカはお兄さんを見上げてみる」

垣根「あぁ。学園都市第二位、『未元物質』の垣根帝督だ。能力呼びは好かねぇから、垣根お兄さんとでも呼んでくれ、お嬢さん」

ハンバーグとライスをフォークで掬って口に運び。
咀嚼する度に滲み出る肉汁と、米の甘さに垣根は幸せそうに目を細める。
例え化物染みた力を持っていても、彼は割と普通の感性をした人間である。
餓えていた空腹が満たされていくのを感じ、垣根は少しだけ水を呑む。

一方通行「…何か目的でもあンのか?」

垣根「あ?」

一方通行「…」

赤い瞳は、垣根の心を見透かすように見つめてくる。
対して、垣根は冷静にご飯を食べた。

垣根「>>481
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 22:33:07.83 ID:Z+UOZ1r30
ねーよ、んなもん。
……それでもあえて言うなら……そうだな、たまには人と一緒に食べたい、そう思ったからかな?
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 22:37:28.17 ID:/y/yFXvK0
>>480

お嬢ちゃんにこのストラップをあげよう
482 :読まなくてもいい? キャラ紹介2 [saga]:2012/12/05(水) 22:38:22.68 ID:SolegE/q0

○垣根帝督

一人称は『俺』。

暗部組織『スクール』のリーダーを務める少年。
学園都市『超能力者』第二位の能力である『未元物質』を所有し、操る。
想像力が逞しく、基本的には平和主義。仕事以外で人死にを出すのは好かない。
ホスト予備生とも、チンピラとも見える服は仕事用。普段はシンプルなシャツを好む。
本当の入信まではしていないが、密かに十字教を信仰している。

性善説を信じている系男子。
"とある出来事"から、学園都市の全てを掌握したいと考えるようになった。
老若男女問わず、人の幸せそうな笑顔を好む。
あくまでそれは彼の性格であり、仕事時に殺すかどうかは別問題。

料理下手。ただし、お味噌汁だけやたらと上手い。
策士にして、常識人。
無類の犬好き。

17歳。
顔立ちの整った、所謂モデル体型。


彼女居ない歴=年齢。
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 22:38:23.95 ID:zHo86C6AO
+
484 :読まなくてもいい? キャラ紹介2 [saga]:2012/12/05(水) 22:39:17.71 ID:SolegE/q0

○一方通行

一人称は『俺』。

暗部組織『グループ』の構成員。
学園都市『超能力者』第一位の能力である『一方通行』を所有し、操る。
また、本名は本人曰く"忘れた"。よって、能力名を名前として使用している。
打ち止めを助けた時、天井亜雄によって撃たれた後遺症から、妹達に演算代理を頼んでいる。
その為、バッテリーが切れると言語が理解出来ず、歩けない。
普段は杖をついて歩く。
バッテリー総量は能力使用モードで最大三十分。
普段着ている服のセンスは、かつての親代わりである木原数多譲り。

性悪説を信じている系?子。
人生の汚点を知られたシスターの少女に諭され、一生懸命生きることを決めた。
打ち止めや黄泉川愛穂、芳川桔梗といった光の中で生きるべき善人を眩しく思う。
これ以上汚れた手で打ち止めに触れたくない、あのシスターに懺悔して甘えてしまうから、という理由から、なるべく人を殺さない。
それは日常であっても仕事であっても同様。彼はそう信念として定めている。

料理は人並み。お菓子作りの才能がある。
策士な所もあるが、大概は大人ぶっているだけで少年らしい感性。
猫好き。

17歳。
顔立ちの整った、細い身体。
白髪に赤瞳と人目を惹く見目をしている。


彼?居ない歴=年齢。
485 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/05(水) 22:39:53.48 ID:zHo86C6AO
《風呂行ってすぐ戻ります》
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 22:42:10.18 ID:jOQ7NqJSO
カラスの行水になっちゃダメなのら
487 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 23:28:17.23 ID:p3pDonud0

垣根「ねーよ、んなもん」

言っても、眼前の超能力者の眼光は和らがない。
当たり前だ。自分だって、きっとこうした懐疑の目を向けるに決まっている。
思いながらも、垣根は嘘か本当か、曖昧な言葉を続けていく。

垣根「……それでもあえて言うなら……そうだな、たまには人と一緒に食べたい、そう思ったからかな?」

性善説を信じている垣根帝督だからこそ、こんな言葉が吐ける。
不思議と説得力を持った言葉となるのは、垣根自身に宿る善性によって染められたものだ。

垣根「ああ、そうだ。お嬢ちゃんにこのストラップをあげよう」

思い出したように、垣根はテーブル上の店員ゲコ太(赤)ストラップを打ち止めへ差し出す。
打ち止めはきらきらきら、と星のように目を輝かせ、本当に良いのかと何度も確認する。
子供が子供らしい表情で幸せそうに微笑んでいるのは、嬉しい。
勿論だ、と垣根は心底から笑みを浮かべてみせる。
自分の要らない物で誰かが幸せになってくれるのなら、それに越した事は無い。
嬉しそうにはしゃぐ打ち止めの様子にほんの少しだけ表情を和らげて。
一方通行は、口ごもり気味に言う。

一方通行「…悪りィな。此処の飯は俺持ちにしとけ」

垣根「>>489
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 23:31:53.69 ID:jOQ7NqJSO
>これ以上汚れた手……まさか、あの時パンツを替える時に…ッ
安価↓
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 23:33:37.80 ID:3ny2jzY+0
そんなつもりであげたんじゃねぇよ気にすんな

嬢ちゃんの可愛い笑顔も見れたしなラストオーダーナデナデ
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 23:42:09.70 ID:zHo86C6AO
>>488
一方「取り返しなンざ、つかねェよ…」
491 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/05(水) 23:42:14.04 ID:p3pDonud0

垣根「そんなつもりであげたんじゃねぇよ、気にすんな」

金ならお前と同じで余ってる、なんて言葉を付け加え。
垣根は気軽な調子で笑う。
まるで、光の住人であるかのように。
普通の明るさで、普通の笑顔で。

垣根「嬢ちゃんの可愛い笑顔も見れたしな」

言って、垣根はそっと打ち止めの頭を撫でる。
動きかけた一方通行はしかし、垣根の手つきにすぐさま落ち着きを取り戻す。
撫でられてこそばゆいのか、打ち止めはくすくすと笑った。

打ち止め「前髪が目に入っちゃう、ってミサカはミサカは遠まわしに文句をつけてみる!」

垣根「悪い悪い」

苦く笑って手を引く。
食事を終えた垣根は水を飲み、思い出したように言う。

垣根「金には困ってねえが、もしお前が嫌じゃねぇなら」

一方通行「あン?」

垣根「メアド交換しようぜ」

友人になる秘訣は、コミュニケーション回数と、距離感。
物理的、心理的に近い相手にこそ、親近感や情は抱けるもの。
という訳で、垣根はそんなことを言い出してみた。
勿論、断られた時は残念そうに、さみしそうに「そっか」と言うつもりだ。
一方通行は現在、垣根に対して負い目を感じている。
そして人間は、負い目のある相手に優しくしようと動いてしまうものだ、と垣根は考える。

一方通行「>>493
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 23:44:38.09 ID:jOQ7NqJSO
わりィ、俺今日携帯持ってきてねェンだわ…
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 23:45:21.35 ID:3ny2jzY+0
……この前携帯が壊れて今日機種変するから
良かったら一緒に来るか?
その時に教える
494 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 00:08:46.60 ID:+zQe6OjU0

一方通行「……この前携帯が壊れて、今日機種変するから、良かったら一緒に来るか?」

垣根「…良いのか?」

一方通行「良くなかったら初めから言わねェよ。此処で会ったのも何かの縁だろォしな」

つくづく自分はファミレスで重要な人物と出会っている気がする。
そんなことを思いながら、一方通行は誘いをかけた。
垣根はドリンクバーから持ってきた甘い甘いアイスココアを飲み、かき混ぜ、頷く。

垣根「あぁ」

一方通行「ン。その時に、教える」

打ち止め「あなたが携帯変えるならミサカも新しい携帯電話欲しいってミサカはミサカは要求してみたり!」

一方通行「オマエなンかGPS機能付きポケベルで充分ですゥ」

打ち止め「ひーどーいー!」

うだうだとだだをこねる打ち止めと、そっぽを向く一方通行。
それでも、それは、どうしようもなく暖かで、微笑ましい光景。
しばらくこんな光景を見ることになるのかな、と思いながら、垣根は口内のココアを、ごくりと呑み込んだ。




一方。
イタリアの病院で、上条当麻はそっと、毛布の上に上体を預けているオフィーリアの髪を撫でていた。
日本の学園都市が13時なら、此処は明け方4時。実に16時間差である。
とはいえ、二人共寝てはいない。話をしている訳でもない。
ただ静かに、流れる時間を実感している、だけ。

フィアンマ「……」

上条「……」

フィアンマ「…シャミセンは、元気か?」

上条「>>496







《今日は寝ます。名前欄はフィアンマのままで地の文をオフィーリアに統一するか、名前欄をオフィーリアにしてしまうか(でもそれだとオリキャラみたいなので)、名前欄はフィアンマのままで地の文もオフィーリアとフィアンマを混合して今後も書くか、思索中です。
ここまでの流れで描写してないところは結構多いので、もし気になる方がいらっしゃる場合小ネタでさらっと書きます
お疲れ様でした》
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 00:11:47.84 ID:wX6kreySO
乙。一応名前欄はフィアンマじゃないとご新規さんとかはわからんかもな

妹達編、天井くン、木ィィ原くゥゥン、オルソラ、テッラさん、アッークアさん……大事なシーン飛ばしすぎだってばよ安価↓
496 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/06(木) 06:08:47.17 ID:zD6+Wg0AO
>>495
やっぱりそうですよね、とりあえず名前欄はそのまま(フィアンマ)にします。

大体は本当に原作通りなので…ひとまず左方後方書きます。
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 06:09:16.56 ID:zD6+Wg0AO
安価下
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 10:29:26.57 ID:d1vUzb5Uo
ああ。あいつもお前に会いたがってるよ
499 :小ネタ:蘇生後 ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/06(木) 12:50:06.97 ID:zD6+Wg0AO


フィアンマ「…」

テッラ「…」

フィアンマ「…、…ご……めん、なさい」

テッラ「…怒ってはいませんねー。大丈夫ですよ」よしよし

フィアンマ「……アックアが待っていたぞ」

テッラ「おや、そうですか」ふふ

フィアンマ「……パン屋、…出資する。…買いに行っても、…良いか?」

テッラ「右方のフィアンマ相手であればともかく、貴女を遠ざける必要も、嫌悪の情もありませんからねー。もちろん、構いませんよ」

フィアンマ「…」ほっ

アックア「…」ずんっ

フィアンマ「…」ちら

アックア「…」

フィアンマ「…、」

アックア「……本来であれば女子供とはいえ、容赦無く殴るレベルであるが」

テッラ「暴力はいただけませんねー」

フィアンマ「っ……」しゃがみがーど

アックア「…貴様が右方の座から除籍される以上、既に怒りを表す段階ではない」こく

フィアンマ「……」ちらっ

アックア「…女に興味は無いが、だからといって冷たくする理由にもなるまい」

フィアンマ「…アックア…」

テッラ「腑抜けたといえばそうですが、流石は貴族様。お優しい事です」にこにこ

アックア「…、…よ、…傭兵崩れである」ふん

フィアンマ(…アックアはテッラの事を好いているのか? 十字教において同性愛は罪深い事だが、罪を薄める技術を獲得している我々の場合、問題は無いのか)うーん


テッラ「どうかしましたか?」

フィアンマ「いや、…お幸せに」

テッラ「?」

アックア「!」

500 :嘘予告 ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/06(木) 12:56:36.83 ID:zD6+Wg0AO


少年は、幸せを祈った。

「…血生臭い肥溜めに居る奴が、暗部に身を置いてる野郎が、他人の幸せを祈るのは…ッ、そんなに悪い事なのかよ!!!」

科学者は、残酷に嘲笑(わら)った。

「素敵過ぎてマジ寒ーいのでー、しっかりと"諦めて"いただきますね?」

少年は、自覚する。

「…そっか。そうだよな、平凡なだけのただの男子高校生が『幻想殺し』なんて持ってる訳無い」

最強は、希望を見いだした。

「うるせェっつってンだろォが。オマエ一人の人生位、世話看てやるって言ってンだ」

少年は、嗤う。

「―――本当は、もっと、ずっと、簡単な事だったんじゃないか。誰よりも化け物だった俺が、消えればいいって」

修道女は、咎めた。

「それが免罪符になるとでも?」

彼は、幸せを願った。

「父さんは、ただ、当麻とオフィーリアに、幸せになって欲しいと思っただけなんだ。父親として、ね」

運命は加速する。

「あばよ、第一位。……俺の、…最初で最後の、……トモダチ。アクセラ、レータ…」

悲劇の種が蒔かれ、哀しみの水は注がれる。

「……たとえ、当麻が化け物だと言われる立場でも。普通とかけ離れていても。その本質がどれだけ罪深くて、救いようが無くても。それでも、俺様は胸を張って言えるよ」

それでも。

「第二位がどうすべきかじゃなくて、オマエが、垣根帝督がどォしたいのかを重視しやがれ、クソッタレ」

少年達は。

「……この世界は残酷だよな。犠牲が無ければ、死体を積まない限りは、誰も幸せになれないんだから」

振り返らない。

「―――俺様は世界で一番、上条当麻を愛している、と」

大切な人間が、隣に居るのだから。

「……俺は、上条当麻。科学でも魔術でも説明出来ない、世界にたった一人の、平凡な男子高校生。それで、いいよな」






―――科学と魔術が交錯する時、物語は始まる。




《これはあくまで予定です。安価次第ではこうなりません。
夕方には再開します》
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 13:21:25.50 ID:wX6kreySO
超ワクワクする。そんな展開をマジで見たいな
びょーりんとていとくんの絡みは前々から是非ともやりたいと思っていた。未元物質つながりとか、『木原』に踏み込んだ感じの話とか見たかったし。
今だから言うが、実は垣フィアスレ2つの時に、びょーりんをラスボス、もしくは第二部として絡ませようと画策してた。

オティヌスやオッレルスが予想以上にいいキャラに成長したからやめたけど
502 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 15:38:53.15 ID:AzUjOJA50
>>501様 やりたいな、と構想だけは練っている状態です 病理さんと垣根くんのお話はちゃんと書いた事無かったですね、そういえば。垣フィアスレはオティヌスちゃん大活躍でしたから……   ところで、木原数多⇔木原病理のお互いの呼称に悩んでます》


上条「ああ。あいつもお前に会いたがってるよ」

フィアンマ「…良かった。……今は、誰かに預けているのか?」

上条「あんまり外国連れていくとストレス感じそうだからな。舞夏に任せてる」

フィアンマ「…そうか」

さらさらと、赤い髪を撫で。
朝の日差しが差し込んできた病室の中、上条は薄く笑む。
悩んで迷って命を賭けて焦がれたものを、こうして取り返せた。

上条「…退院したら、一緒に帰ろうぜ」

フィアンマ「…あぁ」

こくりと頷き、欠伸を呑み込んで。
猫のように静かに、オフィーリアは頭を預け続けた。










一方通行と別れて。
動き出した『ブロック』を利用することなく完膚なきまでに叩きのめした垣根帝督は、悩んでいた。
何とメールを打てばいいか、どんな風に打てば親近感を更に高められるか。
自分と同じように、予想するに、ヤツにだって友達は多くない筈だ。
その分、付き合いを深く出来る可能性は高い。

垣根「さて、どうすっかな…」

住居としているホテルの一室で、垣根はぼんやりと呟く。
メールアドレスだけでなく、電話番号も交換した。
別に電話でも良いのだろうが、別れて直ぐにというのも、おかしな気がする。






一方通行に送るメールの文面>>+2
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 15:44:50.46 ID:wX6kreySO
ブロックは、手塩、鉄網?くらいしか覚えてねーなー…

木ィ原くンとびょーりんは『数多くん』、『ババァ』が自然な気はする(笑)

安価↓
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 15:49:42.30 ID:AaowKTyT0
メールテスト。ちゃんと送れてるか?
505 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 15:57:29.80 ID:AzUjOJA50
>>503様 佐久ちゃんや山手くんのことも思い出してあげてください…》


垣根は少し悩んだ後、まずは雑談の取っ掛かりを作ろう、と考えた。
『ブロック』による学園都市への反逆騒動が済んだ以上、『グループ』に特別何か業務が与えられていない限り、彼は退屈しているはずだ。

---------------
To:一方通行
Title:(無題)

メールテスト。
ちゃんと送れて
るか?

---------------

垣根「送信、と」

利用する為に。地位を譲ってもらう為に。
そう自分に言い聞かせながらも、垣根の表情は楽しげだった。
無理も無い。だって、彼には友達などという生ぬるい関係の人間は居ないのだから。
否、昔であれば、いることにはいたのだ。
けれど。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
替えが利く子供など、死ぬのが通例だったから。


垣根「…チッ」

嫌なことを思い出した、と舌打ちをする。
と、携帯が震える。ぶるぶるぶる、と短く三回。
どうやら一方通行から返信が来たようだ。





返信されたメールの文面>>+2
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 16:02:37.65 ID:wX6kreySO
鈴科ですがどちら様ですかァ?ケータイぶっ壊れてアドレス飛んだから名乗れ
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 16:09:55.37 ID:AaowKTyT0
ようカッキー(≧▽≦)
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 16:17:26.02 ID:SwHqOmeRo
あ、この人メールだとキャラが変わるタイプの人だ・・・
509 :小ネタ:0930アナザー  ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/06(木) 16:18:44.14 ID:zD6+Wg0AO

打ち止め「……」

一方通行「ち、くしょ…ク、ソが…」

バッテリーが切れる。切れて、しまう。
背後には、打ち止めが眠っている。
ウイルスを頭にぶち込まれ、助けての一言すら言えないままに、眠っている。
そして、そんな彼女の為に、今日会ったばかりのシスターは何かをしてくれていた。
優しい、歌声のようだった。純粋に、美しいと思えた。
打ち止めはそうやって、今まで優しくしてもらえなかったのだ。
だから、此処で自分が倒れる訳にはいかない。
たとえ眼前の相手が情を僅かに残した(元)親代わりの人間であろうとも。

そして。

殺す訳にも、いかない。
やり直すと決めたから。
一生償って、贖うと決めたから。
これ以上の罪は重ねない。
これ以上血に塗れた手で、彼女<光の住人>達を守りたくないから。
そう思いながらバッテリーを切らしてしまった彼の頭を、木原数多はつまらなそうに笑って蹴る。
そんな蹴りをいれてきた脚を掴み、転ばせ。
ゾンビのような動きで、一方通行は手を伸ばす。
掴んだのは、幾度もの衝撃でぐしゃぐしゃになってしまったサブマシンガン<鈍器>。
『一方通行』という能力に対しての身体能力しか発揮出来ない研究者は。

哀れにも、ドンガングシャゴンバキン、といった原始的な暴力に気を失ったのだった。


??『あなたには損害を払ってきただきます』

提示されたのは、暗部組織への加入。
どのような命令をされても、殺してなるものか。
そんな反抗心を胸に秘めて、一方通行は嗤う。
こちら側から出した条件は、いたってシンプル。
打ち止めや黄泉川、芳川は、自分が守ればいい。
処分されるのは、使い潰されるのは、いつだって闇の住人だ。

だから。

一方通行(木原数多の治療手配をしろ。それから、『猟犬部隊』はもう無いにしても、他の部隊には組み込むな。発生した金と仕事なら、俺と、その馬鹿げた借金にツケやがれ、クソ野郎)

??『意外な条件です…が、わかりました。お受けしましょう』

一方通行は、闇も光も問わずに、出来る限り救おうと決断する。
ヒーローになりたい訳ではない。
ただ、悪党なら悪党らしく、悪人を救ったっていいはずだ。
そして、悪党だから善人を守ってはいけないというルールも無い。

一方通行(……これ以上、間違う訳には、いかねェンだよ)


510 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 16:25:43.68 ID:AzUjOJA50

さてどのような文面だろうか、と携帯を開いて。
ぽちぽちと数回操作をすれば表示されるメール画面。
打ち止めが書いたのか一方通行本人が書いたのか、よくわからない文面だった。

---------------
From:一方通行
Title:(無題)


ようカッキー
(≧▽≦)

---------------

垣根「…テンション高ぇ」

メールの文章と実際の話し方が違う、というのはよくあることで。
一方通行もそういう性格をしているのかもしれないな、と思いながら、垣根は携帯を弄る。

---------------
To:一方通行
Title:おー

届いたみたいだ
な。
良かった良かっ
た (U3[____]

---------------

相手が顔文字を使う場合は、顔文字を使うとより親近感を得られやすい。
確かそんな研究結果があったような、と思い返しながら、送信する。
少し間を空けた後、返信があった。



返信の内容>>+2
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 16:36:20.84 ID:XocoEfJZ0
そうそう!ファミレスでは打ち止めにストラップありがとう!m(_ _)m

あと打ち止めが明日カッキーと遊びた〜い(≧∇≦*)
ってだだこねちゃってさぁ(´・ω・`)
もし良かったら明日遊ばない?(。・ω・。)
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 16:55:30.05 ID:wX6kreySO



513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 17:02:51.11 ID:+8v5Z6GVo
女の子かよwwww
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 17:05:09.35 ID:wX6kreySO
打ち止めちゃンが打ってるンだろ
515 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 17:08:38.57 ID:AzUjOJA50
《…原文を一方さんが打った後打ち止めちゃんが口調直して顔文字つけてるような気がする》



--------------
From:一方通行
Title:(無題)

そうそう!ファ
ミレスでは打ち
止めにストラッ
プありがとう!
m(_ _)m

あと打ち止めが
明日カッキーと
遊びた〜い
(≧∇≦*)
ってだだこねち
ゃってさぁ(´・
ω・`)

もし良かったら
明日遊ばない?
(。・ω・。)

---------------


もしかするとあちら側は友人が出来たということでものすごくハイテンションなのかもしれない。
そんな考えも視野に入れながら、垣根は合わせる形で返事を書く。

---------------
To:一方通行
Title:オッケー

いやいや、喜ん
でくれてこっち
も気分良かった
し。
明日なら調度空
いてるけど、時
間はどうする?

俺はフリーだし
、合わせるから
(*^^*)

---------------


今更ながら、チャラい気がする。
まあいいや、と結論付け、メールを送信する。
程なくして帰ってきたメールも同じような文面。
時間の設定をしながら、一方通行は所謂ネアカなのだろうかと首を傾げつつ、垣根は言葉を練っていくのだった。





翌日。
朝十時に公園へ待ち合わせ。
この文章だけを見ればまるでデートのようだが、生憎垣根はそういう気持ちではない。
打ち止めと一方通行と、三人で遊ぶのが本日の内容だ。

そんな訳で、時間ぴったりに二人はやって来た。

一方通行「…待たせたか?」

垣根「いや、今さっき来たところだ」

打ち止め「今日はこの人をよろしくお願いしますー、ってミサカはミサカはお母さん気分で頭を下げてみる」

一方通行「普通逆だろォが」

垣根「…そういや、今日は何すんの?」

一方通行「>>517
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 17:17:43.36 ID:wX6kreySO
デパ地下スイーツ巡り
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 17:20:55.64 ID:A32UgLT7o
遊園地
518 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 17:56:22.79 ID:+Fc8payj0

一方通行「遊園地」

垣根「…遊園地?」

一方通行「チケットなら買ってある」

ほら、と見せられたチケット。
第六学区にある、とある遊園地のそれ。
話を聞くと、どうやら打ち止めが前々から行きたかった場所のようだ。
ちなみに打ち止めは退院直後にそこへ行こうとしてタクシーから逃げ出し、頭にお花を乗せた風紀委員さんとちょっとした冒険をしたのだ。
とはいえ、それは、この垣根帝督には関係の無い話。
昼からでは混むのでは、と思いながらも、垣根は頷いた。


第六学区には数々のアミューズメント施設が密集している。
観光客を狙った詐欺も多い学区の為、何かを楽しむにはよくよく考え込む必要がある。
しかし、遊園地は関係無い。
元々、遊園地は飲食物がぼったくり値段で当たり前だし、仕方のないことだから、そもそも騙されるつもりで行くものだ。
そんな訳で、三人は遊園地までやって来た。
そこそこに混み合った園内には、子供と、保護者らしき年上の子供や、教師の姿が多い。

打ち止め「お、おおおお…! これが夢にまで見た遊園地なのねってミサカはミサカは…!」

一方通行「…遊園地、ねェ…」

垣根「お嬢さんはどれに乗りたい訳?」

打ち止め「>>520
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 18:17:13.97 ID:wX6kreySO
じゃあ、このヴェントブラザー・コースターっていうのに乗ってみたいって、ミサカはミサカはそこはかとなくブラックジョーク溢れる名前のアトラクションを希望してみたり!
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 18:20:12.76 ID:65MR/pgQ0
デッドコースターって某映画と同じ不吉な名前の
やつに乗ってみたい
521 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 18:27:26.19 ID:+Fc8payj0

打ち止め「デッドコースターって某映画と同じ不吉な名前のやつに乗ってみたいかな、ってミサカはミサカは回答してみる」

未元通行((マジかよ))

打ち止めが差し出したパンフレットを開いた先、『殺人遊具(デッドコースター)』という見出し。
本当に死ぬということではなく、死ぬと思ってしまうようなコースの作りらしい。
一回転からの急転直下など、確かに生きた心地がしないだろう。
最年少の打ち止めが無邪気に言うのだ、垣根も一方通行も、やめようとは言い出せない。
こんな時ばかりプライドが邪魔しやがって、と舌打ちせんばかりな思いで二人は歩を進める。

垣根「ところで、身長制限はどうなんだ?」

大人向きなのか、身長制限は厳しい。
近くに身長測定用のハリボテのようなものがセットされていて、チェック用に店員がのんびりと待機していた。
一方通行も垣根もセーフではあるが、肝心の打ち止めはどうなのか。
測定してもらった、結果。

係員「>>523
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 18:33:33.50 ID:M+uuJpHOo
お嬢ちゃん残念ね、3センチ足りないわよ
…あら?この立ってる髪の毛を入れたらちょうど…?
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 18:34:31.74 ID:wX6kreySO
打ち止めちゃんは12巻?の引っ越しのくだり、アニメから推察するとおおよそ120ありそうだからギリギリ乗れそう安価↓
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 18:34:59.86 ID:Zpm0WAYj0
残念ながらOKですねー
525 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 18:46:37.51 ID:+Fc8payj0

係員「残念ながらOKですねー…心臓に疾患は無いですか?」

垣根「どうなんだ?」

一方通行「それはねェが」

係員「では、いってらっしゃいませー!」

打ち止め「わーい、ってミサカはミサカは自らの成長によって掴み取った機会に喜んでみたりーっ!」

わーいわーい、と素直にぴょんぴょんと飛び跳ねる打ち止め。
ゴーサインを出した係員は若干心配そうな色が瞳に滲んでいる。
だが、乗る権利が与えられた以上、ここで彼女を止めるのは得策ではない。
だから、渋々、仕方なく、辛いながら、耐えることにしたのだった。




急転直下の連続。
吹きすさぶ風。
髪型が崩れるどころの騒ぎではなかった。
とにかくグルグルと引っ張り回され、コースターに客はしがみつく。
恐ろしいジェットコースターだった。
コースターの色合いは赤と黒で、視覚的にもなかなかに怖かった。



垣根の状態(ふらふら等)>>+2

打ち止めの状態>>+3

一方通行の状態>>+4
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 18:51:25.35 ID:3jrOB6pJ0
kskst
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 18:53:35.14 ID:M+uuJpHOo
口調がローラ化
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 18:53:52.87 ID:3jrOB6pJ0
気絶
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 18:56:34.25 ID:E2Lrc4O/0
黒翼
530 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 19:01:34.87 ID:+Fc8payj0

垣根「う…目の前に星が飛びけるぜ…」

くらくらと揺れる頭を抱え、垣根はゆっくりと息を吐き出す。
ちらりと横を見れば、あまりの三半規管酷使に打ち止めが倒れた。
気を失い倒れる直前に打ち止めの身体を支え、垣根は助けを求めるように一方通行を見やる。

一方通行「ihbf怖wq」

垣根「どういう状況だといいけるんだ…?」

よくわからないながら、垣根はふらふらと売店に近寄る。
スーパーで販売していそうな飲料が、スーパーの三倍程の値段で販売していたが、躊躇無く購入。
それぞれに水を回し飲みして落ち着いたところで、休憩。

三十分ほど休憩した三人は、どうにか元の状態に戻ることが出来た。
しかしうっすらと後遺症は残っており、だるさにため息をつく。
一方通行は数度深呼吸した後、垣根を見やった。

一方通行「ァー…オマエは、何か乗りてェヤツ、ねェのかよ」

垣根「あ? あー…>>532
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 19:12:40.84 ID:LHz2bAulo
もっかいデッドコースター
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 19:16:58.08 ID:KslmKLKPo
メリーゴーランド(学園都市式は超早い)
533 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 19:31:36.07 ID:+Fc8payj0

垣根「あ? あー…メリーゴーランド」

ほら、楽しいだろ、とのコメント。
一方通行は同意しかけるも、メリーゴーランドを見やって目を見開いた。
バイクに乗って道路を走るのと同じ位、否、それ以上に速い。
まさかあれに、と視線で問いかければ、垣根からもあれに乗る、との答え。
完全復活した打ち止めはというと、ミサカもあれ乗りたい、とハイテンションへ逆戻り。
もっと速度の無いアトラクションは無いのか、と思いながらも。
何だかんだで本質的には人の世話を看てしまう一方通行は、二人についていく形でメリーゴーランドへ向かうのだった。




同時刻。
退院してすぐに魔術的な手段で帰国したオフィーリアと上条当麻は、第六学区の遊園地へとやって来ていた。
家でのんびりしても良かったのだが、学校へ再び通うにあたって、外へ出た方が良いと考えたからだ。
昼からのチケットは安く手に入った為、現在、二人は遊園地内で何に乗るか悩んでいた。

フィアンマ「…ひとまず、当麻に合わせる」

はぐれないよう上条の手をぎゅっと握り、彼女はそう述べる。
元より、遊園地どころか学園都市にさほど詳しく無いのだから、当たり前の様子というべきか。
かといって、上条も遊園地などあまり来たことは無い。
パンフレットを開き、上条は言葉を返す。

上条「>>535
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 19:35:55.15 ID:wX6kreySO
『魔術的手段で帰還』?!上条さん、ついに右手切り落とされたんか
安価↓
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 19:36:39.18 ID:3vujU8ft0
デッドコースター
536 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 19:47:19.07 ID:+Fc8payj0
>>534様 オフィーリアちゃんに俵担ぎされて運ばれた模様です。彼女の右手の力は上条さんの右手の力を一応"一時的"に凌駕します(原作基準)》


上条「『殺人遊具(デッドコースター)』はどうだ?」

フィアンマ「…怖いのか?」

上条「…多分。でもイチオシらしいぞ」

パンフレットには、おすすめとして載っている。
デカデカとした写真は少々恐ろしく思える。
こんなものに乗って大丈夫なんだろうか、と思いながらも、上条に行き先を任せるまま、オフィーリアは従うことにした。

死にかけである。
二人だけだが、死屍累々である。
休憩用のベンチでげんなりとする上条に対し、怖かったのか、オフィーリアは涙目になっている。
吊り橋効果はとてつもなく効いたが、それにしても言葉に出来ない程の恐ろしさだった。

上条「も、もう二度と乗らない…うう…」

フィアンマ「…吐くなよ」

上条「吐きませんのことよ…これ位余裕よゆ…うぅ…」

余裕ではない。
上条の背中を摩り、グロッキー状態から立ち直ったオフィーリアは、きょろきょろと辺りを見回す。

フィアンマ「…>>538に乗ってみたい」
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 19:56:43.39 ID:wX6kreySO
能力考察議論とかになるとあれだが、『一時的』がどこまでの範囲、どの程度の威力又は大きさ、どのくらいの時間作用し続けられるかがわからんな…安価↓
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 20:10:56.50 ID:3nPUqXzq0
ヘヴン&ヘル(めっさ高いフリーフォール)
539 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 20:38:03.62 ID:+Fc8payj0
>>537様 その内本編中に描写します…》


フィアンマ「…『楽園と地獄(ヘヴンアンドヘル)』に乗ってみたい」

上条「アレ?」

見やった先にあるのは、とてつもない高さのフリーフォール。
まさかあれに、とビビり気味な上条だが、彼女は乗り気そのものである。
存外、高い所が好きなんだろうか、と上条は思った。
怖がりながらも高い所から落下系は嫌いではないらしい。
将来飛び降り自殺しないか心配だ、と思いながら、上条は向かうのだった。


上条当麻はぐったりとしていた。
言うまでもなく、楽園ではなく地獄を味わったからである。
二段階で落ちるそれは、猛スピードだった。
せっかくグロッキーが落ち着いたにも関わらず、再びの吐き気。
脱力しきっている彼の様子を見、オフィーリアは飲み物を調達してくる、と一旦離れた。
上条は引きとめようか迷い、人ごみに消えた彼女にため息を漏らす。

上条「…迷子になったりしねーよな…」

呟いた上条。
ふと、隣から子供の声が届いた。

打ち止め「あっ、ヒーローさーん、ってミサカはミサカはとっつげきー!」

高くて可愛らしい少女の声。
唐突に抱きつかれ、バランスを崩した上条は座っていたベンチへ倒れる。

上条「えーっと、…打ち止めだっけ?」

次いで上条が視線をやると、そこには二人の超能力者の姿。
一人はまったく知らない相手。もう一人は。

上条「げっ、一方通行」

一方通行「>>541
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 20:42:27.34 ID:3nPUqXzq0
……げってなンだよ。げって……
あー傷ついた慰めてくれ打ち止めか垣根くゥン
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 20:50:15.62 ID:wX6kreySO
オマエか………あン時以来だな。

言っとくが、決着はまだついてねェからな?オマエが不意討ちの上に執拗に千年殺ししてこなきゃ俺が絶対勝ってたからな


…ところでよォ、ツレとはぐれちまって、俺迷子なンだが…迷子センターに連れて行ってくンねーか?園内放送で呼び出して欲しいンだよ…
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 20:50:53.95 ID:wX6kreySO
やべ安価↓で
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 20:57:27.32 ID:cp2PDmoh0
>>540

544 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 21:07:48.96 ID:+Fc8payj0

一方通行「……げってなンだよ。げって……あー傷ついた、慰めてくれ打ち止めか垣根くゥン」

打ち止め「はいはい慰めますーってミサカはミサカは立候補してみたりーっ!!」

ぴしっ、と手を上げた後、上条から離れて一方通行に全身で懐く打ち止め。
そんな二人の様子に視線をやり、垣根は小さく笑った。
上条は垣根を見やり、軽く頭を下げる。
対して、垣根は上条を『幻想殺し』と認識した上で、微笑んだ。

垣根「どうも」

上条「あ、…あぁ、どうも」

一方通行と仲良くなることが今の目的。
なので、垣根は上条の存在にはあまり頓着しない。
と、調度そこへオフィーリアが戻ってきた。
彼女は打ち止めと一方通行、垣根を見、最後に上条を視界に捉えると、冷たいペットボトルを差し出す。
上条はありがとうと言ってそれを受け取った。
一方通行は彼女の姿を捉え、言葉をかけようか悩む。
そんな一方通行の様子に気がつき、上条は珍しく鋭い質問を投げかけた。

上条「一方通行と知り合いなのか?」

下手なことを言われないように、と、オフィーリアよりも先に一方通行が先手を打った。

一方通行「>>546
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 21:12:48.39 ID:+8v5Z6GVo
ちょっと世話ンなったンだよ


そうかあの時オマエらが似てると思ったのは…… ボソボソ
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 21:14:33.34 ID:ZS4bG9rU0
友達だァ
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 21:14:46.46 ID:/43+2Gx+0
命の恩人だ。(社会的な意味で)
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 21:16:15.53 ID:wX6kreySO
この間はどォも。コイツがはぐれちまった時、一緒に探してくれなきゃ今でも迷子だったかもしれねェな本当にありがとォオ!

後ちょっと聞きてェンだが……

…バラしてねェよな?懺悔も、アレも…ヒソヒソ
549 :小ネタ:帰還 ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/06(木) 22:07:31.10 ID:zD6+Wg0AO

上条「晴れて退院許可も出たし、帰るか」

フィアンマ「そうだな」ひょい

上条「」オヒメサマダッコー

街の人「……」ちらっ

上条「」

フィアンマ「…右手が直接触れると跳べん。こう、胸の前で可憐に指折り組め」

上条「可憐にって指定いらなかったよね!?」


フィアンマ「…お、…俺様は、当麻が…その、…ヒロインでも、一向に構わん…」

上条「照れるところじゃねえし意味わかんねえよ!」

フィアンマ「…仕方がない」

上条「何だよ」

フィアンマ「…目を閉じろ」

上条「え…」どきどき

フィアンマ「…」腹パン

上条「おごふ」ぐたっ


フィアンマ「…」よいしょ

上条「…なん…で…」タワラカツギー

フィアンマ「この担ぎ方で意識があると苦しいからな…おやすみ」

上条「うぐ………っうう」きゅう




フィアンマ「…到着」ふー

上条「ん…」ぱち

フィアンマ「…」おろしおろし

上条「…オフィーリアちゃん?」むにーっ

フィアンマ「い、いひゃいいひゃい、当麻いひゃい、ほ、ほっぺたはいひゃい…ッ!」じたばた

550 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 22:32:08.57 ID:i8GLCAPb0

一方通行「友達だァ」

そォだよな? とばかりの、同意を求める視線を向けられ。
オフィーリアは聖女のような優しい笑みを浮かべた。

フィアンマ「あぁ、友人だとも」

どこか親しげな様子にほんの少しだけ嫉妬を覚えながら、上条は「そっか」と引き下がる。
一方通行は思い出したようにひそひそと言う。

一方通行「…ンじゃ、行くか」

打ち止めの背中をぽんぽんと触り、垣根を連れて一方通行は踵を返す。
彼等が次に目指すはダンジョン形式のアミューズメント。
やがて去っていく三人を見やった後、上条はペットボトルをオフィーリアに返す。
彼女は半分程残っていた中身を飲み干して空のペットボトルを捨てる。
そして軽く不機嫌な上条の様子を眺め、首を傾げた。
七つの大罪に『嫉妬』が含まれている為、彼女にはあまりやきもちという発想が無い。

フィアンマ「…やや不機嫌なように見えるが、疲れたのか?」

上条「>>552
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 22:36:10.45 ID:wX6kreySO
…ぶぅえっっっつぬぃぃ?

なぁ、アイツとそんなに仲いいのかよ?
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 22:47:13.86 ID:oEEMJKRG0
一方通行と仲良さそうだなーってイライラ
553 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/06(木) 23:00:50.30 ID:i8GLCAPb0

上条「一方通行と仲良さそうだなー、って」

イライラとした様子で上条は言う。
実に素直な発言に、オフィーリアは不思議そうな顔をする。
自分があまり妬かないので、感覚が掴めないらしい。
むすっとした上条に対し、オフィーリアはどうしようかと考え込む。

上条「別にただそれだけだし、不機嫌なんかじゃない」

言う割にむくれている…ように、見える。
少々子供っぽいが、嫉妬は嫉妬。
オフィーリアはだいぶ悩んだ後、上条の隣に座った。
そして彼の右手をそっと撫で、口を近づけ、頬に口付ける。
軽い、挨拶程度の口付け。彼女の顔は、赤い。
ここまでしていても恋人関係ではないというのが驚きである。

フィアンマ「…………そんなに仲良くも無いよ」

上条「…、」

フィアンマ「……当麻」

上条「>>555
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 23:02:43.94 ID:wX6kreySO
…ちょっと仲いいくらいで、あの一方通行が出会い頭に「友達だ」なんて言うわけないと思うんだけどなー?
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 23:39:57.17 ID:qeo9t51X0
別に…怒ってないし
556 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 00:00:58.90 ID:7TTEzprx0

上条「別に…怒ってないし」

ぷい。
そっぽを向く上条。
先ほどと違って不機嫌ではないものの、拗ねたようだ。
先に謝られてしまったので、喧嘩に持ち込めなかったというのもある。
オフィーリアは上条の手を握り、くっつく。
拗ねた様子の上条にくっついたまま、オフィーリアは徐々に抱擁へとシフトする。
公衆の面前でもハグは恥ずかしくないのか、彼女はぎゅーっと上条を抱きしめた。

上条「……」

ちら、と上条はオフィーリアを見やる。
彼女は美しく整った顔を柔らかく緩ませ、幸せそうに自分を抱きしめている。
周囲にとっては、不機嫌になった彼氏のご機嫌取りに抱きつく彼女が、或いはいちゃついているただのバカップルにしか思えない。
とはいえ、ここは遊園地。嫌な顔をする人間は居ない。
しかし、人目を集めることには変わりなく、上条はだんだんと恥ずかしくなってきたことを認識した。






上条はどうする?>>+2
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 00:05:28.84 ID:bjo2jX2SO
自分も抱き返して頭撫でる
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 00:08:17.15 ID:v6ZJabIW0
>>557

559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 00:09:37.57 ID:WymW1h6no
顔見られないように抱き返して顔隠す
560 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 00:37:45.51 ID:7TTEzprx0

自分が何もしていないから恥ずかしいのだ、と自分の中で結論づけて。
上条はそっと彼女の身体を抱きしめ返すと、優しく頭を撫でた。
度重なるスキンシップと、その向こうに透ける好意に、嫉妬はだいぶ薄れた。
元より、彼女を振り回したくて妬いていた訳ではないのだから。
遊園地という夢の空間でありながらも、しかし衆人環視の中、上条とオフィーリアはでれでれと抱擁したまま時間を過ごすのだった。
もはや彼等にとってはそれが日常な為、気にかけるまでもないのかもしれない。
幸いだったことは、彼を好いているどこかのクローンやどこかの女子中学生がその光景を目撃しなかったことだろう。





一方。
好きなだけアトラクションを遊び回った垣根達は、休憩をとっていた。
打ち止めは甘いパンケーキをもぐもぐと頬張り。
時々ジャムが付着して汚れる彼女の口を、一方通行が乱暴に拭く。
わぷわぷとする打ち止めは年齢に応じた様子で、愛らしい。
子供好きか嫌いかでいえば割と前者にあたる垣根はのどかに表情を和ませていた。
共有感覚が多かったからだろう、だいぶ打ち解けた気がした。

垣根「小さく切って食った方が汚さねぇぞ」

打ち止め「気をつけていても溢れてしまうのだ、とミサカはミサカは困惑してみる」

一方通行「手元見ないで食ってるからだろォが」

はー、と呆れたようにため息を吐き出す学園都市最強は、それでいて幸せそうだった。

垣根「…そういやお前、遊園地行った経験あった訳?」

ちら、と垣根が視線をやる。
赤い瞳はしばし思考を表現し、答える。

一方通行「>>562







《今日は寝ます。お疲れ様でした》
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 00:42:09.29 ID:WymW1h6no
おつ、下
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 00:45:17.31 ID:kKFJRU620
初体験だなァ…
初体験を垣根くンに捧げちまった訳か…
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 00:45:38.06 ID:bjo2jX2SO
乙。
安価なら、


……昔、まだ木原の研究所にいた時、一回だけ連れてこられた事がある。

…俺の手握って乱暴に引っ張りながら、色々連れ回されたっけなァ…

当時、あの野郎はまだ研究者駆け出しだったはずだから、はした金しかなかったくせによ、自腹でわざわざ風船やらソフトクリームとか俺に買い与えてよ(笑)…
564 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 18:44:04.00 ID:JGQqYxtZ0
《地震がありましたが、皆様大丈夫ですか》


一方通行「初体験だなァ…。初体験を垣根くンに捧げちまった訳か…」

しんみり。
そんな四文字が似合う表情で、しみじみと一方通行は言った。
初体験、というどこか淫靡な響きだが、垣根としては何とも言えない。
相手が普通の可愛い女の子であればまだしも、学園都市最強をこのネタで揶揄する気にはなれない。
それを除いても、まだそれ程親しくない時点で下ネタを言ってしまうのはよろしくない。

なので。

垣根「俺も来たのは初めてだ。初めて同士だな」

そんな事を言いながら、垣根はのどかな笑みを浮かべた。
まるで、何の邪気もなく、人と触れ合う心地良さに浸るかのように。
一方通行も知らず知らず表情が和む。
彼にしては珍しく、和らいだ様子だった。
二人の様子を交互に見て、打ち止めは機嫌の良さそうに満面の笑みを浮かべる。

打ち止め(このまま所謂親友ってやつになれたらいいね、ってミサカはミサカは密かに応援してみたり!)





十月半ば。
とはいえ、まだ十日と少しといったところか。
一方通行は、緊張していた。
誰かをぶん殴ることに、ではない。そういったことはむしろ、割とテンション高くやっていける。
むしろ、その逆。そう、仲直り…のようなもの。
木原数多の入院している病室の前で、彼は杖をついた状態でどう入るか迷っていたのだった。
黄泉川にそれとなく頼み、今、彼の隣に打ち止めは居ない。

一方通行「……」

垣根帝督という少年と友達になった。
優しい時間にほんの少し慣れた今なら、和解などという生暖かい接触を出来そうな、気が、する。
しかし、あれだけ罵倒しあってしまった。今更修正など利くのだろうか。

一方通行「…案ずるより、産むが易し…って言うしな…」

大体、この程度で躊躇していては、これから先楽しく生きていけない。
数々の暗部で過ごしてきて、今も暗部組織に所属している一方通行だが、打ち止め達と暮らしている今、少しでも、温かな感情で胸を満たしたかった。

ガラガラ、とドアを開ける。
木原数多と目が合う。
気まずい。ぶっちゃけた話、昔々に大喧嘩をし、0930事件での再会だったのだ。
緊迫した空気の中、一方通行は言う。

一方通行「>>566
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 19:34:38.48 ID:LUSE7LUFo
救世軍の者だァ
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 19:36:48.69 ID:LUSE7LUFo
567 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 19:48:26.49 ID:JGQqYxtZ0

一方通行「救世軍の者だァ」

どこぞの聖職者と同じ台詞を言って、謎のドヤ顔を披露する一方通行。
別にこちらが謝ることではないし、あちらに謝って欲しい訳でもない。
咄嗟に出てきた言葉がこれだったのだが、木原数多は実に拍子抜け。

数多「はー、何だそりゃ。つまんねえ新手のギャグか」

一方通行「うるせェ」

あのシスターの味方は皆救世軍といってもいいような。
そんなことを思いながら、一方通行は無遠慮にパイプ椅子を組み立てる。
うまく言葉が出てこないが、暴言の応酬にならなければ良い、とうっすら願いつつ。

ベッド脇の椅子に腰掛けた一方通行は言葉に迷い、ひとつのものを差し出す。
そう、お見舞い品である。






見舞い品(食べ物)>>+2
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 19:57:02.22 ID:bjo2jX2SO
地震なんてあったのか…

木原くンの読まなくてもいい紹介がないなー

安価↓
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 20:00:05.52 ID:g0shzu/B0
無難にフルーツバスケット
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 20:01:29.72 ID:g0shzu/B0
あのフルーツが籠に入ったやつね
571 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 20:14:55.40 ID:JGQqYxtZ0
>>568様 ちょっと書いてみます >>570様 あれ美味しそうですよね。スーパー等にありますが…あれの為に入院したいです》


彼が購入して来たのは、見舞い品として定番のフルーツバスケット。
林檎、葡萄、キウイ、メロンなどといった彩が良く甘い果物が盛ってある籠だ。
ご贈答用の一品で、お値段もそれなりにする上等品。
しかし、一方通行にとって物の値段などあって無いようなものなのかもしれない。
あれだけ手酷く殴って、大切な少女を捕え、殺そうとしてきた相手に。

入院や治療の手配、それに関する一切の費用の負担、果てには高価な見舞い品。
普通ならありえないことだ。常識的に考えれば、頭がおかしいとしか思えない。
木原数多は見舞い品を置いておく為の場所に置かれたフルーツバスケットに、眉を潜める。

だが、思い起こせば、一方通行とは、XXXXXとは、そんな子供だったかもしれない。


『きはらくン、しょうがくきンはいったからすいかかってあげる』
『ガキから恵まれて喜ぶような乞食根性は、生憎実装してねえよ。そもそも、ションベン臭ぇガキの手垢ついた札で物買われても気分悪いだけだ』
『えー…おれすいかくいたかったンだけど』
『勝手に買って勝手に食え』
『…ふふン。ってことはがいしゅつきょはくれるンだな』
『見張りはするがな。お前みたいな野生動物放っておくと厄介なことになるしよ』
『きはらくンにめいわくかけねェもン、ちゃンとふつうにかいものするもン』
『どうだかな』

そして、そんな子供を守る為に、そもそも自分は、暗部へ身を堕したのかもしれない。
いつの間にか見失っていたし、失望もしていた、が。
この子供は、身体だけ大きくなっても、何だかんだで自分に懐いていた、あのクソガキの頃と大差無いのかもしれない。

数多「……」

一方通行「…別に何も考えちゃいねェが。……見舞いに見舞い品無しってのも、常識に欠けるしさァ」

言い訳のような言葉使い。
対して。

数多「>>573
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 20:40:03.05 ID:SnBNw2sIO
メロン(実は木原印)
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 20:41:07.86 ID:bjo2jX2SO
はぁー…。バカかテメェ。
自分の身内に手ェ出されて、殺りあった仲の敵をわざわざ助けて、見舞いにくる時点で、ソイツに常識なんざあるわけねぇだろォが。
前々から思っちゃいたが、そんなオヤサシー心持ってるとか、やっぱテメェ頭のネジぶっ飛んでんじゃねーのか?

あ?あー、あれか?そん中に爆弾か毒か麻薬でも入ってんのか?テメェ随分コテコテな手使いやがるなぁおい?
わざわざ俺の好物買ってくる辺りが腹立つわー。頭でも撫でて欲しいのか?ああ?
574 :読まなくてもいい? キャラ紹介3 [saga]:2012/12/07(金) 21:29:09.48 ID:di5rTdGU0

○木原数多

一人称は『俺』。
学園都市の研究者の一部では有名な、『木原一族』の科学者。
かつて一方通行を直接開発、研究していた。
しかし、"とある出来事"以降、一方通行とは離れ離れに。
最後にくだらない理由で大喧嘩してから和解出来ずに離れたことを気に病んでいた。
顔の左側に刺青をしている。
暗部組織『猟犬部隊』、その中でも上の地位にいた為、アレイスターから直接指令を受けていた。
現在は一方通行の活躍によって、まったくもってフリー。
人道的な方面から一方通行を再開発しても良いかもしれないな、とうっすら考えている。

一方通行(=XXXXX)を遠まわしにでも守る為に暗部へ身を堕した経歴を持つ。
だが、『絶対能力進化(レベル6シフト)』計画に一方通行が参加したと聞き、やや幻滅。
正確には、そこまで見境の無くなった彼に絶望し、以降、殺して楽にしてやろうと考えていた。

無能化した一方通行に敗退したのは、木原の理論が『自身が開発したデータ』や『性格・行動原理』などを元に組まれた、『対最強の能力者』専用のものだったことに起因する。

目一杯科学と才能に愛されている男性。
口は悪く暴力的なものの、元は穏和なインテリ。
"とある出来事"について調べており、その詳細を知った瞬間から木原病理を憎んでいる。

家事が壊滅的。
常識はあるものの、それを上回る非常識な振る舞いをする時がある。
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 21:29:17.40 ID:3BLWB+fAO
+
576 :読まなくてもいい? キャラ紹介3 [saga]:2012/12/07(金) 21:30:07.07 ID:di5rTdGU0

○木原病理

一人称は『私』『病理ちゃん』。
学園都市の暗部に君臨する『木原一族』の一人。
普段はパジャマを着て車椅子に乗っている女性。
絶望に満ちた瞳をしており、その悪意は優しげな口調でさえ滲む。
かつて垣根帝督(=『未元物質』)を直接開発、研究していた。
その為、『未元物質への戦闘』に対しては絶大なる強さを誇る。

敵対勢力の様々な試みに干渉して挫折させ、秩序を守ることを得意分野とする『諦め』のプロフェッショナル。
彼女自身も『他人を諦めさせるというスタイル』以外の様々なものを諦めてきた。
幼少期から脚が動かず、また女性であった為、研究において様々な差別を受けた。
元は繊細な女性であった為に差別に対して深く傷つき、やがて人格すら歪んでいった。
自分らしく生きることさえやや諦めている節があり、全てに諦念と絶望を抱いている。

垣根帝督の実の母親。
しかし彼を産んだのは研究する為であり、心底から愛しているかどうかは不明。
"とある出来事"を起こした本人であり、一方通行や木原数多、垣根帝督が絶望、暗部に堕ち"諦め"た姿を優雅に愉しんでいた。

車椅子生活だが、家事が得意。
常識が少し抜けている部分があり、どこか天然な雰囲気を醸し出している。
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 21:30:08.60 ID:3BLWB+fAO
+
578 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 21:30:13.45 ID:di5rTdGU0
>>571 ×がいしゅつきょ ○がいしゅつきょか》


数多「はぁー…。バカかテメェ」

一方通行が、この見舞い品を買う時に何度も自問自答した言葉だった。

数多「自分の身内に手ェ出されて、殺りあった仲の敵をわざわざ助けて、見舞いにくる時点で、ソイツに常識なんざあるわけねぇだろォが」

嘲るような声。
以前の自分であったなら、嘲笑と共に同意していたことだろう。
今、自分が行っていることが聖者気取りで気味が悪いと思うことは、ある。

数多「前々から思っちゃいたが、そんなオヤサシー心持ってるとか、やっぱテメェ頭のネジぶっ飛んでんじゃねーのか?」

一方通行(…そォかもな。否定は出来ねェ。出来る訳がねえ)

確かに、自分はおかしくなったかもしれない。
宗教臭い言動に感化され、彼女に言われるまま、綺麗事を突き通している自分は、変だ。
でも、以前の自分の方が、もっと最低だったはずだ。今の方が、まだマシであるはずだ。

『もう、一人のミサカだって死んでやることは出来ない』
『俺の最弱は、ちっとばっかし響くぞ!』
『努力が実を結ぶことは夢物語に過ぎないが、どんな綺麗事だったとしても、突き通せば信念になる』

それでも、彼女の説教を元に自分が組み上げた幻想を、崩したくない。
この優しい幻想だけは、あの無能力者の右手にも、世界中の悪意にも、壊させはしない。

数多「あ? あー、あれか? そん中に爆弾か毒か麻薬でも入ってんのか? テメェ随分コテコテな手使いやがるなぁおい?」

一方通行「そンな古風<アナログ>な手を使う発想が出る時点で、やっぱりオマエはおっさンだなァ」

はン、と鼻で笑うが、そこに悪意は無い。揶揄の感情はあれども。

数多「俺がおっさんならテメェはガキのクソガキの乳臭いアホって事だな、オイ。傑作だ。…わざわざ俺の好物買ってくる辺りが腹立つわー。頭でも撫でて欲しいのか? ああ?」

一方通行「気持ち悪りィ事言ってンじゃねェよ、バァァカ」

互いを傷つける為の罵倒し合いではない。言うなれば、確認のようなもの。
つくづく似てしまったものだ、と思いながら、一方通行は立ち上がる。
そろそろお昼時なので、一度家へ戻り、食事に出た方が良いだろう。

一方通行「疑って食わねェのは勝手だが、腐った果物の臭いってなァ、案外キツいぜ?」

数多「それ位知ってるっての。さっさとどっか行っちまえ」

しっしっ、と手を動かされるまま、一方通行は病室から出る。
後ろ手でドアを閉め、てくてくと歩き始めた。
目指すは、暖かくて、バカバカしくて、あまりにも優しすぎる、空間。





上条当麻は少し困っていた。
オフィーリアが何やら口をきいてくれない。
どこか軽蔑されているような気がする。

上条(…土御門とか青ピとしてた猥談、聞かれたのか…?)

ロリ巨乳にサンタコス最強、などという話をしていたのだが。
それが原因だろうか、と上条は隣で鞄にペンケース等をしまって帰る準備をしているオフィーリアを見やる。
やっぱり、少し怒っている。むすくれている。拗ねているのかもしれない。





上条はどうする?>>+2
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 21:35:23.01 ID:bjo2jX2SO
ksk
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 21:38:47.60 ID:co7/+S4i0
そのまま帰るフリをして様子見
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 21:41:40.51 ID:bjo2jX2SO
垣根くンのおかんが…マジか
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 21:42:30.24 ID:co7/+S4i0
>>581

583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 21:46:01.62 ID:bjo2jX2SO
>>582

>>576
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 21:54:05.92 ID:co7/+S4i0
>>583

おお!
585 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 21:56:08.14 ID:di5rTdGU0
>>581様 しかし受精卵の細胞データレベルで研究・調整・人工受精して産んだ子なので、これが父親、と呼べる人間は居ません》


上条「……」

いつもなら、オフィーリアの帰り準備が済むまで待っているのだが。
今回hじゃ様子見をしたい為、一旦教室を出ることにする。
教室には何人かの女子が残っており、オフィーリアは帰ろうとしたものの、魔の女子会へと組み込まれた。
上条は息を殺し、身を隠し、静かに会話を聞いてみる。

吹寄「…そういえば、オフィーリアさんはアイツと、つ、付き合っている訳ではないの?」

フェリーチェという名前からオフィーリアという名前に変わっても、とある高校は、上条の在籍するクラスはのんびりと受け入れた。
元々、能力名で人を呼ぶ事にだって抵抗の無い人間達ばかりが居るのだ、この学園都市は。
肝心なのは名前ではなく、性格や能力である。
また、現在オフィーリアはフードを身につけなくなったので、何か心境の変化があったのだと悟ってくれたのかもしれない。

フィアンマ「…別にそういった間柄ではないが」

姫神「私は。てっきり付き合っているのかと」

フィアンマ「…そもそも、当麻にそんな意思は無いだろう」

上条「………」

寂しそうな声。
それでいて、それが一番だと言わんばかりの声。

女子「そうかな。何か、コクったらいけそうな感じするけど」

このクラスの女子は大概『上条属性』ではあるが、それは必ずしも恋愛的好意とは限らない。
いいやつだから幸せになって欲しい、と思う女子も結構多い。
勿論、それはオフィーリアに対しても同義。

フィアンマ「……、…当麻は巨乳が好きだろうから…俺様では、ダメだと思う」

のぞき見た先、オフィーリアは自分で自分の薄い薄い胸板をぺたんと触っていた。
怒っていたというよりも、どうやら落ち込んでいるようだ。
というより、何故自分が巨乳が好みだとして、落ち込む必要があるのだろう?
上条は首を傾げるが、わからない。


話が逸れた為、上条はその場から去り、昇降口でオフィーリアを待った。
階段を下りてきた彼女は上条を見やり、機嫌が直ったとでもいうようににこりと笑む。

フィアンマ「何だ、待っていてくれたのか。先に帰っても構わなかったというのに」

上条「>>587
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 22:00:00.51 ID:bjo2jX2SO
…………飲むか?つムサシノ
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 22:00:53.53 ID:co7/+S4i0
俺はオフィーリアのおっぱい好きだぜ!(o^-')b
588 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 22:12:30.69 ID:di5rTdGU0

上条「俺は、オフィーリアのおっぱい好きだぜ!」

片目を閉じ、親指を立ててのフォロー。

時に、上条当麻は非常にモテる。
そして、無意識に女性を傷つけることが多々ある。
善意が空回りすることなどしょっちゅうで、御坂美琴が実は上条とのデートを楽しんでいたことに気付かずに「お前って罰ゲームとか大好きな陰険さんなの?」と言ってしまった結果、雷撃の槍を投げられる程に。
今回のパターンも、それにあたる。
彼はただ、自分の胸に自信の無い、そして大切な女の子に、元気を出してもらいたかったのだ。
そして、その理由が、自分が貧乳が好きでないと思い込んでいることであるならば、言った方が良い。
好かれていないと卑下する場所をしっかりと褒めれば、きっと笑ってくれる。

そんな訳で、彼は爽やかな笑顔と共に爆弾発言を投下した訳だが。
言われた方の女子としては、たまったものではない。
もっと、こう、オブラートに包んだ言い方をすれば良かったのかもしれない。
『巨乳より貧乳派なんだ』だとか、『女の子を好きになる時におっぱいは重要視しないタイプなんだ』だとか。

にこりと笑んだままの彼女の口から、呪詛のように低い言葉が紡がれる。

フィアンマ「……神よ。大罪を犯すこと、お許しください」

上条が、彼女の笑顔が貼り付いていると気がついた時には、もう遅かった。
一歩踏み込まれ、自分の間合いにはいられたと思った瞬間、鳩尾に強烈な一撃。
まともにパンチの入った上条は、「な、何で…」と呻きながらしゃがみこんだ。
ちなみに今回、彼女が犯した大罪とは、当然『憤怒』である。

フィアンマ「………当麻、立てるか?」

上条「ぅ、ぐ…な、なん…なんで、殴られたんですか、上条さん…」

フィアンマ「>>590
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 22:13:30.12 ID:bjo2jX2SO
当然の結果ですの
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 22:38:58.57 ID:rk9+YEijo
自分で考えろっ!///
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 22:52:01.83 ID:qv2CJlaDO
>>590

素晴らしい、この場合ベストな回答だ
592 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 22:56:33.31 ID:di5rTdGU0

フィアンマ「自分で考えろっ!」

顔を赤くしてそう言いながらも、立ち上がらせる為に手は差し伸べる。
好きだからこそ、その好きな相手にムカつくことを言われると応えるのだ。
嫌いな人間から言われれば、怒りよりも先に冷酷さが目立ってしまう。
自分で考えろと言われた上条は、女心はやっぱりわからない、と思いながら、上条は差し出された手を握って立ち上がる。
そしてオフィーリアが上履きを履き替えるまで待った後、一緒に学校を出た。
まだ少しむすくれながらも、オフィーリアは繋がれた手にうっすらと微笑む。

今更ながら不便さを思い出した上条は、彼女を連れて地下街へやって来た。
ゲーセンやカラオケなどもある、オフィーリアとは一度来たことがある、あの場所だ。
御坂美琴とペア契約をした携帯だが、そろそろボロになってきたのだ。
本当はもっともっと長く使うつもりだったのだが、壊れてしまうと困ってしまう。

上条(ま、ペア契約特典のゲコ太…だっけ、とにかく、ストラップはもらってたし、もう良いだろ)

罰ゲームなどもうとっくに終わっているし、時効時効。
ストラップさえ継続してつけていれば、多分文句も出ないだろう。
でも、ハンディアンテナサービスは加入継続しておいた方が良いかもしれない。
そんな事を思いながら、上条は彼女を連れて携帯ショップへ入る。

キャンペーンは形を変えて継続したいたらしい。
ストラップの特典は無いものの、ペア契約をすると月々の携帯料金が七割になるのだとか。つまり、三割引きだ。
二人分の携帯料金というと、そこそこに大きい。上条はオフィーリアの分も払うつもりなのだから、当然、安い方が良い。
携帯の機種に関してはこだわらず、耐久性に優れた、赤と黒の、シンプルな携帯電話。

店員「では、プリクラでも、写メでも、お写真でも、お二人がペアだと証明出来るものをお願いします」

のんびりと言う店員に手続きを任せ、上条とオフィーリアは一旦店から出た。

フィアンマ「…で、ペア写真というものはどうすれば良いんだ」

上条「まだ動いてるから、俺の携帯で撮影すればいいんだと思う」

フィアンマ「…どういうポーズをとればいいんだ」

上条は迷いながら、ひとまず携帯電話を取り出す。
ペアということは、仲良し、ということを証明出来そうな、くっついた状態の写真が望ましい。
少なくとも御坂美琴と撮影した時はそうだった、とデジャヴを覚えながら、上条はカメラの逆光補正などの設定を終える。
抱きつく、ほっぺたにキスをしてもらう…色々と、候補はある。

上条「>>594
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 22:59:40.94 ID:J/oVyE8n0
ジョジョ立ち
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 23:01:17.88 ID:kKFJRU620
キス
595 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 23:18:41.62 ID:di5rTdGU0
>>592 ×したいた ○していた》

上条「キス」

フィアンマ「…キ、」

上条「…ほら、…その、……仲良しですよー、ってのをアピールするから…」

恋人的な感じを出したい、とごにょごにょ言う上条。
オフィーリアは顔を真っ赤にして固まる。
先程までの拗ねも怒りも、あまりのインパクトに吹っ飛んでしまった。
彼女はしばらく悩み、迷い、黙った後、こくんと頷く。
慈愛の精神でいれば、人類愛を胸に抱いていれば、どのような要求にだって平然と応えられるはず。

上条「えっと、…こ…の角度なら、撮れるな」

携帯を持った左腕を上げ、画面を確認して、上条は頷く。
自分から提案したことではあるが、彼の顔も真っ赤だった。
まだ恋人関係へ至る為の正式な告白はしていないが、彼はオフィーリアの事が好きである。
それはもう、彼女とちょっと仲良しな雰囲気を醸し出した一方通行へ、嫉妬してしまう程に。
上条に近寄り、緊張しながら、オフィーリアは目を瞑る。
唇同士のキスなど、今までしたことは無かった。そう、お互いに。

上条「よ、…よし、いきますよ…」

心臓がバクバクと脈打つのを感じながら、上条は顔を近づけていく。
二センチ程彼女の身長が高い為、顔を上に上げる形で。
同じシャンプーを使っている筈なのだが、良い匂いがする。

ちゅ、と唇が重なると同時に、上条は忘れず、左手親指で携帯電話の決定ボタンを押して、シャッターを切った。
携帯画面に映るのは、赤面しながらも初々しくキスをするカップルの顔である。

上条はしっかりと保存をした後、携帯をしまう。
目の前の学校指定冬服セーラー少女はというと、顔を真っ赤にしたまま俯いていた。
細い指は落ち着き無く、胸元の白いリボンをいじっている。
もう片手は、規定通りのまま、短くする為に折る事をしていない、膝までを隠す紺色スカートを握っている。

上条「…、…い、…嫌だった、か…?」

フィアンマ「…>>597
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 23:19:50.65 ID:bjo2jX2SO
ああ
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 23:21:34.39 ID:kKFJRU620
嫌ならキスなんてしない
598 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 23:37:55.68 ID:di5rTdGU0

フィアンマ「…嫌なら、キスなんてしない」

生憎、人類愛では受けいれられなかったが。
故に、羞恥が先行して顔を上げられない。
そんな彼女を、大丈夫だろうか、と心配しつつ、上条は良かった、とふにゃっとした笑みを浮かべた。

フィアンマ「…そ、……そんな事より、写真を撮影し終えたのであれば、契約をしに戻った方が良いんじゃないか」

上条「あぁ、そうだな」

照れつつも機嫌の良い上条は彼女を招いてショップの中へと戻る。
契約を終了して貰ったのは、先程の写真で作られた写真立て風充電器と、携帯電話二台。
これは家に置いておくと恥ずかしがるかな、と思いながら、上条はオフィーリアを見やる。
彼女は喫茶店やら何やらに目を奪われているようだ。

フィアンマ「少し見て回ってきても良いか」

上条「良いけど、長いのか?」

フィアンマ「あぁ。別についてくる必要は無い」

そう言うと、彼女は一歩踏み出した。
斜線に障害物が存在しない限り、彼女はどこまでも行ける。
迷子になるなよ、と心配に思いながら、上条はどこかで休憩しようか、と振り向いた。

 第三位の超電磁砲
可愛い可愛い女子中学生が、恐ろしい程ばちんばちんと電撃を鳴らし、こちらを見ていた。




美琴「…あの人、親戚って言ってなかったっけ? キスってどういうことよ。それも公衆の面前で。公然わいせつよ、公然わいせつ!」

どうやら先程のキス&写真撮影を見ていたらしい。
それで、どうして怒っているのか、上条にはさっぱりだった。
しかし、今日の彼は一度既にオフィーリアに『何で怒ってるの』と聞いてそっぽを向かれたので、聞かない。

美琴「……も、もしかして恋人だなんて言うんじゃないでしょうね! くっ、口にしてたし、その、し、親戚なら近親相姦よ? わかってんの?」

現在地、そこそこに騒がしい地下街のカフェ。
御坂美琴の前には上品なロイヤルミルクティー、上条の前には一番安いコーヒー。
上条はマイペースにゲコ太ストラップを新調した携帯に付け替えながら答える。

上条「>>600
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 23:40:16.12 ID:kKFJRU620
御坂、親戚つってもないとこからは結婚できるんだぞ?
日本の某元首相の奥さんだっていとこだったじゃないか
だから問題はない。以上
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 23:42:10.01 ID:bjo2jX2SO
落ち着け。公衆の面前でキスしても公然猥褻にはならんし、例え親戚でも3等親以上離れてれば法的には問題ない。子作りしても生まれる子供に影響はないしな
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 23:46:30.00 ID:kKFJRU620
近親相姦はハマると抜け出せなくなるんだってね
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 23:47:48.97 ID:bjo2jX2SO
訂正。そういや等親じゃなくて親等、だった
603 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/07(金) 23:58:53.89 ID:di5rTdGU0
>>601様 中毒性があるのでしょうか》


上条「落ち着け。公衆の面前でキスしても公然猥褻にはならんし、例え親戚でも3親等以上離れていれば法的には問題ない。子作りしても生まれる子供に影響はないしな」

勿論嘘だが、上条は以前、彼女のことをものすごく遠い親戚(?)として紹介した。
混乱した美琴は、どうやら親戚であると受け取ったようだが。
そして、それが真実であっても、確かに離れていれば結婚は出来る。
また、そこまで血が薄まっていれば、子を為しても子供の障害の有無は通常ケースの子作りの場合と変わらなくなる。
そして公衆の面前でやってはいけない、公然わいせつでしょっぴかれるのは大体が性的行為で、唇へのキスはスキンシップと形容しても良い程にまったくもって問題は無い。
御坂美琴が反応したのは、その辺の正論ではなかった。
女子中学生らしいというか何というか、後半の文句に反応するのである。

美琴「こっ、ここっ、こ、」

上条「? 何だよ、急にニワトリの鳴き真似なんかして」

ゲコ太のストラップを付け終わり、初期設定をすべくかちかちといじる。
データは全て移し終わっていて、残るは画面設定や着信音設定位のものだ。
待ち受けは何しよう、と首を傾げ、今はいいか、と上条はデータの確認を終えた後、携帯をしまう。

美琴「こづっ、子作りって、え?」

上条「…いや、別に今すぐにって話じゃないぞ?」

オフィーリアとエロいことをしたいかしたくないかといえば前者ではあるが、別に今の年齢で子供が欲しいとは思わない。
『好き』の意味が合致するまで仲良く暮らし、真面目に告白し、恋人になり、しばらく経った後、結婚する。
そして結婚した後、貯金の具合などを見ながら子供を作り、もし彼女が本気で拒絶しない限りは産んで欲しい。
女の子なら綺麗好きで、男の子なら勇敢な子…とうっすら希望はあるも、正直、健康なら別に何でもいい。
仮に頭が悪くてもそれは自分の遺伝だろうし、オカルト趣味にハマってしまえば、それは多分彼女の遺伝だ。

上条(…でも、可愛いだろうな)

知らず知らず、上条の表情は夢見がちに和む。
遺伝で考えて、形質的に考慮すれば、多分自分に似ることだろう。
何にせよ可愛くて笑顔が似合うだろうな、と夢想する上条。
そんな愛らしい子供と、彼女と、楽しく食卓を囲めたとしたら、これまでの不幸な人生全てとプラマイゼロになるような気がする。
それくらい、きっと、幸せに違い無い。

美琴「…も、もしかして…婚約者とか、そういう…?」

だいぶショックを受けながら、美琴は問いかける。
上条は一旦空想をやめ、安っぽいコーヒーを飲んだ後、やっぱりマイペースに答える。

上条「>>605

604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:00:32.94 ID:nzdpXJqx0
将来を約束した仲だキリッ
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:05:39.63 ID:C/14dsLSO
そういう約束とかはしてないけどなー…

あ゙ーコーヒーうまっ。いい豆使ってんな……

え、そんだけ?っつーか何でそんなに気にすんだよ?『あんたの事が好きだから、あの女との関係が気になるの〜』とか?ハハッ
606 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 00:19:29.85 ID:WP/qOBqy0

上条「そういう約束とかはしてないけどなー…。あ゙ー、コーヒーうまっ。いい豆使ってんな……」

正直コーヒーに精通している訳ではないのだが、そんな通ぶったことをさらっと言ってみる。
男子高校生には、時に意味もわからないまま格好をつけたい時があるのだ。
ちなみに、安っぽいとはいってもきちんとドリップしたコーヒーなので、まずくはない。

上条「え、そんだけ? っつーか、何でそんなに気にすんだよ? 『あんたの事が好きだから、あの女との関係が気になるの〜』とか?」

ははっ、そんな訳ないかー、とマイペースな言葉。
冗談に限って図星を突いてしまったり、相手を不快にさせたりするのだから、上条のギャグセンスは不幸を生み出しているとしか言えない。
御坂美琴はぷるぷると震え、眼前のロイヤルミルクティーが注がれたカップを手にし、お嬢様にはあるまじき事に一気飲みをする。
喉が渇いたのだろうか、と呑気なことを考えている感じの上条。
美琴は空になったカップをソーサの上に置き、立ち上がる。
前髪から盛大にバチバチと静電気が発生しており、上条は思わず右手をいつでも構えられるよう警戒した。

美琴「……ない」

上条「…は、はい?」

美琴「そ、っ、そんな訳ないじゃない! いい気になってんじゃないわよ! わたっ、私がアンタの事なんて好きな訳ないでしょ!? 地球が青じゃなくて真っ赤になったって、そん、そんな、も、もういい! 馬鹿!」

言うなり、美琴は鞄を抱え、走って店から出て行ってしまう。
残された上条は、まぁそうだよな、とぼやいてコーヒーを啜る。
モテないと思い込んでいる彼にとって、フラグなど見えているはずもないのだ。





地下街が作り出す、陰の部分。
一般人がそうそう入り込まず、外からは見えない場所は、暗部と呼ばれる。
垣根帝督は死体を踏み潰し、ゆっくりと息を吐きだした。
何だかもう、全体的に疲れている。これだから、人を殺すのは嫌なのだ。
不意に振り返れば、そこには一人の少女が居た。
遊園地で、一方通行と友人であると名乗った少女だ。
垣根はあの後、一方通行と接触したこの少女について調べ上げた。
在籍している高校や年齢。しかし、どうにも揺らいでいる感じがあった。
偽装データというか、何というか。偽情報を掴まされているかのような不快感。
しかし、今そんなことはどうでもいい。
問題は、一般人と推測されるそんな少女に、死体と、返り血を手につけた自分の姿を見られてしまったことだ。

垣根「あー…」

面倒臭い。
思いつつ、少女を見た。
胸元に白いリボンの、紺色のセーラー服。

フィアンマ「……」







垣根はどうする?>>+2
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:22:31.14 ID:q6GpxGfDO
友達になる
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:23:34.76 ID:XG/Zz0xIo
>>607
609 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 00:33:03.38 ID:WP/qOBqy0

本来なら、能力を使ってでも潰しておくべきかもしれない。
しかし、垣根帝督は無駄な殺しを好まない。
悪意で潰さないのなら、好意で潰せば良い。
そんな訳で。

垣根「…よし、友達になろうぜ」

何とも暴論である。
そもそも、手に血をつけ、明らかに人を殺した後の少年ににこりと微笑まれたところで、怯えるのが関の山。
なのだが、オフィーリアはその辺の可憐なだけの少女ではないし、死体など残念ながら見慣れてしまっている。
彼女の元の職業は『右方のフィアンマ』だったのだから。
勿論、死体に痛ましい気持ちになり、そのことで涙目にはなっているが、それだけ。
勿論、許可を出してもらえるならおもむろに葬式を始めるだろうが、そんな許可は下りないことを彼女は知っている。
元の自分と同じような職業に就いているのか、と判断した彼女は、拒否するでも、怯えるでもなく頷いた。
垣根としても、友人として彼女を生かした方がメリットは大きい。

垣根「…携帯電話は?」

フィアンマ「あるが、メールアドレスとやらしか覚えていないな」

初期設定のままのメールアドレスをちらと見て覚えている彼女は、簡潔にそう述べた。
そうか、と相槌を打った垣根は彼女のアドレスを口頭で聞き、自分の手を能力で綺麗にした後、自分の携帯へデータとして入力する。

垣根「じゃあ、後でメール送る。…ところで、さっきのは」

フィアンマ「注意されずとも、言わんよ。言う必要も無い」

さらっと言うと、フィアンマはその場所から出て行った。
残った垣根は下部組織に連絡し、死体の処理を任せる。

垣根(『幻想殺し』と『一方通行』を繋ぐ、接点)

それにしても、死体を憐れむだけで自分を怖がらないとは。
なかなかに肝の据わった女だ、と思いながら、垣根は携帯をしまうのだった。








ぐるっと地下街を一周し、オフィーリアは上条の下に戻ってきた。

上条「何か行きたいところあったか?」

フィアンマ「>>611






《今日は寝ます。お疲れ様でした》
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:33:08.43 ID:uEdLi7WMo
完全に暗部失格wwww
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:34:19.49 ID:nzdpXJqx0
ゲームセンター
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:34:36.22 ID:C/14dsLSO
乙。安価なら、

当麻、先ほど大量殺人をしていた垣根を見つけたが
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:36:26.22 ID:q6GpxGfDO
乙です、まさか友達が採用されるとは……ていとくン…
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:36:33.65 ID:az51C0UAO
何だこの暗部、腑抜けてやがる…って思ったけど、学生だから…
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:39:33.42 ID:az51C0UAO
第一位は完全不殺主義だし、第二位はマズイ所を見られた相手と友達になってしまって 第四位はどうなんだろう
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:45:54.92 ID:C/14dsLSO
全員。安価次第。
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:46:35.27 ID:q6GpxGfDO
>>615
第一位→恩人
第二位→友達
第三位→恋敵?

むぎのん…もとい第四位には信仰されちゃうんじゃ…
もしくはレズ的な?www

つーかむぎのんも多分いい子になってるんだろうなぁ
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:48:28.12 ID:C/14dsLSO
恋敵×

かませ○

じゃね
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 00:53:52.07 ID:q6GpxGfDO
>>618
その表現は思い付かなかった、上条さんが御坂は眼中にないから一応[?]マークつけたんだけど…かませ…、まさに今回の御坂にピッタリだね!

620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 01:22:23.54 ID:XG9QLw7H0
やめたげてよぉ!
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 02:07:35.17 ID:C/14dsLSO
みこっちゃんは…上条さんと付き合える、と期待させて、持ち上げて、持ち上げて、持ち上げて、持ち上げて………最後落とすって流れの安価をするといい感じのヤンデレールガンになって、色々キャラと絡ませたり話が作れる盛りageキャラ。

このスレではどうなるかわからんが
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 08:02:21.71 ID:HI3fLxJHo
乙でした
623 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 13:12:45.99 ID:fcCJyxn20

フィアンマ「ゲームセンターに行きたい」

上条「そういえば、この前行ったっきりだったもんな」

この前といっても、彼女と出会った頃の話。
期間としてはそんなに前でもないのに、何故だかだいぶ昔のことのように感じられた。
それ程までに彼女と親密な関係になっていたということか、と上条はしみじみ思う。
確か前回やったのは、格闘ゲームだったように思う。ポヘモンの。

上条(ボロ負けしたっけな…何か懐かしい)

『預言』を持つ彼女に勝とうというのがそもそも間違いだった。
『幻想殺し』が多少解析を邪魔したとしても、行動の予測とて『預言』の範囲。
彼女のみの力では恐らく勝てただろうが、恐らく、何度やっても負けるだろう。
支配力こそ減退したものの、彼女は今でも虚空年代記を活用して生きているのだから。

上条「すぐそこだし、行こうか」

頷いて、上条はゲームセンターへ向かう。
対能力者向きのゲームに魔術を使うとどうなるのだろう、と素朴な疑問を覚えながら。

行きたいとは言ったものの、やっぱりオフィーリアは上条よりもゲームについて詳しく無い。
なので、今回も何をやるかは上条に任せることにした。

上条「じゃあ…>>625
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 13:15:10.04 ID:nfKgrd3z0
このスレは前の上フィアスレを超えることは出来るのだろうか
kskst
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 13:15:29.93 ID:C/14dsLSO
UFOキャッチャーとかダンレボとか音ゲー、太鼓の達人、疑似ギター、ドラムのゲームとか…


毎回つい『予言』を『スコア』って読んじまう…
626 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 13:54:06.69 ID:FIzoYRRq0
《設定だけで言えばあのスレ達を超えられるはず…多分。安価次第です》


上条「じゃあ…UFOキャッチャーとか、音ゲー…ダンレボもあるみたいだし太鼓の達人、疑似ギター、ドラムのゲームとか… 全体的に回ってみようぜ」

今日はお金あるし、と付け加えながら上条はランダムに一つを定める。
予兆を先んじて感じ取る彼女の場合、音感さえ悪くなければ音ゲーはなかなか上手なのではないか、と予想しつつ。
最初に近寄ったのは、オフィーリアがやや興味を示した太鼓の達人。
真ん中を叩くのは赤い時、側面を叩くのは青い時。譜面は楽譜と同じ要領、それよりも遥かに簡易。
チュートリアルを終え、バチ型コントローラーを握ったオフィーリアは、ノーマルモードを選択した。
尚、このゲームは太鼓が二台ある為、クレジットを2回分で二人プレイが出来る。

フィアンマ「…こうか」

譜面が流れる前に具体的に予想・予測したらしい。
どんどん、と真ん中を叩き、調子を確かめた後、つらつらと赤・青入り乱れた音符が右側から流れてきた。
シューティングと同じように、左側の白い二重丸にそれが重なった時に叩けば良い。
ぴったり重なった時に叩けば高得点。どこまでもわかりやすく楽しい、そして簡単なこのゲームは、小学生以下にもそれなりに人気だ。
初めてやったとは思えない程、つまり、大体上条と同じ程度の力量だった。

運動はそれなり、と言っていたことを思い返し、次に取り組んだのはダンレボ。
ちなみにこれは略称である。また、これは先程の太鼓の達人より更に難しい。
やはりタイミングを合わせて足下の矢印を踏めば良いのだが。

上条「踏めないなー、って思ったら後ろの棒掴んで落ち着いた方が良いぞ。気を付けないと転んじゃうからな」

フィアンマ「大丈夫だと思うが」

元より、描いて、足で踏んで効果をもたらす魔法陣を使って戦闘することはある。
そういった戦闘に慣れている彼女にとって、足運びはあまり悪く無い。
多少落とすことはあれど、大体はクリアするのだった。

少し悩んだ後、ギターとドラムのゲームはセッションモードにした。
上条はドラム、オフィーリアはギター、楽器型コントローラーを掴み、音に合わせて局所を動かし、叩き、踏む。
失敗すれば音楽が続かなかったり、どれだけうまくいったかで相性も占える。
相性占い結果はというと、抜群だった。同一人物ではないか、というちょっと面白い結果であった。

音ゲーコーナーをぐるりと回って楽しみ、二人はクレーンゲームコーナーへとやって来た。

上条「何か欲しいものとかあるか? ほら、ぬいぐるみとか」

女の子ってそういうの好きだろ、というやや偏見染みた発想。
対して、オフィーリアは一台のクレーンゲームに近寄って言う。

フィアンマ「>>628
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 13:58:07.12 ID:C/14dsLSO
ニャン○先生ぬいぐるみを頼む
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 13:59:57.81 ID:nfKgrd3z0
なぜかある当麻そっくりのぬいぐるみ
629 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 14:15:28.53 ID:FIzoYRRq0

フィアンマ「…これが良い。当麻に似ている」

彼女が指差した先、台の中にはぬいぐるみが積まれている。
何故かそこには、オレンジ系のインナーシャツ、上下学ランで上のボタンは全て開いている―――何故か上条当麻その人にとてもとても似ている、ぬいぐるみ。
『でふぉるとしりーず』と銘打たれたそれは二頭身で丸っこく、愛らしいデザインだ。
どうやらこれの名前は『いまぶれくん』であるらしい。
気の抜ける顔をしているが、癒し系マスコットなど皆こんな感じかもしれない。
ダメだろうか、と上条を見つめる視線は純粋である。

上条「ちょっと頑張ってみますかね」

うん、と頷いて上条は3クレジットを確保する。
この台は能力対策をしてあり、また、調整がなされているようで、なかなか取れないようだ。
アームの力が弱いらしく、引っかかって少し動いては、ぽとりと落ちる。

上条「うーん……」

フィアンマ「……取れないのか?」

しょんぼり、という言葉が似合う落ち込んだ声音。

上条「>>631
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 14:18:10.96 ID:C/14dsLSO
こういうのは店員さんにお願いしてとりやすい位置にしてもらったり、引っかけて徐々に移動させてって落とすのが定石なんだよ
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 14:19:26.87 ID:nfKgrd3z0
>>630

632 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 14:40:25.70 ID:FIzoYRRq0

上条「こういうのは店員さんにお願いして取りやすい位置にしてもらったり、引っ掛けて徐々に移動させてって落とすのが定石なんだよ」

という訳で、店員さんを捜そう。
そう提案する上条に対し、オフィーリアは首を傾げる。

フィアンマ「…店員を引っ掛けてきれば良いのか?」

上条「何かその言い方だと悪い事するみたいだぞ?」

フィアンマ「ひとまず、やる事はわかった。此処で待っていてくれ」

こくん、と頷いた彼女はふらっと消えた。
大丈夫だろうか、と店員さんやら彼女やらを心配する上条。
数分後、オフィーリアは店員を連れて戻ってきた。
店員は今にもオフィーリアを拝みそうな雰囲気でいる。
何かやらかしたか、と思う上条の横で、店員はにこにこと愛想良く台をいじる。
ぬいぐるみを、落としどころラインギリギリまで置いて、頭を二回程下げると、去っていった。

上条「……オフィーリアちゃん?」

フィアンマ「…何だ?」

上条「…お前、あの店員さんに何かした?」

フィアンマ「>>634
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 15:07:07.98 ID:C/14dsLSO
ふむ、特には何もしてないな。
全く関係ないだろうが、強いて言うなら

ちょっとセクシーポーズとって、店員Bが手を出そうとしてきた所を返り討ち、そのまま説法と蹴りを交互に入れてたら店員Bが恍惚の表情で俺様を女王様と呼びだした事くらいだな
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 15:47:51.50 ID:nfKgrd3z0
ちょっと洗脳を
嘘だ 悩み事を言い当てそれの解決を手伝っただけだ
635 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 16:08:45.71 ID:FIzoYRRq0

フィアンマ「ちょっと洗脳を」

しれっ。
そんな効果音がつきそうな一言に、上条はため息をついた後、デコピン体勢をとる。
オフィーリアは慌てて腕でガードしながら訂正した。

フィアンマ「嘘だ、ちょっと悩み事を言い当てて、それの解決を手伝っただけだ!」

上条「最初からそう言えよ! …って、この短時間で?」

フィアンマ「あの店員が、恋人と喧嘩していたんだよ。どうすれば仲直り出来るかと言うから、名前を聞いて、『預言』を聴いて、伝えたまでだ。電話をさせて一定の言葉を言わせた結果、無事仲直りして、且つ仲が深まったそうだ」

そのお礼に、消費期限ギリギリの、元景品であったカスタードケーキを貰った。
そう言いながら見せてきたのは、先々月に景品だったカスタードケーキの黄色い箱。
どうやら本当らしい、とデコピンをやめ、上条はやれやれと肩をすくめた。

上条「…まぁ、それならいいか」

元より、オフィーリアが自分と同じように人を救ったり助けることに執着していることを知っている上条は、わざわざ突っ込まない。
そんな事より、と台へ向き直り、二度程動かすと、ぬいぐるみはぽとりと取り出し口へ。
オフィーリアはしゃがみこむと取り出し口に手を突っ込み、丸っこい『いまぶれくん』を取り出した。
頭に相当する部分をほのぼのとしながら撫で、彼女は『いまぶれくん』を鞄にしまった。
ちょっとしたテディベア程度の大きさがあるそれは、彼女のカバンの隙間からひょこりと頭だけを出していた。

フィアンマ「ありがとう、当麻」

機嫌よく笑みを浮かべ、彼女は鞄をしっかりと握った。
上条は照れくささにほんの少し視線を彷徨わせた後、頷いた。

上条「…どういたしまして」

彼は素直な好意の表現に弱いのである。







十月十三日。
麦野沈利は、ぼんやりとしていた。
今日は『アイテム』の仕事が無かった為、彼女には連れが居ない。
友人などという生ぬるいものに欠片も憧れない(と思い込むようにしている)彼女は、孤独を好むようにしていた。
携帯電話には『アイテム』メンバー…新入りの浜面仕上を含め、全員のメールアドレスや携帯番号が入っている。
けれど、連絡する気にはなれなかった。自分は、そんなことをしていい人間じゃない。寂しいから一緒にご飯食べよう、だなんて。

麦野「…別に、この道を選んだのは私自身だ」

暗部組織の構成員は、やたらめったらと誰かと仲良くなるものじゃない。そんなの、おかしい。
だから、後悔なんて無い。自分のような、壊すだけ、殺すだけしか出来ない人間は、孤高で良い。

麦野「…それにしても、暇ね」

呟いたその声は、カフェの雑談に溶けて消えた。
今日は一日フリーだ。在籍している学校はあるが、行く必要も無い。







麦野はどうする?>>+2
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 16:49:16.26 ID:uEdLi7WMo
麦野ちゃんと暗部してるな
カフェ行ったら垣根くんと一方通行が仲良くしてて暗部って……みたいな感じになって結局仲良くなってほしいな


安価下
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 16:56:47.80 ID:az51C0UAO
展開が某SSと似ていてうわあ申し訳ない…いや、安価スレだから大丈夫ですよね、きっと

安価下
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 17:19:30.99 ID:C/14dsLSO
路上ライヴやる
639 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 17:31:11.65 ID:FIzoYRRq0

ふと視線を動かした先。
上空に優雅に浮かんでいるのは、ニュースを流す飛行船。
いつもこの時間は天気予報を流しているのだが、今日は少し違っていた。
何でも今日は芸術強化の日だか何だかで、路上ライブを推奨しているようだ。
確かに思えば、今日は朝っぱらからロックバンドをテレビスタジオにお招きしていたようだが。

麦野「…くっだらない」

大体、音楽など、やる奴はやるし、やらない奴はやらない。
こんな風に推奨したとして、音痴が歌えば街は騒音で満ちてしまう。
そう、思っていたというのに。


何がどうまかり間違ってか、麦野沈利は午後一時、バイオリンを手に広場に居た。
具体的どういう広場かというと、デパートの屋上である。
最初はただ、カフェで満腹になるのも何だか嫌で、鮭弁を買いに出ていた筈なのだ。
それで、鮭弁が何種類かあったので、どれを食べようかと悩んでいたら、声をかけられた。
屋上でバイオリンを弾く人間が今日休んでしまい、アマチュアの代役を探している、デパートの企画部に。
確かに麦野沈利はバイオリンが弾けるし、プロと呼ばれる立場の人間ではない。
しかし、そんな表舞台に立つのはちょっと良くないな、と思った彼女は、最初断ろうとしたのだ。
だが、本当に、心から本気で困った様子で頼られてしまった上、鮭のおつまみを大量にくれると約束された。

麦野(…何やってんだ、私)

何だかんだで、彼女は鮭に弱い訳で。
今更ながら後悔しつつ観客の前へ立ち、彼女はバイオリンを顎と左肩の間に挟む。
手に持っている弦をそっと宛てがい、ため息を呑み込んで、演奏を始めた。





演奏する曲目>>+2
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 17:34:12.94 ID:nfKgrd3z0
情熱大陸のやつ(めちゃくちゃ上手く)
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 17:35:37.65 ID:C/14dsLSO
バッハ 無伴奏バイオリンパルティータ第3番より「ガボット」
642 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 17:48:42.47 ID:FIzoYRRq0

麦野「…バッハ。無伴奏バイオリン、パルティータ第3番より…『ガボット』」

思い出したようにそう演奏曲の名を告げて、弾き始める。
明るい部分もあるものの、激しく、時に悲しげに沈む音。
本当にアマチュアなのかと耳を疑う程に、その音色は響き渡る。
決して不快な音は無く、ついつい耳を傾け、幼い子供ですら黙ってしまう程。
麦野沈利は元々良家のお嬢様だった。
幼い頃、彼女は習い事をさせられ、金品を与えられ、つまらない毎日を過ごしていた。
バイオリンなどどうしてやる必要があるのかと思いながらも、何だかんだで真面目に演奏していた。
そんな彼女の一番のお気に入りの曲がこれだった。
無伴奏故に、バイオリンのみがトップ。そして、自己顕示欲の強い少女には、そんな曲を演奏する時間は最高だった。
今でこそ、その鋼鉄の意思が裏目に出て彼女を孤独にしているが、それは同時に、目的の為ならどんな執念でも燃やせるということ。
表舞台に立つべき人間でないとわかっていても、やはり、こうして注目されるのは気分が良い。
それでも尚、自分のスタイルに不安点は残るが、それでも、麦野はこうして注目されることは好きだった。


2分弱の演奏を終え、軽く礼をした彼女に、沢山の拍手が注がれた。
降り注ぐ拍手に気分を良くしながら、麦野沈利は舞台を去る。
裏舞台でバイオリンを返却し、鮭のお菓子やおつまみ、鮭弁の入った袋を渡され、麦野はデパートを出る。
今になって緊張が押し寄せてきたが、一度の深呼吸で相殺した。

麦野(…意外と、ガキの時にやったことは染み付いてるモンね)

心中でそんなことをぼやいていた彼女へ、誰かが声をかけた。
先程のバイオリン演奏を聴いていた人物のようだ。









その人物は誰?(禁書キャラ名。1人)>>+2
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 17:50:41.79 ID:C/14dsLSO
ksk
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 17:52:55.33 ID:yVo3NU+50
フィアンマ
645 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 18:14:46.87 ID:FIzoYRRq0

フィアンマ「先程演奏されていた方ですか?」

綺麗な声だった。
見目は明らかに外国人なのだが、日本語が堪能らしい。
着用しているのは、上下の赤いスーツ。
赤い髪は長く、肩につくか、越すか、曖昧な長さ。
瞳の色は金色で、少し突き飛ばせば骨が折れてしまいそうな位に細い。
整った容姿とスーツ姿故に男性か女性か曖昧な印象になっているが、恐らく男性だろう、と麦野は目の前の好青年について判断を下す。
やっぱり慣れない事なんてするんじゃなかった、と思いながら、億劫そうに言葉を返す。

麦野「ええ、まぁ」

フィアンマ「…しかし、後悔している、と」

麦野「!?」

どうしてわかったのか、と表情に出さないまでも思い。
しかし、心理系能力者かと勝手に判断すれば、麦野は眉を寄せた。

麦野「心理系能力を獲得したばかりかどうかは知らないけど、あんまり人の中覗き込まない方がいいと思うわよ。"暗部"を見ることになるかもしれないしね」

フィアンマ「そうだな。悪意に塗れている人間は、どうしても悪意を振りまいてしまうものだ」

麦野「…何、まさか、第五位…? んな訳ないか」

常盤台中学に、第五位『心理掌握』は居る筈だ。
そして、目の前の人物は、年齢不詳ながらも、中学生には見えない。
とりあえず、麦野沈利は今、非常に不快な気持ちでいっぱいだった。
沢山の仮面をつけて、他人を見下し、あざ笑うことで自己を高めている人間が自分について言及されれば不快感を催すのは、自然の理である。
加えて、この場所は裏路地にも等しかった。例えば、ここで人が死んでも、優に半日は見つからないだろう。
麦野沈利は『超能力者』だ。それも、暗部組織に所属している人間だ。
つまり、此処で自分を不快にさせた馬鹿野郎<弱者>をぶっ殺してしまっても、後片付けは誰かがやってくれるし、それ位のことをしても構わないという権利を持っている。
そのことを自覚しても、いた。

そして、何よりも。

彼女は短気で衝動的な性格を、していた。

麦野「……ま、私を怒らせたのが運の尽きだと思いなさい」

素っ気なく言って、彼女はそのその指先から『粒機波形高速砲』を放つ。
何もかも全てを貫く、絶対の、真っ直ぐな、壊すだけの力を。
反対に、オフィーリアは『あ、マズい事言っちゃったかな』という顔をして、粒機波形高速砲を防いだ。
彼女の右肩から乖離している巨大な腕が、彼女を庇うように手のひらを広げている。

麦野「……は?」

この瞬間。
御坂美琴が、上条当麻に自分の能力を防がれて執着するようになってしまったように。
麦野沈利が、オフィーリア=カンナヴァッチュオロに執着することが決定した。

フィアンマ「…そう短気にならずとも良いだろう。短気は損気、という言葉があったような気がするが」










麦野はどうする?(台詞可)>>+2
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 18:29:21.12 ID:pVEVWeR60
とりあえずクールダウンして、
ファミレスで対話
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 18:40:01.14 ID:C/14dsLSO
オーケーオーケー。つまりは脳味噌ぶち撒けて死にてぇんだな?
何の能力かは知らねぇけど、流石のテメェもコレなら御陀仏だろ?

←シリコンバーン複数枚ばらまいて、原子崩しを連射、フィアンマを直接狙うの原子崩しも別に射出、時間差着弾を複数回発射
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 18:40:09.42 ID:m3Mshtnj0
うえ
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 18:41:17.20 ID:m3Mshtnj0
>>647

フィアンマ死ぬん?
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 18:44:18.85 ID:C/14dsLSO
まっさかー。ただ、全力で屠る気ならこのくらいはするかと思って。
大体、聖なる右があるし、上条さんが土壇場で駆けつけるとかあるし、何より>>1がフィアンマさんを[ピーーー]わけないじゃなーい
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 18:45:45.32 ID:m3Mshtnj0
ですよねー
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 18:56:47.76 ID:az51C0UAO
フィアンマちゃんが危ない…><助けていまぶれくん

…ご指摘通り死なせませんが
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:10:54.10 ID:RTKSavHx0
時たま出てくるAOって>>1なのね
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:12:51.34 ID:q6GpxGfDO
安価通りの攻撃したあと余裕で防いだフィアンマに対して
「ブ・チ・コ・ロ・シ確定ね」
とか言って欲しい…

いや俺がこの台詞好きなだけなんだけどね?
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:14:51.40 ID:C/14dsLSO
>>653え、結構今更なんだけど…>>1の初期のスレからAOが>>1ってモロバレだったと思うんだが
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:18:08.59 ID:RTKSavHx0
>>655

俺SO見たいに長文やるほどのめりこんでないですので
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:23:56.70 ID:q6GpxGfDO
>>656
喧嘩に発展するかもだからあまり強めに言ったらダメですよー
ちなみに小ネタや+や私達への報告とかはAOになってますよ!

658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:25:04.86 ID:RTKSavHx0
>>657

強めに言ってなくね
659 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 19:28:30.05 ID:P3zBxbiH0
>>653様 やっぱり酉付けて話した方が良いですかね…?》


冷静にさせようとするオフィーリアだったかが、プライドの高い麦野沈利が、その程度で落ち着く訳が無い。
御坂美琴が普段殺す気なしに上条へ雷撃の槍を投げるのとは違う。
殺しに慣れている彼女は、殺す為に、殺す為の能力を、殺すべく、使う。

麦野「オーケーオーケー。つまりは、脳味噌ぶち撒けて死にてぇんだな?」

フィアンマ「死にたいの『し』の字すら言っていないのだがね」

初めて麦野沈利を敗北させた、格下。
実際は格下でも何でもないが、そんなことはどうだって良い。
『超能力者』で自分よりも上位の人間であればともかく、それ以外に攻撃を防がれたという事実は、ものすごく気に入らない。
彼女は、テレビゲームでミスを一回したことを挽回する為に、ランキング一位の結果をたたき出す努力をする少女だ。
故に、完璧さを求める。負ける訳にはいかない。自分という存在が、精神が、危うくなってしまう。
一方、オフィーリアはというと、『何だか前方のヴェントと気が合いそうな短気な女だなぁ』などと呑気に構えていた。

麦野「何の能力かは知らねぇけど、流石のテメェもコレなら御陀仏だろ?」

言うなり、彼女はポケットから取り出した『拡散支援半導体』を何枚か空中にひょいと投げる。
これに当たった『粒機波形高速砲』は向きを変え、様々な方向から敵を貫く役目を持つ。

360度全てを包囲する形で貫き、穴ボコだらけのガラクタにしてやる。

そんな事を思いながら、彼女は自らの能力名―――『原子崩し(メルトダウナー)』らしく、全てを崩していく。

連射。
それらは拡散支援半導体にぶつかって方向を蛇のように変える。
オフィーリア本人を直接狙うものも、別個に射出。
加えて、時間差で着弾するよう、演算しながら複数回発射した。

麦野「死体も残らないかもねぇ?」

自分を怒らせたのが悪いのだから、仕方がないことだ。
そう嘲笑う彼女は、奇妙なものを見る。
巨大な腕は全体でオフィーリアを包み込み、しっかりと守っていた。
あれだけ放った『拡散支援半導体』は、一発もあたっていない、貫いて、いない。

麦野「………」

フィアンマ「…目の前が真っ白になった。愉快だな」

ゲームのようだ、と頷く動作。台詞。行動。というより、生存している状態。
全て全て全て全て全て、麦野沈利の神経を逆撫でして、やまない。

麦野「……ふふ、」

フィアンマ「…ん?」

麦野「くくっ、くくくくあは、あははははははははははははははは!!!」

唐突に笑った麦野だったが、その目に遊興の色はない。
その瞳に果てしなく広がるのは、プライドをぐちゃぐちゃにした相手への苛立ち、怒り。

麦野「……ブ・チ・コ・ロ・シ・確・定・ね」

はっきりと殺人予告をする麦野に、オフィーリアはちょっぴり困惑する。
どうしてこうなったんだろう、やっぱり口が滑らないように今度から気をつけないと。
元来ドジな彼女は、その程度にしか考えていない。

フィアンマ「たかが負けた程度、そんなに怒る事でも無いだろう」

麦野「>>661
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:36:04.92 ID:C/14dsLSO
負・け・て・ねぇ・よ?ビキビキ
なぁに勝手に勝利宣言してんだコルァ?テメェは本当に私の神経逆撫でんのがおジョーずだなァァ?
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:37:35.21 ID:7KfV51Q60
まだ負けてねぇよゴルァ!!
662 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 19:44:29.49 ID:P3zBxbiH0
>>659 ×あれだけ放った『拡散支援半導体』は、一発もあたっていない、貫いて、いない。  ○あれだけ放った『粒機波形高速砲』は、一発もあたっていない、貫いて、いない。   近頃誤字脱字率が高くて申し訳ありません…》


麦野「まだ負けてねぇよゴルァ!!」

こんなにも怒りがピークへ達したのは初めてかもしれない。
思いながら、麦野は何度も『原子崩し』を放つ。
勿論それらの行動に意味は無く、『聖なる右』は何度でも防ぐ。

フィアンマ「…何が望みなんだ」

麦野「テメェの死体に決まってんだろうが!!!」

ドバン、と恐ろしい破裂音と共に、『原子崩し』が放たれる。
『聖なる右』で継続的にガードしながら、オフィーリアはどうしようかと悩む。
勿論、ここで右手を振るって昏倒させるのは容易だ。
しかし、そんなにやたらめったらと暴力を振るっても良いものだろうか。

フィアンマ「…んー」

悩んだ結果、彼女は左手で携帯電話を取り出した。
カチカチと操作し、上条当麻へ電話をかける。
頼る人間はまぁまぁ居たが、この場合、いつも追いかけられ慣れている上条に聞いた方が速い、と判断したのである。

フィアンマ「もしもし、当麻」

上条『もしもしー。何だ、迷子になったのか?』

フィアンマ「超能力者と思われる人物に何か白いビームのようなもので攻撃されている。一向に逃がしてくれない雰囲気に加え、殺すと宣言されているのだが…どうすれば良いと思う?」

麦野「余裕で電話してんじゃねえよクソゲロ野郎!」

フィアンマ「…と、あんな感じなんだ」

上条『>>664
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:50:53.04 ID:XG/Zz0xIo
そこへ向かうから場所を教えてくれ
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:50:53.07 ID:C/14dsLSO
…今から自分の彼氏がここにくる、後その彼氏からの伝言で、「何しくさってんだマンカス、わざわざ俺が出向いて殴り倒してやるから、それまでテメェのマン毛の数でも数えてろクソビッチ」って伝えてくれ。
あっ、回線は切らないでくれ。状況がわからないから。いいか?決してオフィーリアが下品な言葉を話すのが聞きたいわけじゃないからな?聞きたいわけじゃないからな?
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:55:05.21 ID:q6GpxGfDO
>>664
>>1と上条さんとフィアンマに何を言わせ(書かせ)ようとしてるんだwww
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 19:57:02.75 ID:C/14dsLSO
>>1にも上条さんにもオフィーリアにも、恥ずかしがりながら照れながら言わせてみたくて!!(#^ー°)b
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:02:33.42 ID:q6GpxGfDO
>>666
良い心掛けだ…俺も見習わなければ……
恥じらいは大事だからな、まぁこの状況の上条さんとフィアンマが恥じらうかはわからないけど…

668 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 20:05:18.99 ID:P3zBxbiH0

上条『…今から自分の彼氏がここにくる、後その彼氏からの伝言で、「何しくさってんだマンカス、わざわざ俺が出向いて殴り倒してやるから、それまでテメェのマン毛の数でも数えてろクソビッチ」、って伝えてくれ』

フィアンマ「? …よくわからんが、伝えてみるとする」

上条『あっ、回線は切らないでくれ』

フィアンマ「何故だ?」

上条『あー…じょ、状況がわからないから』

フィアンマ「なるほど」

上条『いいか?決してオフィーリアが下品な言葉を話すのが聞きたいわけじゃないからな? 聞きたいわけじゃないからな?』

上条(べ、別に下心なんかないぞ)

絶対に嘘である。
大体、二度言う時点でどう考えても嘘である。むしろ、怪しさは加速されている。
オフィーリアはきょとんとしながらも、『聖なる右』越しに、電話は切らずに言った。

フィアンマ「…今から自分の彼氏がここにくる」

麦野「は!?」

男性だと思っていたということや演算中というのもあり、麦野はよくわからないままにキレ気味な声を発する。
気にせず、オフィーリアは言葉を続けた。

フィアンマ「後、その彼氏からの伝言で、『何しくさってんだマカロニ、わざわざ俺が出向いて殴り倒してやるから、それまでテメェのマン…マンボウ? の数でも数えてろクソビッチ』だそうだ」

上条(違う! 違うよ!?)

上条当麻は忘れていた。
彼女が肝心な場面で微妙な間違いをするということを。
何しくさってんだマカロニ、という台詞が何しくさってるのかさっぱりわからない、つまりは謎の日本語が出来上がってしまった。
クソビッチという言葉は、ふざけやがってクソッたれ、というニュアンスで彼女自身が使う為、すんなり言えたようだ。
しかし、そんな謎台詞尽くしでもビッチという言葉は聞き取ったらしく、今度こそ、麦野沈利は本気でキレた。

麦野「誰がビッチだああ!? こちとら処女だよクソッタレ!!!!」

フィアンマ「そうなのか。結婚するまで大切にしておいた方が良いと思うぞ」

麦野「テメェの客観的道徳的意見なんか関係ねえよ!! カァンケイねェェんだよォォォ!!!」

フィアンマ「…当麻、あまり演算とやらをさせるのも可哀想だし、連れて帰っても良いか?」

上条『>>670

669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:07:45.36 ID:C/14dsLSO
ふぁーっくふぁーっくふぁーっきーんんん

あんなのを家に連れ込もうとか何を考えているんだ……安価↓
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:08:00.14 ID:XPAwjNZq0
丁寧にな
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:13:56.84 ID:XPAwjNZq0
伊藤静さんが結婚しましたねぇ…おめでたいことだ
672 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 20:17:32.19 ID:P3zBxbiH0
《伊藤さん、おめでとうございます…!》


上条『丁寧にな』

やや落ち込み気味に上条はそう答えた。
何故落ち込んでいるのだろう、と思いながら、オフィーリアは首を傾げる。

フィアンマ「では、通話は切るぞ」

言って、通話を終え。
携帯電話をしまった後、彼女は一度、右手を振った。
虫を払う、或いは蜘蛛の巣を払うような、実に軽い動作。
麦野沈利は攻撃が効かないながらも、反撃に転じてきた今なら一撃を喰らわせられる、と思った。
だが、そんなレベルの反撃では無い。

麦野沈利の『原子崩し』がコマンド:たたかう なら。
オフィーリアの『聖なる右』はコマンド:たおす なのだから。

圧倒的な力を受け、麦野沈利はほんの少しすら残さず、完全に意識を刈り取られた。
オフィーリアはそんな彼女に近寄り、そのまま地面に倒れかけた彼女の身体を抱き支える。
もう片手で麦野の持っていたデパートの袋を手にすると、そのまま直線移動して帰るべく、方位計算を始めた。
目指すは家であり、施すのは説教である。




フィアンマ「ただいま」

上条「お帰り。怪我とか無いか?」

ドアを開けてくれた上条に言いつつ、彼女は鮭とばやら何やらが詰まったデパートの袋をテーブルに置く。

フィアンマ「問題無い」

答え、麦野沈利をベッドへ横たわらせる。
上条の好みのタイプに相当する年上女性の為、彼はそれとなく視線を逸らした。

上条「…っていうか、連れて帰ってきてどうするつもりなんだ? 俺が触ってれば、多分そのビームみたいなのは撃てないだろうけど」

フィアンマ「>>674
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:18:31.54 ID:C/14dsLSO
ksk
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:20:14.87 ID:XPAwjNZq0
当麻は触っておいてくれ
私は何か鮭料理を作っておく
675 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 20:28:42.04 ID:P3zBxbiH0

フィアンマ「当麻は触っておいてくれ。俺様は何か鮭料理を作っておく」

上条「触って制止しとくのはいいけど…鮭料理?」

フィアンマ「その女は鮭を好むようだ。毎食鮭料理でも良いらしい。後は…孤独感を抱えている」

『預言』によって『視』たのだろう。
詳しくそう言った彼女は、のんびりと台所へ行った。
確か、昨日美味しい鮭を購入したのだ。明日(つまり今日)食べようと話していた筈である。
作っているのはどうやら鮭のパスタらしく、クリームの良い香りがする。

上条「…俺も食いたいな」

呟き、上条は麦野沈利を見やる。
完全に気絶している。しかし、目立った外傷は無い。

上条(…『あれ』耐えられるの俺位なもんだろうな…)

後は、彼女よりもっと強い魔術師。
そんなことを考えつつのんびりしていると、やがて麦野は目を覚ました。

麦野「…あ?」

路地裏ではなく、柔らかなベッド。
眼前に広がるのは夕暮れの空ではなく、平凡な学生寮の天井。

麦野「…は?」

フィアンマ「目が覚めたのか」

苛立ちをかき起こす声だ、と思いながら麦野はそちらを見やる。
先程自分の攻撃がまったく通用しなかった人間が、テーブルに美味しそうな鮭のクリームパスタの入った皿を置いている。
フォークも添えられており、いつでも食べられる状態だ。

麦野「…」

一度気絶したこと、美味しそうな鮭のクリームパスタが眼前にあることで、機嫌はプラマイゼロ。
どうすれば良いのだ、と困惑する彼女に対し、オフィーリアはテーブルから離れて言った。

フィアンマ「弁当は手付かずだったからな。空腹だろう? 心配せずとも、毒など入っておらんよ」







麦野はどうする?>>+2
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:30:36.95 ID:C/14dsLSO
ksk
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:31:23.08 ID:XPAwjNZq0
有り難く頂く
(久々の人の手料理だから途中で泣き始める)
678 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 20:44:36.89 ID:P3zBxbiH0

麦野「…ふん」

起き上がる麦野の様子に、とりあえず上条は手を離す。
いつまでも見知らぬ男に触れられていては不快だろうと考えたからだ。

麦野(クソマズイって貶してやる)

思いつつ、麦野はいただきますも言わないでフォークを手に取る。
警戒するように袖で一度拭くと、目の前の鮭のクリームパスタを食べ始めた。
暖かく甘めのクリームと、塩加減良く茹でられたパスタ、それでいて風味を損なっていない美味しい鮭。
口に運び、含む。その度に、不味いなどとは嘘でも言えなくなっていく。だって、美味しいから。

麦野(…最後に、こういう手料理食べたの、いつだったかな)

学園都市に来る前は、使用人がいつも作っていた。
学園都市に来てからは、研究者の提供する、決まりきった栄養食品を食べていたように思う。
自分の意思で動くようになってからは、ファミレスだとか、定食だとか、カフェのサンドイッチだとか。
自炊などしないし、する必要も無いし、孤独だったが故に、誰かがご飯を作ってくれるはずも無く。

麦野(…そういえば、本当の意味で私の為に、無償でご飯作ってくれた人なんて、居なかった)

使用人は、給料を払われているから、命令されたから、作っていた。
そう考えると、こんな、『お腹が空いているだろうから』という理由で、純粋に自分の為にご飯を作ってもらったことなんて、無かった。
そんなことを思う前から、口の中が何だかしょっぱくなっていた。
塩加減は抜群だった。自分で塩をかけた訳でもない。

何のことは無い。
ただ、麦野沈利本人が、泣いてしまっただけの話。

麦野「っっ…」

フィアンマ「…泣く程口に合わなかったか」

余程のこだわりが、と思うオフィーリアに対し、麦野は力無く、緩く首を横に振る。

麦野「ち、がう…認めたく、ないけど…美味いわよ、…」

フィアンマ「………」

食事すらままならず、ぼろぼろと流れる涙に、彼女はフォークを手放して顔を覆う。
化粧が崩れてしまって、そんな顔を見られたくないという思いもあったが。
何より、こんな、他人の好意に感動して泣いてしまった自分が、たまらなく恥ずかしかった。
オフィーリアはそんな彼女の様子を眺め、おもむろにティッシュを箱ごと差し出した。
麦野沈利はその箱から何枚かティッシュを取り出し、目元を拭う。

フィアンマ「口が滑って神経を逆撫でしてしまったことは、謝る。不快な発言をしてしまったことも。後は、倒してしまって済まなかった。一応地面に倒れる前に受け止めはしたが、怪我をしていないか?」

麦野「>>680
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:46:01.71 ID:C/14dsLSO
ksk
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 20:46:21.08 ID:uEdLi7WMo
して……ない…
681 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 21:00:11.91 ID:P3zBxbiH0

麦野「して……ない…」

確かに、目の前の相手は自分の癇に障ることを言ったかもしれない。
でも、それ以降、一度だって攻撃をしてきた訳じゃない。最後に一度だけ、効果的な反撃を行っただけ。
自分の、完全に殺すつもりだった攻撃を防ぎ、しかし、どうやってこの自分を傷つけずに事を運ぼうかと考えていた気がする。
殺そうとしたのに、傷つけようとしたのに、どうしてそんな相手に、こうして好意を振りまけるのか。
頭がおかしい、の一言では片付けられなかった。どうしてかはわからない。

麦野「何で…」

どうして、こんな事が出来るのか。
超能力者を倒せる程の強大な力を持ちながら、コイツには何故隣に人が居るのか。
彼我の違いに、もはや怒りすら湧いてこなかった。ただ、ただ、涙が溢れていく。

フィアンマ「…何で、と言われてもな。別に、本当に殺された訳でもあるまいし、入院させられた訳でもない。お前を恨み、怖がり、敵意を向ける必要など無いだろう?」

これが、彼女に『天罰術式』が効かない理由。
悪意の捉え方が滅茶苦茶にねじ曲がっていて、無償の愛に満ち溢れているが故に、天罰すら効かない。
麦野沈利の攻撃を何なく受け止め、倒す為だけに傷つけないよう力を振るい、好意で接する。
その辺の宗教家だって、笑顔で出来るかどうかといえば、不明なことだった。

フィアンマ「怪我をしていないのであれば良かった。していた場合は、手当をしなければ膿むからな」

上条「膿むと痛いよな」

フィアンマ「当麻はこの前絞ったばかりだったか」

上条「思い出させないでください…!」

親しげな会話。かりそめの、上辺のそれとも思えない。
『原子崩し』を一撃で倒す強大な力を持っていて、傍に人も居る。
ある意味で、麦野沈利の理想形だった。

怒らず、揺るがず、守り、心配し、微笑む。
どれだけ傷つけられても、相手を思いやることが出来る。
無償で。何の見返りもなく。デメリットを抱えてでも。

自分には絶対に出来ない、と麦野沈利は思った。
例え格下からだって、攻撃を受ければ殺してやりたいと、思うから。

麦野「…洗面台、借りるわよ」

フィアンマ「そこを進んで右だ」

化粧を直すべくそう言うと、麦野は立ち上がって洗面所へ移動した。
鏡に映ったぐちゃぐちゃの顔に笑って、顔を洗い、丁寧にメイクし直していく。
もしかしたらこれは自分の勘違いで、奴等は何か悪意を帯びた会話をしているんじゃないか。
そんな考えがふと頭を過り、耳を澄ませる。

フィアンマ『鮭弁当は冷蔵庫に入れたのか』

上条『腐っちゃうからな。鮭とばとかはいいのかな、って思ったけど、とりあえず入れといた。常温保存だった気がしないでもないけど』

まったくもって、不穏な雰囲気は無かった。単語も、無かった。
自分の居る場所とは程遠い、幸せそうな空間。
麦野はメイクを終えて戻り、とりあえず、パスタを全て平らげた。

見やった先、オフィーリアはのんびりと長閑な笑みを浮かべている。

フィアンマ「皿はそのまま放置で良い。どの道、後で洗う」

麦野「…>>683
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 21:01:39.09 ID:C/14dsLSO
ksk
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 21:03:48.96 ID:lQ9Iwtqa0
ごちそうさまでした
684 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 21:23:18.51 ID:P3zBxbiH0

麦野「…ごちそうさまでした」

こんな言葉を言ったのは、本当に何年ぶりだろう。
思いながらそう言った麦野はのろのろと立ち上がり、帰る準備を始める。
引き止めるでもなく、オフィーリアは冷蔵庫から紙袋を取り出し、中身が無事なことを確認した後、麦野に差し出す。
彼女は気まずそうに受け取ると、意味もなく上着のボタンを撫でた。

麦野「……」

フィアンマ「無闇矢鱈と人を攻撃するなよ」

その内自分が怪我をする事になるから、などと。
そんな事を言うオフィーリアに、麦野沈利は本当に、呆れる程の違いを感じた。
コイツは普通ではない。こんな聖者が、この世に居てたまるか。

麦野「不快なことを言われなかったらね」

つん、とそっぽを向いた後、麦野は上条宅を出て行った。

上条「…何というか、わかってくれるタイプで良かったな」

フィアンマ「大概の人間は十字教の鉄則が通用するよ」

上条「鉄則?」

フィアンマ「無償の愛だよ」

自分がして欲しいことは何でも、相手に尽くしなさい。
その教えを元に生きているに過ぎないオフィーリアは、麦野を怖いとは思わなかった。
それは勿論、彼女が強いということもあるのだが。


麦野(…馬鹿馬鹿しい)

手に持った紙袋を見やる。
今日の思い出を象徴するこれは、きっとしばらく捨てられないだろう。
両親が最初で最後にくれた、いつも抱いて眠る、あのぬいぐるみと同じように。

麦野(…私は、一人で良いんだよ。暗部に居る野郎が、友達とか、好意とか、…そんな甘い事言ってたら、気持ち悪いだけ)

自己完結。
でも、その本音が少し揺らいでいることは、明らかだった。


上条刀夜は、世界各国に赴いて仕事をしていた。
勿論、魔術師として動くことも、仕事の合間にこなす。
全ては、自分の息子である心優しい少年と、その恋人になると思われる心優しい少女の為に。
ひいては、全人類の為に。世界の、為に。
そしてその『愛』は、イギリスへ悲劇を巻き起こす。


十月十七日。
イギリスでは、第二王女キャーリサがクーデターを起こしていた。
イギリスという国を生かす為に、一生懸命に。
そんな事も知らず、学園都市の学生は今日ものんびりと過ごしている。

対して、学園都市暗部は大忙しだった。
暗部組織『迎電部隊』が、『ドラゴン』の情報を求めて『フラフープ』を占拠したのだ。
これには勿論、学園都市内の不穏分子の削除及び抹消を最優先とする『アイテム』が駆り出され。
学園都市独立記念日に共倒れした『ブロック』と『メンバー』は不参加。
残る『グループ』や『スクール』も、対応に追われていた。

垣根「…お」

垣根が発見したのは、『アイテム』のリーダーである、麦野沈利。
次いで見つけたのは、『グループ』の構成員、一方通行。






垣根はどうする?>>+2
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 21:38:56.23 ID:D7gJ0y9f0
加速
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 21:41:20.07 ID:D7gJ0y9f0
共闘を申し出る まずは一方通行に
687 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 21:49:56.64 ID:P3zBxbiH0

垣根「…俺の所に構成員は居るが…正直、使えるのは心理定規位なモンだしな」

この頃単独行動の目立つようになった垣根は、のんびりと一方通行へ呼びかける。
素粒子を作り出せるという能力を応用すれば、空中に無線機を創る事は容易だ。

垣根『一方通行』

一方通行「あン? …オマエか、垣根」

一瞬警戒するも、相手が垣根帝督とわかり、一方通行は警戒を解く。
出会ってからまだまだ短い期間ではあるが、確実に友情は育まれている。
恐らく、どちらが死ねばどちらかは酷く落ち込んで演算に支障が出るだろう、という程に。
暗部に私情を持ち込むのは本来御法度だが、ある程度以上の力を持った者には、関係の無いこと。
という訳で、垣根は一方通行へ共闘の意思を話した。

垣根『勿論、お前のところにも事情はあるだろ。組まなくても良いが』

どうする? との問いかけに対し、一方通行はこう述べた。

一方通行「>>689
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 21:53:17.80 ID:D7gJ0y9f0
カッキーの頼みなら俺はいいけどォ
お前はどうする第四位
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 21:53:51.21 ID:XG/Zz0xIo
>>688
690 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 21:59:26.44 ID:P3zBxbiH0

一方通行「カッキーの頼みなら俺はいいけどォ、…オマエはどうする、第四位」

麦野「あのチンピラホスト崩れやろうと組む位なら死ぬ」

一方通行「誰がチンピラホストだ」

垣根『俺の代わりにキレてくれてありがとよ。っていうか何、お前等仲良いの?』

麦野「んな訳ねえだろうが!」

一方通行「…共通の知り合いが居るってことが判明してなァ」

垣根『へぇ』

共通の知り合い。
誰だろうか、と予想して、垣根は一度自分の携帯を見やった。
恐らく、あの赤い髪の少女だろう。
暗部の臭いの残る、光の住人。

垣根「ま、何はともあれ行くとするか」

言って、空中の無線機を消し去った垣根は二人の下へ向かう。
一方通行と麦野沈利は入るタイミングを窺っているようだった。
『迎電部隊』は強力な能力者に対して、かなりの強さを発揮する。

垣根「よぉ」

一方通行「ン、」

麦野「……」

垣根「そんなに嫌な顔すんなよ。お前のところの構成員はどうした?」

麦野「>>692
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:01:53.08 ID:C/14dsLSO
『おかげさまで』全員もれなく戦闘不能だよクソッタレ。ペッ
この借りはいつか必ず返してやる
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:01:55.60 ID:D7gJ0y9f0
フレンダと絹旗と滝壺は今回は危ないから
退避させた 浜面は今頃逃げ回ってるはず
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:04:51.84 ID:uEdLi7WMo
どんまい浜面
694 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 22:13:20.34 ID:P3zBxbiH0

麦野「フレンダと絹旗、滝壺は、今回は危ないから退避させた。浜面は今頃逃げ回ってるはずよ。ま、囮ってワケ。アイツは馬鹿だけど、銃器は扱える」

垣根「…好きなの?」

麦野「ばっ、そんな訳あるか!」

一方通行「危ないから退避、ねェ。生ぬるいやり方としか思えねェな」

麦野「不殺主義なんざ掲げてる上に実際不殺貫いてるぬるま湯モヤシに言われたくないわね」

一方通行「誰がモヤシだ、潰すぞオマエ」

垣根「喧嘩すんなよ。…危ないから退避ってのは確かに甘いが。お前そんなキャラじゃなかっただろ。何か心境の変化でもあったのかよ?」

麦野「…別に」

麦野が思い出すのは、数日前に殺そうとした、アイツ。

『…何で、と言われてもな。別に、本当に殺された訳でもあるまいし、入院させられた訳でもない。お前を恨み、怖がり、敵意を向ける必要など無いだろう?』

慈愛に満ちたお優しい言葉を本気で言って、本気で行動している。偽善者と呼ぶことすら出来ない、善の履行者。
きっと、あの雰囲気に毒されてしまったに違い無い、と麦野は愚痴る。
部下など使い捨てだと思っていた自分が、危険だからなどという理由で絹旗や滝壺、フレンダを戦場から遠ざけるなど。
浜面については、本当に信用している部分もある。スキルアウト出身の彼は自分より余程銃器の扱いに優れているし、逃げ足も速い。

麦野「…馬鹿馬鹿しいお人好しにちょっとイイ思いさせてもらっただけ」

垣根「…お人好し?」

『幻想殺し』だろうか、と垣根は思った。

垣根「で、『グループ』の方は全滅か?」

一方通行「>>696

695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:16:33.03 ID:q6GpxGfDO
グループだァ…?
はッどうでもいいンだよ、そンな事よりなァ……麦のン可愛い
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:17:42.39 ID:D7gJ0y9f0
今のところ連絡は取れてるから無事だろうよ
697 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 22:27:27.11 ID:P3zBxbiH0
>>694  ×愚痴る。 ○心中で愚痴る》

一方通行「今のところ連絡は取れてるから、無事だろうよ」

結標淡希は、能力対策で。
海原光貴は、大量の銃火器で。
土御門元春は、そんな二人を死なせない為に奔走している。
今のところ土御門と連絡はきちんと取れているので、問題は無いだろう。

一方通行「オマエはどォなンだよ」

垣根「居る事には居るが、今回は連れて来ても意味が無いと判断したからな。ま、『超能力者』が第一、第二、第四と揃ってりゃ苦戦もしねえだろ」

麦野「テメェらと組むとは一言も言ってない」

垣根「そう堅い事言うなよ。どうせ、やる事は同じなんだ」

『迎電部隊』の完全排除。
それから、『ドラゴン』について知ること。

三人の目的は、得てしてそんなところだった。
垣根は学園都市理事長と交渉をしたいと考えている為、特に二個目の情報が特に重要だった。

一方通行「…まァ、とりあえず行くか」

麦野「…私はやる事だけやって、浜面を回収して帰る」

垣根「まるで飼い犬扱いだな」

笑って、化物三人は『フラフープ』へと入っていく。
その先に、悲劇の知らせが待っていると、知らないままに。








オフィーリアは、テレビを見ていた。
携帯電話に搭載されているテレビ機能で、ニュースを。
本来、お昼の時間にニュースなど、堅苦しいものは見ないものだ。通常の学生は。

上条「…何か気になるニュースでもあるのか?」

フィアンマ「…イギリスでクーデターが発生している」

上条「クーデター…?」

ビアージオの件で恨みを買った第二王女を思い浮かべ、上条は自省する。
そんな彼に対し、フィアンマは呟くように言った。

フィアンマ「…恐らく、お前の父親だと思う」

上条「え、何が」

フィアンマ「このクーデターが起こされるよう、イギリスを追い込んだ人物、だよ」

上条「……、」

フィアンマ「…俺様の代わりに、『プロジェクト=ベツレヘム』を…世界の救済を進めようとしているんだろう。本来俺様がやるべきだったことを、やるんだろうな」

上条「…>>699
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:32:06.10 ID:C/14dsLSO
俺の親父、何者なんだよ…

俺が知ってる親父は、普通の、優しい、いい父親だったぞ?

魔術なんか扱ってるとこ見た事なんかないし、どんなに仕事忙しくても、家族サービスを忘れないし、よくキャンプやら旅行だって連れてってくれた。
なんで…そんな事を…
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:32:27.15 ID:1ZPj5Xk80
>>698

700 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 22:49:25.57 ID:P3zBxbiH0

上条「…俺の親父、何者なんだよ…」

思わず、低い声でぼやいた。
この教室には他にも何人かの生徒が居るが、自分たちのおしゃべりに夢中だ。
なので、上条は構わずに続ける。

上条「俺が知ってる親父は、普通の、優しい、いい父親だったぞ?」

勿論、オフィーリアを責めている訳ではない。疑う訳でもない。
今や右方のフィアンマでない彼女に出来ることなど、ほとんど無い。

上条「魔術なんか扱ってるとこ見た事なんか無いし、どんなに仕事が忙しくても家族サービスを忘れないし、よくキャンプやら旅行にだって連れていってくれた」

フィアンマ「…」

上条「なんで…そんな事を…」

フィアンマ「…俺様も、お前の父親は優しい人だと思うよ。強い男性だとも思う。それは、力量だけでなく、不幸な息子の幸福の為に奔走するその姿勢や、精神性のことも含めて」

フォローするように、彼女は言う。
箸を使う手はのろのろと動いている。
食欲が減退しているのは、明らかだった。

フィアンマ「…『御使堕し』は、実験だった。本当に、人を媒体として、この世界に大天使が堕ろせるのかどうかの確認をする為の」

上条「…、」

フィアンマ「見事、成功した。だから、計画の変更はしなくて良い」

上条「……」

フィアンマ「…計画が予定通り進むのであれば、これから上条刀夜はロシアへ向かう。そこで大天使の素体となる少女を確保し、大天使を堕して、四大属性を修正する。その前に、戦争を起こすだろう。暗躍する形で、な。……今頃、イギリスで念には念を入れて『禁書目録』の『遠隔制御霊装』を貰い受けたところじゃないか。…上品な言い方をしているが、要するに略奪だ。…その後は、わからない。俺様とは違うから、多少、救済方法に差異は出るかもしれない」

上条は何も言えないまま、目を伏せる。
どうにか食べ終わり、空になった弁当箱を、しまう。

上条「>>702
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:57:36.63 ID:XG9QLw7H0
……親父を止めるにはどうしたら良い?
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:59:01.50 ID:1ZPj5Xk80
>>701

703 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 23:09:30.10 ID:P3zBxbiH0

上条「……親父を止めるには、どうしたら良い?」

フィアンマ「……ロシアに行く方が、早いな。今からイギリスに行っても、間に合うとは思えん」

上条「…禁書目録、…あの子、大丈夫かな」

フィアンマ「遠隔制御霊装を使われ、『首輪』は破損状態。…不完全な支配に脳が圧迫されていることだろう。アウレオルス=イザードはイギリス清教に移籍して、彼女の傍に居る筈だ。…だが、『黄金錬成』はそうそう気軽に扱えるものでもない。今頃、どうすれば良いか困惑しているだろう」

上条「…助けないとな」

フィアンマ「…俺様の病が救済病なら、当麻の病名は何にするかね」

上条「…とりあえず、『偽善使い』とでも呼んでくれ」

ふふ、と顔を見合わせて笑う顔に、元気は無い。
この世界を最も憎みながら、それでいてこの世界の人々を絶え間なく愛している二人にとって、周囲で苦しむ人が視界に入ることは、耐えられないことだった。
人はそんな気質の者を、聖者(いじょうしゃ)と呼ぶ。






『迎電部隊』をどうにか殲滅することに成功した一方通行達は。
ボロボロの身体で、『ドラゴン』の情報を探っていた。
そんな折り、隠し部屋のような所へ足を踏み入れ。
麦野沈利は当の『ドラゴン』に倒され、垣根帝督はそんな彼女を後ろに庇い、一方通行と並んで『ドラゴン』―――『エイワス』と対峙していた。
何でも、眼前のエイワスが顕現する為に打ち止めに高負荷がかかっているという。
それを解決する為には、ロシアに行けと言った。

一方通行「…そもそも、オマエを消せば良いだけの話じゃねェか」

彼は、もう人間を殺さない。一人だって。
だけれど、目の前の人間のような『モノ』は別だった。
垣根は少し迷った後、一方通行に加勢する事を決断する。





一方通行はどうする?>>+2

垣根はどうする?>>+3
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 23:14:24.01 ID:TC1xbsFS0
かそ
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 23:19:15.65 ID:SZ+Bzl9d0
なんとなくAIM拡散力場いじったらできちゃった白翼化
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 23:19:50.39 ID:C/14dsLSO
恐くなって逃走
707 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/08(土) 23:35:22.16 ID:P3zBxbiH0

味方は、居ない。
たとえここで下部組織の人間が入ってきてくれたとしても、完膚なきまでに叩きのめされるだけだろう。
エイワスは興味深そうに二人の様子を眺め、軽く指先を動かした。
瞬間、垣根帝督の人間らしい本能、『恐怖』が強く掻き立てられ、本能からくるソレに耐える事は出来ず、彼は一言の短い謝罪を残して出て行った。
所謂逃走だったが、一方通行はそれに対して舌打ちはしない。
親しい友人には逃げてでも生き延びてもらいたいと思うのが、普通だからだ。

打ち止めを、傷つけられた。
そう考えただけで、体の内側から不気味な黒い煙が噴出していく。
一方通行は、そこで止まらない。
悪意の表出に、善意という名の因子を織り交ぜる。
AIM拡散力場の波長をベクトルとして捉え、脳内で解析し、操作する。
何も難しいことは無い。素粒子レベルの操作をするのは、初めてじゃない。
垣根帝督とちょっとした喧嘩をした時に、操作をしたことがあるのだから。

噴出していた黒い翼は、やがて白く染まる。
そんな彼の背中を見て、エイワスは楽しそうに笑った。

エイワス「…益々興味が湧いた」

攻撃を受けようとするエイワスに対して、白い翼が横に薙ぐ一撃。
しかし、それはエイワスに仕掛けられている防御機構によって阻まれた。

一方通行「ク、ソッタレ…」

エイワス「…解決の鍵は、ロシアだ」

そう言い残して、天使と呼べるか危ういモノは、消える。
一方通行は自分の無力を自覚しながら、ふらふらと壁伝いに歩くのだった。
戻らなければ。帰らなければ。
例え帰宅して最初に見るのが、苦しむ打ち止めの姿であったとしても。





麦野沈利は目を覚まし、『アイテム』のメンバーが待つその場所へ、帰ろうとしていた。
ふらふらになった身体。何に攻撃されたか、思い出せなかった。

麦野「…アイツに負けた時と同じ、か」

思い、歩く先、一人の科学者を見つける。

彼女は、病理という名前だった。
彼女は、優秀な科学者だった。
彼女は、木原一族の出身だった。

そして、彼女は。

病理「こんばんは、麦野沈利さんでしたっけねー?」

自らを苦しめてやまない絶望を他人に与えることを、愛していた。

病理「やっていただきたい事があります。『アイテム』の皆さんは、無能力者含め全員私の所に居ますよ」

カッ、と麦野沈利の頭に血が上る。
ズバン、と放たれた『原子崩し』は、空中で消された。

麦野「な、っ!?」

病理「諦めてください。…お願いを聞いていただけますか?」

にこにこ。
人の良さそうな笑みを浮かべる女の瞳は、真っ黒に染まっていた。

麦野「…やって、もらいたい…事?」

病理「>>709




《今日は寝ます。お疲れ様でした》
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 23:35:50.65 ID:D3gi80evo
ksk
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 23:37:48.10 ID:fzD3rNrp0
垣根さんと仲良くしてください
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 23:39:06.28 ID:C/14dsLSO
私が、まもなく始まるであろう、木原一族全員殺し合いで生き残るためのお手伝いでーす。

わかってるでしょうが、拒否権はありません。ニコッ
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 23:44:57.65 ID:q6GpxGfDO
乙です
712 :読まなくてもいい? キャラ紹介4 [sage saga]:2012/12/08(土) 23:45:37.31 ID:P3zBxbiH0

○麦野沈利

一人称は『私』。

『アイテム』のリーダーを勤める少女。
学園都市第四位のレベル5であり、有する能力は『原子崩し(メルトダウナー)』。

気に入らないという理由で相手を殺したり、仲間の死をなんとも思わない、とても残忍な性格。
また、ミスを許せない人間でもある。
ミスをしてしまった場合はそれ以外の事で帳消しにしようと別の目的を見出そうとし、それにこだわることで結果的に本来の目的にさえ意識を向けなくなる。
だが、この傾向はオフィーリアの慈愛に触れ、緩和されつつある。
我侭で自己中心的。
その一方で、自分が周囲からどう見られているのか気にする一面もある。

プライドの高い女王様系女子。
格下の泣き顔に悦を感じる。
壊すことしか出来ない能力だと自負しており、仲間と親密になろうとはしない。

料理上手。特にオムライスが得意。
非常に短気だが、これといったものは譲らない。
また、親密になった相手の為に怒る事も、泣く事も出来る、本来は情に厚い人格。
猫が好きな寂しがり屋。
普段はそうでもないが、戦闘等でテンションが上がると非常に下品かつ汚くなる。

18歳。
美人だが、気のキツさが表れている。


彼氏居ない歴=年齢。
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 07:46:27.72 ID:excyo1yNo
乙でした
714 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/09(日) 14:00:59.45 ID:D+Y8XtHm0

病理「垣根さんと仲良くしてください。それはもう、勿論…親友や、恋人と呼べそうなレベルまで」

麦野「…は?」

麦野は思わず、眉を潜める。
脅迫してお願いするような事だろうか。
確かに自分は人と仲良くなることなどクソ喰らえと思っている。
しかし、『アイテム』を人質にとっての命令が、それ。
思わず聞き返した麦野に対し、病理はにこにこと綺麗すぎる笑顔を崩さないまま、言う。

病理「勿論、やっていただきたい事がひとつとは言っていません。…その様子ですと、『アイテム』メンバーに愛着があるみたいですね?」

貴女は使い捨て派では?

そう遠まわしに言われているような気になり、攻撃を仕掛けたくなるが、効かない事を知っている為、我慢する。
頭の中の情報を総動員する。この女は確か、かつて垣根帝督を、『未元物質』を担当していたはずだ。

病理「今の垣根さんは一生懸命ですからね。幸せを作ろう、それでいて、自分の目的も達成させよう、だなんて。そんな夢物語、本気で目指されても寒いだけなんですよ。という訳で、諦めさせたいんです」

麦野「…それで、私と垣根帝督が仲良しこよしすんのが効果的だと?」

病理「ええ。仲良くなって、一緒に楽しい時間を過ごした相手が、淡々と攻撃して、裏切られたら。哀しいでしょう? 切ないでしょう? 皆が皆笑って幸せなどという幻想を、諦めてくれるはずですし」

麦野には、木原病理の思い描く『諦め』が容易に想像出来た。
そして、それと同時に、何故そんな事をするのかと疑問に思う。

麦野「垣根帝督に、何か個人的な恨みでも?」

対して、病理は微笑む。
どこかの聖職者と同じような理論、それでいてまったく正反対の行動を常に実行しながら。

病理「まさか。私はあの子を愛していますよ。憎む理由なんてありません」

愛しているから、尚更絶望させたい。諦めさせたい。
理解出来ない衝動だ、とは思いながらも。もはや、『アイテム』メンバーを見捨てることの出来ない麦野は、その条件を、呑んだ。





十月十八日。
ロシアが第三次世界大戦を宣戦布告。
学園都市は求められた条件を呑まない。

十月十九日。
第三次世界大戦が開戦する。

当然の事ながら、戦争が始まった。
世界規模の、大きな戦争。

生命力を温存する、という方向で向かった結果、上条とオフィーリアはヒッチハイクでロシアへ向かう事にした。
上条は日本人なのでもしかすると敵視されるかもしれないが、オフィーリアはイタリア人の為、敵視されない。
なので、割とすんなり移動出来るのだった。

フィアンマ「……怖くないか?」

上条「>>716
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 14:14:36.96 ID:Nda5IylSO
ksk
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 14:29:39.61 ID:CrMdzugR0
テンション上がってきたぁー!
717 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/09(日) 14:51:33.02 ID:D+Y8XtHm0

上条「テンション上がってきたぁー!」

ぐ、と何やら気合を入れているポーズ。
そんなにテンションを上げるようなことだろうか、と首を傾げるオフィーリアに対し、上条はのんびりと言う。
日常の空気を破壊しないことで、自分を奮い立たせるように。
これから立ち向かう相手が、戦火という莫大な悪意の塊と、実の父親と、知っていて。

上条「俺、実を言うとロシアだけは来た事無いんだよ」

フィアンマ「そうなのか」

上条「イギリスとかは、親父と一緒に行った事あるんだけどな」

親父、という単語を自ら口にして、上条は目を伏せる。
どうしてこんなことになってしまったのか、わからなかった。
そんな上条の髪をそっと撫で、オフィーリアは薄く微笑む。

フィアンマ「…別に、殺しに行く訳ではないのだから、嘆く必要もあるまい。俺様達は、ただ、止めに行くだけなのだから」

上条「…そうだな」

自分の髪を撫でる手をそっと握り、上条は頷いた。
どんな事があっても、止めなければ。


一方通行は、発熱に苦しむ打ち止めの身体を抱え、ロシアへ向かっていた。
時折休憩はとっているものの、彼女の容態は一向に良くならない。

一方通行「…クソッタレ」

ロシアへ行けば、何か出来る。
そう自分に言い聞かせ、彼は祈るように、頭を垂れた。


麦野沈利は、垣根帝督と行動を共にしていた。
学園都市からの派遣部隊ということで、共にロシアへ向かっている。
自分の本心は押し隠し、麦野はこの極短期間で、垣根と薄い友好関係を築いていた。

麦野「…あんたの場合自分で飛んだ方が早かったんじゃないの?」

垣根「>>719
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 14:56:42.52 ID:WzOFgrZK0
羽根生やした人間が空飛んでたら学園都市でも目立つのに外で飛んでたら尚更ヤバいだろアホ
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 15:13:10.65 ID:OlZb1/1ao
そんなことしたら寒いじゃねぇか
720 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/09(日) 15:38:12.07 ID:D+Y8XtHm0

垣根「そんなことしたら寒いじゃねぇか」

現在、二人が乗っているのは学園都市製のヘリコプターだ。
最新鋭の技術が用いられているこれは、暖房の空気が充満していて暖かい。
確かに、生身で、しかもロシア上空の空を飛んだりすれば、この暖かさは手に入らない事だろう。
例え化け物染みた力を持っているにしても、結局の所、超能力者とは人間だ。
『未元物質』で身体を固めて防寒するのは馬鹿馬鹿しいし、ヘリに乗せてくれるのならそれに甘んじる。
常識的に考えれば、確かにこちらの方が安全確実だ。

麦野「常識的なところ、あったのね」

垣根「常識が通用しねえのは俺の『未元物質』であって、俺自身じゃねえ」

麦野「ふーん?」

垣根「何だその顔、喧嘩売ってんのかコラ」

麦野「あ? やんのかテメェ」

運転手(ひぃ、喧嘩しないでくれ…!)

目的を隠している同士の旅は、続く。



十月三十日。
『自動書記』を発動し、ステイル=マグヌスとアウレオルスは戦っていた。
上条当麻とオフィーリアはロシアへ到着し、辺りの様子をうかがっていた。
一方通行は打ち止めを庇いつつ、ロシアの雪原を歩いていた。

上条「まず、どうすればいいんだ?」

フィアンマ「エリザリーナ独立国同盟へ行くのが先決だろう。…道はわからんが」

うーん、と辺りを見回す。
地図の類が購入出来れば手っ取り早い。
『預言』によって『視』ようにも、周囲にそもそもあまり人が居ない。


一方通行は打ち止めの様子を時々見ながら、ロシア軍と戦っていた。
そんな彼の前に現れたのは、一人の少女。

番外個体「このミサカは、あなたを殺す為に作られた。まぁ、楽しんでよ」



垣根帝督と麦野沈利は、ロシアの集落へとやって来た。

垣根「…なぁ、人助けってどう思う?」

まもなく到着する『プライベーティア』―――ロシアの非正規軍に怯える集落の人々が、それでも逃げる事が出来ずに居るのを眺め、垣根は問いかける。
どうやら助けよう、などと甘いことを考えているらしい。

麦野「>>722
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 15:57:08.92 ID:uqb3cwdS0
時間の無駄遣い。
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 15:58:14.59 ID:CrMdzugR0
金くれたらやる。世の中はギブ&テイク。
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 19:10:54.00 ID:Nda5IylSO
何かやけに時間空くな…?何かあったか?
724 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/09(日) 20:06:41.86 ID:iuy6887AO
ちょっと昏倒してました これが天罰か 多分後もう二回位は来られると思います
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 20:26:37.60 ID:Nda5IylSO
まさか>>1がヴェントに敵意を持っていたとは
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 20:39:14.63 ID:iuy6887AO
>>725
氷の帆船がぶち当たった時、フィアンマさんを庇った腕たんは痛かったんだぞ、という思いはありました……
727 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/09(日) 21:11:28.91 ID:fRrwe8400

麦野「金くれたらやる。世の中はギブ&テイク。…でしょ?」

昔なら、金をくれてもやらなかったかもしれないな、と麦野は発言しながら思う。
垣根は麦野の発言に小さく笑って、それもそうだなと頷いた。

垣根「どうせぶっ殺す相手はロシアの軍隊な訳だし、仕事には入るよな」

麦野「…本気?」

垣根「良いじゃねえか、暇だし」

そろそろ軽く暴れたい頃だろう、と垣根は首を傾げる。
首を傾げての笑顔さえムカっ腹が立つ、と思いながらも、麦野はそちらに賛同した。

麦野「ま、準備運動には良いかもね」

『アイテム』を未だ木原病理の手元に置かれている、というストレスもあり。
そんなストレスを発散しよう、と麦野はまず、やって来たプライベーティアのヘリに照準を定めるのだった。






一方通行は、逃げていた。
後ろから、悪意を宿した妹達が追ってくる。
それはこの世界に現存するどんな怪物よりも、恐ろしい。
一方通行は現在、信念を定めている。

一つは、打ち止め含む全妹達を傷つけず、守ること。
一つは、敵に回した人間を殺さないこと。

反射は出来ない、攻撃もしたくない。

番外「ほらほら、さっさと『反射』してこのミサカを殺せば良いじゃない? 無様に自滅しなよ、平和主義!」

嘲笑と共に、鉄釘が飛んでくる。
咄嗟に打ち止めを庇うと、その鉄釘は細いふくらはぎに突き刺さった。
一方通行は激痛に耐えかね、打ち止めの身体は雪原にぽふりと倒れてしまう。

一方通行「が、っァアアアアアアア!! …ッ、…」

振り返る。
そこには、薄ら笑いを浮かべた妹達。番外個体、彼女は自らをそう名乗った。
恐らく、その生が誰にも望まれていないことを知っていて。

番外「言っておくけど、ミサカはあなたの行動を先読み出来る。ミサカネットワークに干渉して、ね。そこの司令塔に頼んでみたところで、それも無駄。このミサカには、如何なる信号も命令も『統括理事会』の許可が無ければ通らないよう、『シート』や『セレクター』が埋め込まれている」

生半可な攻撃では、読まれて通用しない。
だからといって、殺す訳にもいかない。

番外「大体さ、ご本人様のオナニー気分の罪滅ぼしで、ミサカ達が本当にあなたを許すとでも思っちゃってるの?」

一方通行「…>>729
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 21:43:12.43 ID:tqH4/6+V0
許されなくても良い。俺のやった事は許されるべきじゃない。
だがな、地べたを這い、蹲る事になろうと、泥だらけになろうと、俺はもうこれ以上人は殺さねェ!
どんな[田島「チ○コ破裂するっ!」]<綺麗事>でも貫き通せば信念だ!
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 21:43:47.08 ID:tqH4/6+V0
やっちまった……orz
安価↓
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 21:46:36.88 ID:Nda5IylSO
……ハァ?俺が、いつ、アイツらに「ごめンなさい。どうか許してくだちゃい」なンて言ったンだよ?頭か耳が腐ってンのか?

俺が妹達を守るのは、一人のミサカだって死なさねェのは、オマエの言う通り、ただの自己満足〈[田島「チ○コ破裂するっ!」]〉なンだろォよ。

贖罪だとか、責任感や義務感だなンて高尚なもンだと主張しようとは思わねェ。

ただ、俺はアイツらに笑ってて欲しいから、幸せであって欲しいから……あくまでも自分が幸せになる為だけに動くンだよ。責任?咎?知るかクソボケ。

俺は超自分勝手野郎だ。開き直りでもなンとでも言いやがれ。誰になンと言われようと、これが俺の生き方だ

731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 21:48:02.51 ID:Nda5IylSO
>>728オマエだけ恥かく事はねェ!俺も恥をかいてやらァァ
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 21:49:26.86 ID:iuy6887AO
この世界は愛で出来てるんだな…(しんみり)
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 21:50:17.13 ID:tqH4/6+V0
>>731
やだ……カッコイイ……///(ジュン
734 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/09(日) 22:10:55.32 ID:fRrwe8400

一方通行「………ハァ? 俺が、いつ、アイツらに『ごめンなさい。どうか許してくだちゃい』なンて言ったンだよ? 頭か耳が腐ってンのか?」

番外「は、」

一方通行「俺が妹達を守るのは、一人のミサカだって死なさねェのは、オマエの言う通り、ただの自己満足〈オナニー〉なンだろォよ」

否定はしない、と彼は語る。

一方通行「贖罪だとか、責任感や義務感だなンて高尚なもンだと主張しようとは思わねェ」

別に、誰かの為にポーズでやっている訳じゃない。
妹達に「ありがとう、一方通行」と言われたい訳でもない。

一方通行「ただ、俺はアイツらに笑ってて欲しいから、幸せであって欲しいから……あくまでも自分が幸せになる為だけに動くンだよ。責任? 咎? 知るかクソボケ」

そして、ヒーローになりたい訳でもない。
誰かに賞賛されたくて動いていたのなら、今頃とっくに死んでいた。
これ以上、彼の罪過に死体を積み上げることは、誰にも許さない。

一方通行「俺は超自分勝手野郎だ。開き直りでもなンとでも言いやがれ。誰になンと言われようと、これが俺の生き方だ」

番外「くっ、ぶ……ぎゃはははははは、あははっ、ひゃはははは! ほんっと自分勝手だね。ま、そんなお綺麗な幸せ計画は、此処でミサカがぶっ壊してぶっ殺しちゃうんだけどね」

鉄釘を構えて、妹達の悪意を一身に受けた彼女は嗤う。
かつての一方通行が、信念もなく、ただ、運命に流されて人を殺していたように。

番外「そんなに言うなら勿論、このミサカを守る為に死んでくれるんでしょ? つまり、そこの最終信号は死なせるって訳だ」

一方通行「話が聞こえて無かったよォだな。…俺は、誰も死なせねェ。まだ、死ンでやることも出来ねェ」

だって、目の前の妹達<ミサカワースト>の安全が、保障されていないから。
そこまでの言葉は、言わなかった。背後に倒れている打ち止めの指先は雪を引っ掻くように動いている。

一方通行「ただ、今回ばかりは信念を曲げざるを得ねェな」

番外個体を傷つけることには、なるだろう。
でも、死なせない。絶対に。




『傾国の女』と、第二王女キャーリサがつばぜり合いを始めた頃。
風斬氷華は、自分に『死』を教えてくれた、それでいてどこまでも優しい少年の為に、立ち上がった。
垣根帝督と麦野沈利は、一人の傭兵の存在に困惑していた。
御坂美琴は、ツンツン頭の高校生に恩を返そうと、ロシア上空のヘリを襲撃していた。

そして、上条当麻とオフィーリアは。

一人の魔術師と、対峙していた。
エリザリーナ独立国同盟と呼ばれる、場所で。

目の前に居る男性は、平凡な人に見えた。
三十代中盤。
どこか上条当麻に似た顔立ちで無精ヒゲを生やし、精悍だがどこか理知的な雰囲気が漂っている。
彼は、上条刀夜という人だった。そして、魔術師だった。

刀夜「…当麻、来てしまったのか」

辺りには惨状が広がっていた。
血こそ無いものの、広場にある沢山の建物はぼろぼろだった。
上条刀夜は悲しげな顔で、上条とオフィーリアを悲しそうに見ていた。

刀夜「オフィーリアちゃんも元気そうで何よりだ。よくここまで来たね」

ともすれば、遠くから帰郷した息子たちを出迎えるような声。
だが、彼は世間話をしにここまで来た訳ではない。
大天使『神の力』の素体となる少女を確保しにやって来ただけだ。

上条「>>736

735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 22:17:30.11 ID:Nda5IylSO
ksk
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 22:29:48.90 ID:yCshjCcDo
何を……している
737 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/09(日) 22:38:07.06 ID:fRrwe8400

上条「何を……している」

低い声が出た。
周囲の惨状に、一般人と思われる民衆は泣いたり、怯えたりしていた。

刀夜「必要な事をして、待っているんだ。当麻だって、テストがあったら、まずは勉強をして、当日を待つだろう」

のんびりとした声音だった。
この場の加害者とも、被害者とも思えない声だった。
上条の中の優しい幻想が、常識が、水に流された砂の城のように崩れていく。
思わず、上条は拳を握り締めた。それに対し、刀夜は少し困った笑顔を見せる。

刀夜「当麻、」

上条「…何で、だよ」

刀夜「…」

上条「何で、こんなことすんだよ! 何の為に!」

刀夜「オフィーリアちゃんから聞いていると思っていたよ」

上条「ッ、」

世界を救う為。
言葉にすれば素晴らしい目標だが、そこに至るまでで不幸な人間をあまりにも多く出しすぎている。

上条「父さん、」

刀夜「ああ、計画通り済みそうだ」

現れたのは、赤い衣装を纏った少女。
サーシャ=クロイツェフ。
広場の人々がこれ以上傷つけられることのないように、行動したのだ。
その善意を潰すように、彼はそちらを見やる。
たったそれだけで、見つめられただけで、サーシャは意識を絶たれて倒れた。

上条「っあ、」

手を伸ばそうとした。
が、足元がぬめって転ぶ。
何らかの魔術を行っているようだが、まるでそのアクションの前兆が掴めない。

刀夜「父さんは、ただ、当麻とオフィーリアに、幸せになって欲しいと思っただけなんだ。父親として、ね」

まるで、娘と息子をいたわるような声。

フィアンマ「それが免罪符になるとでも?」

刀夜「思わないな。世界中の人には、今しばらく我慢をしてもらっているという自覚はあるから」

上条「>>739
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 22:45:35.61 ID:Nda5IylSO
ksk
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 22:54:41.94 ID:CrMdzugR0
そげぶ!
740 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/09(日) 23:34:57.97 ID:SYamG0N40

上条「…父さんが何を考えてるのかは、よくわからない。でも、こんなことをして世界を救うのが正しいだなんて、俺には思えない。沢山の犠牲を出して、人を傷つけて、幸せにするなんておかしい事を言うなら、まずは、その幻想をぶち殺す…ッ!}

ぬめる地面を右手で触れれば、あっという間に雪原へと戻る。
上条は歯を食いしばり、刀夜の下へと走った。
刀夜はやはり悲しそうな顔をして、目を伏せた。
不穏な前兆に上条は右手を突き出し、オフィーリアは右手を振る。

『聖なる右』で食い止めて尚あぶれた衝撃が、上条の右手にのしかかった。
ぐ、と耐える上条を見つめたまま、刀夜はそっとサーシャの華奢な身体を抱き上げる。
そして足元を一度ぽん、と靴裏で叩いた瞬間、その辺り一帯にだけ吹雪が吹き荒れた。
民衆は慄いて叫び、自分達の顔や、子供を腕で庇った。
上条とオフィーリアが吹雪を超えて彼の姿を捜した頃、刀夜はその広場の何処にも居なかった。

上条「…親父…」

ぽつり、と呟き、上条は無力感に目を伏せる。
オフィーリアは右手に被った雪を軽く振って払い、上条を見やった後、復興を手伝う。
上条はただ一人、自分の右手を見て、立ち尽くした。


麦野沈利と垣根帝督は、後方のアックアと名乗った傭兵に集落のその後、学園都市の部隊が来るまで守っていてくれと預けた。
そして、当てもなくロシア軍を探して散歩をしていた。
雪原の中には銃弾が飛んでいるが、垣根も麦野も頓着しない。

垣根「さて、どこから攻略する、か…」

言いかけて、垣根帝督は硬直した。
麦野は何事かと聞き返しかけ、垣根の視線の先を見やる。
その先には、一人の女性が居た。
車椅子に腰掛けており、患者服の上に柔らかそうなコートを羽織っている。

垣根「…木原、病理」

病理「こんにちは、垣根さん。お元気でした?」

にこ、と笑む。
その笑顔には悪意しか篭っていない。

垣根「>>742
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 23:36:13.11 ID:Nda5IylSO
ksk
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 23:41:04.80 ID:qoT1MmzB0
死にさらせクソババァ(羽根で叩き潰す)
743 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/09(日) 23:46:27.60 ID:SYamG0N40

垣根「死に晒せクソババァ」

本気の彼の背には、自然と翼が現れる。
それが何で出来ているのか、垣根自身もまだ完全な理解はしていない。
ただ、この世界の物質でない事は確かだ。
だからこその、存在しない、『未元物質』。
純白な翼は彼の意思に応じて、木原病理を潰そうと襲いかかる。
対して、木原病理はにっこりと笑ってみせた。

病理「麦野沈利さん、お願いしますね」

車椅子は変形し、分解・再構成を経た後、蜘蛛のような多脚ユニットへ変わる。
それによって自分の身を守った病理の発言に、垣根は眉を潜めた。
隣に立っていた麦野沈利は、ほんの少しだけ苦悶をうすら浮かべた表情で、『原子崩し』を垣根に放つ。
垣根は咄嗟に両者から距離を取って二歩程引き、動揺を隠せずにはいられなかった。

垣根「なん、っ」

木原病理の反応はわかる。
『あの事件』を起こした張本人だ、自分を苦しめようと向かってきてもおかしくはない。
けれど、麦野沈利が木原病理に従う理由が、わからなかった。

麦野「…あんたと『アイテム』なら、私は後者を取る」

垣根「ッッ…どういう事だ!」

病理「>>745
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 23:48:23.22 ID:yCshjCcDo
そのままの意味ですよ

にっこりと
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 23:48:39.75 ID:FQBJTRmt0
とにかく出てきたアイテムは全て取る主義です
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 23:50:01.80 ID:qoT1MmzB0
麦野さんのお仲間を人質にして
私が麦野さんを雇ったんですよケタケタケタ
747 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/09(日) 23:56:41.80 ID:SYamG0N40

病理「とにかく、出てきた『アイテム』は全て取る主義です…なんてジョークじゃ、通用する筈もありませんね」

トランプでどの手札を切ろうか、という表情。意地が悪く、自己完結していて、話が通じない。
垣根は病理ではなく、麦野の表情を見やる。
何か全てを隠しているような、苦しそうな様子に思える。

病理「彼女を責めないであげてくださいね。垣根さんが諦めるか、麦野さんが諦めるのかどちらかですから」

垣根「…何言ってんのか、相変わらずわっかんねえクソババアだな」

病理「そうそう、後処理も完璧ですよ。私の『心臓停止』を感じ取った瞬間、『彼等』に埋め込まれた爆弾が爆発する手はずになっています。さぁ、頑張ってください」

麦野「ッ、」

麦野は眉を寄せ、『原子崩し』を連続して放つ。
それと同時に拡散支援半導体を空中に放ってそちらへも撃った。
当然、垣根は集中砲火を受ける事になる。
だが、そこは学園都市第二位の『未元物質』。その程度では、倒れない。
翼で自らを守った彼は、空中に未元物質を撒いた。
散布された素粒子大の『未元物質』は、麦野沈利の肺の中へ、酸素と共に入り込んでしまう。

垣根「悪いが、少し寝ててもらうぜ」

何か事情があるようだと判断した垣根は、格下<麦野沈利>を殺さない。
肺の中で固形化する『未元物質』に、麦野沈利は雪の上へと倒れた。
意識を刈り取った後、垣根は彼女の体内の『未元物質』を消去させながら、自分の背後に彼女を隠す。

病理「あら、早かったみたいですね」

人材選択を間違えたかな、アイテムは重要ですよね、等とゲーム感覚で、科学者は首を傾げる。

垣根「…タダで済むと思うなよ」

病理「何を怒っているんですか? 敵でしょう、垣根さんとその子は」

垣根「>>749
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 23:58:26.22 ID:Nda5IylSO
ksk
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:01:59.05 ID:nLUMFTUg0
いいや、友達だ。
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:02:35.97 ID:WWSKhc4S0
敵じゃねぇよクサレビッチが!!
俺の大切な仲間だ!!
751 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 00:15:21.18 ID:zXTKf9s10

垣根「いいや、友達だ」

ほんの短い、短時間と呼んでもおかしくない程の短期間。
それでも、垣根は彼女とそれなりに話をして、仲良くなった。
鮭弁が特に好きで、鮭料理全般が好きだとか。
『アイテム』の面々と仲良くなれたらいいのにという独り言を耳にしたり。
垣根は、麦野沈利を敵と認識してはいない。
そもそも、戦わなければならない理由など、どこにも無い。
胸を張って友達だと宣言する垣根に、病理はうっすらと笑った。

病理「例えその友情が、偽りのものだったとしても。私に『アイテム』のメンバーの身柄を拘束され、殺すと脅され、渋々あなたと仲良くしていたと知っても、同じことを言えますか?」

垣根「………」

自分も、一方通行を騙している。
でも、一方通行と仲良くなったこと自体は事実で。
思考を混雑させている垣根帝督へ、病理は首を傾げる。

病理「そもそも、貴方のような化け物が友人なんて作れると、本気で思っているんですか? 暗部組織のリーダーを務めている人間が、誰かを幸せに出来るとでも?」

悪意に満ちた台詞は、垣根だけでなく、麦野沈利も、一方通行も、全員を侮辱している。

垣根「…血生臭い肥溜めに居る奴が、暗部に身を置いてる野郎が、他人の幸せを祈るのは…ッ、そんなに悪い事なのかよ!!!」

だから、垣根は怒りを露にする。
自分と他人の為に、怒る。

病理「あは」

女性は、静かに笑った。
嘲笑だった。

病理「うんうん、夢物語ですね。暗部なんて、立場なんて関係無い、皆幸せに―――でも。素敵過ぎてマジ寒ーいのでー、しっかりと"諦めて"いただきますね?」

諦めのプロは、牙を剥く。




番外個体は、誰かに治療をされていることに気がついた。
そして、その治療をしてくれている誰かは、同時に自分を傷つけた誰かさんだということにも、気がついた。
『シート』も『セレクター』も排出されてしまったようだ。とりあえず、体の自由が利かない。

番外「…馬鹿、じゃ…ないの。…本当に…綺麗事、…達成、…する訳? こんな、ミサカを助けても…いきば、なんて」

要らないものは処理される。
番外個体は本当に、世界の誰にも必要とされない存在となってしまった。

一方通行「うるせェ」

番外「この、ミサカは…妹達の、悪意を…表出、する…ねえ、ミサカ…なんて、…見捨てなよ…」

一方通行「うるせェっつってンだろォが。オマエ一人の人生位、世話看てやるって言ってンだ」

番外「………」

どこの誰にも生を望まれなかったクローンは、初めて生を望んでくれた相手を睨み、唇を噛んで目を閉じた。




エリザリーナ独立国同盟から出た二人は、オフィーリアの予測を元に上条刀夜が居そうな場所へ向かっていた。

上条「…」

フィアンマ「…当麻。大丈夫か?」

上条「>>753

752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:16:22.98 ID:0jHEvh/SO
ksk
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:16:30.80 ID:cYhi44wW0
俺はもう駄目だ、俺のことは気にせず先に行け
幸運を祈る・・・
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:17:20.32 ID:WWSKhc4S0
>>753

KYKYKYKYKYKYKYKYKYKYKYKYKYKYKYKYKYKYKY
755 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 00:26:52.21 ID:zXTKf9s10

上条「…俺はもう駄目だ」

フィアンマ「……、」

目を伏せた上条の瞳に、生気は宿っていない。
虚ろな瞳で、彼は言う。

上条「俺のことは気にせず、先に行けよ。幸運を祈る…」

フィアンマ「…当麻」

何だよ、と上条は泣きそうになりながらオフィーリアを見やった。
上条の中では、刀夜の言葉がいつまでもリフレインしている。

『父さんは、ただ、当麻とオフィーリアに、幸せになって欲しいと思っただけなんだ。父親として、ね』

自分の為に刀夜が凶行を犯していると思うと、本当に、泣いてしまいそうだった。

フィアンマ「…打たれるのと、キスをされるのと。どちらの方が、正気に戻れるんだ?」

上条「…………」

オフィーリアに諦念の意思は無い。
このまま放っておけば、かつての彼女の目論見通り、世界は救われるのに。

上条「…俺が、止めたんだよな」

そんな呪縛に囚われた『右方のフィアンマ』から彼女を助ける為に、自分は拳を振るったのだ。
ならば、ここで立ち止まることは、あの時の自分を否定することになる。

上条「…キスが良いな」

フィアンマ「そうか」

笑って、彼女は上条の額へ軽く口づけた。
いつかのように、勝利を願って。祝福のくちづけを。




垣根帝督は、木原病理に苦戦していた。
当然だ、彼を開発したのは木原病理であり、彼について最も詳しいのがこの女性なのだから。
彼女は第二形態、脚力補助ロボットで戦闘をしている。
あらかじめ入院患者用の駆動ギプスで足を覆っており、いざというときは車椅子なしで歩行が可能な代物だ。
虎をも蹴り殺す脚力と、それを生かした瞬発力による高速移動を駆使して、垣根を追い詰めていく。

垣根「ッッ、」

病理「ほらほら、ここで耐えないと、垣根さんも『アイテム』の皆さんも麦野さんも、みーんな犠牲になってしまいますよ? まぁ、それでも仕方が無いと諦めてくれるのなら、それでも楽しいんですけど」

垣根「>>757
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:29:47.85 ID:0jHEvh/SO
ksk
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:31:49.73 ID:bODn7qWW0
絶対死んでも諦めてやらねえよブワァーカ
758 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 00:43:10.17 ID:zXTKf9s10

           ・・・・・・・
垣根「絶対、死んでも、諦めてやらねえよ、ブワァーカ!」

病理「まったく、挑戦的な子ですね」

育てたのは私ですけど、などと独り言を言いながら、病理は笑みを浮かべる。
悪意に塗れた笑顔だ。見ている者が、恐怖と緊張を感じる程に。

病理「最終形態。イエティ参照」

彼女の身体が、変化していく。
メキメキという不気味な音と共に、巨大な腕が生えた。
恐らく、垣根が『未元物質』を駆使すれば、同じ事が出来ただろう。

垣根「…何?」

『未元物質』を勝手に使われでもしない限り、こんな芸当は不可能。
そして『未元物質』は、垣根帝督にしか生成出来ないし、扱う事も出来なかった筈だ。
だが、眼前の科学者の身体は『未元物質』によって不気味に変化したり、治癒されたりしている。

病理「クローン技術ですよ。絶対能力進化(レベル6シフト)とは、少し勝手が違いますが」

垣根「クローン、」

病理「垣根さんと似たような"モノ"を、『未元物質』生成用に一つ作ったんです。レベル3程度の『物質精製(マテリアライズ)』が精々でしたけどね」

その力<未元物質>を使っている。そのクローン体の意思は、無視。
一方通行の言葉に表情豊かに懐く打ち止めの姿を一瞬思い浮かべ、垣根は不愉快そうに舌打ちした。

垣根「オーケー、ムカついた。ぶっ殺す」

病理「…そういえば、垣根さんは顔を知らない母親について教えてくれと何年も言い続けていましたね。泣いて逢いたいと叫んだ日もありました」

垣根「あ? その話が何だってんだよ」

病理「あなたのお母様はですね、私なんですよ」




一方。
番外個体の治療を終え、打ち止めを抱え、彼は歩いていた。
番外個体もふらふらとしながら、骨折した腕を固定して吊ってある布を見ながら歩いている。

一方通行「もォ起き上がれンだろ。車を運転しろ」

そこにあったのは、乗り捨ててある盗難車。

一方通行「車の運転技術位は、頭に入ってンだろ?」

番外「>>760
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:44:20.28 ID:0jHEvh/SO
ksk
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:45:38.96 ID:bODn7qWW0
もちろん!某イニシャルがDな感じのやつの
運転データが
761 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 00:54:16.17 ID:zXTKf9s10

番外「勿論! 某イニシャルがDな感じのやつの運転データが、ね」

一方通行「そォかい。じゃあ運転手さン、エリザリーナ独立国同盟まで頼む」

番外「…でも、あなたの為に働くの面倒臭いな」

一方通行「せっかく拾った命なンだ、学習装置(テスタメント)じゃ学べねェ事学ンでから死ね」

番外「…親御さん、このミサカにもそれなりに他のミサカと似たような対応して欲しいんだけど?」

一方通行「親じゃねェ」

言いながらも盗難車へ乗り込む。
この程度の犯罪は、どうやら一方通行の中で罪には換算されないらしい。
番外個体はハッキングをした後、スムーズに走り出す。
エリザリーナ独立国同盟。
ロシアの中でも異色のその場所なら、日本人でも受け入れてはくれそうだった。




上条当麻とオフィーリアは、ロシア軍に追われていた。
重火器を持った相手に大立ち回りをするつもりは無かったので、スパイ映画よろしく陰に隠れている訳である。

フィアンマ「…恐らく、上条刀夜は俺様と当麻を自らの懐へ招く」

上条「どうしてそう思うんだ?」

フィアンマ「計画の仔細は最早俺様には読めんが、ここが危ないからだ。…言葉が真実なら、危ない場所に居させようとは思わんだろう」

上条「なるほど」

フィアンマ「…ところで、寒さは問題無いか?」

上条「>>763
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:55:43.17 ID:0jHEvh/SO
問題あるから俺としては抱き合って暖をとりたいんだが
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:56:16.99 ID:bODn7qWW0
>>762

764 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 01:07:07.73 ID:zXTKf9s10

上条「問題あるから、俺としては抱き合って暖を取りたいんだが」

どうだろう、と提案する上条に対し、オフィーリアはしばし口ごもる。
ロシア軍は何やらやりとりをしながら周辺を捜索しているようだ。
だが、二人の近辺へまではやってこない。
オフィーリアは悩んだ後、上条を抱きしめる。
上条も、寒さを埋めるように彼女の身体を抱きしめ返した。
これが最後の抱擁になってしまわないことを祈って、白い息を吐き出す。

地面が、揺れた。

空中に築かれていく神殿『ベツレヘムの星』へ、二人だけが巻き込まれていく。
決して互いを落下させまい、と二人は強く抱きしめ合った。








垣根帝督は、歩いていた。
木原病理は殺していない。『アイテム』メンバーの事を考えると、殺せなかった。
彼は未元物質で創った寝袋のようなものを麦野と病理に纏わせ、運んでいる。
二人共、目を覚まさないように手はずはうってある。
死んでも諦めないと言っていた彼の表情は、諦念と絶望に満ちていた。

『学園都市第二位、『第二候補』として、この学園都市の一番へ成り上がると決めたのでしょう? 統括理事長へ掛け合い、学園都市中から暗部を消し去ると』
『良い事を教えてあげますね。現在、学園都市第一位は、エリザリーナ独立国同盟へ向かっています』
『戦闘を経ていますから、首元の演算補助器具のバッテリーはだいぶ消費されています』
『殺すなら今、なんですよ』
『これ以上の悲劇を生み出さない為に、さあ』

垣根「……この世界は残酷だよな。犠牲が無ければ、死体を積まない限りは、誰も幸せになれないんだから」

二つの寝袋を手に、垣根は一方通行の乗っている盗難車両へ攻撃を仕掛けた。
当然、車は動きを止め、一方通行だけが出てくる。
あそこは安全地帯。きっと、暖房が効いた車内だ。
そう判断した垣根は、二つの寝袋を、そっとその車の方へと放る。
咄嗟にキャッチした番外個体に対し、一方通行は寝袋の中身を見、ひとまず寝せておけと告げた。

垣根「よお」

一方通行「…これから向かう所があンだよ。何だ、呼び止めたりして」

垣根「何、本来やるべきだった事をやるだけだ」

垣根は、その背から翼を顕現させた。
真っ白な羽は、少し、似合っていない。
次いで、彼は烈風で攻撃を仕掛ける。








一方通行はどうする?>>+2
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 01:09:27.51 ID:poXuORrDO
kskst
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 01:10:29.10 ID:0jHEvh/SO
反射も何もせず防御も回避もしない

無血説得を試みる
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 01:19:27.09 ID:poXuORrDO
今の一方さんは番外個体にやられた後なうえに貧弱モヤシなんだからていとくンに攻撃されたら死んじゃうよぉ

「あっ一方さんちーっす」ビクッ
「えっ?やだなぁ一方さんのことをモヤシだなんて言うわけないですよぉ」アセアセ
「うわっちょっ血流操作だけは勘弁って…ギャァアァ」チーン
768 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 01:22:38.91 ID:zXTKf9s10

雪が風に巻き上げられ、一方通行へ直撃する。
小手調べのつもりだったらしい、反射どころか防御も、回避すらしなかった彼の手足は、幸いちぎれなかった。
しかし、内臓へのダメージは否めない。
ボディブローを受けたような思いで、一方通行は一度咳き込む。

一方通行「…痛ェな」

垣根「……、」

打ち止めのことは番外個体に任せている。
だから、一方通行が心配すべきことは何も無かった。

一方通行「…さっきのは、第四位と…オマエを看てた研究者か。俺にとっての木原数多みてェなモンだった」

垣根「…そうだよ。衝撃の事実だ、聞いてくれ。何とアイツ、俺の実の母親なんだ」

笑いながら、垣根は一方通行を見る。
どうして反射してくれないのか。どうして、攻撃してこないのか。

一方通行「…俺を殺してどォする。…俺とオマエは、…月並みの言葉を使えば、友達ってヤツじゃなかったンかよ」

垣根「……学園都市の序列では、お前が一番上だ。そして、俺は次点。アレイスター…統括理事長が最優先するのは、お前、つまりは『第一候補』。俺みたいな『第二候補』は、掛け合う事が出来ない」

一方通行「…だから、俺を殺して『第一候補』に、か」

垣根「ああ、そうだ。…学園都市第二位という地位にまで上り詰めた俺にしか、出来ない。そうするのが自然で、そうしなきゃならねえ。お前と仲良くなり過ぎて、忘れてた。元々、お前の事は殺すつもりだったんだよ。殺すってのも非効率だから、友達っていう生ぬるい関係作って、譲ってもらえないかと考えてた。無理だな。大体、お前が死なない限り、序列なんざ変化しねぇし」

垣根はそう言いながら、未元物質で銃を創り出す。
この銃弾を反射されれば、当たり所によっては死ぬだろう。
そして何故だか、一方通行は反射をしないような気が、した。

垣根「あばよ、第一位。……俺の、…最初で最後の、……トモダチ。アクセラ、レータ…」

唇を噛み締め、引き金を引く。
音もなく発射された銃弾は、一方通行の心臓に向かう筈で、しかし、肩へと食い込んで貫通した。

一方通行「ぐ、っが……ァ!」

痛みに耐えながらも、それでも、一方通行は反撃しない。回避しない。防御しない。

垣根「…テ、メェ。お得意の反射はどうした!? ナメてんのか! 俺がお前を殺さないって、本気で思ってんのかよ! 俺は殺すぞ。テメェと違って、不殺主義なんざ掲げてねぇんだからなぁ!」

銃口を向けられた状態で、一方通行は顔を上げる。
出血した肩を、手で押さえながら。

垣根「何でだ。何で、反撃しねえ。テメェは今、殺されかかってんだぞ。俺を殺せよ。傷つけられる前に、傷つけろよ。それでこそ、学園都市第一位があるべき姿じゃねえのか!!」

一方通行「>>769

769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 01:24:16.50 ID:bODn7qWW0
もう友達が減るのは嫌だ…
770 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 01:32:47.69 ID:zXTKf9s10
>>767様、いい人だったのに…》


一方通行「もう、友達が減るのは、嫌だ…」

垣根「……、」

一方通行「…能力が無かった頃、俺は平凡なガキだった。友達ってモンも、居た記憶がある。だが、…反射して、失った」

だから、反射しない。出来ない。
これ以上友達を傷つけたくなんてないから、信念とは別の部分で、やりたくなかった。
きっと、何度垣根が引き金を引いても、戦おうとしても、一方通行は反撃しないだろう。
回避だって、きっとしない。甘んじて刃を受けてしまう。
たとえ騙されたって何だって、知ったところで、垣根が麦野沈利を敵と見なかったように。
一方通行にとってだって、垣根帝督は敵なんかじゃない。

一方通行「…大体、さっきから聞いてりゃ何なンだよ。第二位が、第一位がどうすべきかじゃなくて、オマエが、垣根帝督がどォしたいのかを重視しやがれ、クソッタレ」

自分の道位、自分らしく決めろ。
そう言って、一方通行は無様に雪へと膝をついた。

一方通行「……、…オマエがしたい事を、…俺がするンじゃ、駄目なのかよ」

垣根「……」

一方通行「…まァ、殺してェなら殺ればイイ」

でも、自分は殺さない。
信念を持って、絶対の突き通す覚悟を持って、一方通行は言う。
これが、学園都市第一位と第二位を分けた精神性なのかもしれないな、と垣根は思った。

垣根「…>>772
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/10(月) 01:40:23.40 ID:0jHEvh/SO
じゃ殺すわブスッ


772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 01:40:34.92 ID:bODn7qWW0
っち…
ズルいぜあーくんよぉ…
そんなこと言われたら殺せっこねぇじゃねぇかよ…ポロポロ

俺は今から麦野の仲間を助けに行く 
お前はチビ嬢ちゃんしっかり助けろよ

773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 01:41:08.49 ID:bODn7qWW0
>>771

クソワロタ
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 01:42:30.88 ID:mCwBbhYAO
戸惑いの無い垣根くんわろた
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 01:53:34.57 ID:poXuORrDO
戸惑いのないていとくンは確かにワロタ、けど[あーくん]呼びもワロタ
そしてしっかり嘘予告を回収してる>>1は凄い
あとは主人公二人のやつか…頑張って!

「……はっ夢か!」
「えっ夢じゃないって? じゃあ俺はなんで生きて…うわぁっリアルゲコ太!?」
「そっそうかあんたが治してくれたのか、ありがとな」
776 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 01:56:40.68 ID:zXTKf9s10

垣根「……っち…」

舌打ちをして、垣根はため息を吐き出す。
自分は何をしていたのだろう、というバカバカしさが先に来て、悔しさやら情けないやらで、垣根は笑いながらも、その瞳からぽろぽろと涙を零した。

垣根「ズルいぜ、あーくんよぉ…そんなこと言われたら、殺せっこねぇじゃねえかよ…」

一方通行「…ていとくン、」

垣根「俺は今から、麦野の仲間<アイテム>を助けに行く。お前は、チビ嬢ちゃんしっかり助けろよ」

言いながら、垣根は一方通行の傷口へ手を伸ばす。
演算をすると『未元物質』が働き、一方通行の傷口を修復していった。

垣根「…あのクソババアの形態変化ってやつを見て、こういう使い方もあんのかと思った。…ババアの趣味に付き合わされた俺の"弟"も助けに行ってくる」

一方通行「弟なンか居たのかよ」

垣根「さっき知った。ま、第三位にとっての打ち止めちゃんと同じ」

一方通行「……、」

垣根は打ち止めのことも何とかしたいとは思ったものの、能力を応用しても、そこまではたどり着けなかった。
垣根は麦野と病理を連れて、去って行く。学園都市へとんぼ返りして、『アイテム』のメンバーや、垣根の『弟<クローン>』を助けに行くのだろう。
一方通行は無事完治した自分の肩を見やり、小さく笑った。

一方通行「…案外、人を殺すだけの力ってなァ、人を助ける方面にも使えるモンだな」





『ベツレヘムの星』は暖かった。
暖房を入れている状態の室内と同じ程度に。
気圧も地上と同程度にしてあるらしく、呼吸は苦しくない。
が、上空何万kmもあるこの場所から飛び降りれば、死ぬことは確定していた。
四つある、色が付いた場所の内、青の後方だけが異様に長い。
ノイズの混ざった声が、聞こえた。

刀夜『無事来られたようで、安心したよ。怪我は無いか…と、そちらからの声は聞こえないのを忘れてた』

上条はそっとオフィーリアの身体を離し、何処から聞こえているかわからない刀夜の声へ、聞こえないとしても、吼える。

上条「>>778!」





《今日は寝ます。お疲れ様でした》

777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 02:00:22.62 ID:poXuORrDO
乙でした
kskst
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/12/10(月) 02:02:39.70 ID:VYo+sGPE0
まずはテメェの腐った幻想をぶち殺してやる!!
覚悟してろよクソおやじ!!
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 02:04:59.70 ID:0jHEvh/SO
乙セラレータ
780 :小ネタ:垣根弟 ◆2/3UkhVg4u1D [sage saga]:2012/12/10(月) 02:23:47.87 ID:mCwBbhYAO

垣根「……で、培養基から出た感想は?」

垣根弟「兄貴には感謝している、とカキネは述べた」

垣根「見た目的には…9歳くらいか。ほらよ」っ毛布

垣根弟「……空腹だ、とカキネは食事を要求した」もこもこ

垣根「飯? …何か食いたいモンあんのか?」


垣根弟「キャベツと油揚げの味噌汁を、とカキネは答えた」

垣根(好みまでそっくりときてやがる)

垣根弟「味噌汁、とカキネは再度要求した」

垣根「わかったわかった」はいはい


781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 02:29:05.12 ID:0jHEvh/SO
そういや数ヶ月前くらいにそんなネタ使ってた>>1がいたなぁ…リアルで中二の。結局エタっちまったが…
かなり昔に一方さんのクローンネタもあったが、やっぱ使いやすいんかね
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 02:30:56.61 ID:mCwBbhYAO
学園都市なら何でもやりかねない+妹達というクローンの前例 があるから充分あり得るなぁ、と…目的が無ければ生まれないが
垣根弟ネタは結構出尽くしていた記憶が
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 02:35:18.20 ID:0jHEvh/SO
ただ、大半口調が基本的に妹達か打ち止め口調なんだよなぁ…その方が自然だし、納得はできるけどなんとはなしに新鮮味はないよな…

美琴「あ、>>1さんは別よ?」
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 02:40:27.36 ID:mCwBbhYAO
あんまりオリキャラ化させるとオリキャラ嫌いにはキツいかな感が…>>1があんまりオリキャラ好かないというのもあり フォローありがとうございます

785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 02:48:46.82 ID:0jHEvh/SO
オリキャラは扱いムズいよなー…大抵叩かれるし、あまりよく思われないし…。(安価でキャラメイクした奴とかは意外と受け入れられるが(笑))
俺は、話にあまりにもそぐわない、話ブレイカーじゃない限りはオリキャラも結構好きだけど。

てかあんまり好きじゃないとか言いつつも意外とチラホラオリキャラいるじゃないですかーやだー
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 02:55:55.08 ID:mCwBbhYAO
必要な分しか作ってないからセー…セーフ…あんまり出てないし

皆様の反応次第で出演率変わりますし…うん…
オリキャラというか…ひとまずオリ主人公だけは苦手で フィアンマさん主軸に置いてるのでまず無いですが
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 12:26:58.26 ID:0jHEvh/SO
オリ主系もよっぽどうまい事やらないとアレだしねぇ。
オリキャラは出すなら出すで個性強い、全力で突き抜けるキャラだといいと思うんだよ。
モブクラスのキャラだと、例え原作に適当なポジいない故の代役だとしても、空気で終わってちょい勿体無い気はするんだよ。
例えば鹿児島くンの書くモブオリキャラは、ワンシーンしか出ないのにかなり面白い上に強烈なインパクト残すくらいだし。
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 12:36:03.49 ID:mCwBbhYAO
なるほど…じゃあ真面目に垣根弟を出すか…いやでも…うーん難しい
789 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 19:33:15.01 ID:i27RtlB30

上条「まずはテメェの腐った幻想をぶち殺してやる!! 覚悟してろよ、クソ親父!!」

父親のことは、まだ嫌いではない。
きっと何らかの事情があるに違い無いのだ、と上条は未だ希望的観測を抱いている。
だから、この宣戦布告は、上条刀夜だけでなく、上条刀夜を凶行に駆り立てた『何か』に対してのものだ。
人はそれを、神様や運命などとでも呼ぶのかもしれない。
上条は深呼吸して自分を落ち着かせ、オフィーリアの手を取って立ち上がらせる。
彼女は立ち上がった後、自分の体についた雪を手で軽く払った。

上条「…それにしても」

広大な『ベツレヘムの星』。
どこまでも続いていそうな空中の城の奥を眺め、上条は眉を下げる。
外では、『神の力』の叫ぶ声が響き始めていた。
だが、二人が飛び降りて大天使を止めることは、根本的な解決にはならない。

上条「広いな。ライフラインとか、無いのか?」

フィアンマ「あるとも」

彼女は、とある方向を指差した。
古典的なトロッコらしき乗り物がある。
あれに乗るのか、と首を傾げる上条の視界へ、ふと何かが移った。

上条「あれ、…ミー…じゃなかった、サーシャ?」

サーシャ「…第一の質問ですが、何故私の名前をご存知で?」



一方通行は、ロシア軍より謎の羊皮紙を入手した。
直感で、これは打ち止めの治療に役立つと判断する。
ロシア軍は、どうやらこの羊皮紙を狙っているようだった。

一方通行(…何か妙な感覚、だよなァ…)

海原光貴が近づいてきた時や、あの修道女が金の折り紙をばらまいた時と同じ。
胸にのしかかるような重圧が、空から軽く降り注いでいる。

一方通行「…何はともあれ、解析してみる価値はあンだろ」



垣根帝督は、麦野沈利と共に学園都市のとある研究所を歩いていた。
光を放つ暴虐の女王と、羽を舞わせる路地裏の帝王はのんびりとしている。
木原病理が居ない研究所の研究員など、デコイも同じ。

垣根「つまんねえな。ま、簡単に進むってのもそれなりに楽しいが」

麦野「無駄口叩いてないでさっさと行くわよ」

垣根「…『アイテム』は…無事、みてえだな」

絹旗「麦野…? それに、…」

科学サイドの前に、障害など無かった。




サーシャに事情を説明した後、一刻も早く安全な場所へ退避するように告げた二人は、トロッコへと乗った。
到着したのは、限りなく広い青の後方、青い儀式場周辺。
オフィーリアの指示に従って適宜儀式場を破壊していくと、効果が現れた。
『神の力』の天使の力の総量が減退した。勿論、これは彼等だけの功績でなく、青き孤高の傭兵や、少女を無事救った血まみれの白い少年のおかげでもある。
四大属性を修正し終えた以上、上条刀夜の前に立ちふさがる障害と呼べるものは、残り二つ。
オフィーリアという少女と、実の息子である上条当麻の二名。
彼は少し困った後、二人の前へ姿を現した。

刀夜「……もう少しで終わるんだぞ、当麻」

まるで、バーベキューの肉が焼きあがる時間を待ちきれない息子へかける優しい言葉のような、日常の香り漂う一言。
その事がかえって、この男の異常性を際立たせているように思えた。

上条「>>791
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 19:36:45.57 ID:0jHEvh/SO
随分完結を急ぐなぁ…ksk
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 19:38:25.03 ID:DEkCg7JC0
あぁそうだな。俺が終わらせるからな
792 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 20:26:14.98 ID:i27RtlB30

「あぁ、そうだな。俺が終わらせるからな」

こんな馬鹿げた戦争も。
父親の凶行も。
上から目線の世界の救済とやらも。

全部全部、この手で終わらせる。
その決意を確かめるように、上条は右拳をぐっと握り締めた。
そんな息子の様子に、刀夜はやはり困った表情のままでいた。
まるで、子供に玩具を強請られた父親のような表情だった。

「…当麻。これは、当麻も望んだことなんだよ」

「…俺も? 何言ってんだよ」

とうとう本当におかしくなってしまったのか。
そんな考えが頭を過り、上条は眉を潜める。
対して、刀夜は静かに語り始めた。

「…当麻は、私の息子だ。それは変えようが無い事実で、私自身もそれを誇りに思っている」

「……、」

「そして同時に、私はオフィーリアちゃんの事も大切に思っているよ。…娘のような感情かな」

「…親父?」

「…納得するまで、全部話した方が良いだろう。当麻は真っ直ぐな子だから」

嘘もごまかしもしない。
そう前提を置いた上で、刀夜は真面目な表情を見せた。
上条がいつも何かに迷った時、励ましてくれる時の、顔だった。
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:26:16.43 ID:mCwBbhYAO
+
794 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga !蒼_res]:2012/12/10(月) 20:27:02.63 ID:i27RtlB30

ある所に、全てを兼ね備えた神様を超えた存在が居た。
彼、或いは彼女は、長く長く生きていた。
人間などでは、到底想像もつかない程に、長く。
やがてその存在は、生きることに飽き果ててしまった。
何しろやる事が無い。仮に創ったとしても、すぐに終わってしまう。
本当の意味で全能を兼ね備えた『それ』は、退屈していた。
恐らく、今、現存する言葉で『それ』を表現するとしたのなら、神浄、竜王、神上…様々な熟語になることだろう。
『それ』は人類が成長していくのを眺めながら、観察しながら、暇を潰す方法を考えた。

最初は、沢山の人を不幸にしてみた。戦争の火種を蒔いてみた。
人々は予想通りに争い、醜く奪い合った。
次に、沢山の人を幸せにしてみた。食糧を充実させてみた。
人々は予想通りに争い、醜く奪い合った。

さて、何をしても予想通りでつまらない、と考えた『それ』…仮に名前を付けるとしたのなら、神浄は。
直接、ランダムに、一人の少年を選んでみることにした。
それこそが、上条刀夜。後に、上条当麻の父親となる男。
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:27:03.91 ID:mCwBbhYAO
+
796 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga !蒼_res]:2012/12/10(月) 20:27:27.82 ID:i27RtlB30

最初こそ、少年は戸惑った。
少年が親しんでいたのは、学園都市でない『科学』だった。
だから、急に見えない誰かが話しかけてくるなどと、他者に訴えることは出来なかった。
だって、そんなことをすれば心配されて、精神病院へぶち込まれてしまうに決まっている。
少年はしばらく黙って過ごした。すると、神浄は彼に沢山の幸福を与え始めた。

頭脳明晰、恐ろしい程の豪運、異性に好かれる雰囲気、望む全て。

年頃の少年なら、すぐにでも欲しいと願うものを授けた。
刀夜は不思議そうに、どうしてこんなことをするのかと問いかけた。
ただの暇潰しだ、と神浄は答えた。ただ、それだけだった。


少年はやがて大人になった。
愛する女性を得て、生きていた。
神浄から授けられた知識は魔術の『原典』に近いそれであり。
尚且つ、純度の高い『原典』のようなものを学んだ刀夜は、魔神にすら手が届く程の優秀な魔術師になっていた。
だが、刀夜は今しばらく、平凡な人生を望んだ。
そして、それと同時に、神浄へ多大なる感謝をしていた。
神浄は、人々が結集するところを見てみたい、と言った。
どんな戦乱にも負けない程の、強い、人の絆を見てみたいと言った。
そして、最初に設定しておいた筈の属性がおかしくなっているから、直してくれとも。
勿論、神浄の意思で直す事は容易だったのだろう。容易過ぎて、敢えてやらなかった。
刀夜は、流石にそんなことをするのは恐ろしいと言って、断った。
神浄はただ、つまらなそうに笑い声を漏らしていた。
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:27:28.80 ID:mCwBbhYAO
+
798 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga !蒼_res]:2012/12/10(月) 20:27:47.94 ID:i27RtlB30

刀夜の妻は、子供に恵まれなかった。
どんなに不妊治療をしても、なかなか授かることは無かった。
勿論、刀夜はどうにか妻の願いを叶えようと精一杯頑張った。
学生時代の頃から付き合っていた大切な彼女を、悲しませたくはなかった。
だが、神頼みをすれど、科学的にアプローチしてみても、授からないものは授からない。
困り果て、苦渋の決断の末、刀夜は神浄に祈った。

何でもします、従います、だから、どうかこの家庭に子供を…。

神浄はやはりつまらなそうな笑い声を漏らして、承諾した。
加えて、神浄は自分という存在を半分に分かつことに決めた。

一つは、正義感に塗れた暴力性。
一つは、慈愛に満ちた脆弱性。

魂を二つに分けた結果、自然と性別も分かれた。
神浄は前者の男子を刀夜の妻の腹に自らとして身ごもらせ。
もう一方、後者の女子は適当な女の腹へと身ごもらせた。
刀夜に出された条件は三つ。

一つは、世界救済を名目として、歴史に残る大戦争を引き起こすこと。そして、人類を団結させる。
一つは、神浄の半分の魂を占める息子だとしても、育てること。
一つは、適当な女の腹へと身ごもらせた女の子供を探して、生かすこと。

息子はともかく、女の子供についてはどうすれば見つかるかわからない、と刀夜は言った。
別に、全能たる神浄は考えもなしに放った訳ではなかった。
二人の子供は、産まれた腹も継いでいる血も、細胞も違えど。
互いに特殊な右手を持ち、その事に悩まされる。

一方は莫大な魔力を半永久的に生み出し。
一方はその莫大な魔力を消せる程の力を持つ。

前者は圧倒的な幸運に愛され。
後者は圧倒的な不運に愛される。
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:27:48.99 ID:mCwBbhYAO
+
800 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga !蒼_res]:2012/12/10(月) 20:28:31.47 ID:i27RtlB30

そして、やがて刀夜と詩菜の元に産まれた男の赤ん坊は、後者だった。
生まれつき特殊な右手<幻想殺し>を持ち、不運にとかく愛されてしまった。
刀夜は悩みに悩んだ。どうしても息子の不運は消えないとわかっていて尚、努力した。
職業柄、世界各地を飛び回る事を活かしておみやげを買ってきたり。

男の子―――当麻を連れて、世界各地でお払いやお祈りをしてもらったり。

けれど、幸運と不運を竹で二つに割った内の不運である当麻は、不幸なままだった。
果てには、不幸なことに、見知らぬ大人から借金はお前のせいだなどと言われ、刺された。
神浄の魂を宿しているということは、もはや関係無かった。
自分の息子の為に、一生懸命に奔走した。約束した内容の準備も執り行いながら。
その途中、刀夜はとある枢機卿の所へ引き取られた愛らしい少女と出会った。
その子こそが、刀夜の捜すべき、『幸運』を受けた側の女の子。
当麻と『神浄』を二分した、特別な右手を持つ子供。

刀夜は一度だけ、当麻とその子供を引き合わせた。

オフィーリアという、女の子と。
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:28:32.64 ID:mCwBbhYAO
+
802 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 20:28:55.20 ID:i27RtlB30

刀夜の言葉に、嘘は見えなかった。
魔神に近いという話も、その実力を見れば納得出来た。
オフィーリアも上条も、自分の意思でお互いを好きになったのだと思っていた。
仕組まれた事だと思っていた。実際、仕組まれていた。
産まれる前から、魂や運命のレベルで調整されて。

全てを聴いた後、上条は、ぽつり、と呟いた。

「…そっか。そうだよな、平凡なだけのただの男子高校生が『幻想殺し』なんて持ってる訳無い」

握り締めた力が強すぎて、右手のひらからぽたぽたと血液が床に落ちた。

「俺は、どうしたら皆が幸せになるのか、って、必死に考えながら生きてきた。―――本当は、もっと、ずっと、簡単な事だったんじゃないか。誰よりも化け物<疫病神>だった俺が、消えればいいって」

「当麻、」

それは違う、と刀夜は遮った。
契約の後に授かった子供だったとしても。
上条刀夜にとって、上条当麻は、本当に自慢の息子だった。
現在進行形で、そうだ。

「………親父は、ずっと隠してたんだな。…そして、…この戦争は、俺たちが望んだ事だったんだ」

「……」

オフィーリアも、目を伏せる。
自らの異常な精神性に気付いていなかった訳ではない。
どうしてこんなにも意志薄弱なのか、理由を求めていた時期もある。
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:28:56.33 ID:mCwBbhYAO
+
804 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 20:29:58.34 ID:i27RtlB30

上条「………」

ならば尚更止めなければ、と上条は思う。
ゆっくりと息を吐きだした。
オフィーリアよりも、一歩前に出る。
彼女も世界への加害者に相当するのだろうが、自分と同罪なのだから、何かから庇いたかった。

上条「…親父」

刀夜「…何だ、当麻」

上条「…親父がやってきた事は、隠蔽もされずにバレてる。…だから、…この先、きっと元には戻れない」

刀夜「…そうだな。母さんには、可哀想なことをした」

全て自分のせいなのだ、と刀夜は頷く。
そして、手に持っていた『神の力』を制御する為の杯から『禁書目録』の遠隔制御用霊装を取り出した後、杯を握り潰した。

これは、上条刀夜が神浄という存在へ捧げる、恩返し。
そして、自分の息子を傷つけた世界を痛めつけ、幸福と契約完了を得る為の儀式。

フィアンマ「…当麻、」

何かを言いかけて、オフィーリアはどう言えばいいのかわからないまま、視線を彷徨わせる。
世界救済計画については知っていても、上条と自分という存在の正体については、まったく知らなかったようだ。
そんな彼女の方を一度見やって、上条は言う。

上条「>>806
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:34:38.29 ID:0jHEvh/SO
なぁ、父さんが酷い中二病なんだがどうしよう?
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:35:47.05 ID:oXFPoTX90
俺この闘いに勝ったらお前とデートしたいな
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:41:33.66 ID:0jHEvh/SO
にしても、>>1は毎度毎度、安価設定からよくこんだけ秀逸すぐる文章が打てるよ…
まさに脱帽だわ
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:50:22.70 ID:mCwBbhYAO
厨二だって、突き通せばファンタジーになるんだ!
809 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 20:51:31.56 ID:i27RtlB30
>>800 ×幸運と不運を竹で二つに割った内 ○竹を二つに割ったかのような幸運と不運の内》


上条「俺、この闘いに勝ったら、お前とデートしたいな」

上条はこんな状況で、それでも微笑んでみせる。
勝利を確信しているのは、目的を聞いたからかもしれない。
そんなにも人々の結集した力が見たいというのなら、見せてやれば良い。
上条はこの世界を心の底から嫌ってはいたが、この世界の人々の事は嫌いじゃないし、信じている。
少なくとも、自分の身の回りに居る人間なら、こんな戦争を望んだりしないと信じている。

そんな上条に対して、オフィーリアは表情を和らげた。
例え『中身』が何であったとしても関係無いと、断じてくれたような気がした。

フィアンマ「…それは、俗に言う死亡フラグらしいぞ?」

上条「だよな」

フィアンマ「……たとえ、当麻が化け物だと言われる立場でも。普通とかけ離れていても。その本質がどれだけ罪深くて、救いようが無くても。それでも、俺様は胸を張って言えるよ」

上条「……、」

彼女は庇われないよう、一歩前に出た。
庇われるだけが、守られるだけが、役割じゃない。
少なくとも、この場で強者でいられる自分は、戦うべきなんだ。
そして、そうしなくてはならないから立ち向かうのでもない。
純粋に、自分の意思で、立ち上がる。

フィアンマ「―――俺様は世界で一番、上条当麻を愛している、と」

そう言って、彼女は右手を水平にゆらりと突き出した。
細い手が、指が、それでも強力で優しい力を持っていることを、上条は知っている。

上条「一つ、確認しても良いか。オフィーリア」

フィアンマ「ん?」

刀夜は、ゆっくりと一度だけ呼吸をした。
息子と、少女に手を挙げる事を、怖がっているかのようだった。

上条「……俺は、上条当麻。科学でも魔術でも説明出来ない、世界にたった一人の、平凡な男子高校生。それで、いいよな」

フィアンマ「…当たり前だろう。それ以外に、一体何があるというんだ?」

当麻が人間であることは、オフィーリアが保証する。
オフィーリアが人間であることは、当麻が保証する。

だから、もう彼等は『神浄』とは呼ばれない。人智を超越した化け物なんかじゃない。
自分の脚で立ち、自分の意思で敵に立ち向かい、自分の心で人を愛せるのだから。







一方。
垣根帝督は、アイテム勢に囲まれて居た。
本来ならばロシアへ戻った方が良いのかもしれないが、最早そんな体力は残っていなかった。
故に、『アイテム』の面々と垣根帝督、そして垣根帝督のクローン体である…便宜上『垣根弟』と呼ばれる少年は、ファミリーレストランに居た。

フレンダ「それで、麦野はともかく、何で第二位が私たちを救出しに来た訳?」

絹旗「超気になります。…まさか、麦野の…?」

麦野「私の何だってのよ」

垣根「>>811
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:55:05.91 ID:0jHEvh/SO
ああ、お察しの通り、沈利の旦那だ。
今度の春に式をあげる。よかったら参列してくれキリッ
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:56:28.83 ID:oXFPoTX90
俺は結構麦野の事好きだぞ?

そんなことより爆弾は外したのは良いけど
なんか気分悪くなったりしてないか?
悪いなら病院に運ぶぜ?イケメンスマイル
812 :読まなくてもいい キャラ紹介5 [saga]:2012/12/10(月) 21:08:12.98 ID:i27RtlB30

○垣根弟

一人称は『カキネ』。

学園都市第二位、垣根帝督の体細胞クローン。
帝督の事は『兄貴』か、『垣根帝督』と呼んでいる。
学園都市『超能力者』第二位の能力である『未元物質』を精製するだけの能力。
想像力に乏しく、食欲が旺盛。
患者服のようなものを着せられて培養基に入っていたが、服のセンスは垣根帝督と同様。

「〜〜と、カキネは述べた」等、過去形の話し方をする。

キャベツと油揚げの味噌汁を何より好む。
垣根帝督<オリジナル>については好きでも嫌いでもない。
子供の割に策士。時々駄目な子。あきらめが早い。
無類の犬好き。

見た目は9歳。
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:08:14.14 ID:mCwBbhYAO
+
814 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 21:08:37.50 ID:i27RtlB30

垣根「俺は結構麦野の事好きだぞ?」

麦野「す、」

絹旗「!?」

フレンダ「す、す…!」

滝壺「…すぴー…」

浜面(滝壺だけ安定してるな…)

垣根「そんな事より、爆弾外したのは良いけど、なんか気分悪くなったりしてないか? 悪いなら病院に運ぶぜ?」

にこ、と笑みを浮かべる垣根帝督。
実はモデル雑誌の表紙をいつも飾っていますと言われても問題の無い爽やか笑顔。
所謂イケメンスマイルに、絹旗はそれとなく視線を逸らし、フレンダは不服そうに口もごり、麦野は動揺し、滝壺は眠そうだった。

浜面「あれは内臓に関与しないタイプだし、あれ程度の修羅場は俺以上に面々の方が慣れてる。問題ねえだろ」

垣根「わかってねえな、仕上くん。女の子ってヤツはデリケートなんだよ。ちょっと気を抜くとボコボコにされんのがオチだぜ?」

浜面(気を抜いてなくてもボコボコにされるけどな!! 理不尽!)

垣根「ま、俺には関係のねえ話だが」

浜面「そこで超能力者アピールかよ…ッ」

垣根弟「そこが兄貴の欠点、とカキネは指摘しあぐっ」

垣根「黙って食えコラ」

べち、と頭をはたかれ、垣根弟は頭を押さえてぐぬぬと唸る。

麦野「…っていうかそのガキ、どうする訳?」

垣根「あん? >>816
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:11:34.56 ID:PvqVi4+g0
そうだなぁ……麦野との子供って事にしちゃダメ?
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:12:07.88 ID:XuZXFRWC0
孤児院におくる
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:13:25.50 ID:PvqVi4+g0
それは無理があると思うってカキネは以下略
818 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 21:19:16.21 ID:i27RtlB30

垣根「あん? 孤児院に送る」

麦野「『置き去り』扱いか。実験所に持っていかれそうなモンだけどね」

垣根「そこが面倒臭ぇんだよ」

どうしようか、と考えながら、垣根は子供を見やる。
ちゅるる、とナポリタンを食べている様は本当に只の幼い子供だ。
しかし、彼は垣根帝督、つまりは『未元物質』を創れる訳で。
恐らく、適当な孤児院へ放れば、研究体として研究所へ逆戻りということになるだろう。
だからといって、自分が面倒を看るというイメージは湧かない。

垣根弟「殺害した方が手っ取り早い、とカキネは提案した」

垣根「…お前な」

垣根弟「このナポリタンというものを食して充分満足した、とカキネは提案内容についての理由を述べた」

淡々としている。
普通、ここまで厄介者にされたら哀しい筈だが。
最早、そんなことには慣れきっているのかもしれない。
何しろ、つい最近までこの子供の面倒を看ていたのは、現在病院に居る『諦めのプロ』、木原病理なのだ。
例えどんなことがあっても、淡々と諦めてしまう性格なのだろう。恐らく。

垣根弟「……何かを望んでも良い事など無かった、とカキネは事実を述べる」

そんな、見た目九歳児の切ない発言を聞いた後。
フレンダは、ちらりと麦野を見やった。

麦野「…何よ」

フレンダ「>>820
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:20:22.81 ID:0jHEvh/SO
なんとなく、麦野に似てるなーって思ったわけよ
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:21:40.33 ID:cj+vkinu0

>>819
そうだ

麦野と垣根の子供って事にして二人で育てたら

ごめんなさい!だからビーム撃たないで!
冗談だから!助けて垣根!
821 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 21:30:54.62 ID:i27RtlB30
>>818 ×事実を述べる ○事実を述べた》

フレンダ「なんとなく、麦野に似てるなーって、思った訳よ」

麦野「…私?」

眉を潜め、麦野は垣根の膝の間で無心にナポリタンを食べている垣根弟を見る。
確かに、自分も厄介者扱いされて生きてきた。
往々にして、大概の超能力者なんてそんなものだ。一部の例外広告塔を除いて。

フレンダ「そうだ」

麦野「あん?」

フレンダ「麦野と垣根の子供って事にして二人で育てたら」

提案を言い終わらない内に、麦野は指先をフレンダへ向けてにっこりと微笑む。
フレンダは無意味と知りながら咄嗟に浜面の後ろへと隠れた。
「俺かよ!?」等とビビる浜面越しに、フレンダは言う。

フレンダ「ごめんなさい! だからビーム撃たないで! 冗談だから! 助けて垣根! 結局、心の底からヘルプって訳よ!!」

麦野「ビーム言うな。さんにーいちどば」

垣根は垣根弟の頭をぽんと撫でた後、麦野の手を握る。
フレンダに指先を向けていた方の手だ。

麦野「…、…き、…気安く触ってんじゃねえよ」

垣根「まあまあ、格下に一々能力使うってのも馬鹿馬鹿しいだろうが。演算の無駄だ」

麦野「私はムカついた物は壊すんだよ」

垣根「凶暴過ぎるとモテないぜ?」

麦野「ああ!? 誰が非モテ行き遅れだコラ!」

垣根「言ってねえし。…ま、その話、悪くねえな」

麦野「は?」

垣根「だから、コイツを俺とお前のガキとして育てるって話」

垣根弟は話題の中心が自分であることに気がつき、首を傾げる。
確かに、垣根のクローンではあるが、麦野の血も引いていますと言えばそう見えなくも……ない。

垣根「ダメ?」

麦野「>>823
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:32:41.95 ID:XuZXFRWC0
OK
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:32:48.61 ID:1HX9y/NX0
駄目。
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:34:10.88 ID:0jHEvh/SO
うん♪いーよ♪


…とでも言うと思ってんのかテメェェピキピキ
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:36:05.87 ID:0jHEvh/SO
まぁ必要な段階を踏めてないから引き取るのはムズいよなぁ…
826 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 21:38:37.83 ID:i27RtlB30

麦野「駄目」

垣根「えー」

麦野「えー、じゃねえよ! 常識的に考えりゃすぐわかんだろうが!」

垣根弟「兄貴に常識は通用しない、とカキネは補足した」

垣根「別に俺は常識人だっての」

麦野「大体、何で恋人でもねえ男のガキ協力育ててやんなきゃならない訳? こちとら慈善事業はやってないんだよ」

垣根「恋人だったら良いの?」

麦野「だから違うって……ああもう!!」

絹旗(超お似合い)

フレンダ(お似合いって訳よ)

滝壺(むぎの…頑張って…)

のんびりとした時間は、過ぎて行く。






上条刀夜の魔術行使は、ほとんどノーアクションだった。
これといった前兆が無い分、構えにくい。
強いて言えば、視界が射程圏内。それ位しか、情報が無い。
上条もオフィーリアもお互いを庇いながら攻撃していた影響で、ボロボロだった。
息は切れ、髪は乱れ、視界はぼやけている。

上条「何、か…良い、方、法、無いっ、の、かよ」

げほげほ、と咳き込む上条に対し、赤い光線が飛んでくる。
咄嗟に右手で防ぎながら耐える上条に、オフィーリアは視線を動かしながら返す。

フィアンマ「>>828
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:41:36.99 ID:1HX9y/NX0
逃げるんだよ。
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:42:18.48 ID:XuZXFRWC0
俺様と上条で合体だ!
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:43:20.23 ID:cj+vkinu0
当麻の右手を切り落とせば
神浄が目覚める
830 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 21:51:53.16 ID:i27RtlB30

フィアンマ「俺様と当麻で合体だ!」

どやー、と効果音がつきそうな顔である。
この状況でそんな態度が可愛いやら、合体という単語がエロいやらで困惑する上条。
オフィーリアは語弊が無いようにと、やや申し訳無さそうに言葉を付け加える。

フィアンマ「…当麻の右手を借りる。…『聖なる右』を完成させるには、一時的に必要なんだ」

上条「完成したらどうなるんだよ」

フィアンマ「…世界を救える程の力全ての表出。ありとあらゆる困難を乗り越える神上の力になる」

上条「……死ぬような気がするけどな」

この状況で、オフィーリアが自分の右手を使って世界を救おうとするとは、上条は考えていない。
刀夜から放たれる銃弾のような攻撃を回避し、オフィーリアは上条の瞳を見つめた。
強制はしない。けれど、それ以外に勝利する方法が見えない。

フィアンマ「…全ての話が真実ならば。魂を分けている今、完全に同調することは無い。俺様の『聖なる右』を当麻がまだ完全に消せないように、俺様の『聖なる右』も当麻の右手と未来永劫に接続される訳ではない」

上条「…つまり、どうなるんだ?」

フィアンマ「…多分、」

修復される。
その一言に、上条は今までの自分の事について考えてみる。
異常な程の回復力は、恐らく神浄とやらに基づいている。
なる程、神浄と神上、どちらもが生きて、別々に完全に成立出来る筈もない。

上条「………オフィーリア」

フィアンマ「…何だ」

上条「死んだらごめんな」

フィアンマ「死なせんよ」

絶対に。



一方通行は、学園都市の特殊部隊に拘束されていた。
そして、その隊員がチョーカーのスイッチを切ろうとした瞬間、動く。
聞いた事は無かったけれど、親友たる垣根帝督が望んでいるであろう悲願を、達成する為に。

一方通行「…これは、凱旋だ」





ファミレスでの子供をどうするか談義は白熱している。
戸籍等は垣根の金と権力でちょろまかすにしても。
問題は住居だ。やはり、孤児院へぽいと投げ捨てる訳にはいかない。

垣根「一人で面倒看んのかよ…」

麦野「>>832
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:55:03.77 ID:cj+vkinu0
はぁ……しゃあないなぁ……

わかったわよ手伝えば良いんでしょ
ただし手伝うのはアイテム全員でやるから
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:56:10.28 ID:5AdI09Gy0
>>831

べ、別にお前の為なんかじゃないんだからな!カオアカラメ
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:59:37.94 ID:mCwBbhYAO
顔赤くするむぎのんもドヤ顔のフィアンマちゃんもかわいいな…
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 22:10:14.58 ID:0jHEvh/SO
自然の摂理だからな
835 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 22:12:33.36 ID:jg9r7z+20

麦野「はぁ……しゃあないなぁ……」

本当に呆れたように、ため息を零す。
麦野沈利は、ほんのちょっぴりだけ、垣根帝督に同情した。

麦野「わかったわよ、手伝えば良いんでしょ」

垣根「!」

麦野「ただし、手伝うのは『アイテム』全員でやるから」

有無を言わせない態度で言う麦野に、『アイテム』メンバーは苦笑いで頷く。
何だかんだで仲良しなんじゃないか、と垣根は思った。
垣根弟はというと、マイペースに垣根のメロンソーダに興味を示している。

麦野「べ、別にお前の為なんかじゃないんだからな!」

僅かに顔を赤らめて言う麦野。
本人も何故顔が赤くなるのか、さっぱりわかっていない。
しかし、このことについて突っ込めば確実に穴だらけにされるだろうと判断した面々は、黙っておいた。
ただ一人、垣根帝督は何故彼女が顔を赤くしているのか、わからないままに興味を持つのだった。





上条当麻の切断した右腕を捉え。
完全な状態になった『聖なる右』には、制限時間がある。
上条当麻が、自らに眠る神浄の力を押さえ込んで自らの右手を修復するまでのわずかな時間だ。
刀夜もそれは承知していて、しかし、抵抗をやめるつもりは無い。
もはや何の為に戦っているのか、刀夜自身もわかっていないのかもしれない。
空からは黄金の光が降り注ぐ。それは刀夜の後押しをすると共に、オフィーリアの神の如き者の力をも底上げした。
何度も右手を振るわれ、刀夜は後退していく。やがて彼は、壁際まで追い詰められた。
それでも今更後に引く訳にはいかず、彼は真っ直ぐな瞳でオフィーリアを見上げた。

フィアンマ「…全て、終わりだ」

刀夜「……」







刀夜はどうする?>>+2
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 22:16:07.41 ID:kVM7DGvu0
ミカエル召喚
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 22:16:19.96 ID:0jHEvh/SO
ああ、君達の足掻きが、ね…

『右手』を消して、地下牢に落とす
838 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 22:22:34.00 ID:jg9r7z+20

刀夜「ああ、君達の足掻きが、ね…」

悲しそうな声だった。
悲しそうな表情だった。
悲しそうな、痛々しさだった。

刀夜は目を伏せ、無言で自分の右手を傷つける。
先程杯を砕いて出来た、鋭い欠片で。
一時的に相手の同じ部位を無効とするそれは、神上と神浄の力にも勝る。
『聖なる右』が消え、上条の右手も元に戻ったものの、それでも、もう遅い。
刀夜は、実に父親らしい顔で、声で、二人を堕した。
絶対に出る事が出来ないとされている、コキュートス<永久凍土>の地下牢へ。
殺すつもりは無い。ただ、世界の救済計画が済むまで、大人しくしていてもらうだけだ。

上条刀夜は、世界で最も、二人の幸せを願っている人間なのだから。







地下牢といっても、精密には、本当の地下とは言えない。
広大で巨大な『ベツレヘムの星』内部に作られた奇妙な空間だ。
何も無く、ひたすらに満たされる寒さが、精神力と体力を奪っていく。

上条「は、……オフィーリア!!」

右腕の痛みは消えている。
何事も無かったかのように、上条の右手は元の状態へ戻っている。
彼は尻餅をついた状態から立ち上がり、白い息を吐き出しながら大声を出す。
はぐれてしまったようだ。此処はどうやら、迷宮のような作りになっているらしい。
『アドリア海の女王』や『女王艦隊』と違い、氷で出来ているこの場所は寒い。

上条「……」





上条はどうする?>>+2
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 22:51:00.24 ID:qDKeb3TG0
はいはい加速加速
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 22:55:07.90 ID:0jHEvh/SO
一応右手が効くか試すが、効かない。また、魔術とは別種の物であると気づく。

841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 22:58:47.15 ID:bODn7qWW0
魔術じゃないなら何さ
842 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 23:06:00.94 ID:jg9r7z+20

大気中の水分を取り込んで氷にしているのかもしれない。
魔術の可能性を思い浮かべた上条は右手を伸ばし、ぺたりと壁に触る。
氷の壁はひんやりとしていて冷たく、『幻想殺し』が効いた様子は一切無い。
一度切り取られたから力が無くなったのかと思うも、そうそう簡単に無くなるものならそもそも苦労しない。

上条「…っていうことは、魔術じゃ無い…?」

異能の力ならば壊れる筈。
つまり、これはいたって普通の、自然的な物理現象。
しかし、『ベツレヘムの星』にこんな場所を創るスペースがあるだろうか。
もしかすると、魔術で作られた何かに囲われた場所を、更に物理的な氷で埋めているのか。
まるで冷凍庫だ、と思いながら、上条は真っ白な息を吐き出す。
身震いする程の寒さだが、歩けなくなる事は無い。


オフィーリアは、歩いていた。
氷の壁に触れる。冷たいだけ。
どこまでも硬質で、破る事は出来ない。

フィアンマ「…は」

吐きだした息は真っ白だった。
差し詰め、『永久凍土』という物語上作られた牢獄を如何にして現実化するか、と考えた場所なのだろう。
となれば、一定の場所へ一定の打撃を与えれば壊れてくれる筈だ。
その外は物理的なそれではなく、魔術的な囲い。そこまで追い込めば、どうにかなる。

フィアンマ「……」

無言のままに、測量を開始する。
身体を使っての測量は久しかった。
正確性を得られない為、普通は器具などを用いる。

フィアンマ「…当麻」

心細い思いで、彼の名前を呟いた。
返事は無い。

フィアンマ「………おじい様」

地道な作業をしながら、打撃を与えるべき場所を計算する。
脳内の知識と照らし合わせ、余計な情報については考えない。
『預言』は珍しく、何も告げてはくれない。助けてはくれない。
正真正銘、彼女一人の力でどうにかしなくてはならない。
かつての家族に、上条に、預言に、頼ってきた彼女には、自らの意思というものがあまり無い。
流されるまま生きてきた。能動的に動いた事など、ほとんど無かったと思う。

フィアンマ「……、…俺様は、…」

どうしたいんだろう。
印を付けた場所を、右手に現出させた黄金の小刀で地道に掘っていく。
誰にも、何にも助けてもらえないのは、苦しい。
それでも、これがまともに生きることか、と彼女は思う。

フィアンマ「…普通だと、言ってくれた。…こんな、…こんな人間でも」

普通の女の子だと、上条は笑ってくれた。
これ以上、この状況で泣いて助けを求めるつもりは無い。
自分の道は、自分で切り開く。
そんな彼女の背後に、誰かが現れた。
オフィーリアは小刀を握ったまま、のろのろと後ろを振り向く。






そこに居た人物(禁書キャラ名。1人)>>+2
843 :アセロラ [sage]:2012/12/10(月) 23:08:02.90 ID:ENLK3uwF0
とりあえず垣根弟って何人いるのかな?
あと御坂妹とは別口調のほうがよくね?
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:08:57.05 ID:bODn7qWW0
エイワス
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:08:58.22 ID:0jHEvh/SO
テッラ
846 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 23:14:03.11 ID:jg9r7z+20
>>843様 一人です。御坂妹とは別口調だと思います…》


エイワス「やあ」

フィアンマ「……」

オフィーリアは、無かった事にして再び小刀を振り上げる。
黙々と作業に戻る彼女に対し、守護天使はおーいと声をかけた。

エイワス「何故無かった事に…?」

フィアンマ「これ以上人生を『預言』<じょげん>に振り回されてたまるか」

一箇所が終われば、次。
二箇所目をがつがつと掘りながら、オフィーリアはちらとエイワスを見やる。
エイワスは何処か楽しげな様子で、彼女のことを眺めている。

フィアンマ「不快だ。此処に居るのなら何か脱出手段を考えろ」

エイワス「ふむ。助言は要らないと言っていたように思うが」

フィアンマ「対価も払わずに俺様と同じ空間に居るな」

圧倒的な力を持つエイワスに対して、この尊大さ。
普通の人間であれば、こんな状況で泣いて縋る事だろう。
それとまったく反対の行動を取るオフィーリアに、エイワスは興味を抱いた。
そもそも、興味が湧いたからこそ、こんな場所まで現界の苦しみをこらえてやって来たのだが。

フィアンマ「それとも、助言ではなく直接出してくれるのか?」

エイワス「>>848
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:20:42.55 ID:bODn7qWW0
はいはい加速加速
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:24:46.98 ID:nLUMFTUg0
ふむ、それもよかろう。
……いい加減アレイスターに利用されるのも飽きてきた。たまには気分転換も良いだろう。
849 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/10(月) 23:38:22.01 ID:jg9r7z+20

エイワス「ふむ、それもよかろう」

フィアンマ「…、」

思わず、オフィーリアは手を止める。
予想外の言葉だった。
てっきり、この場から去るか、助言が精々だとばかり思っていたのに。

エイワス「……いい加減アレイスターに利用されるのも飽きてきた。たまには気分転換も良いだろう」

気まぐれで地球一つ破壊出来る守護天使に。
こんな、物語を真似て創られた氷の牢など、指先一つ使わずにあたわない。
ガラガラガラ、と崩れる氷の外には、魔法陣がいくつか描かれた、水色の簡素な室内。
それから、訳もわからず辺りをきょとんとした表情で見回す、上条当麻の姿。

フィアンマ「………」

エイワス「…」

フィアンマ「…主よ、あなた様の福音に感謝します」

エイワス「私に感謝する場面だと、思うのだが…」

スムーズに神様に祈るオフィーリアに対し、エイワスは思わず口を挟む。
天使に人間臭さを強く植え付けてしまうのは、彼女の天然さ故か。
オフィーリアは小刀を手放し、上条に近寄った。
冷えた身体を温め合うように、上条の身体を強く抱きしめる。
上条も現実をようやく認識したのか、彼女の身体を抱きしめ返した。
何度も、確かめるように腕に力を籠めて。
そんな二人へ、正確にはオフィーリアへ、エイワスは知識を授ける。
一回きりの、竜王を呼び起こす霊装のつくり方を。


強力な霊装を短期間で創るには、犠牲が必要になる。
なので、上条とオフィーリアは一つの杖を組み上げる途中、何度も右手の皮膚をナイフで落とした。
その皮膚や血液を混ぜ込みながら創っていくそれは、二人にしか扱えず、魔術とも科学とも物理ともつかない。

フィアンマ「……痛い」

上条「…俺も痛い」

血まみれの手で杖を握り、上条とオフィーリアはため息をつく。
向かう先は、上階だった。




上条刀夜は、動揺を隠せずに居た。
まだ計画は最終段階に入ったばかりで、終わりには程遠い。
だというのに、どうしてこの二人が戻って来たというのか。

刀夜「……、」

血液にまみれ、グロテスクで、それでいて神聖な光を纏う杖を互いの右手で落とさずに握り締め。
上条は自らの父親を見つめた。

上条「>>851





《今日は寝ます。お疲れ様でした》
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:42:06.81 ID:qDKeb3TG0
ようクソおやじ帰ってきたぜ
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:44:58.09 ID:mCwBbhYAO
>>849
×指先一つ使わずに
○指先一つ使うに

安価下
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 23:47:19.79 ID:0jHEvh/SO
息子を閉じ込めておくには随分な場所だったんじゃないのかよ………って空飛んで逃げんなよ!
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 07:33:30.97 ID:XkGHokNQ0
>>852空飛んで逃げるに吹いたwww
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 07:34:28.48 ID:vkMIMUoAO
刀夜さんならやりかねませんな…
855 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 18:55:46.11 ID:fe9JhZZ00

上条「息子を閉じ込めておくには随分な場所だったんじゃないのかよ………って空飛んで逃げんなよ!」

刀夜「他に良い場所が用意出来なかったから、すまないな。…正確には飛行というよりも空中遊泳状態だ」

別に、彼が宙へ浮いたのは、逃亡の為ではない。
むしろその逆で、迎撃する為だ。
『神の力』の力を応用することに優れている刀夜は、息を吸い込むと共に、腕を静かに下ろす。
まるで、曲が始まる時の指揮者の動きのように。
楽器隊へ準備をしろと、そう告げるかのように。
その動きは、『一掃』と呼ばれる天使の術式に似ている。
勿論、単なる人間が扱う術式なのだから、レプリカ程度の威力にしかならないが。
レプリカとはいえ、元にしたのは街を灼き尽くした裁きの力。
けれど、神の如き者の性質を持つオフィーリアは、そこから動かずに右手を振った。
『聖なる右』は回復しており、難なくその力を払った後、もう一度振られた彼女の右手の動きに呼応するように、刀夜へ襲いかかる。
不完全な状態に戻った『聖なる右』は刀夜を撃ち落としたのみで、倒すまでには至らない。
空中分解する『第三の腕』を見やった後、オフィーリアは強く杖を握った。
上条の『幻想殺し』を用いて尚消しされない程の力が無理矢理に注がれる。
ここで上条が手を離せば制御がままならくなり、これは恐らく勝手に暴走をする殺戮兵器になることだろう。だから、上条も手を離さない。

特別な詠唱は必要無かった。
両者が同様の想像をすれば、それが創造される。
杖から派生する形で浮き上がるのは、竜王の姿。

手足は巨人の腕のような、『第三の腕』を両手足としてそのままくっつけたような見目。
それでいて、顔は恐ろしく、銀色をした、口の中が赤い、巨竜。
色合いは違う筈なのに、その手足と禍々しい、且つ神聖な化け物。

『竜王の顎』と『聖なる右』を合わせた結果として生み出されたのは、『神浄』の模造品。

全てを殺し、全てを蘇らせ、全てを破壊し、全てを再生させる矛盾した万能の力。

無駄だとわかっていても防御術式を、結界を展開しようとする刀夜へ。
悪あがきをする人間へ神罰を下す神のように、両者は歪に微笑んだ。






「「残念だが、これで終わり<チェックメイト>だ」」








『竜王』に頭から呑み込まれ。
身体中の苦痛にぐったりと倒れた刀夜の体内と同じように、『ベツレヘムの星』は崩壊を始めた。
通常魔術で反撃しようにも、呑み込まれ、苦痛や衝撃に手放してしまったらしく、『禁書目録』の遠隔制御用霊装は何処かへ消えてしまった。
上条は遠隔制御用霊装へ右手で触れ、壊した。これで、あの少女はもう苦しめられることはない。
一度きりの役目を終え、杖は壊れてしまっていた。その残骸に頓着することなく、オフィーリアは刀夜へ近づく。
上条刀夜は、もう、指先一本も動かせなかった。思考も、うまく働かない。
オフィーリアは刀夜の傍へ、ぺたりと座り込む。

フィアンマ「……ごめんなさい」

仕方無いこととはいっても、オフィーリアは上条刀夜を傷つけた事に謝罪する。
対して、刀夜は穏やかで優しい笑みを浮かべた。

刀夜「>>857
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:08:47.76 ID:lkrnOSnho
……ありがとう

857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:10:53.49 ID:kZte3E/C0
ああ…ありがとう…
やっと休める…
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:12:23.16 ID:CYU5pkjSO
…そんなに気にしなくても構わないよ。私も傷つけられて当然の事をしたしね。…それに、時間が立てば自然回復する。そういう体だからね。

…どうしてだろうなぁ…
あんなに入念に下準備して、確実に成功するよう綿密に企画して…本業より全力を注いで、絶対成功させる気だったんだがなぁ…

…何故か、最初から、なんとなくこんなことになる気はしてたんだよ…

これも『アイツ』の企み通りなのかもしれないな…
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:15:09.15 ID:kZte3E/C0
>>858

安価に気合い入れすぎだろjk
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:16:22.17 ID:CYU5pkjSO
いやこれが俺のデフォ。>>1の初期スレの頃からな!
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:17:35.98 ID:1BMQ1plI0
でも安価取れなかったら意味ないよね
862 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 19:29:34.74 ID:fe9JhZZ00

刀夜「ああ…ありがとう…」

フィアンマ「……」

一日中走り回った人間が、ベッドへ横たわる事が出来たかのような。
もう何も心配せず、苦労せず、全てが終わったと、認識した表情。

刀夜「やっと休める…」

何に追い立てられることも、自分を追い立てることもなく。
ようやく安らかに眠れるのだ、といった表情。
オフィーリアはそんな彼に優しく微笑みかけると、ふらつかないよう気をつけて立ち上がった。
崩壊途中の『ベツレヘムの星』は、不気味にぐらぐらと揺れている。
上条は遠隔制御用霊装の塵を見やった後、刀夜へ近寄った。
望んだ覚えは無いとはいえ、ある意味、自分の為にこんな風になってしまったのだ。
そう思うと哀れだった。別段、憎んではいない。だってこれは自分達の為だと、彼は最初から言っていたのだから。
脱出用のコンテナは此処を出て右に、と告げる彼は、崩壊していくこの要塞と共に朽ち果てると言外に告げていた。
勿論、二人はこのまま上条刀夜を放置して出て行くつもりはなかった。
そこまで、優しくなんて無い。そこまで、冷徹にはなれない。
自分の意思で動けるまでまだまだ回復しない刀夜の身体を、オフィーリアは抱き上げる。
そんな細腕で成人男性を抱えて大丈夫なのだろうかと心配する上条だったが、『天使の力』を応用して筋力を底上げしている為、問題無いようだった。


残るコンテナは、サーシャが脱出したこともあって、残り一機。
それも、四、五人が余裕で乗れるものなどではなく、一人用のそれ。
三人の体重は平均的なものなので、無理やり詰めれば二人は乗って脱出出来るだろう。
ただし、ひとりは此処に取り残され、崩壊していくこの場所と運命を共にすることになる。

刀夜「私は此処に残るから、二人で行きなさい」

父親として、大人として、加害者として。彼は、そう言った。
上条は迷った。オフィーリアは大事だ。けれど、父親も大事だ。しかし、刀夜とオフィーリアを脱出させれば、刀夜は自分を残した事を一生後悔する事になる。何しろ、こんなにも息子として大切に思ってくれているのだから。
上条と違って、オフィーリアは迷わなかった。

フィアンマ「当麻、先に乗ってくれ」

上条「でも、」

いいからいいから、と、上条はコンテナの鍵を開けて押され入る。
三人無理やり詰めて生き残る奇跡的幸運に賭けるのかと考えた上条だったが、違った。
オフィーリアは迷わない。
もう、泣いて縋って助けを求めるヒロインになんて戻らない。
だから、彼女が行ったことはどこまでも単純で、早かった。
上条が入って尚空いたスペースに刀夜の身体を滑り込ませ、二人がしっかりと入ったことを確認した上で、ドアと鍵を閉めた。
物理的な鍵の為、こうしてしっかり施錠してしまえば『幻想殺し』でも壊せないし、無事着地するまで外側から開ける事も出来ない。

三引く二は、一。
残るのは、オフィーリアただ一人。

上条も、刀夜も動揺した。
自分が残ることは考えていても、彼女が残る可能性だけは、考慮していなかった。

上条「>>864
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:32:48.00 ID:CYU5pkjSO
……おい!どういうつもりだよ!…まさか、俺達を生かすために一人残る気か?!

やめろよ!どうせならこのおっさんを残そうぜ?!
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:33:43.49 ID:QKPV+c3x0
>>863

(と、そこに覚醒一方通行登場)
865 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 19:47:03.64 ID:fe9JhZZ00

上条「……おい! どういうつもりだよ! …まさか、俺たちを生かす為に一人残る気か?!」

刀夜「そんなことをする必要は無い」

上条「やめろよ! どうせならこのおっさんを残そうぜ?!」

自分の父親に対して酷い言い様だと上条は自覚しているものの、やめるつもりは無い。
どんな暴言を吐いたとしても、彼女を置いていきたくなど無かった。
だが、外側からも内側からも開けられないコンテナを前に、上条は窓を叩くしか出来ない。
刀夜も少し体力が回復したのか、内側から開けようと試みた。
オフィーリアは、わずかな微笑を浮かべて首を横に振る。

フィアンマ「安心しろ。死ぬ事は無い。俺様には『聖なる右』があるからな。無事着地出来るよ」

上条「ッ、」

そう言われてしまうと、納得せざるを得なかった。
けれど、それでも。上条は目に涙を浮かべ、無言で首を強く、何度も横に振る。
泣かせてしまったことを申し訳無く思いながらも、オフィーリアはコンテナをぐいと押した。
男二人の努力も虚しく、コンテナは安全なルートを辿って、落ちていく。
オフィーリアは落ちていくコンテナを眺めた後、不意に、『ベツレヘムの星』へ来る何者かに気がついた。
背には白い翼、瞳は赤で、まとっている服も白かった。

フィアンマ「…アクセラレータ、だったか」

一方通行「…よォ」

美しい白い羽を羽ばたかせ、彼は『ベツレヘムの星』へ着地する。
狙ったかのようなタイミングに、オフィーリアは笑った。
よく出来た演劇じゃあるまいし、こんな抜群のタイミングで助けなど来るものか。

フィアンマ「……」

それでも、助けであることには変わりない。
だが、彼女が残ったのは二人を逃がす為だけでなく、やる事があったからだ。
『ベツレヘムの星』を操作して、北極海へ着地させなければならない。
そして、まだ力を残しているであろう、まもなく復活する『神の力』の暴走を食い止めなければならない。
賭けの場に提示されたのは、全人類の命、文明。
その賭けの後の後始末<北極海>に、彼女は一方通行を沈めるつもりは無かった。

フィアンマ「何故ここへ来たんだ? まもなく、此処は崩れ落ちるぞ。それに、俺様はやることがある。それをやらなければ、脱出どころの話ではない。…そして、やるべき事をやり終わった時、俺様は死ぬ。無理に付き合うと、お前も死んでしまうぞ」

一方通行「>>867
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:50:46.37 ID:CYU5pkjSO
喧しィンだよ恩人。

オマエには、返しても返しても返しても、返しきれねェ恩があンだろォが。
返す前にくたばられたら俺が困るンだよ…

いいか、俺は無理矢理でも連れてくからな←お姫様抱っこする
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:52:09.43 ID:Vwt8H6fo0
>>866

(結局エイワスが暇つぶしにとなんとかする)
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 19:54:22.50 ID:CYU5pkjSO
一方さん形なしww
869 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 20:05:45.66 ID:fe9JhZZ00

一方通行「喧しィンだよ、恩人」

フィアンマ「……」

実を言うと、オフィーリアはまだ『聖なる右』を回復出来ていない。
回復したその猶予は、『神の力』との戦闘に消費するつもりでいた。
最初から、彼女は助かるつもりなんて無かった。
だって、これは彼女の病気のようなものなのだから。
誰かを救わなければ、目についたものを慈愛で満たさなければ、先へ進めない。
科学に形作られた天使のような少年は、彼女をまっすぐに見つめる。

一方通行「オマエには、返しても返しても返しても、返しきれねェ恩があンだろォが」

フィアンマ「…、…まだ、覚えていたのか」

一生の恥を拭ってもらっただけ、という訳ではない。
その後に、信念を貫き通す覚悟を貰った。
それがなければ、自分はどれだけまた人を殺していたか。思うと、一方通行はいつもぞっとする。

一方通行「返す前にくたばられたら、俺が困るンだよ…」

自分勝手な暴論だった。
しかし、それが、それでこそ、彼なのかもしれない。

一方通行「イイか、俺は無理やりにでも連れて行くからな」

言うなり、彼はオフィーリアの足を引っ掛けてバランスを崩させ、抱きとめる。
その上で姫抱きにすると、『ベツレヘムの星』外を見やった。
そこには、広大な雪と、調子を取り戻した打ち止めと番外個体が居る。
そこが彼の帰る場所で、そこから先に進んだ場所が、彼女の帰るべき場所。

フィアンマ「離せ」

一方通行「聞こえねェ」

フィアンマ「…離せと言っているんだ」

一方通行「そこまで言うなら実力行使で払ってみやがれ」

言いながらも、攻撃させる余地を持たせずに、彼は『ベツレヘムの星』から飛び降りる。
ゆっくりと翼をはためかせ、無事、雪原へ到着する。と同時に、白い翼は掻き消えた。
不味い、と振り返る彼女は、奇妙なものを見た。
『ベツレヘムの星』の中に居るのは、あの守護天使ではないだろうか。

フィアンマ「…?」

守護天使は一度彼女の方を見やった後、暇つぶしにチェスでもするかのように、指先を動かした。
途端、『ベツレヘムの星』は方向を転換していく。

フィアンマ「…『暇潰し』、か」

どこまでも勝手な奴ばかりだ、と思い。
これで帰れるのだろうか、とうっすら思いながら、オフィーリアは目を閉じた。
大量の出血と生命力の消費で、今にも死んでしまいそうな、顔をして。





コンテナは、雪原に落下して、無事着地した。
中からのろのろと、上条はドアを開ける。
刀夜も続いて出ると、彼は周囲を見た。

刀夜「……『ベツレヘムの星』が移動している。…彼女はあのまま『神の力』と相討ちするつもりか…!」

そして、そうしなければ、人類が滅亡してしまう。
そこまではいかずとも、氷河期の到来は避けられないだろう。
沢山の犠牲が出てしまう。

上条「…>>871
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 20:07:42.76 ID:CYU5pkjSO
………父さん、手段は何でもいい。俺を、何とかあそこに飛ばせないか?
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 20:09:55.84 ID:7B7kSina0
ちくしょう!!俺はここまできて!何も出来ないのか!!
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 20:13:31.26 ID:E70QOs7L0
>>870

+

エイワス「コラコラ、そんな事するもんじゃない。私のした事が無駄になるじゃないか。
後始末は私に任せ給え。……彼女は無事だよ。『人間』の良い所を見させてもらって気分が良いんだ。
暇つぶしは暇つぶしだが、最後まで徹底的にやらなければ中途半端でちょっと気分が悪くなる」
873 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 20:16:19.00 ID:fe9JhZZ00

上条「…ちくしょう!! 俺は、ここまできて!! 何も出来ないのか!!」

叫んだところで解決しないことは重々承知している。
助けてと叫んだタイミングで誰かが助けてくれるのなら、この世界に悲劇など起こらない。
耐え切れず溢れていった涙と名のついた雫は、雪の上へ落ちて溶けていった。
彼女が人を助けずにいられないことは、知っている。
自分にだって、その傾向はある。ああ、だからこそ魂を二つに分けた相手と言えるのかもしれない。
まだ、彼女に伝えられていないことが山ほどあるのに。
上条は刀夜の方を振り向く。見捨てる事は出来なかった。
でも、『ベツレヘムの星』を追いかけなければいけないような気がする。
もしかすると、このままの方向で考慮すれば、『ベツレヘムの星』は北極海辺りに着水するのかもしれない。

上条「オフィーリア…っ、」

嫌だった。
もう、何かを失いたくなんて無かった。
これが自分が不幸を振りまいたが故の結末だというのなら、誰か殺してくれ。
そう思う程に絶望して焦がれるのは、彼女が上条当麻の魂半分を占めている存在だからではない。
一人の人間として、男性として、上条当麻がオフィーリアを愛しているからだ。

上条「…、」

葛藤する上条へ、刀夜は言う。
まだ彼は本調子ではない。
どこの勢力に捕まっても、処刑されてしまうことだろう。

刀夜「>>875
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 20:21:42.07 ID:CYU5pkjSO
……最早、ここまで、かな…

当麻、父さんはもう色んな意味で助からんだろう。

だから、どうせ失う命なら、有意義に使いたい。
…よく聞きなさい。今から当麻を魔術強化腕力で、あそこまで飛ばす。
着陸地点に空気クッションをしくから、右手を体の真ん中に隠して、まるまった体勢でいなさい。

いくぞ?
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 20:23:47.35 ID:E70QOs7L0
>>874+

「1、2n「呼んだか?」←エイワスに小脇に抱えられて登場
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 20:23:50.00 ID:nkUKl7Hf0
>>874

とそこに
エイワス「コラコラ、そんな事するもんじゃない。私のした事が無駄に なるじゃないか。 後始末は私に任せ給え。……彼女は無事だよ。『人間』の良い所を見さ せてもらって気分が良いんだ。 暇つぶしは暇つぶしだが、最後まで徹底的にやらなければ中途半端で ちょっと気分が悪くなる」
877 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 20:33:19.89 ID:fe9JhZZ00

刀夜「……最早、ここまで、かな…」

身体はボロボロだ。
生命力を消費した影響で、魔術もあまり使えない。
しかし、まったく使えない訳ではない。
どうせ捕まって、処刑されて死ぬのならば。

刀夜「当麻、父さんはもう色んな意味で助からんだろう」

上条「父さ、」

刀夜だから、どうせ失う命なら、有意義に使いたい」

上条「……」

上条も、まるっきり子供という訳ではない。
刀夜の今後を想像出来ない程、幼い精神はしていない。

刀夜「…よく聞きなさい。今から当麻を魔術強化腕力で、あそこまで飛ばす。着陸地点に空気クッションを敷くから、右手を体の真ん中に隠して、丸まった体勢でいなさい」

上条「……わかった」

苦悶はあった。
だが、これが最善でも、あった。

刀夜「いくぞ?」

上条は右手を体の中央に据える。
うっかり触れて術式を破壊してしまわないように。

刀夜「1、2n「呼んだか?」

数える途中で、オフィーリアの声がした。
極度の焦がれによる幻聴だろうか、と上条は思った。
父子はのろのろと、視線の先を移した。

そこに居たのは、守護天使の姿。
真っ白な彼、或いは彼女が小脇に抱えているのは、オフィーリア―――本人ではない。
風斬氷華のような体に近い、意識の結晶体のようなもの。
思わず、動きが止まった。

上条「…オフィーリア?」

フィアンマ『…俺様は無事だよ。…幽霊のように見えるかもしれんが』

守護天使の見せている夢想なのかもしれない。
が、上条にとって、一応は、現実には違い無かった。





上条はどうする?>>+2
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 20:43:05.02 ID:CYU5pkjSO
よかった……ッ…無事か?怪我、してないか?
よかったー…危うく、ベツレヘムに助けにいくとこだった!

…なぁ、今どこにいるんだ?迎えに行くぞ?
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 20:48:02.86 ID:nkUKl7Hf0
>>878

880 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 20:56:49.68 ID:fe9JhZZ00

上条は、彼女に触れたい思いを我慢した。
どう見ても異能で構成されているのだから、触れてはいけないと感じた。
その代わりに、言葉を返す。

上条「よかった……ッ…無事か? 怪我、してないか?」

彼女の返答は、少し遅れた。
テレビ番組の、スタジオと中継では伝達に齟齬が発達しているかのようだった。
或いは、どう答えるのが最適か、悩んでいるようにも見えた。
気付かないままに、勝手な予想で結論付け、上条は本当に良かったと言葉を零す。

上条「よかったー…危うく、ベツレヘムに助けに行くとこだった!」

フィアンマ『すまないな。だが、俺様はもうあの場所には居ないよ』

エイワス「私が暇潰しに処理をしたからな」

フィアンマ『…』

上条「…なぁ、今、どこにいるんだ? 迎えに行くぞ?」

心配の色に満ちた声。
しかし、オフィーリアは首を横に振った。
物質のような構成だからか、髪は揺れない。
刀夜はうっすらと彼女の状態に気がつき、目を伏せた。

上条「…? 何で首を横に振るんだよ」

フィアンマ『…しばらく、戻る事は出来ない』

上条「何で、」

フィアンマ『…何でも、だよ。…本当に死んではいないし、あの場所にも居ない。…でも、帰るまでに時間がかかる。だから、待っていてくれ』

上条「>>882
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 21:00:41.11 ID:CYU5pkjSO
…おい?なんで、すぐ、帰れないんだよ?

死んでないんだろ?無事なんだろ?助かったんだろ?!

どういう事なんだよッ説明してくれよオフィーリア!
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 21:04:37.65 ID:nkUKl7Hf0
>>881

883 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 21:12:27.01 ID:fe9JhZZ00

上条「…おい? なんで、すぐ、帰れないんだよ?」

彼女は、答えない。

上条「死んでないんだろ? 無事なんだろ? 助かったんだろ?!」

彼女は、応えない。

上条「どういう事なんだよッ、説明してくれよ、オフィーリア!」

フィアンマ『……』

『神の如き者』の『天使の力』を借りて意識体を得ている彼女は、逡巡する様子を見せた。
上条は、意味がわからなかった。
だって、彼女が生きているのなら、助けに行けば良い。
ただ、たった、それだけの話では、ないのか・

上条「…オフィーリア!!」

フィアンマ『…俺様も、出来る事なら帰りたかったのだがね。もう少し、』

上条「…もう、少し?」

フィアンマ『病気の症状を発散させてからにする』

病気。
彼女の言うところのそれは、救済病。
苦しむ人が居たら、手を伸ばさずにはいられない病気。
ということは、彼女は世界の混乱に関わる何かに携わっているということか。
けれど、そんな説明で納得出来る訳もなかった。

上条「なら、俺も手伝う。それなら、良いだろ」

フィアンマ『駄目だ』

上条「ッッ、何でだよ!」

フィアンマ『…逐一言葉にされなければわからないのか』

上条「>>885
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 21:18:58.84 ID:CYU5pkjSO
………ああ、わかん、ねーよ…グス
ちゃんと、言葉にしてくんなきゃ、わかんねーよ…

…お前こそ、俺が言いたい事、逐一言わなきゃわかんねーのかよ…

885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 21:19:59.03 ID:nkUKl7Hf0
>>884

886 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 21:31:50.36 ID:fe9JhZZ00

上条「………ああ、わかん、ねーよ…」

待っていることがどれ程辛いのか、彼女にはわからないのだろうか。
ぐす、と鼻を啜り、上条は唇を噛み締める。
例えどんな危険な死地でも、一緒に行くつもりだった。
それがどんな場所でも、彼女の傍に居たいと思った。

上条「ちゃんと、言葉にしてくんなきゃ、わかんねーよ…」

フィアンマ『……』

わかれと言われて。
大好きな相手が遠くへ行ってしまうことを、はいそうですかと頷ける訳が無い。

上条「…お前こそ、俺が言いたい事、逐一言わなきゃわかんねーのかよ…」

きっと、彼女が自分を引き止めても、自分が誰かを助けに行くように。
事情を知った彼女を幾ら引き止めたところで、彼女は行くのだろう。
そして、今回は、同行することを許さない。

フィアンマ『…俺様は、当麻に危険な目に遭って欲しくない。俺様と違って、当麻は普通なんだ。…普通に人生を生きる権利がある。でも、俺様は違う。俺様は殺した人間全てを生き返らせたが、借金に例えればそれは元金の返済に過ぎない。利子を返さなければ、終わらない。そしてこの利子は非常に多い。借金の返済に、自分の愛する人間をわざわざ付き合わせたいと思うのか? 思うのなら、それは最低のクズだよ』

上条「…、」

フィアンマ『…当麻が言いたい事もわかる。……俺様が思うこととほとんど同じであるとも、理解出来る。でも、今はまだ帰る事が出来ない』

上条「……オフィーリア」

懇願するような声だった。
今にも崩れ落ちてしまいそうな程に、細い声だった。
皆からヒーローと呼ばれる少年の姿ではなかった。
不運に虐げられ、それでもようやく掴んだ幸せの要素を離すまいと一生懸命な少年の姿だった。

上条「…頼むよ」

彼女が居ないあの短い間。
寂しい思いを抱えながら、最後にはイタリアへ直接行こうと決意した程に、孤独だった。
何かが足りないと思いながら、生活していた。味気の無い日々だった。
もう、あんなのはゴメンだった。彼女と一緒に笑い合う生活を過ごしたかった。

フィアンマ『…そうそう死なないから、安心しろ。何しろ、俺様は当麻の分も幸運を奪って産まれてきたのだから』

上条「>>888
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 21:39:08.10 ID:CYU5pkjSO
嫌な言い方すんなよ…

大体、お前がいなくなったら、俺は更に、その間ずーっと不幸じゃないか…
お前は俺を更に不幸にするのかよ……ッ
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 21:40:24.91 ID:bpenbTjv0
>>887

889 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 21:47:31.10 ID:fe9JhZZ00

上条「嫌な言い方すんなよ…」

フィアンマ『はは、すまない』

笑っているが、申し訳なさそうな顔をしている辺り、ある種、彼女の中での劣等感のようなものになっているのだろう。
彼女は基本的に他者を傷つけることを好かない。それは、上条相手も例外ではなく。
生まれつき上条を不幸にしているとわかった今、その事実を、彼女はだいぶ重く受け止めていることだろう。

上条「大体、お前が居なくなったら、俺は更に、その間ずーっと不幸じゃないか…」

嫌な説得だ、と上条は自分でも思う。
別に、彼女を傷つけたい訳ではない。
そんな、世界を救う何かなんて諦めて、捨てて、自分のところへ戻ってきて欲しい。
たったそれだけなのに、叶わない。

上条「お前は俺を更に不幸にするのかよ……ッ」

ぎり、と歯ぎしりをして、上条は俯く。
酷い言葉を放ってしまったものだ。

フィアンマ『……それでも、…俺様はもう、誰かに助けを求めるのはやめたんだ。そして、自分のわがままで周囲を振り回すことも。…当麻には寂しい思いをさせるし、申し訳ないとは、思う。だから、なるべくすぐに戻る』

本当に、ごめん。
そう謝罪する彼女の脚から、徐々に薄まっていく。
まるで最初から蜃気楼か何かであったかのように。
やはり止められないのか、と思いながら、上条は最後にこう言った。

上条「>>891
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 21:48:41.80 ID:CYU5pkjSO
ksk
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 21:51:10.83 ID:yeOC2bpe0
そげぶ!
892 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 22:07:48.95 ID:fe9JhZZ00

上条「…お前が、今までの事全部わがままだって思ってんなら。利子とやらは死ぬまで返し終わらないと思うなら。…まずは、その幻想をぶち殺してやる! …戻って来いよ」

必ず。
そう言う上条に、オフィーリアは柔らかな笑みを見せた。
こくりと縦に頷かれる顔を見せ、やがて彼女は空気に溶けるように消失した。
やるべき事は済ませた、と、それ以上助ける事もなくエイワスもその場から消える。
残された父子は視線を合わせ、何処へ向かおうかと考えながら、前を向く。

その瞬間。

上条刀夜の腹に、何かが突き刺さった。
槍のようなものだった。手で掴もうとすると、掴めない。
空気で出来た槍だろうか、と思いながら、上条刀夜は腹部を手で押さえた。

上条「ッ!?」

上条刀夜よりも余程混乱して振り返った当麻の目に映ったのは。
聖者のようにも愚者のようにも男にも女にも見える『人間』、アレイスター=クロウリー。





一方通行は、恩人をせっかく助け出せたにも関わらず、攫われた事に無力感を得ていた。
体中を満たす倦怠感は、きっと精神的なものからだろう。
隻眼に、物々しい眼帯。それから、魔法使いのような鍔広の帽子。
不気味な容姿だったように、思う。まるで、絵本にでも出てきそうな、魔法使い。

一方通行「……、」

ロシアを駆けずり回ってでも、彼女を連れ去ったアイツを捜した方が、良いのかもしれない。
けれど、一方通行には他にも守るべき人間が居た。
打ち止めと番外個体を、最優先しなければならない。

一方通行「…クソッタレ」

無力感に、満たされていた。





その頃。
学園都市では、絹旗が垣根のマンションにて、垣根弟の相手をしていた。
『アイテム』最年少の為、感覚が合うのではないかという結論に至ったのである。

絹旗(…といっても、子供と遊んだ事なんて超ありませんし)

どうしよう、という表情を浮かべる絹旗。

垣根弟「…迷惑なら最初から申告すれば良かったのでは、とカキネは推奨した」

絹旗「>>894
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 22:16:20.03 ID:sj57qd0p0
迷惑なんじゃなくて 遊んだことが無いだけです
そうだ!映画見ませんか
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 22:16:27.46 ID:XkGHokNQ0
kskst

いけ、ゴキブリSO
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 22:18:10.25 ID:sj57qd0p0
>>893

896 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 23:27:38.03 ID:X0sr2rEd0

絹旗「迷惑なんじゃなくて、遊んだことが無いだけです」

幼い頃に能力開発に必死だった。
置き去りである自分には、結果を出すことしか求められなかった。
『暗闇の五月計画』で、絹旗の人生はだいぶ潰れてしまったようなもの。
だから、普通の遊び方なんてわからなかった。
積み木なんてロクにやらなかった。やったのは、演算の為の勉強。
悩み悩んで、絹旗はふと名案を思いついたと言わんばかりの笑みを浮かべる。

絹旗「そうだ! 映画見ませんか」

垣根弟「映画、とカキネは復唱した」

首を傾げる垣根弟を尻目に、絹旗は先程発見した垣根の持ち物であるDVDを引っ張り出す。
垣根本人は現在、疲れを癒す為に隣の部屋で眠っているので、ある意味やりたい放題だ。

絹旗(そういえば麦野、帰ってきませんね)

それでも、麦野に友人が出来たということは喜ばしい。
思いながら、絹旗はDVDを垣根弟の前に突き出した。
『鶏肉大作戦』、と大きな字でタイトルが書かれている。
垣根が適当にワゴンセールの中から気まぐれに購入したものだ。
売れ残りを集めたワゴンセールだったので、当然、これはお世辞にもA級とは呼べない。

垣根弟「それは面白いものなのか、とカキネは疑問を口にした」

絹旗「>>898
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 23:34:58.73 ID:CYU5pkjSO
いえ、超クソつまんないですね。
ですが、それが超面白いんです!あー、やっちゃったなーこれ。て感じとか、よくこんなもんに金かけたな…と、超高levelな楽しみ方をする遊びなんです!
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 23:39:27.95 ID:nkUKl7Hf0
>>897

899 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/11(火) 23:44:47.04 ID:X0sr2rEd0

絹旗「いえ、超クソつまんないですね。ですが、それが超面白いんです! あー、やっちゃったなーこれ。って感じとか、よくこんなもんに金かけたな…と、超高Levelな楽しみ方をする遊びなんです!」

論理的に楽しむ高度な遊戯。
そう解釈した後、垣根弟はそれが所謂一般的な趣味かどうかよくわからないままに、ひとまずオリジナルを真似て突っ込んでみた。

垣根弟「駄目だこいつ、常識が通用する気がしねえ…と、カキネはツッコミというものを入れた」

絹旗「さっさと再生して超楽しみましょう」

にこにこにこ、と笑みを浮かべ、絹旗は手にしているDVDをプレイヤーへとぶち込んで再生し始める。
垣根弟はというと、別に抵抗するでもなく、楽しみにするでもなく、淡々と諦めて絹旗に合わせるのだった。






刀夜を貫いている『何か』は見えない。
しかし、現に刀夜の腹部からはぼたぼたと血液が落ちている。
手で押さえている隙間から、臓物のようなものがうかがえる。
上条はそんな父親の痛々しい様子に眉を下げ、吐きそうになりながらも、父親を守るように前へ出る。

上条「…アンタ、誰だ…?」

対して、問いかけを受けたアレイスターは、静かに言う。

アレイスター『>>901
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 23:47:21.48 ID:nkUKl7Hf0
はじめまして幻想殺し 神浄の討魔
私はアレイスター=クロウリー
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 23:48:33.03 ID:CYU5pkjSO
上条当麻、お前の本当のママだ






安価↓
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 23:52:26.64 ID:nkUKl7Hf0
面白そうだから

あん>>901

903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/11(火) 23:52:58.64 ID:nkUKl7Hf0
安価は です スマン
904 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/12(水) 00:00:26.42 ID:lhO97fHJ0

アレイスター『上条当麻、お前の本当のママだ』

上条「…は?」

不信感を露にしながら、上条は右拳を握る。
もしや、彼女を自分から奪ったのはコイツではなかろうか。
そんな冤罪を着せる程の信用の失墜に、アレイスターは悲しそうに楽しそうにつまらなそうに嬉しそうに笑った。

アレイスター『冗談だ。…本当の正体など、知る必要は"まだ"無いのだから』

そう発言した後、刀夜がくぐもったうめき声を漏らす。
此処で、確実に殺してしまうつもりなのだ。
何故かはわからない。そもそも、上条にとって眼前の人物が何なのかさえ理解出来ないのだから。

刀夜「…っ、…当、麻…逃げなさい」

刀夜は血液を吐きだしながら、当麻の前に出る。
いざという時、息子の前に立てるのが、父親の強さなのだから。

刀夜「父さんは、どうせ死ぬ。…此処は危ない、から…当麻は、逃げなさい」

上条「でも、」

渋る。
目の前で父親が死にかけているのだ。
笑顔で逃げ出せる訳がない。
刀夜は、それでも逃げろと言う。とにかく、誰かと合流してくれと。
多数を相手に、眼前の謎の人物は弱いらしい、と上条は判断した。









上条はどうする?>>+2
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:03:49.02 ID:oXh56m7SO
案外、貫いてる物に触ったらなんとかなるんじゃ?ポン
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:04:50.98 ID:aMUrjuWj0
>>905

907 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/12(水) 00:09:33.49 ID:lhO97fHJ0

上条(案外、貫いてる物に触ったらなんとかなるんじゃ…?)

上条は手を伸ばし、父親の背中に触れる。
貫通していた空気の塊のようなものは消えた。
だが、それは怪我が無くなる事をイコールとはしない。
げほ、と咳き込んだ後、刀夜は再び逃げるように促した。
逃げる訳にはいかないと渋る上条だったが、刀夜はそれを更に急かす。
果てには、嘘をついた。
助けを呼んできてくれればいい。
それが間に合わないなら間に合わないで、仕方ないじゃないかと。

上条「父さん、…死ぬなよ」

刀夜「死なないよ。大丈夫だ」

明らかな嘘だったが、上条は背を向けた。
命を賭けたお願いを無下に出来る程、冷たくはなれなかった。






『鶏肉大作戦』は歴史の中でも稀なレベルの駄作だ。
鶏肉の一生から始まり、スライドショー形式で鶏について学べる。
だが、紹介の仕方も単調で、実に実に面白みが無い。

垣根弟「……」

絹旗「予想通り超つまんないですね」

そこがいい、と頷く絹旗。
対して。

垣根弟「絹旗最愛はマゾヒスト、とカキネは認識を改めた」

絹旗「>>909
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:11:48.34 ID:oXh56m7SO
超しばきまわされたいんですかねー?ギュウゥウ←太ももロック

…ひょっとして、超、楽しくなかったですか…?
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:12:22.10 ID:PdDBPbLDO
SOさんのksk代わりの安価採用され過ぎワロタ
まぁSOさんは以前から長文で良い事書くからなぁ、それにギャグセンも高いし、毎回安価とる訳じゃなくてしっかりkskさせるしね
たまにその長文とかを非難する人も居るけどね

安価うえ
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:12:41.79 ID:aMUrjuWj0
楽しくなかったですか?ショボーン(´・ω・`)
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:13:47.47 ID:aMUrjuWj0
>>909

たまーーーにちょっと気持ち悪いと
思うときが有るっちゃ有る
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:17:46.80 ID:PdDBPbLDO
>>911
確かに安価なのに半端ない書いてあるときありますもんね
私もその気持ちは解らないでもないですよ、だけどそれがいいっ(キリッ
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:22:16.93 ID:aMUrjuWj0
>>912

もうSO自分でスレ立ててSS書けばいいのにな
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:24:23.31 ID:PdDBPbLDO
>>913
あー確かに、万人に受け入れられるかは分かりませんが文才ありますしね
私はSOさんのノリ好きですから、安価スレなら率先して参加したいですねー
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:27:38.49 ID:oXh56m7SO
勘弁して下さい安価↓
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:27:44.97 ID:aMUrjuWj0
>>914

俺個人としては
なんかやたらと修羅場に持って行きたがるのがちょっと…
ギャグセンスは良いけどね
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:28:11.78 ID:aMUrjuWj0
>>915

SS書いてみなよ旦那
918 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/12(水) 00:28:40.66 ID:lhO97fHJ0


絹旗「超しばきまわされたいんですかねー?」

太ももを大胆に露出しているニットワンピースでのロック。
ぐいぐいと首元を絞められ、苦しいとも嬉しいとも反応を示さず、垣根弟は黙ったまま。
絹旗は、やっぱりこの趣味を共有出来る人は居ないのだろうか、とさみしげに薄く笑った。

絹旗「…ひょっとして、超、楽しくなかったですか…?」

明らかに、落ち込んだ様子。
演出ではなく、我慢しても尚滲み出る失望感。
木原病理はともかく、諦める事には慣れていても他者を諦めさせる事が好きではない垣根弟は、静かに首を横に振る。

垣根弟「この個体は情緒面で未熟な部分が多々ある。故に、楽しい、つまらないの区別も曖昧だ、とカキネは告げた」

絹旗「……」

垣根弟「…映画の内容は別問題と定義して、絹旗最愛の反応は見ていて興味深い、とカキネは補足した」

つまり、映画鑑賞自体にはうまく興味が持てないが、絹旗と一緒に居て、絹旗の表情を見ている分には楽しい、と、そういうことだ。
ある意味口説き文句のようなもの。

絹旗「…>>920
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:33:01.75 ID:oXh56m7SO
もし億が一、スレたててSS書いたとしても100%荒れるのしか書けないから…

修羅場と闘争こそ、生きてるって実感が得られるから好きなのよ

ここの>>1の文章が秀逸すぐるからいい感じになるのであってだな…安価↓
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:36:51.55 ID:aMUrjuWj0
>>919

ほとんどの人間が同じ思考だと思うなよ!?
kskst
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:41:20.19 ID:PdDBPbLDO

確かに自分で書くのより、人が書いてるのを自分好みにしてその書いてる人が修正してる方が自分的に読みやすいかもですね
けどSS書いたら教えてくださいね、私はSOさんの展開好きだから応援します


安価なら「えっあぁ…そっそうですか、そういうことはですね…その……超直接言われると…なんというか恥ずかしいのですが///」
922 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/12(水) 00:50:32.42 ID:lhO97fHJ0

絹旗「…えっ、あぁ…そっ、そうですか、そういうことはですね…その……超直接言われると…なんというか、恥ずかしいのですが」

顔を赤くする絹旗に対して、垣根弟は不思議そうに首を傾げる。
どうやら自分が口説き的な発言をしたとは、露とも思っていないらしい。
自分ひとりが恥ずかしい思いをしていると判断した絹旗は、映画が終わったのを良いことにいそいそとDVDを片付ける作業へ集中する。

垣根弟「…体温の上昇が窺える、とカキネは視察した」

絹旗「ちょ、超大丈夫です!」

わたわた、としながら、絹旗は片付けを終える。
そろそろ、浜面仕上とバトンタッチをする時間だ。
これではまるで保育園のシフト制仕事のようだ、と思いながら、絹旗は交代の連絡をする。


スキルアウト、浜面仕上。
現在、『アイテム』のメンバーでもある。
そんな彼は、子供の扱いが得意で無かった。
小さくて、触れたら壊してしまいそうで、あまり接してこなかったのだ。

浜面「…あー…」

垣根弟「…何かするのか、とカキネは質問した」

浜面「>>924




《今日は寝ます。明日辺り次スレに移行しそうですね…
ちょっと風呂敷広げ過ぎて訳わからなくなってきました
お疲れ様でした》
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:51:04.60 ID:oXh56m7SO
例え他の人が好きでなくとも、俺は好きなんだもんよー。見たいねん。


ありがとよ


安価↓
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:51:50.66 ID:aMUrjuWj0
PS3のゲームでもやるか?
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:53:21.93 ID:aMUrjuWj0
>>923

自己中じゃないですかやだー
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:55:20.88 ID:PdDBPbLDO
乙でした、なんか>>1様のスレで全く関係ない話してすみません…
風呂敷広がりすぎて収集つかなくても、上条さんとフィアンマはどうにかしてくださいm(_ _)m
まぁ>>1様に関しては心配とかはないですが!

浜面なら確かにゲームとかしか出来なさそうだよね
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:56:26.51 ID:oXh56m7SO
そんな事言ったら、穏健派、過激派、エロ派、カオス派の安価スレ参加者達は大半皆自己中じゃないですかーやだー
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:56:49.40 ID:JNvz/lAh0
>>926

グラセフやらせて垣根と麦野夫婦に怒られてそう
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:00:25.12 ID:JNvz/lAh0
まあ安価スレに参加してる時点でみんな自己中か
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:01:44.86 ID:PdDBPbLDO
>>928
あと銃ゲーとか戦争ゲームとかね、しかも怒るときの息ピッタリなんでしょ?
そんなん誰得だよ!………俺得だよ!

>>927
私は全部オッケーです、なンでも行けます♪
リアルでも漫画ならどんな絵でも内容でもとりあえず読めるしそれなりに楽しめる子です!

931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:04:09.98 ID:JNvz/lAh0
>>930

貴様まさか性別雌か
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:10:08.42 ID:PdDBPbLDO
>>931
ちょっと待った何故バレた!?
一人称コロコロ変えたりしてるから性別はバレないと思っていたのに、むしろ♂だと思われてる予定だったのに……何故だ!?
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:11:31.84 ID:oXh56m7SO
………………。←初心者男子高校生かと思ってた人
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:12:09.55 ID:JNvz/lAh0
>>932

>>927 私は全部オッケーです、なンでも行けます♪ リアルでも漫画ならどんな絵でも内容でもとりあえず読めるしそれなり に楽しめる子です!

と、俺の勘 良く当たると友人の中では有名
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:16:07.64 ID:PdDBPbLDO
>>934
くっ……でもほらSOさんは男性だと思ってたらしいですし、♂だと思ってた人と♀だと思ってた人が一対一でイーブンですよ
最近少なくなりましたが、私もネカマかもしれませんよ??
「バレた」発言や今の語りは実はブラフ……みたいな?

初心者の基準は気になる、恐らく私は初心者の部類
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:17:55.54 ID:JNvz/lAh0
>>935

必死になりすぎだろwwwwww

ドコモの携帯って使いやすい?

937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:21:46.86 ID:PdDBPbLDO
>>936
必死……逆効果ってやつか
私が使ってるのは使いやすいですよ、てかやっぱりIDの下2桁ってケータイの人は機種名が出るんですか、そうですか
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:23:57.84 ID:JNvz/lAh0
>>937

AOがau
SOがソフトバンク
DOがドコモ
だった気がする
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:27:13.65 ID:PdDBPbLDO
>>938
AOってauだったのか!
auはauで良い気がする、あとはAUとか

ん?てことは>>1様はauか
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:29:19.31 ID:JNvz/lAh0
>>939

何を今更

941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:30:05.23 ID:wkaJTZOr0
まぁアレだ、男か女かなんて現実で会わなきゃ分からんわけで

私は数年前に輸送大型トラックの事故に巻き込まれて右腕ミンチになって
これじゃまともに就職できねぇやとか思ってたら伯父の家の書庫管理を任された

そう言っても普通は信じられないわけで
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:31:08.19 ID:PdDBPbLDO
>>940
うっうるさい、>>1様がAOなのは知ってたけどauだとは思わなかったのさ
だってDOCOMO だからDOで、SOFTBANK だからSOだと思ってたから…
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:31:43.33 ID:lhO97fHJ0

今更ながらすげえ登場人物増えてる…あ、今後オティヌスちゃんが出ます。
いつもどの程度までレスがいったら次スレ立てるべきか迷います…980か
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:32:16.10 ID:JNvz/lAh0
>>941

いきなり現れていきなり重い話すんな!ビックリしただろ!
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:33:06.96 ID:JNvz/lAh0
>>943

酉無いから一瞬わかんなかったけど>>1
946 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/12(水) 01:34:28.88 ID:lhO97fHJ0

やっぱり酉付けた方が良いですね…今後ちゃんと付けます
突然の重い話に呆然とした…
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:34:38.97 ID:PdDBPbLDO
確かにビックリしたが一理ある、普通信じないし信じたくないよな
てことで俺の正体は保留だ!!

>>1様ご苦労様です、スレ立てはそれぐらいで良いと思います!
立てたことはありませんが…
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:34:39.98 ID:oXh56m7SO
通常時のスレ速度なら995で立てると丁度いいと思うがの…

今回はオティヌスちゃんはどうなるか…
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:35:23.53 ID:JNvz/lAh0
俺はブラック会社に就職してしまいヘルニアになって
左足が残念
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:35:47.04 ID:PdDBPbLDO
>>948
次スレってそんなギリギリで良いんですか、知らんカッター
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:36:06.10 ID:JNvz/lAh0
ID:PdDBPbLDOは女性ですっ!
って言いふらして良い?
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:36:57.76 ID:JNvz/lAh0
まぁそんな気力も無いんだが
死にたい
953 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/12(水) 01:37:11.51 ID:lhO97fHJ0

995…なるほど。頃合を見計らって立てますね その時は誘導置いて締めます
今回は…うーん…たまにはオッレルスさん悪役が良いなあ、と思っておりまして…そしたら予想外にちょっとキチデレになってしまって…
オティヌスちゃんは今回いい子です  いやいつもいい子かもしれませんが…いい子の定義…
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:39:17.41 ID:JNvz/lAh0
>>953

いい子…
あれだあの人差し指を立てて手の甲に目玉のマークつけたマスクを被ればいい子に…
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:40:33.09 ID:oXh56m7SO
ま、>>1は平常運転で行けば最高のSSが書けるから問題ない。


オッさんが悪役か…うまく安価が取れたら鬼畜デレくらいには、何とか。
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:41:27.78 ID:JNvz/lAh0
>>955

それってただのドS…
957 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/12(水) 01:41:36.17 ID:MxFKlWEAO

ともだちじゃないですかーやだー
ストレスには眠りが一番だそうです
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:43:02.74 ID:wkaJTZOr0
>>944
では更に重い話をしてやろう

・3歳の頃に兄に目の下を斬られ
・6歳の頃に流産で病んでた親に梅雨で増水した川にポイされ
・8歳の頃に通り魔に刺され
・11歳の頃に不審者に誘拐されたが自力で脱出して
・15歳の頃に学校の3階から突き落とされ
・16歳の頃に図書室の本棚の下敷きになり

そして、数年前に右腕ミンチ、年齢バレは嫌だね、うん
友人によって付けられたあだ名はリアル上条さん、だが右腕は生えてこない
両利きだったから苦労は少ないけどね

キチデレって良いよね
959 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/12(水) 01:43:04.93 ID:MxFKlWEAO
>>955
ありがとうございます…。

鬼畜シーンに安価入れる予定なのでデレが皆様次第ですね…
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:43:15.79 ID:JNvz/lAh0
>>957

眠れないのがストレスの場合はどうすれば
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:44:09.47 ID:MxFKlWEAO

>>958様が本当に前条さんみたいだ…幸せになっていただきたいです
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:44:55.08 ID:oXh56m7SO
医者にかかれ、としか…

あれだ、俺はそんな逆境の歴戦を生き抜いてきたあんたを尊敬するよ…
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:45:02.06 ID:JNvz/lAh0
>>958

重すぎるわ!ふざけんな!
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:45:07.00 ID:MxFKlWEAO
>>960
その場合は無理に眠ろうとしないでゆっくり過ごすと効果的なようです
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:46:26.46 ID:JNvz/lAh0
>>958

あんたすげーよ。初めて尊敬出来る人を見たよ
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:48:18.75 ID:PdDBPbLDO
なんか雑談で埋まりそうな勢い、この人達皆大丈夫か?(自分は棚にあげましょう

h0さん……ここのスレ見たひとにはバレるじゃないですか…、いやリアルで会わない限り確証はないからどうにかなりますが

>>958は確かに凄い、ある意味生きてるのも凄い、けど刺されたりとかで死んじゃった人達って上限ないから不幸だよね
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:48:27.72 ID:JNvz/lAh0
>>964

ところで>>1は雄なのか雌なのか
フーム気になる。雄がエロ描写を書いているのを想像しても萌えないが雌なら興奮
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:52:03.91 ID:JNvz/lAh0
>>966

あの下二桁だけやられてもなんの意味も無いのだが
やるならせめて
>>951か ID:JNvz/lAh0の方が良いかと
969 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/12(水) 01:52:05.52 ID:MxFKlWEAO
つい酉を忘れる…
誘導分うっかり無くなっても、>>1のスレはスレタイからして分かりやすいので大丈夫かもしれません

>>967
参考にはなりませんが、原作のフィアンマさんぶち犯したいとは思ってます
中性的な美人とか良いですね
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:52:54.75 ID:JNvz/lAh0
>>969

雄?
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:55:31.58 ID:PdDBPbLDO
>>968
ID全部いれるのは却下です面倒だから、今この場なら下2桁で良いかと思って…

とかいいつつ>>1様は女………じゃないのか
中性的な子は好きですね、僕っ娘とか俺女とか好きですね
972 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/12(水) 01:57:48.61 ID:MxFKlWEAO
ゲンコロるとあれなので敢えてノーコメで…

ところで爪剥ぎはグロに入るのでしょうか…
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:58:25.79 ID:JNvz/lAh0
俺は芸能人で誰が好きかと聞かれたら必ず仲間由紀恵と答えている

うんどうでもいいね

中性的ってゆうかブラックラグーンに出てるような
お姉様キャラは好き
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:59:07.62 ID:JNvz/lAh0
>>972

ひぐらしのなく頃に参照で
悪いんだが個人的には拷問だからグロい
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 01:59:19.67 ID:PdDBPbLDO
>>972
グロってほどではないと思いますけど、そのあと指砕いたりとかそれに続く拷問はグロじゃないですかね?

976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:00:00.03 ID:oXh56m7SO
爪剥ぎは一応グロジャンル扱いだね。グロ安価有りの時は最初にやるなぁ…

個人的にはまだ生温…

977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:01:09.24 ID:JNvz/lAh0
>>976

へーい自重汁

978 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/12(水) 02:01:31.33 ID:MxFKlWEAO

わかりました
一応爪剥ぎをやる(書く?)予定なので…
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:02:31.65 ID:JNvz/lAh0
右腕ミンチの話聞いて良く爪はぎ話書こうとするにゃー
980 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/12(水) 02:03:26.04 ID:MxFKlWEAO

それとこれとはまた別かな、と…
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:03:35.73 ID:wkaJTZOr0
まぁ本棚に潰されかけようと本は好きだから何だかんだで今の仕事出来て幸せなのよね

あと、リアルで会う事はたぶん無い。伯父の家と書庫が快適過ぎてほぼ完璧に出不精だわ
時々医者に行く事もあるが医者曰く私は「いたって普通の人」らしい。

>>973
貴公とは良い酒が飲めそうだ……


グロの閾値が軽く吹っ切れてるから別に生爪剥ぎ程度何とも思わんなぁ……
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:04:11.66 ID:oXh56m7SO
ただ、爪剥ぎやるなら、爪がまだある内じゃないとアレとかできないから…

頼むぜ
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:05:51.27 ID:JNvz/lAh0
>>982

まさかマニキュアじゃないだろうな
984 : ◆2/3UkhVg4u1D [sage]:2012/12/12(水) 02:05:53.69 ID:MxFKlWEAO

アレ、とは…?

と、そろそろ真面目に寝ます。お疲れ様でした
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:06:18.71 ID:JNvz/lAh0
>>981

同志よ…
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:08:50.34 ID:PdDBPbLDO
>>983
なるほど、それが正解か


私も寝まーす、多分このスレに来るDOCOMOは俺やで!
てなわけで自己主張して退散
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:10:03.61 ID:oXh56m7SO
アレ=爪と指の間に針で穴を開け、ハリガネムシ(蟷螂の腹の中にいる寄生虫)を潜り込ませる。確か江戸時代の拷問だったような…

芸能人で仲間由紀恵が好きだと言うとお前趣味がおっさんだなって毎度言われる

>>1おやすみ
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:10:15.02 ID:JNvz/lAh0
おやすみ皆の衆今日も不眠と戦う
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:11:57.85 ID:JNvz/lAh0
>>987

マニキュアより恐ろしかった…
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:13:30.17 ID:JNvz/lAh0
>>987

あと仲間由紀恵綺麗だよね!
トリックでますます好きになった
おやすみ
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:14:39.62 ID:PdDBPbLDO

爪の間に針 と、針金虫自体は知ってたけど、組み合わせるのは知らなかった

寝ると言いつつ来てしまった……ホントに寝ますおやすみ
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 02:15:59.43 ID:wkaJTZOr0
>>987
あの年齢であの容姿で綺麗な髪の毛で凄く元気って魅力の塊だと思うんだけどな……

>>1おやすみ
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 06:53:00.22 ID:h15sDV8So
起きたらすごいことなってたおつ
994 : ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/12(水) 17:48:45.46 ID:8ZcL25+40

浜面「PS3のゲームでもやるか?」

垣根弟「PS3。……据置型ゲーム機であり、そこに設置されているものか、とカキネは問いかけた」

浜面「そ、あれあれ」

もともとは、垣根の暇潰し用に購入されたもの。
しかし、垣根帝督自身は早々に飽きてしまった為、それはホコリを被ってしまっている。
ソフトもいくつか脇の本棚に詰めてあったが、そちらもホコリだらけだ。
垣根弟がよくわからないままに頷いたのを見、浜面はそんなホコリだらけの場所を掃除する。
手で払うなどという乱暴な事はせず、ティッシュで丁寧にくるんでゴミ箱へ。
そんな丁寧な掃除の仕方を見ながら、垣根弟は首を傾げた。

垣根弟「…所謂主夫向き、とカキネは断じた」

浜面「嬉しくねえ評価だなオイ」

垣根弟「家事スキルが高いということだ、とカキネは補足した」

浜面「それにしたってな…」

垣根弟「ところで、何のゲームをするのか、とカキネは問いかけた」

浜面「ソフト…は、結構あるみてえだが…>>996(ゲームソフトのタイトル)やるか」
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 17:52:59.24 ID:JfgGGjPX0
グラセフ
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 17:57:27.59 ID:oXh56m7SO
ヴェスペリアー
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 17:59:04.20 ID:UwkDJSs50
>>996

なにそれ
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 18:02:46.79 ID:oXh56m7SO
正式名称テイルズオブヴェスペリア

曰く、正義を貫き通すRPG。

主人公が必殺仕事人

ニコで実況やってるからつい…
そろそろ次スレか…安価↓
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 18:04:59.44 ID:E4wqWx7X0
グロゲーやらせて怒られる浜面と垣根麦野夫婦が見たかったのにー
1000 :嘘?予告  ◆2/3UkhVg4u1D [saga]:2012/12/12(水) 18:06:26.50 ID:8ZcL25+40


「お、お帰り。…お風呂にする? ご飯にする? ……それ、それとも…俺様に…?」
ローマ正教最暗部『神の右席』・(元)右方のフィアンマ――――オフィーリア=カンナヴァッチュオロ



「…あーはいはい、ゲンコロゲンコロー」
学園都市『無能力者(レベル0)』・『幻想殺し』――――上条当麻



「…で、このていとくンにそっくりなガキはなンなンですかねェ?」
学園都市最強の超能力者――――一方通行



「………お弁当?」
学園都市第四位『原子崩し』――――麦野沈利



「…君が承諾するまで、何枚でも剥がすだけだ」
純粋な魔神にして『グレムリン』リーダー――――オーディン



「…こ、の、クソババア……っ!」
学園都市第二位『未元物質』――――垣根帝督
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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安価悪ふざけドラえもん @ 2012/12/12(水) 15:57:50.48 ID:D8D8kpTq0
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風邪気味な女子中学生だけど質問ある? @ 2012/12/12(水) 15:55:21.85 ID:+aZXxl0s0
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安心院「安価で球磨川君を修行だぜ。」 @ 2012/12/12(水) 15:43:36.99 ID:JR96zgqy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1355294616/

メンヘラっぽい彼女と別れたけど質問ある? @ 2012/12/12(水) 15:35:21.92 ID:mAW6i03P0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1355294121/

A雑隣人部 @ 2012/12/12(水) 15:25:57.92 ID:MG3e3VZro
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