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なのは「繋がる心が、私の力」FINAL MIX - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 02:55:27.35 ID:rM3jA3VKo
以前投下していた以下のスレのリファインと続編になります。

なのは「繋がる心が、私の力」
http://ex14.vip2ch.com/news4gep/kako/1281/12813/1281327664.html

・リファインということで、また最初からの投下となります。

・台本形式、多重クロス、独自設定などの要素を多く含みます。

・元ネタのKHオリジナルキャラは、一部を覗いて出ません。

・参戦希望、妄想垂れ流し歓迎。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1353779727
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

モバP「19歳になった橘ありすに勝てない」 @ 2020/05/31(日) 03:07:38.69 ID:zcfde6Ug0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1590862058/

末原「こりゃもう終わりかなって思ったときからが勝負や!」漫「先輩……」 @ 2020/05/31(日) 02:36:46.86 ID:6LO6VK2u0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1590860206/

「ねえ、大丈夫かい?」 @ 2020/05/31(日) 02:23:00.06 ID:uUnHeNjQ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1590859379/

【ガンダム】ウルフラム「安価とコンマで一年戦争(欧州戦線)」その7 @ 2020/05/30(土) 22:57:25.61 ID:Em98O5wC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1590847045/

my vision was enhanced,ridden with anxiety,but i couldn’t sit quietly.  @ 2020/05/30(土) 22:29:56.09 ID:oV0bpsyDo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1590845395/

サイト「愛してるよ、ルイズ」ルイズ「わ、私も、あんたのことを……」 @ 2020/05/30(土) 22:13:07.57 ID:A9YfU/XoO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1590844387/

【安価・コンマ】僕「青春学園テニス部?」Part2 @ 2020/05/30(土) 19:43:50.77 ID:cmYaY3HpO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1590835430/

あなたは神を信じますか? @ 2020/05/30(土) 18:48:57.96 ID:xnZdRgzI0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1590832137/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 02:59:19.63 ID:rM3jA3VKo





――私には、よくわからないんよ。

この世界<夢>が、本当に、本物<現実>なのか――





3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:00:38.28 ID:rM3jA3VKo
――海鳴市 上空

 闇と光が空を翔け、ぶつかり合う度に激しい火花を散らす。

闇の書「我が主もあの子も、覚めること無い眠りの内に、終わり無き夢を見る。 生と死の狭間の夢、それは永遠だ」

 闇――管制プログラム。
自らにプログラムされた呪いに従い、破壊の限りを尽くす。

なのは「永遠なんて、ないよ。 みんな変わってく、変わっていかなきゃいけないんだ。 私も……あなたも!」

 光――高町なのは。
友を救うべく、大いなる闇に立ち向かう。

 光と闇の闘争は、衝突する度にその激しさを増してゆく。

 しかし光は知らない。
自らの光が大きな『影』を生み出している事を。

 しかし闇は知らない。
光が輝きを増す度に自らの『闇』が深くなっていることを。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:05:06.17 ID:rM3jA3VKo
なのは「はぁ、はぁ……」

RH『マスター、大丈夫ですか?』

なのは「私は大丈夫! レイジングハート……A.C.S、行ける?」

RH『言うに及ばずです』

なのは「オッケー。それじゃあ、ちょっと無理するよ!」

闇の書「来るか」

なのは「レイジングハート・エクセリオン! エクセリオンモードA.C.S……展開ッ!!」

 なのはの掛け声と共に、レイジングハートが更に変形する。
より鋭く、より速く、より障壁を貫くことに比重を傾けた姿へと。

闇の書「来るか」

なのは「エクセリオオォォン……!」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:06:20.55 ID:rM3jA3VKo
ゴゴゴゴッ!

なのは・闇の書「!!」

 なのはが闇の書へ突撃しようとした刹那、視界が揺らぐ程の地鳴りが二人を襲った。
雲に覆われていた空は闇に包まれ、海は激しく波打ち始める。

なのは「な、何!?」

闇の書「これは……この世界の闇が溢れ出している……」

なのは「これもあなたの仕業なの!?」

闇の書「違う、これは……」

『この世界は繋がった』

 闇の書がなのはの問いに答えるよりも先に、なのはは何者かが自分に語りかけてくる声を聞いた。
いや、語りかけてきたというより、声が頭の中へ侵入してきたと言ったほうが正しいか。
 闇の底から聞こえて響くような重苦しさ内包するその声は、戸惑うなのはを他所に言葉を続ける。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:07:51.02 ID:rM3jA3VKo
『心の光が消えた世界、間もなく闇に飲まれる世界』

なのは「だ、誰! 誰なの!?」

『お前は何も知らない』

なのは「えっ……?」

『何も知らない者が何を見ても、何も理解出来ない……』

 そう呟いたきり謎の声は止み、最後までなのはの問いに答えることはなかった。

闇の書「そうか、そういうことか……」

なのは「どういうこと!? 光が消えたとか、闇に飲まれるとか!」

ピピッ!

エイミィ『なのはちゃん! 聞こえる!?』

なのは「エイミィさん! 何が起こってるんですか!? それにこの揺れ……」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:10:54.74 ID:rM3jA3VKo
エイミィ『分からない! ただ、あっちこっちの世界で次元……が……なっ……!』

なのは「エイミィさん!? エイミィさん!」

 エイミィの声はノイズにかき消され、それ以降通信が繋がることはなかった。
異常事態の連続。なのはの小さな胸は焦燥感に満たされていた。

なのは「通信まで……本当にどうなっちゃったの……?」

闇の書「既にここまで闇が迫っているということだ」

ズゥン!

 再び大きな地鳴りがしたと思った矢先、なのはの目の前で空が割れた。
比喩ではない。文字通り『空が割れた』のだ。
割れた先には何も見えず、ただ深い闇が広がっている。

なのは「何ッ!? なんなの!?」

闇の書「私は闇だ、闇を拒む事は出来ない。闇に飲まれたら、後は同化するだけ」

なのは「闇の書、さん……?」

闇の書「だがお前は違う。心に光を宿したお前なら、我が主を……」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:12:04.46 ID:rM3jA3VKo
なのは「な、何を言って」

 闇の書がなのはへ右手を差し出す。

闇の書「高町なのは、お前の光を返そう」

 闇の書の右手がまばゆい光に包まれ、弾ける。
弾けた光の跡には、闇の書へ吸収されたはずのフェイトの姿があった。

なのは「フェイトちゃん!」

フェイト「なの……は……」

 弱々しく呟き、フェイトは気を失ったように空中へ放り出される。
なのははフェイトの体を受け止めるべく、両の手を広げ飛翔した。
しかし――

なのは「えっ――」

 なのはの手がフェイトに触れると同時に、フェイトの体は霞のように消えてしまった。

なのは「フェイト……ちゃん……?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:14:12.59 ID:rM3jA3VKo
 掴めなかった親友の手。
フェイトに触れた筈の指先を見つめ呆然とするなのはに、打ちひしがれている時間は無かった。
空に出来た裂け目は更に大きくなり、建物や木々を飲み込み始めたのだ。
 割れた空を仰ぎ、闇の書は呟く。

闇の書「残された時間は少ない……私はもう戻れない……」

 闇の書は抵抗するそぶりを見せず、空の裂け目へと吸い込まれてゆく。
闇の書が飲み込まれる間際、なのはの耳に彼女の声が届いた気がした。

闇の書「頼む。主を救ってくれ」

 戸惑うなのはを一人残し、闇の書は裂け目の中へと消えた。

なのは「主って……はやてちゃんを……?」

RH『マスター、何かが来ます!』

なのは「! 今度は何!?」

 なのははレイジングハートを構え周囲を見渡す。
しかし、『それ』は空。裂け目の中からやって来た。

RH『上です!』

 レイジングハートが警告を発した時には、既に『それ』の巨大な手はなのはのすぐ頭上にあった。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:17:21.21 ID:rM3jA3VKo
ズドォン!

なのは「きゃああぁぁっ!」

 『それ』の一撃は消耗していたなのはのオートバリアを安々と貫き、彼女を地面へとたたき付けた。

なのは「ぐ、うぅ……」

 すぐに立ち上がろうとするが、手足が動かない。
見ると、地面から湧き出た黒いバインドのようなもので手足が拘束されている。

なのは(う、動けない……!)

 黒いバインドはなのはの全身に絡みついていき、その身をズルズルと闇の中へと引きずり込んでゆく。
後ろからは、なのはを地面へと叩きつけた未知の敵が近づいていた。

なのは(こんな……こんな、ところで、終わり……?)

なのは(はやてちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん、みんな……助けたい人がいっぱいいるのに……)

なのは(そんなの、嫌だ……)
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:18:11.05 ID:rM3jA3VKo





なのは「……助けて、フェイトちゃん……!」




12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:20:09.57 ID:rM3jA3VKo
……

…………

………………



フェイト(なのはッ!!)

なのは「!!」





 ――次の瞬間、なのはの視界がまばゆい光に包まれた。


13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:22:25.10 ID:rM3jA3VKo





12月24日。クリスマス・イヴ。

第97管理外世界は、闇の中へとその姿を消した。




14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:23:12.10 ID:rM3jA3VKo

――
―――





トラヴァースタウン





―――
――
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:25:14.84 ID:rM3jA3VKo
――トラヴァースタウン 裏路地

なのは「うぅ、ん……」

RH『気が付かれましたか? マスター』

なのは「う、うん。いたた……レイジングハート、ここは……?」

RH『海鳴でないことは間違いありません。どうやら先程の次元断層で別の世界へ飛ばされてしまったようです』

なのは「次元断層……じゃあ、海鳴は……」

RH『………』

なのは「……行こう、レイジングハート。とりあえず、ここが何処か調べなきゃ」

RH『了解です』

なのは「何が起こるか分からないから、一応デバイスモードで待機しておいて」

RH『―――』

なのは「レイジングハート?」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:30:48.92 ID:rM3jA3VKo
RH『<エラー>処理を実行出来ません』

なのは「えっ?」

RH『新たにダウンロードされたプログラムによって、他の処理がブロックされています』

なのは「プログラム? 削除は?」

RH『先程から試みていますが、アクセス権限がありません。それに……』

なのは「それに?」

RH『現在強制的にインストールされています』

なのは「ええぇっ!? ちゅ、中断中断!」

RH『不可能です』

なのは「そんな……っていうかなんでそんなに冷静なのぉ!?」

カッ

なのは「きゃあっ!」

 なのはの手のひらに収まっていたレイジングハートがまばゆい光を放つ。
しかし、それは一瞬の出来事。すぐに光は引いていった。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:35:03.60 ID:rM3jA3VKo
なのは「ん……。大丈夫? レイジングハー……ト?」

 なのはの手に握られているレイジングハートは、彼女の知る変形後の姿のどれにも当て嵌まらなかった。
かつての杖としての面影やカラーリングは残していたが、杖というよりは鍵に近い形状になっている。
グリップエンドにはスタンバイモードのレイジングハートが鎖で繋がれていた。

RH『プログラムネーム“キーブレード” インストール完了』

なのは「……キー、ブレード……? 何、これ?」

RH『分かりません。恐らく鍵のような剣でキーブレードなのでしょう。なかなかにユニークです』

なのは「……もしかして、その姿気に入ってる?」

RH『オシャレでしょう?』

――GET!――
『キーブレード』
レイジングハートに強制的にインストールされたプログラム。
鍵のような形の剣なのか、剣のような形の鍵なのか。

――GET!――
『レイジングハート』
レイジングハートの待機モードをかたどったキーチェーン。
ピンチになると魔法力が大幅にアップします。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:37:30.23 ID:rM3jA3VKo
なのは「はぁ、もうなんなのぉ……」

「そいつはキーブレード。そしてお前は選ばれた者だ」

なのは「!」

 なのはが顔を上げると、いつの間にか目の前に長髪の青年が立っていた。
手にはよく分からない形状をした剣、額には傷。ひと目で危険人物だと分かった。

「まさか、こんな子供がキーブレードに選ばれるとはな……」

なのは「あの、あなたは……?」

「そんなことはどうでもいい。少し眠ってもらうぞ」

ダッ

 青年はなのはの言葉に耳を貸さず、一気に距離を詰めて襲い掛かってきた。

なのは「!」

バリバリバリ!

「なにっ!?」

 だが、ただでやられるなのはではない。
攻撃に合わせてシールドを展開し、青年の攻撃を弾き返した。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:40:19.86 ID:rM3jA3VKo
なのは(攻撃に全然迷いがなかった……あの人、戦い慣れてる!)

「防御魔法か。なるほど、ただの子供ではないらしい」

なのは「いきなり攻撃してくるなんて、どういうつもりですか!?」

 思わぬ強敵に、レイジングハートを構えるなのは。
青年と、デバイスと思われる青年の武器に意識を集中させる。

「お前と話している時間はない、今はな。ユフィ!」

ユフィ「あいさっ!」

ボフンッ

なのは「きゃっ!?」

 何かの爆発音と共に、なのはの周りに怪しい色の煙りが立ち込める。

なのは「なに、これ……か、体……が……」

バタン
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:48:11.82 ID:rM3jA3VKo
ユフィ「いっちょ上がりだね、スコール」

レオン「レオンと呼べ。さっさとこいつを宿屋へ運ぶぞ」

ユフィ「りょーかい! そんじゃま、失礼してっと」

RH『失礼ですが、あなた達は何者でしょうか』

ユフィ「うおわぁっ! キーブレードが喋った!?」

レオン「インテリジェントデバイス……まさか、キーブレードが宿ったのか……?」

RH『質問に答えて頂きたいのですが』

レオン「分かった。だが、それはこいつを安全な場所に運んでからだ」

RH『了解です』

ユフィ「よっこいしょういち。レオン、普通こういうのは男の仕事なんじゃないのー?」

レオン「眠らせた張本人はお前だろう」

ユフィ「最初にこの作戦提案したのはレオンでしょーにー」

レオン(……どうやら状況は、俺たちが思っているより悪いらしい)
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:48:54.08 ID:rM3jA3VKo
――トラヴァースタウン 宿屋

フェイト「……のは……なのは……」

なのは「……ん、ん」

フェイト「大丈夫?」

なのは「あ、うん……大丈夫だよ、フェイトちゃん……」

フェイト「フェイト? だれそれ?」

なのは「!?」ガバッ

ユフィ「私にはユフィっていう可愛い名前があるんだからね!」

なのは「あ、す、すみません……」

レオン「気が付いたか」

なのは「! さっきの……!」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:50:49.12 ID:rM3jA3VKo
レオン「そう身構えるな。こちらに戦意はない」

ユフィ「そうそう。こんな厳つい顔してるから怖いのは分かるけど、これで結構ナイーブなとこが」

ゴッ

レオン「話を続ける」

なのは「あ、は、はい……」

ユフィ「殴ることないじゃん……」ヒリヒリ

レオン「そちらの事情はこいつからだいたい聞いている」

RH『Yes』

レオン「まさか時空管理局の魔導師だったとはな。通りであんな反応が出来た訳だ」

なのは「いやそんな、魔導師って言ってもお手伝い程度で……」

レオン「なんでもいい。ちょうど管理局の人間とはコンタクトが取りたかったところだ」

ユフィ「あと、キーブレードの勇者様ともね!」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 03:53:04.37 ID:rM3jA3VKo
なのは「あ、あの……そろそろ何が起きてるのか、説明してくれませんか?」

なのは「それに、キーブレードって?」

レオン「そうだな、それを説明するにはまず、今世界で起きている異変について話さなければならない」

なのは「異変……」

レオン「信じられないかも知れないが、今世界では」

コンコンッ

レオン「!」ガタッ

 物音がするやいなや、剣を構え扉の横に張り付くレオン。

レオン「……空」

「陸、だったかな?」

レオン「海だ」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:00:48.98 ID:rM3jA3VKo
「そうだっけ? とりあえず、ここ、開けて」

レオン「……ああ」ガチャ

ユフィ「レオンー、この合言葉意味あるのー?」

レオン「うるさい」

なのは(にゃはは、悪い人たちじゃないみたい……)

 レオン達三人の何気ないやりとりに、なのはの緊張の糸が少しだけ緩む。
まるでそれを感じ取ったかのようなタイミングで、今し方入ってきた女性が盆をなのはに差し出た。

「はい、緑茶。落ち着くよ」

なのは「あっ、ありがとうございます。えっと……」

エアリス「私、エアリス」

ユフィ「さっきも言ったけど、私は可愛いユフィちゃん!」

レオン「レオンだ。話を続けるぞ」

なのは「あ、はい。お願いします」

早速出された茶を一口。

なのは(………甘い)

やはり警戒を解くべきではなかったかと、なのはは少しだけ後悔した。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:04:13.94 ID:rM3jA3VKo
レオン「まず、お前は今回の事態をどれくらい把握している?」

なのは「いや、その、正直なんにも……」

レオン「だろうな。なら、単刀直入に言わせてもらう。今、世界が次々に消滅する事件が起きている」

なのは「世界が消滅!?」

レオン「ああ。心なき者、『ハートレス』によってな」

なのは「ハートレス、って?」

ユフィ「簡単に言えば人の心を食べる化け物だね」

レオン「奴らは人の心を奪い、最終的には『世界自体の心』を奪う」

なのは「世界の心? え、えっと、その、すみません。世界の心って……?」

レオン「俺たち一人ひとりが心を持っているように、世界もそれぞれの心を持っている」

エアリス「心、奪われちゃうと、人も世界も、壊れちゃうんだ」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:08:24.54 ID:rM3jA3VKo
なのは「壊れるって……そ、それじゃあ海鳴は!?」ガタッ

レオン「……ここは故郷を失った者がたどり着く街だ。恐らくお前の世界はもう」

なのは「そんな……お父さん、お母さんは!?」

ユフィ「……」

なのは「お兄ちゃん、お姉ちゃん!!」

エアリス「……」フルフル

なのは「アリサちゃん……すずかちゃん……!」

レオン「………誰にも、なんとも言えないことだ」

 力なくベッドに座るなのは。
宿屋の一室に、しばし気まずい雰囲気が漂う。

ユフィ「で、でも! 希望が無いわけじゃないんだよねーこれが!」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:09:37.69 ID:rM3jA3VKo
なのは「……希望?」

エアリス「そう、それが、あなたの持ってる、キーブレード」

RH『Me?』

なのは「そうだ、この鍵なんなんですか? 急にレイジングハートの形まで変わっちゃって……」

レオン「詳しい事は俺達にも分からない。だが、そのキーブレードはハートレスにとって邪魔な存在らしい」

ユフィ「つまり、それを使ってどうにかすれば、この状況を一変させられるかも知れないってこと!」

なのは「どうにかって、どうすれば?」

ユフィ「それが分かったら苦労しないってー」

なのは「そんなぁ……」

エアリス「ハートレスについて書かれたレポート、なにか載ってるかもしれない、けど……」

なのは「けど?」

ユフィ「世界崩壊の時、あっちこっちの世界に散らばっちゃったんだよね」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:11:09.70 ID:rM3jA3VKo
なのは「結局八方塞がりかぁ……」

レオン「だが、キーブレードが、そしてそれを持つお前がこの世界の希望であることに変わりはない」

ユフィ「そうそう、こういうときは明るくね!」

なのは「は、はぁ……」

なのは「そういえば、なんで私を気絶させたんですか? こうやってちゃんとお話してくれれば、私……」

レオン「さっきも言ったが、キーブレードはハートレスにとって邪魔な存在だ」

エアリス「もちろん、持ち主のキミもね」

レオン「だから奴らをまくために、お前の心を隠す必要があった」

ユフィ「奴ら変に敏感だからさ。なのはもちゃんと何が起きてるか聞けて良かったでしょ?」

なのは「ま、まぁ……」

レオン「さて、これからの方針だが」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:12:34.42 ID:rM3jA3VKo
ユフィ「! レオンッ!!」

ガシャァン!!

 ユフィの叫びが早いか、それともガラスが割れるのが先か。
黄色い目に真っ黒な顔と体を持った何かが、ガラスを破って部屋へ飛び込んできた。

レオン「ちっ、もうここを嗅ぎ付けたか! ハートレス!」

 最初の一匹を皮切りに、様々なハートレスが続々と部屋へ侵入してくる。
それぞれが見ようによっては愛らしい姿をしているが、それが返って不気味さを演出していた。

なのは「ハートレス!? こ、これが……」

レオン「ユフィはエアリスを連れていけ! なのはは俺と来い!」

なのは「は、はい!」

ガシャーン

 ハートレス達が侵入してきた窓とは違う窓から部屋を脱出するなのはとレオン。
窓を出てバルコニーへと躍り出るが、すぐ下ではハートレスがひしめき合っている。

レオン「いつもより数が多い。どこかにこいつらを率いている親玉がいるはずだ」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:14:04.02 ID:rM3jA3VKo
カサカサ

 レオンの後ろからハートレスが襲い掛かって来る。

レオン「ちっ!」

なのは「シュゥゥゥト!!」

バシュン!

 しかし、ハートレスの攻撃がレオンに届くことはなく、なのはの放った魔力弾に吹き飛ばされた。

レオン「……借りが出来たな」

なのは「そんな、借りなんて」

レオン「すぐにでも返したいところだが、今はこいつらの親玉を探したい」

レオン「二手に別れるが問題ないな?」

なのは「はい!」

レオン「よし。俺は1番街へ行く、お前は2番街へ回ってくれ」

なのは「分かりました! 行くよ、レイジングハート!」

RH『了解です、マスター』
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:16:32.67 ID:rM3jA3VKo
――トラヴァースタウン 2番街広場

なのは「ディバイィィン、バスタアァァ!!」

ズドォン!!

 魔力の奔流が大量のハートレスが消し炭と化す。
2番街の広場を占拠していたハートレスは、もう片手で数えるほどしか残っていなかった。

なのは「良かった、魔法は普通に使えるんだね」

RH『むしろ絶好調です』

なのは「よし、このまま親玉も……」

RH『マスター、上空に動的反応。その親玉のようです』

なのは「!」

 なのはの頭上からガシャガシャと音を立てて降ってきたのは、紫の鎧だった。
両腕、両足、胴体の五つのパーツに分けられている。暗くて確認はできないが、どうやら中身は空のようだ。

なのは「これが、ハートレスの親玉……?」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:19:28.16 ID:rM3jA3VKo
ガタガタガタガタ!

 突然、鎧たちが振動し始めた。
鎧と鎧がぶつかり合い、空虚な音が広場一体に響き渡る。
そしてなのはが呆気にとられているうち、なんと鎧たちは浮き上がって人形を形成した。

なのは「! この鎧って!」

 なのはは目の前で浮かぶ鎧に見覚えがあった。
目の前の鎧はなのはに強烈な一撃を加え、外の世界へと引きずり出した張本人だ。

なのは「私を追ってきたの!?」

 鎧は何も答えない。
代わりにたたき付けられたのは鎧の右拳だった。

なのは「わぁっと!」フワッ

 空へ飛び上がり拳を回避する。
鎧の顔面が何回か回転した後、上空のなのはへと向けられた。

なのは「どうにも、お話出来る相手じゃなさそうだね」

RH『実力行使で行くしかありませんね』

バババババ!

 なのはの足元に魔法陣が展開され、四つの光弾が生成される。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:20:49.43 ID:rM3jA3VKo
なのは「アクセルシューター、シュゥゥゥト!!」

ズビュビュゥン!!

 レイジングハートを振りかざすと同時に光弾が鎧へ突進してゆく。
狙いは弱点と思わしき胴体部。

バチン!

 しかし、光弾は胴体部を直撃する寸前、鎧の両腕によって弾かれ爆散した。

なのは「弾かれた!?」

RH『しかしダメージは通っているようです』

なのは「うん! まずは邪魔な手足を破壊しないと!」

 鎧から飛んでくる手足の攻撃を自慢の飛行でかわし、光弾で着実にダメージを与えていくなのは。
見た目の割に装甲自体は脆く、鎧の手足はあっという間に右手と左足を残すのみとなった。

なのは「次は一番厄介な右手! シュート!」

 生成した光弾すべてを右手へ向け一斉に放った。
着弾と同時に光が弾け、爆煙がなのはと鎧を隔てる。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:22:11.44 ID:rM3jA3VKo
なのは「よし、最後は左足を破壊すれば」

 なのははレイジングハートを構え、再び光弾を生成しようとした。その瞬間だった。
爆煙の中から破壊したはずの右手が襲い掛かってきたのだ。

なのは「えっ……!? きゃあ!!」

 不意をつかれ、なすすべもなく鎧の手中に収まるなのは。

なのは「な、なんで……あっ!」

 なのはの目に飛び込んで来たのは、破壊され地面に転がった左足パーツの残骸。

なのは(そうか、左足で右手をガードしたんだ……!)

 冷静に状況を判断している暇もなく、鎧はなのはを握り潰そうと力を入れる。

グググ…

なのは「ぐ、く……うぅ……!」

なのは(このままじゃ……!)
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:23:15.41 ID:rM3jA3VKo
タッタッタッタッ

バッ!

レオン「ラフディバイド!!」

ザシュ!!

 なのはを握り潰そうとしていた右手は、レオンの一撃によって両断され霧散する。

なのは「レオンさん!」

レオン「借りは返した。行け、なのは!」

なのは「はい!」

 魔法陣を展開しレイジングハートを両手で構える。
一方胴体のみになった鎧は万策尽きたのか、高速で回転しながらなのはへ突っ込んで行く。

なのは「ディバイイィィィン……バスタアアァァァ!!」

ズドドドドド!!

ガードアーマー「……! ……!」

 なのはの放った必殺の一撃は鎧を貫き、胴体に大きな風穴を開けた。
鎧は力尽きたかのように地面へ転がり落ち――

ドカアァァン!!

――爆散した。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [saga]:2012/11/25(日) 04:26:09.27 ID:rM3jA3VKo
とりあえずここまで。

現在W編まではリファイン済みです。

KH1.5の報を聞き、居ても立ってもいられず、また立ててしまいました。

申し訳ございません。このようなSSで。

明日にでもトラヴァースタウン編〜W編までは行けるかと。

それでは、また後ほど。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/25(日) 10:58:59.93 ID:6segDX+Ho
おお、懐かしい。
確か前Verを読んでいた覚えが。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [age]:2012/11/25(日) 20:09:32.78 ID:Ab2AxuQno
>>37
まだ覚えていてくれた方がいたとは……
本当に有難うございます。今回のスレでもご贔屓にしていただければ幸いです。

それでは、トラヴァースタウン編1−2行きます。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [age]:2012/11/25(日) 20:12:07.81 ID:Ab2AxuQno
――トラヴァースタウン1番街 アイテムショップ前

ユフィ「いやァスゴイスゴイ! あんな大きなハートレスを倒しちゃうなんて!」

エアリス「さすが、管理局の魔導師さん」

なのは「そんなことないです。あの時レオンさんが助けに来てくれなかったら」

レオン「勘違いするな。俺はただ借りを返しただけだ」

ユフィ「まったまたー! レオンってばツンデレー!」

ゴッ

レオン「お前は壁とでも話してろ」

ユフィ「またぶったァ……」

なのは「にゃはは」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [age]:2012/11/25(日) 20:13:06.04 ID:Ab2AxuQno
「おうレオン、頼まれてた通信機持って来てやったぜ! おっ、そいつが例の嬢ちゃんか」

なのは「あ、は、初めまして! 高町なのはです!」ペコッ

シド「俺はシドってんだ。よろしくな、嬢ちゃん」

レオン「ちょうど良い。なのは、これから俺たちは時空管理局とコンタクトを取る」

なのは「管理局に?」

ユフィ「前から通信したかったんだけど、こんな辺境世界じゃ通信先の座標も分からなくてさァ」

エアリス「世界の現状、知らせたいけど、信じてもらえる確証、ないし……」

レオン「だが、座標はレイジングハートに教えて貰った。それに今は関係者のお前もいる」

なのは「私が橋渡しをすればいいんですね」

レオン「そういうことだ」

なのは「わかりました。信じてもらえるかはわからないけど、頑張ります!」

レオン「頼む。よし、始めるぞ」

ピッ

ザザー…
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:14:03.04 ID:Ab2AxuQno
――その頃 次元航行艦アースラ

エイミィ「……」カタカタカタ

クロノ「少し休んだらどうだ? 事件発生からまともに寝てないんだろう?」

エイミィ「クロノ君だってそうでしょ? 私だけ休む訳には行かないよ」カタカタカタ

クロノ「……複数の世界で次元断層を観測。さらに、未確認生命体の異常発生。おまけに闇の書も行方知れず」

エイミィ「はは、とてもじゃないけど休めるような状況じゃないでしょ……」カタカタカタ

クロノ「……一体、世界に何が起きているんだ」

ピピピッ

クロノ「! 次元間通信! 誰からだ?」

エイミィ「発信者不明。発信元は……あれっ?」

クロノ「どうした?」

エイミィ「おかしいな、ここの座標、本来なら何もないはずなんだけど……」

クロノ「……繋いでみよう。もしかしたら救助要請かもしれない」

エイミィ「了解!」カタカタ
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:14:59.14 ID:Ab2AxuQno
ピッ

なのは『あ、繋がった! こちら高町なのはです! 時空管理局、応答願います!』

クロノ「!」

エイミィ「な、なのはちゃん!?」

なのは『その声……エイミィさん!』

クロノ「無事だったのか!」

なのは『クロノ君も! うん、こっちは大丈夫。良かった、無事に繋がって!』

エイミィ「良かったはこっちのセリフだよぉ! 何回通信しても連絡が取れなかったから、もうだめかと……」

なのは「すみません、エイミィさん。私もレイジングハートもいろいろあって」

クロノ「とりあえず無事で何よりだ。今からそちらへ救護に向かう」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:18:31.98 ID:Ab2AxuQno
なのは『あ、ちょっと待ってクロノ君』

クロノ「? どうした?」

なのは『こっちに来ながらでいいから、聞いてほしい事があるの』

エイミィ「聞いてほしい事?」

なのは『えっと、私もだいたいしか事態を把握してないんで……』

レオン『そこから先は俺が説明させてもらう』

クロノ「君は?」

レオン『俺はレオン。スコール・レオンハートだ』

なのは『行き場のない私を助けてくれたんです』

ユフィ(最初はボコリに行ってたけどねー)

エアリス(しー)

レオン『今世界で起きている事件について、管理局と少し話がしたい』
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:20:50.83 ID:Ab2AxuQno
――説明中

レオン『……以上が、俺の知る事件についての概要だ』

エイミィ「そんなことが起きてたなんて……」

クロノ「心を喰らう化け物、ハートレス。世界の崩壊。そして、キーブレード……」

レオン『信じるか信じないかはあんたたち次第だ』

なのは『でも、嘘じゃないんです! 信じてください!』

クロノ「そうだな……」

リンディ「なのはさんがここまで言うんだもの。きっと、真実に違いないわ」

クロノ「艦長」

なのは『リンディさ……提督!』

リンディ「なのはさん! 無事で良かった……」

なのは『すみません、心配をおかけして』
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:22:31.91 ID:Ab2AxuQno
リンディ「いいのよ。まずは、今からそちらへ向かいます。なのはさんを保護してくれた方たちにもお礼がしたいし」

ユフィ『お礼なんてそんなァ。デバイスかマテリアを何人分か都合してもらえれば十分ですってェ』

レオン『黙ってろ』

ユフィ『へーい』

リンディ「ふふ、いい人たちみたいね」

なのは『はい、とっても!』

リンディ「それじゃあ、積もる話はそちらへ着いたらと言うことで」

なのは『わかりました。……あ、あの。リンディ提督』

リンディ「何かしら?」

なのは『地球は……どうなったんですか?』

リンディ「! ……それは」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:24:22.13 ID:Ab2AxuQno
クロノ「消滅したよ。跡形もなく」

エイミィ「クロノ君!」

なのは『………そっか。うん。ありがとう、クロノ君』

リンディ「ごめんなさい、なのはさん。私たちがいたにも関わらず……」

なのは『大丈夫です。レオンさんが言うには、このキーブレードが世界を救う希望だから』

リンディ「希望……そうね。なのはさん、希望はしっかり持って、決してその辺に落とさないようにね?」

なのは『はい!』

クロノ「それじゃあ一旦切るぞ。以降は新しくなったレイジングハートに通信を入れるからそのつもりで」

なのは『うん、それじゃあ後でね』

クロノ「ああ」

ピッ

クロノ「艦長、ご指示を」

リンディ「そうね、これよりアースラはなのはさんから通信があった座標に移動」

リンディ「エイミィは本部に今の話の主旨を連絡してちょうだい」

エイミィ「了解しました」

リンディ「さて、また忙しくなりそうね」

リンディ(それにしても、キーブレード。どこかで聞いた覚えがあるような……)
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:26:05.39 ID:Ab2AxuQno
――トラヴァースタウン 1番街

レオン「とりあえず、話は伝わったようだな」

ユフィ「話のわかる人で助かったよ」

エアリス「なのはちゃんのおかげ、だね。ありがとう」

なのは「そんな……あ、私ちょっとトイレ行ってきます」タッタッタッ

ユフィ「そんじゃ私もー」

レオン「待て」ガッ

ユフィ「ぐえっ」

エアリス「なのはちゃん、強がってるけど、すごくショック、受けてる……」

シド「お前もわかるだろうよ。『あの街』を奪われたお前ならよ」

ユフィ「……だからこそ、のつもりだったんだけどねェ」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:30:39.91 ID:Ab2AxuQno
ギイィ…

クロノ「まさか、こんな辺境に新しい世界が……」

リンディ「あら、いい街じゃない。なんだかオシャレで」

なのは「リンディさん、クロノ君!」タタタッ

クロノ「なのは!」

レオン「スコール・レオンハートだ、歓迎する。と言っても、粗茶位しか出せないが」

リンディ「時空管理局アースラ艦長、リンディ・ハラオウンです。どうぞお構いなく」

 どちらからともなく握手を交わす二人。

なのは「エイミィさんは?」

クロノ「艦で留守番だ。何せ、状況が状況だからな。誰か一人は司令塔が必要なんだ」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:32:09.81 ID:Ab2AxuQno
――トラヴァースタウン1番街 カフェテラス

エアリス「どうぞ。粗茶ですが」

リンディ「どうも。あら、このお茶……」

エアリス「あ、わかりました? 緑茶は、砂糖を入れると、美味しいんですよ?」

リンディ「あらあら、こんなところに同士がいるなんて!」

なのは(ああ、そっか。なんだか覚えがあると思ったら、リンディさんの……)

クロノ(母さんのといい勝負だ……)スズ…

レオン(客にはやるなとあれほど……)

リンディ「まずは、なのはさんを保護して頂きありがとうございました」

レオン「あのまま放っておいたら、キーブレードはハートレスの手に渡っていた。俺たちはそれを防いだまでだ」

リンディ「ふふ、そうですね。そういうことにしておきましょう」

レオン(やりづらい相手だな……)
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:32:54.93 ID:Ab2AxuQno
クロノ「それからさっきの件、本部の方に連絡させてもらった」

クロノ「何かしらの対策はとるそうだが……状況が状況だ。あまり過度な期待はしないでくれ」

レオン「いや、管理局に危機が伝わっただけでも充分だ。感謝する」

クロノ「そう言ってもらえるとありがたい。さて、早速本題だが……」

――情報交換中

クロノ「伝えることはこれくらいかな」

レオン「ああ。おかげで事態がどの程度進行しているか掴めた」

リンディ「こちらもです。ご協力感謝します」

クロノ「それじゃあ、僕らはこの辺で。なのは、行こう」

なのは「……」

リンディ「なのはさん?」

なのは「あ、あの! リンディ提督、お願いがあります!」

リンディ「何かしら?」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:33:42.89 ID:Ab2AxuQno
なのは「私、世界を旅したいんです!」

クロノ「なんだって!?」

リンディ「世界を?」

なのは「実は、ハートレスを研究してた人のレポートがあったんですけど、それが今世界中にちらばっちゃって」

なのは「もしかしたら、そのレポートにどうすれば世界を救えるかが書いてあるかもしれないんです!」

レオン(あの話を覚えていたのか)

クロノ「レポートを探すくらい、部隊を編成すれば……」

なのは「それだけじゃないの!」

なのは「私、散り散りになったみんなを探しに行きたい。旅をしていれば、みんなに……」

なのは「フェイトちゃんやはやてちゃんに会えるかも知れないから!」

なのは「お願いします!」

クロノ「そうは言ってもだな……」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:35:32.63 ID:Ab2AxuQno
レオン「……なのは、行ってこい。友達を探すなら、なおさらだ」

クロノ「き、君! 何を勝手に!」

リンディ「そうね、いいかも知れないわね」

クロノ「艦長まで!?」

リンディ「大丈夫よクロノ。なのはさんは強い子だもの、きっとうまくやってくれるわ」

レオン「それには同意だな。出会ったばかりの俺が言うのも、変な話かもしれないが」

なのは「リンディ提督、レオンさん……!」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:36:30.45 ID:Ab2AxuQno





「話は聞かせて貰ったわ!」



「あ、アリサちゃん!」





54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:37:18.53 ID:Ab2AxuQno
なのは「えっ?」

 物陰から少女が二人飛び出してくる。
それは、なのはが今し方探しに行こうとしていた者達のうちの二人。

なのは「あ、アリサちゃん! すずかちゃんも!?」

シド「なんだオメェら、友達ってなのはの事だったのか?」

レオン「シド、彼女たちは?」

シド「ああ、1番街でうろうろしてるのを拾ってな」

シド「あぶねぇからうちの店で匿ってやってたんだが、まさかなのはと同じ世界の人間とはなぁ」

なのは「二人共、無事だったんだね!」

アリサ「全然無事じゃないわよ! なのはに助けられた後、地震は来るわ、空はなんか真っ暗になるわ……」

すずか「それで、気が付いた時にはここにいたんだ」

なのは「そうなんだったんだ……」

 二人も大変な目に合ったようだが、とりあえず無事を確認し安堵するなのは。
しかし、すぐにアリサの放った言葉が頭によぎる。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:38:45.86 ID:Ab2AxuQno
なのは「じゃなくて! 本気なの!? 一緒に来るって!」

アリサ「当たり前でしょ!」

なのは「訳わからないのに!?」

アリサ「訳わからないけど!」

なのは「危ないのに!?」

アリサ「危ないけど!」

なのは「す、すずかちゃんからも何とか……」

すずか「アリサちゃん、言いだすと聞かないから」

アリサ「だって考えてもなさいよ。なのはが一人で頑張ってるのに、私たちが何もしないなんてあり得る!?」

すずか「それは、そうだけど……」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:39:20.00 ID:Ab2AxuQno
クロノ「あー、君たち、気持ちはわかるが……」

リンディ「旅は道連れ世は情けってね。いってらっしゃい、三人共」

クロノ「艦長!?」

シド「良かったじゃねぇか! 許しが出たぜ!」

アリサ「ありがとうおじさん!」

シド「おじさんじゃねぇ!」

なのは「ほ、ホントにいいんですか?」

リンディ「ええ。ただし条件があります」

なのは「条件?」

リンディ「なのはさん、大きな力には大きな責任が伴うのはわかってるわね?」

なのは「はい」

リンディ「あなたの持っているロストロギア『キーブレード』も、使い方次第で世界を滅ぼす力を持っているの」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:39:54.15 ID:Ab2AxuQno
なのは「えっ、キーブレードって、ロストロギアなんですか……?」

リンディ「さっき気になって調べてみたの。そしたら大昔にキーブレード戦争っていうのがあってね……」

なのは「『戦争』……」

リンディ「キーブレードはそれほど危険な力を持っているの」

リンディ「それでも、その力を間違った方向に使わず、お友達二人を守ることが貴女にできる?」

なのは「アリサちゃんたちを、守る……」グッ

アリサ「なぁに重苦しい顔してるのよ」

なのは「!」

すずか「今、また一人で無理しようとしてたでしょ?」

なのは「そ、そんなこと……」

アリサ「ある!」

なのは「……ごめんなさい」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:41:19.93 ID:Ab2AxuQno
アリサ「まったくもう。リンディさん、リンディさんがなんと言おうと、私たちなのはと一緒に行きます」

すずか「なのはちゃん、すぐ一人で抱え込んじゃうから、その時は私たちが側でなのはちゃんを助けたいんです」

なのは「アリサちゃん、すずかちゃん……」

リンディ「なるほどね。なのはさん、あなたの答えは?」

なのは「私は……」

なのは「――私は必ず二人を守ります!」

なのは「でも、その責任に押し潰されて、悪い方へ考えちゃうかもしれません」

なのは「もし、私が道を間違えそうになった時は、二人に助けてもらいます」

なのは「二人ならきっと私を正しい方に引っ張ってくれる。アリサちゃんもすずかちゃんも、私の大切な友達だから!」

すずか「なのはちゃん……」

アリサ「なによ、分かってるじゃない」

リンディ「ふふっ、いい答えね」

リンディ「きっと、この旅はあなた達にとって決して楽なものではないと思うわ」

リンディ「けれど、お互いが助け合う事で、それは乗り越えることができる」

リンディ「合格よ、なのはさん」

なのは「ありがとうございます!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:42:59.44 ID:Ab2AxuQno
………

リンディ「定期連絡をちゃんとすること、ちゃんと毎日食べること、そしてなにより無理しないこと。いいわね?」

なのアリすず「はい!」

レオン「もう止めないのか?」

クロノ「ああなったらもう無理だよ。やれやれ……」

レオン「苦労しているんだな」

クロノ「お互いにね」

レオン「フッ……」

シド「おぉい! 船の用意が出来たぞ!」

――星の大海への港

すずか「わぁ、可愛い」

クロノ「次元航行船グミシップ、本物を見るのは初めてだな」

シド「こいつは俺が使ってたグミシップだが、まだまだ現役だぜ?
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:44:36.97 ID:Ab2AxuQno
アリサ「ホントにいいの? おじさん」

シド「いいってことよ。ま、お前らの旅立ちへの餞別ってとこだ。あとおじさんじゃねえ」

なのは「ありがとうございます、シドさん」

シド「おう。星の大海なめるんじゃねぇぞ?」

なのは「はい! それじゃあ」

エアリス「うん。友達、見つかるといいね」

ユフィ「気が向いたらまた遊びにおいでよ?」

レオン「……じゃあな」

アリサ「元気でね、おじさん」

シド「シドだ。くれぐれも怪我すんじゃねぇぞ」

すずか「はい、シドさん」

クロノ「いい旅になるよう祈ってるよ」

リンディ「頑張ってね」

なのは「はい! 行ってきます!」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:45:34.28 ID:Ab2AxuQno
――グミシップ船内

アリサ「うわー! 意外に広いのねー!」

なのは「……アリサちゃん、すずかちゃん」

すずか「ん?」

アリサ「なによ? どうかした?」

なのは「ホントに私と来てよかったの? やっぱり、リンディさんたちに保護してもらった方が……」

アリサ「まーだ言うか」デコピンッ

なのは「イタッ! ……うぅ」

すずか「なのはちゃん、さっきリンディさんが行ってたよね。一人じゃ無理でも、仲間がいれば大丈夫だって」

アリサ「そういうコト。魔法とか世界崩壊とかまだ実感湧かないけど、あんたは私たちに守られてりゃいいのよ」

 そう言うと、アリサとすずかはお互いの片手のひらを重ねあわせた。
そして、なのはにも同じようにしろと言わんばかりに視線を向けてくる。

なのは「……うん、わかったよ。二人とも」

 根負けし、なのはも渋々、しかしどこか嬉しそうに手のひらを重ねた。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:46:14.76 ID:Ab2AxuQno





なのアリすず「「「 私達は仲間だ! 」」」




63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2012/11/25(日) 20:56:26.73 ID:Ab2AxuQno
以上でトラヴァースタウン編1が終了です。

しばらくは無印分まで駆け足で投下しようと思います。
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 20:13:13.45 ID:JQr9PGym0
ハトプリの次の世界を早くみたい
まどマギの世界とか出して欲しい
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 21:16:24.12 ID:FE4h7slpo
前Verでも確かハトプリの次なかったっけ。
ディケイドが出てきてたような?
66 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:29:58.26 ID:XA+jI2jco
>>64
まどマギはちょっと特殊な形で出そうと思ってます

>>65
ディケイドがトラヴァースタウンに来るアレは自分じゃないです
アレはアレで読みたかったんですがね

それでは、W編投下します。
67 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:32:20.40 ID:XA+jI2jco
【星の大海】

 どこまでも深く青い星空が広がっている。
その中を、なのは達の乗るグミシップが進んでいた。

 トラヴァースタウンを出港して数刻。航海は順調に続いている。

すずか「綺麗……!」

アリサ「ホント、プラネタリウムなんて目じゃないわ」

なのは「うん。でも」

すずか「……この星のどこかで、今も海鳴みたいに消えている世界があるんだよね」

なのは「………」

アリサ「それを調査するのが私達の目的でしょ? いきなり辛気くさくなってどうするのよ」

なのは「あ、うん。ありがとうアリサちゃん」

RH『Notice』

 アリサの言葉に空気が明るくなった矢先、船内にレイジングハートの声が響く。
 なのは達の視線が備え付けのメインモニターへと集まった。
68 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:33:29.20 ID:XA+jI2jco
なのは「どうしたの、レイジングハート?」

RH『この海域周辺に次元世界の存在を確認しました』

 メインモニターには、地球に似た青い星が映しだされている。

アリサ「ようやくステージ1に到着ってとこね」

RH『あと十五分で到着します。着陸しますか?』

すずか「どうしよう?」

なのは「今は少しでも情報が欲しいし……レイジングハート、お願い」

RH『了解ですマスター。それでは着陸体勢に入ります』

アリサ「いよいよね、なのは」

なのは「うん。二人とも、絶対に私から離れないでね!」
69 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:33:56.83 ID:XA+jI2jco

――
―――





風都





―――
――
70 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:35:50.46 ID:XA+jI2jco
【風都 郊外の森】

すずか「ここが……」

アリサ「外の世界?」

 グミシップから降りた三人。
 茂みの中にグミシップを隠した後、辺りをしきりに見廻している。

アリサ「なんか、あんまり地球と変わらないのね」

RH『情報収集が出来るよう、地球と似た世界を選びましたから』

アリサ「へぇー、ちゃんと考えてるのね。なのはと大違い」

なのは「わ、私だってちゃんと考えてるよ!」

すずか「まぁまぁ」

アリサ「そんなことより、はやく降りてみましょ! 外の世界って、どんなところか気になるし!」

なのは「もう、なんだかアリサちゃん楽しんでない……?」

 はしゃぎ気味のアリサの後ろに、なのは、すずかが続く。
 木々の間から見える巨大な塔を目印に、三人は歩を進めた。
71 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:37:26.47 ID:XA+jI2jco
【風都 街中広場】

 街に着くと、カザグルマの回る乾いた音がなのは達の耳に入ってきた。
 街を爽やかな風が吹き抜け、あちこちで様々な種類のカザグルマが回っている。

 先ほど森から見えた塔にも、よく見ると大きな風車がついていた。

すずか「わぁ! カザグルマがたくさん!」

アリサ「結構大きい街ねぇ、この世界の中心地なのかしら?」

なのは「これなら、情報収集は期待出来そうだね」

すずか「でも、どうやって調べる?」

なのは「んー……やっぱり聞き込みかなぁ」

すずか「こんなにたくさんの人に聞いて回ったら、日が暮れちゃうね……」

なのは「だ、だよね」

アリサ「まったく、何も考えてなかったの?」

なのは「じゃ、じゃあアリサちゃんは何か考えがあるの?」

アリサ「フフン。当然でしょ?」

なのは「ウソッ!?」

アリサ「なんでそんなに意外そうなのよ。いい? 情報収集と言ったら……」
72 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:38:02.52 ID:XA+jI2jco
RH『Emergency!』

なのは「えっ?」

「キャアアアァァァ!!」

 レイジングハートの警告があった直後、市街地の方から悲鳴がする。
 しかも、悲鳴は一つではない。
 たくさんの悲鳴がざわめきとなって、なのは達の方へと押し寄せてきた。

すずか「な、なに!?」

RH『市街地に大量のハートレス反応を感知しました』

アリサ「ちょっと待って! こんな人ごみでハートレスが暴れたら……!」

なのは「二人は逃げて! 私、行ってくる!」

 ざわめきが大きくなりつつある市街地へ駆け出すなのは。
 その手には、待機モードのレイジングハートが力強く握りしめられている。

アリサ「気をつけなさいよ、なのは!」

なのは「うん!」

 アリサ達の声援に背で応えつつ、なのはは市街地へと駆けた。
73 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:39:46.86 ID:XA+jI2jco
【風都 市街地】

 なのはが市街地へ辿り着いた時、辺りは酷い有様だった。
 
 パニックに陥り逃げ惑う人々。
 彼らを容赦なく襲うハートレスの大群。

「た、助けっ……!」

 逃げ遅れた男性が壁際に追い込まれ、ハートレスに向かって腕を振り回している。
しかし、ハートレスは腕をひらりとかわし、男性の胸にその爪を突き立てた。

なのは「っ!」

 思わず目を伏せるなのは。
 しかし、ハートレスの爪が深々と刺さった胸から血が吹き出すことはなかった。
 
 代わりに出てきたのは、ガラス細工のように輝くハート。
 なのはには、直感的にそれが男性の心だと分かった。
 
 男性が手を伸ばして取り戻そうとしたそれは、無残にもハートレスの手によって粉々に砕かれてしまう。
 心が砕かれた男性は糸が切れた人形のようにその場に倒れ、その体は霞となって消えてしまった。

なのは「ひ、酷い……」

 目の前の理不尽に、悲しみにも憤りにも似た感情がなのはの胸に渦巻く。
 そういった負の感情を吹っ切るように、なのはは勢い良く顔を上げた。
74 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:42:19.21 ID:XA+jI2jco
なのは「これ以上は、させない!」

 レイジングハートを構え、バリアジャケットを展開――

「危ないっ!」

 ――しようとした矢先だった。
 ソフト帽を被った青年がなのはを抱き抱え地面を転がる。
 ついさっきまでなのはが立っていた場所には、ハートレスが放った火球が直撃していた。

「間一髪、だな。怪我はないか?」

なのは「は、はい。大丈夫です」

「よし、なら今のうちに逃げろ」

なのは「そんな、お兄さんは!?」

「心配すんな。さ、早く!」

なのは「で、でも!」

 なのはを庇いハートレスへ向かって行こうとする青年に、先程の男性の姿が被る。
 ――もうこれ以上、誰かが消えるところを見たくない。
 だが、なのはが逡巡している間にハートレスは二人を取り囲んでいた。
 
 他の住人は避難したのか、辺りに二人以外の人影はない。
75 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:44:07.99 ID:XA+jI2jco
「まずい、囲まれたな」

なのは「お兄さん!」

 ――逃げて!
 言おうとしたなのはの頭を、青年の手が優しく、しかし力強く撫でる。

「大丈夫だ、キミは俺が守る。いや……俺達が、な!」

 いつの間にか、青年の腰には赤いベルトが巻き付いていた。

【風都 鳴海探偵事務所地下】

フィリップ「……むっ?」

 同じ頃、薄暗いガレージの中で本を読んでいた青年の腰にも赤いベルトが現れた。
 青年は驚くでもなく、慣れた手つきで懐から透き通った緑のメモリを取り出す。

フィリップ「おっと、またハートレスのお出ましかな。行くよ、翔太郎」

 ――サイクロン!

【風都 大通り】

翔太郎「ああ。行くぜ、相棒」

 ――ジョーカー!
 
 メモリのスイッチを押下すると、起動音声――ガイアウィスパーの力強い声が響く。
76 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:47:43.63 ID:XA+jI2jco
翔太郎・フィリップ「『変身!!』」

 違う場所、同じタイミングでベルトに刺さる二本のメモリ。
 メモリはソフト帽の青年――左翔太郎のベルトに集約される。
 翔太郎は二本のメモリが深く刺し、手をクロスさせるようにベルトを展開した。

『サイクロン! ジョーカー!』

 二本のメモリのガイアウィスパーが再び響き渡り、強い風が翔太郎を中心に渦を巻く。
 近くにいたなのはは、あまりの強風に目が開けられなくない。
 
 風が止み、再び目を開けた時。
 目の前に翔太郎の姿はなく、縦半分で左右の体色が異なる戦士が立っていた。

ダブル「『さぁ……』」

 右手で天を指した後、左手でハートレス達を指さす。
 
ダブル「『お前の罪を数えろ!』」
77 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:48:22.09 ID:XA+jI2jco
なのは「へ、変身した……!?」

ダブル「ちょっと荒っぽいことになるが、俺の側を離れんなよ、お嬢ちゃん!」

なのは「は、はい!」

ダブル「良い返事だ。それじゃ、行くぜ!」

 足元まで迫っていた下級ハートレスを左足で蹴り飛ばす。
 蹴り飛ばされたハートレスは他の仲間に激突し消滅した。
 しかし、全体からすればそれはほんの一部にすぎない。

ダブル「くそっ、足元を散らすくらいしかできねえか」

ダブル『この子を守りながら戦うには、接近戦は無謀過ぎるね』

ダブル「なら、こいつだ!」

 紫のメモリを抜き、青いメモリへと換装する。

『サイクロン! トリガー!』

 黒紫だった左半身がシアンへと変化し、その手には同色の銃が握られている。
78 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:51:20.43 ID:XA+jI2jco
なのは「今度は色!?」

ダブル「とりあえずこの場を切り抜ける!」

ダブル『懸命だね』

 銃口をハートレスに向け、トリガーを引く。
 一瞬のうちに疾風の弾丸が何十発と撃ちだされ、その全てがハートレスを貫いた。
 ダブルとなのはの目の前には一本の道が出来る。

ダブル「こっちだ!」

 なのはを抱え、切り開いた道を走り出す。
 道を塞ぐハートレスが現れればすぐさま撃ち抜いていった。

ダブル「はっ!」

 ハートレスが薄くなった所で跳び上がり、一先ず安全なバス停の屋根の上へ。

ダブル「ここで待ってろよ? すぐに迎えに来てやっから」

なのは「わ、わかりました」

ダブル「いい子だ。フィリップ、速攻で片付けるぞ!」

ダブル『殲滅戦か。なら、このメモリだ』
79 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:53:08.73 ID:XA+jI2jco
『ヒート! トリガー!』

 ダブルの体色が再び変わる。
 今度は、炎を連想させる紅蓮の赤。
 しかしそれだけでは終わらない。
 
 ベルトに突き刺した赤いメモリを、今度は銃に設けられたスロットへと差し込む。

『トリガー! マキシマムドライブ!』

ダブル「『トリガーエクスプロージョン!』」

 ――ゴウッ!

 銃から放たれた弾丸が、ハートレスが密集している中へ被弾する。
 弾丸は被弾点を中心に爆発を起こし、周囲のハートレスは一瞬で灰となった。

なのは(すごい威力……! あの炎の収束砲、新しい魔法のバリエーションに使えるかも)

 そんな光景を見ながら、恐ろしいことを考えるなのは。
 先ほどのダブルの攻撃で、大量にいたハートレスは影も形もない。

ダブル「あらかた片付いたみたいだな。それにしても……」

 荒らされた街の惨状を眺めるダブル。
 破壊された噴水の破片、心を奪われた人々の私物、さっきまで子供達が遊んでいたであろう穴の開いたボール。
 色々な残骸が転がっていた。

ダブル「ハートレスの奴ら、ひでぇ事しやがって……!」
80 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:53:50.60 ID:XA+jI2jco
アリサ「キャアアッ!」

ダブル「っ!?」

 ダブルが声のした方を振り向くと、アリサとすずかがハートレスに襲われている。
 様子を見に来たところを、残党に襲われたのだ。

ダブル「くそっ! やめろぉ!!」



なのは「アクセルシュウゥートッ!!」



 ダブルが引き金を引く前に、なのはの放った魔力弾がハートレスを撃ち抜いた。

ダブル「な、なんだぁ!?」

 すぐ後ろのなのはを見ると、その姿は先程までの制服姿から一変。
 白いバリアジャケットへと変身していた。

ダブル「き、君は……?」

なのは「え、ええと……」

ダブル『……どうやら、君からは詳しく話を聞く必要があるようだね』
81 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:54:25.05 ID:XA+jI2jco
アリサ「なのは!」

すずか「なのはちゃん!」

ダブル『おっと、『君達から』の方が正しかったかな』

ダブル「どっちにしても、場所が悪いな……。降りてきてもらえるか?」

なのは「は、はい」

なのは(魔法使っちゃったけど、いいのかな……?)

RH『いいんじゃないでしょうか?』

 バス停の屋根から飛び降りつつレイジングハートに確認を取る。
 なのはが望むような答えは帰って来なかったが。
82 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:55:50.86 ID:XA+jI2jco
【風都 鳴海探偵事務所】

亜樹子「はい、どうぞ。オレンジジュースで良かった?」

なのは「あ、どうも」

すずか「ありがとうございます」

亜樹子「いえいえ」

亜樹子「それじゃあ、自己紹介ね! 私は鳴海亜樹子、この探偵事務所の所長よ!」

アリサ「所長!」

すずか「スゴイんですね!」

亜樹子「まぁーねぇー!」

翔太郎「押し掛けだけどな」

 ――スパァン!!
 
翔太郎「いってえ!!」
83 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 00:57:57.47 ID:XA+jI2jco
亜樹子「そんで、こっちの口の悪いほうがぁ」

翔太郎「誰がだ! ……俺は左翔太郎、探偵だ。で、あそこにいるのが相棒のフィリップ」

フィリップ「素晴らしい! 一体どんな技術で完全AIを実現しているんだい!?」

RH『ノーコメントです』

フィリップ「会話ルーチンも完璧だ……! ゾクゾクするねぇ!」

フィリップ「これ、バラしてもいいかい!?」

翔太郎「……まぁ、見た通り変な奴だが、勘弁してやってくれ」

なのは「にゃはは……ばらされるのは勘弁出来ないです……」

フィリップ「そうか、残念だ」

アリサ「……それにしても、まさか探偵さんだったなんて渡に船ね」

なのは「渡りに船? どうして?」

アリサ「さっき案があるって言ったでしょ? 情報収集は探偵に任せるのが一番だって考えてたのよ」

なのは「アリサちゃんそれ、完全に人頼みじゃ……」

アリサ「うるちゃいうるちゃいうるちゃい」
84 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 01:00:27.88 ID:XA+jI2jco
翔太郎「コホンッ!」

翔太郎「それじゃあ、そろそろ話して貰えるかな? 君達が何者なのかを」

なのは「……信じてもらえないかもしれませんが」

フィリップ「先ほどの言動から、君達は何か情報を探しているように見える」

フィリップ「情報収集は僕らの得意とするところだ」

フィリップ「詳しく説明してもらえれば、力になれるかもしれない」

すずか「フィリップさん……」

翔太郎(こいつ、絶対あの機械のことが聞きたいだけだな)

なのは「分かりました。まず――」

………

亜樹子「そ、そんな大変なことになってたなんて……」

フィリップ「ハートレスが何故発生するのか、何故人を襲うのか」

フィリップ「その理由なら、だいたい説明がつく。確証には欠けるけどね」
85 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 01:02:13.59 ID:XA+jI2jco
翔太郎「だが、にわかには信じられない話だな」

翔太郎「異世界、ハートレスの目的、キーブレード、世界を救うレポート、果ては魔法か」

フィリップ「魔法」

フィリップ「常人には不可能な手法や結果を実現する力のこと」

フィリップ「英語ではMagic、Sorcery、Wizardry、Witchcraftなど、複数の言葉と微妙に異なった概念をもつ――」

フィリップ「彼女の能力は、まさにこれに該当するね」

フィリップ「それに、僕らは実際に彼女の魔法を見ているわけだ。信じないという選択肢は有り得ないね」

翔太郎「まぁな。俺もこの子たちが嘘をついてるとは思ってねぇよ」

なのは「それじゃあ!」

翔太郎「あいつらを倒す事はこの街を守る事に繋がるからな」

翔太郎「レポート探しの依頼、引き受けたぜ」

なのは「ありがとうございます!」

亜樹子「どう致しまして!」

翔太郎「お前が威張るな」
86 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 01:03:52.86 ID:XA+jI2jco
翔太郎「そうと決まれば、早速情報収集だな」

アリサ「聞き込み調査ですね?」

翔太郎「いや、俺たちの場合はちょっと特殊でな」

フィリップ「ああ」

なのは「……?」

【風都 園咲家】

 風都の一角にある豪邸。
 優雅な雰囲気が漂う食堂で、一組の男女が紅茶のカップを傾けている。

冴子「それで霧彦さん、例のメモリの首尾はどうなの?」

霧彦「ああ、それなら……これさ」

 霧彦と呼ばれた青年が、内ポケットから赤と黒のメモリを取り出す。
 メモリには、『T』のラベル。

霧彦「ハートレス専用ガイアメモリ。まだプロトタイプの段階だけれどね」

冴子「人間の肉体では耐え切れないメモリをハートレスに使用する。考えたわね」

霧彦「実験台はそこら中にいるからね、完成も早かったよ」

冴子「そう。今度こそうまくいくといいわね」

霧彦「ああ、分かってる。そして、今度こそ奴を……」

 ――ピシッ。
 霧彦のカップから、嫌な音が響く。
 
冴子「そのカップ、高いわよ」

霧彦「このメモリが成功すれば、これ以上の物をプレゼントするよ」

冴子「楽しみにしておくわ」
87 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 01:05:43.17 ID:XA+jI2jco
【風都 鳴海探偵事務所地下】

フィリップ「……」

アリサ「何が始まるんです?」

亜樹子「まぁ見てて」

 フィリップの体が薄緑に光出す。
 
なのは「へっ!?」

すずか「な、なに……?」

【地球の本棚】

 フィリップの精神は、果てしなく続く本棚の中にいる。
 一つ一つの本棚には数百をゆうに超える数の本が収納されている。

フィリップ『さぁ、検索を始めよう』

フィリップ『最初のキーワードは、“レポート”』

 キーワードに該当する本棚が絞られ、およそ半数が減る。

翔太郎「次のキーワードは、“ハートレス”」

 2つ目のキーワードで、本棚が一割程度になる。
88 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 01:06:32.65 ID:XA+jI2jco
【風都 鳴海探偵事務所地下】

すずか「あの、フィリップさんは何を?」

亜樹子「うーん、私もよくわからないんだけど……」

亜樹子「フィリップ君は地球の記憶の中から、必要な情報を『検索』出来るんだって」

すずか「え、えーと……?」

なのは(無限書庫みたいなものかな?)

フィリップ『……この二つでずいぶんと絞り込めたが、まだ足りないな』

翔太郎「何か決定的な言葉が要るな」

なのは「決定的な言葉……」

RH『“キーブレード”はどうでしょうか』

フィリップ『それだ。最後のキーワードは、“キーブレード”』

 少なくなった候補の中から一冊だけ、該当する検索結果が出て来る。

フィリップ『ビンゴ!』

 検索結果として出て来た本を手にとり、タイトルを見る。
89 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 01:07:54.36 ID:XA+jI2jco
フィリップ『“アンセムレポート”……これがあの子たちが探しているレポートか』

 早速本を開き、中を確認するフィリップ。
 しかし、本を開いた途端フィリップの表情が曇る。

フィリップ「これは……」

翔太郎「どうしたフィリップ? レポート、あったんだろ?」

フィリップ「ああ。だが、記されていたのはとある1ページだけ」

フィリップ「ナンバリングからして、レポートは複数枚あると考えられるのだが……」

なのは「つまり?」

フィリップ「恐らく、この世界に存在しているのはその1ページだけなんだろう」

フィリップ「だから地球の本棚にも、1ページ分の記事しかなかったと考えるのが筋だね」

アトリ「そんなぁ……」

すずか「でも、最初の世界で1ページ見つけられただけでも収穫だよ、アリサちゃん」

アリサ「ん……、ま、それもそうよね」

フィリップ「レポートの内容は記憶してある。書き写して来よう」

なのは「ありがとうございます、フィリップさん」

フィリップ「代わりと言ってはなんだが、君のレイジングハートを分析させてもらえないかな?」

なのは「あ、えと、それはちょっと……」

翔太郎「困らせてんじゃねぇよ」
90 :訂正 ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 01:10:35.52 ID:XA+jI2jco
フィリップ『“アンセムレポート”……これがあの子たちが探しているレポートか』

 早速本を開き、中を確認するフィリップ。
 しかし、本を開いた途端フィリップの表情が曇る。

フィリップ「これは……」

翔太郎「どうしたフィリップ? レポート、あったんだろ?」

フィリップ「ああ。だが、記されていたのはとある1ページだけ」

フィリップ「ナンバリングからして、レポートは複数枚あると考えられるのだが……」

なのは「つまり?」

フィリップ「恐らく、この世界に存在しているのはその1ページだけなんだろう」

フィリップ「だから地球の本棚にも、1ページ分の記事しかなかったと考えるのが筋だね」

アリサ「そんなぁ……」

すずか「でも、最初の世界で1ページ見つけられただけでも収穫だよ、アリサちゃん」

アリサ「ん……、ま、それもそうよね」

フィリップ「レポートの内容は記憶してある。書き写して来よう」

なのは「ありがとうございます、フィリップさん」

フィリップ「代わりと言ってはなんだが、君のレイジングハートを分析させてもらえないかな?」

なのは「あ、えと、それはちょっと……」

翔太郎「困らせてんじゃねぇよ」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 02:04:00.15 ID:l3HQBDeu0
元ネタ良く知らないけど、個人的に参戦させてみたらいいなと思った作品。
・海賊戦隊ゴーカイジャー
・仮面ライダーウィザード
・DOG DAYS
・SDガンダムフォース
92 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 02:10:28.67 ID:XA+jI2jco
一旦ここでキリます。
W編、後編はまた後ほど。

>>91
案ありがとうございます。
ウィザードは考えてましたが、Wとライダーがかぶるので今回はボツにしました。
ただ、元ネタ的にゴーカイジャーは相性良さそうです。
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 07:33:18.38 ID:p4CmLn/AO
オーツ!
俺はデジモンテイマーズ、シンフォギア、スクライドの3つをおしてみます!
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 16:09:42.05 ID:K16sIOeDO
ロクサス的存在はシュテルになるの?
95 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 22:15:22.29 ID:XA+jI2jco
>>93
ざわ……ざわ……
本編をお楽しみに!

>>94
もしUをやるとしたら、これ以上の適任もいないですね
ただそうなるとBOAシュテルとGODシュテルが必要に…

それではダブルの世界後編投下します。
96 :訂正 ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 22:48:40.82 ID:XA+jI2jco
翔太郎・フィリップ「『変身!!』」

 違う場所、同じタイミングでベルトに刺さる二本のメモリ。
 メモリはソフト帽の青年――左翔太郎のベルトに集約される。
 翔太郎は二本のメモリを深く刺し込み、手をクロスさせるようにベルトを展開した。

『サイクロン! ジョーカー!』

 二本のメモリのガイアウィスパーが再び響き渡り、強い風が翔太郎を中心に渦を巻く。
 近くにいたなのはは、あまりの強風に目を開けていられなかった。
 
 そして風が止み、再び目を開けた時。
 目の前に翔太郎の姿はなく、縦半分で左右の体色が異なる戦士が立っていた。

ダブル「『さぁ……』」

 右手で天を指した後、左手でハートレス達を指さす。
 
ダブル「『お前の罪を数えろ!』」
97 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/03(月) 22:50:18.82 ID:XA+jI2jco
あまりにも誤字がひどかったので訂正。
以下、本編です。
98 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:23:46.48 ID:nPI2txKNo
 ――バサバサッ!
 
 旅に早くも光明が見えてきたなのは達の頭上に、何かが羽ばたく音がする。
 どこから入ってきたのか、そこには何か飛び回っている。

すずか「きゃっ! コウモリ!?」

フィリップ「いや、これはバットショット。僕の開発した偵察用メカさ」

 バッドショットはフィリップの手のひらに収まり、カメラへその姿を変えた。

翔太郎「飛ばしてたはずのコイツが戻って来たってことは……またハートレスが出たのか!」

フィリップ「行こう、翔太郎!」

翔太郎「ああ!」

なのは「それじゃあ私も!」

翔太郎「おっと、そいつはダメだ」

 なのはに近づき、しゃがみ込んで目線を合わせる。

翔太郎「ここは俺たちの街だ、俺たちが守ってみせる」
99 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:24:44.54 ID:nPI2txKNo
なのは「けど……」

翔太郎「それに」

 納得のいかない表情を浮かべるなのはの頭に、ぽんと手を置く。

翔太郎「俺は、君達みたいな子供を危険な目に合わせたくない」

翔太郎「分かってくれるか?」

フィリップ「得意のハーフボイルドかい? 翔太郎」

翔太郎「うるせぇ。ほら、さっさと行くぞ!」

 ジャケットとソフト帽を被り、地下室から走り去る翔太郎。
 フィリップもその後について走って行った。

亜樹子「さ、みんな。上でジュースでも飲んで待ってよう」

 二人が走り去って行ったガレージから、亜樹子の先導で出ていく三人。
 しかし、なのはだけは浮かない表情をしていた。

なのは「………」

アリサ「……あー、もう。気になるなら行きなさいよ」

 煮え切らないなのはの背中を、アリサが軽く押す。

なのは「! ……すみません、亜樹子さん!」

亜樹子「へ?」

なのは「高町なのは、勝手な行動をとります!」

 言うやいなや、なのはは亜樹子をすり抜け外へ駆けて行った。

亜樹子「えっ、ちょ、ちょっと! なのはちゃーん!?」
100 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:25:28.09 ID:nPI2txKNo
【風都 風都タワー前】

 翔太郎の愛機、ハードボイルダーがハートレスをなぎ倒し、風都タワーの眼下に踊り出る。
 辺りでは、ハートレス達が心を求めて人々を襲っていた。

フィリップ「酷い有様だな、ここ最近で一番の被害だ」

 ――サイクロン!

翔太郎「これ以上、連中にこの街を好き勝手させる訳にはいかねぇ!」

 ――ジョーカー!

翔太郎・フィリップ「『変身!』」

『サイクロン! ジョーカー!』

翔太郎の怒りに応えたのか、嵐のように風が吹き荒れる。
今まで逃げ惑う人々を追っていたハートレスの視線は、一気にダブルへと集まった。

ダブル「『さぁ、お前の罪を数え』」

 ――ゴウッ!

 決め台詞を言う前に、ハートレスが放った火の玉がダブルを襲った。

ダブル「あっち!? あちち! オイコラァ! キメ台詞くらい言わせろよ!!」

ダブル『言ってる場合かい? 来るよ!』
101 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:27:42.14 ID:nPI2txKNo
………

『ヒート! メタル!』

 ハートレスの猛攻を軽くいなしつつ、流れるような動作でメモリを換装。
 そのままメタルメモリを手にしたシャフトのスロットへと差し込む。

『メタル! マキシマムドライブ!』

ダブル「『メタルブランディング!!』」

 ――ブオォォォン!!
 
 鋼鉄製のシャフトが風を切る豪快な音とともに、大胆な大ぶりで周囲のハートレスを一掃する。
 ダブルの周囲数メートルのハートレスは全て消滅した。
 しかし、その程度ではハートレスの数は減らない。
 むしろ増加する一方だ。

ダブル「ったく、今日は随分と大量だな」

ダブル『翔太郎、リボルギャリーだ。一気にハートレスを踏み潰そう』

ナスカ「それは待ってもらおうか」

 聞き覚えのあるキザったらしい声に顔を上げるダブル。
 その視線の先には、宿敵であるナスカ・ドーパントの姿があった。
102 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:37:24.09 ID:nPI2txKNo
ダブル「テメっ、性懲りもなく!」

ナスカ「困るな。うちの実験体を潰されては」

ダブル『実験体?』

ナスカ「こういうことさ」

 ――トォリィックゥ!

 ナスカの手の中で禍々しい造形のメモリが起動する。
 そしてそのメモリを、あろうことか足元に近づいてきていたハートレスへと投げつけた。
 
ダブル「なっ……!」

ダブル『ハートレスに、ガイアメモリを!?』

 メモリを取り込んだハートレスは、見る見るうちに巨大化していく。
 最後には周辺のビルと同じ位の高さにまで成長した。

ナスカ「素晴らしい……! 成功だ!」

トリックマスター「……!」

 ――ブンッ!

 燃え盛るこん棒を振り回し、見境なしに炎を撒き散らしていく。
103 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:38:28.03 ID:nPI2txKNo
ダブル「うおっ! あちちちち!? こいつ、街を火の海にするつもりか!」

ダブル『このままでは、街より先に僕たちが丸焦げだ』

 ――ルナ!

『ルナ! メタル!』

ダブル「はぁっ!」

 棍棒からしきりに放たれる炎を鞭状のになったシャフトで打ち返す。
 的確に敵を狙って打ち返しているが、到達する前に避けられてしまう。

ダブル『どうする? 翔太郎』

ダブル「どうするったって、まずはあの炎を何とかしねぇと!」

ダブル『炎がダメでも、せめて足止めさえ出来れば……』

なのは「なら、私が足止めします!」

 その声とともに、トリックマスターの体に桃色の魔力球が被弾した。
 不意打ちと弾速が効いたのか、巨大な体が大きく傾いている。

ダブル『あれは……!』

ダブル「なのは!?」

なのは「ディバインバスター、シュゥゥート!!」

 トリックマスターよりも頭上から、自身の十八番であるディバインバスターを打ち込む。
 だが、弾速が先ほどの魔力球より劣るため、身軽なハートレスには簡単に避けられてしまう。
 
なのは「あんなに大っきいのに……それってどういうこと!?」
104 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:38:54.38 ID:nPI2txKNo
ダブル「どういうことはこっちのセリフだ! あの馬鹿……!」

 ――ジョーカー!

ダブル『だが、彼女のお陰で足止めは出来た』

 ――サイクロン!

なのは「シュゥゥート!!」

 不意打ちの一発目以降、なのはの攻撃は全くと行っていいほど当たらなくなった。
 抜群のフットワークとトリッキーな動きで、巨体にも関わらず攻撃を難なく交わしているのだ。

なのは(このまま攻撃しても埒が明かない……)

なのは(なら!)

 なのはは攻撃の手を止め、トリックマスターの周りを旋回しながら飛行する。
 ここが反撃のチャンスとばかりに、変幻自在に伸び縮みする両腕がなのはに襲い掛かってきた。

なのは「こっちだよっ!」

 腕を交わしながらトリックマスターの周囲を何度も何度も旋回する。
 そのままだんだんと頭上へ登って行き、トリックマスターの手がなのはを捕らた。
 
 かに見えた。
105 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:40:09.11 ID:nPI2txKNo
 ――ビンッ!

トリックマスター「っ!?」

 トリックマスターの自在に伸びる腕のほとんどは体に巻き付ている。
 なのはを追い回すのに夢中で、腕が体を締め付けていることには気が付かなかったようだ。

なのは「やったぁ! 翔太郎さん、フィリップさん!」

『ジョーカー! マキシマムドライブ!』

ダブル「ありがとよ! 恩に着るぜ、なのは!」

 竜巻に乗ってトリックマスターの遥か頭上へ舞い上がるダブル。
 トリックマスターは逃げようと必死になって藻掻くが、脚に腕が絡まり動けない。

ダブル「『ジョーカーエクストリーム!』」

 風向きが上空からトリックマスターの方へと急に方向を変える。
 それはダブルを後押しし、マフラーをなびかせた躯体が弾丸のように突進していく。

ダブル「『ハァッ!!』」

 体が真ん中から半分に割れる。
 最初に左足のケリ。時間差で右足のケリがトリックマスターへと直撃した。

トリックマスター「……ッ! ……ッ!!」

 ――ズドォォォォン!!
106 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:41:40.65 ID:nPI2txKNo
ナスカ「この程度か。しかし、試作品の成果としては申し分ない」

 トリックマスターが消滅していく様を背に、ナスカはどこかへと消えてしまった。
 片や、トリックマスターを倒したなのは達は、お互いの勝利を賞賛していた。

ダブル「やったな」

 ダブルは地上から上空のなのはへサムズアップを送る。

なのは「……はい!」

 その行動に満面の笑みで応え、地上へ降りようとするなのは。
 その時、目の端で何かが光ったような気がした。

 ――カッ!

なのは「ん……?」

 しかし、それは決して幻覚ではなかった。
 風都タワーの風車が輝き出し、中心に何かが現れる。

なのは(なんだろう、あれ……)

なのは(……鍵穴?)

RH『Sealing mode』

 ――ガシャン!

 キーブレードがインストールされてからしばらく。
 変形など全くしなかったレイジングハートのシルエットが変わり、ジュエルシード封印時の翼が生えた。
107 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:42:32.82 ID:nPI2txKNo
なのは「れ、レイジングハート!?」

 ――キュイィィィン!

なのは「きゃっ!」

 キーブレードの先端から鍵穴へ光が走る。

 ……ガチャリ……

RH『Keyhole sealing』

 ――プシュゥゥゥゥ…

 レイジングハートの排気口から魔力の残骸が排出される。
 あれだけ眩しかった風車の光も今はおさまっている。
 レイジングハートはというと元のキーブレード形態へ戻り、何事も無かったかのようになのはの手の中に収まっていた。

なのは「な、なんだったの……?」

RH『私にも理解出来ません』

なのは「はぁ、また分からない事が出来ちゃったね……」

RH『No problem』
108 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:44:01.56 ID:nPI2txKNo
【風都 鳴海探偵事務所】

亜樹子「もう! 心配したんだからね!」

なのは「ご、ごめんなさい……」

アリサ「もう、なのはったら」

なのは「アリサちゃんだって後押ししてくれたくせにぃ……」

アリサ「そうやって人のせいにして!」

なのは「ええぇー」

翔太郎「まぁ、今回は確かに助かった。お前のお陰で街を泣かさずにすんだぜ」

なのは「そんな、どういたしまして」

 ――ガチャ

フィリップ「レポートの書き写しが終わったよ」

 レポートをすずかに手渡す。

すずか「あっ、ありがとうございます!」
109 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:45:27.57 ID:nPI2txKNo
フィリップ「それからこれを」

 レポートと一緒に小石のようなものを手渡す。

すずか「これは?」

フィリップ「わからない」

アリサ「ちょ、何ですかそれ」

フィリップ「数日前に拾ったものなんだが、本棚でいくら調べてもこれと同じ物質はこの世界には存在しないんだ」

なのは「それって……」

フィリップ「そう。君たちと同じく外の世界から来た可能性が高い」

アリサ「へぇ、こんな石ころが……」

フィリップ「気が向いたらでいい、それが何なのか調べてみてくれないかい?」

すずか「わかりました、時間があったら調べてみますね」

フィリップ「ああ、よろしく頼む」

――GET!――
『アンセムレポート8』
かつての賢者が記した手記。
この項目にはハートレスの進化について書かれている。

――GET!――
『謎のかけら』
七色に輝く謎のかけら。弾力性がある。
110 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:45:57.61 ID:nPI2txKNo
なのは「それじゃあ、私たちはそろそろ……」

亜樹子「もう行っちゃうの……?」

すずか「また、やらなきゃいけない事が増えちゃったので」

翔太郎「そうか……」

翔太郎「まぁ、何かあったら俺たちを呼べよ。どんな世界にいようが、すぐに助けに行ってやる」

フィリップ「短い間だったが、とても興味深い時間だった。感謝しているよ」

亜樹子「あ、あとみんな、これ持ってって!」

 亜樹子は大急ぎで自分のカバンの中から何かを取り出す。
 それは風車の形をした、緑と黒二色のキーホルダーだった。

アリサ「これは……キーホルダー?」

亜樹子「風都のお土産。私たちの事、忘れないでね?」

なのは「ありがとうございます、亜樹子さん。翔太郎さんにフィリップさんも!」

翔太郎「また来いよ。次は風都を余すとこなく案内してやる」

フィリップ「僕も、魔法の全てを解き明かしていることを約束しよう」

なのは「ふふっ、はい!」
111 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:46:45.20 ID:nPI2txKNo



――GET!――
『ダブルボイルドエクストリーム』
街の涙を拭う二色の風車がモチーフのキーチェーン。
コンボ数が多いほど空中フィニッシュ技のダメージがアップします。


112 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:47:17.66 ID:nPI2txKNo
【グミシップ船内】

なのは「いい人たちだったね」

アリサ「そうね」

すずか「私、この度を続けていく自信が出てきたかも」

アリサ「なに、今までは自信なかったの? ……まぁ、私もなんだけど」

なのは「にゃはは。これからも旅は続くけど、この調子で頑張ろう!」

アリサ「ええ」

すずか「うん!」

RH『グミシップ、発進します。目標はトラヴァースタウンです』
113 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:48:07.18 ID:nPI2txKNo
風都 鳴海探偵事務所】

 なのは達が去ってすぐ後。
 探偵事務所にはタイプライタの音が響いていた。

翔太郎『こうして、異世界からの来訪者達は去って行った』

翔太郎『亜樹子は寂しがっていたが、旅は出会いと別れを繰り返すものだ』

翔太郎『これからも、あの子たちはたくさんの出会いと別れを経験するだろう』

翔太郎『世界の命運を掛けた旅だ。辛いこがあるかもしれない』

翔太郎『だが、あの子たちならどんなことがあっても乗り越えてゆけるだろう』

翔太郎『何故そんな事が言えるのかって?』

翔太郎『……探偵の勘って奴さ』

フィリップ「翔太郎! 人工知能について調べてみたんだが、これが実に興味深いんだ!」

翔太郎「やれやれ、また始まったぜ……」
114 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/04(火) 00:54:31.64 ID:nPI2txKNo
以上でW編終了です。
明日以降はトラヴァースタウン編2をお送りします。

また、今回はリファインということでやっていますが、前作との設定や配役、
展開の違いが多々あると思われます。
大きな変更点としては、セブンプリンセスの配役でしょうか。
前作の彼女は、一身上の都合により今回はおやすみとなります。
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 01:10:49.86 ID:iWVyjAK1o


プリンセスの配役変わるのか。ふむ。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 03:12:29.48 ID:9rrDIFWl0
>>114
プリンセスの配役が変わるという事で

様々なSSで殺されたり、ハブられたりして、過去ログの中でも大変な目に遇った「彼女」はどうなるのかな?
117 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 00:55:24.42 ID:+/NYdPnNo
>>116
とりあえず、その「彼女」は続投です。
今回も大変な目にあってもらいます。

それでは、トラヴァースタウン編2を投下していきます。
あの有名なシスコンテロリストの登場です。
118 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:01:28.53 ID:+/NYdPnNo
【??? 管制室】

 部屋を埋め尽くしたモニターしか光源の無い、薄暗い部屋の中。
 中心の玉座に、フルフェイスの仮面と黒いマントを身につけた男が脚を組んで腰掛けていた。
 悠然としたその態度からは、一国の王の風格を感じさせる。
 しかし、その風貌の為か、醸し出す雰囲気はまるで悪魔のようだ。
 
 ――ピピッ!
 
 部屋に不釣り合いな軽い音が響く。
 男は手元の端末を操作し、通信を目の前のモニターへ繋げた

『お、おいゼロ! 例のガキが鍵穴を封印しちまったぞ!?』

 通信を繋げると同時に聞こえてくる、耳が痛くなりそうな甲高い声。
 ゼロと呼ばれた男は頭を抱えつつ、モニターに映し出されている光景を見た。
 
 そこには、鍵穴を封印するなのはの姿が映し出される。

ゼロ「そうか、予定よりも早かったな」

『何悠長なこと言ってんだよ! アレが封印されるとヤバいんだろ!? いいのかよ!』

『ゼロ、確かにこいつの言うとおりだ。ここは早急に手を……』

 うるさい男をフォローするように、横にいた男が同意を示す。

ゼロ「待て、そう急ぐ必要はない」

『だが……』

ゼロ「他の鍵穴を見つけるにはまだ時間が掛かるはずだ。それに……」
119 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:05:52.77 ID:+/NYdPnNo
 ゼロの仮面に隠された視線が別のモニターへと移る。
 そこにはギターケースを抱えた少女が、少し怯えた様子で写っている。

唯『こ、ここ……どこ……?』

ゼロ「我々の本来の目的は一刻も早く全ての駒を集めること。鍵穴はあくまで二の次だ」

『……了解した。これより帰投する』

『お、おおい!!』

 うるさい男が何かを口走る前に、ゼロの手によって通信は打ち切れた。

「随分と余裕だな」

 ゼロの傍らには、いつの間にか長く美しい緑の髪を蓄えた少女が立っていた。
 片手に焼きたてのピザを携えて。
 部屋が一気にチーズの匂いで満たされる。

ゼロ「鍵穴の発見、及び封印は最初から想定していたことだ。一つや二つくれてやっても問題はない」

 通信を行なっていたモニターに再び光が宿り、今度はなのは一行を映しだした。

ゼロ「……キーブレードと選ばれし者、か」

「闇の扉を切り開くか。それとも、闇の深さに飲み込まれるか……」

ゼロ「フッ、どちらに転んでも利用価値はある」

「だがこの娘、管理局の魔導師なんだろう? 甘く見て痛い目を見なければいいがな」

ゼロ「そのためのナイトは俺の手中にあるも同然だ」

「そう上手く行くと良いがな」

 そう行って、少女は最後の一口のピザを口の中に放り込んだ。
120 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:07:09.40 ID:+/NYdPnNo
【トラヴァースタウン 世界の扉前】

なのは「この前旅立ったばかりなのに、なんだか懐かしい気分だね」

アリサ「あれからどれ位経ってるのかしら? ずっと船に乗ってた気がするわ……」

 大きく伸びをし、腰を叩くモーションを取るアリサ。

すずか「ふふ、報告のついでに少し休んで行こうか?」

アリサ「そうしましょ。それじゃ、ちゃっちゃと報告済ませて……」

 ――シュッ

なのは「! 誰!?」

ユフィ「だーれだっ!」

 ――ふにっ

 後ろから突然現れたユフィが、なのはの胸を鷲掴みにする。

なのは「ふにゃああああっ!?」

ユフィ「ほぅ……なかなか将来有望そうな……」

アリサ「ユフィさんっ!」

ユフィ「オッス。久しぶり……って程じゃないけど、よく来たね、三人とも」

 ――ふにゅふにゅ

すずか「はぁ、びっくりしたぁ。驚かせないでくださいよ」

ユフィ「いやぁ、ごめんごめん」

 ――もにゅもにゅ

なのは「手! 手を離してくださいぃぃぃ!!」
121 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:08:41.24 ID:+/NYdPnNo
 全く悪びれた様子も見せずにユフィはなのはから飛び退く。

なのは「うぅ……お嫁に行けない……」

アリサ「心配しなくてもフェイトが貰ってくれるから安心しなさい」

ユフィ「それで、今回はどんなご用件で?」

すずか「実は、レオンさんに聞きたいことがあって」

ユフィ「レオンに? レオンなら地下水路で剣の練習してたと思うけど」

なのは「地下水路?」



【トラヴァースタウン 地下水路】

アリサ「へぇー、街の地下にこんな場所があったのね」

すずか「あっ、あそこにいるのレオンさんじゃない?」

なのは「ホントだ! レオンさーん!」

レオン「……なのは」

アリすず「お久しぶりです!」

レオン「お前たちも。街に戻って来ていたのか」

なのは「はい、実は聞きたいことがあって」

レオン「……話してみろ」
122 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:10:23.89 ID:+/NYdPnNo
………

なのは「……それでキーブレードが光って、ガチャって音がして。まるで」

レオン「『鍵をかけたようだった』」

なのは「はい」

なのは「レイジングハートは『鍵穴を封印した』って言ってたんですけど、何のことか分からなくて……」

レオン「なるほど……」

 少し間があって。

レオン「……ハートレスによって心が奪われると、その肉体は消えてしまうというのは覚えているか?」

アリサ「なのはに聞いた範囲なら……」

レオン「俺の持っているアンセムレポートによると、それぞれの世界には『鍵穴』が存在しているそうだ」

すずか「鍵穴?」

レオン「鍵穴を開いた扉の先には、『その世界の心』があるらしい」

すずか「つまり、その世界の心を『鍵穴』が守っているってことですか?」

レオン「そういうことになるな」
123 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:11:09.49 ID:+/NYdPnNo
レオン「そして、ハートレスは扉の先にある世界の心を奪おうとしているらしい」

レオン「やつらはどんな心にも存在し、心に闇が干渉することで姿を現す」

レオン「つまりだ。鍵穴に鍵をかけなければ、ハートレスは扉を抜けて世界の心を奪い去り……」

アリサ「世界が、消える……?」

レオン「ああ。……そこでだ、なのは」

なのは「は、はい?」

レオン「鍵穴の封印は、キーブレードを扱えるお前にしかできないことだ」

なのは「!」

レオン「それはつまり、鍵穴を封印し世界を救えるのはお前だけということになる」

なのは「私にしか……でも、私に出来るかどうか……」

アリサ「なに弱気になってるのよ」

なのは「だって、世界を救うなんてそんな大それたこと……」

エアリス「それじゃあ、こう思うのはどうかな? 『友達を守るために、鍵穴を封印する』」

なのは「!」

レオン「エアリス」

エアリス「麦茶持ってきたよ、みんなどうぞ」

なのは「あ、ありがとうございます」
124 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:12:27.21 ID:+/NYdPnNo
エアリス「……難しく考える必要、ないと思う。『友達を守る』、それだけで、いいんじゃない?」

なのは「友達を……」

 自然と視線がアリサとすずかの方へと移る。
 二人共、満面の笑みでなのはの視線に応える。

エアリス「どうかな?」

なのは「……それなら、出来そうな気がします」

エアリス「良かった。なのはになら、きっと出来るよ。自分、信じて」

なのは「はい!」

 ――ゴクリ

なのは(…………この麦茶、あま……い……?)

レオン(またやったのか……)

すずか「あ、そうだこれ……」

 風都でフィリップに貰った小石のようなものを取り出す。

すずか「最初に行った世界の人から貰ったんですけど、何かわかりますか?」

レオン「これは……グミブロックだな」

アリサ「グミブロック?」
125 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:14:06.78 ID:+/NYdPnNo
レオン「お前たちが乗っているグミシップの素材だ」

レオン「だが、このグミブロックは俺も初めて見る。シドなら詳しく知っているんじゃないか?」

すずか「わかりました、シドさんに聞いてみます」

アリサ「そうと決まれば善は急げね! 行くわよ二人とも!」

 麦茶(砂糖入り)を豪快に一気飲みし、アリサは一人出口に向かって走り出した。

なのは「えっ! ちょ、ちょっと待ってよアリサちゃん!」

 続いて飲みかけのコップをそっと下ろし、なのはが続く。

すずか「ありがとうございました!」

 最後に、手付かずのコップを残してすずかが走り去っていった。

レオン「騒がしい奴らだ」

エアリス「くすっ。昔、思い出した?」

レオン「……さぁな」
126 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:15:04.37 ID:+/NYdPnNo
【トラヴァースタウン 1番街 シドの店】

シド「お前ら、こりゃ……ナビゲーショングミじゃねぇか!」

すずか「ナビゲーショングミ?」

シド「グミシップで新しい航路を行き来できるようになる珍しいグミだ」

シド「にしてもお前ら、ナビゲーショングミも知らねえでグミシップに乗ってんのか!?」

なのは「え、あ、すみません……」

アリサ「怒りっぽいわねー、これだからおじさんは」

シド「おじさんじゃねえっつってんだろ!」

シド「……ふぅ。しょうがねぇな。グミシップ点検するついでに俺様がつけといてやるよ」

なのは「いいんですか?」

シド「困ったことがあったら来いって言ったろ? 俺様はいつでも手を貸すぜ」

すずか「シドさん……!」

アリサ「さすがおじさん! 太っ腹!」

シド「だからおじさんじゃねぇ! ってかお前わざと言ってるだろう!?」

アリサ「さーねー」」

なのは「にゃはは……」

シド「ったく。グミの取り付けには時間がかかるから、終わるまでそこら辺で遊んでろ」
127 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:16:13.77 ID:+/NYdPnNo
【トラヴァースタウン 1番街】

アリサ「で、どうする? 私は2番街のファンシーショップに行ってみようと思ってるんだけど」

すずか「私は1番街のテラスに行ってみたいな。あそこのケーキ、おいしそうだったから」

アリサ「それじゃ、2番街を回ったあと、1番街でお茶ね!」

すずか「うん!」

なのは(二人とも楽しそうで良かった。なんだかこうしてると……)

フェイト『放課後、みんなで遊びに行ったことを思い出すよね』

なのは「うん、そうだね」

 聞き慣れた声に答えて、二人の元へと歩み寄る。
 その直後、なのはは強烈な違和感に襲われた。

なのは「……えっ?」

 振り返るが、誰もいない。

なのは「……?」

アリサ「なのは早くー! ボディガードがいないと2番街に行けないでしょー?」

なのは「あ、うん、今行くよ!」

 今度こそ二人の元へと駆け寄って行く。
 先ほど感じた違和感は、既に消えていた。
128 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:16:54.89 ID:+/NYdPnNo
【トラヴァースタウン 2番街】

すずか「かわいい服がいっぱいあったね」

アリサ「世界広しといえど、可愛いものの定義は変わらないってことね」

なのは「あのお店、また行きたいね。今度はもっとゆっくり……」

 ――ボゥ!
 
 なのはの言葉をあざ笑うかのように、三人の目の前にハートレスが現れる。

すずか「きゃっ!」

なのは「二人とも、下がって!」

「バルディッシュ」

BD『Haken form』

 ――ズバッ!

 臨戦態勢を取ったなのはだったが、その時にはもうハートレスは消滅していた。
 なのは達の前に現れた、黒い雷の振るった刃によって。
 それはなのはに取っては見覚えのある。いや、見間違えようがない。

すずか「もしかして……」

アリサ「あ、あんた……」
129 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:17:23.55 ID:+/NYdPnNo





なのは「………フェイトちゃん、なの?」



フェイト「……うん。探したよ、なのは」




130 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:18:35.75 ID:+/NYdPnNo
 目の前にいるのが本物のフェイトだと確信した瞬間には、もう走り出していた。
 そしてフェイトの手を強く握り締める。
 海鳴が闇に飲まれたとき、霞のように消えてしまったそれとは違う。
 間違いなく、フェイトはそこに存在していた。

なのは「ホントに本物のフェイトちゃん……!」

フェイト「うん」

なのは「フェイトちゃん……よかった……」

フェイト「……うん」

アリサ「なんか私たちと随分扱いが違くない?」

すずか「まぁまぁ」

なのは「そうだ、どこかでお父さんたちを見なかった?」

フェイト「ごめん、ここに来てから会ったのはなのはが初めてなんだ」

なのは「そっか……」

フェイト「なのは、そんなに気を落さないで」

フェイト「私たち二人なら、どんな苦難だって乗り切れる。今までだってそうだったでしょ?」

フェイト「それにこれからは、私がなのはを守る。だから、後のことは全部私に任せて」

 いつもの頼りになる笑顔をなのはに向けるフェイト。
 しかし、なのはの表情は優れない。
 アリサ達には、それが納得していない時の顔だとすぐに分かった。
131 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:19:01.98 ID:+/NYdPnNo
なのは「……それは、ダメだよ」

フェイト「えっ……?」

 今度はフェイトの表情が曇る。

なのは「フェイトちゃんの気持ちは嬉しいよ」

なのは「けど、全部をフェイトちゃんに任せる訳にはいかないの」

フェイト「ど、どうして? 私じゃなのはを守れないって言うの?」

なのは「そうじゃないの」

なのは「これは、私にしか出来ないことなの。そしてそれは、みんなを守ることに繋がる」

なのは「私はみんなを守りたい。だから、私がやる。うんうん、やりたいんだ!」

 エアリスに貰った言葉に対し、なのはなりに考え決着させた答え。
 言い切ったなのはの表情は、とても清々しいものだった。
 
 ――フェイトの表情と反比例するように。

フェイト「……そう、なんだ」

なのは「ごめんね、フェイトちゃん」

フェイト「……そうか」
132 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:19:28.34 ID:+/NYdPnNo







 ――なのはは私のことなんていらないって言うんだね。






133 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:22:23.23 ID:+/NYdPnNo
なのは「え……」

 一瞬、聞こえた気がした。
 普段のフェイトからは想像もできない言葉が。
 
 しかし、すぐにフェイトはいつもの笑顔へと戻る。

フェイト「なんでもないよ。それより、キーブレードってこれのこと?」

なのは「えっ? あ、あれ?」

 いつの間にか、なのはの手からレイジングハートが消えていた。
 代わりにフェイトの手中に収まっている。

フェイト「レイジングハートの新しい力なんだね。はい、返すよ」

なのは「あ、ありがとう」

なのは(いつの間に取ったんだろう)

アリサ「ところでフェイト、あんたひとりなんでしょ? だったら一緒に来たらどう?」

フェイト「え?」

すずか「あ、そうだね! フェイトちゃんがいてくれると心強いし!」

フェイト「行くって?」

なのは「ああ! 私たちね、今世界中を旅してるんだ!」

フェイト「旅……」

すずか「旅をするための船もあるんだよ」
134 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:23:09.75 ID:+/NYdPnNo
フェイト「そうなんだ。楽しそうだね」

なのは「危険なこともあるけど、みんなが一緒だからね」

なのは「だから、フェイトちゃんも一緒に行こうよ!」

 学校の帰り、遊びに誘うようになんの他意もなくフェイトに手を差し延べるなのは。
 ただし、差し出されたフェイトは複雑な表情を浮かべている

フェイト「……私は」

アリサ「なのは!」

なのは「!」

 ――ザシュッ!

 アリサの背後に迫っていたハートレスは、なのはのレイジングハートによってを切り伏せる。

なのは「大丈夫だった?」

アリサ「サンキューなのは」

すずか「あれ? フェイトちゃんは?」

なのは「えっ?」

 振り返るが、誰もいない。
 この一連の動作に、なのははデジャヴを感じた。
 
 そして確認する。
 フェイトが立っていた場所にはもう誰も立ってはいなかった。
135 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:23:55.87 ID:+/NYdPnNo
なのは「フェイトちゃん? フェイトちゃん!」

 呼びかけても、帰ってくるのは家々に反射した自分の声だけ。
 フェイトの声が再び聞こえてくることは無かった。

なのは「そんな、せっかく会えたのに……」

すずか「なのはちゃん……」

アリサ「ほら、くよくよしない。フェイト元気そうだったし、また会えるわよ」

すずか「そうだよなのはちゃん」

すずか「それにフェイトちゃんに会えたんだから、きっと他の人にも会えるんじゃないかな?」

なのは「……うん、そうだよね」

 ――シュン!

ユフィ「おっ、いたいた!」

 ――スタッ!

すずか「きゃっ!? って、ユフィさん!」

アリサ「何回も驚かせないでくださいよ!」

ユフィ「いやー、急ぎだったもんで」

なのは「急ぎ?」

 無意識に胸をガードするなのは。

ユフィ「そ。レオンから作戦会議の召集だよ。秘密基地まで案内するからついて来て」

なのは「そういうことなら、わかりました」

 ユフィを先頭に、3番街への扉へと向かうなのは。
 去り際に、再びフェイトが立っていた場所を眺めた。

なのは(フェイトちゃん、また会えるよね)

 なのはのツインテールを縛っている黒い友情のリボンに軽く触れる。
 それだけで、なのはにはフェイトが近くにいるように感じられた。
136 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:25:20.62 ID:+/NYdPnNo
【トラヴァースタウン 3番街 小さな家】

 ――ガチャ

ユフィ「なのは達連れて来たよー」

シド「おぅ、オメェにしては早かったじゃねぇか」

ユフィ「速さと身軽さは私の取り柄だからね!」

レオン「皮肉の伝わらない奴め……」

すずか「シドさんも来てたんですか」

シド「ナビグミの取り付けが終ったからな。会議ついでに知らせに来てやったんだよ」

アリサ「ありがと、シドさん!」

シド「おじさんだ! ……あん?」

なのは「あの、今回は何を話すんですか?」

レオン「お前たちにまだ伝えていなかったこと。そして、これからの行動方針についてな」

 ――ピピッ

 レオンが言い終えると同時に、シドお手製の通信機から空間モニターが表示される。

エイミィ『今回は私達もいるよ!』

クロノ『やあみんな、元気そうでなによりだ』

なのは「クロノ君、エイミィさん!」
137 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:34:42.59 ID:+/NYdPnNo
クロノ『今回の事件。早期解決の為に、有力な情報を持っている彼らと管理局が協力することになってね』

エイミィ『で、例の如く事件に一番近い私たちアースラクルーもなのはちゃんのお手伝いをすることになったってワケ』

ユフィ「ここに来て、一気に戦力拡大だよ!」

アリサ「これがまだ伝えていなかったことだったんですか?」

レオン「それもある。しかし、本題はそこではない」

エアリス「今回、話そうと思っていたの、魔王『ゼロ』の、こと」

すずか「魔王ゼロ?」

ユフィ「冷酷非道な闇の魔王だよ。私たちの世界を滅ぼした張本人!」

なのは「ユフィさんたちの世界を!?」

レオン「奴は闇の力でハートレスを操り、『黒の騎士団』と呼ばれる組織を率いて世界を破壊して回っているらしい」

アリサ「それじゃあ、もしかして海鳴も!?」

クロノ『話しを聞いた限り、可能性は高いだろうね』

すずか「どうしてそんな酷いこと……」

エイミィ『そうそれ! ゼロは世界を破壊して、一体何をするつもりなんだろう?』

エアリス「わからない。ただ、良くないこと、起きると思う」
138 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:36:17.15 ID:+/NYdPnNo
シド「アンセムが残したレポートもほとんどゼロが持ってるって話しだ」

すずか「そういえば、そのアンセムさんっていうのは誰なんですか?」

シド「あん? おお、そういや話してなかったな」

レオン「賢者アンセムは、かつて俺達の世界を統治していた人物だった」

レオン「優秀な科学者でもあるアンセムは、心について研究を行なっていたらしい」

アリサ「心理学ってこと?」

レオン「いや、そんな概念的なものじゃない。根源的に人の心がなんなのかを探っていたらしい」

シド「ま、それも噂話で、何がどこまでホントか分かったもんじゃねえけどな」

なのは(心の研究かぁ……)

レオン「心についてのオーソリティーであった彼のことだ」

レオン「もしかしたら、ハートレスについて何かしらの結論を出していたかもしれない」

レオン「もし、ゼロがアンセムのレポートをすべて手に入れ、ハートレスの力を完全掌握できるようになったら……」

アリサ「なったら……?」

レオン「俺達の世界やお前たちの世界だけじゃない。世界という世界が……」

なのは「だったら!」

 段々と暗い空気に支配されていた場の雰囲気が、なのはの一言で吹き飛ぶ。
 その場にいる全員がなのはに注目した。

なのは「私が残りのレポートを集めて、鍵穴も全部封印します!」
139 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:37:15.84 ID:+/NYdPnNo
シド「おいおい、そりゃあ……」

なのは「無茶だっていうのは分かってます。けど、けど……!」

なのは「私は、そんな人たちのために、誰かが私たちみたいに悲しむのを見たくない!!」

 言い切ると、再びその場が静まり返った。
 しかし、絶望に苛まれたあの嫌な雰囲気はそこには無い。

レオン「……そうだな」

エイミィ『その意気込みがあれば大丈夫だよ、なのはちゃん!』

 それからの話はスムーズに進んだ。
 
 トラヴァースタウンとアースラの協力体制について。
 時空管理局からの支援。
 そして魔王ゼロへの対策。
 
 簡単にだが、これだけのことが話し合われた。
 後半、なのは達はほとんど蚊帳の外になってしまっていたが。

クロノ『それじゃあ、今回はこのくらいかな』

シド「よしっ! 小難しい話は終わったな!」

 会議終了の合図と共にシドが立ち上がる。

シド「オメェら、グミシップの調子は万全だ! 早速ニューグミシップのことまで案内してやるよ!」

なのは「はい! アリサちゃん、すずかちゃん!」

すずか「うん!」

アリサ「熱苦しいノリは嫌いだけど……ま、付き合ってあげるわ」

レオン「なのは、頼んだぞ」

なのは「! はいっ!」
140 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:41:52.61 ID:+/NYdPnNo
【闇の書の精神世界】

はやて(………)

はやて(……………ん……?)

はやて(あれ……ここ、どこや……?)

 暗闇の中。
 奇妙な浮遊感に包まれながら、はやては目を覚ました。

「――主」

はやて(? ……誰?)

「主、私です……闇の書です……」

はやて(闇の、書……?)

 ――ポフッ

 闇の中を漂うはやてを闇の書の管制人格が抱き留める。
 はやての意識は、そこで漸く覚醒した。

はやて「柔らか……」

闇の書「お久しぶり……いえ、はじめまして。我が主」

はやて「あなたが、闇の書……? わぁ、えらい美人さんやったんやなぁ」

闇の書「……主、本来ならゆっくりと事情を説明したいのですが、残念ながら今は時間がありません」

はやて「事情? ……せや、私、病院の屋上で……」

闇の書「それも含めてお話し致します。私と貴女のこと、今世界で起きていること……」
141 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/06(木) 01:45:19.94 ID:+/NYdPnNo
以上でトラヴァースタウン編2が終了です。
これをもってしばらくはトラヴァースタウンとお別れです。

次回はプリンセス達の日常を描いた番外編となります。
以前より出せる作品が増えたので、実はまだ選考に時間がかかっていたり。
なんでテンスプリンセスじゃないんだ……
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 01:54:21.39 ID:HCQ11xk70
乙。
黒幕は変わらずゼロだったか。
僕が参戦希望作品に「SDガンダムフォース」を推した理由に、次元パトロール隊という設定の存在もあるが、キャプテンガンダムにはギアスは絶対通用しないであろうという事と、ゼロに対して「○○がしたいなら、やる事が違うだろぉぉぉ!」とか言ってキャプテンパンチを食らわせる展開を妄想したから(但しその場合、ゼロは確実に死にます)。

平沢唯、出てきちゃったか。
そうなると、同作品に出てきて、数々のSSで便利キャラやら黒幕として扱われた「あの娘」がゼロを裏で操る真の黒幕になるんじゃないかと今から不安を覚える(なのは達に助力を請う立場のキャラならまだいいが)。
143 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:18:27.89 ID:rtB2gqwjo
>>142
その不安が正しいかどうか、是非今後をお楽しみに!

それでは、セブンプリンセス編投下します。
144 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:20:01.44 ID:rtB2gqwjo
唯(こんにちは! 私、平沢唯。桜が丘高校二年生!)

唯(今日も軽音部のみんなと楽しく練習です!)

唯(……の、はずだったんだけど)

唯「こ、ここ……どこ……?」

 辺りを頻りに見回す唯。
 彼女は高級ホテルの一室のように、明るく広い豪勢な部屋の真ん中に立っていた。

唯(豪華で綺麗な部屋だなぁ。なんだかお城みたい)

唯(ムギちゃんのお部屋とか、こんなふうになっているのかなぁ?)

唯「あ! 暖炉だ!」トコトコ

唯「うわぁ! 初めて本物見たよぉ!」

 燃え盛る炎に手をかざす。
 確かな暖かさが唯の手のひらに伝わった。

唯「ふぃー、あったかあったか……」

唯「ホットするね!」

 普段ならば間髪入れずに飛んでくるツッコミは無かった。

唯「………寒」
145 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:23:07.84 ID:rtB2gqwjo
唯(それにしても、おかしいなぁ……。私、部室の前に立ってたはずなのに)

唯(確か、突然目の前が真っ暗になったと思ったら、もうこの部屋にいたんだよね)

唯(ということは……これは夢? 突然寝ちゃったのかな?)

唯(いやいやいや、だったら暖炉があったかいなんて感じるわけないよ)

唯(だとすると……うーん……)

唯(……はっ!? ま、まさか誘拐!?)

唯「ど、どうしよう! このままじゃ私、きっとどこかに売り飛ばされちゃうんだ!」

唯「みんなにも会えなくなっちゃう……」

唯「そ、そんなのヤだよぉ!」

唯「どどどどうにかしてここから逃げなきゃ……」

唯(確かテレビとかだと、部屋の中を探すと何か脱出のヒントがあるよね……)

唯「よし、とりあえずこの部屋の中を探してみよう!」

 暖炉から離れ、その向かいにある扉の前へと歩み寄る。

唯(まずはこの扉! いかにも出口って感じだよ!)

唯「……あれ? ドアノブがない?」

唯(なんだかこの扉だけ部屋の内装から浮いてるなぁ。黒いし硬いし冷たいし……)

唯(もしかして自動ドアなのかな?)

唯(………自動ドア?)

 その時、平沢唯に電流走る。

唯(てことは、きっと部屋の中にスイッチがあって、それを押すと扉が開くんじゃ……!)

唯「これは間違いないね! よーし、張り切って探すぞー!」
146 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:24:37.10 ID:rtB2gqwjo


……

………

 ――ガサゴソ

唯「うーん、棚の中には無いなぁ……」

唯「よし、次はテーブル! ……の上にあるクッキー!」

 目を輝かせながらテーブルへと走り寄る。

唯「怪しい、怪しいよ! 明らかに何かあるよね!」

唯「私の推理が正しければ、クッキーを全部食べると器の下から扉のスイッチが現れる! はず!」 

唯「というわけで、全部食べて調査しないとね!」

唯「それじゃ、早速。いただきまー……」

「あ、あのぉ……」

唯「ひやあぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

「きゃああぁぁぁぁぁぁ!?」

唯「ご、ごめんなさいごめんなさい! ちゃんとひとつは残しておくつもりだったんです!!」

「わわっ私の方こそごごごめんなさい! ただじっと見てるからお腹空いてるのかと思って!」

「ゆのさん、お茶の用意できました……って、何やってるんですか?」

唯「だってあんまりにもクッキーがおいしそうだったからつい出来心で……え?」

「え?」

「え?」
147 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:28:19.26 ID:rtB2gqwjo
唯「はふぅ、このお茶おいしーい!」

「あ、ありがとうございます」

唯「こちらこそありがとね! ……えーっと?」

「え、あっ……」

「あ、ご、ごめんなさい。まだ自己紹介してなかったですよね」

ゆの「私、ゆのって言います。やまぶき高校美術科、二年生です」

ゆの「それから、この子は由詑かなみちゃんです」

かなみ「よ、よろしくお願いします」

唯「ゆのちゃんに、かなみちゃんだね。私、平沢唯。桜が丘高校の二年生」

ゆの「あ、同じ学年だったんですね」

唯「みたいだねー。だから敬語なんて使わなくてもいいよ」

ゆの「う、うん。ありがとう、唯ちゃん」

唯「もちろんかなみちゃんもね!」

かなみ「は、はい」

唯(二人共ちっちゃくて可愛いなぁ。あずにゃんみたい)ほぅ
148 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:29:35.37 ID:rtB2gqwjo
唯「ところで、二人はずっとここに住んでるの?」

ゆの「えーと、それが、私達気がついたらここにいて」

かなみ「私が最初にこの部屋に連れてこられて、次にゆのさんがやって来たんです」

ゆの「学校に行こうと思って、玄関のドアを開けたところまでは覚えてるんだけど……」

かなみ「私も、家の掃除をしていたら、目の前が急に真っ暗になって」

唯「じゃあ私とだいたい一緒だね」

かなみ「唯さんも、ですか?」

唯「うん。部活に行こうと思ってたんだけど、いつの間にかここにいたんだ」

ゆの「ホントだ、私達の状況とそっくり!」

かなみ(『ぶかつ』って、なんだろう)

唯「でしょー?」

唯「いやぁー、不思議なこともあるもんですなぁー」

かなみ「あ、あの、唯さん。それって、普通は誘拐されたって言うんじゃ……」

唯「誘拐? ……あぁっ!? そ、そうだった!!」

ゆの(なんだか宮ちゃんにそっくり)

かなみ(なんだかカズくんにそっくり)
149 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:31:21.76 ID:rtB2gqwjo
唯「早くここから逃げないと、私たちどこかに売り飛ばされちゃうよ!」

かなみ「……それは、しばらくは無いと思います」

唯「へ?」

かなみ「ちょっとだけ、こっちに来てもらえませんか?」

【豪華な部屋 キッチンルーム】

唯「ひ、広い! しかも綺麗!!」

かなみ「食料も、冷蔵庫の中に大量にあるんです」

ゆの「しかもどういう訳かこの冷蔵庫、毎日食材が補充されてるみたいなんだ」

唯「なにそれ欲しい」

唯「でも、なんでそれが売り飛ばされないのと関係するの?」

ゆの「えっと、私、誘拐のことはよくわからないけど……」

ゆの「誘拐してきた人を閉じ込めるにしては、いろいろ整いすぎかなぁって思って」

かなみ「まるで『住んでください』って言われてるみたいです」

ゆの「キッチンだけじゃなくて、お風呂にトイレもついてるし」

唯「至れり尽くせりですなぁ」
150 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:33:40.52 ID:rtB2gqwjo
 ――チィーン!

唯「ん? なんの音?」

ゆの「あっ、新しいクッキーが焼けたみたい」

唯「クッキー!?」

ゆの「することも無いし、キッチンもあるし、料理の腕を磨いてみようかなって思って」

唯「おぉー! ……でも、食べても大丈夫なの?」

かなみ「特に、害は無いみたいです。食べても、なんとも無かったので」

唯「そっか、かなみちゃんが最初にこの部屋に来たんだっけ。……勇気あるなぁ」

ゆの「最初のうちは、戸惑ってた私をなだめてくれたりしたもんね」

かなみ「そ、そんな。私、大したことは……」モジッ

唯(かわいい)

ゆの(かわいいなぁ)

 ――ぐぅ

かなみ「あ」

ゆの「あ」

唯「……い、いやー。お恥ずかしい」
151 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:35:45.69 ID:rtB2gqwjo
ゆの「……ふふ、もう、唯ちゃんたら。それじゃあ、早速食べようか」

唯「さんせーい!」

ゆの「これはね、かなみちゃんも作るの手伝ってくれたんだよ」

唯「そうなの!? 楽しみー!」

かなみ「ほとんど、ゆのさんに教えてもらってばかりでしたけど……」

ゆの「最初はみんなそうだよ。私も、最初は先輩に教わったんだもん」

唯「そうそう!」

唯「……あれ? なんの話してたんだっけ?」

ゆの「え? ……クッキーの話し、かな?」

唯「あ、そっか」

【豪華な部屋 リビング】

唯「んんー! 美味しい! 美味しいよ、ゆのちゃん、かなみちゃん!」

ゆの「そ、そんなに褒められると、ちょっと照れちゃうかな」

唯「このクッキーとかなみちゃんの入れてくれたお茶があれば、ここで生活するのも悪くないかもぉ」

かなみ「それは流石に……。それに、そのお茶は『本土』の良い茶葉で入れたからで……」

唯「本土? かなみちゃんって島に住んでるの?」

かなみ「え……? 唯さん達も、今はそうですよね?」

ゆの「え?」

かなみ「もしかして、アウターの人じゃないんですか……?」

唯「んん?」
152 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:37:22.91 ID:rtB2gqwjo


……

唯「話を整理してみたけど……」

かなみ「……本当に、ロストグラウンドを知らないんですか?」

唯「……ごめん、聞いた覚えがないや」

ゆの「私も。そんなに大きな島なら、知らないってことは無いだろうし……」

かなみ「そう、ですよね……」

ゆの「どういうことなんだろう?」

唯「んー………」

唯「………」

ゆの「……唯ちゃん?」

唯「……駄目だ。考えてもさっぱりわからないよぉ」

 頭から煙を出してへばりこむ唯。
 
ゆの「ゆ、唯ちゃんしっかり!?」

かなみ「ご、ごめんなさい……」
153 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:38:48.73 ID:rtB2gqwjo
 唯はしばらくテーブルと睨めっこした後、突然頭を上げた。

唯「よし! じゃあこうしよう!」

かなみ「?」

唯「分からないことは後で考えるとして」

唯「今はかなみちゃんにお茶のおかわりをお願いします!」

 かなみに向かってティーカップを突き出す。
 かなみはあっけに取られた様子で突き出されたカップをじっと見つめている。

唯「……ダメかな?」

 舌を出しながら、軽くウィンク。

かなみ「……くすっ。いえ、今用意しますね」

唯「やった!」

 一瞬漂った緊張感はどこかへと消え、再び和やかな雰囲気が戻ってきた。

ゆの(唯ちゃんすごい……私も見習わなきゃ!)

 そんな唯を見ながら、自分も強くあろうと決意するゆの。
 
 少女たちのティータイムは、楽しく過ぎてゆく……。
154 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:39:21.87 ID:rtB2gqwjo
【??? 管制室】

C.C.「……この唯とか言う女は、自分が攫われたというのに緊張感のかけらもないな」

ゼロ「お前が言うなピザ女」
155 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/08(土) 12:46:52.13 ID:rtB2gqwjo
以上で投下終了です。
段々と登場作品が増え、カオスになって参りました。

そこで、キャラ紹介とか入れたほうがいいでしょうか?
必要だという意見があれば、簡単な紹介文を作ろうと思ってます。

そして最後に一言。
エステルごめん……。

次回はマヨナカテレビ(ペルソナ4)編となります。
燃えるぜバーニング!
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 14:17:58.07 ID:MMfZHExA0
乙。
等身大のキャラものが参戦可能作品であることを前提にすると、トランスフォーマーシリーズは絶対に出せないんだろうけど、次元監視員である古代トランスフォーマー・ベクタープライムだけは出して欲しいと思っている。
何らかのトラブルで次元の狭間に迷い込んだ時、助けてくれる程度でいいので。

キャラ紹介は作った方がいいと思います。
僕個人としても、かなみというキャラが、「スクライド」という作品のキャラで詳しくは知らない、というのもありますが。
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 15:13:03.05 ID:ZxosL6gco

そういや前VerだとTOVのエステルがいたんだっけ。

由詑かなみで検索して何のキャラか把握して、中の人ネタ好きとしてはフェイトとの会話を期待することにした。

キャラ紹介はあまりくどいのはいらないかな。
勢力・世界ごとのキャラ名(作品名)の一覧くらいでも十分だと思ったり。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 22:20:01.07 ID:cg3M1hEk0
王様的存在は誰?


159 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 04:03:21.41 ID:stQ9YTS0o
>>156,157
キャラ紹介はもともと短くするつもりでした。編集も大変なので。

そこで、最新話更新毎に、SSWikiの方にキャラクターを追加して行こうと思います。
現在、名前と登場作品のみの記述となっています。
基本は作者が追記していきますが、もし良ければ追記してやってください。

>>158
本家無印ではあまり重要なファクターではありませんでしたが、今作では結構重要な
伏線?となるので、すみませんが伏せさせて頂きます。
ひとつ言えるのは、現段階でも十分予測は可能かなと。

それでは、こんな時間ですが投下します。
アリサ強化回です。
160 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 04:04:37.67 ID:stQ9YTS0o
【トラヴァースタウン 3番街 裏路地】

フェイト「なのは、どうして……!」

――ダムッ!

 苛立ちをぶつけるように壁を強く叩くフェイト。
 拳は痛々しいほどに固く握り締められている。

フェイト「どうして私を必要としてくれないのッ!?」

 ――ダムッ!

「私が言った通りだったろう?」

フェイト「ッ!?」

 反射的に後ろを振り向く。
 つり上がった眼が捉えたのは、こちらへ近づいてくるゼロの姿だった。
 表情は仮面に隠れ、窺い知ることはできない。

フェイト「ゼロ……!」

ゼロ「お前はあの少女を必死に捜していたが、あの少女はお前の事を忘れ、お友達と楽しくやっていた」

ゼロ「これが何を意味するか、お前には分かっているだろう?」

ゼロ「あの少女はお前のことなど、もうどうでもいいと――」
161 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 04:06:19.02 ID:stQ9YTS0o
フェイト「違うッ!!」

 ――ミシィッ!!

 壁を打つ音に混じり、何かにヒビが入る嫌な音がした。
 ついには握りしめた拳から血が滴り始める。

ゼロ「お前が何を思おうと、これが現実だ」

フェイト「ッ……」ギリ

ゼロ「……だが安心しろ、フェイト・テスタロッサ」

 俯くフェイトに、一歩近づく。

ゼロ「我が軍門に下れ。私がお前の望む世界を与えてやろう」

フェイト「……私は、そんな誘いには」

ゼロ「ならばこのままここでくすぶり続けるのか? それがお前の望みか?」

ゼロ「もう一度言う。フェイト・テスタロッサ、我が軍門に下れ」

ゼロ「自らの手で、自らの望むものを手に入れる為に」

フェイト「……私が、望むもの」

 フェイトが動揺していることが、その表情から容易に読み取れる。
 その様子を見て、ゼロは仮面の中で小さくほくそ笑んだ。
162 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 04:08:15.29 ID:stQ9YTS0o
【トラヴァースタウン 1番街 世界の扉前】

なのは「それじゃあシドさん、行ってきます!」

シド「おう! ……っと、その前に、お前らダンブルドアのじいさんには会ったか?」

すずか「ダンブルドア?」

シド「その様子じゃまだみてぇだな。ったくあの爺さん、用があるならなら自分で言えってんだ」

アリサ「誰なの、そのダンブルドアって?」

シド「偉い偉い魔法使いって話だ。変わり者にしかみえねぇがな」

シド「その魔法使いのじいさんがお前らに用があるんだと」

なのは「私たちに?」

シド「行ってみたらどうだ? ためになるお説教が聞けるかもしれねぇぞ」

なのは「どうしようか?」

アリサ「お説教は嫌だけど……」

すずか「そんなに偉い人が呼んでるなら、きっと私たちの旅に関係あるんじゃないかな?」

なのは「うん、そうだよね」

アリサ「行くだけ行ってみましょうか」

シド「決まったみてぇだな」

シド「ダンブルドアじいさんがいるのは3番街の奥だ。ま、気をつけて行けよ」

アリサ「大丈夫よ。行ってきます」

なのは(なんだか親子の会話みたい)
163 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 04:09:02.49 ID:stQ9YTS0o
【トラヴァースタウン 3番街 奥地の湖】

アリサ「なんだかここだけ雰囲気が違うわね」

すずか「薄暗くて、何か出そう……」

アリサ「へ、変なこと言わないでよ……」

なのは「あっ!」

すずか「ひっ!?」

アリサ「な、なによ。急に大声出して」

なのは「もしかして、あの家かな?」

アリサ「……どれ?」

なのは「ほら、あれ」

 目を凝らしてなのはの指差す方向を見つめる。
 すると、ちょうど湖の真ん中に位置する小島の上に小さな屋敷が立っていた。

すずか「……なんだか可愛いお家」

なのは「行ってみよう」
164 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 04:10:25.44 ID:stQ9YTS0o
【ダンブルドアの家 玄関前】

コンコン

なのは「ごめんください」

すずか「誰かいませんか?」

 しばらくしても返事はない。

アリサ「誰もいないのかしら?」

なのは「うーん」

 試しにドアノブに手を掛け、そのまま半周だけ回してみる。
 すると、ガチャリという音とともに、扉が少しだけ手前へと動いた。

なのは「あれ、開いてる……?」

アリサ「……ちょっとだけ入ってみる?」

すずか「ダ、ダメだよアリサちゃん!」

アリサ「大丈夫よ。居るか居ないか確認するだけだから」

なのは「んー、もしかしたら、中で何かあったのかも……」

アリサ「心配でしょう? だからちょっとだけ、ね」

すずか「もぅ……」
165 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:12:11.11 ID:stQ9YTS0o
 アリサの猛烈な後押しにより、結局中へと入っていく三人。
 扉の向こう側には、一面の闇が広がっていた。

なのは「お邪魔します……」

アリサ「うわ、真っ暗じゃない」

すずか「やっぱりいなんじゃないのかな?」

なのは「そうみたいだね。ん?」

 ――……バサッ、バサッ

 部屋の上部から何かが羽ばたく音がした。
 そう思った次の瞬間。なのは達の頭上から轟々と燃える何かが近づいてきた。

なのは「きゃ!?」

アリサ「なにあれ! 鳥が燃えてる!?」

すずか「もしかして……不死鳥!?」

「これこれ、あまりお客を驚かせてはいかん」

 その声とともに不死鳥は優雅に止まり木に降り立った。
 同時に、部屋ロウソク全てに火が灯る。
 漸く確認できた部屋には、たくさんの肖像画と本。
 そして、物珍しい道具が所狭しと並んでいる。

「待っておったぞ、お前さんたちが来るのをのう」

なのは「それじゃあ、あなたが?」

ダンブルドア「いかにも。ワシがダンブルドアじゃ」

ダンブルドア「立ち話もなんじゃ、まずは座ってお茶にするとしよう」
166 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:15:16.25 ID:stQ9YTS0o
【ダンブルドアの家 書斎】

すずか「このお茶、すごく美味しいです!」

ダンブルドア「それは良かった。これはワシの友人がよく淹れてくれる茶でな」

ダンブルドア「今はこれにちょうどいい茶請けがなくてのぅ。百味ビーンズでよければ食べておくれ」

 そう言ってダンブルドアが取り出した瓶には、色とりどりのビーンズが詰め込まれていた。

なのは「ありがとうございます」

 ――パクッ!

なのは(甘くて美味しい!)←チョコレート味

すずか(ハーブの香り、珍しい味だなぁ)←歯磨き粉味

アリサ(……にがっ)←耳クソ味

なのは「あの、それで私たちへのお話っていうのは?」

ダンブルドア「うむ。君たちも知っている通り、今この世界には闇が溢れておる」

ダンブルドア「闇の軍勢は狡猾じゃ」

ダンブルドア「少しでも隙をみせれば、君達はあっという間に飲み込まれてしまうじゃろう」

なのは「………」

 風都で心を奪われる瞬間を目の当たりにした、苦い記憶が蘇る。
167 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:17:27.25 ID:stQ9YTS0o
ダンブルドア「そこでじゃ。闇に打ち勝つために、君たちには試練を受けてもらいたい」

なのは「試練?」

ダンブルドア「さよう」

ダンブルドア「闇に打ち勝つには、強い心が必要じゃからな」

すずか「その試練を受ければ、強い心が手に入るんですか?」

ダンブルドア「それはお前さんたち次第じゃよ」

アリサ「なんですか、それ……」

ダンブルドア「ただ、この試練がお前さんたちにとって大きな力になることは保証しよう」

ダンブルドア「もちろん、その分の危険を覚悟してもらうがのう」

ダンブルドア「やるかやないかの最終的な判断は君たちに任せよう」

なのは「試練……」

アリサ「私はやります」

なのは「ッ! アリサちゃん!?」

アリサ「少しでもあんたの足、引っ張りたくないしね」

すずか「私もやります。せめて、心は強くなりたいから」

ダンブルドア「なのは、お主はどうする?」

なのは「……やります。私にはやるべき事があるから」
168 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:19:47.00 ID:stQ9YTS0o
ダンブルドア「うむ」

 ――ボフンッ!

 ダンブルドアが杖を振ると、テーブルの上に大きな古いテレビが現れる。
 電源が入っていないのか、画面は真っ黒に染まっている。

ダンブルドア「このテレビの中が試練の間じゃ」

アリサ「て、テレビの中!?」

ダンブルドア「中に案内人がおる。変わった奴じゃが、きっと協力してくれることじゃろう」

なのは「でもどうやってテレビの中に……?」

 無意識にテレビ画面に触れようとするなのは。

 ――グニャリ

なのは「!?」

 しかしテレビ画面の硬い感触はそこにはない。
 今まで体感したこともない、奇妙な感触が指先から伝わった。
 
169 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:21:36.90 ID:stQ9YTS0o
アリサ「なのはの、手が……!」

 しかし、異変はそれだけに留まらなかった。

 ――ズズズズッ

なのは「ひ、引き込まれてる!?」

アリサ「なのは!」

すずか「なのはちゃん!」

 なのはを助けだそうと腕を引っ張る二人。
 だが、引き込まれる力が圧倒的に強く、逆に二人もテレビの中へ吸い込まれていく。

なのアリすず「きゃああああああああ!!」

 ――ズオォォッ!!
 
 最後に悲鳴を残し、三人はテレビの中へと姿を消した。

ダンブルドア「……さて、あの子たちはマヨナカテレビで何を見るのかのう」

 肖像画の方へ目配せするダンブルドア。
 肖像画の住人は「どうでもいい」と言わんばかりに、大きなあくびをしていた。
170 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:22:53.69 ID:stQ9YTS0o
>マヨナカテレビ

「……ア……ちゃん……アリサちゃん!」

 旧友の声に、アリサの闇に沈んでいた意識は再浮上した。

アリサ「う、うぅん……すず、か……?」

すずか「大丈夫? 怪我はない?」

アリサ「なんとか、ね。まだ頭が少しだけぼーっとするけど……」

すずか「良かった……」

アリサ「それよりここ、どこ?」

 状態を起こし、周りの様子を確認するアリサ。
 しかし、周囲に見えるものといえば深い霧くらいなものだ。
 立ち込めた霧のせいで、1メートル先ですら霞んで見えていた。

すずか「ダンブルドアさんの言ってた通りなら……テレビの中、かな?」

アリサ「なんかもうなんでもアリなのね、魔法って……」

アリサ「で、なのはは? 一緒じゃなかったの?」

すずか「それが姿が見えなくて。多分、私たちとは違う場所に飛ばされたんじゃないかな?」

アリサ「はぁ……。仕方ないわね、捜しに行きましょうか?」

すずか「うん」
171 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:27:38.15 ID:stQ9YTS0o
「アーッ!!」

アリすず「!?」

 霧の向こうから突然奇声が聞こえてきた。

「なんでここに君たちみたいな子供がいるクマ!? 早く帰らないと危ないクマ!」

 奇声の主と思われる何かが、霧の中から何かが近づいてくる。
 アリサはとっさにすずかの前に回り、いつでも二人で逃げられるように身構えていた。

 だが、来訪者はそんな緊張感をぶち壊しにするような珍妙な姿をしていた。

すずか「……キグルミ?」

アリサ「な、何よあんた!?」

クマ「クマはクマクマ」

アリサ「はぁ? クマクマ?」

クマ「クマクマじゃないクマ。クマだクマ」

アリサ「ややっこしいわね……」

すずか「か、かわいい……」

クマ「か、可愛いだなんてそんな……もっと言っても構わんクマよ?」

 すずかの言葉に身をくねらせる謎のキグルミ――もといクマ。
 その姿は確かに愛らしいが、今のアリサには苛立ちを加速させる効果しかもたらさなかった。
 仕方なく、強引に話を進める。
172 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:28:41.80 ID:stQ9YTS0o
アリサ「で? あんたがダンブルドアさんの言ってた案内人?」

クマ「だからクマはクマだクマ。案内人なんて名前じゃないクマよ」

アリサ「だからちっがーう!!」

すずか「ま、まぁまぁ……」

 激しく地団駄を踏むアリサを宥めるすずか。
 対するクマは不思議そうにこちらを眺めていた。

アリサ「もう、調子狂うわこのヘッポコ……。すずか、後お願い」

すずか「う、うん。ねぇクマさん、ここは一体どこなの?」

クマ「ここはボクがずっと住んでるところクマ」

アリサ「答えになってないわね」

クマ「そんなことより! さっきも言ったけど、こっちは危険だクマ!」

クマ「クマがチミ達を向こう側に帰してあげるから、さっさと帰りんしゃい!」

 言うやいなや、クマはアリサ達の後ろにまわりその背を強引に押し始める。

アリサ「ちょ、どこ触ってんのよ!」
173 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:39:25.45 ID:stQ9YTS0o
すずか「ま、待ってクマさん!」

クマ「クマ?」

すずか「クマさんが私たちに帰って欲しいのは分かったけど、私たちの友達もここにいるの」

すずか「帰るのは、その友達を見つけてからでもいいかな?」

アリサ「このヘッポコがそんな簡単に……」

クマ「そっか、ならいいクマ!」

アリサ「即答ッ!! ちょっと! 私のときと対応が違わない!?」

クマ「すずかちゃんは優しそうで可愛いから当然クマー」

クマ「あ、言っちゃった言っちゃった! 恥ずかちー!! ……ポッ」

アリサ「こんのバカクマァ……!」

すずか「あ、あはは」

クマ「それで、そのお友達はどんな子なんだクマ?」

すずか「髪を黒いリボンで二つに縛ってて、白い大きな鍵を持ってるんだけど」

クマ「うーん、見てないクマねぇ」

すずか「そっか……」

クマ「でもすずかちゃんたち二人以外のにおいはするクマ」

アリサ「におい?」
174 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:40:50.13 ID:stQ9YTS0o
クマ「こっちだクマ」

アリサ「あ、ちょっと待ちなさいよ!」

クマ「? どうしたクマ?」

アリサ「こんな1メートル先も見えないような霧の中を歩いたら危ないでしょ!?」

クマ「まったく、アリサちゃんはだらし無いクマねー」

アリサ(え、なに、私が悪い感じなの?)

すずか「クマさん、どうにかならないかな?」

クマ「それならこれを掛けてみるクマ」

 そう言ってクマが取り出したのは、二組のメガネだった。
 オレンジ色と濃い青色。まるでアリサとすずか専用に作られたような色合いだ。

すずか「メガネ?」

アリサ「こんなもの掛けてどうしろって……」

 メガネを訝しげに眺めつつ、装着する。

アリサ「! 嘘……!?」

すずか「す、すごい! あんなに深かった霧が無くなって周りがはっきり見える……!」

 先程まで二人の視界を遮っていた霧は消え、二人の目の前には海辺の街が広がっていた。
175 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:41:50.93 ID:stQ9YTS0o
アリサ「……って、あれ? ここって」

すずか「海鳴の街、だよね?」

アリサ「ちょっとクマ、どういうこと?」

クマ「クマにもよくわからないクマ」

アリサ「あんた、ここにずっと住んでるんでしょ?」

クマ「住んでいても分からんこと位あるでしょ―よ!」

アリサ「逆切れ!?」

クマ「ただ、ここはすずかちゃんたちがコッチへ来たのと同時に出現したクマよ」

すずか「同時に……もしかして、ダンブルドアさんが言ってた『試練』と何か関係があるのかな?」

アリサ「わからないけど、今はなのはを探す方が先決よ」

 ――ざわっ…

クマ「ッ!!」

 先頭を歩いていたクマが突然立ち止まる。
 すぐ後ろを歩いていたアリサはその背に額を強打した。

アリサ「あいた! もう、急に止まらないでよ……」
176 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:42:25.63 ID:stQ9YTS0o
クマ「く、来るクマ……」

すずか「来る?」

アリサ「来るってなにがよ?」

クマ「まずいクマ! やっぱり襲ってきたクマ!」

アリサ「こ、怖いこと言わないでよ。一体なにが来るって……」

クマ「『シャドウ』……!!」

 ――ズズッ

 地面からハートレスとはまた違った雰囲気を放つ異形の怪物が這いずり出てくる。
 まるで目玉から舌が生えているような形相だった。

アリサ「なっ……!」

すずか「ハ、ハートレス!?」

クマ「シャドウはこっちの世界の闇の怪物クマ! 一度暴れだしたらハートレスより手がつけられないクマ!」

アリサ「き、聞いてないわよ!?」

クマ「だ、だから危ないって行ったクマよー!!」

 そう話している間にも、シャドウはゆっくりとアリサ達へ近づいてくる。

クマ「は、話してる場合じゃないクマ! 早く逃げるクマ!!」
177 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:43:42.95 ID:stQ9YTS0o
 ――ズオォッ!

 こちらが逃げ出そうとしたのを察知したのか、シャドウが一気に距離を詰め始める。

すずか「きゃあ!」

アリサ「そ、そうした方がいいみたいね!」

クマ「こっちだクマー!!」

 クマは二人の手を握りしめ、一目散に逃げ出した。

すずか「はぁ、はぁ、はぁ!」

アリサ「はっ、はぁっ……くっ……!」

 後ろを振り返る。
 まだ三体のシャドウが追ってきていた。

アリサ「もう、まだ追って来てる!」

すずか「このままじゃ、追いつかれるよ!」

クマ「ふ、二人とも! あそこに逃げ込むクマ!」

 一軒の家を指差すクマ。

アリサ「あれ、なのはの家じゃない!」

クマ「さっきのにおいもあそこからするクマ! とにかく早く駆け込むクマー!!」
178 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:46:42.90 ID:stQ9YTS0o
>マヨナカテレビ なのはの家

アリサ「はぁ、はぁ……」

クマ「ふぅ、どうやらまいたみたいクマ……」

すずか「あれが、クマさんの言ってた『危険』だったんだね」

クマ「そうクマ。シャドウには普通の攻撃も効かないから、クマたちには逃げることしか出来ないクマ」

アリサ(……なんだか、今の私みたいね。なのはに戦わせてばっかりで、自分は逃げて……)

すずか「ここに、なのはちゃんがいるんだよね?」

クマ「間違いないクマ。クマの鼻がビンビンに反応してるクマよ!」イキリタツ!

アリサ「それが逆に心配なのよね……」

 文句を言いながらも、三人で家の奥へと進んでいく。

アリサ「な、なのはー……?」

すずか「いたら返事してー……」

「……グスッ……ヒック……」

すずか「!」

 居間の方から啜り泣く声が聞こえてくる。
 その声は、二人共聞き覚えのある声だった。
179 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:48:43.51 ID:stQ9YTS0o
アリサ「あの声……」

すずか「なのはちゃん……?」

クマ「ダ、ダメだクマ!」

 リビングへの扉を開けようとしたアリサの手をクマが掴む。
 その表情はいつになく迫真に迫るものがあった。

アリサ「な、なによ?」

クマ「いるクマ、この先にシャドウがいるクマ!」

クマ「それも、さっきのとは比べものにならない強力な奴クマ!」

アリサ「!」

 クマの手に止められたアリサの手が一瞬止まる。
 が、すぐにそれを振り払い、また扉へ手をかけた。

クマ「アリサちゃん聞いてなかったクマか!?」

アリサ「聞いてたわよ!」

アリサ「……でも、怪物に襲われるより、泣いてる友達を放っておく方が嫌なのよ」

アリサ「そうよね? すずか」

すずか「うん。アリサちゃん、開けよう」

 すずかの後押しもあり、一行は扉を開けてリビングの中へ入る。
180 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:49:42.61 ID:stQ9YTS0o
「うっ、えぐ……お父さん、お母さん……」

なのは「……」

 居間には泣きじゃくる子供とそれを見つめるなのはが、対峙するように立っている。
 泣きじゃくる子供は小さい頃のなのはだった。
 対する小学三年生のなのはの目は虚ろで、生気のない顔で子供なのはを見つめ続けている。

アリサ「なに、これ……」

すずか「なのはちゃんが、二人?」

クマ「た、多分、あの小さい方がシャドウだクマ……」

 アリサの肩を掴んでいるクマの手から、彼の震えがダイレクトに伝わってくる。
 あの子供なのはがどれだけ恐ろしい存在なのかを、その震えが如実に物語っていた。

『一人が、怖かった……』

アリサ「!」

すずか「なのはちゃんの声?」

 どこからともなくなのはの声が部屋に響き渡った。
 声は更に続ける。
181 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:50:22.07 ID:stQ9YTS0o
『お父さんもお母さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんも……』

『みんな私から離れて行った……』

『私はいつも一人で泣いてた……』

『だから、いい子にしないとって思った』

『いい子にしないと、家族も、友達も、みんな……みんな……』

『……また私から離れて行くから……』

『もう一人は嫌だった……』

アリサ「……」

すずか「なのはちゃん……」
182 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:53:04.94 ID:stQ9YTS0o
アリサ「……」

すずか「なのはちゃん……」

なのはシャドウ「グスッ……ぐっ、ふ、ふふ……ふふふふ………」

アリサ「……?」

 つい先程まで泣いていたなのはシャドウの声色が、若干変化する。
 泣いているのとは違う、まるで、『笑っているかのような』。

なのはシャドウ「あッははははははッははははははははははッッははははははッッッ!!!!」

アリサ「ッ!?」

クマ「ヒィッ!?」

 突然狂ったように笑い出したなのはシャドウに、なのは以外の全員の視線が行く。
 なのはシャドウは笑い続けながら、ゆっくりと立ち上がった。
183 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:56:04.94 ID:stQ9YTS0o
なのはシャドウ「ふ、ふふふふ……かわいそう……本当に私はかわいそう……」

なのはシャドウ「一人は嫌だから、こんなにいい子になったのに」

なのはシャドウ「結局みんなバラバラ。また一人になっちゃった」

なのは「………」

なのはシャドウ「やりたいことも言いたいことも我慢してきたのに……本当にかわいそう……」

なのはシャドウ「でーもー……」

 なのはシャドウがなのはの目の前へと瞬間的に移動する。

なのは「ッ!!?」

 ――ビクンッ!

なのはシャドウ「また、新しく作っちゃえばいいもんね、友達も家族も」

なのはシャドウ「信頼関係なんてかんったんに作れちゃうもの」

なのは「!!」

なのはシャドウ「やりたくないことも良い顔してやって」

なのはシャドウ「『お礼なんていらない』なんて言いながら、相手の自分への信頼をしっかり『お礼』として貰って」

なのはシャドウ「勝ち取った信頼で周りからちやほやされる。周りは私を放って置かなくなる」

なのはシャドウ「ホント、人間って単純で馬鹿ばっかり!」

なのは「……違う」
184 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:57:51.06 ID:stQ9YTS0o
なのはシャドウ「フェイトちゃんのときだってそう。いや、あの時はもっと酷いか」

なのはシャドウ「結果的にフェイトちゃんはああなったけど、私のやったことなんて結局『親切の押し売り』」

なのはシャドウ「なのにみんな私を英雄扱いしちゃって、まぁ」

なのはシャドウ「ホンッッット! ちょろいものよね。人の信頼を勝ち取るなんて」

なのは「違うッ!!」

なのはシャドウ「……違う? なにが違うっていうの?」

なのは「私、そんなこと……!」

なのはシャドウ「次に貴女は『思ってない! 勝手なこと言わないで!』と言う」

なのは「思ってない! 勝手なこと言わないで! ……ハッ!?」

なのはシャドウ「なんで分かったか教えてあげましょうか?」

なのはシャドウ「それだけじゃない。貴女の本心も全て見通せた理由」

なのはシャドウ「それはね、たった一つのシンプルな答え……」
185 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:58:42.32 ID:stQ9YTS0o



なのはシャドウ「私はあなたなのよ」



 なのはにその事実を突きつけるようにゆっくりと、なのはシャドウは断言した。

なのは「違う、違う! 違う!! あなたなんか、あなたなんか……!」

クマ「だ、ダメクマー!!」



なのは「あなたなんか私じゃない!!」



 ――ニタァ
 
 なのはシャドウの口が避け、笑みが顔全体を覆った。

なのはシャドウ「そう、私はあなたじゃない。だからいい子にする必要なんてない」

なのはシャドウ「ぶち壊してあげる。家族も、友達も、信頼も、なにもかもッッ!!」

 ――┣¨┣¨┣¨┣¨・・・
186 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 09:59:37.06 ID:stQ9YTS0o
クマ「ま、まずいクマ! シャドウが正体を現すクマ! 家の外に待避するクマー!!」

アリサ「なのは、なのは!」

 気絶しているのか、揺すっても返事がない。

すずか「アリサちゃん、なのはちゃんは私が運ぶから早く外に!」

アリサ「わ、分かったわ!」

 ――┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・

 ――メキャァァァァアッ!

 アリサたちが家から脱出するのと同時に、なのはシャドウが家を破壊しながら巨大化する。
 その姿に先程までの人間の面影ない。
 まさに、『悪魔』と呼ぶに相応しい姿をしていた。

なのはシャドウ『ふふふ、あはははははは!! もう最高!!』

クマ「あわわわわわわわわわ! に、逃げ……」

なのはシャドウ『逃がさないわよ?』

 ――ブォォン!

 正門を家の残骸を投げ付けて塞ぐ。
 四方を壁と残骸で囲まれ、アリサ達の逃げ場はいよいよもって無くなった。
187 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:00:40.21 ID:stQ9YTS0o
クマ「み、道が塞がれたクマ! もうおしまいクマー!!」

なのはシャドウ『ふふ、まずは……すずかちゃん。あなたから壊してあげる』

すずか「ひっ……!」

アリサ「! 逃げて、すずか!」

すずか「い、嫌……」

 アリサの叫びに逃げ出そうとするが、巨大な『恐怖』を目の前に足がすくみ動けなくなるすずか。

アリサ「すずか!」

クマ「ア、アリサちゃん! 無理だクマ! ダメだクマー!!」

 クマの静止も聞かず走りだすアリサ。
 足がすくんで動けないすずかを背に、両手を大きく広げて立ち塞がった。

すずか「アリサ、ちゃん……」

アリサ「たまには私にも、良いカッコさせなさいよ」

なのはシャドウ『さようなら、私のお友達』

 なのはシャドウの頭から垂れ下がっている二本の触手が二人へ叩きつける。
 その刹那、アリサの意識は様々なことを思考していた。
188 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:01:20.09 ID:stQ9YTS0o
アリサ(私、死ぬのかな……)

アリサ(まだやりたいこと、いっぱいあったのに)

アリサ(……いや、今はそれ以上に)

アリサ(なのはばっかり戦わせて、すずかも守れなかったことが……)



アリサ(悔しい)



アリサ(そう。悔しい、悔しいよ……)

アリサ(力が欲しい……すずかを、友達を守れる、『戦う力』が!!)

 そこでアリサの意識は暗転した。
189 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:02:17.46 ID:stQ9YTS0o
>ベルベットルーム

イゴール「ようこそ、我がベルベットルームへ」

アリサ「!?」

アリサ(ど、どこここ!?)

すずか(私たち、確かにあの世界でシャドウに……)

イゴール「これはこれは、お客人が二人もお見えになるとは」

イゴール「貴女方は面白い運命をお持ちのようだ」

 車内のような青い空間。
 最も奥のシートには鼻の長い老紳士。
 その手前にはミステリアスな雰囲気を放つ美女が、それぞれ座っていた。

イゴール「私はイゴール。お初にお目にかかります」

すずか(ど、どうも)

イゴール「ここは何かの形で『契約』を果たされた方のみが訪れる部屋」

イゴール「今まさに貴女方の運命は節目にあり――」

イゴール「このまま破滅を受け入れれば、未来は闇に閉ざされてしまうやもしれません」

イゴール「私の役目は、お客人がそうならぬよう手助けをすることでございます」
190 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:02:50.35 ID:stQ9YTS0o
アリサ(……どういうこと?)

 美女が本を開くと、アリサ達の目の前にカードの束が現れる。
 カードの背には、仮面のような絵柄が描かれている。

イゴール「これは貴女方の心を示すカード」

イゴール「数ある選択肢から、貴女方自身が運命の一枚を選び取る」

イゴール「まるで、人生のようでございますな」

 おそらく、引けと言われているのだろう。
 アリサはカードの束から一枚を引き抜く。

 裏返すと――一本の剣が描かれていた。

イゴール「それは『攻めこむ力』」

アリサ(攻めこむ力?)

イゴール「何者にも負けぬ勇敢なる強さ。他者を傷付ける破壊の刃」

イゴール「勇猛果敢な貴女らしいお力だ」

アリサ(どういう意味よそれ)

イゴール「これは、失礼」
191 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:04:34.79 ID:stQ9YTS0o
イゴール「では、次はそちらの貴女」

すずか(あ、はい)

 アリサと同様に、すずかもカードを一枚引きぬく。

すずか(……白紙?)

イゴール「これは……なるほど。貴女の心はまだ力を自覚していないようですな」

すずか(力を自覚していない?)

イゴール「いずれ、この言葉の意味が分かる時が来ることでしょう」

イゴール「それまでそのカードは、貴女の心に大切にしまっておくことです」

すずか(は、はぁ。わかりました)

イゴール「さて、これにて私の役目はあい終了となりました」

アリサ(役目?)

すずか(もしかして、ダンブルドアさんが言ってた案内人って……)

イゴール「さぁ、そろそろ目覚めの時間でございます」

イゴール「願わくば……」

マーガレット「貴女方がなにものにも惑わされず、前に進めるように」

イゴール「では、よい旅を」

 ――カッ

 アリサの持つカードが、手のひらで力強く輝き出した。
192 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:05:05.72 ID:stQ9YTS0o





 ――我は汝…



 ――汝は我…



 ――我は汝の心の海より出でし者…



 ――一切の不浄薙ぎ払う、業火の運び手――!




193 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:05:49.92 ID:stQ9YTS0o





アリサ「――『ニエトノノシャナ』!!」




194 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:07:16.63 ID:stQ9YTS0o
 ――パキィィン!

なのはシャドウ『ッ!?』

 アリサは手のひらのカードを思い切り握りつぶした。
 ガラスの割れるような小気味の良い音が響き渡り、アリサを中心とした光の奔流が触手を弾き飛ばす。

アリサ「………!」

 光が徐々にアリサの手のひらへと集まってくる。
 そこには、アリサの身長程もある大ぶりの太刀が握られていた。

――GET!――
『ニエトノノシャナ』
アリサの心の力が具現化した灼熱の太刀。
ファイア系で与えるダメージがアップします。

なのはシャドウ『そんな子供騙しでえええぇぇぇぇぇぇ!!』

 ――ブオォォン!!
 
 弾き飛ばされた触手がアリサ達を狙って再び迫ってくる。

アリサ「すずか、捕まって!」

すずか「うんっ!」

すずかを抱き抱えて後ろへ跳び、なのはシャドウと大きく距離をとる。

アリサ(身体が軽い! これが私の、心の力!)
195 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:08:17.50 ID:stQ9YTS0o
 ――スタッ

アリサ「すずかはここにいて。私はあいつの目を覚まさせて来るから」

すずか「アリサちゃん、負けないで!」

アリサ「負けると思ってるの?」

すずか「……うんうん」

アリサ「でしょ!」

 ニエトノノシャナを構え、なのはシャドウに愚直に突っ込んでいく。

アリサ「たあぁぁ!!」

なのはシャドウ『調子に乗りやがって……!?』

 二本の触手でアリサを捕らえようとするなのはシャドウ。
 しかし、アリサの軽やかなフットワークを捉えることはできない。
 対するアリサは動きを最小限に、なのはシャドウの大振りな攻撃を全て回避していく。

アリサ「そんな攻撃! 当たらないわよ!」

 ――ザシュッ!

 すれ違い様アリサの一撃。
 なのはシャドウの片方の触手が切り落された。
196 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:10:21.11 ID:stQ9YTS0o
なのはシャドウ『があああぁぁぁぁぁぁ!!!』

 野獣の咆哮。
 既になのはシャドウに冷静な判断は不可能だった。

なのはシャドウ『許さないッ許さないッッ許さないッッ!許さないッッ!!許さないッッッ!!!』

 理性を完全に失い、残った触手を意味もなく乱暴に振り回す。
 アリサがなのはシャドウの攻撃に当たる道理は、もうなかった。

アリサ「なのは、あんたいい加減に……!」

 触手を交わすと同時に高く跳躍するアリサ。
 ニエトノノシャナを逆手に持ち替え両手で握り締める。

アリサ「目を……」



 ――カッ!



アリサ「覚ませええぇぇ!!」

 落下の勢いと全体重を掛けた重い一撃がなのはシャドウの脳天を貫いた。

なのはシャドウ『――――――――ッッッ!!!』

 声にならない断末魔をあげ、なのはシャドウはもがき苦しむ。
 やがて天へと伸ばした両手は光の粒となり、消滅した。
197 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:11:30.44 ID:stQ9YTS0o
 ――ドサッ

アリサ「痛ッ!!」

 なのはシャドウが消え、支えを失ったニエトノノシャナはアリサと共に空中へ投げ出される。
 そのままアリサは地面へ落下し、ニエトノノシャナは再びカードとなってアリサの心へと戻った。

アリサ「もう、なんでこう最後までカッコつけさせてくれないのよ……」

すずか「アリサちゃん大丈夫!?」

アリサ「お尻が痛い以外は無事よ」

 駆け寄ってきたすずかに、アリサなりのジョークを持って返す。
 すずかの方は安心したのか、今にも泣き出しそうな表情でアリサをおもむろに抱きしめた。

すずか「良かった……アリサちゃん……」

 ――ギュ

アリサ(……まぁ、いっか)

アリサ(私も誰かを守れるってこと、分かったしね)
198 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:12:40.73 ID:stQ9YTS0o
クマ「いやー、アリサちゃんすごかったクマ!」

 なのはを背負ったクマがトテトテと走りながら近づいてくる。

アリサ「あ、クマ! あんた今までどこに隠れてたのよ!」

クマ「そんなことはどうでもいいクマ」

クマ「いやぁー、まさかあんなにすごい力を持ってるとは思ってなかったクマよ!」

クマ「これからは敬意を込めてアリサセンセイと呼ばせてもらうクマ!」

アリサ「……調子いいんだから」

なのは「……ん、んぅ」

アリサ「! なのは!」

なのは「あ、あれ……ここは……」

すずか「大丈夫? なのはちゃん……」

なのは「うん……そっか、私あの怪物に……」

なのは「……あっ」

なのはシャドウ「………」

 子供の姿に戻ったなのはシャドウが、なのはをじっと見つめている。
 顔に感情は見られなかったが、その瞳はどこか寂しそうに見えた。
199 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:13:40.30 ID:stQ9YTS0o
アリサ「あんた、まだ!」

なのは「まって、アリサちゃん!」

 ニエトノノシャナを取り出そうとするアリサをなのはが制する。

なのは「……おいで」

なのはシャドウ「……」

 なのはの側まで歩み寄る。

なのは「ごめんね、さっきはあんなこと言って……」

なのは「私、わかってたんだ。自分のやってることが、最終的には自分のためにもなるって」

なのは「でも、そんな利己的な自分を認めるのが嫌だった」

なのは「難しいよね、自分の嫌いな部分を認めるのって……」

なのは「でもね、誰かを助けたいって気持ちは、間違いなく本当なの」

なのは「私みたいに寂しい思いをしてる人が、一人でもいなくなってくれたら嬉しいから」



なのは「……あなたは、私だよ」


200 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:15:29.25 ID:stQ9YTS0o
なのはシャドウ「……そう」

なのはシャドウ「きっとこれから、辛いことや苦しいことがたくさん待っているわ」

なのはシャドウ「けれど、恐れないで」

なのはシャドウ「私(貴女)は世界で一番強い武器を持っている」

 満足げな笑顔を浮かべながら、なのはシャドウは光となって空へと登っていく。
 そして、最も高い場所で一層強い光を放った。

RH『Sealing mode』

 ――ガシャン!
 
 レイジングハートが変形し、鍵穴封印モードへと切り替わる。
 なのはは天へとキーブレードを突き出した。
 
なのは「リリカルマジカル! 鍵穴、封印!」

 キーブレードの先端から、なのはシャドウが示した位置へ光が走る。

 ……ガチャリ……

RH『Keyhole sealing』

 ――プシュゥゥゥゥ…

 レイジングハートの排気口から魔力の残骸が排出される。
 鍵穴が閉じた後からは、光が粒となって霧の世界に降り注いだ。
201 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:16:07.03 ID:stQ9YTS0o


……

クマ「クマァ!」

 ――ボフンッ!

 クマの叫びとともに、煙の中から積み上げられたテレビが現れる。

アリサ「なるほど、テレビから来たからテレビから帰るってわけね」

クマ「……本当に行っちゃうクマか?」

すずか「ごめんね、クマさん」

クマ「仕方ないクマよ、すずかちゅわん」

クマ「けど、また来て欲しいクマ。次は全員分のメガネを用意して待ってるクマ!」

アリサ「分かった分かった。また来てあげるわよ」

クマ「本当クマ!?」

クマ「それじゃあ約束の印にこれを持って行って欲しいクマ!」

アリサ「なにこれ?」

すずか「小さいメガネのキーホルダー?」
202 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:17:40.85 ID:stQ9YTS0o
クマ「メガネを作るついでに遊び心で作ってみたクマ」

クマ「でも使い道が無くてキーホルダーにしてみたクマよ」

アリサ「なんか押し付けられたような気がするけど……いいわ、ありがたく貰ってあげる」

クマ「大切にしてほしいクマ!」

アリサ「はいはい。それじゃあまたね、バカクマ」

アリサ「……ありがと」ボソッ

クマ「アリサセンセイはツンデレクマネー」

アリサ「うるちゃいうるちゃいうるちゃい!!」

クマ「いた! 痛いクマ! やめるクマー!!」

――GET!――
『ネバーモア』
クマの最強のクマノテを模したキーチェーンクマ。
地上での最大コンボ数が1回増えるクマ。お得クマね!

――GET!――
『キントキチャーム』
戦闘でピンチになったクマか?
仕方ないクマネー、クマのペルソナでちょちょいと助けてあげるクマ。
203 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 10:25:38.19 ID:stQ9YTS0o
マヨナカテレビ編、本編投下終了です。
次回は短めのマヨナカテレビ編エピローグを投下します。

今回はペルソナ演出をかなり取り入れたので、初見の方にはかなり
分かりづらい内容になってしまったかと思います。
なので、気になる方はゲームをプレイするか、アニメをご覧になってみて下さい。

そしてアリサの新武器、完全に声優ネタに走りました。
声優ネタというか、完全にバーニングアリサというか。

最後に、>>192からのBGMは↓でお願いします。
http://www.youtube.com/watch?v=RzsDtqAlNHc
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 10:41:54.90 ID:QJ83e1AA0
乙。

ライダー枠が被るという事なら、最終的には敵とも友達になろうとする男である仮面ライダーフォーゼ・如月弦太朗は出ないけど、プリンセスの内の「彼女」がその役割を担うのかな?

>>158
その王様的存在とやら、>>142で語った「あの娘」になるかもしれないな。
もっとも、それはそれで萎えるが。
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 13:18:43.50 ID:d0IYxbsIo


耳クソ味とか、ジョジョネタとシャナネタにニヤニヤしながら読んだww
これなら、いずれ出るであろうすずかの武器も期待だな。

SSwikiでキャラ紹介は見やすいしナイス。

・「メインキャラクター」の末尾に闇の書を追加
・「トラヴァースタウンの住人」と「風都の住人」の間あたりにクロノとかの「時空管理局」を追加
・「風都の住人」の末尾に登場したWの敵サイドを追加

あたりはしてもよいかも。
206 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:26:05.59 ID:stQ9YTS0o
>>204
ライダー枠が一人だと言ったな。アレは嘘だ。
すみません嘘になりましたごめんなさい。

>>205
早速SSWikiの方更新してきました。
それから、アイテムの元ネタとかも追記してあります。
アドバイスありがとうございました。

それでは、マヨナカテレビ編エピローグ投下します。
今回は短いです。
207 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:27:36.52 ID:stQ9YTS0o
【ダンブルドアの家】

 ――ブゥン!

なのは「きゃっ!」

 ――ドサァ!

すずか「い、いたた……」

アリサ「戻って、来れたみたいね……」

ダンブルドア「うむ、よくぞ戻ったのう」

なのは「ダンブルドアさん!」

ダンブルドア「皆、それぞれ得た物があったようじゃな。良い顔をしておるわい」

アリサ「……はい!」



……

ダンブルドア「さて、君たちは立派に試練を乗り越え、闇に対抗するための心の力を得た」

ダンブルドア「すずか君の力も時期目覚めることじゃろう」

すずか「……はい」

ダンブルドア「じゃが、力とは意識して自覚し、コントロールするものじゃ」

ダンブルドア「君らが使い方を誤れば、闇はその隙に付け込んでくることじゃろう」

ダンブルドア「ゆめゆめ忘れてはならんぞ?」

なのは「わかりました」
208 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:28:36.73 ID:stQ9YTS0o
ダンブルドア「では、これはわしからの餞別じゃ」

 ダンブルドアが杖を振ると、アリサとすずかの目の前に水晶が現れた。
 アリサの水晶は燃えるように鮮やかなオレンジ。
 すずかの水晶は若葉のように明るい緑だ。

アリサ「わぁ!」

すずか「綺麗……!」

ダンブルドア「それは魔法の源。君たち二人の魔法の力を開花させる魔石じゃ」

アリサ「! 私たちにも魔法が使えるんですか!?」

ダンブルドア「うむ。目を閉じて、自分の魔法を強くイメージしてみるのじゃ」

アリサ「イメージ……」

 目を閉じて神経を魔石に集中させる。

アリサ(イメージしろ、イメージしろ、イメージしろ……!)

209 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:36:31.22 ID:stQ9YTS0o
 ――……ゴオォォォッ!!

 燃え盛る炎がアリサの脳裏に浮かび上がる。

アリサ「ッ! 燃えろ!」

 ――ボッ

 炎の弾丸がアリサの手から勢い良く放たれる。
 しかし、出てきた火球はピンポン玉ほどの大きさだった。

アリサ(しょ、ショボ――!!)

なのは「す、すごいね、アリサちゃん……」

アリサ(そう思うならこっち見なさいよ! おもいっきり目逸らしてるじゃない!?)

なのは「す、すずかちゃんはどう?」

アリサ(分かりやすい方向転換……)

すずか「………」

アリサ「すずか?」

すずか「……ごめん、ダメみたい」

ダンブルドア「なに、誰でもすぐに使えるというものではない。気長にやってみることじゃ」

すずか「……はい」
210 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:38:12.90 ID:stQ9YTS0o



――GET!――
『炎の力』
炎の弾丸を打ち出す魔法「ファイア」が使えるようになります。
複数取得することで、技の威力が上昇します。



ダンブルドア「さて、ワシが今出来るのはこれくらいじゃ」

なのは「本当に、いろいろありがとうございました」

ダンブルドア「何かあったらいつでも来るといい。わしに出来ることなら力になろう」

なのは「はい!」
211 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:42:33.44 ID:stQ9YTS0o
【闇の書の精神世界】

はやて「……嘘……海鳴が、世界が……」

闇の書「すべて真実です。残酷ですが」

はやて「……それで、私らは今どういう状況なん?」

闇の書「闇の世界を漂っています。貴女の心と体を、私の中に隠して」

はやて「隠す?」

闇の書「主、貴女の心は特別なものです」

闇の書「世界にとっても、私にとっても。そして、私の中の守護騎士達にとっても」

闇の書「今は闇の世界を漂っていますが、いつか貴女を狙う闇の軍勢に見つかってしまうでしょう」

闇の書「その時のために、私には既に厳重なロックを掛けてあります」

闇の書「貴女の心が奴らの手に渡ることは、絶対にあり得ません」

はやて「なんやよくわからんけど、私を守ってくれたんやね」

はやて「ありがとう、闇の書」

闇の書「主の御身をお守りするのが、我らの勤めですから……」
212 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:46:59.01 ID:stQ9YTS0o
はやて「………うーん」

闇の書「? どうされました?」

はやて「いや、闇の書は物の名前やろ? 物扱いしてるみたいで、なんか嫌やなぁって」

闇の書「そんな、気にせずとも」

はやて「せや! 新しい名前を考えよ!」

闇の書「ッ……!」

はやて「ん? どないしたん?」

闇の書「……いえ」

闇の書(あの時のことを、覚えていた……?)

はやて「どんな名前がええかなぁ」

【闇の世界】

C.C.「聞こえているか?」

ゼロ『なんだ、C.C. ……目標は見つかったのか?』

C.C.「ああ、お前の望んでいた……」

 C.C.の片腕には、鎖が巻きつけられた闇の書が抱えられていた。

C.C.「6人目のプリンセスだ」
213 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:49:47.84 ID:stQ9YTS0o
【闇の書の精神世界】

闇の書「!」

はやて「闇の書?」

闇の書「早くも闇の軍勢に見つかってしまったようです」

はやて「なんやて!?」

闇の書「あちらも貴女を手に入れるため必至なのでしょう」

はやて「なんで、その人たちは私の心を欲しがってるん?」

闇の書「……それは」

闇の書「貴女が『キングダムハーツ』への鍵――『セブンプリンセス』の一人だからです」

はやて「キングダムハーツ……? それに、セブンプリンセスって……?」

闇の書「今は時間がないので詳しくは説明出来ませんが、貴女が世界の命運を握っていると考えて下さい」

はやて「な、なんか責任重大やなぁ……」

闇の書「だからこそ、貴女の心は封印しなければならないのです」

はやて「……うん、わかった。私はどうすればええのん?」

闇の書「眠っているだけで構いません」

闇の書「眠りにつくことで、貴女の心を外界と完全に切り離すことができます」
214 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:50:37.49 ID:stQ9YTS0o
はやて「ってことは……またしばらく話せなくなるんやね……」

闇の書「……ええ」

はやて「せっかくこうやって会えたのに、残念やなぁ……」

闇の書「申し訳ありません、主」

はやて「うんうん、謝ることなんてあらへん」

はやて「……せや! なら約束せぇへん?」

闇の書「約束?」

はやて「せや。内容はぁ……『次会うまでに闇の書の新しい名前を決める』、これでどうや?」

闇の書「……分かりました」

 お互いに笑い合い、小指と小指を絡め合う。
 二人の心を強く結びつけるように。

はやて「指切りげんまん嘘ついたらハリセンボンのーます」

闇の書「ふふ、約束を守るにも罰を受けるにも、私と貴女はまた出会わなければなりませんね」

はやて「ホンマやね。ふふふ」
215 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:53:51.77 ID:stQ9YTS0o


……

はやて「ほな……一緒にいるのにさよならは変やな」

はやて「おやすみ、闇の書」

はやて「次会うときは、あの子らも一緒にご飯、食べような?」

闇の書「ええ、騎士たちも私も、心より楽しみにしています」

はやて「それに……めっちゃええ名前……つけて……」

闇の書「はい……そちらも、楽しみにしています……」

闇の書「三つの心が開放されたその時、またお会い致しましょう」

はやて(みっ、つの……ここ…ろ………?)

闇の書「おやすみなさいませ、我が愛しき主。良い夢を」

 ……ガチャリ……

 施錠の音と共に、二人の意識は闇に沈んだ。
216 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:54:52.70 ID:stQ9YTS0o


 
 
 
 ――Where they wait for her...
 
 
 
 (ただ彼女を待つ――)




217 : ◆KOkIHULzos [saga]:2012/12/09(日) 23:57:36.77 ID:stQ9YTS0o
以上です。

闇の書の会話は、今後重要なファクターになってきます。
今はこれ以上は言えないですけれどね。

次回はハートキャッチプリキュア編です。
すずか強化回でもあります。
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:02:40.22 ID:LSQbbArAO
随分前に打ち切られたと思ったら再開してたのか

唯とエステルの絡みが何だか好きだっただけにオミットされてしまったのは残念
かなみやゆのっちも好きだけど
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:13:39.82 ID:P4w0LVFJ0
乙。
>>206
仮面ライダー粋が一つじゃなくなった……だと……

そうなると、フォーゼやウィザードの参戦を期待したいところだが、やっぱりこの手の作品に一番合いそうなのが、通りすがりの世界の破壊者なんだよな。
僕が参戦希望作品にゴーカイジャーを推したのも、過去スレの他の人が書いたあのパートに影響されたのもあるし。
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 00:14:08.29 ID:+0tMGUqAo

4つの心じゃないのか、ふぅむ。

ストライクウィッチーズとクイーンズブレイドの参戦希望してみる。
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 07:23:27.29 ID:FiGeqhGb0
しゅごキャラとかも出して欲しい
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/06(水) 23:36:33.19 ID:YmuxcpO50
そろそろ2ヶ月ですよー。
続きはまだですかー。
せめて生存報告だけでも…
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