らき☆すたSSスレ 〜そろそろ二期の噂はでないのかね〜

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92 :こなたの旅 6/5 [saga sage]:2013/03/27(水) 19:52:43.11 ID:2BcYWkhw0
 かえでさんはつかさに嫉妬していた。いや、ライバルだと思っている。これは逆に言うとつかさを対等の立場と認めているって事。
まさかあのつかさがね〜
かがみもそれを幼い頃から知っていたからこそ学生時代は優等生でいなければならなかった……今になってそれが分かった……

 それにしても何故急にかえでさんは取材を受け入れたのだろう。つかさに対抗して……いや、そんな感じではなかった。あやのの言うように心境の変化なのだろうか。
結婚すると考え方も変わるって聞くけど……考えてもしょうがないか。
まぁいいや、さてと仕事、仕事っと……

 今日は私が最終退出者となった。いつものようにチェックシートに記入していた。
こなた「ガスの元栓OK、戸締りOK……っと」
最後に従業員用出入り口の扉を閉めて……
『ガチャ!!』
鍵の閉まる音、そしてノブを回して開かないのを確認。
これでやっと帰れる。
外は人通りも少なく夜も更けている。今日はちょっと遅かったな。
自分の車が停めてある駐車場に向かった。

 自分の車のドアを開けようとした時だった。
こなた「ん?」
駐車場に停めてある向かい側の車の陰から何かが出てくるのが見えた。街灯と街灯の間で暗くて見えない。小さい……犬?
いや野良犬は最近見ていない。狸かな……私は車の陰に隠れて小さな物を目で追った。
小さい物は駐車場の出口に動いたそして街灯の光が小さい物を照らし出す……
あれは……狐……そう狐だ間違いない。こんな町に狐……狸なら何度も見た事はある。だけど狐なんて……ま、まさかお稲荷さん……
狐は辺りをきょろきょろ見回して警戒している様にみえる。私は車に乗るのを止めてゆっくり音を立てないように移動した。

 お稲荷さんは柊四姉妹の夫になった四人を除いて全て故郷の星に帰った。そしてその残った者も全て人間になったはず。
つまり狐になれるお稲荷さんはこの地球には居ない。それじゃあそこに居る狐は何者。野生の狐が迷い込んだのか。いや。
引越しする前の町ならそれは在り得た。だけど此処はまがりなりにも都市郊外……だよね?
狐はゆっくり駐車場を出た。私もゆっくりその後を追った。狐は私の来た道を戻っていく……どこに行くつもりだろう。そして暫く付いて行くと狐は立ち止まった。
私は透かさず電信柱の陰に隠れた。狐は振り向いて私の隠れている電子柱の方を向いた。しまった、バレてしまったか?
狐は私の隠れている電信柱をじっと見ている。どうしよう。このまま駐車場に戻るか。
まてよ、もしあの狐が野生なら私が出て行けば逃げる。もしお稲荷さんなら何か別の反応をするかもしれない。私は電信柱の陰から出た。
こなた「や、やぁ」
狐は私と目が合うと後ろを向いて走り出した。
こなた「待って、お、お稲荷さんなんでしょ?」
狐は一瞬立ち止まったかと思うと直ぐに駆け出し暗闇に消えて行った。
この反応は……私の声に答えようとして止まったとも思えるし、声に驚いて止まったとも思える……微妙だ。暗くてよく見えなかったけどただの野犬なのかもしれないな……
こんな所で時間を食ってしまった。早く駐車場に戻るか……あれ、此処は……

 気付くと私はつかさの店『洋菓子店つかさ』の目の前に立っていた……これって
偶然なのかそれとも……地球に残った五人目のお稲荷さん……
久しぶりに昔の興奮が蘇ってきた。

『こなたの旅』


つづく
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