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小鳥「Case:01 天海春香」 -
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1 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:05:01.64 ID:vd3h43+K0
こんにちは、天海春香です!
17歳、高校2年生。アイドルをやってます!
最近はお仕事をたくさんもらえるようになって、毎日学校とアイドルで大忙しです。
少しだけ大変だけど、自分で決めたことだから。
応援してくれるファンのみんなも……
これからファンになってくれるかもしれない、もっともっとたくさんの人たちも。
み〜んな笑顔にするのが私の夢です!
今日もお仕事頑張ります!
ガチャ
春香「おはようございます!」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1379689501
1.5 :
荒巻@管理人★
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■ 萌竜会 ■ @ 2024/10/31(木) 07:19:40.03 ID:18EBmG5ho
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■ 萌竜会 ■ @ 2024/10/31(木) 07:18:42.26 ID:gHVs3V2Bo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1730326721/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/10/31(木) 07:17:43.58 ID:CUG0Xd8uo
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■ 萌竜会 ■ @ 2024/10/31(木) 07:15:09.21 ID:LauNR6Z4o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1730326508/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/10/31(木) 07:10:16.33 ID:18EBmG5ho
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1730326215/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/10/31(木) 07:09:17.30 ID:gHVs3V2Bo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1730326156/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/10/31(木) 07:08:26.26 ID:CUG0Xd8uo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1730326105/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/10/31(木) 07:07:33.02 ID:+TTLda6Oo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1730326052/
2 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:07:09.86 ID:vd3h43+K0
── 765プロ事務所 ──
ズルッ
春香「ぉわっ……とっととと……!」
P「おっと」
ガシッ
春香「ふわっ!?」
P「大丈夫か?」
春香「プロデューサーさん……」
春香「あ、ありがとうございます! おかげで転ばずに済みました」
P「間に合ってよかったよ」
春香「はい!」
P「……」
春香「……///」
P「そろそろ離れてもらえるか?」
バッ
春香「わ、私ったら、ごめんなさい!」
P「いや、怪我だけは気をつけてくれよ」
春香「はい、気をつけます」
この人は、私のプロデューサーさん……。
あ! 私のって、別にそういう意味じゃないですよ!?
3 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:09:49.43 ID:vd3h43+K0
歌もダンスもまるでダメだった私を、アイドルとしてここまで育ててくれた人。
誠実で、とても優秀なアイドルプロデューサーです。
上手く言葉にはできないけど……。
信頼とか尊敬とか、彼に対する想いはたぶんそういうものだと思う。
うん、それ以上の気持ちなんて……。
P「今日は忙しいから、覚悟しておいてくれよ?」
春香「覚悟ですか?」ゴクッ
P「まず、朝からプロモーションの撮影。終わったらすぐに雑誌のインタビュー」
P「午後はテレビ局で生放送のスポット出演と、歌番組の収録だ」
春香「うわっ、ほんとに忙しいですね」
P「それだけアイドル天海春香に勢いがあるってことだ。頼むぞ」
春香「はい、任せてください!」
P「良い返事だ。今日は一日俺も一緒だから」
春香「は、はい」
プロデューサーさんと一緒かぁ。
一日一緒にいられるなんて、いつ以来だろ?
えへへ、嬉しいな♪
4 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:11:23.94 ID:vd3h43+K0
── プロモーション撮影終了後 ──
春香「ど、どうでしたか?」
P「ぶっちゃけていいか?」
春香「は、はい……」ゴクッ
P「今度こそシングル1位を狙える」
春香「ほんとですか!?」
P「ああ、今までで最高の出来だ」
春香「ありがとうございます!」
P「喜ぶのは1位を獲ってからだけどな」
春香「もちろんです! 発売まであと1ヶ月、もっと頑張らないと!」
P「ははっ、頼もしいな」
春香「それで、あの……」
P「ん?」
春香「もし1位になれたら……」
P「なれたら?」
春香「……」
P「……」
春香「や、やっぱりなんでもないです!」
P「そうか」
春香「はい……」
P「……春香は頑張ってるからな」
春香「え?」
P「俺のできることなら、なんでもしてやるさ」
春香「あ……ありがとうございます///」
5 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:13:41.40 ID:vd3h43+K0
── 雑誌インタビュー ──
記者「今回のシングルの手応えは?」
春香「今までになく感じています」
春香「ファンの皆さんや事務所の仲間、たくさんの人たちに支えられて、やっとここまで来て……」
春香「ほんの少しだけど、恩返しができるかなって……思います」
記者「なるほど。天海さんの代表作になりそう?」
春香「そうなってくれれば嬉しいです」
記者「では最後に。天海さんにとってアイドルとは?」
春香「こうありたいという理想はあります。けど……」
春香「今はまだ、とても遠いところにあって言葉にできません」
春香「それはきっと……自分の夢を叶えることと同じ場所にあると思っています」
春香「だから、これからも応援よろしくお願いします!」
記者「ありがとうございました」
春香「ありがとうございました! またよろしくお願いします!」ペコッ
6 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:17:48.61 ID:vd3h43+K0
うぅ……インタビューはいつまで経っても緊張するなぁ。
ちゃんとできたかな? 自分じゃ頑張ったと思うけど……。
P「文句なしだ。安心して見ていられたよ」
春香「そうですか? あはは……」
P「春香はよくやってるよ」
春香「そ、それほどでも……」
P「いやいや、最初の頃なんてそれはもう……」
春香「わー! そんなこと思い出させないでください!」
P「ははは、昔の話だろ?」
春香「昔なんていうほど前じゃないですよ、もう……」
P「それだけ成長してるってことだ。自信を持っていい」
春香「あ……はい!」
えへへ……よしっ!
7 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:19:40.10 ID:vd3h43+K0
── 生放送出演後 楽屋 ──
コンコン
P「いま大丈夫か?」
春香「は〜い、どうぞ!」
ガチャ
P「悪いな、すぐに次の収録だ。30分も休めない」
春香「へっちゃらですよ。体力だけは自信がありますから」
P「そう言ってもらえると助かるよ」
春香「私より、プロデューサーさんが倒れるんじゃないか心配ですよ」
P「高校生から見たら、俺なんかおっさんか。ははっ」
春香「えぇっ!? そんな意味で言ったんじゃなくて!」
P「わかってるよ。心配してくれてありがとな」
春香「いえ……」
世間一般で言ったら、小さいとは言えない年齢差はある。
プロデューサーさんは社会人で大人、私は高校生。
たぶん、子供……。
8 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:21:07.06 ID:vd3h43+K0
春香「プロデューサーさんは……」
P「ん?」
春香「やっぱりその……あずささんみたいな大人の女性のほうが……」
P「なんだ唐突に?」
春香「あ、あはは! なに言ってるんでしょうね、私」
P「あずささんか……俺から見てもたしかに理想的な女性だな」
春香「えっ、あ……ですよね、やっぱり」
P「でも……」
春香「?」
P「うちで一番可愛いと思うのは春香だな」
春香「ヴぁい!?」
P「みんなには内緒な?」
春香「は……はは、はい///」
9 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:22:42.12 ID:vd3h43+K0
コンコン
スタッフ「天海さーん! そろそろスタンバイお願いしまーす!」
春香「あ……」
P「ん、もう時間だな」
春香「……はーい! 今いきまーす!」
やだ……今どこにも行きたくないなんて思っちゃった……。
いけないいけない、大切なお仕事なのに。
気持ちを切り替えないと!
春香「いってきます!」
P「おう、頼むぞ!」
プロデューサーさんの声に背中を押されても……やっぱりダメだ。
どうしちゃったんだろ、私……。
10 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:24:50.65 ID:vd3h43+K0
── 歌番組収録中 ──
春香「〜〜♪」
ステージに立てば、私はアイドルになれる。
さっきのはちょっとした気の迷い……。
ステージの上なら、どんな雑音も心に届かない。
春香「〜♪」
大丈夫、いつも以上に声は出てる。
体もいつもより動く。
春香「〜〜〜♪」
私の声を、もっとたくさんの人に届けたい。
みんな笑顔になってもらいたい。
もっと、みんなの笑顔が見たい。
春香「〜♪」
なのに、どうして?
観客席にはいっぱいファンがいるのに……みんなの顔が見えない?
今日は忙しかったから、疲れてるのかな……。
うん、きっとそうだよね。
11 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:26:51.85 ID:vd3h43+K0
── 収録後 通用口 ──
P「今日はほんとにお疲れさま」
春香「あはは……さすがに疲れました」
P「今日頑張ったことが、必ず結果につながるさ」
春香「そうですよね!」
ヒュ〜…
春香「うぁ! 風が冷たい!」
P「この時間だと、もうずいぶん涼しいな」
春香「すっかり秋ですね〜」
P「中で待っててくれ。こっちまで車を回してくるよ」
春香「一緒に歩きます。そんな寂しいこと言わないでください」
P「春香の体調管理のほうが大切だ」
春香「ご心配なく! 元気と丈夫が取り柄ですから!」
P「……」
春香「……」
P「わかったよ、一緒に行こう」
春香「はい!」
P「おっと、事務所に報告しないとな。ちょっといいか?」
春香「あ、どうぞどうぞ」
12 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:28:45.11 ID:vd3h43+K0
P「もしもし、律子か? …………うん、いま局を出るところだ」
P「少し遅くなるから、先に帰ってていいぞ」
春香「?」
P「おう、お疲れさま」
ピッ
春香「遅くなるって、どこか寄るんですか?」
P「ああ、一緒に飯でも食いに行こう」
春香「え? お夕飯ですか?」
P「時間もちょうどいいしな。春香さえよければ」
春香「え……あ……」
P「どうだ?」
春香「私でよかったら……///」
P「じゃあ、早速行こうか」
春香「はい……///」
13 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:30:53.71 ID:vd3h43+K0
やっぱり、私……。
うん、わかってた。自分の気持ちだから。
私は……プロデューサーさんが好き。
これ以上、自分をごまかせない。
春香「……///」
P「寒くないか?」
春香「だ、大丈夫です! むしろ暑いぐらいです!」
P「お、おう?」
ガサッ
P「ん?」
春香「どうしました?」
P「なにか物音が……いや、気のせいかな」
春香「? それより、早く行きましょう!」
P「やけに張り切ってるな」
春香「そうですか〜?」
だって、プロデューサーさんと二人っきりでお食事ですよ。
えへへ、嬉しいに決まってます!
14 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:32:46.26 ID:vd3h43+K0
お夕飯……というか、ディナーといったほうがいいのかな?
すごくお洒落なお店で、地中海のほうの料理ってことだったけど……あはは、よくわからないです。
あ、もちろんお料理は美味しかったですよ!
ずっとドキドキしっぱなしだったけど……。
── 社用車 車内 ──
今はお店を出て、駅に向かう車の中。
二人とも、いつもより言葉少な。
春香「あの……ごちそうさまでした」
P「どういたしまして」
春香「素敵なお店でしたね」
P「いざってときのために調べておいたのが役に立ったよ」
春香「いざってときって……あはは、相手が私じゃ」
P「いや、春香と一緒に行けてよかったよ」
春香「わたっ……私と一緒で、ですか?」
P「ああ、ありがとな」
春香「い、いえ! こちらこそ……///」
気づいてませんよね? 私の気持ち……。
気づいていたら、きっと受け入れてくれない……。
私がアイドルで、あなたはプロデューサーだから……。
15 :
以下、新鯖からお送りいたします
:2013/09/21(土) 00:34:32.10 ID:vd3h43+K0
P「お、あの駅だな」
春香「え……あ、はい」
もう駅前……着いちゃった。
もっと一緒にいたいなんて……言っちゃダメだよね。
春香「送ってもらってありがとうございました」
P「いや、お安い御用だよ」
春香「あの、それじゃ……」
P「うん……」
好きなんて……言っちゃいけない。
気づかれてもいけない。
いつもみたいに、笑顔でお疲れさまでしたって……。
春香「……」ポロポロ
P「春香?」
春香「あれ? やだ……どうしちゃったんだろ、私……」ポロポロ
P「……」
春香「なんで……ひぐっ、泣いて……」ポロポロ
なんで泣くのよ、私のバカ……。
車から出るまでぐらい、我慢できたはずなのに……。
16 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:36:32.04 ID:vd3h43+K0
P「春香」
春香「え……?」
グイッ
春香「あ……」
私、プロデューサーさんに抱きしめられてる……。
嘘みたい……こんなの……。
春香「プロデューサーさん……?」
P「待っていてくれるか?」
春香「え?」
P「今はまだ……これ以上は言えない」
春香「……」
P「でも、待っていて欲しい」
なにを?
ううん、言葉なんかなくても……伝わってくる。
私も同じ気持ちだから。
17 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:37:45.46 ID:vd3h43+K0
春香「うん……!」
P「……」
春香「待ってます!」
P「ああ」
春香「えへへ……でも、あんまり待たせちゃイヤですよ?」
P「わかってる」
春香「約束です」
P「ああ、約束だ」
春香「あと……もう少しだけこのままで……」
P「そうだな……」
ギュッ
言葉にするのはそのときまでお預けだけど。
大好きです……。
18 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:40:14.09 ID:vd3h43+K0
── 数日後 ──
叶わないことだと、ずっと思ってたのに……。
プロデューサーさんと私、同じ想いで繋がってる。
たぶんだけどね、へへっ。
今日のお仕事は午後からだけど、少し早く出てきちゃった。
あれから……お仕事も学校も、毎日がすごく楽しい♪
春香「♪」
シングルが1位になったら、なにをお願いしようかな?
ちょっとだけわがままを言っても、いいですよね?
── 765プロ事務所 ──
ガチャ
春香「おはようございます♪」
真美「あ、はるるん……」
春香「真美? どうしたの?」
真美「う、うん……」
真美だけじゃない。律子さんも千早ちゃんも……他のみんなも様子がおかしい。
なにこれ? 私の知ってる事務所じゃないみたい。
それに……プロデューサーさんはどこ?
19 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:41:57.38 ID:vd3h43+K0
春香「あの……プロデューサーさんは?」
律子「プロデューサー殿は……あの人はもうここには来ないわ」
春香「え?」
高木「残念だが辞表を出してもらった。彼はもうプロデューサーじゃないよ」
なに言ってるんですか、社長?
あ、わかった! ドッキリですよね、これ。
プロデューサーさん、どこに隠れてるんですか?
律子「春香……あなたにも関わりのあることよ」
春香「私に?」
もう、律子さんまでそんな深刻そうなフリして。
わ、私は騙されませんよ?
律子「これを見て。今日発売された週刊誌よ」
春香「これって……」
律子「ええ、うちも散々お世話になってる、くだらないゴシップ誌」
春香「なんでこんなもの……」
律子「このページよ」
20 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:44:05.93 ID:vd3h43+K0
私の写真と……名前?
『天海春香、担当プロデューサーとの熱愛発覚!!』
……え?
これ、あの日の……。
テレビ局を出たところと、二人で食事中の……。
それから、車の中で私とプロデューサーさんが抱き合ってる……写真。
律子「やられたわ……!」ギリッ
春香「ま……待ってください!」
高木「ん?」
春香「この写真は……事実だけど、私たちはなにも!」
高木「もちろん彼からも事情は聞いたよ。おそらく嘘は言っていないだろう」
春香「そうです! プロデューサーさんは、そんな……」
高木「だとしてもだ。これを撮られたら、こちらの負けだよ」
律子「あの人がアイドルプロデューサーを続けるのは……もう無理よ」
春香「そんな……」
高木「辛いだろうが、彼自身が決めたことだ」
律子「最後に、春香のことをよろしく頼むって……私に……」
21 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:46:06.48 ID:vd3h43+K0
春香「私の、こと……」
美希「ふざけないで!」
春香「!?」
美希「春香を頼むってなに!? 春香のせいでハニーはいなくなったんだよ!?」
春香「美希……」
美希「ミキにハニーを返してよ! ねえ!」
春香「そんなこと、私に……」
美希「春香がハニーをたぶらかしたんでしょ!?」
春香「ちがっ……!」
美希「そんなことするなら、春香がアイドルをやめちゃえばよかったのに!」
春香「!」
律子「やめなさい、美希!」
美希「……っ!」
タタタッ…
真「美希! くそっ……!」
タタタッ…
春香「美希……真……」
高木「運が悪かったとしか言えない。だが……」
律子「アイドルを続けるなら、受け入れるしかないわ……春香」
春香「……」
22 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:47:36.24 ID:vd3h43+K0
高木「来月の予定だった新譜も……残念だが発売を見合わせるしかない」
春香「そんな……!」
プロデューサーさんと約束した、大切なシングルなのに。
なにも残らないんですか?
プロデューサーさんも、二人の約束も……。
それほどのことを……してしまった?
高木「今日はもう帰って休むといい。今後の活動に関しては、落ち着いてからまた話そう」
春香「はい……わかりました……」
ザワザワ…
亜美「りっちゃん! 外にマスコミがいっぱい……!」
律子「早速お出ましね……」
23 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:50:01.36 ID:vd3h43+K0
千早「……」
春香「あ……」
千早ちゃん……。
私……。
千早「春香が悪いわけじゃない。それはわかってるわ」
春香「……」
千早「でも……いいえ、ごめんなさい」
春香「え……?」
千早「今は春香と……話したくない」
春香「千早ちゃん……」
千早「……」
春香「……」
私がここにいたら、迷惑にしかならないんだ……。
帰ろう……。
24 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:52:01.16 ID:vd3h43+K0
取材に押しかけた記者たちから発せられる、異口同音の追求。
社長と律子さんが、必死に対応に追われてる。
内容は聞き取れなかったけど、遠巻きの人込みからは罵声も……。
そこからどうやって抜け出して電車に乗ったのか……全然覚えてない。
変装はしてるけど……下を向いて、きっとひどい顔で。
なのもしなくても、今の私なんて誰も天海春香だとは気づかない……。
── 電車内 ──
プロデューサーさん、どうして私になにも言わないで……。
そうだ、電話で……!
ピッ『おかけになった電話番号は、現在……』
春香「え……」
うそ……?
もう話すことも……声を聞くこともできないの?
ううん! 違いますよね?
だって、待っててくれって……待ってるって、約束したじゃないですか。
嘘だったんですか?
ねえ、プロデューサーさん!
応えて……応えてください……。
25 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:53:32.08 ID:vd3h43+K0
春香「やだよ……もう、こんなの……」
少女「お姉ちゃん、どうしたの?」
春香「?」
女の子……小学校の低学年くらいの。
じーっと、私の顔を覗き込んでる。
少女「お姉ちゃん、アイドルの春香ちゃん?」
春香「え……あの……」
少女「私ね、春香ちゃんのファンなんだ!」
春香「そ、そうなんだ。応援してくれてありがとう……」
少女「いつもニコニコ優しく笑ってる春香ちゃんが大好きだよ!」
春香「笑って……」
少女「でも、今の春香ちゃんは嫌い」
春香「嫌い……?」
少女「そんな顔してる春香ちゃん、見たくない……」
春香「あ……」
26 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:55:40.39 ID:vd3h43+K0
この子と私、今たぶん同じ顔してる……。
胸が痛い……。
そんな顔しないで。
私を見ないで、お願いだから……。
私はただ、みんなの笑顔が見たかっただけなのに……。
春香「やめて……」
少女「嫌い……」
春香「イヤ……」
少女「春香ちゃんなんか嫌い!」
春香「イヤァァァァ……!!」
───
──
─
27 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 00:57:40.16 ID:vd3h43+K0
今日はここまで
残りは近日中に投下します
たぶん次で最後まで行きます
では
28 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/21(土) 01:10:51.94 ID:9Cv5RQXUo
乙
29 :
以下、新鯖からお送りいたします
[sage]:2013/09/21(土) 01:35:34.52 ID:Cz0pfS0xo
スレタイが小鳥の意味あんの?
30 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/21(土) 01:50:57.33 ID:vd3h43+K0
もちろんあるよ
まだ半分ぐらいだし
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/09/22(日) 18:48:03.51 ID:+U7bnFWno
アイマスのスキャンダラスな話は面白い
32 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:13:24.91 ID:c+RXu1wI0
では再開
最後まで投下します
33 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:15:27.70 ID:c+RXu1wI0
── Case:02 如月千早 ──
如月千早、16歳です。
高校2年生ですが、アイドルをやっています。
アイドルなんてただの手段。歌さえ歌えればいい。
ずっとそう思っていました。
今は……たぶん違います。
私には歌しかないけど、私は独りじゃないってことを……
みんなが教えてくれたから。
そうですよね、プロデューサー……。
34 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:17:11.20 ID:c+RXu1wI0
── 765プロ事務所 ──
春香「おはようございます! ……ぉわっ……とっととと……!」
P「おっと。……大丈夫か?」
春香ったら、またなにもないところで転びそうになって。
プロデューサーが近くにいたからよかったけど……。
P「そろそろ離れてもらえるか?」
春香「わ、私ったら、ごめんなさい!」
別に故意じゃないのはわかってる。
でも……。
千早「……」
こんな気持ち、言葉にしたくない。
春香は大切な親友なのに、私はなにを……。
春香「あ! 千早ちゃん、おはよー!」
千早「おはよう、春香」
35 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:19:19.44 ID:c+RXu1wI0
春香「今日は一日プロデューサーさんが一緒だって♪」
千早「そ、そう。よかったわね」
春香「うん!」
春香は、ほんとにわかりやすい。
私みたいに人を見る目がない人間に対しても、プロデューサーへの好意を隠せていない。
これでバレていないと思ってるんだもの……話を合わせるのに苦労するわ。
P「千早、ちょっといいか」
千早「あ……はい」
春香「じゃ、またあとでね」
千早「ええ」
P「話してるところ悪いな」
千早「いえ、なんでしょうか?」
P「来月、春香のシングルが発売されるのは聞いてるな?」
千早「はい、本人から」
P「その次は千早のシングルの予定だ」
千早「私のシングル……ですか?」
P「ああ、具体的に動き出すのは、来週からになるけどな」
千早「あ……はい、わかりました!」
36 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:21:36.37 ID:c+RXu1wI0
P「ははっ、嬉しそうだな」
千早「い、いえ、そんな……」
P「朗報なんだから、それでいいんだよ」
千早「そうですね……」
P「でな、今の千早の実績なら、こちらの要望を通せると思う」
千早「要望?」
P「そうだ。今回のシングルで、セルフプロデュースに挑戦してみないか?」
千早「セルフプロデュース……私が?」
P「もちろんプロモーション関連は、今までどおり俺がやる」
P「曲の方を千早に任せたい」
千早「私に……できるでしょうか?」
P「できるかどうかじゃない。歌手として一段階上を目指すなら、今やるべきだ」
千早「わかりました。自信はありませんが、やってみます」
P「ん、頼むぞ」
千早「はい、こちらこそよろしくお願いします」
P「今日はレッスンだったな」
千早「はい」
P「入れ込みすぎるなよ」
千早「言われなくてもわかってます!」
P「ははは、千早なら心配いらないか」
千早「もう……。ふふっ」
37 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:23:19.68 ID:c+RXu1wI0
千早「あ、ひとついいでしょうか?」
P「なんだ?」
千早「春香の新譜……聴かせてもらうことはできますか?」
P「ああ、ほんとはよくないんだが……用意するからちょっと待ってくれ」
千早「ありがとうございます」
P「発売前のものだから、注意はしてくれよ?」
千早「わかってます」
今まで他人の歌には興味なんてなかったのに。
春香の歌が……なぜだかすごく気になる。
興味を持つのは良いこと……なのかしら?
聴いてみれば、それがわかるような気がする。
春香が、私に無いものを持っているのは確かだから。
私にしか無いものだって、あるはずだけど……。
千早「セルフプロデュースか……」
私が、私の歌を……。
出来るかどうかなんて、わからない。不安だって少なくない。
でも……心が踊る。これがワクワクするっていうこと?
うん、頑張ってみよう!
38 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:25:23.04 ID:c+RXu1wI0
── レッスン中 ──
千早「〜〜〜♪」
今日は歌のレッスン。
最初の頃は、歌以外のことはやりたくないなんて駄々をこねてたけど……。
最近はむしろ、歌のレッスンこそただの確認作業になってる。
千早「〜♪」
アイドルの仕事は……楽しい。
今では心からそう思える。
歌以外は不要なものと決め付けていた、かつての自分。
そんな自分の世界の狭小さを思い知らされるのは、今でも少しだけ怖い。
でも、心を開けば世界は広がっていく……。
千早「〜〜♪」
それを教えてくれたのは、春香たちみんな。
……あなた。
千早「〜〜〜〜〜♪」
私には歌しかない。それは今でも変わらない。
歌でしかこの想いを伝えられないから。
みんなに。
あなたに。
39 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:27:05.47 ID:c+RXu1wI0
千早「ふぅ……」
トレ「如月さん、なにかあった?」
千早「え?」
トレ「最近はレッスンにはあまり身が入ってなかったようだけど」
千早「……」
トレ「今日は……上手く言えないけど、少し圧倒されたわ」
千早「自分では、わかりません……」
うそ。ほんとはわかってる。
現金な自分を認めたくないだけ。
トレ「そう……。いつもこうだと、私も張り合いがあるんだけどね」
千早「気をつけます……」
トレ「責めてるわけじゃないから、そんなにかしこまらないで」
千早「はい、ありがとうございます」
歌は嘘をつけない。
臆病で嘘つきな私には、だから歌が必要なんだ。
40 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:28:52.12 ID:c+RXu1wI0
── レッスン終了後 765プロ事務所 ──
律子「あ……しまった」
千早「どうしたの、律子?」
律子「プロデューサー殿に書類を渡し損ねてた……」
千早「書類?」
律子「企画提案用の資料よ。今日テレビ局で使うって言われてたのに」
千早「私でよければ届けるけど」
律子「いいの?」
千早「今日はもう予定はないし、構わないわ」
律子「助かるわ! ありがとう、千早」
千早「気にしないで」
律子「ちょっと待ってて、今プロデューサー殿に連絡するから」
千早「ええ」
そうだ、春香の新譜。
移動中にでも聞いてみよう。
41 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:31:09.73 ID:c+RXu1wI0
律子「ああもう、繋がらない! 電源切られちゃってる」
千早「それは困ったわね」
律子「ん〜……しょうがないか」ペラッ
千早「?」
律子「はい。いつもの番号で繋がらなかったら、こっちに連絡してみて」
メモ書き……電話番号?
たぶん、知らない番号……。
千早「これは?」
律子「プロデューサー殿の私用の番号」
千早「私用の?」
律子「いちおう、うちの子たちには教えない決まりになってるから、そのつもりでね」
千早「そんなの……いいの?」
律子「千早なら信頼されてるから大丈夫でしょ」
千早「そう……それなら」
信頼されてる? 私が?
そんなこと考えたこともなかった。
他のみんなが……たぶん春香も知らない番号。
私だけが知ってる、プロデューサーの……。
42 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:33:01.82 ID:c+RXu1wI0
── 電車 ──
春香の新譜、聴いてみよう。
ここからまだ30分はかかるから、何度かは聞けるわね。
春香は自信があったみたいだけど……。
少し厳しく意見してみようかしら? ふふっ。
カチッ
『〜♪』
ポップチューンの、明るく軽快なイントロ。
とても春香らしい曲。
『〜〜〜♪』
歌い出し……うん、自然に曲に乗ってる。
ほんとに上手くなったわね。
『〜〜〜♪』
ううん、技巧とかじゃない……のかな。
どう言えばいいのか、上手く言葉が見つからないけど。
歌の中に溶けていくような……私にはない、不思議な感覚。
これが春香……?
43 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:35:17.40 ID:c+RXu1wI0
Cメロ……サビ。
オーソドックスだけど、心が沸き立つような展開。
いい曲……。
春香「〜〜〜〜〜♪」
千早「!」
春香!?
いや、気のせいだ。そんなわけない。
でも、一瞬だけ……春香が目の前で歌っていると、そう感じてしまった。
トレーナーの言ってた圧倒されるって、こういうことなんだろうか。
こんなこと、初めてだ……。
千早「……」
春香の歌には、春香にしか歌えない世界がある。
それはもちろん私だけではなく、他の誰とも優劣をつけられるものじゃない。
そう思っていた……けど。
私は、心のどこかで春香を見下していたのかもしれない。
そう思わないと説明がつけられないから。
この醜い感情に……。
ごめんなさい、春香……。
44 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:37:53.52 ID:c+RXu1wI0
結局一度だけ聴いて、それ以上はリピートできなかった。
また、大切な親友を裏切ってしまうような気がして……。
元より自分を歪な人間だとは思っていたけど……
親友に対する醜い感情を暴かれるのは……耐えられない。
聴かなければよかった……。
── テレビ局 楽屋 ──
守衛さんに『如月千早』と名乗って、用向きを伝える。
すぐに顔見知りのスタッフの方が来て、春香の楽屋に案内してくれた。
プロデューサーは今、局側のディレクターと打ち合わせ中で、すぐには要件を伝えられないそうだ。
先に春香が戻ってくるかもしれない。
そうだった。今日は一日、プロデューサーは春香と一緒にいる。
今更悔やんでも遅いけど、いま春香と顔を合わせるのは辛い……。
ガチャ
春香「ん〜疲れた〜」
千早「?」
たしかに春香の声が聞こえたのに、この部屋には誰も入ってきていない。
たぶん隣の楽屋。私のほうが間違って案内されてしまったんだろう。
ここの楽屋は薄い間仕切りがあるだけだから、小声でなければ隣の声が聞こえる。
45 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:39:53.24 ID:c+RXu1wI0
ここにいてもしょうがないし、隣に……。
でも、いま行ったら春香と二人っきり……。
春香「すぐに次の収録だし、早く着替えないと……」
耳を澄ませているおかげで、衣擦れの音も聞こえてくる。
私が同世代の男子だったら、なんとも悩ましい状況なんだろうけど……。
と、とにかく、着替え終わるまでは待たないと。
春香「よし! これで……うん、バッチリ!」
着替え終わったのかしら?
うん、私のほうももう大丈夫。いつものように振る舞える。
コンコン
P「いま大丈夫か?」
春香「は〜い、どうぞ!」
ん? プロデューサーも来たみたい。
二人の話し声が聞こえてくる。
春香「私より、プロデューサーさんが倒れるんじゃないか心配ですよ」
P「高校生から見たら、俺なんかおっさんか。ははっ」
春香「えぇっ!? そんな意味で言ったんじゃなくて!」
ほんとに鈍感で朴念仁で罪作りな人……。
心配してるのは春香だけじゃないですよ?
46 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:41:40.64 ID:c+RXu1wI0
春香「プロデューサーさんは……やっぱりその、あずささんみたいな大人の女性のほうが……」
P「あずささんか……俺から見てもたしかに理想的な女性だな」
千早「……」
私から見ても、とても素敵な大人の女性。
私にはないものを……くっ。
P「でも……うちで一番可愛いと思うのは春香だな」
春香「ヴぁい!?」
千早「……!」
P「みんなには内緒な?」
春香「は……はは、はい///」
プロデューサーが春香を……?
う、ううん! 別におかしなことじゃない。
同性で同学年の私から見ても、春香はとても素直で朗らかで可愛らしいもの。
可愛げのない私なんかとは……。
でも……。
あなたの口からは、聞きたくなかった……。
47 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:43:12.97 ID:c+RXu1wI0
コンコン
スタッフ「天海さーん! そろそろスタンバイお願いしまーす!」
春香「あ……はーい! 今いきまーす!」
千早「……」
春香「いってきます!」
P「おう、頼むぞ!」
春香……行ったみたい。
あ、そうだ。プロデューサーに書類を届けに来たんだった。
早く渡して……帰ろう。
ガチャ
P「ん? おう、どうしたんだ千早?」
千早「プロデューサー……律子から書類を預かって……」
P「書類? ああ、これか!」
千早「どうぞ……」
P「そういえば受け取るの忘れてたな。助かったよ、千早」
千早「いえ……それと」
P「ん?」
千早「携帯の電源、切れてるみたいですよ」
P「え? うわっマジだ。また律子にどやされるなぁ」
千早「……」
48 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:44:48.92 ID:c+RXu1wI0
P「早めに連絡入れて謝っておくか」
千早「では、私はこれで」
P「ああ、千早」
千早「はい?」
P「なにかあったら遠慮なく言ってくれよ」
なにかあることだけは、すぐに気づいてくれるんですね。
肝心なことは、なにもわかってないくせに……。
千早「別になにも……」
P「そうか?」
千早「プロデューサーこそ……」
P「え?」
千早「なんでもありません。失礼します」
P「お、おう。気をつけて帰れよ」
言われなくてもそうします。
お仕事頑張ってください、春香のプロデューサーさん!
千早「……」
我ながら子供みたいね……。
このまま帰っても気が滅入るだけだし、気分転換にCDでも見に行こう。
49 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:46:16.77 ID:c+RXu1wI0
どれだけ試聴をしても、心に響くような音楽には巡り会えなかった。
ううん、耳に入ってさえこなかった。
春香の新譜が頭から離れないから。
次は私のシングル。セルフプロデュース……。
頭を切り替えるきっかけが欲しかったのに。
想いを伝えるために歌があるのなら……
いま私の歌うそれは、きっと歪で醜いものになってしまう。
こんなことなら、今回の話は断るべきなのかもしれない。
でも……どうすればいいか、自分では決められない。
決めてくれるのは、いつもプロデューサーだ。
千早「……」
やめよう。考えたって答えなんか出ないんだから。
50 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:48:38.68 ID:c+RXu1wI0
── カフェ ──
すっかり遅くなったので、カフェで軽く食事を済ませる。
夕飯としては軽すぎるけど、どうせ食欲なんかないしちょうどいい。
ヒュ〜…
この時間だと、テラスは少し風が冷たい。
頭なんて、とっくに冷えてるのに……。
ブオン…
あら? あの車、うちの事務所の?
あ、プロデューサーと春香が中から……。
通りの向かいにあるレストランに、二人で入ったみたい。
そう、仕事が終わってからも二人で……。
こんなところを目撃するなんて、私もつくづく間が悪いわね……。
千早「!?」
二人に遅れて店に入った男……。
名前は忘れたけど、たしか週刊誌の記者だ。
私も、身に覚えのない中傷記事を書かれたことがある。
ここからでは店内の様子までは伺えないけど……。
もしかして……。
51 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:50:46.13 ID:c+RXu1wI0
向かいの店を伺いながら、テラスに居座り続ける客。
……というのも、傍から見たら不審だとは思うけど。
二人が出てくるのを待っていたら、案の定あの記者もすぐあとに出てきた。
たぶん間違いないだろう。
プロデューサーか春香に連絡して……。
連絡して、この状況をどう説明すればいい?
偶然居合わせただけなのに、まるで私のほうがあとをつけてるみたいじゃない……。
千早「あ……」
自分のほうの会計を済ませている間に、記者の姿は見失ってしまった。
どこかに身を潜めているのかもしれないけど……。
アイドルとプロデューサーが二人で食事をしただけなら、それほど問題にはならない。
あの記者がスキャンダル狙いだとしても、なにもなけれなそれまでのこと。
そう、春香とプロデューサーがそんなこと……。
千早「……」
信じるしかない、二人を。
52 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:52:33.59 ID:c+RXu1wI0
── 数日後 765プロ事務所 ──
現実は残酷だった。
事務所に入ってまず目に飛び込んできたのは、電話対応に追われる律子。
深刻な表情で社長室から出てきた、社長とプロデューサー。
真「千早……これ……」
先に来ていた真から、週刊誌を渡された。
ドクンッ
真っ先に心臓が反応する。
あの記者が記事を書いている写真週刊誌だと、すぐにわかったから。
そこには、私が見かけたあのレストランの二人と……
私が知らない春香とプロデューサーがいた。
P「すべて自分の責任です。どうか春香のことだけは……」
高木「うむ……」
P「律子……春香のことをよろしく頼む」
律子「わかりました……」
理解した。できてしまった。
プロデューサーは、もうこの事務所にはいられない。
53 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:54:43.69 ID:c+RXu1wI0
もし、あのとき私が二人に連絡していたら……結果は変わっていた?
変わったはずだ。少なくと、人目につく場所であんなことは……。
こうなったのは……私のせい?
P「千早……」
千早「プロデューサー……」
P「千早のシングル……もう俺はなにもしてやれないが……」
千早「……」
P「千早自身のために、セルフプロデュースはやり遂げるんだ」
千早「はい……」
P「春香のことを、よろしく頼む……」
千早「あ……」
行ってしまった……。
たぶんもう、ここには戻ってこられない。二度と会うことも出来ない。
なのに……。
最後まで春香のことですか?
あなたは、それほどまでに春香のことを……?
だったら、なぜこうなることが……
最悪の未来を招くかもしれないことが、考えられなかったんですか?
あなたが思いとどまっていれば、こんなことには……。
私は卑怯だ……。あなたを責める資格なんてない。
私だって、未来を変えることができたかもしれないんだから……。
54 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:56:32.98 ID:c+RXu1wI0
ガチャ
春香「おはようございます♪」
春香……。
たぶん、まだなにも知らない……。
春香「あの……プロデューサーさんは?」
律子「プロデューサー殿は……あの人はもうここには来ないわ」
高木「残念だが辞表を出してもらった。彼はもうプロデューサーじゃないよ」
あらためて思い知らされる。
あの人はもう、私のプロデューサーじゃないこと……。
私が歌うどんな歌にも、隣にあの人はいないということを……。
春香「ま……待ってください! この写真は……事実だけど、私たちはなにも!」
高木「もちろん彼からも事情は聞いたよ。おそらく嘘は言っていないだろう」
春香「そうです! プロデューサーさんは、そんな……」
それでも、彼が選んだのは私たちではなく、春香ひとりということ。
裏切られた、見捨てられたという思いしか、私たちには残らない。
美希「そんなことするなら、春香がアイドルをやめちゃえばよかったのに!」
心をえぐる言葉……。
美希は間違っていない。
間違っているのはプロデューサーと春香……そして私。
55 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/22(日) 23:58:36.31 ID:c+RXu1wI0
千早「……」
春香「あ……」
言葉が見つからない。
春香の顔を見るのも辛い。
千早「春香が悪いわけじゃない。それはわかってるわ」
春香「……」
千早「でも……いいえ、ごめんなさい」
春香「え……?」
千早「今は春香と……話したくない」
悪いのは私だと、ありのまま打ち明けることができれば……。
いいえ、綺麗事で自分をごまかしてもしょうがない。
私が悪いなんて、本当は思っていないんだから。
春香「千早ちゃん……」
千早「……」
春香「……」
ごめんなさい、春香……。
私はもう、あなたの親友ではいられないかもしれない。
56 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:00:43.89 ID:n5mT6v910
ずっと、一人で生きていけると思っていた。
歌さえあれば、他になにもなくても……と。
とんだ思い上がりだ。
歌さえあれば? 私には歌しかない?
誰よりも一人ぼっちが怖いくせに……。
プロデューサーがいなければ、私は歌えない。
歌っても意味がない。
私が歌うのは、この想いを伝えるためだから。
千早「プロデューサー……」
懐に入れたままになっていた、小さなメモ書き。
春香でさえ知らない電話番号……。
そういえば、結局一度も掛けなかった。
この番号なら、まだあなたに繋がっている?
57 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:02:12.64 ID:n5mT6v910
── 屋上 ──
千早「……」
『prrrr…prrrr…ピッ』
繋がった。
まだ途切れてはいなかった。
P『もしもし』
千早「あの……」
P『千早か? なぜこの番号を……』
千早「それは……」
P『いや、それはいい。だが、もう二度と掛けてくるんじゃない』
千早「イヤです……」
P『俺はもう、お前たちのプロデューサーじゃない』
千早「イヤです」
P『わかってくれ。俺は、これ以上お前たちに関わっちゃいけない人間なんだ』
千早「それでも私は……!」
P『……』
千早「私は……あなたが隣にいてくれなければ、歌えません……」
P『千早……』
58 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:04:33.05 ID:n5mT6v910
P『俺は、アイドルプロデューサーとして絶対に許されないことをしてしまった』
千早「それほど、春香のことを……?」
P『……』
千早「答えてください」
P『そうだ。だから、千早の気持ちを受け入れることはできない』
千早「構いません」
P『?』
千早「私にそんな資格はないから」
親友を裏切ることより、あなたに見捨てられることが耐えられない。
こんな私には……。
私を愛してくれなくてもいい。
歌を歌うだけの機械だと思ってくれてもいい。
あなたが隣にいて、私の歌を聴いてくれれば……。
千早「春香の代わりでも、なんでもいいんです! だから……!」
P『……』
千早「……」
P『すまない』
やめて……聞きたくない。
お願いだから、それ以上は言わないでください!
59 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:05:53.42 ID:n5mT6v910
P『これで最後にしよう。この電話も番号を変える』
千早「そんな! 待ってください、私は……!」
P『元気で』
プツッ
プロデューサー……私は……。
あなたがいたから……。
あなたがいれば……。
千早「プロデューサー!!」
ツー……ツー……
60 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:07:03.30 ID:n5mT6v910
バンッ!
春香「!?」
千早「!?」
小鳥「妄想(ゆめ)は見れたかよ?」
春香「小鳥さん……?」
千早「ここは……事務所?」
春香「え? なんで千早ちゃんが?」
千早「春香こそ、どうして……?」
小鳥「ふふっ……」
61 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:09:00.92 ID:n5mT6v910
── 765プロ事務所 ──
春香「私は……? なにが……?」
千早「これは……いったい……」
小鳥「ただの……悪い妄想(ゆめ)よ」
春香「ゆめ?」
小鳥「そう、私がみせた妄想(ゆめ)……」
春香「小鳥さんが……みせた?」
千早「……?」
小鳥「ええ、私が2週間前に得た力……邪眼によってね」
春香「邪眼!?」
千早「は?」
小鳥「私の思うまま、他の誰かに妄想(ゆめ)をみせる能力よ」
春香「そ、そんな能力を2週間前に!?」
小鳥「ええ、忌まわしいあの日に……」
春香「あの日……?」
千早「え……あっ」
小鳥「春香ちゃんも千早ちゃんも、この話はまだ早いわ」
小鳥「そう……13年ほどね」
春香「13年も……」
千早「……」
62 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:12:40.94 ID:n5mT6v910
春香「小鳥さんが、こんなことを……?」
小鳥「ええ、そうよ」
春香「ひどいですよ、こんなの……」グスッ
千早「春香……」
小鳥「ひどい? それだけ?」
春香「え?」
小鳥「まだわからないの? これは現実に起こりうることよ」
小鳥「春香ちゃんにも、千早ちゃんにもね」
春香「それは……」
千早「現実に……」
小鳥「春香ちゃんの想いが報われたとしても、誰も幸せにならない……」
春香「……」
千早「……」
小鳥「そんな未来が待っているかもしれないということ」
春香「そんな、こと……」
63 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:14:32.61 ID:n5mT6v910
春香「わかってます……。私がアイドルである以上、許されないことだって……」
小鳥「そうね。大切な仲間も、支えてくれたファンも……すべてを裏切る」
小鳥「アイドルがアイドルであるまま誰かと結ばれるって、そういうことよ」
春香「はい……」
小鳥「千早ちゃんも」
千早「私が、なんですか?」
小鳥「プロデューサーさんが、春香ちゃんではなく千早ちゃんの想いに応えてくれたら……」
千早「……」
小鳥「春香ちゃんと同じ過ちを犯さなかったと、言えるかしら?」
千早「わかりません……。でも、春香の気持ちはわかります」
春香「千早ちゃん……」
小鳥「あなたちの年頃の女の子が恋に憧れる……それは仕方のないこと」
小鳥「でも、あなたたちはアイドル。普通の女の子にはなれない」
春香「普通の……」
小鳥「まして相手がプロデューサーでは……ね」
春香「はい……」
千早「そう、ですね……」
小鳥「事務員なら問題ないけどね」
春香「え?」
千早「はい?」
小鳥「事務員なら問題ないけどね」
春香「……」
千早「……」
64 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:16:25.72 ID:n5mT6v910
春香「わ、わかりました! 私、事務員になります!」
小鳥「春香ちゃんのバカ!」
ペシッ
春香「きゃあ!? な、なんでおっぱ……胸にビンタするんですか!?」
千早「!?」
小鳥「アイドルの顔を叩けるわけないでしょ!」
春香「え……ええぇ?」
小鳥「春香ちゃんはなにもわかってないわ!」
春香「わけがわかりませんよ!」
小鳥「あの女の子の顔が見えなかったの!?」
春香「女の子の……顔?」
千早「?」
小鳥「春香ちゃんの今のランクは?」
春香「……Bランクです」
小鳥「そう、今では天海春香といえば、誰でもその名を知るほどのアイドルになった」
小鳥「わずか半年でBランク……これは誇っていいことだわ」
春香「……」
小鳥「それで満足?」
春香「え?」
小鳥「どうしてアイドルになったのか……忘れちゃった?」
春香「それは……」
小鳥「天海春香! あなたはその程度のアイドルなの!?」
春香「!」
65 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:17:51.65 ID:n5mT6v910
千早「私は……」
小鳥「なに、千早ちゃん?」
千早「春香のように、アイドルとしてなにかを達成しようとは……」
春香「……」
小鳥「千早ちゃんのバカ!」
スカッ
千早「……」
春香「……」
小鳥「……」
千早「……なんの真似ですか?」
小鳥「なんでもないから気にしないで!」
千早「72も……ない?」
小鳥「言ってない言ってない! そんなこと!」
春香「そ、それはひとまずおいといて」
小鳥「え、ええ」
千早「そうです。なにが言いたいんですか?」
66 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:20:08.69 ID:n5mT6v910
小鳥「春香ちゃんのアイドルとしての夢も……」
春香「……」
小鳥「千早ちゃんの歌に対する情熱も……」
千早「……」
小鳥「どちらも等しく尊いものよ。そこに甲乙はつけられない」
千早「……そうですね」
小鳥「でも……千早ちゃんの夢の先に、プロデューサーさんはいない」
千早「……!」
小鳥「あの人はアイドルプロデューサーだから、歌手・如月千早の隣にいることはないわ」
小鳥「それでも夢を追える?」
千早「それは……」
小鳥「誰かのために歌うこと……それが悪いことだとは言わない」
千早「……」
小鳥「でも、それを一番喜ばないのはあの人」
千早「あの人……?」
小鳥「千早ちゃんが、歌手として世界に羽ばたくことを誰よりも望んでいる……」
小鳥「それがプロデューサーさんでしょ?」
千早「!」
小鳥「それは他の誰にもできない、千早ちゃんにしかできないことよ」
千早「私にしか……」
67 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:21:51.02 ID:n5mT6v910
春香「わ……私……」
千早「春香……」
春香「私が……間違ってました……」
小鳥「……」
春香「私は……自分のことしか考えてなかった」
春香「あの女の子の顔……あんな顔させちゃいけなかったのに……」
小鳥「そうね」
春香「みんなを笑顔にしたいから、私はアイドルになったんです」
小鳥「ええ」
春香「今はアイドルとして……それだけを考えて頑張ります!」
千早「……」
春香「千早ちゃんも、ね!」
千早「そうね。私も目が覚めたわ」
小鳥「……」
千早「初めて優の前で歌ったときの……あの気持ちを忘れかけていた」
千早「それを、もう一度取り戻したい」
春香「できるよ、千早ちゃんなら!」
千早「春香……ありがとう」
春香「えへへ、これからも一緒に頑張ろうね!」
千早「ええ、よろしくね春香!」
小鳥「二人とも、よく言ってくれたわ」
春香「小鳥さん……」
千早「音無さん……」
68 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:23:09.60 ID:n5mT6v910
春香「小鳥さん……ありがとうございます」
小鳥「?」
春香「私たちのために、こんな……」グスッ
小鳥「それは違うわ、春香ちゃん」
春香「え……」
小鳥「私も春香ちゃんから笑顔をもらってる、ファンの一人なんだから」ニコッ
春香「小鳥さん……」
小鳥「千早ちゃんも……」
千早「え?」
小鳥「千早ちゃんがいつか世界の歌姫になるって、プロデューサーさんだけじゃなく私も信じているわ」ニコッ
千早「音無さん……」
春香「へへっ、私もだよ!」
千早「春香……ええ、必ず!」
小鳥「私も、春香ちゃんたちみんなのことを全力で支えるわ」
小鳥「これからもよろしくね」
春香「はい、こちらこそ!」
千早「よろしくお願いします、音無さん」
春香「だって私たち……」
「「「仲間だもんね!!」」」
69 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:23:49.55 ID:n5mT6v910
小鳥「……」
小鳥「まずはふたり……」
───
──
─
70 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:25:16.29 ID:n5mT6v910
── エピローグ ──
P「ただいま戻りましたー」
小鳥「赤屍P……」
P「は? なんですか?」
小鳥「いえいえ、なんでも! おかえりなさい」
P「?」
小鳥「なんだかお疲れですね?」
P「わかりますか。春香と千早の様子がおかしくて、変に気疲れしましたよ」
小鳥「春香ちゃんと千早ちゃんが?」
P「ええ……なにか聞いてますか?」
小鳥「さあ……あの年頃の女の子はいろいろありますから」
P「そういうものでしょうかね……」
小鳥「ふふっ、私もかつては女の子でしたから」
P「音無さんなら、今でもそれで通用しますよ?」
小鳥「またまた〜本気にしちゃいますよ?」
P「ははは」
71 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:26:14.20 ID:n5mT6v910
小鳥「あ、私お茶淹れてきますね」
P「お願いします」
小鳥「はい」
スタスタ…
P「ふぅ……」
小鳥「あなたは……最後ですよ?」
P「え?」
小鳥「いーえ、なんでも」
P「?」
小鳥「うふふ♪」
おわり
72 :
◆PQxO3wwU7c
[saga]:2013/09/23(月) 00:27:54.87 ID:n5mT6v910
うっつーなのは苦手なんで、こんなオチでごめんなさい
やっぱり事務員さんが正妻ですね
次は我那覇くんの誕生日で
では
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2013/09/23(月) 00:32:51.49 ID:nnJHWlT30
ピヨちゃん961
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/09/23(月) 00:34:03.59 ID:4KAAToZwo
よりによって蛮ちゃんかい、乙!
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/09/23(月) 00:55:50.24 ID:PO0b48teo
乙ピヨ
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/09/25(水) 01:23:22.26 ID:A67kmnZSO
30まで処女守ると邪眼が使えるようになるのか
乙
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/09/25(水) 14:00:25.41 ID:tblD1DbV0
つまり全員分書いてくれるって期待して良いんだよね?(チラッ
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2013/09/25(水) 22:25:46.35 ID:0gYrLP+u0
>>77
元より単発のつもりでこの題材で使えるネタ出し切ったんで、無理っす
54.36 KB
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