マリオ「最近、テニスやパーティーにゴルフばかりで…何かを忘れているような」

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286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/19(日) 13:19:36.11 ID:0OyO5ODdo


渋いぜ……
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/19(日) 21:13:45.40 ID:mtcu76pWo
来てたか乙乙
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/04/21(火) 16:12:28.04 ID:Fin2u7TJ0

クッパ城の門番3人衆が戦車部隊と戦う少し前に時間は戻る…









  ズ ド オ オ オ オ オ オ ォォ ォ ォ ォ  ォ ォン






キノピオ「う、うわあああああぁぁぁ!?」




突如として現れた10年も昔の兵器そして、放たれた弾頭
後、数刻もしない内に自分は爆炎に巻き込まれ焼けてしまうかと覚悟した




 しかし…ッ!!






キャサリン「ふんっっ!」ボンッッ






 キノピオのすぐ近くで【何か】が風を切る音がした


そしてその【何か】は…っ!
 戦車隊とキノピオ等を結ぶ中心線上で弾頭と衝突し
大気を震わせて爆散したッッ!!




キャサリン「…ったく、どこの誰だか知んないけど
           ちょぉっと物騒なんじゃあな〜い?」




キノコ王国の住人はほとんどが戦いを経験した事がない


が…


このキノピオは別である…

彼はかつてマリオ、ルイージ、そして自国の姫と共に
【夢の世界】を冒険した事があった



そして今のはその時の冒険で幾度となく目にしたもの…
キャサリンの【タマゴ】砲撃である!!



キャサリン「キノちゃん、立てる?」

キノピオ「は、はい…なんとか」


289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/04/21(火) 16:25:42.07 ID:Fin2u7TJ0


キャサリン「それじゃあさ、ちょっと悪いんだけどお願いがあるのよね」



キャサリンは空を…目を細め、遠い向こうの先にある場所を見据える



キャサリン「なぁ〜んか緊急事態みたいだし、ヨッシーちゃん達に
       この事を知らせてほしいのよ」


キノピオ「知らせる…どうやってですか?」





目の前の軍機は明らかに攻撃の意志を持っている
向こうは乗り物、此方は徒歩…

亀とチーターを同時によーいどん!で走らせたらどちらが早いかは明確で
まだ多少距離があろうとも逃げ切れるか否かと言えば…それは…



キャサリン「んもぅ!やぁね!忘れちゃったの?」


キャサリンがそんなキノピオの考えに気が付いたのか次のように言うのだ





キャサリン「思い出して?彼方達が私と戦った時の事を…」



キノピオ「…!!まさか!」


キャサリン「そっ!その、ま・さ・か!彼方くらいの子なら小さいから
      よーく飛んでいくはよ?」クスッ




キノピオ「で、でもそしたらキャサリンさ――」



キャサリン「良いから、行きなさい、ちょっと気になる事があるのよ」




キノピオ「……わかりました、でも無事で居てくださいね?」


―――
――


「?なんじゃ、あいつ等はなにをしとるんじゃ?」

「…!? ま、まずいぜ!おい指揮官さんよォ!早いとこアイツ等
  ふっ飛ばしちまわないと不味いぜ!キノコ王国まで高跳びされちまう!」

「なにぃ?それはどういう事じゃ?」

―――
――



キャサリン「風よおーし、距離よおーし、方向よおーし
       キノちゃん!準備良いわね?」

キノピオ「はいっ!」

290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/04/21(火) 16:41:54.49 ID:Fin2u7TJ0

キャサリンの頭部の上にキノピオが乗っていた…

戦車に搭乗していた"旧"クッパ軍の指揮官はそれを見て
何が狙いかと訝しむ


そして、指揮官に協力する一人の男が相手の思惑に気が付くのだ!



キャサリン「ふんッッッッッ!!!」




大きく息を吸い込んだ後に吐き出すブレスのように
筒状の大きな口から複数の卵を吐き出す!

瞬きすら惜しい一瞬の間に打ち出された卵<ダンガン>の数は優に7つ!
戦車砲と同等の威力を持つソレは放たれたァ…ッ!!



―――
――


「彼奴等がなにを企んでおるかは知らぬだが
  数の上ではワシ等が有利じゃ、撃ち落とせぃ!」

「はっ!!」

―――
――



  戦争が始まった!

まるでそうとしか言いようの無い光景
方や飛ばすものはタマゴ、もう片方は無機質な火薬の塊

 それはSF映画のように全弾空中で衝突しあい
辺り一面を爆炎と薬莢の匂いに包ませる
赤黒い煙がお互いの姿を見せなくさせ、狙いも次第に定まらなくなる




それこそがキャサリンの狙いだった!!



キャサリン「げほっ…あー、久しぶりにやったから結構キツイわねコレ」

キャサリン「タマゴ連射内なんて…これ以上できないかも」
/
キノピオ「キャサリンさん…」

キャサリン「大丈夫よぉ、ちゃーんと最後の一発分は残してるから」



キャサリン「しっかり頼むわよ!」

キノピオ「…ご無事で!」



煙でお互いの姿が見えにくいこの状況で最後に打ち出すタマゴ
それは…!!





   キャサリン「キノコ王国上空行〜発射しまぁす!!」




キノピオをタマゴの上に乗せての砲撃!
【確実】にこの事態を報告できる人物を逃す最後の一手であった!!
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/04/21(火) 16:50:09.99 ID:Fin2u7TJ0
*********************************

        僅か3レスだけど此処まで…


 マリオUSAの仕様的にプレイヤーキャラで歩行速度最速なのは
 キノピオなんですよね…あと、キャサリンの卵は凄い

 何がすごいって画面外まで高度が落ちる事なく飛んでくから凄い
 まるでドラゴンボールの桃白白の柱投げみたいな移動ができそう…

長文失礼…



>>284 マリオくんは絶対の悪が居ないから良いんだと思う

>>285 そ、そこまで言ってくださるとは…ありがとうございます…

*********************************
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/21(火) 16:53:33.60 ID:u85MFKqAO
きのぴーの加速と姫の浮翌遊と弟の大ジャンプ考えると
兄が地味になってしまうUSA
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/21(火) 17:05:57.14 ID:mtGF55Tto
乙乙

みんなカッコいいわあ
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/21(火) 19:16:56.62 ID:Fl3XN94lO
乙乙
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/25(土) 21:36:36.96 ID:Jb0+nIFRO
キノピオはジャンプ力がポンコツだから使いにくかったな

あと引き抜き速度も最速なんだっけ
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/26(日) 08:06:07.45 ID:OPh7+7H60
実際にキャサリンの卵に乗って進むステージもあるからね
まるで桃白白の気分
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/21(木) 14:50:37.97 ID:ytOullFc0
素晴らしい!乙
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/21(木) 14:51:46.69 ID:ytOullFc0
素晴らしい!乙
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/05/21(木) 20:37:28.09 ID:P2URrj7CO
マリオくん…
つまり今回の黒幕は最終的にダルマさんがころんだをしたあとに一ページ丸々使って土下座して降参するんですね
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/21(木) 21:40:05.39 ID:3XWa+HOmO
マリオ64DSだったらマリオって結構性能映えするけどUSAだと凡個性って感じなんだよな
それでも使うけど
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/05/22(金) 03:37:45.18 ID:6ksZQPIKo
そういえばUSAはラスボス蛙だっけか
あいつの名前なんだったか……
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/05/22(金) 07:46:09.16 ID:Sh92wgMd0
マムー
そういえばUSAキャラもご無沙汰なの多いよね
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/05/23(土) 03:03:14.45 ID:7czTzt3m0
さっき見つけて一気に読んだけどすげえおもしれえな
ルイージの台詞がちょいちょい泣かせにかかってきてやばい
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/06/20(土) 00:37:04.07 ID:P1wz9GKF0
まつ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/06/20(土) 15:46:16.88 ID:T2Kn4uMk0


キノピオ「うぐぅっ!?」


 撃ち出された卵には小さな少年、彼は数年前の出来事を思い出す
マリオブラザーズと姫…その護衛としてピクニックへ行き
見知らぬ洞窟の奥にある扉を開けた事


そして夢の世界"サブコン"へ誘われた日の事を…



キノピオ(…ははっ、そういえばあの時もこんな感じでしたっけね!)



背後からは激しい轟音と煙が絶え間なく上がり続ける…
あれはもう戦争と呼んでも差し支えない戦闘と化していた




キノピオ(…キャサリンさん、必ず王国に事の次第をお伝えしますっ
      どうかご無事で!)


風を切る音と大気の中を突っ切りながらも彼は振り返る
己を命掛けで逃してくれた恩人が居た地を‥っ!



もう…戦車の影すら豆粒のように見えてしまう程
              遠ざかっていくというのに









 さて、読者諸氏よッッッ!!

キノピオは…キャサリンの無事を強く祈った…っ!


先も述べた通り、彼は多くのキノコ王国国民の中で最も"戦闘"を経験した
住民であり、その初陣とも言うべき舞台が夢の国サブコンであり

そして初めて苦戦した相手もまたキャサリンであった…っ!


ゆえに彼女(オカマ?)の実力の程は嫌という程に理解している


 そう…


 あっけなく…あまりにもあっさり敗北するはずが無いと信じているのだ





「…ちと早いが…造ったブツを使うとするかのう」

「…まさか、アレがオリジナルとはなぁ…確かに見れば面影あるな…」




 だが…






  そんなキノピオの予感は…  あっさりと崩れ去る…


306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/06/20(土) 15:51:05.12 ID:T2Kn4uMk0

キャサリン「ん、んん?」



ぱたり、と鳴り止んだ砲撃…
 未だ黒煙に覆われた視界はお互いの姿を認識させず
何がどうなっているのか理解させてはくれない

これにキャサリンは首を傾げた




キャサリン(…変ね?砲撃が止んだ?)


キャサリン「もしかして私を狙うのを諦めちゃったのぉ?」


一人に構ってられないと判断し
戦闘の中断、本来の目的通り王都へ侵攻を再開したか、はたまた
闇雲に撃った卵が幸運にも命中し沈黙させたのか?



キャサリン「けほっ…けほっ…どっちにしても私も早いとこ
       此処から逃げた方が良いかしらね…」



キノピオの前で強がりはしたものの…状況は著しく良くない
長年平和という名のぬるま湯に浸かり鈍った身体
本調子とは言い難いコンディションで卵の連射を繰り出した身だ

 芝や地表の焼け焦げた匂い…チリチリと身を焦がす熱気と舞う火の粉
人より頑丈なドラゴンの身とはいえそれは厳しいモノであった







                        キュルキュル…







キャサリン「っ!」ピクッ



キャサリン(違うッ!まだ健在だわ!)バッ



直ぐに身構え機械音のする方角目掛けて渾身の一撃を放つ…だがっ!







      ゴ オオ オ オ ォォ ッ!


                      べしゃっ!!!!



キャサリン「な、に!?」


自分が撃ち出した卵が何かに衝突し砕ける音がしたそして煙のベールを
突き破り自分に飛んでくるのは…【巨大な卵】であった

307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/06/20(土) 15:56:20.64 ID:T2Kn4uMk0

   キュロキュロ…キュルキュル‥‥




 【巨大な卵】が煙のカーテンを突き破りできたのぞき穴から見えた
メタリックなボディー…まだ塗装はされていない肉体は地面でパチパチと
燃え盛る炎に照らされていて、"ソレ"の回りを踊るように火の粉が舞う


無機質な鉄の塊…そして命の光を灯さない不気味な信号を発する目玉
恐らくあの砲塔が二門の大型戦車の中にでも収納されてたのだろう

自分がドンパチしてた戦車よりかは一回り小さめな
だが大の大人の3〜4人分はある背丈…



 塗装されていない敵側のその"新兵器"とやらはキュルキュルと車輪を
動かしながらそのシルエットを露わにするのだ…っ!




キャサリン「…何の冗談かしら?笑えないわね」






 そいつの…全容が明らかになり、キャサリンはキノピオに言った
 【気になる事】が確信へ変わる事を悟る…





















       メカキャサリン「…ガガッ ――ピピッ」キュルキュル










自分の撃ち出した卵を粉みじんに粉砕したのは紛れも無くヤツだッッッ!!


無機質な目は命ある此方の姿を認識するや否や紅く輝く…
あたかも『お前の身体も自身の血で紅く染めてやろう』と言うように
 機械の瞳は狂気の紅を彩らせた……ッッ!!




      【 キャサリン  VS メカキャサリン !!!】



          戦  闘  開  始  !!


308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/06/20(土) 16:01:57.73 ID:T2Kn4uMk0
*********************************

>>292 マ、マリオはバランス型だから(震え)

>>295 慣れれば最速プレイ用のキャラですね

>>299 (めっさ…懐かしい、当時リアルタイムで読んでたわ…)




>>303 ありがたい…でも殆ど更新できないのが辛いです…

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309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/20(土) 18:07:23.46 ID:FNXbYhZz0
おつー

失踪さえしなければいくらでも待つから気にしなくていいよ
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/20(土) 18:21:44.06 ID:YbR+EjzJO
乙乙
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/06/21(日) 09:45:23.16 ID:VjM6ClMeo
おっつ

メカとオリジナルとは、熱いな
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/07/22(水) 16:32:35.09 ID:G6FQm96AO
保守
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/07/22(水) 22:03:14.57 ID:4U1xOHhPo
保守するなよ
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/09(日) 20:50:43.95 ID:3Yls8Xcko
捕手
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/09(日) 22:08:28.47 ID:H3oyScyWO
>>313
なぜ?
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/12(水) 14:43:57.63 ID:OECeJqoC0
基本的にこの板は頻繁な保守は必要ないよ

せいぜい3ヶ月ごとで十分
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/12(水) 20:35:38.75 ID:GzTSEswSO
>>316
http://ss.vip2ch.com/ss/H:HTML#1.E3.81.8B.E6.9C.88.E4.BB.A5.E4.B8.8A.E8.AA.B0.E3.81.8B.E3.82.89.E3.81.AE.E3.83.AC.E3.82.B9.E3.82.82.E3.81.AA.E3.81.84.E3.82.B9.E3.83.AC
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/13(木) 09:17:16.84 ID:+rdp1lND0
まつ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/20(木) 16:07:13.72 ID:rW9jc7Sl0


  夢の国サブコンを支配しようとしたモノが居た


多くの配下を従え、次々と世界を侵攻していく軍勢…
連中は文字通り夢の世界の住人で、夢の世界でしか活動はできなかった…



 が…



例外はあった、侵攻を受ける住人が現実の世界から4人の男女に救援を
求めたように侵略者達も現実世界から『儂と共に来い』と

所謂スカウトというモノだ…

その呼びかけに応じたのがキャサリン含めヘイホー達だった…





そして…









    メカキャサリン「… ――ピピッ」キュルキュル…





   メカキャサリン「… ギイイイイイイイイィィィ」ギュンッッッッ!!!!







キャサリン「来たッ!」





自分を模した鉄屑はその世界で創られたモノ
キャサリンが"気になっていた事"というのは……




    "火薬の匂い"だった…





人間ではなくドラゴン族である彼女(彼?)は鼻が人一倍利く
だから"懐かしい火薬の匂い"をずっと感じていた


あの戦車の撃ち出す砲弾が爆散する度に立ち込める焦げ臭さから


   
   メカキャサリン「… ッッッ」ボゥッ‼


今度はタマゴじゃない、真っ黒な砲弾それも
クッパ軍の【マグナムキラー】級のモノが撃ち出される
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/20(木) 16:30:48.16 ID:rW9jc7Sl0


キャサリン「ぅ、うわああああぁぁぁぁぁ!!」


"本来なら【キラー】を打ち出すなんて機能はついていない"兵器からの
想定外の攻撃、当然それに対抗すべく全力で迎撃を図るモノの…




  ズ ド オ オ オ オ オ オ ォォ ォ ォ ォ  ォ ォン






キャサリン「――――――ッ」




【キラー】砲の中でも【マグナムキラー】は元々拠点攻撃用として
開発された超弩級の火力を誇る、それをいともたやすく落せるのは精々
マリオブラザースくらいが良い所で…面白いくらいに当たる卵の弾雨で
 多少、速力は落ちたもの勢いを完全に殺す事はできなかった




結果はご覧のありさま…真っ赤なリボン諸共に黒コゲになったドラゴンが
一匹宙に舞う結果となった…





キャサリン「ぅぐッ――――かはっ!」



投げ出されるように宙を舞った身体は固い地面に打ち付けられ
バスケットボールのように2、3回バウンドする…






――眩暈がする、吐き気もする、脚に立ち上がれるだけの力が入らない



キャサリン(…っ、ったく身体中の骨にヒビでも入ったんじゃないのぉ‥
        もうちょっと筋トレでもしとくんだったかしらねぇ)




「よう、カマ野郎!久しぶりだな!」


キャサリン「…」


「んだよ、俺の顔忘れたのか?それとも何か?今のでお陀仏か?」


キャサリン「っさいわねぇ、クソ鼠」




瞼を開くのも正直しんどいわぁ…、っと内心で愚痴を零しながら
薄らと…今回のクーデター騒動に加担した男を

そして、メカキャサリンの製作に関わったソイツを見て
"気になっていた火薬の匂い"は揺るぎない確信になった



キャサリン「いつから、クッパ軍に就職したのよ
                 ドン・チュルゲ……!」
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/20(木) 16:48:04.53 ID:rW9jc7Sl0


サブコンの侵略者達がキャサリンやヘイホー達に呼びかけ、そして
同じように現実の世界から導かれた男


灰色の体毛と大きな丸い耳、ミミズの様にうねる尻尾
紫色のグローブをはめた手でサングラスをクイッと上に少しあげて
ソイツはキャサリンを見下ろす…



チュルゲ「別にクッパ軍に就職した訳じゃねーよ
      ここ数年、俺は一度も可愛い息子共を使ってねぇ」


チュルゲ「それがもう…退屈で退屈でよぉ
               死にそうなくらいだったんだぜ」チュッ



手に持った可愛い可愛い息子は日光に照らされて鈍い輝きを放つ
丸くて黒い鉄の塊に一本の長い導火線…実にシンプルなデザインだ




キャサリン「知ったこっちゃないわよ…で、その可愛い可愛いガラクタを
      世間様に自慢したいからテロ紛いな事でもやってんの?」




チュルゲ「だな、丁度暇してた時に面白い話を小耳に挟んだ
       んで俺は"指揮官さん"に雇ってもらったつー訳だ」



チュルゲ「良い経験だったぜ?クッパ軍の【キラー】とか
      設計図見せてもらったり、戦車砲に火薬つめたり…」


チュルゲ「俺の理想の生活って奴さ」


チュルゲ「それはそうとあのチビをよくも高跳びさせやがったなオイ」


チュルゲ「面倒な事させやがって…平和ボケした連中が驚く顔見れっと
      思ったのによォ、あ〜ちくしょう」グイッ



キャサリン「…レディーの肩掴んでどうする気よ変態」


チュルゲ「変態はテメェだ、テメェは此処に放置してても構わねぇが
     念の為に連れてくぜ、いざとなりゃ人質にゃあ使えっからな」



キャサリン「クソ鼠」ボソ

チュルゲ「うるせぇカマ野郎」






      【 キャサリン  VS メカキャサリン 】


 全く想定外かつ、キャサリン以上の火力を持つ武装での攻撃に屈し…

  キャサリンの敗北…






キャサリン(…キノちゃん…ヨッシーちゃん達に伝えて頂戴ね…)

322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/20(木) 17:25:23.70 ID:rW9jc7Sl0
―――
――

【キノコ王国 〜国道〜】


ブロロロロロ…

…十数年前はコンクリートで舗装された車道と言う物は存在しなかった
 だが、時代が進むにつれて近代化は進み、キノコ王国でも
ガソリンエンジンを搭載した機械が道を走るようになった

 カートレースという催し、娯楽が世に広く出回った事もあり
比較的裕福な市民層は貯蓄をはたいて車を購入するようになった

さて、此処で実際に運転を試みた多くの国民が
『でこぼこだらけの砂砂利の上は走りにくい』と王国政府に要望を出した

 国の代表として何度かカートレースに参加した経験を持つピーチ姫は
国民の声を聴いて、確かに…と納得し



  道路の舗装工事、今までなかった"国道"という政策を実地した‥



市民の不満の声の解消もさることながら、流通や国営バスなどの運営面を
考えればやって損のある政策ではないと説き、政治家達を納得させた




こうして、誕生したのがこの国道である



ヨッシー「いやぁ〜、わざわざすいませんねぇワリオさん」

ワリオ「へっ!早い完売だったからな急ぎで原料を仕入れるだけだ」




レース会場として工事された道とは違う車道
中央分離帯には紫陽花が植えられていて、梅雨の時期にバスの窓から
それを見るのを楽しむ老人には人気であるそうな…


さて、そんな国道の右車線を一大のバイクが走り抜ける


イエローの塗装に全長2.7m、チタンレスのマフラーは豪快な音をたて
搭乗者はゴーグル付きのヘルメット着用でワイドハンドルを握り
お世辞にも長いと言えない脚をペダルに乗せて走るのであった


ヨッシー「今さらですけど僕達交通違反じゃないですかねー」


ワリオ「あぁん?良いんだよッ!
     どうせニケツなんざ誰だってやってんだろうしよォ」


ワリオ「それより事故らねぇように捕まってろよ!」

ヨッシー「はいはい」



フルーツジュースを販売していた彼らは
原料となる果樹の買い出しに向かっていた、本日は雲一つ無い日本晴れ
降り注ぐ日光はさながら真夏日の酷暑に匹敵する暑さで思いのほか
バカ売れしたという訳だ


ヨッシー「しっかし、やっぱりワリオさんはツンデレですねぇ
     原料の買い出しと称して交通事故にあったキノピオ君の無事を
      確認しようとするんですもん」


ワリオ「うるせー!そんなじゃねぇっつってんだろォ!!!」

ヨッシー「はいはい…――おや?」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/20(木) 17:33:22.69 ID:rW9jc7Sl0


ワリオ「ったく…国道の途中から車線変更すりゃ近道になる…
     たまたまだ、偶然此処を通るから
        様子見ついでにからかってやろうとだな…」





ヨッシー「何か聴こえませんか?」






ワリオ「あぁ?」







―――――――ン







ヨッシー「何か…こう、風を切るような音…いや、これは…」










―――――――――ゥゥゥゥゥゥン…






      ヨッシー「これは…"落下音"ですかね?」






―――――ヒュウウウウウウウウウウゥゥゥゥン!





ワリオ「!?!?ななななな、なんだありゃあっ!?
                なんか落ちてくるぞオイ!?」
















キノピオ(onタマゴ)「ワリオさーーーん!!ヨッシーさぁぁぁん!!」

324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/08/20(木) 17:37:26.86 ID:rW9jc7Sl0
*********************************


           今回は此処まで!



 どうでもいい補足:【ワリオバイク】

 メイドインワリオに出て来るあのバイク、スマブラでも乗ってたりする
 任天堂ホームページで調べて見ましたが製作者曰く
 ワリオは短足で腕も長くないから身体のサイズに合わせた
 バイクを創るのが非常に難しかったとかなんとか…

*********************************
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/20(木) 18:09:15.14 ID:foCKXjvGO
ピーチ有能説
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/20(木) 21:13:53.06 ID:1JJYbjjuO
乙です

ドンチュー懐かしい
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/21(金) 07:39:05.17 ID:2YwjJsteO

マリオの世界は実に奥が深いな…
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/21(金) 09:18:48.02 ID:nAbJ0cwjo
見事なツンデレw
しかしキャサリンが…

乙乙
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/08/24(月) 07:39:17.68 ID:KhmwMFyj0
USAシリーズ初出のキャラで最近のマリオシリーズにも出てるのはヘイホー系統とキャサリンぐらいだろうか
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/03(木) 19:18:20.77 ID:wPYDS+VM0
サンボも一応USA出身

アメリカでマリオ2(USA)発売→日本でマリオワールド発売→日本でマリオUSA発売

の順番だから最初に出たのはUSAってことになる
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/04(日) 01:38:08.24 ID:Y4hzz4drO
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/16(金) 18:58:14.74 ID:aTrpj38j0
もうすぐだな
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/20(火) 14:29:54.42 ID:LkSDPSIe0
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    長らくお待たせ致しました…明日10月21日再開します


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334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 17:14:09.25 ID:CFLZGtoRo
待ってた
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 18:44:34.71 ID:V1e94RUjo
まってた
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 20:16:19.98 ID:fqKGBeEeO
楽しみに待ってます
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 22:18:45.75 ID:iakR9RsA0
なんか面白そうなスレかと思ったらげぇむの作者だっただと…?なるほど後書きにヒントは隠れていたな。面白い
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/21(水) 17:38:20.76 ID:fdwjtUnr0


 僅かな…本当に僅かな"刻"が過ぎ去っていった
彼らが機体の心臓部に熱を灯し走り出しどれ程経っただろうか

 開幕当時は満載だった化石燃料もその減り具合から
どれだけの排出量で走り続けたか、長距離運転手なら想像に難しくない





マリオ「…?きのせいか?」チラッ



岩、岩、岩…見渡す限りが全て無骨と言って世界
峠のトンネルから飛び出したトップの視界はずっと草木一本生えない
峡谷<キャニオン>を走り続けていた


人工的に拓かれた道、アスファルトの黒と中央に見える一本の白線
それ以外は焦げ茶色の無機質な岩、後は精々空の青さくらいが見えるモノ



 人工的な建物は全く無く、あえて言うなら
今彼らの走る道そのものが人工物と呼べる
それ以外は自然が創造した芸術的な岩の表面だ
 長い年月を雨風が砂塵の一粒一粒を削った至高の一品









マリオが視線を周囲にちらつかせたのは何も
        芸術を堪能したいと思ったからではない







"英雄"の…彼の潜在的に"眠りつづけている"超人的な身体能力が…っ!

彼の聴覚が遠くで"爆発音"のようなモノを感じ取ったからである!





マリオ「…いかんいかん、集中せねば!」グッ



つい先ほども慢心こそが最大の敵だと彼は思い出した
此処で如何に2位、3位と距離を離したとて顔を背けるのは
 今戦っている相手への不敬でもある、そう思いハンドルを強く握る








ワルイージ (ッん畜生がッ!!本当に何の仕掛けもねぇのかよ!!
          あのマシンはよォ!!!!!)



紫のイメージカラーは前方を走る、赤を見つめて心中で悪態つく
彼は虎の子である加速装置を使うタイミングを見計らっていたが‥


ワルイージ(…野郎、まるで隙を見せやがらねェ…!)

339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/21(水) 18:04:48.98 ID:fdwjtUnr0


先述した通り、ワルイージが特注でチェーンナップした加速装置は
【ダッシュキノコ】3つ分に相当する超加速を発揮する…ッ!


 だが…これは一時的にエンジンを暴走させる諸刃の剣

 この曲がりくねった道で後先も考えずに使おうモノなら
1位の横をぶち抜けるどころかガードレールをぶち抜けて谷底行きだ

如何に命知らずな彼とてそんなアホはやらかさない

彼の夢は対抗心を燃やすマリオブラザーズに自身の優位性を見せつける事




表彰台の天辺で自分より低い位置で悔しそうな顔する兄弟を見下しながら
金ぴかトロフィーに口づけする事…



粉々になった機体の残骸に埋もれながら硬い地面とキスする事では無い…




ワルイージ(しかも、【ダッシュキノコ】を普通に使うよりも燃費が悪ぃ
       通常の4倍は燃料を消費しちまう…)



何度も連続して使用して、エンジンがお釈迦にならずとも
この一台だけが燃料切れでゴールテープを切れませんでした!なんて事も
有り得るのだ…




だからこそ、十二分に性能を発揮できるタイミングを計りたいのだが

目の前の"赤"は見事な走行テクニックでそれを阻止する…!



相手は此方の切り札が加速装置とは知らないだろうが
もしかしたら何処かで予測…あるいは直感的に感じ取っているのだろう

だから直線状の道に出られそうな時でさえ
ワルイージの加速が殺されるような走り方をするのだ…ッ!







日進月歩、そんなやり取りをする"赤"と"紫"を…"緑"は不快に思った



そのやり取りは正しく"真のライバル"と呼べる漢同士の戦い‥ッ



英雄…マリオとその位置で戦うべきは顎長男ではなく自分だっただろう!
そんな怒りを3位のルイージは思わされた



ルイージ「…くっ!僕じゃ足元にすら及ばないっていうのかッ!」


ご自慢の機体はマフラーからCO2と僅かな水を排出する…
まるで彼の悔恨の情を代弁し涙するようにも思えてくる



ルイージ「…情けないのはドライバーの腕そのもの、か…っ!」


オヤ・マー博士…が特別に造った機体を生かせぬまま、終わるのか?
それを想い、ネガティブな彼が口からポツリと出した言葉
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/21(水) 18:14:16.71 ID:fdwjtUnr0






 オヤ・マー『フェッ、フェッ、フェッ!
         しかし君はいつだって謙虚じゃのう?』




  ルイージ『謙虚?僕がですか?』




 オヤ・マー『そうじゃ、君は自分を過少評価し過ぎ取る…』フム



 オヤ・マー『君はいつだって【永遠の2番手】【緑の日陰者】
        そう呼ばれても怒る事無く、それを甘んじておる』



  ルイージ『はははっ、まぁ事実ですよ…!
            実際僕ぁ兄さんと比べれば――』


























        オヤ・マー『それじゃよ…』









 オヤ・マー『何が "兄さんと比べれば" なんじゃ?ん?』




 オヤ・マー『…わしはのぅ、ご覧のとおり研究第一の学者馬鹿じゃ』


オヤ・マー『じゃから、君とあのお化け騒動で初めて出会うまで
      君ら"英雄兄弟"の活躍を知らんかったわい!』フェッフェッフェッ!


 オヤ・マー『新聞も読まずに日々研究じゃからなぁ!』



 オヤ・マー『…じゃからの、わしは
          "捕まった兄を助けに来た勇敢な君"しか知らん』

341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/21(水) 18:24:59.58 ID:fdwjtUnr0



 オヤ・マー『世間一般ではお兄さんの方が取り上げられとるよ』



 オヤ・マー『新聞の一面で写真に大きく映るのはいつも赤い帽子の彼』


 オヤ・マー『君はいつだってその隣で小さく映る、目立たないような』






 オヤ・マー『陰口のようで言いたくないが‥国民の評判も
         お兄さんと比べれば"頼りない"、"影が薄い"と言う』


 オヤ・マー『じゃから思うのじゃよ…皆
         本当に君を理解しとるか?とのぅ…』フェッフェッフェッ!





  ルイージ『…博士』




 オヤ・マー『マリオくんがキングテレサに捕まり
         絵の中に閉じ込められた、あの事件を知る人物は』

 オヤ・マー『わしと君、そして当のマリオくん…
          あ、後キノピオ君じゃな、あの女の子にモテとる』





 オヤ・マー『…"無敵の英雄"を救った、"それ以上の英雄"…
          新聞にもニュースでも報道されない
         わしが初めて出会った"英雄兄弟"は君じゃ』













 オヤ・マー『本当の君はお兄さんより劣った人間なんかじゃない』

 オヤ・マー『君は "強く勇敢で優しい人間" なんじゃよ』

 オヤ・マー『本当なら一対一で戦えば十分お兄さんと互角…
        いや、もしかしたらそれ以上かもしれんのじゃ』




  ルイージ『買いかぶりすぎですよ…』



 オヤ・マー『…君が、そういうのなら多くは言わん
         じゃが君は心の中で思うとるじゃろう?
        いつかは兄さんを越えたい、強くなりたい、と…』






 オヤ・マー『自信を持て、君は勝てる人間なんだ』

342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/21(水) 18:35:27.49 ID:fdwjtUnr0


BUROOOOOOOOOOO O O !  !  !   !



渓谷<キャニオン>に3台のエンジン音が響く…

ルイージは…今、自分が搭乗している機体を
手掛けてくれた老人の激励を思い出していた




ルイージ「…博士、僕は…」




――フェッフェッフェッ!
    君の機体にはあのバキューム同様の特別機能がある…!



―――バキューム…の事は君がよく知っとるじゃろう?
            じゃから、使い方はあえて言わん
                さぁ!今日はレース開催日じゃ!






―――存分に暴れて行け!









ルイージ「……ごめん」



ルイージ「どうも僕はネガティブで
      いつも悪い方悪い方に考えちゃうんだ」







ルイージ「こんなにも最高の機体に乗ってるのに…
      なのにドライバーの僕がこれじゃあ、悪いよな…っ!!」









 ルイージ「博士…僕は…あえて!あえて!
       あなたの特別機能は使いません!実力で倒しますッ!」






このレースでは…!この試合では決して兄に特別な何かでは勝たないッ!

本当の自分だけで勝負するんだ!!

ルイージは消えかけた闘志を再び燃やしだしたッ!
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/21(水) 18:43:33.64 ID:fdwjtUnr0

















          ウィン…!  …ウィン!









――それは過去からの贈り物だった









マリオ(…ん?)

ワルイージ(あん?なんだぁ、突然空が暗くなりやがったぞ?)


ルイージ(?今日の天気予報じゃ雨は降らない筈…?)




走路が濡れているか乾いているか、それもドライバーとして
重要な判断基準だ

故に彼ら3人は当然テレビの前で降水確率は確認していた

全国的な晴れ模様…、多少外れることはあろうと
空気に湿った匂いも混じらず、雲の流れも悪くない

そんな天候だった





ワルイージ「!?!?!?!お、オイ!ありゃあ何の冗談だっ!?」




 日光を遮るのは白雲では無かった
人工物など一切無い、無骨な岩の芸術品しかない世界
 そこで見たメタリックな人工物が…青空を切り裂くように飛んでいたのだ











      ゲドンコ星人「「「ゲヒャヒャヒャヒャヒャ…ッ!」」」



344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/10/21(水) 18:48:42.22 ID:fdwjtUnr0
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            今回は此処まで!


 ルイージはもっと評価されても良いと思うの…

 真面目な話【ルイージマンション】で初対面のオヤ・マー博士から見て
 捕まったマリオより、それを難なく救助したルイージの方が凄い"漢"と
 思ってるんじゃないだろうか… 


 ※【マリオ&ルイージRPG2】で会ってるけど出会いを忘れてる模様

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345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 20:49:50.83 ID:v3xJA2p9O
おつおつ
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 04:05:59.48 ID:5hJvRDZvo
影が薄くても見てくれてる人がいるってのは嬉しいことだ…
でもレースはここまでだな!
マリオの記憶はどうなるか
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 11:26:21.37 ID:DKJ0QUz+0
キャラ一人一人に芯の通った信念があって非常にカッコいい
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/16(月) 22:06:55.39 ID:6p0sdn5AO
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/16(水) 00:25:47.30 ID:P73hMwTb0
保守
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/16(水) 00:27:21.08 ID:vat564m2O
ナイス
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 12:23:14.43 ID:osH3ANs40


 それを見て真っ先に叫んだのはワルイージだった

"何の冗談だ?"まさしく言い得て妙である



既製の航空技術を何世紀分も飛び越した科学技術だ
プロペラ機だとかジェットエンジン、そんなレベルじゃない

レトロなSF映画でお決まりのように宇宙人が乗ってる"空飛ぶ円盤"
それに使われているような反重力装置と言っていいだろう



ルイージ「な、な…なっ!」パクパク




 思わずハンドルを握る手が震えた
唐突に飛来して来た"空飛ぶ円盤"

 これといって彼らは歴史のお勉強は大好きという訳ではない
あくまで世間一般レベルの常識さえ学べば良いだけであって
それ以上の知識を求むのは考古学者志望くらいのモノである


今、目にしてるものはそんな世間一般レベルで学べるモノだ
ハイスクールの教科書にそのシルエットはデカデカと記載されている

十数年前、過去のキノコ王国にやって来た"災厄達"であるッ!!




まるで理解が追い付かないッ!!とでも言ったようにワルイージは呆然と
そして…それ以上の衝撃を受けるルイージ!







ルイージ「ば、馬鹿な…!あり得ない!アイツ等は過去の世界で
                    僕達が倒した筈だっ!!!」








かつて…!【ゲドンコ姫】と【ゲドンコ姫の姉】が住みやすい惑星を求め
遠い宇宙の彼方からキノコ王国へとやって来たのだ

首都や近辺の村、非武装の民間施設、軍事施設問わずに侵攻を初め
一般市民を捕まえては生命力を奪い取り兵器群のエネルギーにするなど

言って見れば旧世紀の非人道的な植民地支配と似たような事を始めた訳だ


決して風化させてはならない恐怖の時代として義務教育で習う歴史の一頁
その象徴が目の前を我が物顔で飛んでいるのだ…冗談にしては度が過ぎる











        マリオ「ぅぁ…あ、頭が…ッ!?」ズキッ




352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 12:44:38.41 ID:osH3ANs40


ルイージ「ハッ!に、兄さんッ!」バッ!



まるで自分達を見下すかのように平行して
3人の頭上を飛ぶ忌々しいフォルムから視線を外す…!



あまりにも突飛した出来事…ッ!

故に反応が遅れた…ッ!





マリオ「あ」

















マリオ「うおあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァ――」










ルイージ(っ!な、なんてこった!!)




今の今まで彼らはマリオには事実を隠し続けていた
直ぐに記憶を戻してやるべきだ、戻さない方が良い

これは賛否評論だ

元からルイージ等は命に関わる程の無理をしてほしくないという事も
確かにあった、それに記憶喪失には様々な種類がある

一例だが本人が自身を護る為、無意識に事故に遭った記憶に蓋をする
解離性健忘の場合など
無理に思い出させる事で脳に大きな負担が掛かる場合がある


戻してやるにしてもゆっくりと時間を掛けて戻すように便宜を図るのが
正しいのだ、あのクッパでさえ思い出して欲しいという本心を抑え
好敵手の完全復活の為、協定を結んでいたくらいだ…




だが、これで今までの苦労も水の泡…




キイイイイイイィィ―――ッ ギャギャギャッ!!


ワルイージ「オイオイ!!マリオの野郎…!
        ガードレールに擦りながら走ってやがんぞオイ!」

353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 12:59:22.00 ID:osH3ANs40


―――いつだったか誰かが言ってた気がする



悪い事というモノは一度起きてしまえば
     ドミノ倒しのように立て続けに起きる、と






ルイージ(…なんだよコレ)




刹那、ルイージの目には世界が白黒<モノクロ>に映った



友人のヨッシーと自宅のソファーに座って
世間話でもしながらプレイするゲームボーイの画面のように…


世界が白と黒だけで構築されたように思えた






時が長い







一分一秒が長い、永い




音が聴こえない








よく自分達兄弟をライバル視する顎長男が兄に向って何か叫んでる

でも内容が聴こえない




兄が…ハンドルから手を離して頭を抱えている
        目の前の道なんて一切見やしない、手放し運転





兄のカートが真っ白なガードレールに擦る度に火花が出ていく




音は聴こえない、でも"何か"が見ろと叫んでいる気がした


ゆっくりと上空の円盤に視線を向けようとする…

思考回路は通常の速度なのに、首…いや、身体の動きがスローだ


揺れ動く視界もスローだった
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 13:07:14.75 ID:osH3ANs40







































           ゲドンコ星人「…ゲヒャッ」ニタァ…


























 毒々しい紫色キノコに手足が生えたような
一度見たら、忘れたくても忘れられない気色悪い生物が
開かれたハッチから顔を覗かせていた


八重歯のような二本の歯と笑みを浮かべるように歪んだ赤紫色の目

奴は…枯れ木みたいな細長い腕に銃を構えていて…


その銃口は地上に向けられていた


射線の先は僕でも、顎長男でもない…ずっとずっとその先…


  今、一番狙いやすい標的と化した人だった

355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 13:22:55.82 ID:osH3ANs40




       ルイージ「止めろおおおおおおおおおぉぉぉッ!!!」









――僕が声を発したと同時だったッ!



奴の手に持つ光線銃が地上目掛けて熱線を放ったのは…っ!





ジイィィィ――――ッ! ジュウウウウゥゥ…!



文字通り、光の速さで降り注いだレーザー光線はいともたやすく
                兄さんの機体の前半分を"溶断"した


熱線で溶断された機体の前半分はそのまま後方へ吹っ飛び
高温で真っ赤になった断面図を見せつけながら走行する僕らの後ろへ
ド派手な音を立てながらこの下り坂を豪快に転げ落ちていく








前輪が無くなった事で嫌な音を立てて前のめりになる機体と
むき出しになった動力部…











奴はそこに無慈悲にも2発目をぶち当てたッッ!














ワルイージ「……マリオの機体が…」

ルイージ「…」





ワルイージ「…粉々にぶっ飛んじまった」


その日、渓谷にガソリンエンジンの爆発による黒煙が立ち上った
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 13:38:04.84 ID:osH3ANs40



キキッーッ!




ルイージ「…」スタッ



ワルイージ「んなっ!?お、オイ!何、カートから降りてんだよォ!?」






ルイージ「」チラッ





【炎上したマリオの機体】ボォォォォォ…!




ブレーキを掛けて、機体を停めて彼は大地の上に降り立つ
逃げるように走行を続ける顎長男がルイージに向かって叫ぶ


が、無視する








ワルイージ「っ…!そ、そりゃあよォ!!

        【マリオが"ぶっ殺されんだ"!】

           動揺すんのはわかっけど逃げねぇと―!」









この時、彼は見た…ッ!



遠い向こうから…更に飛んでくる数機の円盤をッ!


さしずめ、"援軍"という奴なのだろう



ワルイージ「じょ、冗談じゃねぇぞ!
          …死んじまったら元も子もねぇ…っ!」




ワルイージ「お、オイ!!言っとくが俺は警告したかんなっ!!!
          わりぃ事言わねぇからテメェも早く逃げやがれ!」



357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 13:55:17.55 ID:osH3ANs40


別に彼、ワルイージを非難するつもりはない

彼の行動は"人間"として正しい




『死んじまったら元も子もない』その通りである



彼は努力家にして慎重な男だ

 英雄兄弟よりも自分が優れた人間だと世間にアピールしたい
そういう願望を持ちながらも彼がマリオ達と競うのは
『テニス大会』や『サイコロを振るパーティ』…といった具合の
本気で命を賭けない闘いだ


必要最低限、本当に"ヤバい橋を渡る"事だけは避けるのだ!


人間なら自分の命を誰よりも大切に想う、当たり前の感情だ

 此処で彼が逃げたとして誰も咎められないし
むしろ賢明な判断と評価できよう








もしも、此処で彼が逃げてなかったとしよう…








それならば彼は間違いなく…





          "叩きのめされた"だろう…ッッッ!














         ルイージ「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!





英雄兄弟<マリオブラザーズ>の片割れ…ッ!


その闘いはまさしく鬼神の如しッ!!

見てしまえば彼は叩きのめされた…ッ!


そう…決して努力だけでは勝てない…っ! 圧倒的才能…っ!


 英雄達を越えたいッ!そんな彼の夢、目標は粉々になっただろうッ!
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 14:12:38.76 ID:osH3ANs40



  ゲドンコ星人A「ゲーヒャヒャッwwww!」

  ゲドンコ星人B「ζ†ζΘ§ζ――!!」ゲラゲラ

  ゲドンコ星人C「ケケッ!!」ビシッ!



醜いエイリアン共が母星の語源で何かを言い合っている

 一匹は腹を抱えて大笑い、別の円盤から此方を見る奴も
同じように大口開けて嘲笑う

 そして、先程熱線を命中させた奴は恐らく上官と
思われる奴に何か言われてるのだろう…地上からでは見え辛いが
宇宙船内部に居る何者かに敬礼のポーズをしている


だがッ!そんな事はどうだって良い!!!




  ルイージ「ふぅ…いつだって勝てなかったなぁ」スタスタ

  ルイージ「永遠の2番手、日陰者…」スタスタ


  ルイージ「僕だって人間さ、そうだよ"欲望"はあった」スタスタ



  ルイージ「いつか"勝ちたい"、追い抜きたい目標だった」スクッ




  ルイージ「僕も…あの顎長男と同じで勝ちたいって夢があったさ」





  ルイージ「……僕の、いつか乗り越えてゆく真の目標でもあった」スッ




ルイージは上空に見える円盤目掛けてゆっくりと歩み出す手には今拾った
人間の拳程度の大きさの石ころを抱えて…



奴らが何を話そうがどうでも良い…っ!

連中が何を想おうとどうだって良い…っ!


何故ならばッ!



ゲドンコ星人D「ケヒャ?」ユビサシ


ゲドンコ星人「「「イーーーッ!!!」」」ゲラゲラ!



一匹の宇宙人が歩み寄るルイージに気が付き指を射す
多くの同胞がそれを見て大笑いだ

そして一匹が先ほど、マリオの機体を壊した銃口を向けてッ!





           ゲドンコ星人C「キイイィィツ!!!」ガチャ!


359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga!red_res]:2015/12/16(水) 14:16:51.44 ID:osH3ANs40























           ブ ン ッ ッ ッ ッ‼!!





                     ――――ゴスッ!!






















  ゲドンコ星人「「「「ケケケケケケケ!!………ケ ケッ…?」」」」







   ゲドンコ星人C「…ケ、ヒャ?」チラッ













360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 14:34:01.43 ID:osH3ANs40




ゲドンコ星人の宇宙船は地上に居るマリオ等を的確に撃つべく
可能な限りの低空飛行を試みていた






   円盤と地表との距離…高さにしておおよそ20m<メートル>ッッッ!!
           (※約マンション6〜7階建てに相当)







ゲドンコ星人が熱線を放つ事は無かった…

引鉄を引く前に自分の真横を何がすっ飛んできたからだ



渓谷のゴツゴツとした岩肌にもその音が反響するかのようだった

目にもとまらぬ速さですっ飛んできたそれは…











  ゲドンコ星人C「!!!!!キ、キイイイイイイイイ!?!?!?!?!」







彼らの宇宙船に大穴をブチ開けていたのだからなッ!!




高さ20m<メートル>も離れた地表からプロ野球選手が全力のストレートを
ブチ込んだ時と同じ態勢のルイージが宇宙船を睨みつけていた…ッッ!!




ルイージ「…うん、兄さんの【ハンマー ナゲール】だったら
               宇宙船の装甲を余裕で貫通してたなぁ」



開かれたハッチのすぐ横…にデカデカと開いた大穴からは
すぐさま火が噴き出す、その後は…簡単だ




 ゲドンコ星人「「「ΣζΠζΠ△▼Θ!!!!」」」



 制御不能となった機体はすぐさま、煙を巻き上げながらゴツゴツとした
岩肌にぶつかりながら谷底へ滑り落ちていく


煙をあげて墜落していく宇宙船
その様は…かつて【ゲドンコ姫の姉】との最終決戦で
                    見た光景を思い出させる
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 14:48:30.20 ID:osH3ANs40





――――奴らが何を話そうがどうでも良い…っ!



―――――連中が何を想おうとどうだって良い…っ!








――――――――何故ならばッ!









  ルイージ「さて…正直、自分で言うのもなんだけど
                 僕はあんま怒らないタチさ」




  ルイージ「…キミ達が一体どうして蘇っただとか
                  何を考えてるだとか」


  ルイージ「そんなモンはどうだって良いさ…重要な事は、そうだね」
















   ルイージ「キミ達は僕に"もう一度倒される"、ただそれだけだよ」




         ルイージ「掛かって来い…ッ!」






………数分後、数機の宇宙船の残骸とクレーターが渓谷にできたそうだ


362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 15:01:02.15 ID:osH3ANs40
―――――――――
――――――
――――



 ヒュウウウゥゥゥゥ…




 ― ……ッ!! うぉ…、身体…痛い、な… ―




           キョロキョロ…




 ― 俺…どう なったんだ? 死んだのか どこ見ても真っ暗だ ―




  ― 俺は たしか … … っ 頭 が 痛いっ …ぐっ ―





― た しか   空に 変なのが 飛んできて 光が 俺の機体 ―






 ― ……そう、だ  爆発して 俺の身体は 谷底に 落ちて行って―





 ― っ、身体中 あちこち 痛い  …? 『痛い』? ―


 ―痛み を感じる…? まだ 死んでない? ―




   『ヘイ!そろそろ夢から目を覚ましたらどうだい?』


           ―…だ れだ? ―


   『やれやれ…僕達を忘れちゃったのかい?酷いなぁ…
        キミの取り柄は身体の頑丈さだけじゃないだろう?』


      ― 俺 が 知ってる 奴 な、のか?  …


 『そうさ! 僕、いや、僕だけじゃない…
           キミの中に居るたくさんの人さ!』



        ― "俺の中のたくさんの人?" ―




『そうさ……おっと、手は貸さないよ? "自分の力"思い出すんだ!』



 『ずっと忘れられてまんまじゃ僕もフカフカ君も寂しいからね!』



363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/12/16(水) 15:05:41.71 ID:osH3ANs40
********************************


          今回は此処まで!



  いつも保守してくださっている方…ありがとうございます!





あ、それと訂正です…



×『ずっと忘れられてまんまじゃ僕もフカフカ君も寂しいからね!』


○『ずっと忘れられてたまんまじゃ僕もフカフカ君も寂しいからね!』



 『た』が抜けてましたね…

********************************
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/16(水) 15:08:39.55 ID:Vk+6MJjGO
おつおつ
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/16(水) 17:58:05.94 ID:mIFH8V1Y0
なんか上がってたから開いたけどすっげえ引き込まれて一気に読んじまった

アツい展開だなあ、○○ノ出てくるのはずるいわww
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/16(水) 20:42:50.85 ID:gmdHI3T5o
乙乙
ここであいつが出てくるとかもうね
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/17(木) 00:39:44.62 ID:vc+Hd2dvo
乙乙
おいここでそいつを出すの止めろよ、俺が泣く
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/17(木) 14:35:30.91 ID:UxzUFUH6o
なんていう熱い展開……ルイージさんマジかっけえ
乙!
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/12/17(木) 18:30:10.29 ID:3SPqWuQM0
おつおつ!ここまでルイージがカッコいいSSは珍しい
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/18(金) 08:25:56.18 ID:nPf/nSNA0
また懐かしいキャラが…
ところで作者はマリルイの新作(ペーパーマリオミックス)はプレイしてる?
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/29(火) 19:55:01.80 ID:Xj8ENF4N0
忘れられてたも何も最近まで黒歴史だった人?じゃないか
372 :名無しNIPPER [sage]:2016/01/06(水) 19:06:24.24 ID:VPM2K+bAO
保守
373 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/13(水) 09:04:03.91 ID:5kflNC4+0
まだかな
374 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/14(木) 21:04:14.82 ID:7tgcFgJw0
楽しみに待ってる
375 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/15(金) 21:43:16.28 ID:MZthYEMXO
最近またテニスやってるらしいなマリオさん
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/02(火) 21:19:06.85 ID:i6xh4V/70





           声の主は誰かわからない

       懸命に記憶を辿ろうとするも顔が分からない



  頭の中に靄が掛かったようにその"誰か"を思い出す事ができない
















             だけど…





      ― 俺は…お前を知っている…気がする ―







   胸の奥で熱く、何かが込み上げ来る、何かが叫びをあげる




『焦る必要はないさ!キミは…そうだな少し頑張り過ぎただけなんだ』

『たまには落ち着いてよーく周りを見る事だって大切なんだぜ?』





  『だから焦らないで思い出すんだ…キミならできるんだ』







 涙が出そうだった…年甲斐もなく

 いい歳した男が大粒の涙を流しそうになる…


 理由も何も分かりはしない…だが
    思い出してやれない事が無性に悔しく思えた




 遠い昔に忘れてきた大切な何か…


 平和を謳歌する世界の何処かで見失った"落とし物"…




377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/02(火) 21:47:27.85 ID:i6xh4V/70



[もう大丈夫です すみません う〜ん!泣いた後って すっきり!]



           − っ!  −



 靄が掛かった記憶の片隅に一瞬誰かの姿が見えた気がした…

 見慣れた王国で自分が一人の少年と出会っている






 [キミが助けてくれたのかい! ありがとう!助かったよ!]

 [キミの噂は天空まで届いているよ]



 深い森の奥で自分が一本の弓矢を叩き落とし誰かを救っている


   − …あ、あぁ…お、俺は…!!俺は…!! ―






 靄は次々と消え去り…彼は声の主達の顔を思い出していく…っ!










  − お、俺は…   お前たちを 知っているッ! −










 『…フフッ、やっと思い出してくれたのかい?やれやれだよ…』


 『ぼく達だけじゃないですよ…
   もっと もーっとたくさんの人が貴方の中に居るんです!』


 『キミの強さは…人と人との繋がりさ!
   キミが誰かを護ろうとする想い、そして
         皆が心からキミの事を覚えていようとする想い』



 『昔は小さな子供、今は大きくなってもう大人かもしれないよ』


 『けどね…"皆"は大人になった今も子供の頃
    強く憧れたスーパーヒーローを今だって覚えてるんだ』


 『誰かを想うからこそ、逆にキミ自身も誰かに強く想われている…』


 『それこそがキミ自身の"誰かの為に頑張ろう"っていう
              力強い意志の源…そうだろう?』

378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/02(火) 23:59:30.04 ID:i6xh4V/70


『今は大人で、かつて子供だった…そんなたくさんの"誰か"達』



 『キミと一緒に胸躍る大冒険を夢見た子供たちは
     キミの勇姿を決して忘れてなんかいないんだよ』



 − …なのに、俺が忘れてたら、恰好つかないよな…すまん −



 『…さぁ、もう夢から醒める時間だ、行くんだっ!』


 『皆が貴方の帰りを待ってるんですよ!行きましょう!』




 − …! 待ってくれ!!!『−−−』『−−』! −





  記憶の奥に掛かっていた霧は今っ!散り散りになって消えたッ!

 それと同時に声の主は彼の見える所から消えていく…




 ようやく顔を思い出せたのに…



 『うふふ!あの二人だけじゃないわよ!英雄さん!』


           − !! −


 『くすっ!貴方…ちゃんと自分の名前を言えるかしら?』




      − ああ…言えるさ…俺は…っ! −





 マリオ「俺はマリオ…いやッ "スーパーマリオ"なんだ…!」



『…うふっ!安心したわよ?…マリオ、帰り道分かる?
 もしも分からなかったら私が杖で叩いて誘導してあげちゃうわよ♪』



マリオ「…大丈夫だ、昔みたいにバケツを頭から被ってないからな」ニィ



『そっ!安心したわ!なら早く帰りなさい、ルイージ君が一人寂しく
 ゴールで待ってるわよ?』


 真っ暗な世界…見渡す限り闇しかない空間で目の前の人物が
 指し示す方角は光り輝いていていた、そして…


『マリオ!』『マリオさん!』『頑張れ!マリオ』『マリオ、サン!』



 彼の思い出の中に居るたくさんの人が道を切り拓いていく…
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/03(水) 00:21:53.57 ID:Gn+7Kvbl0


一歩、彼は歩み出す


白いグローブをはめた手で帽子の鍔を摘まむように持ち、少しだけ
深く被りなおす



 『たまには会いに来いよ!』
 『僕らのトコに時々で良いから顔を見せなよ!』



二歩目を踏み出す

焦げ茶色の年季の入ったブーツ、すり減った厚底が靴音を鳴らし
彼の身体を光の方へと進ませる



 『マリオサン!もし疲れたらまたバカンスにでも来てくだサイ!』
 『私の所にも遊びに来てよねっ!待ってるんだから!』



ゆったりと歩き出した初歩から少し早めの駆け足気味に

3歩目、4歩目…5歩、6歩、次々とペースを速めていく



 『おーい!オイラ達だっているんだぜ!』
 『ゴンザレス!また闘技場に来い!今度こそ俺が勝ってやるからな』



歩く速度から駆け足に、そして彼は走り出す


何物にも代えることのできない友人達の顔を見渡しながら…


 『アニキ!頑張れよ!』
 『マリオちん!がんばるでしゅ!』


 『マリオ!』
 『マリオさん!』
 『マリオ!!』
 『マリオくん!!』


 誰も彼もがその顔に微笑みを浮かべる


 長らく待ちわびた英雄の帰還を…っ!


 記憶の中の存在である彼等はマリオに次々と激励の言葉を掛け
 腕を伸ばし、勇気を分け与えるかの様に
 ハイタッチをしようとする者も居た


 思い出の彼等に触れる事はできない、その腕は全てすり抜けてしまう


 だが…




     マリオ「ああ、行ってくるさ…っ!」


 決して触れる事は叶わなくとも、"燃え上がるような熱き何か"が
 彼には伝わって来るような気がした




 それが…今は何よりも誇らしかった

380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/03(水) 00:35:20.29 ID:Gn+7Kvbl0
―――
――



【渓谷:奈落の底】



…パチッ




マリオ「……」ムクッ



彼は長い眠りから目を醒まし、ゆっくりと身体を起こす



マリオ「…いっ…あたた…落ちた時に腰を思いっ切り打ったか…?」

マリオ「…歳は取りたくないもんだなぁ…」チラッ




        ヒュウウウウゥゥ…




上を見上げる、光はほんの小さな一点のみ、それほどまでに空は遠く
如何に今居る場所が地上からほど遠い場所かを思い知らされる




マリオ「…ゲドンコ星人か…やれやれ
     なんでこの時代に連中が居るんだか…」フゥ…



自機の爆破で奈落の底へと投げ飛ばされ、高さにして
おおよそ高層ビル15階からの飛び降自殺のようなモノだった

常人なら"腰が痛い"程度で済むレベルでは無い




マリオ「ふぅ…マントや尻尾で空飛んでた時は彼方上空から落下しても
    ビクともしなかったがな…足腰が弱るとコレだもんな」


さも何事でも無いかのように軽い屈伸運動を済ませ、数歩後ずさる




そしてそこから助走をつけて…っ!







  マリオ「…フンッ!」






  彼は…"飛んだ"


  もはや"跳んだ"ではない、"飛んだ"のだ…ッッッ!!

381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/03(水) 00:56:47.50 ID:Gn+7Kvbl0
―――
――


ワルイージ「ひ、ひぃぃぃ…!!!た、たすけてくれぇ!!!」


  ゲドンコ星人「「「ギィィィィ!!!」」」



ワルイージ「ち、ぢぐじょうううう!!なんで俺を追ってくんだよォ」


自慢の【ダッシュキノコ】3つ分相当の加速が可能なエンジンを
フル活用して彼は上空から今も執拗に追い続ける異星人から逃れようと
必死で車体を走らせていた


ワルイージ「クソ!クソ!クソォ!!俺が何したってんだよ!!」


ただカートレースに出てただけなのにこの理不尽なアクシデント
どうこうなる訳でも無いのに叫ばずには居られなかった



ジイィィィ――――ッ! ジュウウウウゥゥ…!


ワルイージ「う、うわぁっ!…あ、あぶねぇ…ッ!」


すぐ真横でアスファルトが煙を発し液状化する…
上空の空飛ぶ円盤から放たれる凶悪な熱線がいつ己の身を焼き滅ぼすか

彼はそれを想像するだけで今にも泣き出してしまいそうだった…


ワルイージ「あぁ!神様でも悪魔でも何でも
           良いから誰か助けてくれぇぃ!!」


マリオ「よっ!ワルイージ、随分困ってそうだな?」シュタッ


ワルイージ「はぁああん!?………っ!?で、でたァ!?」


マリオ「わっ!…っとと、前見て運転しろよ」グラッ


ワルイージ「ま、マリオのお化けがががが…!」ガクガクガク

マリオ「…あー、気持ちは分かるが俺は死んでない
       ほら見ろ、脚だってちゃんとあるだろ?」


ワルイージ「ほ、ほほほ、本当にマリオか!?生きてんのかよォ!?」

マリオ「ああ…壁キックなんて久しぶりにやったよ」


今しがたほぼ垂直な絶壁と言っても差し支えない岩肌を昇り切り
丁度目の前を走ってた彼のマシンへと飛び乗った自慢の剛脚を指さす


マリオ「なぁ、ワルイージ…お前はまだ死にたかないよな?」

ワルイージ「んなモンあたりめーだろボケッ!」



マリオ「…ならこの機体を俺にくれ
     コイツで俺が後ろのアレ潰して来てやるぜ」ニィ

久しく忘れていた闘志が彼の中を血液のように廻っていく…


 最近、テニスやゴルフにパーティばかりで忘れていた彼の生きがい…



         冒険の始まりだ…っ!
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/03(水) 01:03:00.31 ID:Gn+7Kvbl0
********************************

          今回は此処まで!



         マリオついに覚醒ッ!!


    プロのロッククライマーでも登れない絶壁を
 平然と壁キックで1分も掛けずに登って来るマリオさんマジ異常


 ※普通の人間なら高層ビル15階程度の高さから落ちたら死にます

  が……しっぽマリオやらマントやら風船やらで普通に
  雲より上ぐらいまで飛んで落下しても死なないのがマリオですね

 なお3D系からはちょっとライフが減る程度で済む模様(即死しない)


********************************
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 01:07:16.35 ID:5IVacQhaO
乙!
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 04:17:53.01 ID:DrNGF3vFO
乙!

なおスレスレヒップドロップでノーダメの模様
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/03(水) 12:30:26.81 ID:G2hPJW0Io
ついに覚醒きたぁあああ!
この安心感、さすがマリオさん
乙乙
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