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P「ゲームの世界に飛ばされた」2 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/07(日) 23:11:32.60 ID:+BbkoUZmO
前作…P「ゲームの世界に飛ばされた」の続編です。

ジャンプhttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405694138/


アイマスのキャラがFF4の世界を冒険するSSです。


以下、注意事項

キャラ崩壊注意。

オリキャラは出ませんが、ゲーム内のモブキャラに名前ありがいたりします。

基本的に、ストーリーの大筋はFF4準拠ですが、違う流れも多々あります。

地の文無しなので、淡々と進むように見えるかも…。

FF4のストーリーを知らないと、訳わからないかもしれません。

登場キャラが多いので、その分場面転換も多いです。

エロ、グロは、そこまで酷くないと思います。

>>1はSS初心者なので、他にも至らないところはたくさんあると思います。



>>2に、各キャラの役と現在の状況を…。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410099092
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P「これから」 @ 2019/03/19(火) 14:56:23.22 ID:qEPlpjCkO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552974983/

レオン・S・ケネディ「想像していた初日とは全く違うな……」 @ 2019/03/19(火) 10:39:33.13 ID:Zsux6vMPo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552959572/

【魔法少女まどかマギカ】俺「安価でワルプルギスの夜倒す」part9 @ 2019/03/19(火) 10:22:56.23 ID:y8u7d49OO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552958576/

杏「掛け算」李衣菜「占い」未央「王子様」 @ 2019/03/19(火) 01:34:15.78 ID:Rfyz8RYL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552926855/

【シャニマス】樹里「果穂がかほじゅりもののエロ本隠し持ってた......」 @ 2019/03/19(火) 00:15:19.17 ID:6PngS3zvo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552922118/

凛「もう一回だけやり直し!」志希「えー、ダメでしょー…」 @ 2019/03/18(月) 23:34:17.82 ID:+hQGdWg+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552919657/

【コードギアス】オリ主の生存戦略【安価、コンマ】 @ 2019/03/18(月) 22:51:27.12 ID:KEHJ9PKr0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552917086/

【わたてん】みやこ「私に薬物が舞い降りた!」 @ 2019/03/18(月) 22:44:19.10 ID:Oi+JnK350
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552916658/

2 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/07(日) 23:30:40.75 ID:+BbkoUZmO


春香(セシル)…真、響と共に、トロイアの国にて雪歩捜索中。

千早(カイン)…律子と共に、磁力の洞窟攻略中。

真(ヤン)…春香、響と共に、トロイアの国にて雪歩捜索中。

雪歩(ギルバート)…トロイアの神官と共に、黒チョコボで磁力の洞窟へ。

やよい(リディア)…幻獣界にて、961プロの面々と同棲中。

伊織(エッジ)…ルビカンテに復讐するために、エブラーナの洞窟を掘り進む。

貴音(フースーヤ)…幻獣神バハムートと共に、月の地下へ。

響(シド)…春香、真と共に、トロイアの国にて雪歩捜索中。

亜美(パロム)…バロンの城にて、石化中。

真美(ポロム)…バロンの城にて、石化中。

美希(ローザ)…ゾットの塔にて、人質生活満喫中。

あずさ(テラ)…四天王スカルミリョーネと共に、試練の山からゾットの塔へ帰還。

律子(ゴルベーザ)…千早と共に、磁力の洞窟攻略中。

小鳥(ゼムス)…???

高木(オーディン)…放浪中。



Pは演じるキャラなし。傍観者的な立ち位置になります。



あと、>>1に書き忘れましたが、他のゲームの要素などもあり(龍虎の拳、FFTなど)


3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/09/07(日) 23:46:54.74 ID:/T74YStDO
スレたて乙
オーディン放浪中にやられたw
4 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 00:20:10.06 ID:bCdrMtCwO
ちょっとだけ投下
5 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 00:35:02.20 ID:bCdrMtCwO
バロンの城 1F通路

P「はぁ…はぁ…」フラフラ



長老「音を上げるのは、まだ早いぞ?」ゴゴゴゴ…


P「は、はい…!」グッ



長老「よいか、これから使う魔法は…」

長老「遥か昔に失われし魔法…」


P「遥か昔に…?」



長老「うむ」

長老「白魔法の『エスナ』があるじゃろ?」


P「はい」


長老「エスナが最高難度の魔法だった頃…」

長老「石化を治す為だけに生み出された魔法があった」


P「その魔法を、今から…?」


長老「左様。じゃが、すでに失われた魔法じゃ」

長老「今や、文献でしかその名を見る事はないほど、忘れられた魔法」

長老「本来なら、その理論を解き明かすのに、3ヶ月…いや、半年はかかるじゃろう」


P「そ、そんな時間は…!」


長老「わかっておる。だから、そなたの膨大な生命エネルギーを使って、新たに魔法を形作ってしまおう、という訳じゃ」



P(そんな事ができるのか……?)


6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/08(月) 01:32:54.34 ID:XgotAY5DO
エスナ以上の魔法…語感を考えたらエスガとか?
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/08(月) 02:32:48.04 ID:FyD4iOJTO
石化治癒はストナがあるけど4〜8で育ったおっさん世代にはマイナー呪文
8 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 05:46:19.73 ID:bCdrMtCwO

P(しかし、やっぱりこの人はすごいな……)

P(俺にドレインをかけながら、古代魔法を形作るなんて……)



P「うぁ……!」ガクン


長老「気をしっかり持つのじゃ!」

長老「そなたが気を失っては、全てが水の泡じゃからな!」


P「は、はいっ……!」


P(2人の苦しみに比べれば、こんなもの……!)



P「…うおおぉぉーー!!」ガバッ


長老「おお…!凄まじいエネルギーじゃ……!」ボワ

長老「……もう少しで…!」ゴゴゴゴ


ポゥ…


長老「…よし!理論は完成したぞ!」


P「ほ、本当…です…か…?」フラフラ


長老「あとは…わしの構築した理論と、そなたの生命エネルギーを信じるだけじゃ…!」ゴゴゴゴ



長老「……」バッ



長老「母なる大地よ…」



長老「力の根源へと我を導き…」



長老「…其を、与え給え!」





長老「……ストナ!」


シャララーン!


キラキラキラ…




P(……………頼むっ!)


9 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/09/08(月) 07:55:44.65 ID:bCdrMtCwO
いきなり寝落ち…

すいません
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/08(月) 11:41:22.30 ID:678TYZnwO
あの双子の石化って自分の意思でなってるから治らないんじゃないの?
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2014/09/08(月) 12:50:33.40 ID:zkYCw3v/0
682: ◆bjtPFp8neU [sage] 2014/09/08(月) 12:33:17.82 ID:bCdrMtCwO携(1) AAS
P「ゲームの世界に飛ばされた」

vip2chスレ:news4ssnip

完結しました。HTML化お願いします。


正しくは、次スレ移行しました。じゃないかね?
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/08(月) 13:06:54.04 ID:ROomgjuxO
>>11
こまけぇこたぁ(ry
13 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 19:57:41.40 ID:bCdrMtCwO
>>10
ゲームでは、ポロムが「長老に助けていただきましたの」って言ってますね…


>>11
社長…迷ったんですが、他の人と同じにしとけばいいかなって、思って…




投下します
14 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 20:13:11.76 ID:bCdrMtCwO
トロイアの森 上空

バサッ…バサッ…


雪歩「ひぃぃ…!こ、恐いよぅ…!」ガタガタ


トロワ「ユキホ様、しっかり捕まっていれば、落ちる事などありませんから…」

トロワ「黒チョコボは、高く飛ぶ事はできませんが、飛行性能は安定してるんですよ?」


雪歩「そ、そんな事いったって……!」ブルブル


トロワ「……はぁ」

トロワ「私が、しっかり捕まえてますから」ガシッ


雪歩「す、すみませんですぅ……///」



トロワ(まったく……)

トロワ(あの時、啖呵を切った人物と同一人物とは、とても思えないな…)



トロワ「それにしても…」

トロワ「すごい荷物ですね…?」


雪歩「あ…これは…」

15 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 20:23:08.49 ID:bCdrMtCwO

雪歩「お薬とか、お茶っ葉とか…いろいろ入ってるんですぅ」


トロワ(お茶っ葉は、必要ないんじゃ…)


雪歩(あ、そういえば…)

雪歩(マスターに、変わった草をもらったよね…)

雪歩(ひそひそ…なんだっけ?忘れちゃった…)


雪歩「えっと…」ゴソゴソ

雪歩「あ……これだ」スッ


雪歩(あとで、お茶っ葉にして飲んでみようかな)



グラッ…


雪歩「ひっ…!」ガシッ



トロワ「…おっと」ガシッ

トロワ「大丈夫ですか?」


雪歩「は、はい…」


雪歩(あ、あれ…)ゴソゴソ

雪歩(マスターにもらった草が、ない…)



雪歩(残念…どんな味か、知りたかったなぁ…)



16 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 20:39:57.80 ID:bCdrMtCwO
トロイアの森

スタスタ…


春香「…そろそろかなぁ?」キョロキョロ

真「うん。地図によると、この辺りだね」

響「黒チョコボかぁ…」

響「どんな鳥なのか、楽しみだぞー!」ワクワク



真「……」

真「雪歩…ひとりで大丈夫かなぁ?」

響「勇気、あるよね…」

響(雪歩…すごいなぁ…)

響(自分も、負けないぞー!)



……パサッ



春香「大丈夫だよ!雪歩、ああ見えて芯の強い子だし……」



「ひぃぃ!ゆ、揺れてますぅ…!」



春香「ほら、雪歩の声が聞こえ……て…?」



真「雪歩!?」キョロキョロ

響「どこにいるんだー!?」キョロキョロ

春香「雪歩ー!返事してー?」




春香「近くにいるのかも!」

春香「手分けして、探そう!」



真「…じゃあ、あとでまた、ここで集まろうか」


春香「うん!」

響「わかったぞー!」



タタタタ…



17 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 20:47:49.01 ID:bCdrMtCwO
真「雪歩ー!」

真「どこにいるのー!」





春香「雪歩ー!」

春香「どこー!」





響「ゆき…」


ガサガサッ


響「ん?」

響「雪歩…?」


スタスタ…




黒チョコボ「…クエッ?」


響「あ……」

響「ごめんな、人違いだったぞー…」クルッ



黒チョコボ「クエッ、クエッ!」グイッ


響「あ、いや…自分、今、人探しを……」


黒チョコボ「クエッ、クエーッ?」


響「あ、えーと…雪歩っていうんだけど…」


黒チョコボ「クエッ、クエッ、クエーッ!」


響「え……?」



18 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 21:02:25.29 ID:bCdrMtCwO

春香「真……いた?」


真「ううん、そっちは?」


春香「いなかったよ…」



「高いよぉ〜…恐いよぉ〜!」



春香「……声は、聞こえるんだけど…」



真「……っていうか、さっきから思ってたんだけど」

真「春香、頭に何乗っけてるの?」


春香「え?」スッ


春香「あれ、いつの間に…」

春香「なんだろ、この葉っぱ……」



「ひぃーん!穴掘って……あ、ここ、空の上だった……///」



春香「……」

真「……」


真「……ねえ、その葉っぱ…」

春香「うん……まさかとは思ったけど…」


春香「この葉っぱから…雪歩の声が聞こえるみたいだね……」



真「雪歩、さっき空の上…とか言ってなかった?」

春香「あ、言ってたかも…」


真「もう、黒チョコボに乗って、向かってるんじゃ…」


春香「……じゃあ、私達も、急がないと…!」




春香「それにしても、響ちゃん、遅いなぁ……」




ドドドド…



響「おおーい、2人ともー!」


19 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 22:42:27.22 ID:bCdrMtCwO
磁力の洞窟 入口

トロワ「…本当に、おひとりで大丈夫ですか?」



雪歩「……は、はい…」

雪歩(本当は、すっごく恐いよ……)

雪歩(でも…)

雪歩(律子さんが攻めて来る時、春香ちゃんや真ちゃんは…律子さんと、ちゃんと向き合ってた……)


雪歩(私も……)

雪歩(仲間と、ちゃんと向き合うんだ……!)



雪歩「…大丈夫ですっ!」


トロワ「……」

トロワ(……弱い…かと思ったら、こんな風に、強い表情も見せる…)

トロワ(不思議な人だ……)



トロワ「黒チョコボは、ここへおいて行きます」


雪歩「え…?でも……」

雪歩「あなたが、帰れなくなっちゃいますぅ…」


トロワ「ふふふ、この辺りは、子供の頃から慣れ親しんだ遊び場です」

トロワ「心配は不要ですよ?」



トロワ「おまえ、いい子で待ってるんだぞ?」ナデナデ


黒チョコボ「クエッ!」シュタッ


20 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 22:55:55.30 ID:bCdrMtCwO

トロワ「…それでは、私はこれで……」ペコリ


スタスタ…



雪歩「あ、ありがとうございましたっ!」ペコリ





トロワ「あ、そういえば……」ピタ



トロワ「『悪しき妖精は、音を忌み嫌う』という伝承があります」


トロワ「あのダークエルフという者…」

トロワ「音、に弱いのかもしれません」



雪歩「音に……?」



トロワ「ユキホ王女、どうかご無事で」



タタタタ…




雪歩(音、かぁ……)

雪歩(私、楽器なんて持ってないしなぁ…)


雪歩(持ってるのは、スコップと…)


雪歩「……」スッ


雪歩(ユキコさんの……)



キラーン!


21 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 23:11:35.20 ID:bCdrMtCwO
磁力の洞窟 B1F

千早「……っ!」タンッ


フワッ…


魔物1「ガァ…?」チラ



律子「…ファイラ」


ボオォォー!


ドサッ


魔物1「」


魔物2「グガァ!」ブンッ


律子「…ふん!」ガシッ


魔物「グガァ…!」


律子「……邪魔よ!」


ドゴォ!


魔物2「グァ…!」ヨロッ


律子「……千早!」


千早「……はっ!」


ヒュー…ドカッ!


ドサッ


魔物2「」



スタッ


千早「ふぅ……」


律子(こんなザコばかりなら、なんとかなりそうね)


千早「…ねえ、律子」


千早「なぜ、ここの魔物は…」

律子「…私に従わないのか、って?」

千早「……」コクリ


律子「私以外の『誰か』が操っているから、でしょ?」

千早「それは…そうだろうけど…」
22 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 23:30:13.70 ID:bCdrMtCwO

千早「律子…あなた、魔物の総大将じゃないの?」


律子「…ちょっと、その言い方はやめてよ」

律子「まるで、私が化け物みたいじゃないの」


千早「あ、そうね…ごめんなさい」

千早(強さは、化け物じみているけどね……)



千早「律子じゃないとしたら、いったい誰が……?」

千早(まさか、春香達じゃないだろうし…)

千早(他にも、勢力が……?)


律子「…ダークエルフ、だっけ?」

律子「そいつが、操っているのよ、きっと」

千早「名前だけ聞くと、そんな大物には思えないけれど……」

律子「まあ、ね……」


律子(考えられるのは、小鳥さん絡みしかないわよね…)

律子(今回の指示は、やけにヒントが少ないと思ったけど…)


律子(小鳥さん、何を企んで……?)



千早「ま、いまさら何を言っても、何も変わらないわね」

千早「……先を、急ぎましょう」


スタスタ…


23 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/08(月) 23:44:26.45 ID:bCdrMtCwO

千早「……ねえ、そういえば、美希の事はどうす…」チラ


千早「…るの……って……あれ?」


千早「律子…?」キョロキョロ





律子「……」グッタリ



千早「あ……」


タタタタ…


千早「律子…?律子!」ユサユサ



律子「……っ」


律子「……んっ」ムクッ


律子「……あ、あれ…?私……」


千早「律子……」

千早(また……)


律子「あ……」

律子「私…疲れが溜まってるのかもね?」

律子「か、帰ったら、ゆっくりお風呂に浸からなきゃね…」



千早「……」

千早「そうね」

千早「じゃあ、さっさと終わらせましょう」



千早(これは…)

千早(何かの予兆なの…?)

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/09(火) 00:35:33.01 ID:uT7UaktDO
小鳥さん誕生日おめでとう月に封印されてる間にまた一歳年をとtここからは血で滲んで読めないようだ。
25 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/09/09(火) 21:37:27.31 ID:0AkmiHWlO
小鳥さん、誕生日おめでとう

あと、ごめんなさい
26 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/09(火) 21:47:41.86 ID:0AkmiHWlO
月の中心核

小鳥(忌まわしい…)



小鳥(忌まわしいわ……)ワナワナ



小鳥(…私の日付け感覚が正しければ……)



小鳥(今日は……)






小鳥「『救急の日』じゃないの……!」バーン





小鳥「…あれ?『ロールケーキの日』だっけ……?」



小鳥「……ああ、そうだ。『食べ物を大切にする日』だったわ!」



小鳥「……」



小鳥「…だから、何も気に病む事はないのよ?小鳥……」


小鳥「……あなたは、いつまでも若くて美しい……」

小鳥「…可憐な……」




小鳥(……………虚しいわ…)ズーン


27 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/09(火) 21:58:02.83 ID:0AkmiHWlO

小鳥「これも、全部……」

小鳥「プロデューサーさんのせいよね!」

小鳥「さっさと、私を迎えに来てくれないから…」グスン



小鳥「……」


小鳥「………もし」


小鳥「もし…よ?」


小鳥「プロデューサーさんが、私を迎えに来てくれたら……」



………



『小鳥!待たせて、すまない』キリッ

『ぷ、プロデューサーさん!…お待ち申しておりました…!』

『私を、連れて行ってくださるのね…?』ウルウル

『そして、私と……け、け、結婚……///』

『小鳥……俺で、いいのか?』

『もちろんです…!あなた以外、考えられません!』

『小鳥…』

『プロデューサーさん…』

『小鳥は、あなたを……』

28 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/09(火) 22:08:29.00 ID:0AkmiHWlO

小鳥「……お慕い…お慕い……」

小鳥「…お慕い申しております……!」ウットリ





タイダリアサン「コトリ様…コトリ様!」


小鳥「……はっ!」ガバッ


タイダリアサン「……大丈夫ですか?うなされてましたけど…」

タイダリアサン「…死体が、どうかしたんですか……?」


小鳥「…な、なんでもないですからっ!」カァァ




小鳥(…また、つまらぬものを、想像してしまった……)



小鳥(妄想がはかどるとはいえ…)

小鳥(やっぱり……)

小鳥(……ひとりは、さみしいなぁ…)


小鳥「…こうなったら!」


タイダリアサン(あ、嫌な予感……)


小鳥「今日は、とことん飲むわよっ!」


タイダリアサン「はあ…」

タイダリアサン(今日『も』じゃないですかぁ……)



29 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/09(火) 22:18:57.60 ID:0AkmiHWlO

小鳥「ゴクッ…ゴクッ…」

小鳥「…っぷはぁ!」


小鳥「ん〜まずい、もう一杯!」



プレイグ「コトリ様〜、飲み過ぎですよ〜」

白龍「どうか、ご自愛くださいませ」

ルナザウルス「飲み過ぎは、身体に毒ッス」



小鳥「うるさいのよぉ〜」フラフラ


小鳥「何杯飲もうが、私の勝手れしょ〜?」



小鳥「……ひっく」


タイダリアサン(…ダメだこりゃ)


小鳥「……ぷろりゅ〜さぁの、ばかやろ〜!」フラフラ



小鳥「…はい、みなさんご一緒に〜?」


魔物達「ぷ、プロデューサーの、ばかやろー…」



小鳥「…声が小さ〜いっ!!」ドンッ



魔物達「ぷ、プロデューサーの、ばかやろー!!」



魔物達(誰か、助けて……!)


30 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/09(火) 22:32:41.67 ID:0AkmiHWlO

小鳥「……そうだ」

小鳥「私も、プロデューサーになればいいのよ〜」



小鳥「…そして、プロデューサーさんのプロデュースしたアイドルと…」

小鳥「私のプロデュースしたアイドルが、戦うの……」


小鳥「うふふ、ステキ…」ウットリ


小鳥「そして…死闘の果てに、2人のプロデューサーは…」

小鳥「…恋に、落ちる…」



…………


『……とどめを、刺せ』

『…そんな事、できません!』

『あなたは……私の、大切な人ですから!』ウルッ

『だが、俺はお前を殺そうと…』

『いいんです…!』

『あなたになら、この命、捧げても……』ニコッ

『小鳥……』

『プロデューサーさん…』



小鳥「うふふ……」ウットリ



タイダリアサン「あ、またトリップした…」

プレイグ「コトリ様〜戻って来て〜!」

白龍「…困ったものです」

ルナザウルス「でも、なんだか楽しそうッス」


31 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/09(火) 22:44:50.39 ID:0AkmiHWlO

小鳥「…こほん」


小鳥「……と、いう事で…」

小鳥(あ…少し、酔いが覚めて来たかな?)


小鳥「今から、あなた達をプロデュースします!」ビシッ



魔物達「はあ…」



小鳥「あなた達には、大切な武器を、守ってもらいます」

小鳥(私を倒すための…ね)



小鳥「まず……蛇のあなた」


タイダリアサン「はい…」


小鳥「はい、これ」スッ


タイダリアサン「…あの、この刀は……?」


小鳥「『妖刀マサムネ』。伊織ちゃんに、取られないようにね?」


タイダリアサン「はあ…」

タイダリアサン(いおりちゃんって…誰…?)


小鳥「龍のあなたには、はい」スッ

小鳥「『妖刀ムラサメ』…。これも、伊織ちゃんの武器だから…ちゃんと守るのよ?」


白龍「全力で…死守します!」


32 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/09(火) 22:56:06.04 ID:0AkmiHWlO

小鳥「次は…目ん玉のあなたね」


プレイグ「は〜い」


小鳥「これは、『ホーリーランス』。千早ちゃんの武器よ」スッ

小鳥「千早ちゃんは、一筋縄ではいかないわよ?」


プレイグ「が、頑張ります」



小鳥「最後に…骸骨君」


ルナザウルス「自分は、どんなのッスか?」


小鳥「はい、これよ」スッ


ルナザウルス「ええ〜?自分だけ、武器じゃないんスか〜?」


小鳥「ううん、これも、立派な武器よ?」

小鳥「この『リボン』を付けた春香ちゃんの力は…」

小鳥「きっと、計り知れないわ…」


ルナザウルス「まあ、やるだけやってみるッス」




小鳥「じゃあ、みんな」

小鳥「しっかり、守ってね?」


魔物達「は〜い」




小鳥(…この子達に負けるようじゃ、私は倒せないからね?)



小鳥(……頑張ってね、みんな…)


33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/09(火) 23:31:01.72 ID:er/ZB9hro
あれピヨちゃんって自分の立ち位置がラスボスって知ってるんだっけ?
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/10(水) 03:06:02.60 ID:pk0aKruDO
小鳥さんもこのゲームはプレイくらいしてるだろうし月にいて封印されて律子を操れることからしてラスボスってわかるんじゃない?
35 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 20:55:27.92 ID:g1GtWvlWO
トロイアの森 上空

バサッ…バサッ…



真「いやぁ、さすが響だねー!」

真「ちゃんと黒チョコボを捕まえて来るなんてさ!」


響「別に、捕まえたわけじゃないぞー?」

響「自分達、友達になったんだ!」


響「なー、チヨ吉ー?」



黒チョコボ「クエッ!」



春香「…ふふ、かわいいねぇ。チヨ吉君っていうんだ」


響「うん!チヨ吉は、チヨ子を探してるんだってさー」


真「ちよこ…?」

真「彼女…かな?」


黒チョコボ「クエッ、クエッ!」


響「将来を誓い合った仲みたいだぞー」



春香「将来を誓い合った…」

春香(…いいなぁ)

春香(わ、私も…いずれはプロデューサーさんと……)

春香(な、なんてね……///)



「…うぇーん!埋まってますぅ!」


「ザクザクザクザク…」


36 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 21:10:11.26 ID:g1GtWvlWO

真「……掘ってるね」


春香「うん。掘ってる」



響「それにしても、変な草だなぁ…」ピラッ

響「なんか、ケータイで話してるみたい」


春香「あー、確かに」


黒チョコボ「クエッ!クエッ!」



響「…ふーん、そうなのかー」


真「…なんて言ってるの?」


響「チヨ吉の話によると…」

響「この草は、『ひそひ草』っていうんだって」


真「プッ…変な名前」


響「遠く離れた誰かの声を、この草に届ける事ができるらしいぞー」


真「…なんだ、やっぱりケータイと同じじゃないか」


春香「じゃあ、こっちからも話しかける事ができるのかな?」


響「チヨ吉ー、こっちの声は届くのかー?」


黒チョコボ「クエーッ!」


響「無理ー、だってさ」



真「…なーんだ。使い道がありそうでないなぁ」



黒チョコボ「クエッ!クエー!」



響「…お、そろそろ着くみたいだぞー?」


37 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 21:26:25.71 ID:g1GtWvlWO
磁力の洞窟 入口

春香「よかったね、婚約者が見つかって…」


真「雪歩の乗って来た黒チョコボかな?」


春香「多分、そうじゃないかな」



チヨ吉「クエッ、クエッ…!(会いたかった…!)」ダキッ


チヨ子「…クエッ、クエー!(私もよ!…もう、離さない!)」ギュッ



響「うんうん…」



チヨ吉「クエッ、クエッ…(この人達を乗せて帰ったら…)

チヨ吉「クエッ、クエッ!(一緒に暮らそう!)」


チヨ子「クエーッ!(…嬉しいわ!)」



響「よかったなぁ…!」ジーン



チヨ吉「…クエッ、クエッ!(…今夜は、寝かせないからね?)」


チヨ子「クエッ…クエーッ!(そ、そんな…恥ずかしいわ…!)」



響「ち、チヨ吉…だ、大胆だなぁ…」カァァ



真「響…?」

春香「…どうしたの?響ちゃん」


響「な、なんでもないっ…///」

響「ふ、2人とも、早く行くぞっ!」


スタスタ…



春香・真「?」


38 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 21:37:25.09 ID:g1GtWvlWO
磁力の洞窟 B2F

ケットシー「グルル…!」

マインドフレイア「……」



千早「律子……」

律子「ええ……」

律子「今までのザコとは、違うようね…」



ケットシー「グルル…!」ジリッ


ダンッ


ケットシー「ガルル!」ガバッ


千早(……速い!)


律子「まあ、でも…」ヒョイッ


律子「…敵じゃ、ないわっ!」クルッ


ドカッ!


ケットシー「ギャン!」


クルッ…スタッ


律子(…豹の魔物だけあって、身軽ね)


律子「千早、あっちの不気味なやつをお願い!」


千早「…わかったわ!」チラ


マインドフレイア「……」


千早(…確かに、不気味ね)


マインドフレイア「……!」ブゥン


千早(…なんか、ヤバそう……!)


39 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 21:44:46.62 ID:g1GtWvlWO

ブゥン…ババババッ!


千早「くっ……!」タンッ


フワッ…


マインドフレイア「……」チラ


千早「……はっ!」


ヒュン!


マインドフレイア「……」ヒョイッ


スタッ


千早(躱された…)


マインドフレイア「……!」ブゥン


千早(タメがあるのね…)

千早(…なら、その間に!)


タタタタ…


千早「……ふっ!」ブンッ


ドカッ!


マインドフレイア「……!」ヨロッ


千早(…畳みかける!)


バキッ!ドコッ!ドカッ!


マインドフレイア「……!」フラッ


ドサッ


マインドフレイア「」



千早「ふぅ……」


40 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 21:54:39.13 ID:g1GtWvlWO

律子「はっ!」ブンッ


ケットシー「グルル…!」


クルッ…スタッ


律子「素早いわね…」

律子「…なら、魔法で……!」ボッ


律子「ファイ…」



ーーードクン…ーーー



律子「っ……!」ガクッ

律子(こ…こんな時に……!)



千早「律子っ!」


タタタタ…


ケットシー「ガルル!」ブゥン


ヒュー…ズバッ!


律子「ぐ……!」フラッ


ドサッ


千早「律子!大丈夫?」


律子「っ……この!」ピタッ

律子「……?」


律子「あ、あれ…?か、身体が動かな…い…っ」ググッ


ケットシー「ガルル…!」ジリッ


千早「くっ……!」



ズズズズ…


41 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 22:00:09.83 ID:g1GtWvlWO

ケットシー「ガルルッ!」ダンッ


千早「……!」バッ

千早(…律子には、指一本触れさせない…!)




…ザバァッ!




ケットシー「……!」ビクッ







雪歩「…………っぷはぁ!」ヒョコッ

雪歩「……久々のシャバですぅ」



千早「え……?」


雪歩「あ……」


ケットシー「ガル……?」


律子(ゆ、雪歩…?)



千早「は、萩原さん……?」


42 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 22:09:54.38 ID:g1GtWvlWO

雪歩「…千早ちゃんっ!」

雪歩「やっと…追いついたよぉ…」

雪歩「あれ…律子さんは…?」キョロキョロ



千早「は、萩原さん、今は、のんびり話してる場合じゃ……!」チラ



ケットシー「ガルル…!」



雪歩「ひぃ〜!」ビクッ


雪歩「さ、さよなら〜…」


ザクザクザクザク…



千早(あっ……)

千早(戦ってくれるわけじゃ、ないのね…)


ケットシー「ガルルッ!」ジリッ


千早(律子を、守らないと……!)






雪歩「……と、見せかけて」ブンッ


ガコンッ!


ケットシー「ガ……」グラッ


ドサッ


ケットシー「」



千早(は、萩原さん……)


雪歩「……不意打ちですぅ」




千早(……ちょっと見ないうちに、したたかになったのね…)


43 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 22:25:24.85 ID:g1GtWvlWO


雪歩「……律子さん」

雪歩「これ…飲んでください」スッ


律子「…これ…は…?」


雪歩「それは…」

雪歩「『ばんのうやく』っていって、どんな病気にも効くお薬みたいですよ…?」


律子「……」パシッ


律子「…ゴクッ…ゴクッ…」


律子「んっ……」ピクッ


律子「…身体が…動く……」グイッ


千早(よかった…)





律子「……」ジッ


雪歩「う……」モジモジ


律子「……………なぜ、私を助けたの?」


雪歩「……えっと……」


雪歩「……」


雪歩「仲間、だからです」


千早(…萩原さん)


律子「……」


44 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/10(水) 22:47:54.32 ID:g1GtWvlWO

律子「………悪いけど」




律子「あなたと共に戦う事は、できないわ」

律子(…それだけの事を、私はしてしまったから……)


千早「……」


雪歩「そんなぁ……」



律子「……」チラ


雪歩「うぅ……」






律子「……………はぁ」


律子「わかったわ…」


律子「今回だけ…雪歩の『お薬』の世話になろうかしら」


雪歩「…律子さんっ!」パァァ


雪歩「ま、任せてくださいっ!」

雪歩「お薬なら、たくさん買って来ましたから!」


雪歩「ええと…」

雪歩「『どく』を治すお薬に、『ちんもく』を治すお薬に…」ゴソゴソ


千早(なんとか、丸く収まった…かしらね)




律子(雪歩……ありがとう)

45 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/11(木) 22:02:52.41 ID:V6ynKjsWO
ゾットの塔

美希「…ストレートなのっ!」バサッ




バルバリシア「もう……いけると思ったのに…」バサッ

バルバリシア「…Kのスリーカードよ」


スカルミリョーネ(……お、降りて、よかっ…た…)





美希「あはっ!これでミキの10連勝だねっ!」


バルバリシア「なんなの、この強さ…」


スカルミリョーネ「……か、カードゲームの、申し…子…」




ガチャ…




あずさ「…ただいま〜」


美希「あずさ!」


スカルミリョーネ「……あ、アズサ…ど、どこにいたん…だ…?」


あずさ「ごめんなさいね〜。ちょっと、迷っちゃって…」



美希「ねえねえ、あずさもやろうよ、トランプ!」

美希(…リベンジなの!)


あずさ「ん〜、いいけど…」

あずさ「私、弱いから、お手柔らかにね〜?」


バルバリシア(…アズサになら、勝てそう)




美希「……じゃあ、配るよ?」


46 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/11(木) 22:16:35.34 ID:V6ynKjsWO

美希「……2枚、交換するの」スッ



美希「…あはっ!揃ったの!」


バルバリシア(ブラフ……なわけないわね、ミキに限って)

バルバリシア(…『ポーカー』の意味なんて、考えてないでしょうし…)

バルバリシア(……私は、ワンペア…勝負にならないわ)


バルバリシア「…降りるわ」


スカルミリョーネ「……お、同じ…く…」


スカルミリョーネ(……い、一回も、役ができな…い…)


あずさ「あらあら〜」



美希「…あずさは、交換しないの?」


あずさ「うふふ〜、このままでいいわ」



美希「…じゃあ」

美希「……勝負なのっ!」バサッ



美希「…フルハウス!」



バルバリシア(なんなの、まったく…)




あずさ「ええと…これ、なんていったかしら…?」バサッ

あずさ「同じ数字が、4つ…」



バルバリシア「なっ……!」

スカルミリョーネ「……あ、アズサ…さすが…だ…!」



美希「……ふぉ…ふぉーかーど……?」ヘナヘナ



美希「……また、負けちゃったの…」シュン


バルバリシア「ん?『また』……?」


美希(絶対おかしいの…)

美希(この世界のあずさには、トランプも魔法も勝てないの…)


あずさ「うふふ、ごめんなさいね〜?」


47 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/11(木) 22:29:38.24 ID:V6ynKjsWO
磁力の洞窟 B4F

千早「この扉……」


律子「……どうやら、ここにありそうね」

律子「…じゃ、行くわよ」




雪歩「ま…待ってくださいっ!」



律子「……ん?」クルッ


雪歩「律子さん……クリスタルを集めて、いったい何をするつもりなんですか…?」



千早「……」


律子「……答える義務は、ないわ…」


雪歩「うぅ……」





律子「………」

律子「……安心しなさい。この世界を滅ぼそう、なんて、物騒な事は考えてないから…」


雪歩「そ、そうですか…よかったぁ……」


千早(クリスタルを集める為に、物騒な事はしたけどね…)

千早(……やっぱり)

千早(その辺りに、律子らしからぬ矛盾を感じるわ…)


千早(律子を絶対服従させる『上司』……いったい、どんな人物なのかしら…?)



律子「2人とも、準備はいい?」


雪歩「あ、あの…」


律子「…はぁ。今度は何?」




雪歩「…お茶、飲みませんか?」


48 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/11(木) 22:38:09.86 ID:V6ynKjsWO

律子「……まったく」

律子「敵の大将が、すぐそこにいるっていうのに…」



千早「ズズ……」

千早「……ふぅ。おいしいわ」



雪歩「ふふ、よかったぁ…」ニコッ



律子「……少しは、緊張感を持ちなさいよね…?」


雪歩「で、でも…」


千早「…律子、こんな時だからこそ、じゃないかしら?」


律子「…精神を落ち着かせるのは、いいわ」

律子「でも、あまり和んでいると、戦闘で…」


雪歩「まあまあ、律子さんも飲んでください」トクトク


律子「……」

律子「…ゴクッ、ゴクッ……」

律子「……ふぅ」


律子「さっ、行くわよ!」スタッ


雪歩「あ……」


千早「せっかちね…」

千早「萩原さん、ごちそうさま」


雪歩「あ、うん…」




律子(…………ごちそうさま)


49 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/11(木) 23:08:01.44 ID:V6ynKjsWO
磁力の洞窟B2F

スタスタ…


真「……ん?」キョロキョロ


真「…雪歩の掘ってくれた穴は、ここで終わりみたいだね」


響「じゃあ、ここからは歩いて行ったんだな」


真「多分ね」


響「そういえば、律子もここへ来てるんだろー?」


真「あ、そうだったね」


響「律子に会うのも、楽しみだぞー!」


真(律子……)




春香「ぐぬぬっ……!」ググッ



響「春香……まだやってる…」チラ


春香「この……!」ググッ


真「春香…」

真「無理なんじゃない?」


春香「で、でも……」




春香「…なんで、剣が抜けないのぉ…?」


50 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/11(木) 23:25:30.22 ID:V6ynKjsWO

真「よくわからないけど」

真「『磁力』の洞窟っていうぐらいだから…」

真「春香の剣も、磁石みたいにくっついちゃったんだね、きっと」



春香「そ、そんなぁ〜…」ショボーン


春香「…せっかく、必殺技を覚えたのになぁ……」チラ



響「お、春香も修行してたのかー!」


春香「え?響ちゃんも?」

春香(ま、私は、修行なんて大層なものじゃないけど…)



響「自分達も、昨日の夜は修行してたんだぞー?」


春香「達…って事は、2人で…?」


真「うん!2人の方が、いろいろはかどるんだよね!」


響「真は、鬼教官だったぞー!」

響「あ…思い出したら、吐き気が…」


真「でも、そのおかげで強くなれたじゃないか」


響「うん、まあね!」



春香(…みんな、強くなってるんだね……)



春香(…はっ!せっかく覚えた必殺技が使えないって事は…)

春香(…また、個性がないって言われちゃうよぉ…)


51 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/12(金) 00:02:34.87 ID:+Q/XNgMcO
磁力の洞窟 B4F クリスタルルーム

ガチャ…


ダークエルフ「……!」ビクッ


ダークエルフ「……ニンゲン、カ……?」チラ



雪歩「ひぃ……!」ビクッ

千早「……」

律子「あなたが、ダークエルフ……?」



ダークエルフ「……ソウダ」



ダークエルフ「オマエタチ、ヨクココマデ来レタ!」


ダークエルフ「…ダガ、辿リ着ク事ハデキテモ…」

ダークエルフ「土ノくりすたるハ、オマエタチノ手ニハ戻ラナイ…」




律子「…そういうわけには、いかないわ」

律子「私には、クリスタルが必要なのよ」


ダークエルフ「……誰ニモ渡サナイ…!」

ダークエルフ「土ノくりすたるデ、永遠ノ命ヲ手ニ入レル!」


ダークエルフ「…ソウスレバ、ことりニモ怯エズニ……」



千早「え……?」

千早(今……小鳥って、言わなかった…?)



律子「……!」

律子(……やっぱり、小鳥さん絡みか…)

律子(それにしても…『駒』同士で戦わせようっていうの……?)



律子(…完全に、遊ばれてるわね……!)


52 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/12(金) 21:19:18.99 ID:+Q/XNgMcO

律子「……なら、力ずくでもらうわ!」



ダークエルフ「ソンナ装備デ、コノ私ノ魔力ニ勝テルト思ウノカ…?」



千早(確かに、丸腰同然ね…)

千早(……頭を使って戦わなきゃ…!)



律子「……喰らいなさいっ!」

律子「……ファイラ!」バッ


ボオォーー!


ダークエルフ「…ファイラ!」


ボオォーー!



ダークエルフ「…ブリザラ!」


律子「!」

律子「連続で……!?」


パリパリッ…シャキーン!


雪歩「り、律子さんっ!」


律子「くぅ……!」

律子「…私に構わず…」


ダークエルフ「サンダ…」


千早「…させないわ!」


ヒュンッ…ドゴッ!


ダークエルフ「グ……!」


スタッ


千早「…律子、大丈夫?」


律子「……これくらい、平気よ」

律子(連続で魔法を使うのね…)



雪歩(千早ちゃん、すごいジャンプ……)

雪歩(……あ)


雪歩「千早ちゃん、ちょっと…」

53 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/12(金) 21:42:03.27 ID:+Q/XNgMcO

千早「……なるほどね」

千早「攻撃としては、ありだと思うわ……」

千早「けど、うまくいくのは、最初だけだと思うわよ?」


雪歩「うん…」



千早「…律子、悪いけど、また的になってもらえない?」


律子「…何か、策があるのね?」

律子「わかった。気をつけなさい」





ダークエルフ「逃ゲル相談デモ、シテタノカ…?」


律子「笑わせないで!あなたの魔法なんて、痛くも痒くもないわ!」


ダークエルフ「愚カナ……!」


ダークエルフ「…ファイラ!」


ボオオォー!


千早「…萩原さん!」タンッ


フワッ…


雪歩「うんっ!」チャキッ


ザクザクザクザク…



ダークエルフ「ブリザラ!」


パリパリッ…シャキーン!


律子「ぐぅ……!」

律子(真は、私の魔法を耐えてみせた…)

律子(……なら、私だって…!)


ダークエルフ「…サンダラ!」


ゴロピシャァーン!


律子「っあ……!」

律子「ぐ……っ!」


54 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/12(金) 21:45:26.94 ID:+Q/XNgMcO

律子「っ…ぁぁああああああ!」バッ



ダークエルフ「何…?耐エタ…ダト?」


千早「……はっ!」


ヒュンッ…ドゴッ!


ダークエルフ「グ……!」


ザバァッ!


雪歩「…えいっ!」ブンッ


ガコンッ!バコンッ!


ダークエルフ「ガッ……!」



雪歩「…て、撤退ですぅ!」



タタタタ…



55 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/12(金) 21:58:32.32 ID:0thCv76OO

律子「はぁ、はぁ…」



雪歩「律子さんっ!」

雪歩「はい、どうぞっ!」スッ


律子「ふふ……ありがと」パシッ




律子「…空中と地中からの2段攻撃なんて、考えたわね」

千早「萩原さんの策よ…」

雪歩「は、恥ずかしいですぅ…」モジモジ


律子「まだ、安心するのは早いわ!」



ダークエルフ「ググ……!」

ダークエルフ「ニンゲンメ……!」



律子「さあ……化け物退治よ!」


千早「…そうね」

雪歩「が、頑張りますっ…!」チャキッ




律子「……雪歩」


雪歩「……?」クルッ


律子「……ナイスガッツよ!」ニコッ



雪歩「あ……」

雪歩「えへへ……///」



56 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/12(金) 22:08:15.49 ID:0thCv76OO

律子「……ファイガッ!」


ボオオォォーー!


ダークエルフ「グアアア!」


千早「……!」タンッ


フワッ…


雪歩「い、行きますっ!」チャキッ


ザクザクザクザク…


ダークエルフ「クッ……!」ヨロッ


律子「よし、もう一息!」






ダークエルフ「…エイク」ニヤリ


律子「?」


ゴゴゴゴ…


グラグラグラ…


律子「じ、地震…!」ヨロッ


律子「あ!…雪歩!」


千早「はっ!」


ヒュンッ…ドゴッ!


ダークエルフ「グゥ……!」ヨロッ


千早「きゃ……な、何…?」ヨロッ


律子「千早、雪歩が…!」



ダークエルフ「ククク…!」




ガラガラ…ドサドサドサッ…




ドゴォォォォォ…ン!



57 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/12(金) 22:19:30.53 ID:0thCv76OO

ダークエルフ「ククク…!マズヒトリ……!」



律子「……っ!」フラッ

律子「……千早?」



千早「……大丈夫。やれるわ」



律子「……」

律子(雪歩…………!)



ダークエルフ「…残リモ、地獄ヘ送ッテヤル……!」



律子「…なめてんじゃないわ!」バリッ



千早「……くっ!」タンッ


フワッ…



ダークエルフ「ククク…!」チラ



律子「サンダガ!」


バリバリッ…ピシャァーン!


ダークエルフ「ガググ……!」ヨロッ



千早「はっ!」


ダークエルフ「…トルネド!」


ゴゥゥゥゥ…


千早「あ……」


ブオオォォォーーー!



ヒュー……ドサッ


千早「っ……が…はっ…!」



律子「千早っ!」


58 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/12(金) 22:28:57.25 ID:0thCv76OO

ダークエルフ「ククク…、アト、ヒトリ……!」




律子(千早…雪歩……!)

律子(私じゃ…誰かを守れないっていうの……?)


律子「うあああ!」ダッ


タタタタ…


ダークエルフ「…バカメ!」


ダークエルフ「ファイラ!」


ボオオォー!


ダークエルフ「ブリザラ!」


パリパリッ…シャキーン!


ダークエルフ「サンダラ!」


ゴロピシャァーン!



律子「ぐああああ!」

律子(この力は…っ)

律子(何のための力なのよっ!)


律子「っ……だあっ!」ブンッ


ドカッ!バキッ!


ダークエルフ「ウグッ……!」


ドゴッ!バコッ!ベキッ!


ダークエルフ「グゥ……!」ヨロッ



バタッ



律子「っ…はぁ…はぁ…!」フラッ


59 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/12(金) 22:36:30.23 ID:0thCv76OO

千早「り…律…子…っ!」ピクッ



律子「千早っ!」


タタタタ…


律子「…しっかり!」ガシッ


千早「は、萩……ら…さ…っ!」


律子「……」

律子「……大丈夫、雪歩は…」




ダークエルフ「…グガアアアア!」ガバッ



律子「ち……しぶといわね…!」



ダークエルフ「私ノ結界ヲ破ラヌ限リ…オマエタチハ勝テナイ…!」


律子(結界……?)




バタンッ…




春香「あ……」

春香「律子さんと………千早ちゃん!」


真「律子……!」


響「あれ…?雪歩がいないぞー?」キョロキョロ



律子(……!)

律子(みんな……)


60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/09/14(日) 04:05:31.62 ID:5c1Sc1ZR0
2、3日前にこのSS知って一気にここまで来ました。続き心待ちにしてます!
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/09/14(日) 04:07:28.12 ID:5c1Sc1ZR0
2、3日前にこのSS知って一気にここまで来ました。続き心待ちにしてます!
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/14(日) 11:30:45.53 ID:Acokc34tO
大事なことなので二回言いました
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/14(日) 11:54:51.83 ID:hRn7CF1DO
とりま深呼吸して落ち着け
64 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/09/15(月) 07:54:17.55 ID:WA5tee6nO
>>60-61
ありがとうございます


とりあえず完結目指して頑張ります…が、品質は保証できません


戦闘シーンとか、何やってるかわからん状態だし

65 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 19:03:56.08 ID:WA5tee6nO

ダークエルフ「……ニンゲンドモメ…!」

ダークエルフ「……マトメテ葬ッテヤル!」ゴゴゴゴ…



真「!」

真「まずい、攻撃が来るぞ!」

真「響、頼む!」


響「おう!」ダッ


タタタタ…



ダークエルフ「トルネ…」


ヒュンッ ドゴッ!


ダークエルフ「ガハッ……!」


響「いきなりで悪いけど、仲間には手を出させないぞ!」


ダークエルフ「…コノッ!」ブンッ


響「…遅いぞっ!」ヒュンッ


響「…飛翔脚!」


ダダダダダダダダ…


ダークエルフ「グガガガガガガガ…!」



スタッ


響「…悪は許さんっ!」ビシッ


響「…なーんてな!」





真「うん。修行の成果が出てるね!」


律子(響…なかなかやるじゃない)


66 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 19:22:34.87 ID:WA5tee6nO

春香「…ケアルラ!」


シャララーン!キラキラ…


千早「ふぅ……」

千早「春香…助かったわ」


律子(春香、いつの間に魔法を…?)

律子(…みんな、成長してるのね……)


律子(じゃあ、私は……?)



真「律子……雪歩はどこ?」


律子「……」


律子「……地面の下に、埋まったままよ…」


春香「そんな…!」

真「……くそっ!」ドゴッ


律子「……」


真「なぜ、見殺しに……?」


律子「…やつの相手をしていて、構ってる余裕がなかったの」


真「律子っ…!」ガバッ


春香「真っ!落ち着いて……!」ガシッ

春香「今は、雪歩を助けなきゃ…!」



真「………ごめん」ボソッ



真「春香…ここは、任せた」


春香「真……?」


真「雪歩は……ボクが助けるっ!」


タタタタ…



律子(私のせいで…壊れていくの……?)




67 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 19:34:18.54 ID:WA5tee6nO

雪歩(………)




雪歩(律子さんと千早ちゃんは、無事かなぁ……)




雪歩(私は……もう、ダメみたい……)




雪歩(………身体、動かないよ…)




雪歩(………)




雪歩(私…ひんそーで、ちんちくりんで……)




雪歩(クスッ……まさか、『最期』も穴に埋まってるなんてね…)




雪歩(………)




雪歩(みんなが無事なら…それでいいや……)




雪歩(………)




雪歩(……………でも)




雪歩(最後に、一度だけでいいから……)









雪歩(……真ちゃんに会いたかったなぁ……)




68 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 19:42:19.99 ID:WA5tee6nO

ガラッ…



雪歩(……ここって…ゲームの世界、だっけ…?)



ガラガラッ…



雪歩(夢の中、みたいなものなのかな……?)



「………………ほ……」



雪歩(うん……これは…きっと、夢だよ……)



「……ゆ……ほ…………きほっ…!」




雪歩(………だって……)






真「雪歩っ!…雪歩!しっかりしてよ!」



雪歩(真ちゃんが…ここに…る…んてっ……!)グスッ



雪歩(ありえないよっ……!)ポロポロ



69 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 19:49:53.64 ID:WA5tee6nO

真「雪歩!雪歩っ…!」ガシッ


雪歩「ま…こ……ちゃ……っ!」ピクッ


真「雪歩……!」


真「……っ!」ウルッ


真「よかった……!」ダキッ


雪歩「ど…して……こ…に…?」


真「助けに来たに、決まってるじゃないかっ!」ギュッ


雪歩(本当に…真ちゃんなんだ……)ポロポロ



雪歩(夢じゃ……ないんだ……!)






真「雪歩…少し、揺れるよ?」ガシッ


雪歩「あ……」

雪歩(真ちゃんの、匂い……)



真「春香に、回復してもらおう!」


タタタタ…


70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/15(月) 19:57:56.28 ID:QCWEPsxTo
雪歩…少し、掘れるよ?
71 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 20:12:04.82 ID:WA5tee6nO

春香「…ケアルラ!」


シャララーン!キラキラ…




真「雪歩…大丈夫?」


雪歩「ん……少し、楽になった…かな」

雪歩「春香ちゃん…ありがとう…」


春香「雪歩……」

春香(……怪我が治りきってないみたい…)

春香(私の覚えたての魔法じゃ…雪歩を治せないよ…)



真「……」

真「……ボク、行ってくるよ…!」


律子「……ダメよ。あなたは雪歩についていてあげなさい」


真「……でも、雪歩をこんな目に遭わせたあいつを、許せない!」グッ


律子「……いくらあなたが強くても、やつには『結界』があるみたいだから…」

律子「まずは、結界を破らないと…」

律子「あなたは、雪歩のそばにいなさい」

律子「…私が、やつの相手をするわ…!」

律子(捨て駒…今の私には、ちょうどいいかもね……)


タタタタ…



真「律子……」


雪歩(結界……?)


『音、に弱いのかもしれません…』


雪歩(もしかして……)



72 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 20:20:25.58 ID:WA5tee6nO

響「くそー、しぶといぞー!」



ダークエルフ「……無駄ダ!オマエタチハ、勝テナイ…!」


ダークエルフ「…ファイラ!」



律子「ファイガッ!」


ボオオォォーー!



響「…律子!」


律子「響、次が来るわ!」




ダークエルフ「グゥ……!…ブリザラ!」


パリパリッ…シャキーン!


律子「くっ……!」


響「うわっ!冷たいぞー!」


ダークエルフ「サンダ…」




雪歩「…うわああああああああっ!!」



ダークエルフ「!」ビクッ



響「ゆ、雪歩…いきなりどうしたんだ…?」



ダークエルフ「マ、マサカ、アノ娘……!」


73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/15(月) 20:22:38.84 ID:gp6vVxmDO
雪歩のスコップって金属製じゃないのか…
今のメンバーで一番声量あるのは千早か…
▼ちはやのこうげき・ハイパーボイス!って脳内再生されたよちーちゃん
74 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 20:35:41.64 ID:WA5tee6nO

真「音に、弱い…?」


雪歩「うん。トロイアの神官さんに聞いたのを、思い出したんだ…」


春香「いきなり叫びだすから、びっくりしたよぉ……」


千早「…確かに、一瞬怯んだように見えたけど…まだ足りないみたいね」


春香「もっと大きな音って事……?」


千早「ええ」


雪歩「わ、私…これ以上大きな声、出せないよ…」


千早「…なら、あいつの耳元で大きな声を出せば…」


春香「確かに、よーく聞こえそうな大っきな耳してるもんねぇ」


真「あっ……」


真「春香、あの草…使えないかな?」


春香「え…?コレ?」スッ


真「遠く離れたところに雪歩の声を届けるその草を、あいつの耳に突っ込んで…」

真「雪歩が大声を出せば…?」


春香「なるほど…」

春香「すごい事になるね」



千早「あの、話がよくわからないけれど…」

千早「その草を、あいつの耳に突っ込んで来ればいいのね?」


春香「うん。でも…」

春香「隙を見つけるのが、大変だよね…」


真「そういうのは、ボクに任せて!」




千早「……いえ、私が行くわ」


75 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 20:46:17.04 ID:WA5tee6nO

真「千早…大丈夫なの?」


春香「千早ちゃん…」


千早「ええ、任せて」



千早「私なら、一瞬で辿り着けるわ」

千早(初めて試す事になるけれど…理論上は、可能なはず…)

千早(私には、その力があるみたいだから…)







千早「萩原さん、合図したら、大声をお願い!」


雪歩「う、うん…わかったよ!」



千早「……」スッ


春香「千早ちゃん、陸上選手みたいな体制に…」


千早「春香、ちょっと黙ってて」


春香「あっ……ごめんね」シュン


千早(戦っている2人の動き、あいつの魔法を予測して……)ジーッ


千早(……)


76 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 20:55:13.27 ID:WA5tee6nO

千早(……)

千早(……見えた!このライン!)



ダンッ


ヒュンッ…



真「なっ…!」

真「すごい速さだ…!」


春香(…そうか、上じゃなくて、横に飛べば…)

春香(千早ちゃんのジャンプカなら、ものすごいスピードで移動してるのと同じなんだ……!)

春香(千早ちゃん…頭いい!)






スタッ


ダークエルフ「ナッ……!」ビクッ


律子「え?」


響「ち、千早?」


千早「…失礼!」


ズズッ


ダークエルフ「ナ、何ヲ……!」



千早「…萩原さんっ!!」



77 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 21:09:43.00 ID:WA5tee6nO

雪歩「う…」





雪歩「うわあああああああああああっ!!」




ダークエルフ「グガアアッ!」ヨロッ


律子「な、何…?」


響「千早、何かしたのか…?」


ダークエルフ「グ……ハァ、ハァ…!」

ダークエルフ「クソッ……!」



千早「まだ、足りないっていうの……?」






雪歩「う……これ以上大声は、出せない…」

雪歩「ど、どうしよう……!」


…カランッ


雪歩「あっ…ユキコさんの包丁が…」



雪歩(あれっ……?)

雪歩(…ティンと、来ちゃいましたぁ…)

雪歩(……)



雪歩(ううん、迷ってる場合じゃないよね!)

雪歩(ユキコさん…ごめんね…!)チャキッ



真「雪歩…?包丁なんて持って、どうしたの?」


雪歩「……こう、するんだよっ!」チャキッ


春香「包丁とスコップで、何するの……?」


78 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 21:23:01.95 ID:WA5tee6nO

雪歩「………えいっ!」





…ギギィィィィィ…


キィィ…ギギッ…ガリッ…


ガリガリッ…ギギギィ…



春香「…いやああああああっ!」


真「ああああ!ムリムリムリムリッ!」





響「ぎゃああああっ!こ、これ…きついぞ…!」


律子「ちょ…!や、やめて…いぎぃ…!」


千早「………ひどい音ね」


律子「ち、千早…あんた、平気なの…?…ひぃぃ!」


千早「気分は、良くないわね」


律子「ず、ずいぶん…余裕じゃない…ぃぃいっ!」

千早「…耳は、鍛えてるからね」



キィィ…ギギィ…


ガリッ……ギィィィ…


ギギギギィィ…キキィィ…




ダークエルフ「ナ、何ダ…コノ不快ナ音ハ……!」


ダークエルフ「ヤ、ヤ…ベ…ロ…!」


ダークエルフ「グ……ゲゲゲ!」




ダークエルフ「ガ…………グガゲゴ…!」ヨロッ



バタッ…


79 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 21:38:38.14 ID:WA5tee6nO

律子「ひぃぃぃぃ!……………ん?」



響「ああああああ!……………あれ?」




ダークエルフ「」



響「た、倒したのか…?」

響(あんな音で…?)


律子「え、えーと……どうかしらね」

律子(あんなにしぶとかったやつが、あんな雑音聞いただけで動かなくなるなんて…ちょっと、考えにくいわ…)




律子「ふぅ……」


響「あー…まだ耳の奥がキーンってしてるぞー…」







キラーン!



千早「さ…早く帰りましょう」


律子「千早…いつの間にクリスタルを…?」


千早「こんなところ、長居したっていい事なんかないわ」

千早「…武器を持ってるならまだしも……私、丸腰なのよ?」


律子「そ、そうね…」

律子(千早…こんな時でも冷静なのね…)

律子(確かに、あいつが気絶してるだけって可能性もあるし…)

律子(早めに行動した方が良さそうね)



律子「響、みんなを呼んで、帰りましょ」


響「うん、わかったぞー!」



響「おーーい!真ー!春香ー!雪歩ー!」


響「帰るぞー!」


80 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 21:51:44.57 ID:WA5tee6nO

スタスタ…


真「雪歩…大丈夫?」


雪歩「うん…」

雪歩「…ごめんね?また、おぶってもらっちゃって…」


真「なーに言ってるのさ!これくらい、当たり前だよ!」


雪歩「ありがと、真ちゃん…」

雪歩「……私、ちょっと…疲れちゃった…」


真「寝てても、いいよ?」


雪歩「うん…」




春香(雪歩も無事だったし、クリスタルも手に入ったし…)

春香(よかったよかった…)



春香(……でも)

春香(今回も私、影が薄かったような……)

春香(っていうか、回復魔法を使っただけ……?)


春香(私って……本当に主人公なのかなぁ…)

春香「はぁ……」



響「おーーい、春香ぁー!置いて行っちゃうぞー!」



春香「あ、待ってー!」


タタタタ…


春香「あっ……」ズルッ


ドテッ


春香「痛たた……」

春香「……ああ、みんなもう行っちゃった…」



ゴゴゴゴ…



「……マサカ、ココマデ追イツメラレルトハナ……!」



春香「ん?」クルッ


81 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/15(月) 21:59:00.59 ID:WA5tee6nO

ダークドラゴン「私ノ真ノ姿……ッテ、アレ…?」キョロキョロ




春香「あ……!」




ダークドラゴン「アッ……!」



ダークドラゴン「オ、オイ、オマエ!チョット待t」



…バタン!




春香「……」


春香「…うん」


春香「見なかった事にしよう」




春香「みんなぁ、待ってー!」



タタタタ…



82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/15(月) 22:16:33.35 ID:gp6vVxmDO
ダクドラさん…(つω;`)
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/16(火) 19:10:03.63 ID:8CU4uTDAO
ストップか砂時計でフルボッコにされるダークドラゴンがどうしたって?
84 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/17(水) 22:03:45.17 ID:kGThHkrJO
磁力の洞窟 入口

春香「あの、律子さん……」



律子「……クリスタルは、とりあえず春香達が持ってて」


春香「え……?いいんですか…?」


律子「ええ…」

律子(…自分の力で勝ち取ったものじゃないし…)



律子「……でも、後で、渡してもらいたいのよ」


春香「え?それって…」


真「律子……」



律子「心配しないで欲しいの。私は、ただ……」

律子「……」



律子「……うーん、じゃあこうしましょう」


律子「あなた達を、私達のアジトに招待するわ」


春香「律子さん達の、アジトに…?」


律子「ええ。そこには、あずささんと美希もいる」

律子「みんなが集まったところで、私がクリスタルを集めている理由を話すから…」

律子「それを聞いて、私にクリスタルを渡していいのかどうか…考えてもらいたいの」


千早「……っ!」プルプル

千早(私に、渡して………プッ)


律子「………どうかしら、真」


真「……」

真「………響は、どう思う?」


響「自分は、みんなでいられるなら、なんでもいいぞー」


真「……そっか」

真「じゃあ…春香が決めてよ」



春香(断る理由なんて、無いよね)

春香(だって律子さん…私達に歩み寄ろうとしてくれてる……)


春香「わかりました。律子さんの言う通りにします」


85 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/17(水) 22:20:49.50 ID:kGThHkrJO

律子「……ありがとう」



律子「もう、疲れたでしょ?今日はゆっくり休んで…」

律子「明日、アジトに来てちょうだい」


春香「あ、でも、アジトの場所が…」


律子「……大丈夫。千早なら、アジトの場所を知ってるから…」

律子「……千早」



千早「プッ……クスクスッ…!」プルプル


律子「千早…何をプルプルしてるのよ?」


千早「あ……な、何?…ごめんなさい、聞いてなかったわ」


律子「今日は、春香達と一緒に行動してもらえる?」


律子「私は一足先にアジトへ戻ってるから…」

律子「明日、春香達と一緒にアジトへ来てちょうだい」


千早「…わかったわ」


春香「千早ちゃん…よろしくね」


千早「ふふ……こちらこそ、よろしく」



響「……ところでさー、律子達は、どうやってここまで来たんだ?」

響「ここには、自分達が乗って来たチヨ吉と、雪歩が乗って来たチヨ子しかいないぞー?」


律子「もちろん…飛空艇でここまで来たわよ?」


春香「え?でも……この辺りは森林地帯だから…」

春香「飛空艇を着陸させる場所がないって、トロイアの神官さんが言ってましたけど…」


86 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/17(水) 22:46:36.84 ID:kGThHkrJO

律子「ああ…そうみたいね」

律子「だから、着陸できるように、森を少し燃やしたのよ」


春香(り、律子さん…それはやり過ぎじゃ…)



千早「ゲームの世界とはいえ、自然破壊は良くないって、止めたんだけどね…」


響「律子……自然は大切にしないとダメだぞー…」


律子「そりゃあ、少しは心が痛むけど、仕方なかったのよ…」


千早(素直に、トロイアの神官に、洞窟への行き方を聞けばよかったのに…)

千早(……なんて言ったら、律子は怒るわね)




律子「それじゃ、私は行くわ」


律子「みんな、待ってるからね」


スタスタ…





春香「律子さん…この世界で最初に会った時より、丸くなった…?」


千早「……」

千早「律子なりに、思うところがあったのよ、きっと」


千早(……そういえば、あの発作は、もう治ったのかしら…?)

千早(今は、それだけが気がかりね…)



真「春香、雪歩が心配だ。そろそろ帰ろうよ」


春香「あ…そうだね」

春香「響ちゃん、準備はいいかな?」


響「いいぞー!」

響「チヨ吉、チヨ子、よろしく頼むぞー!」


チヨ吉・チヨ子「クエッ!!」シュタッ


87 :</b> ◆bjtPFp8neU<b> [saga]:2014/09/17(水) 23:35:35.23 ID:kGThHkrJO
ミシディアの村 長老の家

亜美「ねえ、長老っち〜…」


長老「…なんじゃ?」


亜美「……兄ちゃん、まだ起きないの…?」


長老「……」

長老「あの青年は、お前達を助けるために、膨大な生命エネルギーを消費した…」

長老「おそらく今は、それを取り戻すために眠ってるだけじゃ…」

長老「しかし、いつ起きるかは、わしにもわからん」


長老「……気長に待つしかないのう」



亜美「……そっかぁ」


亜美(まったく、兄ちゃんはねぼすけなんだから……)


亜美(早く、起きてよ…)

亜美(兄ちゃんが寝てたら…意味ないじゃんか…!)



亜美(兄ちゃんのいない世界なんて…)

亜美(意味、ないじゃんか…)


88 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/17(水) 23:47:11.83 ID:kGThHkrJO
長老の家 客室

真美「……」フキフキ


P「zzz…」


真美「……」フキフキ

真美(兄ちゃんて、意外にがっしりしてるよね…)

真美(前に、『鍛えたい』みたいな事言ってたけど…)

真美(……真美は、このくらいが好みかも…)



ガチャ…



亜美「あ……!」


真美「亜美…どしたの?」



亜美「ま、真美…」

亜美「兄ちゃんが起きないのをいいことに……!」


真美「ち、違うYo〜!」

真美「兄ちゃん、お風呂入れないから、身体だけでも拭いてあげようと…!」


亜美「……そんで、あわよくば襲ってしまおうと…?」


真美「そ、そんな事、考えてないってば〜!」アセアセ


亜美「真美…抜けがけはダメだかんね?」


真美「だ、だから…」


亜美「亜美も、兄ちゃんの身体拭く!」


真美「え……?」

真美(あ…そっち…?)


亜美「……」フキフキ


真美「……」


真美「……」フキフキ


89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/18(木) 23:49:03.78 ID:6TXVZcRDO
亜美も真美もええ子や…
そういや小鳥さん最後の方しかまともな出番ないのかな…
幻獣界にいるやよいや黒ちゃんに木星もそろそろ気になるが一番気になるのは現在放浪中の社長がどこにいて何してるかだ…
放浪中とはいえ旅(?)を楽しんでそうだな
ところで社長はPやアイドル達の記憶あるの?
90 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/09/19(金) 18:26:53.10 ID:6RNfwVZQO
>>89
社長も、ちゃんと記憶はあります

初登場時は…操られてたみたいです



ホントは、毎日投下したいんですが、書き貯めが底をついたので、毎日投下は難しくなって来ました。

話の展開だけはある程度決まっているので、今はそれに肉付けしながら、なる早で投下したいです…
91 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/19(金) 20:10:41.23 ID:6RNfwVZQO

亜美「ね〜、真美?」フキフキ


真美「ん〜?」フキフキ


亜美「亜美達、これで終わりなんて、つまんないよね〜?」フキフキ


真美「……」


真美「うん……真美ね、思うんだ」


真美「兄ちゃんは、真美達にもっかいチャンスをくれたんじゃないかって」

真美「だから真美は…まだ頑張りたい」


亜美「あ〜よかったぁ。真美の事だから…」

亜美「兄ちゃんと一緒なら、このままでもいっか〜!な〜んて、考えてるかと思ったよ」


真美「……」ギクッ

真美(まあ、ちびっとだけ、そう思った事もあったけどさ…)

真美(兄ちゃんがせっかく助けてくれたんだし…)

真美(真美達、まだまだ活躍したいもんね…!)


亜美「あ、そういやさ…」


亜美「なんか途中で、デッカいのが出てくるじゃん?」


真美「あ〜、なんだっけ…?」

真美「巨神兵…だっけ?」


亜美「う〜ん、なんか違うっぽいけど…」


真美「ま、どっちにしろ、兄ちゃんが起きてから、だね」


亜美「うん、そだね」


92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/19(金) 20:17:48.57 ID:r4Wh/7bDO
脳内に話があっても文章化させるとなると難しいよね
93 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/19(金) 20:22:16.85 ID:6RNfwVZQO

真美「……そろそろ、寝よっか?」


亜美「ん…?もう、そんな時間かぁ…」


真美「……今日は、真美が右側ね?」


亜美「りょ〜か〜い。んじゃ亜美は左側っと」





亜美「…んしょっと」モゾモゾ


真美「……腕枕、してもらお」モゾモゾ


亜美「……」


真美「……」


亜美「……ねぇ、真美」


真美「ん〜…?」


亜美「……」

亜美「……もし、このまま…」


真美「亜美……」


亜美「……………ごめん」


真美「……」

真美「……大丈夫だよ」

真美「きっと、明日には起きてるからさ」


亜美「それ…昨日も聞いたよ」


真美「…あり?そうだっけ…」


亜美「…ま、いいや…」

亜美「おやすみ〜」


真美「おやすみ…」




亜美(……『待つ』って、けっこ〜大変なんだね…)


亜美(……兄ちゃん、起きたら…たくさん遊んでもらうかんねっ…?)


94 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/19(金) 20:31:10.68 ID:6RNfwVZQO
月の地下渓谷 B8F

ザシュッ!


…ドサッ


魔物「」



貴音「……少々、手強くなって来ましたね…?」


バハムート「まあ、少しは…な」

バハムート「ふむ……」


貴音「どうされましたか?」


バハムート「……腹が減った」


貴音「確かに……」

貴音(らぁめん…は、無いんでしたね…)シュン



バハムート「タカネ…すまぬが、少し戻るぞ」


貴音「え、今から…ですか?」


バハムート「なに、そんなに遠くはない」

バハムート「我専用の狩り場があってな…」



バハムート「…行くぞ」クルッ


スタスタ…


貴音「あ、ばはむーと殿……!」


スタスタ…


95 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/19(金) 20:47:31.08 ID:6RNfwVZQO
月の地下渓谷 B5F 小部屋

貴音「ここが、ばはむーと殿の狩り場…」キョロキョロ

貴音「随分と、小ぢんまりした部屋ですね…?」


バハムート「うむ」

バハムート「待っておれ…」ゴソゴソ



バハムート「……これを、ポチッとな」カチッ


ビーー!ビーー!


貴音「それは…?」


バハムート「『アラーム』だ」

バハムート「これで、餌をおびき出す」


ビーー!ビーー!


貴音(あらぁむで、獲物を…?)

貴音(なんというか…)

貴音(…幻獣神ともなると、狩りも近代的になるのですね…)



ワラワラ…


貴音「……おや?」チラ



プリンプリンセス1「私達と!」

プリンプリンセス2「一緒に!」

プリンプリンセス3「踊りましょっ!」

プリンプリンセス4「…ダイヤモンドだね〜♪」



バハムート「…現れたな!」


貴音「なんと面妖な……」

貴音(しかし、どこかで見た気もしますが…)


バハムート「タカネ、歌に気をつけるのだ」


貴音「歌…ですか?」


バハムート「やつらの歌に耳を傾けては、永劫に生ける屍となるぞ」


バハムート(…さて、我が魔力では、跡形も無く消し去ってしまう…)


バハムート(少々、加減をせねばな…)ゴゴゴゴ…


96 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/19(金) 21:04:22.02 ID:6RNfwVZQO

バハムート「…ゆくぞ」

バハムート「…フレア!」バッ



ブゥゥゥゥゥン…


ババババババババッ!



貴音(とてつもない魔力……!)

貴音(さすがは、ばはむーと殿……)



プリンプリンセス1「いやぁ!熱いのぉ〜!」


ドサッ


プリンプリンセス1「」ジュゥ…


バハムート「…いかん、焼きプリンに…」

バハムート(新鮮なまま食すのが1番だったのだが…)


バハムート「やはり、加減が難しいな…」



プリンプリンセス2「やったわねっ!」

プリンプリンセス3「こうなったら…行くわよっ!」

プリンプリンセス4「『王女の歌』!」


プリンプリンセス234「ららら〜♪」



貴音「む……」

貴音「なんとも、妖しい音色…」


貴音「あっ……!」ビクンッ


バハムート「…タカネ!」チラ


貴音「………」


バハムート「まずい、やつらの歌を聴いてしまったのか…」


貴音「…………ふむ」


バハムート「ん…?」


貴音「……どうやら、なんともないようですね」


バハムート「そうか…」

バハムート(タカネにも、我と同じく『狂人化』に耐性があったのだな)


97 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/19(金) 21:25:06.72 ID:6RNfwVZQO

貴音「……さて、今度はこちらぁめんの番ですよっ?」


タタタタ…


バハムート(…今、何かおかしくなかったか…?)


プリンプリンセス2「え…?効いて…ない?」


貴音「ほぅ……これは」

貴音「なんとも食べ応えのありそうならぁめんですね…?」ニヤリ


バハムート(ふむ。タカネの言動が異様だ…)

バハムート(やはり、やられていたか…)


貴音「では……」

貴音「いただきますっ!」ガシッ



プリンプリンセス2「無駄よ!私達に、物理的な攻撃は…」


貴音「ジュルルッ…!」


プリンプリンセス2「ちょ…な、何?す、吸っちゃダメェ!」


貴音「ジュルジュル…」

貴音「……チョルンッ」

貴音「ゴックン……」

貴音「ふぅ………まこと、おいしゅうございました」ニコッ



バハムート(踊り食いとは…あいどるとやらは、なかなか野生的なのだな…)



貴音「…さて、次のらぁめんは…」キョロキョロ


プリンプリンセス3「た、食べられちゃった…!」

プリンプリンセス4「ば、化け物ぉ〜!」


バハムート「くく…タカネに全て食われる前に…」

バハムート「我も踊り食いと行くか!」ダッ


プリンプリンセス3「いやぁ〜!」


バハムート「ふん…!」ガシッ

バハムート「ガブッ!」


プリンプリンセス3「あぅ……!」


バハムート「ゴックン…」

バハムート「…やはり、この食感は生でしか味わえぬな…!」

98 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/19(金) 21:37:03.33 ID:6RNfwVZQO

バハムート「タカネ……タカネ!」



貴音「……はっ!」キョロキョロ

貴音「わたくしは、いったい…?」


バハムート「そなたは、あのプリンどもの歌で、狂人化していたのだ…」


貴音「きょうじんか……?」

貴音(そういえば、何か、とても幸せな夢を見ていたような気もします…)




バハムート「…ところで、タカネよ」

バハムート「焼きプリンが1体残っておるが…食うか?」


貴音「……よいのですか?」


バハムート「我は、もう満ち足りた。あとは、そなたの好きにするがいい」

バハムート「……ほれ」スッ


貴音「では…有難く、頂戴いたします」


貴音「パクッ…モグモグ…」

貴音「……!」

貴音(焼きぷりん…なかなか奥の深い食感ですね…)



貴音「モグモグ……ん?」ポロッ


貴音「…これは?」スッ


貴音「骨……でしょうか?」

貴音(何やら、きらきらと輝いておりますが…)

貴音(ぷりんにも、骨が入っているものなのでしょうか?)


99 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/19(金) 21:49:40.41 ID:6RNfwVZQO

バハムート「ああ…それは…」



バハムート「残念だったな。ハズレだ」


貴音「そう…ですか」


バハムート「このプリン、たまに尻尾を持ったものがおってな…」

バハムート「その尻尾が、硬くて食えんのだ」

バハムート「我のアギトですら、噛み砕けぬ」


貴音(淡いぴんく色に輝いていて…まるで、宝石のごとき存在感ですね…!)



バハムート「…気に入ったのか?」


貴音「はい。これは…持って行こうと思います」

貴音(……響に、見せてあげたいです)


バハムート「……そうか、人間の雌は、光ものを好むのであったな」





バハムート「時間を取らせてすまなかったな」

バハムート「そろそろ、行こう」


貴音「はい」


スタスタ…



100 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/19(金) 22:15:04.21 ID:6RNfwVZQO
トロイア城 救護室

雪歩「スヤスヤ…」


真(雪歩……)ギュッ




ユイット「ねー、おにーちゃんは、ユキホおねーちゃんのこいびとなの?」


真「ぶっ…!」

真「ち、違…」


シス「こ、こら…ユイット、マコトさんに失礼でしょう?」


真「うんうん…」


シス「男女の関係は、そんなに簡単じゃないって、お姉様方が仰っていたわ」


真「うん?」


シス「きっと…その…」

シス「許されぬ恋…なのよ…」ウットリ


ユイット「ゆるしてもらえないの?」

ユイット「なんだか、かわいそう」



真「……」

真「あ、あのね…」

真「ボクと雪歩は、普通の友達だから!」

真「それに……ボク、こう見えても、女の子なんだからねっ!」


ユイット「えっ?」

シス「えっ?」




真(うん………もう、慣れたよ…こういう反応…)



ユイット「うそだぁ!」

ユイット「だって、こんなにかっこいい女の人、見たことないもん!」


シス「ユイット…!」

シス「マコトさん、申し訳ありませんっ!」ペコリ



真「はは…いいよ……気にしないで…」


真(はぁ………)

真(…どうせなら、もっと女の子らしい役が良かったなぁ……)

101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/09/21(日) 09:47:16.88 ID:JMc79VqW0

102 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/21(日) 22:07:06.78 ID:p3nECKP6O
トロイア城 謁見の間

アン「本当に、よくぞご無事で……!」


アン「それに、クリスタルまで取り返していただけるなんて…」

アン「……心から、お礼を申し上げますわ」ペコリ



春香「は、はあ…」

春香(う〜ん……)

春香(私、あんまり役に立ってなかったから…)

春香(なんか、後ろめたいなぁ……)



アン「……さ、あなた達も、お礼を申し上げて?」




ドゥ「第2の神官、ドゥだ。お礼といってはなんだが、ユキホ王女の治療は、任せてほしい」


トロワ「第3の神官、トロワです。あなた方の武勇、感服いたしました…!何かあれば、何でもお申し付けください!」


キャトル「第4の神官、キャトルと申します。あなた方のご活躍…この国に語り継いでいきますわ」


サンク「……第5の神官、サンクです。どうも、ありがとうございました。このご恩は、忘れません」ペコリ


セット「7番目の神官、セットだよ!お姉ちゃん達、強いんだねぇ?トロワ姉と、どっちが強いかな?」



春香「なんか、みんな顔が似てる気が……」


響「ひょっとして、みんな姉妹なのかー?」


103 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/21(日) 22:16:18.11 ID:p3nECKP6O

アン「……そういえば、言ってませんでしたね」


アン「今はここにいませんが、六女のシス、八女のユイットも合わせて…」


アン「私達は、8姉妹なのです」



春香「はー……8姉妹って、初めて見たかも…」


響「家族がいっぱいいるのは、いい事だぞー!」


春香(…私も、兄弟が欲しかったなぁ…)

春香(響ちゃんみたいに、動物を飼おうかなぁ……?)




春香「あ、ところで、クリスタルなんですけど……」


アン「はい」

アン「最初に申し上げた通り、土のクリスタルは、あなた方に委ねようと思います」


春香「ありがとうございます!」ペコリ


アン「……もう、お疲れでしょう?」

アン「今日は、この城でごゆっくりお休みになってくださいね?」


104 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/21(日) 22:25:49.29 ID:p3nECKP6O
飛空艇

律子「……」


律子(結局……)

律子(私は、大した事できなかったわね……)

律子(ダークエルフを倒したのは、雪歩だし……)


律子(みんなが強くなってくれるのは嬉しいけど…)

律子(……私、なんのためにここにいるんだろう)



律子「はぁー……」



律子「………………あーーもうっ!」


律子「暗いわよっ!」

律子「なんで私、こんなに暗くなっちゃったのよ…」


律子「……早く、元の世界に帰りたいわ…」



兵士「リツコ様、間も無く到着します!」



律子「そう……」


律子(……ともかく、これでようやくクリスタルが揃った)


律子(あとは……)



105 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/21(日) 22:37:37.59 ID:p3nECKP6O
トロイアの町 パブ『迷宮』

千早「……」キョロキョロ


千早(……奇妙な店ね)

千早(そこら中、穴だらけじゃない…)



マスター「お客さん、何を飲まれますか〜?」


千早「……メニューはありますか?」


マスター「はい、どうぞ」スッ



千早「……」じーっ

千早(……お酒ばかり…)

千早(ひょっとして、いかがわしい店だったのかしら……?)

千早(春香……なんでこんな店で待ち合わせを…?)



千早(……ん?)

千早(メニューの中に、お茶があるわ)


千早「じゃあ……この『穴掘り姫の安らぎティー』を」


マスター「は〜い、かしこまりました〜」

マスター「…ところでお客さん、お美しいですね〜?ぜひ、うちの店ではたらk」


千早「働きません」


マスター「そ、そうですか……失礼しました」


トボトボ…


千早(はぁ……やっぱりいかがわしい店だったのね…)


千早(……それにしても、変わった名前のお茶ね…)

千早(ん……?穴掘り、姫……?)


ガチャ…


106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/21(日) 22:49:01.37 ID:Wma3mTwDO
そういや洞窟で春香の剣がくっついて取れなくなったがその剣どうなったのか…
107 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/21(日) 22:52:53.80 ID:p3nECKP6O

春香「えーっと……」キョロキョロ



春香「……あっ」

春香「千早ちゃんっ!」


タタタタ…



千早「春香…」


春香「よいしょっ…と」スッ

春香「ごめんね、待たせて」


千早「ううん、気にしないで」

千早「……他のみんなは?」


春香「…真は、雪歩につきっきり。響ちゃんは、エン太郎君のお世話しに行っちゃったよ」


千早「そう……」

千早(えんたろう君のお世話……?)



春香「……えっと」

春香「久しぶりだね、千早ちゃん」ニコッ


千早「…ホントね。確か、前に会ったのは……」

千早「あ……」


春香「あ、あはは……あの時は、いろいろ大変だったねぇ…」


千早「なんていうか……ごめんなさい」


春香「い、いいよ〜…もう、終わった事なんだし…」

春香「みんな、無事だったんだしさ」


春香「それに、私……」

春香「結構、楽しかったよ…?」


千早「春香…」


春香「千早ちゃんと戦ってみて…千早ちゃんの事が、もっとわかった気がするんだよね…」


千早(春香……)

千早「…ありがとう」


春香「えへへ、私も、ありがとう」


108 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/09/21(日) 22:57:46.52 ID:p3nECKP6O
>>106
ダークエルフの磁力の結界は、雪歩の活躍により消えました


あと、一応、鞘から抜けなかっただけ…のつもりです
109 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/21(日) 23:14:18.01 ID:p3nECKP6O

春香「あっ、そういえば…」


春香「今は、平気なの……?」


千早「ええ……今回は、共通の敵だったみたいだし」

千早(…それに、律子の心情に、何かしらの変化があった…ような気がするわ)


春香「…そっか」


マスター「お待たせしましたぁ〜。『穴掘り姫の安らぎティー』でございます」コトッ


千早「ん……いい香り」


春香「うん……ホントだね、千早ちゃん」

春香「あ、私も同じものを」


マスター「かしこまりました〜」

マスター「…あれ?君は……ユキホちゃんのお友達…」


春香「あ、どうも」ペコリ


マスター「ふふ…ごゆっくり」


スタスタ…


千早「……あの人、萩原さんの事知っているの?」


春香「ああ……知ってるっていうか…」


春香「雪歩、この店で働いてたみたい」


千早「ええっ?」

千早(萩原さん……この世界に来て、本当に変わったわね…)


春香「……雪歩、大丈夫かなぁ」


千早「……かなりの大怪我だったはずよ」

千早「最悪、リタイアって事も……」


春香「千早ちゃんっ…」


千早「春香…萩原さんの怪我のひどさは…」

千早「あなたも充分わかってるはずよ」


春香「そ、それは…」


千早「私には、あんな状態で旅を続けられるなんて、とても思えないのよ」


春香「で、でも……!」


110 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/21(日) 23:35:04.89 ID:p3nECKP6O

千早「…じゃあ春香は、この先どんな敵が現れても、萩原さんをしっかり守りながら戦っていけると思う?」


春香「う……」


千早「リーダーとして、冷静に状況を判断するのも、大切な事だと思うわ」


春香「……」


千早「……ごめんなさい。少し、言い過ぎたわ」


春香「ううん、千早ちゃんの言う通りかもしれない…」

春香「私、自分に、雪歩を守りながら戦うだけの力があるか、なんて、考えた事なかったよ…」


春香「……でもね、やっぱり…雪歩を一人で残して行くのは、いやなんだ」


千早「気持ちは……わかるわ」


春香「だから、できるだけ、雪歩は連れていきたい」

春香「……雪歩が、自分から残る事を望んだ時以外は…」


千早「……そうね。その答えは、春香らしいと思うわ」

千早「春香は…冷静に、小を捨てて大を取るような判断を下せるタイプじゃないものね」


春香「えっ……それって…」


千早「小も大も捨てずに失敗して、みんなにフォローされるタイプって事よ」


春香「ち、千早ちゃんっ?」


千早「ふふふ、褒めてるのよ?」


春香「な、なんか…あんまり、褒められてる感じがしないんだけど…」


千早「大丈夫、それが春香のいいところよ」

千早(……そんなあなただから…みんな、ついて行こうって思うのよ…)

千早(……私は、春香ができない事をしなきゃね…)


千早「……」スッ

千早「ゴクッ…ゴクッ…」

千早「あ……」


千早(おいしい……)

千早(なんだか、萩原さんに淹れてもらったお茶みたい……)


111 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/21(日) 23:52:08.67 ID:p3nECKP6O
トロイア城 救護室

雪歩「……んっ」


真「雪歩…」


雪歩「……真…ちゃん…?」モゾッ

雪歩「あぅ……っ!」


真「雪歩、無理しないで」


雪歩「……」

雪歩「……ごめんね?」


真「な、何を謝るのさ?」


雪歩「私…みんなに迷惑かけてばっかりで…」

雪歩「今も…こんなだし…」チラ


雪歩「えへへ…今までの私なら、ここで、穴掘っちゃうところだけど…」

雪歩「…そんな力、残ってないや……」



真「雪歩…」

真「迷惑だなんて、みんな、そんな事思ってないよ!」

真「あの洞窟のボスだって、雪歩のおかげで倒せたんだよ?」


真「雪歩…もっと、自分に自信を持ってよ」



雪歩「……」

雪歩「ありがとう、真ちゃん」


雪歩(ごめんね、真ちゃん……)

雪歩(みんな……)



雪歩(私は、ここまでかも……)


112 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/22(月) 00:06:21.93 ID:gC/K/h3CO

雪歩「ねえ、真ちゃん…」


真「ん?どうしたの、雪歩?」



雪歩「あ、あの…お願いが…あるの…」モジモジ

雪歩(今日を逃したら、しばらく会えない……)

雪歩(………勇気を、出さなきゃ……!)


雪歩「あ、あのね……?」





雪歩「……今日は…い、一緒に寝てくれないかな…?」



真「なぁーんだ、そんな事お安いごよ……」


真「ぅええええっ!?」


真「ゆ、雪歩…本気?」


雪歩「だ、ダメかな……?」ウルッ



真(そ、そんなに潤んだ目で見つめられたら……)ドキドキ


真「……わ、わかったよ。一緒に寝ようか」


雪歩「ほ、ホントにっ?」ガバッ

雪歩「痛っ……!」


真「ああ、ほら、安静にしてないとね?」ガシッ


雪歩「う、うん……」


雪歩「えへへ……真ちゃん、ありがとう」




113 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/22(月) 00:15:29.53 ID:gC/K/h3CO
飛空艇 エンタープライズ

響「……」ゴシゴシ


響「エン太郎ー、痛くないかー?」ゴシゴシ


響「そーか、エン太郎は強い子だなぁ!」ゴシゴシ




響「……」

響(……カップルが、2組できちゃって…)

響(自分、居場所がないさー……)


響「べ、別に、平気だもんねっ…!」


響「ん……?」


響「エン太郎、慰めてくれるのかー?」


響「えへへ、ありがとなー!」





響(貴音……元気かなぁ…)チラ


響「あれ……?」


響「この世界には、月が二つあるのかー」


響「……片方の月は、少しだけ赤いような……」


響「なんか、気味が悪いぞー…」


114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/22(月) 01:44:49.11 ID:cn5ykeWDO
双月…騎士…あっ(察し)
115 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/23(火) 22:14:19.23 ID:Yz98XFATO
ゾットの塔

スカルミリョーネ「……」タンッ



美希「……その二萬は、通さないの!」バタッ


スカルミリョーネ「……」ビクッ



美希「……タンピン三色ドラドラ」


美希「12000なのっ!」


スカルミリョーネ「……だ、ダマッパ…ネ…!」



あずさ「………ごめんなさい、頭ハネね?」バタッ


美希「えっ?」


あずさ「…タンヤオトイトイ三暗刻、三色同刻に…赤が一つで……」


あずさ「…倍満ね」



スカルミリョーネ「……ま、まだ、6順目なの…に…!」


バルバリシア(アズサ……それ、ツモったら…)

バルバリシア(…って、そんな事より……)

バルバリシア(この2人……ポーカーも麻雀も、強過ぎよ……)





美希「…も〜!どうしてあずさに勝てないのー?」ジャラジャラ

美希(…この世界に来てから、あずさに一回も勝ててないの……)

美希(…このままじゃ、ハニーも取られちゃう…)

美希(……それだけは、絶対させないの!)



ガチャ…


律子「…ただいまー」


116 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/23(火) 22:25:45.55 ID:Yz98XFATO

バルバリシア「リツコ様…!お帰りなさいませ!」シュタッ


スカルミリョーネ「……り、リツコ様…た、助け…て…」


美希「律子…さん!」


あずさ「あら〜、律子さんお帰りなさい」



律子「ん?何してるの…?」

律子「麻雀……?」


律子「あんた達、まさか……?」



美希「お、お金なんて…絶対に賭けてないの!」ブンブン


あずさ「あっ……」



律子「そう……」

律子「…私、もう疲れたから、休むわね…」


美希「ホッ……」


あずさ「……?」

あずさ(……美希ちゃんの墓穴に、気づいてないはずがないのに……そこに突っ込まない…?)



美希「……あれ?そういえば、千早さんは…?」


律子「ああ、千早なら……明日、春香達を連れてここへ来るわ」


美希「…そうなんだ!」

美希「…春香達、元気かなぁ?」


律子「それじゃ、おやすみ…」


スタスタ…



美希「……」

美希「ねえ、あずさ…」

美希「律子、なんだか元気ないの」


あずさ「そうね〜。ちょっと、様子がおかしいわね〜」


117 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/23(火) 22:34:56.81 ID:Yz98XFATO
トロイア城 救護室

雪歩「スヤスヤ…」


響「雪歩ぉ……」


春香「雪歩……」


千早「……」



真「……さ、みんな、今日はもう休んだ方がいいよ」


響「で、でも……」チラ


真「大丈夫、雪歩の事はボクに任せて?」


千早「そうね…」

千早「もう、休ませてもらおうかしら」チラ


春香「えっ……?」

春香「あ……そうだね」


響「も、もう行くのか…?」


春香「うん」

春香「響ちゃん、行こ?」グイッ


響「は、春香、引っ張らないでよぉ…」ズルズル



千早「……2人で仲良くね、真」


真「べ、別に…何にもないからねっ?」


千早「ふふ……」


スタスタ…

ガチャ…バタン


118 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/23(火) 22:47:31.78 ID:Yz98XFATO
トロイア城 客室

響「雪歩……辛そうだったな…」


春香「うん…」


響「春香の魔法で、なんとかできないの?」


春香「ん……何回か、試したんだけど…」

春香「私の魔法は、まだ覚えたてだから、あんまり効果がなかったんだ…」


春香「それに、神官さん達が言ってたんだけど…」

春香「雪歩、もともと怪我をしてたんだけど…」

春香「怪我が治ってない身体で無理して、さらに大怪我を負ったから…」

春香「…もう、魔法で治療するのは、難しい…みたいなんだ…」


響「そ、そう…なのか……」


春香「……」



千早「……萩原さんは、頑張ってるわ」


響「千早…?」


千早「自分の身体を治そうと、頑張ってる」


春香「千早ちゃん……うん、そうだね」


119 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/23(火) 22:57:58.80 ID:Yz98XFATO

千早「私達も、今できる事をすべきよ」


春香「今、できる事?」


千早「しっかり休息を取って、明日に備える事」


響「でも……」


千早「…我那覇さん、人の心配するのはいいけど…」

千早「あなたまで体調を崩したら、誰が飛空艇を操縦するの?」


響「う……」


春香「……」グゥゥ

春香「あ……///」


響「プッ……春香、お腹空いたのかー?」


千早「春香、人が真面目な話をしてる時に…お腹を鳴らすのは、やめてちょうだい」


春香「あ、ごめんね…」

春香(鳴らしたくて鳴らしてるわけじゃないんだけどね……)


千早「ま、いいわ……もう、寝ましょう」


響「よーし、みんなで寝るかー」


春香(そういえば、今日、何も食べてないんだなぁ……)

春香(……少しは、体重落ちるかな……?)


120 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/23(火) 23:11:29.25 ID:Yz98XFATO
トロイア城 救護室

ドゥ「……これでよし、と」ギュッ


ドゥ「…さ、ユキホ王女、あとはゆっくり休むんだ」


雪歩「あ、ありがとうございますぅ…」


真「ありがとうございます!」

真「……ボクも、何か手伝えればよかったんですけど…」


ドゥ「ふふ、素人の手伝いなら、いらないよ」

ドゥ「それに……」チラ


ドゥ「あんたは、しっかりユキホ王女のそばにいてやる事だ」

ドゥ「好いた者同士が一緒にいる事……これに勝る薬は、ないからな」


真「なっ……///」ボッ


雪歩「はぅ……///」ボッ


ドゥ「くっくっく…じゃあ、邪魔者は消えるから、あとはよろしくやるんだよ?」


スタスタ…

ガチャ…バタン



真「……」ドキドキ


雪歩「……」ドキドキ


真「ゆ、雪歩…ぐ、具合は、どう?」


雪歩「えっ?あ…う、うん…平気…だよ?」


真「そろそろ、寝ようか…」

真「あ…ね、寝るって言っても…変な意味じゃないからね…?」


雪歩「あ、あぅ……///」ボッ


真「あっ…ご、ごめ…」

真(な、何言ってるんだ…ボクはっ!)


121 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/23(火) 23:23:10.00 ID:Yz98XFATO

真「それじゃ…おやすみ、雪歩」


雪歩「う、うん…おやすみ、真ちゃん」





雪歩「……」


真「……」


雪歩「……」

雪歩「……ねえ、真ちゃん」


真「ん…?」


雪歩「そんなに端っこで寝てたら……ベッドから落ちちゃうよ?」

雪歩「…もう少し、こっちに寄っても平気だよ?」



真「あ…そうだね」


真「そ、それじゃ……失礼しまーす…」モゾモゾ





雪歩「…えへへ、真ちゃん、捕まえたっ!」ダキッ


真「ゆ、雪歩……?」ドキドキ


雪歩「あ……ご、ごめんね、いきなりで…」


真(あれ……?)


雪歩「……っ」ガタガタ


真「雪歩、震えて…?」


雪歩「こ、こうしてると…あったかいねっ…」


真(雪歩……)


真「うん…そうだね…」ギュッ


122 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/23(火) 23:30:10.54 ID:Yz98XFATO

雪歩「えへへ……」ギュッ





雪歩「幸せ……」ポロッ


雪歩「あ、あれ……?」ポロポロ


真「な、泣いてるの?」


雪歩「…わ、わからっ…ない…っ」ポロポロ


雪歩「真っ…ちゃんに…ギュッって…されて…グスッ」ポロポロ


雪歩「う、嬉しい…はずっ…なのに…ヒック」ポロポロ


真「雪歩……」



雪歩(……やっぱり、離れたくないよっ……!)


雪歩(せっかく、会えたのに……)





雪歩(………真ちゃん!)



123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 00:29:47.21 ID:we+tfB+DO
雪歩の怪我って仮にエリクサー持ってて使っても治らないのかな?
124 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/24(水) 21:51:02.34 ID:JJDDRrm7O
ゾットの塔 リツコの部屋

律子「……」ドサッ


律子「ふぅ……」


律子(疲れた……)

律子(身も、心も……)

律子(小鳥さん、何考えてるのかな…)

律子(ひょっとして、私の発作も小鳥さんが……?)



律子「ダメね…気持ちが暗くなっちゃって…」

律子「今日は、もう寝よう……」



コンコンッ



律子「ん……?」

律子「……どうぞ」



ガチャ…



あずさ「ごめんなさいね……ちょっと、いいですか?」


律子「あずささん……」


あずさ「…律子さん、なんだか元気がないように見えますけど……大丈夫ですか?」


律子「……」

律子「……やっぱり、そう見えますか…」


あずさ「美希ちゃんも、心配してましたよ…?」


律子「……美希にまで心配されるなんて…」

律子「私、しっかりしなきゃ……!」グッ




あずさ「……律子さん」ダキッ


律子「あ、あずさ…さん…」


あずさ「辛い時は、ちゃんと『辛い』って言わないと…」

あずさ「身体も心も、参ってしまいます」

あずさ「何か悩んでいるなら……話してもらえませんか?」


律子「……」


125 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/24(水) 22:06:42.75 ID:JJDDRrm7O

あずさ「……」


あずさ「…話せない事なら、話さなくてもいいんです」


律子「……」


あずさ「ただ……思い出してくださいね?」



あずさ「あなたには……あなたの事を心配する、仲間がいるって事を」


律子「……!」


あずさ「……この世界での立場、なんて関係ありません」

あずさ「律子さんは、私達の仲間で……大切な人なんです」


律子「あずさ…さん…」


あずさ「……」ナデナデ


律子「……っ!」


あずさ「……」

あずさ「大丈夫です。今は、誰も見てないですから…」


律子「……っ!」ギュッ



あずさ(律子さん……)


あずさ(信じ合っていれば、きっと大丈夫よね……?)


126 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/24(水) 22:24:00.97 ID:JJDDRrm7O
月の中心核

小鳥「うぅ……グスッ」

小鳥「切ない話だわ……」


小鳥「律子さん……」



小鳥「それにしても…」

小鳥「雪歩ちゃんがあんな風に活躍するなんて、意外だったわ…」

小鳥「本当なら、お城に引きこもってるはずなのに…」



小鳥「…うふふ」

小鳥「真ちゃん、響ちゃん、千早ちゃん…」

小鳥「あずささんに、美希ちゃんも…」

小鳥「みんな、頑張ってるのね……」

小鳥(春香ちゃんは…ちょっと影が薄かったわね…)



小鳥「私も、もっと頑張って…」



小鳥「………この物語を、素敵なものにしなくちゃね!」




タイダリアサン「コトリ様〜!」ニュルニュル


小鳥「ん?……どうしたの?」


タイダリアサン「……お客さんが見えてますけど」


小鳥「お客さん…?誰かしら?」


タイダリアサン「コトリ様のお知り合いだそうですが…」

タイダリアサン「…どうします?」


小鳥(変ねぇ……)

小鳥(私のところにみんなが来るのは、まだまだ先のはず…)

小鳥(……ま、会えばわかるわよね?)



小鳥「わかったわ。連れて来てもらえる?」


127 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/24(水) 22:38:38.82 ID:JJDDRrm7O

小鳥「貴音ちゃん…?」

小鳥「貴音ちゃんじゃない…!」

小鳥(…もう一人?は、誰だろう…?)

小鳥(なんか…どこかで見た気がするのよねぇ…)



貴音「小鳥、久しぶりですね…」

貴音(あまり、変わりはないように見えますが…)

貴音(果たして、本当に小鳥が悪事を働いているのでしょうか…?)


バハムート「こやつが…コトリか」


小鳥「私ね、ずっと一人でさみしかったのよ?」


貴音「そうですか…」

貴音(わたくしには、ばはむーと殿がいます。小鳥よりは、恵まれているのでしょうね…)


バハムート(タカネの知人だったとは…妙な事になってきたな…)



貴音「しかし…ここで、いったい何をしているのです?」


小鳥「……そうね」

小鳥「少し、お話しましょうか……」


小鳥「……蛇君?」



タイダリアサン「はい、なんです?」ニュルニュル


小鳥「3人分、お茶を淹れて来てもらえる?」


タイダリアサン「わかりました〜」ニュルニュル


128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 22:49:00.34 ID:we+tfB+DO
なんか小鳥さんがラスボスで素敵な世界にというと百合やらBLやらの世界にしそうと思っちゃう自分
129 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/24(水) 22:52:34.50 ID:JJDDRrm7O

小鳥「あの、あなたはお茶で良かったかしら…?」

小鳥「ええと…」



バハムート「ん?我の事か……?」


貴音「小鳥。こちらは、ばはむーと殿です」


小鳥「ええっ?…バハムート!?」ズイッ


貴音「はい」

貴音「神で在られるお方ゆえ、粗相の無いよう、お願いしますよ?」


バハムート「……」



小鳥(すごい……!)

小鳥(生バハムートじゃない…!)

小鳥(やっぱり………かっこいい!)




小鳥「あ、あのう、バハムート…さん?」


バハムート「ん?なんだ…?」





小鳥「め、メガフレア、やってくださいっ!」



バハムート「……!」

バハムート(なぜ、知っている…?)ギロリ




小鳥「あ……」

小鳥「ご、ごめんなさい…っ!」


小鳥「つ、つい…舞い上がっちゃって…」

小鳥(うわぁ…バハムートさんに、すごいガン飛ばされた…)


130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 23:14:00.57 ID:ca12+nfwo
なんて俗っぽいゼムス・・・これが2人分の隕石を食らうのかww
131 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/24(水) 23:20:34.02 ID:JJDDRrm7O

小鳥(バハムート……)

小鳥(……欲しい!)

小鳥(ぜひ、欲しいわ!私の『駒』に…)

小鳥(なんだか、貴音ちゃんとも繋がりがあるみたいだし…)

小鳥(…この2人、引き離したら面白そうね…)

小鳥(絆…絶望……そして、微かな希望……)

小鳥(ああ、美しいわ……)



貴音「小鳥…小鳥!」


小鳥「……はっ!」


貴音「大丈夫ですか?何やら、ボソボソとつぶやいていましたが…」


小鳥「あ……な、なんでもないのよ?」

小鳥(いけない、また没入しちゃった…)




バハムート「…コトリよ」


小鳥「は、はい…?」


バハムート「青き星の民を操り…悪事を働かせているようだな…?」


小鳥「あー……」

小鳥「まあ…そうなりますね…」


貴音「本当に小鳥が……?」


小鳥「そうよ、貴音ちゃん」


バハムート「…今すぐ、やめさせるのだ。さすれば、そなたへの罰も、多少は軽くなろう…」


小鳥(おおう……神に脅されたわ…)

小鳥(なるほど…そういう理由で来たのか…)

小鳥(…でも、まだまだ私にも、やる事があるのよねー…)


貴音「小鳥…?」


小鳥「あ……ええと」




小鳥「ごめんなさい…それは、無理ね」ニコッ


バハムート「…ならば、仕方あるまい…」ゴゴゴゴ


貴音「ば、ばはむーと殿!?」


132 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/24(水) 23:36:17.70 ID:JJDDRrm7O

バハムート「タカネ…こやつは、そなたの知人らしいが…」

バハムート「我にも、神としての仕事がある…」

バハムート「…悪く思うな」


貴音「し、しかし…!」



小鳥「幻獣神と戦えるなんて…とても光栄です!」


バハムート「…そうか」

バハムート「そなたのその言葉に免じて、多少の手加減はしてやろう」


小鳥「うふふ、ありがとうございます!」




小鳥「…あ、ちょっと待ってください!」


バハムート「?」






小鳥「……出されたお茶くらい、ちゃんといただくのが、礼儀ってものじゃないですか?」




貴音「………確かに」


バハムート「ふむ、道理だな…」



小鳥「…じゃ、いただきましょ?」


貴音「いただきます」

貴音「ズズ……」

貴音「ん……おいしゅうございますね」


バハムート「ズズッ……」

バハムート「……うむ、うまい」

バハムート「代わりをもらえるか…?」


小鳥「あ、ちょっと待っててくださいね?」

小鳥「……蛇くーん?お茶のおかわりお願ーい!」


貴音(…いつも通りの小鳥に見えるのですが…)

貴音(……わたくしは、どちらの味方をしたらいいのでしょう…?)


133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/25(木) 00:03:50.72 ID:HFJu98vDO
シリアスだったのに急にほのぼのにwwww
134 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 20:58:59.18 ID:EYH5M2ePO
翌日、トロイア城 救護室

雪歩「みんなと一緒には、行けないよ」

雪歩「………ごめんね?」



春香「雪歩……」

真「……」

響「そ、そんなぁ……」

千早「……」



雪歩「……いろいろ考えたけど、やっぱり、こんな状態じゃみんなに迷惑かけちゃうと思うんだ…」


雪歩「だから、ここからは…」


雪歩「私抜きで、進んで欲しい」



春香(いつもの、怯えた表情じゃない…)

春香(強い意思を持った表情……)


春香「もう……決めたんだね?」


雪歩「……うん!」


春香「…………そっか」

春香(雪歩……っ)



春香「…わかったよ」

春香「じゃあ、ここからは…」




真「……ボクも、ここに残るよ!」


135 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 21:12:18.68 ID:EYH5M2ePO

春香「真……?」

響「ま、真まで、何言い出すんだ…」

千早「……」



真「ボクが雪歩のそばについてるからさ、みんな、安心して出発してよ!」



春香(真まで…)

春香(うぅ……どうしよう…?)

春香(みんなの意思を尊重するべき、なのかな……)





雪歩「……ダメだよっ!」



真「ゆ、雪歩……?」

真「なんでさ…?ボクは雪歩が…」



雪歩「真ちゃんの気持ち……すっごく嬉しい」

雪歩「でも、私……」



雪歩「…もう、みんなに守られる、弱い自分は、いやなんだ」


真「雪歩…」


千早(萩原さん…あなた、やっぱり……)



雪歩「それにね、真ちゃんの力は、この先絶対必要だよ」

雪歩「私なんかと違って、真ちゃんは……とっても強いから」


真「そ、そんな事……っ!」

真(違う……ボクは、すごく弱いよ…)

真(雪歩がいないなんて、いやだよ…)


雪歩「…一晩、真ちゃんにそばにいてもらったから…」

雪歩「……もう、一人でも平気だよ?」ニコッ


136 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 21:24:18.00 ID:EYH5M2ePO

雪歩「だから……私はこの国に…」




春香「……」グゥゥ



雪歩「……え?」チラ

真「春香?」チラ

響「春香…」チラ

千早「……はぁ」チラ



春香「あっ………」


春香「ご、ごめんね…?つ、続けて?」



雪歩「あ、いや……」

雪歩「うん……言いたい事は、もう言ったから…」


春香「ごめんね、雪歩!…ホントごめんっ!」

春香(もー!私のバカー!)



雪歩「大丈夫だよ、春香ちゃん…」


雪歩「……クスッ」

雪歩「なんか……気が抜けちゃったなあ…」


真「……ホントだよ」

真「春香、仲間より食欲の方が大事なの?」


春香「ち、違うよぉー!」アセアセ


真「あははっ!…ジョーダンだよ!」


響「春香…自分だって、お腹空いたの我慢してたんだからなー?」


千早(まったく………さすが春香ね)


137 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 21:32:15.34 ID:EYH5M2ePO

春香「……雪歩の事、よろしくお願いしますね?」



ドゥ「わかってるよ。あんた達は、安心して出発しなよ」



春香「ありがとうございます!」ペコリ






春香「じゃ……行くね?」


雪歩「うん…」


春香「雪歩、私……!」



雪歩「春香ちゃん……気をつけてね」



千早「必ず、迎えに来るわ」



雪歩「千早ちゃん……待ってるよ」



響「雪歩ぉ……グスッ」



雪歩「響ちゃん……頑張ってね」



真「雪歩……」


雪歩「真ちゃん……」






真「…また、雪歩のお茶が飲みたいな」ニコッ



雪歩「!」


雪歩「真ちゃん……!」



雪歩「………………うんっ!」ニコッ



138 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 21:43:36.17 ID:EYH5M2ePO
飛空艇 エンタープライズ

ババババババ…


響「雪歩……最後まで泣かなかったなー…」


真「うん、雪歩はね……ボク達が思ってるよりも、ずっと強いんだよ」


千早(そうか……この世界に来て、萩原さんが変わったと思っていたけど…)

千早(彼女は、もともと強い人だったんだわ……)


春香「そうだね…」

春香「永遠の別れって訳じゃないし……笑って別れたかったんだよ、きっと」




響「…その『別れ』をお笑いに変えちゃったのは、春香だけどなー?」チラ



春香「も、もう…!それは忘れてよぉー!」アタフタ




4人「あははははっ!」






「……夢ーをー話そう♪」


春香「……ん?」


139 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 21:59:28.93 ID:EYH5M2ePO



「…おーらいっ!きょおーはーなーいーたーーらぁー♪」



響「ゆ、雪歩の声…?」

響「歌ってるのか…?」



「おーらいっ!あしーたーがーもーおーっとーっ♪」



真「あ!」

真「春香っ!ひそひ草だ!」



「つよくなぁるっ♪」



春香「あ……う、うんっ!」ゴソゴソ

春香「……」スッ



「がぁんばーってーっ!あーーたーらーしぃいっぽっふーみーだそーーっ♪」



千早「萩原さん……」



「おーらいっ!なみーだーのーひーかーりでぇー♪」



響「グスッ……雪歩ぉ!」ポロポロ



「おーらいっ!ここーろーにーにーじーーをー♪」



春香「雪歩っ……」ウルッ



「かけっよっおっ♪」



真「……っ!」

真(雪歩………ボク、頑張るよ!)



「まーあっすぐーっ!いーーつーまぁでーだーあってっ♪」



「さぁーけーえっかーおーらーいっ♪」



140 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 22:46:05.41 ID:EYH5M2ePO
???


『……のう、我が主よ…』



P(ん……)

P(誰だ………?)



『干渉しすぎなのではないか……?』



P(……何の、話だ……?)



『あの双子…いずれ助かる運命であった…』

『そなたが無理をしてまで、こんなに早い時期に助ける必要は、あったのか…?』



P(わからない……)

P(亜美と真美が、目の前で石になった時…)

P(俺は、辛かった…)

P(本当に辛いのは、あの2人の方なのに…)

P(…罪の意識から逃れる為に、あの2人を助けたのかもしれないな…)



『…気持ちは、わからんでもない』

『じゃが、気をつけるのじゃぞ?』

『そなただけは、生身の身体なのじゃからな』



P(俺が…生身の身体…?)

P(どういう……)



『そなたは…自分で言っていた通り、イレギュラーなのじゃ…』

『ゲームの世界の身体を、用意できなかった』



P(そう、か……)



『あまり無茶をすると…取り返しがつかなくなるやもしれん…』

『くれぐれも、忘れるな…』



P(……俺は)

P(この世界に来ない方が、良かったのか…?)




141 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 23:06:47.96 ID:EYH5M2ePO
ミシディアの村 祈りの館


長老「……」


真美「……」



亜美「……」

亜美「…兄ちゃんが、早く目覚めますように〜」


亜美「あと…カエル以外のものが食べたい…」ボソッ




長老「…これ、アミ…声に出してはならんと言ってるじゃろう」


亜美「だって〜!タイクツなんだもんっ!」


長老「まったく…」

長老「少しはマミを見習え」

長老「声も出さずに、こんなに真剣に…」


真美「……」



亜美「真美〜、よくこんなん耐えられるね〜?」


真美「……」


亜美「…真美?」


真美「zzz…」


亜美「長老っち…真美、寝ちゃってるよ?」


長老「真面目にやってると思えば…!」

長老「マミ…マミ!」ユサユサ



真美「んっ……」ムクッ

真美「あ………」


真美「てへへ、寝ちゃってた」


長老「てへへじゃないっ!」

142 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 23:21:52.68 ID:EYH5M2ePO


長老「まったく……」

長老「お主らが『祈りたい』と言うから、連れて来てやったというのに…」


真美「ごめんね、長老っち〜」

亜美「お祈りって、もっと楽チンかと思ってたよ〜」



長老(ま……この娘らにじっとしてろというのが、そもそも間違いじゃったか…)



長老「…よいか、祈りとは、想いの力。言葉にした時点で、想いの成長は止まる…」

長老「言葉にしてはならん。ただ胸に秘めて祈るのじゃ!」


真美「こ〜いうの、なんて言ったっけ?」ヒソヒソ

真美「…言わぬがバナナってやつかな…?」ヒソヒソ

亜美「言わぬが喉仏、じゃなかったっけ?」ヒソヒソ



長老「聞いておるのか、2人とも!」


真美「へいへい」

亜美「長老っちの話は、長いんだよ〜」


長老「……それくらい、少しは我慢せんか」




「…精が出ますね、長老」



長老「……ん?」


亜美・真美「あ……!」


143 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/25(木) 23:42:26.56 ID:EYH5M2ePO

P「すみません、ご迷惑をおかけしたみたいで…」

P「亜美、真美…久しぶりだな」



長老「そなた…もう、いいのか…?」


P「はい、おかげさまで…」




亜美・真美「兄ちゃ〜ん!!」


タタタタ…


亜美・真美「とりゃ〜!!」ガバッ


長老「お、おい、2人とも、無茶をするな…!」




亜美「ずっと待ってたんだかんねっ?」ダキッ

真美「たくさん、心配したんだから!」ダキッ


P「おっと…」ヨロッ


P「…待たせてすまないな、亜美、真美…」

P「…だけど、お前達も、元に戻ってよかった…」ナデナデ


亜美「兄ちゃん…」

亜美「それはこっちのセリフだよ〜!」

真美「真美達だって、兄ちゃんと同じ気持ちなんだよ?」


P「そっか……」


亜美「兄ちゃん、たくさん遊んでもらうよ?」ニコッ

真美「一緒に、いろんな事しようね!」ニコッ


P「ああ、そうだな…」

P(……俺の一人善がりかもしれないが…)

P(やっぱり、俺はみんなの笑顔がみたい…)

P(亜美、真美…お前達を見たら、決心がついたよ)

P(ありがとな…)



長老「ふふ……あの娘らの心からの笑顔など、久しぶりに見たな…」


144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/26(金) 00:09:01.28 ID:bWwfua9DO
そういえば普通に行動してたから忘れてたが媒体になるキャラがいなくて仕方なくべろちょろになってたんだっけか
あれ?この世界であずささんが強いのってもしかして九十九神のオジイがあずささんが好みだからじゃ・・・・
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/26(金) 02:12:31.57 ID:1y4YvOWSo
Pだけやたらハードモードだな
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/26(金) 10:50:06.55 ID:rf+XXk4cO
どっちかと言うとアイドル側がイージーな気がする
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/26(金) 20:10:18.90 ID:bWwfua9DO
本来いないお助けキャラがいるし内容を知ってる亜美真美がいるしアイドルたちは何気にそのキャラにはまり役だから肉体的に強化されてるんだよ
148 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 00:11:55.49 ID:Ueh8+oQWO

長老「そうじゃ。少し、そなたに聞きたい事があるのじゃが…」


P「はい」


長老「ふむ。ここではなんだから、わしの家に来てくれるか?」


P「わかりました。じゃあ…」


長老「いや、後で来てくれればよい」

長老「わしは、先に行ってるからな…」


スタスタ…

ガチャ…バタン




P「……」

P「どうしたんだ?長老…」

P「わざわざ別々に行かないで、一緒に行けばいいのに…」


真美「……はぁ」

真美「やっぱ兄ちゃんって、こ〜いう事には鈍感なんだね〜」


P「鈍感?どういう…」


亜美「亜美でも気づいたよ〜?」

亜美「長老っちが、『気を使ってくれた』って事」


P「すまん、説明してくれ…」


真美「だ〜か〜ら〜!」

真美「真美達、久しぶりの再会じゃん?」


亜美「曇る話もあるじゃろう…って事だよ〜!」


P「曇る……?」

P「ああ、積もる話…って言いたかったのか?」


亜美「まあ、そうとも言うね」


P「なるほどな…」

P(まあ、俺と2人が顔を合わせてなかったのは、時間にしてみれば、ほんの数日なんだが…)

P(……なんだかんだ、そういう気配りができる人だよな、長老って…)

P(それに気づかない俺って……)


149 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 00:25:27.63 ID:Ueh8+oQWO

真美「そ・いえばさ…」

真美「はるるん達は、先に進んだんだよね?」


P「ああ、多分な」


亜美「多分て……大丈夫なの?はるるん達だけで…」

亜美「このゲームやった事あるのって、亜美達と兄ちゃんだけじゃないの?」


P「大丈夫だと思うぞ?」

P「春香達、この世界に結構馴染んでるみたいだし」

P「それにさ、もし、自分が初めてやるゲームを…」

P「横から、プレイした事ある人間に口出しされたら、どう思う?」


亜美「あ・…それは結構ウザいかもね」


真美「じゃあ、はるるん達に楽しんでもらおうって事?」


P「そういう事」

P「まあ、もともとはお前達を助けるため
に残ったんだけどな」


亜美「でもさ・、みんなと合流しないって事でしょ?」

亜美「じゃあ、亜美達は何すればいいのさ?」


P「それは後で話すよ」

P「とりあえず、先に長老のところへ行こうか」


150 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/09/29(月) 00:35:17.57 ID:Ueh8+oQWO
また文字化けしとる…

これは、投下するなという神の意思か

・・・

〜〜
151 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 00:49:11.04 ID:Ueh8+oQWO
長老の家

長老「すまんな、わざわざ来てもらって」

長老「もう良いのか…?」


P「あ、はい」

P「気を使わせてしまってすみません」ペコリ


長老「…気にするでない」


P「…それで、聞きたい事というのは?」


長老「うむ…」


長老「これなんじゃが…」ピラッ


亜美「うっわ〜…何この紙切れ?ボロボロじゃんか」


長老「魔導船について調べようと思って、古い文献を漁っていたんじゃが…」

長老「その時に、この紙を見つけたんじゃ」


真美「…何か、書いてあるよ?」


P「読ませてもらっても?」


長老「もちろんじゃ」


P「どれどれ…」






竜の口より生まれしもの

天高く舞い上がり

闇と光をかかげ

眠りの地にさらなる約束をもたらさん

月は果てしなき光に包まれ

母なる大地に大いなる安らぎと慈悲を与えん



152 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 01:04:22.94 ID:Ueh8+oQWO

P「これは…」

P(そういえば、こんなものもあったっけなあ…)

P(意味なんて、深く考えた事ないけど)


長老「わしには理解できなかったが…そなたならあるいは、と思ってな」

長老「どうじゃ…?何かわかるか?」


P「はい」

P「これは、魔導船についての文章ですね」


長老「やはり、そうじゃったか…!」


P「最初の『竜の口より生まれしもの』というのが、魔導船の事を指しています」


長老「ふむ…」


P「…そうだ長老、地図ってありますか?」


長老「地図?」

長老「少し待っておれ…」ゴソゴソ


長老「…ホレ」スッ



P「…地図で見ると、このミシディアの村の辺りって、何かに見えませんか?」


長老「ん……」

長老「言われてみれば…何か、生き物のような…」


真美「『竜』……でしょ?」


長老「…確かに。村のそばの入り江が、ちょうど竜の口のように見える…」

長老「これは、もしや…?」


P「お察しの通りです。おそらく、その入り江に魔導船があるはずです」


長老「なんと…!よもや、こんなに近くにあるとは…」

長老「しかし、海の底となると…手も足も出んな…」



153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/29(月) 01:11:08.83 ID:dtahnsVDO
竜の口より生まれしもの

竜騎士

天高く舞い上がり

竜騎士のジャンプ

闇と光をかかげ

暗黒騎士とパラディン

眠りの地にさらなる約束をもたらさん

封印場所

月は果てしなき光に包まれ↓
月の巫女(?)貴音

母なる大地に大いなる安らぎと慈悲を与えん

全員揃えるのが条件

みたいに勝手に無理矢理解釈してしまった自分
よし誰か殴ってくれ!
154 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 01:17:43.07 ID:Ueh8+oQWO

P「確かに、海の底に沈んだ巨大な船を引き上げるなんて…途方もない話です」

P「でも、この文章がこうしてここにある、という事は…」

P「魔導船を復活させる事はできる、という裏付けになりますよね?」


長老「……」


P「そしておそらく、魔導船を復活させる事ができるのは…」



P「長老、あなたしかいません」


長老「わしが……か?」


亜美「これは、長老っちの見せ場だよ〜?」


真美「男を魅せるしか、ないっしょ〜!」


長老「……」


長老「……わかった」

長老「何をすれば良いのかわからんが…」

長老「とりあえず、わしにできる事はやってみよう」


P「よろしくお願いします」ペコリ






長老「魔導船については、わかった」

長老「それで、もうひとつ聞きたい事があるんじゃが…」


P「はい…」


155 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 01:37:24.49 ID:Ueh8+oQWO

長老「そなた達は、これからどうするつもりじゃ?」


亜美「兄ちゃん…?」チラ


真美「兄ちゃん…」チラ


P「また、旅に出るつもりです」


長老「そうか…」

長老「すぐに発つのか?」


P「そうですね…」


長老「…一晩くらい、泊まっていけ」


P「え……いいんですか?」


長老「いいに決まっておろう?」

長老「この家はもう……そなた達の家でもあるんじゃからな!」


P「長老…」


真美「長老っちが……デレた…」


亜美「ふむ。やはり、ツンデレであったか…」


長老「つんでれ…?」


P「あっ…なんでもないんです!」

P「こら、2人とも余計な事言うなよ」ヒソヒソ



長老「…さて、今日の夕飯でも作るかの」


P「あ、俺も手伝いますよ!」


長老「わしに任せておけ。こう見えて、料理が趣味じゃからな」ニヤリ


スタスタ…



亜美「ねえ真美、これってもう…」


真美「うん。完璧フラグ立ってるよね」


P「何のフラグだよ…」


P(それにしても、長老と話してると…)

P(親父の事を思い出すな……)


156 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 01:54:38.91 ID:Ueh8+oQWO
長老の家 客室

P「うーん…」


真美「兄ちゃん、どうしたの?」


P「ああ…」

P「さっきの、魔導船についての文章の中で、わからない部分があってな…」


亜美「わからない部分?」


P「『闇と光をかかげ』…って文があったろ?覚えてるか?」


亜美「ん〜、覚えてるけど…」

亜美「でも、『光』って、はるるんの事じゃないの?」


P「うん。俺もそう思ったんだけど…」

P「なら、『闇』は何を指すんだろう…と思ってな」


真美「闇…かあ…」

真美「はるるんは、元は暗黒騎士だったから…その事じゃない?」


P「どうかな…」

P(なんとなく、違う気がする…)

P(ゲームでは、明言されてなかった部分だから…この世界では、さほど重要じゃないのか…?)


亜美「あんまり関係ないんじゃない?」

亜美「亜美、その事について知らないけど、ゲームクリアできたよ?」


P「そうだよな…」

P(ゲーム通りなら、特に気にしないんだが…)

P(何か引っかかるんだよな…)


157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/29(月) 11:04:36.77 ID:591TJGebo
なるほど
158 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/09/29(月) 22:19:16.47 ID:Ueh8+oQWO
文字化けなおったかな〜?
159 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 22:36:14.33 ID:Ueh8+oQWO

真美「それより兄ちゃん!」

真美「はるるん達と、どうやって合流するの〜?」


P「いや、とりあえずは…春香達とは別行動になると思う」


真美「え…?みんなと合流しないの?」


亜美「じゃあ、いったいど〜するのさ〜?」


P「ああ、俺達はこれから…」


P「…リタイア組を回収しに行こう!」



亜美「リタイア組……」


真美「兄ちゃん…なんか、負け組みたいで嫌だよ〜…」


P「す、すまん…!決してそういう意味じゃないんだが…」


亜美「な〜んだ…またみんなと冒険できると思ったのにな〜」


P「お前達もわかってるだろ?このゲームは、犠牲になる仲間が多い」

P「回収しておかないと、みんなバラバラになってしまうんだよ」

P「…それに、春香達と会う機会は、必ずあるよ」


亜美「う〜ん…まあ、ちかたないね」


真美「負け組は負け組らしく…裏方に徹しますか…」


P「いや、悪かったって……」




真美「……で、どうする?」

真美「次の犠牲者は……普通に進めばゆきぴょんだよね?」


P「ああ、そうだな…」

P「だが、どこへ行くにしても、飛空艇が無いと話にならない」


亜美「って事は…?」


160 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 22:59:54.32 ID:Ueh8+oQWO

P「うん。とりあえずは、バロンへ向かう」


亜美「うえぇ…じゃあ、またあのワープゾーン通るのかぁ…」


P「少しだけ、我慢してくれよ」


P「そして、バロンに着いたら、飛空艇探しだな」


真美「飛空艇かぁ〜!一回、乗ってみたかったんだよね〜!」


亜美「でもさぁ、飛空艇は、はるるん達が乗って行っちゃったんじゃないの?」


P「そうだと思うが…さすがにその1隻しかないって事はないだろ」

P「きっと他にもあるはずだよ」


真美「ま〜確かに」

真美「って事は、問題は……」

真美「誰が飛空艇を操縦するかってとこだね?」


P「あ……」


真美「…兄ちゃん?」


亜美「まさか、そこまで考えてなかったとか…?」


P「……なんとかなるかなーと思って」

P「だって、春香達も、飛空艇を操縦してるはずだろ?」


亜美「そりゃ〜、あちらにはひびきんがいますからな〜」


P「う……そういえばそうだな…」

P「だ、大丈夫だよ!なんとかなるって」


亜美「兄ちゃんは、相変わらず詰めが甘いですなぁ〜」


真美「ま〜でも、何が起きるかわからない方が、ドキドキできる…かな?」


亜美「いざとなったら、亜美に任せてよ!」


真美「あ〜、真美も操縦する〜!」




P(……あれ?)

P(このままだと…中学生になったばかりの子達に操縦させる事になるのか……?)

P(だ、大丈夫かな…?)


161 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 23:18:37.35 ID:Ueh8+oQWO
ゾットの塔

魔物「グルル…!」


春香「……」ドキドキ



魔物「グルル…」クルッ


スタスタ…




春香「ホントに……襲って来ないみたいだね」


千早「ええ。基本的に、律子に従っているらしいから」

千早「鶴の一声で、どうとでもなるみたいね」


響「えっ?これみんな律子が躾けてるの?」

響「律子はすごいなー!」


千早(躾っていうのかしらね……)


真「じゃあ、魔物の世話とかもしてるのかな?」


千早(……なんだか、律子がサーカス団の団長か何かに思えてきたわ……)




春香「それにしても…この塔、空に浮いてるんだよね?」

春香「すごいなぁ…どういう仕組みなんだろう…?」


真「春香……それを言ったら、飛空艇だって同じじゃない?」


春香「うん…まあ、そうなんだけどさ」

春香「なんか、空の上に建物が浮かんでるって、神秘的だなぁ…って」


響「中は魔物だらけだけどなー!」


春香「もー、響ちゃん…乙女のロマンを壊さないでよぉ…」




「…くそ、ねいるあーとが邪魔で、うまくできん…!」

「姉者、それは砂糖では…?」

「ええい、うるさい!腹に収まれば皆同じじゃ!」



春香「あれ…?誰かの声がする…?」チラ


千早「あ、春香…その部屋は……」


162 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 23:35:25.79 ID:Ueh8+oQWO
ゾットの塔 調理場

ラグ「まさか、女3人集まって、握り飯も握れぬとは……無念!」


ドグ「このままでは、またミキ殿をがっかりさせてしまう…!」


マグ「む……!」

マグ「何奴っ!」ヒュッ


スタンッ!



春香「わっ……!」


春香「ご、ごめんなさい、怪しい者では…」


千早「……やめなさい、マグ」


マグ「チハヤ殿…!」

ドグ「戻られたのですね!」

ラグ「という事は、そちらの方々がリツコ様のご友人で…?」


千早「ええ、そうよ」

千早「あなた達は……また、おにぎりを握っているのね」


春香「えっ?これって、おにぎりだったの?」


響「これは…ひどいぞ…」

響「これじゃあ、ハム蔵の方が握るのうまいかも…」


真「ねえ千早。おにぎりって、ひょっとして…?」


千早「ええ。ほとんど美希がひとりで食べるわ」



3人(やっぱり……!)


163 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/09/29(月) 23:48:59.33 ID:Ueh8+oQWO

春香「ねえ、千早ちゃん」

春香「この人達は…?」


千早「あ、紹介してなかったわね」

千早「この子達は、『メーガス3姉妹』」

千早「長女のマグ、次女のドグ、そして…三女のラグよ」


メーガス3姉妹「以後、お見知り置きを!!」ペコリ


響「へぇー、8姉妹の次は、3姉妹かー!」


真「なんか…全然似てなくない?」


春香「うん。それに、なんだか話し方が堅いよ…」

春香(料理?してたって事は…コックさんかな?)

春香(それにしては、ひどい有様だけど……)



マグ「チハヤ殿!お助けくださいっ!」


千早「また…うまく握れないの?」


マグ「面目無い…」


ドグ「このままでは、ミキ殿に合わせる顔がありません…!」


ラグ「どうか、お力をお借り出来ませんか?」


164 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 20:23:25.79 ID:/LL2S0bLO

千早「……そう言われてもね」


真(あれ?ボク達、律子の客のはずじゃ…)


春香「……」




春香「あの、私……手伝おうか?」


千早「春香……いいの?」


春香「これ、みんなのお昼ご飯なんでしょ?」

春香「これじゃあ、食べられるかどうかも疑問だもん」

春香「まあ、私も自信があるわけじゃないけど…」


響「じゃあ、自分も手伝うぞー!」

響「なんか、楽しそーだしなー!」


真「うーん…ボクは、2人の足引っ張っちゃいそうだし、やめとくよ」


響「そんな事ないと思うけどなー」

響「それに真、おにぎりくらい握れないと、立派な女の子になれないぞー?」


真「え?そう、かな…?」


春香(響ちゃん…その言い方は、失礼なんじゃ…)


千早「……じゃあ、ここはみんなに任せたわ」クルッ


春香「ちょっと待って、千早ちゃん!」ガシッ


千早「は、春香…?」


春香「千早ちゃんも、一緒にやろう?」


千早「で、でも私、こういう事は…」


真「千早、ひとりだけ行っちゃうなんて、ズルいよ」


響「みんなでやれば、きっと楽しいぞー!」


春香「ねっ?千早ちゃんも……握ろうよ!」


千早「………」

千早「わかったわ。でも…期待はしないでね」




マグ「それでは先生方、さっそくお願いします!」


165 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 20:37:48.52 ID:/LL2S0bLO

春香「…思ったより、まともな具があるんだねぇ」ニギニギ


響「シャケ、昆布、明太子、梅干し……うん、確かに王道だなー」ニギニギ



千早「……」ニギニギ


グシャ


千早「……くっ」


春香「千早ちゃん…」

春香「あんまり力を入れすぎない方が、いいと思うよ?」


千早「…そうなのね」

千早「でも春香、あれは……いいの?」スッ


春香「え?」チラ




真「…ふんっ!」ガシッ

真「…ふんっ!」ガシッ



真「……できたっ!」カチコチーン


響「真ぉ…そんなに強く握ったら、おにぎりじゃなくて押し寿司になっちゃうぞー…」ニギニギ


真「え、そうなの?」

真「これくらいの方が、食べ応えあると思ったんだけどね」



春香「あはは…真は、違うものを作ろうとしてるみたいだね…」ニギニギ

春香「…とにかく、力を込めすぎずに、ね?」ニギニギ


千早「ええ、わかったわ」

千早(おにぎりって、意外と難しいのね…)

千早(……頑張らなくっちゃ)


166 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 20:50:55.77 ID:/LL2S0bLO

響「でもさー、普通のおにぎりばっかりじゃ、飽きちゃうかもしれないよね?」ニギニギ


春香「それもそうだねぇ…」ニギニギ


真「…ふんっ!」ガシッ

真「…ふんっ!」ガシッ


千早「……」ニギニギ

千早(あ……できたわ!)



春香「あ、じゃあさ…」

春香「焼きおにぎりとか、どうかな?」ニギニギ


響「おー!それはいい考えだと思うぞー!」ニギニギ


千早「……問題は、ここにはコンロなんて無いって事ね」ニギニギ


真「…ふんっ!」ガシッ

真「…ふんっ!」ガシッ


春香「え?そうなの…?」ニギニギ

春香(ここって、調理場じゃないのかな…)


響「…誰かが、魔法で火を起こしてくれればいいんだけどなー」ニギニギ


春香「今の私達の中には、火の魔法を使える人がいないんだよね…」ニギニギ





マグ「火の魔法ならば、我々にお任せを!」

ドグ「我らのデルタアタックで…」

ラグ「火を起こして見せましょうぞ!」



春香「あ、メーガスさん…」

春香「じゃあ…お願いしても、いいですか?」



メーガス3姉妹「承知!!」


167 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 21:14:13.81 ID:/LL2S0bLO

ドグ「ゆくぞ、姉者!」

ドグ「…リフレク!」バッ


ブゥゥーーン!


マグ「今だ、ラグ!私に魔法を!」


ラグ「…ファイラ!」バッ


ボオオォーー!


メーガス3姉妹「デルタアターック!」




真「……!」

真「魔法を跳ね返す魔法もあるのか…!」

真(…でも、あのマグって人、何もしてないよね?)

真(2人でもできたんじゃ…)



響「ちょ…!火がでかくないか?」


春香「私達の苦労が、炭になっちゃうよぉ〜!」


ボオオォー!






…コンガリ



春香「ああ…せっかく握ったおにぎりが…」


響「これは…ひどいぞー…」


真「あーあ…ボクも、頑張ったのになぁ…」


マグ「あ、あの…火が必要との事だったので……す、すみません…」ペコリ


春香「……」

春香「仕方ないか……」

春香「もう一回、作り直そうか?」



千早「待って」


スタスタ…


168 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 21:21:46.68 ID:/LL2S0bLO

千早「……」スッ

千早「パクッ……」


春香「ち、千早ちゃん…?」


響「千早……どう?」


千早「……大丈夫よ、ちゃんと食べられるわ」


真「ホッ……よかったぁ」


春香「ホント、よかった…」




マグ「あの…ご迷惑をおかけしたみたいで…申し訳ございません…」



春香「あ、いいんですよ?おにぎりは無事だったみたいだし…」


マグ「寛大なお方だ……!」




響「さー、握るぞー!」


真「へへっ!ボクだって、頑張るからねっ!」ポキポキッ


響「真……『ポキポキッ』は、いらないと思うぞ?」


真「え?そう?」ポキポキッ




千早「さ、春香…」

千早「みんなが待っているわ。残りも握ってしまいましょう?」



春香「千早ちゃん…」

春香「うんっ!」


169 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 21:42:40.76 ID:/LL2S0bLO
ゾットの塔 最上階

律子「もぉ!美希、いい加減起きなさい!」ユサユサ


美希「…むにゃ…」


バルバリシア「律子様、恐れながら…」

バルバリシア「ここは、アズサに頼るしかないかと…」


律子「わかってるけど…」

律子「なるべく、魔法に頼らず起きて欲しいのよね…」

律子「こんなだらしない生活続けてたら、美希の将来が心配だわ」


バルバリシア(リツコ様…まるでミキの母親ね…)


あずさ「律子さ〜ん、どうしますか〜?」


律子「うーん……仕方ないか…」

律子「あずささん、お願いします」


あずさ「は〜い」

あずさ「…エスナ!」


シャララーン!キラキラ…


美希「ん……」ムクッ


美希「あ、みんな…」

美希「おはよ〜なの」


律子「はぁ……もう、お昼よ?」

律子「美希…仕事がないからって、だらだらしすぎよ!」

律子「だいたいあんたは、いつも…」ガミガミ



美希「あれ…?」

美希「昨日は、全然元気なかったのに…」

美希「律子…急に元気になったの」


律子「…さん、でしょ?」


美希「えへへ……律子さんっ!」ダキッ


律子「み、ミキ?こら、ちょっと…離れなさいよ〜」


美希「やーなのー!」ギュッ


あずさ「あらあら〜、仲良しでいいわね〜」


スカルミリョーネ(……うるさい)


170 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 22:02:51.81 ID:/LL2S0bLO

律子(私がいつもの調子に戻れたのは…)

律子(きっと、あずささんに一晩ついていてもらったおかげね…)



律子(今思えば、あずささんは、この世界に来てから…)

律子(ずっと、私を気にかけてくれていたのよね…)

律子(あの人には、本当に頭が上がらないわ…)



ガチャ…



春香「みんなー、お昼ご飯ですよ、お昼ご飯!」


響「たくさん作ったんだぞー!」


真「ボクだって、おにぎりぐらい作れるんだから!」



律子「あれ…?なんで春香達が、昼ご飯を……?」


あずさ「あら〜、みんな、久しぶりね〜」


美希「わぁーい!みんながおにぎり作ってくれたの!」


律子「千早…どういう事?」


千早「メーガス3姉妹が頼りないからね…私達が昼ご飯を…」


律子「そうだったのね、ご苦労様」


律子「じゃあ、とりあえずご飯にしましょうか?」


171 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 23:24:29.66 ID:/LL2S0bLO

律子「それでは……」




9人「いただきますっ!!!」




あずさ「モグモグ…」

あずさ「春香ちゃん達が作ってくれたおにぎり、おいしいわ〜」


春香「えへへ、そうですか?」


スカルミリョーネ「……」


あずさ「あらスーさん、食べないの?」


スカルミリョーネ「……お、オレ…蕎麦が食べた…い…」


千早(あ…私も、蕎麦が食べたいかも…)

千早(……でも、自分達で作ったと思うと、おにぎりも悪くないわね)モグモグ


あずさ「スーさん、好き嫌いしてると、大きくなれないわよ?」


春香「そうですよ、スーさん」

春香「せっかく作ったんです。1個ぐらい食べてもらえませんか?」


スカルミリョーネ「……」

スカルミリョーネ「……じ、じゃあ、1個だ…け…」パクッ


春香「……どうですか?」


スカルミリョーネ「……う、うま…い…」モグモグ


春香「よかったぁ…」


あずさ「ウフフ、よかったわね〜春香ちゃん」


千早(春香が作ったものを、まずいなんて言ったら…)

千早(私が許さないわ)


172 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 23:44:23.66 ID:/LL2S0bLO

真「モグモグ…」

真(綺麗な人だなぁ……)

真(これが、大人の魅力ってやつかな…?)


バルバリシア「……ほら、美希。ご飯粒が付いているわよ」スッ


美希「ありがとなの」モグモグ


バルバリシア「まったく……あなたも女性なら、振る舞いに気をつけなきゃね」


響「そうだぞー!自分みたく、完璧に振る舞わないとなー」モグモグ


バルバリシア「えっ?」


響「えっ?」


バルバリシア「……」


響「な、何、その間は……」


バルバリシア「フン、まだまだ子供じゃない」


響「うがー!お前、失礼だぞー!」プンスカ


美希「……ミキ、堅苦しいのはやなの」モグモグ


真「あ、あのっ!」


バルバリシア「?」


真「どうやったら、あなたみたいに女性らしくなれますか?」


バルバリシア「…あら、こっちの坊やは、わかってるみたいね」


美希「シアちゃん。真クンは女の子だよ?」モグモグ


バルバリシア「あ、そうだったのね…」


真「はい…。ボク、見た目も行動も男っぽいから…」

真「…でも、ボクだって女の子として扱ってもらいたいんです!」

真「だから…」


響「真ぉ〜、こんなおばさんに聞くのが間違ってると思うぞー?」


173 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/01(水) 23:52:49.10 ID:/LL2S0bLO

バルバリシア「……!」ブチッ

バルバリシア「ガキは黙りなさいよっ!」


美希「もー!響もシアちゃんも、ケンカしないの!」モグモグ


バルバリシア「ミキ……」


響「……」

響「ごめんなー、ちょっと言い過ぎたぞー」


バルバリシア「あ……私も、大人気なかったわね…ごめんなさい」


美希「あはっ!一件落着なの!」モグモグ


真(あれ?ボクの話は……?)





律子「ふふ……」

律子(これだけ集まると、さすがに賑やかだわ…)

律子(……事務所を思い出すわね)


律子(……それにしても、春香達…)

律子(ずいぶん硬く握ったのね…)

律子(普通のおにぎりなのに、顎が疲れてしょうがないわ…)



174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/02(木) 00:19:56.84 ID:Qg53rpGDO
>律子(普通のおにぎりなのに、顎が疲れてしょうがないわ…)
真ェ…
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/02(木) 03:54:07.21 ID:WPdKVsFdo
ダイヤモンドになってたりして
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/02(木) 11:45:22.48 ID:Qg53rpGDO
>>175
なにそれ怖い
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/02(木) 15:06:36.61 ID:yzYpz4+dO
ユージロー並みの握力なのか
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/02(木) 17:37:43.39 ID:Qg53rpGDO
真がおにぎりを作るとダイヤモンドなるならそれを売っていけば億万長者に・・・・って無理だな
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/02(木) 20:15:52.36 ID:tb7cyBfmO
真が握ったおにぎりのほうがダイヤモンドより価値がある
180 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 21:50:42.14 ID:HaJORQawO
月の中心核

バハムート「……馳走になったな」


貴音「ご馳走様でした」ペコリ


小鳥「はい。お粗末様でした」ニコッ




バハムート「それでは…始めるか」ゴゴゴゴ…


小鳥「そうですね」




貴音「…やめるのです、小鳥!」バッ


小鳥「貴音ちゃん…」


貴音「なぜ、わたくし達が争わなければならないのですか?」


小鳥「……」

小鳥「仕方ないのよ?今は、私とあなたは敵同士なんだから…」


小鳥「だから…」

小鳥「あなたにも容赦しないわよ?」


貴音「……!」

貴音「それでもわたくしは……あなたが人を傷付けるのを、黙って見過ごせません!」


小鳥「そう…」

小鳥「なら、仕方ないわね」


小鳥「…ちょっと、痛い目を見てもらおうかしら?」ゴゴゴゴ…



バハムート「!」

バハムート「タカネ、退くのだ!」


181 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 22:02:22.26 ID:HaJORQawO

貴音「いいえ、退きません」


貴音「わたくしは、わたくしの大切な人達が争うのを、止めねばなりません」


バハムート(大切な人…か)

バハムート(よもや、人が神にその様な事を申すとはな…)

バハムート(タカネ、やはりそなたは、面白き人間だ)




小鳥「もう、いいかしら?」ゴゴゴゴ…


貴音「ええ」

貴音「ですが、わたくしは決して倒れません」


貴音「小鳥、あなたを正気に戻すまでは!」



小鳥(やれやれ…私はいたって正常なんだけどな…)

小鳥(ま、貴音ちゃんの立場に立って考えてみれば、無理もないか…)


小鳥「じゃ、いくわよ…?」


小鳥「…フレア!」バッ



ブゥゥゥーーーン…



ババババババババッ!!



ドゴオォォォォォォォン…



182 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 22:08:47.36 ID:HaJORQawO

モクモク…


小鳥「すごーい!ホントにできたわ!」

小鳥「さっすがラスボスね!」


小鳥(さて…50%も力を出してないから、貴音ちゃんの息はまだあるはず…)

小鳥(次は、どうしようかな…?)



シュゥゥ…




小鳥「煙が、晴れる…」


小鳥「貴音ちゃんは…と」キョロキョロ



小鳥「!」

小鳥「いない!?」




バハムート「友人は大切にするものだぞ、コトリよ…」



小鳥「あーーっ!」


183 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 22:19:47.48 ID:HaJORQawO

小鳥「いつの間に、あんなに離れた場所に…?」

小鳥(さすがはバハムートさん、ってとこね)

小鳥(でも……)



小鳥「なんでお姫様抱っこする必要があるのよー!」

小鳥(私だって、された事ないのに!!)

小鳥(貴音ちゃん、ズルいっ!)





貴音「あの、ばはむーと殿…」

貴音「助けていただいて、ありがとうございます…」


バハムート「礼には及ばぬ。神とは、人を救うものだ」


貴音「あ、あの……」モジモジ


バハムート「なんだ?」


貴音「……こ、この格好は、恥ずかしいというか…」

貴音「そ、そろそろ、降ろしていただけないでしょうか…?」


バハムート「……ダメだ」


貴音「な、なぜです…?」


バハムート「タカネ、そなたは危うい…」

バハムート「己の力量も顧みず、無茶をする」




バハムート「……故に、離さぬ事に決めた」



貴音「なっ……!」

貴音「そ、それは一体、どういう…?」ドキドキ


184 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 22:30:08.41 ID:HaJORQawO

小鳥「ちょっとー!2人だけの世界に浸らないでもらえますー!?」



バハムート「ふ……冗談だ」


貴音「え、冗談…ですか…」

貴音(なんといけずな方でしょうか…)



バハムート「…………だが、そなたは我のものだからな…」ボソッ


貴音「え……?」




小鳥「こらー!無視しないでよー!」

小鳥「私には、恥ずかしいセリフ一言一句漏らさず聞こえてるんですからねっ!」



バハムート「いや、なんでもない…」


バハムート「少々、喋り過ぎたな」スッ


貴音「あ……」ストッ


バハムート(……)

バハムート(喜怒哀楽など、とうの昔に捨てたはず…)


バハムート(ならば何だ…?)

バハムート(この、身を焦がされる様な感覚は…?)



バハムート(タカネ…やはり、そなたを誘ったのは、間違いだったようだ)




185 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 22:47:27.12 ID:HaJORQawO

バハムート「タカネ…」


バハムート「我の館に、魔導船がある。それに乗り、青き星へ行くのだ」

バハムート「…クルーヤのやつが造ったのを真似ただけの…駄作だがな」


貴音「?」

貴音「いきなり何を…?」

貴音「わたくしは、小鳥を正気に戻さねば…!」


バハムート「その役は、我が引き受ける」

バハムート「そなたは、青き星の民に、助力を求めるのだ」


貴音「そ、そんな!わたくしも共に…!」


バハムート「ならぬ」


貴音「なぜですか!?」


バハムート「そなたがいると、我は全力を出せぬ」


貴音「!」


バハムート「神として命ずる」



バハムート「そなたは、行くのだ」



貴音「ば、ばはむーt」





バハムート「…デジョン」



パシュン…



バハムート(さらばだ、タカネ)


186 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 23:00:56.52 ID:HaJORQawO


小鳥「あら…?貴音ちゃんは…?」



バハムート「…さてな」



小鳥(逃がしたのね…)

小鳥(つまんないの…)

小鳥(ま、仕方ないわね)



小鳥(貴音ちゃん、あなたは、ここへ来るのは早すぎたわ)




小鳥「言っておきますけど、私、怒ってるんです!」

小鳥「散々無視してくれちゃって…!」


バハムート「ああ、すまぬな」


小鳥「あ、謝ったって、許してあげませんから!」


バハムート「…で、あろうな」


小鳥「む〜!余裕でいられるのも、今のうちなんですからねっ!」


バハムート「余裕などは、ない」


小鳥「え……?」


バハムート「我は神。故に、喜怒哀楽などの感情を持たぬ」

バハムート「そなたの力、先の一撃でわかった」

バハムート「……我は、そなたに勝てぬであろう」


小鳥「……」

小鳥(神様って、哀しい存在なのね…)


バハムート「…それでも、我にはすべき事がある」

バハムート「神として……!」ゴゴゴゴ…


小鳥「なーんだ…」

小鳥「ちゃんと、持ってるじゃないですか?」


小鳥「喜怒哀楽…!」ゴゴゴゴ…


小鳥(ちゃんと、バハムートさんの怒りや嘆きが…感じられますよ?)


187 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 23:08:32.98 ID:HaJORQawO

バハムート「我が最大の魔法を見たいと申していたな…」



バハムート「見せてやろうぞ……!」ゴゴゴゴ…



バハムート「……滅せよ」


バハムート「メガフレア!」バッ




ゴゥゥゥゥーーーーン…



ババババババババババッ!!




ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…





小鳥(生メガフレアキターーーー!)


小鳥「えっと…」


小鳥「右手にフレア…」ブゥン


小鳥「左手にフレア…」ブゥン



小鳥「合わせて、(擬似)メガフレアー!」



ゴゥゥゥゥーーーーン…



ババババババババババッ!!



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…






ドゴオォォォォォォォン…



188 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 23:20:41.13 ID:HaJORQawO

小鳥「けほっ、けほっ……」


小鳥「痛たた……」


小鳥「さすがはメガフレアね…」


小鳥「私以外に、耐えられる人なんて……ん?」



バハムート「ハァ、ハァ……」ヨロッ



小鳥「うふふ…」

小鳥「(擬似)メガフレア、効いてるみたい」


小鳥「さて、もうちょっt」


バハムート「…メガフレア!」


小鳥「え?」


ゴゥゥゥゥーーーーン…



ババババババババババッ!!



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




小鳥「うっ…!」


小鳥「あちちち…!」ジタバタ



小鳥「ま、まさか、連続で使ってくるなんて…」


小鳥「もー、服がボロボロ…」



バハムート「ぐ……っ!」ヨロッ


バハムート「……!」バッ


小鳥(また、来る…?)

小鳥(こうなったら、反撃しちゃおうかしら…)


バハムート「ククク…!」


189 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 23:28:52.24 ID:HaJORQawO

バハムート「……右手に、メガフレア…」ゴゥン



小鳥「えっ!?」



バハムート「左手に、メガフレア…」ゴゥン



バハムート「…面白い発想だな。魔法を同時に複数出すとは…」



小鳥(ぱ、パクられたー!)



バハムート「さあ、我の最後にして最大の攻撃…」



バハムート「受けてみよ!」



バハムート「…テラフレア!」バッ



小鳥(こ、これは、ヤバいかも…!)



ゴゴゴゴゴゴ…



ブゥゥゥゥーーーーン…



ババババババババババババッ!!



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



ドゴオォォォォォォォォン…




190 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/02(木) 23:39:46.02 ID:HaJORQawO

バハムート(タカネ……)



バハムート(あとは、頼むぞ……)フラッ



ドサッ







小鳥「う……っ!」


小鳥(か、身体が……熱い…!)


小鳥(し、死ぬほど熱いんですけどー!)


小鳥「そ、そうだ…バハムートさん…」チラ



バハムート「……」




小鳥「力を、使い果たしたのね…」


小鳥(そりゃ、あんな無茶をしたんだものね…)


小鳥「ひぃ……」ズル…


小鳥(う、動くのも大変だけど…)ズル…


小鳥(バハムートさんを、回収しないと…)ズル…





小鳥(…とにかく、これでバハムートさんが手に入った…)


小鳥(とりあえず、ミッション達成ね…)




小鳥(あ、律子さん達…どうしてるかなぁ…?)


小鳥(なんだか、ほのぼのしてたみたいだけど…)


小鳥(それじゃあ、盛り上がらないんですよ…?)


191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/03(金) 02:24:23.86 ID:C4Y73pCAO
気楽悠々とする小鳥さん…やだこわい
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/03(金) 13:45:59.04 ID:B/PuU4xDO
零式とロト紋が混ざった…零式はいいけどロト紋は作品違うからアカンと思うよ
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/03(金) 14:42:03.75 ID:QHhlM0sgo
まったく別のゲーム・マンガネタがすでに多数出てるんですがそれは
194 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/03(金) 20:51:37.86 ID:SNeQY1I0O
>>192
ロト紋の記憶がほぼ無いので、どれの事を指してるのかわからない…


いろいろテキトーにネタをぶっ込むなって事かな…
195 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/03(金) 21:03:59.05 ID:SNeQY1I0O
ゾットの塔 最上階

律子「スカルミリョーネ、バルバリシア……」


律子「悪いけど、少し席を外してもらえる?」


バルバリシア「……」

バルバリシア「はい、わかりました」


スカルミリョーネ「……わ、わかっ…た…」


スタスタ…

ガチャ…バタン



律子「……」


律子「……春香、雪歩はどうしたの?」


あずさ「亜美ちゃんと真美ちゃん、それに、プロデューサーさんもいないみたいだけど…」


春香(そうか……知らない人もいるんだよね…)


春香「わかりました」

春香「みんなの事……話します」







律子「……そう、だったの」


千早(亜美、真美……勇敢に戦ったのね)


あずさ(雪歩ちゃんも、亜美ちゃんも、真美ちゃんも…)

あずさ(プロデューサーさんが頼りね…)



響「亜美と真美の事は、プロデューサーがきっとなんとかしてくれるぞー!」


真「雪歩も…怪我を治すために、頑張ってる!」


律子「……」


春香「律子さん、私達は…」


美希「…前に進むしか、ないって思うな!」


春香(あっ……私が言おうと思ってたのに…)


律子「美希……」

律子「……そうね。その通りだわ」


196 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/03(金) 21:22:38.14 ID:SNeQY1I0O

律子「春香……クリスタルは?」


春香「はい、持ってます」キラーン


律子「…これで、全てのクリスタルがここに揃った」


春香「あっ……」

春香「律子さん、その事なんですけど…」


春香「クリスタルは……4つだけじゃないみたいです」



美希(ねー響…ミキ、話について行けてないの)ボソボソ

響(あとで説明してあげるから…)ボソボソ



律子「……………は?」

律子「どういう事?」


春香「トロイアの神官さんが、言ってました」

春香「この世界は、地上だけじゃなくて、地底…にも、世界があるって」

春香「今ここにある4つと、地底にある4つ…」

春香「クリスタルは、全部で8つあるみたいです」



美希(ねー響…ヒマなの)ボソボソ

響(じ、自分に言われても…)ボソボソ



律子(やられたわ…)

律子(だからあの神官…あんなに余裕があったのね…)

律子(まったく、小鳥さんも、教えてくれればいいのに…)


春香「でも、きっと大丈夫です!」

春香「みんなで力を合わせれば、クリスタルなんて、すぐに集まっちゃいますよ!」


律子「力を、合わせる……?」

律子「いいの…?私、あなた達に、あんなにひどい事しちゃったのに…」



美希(あ、そうだ…あっち向いてホイやろーよ)ボソボソ

響(だ、ダメだぞ…怒られちゃう…)ボソボソ

美希(へーきだよ!誰も見てないし…ねー、やろーよー)ボソボソ

響(もー、しょうがないなー、ちょっとだけだからな…?)ボソボソ



真「確かに…」

真「律子には、責任を取ってもらわないと」


197 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/03(金) 21:41:16.20 ID:SNeQY1I0O

春香「真……?」


律子「……」


千早「律子だけの責任じゃないわ」


あずさ「そうよ〜?私達も、律子さんと一緒に行動してたものね」



美希(じゃーんけん…)ボソボソ

美希・響(…ポイッ)ボソボソ

美希(あっち向いて…ホイッ)ボソボソ

響(あっ……)ボソボソ

響(うがー!負けたぞー)ボソボソ

美希(あはっ!響、弱っちいの)ボソボソ



真「でも、2人は律子に操られてるんでしょ…?」


千早「それは……」


真「…雪歩や亜美、真美に対して、けじめをつけるべきだ」

真「じゃなきゃ、ボクは認めない!」



美希(えいっ)ペチン

響(痛っ…しっぺとか、地味に痛いぞ)ボソボソ

美希(ねー、もう一回!)ボソボソ



律子「真の言う通りね…」


あずさ「律子さん…」


律子「じゃあ、私は何をすればいい?」


真「それは、ボクひとりじゃ決められないよ」

真「みんなの意見も聞かないとね?」


春香「どうするの…?」



響(じゃーんけん…)ボソボソ

美希・響(…ポイッ)ボソボソ



真「今言った通りだよ。みんなで、律子に与える罰を考えればいい」

真「ただ、これはあくまで律子に対する『罰』で、律子が付けなければいけない『けじめ』だ」

真「何も無しっていうのは、やめよう」


198 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/03(金) 21:52:01.69 ID:SNeQY1I0O

真「じゃあ……響」


響「あっち向いて………え?」


真「え?じゃないよ」

真「律子に与える罰…何がいいと思う?」


響(律子に…罰?)

響(な、なんの事だか、全然わからないぞー!)オロオロ

美希(響……ファイトなの)



真「響……?」


春香「響ちゃん、なるべく軽いのにしてあげてね…?」


響「か、軽いのに……?」


真「春香、それじゃあ…」


春香「…みんなで決めるんでしょ?」


真「………わかったよ」


真「響…どうする?」


響「えっと…えっと…」

響(なんて答えればいいんだー!)

響(律子に…軽い…罰………?)




響(…………あ)




響「あ、あのさ…」



響「みんなから一回ずつしっぺ……とか、どうかな……?」



199 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/03(金) 22:01:57.15 ID:SNeQY1I0O

真「響……」


春香「響ちゃん……」


響「あ……だ、ダメ…だよね…?」

響(みんなの視線が痛いぞー!)


千早「我那覇さん……」


あずさ「ウフフ、響ちゃん……?」


美希「響……」


響(ちょ…!なんで美希まで『そっち側』っぽい感じになってるのさー!)



真「……」


響「あ……」


響「ご、ごめん!実は自分、みんなの話…」





真「すっごくいいアイディアじゃないか!」



響「ちゃんと聞いて……って、ええっ!?」

響「い、いいの…?」


真「もちろん!…みんなは、どう思う?」



200 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/03(金) 22:12:00.22 ID:SNeQY1I0O

春香「響ちゃん…!」

春香「律子さんの事、ちゃんと考えてるんだね…!」


千早「我那覇さん……見直したわ」


あずさ「響ちゃん、さすがよ〜?」


律子「響……ありがとう」


響「あ……うん……」

響(よくわからないけど…正解だったみたいだなー)


真「鉄拳制裁とかじゃ、さすがに律子が可哀想だ」

真「でも、しっぺなら、地味に痛いからちゃんと罰になるし、大惨事になる事はまずない…」

真「ボクじゃ、思いつかなかったなぁ」

真「すごいよ響!」


響「……だ、だろー?」

響「自分、完璧だからなー!」エッヘン




美希(響…うまく誤魔化せてよかったね?)ボソボソ

響(ホント、ヒヤヒヤしたぞー…)ボソボソ



201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/03(金) 22:38:03.83 ID:9keRCh1qo
真のしっぺとか
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/03(金) 22:52:11.65 ID:5fpIvtDB0
デコピンだったら事件になってた乙
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 00:05:49.06 ID:xuNT6OzDO
でこぴんだったら真ので律子ヤバかったな
ちなみにロト紋は合体魔法
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 00:17:53.98 ID:wCevgUdIo
ふたりがけとかWメテオは合体魔法に含まれないんだろうか・・・
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 00:37:30.43 ID:SQtZ/ly3O
しっぺって手刀じゃないよね?
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 00:46:52.06 ID:ck+B79bhO
腕がもげるな
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 04:33:44.98 ID:xuNT6OzDO
しっぺ(手刀)を真がやったら律子(の首)が(物理的に)飛びそうなんですが…
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 15:29:21.20 ID:DziOqESDO
律子にすら罰を与える以上、小鳥は全てが終わったら骨の一本や二本は折られるね(ニッコリ
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 21:27:24.02 ID:xuNT6OzDO
>>208
亜美真美にあんな役を与えたんだから二人による筋肉バスターだな
210 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 10:06:22.50 ID:304AzICaO
>>203
合体魔法ね…


かなりベタなネタだと思うので、見逃してください


211 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 10:17:21.72 ID:304AzICaO

千早「え?私達も、やるの?」


真「うん。千早とあずささんだって、被害者と言えなくもないでしょ?」

真「あずささんも、お願いしますね?」


あずさ「は〜い、わかったわ〜」


千早「……」


あずさ「千早ちゃん。難しく考える事ないと思うわよ?」

あずさ「遊び…みたいなものだと考えればいいんじゃないかしら?」


千早「遊び、ですか…」


真「いや、遊びじゃ罰の意味が…」

真「……まあ、いいか」



響「ねえ真。もうやってもいいの?」


真「……律子、心の準備は?」


律子「ふふ、何人でもかかって来なさい!」


響「じゃあ、行くぞー?」

響(美希にしっぺされ続けた恨みだぞー!)


響「とりゃっ!」ペチンッ


律子「……」

律子「うーん、あんまり痛くないものなのねぇ」


美希「それは、響が下手っぴなだけだって思うな!」

美希「次、ミキがやるの!」


212 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 10:29:36.00 ID:304AzICaO

律子「美希、本気で来てもいいわよ?」

律子(美希の本気なら、大した事ないわよね…?)


美希「あはっ!後悔しても、知らないよ?」


美希「じゃあ、行くの!」

美希(…ヘイスト!)シュルル

美希「えいっ!」ビュンッ


バシッ!


律子「……っ!」

律子(痛った〜〜!)


美希「…どう?痛かった?」


律子「ぜ、全然痛くないわよ…?」

律子(美希…何かしたでしょ…?)


美希「むー、絶対痩せ我慢なの」


あずさ(美希ちゃん、ズルしたわね〜)



真「次はあずささん、お願いします」


あずさ「ウフフ、行きますよ〜?」

あずさ「えいっ」ペチッ


律子「……」

律子「あずささん…」


あずさ「あら〜、失敗しちゃったかしら〜?」

あずさ「しっぺって、難しいのね〜?」


真(ま、あずささんは、力を入れないと思ったよ)


真「次は……千早」


213 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 10:40:53.03 ID:304AzICaO

千早「私、しっぺってどうやればいいかわからないんだけれど」


春香「あ、私が教えてあげるよ!」


春香「こう…人差し指と中指を立てて…」ブンッ


春香「…こうやって叩くんだよ?」


春香「指の当たる角度とかで、失敗しちゃったりするから、頑張ってね?」


千早「なるほどね…」


律子(失敗してくれた方が、私としてはありがたいんだけどね)


千早「……」ペチンッ

律子「……っ!」

律子(う〜、腕がヒリヒリしてきたわ…)


春香「千早ちゃん、上手!」

春香「私も頑張ろっと」


春香「行きますよ?」

春香「…えいっ!」パスッ


律子「?」


春香「あ、あれ…?」


真「プッ……!」

真「春香はしっぺが下手だなぁ」


春香「うぅ……」


千早「気にする事ないわ、春香。これは、遊びみたいなものだから」


春香「う、うん…そうだね…」

春香(なんか、くやしい…)



214 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 10:55:21.54 ID:304AzICaO

千早「……これで、あとは真だけね」



美希「あっち向いて……ホイッ!」

響「うがー!また負けたー!」

美希「あはっ!これで10連勝なの!」



真「律子、行くよ…?」ゴゴゴゴ…


律子「ま、真……ただのしっぺ…よね?」ドキドキ


真「あはは、もちろんだよ!」ポキポキッ


律子「た、ただの…遊びよね…?」


真「それじゃ、罰にならないだろ?」ポキポキッ


律子(あ……これは腕一本、逝ったかも……)


あずさ(あらあら…)



真「行くよ?」


あずさ(…プロテス!)パキーン


真「…せーのっ!」ブンッ


ドゴォッ!


律子「ぐっ……!」


千早「ま、真…やりすぎじゃ…」


真「そうかな…加減はしたつもりだけど…」


春香「いや…ドゴォッ!ってすごい音してたから!」


律子「…大丈夫よ、心配しないで」

律子(本気で来られてたら、冗談じゃなく腕が無くなってたわ、きっと)


あずさ「あら〜、真ちゃんは優しいわね〜?」


真「へへっ…そんな事ないですよ!」


215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/05(日) 12:11:05.78 ID:T0mudVPYO
しかし伊織ちゃん出てこんな
まぁ、後半もええとこで出てくるのはわかってるけど
216 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 12:53:53.58 ID:304AzICaO

千早「……さて、律子」


律子「ん?どうしたの?」


千早「話してくれるんでしょ?あなたの目的」


律子「ああ………そうだったわね」

律子(しっぺ騒動のせいで、忘れてたわ…)





律子「……みんな、ちょっと聞いて欲しいんだけど」


春香「律子さん…」


あずさ「律子さん…?」


真「…ほら、響、美希…ちゃんと聞きなよ」


響「わかったぞー」


美希「はーいなの」





律子「まずは…」ギロリ


千早「う……!」フラッ


あずさ「あ……!」ガクン


春香「律子さん?何を…」


律子「……2人にかけた術を、解いたわ」


春香「!」


律子「…これで、2人とも自由よ」

律子「今まで、本当にごめんなさい」ペコリ


千早「律子……謝らなくてもいいわ」

千早「私は、あなたに頼られて、悪い気はしなかったもの」


あずさ「そうですよ〜?」


あずさ「それに、今までだって、これからだって…」

あずさ「私達の関係は、何も変わりませんから」


律子「2人とも……ありがとう…!」


217 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/05(日) 13:00:46.52 ID:304AzICaO
>>215
いおりん、もう少ししたら出てくるかも


みんなと合流するのは、まだまだ先だけど
218 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 13:23:46.02 ID:304AzICaO

律子「私がこれまでクリスタルを集めてたのは…」



律子「……月へ行くためよ」



春香「月へ……?」

春香(そういえば、プロデューサーさんの手紙にも、月へ行けって書いてあったような気がする…)


響「月…って、空に浮かんでる、あの月かー?」


律子「そうよ」


美希「へぇー、なんだか面白そうなの!」


真「クリスタルが揃えば、月へ行けるの?」


律子「ええ…」


律子「この世界には、『バブイルの塔』っていう遺跡があるの。そこに、『次元エレベータ』っていうものがあってね?その『次元エレベータ』の動力源として、クリスタルが必要らしいのよ。で、その『次元エレベータ』を動かせば、月へ行けるから…」


響「ちょ、ちょっと待って!」

響「全然理解できないぞー!」


美希「あふぅ…」

美希「律子…さんがお経を唱えるから、ミキ…眠くなってきちゃったの…」ムニャ


真「2人とも、だらしないなぁ」


春香「真は、理解できたの?」


真「えっと…」

真「とりあえずその、バブルが弾けて買い手がつかなくなった塔に行けばいいんでしょ?」


千早「バブイルの塔、ね」


真「そして、異次元のエスカレーターに乗って、月へ行く、と」


千早「次元エレベータ、ね」


律子「まあ、真はわかってくれた?のかしら」


真「へへん!これくらい、余裕だよ!」


あずさ「真ちゃん、すごいわ〜」

あずさ「実は、私もよくわからなくて…」


春香「私も…あんまり…」


律子「……」



219 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 13:39:51.47 ID:304AzICaO

律子「じゃあ、簡潔に言うわ」


律子「要は、クリスタルが揃えば、月へ行けるって事よ」


春香「あっ、わかりやすい!」

真「わかりやすいね!」

響「自分も理解できたぞー!」

あずさ「そういう事なのね〜?」

美希「最初からそう言えばいいって思うな!」



律子「……」


千早「大丈夫よ、律子。私がちゃんと聞いているから」


律子「……ホント、あんただけが頼りだわ…」





真「……でもさ、なんで月なんかに行くのさ?」

真「何か、用事でもあるの?」


千早(前に言っていた、律子の『上司』が関係してるのかしら…)


春香(プロデューサーさんの手紙では、月には、『本当の敵』がいるって…)



律子「ええ、あるわ。大事な用事がね……」


律子(この子達は、ショックを受けるかな…)

律子(……いや、きっとみんななら、大丈夫)


律子「みんなには、まだ言ってなかったけど、月には…」




律子「こと……っ」


ーーードクンッーーー


律子(なんで…こんな…時に……!?)


律子(あ……いしきが……)


220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/05(日) 20:47:50.49 ID:fJMZnLhDO
主人公…それでいいのか…
221 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 21:46:24.81 ID:304AzICaO

律子「……っ!」ヨロッ


春香「り、律子さん…?」


響「律子、どうしたんだー?」


千早(まさか……!)


千早「律子!」


タタタタ…


千早「律子、大丈夫?」ガシッ


律子「う…ぐぁ……!」

律子「………ろすっ…!」


千早「え……?」


律子「うぁ……!」ブンッ


ドゴッ!


千早「ぐ……!」ドサッ


真「律子!何してるんだ!」


律子「じゃ…ま…だ…!」


春香「千早ちゃん、大丈夫?」タタタタ…


千早「くっ……なんとかね」

千早「それより、律子が…!」


222 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 22:03:00.35 ID:304AzICaO

千早「真!律子の様子がおかしいわ!」

千早「ちょっと、抑えるの手伝ってもらえる?」ググッ


真「わかった!……響!」タタタタ…


響「おう!」タタタタ…




律子「このっ……!」ブンッ


真「ぐっ……!」ガシッ

真(なんて重い一撃……!)


響「律子、やめるさー!」ガシッ


春香「律子さんっ!」ガシッ


律子「うるさい…!虫ケラが…!」





美希「律子……?」


あずさ(律子さん…どうしちゃったんですか…?)


美希「…ねえ、あずさ。魔法でどうにかできないかな?」


あずさ「そうね…」

あずさ「やってみる価値は、あると思うわ」


美希「じゃあ、行こっ!」タタタタ…


あずさ「あっ、美希ちゃん待って〜!」タタタタ…


223 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/05(日) 22:38:16.10 ID:304AzICaO

美希「みんな、そのまま捕まえててっ!」


春香「美希、あずささん!」ググッ


あずさ「美希ちゃん、いくわよ?」



美希・あずさ「エスナ!!」


シャララーン!キラキラ…


律子「……」


律子「無駄だ…!」ブンッ


ドゴォッ!


美希「う……!」ヨロッ


あずさ「美希ちゃん!」ガシッ


美希「……魔法、効かなかったの…」


あずさ「そうね…」

あずさ(こうなったら…ある程度律子さんに負担かけてしまうかもしれないけど…)

あずさ(実力行使しか…)



律子「邪魔だ…!」ブンッ


真・響・春香「うわぁっ!!」


ドサドサッ



真「くそ…!3人掛かりでも抑えられないなんて…!」

真(前に戦った時とは、段違いに強い…)

真(どうなってるんだ…?)


春香「律子さん、あれじゃ完全に別人だよ…!」


千早「…もしかしたら、操られているのかもしれないわ」


響「え…?律子も…?」


千早「わからないけど…」

千早(…いえ、私にはもう、誰が黒幕かだいたい見当がついてる……)

千早(でも、そんなバカな事って……!)



律子「お前達に、絶望を見せてやる…!」ゴゴゴゴ…


224 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/06(月) 19:16:06.58 ID:0bGRebWeO

春香「律子さん!正気に戻ってくださいっ!」


美希「律子!こんなのおかしいの!」



律子「フッフッフ!死ね!」


あずさ「……?」


律子「フレア!」バッ


春香「っ……!」





ーーーーシーン…ーーーー




春香「ん…?」キョロキョロ


真「あれ……?」


響「何も、起きないぞ…?」



律子「あ、あれ…?おかしいわねー?」

律子「あ…!ひょっとして律子さん、フレア使えないんじゃ…?」

律子「ど、どうしよ〜!せっかくカッコ良く決めようと思ったのに〜!」



あずさ(まさか、そんな事が…?)

あずさ(でも、もうそれしか可能性はないわ)


千早(……どうやら、あずささんも、気づいたみたいね)


真「ど、どうしたんだ、律子…?」


美希「律子の言ってる事が、まったく理解できないの」


春香「律子さん…ホントにおかしくなっちゃったんですか…?」



律子「あ……」

律子「こほん…」

律子「フフフ…今のは、ほんの小手調べよ?」


春香「はあ、そうなんですか…」

春香(ただ魔法が不発だっただけじゃ…?)


律子「次こそ、あなた達の最後よ!」


225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 19:41:09.92 ID:PmMoKYnDO
さすが小鳥さん持ってるな

やよいや社長は今何してるのかな…
226 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/06(月) 21:45:45.46 ID:0bGRebWeO

あずさ「あの〜、律子さん…?」


律子「…はい?」


あずさ「私達を、どうする気なんですか?」


律子「そ、それはもちろん……えっと…」


律子「…そう、コテンパンにやっつけるつもりです!」


あずさ「…どうしてですか?」


律子「ど、どうしてって…」

律子「その方が盛り上がるからに、決まってるじゃないですかぁ!」



春香「……律子さんって、こんなキャラだったっけ?」ボソボソ

真「操られてキャラが変わっちゃったんじゃないかな…」ボソボソ

美希「それにしても、変わりすぎなの!まるで、違う人と話してるみたい…」ボソボソ



あずさ「どうしても、見逃してもらえませんか?」


律子「それはダメです!だって、盛り上げるのが私の仕事ですから!」


あずさ(困ったわね〜…)

あずさ(まさか、こんな事になるなんて…)

あずさ(律子さんを操っているって事は、『彼女』、相当強いんだろうし…)


あずさ(…………使う事はないと思っていたんだけど…)

あずさ(仕方ないわね〜……)



227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 22:18:47.82 ID:PmMoKYnDO
いや、コテンパンにやっつける程度ならいいんじゃ…
228 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/06(月) 22:37:16.87 ID:0bGRebWeO

律子「さあ、おしゃべりはここまでにしましょう」

律子「覚悟を決めてくださいね?」


春香「なんか、だいぶノリが軽くなったような…」


千早「春香、油断はできないわ」

千早「おそらく、律子本人を相手にするより厄介だと思う」


春香「え、どういう意味?」


千早「つまり…」



あずさ「律子さん、私が相手になります」


律子「……あずささん一人…ですか?」


あずさ「ええ。私じゃ役不足かもしれませんけど、お手柔らかにお願いしますね〜?」


響「あずさ…?」


真「あずささん、一人でなんて危険ですよ!」


あずさ「心配してくれて、ありがとね?」

あずさ「でも、大丈夫。私に任せて?」


千早(あずささんは、律子の正体を知ってて話しているはず…)

千早(何か、策があるのね…?)


千早「春香、あずささんに任せましょう」


春香「……」


あずさ「春香ちゃん……」


春香「………わかりました」

春香「でも…気をつけてくださいね?」


あずさ「ウフフ、わかったわ」


229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 22:55:29.29 ID:vLHS+GaM0
役不足ってのはうんぬんかん
230 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/06(月) 22:56:13.28 ID:0bGRebWeO

律子「あのー……」

律子「ずーっと待ってるんですけど…」


あずさ「あら、ごめんなさいね?こと…律子さん」


律子「うふふ、やっぱりこうなるんですね?」


あずさ「え?何が…ですか?」


律子「あ、いえ……こっちの話ですよ」


あずさ「?」


律子「それより、あずささん……」





律子「………死なないように、気をつけてくださいね?」ニコッ




あずさ「……!」ゾクッ

あずさ(な、何かしら…今の…)

あずさ(なんだか、寒気が…)



あずさ(……死ぬつもりなんて、ありません)

あずさ(『あなた』も、必ず連れて帰りますから…)



律子「じゃあ、こちらから行きますよ?」バッ


律子「……ファイガ!」


ボオォォォォォー!


あずさ「……ブリザガ!」


コォォォ…パキーン!




ジュゥゥ…




231 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/06(月) 23:15:30.00 ID:0bGRebWeO

律子「へぇ、さすがあずささん」

律子「じゃあ、これはどうですか?」バリッ


あずさ「ウフフ…」バリッ



律子・あずさ「サンダガ!」バッ



バリバリッ…ピシャァーン!





春香「あずささんすごい…律子さんと互角に戦ってる…!」


千早(あずささん…頑張って…)


響「あずさの魔法、すごいなぁ!」


美希「そりゃそうだよ!」

美希(ミキを負かしたんだもん…!)


真「魔法の戦いかぁ…ボクにはできないな」




律子「そろそろ、身体は温まってきましたか?」


あずさ「そうですね〜」


律子「じゃあ、本番、行きますよ?」ゴゴゴゴ…


あずさ「わかりました〜」ゴゴゴゴ…




232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 01:55:12.90 ID:BrMXDK8DO
響はあずささん呼び
233 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/07(火) 07:50:53.48 ID:zt5gBkPkO
>>232
ほんとだ…盲点だった
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 14:36:45.98 ID:8iIeF1V2O
で、出た〜
いちいち細かく呼称指摘奴〜
235 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/07(火) 20:19:43.37 ID:ILNbH2dMO

律子「楽しいですねー?」ゴゴゴゴ…


あずさ「ウフフ、それはよかったです」ゴゴゴゴ…



律子「あずささん、全力で来てくださいね?」


律子「じゃないと、殺しちゃうかもしれないので…」


あずさ(小鳥さんには、それだけの力があるって事なのね…)


あずさ(プロデューサーさん、すみません)


あずさ(……使わせてもらいますね?)




律子・あずさ「……時は、来た」



律子・あずさ「赦されざる者の頭上に…」



律子・あずさ「星砕け、降り注げ!!」




律子・あずさ「……メテオ!!」




ヒュー……ヒュー…

ヒュー…ヒュー……ヒュー…



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




ドゴオォォォォォォォォン…




236 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/07(火) 20:39:10.93 ID:ILNbH2dMO

律子「……」


あずさ「……」


律子「…………」


あずさ「…………」





律子「…………くっ」ガクッ

律子「や、やりますね…!」

律子「私に、膝をつかせるなんて……」



あずさ「そんな事ないですよ?律子さん…いえ」

あずさ「小鳥さん、さすがです!」


律子「な、何言ってるんですか?私は…」


あずさ「大丈夫、この事に気づいたのは、まだ私と千早ちゃんだけみたいですから…」


律子「……」

律子「うー、バレてないと思ってたのになぁ…」


あずさ「ウフフ、小鳥さんはやっぱり楽しい人ですね〜?」


律子「そ、それって、良い意味にも悪い意味にも取れるんですけど…」

律子「はぁーあ、まさかあずささんにまでギャグの人って思われていたなんて…」

律子「こんなんだから私、未だにプロデューサーさんに下の名前で呼んでもらえないのかしら…」



律子「ねえ、あずささんどう思いま…」



ドサッ



あずさ「……」



律子「あずささん……」



律子「…………おやすみなさい」



237 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/07(火) 20:52:05.00 ID:ILNbH2dMO

モクモク…



春香「すごい衝撃だったよね…」


響「あずささん、大丈夫かな…」


真「あずささんも気になるけど…」

真「律子を操っているのって、誰なんだろ…?」


美希「きっと、律子よりもガミガミうるさい人だって思うな」


千早「……」

千早(言うべきかしら…?)

千早(いや、間違いの可能性もわずかにある)

千早(下手にみんなを混乱させない方がいいわね)





ザッ……ザッ……




春香「!」


真「誰か、歩いて来る…!」



ザッ……ザッ……



響「ど、どっちなんだ…?」


美希「あ……!」





律子「………」




春香「律子さん……!」





律子「……」スッ


ドサッ


律子「あずささん、ちょっとここで寝ててくださいね?」


あずさ「……」



238 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/07(火) 21:15:12.53 ID:ILNbH2dMO

真「あずささん!」

真「律子、何をしたんだ!」バッ


律子「真ちゃん…じゃなかった、真…」

律子「あずささんは負けたの。私にね」


真「……!」


響「あずささん!」タタタタ…



律子「…ダメよ?」ブンッ


響「おわっ!」ヨロッ


響「い、いきなり何するんだー!」


律子「みんな理解してないみたいだから、はっきりさせておくわね?」





律子「あなた達の生殺与奪は、私が握っています…!」



真「な、なんだって!?」



真「……」




真「…ねえ千早、せいさつよだつってどういう意味…?」ボソボソ


千早「………」


千早「私達を生かすも殺すも、律子次第って事よ…」



真「な、なんだって!?」



春香「律子さん、何をする気なんですか…?」



律子「春香ちゃ……春香、あなた…クリスタルを持ってるわね…?」


春香「持ってますけど…」


239 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/07(火) 21:35:38.68 ID:ILNbH2dMO

律子「こっちに渡してくれないかしら?」


春香「……!」


春香(ど、どうしよう…?)

春香(律子さん、誰かに操られてるみたいだし…)

春香(あずささんを傷つけたのも、律子さん…)



千早「春香、ダメよ!」


美希「そーだよ春香!」

美希「あんな誰だかわかんない人に、渡す事ないの!」


律子「だ、だから、私は律子さん…じゃない、律子なんですってば!」


美希「ほら、言ってる事がわけわかんないの!」


律子「もー!ややこしくなってきたわー!」

律子「これなら、律子さんの喋り方、研究してくるんだったなぁ…」ボソッ




春香「……ごめんなさい!」ペコリ

春香「あなたには、渡せません!」



律子「ふーん、そう…」

律子「ま、そっちの方が面白いけどね?」チャキッ


真「……!」スッ


春香「律子さん…!」


響「く、来るなら…来いっ!」スッ



律子「暗黒剣…」

律子「試してみようかしら…!」


240 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/07(火) 21:48:27.58 ID:ILNbH2dMO

律子「……」スッ


春香(暗黒剣…!)チャキッ


律子「えーと…」


律子「ゆけ!暗黒剣!」バッ



ズバババババーーッ!!



ドサドサッ



真「ぐ……!」


響「つ、強い…!」


美希「超痛いの…!」


千早「くっ……!」



律子「すごーい!」

律子「暗黒剣かっこいい!」


律子「……あれ?」


春香「あれ……?」


律子「春香ちゃん、やるわね…」


律子「なら、もう一度いくわよ!」


春香「え?ちょっと待って…」


律子「轟け、暗黒剣!」バッ


ズバババババババーーッ!!


春香「わっ…!」チャキッ


241 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/07(火) 22:05:25.79 ID:ILNbH2dMO

律子「……」



春香「あ……」



律子「……なんで!?」

律子「なんで効かないの?」


春香「なんでですかね…?」


真「ホントに効かないのか…」


響「春香、すごいぞ…!」


美希「…人間じゃないの」


千早「春香……」




律子「こうなったら、最大出力よ!」

律子「……!」チャキッ



春香「そうだ……!」チャキッ

春香(どういう事かわからないけど…)

春香(みんなを、守らないと…!)



律子「唸れ、暗黒剣!」バッ



ゴォォ…


ズバババババババーーッ!!



春香「く……!」グッ



242 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/07(火) 22:25:47.51 ID:ILNbH2dMO

律子「ハァ、ハァ…」




春香「ふぅ……」

春香「みんな、大丈夫?」



響「大丈夫だぞ!」

真「春香、やるなぁ!」

美希「ミキ達のリーダーだもん、当たり前なの!」

千早「春香、油断しないで」



春香「よかった…」

春香(そういえば、試練の山で『私』に散々やられたっけ…)

春香(それで慣れたのかな…)



律子「春香ちゃん、強いのねー」

律子「主人公だからかな?」



春香「…律子さん」

春香「律子さんを、正気に戻してください!」


律子「それは…ダメよ。今の律子さんは、駒として使えないもの」


春香「じゃあ…」

春香「律子さんを正気に戻してくれたら、クリスタルを渡します」


千早「春香…!」


律子「あら…まさかそう来るとはね」


律子「んー…でも、それも無理ねぇ」

律子「クリスタルは、力ずくでもらうから…もういいわ」チャキッ



春香「……」

春香「だったら、私も……力ずくで、みんなを守ります!」チャキッ



243 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/07(火) 22:50:58.99 ID:ILNbH2dMO

春香(お父さん、力を貸してください…!)


春香「……」スッ


律子「何をする気…?」




春香「大気満たす力震え……」


美希「魔法……?」


春香「我が腕をして、閃光とならん……!」バリッ


律子「え……?」


真(雷……?)




春香「無双……稲妻突きっ!」



ビュンッ…ドガッ!



律子「ぐっ……!」ガクッ


律子「な、何よ…それ……!」

律子「ゲームが違うじゃない…!」


ドサッ




響「は、春香が何をしたのか…全然見えなかったぞ…!」

千早「ええ、ホントに…」

真(雷…いや、光の早さの突き……すごいよ、春香!)

美希「…いよいよ春香が人間離れしてきたの」



春香「あ、あの……大丈夫ですか?」


スタスタ…


春香「私、ちょっとやりす…」



ザシュッ!



春香「かはっ……!」ヨロッ


ドサッ


244 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/07(火) 23:11:39.10 ID:ILNbH2dMO

千早「は…春香っ!?」ガバッ



律子「…来ちゃダメよ?」チャキッ



千早「くっ……!」ピタ


響「春香…!」

真「くそっ!」

美希「春香!死んじゃダメなのっ!」



律子「千早ちゃんの忠告は、無駄だったみたいねー?」

律子「ちょっとびっくりしたけど…まだ、私を脅かすほどじゃないわね」

律子「心配しないで?春香ちゃん、まだ生きてるから」


千早「ホッ……」


律子「そういえば…千早ちゃんには、バレてるんだったわね」


千早「!」

千早「やっぱり、あなたは…!」


律子「……月で、待ってるわ」


千早「月で……?」


律子「だから……もっともっと強くなって…」

律子「私を倒しに来てね?」ニコッ



千早(音無さん…)



律子「……あ、クリスタルはもらって行くわ」スッ

律子「……じゃあね」クルッ


スタスタ…


245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/09(木) 00:35:59.32 ID:/dwZZhMGO
三枚目じゃないピヨ子なんてっ、、、悔しい、でも濡れちゃう
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/09(木) 01:30:52.55 ID:4VJlE7dDO
ラスボスだし死んでも現実とは関係ないとわかった上で今の役を楽しんでるんだろうな
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/09(木) 10:54:26.73 ID:KZIU2WmJ0
現実戻ったらそのまま嫌われそうなタイプのピヨちゃん
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/09(木) 14:01:11.96 ID:4VJlE7dDO
ゲームの時の記憶あるかもわからないしそこはどうなんだろうな…
249 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/09(木) 22:38:08.13 ID:nLH69D6LO

美希「…ケアルガ!」


シャララーン!キラキラキラ…


春香「う……っ」ピクッ


千早「春香っ……!」ガシッ


春香「千早…ちゃん…」


響「春香ぁ…!」グスッ


真「心配したよ…!」


美希「春香…いくら強くなったからって、油断しすぎなの…!」


春香「みんな…」

春香「……そうだ、あずささんは?」


千早「……」


真「あずささんは……」チラ


あずさ「……」


響「美希が、頑張ってくれたんだけど…」


美希「ごめんね…?ミキの魔法………役立たずだったの…」


春香「そ、そんな……!」


千早「……大丈夫、ちゃんと呼吸はしているわ」


春香「え…?どういう事……?」


真「起きないんだ。ボク達が何をしても………美希の魔法でも」


春香「起きない……?」

春香(もしかして、あずささんがさっき使った魔法って、前にプロデューサーさんが言ってた……?)




真「…とにかく、律子を追いかけないと」


千早「そうね。クリスタルも奪われてしまったし…」

千早(『律子』は、月へ行くためにクリスタルを集めていた。きっと、音無さんに会うためね)

千早(じゃあ、音無さんは、何のためにクリスタルを……?)


響「よし、みんな!エン太郎のところに戻るぞ!」



バルバリシア「悪いけど、逃がさないわよ…?」

250 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/09(木) 22:51:38.10 ID:nLH69D6LO

千早「バルバリシア……!」


真「逃がさない…?」



美希「…シアちゃんっ!」

美希「あのね?ミキ達、律子を追いかけないといけないの!だから…」


バルバリシア「……」

バルバリシア(ミキ……)



バルバリシア「させないわ…!」



美希「シアちゃん……?」


千早(指揮系統が、律子から音無さんに移った)

千早(もう、バルバリシアは敵と見て良さそうね…)


美希「シアちゃん、ミキ達、行かなきゃなの!」


バルバリシア「私は、リツコ様の四天王…風のバルバリシア」

バルバリシア「リツコ様の命により、あなた達を…」




バルバリシア「……抹殺するわ!」



ビュゥゥゥ…



真「!」


響「な、なんだ…?窓も無いのに、風が…」


千早「みんな……戦うしかないわ!」チャキッ


真「…どうやら、そうみたいだね!」グッ


響「春香とあずささんを、守るぞ!」スッ



251 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/09(木) 23:05:42.33 ID:nLH69D6LO

千早「美希……」


千早「戦わなければ、みんなやられてしまうのよ?」


美希「…そんな事ないよ!」


真「美希…」


響「美希、ちょっと落ちついてっ…!」ガシッ


美希「律子の命令とか、風がどうのとか……よくわからないけどっ!」


美希「シアちゃんは、ミキの大切なともだt」


バルバリシア「ミキ、残念だけど…」




バルバリシア「…あなたも、消すわ」




美希「……なんでっ!?」

美希「そんなの、おかしいの…!」

美希「さっきまで、あんなに楽しくおしゃべりしてたのに……っ!」グスッ



バルバリシア「く……!」

バルバリシア(最初からわかっていたはずよ…)

バルバリシア(ミキとは、敵同士だって…)

バルバリシア(それに、私は引く事はできない)



バルバリシア(命令は、絶対だもの……!)



252 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/09(木) 23:17:39.65 ID:nLH69D6LO

バルバリシア「ミキ……お別れよ!」


美希「シアちゃんっ…!」



バルバリシア「…ミールストーム!」バッ


ゴォォォォ…


ビュゥゥゥ…




千早「くっ……!」ブワッ


響「うわっ……!」ブワッ


美希「きゃっ……!」ブワッ


真「うおぉぉぉ!」グッ




ヒュー……ドサドサッ!




真「みんなっ!」クルッ


バルバリシア「へぇ、坊や…耐えたのね」


真「今度は、こっちの番だっ!」


真「飛燕…疾風脚!」


ビュンッ…ドゴッ!



バルバリシア「フフ……私の髪のバリアは、何も通さない…!」ビュンッ


ザシュッ!


真「ぐっ……!」ヨロッ


バルバリシア「そして、私の髪は…」ビュンビュンッ


ズバッ!ザシュッ!


真「うわぁっ……!」ガクッ



バルバリシア「……剣より、鋭いのよ!」




253 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/09(木) 23:44:10.30 ID:nLH69D6LO

真「く……!」

真(あのバリア、どうにかしなきゃ…!)


千早「真……!」ヨロッ


響「くそ、おばさんのクセに…!」ヨロッ



バルバリシア「さあ、どうする?」

バルバリシア「私のバリアを破らなければ、あなた達に勝ち目は無いわよ…?」


美希「真クンっ……!」ヨロッ


バルバリシア「…でも、私のバリアは、正面からは決して破る事はできないわ!」


美希「シアちゃん……?」


真「そんなの…やってみなきゃわからないだろっ!」グッ


バルバリシア「フフ…破れるものなら…」

バルバリシア「破ってみなさいよっ!」ビュンッ


響「やあっ!」バシッ


真「響っ!」


千早「みんなで、倒すのよ…!」チャキッ


真「千早…!」



バルバリシア「いいわ。まとめてかかって来なさいっ!」



響「たあーっ!」


シュッ…ドガッ!


バルバリシア「効かないわね…!」ビュンッ


ズバッ!


響「うぁ……っ!」ガクッ


千早「我那覇さんっ!」ブンッ


ガキィン!


254 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/10(金) 00:03:04.83 ID:2tYyeBihO

バルバリシア「チハヤ…あなたのその頭脳は、一目置いていたんだけど…」

バルバリシア「…どうやら、見込み違いだったみたいねっ!」ビュンッ


キィン!


千早「くっ……!」

千早(このままじゃ……!)


バルバリシア「いい事を教えてあげる」

バルバリシア「私の得物は、この『無数』の髪よ!」ビュンビュンッ


千早「!?」


ザシュッ!ズバッ!ザクッ!


千早「あ……ぅ……!」ガクッ


ドサッ


真「千早っ……!」




美希(…………)


255 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/10(金) 00:11:24.13 ID:2tYyeBihO

美希(ミキ……ここで何してるんだっけ……?)



美希(ああ、そうだ……シアちゃんと戦いたくないから、ここで見てるんだった……)



美希(…………何を見てるの?)



美希(みんなが……倒れていくのを……?)



美希(シアちゃんが……倒されるのを……?)



美希(片方を選んだら……選ばれなかった方は、どうなるのかな……?)



美希(ミキは……選ばなきゃいけないのかな……?)



美希(ミキね……正しい、とか、正解、とか……よく、わからないの……)



美希(だから……)







美希(もし間違ってたら……ミキを叱って欲しいって……思うな!)グッ




256 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/10(金) 00:26:52.57 ID:2tYyeBihO

バルバリシア「さあ……これで終わりよ!」バッ


ゴォォォォ…




美希「……終わらないの!」


バルバリシア「ミキ……!」


美希「ケアルガ!」


シャララーン!キラキラキラ…



美希「…千早さん!千早さんなら…シアちゃんのバリアを破れるって思うな!」


千早「え……?」ヨロッ


美希「さっき、シアちゃんが自分で言ってたの!」

美希(きっと…ミキ達に教えてくれたんだよね……?)



千早(さっき……?)


『…正面からは、決して破る事はできない』


千早「あ、そうか……!」



バルバリシア(そうよ、ミキ……それでいいのよ……)


バルバリシア「ふん!チハヤごときに、破れる訳ないわ!」



千早「くっ……!」タンッ


フワッ…


真「!」

真「そうか、正面は無理でも、上からなら…!」


響「確かに、上はガラ空きだぞー」





バルバリシア「フフ…空中では、身動き取れないはず…もらったわっ!」バッ



257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 00:37:26.84 ID:FW0PDIhwo
しあちゃんいいやつ
258 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/10(金) 00:43:33.71 ID:2tYyeBihO

美希「…ヘイスト!」


カタカタ…シャキーン!


バルバリシア「あ……!」



美希「千早さんっ……ううん、千速さん!今なの!」


千早「プッ……!」


ビュンッ…ドゴォ!


バルバリシア「うぐ……!」ヨロッ



シュルッ…バサッ



響「バリアが、解けたぞー!」





バルバリシア「く……!」




真「バリアがないあなたには、負ける気はしない……それでも、まだやりますか?」



美希「……真クン、それは聞いても意味ないって思うな」


真「え…なんで?」


美希「…千早さんなら、わかるでしょ?」


千早「そうね」

千早「あなたは律子の命令に逆らえない……そうでしょ?バルバリシア」



259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/10(金) 00:54:10.20 ID:Lqru2qADO
それ
260 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/10(金) 01:03:31.37 ID:2tYyeBihO

バルバリシア「……そういう事よ」


バルバリシア「だから私は……あなた達を殺すまで、止まらないわ!」

バルバリシア(そうなる前に……)






バルバリシア(私を……殺してちょうだい、ミキ……)





響「そんな事はさせないぞー!」


真「ボク達は、やられるつもりはない…!」




美希「みんな!」


美希「シアちゃんの事は……ミキに任せて欲しいの」


真「美希……?」


響「み、美希……あんなに仲良しだったのに……大丈夫なのか?」


美希「……うん!」


千早(……吹っ切れたわけでも、あきらめたわけでもない)

千早(なんていうか……悲哀と慈愛に満ちた表情…)

千早(普段の美希からは、とても想像できないわ)

千早(美希…そんな顔もするのね…)




美希「シアちゃん……最後くらい、普通におしゃべりしたいの」


バルバリシア「……そうね」



261 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/10(金) 01:24:29.10 ID:2tYyeBihO

バルバリシア「思えば……ミキには、いろいろ迷惑…」


バルバリシア「…かけられたわね」


美希「ガーン!シアちゃん、いきなりひどいの!」


バルバリシア「だって、本当の事じゃない」


美希「んー…でも、悪い気はしなかったでしょ?」


バルバリシア「ミキ…そういう事は、普通、自分から言わないわよ?」


美希「…そういうもんかな?」


バルバリシア「まあ、図々しい方が、ミキらしいわね」クスッ


美希「あ……!シアちゃん、やっと笑ってくれたの!」


バルバリシア「あ……」


美希「最後に笑ってくれて、ありがとうなの!」


美希「これで、シアちゃんの笑顔が思い出せるの!」


バルバリシア「あら?もう勝った気でいるの?まだ勝負は始まっていないのに」


美希「あはっ!……ミキ、強いよ?」


バルバリシア「……」


バルバリシア「ええ、そうね…」


美希「……」


バルバリシア「……」




美希「……」




バルバリシア「ミキ、そろそろ…」




美希「うん…」



262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 01:45:27.09 ID:FW0PDIhwo
マダンテ!
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 02:04:33.69 ID:0vO6nowDO
ここはFFらしくアルテマをだな
間違う人多いが「最後」じゃなく「最期」じゃ…
でもWではラストの方で倒したはずの四天王全員と連戦だったよな?(震え声)
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 12:33:03.36 ID:vKOhsF/Jo
じゃあ次はIV(DS版)だな
265 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/11(土) 06:58:22.87 ID:xvrI4PoBO

バルバリシア「さあ……行くわよ!」ゴォォ…


バルバリシア(ミキ……)






美希「……ミキのキラキラ魔法、見せてあげるの!」キラキラ…


美希(シアちゃん……)






美希・バルバリシア(さよなら…………!)







バルバリシア「…ミールストーム!」



ゴォォォ…ビュゥゥー!



美希「ホーリー!」



キラキラキラキラ…




ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…





ドゴォォォォォォォ…ン





266 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/11(土) 07:08:43.37 ID:xvrI4PoBO

美希「ハァ、ハァ……!」


バルバリシア「う……」ヨロッ


ドサッ




美希「シアちゃんっ!」タタタタ…



美希「……」ガシッ


バルバリシア「み…き……」


バルバリシア「あ…りが……う……」


バルバリシア「あな…た……たし…の……い…も……と……っ」


ガクッ


美希「……っ!」ギュッ




美希(ミキ…………間違ったかな?)


美希(それとも、『正解』だった……?)


美希(……どう思う?)




美希(……お姉ちゃん)ギュッ



267 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/11(土) 07:25:15.62 ID:xvrI4PoBO

グラッ…


響「……っと」ヨロッ

響「地震か……?」


真「いや、そんなわけないよ。ここ、空の上のはずだし…」


千早「…あれだけ激しい戦いがあったんだもの」

千早「もしかしたら、この塔は崩れるのかも…!」


響「ま、まずいぞー!」

響「早く逃げなきゃ!」



グラグラ…



春香「み、みんな…!」

春香「あずささんが……!」


真「どうしたの?」


春香「呼吸が…弱くなって…」


あずさ「……」


響「魔法は効かないのか?」


春香「ダメ…全然効かないよ…」


真「そんな……!」


千早(どうすれば……!)





スカルミリョーネ「……心配するな」

スカルミリョーネ「アズサは、オレが助ける」



春香「スーさん……?」


268 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/11(土) 07:42:57.60 ID:xvrI4PoBO

真「……」


真「信用できるの?」


響「そうだぞ!あのおばさんみたいに、襲ってくるかも…」


スカルミリョーネ「オレは、一度死んでいる。その時に、リツコ様の術は解けた…」


春香(そういえば、試練の山で……)


真「ボク達を騙すつもりじゃないよね…?」


スカルミリョーネ「お前達がオレを信用するかどうかには、興味はない」

スカルミリョーネ「オレは、ただアズサを救いたいだけだ」


春香「……」


千早「春香……」


春香「……スーさん、お願いします!」


響「春香……いいのか?」


春香「うん。スーさんは、信用しても大丈夫だよ」

春香(スーさん、あずささんの言う事はちゃんと聞いてたし…)

春香(あずささんも、スーさんを信頼してたように見えた…)

春香(きっと、大丈夫だよね…)



春香「…スーさん、よろしくお願いします!」


スカルミリョーネ「わかった…」


千早「でも…救うって言っても、具体的にはどうするの?」



269 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/11(土) 08:00:28.97 ID:xvrI4PoBO

スカルミリョーネ「オレの命を…アズサに託す」


春香「でも、それじゃスーさんが…」


スカルミリョーネ「…お前達にはアズサが必要なのだろう?」


響「そうだぞ!あずささんは、自分達の大切な仲間だからな!」


スカルミリョーネ「ならば、余計な心配はするな」

スカルミリョーネ「それに…」



スカルミリョーネ「オレは、アズサのいない世界などに興味はないからな」



春香(そ、それって…愛の告白じゃ……?)

真(すごい事言うな、この人……)

響(あずささん、愛されてるなぁ…)

千早(とても真っ直ぐな人なのね…)





ズシャッ!




4人「!!」




ズルッ…




真「じ、自分で、心臓を取り出した…?」


響「うえぇ……まともに見れないぞ…」


千早「……!」


春香(スーさん……!)



270 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/11(土) 08:10:26.86 ID:xvrI4PoBO

スカルミリョーネ「あ…アズサに、伝えてくれ…」



スカルミリョーネ「『楽しかった』と…」



グシャッ…!



ポタ…ポタ…



あずさ「……」



春香「あ……!」




あずさ「……スー…さん…」



真「あずささん!」ガシッ


響「あずささん、大丈夫か!」


千早「良かった…!」


春香「スーさん、ありがとうござい…」クルッ



春香「あれ……?」キョロキョロ


春香「いない……?」



グラグラ…



春香「わっ……!」ヨロッ


ガラッ…ドサッ


千早「…まずいわ、そろそろ行かないと…!」


271 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/11(土) 08:22:02.63 ID:xvrI4PoBO

ゴゥン!ドカァン!


響「みんな、エン太郎のところへ急ぐんだ!」


春香「美希!」タタタタ…




春香「美希…行こう?」


美希「……」


春香「美希…?」


美希「……」


美希「zzz…」


春香「ちょ、美希!起きてよ〜!」ユサユサ


美希「ん……もう朝…?」ムニャ


春香「早く逃げなきゃ!ここはもうダメみたい」


美希「まだ眠いの…」

美希「あふぅ…」


春香「そんな事言ってる場合じゃ…」


美希「もー…春香はせっかちなの…」


美希「わかった。じゃあ、ミキにつかまって?」


春香「え?」



272 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/11(土) 08:36:52.95 ID:xvrI4PoBO

真「しゅんかんいどう…?」


美希「うん!」


響「ホントに、そんな事できるのか?」


美希「たぶん…」

美希(…確か、ファンの人がくれた本で読んだ気がするの)



ガラッ…ドサドサッ!



千早「もう時間がないわ!美希…お願いね」


美希「わかったの!」

美希「んーと……」



ドゴォン…!



真「美希、まだ…?」


美希「うーん…ハニーの気が見つからないの…」


響「脱出できるなら、この際どこでもいいぞー!」


美希「仕方ない……第2候補にするの」



美希「…みんな、つかまった?」



春香「大丈夫、あずささんも、ちゃんといるよ!」


あずさ「……」


美希「じゃあ、行くの!」




美希「……テレポ!」




ブゥーーーン…



ビューーー…




5人「ああああぁぁぁぁぁぁ……」




273 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/13(月) 22:27:56.92 ID:GkvaliRQO
カイポの村

ものまね士「……フンッ!」


パカーン!


ものまね士「……フンッ!」


パカーン!


ものまね士「……………ふぅ」

ものまね士「やっぱり、薪割りはいいわね。心が落ち着くわ…」

ものまね士「さて……あと少しで今日の分はおしまいね」


スタスタ…


ものまね士「よいしょ……」ガシッ

ものまね士(今日のご飯は何かしらね…?)

ものまね士(店主さん、お料理がとっても上手だから、毎日楽しみなのよねー)

ものまね士「うふふっ」


…キラーン!


ものまね士「ん……?」チラ


ヒュー…


ものまね士「!」

ものまね士「な、何か降って来る!?」

ものまね士「きゃーー!」


……ドゴォォォン!!


ものまね士「はー……びっくりしたぁ」

ものまね士「なんなの?なんなのなの…?」


スタスタ…


ものまね士「うわ……すっごい穴が空いて……!」

ものまね士「……って、ミキさん!」


タタタタ…


ものまね士「ハルカ様にチハヤ様……ヒビキさんまでいるわ…!」

ものまね士「あと、キレイな女性と……」

ものまね士(ちょっとステキな男性……)

ものまね士(まさか、この人が『ハニー』さん……?)

ものまね士「…なんて考えてる場合じゃないわ」

ものまね士「助けなきゃ!」

274 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/13(月) 22:45:42.64 ID:GkvaliRQO

店主「おーい!」


タタタタ…


店主「なんかすごい音がしたけど…」


ものまね士「あっ、店主さんも手伝ってくださいよ!」


店主「うわ…どうしたんだ、その人達……」

店主「あれ?よく見れば、ハルカじゃないか!」


ものまね士「説明は後です!」

ものまね士「とりあえず、みなさんを運びましょう」


店主「何だかわからんが……わかったよ」



ものまね士「よっこら……せ…っと」グイッ

春香「……」

美希「……」


店主「お、おい…2人いっぺんに運ぶなんて、無茶じゃないか?」


ものまね士「え?何言ってるんですか?」

ものまね士「これくらい、普通ですけど」

ものまね士「…ほら、店主さん男なんですから、頑張ってくださいよ?」


スタスタ…


店主(あいつ、白魔道士だって言ってたけど……)

店主(モンクとかの方が向いてるんじゃないか……?)



店主「さて、オレは…」チラ


真「……」


店主「とりあえず、男を運ぶか…」


店主「よっ……!」グイッ

真「……」


店主「……あれ?男にしちゃ、軽いな?」

店主「ん?この感触…」ムニュ

店主(大きさは控えめだけど…これは、女の感触だな…)


店主(……なんか、いろいろすまん)


スタスタ…


275 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/13(月) 23:05:44.92 ID:GkvaliRQO
カイポの村 宿屋 2号室

千早「……」ムクッ


千早「……」キョロキョロ


千早(ここは…?)


響「ん……」モゾモゾ


千早「我那覇さん…」


千早(私のとなりのベッドに、我那覇さんが寝てる…)

千早(良かった。我那覇さんは無事みたいね)

千早(他のみんなも、無事だといいけど…)


千早「我那覇さん、起こした方がいいかしら…?」チラ


響「…あず……さん…」ムニャ


千早「……」

千早(もう少し、寝かせておいてあげましょう)



千早(……少し、情報を整理しなきゃ)

千早(まず、律子を操っていたのは、音無さん)

千早(音無さんは、『月で待っている』と言っていた)

千早(月が私達の目的地、という事ね)


千早(…で、どうやって月に向かうかだけど)

千早(律子は、クリスタルを全て集めれば月へ行く事ができると言っていた)

千早(そして、春香の話では、クリスタルは全部で8つあるらしい)

千早(そのうちの4つは律子……いえ、音無さんが持っていて、残りの4つは、地底世界にある…っていう話だったわね)


千早(音無さん、どういうわけか、私達に対して友好的でなかった)

千早(何か良くない事が起きる前に…私達もクリスタルを手に入れた方がよさそう…)

千早(……となると、次の目的地は…地底世界ね)



千早(……いえ。その前に、あずささんを救う方法を見つけなければ…)


千早(こんな時に、プロデューサーがいてくれたら……)


276 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/13(月) 23:35:30.14 ID:GkvaliRQO
カイポの村 宿屋 1号室

春香「すみません。また、迷惑をかけちゃって…」


ものまね士「水臭い事言わないでくださいよー!知らない仲ではないんですし…」

ものまね士「私も店主さんも、みなさんの事が心配なんですよ?」ニコッ


春香「ありがとうございます…」


美希「zzz…」


ものまね士「…それにしてもハルカ様、すごい怪我ですけど……いったい何があったんですか?」


春香「……」

春香「まあ……いろいろありまして…」


ものまね士(聞いちゃいけない事だったかしら…)

ものまね士(ハルカ様、なんだか辛そう…)


美希「ムニャ…」


ものまね士「そ、そういえば……お仲間が増えましたね?」


春香「……はい!おかげさまで」ニコッ


ものまね士(ホッ……良かった。笑ってくれた…)

ものまね士「天使ちゃんとユキホ様も、お元気ですか?」


春香「あ……えっと、2人とは……その、はぐれちゃって…」


ものまね士「そ、そうでしたか…」

ものまね士(も〜!私のバカ!また地雷踏んじゃった…)


春香「でも、私……信じてます」


ものまね士「え……?」


春香「絶対また、みんなに会えるって!」


ものまね士「ハルカ様…」

ものまね士「ハルカ様がそう信じるなら…私も信じますよ」

ものまね士「ハルカ様のお仲間は、必ず見つかります!」


春香「ものまね士さん……!」


美希「はにぃ…」ムニャ


ものまね士「……」チラ

ものまね士「ミキさん、そろそろ起こした方がいいかしら?」


春香「あ、そうですね。じゃあ……お願いします」

277 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/13(月) 23:57:32.54 ID:GkvaliRQO
カイポの村 宿屋 3号室

真(あずささん…)


あずさ「……」


店主「…なあ、あんた」


真「あ……ボク、真っていいます」


店主「そうか……マコト、あんまり無理するなよ?起きたばかりなんだから」


真「心配してくれて、ありがとうございます!」

真「でもボク、鍛えてるんで!」

真「これくらい、へっちゃらです!」


店主「…なら、いいんだけどな」

店主(うーん、マコト…女にしておくのはもったいないくらい、爽やかだなぁ)


真「それよりも…」

真「あずささんが……あ、この人、あずさっていう名前なんですけど…」


店主「ん?そういえば、どっかで見た顔だな…」

店主(……そうだ。前にハルカ達がこの村に来た時に、探してた人だったな)

店主(ハルカ…ちゃんと見つけたんだな)


真「起きないんです…」


店主「起きない?」


真「はい。何をしても…起きないんです」


店主「……」

店主「見たところ、高熱病ではなさそうだな」

店主「うーん……こういうのは、白魔道士とか薬師に診てもらった方が…」


店主「あ……ウチにいたわ、白魔道士」

店主「ものまね士に診てもらえばいいよ」


真「ものまね士?…さっき、白魔道士って言いませんでした?」


店主「ああ…白魔道士なんだけど、ものまね士っていうか…」

店主「ま、連れて来た方が早いか」

店主「ついでにオレは、メシでも作ってくるよ。マコトも、腹減ってるだろ?」


真「はい!あ、じゃあ…ボクも手伝いますよ」


店主「いいって、休んでなよ。困った時は、お互い様だ」


真「ありがとうございます!」ペコリ

278 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/14(火) 00:16:20.48 ID:N9Glo1DCO

真「よろしくお願いします!」


ものまね士「は、はい…」ドキドキ

ものまね士(わぁ…近くで見ると、さらにカッコいいわ…)

ものまね士(き、緊張しちゃう…)


ものまね士「あ、じゃあ…」

ものまね士「この方の服を脱がせるので…」


真「そうなんですか」


ものまね士「……」


真「……」


ものまね士「あ、あの…」


真「はい?」


ものまね士「一度、部屋から出てもらってもいいですか?」


真「あれ?出て行った方がいいですか?」


ものまね士「?」

ものまね士「あ、当たり前じゃないですか!」

ものまね士「あなた、女性の裸を見るつもりですか?」


真「あー……なるほど…」


ものまね士「すみませんが、出て行って…」


真「ボク、こう見えて女の子なんですけど…」

真(ああ、この世界に来て、何度目かなぁ…)

真(この瞬間が、一番みじめだよね…)


ものまね士「……ええっ!?ほ、ホントですか…?」


真「はい……なんなら、証拠見せましょうか?」


ものまね士「あああああ!いいいえ、け、結構です!」

ものまね士「し、知らぬ事とはいえ、とんだご無礼を…!」


真「いえ、気にしてませんよ…」

真(ホントは、すっごく気にしてますけど…)


279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/14(火) 13:51:01.23 ID:S1ptjDdOo
乙です
280 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/14(火) 21:55:09.49 ID:sTPsuEaUO
カイポの村 宿屋 1号室

春香「ねえ美希、そういえばさ…」

春香「魔法で瞬間移動する前に、プロデューサーさんの…気?が見つからない、とか言ってたけど…」


美希「……あふぅ」

美希「…ん。ホントだよ?」

美希「あの時は、なぜか感じられなかったの」

美希「でも、今は……そんなに遠くにはいないって思うな」


春香「…今は、わかるの?」


美希「うん」


春香「そっか」

春香(プロデューサーさんに、あずささんの事を伝えた方がいいかな…)

春香(私達だけでどうにかできる問題じゃ、ない気がする…)


美希「ねえ、春香」


春香「ん?」


美希「…ハニーに会いに行こうよ!」

美希「きっとハニーなら、あずさの事もどうにかしてくれるって思うな!」


春香「わぁ……」

春香「今、私も同じ事考えてた」


美希「あはっ!そうなんだ?」

美希「じゃあ、さっそく…」


春香「…待って。一度、みんなで話してからの方がいいよ」


美希「んー…まどろっこしいの。誰も反対なんてするわけないの」


春香「そうかもしれないけどさ。これからの事も考えなきゃだし…」

春香「やっぱり、話し合う必要はあるよ」


美希「む〜……」

美希「しょーがない、春香は一応リーダーだから、従うの」


春香「ありがと」

春香(一応、なんだね……)


281 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/14(火) 22:11:40.05 ID:sTPsuEaUO
カイポの村 宿屋 2号室

千早(早くみんな起きないかな…)

千早(あずささんの事も、クリスタルの事も…)


響「おーい、千早ー!」


千早(早く決めなきゃ、手遅れになってしまうかも…)


響「……千早?」


千早(私としては、プロデューサーの助言をもらいたいと思うのだけれど…)

千早(みんなはどう考えてるのかしらね?)


響「ちーはーやっ!」ガシッ


千早「ひゃっ…!」ビクン

千早「が…我那覇さん…お、起きたのね…?」ドキドキ

千早(あーびっくりした…)


響「何回も呼んでるのに、ちっとも気づいてくれないんだもんな!」


千早「ごめんなさい、ちょっと考え事を…」


響「……」

響「……あずささんの事?」


千早「ええ。あと……これからの事も」


響「そっか……」

響「これから、どうすればいいんだ…」

響「…………あ!」


千早「どうしたの?」


響「…エン太郎の事、すっかり忘れてた!」

響「ど、どうしよう…あの塔に置いて来ちゃったぞー」オロオロ


千早「エン太郎……あ、飛空艇の事ね」

千早(私もすっかり忘れてた……)

千早(今、飛空艇が使えないのは、致命傷だわ…)

千早(どうにかしないと…)


282 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/14(火) 22:20:51.91 ID:sTPsuEaUO

コンコンッ


響「ん……?」

響「どうぞー」


ガチャ…


店主「メシ、できたけど……食うか?」


響「ホントかー?それは嬉しいぞー!」


千早「すみません、何から何までお世話になってしまって…」ペコリ


店主「ははっ…マコトといい、あんたらは律儀だなぁ」

店主「ハルカは、オレの友人だ。その友人なら…オレの友人って事になるからな」

店主「友人をもてなすのは、普通の事だと思うぞ?」


響「…いい人だなぁ!」


千早「ありがとうございます」


響「千早ー、みんなを呼びに行こう!」


タタタタ…


千早「あ、我那覇さん待って…!」


タタタタ…


店主「元気なやつだなぁ…」


283 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/14(火) 22:37:48.80 ID:sTPsuEaUO
カイポの村 宿屋 食堂

真「モグモグ…」

真「んー!おいひい!」


春香「真……飲み込んでからしゃべらないと、またむせるよ…?」


響「でも、ホントにおいしいぞ!」


千早「ええ、確かに」


店主「そいつは良かった。まあ、一応これが仕事だからな」

店主「まずかったら、店を畳まなきゃならなくなる」

店主「……あ、ミキのために、ちゃんと握り飯も作ったからな?」


美希「あはっ!ありがとうなの!」


ものまね士「良かったわね、ミキさん」


ものまね士「…それにしても、なんで空から降って来たの?」


美希「んとね、ハニーの気が見つからなかったから…」

美希「ファンの人のところに瞬間移動したんだよ?」


ものまね士「瞬間移動…って、まさか…?」


春香「すごかったんですよ?ビューン!って!」


響「あまりのすごさに、自分達は気絶しちゃったんだけどね」


ものまね士「ミキさん…まさか、『テレポ』を……?」


美希「うん!ファンの人がくれた本のおかげなの!」


ものまね士(ミキさん…初めからすごかったけど…)

ものまね士(どんどん成長していくのね…)

ものまね士(ちょっと、さみしいな…)


284 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/14(火) 22:51:52.48 ID:sTPsuEaUO

千早「ところで春香…」


春香「ん?」


千早「私、これからの事を少し考えたんだけど…」

千早「プロデューサーに会いに行く事はできないかしら?」


春香「千早ちゃん……」

春香「ふふっ…同じ事考えてたんだね?」


美希「さすが千早さん、わかってるの!」


千早「?」


春香「私と美希もね、プロデューサーさんに会いに行こうって、さっき話してたんだよ?」


千早「そうなの?」


響「自分も、同じ事考えてたんだぞ!」


真「ボクだって!」


春香「え?2人も……?」


美希「ほら、やっぱり話し合う必要なんてなかったの!」


春香「あはは…なんか、そうみたいだねぇ」


店主「なんだか知らんが、通じ合ってるんだな」


ものまね士「そうですねぇ…」

ものまね士(仲間、かぁ……羨ましいな…)

ものまね士(でも、『ぷろでゅーさー』って、誰だろう?)


285 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/17(金) 20:19:20.54 ID:Mszy6BSFO

響「あ!!」


春香「どうしたの?響ちゃん……」


響「エン太郎がいないと、どこへも行けないぞー……」


真「あ、そうか……。すっかり忘れてたよ」


響「どうにかして、エン太郎を呼び戻さないと……」


春香「でも、エン太郎君は今どこにいるのかな?」


千早「それは……ゾットの塔の近くじゃないかしら……?」


春香「じゃあ、空の上だよね?」


真「今のボク達じゃ、行けないなぁ」


美希「……あふぅ」


千早「……我那覇さん、あなた、飛空艇と会話ができるのよね?」


響「うん!自分とエン太郎は、家族だからなー!」


千早「なら、文字通り呼び戻す事はできないかしら?我那覇さんの声で」


響「そっか……」


響「わかった。自分、やってみるぞ!」


店主「なんの話かと思ったら、飛空艇の話かぁ……」

店主「そうか、飛空艇ね……」


ものまね士「ん?店主さん、もしかして飛空艇に興味があるんですか?」


286 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/17(金) 20:41:17.98 ID:Mszy6BSFO

店主「オレさ、ガキの頃から、飛空艇を操縦するのが夢でさ………って、こんな話、どうでもいいよな」


ものまね士「なんでですか〜?もっと聞かせてくださいよ〜」

ものまね士(考えたら私、店主さんの事何も知らないのね……)チクッ

ものまね士(……ん?)


店主「はは、また機会があったらな」


ものまね士(今、何か……)


美希(ふーん……あの2人、意外と仲がいいんだねー)




響「よーし!」ガタッ


真「どうしたの?」


響「自分、ちょっと行って来る!」


真「え?今から……?」


響「うん!だって、エン太郎がさみしがってるかもしれないからな」


春香「でも、もう夜だよ?明日にした方がいいんじゃないかな?」


響「いいや、こーいう事は、思いついたらすぐ実行した方がいいんだ!」

響「……待ってろ、エン太郎!」


タタタタ…


真「……行っちゃった」


千早「心配だから、私も行くわ」ガタッ

千早(元は、私が言い出した事だし……)


スタスタ…


春香「……私も、行こうかな」ガタッ


真「じゃあ、ボクも……」ガタッ


スタスタ…


ものまね士「ミキさんはどうするの?」チラ


美希「ミキ、あんまり興味ないの」ダラダラ


ものまね士「相変わらずマイペースねえ」


店主「やっぱり、ハルカ達は賑やかだなぁ」


287 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/17(金) 20:52:26.53 ID:Mszy6BSFO

店主「あいつらがいなくなったら、急に静かになっちまった」


ものまね士「まあ、今までは2人っきりだったから…」

ものまね士「静かなのが当たり前でしたけどね」チクッ

ものまね士(あれ?また……)


美希(へぇ、同棲してたんだ……)

美希(でも、それにしては……あんまりラブラブじゃないって思うな)


店主「……よし。後片付けでもするかな」ガタッ


ものまね士(2人っきり……そうか。今まで、店主さんと2人っきりで生活してたのよね……)

ものまね士(さっきから、なんだろう?胸の奥がチクッって……)



ものまね士(やだ、何かの病気かしら……?今日は早く寝た方がいいかも)



店主「おーい、ものまね士ー!片付け手伝ってくれよー!」


ものまね士「あ、はーい!」

ものまね士「ミキさんはどうする?」


美希「ん〜……」ダラダラ


美希「あっ!」ティン!


美希「うーん、じゃあ、仕方ないから手伝ってあげるの!」


ものまね士「あら、ありがとう」ニコッ

ものまね士「じゃ、行きましょ!」


美希「うん!」


スタスタ…


288 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/17(金) 21:05:49.64 ID:Mszy6BSFO
宿屋 調理場

店主「2人は食堂の掃除を頼む。オレはここで洗い物してるからさ」


美希「……ミキ、ひとりで平気なの!」


店主「え?」


ものまね士「ミキさん?」


美希「だから、2人で仲良く洗い物しててね?」ニコッ


タタタタ…


店主「あ、おい……」

店主「……どう見ても、ミキが掃除とかするタイプには見えないんだが……」


ものまね士「でも、ミキさんだって女性ですよ?任せてもいいんじゃないですか?」


店主「ん、まあそうなんだが……心配だ……」


ものまね士「さ、早く片付けちゃいましょう!」


ジャー…ゴシゴシ


ものまね士「……」ゴシゴシ


店主「……」ゴシゴシ


ものまね士「……それで?」ゴシゴシ


店主「何が?」ゴシゴシ


ものまね士「さっきの続きです。店主さんの夢、聞かせてくださいよ」ゴシゴシ


店主「……別に面白い話でもないぞ?」ゴシゴシ


ものまね士「いいんですよ。はじめから期待してませんから」ゴシゴシ


店主「じゃあ、なんで聞くんだよ……」ゴシゴシ


店主「ま、いいか」

店主「オレさ、ガキの頃に……」


ものまね士「ふむふむ……」



美希(あはっ!なんだかいい感じなの!)

美希(よし、次の作戦は……)


289 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/17(金) 21:16:46.64 ID:Mszy6BSFO
幻獣の町

やよい「今日も、とーっても楽しかったですっ!」


イフリート「うおおおお!!オレも楽しかったぜええええええ!!」


ラムウ「ヤヨイさん、夕飯はまだかのう……?」


やよい「いつもあそんでくれて、ありがとうございますっ!」


シヴァ「……ヤヨイさん、私達は友達でしょう?」

シヴァ「だったら、お礼なんて必要ないわ……」


やよい「あ……」

やよい(ともだち……)


やよい「……そうですね、私達は、友達ですっ!」ニコッ


イフリート「うおおおおお!!オレ達は友達だぜえええええ!!」


シヴァ「イフリート、うるさいわ……」


やよい「……」


ラムウ「……?」





やよい「じゃあ、みなさんさよーならー!」


タタタタ…


290 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/17(金) 21:32:50.22 ID:Mszy6BSFO
幻獣王の館

ガチャ…


やよい「ただいま〜…」


冬馬「お、おう、高槻……遅かったな」


翔太「冬馬君、やよいちゃんの事ず〜っと待ってたもんね〜?」


北斗「恋をすると、人は変わるんだね……」


冬馬「お、お前ら、余計な事言うんじゃねー!」


やよい「え?待っててくれたんですかー?」


冬馬「あ、その……」


やよい「すみません、すぐにごはんつくっちゃいますねー?」


冬馬「いや、そういう理由で待ってたわけじゃ……」



黒井「……その必要はない」



やよい「あ、黒井社長!ただいまでーす!」


黒井「今日は、私が振舞ってやろう……」


冬馬「おっさん、料理なんてできんのか?」


黒井「王たる者、料理ぐらいできて当然だ……」


やよい「そ、それは悪いですよ!わたし、すぐに用意しますから……」


黒井「王に逆らうというのかね?高槻やよい……」


やよい「はわわっ……!」


黒井「ふっふっふ……楽しみにしているがいい……」


スタスタ…



291 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/17(金) 21:56:42.52 ID:Mszy6BSFO
やよい「いいんでしょうか……?」


翔太「今の言葉を訳すと、『日頃のお礼に今日は私が料理を作るから、お前はゆっくり休め』ってとこかな?」

北斗「社長もなんだかんだ言って、君の事を大切に思っているんだよ、きっと」


やよい「そーなんですか……」

やよい(やっぱり、黒井社長もジュピターさんも、みなさんいい人達です……)


冬馬「お、俺だって……!」


やよい「ふぇ?」


冬馬「お前は、ライバルだけど……その……」

冬馬「お前の事、な、仲間だって思ってるんだからなっ!」カァァ


やよい「……!」

やよい(なかま……)


翔太「……やよいちゃん、どうしたの?」


やよい「……」


冬馬「高槻……おい、どうした?」


やよい「………そうですよね?」ボソボソ


冬馬「?」


やよい「ありがとうございます、鬼ヶ島さんっ!」


冬馬「だ、だから鬼ヶ島じゃ……」


やよい「鬼ヶ島さんの、おかげですっ!」ニコッ


冬馬「……は?」


やよい「わたし、がんばりますっ!」

やよい(春香さん、みなさん……………伊織ちゃん!)


タタタタ…


冬馬「なんなんだよ、いったい……」

北斗「あの子も年頃だからね。秋の空ってやつじゃないかな?」

冬馬「ん?どういう意味だ?」

翔太「恋愛経験ゼロの冬馬君には、敷居が高いって事でしょ?」

北斗「うん、まあ……だいたいそんな感じだな」

冬馬「おい!俺にもわかるように話せ!」グイッ

翔太「ちょっと冬馬君、暴れないでよ〜!」

北斗「ははは、冬馬は元気だなぁ」

292 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/17(金) 22:11:27.18 ID:Mszy6BSFO
幻獣王の館 食堂

黒井「……どうだね?高槻やよい……」


やよい「はい!とーってもおいしいですっ!」


黒井「ふっふっふ……」

黒井(高槻やよい……私の力を見たか!)

黒井(さあ、私にひれ伏せ……)

黒井(そして、私の……)



黒井(私の…………なんだ?)



黒井(私はこの娘をどうするつもりだ?)

黒井(高木をおびき出すための人質?)

黒井(いや……そもそも高木は、ここに高槻やよいがいる事を知らないだろう)

黒井(ならば、何のために……?)

黒井(奴隷…コック……いや、違う……)

黒井(この娘は……)チラ


やよい「あ、鬼ヶ島さん、ごはんつぶがついてますよー?」スッ


冬馬「あっ……」


やよい「えへへ、鬼ヶ島さん、浩太郎みたいですっ!」ニコッ


冬馬「コータロー……?」

冬馬(競走馬かよ……)


黒井(……)

黒井(バカな……私は何を考えているんだ)



黒井(……………まるで、『母親』の様だ、などと……!)



黒井(王者は、常に孤独……?)

黒井(私は、いったい……?)



293 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/19(日) 01:17:51.31 ID:rMnjCX/pO
カイポの村の外

響「おーーーい!エン太郎ーーー!」

春香「エン太郎くーん!」

真「エン太郎ーー!」

千早「え、エン太郎ー……」ボソッ



ーーーシーン…ーーー



響「おかしいな……何回も呼んでるのに、全然来ないぞ……」

真「これだけ呼んでも来ないんじゃ、もう……」

響「そ、そんな事ないもん!……あ、そうだ、きっと道に迷ってるだけなんだ!」

真「響……気持ちはわかるけど……」

真「諦めて、バロンで違う飛空艇を探すっていう手もあるよ?」

千早「……その方が、現実的かもしれないわね」

春香「ちょっと、2人とも……!」

響「そんなぁ……!」グスッ

響「うぅ……これでお別れだなんて……」

響「自分、いやだぞー!」ポロポロ



真「……」

千早「……」


294 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/19(日) 01:37:22.10 ID:rMnjCX/pO

春香「……」


春香「……ねえ、響ちゃん?」

春香「エン太郎君、今は寝てるんじゃないかな?」

響「グスン……え?」

春香「ほら、もう夜遅いでしょ?だから、もう寝ちゃってて…」

春香「それで、響ちゃんの声に気づかないんじゃない?」

響「そ……そう、なのかな?」

春香「うん、きっとそうだよ!」

春香「だからさ、明日になったらまた、呼んでみようよ?」

響「そっか………うん、そうだな!」

響「えへへ……春香、ありがとな!」

春香「ううん……」

春香「さ、帰ろうよ、みんな」





真「ちょっと春香……あんな事言って、平気なの……?」ヒソヒソ

千早「私も、いくら我那覇さんがかわいそうだからって、ちょっと無責任じゃないかと思うわ」ヒソヒソ

春香「ご、ごめん……」

真「ま、ああでも言わなきゃ、響は一晩中呼び続けてたかもしれないけどね」

春香「うん………それにね」

春香「エン太郎君と響ちゃん、あんなに仲が良かったでしょ?」

春香「2人の絆を信じたいな……なんて思ったんだ」

真「……ダメだった時は、ちゃんと響を説得してよ?」

春香「…………うん」



響「おーい!早く帰るぞー!」



春香「あ、待って〜!」


295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 07:01:00.91 ID:Dok7hk5DO
そもそも呼べば来るのか?やよいみたく喚ぶならわかるが…
296 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/20(月) 00:37:32.39 ID:r5/M8K5fO
バロンの町 酒場

ネミングウェイ「……それじゃあ、今日はこの酒場で頑張ってくれ」

ネミングウェイ「仕事の内容は……さっき教えた通りだ」


高木「うむ」


ネミングウェイ「オレさ、この仕事を全国展開するのが夢なんだ!」


高木「志を高く持つのは、とても素晴らしい事だよ」

高木「……わかった。私にできる限り、頑張ってみよう」


ネミングウェイ(……こいつ、態度でかいなぁ)

ネミングウェイ「じゃあ、オレはもう行くから、しっかり頼むな!」


スタスタ…



高木「……」

高木「行ってしまったね」

高木「それにしても……」

高木「まさか、この年でアルバイトをする事になるとはね……」

高木「まあ、路銀を稼がなくてはならないのも事実だ」

高木「それに、何かを始めるのに年齢は関係ないと言うし……」

高木「ふふ……若い頃を思い出して、頑張ってみようかね」


297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/20(月) 00:54:53.76 ID:5QlBHpSKo
ネミングウェイとか懐かしい
298 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/20(月) 01:02:55.80 ID:r5/M8K5fO

高木「やあ、そこの君。名前の変更はしないかね?」

客1「……は?何言ってんだあんた?」



高木「……名前の変更をするかね?」

客2「あ、間に合ってます……」



高木「名前の変更……」

客3「いりません!」



高木「……」

高木「うまくいかないものだねぇ……」


ネコ「にゃーん」スリスリ


高木「……おや」

高木「どこから迷い込んだのか……」

高木「そうだ、君。名前の変更をする気はないかね?」

ネコ「にゃーん?」

高木「なんて、ネコに言っても仕方なかったね」

ネコ「にゃーん……」クルッ


タタタタ…


高木「……ネコは気ままだねぇ。まるで今の私みたいだよ」


男「……それにしても、この国もようやく安心して住めるようになったなぁ」

女「悪い王様は、誰かがやっつけてくれたみたいだしね」


高木「……ん?」


男「ホント、ひどい王様だったよなぁ」

女「町中の若い女を取っ替え引っ替えだなんて、とんだ色欲魔よ……!」


高木(うーん、耳が痛いねぇ。操られていたとはいえ、私はそんな事をしていたのか……)

高木(それとも、私を殺そうとしたあの亀の仕業かな……?)


男「これでこの国も、平和になるな!」

女「そうも言ってられないんじゃない?」

男「……なんで?」

女「王様がいなくなって、今度は国を治める人がいないんだって」

男「そうか……近衛隊長のベイガンもやられちまったみたいだしなぁ」

女「赤い翼のハルカ様も、戦死されたって噂だし……」



高木「!」

299 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/20(月) 01:18:10.24 ID:r5/M8K5fO

高木(天海君が……?)

高木(そんなバカな……!)



高木(……そういえば、この世界に来たばかりの頃に、私は彼女に会ったっけなぁ)

高木(でも、確か……天海君は如月君と行動を共にしているはず……)

高木(あの聡明な如月君がついていて、そのような事になってしまうとは考えにくいが……)



高木(……黒井の動向も気になる)

高木(私は、いつまでも放浪しているわけにはいかないようだな)



男「……じゃ、そろそろ行くか!」

男「マスター、お勘定!」

女「あ、待って……」ゴソゴソ


高木(彼らには、もう少し話を聞きたい。追いかけよう)


スルッ……パサ


高木「ん……?」

高木「これは、あの女性のハンカチかな……?」スッ


300 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/20(月) 01:27:57.95 ID:r5/M8K5fO

高木「お嬢さん、ハンカチを落とされましたよ?」


女「え……?」ゴソゴソ

女「あら本当。ありがとうございます」ペコリ


高木「さ、どうぞ……」スッ



ネコ「にゃーん」



女「え!?」

男「ハンカチが……ネコになっちゃった?」


高木「あ……」

高木(しまった、ついクセで……)


ネコ「ゴロゴロ……」スリスリ

女「やーん、かわいい〜!」ナデナデ

男「あれ?でも、ハンカチは……?」


高木「ああ、それならもうお返ししたよ」

高木「男性の胸ポケットにね」


男「え?え?」ゴソゴソ

男「ほ、ホントだ……!」スッ

女「すごーい!あなた、ひょっとして魔道士の方ですか?」


高木「いやいや……」

高木「通りすがりのネミングウェイですよ、お嬢さん」


301 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/20(月) 01:43:14.44 ID:r5/M8K5fO

高木「それに、私が使ったのは『魔法』ではなく『マジック』だよ?」

男「マジック……?」

女「ねえねえ、他に何かできるんですか?」

女「ぜひ、見たいです!」

高木「ん……まあ、他にもネタはない事はないが……」

男「オレも見たいです!」

高木「……」

高木「仕方ないね、じゃあ、少しだけ……」




ザワザワ…

「……なんだ?人集りができてるぞ?」

「なんか、すごいおっさんがいるみたいだぜ!」

「魔法じゃないのに、ものが消えたり増えたりするんだって」

「へぇー、ちょっと見に行こうぜ」




高木「被せていた布を取ると……」バサッ

高木「ホラ、コップの中は……」

高木「コインが2枚に増えているねぇ」ニコッ



「おお、すげー!」

「10ギルコインが増えた!」

「素敵ー!」

「いいぞー!もっとやれー!」



高木(いつの間にか、ギャラリーがたくさん……)

高木(こういうつもりではなかったんだがねぇ)

高木(ま、みんな喜んでくれているみたいだから、良しとするかな)

高木(何かを忘れている気もするが……)


302 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/22(水) 20:13:00.98 ID:yVSp2ZVxO
カイポの村 宿屋 食堂

真「……」フキフキ

千早「……」フキフキ

春香「……」フキフキ


響「ん〜、この汚れ、なかなか落ちないぞ……」ゴシゴシ


真「……ねえ、ボク達、なんで掃除してるんだっけ?」フキフキ

千早「帰って来てすぐに、美希に頼まれたからでしょ?」フキフキ

真「なんか、おかしい気がする……」

真「……っていうか、美希はどこに行ったの?」

千早「調理場の方へ行くって言っていたけど……」

真「美希、ひょっとしてボク達に掃除を押し付けてサボってるんじゃ……」


響「このー!」ゴシゴシ


春香「まあまあ、私達も食堂を使ったんだし、別にいいじゃない」

春香「みんなでやれば、すぐに終わるよ」

真「うーん、なんか納得いかないなぁ……」


響「……よし、落ちたぞ!」キュッ


春香「……さ、頑張って終わらせよ?」

千早「リーダー命令なら、仕方ないわね」クスッ

真「……だね!」ニコッ

響「春香が職権乱用してるぞ!」

春香「そ、そういうつもりじゃないってば〜!」



3人「あははははっ!」



303 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/22(水) 20:27:20.19 ID:yVSp2ZVxO
バブイルの塔 ルゲイエの部屋

カチャカチャ…


??「ふひひ……!」


グチャ…


??「楽しい、楽しいぞぉ……!」


ベチャ…クチャ…


??「……やはり、人間は最高の玩具じゃ!」

ルゲイエ「なあ、そうは思わんか?」


エブラーナ王「」

エブラーナ王妃「」


??「そうか、言葉もないか……」

??「むふふ、すぐにしゃべれるようにしてやるから、待っておれよ?」


バルナバ「……ハカセ、楽シイ?」ギィ


??「ああ、最高の気分じゃよ……!」ニタァ


バルナバ「ハカセ、楽シイ!……ばるなば、嬉シイ!」ギィ


ガチャ…


ルビカンテ「……おっと」バキッ

ルビカンテ「ちっ……相変わらず、お前の部屋はごちゃごちゃしているな」

ルビカンテ「……ルゲイエよ」


ルゲイエ「る、ルビカンテ様っ!」

ルゲイエ「ど、どうされたので……?」ササッ


バルナバ「るびかんて様!」ギィ


ルビカンテ「バルナバ、久しぶりだな……」


304 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/22(水) 20:46:36.17 ID:yVSp2ZVxO

ルビカンテ「エブラーナ王と王妃の死体が無くなっているんだが、ここへ来ていないかと思ってな」

ルゲイエ「!」

ルゲイエ「バカな……人間の死体が勝手に動くわけありますまい」

ルゲイエ「アンデッドなら、いざ知らず……」

ルビカンテ「ふん、そうだな……」

ルビカンテ「じゃあ、お前は知らぬのだな?」チラ

ルゲイエ「……」

ルゲイエ「はい。『死体』など、存じ上げませぬ」

ルゲイエ(『玩具』なら、ここにあるけどなぁ?)

ルビカンテ「……」

ルビカンテ(ならば、この部屋に充満する死臭はなんなのだ……)

ルビカンテ(ま、問い詰めたところで、いつものように屁理屈をこねて逃げるんだろうが……)

ルビカンテ(また、くだらん事を考えているのか)

ルビカンテ「まあいい……」

ルビカンテ「それより、ドワーフの戦車隊に苦戦しているようだが……?」

ルゲイエ「……心配無用ですぞ?」

ルゲイエ「巨大砲の完成は目前。巨大砲さえ完成してしまえば、ドワーフ共などゴミも同然にございます」

ルビカンテ「そうか……」

ルビカンテ「この塔には、リツコ様が集められた全てのクリスタルがある」

ルビカンテ「くれぐれも、ぬかるなよ?」

ルゲイエ「心得ておりますじゃ」

ルビカンテ「では、邪魔したな」クルッ


スタスタ…


ルゲイエ(ふん!脳筋バカが!)

ルゲイエ(ルビカンテさえいなければ、わしが四天王になっていたのに……!)


ルゲイエ(……まあいい)

ルゲイエ(今は、いずれここへ来るであろうあの小娘……エブラーナ王女をもてなす事を考えるとするか)


ルゲイエ「くふふ……!」


305 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/22(水) 21:05:34.28 ID:yVSp2ZVxO
エブラーナの洞窟

伊織「よいしょ……っと!」グイグイ

伊織「よし、これで荷物は完璧ね!」



家老「……お嬢?いったい何をなさっておいでで?」

伊織「何って……見ればわかるでしょ?荷造りよ荷造り!」

兵士「……どこかへ行かれるのですか?」

伊織「そんなの、決まってるじゃない!」

伊織「このトンネルが繋がった今こそ、あの赤い悪魔をとっちめに行くのよ!」

家老「……まさか、お一人で?」

伊織「あったり前でしょ?」

伊織「この、スーパー忍者アイドル伊織ちゃんの実力なら、他人の力を借りるまでもないわ!」

伊織「ジイ、私がいない間、みんなの事頼んだわよ?」

家老「お嬢……」



兵士「……イオリ王女!我らも連れて行っていただけませんか!?」

兵士「城を追われ、民も殺され……今や我がエブラーナは、事実上の壊滅状態……」

兵士「我らとて、ルビカンテを憎む気持ちは王女と同じつもりです!」

兵士「王女だけは、決して死なせはしません!」

兵士「……どうか、我らを捨て石にお使いくださいっ!」



伊織「……………………はぁ」


306 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/22(水) 21:28:56.41 ID:yVSp2ZVxO

伊織「ほんっっっっとに、バカね!」



兵士「お、王女……?」

伊織「あんた達が死んだら、誰がここを守るのよ?」

兵士「……」

伊織「……それに、最初から死ぬつもりで行くなんて、無能のやる事よ!」

兵士「し、しかし……国のトップを失うわけには……!」

伊織「大丈夫よ。私は、もう絶対に負けないわ」

伊織「意地でも、あいつをギャフンと言わせてやるんだからっ!」

兵士「そ、それなら我らも……」

伊織「聞きなさい」

伊織「国っていうのは、たくさんの歯車で動いているのよ」

伊織「その歯車がひとつ欠けただけで、国は回らなくなってしまうの」

伊織「それに引き換え、国のトップなんて、単なる飾りにすぎない」

伊織「いてもいなくても、国は歯車によって動いていくわ」

伊織「だから、『あんた』っていう歯車が欠ける事を、私は許さない」

伊織「ううん、もう、ひとつでも歯車は欠けさせない!」

兵士「!」

伊織「……ほら、わかったらさっさと行きなさい!」

兵士「お、王女……!」

伊織「歯車は歯車らしく、ちゃんと国に貢献しなさいよねっ!」

兵士「わかりました!」

兵士「オレ、王女に一生ついて行きますっ!」


タタタタ…


伊織「ふぅ……王女も楽じゃないわね」


307 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/22(水) 21:44:36.73 ID:yVSp2ZVxO

家老「……お見事でしたぞ、お嬢!」

家老「さすがはこのエブラーナを背負って立つお方……。このジイめは、感動いたしました!」

伊織「ふん!このスーパー忍者アイドル、伊織ちゃんにかかれば……」

家老「そう!」ズイッ

伊織「ひっ!な、何よ、いきなり……」

家老「お嬢は、忍者なのです」

伊織「そう、らしいわね」

家老「よいですか?忍者とは、機動力が命!かつスタイリッシュに敵を殲滅せねばなりません」

伊織「ふーん……忍者って、そういうものなのね……」

家老「はい。ですから……」

家老「このような大きな荷物を背負って行くなど、言語道断!」ポイッ


ドサッ


伊織「あっ……ちょっと、何するのよ!その荷物、まとめるのに結構時間かかったんだから!」プンスカ

家老「先ほど申した通り、こんな荷物を背負っていては、せっかくの機動力が損なわれてしまいます」

伊織「まあ、そうかもしれないけど……だからって、何も持って行かないってわけにはいかないでしょ?」

家老「ふっふっふ……」ニヤリ

伊織「な、何よ……?」

家老「こんな時のために、お嬢に相応しいものを用意しておりますぞ?」

家老「少々お待ちを」


タタタタ…


308 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/22(水) 22:31:22.54 ID:yVSp2ZVxO

伊織「あ、これ……」チャキッ

伊織「撮影とかで見たことあるわ。確か……手裏剣、だっけ?」

伊織(本物は、やっぱり重いわね……)

家老「その通りでございます」

家老「これを投げれば、遠くから獲物を仕留める事も可能ですぞ」

伊織「へぇ……なんだか、忍者っぽくなってきたわね」スッ


ヒュッ…ザクッ!


家老「ほう……さすがはお嬢。お見事ですな!」

伊織「と、当然でしょ!」

伊織(あれ?私、こんなにコントロール良かったかしら……?)

伊織(……ま、ゲームの世界だもの。考えても仕方ないわね)



家老「……もうひとつ、お嬢にお渡しするもの、いえ、技術がございます」

伊織「……何よ?」

家老「先ほど、荷物はいらないと申したのは、もう一つ理由がありまして……」

家老「忍者は、物資を現地調達するものなのです」

伊織「現地、調達……?どういう事?」

家老「なに、簡単な事です」

家老「それは……」ゴニョゴニョ

伊織「ふむふむ……」



伊織「…………は?」



309 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/22(水) 22:53:41.75 ID:yVSp2ZVxO
バブイルの塔 B2F

伊織「はっ!」ササッ


魔物「……ガウ?」


伊織「ちっ……またポーションとかいう薬じゃない……」

伊織「確かに便利なんだけどね……」


魔物「ガウァー!」ガバッ


伊織「……ふんっ!」ブンッ


ヒュッ…ザクッ!


魔物「」




伊織「……まったく」

伊織「現地調達って何の事かと思ったら……」

伊織「人様のものを『盗む』なんて、犯罪じゃない!」

伊織「ジイのやつ、この伊織ちゃんに何やらせてんのよ!」

伊織(ま、実際は人じゃなくて化け物から盗むわけだけど……)



伊織「ポーションも増えてきたわね……」チラ

伊織「もっといいもの持ってる化け物はいないのかしら?」

伊織(……)

伊織(私……なんか独り言が増えた気がする)

伊織(……それもこれも、誰も私を見つけないのが悪いのよっ!)



伊織(プロデューサーのバカっ!)

伊織(早く迎えに来なさいよねっ!)




310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/22(水) 23:17:19.55 ID:KzBhkhGB0
ようやくイオリンの活躍が見れる!
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/23(木) 02:04:35.93 ID:8+GZLB5DO
操られてるとはいえ律子が敵と知ったらいおりんはどうなるのかな(ゾクゾク)
312 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/23(木) 18:36:40.59 ID:vNwLGiHLO
>>310
期待させてすみません
いおりんはまだちょろっとずつしか出ません
本編が進まない事には…


自分のダメさを痛感しております
読んでくれている人(ごく少数と思うけど)のために面白くしたいといろいろやってみてはいるのですが、如何せんセンスも技術も発想力もないもので…
でも、完結目指して頑張ります


こういうグチレスはダメってどこかのスレで読んだ気もするな…

313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/23(木) 18:42:56.40 ID:Paqo9gKWo
まあグダグダ言い訳するくらいなら黙って書いちまった方がいい、というのはあるかもね
俺ら読者はただ待って、投下されたらひたすら読むのみよ

だからいちいちこっちの反応なんて気にしないで、書きたいように書いてくだされ
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/23(木) 19:21:36.89 ID:51sP+4hoO
FF4始めました
315 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/23(木) 21:11:38.47 ID:vNwLGiHLO
>>313
ですね…わかりました
316 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/23(木) 21:36:06.92 ID:vNwLGiHLO
カイポの村 宿屋 3号室

ガチャ…


響「……お邪魔するぞー」

千早「こんばんは」


真「あれ?どうしたの?」

真「2人の部屋は2号室じゃなかった?」

響「なんか、お客さんが来たから移動してくれー、って言われたんだ」

真「そっかぁ」

千早「やっぱり、4人もいると、少し狭いわね」

真「まあ、あずささんもいるからね」チラ

あずさ「……」

響「まだ、起きないのか……」

真「うん……」

真「亜美、真美、雪歩……それに、プロデューサーと律子」

真「みーんな、バラバラになっちゃったね……」

響「それに、貴音と伊織もまだ見つかってないしな……」


千早(2人とも、ちょっと暗いわね)

千早(こんな時、春香ならどうやって2人を元気づけるかしら……?)

千早(……よし)

千早「いつもは元気な2人が、どうしたの?」

千早「大丈夫よ。私達が力を合わせれば、きっとみんな無事に帰れるわ!」ニコッ

響「千早……」

真「……」

千早「あ、えっと……」

千早(春香みたいに、うまくいかないか……)

千早(人を元気づけるって、難しいわ……)


317 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/23(木) 21:51:50.24 ID:vNwLGiHLO

真「…………プッ!」

真「あははっ!」

千早「な、何?私、何かおかしい事言ったかしら……?」

真「いや……キャラじゃないなぁ、って思ってさ」

千早「そう……よね」

真「あっ、ごめん!悪い意味じゃないからね?」

真「……千早はさ、ボク達を冷静に見守ってくれてるっていうか……いざという時に頼りになるっていうか……」

真「そんな風にボク達を励ますのは、春香の仕事かなって」

千早「……」

真「あ、ひょっとして、春香の影響かな?」

千早「そ、そういうわけじゃ……た、ただ、春香なら、どうするかなって……」

真「……いい傾向だと思うよ?」

千早「……そ、そう……かしら?」


響「千早ー!」ガバッ

千早「きゃ……!」ヨロッ

響「前向きな千早も、可愛いと思うぞー!」ダキッ

千早「が、我那覇さん……」

響「自分、嬉しいんだ!千早に、笑顔が増えて!」

千早「あ、ありがと……///」


千早(……次は、みんな揃って笑いたいわね)


318 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/23(木) 22:14:08.35 ID:vNwLGiHLO
カイポの村 宿屋 1号室

ものまね士(……今日は、店主さんとたくさんお話したなぁ)

ものまね士(なんか、新鮮だった)

ものまね士(今までは、まるで結婚何十年目の夫婦のように、大した会話も無かったものね)

ものまね士(…………ふ、夫婦って、私ったら……)

ものまね士(ああ、私、やっぱりどこか悪いみたいね)

ものまね士(エスナも効いてないみたいだし……)


春香「そういえば、ものまね士さんは、バロンに帰ろうとは思わないんですか?」

ものまね士「……へ?」

ものまね士「あ、ああ……もちろん、帰りたい気持ちもあるんですけど……」

ものまね士「私、研究所を勝手に出て来ちゃったんですよね……」

春香「そうだったんですか……」

美希「……」

ものまね士「だから、今さら帰っても、居場所があるかどうか……」

ものまね士「それに、今のバロンはとても治安が悪いってお客さんが言ってたんです」

ものまね士「なんでも、王様が町中の『若い』女性を連れ去っているとか……」

ものまね士「そんなところに帰ったら、私なんてすぐにさらわれちゃうじゃないですか?」

春香「……」

春香「ああ、そうですよね」

ものまね士(間があった……)

春香「あれ?でも、その悪い王様なら、私達がやっつけたと思いますよ?」

ものまね士「ホントですか?さすがはハルカ様!正義の味方ですね」

春香「いや、そんなんじゃないですよ……」

春香「……でも、もしバロンへ帰るんでしたら、私達が送って行きましょうか?」

春香「って言っても、エン……じゃなかった、飛空艇が帰って来なければ、徒歩になっちゃいますけど」

ものまね士「うーん、そうですね……」

ものまね士「白魔法の研究も中途半端だし、お願いしようかな……?」



美希「……じゃあ、店長さんの事はどうするの?」


319 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/23(木) 22:33:17.50 ID:vNwLGiHLO

ものまね士「ミキさん……?」

春香「美希、起きてたんだね」

美希「ファンの人、店長さんの事………好き、なんでしょ?」

春香「えっ?そ、そうなんですか?」

ものまね士「……!」カァァ

ものまね士「な、何を言って……!」ガタッ

ものまね士「そ、そんなわけないの!」ドキドキ



ものまね士「あんな、優しくて、気がきいて、お料理も上手で、掃除洗濯もちゃんとできて、子供みたいに可愛いらしく笑うけど、結構鈍感で、たまーにデリカシーが足りない人なんて………全っ然興味ないのっ!!」



春香「え、えっと……」

美希「…………ふーん?」

ものまね士「……あ、あれ?」


美希「あはっ!店長さんの事、よーくわかってるんだね?」

春香「うん、細かいとこまで説明してくれたねぇ……」



ものまね士「……ううん」

ものまね士「わからないの……」

美希「?」

ものまね士「店主さんの事を思うと、胸の奥が、チクッて……」

ものまね士「何かの病気かと思ってたんだけど……」


美希「ミキ的には、それは……恋の病だって思うな!」

ものまね士「鯉の病……ですか」

春香(……ものまね士さん、恋ですよ、恋!)


320 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/23(木) 22:52:16.27 ID:vNwLGiHLO

ものまね士「私、どうしたらいいの……?」

美希「とりあえず、店長さんの側を離れちゃダメなの!」

美希(ミキだって、ホントは……)

ものまね士「そ、そうなの……?」

春香「確かに、好きな人とは……離れたくないって思うよね」

春香(美希、プロデューサーさんの事、考えてるのかな……?)

美希「うん」

美希「想像してみたら、わかると思うな」

美希「店長さんと、離ればなれになる事を……」

ものまね士「離ればなれに……」

ものまね士「……」

ものまね士「………………寂しい、です」

美希「でしょ?だったら……」

美希「ファンの人は、ばろんに帰る必要なんてないって思うな」

ものまね士「でも、研究が……」

美希「そんなの、どっちが大切かなんて、明白なの!」

春香「美希……それは、ものまね士さんが決める事だよ?」

美希「そうだけど……」

美希(ミキなら、絶対離れないのに……)


ものまね士「どうしよう……決められないです……」

春香「……難しいですよね」

春香「でも、どういう答えを出すにしろ、私達は、ものまね士さんの味方ですよ!」

美希「もちろんなの!」

ものまね士「ハルカ様、ミキさん……!」

ものまね士「あ、ありがとうございます……!」ウルッ



美希「よーし、今夜は女3人で語り明かすの!」

春香「それはさすがに……まずいんじゃないかな?」

ものまね士「ふふふ……!」


321 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/23(木) 23:19:10.45 ID:vNwLGiHLO
カイポの村 宿屋 食堂

真「おはようございまーす!」

店主「おー、おはよう!マコト、朝から元気だな!」

真「そうですか?普通ですよ?」

店主「うんうん、元気があるのはいい事だ」

店主「それに比べて……」チラ


春香「眠い……」ウトウト

ものまね士「あ、マコトさん……おはようございます……」


真「2人とも、疲れてる?」

春香「えへへ、ちょっと夜更かししちゃって……」

ものまね士「私なんて、一睡もできませんでした……」

真「ええっ?大丈夫ですか?」

ものまね士「はい、なんとか……」

店主「なんだ、調子悪いのか。朝食作るの、手伝ってもらおうと思ったんだが……」

店主「少し、寝てきたらどうだ?」

ものまね士「いえ、大丈夫です!」ガタッ

店主「でも、顔色良くないぞ?」

ものまね士「大丈夫ですから!是非、手伝わせてください!」

店主「あ、ああ……そこまで言うなら……」



春香「ものまね士さん……」ヒソヒソ

春香「答え、出ました?」ヒソヒソ

ものまね士「ええ、おかげさまで」ヒソヒソ

春香「どうするんですか?」ヒソヒソ

ものまね士「ここで、白魔法の研究をする事にしました」ヒソヒソ

春香「なるほど……考えましたね」ヒソヒソ

ものまね士「はい。一晩中悩みましたから」ヒソヒソ



店主「あの2人、ずいぶん仲良くなったみたいだなぁ」

真「そうみたいですね」


322 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/23(木) 23:32:19.18 ID:vNwLGiHLO

春香「そういえば、千早ちゃんと響ちゃんは?」

真「千早は、あずささんについててもらってる。いつ起きるかもわからないし」

真「響は、ボクが起きたらもういなかったけど……」

店主「……ああ、ヒビキなら、朝早くに出かけたぞ?」

店主「誰かを呼びに行く、って言ってたな」

春香「……そっか、エン太郎君を呼びに行ったんだね」

真「響……そんなに心配なのか」

真「ボク、昨日は響にひどい事言っちゃったかな……」

春香「うーん、響ちゃんは気にしてないと思うけど……」

真「……」

真「ボク、響を探してくる!」

春香「真……私も行くよ!」

真「うん。ありがと、春香」



店主「朝食の用意してるから、早めに帰って来いよな」


春香・真「はーい!!」


323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/26(日) 10:39:47.07 ID:T+ugSJ6P0
珍しく2日続けてのお休みか
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/26(日) 11:36:52.03 ID:sjVc2Om8o
先行きが分からなくなってきて面白いです
325 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/26(日) 21:21:30.32 ID:XAMhgCGSO
おとといと昨日は、ヤボ用で……
今から投下します
326 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/26(日) 21:31:52.59 ID:XAMhgCGSO
カイポの村の外

トントントン…


響「……ふぅ」

響「よし、ここはこれでいいかな」

響「あとは……」キョロキョロ

響「あ、あそこも、だいぶ傷ついてるみたいだ」


タタタタ…


響「えーと、これを直すには……」ペラッ

響「ふむふむ……」

響「……」

響(それにしてもエン太郎、ずいぶん傷ついたなー……)



響「エン太郎、帰って来てくれてありがとな!」

響「もう、絶対に離れないからな!」

響「ちゃんと直してあげるから、ちょっと待ってるんだぞ?」



真「……おーい!響ー!」

春香「響ちゃーん!」



響「あ、真と春香だ!」

響「おーい、ここだぞー!」


327 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/26(日) 21:47:05.37 ID:XAMhgCGSO

真「ちゃんと、戻って来たんだね……」

真「エン太郎、偉いなぁ」

春香「ホントだねぇ」

春香「きっと、響ちゃんの想いが通じたんだよ!」

春香「良かったね、響ちゃん!」

響「うん、まあ良かったんだけど……」

響「春香の言った通りだったぞ」

春香「え?」

響「エン太郎、あの塔で待ちくたびれて寝てたんだってさ」

春香「ほ、ホントに寝てたの?」

真「飛空艇って、寝るんだね……」

響「そりゃあ、船だって疲れて眠くなる事もあるさー」

真「そういうもんかな?」

春香「まあ、ゲームの世界だし、そんな事もあるかもね」


真「あ、そうだ響……」

真「……ごめん!」ペコリ

響「真、どうしたんだ?いきなり……」

真「ボク、昨日の夜、響の気持ちも考えないでひどい事言っちゃった」

真「諦めて代わりの船を探した方がいい、なんて……」

響「ああ……」

響「なんだ、そんな事かー」

響「なんくるないさー!自分、全然気にしてないぞ?」ニコッ

響「こうしてエン太郎も帰って来てくれたし」

響「だから、この話はもう終わり!」

真「……うん、わかった」

真「響、ありがとう!」

春香「良かったね、2人とも」

春香(……さて、エン太郎君も無事帰って来てくれたし、そろそろ出発しなきゃだね)


328 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/26(日) 22:05:51.22 ID:XAMhgCGSO
カイポの村 宿屋

店主「……もう、行くのか」

春香「はい。飛空艇も無事戻って来ましたし、私達には、まだまだやる事がありますから」



春香「本当に、お世話になりました!」ペコリ

春香「店主さんとものまね士さんには、お世話になりっぱなしで、なんてお礼をすればいいか……」

ものまね士「ハルカ様、気になさらないでください」

店主「そうだぞ?前にも言ったが、困った時は、お互い様だ」

店主「それにさ、ハルカ達を見てると……なんだか、元気をもらえるんだよなぁ」

店主「だから、お礼ならもうたくさんもらってるんだ」

店主「オレ達の事は気にせず、しっかり前に進んでくれよな!」

春香「店主さん……!」グスッ

店主「ほら、泣くなよ。可愛い顔が台無しだぞ?」

店主「……って、これも前に言った気がするな」

春香「はい……!」グスッ

ものまね士「ハルカ様……!」

真「ありがとうございました!」

響「2人の事は、絶対に忘れないからなー!」

店主「ははっ、マコトとヒビキも元気でな!」

千早「大変お世話になりました」ペコリ

店主「チハヤ……あんたはずっと真面目だったな」

店主「こんなやつらと一緒にいるんだから、少しぐらいハメをはずしたっていいと思うぞ?」

千早「そうですね……考えておきます」

あずさ「……」

店主「……このアズサって娘も、早くよくなるといいな」


329 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/26(日) 22:26:28.73 ID:XAMhgCGSO

美希「店長さん。彼女の事、ちゃーんと大切にしないとダメだよ?」

ものまね士「ちょ、ちょっとミキさん……!」グイッ

店主「彼女?ああ、ものまね士の事か?」

店主「心配いらないだろ?身体は丈夫みたいだし」

ものまね士「……」

美希「……やっぱり、店長さんはハニーと同じで鈍感なの」

美希「こういうタイプには、どんどんアピールしないとダメだって思うな」

ものまね士「そ、そうなの……?」

美希「頑張ってアピールしてね?」

美希「ミキの……影武者さん!」

ものまね士「影武者って、私の事……?」

美希「うん!」

美希「昨日初めてミキのものまね見たけど……」

美希「びっくりしたの!まるで、自分がしゃべってるみたいだった」

美希「だから、あなたは今日からミキの影武者さんね?」

響「良かったなーものまね士!本人からお墨付きがもらえて!」

真「影武者かぁ……ボクも欲しいなー」

春香「今度から、影武者さんって呼ばなきゃね」

千早「努力の賜物ですね」

ものまね士「は、はぁ……」

ものまね士(名誉なのか不名誉なのか……)

店主「なんだかよくわからんが、良かった……のか?」


330 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/26(日) 22:47:57.96 ID:XAMhgCGSO

春香「……じゃあ、行きますね?」

店主「うん」

店主「元気でな!……気が向いたら、顔を見せに来てくれよな!」

ものまね士「みなさん、どうかお身体に気をつけてくださいね?」



5人「さようならーー!!」


スタスタ…





ものまね士「なんだか、不思議な人達ですよね」

店主「ああ、そうだな……」

ものまね士「……」

ものまね士「あ、あの……店主さん?」

店主「ん?どうした?」

ものまね士「私の話、聞いてくれませんか?」

店主「なんだ、急に……」

ものまね士「私達って、お互いの事、全然知らないじゃないですか?」

ものまね士「だから、店主さんに私の事も知ってもらおうと思って……」

店主「……」

ものまね士「い、嫌ですか……?」

店主「……そんな事はないさ」

店主「確かに、あんたの言う通りかもな」

店主「オレ達は、もう少しお互いの事を知ってもいいのかもしれない」

店主「……………………生涯の伴侶になるかもしれないしな」ボソボソ

ものまね士「え?何か言いました?」

店主「いや、独り言だよ」

店主「さ、話の前に仕事だ仕事!ほら、行くぞ!」


スタスタ…


ものまね士「あっ……ちょっと待ってくださいよー!」


タタタタ…


331 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/26(日) 23:09:32.72 ID:XAMhgCGSO
バロン城 造船所

亜美「なんでダメなのさ〜?」

技師1「君達みたいな子供に乗りこなせるものじゃないんだよ」

技師1「飛空艇の操縦の仕方なんて、わからないだろ?」

真美「真美知ってるよ?」

真美「Aボタンで乗り降りで、十字キーで移動でしょ?楽勝だってば!」

亜美「あ〜、確かそんな感じだったね〜」

P(いや、それはホントのゲームの話だろ……)


技師2「な、なんで子供が飛空艇の操縦の仕方を知っているんだ?」

真美「えっ?」

亜美「えっ?」

P(えっ?)


技師2「確かに、君の言う通りのやり方で操縦できる飛空艇もあるけど……」

P(……あるのかよ)

技師2「でも、ダメなんだ」

技師2「法律で、18歳以上でないと飛空艇を操縦できない事になってる」

P(車の免許みたいなものなんだな……)

亜美「あ、大人ならいるよ?」

技師1「……どこに?」

亜美「ホラ、ここだよここ!」スッ

技師1「いや、誰もいないよ?」

P「亜美、俺はゲームのキャラには見えないって言ったろ?」

亜美「あ……そっか」


技師2「……とにかく、君達だけじゃだめだ」

技師2「どうしても、と言うなら、お父さんかお母さんを連れて来なさい。話はそれからだよ」

P「亜美、真美。ここは一旦出直そう」

真美「む〜……兄ちゃんがそういうなら……」

亜美「すんごい大人を連れて来て、絶対ギャフンと言わせてやるかんね!」


332 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/26(日) 23:43:28.55 ID:XAMhgCGSO
バロンの町

P「2人とも、すまない。俺が役に立てなくて……」

真美「兄ちゃんのせいじゃないっしょ……」

亜美「まさか18禁だったとはね〜」



P「しかし、大人か……」

P「俺以外に18歳を超えてるのは……律子ぐらいか?」

真美「りっちゃんは……さすがに連れて来れないよね〜」

亜美「こんな時、ピヨちゃんか社長がいればな〜」

P「音無さんか社長……?」

P「そうか、社長なら……いや、でも……」

真美「兄ちゃん、ピヨちゃんと社長もこの世界に来てるのかな?」

P「……社長には、この世界で会ったな」

真美「じゃあ、社長を連れて来れば……」

P「居場所がわかれば、そうしたいんだけどな」

真美「そっかぁ……」

亜美「ねえ兄ちゃん。ちょっと気になったんだけどさ」

亜美「ピヨちゃんには、まだ会ってないの?」

P「音無さん?会ってないけど……」

P「音無さんは、来てないんじゃないか?」

亜美「そ〜かなぁ?社長がいるなら、ピヨちゃんもこの世界にいてもおかしくないと思うんだけどね」

P「ん……言われてみればそうだな」

P(こういう時って、音無さんは留守番っていうイメージが強かったからなぁ……)

P「だけど、音無さんはいったい何の役なんだろうな」

亜美「……ひょっとして、ラスボスだったりして?」

真美「うひゃ〜、ピヨちゃんを倒さないと元の世界に帰れないってか〜」

P「ははは、そんなバカな」

真美「でも、ピヨちゃんがラスボスだとしたら手強そうだよね」

亜美「うん。なんかありえない手とか使ってきそう」

P「おいおい、いない人の悪口はどうかと思うぞ?」

亜美「いやいや、褒めてるんだよ〜」

真美「そうそう、ピヨちゃん、ゲームとか詳しそうだし……」

真美「このゲームだって、絶対やった事あるっしょ」

P「うーん、確かにな……」




P「……そろそろ昼だな。メシでも食いながら、作戦を立て直すか?」

亜美・真美「さんせ〜!!」




333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/27(月) 03:28:45.84 ID:RBVi5wYDO
ものまね士はきっと見た目は覚醒美希(茶髪ショート)なんだろうな…
334 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/27(月) 21:45:11.89 ID:tZp+cwJiO
飛空艇

ババババババ…


美希「感じる……」

美希「………ハニーがどんどん近づいてるのがわかるの!」

美希「響!ちょっと方向がズレてるの!右向け右!」

響「えっ?わ、わかったぞ!」

響「エン太郎、右90度旋回だ!」グイッ



ブォン…



春香「わっ……と」ヨロッ

真「美希、ホントに大丈夫なの?」

美希「うん、間違いないよ。この先に……ハニーがいるの!」

千早「便利な感覚ね」

春香「便利だけど、ちょっと恐いかな……」




美希「……あ、多分あのお城だよ!」スッ

春香「ん……?あのお城、どこかで……」

千早「この地形……ひょっとしてバロンじゃないかしら?」

春香「あ、そうかも」

真「なーんだ、また戻って来たのかぁ」



響「よーし、着陸するぞー!」


335 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/27(月) 22:09:28.18 ID:tZp+cwJiO
バロンの町

春香「……さて、どうしよっか」


響「春香。自分、ちょっと弟子の所に行って来てもいいかな?」

春香「どうしたの?」

響「エン太郎の怪我が、まだ完璧に直ってないんだ……」

響「だから、相談しに行って来るぞ!」

真「エン太郎の事は、響に任せた方が良さそうだね」

春香「わかった。じゃあ、待ち合わせ場所を決めないと」

千早「宿屋でいいんじゃないかしら?」

響「宿屋ね、わかった」

響「じゃあ、行って来るぞ!」


タタタタ…


美希「ミキは、ハニーを探しに行くね?」ウズウズ

春香「そうだね。プロデューサーさんの事は、美希に任せるよ」

千早「美希ひとりじゃ心配だから、私も行くわ」

真「千早が一緒なら、安心だね」

美希「千早さん、早く行こ?」グイッ

千早「わ、わかったから……引っ張らないで」

春香「じゃあ、私と真は宿屋を探そうか」

真「そうだね」

あずさ「……」

春香(ホントは、私もプロデューサーさんを探しに行きたいけど……)

春香(真はあずささんを背負ってるし、真ひとりじゃ大変だよね)



千早「それじゃ……」

春香「うん。またあとでね」


スタスタ…


336 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/27(月) 23:31:21.18 ID:tZp+cwJiO
バロン城 造船所

響「……女の子2人組?」

技師1「ええ。まだ年端もいかない娘が2人来ましてね」

技師1「いきなり、『飛空艇を貸してくれ』なんて言われまして……」

響「それで、どうしたんだ?」

技師1「もちろん、断りましたよ」

響「1隻くらい貸してあげればいいのに。以外とケチだなー」

技師1「オレ達も、慈善でやっているわけではありませんし」

技師1「それに、18歳未満は飛空艇を操縦できないんですよ」

響「ふーん、そうなのかー」

響「……………ん?」

響「自分、まだ16歳だけど……飛空艇を操縦してもいいのか?」

技師1「何言ってるんですか?娘さんがいるのに、親方が16歳なわけないでしょ?」

響「う……!」

響「た、確かに、自分には娘がいる事になってるみたいだけど……」

響「ほ、ホントに自分、まだ16なんだってば!」

響(あ、そうだ、学生証………)

響(…………カバンの中だ。事務所に置いて来ちゃったぞー)

技師1「まあ、女性はいつでも若く見られたがりますからねー」

技師1「親方の気持ちも、わかりますよ」

響「うぅ……ホント、なのにぃ……グスッ」

技師1「あっ……」


ガチャ…


技師2「親方、エンタープライズを見て来たんですが……」



響「ひ、ひどいぞ……ヒック……じ、自分……ホントに……っ」ウルッ

技師1「お、親方、言い過ぎました!謝りますから……」

技師2「な、何があったんだ……?」




337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/27(月) 23:38:41.72 ID:Ky7Y52b6o
そういや娘居たんだっけ
338 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/27(月) 23:49:16.78 ID:tZp+cwJiO

技師1「……親方、本当にすみませんでした!」ペコリ

響「うん。もう気にしてないぞー」

響「そのかわり、もう年の話は無しだからな?」

技師1「は、はい!肝に命じます!」



技師2「あの、親方……」

技師2「エンタープライズを見て来たんですが……」

響「うん。どうだった?」

技師2「親方の処置、なかなかでしたよ。ちゃんと基本通りに修理してありました」

響「へへ、自分、完璧だからな!」

技師2「……ですが」

技師2「かなり強い衝撃に巻き込まれたみたいですね」

技師2「通常の飛行なら、今のままでも問題はないと思いますが……」

技師2「もし、これ以上無茶な飛行をされるんでしたら、『ミスリル』で補強された方がいいですね」

響「ミスリルかぁ……こういうファンタジーものの、お約束だな!」

技師2「え?」

響「な、なんでもないぞ?」

技師2「ちなみにミスリルは、このバロンより遥か東の島にある、ミスリル鉱山でしか採れません」

響「へぇ、そうなのかー」

技師2「まあ、船が深刻な状態ってわけではありませんので、ミスリルの事は、頭の隅にでも入れておいてください」

響「そっか、わかった!」




響「じゃあ、自分はみんなの所に戻るから」

響「2人とも、ありがとな!」


スタスタ…


339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/28(火) 02:58:38.43 ID:Buz5yVoDO
俺も娘の存在忘れてた
340 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/28(火) 20:34:09.50 ID:KwKjymRVO
バロンの町 宿屋

春香「……そういえば、町の入口にいた白馬、可愛いかったねー?」

真「そうだね。どことなく、気品があるというか……」

真「どんな人が乗ってるんだろうね?」

春香「きっと、どこかの王子様じゃないかなぁ?」

真「ベタだなぁ……」

春香「でもさ、白馬の王子様って、ちょっと憧れない?」

真「んー、そうでもないかな?」

真(……ホントは、すっごく憧れるけど)

春香「あ、でも、真が乗っても似合うと思うよ?」

真「もー、そういうネタはたくさんだよ……」

春香「あはは、ごめんごめん」



春香「……さて、とりあえず部屋は確保できたけど」

春香「ヒマになっちゃったね?」

真「……ボクは、みんなを待ってる間筋トレでもしてようかな?」

春香「そっか」

春香「私も、筋トレしてようかな……」



「……やあ、そこのお嬢さん達。名前の変更をしないかね?」



春香「えっ?」クルッ

真「ん?」クルッ


341 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/28(火) 20:52:37.79 ID:KwKjymRVO
バロンの町 レストラン街

千早「美希、こっちでいいのね?」

美希「うん!」

美希「もう、目と鼻の先だって思うな!」

千早「そう……」

千早「それにしても、いい匂いがするわね」

美希「きっとハニーは、ここでお昼ご飯食べてるの!」

千早「そういえば、もうお昼なのね」



ガチャ…



「ふぅ……食った食った」

「余は満足じゃ〜……」

「おいおい、2人ともおっさん臭いぞ?お前達は一応アイドルなんだからな?」



美希「あっ!!」

千早「あ……」


亜美「おや?」

真美「あれは……!」

P「ん?どうした……?」


タタタタ……ダッ!


美希「ハーーニーーーーッ!!」ダキッ

P「モガッ!」ヨロッ

美希「会いたかったのー!」ギュッ

P「そ、その声は……美希か?な、何も見えない……!」

P(……っていうか、顔に、でっかいマシュマロが……!)


亜美「ミキミキー!」

真美「千早お姉ちゃん!」

千早「亜美、真美……?あなた達は、確か……」



342 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/28(火) 21:11:21.47 ID:KwKjymRVO

亜美「んっふっふ〜!地獄の底から、舞い戻ったんだよ〜!」

真美「双海姉妹の活躍は、もうちっとだけ、続くのじゃ!」

千早「よくわからないけど……本当に良かったわ!」

P「ん……?千早もいるのか?」

P「美希、前が見えないんだが……」

美希「だーめっ!もう離さないの!」ギュッ

千早「それにしてもプロデューサー、いつの間に人間に?」

真美「それはね?悪魔に魂を……」

P「売ってないからな?」

亜美「満月の夜にだけ……」

P「今は昼だろ!」

千早「ま、まあ、詳しい話はあとで聞くとして……」

千早「とりあえず、宿屋へ行きましょう」

千早「春香達が待っているわ」

亜美「……だってさ!ミキミキ〜、兄ちゃん、行こうよ〜」

P「あ、ああ、そうしたいんだが……」

真美「……真美が手を引いてあげるよ」スッ

P「ああ、そうしてくれると助かる」

美希「真美、ありがとうなの!」

真美「ミキミキ……離れる気はないんだね……」

真美(ミキミキも、兄ちゃんに会いたかったんだよね……)

真美(真美は、兄ちゃんと一緒にいる時間が多かったから……)

真美(……ちかたないね)


343 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/28(火) 21:28:45.04 ID:KwKjymRVO
バロンの町 宿屋

春香・真「……社長!!」



高木「おや……?」

高木「誰かと思ったら、天海君に菊池君じゃないかね!」

高木「いやぁ良かった!君達は無事だったんだねぇ」

春香「はい」

春香(いつもの社長だ……)

春香(もう、操られてないみたいだね……)

高木「ところで、君達はなぜここに?」

真「ボク達、プロデューサーを探しに来たんです」

高木「そうか……じゃあ、彼もこの町にいるのかね?」

春香「たぶん……」

春香「美希が、プロデューサーさんを連れて来ると思うので、みんなが集まるのを待ちましょう」

真「ボク達、この宿屋に部屋を取ってあるんです」

高木「わかった。ならば、待つとしよう」

真「……ところで社長?」

真「さっき、名前がどうのって言ってましたけど……」

高木「ああ……今、ちょっとしたアルバイトをしていてね」

春香「ええっ!?社長が、アルバイトを……?」

高木「うむ。人に新しい名前を付ける仕事だよ」

真「変わった仕事ですねー」


ガチャ…


344 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/28(火) 21:49:39.64 ID:KwKjymRVO

千早「……春香、真、連れて来たわ」


春香「あっ、千早ちゃ……」


亜美「はるるん、まこちん、お久〜!」

P「ま、真美……ゆっくりな」ソローリ

美希「〜〜♪」ギュッ

真美「んも〜、兄ちゃんは子供みたいだね」グイッ


真「あの合体ロボみたいなのがプロデューサーかなぁ?」

春香「そ、そうだね、きっと……」

春香(美希……ま、こうなると思ってたけど)



千早「……あら?奥にいるのって……」

高木「やあ、みんな元気だったかい?」

美希「あはっ!社長までいるの!」

P「えっ?社長?……美希、ちょっとだけ降りてくれないか?」

美希「ちぇっ……わかったの」ピョコン

亜美「社長〜!噂をすれば……ってやつですな〜」

真美「これで、飛空艇はもらったも同然ですな〜」

千早「我那覇さんは、まだ帰って来てないのね」

春香「そうだね、あとは響ちゃんで……」


ガチャ…


響「みんなー!いるかー?」

響「……って、あれ?なんだか人が増えてるぞー!」

亜美・真美「ひびきん!」

P「……春香、これで全員か?」

春香「はい」

P「じゃあ、話を始めましょうか」

高木「うむ」


345 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/29(水) 00:36:50.06 ID:ALL5YPKVO
バブイルの塔 B5F

律子「……」

律子(せっかく、うまく行くと思ったのに……)

律子(あの発作は小鳥さんの仕業だったのね)

律子(小鳥さんの支配下から逃れない限り、勝ち目はない……か)

律子(……春香達に託すしかないのかしら)




ルビカンテ「……リツコ様、気分はどうですか?」

律子「あ……ええと、あなた、ルビカンテ……だったかしら?」

ルビカンテ「はい」

律子「ありがとう。今は……少しはマシよ」

ルビカンテ「そうですか……」

ルビカンテ「……ここへ来られた時のリツコ様は、まるで精気が感じられなかった」

ルビカンテ「いったい、ゾットで何が?」

律子「……」

律子「ちょっと、予想外の邪魔が入ってね。私の『目的』からは、遠のいてしまったわ」

ルビカンテ「クリスタルは順調に集まっていますが?」

律子「そうね。だけど……私にとってクリスタルなんてただの手段でしかないの」

律子「私はただ、私を取り戻したいだけなのよ!」

ルビカンテ「……」

律子「あ……ごめんなさい。急に大声出したりして」

ルビカンテ「お気になさらず」

ルビカンテ「しかし……ならば尚更、早急にクリスタルを集めねば」

ルビカンテ「地底のクリスタルも、残すところあと2つ。しらみつぶしに探せば、すぐに見つかりましょう」

律子「……クリスタルの事は、あなたに任せるわ」

律子「少し、休ませてもらうわね」


スタスタ…


ルビカンテ「……」

ルビカンテ(やれやれ、何があったかわからないが、我が主はすっかりやる気を削がれたみたいだな)

ルビカンテ(ふっ、やる気があるのは……マッドサイエンティストだけか)

ルビカンテ(オレもあまり気乗りはしないが、主の命とあらば、動かないわけにはいかないな)

ルビカンテ(……本当のリツコ様、か)

ルビカンテ(見てみたい気もするな)


ガチャ…


魔物「ルビカンテ様、侵入者です!」


ルビカンテ「……何?」


346 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/29(水) 00:55:18.23 ID:ALL5YPKVO
月の中心核

小鳥「ふぅ……」

小鳥「ちょっとやり過ぎちゃったかな」

小鳥「律子さんもあずささんも、怒ってるわよね……」

小鳥「あずささんと千早ちゃんには、正体バレちゃうし……」

小鳥「完璧に演じたと思うんだけどな」

小鳥「……」

小鳥「でも、スカルミリョーネがあずささんを助けるなんて思わなかったなー」

小鳥「バルバリシアも、なんだか美希ちゃんと怪しかったし……」

小鳥「四天王まで味方に付けるなんて、ずるいわ!」

小鳥(まあ、あずささんが救われたのは良かったんだけど)

小鳥「んー……そろそろ私の四天王にも頑張ってもらおうかな?」

小鳥「…………まあ、もうすぐ五天王になるんだけどね」チラ



バハムート「ガアアアアア!」フラッ



小鳥「闇落ち……ってやつね」

小鳥「私の右腕として、たくさん働いてもらいますからね?」

小鳥「バハムートさん……じゃなかった……」



小鳥「ダークバハムートさん?」



ダークバハムート「グゥゥゥ……!」



小鳥「……さて!」

小鳥「これからどんどん忙しくなるわね!春香ちゃん達も、そろそろ地底に向かう頃かもしれないし」



小鳥「蛇くーん!ちょっと話があるから、みんなを集めてもらえるー?」


347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/29(水) 04:20:45.72 ID:Ap1sTllDO
あのルビカンテは本名は岡部倫太郎で鳳凰院凶真とか名乗ったりしないよな?
んで千早をクリスティーナ呼びしたり
348 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/10/29(水) 19:51:31.30 ID:ALL5YPKVO

タイダリアサン「コトリ様……今度は何ですか、いったい……」

プレイグ「あの大っきいロボット、また作るんですか〜?」

小鳥「ううん、そうじゃないの」

小鳥「あのロボットは、あれだけいれば、もう充分よ」

白龍「それでは、今度は何を?」

ルナザウルス「……ちょっとだけ、休ませて欲しいッス!」

小鳥「仕方ないな〜、ちょっとだけだからね?」

ルナザウルス「さすがコトリ様!話がわかるッス!」

小鳥「休んだら、あなた達には行ってもらいたい所があるのよ」

プレイグ「どこですか?楽しい所だといいなー!」

小鳥「うふふ、大丈夫」

小鳥「ここよりは、ずーっと楽しい所よ?」

タイダリアサン「あ……なんか、嫌ーな予感……」



349 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/29(水) 22:56:19.29 ID:ALL5YPKVO
バロンの町 宿屋

P「…………と、いうわけなんです」

高木「……ゲームをクリアしなければ、元の世界に帰れない……か」

高木「なんだか、妙な事になったねぇ」

高木「……で、そのクリアの条件は、君はわかっているのかね?」

P「はい。おそらく、ですが……」

P「月にいる『敵』を倒せば、このゲームは終わると思います」

千早「!」

P「月へ向かう手段も、ゲームと同じならそのうち手に入るでしょう」

高木「そうか。君はこのゲームに詳しいようだね」

千早「……あの、プロデューサー?」

P「ん?どうした、千早」

千早「その、月にいる『敵』なんですが……」

千早「おそらく……」



千早「……………音無さんだと思われます」



P「な……!」

P「なんだって!?それは本当なのか!?」

千早「……残念ですが、間違いないです」

亜美「マジ……!?」

真美「亜美の言ってた事が、ホントになっちゃった……!」

響「じゃ、じゃあ……ピヨ子を倒さないと、帰れないのか?」

春香「ち、千早ちゃん、なんでわかったの?」

千早「ゾットの塔で、律子がおかしくなったでしょう?あれは、音無さんが律子を乗っ取っていたからだと思うわ」

千早「それに、私は少しだけ話もしたし」

真「確かに……そう考えると、あの時の律子にも納得がいく……」

P「そんな、バカな……!」

高木「音無君が……」


350 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/29(水) 23:14:59.73 ID:ALL5YPKVO

P(くそ!どうする……?)

P(いくら現実世界に影響がないとはいえ、音無さんを殺すなんて……!)

P(殺す……だって?)

P(俺は……何を考えてるんだ……!)



美希「……ねえ、ハニー?小鳥は味方じゃないの?」

P「あ?ああ……なんて言うか、その……」

P(『敵だ』って言ったら、音無さんを『殺す』言うのと同じなのか……?)

P(ダメだ、頭が働かない……)

美希「ふーん、難しいんだね……」

美希(ハニーは真面目だから、難しく考え過ぎなの)

美希(もっと単純に考えればいいって思うな……)

美希(うーん、こういう時は……)チラ



春香(小鳥さんが……敵?)

春香(また……仲間と戦わなきゃいけないの?)

春香(あ、そっか)

春香(この状況って……)

春香「……ねえ、真、美希」

春香「今の状況ってさ、似てると思わない?」

真「え?何が……?」

美希「真クンのお城で、律子達と戦った時と……でしょ?」

春香「そう!」

真「ああ、なるほど!」

千早「……」

春香「あ……ごめんね。千早ちゃんは、あの時は敵だったね……」

千早「気にしないで、続けて?」

春香「うん……ありがと」


351 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/29(水) 23:35:40.22 ID:ALL5YPKVO

春香「えっと……」

春香「私達は、真がいたお城で、律子さん、千早ちゃん、あずささんと戦った」

響「そうだったのか……」

春香「……あの時もさ、みんなでたくさん悩んだよね?」

真「……」

春香「どうして仲間のはずなのに、戦わなくちゃいけないの……って」

美希(……そういえば、あずさには負けっぱなしなの)

春香「私達はさ……仲間だよ。どんな状況になっても」

亜美・真美「……」

春香「『敵になったから、殺さなきゃいけない』とか、そんな事全然ないんだよ」

P「……!」

春香「私ね……?千早ちゃんと戦わなきゃいけないってなった時、すごく悲しかったんだ……。なんでこんな事になっちゃったんだろう?って」

千早「……」

春香「……でも、千早ちゃんと戦った事で、前より千早ちゃんの事がもっとわかった気がするよ」

千早「春香……」

春香「話し合いだけじゃ、解決しない事もあるかもしれない」

春香「戦わなきゃ、わからない事もあるかもしれない」

春香「だったら……」




春香「私は……戦うよ!」

春香「私の大切な人を……みんなを、小鳥さんを取り戻すために、私は小鳥さんと戦う!」




352 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/29(水) 23:48:26.26 ID:ALL5YPKVO

千早「春香……」

千早「私も戦うわ、春香と一緒に!」

春香「千早ちゃん……!」



真「春香!」

真「ボクだっているんだから、忘れないでよ?」

春香「真……!」



響「自分とエン太郎も、もちろん一緒に行くからな!」

春香「響ちゃん……!」



美希「……」

P「美希……?」



美希「ミキは……ハニーと一緒にいたいの」ギュッ

春香「美希……」

春香「そっか」

春香「うん、わかっ」

美希「……でも」

美希「このメンバーを、千早さんだけに任せるのは、忍びないの」

美希「だから、ミキも一緒に行ってあげてもいーよ?」

春香「美希!……ありがとう!」



真「……ボク達って、貶されたのかな?」ヒソヒソ

響「どっちかっていうと、ダシに使われたんだと思うぞ?」ヒソヒソ


353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/30(木) 01:43:46.44 ID:CKB5tKTDO
小鳥さんは何を考えてるかわからないからなぁ…
単純にラスホスって位置を楽しんでるだけな気もするあと春香たちは貴音の存在忘れてね?
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/30(木) 13:33:13.52 ID:k615Rwawo
音無さんはやり過ぎそうで怖いからなぁ
355 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 20:33:35.75 ID:1fIaSrNUO
P「みんな……!」

高木「私達は、幸せ者だ」

高木「こんな素晴らしい子達が、我が事務所に所属しているんだから……」

高木「そうは思わないかね?君……」

P「……おっしゃる通りです!」



亜美「ま、こ〜ほ〜しえんは任せてよ!」

真美「真美達も、兄ちゃんと一緒に頑張るよ!」

春香「亜美、真美……!よろしくね!」




高木「……さて、私はそろそろ行くとするかな」スッ

P「……どこへ行かれるんです?」

高木「ちょっと、黒井の所へ」

P「く、黒井社長……!?この世界で会ったんですか?」

高木「ああ。なんだか変わった姿をしていたね。巨大な蛇のような……」

高木「ま、私も他人の事は言えないがね」

P「巨大な、蛇……?」

亜美「あっ、待って社長!ちょっと付き合ってもらいたい所があるんだよ〜!」ガタッ

真美「すぐ済むからさ〜」

高木「ふむ、いったいどこだね?」

真美「……兄ちゃん、真美達、ちょっとリベンジして来るね?」

P「ん?ああ、そうか。なら俺も……」

亜美「兄ちゃんは、もう少しみんなと一緒にいなよ!社長がついてるんだから、だいじょ〜ぶだって!」

高木「ちょっと、行ってくるよ」

P「はい、2人をお願いします」


356 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 20:42:20.94 ID:1fIaSrNUO
幻獣神の館

貴音「……」

貴音「申し訳ございません」

貴音「わたくしの、力不足で……」

女の子「……」

男の子「……」

貴音「なんとお詫びをしてよいか……」

女の子「タカネちゃん……」

女の子「バハムート様はね……近いうちに自分がいなくなる事、私達に教えてくれてたんだよ」

男の子「……」

貴音「!」

貴音「では、ご自分の死期を悟って……?」

女の子「……わからないけど」

男の子「……タカネ」スッ

貴音「……これは?」

男の子「バハムート様の手紙だ」

貴音「……読ませていただいても?」

男の子「いいよ」




『我がいなくなろうと、いずれ次世代の神が降臨するであろう。
案ずるな。
そしてもし、この月と、青き星に危機が訪れた時は、皆で力を合わせ立ち向かうのだ。
生きとし生けるものの祈りは、必ず悪しきを滅ぼすだろう』




357 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 20:55:51.07 ID:1fIaSrNUO

貴音「……」

男の子「悲しんでるヒマなんて、ないんだよ!今がその、危機ってやつなんだろ?」

女の子「タカネちゃん……!」

貴音「……そうですね」

貴音「あなた方の言う通りです。わたくしは、ばはむーと殿の言葉通りに……」

貴音「まどうせん、とやらを探さねば……!」

男の子「魔導船?」

貴音「ええ。それでちきゅ……青き星へ向かい助力を求めよ、と」

女の子「魔導船なら、ここにあるよ!」

貴音「まことですか?ならば話は早いですね。ではさっそく……」グゥゥ

男の子「……」

女の子「……」

貴音「……すみません」



月の民「……そんな事もあろうかと思って、お弁当を作って来たッスよ!」



男の子「だ、誰だお前っ!?」チャキッ

女の子「……!」スッ

貴音「おや?あなたは……」

月の民「驚かせてすみませんッス!自分、月の民ッス。タカネ様の部下ッスよ!」

女の子「……ホントに?」

月の民「やだなぁ、ホントッスよ!……タカネ様〜、誤解を解いてくださいよ〜」

貴音「お2人とも、この方はわたくしの知り合いです。安心してください」

男の子「そ、そうなのか……?」

女の子「タカネちゃんがそう言うなら……」

月の民「……さ、タカネ様。お弁当どうぞ」スッ

貴音「有難くいただきます」




358 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 21:05:07.82 ID:1fIaSrNUO

男の子「いいか、動力となるクリスタルに向かって『祈る』んだ」

女の子「祈りが届けば、きっと青き星まで連れてってくれるよ!」

貴音「わかりました。やってみます」

貴音「お2人には、お世話になりましたね」

貴音「何かお礼をせねばなりません」

男の子「……そういうのは、いいよ」

女の子「そうだよ!タカネちゃんが無事に戻って来てくれれば」

貴音「……わかりました。必ず、戻って参ります!」



月の民「タカネ様〜、行くッスよ〜!」



貴音「月の民の方が待っています」

貴音「それでは……またお会いしましょう」クルッ


スタスタ…



男の子「……」

女の子「……」

男の子「……なんか、さっきのやつ、嫌な感じだよな」

女の子「……うん」

男の子「タカネ、大丈夫かなぁ……?」



「……ごめんくださいッス〜!」

「うちのタカネ様、お邪魔してないッスか〜?」



男の子「ん?お客さんか?」

女の子「今日は多いねー」


359 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 21:39:36.24 ID:1fIaSrNUO
魔導船

キラーン!


貴音「これが、クリスタル……」

月の民「これに祈れば、魔導船が動くッスね!」

月の民「じゃあタカネ様、お願いするッス!」

貴音「2人で祈るのではないのですか?」

月の民「あー、自分はたぶんお力になれないッス」

月の民「人間の祈りじゃないと、届かないんスよ」

貴音「……はて?」

貴音「では、あなたは人間ではないのですか?」

月の民「あっ、いや……人間なんスけど、今日は調子悪いっていうか……」

貴音「……」

貴音「わかりました。わたくしひとりでやってみましょう」

月の民「ホッ……」

貴音(不審な言動……)

貴音(それに、いつの間にか何者かがこの船に忍び込んだようです……)

貴音(ひい、ふう……全部で3人……)

貴音(この方を合わせて4人……)

貴音(いったい何者なのか……)

貴音(この場で問いただす事もできますが、今は地球へ向かうのが先決)

貴音(……少し、泳がせるとしましょうか)

貴音(……さて)チラ



貴音(魔導船よ、わたくしを青き星へ連れて行ってくださいませ……)


360 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 21:42:52.79 ID:1fIaSrNUO

貴音「……」

貴音(……動きませんね)

貴音(祈りが弱いのでしょうか?)

月の民「……なかなか動かないッスね」

貴音(もっと、強く……)

貴音(魔導船よ、わたくしを青き星へ導いてくださいませ……)

貴音(そして、どうか皆に会わせてくださいませ……)


ズズズ…


月の民「あっ、ちょっと動いたッス!」

貴音「ですが、まだ足りないみたいですね」

貴音(もっと、もっと強く……!)

貴音(魔導船よ、わたくしを以下略……)

貴音(……)グゥゥ

貴音(それにしても、またお腹が空きました……)

貴音(らぁめんが食べたいです……)

貴音(……いえ、この際食べ物ならなんでもいい)

貴音(魔導船よ、わたくしをどうか食べ物のある所へ連れて行ってくださいませ……!)


ズズズ…


ブワッ…!


月の民「おおっ!?」

月の民「動いたッス!」

貴音「……どうやら、祈りが通じたようですね」ニコッ


ゴォーーーー!


361 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 23:38:25.30 ID:me1rWf06O
バロンの町 宿屋

春香「ヒマだなぁ……」

春香(私もみんなと出掛けたかったけど……)

春香(『春香は怪我がひどいから、お留守番』って言われちゃったし……)

春香(美希はとなりの部屋で寝ちゃってるし……)

春香「……」チラ

あずさ「……」

春香(あずささんが起きてくれれば、おしゃべりもできたんだけどなぁ……)


コンコンッ…


P「春香、入るぞ」


ガチャ…


春香「……プロデューサーさん?」

春香「みんなと出掛けたんじゃなかったんですか?」

P「ああ……春香の怪我が心配だからって言って、抜けて来た」

P(ホントは、みんなに『帰って春香の側にいてやれ』って言われたんだけどな)

P(怪我が心配なのは、ホントだぞ?)

春香「そうなんですか?」

春香「えへへ、嬉しいなぁ……///」

P「……あのさ」

春香「はい?」

P「さっきの春香の言葉、感動したよ。成長したんだなって、思った」

春香「そんな事、ないですよぉ」

春香「プロデューサーさん、お父さんの言葉、覚えてますか?」

P「お父さん……?ああ、クルーヤか。んーと、どんなだったっけか?」

春香「この世界には、正義よりも、正しい事よりも、大事な事がある」

P「ああ、そういえば、そんな感じだったな」

春香「私、その言葉の意味をずっと考えていたんです」

P「へぇ……で、答えは出たのか?」

P(俺も、ゲームやってた頃に考えた事あったけど、結局わからなかったんだよなぁ)

春香「はい、おかげさまで!」

P「聞かせてくれないか?」

春香「えっと……これは、私なりの解釈なんで、もしかしたら、全然違うかもですけど……」

春香「たぶん……『自分の信じた道を進め』って事なんじゃないかなって」

P「自分の信じた道を……」

春香「はい。その結果がたとえ、正義から外れていようと、正しい事じゃなかろうと……」

春香「自分を信じてさえいれば、道は開ける。そういう言葉なのかな?って思ったんです」

P「……なるほどな」


362 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 23:43:30.93 ID:me1rWf06O

春香「……だから、私」

春香「お父さんからもらった言葉通り、自分の信じた道を行く事にしたんです!」

P「……」

P「それで、さっきのあの演説か」

春香「え、演説とか、そんな大層なものじゃないですよぉ……」

P「いや、春香は案外、政治家や思想家とかが向いているかもな」

春香「……それって、アイドルは向いてないって、関節的に言ってるんですか?」

P「あ、いや……そういう意味じゃ……」

春香「……もう!」




春香「……そんな事より、プロデューサーさん」

春香「美希の側に、いてあげてください」

P「どうした、いきなり……?」

春香「美希……ずっとプロデューサーさんに会いたがってました」

春香「この世界へ来てから、我慢してたと思うんです」

P「……」

春香「美希は、プロデューサーさんと一緒にいる時間も、全然少なかったし……」

春香「それに……」

春香(美希には『あの時』の借りがあるし……)

P「……?」

春香「……とにかく、美希のところへ行ってあげてください」

春香「美希、となりの部屋で寝てると思いますから」

P「……」

P「わかった。春香の言う通りにするよ」

P「……じゃ、お大事にな」


スタスタ…


春香(美希……借りは、返したよ)


363 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 23:49:33.30 ID:me1rWf06O
バロンの町 宿屋 となりの部屋

美希「ハニー……」

美希(せっかく会えたのに、またすぐに離ればなれになっちゃうなんて……)

美希(悲しすぎるの……)

美希(あーあ、なんだか眠れないし、春香のとこにでも行こうかな……?)


コンコンッ


ガチャ…


P「美希、いるかー?」


美希「……ハニー!」

P「おっ、珍しく起きてるんだな?」

美希「どうしたの?ひょっとして、ミキに会いに来てくれたの?」

P「ああ、そうだよ」

美希「えっ……!」ドキン

美希(いつもは、何だかんだはぐらかすのに……)

美希(そんな風にストレートに言われちゃったら……ちょっとドキドキしちゃうの……!)

P「…………あれ?」

P「なんだ、大人しいんだな」

P(また抱きつかれると思ったが……)

美希「えへへ……」ドキドキ

P「機嫌がいいみたいだけど、何かあったのか?」

美希「それは……ヒミツなの!」ドキドキ

美希(あれ?いつもなら、正直な言葉が出てくるはずなのに……)

P「そうなのか」


364 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 23:55:43.85 ID:me1rWf06O

美希「ねえハニー、立ってないで座ったらいいと思うな」

美希(ミキの、となりに)

P「ん、そうだな」

P「……じゃあ、となり、いいか?」

美希「あ……う、うん……」ドキドキ

美希(ホントにとなりに来てくれた……!)

美希(なんだか今日はおかしいの……)

美希(いつもなら、ハニーにくっついてても、こんなに緊張しないのに……)

美希(ハニーと2人でお話するの、久しぶりだからかな?)



P「……なあ、美希」

美希「ん?なあに?」

P「すまないな、辛い思いをさせて」

美希「そんなの、へっちゃらなの!は……っ」

美希(ハニーの、ためなら……)

美希(な、なんで?なんで言えないの……?)

P「それに、寂しい思いをさせてしまったみたいだな……」ナデナデ

美希「あ……!」

美希(ダメ……ダメだよ、ハニー……!)

美希(今、撫でられたら……)




美希(抑えてた気持ちが…………全部、溢れちゃうの!)




365 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/30(木) 23:59:32.67 ID:me1rWf06O

美希「……ヒック……っ!」

P「……美希、どうした?」

美希「ヒック……ご、ごめ……な、なん……も……っ!」ポロポロ

P「な、泣いてるのか?どこか、痛いのか?」オロオロ

美希「ち……ちが……グスッ……のっ!」ポロポロ

美希「ね……ギュ……て、して?」グスッ

P「美希……?」

美希「お願いっ、ハニー……っ!」ポロポロ

P「わかったよ……」ダキッ

美希(あ……!)

P「ホントに、ごめんな……」ギュッ

美希(嬉しいのと……)

P「絶対、みんなで帰ろうな……」ナデナデ

美希(悲しいのが、混ざって……)

美希(何が何だか、わからなくなっちゃうの……!)



美希「うぅ……っ!」グスッ

美希「う……うぅ!」ポロポロ

美希「わあぁぁぁぁん!」ギュッ

P「…………美希」ナデナデ




美希(ハニー……ごめんね、弱い子で)

美希(ミキ……もっと強くなるから……)






366 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 00:04:48.26 ID:NusP9i4yO
バロンの町 入口

高木「……では、私は一足先に行くよ」

P「はい!また、お会いしましょう!それと、黒井社長にもよろしくお伝えください」

高木「……了解だ」

亜美・真美「社長〜!ありがとね〜!」

春香「お気を付けて!」

高木「うむ。……さて、行こうか、スレイプニル」

スレイプニル「ヒヒーン!」


パカラッパカラッ…


春香「あの白馬、社長のだったんだね」

真「うん……」

真(なーんだ、王子様は社長だったのかぁ……)



P「じゃあ、俺達も行くか」

真美「……そだね!」

亜美「ううっ……みんなの事、絶対忘れないからね?」

春香「あのね……今生の別れじゃないんだから……」

美希「……」

美希「……ハニー」

P「ん?」クルッ

美希「ちゅっ……」

P「……え?」


春香「あ……」

真「うわ……」

千早「み、美希……」

響「ほ、ほっぺにちゅー……///」

亜美「さ、さすがミキミキ……」

真美「むむむ……!」


367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/31(金) 02:49:21.49 ID:IVx9+RVDO
貴音はブレないが一体どこに辿り着くのか…
368 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 06:25:46.40 ID:NusP9i4yO

春香(あ、でも……)

真(ボク達……)

真美(兄ちゃんと……)

亜美(マウス・トゥー・マウス、しちゃってるんだよね……)



美希「えへへ……これは、餞別なの」モジモジ

美希「次に会う時は……『本物』してあげるね?」

P「なっ……!」

P「そ、それはまずいだろ……!」

千早「み、美希!……それはちょっと、やりすぎじゃないかしら?」

響「そ、そうだぞ!じ、自分だって……じゃなくて、プロデューサーも困ってるぞー!」

美希「あはっ!聞こえないのー!」




春香「あずささんの事、よろしくお願いしますね?」

P「ああ、任せておけ!」

あずさ「……」

亜美「ねぇ、はるる〜ん。次の目的地の名前、ちゃんと覚えたよね?」

春香「あ、う、うん……///」

真美「ちゃ〜んと、みんなにも教えてあげるんだよ?」

春香「わ、わかってるよぉ……」




亜美・真美「じゃあみんな〜!またね〜!!」


スタスタ…


369 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 06:33:57.51 ID:NusP9i4yO
飛空艇

ババババババ…


響「春香ー、このまままっすぐでいいのかー?」

春香「うん。バロンから南へまっすぐって、プロデューサーさんが言ってたから」

響「わかったぞー!」

真「……でもさ、地底って、どうやって行くのかな?まさか、地面を掘るわけじゃないよね?」

春香「うーん、プロデューサーさんは行けばわかるって言ってたよ?」

千早「掘る、というよりは……始めから穴が空いてるんじゃないかしら?」

美希「うん、ミキもその方がしっくり来るって思うな」

春香「その穴ってさ、雪歩が掘った穴だったりしてね……?」

真「はは……そんなわけ……」

真「ないよね?」

響「じ、自分に言われても、わからないぞ!」

千早「ない……と言い切れないのが、弱いとこね」

美希「雪歩なら、充分あり得るの」

千早「ところで春香。次の目的地は、なんて言うところなの?」

春香「あ………んと」

真「春香、どうしたの?」

響「なんか変だぞ?」

春香「し、知りたい……?」

真「うん。っていうか、なんでそんなにもったいぶるのさ?」

春香「い、いや、もったいぶってるわけじゃないんだけど」

春香「わかった……じゃあ言うね?」

春香「次の目的地は……」



春香「あ、アダルトの村、っていうんだって……///」



4人「」


370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/31(金) 13:23:56.59 ID:IVx9+RVDO
アダルト(意味深)の村か…
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/31(金) 16:40:36.50 ID:7Z5jxJ0AO
ダとガの違い……
ケアルダとケアルガの聞き間違いみたいなもんだな
372 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 20:50:49.57 ID:NusP9i4yO
幻獣界

イフリート「ヤヨイーー!!今日は何して遊ぶんだぁ!?」

やよい「今日は……」

やよい「……」

シヴァ「ヤヨイさん……?」

ラムウ「……」



やよい「みなさん……」

やよい「実はわたし、仲間を探しに行かなきゃいけないんですっ!」

やよい「だから……」

やよい「みなさんとは、もう遊べなくなっちゃいました……」



シヴァ「……」

イフリート「ヤヨイ……」

ラムウ「……」



やよい「本当に、ごめんなさいっ!」ペコリ



イフリート「………すげぇぜっっ!!」

シヴァ「ええ、本当にラムウの言った通りになったわね……」

やよい「え……?」

ラムウ「ヤヨイさん……」

ラムウ「あんたがいずれこの町を出て行こうとしていたのは、気づいておったんじゃ」

やよい「そ、そーなんですか?」

イフリート「ラムウぅぅ!!お前は頭がいいなぁぁぁっ!!」

ラムウ「それに気づいてから、わしら3人は話し合った」

ラムウ「いや、話し合いなど、無意味だったのかもしれんな」

ラムウ「わしらは3人とも……ヤヨイさん、あんたの力になりたいと思っておるんじゃ」ニコッ

やよい「!」


373 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 20:56:08.38 ID:NusP9i4yO


やよい「みなさん……ありがとうございますっ……!」

やよい「でも……とーっても危険かもしれないんですっ!」

やよい「だから……」

ラムウ「だから、じゃ」

やよい「へ……?」

シヴァ「ヤヨイさん。私達は、あなたについて行こうというわけではないの」

ラムウ「あんたは召喚士。そして、わしらは幻獣……」

ラムウ「必要な時に、わしらを呼び出してくれればいいんじゃ」

やよい「そんな事が……わたしに、できるんですか?」

イフリート「ヤヨイぃぃ!!お前なら、できるんだぜぇぇ!!」

やよい「で、でも……どうやって……?」

ラムウ「……その、白い髪留め」

ラムウ「あんたによく似合っとるのう」

やよい「えへっ、そうですか?ありがとうございますっ!」

やよい「これは、お母さんが………」

やよい「……あ!」

ラムウ「気づいたかの」

やよい「じゃあ、みなさんはお母さんと『同じ』なんですか?」

シヴァ「そうね。あなたが『想う』事で、私達はいつでもあなたの元へ駆けつける事ができるわ」

やよい「はわー……なんだか、すごいですー」


374 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 21:00:36.88 ID:NusP9i4yO


ラムウ「ヤヨイさんに、受け取って欲しいものがあるんじゃ」

ラムウ「……イフリート」

イフリート「ヤヨイぃぃ!!受けとれぇぇ!!」スッ

やよい「これは……ブレスレット、ですか?」

やよい「真っ赤で、いふりとさんと同じ色ですねー!」

シヴァ「ヤヨイさん、私からはこれをあげるわ」スッ

やよい「……青いネックレスですかー」

やよい「これは千早さんに似合いそうです」

やよい(そういえば……しばさんって、千早さんによく似てますよねー)

ラムウ「わしからは、これじゃ」スッ

やよい「黄色いイヤリング……」

やよい「わたし、似合うかな……?」

ラムウ「これらのアクセサリーを身に付けていれば、ヤヨイさんはわしらを呼び出す事ができる」



ラムウ「そして、最後に聞いてくれ」

ラムウ「わしらは3人とも、全く違う力を持っておる」

ラムウ「わしは、雷の力」

シヴァ「私は……氷の力」

イフリート「オレはぁぁぁっっ!!」

やよい「うっうー!火、ですよね?」

イフリート「そ、そうだぁぁっっ!!」

ラムウ「状況によって、誰の力が必要かは変わってくるじゃろう」

ラムウ「『誰』を呼び出すのか。それを、よく考えて欲しい」

やよい「うー……」

やよい「が、がんばってみます!」

ラムウ「ヤヨイさんなら、きっとできると信じておるよ」ニコッ




375 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 21:40:44.91 ID:NusP9i4yO
幻獣王の館

黒井「……仲間を探しに行く、だと?」

やよい「はいっ!わたし、みなさんに会いたいんです!」

黒井「……」

冬馬「高槻……」

翔太「そっかぁ……寂しくなるね」

北斗「しかし、ひとりで大丈夫かい?」

やよい「大丈夫です!わたしには、お友達がついてますから!」

黒井「……」

黒井(行かせてやればいい)

黒井(何を迷っている?)

黒井(あるはずがない……王たるこの私が、ひとりの人間に執着するなど)

黒井(高槻やよい……)

黒井(やはり、765プロを選ぶか……)

黒井(ならば、お前は……)





黒井(…………私の、敵だ)





376 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 21:44:52.04 ID:NusP9i4yO

冬馬「……気をつけて行くんだぞ?」

やよい「はいっ!」

冬馬「知らないおじさんにはついて行くなよ?」

やよい「わかりました!」

冬馬「落ちてるものを食べたらだめだからな?」

やよい「は、はい……」

冬馬「ちゃんと寝る前は歯を磨くんだぞ?」

やよい「え、えっと……」

翔太「冬馬君……心配なのはわかるけどさ」

北斗「冬馬らしいな……」



黒井「高槻やよい……」

やよい「黒井社長!たくさんお世話になりましたっ!」ペコリ

黒井「……せめてもの慈悲だ」

黒井「外の世界まで送ってやろう」

やよい「ホントですか?ありがとうございますっ!」

黒井「だが、覚えておけ」

黒井「次に会った時は……私とお前は、敵同士だという事を」

やよい「え……?」

冬馬「おっさん!何言ってんだよ!?」

やよい「な、なんで」

黒井「……デジョン!」


パシュン…


冬馬「……は?」

翔太「き、消えた?」

北斗「おかしな世界なら、おかしな力もありえるというのか……」



黒井(これでいい……)

黒井(765の連中とは、やはり相入れない運命だった)

黒井(……)

黒井(これで、いい……)



377 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 21:51:48.29 ID:NusP9i4yO
地底世界 トメラの村

パッ…


やよい「……ですかーっ!?」

やよい「って…………あ、あれ?」キョトン

やよい「黒井社長や、ジュピターのみなさんがいないです……」

やよい「それに……」キョロキョロ

やよい「ここは、どこでしょーか?」

やよい「……うーん」

やよい「……とりあえず、みなさんを探しましょー!」



村人「おんや?……ハイホー!」

やよい「えっ?」クルッ

村人「え?じゃねえべさ。あんた、挨拶もできんのかえ?」

やよい「あっ、すみません!」

やよい「うっうー!こんにちはです!」

やよい(はわわ、まっくろな人です……)

やよい(外国の方でしょーか?)

村人「うっう?……変な挨拶だなや」

村人「あんた、よそから来た人だべ?この村じゃ、挨拶は『ハイホー』って決まっとるんよ」

やよい「はいほー……?」

村人「もっと元気よく!」

やよい「ハイホー!」

村人「うん。よくできたべ」

村人「しっかしあんた、どこか病気なんではないか?こんな白いドワーフ、見た事ねえ」

やよい「わたし、別に病気じゃないですよ?」

村人「ならいいんだが」

村人「……で、この村に何しに来ただ?ここは、なーんもねえ村だど?」

やよい「あっ……わたし、人を探してるんです!」

村人「人探し、ねぇ……」

村人「残念だけんど、こんな田舎村にゃよそもんは来ねえべさ」

やよい「そーですか……」

村人「そうさなぁ……人探しなら、ドワーフの城に行った方がええかもな」

村人「ドワーフの城は、あっちの方向にあるが……」スッ

やよい「わかりました!どうもありがとうございましたっ!」


タタタタ…


村人「『海』が邪魔で、幻獣様でもねえと、通れねえ……」

村人「……って、行っちまっただか」

村人「……ま、あのお嬢ちゃんも、諦めて戻って来るべ」


378 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/10/31(金) 22:01:17.04 ID:NusP9i4yO
トメラの村付近の海岸

ボコッ…グツグツ…


やよい「……」

やよい(この海、すっごく熱いです……!)

やよい(これじゃ、泳いで行けないですねー)

やよい(イカダでも作って……)

やよい(でも、しずんだら大変なことになりそうだし……)

やよい(こんな、お風呂みたいに熱い海に入ったら、ゆであがっちゃう)

やよい(どうしようかな……?)

やよい「えーっと、うーんと……」




やよい「…………あっ!」ティン!



やよい「これは……しばさんにお願いすればいい気がしますねー」

やよい「しばさん……お願いしますっ!」グッ


……ポゥ


コォォォ…


シヴァ「……ヤヨイさん、さっそく呼んでくれたのね?」

やよい「しばさん!」

やよい「あの、わたしあっちに行きたいんですけど……」スッ

やよい「この海、ちょっと渡れそうもないかなーって」

シヴァ「……この溶岩をどうにかすればいいのね?わかったわ」

やよい「お願いしますっ!」

シヴァ「……」コォォ


やよい「はわわっ!なんだか、急にさむくなりました……」


シヴァ「……絶対零度」バッ


コォォォォ……シャキーン!


やよい「!」

やよい「海に、氷の道が……!」

シヴァ「これくらい、お安い御用よ」

シヴァ「また、何かあったら呼んでちょうだい」


スゥゥ…


やよい「しばさん、どうもありがとうございましたっ!」ペコリ



379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/01(土) 02:24:25.16 ID:3jZ+Bh2to
これは無敵だわ

ラリホーが挨拶じゃなかったけ?
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/01(土) 02:48:11.54 ID:atwLQjYDO
白い髪飾り 赤い腕輪 青いネックレス 黄色のイヤリングと来たからてっきり次は黒ちゃんから真っ黒な王冠とか木星から緑色のブローチみたいなのを手にいれるかと期待したのに残念
多少丸くなってもやっぱ黒ちゃんは黒ちゃんか…
381 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/02(日) 12:24:09.54 ID:iISVhrzfO
アガルトの村

春香「こ、ここが……あ、アダルトの村……?」ドキドキ

真「見た感じは、普通ののどかな村っぽいけどね」

響「ど、どこらへんがアダルトなんだ……?」ドキドキ

千早「春香、この村は、徹底的に調べた方が良さそうよ」

春香「あ、あはは……千早ちゃん、やる気満々だね……」

美希「んー……」キョロキョロ

春香「……美希、どうしたの?」

美希「なんだかおかしいの」

真「何が?」

美希「だって、あだるとの村って割には、子供だっているよ?」

美希「ミキ、てっきり大人しかいない村だと思ってたの」

千早「……確かに」

千早「子供に見せるような行為じゃないわね」

春香「ち、千早ちゃん、発言がダイレクト過ぎるよ!」

千早「もしかしたら、夜になると行われているのかもしれないわ」

千早「これは、早急に……」



少年「……あれ?おねえちゃんたち、たびのひと?」

春香「あ、こんにちは!」ニコッ

春香「うん。私達、旅をしてるんだけど……」

少年「へー、そうなんだ!」

少年「じゃあ、あらためて……」

少年「どわーふのちをひくもののむら、アガルトへようこそ!」



5人「え?」


382 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/02(日) 12:28:21.69 ID:iISVhrzfO

千早「ねえ、ぼく。ちょっと聞きたいんだけど……」

少年「なあに?」

千早「この村の名前は?」

少年「いまいったでしょ?アガルトだよ」

千早「アダルトじゃなくて?」

少年「うん!アダルトじゃなくて、アガルトだよ!」

真「ちょ、千早!子供に何言わせてんのさ!」

千早「ご、ごめんなさい。つい……」

真「春香、どういう事?」

春香「わ、私にもわからないよ。亜美と真美の話では、アダルトの村って……」

春香「……あ」

真「亜美と真美に……」

響「ハメられたんだな……」

千早「…………」ションボリ

美希「……千早さんは、ガッカリしすぎだって思うな」



響「それより、気になる単語が出てきたぞ?」

春香「気になる単語?」

響「なあ少年ー、この村の人達は、ドワーフの子孫なんだな?」

少年「うん、そーだよ!でも、どわーふってなんだろ?」

春香「うん、私も気になる。響ちゃん、ドワーフって何?」

響「ふふん!完璧な自分が、みんなに教えてあげるぞ!」



383 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/02(日) 12:34:16.06 ID:iISVhrzfO

響「ドワーフっていうのは妖精の一種で、ファンタジーものの映画や小説とかに出てくる事が多いんだぞ!」

響「人間よりちょっと背が低いけど、がっしりしてて力持ちで、鍛治や工芸とか、金属の加工が得意なんだ!」

春香「へぇ……響ちゃん、詳しいんだねぇ……」

真「なんか、すごいね……」

千早「ええ。我那覇さん、生き生きしてるわ」

美希「……あふぅ」

響「大切なのはここからだぞ!」

響「作品によってドワーフの細かい設定はまちまちだけど……」

響「『ドワーフは地底もしくは地中に住んでいる』っていう設定が結構多いんだぞ!」

春香「え、じゃあ……!」

真「この世界でも、ドワーフが地底に住んでいる可能性が高いって事?」

千早「それなら、ドワーフの子孫だっていうこの村の誰かが、地底への行き方を知っているかもしれないわね」

響「その通りだぞ!」

春香「なるほど……」

美希「……」ウトウト



少年「……ねえ、おねえちゃんたちは、ちていにいきたいの?」

春香「うん、そうなんだ」

少年「だったら、うちのばっちゃがいきかたをしってるかもね」

少年「よかったら、うちにくる?」

春香「え?いいの?」

少年「うん!おねえちゃんたち、なんだかおもしろいし!」

春香「ありがとう!」


384 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/02(日) 15:27:32.16 ID:iISVhrzfO
バブイルの塔 B4F

ドガッ!


伊織「きゃっ……!」


クルンッ……スタッ!


伊織「い、いったい何なのよ!」

伊織「なんで、あんた達がいるの!?」


エブラーナ王「ワガムスメムスメイオリイオリイオリ……」

エブラーナ王妃「ワタシノカワイイイイイイイイオリ……」


伊織「通じてないか……」

伊織(この2人は、死んだはず……)

伊織(まさか、生きて……って、そんなわけないわよね)

伊織(完璧にイッちゃってるわ。何をしたらあんな風になるっていうのよ!)

伊織(しかも……)


エブラーナ王「オオオオオオ!」ブンッ


伊織「ひっ……!」ヒョイッ

伊織「……私を襲って来るし!」



「ひょひょひょ……!」



伊織「だ、誰っ!?」

ルゲイエ「ようこそ、バブイルの塔へ」

ルゲイエ「敗戦国エブラーナの王女、イオリよ」

伊織「あんたは確か……」

伊織「バルナバを造った、センスの無いジジイ!」

ルゲイエ「むかーっ!だーれがセンスの無いジジイじゃっ!」

ルゲイエ「わしは、このバブイルの塔の最高責任者であり、天才科学者の……ルゲイエ様じゃ!」

伊織「最高責任者?あんたが?」

伊織(こんなジジイが、赤い悪魔より強いとは思えないけど……)

ルゲイエ「そうだと言うておろう!?理解力の無い小娘が!」

ルゲイエ「そりゃエブラーナも滅ぶってもんじゃ!こーんなじゃじゃ馬が王女なんじゃからな!」

伊織「ふん!口の減らないジジイね!ギャーギャーうるさいのよっ!」

伊織「弱い犬ほどよく吠えるって言うけど、あんたがまさにそれね!」

伊織「あ、それともあれかしら?年をとると幼児化するらしいけど」

伊織「早く帰って、ママのミルクをもらった方がいいんじゃないのっ!?」

ルゲイエ「むきー!なんと口の悪い小娘じゃ!親の顔が見てみたいわっ!」

ルゲイエ「……おや?」チラ


385 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/02(日) 15:33:43.32 ID:iISVhrzfO

ルゲイエ「そういえば、そこの2人が、お前の親だったよなあ?」ニヤリ

エブラーナ王「……」

エブラーナ王妃「……」

伊織「く……!」

伊織(王と王妃が『こう』なったのは、あのジジイの仕業ってわけね……!)

ルゲイエ「……さあ、親子で殺し合うがいい!」

ルゲイエ「わしは、その様をここで見させてもらうとするかのう?」

ルゲイエ「ひょひょひょ……!」




伊織「……最っ低のジジイね!」

伊織(別に、実の親ってわけじゃないけど……)

伊織(とにかく今は、王と王妃をどうにかしなきゃ……!)


伊織「ちょっとあんた達!正気に戻りなさいよっ!」ビシッ

伊織「まさか、この伊織ちゃんを忘れたわけじゃないでしょうねっ!?」


エブラーナ王「……」

エブラーナ王妃「……」


エブラーナ王妃「アアアアアア!」ブンッ


ドガッ!


伊織「うっ!」ヨロッ


エブラーナ王「オオオオオ!」ブンッ


ドゴッ!


伊織「ぐ……ぁ……!」

伊織(ダメみたいね……)

伊織(こうなったら、力ずくで……!)



ルゲイエ「ひょひょひょ……!」


386 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/02(日) 15:36:44.91 ID:iISVhrzfO

ルゲイエ「ホレ、反撃せんと死んでしまうぞ?王女」

ルゲイエ「自分の命が惜しかろう?ならば剣を取り、親に向けるんじゃ!」

ルゲイエ「ぐふふ……!」



伊織「……カッチーン!」

伊織「この、スーパー忍者アイドル伊織ちゃんをなめるんじゃないわよ……!」

伊織「意地でもあんたの言う通りになんかならないわ!」

伊織「絶対に攻撃しないんだからっ!」

ルゲイエ「ひょー!なんと美しい親子愛じゃ!」

ルゲイエ「いいぞぉ!肉片になってまでそれを貫き通せるなら、お前をわしの玩具にしてやるぞ……!」

伊織「ちっ!……見てなさいよ!」チラ


エブラーナ王「オオオオオ!」

エブラーナ王妃「アアアアア!」


伊織「こら!あんた達っ!」

伊織「さっさと正気に戻らないと……」



エブラーナ王(………イオリよ)



伊織「え……?」

伊織(な、何?今、頭の中に声が……)


エブラーナ王妃(私達の話を聞いてちょうだい……)


伊織「あ、あんた達……」


エブラーナ王(私達は、もうこの世にいていい存在ではないのだ……)

エブラーナ王妃(あなたには、何もしてあげられませんでした……)


伊織「……」


387 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/02(日) 15:41:50.70 ID:iISVhrzfO

エブラーナ王(このままでは、私達はお前を手にかけてしまうだろう……)

エブラーナ王妃(そうなる前に、どうかあなたの手で私達を……!)

伊織「……」



ルゲイエ「……なんじゃ?なぜ動かん?」

ルゲイエ「おい、お前達、さっさと殺し合いを」

伊織「黙ってなさいよ!くそジジイっ!!」

ルゲイエ「ぐ……!」

ルゲイエ「こんの小娘が……!」


伊織「あのね……」

伊織「情けない事言ってんじゃないわよっ!」

伊織「あんた達、それでも一国の長なの?」

伊織「もし、あんた達が本当に王と王妃なら……」

伊織「私の……親だって言うなら……!」



伊織「自分の事ぐらい、自分でケジメつけなさいっ!」

伊織「そのくらいの根性、見せてみなさいよ!」


エブラーナ王「……」

エブラーナ王妃「……」

エブラーナ王「オオオオオオ!」ダッ

エブラーナ王妃「アアアアアア!」ダッ



伊織「む、無理だって言うの……!?」

伊織(私は、こんなところでやられるわけにはいかないのに……!)

伊織(こうなったら、攻撃を全て受けきってやるわ!)

伊織「か、かかって来なさい!」バッ


ズシャッ!


388 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/02(日) 15:46:22.83 ID:iISVhrzfO

伊織「………え?」

ルゲイエ「な、なんじゃ!?」


ドサッ!


エブラーナ王「」

エブラーナ王妃「」



ルゲイエ「自滅しおっただと!?」

ルゲイエ「ちっ!つまらん……!」



伊織「……」

伊織「なによ……」

伊織「やれば、できるじゃない……」

伊織「……」グッ



ルゲイエ「あー興醒めじゃ!まったく!……この、失敗作めがっ!」ゲシッゲシッ


伊織「……!」

伊織「…………ちょっとあんた!」


ルゲイエ「……あん?もうお前には用はない!さっさと帰れ!」

ルゲイエ「わしゃ機嫌が悪いんじゃ!このっ、このっ……!」ゲシッゲシッ


伊織「あら、奇遇ね……」

伊織「私も今、すっごく機嫌が悪いのよ……!」ゴゴゴゴ…



伊織「今すぐ……その汚い足を退けなさい?」

伊織「そうしたら、半殺しで許してあげるわ」


389 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/02(日) 15:49:42.97 ID:iISVhrzfO

ルゲイエ「こんなガラクタになっても、やはり親が恋しいか?ひょひょひょ、泣かせるのう!」ゲシッゲシッ

伊織「もう一度だけ言うわ」

伊織「その、腐った足を今すぐ退けなさい」


ルゲイエ「ふん!お前ごときが強がっても、恐かないわい!」ゲシッゲシッ


伊織「……そう」

伊織「なら、仕方ないわね……」


スタスタ…


ルゲイエ「な、なんじゃ、やるのか?」

ルゲイエ「お前のような小娘に」


ヒュンッ…ドゴッ!


ルゲイエ「がはぁ……!」

ルゲイエ「な、何……!?」ヨロッ


伊織「……さあ、お仕置きよ!」


ドゴッ!ドガッ!バキッ!


ルゲイエ「ゴフ……!」

ルゲイエ「く、くそ……!」

ルゲイエ「ふ、ふふふ……!」

ルゲイエ「今日のところは見逃してやろう!」

ルゲイエ「……さらばじゃっ!」


タタタタ…


伊織「あっ……ちょっと待ちなさいよ!」



「………こんなところで、何をしている?ルゲイエ……」ガシッ

ルゲイエ「ひっ……!あ、あなたは……!?」



伊織「あ……!」


390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/02(日) 18:34:31.30 ID:MxNOAtlDO
いおりんに罵倒されるとか羨まsゲフンゲフン
391 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 00:05:48.22 ID:Vy5Lru9jO
アガルトの村 老婆の家

少年「ばっちゃ!お客さんだよっ!」


5人「お邪魔しまーす!」


老婆「……」クルッ

老婆「お客さんとは珍しい……」

老婆「何もないところだが、ゆっくりしていきな」

少年「ばっちゃ、このおねーちゃんたち、ちていにいきたいんだって!」

老婆「何……?」

老婆「ふうむ……」ジロジロ

春香「あ、あの……」

千早「……何か知っている事があったら、教えていただけませんか?」

老婆「……」

真「お願いします!」

老婆「……そうだね」



老婆「だったら少し、力試しをさせてもらおうか」



春香「力試し……ですか?」

老婆「そうだ。あたしの眼鏡に適うようなら、地底への行き方をあんた達に教えてやるよ」

老婆「……ただし」

老婆「あんた達のうち、一人でも力が足りないとあたしが判断したら、何も教える事はないね」

春香「そ、そんな……」

千早「春香、私達も結構強くなったわ」

千早「この話、受けてもいいと思うけど」

春香「……わかった。千早ちゃんがそう言うなら……」

春香「おばあさん、よろしくおねがいします!」

老婆「……そうこなくちゃね」ニヤリ



老婆「じゃあまずは……」

老婆「あんた」スッ

響「自分か?」

老婆「あんた、この子と腕相撲をしてもらう」

少年「よろしくね!おねーちゃん!」

響「え?こんな子供と……?」


392 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 00:14:35.36 ID:Vy5Lru9jO

少年「おねえちゃん、ぜんりょくできてね!」ガシッ

響「いやー、さすがに子供相手じゃ本気なんか出せないぞ」グッ

響(……ん?この少年、結構握力あるみたいだな)



老婆「……準備はいいかい?」

少年「うん!」

響「いつでもいいぞ!」

春香「響ちゃん、手加減してあげなよ?」

真「…………いや」

真「あの子の言う通り、全力で行くべきだね」

千早「……あんな子供相手に?」

真「あの子はまだ子供だけど、多分相当強いと思う。ボクでもちょっと苦戦するかも……」

春香「ええっ?そんなに……?」

美希「……zzz」


老婆「それでは…………始め!」


響「ほっ!」グッ

響「ん、あれ……?」ググッ

響「ビクともしない……?」

少年「あははっ!じゃあ、ぼくもちからをいれるね?」グィン

響「わああっ!」グッ

響「な、なんだこの少年……!まるで真と腕相撲してるみたいだぞ!」

少年「このままだと、ぼくのかちだね!」グッ

響「く、くそー……!」グッ


春香「こ、このままじゃ、響ちゃんが負けちゃうよ……!」

千早「ちょっとズルいけど、美希の魔法でどうにかならないかしら?」

春香「美希なら、寝ちゃったみたい……」

真「……」

真「……ここは、師匠であるボクに任せてもらえるかな?」

春香「何をする気……?」


393 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 00:21:08.15 ID:Vy5Lru9jO

真「響!」

真「あの地獄の修行を思い出すんだ!」

真「あの修行を耐えた響なら、きっとその子に勝てる!」



響「真……!」

響(確かに、あの修行は……)

響(うう……思い出したら寒気がしてきたぞ)

響(あの地獄の修行に比べだら……)

響「こんなの……っ!」グッ

少年「わっ!」


響「なんくる……」

響「……ないさー!」グイッ


ドンッ!


少年「……」

少年「……あはは、まけちゃった」

少年「おねえちゃん、つよいんだね!」

響「いやー、お前も充分強いと思うぞ?」

春香「響ちゃん、やったね!」

千早「真、地獄の修行って?」

真「ああ、前に……響に、ボクの修行に付き合ってもらった事があってさ」

千早「……なるほど」

千早(それにしてもあのおばあさん、私達全員に腕相撲をさせるつもりかしら?)


老婆「ほう……やるじゃないか」

老婆(まさかドワーフの子孫であるあの子を打ち負かすとはね……)


老婆「じゃあ、次は……」

老婆「うん、あんたにしよう」

真「ボクですか?」

老婆「そうだ。あんたは……あたしが相手をしよう」

真「えっ、おばあさんが?」

春香「ひょっとして、おばあさんも腕相撲強いのかなぁ……?」

千早「もしそうだとしても、真が腕相撲で負けるとは思えないけど……」

美希「……zzz」


394 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 01:09:58.83 ID:Vy5Lru9jO

真「あのー、失礼ですけど、腕相撲ならボク、あなたに負ける気はしないですよ?」

老婆「うん。そうだろうねぇ」

老婆「あたしもさすがに、あんたにゃ勝てる気がしない」

老婆「だから、この村をどっちが早く一周できるか、にしようか」

真「駆けっこですか……。いいですよ、やりましょう!」

春香「真は足速いもんね。これはもらったも同然……」

千早「そうだといいけど……」

響「自分、駆けっこの方がよかったぞ!」

千早(確かに、我那覇さんは腕相撲より駆けっこの方が向いてるわね)

千早(何か、引っかかる……)

老婆「……ただし、ルールは『何でもアリ』だ」

真「何でも?」

老婆「ああ。『どんな手段を使っても構わない』」

老婆「なんなら、あたしを殺したっていい。そうすればあんたの勝利は確定だ」

真「い、いや、そんな事はしませんよ……」

真(ま、技を使うまでもないと思うけど)

真(このおばあさんが何をするか、気をつけなくちゃね)

少年「おねえちゃん。ばっちゃはつよいから、がんばってね!」

真「強い?速いじゃなくて?」

少年「うん、つよいんだよ!」



老婆「それじゃ、村の入口に移動しようか」


395 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 01:12:57.33 ID:Vy5Lru9jO
アガルトの村 入口

老婆「村の外周を回って、ここに速く着いた方が勝ちだ」

老婆「そして、さっきも言った通り、相手を邪魔しようが自分を強化しようが、何でもアリだ」

真「わかりました!」グッ


春香「真、がんばってね!」

響「いつもの力を出せば勝てるぞ!」

千早「……」

美希「……zzz」


老婆「じゃあ坊や、頼むよ」

少年「うん!」

少年「いちについて……」

少年「よーい……どんっ!」



老婆「……ストップ」バッ


ピキーン!


真「え?」ピタッ


春香「え?」

響「ま、真が……止まっちゃったぞ!」

千早「……なるほど」


真「く、くそ!身体が動かない……!」

老婆「あんた、確かに足は速そうだが……」

老婆「魔法には弱いみたいだねぇ」

老婆「残念だったね。あたしはゆっくりと行かせてもらうとするよ」


スタスタ…


春香「まさか、魔法を使って来るなんて……!」

響「あんなの卑怯だぞー!」

千早「いえ、何でもアリっていうルールだから、卑怯でもなんでもないと思うわ」

千早(それにしても……)

千早(我那覇さんの時といい、的確にこちらの弱いところを突いてきている気がするわ)

千早(これは、偶然……?)



396 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 01:17:52.34 ID:Vy5Lru9jO

真「ぐ……ぐぬぬ……!」グッ


春香「ど、どうしよう……!おばあさん、もうあんなところまで進んじゃってるよぉ……!」

響「み、美希〜!真を治してくれ〜!」ユサユサ

美希「……zzz」

千早「……」

千早(まずいわね……)

千早(どうにかして、魔法を解かなければ……)


真「くそぉ……!」ググッ


響「あああ……!真が、女の子がしちゃいけない表情になってるぞ……!」

千早(女の子……)

千早(魔法……)

千早(……)

千早(……何もしないよりはマシなはず)



千早「……真!」

真「?」

千早「あなたは……お姫様よ!」

春香「ち、千早ちゃん……?」

響「きゅ、急に何言い出すんだ千早ー?」


真「ボクが……お姫様……?」


397 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 01:21:37.55 ID:Vy5Lru9jO

千早「そう。あなたは、悪い魔女に魔法をかけられた、可哀想なお姫様……」


真「魔法をかけられた、お姫様……」


春香「うーん、言ってる事は合ってるような、合ってないような……」

響「あのばあちゃん、悪い魔女だったのか?」

春香「響ちゃん……例え話だと思うよ?」


千早「魔法を解いてくれる王子様は、ここにはいない」


真「……」


春香「あー、どっちかっていうと、真自身が王子様って感じだもんねぇ……」

千早「春香、ちょっと黙っててくれるかしら?」

春香「ご、ごめん」


千早「あなたは、自力で魔法を解くしかない」

千早「早く魔法を解いて、王子様の元へ向かわなければ……」


千早「舞踏会は、始まってしまうわ」


真「!」

真「そ、それは困るよ!」


響「真……もうその気になっちゃってるぞ」

春香「真も女の子だからねぇ……」


千早「だったら、魔法に打ち勝つのよ!大丈夫、真ならできるわ!」

千早(たぶん……)


真「魔法に、打ち勝つ……」


398 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 01:24:56.94 ID:Vy5Lru9jO

真「ボクは、お姫様……」

真「よぉぉしっ!」グッ



真「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ゴゴゴゴ…

バリッ…


響「あんな風に雄叫び上げるお姫様なんて、絶対いないと思うぞ……」

春香「でも……なんか、いけそうかも……」


真「ボクは………お姫様だーーーっ!」

バリバリッ…



真「まっこまっこりーーーーーーーーーん!!」

バリバリッ…

バシュン!


真「……」グイッ

真「……よしっ!身体が動く!」

真「待っててね!王子様!」


ダダダダ…


千早「……どうにかなったみたいね」

少年「へー!ばっちゃのまほうをうちやぶるなんて、すごいや!」

響「あんな事言ってどうにかなるって思った千早もすごいけど……」

響「それでホントにどうにかしちゃう真もすごいな……」

春香「なんだか、真がいろんな意味で遠くへ行っちゃった気がするよ……」


399 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 01:28:56.12 ID:Vy5Lru9jO


ダダダダ…


真「ゴーーール!」


春香「真、やったぁ!」

響「さすが真だぞー!」

千早「……これで、あと3人」


スタスタ…


老婆「まさか、魔法をどうにかしちまうとはねぇ」


真「へへ、やーりぃ!」

老婆「こりゃ、あたしの目も曇ったかもね」

千早「え……?」

老婆「……さて、続けるよ」

老婆「次は……」

老婆「……そこの金髪の娘」スッ

美希「……zzz」

老婆「……」

春香「ちょっと美希、おばあさんが呼んでるよ!」ユサユサ

美希「……zzz」

真「無理だよ春香。自分で起きるのを待つしか……」

響「魔法で起こすにしても、『エスナ』を使えるのは美希だけだしなー」

老婆「……エスナ」


シャララーン!キラキラ…


美希「ん……?」ムクッ

美希「んー、この感覚、久しぶりなの」

美希「……あふぅ」

春香「おばあさん、エスナも使えるんですね」

老婆「ま、これでも昔は……」

老婆「……って、あたしの事はどうでもいい」

老婆「みんな、あたしに付いておいで」


スタスタ…


400 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 01:32:22.37 ID:Vy5Lru9jO
アガルトの村 老婆の家の庭

老婆「金髪の娘、あんたには……」

老婆「このリンゴを、弓で射抜いてもらおうか」スッ

美希「?」

美希「なんでミキがそんな事しなくちゃいけないの?」

春香「あのね美希、実は……」



美希「ふーん……」

美希「なんだかめんどくさい事になってるんだね」

老婆「ふ、正直な娘だね」

春香「あ、あの、すみません!」ペコリ

老婆「いいさ。あたしゃ、こういう自分の意見をはっきり言える子は好きだよ」

美希「ミキ、そういう趣味はないの」

春香「み、美希!」

老婆「はははっ!面白い娘だねぇ。ますます気にいったよ」

老婆「じゃあ、あんたの試験はちょっと難易度を上げようか」

老婆「あんた、ちょっとそこの木の下に立ってくれるかい?」

春香「私?……わかりました」


スタスタ…


老婆「この子の頭の上に、リンゴを乗っけて……」スッ

老婆「よし、準備は完了だよ」

老婆「さあ、その弓で、このリンゴを射抜くんだ」

春香「えっ?えっ?……ええっ!?」

真「は、春香の頭の上のリンゴを……?」

響「ね、ねえ千早、これって……」

千早「ええ、まるでウィリアム・テルね」

千早(これにも、きっと何か意味はあるはず……)



401 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 01:37:37.16 ID:Vy5Lru9jO

美希「……」

美希「……」スッ

真「美希、ちなみに、弓道の経験は?」

美希「まったくないの」

真「はは……だよね」

美希「……」グイッ

美希「ふーん……」

美希「ねえおばあちゃん、ちょっと練習してもいい?」

老婆「……構わないが、本番は1回きりだからね?」

美希「わかったの」



美希「……」ググッ


ヒュンッ…タンッ!


響「……真っ直ぐ飛んでるっぽいぞ。美希、いけるんじゃないか?」

美希「んーん、全然ダメなの。狙ったところに飛んでいかないの」

千早(弓道の事はよく知らないけれど、初心者が矢を飛ばせるだけでもすごい事なんじゃないかしら?)

千早(……でも、それだけじゃダメなのよね)チラ


春香「うぅ……」


千早(春香の頭の上にある、リンゴという小さな的に当てなければ……)

千早(相当な集中力が必要になるわね)

千早(ん?そうか……)

千早(普段の美希は、集中力のかけらもないほどダラけ……いえ、リラックスしている)

千早(確かに、美希の弱点と言えるかもしれない)

千早(でも……)



402 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/03(月) 16:15:23.49 ID:Vy5Lru9jO


美希「……」グイッ


ヒュンッ…タンッ!


美希「んー……うまくいかないの」

響「そうなのか?ちゃんと飛んでるように見えるんだけどな?」

美希「飛ぶのは飛ぶけど……まだ精度が足りないって思うな」

美希「これじゃ、春香に当たっちゃうかも……」

春香「み、美希、信じてるからね……?」

老婆(そう。そこがポイントだ)

老婆(『仲間を怪我させてしまうかもしれない』というプレッシャーに、はたして耐えられるかねぇ……)



春香「……あっ!」ティン!

春香「そうだ……!」

春香(心情的には、かなり複雑なんだけど……)

春香(『こう』言えば、美希なら必ずやってくれるはず……)



春香「ねえ、美希!」

美希「ん?どうしたの、春香」

春香「あのね……」

春香「このリンゴを……」



春香「……プロデューサーさんのハートだと思って、やってみて?」



美希「!!」



403 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 16:30:47.44 ID:Vy5Lru9jO

美希「……」ゴゴゴゴ…



老婆「うん……?」

老婆「雰囲気が……」



真「春香……すごい事言い出すなぁ」

千早「でも、美希を焚きつける方法としては……最適だと思うわ」



美希「まさか、春香がそんな事言うとは思わなかったの……」

春香「うん。今は、言ってる場合じゃないかなって……」

美希「一応聞くけど、諦める気になったわけじゃ、ないんだよね?」

春香「あ……うん」

美希「……」

美希「いーよ、騙されてあげるの」

美希「……おばあちゃん?」

美希「ミキ、ちょっとだけ本気出すから、見ててね?」

老婆「ああ……」

老婆(あの娘……急に人が変わったような気がするねぇ)



美希「……」ギュッ…

美希「……」ギリッ




美希(ハニーのハートは……)

美希(ミキが絶対に……射止めるの!)


ヒュンッ…


タンッ!


老婆「……!」


404 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 16:34:22.83 ID:Vy5Lru9jO


春香「……」


美希「……」


春香「………はぁぁぁぁ」


…コトン


春香「美希……ありがと。助かったよ……」

美希「んー、お礼なら、ハニーに言うの」


スタスタ…


春香「そういうもんかな?」

美希「うん。そういうもんなの」シャリッ

美希「ん、おいし」



老婆「ふふふ……やるねぇ!」

老婆「あんた、本当に初心者かい?」

美希「うん、そうだよ?」

美希「でもこれ……なんだか気に入ったの!」グイッ

美希「これで、ハニーのハートを本当に射止めちゃおっかな?」

響「いや、それは……死んじゃうぞ?」

老婆「その弓矢が気に入ったなら、あんたにやるよ」

美希「ホント?ありがとうなの!」グイッ

真「そういえば、美希の攻撃手段って無かったよね」

千早「そうね」

千早「ま、武器を手にしたところで、美希が戦ってくれるかはまた別問題だと思うけれど」

真「まあね」


老婆(ふふ、何年振りだろうね?)

老婆(他人を見て、こんなに楽しい気持ちになるのは……)


405 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 16:38:03.83 ID:Vy5Lru9jO

老婆「さあ、次は青い髪のあんただ!」

千早「……」

春香「千早ちゃん、頑張って!」

響「千早ー、しっかりなー!」

真「千早なら、安心して見ていられるね!」

美希「千早さんのお題は、何なんだろうね?」

千早「……私は、何をすれば?」

老婆「そうだねぇ……」ジーッ

千早「……」



老婆「……あんたには、あたしを笑わせてもらおうかねぇ」



千早「……………は?」

春香「ち、千早ちゃん、頑張って……?」

響「なんだか、急に試験の雰囲気が変わったような気がするぞ……」

真「千早には……ちょっと厳しいかもね」

美希「くすぐっちゃえばいいって思うな!」

老婆「うん。何かを言って笑わせてもいいし、そこの金髪娘の言う通り、物理的に笑わせてもいい」

老婆「何をしたっていい。とにかくあたしを笑わせる事だ」

老婆「ただ、あたしゃくすぐりには強い。やるだけ無駄だとは思うが」

千早「……」

千早(そう来たか……)

千早(確かにこれは、私が苦手とする事でもあるわね)

千早(……なんて自己分析してる場合じゃないわ)

千早(とにかく、おばあさんを笑わせないと……!)

千早(…………よしっ)


406 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 16:40:43.46 ID:Vy5Lru9jO

千早「……」



千早「馬は……」



老婆「……」

春香「……」ゴクリ

真「……」

響「……」

美希「……」



千早「………………ウマい」



老婆「……」

老婆「……そうか」



千早「………プッ!」

千早「くくっ……!」プルプル

春香「ち、千早ちゃん、自分だけ笑っても意味ないよぉ……!」

真「千早なりに、頑張ったと思うよ……」

響「これじゃダジャレじゃなくて、ただの報告だぞ」

美希「……千早さん、馬刺しの事を言ってるのかな?」



老婆「……それで終わりかい?」

老婆「そんなんじゃ、あたしゃ笑わないよ?」

千早「……くっ」

老婆(この娘、頭はキレるようだけど……)

老婆(自分の事には、気づけてないみたいだねぇ)


407 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 16:44:39.92 ID:Vy5Lru9jO

千早(一生懸命考えたけど、ダメみたいね……)

千早(でも、まだまだ……!)



千早「箱を、運ぶ」


老婆「……うん」


千早「アルミ缶の上に、あるミカン!」


老婆「……で?」


千早「亜美を、編みました!」


老婆「?」

真「千早、それは身内ネタ!」


千早「世界を崩したいなら、泣いた雫を活かせっ!」


老婆「……ふむ」

春香「えっ?」

真「それはただの回文だよ……」

春香「せかいをくずしたいなら……あ、ホントだ!」


千早「はぁ、はぁ……!」ヨロッ

春香「千早ちゃん……!頑張って……!」

老婆「どうした、もう終わりかい?」

千早「ま、まだよ……!まだ……終わらないわ!」ズサッ


響「千早……」


408 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 16:49:00.87 ID:Vy5Lru9jO

響「……そんな顔で言っても、誰も笑ってくれないぞ?」

千早「えっ?」

響「千早、さっきからずっと仏頂面だもん」

響「人を笑わせるには、まずは自分が笑顔にならないとな!」ニコッ

千早「……」

春香「……うん、確かに響ちゃんの言う通りだね」

響「前にも言ったけど、千早にはさ、昔より笑顔が増えたと思うんだ」

響「可愛い笑顔なんだから、もっともっと笑わないとな!」

美希「響も、たまにはいい事言うの!」

響「み、美希ー!『たまに』は余計だぞー!」

千早「我那覇さん……」

老婆(ほう……よく仲間の事を見ているね)

老婆(まあ、それとあたしが笑うかどうかは、まったく別問題だが)



千早「……」

千早「そうね……」ニコッ

老婆「……」

老婆(ふうん、なかなかいい顔をするじゃないか)

千早「おばあさん、次で、最後です」

老婆「そうかい……」

千早「私の、全力を出します!」

老婆「受けて立とう」

春香「千早ちゃん……!」


千早「スゥー……」

千早「はぁー……」

千早「……よし!」


409 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 16:52:57.12 ID:Vy5Lru9jO

千早「行きます!」



千早「『鎖骨』と掛けまして……」


春香(ま、まさかの謎かけ……?)


千早「『ボーナス』と解きます」


老婆「ふむ………その心は?」




千早「…………どちらも、おれやすい」ニコッ



老婆「……!」


春香「プッ!くっくっ……!」

真「すごい……!これ、普通に面白いよ!」

響「千早、さすがだぞ!」

美希「んー、よくわからないの」



老婆「……」

老婆「………………ふ」

老婆「ふふふ……あっはっは!」


千早「!」

春香「千早ちゃんっ!」

老婆「いやぁ……やるねぇ。うん、こりゃあ愉快だ!」

千早「や、やったわ……!」

老婆「最初は、本当に笑わせる気があるのかと思ったが……頑張ったね」

老婆「人を笑わせるには、まず自分から、か」

老婆「そこのポニーテールの娘に感謝するんだね」

千早「我那覇さん、ありがとう!」

響「ふふん!自分、完璧だからなっ!」


410 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 16:57:25.96 ID:Vy5Lru9jO

老婆「さあ……最後はあんただ」

春香「はい……!」

千早「春香、頑張って!」

真「最後はどんな試験なんだろうね?」

老婆「……」

老婆「あんたは、どうやらリーダーみたいだねぇ」

老婆「ちょっと待っててくれるかい」クルッ


スタスタ…


春香「……」

千早(ここまでは、それぞれが苦手とする分野の試験だった)

千早(なら、春香の苦手な事が出てくる可能性が高いわ)

千早(春香の苦手な事……)

千早(……転んだらダメ、とか?)

千早(……まさかね)


スタスタ…


老婆「待たせたね」コトッ


春香「?」

春香「あの……その石は?」

老婆「これは、『マグマの石』と言ってな……」

老婆「地底世界へ行くために必要なものだよ」

春香「そうなんですか!」

響「おっ!やっと本題かー」

老婆「単純な話だよ」

老婆「簡単な『6拓問題』だ」

老婆「いや、考えようによっては、3拓か……?」

千早「……?」

春香「は、はい!頑張りますっ!」


411 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 20:18:35.41 ID:Vy5Lru9jO

老婆「あんたに、この石をやろう」

春香「え?いいんですか……?」

老婆「ただし……」



老婆「あたしを含めたこの6人の中の、『誰か1人の命』と引き換えにな」



春香「え……!?」

春香「ど、どういう……!?」

千早「……!」



老婆「……わかりにくかったかね」

老婆「じゃあ、こう言い換えようか」

老婆「あんたは、あたしを殺すか、仲間の誰かを殺すか、それとも、自ら命を絶つかすれば、この石が手に入る」

老婆「地底へ行く事ができるってわけだ」

老婆「簡単な事だろ?」

老婆「……まあ、あんたが自分の命を絶った場合は……あんたは地底へは行けないわけだが」

春香「そ、そんな……!」

老婆「さあ、あたしが納得する答えを出してくれ」

真「なんで、こんな……!」

響「こ、こんなの、ひどすぎるぞ!」

美希「……」

千早(リーダーとしての、判断力……)

千早(それを問おうというの……?)


老婆(……さて、どうするのかねぇ?)



412 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 20:20:38.73 ID:Vy5Lru9jO


春香「……」

春香(ど、どうしよう……)

春香(みんなを殺すなんて、できるわけないよ……!)

春香(おばあさんだって……)

春香(かと言って私だって、こんなところで自殺なんてしたくないし……)

春香(でも、それじゃあ地底へ行けない……)

春香(いったい、どうしたら……?)



老婆「何も悩む事ないと思うんだけどね」

老婆「あんた達には何の関係もないあたしを殺せば、それで終わりさね」

老婆「あたしがあんただったら、迷わずそうしてるけどねぇ?」

春香「そ、そんな事……!」

春香(できるわけ、ないよ……!)


春香(私、リーダーなのに……)

春香(私が決めなきゃ、いけないのに……)

春香(みんなに迷惑かけるわけには、いかないのに……)

春香(こんなところで止まってるわけには、いかないのに……!)

春香(答えが……出せないよ……)



美希「……」


413 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 20:22:48.04 ID:Vy5Lru9jO

美希「……春香」

美希「春香は、ミキ達のリーダーだよ?」

春香「美希……」

美希「リーダーの決定は、絶対なの!」

春香「で、でも……!」

美希「……みんな、認めてるんだよ?春香の事」

美希「春香はいつだって、みんなの事をちゃーんと考えてくれてるの」

美希「そんなリーダーが出した答えなら……」



美希「みんな、ちゃんと納得するって思うな!」



春香「美希……」

真「春香、信じてるよ!」

響「自分も、信じてるからな!」

千早「春香……あなたが答えを出すの」

千早「それが正しいかどうかなんて、大した事じゃないわ」

春香「みんな……!」

春香「……」



老婆(ふふ……やはり、この娘達を見ていると、思い出すねぇ)

老婆(仲間はいいもんだ、なんて考えてた、甘っちょろい自分を……)


414 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 20:25:29.51 ID:Vy5Lru9jO

春香「……おばあちゃん」

春香「私、決めました!」

老婆「……そうかい」

老婆「で、どうするんだい?」

春香「私は……」



春香「私には、誰も殺せません!」

春香「だから、私にはこの石を受け取る資格もありません!」



老婆「……なるほど」

春香「みんな……ごめんね」

真「なーに言ってるのさ!」

響「春香なら、絶対そう言うと思ったぞ!」

美希「でも、振り出しに戻っちゃったの」

千早「またみんなで、地底への行き方を探せばいいわ」

千早「さ、リーダー。次はどうする?」

春香「あ、えっと……」

春香「雪歩に、スコップでも借りて来ようか?なんて……」

真「いや、それは……どうかなぁ」

響「それじゃあ、地底へ行くのに何年かかるかわからないぞ!」

美希「……やっぱり、春香はリーダーとしてまだまだ未熟なの」

千早「どちらにしても、早めに行動を起こさないと……」

春香「うん、そうだね……」


老婆「……待ちな」


415 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 20:26:54.83 ID:Vy5Lru9jO


老婆「不合格、なんて、誰も言ってないよ?」

春香「え?でも……」

春香「私は、どの答えも選べませんでした」

春香「だから……」

老婆「それでいいんだよ」

老婆「『誰も殺さない』……それも立派な回答だ」

老婆「あたしは、『あたしが納得する答えを出せ』と言ったんだ」

春香「た、確かに、そうですけど……」

老婆「考えてもみなよ。もしあたしを殺してその石を手に入れても……」

老婆「あんた達、使い方わかるのかい?」

春香「それは……わからないですけど……」

千早「じゃあ……」

老婆「うん。あたしを殺しても目的が達成できないから、不合格って事だ」

響「そ、そんなひっかけ、絶対わからないぞ!」

真「でも、おばあさんが春香だったら、真っ先におばあさんを殺すって……」

老婆「ああ、だから……あたしじゃこの試験には合格できなかったって事になるね」

真「うわぁ、ひねくれてるなぁ」

老婆「それに、仲間を殺してまでこんな石コロを手に入れよう、ってやつは、あたしは好きになれないね」

春香「は、はぁ……」

老婆「何よりも1番嫌いなのは、自分を犠牲にして目的を達成しようっていうやつだね」

老婆「自分が死んじまったら何の意味もないのに、それを美学だなんだって適当な理由を付けて神格化するやつ」

千早「……もう、めちゃくちゃね」


416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/03(月) 20:33:32.48 ID:ZbxkBqc/o
幻海のババアかよ
417 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/03(月) 20:34:15.01 ID:Vy5Lru9jO


老婆「……ま、これで一応みんな合格したね」

老婆「ほら」スッ

春香「あ、はい……」スッ

老婆「その石を、この村の井戸に投げ入れてごらん?」

老婆「北の山に、地底への入口が現れるだろうからさ」

春香「ありがとうございますっ!」ペコリ


老婆「あ、あともう一つ」

老婆「そこの青い髪のあんたはわかってると思うけど……」

千早「……」

老婆「一応、あんた達の弱点を試させてもらったつもりだ」

真「あ、言われてみれば……」

老婆「まあ、毎回誰かが助言して、乗り越えたみたいだけど」

老婆「大切なのは、『それ』だよ」

千早「助け合い……ですか?」

老婆「ん……ガラにも無くしゃべり過ぎちまったね」

老婆「さ、もう用は済んだろ?あんた達はもう行きな!」

春香「あ、あれ?この流れだと、てっきり泊めてくれるものだと……」

老婆「甘えてんじゃないよ。うちはそんなに広くないんだ」

老婆「ほら、さっさと出て行きな!」シッシッ

少年「おねえちゃんたち、またきてねー!」



春香「あ、ありがとうございましたー……」



418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/03(月) 22:41:28.52 ID:Qs8WGpqDO
ゲームでは飛空挺にドリルつけて穴掘るんだっけ?
419 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/05(水) 19:35:38.88 ID:MMp0uiPWO
ただいま書き溜め中です
見てくれている方、すみません
今週末には投下します


420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/05(水) 23:56:36.83 ID:wb/m0ndS0
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/06(木) 00:00:50.56 ID:yq/mo4YeO
舞ってる
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/06(木) 00:40:05.82 ID:itazqYu5o
ヨヨイヨヨイハードッコイ
423 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/08(土) 14:27:19.49 ID:KhDrzuCtO
飛空艇

ヒュー…


春香「うぅ……」

春香「……ちょっと、夜風が寒いね」

千早「そう?私はそうでもないけど」

響「みんなで固まってるし、毛布もあるからな」

真「美希なんか、もう寝てるし」

美希「……zzz」ギュッ

春香「ふふ……弓矢抱いて寝てる」

千早「よほど気に入ったのね」



真「地底って、どんなところかなぁ?」

春香「やっぱり……真っ暗なのかな?」

響「てぃーだの光も届かないだろうしなぁ……」

千早「我那覇さん、てぃーだ……って?」

響「ああ、太陽の事さー」

千早「そうなのね……」

真「じゃあ……寒いのかなぁ?」

響「うぅ……自分、寒いのは苦手だぞ……」

春香「千早ちゃんは、鎧があるからいいね」

千早「もう慣れたけど、結構動きにくいのよ、コレ」

春香「わかるよ。私も着てたもん」

真「そういえば春香、いつの間にかイメチェンしてたよね?」


424 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/08(土) 14:30:33.65 ID:KhDrzuCtO


春香「うん。いろいろあってね」

響「あの真っ黒な鎧よりは、今のカッコの方が似合ってると思うぞ?」

春香「えへへ、ありがと」

千早「黒は……真のイメージカラーね」

真「ボクは、あんな動きにくい格好したくないけどね」

千早「でも、地底は寒いかもしれないわよ?」

真「多少は大丈夫だと思うよ。鍛えてるから」

真「みんなも鍛えればいいのに」

響「真のは……ちょっとやり過ぎだと思うぞ」

真「そうかなぁ?」

美希「……はにぃ……」ムニャ

春香「……」

春香「美希……どうして私達について来てくれたのかな?」

春香「てっきり、プロデューサーさんと一緒に行動すると思ってたんだけど……」

千早「ミキにはミキなりの想いがあるのよ、きっと」

春香「そっか……」

春香「うん、そうだね」



千早「……さ、明日は地底よ。もうそろそろ寝た方がいいわ」

真「そうだね」

響「ゆくいみそーれ」

真「ゆくいみ……?」

響「おやすみ、って事だぞ」

真「ああそっか……おやすみ」

千早「おやすみなさい」

春香「おやすみ……」


春香(みんながいれば、地底世界だって……)

春香(なんくるないさー……だよね?)



425 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 14:32:36.37 ID:KhDrzuCtO
バブイルの塔 B4F

伊織「やっと見つけたわ……赤い悪魔!」ビシッ


ルビカンテ「お前は……エブラーナの王女か」

ルビカンテ「仇討ちに来たか」


伊織「そんなんじゃないわよ!」

伊織「私になめた事してくれたお礼をしに来たのよ!」


ルビカンテ「そうか……」チラ


エブラーナ王「」

エブラーナ王妃「」


ルビカンテ「……なるほどな」

ルビカンテ「ルゲイエ。またつまらん事をしたみたいだな」

ルゲイエ「え、えっと……な、何の事やら?」

ルビカンテ「ふん」

ルビカンテ「とにかく、お前の持ち場はこのバブイルの塔の地底部分のはずだ」

ルビカンテ「さっさと戻れ」

ルゲイエ「は、はい!」


タタタタ…


ルビカンテ「……待たせたな、王女」クルッ

伊織「……」

伊織「ついに、この日が来たわ……!」

伊織「この、スーパー忍者アイドル伊織ちゃんが……」


伊織「あんたを、ケチョンケチョンにする日がね!」ビシッ



426 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 14:33:41.51 ID:KhDrzuCtO


ルビカンテ「ふ……威勢はいいようだが、それだけではオレには勝てんぞ?」

伊織「あんたこそ、私を『あの時』の私だと思ってたら、痛い目見るんだからっ!」

ルビカンテ「確かに、少しは成長したようだな」

ルビカンテ「……」

ルビカンテ「オレは全力のお前と戦いたい」

ルビカンテ「回復してやろう」バッ


シャララーン!キラキラ…


伊織「……!」

伊織「傷が、治って……!」

伊織「ちょっと、なんのつもりよ!」

ルビカンテ「言っただろう?全力のお前と戦いたいと」

伊織「ふ、ふん!調子に乗っていられるのも、今のうちよ!」


ルビカンテ「……改めて」

ルビカンテ「リツコ様の四天王が1人、火のルビカンテ……」

ルビカンテ「正々堂々、相手になろう!」

伊織「え?い、今、なんて……?」

ルビカンテ「だから、火のルビカンテ……」

伊織「その前よ、その前!」

ルビカンテ「リツコ様の四天王……?」

伊織「まさか、ここに律子がいるっていうの!?」

ルビカンテ「ああ、いるが……?」


伊織「やっと1人見つけたわっ!」

ルビカンテ「?」



427 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 14:34:35.28 ID:KhDrzuCtO


伊織「赤い悪魔!律子のところへ案内しなさい!」

ルビカンテ「……は?」

ルビカンテ「どういう事だ?お前は、リツコ様を知っているのか?」

伊織「知ってるも何も、律子は私達竜宮小町の大事なプロデューサーなんだから!」

ルビカンテ「りゅうぐう……?ぷろでゅーさー……?お前は、いったい何を言っている?」

ルビカンテ「そもそも、お前は私を倒しに来たのではないのか?」

伊織「事情が変わったの!もうあんたの事なんてどうでもいいわ!」

伊織「それよりも、今は律子よ!」

伊織「さあ、つべこべ言わず、この伊織ちゃんを律子のところへ連れて行きなさいっ!」ビシッ

ルビカンテ「……」

ルビカンテ(何だこの強引な娘は……)

ルビカンテ(しかしこの娘……リツコ様を『大事な』と言っていたな……)

ルビカンテ(……仕方ない)

ルビカンテ(後の事は、リツコ様に会わせてから考えるとするか……)


伊織「赤い悪魔ー!早くしないと置いて行くわよー!」


ルビカンテ「そっちじゃない。こっちだ」


スタスタ…


伊織「そ、それを早く言いなさいよねっ!」


タタタタ…



428 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 14:37:07.64 ID:KhDrzuCtO
バブイルの塔 B5F

律子「春香達も、地底へ来るのね……」

律子(戦いは、避けられないか)

律子(ああもう!ホントもどかしいわね)

律子(私、また小鳥さんに乗っ取られるのかしら……)


コンコンッ


律子「……ん?」

『……リツコ様、よろしいですか?リツコ様に会いたいとい』

『ちょっと律子!いるんでしょ!?開けなさい!』

『伊織ちゃんが来てあげたわよ!』

律子「えっ……!?」

律子(伊織……?)

『おい、イオリ。お前王女のクセに、礼儀を知らんのか?』

『うっさいわね!私と律子の仲なんだから、そんな事はいいのよ!』

『あと、何勝手に名前呼んでるのよ!バカッ!』

律子「クスッ……」

律子「相変わらずねえ……」

律子(伊織……!)



律子「……どうぞ!」


ガチャ…



429 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 14:38:55.14 ID:KhDrzuCtO

ルビカンテ「リツコ様、失礼しm」

伊織「どきなさい!」ドンッ

ルビカンテ「うぉっ!」ヨロッ


伊織「……律子!」ガバッ


律子「伊織……!」ダキッ


伊織「やっと……」

伊織「やっと……知ってるヤツに会えた……っ!」

律子「……」

律子(苦労したみたいね……)

伊織「……みし……ったんだからっ!」ギュッ

律子「ん?」

伊織「な、何でもないわよっ……」

律子「……会えてよかったわ、伊織」

伊織「ふ、ふん!まあ、この伊織ちゃんもあんたと……同じ、気持ち……とだけ言っておいてあげるわ!」

律子「ごめん、よく聞こえなかったわ。もう一回いい?」

伊織「き、聞こえてるくせに……!」



ルビカンテ(これは……)

ルビカンテ(どう解釈すればいいのだ?)

ルビカンテ(イオリは、リツコ様と懇意の仲、という事なのか……)

ルビカンテ(……よくわからなくなってきた)


430 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 14:40:26.12 ID:KhDrzuCtO

伊織「……ところで律子」

伊織「他の連中はどうしたの?」

律子「……」

伊織「……律子?」

律子「……伊織、よく聞いてね」

律子「私はこれから、ちょっと出かけなきゃならないの」

伊織「どこへ?じゃあ、私もついて……」

律子「ううん……あなたは、春香達を探しなさい」

伊織「春香達を……?なんであんたは別行動なのよ?」

律子「ええ、ちょっとね……」

伊織「……?」

伊織「……どうしたのよいったい?あんた、何か変よ?」

律子「大丈夫よ」

律子「……………………私は、まだ諦めたわけじゃないから」ボソボソ

伊織「え?何……?」

律子「……ルビカンテ。この塔を頼んだわよ?」

ルビカンテ「御意」


431 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 14:41:22.44 ID:KhDrzuCtO

律子「よく聞いて、伊織」

律子「春香達はそろそろ、地底世界へ来る頃だわ」

伊織「地底……?」

律子「ええ。この塔を1番下の階まで降りれば、その、地底世界に出られるわ」

律子「春香達を探して、合流してちょうだい」

伊織「……」

伊織「何だか知らないけど……」

伊織「あんたにはあんたの事情があるみたいね」

伊織「……わかったわ。律子の言う通りにしてあげる」

律子「ありがとう、伊織。ちゃんと説明できなくて、ごめんね?」

伊織「別にいいわよ」

伊織「……その代わりあんたも、その『用事』とやらが終わったら……」

伊織「必ず、無事に戻って来るのよ?」



律子「伊織……!」

律子「ええ、必ず!」



律子「じゃあ………行くわね」


スタスタ…


伊織「……」


ルビカンテ「……おい」

伊織「……何よ」

ルビカンテ「部下達には、連絡した。今回に限り、お前を襲う事はないだろう」

ルビカンテ「安心して行け」

伊織「……そ」

伊織「…………ありがと」

ルビカンテ(なんだ?さっきの威勢は、なくなったみたいだな……)

ルビカンテ(怒ったり、沈んだり……忙しいやつだ)



432 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 17:28:45.29 ID:LrG8FR1+O
書き込みして2時間は経つのに反映されない……
テストスレでは反映されたのに
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/08(土) 18:39:51.13 ID:rKelDGyDO
>ルビカンテ(……よくわからなくなってきた)

デスヨネー
434 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 21:51:27.32 ID:LrG8FR1+O
反映されたので続きから再開します
435 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/08(土) 21:53:20.17 ID:LrG8FR1+O
バブイルの塔 B6F

スタスタ…


伊織(律子……様子がおかしかったわね)

伊織(無理にでも付いて行った方がよかったかしら?)

伊織(……でも)

伊織(考えてみたら、律子が赤い悪魔を従えてるという事は……)

伊織(……)

伊織(……化け物を従えるって)

伊織(いったいどんな事情があるっていうのよ……)


魔物「ガルル!」


伊織「うるさいわね!今考え事してるの!」

伊織「ちょっと静かにしてなさいよ!」


魔物「!」ビクッ

魔物「ガル……」

タタタタ…


伊織「まったく……」


伊織(あーあ……またひとりになっちゃったわ)

伊織(……)


伊織「べ、別に、さみしくなんかないんだからねっ!?」



436 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 21:56:04.22 ID:LrG8FR1+O
ミシディアの村付近

モクモク…


貴音「……ゴホッ、ゴホッ」

貴音「……ふぅ」

貴音「これは……」キョロキョロ

貴音「果て無き空……広大な海……そして、わずかながら人の営みを感じます」

貴音「どうやら無事、地球へ到着したようですね」

貴音「ですが、ここは一体どこでしょうか?」

貴音「まずは、情報を集めねば」

貴音「……皆も、この地球のどこかにいるでしょうか?」

貴音「無事だと良いのですが……」



「な、なんじゃこれは!」

「長老、無闇に近づくと危険かもしれませんよ!」



貴音「おや……?」



437 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 21:58:37.66 ID:LrG8FR1+O


長老「これは……船か?」


貴音「あの、ご老人」


長老「ん?」

長老「む!そなたは……!」

貴音「?」

貴音「わたくしをご存知で?」

長老「ああ!そなたは、月の民クルーヤの姉、タカネじゃろう?」

貴音「はい。その通りにございます、ご老人」

貴音(この世界のわたくしには、弟がいたのですか……)

長老「しかしそなた、月にいたはずでは?」

長老「いったいどうやってここへ?」

貴音「はい。魔導船で、月よりはるばる参りました」

長老「なんとっ!」

長老「では、この地面に刺さってる船が……?」

貴音「魔導船です」

長老「やっと復活したというのに……この様な無残な姿に……」


貴音「あの、あなたはなんとお呼びすれば?」


長老「わしは、このミシディアの長老じゃ」

長老「長老とでも呼べばよい」


貴音「了解いたしました、長老殿」


「タカネ様ーー!」


438 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:00:42.41 ID:LrG8FR1+O

月の民「送っていただいて、ありがとうございましたッス!」」

貴音「……」

貴音「あなたは、いったい地球で何をするつもりです?」

長老「なんじゃこいつは?」

月の民「それは……」

月の民「ふふふ、こういう事ッスよ!」


ボンッ!


ルナザウルス「この姿では、初めましてッスね!」

貴音「なんと、面妖な……!」

長老「ま、魔物!?」

長老「タカネ、こやつはいったい……?」

ルナザウルス「自分、ルナザウルスと申しますッス!」

貴音「……」

ルナザウルス「コトリ様の命令で、この青き星を……」

ルナザウルス「めちゃくちゃにしに来たッス!」

貴音「!」

貴音「そういう事でしたか……!」グッ

貴音「わたくしは、余計なものまで連れて来てしまったようです……!」

ルナザウルス「あ、ちなみに自分だけじゃないッスよー!」

ルナザウルス「タイちゃん、ハクさん、プーちゃん!」


439 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:01:54.82 ID:LrG8FR1+O


タイダリアサン「ふー、狭かった……」ニュルニュル

プレイグ「ここが、青き星……キレイだなぁ!」フワフワ

白龍「ルナ、私達は一足先に行っていますよ?」クネクネ



ルナザウルス「了解ッス!」



貴音「やはり、あの時に感じた3つの気配は……!」チラ

貴音「この星をめちゃくちゃになど……わたくしがさせません!」

ルナザウルス「でも、魔導船はもう、使いものにならないッスよね〜?」

ルナザウルス「どうやって自分達を止める気ッスか?」

ルナザウルス「まあ、そこで指咥えて見てるといいッス!」


フワッ…


ルナザウルス「じゃあ、お世話になりましたッス!」


バサッ…バサッ…


貴音「ぐっ……!」


貴音「……後悔している暇はありません」

貴音「わたくしも、後を追わねば!」


タタタタ…


長老「あ、おい、タカネ!」


タタタタ…



440 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:03:46.66 ID:LrG8FR1+O
魔導船

貴音(魔導船よ……どうか、どうか動いてください……!)



シーーン…



長老「……動かないみたいじゃな」

貴音「ええ……」

貴音「やはり、不時着時に何処か故障してしまったのでしょうか?」

貴音「でも、わたくしは船の事などわかりませんし……」

長老「タカネよ……」

長老「本当に、この船は祈りの力で動くのか?」

貴音「はい。こちらへ来る時も、わたくしの祈りの力で……」

貴音「………はっ!」

長老「ん?どうしたんじゃ?」

貴音「大事な事を忘れていました」



貴音「わたくしは、お腹が空いているのでした……」グゥゥ



長老「……」

長老「ならば、わしの家に来るか?」

長老「丁度、晩飯にするところだったんじゃ」

貴音「良いのですか?」

長老「まあ、たくさん作ったからな」

貴音「ありがとうございます!」


441 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:05:46.78 ID:LrG8FR1+O
ミシディアの村 長老の家

貴音「ムシャムシャ……」

貴音「モグモグ……」

貴音「ズズ……」

貴音「ゴクン……」


貴音「……ふぅ」

貴音「お代わりをお願いいたします」スッ

長老「い、いや……」

黒魔導士「申し訳ないんですが、それで終わりなんです」

貴音「なんと……!」

長老「それだけ食えば充分じゃろ……」

長老「3日は持つと思ったカエル鍋が、たった1食で……」

貴音「そうですか……」シュン



長老「それよりタカネ」

長老「どうかあの魔物共を止めてくれぬか?」

貴音「はい。元は、わたくしの責任ですから……」

長老「すまんの。わしらも、何か力になれれば良いのじゃが……」

貴音「……」

貴音「……それでは、少しばかり食糧を譲っていただけませんか?」

長老「食糧?そんな事で良いのなら……」

長老「……おい、頼むぞ」

黒魔導士「わかりました」


スタスタ…


貴音「ご馳走様でした」ペコリ

貴音「さて……わたくしは、あの物の怪共を追います」ガタッ

長老「しかし、さっき魔導船は動かなかったぞ?」

貴音「(腹が満たされた)今なら、行けそうな気がします」

黒魔導士「タカネ殿、どうぞお持ちください」ドサッ

貴音「ありがとうございます」スッ

貴音「長老殿、それでは……」

長老「うむ。頼んだぞ、タカネ!」


442 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:10:43.19 ID:LrG8FR1+O
魔導船

貴音(魔導船よ……)

貴音(わたくしは、行かねばなりません)

貴音(どうか今一度……大空へ!)



……


ズズ…


ズズズズ…


ガタンッ!


ドゴオォォォォォォォン!



貴音「おっと……!」ヨロッ

貴音「……今度は祈りが通じた様ですね」ニコッ

貴音(さて、さしあたっては……)

貴音(物の怪の気配が強まっている方角へ向かいましょうか)



貴音「さあ、参りましょう!魔導船よ!」スッ



ゴオォォォォォォォォ…



443 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:14:21.95 ID:LrG8FR1+O
地底への大穴

ババババババ…


響「うわぁ……大っきい穴だなぁ……」

春香「真っ暗で、何にも見えないね……」

響「とにかく、この穴を降りて行けば、地底に着くんだな……」

真「響、ゆっくりね」

響「うん。慎重に行くさー」



響「エン太郎ー、ゆっくり降下だぞー」グイッ



ババババ…



スー…



……




……




美希「もう、上下左右真っ暗で、まったく何にも見えないの」

真「それに、すごく静かだ。飛空艇の音とボク達の声しか聞こえない」



……




……




千早「私達、無事地上に戻って来れるかしら?」

春香「ち、千早ちゃん、不吉な事言わないでよぉ……」



……




……



ドンッ!



444 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:16:50.28 ID:LrG8FR1+O


響「え、エン太郎、大丈夫かっ!?」

春香「ひ、響ちゃん、どうしたの?」

響「船の腹を、壁にぶつけたみたいだぞ」

響「穴のど真ん中を降りて行ってるはずなんだけどなぁ」

真「まあ、この穴だって、まっすぐじゃないかもしれないし、少しぐらい仕方ないんじゃないかな」

千早「致命傷ではないんでしょう?」

響「うん。傷は浅いって、エン太郎が……」

美希「あっ……」

春香「どうしたの、美希」

美希「ぶつかる……」

春香「え……?」



ドガッ!



響「うわっ……!」ヨロッ



ガガガガ…!



真「こ、この音、ヤバくない!?」



バキバキッ!



響「え、エン太郎、大丈夫か!?」



ガタンッ!グラッ…



千早「…………あ」



ヒューーーー…



5人「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ……」



445 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:25:56.61 ID:LrG8FR1+O


春香「いやぁぁぁぁぁ!」

真「うわぁぁぁぁぁ!」

美希「きゃぁぁぁぁぁ!」

美希「どっ、ドキドキが止まらないの!フリーフォールみたい!」ワクワク

千早「が、我那覇さん、飛べないのっ!?」

響「さ、さっきからやってるぞっ!」グイッ



ブワッ…


ガクンッ!



春香「うわぁっ!」ヨロッ

ドテッ!

春香「……痛たた」

千早「春香、大丈夫?」

春香「う、うん」

真「ふぅ……今のはヤバかったね」

春香「こ、恐かったぁ……!」

千早「さすがにもうダメかと思ったわ……」

美希「でも、ミキ的には、ちょっぴり楽しかったの!」

響「エン太郎、大丈夫か?」

響「……」

春香「響ちゃん、大丈夫そう?」

響「たぶん……」

美希「ねえみんな、あっちに光が見えるの!」スッ

春香「あ、ホントだ。……出口かな?」



…ドカン!ドゴォン!



真「あれ?何の音?」



…ダダダダ!ズガァン!



千早「……地響き?いえ……」

千早「何かの爆発みたい……」



446 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:34:42.86 ID:LrG8FR1+O
地底世界入口

┣¨┣¨┣¨┣¨…ドカァン!

ヒュー…ドゴォン!

ダダダダ…



春香「な、何?何が起きてるの……?」

春香「飛空艇が、1、2……たくさん飛んでる!」

響「それに、戦車みたいなのがうじゃうじゃ……」

真「ねえ、これってさ……戦争じゃない?」

響「ま、まずいぞ!ただでさえ傷付いてるのに、砲撃なんか食らったら……」

千早「!」

千早「……あれは!」

美希「どうしたの、千早さん?」

千早「あの赤い飛空艇……」スッ

千早「多分、律子が乗ってるものと同じだと思うわ」

春香「千早ちゃん、ホントに?」

千早「私も何度か乗ったから、間違いないと思う」

真「……って事は、飛空艇は小鳥さんが指揮してるのか?」

春香「じゃあ、応戦してる戦車は……」

千早「わからないけれど、恐らく地底に住む人達じゃないかしら」

響「きっと、ドワーフの人達だぞ!」

真「ドワーフの戦車の方は、押されてるみたいだね……」

美希「ん〜……なんだかめんどくさい感じになってきたの……」

千早「春香、どうする?」

春香「……」

春香(ドワーフの人達を助けたいけど……)

春香(こっちも、エン太郎君が傷付いて万全な体制じゃない)

春香(申し訳ないけど、今は一旦安全なところへ向かわなきゃ)


447 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:48:43.47 ID:LrG8FR1+O

春香「……強行突破しよう!」

真「おおっ?いつになく攻撃的だね?」

千早「中途半端に戦争に参加するよりは、そっちの方がいいかもしれないわね」



春香「響ちゃん、まだ飛べる?」

響「あ、うん。普通に飛ぶくらいならなんとか……」

春香「なるべく全速力でお願い!」

響「……やってみるぞ!」

春香「千早ちゃんと真で、こっちに来る砲撃を何とかできるかな?」

真「任せてよ!」

千早「やれるだけやってみるわ」

春香「美希は、魔法でみんなをサポートしてくれる?」

美希「ぶー、せっかく弓矢をもらったのに……」

美希「ミキも暴れたいの!」

春香「お願い!美希の魔法が必要なんだよ」

美希「ちぇっ……わかったの」

春香「お願いね」



春香「千早ちゃんと真は、右側をお願い!」

春香「左側は、私がなんとかするから!」

真「春香、ひとりで平気なの?」

春香「たぶん、大丈夫だと思う」

春香「美希!砲撃がどこから来るかわからないから、指示をお願いね!」

美希「りょーかいなの!」

春香「じゃあ、響ちゃん!」

響「よーし、エン太郎!全速前進だぞ!」ガシッ



ゴオォォォォォォ…



448 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:52:36.45 ID:LrG8FR1+O


ドゴォン!ドカァン!


響「エン太郎、痛いか……?」

響「ちょっとだけ、我慢してくれよな……!」ナデナデ


美希「……プロテス!」ポゥ

パキーン!

美希「これで少しは………ん?」チラ


ヒューー…


美希「真クン、千早さん……さっそく来たの!」スッ

真「オッケー!」ポキポキッ

真「はぁぁぁ……!」

真「……虎煌拳!」


ゴオォォォ!ドゴォン!


真「……よしっ!」

美希「まだ来るよ!千早さんっ!」

千早「わかったわ」チャキッ


ヒューー…


千早「くっ……!」ブンッ


カキーン!…ドゴォン!


真「おお……!ホームラン!」


ヒュー…ヒューー…ヒュー…

ヒュー…ヒュー…


美希「春香!たっくさん来たの!」


春香「うん、わかった!」チャキッ

春香「……!」グッ

春香「死兆の星の、七つの影の……」

春香「……経絡を断つ!」


春香「北斗、骨砕打!」ブンッ


┣¨┣¨┣¨┣¨ドドドッ!

ドゴォン!…ドカァン!


449 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/08(土) 22:56:07.30 ID:LrG8FR1+O

真「ふんぬっ!」ガシッ


真「そおりゃっ!」ブンッ


ヒュー…ドカァン!


千早「くっ!」ブンッ


カキーン!…ドゴォン!


春香「えいっ!」ブンッ

ズルッ

春香「わぁっ……とっとっ……!」ヨロッ


ヒュー…


美希「ストップ!」


ピタッ…


春香「痛たた……」

春香「美希、ありがと」

美希「まったく……こんな時にコケる事ないの」

春香「ご、ごめんね……」



響「みんなー!そろそろ抜けるぞー!」



ドォォン!…ドゴォン!


…ドカァン!


…………


……



450 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/08(土) 22:59:00.20 ID:LrG8FR1+O
地底世界 山岳地帯

春香「ふぅ……」

春香「みんな、無事?」

真「大丈夫だよ!」

美希「疲れたのー」ダラダラ

千早「私達は大丈夫だけど……」



響「……」

響「やっぱり、ここを飛ぶのは無理みたいだぞ」

春香「エン太郎君、そんなにひどいの?」

響「それもあるけど……」チラ


ボコッ…グツグツ…


響「こんなに熱いところを飛んだら、きっと熱でやられちゃうと思うぞ……」

春香「そっか……」

真「確かに、暑いなぁ」

千早「さすが地底だけあって、溶岩が流れているのね」

春香「まずは、エン太郎君を修理しないとだね」

春香「どこかに、町とかないかなぁ?」キョロキョロ

美希「それなら、ミキに任せるの!」

美希「サイトロ!」ポゥ


ヒュンッ…


春香「わっ、美希が……千早ちゃんみたいに飛んだ?」



美希「んー……」キョロキョロ

美希「……あっ!」

美希「ねえみんな!あっちにお城があるみたいだよ!」スッ


春香「わかった!美希、ありがと!」

春香「じゃ、行こうか?」


響「あ、ちょっと待ってほしいぞ!」


451 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/08(土) 23:09:32.53 ID:LrG8FR1+O


響「あのさ……」

春香「響ちゃん、どうしたの?」

響「……」

響「自分、ちょっとだけ抜ける事にしたぞ」

真「ええっ!?なんでだよ?」

響「このままじゃ、地底を飛ぶのは無理だぞ。きっと、熱にやられちゃうから」

千早「……」

響「この前バロンに行った時にさ、弟子達に聞いたんだ。エン太郎を強化する方法をね」

響「だから自分、ひとっ走り行って来るぞ!」

美希「……確かに、それは響にしか出来ない事かも」

春香「でも、それならみんなで行けば……」

響「春香達は、先に進むんだぞ。クリスタルの事だって、あるんだからな!」

真「響……」

響「なんくるないさー!あとで必ず追いつくから!」

春香「……」

千早「春香、我那覇さんの気持ちも……」

春香「……うん、わかった」

春香「すごく心配だけど……エン太郎君は、響ちゃんに任せるよ」

響「……ありがとな!春香!」




千早「それじゃ我那覇さん、気をつけて」

響「うん!」

真「ひとりぼっちだからって、泣いちゃダメだよ?」

響「な、泣かないさー!」

美希「お土産よろしくなのー!」

響「み、美希……遊びに行くわけじゃないんだぞ?」

春香「響ちゃん……待ってるからね?」

響「うん!きっと戻って来るからな!」



響「みんなー!またやーたい!」



452 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 15:40:44.43 ID:Nzc07hE6O
飛空艇

ババババババ…


亜美「うわ〜!気分そ〜かいだよ〜!」

真美「亜美〜、そろそろ代わってよぉ!」

亜美「もうちっとだけ、いいでしょ?」

真美「う〜、真美も早く飛空艇を操縦したいよぉ」


P「2人とも、操縦には気をつけてくれよ?」

真美「あっ、兄ちゃん!」

真美「ねえねえ、タイタニックやろうよ!」

P「タイタニックって……ああ、あれか」

P「両手広げて……『私
飛んでるわ』ってやつか」

真美「そ〜そ〜、あれ一回やってみたかったんだよね!」

P「いいよ。じゃ、そこの柵に足かけて……」

亜美「あ〜!亜美もタイタニックする〜!」

真美「亜美は運転中っしょ?だから今はタイタニック……じゃなくて兄ちゃんは真美のだかんね!」

亜美「むむ〜、真美のケチんぼ!」

真美「最初に操縦代わってくれなかったのは亜美っしょ?」

P「こらこら、ケンカするなよ」

「そうよ〜、姉妹仲良くね?」

真美「……ふぇ〜い」

亜美「むぅ……兄ちゃんとあずさお姉ちゃんが言うなら……」



亜美・真美・P「……………ん?」



亜美・真美・P「……あずさ(お姉ちゃん)さんっ!?」


あずさ「あらあら、みんな元気ね〜?」



453 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 15:45:26.15 ID:Nzc07hE6O

P「い、いつ目覚めたんですか!?」ズイッ

真美「あずさお姉ちゃん、身体は平気なのっ!?」ズイッ

亜美「ってか、どうやって蘇ったのさ!?」ズイッ



あずさ「み、みんな……落ち着いて……ね?」



あずさ「私が目覚めたのは、ついさっきです」

あずさ「なんだか、とってもステキな夢を見ていたんですけど……」

あずさ「どんな夢だったかは……忘れちゃいました〜」

P「そうですか……」

あずさ「身体も、これといって問題は無いみたいですね〜」

あずさ(なんとなく違和感はあるんだけどね〜)

亜美「とにかく、あずさお姉ちゃんが黄泉返って良かったよ〜!」

P(おいおい、それじゃまるであずささんはゾンビじゃないか……)

真美「ホントだよ!ちょ〜心配したんだかんね!?」

あずさ「……ごめんなさい」

あずさ「でも、もう私は大丈夫よ」



P「あずささん」

P「……お帰りなさい!」ニコッ



あずさ「………はい!ただいま戻りました」ニコッ



亜美「むむ、何やらいいフインキですな〜」

真美「ちょっとだけシットしちゃいますな〜」



454 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 15:48:48.79 ID:Nzc07hE6O

あずさ「……雪歩ちゃんのところへ向かってるんですか?」

P「はい。雪歩は今、トロイアの城にひとりでいるはずですから」

あずさ「……そういえば春香ちゃんが、そう言っていましたね〜」

あずさ「ひとりぼっちなんて可哀想ですね。早く合流しないと」

P「はい!」

P「……亜美、もう少しスピード出せるか?」

亜美「りょ〜かいだよ、兄ちゃん!」

亜美「……と、言いたいとこだけどさ」

亜美「残念だけど、この船にはそんな機能はないみたい」

P「そ、そうか」

P「まあ、こんなスーファミのコントローラみたいなので動く飛空艇だもんな。仕方ないか……」

あずさ「でも、すごいわね〜」

あずさ「飛空艇を亜美ちゃんが操縦してるなんて」

亜美「んっふっふ〜!亜美にかかればこんなの、朝飯前の夜飯後だよ!」

あずさ「うふふ、ちょっと私も操縦してみたいわ〜」

亜美「い、いや、それは……ねえ」

P「あ、あずささん、ここは亜美に任せましょう!」

あずさ「あら〜、残念」



真美「……か、艦長!大変ですっ!」



P「どうした、真美?」

P「っていうか、艦長って誰の事だよ?」

真美「んも〜、ノリ悪いなぁ。兄ちゃんの事に決まってるじゃんかぁ」

P「そ、そうだったのか。すまん」

P「……で、何があったんだ?」


455 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 15:52:09.36 ID:Nzc07hE6O

真美「あ、なんかね、後方から丸い物体が追っかけて来てるみたいだよ?」

P「丸い物体……?」

真美「うん。すっごい速さで」

真美「このままだと、ぶつかっちゃうかも」

P「えっ?まずくないか、それ」

P「様子を見に行こう!」

P「亜美!操縦は任せたぞ!」

亜美「ぶ、ラジャ!」

P「真美、行こう!あずささんも一緒に来てもらっても、いいですか?」

真美「おっけ〜!」

あずさ「わかりました〜」


タタタタ…



456 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 15:55:19.04 ID:Nzc07hE6O

ギュイィィィィィィン…


P「……ホントだ!すごい速さで何か近づいて来るぞ!」

真美「でしょ?なんだろね、アレ」

あずさ「なんだか、翼みたいなものが生えてる様に見えますね〜」

P「まさか、魔物か?」



ギュイィィィィィィン…



真美「ん?なんか、どっかで見た事あるような……」

P「あ、あれは……!」

P「真美、あずささん、あれは魔物だ!戦闘準備を!」

P(あの目玉の魔物、アーリマン……だっけか?)

P(確か、厄介な攻撃をしてきたはずだ)

P(気をつけないと……)



プレイグ「あれ?なんだろ、この船?」



真美「魔物だぁ!」

あずさ「あら〜、魔物さんなのね〜」

P「2人とも、気をつけて!」



プレイグ「ひっ!」ビクッ

プレイグ「ま、まだ何もしてないよう!」


457 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 15:57:25.29 ID:Nzc07hE6O


真美「魔物め〜!」スッ


プレイグ「あ、あぅ……」フワフワ


あずさ「真美ちゃん、魔物さんが困ってるわ」

真美「でも、あずさお姉ちゃん。こいつ、明らかに怪しいっしょ?」

あずさ「まあまあ、ここは私に任せて?」

あずさ「あの〜、私、三浦あずさと申します」

あずさ「あなたはどなたでしょうか?」


プレイグ「あっ……」

プレイグ「ぼ、ぼく、プレイグっていいます」

プレイグ「月から来ました!」


あずさ「あらあら、ずいぶん遠いところから来たんですね〜?」

真美「えっ?月から……?」

P(アーリマンじゃないのか……)

P(ん?プレイグって、どこかで……)

真美「兄ちゃん、なんかおかしくない?」ヒソヒソ

P「ああ。なんだか嫌な予感がする」ヒソヒソ


あずさ「……それで、プレイグさんは何をしにここへ?」

プレイグ「あ、えっと……」



プレイグ「コトリ様の命令で、この星をめちゃくちゃにしに来たんです」



P・真美「!!」


あずさ「……まあ!」



458 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 16:00:38.31 ID:Nzc07hE6O

あずさ「ん〜、それは見過ごせないわね〜」

プレイグ「でも、命令なんです。ごめんなさい……」



真美「ピヨちゃん、さっそく攻めて来たみたいだね」ヒソヒソ

P「ああ。まさかこう来るとは思わなかったな」ヒソヒソ

真美「にしても、ヤバくない?月から来たって事は、結構強い魔物なんじゃ……?」ヒソヒソ

P「確かに。気をつけろよ、真美!」ヒソヒソ

真美「だ、大丈夫かな……」ヒソヒソ



あずさ「やめてくださいって言っても、ダメよねぇ?」

プレイグ「は、はい……」

あずさ「仕方ないわね〜」スッ

あずさ「真美ちゃん、サポートお願いね?」

真美「あ、うん!わかったよ!」スッ

プレイグ「えへへ、じゃあ、行きまーす!」


ビュンッ



459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/09(日) 16:02:54.62 ID:bGK6Wt/Io
あずささんの大物感
460 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 16:05:03.29 ID:Nzc07hE6O


真美「は、速っ!」

真美「スロウ!」


カタカタ…シュルンッ!


プレイグ「あっ……」


あずさ「ごめんなさいね?」

あずさ「サンダガ!」バリッ


ズガガピシャァン!


プレイグ「痛たたっ……」フラフラ

プレイグ「痛いなぁ、もー……」

プレイグ「ぼく、こんなところで油売ってる場合じゃないんだ」

プレイグ「早く、人がたくさんいるところに行かなきゃ……」


プレイグ「……お姉さん、悪いけど死んでね?」


あずさ「え……?」


プレイグ「……死の宣告」スッ


ズゥゥゥゥゥン…


10あずさ「あら?私、何かされたのかしら……?」

真美「げげっ!あずさお姉ちゃんの頭の上に、カウントが!」

P「死の宣告か!まずい……!」

P「ど、どうにかしないと!」

9あずさ「プロデューサーさん、何かまずいんですか?」

P「そ、それは……」

真美「どどど、どうしよう、兄ちゃん!?」

P「何か、手はないのか……っ!」


プレイグ「お姉さんがいなくなれば、もう問題ないよね?」

プレイグ「ぼく、急いでるから……じゃあねー」


ビューーーン!



461 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 16:09:13.19 ID:Nzc07hE6O

7あずさ「あら、魔物さんは行ってしまいましたね〜」

P「真美、リレイズとか使えないのか?」

真美「使えないよ〜!」

6あずさ「2人とも、何をそんなに慌ててるんですか?」

P「あ、あの……あずささん」

P「その、言いにくいんですけど……」

P「あずささんの頭の上のカウントがゼロになると……」

4あずさ「ゼロになると?」

P「あずささん、死んでしまうんです……!」

3あずさ「まあ……」

真美「そんなのやだよぉ!せっかくまた会えたのに……!」グスッ

P「何も、できないのか……!」

2あずさ「2人とも、心配しないで?私は死んだりしませんよ?」

真美「あずさお姉ちゃん……」

1あずさ「大丈夫、私を信じて?」ニコッ

P「あ、あずささんっ!」



0あずさ「…………」






あずさ「…………ほら、生きてる」

真美「え?ウソ……!?」

P「な、なんでだ……?」

あずさ「なんだか、そんな気がしたんです」

あずさ「私は死なないって……」

あずさ(………スーさんのおかげかしら?)

真美「はぁ〜……」

真美「よかったぁ……」

P「とにかく、亜美のところへ戻ろう」


462 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 16:13:47.02 ID:Nzc07hE6O

亜美「……死の宣告がきかなかった?」

P「そうなんだ。まあ、よかったんだけどさ」

P「死の宣告って、逃れる事はできないんだと思ってたんだが……」

亜美「う〜む……こりゃあ、あずさお姉ちゃんがゾンビになっちゃった可能性も出てきましたなぁ」

P「ゾンビって……そんなバカな」

亜美「兄ちゃん、忘れたの?」

亜美「ゾンビには、即死魔法とかきかないんだよ?」

P「そういやそうだったなぁ」

P「でも、それだけじゃ……」

亜美「あずさお姉ちゃんに回復魔法は使わない方がいいかもね」

P「いや、まだあずささんがゾンビになったと決まったわけじゃ……」





真美「あ、あずさお姉ちゃん、ケガしてるじゃん!」

あずさ「あら、本当ね」

真美「真美が治してあげるよ」

真美「ケアル!」


シャララーン!キラキラ…


……ボロッ


真美「…………えっ!?」

あずさ「あらあら、腕が取れちゃったわ」

あずさ「……よいしょっと」ガシッ

あずさ「うふっ、くっついたわ」ニコッ


真美「」

亜美「」

P「」



P(…………まあ、死ぬよりマシ……なのか?)



463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/09(日) 16:39:39.27 ID:NcrrIj9DO
あずゾンビですかwwww
まさかのゾンビ化…そんな体になってもいつも通りなあずささんがすごい…
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/09(日) 20:16:16.08 ID:L2Iz7T1ho
そりゃ死の宣告されたって既に死んでたら効かないわな…
465 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 21:17:22.97 ID:Nzc07hE6O
ドワーフ城 城門

春香「あのー……」

ドワーフ兵士1「ラリホー!」

春香「えっ?」

春香「ら、らり……?」

ドワーフ兵士2「ラリホー!」

春香「は、はぁ……」

真「英語かな……?それに、すごく日に焼けてる人達だね」

美希「きっと、外人さんなの」


ドワーフ兵士1「ラリホーーッ!」

春香「わっ!」

春香「ど、どうすればいいのかな……?」

千早「まさか、言葉が通じないとか?」

真「英語は難しいからなぁ……」

春香「こんな事なら、もっと勉強しておけば良かったよ……」

美希「……あふぅ」



ドワーフ兵士2「……あんたら、もしかして上の世界から来たのかー?」

春香「あ、そ、そうです!」

ドワーフ兵士2「そうかー!こりゃー珍しいー!」

ドワーフ兵士1「ここは、ジオット王が治めるドワーフの城ー!」

春香「あれ?普通にしゃべってる?」

真「外人さんじゃない?」

ドワーフ兵士2「『ラリホー』はドワーフの挨拶ー!覚えておくといいー!」

真「英語じゃなかったね」ヒソヒソ

春香「そうみたいだね」ヒソヒソ


466 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 21:21:17.46 ID:Nzc07hE6O

春香「どうしようか。とりあえず、王様に会ってみる?」

千早「そうね。地底のクリスタルの事を聞いてみないと」

ドワーフ兵士1「残念ー!ジオット王は、まだ帰って来てないー!」

春香「あ、そうなんですか」

ドワーフ兵士2「東の方に、怪しいやつらが現れたー!王様、戦車隊を引き連れて様子を見に行ったー!」

真「え?じゃあ、さっきの戦車って……」

春香「ドワーフの王様が乗ってたんだね」

千早「無事だといいけど……」

ドワーフ兵士2「心配ないー!ドワーフ戦車隊、強いー!」

ドワーフ兵士1「お前達、王様に用事かー?」

春香「あ、はい」

ドワーフ兵士1「だったら、城の待合室で待つー!王様が戻って来たらお前達呼びに行くー!」

春香「わかりました。ありがとうございます!」ペコリ

美希「あふぅ……やっと寝れるのー」


スタスタ…




ドワーフ兵士1「……あれ?今の人達の中に、王女がいなかったラリか?」

ドワーフ兵士2「王女はドワーフじゃないから、上の世界から来た人間に混じって目くらまししてるのかもしれないラリ」

ドワーフ兵士2「きっとまた、部屋を抜け出しただけラリ」

ドワーフ兵士2「さ、仕事仕事……」


467 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 21:29:44.61 ID:Nzc07hE6O
ドワーフ城 待合室

美希「わぁい!ベッドなのー!」バフッ

美希「フカフカなの〜」ゴロゴロ


春香「美希、あんまり時間ないよ?」

美希「わかってるの……あふぅ……」バタッ

美希「……zzz」



真「はー、疲れたね!」

千早「ええ。なんとか無事に地底へ着けたわね」

春香「響ちゃん、大丈夫かなぁ……」

千早「大丈夫よ、きっと……」

真「そうだよ!」

春香「うん……」

真「あ……」

真「……ボク、ちょっとお花摘んで来る」

スタスタ…

春香「行ってらっしゃーい」



千早「それにしても、黒人ばかりなのね」

春香「そうだね。太陽もないのに、不思議だねぇ……」

千早「我那覇さんがいたら、違和感なさそうね」

春香「ふふ、確かにそうかも」



「あーっ!こんなところにいたんですね!」



468 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 21:33:41.06 ID:Nzc07hE6O

春香「ん?」クルッ

ドワーフ女中1「まったく、困りますよ!」ガシッ

春香「え?ちょっ……」

ドワーフ女中2「さ、戻ってお勉強の続きです」ガシッ

春香「べ、勉強って……え?」ズルズル

千早「あ、あの!人違いじゃないですか?」

ドワーフ女中1「いいえ、わかってるんですよ。いつもの事ですから」

千早「いつもの事って……?」

ドワーフ女中2「ああ、あなた達にも迷惑かけてしまいましたね」

ドワーフ女中1「お友達と遊ぶのもいいですけど、お勉強が終わってからにしてくださいね?」

春香「えっ?えっ?何?なんで?」ズルズル

千早「あ、ちょっと……!」


スタスタ…


千早「……」

千早(なんだかよくわからないうちに、春香が連れて行かれてしまった)

千早(追いかけたいけど……)

千早(知らない土地で闇雲に動くのは、得策じゃないわね)

千早「……」チラ

美希「……zzz」

千早(美希は寝てしまっているし、下手にバラバラに行動するより、今は動かない方がいい)

千早(真が戻って来るのを待って、美希を起こして……)

千早(それから、春香を探しましょう)




469 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 21:42:01.68 ID:Nzc07hE6O
ドワーフの城 王女の部屋

ドワーフ女中2「さあ、お勉強の続きですよ、王女」

春香「お、王女?私が……?」

ドワーフ女中1「はいはい、今度は記憶喪失だとでも言うつもりですか?」

ドワーフ女中1「もうその手には乗りませんからね!」

春香「あ、いや、そういう事じゃなくて……」

ドワーフ女中2「王女も、そろそろ自覚を持ってください」

ドワーフ女中2「あなたは、いずれこの国を背負うお方なんですから」

春香「だ、だから、話を聞いて……」

ドワーフ女中1「いつまでもダダをこねてると、亡き母上に笑われてしまいますよ?」

春香「え……?亡き母上……?」

ドワーフ女中2「……それでは私達は、部屋の外にいますから、何かあったら言ってください」

ドワーフ女中1「もう逃げちゃダメですよ?」


スタスタ…



春香「……行っちゃった」

春香「……」

春香(王女様に間違われちゃったみたいだね、私)

春香(なんだか話を聞いてもらえないし……)

春香(どうしよう……みんな、心配してるかな……)

春香(無理矢理逃げるって手もあるけど……)

春香(そんな事したら、本物の王女様が大変だよね)

春香(とりあえず、勉強するフリでもしてよ)

春香(きっと、千早ちゃん達がなんとかしてくれるよね?)


春香「さて、勉強勉強……」ペラッ

春香「……」

春香「……うん。全然わからないや」



470 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 21:48:54.04 ID:Nzc07hE6O
ドワーフの城 通路

??「……困ったなぁ」

??「どこに行っちゃったんだろう?」

??「人形が勝手に歩き出すわけないし……」



真「……あれ?」

真「春香じゃないか。こんなとこで何してるのさ?」



??「えっ?」クルッ

??「あ……」

??(か、カッコいい……///)

真「ほら、みんなのところに戻ろうよ」

??「は、はい……あなたについて行きます……」ボー

真「どうしたの?なんかいつもの春香らしくないよ?」

??「あ、私はハルカじゃなくて、ル……」

??「……」

??(ハルカさん……かぁ。私と名前が似てる)

??(ハルカさん、ごめんね?少しの間、名前を借ります)

??「あの……やっぱり、なんでもないです」

真「?」

真「変なの。さ、行くよ!」グイッ

??「あっ……///」





471 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 21:55:06.06 ID:Nzc07hE6O
ドワーフ城 待合室

ガチャ…


真「ただいまー!」

千早「お帰りなさい」

千早「あら……春香?」


??「ご、ごきげんよう……」ペコリ


千早「良かった……!」

千早「春香をあの人達から取り戻してくれたのね?」

真「取り戻すって?春香とは、今そこの廊下で会ったんだけど」

千早「え……?」

千早「でも、春香はさっき、女性2人組に連れて行かれたばかりなんだけど……」

??「!」

真「うん?そんな人達、いなかったよ?」

千早(おかしい……さっき起こったばかりの事なのに、会話がかみ合わない……)

千早(それに、春香の様子も変だし……)

千早(少し、様子を見ましょうか)

千早「春香も真も、座ったら?」

真「うん」スッ

??「失礼しまーす……」スッ

千早「……」


千早「……ところで春香」

??「……」

千早「……春香?」

??「あ、は、はい?」

??(……いけない。今は『ハルカ』さんなんだった)

千早「どうしたの?ぼーっとして」

??「あ、えっと……」

真「そうなんだよ。ボクが見つけた時から、様子がおかしいんだよね」

千早「疲れてしまったのかしらね?」

??「あ……そ、そうです!私、ちょっと疲れちゃって……」

??(とりあえず、話を合わせないと……)

千早「……そう。なら、話は後にした方がいいわね」

??「ホッ……」

千早「……」



美希「…………ハニー、そのおにぎりは呪われてるのっ!」ガバッ


??「ひっ!」ビクッ


472 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 22:01:47.29 ID:Nzc07hE6O

千早「美希、おはよう」

美希「……あふぅ」

美希「みんな、おはようなの」

真「呪われたおにぎりって、なんなのさ……」

千早「……すごく、気になるわ」

美希「んー…………忘れちゃったの」



??(このステキな方は、2人も奥さんがいるんだね……)

??(どっちかが正妻なのかな?)

??(ちょっといいなって思ったけど、側室はやだなぁ……)



美希「あれ?春香……」

??「あっ、は、はい?」

美希「……その首飾り、どうしたの?」

千早「そういえば……見た事ないわね」

真「春香、そんなの付けてたっけ?」

??「あ、これは……」

美希「ねえねえ、どこで買ったの?」

??「いや、買ったんじゃなくて……」

美希「なんだか大人っぽくていい感じなの!」

美希「ちょっとだけ、ミキにも付けさせて?」スッ


??「ダメッ!」ドンッ



473 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 22:06:15.79 ID:Nzc07hE6O

美希「そ、そんなに怒る事ないの……」

美希「春香、何か変だよ?」

真「ホントにどうしたの?」

??「あ……ご、ごめんなさい!」ペコリ

??「でも、これだけは……!」ギュッ

??「亡くなったお母様の、大切な形見なの!」

千早「!」

千早(亡くなった、家族の……?)

真「え?春香のお母さん、生きてるでしょ?」

美希「電話してるとこだって、何回も見た事あるよ?」

??「……」

??(もう、無理だね……)



??「……ごめんなさいっ!」ペコリ



真「こ、今度は何?」

??「……ホントの事を言うね?」

??「私の名前は『ルカ』」

ルカ「このドワーフの国の、王女なんだ」

千早「王女……?」

美希「……なんかおかしいと思ったの」

真「あれ?じゃあ、春香は……?」

千早「……もしかして、さっき来た女性は、あなたを連れて行くつもりだったのでは?」

ルカ「……うん。たぶん、そうだと思う」

真「だったら、早く連れ戻しに行かなきゃ!」

千早「待って、真」

千早「あの、ルカ……さん?さっきの女性達の会話の内容から察すると……」

千早「あなたは、あの女性達から逃げていたのね?」

ルカ「……」


474 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 22:08:44.72 ID:Nzc07hE6O

ルカ「…………あなたの言う通りだよ」

千早「あなたの代わりに、私達の仲間が連れて行かれてしまったわ」

ルカ「それは………ごめんなさい」

千早「すぐにでも、連れ戻したいのだけれど」

ルカ「……」

ルカ「すごく自分勝手だって、わかってるけど……」

ルカ「もう少しだけ、待ってもらえないかな?」

ルカ「私には、まだやる事が……」

千早「……」

千早「……どうする?」

真「リーダーは、今はいないしなぁ……」

美希「まったく、間の悪いリーダーなの」

千早「2人とも……私、この人をほっとけないわ」

千早(境遇が、似てるから)

美希「あはっ!千早さん、まるで春香みたいな事言うの」

真「まあ、いいんじゃないかな?」

真「春香だって、王女の代わりになってるなら、とりあえず危険はなさそうだし」

千早「2人とも、ありがとう」



千早「ルカさん」

千早「あなたの話を、聞かせてもらえないかしら?」

ルカ「えっ……?い、いいの……?」

千早「ええ。何か力になれればいいけど」

ルカ「ありがとう!」



475 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 22:11:14.61 ID:Nzc07hE6O
ドワーフ城 王女の部屋

春香「ふーむ……」キョロキョロ

春香「見れば見るほど、すごい部屋だなぁ……」

春香「ダンススタジオぐらい広いし……」

春香「ベッドも、10人ぐらい寝れそうだし……」

春香「家具とか置いてあるものは、よくわからないものもあるけど……」

春香「きっとどれも高級なんだろうなぁ」



春香「……ん?」チラ

春香「あの絵……」

春香「すごく優しそうな女の人……」

春香「あっ、もしかして、この人が王女様のお母さんかなぁ?」

春香(そういえば王女様、お母さんを亡くしちゃったんだっけ……)


コンコンッ


春香「あ、はーい!」


ガチャ…


ドワーフ女中2「王女、ジオット王がお戻りになられました」

春香「王様……」

春香(って事は、王女様のお父さんだよね)

ドワーフ女中2「王女にお会いになられるそうです。お呼びしますね?」

春香「は、はい!」ドキドキ

春香(どんな人かな……?)



ガチャ…


ジオット「ほう、珍しいな」

ジオット「お前が真面目に勉強しているとは……」



476 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 22:14:06.46 ID:Nzc07hE6O

春香「あ、あの!初めましてっ!」ペコリ

ジオット「……何を寝ぼけている?親の顔を忘れたというのか?」

春香「あっ……」

春香(そうだ、私は今王女様なんだった……)

ジオット「それとも、私への当て付けか?」

春香「そ、そんな事は……」

ジオット「……まあいい」

ジオット「勉強を投げ出して、あやつの墓参りなどをしている様だが……」

ジオット「何度も言っているが、王妃の事はもう忘れるのだ」

春香「え……?」

ジオット「お前は将来、この国を治める事になる」

ジオット「死んだ者にいつまでも囚われていては、前へ進めぬ」

ジオット「ルカよ。お前はこの国の未来だけを見ていればよい」

ジオット「その為に、たくさん勉強させているのだからな」

ジオット「あの人形は、お前が絶対に見つけられないところに隠した」

春香(人形……?)

ジオット「今後はもう、墓参りも禁止だ。よいな?」

春香「……」

春香(王女様、可哀想……)



ジオット「……そういえば、何やら私に会いたいという者達がおるそうだ」

春香(あ……忘れてたけど、そういえば、そういう予定だったね)

ジオット「お前も一緒に来い」

春香「は、はい!」

ジオット「心配するな。私の隣に座っているだけでよいのだから」

ジオット「用意が出来たら、謁見の間に来るのだぞ?」


スタスタ…

ガチャ…バタン



春香(厳しそうな人だなぁ……)

春香(王女様、お母さんの事が忘れられないんだね)

春香(……)


477 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/09(日) 22:15:46.43 ID:Nzc07hE6O
ドワーフ城 待合室

ルカ「私、お人形を探してるんだ。お母様の形見の、大切な……」

千早「……」

千早「それで、勉強を投げ出して部屋を出て来た……と」

ルカ「うん」

ルカ「あとね、お父様はダメだって怒るんだけど、お母様の墓参りもしたいんだ……」

真「そっか……でも墓参りって普通、家族みんなで行くよね?」

ルカ「お母様が亡くなられてから、お父様は変わっちゃった……」

ルカ「『死んだ者の事は忘れろ』だなんて、私に言うの……」

千早(死んだ者の事は、忘れろ……)

ルカ「私はそんなの、絶対に嫌だから……」

ルカ「こうやってちょくちょく抜け出して、お母様の墓参りに行ってるんだよ」

千早「……」

真「話はなんとなくわかったよ」

真「じゃあ、君の人形を一緒に探して……」

美希「待って、真クン」

美希「ミキ達、これから王様に会うんじゃなかったっけ?」

真「あ……そうだった」

ルカ「お父様に……?」

千早「ええ。私達にもいろいろあってね」



ガチャ…



ドワーフ兵士1「お前達ー!王様お戻りになられたー!今から謁見の間に行くといいー!」


千早「さすがに、王様を待たせるわけにはいかないわね……」

真「でも、ルカが……」

ルカ「…………」

ルカ「私も、一緒に行きます!」

ルカ「お父様と、ちゃんと話をしなきゃ……!」

千早「わかったわ。じゃあ、一緒に行きましょう」


478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/10(月) 00:44:41.55 ID:bqjsh7RDO
ルカって名前と雰囲気のせいかシュタゲのルカ子を思い浮かべる
479 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:16:49.35 ID:rOTNbUCvO
ドワーフ城 謁見の間

千早「春香……!」

真「こうして見ると、ホントそっくりだなぁ……!」

美希「雪歩と雪歩2号を思い出すの」

春香「……」

春香(私に、そっくりだ……)

ルカ「……」

ルカ(まさか、顔まで似てるなんて……)




ジオット「これは……!いったいどういう事だ!?」

ジオット「ルカが……2人?」



ルカ「……お父様」

ジオット「そ、そなたが本物か?」

ルカ「はい。あなたの娘、ルカにございます」

ジオット「ならば……」チラ

春香「あっ……嫌な予感……」

ジオット「お前は、何者だ!?」

ジオット「娘になりすまし、何を企む!?」チャキッ

春香「ちょ、ちょっと待って……!」

ルカ「おやめくださいお父様!その者は、私の友人です!」

春香「王女様……?」

ルカ「訳あって、私の代わりをしてもらっていました」

ジオット「何?……なぜ、そのような事を?」

ジオット「まさかお前、またあいつの墓に……?」

ルカ「いけませんか?」

ジオット「ならんと言っているだろう!」ダンッ


480 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:18:54.55 ID:rOTNbUCvO
ルカ「なぜですか!?この世でたったひとりの母の墓参りが、なぜいけないのですかっ!?」



千早「……」

真「なんでボク達、親子喧嘩に立ち会ってるのかなぁ……」

美希「まったく、いい迷惑なの」



ジオット「何度も言っているが、お前は将来、この国を背負わなければならん。たったひとりの人間の死に囚われていては、この国の大勢の民を守る事などできんっ!」

ルカ「ならば……!」

ルカ「ならば私は、王位などいりません!」

ルカ「家族の絆を捨ててまで……この国を背負う事などできません!」

千早(家族の、絆……)

ジオット「なんだとっ!」ダンッ



春香「ま、まあまあ……落ち着いてください」

ジオット「黙れっ、ニセモノがっ!」

春香「ひっ!」ビクッ

春香(ニセモノ………ちょっとショックだなぁ……)



千早「待ってください!」

ジオット「……何だ?そなたらには、関係ない事だ!」

真(じゃあ、なんでボク達の目の前でケンカするんだよ〜!)

美希(ミキ、この王様偉そうだから好きじゃないの)

千早「あの……ルカさんの気持ちも、わかってあげられませんか?」

ジオット「王妃は死んだ!それを忘れろと言っているだけだ!たったそれだけの事が、なぜできぬ!?」

ルカ「そ、そんな……!」


千早「それ、だけ……?」ゴゴゴゴ…


481 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:23:18.03 ID:rOTNbUCvO

千早「家族って……その程度のものなんですか?」ゴゴゴゴ…

千早「血のつながりって……そんなにも脆いものなんですか?」ゴゴゴゴ…

ルカ「チハヤさん……?」

ジオット「な、なんだお前?急に殺気が……」



春香「ち、千早ちゃん……」

真「……ヤバくない?」

美希「うん。千早さん……マジなの」



千早「子供にとって、母親がどれだけ大切か、わからないわけではないですよね?」ゴゴゴゴ…

ジオット「そ、そんな事はわかって……」

千早「わかっているなら、なぜお墓参りをやめさせるんですか?」ゴゴゴゴ…

春香「ち、千早ちゃん、落ち着いて!」

千早「ひとりの人間の死に囚われていては、大勢の民を守れない……?」ゴゴゴゴ…

千早「私に言わせれば、ひとりの人間の死も蔑ろにするような人間に、他の人間を守るなんてできないと思うんですが?」チャキッ

ジオット「や、やめろ!お前、わかっているのか?そんな事したら……!」

千早「家族を大切にできない人なんて……っ!」ジリッ



春香「……千早ちゃんっ、ダメッ!」ダキッ


千早「……はっ!」

千早「は、春香?わ、私……!」

春香「……千早ちゃん、急に王様に槍を向けるんだもん。ビックリしちゃったよ……!」

千早「ごめんなさい。ちょっと頭に血が上ってしまったみたい……」


真「……今の、危なかったね」

美希「ミキ達、お尋ね者になるとこだったの」


482 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:26:20.99 ID:rOTNbUCvO

ジオット「なんてやつだ、まったく……」

ジオット「ルカよ、お前の友人はこんな凶暴なやつばかりなのか?」

ルカ「お父様!この方は、私のためを思って……」

ジオット「……」

ジオット「……わかっておる!」

ルカ「え……?」

ジオット「わかっておるのだ、本当は……」

ジオット「ルカよ……お前はまだ16歳。まだまだ母親の温もりが必要よな?」

ルカ「そ、その様な事は……///」

ジオット「どう癒せばよいか、わからなかったのだ。母親を失ったお前の悲しみを……」

春香「王様……」

ジオット「だから、お前が悲しみを早く忘れるように、部屋で勉強漬けにした」

ジオット「母親の事を忘れれば、悲しみも忘れるだろうと思い、墓参りも禁止にした」

ジオット「しかし……どうやらそれは間違っていたみたいだな」

ジオット「もう少し、お前とちゃんと話をするべきだった……」

ルカ「お、お父…様……っ!」ウルッ

ジオット「そなたのおかげで気づく事ができた。礼を言う」ペコリ

千早「いえ……」

千早「こちらこそ、無礼な物言いをしてしまって、すみませんでした」ペコリ

千早(つい……熱くなってしまった)

千早(私にこんな事言う資格なんて、無いはずなのに……)



483 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:31:02.91 ID:rOTNbUCvO

ジオット「……見苦しいところを見せてしまったな」

ルカ「皆さんには、大変ご迷惑をおかけしてしまいました……」

ルカ「……深くお詫び致します」ペコリ

春香「そ、そんな、頭を上げてください」

真「なんかルカのキャラ、変わってない?」

千早「今のルカさんは王女だもの。砕けた話し方はできないわよ」

真「……なるほど」

美希「……あふぅ」



ジオット「……それで?そなたらはいったいどのような用でここに?」

ジオット「見たところドワーフではないな。上の世界から来たのか?」

春香「はい」

春香「あの、私達、クリスタルを探しているんですけど……」

ジオット「ほう、クリスタルか」

ジオット「もしやそなたら、東の大穴から来たのか?」

春香「はい、そうです」

ジオット「そういえば、1隻だけ戦闘意思のない船がいたが……それがそなた達だったのだな」

ジオット「危うく我々も撃ち落とすところだった」


484 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:33:33.24 ID:rOTNbUCvO


千早「あの、地底のクリスタルは無事なんですか?」

ジオット「残念ながら……4つの内2つは、あの者達の手に渡ってしまった」

真「さすが律子……じゃなくて小鳥さんか。手が早いなぁ」

ジオット「しかし、このドワーフ城のクリスタルは無事だ。我々戦車隊が追い返したからな」

春香「飛空艇と撃ち合っていた戦車ですか」

ジオット「ほう、あの空飛ぶ船は飛空艇と申すのか。上の世界には、あの様なものがあるとはな……」

ジオット「我が国自慢の戦車隊も、空から攻撃されては少々苦しい……」

ジオット「……そうだ。そなた達の飛空艇とやらで、援護してはくれぬか?」

ジオット「実は今、敵の本拠地であるバブイルの塔に攻撃を仕掛けているのだが、ちと劣勢でな」

春香「あ……それが……」

千早「私達の飛空艇では、地底世界を飛ぶ事ができないようなので……」

千早「仲間に、強化を頼みました」

千早「今は、ここにはありません」

ジオット「む、そうであったか」

春香「あの、王様……」

春香「このお城のクリスタルは、どこにあるんですか?」

ジオット「ふっふっふ……」

ジオット「何を隠そう、この玉座の裏の、隠し部屋にある!」

ジオット「ここならば、私の目の黒い内は安全というわけだ」

春香「なるほど……」


真「!」

真「……みんな、静かに!」

春香「どうしたの?真……」

真「誰かが、盗み聞きしてる……!」

ジオット「何……!?」

真「この先から、気配を感じる!」スッ

ジオット「わかった、今開ける!」カチッ


ズズズ…


485 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:36:41.62 ID:rOTNbUCvO
バブイルの塔 B13F

伊織「はぁ……」トボトボ

伊織(どんだけ階段降りたと思ってんのよ……)

伊織(いい加減、地底とやらに着いてもいい頃よね……)

伊織(……もう何時間、いえ、何日も歩きっぱなしで、いい加減疲れたわ……)

伊織(お腹空いた……)

伊織(ジイのバカ……食べ物を現地調達なんて、無理があるわよ……)

伊織(あー……なんかもう、怒る気力もなくなってきたわ……)



伊織「……ん?」チラ



伊織「扉……?」

伊織「……」

伊織「もし、これが出口じゃなかったら……」

伊織「……」

伊織「…………ううん」ブンブン

伊織「ダメよ、弱気になっちゃ」

伊織「今度こそ、出口のはずよ!」

伊織「………………よしっ!」グッ

伊織「……」スッ



ギィ……



……ドゴォン!…ドカァン!



伊織「えっ!?」

伊織「な、何!?」


486 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:39:27.14 ID:rOTNbUCvO
地底世界 バブイルの塔入口

ドドドド…

…ズガァン!…ドォォン!



伊織「な、なんなのよこれは!」

伊織「やっと外に出たと思ったら……」

伊織「なんでいきなり戦車やら大砲やらがドンドコやってるのよっ!」


ヒュー…


伊織「!」

伊織「きゃぁぁぁっ!」ダッ


…ドゴォン!


伊織「はぁ、はぁ……!」

伊織「……じょ、冗談じゃないわ!」

伊織「せっかく苦労してここまで来たのに、やられてたまるかっての!」


ドゴォン!ダダダダ…

ヒュー…ドカァン!



伊織「…………上等じゃない」

伊織「絶対、絶対、ぜーったいに生き抜いてやるんだからっ!」

伊織「スーパー忍者アイドル伊織ちゃんの底力、見せてやるわっ!」ビシッ


伊織「うあああああああっ!」ダッ


タタタタ…



ヒュー…ドカァン!

ドドドド…ドゴォン!



………



……



487 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:42:46.54 ID:rOTNbUCvO
地底世界 岩山

伊織「はぁ、はぁ……!」ヨロッ

伊織「な、なんとか……」

伊織「抜けた……」

ズルッ…

伊織「あっ……!」ヨロッ

ドテッ

伊織「ぐっ……!」

伊織(身体に……力が、入らない……)

伊織(こんな……ところ……で……)

伊織(ダメ……っ!)



伊織(あ……頭が、ボーっと……して……)

伊織(い……し…き……が……)

伊織(……こん…なの……いや……よ……)

伊織(…………や……よ……い……)



伊織「……」ガクッ



488 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:46:22.00 ID:rOTNbUCvO

…ポタッ



伊織(…………な…に……?)ピクッ



…ポタッ



伊織(……あ…め…………?)



「………………ちゃんっ!」



伊織(………だ…れ………?)



「……………りちゃんっ!」ギュッ



伊織(……あったかい………)



「……も……いじょ…ぶだよっ!」



伊織(あったかくて……眠くなっちゃうじゃない……)



伊織(…………)










やよい「伊織ちゃん…………」

やよい「わたしがぜったいに…………!」


489 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:49:36.80 ID:rOTNbUCvO
ドワーフ城 救護室

伊織「……………やよいっ!」ガバッ



伊織「…………あ…れ?」

伊織「私……?」



ドワーフ兵士「おおー!気がついたかー!」



伊織「ひっ!」ビクッ

伊織「な、なによあんた!」

伊織「あ……」ガクン

ドサッ


ドワーフ兵士「お前、ひどい怪我ー!まだ寝てなきゃダメー!」


伊織「……」

伊織(ここは、どこなの……?)

伊織(助かったの?私……?)

伊織(誰が、私を……?)

伊織(………)

伊織(………………やよい?)

伊織(そんなわけ……ないわよね……)

伊織(…………)

伊織(でも………)

伊織(やよいが助けてくれた夢を見た気がするわ……)







伊織(やよいに、会いたい……っ)ウルッ






490 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 20:55:23.10 ID:rOTNbUCvO
ドワーフ城 クリスタルルーム

春香「まさか、地下にクリスタルルームがあるなんてね……」

真「思い出すなぁ……」

真「ファブール城のクリスタルルームで、律子とタイマン張ったっけ……」


美希「ねえ、真クン。盗み聞きしてた人は、どこにいるの?」

真「えーと……」キョロキョロ

真「……あれ?おかしいなぁ……誰もいない」

真「気配は、するんだけどなぁ……」

千早「……ん?」チラ

千早「あんなところに人形が……」

真「……ホントだ。ルカが探してた人形って、これなんじゃないか?」


スタスタ…



カタ…



真「!」



カタカタ…

カタ……カタカタ…



春香「に、人形が……!」

千早「動いた……?」

美希「なんだかキモいの」

春香「真、気をつけて!」



「キャハハハッ!」



491 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 21:07:57.06 ID:rOTNbUCvO
真「敵かっ!?」サッ



カルコ1「僕らは陽気なカルコブリーナ!」カタカタ

カルコ2「恐くて可愛い人形さっ!」カタカタ

美希「決して可愛くなんかないって思うな」

カルコ3「……ちょっと君!まだセリフの途中なんだから、チャチャ入れないでもらえるかなっ!」カタカタ

美希「……怒られちゃったの」

真「セリフとか、別にどうでもいいよ……」

春香「まあまあ、登場シーンぐらい、ちゃんとやらせてあげようよ」

美希「ぶー」

カルコ3「……いいかな?」カタカタ

春香「あ、どうぞ」

カルコ3「じゃあ、改めて……」カタカタ



カルコ1「僕らは陽気なカルコブリーナ!」カタカタ

カルコ2「恐くて可愛い人形さっ!」カタカタ

春香「なんか、カタカタ音がするのが気になるねぇ……」ヒソヒソ

千早「人形だから、仕方ないと思うわ」ヒソヒソ

カルコ3「……君達!真面目に聞いているのかい!?」

春香「え、えっと……」

真「ボク達、真面目に聞く義理はないと思うんだけど……」

美希(キモい上に、面倒くさい敵なの……)

カルコ3「……君達のせいで、話が進まないじゃないか!」カタカタ

カルコ3「まだブリーナ達だってセリフを言ってないんだからねっ!?」カタカタ

春香「は、はぁ……すみません」



492 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 21:14:22.70 ID:rOTNbUCvO

千早「……」

千早「じゃあ、三番目の人からセリフを言ってはどうかしら?」

真「そうだね。一番と二番はもう聞き飽きたし」

カルコ3「わ、わかったよ……」カタカタ



カルコ3「ばーかめっ!」カタカタ



春香「……」

春香「……えっ?それだけ?」

カルコ3「そ、そうだよ!これがボクのセリフなのっ!」

真「なんだか拍子抜けだなぁ」

美希「……あふぅ」

カルコ3「う、うるさいっ!」カタカタ

ブリーナ1「なあ、もうセリフなんていいよ……」カタカタ

ブリーナ2「うん。なんかグダグダになっちゃったしなぁ」カタカタ

カルコ3「で、でも、せっかく練習したのに!」カタカタ

ブリーナ3「張り切ってたのは、お前だけだろ?」カタカタ

春香「今度はケンカ始めちゃったよ」

真「あんまり仲良くないみたいだね」

千早「……よくわからないけれど、私達にも非はあるんじゃないかしら」

春香「そうなのかなぁ?」



493 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 21:22:33.21 ID:rOTNbUCvO

千早「あの」

カルコ3「なんだよ!」カタカタ

千早「私達、もう口出ししないから……」

千早「もう一度やってもらえないかしら?」

真「えー、またやるの?」

千早「このままじゃ、先に進まないわ」

真「ん、まあね……」

カルコ3「絶対にしゃべっちゃダメだからね!」カタカタ

千早「わかったわ」

カルコ3「じゃあ……」チラ

カルコ1「あ、うん……」カタカタ



カルコ1「僕らは陽気なカルコブリーナ!」カタカタ

カルコ2「恐くて可愛い人形さっ!」カタカタ

カルコ3「ばーかめっ!」カタカタ

千早「……っ!」プルプル

ブリーナ1「のこのこやって来るからさっ!」カタカタ

春香(ち、千早ちゃん、笑い堪えてる……!)

春香(どうしよう、私までおかしくなってきちゃった……!)

ブリーナ2「君らを倒して、リツコ様の」カタカタ

真(やっぱり、律子の手下かぁ……)

ブリーナ3「手土産にさせてもらうよ!」カタカタ

美希(どーでも良過ぎて、セリフがまったく頭に入ってこないの)



千早「……プッ……くくくっ!」

春香「ち、千早ちゃん……わ、笑ったら、悪いよ……ぷっ!」

真「2人とも、そんなにおかしかった?」

美希「箸が転がってもおかしい年頃なの」



カルコ3「ば、馬鹿にしやがってー!」ダッ


494 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 21:26:27.82 ID:rOTNbUCvO

カルコ3「くらえー!」ブンッ



真「……せいっ!」ブンッ


ドゴォ!グシャ


カルコ3「」


カルコ1「つ、強い……!」カタカタ



千早「……くくっ!」プルプル

春香「ひー!……お、お腹痛い!」ジタバタ



真「……」

真「春香と千早は戦えなそうだね」

真「美希、2人で行くよ!」

美希「えー、ミキもー?」

美希「……真クンだけで充分だって思うな」



カルコ2「スキありー!」ダッ



美希「ミニマム!」


ボンッ


美希「えいっ!」グシャ


カルコ2「」


真「へへ、やるじゃないか!」

美希「だって、キモいんだもん」



カルコ1「こ、こいつら、強いぞ……!」カタカタ

ブリーナ1「こうなったら……!」カタカタ

ブリーナ2「合体するしか……!」カタカタ

ブリーナ3「いくぞっ!」カタカタ



495 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 21:31:11.09 ID:rOTNbUCvO

ガチャッ!ガチャッ!


真「……なんだ?」


ガチャッ!ガチャッ!


美希「……どんどんくっ付いて行くの!」




カルコブリーナ「さあ、これからが本番だからねっ!」



真「うわぁ……でっかくなったなぁ」

美希「大きければいいってものじゃないと思うな」



カルコブリーナ「それっ!」ブンッ


ドゴォォォン!



真「うわっ!」

美希「きゃーなの!」



カルコブリーナ「ふふふ、ぺちゃんこにしてあげるよっ!」



真「あれは、食らったらヤバそうだなぁ……」

真「でも、あんな間抜けなやつらには負けないぞっ!」ダッ


496 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 21:35:18.85 ID:rOTNbUCvO

真「飛燕疾風脚っ!」


ビュンッ…ドゴォ!


カルコブリーナ「ぐっ……!」ミシミシッ


カルコブリーナ「このぉ!」ブンッ


美希「……えいっ!」ヒュンッ


グサッ!


カルコブリーナ「うぎゃああ!目、目があっ!」ジタバタ


真「よし、もう一丁!」グッ


カルコブリーナ「このおっ!」ブンッ


美希「真クン!危ない!」

美希「……プロテス!」


パキーン!


ドガッ!


真「うわっ……!」ジリッ


カルコブリーナ「このまま潰してやるっ!」ググッ


真「…………へへっ!」

真「うおぉぉぉぉ!」グッ


カルコブリーナ「そ、そんな!押し返される……!」ググッ


真「おぉぉぉぉりゃあっ!」グイッ


カルコブリーナ「うわあっ!」ヨロッ



497 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/12(水) 21:50:29.50 ID:rOTNbUCvO

美希「くらえ、なのっ!」ヒュンッ


ザクッ!


カルコブリーナ「ぎゃああっ!」ヨロッ


美希「真クン、トドメ!」


真「おおおおおっ!」

真「残烈拳!」


ダダダダダダダダダダ…


真「せいっ!」ドゴォ!


カルコブリーナ「…………!」ピクピク


真「…………破っ!」バキッ!


ガラガラ…ドォォォン…


カルコブリーナ「」






真「…………ふぅ」

美希「はー、キモかったの……」



千早「………あら?」

春香「人形さん達は?」



真「2人とも、やっと落ち着いたのか……」

真「もうボク達が倒したよ」

千早「そう……ごめんなさい」

春香「あ、でも……これってルカさんの人形なんだよね……?」

真「仕方ないよ、襲って来たんだし……」

美希「フカコーリョクってやつなの」

春香(正直に話せばわかってもらえるかな……?)


春香「とりあえず、戻ろっか」

春香「クリスタルも無事みたいだし」チラ


キラーン!



498 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/15(土) 08:38:03.18 ID:yR4DnXuEO

律子「……そういうわけにはいかないわよ?」



春香「……律子さん!」

春香「……じゃないや、小鳥さん、ですよね?」

律子「そっかぁ……もうみんなにバレているのね」

真「小鳥さん……なぜ、こんな事をするんですか?」

律子「それは……みんなのタメに決まっているでしょう?」

春香「みんなのタメ……?」

律子「みんなが楽しめるように、私が頑張っているのよ?」

千早「音無さん。せめて、律子を解放してあげてください」

千早「このままじゃ、律子は……」

真「そうですよ!律子が可哀想です!」

律子「ダメよ。だって、私だけ月でひとりぼっちなんて、さみしすぎるもの」

律子「律子さんには、まだまだ活躍して……」

真「……意外と卑怯者なんですね?小鳥さんって」

律子「えっ……?」

春香「ま、真……」

真「……だってそうでしょう?」

真「さみしいんだかなんだか知りませんけど、月から動けないからって律子を操って悪さして、自分は無傷なんて……」

真「みんな大変な思いしてるっていうのに……」



真「……本当の悪党になっちゃったんですか?小鳥さん」



律子「……」


499 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/15(土) 08:40:59.24 ID:yR4DnXuEO


真「やるなら、正々堂々とやりましょうよ!」

律子「……」

律子「……わかったわ。真ちゃんの言う事も、一理あるものね」

律子「……正々堂々、戦いましょうか!」

真「じゃあ、まずは律子を解放してあげてください」

律子「そうね……」







律子「…………なんて言うと思った?」ニコッ



4人「!?」



律子「……蛇君、いらっしゃい?」


ニュルリ…


タイダリアサン「はーい……」ニュルニュル


春香「な、何あれ……?」

千早「蛇の魔物……かしら?」

律子「あ、紹介するわね。この子は私の四天王のひとり……」

律子「怠惰のタイダリアサンよ!」

真「……ダジャレ?」

美希「センスないの」

律子「ちょ、ちょっとみんな!一生懸命考えたのにひどくないかしら?」

春香「あ、でも、千早ちゃんにはウケてるみたいですよ?」チラ



千早「……プッ……くくっ!」プルプル



律子「……」


500 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/15(土) 08:46:58.88 ID:yR4DnXuEO


律子「ま、いいか……」

律子「クリスタルは、もらって行くわね」キラーン!

律子「蛇君、後は任せたわよ?」

タイダリアサン「はいはい……わかりましたよ……」


律子「じゃあみんな、頑張ってねー!」

スタスタ…




春香「行っちゃった……」

真「小鳥さん……」

美希「……あふぅ」

千早「みんな、敵がいるのを忘れないで!」

春香「あ、そうだった!」


タイダリアサン「私も気が進まないんですがね……」

タイダリアサン「コトリ様の命令なんで……すいませんねぇ」

タイダリアサン「とりあえず、パパっと終わらせちゃいますね」


ザァァァァ…


春香「!」

春香「水が、集まってく……!」

春香「……真っ!」

真「うん……バロンで戦ったあの亀の魔物と同じだね……!」

千早「春香、どういう事?」

春香「津波がくるよ!」

千早「津波……?」


タイダリアサン「あ、知ってるんですか……」

タイダリアサン「まあ、そういう事です」


真「そうはさせないぞっ!」ダッ


タタタタ…


真「はぁぁぁぁぁ!」バリッ


タイダリアサン「ん……?」


501 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/15(土) 08:49:30.91 ID:yR4DnXuEO

真「……雷煌拳!」


ズガガガガガガッ!


タイダリアサン「痛い痛い痛い!」


真「……あれ?」スタッ


タイダリアサン「痛いじゃないですかーもー!」


真「き、効かないのか……?」


タイダリアサン「あー……」

タイダリアサン「よく勘違いされますけど、私、雷が弱点ってわけじゃないんで……」

タイダリアサン(ま、今のは普通に痛かったんですけどね)

タイダリアサン「じゃ、今度はこっちの番ですね」


タイダリアサン「飲まれちゃってください!」

タイダリアサン「タイダるウェーブ!」


ザァァァァァァ…


真「まずい!」

千早「くっ……!」

春香「わわっ!」

美希「やーん!せっかく髪の毛セットしたのにー!」


ザッパァァァァァァァン!






真「ぐっ……!」ヨロッ

真「あ、あれ……?」ガクン

真「ち、力が入らない……?」


502 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/15(土) 08:52:31.47 ID:yR4DnXuEO


タイダリアサン「そうでしょうねぇ」


真「ど、どういう事だっ!?」


タイダリアサン「タイダるウェーブをまともに受けると……」

タイダリアサン「『脱力』しちゃうんですよー」


真「な、なんだよそれっ!」


タイダリアサン「あなたはまだマシな方だと思いますよー?」

タイダリアサン「……ほら、仲間を見てごらんなさい」


真「……え?」クルッ



春香「はぁ……何もやる気が起きないよぉ……」ズーン

千早「……まあ、なんでもいいですけど」ボソッ

美希「あーん、びしょびしょなの……」


真「……」


タイダリアサン「どうです?恐ろしいでしょ?」


真「う、うん……確かに……」

真(美希はいつもと変わらない気もするけど……)


タイダリアサン「あなたもそのうち、仲間と同じように無気力になると思いますから、心配しないでください」


真「く……!」



美希「ねえ春香、ゴム持ってない?」

美希「髪の毛がうっとおしいから縛りたいの」

春香「はぁ……美希にゴムを渡す気力もないよ……」

美希「もー、なんでいじけてるの?」スッ

美希「借りるね!」

美希「よいしょっと……」ギュッ


503 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/15(土) 08:55:58.42 ID:yR4DnXuEO

真「あ…れ……?な、なんだ……?」

真「なんか、何もかも面倒になってきた……」

真「どうせ、ボクなんか……」イジイジ



タイダリアサン「堕ちましたねー……」

タイダリアサン「さて、めんどくさいけど、トドメを刺しちゃいますか」


ヒュンッ…ザクッ!


タイダリアサン「痛っ!」

タイダリアサン「だ、誰ですか?」



美希「せっかくセットしたのにぃ……!」

美希「ミキ、怒ったの!」



タイダリアサン「あれ?タイダるウェーブが効いてない……?」

タイダリアサン「そ、そんな事、あるはず……」


美希「春香も千早さんも……真クンまで、そんなになっちゃうなんて……」

美希「みんな、もっとやる気を出して欲しいって思うな!」プンスカ

真「どうせ……ボクなんか……」イジイジ

春香「はぁ……言い返す気力もないよ……」ズーン

千早「……まあ、なんでもいいですけど」ボソッ


504 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/15(土) 08:59:48.60 ID:yR4DnXuEO


タイダリアサン「面倒な事になっちゃったなぁ……」



美希「……魔物まで、やる気ないの」

美希「うーん、じゃあ……」

美希「このままどっか行ってくれれば、見逃してあげてもいーよ?」

タイダリアサン「まあ、そうしたいところなんですけど……」

タイダリアサン「一応命令なんで、もう少し時間稼ぎさせてもらいますね?」

タイダリアサン「それっ!」


ブォンッ!


美希「きゃっ!」ヒョイッ


美希「……このっ!」ギリッ


ヒュンッ…ザクッ!


タイダリアサン「痛いっ!」

タイダリアサン「……うっとおしいなぁもう」

タイダリアサン「ブレイズ!」


ゴオオォォォォォ!


美希「あちちっ!」ヨロッ

美希「ケアルラ!」


シャララーン!キラキラ…


タイダリアサン「うーん……埒が明かない……」

タイダリアサン「じゃあ、これならどうです?」


ビュンビュンビュン…

ドゴォ!バキッ!



美希「いやぁ!なんかクネクネ動いてるの!」

美希「あ、あんなの、避けられるわけないって思うな!」



ラムウ「……裁きの雷!」


バリバリッ…ズガガガガーーン!



505 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/15(土) 09:14:55.53 ID:yR4DnXuEO


タイダリアサン「ぎゃあああ!」ビリビリ

タイダリアサン「な、なんですか?いったい誰が……?」





やよい「うっうーーー!」

やよい「みなさんは、わたしが守りましゅっ!」



千早「……まあ、どうでもい…………えっ?」キュンッ


やよい「あっ………///」


美希「やよい!?」

美希(今、やよい噛んだよね?)

やよい「美希さん!だいじょーぶですかっ?」

やよい(かんじゃった事、ばれてないといいかなーって)

美希「うん!助かったの!」


千早「た、高槻さんっ!」


やよい「千早さんっ!おひさしぶりですっ!」

美希「あれ?千早さんが元に戻ったの!」

千早「ええ……高槻さん(が噛んだ)おかげよ」ニコッ

やよい「えへへ、よかったですー!」



タイダリアサン「……」

タイダリアサン(あの召喚士、ちょっと厄介だなぁ……)








やよい「まものさんっ!」

やよい「こんな事しちゃ、めっ!ですよっ!」


タイダリアサン「……」



506 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/15(土) 09:19:11.38 ID:yR4DnXuEO

美希「3人でやっつけるの!」

やよい「はいっ!」

千早「もう、油断はしないわ」チャキッ




タイダリアサン「あのー……」

やよい「はい、なんですか?」

タイダリアサン「ちょっと3人を相手にするのはさすがに面倒なんで……」

タイダリアサン「私、これで失礼しますね?」

やよい「そうなんですかぁ……」

やよい「わかりましたー!」

美希「んー……まあ、いっか」

千早「えっ?」

千早「……まあ、2人がいいならいいけれど……」




やよい「じゃあ、さようならー!」

美希「小鳥によろしくなのー!」

千早(本当に行かせていいのかしら……?)



タイダリアサン「はーい、さようならー」


ニュルニュル…






やよい「あの、美希さん。小鳥さんによろしくって……?」

美希「えっと……まあ、話せば長くなるの」

やよい「そうですかー」

やよい「とりあえず、春香さんと真さんをどうにかしないとですね!」

千早「そうね」

美希「……あふぅ」



507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/15(土) 14:52:31.01 ID:JKeChVsDO
やよいは律儀だなー
508 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/16(日) 20:03:11.55 ID:QwbzxRrkO


真「いやぁ、不覚だったよ……」

真「ごめん!」

やよい「そんな、あやまらないでくださいっ!」

美希「そうだよ真クン。まったく活躍しなかった人達もいるんだから……」チラ

春香「うぅ……」

千早「……ごめんなさい」

やよい「いえ……みなさんがぶじで、ほんとーに良かったですー!」

春香「やよい……!」

千早「高槻さん……!」



春香「でもやよい、よくここがわかったね?」

やよい「あ、それは……はいほーの人が教えてくれたんですよ!」

真「はいほーの人?」

春香「らりほーじゃなくて?」

やよい「はい!はいほーの人が、どわーふのお城に行けばみなさんに会えるって!」

美希「ひとりでこんなところまで来るなんて、やよいも成長したの」

やよい「あっ、わたし、ひとりじゃないですよ?」


やよい「伊織ちゃんも、いっしょです!」


春香「!」

真「えっ、伊織も……!?」

千早「水瀬さん……」

美希「デコちゃん、どこにいるの?」

やよい「それが……」

やよい「すっごいケガしてたんで、ちょっと休んでもらってます」

春香「そっか……」

春香(伊織……大丈夫かな……?)

春香(これで、あと会ってないのは貴音さんだけか……)

春香(どこにいるんだろう……?)



509 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:05:10.54 ID:QwbzxRrkO

美希「それにしても、びっくりしたの」

美希「ヤバいっ!……って思ったら、急に変なおじいちゃんが現れて、ドカーンって」

美希「あれ、やよいがやったんでしょ?」

やよい「はいっ!らむさんは、わたしのお友達なんですよー!」

千早「その方にも、後でお礼を言わないと」

春香「おじいちゃんがお友達なんて、やよいらしいねぇ」

真(ラムさん……)

真(だっちゃの人かな……?)



春香「そうだ、クリスタルが奪われちゃった事、王様に報告しなきゃ……」

真「……結局、ボク達何の役にも立たなかったね……」

千早「……」

美希「仕方ないの。小鳥が卑怯なんだもん」

やよい「?」



春香「……とにかく、王様のところに戻ろう」

千早「……そうね」

やよい「……じゃあわたしは、伊織ちゃんのところへ行ってますね?」

真「伊織は今どこにいるの?」

やよい「えーっとぉ………きゅーごしつってところにいます!」

春香「救護室か……わかった」

春香「じゃあ、あとで私達も行くから」

やよい「はい!待ってます!」



510 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:08:43.87 ID:QwbzxRrkO
ドワーフ城 救護室

伊織「モグモグ……」

ドワーフ兵士「どうだー!ドワーフの料理、うまいだろー?」

伊織「……ふん。まあまあね」

伊織「でも、この伊織ちゃんの舌を満足させたいなら、この100倍はおいしくないとね!」

ドワーフ兵士「人間、手厳しいー!」



ガチャ…



やよい「伊織ちゃん、ぐあいはどう?」



伊織「!」カランッ

伊織「や……やよい!?」

伊織「な、なんでここに……!?」

やよい「えへへ……このお城にくるとちゅうで、伊織ちゃんを見つけたから……」

やよい「伊織ちゃんに会えて、わたしうれしくなっちゃって……」

やよい「伊織ちゃんもつれてきちゃった!」

やよい「……かってに、ごめんね?」

伊織「な、何言ってるのよっ!」

伊織「私…だって……ヒック……!」



伊織「やよいに……会いたかった……!」ダキッ



やよい「伊織ちゃん……」ギュッ

伊織「やよいぃ……!」ポロポロ

やよい「会えて、よかった……」ナデナデ

伊織「うぅ……グスッ!」ポロポロ



伊織(やよい……助けてくれて、ありがと……)



511 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:17:37.73 ID:QwbzxRrkO

伊織「えっ……春香達も来てるの?」

やよい「うん!春香さんたち、まものさんとたたかってたみたいだよ?」

伊織「ふーん……春香達も、まあまあ頑張ってるみたいね」

伊織「ま、このスーパー忍者アイドル伊織ちゃんがいれば、百人力よね!」

やよい「にんじゃ……?」

伊織「そうよ。私は、この世界では忍者なのよ」

伊織「やよいだって、何かあるでしょ?」

伊織「なんていうか、こう……力?みたいなものが」

やよい「うー……」

やよい「あっ!だれかが、わたしのことを『しょーかんし』って言ってたかも!」

伊織「しょーかんし?聞いた事ないわねぇ……」

伊織「で、やよいはどんな事ができるの?」

やよい「えーっとね……お友達を、よびだせるよ!」

伊織「友達を、呼び出す……?」

伊織「よくわからないけど、助っ人みたいなものかしら?」

やよい「うーん、わたしもよくわからないけど、そうかも」

伊織「やよいの友達か…………ちょっと見てみたいわね」

やよい「みんな、とーってもいい人たちだよ?」ニコッ

伊織「あんたにとっては、大抵のやつがいい人じゃない……」

伊織「……春香達も、何か特別な力を持っているのよね?」

やよい「春香さんはねー、真っ黒だったよ」

伊織「真っ黒……?」

やよい「うん。黒いのが、ばばーん!って」

伊織「意味がわからないわね。で、他は?」

やよい「真さんは、とっても強かった」

伊織「それ、いつも通りじゃない?」

やよい「あ、そうかもー」

やよい「雪歩さんは、穴ほってたかなーって」

伊織「それも、いつもと何も変わらないわね」

やよい「美希さんは、まほうを使ってたよ!」

伊織「魔法……?へぇ、ちょっと見てみたいわね」

伊織(私の忍術みたいなものかしら?)

やよい「あっ、それでね!……プロデューサーは、べろちょろなんだよ!」

伊織「え?……べろちょろって、あの?」

やよい「うん。あのべろちょろだよ!」


伊織(あいつ……何やってんのよ……)


512 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:27:11.00 ID:QwbzxRrkO
ミスリルの村

響「なんだこの村……誰もいないのかー?」キョロキョロ

響「ミスリルがどこで採れるか、聞きたかったんだけどなぁ……」



「………おい!」



響「ん?誰かいるのか?」キョロキョロ

響「…………誰もいないぞ」

響「…………はっ!」

響「ひょ、ひょっとして……オバケ……!?」ブルブル



「こら!オバケ扱いするな!ちゃんと生きてるぞ!」



響「ま、また……!」

響「どこから声が……?」キョロキョロ



「下だよ下!足元を見てみなさい」



響「足元……?」チラ

響「……………あっ!」

小人「やあ、やっと気づいてくれたね」

響「お前……ちっちゃいなぁ!」

響「こんなにちっちゃい人間は、見たことないぞ」

小人「僕は小人さ。君たち人間が大き過ぎるんだよ」

小人「踏み潰さない様、気をつけてくれたまえ」

響「へー、小人かー……お前の他にも、この村には誰かいるのか?」

小人「ああ。カエル君とブタ君がいるよ」

響「普通の人間はいないのか……」

響「でも、カエルやブタにも会ってみたいぞー!」

小人「そうかい?だったら、僕達の家に招待しよう……」

小人「……と、言いたいところだが、おそらく君は、大き過ぎて僕達の家には入れないだろうね」

響「そっか……残念だぞ」

小人「だから、コンサートホールに案内しよう」

響「コンサートホール?」

小人「ああ。この村は、ダンスが盛んでね。コンサートホールはダンスを披露する場所なんだ」

小人「君は大きいけど……あそこならまあ、入れるだろう」

小人「じゃあ、ついて来なさい」

トテトテ…


響(自分が連れて行った方が早い気がするぞー)


513 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:29:02.27 ID:QwbzxRrkO
ミスリルの村 コンサートホール

響「ここがコンサートホールかー」キョロキョロ

響「自分達がいつもライブとかしてるステージの、ミニチュアみたいだなー!」

小人「君たちにとってはそうだろうね」

小人「だが僕達にとっては、5000人を収容できる大施設だ」



カエル「おや……?」

ブタ「あれ……?」

カエル「小人君、お客さんかい?」



小人「やあ、カエル君、ブタ君。こちらは人間の……」

小人「……そうだ、まだ君の名前を聞いてなかったね」

響「自分、我那覇響だぞ!響って呼んでくれよな!」

小人「ヒビキ君か……」

カエル「やあ、初めまして!僕は……」

響「ピョン太!」

カエル「えっ……?」

響「お前の名前は、ピョン太に決めたぞ!」

カエル「あ、いや僕は……」

響「小人のお前は、ミニ助にしよう!」

小人「……」

響「ブタは……ブタ男でどうだ?」

ブタ「あ、あの……」

小人「ヒビキ君、彼女は…………女性だ」

響「えっ?そ、そうだったのか……」

響「知らなかったとはいえ、ごめんなー」

ブタ「あ、いえ……」

響「じゃあ、ブタ美にしよう!」

ブタ「は、はぁ……」

ミニ助「……まあ、あだ名だと思えばいいか」

ピョン太「ネーミングセンスに問題がある気もするけどね……」

ミニ助「ところでヒビキ君。人間の君が、こんな村にいったい何の用で来たんだい?」

響「自分、ミスリルを採りにここに来たんだ!」

ピョン太「ミスリルか……」

ミニ助「ふむ。詳しい話を聞こうか」

響「実は……」


514 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:30:53.74 ID:QwbzxRrkO


ミニ助「なるほど……」

ミニ助「船を強化するためにねぇ……」

響「山に入るのには、許可とか必要なのか?」

ピョン太「いや、そういうのは一切必要ないんだけど……」

ブタ美「……や、山には……つい最近、魔物が現れたの……」

ミニ助「だから、我々も気軽にミスリルを採りに行く事はできなくなってしまってね」

響「ふーん、そうなのか……」

響「だったら、自分に任せろ!」

響「魔物、やっつけて来てやるぞ!」

ミニ助「しかし……君ひとりでは危険では……?」

響「なんくるないさー!これまでだって、魔物とたくさん戦ってきたからな!」

ピョン太「小人君、お願いしてみないかい?」

ミニ助「……わかったよ」

ミニ助「だが、心配だから僕達もついて行こう」

響「一緒に来てくれるのか?それは心強いぞー!」

ピョン太「まあ、よそ者だけに任せるのも、申し訳ないからね」

ブタ美「わ、私も、お手伝いします……」





響「ねえ、つるはしとかは持って行かなくていいの?」

小人「ああ。ミスリルの採掘は、ブタ君に任せればいいよ」

ブタ美「が、頑張ります」

響「そっか。よろしく頼むな!」

響「それじゃ、出発だ!」




515 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/16(日) 20:33:51.59 ID:QwbzxRrkO
ミスリル鉱山

スタスタ…


響「こういうところって初めて来たけど……」

響「なんだか暗くてジメジメしてて、雰囲気悪いなー」

ミニ助「鉱山なんて、そういうもんだよ」

ミニ助「洞窟を掘って採掘するんだからね」

ブタ美「あ……そろそろ採掘場に着きます」




「ムシャムシャ……」

「バリッ、モグモグ……」



響「…………あ!何かいるぞ!」

響「亀……かな?何か食べてる」

ブタ美「ヒビキさん、あ、あれが魔物です!気をつけて!」



カイナッツォ「……ん?」

カイナッツォ「お、お前は……!」

響「あれ?自分の事知ってるのか?」

カイナッツォ「バロン城で受けた屈辱、忘れたとは言わせんぞ!」

響「バロン……?」

響「……ああ、思い出した!あの時の亀かー」

響「何か、ずいぶん小さくなっちゃったなぁ」

ミニ助「ヒビキ君、知り合いなのか?」

響「うん。前に自分達がやっつけた魔物なんだけど……」

響「こんなところに逃げてたんだな」

カイナッツォ「ククク……ここで会ったが百年目……!あの時の恨み、晴らしてくれる!」

ピョン太「ヒビキさん、来るよ!」

響「あ、うん……」


カイナッツォ「死ねぇ!」ダッ


ガシッ!


カイナッツォ「ぐっ!は、離せっ!」ジタバタ

響「……」



516 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:36:11.62 ID:QwbzxRrkO

響「あのさ、前よりだいぶ小さくなってるみたいだけど……そんなんで自分に勝てると思ってるの?」

カイナッツォ「う、うるさいっ!早く離せっ!」

響「……」パッ


ドサッ


カイナッツォ「ぐっ……」

響「……」

カイナッツォ「……」

響「……まだ、やる?」

カイナッツォ「……ふ」

カイナッツォ「ふふふ……今日のところは、痛み分けにしておいてやろう」

カイナッツォ「だが、次に会った時が、お前の命日だ!」

カイナッツォ「覚えておけっ!」


ガサガサ…



ミニ助「ヒビキ君、見直したよ!君は強いんだなぁ!」

ピョン太「うんうん、助かったよ!」

ブタ美「ありがとうございます!これで、採掘が続けられます!」

響「う、うん……」

響「自分、たいした事してないけどな」



響「……で、つるはしも無いのに、どうやって掘るの?」

ブタ美「私に、任せてください!」ダッ


┣¨┣¨┣¨┣¨……ドゴォン!


ボロボロッ…ドサッ


響「おおぉ!突進で壁を崩したのかー。すごいぞ!」

響(ブタって言うより、猪みたいだなー。似たようなものだけど)

ブタ美「私……これしか取り柄がないので……」

ミニ助「……さ、みんな。ミスリルを運んでしまおう!」

ピョン太「ヒビキさんは、船の修理に使うんだよね?少し多めに持って行った方がいいな」

響「うん、そうだな!」




517 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:38:38.37 ID:QwbzxRrkO
ミスリルの村 コンサートホール

響「え?ダンスを?」

ミニ助「ああ。魔物を追い払ってくれたお礼に、僕らのダンスを披露しよう」

響「ダンスかぁ。興味あるぞ!」

ピョン太「じゃあ、準備するから、ちょっと待っててくれるかい?」






ミニ助「いぇーい!」

響「い、いぇーい!」

ミニ助「れでぃーす、えーんじぇんとるめーん……」

ピョン太「うぃあー、ミスリルブラザーズ!」

ブタ美「うぃるしょーゆー、すぺしゃるだんす!」

ミニ助「みゅーじっく、かもん!」


響「……」カチッ

響(なんで自分が裏方もしなくちゃならないんだ……?)


テッテレテレテテ……♪


響(なんか、ゆったりした曲だなぁ)

響(これだと、激しい動きで魅せるダンスは難しい……ん?)


ミニ助「はっ!ほっ!」ダッ

ピョン太「よっ!」ピョン

ブタ美「えいっ!」クルンッ



響「わぁ……!曲はゆったりなのに、ずいぶん激しいダンスだなー」

響「……」ウズウズ

響「………やっぱり、自分も踊りたいぞ!」ダッ


テッテレテレテテ……♪


ミニ助「はっ!ほっ!」ダッ

ピョン太「よっ!」ピョン

ブタ美「えいっ!」クルンッ

響「へへっ!」キュッ


テッテレテッテッテー……♪



クルンッ……スタッ



4人「……せんきゅー!」


518 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:40:14.59 ID:QwbzxRrkO
トロイア城 庭園

雪歩「よいしょ、よいしょ……」


ザクッ…ザクッ…


雪歩「もっともっと深く……」


ザクッ…ザクッ…


雪歩「いい土になぁれ……」


ザクッ…ザクッ…



雪歩「……………ふぅ」

雪歩「ちょっと疲れちゃったかも……」

雪歩「休憩しようかな」スッ


コポコポ…


雪歩「ズズ……」

雪歩「はぁ………落ち着く……」




トロア「ユキホ王女ーー!」


タタタタ…


雪歩「あ、トロアさん」

トロア「はぁ、はぁ…………探しましたよ」

トロア「こんなところで何をなさっているのです?」

雪歩「……ちょっと、土を耕していたんですぅ」

トロア「土を……ですか?」

雪歩「はい。『畑を増やしたい』って、アンさんに言われて……」

トロア「姉上……まだ病み上がりだというのに、ユキホ王女にこの様な事をさせて……」

雪歩「あっ、き、気にしないでくださいっ」

雪歩「私は、ただでこの国に置いていただいてる身ですし……」

トロア「……」



519 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:43:29.85 ID:QwbzxRrkO

トロア「しかし、ユキホ王女……」

トロア「あなたは優しすぎます。嫌な事は嫌と、はっきり申した方が……」

雪歩「あ、いえ……私もいいリハビリになっているんで……」

雪歩「この国の役に立ちたい、とも思いましたし……」

雪歩「……何より、土をいじってる時間が、一番落ち着くんですぅ」ニコッ

トロア「………ふふ」

トロア「あなたは本当にお優しいお方だ……」ニコッ

雪歩「そ、そんな事……///」



雪歩「わ、私なんて……ひんそーで、ちんちくりんで……!」チャキッ


トロア「ゆ、ユキホ王女、ダメですってば!」


雪歩「あ、あ………!」



雪歩「穴掘って、埋まってますぅーー!」


ザクザクザクザクザクザク…



トロア「あーあ……」

トロア「これさえなければ、素晴らしい人なんだけどなぁ……」



スタスタ…


アン「あら……トロア?」


トロア「姉上……」

アン「ユキホさんを見かけなかったかしら?」

トロア「ああ……ユキホ王女なら……」クイッ

アン「クスクス……また、穴の中なのね?」

アン「本当に、面白い方ねぇ……」



520 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:46:21.41 ID:QwbzxRrkO

トロア「それより、姉上はなぜここへ?」

アン「お茶のお誘いに、ね?」

アン「せっかくユキホさんとお友達になったんですもの。もっとお話したいな、って思って」

アン「ユキホさんのお話って、とっても面白いのよね」

アン「特に、あいどる……というものの話とか……」

トロア「友達とは……姉上は言い方が少々ザックリしすぎでは?」

アン「いいじゃない。私とユキホさんがお友達になれば、トロイアとダムシアンは、事実上の友好国になるんだから」

トロア「……まさかそんな打算が混じっているとは……」

アン「あ、ユキホさんとお友達になりたいと思ったのは、別に打算があったからってわけじゃないのよ?」

トロア「はいはい………じゃあユキホ王女をお呼びしますね?」



トロア「おーーい!ユキホ王女ーー!」



雪歩「はぁい……」ガサゴソ



雪歩「す、すみませんっ!私、また……」

トロア「お気になさらず」

アン「ところでトロア。あなたはどうしてここにいるの?」

トロア「はっ……!忘れてました!」



トロア「ユキホ王女。あなたに、お客様です」



雪歩「わ、私に………ですか?」

アン「丁度いいわ。是非そのお客様も、お茶にお呼びしましょう!」

アン「トロア、そのお客様、ここへ連れて来てもらえるかしら?」

トロア「わかりました」



521 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:51:30.52 ID:QwbzxRrkO
トロイア城 客室

トロア「お待たせしました。ユキホ王女の元へお連れいたします」ペコリ



あずさ「よろしくお願いしますね〜」ペコリ

亜美「兄ちゃん、ゆきぴょんは元気にやってるかなぁ?」

P「雪歩の事だ。心配は……」

P「……」

P「そんなに、してないが……」

亜美「そこは自信持とうよ……」

亜美「ま〜でも、この国を見る限りは、相変わらずっぽいよね」

真美「うんうん。なんたってここは、森と湖と穴の国だからね〜」

亜美「いや〜、国の名物を増やすなんて、なかなかできる事じゃないよ〜」

真美「もはや、メイヨ国民レベルだね!」

P「確かになぁ……ゲームの世界とはいえ、俺もびっくりしたよ」



あずさ「うふふ、雪歩ちゃんに会うのが楽しみだわ〜」



P「あ、あずささん、どこ行くんですか!?」

P「そっちじゃなくてこっちですってば!」

あずさ「あ、あら、私ったら……///」



亜美「ここにも、相変わらずなお方がいましたな〜」

真美「ゾンビになっても方向音痴なあずさお姉ちゃん……さすがですな〜」



P「2人とも、行くぞー!」



亜美・真美「待ってよ兄ちゃ〜ん!」



トロア(この方達は3人のはずだが、まるで4人目がここにいる様な会話をされている気がする……)

トロア(……気のせいか?)



522 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:54:49.90 ID:QwbzxRrkO
トロイア城 庭園

ダダダダ…

亜美・真美「ゆきぴょ〜ん!!」



雪歩「あっ…………!」

雪歩「…………亜美ちゃん!真美ちゃん!」

雪歩「ど、どうしてここに……?」



あずさ「……雪歩ちゃん、ひとりでさみしいだろうな〜って思ってね?」



雪歩「あ、あずささんっ……!」



P「雪歩、久しぶりだな!」



雪歩「プロデューサーさん……!」



雪歩「み、みんな……っ!」ウルッ

雪歩「うぅっ……グスッ……!」

雪歩「あ、会いたかったですぅ……!」ポロポロ

亜美「ああ〜、泣いちゃダメだよゆきぴょ〜ん!」

真美「ま、真美達まで……泣きたくなっちゃうじゃんかぁ……!」ポロ

雪歩「うぇっ……ヒック…ご、ごめんね……っ?」ポロポロ


あずさ「……うふふ、良かったですねぇ」

P「……はい。とりあえず無事みたいなので、安心しました」



アン「感動の再会ねぇ……」

トロア「はいっ………!」ウルッ

アン「……あら?トロア、あなた泣いてるの?」

トロア「け、決してその様な事はっ……!」ゴシゴシ

アン「うふふ……」



トロア(ユキホ王女……本当に、良かったですね……!)



523 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/16(日) 20:57:28.42 ID:QwbzxRrkO
間違えた
雪歩はPをさん付けしないんだった……
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 21:41:46.33 ID:bXxDqSVOo
乙!
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 22:37:19.62 ID:KE1tM3pDO
ドンマイ
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/17(月) 03:00:17.46 ID:d1ojpK2Yo
響がいくらなんでも失礼すぎると思うの
527 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/17(月) 07:53:04.80 ID:+GnT8wUWO
>>526
アニマスとSSの知識しかないところから始めたもので……
でも、これじゃいかんと思い、昨日パーフェクトサン買って来て少しプレイしました
……響の二人称は大体の場合『君』みたいですね
勝手なイメージで『お前』にしてしまいました
もう少し勉強します

528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/17(月) 20:23:16.90 ID:D2JQn6JDO
>>527
響Pの俺としては別にそこまで気にしなくてもいいと思う
あくまで二次創作なんだし多少は本来のと違ってもいいと思うよ

>>526
二次創作なんだから別に多少はいいだろ
そんなこといってたらキャラ崩壊目的のSSやらコメディのSSなんか読めないだろ
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/18(火) 10:27:28.55 ID://6nwZkEO
某ハリアーPのアイドルとかとんでもねえことになってるしな
530 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/18(火) 23:48:24.39 ID:/ro0SyuNO
ドワーフ城 謁見の間

ジオット「なんという事だ……!」

春香「あ、あの……すみませんでした!」

ジオット「いや、そなた達を責めている訳ではないのだ……」

ジオット「クリスタルの事は……相手が悪かった、という事だろう」

ジオット「しかし……」チラ



ルカ「うぅっ……グスッ……!」ポロポロ

春香「あの、ルカさん。どうしたんですか?」

ジオット「首飾りが、奪われてしまったのだ……あの『リツコ』という者に……」

千早「!」

千早(確かルカさん、母の形見だと言っていたわよね……)

真「ひどい!なんでそんな事っ!」

美希「……さすがにこれは、許せないって思うな!」

春香「小鳥さん、なんでこんな事を……?」



ジオット「……確かに、あの首飾りは王妃の形見、という事もあるが……」

春香「……他にも、何か意味があるんですか?」

ジオット「…………うむ」

ジオット「我が城のクリスタルが奪われて、やつの手中には、すでに7つのクリスタルが集まった事になる」

春香「……はい」

真「なんとしても、最後のクリスタルは死守しないと!」

ジオット「……その、最後のクリスタルなのだが……」

ジオット「この城から南西にある『封印の洞窟』の最深部にある」

春香「封印の洞窟……ですか」

真「よし!すぐに向かおう!」

ジオット「……いや」

ジオット「そうもいかないのだ」

春香「どういう事ですか?」

ジオット「封印の洞窟は、入口が封印されているのだ」

千早「だったら、律子もその洞窟に入れないのでは?」

ジオット「うむ……そのはずだったのだが……」



ジオット「ルカの首飾りが………その封印を解く、カギなのだ」



春香「えっ……じゃあ……!」



531 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/20(木) 20:50:54.02 ID:RQ+xpo27O

ジオット「そう。やつは、最後のクリスタルに王手をかけている」



春香「……!」

春香「ま、まずい……よね?」

真「まずいんじゃないかな?」

千早「まずいと思うわ」

春香「どうしよう……」

美希「……難しく考える事ないの」

美希「春香の思うようにしたらいいって思うな」

春香「美希……」

千早「美希の言う通りね」

真「リーダー、どうする?」

春香「みんな……」

春香「……」

春香「わかった。じゃあ……」



春香「ルカさんの首飾りを、取り返しに行こう!」

ルカ「え……?」

春香「ルカさん、このままじゃ可哀想だもんね」

春香(ついでに、クリスタルも取り返せたらいいなー……なんて)

ルカ「ハルカさん……」

ジオット「……」



春香「みんな……それで、いいかな?」

真「確かに、ルカの首飾りは取り返してあげたいよね。ボクはそれでいいよ」

美希「ミキも、別にいいよー」

千早「私も、異論はないわ」

春香「ありがと、みんな」

春香「あとで、やよいと伊織にも確認しなきゃだね」

美希「……でも、どこに行けばいいの?」

春香「あ、そうだね。ゾットの塔はもう無いし……」

春香「律子さんのアジトって、他に知らない?千早ちゃん」

千早「ごめんなさい、わからないわ」

春香「そっか……」



532 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/20(木) 20:53:56.48 ID:RQ+xpo27O


ジオット「……やつらのアジトは、バブイルの塔だ」



春香「バブイルの塔……ですか」

千早(律子がゾットの塔で言っていたアレね)

ジオット「敵はそこにいるだろう」

真「でも、もう最後のクリスタルを取りに行ってるかもしれませんよ?」

ジオット「おそらくまだ、その心配はない」

ジオット「最後のクリスタルがある封印の洞窟は、マグマの海に囲まれている」

ジオット「いくら空飛ぶ船とはいえ、そう簡単に灼熱の海には近づけまい」

ジオット「やつが封印の洞窟に行くまで、まだ時間はあるはずだ」

真「なるほど……」

ジオット「バブイルの塔には何門もの砲台が設置されていて、少しばかり厄介だが……」

ジオット「砲台は我が国の戦車隊が引きつける。そのスキに、バブイルの塔へ潜入してくれ」

春香「……わかりました!やってみます!」



ジオット「……出発は明日にして、今日はもう休むといい」

ジオット「部屋はこちらで用意しよう」

春香「ありがとうございます!」






ジオット(あの娘、ハルカといったか……)

ジオット(本当に、若き日の王妃にそっくりだ……)

ジオット(ルカも、ハルカの様に成長してくれれば良いのだが……)



533 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/20(木) 20:57:18.17 ID:RQ+xpo27O
ドワーフ城 救護室

伊織「あら、あんた達……」

春香「伊織……!」

伊織「元気そうで何よりだわ」

伊織「これからこの伊織ちゃんも加わってあげるから、感謝しなさい……って」


春香「伊織ー!」ダッ

美希「デコちゃーんっ!」ダッ



伊織「むぎゅ!」



伊織「ちょ、ちょっと……!」ジタバタ

春香「よかったぁ!無事で、ホントによかったよぉ〜!」ギュッ

美希「デコちゃん、会いたかったのー!」ギュッ

伊織「わ、わかったから……苦しいってば……!」



真「ふふ、伊織、愛されてるなぁ」

千早「水瀬さんとこうして無事に合流できたのも、高槻さんのおかげね」

やよい「わたしが伊織ちゃんを助けることができたのは、たまたまですよ?」

真「……ボクは、なんとなく運命めいたものを感じるなぁ」

千早「私も……高槻さんが水瀬さんを助けたのは、必然だったと思うわ」

やよい「そうですかー……」

やよい「だったら……その運命に、かんしゃしなきゃですね!」



春香「伊織〜!」スリスリ

美希「……デコちゃん……」ムニャ

伊織「2人とも、私は怪我人なんだからねっ!」

伊織「っていうか美希、人の上で寝るなー!」


534 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/20(木) 21:00:21.19 ID:RQ+xpo27O


伊織「ふーん……そういう事だったのね」

伊織「律子の様子がおかしかった理由が、やっとわかったわ」

春香「え?伊織、律子さんと会ったの?」

伊織「ええ。ちょっとだけど、話もしたわよ?」

伊織「あんた達を見つけろって言われたから、こうして来てあげたのよ」

真「っていうか、伊織はどこから来たのさ?」

伊織「ええと……バブ……なんとかの塔を降りて行ったら、いつの間にか地底に来てたのよ」

千早「なるほど……」

千早「バブイルの塔は、地上と地底を繋ぐ程の高さを持っているのね」

やよい「地上と地底をつなぐなんて、すごいですねー!」

伊織「……それにしても、またあの塔に戻らなきゃいけないのね」

春香「伊織、行けそう?」

伊織「ふん。私を誰だと思ってるのよ」

伊織「一晩あれば、こんな怪我ぐらい……」

美希「大丈夫だよ?デコちゃんは、ミキの魔法で治してあげるの!」

春香「うん。みんなでフォローするよ!」

伊織「………ま、気持ちは有難く受け取っておくわ」

伊織「ふわぁ……」

美希「あはっ!大っきなアクビ!」

真「伊織は、早めに休んだ方がいいかもね」

千早「そうね。長旅の疲れもあるだろうし」

伊織「ん……悪いけど……そうさせてもらうわ」

やよい「……じゃあ、わたしは伊織ちゃんといっしょにここでねますね?」

美希「ミキも、もう眠いからここで寝るのー……」

春香「じゃあやよい、伊織と美希をお願いね?」

やよい「はい!まかせてくださいっ!」

春香「私達は、王様が用意してくれた部屋に行こうか」

千早「そうね」



535 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/20(木) 21:05:03.26 ID:RQ+xpo27O
ドワーフ城 客室

真「気がついたら、高校生チームと中学生チームに別れてたね」

春香「あ、そういえばそうだねぇ」

千早「……」

千早「あの3人、まだ中学生なのよね……」

千早「私達が、守ってあげないと」

真「……そうだね」

春香「……」

春香「……んー、そうかな?」

千早「えっ……?」

春香「あ、ごめんね?千早ちゃんの言った事を否定するわけじゃないんだけどさ」

春香「……私達は、みんなで助け合ってここまで来たよね?」

春香「美希にも、やよいにも……危ないところを助けてもらってる」

春香「私達はもう、それぞれが『ワン・フォー・オール』の精神を体現してるんじゃないかな?」

春香「……まあ、私達がしっかりしなきゃいけないっていうのは、あるのかもしれないけどね」

春香「でもね、半人前と思われる事を、あの子達は嫌がるんじゃないかなぁって……」

千早「……」

千早「ふふっ……」

真「あははっ!」

春香「ど、どうしたの、2人とも?」

春香「私、何か変な事言ったかなぁ?」

千早「ううん、そういうわけではないの」

真「ただ……ね?」チラ

千早「ええ」ニコッ

真「やっぱり、春香は春香だなぁって思ったんだ」

春香「えっ、どういう事?」

千早「そのままの意味よ」

千早「……リーダーは、あなたしかいないって事」

真「これからもよろしく頼むよ、リーダー?」

春香「うーん……なんだかよくわからないけど……」

春香「褒め言葉って思っておくね」

春香「……私、ちょっとトイレ行って来る」

スタスタ…


536 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/20(木) 21:08:16.47 ID:RQ+xpo27O
ドワーフ城 救護室

伊織「……やよい、もう寝たら?」

やよい「……伊織ちゃんが寝たら、寝るよ」

伊織「……私に構う事ないのよ?」

伊織「美希なんて、さっさと寝ちゃってるし……」チラ

美希「……zzz」

やよい「……」

やよい「なんかね……」

やよい「わたしが先に寝たら……伊織ちゃんが、どこかに行っちゃう気がして……」

伊織「…………バカねぇ」

伊織「そんな事、あるはずないじゃない」

伊織「私はずっと、やよいから離れないわ」ギュッ

やよい「えへへ……うれしいなー」ギュッ

美希「……ミキもー……」ギュッ

伊織「えっ?」ビクッ

美希「……ムニャ……」

伊織「びっくりした……起きてるのかと思ったわよ、もう」

やよい「美希さんをなかまはずれにしちゃ、ダメだよね……?」

伊織「仲間外れって言っても、美希自身が一匹狼みたいなところがあるのよねぇ……」

やよい「そんなこと、ないと思うよ?」

やよい「美希さん、みなさんのこと、とってもしんらいしてると思うよ?」

伊織「…………まあ、それは否定しないけど」

やよい「みんな……ずっといっしょだよ」

伊織「そうね……」

やよい「……」

やよい「伊織ちゃんにくっついたら……なんだかねむくなってきたかもー……」ウトウト

伊織「もう、寝なさい」ナデナデ

やよい「うん……おやすみ、伊織ちゃん……」

伊織「おやすみ、やよい……」



伊織(…………私も、助けられてばかりじゃ、いられないわ……)



537 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/20(木) 21:13:10.22 ID:RQ+xpo27O
ドワーフ城 通路

春香「ふぅ、すっきりした……」

春香「……」

春香「さすがにもう、お城の人も寝たのかな?とっても静か……」

春香「夜のお城って、ちょっと不気味だなぁ……」

春香(お化けとか……出ないよね?なんか、恐くなってきちゃった……)

春香(あーもう!私、何考えてるんだろう……?)

春香(余計な事考えなければ、恐い思いしないですんだのに……)

春香(どうか何も起きませんように……)




「…………………あの」



春香「うひゃああっ!」ビクッ


「ひゃあっ!」ビクッ


春香「だ、だ、誰……ですか……?」ドキドキ

「あ、あ、あの……わ、私です……ルカです」ドキドキ

春香「えっ?ルカさん……?」

ルカ「驚かせてしまって、ごめんね?」

春香「あ、いえ……私こそ、大きな声出しちゃったりして……」

春香「あの、どうかしたんですか?」

ルカ「……ハルカさんに、お礼が言いたくて」

春香「お礼?」

ルカ「さっき、言ってくれたでしょ?お父様に」

ルカ「私の首飾りを取り返したいって」

ルカ「……私、すごく嬉しかったんだぁ!」

春香「そんな、お礼を言われる程の事じゃないですよ……」

春香「……私が、そうしたいだけですから」

ルカ「……」

ルカ「……ねえ、ハルカさん。敬語はやめよう?」

春香「ルカさん……?」

ルカ「私達、双子みたいにそっくりじゃない?」

ルカ「双子の片割れに敬語を使われるのは……ちょっと、さみしいかなって」

春香「……」

春香「……そうですね」

春香「あ、じゃなかった……そうだね」

ルカ「ふふっ!」

春香「えへへ……」


538 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/20(木) 21:16:23.49 ID:RQ+xpo27O
ルカ「私、ハルカさんと、ちょっとお話したかったんだ」

春香「私と……?」

ルカ「うん。同じ年代の女の子と話す機会なんて、あんまりないからね」

ルカ「私、友達なんかいなくて、ずっとひとりぼっちだった……」

ルカ「だから、あなた達が羨ましい……」

春香「ルカさん……」

春香(王女様って、女の子の憧れだと思ってたけど……)

春香(……将来、国のトップに立つ人だもんね)

春香(大変だよね……)

ルカ「ねえ、ハルカさんは……好きな人とか……いるの?」

春香「えっ!?な、何をいきなり……」

春香「うぅ………///」モジモジ

ルカ「あはは、わかりやすいね」

ルカ「……どんな人?」

春香「……」

春香「……えっとね」

春香「優しくって、頼りになるけど……ちょっぴりツメが甘くって……」

春香「……とっても、鈍感な人」

ルカ「……」

ルカ「……気づいてもらえてないの?」

春香「……」

春香「まぁ、競争率も高いし、今はそんな場合じゃないっていうのもあるけどね?」

春香「あはは……」

ルカ「そっか……」

ルカ「もしかして、ハルカさんの想い人って……」

ルカ「…………マコトさん?」

春香「……」

春香「あー……えーと……」


539 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/20(木) 21:22:43.34 ID:RQ+xpo27O


春香「真はね、女の子なんだよ」

ルカ「…………ウソ!?」

春香「ホントだよ」

春香「あのねルカさん。真の前では言わないであげてね?」

春香「男の子と間違われるの、すごく気にするから」

ルカ「そう、なんだ………うん、わかったよ」

ルカ(何か…………色んな意味でショック)

ルカ(初めて、いいなって思った人なのに、同性だったなんて……)

ルカ「はぁーあ……」

春香「………ふふっ」

ルカ「どうしたの?急に笑ったりして……」

春香「ルカさんも、普通の女の子なんだなぁ……って思ってね」

ルカ「そう、かな……?」

春香「ルカさんはさっき、友達なんていないって言ってたけど………もう、そんな事ないよ?」

春香「……私やマコト、私達の仲間はみんな、ルカさんの友達だから」

ルカ「……!」

ルカ「ハルカさん……!」ウルッ

ルカ「…………嬉しい!」

春香「もう、ひとりぼっちなんて言っちゃダメだよ?」

ルカ「うんっ!……ありがとう、ハルカさん!」ニコッ



ルカ「ハルカさん達は、明日出発しちゃうんだよね?」

春香「うん……そうだね」

ルカ「じゃあ、私の大切な友達に、プレゼント!」スルッ

ルカ「………はい。私だと思って、大切にしてね?」スッ

春香「えっ?これ……」

春香「ふふ……ありがとう!」

春香「じゃあ、私からも……」スルッ

春香「……私の『分身』だよ」スッ

ルカ「うんっ……絶対、大切にする!」



ルカ「……春香さん。また、会いに来てくれる?」

春香「……」

春香「……うん」

春香「また、会えるよ……きっと」

ルカ「よかった!」


春香(………ごめんね、ルカさん)

春香(約束、守れるかどうかわからないよ……)


540 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/20(木) 23:10:10.72 ID:RQ+xpo27O
トロイア城 庭園

亜美「モグモグ……」

亜美「ん〜!このお菓子、おいち〜ね!」

アン「うふふ、それは良かったわ」

真美「う〜ん、この紅茶も、不思議な味だよね?」

真美「なんとなく、のどにやさしい感じがするよ〜」

トロア「それはそうでしょう。茶葉はやまびこ草を使っておりますので……」

真美「やまびこ草……?あれって薬じゃなかったっけ?」

トロア「ある種の願掛けの様なものです」

アン「みなさんは、魔道士だとお聞きしましたので……」

P(『ちんもく』を治す、やまびこ草の茶葉で淹れた紅茶か……)

P(確かに、魔道士にとって『ちんもく』は致命傷だもんな……)

あずさ「うふふ、雪歩ちゃんが淹れてくれたお茶もおいしいわね〜」ズズッ

雪歩「えへへ……よかったですぅ」

P(……腹、減ったなぁ)

P(でも、俺が飲み食いしたら、不自然にお茶やら茶菓子やらがなくなる事になるからなぁ……)

P(……我慢するしかないか)

雪歩「……」

雪歩「あの……プロデューサー……」ヒソヒソ

P「雪歩……どうした?」

雪歩「これ、どうぞ」スッ

P「茶菓子か……」

P「ありがたいけど、ここで食べるわけには……」

雪歩「テーブルの下で食べれば、平気かもですよ?」ヒソヒソ

P「あっ、そうか……!」

P「雪歩、ありがとうな!」

雪歩「いえ……お役に立てて、良かったですぅ」ニコッ

トロア「……ユキホ王女?どうかしましたか?」

雪歩「な、なんでもないんですよ?」

アン「……」

アン(気のせい、かしら……?)


541 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/20(木) 23:15:42.34 ID:RQ+xpo27O

P「モグモグ……」

P「……ん、うまいな、このクッキー」

P(……春香が作ってくれたクッキーを思い出すな)



アン「……ところで、みなさんはユキホさんとどの様な関係なんですか?」

亜美「ゆきぴょんはね〜、亜美達の大切な仲間なんだよ!」

アン「仲間……ですか」

真美「世界を救うタメに、真美達と一緒に戦う勇者なんだよ!」

アン「まあ!世界を……?」

アン「それはステキねぇ」ニコッ

雪歩「せ、世界を救うだなんて、そんな……」

亜美「ゆきぴょんの力無くして、世界は救えないのだ〜!」

真美「いよっ!救世主!」

雪歩「ふ、2人とも、やめてよぉ……///」

あずさ「あらあら、うふふ」

トロア「ふふふ、ユキホ王女の優しさなら、不可能ではないと思いますよ?」

雪歩「と、トロアさんまで……」

亜美「うんうん、とろ姉ちゃんはわかってるねぇ」

トロア「と、とろ姉ちゃん……?」

雪歩「うぅ……そ、そんな事……」

亜美「………お?」

雪歩「わ、私なんて……!」

真美「来るか……?」

雪歩「こんなダメダメで……」

あずさ「ゆ、雪歩ちゃん……?」

雪歩「あ、穴……」





雪歩「……………掘るのは、やめておきますぅ」



亜美・真美「ズコー!!」ズルッ

亜美「そ、そんな……!?」

真美「こらえた……だと!?」

雪歩「えへへ……私も、穴掘ってばかりじゃいられないかもって思って……」

あずさ「雪歩ちゃん……成長したわね〜」

アン「……」



542 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/20(木) 23:26:28.07 ID:RQ+xpo27O

アン「じゃあみなさんは、ユキホさんを探しに、はるばる4人でいらっしゃったのね?」

亜美「うん、そ〜だよ!」

亜美「亜美と真美、あずさお姉ちゃん、兄ちゃんの4人で………って、あり?」

アン「……」

真美「あ、亜美……!」

雪歩(ま、まずいですぅ……)

あずさ「……」



P(亜美〜!余計な事は言ってくれるなよ〜!)



アン「……兄ちゃん、とは、どんな方なの?あなたのお兄さんかしら?」

亜美「え、え〜っと……」

アン「さっきから違和感を感じていたのだけれど……」

アン「やはり、ここには『もうひとり』いるのね?」

亜美「い、いや〜、そんな事は……」

あずさ「……」

あずさ「……あら〜、亜美ちゃんったら、故郷にいる『お兄ちゃん』が恋しくなっちゃったのね〜?」

亜美「え……?」

亜美「あ……!う、うん!」

亜美「えへっ!そういや兄ちゃんは、故郷にいるんだったっけ〜」テヘッ

真美(ナイス!あずさお姉ちゃん!)ウィンク

あずさ「うふふ」ウィンク

雪歩(ふぅ……危なかったぁ……)



P(ホッ………)



アン「……」

アン「……あなたの故郷とは、どこなの?」

亜美「えっ?」

トロア「あ、姉上?そこまで拘らなくても……」

真美(この姉ちゃん、食い下がるなぁ)

真美(……まさか、見えるのかなぁ?)

亜美「えっと……こ、故郷……?」



亜美「……………な、765プロ……かな?」



…ガンッ!




543 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/20(木) 23:33:18.40 ID:RQ+xpo27O

トロア「な、なんだ、今の音は!?」スッ

真美(兄ちゃん、テーブルの下で暴れちゃダメだよ〜!)ガシッ



P(痛てて……思わずテーブルに頭をぶつけてしまった)

P(亜美……言うに事欠いて、765プロって……)

P「……っていうか真美、苦しいんだけど……」ヒソヒソ

真美「兄ちゃんが暴れるのが悪いんだよっ!」ヒソヒソ



アン「……今の音は、4人目さんの仕業かしらね?」

亜美「う……」

雪歩「あ、あの〜……」

雪歩「す、すみません。私、テーブル蹴っちゃいましたぁ」

アン「ユキホさん……」



P(雪歩……すまん)



アン「では、なむこぷろ、とはどこにあるのかしら?」

亜美「そ、それは……」

あずさ「……」

あずさ「もう、隠す必要もないんじゃないかしら?」

真美「あ、あずさお姉ちゃん?」

あずさ「どうせ、プロデューサーさんを見る事はできないんでしょ?」ヒソヒソ

真美「まあ、そうだけどさ……」ヒソヒソ

あずさ「あの、アンさん?」

アン「はい?」

あずさ「確かに、この場に4人目はいます」

あずさ「でも、その方は……」



あずさ「恥ずかしがり屋の妖精さんなので、滅多に人前には出て来ないんですよ?」ニコッ



亜美「は、恥ずかしがり屋の……!」

真美「妖精……!」

亜美「あはははは!ウケる〜!」

真美「に、兄ちゃんが……よ、妖精……!」クスクス

雪歩「2人とも、笑ったら悪いよぉ……」オロオロ

P(……亜美と真美が笑ってるのが腑に落ちないが、結構妥当な説明じゃないか?)

P(……さすがあずささんだ)



544 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/20(木) 23:37:31.76 ID:RQ+xpo27O


アン「妖精……ですか」

アン「すみません。我が国はつい先日、悪い妖精にクリスタルを奪われたばかりなのです」

あずさ「まあ、そうでしたか」

真美(ん……?また、まずい感じ?)

アン「疑うわけではありませんが、その妖精さんは、どんな方のですか?」

あずさ「……心配いりませんよ?」

あずさ「その妖精さんは、とっても優しくて、とっても頼りになる方ですから」

雪歩「アンさん、あずささんの言う通りなんです」

アン「……ユキホさんがそう言うなら、信用しますわ」

アン「うふふ……」

あずさ「うふふ……」



亜美(なんか、この2人の空気……)

真美(うん、一触告白って感じだねぇ……)



アン「ごめんなさい、楽しい空気が台無しになってしまったわね」

アン「さあみなさん、お茶のお代わりはいかがですか?」

アン「どこにいるかわかりませんが、妖精さんも遠慮せずにどうぞ?」

亜美「……だってさ、兄ちゃん?」

P「あ、ああ……」スッ

P「会話も通じないのに、なんか変な感じだな……」

真美「兄ちゃん、はい、あ〜ん……」スッ

P「い、いや、それはさすがに……」

真美「へ〜きだよ。あん姉ちゃんやとろ姉ちゃんには見えないんだから」

P「わ、わかったよ…………パクッ」

アン「まあ……!クッキーがなくなったわ!」

トロア「夢でも見ているようです……!」

雪歩「プロデューサー、コソコソする必要がなくなって、よかったですね?」

P「うん、そうだな」



タタタタ…


セット「お姉達!大変っ!」


アン「どうしたの?そんなに慌てて……」

セット「魔物が……!」

アン「え……!?」



545 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/20(木) 23:41:07.86 ID:RQ+xpo27O
幻獣王の館 幻獣王の部屋

黒井(私は、何をしたかったのだろうか……)

黒井(奴は……高槻やよいは……)



黒井「………」

黒井「ゴクッ…ゴクッ………」

タンッ



黒井(…………まずい酒だ)

黒井「………」フラッ

黒井(それに、酔いも早い……)

黒井「ゴクッゴクッ……」

黒井「………」

黒井(……だが、好都合だ)

黒井「………」キュポッ

黒井「ゴクッゴクッ……」

黒井(こんな脆弱な感情など……)

黒井「………」ガタッ

黒井「………」フラフラ


ガシャーン!

ドサッ


黒井(この世界は、何だ……)



黒井(私は……何者なんだ……)



ガチャ…



冬馬「……なんかすごい音がしたけど、大丈夫か?」

冬馬「………って!?」

冬馬「お、おい、おっさん!しっかりしろ!」ユサユサ

翔太「黒ちゃん!?」

翔太「……北斗君!」

北斗「任せろ!」

北斗「……ケアルダ!」


シャララーン!キラキラ…


黒井「………」ムクッ


546 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/20(木) 23:49:04.94 ID:RQ+xpo27O


冬馬「大丈夫か!おっさん!」

黒井「………騒ぐな」

黒井「ただのかすり傷だ」

スタスタ…

黒井「グビグビ……」

翔太「黒ちゃん……ちょっと飲み過ぎじゃない?」

冬馬「そうだぞ!少しは身体を休めないと……」

北斗「……」

黒井「ふん……」

黒井「私に指図するのか?」





黒井「…………駒の分際で」





冬馬「!」

北斗「……」

冬馬「また………駒扱いかよっ……!」

黒井「駒は駒らしくしてればいい」

冬馬「ぐっ……!」

翔太「冬馬君、落ち着いて……!」

冬馬「……」

冬馬「……心配すんな、翔太」

冬馬「俺は………いや」

冬馬「俺達はもう、あの時とは違う!」

冬馬「もう、ケツの青いガキじゃねえぞ!」

北斗「冬馬……」

黒井「だったら何だと言うのだ?」

黒井「お前達は一度、私の元を離れた身」

黒井「今さらいなくなろうと……」


547 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/20(木) 23:53:35.33 ID:RQ+xpo27O

冬馬「……出て行くわけねえだろ!?」

黒井「……?」

冬馬「俺達は、出直してみてわかったんだ」

冬馬「その………仲間……ってやつの、大切さをよ」

冬馬「……そりゃ、一度はあんたから離反した身だ。今さらどのツラ下げてって話だけどよ」

冬馬「……俺達は……おっさん、あんたの事が心配なんだよ!」

冬馬「だから……あんまり無茶、するなよな……?」

翔太「冬馬君……」

北斗「……」



黒井「………くだらん」

黒井「部屋から出て行け。私はひとりで飲みたいのだ」

冬馬「おっさん……」

北斗(冬馬はよくやったよ……)

北斗「社長」

北斗「……冬馬の気持ちも、いつかは、汲んであげてください」ペコリ

黒井「ゴクッゴクッ………」



黒井(いつか…………か)



黒井(………余計なお世話だ)



548 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/20(木) 23:58:12.61 ID:RQ+xpo27O
幻獣王の館 リビング

冬馬「……」

北斗「……冬馬、元気だせよ」

冬馬「……」

北斗「さっきのお前を、やよいちゃんに見せたかったな」

翔太「そうだよ〜!さっきの冬馬君なら、ひょっとしたらやよいちゃん、ホレちゃってたかもよ〜?」

冬馬「……」

翔太「……あ、あれ?反応なし?」

北斗(よほどショックだったのか?)



冬馬「……友情…を……いや、違う……」ボソボソ



北斗「……ん?」

翔太「冬馬君?……何をボソボソと……」

冬馬「父親のように慕って……いや、なんかしっくりこねー……」

北斗「冬馬……おい、冬馬!」

冬馬「…………あん?呼んだか?」

北斗「呼んだか?じゃないだろ。さっきから、何を言ってるんだ?」

翔太「落ち込んでたんじゃないの?」

冬馬「……」

冬馬「おっさんの性格は、嫌という程知りつくしてるんだ」

冬馬「あのくらいで凹んだりしねーよ」

冬馬「……どう言えばおっさんの心を動かせるかなーって考えてたんだ」

冬馬「やっぱ、ありきたりの言葉じゃダメなんだろうなー……」

北斗「冬馬……お前……」

冬馬「俺は、諦めないからな?」

冬馬「こんな変な世界から、絶対におっさんを連れて帰ってやるぜ!」

翔太「……冬馬君、ひとりで突っ走るのは悪いクセだよ?」

北斗「そうだぜ冬馬。俺達は、今や文字通り一心同体なんだから」


549 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/21(金) 00:03:47.82 ID:LV+GpEiDO

冬馬「わりー……そうだよな」

冬馬「俺達はいつだって、3人でやって来たんだもんな!」

冬馬「3人寄れば………」

冬馬「……」

冬馬「……すげーぞ、って事だ!」

北斗(知らないんだな)



北斗「冬馬……レディの前でもそういうセリフが言えれば、もっとモテるかもしれないぜ?」

冬馬「う、うるせー!今は高槻の事は関係ねーだろっ!」

北斗「……ん?レディにモテるかもって言っただけなんだが……」

北斗「どうしてやよいちゃんの事が出てくるんだ?」

冬馬「う……!」カァーッ

翔太「冬馬君の頭の中は、やよいちゃんでいっぱいなんだね〜?」

冬馬「ば、バカっ!余計な事言ってねーで、お前らも考えやがれー!」

翔太「あははは!」

北斗「ふふ……」



……ピンポーン



冬馬「……お?誰か来たのか?」

翔太「ひょっとして、やよいちゃんだったりしてね〜?」

冬馬「あのなぁ、あいつは仲間のとこに行ったんだ。戻って来るわけねえだろ?」

冬馬(……ま、戻って来たいっていうんなら、か、歓迎してやらん事もないけどな……?」

翔太「冬馬君冬馬君、心の声が漏れてるよ!」

冬馬「……はっ!」

北斗「冬馬は面白いなぁ」



ピンポーン


冬馬「はいはい、今出てやるよ……」


スタスタ…

…ガチャ



「……………やあ」



冬馬「あ、あんたは……!」



550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/21(金) 02:27:34.77 ID:b+2PrcUPo
やよいがおっさんを召喚すれば解決するんじゃないの
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/21(金) 13:00:50.85 ID:jDkxRzrDO
訪れたのは社長だろうな


>>550
召喚するには召喚獣からアイテム(アクセサリー)を貰わないと召喚はできない
シヴァ、イフリート、ラムウはそれぞれイヤリング、ネックレス、ブレスレットを渡したから召喚が可能
リヴァイアサン(黒井)アシュラ(木星)はやよいに何も渡してないため召喚は不可能
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/21(金) 23:21:23.43 ID:Z25Uchqf0
アシュラの攻撃ってまさか ポウッ! 的な…
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/22(土) 02:13:03.41 ID:+I5xqTRno
餌付けしてるけど無理か…
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/23(日) 23:59:01.76 ID:xtwVntZDO
>>553
あまとうなら現在の状態を考えれば呼べば来そうだがアシュラだしな…
555 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 00:29:48.05 ID:v2njYsXfO


冬馬「あんたは確か、765プロの……」

翔太「……やよいちゃんじゃなかったみたいだね」

北斗「……」ペコリ




高木「ふむ……黒井もこっちへ来てるのだから、君たちがいてもおかしくないのか……」

高木「元気そうだねぇ。新しい事務所はどうだい?」

冬馬「ん、まあ……そこそこだな」

冬馬「今はまだ、足元を固めてる段階だけどよ」

冬馬「いずれ、765プロなんて追い抜いてやるぜ!」

冬馬「……覚悟しとけよな!」

高木「うむ!ウチのアイドル達の良きライバルとなってくれる事を、切に願うよ」

翔太「……そういえば、社長さんひとりなの?」

高木「ああ。彼女達は、別行動なんだよ」

北斗(別行動……)

北斗(自分のアイドル達を信頼しているのか……?)

北斗(ふ……黒井社長とはえらい違いだな)

北斗(……まあ、俺達はもう黒井社長とはなんの繋がりもないわけだが)




高木「ところで……」

北斗「……」

北斗「黒井社長……ですか?」

冬馬「……ああ、確かあんたらは、昔からの知り合いだったんだよな」

高木「話が早くて助かる」

北斗「何の用かはわかりませんが、今はやめておいた方がいいかと……」

翔太「そうだね。黒ちゃん、今はベロンベロンに酔っ払ってるから」

冬馬「話なんかできる状態じゃねーな」

高木「そうか……」



556 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 00:33:15.74 ID:v2njYsXfO


高木「……むしろ、好都合だ」

冬馬「え……?」

高木「情けない話だが……」

高木「……この歳になると、酒に頼らないと本音で話す事もできなくなってくるんだ」

高木「君たちも、大人になればわかるよ」

高木(……まあ、黒井の場合は酒が入ってもなかなか本音を見せてくれないんだがね)

冬馬「ふーん……大人って、めんどくせーんだな」

翔太「冬馬君は、今でも充分めんどくさいけどね……」ボソッ

冬馬「……あん?何か言ったか?」

翔太「ううん、こっちの話」

北斗「社長と何を話すつもりですか?」

高木「……」

北斗「この世界の事……ですか?」

高木「君たちにも、知る権利はある」

高木「聞きたいなら、同席してくれても構わないよ」

北斗「……どうする?冬馬」

冬馬「別にいいんじゃねえか?」




北斗「……じゃあ、案内します」

高木「ああ、頼むよ」

北斗「こっちです」

スタスタ…



557 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 00:37:30.87 ID:v2njYsXfO
幻獣王の部屋

黒井「…………お前が来るのはわかっていた」

高木「……そうか」

高木「不思議なのだが……私も、なぜだかここまで迷わず来れたよ」

黒井「ふん……まさか、お前の方からやって来るとはな」

黒井「どういう風の吹き回しだ?」

高木「状況が変わった、という事だ」

高木「黒井、私の話を聞いてもらえないか?」

黒井「……」

黒井「なぜ私が、お前の話を聞かねばならんのだ?」

高木「……素直に聞くつもりはない、か」



高木「元の世界へ帰る方法を、私が知っているとしてもか?」



黒井「……!」

冬馬「ほ、ホントかよ……!?」

翔太「じゃあ、これで帰れるんだね?」

北斗(いや……簡単に帰れるとは思えない)

北斗(何か、条件があるんじゃないのか?)



黒井「………断る」



高木「……」

冬馬「な、なんでだよおっさん!元の世界へ帰るチャンスだぞ!?」

黒井「………気に食わんのだ」

黒井「……私を見下す、お前のその態度がな!」

翔太「黒ちゃん……」

北斗(この人でも、無理なのか……?)

北斗(社長の氷のような心を溶かすのは……)

高木「……すまない。そういうつもりではないのだ」

黒井「……いい機会だ」

黒井「あの時の決着を付けようではないか!」ゴゴゴゴ…

高木「黒井……」



558 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 00:41:00.07 ID:v2njYsXfO

高木「私は、お前と争うつもりはないんだ」

黒井「あの時も言っただろう?」

黒井「私達は、戦う運命にあると」ニヤリ

冬馬「おっさん……本気かよ!?」

高木「………やれやれ」

高木「お前は頑固だからなぁ……」

翔太「そ、そんな悠長な事言ってる場合じゃないでしょ!」

高木「………」



高木「いいだろう……」

高木「……今度は、お前の気が済むまでやろうじゃないか!」ゴゴゴゴ…

黒井「ククク……!高木、容赦はせんぞ……!」バッ

黒井「はあぁぁぁぁぁ!」ゴォォ



高木「……君たちは、下がっているんだ」チャキッ

冬馬「で、でもよ……!」

翔太「そうだよ!こんなのおかしいって、絶対!」

北斗「冬馬、翔太……あの人の言う通りにした方が良さそうだ」

冬馬「………ちっ!」

翔太「わ、わかったよ……」





黒井「……高木、お前を倒すこの瞬間のタメに、私は生きているのだ!」

高木「黒井、お前にはそんなくだらない事ではなく、もっと光を見つめてもらいたいのだが……」

高木「……いや、これ以上は……拳で語るとするか!」

黒井「………行くぞ!」

高木「………ああ!」





黒井「……大海衝!」ザァァ…


高木「……斬鉄剣!」シャキーン



ゴォォォォォォォ…



ドゴォォォォォォォォン…






559 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 00:51:54.67 ID:v2njYsXfO
トロイア城 謁見の間

白龍「……なんと悲しき事でしょうか……」クネクネ



キャトル「うぅ……」

サンク「つ、強い……」

ドゥ「ぐ……!」

ユイット「お、お姉ちゃん……!」

シス「ユイット……あなただけは、絶対守るから……」ギュッ



白龍「いいえ。あなた方は、己の大切な者すら守れない……」

白龍「力無き事は、それだけで罪なのです」

白龍「……さあ、そろそろお別れです」

白龍「せめて、さみしくないように、まとめて葬って差し上げましょう!」




…バタンッ




亜美「ひと〜つ、人の世生き血をすすり……」スタスタ…

真美「ふた〜つ、ふしだらな悪行三昧!」スタスタ…

P(『ふしだらな』じゃなくて、『不埒な』だぞ……真美)



白龍「うん……?」チラ




雪歩「うぅ……」モジモジ

亜美「………ホラ、次ゆきぴょんの番だよ!」ヒソヒソ

雪歩「え、えっと……」

雪歩「み、みぃーっつ、醜い浮世の鬼を……」



あずさ「うふふ………退治てくれよう、765アイドル!」

あずさ「……」

あずさ「う〜ん……」

あずさ「『退治てくれよう』って、なんか変よねぇ?」

P「『退治してくれよう』だと、語呂が悪いからじゃないですかね?」

あずさ「なるほど、そういう事だったんですね〜」


亜美「……なんか、しまらないね」

真美「せっかく考えたのにね」

P(なんで桃太郎侍なのかは…………突っ込まないでおくか)


白龍「……」


560 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 00:54:52.53 ID:v2njYsXfO

白龍「あなた達は、いったい何者ですか?」


亜美「だから言ったじゃんか〜。765プロのアイドルだよっ!」


白龍「あいどる……?」

白龍「もしや、コトリ様が言っていた……?」


真美「ピヨちゃんの思い通りには、させないかんねっ!」


白龍「邪魔をするつもりですか……」


雪歩「アンさん、トロアさん!みなさんをお願いしますぅ!」

アン「ええ!」

トロア「わかりました!」

タタタタ…



白龍「愚かな……。神の使いである私に楯突くとは……」


あずさ「神の使い……ですか?」


白龍「コトリ様は、いずれ神になられるお方。コトリ様に仕える私は、神の使いというわけです」


あずさ「あ、あらあら、小鳥さんったら……」

亜美「ピヨちゃん……冗談キツいっしょ……」

P(音無さん、神になるつもりなのか……?)

P(……ジョークだと思いたいが)


白龍「まずはあなた達から、排除せねばならない様ですね……」

白龍「コトリ様の四天王のひとり……」

白龍「この、『傲慢』の白龍が、あなた達を葬って差し上げましょう!」


P(白龍って、確か……)

P(ラストダンジョンに出てくる敵じゃないか……?)

P(ちょっと厄介だぞ……)


561 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 01:00:32.14 ID:v2njYsXfO

白龍「まずは……」チラ

亜美「お……?」

白龍「あなたにしましょうか!」スーッ

亜美「くらえー!ファイラ!」ボオォ


シュウゥゥゥ……


亜美「あ、あり?効かない……?」


白龍「……覚悟!」ブンッ


真美「プロテス!」

パキーン!


ドゴォ!


亜美「うぁっ……!」

ドサッ


真美「あ、亜美っ!」タタタタ…

P(火属性を吸収するのか……?)


あずさ「……サンダガ!」

バリバリッ…ピシャァーン!


シュウゥゥゥ…


白龍「……何かしましたか?」


あずさ「あら……雷も効かないのね〜」

あずさ「困ったわ〜」

P(火も、雷も吸収された……。まさか……?)


白龍「さて、次は……」チラ

白龍「ん?3人しかいない……?」


ザバァッ!


雪歩「えいっ!」ブンッ


バキッ!


白龍「ぐ……!」ヨロッ

雪歩「……て、撤退ですぅ!」ササッ


真美「ゆきぴょん、ナイス!」


白龍(穴を掘って背後に回ったのですか。くだらない事を……)


562 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 08:15:47.16 ID:v2njYsXfO

P「……そうだ、思い出した!白龍……奴は、全属性を吸収するんだ!」

P「ダメージを与えるには、無属性魔法しかない!」

P「亜美、あずささん、攻撃魔法はバイオかフレア以外は使っちゃダメだ!」

亜美「……わ、わかったよ〜」

あずさ「……なんだか手強いみたいですね〜」


白龍「ならば、これはどうですか?」

白龍「……ミールストーム!」


ゴォォ…


ビューーー!


ドサドサッ


亜美「う……!」

真美「痛ったぁ……!」

シャララーン!キラキラ…

P「2人とも、平気か?」

亜美「あ、ありがと、兄ちゃん」

真美「あずさお姉ちゃんは、平気なの?」

あずさ「ええ……なぜか、痛みがないのよね〜」

亜美・真美・P(そっか、ゾンビなんだった……)


白龍(あの青い髪の女には、効いていないのでしょうか?)

白龍(それに、また吟遊詩人がいない……)

白龍「今のうちに、あの少女にトドメを……」


あずさ「……バイオ!」

ブニューン!

白龍「ちっ……無属性魔法を……!」

あずさ「プロデューサーさんの言った通りですね〜」

あずさ「ちょっとは効いたみたいです」

白龍「小賢しい!」ブンッ

あずさ「あらあら」ヒョイッ

あずさ「うふふ、同じ攻撃を二度もくらいませんよ〜」


亜美「あずさお姉ちゃん、さすがだね!」

真美「亜美、今のうちに……」スッ

亜美「うん、そうだね……」ギュッ

亜美・真美「……!」ゴゴゴゴ…


563 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 08:22:12.04 ID:v2njYsXfO

白龍「……そうは行きませんよ!」

白龍「大地よ……暴れなさい!」


ゴゴゴゴ…グラグラ…


亜美「うわわっ……!」ヨロッ

真美「じ、地震……!?」フラフラ

あずさ「こ、これは……立っていられないわね……!」ヨロッ

真美「こ、これじゃ、魔法に集中できないよ〜!」

真美「……っていうかゆきぴょん、地中にいるんだよね?ヤバくない?」



白龍「くらいなさい!」ブンッ


ドゴォ!バキッ!


ドサドサッ


亜美「うぁ……!」

真美「うぅ……!」

あずさ「ふ、2人とも、大丈夫?」

あずさ「今、回復魔法を……」


白龍「トドメですよ!」ブンッ


P「ま、まずい!」



ヒューーー…



雪歩「……脳天直撃アタックですぅ!」


ガコンッ!


564 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 08:31:17.40 ID:v2njYsXfO

白龍「ぐ……!」ヨロッ


雪歩「あ、す、すみません、モロに入っちゃいましたぁ……」オロオロ


P「雪歩……謝る事ないんだぞ!」

あずさ「雪歩ちゃん、なぜ天井から降って来たの?」

雪歩「えっと……地面から壁を伝って、天井まで掘っちゃいました……」

あずさ「まあ……!雪歩ちゃん、強くなったわね〜」

亜美「うんうん!物理的におかしいっしょ?ってのは置いといて……」

真美「ゆきぴょんのちょ〜じょ〜的な力のおかげで、助かったよ〜」

雪歩「は、はぅ……そんな事、ないですぅ……///」



白龍「……今のは、痛かったぞ……娘!」ブンッ


P「ゆ、雪歩!危ないっ!」


雪歩「あ……」




ガキィン!


雪歩「え……?」


トロア「……ユキホ王女には、手出しさせんっ!」

トロア「我が半身たる、この戦斧に誓って!」ググッ

雪歩「と、トロアさんっ!」


白龍「ちっ……!」



565 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 08:35:17.57 ID:v2njYsXfO

トロア「……せいっ!」ブンッ


ズシャァッ!


白龍「ぐ……!このっ!」ブンッ


トロア「遅いっ!」ガキン

トロア「……やあっ!」ブンッ


ザシュッ!


白龍「うぐ……!」ヨロッ



亜美「……とろ姉ちゃん、強くない?」

真美「ホントだね……」



あずさ「トロアさん、よけてくださいね?」

あずさ「……ええと、白龍さん?」

あずさ「ちょっと、お仕置きしちゃいますからね?」


あずさ「……フレア!」


ブゥゥゥゥゥン…


ババババババババッ!


白龍「……っく!」



白龍「……なるほど」

白龍「さすがはコトリ様が敵と認めた者達……雑魚、というわけではない様ですね」


亜美「うわぁ……あいつ、まだ余裕っぽいよ〜」

P「さすがに強いな……」



566 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 08:39:55.86 ID:v2njYsXfO

白龍「……この勝負は、ひとまず預けるとしましょうか」


トロア「逃がすかっ!」チャキッ

雪歩「と、トロアさん、待ってください!」ガシッ


白龍「……勘違いしないでください」

白龍「その気になれば、あなた達を葬る事など造作もない」

白龍「時間を差し上げる、と言っているのです」

白龍「……決着の時まで、せいぜい足掻くといいでしょう」

白龍「では、またお会いしましょう……」


スゥゥゥ…





真美「……」

真美「……兄ちゃん、行かせて良かったのかな?」

P「……奴の言う通りだと思う」

P「このままじゃ、小鳥さんどころか、四天王にさえ太刀打ちできない……」

真美「……そっか」

真美「もっと、強くならなきゃ……だね」

亜美「…………そうだね」

雪歩「……」

あずさ「……」



567 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 08:43:09.62 ID:v2njYsXfO
トロイア城 謁見の間

アン「……もう、行かれるのですね?」

あずさ「……はい。どうやら、のんびりしているわけにもいかない様ですので……」

アン「あなた方がいなかったら、この国は滅ぼされていたでしょう」

アン「本当に、ありがとうございました」ペコリ

亜美「いや〜、そんな事ないよ〜」

真美「亜美……今回真美達、全然活躍してないじゃん……」

亜美「ま、まあ、そうだけどさ……」



雪歩「あ、あのっ!」

雪歩「お、お世話になりましたっ!」ペコリ

雪歩「私……皆さんの事……絶対に……!」

トロア「ユキホ王女……!」ポロッ

亜美「とろ姉ちゃんって、けっこ〜泣き虫なんだねぇ」

P「情に脆いんだな、きっと」

アン「……」

トロア「ユキホ王女……私は、あなたに会えて、本当に良かった!」

トロア「優しさ、というものを、あなたから教わりました」

トロア「どうか、お元気で……!」ペコリ

雪歩「うぅ……トロアさんっ……!」ポロッ


アン「………ああ、言い忘れていたわ」




アン「トロア………あなた、この方達に、着いて行きなさい」



トロア「…………は?」


亜美・真美・雪歩・あずさ「えっ?」

P(なんだって?)


アン「いろいろ考えたのよ」

アン「……あなた、ユキホ王女と離れたくないんでしょう?」

トロア「あ、姉上、何を……!」


568 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/24(月) 08:46:09.08 ID:v2njYsXfO

アン「あなた方も、トロアの実力はご覧になったでしょう?決して足手まといになる様な事は無いはずですわ!」

亜美「確かに、けっこ〜強かったよね……」

真美「そ〜だけど……」

アン「それに……」

アン「あなた方は、世界を救う旅をしているんでしょう?」

アン「この国から、世界を救う勇者が出たとなれば、私も鼻が高いですし……」

アン「このトロイアの国を、世界にアピールするチャンスにもなりますもの!」ニコッ

亜美「あ〜……そういうオモワクがあったんだね……」

あずさ「なんだか、妙な事になったわねぇ……」

真美「……兄ちゃん、ど〜する?」

P「うーん……」

P(正直、今のパーティは、雪歩以外はみんな魔道士だから、前衛が増えて困る事はない)

P(特に問題は無い気もするなぁ)

P(しかし、ゲームのキャラに頼ってもいいものか……)


トロア「……」じーっ

真美「……うわ、とろ姉ちゃん、めっちゃこっち見てるよぅ……」

P(……また四天王と戦う事になるはずだ)

P(戦力は、少しでも上げておきたいところだな……)



P「……よし、彼女も連れて行く事にしよう!」



真美「うん、わかった。兄ちゃんが決めた事なら、なんくるないよね?」

あずさ「うふふ、また賑やかになるわね〜」

亜美「とろ姉ちゃん、いじり甲斐がありそうだしね〜」

雪歩「トロアさん……良かったですぅ……!」


アン「……ええと、答えは出たのですか?」

亜美「うん!うちのボスのお墨付きが出たよ!」

トロア「!」



569 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/24(月) 08:48:31.01 ID:v2njYsXfO

アン「良かったわね、トロア」

トロア「は、はい……」

トロア「しかし、私がいなくなったら、この国は……」



ドゥ「ふふ……ちょっと腕が立つからって、自惚れ過ぎじゃないか?トロア」

キャトル「心配無用ですよ〜?」

サンク「……トロアお姉様がいない分、私達が頑張る……」

シス「トロアお姉様、どうか無事に帰って来てくださいね?」

セット「まあ、トロア姉なら余裕っしょ!?」

ユイット「トロアお姉ちゃん、がんばってね!」



アン「…………と、いう事よ」

トロア「みんな……!」

トロア「私は……っ!」ウルッ

アン「……また、元気な顔を見せてちょうだいね?」

トロア「………わかりました!必ず……!」ペコリ



アン「……そういうわけで、ウチの愚妹をよろしくお願いしますね?」

亜美「りょ〜かいだよん!」

真美「よろしくね、とろ姉ちゃん!」

あずさ「仲良くやっていきましょうね〜」

雪歩「トロアさん、また、よろしくお願いしますぅ」



トロア「はい!こちらこそ、よろしくお願いします!」ペコリ



P(見たところ、あのトロアって子はあずささんと同い年くらいかな?)

P(まあ、ウチのアイドル達なら、うまくやれるだろうな)

P(さて、次に向かうべきは……)



570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/24(月) 13:02:12.49 ID:hohvqlpDO
そういやアイドルたちにレベルとかあるの?
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/24(月) 15:16:53.55 ID:QyBdbqnvO
>>247
たかが一般からの問い合わせに
「柏駅は改良します」とか「柏駅改良は白紙です」なんていうわけねーだろ

ファクトシートから消えてる時点で柏駅改良は完全に消滅した
しかも都心から遠い
松戸は改良される上に、品川直通で利便性が大幅にまし
柏より圧倒的に便利になる
人々もそれを認知し、柏より松戸に住む人が圧倒的に多くなる
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/24(月) 17:41:51.77 ID:hohvqlpDO
>>571
安価先間違えてる上に発言が痛いな
573 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/25(火) 00:44:22.72 ID:KL2TcZvEO
>>570
一応、みんな戦う度に成長していってはいますが……
物語中に、『○○のレベルは○○です』と表記するつもりはないので、あって無いようなものですかね
574 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/26(水) 21:03:51.47 ID:sWADI0jtO
飛空艇

ババババババ…


真美「…………えっ?」

真美「今から行くの……?」

雪歩「私は、賛成ですぅ」

あずさ「……私は、本当はちょっと気まずいんですけど……」

あずさ「プロデューサーさんのお考えなら、従いますわ〜」

P「すみません、あずささん」

P「……俺もいろいろ考えたんだ。とにかく、言った通りに舵を頼むよ、真美」

亜美「……ひょっとして兄ちゃん、イベントショートカットしようとしてる?」

P「ショートカットってほどじゃないが……」

P「音無さんが何を考えてるかわからない今は、少しでも時間短縮して、行動のムダを省くべきじゃないかと思うんだ」

あずさ「うふふ、そこまで考えているなんて、さすがプロデューサーさんですね〜?」

P(とにかく今重要なのは、あのアイテムを手に入れる事だ)




亜美「ねえねえ兄ちゃ〜ん」

P「どうした?」

亜美「時間短縮って言ってたけど、全く寄り道しないわけじゃないよね?」

P「……と、言うと?」

真美「真美達、考えたんだよ」

亜美「RPGのダイゴミと言えば?」

P「醍醐味……?」

真美「も〜、兄ちゃんはニブいな〜!」

真美「レアアイテム集めに決まってるっしょ〜!」

P「なるほど……確かに強い武器防具とかは、あって困る事は無いな」

亜美「レアアイテムに関しては、亜美達に任せてよ!」

P「わかった。だけど、それに没頭するわけにはいかないからな?」

亜美「わかってるって〜」


575 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/26(水) 21:06:25.65 ID:sWADI0jtO

トロア「ユキホ王女、妖精殿はなんと?」

雪歩「私も、話の内容はよくわからなかったんですけど……」

雪歩「とりあえず、次の目的地は決まったみたいですね」

トロア「そうですか……」

トロア「では、私は少し修行をして参ります」ペコリ

あずさ「うふふ。トロアさんは、真ちゃんと気が合いそうね〜」

トロア「アズサ殿、マコト……という人物は、皆さんのお仲間ですか?」

あずさ「ええ。真ちゃんも、毎日トレーニングを欠かさないって言っていたわ」

トロア「なるほど……」

トロア「いずれ、お手合わせ願いたいですね」

雪歩「……」



雪歩「あの、トロアさん?」

雪歩「わ、私も……修行、お付き合いしてもいいですか?」

トロア「ユキホ王女……」

トロア「あなたにとっては少々キツいかもしれませんが、それでも宜しいですか?」

雪歩「は、はいっ!頑張りますっ!」

トロア「わかりました」

トロア「アズサ殿は、どうされますか?」

あずさ「せっかくのお誘いですけど……」

あずさ「私は、魔道士だから……やるなら、亜美ちゃんや真美ちゃんと一緒にやった方がいいかと思うので……」

トロア「……それもそうですね」

トロア「ではユキホ王女、参りましょうか」

雪歩「は、はいっ!」

スタスタ…



あずさ「……さて、私も魔法のレッスンをしようかしら?」

あずさ(でも、魔法のレッスンなんて、どうやればいいのかしらね〜?)

あずさ(プロデューサーさんに聞けば、いいレッスン方法があるかもしれないわね)

スタスタ…



576 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/26(水) 21:11:41.40 ID:sWADI0jtO
ドワーフ城 謁見の間

ジオット「……ハルカよ。いつの間にか仲間が増えた様だな?」

春香「はい。昨日、合流したんです」

やよい「うっうー!わたしは、765プロの………じゃなかった」

やよい「しょーかんしの、高槻やよいですっ!」

やよい「王様、よろしくお願いしまーすっ!」ガルーン

ジオット「ふふ、元気だな」

伊織「あんたがここのトップね?」

伊織「私は、スーパー忍者アイドルの伊織ちゃんよ」

伊織「この私も戦ってあげるんだから、感謝しなさいっ」

春香「ちょ、ちょっと伊織……王様なんだから、もっと礼儀をわきまえないと……」

伊織「何よ、私だって王女なのよ?」

ジオット「ふむ……勝気な娘だ」

真「プッ……忍者アイドルってなんだよ」

伊織「うるさいわね、真!忍者も知らないの?」

伊織「あんたこそ、何よその格好!季節感のない子供みたいじゃない!」

真「ぼ、ボクだって好きでこんな格好してるわけじゃないよ!」

真「モンク僧っていう、立派な拳闘士なんだからね!」

真「忍者とか、映画の見過ぎなんじゃないのかっ!?」

伊織「なんですって!?」

真「なんだよ!?」

春香「ふ、2人とも……!」

やよい「け、ケンカはダメですよぅ……」

千早(この2人のケンカも、久々に見たわね……)

美希「……あふぅ」

ジオット「……ま、まあまあ、ケンカはやめるのだ、2人とも」



伊織・真「……王様は黙っててっ!!」



ジオット「えっ……」

ジオット(なぜか反論できん……不思議だ……)

春香「ちょ、ちょっと2人とも!」

春香「ホントに、ホントーにすみませんっ!」ペコリ

ルカ「ふふ、賑やかで羨ましいなぁ」

春香「え、えへへ…………はぁ」


577 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/26(水) 21:16:33.39 ID:sWADI0jtO

ジオット「えー、まあ、そういうわけで……」チラ



伊織「ふんっ!」プイッ

真「ふんっ!」プイッ

ジオット(やりにくい……)



ジオット「そ、そなたらを、我が国自慢の戦車でバブイルの塔へ送って行こうと思うが……どうだ?」

春香「本当ですか?よろしくお願いします!」

美希「じゃあじゃあ、戦車で寝ててもいいって事?」

ジオット「え?あ、ああ……寝れればな」

ジオット(この娘、戦車がどれほどの騒音を出して走るのか、知らんのか……?)

美希「わぁい!王様、ちょっとだけ見直したの!」

ジオット「う、うむ……」

春香「みんな、自由過ぎるよぉ……」

千早「仕方ないわ、春香」

やよい「春香さん、がんばってください!」

ジオット「……昨日も言ったが、バブイルの塔には砲台が何門も待ち構えている」

ジオット「我が戦車隊が砲台を引きつけているうちに、なんとか潜入してくれ」

春香「頑張りますっ!」

やよい「せんにゅうって、なんかスパイみたいでカッコいいかもー!」

千早「ええ、本当ね」ニコッ



ルカ「みなさんのご無事をお祈りしています」

ルカ「どうかお気をつけて……」



春香(行ってきます、ルカさん!)



578 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/26(水) 21:20:21.13 ID:sWADI0jtO
魔導船

ゴォォーー…


貴音「物の怪の気配が、次第に強くなってきています……」

貴音「悪の巣は、近いのでしょうか……?」



貴音「……ん?」

貴音「何やら前方に、巨大なびるが……」

貴音「……」

貴音「……なるほど」

貴音「あのびるから、とても邪悪なえねるぎぃが発せられている様ですね……」

貴音「……わたくしの目の黒い内は、悪さなど許しません!」



貴音「いざ行かん!悪の巣へ!」ビシッ



貴音「……」

貴音(…………ところで、この船はどうやって止まるのでしょうか?)

貴音(着陸の仕方は、教わっていませんでしたね……)

貴音(地球に着いた時も、不時着でしたし……)

貴音(…………)












貴音(念仏でも唱えた方が、良いのかもしれませんね……)



579 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/26(水) 21:23:16.46 ID:sWADI0jtO
バブイルの塔 1F

貴音「……」

貴音「……」

貴音「…………んっ」ムクッ

貴音「……」キョロキョロ

貴音「ふむ……」ペタペタ




貴音(……死後の世界……という訳ではなさそうですね)

貴音(どうやらわたくしは、悪運が強いようです)

貴音(船は……)チラ

貴音(……辛うじて原形を留めています)

貴音(今回もまた、不時着となってしまいましたか……)




貴音「……」ピクッ

貴音(空気が、澱んでいる……)

貴音(早々に、化け物を見つけねば……)


スタスタ…



580 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/26(水) 21:26:06.35 ID:sWADI0jtO
バブイルの塔 B3F

スタスタ…


貴音(この建物……)

貴音(外から見た限りでは……)

貴音(果てが見えない程の高さだったはずなのですが……)

貴音(何故か地下へ降りる階段しかない様です)

貴音(……これはどういう事でしょうか?)

貴音(地上部分には、一体なんの意味が……?)

貴音(それに……)

貴音(この建物からは、化け物の気配とは別に強烈な悪意を感じます)

貴音(………)

貴音(今のわたくしでは、考えても答えを得る事はできませんね……)

貴音(何か、情報が欲しいところです……)



魔物「ギャアー!」


貴音「!」

貴音「……ぶりざら」バッ


コォォォ…シャキーン!


魔物「」


貴音「……」

貴音(この者達も、思えば、哀れなものです……)

貴音(この様な化け物に生まれたばかりに、人から忌み嫌われ、それ故に人を憎む……)

貴音(なんと悲しき負の感情の連鎖でしょうか……)

貴音(………)

貴音(ふふ……)

貴音(げぇむの世界のきゃらに同情しても、詮無き事でしたね……)

貴音(わたくしは、わたくしとわたくしの仲間の邪魔をする者には、遠慮は致しません)





貴音(…………たとえ相手が……小鳥嬢であろうと)



581 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/26(水) 21:29:06.20 ID:sWADI0jtO
バブイルの塔 B5F リツコの部屋

律子「小鳥さん!いい加減、私を使って悪さをするのはやめてください!」

小鳥(もう少し我慢してくださいよぉ)

小鳥(クリスタルを全て集めたら、解放しますから)

律子「全てって……もう8つの内7つもここにあるんですよ?」

律子「もういいじゃないですか……」

小鳥(ダメですよ?最後のクリスタルが、一番厄介なんですから)

小鳥(私は月から離れられないので、律子さんだけが頼りなんです!)

律子「……」

律子「この首飾り……」ジャラッ

律子「最後のクリスタルを手に入れるのに必要だって言ってましたけど……」

小鳥(そうです!それが無いと、クリスタルのある洞窟に入れないんですよ)

律子「ホント、こういう事『だけ』は周到なんですね?」

小鳥(そ、そんな事ないですからっ!仕事だって、ちゃんとやってますから!)

律子「……ま、いいですけど」

律子「ところで小鳥さん、クリスタルを集めて、何をするつもりなんですか?」

小鳥(うふふ……楽しい事、とだけ言っておきますね?)

律子「楽しい事……」

律子「今の小鳥さんの口からそんな事言われても、悪い予感しかしないんですけど……」

小鳥(律子さんは勘がいいですねー)

律子「…………はぁ」

律子「あまり春香達に無茶な事はしないでくださいよ?………って、言うだけ無駄ですよね?」

小鳥(はい!)

律子「……」

律子「解放されたら、覚えておいてくださいね……」ボソッ

小鳥(えっ?……何か、言いました?)

律子「なんでもないです!」

小鳥(………あ、そうそう)

律子「何か?」

小鳥(みんなに会う事があったら、伝えて欲しい事があるんです)

律子「何を伝えればいいんですか?」




小鳥(『本気で来ないと、死にますよ?』って)



律子「……!」



582 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/11/26(水) 21:32:01.53 ID:sWADI0jtO
バブイルの塔 B5F

スタスタ…


貴音「……ん?」ピタ

貴音「この扉の奥から、人の気配が……」

貴音「この様な化け物の巣窟に、何故、人が……?」

貴音「……」

貴音(もし、この奥にいる人物が話が通じる相手なら、協力を得られれば……)

貴音(そうでない場合は……)

貴音(………)



貴音(考えても、仕方がありません)

貴音(今は、少しでも情報が欲しいところです)

貴音(虎穴に入らずんば……とも言いますし)

貴音(……行きましょう)


ガチャ…



貴音「……たのもう!」



583 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/26(水) 23:39:12.29 ID:sWADI0jtO
バブイルの塔 B5F リツコの部屋

律子「え……?」


貴音「おや……?」

貴音「……律子嬢ではないですか!」


律子「た、貴音……!?」

律子「な、なんでこんなところにいるの……?」

貴音「それは、わたくしも問いたい質問ですが……」

貴音「まずはわたくしから答えましょう」

貴音「わたくしは……月より参りました」

貴音「邪悪な物の怪の気配を追っていたら、この巨大な建造物に辿り着きました」

律子「!」

律子「つ、月って、あの月……!?」

貴音「ええ。空に浮かぶ、あの月ですよ?」

律子「そう……」

律子「……」

貴音(少し、様子がおかしい……)

貴音(微弱ですが、律子嬢から発せられている邪悪なえねるぎぃも、気になりますね)

貴音(まさか…………)

貴音(…………)

貴音(………最悪の事態も考慮せねばならないのかもしれません)



貴音「それでは、今度はわたくしの問いに答えてください」

貴音「あなたは、ここで何をしているのですか?」

律子「……っ!」

律子「そ、それは……」

小鳥(…………うふふ)

小鳥(予定外のお客さんですけど、もてなしてあげましょう?律子さん!)

律子「や、やめてください!」

貴音「……?」



584 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/26(水) 23:45:52.49 ID:sWADI0jtO

律子「こんな事は、やめてください!小鳥さん!」



貴音「……!」


律子「貴音は、予定外なんでしょ!?だったら……!」

小鳥(うふふ……ダメですよ?この間は、貴音ちゃんと戦えなかったんですもの……!)



律子「あぅ……!」ビクンッ



貴音「律子嬢!」



律子「……貴音ちゃん、久しぶり!」


貴音「……」

貴音「……なるほど、そういう事でしたか」

貴音「……安心しました」

律子「ん?どういう事?」

貴音「律子嬢自身は悪に染まった訳ではない、という事がわかったからですよ?」

律子「……」

貴音「律子嬢の様子がおかしかったのは、あなたの仕業だったのですね、小鳥……」

律子「……」

律子「…………やっぱり、操るなら貴音ちゃんにしておけばよかったかなぁ……?」

貴音「そんな事はありませんよ?」



貴音「わたくしは絶対に、悪になど染まりませんから」ニコッ



律子「……ふふふ」

律子「言うわね……」ニコッ

律子「これを受けても、余裕でいられるかしら?」チャキッ

律子「……!」ゴゴゴゴ…



貴音「む……!」


585 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/26(水) 23:49:38.70 ID:sWADI0jtO

律子「宇宙に散らばる暗黒物質よ……」チャキッ

律子「……我が手に集え!」バッ

律子「……暗黒剣!」ブンッ


ズバババァーーン!


貴音「……ぷろてす!」バッ

パキーン!


ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ド!


貴音「うっ……!」ヨロッ

貴音「凄まじい技……!」

貴音(ですが……)

貴音(小鳥の拘り……でしょうか?)

貴音(技を使用する時、必要以上に大げさな動きをしている気が……)




律子「反撃しないの?」

貴音「……」

律子「つまんないなぁ……」

貴音「小鳥。貴女は今、月にいるはず……」

貴音「一体どうやって、律子嬢を?」

律子「……話をして、時間を稼ぐつもりかしら?貴音ちゃんにしては、古典的な策ねぇ」

律子「時間が経ったって、何も変わらないと思うわよ?」

貴音「……」

律子「……ま、いいわ。教えてあげる」

律子「精神波を飛ばして、対象に憑依してるのよ」

貴音「精神波……?」

律子「ええ。この世界での私の特権ってところね」

貴音(理屈は良くわかりませんが……)

貴音(小鳥の精神波、とやらを妨害する事ができれば……)

貴音(律子嬢は小鳥の支配を逃れる事ができる……?)

貴音(小鳥と同じ『月の民』であるわたくしにも、精神波なるものが使えるのでは……?)

貴音(やってみる価値はあるはずです)



586 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/26(水) 23:57:34.29 ID:sWADI0jtO

貴音「……」スッ

律子「……ん?」

律子「へぇ、ようやくやる気になってくれたのね?」

律子「いいわ、かかってきなさいっ!」チャキッ



貴音「……」



律子「……」

律子「あれ?かかって来ないの?」

貴音「そちらから、どうぞ」

律子「……何を考えているかわからないけど、律子さんって、結構強いわよ?」

律子「……光の裏の、闇に住む者よ」スッ

律子「その雄叫びを……」バッ


貴音「……さんだぁ」バッ


ピリッ…パキーン!


律子「つっ……!」

律子「そんな弱い魔法、蚊ほども……」

律子「……」ガクンッ

律子「あ、あれ……?」

律子「か、身体が、動かな……!」フラッ



貴音「……」

貴音「よもや、成功するとは思いませんでした」

律子「な、何をしたの……?」



貴音「先ほどのわたくしの攻撃は、実は魔法ではないのです」



律子「!」

貴音「精神波……と、申しましたか……」

律子「そ、そん……!」

小鳥(あ……!ま、まずいわ……リンクが切れ……!)


…ドサッ


律子「……」



587 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/27(木) 06:51:46.36 ID:/Y1jX6hyO

律子「……」



貴音「……」



貴音「律子嬢……」ダキッ


スタスタ…


ドサッ…


貴音(べっどがあって助かりました)

貴音(このまま律子嬢を置いて行く訳にも参りませんね)

貴音(魔法で起こしましょうか……?)チラ


律子「……」スヤスヤ


貴音(………………いえ)

貴音(少し、休ませて差しあげた方が良いのかもしれません)

貴音(他人に身体を乗っ取られるとは、さぞ辛かった事でしょう)


律子「……ん」モゾッ


貴音(ふふふ……)

貴音(普段は凛々しい律子嬢も、寝顔は可愛いものですね……)ニコッ




貴音(……もう、貴方は自由ですよ)







588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/27(木) 12:36:24.63 ID:wr7ugfbqO
貴音がイケメンだわ
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/27(木) 18:20:10.50 ID:oFb2lD9DO
ラスボスであるぴよちゃんの精神波がこの程度で完全に切れるとは思えないな
一時的に切れただけのような気もするが相手は貴音だしな
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/27(木) 18:55:18.58 ID:5t4cpeTRO
おれは しょうきに もどった!
591 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 00:45:12.20 ID:Y1v6RjHMO
バブイルの塔 B5F クリスタルルーム

魔物「ルビカンテ様ー!」

魔物「クリスタルルームの守護ぐらい自分がやるッス!どうか休んでくださいッス!」

ルビカンテ「……くだらん気を使うな。お前はさっさと自分の持ち場に戻るんだ」

魔物「で、でも、こういう雑用って普通、自分達みたいな下っ端がやる事じゃないッスか?」

ルビカンテ「ふん……お前ら雑兵に守りを任せて、万が一クリスタルを取られたとあっては、リツコ様に言い訳ができん」

ルビカンテ「オレは、自分自身しか信じないのだ」

魔物「そ、そうッスか……」

魔物「ずいぶんと唯我独尊なんスね……」

ルビカンテ「……」

ルビカンテ「……ところでお前、見慣れない魔物だな」

ルビカンテ「おい、名前と自分の持ち場を言ってみろ」

魔物「え、えっと……」

魔物「さ、さよならー!」

タタタタ…





魔物「ふぅ……」


…ボンッ


ルナザウルス「いやー、かなり頭の硬い人ッスねー」

ルナザウルス「これじゃクリスタルを横取りできないッス……」

小鳥(……ちょっとー、それじゃ困るのよー)

小鳥(律子さんとリンクが切れちゃった今、あなた達が頼りなんだからね?)

ルナザウルス「でもコトリ様……」

ルナザウルス「あの人、なかなか強そうだったッスよ?」

小鳥(何言ってるのよ!あなたの方が強いわ、絶対)



592 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 00:47:05.32 ID:Y1v6RjHMO

ルナザウルス「でも自分、火属性は苦手なんスよねー」

ルナザウルス「あの人と戦わずして、クリスタルを奪う方法はないッスかね?」

小鳥(うーん……戦わないで、かぁ……)

小鳥(……あ、だったら)

小鳥(そのうちここに、春香ちゃん達が来るわ)

ルナザウルス「ハルカ……って確か、コトリ様がいつも言ってる人ッスか?」

小鳥(そうそう!)

小鳥(春香ちゃん達にルビカンテを倒してもらいましょ)

ルナザウルス「……で、後で横取りするッスか……なるほど、さすがコトリ様、悪知恵が働くッスねー」

小鳥(……まあ今は悪役だし、一応褒め言葉と思っておくわ)

ルナザウルス「んーと、じゃあ……」

ルナザウルス「その『ハルカ』って人達を、クリスタルルームに誘導しなきゃッスね!」

小鳥(どうするの?)

ルナザウルス「自分に任せてくださいッス!」

ルナザウルス「ごく自然な方法で、クリスタルルームにおびき寄せてみせるッス!」

小鳥(よろしくお願いね?)







593 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 00:49:16.98 ID:Y1v6RjHMO
ドワーフ戦車 1号車

キュルキュルキュル…


伊織「……」

真「……」

千早「……」



伊織「……ちょっと真、もう少しそっち行ってくれない?狭いんだけど」

真「こっちだってギリギリなんだ。少しは我慢してよ」

千早(戦車って、ずいぶん不快な音がするのね……)

伊織「……」

伊織「……まったく、なんで真と一緒なのよ」ボソッ

真「……聞こえてるよ」

伊織「あら、ごめんなさい?つい本音が出ちゃったわ」

千早「……」

真「……あのさ、さっきの事なら、謝るよ」

真「最初に悪口言ったのは、ボクだからね」

伊織「……ふん、わかったのならまあ…………許してあげなくもないけど……」ボソボソ

真「え?何?」

伊織「なんでもないわよバカっ!」

真「ば、バカってなんだよ!謝ってるのにさ!」



千早「クスッ………仲がいいわね、2人とも」

伊織・真「……どこが!!」

伊織・真「あっ……」

千早「息もピッタリね」

伊織「……」

真「……」

真「……あのさ、伊織」

伊織「……何よ」

真「律子の様子、どうだった?」

伊織「どうって………そうね、何かを隠してるみたいな……」

伊織「……ううん、何かに怯えてるみたいだったわね」

真「……昨日話したけどさ、小鳥さんに怯えているんだと思うんだよね、きっと」

伊織「……ねえ、本当に小鳥は敵なの?」

千早「ええ。私達、宣戦布告もされたわ」

伊織「ふーん……」

伊織(ま、どうせ小鳥の事だから、今の状況を楽しんでいるんでしょうね)

伊織(小鳥になんか、絶対負けないわよっ!)


594 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 00:50:42.13 ID:Y1v6RjHMO
ドワーフ戦車 2号車

キュルキュルキュル…


春香「すっごいうるさいね……」

やよい「はい。すっごいうるさいですね……」

美希「……zzz」

やよい「……美希さん、こんなにうるさいのに、よく寝れますよねー」

春香「まあ、美希だからねぇ……」



春香「……ところでさ」

春香「あの時船が沈んでから今まで、やよいはどうしてたの?」

やよい「えーっとぉ……」

やよい「黒井社長とじゅぴたーのみなさんといっしょにくらしてましたー!」

春香「ええっ!?く、黒井社長って、961プロの!?」

やよい「はいっ!」

春香「だ、大丈夫?何か変な事されなかった?」

やよい「だいじょーぶです!みなさん、やさしくしてくれましたから!」

やよい「わたしも、とってもたのしかったです!」

春香「そ、そっか。ならいいんだけど……」

春香(黒井社長も、さすがにやよいには毒気を抜かれたのかなぁ……?)

春香(社長、黒井社長に会いに行くって言ってたよね……)

春香(961プロの事は、社長に任せよう)

やよい「そういえば……じゅぴたーのみなさんは、なんか変でしたねー」

春香「変って……?」

やよい「うーんと、うまく言えないんですけど……」

やよい「3人なのに、ひとりでした」

春香「ん?どういう事?」

やよい「なんていうか……合体?してるみたいでしたよ?」

春香「合体……?」

春香(無尽合体キサラギを思い浮かべたけど、あれはロボットのお話だし……)

春香(合体って……ま、まさか………///)

やよい「あのー、どうかしたんですか?春香さん」

春香「…………はっ!」

春香「う、ううん、何でもないよ?」

春香(私ったら、小鳥さんみたいな事想像しちゃったよ……)

春香(ダメダメ、私、そんな子じゃないんだから……!)



595 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 07:52:46.26 ID:Y1v6RjHMO
ドワーフ戦車 1号車

…ドゴォン…


真「……ん?何の音かな?」

ドワーフ兵士「バブイルの塔、近いー!お前達、準備するー!」

伊織「はぁ……また、あの弾幕をかいくぐる事になるのね……」

千早「そういえば水瀬さんは、バブイルの塔から来たって言っていたわね?」

伊織「ええそうよ。あの激しい砲撃の中をね……」

真「ああ、王様が言ってたっけ。そんなに激しいの?」

伊織「まあ、見ればわかるわ」

伊織「ホント、死ぬ思いだったわよ……」

真「ふーん……」

真「だったらさ、砲台を少しでも減らせばいいんじゃないか?」

伊織「減らすって……破壊するって事?」

真「そういう事!」

伊織「でも、どうやって破壊するのよ?」

千早「……何か、考えがあるのね?」

真「へへっ、まあねー」

真「ところで伊織、水の魔法を使えるって言ってたよね?」

伊織「魔法じゃなくて忍術ね」

真「おっけー!ならきっといけるな」

伊織「何よ真、もったいぶってないで、さっさと話しなさいよ」

真「じゃあ2人とも、ちょっと耳貸して……」



真「あのね……」

真「ごにょごにょ……」



伊織「はー…………まったく、あんたも無茶な事考えるわねぇ」

千早「私はまだいいけれど、2人が危険過ぎないかしら……?」

真「ああ、ボクの事なら心配しないでよ。多少の事は耐えられるから、多分平気だよ」

真「伊織はどう?やれそう?」

伊織「ふんっ!この伊織ちゃんをナメるんじゃないわよ!」

伊織「あんた達に、スーパー忍者アイドルの身のこなしを、見せてあげるわ!」

真「それは楽しみだ!……千早はどう?」

千早「私も……多分問題ないと思うわ」

真「よしっ!じゃあ、外に出て準備しよう!」

伊織「にひひっ!あの砲台に仕返しできると思うと、腕が鳴るわね!」

千早「水瀬さん、油断は禁物よ?」

伊織「わかってるわよっ!」

真「春香達には、一足先に行っててもらおうか」


596 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 07:58:18.88 ID:Y1v6RjHMO
ドワーフ戦車 2号車

美希「ん……」ムクッ

美希「………あふぅ」

春香「あ、美希……おはよ」

やよい「美希さん、おはよーございますっ!」

美希「おはよーなのぉ……」アフゥ

春香「よく起きたね?今日はまだ少ししか寝てないでしょ?」

美希「……なんだか、いやーな感じの気配がしたの」

美希「だから、目が覚めちゃった」

やよい「いやな気配、ですか?」

美希「うん……」

春香「美希、わかるの?」

美希「なんとなく、だけどね」

春香「そっか……」

春香「じゃあ、気を引き締めて行かなきゃだね!」

やよい「そーですね!」

美希「………ところで春香、リボン替えた?」

やよい「あ、そーいえば……」

春香「えへへ……気づいた?」

春香「昨日、ルカさんと交換したんだぁ」

美希「……どーりで、春香にしては趣味のいいリボンだと思ったの」

春香「そ、それは、普段の私のセンスが悪いって事かな……?」

美希「ミキと春香じゃ、趣味が違うからねー?」

やよい「とっても似合ってますよ?春香さん!」

春香「やよい……ありがと」



真「………おーーーーーい」



春香「ん?真の声……?」

春香「……なんだろ?」


ガタン…



春香「真ーー!どうしたのーー!?」



真「ボク達、砲台を破壊してから行くからさーー!!」

真「春香達は先に行っててよーー!!」

真「あとから追いつくからさーー!!」



春香「わかったよーー!」


597 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:00:09.46 ID:Y1v6RjHMO

美希「春香、真クン、なんだって?」

春香「先に行ってて、だってさ」

やよい「え?じゃあ真さん達は、どうするんでしょう?」

春香「砲台を破壊してから追いつくって言ってたよ」

美希「ふーん……真クン、きっと暴れたいんだね」

春香「うーん、そうかもね」

やよい「だいじょーぶですかねー?」

春香「あの3人なら、問題ないんじゃないかな?」



ジオット「お前達、準備は良いか?」

春香「はい、大丈夫です」

美希「ん〜〜……!」ノビッ

美希「ふぅ……」

美希「ミキもいいよ?」

やよい「わたしも、だいじょーぶです!」

ジオット「……うむ」

ジオット「これから、別働隊が塔に攻撃を仕掛ける」

ジオット「砲台が別働隊に向いている隙に、塔へ走るのだ」

ジオット「……頼んだぞ!」

春香「わかりました!」





ドゴォン…


ジオット「……よし、攻撃が始まった!」

ジオット「さあ、行くのだ!」



春香「はい、行ってきます!」


ガタン…



598 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:01:51.28 ID:Y1v6RjHMO
バブイルの塔付近

ドゴォン…ドカァン!


春香「2人とも、行くよっ!」

やよい「はいっ!」

美希「春香は転ばないように気をつけるの」



タタタタ…



春香(そういえば響ちゃん、この場所わかるかなぁ……?)

春香(……考えても仕方ないか)

春香(今はとりあえず、ルカさんの首飾りを……)



ズルッ…



春香「あっ……」ヨロッ

春香「わっ!……ととっ……!」


ドテッ


春香「……痛たた……擦りむいちゃった」

春香「はぁ……美希に言われたばっかりなのに、また転んじゃったよ……」

春香「……って、あ、あれ?」キョロキョロ



春香「美希とやよいがいない……?」

春香「置いてかれちゃった……」

春香「私も、早く行かなきゃ!」



魔物「ギャーー!」



春香「わわっ!ま、魔物!?」

春香「もー、こんな時に限って……!」チャキッ



599 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:04:46.13 ID:Y1v6RjHMO
ドワーフ戦車 1号車

真「うわっ、なんだあれは……?」

千早「とても……大きい砲台ね」

伊織「な、何よあれ?私が通った時はあんなの無かったわよ?」



『ひょひょひょ……!』

『…………ようこそ、ドワーフ諸君。わざわざやられに来るとは、ご苦労な事じゃ』



伊織「!」

伊織「この気持ち悪い笑い方は……!」

真「伊織、知り合い?」

伊織「そんなんじゃないわ」

伊織「ちょっと因縁があるだけ……」グッ

伊織「今の声の主は、頭のおかしい科学者のじじいよ。確か、律子の部下の部下だったはず」

千早「科学者……」

千早「なら、あの砲台を造ったのは……」

伊織「おそらく、あいつでしょうね」



『……せっかく来てもらったんじゃ。ワシの可愛い巨大砲をプレゼントしよう!』



ギュイィィィィン…ガシャン!



真「や、ヤバいよ、あれは!」

真「ドワーフの人達!逃げてっ!」



ブゥゥゥゥゥン…



ドゴォォォォォォォン!




600 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:06:54.15 ID:Y1v6RjHMO

伊織「……!」

伊織「戦車隊が……!」

真「一気に半分近くやられた……!」

千早「……」

真「あの大きいやつ、なんとかしないとな……」



真「……2人とも、段取りはわかったよね?」

千早「ええ。私が2人を抱えて飛んで……」

伊織「この伊織ちゃんの水遁の術で、砲台を水浸しにして……」

真「ボクの雷煌拳で、砲台をショートさせる!」

千早「……でも真、あなたのその技は、掌の雷を叩きつけるのでしょう?あなたまで感電してしまうわ」

真「大丈夫!耐えてみせる!」

真「それより千早、あの大きい砲台まで飛べる?」

千早「……」チラ

千早「……ごめんなさい、あの高さは、さすがに無理かもしれないわ」

真「……そっか、わかった」

伊織「まあ、あとの事は私と真でなんとかするから、千早はジャンプに専念しなさい?」

千早「ええ」



千早「…………それじゃ、行くわ」

真「……」コクン

伊織「……」コクン



千早「……くっ!」ダンッ


フワッ…


601 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:09:05.12 ID:Y1v6RjHMO

スゥゥ…


真「……すごい!こんなに高く……」

伊織「千早にはこんな力があるのね……」



『………………ん?あいつは……!?』



千早「……2人とも、そろそろ限界みたい!」

真「わかった!……伊織!」

伊織「任せなさいっ!」ダンッ



伊織「…………壊れちゃいなさい!」バッ

伊織「……水遁っ!」


ズバシャァァーー!



『あーーーっ!!わ、ワシの子供達に、なんて事してくれるんじゃーー!!』



伊織「………よっと!」ガシッ

伊織「真!あんたの番よっ!」



真「……行くぞっ!」ダンッ



真「くらえーーっ!」バッ

真「……雷煌拳っ!」



ズガガガガガガッ!



『ああーー!!』



バチッ…ビリビリッ…



ヒューー…


真「あああああああっ!」ビリビリッ

真(やば……調子に乗って威力上げ過ぎたかも……)

真(か、身体がうまく動かせない……!)

真(こ、このままじゃ、地面に叩きつけられるっ……!)



…ガシッ!


602 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:10:36.63 ID:Y1v6RjHMO
バブイルの塔 外壁

真「あ……れ……?」チラ


伊織「っ……ぐうっ……!」ビリビリ

真「い、伊織っ……!」

真「だ、ダメだ!今ボクに触ったら、伊織まで……!」

伊織「ば、バカ言ってんじゃ……ない……わよっ!」ググッ

伊織「こ、これぐらいっ……!」



伊織「………ぅおりゃあああっ!!」グイッ


ドサッ



真「かはっ……!」

真「う……い、伊織……」

真「ありがと……助かったよ……」

伊織「ゴクゴク……」

伊織「…………ふぅ」

伊織「まったく………自分の技で死にそうになってどうするのよ!?」

伊織「少しは後の事ぐらい考えなさいよねっ!」ビシッ

真「はは……反論できないや……」


伊織「……………ほらっ!」スッ


真「あ……これは……ポーション?」

伊織「あげるわ……」

真「……ありがと、伊織!」ニコッ

伊織「べ、別に、あんたのタメじゃないんだからねっ!?」

伊織「ただ、この薬はたくさん持ってるから、早く減らしたかっただけなんだからっ……!」

真「あはは!わかったわかった、そういう事にしておくよ!」ゴクゴク



真「それより……」チラ

伊織「ええ……どうやら、砲台の動きは止まったみたいね」

真「でも、完全に破壊できたってわけじゃないみたいだ……」

伊織「……まあ、一時しのぎにはなるかもね」

伊織「……で、どうするの?」


603 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:13:35.11 ID:Y1v6RjHMO

真「どうするって?」

伊織「あんたね……私達が今どこにいるか、わかってるわけ?」

真「あ……そうだ、忘れてた」

真「うーん……どうしよっか?」

真「さすがにこの高さから飛び降りたら、無事じゃ済まないな……」チラ

真「かと言って、外壁に窓らしきものは見当たらないし……」キョロキョロ



伊織「…………仕方ないわね」

伊織「この、スーパー忍者アイドル伊織ちゃんに、任せなさいっ!」

真「おっ!忍術でなんとかしてくれるの?」

真「あっ、ひょっとして、ムササビの術で空を飛ぶとか?」

伊織「そんな忍術知らないわよ……」

伊織「大体、そんなのできたら最初からやってるわよ」

真「……じゃあ、どうするのさ?」

伊織「……にひひっ!」




伊織「……壁抜けの術よ!」


604 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:15:03.62 ID:Y1v6RjHMO
バブイルの塔入口

春香「……えいっ!」ブンッ


ザシュッ!


魔物「」


春香「………ふぅ」

春香「思ったより時間掛かっちゃったなぁ」

春香「早く、2人の後を追いかけないと……」



千早「…………春香?」



春香「あれ?千早ちゃん?」

春香「もう、終わったんだね?」

千早「ええ」

春香「真と伊織は?」キョロキョロ

千早「それが……いくら待っても、降りて来る気配がないのよ」

千早「ひょっとしたら、塔の外壁から侵入したのかも」

春香「そうなんだ……」

千早「で、美希と高槻さんは?」

春香「え、えっと……」




千早「まったく……2人に置いてかれるなんて、春香らしいわね」

春香「あはは……面目ない……」

千早(……あら?でも、私も置いて行かれた事になるのかしら?)

千早(これじゃ、春香の事言えないわ)



千早「春香、高槻さん達が気になるわ。早く行きましょう」

春香「うん、そうだね」

春香「ここで待ってても仕方ないよね」


スタスタ…


605 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:17:56.34 ID:Y1v6RjHMO
バブイルの塔 B13F

スタスタ…


やよい「美希さーん、春香さんひとりでだいじょーぶですかねー?」

美希「心配いらないの」

美希「『主人公は死なない』っていう、鉄の掟があるから!」

やよい「へー、そうなんですかぁ……」

やよい「春香さん、すごいですねー!」

美希「あっ……」ピタ

やよい「どーしたんですか?美希さん」

美希「……なんだか、怪しい看板があるの」スッ



『クリスタルルーム、ここを右折ッス』



やよい「あっ、ホントですねー」

やよい「……あれ?クリスタルってたしか、大切なものなんですよね?」

美希「うん。ミキもあんまり話を聞いてなかったからよくわからないけど……」

美希「春香達がそんな事を言ってた気がするの」

やよい「じゃあ、このカンバンの通りに進めばいいんじゃないでしょーか?」

やよい「えへへ、敵さんにもやさしい人がいるんですねっ!」ニコッ

美希「ううん、やよい……これはきっと、罠なの」

やよい「わ、わな……?」

美希「こうやって嘘の案内をする事で、ミキ達を罠にはめるつもりなんだよ」

美希「だから、きっとこの看板と逆に行けばいいって思うな!」

やよい「わぁ!美希さん、さすがですっ!」

美希「えっへん!もっと褒めてもいいよ?」ドヤッ



魔物「ガアア!」



やよい「はわわっ!」

美希「あはっ!ミキの矢の餌食になっちゃえ!」ギリッ


ヒュンッ…ドスッ!


魔物「」



美希「ふぅ……」

美希「ねえ、やよい?」

美希「やよいの力を見せて欲しいの」

やよい「はい!わたしも、がんばりますっ!」


606 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:21:15.88 ID:Y1v6RjHMO
バブイルの塔 B11F

魔物「ギャーギャー!」


やよい「ま、まものさん……!」

美希「やよい、出番だよ!」

やよい「わ、わかりましたっ」

やよい「……ブリザラ!」


コォォ…シャキーン!


魔物「」



美希「あはっ!やよいもちゃんと強くなってるみたいだね?」

やよい「そんなことないですよ?まだまだみなさんにはかないません!」

美希「やよいは謙遜しすぎなの」

美希(ミキ的には、やよいの力が一番計り知れないって思うな)

美希(あの雷おじいちゃん、すっごく強かったもん)



やよい「………あっ、美希さん!」

美希「どうしたの、やよい?」

やよい「また、カンバンが……」スッ



『クリスタルルームはこっちじゃないよ。戻ってくださいッス』



美希「……」

やよい「……道、まちがっちゃいましたかねー?」

やよい「さっきのカンバンからは、一本道だった気がするんですけどねー」

美希「……ううん、これもきっと罠なの」

やよい「はわわっ……!」

やよい「ま、また、だまされるところでした……」

美希「やよいは、もっと疑うって事を知った方がいいって思うな……」

美希「んーと……この看板が罠だからー、このまま進めばいいって事だよね、きっと!」

やよい「わなにひっかからなくて、よかったぁ……」ホッ



美希「行こっ!やよい」ギュッ

やよい「はいっ!」


スタスタ…


607 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:23:15.06 ID:Y1v6RjHMO
バブイルの塔 B6F

真「……すごいや!ホントに壁をすり抜けちゃったよ」

伊織「にひひっ!この伊織ちゃんにかかればあんなの造作もないわ!」

伊織(…………ホントは、壁抜けの術なんてとっさに思いついただけなんだけど)

伊織(まあ、うまく行ったから結果オーライね)



伊織「結構上の階に来ちゃったわね……」

伊織「どうする?ここで春香達を待ってましょうか?」

真「うーん、そうだなぁ……」

真「それもいいけど……」キョロキョロ

真「さっきのおっきい砲台、この近くにあるはずだよね?」

伊織「えっ?まさかあんた……」

真「うん!そのまさか」ニコッ

伊織「あまり動かない方がいい気もするけど……」

伊織「……ま、春香達を待つ間のいいヒマつぶしになるかもね」

伊織「……いいわ、付き合ってあげる」

真「さっすが伊織!」

伊織「さ、そうと決まったら、探すわよ!」

真「おーー!」


スタスタ…


608 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/11/30(日) 08:25:51.32 ID:Y1v6RjHMO
バブイルの塔 B13F

『クリスタルルーム、ここを右折ッス』



春香「……」

春香「………この看板、どう思う?千早ちゃん」

千早「……」

千早「普通に考えれば、敵がわざわざ私達を案内するはずないわね」

春香「そうだよねぇ。じゃあやっぱり、罠……かなぁ?」

千早「でも、その裏をかいて……という事も、充分考えられるわ」

春香「あ、そっか……」

春香「考え出したら、キリがないね……」

千早「春香。そういう時は、判断基準が何かを考えればいいと思うわ」

春香「判断基準……?」

千早「ええ」

千早「私達は、ルカさんの首飾りを取り返しに来た訳だけど……」

千早「クリスタルだって、取り返さなければならない」

春香「うん、そうだね」

千早「でも、今私達はバラバラになってしまった」

千早「まずは、みんなで合流する事が先決じゃないかしら?」

春香「あ……」

春香「判断基準って、そういう事だったんだね」

春香「美希とやよいが、どっちに行ったかを基準に考えるって事?」

千早「その通りよ」

春香「うーん……どっちかなぁ?」

千早「私には、あの純真無垢な高槻さんが、こういう案内を無視するとは思えないの」

春香「……あー確かに、やよいなら疑う事なく看板に従いそうだよね」

春香「じゃあ……」

千早「ええ。とりあえず、看板の通りに進んでみましょう」

春香「うん、わかった!」


スタスタ…


609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/12/06(土) 12:22:29.49 ID:ooFRlwqK0
続きはまだかな?
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/10(水) 02:11:00.93 ID:CRL/taXDO
まだたったの10日じゃん一ヶ月ならわかるが…
611 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 12:37:21.09 ID:hBwOe8d/O
幻獣界 幻獣王の館

高木「はぁ、はぁ……!」


黒井「はぁ、はぁっ……!」


黒井「ふんっ!」ブンッ


ガキィン!


高木「く……!」ギリッ

高木「……まったく、年は取りたくないものだな……」


黒井「……過去の栄光にすがるのか?」

黒井「ふん!実にお前らしい……」


高木「そういうわけではないのだが……」

高木「私は、今を、そして未来を見据えているつもりだ」

高木「黒井………我々が未来を勝ち取る為には……」

高木「……みんなの力が……お前の力が、必要なのだよ!」タンッ

高木「……はっ!」ブンッ


黒井「……白々しいっ!」ガキィン

黒井「私は1人でも道を切り拓く!」ググッ

黒井「今までずっと、そうやってきたのだからなっ!」ブンッ


ドゴォ!


高木「ぐは……!」


黒井「お前達とは、馴れ合う気など無いっ!」

黒井「人は……支配するか、されるかの、2通りしかない」

黒井「お前が後生大事にしている『絆』とやらなど、支配される側のか弱き人間達が、みじめに傷を舐め合っているだけなのだっ!」


高木「………いいじゃないか」ヨロッ

高木「弱いからこそ、力を合わせる。私はみじめなどとは思わないがね……」

高木「そして黒井……お前だって本当は……」


黒井「黙れっ!」ブンッ


ドゴォ!


612 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 12:39:43.54 ID:hBwOe8d/O

高木「ぐ……!」ヨロッ

高木「く、ふふ……」

高木「やはり、認めたくはないか……?」


黒井「黙れと言っている!」ブンッ


高木「はっ!」クルンッ


スタッ


黒井「な!後ろに……!」


高木「……私は、意地でもお前を連れて行くつもりだっ」ブンッ


ドゴォ!


黒井「がっ……!」ヨロッ

黒井「く……やるな……!」

黒井「そうでなくてはな……」

黒井「ふははは!さあ高木、私をもっと楽しませてくれ!」

黒井「やはり、私を満たせるのは…………お前しかいない!」スッ


高木「ふむ……それは光栄だねぇ」スッ





翔太「すごい……!2人とも、超強くない?」

北斗「それだけじゃないぜ、翔太」

北斗「ほぼ互角の戦い……まさに、実力伯仲ってやつだ」

翔太「うん、確かに……」

翔太「それに黒ちゃん、あんなに楽しそうな顔もするんだねぇ……」

冬馬「………」

冬馬(おっさん、単なる殴り合いは楽しいかよ……?)

冬馬(…………)

冬馬(ちくしょうっ……なんだよこの気持ち……)

冬馬(正直………………眩しいぜ、2人とも!)



613 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 12:47:22.68 ID:hBwOe8d/O
バロン城 白魔法研究室

ものまね士「……ええと」キョロキョロ

ものまね士「これは必要かな……」スッ

ものまね士「はい、店主さん。持ってください」ズイッ

店主「あいよ」スッ

ものまね士「あとは……」

ものまね士「これとこれ……」スッ

ものまね士「あ、あれも必要なものなのよね」



ものまね士「……はい」ドッサリ

店主「そ、そんなに持って帰るのか……?」

ものまね士「仕方ないじゃないですか」

ものまね士「白魔法の研究って、とにかく魔法書が必要なんです」

ものまね士「これでも必要最低限なんですよ?」

店主「そうなのか……よいしょっと」ゴソッ

店主(これだけ本がかさばると、結構重いな……)




店主「………さて、あんたの用事はこれで終わったか?」

ものまね士「そうですね。あんまり欲張っても、持って帰れませんからね」

店主「……まあ、この荷物を持って砂漠越えするのも、かなりキツいもんがあるけどな」

店主「よし!じゃあ、約束通り……」

ものまね士「わかってますよ。見たいんでしょ?飛空艇」

店主「うん。さっそく行こう!」

店主「……ほら、置いてくぞ?」

スタスタ…


ものまね士「ちょ、ちょっと待ってくださいよ〜!」

タタタタ…


614 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 12:51:11.53 ID:hBwOe8d/O
バロン城 造船所

カンカンカン…


技師1「おーい!こっちにもミスリルくれー!」

技師2「わかった、ちょっと待ってろ」



響「……」ソワソワ

響「……ねえ、自分も何か手伝う事はない?」

響「見てるだけじゃ、ヒマだぞー」

技師1「あ、じゃあ……」

技師1「こっちを少し手伝ってもらえますか?」

響「よーしっ!任せろ!」

タタタタ…



カンカンカン…


響「……こんな感じでいいの?」

技師1「そうそう、さすが親方、飲み込みが早いですねー!」

響「へへっ、なんたって自分、完璧……」

響「……」

技師1「?」

響「……自分は、完璧を目指してるからな!」

響「このくらい、なんくるないさー!」ニコッ

技師1「頼りにしてますよ、親方!」

響「うんっ!」



響(自分は、まだまだ完璧なんかじゃない……)

響(みんながいないと、ひとりじゃ何もできない……)

響(みんなと冒険してみて、それがわかったんだ)

響(だから、自分は……)

響(…………みんなと一緒に、完璧を目指すんだ!)



響(…………待っててね、みんな!)



615 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 12:59:12.99 ID:hBwOe8d/O
バロン城 造船所 飛空艇内部

店主「おお〜!これが、夢にまで見た飛空艇……!」キョロキョロ

ものまね士「……って言っても、なんだかよくわからない機械があるだけで、私にはさっぱり良さがわからないんですが……」

店主「まあ、ここはエンジンルームだからなぁ」

店主「素人が見ても、良さは伝わらないかぁ……」

店主「うーん、残念だなぁ」

ものまね士「あ、でも……私は楽しいですよ?」

ものまね士(店主さんの楽しそうな顔を見られるだけで…………)

ものまね士(なーんて……わ、私ったら………///)

店主「おっ、そうか?よーし、特別にお前にも飛空艇の良さを教えてやるよ!」

店主「まず、このエネルギー変換装置なんだが、これは今から約200年前にだな……」

ものまね士「ふんふん……」

ものまね士(ふふふ……店主さん、本当に楽しそう……)

ものまね士(……来て良かったなぁ、バロン)

ものまね士(なんだか、デートみたいだし……)

ものまね士(……はっ!こ、これって、初デートじゃないっ!)

ものまね士(はぁ〜あ……もっと雰囲気あるところに行きたかったなぁ……)チラ

店主「……で、大魔導師ウネが『ゼウスの怒り』を改造して造った発電機が、今の時代の飛空艇のエンジンに使われてるってわけだよ!」

店主「……って、聞いてるのか?」

ものまね士「うふふ、聞いてますよ?」

店主「そうか!じゃあ、もっと話を……」



…ガタンッ!



店主「おっと……!」ヨロッ

ものまね士「あっ、店主さんっ!」ガシッ

店主「わ、悪い……」


616 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:02:04.16 ID:hBwOe8d/O

ものまね士「……今、揺れましたよね?」

店主「ああ……」



ガクンッ…


…ゴォォォォォォ



ものまね士「あ、あの、店主さん、これって……」

店主「うん。エンジンが動き始めたな」

店主「どうやらこの飛空艇、飛ぶみたいだなぁ」

ものまね士「みたいだなぁ……じゃ、ないですよっ!」

ものまね士「早くここから出ないと!」

店主「いや、そりゃ無理だ。もう結構な高さまで飛んでるんじゃないかな?」

店主「いやぁ、まさかエンジンが動くところを見れるなんて、ラッキーだなぁ!」

ものまね士「ちょ、ちょっと〜!それじゃ、私達はどうなるんですか〜!?」

店主「心配するなよ。どうせテスト飛行とかだろ?」

ものまね士「そ、そうですかね……?」

店主「大丈夫だよ。そんな事よりさ、つかの間の空の旅を楽しもうぜ?」

ものまね士「は、はぁ……」

ものまね士「だ、大丈夫かしら……?」



617 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:04:12.25 ID:hBwOe8d/O
飛空艇エンタープライズ

ババババババババ…



響「弟子達ー、ありがとなー!!」

響「また会おうなー!!」




響「よし、これでエン太郎はパワーアップしたぞっ!」

響「もう、地底の溶岩なんかに負けないんだからな!」




「………ぁぁぁぁ……!」



響「……ん?今、なんか聞こえた気が……?」

響「気のせいかなぁ?」

響「ま、いいか」

響「さ、エン太郎、地底に急ぐぞっ!」グイッ



ブオォォォォォォ…



618 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:07:14.37 ID:hBwOe8d/O
ファブール城 マコトの家

亜美「え、えっと……?」

真美「ど、ど〜ゆ〜事……?」

あずさ「あらまあ………こんな事もあるのね〜」

トロア「ゆ、ユキホ王女に、そっくりだ……」



雪歩「えへへ、久しぶり、ユキコさん」ギュッ

ユキコ「ユキホさん……元気そうだねっ」ギュッ



P(まるでドッペルゲンガーだなぁ……)

P(……真の奥さんが雪歩にそっくりとは……いろいろまずいような気がするぞ)

P(ともあれ……)

P「…………真美」チョンチョン

真美「……えっ?あ……うん、そうだったね」

真美「……ねえねえ、ゆきぴょんツー?」

ユキコ「ツーって……わ、私の事……かな?」

真美「そうそう。あのさ、真美達、ちょっとお願いがあるんだけどさ……」

ユキコ「な、何かなぁ……?」

真美「………フライパン、貸してくれたりしないかな〜?なんて……」

ユキコ「ふ、フライパンを……ですか?」

あずさ「なぜ、フライパンなのかしらね〜?」

雪歩「よく、わからないですぅ」

トロア「フライパンが必要でしたら、言っていただければ我が城からお持ちしましたのに……」

亜美「とろ姉ちゃん、ただのフライパンじゃ意味ないんだよん」

亜美「ゆきぴょんセカンドが毎日マコちんのタメにじっくりネットリ愛情をこめて料理を作ってるフライパンじゃないとね!」

トロア「愛情を込めて……?」

あずさ「いったい何に使うの?」

亜美「んっふっふ〜!そのうちわかるよ!」



ユキコ「あ、あのう……」


619 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:09:30.60 ID:hBwOe8d/O

ユキコ「その子の言う通り、このフライパンは、マコトさんに料理を振る舞うのに必要なんですぅ」

ユキコ「だから、本当に申し訳ないんですけど……」

ユキコ「お貸しする事はできません……」

真美「え〜、ダメなの〜?」

ユキコ「他のものなら構わないんですけど、これだけは……」

真美「マジかぁ……」

亜美「……兄ちゃん、これはゆゆしき事態ですぞ!」

P「うーん、そうだな……」

P(ゲームだと、あっさり貸してくれるんだけどなぁ)

P(無理矢理奪うのも、ちょっとかわいそうだし……)

P(でも、このフライパンが無いと、真が……)



雪歩「あの、プロデューサー……?」

雪歩「ユキコさんのフライパンって、そんなに重要なものなんですか?」

P「ああ。このフライパンはな、この先、真を救うのに必要になってくるはずなんだ」

雪歩「真ちゃんを救うのに……?」

雪歩「………」




雪歩「じゃあ……」

雪歩「ユキコさんも一緒に連れて行く、っていうのはどうですか?」

ユキコ「え……?」

P「ゆ、雪歩……」

亜美「おお〜?ゆきぴょんにしては、ずいぶんダイタンな提案ですな〜」

真美「まあ、マコちん絡みですからな〜。ゆきぴょんがダイタンになるのも、無理はあるまいて……」

P「確かに、この子を連れて行けば、この子はフライパンを手放さずに済むし、俺達も『あいのフライパン』が手に入ったも同然なんだけど……」

あずさ「私は、賛成ですよ〜?」

あずさ「旅は道連れ、とも言いますし〜」

トロア「私は……妖精殿の決定に従います」


620 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:10:41.59 ID:hBwOe8d/O
P「………」

P「……わかった。雪歩、付いて来てくれるか、頼んでみてくれないか?」

P「その子さえ良ければ……だけどな?」

雪歩「は〜い、わかりましたぁ」



雪歩「ユキコさん……」チラ

ユキコ「は、はい……」

雪歩「あのね?ユキコさんのフライパンって、真ちゃんを助けるのに必要みたいなんだ……」

ユキコ「そ、そうなの……?」

雪歩「ユキコさん、私達と一緒に来てくれないかな……?」

雪歩「真ちゃんを助ける為に、あなたの力が必要なの……!」

ユキコ「………」



ユキコ「わ、私じゃ、皆さんの力になれるかどうかわからないですけど……」

ユキコ「そ、その……私のフライパンで、マコトさんを救う事ができるなら……」

ユキコ「私も、お供させてくださいっ!」



雪歩「ユキコさん………ありがとう!」

あずさ「うふふ、よろしくお願いしますね〜?」

トロア「トロイアの神官、トロアと申します。以後、お見知り置きを」ペコリ

亜美「ゆきぴょんと区別するのが大変そうだね?」

真美「スコップかフライパンかで区別するしかないっぽいね〜」



P(当初の予定と少し違うが、これで『あいのフライパン』は確保できた)

P(次は、いよいよ地底だな……)



621 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:14:29.02 ID:hBwOe8d/O
飛空艇

ババババババババ…


トロア「さすがに空の上となると、風が強いですね」

雪歩「はい。でも、おかげで洗濯物の乾きが早くて助かりますぅ」

雪歩「飛ばされないように気をつけなきゃですけど……」

ユキコ「ほ、本当に、空を飛んでいるんですね……」ガクガク

雪歩「ユキコさん、大丈夫だよ?」

雪歩「私も、最初は恐くて動けなかったけど……もう、だいぶ慣れてきたんだよ?」

ユキコ「そ、そうなんだ……」

トロア「ユキコ殿。高いと思うから恐いのです。高いと思わなければ、恐さも忘れましょう」

ユキコ「高いと思わない……」

ユキコ「………」

ユキコ「だ、ダメですぅ!どうしても気になっちゃいますぅ……」

雪歩「うーん……」

雪歩「こういう時って、何か他の事に集中できれば、高さも忘れるんじゃないでしょうか?」

トロア「なるほど、それはいい考えですね」

ユキコ「……じゃ、じゃあ私、お料理作って来ますぅ」

雪歩「あ、私も手伝うよ。一緒に行こう?」ギュッ

ユキコ「うん、ありがとう!」ギュッ

スタスタ…



トロア「ユキホ王女と手をつなげるなんて、羨ま……」

トロア「じゃなくて、仲がいいのだな……」

トロア「まるで、本当の双子の様だ」

トロア「……そういえば、『本当の双子』はどうしているのだろうか?」



亜美「ファイア!」ボゥ


トロア「むっ!」ヒョイッ


622 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:17:36.11 ID:hBwOe8d/O

亜美「ふむ……亜美の不意打ちをよけるとは……お主、なかなかやるではないか」

トロア「……アミ殿」

トロア「私は不意打ちなんてくらいませ……」ツルッ


ドテッ


トロア「な、何……!?」

亜美「やた〜!大成功!」

トロア「あ、アミ殿、いったい何をしたのです?」

トロア「急に足元が滑って……」

亜美「そりゃそ〜だろね〜?」

亜美「とろ姉ちゃんの足元に、ブリザドかけたからね」

トロア「し、しかし、先ほどアミ殿が使われたのは、ファイアでは?」

亜美「亜美、『ファイア』って言っただけだよ?」

トロア「でも、確かに炎が……」

亜美「『ファイアとブリザドを、同時に使った』からね〜」

亜美「ブリザドの方は、詠唱すっ飛ばして放ったのさ〜」

トロア「同時に二つの魔法を使うなんて、そんな事ができるのですか?」

亜美「まあ、まだ弱い魔法でしかできないけどね」

亜美「もっと練習して、一度に10個くらい魔法出せるようにするからねっ!」

トロア(いや、同時に二つでも、充分奇襲になるだろう……)

トロア(同時に複数の魔法を使う魔道士なんて、今までいただろうか……?)

トロア(この若さで………)

トロア(まったく、末恐ろしい方だ……)



623 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:21:32.03 ID:hBwOe8d/O
飛空艇 船室

P「………なあ、真美」

真美「ん〜?」

P「なんで俺は……」

真美「……」

真美「……べろちょろになっちゃったのかって?」

P「うん……」

真美「仕方ないっしょ〜。今、兄ちゃんの服は洗濯してるんだからさ」

真美「さすがに、裸で歩き回られるのは、キョーイクジョーよくないっていうか……」

真美(……ま、兄ちゃんの裸は、前に見ちゃったんだけどね)

真美(あっ……ちょ、ちょっと思い出しちゃった……///)



P「なんか、この姿も久しぶりだなぁ」

真美「うん、そ〜だよね」

真美「ここんとこずっと、人間に化けてたもんね?」

P「あのな……べろちょろが真の姿、みたいな言い方するなよ……」

真美「どっちでもい〜じゃん」

P「よ、良くないだろ?」

真美「ううん、いいんだよ」

P「え……?」

真美「真美達にとっては、べろちょろだろうと、人間の姿だろうと……」

真美「真美達の兄ちゃんには、変わりないもんね!」

真美(……っていうか、べろちょろなら、真美が兄ちゃんを独り占めできるしっ)

P「ん……まあ、いいけどさ……」

P「でも、その……真美は、いやじゃないか?」

真美「何で〜?」

P「い、いや、その……」

P(……まさか、真美の胸に抱かれる日が来るとはな……)

P「……」フニュ

P(……あれ?真美、もしかして少し成長したか……?)


624 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:24:55.34 ID:hBwOe8d/O

真美「あ……ひょっとして兄ちゃんは、真美に密着してる事を気にしてるのかな〜?」

P「ま、まあ、そうなんだが……」

真美「えへへっ……」ギュッ

P「ムグッ!」

P「ど、どうしたんだ、急に?」

真美「兄ちゃんも、一応真美の事、意識してくれてるんだな〜って思ってさっ」

P「そ、そりゃあ、真美だってアイドルだしなぁ……」

真美「むむむっ!」

真美「も〜!アイドルとか、今はカンケ〜ないっしょ〜!」ギュッ

P「わ、わかった、わかったから………く、苦し……」

真美(む〜……兄ちゃんめ〜)

真美(絶対いつかは、真美の事を『アイドル』じゃなくて『女の子』として意識させてやるかんねっ!)



P「………ところで真美、今は誰が操縦してるんだ?」

真美「え?亜美じゃないの?」

亜美「……呼んだかい?」ヌッ

真美「わっ亜美!」

真美「あれ?飛空艇を操縦してるんじゃ……」

亜美「え?亜美はてっきり真美が操縦してると……」

P「…………なんだか、非常にいやな予感がするんだが……」

真美「ま、真美も……」

亜美「ま、まさか、あのお方が操縦してるなんて事、ないよね……?」

P「お、おい、2人とも。操縦席へ行ってみよう!」

亜美・真美「あ、アイアイサー!!」

タタタタ…



625 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/10(水) 13:28:17.47 ID:hBwOe8d/O
飛空艇 操縦席

あずさ「うふふ〜」グイッ

あずさ「飛空艇の操縦って、意外と簡単なのね〜?」

あずさ「空のお散歩がこんなにお手軽にできるなんて、とってもステキね〜」

あずさ「………それにしても」

あずさ「今は、どの辺りを飛んでいるのかしら……?」

あずさ「そういえば私、次の目的地を知らないわ」

あずさ「あとでプロデューサーさんに聞かないとね」



タタタタ…



亜美「ああ……やっぱり……」

真美「あずさお姉ちゃん……」

あずさ「あら?亜美ちゃんに真美ちゃん。それに、プロデューサーさん」

あずさ「揃ってどうしたんですか〜?」

P「あ、ええと……あずささんが心配で……」

あずさ「うふふ、大丈夫ですよ?飛空艇の操縦って、意外と簡単なんですね〜?」

P「そ、そうですか。それは良かったです」

P(そっちじゃなくて、『今』、『どこ』にいるのかの方が心配なんだが……)

亜美「……あっ!兄ちゃん、あれ見て!」スッ

P「ん?……あれは、火山か?」

真美「ねえねえ、でっかい穴が空いてるよ!これってひょっとして……」

P「ああ。恐らく、アガルトの火山だ!あそこから地底へ行けるはずだ!」

亜美「あり?ってことは……」



亜美・真美・P(ちゃんと目的地へ向かってた……!)



亜美・真美・P「あずさ(お姉ちゃん)さん、見くびってごめんなさい」ペコリ


あずさ「えっ?ど、どうしたのみんな、急に……?」


626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/11(木) 01:35:58.48 ID:CJku77vso
ちかたないね
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/11(木) 03:43:52.97 ID:wcWqncbDO
もしかしてゾンビになったことにより迷子スキルが緩和されたのか?
それとも迷子スキルによる偶然か…
Pはトードされたらべろちょろに戻るのかな
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/12(金) 00:47:08.71 ID:O5O9XIaDO

目的地を知らなかったから、迷子の結果として偶然着いた可能性が
629 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:19:14.88 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B11F

魔物「グルル……!」


春香「ま、魔物だよ、千早ちゃん!」

千早「……私に任せて!」

千早「……!」ジリッ

春香「……」じーっ

千早「……水平ジャンプ!」ダンッ


ヒュンッ……ドスッ!


魔物「」


千早「………ふぅ」

千早「春香、終わったわよ?」クルッ

春香「……ふーむ」

千早「………どうかしたの?」

春香「うん……千早ちゃんのジャンプって、不思議だなぁって思ってさ」

春香「千早ちゃんの足、すごく筋肉質ってわけでもないのに、なんであんな風にジャンプできるのかな?って」

千早「それは……口ではうまく説明できないわ」

千早「春香だってそうでしょう?」

春香「えっ?」

千早「あなたの技よ。どうしてあんな人間離れしたスピードで剣を振り回せるの?」

春香「あ……言われてみれば、そうだね」

春香「『なんかやれそうかも?』っていう気がしてくるんだよねぇ」

千早「そう。私も同じよ」

千早「この不思議な力にも、だいぶ慣れて来たわね」

春香「えへへ、そうだね!」


630 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:23:01.15 ID:+NYVYuO4O

魔物「グェー!」ヌッ


春香「わっ!」

千早「……!」チャキッ

春香「……千早ちゃん、今度は私が!」スッ

千早「わかったわ。気をつけて」

春香「……」チャキッ

春香「無双……」

春香「稲妻づ……」ズルッ

春香「っとと………あっ!」ドテッ

ザクッ!


魔物「」


千早「……」

春香「あ、あはは……ま、まぁ、結果オーライって事で……」

千早「無双稲妻ズッコケ……新しい技ができたわね」ニコッ

春香「わ、ワザとじゃないんだってば!」

千早「ふふふ……」



春香「ん……?」

千早「……」

千早「また、看板ね」



看板『クリスタルルーム、ここを左折ッス』



春香「……今回も、看板の通りに進めばいいんだよね?」

千早「ええ。そうしないと、最初の看板の指示に従った意味がないわ」

春香「わかった。じゃ、行こうか?」

千早「ええ……」


スタスタ…



千早「……それにしても、なかなか2人に追いつけないわね」

春香「やよいと美希は、結構体力あるからねぇ」

千早「春香、もう少し急ぎましょう」

春香「うん、わかった!」


タタタタ…


631 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:26:26.27 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B5F リツコの部屋

律子「………んっ」モゾ

律子「……………はっ!」ガバッ

律子「……」

律子「また私、小鳥さんに……」

律子「そ、そうだわ!貴音は……?」キョロキョロ



貴音「………おや、起きましたか」

律子「貴音!……あなた、大丈夫なの?」

律子「私、小鳥さんに操られて、貴音に何かしなかった?」

貴音「…………ふふ」

貴音「今まで、良く耐えましたね?」

律子「え……?」

貴音「……律子嬢、あなたの小鳥による呪縛はわたくしが解きました」

貴音「もう、小鳥の影に怯える事はないのですよ?」ニコッ

律子「……ほ、本当に?」

貴音「また小鳥が何かしてくる事があっても、わたくしが側にいます。安心してください」

律子「た、貴音……私……っ」

貴音「礼には及びません。わたくしは、わたくしの思う事をしたまでですから」

律子「………いいえ、それでも言わせて」

律子「貴音………ありがとう」

貴音「………」

貴音(わたくしは……)

貴音(友人を………ばはむーと殿を救えなかった……)

貴音(だから、誰かの役に立ちたいと思いました)

貴音(これは、わたくしの独りよがりです)

貴音(わたくしに、律子嬢の言葉を受け取る資格など、本当は無いのです)



632 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:27:37.36 ID:+NYVYuO4O

貴音「ところで……」

貴音「律子嬢は骸骨の化け物を知りませんか?」

律子「ガイコツの……?」

律子「知らないわね……」

律子「あなた、月から来たって言ってたけど……」

律子「ひょっとして、その魔物を追ってここへ来たってわけ?」

貴音「………」

貴音「ここへ来るまでの経緯を、お話し致します」

貴音「ですから律子嬢。あなたのこれまでも、話していただけますか?」

律子「そうね、わかったわ。情報は、共有したいところだものね」



…………

……




律子「………」

貴音「………」

律子「………なんていうか、あなたも苦労したのねぇ……」

貴音「………いえ、律子嬢程ではありませんよ」

律子「そう、かしらね……」

律子「でも、あなたのおかげで私もやっと自由に動く事ができる」

貴音「……これから、どうするつもりですか?」

律子「それは聞かなくてもわかってるでしょ?」

貴音「………」

貴音「他の皆の事は……?」

律子「私……小鳥さんに操られていたとはいえ、春香達にたくさん酷い事をしてしまったわ」

律子「……ううん、春香達だけじゃない。この世界の人達にも……」

律子「今さら……」

貴音「………」


633 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:29:45.41 ID:+NYVYuO4O

貴音「律子嬢。あなたは……なんですか?」

律子「なんですかって……な、何?急に……」

貴音「……あなたは、ぷろでゅうさぁでしょう?」

律子「貴音……?」

貴音「わたくしは、直接律子嬢にぷろでゅうすして頂いているわけではありませんが……」

貴音「『ぷろでゅうさぁ』とは、『あいどる』を『ぷろでゅうす』するもの……」

律子「……!」

貴音「これまで何があったとしても、貴女が765ぷろのぷろでゅうさぁである事実に相違はありません」

貴音「そして、わたくし達あいどるの信条は……」



貴音「『ぷろでゅうさぁ』を信じる事、だと思っております」



律子「貴音……」

貴音「……皆が、待っていますよ?」

律子「みんな……」



律子「……………ふふ、貴音には敵わないわ……」

律子「あなたの言う通りね」

律子「私はプロデューサーですもの。ちゃんとアイドル達を管理しなきゃね!」ニコッ

貴音「ふふ……やっと笑顔を見せてくれましたね?」

律子「か、からかわないのっ!」

律子「……これから、ビシバシいきますからね!覚悟しておくのよ!」

貴音「……心得ました」ニコッ



634 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:31:26.31 ID:+NYVYuO4O

律子「あっ……そうだわ」

貴音「どうしたのですか?」

律子「私ももう自由なんだし、魔物の親玉なんてやってられないわよね」

貴音「なるほど、確かにそうですね。……どうするのですか?」

律子「ちょっと、無責任かもしれないけど……」

律子「私が1番信頼を置いている部下がいるわ。その魔物に、あとの事は任せる事にしましょう」

貴音「ふむ……引継ぎ、ですか」

貴音「ふふ、こんな世界へ来てまで律義なのですね、律子嬢は」

貴音「それで、その魔物はどこに?」

律子「確か、クリスタルルームの守護に就いているはず………行きましょう、貴音」

貴音「わかりました」


スタスタ…

ガチャ…バタン





635 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:33:40.20 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B9F

魔物「……」ヌッ


やよい「はわっ!」ビクッ

美希「また出たの!」

美希「やよい!」

やよい「は、はい!」

やよい「ぶ、ぶりじゃらっ!」バッ



………シーン



魔物「?」

やよい「あっ………」

美希「やよい……」

やよい「か、噛んじゃいましたぁ……///」


魔物「……!」キュン


魔物「……」スタスタ

魔物「ヒソヒソ……」

やよい「えっ?………はい………はい」

やよい「そ、そうですか……すみません……」ペコリ


魔物「……」スタスタ



美希「………魔物、行っちゃったの」

美希「ねえやよい、あの魔物になんて言われたの?」

やよい「え、えっと……」

やよい「『なんかヤる気なくなったから、帰るわ』って……」

美希「ふーん……」

やよい「まものさんに、もうしわけないことしちゃいました……」シュン


636 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:35:10.07 ID:+NYVYuO4O

美希「気にする事ないって思うな」

美希「だってさ、これっていわゆる『平和的解決』ってやつじゃないかな?」

やよい「へいわてき……」

やよい「えへへ……たしかにそうかもですね!」

やよい「まものさんとたたかわないですむなら、それが一番いいですし!」

美希「うん!ミキもその方が楽チンだし!」





看板『本当に、このまま進むつもりッスか?引き返すなら、今の内ッスよ?』



やよい「み、美希さん、またカンバンが……」グイッ

美希「し、心配する事ないの……きっとこっちで合ってるの」

やよい「で、でも……なんだかこわいです……」

美希「大丈夫。やよいはミキが守るの!」

やよい「み、美希さん……!」

やよい「わ、わかりました!わたしも、足手まといにならないように、がんばります!」



637 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:37:11.23 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B6F

スタスタ…


真「うぅ……なんか、身体がまだビリビリしてる感じがするよ」

伊織「確かにね……」


伊織「!」ビクンッ


伊織「あ……!」

真「……伊織?どうしたの?」

伊織「………にひひっ!」

伊織「これを見なさいっ!」バリッ

真「おー!雷じゃないか!」

真「伊織、雷の忍術も使えたの?」

伊織「ううん……今、閃いたのよ」

伊織「真、あんたの雷の技を受けたおかげかもね?」

真「へへっ!お役に立てて良かったよ!」

真「……あ、だったらさ」

真「もっといろんな技を食らわせてあげようか?」

伊織「い、いらないわよ!なんで私があんたの技を受けなきゃならないのよっ!」

真「だって、技を受けて閃いたって……」

真「ボク、てっきり伊織はマゾなのかと……」

伊織「ばっ……!」

伊織「バカも休み休み言いなさいよ!なんでこの伊織ちゃんが……ま……ま……」

真「……マゾヒスト?」

伊織「そ、そう!それなのよ!?」

伊織「わ、私が……ま、マゾ……なわけ、ないじゃないっ!」カァーッ

伊織「あんたってホントデリカシーがないわねっ!」

真「わ、わかったわかった、悪かったよ」

真「うん。ボクも、伊織はどっちかっていうと……」

真「……いや間違いなく、生粋のサドだとは思うよ?」

伊織「それはそれでなんか嫌!」バシッ

真「痛った……!」

真「叩く事ないじゃないか!」

伊織「ふ、ふん!真が悪いのよ!」

真「な、なんでさ……」

伊織(あるわけないじゃない!私がマゾだなんて……)

伊織(………)

伊織(……そういえば、水遁の術を覚えた時も、今と似たような状況だった気が……)

伊織(ま、まさかね……)


638 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:42:01.32 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B6F 砲台制御室

カチカチ…

ピッピッ…ピーー!


ルゲイエ「……ふぅ」

ルゲイエ「あとは、巨大砲を再起動準備モードにセットして……」ピッ

ルゲイエ「……エブラーナの王女め、ワシの子供達になめた真似してくれおって!」

ルゲイエ「じゃが、再び巨大砲が動き出すのも時間の問題じゃ」

ルゲイエ「ドワーフ諸共、木っ端微塵にしてくれるわっ!」



ガチャガチャ…



ルゲイエ「ん?」チラ



「…………あれ?鍵が掛かってるみたいだ」

「という事は、ますますこの扉が怪しいわね」



ルゲイエ「この声、まさか……」



「よし、開けよう!」

「開けようってあんた……鍵が掛かってるのに、どうするつもり?」

「ボクに任せてよ!」



ルゲイエ「扉を開けようとしてるのか……」

ルゲイエ「ふん!無駄じゃ!この扉は、このルゲイエ様特製の超高性能防犯扉じゃからな!」



「伊織、ちょっと下がってて」

「はああああああ!」

「覇王……翔吼拳!」


ドガァァァァァァァン!



ルゲイエ「!!」



639 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:43:55.06 ID:+NYVYuO4O

真「よしっ!開いたよ!」

伊織「開いたよってあんた……壊したんじゃない……」

伊織「ま、いいけど」


スタスタ…




伊織「……あっ!」

ルゲイエ「貴様ら……!」

真「伊織、この人がさっき言ってた?」

伊織「ええ、変態科学者よ!」

ルゲイエ「だ、誰が変態科学者じゃっ!」プンスカ

伊織「あら?違ったかしら?」

伊織「なら、狂人科学者ね!」

ルゲイエ「だまれ!じゃじゃ馬王女めっ!」

ルゲイエ「今日という今日は、貴様をぐっちゃぐっちゃにしてくれるわっ!」

伊織「ふん!その言葉、そっくり返すわ!」ビシッ

伊織「この、スーパー忍者アイドル伊織ちゃんが、あんたに引導を渡してあげるから、覚悟しなさい!」

真(科学者なんて、みんな狂人みたいなものだと思うけどなぁ)

真(……っていうかこれじゃ、単なる伊織のケンカ友達じゃないか?)

真(なんか、緊張感無いなぁ……)

真(ま、一応用心しておかないとね……)



ルゲイエ「ワシの可愛い子供達に、上等キメてくれおって……!」

ルゲイエ「さらに扉まで破壊するとは……」

真「あはは、ごめんね?」

伊織「真、謝る必要なんてないわよ!」

真「あ、そっか」



ルゲイエ「ひょひょひょ………貴様らに、ワシの最高傑作を見せてやろう」



640 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:47:17.33 ID:+NYVYuO4O

ルゲイエ「スーパーアルティメットファンタスティックバイオレンスロボ、バルナバ!起動じゃ!」ポチッ


ウィーン……ガシャン!



バルナバ「………すりーぷもーど、解除」ピコン


伊織「ば、バルナバ……?」

真「伊織、このロボット知ってるの?」

伊織「え、ええ……」

伊織(でも……私の知ってるバルナバと、どこか雰囲気が違うわ……)


ガシャン…ガシャン!


バルナバ「………」

バルナバ「……………オ」


真「お……?」


バルナバ「オハヨウゴザイマス!」ギギッ


真「お、おはようございます……」ペコリ

伊織「バルナバ!私よ!伊織よ!」


バルナバ「………」ギギッ


ルゲイエ「バカめ!無駄じゃ!」

ルゲイエ「膨大な量のデータを書き込んである。あの時のデータなど、奥底に埋れておるわ!」

ルゲイエ「さあ、スーパーテリブルエキサイティングワンダーロボ、バルナバよ!あの2人をギッタンギッタンにしてしまえっ!」ポチッ

バルナバ「……戦闘もーど移行!」ピコン

バルナバ「フンガー!」ギギッ


真(さっきと名前が違うじゃないか……)

伊織「……」

真「伊織、なんだかよくわからないけど、やるしかないみたいだ……!」スッ

伊織「ダメよ真!あの子は……」

伊織「……あの子には、罪は無いもの!」

真「でも……!」


バルナバ「フンガー!」ブンッ


641 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:49:59.26 ID:+NYVYuO4O

真「伊織っ!」グイッ

伊織「あ……」ヨロッ


ドゴォン!


真「危なかったぁ……!」

真「あれは一撃でも食らったらヤバそうだな……」

伊織「バルナバっ!やめなさいっ!」

真「ちょっと伊織っ……!」グイッ


バルナバ「………」ギギッ

ルゲイエ「ひょひょひょ……!」

ルゲイエ「うまく避けた様じゃが……果たしていつまで逃げられるかのう?」ニヤリ

バルナバ「フンガー!」ギィ



真「伊織、あのロボットはボクがやるから、伊織はおじいちゃんをお願い!」

伊織「真……」

真「わかってるよ。あのロボットには罪は無いんでしょ?」

真「なんとか壊さないように動きを止めてみせるよ!」

真(……まあ、そう簡単に壊れそうもないように見えるけど)



真「さあ、来い!ロボット!」スッ


バルナバ「フンガー!」ブンッ


真「……っせい!」ブンッ


ドゴォォォォン!


ルゲイエ「な、何!?人間ごときが、バルナバのパワーと互角に渡り合うだとっ!?」

ルゲイエ「ば、バカな、そんな事が……!」


伊織「こら!変態っ!」ビシッ


ルゲイエ「むきー!科学者を付けんかっ!じゃじゃ馬王女!」


伊織「あら?じゃあ、変態って事は認めるのね?」


642 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:52:31.39 ID:+NYVYuO4O

ルゲイエ「ぐ……!」

伊織「あんたの相手は、この伊織ちゃんよ!」

ルゲイエ「ふん!貴様なんかにこのワシが倒せると思っておるのか!?」

ルゲイエ「これでもくらえっ!」ブンッ


ボフッ…モクモク…


ルゲイエ「ひょひょひょ!毒ガスを吸って、生ける屍となるがいい!」


伊織「…………はぁ」スッ

ルゲイエ「なっ!い、いつの間に後ろに!?」

伊織「遅すぎて、アクビがでるわよ!」ブンッ


ザシュッ!


ルゲイエ「ぎゃっ!」ヨロッ

ルゲイエ「き、貴様……!」

ルゲイエ「これならどうだっ!」ガシャン

ルゲイエ「特性火炎放射機っ!」


ボオオオオオ!


伊織「炎ってのはね……」

伊織「こう使うのよっ!」バッ

伊織「火遁っ!」


ゴオオオオオオオ!


ルゲイエ「うぎゃあああっ!」

ルゲイエ「な、なんじゃあの火力は……!まるでルビカンテの炎の様じゃ……!」


伊織「ちょっとあんた、やる気あるの?本気でかかって来なさいよ!」


ルゲイエ「こ、小娘が調子に乗りおって……!」

ルゲイエ「ちぃ!『あれ』を使うしかないか……」

伊織「なによ、奥の手があるんじゃない。待っててあげるから、さっさと使っちゃいなさいっ!」

ルゲイエ「ふん!後悔しても知らんぞっ!?」


643 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:54:40.69 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B7F

看板『この先には罠が仕掛けてあるッス。どうなっても知らないッスよ?』



美希「……」

やよい「……」

美希「……」

やよい「……」

美希「……」

やよい「…………ここまで来たんです」

やよい「わたしは……美希さんを信じます!」

美希「やよい……ありがとうなの!」

美希「大丈夫、ミキの勘は、結構当たるんだよ?」

やよい「はいっ!」


スタスタ…




やよい「……………あれ?」

美希「どうしたの?やよい」

やよい「あのー、そういえばわたし達って、なんのためにここにいるんでしたっけ?」

美希「…………あれ?なんのタメだったっけ?」

美希「忘れちゃったの」

美希「でも、とりあえず先に進めばわかるって思うな!」

やよい「んー……それもそうですねー」

やよい「じゃあ、はりきって行きましょーっ!」

美希「おーー!なの!」


644 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 19:58:59.05 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B5F クリスタルルーム付近

美希「……」グゥゥ

やよい「美希さん、おなかすいたんですか?」

美希「うん……おにぎりを補給しなきゃ、これ以上進めないのー……」ダラダラ

やよい「じゃあ、少し早いですけど、お昼ごはんにしましょーか?」

美希「ホントっ!?」パァァ

美希「さっすがやよい、話がわかるの!」




美希「モグモグ……」

美希「んー、力がみなぎるの!」

やよい「えへへ、おいしーですね!」

やよい「でも、ちゃんとみなさんの分ものこしておかないとダメですからね?」

美希「むぅ……やよいはきびしいの」



「…………お前達」



美希「ん……?」チラ

やよい「だれですか?」



ルビカンテ「敵地に乗り込んで来て、『誰ですか?』もないものだと思うが……」

ルビカンテ「人間がこんな所で何をしている?」

ルビカンテ(この娘達……只者ではないな……)

やよい「はわわっ……なんだか真っ赤な人です……」

美希「何って……ご飯食べてるんだよ?」

ルビカンテ「あ、いや……それはわかっているのだが……」

ルビカンテ「オレの質問が悪かったか……」

ルビカンテ「なぜ、人間がこんな所にいるのだ?」

ルビカンテ「まさか、お前達……?」



ルナザウルス(……ようやく来たッスか……)

ルナザウルス(せっかく案内したのに、迷っちゃったのかとヒヤヒヤしたッス)



645 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 20:03:33.53 ID:+NYVYuO4O

美希「うーん……それは、ミキの方が聞きたいの」

ルビカンテ「…………は?」

美希「……ねえ、赤い人。ミキ達、なんでここにいるんだっけ?」

ルビカンテ「………」

ルビカンテ(何を言っているんだ、こいつは?)

ルビカンテ(……作戦なのか?記憶喪失なのか?)

ルビカンテ(……それとも、ただのバカなのか?)

美希「ミキね、春香達の話は退屈だからあんまり聞いてなかったの」

美希「だから、何すればいいのかわかんなくなっちゃった……」

美希「あはっ☆」

ルビカンテ(……ただのバカか)

ルビカンテ(さっきは只者ではない気配がしたのだが、気のせいか……?)



ルナザウルス(あれぇ……なんかやる気ない感じッスね〜)

ルナザウルス(これじゃ、作戦がうまくいかないッス……)



やよい「あのー……」

やよい「わたし達、みなさんとはぐれちゃったみたいで……」

ルビカンテ(そんな事はオレの知った事じゃないんだが……)

やよい「春香さん達がどこにいるか、知りませんか?」

ルビカンテ「知らん……」

ルビカンテ「というか、お前達は侵入者だ」

ルビカンテ「悪いが、排除させてもらうぞ……!」ボオッ

やよい「はわっ!もえてますっ……!」

やよい「なんだかいふりとさんみたいかなーって」

美希「まあまあ、そんなに熱くならないで、おにぎりでも食べて落ち着くの」


646 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 20:06:19.31 ID:+NYVYuO4O

美希「はいっ。ミキの分、あげる!」スッ

ルビカンテ「………」

ルビカンテ(……なぜこんなに余裕なんだ、こいつは?)

ルビカンテ(そんなに自分の力に自信があるのか……?)

ルビカンテ(………)グゥゥ

ルビカンテ(…………そういえば、今日はまだ何も食べてなかったな)

ルビカンテ(…………敵に施しを受けるのはシャクだが、握り飯に罪は無い、か)

ルビカンテ「………」

ルビカンテ「……仕方ない、食べてやろう」スッ

美希「あはっ☆やっぱりお腹が空いてたんだね?」

やよい「あ、お漬け物もあるんで、よかったらどうぞっ!」スッ

ルビカンテ「……もらおう」スッ

ルビカンテ「モグモグ……」

ルビカンテ「む、なかなかいけるな……」

やよい「えへ、よかったですー!」

美希「今、おにぎりは……種族の壁を越えたの!」



ルナザウルス(ちょっとちょっと〜!なんで和やかにランチしてるッスか〜!?)

ルナザウルス(待ってる身にもなって欲しいッス〜)



スタスタ…



律子「…………あら?」

貴音「あれは………」



647 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 20:07:59.10 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B7F

春香「たぁーっ!」ザクッ


魔物1「」


千早「……くっ」ドスッ


魔物2「」



春香「ふぅ……」

春香「なんか、魔物が増えてきた気がするね……」

千早「春香、休んでいるヒマはないわよ!」


タタタタ…


春香「ま、待って、千早ちゃん!」


タタタタ…




看板『この階段を登るッス』



千早「………上ね!」


タタタタ…


春香「はぁ、はぁ……ち、千早ちゃん、待って……!」


タタタタ…



648 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 20:10:40.36 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B5F

看板『さらに階段を登るッス』



千早「どれだけ登ればいいのかしら……」

春香「はぁ、はぁ……ま、また階段……?」

千早「春香、大丈夫?」

春香「あ、う、うん。大丈夫だよ!」

春香(心配されたら、『しんどい』なんて言えないよ……)

春香(……頑張らないとね!)




魔物「ウガァ!」ブンッ


春香「……あっ、千早ちゃん、危ないっ!」ガバッ


ザシュッ!


春香「うぐっ……!」ヨロッ

千早「春香っ!」ガシッ

千早「……このっ!」ブンッ


ドスッ!


魔物「」



千早「春香、しっかりして!」

春香「だ、大丈夫、だよ……」

春香「えへへ……この世界に来てから、ケガするの、慣れちゃった」ニコッ

千早「春香……」ギュッ

春香「……ケアルラ!」


シャララーン!キラキラ…


春香「ふぅ……」

千早「春香……ごめんなさい」

春香「ううん、謝らないで?」


649 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 20:12:33.17 ID:+NYVYuO4O

春香「私ね?この世界に来てからさ……」

春香「私って個性が無いなぁ、とか、主人公なのに目立ってないよ〜、とか、いろいろ考えてたんだけどさ……」

春香「……お父さんにね、ハルカは『ぱらでぃん』だって言われたんだけど……」

春香「こうやってみんなを守るのが、私の役割なのかなって」

千早「春香……」

春香「えへへ……私にも仕事があって良かったよ」ニコッ

千早「そうね……」ギュッ

春香「わわっ、ち、千早ちゃんっ……」ドキドキ

千早「……あまり、無理はしないでね?」

春香「千早ちゃん……」

春香「うん、肝に命じておくよ」

千早「……それから」

千早「自分の事をさりげなく『主人公』と言ってしまうのが、春香の大胆なところね」

春香「あっ、えっと、そ、それはその……」アセアセ

千早「…………さ、行きましょう」


スタスタ…


春香「ち、千早ちゃん、待って〜!」


タタタタ…


650 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 20:14:10.47 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B4F

春香「………あっ!」

春香「千早ちゃん、また看板があるよ!」スッ

千早「今度は何が書いてあるのかしら?」



タタタタ…



春香「…………あれ?何も書いてない……?」

千早「これは……どういう事なの?」

春香「ここ、行き止まりみたいだし、美希もやよいもいないし……」キョロキョロ

千早(まさか……)

春香「………ん?」チラ

春香「看板の下の方に、小さく何か書いてあるみたいだよ?」

千早「なんて書いてあるの?」

春香「えっとね……」




春香「………『小さい頃親に、知らない人について行っちゃダメって教わらなかったッスか?残念でした』」



千早「……」

春香「も、もしかして、罠の方だった……?」カチッ

春香「……あれ?なんか踏んじゃった」


ガラッ…


春香「わっ……!」ヨロッ

千早「な、何……?床が……!」


ガラガラ…ボロッ…


春香「く、崩れるっ……!」


ガラガラガラ…


ヒュー…


春香「わーー!落ちるぅーー!」

千早「くっ……!」



…………



……



651 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/12(金) 20:16:25.65 ID:+NYVYuO4O
バブイルの塔 B5F

春香「痛たた……!」

千早「春香、大丈夫?」スッ

春香「あ、ありがと……」ギュッ

春香「千早ちゃんは……怪我はない?」

千早「ええ、なんとか」

春香「すごいな……あんなに高いところから落ちてきたのに、ちゃんと着地できるなんて」

千早「それは、普段のジャンプで慣れたからかもしれないわね」

春香「ああ、なるほどねー」

春香「それにしても……」キョロキョロ

春香「ここ、どこだろう?」

千早「あの看板は罠だった。そして、高槻さんと美希は見当たらない……」

春香「……って事は、2人は看板とは逆に行ったのかな?」

千早「そうとしか考えられないわね」

千早「一度、下に戻った方が……」



ニュルニュル…


タイダリアサン「………おや?」



春香「あっ!」

千早「昨日の……!」


タイダリアサン「ついてないなぁ……」

タイダリアサン「またあなた達ですかぁ……」


春香「昨日の様には、いきませんよっ!」チャキッ

千早「もう、遅れは取らない!」チャキッ


タイダリアサン「うわ……やる気満々だし……」


652 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 14:37:57.67 ID:hAZEWs/9O
バブイルの塔 B5F

タイダリアサン「……仕方ないなぁ」

タイダリアサン「また『タイダるウェーブ』の餌食にしてあげますよ……」


ザァァァァァ…


春香「ま、また……!」

春香「あれ、食らったらまずいよぉ……!」

千早「……春香、私に捕まって!」

春香「えっ……?」

春香「あっ、そっか!……わかった!」ギュッ



ザッパァァァァァァン!



千早「………くっ!」タンッ


フワッ…



タイダリアサン「なるほど、空中に逃げたんですね……?」チラ

タイダリアサン「でも……それは予想できてますけどねぇ……?」


千早「逃げた……?」

千早「……そんなつもりは、ないわ!」

千早「…………春香っ!」

春香「うんっ!」ダンッ


タイダリアサン「………え?」


春香「……鬼神の居りて乱るる心」チャキッ

春香「されば人………かくも小さき者なり!」



春香「乱命……割殺打っ!」ブンッ



シュンッ…ドゴォ!



タイダリアサン「うぐっ……!」


…スタッ


春香「………千早ちゃんっ!」クルッ


653 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 14:39:35.95 ID:hAZEWs/9O

千早「……はっ!」


ヒュンッ……ドスッ!


タイダリアサン「ごはっ……!」



春香「……千早ちゃん、平気?」

千早「大丈夫よ」



タイダリアサン「あー……痛いなもー……」



春香「あれ、あんまり効いてないのかな……?」


タイダリアサン「いいえ、かなーり効きましたよ、今のは……」


千早「……」

春香「あの、通してもらえませんか?……私達、仲間を探してるんです」


タイダリアサン「ええ、別にいいですよ?」

タイダリアサン「私も、仲間を探しているところでしたから……」


春香「えっ?そ、そうだったんですか?」


タイダリアサン「ええ……私は乗り気じゃなかったのに、やる気満々だったのは、あなた達の方でしょう?」


千早「確かに……」

春香「あ、あの……なんか、ごめんなさい……」ペコリ


タイダリアサン「いいえ、いいんですよ、わかってもらえれば……」

タイダリアサン「じゃ、私、もう行きますね〜?」



ニュルニュル…



春香「………」

春香「今のって、私達が悪かったのかなぁ?」

千早「どうかしらね……」


654 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 14:40:57.12 ID:hAZEWs/9O
バブイルの塔 B5F クリスタルルーム付近

律子「あんた達……!」

貴音「おや……」



やよい「あっ………!」

やよい「律子さん!貴音さん!」

美希「わぁ!2人とも、久しぶりなの〜!」

ルビカンテ「む………むぃふほむぁ………!」

ルビカンテ「………むぐっ!」

やよい「あわてちゃダメですよ?はい、お茶、どうぞー」スッ

ルビカンテ「ゴクゴク……」

ルビカンテ「………すまん」

ルビカンテ「リツコ様……見苦しいところを見せてしまいました」ペコリ

律子「ああ、気にしないで?うちの子達と仲良くやってくれるのは、私も嬉しいから」ニコッ

ルビカンテ「リツコ様……」

ルビカンテ(何かが吹っ切れた様な、そんな顔をしておられる……)

ルビカンテ(隣の女のおかげか……?)チラ

貴音「………」ペコリ

ルビカンテ(………こいつ、只者ではないな)

貴音(……なかなかの手練れですね)



律子「それにしても……2人だけ?他の子達は?」

やよい「ここに来るとちゅうではぐれちゃって……」

美希「みんな、バラバラになっちゃったの」

律子「そうだったの……」



律子「ルビカンテ、ちょっとお願いがあるんだけど……」

ルビカンテ「………はい」

律子「勝手な事言って申し訳ないんだけど……」

律子「私………降りる事にしたわ」

律子「あとは、あなたに任せる」


ルビカンテ「………」


655 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 14:45:40.71 ID:hAZEWs/9O

律子「なんとなくあなたなら、悪い様にはしないって気がするの」

律子「あとの事、よろしくお願いします」ペコリ

ルビカンテ「………」



ルビカンテ「………ならば」

ルビカンテ「オレの願いも聞き入れてもらいたい」

律子「……そうね。それが筋ってものよね」

律子「わかったわ」

律子「………で、あなたの願いって、なんなの?」

ルビカンテ「オレは………あなたと戦ってみたい」

律子「!」

貴音「………」

美希「へー、律子…さん、モテモテなの」

やよい「あの、ケンカはダメですよ……?」

律子「やよい、これはケンカじゃないわ」

やよい「えっ?で、でも……」

律子「そうねぇ……ちょっと例えが悪いかもしれないけど……落とし前、みたいなものかしら?」

やよい「おとこまえ、ですか……?」キョトン

美希「うーん……そこまでカッコいいとは思わないの」

律子「もうっ!男前じゃなくて落とし前っ!」

ルビカンテ「オレはそんなつもりはない」

ルビカンテ「ただ、純粋に……あなたの強さに惚れているだけだ」

美希「わぁ……!愛のコクハクなの!赤い人、結構大胆なんだね〜?」ワクワク

やよい「はわわっ……///」モジモジ

貴音「ふふ、愛されているのですね、律子嬢」

律子「あ、あのね……どうしてそう曲解するのよ、あんた達は……」

律子「いいわよ。やりましょう」

律子「……ただし、手加減はできないかもしれないわよ?」

ルビカンテ「もちろん、その方がオレにとっても好都合だ」

貴音(果たし合い、ですか……)

貴音(あの殿方と律子嬢では、おそらく律子嬢が格上……)

貴音(それを承知の上だとしたら…………なかなか厄介な相手となるでしょう)

貴音(………)

貴音(ふふ……各々の名誉を賭けた果たし合いに、この様な分析は無粋でしたね)




ルナザウルス(……なんか、妙な事になってきたッスね〜)

ルナザウルス(リツコさんが旧四天王さんを倒してくれれば、あとはなんとかなりそうッス)

ルナザウルス(2人が戦ってるスキに、クリスタルはいただくッス!)コソコソ


656 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 14:50:17.28 ID:hAZEWs/9O
貴音「……!」ピクッ

美希「……どうしたの?貴音」

貴音「……わたくし、少し用事を思い出しました」

貴音「……すぐに戻ります!」


タタタタ…


やよい「……行っちゃいましたねー」

美希「ん〜……なんだか貴音の様子がおかしかった気がするの……」

やよい「たしかに、ちょっとあせってた気もしますねー」

美希「これは、後を追うしかないの!」

やよい「でも、律子さんが……」チラ

律子「私の事なら、心配いらないわ!」

律子「貴音のおかげで、今なら全力を出せそうな気がする……」

律子「美希、やよい……貴音を追って!」

美希「わかったの!」

やよい「わかりましたっ!」


タタタタ…



律子「………さあ、これで気兼ねする事もないでしょ?」

律子「ルビカンテ、かかって来なさい!」

ルビカンテ「お気遣い、感謝します」

ルビカンテ「………ではっ!」ダンッ

ルビカンテ「はっ!」ブンッ


ガキィン!


律子「く……っ!」ギリッ

律子「やぁ!」グイッ


スタッ


ルビカンテ「………少し、鈍りましたか……?」

律子「ちょっといろいろあって、自分の身体なのにブランクがあるのよね」

律子「でも、そんな事は気にしないで、全力で来なさい!」

ルビカンテ「わかりました」

ルビカンテ「……ファイガ!」ボオッ


律子「……ファイガ!」ボオッ



ゴオオオオオオオオオ!!



ドゴォォォォォォォォォン!!

657 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 14:54:34.91 ID:hAZEWs/9O
バブイルの塔 B5F クリスタルルーム

ルナザウルス「ひい、ふう、みい……」

ルナザウルス「うん、間違いなく7つあるッス!」キラーン

小鳥(でかしたわ、ルナ君!これであとひとつ……)

ルナザウルス「最後のひとつは、どうするッスか?」

小鳥(もちろん、横取りよ?)

ルナザウルス「あ、やっぱり……」

小鳥(元より、最後のクリスタルの鍵は、律子さんが持ってるのよねー)

小鳥(だから、今の私達は最後のクリスタルに手が出せないのよ)

ルナザウルス「まあ、なんとかやってみるッスよ」

ルナザウルス「みんなも、そのうち到着すると思うし……」



…バタン!



貴音「ようやく見つけました……」

貴音「……さあ、年貢の収め時ですよ!」ビシッ

ルナザウルス「げげっ!?」

ルナザウルス「……勘がいいッスねぇ、も〜!」

ルナザウルス「執念深いというか、なんというか……」

ルナザウルス「仕方ないなー……」

ルナザウルス「コトリ様の四天王のひとり、『暴食』のルナザウルス、ちょっとだけ後悔させてあげるッス!」

貴音「待った!」

ルナザウルス「……なんスか?」

貴音「暴食、と仰いましたが……」

貴音「あなたのその骨だらけの身体のどこに、食べ物が入るというのです?」

貴音「明らかに無理があると思うのですが……」

ルナザウルス「それは………」

ルナザウルス「……………企業秘密ッス!」

貴音「……面妖な!」


658 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 14:55:50.89 ID:hAZEWs/9O

ルナザウルス「行くッスよ!」

ルナザウルス「バイオ!」バッ


ブニューーン!


貴音「ぶりざど!」


コォォォォォ…シャキーン!


ルナザウルス「下位魔法で相殺されちゃうッスか……」

ルナザウルス「さすがは『タカネ様』、魔力のケタが段違いッス!」

ルナザウルス「なら、これはどうッスか?」ブンッ


貴音「く……!」ヒョイッ


ルナザウルス「あー、やっぱり……」

ルナザウルス「あなたは、肉弾戦は得意じゃないみたいッスね?」

貴音(確かに……)

ルナザウルス「それじゃあ自分に勝てないッスよ?」

貴音「………」

貴音「やってみなければ、わかりません!」

貴音「はっ!」タンッ


貴音「ぶりざら!」バッ


コォォォォ…


ルナザウルス「リフレク!」


ブゥーーン!


貴音「!」

貴音「魔法が跳ね返って……!」


コォォォォォォ…パキーン!



659 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 14:58:27.85 ID:hAZEWs/9O

貴音「ぐっ……!」ヨロッ


ルナザウルス「……どうッスか?自分の魔力をモロに食らった気分は?」

ルナザウルス「あなたの魔力はチート過ぎるッスから、結構ダメージあったと思うッスけど」

ルナザウルス「魔法を使えないんじゃ、あなたに勝ち目はないッスね〜?」


貴音(魔法を跳ね返す魔法、ですか……)

貴音(確かに、わたくしの主力は魔法攻撃。この状況は分が悪いかもしれません)

貴音(ふむ………)

貴音(少々、危険ですが………あの物の怪は、やたらと隙が多い……)

貴音(ここは、行くべきでしょう)



貴音「ならば、その光の壁を消し去るのみ!」

貴音「でぃすぺる!」


ブゥゥン……パシュンッ


ルナザウルス「……まあ、それが妥当だと思うッスよ」


シュンッ…


ルナザウルス「でも、またリフレクを……モゴッ!?」

ルナザウルス「!?」

貴音「……口を塞げば、あなたも魔法は使えないでしょう?」ガシッ

貴音「そして、この至近距離で魔法を使ったら、果たしてどうなるでしょうか?」ニヤリ

ルナザウルス「モガー、モガーッ!」ジタバタ

貴音「……あなたの様な屍には、火葬がお似合いです!」

貴音「ふぁいが!」


ゴオオオオオオオオオ!!


ルナザウルス「うぎゃああああああっ!!」

貴音「く……!」

貴音(少々、無茶が過ぎましたか……!)ズサッ


660 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 14:59:47.58 ID:hAZEWs/9O

貴音「………」

ルナザウルス「はぁ、はぁ……!」

ルナザウルス「い、今のは……効いたッス……!」

貴音「さあ、観念して月へ還りなさい!」

貴音「ここは、あなたの居るべき場所ではないのです!」

ルナザウルス「ざ、残念ッスけど、それはできないッスね……!」



…バタン!



美希「貴音っ!」

やよい「貴音さんっ!」


貴音「美希、やよい……!」


美希「助太刀するの!」

やよい「まものさん、わるいことしちゃ、めっ!です!」


貴音「ありがとうございます。しかし、この者は、わたくしが……」


ルナザウルス「あはは!カッコ付けるッスね〜!」

ルナザウルス「なら、こっちも仲間を呼ぶッス!」

ルナザウルス「プーちゃん!」



フワフワ〜…


661 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 15:04:02.00 ID:hAZEWs/9O

プレイグ「よかったぁ……ぼく、出番無いかと思っちゃった……」



貴音「これは……まこと、面妖な……!」

美希「目玉のお化け!」

やよい「はわわ、いろんなまものさんがいるんですねー……」



ルナザウルス「プーちゃん、早速で悪いッスけど……」

ルナザウルス「あの銀髪、殺しちゃってくださいッス!」スッ

ルナザウルス(タカネさんさえいなくなれば、あとは楽勝っぽいッスからね〜)

プレイグ「うん、わかったよ」



貴音「む……?」

やよい「こ、ころすなんて……そんな事、ダメですっ!」バッ

美希「んー……そんなにあっさり貴音がやられるとは思えないの」

貴音(わたくしを殺す……?一体どうやって……?)

貴音(一応、用心しておいた方が良いですね……)



プレイグ「あなたに恨みはないんですけど………ごめんなさい!」

プレイグ「死の宣告!」



ズゥゥゥゥゥン…



美希「……ん?何かしたの?」

やよい「よくわからないですねー」

やよい「…………あれ?」チラ

やよい「貴音さん……」



662 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 15:18:54.09 ID:hAZEWs/9O

やよい「貴音さんの頭の上に、10って、数字が……」



10貴音「はて?数字……ですか?」



美希「あ、ホントなの!」

9貴音「今のは一体、どの様な攻撃なのでしょうか……?」

やよい「あっ!数字が、へりました……」

9貴音「数字が、減った……?」



ルナザウルス「残念ですけど、あとちょっとでお別れッスね〜?」

ルナザウルス「……タカネ様?」



8貴音(数字……減る……お別れ……………)

8貴音(死の、宣告………)

7貴音(まさかっ………!)

7貴音(……こ、この様な身も蓋もない攻撃があるとは……っ!)ガクッ

やよい「た、貴音さんっ……!?」オロオロ

美希(なんなの……?なんだか、とっても胸騒ぎがするの……!)

6貴音(響…………申し訳ありませんっ……!)グッ

6貴音「これが、わたくしの命運だというならば……」

6貴音「……今わたくしにできる事をするのみです!」バッ


ルナザウルス「泣かせるッスね〜」

プレイグ「わわ、怒っちゃったかなぁ………」



5貴音「四条貴音、最大最後の魔法………とくと味わいなさいっ!」ゴゴゴゴ



5貴音「……めてお!」



ヒュー…ヒュー…ヒュー…

ヒュー……ヒュー……ヒュー…



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!



ルナザウルス「うぎゃあーー!」

プレイグ「うわあぁぁぁ!」




663 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 15:23:07.42 ID:hAZEWs/9O

4貴音「はぁ、はぁ……!」



やよい「た、貴音さんっ!だ、だいじょーぶですかっ!?」ガシッ

美希「貴音っ!」ガシッ

3貴音「美希……やよい……わたくしは、どうやらここまでの様です……」

やよい「えっ?な、なんでそんな事言うんですかっ!?」

美希「貴音っ、弱気になっちゃダメなのっ!」ユサユサ

2貴音「いいえ、おそらくほんの数秒後に……決して逃れる事のできない運命が、わたくしを待っているでしょう……」

やよい「た、貴音さんっ!」ギュッ

美希「そんな……絶対そんな事ないって、思うな!」

1貴音「2人とも……後の事は、頼みましたよ……?」ニコッ




0貴音「………」ガクッ




美希「た……か、ね……?」

やよい「貴音さんっ!起きてくださいっ!」グスッ

やよい「こ、こんなの、いやですよぅ……!」ギュッ

やよい「うぅぅ……うわぁぁぁぁん!」ポロポロ

美希「嘘……!嘘なの……!こんなのって、ないの……っ!」ギュッ



664 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 15:26:13.60 ID:hAZEWs/9O

ルナザウルス「残念ッスけど、事実ッス!」

ルナザウルス「『タカネ様』は今、『死にました』!」

プレイグ「ごめんね……ぼくもこんな事したくなかったんだけど……」

ルナザウルス「さっきのメテオ、かな〜り効いたッスけど……」

ルナザウルス「あなた達2人は……あんまり強くなさそうッスね〜?」

ルナザウルス「ささっとやっつけちゃうッス!」



美希「………」ギュッ

やよい「うぅぅううっ!グスッ……ひぐっ!」ポロポロ


ルナザウルス「さ……あなた達も、タカネ様の後を追うッス!」






美希「……………………………ヤ、なの」ポワ…






ルナザウルス「………ん?」



美希「こんなの………絶対…………!」

美希「……やっ!なのっ!!」



パァァーー!



ルナザウルス「うわっ!まぶしっ!」

プレイグ「な、何……!?」


やよい「グスッ……み、美希さん……?」


665 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 15:30:05.76 ID:hAZEWs/9O









「生命を司る精霊よ………」



「失われゆく魂に……今一度、輝きを!」



「…………アレイズ!」ナノ



キラーン……パァァァ!



貴音「………」

貴音「………」ドクンッ

やよい「はわっ!た、貴音さんっ!」ギュッ



「やよい……貴音はもうへーきなの……」



やよい「へ?」

やよい「み、美希さん……なんですか……?」チラ



「うん。そうだよ……?」



やよい「なんで空をとんでるんですか……?」

やよい「それに、なんだか髪が……」







666 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 15:46:37.08 ID:hAZEWs/9O


覚醒美希「うん。ミキもよくわかんないけど…………髪の毛、短くなっちゃったの」フワフワ

覚醒美希「あーあ……ハニーが褒めてくれた髪だったのになぁ……」



ルナザウルス「……誰ッスかあんた?」

ルナザウルス「邪魔するなら、容赦しないッス!」

ルナザウルス「バイオ!」


ブニューーン!


覚醒美希「………」チラ

覚醒美希「……シェル」スッ


シュパッ…


ルナザウルス「え?か、かき消された……!?」


覚醒美希「やよい……貴音をよろしくなの」


やよい「は、はい!わかりましたっ!」ギュッ

貴音「………」

やよい「あ、あのっ!美希さん?は、どうするんですか?」

覚醒美希「心配しないでいーよ?」

覚醒美希「……全部、ミキに任せて欲しいの」ニコッ

やよい「美希さんっ……!」



覚醒美希「ミキ、ちょっと怒ったの……」チラ



667 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 15:51:39.39 ID:hAZEWs/9O

覚醒美希「ミキの大切な友達を傷つける人達なんて……!」

覚醒美希「……消えてなくなっちゃえばいいって、思うなっ!」ゴゴゴゴ…



プレイグ「わわっ!す、すごい魔力……!」

ルナザウルス「そ、そんな……ザコだと思ってたのに……!」






ーーー虚栄の闇を払い、真実なる姿、現せーーー




ーーー……………あるがままに!ーーー





ーーー………………アルテマッ!ーーー




ルナザウルス「ちょ、ま……!?」

プレイグ「ひえぇ……!」



スゥゥゥゥ…



ゴゴゴゴゴゴ…



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



ドゴォォォォォォォォォン!!



668 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/13(土) 15:58:40.28 ID:hAZEWs/9O

ドサッ…



やよい「み、美希さんっ!」

やよい「だ、だいじょーぶですかっ!?」ギュッ

美希「……zzz」

やよい「あ、ねてるんですね……」


サラッ…


やよい「……あれ?美希さんの髪が……」

やよい「また長くなってます……」

やよい(……さっきのは、なんだったんでしょーか……?)

やよい(短くなっちゃったと思ったんですけど……)

やよい(見まちがい、かな……?)




貴音「………やよい……?」ムクッ


やよい「あっ、貴音さん!」

やよい「よ、よかったぁ……!」ウルッ

やよい「わ、わたしっ……た、貴音さんっ……グスッ……が……ひぐっ!」ポロポロ

貴音「心配かけてしまいましたね……」ナデナデ

やよい「うぅぅ……!」ギュッ

貴音(わたくしは、死んだはずでは……?)

貴音(なぜ生きているのでしょうか……?)

貴音(……一体、何が……?)



貴音「やよい、あの物の怪達は……?」

やよい「グスッ……あ、えっと!」ゴシゴシ

やよい「たぶん、美希さんがやっつけてくれましたよ?」

貴音「多分……?」

やよい「はい……たぶんあれは、美希さん……だったと思います」

貴音(……記憶が混乱している?)

貴音(一部始終を見ていたはずのやよいがこれでは、ますますわかりませんね……)

貴音(……ともあれ、物の怪達の気配は近くには無い様です)

貴音「やよい、律子嬢の元へ戻りましょう」

やよい「あ、はーい。わかりましたー!」

美希「……はにぃ……」ムニャ


669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/14(日) 11:05:34.44 ID:bnREAA2DO
なんか微妙な感じになってきた
670 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 20:45:45.32 ID:tENnA20pO
飛空艇 エンタープライズ

響「……………で、あんなとこに隠れてたのか」



店主「い、いや、隠れてたというか……」

店主「まさか、ヒビキの船だとは思わなくてだな……」

ものまね士「もうっ!店主さんのせいですよっ!?」

店主「うぐ……!」

店主「まあ、全面的にオレが悪いよな……すまん……」ペコリ

店主「……でも、ものまね士だってノリノリじゃなかったか?」

ものまね士「そ、それは……!」

ものまね士「……店主さんが喜んでたから、私も嬉しくなっちゃって、つい……」ボソボソ

店主「……え?なんだって?」

ものまね士「な、なんでもないですっ!」プイッ

店主「なんだよ、気になるだろ?」

ものまね士「なんでもないですってば!」



響「………」

響「はいはい、ケンカはそこまでだぞ!」

店主・ものまね士「はい、すみませんでした……」

響「2人がらぶらぶなのは、充分伝わったさー」

店主・ものまね士「そ、そんな事っ……!!」

響「息もピッタリなんだなー……」

響「あのね?自分は別に、怒りたいわけじゃないんだ」

響「もう引き返せないぞ?って言いたかっただけで……」

店主「引き返せないって……」

ものまね士「ち、ちなみに、今はどのあたりを飛んでるんですか?」

響「どこって……」チラ



響「………地底だけど?」


671 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 20:49:37.27 ID:tENnA20pO

店主・ものまね士「ち、地底ーー!?」



店主「………って、どこだ?」

ものまね士「店主さん、知らないで驚いたんですか……」

響「地底は地底だぞ。地面の下にある世界!」

店主「へぇ、地面の下にも世界があるのかぁ」

ものまね士「……それで、ヒビキさんはその地底に何しに来たんですか?」

響「うん。春香達を迎えに行くところなんだ!」

ものまね士「ハルカ様達も来ているんですね」

響「うん!だから、悪いけどもう戻れないからね?」

ものまね士「はい、わかりました……」

ものまね士「仕方ないですよね、店主さん……?」チラ

店主「はぁぁぁ……店、どうしよう……」ズーン

響「ひと段落したら送ってあげるから、そんなに落ち込まないでよ……」

店主「ああ、悪い……そうだよな」

店主「ま、飛空艇に乗る機会なんて一生に一度あるかないかだもんな!」

店主「楽しむとするか!」

響「……店主って、意外と切り替えが早いんだな」ヒソヒソ

ものまね士「……ですねぇ」ヒソヒソ



響「………ん?」チラ


響「おー!なんか城が見えてきたぞー!」

店主「ホントだ……」

ものまね士「……あれ?」

ものまね士「お城の近くに、飛空艇が停まってるみたいですね?」

響「そーみたいだなー」



672 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 20:51:52.90 ID:tENnA20pO

ものまね士「ところでヒビキさん、ハルカ様達はどこにいるんですか?」

響「さあなー」

ものまね士「さあなーって……それで大丈夫なんですか?」

響「なんくるないさー!自分、また春香達と合流するって、約束したからな!」

響「エン太郎がきっと導いてくれると思うんだ!」

ものまね士「えんたろう……?」

響「この子の名前なんだ!」ナデナデ

ものまね士「そ、そうなんですか……」

ものまね士「い、いい名前ですね……」

響「とりあえず、あのお城に降りてみよう!」

店主「よしきた!」

店主「野郎共ー!着陸の準備だー!」



シーーン…




響「いや……ここには自分達3人しかいないからね?」

店主「あ、そ、そうなのか……」カァァ

ものまね士「じゃあ、ヒビキさんひとりで全部やってるんですか?」

響「まあね!自分……」

響「………」

響「……なら、これくらい余裕だもんね!」

店主「あのさ……この船に乗ってる間は、オレも何か手伝わせてくれよ」

店主「ボーっとしてるのは、なんか性に合わなくてな……」

ものまね士「私も、ぜひお手伝いさせてください!」

響「えへへ……2人とも、ありがとなっ!」



響「よーし、着陸するぞー!」グイッ



673 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 20:53:18.77 ID:tENnA20pO
ドワーフ城

響「うーん、どうしようかな?」キョロキョロ

響「こういう時は、やっぱり王様に話した方がいいのかな?」

ものまね士「それがいいかもしれませんね」

ものまね士「それにしても、地底の人って、みんな肌が黒いんですねぇ……」

店主「そうだなぁ」

響「うん。なんだか他人の気がしないぞー」

響「あ、あの人に、王様の事を聞いてみよっと」


タタタタ…


響「はいさ〜い……じゃなかった」

響「らりほ〜!ちょっと聞きたい事があるんだけど、いいかな?」



「は〜い?私で良ければ……」



響「………って」



響「あ……あずささんっ!?」



あずさ「あら〜?響ちゃん、久しぶりね〜?」

あずさ「元気そうで良かったわ〜」

響「うぅ……!」ダキッ

あずさ「ひ、響ちゃん……?」

響「良かった……!」ギュッ

響「あずささんが生きてて、良かったよぉ〜!」グスッ

あずさ「………」ナデナデ

あずさ「ごめんなさいね、心配かけちゃったみたいで……」

響「グスッ……ひぐっ……!」ポロポロ



ものまね士「あの綺麗な女性って、確か……」

店主「ああ、ウチに来た事あったな……」

店主「あの時は寝たきりだったけど、どうやら良くなったみたいだなぁ」


674 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 20:55:37.46 ID:tENnA20pO

響「グスッ……」

響「ごめんね、あずささん……いきなり飛びついちゃったりして……」ゴシゴシ

あずさ「気にしないで?私も嬉しかったから」

響「えへへ……///」

あずさ「うふふ……」



あずさ「ところで響ちゃん、そちらの方達は……?」

響「あ……」

響「紹介するね!この人は、カイポの村の宿屋の、店主!」

店主「よろしくな!」

店主(間近で見ると、やっぱすごい美人だなぁ……)

響「……で、こっちが、バロンのものまね士!」

ものまね士「よろしくお願いしますね」ペコリ

ものまね士(……っていうか、みんなもう忘れてると思うけど……)

ものまね士(私、本当は白魔道士なんですけどね……)

ものまね士(まあ、今さらですけど)

あずさ「うふふ、三浦あずさと申します。響ちゃん共々、よろしくお願いします〜」ペコリ

ものまね士(このアズサって人……仕草がいちいち色っぽいんですけど……)

ものまね士(スタイルも顔も一流……)

ものまね士(うーん……私もあやかりたいなぁ……)



響「……で、あずささん」

響「こんなところで何してたの?」

響(だいたい予想はつくけどね……)

あずさ「ああ、それが……」

あずさ「ちょっと、みんなとはぐれちゃって……」モジモジ

響(……やっぱりか)

店主(うーむ……色っぽい……)



675 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 20:57:21.57 ID:tENnA20pO

響「じゃあ、まずはみんなを見つけないとね!」

あずさ「ごめんなさいね?迷惑かけてしまって……」

響「そんな事ないさー!」

響「……プロデューサーとかも、来てるんでしょ?」

あずさ「そうね〜。あと、亜美ちゃんとユキコちゃんと一緒に来たのだけど……」

響「へぇ、亜美とゆき……こ?」

響(聞き間違いかな?雪歩の事だよね、きっと)

響「よーし、じゃあ行こう!」

あずさ「そうね〜」


スタスタ…






ユキコ「あっ……」

ユキコ「あ、アズサさん……」

あずさ「あら、良かったわ〜」

あずさ「ユキコちゃんを見つけられて」

響「雪歩ー!久しぶりー!」

店主「ああ、ユキホかぁ。久しぶりだなぁ」

ものまね士「 ユキホ様、相変わらずみたいですねぇ」

ユキコ「え、えっと、そのぅ……」



ユキコ「ど、どちら様でしょうか……?」



響「えっ?」

響「ゆ、雪歩……?」

店主「ありゃ、忘れちゃったのか……」

ものまね士「で、でも……」

ものまね士「私達の事は仕方ないとしても、ヒビキさんの事まで忘れているなんて、ちょっとおかしくないですかねぇ?」


676 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 20:58:57.10 ID:tENnA20pO

あずさ「あ、響ちゃん、この子はね……」



亜美「あっれ〜?ひびきんじゃん!」

亜美「なんでこんなところにいるのさ?」

P「響か?どうしてここに?」



響「亜美!プロデューサー……は、べろちょろになっちゃったのか……」

響「聞いてよ!雪歩がひどいんだぞ!」

響「自分の事、知らないふりするんだ!」

響「いくらなんでも、ちょっとへこむぞ……」

あずさ「あ、あのね?だからこの子は……」

ユキコ「うぅ……す、すみません……」

店主「なんか、様子がおかしくなってきたな」

ものまね士「そうですね……」

亜美「あ〜……うん。これは……いろいろちかたないね〜」

P「ふむ……」

P「……よし、一旦飛空艇に戻ろうか」

P「ここじゃ、ちょっと説明しにくいからな」

響「ん……」

響「……なんだかよくわかんないけど、わかったぞー」


677 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 20:59:54.25 ID:tENnA20pO
飛空艇 フタミ号

P「………と、いうわけで」

ユキコ「うぅ……」

亜美「こちらは、ゆきぴょんの双子の妹の……」

響「えっ?双子!?」

真美「ややこしくすなっ!」スパーン

亜美「おお〜!我が姉ながら、ナイスツッコミ!」

真美「当たり前っしょ〜!」

雪歩「あ、あの、2人とも……」

雪歩「お話が先に進まないよぅ……」

亜美「うむ、すまぬ……」

真美「かたじけない……」

トロア「ふぅ……まったくもって、息の合った双子ですね……」

あずさ「うふふ、本当ですね〜」

店主「妙にテンション高い子供だなぁ」

ものまね士「元気ですねぇ」

亜美「……ちょっとおっちゃん!」

店主「お、おっちゃんって、オレの事か……?」

亜美「他に誰がいるってのさ!」

亜美「亜美、これでもオ・ト・ナのレディなんだからねっ!」

亜美「子供扱いしたら、怒るかんねっ!」プンスカ

店主「そ、それはすまなかったな……」

店主「……で、あんたはいくつなんだ?」

亜美「え、えっと〜……………25?」

真美「ムリあるやろ〜(棒)」スパーン


亜美・真美「ありがとうございました〜」ペコリ


雪歩「えっ?えっ?」

P「……こらこら、勝手にしめるな」

響「なんなんだこのノリは……」


678 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:06:47.09 ID:tENnA20pO

響「ええっ!?ま、ま、マコトの奥さんっ!?」

ユキコ「は、はい。なんか、すみません……」オドオド

響「真、ついに男になっちゃったのかなぁ……?」

P「おいおい、そんな事は………」

P「……ないよな?」チラ

亜美「ない………よな?」チラ

真美「ない………よな?」チラ

雪歩「えっ?そ、そのぅ……」

雪歩「ないと思いますけど……確かめてみないと、わからないですぅ………///」ドキドキ

あずさ「ゆ、雪歩ちゃん、確かめるだなんてそんな………///」

トロア(私は何も聞こえない……私は何も聞こえない……)

ユキコ「い、いくらユキホさんでも、それはダメですぅ!」

雪歩「ゆ、ユキコさん、(半分は)冗談だよぅ……!」

店主「………いや、マコトは普通に女だったぞ?」



全員「…………えっ?」クルッ



店主「あ、あれ?オレ、なんかまずい事言ったか……?」

雪歩「なんで……」ゴゴゴゴ…

ユキコ「あなたが……」ゴゴゴゴ…

ものまね士「知っているんですか……?」ゴゴゴゴ…

店主「あ、えーと……それは……だな……」

店主「……っていうかお前ら、目が恐いよ!」

3人「問答無用(ですぅ)っ」ダッ

店主「ちょ、まっ……暴力反対〜!」

亜美「お?修羅場か?いいぞ〜もっとやれ〜!」

あずさ「あらあら〜、なんだか楽しそうね〜?」

トロア(私は、とんでもない船に乗っているんじゃなかろうか……)

真美「……かくしてフタミ号は、今日も平和なのであった……ズズッ」

真美「お茶がうまいですなぁ……」ホッコリ

P(ああもう……めちゃくちゃだ……)

P(…………ま、たまにはいいか)



679 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:09:18.15 ID:tENnA20pO

P「………ま、そういうわけで」チラ

店主「じ、地獄を見た……」ボロッ

雪歩「自業自得ですぅ!」

ユキコ「ですぅ!」

ものまね士「ふん!見損ないましたっ!」

亜美「こんだけ女がいると……」

真美「男の人は、肩身が狭いよね〜」

P(…………御愁傷様)



響「え、えっと……」

響「その、『バブイルの塔』ってところに春香達がいるんだな?」

P「そうだな。ドワーフ城にいなかったから、もう向かったはずだ」

P「響、ひとりで大丈夫か?」

響「なんくるないさー!ここまでだって、ひとりでやってきたからなっ!」

P「………」

P「俺達は他にやる事があるから、一緒には行けないが……」

P「俺達一人ひとりの心は、いつだってみんなと共にある!」

響「ワン・フォー・オール……でしょ?」

P「ああ、そうだ!」

響「自分、頑張るぞ!」





響「じゃあね〜!みんな、またな〜!」

ものまね士「なんだか賑やかな人達でしたねぇ」

店主「う、うん……」

店主(女って………恐い)

響「……さ、自分達も出発しよう!」

ものまね士「はいっ!」

店主「よし、気持ちを切り替えるか!」


680 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:22:33.61 ID:tENnA20pO
バブイルの塔 B6F 巨大砲制御室

真「ふっ!はっ!とりゃ!」


ドゴッ!バキッ!ドガッ!


バルナバ「………」

バルナバ「フンガー!」ブンッ


真「ぐっ……!」ガシッ


クルン…スタッ


真「効いてないか……そりゃ、ロボットに痛覚なんてないよね……」

真(動きが遅いのが、救いかなぁ?)

真(攻撃までに、妙な隙もあるし……)

真「よし!」ググッ

真「飛燕、疾風脚!」


ヒュンッ…ドゴォ!


バルナバ「………」


真「ここだっ!」

真「幻影脚っ!」


ダダダダダダダダダ…


真「っせい!」ドゴォ!


スタッ


バルナバ「………」ギィ


真「ははっ、タフだなぁ……」

真(ロボットって、機械だよね……?)

真(って事は……)


バルナバ「フンガー!」ブンッ


真「はっ!」タンッ


真「雷煌拳!」


ズガガガガガガガッ!


バルナバ「………!」ビリビリ


真「おっ?効いた?」


681 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:24:17.78 ID:tENnA20pO

バルナバ「………」

バルナバ「フンガー!」ブンッ


ドゴォ!


真「がはっ……!」ヨロッ

真「か、雷も効かないのか……」


バルナバ「………」プスンッ

バルナバ「………」ギギッ

バルナバ「フンガー!」ブンッ


真「……おっと!」ダッ


スタッ


真「………」

真(今、ちょっと動きに違和感がなかった……?)

真(雷煌拳が効いたのかな……)

真(でも、あんまりやりすぎて壊しちゃったら、伊織が悲しむから……)

真(うまく、調節しないとね!)



バルナバ「………」


真「よしっ!」グッ

真「………かかって来いっ、ロボット!」スッ



バルナバ「フンガー!」


682 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:27:11.39 ID:tENnA20pO

ルゲイエ「ふひひ……!」

ルゲイエ「……パワーアップじゃっ!」スッ


プスッ…


ルゲイエ「おぅふ……!」ドクンッ

ルゲイエ「き、キたっ………!」ビクンビクン



伊織「気持ち悪っ!……何やってんのよ、あいつ……!」

伊織(注射器で何か注入したみたいね……)

伊織(……ドーピング?)

伊織(ううん、そんな生易しいものじゃない気がするわ……)

伊織(なんか、骨格まで変わっちゃってるもの……!)



「ふーー……」



ルゲイエボーグ「待たせたのう……!」

ルゲイエボーグ「自身すらも改造できる天才科学者、ルゲイエボーグ様が相手じゃ!」


伊織「ただ見た目がさらに気持ち悪くなっただけじゃない!」

伊織「手裏剣っ!」スッ


ヒュンッ…ザクッ!


ルゲイエボーグ「………何かしたか?」


伊織「ちっ……!」

伊織「ずいぶん硬くなったみたいね……」


ルゲイエボーグ「ひょひょひょ……!そんな攻撃、効かぬわ!」シャキィン!

ルゲイエボーグ「今度はこちらの番じゃっ!」ブンッ


伊織「つ、爪が、伸びた……!?」

伊織「……はっ!」クルンッ


スタッ



683 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:31:57.73 ID:tENnA20pO

伊織「身体は丈夫になったみたいだけど、動きは相変わらずノロマみたいね?」

伊織「……そんなんじゃ、スーパー忍者アイドル伊織ちゃんの動きは捉えられないわよっ!」


…ポタッ


ルゲイエボーグ「……おや?血が出てるぞ、小娘」

ルゲイエボーグ「ひょ!完全に避けきれなかった様じゃの……?」


伊織「ふ、ふん!こんなのかすり傷じゃない!」ペロッ

伊織「まさか、こんなので勝ったつもりじゃないでしょうね?」チャキッ


ルゲイエボーグ(……バカめ!そのかすり傷が致命的なんじゃよ!)


伊織「……やあっ!」ブンッ


ルゲイエボーグ「ちっ……!」ガキィン!


伊織「このっ……!」ギリッ

伊織(ジジイの割には、なかなかやるわね……!)

伊織(さっさとこいつを倒して、バルナバを元に戻さないと……!)


…ガクン


伊織「あっ……?」ヨロッ


ルゲイエボーグ「ひょっ!」ブンッ


ザシュッ!


伊織「うぐ……!」フラッ


ルゲイエボーグ「それっ!」


ドゴォ!…ドサッ


伊織「……っ……!」ガクガク

伊織(な、何……?急に、力が抜けて……)


ルゲイエボーグ「……力が入らなくなるのに気づいたか?」

ルゲイエボーグ「実は、ワシのこの爪には、強力な神経毒を塗ってあってのう……」シャキィン


伊織「し、神経……毒……?」


ルゲイエボーグ「さっきのかすり傷……そこから毒が身体中を回って、貴様の身体の自由を奪ったんじゃよ!」


伊織「く……!」

伊織(そういう、事か……!)

伊織(ゆ、油断……したわ……っ!)


684 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:34:44.91 ID:tENnA20pO

ルゲイエボーグ「………さて、お仕置きの時間じゃ!」スッ



伊織(か、身体が……動かないっ……!)

伊織(あ、あんなやつに……!)



ルゲイエボーグ「……それっ!」ドゴォ!


伊織「ぐっ……!」


ルゲイエボーグ「ほれっ!」


ドガッ!


伊織「か……はっ……!」


ルゲイエボーグ「さっきはさんざん悪口を言ってくれたなぁ?」

ルゲイエボーグ「さっきまでの威勢はどうした?」

ルゲイエボーグ「……じゃじゃ馬王女がっ!」


ドガッ!バキッ!ベキッ!グシャッ!



伊織「っ……ぅ……!」


ルゲイエボーグ「自分の身の程を、思い知ったかっ!」


ドゴォ!


伊織「………」


伊織「………」ピクッ


ルゲイエボーグ「……殺しはせんよ」

ルゲイエボーグ「貴様はワシの、大切な玩具じゃからのう!」

ルゲイエボーグ「ひょひょひょひょ……!」


685 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:38:21.28 ID:tENnA20pO

真「……ずぇぇいっ!」ブンッ


ドガァァッ!


バルナバ「………」プスッ

バルナバ「………」

バルナバ「………」プスン



真「………ふぅ。やーっと動きが止まったかなぁ?」

真「伊織は大丈夫かな……?」チラ



伊織「………」



真「!」

真「い、伊織っ!」ダッ


タタタタ…


真「伊織っ!しっかりしてっ!」ユサユサ

伊織「………ぁ」

真「い、伊織っ!」

真「くそ、こんなにボロボロに……!」ギュッ

真「……そうだ!ポーション!」ゴソゴソ

真「さ、飲んで……」スッ

伊織「……ぅ……コクッ…コクッ……」

真「………」



ルゲイエボーグ「……バカめ!隙だらけじゃっ!」ブンッ


真「………」ガシッ

真「ふんっ!」バキッ


ルゲイエボーグ「あ、あれ?ワシの腕が……!?」


真「よくもやってくれたな……」グシャッ


ルゲイエボーグ「ふ、ふん!貴様もワシの神経毒の餌食にしてくれるっ!」ブンッ


ザシュッ!



686 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:44:02.48 ID:tENnA20pO

真「………何か、したの?」


ルゲイエボーグ「そ、そのうち、毒が効いてくるはずじゃ!後悔しても遅いぞっ!」


真「あ、そう……」ブンッ


ドゴォォォォ!メキメキメキ…


ルゲイエボーグ「がっ……!」

ルゲイエボーグ「ちっ!力だけはあるようじゃな!」


真「あれ?あんた……痛覚がないんだね?」

真「だったら、多少無茶しても平気かな?」


ルゲイエボーグ「な、何……」


ドゴォォン!


ルゲイエボーグ「をっ!」


真「せいっ!」ブンッ


バキィィィッ!


ルゲイエボーグ「ば、バカな……神経毒がそろそろ効いてくるはずじゃ……」


真「そういうの、効かないよ」

真「ボクはもう、自分の弱点を克服したからね……」


ルゲイエボーグ「た、たかが人間ごときが、ワシの神経毒を克服できるはずが……!」


真「…………不公平だよね?」


ルゲイエボーグ「何……?」


真「伊織はあんなに痛い思いしたのに……」

真「……あんたは痛みを感じないなんてさ」ニコッ


ルゲイエボーグ「ひっ……!」ゾクッ

ルゲイエボーグ(な、なんじゃこの威圧感は……!?)


真「伊織の痛みの、何万分の一かぐらいは、味わわせてあげるよ……!」ゴゴゴゴ…


687 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:47:02.17 ID:tENnA20pO

真「………!」ユラユラ


ジリジリ…


ルゲイエボーグ「熱気……!?バカな!」

ルゲイエボーグ「か、陽炎が見える程の……じゃと!?」


真(まだ、ボクには早いのかもしれないけど……)

真(やってみたいんだ……!)グッ



真「……………いくよ?」ズサッ




真「…………………龍虎、乱舞!」ダッ




真「はあああああああっ!」ブンッ


ルゲイエボーグ「ひ、ひいっ!」


ドゴゴゴゴゴゴゴ…


ルゲイエボーグ「がっ!ぶっ!ごへっ!」


真「うおりゃあああああっ!」


バキィ!ドガァ!ゴギャッ!ベキッ!


ルゲイエボーグ「おぼっ!あがっ!がふっ!」


真「ふっ!」ドゴォ


クルンッ…スタッ


真「………………覇王、翔吼拳っ!」



ゴオオオオオオオオオ…



ルゲイエボーグ「あ………」



ドゴォォォォォォォォォン!!





ルゲイエボーグ「………」ピクピク



真「……………押忍っ!」


688 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:49:51.53 ID:tENnA20pO

伊織「ま……こ、と……?」



真「伊織っ!」

タタタタ…


真「……大丈夫?」ダキッ

伊織「ええ……身体はもう動くわ……」グッ

伊織「ポーションもいくらか飲んだし……」

真「そっか……良かった!」

伊織「そ、その……」

伊織「………あ、ありがと………」ボソッ

真「……へへ!まあ、ボクも伊織に助けてもらったし、おあいこだよ!」

伊織「………それもそうね」

伊織「……にひひっ!」

真「ははっ!」



伊織「それはそうと……」

伊織「あのジジイ、あれぐらいでくたばるとは思えないわよ?」

真「うん、そうだね」

真(ボクの龍虎乱舞は、まだまだ未完成だからなぁ……)

真(あいつ、また何かしてくるかもわからないよね……)チラ




ルゲイエボーグ「ひょひょひょ……!」

バルナバ「………」ギギッ


真「あっ!」

伊織「しぶといわね、まったく……」



ルゲイエボーグ「これぞ最終形態……」

ルゲイエボーグ「……合体メカじゃっ!」

バルナバ「………」



真「え、えーと……?」

伊織「はぁ……バカバカしい」

伊織「ただ単に、あのジジイがバルナバに乗っかっただけじゃない!」

真「ホントだよね……」



ルゲイエボーグ「ふ、ふん!余裕でいられるのも、今のうちじゃっ!」

ルゲイエボーグ「ゆけっ!バルナバよ!」



689 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:52:26.98 ID:tENnA20pO

バルナバ「フンガー!」


ガシャン!ガシャン!


真「うわぁ……またあのロボットの相手しなきゃならないのか……」

真(ちょっとしんどいな……龍虎乱舞で力を使い過ぎちゃったかな……)

伊織「………」

伊織「……真、ここは私に任せなさい!」スッ

真「えっ?」

真「で、でも伊織、さっきまでボロボロだったじゃないか!」

伊織「大丈夫よ。この伊織ちゃんは、転んだらただじゃ起きないわ!」

真「………」

真「じゃあ、2人で行こう!」

真「ボクだって、まだ暴れ足りないもんね!」

伊織「真……」

伊織「………足、引っ張るんじゃないわよっ?」ニコッ

真「………そっちこそ!」ニコッ



タタタタ…




ルゲイエボーグ「よかろう。2人まとめて、粉砕してくれるわっ!」ポチッ

バルナバ「フンガー!」ブンッ


真「ふっ!」ヒョイッ

伊織「はっ!」クルッ


伊織「くらいなさいっ……!」バリッ

真「はあああっ!」バリッ




伊織「………雷迅っ!」バッ

真「………雷煌拳っ!」バッ




ズガガガガガガガガガガガッ!!




690 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 21:57:27.90 ID:tENnA20pO

ルゲイエボーグ「あがっ……!」ピクピク

バルナバ「………」プスプス



真「…………へへ!」



真・伊織「……やーりぃ!!」ガシッ




ルゲイエボーグ「……ま、まだじゃっ……!」

ルゲイエボーグ「バルナバよっ……動けっ!」ポチッ

バルナバ「………」ギ

バルナバ「………」ギギィ

バルナバ「フンガー!」


真「……あれじゃあ、あのロボットが可哀想だよ……!」

真「まるで、奴隷じゃないか!」

伊織「バルナバ……」

伊織「……やめなさい!バルナバ!」

伊織「いえ……」



伊織「…………シャルル・バルナバ・19世!」ビシッ



バルナバ「………」ピクッ

ルゲイエボーグ「こ、こらバルナバ、行け!行くのじゃっ!」ポチポチ

バルナバ「………」ギギッ

バルナバ「フンガー!」

ガシャン!ガシャン!


伊織「あんたは、そんな子じゃないはずよ!」

伊織「こんなひどい事できる子じゃないっ!」


ルゲイエボーグ「ひょひょひょ!このまま潰してしまえっ!」

バルナバ「………」

ガシャン!ガシャン!


真「伊織っ!」

伊織「真、私を信じて!」

伊織(私も、バルナバを信じるから……)

真「伊織……」




伊織「…………忘れたの?」


691 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:01:03.02 ID:tENnA20pO

伊織「あんた………私の怪我、治してくれたじゃない!」



バルナバ「………」ピクッ

ルゲイエボーグ「バルナバっ!行けっ!」

バルナバ「………」ギ…



伊織「……この伊織ちゃんの怪我を、治してくれたじゃないっ!」



バルナバ「………」ギギ…

ルゲイエボーグ「ええい、黙れ小娘っ!」

ルゲイエボーグ「バルナバは、全てを破壊する、殺戮ロボ……」

真「黙るのはあんたの方だよ……」

真「……おじいさん?」スッ

ルゲイエボーグ「き、貴様、いつの間に……!?」



伊織「あんたは……」

伊織「シャルル・バルナバ・19世は……」

伊織「とっても心優しいやつだったはずよ!」



バルナバ「………」ギギ

バルナバ「………………」


ガガ…ピー…


バルナバ「……データ照会中……」ギギッ





692 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:04:39.38 ID:tENnA20pO




『バルナバ?……ダッサい名前ねー?』

『ばるなば、ダサイ?』

『ううん、あんたじゃなくて、あんたを造ったやつがダサいのよ!』

『ハカセ、ダサイ………いんぷっと、カンリョウ!』





『………、クルシイ、ナオス!』

『ばるなば、………、クルシイ、ナオス!』

『ま、他に道はなさそうね………つっ!』





『足の腫れも………なくなってる!?』

『………、イタイ、ナオッタ?』

『ええ……あんたのおかげね……』

『………あ、ありがと………』





『あんたに、名前をあげるわ!』

『あんたは今日から……』

『シャルル・バルナバ・19世よ!』

『しゃるる?』

『そうよっ!』

『……さあ、インプットしなさい?シャルル・バルナバ・19世?』





『………、サヨナラ』

『またね……「シャルル」!』

『何を言っておる?こやつは……』

『……しゃるる・ばるなば・19セイ!』

『………にひひっ!』





『イ……オ……リ?』

『そう。私の名前は「いおり」』

『ちゃんと覚えなさいよねっ!』




693 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:09:19.44 ID:tENnA20pO

バルナバ「……………イ」



バルナバ「イ……オ……リ……」



伊織「!」

伊織「シャルルっ!」


バルナバ「イオリ……ヒサシブリ」ギギッ


伊織「にひひっ!やっと戻ったわねっ!」


ルゲイエボーグ「ば、バカな!あんな昔のデータなど、とっくに埋れてるはず……!」

真「へぇ!ホントに伊織の友達だったんだなぁ!」



伊織「シャルル、もうこんなひどい事は、やめなさい!」


バルナバ「ヒドイ……?」


伊織「あんなセンス無い博士の言う事なんか、聞く必要ないわ!」


バルナバ「………」チラ

バルナバ「ソレハ、フカノウ……」

バルナバ「デモ、ばるなば、イオリ、タタカウ、クルシイ……」


伊織「シャルル……」


ルゲイエボーグ(ちっ……もうこいつは使い物にならんな……)

ルゲイエボーグ(かくなる上は……)


ポチッ…


バルナバ「………」

バルナバ「非常装置もーど、作動!」ギギィ


伊織「……シャルル?どうしたのよ?」

真「非常……装置?」


694 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:13:51.55 ID:tENnA20pO

…スタッ



ルゲイエボーグ「ふん、つまらん……!」


伊織「ちょっとジジイ!シャルルに何したのよ!?」


ルゲイエボーグ「バルナバは……」

ルゲイエボーグ「……………30秒後に、自爆する」ニヤリ



伊織「なっ……!」

真「そんな……!」


バルナバ「非常装置作動マデ、アト25秒!」


伊織「ちょっと、解除しなさいよっ!」ガシッ


ルゲイエボーグ「もう何をしても無駄じゃ!非常装置を解除する手段など無いわっ!」


真「くそ……!」


バルナバ「非常装置作動マデ、アト20秒!」


ルゲイエボーグ「まったく……飼い犬に手を噛まれるとは、この事じゃ!」

ルゲイエボーグ「あの役立たずめが……!」


ドゴォ!


ルゲイエボーグ「おぐ……!」


伊織「……もう一度言ってみなさい?あんたの身体、粉々にするわよ……!?」

伊織「あいつは……シャルルは……!」

伊織「役立たずなんかじゃ、ないんだからっ……!」ポロッ


ルゲイエボーグ「く……ひょひょひょ!せいぜい別れを惜しむんだな!」


バルナバ「非常装置作動マデ、アト15秒!」


真「なんとかできないのかっ!?」ガシッ

真「えーと、えーと……!」

真「だ、ダメだ……ロボットの事なんか、全然わかんないや……!」

伊織「シャルル!シャルル……っ!」ダキッ


695 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:17:37.00 ID:tENnA20pO

バルナバ「非常装置作動マデ、アト10秒!9……8……」


真「ま、まずい……!」

真「伊織!もう離れないと!」ガシッ

伊織「シャルル……っ……グスッ!」ギュッ

真「伊織!」


バルナバ「………6……5……」



真「伊織!ホントにヤバいってば!」グイッ

伊織「あっ……」


タタタタ…


バルナバ「……4……3……」



バルナバ「……2……1……」





『イオリ………サヨナラ……』




伊織「えっ……?」




ピーーーー!


ドゴォォォォォォォォォン!!




伊織「シャルルーーーーーーっ!!」



696 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:20:40.05 ID:tENnA20pO

ボロッ…


バルナバ「」


伊織「シャル……ル……」

真「く………!」

伊織「……ごめん…なさい……」

伊織「助けてあげられなくて………っ!」スッ


ボロッ…


伊織「うっ……!」ポロッ

真「伊織……」


真「はっ!そういえば、あのじいさんは?」キョロキョロ



ルゲイエボーグ「ソローリ……」


真「あっ!」


ルゲイエボーグ「ちっ!気づかれたか!」

ルゲイエボーグ「さらばじゃっ!」ササッ


真「逃がすかっ!」



バタン!


ルゲイエボーグ「へぶっ!」


ドサッ


春香「なんか、すごい音がしたけど……」

千早「………あら?あれは……」

春香「あっ……!」


真「春香、千早!?」


春香「真、伊織……!」

春香「よかったぁ!やっと見つけたよぉ……!」



697 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:23:47.42 ID:tENnA20pO

真「………で、このじいさんと戦ってたわけさ」チラ


ルゲイエボーグ「………」バタンキュー


千早「あれが、科学者……」

春香「なんかすごい姿だけど、この人も、やっぱり人間じゃないのかな?」


伊織「………自分で自分を改造した、らしいわよ?」


真「伊織………もう、平気なの?」

伊織「………」

伊織「……いつまでも悲しんでいられないわよ」

伊織(シャルルに、笑われちゃうものね……)

伊織(………)チラ


バルナバ「」


伊織(さよなら、シャルル………)



真「……で、やよいと美希は、まだ見つかってないの?」

春香「うん。なんだか迷路みたいで、迷っちゃって……」

真「そっか」

真「……でも、早めに動いた方が……」

千早「何をしているの!」

真「えっ?」



ルゲイエボーグ「気づかれたか……」

ルゲイエボーグ「……こうなったら、ドワーフも貴様らも、全員道連れじゃあ!」


ピッ…ピッ…ピー


真「な、何をしたんだ!?」


ルゲイエボーグ「巨大砲は、あと30秒で自爆する……!」ニヤリ


真(ちょっと……また自爆なの……?)

伊織(似たようなネタ、使い過ぎなんじゃないの……?)



698 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:28:33.77 ID:tENnA20pO

春香「じ、自爆……!?」

春香「ど、どうしよう!?」オロオロ

千早「とにかく、この場から離れないと……!」

伊織「さっさと行くわよ!」

真「………」



真「………みんな、先に行っててよ!」



春香「そ、そんな事できないよ……!」

千早「真……何をする気なの?」

真「このまま爆発をほっといたら、下にいるドワーフの人達が危ない」

伊織「それはそうだけど……」

伊織「あんたはどうするつもりよ?」

真「ボクが……巨大砲を、壊す!」

春香「でも……」

真「春香、これは多分、ボクにしかできない事なんだ」

真「ボクの技が、1番破壊に向いてると思うから」

春香「それなら、私だって……!」

真「いや、ダメだ。春香みたいなおっちょこちょいに任せられない」

春香「そ、そんな……!」

真「それに、春香はリーダーだ。この先もみんなを導いていかなきゃならない」

春香「でも……」

真「……ボクを信じてくれないかな?みんな」

真「ボクは、こんなところじゃやられない。ボクの強さは、みんなだってわかってるでしょ?」ニコッ

千早「真……」

伊織「あんた……」

春香「………」



699 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:35:34.76 ID:tENnA20pO
伊織「………春香、どうするのよ?もう時間もないわよ?」

春香「………」

春香「………わかった」

春香「待ってるからね、真!」

真「了解、リーダー!」

千早「無事で……!」

真「うん!」

伊織「あんまりやり過ぎるんじゃないわよっ!」

真「はは!……わかったよ!」



春香「みんな、行こう!」

千早「ええ」

伊織「コケるんじゃないわよ、春香?」

春香「わ、わかってるよぉ……!」


タタタタ…




700 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 22:38:47.08 ID:tENnA20pO

真「ふーー……」

真「………さてと」チラ

真(あと、10秒ちょっと……)

真(今までで試してない技は……もう、『あれ』しかない……)

真(お師匠様、力を貸してくださいっ!)



真「はぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」ゴゴゴゴ…

真(もっと……もっとだ……!)



真「うああああああああっ!!」ゴオオオ

真(あと、5秒……!)



真「極限流………最大奥義……!」ユラ…

真(4……)



真「覇王………!」グッ

真(3……)




真「………至高拳っ!!」バッ

真(2……!)



ゴオオオオオオオ…



真「いっけええええええっ!!」ググッ

真(1っ……!)



ドゴォォォォォォォォォン!!



701 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 23:52:13.75 ID:tENnA20pO

真「………」

真「………」

真「う……」ピクッ

真「巨大砲は……」チラ



真「へへ……やったか……」

真(なんとか、メンツは保ったけど……)

真(もう、指一本動かす力もないや……)

真(みんな、ごめん……)

真(ちょっとだけ、休ませて……?)

真(すぐ、追いつくから……さ……)



ゴゴゴゴ…


グラグラ…


ボロッ…ドサッ



真(あ……ここ、崩れるかも……)

真(ダメだ、眠気が………)

真「………」ガクッ



ズズズズ…


ガラガラ…


ドガァン!


ドゴォォォォォォォォン!



………………


………





702 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/14(日) 23:55:33.92 ID:tENnA20pO
地底世界 バブイルの塔 入口付近

シルフ「……ふんふふ〜ん♪」フワフワ

シルフ「やっと撃ち合いが終わりましたか〜」キョロキョロ

シルフ「まったく、ドワーフの方も粘りましたね〜」

シルフ「魔物なんかに勝てるわけないんですから、さっさと降参すればいいのに……」

シルフ「ま、私は自分の仕事をするだけですけどね〜」



シルフ「さ〜て、火事場泥棒、火事場泥棒……」キョロキョロ



シルフ「……ふむ、これはまだ使えますね〜」スッ

シルフ「あ、あっちにも……」

シルフ「ふふ〜、今日はなんだか大量ですね〜♪」



シルフ「………おや?」チラ

シルフ「あんなところに人が……」フワフワ

シルフ「ドワーフ……でもないみたいです……」


真「………」


シルフ「はうっ!」ズキュン

シルフ「か、カッコいい………///」

シルフ「な、なんでしょうか、この気持ち……」ドキドキ

シルフ「これが……恋?」

シルフ「………」

シルフ「………決めました!」

シルフ「この人、誘拐しましょう!」

シルフ「……よっと」グッ

シルフ「お、重い……!」フラフラ

シルフ「けれど、諦めませんよ!」

シルフ「この人は、私の旦那さんになるんですから!」



シルフ「……うんしょ、うんしょ」フラフラ

真「………」




703 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/12/15(月) 00:06:07.96 ID:jQihT4B1O
どんどん投下頻度が少なくなっていってますが、なるべく一週間に2、3回は投下できたら、と思います

毎日投下してた頃が懐かしいなぁ……
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/15(月) 00:58:50.91 ID:HK2QGViDO
シャルルのところでウルッときたのにシルフの誘拐の一言で涙がぶっ飛んだ
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/15(月) 01:39:47.53 ID:FdpjINqso
おつおつ
706 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 00:51:24.29 ID:eq40zoznO
幻獣王の館

黒井「………」



高木「………」



翔太「2人とも、ボロボロだよ……!」

翔太「もう、止めた方が……」

冬馬「翔太、ダメだ……」

翔太「冬馬君……」

冬馬「男と男の決闘に水を差すなんて、ヘボのやる事だぜ……」

翔太「………」

北斗「………」

北斗(男の美学ってやつか……?)

北斗(ただ童心に還って、無邪気に遊んでいるだけの様に見えなくもないんだけどな……)





黒井「………次の一撃が、最後の一撃となるだろう」

黒井「高木……思い遺す事はないか……?」

黒井(高木よ………答えてくれ………)

黒井(最大の一撃で………!)



高木「………」

高木「ふふふ……敵である私を気遣うなんて、似合わない事をするねぇ……」

高木(まずいな……このままだと、黒井の思うツボ……)

高木(昂ぶる衝動に、身を任せてしまいそうだよ……!)



黒井「……笑っていられるのも、今のうちだ……!」



707 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 00:54:03.13 ID:eq40zoznO

黒井「ゆくぞ……!」ゴゴゴゴ


高木「ああ……!」ゴゴゴゴ





黒井「……ノワール・ウェーブ!」



ザァァァァァァ…



高木(黒い、津波………!?)

高木(黒井め、まだ奥の手を……!)

高木(…………ならばっ!)



高木「……タネも仕掛けも無い、私の剣で切り裂くっ!」スッ




高木「……真・斬鉄剣!」ダッ




冬馬「高木のおっさん、斬鉄剣とか言って、素手じゃねーか!?」

翔太「うわ〜!見てらんないよも〜!」

北斗「どうなるんだ……?」



ゴオオオオオオオオオ!!



黒井・高木「おおおおおおっ!!」




……シュパァァァン……




708 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 00:56:51.39 ID:eq40zoznO

冬馬「………っ!」



黒井「………」


高木「………」



翔太「………ど、どっちが勝ったの……?」



…ズバシュッ!


黒井「ぐ……ぅ……!」ヨロッ


ドサッ…



冬馬「……お、おっさんっ!」



高木「ふふふ………」



高木「さ、さすがだ………黒井っ………」ヨロッ


ドサッ…



北斗「あ、相打ち……?」



翔太「……ね、ねえ、冬馬君。もう、終わったよね?」

冬馬「………」


黒井「………」


高木「………」


翔太「……冬馬君てばっ!」

冬馬「……あ?あ、ああ……」

冬馬「わ、わりぃ、ちょっと放心してた……」

翔太「早く、2人を手当てしないと!」

北斗「そ、そうだ!……ええと、薬箱はどこだったかな……」キョロキョロ

冬馬「あ、ああ、薬箱なら、あっちの引き出しに……」

翔太「……いやいや!北斗君、回復魔法使えるじゃん!」

北斗「あ……!そ、そうだったな……すまん」

翔太「も〜!2人とも、しっかりしてよぉ〜」



709 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:00:28.45 ID:eq40zoznO




冬馬「…………で」

冬馬「なんでいつの間にか宴会が始まってるんだ?」



高木「はっはっは……鬼ヶ島君も鈍いねぇ!……お疲れ様会に決まっているじゃないか!」ゴクゴク

黒井「………ふん」グビグビ

冬馬「なんなんだよ、お疲れ様会って……」

冬馬「それと、鬼ヶ島じゃなくて天ヶ瀬だっ!」

高木「まあまあ、そうカリカリしないでくれたまえ」

高木「……ああ、君も飲みたいのか。言ってくれれば、ついであげたんだが……」

冬馬「あ、あのなぁ……!」

黒井「高木……未成年に酒を勧めるんじゃない」

高木「はっはっは……冗談だよ、冗談!」

翔太「社長さん、お酒が入ると楽しくなっちゃうタイプなのかな?」

冬馬「……ったく、いい迷惑だぜ……」

黒井「……………北斗」チラ

北斗「はい……?」


…ドンッ


北斗「え……?」

黒井「お前は確か、二十歳だったはずだ……」

北斗「そうですが……」

黒井「………飲め」

北斗「はは、すみません。気を使ってもらって……」

北斗「………いただきます」ペコリ

翔太「あ〜、いいな〜北斗君!僕も、ちょっとでいいから飲んでみたいなぁ」

北斗「おいおい……アイドルが飲酒で捕まるつもりか?」

北斗「これは、『大人の特権』ってやつさ」パチリ

翔太「……僕にウィンクなんかしないでよぉ。気色悪い……」

北斗「……グイッ!」

高木「おおー!」

黒井「………ほう」

北斗「ゴクッ…ゴクッ……」

北斗「……っぷはぁ!」

北斗「へぇ、なかなか美味しいお酒ですね」



710 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:09:26.96 ID:eq40zoznO

高木「そうだねぇ。ささ、もう一杯!」トクトク

北斗「はい。……いただきます」

冬馬「北斗……お前、意外と飲めるんだな」

北斗「……まあ、こういう付き合いも大切だからな」

翔太「ふぇ〜……北斗君、大人だぁ」

翔太「なんか、ジュース飲んでるのが悔しいよ……」

冬馬「ガキにゃジュースで充分だ」ゴクゴク

翔太「……そういう冬馬君だって、ジュースのクセにっ」ゴクゴク

冬馬「ぐ……!俺はジンジャーエールが好きなんだよっ!」

翔太「はいはい。わかったから、そんなにアツくならないでね〜」

冬馬「て、てめー!」

高木「ふふ、賑やかだねぇ」

北斗「まあ……いつもの事ですよ」

黒井「グビグビ……」

黒井(賑やか………)

黒井(………ふん。耳触りなだけだ)



翔太「……え〜!なんで?」

冬馬「お前は何にもわかってねえなぁ……」

冬馬「男のRPGはドラクエって、昔から決まってんだよ!」

翔太「え〜、FFもいいと思うけどなぁ?ストーリーとか、感動するし……」

冬馬「いいや、全てにおいて、ドラクエの方が上だ!」

冬馬「だいだい、カッコつけて横文字使ってるのが気に食わねえ」

冬馬「『ポーション』ってなんだよ?『やくそう』で充分伝わるだろうが!」

翔太「い、いや……僕に言われても……」

翔太「っていうか、ドラクエにも横文字たくさん出てくるじゃん」

冬馬「う、うるせーな!ドラクエに出てくる横文字は、なんとなく温かみがあるんだよ!」

冬馬「FFのは、ただ洒落た名前付けただけって感じがするんだ!」

翔太「何その暴論……」

翔太「開発者とかファンの人に謝りなよぉ」

冬馬「知るかっ!」

北斗(冬馬……残念だが、どうやらここは……)

北斗(お前の嫌いな『FFの世界』のようだぞ……?)


711 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:11:53.81 ID:eq40zoznO

黒井「グビグビ……」

黒井(本当に騒がしやつらだ………)

黒井(こいつらがウチに所属していた頃を思い出すな………)

黒井(………)

黒井(……………さて)チラ



黒井「高木……」トクトク

高木「……どうかしたか?……おっと、すまん」スッ

黒井「…………話せ」

高木「うん?何をだね?」ゴクゴク

黒井「……とぼける気か?」

高木「はっはっは……すまんすまん」

高木「お前が素直になってくれたのが嬉しくて、つい、な」トクトク

黒井「ちっ……」グビッ




高木「オホン……」

高木「……我々は今、『ゲームの世界』とやらにいる様だ」

黒井「ゲームの世界……だと?」

冬馬「ど、ドラクエかっ?」

翔太「いや、絶対ドラクエじゃないと思うよ……」

翔太「だって……モゴッ!」

北斗「翔太、高木社長の話を聞こう」

高木「今までにこの世界で私が出会った人間は……」

高木「ウチのアイドル達、プロデューサー……」

高木「そして、君達4人だ」

高木「他にもいるのかもしれんが、私の勘だと、これで全てだと思う」

高木(音無君を除けば、だが……)

黒井「勘か……」

高木「ああ、勘だ」

黒井「お前の勘は、当たるからな……信用してやろう」

黒井「………で?」



712 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:14:28.75 ID:eq40zoznO

黒井「あるんだろう?元の世界に帰る方法が……」

高木「うむ……」

高木「………」

黒井「何を渋っている?話をしたいと言ってきたのは、お前の方だぞ?」

高木「ああ……そうだったな」

高木「………この世界から帰る方法」

高木「それは……このゲームをクリアする事が条件となるらしい」

黒井「ゲームをクリア……か」

黒井「ふん、まるでお伽話だな」

黒井「……それで、どうすればクリアとなるのだ?」

高木「………」

冬馬「……ラスボスを倒す、とかか?」

高木「ふむ……」

高木「やはりこういう事は、若い人の方が飲み込みが早いねえ」

高木「その通り。ある人物を倒せば、我々は晴れて元の世界へ帰る事ができるらしい」

黒井「ならば、こんなところで燻っている暇はない。さっさと行くぞ」

高木「待て、黒井……」

黒井「なんだ?まだ何かあるのか?」

黒井「……お前、まさか臆したわけではあるまいな?」

高木「………端的に言えば、その表現が近いのかもしれないな」

黒井「バカバカしい……!」

高木「それだけの強さを持ちながら、何を恐れると言うのだ?」

高木「………」

高木「我々が元の世界へ帰る為に倒さなければならない人物……」

高木「その者の名は……」




高木「『音無小鳥』というんだ……」




黒井「!!」



713 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:19:13.85 ID:eq40zoznO

黒井「バカな……!」

高木「………」

冬馬「大人しい小鳥って……なんだ、弱そうじゃねーか」

冬馬「おっさん、なんであんなに驚いてるんだ?」

翔太「さあ……?」

北斗「音無小鳥はな、765プロの事務員なんだ」ヒソヒソ

冬馬「そ、そうなのか?」ヒソヒソ

翔太「でも、なんで北斗君が知ってるの?」ヒソヒソ

北斗「ああ……ギリギリ守備範囲だったからな。一応チェックしていたんだ」ヒソヒソ

翔太「お盛んだねぇ……」ヒソヒソ

北斗(……高木社長や765プロのアイドル達にとっては、身内と戦う事になるのか)

北斗(あの驚き様からすると、黒井社長も知り合いっぽいな……)



黒井(……小鳥君が…………)

黒井(………)

高木「黒井……」

高木「改めて言う。お前の力を貸してくれないか?」

黒井「………」

高木「言っておくが、ウチのアイドル達はこの事実を知っているし、彼女達なりの覚悟も決めている様だ」

黒井「………」

北斗(そうなのか……)

冬馬「765プロ……」

高木「あとは、我々の覚悟だけなのだ」

黒井「………」

黒井(……………ふん)

黒井(これも、業、か………)



黒井「………いいだろう」

黒井「私直々に、お前のところの事務員に引導を渡してやろう……!」

冬馬「お、おっさん、本気で言ってるんじゃねえよな……?」

翔太「あ〜、黒いオーラが……」

北斗(社長………)

高木「ありがとう、黒井」

黒井「勘違いするな。これは私自身が手を下す事だ」

黒井「最初に言った通り、お前達765プロと馴れ合う気などないからな!」

高木「ふふ、了解したよ」

高木(ふぅ……なんとかここまで漕ぎ着けたか……)

高木(まったく……黒井の一貫した偽悪者ぶりには、辟易するよ)

高木(さて……どう転ぶのか……)


714 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:22:51.78 ID:eq40zoznO
幻獣の洞窟 B2F

トロア「………せいっ!」ブンッ


ズシャァッ!


魔物1「」


真美「ほう、ケッコウなお手前ですな〜!」

P(ホントだな……)

トロア「いえ……これくらい、大した事ありませんよ」チャキッ

真美「いやいや〜。このままだと真美達の出番、なくなっちゃうかもだよ〜」

トロア「そんな事は………む?」チラ

真美「あ……ゆきぴょん!」



雪歩「うぅ……」ジリッ


魔物2「グガア!」ガバッ


雪歩「ひぃぃっ!」ブンッ


バキッ!


魔物2「」



タタタタ…

トロア「ユキホ王女、ご無事ですか!」

雪歩「は、はい……なんとか……」ガクガク

真美「魔物を前にして逃げないとは、ゆきぴょんも成長したんだねぇ……」

雪歩「そ、そんな事ないよぉ……」

雪歩「すっごく恐かったんだよ……?」

真美「よしよし……真美が回復してあげよ〜」ナデナデ

真美「ケアルラ!」


シャララーン!キラキラ…


雪歩「真美ちゃん、ありがとう!」

真美「………」

真美「ねえ兄ちゃん」

P「どうした?」

真美「真美の役、すごく地味だよ……」

真美「なんかこう、インパクトにかけるってゆ〜か……存在感がうすいってゆ〜か……」



715 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:25:49.90 ID:eq40zoznO
P「ふむ……」

雪歩「そ、そんな事ないよ?真美ちゃんの魔法があるから、怪我もすぐ治って、私達、すごく助かっているんだよ?」

トロア「そうです。真美殿がいなければ、我々はここまで辿り着けなかったかもしれません」

P「2人の言うとおりだと思うぞ?」

真美「む〜……でも、回復ならあずさお姉ちゃんもできるよ?」

雪歩「うぅ……そ、そうだけど……」

P「……個性が欲しいって事か?」

真美「あ〜、なんとなく近いけど……」

真美「真美にしかできない必殺技みたいなのがあったらいいな〜……なんて」

P「亜美みたいに、魔法を同時に出す、とかはどうだ?」

真美「それじゃあ亜美とカブるじゃん」

P「……わかった。俺も、何かないか考えてみるよ」

真美「うん、お願いね?真美も、いろいろ研究してみるからさ!」

P「ああ」

P(うーん……何かあるかなぁ?)

P(あれ、そういえば……ポロムって、固有アビリティがあったよな?)

P(あれ、使えないかなぁ……)





ボコッ…

グツグツ…


トロア「こ、これは……」

雪歩「す、すごく熱いですぅ……」

P「溶岩か……」

トロア「これでは、先に進めない……」

雪歩「ど、どうすればいいんでしょうか……」

真美「……はいみんな集合〜」



716 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:30:07.23 ID:eq40zoznO

雪歩「どうしたの?真美ちゃん」

トロア「何か策でもあるのですか?」

真美「まあ、真美に任せてよ!」

真美「……レビテト!」


フワッ…


トロア「か、身体が……!」フワフワ

雪歩「う、浮いてますぅ……!」フワフワ

真美「これで溶岩も越えられるっしょ?」フワフワ

トロア「なるほど……」

トロア「ふふ……やはり、マミ殿の魔法は頼りになりますね」

雪歩「うん。すごいよ、真美ちゃん!」

真美「まあ、これくらいはよゆ〜だよ!」

P(当たり前だけど、俺は浮かないんだな)

P(溶岩、越えられるのかな………不安だ)





トロア「……不思議なものですね。空中を歩くというのは」

トロア「文字通り、地に足がつかない不安定さが……」

真美「そこは、慣れかなぁ?」

真美「慣れれば、ジャンプとかできるんだよ?」ピョン

トロア「あ、あの……あまり無茶をしない方がよろしいのでは?」

トロア「下は溶岩ですし……」

雪歩「ま、真美ちゃん、見てるこっちが恐いよぅ……!」ドキドキ

真美「へ〜きだって!すぐ魔法が切れちゃうわけじゃないんだしさ」

真美「いやあ、空中散歩は気持ちい〜ね〜」

雪歩「こ、恐い……」ビクビク

真美「………あれ?そういえば、兄ちゃんは?」キョロキョロ




717 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:33:39.04 ID:eq40zoznO

P「……ん?呼んだか?」ザブザブ



真美「に、兄ちゃんっ!?」

雪歩「ぷぷぷ、プロデューサー!」

P「驚かせちゃったか……」

P「俺には真美の魔法は効かなかったみたいだからな」

P「まあ、仕方ないだろ?」

真美「し、仕方ないって、溶岩に入って大丈夫なの!?」

雪歩「プロデューサー!死なないでくださいぃぃ!」

P「ははは、心配するな。腰ぐらいの深さだから、泳ぐ必要もないしな」ザブザブ

真美「あ、熱くないの?」

P「うん、何も感じないよ」

雪歩「プロデューサー……さすがですぅ!」

真美「さすがっていうか、もうそれ、人間じゃないよ……」

P「不本意だが、この世界での俺はそういう扱いだからなぁ」

トロア「お2人とも、どうかされたのですか?」

真美「あ、とろ姉ちゃん……兄ちゃんがね……?」



トロア「ほ、本当ですか!?」

雪歩「はい……今も、そこに浸かってますぅ」スッ

トロア「妖精殿は、溶岩もものともしないのですか……」

トロア「いやはや、お見それしました……!」



P「……さあ、先を急ぐぞ!」ザブザブ



718 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:35:37.58 ID:eq40zoznO
幻獣の洞窟 B3F

魔物「グギャァ!」


P「……出たな!」

P「真美……」ヒソヒソ

真美「えっ……?うん……い、いや……それはどうかなあ?」

P「とにかく、やるだけやってみてくれないか?」

真美「う、うん……わかったよ」



魔物「グギャァ!」ブンッ


トロア「マミ殿!危ないっ!」

雪歩「真美ちゃん!」



真美「う………」



真美「うわーーん!魔物がイジメるよ〜!」

真美「えーんえーん!こんな真美なんて、穴掘って埋まっちゃうかんねっ!」チラ



魔物「グ、グガ……?」オロオロ



P(おお……!魔物が困惑してるぞ!)

雪歩「ま、真美ちゃん……?」

トロア「マミ殿……?」

真美「ほ、ほら、2人とも、今のうちだYo!」カァァ

トロア「あ……!そういう事でしたか!」チャキッ

雪歩「え?ど、どういう事……?」


トロア「はっ!」ブンッ


ザシュッ!


魔物「」





トロア「嘘泣き……ですね?」

真美「う、うん………///」

真美(なんか、はずかしかったよ〜)

雪歩「嘘泣き……?」



719 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/20(土) 01:39:09.11 ID:eq40zoznO

P「どうだ、真美?これ、結構使えるんじゃないか?」

真美「む〜……でも、なんかカッコいくないよ〜」

P「まあ、カッコよくはないかもな」

雪歩「さりげなく、私のマネしてたよね……」

真美「あはは……ごめんね?ゆきぴょん」

雪歩「別にいいんだよ?」

雪歩「それに真美ちゃん、なかなか上手だったと思うよ?嘘泣き」

真美「う〜む、ほめられてもあんましうれしくない……」

P「ま、使いどころは無くはないと思うから、頭の片隅にでも入れておけばいいんじゃないか?」

真美「うん。わかったよ〜」





P「ん……?」チラ

P「どうやら、着いたみたいだな」

雪歩「プロデューサー、この魔法陣はなんですか?」

P「これは、ワープゾーンなんだ」

雪歩「ワープ……ちょっと、恐いですぅ」

真美「このワープゾーンの先に、幻獣の町があるんだよん」

トロア「幻獣の町、ですか……」

トロア「しかし、そんなところに何の用があるのですか?」

真美「それはね、あるアイテムを回収しに来たんだよ」

トロア「あるアイテム……?」

真美「まあ、後でわかるよ!」



P「よし、みんな行くぞ!」




720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/20(土) 10:51:29.05 ID:oS+w31OGo
まみかわ
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/21(日) 02:30:28.64 ID:/DSad/aDO
Pはべろちょろ状態でいると思ってた…
ドラクエは面白いけど飽きるんだよね…
FFは普通にストーリーも楽しめるし何度やっても飽きない
そんな俺はドラクエよりFFの方が何倍もやり込んだ時間が長い
722 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 14:50:50.75 ID:aBvEClGKO
バブイルの塔 B5F

スタスタ…


やよい「………」

貴音「………」

美希「……zzz」

やよい「……あのー、貴音さん」

貴音「はい?なんでしょう」

やよい「すみません、美希さんをおぶってもらっちゃって……」

貴音「気にする事はありませんよ?」

貴音「やよい、あなたの体格では、美希をおぶるのは辛いでしょう」

貴音「適材適所、ですよ」

やよい「てきざいてきちょ……?」

やよい「……よくわかりませんけど、なんだかむずかしい言葉ですねー」

貴音「ふふ……」ニコッ

貴音(やよいには、響とはまた少し違った明るさがありますね……)

貴音(例えるなら、響が夏の太陽で、やよいは春の太陽……と、いったところでしょうか)

貴音(やよいと話していると、心がぽかぽかしてきます……)

貴音(……そんなやよいには、少々聞きづらい事ではありますが……)

貴音(やはり、何があったのかは気になります)



やよい(……貴音さん、むずかしい言葉を知っているんだなぁ……)

やよい(今もきっと、むずかしい事をたーくさん考えてるんだろうなー……)

やよい(わたしも、もっともーっと勉強して、貴音さんとたくさんお話できるようになりたいかなーって)



貴音「……時に、やよい」

やよい「はい?」

貴音「先ほどの事なのですが……」

貴音「わたくしの記憶が確かなら、わたくしの命は……先の戦いで尽きたはず」

貴音「あなたが、わたくしを蘇らせてくれたのでしょうか?」

やよい「あ、ええと……」

やよい「それは、美希さんのおかげなんです!」

貴音「美希が……?」



723 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 14:56:09.42 ID:aBvEClGKO

やよい「はいっ!」

やよい「美希さん、すごかったんですよ?」

やよい「貴音さんを、ぱーっ!って生きかえらせちゃうし……」

やよい「まものさん達も、ばばーん!ってやっつけちゃうし……」

貴音「なるほど……」

貴音「全て、美希ひとりでやったのですか……」

やよい「はい」

やよい「ホントは、わたしも何かお手伝いしたかったんですけど……」

やよい「貴音さんが目をさまさなくなっちゃって……わたし、こわくて……」

やよい「すみません、貴音さん……」シュン

貴音「ふふ……」ナデナデ

貴音「あなたは本当に優しいのですね、やよい」

やよい「やさしい……?わたしが、ですか?」

貴音「はい」

貴音「765ぷろのあいどる達は皆、優しさを持っていますが……」

貴音「その中でも、あなたの優しさが一番暖かいと、わたくしは思います」

やよい「わたしが、あたたかい……」

やよい「えへっ、ちょっとてれちゃいますねー」

貴音「ふふ……」



やよい「あ、そーいえば……」

やよい「さっきの美希さんの話なんですけど……」

貴音「はい」

やよい「美希さん、まものさんをやっつけてる時、髪がみじかくなっちゃってたんですよねー」

貴音「髪が、短く?」

貴音「しかし、美希の髪は、いつもと変わらない様に見受けられますが……」

やよい「そうなんです。気づいたら元にもどってたんですよねー……」

やよい「もしかしたら、わたしの見まちがいかもしれないんですけど……」

貴音「ふむ……」


724 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 14:59:33.24 ID:aBvEClGKO

貴音(美希は、何らかの方法で髪を犠牲にして力を得た……)

貴音(いえ、それだと、全て終わった後に髪が元通りになった事に説明が付きません)

貴音(となると、何者かが美希に憑依したか……あるいは、美希の中の別人格が目覚めたとか……)

貴音(ここは、げぇむの世界。何が起きてもおかしくはありませんが……)

貴音(果たして、美希に何が起きているのか……)チラ

美希「……zzz」

貴音(………)

貴音(いえ……)

貴音(わたくしとした事が、失念していました)

貴音(この様な思考の堂々巡りの前に、やるべき事がありましたね)

貴音(起きたら、美希に伝えましょう)

貴音(ありがとう、と……)



やよい「………あ、貴音さん!」

やよい「律子さんがいました!」スッ

貴音「おや、その様ですね……」






725 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:05:07.81 ID:aBvEClGKO
月の地下中心核

小鳥「はぁ……」

小鳥「また、暇になっちゃったわ……」

小鳥(貴音ちゃんの登場で律子さんとのリンクは切れちゃったし……)

小鳥(みんながここに来るまで、もうそんなにかからないはずだけど……)

小鳥(その間ずっと一人で妄想してるのも、限界があるわよね)

小鳥「何か面白いものないかなぁ……」キョロキョロ



小鳥「……ん?」

小鳥「この本……」スッ

小鳥「何が書いてあるのかしら………」ペラッ

小鳥「なになに……?この……体……滅びても……魂は、不滅……?」

小鳥「これってひょっとして、ゼロムスのセリフ……?」

小鳥「って事はこの本、ラスボス用の台本かしら?」

小鳥「………」

小鳥「そうだ!」

小鳥「どうせ暇だし、このセリフを私なりにアレンジしてみようかな?」



小鳥「我は、暗黒物資……」

小鳥「ゼムスの憎しみが増大せしもの……か」

小鳥「うーん、言い方がカタいわね」

小鳥「そもそも、私って暗黒物資だったの?」

小鳥「コホン……」

小鳥「私は暗黒☆物質、音無小鳥!」

小鳥「月の地下で……お仕置きよっ!うふっ」



「………その様な言い回しでは、格好がつかぬのではないか?」



小鳥「えっ?」クルッ



726 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:08:12.49 ID:aBvEClGKO

ダークバハムート「そなたは我の主だ。相応の威厳を持ってもらわねば」



小鳥「ばっ、バハムートさんっ!?」

小鳥「あ、あの、ひょっとして私……見られてました?」

ダークバハムート「うむ。その本を見つけたところからな」

小鳥「う………///」

小鳥「こ、声をかけてくれてもいいじゃないですかぁ!」

小鳥(恥ずかし〜!)

ダークバハムート「熱心に読んでいた様なのでな。声をかけずらかったのだ」

小鳥「………まあ、それはそれとして」

小鳥「ようやくお目覚めですね?」

小鳥「気分はどうですか?」

ダークバハムート「……悪くないな」グッ

ダークバハムート「悪の力とは、なかなかに興味深い」

ダークバハムート「神である頃の我では、手にする事のできなかった力だ」

小鳥「うふふ、結構ノリノリなんですね?」

ダークバハムート「うむ。我にとっては、未知の領域だからな」

ダークバハムート「悪に落ちた我は、さしずめ邪神、といったところか……」

ダークバハムート「ククク……この力、早く試してみたいものだ」

小鳥「そ、そうですか……」

小鳥(なんだか、私より全然悪役っぽいんだけど……)

小鳥(それに、さすが神の貫禄って感じ……)

小鳥(裏切ったり、しないわよね……?)



ダークバハムート「……余計な心配はせずとも良い」

小鳥「え?」

ダークバハムート「我が主を裏切ったりはせぬよ」



727 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:11:02.86 ID:aBvEClGKO

小鳥「あ、あの……」

ダークバハムート「すまぬ。つい、心を読んでしまった」

小鳥「そんな事もできるんですか……」

小鳥「なんだか、私よりもダークバハムートさんがラスボスやった方がいい気が……」

ダークバハムート「それは、ならん」

ダークバハムート「そなたには、我を悪に落とした責任を取ってもらわねば」

ダークバハムート「……いや、我だけではない」

ダークバハムート「この月と、青き星の全てを狂わせた」

ダークバハムート「だから、そなたは……『悪の根源』として光の戦士達と戦う義務があるのだ」

小鳥「………」

小鳥「そうですね」

小鳥「ケジメは、しっかり付けるつもりです」

ダークバハムート「……そうか」

小鳥「……だから、裏切ったりしないでくださいね?」

ダークバハムート「ふ……神は嘘などつかぬよ」

小鳥「……わかりました」

ダークバハムート「……それよりも」

ダークバハムート「ひとつ、賭けをせぬか?」

小鳥「賭け……ですか?」

ダークバハムート「うむ」

ダークバハムート「そのうちここへやって来るであろう、タカネを含めた光の戦士達と、我ら闇の軍勢……」

ダークバハムート「……果たして、勝つのはどちらか?」

小鳥「………」

小鳥「…………どうでしょうか」

小鳥「私には、わかりません」

ダークバハムート「………」



728 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:13:41.05 ID:aBvEClGKO

小鳥「みんなが負けるところは、想像できないんです」

小鳥「でも、私自らが『負ける』って宣言するのは、バハムートさんや蛇君達に悪いし……」

ダークバハムート「まあ、そうだな」

ダークバハムート「どちらとも言えぬ……そういう事か?」

小鳥「………」

小鳥「あ、でも………」

小鳥「私の知ってる言葉に、こういうのがあります」




小鳥「『悪の栄えたためしなし』……って」




ダークバハムート「………」

ダークバハムート「………すまんな。賭けは無かった事にするぞ」クルッ

小鳥「バハムートさん……」

ダークバハムート「我は、タカネ達に持てる力全てで応えるだけだ」


スタスタ…




小鳥「………」

小鳥「………」

小鳥「………」キュン

小鳥「バハムートさん、かっこいい……!」

小鳥「私も、あんな風にクールに決めたいなぁ」

小鳥「よーし!セリフ、もっといいのを考えなくちゃ!」



729 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:17:07.02 ID:aBvEClGKO
バブイルの塔 B5F

律子「………」


ルビカンテ「はぁ、はぁ……!」


律子「……まだ、やる?」


ルビカンテ「………」

ルビカンテ「………いえ」

ルビカンテ「今のオレでは、何回やってもあなたには勝てないでしょう」

ルビカンテ「……出直すとします」


律子「……そう?」

律子「ふふふ、精進なさい」

律子「あなたなら、いつでも歓迎するわ!」


ルビカンテ「………」

ルビカンテ(本当は、こんなに清々しい人なのか……)




やよい「……律子さーん!」

貴音「……律子嬢、こちらは終わりましたか?」

美希「……ムニャ……」


律子「戻ったわね」

律子「ええ、今、終わったところよ」

貴音「その様子だと……」

律子「……まあ、私は負けられないからね」

貴音「……安心しました」

やよい「律子さん、強いんですねー!」

律子「ふふ、当たり前でしょ?」

律子(あなた達がいてくれるからよ……)

律子(あなた達が側にいてくれるから、私はもう、負けない。負けられない)

律子(………私は、プロデューサーだから)



730 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:23:48.34 ID:aBvEClGKO

ルビカンテ「……行かれるのですね」

律子「ええ。仲間を探さなくちゃいけないからね」

ルビカンテ「仲間……」

律子「あなたにも、いるでしょ?仲間」

律子「他の四天王とか」

ルビカンテ「オレは、オレにしか興味がないので」

律子「そう……」

ルビカンテ「これから、どうされるのですか?」

律子「月へ行くつもりよ」

ルビカンテ「月……ですか」

律子「ええ」

律子「………どうしても、会わなきゃいけない人がいるから」

やよい「……きっと、小鳥さんの事ですよね?」ヒソヒソ

貴音「恐らくそうでしょうね……」ヒソヒソ

ルビカンテ「では、クリスタルは、どうされますか?」

貴音「月にもクリスタルはありましたが、地球にも存在するのですね」

美希「……はにぃ……」ムニャ

律子「悪いけど、クリスタルは持って行くわ」

律子「どうしても必要だから」

ルビカンテ「わかりました」

ルビカンテ「それでは、お気をつけて……」

律子「あ、ちょっと待って!」

ルビカンテ「………?」

律子「……最後にひとつだけ、私からアドバイス」

律子「あなたの強さ、なかなかいい線いっていると思うけど……」

律子「今のままじゃ、私に勝てないでしょうね」

ルビカンテ「………」

律子「でも……」

律子「……もしあなたに、共に戦う仲間がいたら……次に戦う時は、どうなるかわからないわね」

ルビカンテ(共に戦う、仲間……)



律子「……それじゃあ、いろいろありがとう!」

律子「……元気でね!」

やよい「さよーならー!」

貴音「………」ペコリ

美希「……zzz」

ルビカンテ「………」ペコリ


スタスタ…


731 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:26:05.59 ID:aBvEClGKO

ルビカンテ「………」

ルビカンテ(リツコ様……)

ルビカンテ(次に会う時は………オレが、勝つ!)



……ビュオオ!



ルビカンテ「………風か」

ルビカンテ「………」

ルビカンテ「……何か用か?」



「……あら、久しぶりだっていうのに、つれないわね……」



ルビカンテ「オレはお前に用などないんだが……」


ヒュルルッ……


スタッ


バルバリシア「……自分以外は興味無しか……変わらないわね、あなた」

ルビカンテ「お前は……少し、老けたか?」

バルバリシア「ムカッ!」

バルバリシア「人が気にしてる事、ズバッと言うんじゃないわよ!」


……ボコボコッ


ズサァッ!


スカルミリョーネ「……で、デリカシーが足りな…い……」


ルビカンテ「スカルミリョーネ……」

ルビカンテ(お前もオレと変わらんと思うが……)


ルビカンテ「お前達がいるという事は……」

バルバリシア「ええ。あいつもいるわよ」



ズバシャーッ!



732 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:28:30.08 ID:aBvEClGKO

カイナッツォ「くくく……!」

カイナッツォ「ようやく体が元に戻ったぞ……!」

ルビカンテ「お前もいたのか、水の……」

カイナッツォ「ふん!悪かったなっ!」



ルビカンテ「……で、お前らは何しに来た?」

バルバリシア「リツコ様、行ってしまわれたんでしょ?」

バルバリシア「リツコ様がいないんじゃ、四天王の意味も、もう無いんじゃないかしら?」

ルビカンテ「なるほど……」

ルビカンテ「四天王は解散する、そう言いたいのか?」

バルバリシア「……あら?解散の号令をかけるのは、四天王のリーダーであるあなたの仕事じゃなくて?」

ルビカンテ「………そうだったな」

スカルミリョーネ「……お、お前達、いい仲間だっ…た……」

スカルミリョーネ「……お、オレ、お前達の事、忘れな…い……」

カイナッツォ「なぁにが仲間だ!気色悪い!」

カイナッツォ「私は、貴様らを利用していただけだからなっ!」

ルビカンテ(仲間………か)

ルビカンテ(己の強さにのみ目を向けてきたオレだが……)

ルビカンテ(仲間、とやらがいれば、オレもリツコ様の様に強くなれるのだろうか……?)

ルビカンテ(……魔物であるオレが、こんな感情をいだくとはな……)

ルビカンテ(………)



ルビカンテ「四天王は………」






733 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:32:13.64 ID:aBvEClGKO

ルビカンテ「……解散しない」



スカルミリョーネ「!」

カイナッツォ「何……!」

バルバリシア「あら……」



ルビカンテ「オレは、リツコ様に『仲間』と共にに戦う事の強さを教わった」

ルビカンテ「オレは……リツコ様に……いや、人間に勝ちたい」

ルビカンテ「それには、お前らの力が必要だ」

カイナッツォ「何を勝手な事を!」

スカルミリョーネ「……お、オレは、賛成…だ……」

カイナッツォ「なんだと!?」

カイナッツォ「まったく、ゾンビの考える事はわからん……!」

バルバリシア「私も、別にいいわよ?」

カイナッツォ「バルバリシア、お前まで!?」

ルビカンテ「2人とも、恩に着る」

バルバリシア「さ、あなたはどうするの?カイナッツォ」

カイナッツォ「ちっ……!」

カイナッツォ「どうするも何も……私の意見を挟む余地はないんだろう?」

スカルミリョーネ「……た、多数決だから…な……」

カイナッツォ「ふん!こうなったら、貴様らを利用し尽くしてやるわっ!」

ルビカンテ「望むところだ。水の」

カイナッツォ「名前を呼べ!なんで私だけ略称なのだっ!」

ルビカンテ「お前の名前、言いづらくてな」

カイナッツォ「ちっ……!腹立たしいやつだ、まったく……!」

バルバリシア「ルビカンテ……変わってないと思ったけど……やっぱり変わったわね、あなた」

ルビカンテ「……どうかな」

スカルミリョーネ「……ゆ、友情に目覚め…た……」

カイナッツォ「どうせ、私達を体良く利用するつもりだろう?」

ルビカンテ「……そうかもな」

バルバリシア「ふふふ……」



734 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:35:24.53 ID:aBvEClGKO
バブイルの塔 B5F クリスタルルーム

律子「な、なんで……?」

律子「クリスタルが……無くなった……?」

貴音「律子嬢、先ほどわたくし達が来た時も、この部屋にくりすたるは見当たらなかったと記憶しておりますが……」

やよい「えっと、えっと……」

やよい「わたしも、あの光る石は見てないかなーって」

美希「……ムニャ……」

律子「………」

律子「そういえばあなた達……」

律子「さっきここで、魔物と戦ったって言ってたわよね?」

貴音「はい。以前からわたくしが追っていた魔物です」

律子「で、その魔物は、小鳥さんの息がかかっている、と」

貴音「そうです。小鳥嬢直々の命により動いている様子でした」

律子「………」

律子「……どうやら、その魔物にやられたみたいね」

貴音「くりすたる、とは、そこまで重要なものなのですか?」

律子「そうね……」

律子「少なくとも、私や小鳥さんにとっては……」



…ドゴォォォォォ…ン



やよい「はわわっ……!」ビクッ

律子「な、何……?」キョロキョロ

貴音「下の階から聞こえました」

貴音「何かあったのでしょう」

やよい「もしかしたら、春香さん達かもしれません!」

律子「ええ……行きましょう!」


タタタタ…


735 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:40:07.30 ID:aBvEClGKO
バブイルの塔 B6F 巨大砲制御室跡

春香「すごい音がしたから、戻って来たら……」

春香「あの部屋、丸ごと無くなっちゃってるよ……!」

伊織「まったく……やりすぎないのよ、って言ったのに……」

千早「真……」



春香「真ーーーーーっ!」

伊織「出てきなさーーいっ!」

千早「真ーーーーーっ!」



シーーーン…



伊織「……返事、ないわね……」

春香「………」

千早「もしかしたら、外へ放り出されてしまったのかも……」

伊織「そ、そうよ!これだけ呼んでも出て来ないんだもの、それしか考えられないわ!」

伊織「真ったら、心配かけるんだから……!」

春香「……行こう!2人とも!」

伊織「もちろん!」

千早「わかったわ!」



「…………春香?」



春香「えっ……?」クルッ



春香「り、律子さん!?」

律子「良かった!」

律子「千早、伊織……あなた達も、無事みたいね」

伊織「当たり前でしょ?」

千早「律子……」

千早(律子の雰囲気が……今までと違う……?)

春香「あ、あの……律子さん……?」

律子「ん?」

律子「ああ……そうよね」

律子「今までの事を考えれば……仕方ないわよね」

春香「え、ええと……」



736 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:43:02.31 ID:aBvEClGKO
貴音「春香、千早、伊織……」

貴音「……心配無用ですよ?」

やよい「そうですよー!律子さんは、律子さんですから!」

美希「……zzz」

伊織「やよいっ!」

春香「た、貴音さん……!?」

千早「美希も、無事みたい」

千早「これで、全員見つけたわね」

律子「あのね、みんな……」



…………


……




律子「………というわけなの」

律子「今まで、ごめんなさい!」ペコリ

春香「そんな!頭を上げてください、律子さん!」

千早「律子は何も悪くないわ」

伊織「そうよ。小鳥を叱ってやればいいのよ!」

やよい「みんななかよく、です!」

美希「……ムニャ……」

律子「みんな……」

貴音「律子嬢、振り返るのは後にしましょう」

貴音「春香達は、ここで何を?」

春香「あ、ええと……」

千早「実は、真が……」



737 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:46:54.12 ID:aBvEClGKO
…………


……




律子「そうだったの……」

律子「………」

春香「今から、外を探しに行くんです!」

律子「わかった。行きましょう!」







738 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 15:52:20.09 ID:aBvEClGKO
地底世界 バブイルの塔 入口付近

春香「真ーーーーっ!」

やよい「まことさーーーん!」

伊織「返事しなさーーい!」

千早「真ーーーーー!」

律子「どこなのーーー!」

美希「……zzz」



貴音「……見つかりませんね」

律子「これだけ探してるのに、見つからないなんて………」

千早「………」

やよい「………」

伊織「………」

春香「………大丈夫!」

春香「真、あんなに強いんだもん……もしかしたら、魔物を追いかけて行っちゃったのかも」

伊織「春香……」

伊織「そうね。あいつに、万が一なんてあり得ないわ」

律子「そう、よね……?」

律子「ごめんなさい。こういう時は、私がみんなを励まさなきゃいけないのに……」

律子「春香、リーダーらしくなってきたわね……」

春香「そ、そうですかね……えへへ」ポリポリ

貴音「律子嬢の言う通りです。春香……成長しましたね」

春香「た、貴音さんまで、そんな………」ズルッ

春香「あっ……!」ヨロッ


ドテッ


春香「痛たた……」

伊織「はぁ………お約束ねぇ」

千早「言葉もないわ」

やよい「は、春香さん、だいじょーぶですか?」

貴音「前言撤回、春香はまだまだ修行が足りないようです」

美希「……zzz」

律子「ふふ、こんな世界へ来ても、春香は変わらないのねぇ」

春香「うぅ……面目ない……」




「おーーーーーい!!みんなーーー!!」




春香「え?」クルッ



739 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 22:51:42.96 ID:aBvEClGKO
飛空艇 エンタープライズ

響「約束通り、迎えに来たぞー!」

春香「響ちゃん!」

千早「我那覇さん……」

やよい「響さーーん!」

伊織「相変わらず元気そうね」

美希「……zzz」

律子「それにしても……よくここがわかったわね?」

響「うん!自分、たくさん頑張ったんだ!」

響「早く、みんなと会いたかったから………」

響「…………って」



貴音「響…………お久しぶりですね」ニコッ



響「た………た………っ!」ウルッ

響「貴音っ………!」ダッ



貴音「ふふふ……」ダキッ

響「だがねぇぇぇっ!」ギュッ

響「ずっど……会いだがっだんだぞ〜!」ポロポロ

貴音「ええ、わたくしもです……!」ホロリ

響「うわあぁぁぁぁぁん!」ポロポロ



千早「感動の再会ね」

春香「ふふふ、そうだねぇ……」

伊織「あーあー、あんなに泣いちゃって………あれじゃ、子供じゃない」

伊織「よっぽど貴音に会いたかったのね」

やよい「でも……」

やよい「伊織ちゃんも、このまえ泣いてたよね?」

春香「えっ?」

千早「水瀬さんが?」

伊織「ちょ……!」

伊織「よ、余計な事は言わないの!やよい!」

やよい「うぅ……ごめんね、伊織ちゃん」

やよい「でも、わたしに会いたいって、伊織ちゃんが思ってくれたんだなーって……」

やよい「わたし、うれしかったんだよ?」

伊織「ま、まあ…………そう言われて悪い気はしないけど……」

春香「ふふっ、伊織、可愛いなぁ」ナデナデ

伊織「う、うるさいわねっ!」カァァ



740 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 22:55:11.69 ID:aBvEClGKO

響「そっか、真が……」

響「………」

響「あ、でも、きっと大丈夫さー!」

響「プロデューサーが、なんとかしてくれると思うぞ!」

律子「プロデューサーが?」

春香「そういえば……」

春香「亜美と真美は、プロデューサーさんのおかげで助かったんだよね」

響「うん!だから、真の事だってきっとなんとかしてくれるぞ!」

千早「そうか……あの人には、このゲームの知識があるものね」

伊織「へぇ……あいつも、たまには役に立つのねぇ」

やよい「伊織ちゃん、そんな言い方、プロデューサーがかわいそうだよー」

貴音「ならば、ぷろでゅうさぁ殿に任せるのがよろしいでしょう」

律子「そうね。その方が良さそう」




美希「………で、これからどうするの?春香」

春香「うーん、どうしようか……」

伊織「そうねえ……もう、結構いい時間よね……」

伊織「…………って」



全員「……美希(さん)!!?」



美希「あはっ☆みんなー、おはよーなのー」

やよい「美希さん、おはよーございまーす!」

律子「時間的にはとっくに夜だけどね」

春香「びっくりしたぁ……」

響「ホントだぞー……」

伊織「あんた、いつの間に起きたのよ?」

貴音「ふふ、ようやく眠り姫のお目覚めですか」

千早「美希、今日はいつもより長く寝ていたわね?」

美希「うん。ミキもよくわかんないんだけど……」

美希「なんだか、思ったより疲れが溜まってたみたいなの」

美希「いつもは、こんな事ないんだけどねー」

千早「そうなのね」

やよい「………」

貴音「………」


741 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 22:57:08.43 ID:aBvEClGKO

春香「あ、そうだ!」

春香「律子さん、ちょっとお願いがあるんですけど……」

律子「何かしら?」

春香「その首飾り……持ち主に返してもらえませんか?」

律子「ああ、これ……」ジャラッ

律子「……そうね。無理矢理奪っちゃったものね」

律子「……はい」スッ

春香「ありがとうございます」ジャラッ

美希「……そういえば、それが目的だったっけ」

美希「今、思い出したの」

伊織「あんた……あの塔に何しに行ったのよ……」

千早「……でも、いいの?」

千早「その首飾りって、確か……」

春香「うん、わかってる」

春香「最後のクリスタルの、鍵なんだよね?」

響「へー……ただの首飾りに見えるけどなー」

春香「だから、返した後に改めて頼んでみるよ」

春香「貸してくださいって」

千早「なんだか回りくどい気もするけど……」

千早「ルカさんと約束したんだものね」

春香「うん」

春香「……と、いう事で」

春香「一旦、ドワーフ城に行きませんか?」

律子「私にいちいち断らないで、あなたが決めていいのよ?」

律子「春香。あなたは、リーダーなんだから」

春香「……はい、わかりました!」

春香「……じゃあ、響ちゃん?」クルッ

響「了解だぞー!」



742 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 23:03:17.35 ID:aBvEClGKO
…………

……


貴音「モグモグ……」

貴音「これは……!」

貴音「まこと、美味でございます!」

貴音「箸が、止まりません……!」モグモグ

伊織「あんた、何食べてもそうじゃないの……」

響「わわ、早く食べないと、貴音に全部食べられちゃうぞ〜!」

やよい「とーってもおいしいですー!」モグモグ

美希「ん〜!幸せなの〜!」モグモグ

春香「おいしいね、千早ちゃん」モグモグ

千早「ええ、そうね」

店主「はは、そう言ってもらえると、作った甲斐もあるってもんだ」

ものまね士「うふふ……」

ものまね士「…………あら?」チラ

ものまね士「あのー、あなたは食べないんですか?」

律子「……え?ああ……」

律子「そうね。せっかくだから、いただきますね」

律子(……こうして、この子達の楽しそうな顔を見られるだけで、お腹いっぱいなんだけどね……)

律子(本当、賑やかね……)



743 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2014/12/21(日) 23:05:31.80 ID:aBvEClGKO
間違えた……
>>742は無かった事にしてください
744 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 23:07:31.54 ID:aBvEClGKO
響「………っと、その前に」

響「みんな、お腹空いてない?」

春香「あ、そういえば……」

千早「私達、今日は何も食べていないわね」

美希「ペコペコなのー!」

やよい「ですー!」

貴音「……今にも、餓死してしまいそうです」

律子「貴音の場合は、本当にあり得そうで恐いわ……」

伊織「まさか、私達に振舞ってくれるの?」

響「ふふん!特別ゲストがいるんだぞっ!」



店主「……料理はできてるぞ!」

店主「さあ、じゃんじゃん食べてくれ!」

ものまね士「たくさんありますからねー!」


ドッサリ!


春香「ものまね士さんに、店主さん?」

春香「なんでここに……?」

店主「ま、まあ……いろいろあってな」

やよい「わあ、お久しぶりですねーっ!」

ものまね士「天使ちゃん……!」キュン

美希「影武者さん、久しぶりなの」

ものまね士「ミキさん、元気そうね」

美希「ねえねえ、この料理って、……」

ものまね士「ええ。店主さんと2人で作ったんです」

美希「へ〜……これは、期待できそうなの!」

伊織「誰よ、あの2人は?」

律子「良くわからないけど、どうやらご飯作って待っててくれたみたいね」

貴音「なんとも良い匂いが……!」ジュルリ


745 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 23:10:27.30 ID:aBvEClGKO
…………

……


貴音「モグモグ……」

貴音「これは……!」

貴音「まこと、美味でございます!」

貴音「箸が、止まりません……!」モグモグ

伊織「あんた、何食べてもそうじゃないの……」

響「わわ、早く食べないと、貴音に全部食べられちゃうぞ〜!」

やよい「とーってもおいしいですー!」モグモグ

美希「ん〜!幸せなの〜!」モグモグ

春香「おいしいね、千早ちゃん」モグモグ

千早「ええ、そうね」

店主「はは、そう言ってもらえると、作った甲斐もあるってもんだ」

ものまね士「うふふ……」

ものまね士「…………あら?」チラ

ものまね士「あのー……」

ものまね士「あなたは食べないんですか?」

律子「……え?ああ……」

律子「そうね。せっかくだから、いただきますね」

律子(……こうして、この子達の楽しそうな顔を見られるだけで、お腹いっぱいなんだけどね……)

律子(本当、賑やかね……)



746 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 23:13:28.86 ID:aBvEClGKO

美希「………それ、いただきなのっ!」ヒョイ

美希「パクッ!」

春香「あ、ちょっと美希!私のおかず、取らないでよぉ〜!」

美希「食卓は、戦場なんだよ?気を抜いたら、死、あるのみ!なの!あはっ☆」

春香「うぅ〜、最後の楽しみに取っておいたのにぃ〜」

千早「春香。私ので良かったら、食べる?」

春香「え?でも、千早ちゃん、あんまり食べてないんじゃ……」

千早「いいえ。これでも、いつもよりは食べているわ」

千早「だから、遠慮しないで?」

春香「じゃあ……もらうね?」

春香「千早ちゃん、ありがとう!」



律子「………」



747 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 23:17:30.71 ID:aBvEClGKO

伊織「はぁ……美希も春香も、食事くらい、もっと優雅にできないのかしら?まったく……」モグモグ

やよい「……伊織ちゃん!はい、あーん」スッ

千早「!」

伊織「……ぶっ!」

伊織「や、やよい……!」

やよい「あーん……」

伊織「う………」

伊織「わ、わかったわよ…………あ、あーん……」

伊織「モグモグ……」

やよい「えへへ、おいしい?」

伊織「ま、まあね………///」

千早「……高槻さんっ!」ズイッ

やよい「はわわっ!」

千早「そ、その………私も、お願いしても、いいかしら……?」モジモジ

やよい「えへっ!千早さんは、甘えんぼうさんなんですねー!」

伊織「ダメよ、千早!」

千早「なぜかしら?」

伊織「やよいの『あーん』は、私だけのものなんだから!」

千早「そんなはずないわ。高槻さんは、いつだってみんなに平等ですもの」

伊織「……ふーん、やる気なのね?」

千早「……そうね。いい機会だから、どっちが高槻さんに相応しいか、決着を付けましょう!」ゴゴゴゴ

伊織「後悔させてあげるわ、千早!」ゴゴゴゴ

春香「ちょ、ちょっと2人とも……!」オロオロ

やよい「け、ケンカはダメですよぉ……!」オロオロ



律子「………」ピクッ



748 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 23:33:56.54 ID:aBvEClGKO

響「モグモグ……」

響「うん、おいしい!」

響「店主は、絶対いい旦那さんになると思うぞ!」

ものまね士「だ、旦那さんなんて、そ、そんな………///」モジモジ

店主「………いや、なんであんたが照れるんだ?」

貴音「………」じーっ

響「………」モグモグ

貴音「………」じーっ

響「………」モグモグ

貴音「………」じーっ

響「………あーもう!欲しいなら、言ってくれればあげるぞ!」スッ

貴音「おお、響……!やはりあなたは、わたくしの心の友です!」ガシッ

響「貴音………相変わらず食いしん坊なんだなぁ」

貴音「モグモグ……」チラ

美希「あはっ☆大漁大漁、なの!」ゴソッ

貴音(美希のところに、ぱわぁ(おかず)が集中している……)

貴音(このままでは、生態系が崩れてしまう……)

貴音(………食物連鎖の頂天に立つのは、このわたくしです!)スッ

スカッ

貴音「む……?」

美希「貴音が泥棒猫なの!」ヒョイ

美希「これはミキのだから、誰にもあげないの!」ガバッ

貴音「美希……先ほど、自分で申しましたね?」

貴音「『食卓は、戦場』である、と……」ニヤリ

美希「………へぇ」

美希「ミキに勝てると思ってるんだね?」

貴音「いざ……!」ゴゴゴゴ

美希「……相手にとって不足なし、なの!」ゴゴゴゴ

響「ちょっと2人とも!『ゴゴゴゴ』じゃないぞー!」

響「自分の近くで争わないでよー!」



律子「………」ピクピクッ



749 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/21(日) 23:43:48.59 ID:aBvEClGKO

律子「………」ピクッ



…ブチッ



律子「スゥーーー………」






律子「あんた達ーーー!!いい加減にしなさーーーーーいっ!!」






アイドル達「……………っ!!」


ものまね士(ひえぇ………!)

店主(恐っ………!)



春香「………」

春香「………律子さんっ!」ニコッ

律子「な、何よ……?」

律子「怒られたっていうのに、なに笑ってるのよ、春香……」

春香「だって……」

春香「………ねっ?」チラ

千早「ええ」

千早「律子のその怒鳴り声、久しぶりに聞いたわ」ニコッ

律子「!」

伊織「最初に会った時とは、えらい違いね?」

美希「鬼軍曹の再来なの!」

やよい「うっうー!おにぐんそーですっ!」

響「自分、とばっちりで怒られたのに、なんだか嬉しいぞー!」

貴音「………もう、普段の調子を取り戻しましたね?」

律子「みんな……」

律子「………」

律子「ほ、ほら……さっさと食べちゃいなさい!残したら、もったいないでしょう?」


アイドル達「はーーーいっ!!」


律子「………」

律子(この際、鬼軍曹でもなんでもいいわ)

律子(あの子達は………私が守らなきゃ!)




750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/23(火) 23:09:04.31 ID:r4YQ/orU0
751 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:14:41.23 ID:nCICvjk2O
幻獣の町

スタスタ…


冬馬「………」キョロキョロ

冬馬「どいつもこいつも、化け物みてーな奴らばっかりじゃねーか」

冬馬「これが、ゲームの世界ってやつなんだな……」

翔太「うん。でもなんか、どっかで見た事あるのばっかり」

北斗(『ケアルダ』なんて、4にしか出てこないから、まさかと思ったけど)

北斗(人間のいない町……)

北斗(……黒井社長は津波を呼ぶ。俺達ジュピターは、ひとつの身体に頭が3つ……)

北斗(高木社長に至っては、『斬鉄剣』まで使っている)

北斗(……そういう事か)

北斗(でも、そうなると問題が……)

高木「ふふ、見た目は変わっているが、きっとみんな気のいい人ばかりだよ」

黒井「………ふん」




北斗「………あの、社長」

黒井「……なんだ」

北斗「ちょっと、気づいた事があります」

黒井「………」

黒井「……言ってみろ」

北斗「俺達は……高木社長も含めて、ですが……」

北斗「どうやら、このゲームの世界の中でも、さらに特殊な存在の様です」

高木「特殊な存在……?」

冬馬「どういう事だよ、北斗」

北斗「俺達は、どうやら……『幻獣』らしい」

黒井「げんじゅう……?」

黒井「なんだ、それは?」

北斗「召喚獣って言えば、翔太にはわかってもらえるかな?」

翔太「!」

翔太「知ってる!あの、バハムートとかナイツ・オブ・ラウンドとかのあれでしょ?」

北斗「その通りだ。だけど、ナイツ・オブ・ラウンドはこの世界には出てこないだろうな」

北斗「ここはどうやら、FF4の世界らしいから」

冬馬「ちっ、FFかよ……!」

翔太「そっかぁ……。ボク、FFは7以降しか知らないらなぁ〜」



752 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:21:34.24 ID:nCICvjk2O

黒井「おい北斗。私にもわかるように話せ」

高木「……まだまだ若いつもりだったが、私も今の会話には付いて行けなかったよ」

北斗「……はい」

北斗「さっき、俺達は幻獣だって言いましたけど、『幻獣』っていうのは、基本的に、『召喚士』と呼ばれる人間に『呼び出される』事で初めて、戦う事ができるんです」

黒井「なんだと……?」

高木「それじゃあ、私達だけでは自発的に戦う事はできないと?」

北斗「その辺りの細かいルールはわからないんですが……」

北斗「とにかく、まずは召喚士を見つけるのが、最優先事項かと思われます」

北斗「そして、おそらくその召喚士は……」




「…………ヤヨイさんじゃよ」




冬馬「だ、誰だあんたは?」

ラムウ「どうか、召喚士であるヤヨイさんの力になってあげて欲しいんじゃ」

ラムウ「………我らの、王よ」

冬馬(あ、無視しやがった)

黒井「………」

高木「高槻君の力に……?」

翔太「あーっ!」

翔太「あなた、ラムウさんでしょ?うわぁ、FFの名物召喚獣をまさか生で見れるなんてね〜!」

ラムウ「………」

翔太「あの、サインくだ………モゴッ!」

北斗「翔太、話が進まないから少し黙っててくれないか」

ラムウ「…………話してもよいかのぅ」

北斗「あ、すみません。どうぞ」

ラムウ「そこのジュピター殿がさっき言った通り、わしら召喚獣は召喚士の力になって初めて、その真価を発揮できるんじゃ……」





753 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:25:39.49 ID:nCICvjk2O

黒井「………」

高木「ふむ、伊集院君の言った通りだね……」

高木「しかし、高槻君に力を貸す事になるなら本望だ」

高木「これは、早々に高槻君を……」

黒井「……ふん、知った事か」

黒井「私は、私のやりたいようにやる。それだけだ」

高木「黒井……」

ラムウ「王よ。迷っておられるのじゃな……?」

ラムウ「わしにはわかる。王よ、あなたは本当はヤヨイさんに力を貸したいと思っておる」

ラムウ「しかし、プライドが邪魔をして言い出せないんじゃな?」

黒井「デタラメを言うなっ!」

黒井(この老人……私の心を覗いたというのか……?)

黒井「お前に、私の何がわかるというのだ!」

ラムウ「………もしもその気になったなら、あなたの身に付けているものを、ヤヨイさんに渡して欲しいんじゃ」

ラムウ「それが、わしら幻獣と召喚士を結ぶ、絆となるのじゃから……」クルッ


スタスタ…





高木「不思議なご老人だったねぇ……」

北斗「ええ。それに、気になる事も言ってました」

高木「ああ。身に付けているものを渡す……か」

黒井「………」





754 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:29:15.06 ID:nCICvjk2O
幻獣の町

真美「おお〜!あったあった〜!」


スタスタ…


雪歩「真美ちゃん、この宝箱の中に……?」

真美「うん、真美達が求めていたものが、入っているハズだよ!」

トロア「いったい、何が……」ゴクリ

P(……みんな、ガッカリしないといいけどな)



P「それじゃ、真美……」

真美「了解〜!」スッ

真美「……じゃあみんな、心の準備はいい?」チラ

トロア「わかりました」

雪歩「うぅ……なんだかドキドキしますぅ〜……」ドキドキ




真美「3………」




真美「2………」

トロア「………」ドキドキ

雪歩「ぅ………」ドキドキ




真美「1……」

トロア「っ………」ドキドキ

雪歩「〜〜〜!」ドキドキ




真美「0っ………!」

トロア「!」

雪歩「はぅっ!」


755 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:31:34.29 ID:nCICvjk2O
真美「……………って言ったら、開けるかんね?」




トロア「………ま、マミ殿………」ドキドキ

雪歩「ひぅぅ……」ヘナヘナ

P「ゆ、雪歩、大丈夫か?」ダキッ

雪歩「………はっ!」

雪歩「すすす、すみません、プロデューサー……///」ドキドキ

P「真美、お約束はいいから、早く開けてくれよ……」

真美「あはは、ごめんごめん」

真美「じゃ〜、ちゃっちゃと開けますか」


ガチャ…


真美「……お、はっけ〜ん!」スッ

トロア「マミ殿、それは……?」

トロア「何か、ヒモのように見えますが……」

真美「これは、『ネズミのしっぽ』だよ」

雪歩「ね、ねずみ……?」

トロア「え、ええと……」

トロア「そのようなものを求めて、我々はここまで来たのですか?」

真美「そだよ!」

真美「まあ、このままじゃ使えないけど、あとでブツブツコウカンで必要になってくるんだよね〜」

トロア「はあ、物々交換ですか……」

雪歩「うぅ……ちょっと、気味が悪いかも……」

P「よし、とりあえずここでの目的は達成したな」

P「さて、帰るか……」



P「……ん?」チラ

P「あ、あれは……」



756 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:36:01.49 ID:nCICvjk2O

P「……社長!」



高木「おや……?」

高木「………やあ、君達じゃないか!」

黒井「あれは、765の連中か……」

冬馬「萩原と、うわぁ……」

冬馬「よりによって、双海かよ……」

翔太「やあ、こんにちは」

北斗「チャオ☆エンジェルちゃん達!」

雪歩「ひいぃ……!」

雪歩「か、顔が……!」

真美「ブーーッ!」

真美「ちょ、ちょっとジュピターさん」

真美「なんなのそれ!?あまとう達、なんで合体しちゃってんのさ〜?」

冬馬「う、うるせぇ!好きでこんなカッコしてるんじゃねえんだよっ!」

冬馬「あと、あまとうって呼ぶな!」

P(顔が3つ……?)

P(そうか!ジュピターはアスラなんだ……)

P(だったら、黒井社長は……リヴァイアサンか?)

黒井「ちっ、騒がしい……」



P「社長、お疲れ様です」ペコリ

高木「うむ」

高木「君達は、なぜここに?」

P「はい。ちょっと必要なアイテムを取りに来たところでして……」

高木「そうか」

高木「ところで君は、高槻君が今どこにいるかわかるかね?」

P「やよい……ですか?」



757 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:39:55.16 ID:nCICvjk2O
…………

……


高木「………という事なんだよ」

P「そうですか……やよいの力に……」

P(俺は、早い段階でやよいが召喚士だってわかっていた)

P(高木社長がバロン王……つまり、後のオーディンだって事も)

P(その時に気づくべきだったかな……)

P(……いや、今更そんな事を言っても仕方ない。今は、召喚獣の方々に協力を仰ごう)



高木「今話した通り、どうやら、我々が高槻君の力になる為には、我々の身に付けているものを高槻君が持っている事が条件となるらしいんだ」

高木「これを、君に託そう」スッ

P「……はい」スッ

P「これは……腕輪?」

P「……にしては、ちょっと大きい気もするな」

真美「……兄ちゃん兄ちゃん、それって、アンクレットじゃない?」

P「あんくれっと……って、なんだ?」

雪歩「あの、足にするアクセサリーだと思いますよ?」

真美「さすがゆきぴょん!」

P「へぇ、足輪の事をアンクレットっていうのか……」

真美「足輪ってなんかダサいからやめようよ、兄ちゃん……」

高木「それを、君の手から高槻君に渡してくれたまえ」

P「はい、わかりました。やよいも喜ぶと思います!」

真美「やよいっち、これでオーディン、もとい社長ゲットだね!」

雪歩「ま、真美ちゃん、社長はポケモンじゃないよぉ……」

高木「さて……」クルッ

高木「君達は、どうする?」



758 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:43:23.20 ID:nCICvjk2O

黒井「………」

冬馬「………」

冬馬「……………ちっ」



冬馬「おい、765のプロデューサー」

冬馬「……ほらよっ!」ヒュン



P「………おっと!」パシッ

冬馬「……勘違いするなよ?別に765プロと仲良くやろうってわけじゃねえ」

冬馬「これは………その、あれだ」

冬馬「高槻にメシ作ってもらった礼だ!」

冬馬「……大切にしろよな!」

P「羅刹、お前……」

冬馬「だから羅刹じゃねえっつってんだろ!」

北斗「相変わらず素直じゃないなぁ、冬馬は」

翔太「素直に『やよいちゃんが心配だから』って言えばいいのにね〜」

真美「ほほぅ……あまとうは、やよいっちにラヴなわけですな〜?」ニヤリ

冬馬「だーっ!違う!んなわけねーだろっ!」

雪歩「お、鬼ヶ島さんって、顔の割りに意外と優しいんですね……?」

冬馬「ぐっ……萩原、お前まで……」



P「……羅刹!」

冬馬「な、なんだよ?」

P「ありがとな!」ニコッ

冬馬「べ、別に礼を言われる事じゃ……」

P「だが……」



P「………やよいはやらんぞ?」



冬馬「………っ!」

冬馬「い、いるかっ!!このアホプロデューサーがっ!」カァァ



759 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:47:38.68 ID:nCICvjk2O

高木「黒井、お前はどうする?」

黒井「………」

黒井「言ったはずだ。私は、私のやりたいようにやると」

高木「…………」

P(幻獣王の力、是非拝借したかったんだけど……黒井社長は、やっぱり一筋縄ではいかないか……)

P(………)

高木「もう、我々だけの問題ではないんだ」

高木「いい加減、少しは大人に……」



P「……黒井社長っ!」



黒井「………」

P「黒井社長………あなたの『王』たる力が、どうしても必要なんです!」

黒井「………」ピクッ

P「どうか、私達に……」

P「……いえ、やよいに、力をお貸しくださいっ!」ペコリ



黒井「………」



P「………っ!」ググッ



黒井「…………王者とは、常に孤独……そうあるべきだ」

黒井「…………しかし」

P「………?」



黒井「…………庶民どもを支配、管理するのもまた、王者の務め」



760 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:51:38.90 ID:nCICvjk2O

P「………じゃ、じゃあ!」

黒井「貴様は、私を王と認めたのだな?」

P「そ、それはもちろん!あなた以上に王に相応しい人はいませんよ!」

真美(兄ちゃん………ごますり作戦?)



黒井「ククク……!」

黒井「ならば、条件がある」

P「条件……?」



…………

……




高木「………それでは、私は黒井達と共に行く事にするよ」

高木「くれぐれも、気をつけてくれたまえ!」

P「はい!社長も、どうかご無事で!」

真美「こんなゴーセーなメンツが揃ってるんだから、心配ないっしょ!」

雪歩「わ、私も、足手まといにならないように頑張りますぅ!」



真美「じゃあね、黒ぴょん!」

黒井「ふん……」

真美「あまとうにほくほくにトイレも、またね〜!」

雪歩「さ、さようならぁ!」



北斗「チャオ☆エンジェルちゃん達!」

冬馬・翔太「あまとう(トイレ)って呼ぶな〜!!」



761 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:54:26.91 ID:nCICvjk2O
飛空艇 フタミ号

P「………というわけで」

P「これから、一旦春香達に合流しようと思う」

P「当初の予定と少し違うが、社長達の力を、早くやよいに届けてあげたいんだ」

亜美「オーディン、アスラ、リヴァイアサン……」

亜美「……これもう、やよいっち最強じゃね?」

真美「だよね〜。やよいっちひとりでピヨちゃんに勝てそう」

あずさ「うふふ……なんだかステキな事になったみたいですね〜」

雪歩「やよいちゃんが黒井社長を呼び出す姿って、結構シュールかも……」




亜美「ふ〜ん……」

亜美「召喚獣を呼び出すには、アクセサリーが必要なんだね〜」スッ

亜美「ソウ・チャク!」バサッ

亜美「ふははは〜!私がウワサの黒井だ〜!」

亜美「王者とは、ツネにコドクなのだ〜!」ビシッ

真美「きゃ〜!黒井様〜、ステキ〜!」

P「こらこら、黒井社長のマントで遊ぶな」

亜美「亜美だって王者の気分を味わいたいんだもん!」

あずさ「黒いマントに、紫のアンクレット、緑の指輪……」

あずさ「やよいちゃん、どこかの貴族みたいになっちゃうわね〜」

雪歩「ところでプロデューサー」

雪歩「春香ちゃん達とは、どうやって合流するんですか?」

P「ああ、特にアテがあるってわけではないんだが……」

P「とりあえず、地上に戻ってみよう」

P(こないだ響に会った時には、バブイルの塔にいたはずだよな)

P(って事は、次はエブラーナのはず……)

P(ま、ゲームの通りに進んでいればの話だが……)



762 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:56:27.99 ID:nCICvjk2O
ドワーフ城 王女の部屋

ルカ「これは、お母様の首飾り……!」ジャラッ

ルカ「良かった、戻ってきて……!」ギュッ

ルカ「ありがとう!皆さん!」ペコリ

春香「ううん、ルカさんが喜んでくれて良かったよ!」

千早「母の形見ですものね……」

美希「一件落着、なの!」

やよい「王女さま、とーってもうれしそうです!」

伊織「………」

伊織「………春香?」

春香「……うん、わかってるよ」



春香「あの、ルカさん?」

ルカ「どうしたの?ハルカさん」

春香「えっと、こんなタイミングで言うのもアレなんだけどさ……」

春香「その……首飾りを……」

ルカ「………」

ルカ「………うん、いいよ」

ルカ「最後のクリスタルを手に入れるのに、この首飾りが必要なんだよね?」

春香「ルカさん………」

ルカ「でも、ひとつだけ、条件があるの」

春香「条件……?」

ルカ「絶対、無事に帰って来て!」

ルカ「もう、大切な人を失うのは嫌なんだ」

ルカ「だから、絶対……!」

春香「……ルカさん」ギュッ

春香「大丈夫、私達は絶対に無事に帰って来る」

春香「約束するよ!」

ルカ「ハルカさん……!」ギュッ




763 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:57:49.20 ID:nCICvjk2O
飛空艇 エンタープライズ

律子「……で、またちゃんと借りてこれたのね?」

春香「はい!」ジャラッ

律子「そう、よかった」

律子「とにかく、最後のクリスタルは確保しておかないとね」

千早「それにしても、小鳥さんの部下が月からやって来るなんてね……」

貴音「……申し訳ありません」

貴音「それについては、全てわたくしの責任です」

千早「あ……いえ、四条さんを責めているわけではないんです」

千早「……ごめんなさい」

貴音「千早、謝る事はないのです。わたくしがもっとしっかりしていれば……」

伊織「……ちょっと2人とも」

伊織「終わった事をいつまでも言っていたって仕方ないじゃないの」

伊織「大事なのは、これから何をするか……でしょ?」

貴音「……そうでしたね」

律子「伊織の言う通りだわ」

律子「それに、貴音のおかげで、私は自分を取り戻せたわけだし」

伊織「さ、春香。あんたが号令かけなさい」

春香「………」コクッ



春香「みんな………行こう!最後のクリスタルのところに!」



律子「……決まりね」

律子「明日に備えて今日はもう寝ましょう」

律子「響。この飛空艇は、何部屋ぐらいあるのかしら?」

響「ええと……4部屋あるぞ」

律子「4部屋か……」

律子「今ここに、10人いるから……」

律子「2、2、3、3で別れればいいわね」

律子「それじゃ、部屋別けを……」


764 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 06:59:15.28 ID:nCICvjk2O
店主「リツコ様。ちょっと待ってくれないか?」

律子「ん?あ……」

春香「そっか。店主さんひとりだけ、男の人なんだね」

伊織「面倒ねぇ。あいつは甲板で寝かせときましょ」

店主「えっ……」

春香「ちょっと伊織、それはひどいよ」

伊織「……冗談に決まってるでしょ」

伊織「あいつには、夕食の恩があるし……。まあ、ひとり部屋でいいんじゃないかしら?」

律子「そうね。それじゃ、3、3、3、1で別れましょうか」

美希「あふぅ……やっと寝れるのー」

やよい「美希さん、あんなにねてたのに、まだねれるんですか?」

美希「お昼寝と夜寝は、別腹なの」

響「美希の胃袋ならぬ寝袋は、常人には理解できないんだぞ」

千早「で、どうやって分けるの?」

律子「ここは、公平にアミダにしましょうか」

貴音「……それでは、阿弥陀はわたくしが作りましょう」

律子「え?貴音が?」

律子「まあ、いいけど……」

春香「珍しいね。貴音さんがこういう事を積極的にやろうとするなんて」

千早「確かにそうね」

やよい(貴音さん、美希さんと同じへやになろうとしてるのかな……?)チラ

貴音「………」

貴音「響。紙とぺんをもらえますか?」

響「ちょっと待ってて。今持って来るぞ」


タタタタ…


765 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 07:02:45.68 ID:nCICvjk2O
…………

……


律子「律子「………よし。じゃあ、アミダの結果を発表するわよー」

律子「まず、1号室」

律子「……響、やよい、千早」

響「なんだ、貴音と一緒じゃないのかー」

響「ちょっと残念だぞ」

千早「よろしくね、2人とも」

やよい「よろしくおねがいしまーす!」

律子「で、2号室が、美希、貴音、ものまね士さん」

美希「んん〜……なんでもいいから、早くベッドに行きたいの〜……」ムニャ

ものまね士「ちょっとミキさん、しっかり立って!」ガシッ

貴音「………」

律子「3号室は、伊織、春香、私ね」

春香「はーい」

伊織「やよいと離れちゃったわね……」

律子「店主さんはひとりで4号室を使ってくださいね?」

店主「了解、リツコ様」



律子「それじゃあ就寝にするけど……」

律子「みんな、あんまり遅くまで起きてないで、早く寝るのよ?」

律子「夜更かしは美容の天敵なんですからね?」

伊織「わかってるわよ、もう」

春香「あはは……もうすっかり、いつもの律子さんだね」

千早「律子、そろそろ……」

律子「あ、そうね」

律子「それじゃ……」



全員「おやすみなさーーい!!」



766 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 07:04:24.01 ID:nCICvjk2O
1号室

千早「……それにしても我那覇さん、よく無事にここまで来れたわね?」

響「うん。まあいろいろあったんだけどね」

響「あ、そういえば自分、地底でプロデューサー達に会ったんだ」

千早「プロデューサーに?」

響「うん!それでね?プロデューサーと一緒に、雪歩がいたんだ!」

千早「萩原さん……」

やよい「雪歩さん、プロデューサーといっしょなら、安心ですねー」

千早「ええ、そうね」

響「しかも、あずささんが目を覚ましてたんだぞ!」

千早「あずささんが……!」

千早「良かった……」

やよい「あのー、あずささんが目をさましたって、どーいうことですか?」

響「あ、やよいは知らないんだったっけ」

響「あずささんは、乗っ取られた律子との戦いで……」



やよい「………」

やよい「そんなことがあったんですか……」

響「ピヨ子、ホントにどうしちゃったんだろうなー」

千早「会って話をしてみないと、何とも言えないわね」

やよい「………」

やよい「小鳥さん、きっと、ひとりでさみしがってると思います」

やよい「早く、小鳥さんをむかえに行ってあげないとですっ!」

響「やよい……」

千早「高槻さんの言う通りね」



千早「じゃあ、そろそろ寝ましょうか?」

響「そうだな。ん〜、3人だとちょっと狭いかな……」モゾモゾ

千早「高槻さん……。も、もう少しこっちへ来てもいいのよ?」モゾモゾ

やよい「うっうー!お泊まり会みたいで、たのしいですー!」モゾモゾ



767 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 07:09:36.16 ID:nCICvjk2O
2号室

美希「それじゃ、おやすみなの〜」ドサッ

ものまね士「ミキさん、せめて着替えないと……」

貴音「美希、待ってください」ガシッ

美希「ん〜……なんなの〜?」

貴音「わたくしは、まだあなたにお礼を言っていません」

美希「お礼?なんで?ミキ、何かしたっけ?」

貴音「……覚えていないのですか?」

貴音「やよいの話だと、あの魔物との戦闘時、わたくしが蘇ったのは美希のおかげだと……」

美希「あー……」

美希「………」

美希「ミキね……?」

美希「貴音が死んじゃって、すっごく悲しい気持ちになったのは覚えてるの」

美希「でも、その後の記憶がないんだよね……」

美希「起きたら、貴音は普通に生きてるし……ミキも、わけがわからないの」

貴音「なんと、そうでしたか……」

貴音「ともあれ、ありがとうございました」ペコリ

貴音「あなたのおかげで、わたくしはこうしてまた皆と共に旅を続ける事ができます」

美希「ん〜、覚えていないのにお礼言われても……って感じだけど。一応、受け取っておくね?」

貴音「それにしても、あの『死の宣告』という攻撃……厄介ですね」

ものまね士「死の宣告ですか……あれは、避けようがないですからねぇ」

貴音「……やはり、回避する手段は無いのですか?」

ものまね士「はい。今のところは、まだ無いですね」

ものまね士「言葉を聞いたが最後、待っているのは、文字通り『死』です」

貴音「言霊、というものがあるのは知っていますが……」

貴音「よもや、たった一言で相手を死にいたらしめようとは……」

貴音「まこと、恐ろしきものです」

美希「……じゃあ、聞かなければいいって思うな」

ものまね士「え……?」

美希「その言葉を聞いたら死んじゃうんでしょ?」

美希「だったら、耳を塞いじゃえばいいの」

貴音「なるほど……美希の言う事にも一理ありますね」

ものまね士「で、でも、そんな事で防げるんでしょうかねぇ?」

貴音「わかりませんが、何もしないよりはましでしょう」

美希「解決したみたいだね?」

美希「……じゃあ、今度こそおやすみなの〜」

美希「……zzz」

ものまね士「ミキさん、相変わらず寝るのが早いわね……」

貴音(美希……あなたは、まこと不思議な人です……)


768 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 07:10:47.84 ID:nCICvjk2O
3号室

春香「はぁ〜、疲れたぁ……」ボフッ

伊織「ベッドがあるのはありがたい事だけど、シャワールームでもあれば尚よかったんだけどね」

春香「そうだね〜。シャワー、浴びたいなぁ」

律子「………」じーっ

春香「………?」

春香「律子さん?どうかしたんですか?」

律子「春香……あなた、雰囲気変わったわねぇ」

律子「なんていうか、聖人のようなオーラが滲み出てるというか……」

春香「えへへ……そうですか?」ニコニコ

伊織「私には、いつもと変わらないドジな春香に見えるけどね」

春香「う……否定できない……」

律子「春香。その剣は……」

春香「ああ、これですか?」スッ


…キラーン!


春香「私、試練の山で暗黒騎士からパラディンになったんですよ!」

律子「パラディン……?」

春香「聖騎士って言った方がわかりやすいですかね」

春香「聖騎士は、暗黒騎士とは真逆の騎士みたいです」

律子「聖騎士、ねえ……」

律子(まさに、正義の味方って感じね)

律子(やっぱり、私の暗黒剣よりも春香の聖騎士としての力が、この先必要になってくるのかもね)



律子「さ、そろそろ寝ましょう」

律子「電気消すわよ?」

伊織「ちょっと春香、もう少しそっち寄れないの?」モゾモゾ

春香「ええ?こっちもギリギリだよ」モゾモゾ

律子「まあ、ベッドがひとつしかないからしょうがないわよ」モゾモゾ

春香「……でも、みんなでくっついて寝ると、あったかいねぇ」

伊織「まあね……ってこら、どこ触ってんのよっ!」

春香「ご、ごめん。伊織って、抱き枕に丁度いいサイズだから、つい……」

律子「ほーら、もう寝なさい」

律子「それに伊織。狭いんだから、少しは我慢しなさい」

伊織「仕方ないわね……」

伊織「……きょ、今日だけだからねっ……」

春香「えへへ、ありがと」ギュッ



769 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 07:14:04.75 ID:nCICvjk2O
シルフの家

真「………っ」モゾモゾ

真「………んんっ」ガバッ



真「…………あれ……?」

真「ここ、どこだろ……?」キョロキョロ

真「………ふわぁ」

真(ボク、どうしたんだっけ……?)

真(確か、伊織と一緒に博士と戦って……ロボットが自爆しちゃって……)

真(……そうだ。その後に、巨大砲を壊したんだ……)

真(それで、力を使い果たして……)

真(……ん?なんだか、温もりを感じるような……)チラ

シルフ「……zzz」

真「………」

真「…………誰?」

真(なんでボク、こんなに小さい女の子と一緒に寝てるの……?)

シルフ「………んっ」モゾッ

シルフ「んん〜……」

シルフ「………おや〜?」

シルフ「起きたんですね〜?おはようございま〜す………」

真「おはよ……」

真「ねえ、ひょっとして……」

真「君が、ボクを助けてくれたの?」

シルフ「はい、そうですよ〜」

シルフ「バブイルの塔の入口で倒れていたあなたを、誘か………」

シルフ「………コホン」

シルフ「助けて、介抱したんです〜」

真「そうだったのか……」

真「お世話になっちゃったね。ありがとう!」スクッ

シルフ「あ、まだ寝てなきゃ……」



770 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 07:16:22.73 ID:nCICvjk2O

ヒョイッ…スタッ!


真「ん〜〜っ!」ノビッ

シルフ「あ、あれ?怪我はもう、いいのですか?」

真「うん。多分、もう大体治ってるはず!」コキッコキッ

シルフ「ええっ?あんなにひどい怪我だったのに?」

真「……まあ、身体動かしてると自然治癒能力も鍛えられるからね!」グッグッ

シルフ「はぁ……なんだかすごいんですね〜」



真「………それじゃ、ありがとう!ボク、行くね!」クルッ

シルフ「えっ?えっ?ちょ、ちょっと待ってくださいよ〜!」

真「ごめんね?みんなが待ってるから……」

シルフ「ううっ……そ、そんなぁ……!」グスッ

シルフ「わ、わたし……また、ひとりぼっちに……っ……!」ヒック

真「な、泣かないでよぉ……」

シルフ「やっぱり……私はずっとひとりなんだ……」

シルフ「死ぬまでずっと、ひとりぼっちなんです〜〜!」

シルフ「うえぇぇぇええん!」ポロポロ

真「ま、参ったな………」ポリポリ

真「早くみんなのところに行かないといけないんだけどなぁ……」

シルフ「ううぅぅぅうっ!」

シルフ「……」チラ

真「うーん……」

シルフ「グスッ……えぐっ……!」

シルフ「……」チラ

真「はぁ………」

真「…………わかったよ」

シルフ「!」



771 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 07:20:32.76 ID:nCICvjk2O

真「もう少しだけ、ここにいる事にするよ」

シルフ「ほ、本当ですかっ!?」ズイッ

真「わっ!」

真「う、うん……本当だよ。ちょっと君、近い……」

シルフ「ありがとうございます〜!」

シルフ(……………チョロいです)ニヤリ



シルフ「ふつつかものですが、よろしくお願いします〜」

真「あ、うん。よろしくね!えっと……」

真「……そういえばボク達、自己紹介もしてなかったね」

シルフ「あ、そうでした……」

シルフ「私は、幻獣の『シルフ』と申します〜」

真「げんじゅう……?」

シルフ「あ、ご存知ないんですね?」

シルフ「まあ、妖精のようなもの、と思ってもらえれば〜」

真「妖精かぁ……初めて見るかも」

真「ボクは、菊地真!マコトって呼んでよ!」

シルフ「マコトさん、ですか〜」

シルフ「良い名前ですね〜」

シルフ「マコトさんは、ドワーフの方ではないんですか?」

真「違うよ?ボクは、人間だよ」

シルフ「に、にんげん……?」

シルフ「もしかして、召喚士ですか!?」

真「いや、違うと思うけど……」

真「っていうか、しょうかんしって、何?」

シルフ「召喚士は、私達のような幻獣を呼び出す事ができる人の事をいうんです」

真「呼び出す、かぁ……」

『……ヤバいって思ったら、急に変なおじいちゃんが出てきて……』

『あれ、やよいがやったんでしょ?』

真(………)

真(まさかね……)



772 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 07:22:25.73 ID:nCICvjk2O

真「それにしてもシルフ……」キョロキョロ

真「この部屋、埃っぽくない?」

シルフ「そうですかね?」

真「なんかよくわからないものがたくさんあるし……」スッ

真「これは、何……?」



シルフ「……ドッカーーーン!!」



真「ひっ!」ビクッ

シルフ「………って、爆発しちゃうかもしれないですよ?」

シルフ「……それ、不発弾ですから」ニコッ

真「え!?そ、そうなの……?」ドキドキ

真(びっくりしたぁ……)

シルフ「マコトさん、そこらへんに置いてある鉄くずには、触らない方がよろしいかと思います〜」

シルフ「ほとんどが、不発弾やら戦車の切れ端やらの危険物ですから」

真「えぇ〜……なんでまたそんなものを……」

シルフ「なんでと問われれば……」

シルフ「自分の身を守るタメ、ですね〜」

真「えっ?ひょっとして、誰かに命を狙われてるとか?」

シルフ「はい。魔物の方々に……」

シルフ「この家、洞窟の中にあるんですけど、一歩外に出たら、魔物だらけですから〜」ニコッ

真「魔物か……」

真「………」

真「………じゃあ、こうしよう!」

真「ボクの命を助けてくれたお礼に、少しの間、ボクがシルフの用心棒になってあげるよ!」

シルフ「ま、マコトさんっ……!」



773 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2014/12/27(土) 07:24:41.29 ID:nCICvjk2O

シルフ「……そんな事より、私の旦那様になってくださいっ!」ギュッ

真「うんうん、ボクが魔物なんてやっつけて………」

真「……って、えええっ!?」

シルフ「私、マコトさんに一目惚れしてしまったんです!」

シルフ「私の旦那様は、あなた以外に考えられないのです!」

真「いやいやいや!ちょっと待って!」

真「あのね、シルフ……」

真「ボク、奥さんがいるっていうか……」

シルフ「ガーン……!」

シルフ「そ、そんな、バカな……」

真「あ、でも、結婚してるのはこの世界の話で、実際は彼氏すらいないんだけど……」

シルフ「??」

シルフ「どういう事ですか……?」

真「えっと、なんて説明したらいいのかな……」

シルフ「よくわかりませんが……」

シルフ「私にもチャンスはあるって事ですねっ?」

真「い、いや、ボクはまだ結婚する気は……」

シルフ「ならば……」

真「っていうか、ボクは女のk」

シルフ「……既成事実を作ってしまえばいいのです!」

真「は………?」

シルフ「さあ、真さん!誓いのキッスを!」ズイッ

真「いや、ちょっと待って!落ち着いて!」

シルフ「さあ!」ズイッ



真「ご……ごめんっ!」ダッ

タタタタ…


シルフ「あっ、待ってくださ〜い!マコトさ〜ん!」フワフワ

シルフ「なんなら、子作りが先でもいいんですよ〜?」フワフワ



真「も、もっと無理だよーー!」



真(ああ……なんでボクはいつもこうなんだろう……)

真(助けてください、プロデューサー!)


774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/27(土) 10:04:21.93 ID:8b1RMlHDO
シルフ連れて一緒に合流するって考えはないのだろうか…
可能かわからんが
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/04(日) 05:04:34.26 ID:ZK1UwInj0
はよ
776 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 21:48:59.71 ID:H3WJl6vJO
飛空艇 フタミ号

真美「艦長!前方に不審な船を発見しましたであります!」ビシッ



P「………」

P「…………あ、艦長って俺の事だっけか」

真美「も〜、艦長がそんなんじゃシマらないっしょ〜」

P「そ、そうか。すまん……」

P「で、不審な船って?」

真美「ホラ、あれ!」スッ

P「ん?あれは……」

P「響が乗ってた飛空艇じゃないか?」

真美「だよね〜」

P「なんでドワーフ城なんかに停まっているんだ?」

雪歩「まさか、何かあったんでしょうか……?」

P「響のやつ、まだ春香達と合流していないのか……?」

あずさ「あら〜、それは心配だわ〜」

P「……亜美、あの飛空艇の近くに着陸してくれ!」



亜美「りょ〜か〜い!」



ブワッ…




777 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 21:54:45.85 ID:H3WJl6vJO
飛空艇 エンタープライズ

P「………」

P「……静かだな」

真美「誰もいないね……」

あずさ「夕ご飯……でしょうか?何か食べた後がありますね〜」

P「そうですね」

雪歩「なんだか、とても大勢で食べたように見えるんですけど……」

P「……うん。確かに、そう見えるんだよなぁ」



亜美「ふわぁ……」

亜美「ねえ兄ちゃん。亜美、もう眠くなっちったよ……」

真美「また明日の朝に来てみない?」

P「……うーん、そうだな。もう子供はもう寝る時間だよな」

亜美「……カッチーン!」

真美「兄ちゃん、ひどっ!」

P「あ……す、すまん!そういう意味じゃ……」

真美「そういう意味にしか聞こえないっしょ〜!」

亜美「そうだそうだ〜!バツとして、兄ちゃんは亜美達と一緒に寝るんだかんねっ!」

雪歩「え、ええっ!?」

あずさ「あ、あらあら……それはちょっとどうかしら〜?」

P「そ、そうだぞ?それはさすがにダメだ」

真美「ちぇっ……」

亜美「兄ちゃんのケチんぼ〜!」

P「はいはい、わかったから」

P「ホラ、もう戻るぞ」

亜美「……ふぇ〜い」

真美(あ〜あ……)

真美(真美と亜美と兄ちゃんだけの時は、ふつ〜に一緒に寝たりしてたのになぁ……)

真美(………)

真美(みんなの兄ちゃんだもんね………ちかたないよね?)






778 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 21:59:53.77 ID:H3WJl6vJO
ーー翌朝ーー

飛空艇エンタープライズ 甲板

春香「ふわぁ……」

春香「ん〜〜〜っ!」ノビッ

春香「ふぅ……」

春香「………よく寝たなぁ」

春香「………」キョロキョロ

春香「朝……だよね?」

春香「地底って、太陽も月もないから、イマイチ時間がわからないんだよねぇ」



「…………はーーー!」

「……はっ、はっ、はーーーっ!」



春香「………あ!」

タタタタ…



春香「……千早ちゃん、おはよう!」

千早「あ……春香、おはよう」

春香「相変わらず、早いねぇ」

千早「もう、習慣になってしまっているのよ」

千早「………発声練習もね」

春香「ふふ、そっかぁ」

春香「………ん?」

春香(そういえば私、この世界に来てからアイドルらしい事をまるでやってない気が……)

春香(レッスンもご無沙汰だし……)

春香(千早ちゃんは真面目だから、こうして毎朝、発声練習をしているみたいだけど……)

千早「春香………春香?」

春香「………え?」

千早「どうかしたの?」

春香「あ、ううん、なんでもないよ」

春香(………大丈夫かな、アイドルとしての私…….)



千早「……いよいよ、最後のクリスタルね」

春香「うん」

千早「ねえ、春香。私、考えたんだけど……」

千早「小鳥さんの配下の魔物は、すでに7つのクリスタルを持っているわけよね?」


779 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 22:04:41.40 ID:H3WJl6vJO

春香「そうだね。どうにかして、取り返さないと!」

千早「………向こうも、同じ事を考えているんじゃないかしら?」

春香「あ……」

千早「魔物達は、あとひとつでクリスタルを揃えられる」

千早「けれど、最後のクリスタルの鍵は私達が持っているから……」

春香「……そっか!」

春香「私達が最後のクリスタルを手に入れたあとで、それを奪いに来る……!」

千早「ええ。おそらく」

春香「用心しないと、だね」

千早「そうね。どんな手を使って来るかわからないわ」




律子「………それについて、少し話があるわ」




春香「あ、律子さん。おはようございます!」

千早「律子、おはよう」

律子「おはよう、2人とも」

春香「話ってなんです?」

律子「本当は、みんなが起きたら話すつもりだったんだけど、あなた達には先に話しておくわね」

律子「大した話じゃないんだけど……」

律子「チームを2つに分けましょう」

千早「2つに……?」

律子「ええ。封印の洞窟に入ってクリスタルを取りに行くチームと、飛空艇で待機しているチームの2つ」

春香「え?じゃあ……みんなでクリスタルを取りに行くんじゃないんですか?」

律子「……そうすると、死角ができてしまうのよ」



780 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 22:08:45.74 ID:H3WJl6vJO

春香「死角……ですか?」

千早「洞窟を出てすぐに、待ち伏せされているかもしれない……とか?」

律子「その可能性ももちろんあるし、私達がいない間に飛空艇に何かされないとも限らないわ」

春香「な、なるほど……」

千早「それで、何人かを飛空艇で待機させておくのね?」

律子「まあ、店主さんとものまね士さんだけに任せるのもあれだし」

千早「……で、メンバーはもう決まっているの?」

律子「それは、みんなが起きてからにしましょう」

春香「………」

春香(律子さんも千早ちゃんも、頼りになるなぁ……)

春香(私、細かい事は全然考えていなかったよ……)

春香(私なんかがリーダーで……)

春香(………)

春香(……ううん、私も、頑張らなくっちゃ!)





春香「……そういえば律子さん、伊織はまだ寝てました?」

律子「ええ。しゃる……なんとかって、寝言を言ってたわね」

千早「水瀬さんの人形の名前って、確か……」

春香「うん。『シャルル』だったよね?」

千早「ふふっ……可愛らしい夢でも見ているのね」ニコッ

律子「……それにしては、なんだかうなされてたような気もするけど……」

律子「千早。あなたの部屋の子達は?」

千早「私と一緒に、高槻さんと我那覇さんも起きたわ」

千早「2人は、朝食を手伝いに行くって言っていたわね」

春香「うーん、響ちゃんもやよいも偉いねぇ」

律子「あとは……」

千早「四条さんと美希、ものまね士さんの部屋ね」




781 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 22:14:33.29 ID:H3WJl6vJO

春香「ものまね士さんは、まあいいとして……」

春香「問題は、貴音さんと美希だね」

千早「美希はともかく、四条さんは問題ないんじゃないかしら?」

律子「でも、貴音ってなんとなく血圧低そうに見えるのよねぇ……」

貴音「……そうでしょうか?」ヌッ



3人「うわあっ!!」ビクッ



貴音「おはようございます、皆の衆」ペコリ

春香「おっ、おっ……たっ………!」ドキドキ

律子「きゅ、急に出てこないでよ、もう!」ドキドキ

千早「………」ドキドキ

千早(思わず、発声練習の時より大声を出してしまったわ……)

春香「……すぅーー……はぁーー……」

春香「あー、ドキドキしたぁ……」

貴音「あの、おどかすつもりは無かったのですが……」

貴音「申し訳ない事をしてしまいました」

律子「いえ、貴音のおかげですっかり目が覚めたわ」

千早「……四条さん、あとの2人はどうしたんですか?」

貴音「わたくしが起きた時には、2人ともすでにいませんでしたね」

春香「ものまね士さんは、店主さんの手伝いだとしても……」

春香「美希、どこに行ったんだろう?」

律子「あの自由奔放娘を野放しにしておくのは危険ね」

律子「……手分けして探しましょ」

春香「そうですね」

千早「ええ」




782 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 22:20:05.05 ID:H3WJl6vJO
飛空艇 エンタープライズ 厨房

イフリート「うおりゃあああああっっ!!」

イフリート「地獄の火炎んんんっっっ!!」


ゴオオオオオオオ!


響「うわああ!こ、こんなに強くて大丈夫なのか!?」

店主「こ、これはヤバいな……」

店主「なあヤヨイ……ちょっと火力が強すぎないか?」

店主「これじゃ、鍋が焦げちまう」

やよい「そ、そうですね」

やよい「あのー、いふりとさん。もう少し火をよわくしてもらってもいいですか?」

イフリート「わかったぜえええっっ!!」

イフリート「地獄の………火炎」ボソッ


…ボッ!


響「………ふぅ」

響「丁度いい強さになったぞ!」

店主「……ありがとな!幻獣さん!」

イフリート「気にする事はねえええぜっっ!!」

イフリート「じゃあな、ヤヨイっっ!!また呼び出してくれよなっっ!!」

やよい「いふりとさん、ありがとうございましたー!」


スゥゥゥ…


響「うーん……やよいの力は便利だなぁ」

やよい「そうですか?」

店主「ああ、やよいのお陰で料理がはかどるよ」

やよい「えへっ!じゃあ、のこりもがんばって作っちゃいましょー!」

響「よ〜し、自分も頑張るぞ〜!」


ガチャ…



貴音「……たのもう!」





783 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 22:31:07.67 ID:H3WJl6vJO

響「あ、貴音。はいさ〜い!」

やよい「貴音さん、おはようございまーすっ!」

貴音「おはようございます」

やよい「ひょっとして、貴音さんも手伝ってくれるんですか?」

貴音「いえ、そういうわけではないのですが……」

貴音「………」ギュルル

貴音(と、とても良い匂いが……)

貴音(そういえば、お腹が空きました……)

響「………おーい、貴音?」

貴音「………はっ!」

貴音「危うく、本来の目的を忘れるところでした」

貴音「美希を探しているのですが、来ていませんか?」

やよい「ここには来てませんよー?」

貴音「ふむ……どこへ行ったのでしょう……?」

やよい「美希さん、いないんですか?」

貴音「はい。皆で手分けして探しているところなのですが……」

響「お腹が空いたら戻って来るんじゃないの?」

貴音「………」

貴音「あの……」

貴音「味見役が必要ではありませんか?」

響「………」

やよい「………」

店主「そうだなぁ。じゃああんた……タカネ、だっけ?」

店主「味見してみてもらえるか?」

貴音「是非っ!!」

響「だ、ダメだぞ!」

やよい「ちょっとキケンかなーって」

店主「え?何か問題でもあるのか?」

響「貴音に味見させたら、みんな食べちゃうぞ」

店主「んなアホな……」

貴音「………響、やよい。あなた達はいけずです……」シュン




784 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 22:39:47.29 ID:H3WJl6vJO
飛空艇 エンタープライズ 2号室

千早「………」キョロキョロ

千早「………」

千早「部屋に戻っている様子はないわね……」

千早「やっぱり、飛空艇を降りて行ったのかしら……?」



伊織「……………千早?」



千早「あ……水瀬さん」

千早「おはよう」

伊織「……………おはよ」

千早「………?」

千早「なんだかいつもの元気が無い様に見えるのだけど……」

千早「……大丈夫?」

伊織「あ……!」

伊織「へ、平気よ!」

伊織「……ちょっと、夢見が悪かっただけだから!」

千早「そう……」

千早(水瀬さん、うっすらと涙の跡が残っているのだけど……)

千早(……でも、プライドの高い水瀬さんには、ちょっと言いづらいわね……)



伊織「……千早に心配されるようじゃ、私もまだまだね」ボソッ

伊織「…………よし!」グッ

伊織「で、あんたはこんなところで何してるのよ?」

千早「美希が見当たらなくて、みんなで探しているところなのだけど……」

伊織「ふーん……」

伊織「ま、美希の事だから、どっかその辺で寝てるんじゃないかしら?」

千早「……いくら美希が強いとはいえ、辺りは魔物だらけだから心配だわ」

伊織「………」

伊織「ほんっと世話が焼けるわね、あの自由人は……」

伊織「……仕方ないから、私も手伝ってあげるわ」

千早「ありがとう、水瀬さん」

千早「それじゃ、他の部屋も見てみましょう」

伊織「言っとくけど、私がいた部屋にはいなかったからね?」

千早「ええ」



785 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 22:51:29.49 ID:H3WJl6vJO
飛空艇 フタミ号 船室

P「………」

P「………う〜ん……」ムニャ

P「んん………」モゾモゾ

P「なんか……重い……」



「ハニー!朝だよ!早く起きるの!」ユサユサ



P「ん〜……」

P「あと5分……」



「も〜、ハニーはねぼすけさんなの」

「せっかく久しぶりに会えたのにぃ!」プクー



P「ごめんな、美希………まだちょっと眠い……」

P「……………ん?」




P「………み、美希!?」ガバッ




美希「あはっ☆やっと起きたの」

P「な、なんでここに……?」

美希「ん〜とね、朝起きたら、近くにハニーの気配がしたから、飛んで来たの!」

美希「おはよう、ハニー!」ダキッ

P「あ、ああ、おはよう……」

P「あれ?美希がいるって事は……」

P「向こうにみんないるのか?」

美希「うん」

美希「………真クン以外はね」

P「そうか……」

P(真………必ず迎えに行くからな……!)



P「とりあえず、みんなのところへ行こうか」

美希「えー………あと少しだけ、このままでいたいの」ギュッ

P「み、美希、ダメだ!こんなところを誰かに見つかったら……」


ガチャ…


亜美「兄ちゃん、おは〜!」

真美「朝だよ〜ん!」



786 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 22:57:13.36 ID:H3WJl6vJO

真美「…………え!?」

真美「に、兄ちゃん、ミキミキ……!」

亜美「な〜んで朝っぱらからミキミキとラヴシーンやってるのさ〜!」

亜美「亜美達とは一緒に寝てくれなかったクセにぃ〜!」

真美「兄ちゃん……真美達とは寝てくれなかったクセに、ミキミキとは一緒に寝たんだね……」

真美(やば……真美、イヤな子になっちゃう……)

真美(でもでも……)

真美(…………かなしいよ、イヤな気持ちが止まんないよ、兄ちゃん……!)



P「あ……亜美、真美!」

P「べ、別に一夜を共に過ごしたわけじゃ……」

美希「亜美、真美!おはよ〜なの」



真美「………」

真美「…………亜美」クイッ

亜美「………ま、ちかたないね」

亜美「兄ちゃん、バツを受けてもらうよん?」ニヤリ

P「ちょ、ちょっと待て!話せばわかる!」

亜美「もんど〜むよ〜!」

P「や、やめてぇ〜!」

亜美「……トード!」


…ボンッ!


…ポテッ


P「うぎゃっ!」


美希「ハニーがべろちょろになっちゃった……」

美希「へ〜、亜美の魔法でハニーは変身するんだね〜」

亜美「フッ……また、つまらぬものをカエルにしてしまった……」

真美(兄ちゃんの…………バカっ!!)


787 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 23:07:33.46 ID:H3WJl6vJO
飛空艇 エンタープライズ付近

春香「も〜、美希どこへ行っちゃったのかなぁ……?」キョロキョロ



春香「……あれ?」

春香「あっちに飛空艇が停まってる!」

春香「誰が乗ってるんだろう……?」

タタタタ…




P「……なあ亜美、あとでちゃんと元に戻してくれるんだよな?」

亜美「兄ちゃんがちゃんと反省したら、元に戻してあげるよ?」

P「反省ならちゃんとしてるから……」

真美「すぐに戻したら、バツにならないじゃん」

P「ま、真美……」

P(真美が恐い……)

美希「ハニーも苦労してるんだねー?」

亜美「いや、ミキミキにも非はあると思うんだ、亜美は」

美希「……そうなの?」

真美「………」




春香「あ、美希!やっと見つけた〜!」

春香「……って、亜美と真美までいる!?」

美希「あ、春香。ミキね、ちょっとハニーのとこに行ってたの」

春香「なぁんだ、そうだったんだ」

春香「も〜、みんな心配したんだからね?」

美希「ごめんなさいなの」

亜美「はるるん!いや〜久しぶりだのぅ」

亜美「しばらく見ないうちに、すっかり立派になって……!」

春香「いやいや、ほんの数日ぶりだよね?」

真美「はるるん……」

春香「……あれ?真美、なんだか元気ない?」

真美「そ、そんな事ないよっ!」

春香「それで、プロデューサーさんはどうしたの?」キョロキョロ

亜美「兄ちゃんはただ今絶賛反省中なんだよ〜」スッ

春香「え?またべろちょろになっちゃってるの?」

P「ま、まあ、いろいろあってな……」

P「それより春香。ちょっと話があるから、みんなを集めてくれないか?」

春香「あ、はい。わかりました」

春香(ふふ。……プロデューサーさんがべろちょろの姿でいるの、なんだか懐かしいなぁ……)



788 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 23:13:23.59 ID:H3WJl6vJO
飛空艇 エンタープライズ

P「………というわけで」

P「みんなに集まってもらったわけだが……」




伊織「……あんた、本当にべろちょろになっちゃったのねぇ」

伊織「まったく、ちゃんとやよいの許可は取ったの?」

P「伊織……」

P「ええと、これはその……不可抗力というか……」

貴音「……あなた様、それは世を忍ぶ姿なのですか?」

P「貴音……」

P「いや、別に忍ぶつもりはないんだが、この世界での俺は忍ばざるを得ないというか……」

P「……そもそもそういう問題じゃないんだよ」

律子「……相変わらずその姿なんですね、プロデューサー殿?」

P「いろいろあってな……」



P「…………まあ、なんというか、俺としてはかなり予想外な展開なんだが……」

P「伊織も貴音も、無事合流できて良かった」

P「それに律子も、音無さんの支配から逃れられたみたいだな」

律子「……ええ、貴音のおかげで」




律子「……で、別行動を取っていたプロデューサー達がここにこうしているという事は……」

律子「何か用事があるんですよね?」

P「ああ。ちょっとやよいに渡すものがあってな」

やよい「………へ?」

やよい「わたしに……ですか?」

P「うん」

P「………雪歩、あずささん。例のものを」

雪歩「わかりましたぁ……」

あずさ「は〜い」



…………

……


789 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 23:20:52.12 ID:H3WJl6vJO

やよい「あのー、身につけてみたんですけど……」

やよい「どーでしょーか?」



P「これは……」

P「うん、似合ってるぞ、やよい!」

やよい「ほんとーですか?ありがとうございまーす!」

春香「なんていうか、カラフルになったねぇ、やよい」

響「やよいー、かわいいと思うぞー!」

千早「高槻さんなら、なんでも似合ってしまうわね」

伊織「でも、あのマントはどうかと思うんだけど……」

亜美「王者のマントにケチつけるなんて、バチ当たりだよいおり〜ん!」

伊織「王者?」

亜美「そうそう!」

亜美「このマントには、黒ぴょんのアツきタマシイが込められているのだよ!」

伊織「そんなの知らないわよ」

伊織「黒はやよいにあまり似合わないわ。やっぱりやよいには原色系の色が云々かんぬん……」

真美「うあうあ〜!いおりんがやよいっちについて語り出したよ〜」

亜美「こ〜なると長いですからな〜」

あずさ「伊織ちゃん、やよいちゃんの事良く見てるものね〜。さすがだわ〜」

雪歩(あの黒いマント、真ちゃんが身につけたらどうなるかな……?)

雪歩(……結構アリだと思うんだけどな……)



やよい(……たしかに、社長や黒井社長、ジュピターさんたちのぬくもりを感じられるかなーって)

やよい(えへっ……ちょっとうれしいかもです)ギュッ


790 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 23:29:32.74 ID:H3WJl6vJO

貴音「ふむ……わたくしも、ぴんくの宝石なら持っているのですが……」

貴音「やよいに差し上げた方が良いのでしょうか?」スッ


キラーン!


響「わあ……キレイだなー!」

響「貴音、これどうしたんだ?」

貴音「月で、ぷりんの魔物を倒した時に見つけました」

響「へー……」

響「月には、こんなに硬いプリンの魔物がいるのかー」コンコン

貴音「いえ、硬いのは尻尾の部分だけのようです」

響「ん?じゃあ、これは……」

貴音「ええ。ぷりんの尻尾、だと教わりました」

亜美「!!」

亜美「お、お、お姫ちん……今、なんて……?」

貴音「ええ、ですから、ぷりんの尻尾だと……」

亜美「な、なんだって〜っ!!?」

亜美「こ、こりゃ〜一大事だ!」

亜美「真美っ!」

真美「う、うんっ!」

真美「……ねえ、お姫ちん?」

真美「そのしっぽ……ゆずってくれないかなぁ?」

貴音「これを……?」

真美「うん、お願いだよ〜!それ、チョーゼツゲキレアアイテムなんだよ〜!」

貴音「………真美。しかしこれは、わたくしの友との友情の証でして……」

真美「そこをなんとか、ゴショ〜だからさっ!」

貴音「ふむ………」

真美「ええい!二十郎のラーメン、一ヶ月おごったげるっ!」

真美(……兄ちゃんが)

貴音「乗った!」

響「貴音ぇ……それでいいのか……」

真美「コウショウセイリツだねっ!」

亜美「まさか、『ピンクのしっぽ』を持ってるとは……」

亜美「さすがはお姫ちん、あなどれませんな〜」

亜美「ね、兄ちゃん?」

P「うん。貴音はすごい幸運の持ち主だな!」

貴音「そう、なのですか?」

貴音(わたくしは一度命を落としているのですが、それでも幸運だといえるのでしょうか……?)

貴音(……まさか、それで差し引きぜろだとでも……?)

貴音(れああいてむ、とやらと引き換えの命……冗談にしても、笑えません……)


791 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 23:36:25.80 ID:H3WJl6vJO

P「………そうだ、やよい」

やよい「はい?なんですか、プロデューサー?」

P「黒井社長の力を借りるに当たって、ひとつ条件を出されたんだが……」

やよい「じょうけん……?」

P「ああ……」




P「最終決戦………」

P「つまり、やよい達が音無さんと戦う時には必ず、黒井社長を呼び出す事」

P「これが、黒井社長の出した条件だ」




やよい「えっと……?」

やよい「小鳥さんと、たたかうんですか……?」

律子「………」

律子「小鳥さんに会ったら、やよいは黒井社長を呼べばいいのよ」

やよい「あ、はい!わかりましたー!」

P「………」




P「律子……」

律子「ええ」

律子「まだみんな、実感が湧かないんじゃないでしょうか?」

律子「本当に、小鳥さんと戦う事になるなんて……」

P「そう、だな……」

P(俺だって、まだよくわからないもんな)



792 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/04(日) 23:45:01.31 ID:H3WJl6vJO

P「なあ、春香」

P「春香達は、これから封印の洞窟へ行くんだな?」

春香「はい、そうですよ!」

春香「頑張って、クリスタルを取りに行ってきます!」

P「うん。気をつけてな」



P「千早……」

千早「……はい、なんですか?」

P「………」

P「律子の支配は、もう解けたんだよな?」

千早「ええ。ずいぶん前に」

千早「それがどうかしましたか?」

P「いや………すまん。変な事聞いて」

P(律子はもう、音無さんの支配から逃れた)

P(なら、心配ない……よな?)

千早「………?」






P「……それじゃあ、俺達はそろそろ行くから」

P「みんな、また会おう!」

律子「プロデューサー、次は待ち合わせ場所を決めておいた方がいいんじゃないですか?」

P「……それもそうだな」

P「じゃあ……」




P「………ミシディアで、待ち合わせよう」



春香「プロデューサーさん、ミシディアってあの、長老さんのところですか?」

P「ああ」

春香「……わかりました」

春香「私達は、クリスタルを手に入れたら、一度ミシディアへ行きます」

P「待ってるからな!」



793 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/05(月) 00:00:26.67 ID:2evYEQKnO
飛空艇 フタミ号

亜美「ねえ兄ちゃん。先にマコちんを助けに行くの?」

P「いや……」

P「真には悪いが、先にしっぽを交換しに行こう」

雪歩(……えっ?)

雪歩(真ちゃんより、しっぽ優先……?)

亜美「りょ〜かい!じゃあ、地上に戻るんだね?」

P「うん。頼む」

P「………あれ、真美は?」キョロキョロ

亜美「あ〜、我が姉なら、どこかでたそがれてるんじゃないかねぇ?」

亜美「兄ちゃん。人間に戻してあげたんだから、真美の事、元気付けてあげてよ」

P「……わかった。探してくるよ」

スタスタ…





794 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/05(月) 00:03:49.12 ID:2evYEQKnO

真美(はぁ〜あ……)

真美(結局、兄ちゃんはミキミキと一晩中一緒にいたわけじゃなくて、朝、ミキミキが来ただけらしいし……)

真美(真美、勝手に勘違いしてひとりで怒って……)

真美(こんな子供じゃ、兄ちゃんに女の子として見てもらえないのもと〜ぜんだよね……)

真美(ミキミキにも、イヤな態度とっちゃったかなぁ……)

真美(ま〜、ミキミキはそんな事気にしてなさそうだけど……)

真美「………」ショボーン



P「真美……なんだか元気ないけど、どうかしたのか?」

真美「あ、兄ちゃん……」

P「……今朝の事、まだ怒っているのか?」

真美「ううん……」

真美「今朝の事は、真美の方こそごめんね?」

真美「真美、いつまでたっても子供で、兄ちゃんを困らせてばっかりで……」

P「真美……」

P「真美は、もう子供じゃないと思うぞ?」

真美「え……?」

P「今朝の事は、勘違いされても仕方ない状況だったし、それに……」

P「そうやって自分の悪いところを見つめるのはな、人が成長するためには、とても大切な事なんだ」

真美「………」

P「真美は、今まさに成長している途中なんだなぁ」ナデナデ

真美「あっ……」

真美(兄ちゃんの手が、真美の頭をナデナデしてる……)

真美(えへへ、これ、好きなんだよね〜)

P「だから、もっとたくさん悩めばいい」

P「その分だけ、きっと真美は大人に近づけるはずだから」

真美「兄ちゃん……」

真美「あ、ありがと……///」

真美「……ん〜でも、悩んでばっかなのもなんかやだな〜」

P「心配するな。俺で良かったら、いつでも相談に乗るからさ」

真美「………うんっ」

真美「約束だかんねっ?」

P「……ああ!」



795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/06(火) 03:16:36.30 ID:dkRBYA3lo
しっぽとかあったなー
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/07(水) 15:31:21.30 ID:ot/7P2eDO
FFはやっぱ面白いな
そんな私は10のチョコボで苦戦してます
797 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:09:02.43 ID:w4pLhUvuO
シルフの洞窟 シルフの家

グラグラ…


ガッシャーン!


真「うわあっ!」



シルフ「マコトさ〜ん、あまりバリケードをいじらないでくださいね〜?」

シルフ「バリケードが無くなったら、この家は魔物に押し入られてしまうんですから〜」

真「そ、そうなんだ……」

真「……それにしても」

真「このバリケード、全部シルフ一人で積み上げたの?」

シルフ「はい。この家には私しかいないですし……」

真「はー……」

真「そんな小さな身体で、すごいなぁ……!」

シルフ「えへへ!それほどでもありますけどっ!」

真「でもさ、シルフはどうやって出入りしてるの?こんなにガッチリ組まれてたら、スキマなんか……」

シルフ「ちゃんとありますよ?私だけが通れる穴が」

真「あ、そうなんだ」

真「………あれ?」

真「シルフしか通れない穴って事は……ボクはどうやってこの家に入ったの?」

シルフ「それは、企業秘密ですよ?」

真「あ、そう……」

真(………ひょっとしてあの、身体が小さくなる魔法を使ったのかな?)



真「………さっきさ、この家にはシルフしかいないって言ってたけど……」

真「家族とかは、いないの?」

シルフ「あ………」

シルフ「………」シュン


798 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:12:53.40 ID:w4pLhUvuO

真「あ……」

真「ご、ごめん!聞いちゃいけない事だったかな?」

シルフ「…………いえ、いいんです。気にしないでください」

シルフ「ひとりぼっちは………慣れてますから」ニコッ

真「シルフ……」

真(ずっと、ひとりぼっちだったのかな……?)

真(なんか、かわいそうだな……)



シルフ「………」じーっ

真「どうしたの?そんなに見つめて」

シルフ「マコトさんは、人間、なんですよね?」

真「うん。そうだよ」

シルフ「………人間のお仲間がいらっしゃるんですよね?」

真「うん!」

真「へへ、ボクの仲間達、シルフに会わせてあげたいなぁ!」

真「きっと仲良くやれると思うんだ!」

シルフ「マコトさん……」

シルフ「マコトさんは、優しいんですね〜」

真「そうかな?」

シルフ「………」



シルフ「マコトさん。少し、私の事をお話してもいいですか?」

真「………うん。話してよ、シルフの事」




799 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:14:49.85 ID:w4pLhUvuO

シルフ「マコトさん。私は『幻獣』だって言ったじゃないですか?」

真「うん。妖精のようなもの……だっけ?」

シルフ「実は、私は……『エルフ』という種族の妖精なんです」

真「ん?本当に妖精って事?」

シルフ「はい。ややこしい言い方をしてしまってすみません」

真「気にしないよ」

真(あれ?でも、エルフってどこかで聞いたような……)

シルフ「私達エルフは……」

シルフ「人間に滅ぼされたようなものなんです」

真「ええっ!?」

シルフ「あ、とは言っても、別にマコトさんの事を悪く言うつもりはないので……」

シルフ「勘違いしないでくださいね?」

真「シルフ……」

シルフ「どうやって滅ぼされたのかは……面白いお話ではないので、割愛しますね?」

真「うん………」

シルフ「人間に迫害されて、残りわずかになってしまった私達は、幻獣の方々に助けを求めました」

シルフ「この洞窟から少し南へ行くと、幻獣達が住む幻獣界へ通じている洞窟があるんですけど……」

シルフ「私達は、その幻獣界にしばらく身を隠す事にしました」

真「………」

シルフ「幻獣の方は、私達エルフを匿う代わりに、私達も幻獣として生きるように言いました」

シルフ「まあ、私達エルフはもうすでに絶滅寸前でしたので、その事に反対する人はいませんでした」

シルフ「でも……」

シルフ「幻獣達は………そのうち、人間と交流を持つようになりました……」

真「……!」

シルフ「その人間というのが、前にマコトさんに言った『召喚士』です」

シルフ「人間という種族は、数も多く力も1番持っていたので、幻獣達は人間に守ってもらおうと思ったんでしょうかね〜……」

シルフ「幻獣達と人間の召喚士は契約を交わして、そのうち、幻獣界にも人間が出入りするようになりました」

真「………」

シルフ「………そうなったらもう、私達エルフの居場所なんて、そこには無いようなものです」

シルフ「私達を絶滅寸前まで追いやった人間と一緒には、いられませんから」

シルフ「まあ、その召喚士の方が私達に何かをしたわけじゃないんですけどね……」

真「………」

シルフ「私達は、新しい住処を探して彷徨いました」

シルフ「旅を続けるうちに、仲間がひとり減り、ふたり減り……」




シルフ「…………気づいたら、私だけになっていたんです」



800 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:17:57.69 ID:w4pLhUvuO

シルフ「それから私は……逃げて、逃げて、必死に逃げて……」

シルフ「自分でもどうやってここまで来たのかは覚えていないんですけど……」

シルフ「……いつの間にか、ここに家をこさえてたんです」

真「………」



シルフ「えへっ……つまらない話をしてしまってすみませんでした」ニコッ

シルフ「こんな話、聞いても面白くないですよね?」

シルフ「……でも、マコトさんには、私の事を知ってもらいたくて……」

真「………」

シルフ「………」

真「………」

シルフ「……あの、マコトさん?」



真「…………シルフは、強いんだね」

シルフ「え……?私が、強い……?」

真「うん。だってさ、そんなに辛い目に合ったのに、ひとりでも頑張って生きてる。尊敬するよ!」

真「ボクだったら、気持ちが折れちゃってるかもなぁ」

真「きっとシルフの仲間達も、天国で安心してるんじゃないかな?」

真「強くなったシルフを見てさ」

シルフ「ま、マコト……さんっ……!」ウルッ

シルフ「わだじ……わだじっ……ヒック」ポロポロ

真「ご、ごめん!泣かせるつもりじゃなかったんだけど……」

シルフ「えぐっ……うわああぁぁぁあん!」ポロポロ

真「………」ダキッ

真「さみしかったんだね……」ナデナデ

真「……旦那さんにはなれないけどさ」

真「ボク、シルフの友達になりたいな」

シルフ「!」

シルフ「ま、マゴドざんっ……!」ポロポロ

シルフ「ううっ……グスッ……あ、ありがどうございまず〜!」ギュッ

真「へへ……」ナデナデ

真(もしボクに妹がいたら、こんな感じなのかなぁ……?)



801 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:27:13.11 ID:w4pLhUvuO

シルフ「ふぅ……」

真「……落ち着いた?」

シルフ「は、はい。すみません、みっともないところを見せてしまって……」

真「ううん……」

真「でもさ、ちょっと不思議に思ったんだけど、なんでボクは平気なの?ボクだって人間だよ?」

シルフ「………」

シルフ「マコトさんはなんだか、オーラが違うというか……」

シルフ「私、マコトさんを見つけた時に、ピンと来たんです」

シルフ「ああ、この人なんだな。私はこの人について行く事にしようって」

シルフ(本当は、ただの一目惚れですけど……)

真「そっか」



シルフ「はぁーあ……」

シルフ「本当に……マコトさんが召喚士だったら良かったのに……」

真「あ、その事なんだけどさ。幻獣に、おじいちゃんっている?」

シルフ「おじいちゃん……」

シルフ「あ、ひょっとしてラムウおじいちゃんの事ですかね〜?」

真「らむ……う?」

真(やよい、確か『らむさん』って言ってたよね……?)

真(これはビンゴかもしれないな)

真「シルフ。ボクの仲間に、召喚士がいるかもしれない」

シルフ「え……?ほ、本当ですかっ!?」

真「たぶんね」

シルフ「じゃあ、これでマコトさんとずっと一緒にいられます!」ギュッ

真「あ、うん……」

真(ずっと一緒ってわけには、いかないけど……しばらくは、この子にさみしい思いをさせないで済むかも)

真(プロデューサーは、亜美と真美を助けてくれた)

真(だから、きっとボクの事も……)

シルフ「……マコトさん?どうかしたんですか?」

真「うん……」

真「そのうち、ボクの仲間達がここへ、ボクを迎えに来ると思う」

シルフ「あ……」

真「………そしたらシルフ、君も一緒に行こう!」

シルフ「ま、マコトさん!」

シルフ「……という事は、それまでは夫婦水入らずですねっ!?」

真「あ、いや……だからそれは……」

シルフ「嬉しいです〜!」ギュッ

真(やれやれだよ……)




802 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:33:28.11 ID:w4pLhUvuO
封印の洞窟 入口

律子「……それじゃああなた達、よろしく頼むわね」

春香「はい!」

千早「やれるだけやってみるわ」

やよい「がんばりまーすっ!」

伊織「……まあ、このスーパー忍者アイドル伊織ちゃんにかかれば、こんなの楽勝よ!」

美希「あはっ☆じゃあミキは、ハイパーキラキラアイドルなの!」

伊織「ちょっと!なに真似してんのよ、美希!」

美希「ぶー、デコちゃんはケチなの」

春香「まあまあ……」

律子「伊織、美希、洞窟の中でケンカなんかするんじゃないわよ?」

律子「命にかかわるんだからね?」

伊織「わ、わかってるわよ!」

美希「ケンカしてるつもりなんて、さらさら無いなの」

響「ホントは自分もみんなと一緒に行きたかったんだけどなー」

響「エン太郎に何かされるのは嫌だから、貴音と律子と一緒にみんなを待ってるぞ」

貴音「……皆、どうかお気をつけて」







春香「……それじゃ、行ってきまーす!」


スタスタ…






803 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:38:14.75 ID:w4pLhUvuO
封印の洞窟 B1F

小鳥(……みんな、段取りは覚えてくれた?)

ルナザウルス「自分達はここで待ち伏せして……」

ルナザウルス「あの子達がクリスタルを取って来たら……」

白龍「出て来たところを奪う、という事ですね」

小鳥(そうよ)

小鳥(これで、ようやくクリスタルが全て揃うのねぇ……感慨深いわぁ……)

ルナザウルス「でもコトリ様。ひとりだけ、めちゃくちゃ強いコがいるんス」

小鳥(強い子……?)

ルナザウルス「あの金髪の娘なんスけど……」

小鳥(金髪……美希ちゃんの事ね)

ルナザウルス「自分とプーちゃん、前回はそいつにボコボコにやられたッス……」

白龍「2人がかりでやられるとは……」

白龍「なかなかの娘なのですね。是非、戦ってみたい」

小鳥(まあ、みんな強くなる可能性は秘めているけど……)

小鳥(大丈夫、心配しないで)

小鳥(クリスタルを奪うっていっても、直接戦わなくても済む方法を考えているから)

ルナザウルス「それを聞いてホッとしたッス」

白龍「私は、戦って奪うのも良いかと思いますが」

小鳥(まあまあ。今はまだ決着を付ける時じゃないわ)

小鳥(メインディッシュは、最後に取っておくものよ?)

小鳥(バブイルの塔のクリスタルを守るために留守番してくれている蛇君とプレイグ君のためにも、2人とも、頼むわね!)

ルナザウルス「了解ッス!」

白龍「……御意」



ルナザウルス「……そういえばハクさん」

ルナザウルス「『地上』の方は、もう終わったッスか?」

白龍「侮ってもらっては困りますね、ルナ。人間共がいくら束になろうと、私に……いえ」

白龍「コトリ様から力を授かった私の敵に、なり得るはずがありません」

白龍(……しかし、ひとつだけ落ちていない国がありましたか……)

白龍(あいどる………いずれ、決着を付ける時が来るでしょう)


804 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:41:25.68 ID:w4pLhUvuO

ルナザウルス「ひゃあ〜……さすがはハクさん。頼りになるッス!」

白龍「地上の方は、私とプレイグで少々痛めつけました」

白龍「地底の方は、どうなのです?」

ルナザウルス「そ、それが、まだ……」

白龍「………はぁ」

白龍「まったく、あなた達ときたら……」

白龍「楽して仕事を終わらせる事ばかり考えているから、いつまでも仕事がはかどらないのですよ?」

ルナザウルス「た、タイちゃんと一緒にしないで欲しいッス!」

白龍「……まあ、クリスタルが集まれば、この星での仕事は終了です」

白龍「……この星の人間共の運命も、ね」

ルナザウルス「カッコいいッス!自分も、そういう決め台詞をバシッと言ってみたいッス!」





「………はわわ、このどうくつ、けっこう暗いんですねー」

「ホントだね。一応、うっすらと周りは見えるけど……ちょっと灯りが欲しいかな」

「みんな、足元気をつけて。……特に春香」

「う、うん。転ばないように気をつける」

「ねえデコちゃん、火の魔法使えないの?」

「この洞窟、暗い上になんだか寒いの」ブルッ

「……魔法じゃなくて忍術!それと、デコちゃん言うなっ!」






ルナザウルス「……来たみたいッスね」

白龍「ええ。せいぜい私達の………いえ」

白龍「コトリ様のために、働いてもらうとしましょうか」



805 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:45:29.24 ID:w4pLhUvuO
封印の洞窟 B1F 封印の扉

春香「この扉が入口、だよね……?」

春香「うーんっ……!」グッ

春香「………開かないや」



『封印を解く鍵を掲げよ……』

『さすれば、暗き水晶への道は開かれん……』



やよい「はわっ!だ、だれでしょーか?」キョロキョロ

千早「……ずいぶん凝った演出ね」

春香「暗き水晶……って、クリスタルの事かな?」

千早「そうだと思うわ。つまり……」

伊織「やっとその首飾りの出番ってわけね」メラメラ

美希「うー……デコちゃんの出した火、あったかいのー……」

伊織「ちょっと美希。私の火遁は焚き火じゃないんだからね?」

やよい「でも伊織ちゃん、このどうくつ、なんだかさむいから仕方ないかなーって」

伊織「………」

伊織「やよいがそう言うなら、別にいいけど……」

美希「む〜……デコちゃん、やよいにばっかり優しいの」

美希「ミキに対しても、もうちょっと優しくしてもいいって思うな!」

伊織「はいはい、悪かったわよ」

伊織「……ホラ、あっためてあげるから、もっとこっち来なさいよ」

美希「なんだか投げやりな感じもするけど、まあ許してあげるの」ギュッ

伊織「ちょ、ちょっと!そんなにくっついたら危ないじゃない!」ヨロッ

やよい「あっ、美希さんいいなー」

やよい「わたしもーっ!」ギュッ

伊織「や、やよいまで……!」



806 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:48:05.94 ID:w4pLhUvuO

千早「………あの、3人とも」

春香「そろそろ、扉開けてもいいかな?」

伊織「………あ」

伊織「コホン……」

伊織「待たせたわね。さっさとやっちゃって」

千早「じゃあ……春香」

春香「うん」スッ

春香「………」ジャラッ

春香「お願いします。封印、解けちゃってくださいっ!」ギュッ



…パァァァァ!



やよい「はわわ!まぶしいですっ!」

美希「目を開けていられないの!」



…カチッ



春香「あ……」

春香「明るくなった……?」キョロキョロ

千早「さっきまでの薄暗さが嘘みたい……」

伊織「封印が解けたから、洞窟の闇も晴れたってところかしら……?」

伊織「……だったら、もう灯りはいらないわよね」フッ

美希「あ……」

やよい「たきびが、消えちゃいましたー」

伊織「………」



春香「扉は……」グイッ


ギィ…


千早「開いたわね」



春香「………さあ」

春香「行こう。みんな!」



4人「………」コクリ






807 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 22:57:32.50 ID:w4pLhUvuO
地上世界 アダマン島の洞窟

あずさ「なんだか不気味なところね〜」

雪歩(恐い……)

亜美「まあ、洞窟なんてみんなこんなモンっしょ〜」

P「みんな、足元に気をつけるんだぞ」

真美「………おや?」チラ




しっぽ娘「………」じーっ




真美「誰かいますな〜」

亜美「そのようですな〜」

あずさ「あら、あの子……なんだか変わった格好をしてるわね〜」

雪歩「コスプレ……とかでしょうか?」

P「そうだな。動物の耳としっぽを付けてるな……」

亜美「いや、あれはまぼろしのハンジュージンってやつかも……」

真美「夢が広がりますな〜」

P「……半獣人なんてキャラ、FF4に出て来ないだろ……」




しっぽ娘「………」じーっ




真美「うーん、話しかけてくる気配はないね」

亜美「よし!ここは、亜美におまかせだよっ!」



亜美「………チィーッス!」

しっぽ娘「!」

亜美「ここに、しっぽを集めてるオジサンがいるはずなんだけど、知らない?」

しっぽ娘「………」

真美「……反応なし?」

あずさ「無口な子なのかしら?」



しっぽ娘「…………わん」



亜美「え?」

真美「ひょっとして、犬のつもり……かなぁ?」

雪歩「い、犬……?」

しっぽ娘「………」コクリ

あずさ「あらあら、お犬さんの格好だったのね〜?」

亜美「よーし、それなら……」

808 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 23:00:22.88 ID:w4pLhUvuO

亜美「……おちゃ!」

しっぽ娘「……わん?」

亜美「たい!」

しっぽ娘「……わん」

亜美「東京?」

しっぽ娘「……わん」

亜美「おお〜!さすがわんちゃん、わかってるね〜?」

P「亜美のやつ、完璧に遊んでるな……」



亜美「あなたは私のオンリー?」

しっぽ娘「……わん」

亜美「亜美はこの世でナンバー?」

しっぽ娘「……わん」

P「……こらこら亜美。話が進まないからその辺にしなさい」

亜美「あちゃー……兄ちゃんにはやっぱり、かな」

しっぽ娘「……わん」

真美「……ええかげんにせいっ!」スパーン

亜美「…………と、ここまでが、マンザイの典型的な流れなんだよ?」

しっぽ娘「??」



あずさ「うふふ。亜美ちゃん、もうあの子と仲良しなのね〜」

雪歩「完全に亜美ちゃんのペースですね……」

亜美「いや〜、ちゃんとマンザイが成立するなんて、亜美達、意外と相性いいのかもね〜?」

真美「でも、なんで犬のマネしてんのかね〜?」

しっぽ娘「………犬は人間の言葉、話さないって、お父さんに言われた」

雪歩(あ、普通にしゃべるんだね……)

亜美「あー……」

真美「……うん。なんとなく、事情が理解できたかも」

P「この子の父親は、しっぽを集めて自分の娘にコスプレさせてたのか……?」

雪歩(こういう犬なら、恐くないのにな……)

亜美「……で、わんちゃんのパパはどこにいるの?」

しっぽ娘「………わん」クルッ

スタスタ…



真美「あり?行っちゃった……」

あずさ「もしかして、『ついて来て』って事じゃないかしら?」

亜美「そっか。あの子の中では、犬の言葉しかしゃべっちゃいけない設定なんだっけ」

P「とりあえず、あの子の後をついて行こう」

スタスタ…


809 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 23:02:34.61 ID:w4pLhUvuO

しっぽ親父「………こんな辺鄙な洞窟へわざわざ訪ねて来る人たちがいるとは、あなた方も物好きですねえ」

しっぽ娘「………」

しっぽ親父「私に何か用ですかな?」



亜美「んっふっふ〜!」

亜美「じゃじゃーんっ!」スッ

しっぽ親父「そ、それは……ネズミのしっぽ!」

しっぽ親父「き、君、これをどこで手に入れた?」

しっぽ親父「いや、そんな事はどうでもいい」

しっぽ親父「そのネズミのしっぽ、譲ってくれないかね?」

亜美「え〜、タダで〜?」

しっぽ親父「もちろんタダとは言わない」

しっぽ親父「この洞窟でしか採れない貴重な鉱石『アダマンタイト』と交換だ!」

真美「やった!」

しっぽ親父「ええと……」ゴソゴソ

しっぽ親父「……ほら、どうぞ」スッ

亜美「あんがと、おっちゃん!」



雪歩「あのしっぽは、この石と交換するのが目的だったんだね……」

真美「そうだよ。この石は、チョー強力な武器を作るのに必要なんだよ!」

雪歩「へえ、そうなんだ……」

雪歩(武器、かあ……。私には関係ない話だね……)

あずさ「あら?でも確か、もうひとつしっぽがあるのよね?」

真美「そうだよ!」

亜美「よ〜し、第2弾といきますか!」



810 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 23:05:46.78 ID:w4pLhUvuO

亜美「おっちゃん。実は、もうひとつしっぽがあるんだけど……」

しっぽ親父「そうなのかい?でも、私はもう大抵のしっぽは集めたからなぁ……」

しっぽ親父「相当の品じゃないと、私は満足しないよ?」

亜美「そっかぁ……」

亜美「………じゃあ、この『ピンクのしっぽ』も、もう持ってるんだね」スッ

亜美「ザンネンだなぁ……」チラ

しっぽ親父「なん……だと……!?」

しっぽ娘「きれい……!」

しっぽ親父「そんな……!まさか、実在したのか……!?」ワナワナ

しっぽ親父「しっぽの王様、いや、女王、『クィーン・オブ・テール』の異名を持つ、ピンクのしっぽが!」

P(そんな異名があったのか……)

しっぽ親父「君、是非交換してくれないか?もちろんこちらも、自慢の品を差し出そう!」

亜美「んっふっふ〜!亜美、相当の品じゃないと、マンゾクしないかんね?」

しっぽ親父「も、もちろん!ちょっと待っていておくれ!」

スタスタ…



亜美「こりゃあ、お姫ちんに感謝だね!」

真美「うんうん!」

しっぽ娘「………」じーっ

亜美「どったの……?」

しっぽ娘「しっぽ……きれい……」

真美「あー、わんちゃん、ピンクのしっぽを気に入ったんだね」

雪歩「この子なら、似合いそうだよ」

あずさ「そうねえ……亜美ちゃん、ちょっと付けてあげたらどう?」

亜美「そうだね!じゃあわんちゃん、ちょっとおしりこっちに向けて?」

しっぽ娘「………///」スッ

亜美「じゃあ、付けるよ〜」

亜美「よいしょ……」ゴソゴソ

しっぽ娘「……く、くすぐったい……///」モゾモゾ

亜美「………よし、おっけ〜!」

しっぽ娘「………」クルッ

しっぽ娘「………しっぽ、きれい……」ニコッ

あずさ「うふふ。気に入ってくれたみたいね〜?」

雪歩「はぅ……ちょっと可愛いかも……///」



811 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 23:11:46.72 ID:w4pLhUvuO

しっぽ親父「……お待たせ!これと交換でどうだい?」スッ

しっぽ親父「世界最高の硬度を誇る『アダマンタイト』をふんだんに使って作った、その名も『アダマンアーマー』だ!」

P(おお、アダマンアーマー……!)

P(実際のゲームでも見た事なかったぞ)

亜美「うん、いいよ!」

しっぽ親父「よし!交渉成立だね」

しっぽ親父「……では、ピンクのしっぽを」

亜美「あ、それなら……」クイッ

しっぽ娘「………」ウットリ

しっぽ親父「おお、もう付けていたのか」

しっぽ親父「さすが我が娘、あのしっぽの価値を理解してるみたいだなぁ」




P「……………で、アダマンアーマーを手に入れたはいいが……」

P「いったい誰が着るんだ?」

あずさ「私は、遠慮しておきますね〜」

あずさ「なんだか動きづらそうだし……」

雪歩「わ、私も……」

亜美・真美「んっふっふ〜!」

亜美「この中でアダマンアーマーを着れるのは……」

真美「ゆきぴょん、君しかいないんだよ!」ビシッ

雪歩「え?ええっ!?」

P「確かに、雪歩以外はみんな魔道士だもんな……」

亜美(真美、計画通りだね!)

真美(もちろん!これぞ、亜美と真美、2人で考えた……)

亜美・真美(『萩原雪歩、改造計画』第1弾!)

P「せっかく手に入れたのに、使わないんじゃもったいないよな……」

雪歩「うぅ……」

亜美「ゆきぴょん!」

真美「ゆきぴょん、さあ!」

あずさ「も、もしかしたら、意外と似合うかもしれないわよ〜?」

雪歩「こんな鎧、似合いたくないですぅ……」

P「雪歩……これは、雪歩の為でもあるんだ」

雪歩「わ、私の……ため……ですか?」

P「ああ。この鎧を着る事で、雪歩の命を守る事にもつながるんだ」

雪歩「………」

雪歩「わ、わかりましたっ……」

雪歩「プロデューサーがそう言うなら……」



812 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 23:14:36.44 ID:w4pLhUvuO

雪歩「……ど、どう、ですか?」ガシャ



あずさ「え、ええと……」オロオロ

亜美「……」

真美「……」

P「……」

雪歩「な、何か言ってくださいぃ……」ガシャン

亜美「……つ、強そう?」

真美「う、うん!すっごく強そうだよ、ゆきぴょん!」

あずさ「た、確かに、強そうね〜」

雪歩「う、嬉しくないですぅ……」ガシャン

雪歩「こ、こんな強そうな私なんて……」ガシャッ

雪歩「穴掘って、埋まってますぅ〜!」チャキッ

ザクザクザクザクザク…


3人「」

P(雪歩………頑張れ)


813 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/08(木) 23:18:14.44 ID:w4pLhUvuO

しっぽ親父「……いやあ、実に充実した時間だったよ!」

しっぽ親父「また何かしっぽを見つけたら、ぜひ訪ねてくれ!」

亜美「ん〜、もう来る事はないと思うけどね〜?」

しっぽ娘「………」ギュッ

亜美「……ん?どったの、わんちゃん?」

しっぽ娘「……さよなら?」

亜美「わんちゃん……」

亜美「よせよ……おいらにほれると、ヤケドするぜ……?」

亜美「わんちゃんの気持ちは、うれしい。でも……」

亜美「……亜美には、兄ちゃんという心に決めた人があああっ!」

しっぽ娘「また一緒にまんざい、やる……」ニコッ

亜美「………って漫才目的かーいっ!」ビシッ

しっぽ娘「あうっ!」



真美「んっふっふ〜!亜美、すっかり懐かれちゃったみたいだね〜?」

雪歩「亜美ちゃん楽しそう……」ガシャン

あずさ「亜美ちゃん、本当に誰とでもすぐに仲良くなってしまいますね〜」

P「そうですね……」

P(やっぱり、天真爛漫で他人を巻き込んで楽しくしてしまうのが、亜美のいいところだよな……)



亜美「ねえ、わんちゃん」

亜美「亜美、ウソはつきたくないからしょーじきに言うよ?」

しっぽ娘「………」コクン

亜美「亜美達はね、大切な用事があるから、もうここには来れないかもしれないんだよ」

しっぽ娘「!」

亜美「………もし、さみしくなったらさ」

亜美「亜美のツッコミを思い出してよ!」

亜美「亜美のツッコミは……いつだってわんちゃんのそばにいるかんね?」

しっぽ娘「………!」

しっぽ娘「………」コクリ

真美「……なんか、カンドー的なのかマヌケなのかわからないね〜」

P「はは、亜美らしいじゃないか」




亜美「じゃあね〜!わんちゃ〜ん!」

真美「ばいば〜い!」

あずさ「お邪魔しました〜」

雪歩「さ、さようなら〜……」ガシャンガシャン

雪歩(うぅ……歩きにくいよぉ……)



814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/09(金) 02:56:05.93 ID:q9OH3Ahdo
アダマン装備とかあったっけ…
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/09(金) 21:56:03.45 ID:20KacfKDO
俺もあったっけ?とか思った…
816 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/01/11(日) 16:58:11.06 ID:noDcgjvzO
>>814-815
ゲームだと、ピンクのしっぽを持ってアダマン島のおっさんに会いに行くと、アダマンアーマーと交換してくれるらしいです
らしい、というのは、自分も実際に手に入れた事はないから


ちなみに…
プリンプリンセスがピンクのしっぽを落とす確率は、単純計算でおよそ1/21840……らしいです


817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/11(日) 17:03:42.41 ID:hjCSlr1DO
そう考えたらデマぽく感じるな
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/11(日) 17:09:38.75 ID:hjCSlr1DO
ちょっと調べてみたら
存在はするけどバグが…
実はSFC版・PS版では一度でもこれを装備したことのあるキャラは、どういう訳か炎と氷属性に弱くなってしまうというバグがある。
アダマンアーマーだけではなく、属性耐性を持つ防具全般がそうらしい。
アイスヘルムを装備すると、外した時に冷気が弱点になってしまうらしい。
なのでアダマンアーマーを外す場合、代わりに守りの指輪などの属性耐性のある装備をしないと暗黒魔道士のファイラや魔人兵の火炎放射、レッドドラゴンの熱線などで思わぬ大ダメージを受けてしまうので要注意。
もうひとつ、これもバグなのか攻略本のステータスにはないが、装備すると魔法回避率が99%になる。

DS版にはオニオンソードってのもあるみたいだね
819 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/01/11(日) 21:22:19.60 ID:AptUONNdO
>>818
あ、その記事自分も見ました
ま、この世界のアダマンアーマーは、最強の防具、という事でお願いします
あと、アダマンアーマーはどうやら全キャラ装備可能なようで…
>>811で、魔道士は装備できない、みたいな表現がありましたが忘れて下さい
少し投下します
820 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 21:25:48.41 ID:AptUONNdO
封印の洞窟 B1F

スタスタ…


春香「うーん……なかなか、下に降りる階段が見つからないねぇ……」キョロキョロ

伊織「ここまで分かれ道もなかったし、道を間違えたって事はないわよ。きっと」

やよい「でも、このどーくつには、まものさんはいないんですかねー?」

千早「そうね。ここまで魔物が出てこないと、逆に何かしらの罠がありそうで恐いわ」

やよい「わ、わな……ですか?」

伊織「罠……確かに、千早の言う事も一理あるわ」

伊織「用心して進むわよ!」

春香「そ、そうだね……!」

やよい「は、はい……!」

美希「きっと、この洞窟の魔物はみんなお昼寝してるって思うな……」

美希「……あふぅ」

春香「そんな、美希じゃないんだから……」




春香「…………ん?」ピタ

春香「扉がある……」

伊織「扉があるわね……」

やよい「とびらがありますねー……」

美希「扉があるみたいだけど、ミキはあんまりキョーミ無いの」

千早「ねえ、みんな」

千早「………扉、開けないの?」

春香「い、いやあ……」

春香「千早ちゃんがさっき、『罠があるかも?』とか言うから……」

春香「この扉が罠だったらどうしよう?なんて考えちゃって……」

春香「あ、あはは……」

伊織「バカね。罠だろうとなんだろうと、この扉を開けなきゃ、先へ進めないじゃないの」

春香「そ、それは、そうなんだけど……」

千早「……じゃあ、私が開けましょうか?」

春香「………」

春香「ううん、私が開けるよ」

やよい「は、春香さん、気をつけてくださいね……?」ドキドキ

春香「う、うん……」

スタスタ…


春香(罠じゃありませんように……!)


ガチャ…


821 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 21:31:52.80 ID:AptUONNdO

…ガタンッ!


春香「わああっ!」ビクッ



アサルトドアー「グゲゲ……!」ガタガタ


春香「…………や」

春香「やっぱり罠だったよぉ〜!」


アサルトドアー「グゲゲ……!」


千早「春香!」ダッ

タタタタ…


千早「春香、しっかりして!」ガシッ

春香「だ、大丈夫、ちょっとびっくりしただけだから……」

伊織「のんきに話してるヒマはないわよ!ホラ、戦闘準備なさい!」チャキッ

春香「う、うん!」チャキッ

千早「ええ……!」チャキッ



やよい「えっと、えっと……」オロオロ

美希「あふぅ……やよい、春香達に任せるの……」ムニャ

やよい「で、でも……」



アサルトドアー「グゲゲ……!」



822 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 21:34:24.28 ID:AptUONNdO

伊織「………変ね」

千早「ええ……」

春香「え、何が?」

伊織「襲ってくる気配がないわ」

春香「あ、そういえばそうだねぇ」

春香「魔物とはいえ、無抵抗なのに攻撃するのは、ちょっと気が引けるよねぇ」

千早(無抵抗……)

伊織「まったく、相変わらず甘いわよ、春香」

伊織「相手は何考えてるかわからない魔物なのよ?」

伊織「しかも、この登場の仕方……明らかに罠じゃない!」

春香「そ、そうだ!罠なんだった」

千早(自分からは攻撃しない……罠……か)



伊織「……先手必勝!」ダッ

春香「伊織っ!」


伊織「はああっ!」

伊織「火遁っ!」バッ


ボオオオオオ!


アサルトドアー「………」



823 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 21:45:57.41 ID:AptUONNdO

アサルトドアー「グゲゲ……!」



伊織「……効いちゃいないみたいね……!」

伊織「……じゃあ、次よっ!」チャキッ


千早「……水瀬さん、気をつけて!」


伊織「……えっ?」


千早「おそらく、カウンターが来るわ!」

春香「カウンター?」


伊織「……ふん、上等じゃない!このスーパー忍者……」


アサルトドアー「……ターゲッティング」


……ガキーン!


伊織「な、何……?」チラ

伊織「なんなのよ、この光は……!?」ホワホワ


春香「い、伊織の身体が、光ってる……!?」

千早「ターゲッティング……?」

千早「水瀬さんに狙いを定めたというわけね……!」


824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/11(日) 21:47:11.66 ID:hjCSlr1DO
そういや攻撃してこないけどされたら反撃で石化してくるやついたような…
825 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 21:48:54.00 ID:AptUONNdO

春香「じゃ、じゃあ、伊織が狙われるの……?」

千早「春香、私、行くわ!」ダッ

タタタタ…


春香「あっ!ま、待って、千早ちゃん!わ、私もっ!」ダッ

…ズルッ

春香「うわわっ……!」ヨロッ

ドテッ




伊織「……ふっ!」ブンッ


ザシュッ!


アサルトドアー「………!」


伊織「ほら、攻撃するんじゃないの!?」ブンッ


ザシュッ!


伊織「……やれるものなら」

伊織「やってみなさいよっ!」ブンッ


ズシャッ!


アサルトドアー「………!」


伊織「……なによ、拍子抜けだわ」

伊織「何もして来ないじゃない!」


千早「……水瀬さん!」


826 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 21:54:39.95 ID:AptUONNdO

アサルトドアー「………!」


千早「攻撃……効いているのかしら?」

伊織「さあね……」

伊織「でも、まったく無傷って事はないでしょ」

千早「……だと、いいのだけれど」



アサルトドアー「グゲゲ……!」ブォン


千早「!」

伊織「ついに来るってわけね……!」

伊織「でも、この伊織ちゃんの動きなら……」


アサルトドアー「……9ディメンジョン」


ギュイイイイイイイン!


伊織「か、身体が、動かないっ……!?」グッ

千早「み、水瀬さん!?」

美希「………」

伊織「ま、まずいわ、これ!」



…キュルルルルル!



伊織「………っ!」

伊織「………あ…れ……?」チラ



春香「う……!」


伊織「……は、春香っ!?」


春香「え、えへへ……い、伊織……だい、じょ……ぶ……?」

春香「まに、あっ……て……よかっ……」フラッ


ドサッ


伊織「……春香っ!」ダキッ

千早「くっ……!」ギリッ


やよい「は、春香さんがっ!」

美希「春香……!」



伊織「ちょ、ちょっと春香!しっかりしなさいよっ!」ユサユサ

春香「………」グッタリ


827 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 22:00:07.58 ID:AptUONNdO

千早「……美希、高槻さん!援護をお願いっ!」チャキッ


タタタタ…


美希「了解なのっ!」

やよい「わ、わかりましたっ!」



千早「くっ……!」タンッ


…フワッ


アサルトドアー「グゲゲ……!」チラ


美希「……ヘイスト!」


カタカタ…シャキーン!


千早「………はっ!」


ズシャッ!


アサルトドアー「………!」


やよい「……お母さん!力をかしてくださいっ!」ギュッ


スゥゥゥ…


ミストドラゴン「……お久しぶりですね、ヤヨイ……」

ミストドラゴン「……ミストブレス!」


シュゥゥゥ…キラキラ…!


コォォォォォ!


828 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 22:08:01.02 ID:AptUONNdO

アサルトドアー「………!」チラ

アサルトドアー「………ターゲッティング」


……ガキーン!


やよい「……はわわっ!?」ホワホワ


千早「高槻さんっ!?」

千早(なぜ、私じゃなく高槻さんに……?)

千早「……やらせないわっ!」ブンッ


ドスッ!


千早「はっ!」ブンッ


ズバッ!


千早「やあっ!」


ズドドドドッ!


アサルトドアー「………!」ブォン

アサルトドアー「……9ディメ」


美希「……させないのっ!」ギリッ


…ヒュンッ!ドスッ!


アサルトドアー「………」


ボロボロ…


グシャアッ


アサルトドアー「」




美希「ふぅ……間に合って良かったの」

千早「美希、助かったわ」

やよい「で、でも、春香さんが……!」




伊織「春香………春香っ!」ユサユサ

春香「………」




829 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 22:12:12.90 ID:AptUONNdO

美希「……ケアルガ!」


シャララーン!キラキラ…


春香「………うっ」ピクッ

伊織「春香……!」ギュッ

春香「伊織、みんな……」

春香「えへへ、よかったぁ……」ニコッ

伊織「よくないわよバカっ!」

伊織「何勝手に飛び出して来てんのよっ!危ないでしょうが!」

春香「ご、ごめん……」

伊織「ごめんじゃないわよ……死んだら、どうするのよっ……!」グスッ

春香「伊織……」

千早「……水瀬さんの言う通りよ」

千早「少し、無茶をしすぎだと思うわ」

千早(私だって、どれだけ心配したか……)

春香「千早ちゃん……」

美希「ミキも千早さんと同じなの」

美希「春香は、もうちょっと自分を大切にした方がいいって思うな」

やよい「そうです!心配したんですよっ!」

春香「美希、やよい……」



春香「……ねえ、千早ちゃん。バブイルの塔で私が言った事、覚えてる?」

千早「え……?」

春香「ほら、言ったでしょ?みんなを守るのが、私の仕事なんだーって」

千早「ああ……そうね。確かに言っていたわね。でも、だからって……」

春香「……大丈夫。私は死なないよ!」

千早「春香……?」

春香「……だって」




春香「……私は、天海春香だから!」




4人「………」



830 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 22:27:33.91 ID:AptUONNdO

春香「………あ、あれ?」

春香「これって感動のシーンじゃないの?」

春香「私のセリフで、みんなウルッとくると思ったのに……」





伊織「………あのね」

伊織「あんた、それ、ニューイヤーライブの前にも言ってなかった?」

春香「う……!」ギクッ

千早「春香。それっぽいセリフを適当に言えばいいってモノでもないと思うわ」

美希「ボキャブラリーの底が知れるの」

やよい「春香さん。わたし、よくわからなかったです……」

春香「み、みんなぁ……」

春香(うーん、失敗しちゃったかな……)



伊織「それに……あんたにそういうカッコつけたセリフは10年早いわよっ」

春香「そ、そんなぁ……」

伊織「にひひっ!」

伊織「春香はやっぱり、こうしていじられている方がお似合いね」

やよい「いつもの春香さんですー!」

美希「ミキも、春香の役回りはイジられキャラだって思うな」

千早「……申し訳ないけれど、私も、やっぱりこっちの方が春香って感じがするわ」

春香「む〜……」

春香「あ、あんまりイジメたら、私だって拗ねちゃうんだからねっ!?」

伊織「拗ねてるヒマがあったら、さっさと出発するわよ、リーダー?」

美希「……これじゃ、どっちがリーダーかわからないの」

やよい「春香さん、立てますか?」スッ

春香「あ、うん。ありがと、やよい」ギュッ



千早(………でも、春香)

千早(そんなあなただから、みんなあなたに信頼を寄せるのよ……?)



春香「………千早ちゃーん、何してるのー!」

春香「置いて行っちゃうよー?」


千早「………ええ。今行くわ」

スタスタ…




831 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 23:24:47.60 ID:AptUONNdO
飛空艇 フタミ号

真美「兄ちゃん、次はどうするの?」

P「……それじゃ、真を迎えに行こうか」

真美「おっけ〜!んじゃあ、次の目的地はシルフの洞窟だねっ?」

P「ああ。よろしく頼むな」

真美「りょ〜かいであります、艦長!」ビシッ





雪歩「……やっと、真ちゃんと会えるんだ……!」ギュッ

亜美「そだね!まあ、それには、ゆきぴょん2の持ってる『あいのフライパン』が必要なんだけどね」

ユキコ「は、はい……」

あずさ「でも亜美ちゃん、いったいフライパンをどう使うのかしら?」

あずさ「ちょっと想像がつかないんだけど……」

亜美「そりゃ〜、あれだよ。寝てるマコちんをフライパンでゴチーンっ!って……」

雪歩・ユキコ「そ、そんなのダメですぅ!!」

あずさ「わ、私も、それはちょっとどうかと思うわ〜」

亜美「ん〜……でも、ゲームだとそ〜いうテンカイなんだよね〜」

雪歩「で、でも、真ちゃんを殴るなんて、そんな……」

亜美「……ま、もうすでにゲームとは全然違うカンジになってきてるから……」

亜美「ゲームと同じように、なぐってマコちんを起こすコトになるかはわかんないケドね?」

亜美「………ね、兄ちゃん?」クルッ

P「うーん、そうだなぁ……」

P「そもそも、真を起こすのに本当にフライパンが必要かどうかも微妙なところだし……」

P「何より、真ならそんな事をする必要もなく復活するんじゃないか、とも思うんだよなぁ」

雪歩「そ、そうですか……」ホッ

雪歩「それを聞いて、少し安心しましたぁ……」

P「……なんにしろ、真のところへ行ってみない事には何もわからないからな」

亜美「ふむ、『作文は一見、としかず』ってヤツですな?」

P「百聞は一見にしかず、な」

P(としかずって誰だよ……)




P(もう俺には、この先どうなるかはわからない)

P(なんせ、今の段階で伊織、律子、貴音まで合流してしまったからなぁ)

P(………あれ?そういえば貴音のやつ、魔導船で地球まで来たって言ってたけど、肝心の魔導船はどうしたんだ……?)

P(………まさか、忘れてるんじゃないか……?)

P(まあ、俺も忘れていたけど……)




832 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 23:30:09.03 ID:AptUONNdO
飛空艇 エンタープライズ

貴音「………………はっ!」ガバッ



響「た、貴音?どうかしたの?」

貴音「わたくし、今の今まで大切な事を忘れておりました……!」

律子「大切な事……って?」

貴音「律子嬢。わたくしは月から来た、と申しましたね?」

律子「ええ。そうだったわね」

貴音「月から地球へは、魔導船、という船で来たのですが……」

貴音「その魔導船を、置き去りにしていた事を、たった今思い出しました」

響「へぇ、宇宙を越えられる船があるのかー!見てみたいぞ!」ワクワク

律子「そうか、そうよね……!」

律子「なんで気づかなかったんだろう、私……」

律子「その船があれば、小鳥さんに会いに行けるじゃない!」

律子「それで、その船は今どこにあるの?」

貴音「ばぶいるの塔……と申しましたか」

貴音「確か、あの塔の地上からの入口に突き刺さ……」

貴音「……停めてあります」

律子「地上の入口か……」

律子「ここからだと、少し遠いわね」

響「でも、ピヨ子に会いに行くには、必要なんでしょ?」

律子「そうね」

貴音「……どう、致しましょうか」

律子「………」

律子「………回収しに行きましょう」

響「でも、春香達を待ってなくていいの?」

律子「大丈夫よ。春香達はまだ洞窟に入ったばかり。そんなにすぐには出て来ないでしょ」

律子(……それに小鳥さんは、『最後のクリスタルが1番厄介だ』って言っていたわよね)

律子(だったら、春香達がクリスタルを手に入れて戻って来るまでに、まだまだ時間はあるはず)



833 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 23:35:02.75 ID:AptUONNdO

律子「今から、行きましょう」

貴音「わかりました、律子嬢」

貴音「……響。頼みます」

響「ん、わかったぞ」

スタスタ…



響(魔導船かぁ……。どんな船か気になるけど……)

響(エン太郎じゃ、宇宙は越えられない)

響(月に行く時には、エン太郎とはお別れなんだな……)

響(…………そんなの、嫌だぞ……)グッ




貴音「律子嬢。魔導船を回収するならば、もはや、くりすたるに拘る必要は無いのでは?」

貴音「皆で、魔導船で月へ行き、小鳥嬢を説得する」

貴音「これで皆、元の世界へ帰れるはずです」

律子「………」

律子「………貴音の言う通り、それが最短なんでしょうけど」

律子「私には、この世界を放って置く事はできないわ」

貴音「………」

律子「この間も話したけど、私、この世界の人達に、たくさん迷惑をかけてしまった」

律子「だから、せめて小鳥さんの企みくらいは阻止したいの」

律子「小鳥さん、きっとひどい事するつもりだもの」

貴音「……わかりました。わたくしもお供致します」

律子「貴音……ありがとう」

貴音「……しかしわたくし達も、随分とこのげぇむの世界に毒されてしまったものですね」ニコッ

律子「ふふ、そうねぇ……」



律子(クリスタルが集まって、次元エレベータが動いたら、何が起こるんだろう?)

律子(次元エレベータは、地球と月を繋いでいるのよね、確か)

律子(……ゲームを知ってるプロデューサー殿に聞いておけば良かったなぁ)

律子(次に会った時に、聞いてみよう)




834 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 23:38:55.88 ID:AptUONNdO
封印の洞窟 B2F

春香「うわー……扉がいっぱいあるよぉ……」キョロキョロ

伊織「まさか、これ全部……」

千早「ええ。さっきのような罠かもしれないわね」

やよい「ぜ、全部わななんですか……?」

美希「なかなかに面倒な洞窟なの」

春香「うーん、どうしよう……」

千早「春香。落ち着いて、あの扉の魔物の対策を考えましょう」

伊織「そうね。どうやら、こっちから扉に接触しない限りは、罠は発動しないみたいだし」

春香「うん。ちょっと作戦会議しようか……」




伊織「まず、戦ってみてわかった事は……」

伊織「あの扉の魔物は、カウンターしかしてこないらしいって事ね」

伊織「しかもそのカウンターは、ご丁寧に攻撃した者に狙いを定める」

春香「うんうん……」

やよい「かうんたー………?」

千早「……補足するわ」

千早「『狙いを定める』と『カウンター発動』の2種類の行動」

千早「おそらく、この2つの行動を決まった時間ごとに繰り返しているだけね」

千早「……さらに、ターゲットにされるのは、どうやら『最後に攻撃した人物』みたいね」

春香「え?そ、そうなの……?」

やよい「えっと、えっと……」

やよい「うー……よくわからないですー……」

伊織「千早、何か作戦はある?」

千早「そうね……カウンターを受けるより早く倒してしまうか、1人が犠牲となってる間に倒すか……」

千早「速攻は難しそうだけど……」

伊織「なら、扉に触れる前に、扉ごと破壊するのはどう?」

千早「どうかしら?もしそれができるなら、罠自体の意味が無くなると思うのだけど……」

伊織「それもそうねぇ……」チラ

美希「あふぅ……」

伊織「ちょっと美希、あんたも何か考えなさいよ」

美希「ん〜……」

美希「……ミキ、思ったんだけど」

美希「……あの魔物の攻撃って、魔法なのかな?」


835 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 23:50:09.80 ID:AptUONNdO

春香「魔法かどうかって……それ、関係あるの?」

美希「大有りなの。魔法かどうかによって、対処の仕方も変わってくるって思うな!」

伊織「そういえば美希は魔法を使うんだったわね」

伊織「もし魔法の攻撃だったら、あんたならどうにかできるっていうわけ?」

美希「うんっ」

春香「でも、どうやってそれを確かめる?」

美希「それは……もう1回あの魔物と戦って、攻撃を受けてみるしかないって思うな」

千早「その時に見極める、という事?」

美希「うん。ちょっと試したい事があるの」

やよい「でも、そうなると……」

やよい「だれかがギセイになるかもしれないんですよね……?」

美希「んー、ミキの試みが失敗したら、そうなるかなー?」

伊織「じゃあその、攻撃を受ける囮役は誰がやるのよ?」



4人「………」じーっ



春香「……へっ?」

春香「ま、また私……!?」



千早「……心苦しいけれど、もう一度春香に頑張ってもらうしか……」

伊織「一度受けた攻撃だもの。もう慣れたわよね?」

やよい「春香さん、がんばってくださいっ!」

春香「………」

春香(『みんなを守るのが私の仕事!』なーんて言っちゃった手前、断る事なんかできないよね……)

春香「わ、わかった。私がやるよ!」

美希「心配しないで、春香。ミキの読み通りなら、春香は無傷で済むの!」

春香「うん。美希、信じてるからね!」



836 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 23:54:20.36 ID:AptUONNdO

春香「………じゃあ、開けるよ?」


4人「………」コクリ



春香「えいっ……!」


ガチャ…


ガタンッ!


アサルトドアー「グゲゲ……!」


伊織「出たわね……!」

伊織「じゃあ、作戦通り行くわよっ!」ダッ


伊織「はああっ!」

伊織「水遁っ!」


ズバシャァーッ!


千早「……くっ!」タンッ


フワッ…


やよい「……らむさん、お願いしますっ!」ギュッ


スゥゥゥ…


ラムウ「……ふふ。ヤヨイさん、うまく力を使いこなしているようじゃのぅ」

ラムウ「……裁きの雷!」


バリバリッ…ズガガガーン!



千早「……はっ!」


ヒュンッ…ドスッ!


千早「……春香っ!」


春香「行きますっ!」ダッ


春香「無双……稲妻突きっ!」


ビュンッ…ドシュッ!



アサルトドアー「………!」



837 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/11(日) 23:57:08.27 ID:AptUONNdO

アサルトドアー「……ターゲッティング」


…ガキーン!


春香「わっ……!」ホワホワ


伊織「来たわね……!」

伊織「……美希っ!」


美希「ミキに任せるのっ!」

美希「……リフレクっ!」


ブゥーーン!


春香「これは、魔法の……壁?」



アサルトドアー「グゲゲ……!」ブォン

アサルトドアー「……9ディメンジョン」


ギュイイイイイイン!


春香「……っ!」グッ



…パキーン!



春香「……えっ?」



千早「攻撃が……!」

伊織「跳ね返ったわ!」

やよい「わぁ……!」



…キュルルルルル!




アサルトドアー「」



美希「あはっ☆大勝利なのっ!」ブイッ

春香「美希……!すごいよ!」

やよい「さすがですっ!」

伊織「ふん……まあまあやるじゃない」

千早「魔法で攻撃を跳ね返すか……。考えたわね、美希」



838 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/12(月) 00:00:46.47 ID:7Rym0adgO

伊織「……でも、こんな手があるなら、なんで最初から使わなかったのよ?」

美希「んー、最初は、あんな攻撃してくるなんて思わなかったの」

美希「ミキの勘だとー、成功する確率は、50%くらいだったの」

美希「でも、うまくいったから結果オーライだよねっ」

春香(50%……)

春香(ま、まあ……うまくいって良かったよね……)



伊織「……さ、とっとと行きましょ」

伊織「これでもう、罠なんて恐くないわ!」

やよい「うっうー!ミキさんがいれば、こわいものなしですっ!」

千早「そうね」

春香「美希、またよろしくね?」

美希「うん。それはいいんだけどー……」チラ

美希(扉、たくさんあるけど……)

美希(あれがぜーんぶ罠だったら……)

美希(ミキの魔力は、持つのかなぁ……?)

美希(………)

美希(……ま、きっとなるようになるの)


スタスタ…






『なるほど……』

『私の出番もそう遠くないようだ……』





839 : ◆bjtPFp8neU [sage saga]:2015/01/12(月) 00:27:36.97 ID:7Rym0adgO
突っ込まれる前に言い訳しておきます

ゲームでは、アサルトドアーの『9ディメンジョン』と、プレイグの『死の宣告』は、どちらも一撃戦闘不能攻撃なんですが…
この世界では、戦闘不能はあくまで『戦闘』が『不能』になるだけ(気絶のようなモノ?)→戦闘終了後に回復魔法などで復活できる
しかし、死の宣告など、『死』を連想させる文字がついている攻撃を受けると、文字通り死ぬ→蘇生魔法やアイテムでないと復活できない
と、区別させてもらいます

あと、ゲームやった事ある人すら置いてけぼりの展開になってしまって本当に申し訳ありませぬ…
なるべく、展開がわかりやすくなるように頑張るつもりです

840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/12(月) 01:47:40.28 ID:rdrxVB3FO
FF知らんけど読んでる
乙〜
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/12(月) 01:51:32.70 ID:PcpAoiSDO
質問なんだけどさ
この世界の死は現実の死とは関係ない
「クリアしないと現実に戻れない」「寿命じゃないなら現実でも死なない」と言ってた
つまりこれは「クリアするか寿命」じゃないかぎりはいくら死んでも復活可能である意味無敵って考えていいの?
ならもしMP切れとか復活アイテム持ってなかった場合で「全滅」とかしたらどうなるのかな?
仮に全滅しなくても復活させられない場合とかどうなっちゃうの?
ゲームやった組は全員裏方にいるし春香たちは復活アイテムとか持ってなさそうだしちょい気になって
842 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/12(月) 08:03:56.51 ID:7Rym0adgO
>>841
例えば、今、封印の洞窟攻略組は春香、千早、美希、伊織、やよいの5人で、その5人はFF未プレイなわけですが、その5人の中で誰かが『死』んだら…
他の面子は、オロオロするでしょうね…
どうすればいいかわからないので、Pに助けを求めるはず(あずささんの時みたいに)
美希は白魔道士ですが、美希自身、誰かが『死』ぬ可能性なんて1mmも考えていないので、レイズなどの蘇生魔法の存在すら意識した事はない(使えないわけではない)
ただし、覚醒美希は普通に使います(覚醒美希の意味を履き違えているようで申し訳ないですが)

この世界にはセーブポイントがありませんし、セーブという概念自体がありません
つまりやり直しはきかない
全滅したらどうなるんでしょうかね…
あまりアイドル達を殺したくはないんですが…

こういう場面では、このアイドルはどうするかな?とか、全て、>>1の想像で成り立っているので、納得いかないところはたくさんあると思いますが、生暖かい目で見守っていただければと思います

843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/12(月) 08:47:48.80 ID:GDP1MQwDO
これ、例え元の世界に戻れてもPTSDになってる子が出るんちゃう? 音無解雇不可避
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/12(月) 13:19:56.86 ID:8V9mLba7O
むしろ原作と展開違うから面白いの
全く同じものを登場人物だけ変えたのは面白くないの
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/12(月) 13:53:40.05 ID:PcpAoiSDO
プレイした人が誰か一人でも攻略組(春香たち)のところにいれば…
美希が茶髪ショートになる条件って仲間が全員ピンチで自分が何もできない悔しい思った時だとしたら余程の時じゃなきゃ誰か死んだ場合復活もできないな
846 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/01/16(金) 23:24:06.32 ID:IJFFqR8JO
いろいろな意見、ありがとうございます
847 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/16(金) 23:27:56.57 ID:IJFFqR8JO
封印の洞窟 B3F 一つ目の扉

アサルトドアー「……9ディメンジョン」


ギュイイイイイン!


美希「リフレクっ!」


ブゥーン!


キュルルルルル!


アサルトドアー「」



美希「……やったの!」


ガチャ…


千早「あ……行き止まりみたいね……」

美希「がっくしなの……」シュン

伊織「まあ、これだけ扉があるもの、簡単には当たらないでしょ」

やよい「そうですよ美希さん!気をとりなおして、つぎに行きましょー!」

美希「そうだね!あはっ☆ミキ、ガンバるの!」

春香「よーし、次行ってみよう!」

スタスタ…


848 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/16(金) 23:33:38.11 ID:IJFFqR8JO
封印の洞窟 B3F 二つ目の扉

アサルトドアー「……9ディメンジョン」


ギュイイイイイン!


美希「リフレクっ!」


ブゥーン!


キュルルルルル!


アサルトドアー「」



美希「余裕なの!」



ガチャ…



千早「あ……また行き止まり……」

美希「ついてないのー……」シュン

伊織「まあ、まだ2回目だもの、簡単には当たらないでしょ」

やよい「そうですよ美希さん!気をとりなおして、つぎに行きましょー!」

美希「そうだね!あはっ☆ミキ、次もガンバるの!」

春香「よーし、次行ってみよう!」

スタスタ…


849 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/16(金) 23:37:29.85 ID:IJFFqR8JO
封印の洞窟 B3F 三つ目の扉

アサルトドアー「……9ディメンジョン」


ギュイイイイイン!


美希「リフレクっ!」


ブゥーン!


キュルルルルル!


アサルトドアー「」



美希「……おとといくればいいって思うな!」


ガチャ…


千早「あ……今度も、行き止まりね……」

美希「えー!……また行き止まりなの?」

伊織「うーん、3回目もハズレか……なら、次は当たりそうね」

やよい「そうですよ美希さん!気をとりなおして、つぎに行きましょー!」

美希「そう……だよね。うん。ミキ、ガンバるの!」

春香「よーし、次行ってみよう!」

スタスタ…


850 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/16(金) 23:40:37.62 ID:IJFFqR8JO
封印の洞窟 B3F 四つ目の扉

アサルトドアー「……9ディメンジョン」


ギュイイイイイン!


美希「リフレク」


ブゥーン!


キュルルルルル!


アサルトドアー「」



美希「……倒したの」



ガチャ…



千早「………」

千早「また………行き止まり……」

美希「そんなぁ……ちょっとついてなさすぎって思うな!」

伊織「ま、まあ……これだけハズレが続いたって事は、当たりの確率が増えたって事よ。次は当たるわ!」

やよい「そ、そうですよ美希さん!気をとりなおして、つぎに行きましょー!」

美希「うん。まあ……やってみるの」

春香「よ、よーし、次行ってみよう!」

スタスタ…


851 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/16(金) 23:44:41.66 ID:IJFFqR8JO
封印の洞窟 B3F 五つ目の扉

アサルトドアー「……9ディメンジョン」


ギュイイイイイン!


美希「リフレク……」


ブゥーン!


キュルルルルル!


アサルトドアー「」



美希「……終わったの」



ガチャ…



千早「………」

千早「……美希、ごめんなさい。また、行き止まりみたい」

美希「そんなのって、ないの……」ガックリ

伊織「ちょっと、なによこれ!本当に先に進む階段なんてあるの!?」

やよい「い、伊織ちゃん、おちついて……」

美希「なんか、やる気なくなってきたの……」

春香「ま、まあまあ、次こそは階段があるよ、きっと!」

スタスタ…



852 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/16(金) 23:50:08.50 ID:IJFFqR8JO
封印の洞窟 B3F 六つ目の扉

アサルトドアー「……9ディメンジョン」


ギュイイイイイン!


美希「リフレク……」ボソッ


ブゥーン!


キュルルルルル!


アサルトドアー「」



美希「………」



ガチャ…



千早「………」

千早(また、行き止まり……)チラ



美希「………」ズーン



伊織(さすがに、美希がかわいそうになってきたわ……)

やよい(こんなに行き止まりばっかりなんて……このめいろ、いじわるすぎですっ)

美希「……もういい。もうミキ、帰って寝るの」クルッ

春香「ちょ、ちょっと待って、美希!」ガシッ

春香「大丈夫、次は絶対に先に進む道があるから!」

春香「もうちょっと頑張ろう?ねっ?」

美希「だって……ミキ、もう疲れちゃったの」

春香「……はい、これ飲んで?」スッ

美希「何これ……?」

春香「これはね、魔力を回復するお薬なんだって。プロデューサーさんが言ってたんだ」

美希「ハニーが……」

美希「………」キュポ

美希「ゴクッ…ゴクッ……」

美希「!」

美希「……なんだか、ちょっぴり力が湧いてきたの!」

春香「良かった!なら……」

美希「うん。ミキ、もうちょっとだけガンバってみるねっ」

春香「じゃあ、行こう!」


スタスタ…



853 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/16(金) 23:53:08.31 ID:IJFFqR8JO
封印の洞窟 B3F 七つ目の扉

アサルトドアー「……9ディメンジョン」


ギュイイイイイン!


美希「リフレクっ!」


ブゥーン!


キュルルルルル!


アサルトドアー「」



美希「……倒したよ!」

美希「千早さん、お願いしますなの!」

千早「ええ。それじゃ、開けるわね……?」



ガチャ…



千早「あっ………!」

伊織「か、階段があるわ……!」

やよい「うっうー!おめでとーございますっ!美希さん!」

春香「ついにやったね、美希!」

美希「みんな……ありがとうなの!」

美希「ミキ、やったの!」

春香「よーし、この調子で、次の階も頑張ろう!」

スタスタ…



854 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/16(金) 23:59:16.72 ID:IJFFqR8JO
封印の洞窟 B4F




5人「」





美希「………もういい。ホントに帰るの」クルッ

春香「み、美希、待って!」ガシッ

美希「離して、春香!あんなにガンバったのに、また扉がたくさんあるなんて!ミキ、もうやってられないの!」ジタバタ

伊織「ちょっと、落ち着きなさいよ、美希っ!」

やよい「はわわ……み、美希さんっ」オロオロ

千早「美希……」



春香「ここで諦めたら、プロデューサーさんが悲しむと思うなぁ……」

美希「!」

美希「ハニー……」

春香「プロデューサーさんのためにも、頑張ろ?」

美希「………」

美希「その言い方は、ひきょ〜なの」

美希「……わかったの。ミキ、ハニーのためにガンバるっ!」



伊織「あんた、なかなかずる賢くなったわね……」

春香「……うん。今回は、ちょっとズルかったかもね」

千早「でも、クリスタルを取りに行く事は、みんなのため……ひいては、プロデューサーのためになるのだから……」

千早「あながち間違っているとも言えないわ」

伊織「……ま、みんなのモチベーションを保つのも、リーダーの仕事よね」

伊織「そういう意味では……」

伊織「春香。あんた、少しはリーダーとして成長したのかもね?」

やよい「さすが春香さんですねっ!」

春香「えへへ、そうかな……?」



美希「ねえ春香。早く行くの!」グイッ

春香「わ、わかったから……引っ張らないで、美希」ズルズル





855 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:04:23.45 ID:I2a2TiD2O
シルフの洞窟 入口

ーーー地のソコにある世界、そのさらに深くに……




雪歩「………」

ガシャン!ガシャン!




ーーーマボロシのよ〜せいへと続くど〜くつが、ひっそりと口を開けていた……




ユキコ「………」

スタスタ…




ーーーそのおくふかくに眠る、オモイビトを求めて……




雪歩「………」ゴゴゴゴ

ユキコ「………」ゴゴゴゴ




ーーー今、一匹の龍と虎が、降り立つ……




雪歩・ユキコ(………この洞窟に、真(さん)ちゃんが……っ!)




雪歩「……………って」

雪歩「へ、変なナレーションつけないでよぉ、2人とも〜……!」

ユキコ「そ、そうですぅ!私とユキホさんは、龍でも虎でもないですぅ!」

亜美「え〜!フインキにバッチリ合ってたじゃん!」

真美「そ〜そ〜、2人とも、『マコちんは俺の嫁』オーラがすっごい出てたよ?」

雪歩・ユキコ「そ、そんな事ないですぅ!!」

あずさ「でも、なんだか2人とも、とても気合入っているみたいね〜」

P「うーん、そうみたいですね」

トロア(マコト殿……)

トロア(ユキホ王女の想い人で、ユキコ殿の夫……か)

トロア(武勇に優れているらしいが……果たしてどのような御仁なのだろうか)



856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/17(土) 00:05:49.96 ID:riaYQjODO
あ、これなんかフラグたったぽいな
857 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:09:18.84 ID:I2a2TiD2O
…………

……


P「……と、いうわけだから、みんな、この洞窟に出てくる『モルボル』の『臭い息』には充分気をつけるんだぞ?」



アイドル達「は〜い!!」



ユキコ「あ、あのぅ……」

トロア「妖精殿は、何と?」

亜美「モルボルってゆ〜マモノがいるんだけどさ、そいつの息がチョーくっさいから気をつけろって」

トロア「息……ですか」

ユキコ「く、臭いって、どのくらい臭いんでしょーか?」

真美「もぉね、ほんのちびっとかいだだけで、混乱目くらちんもく小人カエルになっちゃうぐらいなんだよ!」

トロア「混乱して目くらで……そ、そんなにですか?」

ユキコ「そ、それは恐いですぅ!」

あずさ「そうねぇ……それなら、鼻に詰め物をして行った方がいいかしらね〜?」

雪歩「た、確かに、それなら臭い息を嗅ぐ事もないですね……!」

真美「あずさお姉ちゃん……」

真美「対策としてはいいかもだけど、アイドルとしてど〜かな、それ……」

トロア「私には必要ありませんね。これでも腕には自身があります」グッ

亜美「とろ姉ちゃん。それ、思いっきりフラグ立ってるよ?きっと」

真美「うん。真美も、フリにしか聞こえないYo」

トロア「心配無用です、お2人とも。そんな魔物など、我が半身たるこの戦斧で……」チャキッ

亜美「……ま、期待してるよ。いろいろ」




…………

……


858 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:12:46.63 ID:I2a2TiD2O
シルフの洞窟 B1F

モルボル「………」クネクネ




トロア「……ゲコッ!ゲコッ!」ピョン




亜美・真美(……だから言ったのに……)



あずさ「と、トロアさん?とりあえず下がってくださいね〜?」



トロア「……ゲコッ!ゲコッ!」



真美「ムリだよ、あずさお姉ちゃん。混乱しちゃってるから、言う事聞いてくれないよ、たぶん」

あずさ「……どうしましょう、プロデューサーさん?」

P「……雪歩、今のお前なら、ヤツの息も効かないはずだ!頼むぞ!」

雪歩「わ、私ですかぁ?」

雪歩「うぅ……わ、わかりました……」


ガシャン!ガシャン!


雪歩「と、トロアさん……」スッ


トロア「ゲコッ!ゲコッ!」


雪歩「あ、あずささん、お願いしますぅ!」スッ


あずさ「ええ。わかったわ」

あずさ「……エスナ!」


シャララーン!


トロア「…………はっ!」

トロア「わ、私は、いったい……?」

亜美「とろ姉ちゃんの体を張ったボケ、しっかり見せてもらったよ〜!」

真美「いや〜、とろ姉ちゃん、神官じゃなくて芸人の方が向いてるんじゃない?」

トロア「あの魔物の息を食らってしまったのか……!」

トロア「………む、無念……!」ガクッ



859 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:15:24.09 ID:I2a2TiD2O

モルボル「ブハァ……」


モワ〜ン…


ユキコ「ひぃぃ!い、息がああっ」


雪歩「ゆ、ユキコさん、私の後ろに隠れてっ!」ガバッ



ユキコ「ゆ、ユキホさん、ありがとう……!」

雪歩「うん!」



P「雪歩!アダマンアーマーのおかげで、雪歩がカエルになったりする事はないから、心配するな!」



雪歩「わ、わかりまひたぁ……!」ツマミ

雪歩(でも、臭いものは臭いですぅ……!)




雪歩「………」




亜美「…………あり?」




雪歩「…………………ふふっ」




真美「ゆきぴょん……?」







雪歩「うふふふふふふふふふふふふふふっ!」




あずさ「ゆ、雪歩ちゃん……?」

P「ゆ、雪歩?どうしたんだ、いったい?」

亜美「ゆきぴょんがご乱心だよ〜!」



860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/17(土) 00:20:06.98 ID:riaYQjODO
まさか臭いも効かない…のか?
861 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:24:47.32 ID:I2a2TiD2O

雪歩「……ねえ、プロデューサー?」クルッ

P「な、なんだ?」

雪歩「おかしいと思いません?」スタスタ

P「な、何がだ……?」ズサッ

P(おかしいのは、どっちかと言うと雪歩の方だと思うぞ……)

雪歩「こんなに、貧相でちんちくりんな私が、化け物と戦っているなんて……」ガシッ

P「そ、そんな事……」

雪歩「………あるんですよ?」ズイッ

P「ゆ、雪歩……」

P(顔、近いって!)



モルボル「ヌボォ!」ガバッ



雪歩「……五月蝿いっ!」ブンッ


グシャアッ!


モルボル「」



全員「」





雪歩「うふふふふっ!」

雪歩「……だって私、化け物どころか、男の人やわんちゃんですら、恐いと思っているんですよ?」ニコッ

雪歩「そんな私が、化け物と戦うなんて、出来るわけありませんよね?」ガシッ

P「そ、そんな事ないぞ!男性恐怖症だって、少しずつ治ってきてるじゃないか!」

雪歩「…………そう。少しずつ治ってきてるんです」

雪歩「プロデューサーのおかげで……ね?」ギュッ

P「ゆ、雪歩、ダメだ!」

P(雪歩がアダマンアーマーを着てなければ、雪歩の温もりを感じられたのかな……)

P(……って、何考えてるんだ俺はっ!)

雪歩「……ねえ、プロデューサー?」

雪歩「私に、本当の男を教えてくれませんか……?」ジッ

P「な、何言って……!」ドキドキ

雪歩「そうすれば、私の男性恐怖症も完全に…………ね?」ス…




真美「……エスナっ!」

真美「エスナ、エスナ、エスナ〜っ!!」


シャララーン!


862 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:32:13.69 ID:I2a2TiD2O

雪歩「………はっ!」

雪歩「………あ…れ……?」

雪歩「わ、私……?」



P「あ………」

P「そうか、混乱してたのか……」

P(そ、そりゃそうだよな……)

P(雪歩があんなダイタンに迫ってこれるはず、ないもんな……)



真美「も〜、見てらんなかったよ〜……///」

真美(あのままほっといたら、ヤバかった……)

真美(よ〜ちゅ〜いジンブツだよ、こりゃ……)

亜美「ゆきぴょん、やるねぇ……」

あずさ「と……とりあえず、雪歩ちゃんが正気に戻って良かったわ〜」



雪歩「み、みんな……?」

雪歩「わ、私、何かとんでもない事をしちゃったんでしょうか……?」オロオロ

P「だ、大丈夫だ、気にするな!はは……」

雪歩「うぅ〜、気になりますぅ……」



P「……でも、おかしいなぁ」

P「アダマンアーマーは、『混乱』も防いでくれるはずなんだけどなぁ……」



亜美「………ああっ!」

亜美「兄ちゃん、ちょっと来て!」

P「……どうした?」



亜美「……ホラ、アダマンアーマーの右腕の部分!」スッ

真美「すっごいちっさい字で、なんか書いてあるねぇ」

P「ええと……」

P「『ごめんなさい。この部分だけアダマンタイトが足りませんでした。てへっ』」

P「……『byしっぽ親父』」

亜美「……あんのクソオヤジ〜!」

真美「こんなんサギっしょ〜!」

P「つまり……」

P「本来のアダマンアーマーよりもアダマンタイトが少なかったから、混乱を防げなかった、という事か……?」

亜美「兄ちゃん、クリーニングオフだよ、クリーニングオフ!」

P「……ひょっとして、クーリングオフの事か?」

P「この世界に、そんなシステム無いだろ……」


863 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:36:20.03 ID:I2a2TiD2O

あずさ「不良品だなんて、ついてなかったですねぇ……」

亜美「これはすぐにでもしょ〜ひしゃセンターにソウダンすべきだよっ!」

真美「そうだよ!アクシツなギョーシャを許してはいけない!我々は立ち上がらねばならないのだよ!」

P「い、いいよ別に。話がややこしくなるから……」






雪歩「………」

雪歩(…………確かに、自分の意思とは別に勝手に言葉が出てきたんだけど……)

雪歩(ホントは、あの気持ち悪い魔物を倒した時には、正気に戻ってたんだよね……)

雪歩(ふふっ……)

雪歩(私の『演技』も、まだまだ捨てたものじゃないって事かなぁ……?)

雪歩(それに……)

雪歩(プロデューサーにあんな風に迫るのも……)

雪歩(すっごい恥ずかしかったけど、楽しかったなぁ………///)





P「……おーい、雪歩ー!」

真美「ゆきぴょ〜ん!置いてっちゃうよ〜?」



雪歩「い、今行きますぅ!」

タタタタ…







雪歩(………また、機会があったら……)

雪歩(なんて、ね)





864 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:43:51.34 ID:I2a2TiD2O
アガルトの大穴


…ブワッ!



響「………よーし!」

響「もうすぐ地上に出るぞー!」

律子「久しぶりね。何だか私達、長い事地底にいた気がするわ」

貴音「時間にしてみれば、ほんの数日のはずなのですが……いろいろな事がありましたね」

律子「……さ、早いとこ貴音の乗って来た魔導船とやらを回収しに行きましょ!」

響「ねえ律子。ここからだと、どう行けばいいの?」

律子「ええと、確か、バブイルの塔があるのは、エブラーナ島の山奥だから……」

律子「この穴を抜けたら、まっすぐ西へ進めばバブイルの塔が見えてくるはずよ」

響「わかったぞ!」

ものまね士「月へ渡る船なんて、ロマンチックですよねぇ……」ウットリ

店主「うーん、飛空艇マニアとしても、是非見てみたいなぁ」

響「あ、店主にものまね士」

響「地上へ来たついでだから、2人をカイポまで送ってあげるね!」

ものまね士「あ……」

店主「そっか……もうそろそろ、お別れなんだな……」

律子「私達の戦いに、関係の無いお2人を巻き込むわけにもいきませんからね」

ものまね士「リツコ様……」

ものまね士「私、楽しかったです!皆さんと、お知り合いになる事ができて……!」グスッ

律子「ちょ、ちょっと、泣かないでくださいよ……」

店主「やれやれ、あんたは涙もろいなぁ……」ナデナデ

ものまね士「うぅ……だ、だって……っ!」グスッ

貴音「出会いがあれば、別れもあります……」

貴音「あなた方との出会いは、わたくし達の中で、永遠に生き続ける事でしょう……!」

店主「タカネ……」

貴音「………そして、店主殿。あなたの生み出した素晴らしき料理の数々は、今もわたくしの血となり肉となり、生き続けていますよ……?」ニコッ

店主「は、はは……そりゃあ良かった……」



響「……そろそろ穴を抜けるぞー!」



865 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:49:07.83 ID:I2a2TiD2O
アガルトの村 上空

響「ん〜〜っ!」ノビッ

響「久々のてぃーだの光だぞーっ!」バッ

ものまね士「ふふっ、ヒビキさん、とっても元気ですねぇ」

ものまね士「……まるで、ヒビキさんそのものが太陽みたい……」

貴音「ええ。仰る通りです」

貴音「響は、わたくし達の大切な太陽なのです」

律子「こうして太陽の光を浴びていると、当たり前の事に感謝したくなってくるわね……」



店主「………ん?なんだあれ?」



ものまね士「……店主さん?どうかしたんですか?」

店主「あれを見てみろよ」スッ

ものまね士「あれは……」



…モクモク



ものまね士「煙が上がっていますね。狼煙、か何かでしょうかね……?」

律子「……狼煙?こんな寂れた島で……?」

貴音「狼煙、というよりは、単に何かが燃えているだけではないでしょうか?」

響「……どうかしたの?」

貴音「ええ。何やらあちらで、煙が上がっている様です」スッ

響「…………ホントだ」

律子「まあ、大方、山火事でもあったんでしょ。そんなに気にする事じゃないわよ、きっと」

響「火事……?」

響「………」キョロキョロ

響「あれ?そういえば、村はどこにあるんだっけ?」

律子「村?……ああ、そういえばあったような気がするわね、この島に」

響「あの煙……!」



響「村の方から上がってるみたいだぞ!」



866 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:53:01.92 ID:I2a2TiD2O

律子「……じゃあ、火事になったのは、村って事?」

響「そんな……!」

響「……ば、ばあちゃん!」グイッ



ガクン…



律子「きゃ……!」ヨロッ

律子「……ちょっと響、どうしたのよいきなり!?」

響「その村に……その火事になった村に……」

響「自分達がお世話になったばあちゃんがいるんさー!」

響「だから、助けに行かないと!」

響「エン太郎、着陸だぞ!」



律子「響!今はそれどころじゃ……」

貴音「……律子嬢」スッ

貴音「世話になった人を心配する響の気持ちを無碍にするのは、あまりに酷というものです」

貴音「行かせてあげましょう」

律子「………」

律子「……わかったわ」

律子「それに、響がお世話になった人なら、私からもお礼を言わなきゃね」

貴音「ありがとうございます、律子嬢」ペコリ



貴音(………何故か妙な胸騒ぎがします)

貴音(いくら小さな村とはいえ、1日や2日で燃え尽きてしまうものでしょうか……?)

貴音(杞憂であってくれれば良いのですが……)



867 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:55:28.88 ID:I2a2TiD2O
アガルトの村

響「なんだ、これ……!」キョロキョロ

律子「これは、ひどいわね……!」

律子「建物らしい建物は、何も残ってないわ……」

貴音「響。本当に、ここに村が『あった』のですか?」

響「うん……ほら、たぶんあの瓦礫、家が崩れちゃったんだと思うぞ……」スッ

貴音「……確かに、その様に見えますね……」

響「………!」グッ

タタタタ…



律子「……あっ!ちょっと、響っ!」

貴音「律子嬢、追いかけましょう!」

律子「……まったくもうっ!」

タタタタ…



…………

……


868 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 00:58:31.20 ID:I2a2TiD2O

響「……確か、この辺りにばあちゃんの家があったはずなんだけどなー……」キョロキョロ

律子「家らしきものは、見当たらないわね……」

貴音「あるのは、燻っている瓦礫ばかり……」

貴音「まこと、悲惨なものです」





「………………おねえちゃん?」





響「!」

響「少年……!」

少年「ほんとに、おねえちゃんだぁ!」

少年「あはは、ひさしぶりー!」

響「少年、大丈夫か!?」ダキッ

少年「うん……ちょっといたいけど、がまんできるよ……?」

少年「だってぼく、どわーふのしそんだもんね!」

少年「これくらいがまんしなきゃ、ばっちゃにおこられちゃう!」

律子「こんなに幼い子まで、巻き込まれているなんて……!」

響「そ、そうだ、ばあちゃんはどこにいるんだ?」

少年「………」

少年「ばっちゃは……」

響「ま、まさか……死んじゃったのか……!?」




「…………こらこら、勝手に人を殺すんじゃないよ」




響「ば、ばあちゃんっ!」

老婆「……まったく、魔物の次は、あんたかい……」

老婆「こんな田舎村にやってくるなんて、物好きが多いねぇ……」

響「ばあちゃん!生ぎででよがっだぞ〜!」ポロポロ

老婆「何泣いてんだい、みっともない」

老婆「……ん?そういえばポニーテール。メンバーが変わっているみたいだが……?」チラ

響「あっ……」ゴシゴシ

響「春香達とは、ちょっと今は別行動なんさー」

老婆「そうかい……」



869 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/17(土) 01:05:19.36 ID:I2a2TiD2O

貴音「……けあるら」


シャララーン!キラキラ…


少年「おねえちゃん、ありがとう!」

貴音「いえ、礼には及びませんよ」ニコッ

老婆(……明らかにケアルラの治癒力じゃないね。ケアルガに匹敵するよ……)

老婆(あたしが若い頃でも、ここまでの魔力は無かった……)

老婆(あの銀髪、いったい何者だい……?)

貴音「……申し遅れました。わたくし、月の民の、四条貴音と申します」

貴音「以後、お見知り置きを」ペコリ

老婆「月の………そうか」

老婆「なるほどねぇ。あんたのアホみたいな魔力にも、納得だ」

貴音「?」

律子「私は、秋月律子といいます」

律子「職業は……」

老婆「……暗黒騎士、だろ?」

律子「えーと……はい……」

老婆「………」じーっ

律子「あの、何か……?」

老婆「……勿体無いな」ボソッ

律子「??」

響「それよりばあちゃん。いったい何があったんさ?こんな……」

老婆「………龍だ」

律子「龍……?」

老婆「ああ。いきなりどこからか龍が現れて、あっという間に、村を壊滅させちまった……」

老婆「あたしは、この子を守るのが精一杯で……村の連中を、守ってやれなかった……」

響「そうだったのか……」

貴音「…………あの、奥方殿」

貴音「その龍は、真っ白ではありませんでしたか?」

老婆「うん。その通りだが……」

老婆「銀髪の。あんた、何か知っているのかい?」

貴音「……その魔物は、わたくしが追いかけていた魔物のうちの、一匹なのです」

響「追いかけてたって……どういう事?わかりやすく説明して欲しいぞ!」

律子「私も、『貴音が月の魔物を追っていた』という事しか知らないわ」

貴音「できれば、わたくしだけで……と、思っておりましたが……」

貴音「もはや、わたくしだけでどうにかなる問題ではない様です」



…………

……

870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/17(土) 01:45:25.82 ID:GhL7m5SxO
小鳥さん本人はどのぐらい強いのか…
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/17(土) 02:20:39.68 ID:riaYQjODO
>>870
発言の前にSageることを覚えろ
872 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 19:45:51.09 ID:Tk6xAV0nO

貴音「………と、いうわけで」

貴音「骸骨、大蛇、目玉の妖怪」

貴音「そして、この村を襲った、白い龍……」

貴音「この4体が、わたくしの追いかけていた魔物達です」

響「地球をめちゃくちゃにするなんて、許せないぞ!」

響「こうしてる内にも、どこかの村が襲われてるかもしれないぞ!」

響「助けに行かなきゃっ!」スクッ

貴音「……待ってください、響」ガシッ

貴音「少し、落ち着きましょう」

律子「そうよ、響。私達には、他にやる事があるでしょう?」

律子「魔導船を回収しないといけないし、春香達のところへも戻らないと……」

響「わかってるけど……」

老婆「……ポニーテール。あんたの気持ちもわかるが……もう手遅れかもしれないよ」

響「ど、どういう事?」

老婆「この村を廃墟にした後に、龍が言ったんだよ」



老婆「『この村で最後だ』……ってな」



律子「じゃあ……!」

貴音「他の村や町も、すでに滅びたと?」

老婆「……おそらくは。歯がゆいがね」

老婆「だが、龍はこうも言っていた」

老婆「『あの城だけ、落とせなかった』と」


873 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 19:48:46.95 ID:Tk6xAV0nO

老婆「無事だった城が一つだけあるって事なんだよ」

老婆「……そこで、あんた達に頼みがあるんだ」

響「自分達にできる事なら、なんでもするぞ!ばあちゃんには、世話になったからね!」

老婆「坊やを……その、生き残ったっていう城まで、送り届けてもらえないかね?」チラ

少年「………」スヤスヤ

律子「うーん、まあ……」

律子「……飛空艇があれば、城一つ探すくらいは、何日もかかる事じゃないわね」

貴音「そうですね。それに、未来ある子供を見捨ててはおけません」

老婆「ありがたい!それじゃ……」



響「………自分は、嫌だぞ」



律子「響……?」

貴音「何故です、響。先ほどまでは、あれ程……」

響「だって……」

響「じゃあ、ばあちゃんはどうするんだ?」

律子・貴音「!」

老婆「………あたしの事は、心配するな」

老婆「もともと、老い先短い身だ。安全な場所にいようが、危険だろうが、すぐに迎えが来るだろうからね」

響「いやだ。ばあちゃんも一緒に行くんだ!家族がバラバラになるなんて、おかしいもん!ばあちゃんが行かないなら、自分、エン太郎は操縦しないからねっ!」

律子「そうね……私も響に賛成だわ」

貴音「そうですね……」

貴音「奥方殿」

貴音「あなたもわたくし達と共に来ていただけないでしょうか?」

老婆「………」

老婆「まったく、つくづく物好きな連中だね」

老婆「こんなババアに媚売っても、いい事なんかないのにねぇ……」




響「さ、そうと決まったら、さっさと行くぞ!やる事はたくさんあるんだからねっ!」



874 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 19:51:33.18 ID:Tk6xAV0nO
地上世界 アガルトの村 上空

店主「………婆さん。その話、本当なのか?」

老婆「あたしゃ、見聞きした事をそのまま話しただけだ」

老婆「信じるか信じないかは、あんた次第。違うかい?」

店主「………」

ものまね士「……いきなり『魔物が攻めて来た。あんたの村も、おそらく無事ではすまないだろう』なんて言われて、信じろっていう方が無理だと思います!」

老婆「そうだろうな。だが、変に包み隠して話すよりは、ありのままを伝えた方が、後で受けるダメージは少なく済むと思うがね?」

ものまね士「そ、そんな言い方……!」



律子「お婆さん、あなたの考えには賛同しますけど、事が事なので、もう少し相手を想った言い方があると思いますよ?」

老婆「……ふん。時代遅れの暗黒騎士が偉そうに……」

律子「ぐ……!す、好きでやってるわけじゃないですからっ!」

響「律子もばあちゃんも、落ち着くさー!」

響「今は、言い争ってる場合じゃないぞ!」

貴音「響の言う通りです。まずは、まだ魔物の手に落ちていないという城を目指し、皆の安全を確保する事が最優先かと」

貴音「話し合いは、後でもできます」

律子「………」

律子「そうね……お婆さん、生意気な口を聞いてごめんなさい」ペコリ

老婆「……へぇ、ずいぶん簡単に折れるんだねぇ」

老婆「あたしの見立てじゃ、眼鏡、あんたはもっと自分に自信を持っていると思ったんだが……」

律子「そ、そんな事は今は関係ないです!」

老婆「そうか。すまなかったね」

老婆(……眼鏡の暗黒騎士……何か自信を無くすような事があったのか?)

老婆(……っと、あたしが詮索する事じゃないか)



875 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 19:53:15.46 ID:Tk6xAV0nO

店主「……なあ、ヒビキ」

店主「一度、カイポに寄ってもらえないか?」

響「店主……」

響「そうだよね……自分の故郷がめちゃくちゃにされたら、心配だよね……」

響「ねえ、貴音、律子。ちょっと寄り道してもいいかな?」

律子「いいも何も、この船はあなたの船でしょ?」

律子「あなたが決めなさい、響」

貴音「わたくしも、異論はありませんよ」

響「わかった!」




響「よーし!まずはカイポに向かうぞ!」




店主「……なあ、ものまね士。あんたはいいのか?」

ものまね士「いいって……何がですか?」

店主「あんただって、バロンが気になるだろ?」

ものまね士「?」

ものまね士「なんで私が、バロンを気にするんですか?」

店主「だって、あんたの故郷だろ?」

ものまね士「あー……」

ものまね士「そういう意味ですか……」

ものまね士「実は私、生まれはバロンじゃなくて、ファブールなんですよ」

ものまね士「恥ずかしくて、言ってませんでしたけど……」

店主「ファブール……どうりで腕っ節が……」

ものまね士「私、モンク僧になるのが嫌で故郷を飛び出して来た身なので……思い入れなんて、ほとんどありません」

ものまね士「だから、私の事は気にしないでください」

店主「……そうか」

店主「ふーん……」

ものまね士「なんですか?なんか言いたそうですね?」

店主「いや、まあ……」

店主「少しだけど、あんたの事を聞けて良かったなぁ……と思ってさ」

ものまね士「!」カァァ

ものまね士「きゅ、急に何を言い出すんですかぁーっ!」ブンッ

店主「おわっ!お、落ち着けって!」

ものまね士(嬉し恥ずかし〜〜!)



876 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 19:55:59.40 ID:Tk6xAV0nO
カイポの村

響「………着いたぞ」

ものまね士「そ、そんな……!」

ものまね士「本当にこれが、カイポの村だっていうんですか……!?」

ものまね士「こんなの、ひどい……!」

律子「村としての面影がまるで無いわね……」

貴音「………」

店主「……ヒビキ。すまないな、わがまま言って」

響「そ、そんなの、気にする事ないさー!」

響「あ、あのさ、店主……」

店主「………オレ、ちょっと行ってくるよ」

店主「村の『みんな』に挨拶しなきゃいけないしな」

響「あ……」

ものまね士「じゃ、じゃあ、私も行きます!」

店主「悪い、ひとりで行かせてくれないかな?」

ものまね士「で、でも……」

店主「それじゃあ、後でな」クルッ

スタスタ…




ものまね士「店主さん……」




877 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 19:58:05.27 ID:Tk6xAV0nO

…………

……



スタスタ…


店主「………」キョロキョロ

店主(………ひでえな、こりゃ)

店主(みんな……死んじまったのか……?)

店主(……………クソッ!)




店主「………」チラ

店主(親父から受け継いだ、オレの店……)


…ボロッ


店主(ちくしょうっ……!)グッ

店主(なんでこんな……)



ガサッ



店主「ん?」チラ



魔物「グルル……!」


店主「魔物……!?」


店主「………」グッ

店主「おまえ達のせいで、この村が……!」

店主「このやろうっ!」ダッ

店主「くらえっ!」ブンッ


魔物「………」ヒョイッ


店主「うわっ!」

ドサッ


店主「痛てて……!」


魔物「グルル!」ブンッ


店主「や、ヤバいっ……!」



878 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:00:15.07 ID:Tk6xAV0nO

ダダダダ…


ものまね士「……店主さんに何するんですかーっ!」


ものまね士「………せいっ!」


ドゴォ!メキメキメキッ!


ドサッ


魔物「」


店主(つ、強ええ……)


ものまね士「店主さん!大丈夫ですかっ!?」

ものまね士「あーっ!血が出てるじゃないですか!」

店主「大丈夫、ちょっと転んだだけだよ」

ものまね士「傷口から菌が入ったりしたら、大変ですよ?」

ものまね士「……ケアルラ!」


シャララーン!キラキラ…


店主「……ありがとな」

店主「……そういえばあんた、白魔道士なんだったっけ」

ものまね士「そうですよ。……やっと本来の仕事ができました」

ものまね士「それより……」チラ

店主「……うん」

店主「もう、挨拶は済んだよ」

店主「あんまりヒビキ達を待たせるのも悪いしな」

店主「……戻ろうか」

ものまね士「………」

ものまね士「はい。わかりました」

スタスタ…





店主(………じゃあな、みんな)






879 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:02:49.87 ID:Tk6xAV0nO
シルフの洞窟 B3F シルフの家の外

あずさ「ええと……」キョロキョロ

あずさ「ここに、真ちゃんがいるんですか?」

P「多分、そうだと思うんですけど……」

真美「なんか、すっごいごちゃごちゃしてるね」

雪歩「よくわからないモノが、たくさん積み上がってますぅ」

亜美「入口も見つからないし……これじゃ、中に入れないよぉ〜」

P「まさか、シルフの家がこんなだとは……」

P「うーん、どうするか……」




亜美「…………あっ!」

亜美「じゃあじゃあ、亜美が魔法でドカーン!って吹き飛ばしてあげるよ!」

あずさ「でも、それじゃあ中にいる真ちゃんが危険じゃないかしら……?」

亜美「あ、そっか……」

真美「こりゃ〜、『正面突破』はムリそうだね〜」

真美「ねえ、ゆきぴょん?」

雪歩「えっ?…………あ!」

トロア「そうか……!ユキホ王女の穴掘りなら……!」

ユキコ「確かに、中に入れますね……!」

P「その手があったか……」

P「雪歩、頼めるか?」

雪歩「わかりました。やってみますぅ!」チャキッ



880 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:05:01.56 ID:Tk6xAV0nO
シルフの洞窟 B3F シルフの家

真「………2998!」グッ

真「………2999っ!」グッ



真「………さん……ぜんっ……!」ググッ



真「はぁ、はぁ……!」

シルフ「お疲れ様です、マコトさん。タオルをどうぞ〜」スッ

真「ありがと、シルフ」

シルフ「ずいぶん熱心なんですね〜?」

真「まあ、これは日課のようなものだからね」フキフキ

シルフ「日課……ですか」

シルフ「でも、そんなに身体を鍛えてどうするんです?」

シルフ「私には、もう充分に見えますけど……」

真「健全な魂は、健全な肉体にのみ宿る」

真「身体を鍛えているとね、心も鍛えられるんだってさ」

真「ボクの師匠が言ってたんだ!」

シルフ「そうなんですか〜」

真「……それに」

真「もうボクは、絶対に負けられない!」

真「みんなのためにも……!」グッ

シルフ(とても大切な方々なんですね……)

シルフ(私が入る隙なんて、あるんでしょうか……?)




……ザバァ!




真「うわっ!」

シルフ「な、何事ですかっ!?」



881 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:06:55.17 ID:Tk6xAV0nO

雪歩「ふぅ……開通しましたぁ」



真「ゆ、雪歩!?」

雪歩「あっ……!」

雪歩「ま、ま……真ちゃんっ!」



ガシャンガシャン!



真「ゆ、雪歩、ちょっと待って!」

真「その格好じゃ……」

雪歩「そ、そう、だね……私、こんな変な格好で、ごめんね……?」

真「いや、それはいいんだ」

真「……来てくれて嬉しいよ、雪歩!」ニコッ

雪歩「真ちゃんっ……!」ウルッ



シルフ(誰も入れないように、バリケードを張り巡らせたのに……)

シルフ(まさか、穴を掘って来るなんて……)

シルフ(あの方が、マコトさんのお仲間……)



亜美・真美「マコち〜ん!お久〜!!」

あずさ「真ちゃん、ずいぶん逞しくなったわね〜」

真「亜美、真美!……あずささん!」

P「……待たせたな、真!」

真「プロデューサー!」

真「……あれ?後ろの2人は……?」

ユキコ「マコトさん、お久しぶりですぅ!」

真「ユキコ!どうしてここに?」

真「……と、あなたは確か、トロイアの……」

トロア「こうしてお話するのは初めてでしたね」

トロア「トロイアの神官、トロアと申します」ペコリ



882 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:09:48.62 ID:Tk6xAV0nO

P「……まあ、いろいろあってな」

P「気づいたらこんな大所帯になってしまっていたんだ」

真「そうなんですか……」



雪歩「真ちゃん、身体は大丈夫?」

真「うん。この通りだよ!」グイッ

真「あ、そうだ。みんな、紹介するね!」

真「この子は、シルフ。ボクを助けてくれたんだ!」

シルフ「どうも〜」ペコリ

雪歩「あ、こちらこそ……真ちゃんを助けていただいて、ありがとうございましたっ!」ペコリ

シルフ「いえ、妻が旦那の面倒を見るのは、当たり前の事ですから〜」ニコッ

雪歩「……えっ?」

ユキコ「……えっ?」

真「ちょ、ちょっとシルフ……!」



亜美「……血のニオイがしますな〜」

真美「シュラバですな〜」



ユキコ「……ま、マコトさんの妻は、私ですぅ!」

シルフ「なるほど〜。マコトさん、結婚してるって仰ってましたもんね〜」

シルフ「でも、今は私が妻なんですよ〜」

シルフ「だから、昔の女は引っ込んでてくださいね〜?」

ユキコ「む、昔の女……」フラッ

雪歩「ゆ、ユキコさんっ!」ダキッ



あずさ「プロデューサーさん。なんだか雲行きが……」

P「ええ……。ややこしい事になってますね……」



雪歩「い、今のは、ちょっと言い過ぎだと思いますぅ!」

シルフ「……私、事実を言っただけなんですけどね〜」

シルフ「それに、妻でもなんでもないあなたには、関係ないと思うんですが……」

雪歩「うぅ……」


883 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:12:29.46 ID:Tk6xAV0nO

雪歩「ポッと出のキャラに、そんな事言われたくないですぅ!」

真「ちょ、ちょっと雪歩……!」

シルフ「むむっ……!」

シルフ「なかなか言ってくれますね……」

シルフ「単なる愛人のクセにっ!

雪歩「そ、そんな……!」

ユキコ「ま、マコトさんと『正式に』結婚したのは、私だけですぅ!」

ユキコ「あなたとは、きっと一夜限りの火遊びだったんだと思いますぅ!」

シルフ「ぐぬ〜!人間のクセに生意気です〜!」

ユキコ「妖精のクセに、生意気ですぅ!」

雪歩「私、真ちゃんの愛人なんかじゃないですぅ!」

真「………」



真「あーもうっ!いい加減にしてよっ!!」



雪歩「ま、真ちゃん……?」

真「ボクは3人とも好きだし、誰が1番なんて、選べないよ……」

真「それに何より……」

真「何度も言ってるけど、ボクは女の子なのっ!」

真「だから、そ、その……君達と結婚したり、とか、そういう事はちょっと……」ごにょごにょ

雪歩「真ちゃん……」



亜美「おお!マコちんの捨て身のカミングアウト!」

真美「こりゃ〜、勝負はイタミワケですかな〜?」

P(カミングアウトって……微妙に真に失礼だろ……)



シルフ「あの〜、私は性別なんて気にしませんよ?」

シルフ「エルフの世界では、そんなに珍しい事でもないですし……」

ユキコ「わ、私もっ……!」

ユキコ「お、女の子同士で愛し合う方法も、無いわけではないですし……///」



884 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:15:50.73 ID:Tk6xAV0nO

真「いや、だから……」

真「ボクが無理なんだってば……」



真「……と、とにかくっ!」

真「早く行きましょう、プロデューサー!」

P「あ、ああ……」

P「でも、いいのか?」チラ

シルフ「………」ズーン

真「はぁ……」

真「どうしたんだよ、シルフ。そんな暗い顔をしてさ」

シルフ「マコトさん……」

シルフ「だって、マコトさんはもう行ってしまうんですよね……?」

真「何言ってるのさ?」

真「ボク、言ったよね?『一緒に行こう』ってさ」

真「シルフはもう、ボク達の仲間なんだから!」

シルフ「マコトさん……!」

真「……いいですよね?プロデューサー」

P「まあ、今もすでに大人数だしな。ひとりくらい増えても変わらないさ」



真「……って事だからさ」

真「仲良くしてよね、3人とも」

雪歩「真ちゃんがそう言うなら……」

ユキコ「わかりましたぁ」

シルフ「仕方ないですね。今は停戦という事にしましょうか」



P(よし、これでみんな揃ったぞ!)

P(物語もいよいよ大詰めだ。みんなで心を一つにしていかないとな)

P(あれ、そういえば………フライパン、必要無かったな)

P(……ま、いいか)



885 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:19:07.22 ID:Tk6xAV0nO
封印の洞窟 B5F


スタスタ…


春香「……うーん、やっぱり魔物は出て来ないね」

伊織「扉の魔物以外は、ね」

美希「もう扉はたくさんなの〜」グッタリ

春香「もしかして……」

春香「最後にすっごい強いボスが待ち構えてたりするのかな……?」

千早「それはあるかもしれないわね」

伊織「ふん。何が来たって、このスーパー忍者アイドル伊織ちゃんが、打ち破ってみせるわ!」




やよい「はわー……!」




千早「ん……?高槻さん、どうかしたのかしら?」

春香「やよいー!どうかしたのー?」



やよい「はい!とーってもひらけた場所に出ました!」

やよい「それに、なんだかおーきな穴があいてますっ!」



タタタタ…


春香「わー……ホントだぁ……」

春香「こんな穴、落ちたら大変だよね……」

春香「でも、道が途切れちゃってるよ」

春香「どうやって先に進めばいいんだろう……?」キョロキョロ



千早「………春香、あそこ」スッ

春香「ん……?」

春香「……なんだろ、あれ?」

伊織「橋……かしらね?」

伊織「それにしては、少し頼りない感じねぇ……」

やよい「ねえ、伊織ちゃん。あれって、つり橋じゃないかな?」

伊織「あ、確かにそうね」

春香「じゃあ、あのつり橋を渡ればいいんだね!」

千早(つり橋……)

千早(なんとなく、嫌な予感が……)



886 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:22:50.87 ID:Tk6xAV0nO

…ギシッ


春香「だ、大丈夫だよね?つり橋、切れたりしないよね?」ビクビク

伊織「そ、そういう事を考えるから恐くなってくるのよ!余計な事は考えないの!」

春香「う、うん……」

美希「ねえ、ここって、地底だよね?地底のもっと下って、どうなってるのかな?」

伊織「さあ……マントル、とかじゃないの?」

やよい「まんとる……?」

千早「地球の中心……つまり核の、すぐ外側にある層の事を、マントルと言うのよ」

美希「千早さんの言ってる事が、さっぱりなの」

やよい「うー……むつかしいですー」

伊織「難しく考える必要は無いわよ」

伊織「なんにせよ、ここから落ちたら終わりなんだから」

春香「い、伊織〜、恐い事言わないでよぉ……」

伊織「落ちなければいい話じゃない」

春香「そ、それはそうなんだけど……」



887 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:25:49.62 ID:Tk6xAV0nO

…ギシッ


春香「………長いね、つり橋」

千早「そうね。まるで、永遠に向こう岸に着けない罠みたい」

春香「やだなあ、そんな罠……」




やよい「さ〜みっしが〜り〜らいおんっ、つりばっしっを〜わ〜た〜る〜♪」

やよい「さっばんなじゃみんなにきら〜われた〜っ♪」

やよい「はっし〜の〜むこ〜で〜、で〜あったや〜つは〜♪」

やよい「たいよ〜によくにたすがただあたっ♪」




美希「やよいは元気だね〜」

伊織「あら、あんたもさっきまで元気だったクセに」

美希「えっへん!ミキは、この先に何が待ち受けていてもいいように、力を抑えてるんだよ?」

伊織「へぇ、美希にしては殊勝な事言うじゃない?」

美希「だって、なんだかここ、不気味なんだもん」

美希「こんなところ早く抜けて、ベッドでお昼寝したいの」

伊織「……同感だわ」




やよい「……なみだ〜の〜りゆ〜をしってるかっ♪」

やよい「おれに〜は〜わ〜か〜ら〜ないが〜♪」

やよい「ぬれた〜ほほの〜あたた〜かさは〜♪」

やよい「おそらっく〜おまえがくれ〜たんだ〜っ♪」



春香(ホント、やよいは元気だねぇ……)



千早「………あ、見えたわ、向こう岸」

春香「ホントだぁ!……良かったぁ……!」



888 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:27:38.80 ID:Tk6xAV0nO
封印の洞窟 B5F クリスタルルームへの扉




5人「………」




春香「ねえ、この扉……」

やよい「また、わなですかねー……?」

美希「罠だったら……めんどくさいけど、ミキに任せるの」

千早「……でも、今までのとは、明らかに違うわ」

伊織「ま、なんにせよ、開けてみない事には始まらないわよ」

春香「そうだね……」



春香「……じゃあ、開けるよ?」グッ



ガチャ…




春香「………っ!」



春香「………ん?」

春香「罠じゃ……ない?」

千早「……どうやら、ゴールみたいね」

伊織「やっと着いたのね……」

美希「長かったの〜」

やよい「ぶじについて、よかったですねー!」

春香「あっ、でも……」

春香「ボスがいるかもしれないから、気をつけないと……」



889 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:32:20.54 ID:Tk6xAV0nO
封印の洞窟 B5F クリスタルルーム

春香「………」キョロキョロ

春香「………うーん」

春香「とりあえずは、誰もいないみたいだね」


スタスタ…



春香「……すいませーん!クリスタル、もらっていきますねー!」


キラーン!


伊織「あんた、誰に断ってんのよ……」

春香「いやあ、一応、声かけておいた方がいいかなあって……」

千早「さあ、早いとこ出ましょう」

千早「こんなところ、長居してもいい事はないわ」

春香「そうだね。行こう!」



スタスタ…



やよい「まものさんがいなくて、よかったですねー」

千早「ええ、そうね」

伊織「意外とあっけなかったわね」



春香「……そういえば美希」

春香「あの、ビューーーン!ってワープする魔法は、使えないの?」

美希「あふぅ……」

美希「さっき試したんだけど、使えないみたいなの」

春香「そっかぁ……」

春香(残念……。あの魔法が使えれば、楽チンだったのになぁ……)









『さあ、侵入者ども。試練の始まりだ……!』





890 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/18(日) 20:35:43.59 ID:Tk6xAV0nO
封印の洞窟 B5F 吊り橋付近

春香「……それじゃみんな、帰りも気をつけて渡ろう!」

伊織「まあ、あんたが1番心配なんだけどね」

春香「や、やだなぁ伊織……さすがに私も、こんな危険な場所じゃ転ばないよぉ」

伊織「……ホントに気をつけなさいよ?春香」

春香「う、うん」

美希「とにかく、春香は吊り橋をたたいて渡るべきだって思うな」

伊織「それは石橋でしょうが……」



千早(本当にこれで終わりなの……?)

千早(ここまではあれだけ罠があったのに、肝心のクリスタルルームには、何も無かった)

千早(まだ終わっていない)

千早(そんな気がしてならない……)



千早「……ん?」チラ

千早「………」じーっ

千早(……あの壁、何か違和感が……)

千早(……考えすぎかしら?)



春香「……千早ちゃーん!行くよーー!!」



千早(……何があるかわからない。用心だけはしておいた方がいいわね)

千早「……ええ。今行くわ!」


タタタタ…





ズズ…




891 : ◆bjtPFp8neU [sage]:2015/01/18(日) 20:43:49.01 ID:Tk6xAV0nO
話が一区切りついたら、そろそろ次スレ立てます
一応次スレの500以内には完結する予定です
本当はもっと短くなる予定だったんですがね…
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/18(日) 20:51:30.91 ID:uTbnvZ450
おつ!
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/18(日) 21:28:59.73 ID:83Esj8D8O
ダンデライオンいいよね
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/18(日) 21:40:12.94 ID:IGB76TjDO
ダンデライオンもいいがKや続・くだらない唄や天体観測などBUMP OF CHICKENは本当いい曲歌うよな
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/18(日) 22:59:43.51 ID:Qu+q9vzHo
ついに壁vs壁か
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/19(月) 06:30:28.94 ID:QwKpfEhDO
>>895
千早のこと壁とか言うなよ
897 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/25(日) 23:01:38.19 ID:SwNynrn6O
飛空艇 フタミ号

真「………さて!」

真「悪者をやっつけに行きましょう!プロデューサー!」

P「おお、やる気満々だな、真」

真「へへっ、そりゃ〜そうですよ!」

真「ボク、前の戦いでは不完全燃焼でしたからね!」

P「そうなのか」

P「うーん、気持ちはわかるが……そんなすぐに真の出番があるわけじゃないんだよなぁ」

真「そ、そうなんですか……」シュン

P「そうガッカリするなよ。近いうちに、必ず真の出番は来るからさ」

真「……ホントですかっ!?」

真「ボク、頑張っちゃいますよ!」

P「ああ。期待してるよ!」



雪歩「真ちゃん、なんだか嬉しそうだね?」

真「うん!ボクの出番はまだあるみたいだからね」

雪歩「良かったね、真ちゃん」

真「ありがと、雪歩」

真「でもボク、ひとりで戦うんじゃなくて、雪歩やみんなと一緒に悪者と戦いたいな、って思ってるんだよ」

雪歩「うん……!」

雪歩「私も、真ちゃんやみんなと一緒なら、頑張れる気がするよ……!」

シルフ「………むぅ」



亜美「……おやおや、見せつけてくれますな〜」

真美「まあ、久々の再会ですからな〜」

雪歩「あ、亜美ちゃん、真美ちゃん……」

真「も〜、ボクと雪歩はそんなんじゃないってば……」

亜美「マコちん、とろ姉ちゃんが用があるんだってさ」スッ

真「え?」チラ



トロア「………」ペコリ




898 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/25(日) 23:08:20.06 ID:SwNynrn6O

真「……組手、ですか?」

トロア「ええ。是非、あなたの力を試させていただきたい」スッ

トロア(……あなたに、ユキホ王女を守る力があるかどうかを)

真「いいですけど……」

雪歩「ふ、2人とも、気をつけてくださいね……」




真「……さあ、遠慮なくかかって来てください!」スッ

トロア(……気迫は感じられないな。やる気が無いのか、舐められてるのか……)

トロア(……しかし、油断はできない!)ダッ


トロア「はあああっ!」ブンッ


真(右上段回し蹴り……と見せかけて)


トロア「ふっ!」ブンッ


真(左上段回し蹴りっ!)ガッ


トロア(……読まれた!)

トロア「はあっ!」ブンッ


真(右中段突き)ガシッ


トロア「……せいっ!」ブンッ


真(左後ろ回し蹴り)ヒョイッ


トロア「ふんっ!」ブンッ


真(右中段突き……はフェイントで)


トロア「はっ!」ブンッ


真(左中段回し蹴り……!……よし!)


…タンッ


トロア「!」


真「………はっ!」


ブォンッ!


トロア「………っ!」


トロア「……ん?」

トロア「…………寸止め……?」



899 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/25(日) 23:11:49.29 ID:SwNynrn6O

トロア「ま……参りました……」ペコリ



雪歩「真ちゃんが何をしたのか、全然見えなかったよぉ……」

トロア「私自身、腕に覚えが無いわけではないつもりでしたが……」

トロア「まさか、ここまで実力差があるとは……」

トロア(あの攻撃を受けていたら、私は……)

トロア(ユキホ王女を守るのは、私の役目だと思っていたんだがな)



真「……あなた、本当は武器を使うんですよね?」

真「武器有りだったらボク、負けちゃってたかもなぁ」ニコッ

トロア「………!」ドキッ

トロア「い、いえ……たとえ武器を手に立ち合ったとしても、結果は変わらないでしょう」

トロア「……どうやら、ユキホ王女を守るのは、私では無くあなたの役目の様だ……」ボソッ

真「……え?」

トロア「いえ、なんでもありません」

トロア「お付き合いいただき、ありがとうございました」ペコリ


スタスタ…



真「真面目な人だなぁ……」

雪歩「そうだね」

雪歩「ちょっとだけ、千早ちゃんと雰囲気が似てるかも」

真「あー、言われてみれば確かに」

雪歩「ところで真ちゃん、また強くなった?」

真「……どうかなぁ?一応、トレーニングは欠かさずやってるけどね」

雪歩「今の真ちゃんに敵う人なんて、いないんじゃないかな?」

真「いやいや、ボクなんてまだまだだよ」

真「それに、今の雪歩には勝てる気がしないよ」

雪歩「あ……」

真「……その鎧、ボクでも傷つけるのは難しそうだもんね!」

雪歩「そ、そんな……」

雪歩「こんな頑丈な鎧を着てる私なんて……」



雪歩「………穴掘って埋まってますぅ〜〜!」チャキッ



真「わあああ!ダメだよ雪歩!墜落しちゃうよぉー!」アセアセ



900 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/25(日) 23:18:42.73 ID:SwNynrn6O
トロイア城 上空

響「あっ、あのお城……」

貴音「……ええ。見たところ、どうやら原形を留めている様ですね」

貴音「それに、幾許かの人の営みを感じます」

響「貴音、わかるの?」

貴音「なんとなく、ですが……」

貴音「行ってみましょう、響」

響「うん!」



響「……エン太郎、着陸だぞ!」



ブワッ…



貴音「……しかし、なんとも自然豊かな場所ですね」

貴音「木々の緑が、目に染み渡る様です」

響「確かこのお城へは、前に雪歩を探しに来た気がするぞ」

貴音「そうなのですか」



律子(……生き残ってる城って、よりによって『ここ』だったのね……)

律子(ああ……気まずいわ……)

律子(あの神官にも、会わないといけないのかしら……)

律子「………はぁ」

ものまね士「あの、リツコ様?どうかされたんですか?」

律子「い、いえ……」

律子「ちょっと、気分が良くないだけですから……」

ものまね士「あっ………ひょっとして、あの日」

律子「ち、違いますからっ!!」

ものまね士「す、すみませぇん……!」

ものまね士(恐いよぉ……)



少年「……ねえ、ばっちゃ。あの日って、なんの日?」

老婆「坊やにはまだ早いね。もう少し大人になったら教えてあげるよ」

少年「ふ〜ん、わかった!」




901 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/25(日) 23:22:35.96 ID:SwNynrn6O
トロイアの町

貴音「………」キョロキョロ

貴音「……穴だらけなのが、少々気になりますが……」

貴音「なんとも、風情があって良いところですね」

響「うん!ここへ来ると、やっぱり身体を動かしたくなってくるぞ!」

律子(……なるべく目立たないようにしなきゃ)コソコソ



女性「………あら?旅の方ですか?」



響「あっ、はいさーい!」

律子「ど、どうも……」

貴音「ごきげんよう」ペコリ



女性「うふふ。こんにちは、旅の方」

女性「ここは、トロイアの国。森と湖と穴……そして、救済の都……」



響「……ん?なんか一つ増えてるぞ」

律子「救済……?」

律子「あ、そうか……」

律子「すでに、この城以外の国は、全て魔物に滅ぼされてる」

律子「各国から人々がこの国へ避難して来ている、という事かしら……?」



女性「その通りです。そして、救済の女神像は、あちらにありますわ」スッ

女性「ぜひ、お参りしていってくださいね?」



響「救済の……」

律子「女神像……?」

貴音「……もしや、あそこに見える石像の事でしょうか?」スッ

貴音「ここからでは、わたくしにははっきりとは見えませんが……」





響・律子「」





902 : ◆bjtPFp8neU [saga]:2015/01/25(日) 23:26:29.99 ID:SwNynrn6O




女神像「………」




響「ねえ、律子。あれって……」

律子「え、ええ。気のせいかしら……?」

律子「あの石像、少し……いえ、とても雪歩に似てるわね……」

響「っていうか、スコップ持ってる時点で120%間違いないと思うぞ……」

律子「まさかとは思うけど、『救済の女神』って、雪歩の事……?」

響「一体どうなってるんだ……?」



貴音「…………なんとっ!」ガーン