瑞鶴「もう二度と離さない」

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193 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/10/03(土) 22:27:17.55 ID:G0wWZCfOO
今日はここまでです!

また来ますね!
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/03(土) 22:31:31.99 ID:jea6gEcyO
乙です
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/04(日) 09:54:09.84 ID:84rmTysSO
乙です
196 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/10/27(火) 23:04:27.76 ID:YDXfldbHO
では、報告をさせて頂きます。

私達横須賀鎮守府は皆様がご存知の通り欧州の生き残りの国とコンタクトを取る為に出撃することになりました。

その第一段階として、リランカ島を基点とし、深海棲艦の拠点であるアンズ環礁を攻略しました。

リランカに到着するまでの間損害を受けずに無傷で済んだのは呉、舞鶴、佐世保鎮守府が敵を撃退して下さったお陰です。誠にありがとうございました。

アンズ環礁攻略につきましては先に報告させて頂いておりますので端折らせて頂きます。今回の本題はこの後です。

アンズ環礁制圧後我等は西進し欧州に突入しようと準備を整えていたのですが、そんな我等の前にとある艦娘が現れました。

ドイツ所属のUボートの艦娘、U-511です。彼女はドイツ軍の命令で人間や艦娘が生き残っていたイタリアへ派遣されていました。

ですが、イタリアに到着した彼女が見た光景は、深海棲艦が跋扈し人間も艦娘も全員が消え去った深海棲艦の世界でした。

生存者がいない事を確認した彼女はドイツに戻りイタリアの現状を報告しようとしたとの事でしたが、彼女がドイツを離れていた十数日の間にドイツも深海棲艦に滅ぼされていたとの事でした。ドイツも人間艦娘共々全滅したと報告を受けております。

帰るべき場所を喪った彼女は、記憶に残っているもう一つの母国である日本を目指し、奇跡的にアンズ環礁で私達に遭遇する事が出来ました。

これが今回の作戦で得る事が出来た情報になります。
197 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/10/27(火) 23:05:07.35 ID:YDXfldbHO
元帥「…………」

大将「…………」

呉提督「やはり欧州は深海棲艦の手に落ちていたのか」

佐世保提督「横須賀に合流したU-511が偽りの情報を提供している可能性は?」

提督「それは無いでしょう。嘘を吐いて彼女が得る事が出来るメリットはありません。又、深海棲艦の制圧下にある広い海域を単独で横断するのはリスクが余りにも高すぎます。ドイツも限られた防衛の戦力を無下に手放したりしないでしょう」

佐世保提督「確かに」

舞鶴提督「もしも西側がその様な状況なのだとしたら、もはや欧州は全滅したと考えた方がいいか」

提督「ええ、そうですね。何せ最大の戦力を有していたイタリアとドイツが陥落したのですから」

大湊提督「このままだと近い内に日本は深海棲艦に取り囲まれる事になりかねない」

提督「本来ならば攻勢に出るべきなのですが、虎の子の呉、佐世保、舞鶴が壊滅してしまった今、戦力を回復させる迄は我が横須賀と大湊が中心となって近海や海上輸送ラインを守らねばならないでしょう」

大湊提督「そうですね……」

大将「元帥」

元帥「うむ」

大将「本来ならばそうするのが筋であろう。だが、そうはいかない」

提督「どういう事でしょうか?」

大将「東部オリョールだ。横須賀の力で漸く手に入れた資源地帯だが、あそこを護る為にはもう少し先まで日本の制圧下にある海域を広げた方がいい」

提督「具体的にはどこまで戦線を拡大するつもりでしょうか?」

大将「お前はSN作戦を知っているか?」

提督「大東亜戦争初期に帝國海軍が立案し、アメリカのウォッチタワー作戦により失敗に終わってしまったあのSN作戦でしょうか?」

大将「そうだ。我らはもう一度ソロモン、ニューギニアの制海権を取り戻す……つまり、これは第二次SN作戦とでも言うべきか」
198 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/10/27(火) 23:05:35.93 ID:YDXfldbHO
提督「大将……それは、またあの泥沼の戦いを繰り返すという事ですか!?」

大将「いや、それは違う。作戦の詳細は横須賀で決めて欲しいと思っている。かつてと同じ過ちを繰り返さない為にも」

提督「まさかこの作戦を横須賀のみで行えと仰るのですか?」

大将「勿論他の鎮守府と連携してくれて構わない。だがお前も知っている通り大湊と横須賀以外の戦力は壊滅。故に立て直している真っ最中だ。あまり無茶な命令はしてはならぬ」

提督「……分かりました。この作戦、我等横須賀鎮守府が請け負いましょう」

大将「頼んだぞ」

提督「はっ」

大将「最も重要な案件はこれで終わりだな。では、その他の取り決めをしようではないか」

………………………………

………………

……
199 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/10/27(火) 23:06:36.16 ID:YDXfldbHO
大本営 客室

ガチャ パタン

提督「ふぅ……瑞鶴、もう気を抜いていいぞ」

瑞鶴「提督さん……一言言っていい……?」

提督「なんだ?」

瑞鶴「怖かったよぉぉぉぉぉぉ!! 緊張した!! 本当に緊張したよぉ〜!」

提督「よく出来ていたぞ。これなら今後瑞鶴を連れてきても大丈夫だろうな」

瑞鶴「提督さんに褒めて貰えて嬉しいんだけど震えが止まらないの! あの場所ピリピリし過ぎだよ!!」

提督「それは仕方ない。慣れてくれとしか言えん……が、今回は大将と元帥が異様に殺気を放っていたな……」

瑞鶴「私達が作戦を中止したから……?」

提督「いや、あの判断が間違っていたのならば今回の会議は私を裁く為のものになっていただろう。それに新たな作戦の作成を任せるなんてあり得ない」

瑞鶴「そうだね……引き受けちゃって大丈夫だったの?」

提督「正直に言うとあまり良くはない。が、私が作戦の詳細を立案出来るのならば、他の者に任せるよりはリスクはまだ低いだろう」

瑞鶴「でも、提督さんの負担が増えるよね? 毎日夜更かしなんかしたらダメなんだからね!」

提督「それは約束出来ない……というよりも無理だ」

瑞鶴「むー!」

提督「とりあえずは私達も戦力の補充をしないといけないな。鎮守府に戻ったら建造をしないとならないな」

瑞鶴「分かった!」

提督「うむ。まあその話は明日以降じっくり詰めていこう。それよりも明日は夜が明けたらすぐにここを出て横須賀に戻る。もう寝る支度をしなさい」

瑞鶴「そうだね。じゃあ、提督さんからお風呂入って来る?」

提督「私は後でいい。瑞鶴から入って来るがいい」

瑞鶴「でも……」

提督「上官や部下は関係ない。気にするな」

瑞鶴「うん……じゃあさ……」

提督「何だ?」

瑞鶴「あの……一緒にお風呂入、る?」
200 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/10/27(火) 23:07:34.75 ID:YDXfldbHO
提督「ほう、そんなに地獄を見たいのか? いい度胸をしている」

瑞鶴「わー嘘!! 嘘!! ごめんなさい!!」

提督「今のお前には手を出さんし、何をどうしようとは全く考えていない」

瑞鶴「それって男としてどうなの……?」

提督「瑞鶴?」

瑞鶴「何でもない! 何も言ってません!! お風呂先に入って来るね!!」バタバタ

提督「やっと行ったか」

………………。

提督「瑞鶴、電気を消すぞ」

瑞鶴「うん」

パチッ

瑞鶴「提督さん……」

提督「何だ?」

瑞鶴「私、今日ちゃんと提督さんが求める事をちゃんとこなす事が出来たのかな?」

提督「ああ。しっかり出来ていたよ」

瑞鶴「ありがと……提督さん。私、これからも頑張るからね。提督さんと並べる用になるまで頑張るから」

提督「頼むよ。期待している」

瑞鶴「うん! ……おやすみ、提督さん」

提督「おやすみ、瑞鶴」

瑞鶴「幸せ、だな……」

………………………………。
201 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/10/27(火) 23:08:51.00 ID:YDXfldbHO
今日はここまでです!

瑞鶴改二が今週金曜日に正式に決定しましたね!
金曜日が本当に楽しみでしょうがないです!


また来ますね!
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 23:32:29.86 ID:XJEGVBM4O
乙です
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/28(水) 09:45:52.49 ID:qLlFQsBSO
乙です
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 15:10:01.44 ID:+PFKyLa00
>>192
瑞鶴の答えと同じことしか言ってないから「ほぼ満点」の満点に足りない部分の答えが分かんないんだよなぁ
205 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/11/10(火) 23:57:31.30 ID:MTCNdNFbO
間が空いてしまって申し訳ないです。本当ならば瑞鶴改二実装日に更新をかけたかったのですが、仕事が忙しくて文章製作が出来ませんでした……
出来れば明日にでも更新をしたいと思います。もう暫くお待ち下さい……


>>204
物語本編の解釈に若干関わる部分ですので疑問に答えるかどうか迷ったのですが、少しだけ答えさせて頂きます。
貴方が仰る通り瑞鶴に対しては「ほぼ正解」と答えたにも関わらず、元帥達への弁解では瑞鶴の回答とほぼ同じ事しか言っていません。
では、何故その様な事が起きたのか。それは、提督が元帥達に告げるべき事柄では無い理由、つまり提督の私情だからです。

まだ完結どころか佳境にも入っていない為、私情についての明言はあえて避けますが、恐らく簡単に想像が出来るかと思います。
206 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/11/12(木) 22:07:00.42 ID:63OwZI8NO
横須賀

文月「えんせいかんたい、きとうしたよ〜」

瑞鳳「お疲れ様。文月ちゃん達はこの後は休んでてね」

文月「は〜い」

瑞鳳「入れ替わりで時雨ちゃん、夕立ちゃん、春雨ちゃんは遠征に出撃してね」

時雨「うん。分かったよ」

コンコン

瑞鳳「は〜い」

陽炎「瑞鳳さん、司令が帰って来たわよ!」

瑞鳳「教えてくれてありがとう! あと少しでひと段落着くから後から行くわね」

陽炎「じゃあ、私は先に行ってるわ」

瑞鳳「うん」

時雨「じゃあ、僕達は行ってくるね。提督には宜しくね」

瑞鳳「ちゃんと伝えておくね。行ってらっしゃい」

春雨「失礼しました」

パタン

瑞鳳「えっと……」サラサラ

瑞鳳「うん。これで提督に直ぐに引き継ぎが出来るかな?」

瑞鳳「よし! 提督のお出迎えに行かないと!」

ガチャ パタン
207 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/11/12(木) 22:07:35.95 ID:63OwZI8NO
パタパタ

陽炎「司令!!」

提督「お出迎えご苦労、陽炎。ただいま」

陽炎「おかえり! 瑞鶴さんもお疲れ様!」

瑞鶴「うん。ありがと」

陽炎「司令と瑞鶴さんはこれからどうするの? 少し休む?」

提督「そうだな。瑞鶴は今日一日休ませるが、私はこのまま業務に戻るよ。瑞鶴もそれでいいな?」

瑞鶴「なんだか私だけ休むのも申し訳ないけど……今回は甘えちゃおうかな」

提督「気にしなくていいぞ。ゆっくり休んでくれ」

瑞鶴「は〜い」

陽炎「じゃあ今日は私が司令の補佐をするわね」

提督「いいのか?」

陽炎「もちろん!」

提督「では、頼むぞ」

陽炎「了解!」

パタパタ

提督「ん?」

陽炎「瑞鳳さんかな?」

瑞鳳「ここかな? 居た!」

提督「瑞鳳、戻ったよ」

瑞鳳「提督、お帰りなさい」

提督「ああ。ただいま」
208 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/11/12(木) 22:08:04.62 ID:63OwZI8NO
提督「私が留守の間鎮守府は大丈夫だったか?」

瑞鳳「大丈夫です。特に大きなトラブルは無かったよ」

提督「なら良かった。ご苦労だった」

瑞鳳「はい! 提督の方は何かあったの?」

提督「問題が発生した」

陽炎「問題って?」

提督「今すぐにでは無いが、近い内に大規模作戦がまた始まる。それも、横須賀鎮守府が作戦の立案と指揮を行う事になる」

陽炎「嘘でしょ!!? 」

提督「残念ながら本当だ」

瑞鳳「一体何処に、どうして攻めるの?」

提督「SN作戦」

陽炎「SN……まさか!!?」

提督「そう。ソロモン、ニューギニアまでの戦線拡大だ」

陽炎「そんな……よりにもよってどうして……」

提督「東部オリョールの安全を確保する為だそうだ」

瑞鳳「横須賀、大湊以外の鎮守府の戦力が壊滅した今だからこそ、最大の資源地帯である東部オリョールを奪われる訳には行かない……ということ?」

提督「その通りだ。だから大本営はこの作戦の遂行を命じたのだろう……と言いたいのだが、理由は全く見当つかないが別の理由がありそうだ」

瑞鶴「うん。私も同感。元帥さんや大将さんの様子や空気が何か変だった」

瑞鳳「そうなんだ……」

提督「まあ今はSN作戦について考えを纏めねばならない。明日にこの4人で話し合うとしよう」

瑞鶴「うん!」

陽炎「了解!」

瑞鳳「分かりました」

提督「では、瑞鶴はこのまま休みなさい。陽炎は私の補佐。瑞鳳は引き継ぎの連絡を頼む」

瑞鶴「提督さんも瑞鳳、陽炎ちゃん頑張ってね」

瑞鳳「ありがとね。瑞鶴もお疲れ様。ゆっくり休んで」

瑞鶴「そうさせて貰うわ。お休みなさい」

陽炎「お休みなさい」

…………。

209 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/11/12(木) 22:09:05.47 ID:63OwZI8NO
今日は短いですが終わりです

一日更新がズレてしまい申し訳ありません。


また来ますね
210 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/08(火) 17:52:43.74 ID:QW/L9RXrO
長らく間を空けてしまいまして申し訳ありません

あと少しで時間に余裕が出来るので更新は今しばらくお待ち下さい

本当に申し訳ありません
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/08(火) 18:00:47.96 ID:a+r4FrWSO
了解です
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/08(火) 21:50:33.15 ID:594N+tz7O
そう…
213 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/17(木) 23:21:31.70 ID:/z/2JLtHO
瑞鳳「これで引き継ぎは全部かな」

提督「瑞鳳のお陰で特にトラブルも無かった様だな」

瑞鳳「ううん、みんなが頑張ったお陰です!」

提督「それもあるだろうが、ここは素直に褒められておきなさい」

瑞鳳「えへへ、ありがと」

提督「うむ」

陽炎「むー」

提督「陽炎」

陽炎「ずるい」

提督「返事になっていないぞ」

陽炎「だって瑞鳳さんばかり褒めてずるいわよ!」

提督「陽炎には後で言うつもりだったのだがな」

陽炎「ふーん。それじゃあ、許してあげる!」

提督「さて、陽炎。仕事だ。私について来てくれ」

陽炎「ん? なあに? 何かするの?」

提督「建造だ」

陽炎「建造? どうして?」

提督「今後の為に少しでも早く戦力を増強せねばならないからな。今は一日でも時間が惜しい」

陽炎「もしかして、明日話し合うSN作戦にも関係があるの?」

提督「そうだな。まだ私個人の考えだが、多数の艦娘が必ず必要になると予想される」

陽炎「分かったわ。じゃあ、行こう! ほらっ!」

提督「こら、急かすな。瑞鳳、暫くこの部屋で留守番しててくれ」

瑞鳳「はい」

陽炎「司令! 司令ってばー!!」

提督「今行く」

…………。
214 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/17(木) 23:22:28.99 ID:/z/2JLtHO
工廠

提督「建造妖精、いるか?」

建造妖精「ン?」

提督「いるな。建造をして欲しい」

建造妖精「シゲンー」

提督「これくらいで、駆逐艦と軽巡を計8隻程作れるか?」

建造妖精「マカセテー」

提督「では任せよう。これはお土産だ」スッ

建造妖精「!? モナカ!!」

提督「そうだ。後で食べてくれ」

建造妖精「アリガトー!! ガンバルー!!」

陽炎「凄く嬉しそうね」

提督「そうだな」

建造妖精「アトデキテー!」

提督「ああ。頼む」

陽炎「よろしくね!」

建造妖精「ウン!」


215 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/17(木) 23:23:01.95 ID:/z/2JLtHO
陽炎「これで終わり?」

提督「いや、まだやらねばならない事がある。予備の装備に異常や不具合が無いか確認して、それから足りない物や必要になるであろう装備を補充しなければならない」

陽炎「でも、私じゃ艦載機や大きい砲塔は使えないわよ?」

提督「それは分かっている。それはそれぞれに適した艦娘にやって貰う」

陽炎「そしたら……まさか」

提督「一番数が必要になるであろう駆逐艦が搭載する砲塔や機銃、魚雷発射管、その他もろもろの装備を確認して貰いたい」

陽炎「やっぱりね。それって、もしかして全部確認するの?」

提督「ああ。今度の作戦ではかなり多くの装備を運用する事になると予想している」

陽炎「流石にそれは大変そうね……」

提督「大変だが、私も出来る範囲は手伝おう」

陽炎「分かったわ! それじゃ、装備品の保管庫に行きましょ!」

………………。
216 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/17(木) 23:24:17.18 ID:/z/2JLtHO
ズドン! ズドン! バシュッ

提督「どうだ?」

陽炎「うーん……この左のB型砲は照準が若干ズレてるわね」

提督「ふむ……右の方は?」

陽炎「こっちは良好。異常は無いわ」

提督「左のB型は修理、不可ならば破棄か。魚雷発射管はどうだ?」

陽炎「角度調整の精度が少し悪いかな。ガクッ、ガクッって感じで変な動きをしてる」

提督「分かった。これも修理の依頼をしておく」

陽炎「よろしく! それで、次は?」

提督「今ので終わりだ。お疲れ様」

陽炎「疲れた〜」

提督「後で間宮で好きな物を食べるといい」

陽炎「やったぁ!!」

建造妖精「ア、イター」

提督「建造妖精か。終わったのか?」

建造妖精「オワッター!」

提督「ご苦労だった。私達も丁度今用事が済んだところだ。工廠に戻ろう」

陽炎「はーい!」

建造妖精「ウンー!」
217 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/17(木) 23:47:10.25 ID:/z/2JLtHO
工廠

提督「では、連れて来てくれ」

建造妖精「ツレテクルー」タッタッタッ

陽炎「誰が来るのかなー?」

提督「さあな。あと少しで分かるさ」

陽炎「まあね。だけど、ちょっとワクワクしちゃう。妹が来たら嬉しいな」

提督「やはり妹が増えると嬉しいか?」

陽炎「もちろん! だって可愛い妹達だもん!」

提督「そうか。そうなのかもしれんな」

建造妖精「オマタセー」

陽炎「12人? ん?」

提督「……随分と多く無いか?」

建造妖精「サービスサービスー!」

提督「…………」

陽炎「この装備……もしかして陽炎型?」

提督「では、全員自己紹介をしてくれ」
218 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/18(金) 00:14:22.88 ID:bNyF2rMHO
黒潮「ほな、ウチから行くわ。陽炎型3番艦の黒潮や。よろしゅうな」

浜風「陽炎型駆逐艦13番艦浜風です。これより、貴艦隊勤務に就きます」

嵐「陽炎型駆逐艦16番艦、嵐だ! よろしくな!逢えて嬉しいぜ!」

萩風「陽炎型駆逐艦17番艦、萩風、参りました。ご指示をお願いします」

秋雲「陽炎型駆逐艦最終番艦、秋雲着任! よろしくね!」

江風「白露型駆逐艦9番艦、改白露型の江風だよ。よろしくな! あ、読み方、間違えンなよ!」

風雲「夕雲型駆逐艦、3番艦の風雲よ。そっか、貴方が提督なんだよね? ご命令、どうぞ!」

清霜「どうも!夕雲型の最終艦、清霜です! よろしくお願いです!」

睦月「睦月型の1番艦、睦月ですー! はりきって参りましょー!」

深雪「吹雪型4番艦の深雪だよ。よろしくな!」

阿武隈「こ、こんにちは……軽巡、阿武隈です!」

秋津洲「水上機母艦、秋津洲よ! この大艇ちゃんと一緒に覚えてよね!」

陽炎「やっぱり!! 司令! 妹よ妹!! 嬉しい!!」ピョンピョン

提督「私はここ横須賀鎮守府の提督を受け持っている者だ。これからよろしく頼む。そして隣に居るのが陽炎型駆逐艦のネームシップ陽炎だ」

陽炎「よろしくね!!」

提督「この後他の者にも紹介する。とりあえず鎮守府を案内するからついて来て欲しい。もしも何か分からない事があればいつでも聞いてくれ」

陽炎「じゃ、行くわよ〜」


219 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/18(金) 00:15:09.56 ID:bNyF2rMHO
今日はこれで終わりです。

永らく間を空けてしまい申し訳ありませんでした


また来ますね!
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/18(金) 00:15:24.36 ID:il+ulqBtO
乙です
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/18(金) 10:06:25.07 ID:utuSV+4SO
乙です
222 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/20(日) 00:52:14.86 ID:WxjpiXPeO
こんばんは。作者です

現在このSSの執筆と並行して、クリスマス記念のSSを執筆しています。


10〜20レス程度の短編になりますが、23か24日の夜に投稿します。初めての短編なので、上手く纏まるか少々不安です……


内容は過去作の世界観でのお話になります。
クリスマスケーキよりも甘い話になる予定ですが、多少シリアスも含んでます。
(龍頭徹尾で日常を書ける人達が羨ましい……)


出来る限り私だと分かるようなタイトルにはしますが、スレ投下後はこのスレで誘導をします。


では、もう暫くお待ち下さい。

また来ますね!
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/20(日) 13:44:59.64 ID:TdC+QrsT0
楽しみにしてんで
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/20(日) 16:26:32.26 ID:BspEuHnSO
了解です
225 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2015/12/23(水) 21:13:22.76 ID:Sob+JiesO
クリスマス短編SS投下完了しました

もしも宜しければ見てみて下さい!

瑞鳳 瑞鶴 陽炎「最初で最後のクリスマス」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450872001/



また来ますね!
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/23(水) 21:20:01.31 ID:A//P0IdSO
了解です。後で読んでみます
227 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/01(金) 00:18:49.22 ID:d+VPylZFO
不知火「司令、陽炎」

陽炎「ああ不知火、どうしたの?」

不知火「この方達は?」

陽炎「新人よ。今鎮守府を旅行中なの」

不知火「案内中ですか」

陽炎「そっ! みんな、この子が不知火。私達陽炎型の二番艦!」

不知火「……不知火です。姉共々よろしくです」

黒潮「おお、不知火かー! よろしゅうな! ウチが三番艦の黒潮や!!」

不知火「お久しぶりです」

黒潮「せやなー この中に嵐と萩風、秋雲がいるんやでー!」

不知火「ふむ」

陽炎「この子達の紹介はまた後でやるから、とりあえず先に行くわよ。ほら、不知火もボサッと突っ立っていないで!」

不知火「そうでした。では武運長久を……」

陽炎「何で鎮守府を回るだけで武運長久を祈られなきゃいけないのよ! ……って、こんな感じで堅苦しい癖に結構ヌけている子なのよ。怖がらないで仲良くしてあげてね」

深雪「おう!!」

陽炎「さて、次は食堂に行くわよ」

………………………………

………………

……
228 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/01(金) 00:19:30.85 ID:d+VPylZFO
陽炎「はい。ここが最後の案内場所よ」

嵐「ここは?」

陽炎「みんなの部屋よ。基本的には相部屋だから、今の内に決めちゃって」

提督「今一人部屋の者もいる。陽炎型の谷風、白露型の時雨、夕雲型の長波、秋月型の秋月だ」

江風「あ、なら江風は時雨の姉貴の部屋に行くよ」

浜風「私は谷風と同部屋にして頂けますか?」

清霜「清霜、戦艦と一緒がいい!!」

陽炎「えっと……戦艦の比叡さんは摩耶さんと相部屋で……」

清霜「えー! それでも戦艦がいいー!!」

陽炎「はぁ……司令?」

提督「約束は出来ないが、交渉しておこう」

清霜「本当に!!?」

提督「ああ。だが、期待はするなよ」

清霜「やったぁぁぁ!!」

風雲「じゃあ、私は長波と相部屋にして貰おうかな」

嵐「んじゃ、萩。俺と一緒の部屋でいいか?」

萩風「うん」

阿武隈「とりあえず清霜ちゃんは私と同じ部屋でいいかな?」

清霜「うん! 清霜、大丈夫だよ!」

黒潮「ほな、秋雲。ウチらでアベックになろうや」

秋雲「アベックって……まあいっかー」

睦月「睦月は……睦月はぁ……」

深雪「深雪様と一緒でいいかい?」

睦月「勿論にゃしぃ〜! よろしくね、深雪ちゃん!」

深雪「おう!」

秋津洲「秋津洲は秋月ちゃんと一緒かも?」

提督「そうなるな。又は、とりあえず暫くは一人部屋という選択肢もあるが」

秋津洲「秋月ちゃんと一緒の部屋でいいかも!」

提督「了解だ。他に要望はあるか?」

陽炎「無かったら今日は解散。お披露目は明日よ」

提督「よし、では各自の部屋に行ってくれ。何かあれば、今日のところは私か陽炎に聞いてくれ」

陽炎「はい、解散!! 明日は0700に司令室に集合よ! 寝坊したらダメだからね!」

風雲「了解です!」

タッタッタッ
229 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/01(金) 00:20:13.69 ID:d+VPylZFO
陽炎「みんないい子だったわね」

提督「みんな素直な子達だったな」

陽炎「ちょっと清霜には不安を覚えるけどね」

提督「内面は幼過ぎても、戦闘は普通である事を願おう」

陽炎「多分大丈夫だよね……舞風も大丈夫だったし……」

提督「流石にあの子はあそこまで幼くはないだろう。長女のお前が一番分かっているだろう?」

陽炎「まあ、ね……」

提督「とりあえずは訓練や演習、あとは近接格闘の訓練を行って様子を見ようと考えている」

陽炎「そうね」

提督「さて、瑞鳳を随分と待たせてしまったな。部屋に戻ろう」

陽炎「は〜い!」

………………………………。
230 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/01(金) 00:20:43.61 ID:d+VPylZFO
翌日

提督「おはよう。一昨日から昨日にかけて鎮守府を外していて申し訳なかった。何かトラブルなどはあったか?」

摩耶「特になかった筈だぜ」

提督「その様だな。何事も無かった様で安心している」

熊野「質問があるのですが、よろしくて?」

提督「勿論だ」

熊野「昨日から見たこと無い子達が鎮守府を歩いていたとの情報がありました。今日はその方々についてのお話があるのですか?」

提督「ああ、その通りだ。やはり何も話していない者で彼女達を目撃している子は多かったか」

熊野「ええ。とはいえ、提督が昨日の時点で何も手を打っていなかったという事は、新人といったところですわよね?」

提督「そうだ。今日は紹介したい子達がいる。陽炎」

陽炎「入ってきていいわよー」

ゾロゾロ

提督「この子達が昨日建造された新人だ。暫くは訓練を受けて貰うが、じきに作戦にも参加させていく。では、自己紹介を軽くしてくれ」

黒潮「了解や! ウチは陽炎型三番艦の黒潮や! よろしゅうな〜!」

………………………………

………………

……
231 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/01(金) 00:21:13.06 ID:d+VPylZFO
提督「以上で顔見せは終わりだ。すまないが、遠征班はすぐに出撃してくれ。残っている者はこの後も彼女達と交流してくれ」

比叡「了解です!」

提督「一応だが、遠征班は誰か分かっているな?」

響「私達の班と、夕張さんと春雨、夕立、時雨の班でいいよね?」

提督「ああ。それで大丈夫だ」

響「了解。雷、電。行くよ」

雷「分かったわ!」

電「はわわわわわ! 雷ちゃんも響ちゃんも行くのが早いのです!! あっ!!」

ベチャッ

電「はにゃー!!」

雷「こらこら、何やってるのよ。ほら、立てる?」

電「だ、大丈夫なのです……」

深雪「電……? あぁ!!」

電「!!?」

深雪「電ってまさか!!」

電「い、雷ちゃん! 行くのです!」ダッ

雷「あ、こら! 電!!」

響「やれやれ……では、司令官、行ってくるよ」

提督「ああ。気をつけてな」

響「うん」トコトコ

提督「瑞鳳と瑞鶴、陽炎は私と共に部屋へ。私達は作戦立案の為に司令室に篭っている。何か起きたら来てくれ」

青葉「わっかりましたー!!」

陽炎「みんな、また後でねー」

瑞鳳「行きましょ」

瑞鶴「そうね! 提督さん、行こ!」

提督「ああ」

……………………。
232 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/01(金) 00:22:14.64 ID:d+VPylZFO
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします


今日はこれで終わりです!
また来ますね!
233 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/01(金) 09:44:53.64 ID:1gB5n/jSO
あけおめ、乙です
234 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/01(金) 13:58:48.04 ID:7Xl177Noo
乙です
235 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/09(土) 23:08:38.40 ID:tyCZGproO
瑞鳳「全員分のお茶淹れて来たよ」コトッ

提督「ありがとう」

瑞鳳「うん」

瑞鶴「瑞鳳、ありがとう……さて、話し合いを始めようか」

陽炎「そうね」

瑞鶴「早速だけど、提督さん。提督さんが考えているSN作戦の概要ってどんな内容なの?」

提督「話す前に地図や、全員の名前が入った駒が欲しい」

陽炎「ちょっと待ってて」

瑞鳳「他に何か必要な物は?」

提督「あとは筆記用具だけで十分だ」

陽炎「お待たせ!」ドサッ

提督「御苦労。助かる」

バサッ

提督「理解出来ない点、疑問点等があれば逐次発言してくれ」

瑞鶴「うん」
236 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/09(土) 23:09:19.96 ID:tyCZGproO
提督「SN作戦遂行の目的は、現在我々の最重要拠点である資源地東部オリョール海の島々への脅威を減らすことにある」

提督「その為に、ソロモンやニューギニアに戦線を拡大し、敵の侵攻から防ぐ盾とする」

提督「では作戦の詳細について話そう」

提督「まず、我々横須賀鎮守府艦隊はかつての帝國海軍が泊地を築いたというショートランドへ前進し、ショートランド近海の敵を殲滅、制海権を奪取する。これは、本格的な作戦を開始する以前に達成し、SN作戦開始時には作戦に耐え得る程度の資源や施設を作らねばならない」

瑞鶴「提督さん、一つ質問いい?」

提督「何だ?」

瑞鶴「ショートランドだけを勢力下に置くの?」

提督「正直迷いどころではある。ラバウルやトラックも出来れば勢力下に置きたいのだが、それを実行するとなるも、時間や労力が比べ物にならない程かかってしまう」

瑞鶴「確かに……」

提督「これについては、後ほど話し合おう」

瑞鶴「うん」

提督「続けるぞ。ショートランドの準備が整い次第、我らは駆逐艦と輸送艦を中心とした輸送艦隊を編成。ソロモン攻略の最前線のコロネハイカラ島に資源物資を輸送し、ショートランドに戻るを数回繰り返す」

陽炎「司令! 一つ質問!」

提督「いいぞ」

陽炎「コロネハイカラは、ヘンダーソン基地から空襲されない? 確か飛行場姫がいるとか言ってなかったっけ?」

提督「ああ。その可能性はかなり高い。だからこそ、対策は練らねばならない」

陽炎「対策はあるの?」

提督「とりあえずだがな。輸送作戦は夕暮れと同時に開始し、夜間に輸送を済ませて退却する。だが、恐らく敵に勘付かれてコロネハイカラ島は空襲を受ける事になるだろう」

提督「そこで、瑞鶴と瑞鳳は陽が登る前に艦載機で敵の滑走路を破壊し、敵の航空機の離陸を阻止する。少しの時間を稼ぐ事が出来ればいい」

提督「コロネハイカラ島に資源が揃ったら、そこから比叡を旗艦とした水上打撃部隊を編成、出撃。飛行場姫を砲撃と爆撃の両方で攻撃し、沈黙させる」

瑞鳳「でも、例え飛行場姫の滑走路を破壊したとしても、近辺に空母がいる可能性が高いと思うよ」

提督「尤もだ。敵の滑走路を抑えたとしても、敵空母の艦載機に攻撃されたらたまったものでは無い。そこで、多数の索敵機を出して事前に敵の位置や敵の艦載機の様子を探らせようと考えている」

瑞鳳「私達の艦載機で?」

提督「いや、秋津洲と二式大艇だ」

陽炎「あ、確かに!」

提督「二式大艇を多数ショートランドやコロネハイカラ島に配備し、秋津洲に整備や点検をさせる」

瑞鳳「二式大艇なら魚雷や多くの爆弾も積めるから場合によっては攻撃に回ることも出来るね」

提督「そういう事だ。さらに言えば、二式大艇は索敵に耐え得る防御力と対空能力を備えているという点もだ」

瑞鶴「そんなに上手く行くかな?」

提督「不確定要素の方が高い。だが、不確定要素を嘆いていては何も始まらない。いかに不確定要素以外の部分を確実にするかが大切だ」

瑞鶴「そうだね」
237 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/09(土) 23:11:57.69 ID:tyCZGproO
提督「とりあえずだが、横須賀の動きとしてはこの様な行動となる。大湊以外の鎮守府には、西方の牽制をして貰おうかと考えている」

陽炎「欧州側を? どうして?」

提督「敵の撹乱と分散、日本の防護の為だ。我らが南方へ向かっている間、西方と東方はがら空きになる」

提督「特に西方はアンズ環礁まで一時は進撃したものの、占領はせずに退却している。リランカまで敵勢力が押し戻してくるのは時間の問題だ」

提督「我らが日本から離れている間に本土に侵攻されたらたまったものでは無い。また、西方の敵艦隊が南方の援軍として来られても困る。故に、戦力が壊滅した呉、舞鶴、佐世保には牽制の為だけに出撃して貰う」

瑞鶴「戦力が壊滅しているのにわざわざ戦わせるの?」

提督「今回は西方の攻略が目的では無い。つまり、無理をしての進撃をする必要が殆ど無い。それに、三つの鎮守府の連合であれば、各鎮守府の主力がいかに少なくとも、それらが三つ集まれば主力艦隊と言えるものになるだろう」

瑞鶴「そっか! じゃあ、大湊はどうするの?」

提督「本土と北方、東方の警戒、防衛を引き受けて貰う」

瑞鶴「それならとりあえず、本土が奇襲を受ける可能性は低くなるかな」

提督「とりあえずだがな。さて、編成や細かい部分はまだ決めてはいないが、私が考える大まかな作戦概要はこのようなとこだ。別の案や修正案、その他の意見などがあれば是非言ってくれ」

陽炎「だから駆逐艦を沢山建造したんだ。納得」

瑞鳳「私は概ね賛成。だけど、ショートランド以外の泊地も作るべきだと思う」

提督「安全策を取るか」

瑞鳳「手堅くいかなきゃ、失敗した時のダメージコントロールが出来ないから」

提督「分かった。ならば、話し合おうじゃないか」

瑞鶴「分かった!」

……………………

…………

……
238 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/09(土) 23:16:09.85 ID:tyCZGproO
今日はこれで終わりです

今回は作戦概要の説明で終わりました。この作戦は艦これ2015夏、秋イベの二つを組み合わせているので、作戦目的がゲームとは異なるのはご愛嬌


また来ますね!
239 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/10(日) 00:41:06.52 ID:DhoBBDq0o
乙です
240 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/10(日) 09:46:35.34 ID:41Iq8TVSO
乙です
241 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/22(金) 22:51:37.03 ID:savp9r5UO
翌日

嵐「え!? 近接戦闘の訓練!?」

陽炎「そうよ。司令が直々に見てくれるって」

嵐「でもよ、俺達は海上で砲雷撃戦をするんだろ? 近接戦闘なんて不要じゃねえか?」

提督「砲雷撃戦だけで済めばな。だが、敵が懐に潜り込んで来たらお前はどうするつもりだ? 無抵抗でそのまま殺されるのか?」

嵐「いや、でもそんな事はまずあり得ないだろ」

陽炎「私は前に一度やったわよ。司令に鍛えて貰っていなかったら死んでたかもね」

嵐「マジかよ!?」

提督「ああ。それに敵は海上だけにいるとは限らない。もしも人間がお前を狙ってきたらどうする?」

嵐「それは……」

提督「何か他に反論は?」

嵐「無い……です」

提督「よろしい。では夕張、青葉」

夕張「はい……」

青葉「はい……」

提督「私との組手の前に、まずはペアでの組手の見本を見せてやれ」

夕張「やっぱりやるんですか……?」

提督「当たり前だ。あの様な醜態を晒しておいて何を言う」

夕張「ですよね〜青葉、もしも私が死んだら骨は北海道のメロン畑に……」

提督「下らない事を言っているならばさっさと始めるんだ。それとも、予定よりも厳しく訓練して欲しいのか?」

夕張「いえ! 今の戯言は聞かなかった事にして下さい!」

青葉「夕張、行きますよ」

夕張「了解!」
242 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/22(金) 22:52:06.69 ID:savp9r5UO
提督「新人達はよく見ておけ」

黒潮「ん? 柔道?」

提督「いや、柔道では無く柔術だ。それに、柔術のみならず空手や他の格闘術も組み込んで……青葉! 当て身が弱い!」

青葉「はぃぃ!!」

萩風「柔道とは何が違うんですか? 私はてっきり同じものかと」

提督「柔道は柔の道と書くが、これは柔道というスポーツを通して心の道を養う事が重要とされている。だが、私達がやらねばならないのはスポーツでは無く、生きるか死ぬかの戦争だ。
人を殺す為の技が消えた柔道では無く、相手を殺傷し、自分が生き残る為の柔術こそが重要なのだよ」

萩風「…………」

提督「言いたい事は分かる。だが、自分達が死なない為には生き残る技術を磨かねばならない」

萩風「はい……」

提督「とはいえ、萩風のその優しさは絶対に失ってはいけない。それを喪ったらお前はただの兵器になってしまう」

萩風「はい……!」

提督「艦娘としての有り様を探すんだぞ、萩風」

萩風「司令、私頑張ります!」

提督「うむ。さて、そろそろかな」

江風「お! 提督が今度は戦うのかい?」

提督「そうだ。とりあえずだが、組手はこの様な形式でやって貰う。分かったな」

全員「はい!」
243 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/22(金) 22:53:18.14 ID:savp9r5UO
提督「青葉、夕張。そこまでだ」

青葉「うぁぁ……」

夕張「提督……お手柔らかに、ね……?」

提督「私が手を抜くとでも思っていたか?」

夕張「ですよね〜」

青葉「それでも女の子相手に本気出すのは帝國海軍の将として〜」チラッ

青葉(夕張が提督の背後についた)

夕張「……」コクッ

青葉「どうかと思います! えいっ!」ダッ

提督「狙いは良いが」スッ

夕張「えっ!?」

提督「甘い」ヒュッ

夕張「きゃぁぁぁ!!」ビタン

青葉「うわぁぁぁ!! グエッ!」ビタン

提督「フッ」ズダンッ

夕張「ひっ!!?」

青葉「あ、ああああ! 足が!」

夕張「ててて提督の足が地面にめり込んでます!!」

嵐「すげぇぇぇぇ!!」

風雲「今青葉さんと夕張さんがヒュッて飛んで……え? ええ!?」

提督「ただ、夕張と青葉の力を利用しただけだ」

青葉「いたた……どうして分かったのですか?」

提督「お前の視線が一瞬私の後方に切れたからな」

夕張「化け物……」

提督「何か言ったか?」

夕張「いえ! 何も!」

提督「まあいい。では、新人は青葉と夕張の指導の元訓練を始めてくれ」

全員「了解!」

提督「頼んだぞ夕張、青葉」

夕張「はい!」

青葉「青葉にお任せ!」

………………………………。
244 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/22(金) 22:53:49.98 ID:savp9r5UO
司令室

ガチャ

瑞鶴「あ、提督さん。お帰りなさい」

陽炎「あの子達どうだった?」

提督「とりあえず少しだけ訓練の様子を見てきたが、嵐と江風、阿武隈はいい筋だった。それ以外はとりあえず様子見といったところだ」

瑞鶴「嵐と江風は予想通りだったけど、阿武隈はちょっと以外かも」

提督「おどおどしていて頼りなく見えるかもしれんが、ああ見ててかなり高い能力を秘めているぞ」

瑞鶴「へー。人は見た目によらないって言うけど、それでもやっぱり意外ね」

陽炎「あとは、砲雷撃戦や航行訓練もしないとね」

提督「ああ。そこまでゆっくりはしていられないが、限られた期間で出来る限り練度を積ませてやらねばならぬな」

陽炎「それは私達に任せて! 絶対に生き残れるだけまで育てたげる」

瑞鶴「私も対空戦の特訓なら手伝うよ」

陽炎「お願いします!」

提督「忙しくなるな」

瑞鶴「でも、暇よりはいいかな」

提督「そうだな」

………………………………。
245 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/01/22(金) 22:54:25.19 ID:savp9r5UO
今日はこれで終わりです

また来ますね!
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/22(金) 23:02:30.37 ID:grCMiZT7O
乙です
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/23(土) 09:34:57.65 ID:1A20lhdSO
乙です
248 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/02/15(月) 00:01:58.05 ID:fSbZUxMFO
数ヶ月後

ショートランド沖

提督「瑞鶴、第四次攻撃隊を編成して敵の残党に止めを刺せ!」

瑞鶴「第四次攻撃隊発艦!!」バシュッ

提督「熊野! 敵陸上型の様子は?」

熊野「滑走路は完全に破壊完了。生きている砲台をあと二つ破壊すれば敵は多分息絶えますわ」

提督「熊野と夕張、そして水上打撃部隊所属の駆逐艦は引き続き敵陸上型への砲撃を敢行。瑞鶴の護衛の駆逐艦は、舞風と野分のみ隊列を離脱し、瑞鶴が仕留め損ねた水上艦を追撃。それ以外は引き続き瑞鶴を護衛しろ」

舞風「はーい! 野分、行くよ〜!」

野分「うん!」

谷風「17駆逐、瑞鶴さんを中心に輪形陣行っちゃいますか! 敵さんの潜水艦が来ても谷風さん達にお任せだよ!」

浜風「谷風、油断は大敵です」

谷風「油断なんて微塵もしていないからね!」

熊野「水上打撃部隊、撃ち方準備ですわ!」

夕張「完了しましたー!」

熊野「全艦、砲撃開始! とぉぉぉぉぉ!!」ズドーン

長波「全砲門一斉射! ってぇー!!」ズドン

………………………………

………………

……
249 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/02/15(月) 00:02:53.60 ID:fSbZUxMFO
夕張「敵陸上型沈黙しました!」

瑞鶴「提督さん! 敵艦隊の殲滅が完了したわ!」

提督「夕張、敵陸上型の自己修復機能は生きているか?」

夕張「いえ、そのような働きは全く見る事が出来ません!」

提督「ご苦労だった。これでショートランドの奪還は成功だ」

瑞鶴「よかったね! 提督さん!」

提督「ああ」

乗組員「ラバウルを攻略していた第二艦隊の旗艦瑞鳳から入電! 我、目標を制圧セリ! ……成功です! ラバウルも我らの勢力圏になりました!」

提督「ご苦労と打電しておいてくれ」

乗組員「了解!」

瑞鶴「提督さんやったね! あとは大湊の艦隊がトラック諸島とブインを攻略出来れば作戦の第一段階は終わりだね!」

提督「大湊の戦力ならば、横須賀と同規模を有している。戦術を誤らねば恐らくは大丈夫だろう……と、来たみたいだぞ」

瑞鶴「ん?」

コンコン コンコン

提督「入れ」

乗組員「大湊の提督より入電! トラック、ブイン共々攻略完了とのことです!!」

瑞鶴「提督さん!」

提督「ああ。これで本作戦の足掛かりが出来た」

瑞鶴「すぐにショートランドや他の泊地に物資を輸送しよう!」

提督「いや、気が急ぐのは分かるが、落ち着くんだ。まずは各鎮守府との連携を取らねばならないだろう」

瑞鶴「 あ、そうか」

提督「私は一度鎮守府に戻り各鎮守府の提督達と話し合って来る。それまでの間泊地の警備は頼んだぞ」

瑞鶴「私も行かなくていいの?」

提督「出来れば連れて行きたいところだが、今は少しでも多くの戦力をショートランドやラバウルに置いておきたい」

瑞鶴「……分かった。提督さん、頑張ってね」

提督「ああ。すぐに戻れる様にする」

瑞鶴「提督さんが帰って来るまでにドッグや兵舎、港湾設備の設営を進めておくね」

提督「よろしくな、瑞鶴」

瑞鶴「うん!」

………………………………。
250 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/02/15(月) 00:03:34.38 ID:fSbZUxMFO
三週間後

瑞鶴「はぁ……」

夕張「どうしたの? 溜息なんてらしくないわね」

瑞鶴「提督さんが本国に戻ってもう三週間よ。なのに何にも連絡が無いんだもの。来るのは横須賀からの輸送船だけ……」

夕張「提督のこと信じられないの?」

瑞鶴「そうじゃないの。それはないから」

夕張「じゃあ提督と会えない事への不満かしら?」

瑞鶴「…………」

夕張「図星ね」

瑞鶴「そんなに私って分かりやすいかな……?」

夕張「とってもね」

瑞鶴「なんか悔しい」

夕張「それが瑞鶴の可愛いところなんだから、そのままでいいのよ」

瑞鶴「女の夕張にそれ言われてもあまり嬉しくないかも……」

夕張「そんなこと言ってると、瑞鶴が喜びそうな情報あげないわよ?」

瑞鶴「私が喜びそうな情報?」

夕張「はい、これ」スッ

瑞鶴「?」パサッ

瑞鶴「これ、提督さんから!?」

夕張「そ。 とうとう提督から作戦決行の指示が来たの」

瑞鶴「えっと……提督さんは一週間以内にショートランドに帰って来るから、それまでにラバウルで泊地設営、防衛をしていた瑞鳳達もショートランドに合流。そして、一週間後には呉や佐世保、舞鶴の連合艦隊が西部海域のリランカに到着するから、それに合わせてこちらも輸送作戦を開始……」

夕張「あと一週間で提督に会えるわね?」

瑞鶴「うん! ……じゃなくて、今から忙しくなるわよ!」

夕張「あはは! ほんと瑞鶴は分かりやすくてかわいい。じゃ、みんなには私から伝えておくね」

瑞鶴「宜しく!」

夕張「それじゃ、また後でね」スタスタ

瑞鶴「よし、提督さんが帰って来るまでに全て終わらせないと!」

瑞鶴「提督さん、待っててね!」

………………………………。
251 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/02/15(月) 00:04:20.12 ID:fSbZUxMFO
五日後

提督「ほう……もう、ここまで泊地としての機能を……」スタスタ

瑞鶴「提督さん!!」タッタッタッ

提督「瑞鶴か」

瑞鶴「提督さん、おかえりなさい!」

提督「ただいま、瑞鶴。この一ヶ月よくやってくれたな。助かったよ」

瑞鶴「えへへ、どういたしまして!」ギューッ

提督「……何故抱き着く」

瑞鶴「だって、一ヶ月も提督さんと会えなかったんだもん」

提督「それとこれとは……」

瑞鶴「……もしかして、嫌?」

提督「いや、そうではない……まあ今回はいい、か」

提督(本当はあまり特別扱いするのはよくないのだがな……今回ばかりは仕方ないか)

瑞鶴「私、提督さんと一ヶ月も会えなくて寂しかったよ……」

提督「すまなかったな。だが、お陰でとても助かった」ナデナデ

瑞鶴「瑞鶴、提督さんの役に立てた?」

提督「勿論だ」

瑞鶴「よかったぁ〜」

提督「もう一度言わせて貰おう。本当に助かったよ、瑞鶴。ありがとう」

瑞鶴「うん!」

提督「今日は随分と甘えん坊だな。だが、これを瑞鳳や陽炎に見られたら大変だぞ?」

瑞鶴「あ!?」バッ

提督「サービスはこれまでだ。昼になったら全員を集めて作戦の確認を行う。それまでは休んでいなさい」ポンポン

瑞鶴「提督さんは?」

提督「悪いが、私も部屋で仮眠をとるつもりだ」

瑞鶴「分かった。提督さん、ありがとね」

提督「何がだ?」

瑞鶴「特別に甘えることを許してくれて」

提督「ご褒美だ」

瑞鶴「瑞鶴には最高のご褒美だったよ」

提督「それはよかった」

瑞鶴「それじゃ、提督さんおやすみなさい。また後でね」

提督「おやすみ、瑞鶴」

瑞鶴「おやすみなさい!」

………………。
252 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/02/15(月) 00:07:22.84 ID:fSbZUxMFO
今日はこれで終わりです!

艦これ2016年冬イベに参加されている方はいかがでしょうか?
私は全て甲作戦にて初月、沖波、ZARAの三隻を入手する事が出来ました。

まだイベントを完遂していない方は頑張って下さいね!


また来ますね!
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 00:32:31.94 ID:uNf5frr8O
乙です
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 09:51:38.38 ID:fz6sFGMSO
乙です
255 :ずいずい ◆9eWjFae4dI :2016/03/13(日) 23:47:06.73 ID:NjUDgZjOO
こんばんは

明日か明後日に更新予定です。もう暫くお待ち下さい
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/14(月) 10:15:21.21 ID:HIh4OlqSO
了解です
257 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/03/18(金) 14:50:56.12 ID:4xz/NE9MO
お待たせしました。今夜更新します。


宣言の日程より遅れてしまった上、今回も短めですが、宜しくお願いします
258 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/03/18(金) 21:19:58.13 ID:yYbRiX9TO
コンコン コンコン

瑞鶴「瑞鶴です」

提督「入れ」

瑞鶴「失礼します」

ガチャッ

提督「どうした? まだ集合時間では無いぞ」

瑞鶴「こんな時に話す事じゃないんだけど、一つだけ聞きたい事があってさ……来ちゃった」

提督「何だ?」

瑞鶴「あの……さ」チラッ

提督「……」コクリ

瑞鶴「提督さんはさ、この戦いってどうしたら終わりになると思う?」

提督「……難しい質問だな」

瑞鶴「私、提督さんが本土に戻っている間、ずっと考えていたんだ。戦争は終わるのかなって」

提督「終わらせたいものだな」

瑞鶴「うん。でもね、深海棲艦との戦いの終わりというものが想像が出来なかった」

瑞鶴「多分他の人は、深海棲艦を壊滅させれば勝ちって言うと思うんだけど、私達はそもそも、深海棲艦が何処から来て何故私達を攻撃するのかすら知らないわ」

提督「同感だ。だからこそ私も答えを出す事が出来ない。可能ならば深海棲艦の生態を知る事が出来れば良いのだが、現状それも不可能だ」

瑞鶴「前途多難だね」

提督「ああ」

瑞鶴「でも、いつか……提督さんと戦いのない平和な時間を過ごす事が出来たらいいな」

提督「全くだ」

瑞鶴「えっ!? 提督さん、今!?」

提督「だからこそ、とりあえず今は目の前の戦いに負ける訳には行かない。絶対に勝つぞ」

瑞鶴「うん!!」

………………………………。
259 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/03/18(金) 21:20:30.29 ID:yYbRiX9TO
仮設港

提督「これで全員揃ったな」

電「あの……あの……」

提督「どうした?」

電「深雪ちゃんがまだ見当たらないのです……」

提督「彼女は、横須賀を出る直前に兵装の不調が発覚した為、修理している」

電「一人でここまで来るのですか?」

提督「いや、1日遅れで輸送艦隊を大湊の駆逐隊と共に護衛しながらこちらへ回航することになっている」

電「分かりました、なのです」

嵐「深雪様の初陣だ〜! とか張り切っていたのに、故障で遅れるなんて残念だな」

萩風「そうね……」

江風「まー、仕方ないじゃん! 後から援軍参上っていうのもありありー」

提督「到着の予定日時が不明な今、深雪を作戦の頭数には入れていないが、到着し次第、状況に合わせて彼女をどこかの艦隊に編入させる予定だ」

響「それが妥当だね」

瑞鶴「みんな、そろそろ静かに。提督さん、宜しくお願いします」

提督「うむ」
260 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/03/18(金) 21:21:05.00 ID:yYbRiX9TO
提督「これより、SN作戦の概要を説明する」

提督「まずSN作戦遂行の目的だが、現在我々の最重要拠点である資源地東部オリョール海の島々への脅威を減らすことにある」

提督「その為に、我々はソロモンやニューギニアに戦線を拡大し、そこを敵の侵攻から防ぐ盾し、もしも今後戦線を拡大する事になった場合は我々の拠点にすることになる」

提督「では、作戦の詳細についてだ。本作戦は複数の段階で作戦を遂行する。また、西方の敵主力艦隊の合流を阻止する為に他の鎮守府と足並みを揃えねばならない故に、速やかな作戦の遂行が不可欠となる」

提督「まず第一段階として、ここショートランド泊地より敵の懐であるコロネハイカラ島へ前線の拠点を移す。つまり、最近行っていた輸送艦隊護衛が重要になるのだが、馬鹿正直に輸送を行っていても、ヘンダーソン基地からの空襲、又は水上打撃部隊による攻撃で壊滅するのは目に見えている」

提督「その対策として、輸送作戦は夕暮れと同時に開始し、夜間の暗闇に紛れながら輸送を済ませて退却する。だが、敵も馬鹿では無いから。勘付かれてコロネハイカラ島は空襲を受ける可能性は大いにあり得る」

提督「そこで、瑞鶴瑞鳳、両空母は陽が登る前に艦載機で敵の滑走路を急襲。ヘンダーソン基地の飛行場姫滑走路を破壊し、敵の航空機の離陸を阻止する。この時点では少しの時間を稼ぐ事が出来ればいい為、完全破壊をする必要は無い」

提督「コロネハイカラ島に資源が揃ったら、そこから比叡を旗艦とした水上打撃部隊を編成、出撃。飛行場姫を砲撃と爆撃の両方で攻撃し、沈黙させる」

提督「コロネハイカラ島に資源が揃ったら、そこから比叡を旗艦とした水上打撃部隊を編成、出撃。飛行場姫を砲撃と爆撃の両方で攻撃し、沈黙させる」

提督「また、飛行場姫以外に敵艦がいる恐れもある為、出来ない飛行場姫を攻略中にも索敵をせねばならない。だが、瑞鶴や瑞鳳の艦載機を索敵に回す余裕はない」

提督「そこで、その打開策として、秋津洲とショートランドに配備した二式大艇を用いて四方を索敵して貰う」

秋津洲「ええ!? 私が!!?」

提督「そうだ。頼むぞ」

秋津洲「うぅ……頑張るかも……」

提督「もしも敵艦隊を発見したら、可能ならば二式大艇による雷撃や爆撃で敵艦隊を奇襲し、少しでも足止めをする様に」

秋津洲「了解、かも……」

提督「続けるぞ。ヘンダーソンを攻略後はFS作戦へ移行する。フィジーとサモアに敵の基地がある可能性がある」

提督「そこで、もしも敵泊地を確認できた場合、当作戦は水雷戦隊と水上打撃部隊と機動部隊に分かれ攻略戦を開始する」

提督「逆にもしも敵泊地が無ければフィジー、サモアまで基地を拡大して作戦は終了とする」

提督「以上が作戦内容の全容だ。次に艦隊編成の発表をする」
261 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/03/18(金) 21:21:39.27 ID:yYbRiX9TO
提督「第一艦隊旗艦、比叡。随伴艦に熊野、青葉、夕張、風雲、長波、清霜」

提督「第二艦隊旗艦、瑞鶴。随伴艦に瑞鳳、摩耶、黒潮、秋雲、秋月」

提督「第三艦隊旗艦、陽炎。随伴艦に不知火、初風、雪風、天津風、時津風、野分、嵐、萩風、舞風」

提督「第四艦隊旗艦、川内。随伴艦に浦風、磯風、谷風、浜風、

提督「第五艦隊旗艦、阿武隈。随伴艦に電、雷、響、時雨、夕立、春雨、江風」

提督「第六艦隊旗艦、秋津洲。随伴艦に睦月、卯月、文月」

提督「第七艦隊旗艦、伊58。随伴艦に呂500」

提督「なお、コロネハイカラ島への輸送作戦時は別の編成を取る」

提督「第一輸送艦隊本隊旗艦、響。随伴艦に雷、電、睦月、卯月、文月」

提督「第一輸送艦隊護衛艦隊旗艦、阿武隈。随伴艦に浦風、磯風、谷風、浜風」

提督「第二輸送艦隊本隊旗艦、時雨。随伴艦に春雨、江風、風雲、清霜」

提督「第二輸送艦隊護衛艦隊旗艦、川内。随伴艦に野分、嵐、萩風、舞風、秋雲」

提督「第三輸送艦隊本隊旗艦、初風。随伴艦に黒潮、雪風、天津風、時津風」

提督「第三輸送艦隊護衛艦隊旗艦、陽炎。随伴艦に不知火、夕立、長波、秋月」

提督「その他艦娘は、周囲の警戒や、有事の際には遊撃部隊として動いて貰うことになる」

提督「以上で作戦の概要と編成の説明は終了だ。何か質問は?」

青葉「はい!」

提督「なんだ?」

青葉「最後のお話で、青葉達その他艦娘は周囲の警戒や遊撃部隊としてと仰っりましたが、編成とかは決めないのですか?」

提督「決めない。理由は索敵範囲を可能な限り広げる為だ。ショートランドとコロネハイカラを中心とし、円を広げる様に各個展開。敵艦隊を発見した場合、近辺にいる者と集合し、迎撃を試みる。それ故に艦隊を組まない方がいい」

青葉「分かりました! 了解です!」

提督「この戦いは、かつての作戦と同じ作戦名を冠したものである。だがしかし、かつての二の舞いには私が絶対にさせない。それだけは約束しよう」

提督「本時刻をもってして第二次SN作戦を開始する。諸君達の健闘を祈る」

瑞鶴「全艦娘、出撃準備!」

全員「はい!」

………………………………

………………

……
262 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/03/18(金) 21:23:07.04 ID:yYbRiX9TO
今回はここまでです
次回から戦闘に入ります。


また来ますね
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/18(金) 21:55:55.77 ID:KeXroq20o
乙です
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/19(土) 09:44:27.90 ID:3pWYIkXSO
乙です
265 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:04:14.87 ID:RnGzmdtrO
朝霧艦内

提督「各艦隊と外縁部に位置する艦娘からの報告は?」

乗組員「現在特に異変は無し。輸送作戦は順調とのことです」

提督「そうか」

乗組員「どうかしましたか?」

提督「順調過ぎて逆に不安だ」

乗組員「確かに。もう既に敵の潜水艦等に見つかっていてもおかしく無いのですが」

提督「ああ。だが、全く敵艦隊が現れる素振りもない」

乗組員「何かあるのでしょうか」

提督「あるのかもしれないし、単純にまだ気付かれていないのかもしれない」

乗組員「後者ならいいのですが」

提督「全くだ」

乗組員「っと、第一輸送艦隊より入電! 敵の妨害を受ける事なく、輸送艦と共にコロネハイカラ島湾内に到着したとの事です!」

提督「積荷の上陸を急ぐ様に伝えてくれ」

乗組員「了解!」

提督「……嫌な予感がする」

…………。
266 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:04:59.19 ID:RnGzmdtrO
電「響ちゃん、湾内の確認が完了したのです!」

響「スパシーバ。湾内に機雷などの存在は?」

電「無し、なのです。敵の罠は無かったのです」

響「ふむ……」

電「響ちゃん、何かがおかしく無いですか?」

響「そうだね。私も同じ事を考えていたよ」

電「雷ちゃんは気にし過ぎって言っていたけど……でも……」

響「決めた」

電「何がですか?」

響「阿武隈さん、聞こえる?」

阿武隈「聞こえるけど、せめて敬語で話してほしいかな」

響「私達輸送本隊はこのまま輸送艦と一緒に湾内に突入して、積荷の揚陸を行う。だけど、阿武隈さん達は湾外……いや、コロネハイカラ島近海を索敵、警戒をしていて欲しい」

阿武隈「無視しないでよ〜!! ……まあいいや。分かったわ、響ちゃん」

響「よろしく」

電「響ちゃん……その……軽巡の方には敬語の方が……」

響「大丈夫、阿武隈さんは優しいから」

電「もしかして、阿武隈さんの事が嫌いなのですか?」

響「いや、そんな訳ないさ。私は阿武隈さんの事が大好きだよ。揶揄うと面白いしね」

電「何だか、響ちゃんの人間性を疑ってしまいそうなのです」

響「そうかい? これでも本気なんだけどね。阿武隈さんの為になら命だって投げ出すよ」

電「……死んじゃ嫌なのです」

響「大丈夫。私は沈まないし、沈めないから」

電「響ちゃん?」

響「さあ、さっさと積荷を陸揚げしよう。行くよ」

電「あ、はい! なのです!」

…………。
267 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:06:39.32 ID:RnGzmdtrO
コロネハイカラ島沖北西部

熊野「はい。はい。了解ですわ」

熊野「積荷の陸揚げが始まったようですわね」

熊野「あとは第二、第三輸送艦隊が陸揚げをすればコロネハイカラ島の資材量は十分になるはずですわ」

熊野「まあ、このまま敵艦隊が現れなければの話ですが……」

熊野「青葉、聞こえますか?」

青葉「聞こえますよ〜! どうしたんですか?」

熊野「ちゃんと青葉が哨戒をしているのか、少々気になったので」

青葉「酷いですね〜。これでも任務中はしっかり働いているんですよ!」

熊野「…………」

青葉「熊野? どうかしましたか?」

熊野「…………電探に感有り………数は4〜8」

青葉「方角は!?」

熊野「コロネハイカラ島沖の西北西ですわ。敵は近辺の島に沿って接近して来た様ですわね」

青葉「今輸送艦隊を襲撃されたら危険です! すぐに迎撃体制を作りましょう!」

熊野「ええ。提督に報告をして指示を仰ぎます」

青葉「お願いします!」
268 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:07:15.74 ID:RnGzmdtrO
熊野「こちら熊野。電探に感有り。数は4〜8。方角はコロネハイカラ島西北西へ約10kmですわ!」

提督「来たか。熊野を旗艦に据え、近海に展開している青葉、夕張と共に敵艦隊を迎撃せよ」

熊野「了解ですわ」

青葉「了解です!」

夕張「え!? 私!!? は、はい!! 分かりました!」

提督「熊野。この戦闘では間違いなく数的に劣勢に立たされる。無理だと思ったら、コロネハイカラ島へすぐに撤退するんだ」

熊野「しかし、そうしたら輸送艦隊が叩かれてしまいますわ」

提督「その為の輸送隊護衛艦隊だ。水雷戦隊一隊をそちらに派遣するから安心してくれ」

熊野「分かりましたわ」

提督「阿武隈。第一輸送艦隊護衛艦隊はただちにコロネハイカラ島沖西北西に位置する敵艦隊の迎撃に向かってくれ。そして、先行する熊野の命令に従え」

阿武隈「あ、はい! 分かりました!!」

提督「熊野、出来る限り損傷は出さずに帰って来るんだぞ」

熊野「ええ。当たり前ですわ」

提督「西北西は頼んだ」

熊野「仮称第一遊撃艦隊、作戦開始しますわ!」

…………。
269 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:07:59.72 ID:RnGzmdtrO
乗組員「仮称第一遊撃艦隊、敵艦隊と接敵。交戦始まりました」

提督「第一から第三輸送艦隊の様子は?」

乗組員「第一輸送艦隊は、ほぼほぼ陸揚げ作業が完了しています」

乗組員「第二輸送艦隊は陸揚げの進捗が約半分程で、第三輸送艦隊は先程湾内に停泊したばかりですので、陸揚げ作業は殆ど進んでおりません」

提督「熊野達が迎撃に成功するかどうかで変わるが、今のところ大体予定通りに事が進んでいるな」

乗組員「ええ。むしろ少し早いくらいですね」

提督「そうだな」

乗組員「中将、少々お待ちを……第一輸送艦隊より入電。これよりショートランドへ引き返し、再輸送をするとの事です」

提督「よろしく頼むと伝えておいてくれ」

乗組員「了解」

乗組員「中将! 熊野より通話要求が!」

提督「繋げ」
270 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:08:28.98 ID:RnGzmdtrO
提督「どうした熊野」

熊野「提督、大変ですわ!」

提督「大変? 誰かが大破したのか!?」

熊野「いえ、私達は今の所無傷ですわ! そうではなくて、敵艦隊がもう一つ出現しました!」

提督「何だと!? 場所は?」

熊野「コロネハイカラ島北東部に突如出現!恐らく敵は私達が北西部に釘付けになるようにしていたものだと思われますわ!」

提督「まんまとしてやられた訳か。分かった、こちらは私がどうにかしよう。お前達はこのまま敵艦隊を迎撃する様に」

熊野「了解しましたわ。提督、そちらは宜しくお願いしますわね」

提督「ああ。任せろ」

熊野「通信終わります。御武運を」

提督「朝霧全乗組員に告ぐ。これより当艦はコロネハイカラ島沖北東部に出現した敵艦隊を艦娘の艦隊と共に迎撃する。総員、戦闘配置につけ」

提督「陽炎と初風との通信回線を開いてくれ」

乗組員「了解!」
271 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:09:50.94 ID:RnGzmdtrO
提督「陽炎、初風。緊急事態だ」

初風「緊急事態ですって!?」

陽炎「何があったの?」

提督「西北西に現れた敵艦隊の迎撃により生じた索敵網の穴から敵艦隊がコロネハイカラ島へ向けて休息接近中だ」

初風「仕方ないとはいえ、してやられたわね」

提督「ああ。これは私の責任だ。だが、今は何よりも優先して敵艦隊を迎撃せねばならない。そこで、第三輸送艦隊本体と護衛部隊は朝霧と共に敵艦隊迎撃の任に就いてもらう」

陽炎「司令まで戦闘に参加するの? 私達だけでも大丈夫よ?」

提督「いや、万が一にも迎撃に失敗する訳にはいかないからな。戦力は一隻でも多いに越したことはない。初風もいいな?」

初風「ええ。良いわよ」

陽炎「因みに、コロネハイカラ島南部の護りはどうするの?」

提督「現在展開している索敵網とは別に、南部の水道辺りに第二輸送艦隊護衛艦隊を設置し、警戒に当たらせる。仮に敵が攻勢に出たとしても、攻撃を耐え抜き時間を稼ぐ事が恐らく出来るだろう」

陽炎「了解! じゃあ、私達の作戦は?」

提督「それは移動しながら話す。それよりも、時間帯に出撃命令を出し、湾外を航行中の我ら朝霧に合流してくれ」

陽炎「そうね! ほら、みんな! 今すぐに出撃するわよ!!」

初風「全員出撃するわよ。荷下ろしは手伝えなくなるけど、その代わりにこれから戦闘よ。全員気を引き締めなさい」

黒潮「ウチ、とうとうホンマもんの深海棲艦と闘うんやね」

初風「大丈夫。すぐに慣れるわ」

雪風「訓練通りにやれば大丈夫です!」

天津風「自分を信じて。貴女なら出来るはずよ」

時津風「そーそー! パーっと敵を倒して時津風と遊ぼ遊ぼー!」

黒潮「せやな。ウチ、頑張るわ!」

初風「その意気よ。それじゃあ、第三輸送艦隊本隊、出撃します!」

………………。
272 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:11:19.11 ID:RnGzmdtrO
今日はここまでです。

霞改二と大潮改二が可愛すぎて辛い。そして江風改二はどうなるのかが楽しみです。


また来ますね!
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/14(木) 23:29:24.12 ID:FEl/yGJXo
お疲れ様です
待ってます!
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/14(木) 23:46:02.43 ID:YAia9tW7o
乙です
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/15(金) 10:10:47.18 ID:xM+KP/OSO
乙です
276 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:03:02.05 ID:2KIwJv6EO
コロネハイカラ島沖北東部

初風「陽炎。気付いてる?」

陽炎「……近いわね」

初風「恐らく敵艦隊は6隻。どうする?」

陽炎「まずは私達が囮として、敵の右側部から斬りこむ。その隙に初風達は敵艦隊に対して反航戦を行い、擦れ違いざまに雷撃。ざっくり言うとこんな感じかな」

初風「つまり、状況に合わせて柔軟に対応ってことね?」

陽炎「ま、そういうこと。隙があれば、敵艦隊は私達がやっつけちゃうけどね」

初風「なら、せめて私達は楽が出来る様に祈ってるわ」

陽炎「その時は、横須賀に戻ったら美味しいものを奢って貰うから覚悟なさい」

初風「なら、私達が活躍せざるを得ない状況になったら、お姉ちゃんに奢って貰わないとね」

陽炎「だってさ、不知火お姉ちゃん?」

不知火「それは、陽炎に対する言葉です。不知火には関係がありません」

陽炎「じゃあ、割り勘で!」

不知火「ご馳走様です、陽炎お姉ちゃん」

陽炎「不知火の裏切り者!」

陽炎「……まあいいわ。それじゃ、作戦開始!」
277 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:03:33.99 ID:2KIwJv6EO
陽炎「みんな、見えたわよ! 敵艦発見!」

不知火「不知火も肉眼で確認しました。これは、軽巡でしょうか」

長波「みたいだな。見た事無いけど砲のサイズからすると多分そうだろうな」

夕立「陽炎、早く突撃するっぽい!」

秋月「待って下さい! ここはやはりこちらの被害を可能な限り抑える為に撹乱から始めるべきです」

陽炎「そうね。まだ敵の軽巡しか見えないのも奇妙だわ。もしかしたら別行動をしている可能性もあるわ。とりあえず隊を二つに分けて片方が探照灯で敵の軽巡を照射。もう片方は敵の伏兵に警戒しつつ雷撃準備」

長波「了解だ。で、隊分けはどうする?」

陽炎「そうね。夕立の首縄係は私に任せて。あと長波も私の隊に編入」

不知火「では、不知火は探照灯による敵のマーキングを、秋月は陰から砲撃による援護をお願いします」

秋月「はい!」

陽炎「探照灯の照射は5分後によろしく」

不知火「承知しました」

ピカッ!

長波「うお!?」

陽炎「は!? 不知火! あんた何を……え!?」

不知火「不知火ではありません! この光は敵の軽巡です!」

陽炎「っ!!? まずい!!」
278 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:04:30.16 ID:2KIwJv6EO
ズドン! ズドン!

秋月「て、敵の砲撃です!! どこから撃たれているかは分かりません!」

陽炎「くそ! みんな散りなさい!! 敵の探照灯の照射を受けるのは一人になるようにするのよ!」

秋月「了解!!」

陽炎「照射を受け続ける子は回避に専念! その隙に敵の背後と右側部から雷撃を!」

不知火「初風達に連絡は?」

陽炎「あの子なら絶対に動く。むしろ、連絡をしてしまったら敵にあの子達の存在を教える事にもなるわ。あの子達を信じるのよ」

不知火「了解」

夕立「敵の光の動き……夕立が狙われているっぽい!!」

陽炎「同じ方向に逃げているのは秋月と不知火ね? 夕立は少しだけ速力を落として航行! 二人はそのまま夕立が進む方向と同じ方角に向けて航行! 長波は私について来て!」

長波「おうよ!」

夕立「陽炎、夕立も探照灯を照射するっぽい!」

陽炎「お願い! 出来れば敵の軽巡以外の敵を索敵するように広範囲を照らして」

夕立「りょーかい!」

夕立「探照灯、照射!」ピカッ

陽炎「夕立、絶対に生き抜くのよ!」

夕立「任せるっぽい!」

長波「陽炎、早いとこ突っ込むぞ」

陽炎「勿論よ!」

……。
279 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:06:03.61 ID:2KIwJv6EO
雪風「初風!」

初風「分かってる」

天津風「まさか、深海棲艦が探照灯を使うなんて……」

時津風「反則だー!」

初風「敵に先手を取られた以上、陽炎達の手札からは奇襲という選択肢を喪った」

天津風「でも、陽炎なら不利になった上でも敵の予想を上回ろうと立ち回るはずね」

初風「だけど、それにも限度はある、か」

雪風「雪風達も動きましょう!」

初風「そうね。ま、帰ったら陽炎から美味しいものを奢って貰おうじゃない? みんな、食べたい物を考えておきなさい」

天津風「そうね」

初風「行くわよ。黒潮も準備はいい?」

黒潮「も、もちろんやで……」

初風「大丈夫、黒潮は私が護ってあげるから心配しなくていいわよ」

黒潮「お、お姉ちゃんとしては、その言葉言われんのはツライわ」

初風「なら、早く実戦に慣れる事ね」

黒潮「せやな」

初風「よし。全艦両舷強速! 陽炎達を助けに行くわよ。16駆逐の力見せてやるのよ!」

全員「了解!」
280 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:06:39.61 ID:2KIwJv6EO
ピカッ

イ級「!!?」

陽炎「艦隊より11時の方向に敵艦発見! 」

陽炎「良くやったわね夕立。長波、雷撃準備! 発射管1番のみ魚雷装填! 発射!!」バシュッ

ズドーン!

長波「よっしゃ」

陽炎「魚雷二本でよく当ったわね」

長波「まあ、長波様も陽炎も訓練しまくってるからな」

陽炎「それもあるけど、何より運が良かったわね」

長波「運も実力の内さ」

陽炎「そうね。そして、これでのこり敵は5か」

ズドン!

長波「おい、あそこ今光ったぞ」

陽炎「マズルフラッシュね。もう一丁やるわよ? 準備は、」

長波「いつでも任せろ。行くよ」

長波「……夕立の奴もう少し頑張って耐えてくれよ……」

…………。
281 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:16:02.13 ID:2KIwJv6EO
今日はこれで終わりです。

艦これ三周年おめでとうございます。
始めた当初はエヴァのSSを書いており、まさか艦これのSSを書くようになるとは思ってもいませんでした。(半分黒歴史)

それが、名作とも言える"とある艦これSS"を読んでからは艦これの世界観や艦娘そのものについて考える様になり、この様に艦これSSを書く様になっておりました。人間何が起こるかなんて全く分からないものですね。


自分語りはさておき、江風改二が実装されましたね。これを物語に反映できるかどうかは未定ですが……

長々と喋りすぎましたね。では、また来ますね!
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 23:36:02.35 ID:hDcpui9Po
乙です
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 09:48:46.84 ID:cy15FnfSO
乙です
284 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:17:47.32 ID:/YVN3pmg0
陽炎「目標、敵軽巡! 長波は全砲門斉射して、私を援護! 私は敵の軽巡に肉薄して近距離から砲撃を試みるわ!」

長波「おうよ! 全砲門斉射! ってぇ!」ズドン!

ホ級「!?」

長波「ほら、まだまだ!」ズドン!

ホ級「……」ズドン!

長波「うわっ、撃ってきやがった! あぶねぇなぁ……」ズドン!

ホ級「……」ズドン! ズドン!

長波「ま、あいつもこれで終わりだがな」

陽炎「長波、ナイス援護! いっくわよー!」

陽炎「沈みなさい!」ズドン! ズドン! ズドン!

ホ級「」

陽炎「敵軽巡撃破! 残りはあの探照灯持ちだけよ!」
285 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:19:23.87 ID:v5cL0WxyO
長波「ちえ、陽炎にいいとこ持って行かれちまったな」

陽炎「ご馳走様。でも、まだメインデッシュが残ってるわよ」

長波「まあな」

陽炎「長波はまだ行けるかしら?」

長波「当たり前だ」

陽炎「うんうん、元気な子はお姉ちゃん大好きよ」

長波「そりゃどーも。陽炎の妹になった覚えは無いがな」

陽炎「夕雲型は陽炎型みたいなものじゃない?」

長波「すると、あたしら夕雲型は姉よりも優れた妹となる訳だ?」

陽炎「そんなことは……」

長波「なにせ夕雲型は改陽炎型だからな。な、お姉ちゃん?」

陽炎「……やっぱり夕雲型は陽炎型から破門よ!」

長波「有難きお言葉」

陽炎「…………とりあえずあいつ倒そうか」

長波「賛成だ」
286 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:20:19.28 ID:v5cL0WxyO
陽炎「不知火と夕立、聞こえる?」

不知火「何でしょうか?」

陽炎「夕立は?」

夕立「はあ……今は……うぁっ……それどころじゃ、無いっぽい! ッ!?」

陽炎「なら、夕立はそのまま回線を開いて聞いているだけでいいわ」

夕立「うん!」

陽炎「不知火と秋月の位置からは、敵の軽巡に対して反航戦からの雷撃を行うのにどれくらいの時間がかかる?」

不知火「敵がこのまま直進すると仮定すれば……約10分といったところでしょうか」

陽炎「じゃあ、私と長波は敵の軽巡に対して奇襲を行って、そのまま同航戦を仕掛けるわ」

不知火「敵が陽炎に気を取られている内に、不知火達が仕留めると」

陽炎「そういうこと。今魚雷はどれ位残ってる?」

不知火「不知火は残り8本。秋月は2本です」

陽炎「後のことは気にしないで、魚雷を全部叩き込みなさい。少なくとも一度はショートランドに戻るんだし」

不知火「了解」

陽炎「じゃ、そういう事で。頼んだわよ」

不知火「御武運を」

陽炎「あんたもね! 通信終わり!」

長波「んじゃ、もう一丁行きますか」

陽炎「突撃よ!」
287 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:21:43.05 ID:v5cL0WxyO
陽炎「さ、長波。覚悟はいいかしら? あいつはかなり手強そうよ?」

長波「ああ」

陽炎「いい心構えね」

長波「そりゃ駆逐艦だからな」

陽炎「駆逐艦魂ってやつ? それとも水雷魂?」

長波「んなもん関係ねえよ。ただ、私達はこの魚雷を敵艦に叩き込むだけの肝っ玉が必要ってだけだ」

陽炎「まあそうね。それが私達の仕事だしね。でも雑談は終わり。そろそろ、軽く作戦の説明をするわね」

長波「頼む」

陽炎「夕立の探照灯の陰から一気に接近。雷撃後、着弾のタイミングで砲撃開始。魚雷が当たれば御の字、当たらなければ同航戦を仕掛ける」

長波「んで、そのまま不知火達の雷撃援護って訳だな」

陽炎「そーゆー事。魚雷の装填は?」

長波「とっくに完了してる」

陽炎「うん。それじゃ、作戦開始!!」
288 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:23:32.41 ID:v5cL0WxyO
長波「まだ気付かれていないみたいだな」

陽炎「そうね……射点修正。いくわよ」

陽炎「長波、魚雷一斉射!」バシュッ

長波「あいよ!」バシュッ

陽炎「砲撃はまだよ。機関このまま。取り舵一杯!」

長波「取り舵一杯!」

陽炎「着弾まで5、4、3……全砲門一斉射!! ってぇ!!」ズドン! ズドン!

長波「てぇ!!」ズドン! ズドン!

軽巡棲姫「!!?」ズドン! ズドン! ズドン!

バッシャーン!

陽炎「なっ!? 」

長波「水面を!!? おい、陽炎!」

陽炎「見抜かれた!!? まあいいわ! そしたら同航戦で砲撃を叩き込むのみよ!」

長波「おう!!」

陽炎「両舷一杯、針路そのまま! 全砲門撃て!!」ズドン! ズドン!

…………。
289 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:27:57.06 ID:v5cL0WxyO
今日はこれで終わりです。

艦これ春イベの調子はどうでしょうか?
現在私は春風、親潮堀を漸く終え、E7甲に挑み始めたところです。

もう終えた人も、まだこれからの人も頑張って下さいね。

では、また来ますね
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/24(火) 00:31:49.27 ID:gD0ts1+fo
お疲れ様です!
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/24(火) 06:58:26.55 ID:c9Dyseeuo
乙です
292 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 09:21:58.63 ID:+iuZ5yvJO
今日か明日の夜に更新予定です

もうしばらくお待ち下さい
293 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:20:05.17 ID:+iuZ5yvJO
軽巡棲姫「……」ズドン!

バッシャーン

陽炎「くっ……」

軽巡棲姫「……」ズドン!

長波「うぁ!!? くそっ! 艦尾に被弾!」

陽炎「戦闘への影響は!?」

長波「戦闘への支障はない。だけど、このままだとヤバいぞ」

陽炎「あと1分くらい耐えるのよ! そうすれば不知火達がやってくれるから!」ズドン!

長波「へへっ、ハードな役回りだねぇ」ズドン!

陽炎「最初から分かっていた事でしょ」ズドン!

長波「それにしても予想以上だって」

陽炎「それは認めるわ。こいつかなり強い」

長波「一瞬でも気が緩んだら、その瞬間に沈められそうだ」

陽炎「敵ながら練度が凄く高いわ。私達と同じくらいか、場合によってはそれ以上か」

長波「そうなると、軽巡と駆逐の絶対的な火力差が浮き彫りになるってわけだな」

陽炎「まさかこんなに練度が高い深海棲艦がいるとはね。帰ったらもっと練度上げなきゃ」

長波「陽炎、そろそろ」

陽炎「分かってる。10秒後に取り舵20」

長波「了解」

軽巡棲姫「……」クルッ

陽炎「とりか……はっ!?」

長波「うそ……だろ?」

軽巡棲姫「……」ジャキッ バシュッ

陽炎「不知火!! 作戦が読まれてる!! 今すぐ逃げて!!」

軽巡棲姫「……」ズドン! ズドン!
294 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:21:07.55 ID:+iuZ5yvJO
不知火「秋月。作戦は失敗です。取り舵一杯」

秋月「は、はい!」

軽巡棲姫「……」ズドン! ズドン!

バッシャーン!

不知火「くっ!!」

秋月「不知火さん、足元!!」

不知火「!!?」

バッシャーン!!

秋月「不知火さん!!」

不知火「……ぁ」

秋月「不知火さん! 不知火さん!!」

不知火「……」

秋月「陽炎さん!! 不知火さんが被雷!! このままだと轟沈しちゃいます!!」

陽炎「不知火!!」

秋月「あぁ……敵が…………敵がこっちに……」

陽炎「秋月! あんたは逃げなさい! 不知火は置いてすぐに!」

秋月「でも、そしたら不知火さんが!」

陽炎「不知火は私がなんとかするから! 早く!」

秋月「でも……でも……」

陽炎「秋月!!」

秋月「あ……あぁ……」ブルブル

軽巡棲姫「……」ジャキッ

秋月「もう、もう誰かを喪うのは……嫌!!」ガバッ

陽炎「馬鹿!! 秋月、あんた死ぬわよ!!」

不知火「あき……づ、き……」

秋月「大丈夫です……秋月が不知火さんは護りますから……大丈夫です……大丈夫……」ブルブル

不知火「くっ……死なば…………諸共……」ジャキッ

軽巡棲姫「……」ピタッ

陽炎「不知火!! 秋月!!」

秋月「うぅ……不知火さん……」

初風「探照灯照射ぁっ!! 」
295 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:21:41.29 ID:+iuZ5yvJO
ピカッ

軽巡棲姫「!!?」バッ

秋月「……え?」

黒潮「よっしゃ! めっちゃ効いとるわ!」

初風「黒潮、そのまま敵の目を狙い続けて」

黒潮「了解やで!」

初風「秋月! すぐに不知火を抱えて逃げなさい!」

秋月「初風、さん……?」

初風「お話は後! 早く逃げなさい!」

秋月「は、はい! 不知火さん、もう少し頑張って下さいね! 必ず助けますから!」グイッ

不知火「ぁぁ…………」ガクッ

秋月「初風さん、後は頼みます!」

初風「任せなさい!」

初風「第三輸送艦隊本隊もとい、第16駆逐隊突撃!! 目標、敵軽巡! 雷撃戦用意!」

時津風「天津風、いくよー!」

雪風「初風に合わせます!」

天津風「魚雷の準備は済んでるわ!」

初風「両舷一杯、方位そのまま! ビビらないで付いてきなさいよ!」

初風「敵に逆落とし戦法見せてやるのよ!!」

雪風「はい!」
296 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:22:14.23 ID:+iuZ5yvJO
雪風「敵艦までの距離、残り200!」

初風「余裕ね。雪風、そのままカウントよろしく」

雪風「雪風にお任せ下さい!」

時津風「ちっかいっなちっかいったな! てっきーがちっかいなー!」

天津風「こんな時まで能天気なんだから……遊びじゃないのよ!」

時津風「えー? だって、敵に近づいてドーンってやるんでしょ? 遊びだよー! ねー、雪風ー?」

雪風「はい! 残り100!」

黒潮「いやいやいやいや、そろそろ梶を切ろうや……? ぶつかってしまうで?」

初風「まだまだよ!」

雪風「残り50!」

軽巡棲姫「!!?」ズドン! ズドン!

天津風「敵艦発砲開始!」

初風「流石に敵も私達のやる事が分かったか。ま、それでも突撃あるのみね!」

黒潮「初風、もう限界やって!! 今切らんでいつ切るんや!!」

初風「黒潮黙れ!」

黒潮「うぅ……」

雪風「残り20!」

黒潮「うぁぁぁ…………」

雪風「10、9、8、7、6、5」

軽巡棲姫「!!!?」グイッ

雪風「4」

天津風「敵艦、進路変更!」

雪風「3」

初風「馬鹿ね!」

雪風「2」

時津風「いくよー!」

雪風「1」

初風「魚雷発射!! 」バシュッ

ズドーン!!!!
297 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:22:43.80 ID:+iuZ5yvJO
初風「雪風、敵艦の様子は?」

雪風「敵影確認できません!」

天津風「一瞬で沈んだのね」

初風「まさしく轟沈ね」

天津風「ほぼ全ての魚雷が軽巡に命中したから仕方ないわ」

黒潮「あ、あはは…………」

時津風「どうしたのさ、黒潮?」

黒潮「あはははははははははははははははははははは!!」

時津風「初風ー、黒潮が壊れたー」

初風「どうしたのよ黒潮?」

黒潮「アホかー!! あんたらアホかー!!? 阿呆なんちゃう!? どないしてあんなことするんや!!」

初風「あんな事って、どんな事よ?」

黒潮「アホか!! 敵艦目指して突っ込んで、一度も梶切らないとか阿呆ちゃうんか!!? 初風、あんた頭のネジ全部吹っ飛んでるで!」

初風「ああ、そんなことか。だって、相手が避けたじゃない?」

黒潮「もしも避け無かったら、今頃ウチらは海ん中やで!? 避けなかったらどうするんや!」

初風「避けなかったら敵が避けるまで突っ込むまでよ」

黒潮「」アングリ

初風「そんな当たり前の事聞かないで。普通に考えれば分かる事でしょう」

黒潮「ウチ分かったわ……今まで一番頭がおかしいのは陽炎と不知火だと思っていたんやけど、本当に頭が壊れてたんは初風やったわ……」

初風「何よそれ!!? 私なんかより陽炎と不知火の方が頭オカシイわよ!」

黒潮「やっぱり舞風達、第4駆逐隊だけが陽炎型の癒しや……」

雪風「17駆もみんな普通ですよ?」

黒潮「んなわけあるか!! あんなにスレた連中の何処が普通なんや! 特に谷風のスレ方は異常やで!」

天津風「いや、谷風のあれは多分別……」

黒潮「それにしたって普通やないわ!」

時津風「ねえ、天津風〜」

天津風「何?」

時津風「なんか、黒潮がちゃんと関西人してるね」

天津風「……」ベシッ

時津風「痛っ!?」

………………………………。
298 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:23:32.90 ID:+iuZ5yvJO
今日はここまでです

また来ますね!
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 23:41:47.90 ID:9LdwmTMwo
乙です
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/10(日) 00:41:36.39 ID:vMzFkE4R0
もう来ないんやろか
301 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:17:17.86 ID:3cF47BN6O
お待たせしております。
明日の夜に更新予定です!

また明日来ますね!
302 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:25:38.43 ID:lYWeWiIa0
朝霧艦内

陽炎「不知火、夕立は大破、私や長波、秋月は中破乃至小破しています」

提督「そうか。すると、作戦の続行は難しいかもしれんな」

陽炎「ごめんなさい……」

提督「だが、お前達でなければあの敵軽巡は倒せなかった。よくやったな」

陽炎「怒らないの?」

提督「何故だ?」

陽炎「虎の子とも言える第三輸送艦隊本隊の戦力を大幅に消耗させちゃったのよ?」

提督「確かにそれは事実だ。しかし、それでもお前達が奴等を止めなければ、輸送艦隊が丸々消失していたやもしれん。それを引き止めたと言うだけでも十分過ぎる戦果だ」

陽炎「司令……」

提督「だからこそ、感謝の言葉を述べたのだよ」

陽炎「うん、ありがと! でも、その言葉はあの子達に言ってあげて。あの子達のお陰で倒せたんだから」

提督「もちろん後ほど伝えるさ。だが、陽炎達も十分頑張った。それも事実だ」

陽炎「もう! 今さら私の好感度を稼がなくたって意味ないわよ」

提督「稼いでいるわけでは無いがな……まあいい。お前達はショートランドに起動後入渠してくれ。コロネハイカラ島にも仮設ドッグは設置するが、現在は敵の制空権内だ。敵の攻撃の脅威に晒されている限りは、可能な限りそこでは入渠させたくない」

陽炎「分かったわ。ショートランドで安静にしているわね」

提督「そうしてくれ。間違っても、修理が完了する前に出撃なんてことをするなよ」

陽炎「はーい」

提督「よし、では不知火達のところに戻りなさい」

陽炎「うん! それじゃ!」

提督「ああ、ご苦労だった」
303 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:26:34.61 ID:3cF47BN6O
提督「瑞鶴、瑞鳳」

瑞鶴「はい!」

提督「そろそろ敵飛行場への攻撃を始める。二人とも艦載機の発艦準備を」

瑞鳳「もう完了しています! いつでもいけます!」

提督「よし、ならばこれより瑞鶴、瑞鳳両空母の艦載機による飛行場への急襲を行う。発艦開始せよ」

瑞鶴「艦載機のみんな、行っちゃって!」バシュッ

瑞鳳「第一次攻撃隊、発艦!」バシュッ

提督「続いて秋津洲」

秋津洲「は、はい!」

提督「索敵中の二式大艇から、敵の情報は来ているか?」

秋津洲「まだかも! まだ暗いから索敵はちょっと難しいかも!」

提督「了解だ。引き続き頼むぞ」

秋津洲「了解かも!」

提督「では、通信を終了する」

……………………。
304 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:27:05.23 ID:3cF47BN6O
ガダルカナル島上空

流星妖精「クライー」

烈風妖精「クライー」

彗星妖精「クライー」

烈風妖精「モクヒョウハマダナノカ?」

流星妖精「ソロソロノハズ……」

彗星妖精「ン?」

烈風妖精「ドウシター?」

彗星妖精「アソコ、ナニカヒカッテ……」

烈風妖精「アソコッテドコサ?」

彗星妖精「ゼンポウノヒダリシタノクモノキレマ」

烈風妖精「タシカニ……イヤ、マサカ……」

流星妖精「テキヒコウジョウハッケン!」

烈風妖精「ヨッシャ!」

彗星妖精「ショウタイゼンキニツグ! テキヒコウジョウハッケン! テキヒコウジョウハッケン!」

烈風妖精「テキノゲイゲキキハ、マダアガッテイナイ!」

彗星妖精「ダイイチ、ダイニショウタイハ、コウコウドカラキュウコウカバクゲキ! ダイサン、ダイヨンショウタイハ、コウドコノママデスイヘイバクゲキ!」

彗星妖精「リョウカイ!」

流星妖精「リュウセイゼンキハ、スイセイタイガバクダントウカゴ、イキノコッテイルヒコウジョウノカッソウロヲコウゲキ!」

流星妖精「リョウカイ!」

烈風妖精「カンセンカクショウタイノ、ニバンキトサンバンキハ、スイセイ、リュウセイソレゾレノショウタイノゴエイニツケ!」

烈風妖精「リョウカイ!」

烈風妖精「ソレイガイノカクキハ、ヒコウジョウニデテイルテッキヤ、タイクウカキヘキジュウソウシャヲオコナエ!」

烈風妖精「リョウカイ!」

彗星妖精「レップウタイ、タノンダゾ! サクセンカイシ!」
305 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:35:58.28 ID:iyZTaLwhO
彗星妖精「コチラタイチョウキ。コレヨリワガキハテキノダイイチカッソウロヘノバクゲキヲカイシスル。ズイカクコウクウタイゼンキ、ワレニツヅケ!」

彗星妖精「ニバンキカラサンバンキヘ。オレガサキニイク。オレガバクダンヲトウカシタラサンバンキハトツニュウセヨ」

彗星妖精「サンバンキカラニバンキへ。リョウカイダ! コウウンヲイノル!」

彗星妖精「オウッ! ソラ、イクゾ!」

彗星妖精「マダダ……マダマダ…………イマダ!」

ヒューン ズドーン!

彗星妖精「ヨッシャ!」

烈風妖精「オミゴト!」

烈風妖精「オイゴバンキ、ヨソミヲスルナ! テキノタイクウシャゲキガハジマッタゾ!」

烈風妖精「オット! アブネ!! マバラダガウッテキテルナ」

烈風妖精「コチラタイチョウキ! ゴエイキイガイハ、カドウシテイルテキノタイクウカキヲユウセンシテネラエ!」

烈風妖精「マカセロ! ウテッ!」ズダダダダダ

烈風妖精「タイクウキジュウイッキチンモク!」

烈風妖精「ヨクヤッタ! イッキニツブスゾ!」

烈風妖精「オウッ!!」

………………。
306 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:36:53.54 ID:iyZTaLwhO
瑞鶴「提督さん! 敵飛行場に向かった第一次攻撃隊より入電!」

提督「続けろ」

瑞鶴「はい! 0520、第一次攻撃隊は敵飛行場を発見。飛行場への攻撃を開始」

瑞鶴「約30分に渡る戦闘により、敵滑走路は二本とも完全に破壊、沈黙とのこと!」

提督「こちらの被害は?」

瑞鶴「敵の高角砲、及び対空機銃による攻撃で彗星2機が撃墜、流星一機が左翼を損傷」

提督「…………予想以上の大戦果だ」

瑞鶴「私もちょっとびっくり」

提督「残った全機が帰投したら、妖精を労ってやれ」

瑞鶴「うん!」

提督「瑞鶴、瑞鳳」

瑞鶴「ん?」

提督「良くやった」

瑞鶴「うん!」

瑞鳳「ありがと、提督!」

………………。
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/27(水) 21:17:46.16 ID:/gM4Ptlt0
はよ
308 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/15(月) 10:31:40.75 ID:dTq6eVVrO
今夜か明日の夜に投稿予定です

前回の更新では、突然エラーを吐き出し、翌日になっても書き込めなくなってしまい、途中で途切れた形になりました。

また来ますね
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 18:14:22.88 ID:SeDoPVqT0
ヤター
310 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:05:18.87 ID:13nlxHEOO
乗組員「中将、意見具申をしても宜しいでしょうか?」

提督「何だ?」

乗組員「申し上げます。本来ならば、ショートランドの資材の半分以上をコロネハイカラ島へ輸送する予定でしたが、ここはコロネハイカラ島への輸送物資を減らしてでも、速攻をかける方がよろしいのでは?」

提督「それは、航空攻撃の戦果の報告を受けての判断か?」

乗組員「はい。現在艦隊周辺には恐らく敵艦隊はもう存在しません。そして、あと数十分で陽が昇り、二式大艇による索敵も可能になります」

乗組員「仮に敵艦の接近があれば、二式大艇の索敵にて察知が出来るため、先手を打って作戦を変更する事は可能です。しかし、後手に回ってしまっては選択肢を減らすだけです」

乗組員「ならば、短期決戦というリスクを負うことにはなりますが、先手を打つメリットを取る方が良いかと存じます」

提督「確かに一理ある。しかし、もしも二式大艇では察知出来ない敵艦、つまり潜航中の敵潜水艦がいたらどうする? または、二式大艇の索敵から逃れる事が出来た敵艦隊がいたらどうする?」

乗組員「……奇襲による被害が予想されます」

提督「そうだ。近海に敵艦がいないという前提条件は安心感を味方に与えると同時に、敵がいない故に奇襲を受ける事はないという、あってはならない先入観が生まれ、それがいい慢心に繋がる」

乗組員「はい……」

提督「もしも敵の奇襲を受け、味方に甚大な被害が出た場合、輸送してきた物資が少なければ、作戦継続可能時間はより少なくなってしまう」

乗組員「はい……」
311 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:06:56.43 ID:13nlxHEOO
提督「確かにノリと勢いは大切だ。時には何よりもそれらが優先される事もある。だが、基本は石橋を叩いて渡る。それに越した事はない」

提督「我々は限られた、数少ない資源と戦力で膨大な数を誇る敵と戦わねばならない。余分な資源を消費したり、艦娘を喪う事は可能な限り避けねばならない」

乗組員「……はい。おっしゃる通りです出過ぎた真似をしてしまい、誠に申し訳ありませんでした」

提督「中尉、お前はまだ若い。経験が少ないお前が間違えるのは当たり前だ。その間違えを正すのが上官たる私の職務であり、間違えた経験を糧に成長するのがお前の職務だ」

乗組員「はい」

提督「これに懲りずに、これからもドンドン意見をするんだ。間違えていれば私が諭すし、良い案であれば私は採用する。間違える事を恐れるな。いいな?」

乗組員「はい!」

提督「良い返事だ。では、持ち場に戻るんだ」

乗組員「はっ! 失礼致します」ビシッ

タッタッタッ

提督「ふっ……若いな」

……………………

…………

……
312 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:07:32.85 ID:13nlxHEOO
乗組員「中将、コロネハイカラ島より報告があります」

提督「準備が整ったか」

乗組員「はい。予定していた資源量の輸送が完了したとのことです」

提督「予想よりも早かったな」

乗組員「そうですね」

提督「秋津洲と交信をする。回線を開け」

乗組員「はっ!」

提督「秋津洲」

秋津洲「は、はい!」

提督「二式大艇からの報告はどうだ?」

秋津洲「えっと……周辺海域に敵艦隊は存在しないかも!」

提督「だが、先ほどの定時報告にあった敵艦隊がこちらに進軍中と?」

秋津洲「はい。北西部の方から大規模の敵艦隊がこっちに向けて進軍中かも」

提督「それ以外に敵はいるか?」

秋津洲「今のところいないかも!」

提督「了解した。秋津洲はそのまま索敵を頼む」

秋津洲「はい!」
313 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:08:13.32 ID:13nlxHEOO
提督「全回路開け」

乗組員「はっ! 全艦娘への通信回路開きました」

提督「うむ」

提督「全艦娘に告ぐ。先ほど、コロネハイカラ島への予定していた量の物資の輸送が完了した」

提督「これにて、コロネハイカラ島への輸送作戦から次の作戦へ移行する」

提督「現在コロネハイカラ島沖合に展開中の全艦娘はコロネハイカラ島へ帰投。例外として、秋津洲とその護衛艦はそのまま任務を継続」

提督「全艦娘の補給と応急修理が完了次第、ヘンダーソン基地への攻撃を開始する」

提督「現在、ヘンダーソン基地の滑走路は全て破壊しており、航空攻撃の危険性は劇的に低下している」

提督「だが、念には念を押しておくに越したことはない。瑞鶴、瑞鳳からなる第二艦隊は航空攻撃で再度ヘンダーソン基地を爆撃。敵の航空機の発進の確率を"わずか"から"ゼロ"にする」

提督「その後、比叡を旗艦とした第一艦隊による艦砲射撃で基地を完全に破壊する」

提督「その間、陽炎に代わり初風を旗艦とした第三艦隊、川内を旗艦とした第四艦隊は敵の潜水艦の哨戒。阿武隈を旗艦とした第六艦隊は第一艦隊の援護と護衛。伊58と呂500からなる第七艦隊は接近中の敵の艦隊の偵察と奇襲を行う」

提督「以上が次段階の概要だ。各艦、ただちにコロネハイカラ島へ帰投せよ」

提督「以上。通信終わり」

………………………………

………………

……
314 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:08:44.84 ID:13nlxHEOO
ガダルカナル島沖

比叡「う〜」

青葉「どうしたんですかー?」

比叡「きんちょーするー」

青葉「あー、青葉達大事な役割ですからねー」

比叡「それもなんだけど……吐きそう……」

熊野「弱音を吐いても良いことはありませんわ」

比叡「そうなんだけど……今回は流石にね……」

熊野「大丈夫。過去と現在は異なりますわ」

比叡「うん……そうだね。今の私は昔の私じゃないよね……」

熊野「はい。それに、例え貴女が大破してしまっても、私達は決して見捨てませんわ」

比叡「……ありがとう」

夕張「それに、この子の前でヘマは出来ないんじゃない?」

清霜「ん?」キョトン

比叡「確かに。うん、みっともない所なんて見せられないね」

熊野「そうですわね」

比叡「みんなありがとう。少し気合入った」

青葉「いえいえ〜」

比叡「じゃあ、気合が入ったついでに砲撃の時間に入ろうか」

比叡「……こちら比叡。司令、第一艦隊砲撃開始します」

比叡「…………みんな始めるわよ! 戦艦及び重巡は三式弾、零式弾砲撃準備! 軽巡、駆逐艦は榴弾を装填。目標、敵基地!」

比叡「全艦、碇を降ろせ! 耐衝撃準備! 射角微調整!」

比叡「全艦、全砲門砲撃開始!!」

比叡「撃てーっ!!」

………………………………

………………

……
315 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:09:23.94 ID:13nlxHEOO
比叡「こちら比叡! 作戦、完了しました!」

提督「御苦労。こちらの被害状況は?」

比叡「はい! 当方の被害は皆無です! 敵基地は完全に沈黙」

提督「素晴らしい結果だ。よくやった」

比叡「いえ。私達が無傷なのは砲撃前に行った航空爆撃のお陰です。私達が砲撃をする時には、殆ど全ての砲台が破壊されていましたから」

提督「それも含めて全体の戦果だ」

比叡「はい」

提督「第一艦隊はコロネハイカラ島へ補給の為に一度寄港せよ」

比叡「了解しました!」

提督「補給完了後は暫く待機し、あと12時間以内にコロネハイカラ島ね到着する駆逐艦深雪と合流せよ。合流後は、先の戦闘で艦隊から外れた長波の代わりとして運用する様に」

比叡「了解しました!」

提督「何かあれば随時連絡をしなさい」

比叡「はい!」

提督「では、これにて通信を終了する」

提督(……ここまで順調に事が進み過ぎている……)

提督(このままではまずい。気を引き締めねばならないな……)

提督(…………無性に嫌な予感がする)

………………………………

………………

……
316 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:11:02.37 ID:13nlxHEOO
今日はここまでです

夏イベが始まりましたね。現在E3の掘りで大苦戦中です。
皆さんも頑張って下さい。


また来ますね
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 23:31:47.17 ID:m+xFAxIvo
乙です
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 19:44:53.15 ID:aat8zZtr0
おつ
319 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:45:31.15 ID:CzQ8hMqJO
コロネハイカラ島

乗組員「全艦の修理、補給が完了致しました」

提督「うむ」

乗組員「他に何か私が出来ることはございますか?」

提督「後ほどもう一隻駆逐艦が来るのは覚えているか?」

乗組員「はい」

提督「その駆逐艦が到着した際、即座に補給と艤装の簡易修理が出来るように準備しておいてくれ」

乗組員「了解致しました! 失礼します!」

ガチャッ パタン

提督「さて……」

コンコン コンコン

提督「ん? 誰だ」

瑞鶴「提督さん、入っていい?」

提督「瑞鶴か。入れ」

瑞鶴「失礼します」

ガチャッ

提督「どうした?」

瑞鶴「提督さん、索敵に出していた彗星から報告」

提督「悪い知らせか? それとも良い知らせか?」

瑞鶴「良い知らせ」

提督「聞こう」

瑞鶴「深雪ちゃんが約50海里先まで来てるみたい」

提督「到着まで約2時間といったところか」

瑞鶴「そうね。深雪ちゃんが到着した時に備えて何かした方がいい?」

提督「今手配したところだ」

瑞鶴「流石だね」

提督「たまたまだよ」

瑞鶴「そう? それじゃ、私は哨戒任務に戻るね」

提督「頼む」

瑞鶴「うん!」

パタン

………………………………。
320 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:46:06.69 ID:CzQ8hMqJO
二時間後

響「……見えた」

雷「え? どこどこ?」

響「向こう」

雷「それじゃあ分からないわよ!」

電「見えたのです! 深雪ちゃんなのです!」

響「他の子達は……見覚えがないな。いや、あれは霞か」

深雪「みんな〜!! 間に合ったぜぃ!!」

風雲「待ってたわよ。……それで、後ろの人達は? 大湊の人達だよね?」

深雪「そうそう。えっと……」

鈴谷「こんにちは〜鈴谷だよ。賑やかな艦隊だねぇ……って熊野!!?」

熊野「熊野っ!? ではありませんわ! なんで貴女が護衛を?」

鈴谷「ま〜色々あってさぁ〜」

熊野「普通、輸送艦隊を護衛するは駆逐艦と軽じゅ…………まさか……」

鈴谷「そっ、そのまさかだよ」

熊野「それにしたって、そんな屁理屈が通るわけありませんわ!」

鈴谷「それが通っちゃうんだよね〜」

熊野「鈴谷や私が軽巡なのは書面上だけですわ!」

鈴谷「それがさ〜」

球磨「あ〜説明が長すぎるクマ! つまるところ、大湊では軽巡が足りないから軽巡の鈴谷を連れてきたクマ」

熊野「は…………?」ポカン

球磨「そんな事よりも、球磨達は提督に報告があるクマ。早く案内して欲しいクマ」

電「い、電がご案内するのです!」

球磨「電……特三型の四番艦だったクマね?」

電「はい、なのです!」

球磨「じゃあ、案内を宜しくクマ」

電「こっちなのです!」

球磨「みんな、球磨について来るクマ」

…………。
321 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:47:14.12 ID:CzQ8hMqJO
コンコン コンコン

電「司令官さん。大湊の艦娘の人達がお越しなのです」

提督「入れ」

ガチャッ

球磨「電のおかげで助かったクマ。ありがとクマ」

電「どういたしましてなのです!」

提督「電、ご苦労だった。そして、君は」

球磨「大湊鎮守府所属の球磨型軽巡洋艦一番艦の球磨です」

電「ふぇっ!!?」

提督「どうした?」

電「ご、語尾が……」

球磨「ああ、そういうことクマね。これはただ単にオンオフの切り替えクマよ」

電「わ、分かりました……なのです」

球磨「話がズレたクマね……」

球磨「御鎮守府所属の深雪の護衛として同行してきた者の紹介を致します」

電「…………」

球磨「球磨の左から順番に、最上型軽巡洋艦鈴谷、朝潮型駆逐艦朝潮、満潮、荒潮、霞。神風型駆逐艦、神風。睦月型駆逐艦、如月、弥生、皐月、水無月、長月です」

提督「協力に感謝する。それで、この後の事だが、大湊へいつ出立する予定か教えて欲しい」

球磨「その件に関しては、大湊の提督からの命令を読み上げます」

球磨「球磨を旗艦とした特別輸送艦隊護衛艦隊は、コロンバンガラ島への護衛任務を完遂後、SN作戦完了までの期間、一時的に横須賀鎮守府の命令系統に従事し、作戦遂行の助けとなれ」

提督「っ!?」

球磨「それとは別に、非公式の発言としての伝言もありますので、報告させて頂きます」

球磨「この貸しはいずれ返して貰うぞ。それと、我が艦隊の艦娘を沈めた場合は貴様は間宮海峡に沈んで貰う。その時は覚悟しておけ」

提督「…………肝に命じよう」
322 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:47:44.59 ID:CzQ8hMqJO
球磨「では、これより貴官の命令系統に加わります。ご命令を」

提督「まずは全艦補給作業を行え。この中に損傷した艦娘はいるか?」

球磨「皆無です。横須賀からコロンバンガラ島までの航路で一度も敵艦と遭遇せずに済んだので」

提督「念のために艤装の点検は済ませておけ。補給が終わり次第、我らはニューギニアへの侵攻を開始する」

球磨「了解です。あともう一点お伺いしたい事があります」

提督「なんだ?」

球磨「こちらの各艦娘の所属艦隊は如何なさいますか?」

提督「鈴谷を旗艦とした、朝潮、満潮、荒潮、霞の5隻を第八艦隊。球磨を旗艦とした、神風、如月、弥生、皐月、水無月の6隻が第九艦隊として動いて貰うつもりだ。お前達の事はお前達が一番わかるだろう。何か異論等があれば言ってくれ」

球磨「特にはありません。他の人は?」

鈴谷「う〜ん、鈴谷は無いかな〜」

朝潮「朝潮型は、司令官の指示に従います!」

神風「貴女達は大丈夫?」

如月「ええ。睦月型も問題無いわね」

提督「ならば、特に変更は無しで良いな?」

球磨「問題ありません。よろしくお願い致します」

提督「ならば、急いで補給をしに行って来なさい」

球磨「了解しました。では、失礼します」

パタン

………………………………

………………

……
323 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:54:07.33 ID:CzQ8hMqJO
今回はここまでです

また来ますね。

因みに余談ですが、春イベは完走し新旗艦も全艦手に入れました。しかし多忙の為備蓄が全く追いつかない……
今日は浦波が実装されましたね。私のSSでは実艦として出している朝霧が実装される日が、そう遠くなさそうな気がします。
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/16(金) 23:00:26.18 ID:LophSeLJo
乙です
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 14:17:28.44 ID:okug6Vjk0
326 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/16(日) 21:46:48.21 ID:eG6UV8+vO
>322に修正がありますので、修正版を投稿します。
327 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:38:15.04 ID:+MbwwKJ2O
球磨「では、これより貴官の命令系統に加わります。ご命令を」

提督「まずは全艦補給作業を行え。この中に損傷した艦娘はいるか?」

球磨「皆無です。横須賀からコロンバンガラ島までの航路で一度も敵艦と遭遇せずに済んだので」

提督「念のために艤装の点検は済ませておけ。補給が終わり次第、我らはFS作戦へと移行。フィジー、サモアへの侵攻を開始する」

球磨「了解です。あともう一点お伺いしたい事があります」

提督「なんだ?」

球磨「こちらの各艦娘の所属艦隊は如何なさいますか?」

提督「鈴谷を旗艦とした、朝潮、満潮、荒潮、霞の5隻を第八艦隊。球磨を旗艦とした、神風、如月、弥生、皐月、水無月の6隻が第九艦隊として動いて貰うつもりだ。お前達の事はお前達が一番わかるだろう。何か異論等があれば言ってくれ」

球磨「特にはありません。他の人は?」

鈴谷「う〜ん、鈴谷は無いかな〜」

朝潮「朝潮型は、司令官の指示に従います!」

神風「貴女達は大丈夫?」

如月「ええ。睦月型も問題無いわね」

提督「ならば、特に変更は無しで良いな?」

球磨「問題ありません。よろしくお願い致します」

提督「ならば、急いで補給をしに行って来なさい」

球磨「了解しました。では、失礼します」

パタン

………………………………

………………

……
328 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:39:03.28 ID:+MbwwKJ2O
朝霧艦内

乗組員「只今ソロモン諸島海域を離脱しました」

提督「了解。方位北西。速度そのまま」

乗組員「方位北西! ヨーソロー!」

乗組員「中将! 前方を航行する艦娘より入電! 周辺に敵潜水艦及び艦載機の反応無しとのことです」

提督「念には念を推しておこう。アクティブソナーを使用後反応が無ければパッシブソナーを使用。その後は艦娘達と連携を取り対潜哨戒を徹底せよ」

乗組員「了解!」

乗組員「中将、緊急の報告です!」

提督「続けろ」

乗組員「秋津洲より入電。北西の敵艦隊は進路変更をし、キリバスのクリスマス島へ進行中との事です」

提督「クリスマス島……主要な基地などは無かった筈だが……」

乗組員「深海棲艦の新たな泊地になっているのでしょうか」

提督「可能性はあるが、確証がない以上断言は出来ない。しかし、困ったな……」

乗組員「いかがなさいますか?」

提督「敵の狙いが読み辛くなった。敵はサモアやフィジーの防衛に回るのか。それともソロモン諸島を奪還しに来るのか……」

乗組員「でしたら、フィジーで待ち伏せるのはいかがでしょうか?」

提督「ふむ…………待ち伏せをするのも良いかも知れぬな。お手柄だ」

乗組員「いえ! こちらこそ、私の案を採用して下さりありがとうございます!」

提督「私が考えている案よりもお前の案が良かったから採用した。それだけだ」

乗組員「はっ!」

提督「さて、そうなると……」

乗組員「外で活動中の艦娘にも連絡が必要ですね?」

提督「ああ。まずは秋津洲との通信をする。回線を開け」

乗組員「了解致しました……回線繋がりました」
329 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:39:35.49 ID:+MbwwKJ2O
提督「秋津洲、聞こえるか?」

秋津洲「聞こえるかも!」

提督「作戦が少々変更になった」

秋津洲「変更?」

提督「フィジー沖にて敵艦隊を待ち伏せし奇襲する。その為には秋津洲と二式大艇の役割が非常に重要になる」

秋津洲「……了解かも」

提督「今まで以上に詳細な情報を頻繁に送信出来るか?」

秋津洲「頑張るかも!」

提督「頼んだぞ。お前の情報が勝敗を分ける事になる」

秋津洲「了解!」

提督「では、報告を待っている」
330 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:40:05.17 ID:+MbwwKJ2O
提督「針路変更。目的地はフィジーだ」

乗組員「了解!」

提督「艦内放送をする」

乗組員「了解! 艦内放送の準備完了致しました」

提督「全艦娘に告ぐ。繰り返す、全艦娘に告ぐ。これより本館はフィジーへ向かい現在クリスマス刀剣へ移動中の敵艦隊を迎撃する。全艦の所属艦隊に変更は無い」

提督「作戦の詳細は追って連絡する。何か不明な事があれば私の元へ来るように」

提督「フィジー到着までは暫く時間がかかる。今の内に休める者は休んでおいてくれ。フィジーでの作戦では前準備などがあり忙しくなる予定だ」

提督「通達は以上だ」

乗組員「艦内放送切断致しました」

提督「御苦労。さて、我々は一仕事するか」

提督「今手が空いている者は私と共に下層階の網を取りに行くぞ。ありったけ出すぞ」

乗組員「了解!」

提督「さあ、始めよう」

………………………………。
331 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:40:43.86 ID:+MbwwKJ2O
フィジー沖

提督「全艦配置に着いたな」

瑞鶴「全艦娘、配置に着いてます」

提督「了解。秋津洲、敵艦隊の様子は?」

秋津洲「敵艦隊の針路に変更なし! こっちの潜水艦を警戒して軽巡1、駆逐艦5の水雷戦隊3隊が単横陣で進軍中かも!」

提督「本隊の進路に変更が無ければ問題無い。瑞鶴、瑞鳳。第一次攻撃隊を出せ」

瑞鶴「了解! 第一次攻撃隊発艦始め!」バシュッ

瑞鳳「艦載機のみんな、頑張ってね!」バシュッ

提督「第三、第五艦隊は敵艦隊へ向けて出撃」

初風「了解」

阿武隈「了解です!」

提督「この戦いは何としても勝つぞ」

全艦娘「はい!」

……………………。
332 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:41:23.91 ID:+MbwwKJ2O
今日はここまでです

また来ますね!
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 09:57:41.92 ID:LnqQd1eGo
乙です
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/27(木) 02:56:27.45 ID:Q3u1jimB0
>>330
>提督「全艦娘に告ぐ。繰り返す、全艦娘に告ぐ。これより本館はフィジーへ向かい現在クリスマス刀剣へ移動中の敵艦隊を迎撃する。全艦の所属艦隊に変更は無い」
物騒なサンタだ
335 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/11/17(木) 08:43:47.44 ID:HCE5ucyRO
今夜か明日更新予定です。
今しばらくお待ちを

>>334ご指摘ありがとうございます。
>>330 の該当箇所は、以下の文になります。

提督「全艦娘に告ぐ。繰り返す、全艦娘に告ぐ。これより本館はフィジーへ向かい現在クリスマス島沖へ移動中の敵艦隊を迎撃する。全艦の所属艦隊に変更は無い」

336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/20(日) 16:46:00.59 ID:Wo/4vVEU0
全裸待機3日目
更新待ってます
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/28(月) 03:38:30.33 ID:Nv7tHNFj0
いつ瑞鶴は君がすべてさBE MY BABY BE MY BABYアッフゥン‼︎するんですか
338 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/12/07(水) 23:48:52.38 ID:ZS5Yksj6O
お待たせしていて申し訳ございません

仕事が多忙の極みで死にかけていました……
ようやく少しの期間だけ落ち着きそうなので更新の準備を進めます

もうしばしお待ちを
339 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/12/13(火) 03:43:27.06 ID:tLCW3Dg0O
初風「瑞鶴さんから入電。瑞鶴さんと瑞鳳さんの航空隊が敵艦隊の駆逐艦2隻を大破に追い込んだみたいね」

天津風「普段の戦果と比べると少ないわね……偶然? それとも……」

初風「練度や性能が高いか、ね……」

嵐「まー、とりあえずぶっ放して倒すだけだよな」

時津風「わー過激な発言だね〜かっこい〜」

萩風「嵐! そんな簡単そうに言わないで! これは実戦。本当に危ないのよ!」

嵐「大丈夫、分かってるさ」

雪風「逆探に感あり!!」

初風「見つかった!?」

雪風「いいえ、まだ周期的な反応です……ううん、見つかりました……」

初風「電波の規模は?」

雪風「恐らく小規模……いや、大きい電波もこちらに向けて放射されています」

初風「もう見つかったか……敵の練度は高いのかもしれないわ」

初風「極々小さな違和感からこちらの艦隊を捕捉、さらには後方にいると思われる敵主力艦隊に打電。この対応の速さは尋常じゃない」

雪風「はい。雪風も同じ考えです!」

天津風「どうするの?」

初風「阿武隈さんの艦隊が挟撃出来る様に引き付ける。4駆は右方、16駆は前方の敵に中距離からの雷撃を仕掛けて敵の艦隊運動を乱す」

時津風「もーっと後ろの艦隊はどーするのさー?」

初風「潜水艦の二人に任せる」

舞風「わっかりましたー! 野分、萩風、嵐、踊るわよ!」

初風「無理は禁物。これ以上こちらの駆逐艦が減ったら艦隊全体が危険になる。回避先行で深追い禁止。これだけは肝に銘じなさい」

嵐「りょーかい!」
340 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/12/13(火) 03:54:13.84 ID:tLCW3Dg0O
舞風「敵艦、発見しましたー!」

野分「敵軽巡発砲始めました!」

萩風「大丈夫、まだ当たらないわ」

野分「敵弾着水!」

嵐「かなり後方に落ちたな」

萩風「多分最大飛距離からの発砲ね」

野分「多分」

嵐「のわっちはどうするんだい?」

野分「もう……のわっちって言わないでって……まあいいわ。流石にこの距離からの雷撃は無謀だから、もう少し接近するわよ」

萩風「砲撃はどうするの?」

野分「有効射程距離までは近付くつもり。舞風は大丈夫だろうけど、二人は大丈夫?」

嵐「どういう事だよ?」

野分「これからかなりの敵の砲撃が見込まれるわ。今回が初陣の嵐と萩風は大丈夫? 絶対に途中で止まったりしたら駄目だから」

舞風「怖くなったら踊ればいいよ!」

野分「それは舞風だけだから」

舞風「うぅ〜! いけず〜!」

嵐「ま、そういう意味なら大丈夫だろ?」

萩風「ええ。伊達に訓練を積んでいないわ」

野分「そう。大丈夫そうね」

舞風「うんうん! それじゃ、舞風行きまーす!」

野分「こら、舞風! 私たちも続くわよ!」

嵐「あいよぉ!」

萩風「はい!」
341 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 00:57:31.69 ID:FFDsHZNn0
舞風「敵軽巡発砲ー! ダンスするまであと三秒! それ、ワンツー!」クルッ

バシャーン!

萩風「きゃっ!」

野分「流石に着弾位置が近くなって来たか……」

舞風「嵐〜大丈夫?」

嵐「あ、ああ……」

舞風「野分、どうする?」

野分「艦隊第三船速まで減速! そのまま20秒後に最大戦速まで増速!」

舞風「りょーかいー!」

萩風「分かったわ」

嵐「了解だ」

バッシャーン!

舞風「あぁっ!」

野分「舞風!?」

舞風「足を挫いた……」

嵐「舞!」

舞風「大丈夫……! 野分、増速して!」

野分「…………艦隊増速!」

嵐「おいのわっち! 舞が足を怪我しているのに何を考えているんだよ!」

野分「っ…………」

舞風「嵐」

嵐「舞……」

舞風「いいの。心配してくれてありがと」

嵐「だけどよ……」

萩風「嵐、野分の事を責めないであげて。野分が一番辛いんだから」

舞風「うん。ありがとねのわっち」

野分「こんなところで沈んだら許さないんだからね」

舞風「うん。私は絶対に横須賀に帰るんだから!」

野分「頑張って舞風。こちらの射程圏内に敵艦隊を捉えた。各艦砲撃準備! 嵐と萩風は敵駆逐艦に砲撃開始。私と舞風は旗艦の軽巡へ!」
342 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 00:58:20.53 ID:FFDsHZNn0
嵐「仰角42.3度! 砲撃開始!」ズドン!

萩風「砲撃始めます!」ズドン!

舞風「舞風、砲撃いっきまーす!」ズドン!

野分「着だーん今! 敵艦の後方に着弾を確認。舞風の砲撃の仰角がこれくらいだったからこれくらいかな……」

野分「当たれ!」ズドン!

ズガン!

ホ級「!?」

野分「よし、目標への直撃を確認」

嵐「すげえ……」

野分「弾幕を張り続けて!」

野分「みんな、砲撃を続けながら聞いて。これより我が艦隊は敵艦隊へ中距離雷撃を行う。各艦魚雷発射管を左方に向けて」

野分「発射管の発射扇角は9度に設定。全艦魚雷を発射と共に取り舵いっぱい。全速力で退避する!」

舞風「了解!」

嵐「オッケー! 魚雷発射準備完了!」

萩風「萩風、発射準備完了しました」

野分「全艦、魚雷発射! ってえ!」バシュッ

野分「全艦取り舵一杯! 機関、両舷一杯! 第四駆逐隊はこれより戦闘海域より離脱する!」

舞風「っ……」

萩風「舞風、大丈夫……?」

舞風「うん、大丈夫だよ」

野分「舞風、もう少しだけ頑張ってね。後で応急手当てしてあげるから」

舞風「ありがとね野分」

野分「ううん。これくらい当たり前だから」

舞風「えへへ」
343 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 00:59:05.34 ID:FFDsHZNn0
嵐「お、敵艦隊の隊列が乱れ始めたぞ」

萩風「私達の魚雷に気付いたみたいね」

野分「うん。これで任務は果たせたわね」

舞風「魚雷当たるかな?」

野分「多分無理かな。あの距離で回避行動を取られたら当たらないよ」

舞風「ざんねーん」

嵐「ま、誰一人沈まないで任務を遂行出来たんだから、それだけでも御の字だろ」

萩風「うん。本当にそうね」

野分「あとは何事も無く退避出来れば完璧かな」

嵐「こっちは全速力で退避、敵は魚雷の回避で隊列がぐちゃぐちゃ。ま、ほぼ確実に追跡からは逃げられそうだな」

萩風「そうね」

嵐「あー帰ったら風呂に入りたいな」

野分「ほら、まだ戦闘海域の内側なんだから気を抜かないで」

嵐「ほいほい」

野分「舞風、嵐。九三式水中聴音機と三式水中探信儀で対潜哨戒をお願い」

舞風「了解ー!」

嵐「あいよ! 敵の潜水艦は見つけ出してぶっ殺してやるよ! 改装で新たに乗っけた九四式投射機と三式爆雷でな!」

野分「萩風は対空電探で敵航空戦力への警戒を。私は対水上電探で水上艦の警戒を行うから」

萩風「了解!」

……………………。
344 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 00:59:51.09 ID:FFDsHZNn0
舞風「……あれ?」

野分「どうしたの?」

舞風「のわっち、この音……」

野分「音? ……まさか」サッ

萩風「ど、どうしたの?」

野分「…………っ!?」

野分「魚雷推進音! 全艦増速!」

舞風「うん!」

嵐「野郎……何処から打って来やがったんだ……!」

野分「多分待ち伏せ! そんな事よりも早く逃げないと!」

舞風「うぁっ!」バシャン!

野分「舞風!!?」

舞風「あ、脚が……! 痛っ!!」

萩風「舞風! 魚雷が!!」

野分「舞風!! 逃げて!!」

舞風「ぐっ……! あぁぁぁぁぁ!!」

嵐「舞!!」

舞風「駄目……動けない……」

舞風「嫌だ……死にたくない……死にたくよぉ……野分……助けて、助けてよぉ……!!」

野分「舞風!! 今行くから!」

萩風「野分、今行ったら貴女まで!」

野分「もう舞風を目の前で喪う訳にはいかない! もう二度と繰り返さないって決めたんだ!!」

嵐「どけ野分!」ドンッ

野分「うっ! 邪魔をしないで嵐! 私は舞風を」

嵐「そんなのは二人揃って死ぬだけだ! 俺が助ける」

野分「三式爆雷……?」

嵐「標準装備の九五式とは違ってこいつは純粋な時限式だからな。野分、俺に任せろ」

野分「何を……まさか!?」

嵐「これでミスったら一生俺を怨んでくれていいぜ……今だ!おらぁぁぁ!!」ブンッ

パシャ………ズドーン!!
345 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 01:00:23.30 ID:FFDsHZNn0
嵐「舞! 生きてるか!?」

萩風「舞風!!」

舞風「私……生きてる……!」

野分「爆雷の着水地点と起爆時間を計算して魚雷を誘爆させた……嘘……」

舞風「野分ぃ……嵐ぃ……」

嵐「へへ、どうよ」

野分「舞風!! 良かった……!!」

舞風「怖かった……怖かったよぉ……!」

嵐「萩、あの二人は置いといて俺らは潜水艦を狩るとするか」

萩風「四式で私が敵の位置を探るから、嵐は爆雷で制圧をお願いね」

嵐「任せろ」

嵐「絶対全艦ぶっ殺してやるからよ!」

………………………………

………………

……
346 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 01:03:02.90 ID:FFDsHZNn0
今回はここまでです

あけましておめでとうございます。
今年も超低速での更新になりそうですが、必ず完結させますのでお付き合いのほど宜しくお願いします。

では、また来ますね!
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/11(水) 09:55:45.55 ID:KQRq+Bplo
乙です
348 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/02/11(土) 21:29:46.14 ID:9A65DKlcO
乗組員「第五艦隊より報告です! 我、雷撃ニ成功ス!」

提督「戦果は?」

乗組員「軽巡1、駆逐艦3を撃沈。駆逐1を撃破です! 先の航空攻撃の戦果を含めれば駆逐艦3を撃破です!」

提督「こちらの被害は?」

乗組員「軽巡阿武隈及び駆逐艦雷、時津風が小破、駆逐艦舞風が中破です」

提督「大戦果だ。第三、第五両艦隊は後方に退却。損害を受けた艦は損害が軽い者から入渠をさせろ」

乗組員「了解!」

提督「比叡。仕事だ」

比叡「はい! 目標は変わらず敵水雷戦隊で宜しいでしょうか?」

提督「ああ」

比叡「了解です! 熊野と青葉は砲撃準備! 目標、敵水雷戦隊!」

熊野「了解ですわ! 零式水上偵察機を上げますわ!」

比叡「夕張と風雲、清霜、深雪は直ちに目標に向けて前進! 私達の砲撃完了後に敵残存勢力に接近、追撃を」

夕張「了解! 三人とも付いて来て!」

風雲「了解です!」

比叡「司令。航空戦力はどうしますか?」

提督「現在攻撃隊を発艦準備中だ。しかし目標は先とは変わって敵主力艦隊だ。その代わりに第九艦隊を敵水雷戦隊の後方に回り込ませる。これで敵艦隊は孤立する筈だ」

比叡「助かります、司令!」
349 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/02/11(土) 21:30:22.76 ID:9A65DKlcO
提督「第八艦隊は航空攻撃後敵主力艦隊の側面から突入。敵を撹乱後は反転しすぐ帰投せよ」

鈴谷「追い込んだ方がいいですか?」

提督「深追いは禁物だ。可能な限り交戦時間は短い方が良い」

鈴谷「了解!」

提督「第四艦隊は敵艦隊が航空隊との交戦を始めたら島影から敵主力艦隊の後方に移動。第八艦隊が交戦を始めたら射程範囲に全速で接近。敵の混乱に乗じて更なる追撃を行え」

川内「了解!」

瑞鶴「提督さん、攻撃隊発艦準備完了したわ!」

提督「秋津洲、戦闘海域内で敵航空機は確認出来ていないな?」

秋津洲「未確認かも!」

提督「瑞鶴と瑞鳳は直ちに攻撃隊を敵主力艦隊に向けて発艦。第八艦隊は移動を開始せよ」

球磨「了解」

瑞鶴「了解よ!」

比叡「第一艦隊、砲撃準備完了! すぐに撃てます!」

提督「第一艦隊、砲撃開始」

比叡「了解! 砲撃開始!!」

………………………………

………………

……
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/21(火) 10:29:45.18 ID:v+3alRfM0
乙です
いつも楽しみにしてます!
351 :全知全能の神未来を知る金髪王子様の須賀京太郎様 [二次元美少女達は金髪王子様の須賀京太郎様の嫁]:2017/02/21(火) 10:40:00.05 ID:+KsrNGks0
イケメン金髪王子様の須賀京太郎様の出番今こそヲ級SHIPで囚われた屈辱を果たすとき

京太郎「卍解須鎖之御のヲ級型改目インフィニティオッドアイズズァークドラゴン甲演習勝率100%」
352 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/03/11(土) 22:20:50.00 ID:bkxidrRCO
夕張「目標肉眼で確認」

深雪「マジ!? まだみえないなぁ」

夕張「少しだけ私の方が背が高いからね〜望遠鏡で敵艦隊の様子をっと……」

清霜「いいなぁ! 清霜も大きくなりたい!」

風雲「戦艦になるのは難しいと思うわよ……」

ズドーン! ガンッ!

イ級「」

夕張「うわ……観たくないもの観ちゃった……」

風雲「……観たくないものとは?」

夕張「駆逐艦が爆発して肉片が飛び……」

風雲「いいです! もういいです! 聞きたくないですから!」

夕張「そう?」

風雲「冗談、ですよね……?」

夕張「どっちだろうね〜」

風雲「ひっ……!」

夕張「多分そろそろ三人にも肉眼で見えるんじゃない?」

清霜「見えた!」

風雲「ホント? あ、ホントだ」

深雪「見ぇ……見え……見えた!! ん?」
353 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/03/11(土) 22:21:17.17 ID:bkxidrRCO
夕張「どうしたの?」

深雪「いや、敵艦隊の編成が聞いていたのと違うなって思って」

夕張「……どういうこと? 」

深雪「敵艦隊は人型がいないんだろ? 深雪には人型のみの編成が……」

風雲「人型のみって……嘘……重巡以上から成り立つ……嘘でしょ……!」

清霜「風雲姉さん……清霜達本当にそんなのと戦えるの……?」

夕張「ちょっと! ちょっとみんな落ち着いて!! 深雪ちゃん、敵の艦隊の方角は?」

深雪「進路から見て12時の方向に真っ直ぐ……正面の艦隊」

夕張「…………やっぱり軽巡と駆逐艦から成る水雷戦隊しかいないわ……」

深雪「いや、良く見て下さいよ! 真っ直ぐ行った先の艦隊を!」

夕張「風雲ちゃん、清霜ちゃん。望遠鏡で確認をして」

清霜「……駆逐艦と軽巡洋艦だけしかいないね」

風雲「同じく」

夕張「深雪ちゃん……貴女……」

深雪「嘘だ! じゃあ、この深雪様の目か頭がおかしくなったっていうのか!? 清霜、望遠鏡を貸せ! ほら、早く!」バシッ

清霜「あっ!」
354 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/03/11(土) 22:24:02.44 ID:bkxidrRCO
お久しぶりです。

とうとう本当に書きたかった本編に入る事が出来ます。

また来ますね
355 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/03/11(土) 22:25:39.40 ID:bkxidrRCO
夕張「どうしたの?」

深雪「いや、敵艦隊の編成が聞いていたのと違うなって思って」

夕張「……どういうこと? 」

深雪「敵艦隊は人型がいないんだろ? 深雪には人型のみの編成が……」

風雲「人型のみって……嘘……重巡以上から成り立つ……嘘でしょ……!」

清霜「風雲姉さん……清霜達本当にそんなのと戦えるの……?」

夕張「ちょっと! ちょっとみんな落ち着いて!! 深雪ちゃん、敵の艦隊の方角は?」

深雪「進路から見て12時の方向に真っ直ぐ……正面の艦隊」

夕張「…………やっぱり軽巡と駆逐艦から成る水雷戦隊しかいないわ……」

深雪「いや、良く見て下さいよ! 真っ直ぐ行った先の艦隊を!」

夕張「風雲ちゃん、清霜ちゃん。望遠鏡で確認をして」

清霜「……駆逐艦と軽巡洋艦だけしかいないね」

風雲「同じく」

夕張「深雪ちゃん……貴女……」

深雪「嘘だ! じゃあ、この深雪様の目か頭がおかしくなったっていうのか!? 清霜、望遠鏡を貸せ! ほら、早く!」バシッ

清霜「あっ!」

夕張「比叡さん達の最終斉射が来るわよ! みんな一応気をつけて!」

深雪「絶対にあれは人型………いや、人……? ……艦む……」

ズドーン グシャッ!

深海棲艦?「ッァァァ!!」

深雪「ッ!?」

夕張「深雪?」

深雪「あ……あぁぁぁぁ……」

夕張「深雪ちゃん!? どうしたの深雪ちゃん!!」

深雪「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

………………………………

………………

……
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/11(土) 22:26:56.95 ID:bkxidrRCO
※355は※353の修正版です

何故後半が綺麗さっぱり消えたのか……
357 :ずいずい ◆9eWjFae4dI :2017/04/09(日) 20:40:14.89 ID:xJZ5dyiLO
近日中に更新予定です
358 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/05/09(火) 09:25:44.08 ID:GUEWtZ6LO
夕張「こちら第一艦隊夕張! 提督、応答願います!」

提督「どうした?」

夕張「深雪ちゃんが突然狂乱状態に陥り艦隊行動続行困難です」

提督「何があった?」

夕張「後方の比叡さん達の砲撃が敵艦に命中した途端に発狂をし始めました」

提督「つまり、初めての交戦で生死の恐怖を抱いてしまったという事か」

夕張「恐らくは……しかし、敵艦隊を発見した際にも不思議な事を話していました」

提督「不思議なことだと?」

夕張「はい。敵の軽巡と駆逐艦の事を重巡と誤認し、敵も艦娘だと言っておりました」

提督「……何?」

夕張「一部軽巡や重巡を戦艦と誤認するのはまだ分かりますが、人型ですらない軽巡や駆逐を重巡と間違えるのはおかしいですよね」

提督「そうなのだが、一番気になるのは……いや、今はそれを考えても意味がないか」

夕張「提督、私達はどうすれば?」

提督「夕張、今の深雪を護りながら交戦が出来るか? 出来るのならば作戦を続行する」

夕張「護りながらは無理ですが、駆逐艦の子が二人居なくなっても作戦は続行できます」

提督「分かった。深雪と清霜は艦隊を離脱して当艦まで撤退。夕張、戦線は任せたぞ」

夕張「お任せ下さい」
359 :ずいずい [saga]:2017/05/09(火) 09:26:34.87 ID:GUEWtZ6LO
夕張「清霜ちゃん」

清霜「はい?」

夕張「これから清霜ちゃんは深雪ちゃんを護衛しながら朝霧に撤退して」

清霜「えー! 清霜も戦いたい!」

夕張「これは命令よ。それにね清霜ちゃん。深雪ちゃんをこのまま連れて戦っていたら私達全員が死んじゃう可能性があるの。だからね、言うことを聞いて?」

清霜「うぇ〜……はい、分かりました……」

夕張「ごめんね」

清霜「戦いたかったな〜……」

夕張「またいつかそんな時が来るから」

清霜「はい……」

夕張「じゃあ、頼むわね。深雪ちゃんも落ち着いて。事情は提督に話してね」

深雪「あぁぁぁぁぁぁ、うぇあぁぁぁぁ!」

清霜「ほら深雪ちゃん、一緒に来て」クイッ

夕張「二人とも、気を付けてね……」

風雲「夕張さん」

夕張「大丈夫よ風雲ちゃん。私達二人でもこの任務は完遂出来るわ」

風雲「はい」

夕張「じゃ、送り狼作戦行くわよ」

風雲「なんかそのネーミング嫌です」

夕張「…………」

……………………

…………

……
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/09(火) 14:48:04.82 ID:1BQFTyzAo
待ってました!
361 :ずいずい ◆9eWjFae4dI :2017/06/13(火) 02:08:12.73 ID:ZjPtiy5D0
近々更新予定です
もう暫くお待ちを
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 00:12:38.91 ID:4Kgd1RU2o
待ってるよー
363 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/07/12(水) 17:32:40.84 ID:o7ZYMxSI0
清霜「清霜、深雪両艦帰投しました!」

提督「深雪の容態は?」

清霜「多少だけど安定しました。でも、ずっと泣き続けていて……」

提督「深雪、私の声が分かるか?」

深雪「……分かる」

提督「提督単刀直入に問おう。何があった」

深雪「何がって…………うっ! ウゲッ」

清霜「深雪ちゃん! 大丈夫!?」

深雪「ごほっごほっ……大丈夫……」

清霜「司令官、今は深雪ちゃんを休ませてあげて。その代わりに清霜が出撃するから」

提督「本来ならばそうしたいところなのだがな。しかし今は交戦中で刻一刻と戦況が変わる。悠長に待つ事は難しい。深雪、何があったんだ」

深雪「……………………艦娘」

提督「何?」

深雪「司令官、深海棲艦って何なんだ? バケモノじゃ無かったのかよぉ……」

提督「…………清霜。交戦予定の敵艦はどんな見た目をしていた?」

清霜「え? いつも通り普通のやつだよ? バケモノの」

提督「ふむ。深雪は自分自身が見間違えたという可能性があると思うか?」

深雪「いや、あれは間違いなく艦娘だった! 」

提督「清霜、他に同じ事を言ってる者はいたか?」

清霜「ううん。深雪ちゃん以外は誰も」

提督「そうか」
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/12(水) 17:35:01.23 ID:FO/WkdNt0

















































































ああ
365 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/07/12(水) 17:35:05.50 ID:o7ZYMxSI0
提督「深雪、再度確認だが敵艦隊の構成は艦娘だったとの事で良いのだな?」

深雪「……あぁ」

清霜「司令、どうするの?」

提督「深雪はすぐに医務室で休んで来い」

深雪「……ん」スタスタ

清霜「司令官?」

提督「清霜。深雪が言っている件だが、どう思う?」

清霜「えっと……」

提督「率直な意見で良い。思った通りに答えてくれ」

清霜「うん……深雪ちゃんが言ってる事は間違っていると思う」

提督「一応聞くが、何故そう思う?」

清霜「だって、清霜や他のみんなはそんな姿を見た事ないもん!」

提督「それは尤もな意見だ」

清霜「深雪ちゃんは疲れているか緊張していたんだよ」

提督「その可能性は高い。だが、もしも深雪が言っている事が本当だと仮定した場合清霜はどう思う?」

清霜「それはつまり……?」

提督「深海棲艦が艦娘で、私達は艦娘と艦娘で戦争しているという事ならばだ」

清霜「………………いや……」

提督「何らかの理由で深海棲艦……いや、今仮定の話をしても仕方ないか」

清霜「司令官……清霜、どうすればいいの?」

提督「今の話は忘れてくれ。そもそも深海棲艦が艦娘であるという可能性は限りなく低い」

清霜「うん……」

提督「大丈夫だ。お前達は國の為に闘ってくれているんだ。例えどんな結果であろうとも間違った事は全くしていない」

清霜「そう、なのかな?」

提督「ああ。私が保証しよう」

清霜「うん。ありがとう司令官!」

提督「では、清霜も少し休んで来なさい」

清霜「了解です!」スタスタ
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/12(水) 17:35:24.25 ID:FO/WkdNt0

















































































ああ
367 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/07/12(水) 17:35:40.29 ID:o7ZYMxSI0
提督(深雪……)

提督(かつての戦争で唯一アメリカとの戦争を経験していない艦娘……)

提督(かつて連合側に属していた地域からの侵攻……)

提督(深海棲艦が艦娘の姿形をしていると言う深雪からの報告……)

提督(これが意味する事は……)

提督(まさか……)

提督(しかし、ならば何故上層部はこの事を知らない……いや、私達に知らせない……?)

提督(なのだとしたらこの戦争は……)

乗組員「中将。宜しいでしょうか?」

提督(この戦争は一体……)

乗組員「中将?」

提督「すまない。何があった?」
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/12(水) 17:36:20.55 ID:FO/WkdNt0

















































































ああ
369 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/07/12(水) 17:36:24.28 ID:o7ZYMxSI0
乗組員「 第四艦隊より吉報です。 敵主力艦隊への奇襲に成功した模様です」

提督「川内が上手くやってくれたか。彼我の損害の報告は来ているか?」

乗組員「第八艦隊帰還鈴谷の第ニ砲塔と第一魚雷発射管が大破したものの、現在消火作業は完了し航行にも影響は無いとのことです。敵の損害は不明です」

提督「鈴谷に繋いでくれ」

乗組員「はっ!」

提督「鈴谷、私だ」

鈴谷「あ、提督」

提督「損傷は大丈夫か?」

鈴谷「大丈夫……かな」

提督「それは良かった。これより第8艦隊は直ぐにコロネハイカラ島まで撤退し、入渠し再出撃に備えよ」

鈴谷「了解」

提督「次は瑞鶴に繋いでくれ」

乗組員「繋がりました」

提督「第三次攻撃隊の準備はどうだ?」

瑞鶴「現在対艦魚雷を換装中よ! あと10分あれば発艦体制に入れるわ!」

提督「了解だ。攻撃隊の準備が出来次第敵主力艦隊に再攻撃だ」

瑞鶴「了解!」

乗組員「中将! 第四艦隊から通信がはいりました!」

提督「繋げ」

川内「提督! 敵の艦載機がそちらに向かっているよ! 今目視で確認出来た!」

提督「全艦に通達! 敵艦載機が現在こちらに向けて接近中! 各艦対空戦闘用意!」

提督「海中に展開した対潜網の範囲内で回避行動を行うように心掛けろ」

瑞鶴「提督さん、艦戦隊を直掩機として展開する?」

提督「弾薬や燃料の補給状況は?」

瑞鶴「もう完了したわ!」

提督「瑞鳳は?」

瑞鳳「完了してます!」

提督「ならば、稼働全機発艦。艦攻隊の発艦後は艦戦隊の半分は護衛として、残りは艦隊防空に回せ」

瑞鶴「了解!」

……………………

…………

……
370 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/07/12(水) 17:37:25.56 ID:o7ZYMxSI0
今日はここまでです。

また来ますね!
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/12(水) 17:38:04.11 ID:FO/WkdNt0

















































































ああ
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 17:46:27.91 ID:HeBea9beo
乙です
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/12(水) 19:24:10.78 ID:rUawhqGt0





























































ああ
2017/07/12(水) 17:38:04.11ID: FO/WkdNt0 (4)
372: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]
乙です
2017/07/12(水) 17:46:27.91ID: HeBea9beo (1)
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374 :ずいずい ◆9eWjFae4dI :2017/08/12(土) 00:20:33.87 ID:IBVWVyhMO
現在リアル激務の為更新は今暫くお待ち下さい
また来ますね
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 11:29:58.88 ID:+6DblcTJ0
報告乙
376 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/09/10(日) 09:18:34.10 ID:tAaXYPkLO
……………………

…………

……

乗組員「瑞鶴、瑞鳳航空隊の攻撃により敵主力艦隊壊滅。敵随伴艦は撤退を開始しました」

瑞鶴「提督さん、追撃の為の航空隊は出す?」

瑞鳳「出撃中の航空隊が着艦後すぐに再攻撃させれば夕方迄には間に合うかもしれません」

提督「いや、この時間だと未帰還機が出てしまう可能性が強いだろう。無駄な犠牲は出したくない」

瑞鳳「了解です!」

提督「さて、陸軍へフィジー・サモアの制圧完了の電文を打電してくれ」

乗組員「了解!」

提督「全艦へ無線を繋げてくれ」

乗組員「了解! ……繋がりました」

提督「全艦に告ぐ。現時刻をもってして作戦完了とする。我々の勝利だ! 」

提督「海上に展開している艦は朝霧に帰還。コロネハイカラ島に撤退している艦はそのまま待機をしてくれ」

提督「朝霧がコロネハイカラ島に寄港後は陸軍の輸送船の到着まで待機。陸軍の上陸部隊が兵員や資材をフィジー方面へ輸送するのを援護する」

提督「以上だ。全員御苦労であった」

……………………

…………

……
377 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/10/07(土) 09:49:53.48 ID:uNkHAO8+O
一ヶ月後 横須賀鎮守府

瑞鶴「うわー久しぶりに帰ってきたわね」

瑞鳳「そうね。前段作戦開始時から私達は出ずっぱりだったから本当に久しぶり」

瑞鶴「でも、私達の部屋って埃まみれなんじゃ……」

瑞鳳「あー……確かにそうかも」

瑞鶴「まずは掃除からか」

瑞鳳「そうね」

ガチャ バタン

瑞鶴「あ、提督さん!」

提督「どうした?」

瑞鶴「どうしたも何も提督さんこそどうしたのよ? 帰って来て早々何処か行くの?」

提督「ああ。これから大本営へ行かねばならない」

瑞鶴「え!? 横須賀に戻ってきて一時間も経ってないじゃない!」

提督「どうしても急ぎで確認を取らねばならない事があってな」

瑞鶴「そうは言っても提督さんはコロネハイカラ島やショートランド、帰投中の朝霧の中でも全然休んでなかったじゃない! 提督さん倒れちゃうよ!」

瑞鳳「お言葉ですが、私も瑞鶴に同感です。提督が倒れてしまったら元も子もありません。せめて一日休んで下さい」

提督「二人ともありがとう。しかし今回ばかりはそうは言って居られないのだ」ポンポン

瑞鶴「でも……」

提督「私は大丈夫だ。それと、二人には私が留守の間鎮守府の指揮を任せたいのだが、引き受けてくれるな?」

瑞鶴「私も提督さんに同行したい」

提督「すまないが、今回は私一人で行かねばならない」

瑞鶴「でも提督さんが危険な目に遭ったら……」

提督「大丈夫だ。今回は湾岸から離れたルートで大本営へ向かう。敵襲による被害の可能性も格段と少なくなる」

瑞鶴「でも……」

提督「瑞鶴は心配性だな。大丈夫だ。それとも私が信じられないか?」

瑞鶴「……信じられない」
378 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/10/07(土) 09:50:41.43 ID:uNkHAO8+O
瑞鳳「瑞鶴!?」

提督「ほう……つまり瑞鶴は私の事を信頼出来ないと?」

瑞鶴「いつもの提督さんなら私はいつでも信頼しているし、信用もしているわ。だけど今の提督さんは駄目」

提督「何故だ?」

瑞鶴「だって提督さん……目が怖いよ」

提督「それは私が寝不……」

瑞鶴「……今から人を殺すつもりでしょ」

提督「っ!?」

瑞鳳「え!?」

瑞鶴「ごめん、提督さん」バッ

提督「何をす……むっ」

瑞鳳「えっ……あっ……瑞鶴こんなところでなんて駄目……」

瑞鶴「ん……」スッ

提督「瑞鶴、お前……」

瑞鶴「提督さん、これは何? どうして銃を隠し持っているの?」

提督「私とて海軍将校の端くれだ。銃はいつでも携帯している」

瑞鶴「ううん。いつもの場所と違うわ。それにいつものホルスターにも銃を下げているじゃない」

提督「……何でもお見通しか」
379 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/10/07(土) 09:51:23.81 ID:uNkHAO8+O
とりあえずですが、今回の更新はこれまでです

また来ますね!
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/09(月) 19:26:48.26 ID:z/Zb2y020
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 01:01:08.42 ID:RzKZXx+50
いつまでも松輪
382 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/11/09(木) 00:23:54.16 ID:/WqOCcTa0
近日中に更新します

今しばらくお待ちください
383 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/12/10(日) 01:05:57.41 ID:8iEcmKGk0
瑞鶴「提督さん、一体何があったの?」

瑞鳳「もしかして……深雪ちゃんの事と何か関係が……」

提督「今は話せない」

瑞鶴「私達にも話せない事なの?」

提督「ああ」

瑞鶴「それは絶対に?」

提督「ああ」

瑞鶴「ならせめて一緒に行かせてよ」

提督「駄目だ」

瑞鶴「じゃあ……一つだけ教えて」

提督「……内容による」

瑞鶴「提督さんと会えるのはこれが最後にならないよね?」

提督「…………戻って来たいとは考えている」

瑞鶴「それってつまり……」

提督「すまんな。もう、これ以上は話せない」

瑞鶴「提督さん!」
384 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/12/10(日) 01:07:21.36 ID:8iEcmKGk0
提督「瑞鶴。もしも私がまた戻って来たら話したい事がある」

瑞鶴「それなら、今話してよ!」

提督「……瑞鳳」

瑞鳳「はい」

提督「瑞鶴やみんなを頼んだぞ」

瑞鳳「……はい」

提督「では、私は行ってくるよ」

瑞鶴「嫌……」

提督「また、な」スタスタ

瑞鶴「提督、さん……」
385 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/12/10(日) 01:08:19.70 ID:8iEcmKGk0
その後、提督さんが横須賀鎮守府へ戻って来る事は二度と無かった
386 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/12/10(日) 01:15:26.09 ID:8iEcmKGk0
今回はここまでとなります。

ここ数年リアル仕事が激務になり半死半生状態でしたが、ここ二ヶ月は拍車がかかり棺桶に片足を突っ込んだ状態でした。
しかし依然ブラウザ版艦これでは甲攻略と新艦掘りに従事してます。
今回イベでは満潮ちゃんが尊すぎて棺桶に両足を突っ込む寸前でした。
あと、山城ボイスも素晴らしかったですね。

激遅進行で申し訳ないのですが、来年以降もお付き合いお願いします。
今年中にもう一度更新出来たらいいなぁ……
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/10(日) 11:20:45.41 ID:6Zn5pR5m0
388 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/01/13(土) 01:27:01.16 ID:xJdHmOAmO
一ヶ月後

コンコン

瑞鳳「瑞鶴……起きてる?」

瑞鶴「…………」

瑞鳳「入るね」ガチャッ

瑞鶴「…………」

瑞鳳「ご飯、ここに置いておくから」

瑞鶴「……うん」

瑞鳳「何かほかにあったら言ってね」

瑞鶴「……ありがと」

瑞鳳「それじゃ、また後で」

パタン

瑞鳳「瑞鶴もまだ立ち直れ無い……か」

舞風「瑞鳳さん!」

瑞鳳「舞風ちゃん。陽炎ちゃんの様子は?」

舞風「ダメ、ですね。なんだか電池が切れちゃったみたいに布団から出て来ないです」

瑞鳳「そう……」

舞風「瑞鳳さん、この鎮守府ってどうなっちゃうんですか? 新しい提督はまだ着任しないですし……」

瑞鳳「その代わりに朝霧の乗組員の方々が運営を手伝ってくれているから、何とか運営に支障は……ごめんね、嘘。こんなに士気が下がっていては敵襲があっても対応出来ない」
389 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/01/13(土) 01:27:35.56 ID:xJdHmOAmO
舞風「それなら、考えることはやめて身体を動かしましょうよ!」

瑞鳳「そうね……」

舞風「瑞鳳さんも本当はすごく辛いですよね? でも頑張って身体を動かしているから瑞鶴さん達みたいに引きこもっちゃうような精神状態になってないもん」

瑞鳳「…………」

舞風「瑞鳳さん、出撃しましょう! 前の大規模出撃の傷はみんな癒えてます。身体を動かして元気になりましょう!」

瑞鳳「でも私達は軍属。勝手な行動は……」

舞風「提督が何も言わないで勝手に失踪したのが悪いんです! 舞風達は上官の教えを守るだけです!」

瑞鳳「教え?」

舞風「好き勝手に行動する、ですよ!」

瑞鳳「ふふっ……確かにそうね」

舞風「そうです! それじゃ、いっきましょーそれっ、ワンツー!」

瑞鳳「こら、慌てない! 色々準備をするからちょっと待ってて!」

舞風「はーい!」

瑞鳳「それにしても、舞風ちゃんってあんな話し方もするのね」

舞風「あんな、ですか?」

瑞鳳「真面目な話し方。末っ子みたいって言うのも変だけど、いつでも元気みたいな話し方だから」

舞風「あー……みんなには秘密にして下さいよ〜! 舞風は末っ子みたいに元気に振る舞うのが好きですしそうしたいんです! そうすれば舞風もみんなも元気になりますから」

瑞鳳「確かに元気が出てきた。そうよね、辛気臭い顔で過ごしていても良いことなんてないもんね」

舞風「そのとーり!」
390 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/01/13(土) 01:28:15.82 ID:xJdHmOAmO
瑞鳳「ありがとう舞風ちゃん。それじゃあ陽炎ちゃんと瑞鶴ちゃん以外の子を読んできて」

舞風「二人は誘わなくていいんですか?」

瑞鳳「あの二人はもう少しだけ休ませてあげたいかな。提督の事を特に慕っていた訳だから心を癒す時間をあげたいの」

舞風「でも……」

瑞鳳「うん。いつまでもあんな顔をさせてあげないよ。少ししたら引っ叩いても外に無理矢理連れ出すつもりだから大丈夫」

舞風「舞風もそれがいいと思います!」

瑞鳳「もしも私だけじゃ連れ出せ無さそうだったら手伝ってね」

舞風「はーい!」

瑞鳳「じゃ、今から1時間後に全員艤装を装備した上で港へ集合ね」

舞風「了解しましたー!」

タッタッタッ

瑞鳳「よーし! 編成を考えないと!」

……………………

…………

……
391 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/01/13(土) 01:47:09.55 ID:xJdHmOAmO
瑞鳳「…………一体どう言う事なの……?」

コンコン

瑞鳳「入っていいわよ」

舞風「瑞鳳さん、南方方面の夕張さん達の艦隊が帰投しましたー!」

瑞鳳「舞風ちゃんね。報告ご苦労様。 夕張は来てる?」

舞風「来てます! 今呼んできますね!」

パタン パタパタパタ……

コンコン コン

瑞鳳「夕張ね。入って」

ガチャッ パタン

夕張「夕張率いる第五艦隊、南方海域の哨戒任務完了しました」

瑞鳳「ご苦労様。早速だけど……その服装なら多分南方もそうなのね」

夕張「南方も……と言うことはまさか……」

瑞鳳「そのまさか。まだ西方の艦隊は戻って来ていないけど、その他の艦隊はただの一度も敵艦と交戦をしなかった。むしろ、一度も敵艦や敵機を発見する事も無かったみたい」

夕張「そんな事って……」

瑞鳳「偶然か、それとも必然かは分からない。だけど事実は事実として認めないと」

夕張「そうね。ちなみにまだ戻って来ていない艦隊は?」

瑞鳳「東方方面の哨戒任務に出した第四艦隊と、念の為に出した鎮守府近海の対潜哨戒の艦隊の二艦隊だけね」

夕張「情報待ちか」

瑞鳳「うん」

夕張「提督の失踪と何か理由は……」

瑞鳳「分からないわ。だからこそ情報が欲しい」

夕張「私は補給に戻るね。瑞鳳もあんまり根を詰めないようにね」

瑞鳳「ありがと」

夕張「それじゃ」

ガチャ パタン
392 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/01/13(土) 01:49:32.01 ID:xJdHmOAmO
今回はこれで終わりです。

あけましておめでとうございます。
今年も細々と更新を続けるのでお付き合いの程宜しくお願いします。

では、また来ますね
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 08:08:19.80 ID:ATSwuiuHo
乙です
394 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/02/14(水) 23:44:03.78 ID:OOKRidcG0
近日更新予定です
もう暫くお待ちを……
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/12(月) 18:22:23.46 ID:85xDovsE0
瑞鶴、瑞鳳、陽炎嫁のssの続きが見たかったりする。
あれ超好き。
396 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/03/15(木) 23:10:06.29 ID:AHM+4dfh0
瑞鳳(西方の艦隊の帰還にはまだ時間がかかる……北方と南方、北東、南東は敵艦隊はおろか、はぐれの深海棲艦すら見当たらない……そうなると多分東方にもいない可能性は高い……)

コンコン コン

舞風「瑞鳳さーん」

瑞鳳(やっぱり提督が何かを……?)

舞風「瑞鳳さーん!」

瑞鳳「えっ、あっ! どうしたの?」

舞風「第四艦隊と第二艦隊も帰投したので連絡です!」

瑞鳳「ごめんね、考え事してたの」

舞風「敵艦隊がいない事ですか?」

瑞鳳「そうね」

舞風「東方と近海のどちらにも敵艦はいなかったみたいです」

瑞鳳「やっぱり……」

ダッダッダッ

舞風「あれ? 夕張さん?」

夕張「瑞鳳、入るわよ!」

瑞鳳「どうしたのよそんな慌てて」

夕張「西方に出ている第六艦隊から入電が!」

瑞鳳「まさか……」

夕張「深海棲艦の大規模な艦隊を発見とのことよ……」
397 :ずいずい ◆9eWjFae4dI :2018/04/21(土) 00:49:00.84 ID:G/GCSvTe0
近日投下予定です。
今しばらくお待ちを
398 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/05/20(日) 09:54:05.02 ID:TO8SVhqpO
瑞鳳「深海棲艦が消えたわけじゃ無かったのね……」

舞風「瑞鳳さん、どうしますか?」

瑞鳳「舞風ちゃんは皆に出撃の連絡をお願い。夕張は全艦の艤装の点検と補給を」

舞風・夕張「了解!」

瑞鳳「鎮守府の護りは……」

夕張「他の鎮守府への要請はダメね」

瑞鳳「そうね。軍規を破っている私達に巻き込むのは流石にね」

夕張「瑞鶴と陽炎ちゃんに任せるのはどうかしら?」

瑞鳳「今の瑞鶴と陽炎ちゃんの精神状態じゃ……」

夕張「ううん、逆よ。今の二人を戦闘海域へ連れて行くのは二人を殺させに行く様なものだもの」

瑞鳳「でも、敵が来ない可能性が高いここの警護なら安心ってことね?」

夕張「そういう事。じゃ、私達は仕事して来るわね」

瑞鳳「私も二人のところに行って来るね」

……………………

…………

……
399 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/05/20(日) 09:54:51.02 ID:TO8SVhqpO
陽炎「瑞鶴さん、皆出撃したみたいです」

瑞鶴「……そうね」

陽炎「……私、近海の様子を見てきますね」

瑞鶴「うん。よろしく」

陽炎「瑞鶴さん」

瑞鶴「……ん?」

陽炎「司令は……もう…………」

瑞鶴「違う! 提督さんが私の前から居なくなるなんて!」

陽炎「…………」

瑞鶴「…………」

陽炎「……行ってきます」

瑞鶴「ごめん……」

陽炎「いえ。私も一人になりたいですし丁度いいです」

瑞鶴「ごめんね……」

陽炎「……はい」

スタスタスタスタ

瑞鶴「ごめんね……ごめんね……」

瑞鶴「皆、ごめんなさい……でも私、提督さんが居ないともうダメみたい……」

瑞鶴「提督さん……どこなの……?」

瑞鶴「提督さん…………」

……………………

…………

……
400 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/05/20(日) 09:59:44.02 ID:TO8SVhqpO
今回はここまでです。

陽炎改二で歓喜しました。
これで瑞鶴、瑞鳳、陽炎の三艦全てに改二が実装されたので私は満足です。
次は4駆勢に是非……
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/11(水) 16:34:58.19 ID:YMX92FdbO
待ってる
402 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/07/12(木) 20:47:59.33 ID:za+EhcIiO
大変お待たせしております。
海外出張や国内出張で更新する余裕がありませんでした。
なおかつデータが全て吹き飛びました……

更新はもう暫くお待ち下さい……
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/25(水) 23:09:58.18 ID:OwlugCsm0
のんびり待ってる
404 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2018/08/11(土) 10:03:08.54 ID:atPftxR0O
リランカ島沖

瑞鳳「凄い数……」

夕張「これは、100やそこらじゃ効かないわよ……」

瑞鳳「でも、この艦隊を殲滅しないと国が……」

夕張「滅ぼされちゃう」

瑞鳳「……腹を括るしかないわね」

夕張「そうね」

瑞鳳「全艦に告げます。状況は見ての通り圧倒的な物量差で不利です。ですが、ここで私達が負けたら他の鎮守府の戦力再建の目処すら立っていない日本が蹂躙されてしまうのは確かめるまでもありません」

瑞鳳「これから過酷な戦いが始まります。だけど、一つだけ約束して欲しいの。皆さん、絶対に生きて下さい。沈むなんて以ての外。死に物狂いで生にしがみ付いて下さい。生きてさえいればチャンスがありますから」

瑞鳳「まずは瑞鳳の航空隊で敵艦隊へ攻撃を仕掛けます。その後風上へ移動し戦艦、重巡による砲撃戦へ移行して下さい」

比叡「了解!」

瑞鳳「各水雷戦隊は別途指示があるまでは対潜警戒をお願いします」

夕張「りょーかい!」

瑞鳳「では、作戦を開始します! 第一次攻撃隊発艦!」

……………………

…………

…….
405 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2019/05/01(水) 03:36:45.82 ID:fL52TU+/0
鎮守府

瑞鶴「うっぅ……提督さん……ひどいよ……どうして……」

コンコン コン

瑞鶴「……陽炎? ごめん、また後にして……」

??「……すまない瑞鶴」

瑞鶴「……えっ!?」バッ

ガチャッ

提督「久しいな瑞鶴」

瑞鶴「提督、さん……本当に提督さんなの……?」

提督「ああ。長らく留守にしてしまいすまなかったな」

瑞鶴「うっうぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 提督さん! 提督さん! ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

提督「少し痩せたな」ポンポン

瑞鶴「ずっと……ずっと待っていたのに! 提督さんが帰ってくるって信じて待ってたのに! どうして連絡の一つもくれなかったの!? どうして!」

提督「それは……この終わりなき戦いを終わらせる為、瑞鶴達艦娘が戦いでいつか命を落とす運命を救う為に私はお前達の元を去ったのだよ」

406 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2019/05/01(水) 03:48:22.39 ID:fL52TU+/0
瑞鶴「ごめん提督さん……意味が分からないよ……どうして私達を救う為に提督さんは居なくならなきゃいけなかったの!?」

提督「それを話す前に外へ行かないか?」

瑞鶴「外?」

提督「ああ。それと、瑞鶴にとって大切な物があれば持って来て欲しい」

瑞鶴「私にとって提督さん以外に大切なものなんて無いわ。外に行こう」

提督「いいのか?」

瑞鶴「うん」

提督「分かった。付いて来てくれ」

瑞鶴「……うん」
407 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2019/05/01(水) 04:00:49.42 ID:fL52TU+/0
提督「お前達と別れたあの日、私は大本営へ向かったのは瑞鶴も知っているな」

瑞鶴「うん」

提督「あの日私は死んだのだよ。提督としての肩書きは勿論、私という存在はこの國から抹消され、二度と日本に戻ることは無いはずだった」

瑞鶴「でも提督さんは今ここに」

提督「まどろっこしい言い方になるが、かつて提督と呼ばれた男はこの鎮守府はおろか日本という國にも足を踏み入れていない。だから監視カメラはおろか、この國の人間に姿を見られる訳にもいかない。痕跡は一切残さないのだよ。つまりは密入国と言うことになるな」

瑞鶴「じゃあどうして戻って来たの?」

提督「未練だ」

瑞鶴「未練?」

提督「ああ。瑞鶴、私は君を迎えに来た」
408 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2019/05/01(水) 04:19:30.82 ID:fL52TU+/0
瑞鶴「私……を……?」

提督「そうだ。どうやら私は君に強く心を惹かれていたらしい。そして私には自分が思っていた以上に執着心と強い衝動があったらしい。この國を去った後も君の事が忘れられなかった。君達を救う為に存在を抹消したというのに私は諦めきれなかった」

瑞鶴「どうして……」

提督「瑞鶴?」

瑞鶴「どうして最初から私を連れて行ってくれなかったの!? 提督さんがあの日に連れて行ってくれれば私はこんなにも苦しむ事はなかったのに!」

提督「あの日瑞鶴が見抜いた通り、私は大本営の人間を殺すつもりだった。元帥殿やその周りの人間の全てを。そんな地獄に瑞鶴を連れて行ける筈が無い。だから私は一人で全てを背負うつもりだった」

瑞鶴「でも元帥はまだ……」

提督「ああ、結果としては殺していない。彼はこの世界の仕組みを理解し、そして打開策を見出すことが出来ない現状に抗い生き続けて来た人間だった。だから私は私が為すべきを成した後の世界を任せる事にしたのだよ」

瑞鶴「為すべき事?」

提督「ああ。私がこの世界の絶対悪として見做され地球上の全ての人間に望まれ殺される。これが私の為すべき事なのだよ」

409 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2019/05/01(水) 04:53:16.30 ID:fL52TU+/0
瑞鶴「ダメ! そんなの許さない!」

提督「瑞鶴。君は艦娘という存在の真実を知っているか?」

瑞鶴「艦娘の真実……?」

提督「ああ。艦娘、そして深海棲艦の真実だ」

瑞鶴「……教えて」

提督「艦娘と深海棲艦は同一。つまり深海棲艦もまた艦娘だという事なのだよ」

瑞鶴「私達と深海棲艦が一緒……!?」

提督「お前はアメリカという國を、アメリカ人という人種を、アメリカの軍艦をどう思っている?」

瑞鶴「そ、それは……」

提督「憎いか?」

瑞鶴「ううん、そんな事……」

提督「かつてお前の姉を、先輩を、同僚を、お前に乗り込んでいた乗組員を、そしてお前自身を殺し沈めたアメリカを好いているのか?」

瑞鶴「…………」

提督「人が人でなくなる戦争だったから仕方がなかった、お互い様だった、恨みっこ無しの戦闘だった。様々な偽善の言葉で飾り感情を抑えようとしていても結局の所憎しみや恨みの感情は間違いなく存在する。その負の感情により対象の本質を正しく見通すことが出来ず、歪み間違った認識をその者に与えてしまう。これが艦娘と深海棲艦を分ける」

提督「つまり、日本に対して負の感情を持つ者が艦娘を見れば艦娘は化け物に、日本に対して負の感情を持たない者が艦娘を見れば艦娘もして認識すると言うわけだ。アメリカと戦争をし、殺しあった艦艇がアメリカの艦娘やアメリカ人をを見ればアメリカの艦娘は……」

瑞鶴「う……うそ……」

提督「そう、艦娘と艦娘の殺し合い。これが世界の真実なんだ」

瑞鶴「それじゃあ私達は同じ艦娘を沢山……沢山殺して……ヴォエッ」

提督「すまない……だが瑞鶴には真実を知って貰いたかった」

瑞鶴「ゲホッゲホッ! ……どうしてこんな酷い……」

提督「君にはもう隠し事をしたくない。だから私は瑞鶴に真実と私の為すべき事を伝えねばならない」

瑞鶴「……続けて」
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