やはり俺の脳内選択肢が青春ラブコメを全力で邪魔しているのは間違っている。

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312 : ◆oUKRClYegEez :2016/08/13(土) 21:46:25.91 ID:vQT1B5290
静「……仕方あるまい。その間部活動はどうする?」

雪乃「自由参加という形でいいかと」

静「まぁそうなるか」

 おいちょっと待てよ。

八幡「じゃあ、俺は帰るわ」

結衣「あ、ちょっと待って!」

 違うだろ。

 どうして――八幡も雪ノ下さんも、協力しないんだよ。

 協力しなかった結果は、この前の修学旅行ではっきりしたじゃあないか。



 しかし俺は、既に鞄を持って下校しようとしている八幡を止められなかった。

雪乃「なれ合いなんて……わたしもあなたも一番嫌うものだったのにね……」

 ぽつりと雪ノ下さんがつぶやいたその言葉に、どんな意味があったのか。

 転校生の俺は、まだ知らない。
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 17:58:27.90 ID:/TI7iiGao
おつ
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 19:11:45.95 ID:A7fBJLjHo
乙です
315 : ◆oUKRClYegEez :2016/08/20(土) 23:00:50.73 ID:BymoiPg10
 家に着いてみると、先に帰っているはずの八幡はおらず、小町ちゃんだけがいた。

小町「あ、奏さんお帰りですー」

奏「あ、うんただいま」

 なんだか、すごく久しぶりに小町ちゃんに会った気がする。

 どこか知らないところで時間が過ぎているような感覚。よくわからないけど。

小町「おにいちゃん知りませんか?」

奏「いや、俺も知らない。学校を出たのは八幡の方が先だから、どこか寄り道してるのかも」

 あるいは、俺の朝言ったことを実践してたりするのだろうか。いや、奉仕部であんなことがあったんだ。覚えてないか……。

奏「そうだ小町ちゃん」

小町「はい」

奏「ちょっとシュークリーム買って来たんだけど、食べる? 5個買ったから全員分あるよ」

小町「わぁ、わたし3つですか!?」

奏「……どうして?」

小町「お兄ちゃんのはわたしが食べる、わたしのはわたしが食べる、お父さんは頼んだらくれる」

奏「分けてあげてください」
316 : ◆oUKRClYegEez :2016/08/21(日) 08:56:05.99 ID:pYOsojwo0
奏「ねえ……小町ちゃん」

小町「んっく……。はい何でしょう」

 シュークリームを一気に飲む(食べるよりこっちの方が表現として適当な気がする)と、小町ちゃんが聞き返してきた。

奏「八幡や雪ノ下さん、由比ヶ浜さんのこと、知っている限りで教えてくれないかな」

 シュークリームはご機嫌取り。

 理由が汚いけど、奉仕部の完全な決別を回避するために俺は情報を集めたい。

 奉仕部は、初めは何だこれは、と思っていたような部活だったけれど、転校したばかりの俺にはありがたい場所だったんだ。

小町「あ……それが狙いでしたか」

 凄く簡単にバレてる。

小町「わかりました、ごちそうになりましたし、おいしかったですし、わたしの知っている限りでお話ししましょう!」

奏「ありがとう!」
317 : ◆oUKRClYegEez :2016/08/21(日) 08:58:09.23 ID:pYOsojwo0
八幡「……」

 八幡が静かに帰って来た。

 俺と小町ちゃんはお茶をしながらゆっくり部屋で話していたが、八幡に聞かれるとマズいことになりそうなので、静かにしておく。

 すると音がしなくなった、と思い下に降りてみると、ソファで寝ている八幡が。

小町「もう……おにいちゃんてば……」

 朝喧嘩したにも関わらずゆっくり毛布をかける小町ちゃん。

 兄妹愛っていいなぁ。あこがれる。

 ソファの前の机には紙袋があった。

 ……俺が朝に言ったこと覚えていたのだろうか。

小町「ほんと、ごみいちゃんは……。奏さんとモノかぶってるし、しかも奏さんの方がよっぽど高いです」

奏「はは……」

 それでも嬉しそうじゃないか。よかった。
318 : :2016/08/24(水) 21:15:43.85 ID:Uu+FtbdmO
>>316 訂正
理由が汚い→方法が汚い
319 : ◆0KQMVLQguk3L [sage]:2016/08/27(土) 21:14:37.97 ID:KhPJVSj60
※更新遅れます。月曜日予定です
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/28(日) 03:20:01.70 ID:ZJazGDK9o
乙です
321 : ◆oUKRClYegEez :2016/08/29(月) 09:32:46.18 ID:BGk+0DpG0
 翌日。

 眠りこけていた八幡を置いて(アラームだけセットしておいた)学校に行く。

 寒いと連呼しながら小町ちゃんと中学校で別れ、総武高に向かう。

 比較的広い道で黒いリムジンを見かけたが、中にいる人は見えなかった。
322 : ◆oUKRClYegEez :2016/08/29(月) 09:41:23.48 ID:BGk+0DpG0
 何事もなく今日の授業が終わる。

 由比ヶ浜さんたちリア充組は早々に教室を出ていき、八幡だけがひとりぽつんと残る。

奏「はちま……」

【選べ
 1、「昨日のシュークリーム、小町ちゃんが罵倒してたよ」

 2、「昨日俺が買ってきたシュークリーム、食べた?」      】

 ひっさびさに出てきたと思ったら絶対にここで使っちゃいけない選択肢でたなぁ!

 シュミレーションゲームなんかでこんな選択肢が出たらBADエンド確定、みたいなそんな絶望的な選択肢だ。

 ここは、小町ちゃんに迷惑にならない方向で……

奏「昨日俺が買ってきたシュークリーム、食べた?」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/29(月) 10:16:26.42 ID:YvqncKeqo
乙です
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/29(月) 10:59:30.09 ID:/n6UaWh60
2062 未来人 嘘 震災詐欺 指名手配 爆弾所持 連続殺人 不審者 遅漏 押し売り 著作権侵害
デジタルナレッジ 捏造 嘘 著作権侵害 ストーカー 放火魔 詐欺師 違法 公文書偽造罪
永山崇 恐喝 ナイフ所持 ヤクザ 人身売買 セクハラ 偽計業務妨害 中卒 置石
2062 未来人 詐欺 罪状 マラ クズ 万引き 創価学会 保健室登校 ろりこん
永山崇 禁錮 元公安 前科持ち ひかりの輪 整形 知的障害 我慢汁 執行猶予
デジタルナレッジ やり捨て パワハラ 覚醒剤 短小 ウジ虫 MDMA 汁男優 中国マフィア
2062 未来人 嘘 通貨偽造罪 詐欺 コーラン燃やし 未成年喫煙 マネーロンダリング 革マル 留置場
デジタルナレッジ 実行犯 暴行罪 有印私文書偽造罪 強盗罪 真珠様陰茎小丘疹 器物損壊罪 サリン ウィルス
永山崇 陰茎 強要罪 脱税 誘拐 精液 DDOS攻撃 カウパー 起訴
永山崇 助平 通り魔 脱糞 猿顔 異常性癖 ワキガ 尖圭コンジローマ 窃盗

325 : [sage]:2016/08/29(月) 15:27:55.64 ID:BGk+0DpG0
>>323 ありがとうございます
>>324 ……どうした
326 : ◆oUKRClYegEez :2016/08/29(月) 23:28:05.41 ID:BGk+0DpG0
八幡「あぁ、まぁ、一応な。うまかった」

 頭をかきながら言う八幡。

八幡「ドーナツと迷ったんだがな……。そっちにしておくべきだったか……」

奏「そうだったかもね」

 そして二人笑う。

 このまま……このまま。

 なにごともなく、終わってくれ。
327 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/03(土) 18:40:44.00 ID:ZZGCH6S10
 八幡と共に奉仕部に来て、戸を開ける。

結衣「あ……来てくれたんだ」

 由比ヶ浜さんが少し安心したように言う。

八幡「……ああ、まぁな」

 軽く八幡はそう返した。

 部室には雪ノ下さん、そして一色さんがいた。

雪乃「では、話を聞きましょうか」

奏「あ……ごめん、待たせちゃってた?」

結衣・いろはす「ううん(いえ)、全然!」

奏「そう? ならいいんだけど」

 たぶんそこそこには待っていただろうけれど、その気持ちがうれしかったり申し訳なかったり。

結衣「あ、じゃあ聞いてくね? あたしたちの方針きめるから〜」

いろはす「はーい」

結衣「じゃ早速。とりあえず、選挙で他の候補者を立てて、ふんわりと会長にならない。そんな感じ?」

いろはす「そんな感じですー」

 一色さんが元気に答える。ぼーっとグラウンドを眺めてるあたり、部活のサッカーが気になるのだろうか。
328 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/03(土) 18:41:43.26 ID:ZZGCH6S10
八幡「誰か候補は見つかったのか?」

結衣「それはまだ見つかってない……」

雪乃「立候補の最終締め切りまでは、まだ時間があるわ。それまでにはなんとか。それより、他のことを決めてしまいましょう」

 気のせいだろうか。雪ノ下さんが、やや焦っているような……?

 八幡との勝負、そんなに熱くなっているのかな?

雪乃「どういう形になるにしろ、一色さんには演説してもらうことになるわ」

いろはす「ですよね〜……」

 雪ノ下さんの言葉に一色さんがうなだれる。

いろはす「大丈夫なのは大丈夫ですけど、そういうの」

 大丈夫なんだ……。結構恥ずかしくない?

雪乃「私たちが立てる候補者と公約が重ならないようにする方がいいと思うわ。そこで、公約の案を考えてみたのだけれど」

 さすが雪ノ下さん、仕事が早い。

 一色さんが紙に目を通す中、八幡がつぶやいた。

八幡「……これ、お前らのやってること、完全な傀儡候補なんだが、それでいいのか?」
329 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/03(土) 18:42:30.28 ID:ZZGCH6S10
雪乃「なら、あなたのやり方には何の意味があるの?」

 八幡が雪ノ下さんから目をそらす。

雪乃「あなたは前もそうやって、逃げてきたわ」

 修学旅行。俺が――止めてさえできていれば。

 いや、それはそれでエゴというものだろうか。

八幡「それで……何か問題があったか?」

奏「あったじゃないか!」

 俺は思わず、大声を出してしまっていた。
330 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/03(土) 18:43:13.46 ID:ZZGCH6S10
八幡「奏……?」

奏「八幡と雪ノ下さんが協力しなくなって! 小町ちゃんにも心配かけて! それで何も問題はなかったって、そう言い切れるのかよ!?」

八幡「…………」

 黙りきる八幡。

 しかしそこには、何か頑ななものがあって。

雪乃「……変えるつもりは、ないのね」

八幡「……ああ」

二人の間に沈黙が横たわる。

結衣「あ、あのさ……」

 由比ヶ浜さんが間に入ろうとして、入れない。

八幡「そろそろ帰るわ。話も聞いたし」

 そう言って、八幡は出て行ってしまった。
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 19:02:28.06 ID:62c4E2fY0
想像通りの生ける屑野郎でしたね〜(汗) 葉山お前にはガッカリだよ! 
これからも屑山が邪魔するかもしれませんが温かい目で見てもらえるとありがたいです!
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 20:05:27.84 ID:ZnByaRSfO
葉山信者はスルーしましょう
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 21:48:04.45 ID:sN9RCdRdo
乙です
334 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2016/09/04(日) 10:53:49.94 ID:QwVlhijB0
>>331 w
Who are you?
>>332 >>333 ぞろ目ですね 乙ありです
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/04(日) 17:04:40.08 ID:3OPVsSReo
>>332
葉山信者乙
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/04(日) 23:00:10.61 ID:qKPHE1buO
なんかスレの流れがワケわからん事になっとる…
337 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/10(土) 15:05:05.68 ID:m29c4WWD0
いろはす「あ、じゃあわたしも部活あるので失礼しますね」

 八幡が出て行ってすぐ後に、一色さんが出て行った。八幡と個人的に会話するためだろうか。

 俺たちが来る前に由比ヶ浜さんと雪ノ下さん、二人と話していただろうから。

奏「ねえ、由比ヶ浜さん。雪ノ下さん」

結衣「なぁに?」

雪乃「なにかしら」

 俺もちょっと二人に、話しておくだけ話そう。

奏「もし……八幡が変わったら。その時は手伝ってくれる?」

結衣「それは……うん」

 由比ヶ浜さんからはすんなりと了承いただけた。問題は、

雪乃「私が手伝う理由はないでしょう?」

 雪ノ下さん。

奏「うーん…………」

 悩んで考えた末に俺が出した結論は。

奏「……雪ノ下さん」

雪乃「なにかしら」

奏「俺に貸しを一つ作れる」
338 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/10(土) 15:05:36.52 ID:m29c4WWD0
雪乃「ふふっ」

奏「あっ」

 結構個人的には良さげな考えの気がするんだけど。

雪乃「甘草くん。私があなたに貸しを作って、あなたは何をするのかしら?」

奏「……え?」

 なに雪ノ下さん急に怖い。

奏「な、何って……」

雪乃「冗談よ。私も前に似たようなことを言ったから、それで面白くなって」

 面白くなってからかったんですか。

雪乃「悔しいけれど……あ、この話は置いておきましょう。いいわ、比企谷君がもし変わったのなら、協力してあげる」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/11(日) 20:05:55.18 ID:Wa2gP/c7O
渋の千葉最強喧嘩師比企谷八幡面白いからみんな読んでね
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/11(日) 22:01:35.60 ID:Wa2gP/c7O
原作からの分岐で、修学旅行が終わった翌日からの話になります。

地の文が多いかもしれません。

初心者ですので、誤字脱字などがあれば感想にてご指摘頂ければ幸いです。

タグのアンチ・ヘイトなどは一応、予防線として入れてます。

https://novel.syosetu.org/97847/
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/11(日) 23:48:52.26 ID:bEKEE1mio
乙です
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/12(月) 02:02:51.85 ID:gFJOvJU2o
ぜひとも続きをください!!!!
お待ちしてました!!&続きを全裸待機!!

wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
343 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2016/09/12(月) 05:52:13.42 ID:QeDYiD3S0
>>340 これってOKなことでしたっけ……? 他人の他作品の宣伝……

>>342 「w」が気になりますがありがとうございます
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/12(月) 08:32:53.91 ID:MsHI0VfEo
変なのはスルーしたほうがいいよ
更新乙です

いろはすかわいいから楽しみだけど脳コメ側の状況も気になる
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/13(火) 01:10:27.11 ID:4w4in1o7o
正直間違ってない選択だと俺は思う
明らかにあの2人は身勝手なんだよな
八幡自身が理想を押し付けていたって原作のどこかで発言したはずだったが、またあの2人も
勝手な理想を八幡に押し付けて、失望して、無責任な言葉を投げかけてるんだよな
ここまで一緒に活動して、八幡の依頼に対するスタンス解決ではなく解消を見てきてまだ
気付けないのかと思った
それも仕方の無い事なんだろうけど
雪ノ下はきっと勧善懲悪主義なんだろうな
グレーを消して許せず万物に対する悪と正義を主観で決めて常に自分は正義であろうと、正義で
なくてはならないと思い込み愚直に走り続けてる気がする
だからこそ八幡の問題時代を有耶無耶にして無かった事にする、言わばグレーを許せないんだろうな
自分が嫌われ役を買って出て悪を被ってまで物事を解消するそのスタンスが、明確な悪が、敵が存在
するのにその全てを有耶無耶にして自分が悪になって物事を終わらせるのが許せないんだろうな
人として一番正解で、人類がみな雪ノ下のような思いなら決して間違いは起こらないがそんな事が有り得ない
ということから目をそらし、あまつさえ自分が人類を人事変えるという理想しか見えていない
まるで子供だ
年端もいかない、戦隊ヒーローを見て興奮する子供のようだ
由比ヶ浜に対してはもう恋に恋する愚かな少女としか言えない
飼い犬を助けてくれたヒーローに己のヒーロー像、理想を押し付けて勝手に失望する
正直な所今まで奉仕部で解決した依頼に2人が使えたところなんて一つもないのにも関わらず、そのことに
気付けずさも自分たちが正義だと言わんばかりの2人は本当に愚かだ
憐憫の情すら覚える
平塚先生は雪ノ下と八幡を組ませてそこに中和剤で由比ヶ浜を加えればプラマイゼロくらいになると踏んで
組ませたんだろうと勝手に思ってるけど残念ながらプラスにマイナスかけてもマイナスなんだなこれが
そして葉山はクソ
はっきりわかんだね
さてさて
はたして八幡が抜けた奉仕部はどうなるのか
ドキがムネムネするぜ
346 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2016/09/13(火) 18:54:48.62 ID:qFrs88z00
>>345
長文びっくり ありがとうございます(自分のssに関係ないこと話してたらボク恥ずかしいけど)

最近レスが増えた……? これからもよろしくです
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/16(金) 16:53:22.40 ID:1LvGnYTnO
最近ガイルss変なの湧きすぎだねぇ…
>>1は気にせずに頑張って



348 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2016/09/17(土) 23:07:34.12 ID:Vn4FhCM90
>>347 ありがとうございます

一周年更新です(いつも通りの更新ですが)
349 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/17(土) 23:08:52.78 ID:Vn4FhCM90
 それから数日。

 思い出したが。

 俺は八幡が変わったら―なんて息巻いていたくせに、八幡とはそもそも半分喧嘩状態で、話をしない。

 よくもまあぬけぬけと雪ノ下さん・由比ヶ浜さんと約束したものだと思う。

 はぁ。

 金曜の朝だった。

 朝起きて、いつものように朝ごはん。

 ただ、いつもより八幡がそわそわとしている気がする。

 八幡があえて少しずらしていた登校時間を、今日は俺が合わせて、家を出てすぐ(小町ちゃんとも時間をずらしていた)、八幡に聞いた。

奏「ねえ、今日なにかあるの?」
350 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/17(土) 23:10:56.74 ID:Vn4FhCM90
八幡「……まぁな。もしかしたら、少し帰るのが遅いかもしれない」

奏「っ!? まさか、八幡……ガールフレンドが……!? (仮)じゃないガールフレンドが……!?」

八幡「あると思うか?」

 それは非常に返しにくい質問です。

奏「冗談だよ。誰と会うの?」

八幡「お前とは関係のないやつだ」

奏「ふーん……そっか」

 誰かと会う、という情報は得――

【選べ

1、「雪ノ下さんに話してみよう。雪ノ下雪乃さん」

2、「雪ノ下さんに話してみよう。雪ノ下陽乃さん」

3、「由比ヶ浜さんに話してみよう。由比ヶ浜結衣さん」

4、「平塚先生に話してみよう。八幡が将来の相手に会いに行くって」   】
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/20(火) 21:24:34.24 ID:ho+iwlUAO
4しかないな
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/21(水) 11:28:51.95 ID:dSqFKQpfO
これは4
353 : ◆0KQMVLQguk3L :2016/09/24(土) 20:55:23.56 ID:U/dlH3DS0
奏「平塚先生に話してみよう。八幡が将来の相手に会いに行くって」

 さして迷うこともなくこの選択肢を選んでいた。

 雪乃さん(お姉さんも選択肢にいるのでここではわかりやすく)と由比ヶ浜さんは、八幡と絶賛きまずい雰囲気。

 陽乃さん(説明省略)は、なぜか本当に電話とかかけてきそうで怖い。俺あの人の連絡先知らないけど。

静「おう、比企谷と甘草じゃないか。おはよう」

 平塚先生が後ろから、高そうな車に乗ってやってきた。

奏・八幡「おはようございます」

 平塚先生は俺たちの横に車をつける。

八幡「ここ止めていいんすか? あれ駐禁の看板じゃ……」

静「す、少しなら大丈夫だろ。……たぶん」

 前にやってしまったことがあるのか、平塚先生は額に汗を浮かべていた。朝なのになぁ。
354 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/24(土) 20:57:06.57 ID:U/dlH3DS0
奏「あ、そういえば平塚先生」

静「ん? なんだ?」

 本当は八幡に言うだけの選択肢で実際に言う必要なんて微塵もないけれど、話すことで八幡がフォローしてポロっと漏らすかもしれないし、……ちょっと反応に興味あるし。

奏「八幡が今日の放課後、将来の相手に会いに行くって言ってるんですよ。どう思いますか?」

八幡「おい、ちょっ……」

静「ん? 私と約束してはいないだろう比企谷?」

 聞かなきゃよかったと今更後悔している自分がいる。

八幡「あれですよ、友達付き合いってやつですよ」
355 : ◆oUKRClYegEez :2016/09/24(土) 20:59:42.19 ID:U/dlH3DS0
静「比企谷……嘘は良くないぞ。本当のことを話したまえ」

 平塚先生が優しい目で八幡を見る。

八幡「いや……別に嘘ついてはいないんですけど……」

 八幡も、自分でおかしなことを言っているという自覚のあるような顔だった。おかしいのに嘘じゃないのか。

八幡「葉山に誘われたんですよ」

静「それだけで君は行かないだろう」

八幡「……釘を刺されたんですよ。陽乃さんに」

 選択肢の陽乃さんはこういうことか。

 というか平塚先生には言うんだな、八幡。少しショックだ。

静「そうか……お前も大変なんだな……」

 あ、同志を増やしたかっただけか?
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 21:28:39.39 ID:ndzMWmmfo
乙です
357 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/01(土) 15:14:14.75 ID:maWYzKGH0
八幡「そろそろ学校行かなくていいんすか」

 八幡が平塚先生に言った。

静「おお、そうだな。お前たちも遅れるなよ」

 平塚先生はそう言い残すと、スポーツカーを走らせ学校の方へと行ってしまった。

 八幡がスタスタと先を歩き始める。

奏「あ、ちょっと待ってよ! さっきの話詳しくぅぅぅ!」

八幡「……」

 そしてそのまま、話をすることはなかった。
358 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/01(土) 15:15:34.79 ID:maWYzKGH0
 放課後。

 俺は

【選べ
1、ゴーグルを身につける

2、パーティー眼鏡を身につける  】

 という選択肢を乗り越え(だから今俺は季節外れ・場所違いのゴーグルを首につけている)、どこかに向かう八幡をつけていた。

 場所は駅前。

 平塚先生にした話の通り、葉山君と一緒にいる。誰かを待っているようだった。

 と、不意に後ろから肩を叩かれる。

 驚いて振り返るとそこには、

陽乃「あ、君文化祭で見たねえ! どうし……まあなんとなくわかったけど」

 俺と同じように「こちらからは見えるけど八幡たちからは見えない建物の影になっている場所」に、俺と同じやや前かがみの体勢で様子をうかがう雪ノ下さんの姿があった。

陽乃「ねえ、君もあの子たち気になるんでしょ? 一緒に尾行してみない?」
359 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/01(土) 15:17:49.74 ID:maWYzKGH0
奏「え、え!?」

 陽乃さんが俺ににやっといたずらっぽく笑いかけて近い近い近いいい匂い近い!

陽乃「もし君が見つかってもわたしが絶対に成し遂げるから! お金いるならわたし出すから! 大学生だし! どう?」

 魅力的すぎる。提案が。

 でも

奏「そんなに頼っていいんですか?」

陽乃「大丈夫! これが比企谷君や雪乃ちゃんだったら裏があるって疑ってかかるところなんだけど、君は素直でいいね〜!」

 ですから近い近いいい匂い!

奏「貸しとかですか?」

 ありそう。

陽乃「今回はそんなの気にしなくていいから! だって、他人の恋愛事情ほど面白いことってなかなかないでしょ!?」

 雪ノ下さん……そんな動機か……。あと今回は、って……。

陽乃「それに……隼人がなにするのか、ってことも気にはなるし、ね」
360 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/08(土) 19:27:23.82 ID:o06bT7xI0
陽乃「あ、映画館入ったよ甘草くん!」

奏「ですね」

 俺は、ニヤニヤが止まらない陽乃さんと共に尾行していた。

 かく言う俺も、陽乃さんにおされて段々楽しくなってきている。

陽乃「さ、私たちも入るよー!」

奏「え、でも俺余裕あるわけじゃ……」

陽乃「わたし出すって! 観察行くよー!」

奏「え、ちょ、雪ノ下さん!?」

 美人の女性に全額出してもらっている冴えない高校生男子が、そこにいた。というか、俺だった。
361 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/08(土) 19:28:10.63 ID:o06bT7xI0
 映画館の中。

 ふと、飲み物に手を出した時、そこに肘をついていた雪ノ下さんに触れてしまった。

奏「あ、すみませ……」

陽乃「ねえ、甘草くん」

奏「はい」

 陽乃さんは、純粋な疑問で、完全にそうであるとわかる顔、口調で、こう尋ねた。

陽乃「君はどうして、彼と付き合おうとしているのかな」

奏「えっ?」

陽乃「変な意味じゃなくて。どうして彼と一緒にいたいと思うの? わたしは彼が面白いと思うからだけど。自分で言うのも変だけど、わたしは変わってる。どうして君は、彼を見ようとしてるのかな」

 彼とはだれか。そんな質問はしなかった。

 俺が葉山くんにそんなことを思うはずもないし、彼女自身、今回は葉山くんはおまけのように話していた。

 どうして。

 それは……
362 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/08(土) 19:28:36.46 ID:o06bT7xI0
奏「たぶん、同じ気がするからです」

陽乃「続けて?」

奏「あいつは、ちょっと前の俺とそっくりなんです。何かあった時には、自分を落とすことで他人を救おうとする。でも俺は、俺と似たことをするあいつを見て、思ったんです。そのやり方には、どうしても限界がある、って……」

陽乃「うん」

奏「どうしてもそうしないと解決しないようなこともあります。けど、全てにおいての選択肢がそうと決まっているわけじゃない。だから、あいつがそれに気づくまで、俺だけでもそばにいてやろうって思うんです」

陽乃「ふぅーん、そっか……」

奏「どうしました?」

陽乃「いや、なんでもないよ。あ、さっき君、爆発のときキョドってたよね?」

奏「ほっといてくださいよ……」
363 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/08(土) 19:29:45.88 ID:o06bT7xI0
かおり「爆発の時の比企谷、超きょど、って、て……っ!」

 結局ポップコーンまでごちそうになった俺だったが……。今は精神的にとても辛い。

陽乃「ひぃ……! 比企谷君と、キョドるところ、一緒……!」

 お腹を抱えてまで笑わないでください。

陽乃「お、次は買い物かあ」

 切り替えがはやすぎる……と思ったけど、まだ顔が笑いでひくひくしてる。

陽乃「わたしたちも行っくよー!」

奏「え、ちょ雪ノ下さん!?」

 俺は雪ノ下さんに手を引かれて、人ごみの中へと足を踏み入れた。

陽乃「甘草くん、手離さないでね」

えっ……?

陽乃「でないと、君と尾行している意味がなくなるから。君ついてこれなくなるから」

 ご配慮、感謝します。大丈夫、期待なんてしていませんから。
364 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/15(土) 18:50:56.22 ID:XKsncbv00
 八幡たち……いや八幡は一緒にいるのにハブられているような雰囲気だからここは葉山君たち、と言った方がいいだろうか、がエスカレーターを半分ほど過ぎたところで俺と陽乃さんもエスカレーターに乗る。

 間に数人、人がいるのでふとした拍子に目に入る、ということはないだろう。

 気になるのはエスカレーターですぐ隣にいる陽乃さんだが……なにも起きない。常に肩が当たっているが、逆に言えばそれだけ

【選べ

 1、雪ノ下陽乃によろめいたふりをして密着する

 2、よろめいたふりをしてそのまま落ちる      】
365 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/15(土) 18:53:38.11 ID:XKsncbv00
 どっちを選んでも死にそうだな……。

 1番なら殺されるし、2番ならまだ生きる可能性はあっても尾行が確実に終わる。

 2番が一番迷惑をかけな……いや、後ろもうひと乗ってるから巻き込むことになるのか。

 なら、俺一人が……。

 ……正確には俺なんかに密着される陽乃さんもだろうけど……。

 よろっ。

奏「あっ、陽乃さん、すみません」小声
366 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/15(土) 18:54:17.51 ID:XKsncbv00
陽乃「ん? いいよ」

 ……あれ? 俺生きてる? ……生きてる!

陽乃「くっついて感極まるのはやめてもらえるかな」

奏「あ、すみません……」

 顔は笑顔なのにすごい威圧感があった。これが八幡たちが恐れる所以だろうか。

陽乃「さて、隼人たちはどこに……っとあれは」

奏「あ」

 向こうは気づいていないみたいだけど……三浦さんと海老名さんだ。

 このままだと、葉山君と会うことに……あ、八幡が葉山君にそれとなく話しかけて移動させようとしてる。

陽乃「修羅場ならずか〜。比企谷くん働き者だね〜」

 本人が聞いたら全否定しそうですけどね。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/16(日) 13:21:04.90 ID:yOEvsIBCo
乙です
368 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/22(土) 22:55:53.77 ID:Ro6PrgTM0
 と思ったのもつかの間。八幡たちが移動した先に

翔「いろはす〜、やっぱムラスポいくべ?」

いろはす「えー、あっちにもラなんとかスポー……あるじゃないですかー」

翔「ライスポは野球用品店だしさ」

 一色さんと戸部くんだ。

いろはす「あー、先輩方も買い物ですかー?」

 一色さんが先に気づいた。もうさっきの様には逃げられない。
369 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/22(土) 22:56:42.09 ID:Ro6PrgTM0
 一色さんが八幡によって、その袖をぐいとつかむ。

陽乃「あの子は? 甘草くん」

奏「一年生の一色さんです。今ちょっと奉仕部に依頼してます」

陽乃「へー。どんな?」

奏「流石にそれは」

 この人は総武高のOGらしいから、『生徒会長にならないようにしてほしい』なんて依頼、知らない方がいい。

 知ったらやばいことになりそう、という思いもあるが。

いろはす「〜〜」

八幡「〜〜」

 お互いに葉山君たちに聞こえないようにするためか、小さい声で話すからこっちまで聞こえない。

いろはす「葉山先輩。私達とも一緒に遊びませんか?」

 八幡を解放した一色さんが葉山君に言った。


隼人「でも、二人ともまだ買い物あるんだろ?」

翔「だべ。いくべいろはすー」

 わー。空気読めねー戸部君。君この前恋愛がらみで告白しようとしてたのに他の人のことには無頓着なの?

 ……いやあるいは、気づいて葉山君に気をつかっているか。

いろはす「は〜い。ではまたー。先輩、また今度話聞かせてくださいね?」

 一色さんが別れ際に放った八幡への一言で、八幡が軽く震えるのが見えた。
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/23(日) 02:38:12.06 ID:5aQpf0fjo
乙です
371 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/29(土) 13:32:46.15 ID:LvrJ1EUV0
お店を出てから一行は、すぐ近くにあるカフェに入った。

陽乃「さ、行くよ甘草くん!」

奏「は、はい……」

 結局尾行ついでに買い物をした陽乃さんに荷物持ちにされ、俺は両手に荷物を抱えて陽乃さんについて行く。……あれ、俺なにしにここに来たんだっけ? そうだ、八幡の尾行じゃん……。
372 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/29(土) 13:33:40.34 ID:LvrJ1EUV0
 八幡たちがテーブルに着いた時、俺と陽乃さんは喫煙可能のカウンター席の隣同士に座った。

 陽乃さんが小さく八幡に向けて手を振り、八幡が陽乃さんを確認してその隣にいる荷物持ちを見た。

八幡「ぶっふぉ!?」

 コップに口をつけた状態だった。

かおり「ちょ、比企谷汚いしwwww」

隼人「どうした比企谷君? 大丈夫か?」

八幡「あ、ああ、悪い……ちょっと気管に入ってな」

 苦しいいいわけだな……。思いっきり吹いてたじゃないか……。

陽乃「く……は、はっ……! 比企谷君、面白すぎ……!」

 隣には大笑いをこらえている陽乃さん……。

奏「どうしてバレるようにしたんですか?」

陽乃「ん? 面白そうかなーって」

 だと思いました。
373 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/29(土) 13:37:20.57 ID:LvrJ1EUV0
 注文したコーヒーも飲み終わるころ(これも陽乃さんが出してくれた。本当にいいのか、俺?)、話題が尽きてきた女子がこんなことを話し始めた。

かおり「しかし、サイゼはないわー」

仲町「だねー」

かおり「ねー、隼人君はどう?」

隼人「俺もあんまり好きじゃないな」

かおり「だよねー!」

 あ、八幡がみるみるしぼんで……。

隼人「いや、俺が言っているのは君たちのことさ」
374 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/29(土) 13:38:00.92 ID:LvrJ1EUV0
かおり「え?」

隼人「来たか」

 葉山君が手を上げる、その視線の先には

八幡「……おまえら」

結衣「ヒッキー」

 制服姿の由比ヶ浜さんと雪ノ下さんがいた。

陽乃「わーお雪乃ちゃん。来るんだ」

 陽乃さんが少し意味深につぶやいた。

八幡「なんで……」

隼人「俺が呼んだんだ」
375 : ◆oUKRClYegEez :2016/10/29(土) 13:38:44.47 ID:LvrJ1EUV0
隼人「比企谷は君たちが思っている程度のやつじゃない。こんな素敵な人たちと親しくしている。表面だけ見て、勝手なことを言うのはやめてくれないかな」

 八幡の顔が、暗く、より暗くなっていく。

かおり「……ごめん、帰るね」

仲町「わ、わたしも……」

 二人が店から出ていく。お勘定はしろよ、と場違いなツッコミが脳裏をよぎる。

雪乃「生徒会選挙の打ちあわせ、と聞いていたのだけれど」

結衣「隼人君に会長に立候補してもらえないかなー、って……」

隼人「俺はただ、できることをやろうとしただけだよ」

【選べ
 1、雪ノ下陽乃の袖をつかむ

 2、雪ノ下陽乃の座っている椅子を引く      】
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 16:15:18.39 ID:cmpBdRIfo
乙です
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 16:16:00.39 ID:cmpBdRIfo
2
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 18:00:47.77 ID:l9mkAhnWO
これは2ですわ
379 : [sage]:2016/11/05(土) 06:46:07.71 ID:p8WxhfI6O
すみません、今週の更新は都合でおやすみです。
今日もこの時間にしか浮上できないです…m(_ _)m
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/05(土) 10:59:03.37 ID:C1UqjAJzo
待つ
381 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2016/11/12(土) 19:08:28.66 ID:d0h8h3xq0
※お待たせしました。
382 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/12(土) 19:08:58.04 ID:d0h8h3xq0
 ……雪ノ下さんにケンカを売れと。

 そういうことですかそうですか。

 まず、袖を引いた時。

 〜予想〜

陽乃「……ん? どうしたの甘草くん」

奏「あ、え、声大きくないですか陽乃さ……」

八幡「……奏」

 〜予想終了〜

 見つかって面倒なことになるって俺思うな!

 でもこれって椅子を引いた時でも同じような……?
383 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2016/11/12(土) 19:11:23.91 ID:d0h8h3xq0
※ごめんなさい修正です

 ……雪ノ下さんにケンカを売れと。

 そういうことですかそうですか。

 まず、袖を引いた時。

 〜予想〜

陽乃「……ん? どうしたの甘草くん」

奏「あ、え、声大きくないですか陽乃さ……」

隼人「……甘草くん」

結衣「奏君……と陽乃さん?」

雪乃「……」


 〜予想終了〜

 見つかって面倒なことになるって俺思うな!

 でもこれって椅子を引いた時でも同じような……?
384 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/12(土) 19:12:21.37 ID:d0h8h3xq0
 ――頭痛。

奏「痛っ……」

 どちらかを、選ばなきゃ。

 ……予想していない椅子引きをやってみようか。

 そう思って、俺は勢いよく陽乃さんの椅子を引いた。
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/12(土) 19:30:16.86 ID:KpaFe/CA0
ガタッ
386 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/12(土) 19:54:01.35 ID:d0h8h3xq0
 がっ(椅子を引いた音)

 どっ(陽乃さんが椅子を掴んで座ったまま引かれる音)

 しゅるっ(陽乃さんが勢いに乗って椅子を回る音)

陽乃「どうしたの?」

 バケモノ過ぎるよう……!?

 急に椅子を引いたら反応して座ったままでいるとか、人間の技じゃないと思う。完全な不意打ちだったのに……。

八幡「……これで、なにかやった気になってるのか」

隼人「君と同じことをしただけだよ」

八幡「……そうかよ」

 そう言い残すと八幡は、さっさと店を出て行ってしまった。

結衣「あ、ちょっと、ヒッキー!」

雪乃「用がないのなら、私も帰るわ」

隼人「……ああ、ありがとう」

 由比ヶ浜さんも雪ノ下さんも、八幡に続いて出て行ってしまった。
387 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/12(土) 19:58:48.99 ID:d0h8h3xq0
陽乃「で? どうしたの?」

奏「いえなんでもありませんすみません」

 あるといえばあるけれど、それは言えない。

陽乃「そう。……しっかし、隼人はやっぱりつまらないわね」

 葉山君に聞こえる声で陽乃さんが言った。

隼人「……陽乃さん。いたんですか」

 葉山君がこちらに来た。

陽乃「あ。あんたのテーブルの代金はあんたが払いなよ? 自分で誘った人たちでしょう?」

隼人「俺が誘ったわけじゃあないんだけど……。まあ俺だけ残ってるし、それが当然の義務だろうね」

 凄い。リア充すごい。
388 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/12(土) 20:10:19.50 ID:d0h8h3xq0
陽乃「飽きちゃった。私の尾行はここでおしまい。甘草くん、車呼ぶからそれまで荷物お願いできる?」

奏「はい、大丈夫です」


陽乃「ありがと。助かったわ」

奏「こちらこそ、全部払ってもらって申し訳ないです」

陽乃「いいのよ。そのかわり、今度もつきあってくれる?」

 今度があるのか。

奏「はい、その時は」

陽乃「ありがとう。じゃあ、お休み」

奏「おやすみなさい」

 そう言うと陽乃さんは、黒塗りの高級車に乗って行ってしまった。
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 01:13:38.58 ID:2O/oRijeo
乙です
390 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/19(土) 22:03:23.68 ID:4rrWYfl10
 休日だ。

 八幡はぐうすかと惰眠をむさぼり、小町ちゃんは受験勉強をしている。

 そして、俺はというと……。

奏「はああぁぁぁ……」

 相手がいなくなったことで、ようやく息をついた。

 俺は、朝に選んでしまった選択肢――

【選べ
 1、雪ノ下陽乃に一日連れられる

 2、比企谷小町の邪魔をする

 3、比企谷八幡を連れていく       】

 で、3を選ぼうとしたらあまりにも「行きたくない」意思を突き付けられた(完全な寝たふり)ので、仕方なく1を選んだ。

 まあ……ちょうど後悔しているわけだが。
391 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/19(土) 22:04:28.44 ID:4rrWYfl10
 休日だ。

 八幡はぐうすかと惰眠をむさぼり、小町ちゃんは受験勉強をしている。

 そして、俺はというと……。

奏「はああぁぁぁ……」

 相手がいなくなったことで、ようやく息をついた。

 俺は、朝に選んでしまった選択肢――

【選べ
 1、雪ノ下陽乃に一日連れられる

 2、比企谷小町の邪魔をする

 3、比企谷八幡を連れていく       】

 で、3を選ぼうとしたらあまりにも「行きたくない」意思を突き付けられた(完全な寝たふり)ので、仕方なく1を選んだ。

 まあ……ちょうど後悔しているわけだが。
392 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2016/11/19(土) 22:05:16.07 ID:4rrWYfl10
※おっとやってしまった
すみません
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 22:08:50.20 ID:NRHINyQaO
394 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/19(土) 22:08:53.93 ID:4rrWYfl10
 〜回想〜

 1を選んですぐ、本当にすぐ、家の前に黒塗りの高級車が止まった。

 ベルが鳴る。

陽乃「こんにちはー。奏君いるー?」

奏「陽乃さん!? ちょ、とりあえず朝ごはん食べてないんで待っ……というか事前に連絡してくださいよ!?」

 〜回想終わり〜
395 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/19(土) 22:52:10.94 ID:4rrWYfl10
 俺を連れ出した陽乃さんは、昨日とは別の場所で、昨日しなかった買い物をするらしかった。

陽乃「奏君、これどうかな?」

奏「え、えと、似合ってますよ」

陽乃「んー。もっと捻ったというか、バリエーションつけてくれないかなー。こっちも面白くないじゃん?」

 だんだんと寒くなってくるこの時期。陽乃さんは冬服を現在試着中。

俺はその荷物持ち兼感想を言う役。

奏「でも陽乃さん綺麗だから、何着ても似合ってるじゃないですか」

陽乃「そう? ありがとう。でもそれも聞き飽きたって言えば聞き飽きたのよねー……」

 それはそれですg

【選べ
 1、「服がかわいそうですよねー。どれ着ても似合ってるから、どれも陽乃さんの特別にはならない」

 2、「あ、じゃあ。陽乃さんすっごいブサイクですよね」

 3、一輪車を漕ぎながらソフトクリームを食べる     】
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/19(土) 22:55:32.56 ID:KgqGfqxco
1
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/20(日) 20:06:32.82 ID:9GtPMMSA0
むしろ2で
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/20(日) 23:09:15.15 ID:wZacOj61O
これは3ですわ
399 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/26(土) 18:57:02.63 ID:8XZeUB7N0
 1も2も選びにくい。

 2つとも陽乃さんを傷つけることになる。たぶん。

 なら、俺の選ぶ選択肢は一つ、なんだが……冬にソフトクリームなんて売っているとはとても思えない。

 物理的に不可能な選択肢が出ることなんて……、いや何回かあったか?

 となると、上二つから選ぶしかないわけで。

陽乃「どう? 似合ってる?」

 さっき似合ってるって俺言ったじゃないですか。

 頭痛が催促してくる中、そんなことを思いながら俺は1を選択した。

 会話の流れ的に。

奏「服がかわいそうですよねー。どれ着ても似合ってるから、どれも陽乃さんの特別にはならない」
400 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/26(土) 18:57:36.98 ID:8XZeUB7N0
陽乃「ほうほう?」

 陽乃さんがこっちを興味深そうに見てくる。

 ……え、いや、自分の意思じゃないことに対して続けなきゃいけないのかな……。

奏「陽乃さん何着ても似合うから、だから特別な思い入れのできるような服って、ないような気がして」

陽乃「奏君にはそういうのある?」

奏「服……は特には……」

陽乃「男子だもんねー」

 陽乃さんは軽快に笑う。

陽乃「服以外だったら?」

奏「それは、まぁ……」

 謳歌や、ふらのや、ショコラ。真っ先にその三人が浮かぶ。

陽乃「そうかー。確かに、私にはないかもねー」
401 : ◆oUKRClYegEez :2016/11/26(土) 18:58:07.99 ID:8XZeUB7N0
陽乃「昔からだいたいのことはできたし、人はわたしから近づかずとも向こうから来るし」

 口調には一切の含みがない。本心でそう思っているのだろう。客観的に見ても、それは事実だ。

陽乃「だからこそ、対等に見ようとして歯向かってくる雪乃ちゃんや、寄ってこない比企谷くんを面白いと感じるのかも」

 もちろん君も。と陽乃さんは付け足す。

陽乃「特別……ね。雪乃ちゃんにとって私は特別なんだろうけど……私にとっての雪乃ちゃんって、なんだろう?」

奏「俺に振らないでくださいよ」

 返答に困る。

陽乃「そうだね。ごめん」

 陽乃さんはぱっとそう謝った。

陽乃「特別なものは、大切にしなきゃ」
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 14:31:05.36 ID:eOaOh90f0
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 16:10:05.21 ID:Qkfv35Y/o
乙です
404 : ◆oUKRClYegEez :2016/12/03(土) 15:14:48.59 ID:8l/OkrBZ0
 俺にとって大切なもの。

 ショコラ。謳歌。ふらの。

 誰も優劣なんてつけがたい、俺の大切な人たち。

 こんな俺に好意を寄せてくれている女の子。

 でもいつかは、一人を選ばなければ。

 それが、彼女たちや俺にとって辛いことでも。
405 : ◆oUKRClYegEez :2016/12/03(土) 15:15:32.44 ID:8l/OkrBZ0
陽乃「ねえ――奏君はさ、どこから来たの?」

 ――そうだ。俺はここじゃないところから来た。

奏「遠いところですよ、たぶん」

 彼女たちに答えるために。まずは帰らなければ。

陽乃「ふーん……」

 Prrrrrrrrrrrr

奏「あ、すみません……」

 俺のポケットでスマホが鳴った。

陽乃「いいよ気にしなくて〜」

 陽乃さんがひらひらと手を振って出るように言った。

奏「ありがとうございます。……もしもし?」

チャラ神『……つながった! 一週間お店行かなかった甲斐があった!』

 電話の主は、あの神様だった。
406 : ◆oUKRClYegEez :2016/12/03(土) 15:16:49.48 ID:8l/OkrBZ0
奏「神様の世界にキャバクラあるのかよ」

 ツッコまずにはいられない。

チャラ神『そこは一旦おいといて! 実は、次のミッション次第で元の場所に帰れるんだよ!』

奏「……は? また唐突な」

 見ている人たちが怒りそうな超展k――もとい、急展開で。

チャラ神『前に君のことをアマノカミノソラウになんとか連絡しようとしたんだ。君の世界に目撃情報があったから、使者を送って。そうしたら、彼女の方でもイレギュラーが発生していたみたいで……。選択肢が、彼女の手を離れて暴走しているらしい』

奏「暴走……」

 これまたラノベの後付け設定みたいな……。

チャラ神『元はと言えば彼女の力である選択肢で君はそこに飛ばされている。だから、同じようにミッションで条件を満たし、彼女の力で戻ってこられるはずなんだ』
407 : ◆oUKRClYegEez :2016/12/03(土) 15:17:22.43 ID:8l/OkrBZ0
チャラ神『もしミッションに失敗すれば、今度は戻って来られなくなる。でも今回のミッションには挑戦しないっていう選択肢がある』

奏「脳内選択肢が消えなくなるってことは?」

チャラ神『ない。その時にはミッションの話自体がなかったことになる』

奏「うーん……」

チャラ神『悩むのはわかる。でも早くしてくれ。この回線もいつまで持つかわからない』

奏「わかった。やるよ」

 彼女たちを、いつまでも待たせておくわけにはいかない。

チャラ神『わかっ……。……ールで……。幸……のってる!』

 そこで電話は切れ、かわりにメールの着信が来た。

〈ミッション
 クリスマスでの決別を防ぐ〉

 誰かと誰かが、決別することが決定しているみたいなミッションだな……。

 『幸運を祈ってる』か……キャバクラの神様にそんなこと言われても、ありがたみなんて全くない。
408 : ◆oUKRClYegEez :2016/12/10(土) 16:39:45.70 ID:jYraYuME0
奏「おまたせしてすみません」

陽乃「いいよいいよ〜」

 謝ると(まあ形の上のものだけど)陽乃さんは手を振って許してくれた。

陽乃「で、誰からの電話? 故郷の彼女とか?」

奏「まさか。厄介ごとを持ち込むおっさんでした」

陽乃「はははっ! その割には長いような気もしたけど?」

奏「そうですか?」

 勘が鋭い。

陽乃「まあいいや。次のお店行こうか」

 手には、さっきの店の紙袋があった。
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/10(土) 17:37:42.89 ID:z+QCISU8o
乙です
410 : ◆oUKRClYegEez :2016/12/10(土) 19:11:25.99 ID:jYraYuME0
陽乃「今日はありがと」

奏「いえ、この程度ならいつでも」

陽乃「雪乃ちゃんは……選挙、どうするのかな」

奏「……?」

陽乃「生徒会選挙。雪乃ちゃんは、今まで姉である私を追いかけてきた。でも、文化祭の実行委員長にはならなかった。私がなったのに」

奏「……」

陽乃「彼と会って、雪乃ちゃんは変わったよ。あるいはあの女の子か、その両方か」

奏「俺には、変わったようには見えませんけど」

陽乃「そう? まあ君は昔の雪乃ちゃんを知らないしね。でもだからこそ。中心に近い位置にいながら、決して中心足りえない君に、頼みたいんだよ」

奏「傷つきますね……。……でも、おせっかいじゃ……」

陽乃「かもしれない。だから、もし雪乃ちゃんが行き場をなくしてしまうようなことがあったら……。もし比企谷君たちと仲たがいしちゃったときは、君が間に入ってくれないかな?」

奏「酷い役目ですね」

陽乃「お願い」

 今日初めて見る、軽い冗談を言っていた時とは全く違う目。

 真剣そのものの顔だった。

奏「……わかりました」

陽乃「私は、大切なものの扱い方を間違えたみたいだから」
411 : ◆oUKRClYegEez :2016/12/10(土) 19:13:07.19 ID:jYraYuME0
奏「違います」

陽乃「え?」

奏「そう考えることが間違っているんです」

 俺は、自分の選んだ選択肢を後悔したことはない。

 もちろん、嫌なことはたくさんあった。

 でも、俺が傷つくことで他の誰かが笑ったままなら、それでいいと思うんだ。

奏「だから、今までの自分を後悔しないでください。それが嫌なら、後悔したいのなら、これからを変えてこれからを努力してください」

陽乃「……うん。そうするよ」

 最後に陽乃さんは、ふわりと微笑んだ。
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