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モバP「志希が風邪を引いた」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆Freege5emM [saga]:2016/01/03(日) 17:35:17.73 ID:d/9JR/ulo


※登場キャラ 一ノ瀬志希
※短め

※一ノ瀬志希
http://i.imgur.com/F59aLo2.jpg
http://i.imgur.com/KYgRYtZ.jpg




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1451810117
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奥様はマゾ @ 2021/05/09(日) 17:05:21.87 ID:il39MuEW0
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神崎蘭子「高垣楓伍番勝負っ!」 @ 2021/05/09(日) 15:18:14.18 ID:USI9ZzTC0
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【神様になった日】陽太「年明けに皆とすごろくで遊ぶよ」 @ 2021/05/09(日) 12:53:41.69 ID:CUVXY63u0
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のそのそと @ 2021/05/09(日) 00:42:05.58 ID:i6WTGy2jO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1620488525/

2 : ◆Freege5emM [saga]:2016/01/03(日) 17:36:05.53 ID:d/9JR/ulo




「ほら、志希。おかゆ作ったから。何か食べないと、風邪が治らないぞ」
「……タバスコは……?」

ベッドからもぞもぞと聞こえてくる志希の声は、
いつもの挑発的な軽快さを失い、代わりに退廃的なハスキーさを得ていた。

「タバスコってお前。風邪引いてる時は、粘膜が弱るんだぞ。
 生姜効かせておいたから、それで勘弁しろよ」
「それはショウガオールだよ……あたしが欲しいのは、カプサイシンなの……」
「しょうがないな」



おかゆの白く濁った水面に、タバスコの赤く酸っぱい色が数滴滲んだ。
そんな異色のおかゆをモソモソと舐めているのが、俺の担当アイドルの一人・一ノ瀬志希である。

志希は今季、アイドルとして大きな飛躍を遂げた。

アイドル総選挙では、並み居る先輩をごぼう抜きして最上位層に肉薄した。
CDを出せば、売上ランキングの上位に自分の曲をねじ込んだ。
事務所のクリスマスイベントでは、シンデレラガールたちを差し置いてメインを務め上げた。



そんな大活躍の志希だが、今までにない大きな仕事と過密なスケジュールをこなしたせいか、
今年最後の仕事を終えるとともに、体調を崩してしまった。

「なんだか……今日のキミはやさしーねぇ……」
「そりゃ、病人相手だしなぁ。しかもその原因、俺がスケ過密にしたせいだろう?」

折が良いのか悪いのか、ちょうど俺も仕事納めであったため、
都内で一人暮らしの志希の家へ、様子を見に行ってみた。

「俺も一人暮らしだから。体調崩した時の辛さは、分かるつもりだ」
「……なんかね。心細いんだよね。年の瀬で、ご近所サンもみんな静かになっちゃって。
 この世界に、あたし一人しかいないんじゃないか、って気分になるんだ。
 ……だから、キミが来てくれて、ホントに良かった」

すると、志希は食事も取らずにうんうん唸っていたため、
俺はスーパーへ行って――東京は年末までお店が開いていて助かった――
とりあえずおかゆを作ってやったところだった。
3 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [saga]:2016/01/03(日) 17:36:16.36 ID:sXqieO96o
ええやん、なんぼなん?
4 : ◆Freege5emM [saga]:2016/01/03(日) 17:36:36.63 ID:d/9JR/ulo




「志希ちゃんねぇ、キミとアイドルやってて、気づいたんだけどさ……」
「ん、何に気づいたんだ」
「……お仕事は、ギリギリのところまで攻めた方が、オモシロイよね?」

志希はスプーンをぺろりと一舐めして、悪びれもなく笑った。

「スケ見たら、年末年始は録画で、お休みだったからさ……
 クリスマスまで持てばいいや〜って思って、ガンガン飛ばしちゃったんだー。どうだった?」
「……いい仕事してくれたのは、伝わったが」



「うんうん、だから〜、今こうなっちゃってるのも、志希ちゃんの計算通り、ってなワケでー……」
「なぁ、俺帰っていいか? 大掃除まだなんだよ」
「うぇーん、プロデューサーの薄情者ー、
 この一年キミに尽くしてきたあたしに……そんな仕打ちがあるかーっ」
「身から出た錆は自分で落とせ」

志希がこうして勝手な理屈をこねだすと、スカウトしたばかりのことを思い出す。



「体がこんなになっても、いいやって、仕事に打ち込めたのは、
 キミがお世話してくれると思ったからー。だから特別だよ? トクベツ♪ 良い響きだよねぇ……」
「はいはい、一ノ瀬サンは特別なアイドルですよ、と」

今でこそ一端のアイドル面している志希だが、
最初の頃は仕事中に失踪したり居眠りしたり、事務所屈指の問題児であった。



「ふぅああっ……おかゆー、おいしかったよー。
 んー、お腹がふくれたから、ねむくなってきちゃったなぁ……」
「こらこら、寝る前に着替えて体を拭け。俺はタオルを用意しておくから、服とってこい」

志希が俺に見せる生活能力の低さを考えると、
本当にこいつ一人暮らしできているのか?
という疑問がしばしば湧いて来る。

他人がいなければちゃんとやる、という人もいるから、その種なのか。
そういえば、同僚の双葉杏も常識はずれの怠惰さだが、
それでも――諸星きらりの世話になりつつ、だが――なんとか一人暮らしを維持していた。



「ぶー、プロデューサー? 今、ほかの子のこと考えてたでしょ」

志希が俺の服をくいくいと引っ張ってきた。

「よく分かったなぁ。さすがの鋭い観察力だ。ユッコや都がうらやましがるぞ」
「ナニその言い方、わざと? もーやだ、ふて寝しちゃうもん」
「はいはい、今お湯を沸かしてくるから。着替え出しておけよ」
5 : ◆Freege5emM [saga]:2016/01/03(日) 17:37:10.70 ID:d/9JR/ulo




俺が、台所で洗面器のお湯やタオルを用意してから部屋に戻ると、
志希はベッドの上で着替えを広げていた。

「ねーねー……プロデューサーは、どの下着がお好みかな?」

俺は、洗面器のお湯をぶちまけてやりたくなる衝動を、やっとの思いで自制した。



「最近、分別がついてきた……と思ったら、お前は」
「えー、キミだって、一人暮らしの弱ってるオンナノコの元に押しかけて、
 世話焼いてくれてる……ってことは、こーゆー役得、期待してるでしょ……」

俺は志希の問いを否定しなかった。
すると志希は『これぞ、プロデューサーと担当アイドルの以心伝心っ』とか言い出した。
嫌な以心伝心だ。

「ふっふー……今の志希ちゃんは、弱っちゃってるから、
 襲われちゃっても、逃げも隠れも抵抗もできないよー……」

志希の胡乱な眼差しも、汗ばんだ肌も、好き放題に波立つ長髪も、
そういう気怠さを纏った志希は、いつもより艶めかしかった。

「はいはい。いいから、志希は早く風邪治せって」
「もー、紳士ぶってるんじゃないよー。キミから生唾の匂いがしたぞー。
 あたしには、キミの下心なんてお見通しなんだー」



だが相手は病人だ。

「別に俺はシてもいいけど、お前、色々な意味で具合良くないじゃないか。
 ほら、人間は体調が悪いと、まず粘膜が荒れるだろう?」
「……キミのそーゆー明け透けな言い方、キライじゃないよ」

艶っぽい雰囲気を思いっきりぶち壊してやると、志希は呆れて微笑した。

6 : ◆Freege5emM [saga]:2016/01/03(日) 17:37:42.91 ID:d/9JR/ulo




「特別扱いってのは、居心地の悪い時もあるね……」

湯気の立つタオルに顔を埋めながら、志希がつぶやく。

「みんなと同じな方が、気がラクってコトも、結構多いし……。
 アイドルになる前は、あたし、そーゆー見られ方に疲れててさ」



事務所では、志希はいつもニヤニヤと妖しい笑いを浮かべ、俺や一部のアイドルを翻弄してくる。
ステージでは、志希はいつもキラキラと眩しい光線をまとい、俺やライブに詰めかけたファンを魅了してくる。

アイドルになる前の志希は、よく知らない。
ただ、10代の内に向こうの大学を飛び級で出てしまった、ということだから、
相当デキるヤツだったことは間違いない。

となると、常人では味わえない気苦労とかもあったんだろう。

「でも、キミと一緒にアイドルしてるうちに、
 特別も悪くないかな、って思えるようになってきたんだ」
「……そうか」

俺が相槌を打った瞬間、
志希は『してやったり』と大書された笑顔を満面に浮かべた。
7 : ◆Freege5emM [saga]:2016/01/03(日) 17:38:13.92 ID:d/9JR/ulo



「特別……そういえば、この間のお仕事も、クリスマスって特別な夜を
 メインで引っ張る特別な大役だったねぇ。それも、特別なキミと一緒に……
 だから、志希ちゃん、ちょっとやり過ぎちゃった。なーんて♪」



「……って言えば、今回の無茶も許してくれる?」
「ダメ」
「えぇーっ」
「というか、無茶って自分で言って……やっぱり確信的にやったのかよ」

志希は目をギュッとつむって、熱で火照った頬を膨らませた。
おとなしくして、早く体を良くしてもらわなきゃならんのに。

さて、どうしたものか。



「なぁ、志希」
「……ナニさ」

志希は、薄目を開けて俺をうかがってくる。

「大晦日、二人で年越しそば食って、元旦に餅焼いて食おう。
 食休みが終わったら、電車に乗って、花園へ初詣に行こう」
「花園って……新宿の? それなら、ご同業のヒトたちにも、たくさん見られちゃうね……♪」

志希の笑みは、事務所でも見せてくれるニヤニヤ顔。

「それがお望みだろう? 特別な日に、特別な場所で――だから、風邪直しておけよ」
「……ふっふー♪」

その頬は、さっき振りかけたタバスコに負けないぐらい赤かった。


(おしまい)

8 : ◆Freege5emM [saga]:2016/01/03(日) 17:38:56.49 ID:d/9JR/ulo



※好評発売中
『秘密のトワレ』歌:一ノ瀬志希(試聴) 税込¥720
https://www.youtube.com/watch?v=wD3olymAvN0


これで志希にも

※春
http://i.imgur.com/3deqSk2.jpg
http://i.imgur.com/fsHmMYP.jpg

※夏
http://i.imgur.com/9IjuWZi.jpg
http://i.imgur.com/LkbadzN.jpg

※冬
http://i.imgur.com/F59aLo2.jpg
http://i.imgur.com/KYgRYtZ.jpg


と、いよいよ春夏冬が揃ったので、
人を飽きさせない息の長い活躍をしてくれると思います

それでは
9 : ◆Freege5emM [saga]:2016/01/03(日) 17:39:33.88 ID:d/9JR/ulo


●過去作(志希) 今回とつながりはないですが、よろしければ


一ノ瀬志希「キミに惚れ薬を試してみたい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417352906/

志希「プロデューサーと、つきあうんじゃなかったかなぁ?」文香「……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417855904/

志希「プロデューサーのキモチ、分からなくなっちゃった」マキノ「……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417937646/

志希「アイドル辞めちゃったら、どうしようかなー」泰葉「えっ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418996279/

一ノ瀬志希「桜のじゅうたんで見た、シンデレラの夢」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428745205/

一ノ瀬志希の代償【R-18】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430839426/

志希「ねーねーフレちゃーん」フレデリカ「うーん?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431840070/

周子「5月30日は」フレデリカ「シキちゃんのお誕生日♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432396180/

一ノ瀬志希「ねぇ」【モバマス】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432912085/

一ノ瀬志希・誕生日の葛藤 ※R-18
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433090348/

志希「今日はシューコちゃんのニオイで過ごす」周子「えっ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433688581/

一ノ瀬志希の占有【R-18】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435507873/

文香「もしも美嘉さんが」志希「あたし達のおねえちゃんだったら!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436714850/

文香「包容力が欲しい?」志希「うん!」美嘉(えっ?)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439724231/

一ノ瀬志希「存在の耐えられない軽さ」【R-18】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438519272/

周子「君と一緒に」志希「またひとつ夢描く」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439715284/

志希「あたしのヒミツ?」フレデリカ「暴露しちゃうぞ♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446969140/

志希「ねぇ、助手くーん」晶葉「Pは私の助手なんだぞ!?」※百合注意
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448296521/
10 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/03(日) 17:43:26.05 ID:ygd+N7juo
乙乙
11 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/03(日) 17:47:33.62 ID:YR5ob47rO
12 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/03(日) 18:45:41.03 ID:B6JfxcaBo
よかった
おつ
13 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/04(月) 19:49:59.18 ID:TBzSnD5I0
乙です
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