アムロ「女性にしか扱えない兵器か...」【クロスオーバー】

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148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/06(月) 12:05:06.76 ID:2DOeTaP/o
>>147
年齢的に考えると1st=15・Z=22・CCA=29だから、肉体的なピークはCCAだよ。
特にZ時代は軟禁状態でろくにトレーニングもしてなかったから、かなり衰えがあると思った方が良い。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/06(月) 19:25:51.53 ID:V/Ccdvqho
>>148
軟禁中とはいえ肩書上は軍人なんだから鍛えてるでしょ…
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/06(月) 20:47:26.61 ID:8xkDqZ7d0
夢、ここは夢だ。
目の前には、ララァが立っている。

ララァ「少しは慣れてきたかしら?戦いのない生活なんて久し振りでしょう?」

アムロ「馬鹿を言うな。ISが使われる戦いが無いなんて体裁上だけだ」

アムロ「こんな物を放っておくほど政治家達も牙は抜けて無いだろうし、禁欲的ではない」

アムロ「何かの切っ掛けがあれば、人間が昔核兵器使った時のように条約なんて知らん顔するはずだ」

ララァ「でも、それを止められる力はまだ貴方には無いのよ?」

アムロ「だから、だから俺は...その方法を模索してるんだ。悔しいが、今の俺の実力じゃ到底不可能なのも理解している」

アムロ「だがな、俺はシャアの様に逸りはしない。人類全てに絶望するなんて、まだ早すぎる」

アムロ「そもそも人が人の業を背負おうとしてるのが間違いなんだ。そんなのは、思い上がりだよ」

その否定の言葉は段々と弱々しくなっていく。
ララァの哀しみが胸に直接伝わってきたような気がして、俺まで影響を受けたみたいだ。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/06(月) 21:01:45.28 ID:8xkDqZ7d0
アムロ「俺の心の中に入って来るな!俺は、俺はまだ死人に引き摺られることなど...!」

だが、頭の中にはララァを殺したときの感覚がしっかりと残っている。
コクピットにガンダムのビームサーベルを突き刺した、あの瞬間。
死に際のララァと共感して命の母である海を垣間見た、あの感覚。

そんなセンチな思いに誘発されて、思い出される部下の死。
俺が不甲斐なかったせいで死んでしまった、ケーラ。
握り潰されて、ミンチになってしまったケーラをアストナージに見せてしまった後悔。

これだけ、死者への思いが募って果たして死者に引き摺られてないと言い切れるか?
このままでは、死人に足を引っ張られると分かっていてもどうしても拭いきれない。
なまじニュータイプであった故に、感覚が頭から離れない。

アムロ「でも、僕だって...僕にだって出来ることはあるはずなんだ」

シャアの様な、過激な方法ではなくて地道に人に可能性を見せる方法。
それが、アクシズで光を見た僕なら出来るはずだから。

アムロ「だから、俺だって死者に何時までも固執していられるわけじゃない」

ララァ「貴方の覚悟は分かったわ...」

ララァ「私は貴方の中で永遠に生き続けている...ずっと、ずっと...」

アムロ(俺が、ララァを振り切れるその時まで...か)
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/06(月) 21:11:43.04 ID:8xkDqZ7d0
目が覚める。
連日続く夢に、不快感を抱かずにはいられない。
ララァを見る度に、俺の覚悟が薄れる気がして。
シャアと俺が比べられてる気がして、嫌だった。

俺も、ララァを振り切れる時が来るのだろうか。
振り切れるその時は、本当の人の可能性に触れたときだと頭の片隅で確信している。
νガンダムとシャアのサイコフレームが共振したあの時のような優しくて温かい光。
あの光を見たからこそ、俺はもっと人の可能性を信じられる。
絶望するにはみだ早すぎるんだ。

この先に待つのが苦難だろうと、せめて俺はこれからの学園生活で子供たちの成長に役立てればいいと思う。
時代を創るのは、老人ではなく子供たちだ。
カミーユの時のように手放しで希望を押し付けるのではなく、今度こそしっかり成長できるようにしなくてはならない。

その決意を固めると、再度俺は意識が落ちていった。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/06(月) 21:15:25.28 ID:8xkDqZ7d0
今日は疲れていて眠いのでこれまでです。
アムロをどこまで再現して、らしく動かせるかはまだまだ全然ですがもっともっとらしくなるように頑張っていきます。

後、議論が加熱し過ぎて強さ議論とかにはならないようにしてくださると嬉しいです。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/06(月) 21:22:23.29 ID:7Bt4BCZQO
シャアがアムロとやりたかったのがただの喧嘩だってのが悲しいよな
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/06(月) 21:37:52.80 ID:hG2/KO+OO
乙です
アムロもシャアも、ララァの影に縛り続けられるのか…
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/06(月) 23:19:44.08 ID:cGdBK6kBo
乙です
何とかなっちゃう所がアムロらしい

>>154
若い頃から家柄に縛られて好きな事が出来なかったから
上に立って何も考えずアムロとケンカ出来る事が楽しかったんだろうな
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/07(火) 12:34:35.47 ID:kMG3BJud0

なんだかんだで負けっぱなしだしある意味超えるべき目標みたいな存在なんだろう、と勝手に思ってる>>シャアにとってのアムロ
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/09(木) 20:32:08.86 ID:YAX0RQ2rO
乙です!
楽しく読ませてもらってます!
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/09(木) 21:21:22.45 ID:WdSKk4e7o
>>154
シャアはヤケクソでしょ
本人がやりたいことはクワトロなのに周囲がシャアかキャスバルを求めた上完全に逃げ場無くなったからアレをやっただけで…それを止められるのはアムロか若者だけという

ISはモッピーしか知らんのだが素手で殴るって効くの?効くんなら一夏かシャルルを軍人の技術でボコボコに…
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/09(木) 21:56:51.64 ID:pYW1zLbg0
すいません、仕事が忙しくなってきてて書くのが難しいです。
明日か明後日には続きを書いていきたいです。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/09(木) 23:05:15.71 ID:5ZCIxHQp0
楽しみにしてるぜ
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/12(日) 21:02:31.13 ID:lC7N3FHK0
現在、ISを纏った更識から必死に逃げている訓練中だ。
たまに撃たれるガトリングを回避しながら、一定距離まで近付かせないようにするという難題をこなしている。

更識曰く「アムロくんは、回避さえ上手になれば技術なんてすぐ上がるでしょ」とのこと。
からかわれている気がしてならないが、これでも更識は学園最強を自負するだけあって強かった。
素直にISでは先輩に当たる更識の発言を聞いておいて、損はないだろう。

ということで、俺は更識に回避技能だけを重点的に向上させる訓練をしてもらっている。

163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/12(日) 21:12:34.60 ID:lC7N3FHK0
少しでも気を抜けば、ガトリングに直撃して体制を崩し槍を突き立てられてしまう。
更識は初心者用の細心の注意を払った手加減をしているのだろうが、俺からしたらそれでも厳しい。
しかし、模擬戦の時には動きが分かったのに今は全く掴めない。調子でも落としたか?

などと考えていたせいか、ガトリングにうっかりと当たってしまい、次の瞬間には槍が目の前にあった。

楯無「考え事は禁止!しっかり集中しなさい!」

アムロ「ああ、申し訳ない」

楯無「次は気を付けてね。ほら、逃げ始める」

俺はまた飛び上がり、壁にぶつからないように注意しながら速度をあげる。
後ろをチラッと確認すると、既に更識が迫ってきている。
機体の性能はもちろん、操縦者の技能にも雲泥の差があるため仕方無いことだ。

移動先を予測された射撃を二枚のウイングの逆噴射で何とか避け、速度を落とさないように加速する。
俺も段々回避のコツを掴めてきた気がする。
とはいえ、まだまだひよっこではあるわけだが。

次の射撃も、次の次の射撃も避けた時に更識から声がかかる。

楯無「段々良くなってきたわ、それじゃもうちょっと難しくしよっか!」

無茶を言ってくれる。
感覚が掴めてきただけでまだそこまで出来ないと反論するも、モノは経験と一蹴される。
まだまだ辛くなりそうだ。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/12(日) 21:23:35.26 ID:lC7N3FHK0
今度は昨日食らった不思議な爆発も織り交ぜていくとのこと。
回避のしようが無いと思ったが、ガトリング発射時に当たりやすそうな場所を爆発させると言っていた。
それでも充分キツイであろうが、諦めるわけにはいかない。
ここで初心者であるという遅れを取り返して、入学式時には同級生となる子供たちと対等な技術をモノにしなければならない。
代表候補生レベルとはいかなくても、平凡レベルになれれば上出来だろう。

楯無「じゃ、休憩もこれ位にして再開しましょうか」

アムロ「ン、頼むよ」

――少し時は流れ
最初は爆発を全く避けれなかった俺だが、段々と避けれるようになってきた。
回避のコツを掴んだというよりは、更識のクセを把握してきたという感じだが。
ガトリングを上昇しながら回避して、目の前で起きる爆発を減速しながらの落下で避ける。
我ながら無茶苦茶な避け方だとは思うが、楯無には驚かれた。
ISで三次元的な動きをするのは当然だけど、ここまで空間認識能力が高いのは凄いと。

宇宙で戦争してきた身からすればこれでもまだまだな浅い軌道でも、宇宙に進出してない身からすれば充分なのかもしれない。
となれば、俺はこの三次元的な動きを頭に入れながら動くのがいいということだ。
そうすれば自分にしかない持ち味を活かせるようになる。
そこまで上達できれば、という前提条件が付いてしまうが気にしてはいけない事だ。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/12(日) 21:27:39.48 ID:+Z/tX2t/O
既に同級生となる娘達以上の技術な気がする…
終わった頃には代表候補生レベル以上のな予感…
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/12(日) 21:32:23.64 ID:lC7N3FHK0
楯無「だ・か・ら、考え事はしない!」

突然の前方の爆発に反応しきれず直撃して落下した。
何とか姿勢を持ち直して着地するも、心臓に悪い。

楯無「次、考え事してたらお姉さん本気になるからね?」

アムロ「あ、ああ...つい、な......」

俺も訓練だからって気が緩んでいるのか?
気を抜いたら死んじまう過酷な戦いに身をおいていたとは思えないだらけ振りだ。
突然平和になるというのも、感覚を鈍らせる大きな原因になるな...
皮肉なものだ、平和の為に戦っていたのに、いざ平和になったら戦いを心のなかで引き摺り続けるとは。

アムロ「おっと、失礼。少し記憶が戻りそうな気がして...」

楯無「あらあら。記憶が戻ったら恐〜い軍人さんだったりね」

訝しげで納得のしていない顔ではあったが、気にしないという態度は見せてくれた。優しい子だ。
ともあれ、訓練を再開しなくては。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/12(日) 21:49:00.41 ID:lC7N3FHK0
上、下と予測が難しい不規則な軌道を心掛けながら飛ぶ。
焦れたのか爆発が増えてきた気もするが、指摘すると怒りそうなので冷静に回避する。
やはり、基本的な軌道よりも不規則で三次元的な軌道は狙い辛いようだ。
むしろ直ぐに慣れて冷静にある程度正確に狙ってこれる更識が凄い。

だが、俺は何とか当たらずに避け続けることができていた。
自分の中でのイメージは、一年戦争初期のザクに乗っていたシャアの軌道だ。
ビームライフルを容易く回避し、白兵戦へと持ち込んで来たその技量は当時の俺からしたら恐怖だった。
今ではソイツを参考にして全く別のことをしているのだから、人生というのは分からないもんだ。

ガトリングはほぼ完璧に避けきれる様になったが、問題は爆発だ。
爆発の数も精度もどんどん上がってきている。
俺の動きが読まれ始めた証拠でもあり、まだまだかつての赤い彗星の動きには程遠いことを証明する事でもあった。

アムロ「おっと!チィッ、流石に読まれて来たら辛いな」

三次元的な動きは、初めこそ相手を惑わせども時間が経ち慣れてくれば単純なモノだ。
細かく飛び回るせいで、速度は基本的な動きよりも断然遅い。
基本的な動きと同じ速度で三次元的な動きをすればまた別だろうが、俺にはそんな技量はない。

次は爆発を回避し切れず、直撃し背中には槍を突き立てられていた。

楯無「そろそろ、終わりにしましょうか?疲れてきたでしょ?」

アムロ「それもそうだな。今日もありがとう、まだまだひよっこの俺に訓練してもらって悪いな」

楯無「途中から始めた、三次元軌道。かなり厄介だったわ」

楯無「あれを磨いていけば、直ぐに代表候補生レベルになれるでしょうね」

楯無「まあ、訓練と模擬戦は全く違うけどね」

アムロ「しっかりと覚えておくよ、そのアドバイス」

代表候補生云々は余り興味が無いので冗談半分で受け取り、アドバイスには素直に感謝する。
そして、ISを二人とも解除してアリーナから出ていった。
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/12(日) 21:55:08.43 ID:lC7N3FHK0
今日も疲れた。
実戦や、シュミレーターで感じる疲労とはまた別のもの。
充実感があり、されど虚しくもあるこの感覚。

連日に渡り訓練するのは体に負担がかかるとのことで、明日はひたすら勉強することになりそうだ。
歴史、地理と壊滅的に出来ない教科もありそうだが、他は何とかなりそうだ。
学校は成り行きで中退することになってしまったから、高校生活も仕切り直しか。
フラウに頼りきっていて内向的だったあの時とは違うんだ。
自分である程度のことをこなし、未来を見据えていかないとな。

そんなことを考えているうちに、俺は寝ていた。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/12(日) 21:57:16.77 ID:lC7N3FHK0
今日はここまでです。
最近仕事が忙しく、中々更新できず申し訳無いです。
区切りを見つけて頑張っていきますので、今後ともお願いします。

ところで、トリップは付けた方が良いのでしょうか?
今まで読み専だったので気にしなかったのですが...
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/12(日) 22:01:46.03 ID:+Z/tX2t/O
乙です
付けた方が判断はしやすい
付けるなら酉ばれには注意
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/12(日) 23:25:53.05 ID:snnm4PFI0

リアル優先で暇なときにでも更新してくれればこっちとしては満足ですぜ
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/12(日) 23:33:49.91 ID:jfEIvuWs0
乙です
主のやりたいようにやって下さい。

アムロが不調なのはむしろ先読み(カウンター)攻撃を封じられてるからじゃなかろうか?
と思う今日この頃ww
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/13(月) 12:04:23.60 ID:CqXIJIJAO
乙!
続き期待してる!
酉は付けた方が良いと思うよ。うっかり酉バレだけは注意してくれ
174 :♯テスト :2016/06/13(月) 20:28:23.19 ID:bss8YFEO0
トリップテストです
175 : ◆SQ2Wyjdi7M :2016/06/13(月) 20:29:28.04 ID:bss8YFEO0
うわあ、失敗してました。
成功したら決めたトリップで投稿していきます。
では、もう一度...!
176 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/13(月) 20:31:41.06 ID:bss8YFEO0
トリップテストが成功したので、今度からこのトリップで書き込んでいくことになると思います。
宜しくお願いします。
では、書いていきますね。
177 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/13(月) 20:44:41.91 ID:bss8YFEO0
楯無「朝だよ〜、アムロくーん♪」

今日の朝は、自分の体に感じる重みと声と、軽く頬をぺちぺちされて起床することとなった。
悪夢も見なけりゃ、早起きもせずいい時間帯まで寝られる。
気持ちいい目覚めだ。俺の上に更識が跨がっていることを除けば。

アムロ「離れろって...顔を洗いに行きたい」

口には出さないが、密着されると、男性特有の朝の生理現象がバレるというのもある。
分かった上でやっていそうな気もするが、初々しさの残る更識がそこまで狙ったとは思いたくない。

楯無「あらあら連れないわね。私が慰...」

アムロ「バカ言うんじゃない、早くどけ」

やはり分かった上でやっていた。
軽く言葉に怒気を孕ませると、直ぐに退いてくれた。
本気で言っていたなら考え物だが、冗談だと分かるだけまだマシだろう。

アムロ「さて、と。今日はひたすら勉強するということで良いのか?」

楯無「ん〜、そうなるわ。私は大丈夫でも、連日あんなハードな事してたらアムロくんが疲れるだろうし」

アムロ「お気遣いに感謝するよ」

そう言い残すとそそくさと洗面所へ向かい、顔を冷水で洗う。
水の冷たさが眠気の残っている頭をシャキッと覚醒させる。
顔をタオルで拭いていると、背後から気配。

アムロ「こら、悪ふざけはやめなさい」

後ろから抱き付こうとしていた更識を牽制する。
どうして分かったの、とぶつぶつ呟きながら去っていくがまだ仕掛けてくるつもりだろう。

アムロ(初体験もまだだってのに、何を色目使ってるんだか)

アムロ(俺のことが好きなわけでもあるまいに)
178 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/13(月) 20:57:58.71 ID:bss8YFEO0
流石に俺はそういう事に関しては鈍感ではない。
これでも経験は積んできた方ではある。
それに俺はこの世界では決して信用に足る人間ではないのだ。

記憶喪失という見え見えの嘘を通して、しかも男性でISを扱える者。
何らかの施設のスパイだと思われて然るべきだし、むしろここまで信用されているのが信じられない程だ。
好意的に捉えれば優しいと言えるが、否定的な捉え方だと無用心過ぎる。
この優しさであり無用心さが、裏目に出なければいいのだが。

楯無「隙だらけよっ!」

アムロ「ッ!」

考え事をしていたら隙を付かれて抱き付かれた。
もう少し気付くのが遅かったら思い切り地面と更識とでサンドイッチになるところだった。

アムロ「何をしているんだ?もうこんなことが歳ではないだろうに」

楯無「何々?私を襲っちゃうの?朝から何て過激なの...!」

アムロ「ハァ...何を言ってるんだ...俺もお前もそんな間柄じゃないだろう?」

楯無「そんな...!私はアムロくんのこと好きなのに、アムロくんは酷いことを言うのね!」

アムロ「何を何と言おうと、俺は知らない。早く離しなさい」

楯無「えー、やだやだー。もっとこうしてたいー」

アムロ「もう棒読みになってるじゃないか。無理してまで俺と親しくしようとしなくていいんだ」

楯無「む〜、何で動じないかな〜?」

楯無「普通の男子だったら今のところは抱き締め返してくれるとこでしょ」

楯無「もっとしどろもどろになるか、興奮を表に出さないと」

アムロ「朝っぱらから元気なことだよ、全く...」

アムロ(最近の若い子はこうなのか?全く、分からないものだ)
179 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/13(月) 21:19:09.51 ID:bss8YFEO0
なんてことが朝っぱらからあり、今はしっかりと勉強中という訳だ。
少し更識と俺の距離が近い気もするが、気にしない。
昔の俺ならどぎまぎしたろうが、今の俺は三十路に片足突っ込んでるんだ。
こんな子供で興奮するロリコンでは決してない。
......しかし、更識のスタイルが良いのは認める。

基礎的な数学から始まり、休憩を挟みつつ世界史、地理などを粗方勉強し終えた。
そして今は、この世界でしか受けれないであろうIS関係の事の勉強をしている。
ISとは想像以上に興味深い兵器で、絶対防御など先日読んだ資料よりも深い内容の物を勉強した。
更識曰く、「いずれ授業でやるから、予習程度に思っといてね」とのこと。
かなり分かりやすい注釈を入れつつ教える技能は素直に感服する。


昼も過ぎ、日も傾きかけてきたころ今日はこれでお仕舞いという声がかかった。
俺はまだまだ出来るが、更識は俺に教えてくれていたのだ。俺より疲れていても何ら不自然ではない。
凝り固まった体を伸びながら解して、しっかりとお礼をする。

アムロ「ありがとう。お陰で明日から授業があっても着いていける程にはなったよ」

楯無「飲み込みが早くて教えるのが捗ったわ。分からないことがあったらじゃんじゃん聞いてね」

アムロ「その時はお言葉に甘えさせてもらおう」

こんな感じで、今日一日は過ぎていった。
思ってみればあっという間だ。
俺自身も、失っていた高校生活を無意識に取り戻しに行こうとしているのかもしれない。
俺以外に男は織斑先生の弟しかいない。
どうやって目立たなくしても色恋沙汰には巻き込まれることにはなりそうだ。

アムロ(これから、どうしていくかな)

そんなこんながあって、夜が更けていった。
180 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/13(月) 21:21:02.43 ID:bss8YFEO0
今日はここまでです。
200も近くに迫ってきているのにIS本編にかすってすらいないのはかなり不味いと思ったので駆け足気味かもしれません。
少しアムロが考え事多すぎかな、とは思いますが違和感が減るように頑張っていきます。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/13(月) 21:49:18.77 ID:/kxx0gA/o

本編楽しみだぜ
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/13(月) 22:19:56.79 ID:yWg/qeJJo
アムロって確か中卒じゃあ…
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/13(月) 22:40:07.51 ID:CqXIJIJAO
乙!
何か今頃何処かで羨ましそうにシャアが見てそうだな
184 : ◆eIXIH1pnXg [sage]:2016/06/13(月) 22:48:02.55 ID:bss8YFEO0
>>182
御指摘ありがとうございます。アムロは中卒でした...

「失っていた」、ではなくて「憧れていた高校生活を無意識に満喫〜」となるように補完しておいて下さい。
またこんなポカが度々出ると思いますが、遠慮無く指摘してください。
宜しくお願いします。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/13(月) 22:50:47.57 ID:rv7g0VNYO
乙です
一回、更識を壁ドンしてドギマギさせたい
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 00:17:18.66 ID:KoqnmYxg0
乙です
いよいよ本編突入。楽しみにしてます!
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 00:43:39.12 ID:XjLVCwxmo
俺の記憶だと生徒会長は装甲が紙。その代わりステルス性能に長けていて水が似合って…
アッg――なんでもない
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 01:38:06.26 ID:kImoPnhTo
個人的にハイゴッグを推したい
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 09:18:45.39 ID:7tW45YoAo
アムロって中卒なのにロボット・機械工学、政治思想に精通してるインテリという
でも宇宙世紀の人だからシドニーは沈んだはずじゃあとかトンチンカンなことを言う
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 10:46:50.04 ID:9/RN8uI7O
>>189
コロニー落としは一年戦争開始時(ガンダムに乗る一年弱前)の頃だから、流石にそれはないやろ
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 11:18:47.77 ID:Q53TQo0Ko
>>187
それ言ったら、某飯マズ国の代表候補生の機体は青を基調とした機体でビット6基装備高出力(レーザー)ビームライフル・ビームサーベルだからHi-νに……
192 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/14(火) 21:22:36.16 ID:gS4P7mGm0
入学式前日の朝。俺はぐっすりと寝ていた。
しかし、俺の安眠は怪しい気配を感じて妨げられることとなった。
そう、更識だ。更識が最後のスキンシップと称して過激な衣装で迫ってきていたのだった。
裸にエプロンを着ただけ、に見えるように際どい水着を着てエプロンをした更識が飛び付こうとしていた。
目が合うと、照れた表情が浮かんで俯いた。...照れるならやるなと言いたい。

楯無「悪気は無かったの!許して!」

アムロ「...あ、ああ。と、特に気にしていないが...」

突然の謝罪に出鼻を挫かれた。少し潤んだ瞳で見られたら、怒ろうにも怒れない。
というよりも、怒っても俺が疲れるだけで全く進展が無さそうだ。

アムロ「そんなことやってると、バカな男は野獣になるぞ」

楯無「アムロくんならならないって分かってたもん」

楯無(もしかしたら...なんてこと思ってた、とは言えないわ)

アムロ「ハァ...俺だって男なんだから、少しは考えろよ?」

正直、興奮はした。
しかしそれは男性として仕方無いことであって、襲い掛かりたい衝動に駆られる程ではない。
何度も心のなかで言っているが、俺は決してロリコンではない。
193 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/14(火) 21:36:32.92 ID:gS4P7mGm0
顔を洗って俺の中で燻っていた黒い衝動を落ち着ける。ついでに目も覚めてきた。
俺も男だ。少しは発散しておかないと、これから辛いかもしれない。
何せ嫌でも女性と関わることになるのだ。うっかり、貪欲な男だと思われるようなことをしでかすのは勘弁したい。

さっぱりして洗面所から出ると、既に制服に早着替えしている更識がいた。
着替えの時間的に水着の上から制服を着ただけの気もする。

アムロ「更識も、少しは落ち着いたかい?」

楯無「『も』ってことはアムロくんも少しは感じることがあったのね?」

アムロ「揚げ足を取らなくていい」

楯無「キャー、襲われるー」

アムロ「勘弁してくれ。入学前から性犯罪者扱いなんて洒落にならん」

アムロ「ところで、俺の存在は世界に公開されたのか?」

楯無「あ〜...そのことだけど、まだ伏せておこうってことで明日公開するわ」

アムロ「俺には関係無いことだから、特に気にはしない」

楯無「あら、また家族に会えるかもしれないのよ?関係無いとは言い切れないんじゃない?」

アムロ「いくら家族だったとしても、俺が覚えていなければ、赤の他人と変わらないさ」

アムロ(つい口走っちまった。更識に不審に思われるのは危険だ)

アムロ(更識なら、時間をかければ直ぐに俺の正体を突き止めるはずだ)

何しろ、テレビや新聞を見せないようにして、ある程度違和感が無いように情報統制している。
更識の過度なスキンシップも、そのことから気を逸らす為の一環であるのだろう。
俺に社会を詳しく教えず、学園側が比較的俺を扱いやすくしようとしているのが見え見えだ。
無名の男性搭乗者を今後、国のために利用したいのは理解できるが...
流石に学園も、過去最強の織斑先生の弟を利用するのは躊躇するようだ。

アムロ(それもこれも、連邦に見張られていた時に嫌と言うほど味わったけどな)
194 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/14(火) 21:45:03.12 ID:gS4P7mGm0
更識が学園側からの密偵だろうと、別だろうとまだ行動には移さないはずだ。
俺がさっきのようなボロを出して、感付かれないようにすればそれで解決だ。
在学中はそういう柵には囚われないと謳っているのだ。多少信用してもいいだろう。

アムロ「まあ、記憶が無くても生きていけるならそれでいいけどな」

楯無「悲しくないの?家族とか今までの思い出は何もないのよ?」

アムロ「あと少しで死ぬわけじゃないんだ。忘れる前に負けない位思い出を作ればいいさ」

母さんは必死だったあの頃の俺を否定し、父さんは酸素欠乏症になって死んでしまった。
家族関連で、いい記憶なんて殆ど無い。
どうしても、ベルトーチカやチェーンと過ごした日々の方が記憶に残っている。

楯無「それならいいけど...しつこいかもしれないけど、本当に大丈夫ね?」

アムロ「いざというときは、更識に慰めてもらうよ」

楯無「ッ......!もう、からかわないで!」

慰める、という言葉にアクセントをおいたため直ぐに気付いた。
大胆なことをするクセに、意外なところで純情なので困ってしまう。
195 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/14(火) 21:53:51.19 ID:gS4P7mGm0
アムロ「ハハハ、すまない」

楯無「もうっ!反省してないでしょ!」

アムロ「更識が言えたことじゃないだろ。この数日俺がどれだけ苦労したか...」

楯無「ムキになってやり返すなんて、大人気ない!」

アムロ「言っとけ、言っとけ」

楯無「それで、今日のことなんだけど...」

少し照れながら怒っていた更識の表情が、突然真面目になる。
この変わりようにはいつも驚かされる。といっても数日程度の付き合いだが。

楯無「今日は入学式の準備で忙しいし、私は面倒みれないのよ」

楯無「と、いうことで。今日はここで自由にしててね〜」

アムロ「といってもやることは、昨日の復習位か」

楯無「そうなるわね...余りに退屈だったら、呼びにきてね♪」

アムロ「部屋から出たところで迷うだけだから遠慮しとく」

ということで、今日は暇な一日になりそうだ。
向こうでは、こんな日はデスクワークとしていたが、ここではそんなことができるはずもない。
明日に備えると言うことも兼ねて、軽く勉強して多めに休息を取っておこう。
196 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/14(火) 22:10:50.86 ID:gS4P7mGm0
楯無「たっだいまー!アムロくん、元気に...ってあらら。寝ちゃってるわ」

楯無「!」

楯無は、何かを思い付いた顔をして早速行動に移した。

―――――――

いかんいかん、うたた寝していたようだ。
頭をふって目を開けると...机にほぼ裸体の更識が横たわっていた。

楯無「わ、私を召し上がれ♪」

思い切り照れているのが伺えるが、勇気を振り絞ったのか途中からいつの調子になる。
少しドキンとした自分を今すぐ張り倒してやりたい。

楯無「ア、アムロく〜ん?み、見えてる〜?」

少しからかってやろうか。
今までの分のお返しもプラスにして、これでチャラだ。

アムロ「ほら、立って壁に寄りかかるんだ」

吹き出しそうになるのを堪えて、真剣な表情を作りながら更識に言う。
照れた感じで立ち上がると、更識は素直に壁に寄りかかる感じとなった。
どこか事後的な雰囲気がするのは気のせいだろうか?犯罪者の気分になってくる。

アムロ「いい子だ...」

優しく包み込むようにして更識を抱きしめる。
キスをする、という雰囲気作りの視線を更識に送ると、目が潤みながら頷いてくれた。
更識の顔に俺の顔を近付け、あと少しで唇と唇が触れあうようなその瞬間に俺は堪えきれなくなって笑ってしまった。
更識から急いで顔を離し、吹き出す。

アムロ「自分から誘っておいて、そんなに緊張して照れるなって」

楯無「も、もう!」

更識は顔を真っ赤にしてベッドに飛んでいった。
今更だが、かなり酷いことをした。

アムロ「更識、申し訳ない!ここまで本気にするとは思わなくて、な」

楯無「はぁ...仕方無いわね。私も似たようなことを今までしてた訳だし、お相子ってことで」

アムロ「本当に申し訳ない」

楯無「一緒の部屋で過ごすのも今日で最後だし、いい思い出になったわ」

何処か吹っ切れた感じの更識を見て、安堵する。

アムロ「そういえば、明日にはもう入学式か...」

アムロ「早いものだ...濃い時間を過ごせたよ」

楯無「それなら良かったわ。私も楽しかったわよ、アムロくん♪」

なんてことがあって、入学式前日は終わった。
明日からはIS学園に正式に入学して忙しくなるはずだ。
...何故か、とても不安だ。
197 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/14(火) 22:13:46.14 ID:gS4P7mGm0
今日はここまでです。
壁ドンの代わりのイベント的なモノを交えて前日譚はやっと終了です。
この調子で終わるかな?と今になって心配になってきました。
もしかしたらこのスレでは終わりきらないかもしれません。
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 22:28:09.81 ID:i8zN/cWAO
乙!
思うがままに書いて次スレ立てもエエんやで
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 22:53:35.13 ID:J2a8mTBlo
              /;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;\;;;;;;;;;;;;;;|
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               i/_,ヾ;;l j                    i |;;/ - |
                 i  ヾ、 -=、,,____ ヽ, / ___,,r==-  ,イ ,/ |
                丶ヽ i;r、 ,,r'':::::::::::::::ヾ__,、,_ir ':::::::::::::::::ヽ_/,liri' /    かまわん、続けろ
                   `j、 l;l ゙ii::::::::::::::,; -メ‐、 ヽ::::::::::::::::::::ノ  ,irメ /
                  /:lトヾ,, ヾ--./ / ./ヽ, `──‐‐´ ,r/l_/::::\
                /:::::|iiilヾヽ,_/ , '  /  i          !;i liiil::::::::::\ _
               _, -/´:::::::lr'ヽjl´   ,, '  ./  / _,-`       j;トjiii/:::::.:.::.:.:.:.|:ヽ_
        _, - '´.:.:.:.:|::::::::::::| /  ,i´  /  ,i_''_, _ ,-、  ,_j;;i //:::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.\_
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200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 23:04:02.51 ID:qaLpdFiOo
おつおつ
続けば続くほど俺得
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 23:07:37.19 ID:du5L1o5JO
乙です
次スレいけばエエやん(エエやん)
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 23:23:20.09 ID:KoqnmYxg0
乙です
どんどん続けて下さい
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 00:28:48.42 ID:w9WKIeqVO
待ってるからどんどん書いてくれや!
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 06:53:35.57 ID:jp+2Q+G8o
ふぅ・・・
手玉に取る側が手玉に取られる様は最高ですね・・・ウッ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 08:34:31.10 ID:R7AT7RoRo
アムロがいても(29)じゃ一夏の負担は減らなそうである
206 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/15(水) 21:15:44.40 ID:wl7sPVhi0
楯無「起きて〜?早く、早く〜!」

体を揺すられる感覚。決して心地よいものではない。
目を覚まそうとしない自分に喝を入れて、なんとか目だけは開ける。
制服姿の更識が、顔を覗き込むようにしながら俺を起こそうとしている。
目が合うと、照れた表情を見せて俯いた。昨日の事でも思い出したのだろう、純情なことだ。

さて、いつまでも布団とデートしている訳にもいかない。

アムロ「ン...おはよう、更識」

楯無「やっと起きた...そろそろアムロくんの情報を世界に発信するから、しっかりしてよね」

アムロ「入学式前に公開するのか?」

楯無「入学式中に見つかって、権利争いが起きるのは嫌でしょ?」

アムロ「ン、そうだね...」

楯無「ちゃんと分かってる?いつものように顔洗ってきなよ」

アムロ「遠慮なくそうさせてもらう...」

少し目を擦りながら、洗面所へと足を進める。
207 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/15(水) 21:24:01.94 ID:wl7sPVhi0
冷水によってしっかりと目が覚める。
少し前までは睡眠時間が足りなくてもしっかりと覚醒できたが、予期せぬ平和ボケがあるようだ。

アムロ「情報の公開だが...俺は同行しなくていいのか?」

楯無「いや、二言三言話すことはあるでしょうね」

アムロ「入学式前で忙しいてのに、人が来るかな?」

楯無「時計をちゃんと見た?まだ未明よ」

アムロ「どうりで俺も起きれないわけだ。要は、今から強引に間に合わせるのか」

楯無「世界で二人目のISを動かせる男性よ、絶対に釣られてくるわ」

楯無「気になっていたんだけど、アムロくんの国籍はどうするの?名前と一部のこと以外は覚えてないんでしょう?」

アムロ「国家代表になりたいわけでもないから、卒業までに決めておきたいが...」

アムロ「勝手に縁談だって上がるだろうし、婿養子としてその国の顔にされるのがオチだろうさ」

アムロ「政治的な柵を受けにくい様に努力しないとな」

楯無「そこまで考えてるなら大丈夫かな...?お姉さんも協力するわ」

アムロ「そういうことは素直に先輩と先生に任せるとするよ」
208 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/15(水) 21:32:14.91 ID:wl7sPVhi0
楯無「今から十分後には情報を発信。入学式の一時間前くらいには各国の記者の前で会見...かな」

アムロ「ハァ...これからを思うと気苦労が絶えないね」

楯無「織斑先生が会見の時には大体答えてくれると思うわよ」

アムロ「まあ、ある程度の質問は覚えていないで一蹴すればいいとして...」

アムロ「俺の家族を騙る奴等がどうしてくるかだな。学園に直接電話でも掛けるのか?」

楯無「電話を掛けて直接対談を取り付けたいところでしょうね。本当に家族の方かもしれないけど...」

アムロ「家族とは、記憶よりももっと強い何かで結ばれているんだ。記憶なんて無くても分かるだろう」

アムロ「どんな偽名が出てくるのか楽しみだな。しばらく『レイ家』の人間が大量発生するぞ」

楯無「あらあら、それは愉快。でも気負いすぎないでね...」

楯無「頼り無いかもしれないけど、力になれる筈だから」

アムロ「ありがとうございます、更識先輩」

楯無「やっぱり頼ってないじゃない!」

先輩、と言って煽った訳ではなく本心だったが仕方無い。
本当に、これからが心配で仕方無い。
209 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/15(水) 21:38:39.76 ID:wl7sPVhi0
もう、会見まであと十分程に迫ってきている。
俺の情報は世界を震撼させ、身元も明らかになっていない俺を取り込もうと蜂起しているようだ。
いくら家族を騙ろうと、俺の家族がここにいるわけない。全員偽物だと割り切れるのは楽なものだ。

ベッドの棚においてあるデジタル時計を何度も見ても時間はそこまで過ぎていない。
終わらせるならとっとと終わらせたいところだが、規模が規模だ。仕方無いと言えよう。
本当に世界中から記者が飛んでくるとは思わなかった。いずれは各国のお偉いさんも来るかもしれないという。
せめて俺の回りには迷惑を掛けないようにしてほしいが、そこまで善意的な奴等では無いだろう。

本当に、大変だし困ったものだ。
210 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/15(水) 21:55:02.78 ID:wl7sPVhi0
さて、会見の時。
更識に場所まで送ってもらい、「緊張し過ぎずにね♪」という声援をもらった。
控え室には黒いスーツを着こなした織斑先生が待機していた。
俺はIS学園の制服を着ている。髪型は、寝癖は取りはしたが固めはせず天然パーマのままだ。

千冬「時間になった、では行くぞ」

アムロ「分かりました」

ドアを開けると、おぞましい量のカメラから目が潰れるんじゃないかと思うほどフラッシュを焚かれた。

アムロ「皆様、今日は私のためにわざわざお集まりいただき大変感謝しております」

アムロ「私が、かの織斑一夏に続いてISを操縦出来る男性である...アムロ・レイです」

また大量のフラッシュが焚かれる。世界で中継されているのだろう。

アムロ「どうぞ皆様、これから宜しくお願い致します」

頭を下げると、またフラッシュが焚かれる。

千冬「彼はこのIS学園が保護する、ということになっています」

千冬「事前に公表した通り、彼は記憶喪失者で国籍が不明だからです」

――――――

これから会見は順調に進んでいき、質問を受け付ける時間となった。

「アムロ・レイさんの専用機はどこの国が作ることになるのでしょうか?」

千冬「それは現在は未定です。様々な国の合作となる可能性も有り得ます」

「アムロさんは、お家族と再会したいと思われますか?」

アムロ「そうですね。私としても、早く家族と会いたい思いで一杯です」

「自分がISを動かせると分かった時、どんな気持ちでしたか?」

アムロ「正直、自分に恐怖しました。ISを動かせた喜びよりも、それで差別されないかという思いでした」

どうやら、まだまだ続きそうだ。
211 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/15(水) 21:57:42.66 ID:wl7sPVhi0
今日はここまでです。
記者らしい質問が全く思い浮かばないです。何か、案をいただけないでしょうか?

そして、何だかんだでまだ前日譚は続きます。
皆様の言葉に甘えて、自分なりに丁寧に書いていきますね。
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 22:04:52.48 ID:QywwvU7U0
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 23:04:24.32 ID:JSdweWtT0
ガキだと思って煽って情報口走らせようとするのは確実にいるな
記憶喪失自体疑ってどこの大国の後ろ盾があるのか漏らさせるのに躍起になる輩
あなたの家族なら既にウチの局に名乗り出てますよと言い出す局
日本語堪能ですね日本人でしょ?
などなど
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 23:06:05.49 ID:knikSF+sO
乙です

記者の質問
記憶喪失との事ですが、名前以外で覚えてらっしゃる事はありますでしょうか?
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 23:11:01.82 ID:+ZnNGm930
乙です
さすが一年戦争の英雄、インタビュー慣れしてる(笑)
質問ネタとしては
「記憶喪失者がどういう経緯でISに関わったのか?」
「そもそもどんな状況で発見されたのか?」

というのはいかがでしょうか?
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 23:14:59.79 ID:N0eMTly5o
乙です

>>213
ところがどっこい、中身は死線をくぐり抜けて軟禁にも慣れた30手前の大ベテラン
誰もそうは思わんだろうなぁ

記者の質問
これからできるであろうライバルに、ご自身が望む事はなんですか?
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 23:28:03.10 ID:XTP4csXWO
乙です
これが若さか…
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 23:28:38.90 ID:mOWkwruWo
どこまで記憶を喪失してるかとかは普通に聞かれるだろうな
その辺は千冬が説明してるかもしれんが
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 23:36:26.95 ID:DYgCaWF00
三流雑誌の記者にIS学園でハーレム生活送る事について低俗な感じプンプンで聞かれそう
というか聞かれてほしい
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 02:26:45.10 ID:nSUIEfWqo
>>219
ゲスニックマガジンかな?
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 09:32:04.81 ID:IMhw1jagO
いい〜仕事だなぁ〜
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 11:17:09.52 ID:Vga95YJdO
ゲスタイプの登場だな
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 19:24:10.36 ID:JTam8+tao
ゲスです!
224 : ◆eIXIH1pnXg [sage]:2016/06/16(木) 21:35:14.52 ID:Bl1rtHth0
皆様、いろいろ書いていただいてありがとうございます。
申し訳ないことに明日から旅行に出かける関係上、今日から月曜日まで更新できないと思います。
食中毒の時に世話になった分を、彼女に返さないと気がすまないので。

何卒ご理解ください。
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 21:54:11.95 ID:hUcsks5vo
彼女を持つ者は自分のことしか考えていない!だから抹[ピーーー]ると宣言した!
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 21:57:02.22 ID:sS8CjK6No
了解
彼女と一緒に楽しんできてください
227 : ◆eIXIH1pnXg [sage]:2016/06/16(木) 22:03:18.07 ID:Bl1rtHth0
>>225
人が人に罰を与えるなどと!
本当に申し訳ないです。
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 22:26:56.30 ID:RgKrFZwQ0
ゲスです!旅行に出かけるって言ってるけど本当はゲス旅行なんでしょ?
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 22:31:37.72 ID:eZJ6BOpXO
>>1が彼女に壁ドンしたら許す
お気を付けて
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 22:36:18.53 ID:Cb7tjJLz0
週明けの再開待ってます。
楽しんできてください。
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/16(木) 23:50:20.22 ID:BYRkpZ3Vo
???「アムロのララァって寝言を聞いた女は何人もいるんだ」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/17(金) 02:15:01.89 ID:kXpOCqIXo
旅行中でもケータイに書き溜めは出来ますよねぇ?(ゲス顔)
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/21(火) 20:21:41.78 ID:31t0adGro
いろいろ頑張っては見たものの年齢の差は隠せず
「アムロくんっておじさん臭いよねー」
と言われて
(いや俺はまだ29だしいくら一回り近く年齢差があるとはいえおっさんじゃないはずだ…!そうか!シャア…お前も苦労してたんだな…)
とメッチャー苦悩した上に勝手に理解りあった気になって青がベースのノースリーブの襟を立ててサングラスをかけてキメるアムロ
234 : ◆eIXIH1pnXg [sage]:2016/06/23(木) 21:36:19.52 ID:f1b0ccRk0
更新遅くなって申し訳ありません。
少し仕事が立て込んでまして...
明日書きます。
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 21:56:30.16 ID:5wDX5CBmo
把握
あまり無理はなさらずに
236 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/24(金) 22:47:55.45 ID:sJXZNQsg0
「記憶喪失とのことですが、どこまで覚えているのでしょうか?」

千冬「事前にお伝えした通り、自分の名前以外はほぼ覚えていないようでした」

千冬(その割りにはどうも肝が据わっている上に、大人びている)

「いずれ出来るであろうライバルに、御自身が望むことは何ですか?」

アムロ「そうですね...互いに切磋琢磨し合う、そんな関係になりたいです」

「これからほぼ女性だらけの学園生活になりますが、正直どう思っていますか?男の憧れですよね?」

アムロ(如何にもな低俗な質問だな...こんな質問ばっかなら、嫌気が差す)

アムロ「現在の社会風潮に捕らわれることなく、『学友として』仲良くやっていきたいと思います」

これからも来るであろう二流、三流雑誌からの男女関係についての質問を牽制する意味もあって、学友としてというのを強調した。

「実際のところ、自分の国籍とかは分からないんですか?まだ子供でしょう?誰からの支援の無しにISに触れる機会がありますかね?」

要は、バックの国がいるだろうからそれを吐き出せと俺に言っている。
俺を子供だと思って、煽ることである程度情報を引き出そうとしているのだろう。
しかし、質問は中々痛い所を付いてくる。

千冬「これも既にお伝えしましたが、彼とは個人的な付き合いがありまして。それで冗談交じりで起動を促したところ、本当にやってのけたということです」

中々いい助け船を出してくれた。
世界的に有名な織斑先生の一言だ。いくら女性記者であろうと、邪険に扱うことは出来ないようだ。

カイさんも、こんな者達と同じ仕事をしていると考えると複雑な心境だ。
237 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/24(金) 22:59:46.14 ID:sJXZNQsg0
そのあとも、やれ○○局に家族が来ていますやら記憶喪失が嘘か真かやら色々と聞かれた。
ある程度あしらうように答えていると、入学式の時間が迫ってきているようで織斑先生に合図されてこの部屋から去ることになった、
出てから開口一番、織斑先生の言葉はこうだ。

千冬「妙に慣れていたな。過去に取材経験はあるのか?」

千冬「まあ、聞いても覚えてはいないだろうがな」

アムロ「どうだろうか...でも、意外と初めてという感じはしませんでした」

千冬「そうか...あれだけの記者がいて驚いただろう?」

アムロ「質はともかくとして、ですけどね」

てっきり国で代表的な局や雑誌の記者しか入れないと思っていたが、ある程度金を払えば入れたようだ。
俺を客寄せとして使い、IS学園はある程度儲けたことになる。

千冬「いずれまたこういう機会があるだろうから、その時もその落ち着きを忘れるなよ」

アムロ「分かっていますよ」

そう言って、俺と織斑先生はどんどん歩みを進めていった。

――――――

一方、残されて撤収の準備を始めた記者団達は、アムロに何か訳があると嗅ぎ付けていた。
何としてでも、本当の家族とバックの国を暴いてみせると全員が息巻いている。
こうして、記者団達は何も無いことを知らずに、裏取り調査などに無駄な時間と金を掛けていくようになる。

しかし、これはアムロには知る由もない、記者団達の無駄な話。
238 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/24(金) 23:02:11.52 ID:sJXZNQsg0
今日はここまでです。
ここに来て突然仕事が忙しくなり...
体調を崩しやすいので、しっかりと体調管理しつつ書き進められるように努力していきます。

ちなみに、旅行はとても楽しむことが出来ました。
ありがとうございました。
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/24(金) 23:06:32.89 ID:4J5OEpeEo

そしておかえりなさい
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/24(金) 23:18:34.79 ID:BxYliAww0
乙です
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/24(金) 23:26:23.37 ID:tCeyZX9Io
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/24(金) 23:37:15.39 ID:pKXrSNX+o
乙、楽しみにしてる
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/25(土) 08:13:23.46 ID:sk7oZ5YUo
乙かれ、そしてもげるがいい!
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/25(土) 17:48:06.93 ID:eDrhjy4w0
体調管理しつつ、とか努力、とか
後手のワードが目立つんだよ!だから大人はっ!
俺は無理せず書いて下さいねなんて言わないからな!!(ゴミ山の少年並みの感想)
245 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/28(火) 21:55:02.20 ID:m+WZw9+90
アムロ(今思い返すと、織斑先生の発言は怪しかったな)

アムロ(個人的な付き合いがあろうと、俺が記憶喪失なら意味がないというのに。それほど、痛い所を突かれたってことだな)

現在は、入学式の真っ只中だ。あと少しで、各々の教室へと案内されるといった感じであろう。
軍の将校から聞く有難い御言葉よりは聞く価値があるが、大人にもなると当然のようなことを気を付けるよう色々言われるのは退屈だ。
それに、必然的に俺へと向けられる好奇の視線が俺の居心地をもっと悪くしていた。

――――――――

そんな思いがありながらも、無事に入学式が終わると、教室へ行くこととなった。
俺は1-1に所属することになる。要は、例の織斑一夏と同じクラスということだ。
これも織斑先生なりのフォローだろう。もしかしたら、弟を楽にしたいという姉の情けだったかもしれない。

教室に入るや否や、クラス中の女生徒達からテレビで見た「例のあの人」扱いされている。
俺と織斑一夏で女子が二つに分かれ、それぞれ囲まれてワーキャーされているわけだ。

何とか、名簿順に自己紹介をしていくことになり、例の織斑一夏の番が来た...が。
なんと呆けている様子。

山田「ええと、織斑君の番なんだけどお願い出来るかな?」

一夏「ああ...えっと、はい!」

一夏「織斑一夏です、これからよろしく!」

これだけで座った。居たたまれない空気が流れる。
よくも悪くも鈍感なようだ。当の本人はケロッとしている。

そこで織斑先生が入ってきて、出席簿と見られる黒い帳面で一夏を叩いた。

千冬「マトモに自己紹介も出来んのか、お前は!」

一夏「いってえ...何だよ、千冬姉...」

千冬「織斑先生と呼べ」

ここで教室内は一気にヒートアップ。
やれ、貴女に会うためにこの学校に入ったとかとんでもない内容のモノばかり。

千冬「私の受け持つクラスは何故こうも問題児が多いんだ...」

胃薬でも常備してそうな絶望した表情を浮かべている。
246 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/28(火) 22:05:14.58 ID:m+WZw9+90
千冬「次はレイ、お前の番だ」

そのあともどんちゃん騒ぎは続いたものの、とうとう俺の番まで回ってきた。

アムロ「どうも、アムロ・レイだ。男でも、皆に劣らないように頑張っていきたい。是非、一年よろしく頼む」

こう言い終えて座ると、キャーキャー教室内が騒がしくなる。
やれ大人っぽいとか、思ったより大胆とか好き放題言われた。

千冬「喧しい!少しは静かにしろ!」

この一喝で大人しくなるだけ、まだ可愛いものかもしれない。
金髪の女子が俺を睨み付けていたが、理由はわからない。
それよりも意識は俺の隣に座っている織斑少年をじっと見つめている黒髪の女子に向いていたからだ。

最後まで紹介を終えると、先生二人も軽く自己紹介をした。
準備が終わったら授業が始まるという。軽く伸びていると、例の黒髪の女子が近付いてきた。
織斑少年は俺とどうしても話したそうにしていたが、彼女の方が先でいいだろう。

アムロ「織斑君を借りたいんだろう?織斑君は後で俺と話そう」

一夏「いきなりなんだって...絶対だからなー!」

引っ張られて、どっかに連れていかれた。
俺もこれでゆっくり、というわけにはいかないか。
女子が好奇心を満たしたい衝動に駆られて俺に質問をするまであと何分だろうか。

まだまだ慣れるには時間が掛かりそうだ。
247 : ◆eIXIH1pnXg :2016/06/28(火) 22:06:38.92 ID:m+WZw9+90
すいません、眠くて駄目です。
生活サイクル崩れて来た上に、文章の構想練る暇なくて大変です。
次回まで、また時間が空くかもしれません。
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