▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-42冊目-【超電磁砲】 URI

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181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:30:30.49 ID:MBcQ8A4BO

垣根「だってお粥って売ってんのまずそうじゃね?」

心理定規「作ればいいじゃない」

垣根「作ったことねぇ」

ゴーグル「最近はどの炊飯器にもお粥にする機能ついてますよ」

垣根「俺炊飯器持ってねぇけど」

ゴーグル「えっ!?」

心理定規「自炊しないの?」

垣根「面倒臭ぇだろ」

ゴーグル「今まで1回も料理したことないんスか?」

垣根「ない。まぁ俺天才だからしようと思えばめちゃくちゃ美味しく作れるけどな」

心理定規「やったことないのに自信満々ね」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:31:45.37 ID:MBcQ8A4BO

垣根「つーか自炊しなくても別に生活に支障ねぇし」

ゴーグル「俺割としますよ。金ないときモヤシとか炒めたり」

垣根「それは料理に入るのか?」

ゴーグル「モヤシ以外にも簡単なものなら出来ますって」

心理定規「私は気が向いたら偶にやるくらいかな」

垣根「買って食えば済むしな」

心理定規「でもやっぱ作ったのって美味しいよね」

ゴーグル「解ります。ずっと外食してると家で作った味食いてぇなーってなりますよね」

心理定規「ねー、でも面倒臭いわよね。ねぇ、キミ作ってよ」

垣根「ん?」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:32:31.32 ID:MBcQ8A4BO

ゴーグル「つっても俺もホントに簡単なのしか作れないっスよ?」

心理定規「モヤシ炒めとか食べたことないし。それはそれで興味あるわよ」

ゴーグル「うわーお嬢様じゃねーっスか」

心理定規「食べてみたいなー」

垣根「え? 本気で言ってんのか?男の手料理なんか食いてぇか?」

心理定規「うん」

垣根「…………」

ゴーグル「じゃあ明日とか持ってきます」

心理定規「えー、でも作り立て食べたいわ」

ゴーグル「それは家来てくれないと無理っス」

垣根「行かない」

心理定規「なんでアナタが答えるのよ」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:33:14.63 ID:MBcQ8A4BO

垣根「どうしても作り立てが食べたいなら俺が食べさせてやる」

心理定規「でもアナタ料理できないんでしょ」

垣根「は? やったら天才レベルだっつーの」

ゴーグル「謎の自信すぎますよね」

垣根「とにかく家に行くのはダメだ」

心理定規「私の家に来て作ってもらうのは?」

垣根「駄目の極み」

心理定規「ダメの極みって何?」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:34:01.20 ID:MBcQ8A4BO

垣根「とにかく俺が料理でもなんでもしてやるから、こいつを家に入れるな」

心理定規「何で?」

垣根「襲われるかもしれねぇだろ」

ゴーグル「襲わねぇっスよ」

垣根「口ではそう言ってても身体は正直かもしれねぇ」

ゴーグル「襲われてる方にかけられる言葉っスよねそれ」

心理定規「ふぅん、アナタ私のこと心配してくれてるのね」

垣根「……は? してねぇし。ただアレだ
   そういう風に軽々と家に招くのは良くねぇだろ。ホラ、スクールの情報とか洩れるかもしれねぇし」

心理定規「同じ組織なんだから大丈夫じゃない?」

垣根「いやコイツだってもしかしたら他組織のスパイかもしれねぇ」

ゴーグル「それはあり得ないって垣根さんが一番解ってそうっスけど」

垣根「とにかく家に入れるとか男を勘違いさせるだけだからヤメロ」

心理定規「じゃあアナタが料理しに来ても入れないじゃない」

垣根「俺は良いんだよ。紳士だから」

ゴーグル「滅茶苦茶」

垣根(って言ってもホントに料理したことねぇしな……何かアテがあれば……あ!)

垣根「よし、ちょっと行ってくる!」

心理定規「え?どこに?」

垣根「料理系男子になりに、な……!」

心理定規「はぁ……?」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:34:50.16 ID:MBcQ8A4BO

―――
――



垣根「ハロー、垣根帝督でーす」

上条(上条当麻です。皆さまいかがお過ごしでしょうか)

上条(俺? 俺は今何の変哲もない道路で急に羽根の生えたノリノリのイケメンが空から降ってきたところ)

上条「えーと……」

垣根「料理系男子になりたい」

上条「だ、誰でせうか」

垣根「さっき名前言っただろ!ちゃんと聞けよ
   まぁ、もう一回言ってやるけど、料理系男子になりたい系男子垣根帝督。レベル5の第2位。好きな食べ物はハンバーグだ。よろしく」

上条「れ、レベル5!? そのレベル5の垣根さんが平凡なレベル0の上条さんに何の用で……?」

垣根「なぁにが平凡なレベル0だよ。第一位のことボコったんだろ?」

上条「な、」

垣根「あー、身構えんな。俺はなテメェの今の所その幻想殺しとかいう能力には興味ねぇんだよ」

上条「…………」

垣根「この前さ、このファミレスで銀髪のシスターに飯奢ったんだよ。1万円分くらい」

上条「げっ」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:35:49.78 ID:MBcQ8A4BO

上条「あのー、それはもしや、インデックスという名前の……」

垣根「うん、そうそう。インデックスちゃん」

上条「……か、上条さんは貧乏な学生でして、その、一万円はまた今度返すということで……」

垣根「いーや、現金はいらねぇよ。その代わり、身体で払ってもらうからな」

上条「か、上条さんにそういう趣味はありませんことよ!?」

垣根「何愉快な勘違いしてんだテメェ……」

垣根「まぁいい。上条、テメェ料理上手いんだろ? シスターが言ってたぜ」

上条「うまいってほどでもねぇけど……」

垣根「俺は料理したことねぇし、専ら外食かコンビニ弁当だからマジで料理の仕方解んねぇんだよな」

上条「はぁ……」

垣根「だからテメェに、俺に俺に料理を教えてもいい権利をやる」

上条「ん?」

垣根「つー訳で、これから料理系男子になりたい系男子学園都市第2位、好きな飲み物はイチゴオレ系男子の垣根帝督をよろしくな」

上条「はぁ!?」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:36:27.39 ID:MBcQ8A4BO

――上条家


垣根「第1回!垣根くんのお料理教室開催だぜ!」

上条「テンション高ぇ……」

垣根「とりあえずスーパーで色々買ってきたから冷蔵庫に入れといてやるよ」

禁書「おぉ!牛肉があるんだよ! おにく!おにく!」

垣根「ハッハッハ、慌てるなシスター。今からこの食材は垣根帝督の手で超美味しい料理になるんだからなぁ!」

禁書「おぉ、自信があるんだね!?」

垣根「まぁな。華麗に初料理を披露してやるよ!したことねぇけど!」

上条「あっ、垣根! 肉の上にごちゃごちゃ野菜とか置くな!食中毒の原因になるぞ!」

垣根「あ? 食中毒なんて俺の未元物質で治療できるっつーの。なおしたことねぇけど」

上条「普通の人はそんなことできないんだからちゃんと気遣え!」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:37:02.20 ID:MBcQ8A4BO

禁書「で、何を作るのかな!?」ワクワク

垣根「そうだな〜。俺の記念すべき初料理だしな〜。やっぱここは豪華に北京ダックといっちゃうかぁ!?」

上条「上条さんにそんな高価な料理を作るスキルはありません」

垣根「あぁ? じゃあ仕方ねぇからハンバーグで妥協してやるよ」

禁書「じゃあ私はむこうでTVでも見て待ってるんだよ」

垣根「えっ!? インデックスちゃんも手伝ってくれるんじゃねぇの?!」

上条「まー、インデックスは電子レンジも使えねぇしな……」

垣根「えー、じゃあ一緒に料理スキル磨こうぜー。女の子いねぇとさぁ、モチベ上がらないってー」

上条「いや、爆発させられても困るし……」

垣根「……あ〜、料理中のつまみ食いもとい味見って普通に食べるときより美味しいらしいなぁ!」

禁書「さぁ、とうま早くハンバーグを作るんだよ!」

上条(上条さんの負担が大きくなることだけは確定したな)
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:38:04.58 ID:MBcQ8A4BO

垣根「第一回上条さん家で垣根くんのお料理教室〜ハンバーグ祭り〜を開催します」

上条「とりあえず二人とも手を洗えー」

禁書「はーい」ゴシゴシ

垣根「洗った」

上条「早ぇよ石鹸つけろ」

垣根「いや俺トイレした後も水でちょっと流すだけだし、その後服で拭く。あ、駄洒落言ったみたいになっちゃった」

禁書「汚いんだよ」

上条「つーか爪も長いな……爪の間のゴミが肉に入ると困るからちゃんと切ってきてくれ」

垣根「えー、めんどい〜」

上条「いいからやれよ!汚いな!」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:38:31.50 ID:MBcQ8A4BO

上条「さて、垣根の手も清潔になったところでハンバーグを作るか」

禁書「やっとなんだよ」

上条「とりあえず玉ねぎ3分の1くらいみじん切りにしてくれ」

垣根「OK」バサァ

上条「!?」

垣根「俺の未元物質に常識は通用しねぇぇ!!」ドドドド

禁書「みじん切りっていうより叩きなんだよ」

上条「や、やめろ!!」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:39:27.48 ID:MBcQ8A4BO

垣根「殴ることないだろ……頭にたんこぶできちまったじゃねぇか」

上条「玉ねぎはペーストになっちまったじゃねぇか」

禁書「炒めて冷ますんだよ」ジュー

禁書「あれ、なんかくっつく上に焦げてきたんだよ!」

上条「あー、油敷かないから!しかも強火すぎ!」

垣根「途中から入れればいいだろ」ドボドボ

上条「垣根ぇぇええええぇ!!」

禁書「玉ねぎペーストが油に沈んでるかも」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:40:06.72 ID:MBcQ8A4BO

垣根「殴ることないだろ……俺の灰色の脳細胞が死滅するじゃねぇか」

上条「油もったいねぇだろ!揚げ物する気かお前は! ちょっとでいいの!」

上条「もう……とりあえずこの油は漉してとっておくとして……」

禁書「ひき肉をボウルに入れるんだよ。どれを入れればいいのかな?」

上条「とりあえず250〜300gくらい……この量なら1パック全部入れていいぞ」

禁書「牛ひき肉のハンバーグなんてはじめてかも……つまみ食いは今してもいいのかな」ゴクリ

垣根「俺捏ねたい!俺が肉捏ねたい!」

上条「生を食うなインデックス! 垣根は小学生か!」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:41:22.22 ID:MBcQ8A4BO

上条「垣根は卵溶いておいてくれ。俺はパン粉を牛乳に浸す」

垣根「卵? あぁ、こうやって角っこにぶつけてボウルに入れるんだろ?」コンコン

上条「平面にぶつけるのがいいらしいけどな。
   あと卵を殻ごと入れてたボウルにそのまま割り入れると卵の殻の細菌がつくから新しいボウル使ってくれよ」

垣根「上条、シンクに生卵が飛散した」

上条「力加減考えろよ……勿体無ぇ」

禁書「とうま、玉ねぎはもう入れていいのかな?」

上条「いや、最初は塩、こしょう、ナツメグからだな」

垣根「塩だな!了解!」

上条「待て!その新品の塩の袋を掲げてどうする気だ!?全部入れるのか!? 置け!置いて手をあげろ!動くな!」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:43:44.93 ID:MBcQ8A4BO

禁書「塩2つまみ入れてこしょう1振り、ナツメグ1振りしたんだよ」

上条「じゃあそれをよく捏ねるんだ」

垣根「玉ねぎとかは?」

上条「調味料だけで捏ねて粘りを出してからだな」

垣根「ハンバーグってさ」コネコネ

上条「うん」コネコネ

垣根「恐ろしい食べ物だよな」コネコネ

上条「うん?」コネコネ

垣根「ミンチにされた上焼かれるとか、俺なら耐えられないな」コネコネ

上条「作ってるときにそういうこと言うなよ……」コネコネ

禁書「生命に感謝して頂くんだよ」コネコネ
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:44:44.96 ID:MBcQ8A4BO

上条「で、残りの材料を入れたらサックリ混ぜて、小判型に成型するんだ」パンパン

垣根「空気を抜くようにな!」パァンッ

禁書「チーズ入れたいんだよ!」パンッ

垣根「おっ、俺に抜かりはないぜ。モッツァレラもチェダーもある!」

上条「牛肉の上にチーズなんてこんな贅沢していいんでせうか……!」

禁書「まるで記念日の食事だねとうま!」

垣根「何か哀れだなテメェら」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:46:08.65 ID:MBcQ8A4BO

上条「フライパンで色をつけたらオーブンで焼くって手もあるけど、普通に終始フライパンでやるぞ」ジュー

禁書「ハンバーグ♪ハンバーグ♪」

垣根「俺は上にチーズを乗せるぜ」

上条「垣根、付け合せのキャベツとトマト切れるか? 能力無しで」

垣根「任せろ。俺の華麗な包丁捌きを見せてやるぜ!」

上条「上条さんはその間にケチャップとソースを煮込んだデミグラスソースを作りますよ」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:48:06.60 ID:MBcQ8A4BO

禁書「完成なんだよ!」

上条「あれ、キャベツの千切り上手いじゃん」

垣根「だろ。やったことねぇけど、俺って天才だわ」ドヤ

上条「……包丁さばき以外はアレだけどな」

垣根「初めてにしては上出来だろ。やっぱ俺天才だわ〜」

上条「…………」

垣根「やっぱ俺天才……」

上条「解ったよ! 天才だよお前は!」

垣根「だろ? よし、食おうぜ」

禁書「じゃあ、ハンバーグにソースをかけて……」



「「「いただきます!」」」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:49:41.63 ID:MBcQ8A4BO

かきね日記 ○月×日


上条の家でハンバーグを作った
流石俺が作っただけあって美味かった

ところでインデックスと上条は同棲しているらしい
全く羨ましいことこの上ない

俺も料理上手になったら心理定規と同棲とかできるかな……


ハンバーグの評価
★★★★
(星5つでもいいレベルだが、慢心しない俺カッコいい!)
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/21(水) 16:51:52.06 ID:MBcQ8A4BO
以上です

最初はスレ建てようと書いてたんですが
最初だけ書いてずっと放置していたのでこちらに投下させて頂きました
お目汚し失礼しました
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/21(水) 17:12:47.60 ID:mc3tx6uSO

20レスあるなら立ててもよかったんじゃない?
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/21(水) 18:00:01.58 ID:4t0MzzBF0
よい
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:51:43.88 ID:f/8hI7/no
少し借ります

スフレ系というんですか、とろふわなオムライスについて浜面が料理するいつものパターンです
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:52:36.32 ID:f/8hI7/no
黒夜「……あ、これ美味しそう」

絹旗「どれどれ。お、オムライスですか」

黒夜「いきなりのぞき込むな。取り上げるな。
   私が買った雑誌だぞ」

絹旗「いいじゃないですか、超減るもんじゃなし」

黒夜「絹旗ちゃんすぐ破くじゃん。基本的に下品だから」

絹旗「誰が下品ですか。私ほど超上品な女の子はいませんよ」

黒夜「だってさ。
   どう思う、浜ちゃん?」

浜面「だからどうしてそこで俺に振る。
   YesでもNoでも死亡フラグじゃねぇか」

黒夜「ストーレトに絹旗ちゃんを肯定しない時点でNoってことだよね」

浜面「断言はしてねぇよ。言質とるな」

黒夜「ぬぅ、浜ちゃんのクセに生意気な」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:53:47.09 ID:f/8hI7/no
絹旗「浜面浜面。
   オムライスは超得意ですか?」

浜面「どっちかというと苦手。
   アレを綺麗に作ろうとするのは本当に職人芸」

黒夜「おや、珍しい。
   いきなりギブアップかい」

浜面「オムライスはある意味本当に職人芸の賜物だからな。
   火力必須だし、それに何より練習量がそのまんまでる料理だからさ」

絹旗「練習量ですか。また、浜面とは超真逆の言葉ですね」

浜面「しゃーねーだろ。一日に何回も何十回も繰り返しオムライス作ってる連中と俺が勝負になるわけないだろ。
   俺はどんなに料理したところで一日三回で、しかも毎日オムライスってわけにはいかないんだぜ?
   イニシャルもランニングも話になんねぇだろ」

黒夜「それもそうか。
   お手軽簡単に出来るもんでもないのか」

浜面「似たようなもんなら作れなくもない。
   前に麦野に説明したことあるんだけど、弱火でじっくり仕上げるオムレツとかさ。
   まー、ご家庭でするのならばそれで十分だろうけど」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:54:47.09 ID:f/8hI7/no
絹旗「なんだ、レシピあるんじゃないですか。
   超それでいいです。作れ」

浜面「作ってもいいけど……その前にあれだな。
   卵の特性って、お前らわかってるか?」

黒夜「卵の特性?
   鳥類の卵は甲殻で比較的乾燥に強いとか、細胞が1個なんで核酸を構成するプリン体が少ないとか?」

浜面「よくそんなのがスラスラ出てくるな……
   そうじゃなくってだな、食材としての卵の特性だよ」

絹旗「戦後の日本で物価の上昇に最後まで耐えたのが卵と女性のストッキングだとか、超そういう話ですか。
   どうしてもストッキングとかの話にしたいんですか、この超女性の、いや超人類の敵」

黒夜「超人類の敵……超人類がまず強そうだし、その敵はさらに強そうだ。
   まるでラスボスだよ、浜ちゃん」

浜面「勝手に人をラスボスにするな。
   まぁ、いい。話を戻すぞ」

絹旗「超残念ですが、私の履いているストッキングはあげられませんよ、浜面?」

黒夜「かわりに匂いとか味とか記憶して一晩使っていいってさ。
   絹旗ちゃんの納豆臭いストッキングでよければだけど」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:55:49.53 ID:f/8hI7/no
絹旗「誰が納豆臭い足ですか!」

浜面「だーかーらー!
   話を戻すって言ってるんだろ!
   卵の特性!」

絹旗「何を殺気立っているんですか浜面」

黒夜「うん、興味があるんだ先を続けてくれないかな」

浜面「こいつらはまた棒読みで適当な返答かましやがって……
   ともかく!
   卵料理をするにあたって絶対に覚えておいた方がいいことがいくつかある!」

浜面「まず、ひとつめ。
   卵の乳化作用。
   卵は攪拌することで油を水に溶けやすい性質に変える……
   まぁ、正確には違うらしいんだが、そういう性質がある」

絹旗「マヨネーズのことですね」

浜面「それだけじゃあない。
   油が溶けやすいってことは、調味料が舌の味蕾を直接刺激しずらい。
   よーするに薄味になりやすいんだ」

黒夜「あ、どっかで聞いたぞ。
   浜ちゃん、前にそんなこと言ってたような」

浜面「言ったような気がする。どの話だったかは覚えてないけど。
   まぁ、でもようするにすき焼きの生卵だ」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:56:49.80 ID:f/8hI7/no
絹旗「すき焼きの生卵?
   すき焼きって別に薄味って気はしないですけどね」

浜面「それはその分だけ具材が煮込まれてるからだろ。
   コクも増えるけど、塩分過多になりやすいんだ。
   塩分も糖分も足らないって脳が勘違いして、あとでドカンとくる」

黒夜「なるほど、味付として卵料理は気を使うってことなんだ」

浜面「卵そのものは薄味にして、ソースとか醤油とかケチャップとか、調味料で後から味を乗せるか、
   卵を一回調理して、生の状態でなくしてから味をつける……
   ラーメンの煮卵とか、おでんの卵とか、そういうのが基本かなぁ」

絹旗「ふぅん。言われてみれば。
   あ、でもフレンチトーストとかは違いますよね?」

浜面「そりゃ、例外はあるさ。
   プリンとかも攪拌した生卵に味付けして蒸した料理だしな。
   まぁ、でも薄味になりやすいってことは覚えておくといい」

黒夜「で、ふたつめは?」

浜面「ふたつめは黄身と白身の固まる温度の差だな。
   黄身の方が低温で固まる性質がある」

絹旗「それを利用したのが温泉卵ですね」

浜面「よく知ってるじゃん、絹旗。
   その性質から更に発展させると、黄身は白身より水分が抜けやすいってことも言えるわけだ。
   火を通しすぎたゆで卵で、黄身がポソポソしてて食いづらいって思ったことはないか?」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:57:36.63 ID:f/8hI7/no
黒夜「あ、それはある!
   あれ、のどに引っかかるんだよなぁ」

絹旗「私にも超経験ありますね。
   そういうことだったんですか」

浜面「そういうことだったんですぅ。
   ついでに言えば、黄身は火を通した方がコクが増す性質もある。
   なんで、目玉焼き作るときはうまいことその中間……半熟にしてやるのがいいな。
   好みの問題ではあるけど、俺は半熟が一番うまいと思う」

絹旗「浜面の好みはさておき、私も目玉焼きは半熟が好みですね」

黒夜「私さ、あの半熟の黄身を白いご飯に乗せてさ。
   少しだけ穴あけて醤油垂らして食べるの好きなんだよねぇ」

絹旗「うわ、超貧乏くさいですね黒夜。美味しそうですけど」

黒夜「貧乏くさくて悪かったな。美味しいんだからいいじゃん」

浜面「大体、オムライスだって似たようなもんだろ、そういう意味じゃさ」

絹旗「全然違います!
   どこの世界に目玉焼きの黄身ご飯とオムライスを一緒にする奴がいますか!」

黒夜「ごめん、浜ちゃん。これに関しては絹旗ちゃんと同意見。
   レストランでオムライスは普通にあるけど、
   オムライスのかわりです、って黄身ご飯が出てきたらその店物理的につぶすわ、私」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:58:09.54 ID:f/8hI7/no
浜面「世の中には卵かけご飯専門店があって、普通に許容されているらしいが、
   そうか、黄身ご飯はダメなのか」

絹旗「別に卵かけご飯専門店にケンカを売るわけじゃないんですが、私としては超違和感を覚えます」

黒夜「それは違うよね。いくら美味しくてもなんか違う」

浜面「言葉にはしづらいが言いたいことは感覚的に分かった。
   ロマンが足らないんだな」

絹旗「ロマンというか雰囲気というか。とにかく超そんなところです」

黒夜「味の良し悪しじゃないんだよ。
   定食屋のハムエッグならありかもしれないけどさ」

浜面「オムライスも普通に定食屋で出てくるけどなぁ」

絹旗「まだ反論しますか。
   超野獣の浜面に可憐な女の子の(ただし黒夜は除く)のことを理解しろというのは
   無理だと分かっているんですか」

黒夜「おい。なんだその『カッコただし黒夜は除くカッコトジ』っていうのは。
   字面としてわかりやすいけど発音で記述するとめちゃくちゃ読みづらそうなその言い方は」

浜面「野獣でもカッコでもなんでもいいよ、はい、浜ちゃんの負け―。
   っつうか、次行こう、次」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:59:09.58 ID:f/8hI7/no
浜面「三番目は白身の固さ。
   泡立てるとなかなかしぼまない、ようするにメレンゲのことだな」

絹旗「メレンゲ、ですか」

黒夜「ケーキ作るんなら話は分かるけど、卵料理の基本ってところにメレンゲを持ってくるか」

浜面「結構使い方で便利なんだぜ、メレンゲは。
   砂糖と塩を入れて攪拌することで化学反応が起こって固くなるんだけど、
   空気を含んだふわふわした食感はいろいろと使える。
   当然、オムライスにも応用できる」

黒夜「メレンゲをオムライスに?」

絹旗「発想は平凡のような、うまいところをついているような?
   あんまり想像はできないんですが」

浜面「とりあえず作ってみるか!」

浜面「材料はこんな感じで

   @卵         大2個
   Aバター       大さじ3
   B生クリーム     30cc(なければ牛乳で可)
   C砂糖        小さじ1
   D塩         少々

   Eご飯        お茶碗一杯より少なめ
   F玉ねぎ       中半分
   Gベーコン      好きなだけ ウインナーやハムでもOK
   Hバター       小さじ半分
   I醤油        少々
   Jケチャップ     大さじ1〜(色がつくぐらい)
   Kミックスベジタブル 適量

                                  」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/27(火) 23:59:54.55 ID:f/8hI7/no
浜面「先に中のケチャップライスを作る。
   玉ねぎをゆっくり炒めて、ミックスベジタブル入れて、
   火が通ったら生で食ってもOKなベーコンとかを入れて、
   で、ご飯を投入。
   ばらばらにしながら醤油、ケチャップで味をつける。
   最終的にはオムライス全体をケチャップで味付けするから薄味でいい」

黒夜「手際がいいね、相変わらず」

絹旗「ほんのり赤みがついているだけですね。
   あと、これは超余計なお世話かもしれませんが、お肉は鶏肉じゃないんですね」

浜面「別に鶏肉でもいいけど、鶏肉使うときは先に茹でておくなりなんなりしておいた方がいいな。
   火の通りに関しては基本的にご飯に合わせるから、生になる可能性がある。
   ご飯炒める系の料理は水分調整が難しいよなぁ」

浜面「で、ケチャップライスをボールに退避しておいて……
   重要なのは、だ。
   オムレツ部分を作る前にフライパンはよく拭いておくこと。
   できれば別のフライパンを使いたい」

黒夜「へぇ、なんでさ」

浜面「卵って油と相性いいだろ?
   だから、臭い移りしやすいんだよ。
   おんなじケチャップだから構わないかもしれないけど、焦げ臭い場合もあるし。
   ま、もっと焦げ対策の意味もあって醤油入れてるだけどな」

浜面「あとな、これも重要なんだけど、フライパンは冷ましておくこと。
   前に説明したことあるかもしれないけど、本来オムレツは高火力短時間の料理だけど、
   家庭じゃそれは真似できない。
   なんで弱火でじっくり、蒸すように火を通してやることで水分を逃がさない焼き方をするんだ」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 00:01:00.44 ID:KRKvZWP2o
絹旗「……黒夜、そんな話聞いたことありましたっけ?」

黒夜「……浜ちゃんの料理話も切れ悪く続いてるからなぁ。私も記憶があやふやだ。
   もしかしたら聞いていたのかもしれないし、聞いていないのかもしれない」

浜面「あれ、はじめてだっけ?
   まぁ、いいや。ともかく卵を卵黄と卵白にわけて、卵白に砂糖と塩入れて、ハンドミキサーで一分半……」

絹旗「あれ?
   浜面、これメレンゲになってませんが?」

浜面「いいのいいの、これぐらいで。
   そんなつんつんしたメレンゲが欲しいわけじゃないからさ。
   んでもって、こいつに卵黄入れて、生クリーム入れて、また軽く混ぜてやって、っと」

黒夜「なんとも面妖な物体が出来上がったなぁ。
   持ち上がったホットケーキミックスって感じだ」

浜面「似たようなもんだな、小麦粉もふくらし粉も入ってないけど。
   で、こいつを半分ほどバター溶かした弱火のフライパンに投入。
   ……で、少しフライパンを斜めにしてやって、一部分火の通った塊ができるようにゆっくりとかき混ぜる。
   ふわとろ系のオムレツは程よい塊が入っている方がいいからな」

浜面「で、ダマの部分ができたら、フライパンを平らに戻して、弱火のままふたをして2分〜3分。
   まぁ、細かい調整はその都度やってもらうとして、かるぅく膨らんできたなぁ、ってところで火を止める」

黒夜「わぁ、本当にずっと弱火のままだ」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 00:01:54.61 ID:KRKvZWP2o
絹旗「これでも火が通るもんなんですねぇ」

浜面「ちなみに、だが。
   ふっくらスフレ系のオムレツは油がないとどうしても味にパンチが出ないんで、
   テフロン加工してあるフライパンでもバターは使ってくれ」

黒夜「カロリー高そうだねぇ」

浜面「それはもう諦めてもらうしかないな。
   いい方法あるのかもしれないけど、それは今後の研究次第かなぁ。

   よし、と。

   じゃあ、ケチャップライスを皿に盛り付けた後、オムレツ部分をそのままのせて出来上がりだ。
   デミグラスソースでもいいが、とりあえず今回はシンプルにケチャップで味付けしてくれ」

黒夜「へぇ……普通においしそうじゃん」

絹旗「ふわとろ系っていうより、ケチャップライスの上に超卵焼きがのってる感じなんですが……
   さてさて、いただきます……お、オムレツ部分を切ると超とろっとしてますね」

黒夜「ぬ、ぬぬぬ?
   味的にはふわとろのオムライスだぞ!?」

絹旗「う、うーん。予想以上?
   目をつむって食べればたぶん違いは超わかりませんし、オムレツ部分の濃淡の違いが結構はっきりわかりますし」

黒夜「美味しい、美味しいんだけど……全体的にパンチが足らない?」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 00:02:21.36 ID:KRKvZWP2o
浜面「だから、味が薄かったらケチャップ追加しろって」

絹旗「そういう意味じゃなくってですね」

黒夜「うん、とろけるチーズとか、そういうのが入ってるとなお良かったって感じかな?
   及第点は普通にたたき出してるんだけど、微妙に上品というか」

絹旗「カロリー的には十分足りている、というより超過剰なはずなんですが。
   なんなんですかね、この物足らなさ」

黒夜「オムレツ部分は少し甘くて、とろっとしてて、その分だけ甘さに引きずられたのかなぁ。
   意外とライス部分に味を感じないんだよね、すごく薄味」

浜面「んー
   そういう微妙な違いはそれこそ好みの範疇だから、俺にそこまで求められても困る。
   ライス部分はあんまり主張しすぎると統一感なくすし、量多くてもバランス崩すし」

絹旗「美味しかったです。超ご馳走様です。
   ただ、ちょっと物足りないなぁって感想ですかねぇ。
   お腹は超いっぱいなんですが」

黒夜「うん、物足りない、が一番適切な単語かもしれない
   っていうか、私らですらこうなんだから、浜ちゃん足りるの?
   私もお腹いっぱいだけど、少し入るかなってレベルなんだけど」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 00:03:12.53 ID:KRKvZWP2o
浜面「俺?
   ああ、俺は大丈夫。
   別に用意してあるのあるから」

絹旗「別って……ああ!」

黒夜「オムライス食った後に、目玉焼きの黄身のせご飯だと……!?」

浜面「卵3個は食いすぎかもしれないけど、食いたかったからな。
   確かに俺は少し腹に余裕があるから、その分埋めちまうよ。
   ああ、気にしないで結構、あとはふたりで仲良く喧嘩でもしてろ」

絹旗「ぐ、ぬぬぬ……」

黒夜「お、おかしい……私はお腹いっぱいで、もう満ち足りているはずなのに……」

絹旗「あ、あんな超極貧メシがすごく美味しそう――!」

浜面「ご飯を半分にしてあるのがミソだよなー!
   半熟の黄身に醤油って最高に合うんだ。
   いや、白い飯サイコー!
   日本人に生まれてよかったー!」

黒夜「な、なんだこの敗北感……」

絹旗「さっき、目玉焼きの黄身ご飯について超ありえないとか言ったのに、
   今、自分でその言葉を超否定したい!!!!」

浜面「うめー!
   目玉焼きご飯超うめー!!!」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 00:05:27.67 ID:KRKvZWP2o
以上です

卵とご飯の組み合わせの料理はいっぱいあります。
親子丼とかも多分そう
半熟の黄身はご飯によく合いますね、ええ
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 00:56:17.53 ID:SUD0bz0i0
乙です
スレはもう立てないのかい
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 00:58:34.32 ID:e6Rcwbj8o

こんな時間に飯テロはやめるんだ!
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/28(水) 07:53:03.31 ID:y4wo0/Vg0
おいしそう
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 00:59:20.92 ID:vdyP1Jjyo
少し借ります。

前回( ↑↑↑ )のおまけです。
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 00:59:56.03 ID:vdyP1Jjyo
絹旗「……よしよし。誰もいませんね」

絹旗「こんな超早い時間に起きて朝ご飯を作ってあげようだなんて、超いい子ですね私。
   やはり朝ご飯といえばカリカリのベーコンに目玉焼きのベーコンエッグでしょう。
   まぁ、ベーコンは浜面のアホ面が使い切ってしまったので超ハムエッグとなってしまいますが」

絹旗「そして悲しいかな、冷蔵庫を開けるとハムが一人分しかありません。
   仕方ありませんね。
   超可愛くて朝ご飯を作ってあげようというぐらいにけなげな私のお腹の中に納まるべきでしょう。
   超決定」

絹旗「そして、ハムエッグ、目玉焼きには白いご飯!
   別にパンが嫌いというわけではありませんが超そういう気分です。
   ええ、たまたまです。
   たまたま白いご飯がタイマーで炊き立てとなるように設定してあるのも超偶然でしょう」

絹旗「べ、別に目玉焼きの黄身ご飯が超美味しそうだったってわけじゃないんだからねっ!」

絹旗「……ひとりでツンデレごっこやっても超つまんないです。
   もう、ツンデレも過剰飽和気味なんですよ。
   次から次へと新しいヒロインが出てくるんですから恋の決着ぐらいさっさとケリつけないと。
   今の時代の主流はさっさと夫婦になって超デレデレすることなんです」

絹旗「……でれでれ……超でれでれ……
   ぐぬふふふ……夫婦になって超でれでれ……
   はっ、今私何を想像してました!?
   いけません、可憐で超クールな私の持ち味を超崩してしまうところでした。
   これもあれもすべてあのスカポンタンのせいです。
   まったく、オムライスが悪いわけじゃありませんが、超ジャンクな黄身ご飯のイメージは
   超凶悪でした!」

絹旗「はぁ……まぁ、いいです。
   ちゃっちゃと作って、心の渇きをお腹と舌とを超満足させましょう―――」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 01:00:32.55 ID:vdyP1Jjyo
黒夜「で、焦がしたと」

絹旗「……」

黒夜「ばっかで―
   目玉焼きひとつ作れないでやがんの」

絹旗「黒夜、超うるさい黙れえぐれ乳」

黒夜「誰がえぐれ乳だ、絹旗ちゃんよりあるわ」

絹旗「黒夜のつるつるぺったんつるぺったんの話は超どうでもいいんです」

黒夜「なんだその態度は」

絹旗「ああ……私はハムエッグもまともに作れない存在だったなんて。
   超ショックです」

黒夜「いやいや、わかりきってたことだろ。
   つぅかなぁ、あれだけ浜ちゃんが弱火弱火と言っていたのに強火でじっくりやったら
   焦げて当たり前だと思うんだけど」

絹旗「だって、強火の方が火が通る気がするじゃないですか」

黒夜「その通りなんだけど。
   火が通りすぎて真っ黒になったんだろ?」

絹旗「ハムはともかく、卵まで焦げてしまって……
   まるで黒夜の経験豊富すぎてびっちなアレのようです」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 01:01:12.16 ID:vdyP1Jjyo
黒夜「誰がびっちだ、経験豊富だ。アレってなんだ」

絹旗「そこをつっこむと未成年者お断りの世界になるので超NGです」

黒夜「自分で振っておいてよくもまぁ……超窒素パンツの分際で」

絹旗「!
   だ、だれが超窒素パンツですか!!!
   私をなんだと思ってるんですか!!!」

黒夜「人をびっち扱いしたんだからそれぐらいこらえやがれ
   マニアはいるさ。ものすごく少数だろうけど。
   大丈夫、幸せになれるよ私の知らないところで。
   で、黒焦げのハムエッグ食べたわけ?」

絹旗「…………フライパンから取れなくなっちゃいましたから、黄身の部分だけ食べましたとも。
   でも焦げ臭いしぱさぱさしているし、超がっかりな結果に終わりました。
   フライパンに卵割りいれたときに黄身壊れちゃうし、カラも入っちゃいましたし」

黒夜「うわぁぁ。
   初心者にありがちな失敗。
   ああ、絹旗ちゃんがこんなに残念な子だったなんで。
   まぁ私は最初から分かっていたけど超窒素見せパンツだし」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 01:01:49.24 ID:vdyP1Jjyo
絹旗「よし[ピーーー]。超[ピーーー]。この場ですりつぶしてやる。
   一回は我慢した私は超偉いですね黒夜はノーパンでМ字開脚でオモテ通りにぶら下げますが」

黒夜「だいたいさぁ、目玉焼き作り方知らないんでしょ絹旗ちゃん」

絹旗「華麗にする―かよ超余裕ぶりやがッて。
   目玉焼きなンて超誰でも作れるものに決まッてるだろォが」

黒夜「お、怒りモードが出てきたな超死亡フラグ。
   まっくろこげの目玉焼きしか作れねー絹旗ちゃんらしいねー」

絹旗「超やかましい!」

黒夜「そうかぁ。そんなにショックだったんだ。
   よし、ここは私が余裕ぶって目玉焼きの作り方を教えてあげようじゃないか」

絹旗「はァ?」

黒夜「まぁ、百聞は一見に如かずってね。
   私をぶっ[ピーーー]のはそれからでもよくね?」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 01:02:18.19 ID:vdyP1Jjyo
黒夜「丸め込んだわけだし。
   ちなみに私も目玉焼きの焼き方に関してはそんなに詳しい方でもない」

絹旗「なんですと!?
   やっぱり丸め込みのその場しのぎじゃないですか!」

黒夜「かといってできないわけでもない。
   ロジックをまったく知らないで見よう見まねでできるようになっただけなんだけどさ」

絹旗「……ふぅん」

黒夜「まぁ、一回やってみればそう難しいもんじゃない。
   ものすごく極めようとすれば違うかもしれないけど、そういうのはパスで」

黒夜「まず用意するのは、

   @   卵  そこそこ新鮮なもの
   A   油  小さじ1
   B   器  フライパンに投入する前に卵を割っておく小さな器

   こんな感じかな」

絹旗「器?
   小鉢ですか」

黒夜「ちょっとしたコツだね。
   いきなり卵をフライパンに入れると絹旗ちゃんじゃないけど崩れたりカラが入ったりする。
   だから一回こうやって割っておくわけ。
   はいっちゃったカラも取り除けるし、万が一腐った卵であってもすぐわかる。
   あと、カラザ部分を取り除くこともできるけどこれは個人の好みだなー。
   舌触りが違うとかはあるかもしんないけど」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 01:02:46.24 ID:vdyP1Jjyo
絹旗「理屈はあるわけですか。
   一応納得はしておきます」

黒夜「あとさ、こうやってワンクッション置くことで卵が崩れにくくなるんだよ。
   ゆっくり静かにフライパンにいれてやることができるようになる」

絹旗「なるほど」

黒夜「次に、フライパンの温度の問題」

絹旗「また温度ですか」

黒夜「私もあんまり気にかけてはいなかったけどね。
   最初はフライパンを強火にかける。
   ちなみにこのフライパンは絹旗ちゃんが焦がしちゃったフライパンじゃないからね」

絹旗「いちいちやかましいんです黒夜。
   だいたい、強火でいいんですか? 焦げちゃいません?」

黒夜「大丈夫大丈夫。
   油を敷いて、強火であったまったフライパンに卵を投入。
   で、一分前後で白身に色がついてくるから、そうしたらすぐ中火にして、コップ三分の一ぐらいの
   水をフライパンにいれて、ふたをする」

絹旗「蒸し焼きにするんですか! そういえば浜面もオムレツを蒸し焼きにしてた!」

黒夜「そう、蒸し焼き。
   あとフライパンの温度を下げる効果もあるのかなー。
   で、一分半たったら出来上がり」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 01:03:14.50 ID:vdyP1Jjyo
絹旗「うわ、本当にできてる。
   しかも超焦げてない!
   白身がぷるぷるしてる!」

黒夜「黄身もちゃんと半熟だぜ?」

絹旗「ぬ、ぬぅ……超理想的な目玉焼きです」

黒夜「ふたなしでこれができれば十分に火加減のプロなんだろーけど。
   私にはできないし、これだけできれば家庭では十分なんじゃないかなー……っと」

絹旗「超いつの間にかどんぶりに半分ほどの白いご飯……と、その上に目玉焼きのせた!?」

黒夜「ベーコンエッグ丼でもいいけど、たまにはシンプルにいきたいよねー。
   昨日の浜ちゃんの、あれすっごくおいしそうだったし。
   じゃ、黄身に穴あけて、醤油垂らして、いっただきまーす」

絹旗「って、いきなり食い始めやがったこのやろう!」

黒夜「うん、黄身だけでのせてもいいけど目玉焼き丸ごとのせてもいい感じ。
   やっぱり卵には醤油だよねー。塩コショウも個人的にはありだけど白い飯の場合はやっぱり醤油。
   この組み合わせは本当に反則。醤油最強。
   野菜がまったくもって足らないけど、いや、箸が進むわー」

絹旗「こ、こいつ……貧相なモノを美味しそうにほおばりやがって」

黒夜「だって美味しいんだもん」

絹旗「やっぱり[ピーーー]! 超[ピーーー]!」
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 01:03:43.46 ID:vdyP1Jjyo
黒夜「ふなほほろふれほいいはらきぬははらふもやへはいいらんごっくん」

絹旗「咀嚼しながらしゃべるな!」

黒夜「あー、うまかった。
   たまにはいいよね。
   あ、熱いお茶が欲しいな。絹旗ちゃん淹れて」

絹旗「こ、こいつ……どこまでも私を超馬鹿にしやがって……」

黒夜「そんなに怒ることないじゃん。
   絹旗ちゃんもこれでひとつまた賢くなったわけだしぃ。
   だいたいさぁ、あの時間から気合入れて起きてばっちりエプロンつけてどれだけ気合入ってたんだって」

絹旗「そ、そんなこと黒夜には超関係ありません!」

黒夜「そっか、関係ないよねー
   ほっぺた両手で押さえていやんいやんやってる絹旗ちゃんのことなんか私には関係ないよねー」

絹旗「み、見てたんですか!
   それが余裕の理由ですか!」

黒夜「動画も撮ってある。
   今度上映会するからちゃんと来てね?」

絹旗「ふざけんな、何が上映会ですか!
   今すぐ消せ! データを物理的に削除しろっ!」

黒夜「こんな面白いもの、みんなで共有するにきまってるじゃん。
   絹旗ちゃんも本当にわき甘いよねー。
   ちょっと気配消しただけで私にまったく気付かないし。
   どれだけ妄想してたんだか熱中してたんだか。
   この超エロパンツ娘」

絹旗「勝手に人をエロに仕上げるな!!!」   
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 01:05:45.55 ID:vdyP1Jjyo
以上です

卵は美味しいですよね本当に
おまけなんでネタはかぶってますが気にしない
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 09:40:50.46 ID:I966dex20
乙ですの
超窒素パンツは破壊力あったw
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/02(日) 12:21:02.48 ID:cvVfGTv00
超窒素パンツちゃん
233 :☆「誹謗中傷を止めろぉ〜↑」 [saga]:2016/10/18(火) 12:46:07.89 ID:T3oadXBwO
当職は統括理事長ナリよ
お前らが叩いていい相手じゃないんだ
しっかり罪を認識しなさい

十進法で
隔世に進入したら
お前らの家に
ドリルブチ込むナリよ

小物って言うな
ドリルだドリルだほら対魔術式駆動鎧 (アンチアートアタッチメント)
パラメータ改変で可殺状態にする
当職の必勝パターンナリよ
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 00:32:30.52 ID:zDQKdEsSO
あかんSSつまってもーた
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 20:08:34.58 ID:ChoHdgP50
がんばれ
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 23:50:55.31 ID:NPEBPlw8o
17巻出るから4レス借ります
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 23:51:59.84 ID:NPEBPlw8o

上条「俺の勝ちだ、上里!」

上里「ッ!」

上条「……もう、逃がさないぞ」

上里「上条……当麻」

上条「言ったろ……、上里勢力の全てと戦ってでも、お前を助けてやるって」ギュッ

上里「ああ、そうだったね……でも大丈夫さ」

上条「……?」

上里「その言葉を聞いた時には、ぼくはとっくに救われていたんだよ」サラサラー

上条「上、里?」

上里「……ありがとう」サラー

上条「上里ォォォォォォォォォォ!!」
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 23:53:01.28 ID:NPEBPlw8o

オティヌス「いや待てや」

上条「なんだよオティヌス今良いところなんだけど」

オティヌス「なにやってんだお前」

上条「次の巻のリハーサルみたいな」

オティヌス「いや次の巻そんな内容じゃないだろ多分」

上条「え? 大体こんな感じじゃないの?」

オティヌス「いや違うだろ、誰とでもあんな感じなのかよお前は」

上条「割と」キリッ

オティヌス「そういえばそうだった……いやでも男だぞ」

上条「ミイラじゃなけりゃギリギリセーフな気がする」

オティヌス「器広いな」

上条「僧正という地獄を見た俺は強いぞ」

239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 23:54:16.62 ID:NPEBPlw8o

――翌朝――

上条「しかしじゃあどうすんだろうな次」

上里(小)「おはよう」

上条「ああおはよう」

オティヌス「いや待てやいやいや」

上条「なんだよオティヌス(小)」

オティヌス「なんでこいつまで縮んでるんだ」

上里「昨日のアレで」

上条「俺が抱きしめた奴は大体縮むんだ」

オティヌス「私が縮んだのお前が原因だったのかよ」

上里「いやしかしあれは熱い抱擁だった」

オティヌス「で、どうすんだこいつ。どうしちゃったんだこいつ」

上条「上里勢力の子らに見せたら色々アレだからウチで預かることになったぞ」

オティヌス「マジかよ」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 23:55:10.85 ID:NPEBPlw8o

上条「まあ良いじゃん。ちょうどお前一人じゃ寂しそうだったからお婿さんが欲しかったところだ」

オティヌス「私は犬猫かなんかか?」

禁書「15cmだから犬猫っていうよりはデグーとかモルモット辺りなんだよ」

オティヌス「クソッげっ歯類」

上里「悪いがぼくはお前みたいな魔神は大っ嫌いなんだ。ぼくは上条当麻のものだよ」

オティヌス「なんかコイツ気持ち悪くなってないか」

禁書「……ねえとうま、むかし『小さな巨人ミクロマン』ってアニメあったよね」

上条「あったなそんなの」

オティヌス「それ放送1999年とかだろ。なんで知ってるんだお前ら」

上里「劇場版を見たんだよ」

オティヌス「それも1999年放映だが」

禁書「あれ確か五人組だったよね?」

上条「そうだったかな。……揃えるか五人、あと三人!!」

禁書「うん!」

オティヌス「……まあ私がリーダーなら構わんが」

上里「そういう問題か?」

241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 23:58:33.05 ID:NPEBPlw8o
ちなみに同時上映は『けんたろうお兄さんと一緒に「だんご3兄弟」を歌おう!!』だそうです。時代を感じますね
1レス目が17巻のネタバレになったらごめんなさい
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 00:49:55.56 ID:cQM+69YSO
ないないありえない
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 01:34:40.42 ID:qqh5e2ido
そういえばミクロマンがなんなのか説明してなかったけど説明出来るほど覚えてないので察してください
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 07:45:51.24 ID:5ny4VW5u0
ワロタwwwwwwww
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 10:18:11.78 ID:ga5i7JKB0
まさしく上里がヒロインになってるなwww
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 22:20:38.83 ID:WoLAT15Yo
なんか微妙にありだな!
247 :学園都市統括理事会公式Facebookアカウントより [saga]:2016/11/29(火) 12:52:14.67 ID:uWcYWu5q0
当職の娘を当職が殺したなどという当職のアイデンティティを否定するデマが多数流されておりました。
当職の娘はアン・レアという名前でした。再婚して初めての娘でした。喧嘩もしましたが、私にとってのかけがいのない娘でした。
娘は、魔神達の幼稚な運命論に、すり潰され、パレルモの病院で、私の誕生日の二日後に親の名も覚えずに夭逝しました。
娘が0、私が45のことでした。
私の中にはいつも娘がいます。
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 13:15:32.93 ID:tOHloyHl0
ホルス=恒心教説やめろ
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 17:39:49.25 ID:iKhnoCmaO
禁書ってオワコンなんだよね?
今の禁書は当時の半分以下の売り上げらしいじゃん
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/29(火) 20:10:16.06 ID:/DIjI6o/O
4分の1
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/05(月) 16:51:13.91 ID:/hdTOtmP0
畜生ォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:37:30.10 ID:4uBzoYNp0
少し借ります。
2016年、おつかれさまでした
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:38:14.40 ID:4uBzoYNp0
絹旗「松阪牛のすき焼きですか。超美味しそうですね」

黒夜「お、今度は松阪牛か?」

絹旗「超あげませんよ」

黒夜「いらねぇし。

   雑誌の記事の写真見ても腹膨れないし」

絹旗「やれやれ、想像力が超貧弱ですね」

黒夜「画餅って言葉知ってる?

   絵に描いた餅って言いなおしてもいいけど」

絹旗「理想と現実をはき違えた計画倒れをあざ笑う言葉と黒夜の貧困な想像力との間に

   超繋がりのある言葉とは思えませんが」

黒夜「はいはい、絹旗ちゃんは豊かだね。お腹周りが」

絹旗「勝手に人を豚にするんじゃありません」

黒夜「ちなみにだけど。

   豚の体脂肪率はああ見えて15%ぐらいらしいんで絹旗ちゃんよりも

   痩せているんだよね」

絹旗「……超マジですか」

黒夜「マジマジ超マジ。

   といっても女の子の体脂肪率は平均で25%ぐらいだから

   たいていの女の子は豚よりも体脂肪率あるんだけどね」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:38:49.14 ID:4uBzoYNp0
絹旗「……マジですか」

浜面「お、珍しいな。絹旗が落ち込んでいる」

黒夜「浜ちゃん、浜ちゃん。

   浜ちゃんって体脂肪率どれくらい?」

浜面「なんだ、いきなり。

   確かなぁ……10切るか切らないかぐらいだったかなぁ。

   最近太ってきたからもう少しあるかもな」

黒夜「やるな、アスリート並みじゃん」

浜面「スキルアウトなんて無能力者で頭も悪い奴はそんなところぐらいしか数値を盛れないんだよ。

   それに、俺よりもムキムキな奴は普通にいたぞ。

   まぁ、それを考えても俺なりにそこそこ努力はしてたさ」

黒夜「立派立派。

   確かに戦闘能力だけで考えると大した意味はないかもしれないけど

   いい肉体しているのはかっこいいよ、うん」

浜面「なんだよ、気持ち悪いぐらいに褒めるな」

黒夜「確かに顔はキモイけどタッパはあるし腹筋われてるし。

   それに結構声質もいいし。

   性格も小物っぽいところをよく気が利くまめなタイプと言い換えればいいし。   

   いやいや、顔さえキモくなければ十分イケてただろうに勿体ない」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:39:18.87 ID:4uBzoYNp0
浜面「やっぱり褒めてないな黒夜」

絹旗「……はまづら」

浜面「ん?

   なんだよ、絹旗」

絹旗「殺していいですか?」

浜面「ぬわっ!

   何暗い顔して殺気出してるんだお前!」

絹旗「浜面の分際で体脂肪率が私よりそんなに低いのが超許せないんです」

浜面「女の子だからそれは仕方ないだろ!

   普通でも男より10%違うって話だぞ!」

黒夜「あー、でもそれは第四位とか能力追跡とかおっぱいに夢が詰まっている人の場合じゃない?

   絹旗ちゃん夢入ってないじゃん」

浜面「黒夜も変な風にあおるな!

   被害をこうむるのは俺なんだぞ!」

絹旗「ふふふふふふ。

   そうですか、夢も詰まってませんか。

   超許せませんね超死刑です」

浜面「勘弁してくれー!!!

   なんでいきなりこんな目に合わなきゃならないんだー!!!」

絹旗「ま、ウソなんですけどね」

黒夜「けろっと表情変えたな」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:39:54.68 ID:4uBzoYNp0
浜面「は、はぁああ。

   あー、びっくりした。

   心臓に悪すぎる冗談はやめてくれ。寿命が30万年ぐらい縮んだわ」

絹旗「地球上のあらゆる生命体の種族としての限界を超えてますよその寿命。

   ケイ素生命か何かですか。

   ちなみに黒夜。あとでウナギ風呂に沈めてやる」

黒夜「浜ちゃんスライスしていいからウナギ風呂は勘弁してくれない?」

浜面「今度はどういう取引だ、こら!」

黒夜「最近浜ちゃんがひどい目に合ってないからバランスとってるんだよ。

   ご褒美でしょ?」

浜面「いらんわ、そんなご褒美」

絹旗「まぁ、多少は気分がすっきりしたことですし。

   冒頭に話を戻すとして。

   すき焼きが食べたいですね浜面」

浜面「すき焼きか?

   いや、無理だろ。

   松阪牛なんていい肉、財布をどうひねれば出てくるんだよ」

絹旗「そこは麦野に頼むとか」

浜面「勘弁してくれ。俺の心臓が本気でストライキ起こすわ」

黒夜「別に松阪牛でなくてもいいんじゃね?

   むしろ安い肉でやってみてほしい」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:40:20.97 ID:4uBzoYNp0
浜面「安い肉かぁ……

   そういや、この間研究してみてうまいと思ったすき焼きがあるんだけどよ」

黒夜「研究?

   そんなことしていたのかい」

浜面「研究というか、前に使ったネタの使いまわしなんだけどな。

   覚えてないかな、マイタケ使ったステーキ」

絹旗「ああ、柔らかくなったのはいいけど水っぽくていまいちだったアレ」

浜面「うん、実際いまいちだったな。

   しかし、欠点は反省し改良し次に生かすのが帝王の美学よ」

黒夜「炭素外生命体からえらく小物になったな、帝王」

絹旗「頭に『童』がつくんでしょう。どうせ」

浜面「……いいやん、別に。

   ともかくだ、あの、マイタケステーキの欠点は、マイタケ酵素を水に溶かして、

   その水で肉を柔らかくしたせいで、水っぽくなるという点。

   じゃあ、水っぽさをなくすために肉を煮込めばいいじゃないか、というのが

   俺の改良案なわけだ」

黒夜「水という字がゲシュタルト崩壊してるじゃん。

   それに、改良と言っていいのかどうか。

   キャッチャーから外野手に転向するようなもんじゃないのか?」

絹旗「考え方としてはスジは通ってますね。

   超平凡ですが」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:41:19.44 ID:4uBzoYNp0
浜面「うまけりゃいいじゃないか。

   実際、肉が柔らかくなることそのものは否定しないだろう?」

黒夜「確かに柔らかかったけどね」

絹旗「押し出しフォアボールしたけど3点差あったからセーブ点がついたみたいな?」

浜面「なんか野球押しだなぁ」

絹旗「超そういう時期なんです」

黒夜「明日には相撲押しになってるよ、多分」

絹旗「……おいこら、今どこ見てそのセリフ言った」

黒夜「見てないよ。ゴールテープ切る場所はそこだなんて思ってないさ」

浜面「本当に仲いいな、お前ら」

黒夜「やだなぁ、私と絹旗ちゃんが仲がいいときなんて浜ちゃんをいじめている時ぐらいだよ」

浜面「無理矢理そっちに話を持ってくるな。

   まぁ、うん、ともかく折角というか、コマ肉ですき焼きを作ってみるかな」

黒夜「コマ肉?

   一番安い奴じゃない」

絹旗「牛のグレードを下げるのは超構いませんが、そこまでいきますか?」

浜面「そうはいってもだなぁ……

   こういう言葉を知ってるか?

   『肉屋の実力はコマ肉に出る』っていうんだけど」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:42:17.76 ID:4uBzoYNp0
絹旗「超初耳ですが」

黒夜「うん、聞いたことないなぁ。

   でっちあげてない?」

浜面「でっちあげてねぇよ。

   コマ肉は肉を整形する――別にハンバーグや練り物ステーキのことじゃなくて、

   スジをとったりなんだりするだろ?

   そんとき出てきた端っこの肉だ。

   別に品質が悪いからコマ肉になるわけじゃあない」

絹旗「ふむふむ」

浜面「確かに形は整っていないし大きさもばらばらだ。

   売り物にならない部位を無理矢理売り物にしたものなのかもしれない。

   けれども、だからこそいいコマ肉を出している肉屋は本物なんだ」

黒夜「言いたいことはわかるけどね。

   安い肉にしようって話なんだけど」

浜面「安い肉っていっても悪い肉というわけじゃないんだぞ?

   オージービーフのグラスウッド、牧草飼育の奴なんか赤身で固いから日本じゃ人気ないけど、

   価格の割にはしっかりとした味のいい肉だったりする。

   そういう肉を柔らかくしたらうまいと思わないか?」

絹旗「つまり、浜面が言いたいのは『味はいいけど、形が悪かったり固かったりする肉を

   美味しく食べようじゃないか』ということですか」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:42:50.31 ID:4uBzoYNp0
絹旗「だったら最初からそう言えばいいんですよ」

浜面「結論だけ言っても簡単には納得しないだろ、お前ら」

黒夜「否定はしないけどね。

   ウンチク聞いててもお腹は膨れないって」

浜面「多少のウンチクも言わんとありがたみがないだろうが。

   でも長すぎるウンチクもつまらないよな。

   さくっと、料理するか!」

浜面「今回は具に関しては俺の好みな?

   @牛肉     コマ肉500g

   Aマイタケ   1株

   B豆腐     1丁 焼き豆腐の方が崩れにくい

   C春菊     1束

   D白滝     適量

   Eネギ     1本

   F醤油

   G砂糖

   H日本酒

   I水

   J生卵

   K牛脂

   野菜や豆腐は大きさをそろえて切って、

   割り下はF〜Iは1:1:1:1で混ぜておくって感じかな」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:43:51.88 ID:4uBzoYNp0
黒夜「うーん、材料的には普通だね」

絹旗「工夫らしい工夫はマイタケで牛肉を柔らかくすることぐらいですからねぇ」

浜面「絹旗の言うとおりかなぁ。

   まぁ、下準備はマイタケと牛肉をボールに入れて、それが浸るぐらいに水を入れて。

   で、30分〜1時間ほおっておく程度かな」

黒夜「そうすると、肉から血の気が抜けて色が薄くなる、と。

   で、マイタケもそのまんま具材として使うんだったよね、確か」

浜面「そうそう。

   で、あとは程よく熱したすき焼きの鍋に牛脂入れて、一回それで肉を焼いて。

   そのあとにほかの具材を入れて、割り下入れて煮込む、と」

絹旗「結構砂糖の量ありますよね、これ」

浜面「味が濃いようだったら日本酒か水で調整してくれ。

   で、さくっとできあがりっと」

黒夜「早いなぁ」

浜面「下準備には手間かかるけど仕上げるのは簡単だからな、すき焼きは。

   店レベルなら話は別かもしれねぇけどさ」

絹旗「さてさて、じゃあ、取鉢に卵を入れて、かき回して」

黒夜「ありがたくいただきますっと」

絹旗「……超やわらかい」

黒夜「前食べたマイタケステーキより柔らかいぞ?」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:44:41.89 ID:4uBzoYNp0
浜面「意外といけるだろ?」

黒夜「うん、うん……超高級なすき焼きかというとちょっと違うけど、ご家庭だったら

   十分満足レベルだ」

絹旗「確かに、お店のすき焼きは『この霜降りを見てください』って感じが超しますから

   肉のレベルが超わかりますが、そういう部分をぶっ飛ばしてみてみると、

   うん、超いい感じのすき焼き?」

黒夜「味のしみ込んだ白滝も焼き豆腐も期待通りだし」

浜面「ちなみに、今回は春菊は苦みが薄い奴をつかってみた」

絹旗「なるほど、それであまり青臭くないんですね」

黒夜「あれはあれで味わいあるんだけどね。

   うんうん……とりあえず、白いご飯が欲しい」

絹旗「あ、私も超欲しいです。

   浜面、気が利かないですね」

浜面「絹旗はもう少しものの頼み方ってものを考えろ。

   ともかく、ほい」

黒夜「お、ありが……って、盛り少なくね?」

絹旗「茶碗半分ですか?」

浜面「すき焼きはあとから『クル』からこれでいいんだよ」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:45:11.39 ID:4uBzoYNp0
絹旗「いいから黙って大盛にしなさい。

   あとお肉がなくなりましたから超追加してください」

黒夜「500gって言ってもすぐなくなるもんだね。

   感動的って程の味じゃないけどご飯は欲しくなるよね。

   私も大盛でね。絹旗ちゃんみたいにどんぶり飯じゃなくていいから。

   あ、あとお漬物欲しいかも」

浜面「俺がろくに箸を伸ばしてないのに。肉追加する前に野菜を食え。

   あとな、お代わりしていいからとりあえず最初のご飯の量はこれぐらいにしておけ。

   それに、ビール漬けもおまけだ」

絹旗「超しつこいですねぇ……まぁ、いうとおりにしてあげますよ。

   あとですね、浜面。

   すき焼きは超自分のペースで食べるものですよ。

   あと黒夜、私が大食いみたいなでっち上げするな」

黒夜「うんうん。煮込みすぎて固くなったお肉とか、黒くなった白滝とか、

   それを冷たい卵と絡めて食べるのが美味しかったりするんだよねぇ。

   あと絹旗ちゃん、私が取ろうとした肉取るな」

絹旗「あ、このお漬物美味しい。すき焼きに合いますね」

黒夜「ビール漬け?

   あんまり聞いたことないけど美味しいね、これ」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:45:49.01 ID:4uBzoYNp0
絹旗「うんうん、これだけでも麦野だったら日本酒でぐいぐいやってそうな感じが超しますけどね。

   あと黒夜、すき焼きは早い者勝ちです」

浜面「たいていの漬物はポン酒と相性いいとは思うけどな。

   あと、お前らのペース……うーん、危険な気が

   っていうか、さっきから『あと』って言ってばかりだな」

黒夜「なんだよ、さっきから奥歯にものが挟まったような言い方」

絹旗「なんかこのすき焼きに入ってるとでもいうんですか」

浜面「入ってるよ、砂糖が」

絹旗「砂糖?

   そういえば結構入ってましたね。あんまり甘くないんですけど」

黒夜「カロリー的にはおっかないけど、いまさらダイエットうんぬんは言わないよ」

浜面「いや、そうでなくてな」

絹旗「……?」

黒夜「う、いきなり箸がおもく,なった?」

浜面「あー、やっぱり来たか。すき焼きの罠」

絹旗「すき、焼きの罠?

   なんですか、その、超、へんてこりんな……」

浜面「砂糖だろ。

   あと、ひとりあたり250gの牛肉に白い飯。

   一気に血糖値が上がって満腹になったんだよ」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:46:31.41 ID:4uBzoYNp0
黒夜「つまり、アレか。

   ハンバーグセットにパフェたいらげた位のものが私たちのお腹の中に入っ、てると?」

浜面「そんなところだな。

   ちとペースが速かったな、ふたりとも」

絹旗「すき焼き食べたのは、超初めてという訳じゃないのに、なんで……」

浜面「そりゃ、店の一人前はもっと量少ないし

   お代わりしてもすぐ出てくるわけじゃないから時間があくし」

黒夜「いや、うん……味は良かった。

   けど、お腹いっぱい、ごちそうさまでした、うぷ」

絹旗「満足は超ある、はずなんですが。

   うう、胃薬が欲しい……」

浜面「ほいほい、ちゃんと用意してある」

黒夜「今回は浜ちゃんの手際の良さが、ありがたい……」

絹旗「味は普通に良かったですし、お肉は柔らかかったですし……

   しかし、お代わりがこんなに危険だとは……」

浜面「適量をあっさりと超えちゃうところがあるから、うまいところセーブしながら食わないと。

   ご飯も半分にしておいて正解だっただろ?」

黒夜「確かに……これ以上はきつかったかも」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:46:59.77 ID:4uBzoYNp0
絹旗「超どうせなら、胃もたれしないようなすき焼きにしてくれればよかったんですよ」

浜面「無茶言うな。

   薬草でも煮込めというのか、すごく苦くなるぞ多分」

黒夜「そうなったらせっかく柔らかくなったお肉も美味しくなくなっちゃうし。

   うーん、自制心が重要なんだな」

絹旗「前のステーキよりはるかにレベルアップはしてるんですけど、評価しづらいですねぇ」

黒夜「得点は確実に高いんだけどね。うちらが罠にはまったから客観的になれないだけであって」

浜面「っていうか、本来3人前の量だったのにお前らがふたりで平らげちまうから問題なんだろ」

絹旗「ぬ、ぬぅ。浜面のくせに生意気な」

黒夜「結構さっくりとお腹の中に入ってったから、ねぇ」

絹旗「まさしく罠でしたね」

浜面「一口目がうまい料理ってそういう意味で危険だよな、理性が利かなくなって」

黒夜「いいお値段がするお店って皿の割にちょびっとしか盛られてないっていうのが多いけど、

   そういう意味なのかもしれないね」

絹旗「けち臭いってだけじゃないんですね」

浜面「そういうことだな。

   少しは勉強になったか?」

黒夜「経験にはなったけどね、とりあえずその上から目線やめろ」

絹旗「浜面のくせに超生意気です」
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:47:51.47 ID:4uBzoYNp0
浜面「いつから俺はのび太になった。

   そしてお前はジャイアンか、絹旗」

黒夜「体系的には似てるよね、絹旗ちゃんとジャイアン。

   みごとな親方スタイル」

絹旗「超なんですと!」

浜面「……元気だなぁ」

黒夜「いや、結構お腹きついんだけどね。

   ウエスト的な意味でなくて」

絹旗「だから!

   そこで私を見るんじゃない!」

浜面「……元気だなぁ、はぁ」

黒夜「なにあきれた顔してるんだよ、浜ちゃん」

浜面「そりゃあきれるだろ、俺に残ったのはコマ肉数切れと野菜と豆腐だけなんだぞ?」

絹旗「いいじゃないですか。超美少女の私のあまりものです」

黒夜「マニアにはたまらないよね。

   蓼食う虫も好き好きって意味で。

   ところで浜ちゃんデブ専だったっけ?」

浜面「いや、だから黒夜も無理矢理落ちをつけようと俺を巻き込むのはやめろ。

   あと絹旗、俺の心の健康のためにも殺気をまき散らすな。

   メシぐらい静かに食わせてくれないか頼むから」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:48:28.64 ID:4uBzoYNp0
麦野「……さて、おまけコーナーなわけだが」

滝壺「というか、せっかく買ってきたすき焼き用のA5、どうしよう?」

麦野「後で食えばいいんじゃねぇの?

   すぐさま腐るってもんでもないだろうし」

滝壺「はまづらが喜ぶと思ってせっかく雑誌にのってたお店に行ってお持ち帰り用買ってきたのに」

麦野「はまづらは殆ど食べられなかったっぽいから三人で食ってもいいけど、

   そしたらあのふたり荒れるわよねぇ」

滝壺「うーん。それは否定できないかも。

   なんだかんだ言ってはまづらもむぎのも、そして私もあのふたりには甘いところあるし。

   機嫌損ねられちゃうと、ちょっと困る」

麦野「日を改めて、かなぁ、やっぱり。

   ま、いいや。

   おまけコーナー的な、ビール漬けの紹介をしようじゃないの」

滝壺「作り方は簡単。

   @ビール100CCに砂糖と塩を適量(砂糖が小さじ3、塩が小さじ1ぐらい)入れる。

   Aそこにキュウリとか薄切りにした大根とか、場合によっては小口切りしたゴボウとか入れて。

   B大体5〜6時間つけておく。

   ビールの漬け液の量は少ないからジップロックかなんか使って少量で漬けるのがおすすめかな?

   Bのかわりに手もみしてもいいよ?」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:49:48.57 ID:4uBzoYNp0
麦野「キュウリの浅漬け作るときの要領ね、要するに」

滝壺「あんまりビールの味しないんだよね、不思議なことに」

麦野「なんかね、ビールを漬物に使うのって結構あるらしいのよね。

   イスラエル駐在大使の奥さんがお漬物作るときに使ったって話もあるぐらい」

滝壺「あ、パンでつくるぬか漬けの話だね、それ」

麦野「そうそう。

   不思議な話よねー、ビールとパンを使ってぬか床作れるっていうんだから」

滝壺『それ考えるとビール漬けもわからなくないよね。

   すごいよね、ビール。応援しちゃうかも」

麦野「逆に、あっち側でビ―ルを使った漬物がないことが不思議な感じがする。

   ザワークラウトは乳酸発酵だもの」

滝壺「あるのかもしれないけど、知らないだけかもね」

麦野「そうかもねー。

   ビール漬けは絶対にビールに合うもの」

滝壺「うん、じゃあ今日はビールにしておく?」

麦野「そうね、今日はビールかな。

   でも買い置きしてないから浜面をぱしらせよう」

滝壺「頑張れはまづら。

   だいじょうぶ、応援しているから。

   頑張ったら揉ませてあげよう、麦野のおっぱいと絹旗のお腹を」

麦野「私の乳じゃなくって自分の揉ませてやりゃいいじゃん」

滝壺「野獣になった浜面を撃退する自信があるから、やらない」

麦野「撃退するのかよ」

滝壺「うん。愛あるコブシで、みしっと」

麦野「殴る擬音じゃないわよ、それ」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/12/31(土) 23:54:12.46 ID:4uBzoYNp0
以上です

なんとか2016年中に間に合いました

実は牛肉はこの時期が1番美味しかったりします

クリスマス前、1番牛肉価格が上昇するんです

そして、クリスマス後のこの時期は屠殺場が多少暇になって牛肉価格が落ち着きます

それにやはり牛は秋〜冬が1番味が濃いんですね

お肉業界にも色々とあるらしいんですが、精肉屋さんと飼育農家の方はこう言ってました
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/01(日) 00:29:25.18 ID:SEfTwgE90
おつ

わたしは今牛スジ煮てる
一向に柔らかくならないから年越してしまったよ
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 13:00:39.53 ID:oaJUKYEm0
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/07(土) 19:11:44.07 ID:xoqrJ5dDO
あまくさっシリーズ書いてた人元気にしてっかなあ。
かなりの長編シリーズになってたし、続きが読みたい。
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/10(火) 13:33:20.91 ID:zRnZz9goO
>>273 今は政治情勢が洒落にならなくておいそれとネタにできないからね……
275 :春上さん(授業中に出したら学生生活終わるなの…) [saga]:2017/02/08(水) 11:00:30.26 ID:cxE3dzDMO
春上さん(そうだ、大声出して音をかき消すなの!)

春上さん「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

木山先生「春上衿衣さん、ど、どうしたんだいきなり大声出して」

春上さん「なんでもな(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/10(金) 18:06:31.41 ID:Uqr8A7NU0
クッソwwwwwwwwwwwwwwwwww
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/07(火) 23:38:06.71 ID:h3Byxo7h0
黒子「ジャアアアアアアアアアアアアッジメントですのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/14(金) 12:50:59.54 ID:m7zYgjLjO
十数レスほどお借りします
279 :もしも「とある」がコラボ先のゲームを盛大に間違えたら [saga]:2017/04/14(金) 12:52:50.15 ID:m7zYgjLjO
とある休日ーー

上条「クソッ……やっぱどこも定員締め切りか……」カチカチ

上条(しかし、まさか残金600円とは……タダでさえ真っ赤な家計簿が一段と赤く見えるぜ。火の車どころか熱で溶けかかってるんじゃないかこれ)

上条(生憎上条さんは一ヶ月0円で生活できるようなサバイバル術なんか持ち合わせていませんですことよ)

上条(返せそうにない学生ローンなんか使うわけにいかないし、かと言って来月に仕送りが届くまで塩と水だけで命を繋ぐなんてのも……)

インデックス「とうまーおなかすいたんだよー」

上条「さっき昼飯食ったばっかだろ?」

インデックス「来る日も来る日もモヤシばっか! あんなんじゃ全然満足できないんだよ! たまにはお肉も食べたいかも!」

上条(うるさ……口を開けばいつもこうだ。やれ『お腹すいた!』だの『ご飯まだ!?』だの『ビーフオアフィッシュ!』だの。我が同居人ときたら)

上条(一体誰のせいでこうなってるのか理解してるんでしょうかねこの自称シスターさんは。上条さんの奨学金と仕送りだけじゃ、三毛猫と暴食シスターを養うのはあまりにも覚束なさすぎるんですよ)
280 :もしも「とある」がコラボ先のゲームを盛大に間違えたら [saga]:2017/04/14(金) 12:55:02.64 ID:m7zYgjLjO
上条(おまけに持ち前の不幸体質のおかげで入院レベルの大怪我が日常茶飯事で、払いきれずに溜まった治療費も相当な額になる。その他にも毎日当たり前のように起こるトラブルで大小様々な額のお金が吹っ飛ぶもので、いつも我が家の台所事情はギリギリですよ)

上条「あのさぁ、せめてバイト探すのくらい集中させてくれない? 来週の食卓にお待ちかねの良いお肉が並ぶかどうかが掛かってるんですよ」

インデックス「むぅー」プク-

インデックス「私の話を聞いてくれないなら良いもん。あっちで水いっぱい飲んでお腹膨らませるから」

上条「はいはい、ご勝手に(いつも聞いてるっつうの)」

上条(……とは言ってみたものの、即日払いとか週払いだとこんな時に限ってどこも満員なんだよな……空いてる所といえば一括の所だけ……いい待遇でとは言わないから、すぐに金もらえるとこどっか空いてねぇかな……)

上条「ハァ……不幸だ……」

インデックス「とうまー! ポストにピザのチラシが入ってたんだよ! 『フレディ・ファズベアーズ・ピザ』だって!」タタタタ

インデックス「見て見て! このピザすっごく美味しそうなんだよ! クーポンも付いてるんだよ! ほら、とうm」ヒラヒラ

上条「だあぁぁぁうるせぇうるせぇうるせぇえええええええ!!!!!!!」ダンッ

インデックス「!!」ビクッ

上条「隙あらば邪魔しに来やがって! そんなに餓死がお望みってお前はあれかマゾなのか!? シスターの癖に即身仏でも目指してんのか!?」

僧正「呼ばれた気がする」

スフィンクス「お引き取りください」

上条「 見りゃ分かんだろ!うちにはもうお金ないの! スーパーの特売にすら行けなくなりそうなんだよ! だからこうして必死こいて長期でも単発でもなんでもいいから即日払いのバイト探してるんだろうがああああああああ!!!!!!」

上条「だからそんな贅沢してる余裕なんか……あれ? なんだこの紙」ヒラ
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