どうやら穂乃果がRPGの世界に入り込んだようです 2

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

296 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/01/06(土) 00:22:50.96 ID:Z/LSPB/y0
あけましておめでとうございます!


ラインガイス「私の身体能力は上昇している」


ラインガイスが一歩踏み出すと、さっきとは別人のようなスピードでにこに接近。


にこ「な!?」


鋭利な凹凸のある右腕をにこに向けて振るう。


にこ(これを両腕で防いだら大変なことになる!!)


かがんで腕を躱しラインガイスの背後に回るが、その動きをするにも腹部の貫通傷から血が滲み出す。


にこ「くっ!」


かるくジャンプをしてラインガイスの背中を蹴ろうとするるが、ラインガイスは素早く振り向いてにこの足を腕で弾く!
弾いたときににこの足には鋭利な棘で切り傷が入ってしまい体勢が崩れる。
そのにこの腹部をラインガイスは思い切り殴る。


にこ「がはっ!」


にこは10m強突き飛ばされて病院の壁に直撃する。


にこ「なんてパワー…」


腹部からは、貫通傷以外の切り傷ができてしまいにこの腹部は血だらけになってしまった。


にこ「結構…まずいかも…」


ラインガイスはにこにゆっくりと歩み寄っていくが、その足取りを見てにこはあることに気付く。


にこ「ラインガイス…歩幅が一定じゃない…?」


ラインガイスの足取りはふらついている。


にこ「きっついのは、お互いさまってことね」


指先が冷たくなり頭もくらくらするが、にこはなんとか立ち上がる。


にこ(根性入れろ矢澤にこ!!)


足をパシンと叩きラインガイスを睨みつける。


ラインガイス「まだ立ち上がれるとはな」


にこ「諦めることだけは絶対に嫌なの」


ラインガイス「ならば、徹底的にやってやろう」


ラインガイスは急激に速度を上げてにこに詰め寄る。
右腕を振りかぶり、一気に突き出す。
にこはそれを屈むようにしてぎりぎりで躱し、右腕を地面について足を振り上げ左足でラインガイスの頭を狙う。
しかしラインガイスは突き出した右腕の凹凸を伸ばす。
突き出た棘はにこの左足を切り裂く。
運よく突き刺さりはしなかったが大きな切り傷をつけ、同時に左足の勢いは完全に止まってしまった。
それを逃さずにラインガイスは左腕を突き出して、にこの腹部を貫こうとする。


にこ(まずい!!!)
297 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/01(木) 20:57:49.31 ID:W2gc9MKz0
新年度に向けて準備中です
今しばらくお待ちを…
298 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/22(木) 22:14:02.65 ID:w1GtmzhQ0
にこは右足でエアスライドを発動して自分の体を吹き飛ばし攻撃を何とか回避。
地面に転がるが攻撃は当たらなかった。
ラインガイスが突き出した左腕は空を裂く。直撃していれば確実に絶命していただろう。

しかしにこは致命的な状態だった。左足に全く力が入らないのだ。
立ち上がることもできず、上半身を起き上がらせた状態でラインガイスを見つめる。

ラインガイスはにこに詰め寄って足で薙ぎ払う。
にこは右足でエアスライドを発動して自分の体を滑らせ、足を避けるがもちろんラインガイスは予測していた。
ラインガイスは右手の鋭利な棘でにこの左太ももを深く切り裂き、右腕の棘を射出させてにこの右肩に直撃させる。


にこ「うがぁっ…」


棘は右肩を貫通して突き刺さり、そこから傷口から血がにじみ出る。
ラインガイスは左手でにこの首をつかんで地面ににこの背中をたたきつける。


にこ「ぐ…うぅ…」


ラインガイスはにこの首をギリギリと締め付ける。


ラインガイス「これで終わりだ矢澤にこ。貴様は本当によくやった。最後はお前の額を貫き決着にしてやろう」


にこ(まずい…全然体が動かない…)


ラインガイスは右手の甲から鋭利な棘を出し、振りかぶる。


にこ「ごめんみんな…」


ドォォォ!!!!!





穂乃果「にこちゃん…?」


ことり「どうしたの穂乃果ちゃん?」


穂乃果は緊急のローブを体に纏いながら病院の方向を向く。
μ'sは傷ついた体を癒し、その合間でことりは緊急の服を用意していた。


穂乃果「…早くにこちゃんのところへ行かないと」


ことり「あと少し待ってね。あと少しで服が縫い終わるから」


絵里がよろよろと立ち上がって穂乃果の肩に手を置く。


絵里「あなたもついさっきまで立ち上がるのもままならなかったはずよ。傷ついた私たちが駆けつけてにこに迷惑を与えるのは愚策だもの」


ことり「できた!穂乃果ちゃんコレを着て!」


穂乃果「…わかった!」


海未「みんななんとか動けるみたいです。行けますよ」


穂乃果「にこちゃんのところへ行こう!」

299 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/22(木) 22:26:56.97 ID:w1GtmzhQ0
にこ(ごめんねみんな…。こころ、ここあ、虎太郎、ママ……)


振りかぶられたラインガイスの腕が振り下ろされる中、にこの目からは涙が一滴零れ落ちる。


にこ(ごめんね、真姫ちゃん…)


にこの視界が暗闇の中、暗闇の向こう側が赤く光り自分の額に痛みがない。


???「あきらめるなんて、らしくないじゃない!」
300 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/23(金) 21:37:40.35 ID:qhzGWOaR0
ラインガイスの腕の棘がにこの額に突き刺さる寸前に、ラインガイスは強い衝撃を右肩に受けてにこの上から吹き飛ばされた。


ラインガイス「ぐっ!!」


自分の右肩を確認すると、右肩は少し黒く焦げていた。
右肩に当たったものはくるくると宙を舞いながら病院の玄関のほうへ飛んでいく。


ラインガイス「貴様は…何者だ…」


宙を舞っていたモノを一人の少女がつかむ。モノが飛んでいた周辺には火の粉が舞っていた。
少女がゆっくりと前に進み、薄暗い玄関の中から出てくると顔を確認できる。


???「あきらめるなんて、らしくないじゃない!」


赤い髪に、体中に包帯を巻いている少女。少女が持っているものは扇。


にこ「真姫ちゃんっ…」


ラインガイス「そうか…貴様が西木野真姫…。キマイラを倒した少女だな」


真姫はゆっくりと扇を振るう。弱々しい動きだが、しなやかで美しい。


真姫「灼熱の舞」


振るった扇から炎が飛び出しラインガイスを襲う!
ラインガイスはなんとかその炎をかわし、さらに距離をとる。
その隙を見て真姫はにこに歩み寄る。


真姫「ついさっき意識が戻って、急いでここに来たから回復道具は持ってこれなかったの」


にこ「よかった真姫ちゃん…。意識が戻って」


真姫「私の心配より今は自分の心配よ」


真姫「まだ、立てる?」


にこ「…私のことを誰だと思ってるのよ」


にこは小さく深呼吸をしてゆっくりと立ち上がる。真姫が支えようとするがにこは「大丈夫」という手振りをして自力で立ち上がる。


にこ「私は、大銀河宇宙ナンバー1の踊り子でありμ'sの一人なんだから!」


にこ「真姫ちゃん、あなたもね」


真姫はにこの口ぶりから、完全にいつもの調子を取り戻したと判断し思ったことを口にする。


真姫「それじゃあナンバー1が二人できてるわよ」


にこ「みんなでナンバー1なの!!」


ラインガイス(さっきまでとまるで違う…。これがお前たちの強さなのか…?)


真姫「私はかろうじて立っているみたいなものだからずっと戦えるわけじゃないし…」


にこ「にこもそこまで動けないわ」


にこ「けどそれは敵も同じ。次の攻撃がきっと最後になる」
301 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/23(金) 22:42:39.43 ID:qhzGWOaR0
ラインガイスは自分の中にあるすべての闇魔力を両腕に集める。
空気が張り詰めるような強力な魔力のプレッシャーが二人を襲う。


にこ「真姫ちゃん、あれで行く」


真姫「…わかった」


にこ(壊れないでよ私の体…)


にこは低い姿勢になって右足に魔力を集める。ピンクの風がにこの右足を包んで風を起こす。
真姫は痛む体に構わずに大きく強く舞う。
炎が扇を包んでいく。


にこ「行くわよラインガイス!!」


ラインガイス「そのボロボロの体で何ができる!!」


ラインガイスが足を強く踏み出してにこに詰め寄っていく。
両腕を振りかぶり、闇魔力がその両腕から噴出する。

にこは右足を上げて、左足だけで立つ状態になる。風の魔力は右足の周りを絶えずに吹き荒れる。

ラインガイスが両腕を突き出すとそこから闇魔力が火炎放射のように吹き出す。
そのタイミングでにこは左足のみで前へ飛び出す。

闇魔力がにこを包むその時、にこは右足の魔力をすべて噴出させる。
ジェット・ラビットの動きだが、そのタイミングで真姫は扇の炎をにこの足へ放つ。
放たれた炎はにこの風にのり、炎の風になる。


にこ「バーニング・ジェットォ!!!」


ジェット噴射のように噴出した炎の風は闇魔力を吹き飛ばして超速で進んでいく。
にこは体から血が噴き出て、意識が飛びそうになるがこらえる。
ラインガイスまですさまじい速度で詰め寄ったにこは、渾身の力でラインガイスの胸部へ一撃!
その瞬間ににこと真姫の魔力は炸裂し、蹴りはより威力を増す。


にこ「はあっ!!!」


足を振りぬき、ラインガイスは吹き飛ばされる。


ラインガイス「がっ……」


にこはそのまま地面へ落ちるが、少し体がふわりと浮いて優しく地面に倒れる。
真姫が風の舞で風を起こしていた。


ラインガイス「グロノム…様…」


ラインガイスは闇のちりになって消えた。
にこはラインガイスが消えるのを確認し、倒れこんだままなんとか真姫のほうを振り向く。
真姫は倒れてはいないが膝をついている。

にこは真姫に向かって片手で小さくにこにこにーをし、そのまま目を閉じる。


真姫「にこちゃん…」


ラインガイスが消滅したことを確認して、病院の中から次々と人が走り出してくる。
真姫パパが真姫に駆け寄り声をかける。


真姫パパ「あの子はすぐに診察室へ運ぶ。真姫も病室へ戻るんだ」


真姫「わかった。ありがとうパパ」


ナースに手を貸してもらって立ち上がる真姫は担架で運ばれるにこをちらりと見ると、その顔は笑顔だった。
302 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 21:29:30.98 ID:6pnSjI+W0
街の人々が戦いの勝利に沸く病院の中を8人の少女は駆け抜ける。


穂乃果「にこちゃん!!!」


病室内にμ'sが駆け込む。
そこにはベッドで治療を受けていたにこがいて、ベッドの横では真姫が座っていた。


にこ「みんな…無事だったのね」


穂乃果「にこちゃんも無事でよかったぁ…」


海未「ナースさんから聞きました。真姫も目が覚めたようですね」


希「にこっち、本当にお疲れ様」


にこ「みんなもお疲れ様。病院に魔物が流れてこなかったし、作戦大成功じゃない」


凛「真姫ちゃんも目が覚めたし、最高だにゃ!」


にこ「正面にケガ人がいるんだけど??」


凛「名誉の負傷だにゃ!!」


にこ「あんたねぇ…」


花陽「冗談だよにこちゃん。凛ちゃんは少しでも元気をつけようとー


凛「かよちん!しーっ!!」


にこ「ふふっ。あんたたちの顔を見れただけで元気よ」


にこ「病院の中の声を聴く感じだと、ずいぶんと盛り上がっているみたいね」


真姫「今だけは『病院内はお静かに』について大目に見ているみたい」


ことり「この病室に来る間にもたくさんの街の方々に感謝の言葉を言ってもらえたよ」


真姫「まだ病院の敷地内から出るのは禁止されているけどね」


穂乃果「真姫ちゃんも元気で本当によかったよ」


真姫「私もこんなにボロボロだけどね」


真姫パパ「μ'sも来ていたのか」


真姫パパが病室に入ってくる。


穂乃果「はい!街の中の魔物はすべて倒しました」


その言葉を聞いて真姫パパはほっとする。


真姫パパ「君たちの口から聞いてやっと落ち着いたよ」


戦いが激戦だったということは、μ'sの服装を見れば凡人でもわかる。
それだけの戦いだったということだ。


男性「院長!!ゴールゴストが来た!!」
303 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 21:59:58.24 ID:6pnSjI+W0
病院の敷地内に鎧を着た男たちが入ってくる。
その数はざっと見て200人はいるであろう。
真姫パパとμ'sは窓からその男たちを眺める。


真姫パパ「ゴールゴストか…」


真姫パパ「誰か一人でいい。ついてきてくれないか?」


真姫ママ「私も行きます」


廊下から真姫ママも入ってくる。


にこ「誰か肩を貸して。私も行くからみんなで行きましょう」


凛「大丈夫?」


にこ「ええ。ゴールゴストは式典をするためにこの街を見捨てた奴らでしょう?この目でしっかりと見たいもの」


穂乃果「それじゃあみんなで行こう」


鎧の兵団200人は病院の玄関の前で整列をして止まる。
真姫パパとμ'sも玄関から出てその兵団のもとへ行く。
その中から豪華な鎧を着た男性が一人進んでくる。
両者は向かい合って制止する。

豪華な鎧を着た男性が真姫パパとμ'sを見て口を開く。


ザーグル「私はゴールゴスト第四兵団団長ザーグルだ。イムタージュより要請を受けて駆け付けたが、戦闘は終わっていたようだな。どういうことだ?」


真姫パパ「ここにいる…9人の少女たち『μ's』が敵の魔物をすべて倒し、イムタージュを救ってくれました」


9人という言葉に、μ'sと真姫は互いに顔を見合いとても笑顔になる。


ザーグル「その9人の少女たちが…?本当か院長」


真姫パパ「もし信じられないのなら街の方々に聞いてみてください」


ザーグル「……いや、大丈夫だ」


ザーグル「μ's、本当によくやった。第四兵団を代表して礼を言う」


ザーグルは小さく礼をする。


ザーグル「これならばゴールゴスト国王からの表彰をもらえるだろう。傷が癒え次第我が国へ出向き国王より表彰を受けたまえ」


μ'sは互いに見合い、穂乃果が答える。


穂乃果「その表彰は貰えません。私たちは表彰をもらうために戦っていませんし、私たちにあまり時間が残っていません」


その言葉を聞いて真姫パパも驚くが整列していた男たちの一人が口を開く。


兵士「何を言っている!!!国王から表彰されることは一生の誇りになるぞ!!それを自ら断るなど言語道断だぞ!!!」


穂乃果「いいえ、私たちの考えは変えません。お気持ちだけありがたく受け取ります」


兵士「な、なんだと!!!」


ザーグル「もうよい。…院長、君はどう考える?」
304 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 22:15:07.93 ID:6pnSjI+W0
真姫パパ「…μ'sがそう言うなら、それでいいと思います。そして、皆様も来ていただいて申し訳ありませんがお帰り頂きたい。」


真姫パパ「この街の復興は私たちでやります。要請の中止を送りましたが、間に合わなかったようですし」


ザーグル「…わかった。全員引き返すぞ」


兵団はざわめくがザーグルの命令で引き返していった。




街を出た後も兵団の中で不満が爆発していた。


兵士「ザーグル団長。本当にあれでよかったんですか?私たちは無駄にここに来て、何もせずに引き返したんですよ!?」


ザーグル「黙れ、言われなくてもわかっている」


ザーグルは腰に携えていた長剣を抜き、魔物の進軍で荒れた木々の近くへ歩み寄り直径1m高さ15mはあるであろう大木の前で止まる。
そして剣で軽く一閃。
大木はバッサリと切断され大きな土煙を起こしながら倒れる。


兵士「あ、あんな大木を軽い一振りで…」


ザーグル「何をしている?さっさと進め」


兵士たちは慌てながら進む。


ザーグル「μ's…。小娘どもが調子に乗るなよ」


#39【イムタージュ制圧】end...
305 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 22:15:58.38 ID:6pnSjI+W0
次回のラブライブ!


#40【それは僕たちの奇跡】
306 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 22:22:41.23 ID:6pnSjI+W0
長い長い(リアルの投稿時間が)イムタージュでの戦闘が終わりました。
つながりの羽を手に入れ、導きのチュードを手に入れれば創世の剣を取りに行けるようになります。
リアルでもμ'sが再始動?してきたので、こっちのμ'sのこともこれからもよろしくお願いします。
307 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 15:57:17.14 ID:XTUScEFM0
#40【それは僕たちの奇跡】


第四兵団が去っていき、日は沈み夜になる。


真姫パパ「μ's、本当にありがとう。君たちは恩人だ。今日は病院でしっかり休んでくれ」


真姫パパの言うμ'sには真姫も入っている、そんな気がした。
μ'sはその言葉に甘えて休むことに決める。
病院内に戻ると、μ'sと兵団の会話を隠れて聞いていた街の人から大きな感謝を受ける。
穂乃果は代用の服を借りたりするなど、μ'sメンバーは街の人々(おばちゃん中心)からもみくちゃにされる。

その中で真姫はにこの肩を支えていた凛に代わって肩を支える。
真姫はにこに新しいハンカチを渡す。


真姫「これ、前に借りたハンカチがボロボロになっちゃったから私のハンカチを代わりに返すわ」


にこ「あなた…案外律儀なのね」


真姫「借りたものを返しただけよ!」


そのハンカチを受け取ったにこはハンカチを胸に押し付けてにっこりと笑った。


そして夜が明けた!!


穂乃果「明太子たい焼きパン!?」ガバッ


海未「おはようございます穂乃果」


穂乃果「お、おはよう…」


凛「なんだかすごい寝言で起きたにゃ」


穂乃果「すごく衝撃的な夢だった気がする…」


μ'sは穂乃果以外の全員が起床している。
真姫とにこは治療のために別室にいる。


希「さっきナースさんが来て、支度ができたら院長室まで来てほしいって」


穂乃果「わかった!」


穂乃果の身支度に時間をとられたμ'sだったが、7人で院長室に入る。


穂乃果「失礼します!」


院長室には真姫パパと真姫ママ、それににこと真姫がいた。


絵里「にこと真姫も呼ばれてたのね?」


真姫「ええ、二人ともかなり回復したから」


真姫パパ「揃ったね?」


9人は近くに寄り真姫パパのほうを向く。
すると真姫パパは頭を下げて謝罪をした。


真姫パパ「μ's、失礼な態度をとってしまい申し訳ない」


真姫「ちょっと、パパ!?」
308 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 16:08:09.27 ID:XTUScEFM0
真姫パパ「いいんだ真姫。私は君たちに謝らなければ気が済まない。」


穂乃果「院長さん…」


真姫パパ「君たちは私たちの命の恩人だ。娘を安心して預けることができる」


真姫「それって…」


真姫パパ「真姫を、よろしく頼む!」


その言葉を聞いて、μ'sは涙を浮かべながら喜び合った!


ことり「よかったね真姫ちゃん!!」


海未「安心しました…」


真姫「ええ!本当にありがとうねみんな!」


穂乃果「まぎぢゃあああああああああん」


真姫「ちょ、ちょっと穂乃果!泣きすぎよ!あーっ!服に鼻水がついたじゃないの!!」


穂乃果「だっで…だっでぇぇぇぇぇぇ」


真姫「もう…困ったリーダーね」


凛「やったにゃぁぁ!」


花陽「やったね真姫ちゃん!!」


真姫「うふふ、そうね」


絵里「これからもよろしくね真姫」


希「真姫ちゃんの成長をちゃんと見ないとね〜♪」


希は真姫の胸元を凝視しながら言う。


真姫「ちょっと希!」


にこ「よかったわね」


真姫「うん、ありがとうにこちゃん」


にこ「私は、戻ってくるって信じていたけど?」


穂乃果「わだじもっ!!!」


真姫「きゃっ!!また鼻水!!」


9人の歓喜を見ている真姫パパとママ。
真姫ママは真姫パパに声をかける。


真姫ママ「よかったわね、真姫がこの人たちと会えて」


真姫パパ「ああ。子どもというのは、親の知らないところで大きく成長するものなのだな」
309 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 16:39:45.42 ID:XTUScEFM0
真姫「パパ、ママ本当にありがとう!」


8人も真姫に合わせてお辞儀をする。


真姫パパ「真姫、いやμ'sの9人にお願いがある」


真姫パパ「必ず悔いの残らないように。そして、必ず全員無事に大切な人の場所へ帰ってほしい」


μ's「はい!」


穂乃果(大切な人の場所…。必ず、帰って見せる!)


真姫ママ「そろそろいいかしら?」


真姫パパ「そうだな。入りなさい!」


真姫パパの声掛けに合わせて職員と街の人合わせて6人が院長室へ入ってくる。
その6人は大きな箱を持っている。


真姫パパ「その中に入っているものは私たちからだ。受け取ってほしい」


6人の中の一人のおばさんが代表として前に出てくる。


穂乃果「あーっ!!パン屋のおばさん!!」


おばさん「まさか、μ'sがこの街を救ってくれるなんてね!」


穂乃果「あの時はパンをくれてありがとうございました!」


おばさん「いいのよもう!さて、それじゃあ渡していくわよ」


5人が物を取り出しておばさんへ渡す。


おばさん「街の人たちの人脈を駆使して手に入れた回復道具だよ!あんまり多くはないけど、それでも足りなくはないはずさ!」


穂乃果「ありがとうおばさん!ハイポーションがいっぱい入ってる!」


真姫「とりあえず、あとで私のクリスタルの中に入れておくわ」


凛「真姫ちゃんの何でも入れれるクリスタル!!」


真姫パパ「真姫がオトノキザカに行くときに渡した道具が役に立っているようで安心したよ」


凛「そのびっくりアイテムって全部真姫ちゃんのお父さんの!?」


真姫「今は彼らがくれる道具に集中しましょう?」


おばさん「もう大丈夫かい?次はこれだよ!」


まず目に入ったものがたくさんの矢だった。


海未「補充しようと思っていたんです!ありがとうございます!!」


次に渡されたものは美しい扇。


穂乃果「扇ってことは真姫ちゃんのだ!」
310 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 16:54:58.46 ID:XTUScEFM0
真姫パパ「お前が使っていた扇はもうボロボロになっただろう?その状態で昨日の戦いでも使い、さらにボロボロになったはずだ」


真姫「ええ、困っていたところなの。イムタージュにはないから…」


おばさん「そこで私が病院長からの要請を受けて、あらゆる手を駆使して取り寄せたのよ!」


穂乃果「おばさんってパン屋さんじゃ?」


おばさん「ふふふっ、実は私はイムタージュの物流を牛耳っているのよ!!」


にこ「とんでもないパン屋さんね…」


真姫はおばさんから扇を受け取って、ゆっくりと開く。
開いた扇は、以前の『紅蓮の扇』よりも明るい赤で染まっている。
扇の弧の部分には刃がついており、一目で紅蓮の扇よりも切れ味が高いとわかる。
燃え盛る炎のような刺繍がされており、紅蓮の扇よりは少しだけ重い。


おばさん「その扇の名は『烈火の扇』よ!」


真姫「烈火の扇…」


真姫はかみしめるように扇を閉じて、おばさんに一礼をする。


真姫「ありがとう!」


おばさん「さぁ、まだまだ終わらないよ!次はこれさ!」


次に掲げられたものは2本のナイフ。
それを見てにこが前に出てくる。


にこ「ナイフということは私のモノね」


にこ「私のナイフもずっと使っていたし交換しようと思ってたのよ」


おばさん「そのナイフの名前は『アサシンナイフ』よ」


にこ「2本ともびっくりするほど軽いし、刃も特殊な形だから刺さったら簡単には抜けないかも。それにとても鋭利だから急所を狙いやすいわね」


ナイフの持ち手の底を互いにくっつけると、カコンという音とともにくっつく。


にこ「この戦い方もできるし…最高!ありがとう!」


おばさん「武器はこんな感じよ!そして最後にこれ!」


おばさんが取り出したものは1着の服。


ことり「あっ!その服!」


おばさん「あとはことりちゃんに任せるわね」


ことりが服を受け取り、穂乃果の前へ行く。


ことり「これは穂乃果ちゃんの新しい服です!実は昨日のうちに決めたの!」


穂乃果「えっ!?本当!?」


ことり「着てきて!」
311 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 17:11:37.45 ID:XTUScEFM0
2分後に穂乃果が部屋に入ってきた。ことりに用意してもらった服を着て、ついでに武器も携えて入ってきた。
スカートの内側にはフリルがついており、スカートの上にスカートチックなパーツをつけることで見栄えが良くなる。
上半身の服は以前のものとあまり変化はないが、一番大きな変化はマントだ。
以前は大きなマントだったが、今回の服では赤いスカーフに変更された。


ことり「とっても似合ってる!」


穂乃果「さすがことりちゃん!とってもおしゃれ!」


ことり「しかも実用性も高いんだよ!布はただの布じゃなくて魔力でできた特殊な布なの!衝撃にとっても強いんだよ!」


ことり「しかも軽いから、穂乃果ちゃんのスタイルに合ってると思う!」


ことり「さらに、マントをスカーフにすることで邪魔じゃなくなった!」


やりきったような顔で穂乃果の服を眺めることり。


穂乃果「これで100人力だよ!」


おばさん「似合ってるね!…さて、これで全部だよ。みんながんばってきな!」


μ'sは6人にお礼をし、ひとまず院長室から退出する。
仮眠室に戻って全員で集まる。


絵里「さてと、それじゃあこれを見せましょうか?」


バックから取り出したものは『つながりの羽』。


真姫「それはつながりの羽ね!よかった!手に入ったのね」


にこ「それにこの街も守れたし、大成功ね!」


花陽「でも、また敵が攻めてきたらどうするんだろう?」


希「それに関しては、ゴールゴストの兵たちがイムタージュの近くに野営地を作って守ってるらしいで」


海未「用意周到ですね」


絵里「それで、これからのことなんだけど…一度サクラコ様のもとへ戻らない?」


にこ「そうね。導きのチュードがある場所が詳しくわかるかもしれないし」


真姫「その前に、みんなにお願いがあるの」


穂乃果「お願い?」


真姫「この街をもう一度離れる前に…ライブをやりたいの!」


ことり「いいね!私もやりたい!」


真姫「みんなも、いいわよね?」


みんなが笑顔でOKを出す。


真姫「それじゃあ、パパに聞いてくるわ!準備ができ次第やりましょう!」


312 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 17:39:29.25 ID:XTUScEFM0
その3時間後、街の全員が病院の敷地内に集まる。
全員が注目しているのは、敷地内に臨時で作られたステージだ。

衣装に身を包んだμ'sがステージに上がると大歓声が上がる。
9人が一列に並び、代表として真姫が前に出て挨拶をする。


真姫「知っている人もいると思うけれど、私たちは踊り子としても活動しています」


真姫「みんなに集まってもらったのは、私たちの感謝を私たちのやり方で表したかったからです」


最前列で見ている真姫パパと真姫ママをチラ見して、真姫は続ける。


真姫「最初は私がセンターの曲で、ってなってたんだけど私の頼みで曲を変えました」


真姫「私がμ'sのみんなと出会えた奇跡と、これからの私達の思いをこの曲に乗せて伝えます!」


真姫「『それは僕たちの奇跡』!」


大興奮のままライブが始まる。
出会えた奇跡でもらえた勇気。
みんなが笑える明日を信じて精一杯力の限り、最後まで駆け抜ける。
μ'sの強い思いがその一曲に込められていた。




創世神の世界、その中心にある祭壇。
μ'sの9人はそこへ転送された。


穂乃果「あれ!?いきなりここだ!」


イムタージュでのライブを終えたμ'sは身支度を済ませて、サクラコから受け取った転送クリスタルでジーズへ飛んだ。
村長に事情を話してもう一度創世神の世界へ来ると、前回とは違って急にサクラコのいる祭壇へ飛ばされたのだ。


サクラコ「もう一度あの道を通るのは面倒でしょう?ですので、あなたたちがこの世界へ来るときはここへ飛ぶようにしておきました」


花陽「これで次からもすぐに会えるね!」


凛「便利だにゃ!」


穂乃果「サクラコ様、つながりの羽を手に入れました!」


サクラコ「よくやりましたね。それはこちらで預かりましょう」


穂乃果の手元からつながりの羽が浮き、サクラコのもとへ飛んで行って光に包まれる。
台座が魔法で用意され、その上に添えられた。


サクラコ「導きのチュードの場所はアマノダケの近くの聖なるほこらにあると言いました。詳しい場所を教えましょう」


サクラコが手を振るうと、9人の前に地図が現れてアマノダケの近くが光る。


希「この場所は…アマノダケの裏にある森林やなぁ?」


サクラコ「そのほこらはとある一族が守っています。名は『リーズン一族』」


海未「な!?」


穂乃果「どうしたの海未ちゃん?」


海未「…『リーズン一族』は、私が居た一族です」


#40【それは僕たちの奇跡】end...
313 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 17:40:03.60 ID:XTUScEFM0
次回のラブライブ!


#41【故郷】
539.55 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)