【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】

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272 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/04(火) 22:56:40.64 ID:qbF9OKnA0
如月「左手が潰された程度でなんですか。殺された人はもう誰の手も握り返せない」

如月「右手が潰された程度でなんですか。殺された人はもう誰にも触れられない」

如月「左足が潰された程度でなんですか。殺された人はもう立つ事さえ出来ない」

如月「右足が潰された程度でなんですか。殺された人はもう未来に歩む事が出来ない」

如月「首が折れてようやく人の人生を奪った痛みを理解し」

如月「最期の命という代償を払い、その悪は初めて許しを乞えるんですよ」

赤穂「……あなたが、すぐに殺せるのにそうしないのは」

如月「わからせるためですよ。自分の行いの取り返しのつかなさをね」

如月「最も……最後どころか途中までの代償すら支払えない悪がほとんどですが」

赤穂「……」
273 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/04(火) 23:17:54.34 ID:qbF9OKnA0
如月「ああ、もちろんこれは救いようのない悪に対する裁きですよ?」

如月「佐場木さんのような法の裁きも確かに必要ですし……心から悔いている人間にそこまでするのは僕としても本意ではないので」

赤穂「……あなたは、何を求めてそこまで」

如月「悪のない世界。悪を根絶やしにして平和に生きられる世界」

如月「それが僕の理想。僕の求める世界ですよ」

赤穂「……仮に悪を根絶やしにして、あなたはその世界でどうするんですか」

如月「その時は最後の悪を裁きますよ」

如月「殺人鬼ジャスティスジャッジを、ね」

赤穂「……!」

如月「わかりますよ。コロシアイという環境で僕の存在を受け入れ難い事は」

如月「だけど安心してください。僕はコロシアイに乗る気はありません」

如月「モノクマは必ず滅ぼしますが」

赤穂「……如月さん、1ついいですか」

如月「なんですか?」

赤穂「あなたにとって薄井千里は、救いようのない悪だったんですか」

如月「……」

赤穂「……」

如月「たとえどれだけ親しくても愛していても……僕は裁きますよ」

如月「それが僕の正義なんですから」

赤穂「……」

答えになっているのかいないのか曖昧な言葉を残して……如月さんは去っていった。

赤穂「……俺には、そんな正義は選べない」

それが正しいのか間違っているのかは別にして……それだけは俺の中ではっきりしていた。
274 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/04(火) 23:49:58.95 ID:qbF9OKnA0
【第2の島・サマーアイランド】

赤穂「……」

四方院さんの事、如月さんとの話……俺はどうにも気分が落ち込んでサマーアイランドに来た。

だけど……

赤穂「……暑い」

汗がダラダラと流れて地面に落ちる。

スーツをしっかり着込んで手袋までしてたらそりゃ暑いに決まってるよな……

だけどどうしてもこの傷だらけの地肌は見せたくない。

赤穂「右目のこれだけで、変な噂されたしな……」

とはいえ、少し視界もぶれてきた。

やっぱりコテージに戻るか、ショッピングモールに入ろう。

赤穂「……あ、れ」

歩き出そうとした瞬間、視界がさらに揺らいだ。

赤穂「マズ、熱中症か……」

杖を支えにしようとしても、力が入らなくて俺はその場に倒れてしまう。

赤穂「くそっ……誰か通りがかれば、いいけど……」

そしてそのまま俺の意識は遠のいていった。
275 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/05(水) 00:15:46.65 ID:oI9tohnA0
――――

赤穂「んっ……」

「あっ、気がついた?」

赤穂「……?」

目覚めると後頭部に柔らかい感触……そして視界を遮る何か。

赤穂「……」

「大丈夫?倒れてたから慌ててショッピングモールまで引っ張ってきたんだけど」

この声は……

赤穂「……土橋?」

土橋「そうだよ。今気付いたの?」

もしかして俺……今膝枕されてるのか?

じゃあ目の前のこれは……

赤穂「っ、悪い!」

慌てて起き上がるとクラッと視界が揺れる。

土橋「ちょっとちょっと!いきなり起きたらダメだって、ほらスポーツドリンク!」

赤穂「……あ、ああ、ありがとな」

スポーツドリンクを飲み干すと、身体が軽くなった気がする。

まさに生き返った気分ってやつだな……

土橋「もう、こんな暑い中でそんな格好して水分も取らなかったら熱中症になるのわかりきってたでしょ!」

赤穂「そうなんだけどな……」

土橋「せめて上ぐらい脱ぎなよ。あれだけ汗かいてたんだから暑さに強いわけでもないんでしょ?」

赤穂「……」

土橋が俺を心配して言ってるのはわかってる。

それでも俺は……
276 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/05(水) 00:43:20.49 ID:oI9tohnA0
赤穂「やめといた方がいいぞ」

土橋「何が?」

赤穂「俺の肌は色々あって傷だらけなんだ。見たらドン引きするような傷もある」

土橋「……」

赤穂「このスーツを脱いだだけでも結構わかるし……土橋だって気持ち悪いもの見たくないだろ?」

俺がこの傷を身体中に刻まれた直後、見舞いに来た何人かは露骨に俺の傷を気持ち悪がった。

中には俺は絶望で自分から傷をつけたんじゃないかとか言う奴さえいて。

あの日から俺は……傷を徹底的に隠してきた。

色々言い訳してても、結局はまたあんな事を言われるのが……怖いんだろうな。

土橋「……そっか、わかった」

赤穂「わかってくれたなら……って何してるんだ!?」

土橋は何を思ったか作業着の上を脱ぎ出していた。

土橋「アタシってさ、土木作業なんて生活してるから色々と男の人に囲まれて生きてきたんだよね」

赤穂「……」

土橋「で、胸とか結構ジロジロ視られたりもしてきたんだ」

赤穂「……それで?」

土橋「だから何て言うか……アタシ慣れてるし視線集めるしさ!アタシが近くにいれば政城がジロジロ見られるとか少なくなるでしょ!」

赤穂「……」

土橋「だから、さあ……暑いの我慢して着込まなくても大丈夫だって!」
277 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/05(水) 00:49:24.06 ID:oI9tohnA0
赤穂「……」

上半身タンクトップのそれが恥ずかしいのか顔を赤くしている土橋の言葉の意味がようやく理解できた。

赤穂「……ははっ」

そして同時になんだか笑えてくる。

土橋「ちょっとなんで笑うの!?」

……うん、ここまでされると怖がってるのが馬鹿らしくなってきた。

赤穂「よっと」

土橋「あっ」

赤穂「それじゃあ、ちょっと中央の島まで一緒に頼めるか?暑いし」

土橋「……了解!アタシも早く着たいから早く行こう!」

赤穂「あっ、気持ち悪かったら視線そらしていいからな?」

土橋「政城が言うほどじゃないって!それにアタシ嫌いじゃないよ!」

赤穂「んっ?なんでだ?」

土橋「だってそれヒーローとして頑張って出来た傷でしょ?だったらむしろ勲章だって!」

赤穂「……」

土橋「あれ、どうしたの?」

赤穂「いや……」

面と向かってそんな事言われたのは……初めてだ。

勲章、か……

赤穂「……ありがとな」

この傷をそう言ってくれて。
278 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/05(水) 00:50:08.41 ID:oI9tohnA0
本日はここまで。
279 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/08(土) 23:07:23.25 ID:pOC6K4XA0
【ホテルミライ・コテージ前】

土橋と第1の島まで一緒に戻った後、俺はマーケットに行くという彼女と別れてホテルに戻ってきていた。

赤穂「……あっ」

あそこにいるのは……

グレゴリー「言の葉の魔術師よ。ここに供物を捧げておくぞ」

赤穂「グレゴリー、津浦の様子はどうだ?」

グレゴリー「聖痕抱きし英雄か。夢魔の誘惑から解き放たれはしたが、心に巣くう闇の住人がまとまりついているようだ」

よくはわからないけど、今の津浦がコテージから出る気はないのはわかるな……

グレゴリー「元々容易なる事象ではない。時の檻は強固だが……いずれはまた覚醒の時が訪れるだろう」

赤穂「……グレゴリーは随分津浦を気にかけてるよな」

捜査の時も今も、どうしてグレゴリーはここまで津浦を……

グレゴリー「言の葉の魔術師は我が言霊を理解した原初の姫だからな」

赤穂「……」

自分の言葉を理解したのは津浦が初めてだから……って事か?

グレゴリー「言の葉の魔術師との語らいは我としても必要不可欠。覚醒の時の刻限が近くなると言うのならば、供物を捧げる事など苦ではない」

赤穂「……そうか」

グレゴリーは津浦に元気になってほしいんだな……

赤穂「早く元気になるといいよな」

グレゴリー「然り!そのためにも秘められし我が天具をこの世に生誕させねば!」

赤穂「あっ、待てよグレゴリー!」






ガチャッ

津浦「…………」

バタンッ
280 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/08(土) 23:34:56.92 ID:pOC6K4XA0
【ホテルミライ・レストラン】

グレゴリーと別れた後、俺は佐場木達とサマーアイランドにあった射撃練習場について話していた。

佐場木「……首尾は」

遠見「やはり補充されていたであります。射撃練習場の弾薬を尽きさせるのは難しいかと」

佐場木「そうか……ちっ、銃そのものの破壊も不可能となればあの近辺に人を近付けるのは危険か」

赤穂「持ち出せないのにか?」

佐場木「中から撃てば持ち出し違反にならず人を射殺可能だ」

赤穂「……ああ、そういう事か」

遠見「どの銃も反動が強いタイプなのは唯一の救いであります。あれを問題なく扱えるのはおそらく自分ぐらいでありますから」

赤穂「反動が強いって事は下手をしたら肩外れそうだな」

佐場木「とはいえ楽観視は出来ん。あの近辺には近付かないよう周知徹底……」

苗木「あの……ちょっといいかな?」

赤穂「んっ?どうしたんだ苗木」

苗木「ちょっと気になる事があってさ、伝えておいた方がいいかなって」

佐場木「気になる事?なんだ」

苗木「……あの映像ってまだ残ってる?」

遠見「あの映像……身体検査の時のあれでありますか?」

苗木「うん。あの映像」

身体検査の記録……あれがどうしたんだ?
281 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/08(土) 23:51:23.01 ID:pOC6K4XA0
その後佐場木が持ってきたビデオカメラの映像を再び再生する事になった。

生きてる静音と薄井……その姿を見ると胸が痛くなるけど、いったい苗木は何が気になったんだ?

苗木「あっ、ここだよ!」


佐場木『それよりこのスポットライトはなんだ?』

静音『ちょっと意見もあったからサプライズに使う!』

遠見『サプライズでありますか?内容は……』


遠見「これがどうしたのでありますか?」

苗木「いや、静音さんはあのサプライズを意見があったからやる気になったみたいだけど」

苗木「意見したの、誰なのかなって」

佐場木「……!」

赤穂「薄井じゃない、よな」

薄井は静音とジェニーの話を聞いて犯行を思いついたはずだ。

薄井もそれを否定しなかった……じゃあ誰が静音にそんな意見をしたんだ?

遠見「しかし、それはあくまでサプライズの意見をしただけでは……」

苗木「そうなんだけど……ジェニーさんのあの告白聞いても名乗りでなかったって、なんか悪意がある気がして……」

赤穂「……」

悪意?

それじゃあまさか誰かが事件を起こすのを期待して、静音に意見をした人間がいる?

だとしたら……そいつは生きてまだ俺達の中にいるのか?
282 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/09(日) 22:23:17.45 ID:eeRyejaA0
【赤穂のコテージ】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「夜10時になりました!」

モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」

モノクマ「うぷぷ、また明日……」

赤穂「……」

苗木の言葉の事を考えてたらもうそんな時間か。

赤穂「悪意か」

苗木の言う通り静音にサプライズの意見をしたのが悪意を持っての事だとしたら……

赤穂「……四方院さんには聞かせられないな」

今四方院さんは静音の死を否定して心を守ってる。

だけどもし四方院さんが間接的に静音を死に追いやるような真似をした人間の存在を知ったら……

赤穂「くそっ……」

いったい誰なんだ。

もし悪意がなかったにしろ……突き止めないと。
283 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/09(日) 22:55:21.60 ID:eeRyejaA0
【7日目】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

赤穂「朝か……」

とりあえず牡丹を迎えに行こう。

【ホテルミライ・レストラン】

今日は……津浦以外みんないるな。

まあ、如月さんや兵頭は離れて座ってるけど。

道掛「今日でこの島に来て1週間だよなー」

六山「そうだね。なんかあっという間な気がするよ」

土橋「そろそろ助けが来てもいいと思うんだけど……」

佐場木「現在コロシアイが起きたらしい第13支部はともかく他の支部は何をしている……」

兵頭「ふふふ、元々どの支部も忙しいですからね。絶望の残党がいなくても問題は山積みですし」

赤穂「……」

確かに第1支部から第14支部は絶望の残党の対処以外に復興関係の仕事も受け持ってるからな……
284 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/09(日) 23:50:35.44 ID:eeRyejaA0
苗木「そういえば気になってたんだけど、第15支部から第19支部って何をしてるの?」

鞍馬「……未来機関全体の任務として絶望の捕獲や一般人の保護」

赤穂「第15支部は確か他国との交渉……支部長は元73期生【超高校級の旅人】だな」

佐場木「第16支部は資源の発掘、調査だ。支部長は元75期生【超高校級のトレジャーハンター】」

遠見「第17支部は絶望の被害者のカウンセリングや聞き取り調査であります。支部長は現在諸事情にて空席、代理として元76期生【超高校級の王子】が在任中でありますよ」

土橋「第18支部はスポーツの復興支援だよ。支部長は元75期生【超高校級のサッカー選手】」

六山「この前新造された第19支部はえっと……確か本とか美術品とか歴史的資料の回収、保存だったかな。支部長はまだ決まってないけど【超高校級の図書委員】辺りが有力候補らしいよ?」

道掛「よく覚えてんなー。俺なんて会長のじいちゃんの名前も知らねえや!」

御影「……自慢にならないね」
285 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/10(月) 00:22:32.06 ID:XBtLaoXA0
今日はここまで。

目標としてこの話はV3発売までに終わらせたい……
286 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/11(火) 22:23:26.78 ID:E2qyn0GA0
【ホテルミライ・プール】

朝食は結局未来機関講座になったな……

ジェニー「……」チャプチャプ

赤穂「……ジェニー?」

何してるんだ、あんなところで。

ジェニー「あっ、マサキ……」

赤穂「浮かない顔してどうした。悩みがあるなら聞くぞ?」

ジェニー「……ボク、ダメダメです」

赤穂「えっ?」

ジェニー「ボクはみんなをスマイルにするピエロです……なのに今ボクは何も出来なくて」

赤穂「それは……ジェニーのせいじゃないだろう」

ジェニー「でも……」

すっかり落ち込んでるな……そうだ。

赤穂「ジェニー、何も出来ないって事はないぞ。少なくとも1つジェニーじゃないと出来ない事がある」

ジェニー「ボクじゃないと?」

赤穂「静音とサプライズの打ち合わせをした時の事を聞かせてほしいんだ」

ジェニー「ナギとの?」

赤穂「ああ、頼むよ」

ジェニー「えと……ナギはカナデをもっと目立たせたい言てましたです……このままだとカナデのスゴさが伝わらない言われたて……」

赤穂「……!そこのところもう少し詳しく。静音は何を言われたって?」

ジェニー「えとえと……カナデはパーフェクトでもっと目立つべきだから……キラキラのドレス着るとかライトアップとかしたらキレイなんじゃないか言われたて……」

……これは、判断に困るな。

罪悪感から言えないのか、それとも悪意を持って黙ってるのか……これじゃあわからない。

ジェニー「あのマサキ?」

赤穂「あっ、ああ、ありがとうジェニー。助かった」

ジェニー「ボク役に立てたです?」

赤穂「ああ、もちろん」

ジェニー「なら……よかたです」

でもまあ、ジェニーが少しは元気になれたなら……結果オーライか。
287 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/11(火) 22:50:51.15 ID:E2qyn0GA0
赤穂「うーむ……」

兵頭「お悩みですか?」

赤穂「うわっ!?」

兵頭「ふふふ、ごめんなさい。まさかそこまで驚かれるなんて」

赤穂「兵頭……」

兵頭は学級裁判の投票に快感を抱いていた……俺には全く理解出来ない話だ。

だからこそ……兵頭は何をするかわからない。

赤穂「キミはこれから先どうする気なんだ」

兵頭「どうするとは?」

赤穂「学級裁判の投票がキミにとって快感なのははっきりしてる」

兵頭「……ああ、だから私が事件を起こすんじゃないかと思ってるんですか?」

赤穂「キミは頭がいい。疑われるのはわかってただろう」

兵頭「ふふふ……そうですね。少なくとも要注意人物ではあるでしょうね」

赤穂「……」

兵頭「ふふふ」

赤穂「何がおかしいんだ?」

兵頭「如月さんも似たような事を言ってましたから……やっぱりヒーローは似るんでしょうか?」

赤穂「……!」

兵頭「安心してください。私はコロシアイなんてしませんよ」

兵頭「最も信じるかは……ふふふ、赤穂さん次第ですよ」

赤穂「……」

俺と如月さんが同じ……

今となっては、複雑な気分だな……
288 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/11(火) 23:15:52.38 ID:E2qyn0GA0
【中央の島】

赤穂「……んっ?」

道掛「いいか鞍馬!ルールはこの島を1周!それだけだ!」

鞍馬「……はあ」

御影「あっ、兄貴」

赤穂「いったいなんなんだこの騒ぎは」

御影「道掛と鞍馬がマラソンで勝負するんだってさ」

赤穂「……いや、なんでそんな事になった」

御影「さあ?」

道掛「鞍馬ってよ、なーんか暗いんだよな!いつもいつも1人だしよ!」

鞍馬「……別に困っていませんから」

道掛「だから俺はお前とダチになる事にした!」

鞍馬「……」

御影「なんでそれでマラソン?」

道掛「熱い勝負をしたら男はその瞬間からダチになるんだぜ!」

鞍馬「……自転車ではないんですね」

道掛「勝負は公平にやってこそだからな!」

鞍馬「……はあ」

鞍馬か……そういえば如月さんといい勝負してたよな。

道掛「よっしゃあ!行くぞ鞍馬!牡丹ちゃん合図よろしく!」

御影「そのために私は呼び止められたわけか……はいはい、位置について」

道掛「……」

鞍馬「……」

御影「よーい、ドン」
289 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/12(水) 22:17:01.23 ID:JV5g+m5A0
赤穂「……行ったな」

御影「だね」

赤穂「道掛も考えてるのか考えてないのか……」

御影「でも道掛、兄貴じゃない方のヒーローにも声かけてたよ」

赤穂「如月さんにか?」

御影「うん。まあ、頭は悪いけどいいやつなんじゃない?」

赤穂「……そうだな」

道掛「うおおおっ!」

鞍馬「……」

御影「あっ、戻ってきた」

赤穂「鞍馬の方が勝ってるみたいだな」

鞍馬「……」

道掛「どわあああっ!」ズサァ

赤穂「お、おい大丈夫か?」

道掛「はぁ、はぁ……ちくしょう!負けたー!」

鞍馬「……」

道掛「鞍馬!お前すげえな!俺これでも足の速さにも自信あったのによ!」

鞍馬「……」

道掛「だけどこれで俺達はダチだ!さっ、握手しようぜ!」

鞍馬「……失礼します」スタスタ

道掛「ありゃ?」

御影「あらら……」

赤穂「あー……」

道掛「照れてんのか?」

ポジティブだな……
290 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/12(水) 22:48:22.30 ID:JV5g+m5A0
六山「……」ピコピコ

赤穂「……」

相変わらず六山はゲームばっかりしてるな……

四方院「あら、六山さん。またゲームですの?」

六山「まあねー」

赤穂「毎日それだけやってたらすぐクリアしちゃうんじゃないか?」

六山「ちっちっちっ、甘いね赤穂くんは。ゲームというのはやりこみ含めてクリアなんだよ」

六山「だから全部クリアするなら時間が足りないぐらい」

四方院「最近のゲームとはすごいんですのね……わたくしはやった事がありませんからよくわかりません」

六山「ゲームは世の中の最新技術をふんだんに盛り込んでるからね。やって損なしだよ」

赤穂「なるほどなぁ……」

六山「良かったら対戦用のスペア貸そうか?」

赤穂「そんなの持ってるのか」

六山「ゲームは人の輪を繋ぐからね。まあ、これは受け売りなんだけどわたしもそう思うからさ」

四方院「暇潰しにはいいかもしれませんね……それでは何か初心者にも優しいものをお願いしますわ」

六山「だったらねー」

リュックから大量のゲームソフトを出す六山。

うーん……俺はこれだけのゲーム一生かかっても終わる気がしないな……
291 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/12(水) 23:24:11.89 ID:JV5g+m5A0
ビービービー!

赤穂「……んっ?」

なんだ、この音。

モノクマ「警告警告!」

モノクマ「射撃練習場より銃が持ち出されました!」

モノクマ「戻さない場合には盗難者に罰を与えます!」

赤穂「なっ!?」

射撃練習場から銃が……いったい誰がそんな事を!?

赤穂「とにかく行かないと……!」

【射撃練習場】

遠見「落ち着いて!今すぐその銃を戻すであります!」

赤穂「遠見、佐場木!いったい誰が銃を……」

津浦「はぁー、はぁー……!」

津浦!?

津浦「来ないでください……来たら撃ちます……!」

苗木「ど、どうしたの津浦さん?いきなりこんな……」

津浦「どうしたのじゃありませんよ……この島にはシリアルキラーがいるんですよ!?」

六山「如月くんの事?でもコロシアイには乗らないって言ってたよ?」

津浦「人殺しのそんな言葉を信用しろと!?ただでさえ、コロシアイなんてさせられて……だからワタシは!ワタシはぁ!」

土橋「琴羽!」

佐場木「だったらどうする?この場の全員を殺すか?」

津浦「……!」

佐場木「人の命を奪うというのはあまりに重い十字架になる、たとえ間接的にもだ」

佐場木「津浦、貴様に14人殺す十字架を背負えるとは思えん、やめておけ」

津浦「ワタ、ワタシは、殺、いや、違っ」

如月「皆さん、大丈夫ですか!」

津浦「ぁ……」

モノクマ「後30秒以内に戻さないと違反者をおしおきしまーす!」

モノクマ「30!29!」

津浦「いやあああああああっ!!」

遠見「っ、全員下がるであります!」

津浦「死にたくないっ、ワタシは死にたくないっ……!」

赤穂「津浦!早く銃を戻せ!」

津浦「あああああああああっ!!」

「……!」
292 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/12(水) 23:29:36.48 ID:JV5g+m5A0






パァン!






293 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/12(水) 23:50:01.40 ID:JV5g+m5A0
御影「あっ……」

グレゴリー「ぐうっ……!」ピシッ

ジェニー「グレッグ!?」

赤穂「グレゴリー、何を……!」

津浦に真っ正面から向かっていくなんて……!

津浦「……!」

グレゴリー「っ!」ガシッ!

津浦「ひっ……!」

グレゴリー「ふんっ!」

ガシャンッ

モノクマ「銃が敷地内に戻されました!」

モノクマ「これに懲りて二度としないようにね!」

道掛「お、おいグレゴリー!大丈夫かよ!」

グレゴリー「案ずるな……我が仮面の守護は魔力を注ぎ込んだもの」ピシピシッ

パリンッ

グレゴリー「最も……言の葉の魔術師の魔弾もなかなかの魔力だったようだが」

仮面が銃弾を止めたのか……

津浦「ぁ……あっ」

グレゴリー「言の葉の魔術師」

津浦「ひっ!ごめんなさいごめんなさい!殺さないでくださいっ……」

グレゴリー「……」


ギュッ
294 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/13(木) 00:06:14.66 ID:2XHgNn4A0
津浦「……えっ」

グレゴリー「恐怖に蝕まれながらもよく耐えた。この場の誰も殺められずにいるのだ……死に怯える事はない」

津浦「……」

グレゴリー「言の葉の魔術師よ。恐怖に戦くならばこの我がその魂を守護しよう」

津浦「えっ……」

グレゴリー「言の葉の魔術師は我が言霊を余すところなく理解する存在。いなくなられては困るのだ」

津浦「Mr.グレゴリー……」

グレゴリー「憤怒の執行者、紅纏いし狂戦士。言の葉の魔術師に罰は不要」

如月「はい?」

佐場木「……」

グレゴリー「魔弾を受けた我が言うのだ。よもやそれを黙殺し己が義を貫くとは言うまいな?」

如月「……グレゴリーさんが許すと言うなら僕の出る幕はありませんね」

佐場木「ふん……被害者がそう言うなら今回は不起訴が妥当か」

グレゴリー「感謝する。言の葉の魔術師よ、もはやその身が恐怖に蝕まれる事はない」

グレゴリー「我がその恐怖を振り払ってみせよう」

津浦「……Mr.グレゴリー」ギュッ

四方院「一件落着のようですわね」

兵頭「全く人騒がせですね……ふふふ、私の言えた話ではないですが」

鞍馬「……」

赤穂「……ふうっ」

何事もなくてよかったな……
295 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/13(木) 00:12:13.67 ID:2XHgNn4A0
明日早いので本日はここまでで。
296 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/13(木) 22:48:19.07 ID:2XHgNn4A0
【ホテルミライ・レストラン】

津浦「皆さん、ご迷惑をおかけしました」

苗木「ま、まあ怪我がなくて何よりじゃないかな?」

遠見「反動で1日は手が痺れるように感じると思うでありますが、長引きはしないので安心してほしいであります」

津浦「はい」

グレゴリー「ならばこの天具その四十三、第三の腕を使うがいい!」

道掛「キモッ!?リアルすぎんだろそれ!」

四方院「本物の腕のようですのね……」

グレゴリー「使用法は心臓の上から装着し……」

御影「うわぁ……想像しただけでヤバいって」

赤穂「そ、それよりグレゴリーはまた仮面着けたんだな」

グレゴリー「ふっ、あれは我が皮膚と同じ。皮膚を剥がしたままの者などいようはずがない!」

六山「チラッとだけど結構整ってたよね。隠さなくてもいいのに」

グレゴリー「ふははっ!外しはせんが賛辞は快く受けようではないか電脳の駆逐者よ!」

津浦「っ……」

ジェニー「コトハどうしたです?」

津浦「い、いえ」

土橋「……あー」
297 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/13(木) 22:54:38.03 ID:2XHgNn4A0
【赤穂のコテージ】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「夜10時になりました!」

モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」

モノクマ「うぷぷ、また明日……」

赤穂「今日は疲れたな……」

何事もなかったとはいっても、精神的にはキツかったしな……

赤穂「もう寝よう」

この生活ももうすぐ10日……

津浦みたいに不安になる奴もいるだろうし、気を引き締めないとな。
298 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/13(木) 23:30:59.24 ID:2XHgNn4A0
【8日目】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

赤穂「よし、牡丹を迎えに行くか」

【ホテルミライ・レストラン】

赤穂「……あれ?」

御影「なんか今日の料理いつもと違わない?」

土橋「今日の朝ごはんは琴羽が作ったからね」

赤穂「津浦が?またどうして」

土橋「あれだよあれ」

あれ?

津浦「どうでしょうか?」

グレゴリー「ふむ、我も火水操りし恵みの儀は行うが……言の葉の魔術師の腕にはかなわぬようだ」

津浦「そ、そうですか」

赤穂「……あー、なるほどな」

土橋「そりゃ命懸けで自分を止めてさらに守るなんて言われたらねえ。元々琴羽はグレゴリーとよく話してたし」

御影「ふーん……私にはよくわかんないね」
299 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/14(金) 22:35:22.46 ID:ExUhRMcA0
【サマーアイランド・水族館】

ジェニー「ほわあ……」

佐場木「おい。危険だからあまり近寄るな」

ジェニー「はいです!」

赤穂「また珍しい組み合わせだな」

佐場木「赤穂か……別に一緒に来たわけじゃない。水族館の調査をしていたらクラヴィッツが来ただけだ」

ジェニー「お魚いっぱいです……イルカいないですか?」

佐場木「それなら向こうの水槽だ」

ジェニー「ありがとうですハンジ!」

赤穂「……意外に面倒見いいんだな」

佐場木「お前は俺を冷血人間と勘違いしているようだが、俺が冷徹に接するのは犯罪者相手だけだ」

赤穂「……犯罪者だけ、か」

佐場木「ふん、未だに如月にあんな態度の俺が気に食わないか?」

赤穂「いや……佐場木からしたら如月さんを受け入れられないのは、理解したつもりだ」

佐場木「それならいい」

ジェニー「ハンジー!マサキー!見てくださいすごいですー!」

赤穂「ああ、今行くよ!」

佐場木「……赤穂、お前が如月をどう思うかは勝手だがよく覚えておけ」

佐場木「津浦をあそこまでにしたのはコロシアイだけじゃない。紛れもない如月怜輝の存在も要因だ」

佐場木「奴が何をほざこうと……奴のしている事に恐怖を感じる人間がいてそこから狂気は加速する」

佐場木「それは今あそこで笑う人間さえ死体に変えかねないのだとな」

赤穂「……ああ」

恐怖から産まれる狂気……津浦を見たら、否定なんか出来ないよな。
300 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/14(金) 23:01:01.37 ID:ExUhRMcA0
【図書館】

遠見「……」

赤穂「うわっ!?」

図書館の中央で遠見が寝転がって……倒れてるのかと思ったぞ。

遠見「んっ……赤穂殿でありますか」

赤穂「何をしてるんだよ。ビックリしたぞ」

遠見「危険書物の選定をでありますよ。少し休憩をしていたのでありますが……」

赤穂「床で休憩してたら誤解されるぞ……」

遠見「野宿などが当たり前だったのでついそうしてしまうのであります……コテージでもベッドは慣れないでありますし」

赤穂「ああ……軍人だもんな遠見は。でもその年で軍人っていうのも珍しいよな」

遠見「うーむ、自分の知る限り少年兵は珍しい存在でもないでありますよ?隊長殿も自分の相棒もそうでありましたし」

赤穂「相棒?」

遠見「観測手である自分は狙撃手と組んで行動していたのでありますよ。元々隊長殿に助けられた者同士で、相性は良かったでありますから」

赤穂「助けられた……?」

遠見「色々ありましたので……」

色々か……ろくな事ではなさそうだな。
301 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/14(金) 23:27:16.41 ID:ExUhRMcA0
道掛「いいやっほうぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

赤穂「……」

また道掛が自転車を乗り回してるのか。

道掛「次はあっち行くぞ如月ー!」

赤穂「は!?」

よく見たら……道掛、如月さんと2人乗りしてるぞ!?

道掛「おっ、赤穂じゃん!」

赤穂「道掛、お前なんで如月さんと2人乗りなんて」

道掛「如月とはダチだからな!俺頭よくねえから考えてもわかんねえしよ!」

如月「僕も驚きましたが……そういうことらしいです」

赤穂「……」

鞍馬といい、如月さんといい……道掛は恐れる事なく踏み込んでいくな。

道掛「よっしゃ、今度はあっちだ!行こうぜ如月!」

如月「……安全運転でお願いします」

道掛「わかってるって!」

赤穂「……」

少し羨ましいな……
302 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/15(土) 00:04:27.92 ID:WYrVKhPA0
【サマーアイランド・ショッピングモール】

津浦「……」

赤穂「……津浦?」

津浦「Mr.赤穂、こんにちは」

赤穂「ああ。外に出るようにしたんだな」

津浦「Mr.グレゴリーの言葉にワタシも応えたいので。今はこの島を調べていました」

赤穂「そうか……図書館には行ったか?」

津浦「おそらく一番長い調査になるので最後にしようかと……相当数の言語の本があるのは聞いているので」

赤穂「津浦は文字の読み書きも出来るのか」

津浦「言葉ほどは得手ではありませんがだいたいは出来ますよ、両親の影響ですかね」

赤穂「両親?」

津浦「ワタシの両親は海外に行く事が多かったので、まともにコミュニケーションをとるには言語を勉強しなければいけなかったんです」

津浦「言葉が通じないのは少し怖かったので……何が相手を怒らせるか、何を言われているかというのを考えてしまうと余計に」

赤穂「それが【超高校級の通訳】の始まりか……」

津浦「両親も事故で亡くなって……1人で頑張らないといけませんでしたから」

津浦の怯えはそこも関係してたのかもな……
303 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/15(土) 00:16:56.67 ID:WYrVKhPA0
ここまで。

近々動機発表、事件発生です。
304 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/15(土) 22:57:39.62 ID:WYrVKhPA0
土橋「そういえば誠は【超高校級の幸運】だけど、今までで一番幸運だなって感じた事ってなんなの?」

苗木「そうだなぁ……」

赤穂「部屋でなくした1000円が見つかった事じゃなかったか?」

苗木「あはは……やっぱりそれになっちゃうかな。ボクって本当に平々凡々だから」

土橋「アタシ幸運って聞くとすごいラッキーってイメージだけどそんな事もないんだ」

苗木「先輩達はすごいからね……苗木先輩なんて【超高校級の希望】になっちゃうし」

赤穂「俺の同期もかなりすごい幸運だったな」

噂だと幼なじみと一緒に通うために幸運の座を引き寄せたなんて言われてるし……

土橋「もしかしたら誠もこれから幸運を発揮するのかもしれないし、平々凡々だなんて卑下しなくてもいいんじゃないの?」

苗木「あはは、そうだといいんだけどね……」
305 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/15(土) 23:23:20.25 ID:WYrVKhPA0
キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「オマエラ!至急中央の島に集合!」

モノクマ「ボクからとっても素敵なお話がありまーす!」

赤穂「……!」

モノクマがわざわざ俺達を集めるって事は……

赤穂「新しい動機か……!」

くそっ、今度はいったい何をする気だ……

【中央の島・未来機関第二十支部】

苗木「いったい何の用なんだろう……」

六山「普通に考えたら動機かな……でも前に違う用件でも呼び出されたし」

兵頭「ルール違反者の処罰ですね。静音さんが厨房を……」

四方院「ルール違反?そんな事、ありましたか……?」

土橋「あっ、奏は覚えてないかもね!うん!」

道掛「俺もよく覚えてねえや!だから気にすんなよ奏ちゃん!」

四方院「……えぇ」

四方院さん……あの静音が殺されかけた時の事も、覚えてないのか。
306 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/16(日) 00:36:43.22 ID:Ja9eTyVA0
モノクマ「お待たせー!オマエラみんな集まってるね!」

津浦「っ……!」

グレゴリー「案ずるな言の葉の魔術師」

津浦「は、はい」

佐場木「モノクマ、今度は何を仕掛けてくるつもりだ」

モノクマ「仕掛けるなんて心外だなぁ。ボクは今回オマエラに素敵なお話を持ってきたんだよ?」

如月「あなたにとっての素敵なお話とやらは僕達にとってはろくなものではありませんよね?」

モノクマ「うぷぷ、それはそっちが聞いて決めればいいよ」

遠見「くっ、話とはいったいなんなのでありますか!」

モノクマ「うぷぷ……よーく聞きなよ。ビックリドッキリなニュースだからね」

鞍馬「……」
307 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/16(日) 00:38:09.20 ID:Ja9eTyVA0






モノクマ「オマエラの中に人殺しがいまーす!」






308 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/16(日) 00:53:44.40 ID:Ja9eTyVA0
赤穂「……は?」

俺達の中に、人殺しがいる……

ジェニー「えと……みんな知ってるですよ?」

モノクマ「はぇ?」

如月「人殺しがいる、ですか。僕がいる時点でそれは明白では?」

遠見「自分も戦場では何人も敵を殺したであります……そんなもの動機にならないでありますよ」

俺達は戸惑いを隠せなかった。

人殺しがいる……それはジャスティスジャッジの如月さんや軍人の遠見がいる時点でわかりきっていた事だからだ。

モノクマ「あー、そうだね。確かに如月クンや遠見さんも人を殺してるよね、しかもその手で!」

赤穂「……!?」

今モノクマは何て言った!?

六山「あの……【も】って、何かな?」

モノクマ「おおっと!口が滑っちゃった!」

モノクマ「そうだなぁ、このまま事件が起きないようならさらに口が滑っちゃって名前も出しちゃうかも!」

まさかいるのか?

この中に如月さんや遠見以外にも人を殺してる人間が……!

御影「これが次の動機ってわけ……」

モノクマ「それじゃ、しっかり伝えたからね!」

モノクマ「さあさあ、どうなるかなー?ワックワクのドッキドキだよねー!」
309 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/16(日) 00:54:35.89 ID:Ja9eTyVA0
本日はここまで。

次回事件発生です。
310 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/18(火) 22:19:41.22 ID:sPMEbmsA0
モノクマが消えてから俺達は互いに顔を見合わせてはそらすという行為を繰り返していた。

如月さんや遠見以外に人を殺した人間がこの中にいる。

津浦の恐怖から起きた事件があったばかりの俺達にとって、それは十分動機になりえるものだった。

如月「……なるほど。悪がこの中にいると」

苗木「ちょっ、ちょっと如月クン?まさか……」

如月「僕は悪を見逃すつもりはありません。誰かはっきりした時点で裁きを執行します」

赤穂「……!」

今回コロシアイに乗ると言ったも同然の如月さんの台詞に嫌な汗が流れる。

如月「……と言いたいところですが」

だけど如月さんは首を横に振ると困ったように肩を竦めた。

六山「言いたいところですが?」

如月「今の環境で裁きを執行してしまうと、僕はクロとなり自分と皆さんの命を天秤にかけなければならなくなります」

如月「僕はまだ死ぬわけにはいきませんし、皆さんの命を引き換えにする事は僕の正義に反します」

如月「残念ですが、悪に対する裁きの時間には猶予が与えられるようですね」

道掛「び、びっくりさせんなよ!殺す宣言に聞こえただろ!」

如月「ああ、すみません。少しまわりくどかったですね」

如月さんは、今まで通りコロシアイはしないって事か。

ヒヤヒヤしたな……
311 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/18(火) 22:39:12.26 ID:sPMEbmsA0
津浦「あの……モノクマの言う人殺しって誰の事なんですか?」

グレゴリー「言の葉の魔術師。それを追い求める事はパンドラの箱を開けると同義だ」

津浦「で、でもMr.グレゴリー……ワタシ、やっぱり怖いんです……」

土橋「気にしない方がいいよ琴羽。モノクマの事だからアタシ達って凪や千里も含めますとかやりそうだし」

御影「うわ、すっごくありそう……」

兵頭「ふふふ、それなら薄井さんがモノクマの言う人殺しという事になりますね」

鞍馬「……」

既に死んだ薄井も含めるか……確かにモノクマならやりかねない。

だとしたらこの動機は疑心暗鬼からコロシアイを起こさせるための……
312 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/18(火) 22:55:45.89 ID:sPMEbmsA0
津浦「……で、ですが、そうだとしたらおかしいところが」

御影「何が?」

津浦「モノクマがMr.如月やMs.遠見が人殺しと言った時に……しかもその手でと、言っていました」

グレゴリー「選ばれし者に霊魂たる者達が含まれるならば……ふむ、いささか惑いの言が過ぎるな」

四方院「確かに変な言い回しですわ。しかしそうなると……」

佐場木「つまり津浦。お前は間接的手段での死も含まれていると思っているわけか」

津浦「は、はい」

佐場木「ならば話は簡単だ。人殺しとやらは俺だ」

遠見「さ、佐場木殿!?」

佐場木「俺は何人もの犯罪者に死刑判決を下してきた」

佐場木「間接的という意味なら俺は人殺しという区分に分類されるだろう」

佐場木「つまり津浦、その不安はただの杞憂だ」

津浦「……」

グレゴリー「言の葉の魔術師、闇に飲まれるな。我がいるのだからな」

津浦「はい……」

これで、今回の動機は……なんとかなったのか?
313 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/18(火) 23:24:22.30 ID:sPMEbmsA0
【ショッピングモール】

六山「今回は乗りきれそうだね」カチカチ

赤穂「そうだな……モノクマの狙いがなんにしろ、コロシアイなんて起きないに越したことはないしな」

六山「あっ、ちょっと待っ」

赤穂「おっ、初めて六山に勝った」

六山「はあ……負けちゃった。【超高校級のゲーマー】じゃないからやっぱり負け知らずとはいかないなぁ」

赤穂「【超高校級のゲーマー】……そういえば77期生にいたな」

六山「七海千秋さんでしょ?ゲームソフトのバグ関連の依頼受けた時に名前聞いた事あるよ」

赤穂「やっぱり有名なのか」

六山「うん。ああいう楽しんでゲームしてくれる人がいたからわたしもデバッガーとして頑張れたんだ」

赤穂「……その言い方からして失踪したのも知ってるんだな」

六山「……うん。どこかでゲーム楽しんでくれてたらいいんだけどね」

【超高校級のゲーマー】の失踪……人類史上最大最悪の絶望的事件に巻き込まれたって噂だけど……

だとしたらここにもその爪痕が残ってるって事だよな……
314 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/19(水) 22:16:06.15 ID:vJjGmz6A0
【ホテルミライ・ロビー】

御影「……ねえ、ちょっと聞きたい事があるんだけど」

四方院「なんでしょう?」

御影「静音って、どんな子なの?」

赤穂「おい牡丹……!」

ホテルに入った瞬間聞こえてきた会話に思わず声を出してしまう。

牡丹のやつ、四方院さんに静音の事聞くなんて何考えて……!

四方院「凪の事をお知りになりたいんですの?ふふっ、構いませんわ。赤穂さんもよろしかったら」

赤穂「えっ、あ、ああ」

四方院「さて、そうですわね……凪を一言で表すなら、わたくしの人生の恩人です」

御影「人生の恩人……」

四方院「わたくしは今でこそ【超高校級のフルート奏者】と呼ばれていますが……実はフルートをやめようと思っていた時期があったんです」
315 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/19(水) 22:42:20.55 ID:vJjGmz6A0
四方院「あの頃のわたくしにとってフルートはただやっているだけのものでした」

四方院「大人達が難しい評価をして、年の離れた奏者が妬みを隠さないままお世辞を言う……同年代の子が友達と遊ぶなかでわたくしはひたすら大人に叱責されながら演奏の日々」

四方院「正直疲れはてていましたの。だからそれなりに大きな演奏会で初めて独奏を任された時、わたくしは決めたんです」

四方院「もうフルートを吹くのは最後にしよう……と」

四方院「そんな気持ちのまま控え室で演奏を練習していて……それが一段落した頃」

四方院「凪と、出会いましたの」

四方院「凪はわたくしの演奏を聞いていたようで、はっきりとこう言いましたわ。【すごい!】と」

四方院「それだけと思いますか?ですがわたくしにとってあの凪のたった一言は……大人達の理屈をこねた言葉や他の奏者達の負の感情をこめられた言葉よりも……」

四方院「はるかに尊く、嬉しい言葉だったんです」

四方院「出番が来るまで凪と話して……もっと話をしたい、わたくしのフルートを聞いてもらいたいと思うようになって」

四方院「その頃にはフルートをやめるなんて思っていた事は頭から消えていましたの」

四方院「凪と過ごす時間はわたくしの心を救ってくれました」

四方院「そしてあの子がわたくしの演奏会に指揮者として来て、これからはステージでも一緒だよと言ってくれて」

四方院「あの子がいなければわたくしはきっとフルートをやめていて……本当にあの子はわたくしの……あら?」

御影「涙……出てるよ」

四方院「ふふっ、わたくしもあの子がいないと落ち着かないという事でしょうか……」

四方院「ああ、早くあの子の所に行きたいですわ……」

赤穂「……」

静音は四方院さんをあんなに慕っていたけど……四方院さんの方も静音をこんなに想ってたんだな……
316 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/19(水) 23:40:56.89 ID:vJjGmz6A0
兵頭「鞍馬さんはどんな才能でここにいるんですか?」

鞍馬「……いきなりなんですか」

兵頭「ふふ、だって気になるじゃないですか。あなたと御影さんは才能不明なんですよ?」

鞍馬「……」

兵頭「最初は才能がないのかもしれないと予測しましたけど……そうだとしたらあなたが如月さんと渡り合える説明がつきません」

鞍馬「……」

兵頭「かといって才能があるのならよほどのものでもない限り名前ぐらいは聞くのにそれもありません」

鞍馬「……」

兵頭「全てが謎……あなたは何者なんですか?鞍馬類さん」

鞍馬「……答える義務はありませんね」

兵頭「そうですか。ふふ、答えてくれるとは思ってませんでしたが」

鞍馬「人を探る前に自分の身の振り方を考える方がいいのでは?」

兵頭「はい?」

鞍馬「このままでいるようならあなたは死にますよ」

兵頭「……ご忠告どうもありがとうございます」

赤穂「……何してるんだ」

言い争いと言うほどでもないけど、静かに火花が散ってるぞ……

兵頭「ふふ、なんでもありませんよ」

鞍馬「……」スタスタ

本当に……何を話してたんだ?
317 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/21(金) 23:18:21.39 ID:mPqTqfNA0
【図書館】

グレゴリー「……」

赤穂「グレゴリー?」

グレゴリー「聖痕抱きし英雄か」

赤穂「もう夜になるぞ。コテージに戻った方がいいんじゃないか?」

グレゴリー「もうそこまでの時が経っていたか……」

赤穂「なんだ、本に夢中になってたのか?」

グレゴリー「然り。己が力を高めるためにあらゆる知識を我が物とする事は時の代償が不可欠だ」

赤穂「あんまり根を詰めすぎるなよ?」

グレゴリー「案ずるな、今我が地に伏せば言の葉の魔術師の精神に傷を負わせかねん」

赤穂「……そうだな」

グレゴリー「さて、闇も迫り来ている……我は戻るとしよう」

赤穂「グレゴリー」

グレゴリー「むっ?」

赤穂「今は津浦の事はお前に頼るしかない……だから何かあったら頼るようにしてくれよ」

グレゴリー「ふっ、我も孤独ではないという事か……その言霊、我が血潮としよう」

グレゴリーは津浦の事といい結構無茶するからな……
318 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/21(金) 23:25:13.15 ID:mPqTqfNA0
【赤穂のコテージ】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「夜10時になりました!」

モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」

モノクマ「うぷぷ、また明日……」

赤穂「……」

前みたいに、動機が出されてすぐに何かする人間は出なかったな。

赤穂「このままモノクマの動機をはね除けていけば……」

俺もそのために出来る限りの事をしないとな……
319 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/21(金) 23:26:26.97 ID:mPqTqfNA0






【???】

「……」

「…………」スッ

カタン

「……」ニヤッ

スタスタ……






320 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/21(金) 23:46:23.89 ID:mPqTqfNA0
【9日目】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

赤穂「んっ……」

朝か……牡丹を迎えにいかないとな。

【ホテルミライ・ロビー】

御影「ふああ……」

赤穂「眠そうだな、遅かったのか?」

御影「んー、なんか誰かが夜中出歩いてたみたいでさ……」

赤穂「夜中に出歩いてた?誰がだよ」

御影「知るわけないじゃん。ただコテージ周りの木の床が鳴る音しただけだし」

赤穂「誰かが夜中に……」

……いや、まさか。

そんなはず、ないよな?
321 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/22(土) 00:08:29.63 ID:rUiSvZIA0
【ホテルミライ・レストラン】

苗木「おはよう2人共」

ジェニー「おはようです!」

道掛「おーっす」

赤穂「おはよう……ってあれ?みんなはどうしたんだ?」

苗木「それが……今日これだけしかまだ来てないんだよね」

御影「……えっ」

道掛「奏ちゃんも美姫ちゃんも来ないから俺達で飯作ってたんだけど、なんかおかしくね?」

ジェニー「いつもならハンジやメメも来てるです……」

赤穂「……」

なんだこれ……何かおかしいぞ。

赤穂「ちょっとみんなを起こしてくる!牡丹はここにいてくれ!」

御影「あっ、兄貴!」
322 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/22(土) 00:20:56.03 ID:rUiSvZIA0
【ホテルミライ・コテージ周辺】

佐場木「くそっ、何が起きている……!」

遠見「とにかく今は各人の安否確認であります!」

兵頭「私は本当に……」

如月「これはいったい……」

鞍馬「……」

赤穂「!?」

なんで外から5人が……いや、今はそれどころじゃない!

佐場木「赤穂か!おい、レストランには今何人いる!」

赤穂「俺を入れて5人……牡丹、苗木、ジェニー、道掛だ」

遠見「それだけで、ありますか……!?」

如月「こちらにいるのも5人……いないのは六山さん、グレゴリーさん、津浦さん、土橋さん、四方院さんですか……」

ガチャッ

六山「ふああああ……おはよー。みんな集まって何してるの?」

兵頭「これで4人、ですね」

赤穂「いったい何があったんだよ。なんで佐場木達は外から……」

ピンポンパンポーン…!
323 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/22(土) 00:22:29.05 ID:rUiSvZIA0






モノクマ「死体発見!死体発見!」

モノクマ「捜査タイムの後学級裁判を始めまーす!」






324 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/22(土) 00:30:26.42 ID:rUiSvZIA0
赤穂「!?」

佐場木「死体だと……ちいっ!急いで残りの4人を探すぞ!」

ホテルから出ていく佐場木達を俺も追いかける。

死体発見アナウンスは3人以上の人間が死体を見つけた時に鳴る。

つまり4人の中の誰かが殺されて……それを残りの3人が見つけたって事だ。

いったい誰が。

後ろから来た何人かに追い抜かされて、心臓をバクバクと鳴らしながら……

俺もそこにたどり着いた。
325 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/22(土) 00:34:31.24 ID:rUiSvZIA0






【建物の中は相変わらず暗く、幻想的な空間だった】

【そこにいたのは4人の人間】

【1人は泣き崩れていた】

【1人は呆然と見上げていた】

【1人は床に座り込んでいた】

【そして見上げていた1人の視線の先には……最後の1人がいた】






326 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/22(土) 00:40:57.06 ID:rUiSvZIA0






【超高校級のフルート奏者四方院奏は……】

【なぜか右腕がないまま】

【水族館の中で首を吊られていた】






327 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/22(土) 00:44:19.53 ID:rUiSvZIA0






CHAPT.2【糸絡まりて命絶つ】(非)日常編 END

生き残りメンバー15→14人

NEXT→非日常編






328 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/22(土) 00:45:43.33 ID:rUiSvZIA0
本日はここまでで。

四方院さん退場です。

次回捜査開始します。

それではおやすみなさい……
329 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/22(土) 23:58:42.49 ID:rUiSvZIA0
捜査は3日以内には始めたいと思います。

なお今回の席順は時計回りで

赤穂→ジェニー→四方院→道掛→グレゴリー→御影→遠見→苗木→兵頭→如月→鞍馬→土橋→佐場木→津浦→薄井→六山→静音→赤穂

です。
330 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/24(月) 21:48:29.75 ID:opdhhwbA0






CHAPT.2【糸絡まりて命絶つ】非日常編






331 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/24(月) 22:16:08.72 ID:opdhhwbA0
赤穂「……」

首を吊られている四方院さん……

結局彼女は、静音の死を受け入れられないまま……殺されてしまった。

佐場木「……くそっ!」

遠見「……」

御影「静音の所に帰るんじゃなかったの……なんで、こんな……」

赤穂「牡丹……」

モノクマ「ある意味ではよかったじゃない!望み通り静音さんに会いに逝けてさ!」

苗木「モノクマ……!」

道掛「出やがったな!」

モノクマ「さてさて、オマエラが呑気にしてる間にまたコロシアイが起きてしまったわけですが」

モノクマ「ここからはのんびりしてらんないよ!捜査タイムは有限なんだからね!」

モノクマ「というわけで!ザ・モノクマファイル2ー!」

モノクマ「うぷぷ!次はどんな本性が明るみになるのかな?」

モノクマ「アーハッハッハッハッハ!」

六山「本性……」

如月「下らない戯れ言ですね……」

赤穂「……」

本性……それを隠して四方院さんを殺した人間。

俺達は……暴き出さないといけないんだ。


     【捜査開始】
332 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/24(月) 22:43:13.23 ID:opdhhwbA0
赤穂「モノクマファイル……今回は何が書いてあるんだ?」

【被害者は四方院奏。
死因は首を絞められた事による窒息死。
被害者は右腕を二の腕から鋭利な刃物で切断されている】

赤穂「……」

なんだこのモノクマファイル……

死亡推定時刻はともかく……死体発見現場まで書かれてない?

赤穂「水族館なのはわかりきってるのに……なんでだ?」

コトダマ【モノクマファイル2】を手に入れました。
〔被害者は四方院奏。
死因は首を絞められた事による窒息死。
被害者は右腕を二の腕から鋭利な刃物で切断されている〕
333 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/24(月) 23:10:11.45 ID:opdhhwbA0
佐場木「遠見、今回も見張りは任せる」

遠見「了解であります」

道掛「じゃあ俺もまた見張りするぜ!」

佐場木「……今回は勘違いなどしないようにしっかり見張れよ」

道掛「おう、任せとけ!」

佐場木「……とにかくまずは死体を降ろす。苗木、手伝え」

苗木「えっ、あっ、うん!」

水槽の横にある梯子を登って佐場木が四方院さんを吊るすロープの側まで行く。

俺も手伝いたかったけど、この足だと上には行けそうにない……

佐場木「……この水槽は中に梯子があるタイプか。その梯子にロープは結ばれているようだな」

佐場木がロープをほどくと、四方院さんの身体がゆっくりと下に降りてくる。

苗木「っ……だ、大丈夫だよ佐場木クン」

佐場木「今戻る。誰も触らせるなよ」

佐場木は戻ってくると四方院さんの死体を調べ出した……俺も気になる所は調べないとな。
334 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/24(月) 23:39:25.03 ID:opdhhwbA0
赤穂「やっぱり気になるのは……右腕だよな」

四方院さんのいつも着ているドレスの右腕部分には本来あるべき右腕がなく、血が袖に滲んでいた。

佐場木「鋭利な刃物……骨の切断面から見て鋸辺りを使ったようだな」

赤穂「だけどなんで右腕を切ったりしたんだ。それにその右腕はいったいどこに……」

佐場木「目的は不明だが、どこにあったかは兵頭が知っている」

赤穂「兵頭が?」

佐場木「ふん、それは兵頭に聞け……索条痕はロープと一致している以上凶器はこのロープと考えていいだろう」

遠見「佐場木殿、吉川線がないようでありますが?」

赤穂「吉川線……抵抗の跡だったよな」

佐場木「そうだ。必ずつくという物でもないが……気にはしておくべきだな」

抵抗の跡がない……か。

コトダマ【四方院の右腕】を手に入れました。
〔四方院の死体は右腕が切断されていた。
右腕は水族館内にはないようだが兵頭が何かを知っているらしい〕

コトダマ【四方院の死体】を手に入れました。
〔四方院の首にある索条痕は吊るすのに使用されたロープと一致していた。
抵抗の跡はないようだが……〕
335 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/25(火) 00:20:46.94 ID:MuJfQqUA0
佐場木「四方院の死体に関しては最低限の事はわかった。そろそろ話を聞かせてもらおうか」

佐場木の視線の先にはグレゴリー、津浦、土橋。

今回死体を発見した3人……そもそもこの3人はなんでこんなところにいるんだ?

グレゴリー「我は昨夜の丑三つ時、何者かに襲撃を受けた。目を覚ました時……優雅なる笛吹きが命絶たれていたのを見つけたのだ」

津浦「ワタシもMr.グレゴリーと同じ頃に……コテージを訪ねてきた誰かに襲われて……気がついた時にMs.四方院の……死体を発見して……」

土橋「アタシは、朝ご飯を作りに6時頃コテージを出たら襲われて……気付いたらここにいたんだ。奏の死体を見つけた時は泣き叫んじゃって……」

俺が死体を見つけた時、立ち尽くしていた津浦、泣いていた土橋、座り込んでいたグレゴリー……

襲われたっていうけど……本当ならなんで犯人はそんなことを?

コトダマ【死体を発見した3人】を手に入れました。
〔水族館で死体を発見したグレゴリー、津浦、土橋。
グレゴリーと津浦は午前2時頃、土橋は午前6時頃襲われたらしい〕

コトダマ【死体発見時の3人】を手に入れました。
〔赤穂が死体を見つけた時グレゴリーは座り込んでいた。
津浦は立ち尽くしていた。
土橋は泣いていた〕
336 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/25(火) 00:22:09.29 ID:MuJfQqUA0
本日はここまで。
337 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/28(金) 22:35:29.16 ID:DX6GGIWA0
佐場木「赤穂、話がある」

赤穂「んっ?」

佐場木「グレゴリー、津浦、土橋の3人はこのままここに留まらせる」

赤穂「いいのか?捜査に割く人数が足りないぞ」

佐場木「しかしあの3人をこのまま外に出すわけにはいかん」

赤穂「……容疑者だからか?」

佐場木「そうだ。そのためにお前にいくつかの場所の捜査を任せる」

赤穂「なんで俺なんだ?俺も容疑者には変わりないぞ」

佐場木「ふん、お前は水槽の上に行けない。四方院を吊るせない以上最もクロから遠い男だ」

赤穂「よくわかったな……お前には話してないのに」

佐場木「四方院を降ろす時にお前が前に出ようとして躊躇ったのを見たからな」

赤穂「……」

よく見てるんだな……

赤穂「だけどこの足だぞ?捜査しきれるかどうか……」

佐場木「それに関しては問題ない。足をつける」

足?
338 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/28(金) 23:02:36.88 ID:DX6GGIWA0
道掛「いよっしゃあ!乗れよ赤穂!全部調べ尽くしてやろうじゃねえか!」

赤穂「あ、ああ」

俺が肩に掴まったのを確認すると道掛は自転車のペダルを強くこぎ出した。

道掛「佐場木もよくわかってるよな!俺の足が捜査に必要だなんてよ!」

赤穂「……」

佐場木は道掛が見張りの役に立たないから一番役立つ役割を振ったって言ってたけどな……

道掛「それでどこ行くんだ!」

赤穂「ショッピングモールだ!四方院さんの腕を切り落とした道具があるはずだからな!」

道掛「ショッピングモールか!よし、1分で連れていくぜ!」
339 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/28(金) 23:20:17.21 ID:DX6GGIWA0
【ショッピングモール】

赤穂「……」

道掛「うおっ!?こりゃ……」

ショッピングモールの工具売り場に無造作にそれは置かれていた。

赤穂「血塗れの鋸にブルーシート……四方院さんを運んだらしい台車やハンマーもあるな」

道掛「わけわかんねえ、こんなもん使ってまでなんで奏ちゃんの腕切ったんだよ……!」

確かに四方院さんの腕を切った理由はわからないんだよな……

コトダマ【ショッピングモールの工具】を手に入れました。
〔ショッピングモールに置かれた鋸、ハンマー、ブルーシート、台車。
いずれも血が付着しており四方院の腕を切るのに使用したと思われる〕

コトダマ【腕を切った理由】を手に入れました。
〔犯人はわざわざ台車で四方院をショッピングモールから水族館まで運んだようだ。
そこまでして四方院の腕を切った理由は不明〕
340 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/28(金) 23:57:37.49 ID:DX6GGIWA0
赤穂「……」

ないな……

道掛「何探してんだ?」

赤穂「ロープだよ。四方院さんを吊るしてたロープもここにあるかと思ったんだけどな……そもそもここにはロープ自体がないみたいだ」

道掛「じゃああのロープはどこにあったんだよ」

赤穂「それはまだわからない。だけど外から持ち込めない以上、どこかにあるはずだ」

ロープの出所……いったいどこなんだ?

コトダマ【ロープ】を手に入れました。
〔四方院を吊るすのに使用されたロープ。
ショッピングモールにはない物〕
341 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/29(土) 00:42:13.01 ID:oMe5Ef5A0
道掛「次はどこ行くんだ?」

赤穂「兵頭を探そう。佐場木が言うには図書館を調べてるみたいだな」

道掛「よっし!それじゃあ次は図書館だな!」

【図書館】

兵頭「……」

如月「ふむ、痕跡はありませんね」

赤穂「如月さんもいたのか……」

道掛「よーっす!」

如月「おや、お2人も来ましたか」

赤穂「兵頭、佐場木から聞いたんだけど四方院さんの切られた右腕について何か知ってるか?」

兵頭「……ありましたよ」

道掛「あったって奏ちゃんの腕がか!?どこだよ千ちゃん!」

如月「兵頭さんによると……この図書館のようです」

赤穂「は?」

図書館に……四方院さんの腕が?

兵頭「私は6時半ごろこの図書館に来ました。その時確かに見たんです」

兵頭「図書館のテーブル……ちょうど道掛さんが手をついてるそれの上に置かれた人の腕を」

道掛「ぬおわぁっ!?」

兵頭「さすがにそのままには出来ませんから……急いで如月さんのコテージに行ってその事を伝えました」

如月「話を聞いて僕が図書館に行こうとしたその時ですね。佐場木さんと遠見さん、鞍馬さんがコテージから出てきたのは」

だから朝にいなかったのか……

赤穂「それでその腕は今どこに?」

兵頭「……わかりません」

如月「なかったんですよ」

赤穂「なかった?」

兵頭「確かにあったはずなのに、図書館にあった腕は……」

兵頭「跡形もなく消えていたんです」

腕が消えた……!?

如月「調査はしましたが何もなく……7時頃にまずは安否確認をしようという話になってコテージに戻ってきたんですよ」

兵頭が図書館で見た腕……だけど人を連れて戻ったら消えていた……

これはいったい……

コトダマ【兵頭の目撃】を手に入れました。
〔兵頭は6時半ごろ図書館で人の腕を見た。
しかし人を連れて戻った時にはその腕は消えていた〕

コトダマ【図書館の捜索】を手に入れました。
〔兵頭の目撃後図書館は佐場木、如月、遠見、鞍馬、兵頭の5人で7時まで調査を行ったようだ〕
342 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/29(土) 00:47:37.30 ID:oMe5Ef5A0
今日はここまで。
343 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/29(土) 23:30:37.64 ID:oMe5Ef5A0
赤穂「腕の話は聞いたし、次はどこに……って」

道掛「あいててて……」

赤穂「何してるんだよ道掛……」

道掛「さっき千ちゃんに驚かされて本棚に突っ込んじまったんだよ」

兵頭「私のせいだなんて心外です」

如月「大丈夫ですか道掛さん」

道掛「サンキュー。あー、本が散らばっちまったな」

赤穂「モノクマに何言われるかわからないし戻しといた方がいいな」

――――

赤穂「……1冊足りないな」

道掛「マジかよ!どこ行っちまったんだ!」

如月「元々なかったのでは?散らばったとはいえ、そこまで遠くに行くとも思えません」

兵頭「ここは……色々な事件やスキャンダルを扱うゴシップ誌のあった棚ですね。いったい誰が持っていったのやら」

ゴシップ誌か……事件には関係なさそうだな。

コトダマ【消えたゴシップ誌】を手に入れました。
〔図書館にあったゴシップ誌が1冊消えていた〕
344 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/29(土) 23:59:17.32 ID:oMe5Ef5A0
【ホテルミライ・コテージ近辺】

赤穂「グレゴリー達のコテージに何か手がかりがあればいいんだけどな……」

道掛「つっても俺達が起きた時には何もなかったぜ」

御影「あっ、兄貴」

鞍馬「……」

道掛「おっ、前に勝負した時の4人が揃ったな!」

赤穂「そういえばそうだな……牡丹は何か見つけたか?」

御影「それが被害者はともかく他のコテージは開けられないって言われちゃってさ」

道掛「んん?なんでだ?もしかしたら犯人が一発でわかる証拠あるかもしんねえのに」

鞍馬「……だからですよ」

御影「さっさと犯人がわかったらつまらないから、被害者以外のコテージ調べるのは出来ないんだってモノクマが」

赤穂「悪趣味だな……それじゃあ四方院さんのコテージは調べたんだな?」

御影「まあね。それでこんなのがあったよ」

赤穂「これは……手紙?」

【同封した本を持って水族館に来てほしい。
待ってるよ奏。
静音凪】

道掛「は!?」

赤穂「静音凪……なるほどな」

四方院さんを呼び出すのにこれほど効果的な名前はない……

鞍馬「何者かが静音凪の名前を使い四方院奏を呼び出した。そう見ていいでしょう」

つまりこの手紙の差出人が……犯人なのか?

コトダマ【呼び出しの手紙】を手に入れました。
〔四方院を水族館に呼び出したと見られる手紙。
定規を使用したのか筆跡は特定不可能。
内容は【同封した本を持って水族館に来てほしい。
待ってるよ奏。
静音凪】〕

345 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/10/30(日) 01:01:10.88 ID:ZJm/DSUA0
【ホテルミライ・ロビー】

六山「んー……?」

道掛「あれ?百夏ちゃんもこっち来てんのか?」

赤穂「何か探してるみたいだな……六山」

六山「あー、ちょうどいいところに来た」

赤穂「ちょうどいいって何がだ?」

六山「2人にも確認してほしいんだけど。ロビーのここら辺にさ、グレゴリーくんの発明あったよね?」

道掛「あれ?そういやあの気持ち悪い腕がなくなってんな」

赤穂「……ああ、あの津浦に使わせようとしてた腕か」

六山「あの後グレゴリーくんが誰でも使えるようにってここに置いてたんだけど……」

赤穂「それがなくなってる、か」

グレゴリーのあの腕の発明が消えた……気になるな。

コトダマ【第3の腕】を手に入れました。
〔グレゴリーが設計したリアルな腕の形をしたもの。
ロビーに置いてあったがなくなっていた〕
346 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/11/08(火) 23:53:39.59 ID:KlI9k1pA0
明日から再開します
347 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/11/10(木) 04:30:19.59 ID:FpCsru2A0
寝落ちしてしまいました……
今日は出来ないので明後日からの再開になります。
本当に申し訳ありません。
348 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/11/12(土) 00:20:18.16 ID:hlL2pNkA0
【水族館】

佐場木「戻ったか。捜査の結果を聞かせてもらおうか」

【佐場木に捜査結果を伝えました】

佐場木「なるほどな……こちらもあれからわかった事がある」

佐場木「凶器のロープだが……これはこの水族館に元々あるものだとわかった」

赤穂「元々?」

佐場木「水槽の近くにある緊急時の物品が入った箱が空だった。箱の内側にはロープの使用に関する注意が記されていた事、他の箱を調べた結果ロープが入っていた事から間違いないだろう」

赤穂「それじゃあ犯人はわざわざ呼び出しておきながらその場にある、しかも吊るすのに使えるような長いロープを凶器にしたのか?」

佐場木「凶器から特定されないためにその場の物を使うのは珍しい話ではない。しかし疑問もある」

赤穂「疑問?」

佐場木「その箱には同じく緊急時に使用すると思われるナイフが入っていた」

赤穂「ナイフ……」

佐場木「他の箱ではロープの下にあった物だ。もしかすると犯人は……ナイフに気付かずロープを使った可能性があるな」

犯人がナイフに気付かなかった……わざわざ手紙を使って水族館に呼び出したのにか?

コトダマ【ロープ】をアップデートしました。
〔四方院を吊るすのに使用されたロープ。
水族館に緊急時のために置かれていた物〕

コトダマ【凶器の選択】を手に入れました。
〔犯人はロープと同じ箱に入ったナイフを使わず、ロープを凶器に使用した。
犯人はナイフの存在に気付かなかった可能性がある?〕
349 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/11/12(土) 01:12:07.72 ID:hlL2pNkA0
ジェニー「ミキ……大丈夫です?」

土橋「うん……ありがとねジェニー」

赤穂「土橋、ちょっといいか」

土橋「あ、政城……」

赤穂「土橋は他の2人と違って6時頃襲われたんだよな?」

土橋「そうだよ。後ろからいきなり殴られて……気がついたら水族館にいたんだよ」

赤穂「目を覚ました時何かあったか?」

土橋「そうだね……あたしは悲鳴に起こされて……琴羽が立ち尽くしてて視線を追ったら……」

土橋「奏が吊るされてるのを、見つけて……アナウンスが鳴って……」

ジェニー「ミキ……」

赤穂「わかった。ごめんな、辛い事聞いて」

土橋「ううん、アタシは大丈夫だから……」

コトダマ【土橋の証言】を手に入れました。
〔6時頃襲われた土橋は津浦の悲鳴で目を覚ました。
目を覚ますと津浦が立ち尽くしており、そこで四方院の死体を発見、死体発見アナウンスが鳴ったようだ〕
350 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/11/12(土) 01:51:18.33 ID:hlL2pNkA0
グレゴリー「なぜ此度の死神は我らをこの舞台に召喚したのだ……」

津浦「……」

グレゴリーと津浦……土橋を含めたこの3人がなんで目撃者に選ばれたのかは確かに謎だよな……

赤穂「2人は2時頃襲われたんだよな」

グレゴリー「然り。首元に一撃を加えられ、意識を刈り取られた……その痕跡もある」

確かに首元に痕があるな……

津浦「ワタシも頭を……」

赤穂「……なんで2人はそんな時間にチャイムを鳴らした相手に反応したりしたんだ?」

グレゴリー「その刻に訪れると記された文が我が神殿に捧げられていたからな」

津浦「ワタシもです……Mr.グレゴリーからの手紙だったので、油断していました……」

グレゴリー「なに?言の葉の魔術師、我は文など送っていないぞ……!」

津浦「はい、今なら犯人からの偽物だとわかります……」

また手紙か……

赤穂「現物とか持ってないか?」

グレゴリー「我のは神殿に安置されているはずだ……」

津浦「ワタシもですね……」

赤穂「やっぱりそうか……」

コテージが調べられない以上、手紙を調べるのは不可能か……

コトダマ【グレゴリーと津浦の証言】を手に入れました。
〔グレゴリーと津浦は深夜にコテージを訪ねるという手紙をコテージに送られていた。
津浦の手紙はグレゴリーからのものに偽造してあったらしい。
グレゴリーは首元を殴られ、現在もその痕跡が残っている〕
351 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/11/15(火) 21:17:38.35 ID:6IfqBgiA0
赤穂「……んっ?」

道掛「おっ、どうかしたのか?」

赤穂「今水槽の中に何かあったような……」

道掛「水槽の中?よっしゃ、ここはこの俺が潜って見てきてやるぜ!」

佐場木「やめておけ。そこは鮫の水槽だ」

道掛「マジか!?」

佐場木「ふん、しかし何かあったというのは気になるな……」

ジェニー「ボクが行ってくるです!」

道掛「お、おいおい大丈夫かよ!」

ジェニー「大丈夫です!もうここのみんなとは仲良くなったです!」

赤穂「仲良くなったって……」

ジェニー「それじゃあ、ちょっと待っててくださいです!」

…………

ジェニー「行ってくるです!」

ジェニーが潜って水槽の底に向かっていく。

それを俺達は水槽の外から、何かあった時のために遠見と佐場木は上にある水槽の入口から見ていた。

赤穂「ジェニー……」

俺の心配をよそにジェニーは順調に進む。

時々近寄る鮫がいてもジェニーを襲ったりはせず、むしろなついているようにさえ見えた。

ジェニー「……」

赤穂「そろそろだな……」

ジェニー「……!」

道掛「なんだ?なんかジェニーちゃん慌ててね?」

佐場木「……」

遠見「戻ってきたであります!」

ジェニー「ぷはあっ!うっ、あっ……」

赤穂「どうしたジェニー!何があったんだ!」

ジェニー「ゆ、ゆ、指……」

ジェニー「指が、沈んでたです……」
352 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/11/15(火) 21:31:23.31 ID:6IfqBgiA0
道掛「指ぃ!?」

佐場木「遠見!」

遠見「わかってるであります!」

ジェニーと入れ替わりに飛び込んだ遠見がものすごいスピードで底に向かう。

そして戻ってきた遠見の手には小さく細いモノが握られていた。

遠見「人……それも女性の指で間違いないであります」

佐場木「四方院のものか」

遠見「おそらく。それとこの指……鮫が食い散らかした残りかと」

道掛「うげっ……!?」

ジェニー「ひうっ……」

赤穂「犯人は切った腕を鮫に処理させたのか……」

遠見「処理させた後痕跡をわかりにくくするためか、あらかじめ骨まで砕いてあったであります。事実底には白い骨らしき破片が散らばっていたでありますよ」

佐場木「この指が残っていたのは……奇跡と言う他ないな」

腕を切って、図書館に置いて、鮫の水槽に沈めた……

犯人は本当に何のためにこんな事をしたんだ……

コトダマ【水槽の指】を手に入れました。
〔鮫の水槽に沈められていた女性の指。
四方院のものと思われる。
指は鮫に食い散らかされた残りのようで、骨は砕かれていた〕
353 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/12/01(木) 23:01:15.90 ID:FmVabFFA0
キーンコーン、カーンコーン…

モノクマ「さーてそろそろ始めようか?」

モノクマ「命懸けの学級裁判を!」

モノクマ「オマエラ中央の島に集合してくださーい!」

ブツン!

赤穂「……」

捜査は終わりか……だけどまだ犯人を絞り込む何かが足りない気がする……

赤穂「……」

何でもいい、何かないのか……!

ジェニー「あ、あのマサキ……」

赤穂「どうしたんだジェニー?」

ジェニー「指でパニックだったから言えなかったですけど……こんなのが指の近くにあったです」

ジェニーが見せてきたのはグシャグシャになった紙。

濡れて文字が滲んでしま、何が書いてあったかわからなくなっているその紙にはかろうじて読める文字はたった3つ。

赤穂「……【クープ】?」

この紙、もしかして……

赤穂「ジェニー。この紙の事、ちょっとみんなには黙っててくれないか?」

ジェニー「えっ?」

赤穂「もしかしたら犯人を見つけられるかもしれないんだ、頼む」

ジェニー「……わかったです!前にボクを助けてくれたマサキを信じるです!」

赤穂「ありがとうな」

……後は、学級裁判の議論で見つけるしかない。

真実を。

コトダマ【紙切れ】を手に入れました。
〔四方院の指の近くに沈んでいたのをジェニーが見つけた物。
滲んで文字はほとんど読めないが【クープ】という文字だけは読み取る事が可能。
この紙の存在は赤穂とジェニーしか知らない〕
354 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/12/01(木) 23:16:54.00 ID:FmVabFFA0
【中央の島・未来機関第20支部】

モノクマ「おっそーい!」

赤穂「この足だから仕方ないだろ……みんなは?」

モノクマ「もう行ったよ!2人が来ないと始められないんだからさっさと行った行った!」

ジェニー「は、はいです!」タタタッ

モノクマ「ほら、赤穂クンも早く!」

赤穂「……わかってる」

モノクマも消えて1人残された俺は裁判場に続くエスカレーターに乗る。

赤穂「……」

【超高校級のフルート奏者】四方院奏。

俺達を引っ張っていた彼女は大切なパートナーである静音を殺された挙げ句、今度は自分自身が殺されてしまった。

どうして殺されたのが彼女だったのか?

どうして犯人は彼女の腕を切り落としたのか?

それはまだわからない。

ただ1つ言えるのは……

ガチャン
355 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/12/01(木) 23:45:09.13 ID:FmVabFFA0
【学級裁判場】

モノクマ「やっと全員揃ったね!」

モノクマ「全く団体行動ぐらいきちんとしてくれないと困るよ!」

モノクマ「ボクの知り合いにもそんな……ってそんなのはどうでもいいんだよ!」

モノクマ「ほら遅刻者はさっさと席に行けー!」

モノクマに促されて自分の席に立つ。

周りを見渡せばみんなも思い思いの表情を浮かべていた。

六山「はぁ……また来ちゃったね」カチカチ

ジェニー「……カナデ」

道掛「絶対犯人は見つけてやるぜ……!」

遠見「……」

この中にいる。

佐場木「あの薄井を見て犯行に及ぶ……この事件は……」

グレゴリー「くっ……傷が痛むか」

津浦「怖い、ですね……」ガタガタ

土橋「なんでアタシだったの……」

御影「せめて向こうで再会しなよ……」

四方院さんを殺してその腕を切り落とした犯人が。

兵頭「ふふっ、またあの投票が……」

苗木「どうしてあんな事になったのかな……?」

鞍馬「……」

如月「……全ては正義の名の下に」

わからない事だらけの学級裁判。

だけど見つけなきゃ……

赤穂「……」グッ

俺達は死ぬしかないんだ。
356 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/12/01(木) 23:56:32.98 ID:FmVabFFA0
明日学級裁判に入ります。
先月はまともな更新が不可能でしたがこれからは少しは安定して再開出来ると思います。

それでは。
357 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/12/02(金) 23:21:14.81 ID:3Eqs1zjA0
・コトダマ一覧表

【モノクマファイル2】>>332

【四方院の右腕】
【四方院の死体】>>334

【死体を発見した3人】
【死体発見時の3人】>>335

【ショッピングモールの工具】
【腕を切った理由】>>339

【兵頭の目撃】
【図書館の捜索】>>341

【消えたゴシップ誌】>>343

【呼び出しの手紙】>>344

【第3の腕】>>345

【ロープ】アップデート版
【凶器の選択】>>348

【土橋の証言】>>349

【グレゴリーと津浦の証言】>>350

【水槽の指】>>352

【紙切れ】>>353

再びの惨劇は四方院奏の命を奪い去った。
切られた腕、目撃者の存在……数多くの不可解な行動は学級裁判を混迷の渦へと導いていく。
全ての糸をほどいた先にある真実とは……


     【学級裁判開廷!】
358 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2016/12/02(金) 23:58:03.73 ID:3Eqs1zjA0
モノクマ「はいはい、それでは学級裁判の説明をしまーす!」

モノクマ「学級裁判ではオマエラに誰が犯人かを議論してもらいます!」

モノクマ「その結果は投票によって決定され、正しいクロを指摘できればクロがおしおき」

モノクマ「ただし間違えたら……クロ以外の全員がおしおきされ、クロは自由の身となるのです!」

佐場木「今回の事件は不可解な点が多い。1つずつ潰していくぞ」

津浦「お言葉ですがMr.佐場木……その必要はありません」

佐場木「どういう意味だ」

津浦「犯人は1人しかあり得ません!」

遠見「1人、でありますか?」

津浦「Mr.如月!あなたです!」

如月「……僕ですか?」

津浦「あんな惨い殺し方……あなた以外に出来るはずがありません!」

赤穂「……」

如月さんが四方院さんを殺した?

いや……それはないはずだ。
359 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/01/01(日) 23:42:50.92 ID:JRCFVSQA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【図書館の捜索】
【兵頭の目撃】
【四方院の右腕】


津浦「犯人はあなたですMr.如月!」

>如月クンが四方院さんを……?

如月「僕は犯人ではありませんよ」

佐場木「そこまで言うからには根拠があるんだろうな?」

津浦「今回の動機は人を殺した人間がいる……」

津浦「そしてその人間を殺すとMr.如月は明言していました」

確かに……<

津浦「何よりあんな残酷な殺害方法を取るのは殺人鬼であるMr.如月以外にあり得ません」

津浦「【今回の事件は全てMr.如月が引き起こしたんです!】」

如月さんが四方院さんを殺した……

だけど少なくとも如月さんには出来ない事があるはず。

それを津浦に示すんだ!
360 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/01/02(月) 00:37:41.79 ID:HufJAAzA0
【図書館の捜索】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「いや、如月さんに今回の犯行は不可能だ!」

津浦「なんでですか!」
赤穂「今回の事件、如月さんには出来ない事があるんだよ」

道掛「出来ない事?わかったぜ、実は如月は虫も殺せねえんだな!?」

苗木「そ、それはないんじゃないかな……?」

赤穂「如月さんは四方院さんの死体が見つかる少し前まで兵頭に呼ばれて佐場木達と図書館を調べてたんだ」

六山「図書館?四方院さんが見つかる前に何かあったの?」

兵頭「腕です」

御影「は?腕?」

兵頭「図書館に腕があったんです」

土橋「な、なにそれ……」

グレゴリー「……それはやはり優雅なる笛吹きのものか?」

兵頭「わかりません。私はそれを見つけてすぐ図書館から出ていって……戻った時には腕は消えていたので」

如月「兵頭さんは僕に知らせにコテージまで来てくれました」

遠見「自分や佐場木殿もそれに合流して図書館を調べたでありますよ」

赤穂「腕が消えていたなら犯人は兵頭が図書館から消えた後に腕を片付けたって事になる」

赤穂「だけど如月さんは兵頭が戻った時には既にコテージにいた」

赤穂「如月さんが犯行を行うのは時間的に無理があるんだ!」
361 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/01/29(日) 22:30:59.97 ID:PhvnaZxA0
津浦「……」

如月「津浦さん。確かに僕は犯罪者とはいえ人を殺しています、そこを否定はしません」

如月「しかし四方院さんは犯罪者ではない。そして僕は犯罪者以外を裁くような真似はしません」

如月「理解していただけると、ありがたいのですが」

津浦「ひっ……ご、ごめんなさいっ……」

如月「……まいりましたね」

佐場木「これが貴様の行動の結果だ。とにかくこの殺人鬼が犯人ではないと仮定して議論を進めるぞ」

六山「あっ、それじゃあ気になる事があるんだけどいいかな?」

苗木「気になる事?」

佐場木「いいだろう、話してみろ六山」
362 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/01/29(日) 22:51:37.87 ID:PhvnaZxA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【呼び出しの手紙】
【グレゴリーと津浦の証言】
【土橋の証言】

六山「あのね、四方院さんはリーダーもやってたしこの中だと頭がいい方だと思うんだ」

六山「静音さんが殺された後も脱出のための調べものとかはしてたし」

御影「まあ……静音が死んだのは認められなかったみたいだけどね」

六山「そんな四方院さんを犯人はどうやって水族館に呼び出したのかな?」

六山「普通なら警戒すると思うんだけど……」

土橋「アタシ達みたいに〔襲われた〕んじゃないの?」

兵頭「〔コテージで殺害された〕可能性もあるのでは?」

グレゴリー「己が意思に基づいて水の都に向かったのではないか?」

御影「……〔呼び出しにどうしても応じるしかなかった〕んだよ」
363 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/01/29(日) 23:25:05.04 ID:PhvnaZxA0
〔呼び出しにどうしても応じるしかなかった〕←【呼び出しの手紙】

赤穂「それが正しいはずだ!」


赤穂「牡丹の言う通り、四方院さんはその呼び出しに応じる以外の選択肢はなかったはずだ」

六山「どういう事かな?」

赤穂「四方院さんのコテージには呼び出しの手紙があったんだよ」

苗木「だけど呼び出しだけならやっぱり警戒するんじゃ……」

赤穂「その差出人が、静音凪じゃなかったら四方院さんも警戒しただろうな」

土橋「ちょ、ちょっとそれ……どういう事なの?」

御影「そのまんまの意味、四方院を呼び出した手紙は静音からのものだったんだよ」

グレゴリー「馬鹿な!鎮魂の指揮者は魂の状態から優雅なる笛吹きと接触したと言うのか!」

赤穂「当然犯人が静音の名前を騙ったんだろう……だけど四方院さんからしたらいてもたってもいられなかったはずだ」

遠見「四方院殿の静音殿への感情を考えたら、当然でありましょうな……」

犯人もそれをわかっていながら静音の名前を使った。

いったいどんな考え方をすればそんな事が出来るんだ……?
364 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/02/27(月) 20:48:56.82 ID:BxmJl2SA0
佐場木「犯人は静音の名を使い四方院を水族館に呼び出した」

兵頭「そこで四方院さんを殺害した犯人は右腕を切り落として図書館に……」

土橋「確か水族館にはナイフがあったし、それで切ったのかな?」

赤穂「いや、それは違うぞ」

四方院さんの腕を切ったのは水族館のナイフじゃなくて……
365 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/02/27(月) 21:15:39.69 ID:BxmJl2SA0
【ショッピングモールの工具】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「四方院さんの腕を切ったのに使ったのは水族館のナイフじゃなくてショッピングモールの工具だ」

道掛「ショッピングモールには血のついたハンマーとか鋸とかあったのを見たぞ……」

ジェニー「何でそこまでしてカナデの腕を……?」

遠見「それはわからないでありますが……何らかの意図があったのは間違いないであります」

津浦「図書館に置いておいたのですから……誰かに見せつけるのが目的だったのでは?」

兵頭「それを私が発見したと……」

グレゴリー「しかしそのためにわざわざ水の都で殺めた優雅なる笛吹きを転移させたというのか?」

赤穂「……」

四方院さんの腕を切った理由、今の俺にはなんとなくわかってる。

だけど……

鞍馬「……やめておく事ですね」

赤穂「えっ?」

鞍馬「……」

鞍馬……?
366 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/02/27(月) 21:31:53.50 ID:BxmJl2SA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【腕を切った理由】
【ロープ】
【四方院の死体】

御影「犯人は四方院の腕をショッピングモールで切り落とした……」

兵頭「なんのためにそんな事をしたのかは不明ですか」

如月「しかし犯人にとっては必要な事だったのは確かですね……」

六山「うーん……今回の犯人はよくわからないよね」

苗木「わかってるのは【ショッピングモールで凶器や切り落とす道具を用意した】事と……」

津浦「【手紙でMs.四方院を呼び出して】いるのですから計画性があったというところでしょうか?」
367 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/02/27(月) 21:46:23.76 ID:BxmJl2SA0
【ショッピングモールで凶器や切り落とす道具を用意した】←【ロープ】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「いや、凶器のロープはショッピングモールにあったものじゃない」

苗木「えっ、そうなの?」

佐場木「あのロープは元々水族館にあった。緊急時に使う物としてな」

土橋「そうそう、ナイフがあった箱にセットで入ってたはずだよ」

グレゴリー「ほう、そうであったなら優雅なる笛吹きを殺めた死神はその手段に刃ではなく縄を選んだというのか」

津浦「そういう事になりますね……」

それに関しては佐場木が推理してたよな……
368 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/03/27(月) 22:57:59.42 ID:4o/xoKYA0
【凶器の選択】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「犯人はもしかするとナイフの存在に気付かなかったのかもしれない」

道掛「気付かなかったってそんなのありえんのか?」

佐場木「ロープの下にナイフは入っていた。あり得ない話ではない」

佐場木「最も、何らかの意図があった可能性も否めないがな」

遠見「うーむ……意図があるように見えて行き当たりばったりにも見える……」

遠見「六山殿の言う通り、今回の犯人は雲を掴むようにわからない存在でありますな」

御影「でもさ、今まで出た事とあった事を照らし合わせたら案外犯人は絞れそうじゃない?」

赤穂「そうだな……一度まとめてみるか」
369 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/03/27(月) 23:17:04.70 ID:4o/xoKYA0
苗木「えっと、まず犯人は四方院さんを手紙で水族館に呼び出したんだよね?」

如月「えぇ、そして四方院さんを水族館にあったロープを使い絞殺した」

遠見「その後犯人はショッピングモールの道具を用いて、四方院殿の腕を切り落としたのでありますね」

グレゴリー「その前後、我と言の葉の魔術師は惨劇の園へ導かれたわけか」

土橋「それで朝にアタシも襲われて連れてかれたんだよね……」

兵頭「さらに犯人は図書館に切り落とした腕を置いて私に目撃させたわけですが」

津浦「そして犯人はMs.兵頭が図書館からいなくなった後に腕を持って……その腕をどうしたんでしょうか?」

ジェニー「あっ……」

道掛「それはだな……」

御影「なに、あんたら知ってんの?」

四方院さんの腕がどうなったか、か……
370 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/03/27(月) 23:47:38.46 ID:4o/xoKYA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【水槽の指】
【四方院の右腕】
【四方院の死体】

兵頭「消えた四方院さんの腕……」

兵頭「道掛さんとジェニーさんはそのありかを知っているようですね?」

道掛「いや、知ってるっちゃ、知ってるような……」

津浦「歯切れが悪いですね……」

ジェニー「えとえと……」

土橋「もしかして〔誰かのコテージにあった〕とか!?」

遠見「そうではないのでありますが……」

苗木「兵頭さんが見つけたみたいに〔どこかに置かれてた〕んじゃないのかな」

佐場木「……とにかく一旦落ち着け。話したくても話せん」

御影「まっ、〔魚の餌にされてた〕ってわけでもないなら話せるでしょ」
371 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2017/03/27(月) 23:55:39.75 ID:4o/xoKYA0
〔魚の餌にされてた〕←【水槽の指】

赤穂「それに賛成するぞ!」


赤穂「正解だ牡丹」

御影「は?何が?」

赤穂「俺もその場にいたから知ってるんだけどな……四方院さんの指が水族館の水槽から出てきたんだよ」

苗木「す、水槽から?」

道掛「そうなんだよ……メメちゃんが言うには鮫に食い散らかされた残りだろうってよ」

土橋「それって、もしかしてなんか水槽に飛び込んでたあれ!?」

ジェニー「そうですです……」

兵頭「つまり、犯人は図書館から腕を水族館にまで持ち帰った後鮫の水槽に放り込んだわけですか……」

津浦「なぜそんな事を……海など、いくらでも途中に捨てる場所はあったのでは?」

赤穂「いや、それは無理だよ津浦」

海に捨てるって方法は確かに普通なら有効かもしれない。

だけどこのコロシアイではそれは不可能なんだ!

【閃きアナグラム開始!】

ポ○捨○○止○ルー○
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