志希「それじゃあ、アタシがギフテッドじゃなくなった話でもしよっか」

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42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/21(月) 04:05:18.75 ID:K1l634mG0

「え……?」と思わず声を漏らしたアタシに、プロデューサーはこう続けた。 

「海外の監督で、わりと有名な人だ。どうにも監督曰く、世界中から選りすぐりの人材を集めた映画を撮りたいらしくてな。国籍を問わず、その手の業界の人間の紹介を通じてオーディションをしているみたいなんだ」

彼の丁寧な説明に、アタシはほんの少しだけ、胸を躍らせた。
なにせ、その監督の名前は彼の言うように、たしかに有名な人だったのだから。

そんな人の撮る映画の、主演女優? 今、こんなにも落ち目のアタシに、そんな良い話が舞い降りてくるなんて、とその瞬間は考えていた。


「それで、その映画出演のオファーが海を飛び越えてこのプロダクション宛てに飛んできたわけだ。他の誰でもない、一ノ瀬志希に向けてな」


だけど、火のないところに煙は立たないのと同じでさ。やっぱり、良い話には、大抵ウラがついてまわるんだよね。


「俺もさ、思わず聞いたんだよ。どうして、数ある俳優や女優を差し置いて、うちのアイドルをオーディションに指名したのかって」

「理由は、すごく、単純な話だったんだ」


彼のこれから言うことがアタシには分かった。だって、それは、世界で一番アタシが渇望していたもので、そして、すでに失ったものだったのだから。

……やめて。それ以上は、言わないで。アタシの中の何かが、そう訴えていた。

けれど、無情にも彼が口にした言葉は、アタシの予想した通りのものだった。


「それは――お前が、ギフテッドだからだったんだよ」

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