穂乃果「私が音ノ木坂のテッペンを取るよ!」

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117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/23(月) 13:38:04.17 ID:q9DJ9wNwO
待ってた
にこが謎いな
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/23(月) 13:45:49.27 ID:Hzcjti4wo
続きがすごい気になる
おつ
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/28(土) 22:33:16.42 ID:VNvirMKMO
はよ
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/29(日) 15:33:28.42 ID:tCxWRhIjO
1ヶ月ぐらいはこないだろうな
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 03:49:26.01 ID:TTGbZRN4O
そろそろこないかなぁ
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/22(水) 11:15:40.38 ID:enysxnaa0
待ってるぞ
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/23(木) 13:18:53.22 ID:Q3VS44Wdo
いつかな〜
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:29:52.09 ID:VOS2mOQl0
投下始めます
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:30:54.29 ID:VOS2mOQl0

<保健室>



凛「穂乃果ちゃん、遅いね」

花陽「うん、校舎裏に行くだけならそろそろ帰ってきてもいい頃なんだけど……」

凛「……よしっ」

凛「やっぱり凛が様子見に行ってくるよ! もしかしたらまた何かあったのかもしれないし!」

花陽「で、でも、凛ちゃんも怪我してるしあんまり動き回ったら」

凛「心配しないでかよちん、探すだけだから、ね?」

花陽「そ、それなら二人で一緒に……!」

ガララ

凛・花陽「!」

穂乃果「ごめん二人とも! 遅くなっちゃった!」

穂乃果「いやぁ、鞄を見つけたはいいんだけど、猫ちゃんにパンを盗られちゃってさ〜」

穂乃果「校舎の外まで行くことになってもう大変だったよ」

花陽「……はぁぁ、よかったぁ」

凛「これでひと安心だにゃ」

穂乃果「?」

126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:32:03.49 ID:VOS2mOQl0

<一年生の教室へと続く廊下>



穂乃果「そっかぁ、凛ちゃんが私を探しに行こうとしてくれてたんだね」

花陽「うん、でもその前に穂乃果ちゃんが帰ってきてくれたから」

凛「すれ違いにならなくてよかったにゃ」

穂乃果「二人ともありがとね、穂乃果のこと心配してくれて」

花陽「うん、無事でよかったよ」

凛「うん! あっ、でも凛も猫ちゃんたち見たかったなぁ」

花陽「凛ちゃん猫好きだもんね」

穂乃果「へぇ〜、そうなんだ!」

凛「うん、この間もね……あっ」

花陽「教室着いちゃったね」

穂乃果「またあとで話そうよ!」

凛「そうだね! お昼ご飯も一緒に食べるにゃ!」

花陽「じゃあ私達はこっちの教室だから」

穂乃果「うん、またあとでね!」

花陽「うん!」

凛「またね〜」フリフリ

127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:33:12.49 ID:VOS2mOQl0

<穂乃果のクラス、教室内>



ガララ

穂乃果「すいません、保健室行ってましたー」

「うぉっ、転校生が戻ってきた」

「怪我してんじゃん」

「でも意外とピンピンしてね?」

穂乃果「……あれ? 今授業中だよね? 先生は?」

真姫「……先生ならいないわよ」

穂乃果「え?」

真姫「教室にいる生徒が少なすぎるから今日は自習だって」ペラ

穂乃果「そうなんだー、教えてくれてありがとう!」

真姫「……どういたしまして」

穂乃果「って、いやいや! 今普通に会話しちゃったけどさ! なんで西木野さんがここに!?」

128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:34:10.74 ID:VOS2mOQl0

真姫「……知らなかったの? アナタと私、同じクラスよ」

穂乃果「えぇ!?」

穂乃果(て、てっきり、一週間後のタイマンまで顔を会わせることはないと思ってたのに……)

穂乃果「ていうか昨日は教室にいなかったよね?」

真姫「昨日はたまたまいなかっただけよ」

穂乃果「えぇ……」

穂乃果(こんなことってあるんだね……)

真姫「……」ペラ

穂乃果「あはは……」

穂乃果(さっき、あんな感じで別れたのに……これから毎日教室で会うってことだよね?)

真姫「……」

穂乃果(西木野さん普通に本読んでるし……ちょっとやりづらいなぁ)

真姫「……」ペラ

穂乃果(まぁいいや! 私も勉強してよっと)

穂乃果「えーと、今の時間は……」ゴソゴソ

129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:35:26.16 ID:VOS2mOQl0

<昼休み、裏庭>



穂乃果「はぁぁぁ、疲れたぁぁぁ」グテー

穂乃果「まさか西木野さんが同じクラスだなんて思わなかったよ……」

花陽「そっか、穂乃果ちゃんも私達の隣のクラスだもんね」

凛「ついてないねー」

穂乃果「うん、一週間後にタイマンする相手と、毎日同じ教室で顔会わせ続けるって変な気分だよ」

凛「心中お察しするにゃ」

花陽「わ、私だったら耐えられないよ」

凛「授業サボっちゃえば?」

穂乃果「それはダメだよ!」

花陽「そうだよ凛ちゃん!」

凛「えぇ、いいアイデアだと思ったんだけどなぁ」

130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:36:37.91 ID:VOS2mOQl0

穂乃果「だって、授業サボりすぎて勉強に追いつけなくなったらまた……」

花陽「また?」

凛「?」

穂乃果「あっ、いや、テストで悪い点数取っちゃうなぁーってね!」

花陽「そうだね、穂乃果ちゃんは偉いよ」

凛「やっぱりシンガクコーではちゃんと勉強してたの?」

穂乃果「ま、まあ、それなりに……」

花陽「わぁ、じゃあ今度穂乃果ちゃんにも一緒に凛ちゃんの勉強見てもらおうかな?」

凛「凛知ってるよ、この学校はテストで悪い点数取っても進級だけはさせてくれるって」

凛「だから勉強できなくても大丈夫!」

花陽「ダメだよ、凛ちゃん! 今の内にちゃんとしておかないと社会に出た後が大変だってお母さんが言ってたよ?」

凛「うっ……だとしても英語は必要ないよ! 凛、日本から出る予定ないし!」

穂乃果「だよねっ!」

花陽「えっ?」

131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:37:48.82 ID:VOS2mOQl0

穂乃果「あっ」

花陽「穂乃果ちゃん?」

凛「穂乃果ちゃんも凛と同じ意見なんだね!」

穂乃果「えっと……凛ちゃん!」

凛「にゃ?」

穂乃果「穂乃果も最初はそう思ったよ、英語なんて必要ないってね」

穂乃果「だけどね、今や国際化の進むこの日本社会、街には外国人が増え始め、日本人も海外にどんどん働きに出る時代……」

穂乃果「この先の未来……英語を使える者だけが生き残るのだよっ!!」ビシッ

凛「!!」

花陽「ほ、ほらね、穂乃果ちゃんもこう言ってるんだし、凛ちゃんも英語の勉強頑張ろう?」

凛「……凛、このままだと死んじゃうのかなぁ」

花陽「えぇっ!? 凛ちゃん死んじゃうのぉ!?」

花陽「って、簡単に諦めないで凛ちゃん! 私と一緒に頑張って卒業しよう?」

凛「かよちんと一緒に卒業したいにゃー!」

穂乃果「その意気だよ凛ちゃん!」

132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:39:17.17 ID:VOS2mOQl0

凛「よーし、そのためにも早く怪我を治して、身体鍛え直すにゃ!」

花陽「そうだね……って勉強するんじゃないの!?」

凛「まずは打倒西木野だよ! それで勉強に集中できる環境を整えるんだ!」

花陽「に、西木野さんを倒さなくても勉強はできるよぉ」

穂乃果「あはは……」

穂乃果(な、なんとか誤魔化せた)

穂乃果(花陽ちゃんは私が勉強できるって思ってるみたいだけど、全然そんなことないんだよねぇ……)

穂乃果「……ふぅ」

穂乃果(それに、さすがに出会ってまだ二日目の友達に「実は進学校で留年したので転校してきました」なんて言えないよ……)ズーン

133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:40:17.98 ID:VOS2mOQl0

花陽「そ、そんなに勢いよく食べたら喉に詰まっちゃうよ凛ちゃん!」

凛「だいじょーぶ! たくさん食べて元気にならないとだからね!」

花陽「もー、凛ちゃんってば……あれ、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ぇ?」

凛「もぐもぐ……ごっくん……なんか元気ないね?」

穂乃果「えっと、なんでもないよ、大丈夫!」

凛「ほんとに?」

穂乃果「うん! あ、そうだ、凛ちゃんにさっき出会った猫ちゃんたちの話しなきゃね!」

凛「あっ、そうだったにゃ! 聞かせて穂乃果ちゃん!」

花陽「花陽も聞きたいです!」

穂乃果「よーし、なら今日の昼休みは猫談義で盛り上がろう!」

凛・花陽「おー!」

134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:41:30.91 ID:VOS2mOQl0

<同時刻、音楽室>



真姫「……」スッ

真姫「……」

真姫「盗み聞きでもするつもり?」

「おや? 気づかれてしまいましたか」ヒョコッ

真姫「アナタ、いつも私がピアノの前に座るとやってくるじゃない」

「貴方の伴奏を聴かせて頂く良い機会になるかと思ったのですが……残念です」

真姫「……」

真姫「それで、今日は何の用?」

「転校生にタイマンを申し入れたそうですね」

真姫「……ええ、それが?」

「昨日はやらないと言っていたものですから」

真姫「事情が変わったのよ」

「ふむ」

「それは今朝、貴方のお仲間が転校生にやられてしまったことと関係が?」

真姫「……」

「それとも、転校生が星空凛と手を組んでいたことと関係が?」

真姫「……」

真姫「どちらも、違うわ」

135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:42:49.42 ID:VOS2mOQl0

真姫「私が」

真姫「彼女のことを」

真姫「私自身の手で倒すべき相手だと判断したからよ」

「……なるほど」

真姫「一週間後、私は高坂穂乃果に勝つ」スクッ

真姫「その次は、万全の状態の星空凛に勝つ」スタスタ

「そして、正真正銘の一年生ナンバーワンになる、というわけですか?」

真姫「ええ」スタスタ

「ふむ、それで我々の派閥に入ってくれれば言うことなしなんですけどね」

真姫「いいえ、アナタ達の仲間にはならないわ」スタスタ

「そう言うと思いましたよ」

真姫「その次は」ピタッ

「?」





真姫「絢瀬派幹部にして、二年生ナンバーワンの座にいる」

真姫「園田先輩」

真姫「アナタに勝つからよ」





海未「……そう来ましたか」ニコ

136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:44:05.16 ID:VOS2mOQl0

真姫「そして、最後に絢瀬派トップの絢瀬絵里を倒して、私が音ノ木坂の頂点(テッペン)を獲る」

海未「……」ニコニコ

真姫「……」

海未「……ふふっ」ニコニコ

真姫「……私、なにか可笑しいことでも言ったかしら?」

海未「いえ、手早く音ノ木坂の頂点(テッペン)を獲りに行く方法としては中々でしたよ?」ニコニコ

真姫「……」

海未「楽しみですねぇ」ニコニコ

真姫「……見てなさい」

真姫「その余裕そうな表情、ぐちゃぐちゃに崩してやるわ」スタスタ

海未「期待してますよ」ニコニコ

真姫「……」スタスタ

ガララ……バタン





海未「……」ニコニコ

海未「……」ニコ

海未「……ふぅ」スッ

海未「……」

海未「さて、音ノ木坂での貴方がどうなるのか見せてもらいますよ……穂乃果」

137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:45:17.53 ID:VOS2mOQl0

<夜、高坂家、雪穂の部屋>



穂乃果「はぁ〜、疲れたよ〜」グテー

雪穂「ここ、私の部屋なんだけど」

穂乃果「まあまあ、お母さんから怪我のことで一緒に説教された仲ではないかユッキーさんや」ゴロゴロ

雪穂「いや、それとこれとは関係なくない?」

穂乃果「関係あるよっ!」ガバッ

雪穂「!?」ビクッ

穂乃果「雪穂も私も、喧嘩の中で友達を助けるために怪我したわけでしょ? 雪穂は昨日、穂乃果は今朝と姉妹で二日続けて同じことをしてるんだよ? これって凄いことだよ!」

雪穂「いや私の方は友達というわけじゃ」

穂乃果「えっ、だって同じ学校の子を庇って喧嘩になったんでしょ?」

雪穂「うん、けどまあそれは偶然見かけてたまたまそうなっただけで、別にその子と私が友達というわけじゃあ……」

穂乃果「ええっ、だったら私も怪我はしなかったけど昨日同じようなことしてるよ!」

雪穂「えっ、そうだっけ?」

138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:46:26.57 ID:VOS2mOQl0

穂乃果「ほら、昨日呼び出されたって話したよね?」

雪穂「ああ、その話ね」

穂乃果「そのとき、もう一人呼び出されてた子がいたの」

穂乃果「私を呼び出した人達は、その子を一緒にいじめないかって私に言ってきてさ」

雪穂「なにそれ、嫌な人達だね」

穂乃果「でしょ? だから穂乃果は「そんなことしないよ!」ってその人達を返り討ちにしちゃったんだけどね」

雪穂「お姉ちゃんを呼び出してたのが運の尽きだったね」

穂乃果「で、そのとき呼び出されてた子が昨日話した初日に出来た友達なの!」

雪穂「なるほどね」

雪穂「で、今日一緒に喧嘩した人がもう一人の友達ってわけだ」

穂乃果「うん! 二人ともとってもいい子なんだ〜」

139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:47:41.10 ID:VOS2mOQl0

穂乃果「一緒に喧嘩した子は、凛ちゃんっていうんだけど、とっても明るくて活発な子で、一緒にいると元気が貰える感じなんだよ!」

雪穂「へー、それってなんか」

雪穂「……お姉ちゃんみたい」ボソッ

穂乃果「へ?」

雪穂「な、なんでもないよっ」

穂乃果「そう? それで、もう一人の子は花陽ちゃんっていうんだけど、ほんわかした雰囲気でちょっとおっとりした感じで、癒される感じの子なんだよ!」

雪穂「ふーん……なんだか特徴だけ聞くと、ことりちゃんみたいだね」

穂乃果「ことりちゃん? あー……ことりちゃんとはまたちょっとタイプが違うかな?」

雪穂「そうなの?」

穂乃果「うん、それにことりちゃんは……」

雪穂「?」

穂乃果「……あはは、なんでもない」

穂乃果(喧嘩してるときのことりちゃんはちょっと怖いところあったからなぁ……花陽ちゃんがあんな風になるのは全然想像できないや)

140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:48:37.60 ID:VOS2mOQl0

雪穂「……というかさ、結局お姉ちゃんは友達になってるよね、その人達とさ」

穂乃果「うん? そうだね」

雪穂「私は別にあの子と友達にはなってないし、やっぱり違うよ」

穂乃果「えぇ、今日会ったりもできなかったの?」

雪穂「……会いはしたけど」

穂乃果「じゃあお話は?」

雪穂「……話もしたけど」

穂乃果「それで友達じゃないの?」

雪穂「だって、違うクラスの子で今までまともに話したことないし、それに……」

穂乃果「それに?」

雪穂「私みたいな人間とは、違う世界に生きてる感じの子だし……」

141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:49:42.20 ID:VOS2mOQl0

穂乃果「違う世界?」

雪穂「……あの子は、喧嘩なんてしたことなさそうだし、私みたいなのとは仲良くしない方がいいんだよ」

雪穂「ほら、私も学校では喧嘩ばっかしてるからさ、学校内じゃそれなりに有名なんだよ? ……お姉ちゃんみたいに凄い強いわけじゃないけど」

雪穂「だから

穂乃果「雪穂」

雪穂「?」

穂乃果「雪穂は、その子と友達になりたいの?」

雪穂「……いや、だから仲良くしない方がいいって」

穂乃果「しない方がいいとか、するべきとかじゃなくてさ」

穂乃果「なりたいか、なりたくないかで言ったらどっちなの?」

雪穂「……」

142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:50:36.56 ID:VOS2mOQl0

雪穂「……別に、なりたく、ないよ」

穂乃果「……そっか」

雪穂「……」

穂乃果「ならいいんじゃない? ならなくてもさ」

雪穂「え?」

穂乃果「だって、なりたくないんでしょ?」

雪穂「あ……うん」

穂乃果「なった方がいいよーって言われると思った?」

雪穂「……うん、そういう話するのかなって」

穂乃果「雪穂が嫌なら別にそういう話はしないよ〜」

雪穂「……ふふっ」

143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:51:42.22 ID:VOS2mOQl0

穂乃果「雪穂?」

雪穂「あはっ、なんか意外で、可笑しくて」

雪穂「お姉ちゃんなら、誰とでも友達になっちゃいそうだから、私にもそう言うのかなって思ってて」

穂乃果「えぇっ? 確かに穂乃果は友達すぐにできる方だけど、雪穂に同じようにさせようとは思わないよ?」

雪穂「さっきは散々姉妹で同じことやってるって話してきたのに?」

穂乃果「えっ、い、いやそれとこれとは別でしょっ!」

雪穂「ふふっ、さっきの私と同じこと言ってる」

穂乃果「あっ、確かに」

雪穂「あははっ」

穂乃果「えへへっ」

144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:52:41.07 ID:VOS2mOQl0

コンコン

穂乃果・雪穂「!」

「穂乃果も雪穂もいるのよね?」

穂乃果「うん」

雪穂「いるよ」

「そう、どっちでもいいからお風呂空いたから入っちゃって」

穂乃果・雪穂「はーい」

雪穂「じゃ、私が先にいただいちゃおっかな」スクッ

穂乃果「どーぞー」ゴロッ

雪穂「……」

穂乃果「ん? どしたの」ゴロゴロ

雪穂「私、お風呂行くんだけど」

穂乃果「うん、だから穂乃果はここでゴロゴロするよ?」

雪穂「いや、自分の部屋に戻らんかいっ」ゲシッ

穂乃果「痛っ!?」

145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:53:51.71 ID:VOS2mOQl0

<翌朝、音ノ木坂学院高校、穂乃果のクラス、教室内>



ガララ

穂乃果「ふぅ……」

穂乃果(今日は何もなく教室まで来れたなぁ、よかったよかった……ん?)

穂乃果(今日も人が少ないような……?)

「おっ、来た来た」

「噂の通りみたいだな」

「よー、転校生」

穂乃果「あっ、おはよー」

穂乃果(えっ、昨日一昨日は話しかけてもらえもしなかったのに向こうから挨拶してきた!?)

「転校生が登校してきたってことはたぶん星空もフツーに来てるんだろうな」

「だろうねー」

穂乃果「えっ、なんの話?」

「んー? ああ、転校生は知らねぇのか」

「昨日あの場にいたヤツのほとんどが一週間の自宅謹慎くらったんだよ」

「外野は除いてなー」

穂乃果「……」

穂乃果「えぇっ!?」

146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:54:59.18 ID:VOS2mOQl0

穂乃果「それ本当なの!?」

「らしいよー、まあ昨日の喧嘩は参加してた人数が多かったからねぇ」

「あの後、先公に捕まった奴らのほとんどがなったみたいだねー」

「だからいつもは騒がしいこの教室も静かになってるってわけ」

「くくっ、喧嘩の中心にいた転校生と星空はくらってないってのがまた笑えるわ」

穂乃果「まあ、私達は先生の姿を見つけてすぐに逃げたからね……」

穂乃果「でも、私達が参加してたことは皆知ってるはずなのに、どうして先生にはバレてないんだろ? 誰も言わなかったのかな?」

「そりゃあ、ね」

「アンタ達のことを話すってことは、自分達がたった二人にヤられたってことを話すことにつながるからね」

「そーんなことはしたくないでしょうね? なんせアタシらみたいなのはプライドだけは高いからさ」

「誰々にヤられたーなんてことをわざわざ人に話すヤツなんて中々いないわな」

「ま、停学にならなかっただけマシなのかな?」

「ウチの学校、そこらへんユルいもんね」

穂乃果「へぇ〜」

穂乃果(……昨日さっさと逃げて本当によかった)

147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:56:31.72 ID:VOS2mOQl0

<昼休み、裏庭>



穂乃果「……って感じの話をクラスでしてたんだけど、二人は知ってた?」

凛「教室で聞いたよー」

花陽「私達のクラスにも西木野さんについてた人はいたから」

穂乃果「びっくりしちゃったよ、自宅謹慎なんてさ」

花陽「小規模の小競り合い程度なら見過ごされることも多いみたいだけど、昨日のは結構騒ぎになっちゃったみたい」

花陽「だから先生達も見過ごせなかったんだろうね」

凛「凛達はラッキーだったにゃ!」

穂乃果「あっ、びっくりしたと言えばもういっこあった」

穂乃果「昨日までは教室で普通に話しかけられることなんてなかったのに、今朝は話しかけてくれた人がいたんだよ!」

花陽「……それは、穂乃果ちゃんの実力を認めたからだと思うよ」

穂乃果「私の実力?」

148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:58:11.81 ID:VOS2mOQl0

花陽「穂乃果ちゃんが校舎裏に連れていかれた時点では、きっと「転校生はリンチされておしまい」っていう風に周りの人達は考えてたと思うの」

花陽「けど、そうはならなかった」

花陽「穂乃果ちゃんは大勢の外野の前で全員を倒して、自分だけ教室に戻ってくるなんていう誰も予想してなかった結果を出しました!」

穂乃果「うーん、でもあれは凛ちゃんの協力があったおかげだし」

花陽「それも周囲に認められる要因の一つです!」

穂乃果「え?」

花陽「凛ちゃんは西木野さんに次いで、一年生のナンバーツーとして学年内で名前が知れ渡ってます」

花陽「そんな人と転校して間もなく既に共闘関係にあるっていうのも、周りからしたら凄いことなんです!」

花陽「さらに穂乃果ちゃんは西木野さんからタイマンを挑まれてます!」

花陽「転校してきた翌日に学年ナンバーツーと協力して多人数との喧嘩に勝利、さらに学年ナンバーワンにタイマンを挑まれる……それらを見て、実力を認めない人なんてほとんどいませんよ!!」

穂乃果「そ、そっか、説明ありがとう」

穂乃果(花陽ちゃん、なんか変なスイッチ入っちゃった?)

凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」

149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 16:59:27.40 ID:VOS2mOQl0

<同時刻、校舎内、“最上階の教室”>



「へー、あの子が噂の転校生なん?」ジー

「はい、頭に包帯を巻いてるのがそうです」

「そんで、残りの二人が星空凛ちゃんと……誰やっけ?」ジー

「小泉花陽です」

「せやせや、小泉花陽ちゃんや! 確か星空凛ちゃんの中学からのツレやろ」ジー

「そうですよ、ただ彼女はここに入ってから喧嘩をした様子がありません」

「そうなん? まあええわ、星空凛ちゃんのお友だちには変わらんのやろ」ジー

「顔は覚えましたか?」

「うん、こんだけ見ればバッチシや」スッ

「いきなり双眼鏡を取り出したときは何をするのかと思いましたよ……」

「ふふ、しっかり顔覚えとかんとアカンからなぁ」

150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 17:01:09.66 ID:VOS2mOQl0

「エリちのとこには海未ちゃんがおるし……今年の優勝者も勧誘中なんやろ?」

「西木野真姫のことですね」

「そうそう、西木野真姫ちゃん」

「絢瀬派は戦力を固めている最中ですからね、今度のタイマンの結果次第では新たな動きを見せるでしょう」

「ウチは強い子が相手に回れば回るほど楽しめるんやけどなぁ」

「はぁ……本当に相変わらずですね」

「喧嘩は強い子とヤってこそなんやで?」

「それは……先輩が強いから言えることですよ」

「ふふっ、まあええわ」

「キミがここでどうなるのか……期待しとるで、高坂穂乃果ちゃん?」

151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/24(金) 17:02:22.18 ID:VOS2mOQl0
投下終わりです
書き貯めが出来次第また投下します
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/24(金) 19:10:31.25 ID:uPegmhno0

次が待ち遠しいな
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/24(金) 19:23:32.55 ID:oTNnbTe7o
うおおおおお!!!
続き待ってる!
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 01:46:14.60 ID:00BIUPMuO
おつ
また一月ほど待つわ
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/27(月) 01:14:04.53 ID:PkKbsyCd0
おつ
完結まで5年ぐらいかかりそうだ
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/27(月) 19:01:59.97 ID:CWLDn5Fh0
ss
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/04(土) 23:13:36.56 ID:vBpB9LcxO
後どのぐらい続くのか知らないけど完結するまでにこのスレの事忘れそう
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:38:12.16 ID:8euw1yMn0
投下始めます
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:39:21.61 ID:8euw1yMn0

<五日後、朝、音ノ木坂学院高校、下駄箱前>



「うぃーす」

「おー」

「ねみぃ……」

ザワザワ



穂乃果(よしっ、今日も遅刻しなかったよ!)

穂乃果(……雪穂に起こされなかったら危なかったけど)

ガチャ

穂乃果「……ん?」

穂乃果(何か入ってる)スッ

穂乃果「……」

穂乃果「は、果たし状!?」

「?」クルッ

「なんだなんだ」

「アイツ、噂の転校生じゃん」

ザワザワ



穂乃果(あちゃー……声に出ちゃってたか)

穂乃果(人目のつかない所で読もうっと)ササッ





「……おい」

「ああ、追うよ」ササッ

160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:40:34.44 ID:8euw1yMn0

<昼休み、裏庭>



花陽「ええっ、果たし状貰っちゃったのぉ!?」

穂乃果「あはは……前に場所と時間はまた今度って言われてたけど」

凛「果たし状を書くなんて、西木野も味な真似するヤツだにゃ」

花陽「そ、それで中にはなんて?」

穂乃果「うん、学校からちょっと離れた所に河川敷があるでしょ? 明日、あそこの橋の下に午後四時に来いってさ」

花陽「河川敷でのタイマン……」

凛「王道だね」

穂乃果「あそこなら人目にもつきづらいしね」





「おい、聞いたか」コソコソ

「ああ、河川敷、だね」コソコソ

「全員に報告するぞ」コソコソ





凛「……ん?」チラ

161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:41:31.25 ID:8euw1yMn0

「あっ、やべ」

「隠れろっ」サッ





花陽「凛ちゃん?」

穂乃果「どうしたの?」

凛「今、誰かに見られてたような……」

花陽「えっ、ど、どこから?」キョロキョロ

凛「気のせいかな……」

ガサゴソ

凛「!」バッ

花陽「ひっ」ビクッ

猫「……」ヌッ

凛「えっ」

花陽「ね、猫?」

穂乃果「あーっ!? この前の泥棒猫ちゃん!?」

162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:42:25.24 ID:8euw1yMn0

猫「しゃっ」バッ

穂乃果「わっ」サッ

猫「!」スタッ

穂乃果「だ、だめだよ! これは穂乃果のパンなんだからね!」

花陽「この子が……」

凛「わぁ、猫ちゃん!」

猫「?」クルッ

凛「あっ」サッ

花陽「凛ちゃんっ」バッ

凛「うぅ……」ジー

穂乃果「あっ……凛ちゃん、猫アレルギーって言ってたもんね」

凛「触りたいにゃあ……」ジー

163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:43:43.54 ID:8euw1yMn0

「ふぅ、なんとかバレずに済んだみたいだな」

「今のうちにさっさと逃げようぜ」ササッ





凛「……やっぱり」ボソッ

花陽「凛ちゃん?」

凛「なんでもないにゃ」

穂乃果「もぅっ、なんでこんなに穂乃果のパンを狙ってくるのさっ」タタッ

猫「しゃーっ」タタッ

花陽「あはは……」

凛「かよちん」スクッ

花陽「ん? どしたの、凛ちゃん」

凛「凛、ちょっとお花摘みに行ってくるね」タタッ

花陽「あ、うん」

穂乃果「えぇい、食べられる前に先に食べてやるっ!」パクッ

猫「しゃーっ」ダッ

穂乃果「もぐもぐっ」サッ

花陽「……食べながら逃げるって、穂乃果ちゃん器用だなぁ」

164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:44:54.60 ID:8euw1yMn0

<学校外、とある住宅街>



「ふぅ……さてと、この辺りでいいだろ」

「ああ、全員に連絡回すわ」スッスッ

「はぁ、にしても星空に気づかれそうになったときはどうしようかと思ったわ」

「それな、ちょっとビビったわ……はい、送信完了っと」

「あざーす」

「うぃー、んじゃこの後は……」スッ

凛「失礼するにゃー」パシッ

「なっ!? アタシのケータイ!?」

凛「うん? ふむふむ……なるほど」

「って、星空ァ!?」

「なんでコイツがここに!?」

凛「大体わかったよ」スッ

凛「なんで停学くらったヤツらが今日学校にいたのかってことと」

凛「ソイツらが凛達の様子を隠れて見てた理由がね」

「くっ……」

「お、おい、どうするんだよ」

「どうするって……ヤるしかないだろォ!」バッ

「ちっ」バッ

凛「二人がかり、ね」スッ

凛「リハビリにはちょーどいいにゃ」ニヤッ

165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:46:28.54 ID:8euw1yMn0

凛「……って、思ったんだけど」

「」グッタリ

「」グッタリ

凛「キミタチ、ちょっと骨が無さすぎじゃないかにゃー?」

ブーブー

凛「ん? コイツらのケータイか、なんだろ」スッ

凛「えーと、なになに……」

凛「……」

凛「ふーん、相変わらず懲りないヤツらだね」

凛「こんなヤツらに支持されてた西木野にちょっとだけ同情するにゃ」ポイッ

凛「さーて、急いで学校に戻らないと……かよちんに心配されちゃう!」ダッ







「あの子、中々やるやん」ヌッ

「あの子とヤったら楽しいかもしれんなぁ」スタスタ

ブーブー

「……ん?」ヒョイッ

「……」スッスッ

「……へー、エライ物騒なこと考えるなぁ、最近の一年生は」ポイッ

「よっ」スッ

「……あー、もしもし? あんなぁ、明日のことやけど……」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:47:27.67 ID:8euw1yMn0

<翌日、朝、高坂家、玄関>



ドタドタ

穂乃果「あー!! なんでよりによって今日みたいな日に寝坊しちゃったの私!!」

雪穂「言っとくけど、私はちゃんと起こしたからね」

穂乃果「今日は余裕持って過ごすつもりだったのに!!」

穂乃果「あっ」ピタッ

雪穂「?」

穂乃果「雪穂」クルッ

雪穂「んー?」

穂乃果「今日、久々にお願いするかもしれないから」

穂乃果「そのときはよろしくね?」

雪穂「……別にいいけど」

穂乃果「ありがとっ!」ニコッ

穂乃果「それじゃいってきまーす!!」ダッ

雪穂「いってらっしゃーい」

167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:48:31.04 ID:8euw1yMn0

<放課後、音ノ木坂学院高校、穂乃果のクラス、教室内>



キーンコーンカーンコーン

穂乃果「よし、今日の授業終わり!」ガタッ

「お、そういや今日だっけ? 西木野とのタイマン」

穂乃果「あ、うん」

「結局アイツ来なかったな〜」

「精神統一でもしてんじゃね?」

「ぶふっ、武士じゃあるまいしそんなことしねーだろ」

穂乃果「あはは……」

「転校生! アタシはあんたに賭けたからな! 絶対勝てよ!」

「バーカ、いくら転校生でも西木野には勝てねーよ」

「これで明日の昼飯代が浮くわ〜」

穂乃果(……ヒトの喧嘩で勝手に賭けやらないでほしいなぁ)
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:49:46.07 ID:8euw1yMn0

<凛・花陽のクラス、教室内>



穂乃果「おーい、花陽ちゃーん」

花陽「あ、穂乃果ちゃん……その、凛ちゃんが」

穂乃果「……やっぱり凛ちゃんいないんだ」

花陽「え?」

穂乃果「えっと、さっきの授業中にね、凛ちゃんからメールが来てたみたいで」

穂乃果「ちょっとやることができたから、二人は先に行っててほしいって」

花陽「そうなんだ、穂乃果ちゃんにはメールしてたんだね」

花陽「凛ちゃん、小テストの追試が入っちゃったって慌てて出て行っちゃって」

花陽「終わるの待つよー、って言ったんだけど、穂乃果ちゃんと二人で先に行っててほしいって」

穂乃果「つ、追試が入っちゃったの?」

花陽「あはは……凛ちゃん、さっきの英語の小テスト0点だったからなぁ」

穂乃果「えぇ……」

花陽「凛ちゃん、追試大丈夫かなぁ」

穂乃果「あはは、どうだろうね」

穂乃果(……凛ちゃん)

穂乃果(花陽ちゃんには本当の理由、言わなかったんだね)

169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:50:52.58 ID:8euw1yMn0

<追試の行われる教室>



英語教師「……」

英語教師「……遅い」

英語教師「星空のヤツ、まだ来ないのか」

「センセー、まだ始めないんすかー」

「私達この後カラオケ行くんですけどー」

英語教師「全員揃うまで待ちなさい!」

「えー」

英語教師「まったく、星空め……毎回点数の低いヤツだったが、とうとう今回白紙のプリントを出してくるとは……」ブツブツ

英語教師「友人の小泉は真面目にやっているというのになんでアイツは真面目にやってこないんだまったく……」ブツブツ

英語教師「教室に来たらまず今回の態度を反省させてそれから……」ブツブツ

「あのー」

英語教師「……なんだ」

「星空ならさっき校舎から出ていくの見たけど」

英語教師「……は?」

170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:52:02.85 ID:8euw1yMn0

<学校外、とある空き地>



凛「はー……」

凛「いくらかよちんの目を誤魔化す為って言ってもさー」

凛「やっぱりわざと白紙で提出して、本当に追試にしたのはやりすぎだったかにゃ?」

凛「ね、どう思う?」バシバシ

「」グッタリ

凛「あ、もうノビちゃってるか」

「て、テメェ……」

「なんでだ……」

「なんで星空がここに来てやがんだ!?」

凛「まったく……停学くらって大人しくしてるのかと思ったら」

凛「西木野組の連中が揃いも揃って、凶器持ち出してこんなところに集まって」

凛「まさかあの二人のタイマンを邪魔しようと企んでたなんてね」

「くっ……どっから情報が漏れやがった!?」

171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:53:02.23 ID:8euw1yMn0

凛「お前ら、西木野の仲間じゃなかったの?」

「うるせぇっ!!」

「アイツにはもうついていけねぇんだよ!」

凛「ふーん」

「西木野のヤツ、一年生ナンバーワンになったってのにいつまでたっても絢瀬派の幹部になろうとしやがらねぇ」

「アタシらはナンバーワンになったアイツが幹部入りすることを期待してたってのに……」

「そんで私らも絢瀬派に入れると思ってたってのによぉ」

「まあそれもいつかは誘いに応じるだろうと思っていた」

「だけど! アイツはこの一ヶ月誘いを断り続けた!」

「しまいにゃ、転校生とオマエを潰そうとしたアタシらの邪魔をしやがった!」

凛「……」

「星空ァ、一ヶ月前にお前に言ったことだがよ……あれ、訂正するわ」

「西木野もお前と一緒だ……この音ノ木坂じゃあ生き残れない」

「少なくとも、アタシらにとっては邪魔な存在なんだよ!」

「西木野も、お前も、転校生も! 全員潰してやるよ!!」

172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:54:05.09 ID:8euw1yMn0

凛「……はー」

凛「ホントに、考え方まで雑魚キャラなヤツらだにゃ」

「んだとっ!?」

凛「こんなヤツらについて来られてたなんて、やっぱり少しだけ西木野に同情するにゃー」

「こ、コイツ……!」

凛「まあいいや、雑魚キャラ達の言い分も聞いたし」スッ

凛「さっさとお前ら全員倒して」トーンッ

凛「かよちんと穂乃果ちゃんのとこに行きたいから」トーンッ





凛「本気で行くよ」トンッ



ダンッ!!



「なっ」

「速っ」

凛「おっせぇにゃっっっ!!」

173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:55:03.65 ID:8euw1yMn0

バキィッッ

「あぐっ」ドサッ

ドゴォッッ

「ぐげっ」ドサッ

ダンッ

凛「ふっ!!」グルンッ

ガンッッ

「うごっ」ドサッ

凛「ふぅ」スタッ

「い、一瞬で三人が……」

「コイツの動き……一週間前とは違う!」

「前宙からの踵落としって、喧嘩でやる技じゃねーだろっ……!」

凛「西木野は穂乃果ちゃんに任せる」トーンッ

凛「そう言っちゃったからね」トーンッ

凛「だからこっちは凛に任せて!」トンッ

ダンッ!!

174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:56:07.59 ID:8euw1yMn0

<空き地から少し離れた場所>



「おー、やっぱあの子強いやん!」

「今年の一年生ナンバーツーですからね」

「ええなぁ、やっぱあの子とヤるのも……」

「ていうか見てるだけでいいんですか?」

「ん? あの人数ならあの子一人で大丈夫やろ」

「え、じゃあなんで私達まで呼ばれたんですか……?」

「一人で十分ならここで見てる必要もないんじゃ……」

「いや、ウチらはここにいる必要がある」

「はぁ、もしかしてまた……」

「そう、カードがウチに告げるんや」

「……」

「……」

「……」

「なんで三人とも黙るん?」

「いや、なんでって言われましても……」

「あっ、ほら見てみぃ! あれが理由や!」

「ん? あれは……」

175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:57:09.32 ID:8euw1yMn0

<とある空き地>



ザッザッザッ

「ん〜? コイツがそうなの〜?」

「でも一人しかいなくな〜い?」

凛「?」クルッ

「う……ぐ、やっと来たかっ……」

「遅かったじゃねぇか……」

ザッザッザッ

「ん〜? 一人相手にヤられちゃってるの〜?」

「それってダサくな〜い?」

ザッザッザッ

ザッ……

凛「……」

「あ、ははっ……どうよ、星空っ」

「この人数相手にも同じ立ち回りができるかよっ!?」

「ん〜? コイツが星空凛〜?」

「思ってたよりちっちゃくな〜い?」

「ははっ、これでテメーもおしまいだぜ!」

176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:58:24.20 ID:8euw1yMn0

<空き地から少し離れた場所>



「アイツら、音ノ木坂の生徒じゃないですね」

「かなりの人数……よく集めたね」

「先頭の二人がリーダー格かな?」

「これ全部、たぶん近隣の高校から集めたんやろなぁ」

「なるほど……」

「な? ウチらがおらなアカン理由、わかったやろ?」スクッ

「……そうですね」スクッ

「同じ音ノ木坂の生徒で争う分には手出しする義理はないけど」スクッ

「他校の生徒が関わってくるんじゃあ話は別ですね」スクッ

「なんや、ヒフミちゃん達もヤる気満々やん」

ヒデコ「これだけの人数を相手にするのは久々ですからね」

フミコ「全員凶器持ってますし」

ミカ「ていうかヒフミちゃんって、まとめて呼ぶのやめて下さいっていつも言ってるじゃないですか!」

「ウチは呼びやすくてええんやけどなー」

ヒフミ「……」

「ま、ええわ」

「……ほな、いこか?」ニヤッ

177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 11:59:29.62 ID:8euw1yMn0

<とある空き地>



凛「……ふぅ」トーンッ

「ん〜? 跳びはね出してどうしちゃったの〜?」

「準備体操でも始めるの〜?」

凛「多勢に無勢、上等だよ」トーンッ

凛「何人いようが関係ない」トーンッ

凛「全員倒すだけにゃ」トーンッ



パチパチパチ



凛「?」トーンッ

「ん〜? 拍手〜?」クルッ

「誰がしてるの〜?」クルッ





「いや〜、よう言うたでホンマ」パチパチパチ

「そういう姿勢、ウチ好きやわ〜」パチパチパチ





凛「……誰?」スタッ

178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:00:27.67 ID:8euw1yMn0

「はじめましてやね、星空凛ちゃん」

凛「……凛を知ってるの?」

「知っとるで」

「そんでウチらはキミを手伝いに来たんや」

凛「えっ……?」

ヒデコ「……先輩、呑気に自己紹介してる場合じゃないですよ」スタスタ

フミコ「ちょっとは緊張してくださいよ……」スタスタ

ミカ「本当に相変わらずですね」スタスタ

「まあまあ、第一印象は明るくいかんとアカンやろ?」



「ん〜? いきなり出てきたけど誰なの〜?」

「コイツらも音ノ木坂なの〜?」

「なんだ、アイツら……見たことないぞ……」

「アタシらの学年にはいない……音ノ木坂のヤツなのか?」

ザワザワザワ



ヒデコ「さて、どうします?」

フミコ「どこまで私らで相手しますか?」

「そうやな……とりあえず他校のヤツらはウチが全員もらうわ」

凛「!?」

179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:01:43.19 ID:8euw1yMn0

ヒフミ「はぁ……」

「んじゃまたヒフミちゃん達は事後処理よろしく頼むで〜」スタスタ

ヒデコ「……そんなことだろうと思ったよ」

フミコ「先輩はやっぱりおかしいです」

ミカ「出番あると思ってヤる気になってたのがアホらしくなってきちゃった……」

凛「ちょ、ちょっと!」

ヒデコ「ん?」

凛「あの人、凛を手伝いに来たって……?」

ヒデコ「ああ、それは言葉通りの意味だよ」

フミコ「先輩、今日の一年生同士のタイマン楽しみにしてるからね」

凛「え?」

ミカ「大方、他校の生徒が絡んできてるってことを理由にして、あっちに邪魔が入るのを止めたいんだろうねぇ」

フミコ「まあついでに自分が楽しめたらってのもあるんだろうけど」

ヒデコ「……下手したらそれだけかも」

ミカ「……それもありえる」

凛「……」ダッ

180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:02:38.73 ID:8euw1yMn0

「なんだ? 一人だけこっちに来たぞ」

「おい、テメェ! アタシらは西木野真姫、高坂穂乃果、星空凛の三人をヤりに来てんだよ!」

「オマエ、その三人の誰でもないだろっ!? 邪魔しに来てんじゃーよ!」

ギャーギャー



「あー、もううるさいやっちゃなー」スタスタ

「ていうかその三人が狙いなら尚更なんやけどなぁ」スタスタ



「ん〜? ねぇ、アイツはどうするの〜?」

「ターゲットじゃないみたいだけど〜?」

「アタシらの邪魔しに来てるなら誰でも一緒だよ! 全員でヤっちまいな!!」



「おっ、やっと来るんかな」ピタッ

「誰か骨のある子がおるとええんやけどなー」

181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:03:41.03 ID:8euw1yMn0

凛「……」スタッ

「お? 凛ちゃんも来たんやね」

凛「……どこの誰かは知らないけど、手伝うって言うなら止めないよ」

凛「ただ、凛の足引っ張らないでね」

「……ふふっ、それは気を付けんとなぁ」

凛「……名前」

「ん?」

凛「名前、なんて言うの?」

「ウチ?」

凛「うん」

「うーん、それはこの喧嘩が終わってからやなぁ」

凛「……どうして?」

「ふふっ、事情があるんや」

凛「……じゃあさっさと終わらせるよ」トーンッ

「ウチはなるべく楽しみたいんやけどなぁ」

凛「……変な人だにゃ」トーンッ

「喧嘩は楽しんでナンボやで?」スッ

凛「その余裕があれば」トンッ

凛「ねっ!」

ダンッ!!

182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:04:48.29 ID:8euw1yMn0

<同時刻、とある河川敷>



ザッザッザッ

真姫「……来たわね」

ザッ……

穂乃果「来たよ、西木野さん」

花陽「うぅ……」

真姫「……その子は?」

穂乃果「立ち会い人をお願いしたんだ」

花陽「よ、よろしくお願いします」

真姫「そう、まあなんでもいいわ」スッ

穂乃果「……四時までまだ少し時間があるね」

真姫「ええ」スタスタ

穂乃果「今日なんで学校に来なかったの?」

真姫「集中したかったから」スタスタ

穂乃果「何に?」

真姫「決まってるじゃない」スタスタ

真姫「アナタを倒す」ピタッ

真姫「ただそれだけに」

183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:05:40.69 ID:8euw1yMn0

穂乃果「……っ」ジリッ

花陽「ひゃっ」ヘナッ

穂乃果(西木野さんから出てるこの圧力……!)

穂乃果(半端じゃない集中力を感じるよ……! 教室にいる静かなときとはまるで別人……っ)

真姫「アナタは」

穂乃果「っ?」

真姫「どうしてこの学校に来たの?」

穂乃果「っ……それは」

穂乃果(い、言えない! この西木野さんに『留年したから』なんてことは言えない……!)

真姫「……言いたくないなら別にいいわ」

真姫「質問を変えましょう」

真姫「アナタ、音ノ木坂の頂点(テッペン)を獲る気はある?」

184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:06:43.83 ID:8euw1yMn0

穂乃果「音ノ木坂の……テッペン……?」

真姫「そう」

穂乃果「私は、テッペンを獲るとか、そういうことを考えたことはないよ」

真姫「へぇ……そうなの」

穂乃果「うん」



真姫「なら尚更負ける訳にはいかないわね」

穂乃果「……っ!?」ジリリ

穂乃果(さ、さらに圧力が強く!?)

真姫「高坂穂乃果、アナタが星空凛並みの強さだってことはこの前見てわかった」

真姫「そして、私と頂点(テッペン)を奪い合う相手になるかもしれないと考えたわ」

穂乃果(に、西木野さん……そんなこと考えてたんだ)

真姫「だけど、当の本人に頂点(テッペン)を獲る気が無いなんて」

真姫「そんな人には絶対に負けない」

真姫「負ける訳にはいかないわ」

穂乃果「……」

185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:07:43.61 ID:8euw1yMn0

穂乃果「西木野さん」

真姫「何よ?」

穂乃果「私はね、学校のテッペンを獲るだとか、何人もの不良達のトップに立とうだとか」

穂乃果「そんなことを考えたことはないんだよ」

真姫「……」

穂乃果「でもね?」



穂乃果「売られた喧嘩には絶対に勝つ」

穂乃果「私の考えてることはそれだけだよ」

西木野「……へぇ」ジリッ



花陽「あ、あのっ、間もなく四時になります!」

穂乃果「花陽ちゃん、カウントダウンお願い」

真姫「そうね、四時ちょうどに開始しましょう」

花陽「へっ、あっ、えっと……10!」

186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:08:38.05 ID:8euw1yMn0

花陽「9!」

穂乃果「すぅーっ」グーッ

花陽「8!」

穂乃果「はぁーっ」ダラーッ

花陽「7!」

穂乃果「すぅ」

花陽「6!」

穂乃果「……」スッ

花陽「5!」

穂乃果(……集中)

花陽「4!」

穂乃果(……集中)

花陽「3!」

穂乃果「……」

花陽「2!」

真姫「……」

花陽「1!」

穂乃果・真姫「っ」カッ

花陽「0!」

ガンッッッ!!

187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:09:41.04 ID:8euw1yMn0

穂乃果・真姫「っ」ギリギリ

花陽「ぴゃっ」ドサッ

穂乃果「まさかっ、二人とも同じこと考えてたなんてねっ」グググ

真姫「そっちもっ、いきなり頭突きしてくるとは思わなかったわっ」グググ

花陽「あわわっ」

真姫「っ」フッ

穂乃果「!」グラッ

真姫「ふっ」ガシッ

ドゴォッ

穂乃果「お、ぐ」

花陽「あぁ、西木野さんの膝が思いっきり鳩尾に……」

穂乃果「……なんてね」ニヤ

真姫「っ!」

花陽「と思ったら寸前で両手を滑り込ませてガードしてたのぉ!?」

188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:10:48.44 ID:8euw1yMn0

穂乃果「お返しだよっ!」ガシッ

真姫「なっ」フワッ

穂乃果「どりゃあっ!!」ブンッ

真姫「くっ」

ドガッバキッ

穂乃果「痛っ!?」グラッ

真姫「っ……」ゴロゴロッ

花陽「ひぇぇ……二人とも凄すぎて何がなんだか……」

穂乃果「ちぇっ、今のはいけたと思ったのにな」スッ

真姫「あそこから持ち上げられるとは思わなかったわ」スクッ

穂乃果「こっちこそ、まさかあの体勢から頭に蹴り入れられるとは思わなかった、よっ!」ダッ

真姫「全力で叩きつけられなくて残念だったわ、ねっ!」ダッ

ダンッ!!!

真姫・花陽「!?」

189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:11:48.74 ID:8euw1yMn0

ガンッ

真姫「あぐっ」グラッ

穂乃果「っと」スタッ

花陽「えっ、穂乃果ちゃん、今何メートル跳んで……?」

穂乃果「ありゃ、これも防がれちゃったか」スクッ

真姫「くっ……ふふ」

穂乃果「?」

真姫「何よ……期待以上じゃない……」

花陽「に、西木野さん……?」

真姫「アナタなら……」ボソッ

穂乃果(何……? 西木野さんの雰囲気が……)

真姫「今の私の全力」

真姫「受け止めてくれる?」ニィッ

190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/15(水) 12:12:40.67 ID:8euw1yMn0
投下終わりです
書き貯めが出来次第また投下します
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/15(水) 12:15:52.06 ID:FrziCAfCo
気になるところで終わるなぁ
続き待ってる!
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/15(水) 23:07:45.80 ID:9m6Ze1BA0
待ってるぞ〜 面白過ぎてにやける
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/06(木) 23:19:45.70 ID:5lqReZZu0
待ってるぞ
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/09(日) 21:19:39.46 ID:MZ3l9Ryso
まってる
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/04/16(日) 13:03:27.81 ID:5k2pxiq90
まだか
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/17(月) 03:31:44.48 ID:ppUt5cm6O
一ヶ月たったしそろそろくるだろ
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:30:56.09 ID:0orPKaYs0
投下始めます
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:31:39.29 ID:0orPKaYs0

穂乃果「!?」

真姫「今度はこっちの番よ」ダッ

穂乃果「っ」サッ

真姫「ふっ」ダンッ



ドゴォッッッ



穂乃果「っったぁ!?」ズザァッ

真姫「……あら」

穂乃果(西木野さんのパンチ重っ!?)

真姫「よく防いだわね」

穂乃果「これくらいっ!」

真姫「けど」

真姫「いつまで耐えられるのかしら?」スッ

ガッドカッゴンッ

穂乃果「ぐっ……」グラッ

穂乃果(一発一発が重い……っ!)

199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:32:38.10 ID:0orPKaYs0

真姫「がんがん行くわよ」



バシッガッズドッ……



穂乃果「くっ」

穂乃果(受けてばっかりじゃダメだっ)

穂乃果(こういう押せ押せタイプが相手のときは……)

真姫「ふっ」ブンッ

穂乃果「っ」サッ

真姫「!」

穂乃果(避けてカウンターだよっ!!)



バキィッッッ



真姫「っ……!」グラッ



花陽「穂乃果ちゃんのカウンターが入った……!」

穂乃果(これはかなり効いたはずっ!)



真姫「……ったいじゃない!」グワッ

穂乃果・花陽「!?」

200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:33:50.37 ID:0orPKaYs0



ガンッッッ



穂乃果「へぶっ!?」グラッ

花陽「ずっ頭突き!?」

真姫「お返しよ」ガシッ

穂乃果(ま、まずっ)



ズドンッ

穂乃果「ごっ!?」

真姫「まだまだ」

ズドンッ

穂乃果「あっ、ぐ」

真姫「ふっ」ブンッ

穂乃果「……こんのっ!」パシッ

真姫「っ」

ガンッ

穂乃果「がっ!?」グラッ

穂乃果(拳を止めたと思ったらまた頭突きっ!?)

201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:34:49.98 ID:0orPKaYs0

真姫「喰らいなさい」ガシッ



バギィッッッ



穂乃果「っ!!」ブシュッ

真姫「……ふぅ」スタッ

穂乃果「あ、が」フラッ



花陽「が、顔面固定からの膝蹴りっ……!」

花陽「穂乃果ちゃんっ!!」





ズダンッ!





真姫・花陽「!!」

202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:35:43.28 ID:0orPKaYs0

穂乃果「……」ポタ…ポタ…

真姫「……っ」ジリッ

花陽「ほ、穂乃果ちゃ、鼻血がっ……」



穂乃果「……」ザッ

真姫「……へぇ」

真姫「あれだけ私が叩き込んでも倒れないなんて」

真姫「アナタってとんでもなく丈夫なのね?」

穂乃果「……」ザッ

真姫「……いいわ」ザッ

真姫「それなら」スッ

穂乃果「……」

真姫「倒れるまで……叩き込むだけよっ!!」グワッ

203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:36:45.96 ID:0orPKaYs0



バキィッッッ!!



真姫「ぶっ!?」グルンッ

ドサッ

穂乃果「……ふーっ」

真姫「ぁ、え……?」

花陽「……え!?」

真姫「地面……? なん、で私……」

穂乃果「んん……べっ」ベシャッ

花陽「に、西木野さんが倒れて、穂乃果ちゃんが立ってる……?」

穂乃果「うぇ……口ん中血だらけで気持ち悪い……」

真姫「はっ!?」ガバッ

穂乃果「……ふぅ」ザッ

真姫「くっ」ジリッ



穂乃果「……どうしたの?」

真姫「は?」

穂乃果「全力、受け止めてほしいんでしょ?」ニコッ

穂乃果「それなら」フッ



穂乃果「かかって、来なよ」チョイチョイ

真姫「……こんのっ!!」ダッ

204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:39:20.10 ID:0orPKaYs0

<しばらくして、とある空き地>



ピーポーピーポー

「怪我人は?」

「はぁ、また音ノ木坂の子達ね……」

「はは、もう慣れましたよ……さて、運びましょうか」



「あ、ぐ……」

「が……」

「ぐ、お……」

「くそっ……なんなんだよアイツは……」

「聞いてないわよ……あんな化け物がいるなんて……」

「く、あ……」

「ちくしょぅ……」

「いってぇ……」

「おい、ノビてるヤツらどうすんだ?」

「知るかボケッ」

「仕切ってたヤツら皆ノビちまってるからなぁ……」

「ははっ……こんなに人数集めたのにね……」

「あの女一体何者なんだ……」

「そういやよ、あの双子はどうしたんだ?」

「あ? あー、刃物使いのヤツらか」

「さぁ? アイツらはこの件にノらなかったみてぇだし知らねーわ」

「そんなのどうでもいいわよ……どうすんのアタシらこのザマで」

「はぁ……まあ、こうなったら結果を待つしかないっしょ」

「なんの?」

「決まってんだろ」

「一年生最強が誰になるか、だよ」

205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:40:14.93 ID:0orPKaYs0

<とある空き地からとある河川敷への道>



「んー、毎度毎度ありがとうな」

「いやー、ホンマにヒフミちゃん達には頭が上がらんわー」

凛「……ん」パチ

「ほな、また明日なー」ピッ

「お、目ぇ覚めた?」

凛「あぇ……?」

「ふふ、寝ぼけとるん?」

凛「……にゃっ!?」

「おはよー、凛ちゃん」

凛「な、なんで凛はおんぶされてるのっ!?」

「あはは、凛ちゃん喧嘩終わったら倒れてもーたからね」

凛「なっ、えっ」

「あんなとこに倒れてる女の子放っとくわけにもいかんしね」

「だからウチが背負ってくって話になったわけやん?」

206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:41:09.26 ID:0orPKaYs0

凛「いやいや、降ろしてよ! 凛、自分で歩けるし!」ジタバタ

「こらこら、怪我人は無茶したらアカンでー」

凛「なっ、それを言うならあなただって……」

「ん?」

凛「怪我して、る、はず……あれ?」

「んー? ウチは全然平気やで?」

凛「え、だっ、だって凛よりもたくさん相手いたのに」

「まーさすがに無傷ってわけやないけど、全然大したことあらへんで?」

凛「そ、そんな」

「結局骨のある子もおらんかったしなー」

凛「……」ジー

「?」

凛「……本当に大したことなさそうだね」

「はは、せやからそう言うとるやん?」

207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:42:05.87 ID:0orPKaYs0

凛「それで」

「んー?」

凛「今はどこに向かって歩いてるの?」

「凛ちゃんのお友達のとこやで」

凛「え? それって」

「結果」

凛「?」

「気になるやろ、どっちが勝つのか」

凛「もちろんっ!」

「ははっ、ええ返事や」

凛「もし穂乃果ちゃんが負けてたら凛と交代だからね!」

「えっ、そうなん?」

凛「だってもしものときは凛に任せるって穂乃果ちゃん言ってたもん!」

「へー、ならますます現場に駆けつけんといかんわけやね」

「よっしゃ、ちょーっとスピード上げたるでー!」ダッ

凛「わっ、ちょっ、揺れるにゃー!」

「ははっ、しっかり掴まっとき!」タッタッタッ

208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:43:18.55 ID:0orPKaYs0

<同じ頃、とある河川敷>



穂乃果「ふぅ……ふぅ……」ポタ…ポタ…

真姫「はぁっ、はぁっ」ポタ…ポタ…



花陽「ふ、二人とも……血だらけだよぉ……」

花陽「さ、さすがにこれ以上は……!」ザッ



真姫「入ってこないでっ!!」

花陽「!?」ビクッ



真姫「まだ……まだ、決着ついてないんだから……」ズル…ズル…

真姫「ここで止められたら、たまんないわよっ……!」ザッ

穂乃果「ふぅ……西、木野、さん……!」ザッ

真姫「行く、わよ……!」ダッ

穂乃果「……!」ダッ

209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:44:21.36 ID:0orPKaYs0

真姫「ふっ!!」ブンッ

バキッ

穂乃果「っ、のっ!!」ブンッ

ガンッ

真姫「ぐっ、っらあ!」ブンッ

ドカッ

穂乃果「いっ、たいな!」ブンッ

ゴンッ

真姫「っっ、くぅっ!」ズザァッ

穂乃果「はぁ……はぁ……」

真姫「こ、の……」ザッ

穂乃果「い、いよ……」ザッ

真姫「あ?」

穂乃果「とこ、とん……やろうよ」ニィッ

真姫「……上等よっ!」ニイッ

ドカッバキッズドッ……



花陽「あ、あわわ……二人とももうノーガードで殴り合ってるよぉ……」

花陽「私じゃ止められないし……誰か助けてぇ!!」

210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:45:30.83 ID:0orPKaYs0

真姫「はぁっ!!」ブンッ

ドゴッ

穂乃果「っっう!」ズザァッ

真姫「ちっ……!」

穂乃果「くっ!」ブンッ

バキィッ

真姫「ぶっ、がっ」グラッ



花陽「あ、西木野さんが……」



ズダンッ!



真姫「はぁっ、はぁっ」グググ

穂乃果「ふぅっ……ふぅっ……」

真姫「負けるわけには……負けるわけにはいかないのよ!」グググ

真姫「私は……音ノ木坂の、テッペン、を……」グググ

真姫「絢瀬、絵里を……」グググ

穂乃果「……」

真姫「倒さなきゃいけないのよっっっ!!」グワッ

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:46:30.15 ID:0orPKaYs0

真姫「ぁぁぁああああっ!!!」ダッ

穂乃果「……」スッ



花陽「え、穂乃果ちゃ、なんで構えを解いて……」



バギィッッッ!!



穂乃果「っっ!!」ズザァァッ

穂乃果「っ、っ……」グググ

穂乃果「ふんっ!!」グワッ

真姫「はぁっ、はぁっ、なん、で」

穂乃果「……ぺっ」ベシャ

真姫「なんで、倒れない、のよ」





穂乃果「……ねぇ」

真姫「……なに、よ」





穂乃果「全力、出せた?」

212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:47:48.21 ID:0orPKaYs0

真姫「!!」

真姫「……えぇ」

穂乃果「そ、っか……じゃあ」グッ

穂乃果「次は、穂乃果の番、だね」

穂乃果「行くよっ……!」ダッ





真姫(あぁ……もう、最悪)

真姫(口の中切れてるし、鼻血ダラダラ出てるし、体中が痛くて)

真姫(こんなの、めちゃくちゃで、最悪よ)

真姫(私の全力、ぶつけたのに)



真姫(だけど)

真姫(私の全力を、受け止めてくれて)

真姫(私に全力でぶつかってくれる人)





ダンッ!!





真姫(ようやく、見つけられたわ)





バギィッッッ!!





213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:48:57.70 ID:0orPKaYs0





ドサッ……





真姫「……」

穂乃果「はぁっ……はぁっ……」



花陽「えっ……あっ……」

花陽「に、西木野さん……?」



真姫「……」

穂乃果「はぁっ……はぁっ……?」クルッ



花陽「あっ……こ、この勝負っ」

花陽「穂乃果ちゃんの勝ちですっ!!」



穂乃果「はぁっ……やっ、た」フッ

穂乃果「勝った……私、勝ったよ」ズル…ズル…



花陽「穂乃果ちゃんっ!」ダッ



穂乃果「……っ」グラッ

花陽「わっ、と!」ガシッ

穂乃果「あ、りがと……は、なよちゃん」

花陽「お疲れさま、穂乃果ちゃ、ん」グスッ

214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:50:01.74 ID:0orPKaYs0

穂乃果「え、花陽ちゃ……泣い、てる……?」

花陽「だって……こんなにっ、ボロボロになっ、て……血、だらけで……」グスッ

花陽「心配、したんだから……」ポロポロ

穂乃果「あ……」

穂乃果「え、へへ……ありがと」



花陽「あ、そうだ! 血! 血を止めなきゃ!」ゴシゴシ

穂乃果「あ、ごめ……せ、ふくに、私の血、ついちゃ……」

花陽「ううん! 気にしないで!」

花陽「え、と、座れる?」

穂乃果「うん、だいじょぶ」

花陽「よしっ、ちょっと待っててね? 鞄から救急セット取り出してくるから!」スクッ

穂乃果「え、持ち歩いてた、の?」

花陽「もしもの為に今日は準備してたんです!」タッタッタッ

穂乃果「そっかぁ……はは、花陽ちゃんは凄いや……」

215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:51:31.38 ID:0orPKaYs0

真姫「……」スッ



真姫(……負けた)

真姫(私の、全力をぶつけた……今の全力を)

真姫(それでも負けた)

真姫(それに……最後の私からの一撃)

真姫(あの子は、私のパンチをわざと喰らったように見えた)

真姫(私の、全力の一撃を、ね)

真姫(それでも倒せないなんて)

真姫(完敗、ね)



真姫「……」パチッ

真姫(こんな風に大の字になって空を見上げるのなんて、久しぶりじゃないかしら)

真姫(……このまま眠れたら気持ち良さそうね)

真姫(あいにく、体中痛くてできそうにないけれど)

真姫「……ふっ」



花陽「……あの」

真姫「!?」

216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/17(月) 21:52:24.60 ID:0orPKaYs0

花陽「あ、ご、ごめんなさい……!」

真姫「あ……?」

真姫(この子……立会人をしてた……小泉さん、だっけ)

真姫(私に何の用……?)

花陽「あ、あの、に、西木野さんも、ボロボロっだからっ」

真姫「?」

花陽「え、っと、私、手当てするのが、その、得意っでして……あっ、いや、そんな大したことは、ないんです、けど……」

真姫「……」ジッ

花陽「その、穂乃果ちゃんの、応急処置ができたので、あの……」

真姫「……?」

花陽「西木野さんも、ね? 傷だらけ、だから……あの、手当てを……」

真姫(何が言いたいのかしら?)

花陽「に、西木野さんのっ、手当てを、してもいい、ですか……?」

真姫「……え?」

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