八幡「神樹ヶ峰女学園?」

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1 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/06(火) 16:33:06.11 ID:vixu/TuV0
これは「俺ガイル」と「バトガ」のクロスSSです。時間軸は俺ガイルに合わせます。

八幡たち登場人物のキャラ崩壊注意

不定期更新で進めていきます。

バトガキャラはなるべく全員出すけど、俺ガイルはわかりません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1481009585
2 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/06(火) 16:47:52.24 ID:vixu/TuV0
女子校

それは男子高校生のみならず男子全員が一度は憧れる「秘密の花園」
男子校の汚くてむさくるしいイメージとは真逆の「綺麗」で「清楚」な場所
もちろん、女子ばかりだから人間関係がややこしくなることはぼっちを極める俺じゃなくてもわかりきっていることだが、
俺は男だ。ゆえに女子のめんどくさい人間関係には入らず、すべて外から眺められる。だから女子校最高!と思っていた。

だが

ひなた「八幡くん、HR早く終わらせようよー」

うらら「そうだよ、ハチくん!うららこのあとアイドルグッズの物販に並ばないといけないのに!」

心美「う、うららちゃん、そんなこと言っちゃだめだよぉ」

みき「遥香ちゃん、昴ちゃん、帰りに新しくできたケーキ屋さん寄っていこうよ!」

昴「いいね!あそこのケーキ前からチェックしてたんだぁ、楽しみ〜」

遥香「いちごのタルトもあるかしら」

明日葉「おいみんな、比企谷先生が困ってるだろ。静かにしろ」

蓮華「まぁまぁ明日葉〜、固いこと言わないの、せっかくのかわいい顔が台無しよ?」

八幡「どうしてこうなった…」
3 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/06(火) 17:26:39.85 ID:vixu/TuV0
数日前、総武高校、奉仕部部室


静「邪魔するぞ」

雪乃「平塚先生、入るときはノックを」

静「悪い悪い、ちょっと急ぎの大事な連絡があるんだ」

結衣「何々?」

雪乃「それは奉仕部への依頼ということでしょうか?」

静「いや、今回は比企ヶ谷個人へのものだ」

八幡「なんすか」

静「聞いて喜べ比企ヶ谷、明日からお前は神樹ヶ峰女学園で教師をやることになったぞ」

八幡「……は?」

結衣「神樹ヶ峰女学園って星守のいるあの学校!?」

雪乃「待ってください平塚先生、この男が女子校なんて行ったら校舎を見ているだけで警察に捕まってしまいます。
   それにこんなぼっちな男が生徒と関わらなければならない教師なんて務まるはずがありません。
   神樹ヶ峰女学園の生徒や名誉に多大な損失を与えかねません」

八幡「おい、俺を公害のように扱うな。つかそもそも何がなんだかさっぱりわからないんだが。
   いきなり女子校行って教師やれって言われても頭がついていかないんですけど、説明してください平塚先生」

静「説明と言われてもな、神樹ヶ峰女学園の先生に私の顔見知りがいて、この前飲んだ時に面白そうだから交流ということでこちらから生徒を一人送ることになったのだよ」

雪乃「その話だと、向こうに行くのが比企ヶ谷君である必要はないし、教師にもならなくていいんじゃないかしら」

4 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/06(火) 17:54:45.61 ID:vixu/TuV0
静「まぁ話は最後まで聞け雪ノ下。当初は生徒として女子を行かせるつもりだったのだが、向こうの理事長が『どうせなら男の子を呼びましょう』と言い出したらしくそれにこちらも同意したわけだよ。だが、女子校に男子生徒が行くのはマズイので、教師という肩書を与えたわけだよ」

結衣「へぇー、なんかすごいねヒッキー!もう先生になっちゃうんだ!」

雪乃「由比ヶ浜さん、この男をそのように調子に乗らせてはダメよ、絶対に良からぬ方向に権力を使うわ」

八幡「使わないし、そんな権力こっちから願い下げだよ。ってかそれなら俺じゃなくてもいいんじゃないですか?葉山とか適任だと思うんですけど」

静「人選に関しては向こうが通達を出してきたのでこっちからは何も提案はしていない。私個人としては君が選ばれてよかったと思っているがね」

八幡「なんでですか?」

静「単純に君が適任だと思ったまでさ。あ、ついでに言うと辞退はできないからな。頑張りたまえ」

結衣「ってか、明日から行くってことはヒッキー奉仕部には来られないの?」

静「あぁ、期間は特に決まってないからな。こっちと向こう、双方が満足すればこの交流は終わりだ。それまでは雪ノ下と由比ヶ浜、二人で活動してもらうことになる。」

雪乃「奉仕部については大丈夫ですが」

静「なら問題ないな。明日からはそういうことで各々頑張ってくれたまえ」

八幡「先生、肝心なことを聞いてないんですけど。」

静「なんだね、比企ヶ谷」

八幡「どうして俺が選ばれたんですか?」

静「『神樹』が君を選んだんだよ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/06(火) 17:58:15.56 ID:An2nND+Z0
すまんがバトガって何だ?
6 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/06(火) 18:02:53.08 ID:vixu/TuV0
書き忘れましたけど、地の文は八幡の考えてることとして読んでください
7 : ◆JZBU1pVAAI [saga sage]:2016/12/06(火) 18:04:02.68 ID:vixu/TuV0
バトガは「バトルガールハイスクール」というソシャゲです
http://colopl.co.jp/battlegirl-hs/index.php
8 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/06(火) 18:21:44.68 ID:vixu/TuV0
まだ先ほどの話を受け入れられないまま帰宅すると、愛しの妹が玄関まで飛び出してきた

小町「お兄ちゃん!神樹ヶ峰女学園で先生やるって本当!?」

八幡「あぁ、なんかさっき学校で平塚先生に言われた。てかなに?なんでもう知ってるの?情報伝達早すぎない?」

小町「早いも何も、もともと知ってたし。お父さんもお母さんも知ってたよ。二人ともお兄ちゃんの意志に任せるって」

あれぇ、おかしいな。なんで当事者の俺だけ事後報告なんだ?ホウ、レン、ソウはしっかりやってもらわないと、これ社会の常識だよ?

小町「でも小町驚いたなぁ、まさかお兄ちゃんがこの話を受けるなんて思わなかったよ」

八幡「もともと俺に拒否権はなかったからな。仕方なくだ」

小町「ふーん、ま、頑張ってね!」

八幡「決まったもんはしょうがないが、明日からどうすればいいのかさっぱりわからないんだが……」

小町「お兄ちゃんあての神樹ヶ峰女学園からの封筒が来てたよ。そこにいろいろ書いてあったよ」

八幡「小町ちゃん?勝手に人の郵便見ちゃダメでしょ、てかその封筒どこ」

小町「そこの机の上。でもお兄ちゃんのこと心配してるから封筒開けちゃったんだよ?あ、今の小町的にポイント高い!」

八幡「はいはい、高い高い」
9 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/07(水) 00:21:26.84 ID:G7Np97Dd0
八幡「しかし、ここまでとんとん拍子で事が進んでいくと逆に怖いな。何か裏を感じる」

小町「大丈夫だよお兄ちゃん。そんなことは絶対ないから」

八幡「小町……」

さすが我が妹。兄を元気づけるなんてできた子

小町「お兄ちゃんをだましても相手側になんの得もないもん。だからお兄ちゃん安心して」

八幡「小町、さすがにそこまで言われるとお兄ちゃん傷つく」

とはいえ小町の言うことももっともなので少し安心して封筒の中身を見る

入っていたのは一枚の紙

「比企ヶ谷八幡君。この手紙を読んでくれているということは神樹ヶ峰女学園に来てくれるということですね。ありがとうございます。とりあえず初日は9時に校門で待ち合せましょう。詳しいことはお会いしてからお話しします。神峰牡丹」

これだけ?え、ほんとに?あっさりしすぎてない?

八幡「ずいぶん簡単な指示しか書いてないな」

小町「着いてからのお楽しみってことでしょ?楽しみだねお兄ちゃん!」

八幡「何言ってんだ小町、こんなよくわからない指示だけで何が楽しみになるんだ。逆に行きたくなくなったまである」

実際のとこ気乗りしてないしな。なんでぼっちの俺が女子校に行かなきゃならないんだ……ぼっちはぼっちらしい生活というものがあるのに。例えば?寝るとか読書とか妄想とか?

小町「ごちゃごちゃうるさいなぁ、いいから明日はその手紙の時間に遅れないようにね!わかった?」

八幡「……はい」
10 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/07(水) 01:00:14.32 ID:G7Np97Dd0
翌日、なぜかテンションが高い小町にせかされ家を追い出された俺は時間より少し早く校門に着いてしまった

八幡「ここが神樹ヶ峰女学園か。確かにでかい木があるな。」

校門からでもはっきり見えるほど大きな樹が校舎の真ん中から生えていて、校舎全体を覆うように枝を伸ばしている。

八幡「ここにこれから通うのか。しかも教師として。考えるだけで憂鬱になってきたな……」

今頃総武高校では何が行われているのだろう、朝のHRの時間か、まぁ俺はいてもいなくても変わらないしどうでもいいか

「あのー、」

あ、でも今日の朝は戸塚としゃべれなかったなぁ、戸塚の天使の笑顔を見ないと一日が始まる気がしない、むしろ終わるまである

「あのー、すみません」

いや待てよ、よく考えたら毎日朝からここに通うとなると俺は戸塚と会えなくなるってことにならないか!?これは非常に重要な問題だ。俺の心のオアシスである戸塚成分が補給できなくなるということは俺の生死にかかわってくる、なんとかしてこの交流を早く終わらせなければ、

「あのー!すみません!」

あぁ、意識したら戸塚に会いたくなってきた、戸塚の笑顔が見たい、戸塚の声が聴きたい、戸塚戸塚

「あの!!すみません!!」

八幡「戸塚!」

「うわぁ!びっくりした!いきなり大きな声出さないでくださいよ、比企ヶ谷くん」

いきなり名前を呼ばれたので声のした方を見てみると赤い髪のボブカットの美少女がいた。
なんでこんな可愛い子が俺の名前知ってるの?新手の詐欺?「触らぬ神に祟りなし」だ、ひとまず無視するに限る

「ちょっとー!聞こえてますよね?無視しないでくださいよ比企ヶ谷くん!」

間違いない、向こうは俺のことを知っている。でも俺はこの子のことを知らない、こんな可愛い子と関わりがあるなら覚えてるはずなのにな、むしろ自分の人間関係薄すぎてすべての関係を覚えてるまである。我ながら今のは気持ち悪いな……

八幡「あぁ、ごめん。で、君誰?何してるの?」

みき「私は星月みきです!比企ヶ谷くんを迎えに来ました!ようこそ、神樹ヶ峰女学園へ!これから私がこの学校のことをいろいろ教えてあげますね!」
11 : ◆JZBU1pVAAI [saga sage]:2016/12/07(水) 01:15:23.15 ID:G7Np97Dd0
比企ヶ谷ではなく比企谷でしたね。今気づきました。今後直します
12 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/07(水) 11:46:25.20 ID:G7Np97Dd0
八幡「お、おう」

いきなりこんなにフレンドリーに話しかけてくるなんて、こいつカースト上位層の人間だな。普段なら関わらないでいたいところだが、今は彼女に頼らなければどうしようもない

みき「じゃあ早速行きましょう!」



ということで星月みきに連れられ学校の中を案内してもらうことに

みき「さっきはびっくりしましたよ!私が話しかけても全然反応しないのにいきなり大きな声出すんだもん」

八幡「あ、あぁ、すまん」

みき「でも比企谷くんも大変ですね、交流とはいえ1人で、しかも女子校に来ることになるなんて。」

八幡「あ、あぁ」

みき「でも心配はいらないですよ!ここのみんなはとっても明るくて優しくていい人たちばかりだから!」

八幡「あ、あぁ」

なにこの地獄、見知らぬ女の子と2人で歩きながら会話をするなんてぼっちにとっては苦行でしかない。現に、「あぁ」と「すまん」しか言えてない。

みき「さ、着きましたよ!まずは先生に挨拶してください!」

あ、これはまずい。確か平塚先生が顔見知りとか言ってたよな。あの人と飲みに行くような関係、しかもその場のノリでこの交流を決めるような人がまともなわけがない。

八幡「ちょ、ちょっと待てくれ、少し心の準備をだな」

みき「八雲先生!御剣先生!比企谷くんが来ましたよ!」ガラッ
13 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/07(水) 14:38:19.92 ID:G7Np97Dd0
開いたドアの先にはやたらとたくさんの難しそうな機械が大きな木を囲むように並んでいて、その機械の1つのところに二人の教師がいた。1人は青髪ショートカットで赤い縁のメガネをかけた、いかにも真面目そうな人。もう1人は長い金髪で白衣を着たちょっと怖そうな人。

樹「みき、ありがとう。それであなたが比企谷八幡くんね。初めまして、私は八雲樹です。これから、よろしくお願いしますね。」

風蘭「あんたが比企谷八幡か。アタシは御剣風蘭、よろしくな」

八幡「総武高校から来ました比企谷八幡です。よろしくお願いします」

風蘭「しかし、あんたも災難だったな、アタシたちの思いつきからこんなことに巻き込まれてな」

八幡「あ、いえ、別にそんなことは」

樹「そうよ、風蘭。その言い方だと罰ゲームのように聞こえてしまうわ」

風蘭「でもあの時の雰囲気はそんな感じだったろ。静が比企谷の話ばかりするからそんなに言うならアタシたちも見てみたいってなったからこうなったわけだろ?」

樹「あ、あの時は3人ともだいぶ酔っ払ってたから軽いノリになったけど、そのあとは真面目に計画を立ててたわ」

これ2人とも平塚先生の知り合いなのかよ。つか飲みの場でも俺の話をするのやめてくれないかな平塚先生、この2人に何をしゃべったのかすごく気になるが、怖いから聞くのはやめておこう

樹「では比企谷くん。さっそくここの説明をしますね。ここは神樹ヶ峰女学園の「ラボ」という場所です。ここでイロウスの探知や、武器の作成、神樹の管理など星守をサポートする場所です。」

八幡「はぁ」

ようするにここがこの学校の重要拠点なわけか。まぁ普通の学校にはこんな場所なんてないから当たり前だが

14 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/07(水) 15:08:51.52 ID:G7Np97Dd0
八幡「つかイロウスってなんですか?初めて聞いたんですけど」

樹「イロウスというのは詳しいことはわかっていない謎の生命体よ。そのイロウスがこの地球を制圧しようと人間たちを襲っているの。そのイロウスを倒せる力を持ってるのがこの学校の星守と呼ばれる少女たちよ。彼女たちのおかげでこの地球はイロウスに支配されなくてすんでいるの」

なるほど、状況はだいたいわかった。けど

八幡「なんで星月が今の話で満足そうにしてるんだよ」

御剣「そりゃ、そいつが星守だからに決まってるだろ」

え、なんだって?この子が星守?こんなか弱い子でも務まるの?もっとゴリゴリな霊長類最強女子とかがやるんじゃないの?
と、疑惑に思っていたことが顔に出ていたらしく、

みき「あぁー、比企谷くん信じてないでしょ!私だってちゃんと星守として戦えるんですよ!」

八幡「いや、だってそんなよくわからないものと戦うんだからもっと強そうな人を想像するだろ普通……」

樹「いえ、みきは星守としてかなりの力を持っていることは本当ですよ、比企谷くん」

みき「えへへ〜」

こうやって褒められて素直に照れてるこの子がよくわからない生物と戦うなんてやはり想像できない、などと思っていた時、

ブーブーブーブー

突然警報音のようなものが鳴り始めた。なにこれどうなってんの?

樹「イロウスの反応だわ!」

風蘭「あぁ、すぐに転送装置の準備を始める。2人も準備しろ!」

みき「はい!」

おぉ、みんなさっきまでとはまるで別人だな。

みき「比企谷くん!はやくこっちに!」

八幡「え、俺も?」
15 : ◆JZBU1pVAAI [saga sage]:2016/12/07(水) 15:15:45.46 ID:G7Np97Dd0
補足です。
時代は俺ガイルと同じで現代ということにしてください。ただ、バトガの世界観は第二章がすべて終わって、詩穂も花音も仲間になっている状況で、地球に現れるイロウスを倒していくという本編とは離れた設定でやっています。
16 : ◆JZBU1pVAAI [saga sage]:2016/12/07(水) 15:23:09.99 ID:G7Np97Dd0
さら補足。詩穂も花音もサドネも星守クラスにはいますが、バトガ本編のようなスペースコロニーや月、火星などの近未来の設定や、審判の日、地球奪還などの設定は無視しています。あくまで「現代の地球だけを舞台にして、人間を襲うイロウスと星守が戦う」というように補完をお願いします
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/07(水) 16:11:05.09 ID:porRn5TTO
要するに……?
18 : ◆JZBU1pVAAI [saga sage]:2016/12/07(水) 23:54:13.32 ID:G7Np97Dd0
まとめると
世界観…現代の地球。火星やスペースコロニーなどバトガで出てきた地球外の居住可能エリアは存在しない。また、審判の日やその後の地球奪還などの地球外と関わるようなイベントも発生していない
神樹ヶ峰女学園…イロウスと戦う星守が通う学校。神樹のもとに建っていて、星守クラスやラボなどで星守をサポートしている
星守…昔からイロウスと戦ってきた少女。今は18人が星守クラスに在籍
イロウス…昔から地球を制圧しようとすしている存在。星守以外には倒せない。生態は不明。
比企谷八幡…原作と同じ
19 : ◆JZBU1pVAAI [saga sage]:2016/12/08(木) 00:23:55.23 ID:VKkpR1Mr0
樹「はい、比企谷くんには現場で彼女のサポートをしてもらいたいと思っています」

八幡「いや、俺には無理ですって。何もわからないし、ただの足手まといにしかなりませんって」

風蘭「大丈夫だ、あんたも神樹に選ばれたんだ。何かの助けにはなるさ」

八幡「そんなこと突然言われたって」

樹「指示はこちらから出します。この通信機を持って行ってください。これでこちらと連絡が取れます」

八幡「え、いや、そういう問題じゃなくて、そもそも俺にできることなんてなにも」

風蘭「おい、そろそろ転送始まるぞ!」

みき「比企谷くん、さぁ行こう!」

俺は星月に手をつかまれ転送装置の上に連れていかれてしまった。あ、星月の手、小さいけど暖かいな……って感触を味わっている場合じゃない。こんなことになって無事に帰れる保証はどこにもない。早く脱出しなければマズイ

八幡「離してくれ、俺には無理だって」

風蘭「よくやった、みき!そのまま比企谷が逃げないように手を離すなよ」

樹「それじゃあみき、比企谷くん、頑張ってね」

みき「はい!いってきます!」

八幡「待ってk」

みき「大丈夫」

星月が手を握る強さを強めてきた。その強さにドキッとする

みき「比企谷くんは私が守るから」

八幡「星月……」

風蘭「転送!」
20 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/08(木) 00:55:45.82 ID:VKkpR1Mr0
目を開けたら転送が終わっていたらしく、見たこともない荒野に俺と星月は立っていた。

みき「さぁ。早くイロウスを探してやっつけないと」

八幡「あ、あぁ。てかこの転送ってなんだよ、一瞬で知らない土地まで移動したぞ」

みき「神樹に認められた人は神樹の力を利用した転送装置で移動できるんです。比企谷くんも神樹に選ばれているから私と一緒に来られたんだよ」

何それ全然わからねぇ、神樹すげぇってことしかわからねぇ、マジ神樹やばいでしょー、激アツだわー。……いかんいかん一瞬戸部になってしまった

八幡「とりあえずこれからどうすればいいんだ?イロウスってやつを倒さないといけないんだろ?」

みき「はい。詳しい場所は八雲先生が通信で知らせてくれるんです」

そんなことを言ってると通信機が鳴りだした

樹「比企谷くん、みき、聞こえる?」

みき「はい!聞こえてます!」

八幡「はい、一応」

樹「よかったわ。ではこれからの行動の指示を出します。2人がいる場所から北にある村でイロウスが出現しているわ。そこへ向かってちょうだい」

みき「わかりました!」

樹「それと、もう1つ。比企谷くんはイロウスと戦う術を持っていないはずです。だからくれぐれも危ないことは控えてくださいね」

八幡「いや、それなら俺を学校に残しといたほうが良かったんじゃないですか?」

樹「これから星守をサポートするに当たって、自分自身で色々体験することは必ず役に立つわ。とにかく気を付けてちょうだい。みき、比企谷くんの事頼むわね


みき「はい!任せてください!」

樹「ふふ、では切るわね。また何かあったら連絡するわ」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/08(木) 07:54:06.46 ID:FOlcUnIB0
バトガSSとは貴重な…ありがてえ
八幡はあんことは気が合うだろうか、それとも同族嫌悪が働くだろうか
22 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/08(木) 11:18:42.89 ID:56X/D1xEO
みき「イロウスの場所もわかりましたし、早く行きましょう!」

八幡「待て、星月。お前はそれでもいいかもしれないが、勝手に行動されると俺が1人になって困ることになる。それに村にイロウスが出現したとなると村民を助けることになるかもしれない。そういうことに備えて少し対策を考えてから行ったほうがいい」

みき「……」

八幡「な、なんだよ。どうした」

みき「うんうん、比企谷くんって優しい人なんだなって思って」

八幡「……そんなんじゃねぇよ。ただ俺は任された以上、できることをしたいと思ってるだけだ」

そう、俺にできることは頭を働かせること。ぼっち特有の1人で考える時間が長いことで鍛えられた頭を使うことで星月をサポートしていくことしかできない

みき「あはは、比企谷くんって面白いね!」

八幡「どこがだよ……」

みき「そういうところだよ!」

八幡「なぁ、そんなことより対策を考えよう。ひとまず俺は安全なところで待ってるから星月がなんとかしてくれ」

みき「いきなり人任せ?比企谷くんにも協力してもらわないとイロウスは倒せないよ」

八幡「なんでだよ、俺じゃイロウスは倒せないだろ」

みき「イロウスは大型イロウスを中心に複数の小型イロウスと集団で出現するの。大型イロウスを倒さないと集団は消えないから大型イロウスを優先的に探さないといけないの」

八幡「なるほど、イロウスにも種類があるのか。ならこうしよう。星月は村の人をイロウスから守ることを優先してくれ。俺がその間に大型イロウスを探し出して見つけ次第お前に場所を伝える。そしたら大型イロウスを倒しに来てくれ」

みき「うん、そうしよう。でもムリしないでね?八雲先生も言ってたけど、危ない時は逃げてね?」

八幡「当たり前だ。自分の身は自分で守る。ぼっちの常識だ」

みき「あはは、やっぱり比企谷くん面白い」

八幡「うるせぇ。じゃ行くぞ」

みき「うん!」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/08(木) 11:36:02.67 ID:oOmEUZsFo
どっちも好きだから嬉しい😃
24 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/08(木) 11:41:48.22 ID:56X/D1xEO
八幡「しかし、いざ探すといってもイロウスがどんな形か知らなかったな」

みき「イロウスはね、色々な種類がいて犬っぽいのとか鳥っぽいのとかドラゴンっぽいのとか、他にも何種類か!」

八幡「待て、ドラゴンっていったか?そんなヤバそうなやつとも戦うのかよ…キツそうだな…それにそんなに種類がいるなら口で言われてもどれがイロウスなのかわからねぇな」

みき「そうだねぇ、確かに実際に見てもらうのが1番わかりやすいかな。あ、そこにいる犬っぽいのがロウガ種ってイロウス!」

八幡「へぇ、意外と小さいんだな。これなら俺でも倒せそうだな」

みき「小型イロウスだからね。でも小さくてもイロウスはイロウスだから、私たち星守じゃないと倒せないよ〜」

八幡「ほーん、そういうもんなのか。……って」

2人「あぁぁぁぁ、イロウスぅぅぅ」
25 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/08(木) 13:27:31.67 ID:56X/D1xEO
どどど、どうしよう。まさかこんなに早くイロウスとご対面するとは…考えろ考えろ、どうやってここを切り抜ける、今すぐ走って逃げればなんとかなるか…?いや、逃げてもどうせ倒すんだし、

みき「はぁぁぁ!」

ザシュッ

うぉっ、イロウスが一瞬で消えたぞ。何が起こったんだ?

みき「ふぅ、ちょっとびっくりしちゃって変身するのが遅れちゃったよ」

星月が倒したらしいな。つか変身?星守はイロウスと戦う時変身するのか?セーラー◯ーンや◯どマギみたいに?それはかなり期待できるぞ。さぁ、いざ拝見!

八幡「おぉ星月お疲れ、って……うわぁぁ」

星月を見ると確かに変身はしてる。してるけども……
えー、正直期待外れだわー。制服も満足に隠せてないし。これが変身?なんかテキトーに付け足しただけじゃね?

参考画像



みき「なに、どうしたの比企谷くん。あ、この姿をまだ比企谷くんは知らなかったんだね。私たち星守はイロウスと戦う時、この星衣に変身するんだよ!」

八幡「あぁ、それは見ればわかるんだが」

なんてったってなんか残念な感じがするんだよなぁ、この星衣……もう少しどうにかならなかったの?
26 : ◆JZBU1pVAAI [saga sage]:2016/12/08(木) 13:31:39.83 ID:56X/D1xEO
補足です。
星守たちの星衣は現段階では星衣フローラではなく、この星衣しか持ってないことにしてください。
多分星衣フローラも追い追い出します
27 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/08(木) 17:08:09.26 ID:56X/D1xEO
みき「それで、星衣を纏うと一緒に武器も出てくるんだ。私はソードだけど他にはスピア、ハンマー、ロッド、ガン、ブレイドカノン、ツインバレットなんかがあるんだよ」

八幡「へぇ」

武器はまぁまぁ種類あるんだな。でも星衣がちょっと残念すぎてあまり話が入ってこなかったけど……詳しいことはまた今度聞くか

みき「さ、急がなきゃ。ここにイロウスがいるってことはその集団も近くにいるはずだから」

八幡「だな」

てかその星衣のままで行くのね。俺なら恥ずかしくて絶対ムリだわ……



そして村に着くと

みき「村っていってもほんとに小さな村だね。人もほとんどいないから被害も少なそう」

八幡「よし、じゃあ星月はこの村の人たちの安全を確保してくれ。俺は見晴らしのいいところから大型イロウスを探す。で、大型イロウスってどんなやつ?」

みき「さっきいたロウガ種の大きいサイズだよ。だいたい象くらいの大きさかなぁ」

デカっ、そしてこわっ。そんなのがここらへんウロついてるの?絶対会いたくない、会ったら即、来世に良い人間に生まれ変わることを神様にお願いするまである

八幡「マジかよ、そんなデカイのか。まぁそれなら逆に見つけやすいかもな」

星月「うん、だから私もここの村の人の安全を確保したら大型イロウスを探しに合流するね」

八幡「あぁ、わかった」

できれば俺は何もせず、星月に全てをさっさと片付けて欲しいところだが、果たしてどうなるだろうか
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/08(木) 20:19:57.19 ID:FOlcUnIB0
なんでや!初期星衣の中ではフェニックスはカッコイイほうやろ!
29 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2016/12/08(木) 21:12:09.03 ID:VKkpR1Mr0
すいません、星衣については>>1の個人的な考えを反映させてしまいました…
30 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/08(木) 21:15:24.32 ID:VKkpR1Mr0
星月と別れ俺は大型イロウスを探すために村はずれの見晴らしのいい丘に着いたが

八幡「…あれだな」

さすがに象サイズの大きさの生き物をこの小さい村で探すんだ。すぐ見つかるに決まっている。けど

八幡「あれ、明らかに象より大きいよな?それにさっきの犬っぽいやつがそのまま大きくなったにしては横幅がデカすぎないか?」

そんなことを思ってると通信機が鳴り出した
あぁ、これはヤバイやつですね絶対。悪い知らせが来るパターンだ。出たくねぇなぁ、でも出ないともっとヤバイよな…

八幡「はい、比企谷です」

樹「比企谷くん、ちょっとマズイことになったわ。予想外の大型イロウスが…………れて………まま……」

八幡「あの、八雲先生?聞こえないんですけど」

樹「……ザザザ…………」プツン

切れた。切れてしまった。この状況は非常にマズイ。ベタすぎるかもしれない展開だがマズイものはマズイ。ひとまず星月に連絡をしなければ

八幡「もしもし星月、聞こえるか、星月」

やはり通信機が使えない。そうなると星月はこの状況を理解していない可能性がある。通信機が使えない以上、合流してわかってる範囲で状況を伝えなければならないだろう

八幡「行くしかないか。直接村に」
31 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/08(木) 21:51:46.95 ID:VKkpR1Mr0
さぁ、星月はどこにいるか探すか、って探すまでもないな

八幡「絶対あそこだ…」

やたらと土煙が立って、たまに赤い炎が上がってる。絶対あれだ。でも、俺今からあそこ行くの?死にに行くようなもんじゃないか?でも行って状況を伝えないと大型イロウスは倒せないしなぁ

八幡「行くしかないのか、あそこに…」

覚悟を決めろ、漢八幡。この状況を打開しないと愛しの我が家に帰れないぞ

八幡「うし、行くか」

念のため最後にもう一度大型イロウスの居場所を確認してから行くか

八幡「あそこだな。って、誰かいないか?」

よく見るとイロウスの集団の近くに1人の小さい女の子がいる。幸いお互いにその存在には気づいていないようだが、危険なことに違いはない

八幡「マジか…まずあの子を助けなきゃいかんか」

怖いものは怖いが、見つけてしまった以上自分が行くしかない。あの子を保護してすぐ隠れよう。それしかない、てかそれ以外できない

八幡「こういうことは俺のキャラじゃないんだが…」

俺は村へ走り出した
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/08(木) 22:18:21.30 ID:FOlcUnIB0
>>29
いや、ごめん、ただのネタ発言だから真面目に謝らなくていいよ
他と比べたらいいほうだと思うだけで初期星衣がビミョーだというのは同意
33 : ◆JZBU1pVAAI [saga ]:2016/12/08(木) 22:34:45.25 ID:VKkpR1Mr0
ひとまずさっき女の子がいたところまで走って来たが
つ、疲れた…息上がってしんどい…普段身体を動かさなかったツケがここできたか…だが今はそんなことを言っている暇はない。早くあの子を探さなければ

八幡「いったいどこにいるんだ…」

周りを見渡していると、地面でやたらとキラキラ光っているものがあることに気づいた

八幡「なんだこれ、……石?」

小さいが綺麗な丸型の宝石のような石だ。なんか高そうだなこれ。あとで村の人に持ち主聞いてみるか

「あ!見つけた!それあたしの大事な宝物の石!」

声のする方を振り返ると丘の上で見つけた女の子が俺の前に立っていた

少女「その石私のなの!お願い、返しておにいちゃん!」

八幡「わかったわかった、そんなに大きな声で言われなくても返すよ…」

俺は光る石を少女に手渡した

少女「よかった。さっきからずっと探してたんだ。拾ってくれてありがとう、おにいちゃん」

八幡「あぁ、それはいいんだが、今ここらへんはとっても危ないんだ。急いで逃げた方がいいぞ」

少女「危ない?なんで?」

八幡「こわくて大きな動物がいっぱいいるんだ。だからおにいちゃんと一緒に早く逃げような」

少女「へー、そのこわい動物はどこにいるの?」

八幡「多分あっちのほうだ。だから逆の方向に逃げような」

少女「すごい!あたしその動物見てみたい!」

少女は言うが早いが大型イロウスのいる方に走ってしまった

八幡「おい、マジで危ないって。戻れ!」

イロウスのいる方向なんて教えるんじゃなかった…だけど後悔してももう遅い。早く追いついて連れ戻さなきゃならない

八幡「くそっ」

俺はまた走り出した
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