姫神「はい。はっぴー。ばれんたいん。」上条「カカオ100%超苦ェエ!!」

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81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:14:48.84 ID:SnMqnM5E0


姫神「…私の生まれ故郷は小さな山村だったから。ド田舎過ぎて公園がなかった」

上条「ああ…なるほど」

姫神「こっちに来てからも。友達はいなかったし。能力の究明が最優先だったから。」

上条「あー」

姫神「…その後は。三沢塾で監禁されてたし。」フイッ

上条「あー…」

姫神「だから。一度公園で遊んでみたかった。」

上条「そっか」


82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:16:44.89 ID:SnMqnM5E0

上条(…あれ?そういや俺も記憶を失ってるわけだから公園で遊んだ事はない…のか?)

上条「…あのさ、俺も公園で遊んだ事なかったかも」

姫神「え?」

上条「いやまぁ、憶えてないっていうか?記憶にないなら初めてと一緒だろ?」

姫神「…なるほど。」

83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:18:05.26 ID:SnMqnM5E0



姫神「じゃあ…一緒に。初めての公園デビュー。してくれる?」ニコッ

上条「ああ、もちろん」



84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:21:01.28 ID:SnMqnM5E0

〜ブランコ〜


姫神「まずは憧れの。ブランコ」

上条「憧れなのか?」

姫神「公園の遊具といえば。やっぱりブランコ。メジャー」

上条「そういうもんか…っしょっと」

姫神「…」ストン

姫神「…」

上条「? 漕がないのか?」

姫神「…迂闊。私はやった事ないからブランコ漕げなかった。」

上条「あーそっか。じゃあ俺が後ろから押してやるよ」

姫神「ありがとう」

85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:25:21.19 ID:SnMqnM5E0


キィコ。キィコ。キィコ。


上条「どーですかー姫神さんやー」

姫神「うん。風がとても気持ちいい。」

上条「…」キュピ-ン!

上条「ヘーイ!」ド-ン

姫神「うきゃっ!?」

ブゥウンッ!ブゥウンッ!ブゥウンッ!

上条「ヘーイヘーイ!」

姫神「や。やめて。これ。は。」

上条「もうちょっと強く押そうか?」

86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:27:01.33 ID:SnMqnM5E0

姫神「やっ!ダメ!止めて止めて!」

上条「ごめんごめん」

姫神「ふぅ…もう。…怒るよ?」ジト

上条「ごめんごめん」

姫神「見て。…ブランコは最初ぐらいの。…そう。このぐらいのスピードでいい。」

上条「りょうかーい」



キィコ。キィコ。キィコ。



87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:32:02.56 ID:SnMqnM5E0

姫神「ふぅ。ありがとう。もういい。」

上条「どういたしまして」

姫神「…あ。忘れていた。もう1つ協力してほしい事がある」

上条「協力?」

姫神「1つのブランコに二人乗るやつ。一人が座って。もう一人が立ち漕ぎするやつ」

姫神「一度でいいからやってみたかった。」

上条「あーハイハイ、アレね。了解」






88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:36:32.29 ID:SnMqnM5E0

キィコ…キィコ…キィコ…キィコ…


上条「どうだー…っ、姫神ー…っ」

姫神「うん。手に持った鎖から上条くんの力強い躍動感が伝わってくる」

上条「特筆するとこそこ?!」

上条「あー、怖く…っないかっ?」

姫神「うん。このくらいでいい。…景色がいい。」

上条「そりゃ良かっ…たっと!」

姫神「…ねぇ。」

上条「んー?」

姫神「昔私が見た時の。公園で遊んでた子達は皆。こういう景色を見てたんだね」

上条「かもっ…なっ」




姫神「ちょっと。楽しい。」ニヘ-

上条「俺…もっ!」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:43:56.24 ID:SnMqnM5E0

〜滑り台〜


姫神「次は滑り台。」

上条「よーし、じゃあ俺から滑っ、」

姫神「気をつけて。上条くんは不注意でよくコケるから」

上条「いやさすがに大丈夫だって!」

姫神「そう?」

上条「いくら不幸な上条さんでもそんなぁああああぁああああ

姫神「あっ。コケた」


ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!




上条「ごはーっ!!?」ズシャァアア!!

姫神「おお…すごい。なんという。予定調和。」






90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:49:32.39 ID:SnMqnM5E0


姫神「…大丈夫?ケガ。してない?」

上条「あー、はは。なんとかな」

姫神「そう。良かった」

姫神「上条くんは。将来芸人さんでもやっていけそうだね。」ニコッ...!

上条「いやそれはちょっと」

姫神「でも。コケかたも面白かったよ?」

上条「やらないからな?」


91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:55:35.71 ID:SnMqnM5E0

上条「上条さんは滑り台は滑らない方がいいかもしれないなぁ。転ぶし」

姫神「そう?だったら。」





上条姫神「…」





上条姫神「…」

上条姫神「…くっついて一緒に滑ろうって?///」



92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 21:59:06.31 ID:SnMqnM5E0


上条姫神「そう。こうやって密着して滑れば。安全。」

上条姫神「…上条さんはなんかすごい気恥ずかしいんですが」

上条姫神「それに…その、あったかいっていうか、柔らかいっていうか、」

上条姫神「ふふ。ドキドキ…する?」

上条姫神「…はい」

上条姫神「そう。なら大成功。」

上条姫神「大成功?」

上条姫神「うん。これはデート。公園デートだから。上条くんをドキドキさせるのは作戦の1つ。」クス  

上条姫神「だから。遠慮なく私との密着でドキドキして欲しい。」

上条姫神「…///」


93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 22:06:13.99 ID:SnMqnM5E0

上条姫神「け、けどコレ上手く滑れるか?やっぱり離れた方が」

上条姫神「ん。大丈夫。」

上条姫神「じゃ、いくぞー」

上条姫神「ん。」


上条姫神「「それっ!」」


ザザザザ!




どしゃーん。


あー。









94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 22:27:52.03 ID:SnMqnM5E0

上条「やっぱりダメじゃねぇか!台無しだよ!結局俺また土まみれだよ!」

姫神「どんまい。」b

上条「どんまいじゃねーよ!しかも姫神汚れてねーし!」

姫神「それは上条くんがクッションになって庇ってくれたから。でなければ私も土まみれだった。ありがとう。」

上条「…まぁ、姫神が汚れなくてよかったけどさ」

姫神「きゃー。上条くんかっこいーナイトみたーい(棒)」

上条「思ってないよね!心こもってなさすぎだし!」

姫神「うん。今のはリップサービス。」

上条「ちくしょう!」

姫神「…ごめん。今のは照れ隠し。ちゃんと本心も言おう。」

上条「え?おう」




95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 22:35:20.23 ID:SnMqnM5E0



姫神「咄嗟だったのに。私のことキチンと守ってくれたから」

姫神「その。…ちょっと嬉しい」モジモジ

姫神「…ありがとう。やっぱり上条くんは。かっこいい。」ニコッ

上条「」






姫神「うん。やっぱり私はーーーー君のそういうところが。」





96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 22:44:17.64 ID:SnMqnM5E0

姫神「…」

上条「…」

上条「…?」

姫神「…ごめん。最後のは忘れて欲しい。」

上条「なんだよ、気になるだろ」

姫神「だめ。秘密。教えない。」

上条「えーなんでだよ。悪口ですか?さうなんですか?」

姫神「さうではないけど。…それか。察してくれると嬉しいかな。」

97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 22:49:37.47 ID:SnMqnM5E0




上条「…?」

姫神「…にぶちんめ。」プクゥ


98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 23:11:14.27 ID:SnMqnM5E0


〜公園の遊具の…あの、なんかグルグル回るヤツ〜



姫神「これは。レア遊具。」

上条「そうなのか?」

姫神「今のご時世だと『危ないから』とか怪我やトラブルが多いからって事でなくなりつつある遊具。」

上条「へー」

姫神「名称には諸説あるけど。『グローブジャングル』と呼ばれる事が多いそう。」

上条「へぇー」

姫神「よいしょ」ヒョイ

姫神「…」ジ-

上条「…ああ、はいはい。回して欲しいのな」

姫神「そう。私の気持ちをわかってくれて嬉しい」

99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/14(火) 23:17:16.93 ID:SnMqnM5E0


上条「そーれ」グルグル

姫神「おお…」

上条「よっと!」

姫神「これは。すごい。」

上条「ははっ!楽しそうで何より!」



カミやん携帯<〜♪


上条「ん?っでどぅうわあっ!?」ズジャァアアアアア!!!!

姫神「…なるほど。これは危険。」

上条「うう…不幸だ」

100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 09:28:08.89 ID:no9MO3Yf0
ボスキャラに襲われたりトラブルに巻き込まれたりするのが常な上やんの人生からしたら、なんて健全で安全なデートなんだろう(涙)
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 09:43:24.16 ID:fF17U3rXo
平凡な幸せが欲しいなら姫神一択
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 13:59:51.99 ID:uPd1ACF+O
やはり姫神メインのssはいい雰囲気だ、癒される
というわけで続きはよ
103 : ◆3rfPz4lVbmKs :2017/02/19(日) 23:38:09.34 ID:JrHdTrIw0

姫神「大丈夫?」

上条「あ、ああ…」

姫神「あ。血。でてるよ」

姫神「…私。絆創膏持ってる。止血してあげる」つ

上条「ん?まあこんくらい全然大丈夫だって」

姫神「でも…結構。広範囲に擦りむいてる。」

上条「いやいや!入院常連の上条さんを舐めんなよ?」

姫神「すごく。エグい擦りむきで痛そう。」ズイ

上条「あー…じゃあ、頼んでいいか?」

姫神「うん。」ニコ



104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/19(日) 23:38:25.98 ID:j7sjMOf4o
待ってた
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/19(日) 23:39:00.30 ID:JrHdTrIw0


姫神「…」ペタペタ

姫神「入院常連って事は。君はまた私の時みたいな事ばかりしてるんだね。」

上条「まあなぁ…この前なんてまた右腕千切れたし」

姫神「右腕?」

上条「右腕」

姫神「また?」

上条「また。」


106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/19(日) 23:48:19.61 ID:JrHdTrIw0

姫神「…アウレオルスと対峙した時も上条くんって右腕取れてなかった?」

上条「あー…そういえば取れてたな」

姫神「『そういえば』で済ましていい怪我じゃないと思う。」

上条「俺の右腕って結構ポンポン取れるんだよな…大体は何事も無かったかのように元に戻ってるけど」

姫神「…ひょっとして。上条くんってナメック星の方の血を引いてるの?」

上条「引いてねーよ…ちょっと疑わしいけども」

姫神「けど。普通。人間の腕は再生しない。千切れたら千切れっぱなし」

姫神「やっぱり。デ◯デさんあたりの」

上条「引いてないって!…たぶん」

107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [ saga]:2017/02/19(日) 23:51:59.06 ID:JrHdTrIw0

姫神「安心してほしい。例え上条くんが魔貫光殺砲を撃てても。実は頭に触角が生えていても気にしない。悪口も言わない」

上条「違うから!ピッコ◯さんとかじゃないから!」

姫神「え?じゃあ。まさか。…炊飯器の方の…」

上条「大魔王の方でもねーよ!」


108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/19(日) 23:53:40.32 ID:JrHdTrIw0

姫神「ふぅ。終わった。」

上条「さんきゅな」

姫神「うん。気をつけてね。君はただてさえ危ないところへ行くから」

上条「気をつけはしてるんだけどなぁ」

姫神「あ。そういえば。携帯に連絡か何かがあったんじゃないの?」

上条「おっと、」

上条「えーっと、」

109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/19(日) 23:58:08.84 ID:JrHdTrIw0


To とうま
From インデックス


人間、私だ。今日は何故か唐突に食いたくなったからピザをとった。私達は今日は飯はいらん。お前も勝手に食え(^ω^)


オティヌスより



110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/20(月) 00:02:11.37 ID:msrGuxYw0


上条「ねぇ…それ、俺の金だよね…?俺が必死に倹約節約してるのにお前ら」グスッグスッ

姫神「どうしたの。上条くん。目からも血が出てる」


111 : saga :2017/02/20(月) 00:06:14.65 ID:msrGuxYw0

上条「ん?ウチにいる神様がな?『我に供物を捧げよ』ってな具合ですよチクショウ!」

姫神「そう。牛でも要求されたの?」

上条「いんや。ピザ要求された。…何枚かは考えたくないですがね!」

姫神「随分。フランクな神様。」

上条「いつの間に顔文字使うこと覚えやがって…」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/20(月) 00:36:56.26 ID:msrGuxYw0
いつの間に×

いつの間にか○
113 : ◆3rfPz4lVbmKs :2017/02/20(月) 00:51:50.25 ID:msrGuxYw0
短いけど今回はここまで
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/20(月) 10:18:12.38 ID:8GZNAFqAO
オティヌスェェ
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/20(月) 10:39:13.70 ID:qQjCnWfvO

今晩は姫神にお世話になるしかないね
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/20(月) 10:52:28.42 ID:Y9KxSd5W0
「私達」って事はインデさんの分もか…相当な量と額だろうな
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/24(金) 20:15:22.82 ID:+d/M0JBLO
乙、
ほのぼのがいいね
118 : ◆3rfPz4lVbmKs :2017/02/25(土) 23:34:17.14 ID:rC50+HLb0
>>108

姫神「うん。気をつけてね。君はただてさえ危ないところへ行くから」 ×

姫神「うん。気をつけてね。君はただでさえ危ないところへ行くから」 ○

119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:39:55.29 ID:rC50+HLb0

上条「あーくそっ!不幸だー!!」ガシガシガシガシ

姫神「…」

上条「今日晩飯どーすっかな…」

姫神「? 何か出来合いを買うか。自炊すれば?」

上条「いやー…金使いたくないから買うのは論外だし、帰って自炊するにもちょうど冷蔵庫の中空っぽだったし」

姫神「…」

上条「あいつ冷蔵庫に貯蔵しとくと食べちゃうし…かといって今日俺一人の一食のために材料買うのもな…」ブツブツ

姫神「!」ティコ-ン!

120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:41:32.60 ID:rC50+HLb0

上条「くそっ、こうなったら今日は晩飯抜きで…」

姫神「ダメ。それは良くない。」ガシッ

上条「それは良くないっつったって今日はこれ以上出費するわけには」

姫神「そう。なら今日の晩ごはんは。私が奢ってあげる。」

上条「なん…だと…?」

姫神「ただし外食じゃない。自炊したやつ。…いい?」

上条「もちろん!!いや全然いい!!つか本当にいいのか!?」

姫神「うん。 私の家で ご馳走してあげる。」

上条「うぉおおお!マジか!さっき『俺が奢る』ドヤァって言ってたのになんかすみません!!」

姫神「いい。またの機会にお願いするから。」

上条「おう!」

姫神(ふっ。結果オーライ。私にとっては。こっちの方が奢ってもらうよりも遥かに嬉しいし)



121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:43:45.79 ID:rC50+HLb0


上条「いやーホント助かる!!ありがたや!ありがたやー!!!」

姫神「助かる?」

上条「助かる助かる!!」

姫神「そう。じゃあもっと私を褒めて。崇めて。奉って。」

上条「ははー!!畏まりました姫神様!」

上条「姫神様!あなたは最高です!だんだん女神に見えてきました!姫神大好き!」

姫神「うむ。うむ。」

姫神「…」

姫神「最後の褒め方。かなり良かったからその方向性でもっと言って。」

上条「へ?」

姫神「…」ジ-

上条「ハイハイ…」

上条「えー、ゴホン。」

上条「俺は!姫神さんが大好きです!」

姫神「わお。」



122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/25(土) 23:45:43.52 ID:TY3WwODEo
Wao
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:46:04.57 ID:rC50+HLb0

上条「そのいつも側にそっと佇んでいてくれるような優しさが大好きです!」

上条「困った人には手を差し伸べる…そんな優しいあなたが最高に好きです!」

上条「もう愛してます!」

姫神(おお……すごい。今。ちょっとした奇跡が起きてる)

上条「もういっそ俺と付き合って下さい!!」

姫神「///////」

姫神(やばい。これは。至福。////)プルプルプルプル

姫神「は。はい…///」テレ

上条(おっ、姫神がこんなに顔真っ赤にして珍しいな)ニヤニヤ

上条「いやーもうこの『秋沙!愛してる!!』って気持ちは言葉にできないくらいだ!」

上条「結婚してくれ!」

姫神「も。もういい。////もう。その辺で!///」

姫神「…その。あんまり言われると。」モジ

姫神「……はずかしい…///」

上条「わかった。けどそんな恥ずかしがる秋沙も可愛いな」ナデナデ

姫神「あう。頭撫でて…もう…///」













たまたま上条さん見つけて走ってきた美琴ちゃん「」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:48:55.15 ID:rC50+HLb0


ズドンッッッ!!!!!!

最強の発電能力者に似合わず、まるで落雷でも浴びたように少女の全身が跳ねた。


無限に引き延ばされた時間の中、こぷっ、という水っぽい音が耳に残る。

弓なりに大きく背を反らした御坂美琴の口から何かが溢れていた。

宝石のように輝く丸い珠が放つのは、赤とも黒とも違う独特の色彩。

少女の目は、大きく見開かれていた。

恐怖や苦痛によるものではない。

何故自分の身にこんな事が起きたのか。

そもそもそれが分からないといった、戸惑いの色で満ち溢れていた。

美琴は弓なりに反らした自分の体を支えきれない。

そのままゆっくりと後ろへ倒れていく。

ごとん!!と重たい金属質な音が公園に響き渡った。


それで全ての時間が戻った。



仰向けに転がった少女の手足と言わず、胴体全体が大きく蠕動して飛び跳ねていた。


口から溢れたはずの血の珠が、重力に引かれて砂へと散らばっていく。

びしゃばしゃと汚らしい水音を立ててたくさんの赤い華を咲かせていく。


125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:49:30.17 ID:rC50+HLb0








「どういう…ことやねん…?」





126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:49:59.41 ID:rC50+HLb0



   エレクトロマスタ-
最強の発電能力者は公園の入り口付近で大の字に斃れたまま、関西弁で呟いた。



127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:50:44.87 ID:rC50+HLb0



〜窓のないビル〜


アレイスター「…」

アレイスター「いや違うからね?今回は私じゃないから。『アブラ・クアタブラ』やってないから」

土御門「なんだ突然。」

アレイスター「いや…ゴホン。」

          アブラ・クアタブラ
土御門「フン…『汝の死に雷光を与えよ』?『今回は』って口ぶりからすると最近誰かに”呪詛返し”でもしたってのか」

アレイスター「…」

土御門「沈黙は肯定だぞ」

土御門「…アレか、皮肉混じりに第三位辺りにでもやったのか?」

アレイスター「…」

土御門「言ったはずだアレイスター。沈黙は肯定だぞ」




128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:52:11.88 ID:rC50+HLb0


上条「よし、メールもしといたし」

姫神「そ。そうと決まれば。スーパーへ行こう。」

上条「イエッサー!」ビシッ

姫神「上条くんは。今日は何が食べたい?」

上条「え?えーと」

姫神「なお。もしちゃんと要望してくれないと素パスタのみとなる。」

上条「え?それだけでご馳走じゃないか?」

姫神「…」

姫神「上条くん。私。今日はちゃんと三品以上作ってあげるから。お願いだから良いものを食べて。」

上条「え?おう」




・・・・・。



129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:57:05.09 ID:rC50+HLb0



姫神「…」テクテク

上条「…」テクテク




姫神(そういえば。気になる男の人がいた時は一度公園夜のデートをするといいとか。)

姫神(もしその人がカラダ目当てなら欲求が行動に表れて相手の女の子のカラダばかり見たり触れたりするらしい)

姫神(もし。『長く付き合っていこう』とか。相手の事を大事に思ってるならその子を守るために周りを警戒するらしい)

姫神(根拠も論拠も薄弱な説だけど。参考くらいにはしてもいいかもしれない。)

姫神(…まだ夜じゃなくて。ギリギリ夕方だけど。)

姫神「…」チラ

姫神(上条くんはどうなんだろうか。)

上条「…」

上条「…」キョロキョロ

姫神「何をキョロキョロしてるの?」

上条「え?あーいや、ほら、もう夕方から夜になる危ない奴が出始める時間帯だからな!変なヤツいたら守んなきゃなって」

姫神「…」

姫神「そう。」ニコッ

130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:57:44.04 ID:rC50+HLb0

姫神「上条くん。」

上条「んー?」

姫神「一応名目上は”公園デート”だから。スーパーまで手を繋いでいこう?」テギュ

上条「ふぇっ!?いや、は、恥ずかしいし!それは!手は放していきませんか!?」

姫神「だめ。離してあげられない。」ギュ

上条「何故に!?」

姫神「ふふっ。今。私。そんな気分だから。」

131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 23:58:18.87 ID:rC50+HLb0


姫神「♪」

上条「…なんか妙に嬉しそうだけど上条さんが気づかない内に何かいい事があったんでせうか?」

姫神「うん。私。今『幸せだなぁ』って思ってる。」


132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 00:03:33.34 ID:YBIDLzVo0


〜スーパー〜


上条「おっ、今日魚安いな」

姫神「うん。じゃあ買っていこう」

上条「…サカナサカナサカナ〜♪魚ーをーたべーると〜♪」ヘイヘイ

姫神「アタマアタマアタマ〜♪」

上条姫神「「アタマ〜がーよくーなる〜♪」」



上条「古いな」ニヤッ

姫神「ね。」クスッ


133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 00:07:13.56 ID:YBIDLzVo0

上条「あ、カートは俺が押すから何がいいか姫神選んでくれるか?」

姫神「うん。わかった。」

上条「そういや姫神は普段どんなの作って食べてるんだ?」

姫神「私?私は…基本的に和食が多い。」

上条「あーやっぱり?」

姫神「やっぱりとは」

上条「いやーなんか姫神は和食党っていうか、逆に洋食系の作ってると違和感というか」

上条「巫女さん姿とか黒髪ロングとか…ほら、大和撫子的な?そんなイメージあるし」

姫神「そう?」

上条「それに、前に手間がかかるタイプの美味しい和食な弁当作ってたしな」

姫神「ああ。一緒にお弁当食べた時の」

上条「そ。」


134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 00:10:51.81 ID:YBIDLzVo0

姫神「…良かったら。上条くんにも作ろうか?お弁当。」

上条「え?いいのか?」

姫神「もちろん材料費はもらう。あと。お昼の時にはなるべく私と一緒に食べてくれるのが条件。」

上条「あー…そういうのもいいよなぁ」

姫神「しかも。なんと。リクエストも受け付ける。洋食系のも頑張って美味しいのを作ろう。」

姫神「どう?」ズイッ

上条「…じゃあお願いしよっかな」

姫神「うん任せて。」

姫神(やった!)

上条「あ、でも、あんまりt」

姫神「わかってる。ちゃんと上条くんの財布事情に合わせて低コストで美味しいの作るから。」ニコッ

上条「…」

上条「…姫神ってさ、」

姫神「うん?」


上条「良い奥さんになれるよな」

姫神「そう?ありがとう。」フフッ











たまたま任務で学園都市に来てた五和「」

135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 00:15:46.66 ID:4lLeI8Pxo
おしぼり涙目
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 00:22:19.20 ID:D2dtQ/df0

姫神「お。お肉もお買い得。」ヒョイ

上条「ほんとだ。しかも上条さんが買いに来る時には絶対に貼られてない値引きシール様が!!」

姫神「…」

姫神「よしよし。」

上条「え?なんで俺の頭撫でてんの」

姫神「不憫だから。」

上条「うるへぃ!」





五和「…」コソコソ


137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 00:25:35.60 ID:D2dtQ/df0

壁/和「…」

五和「なんだなんだよなんなんですか!?あれじゃあまるで若夫婦じゃないですか!?」

五和「そこ私のポジションですよね!?あれ!?」

五和「上条さん上条さん上条さん?その女誰ですか?ホントちょっと私が目を離した隙にちょっと」ブツブツブツ

五和「…」カチカチカチカチカチ

五和「こうなったら、このまま追けて…暗がりで問い詰めて、」




黄泉川「ちょっとあんた」ガシッ

五和「へ?」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 00:27:03.44 ID:D2dtQ/df0

黄泉川「警備員じゃん。スーパーの客から『不審者がいる』って通報を受けたじゃん?」

五和「な!?一体誰が邪魔を!?」

黄泉川「さあな。さ、IDを見せるじゃん」

五和「…」←不法侵入

黄泉川「どうしたじゃん?ほら、ID。学園都市の人間なら誰でも持ってるだろ?ほら」

五和「…」ダッ!

黄泉川「あっ!コラ!」


139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/26(日) 00:42:46.35 ID:D2dtQ/df0


姫神「上条くんは。嫌いな野菜ある?」テクテク

上条「いや?」

姫神「そう?じゃあこれとこれと。」

上条「あ、でももやしはちょっと今日はやめて欲しいかな」

姫神「? どうして?」

上条「ここんとこ続きすぎて食べ飽きてる。『もやしが、もやしがこっちに来るよう!』レベルで」

姫神「…わかった絶対使わない」ナデナデ

上条「また撫でて…そんなに上条さんが可哀想ですかそうですか」ブス-

姫神「じゃあ抱きしめてあげようか?」

上条「違うそうじゃない」

姫神「でも。哀れ。抱きしめてあげたくなっちゃうほど哀れ。」

上条「…なんだろな、何故か白髪の赤目な知り合いを思い出した」

姫神「…ちょっとの特徴だけでもすごいビジュアルとわかる知り合いだね」






五和「あーばよー!とっつあーん!」フワフワ

黄泉川「くっそー!まさかアドバルーンに乗って逃げるとは!お前どこのルパンじゃんよ!!」

140 : ◆3rfPz4lVbmKs :2017/02/26(日) 00:43:26.22 ID:D2dtQ/df0
今回はここまでどすえ
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 02:48:08.42 ID:uZ2IuS5zo
乙、甘々で素敵
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 10:51:53.78 ID:p5wy38EDo
おつ
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 12:27:22.06 ID:JxVJNedK0
ここ最近原作読んでなかったけど、美琴ちゃんそんな感じになってんのね…
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/26(日) 19:07:06.01 ID:YqBpGLhqO
姫神と一緒だと上条さんも平和に過ごせてるな〜
145 : ◆3rfPz4lVbmKs :2017/03/05(日) 22:16:10.37 ID:IBNawDJd0

姫神「あ。あとそれとって。」

上条「っと。コレでいいか?」

姫神「うん。これで全部。」

上条「なあ…結構買うけど大丈夫か姫神?コレ全部で3000円ぐらいしてるぞ?」

姫神「大丈夫。遠慮しなくていいよ。私の一週間分も買ってるから。」

上条「それでも高くないか?」

姫神「え?普通。自炊用の食料を買い溜めする時の買い物って大体このくらいだと思ってたけど…」

上条「でももやしまみれなら2000円いかないんですよ?!」

姫神「うん。もやしのみで人は生きるに非ずだから。今日は。もやし使わないから。」

上条「あ、そうだったな」

上条「そう、久しぶりに今日はもやしじゃない…!」

姫神「…ここまでしつこく。もやしネタプッシュしてくるあたり。本当に『もやしがこっちにくるよう!』になってたんだね。」



・・・・。

146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:21:24.55 ID:IBNawDJd0

姫神「大丈夫?重くない?三つも重いの持ってくれてるけど。」テクテク

上条「平気平気」テクテク

姫神「すごいね。さすが男の子。」

上条「鍛えてますから」シュッ

上条「…いや、『鍛えられてる』か?不本意にな!ああチクショウ!」

姫神「ふふ…うん。君は。いつも誰かの為に走ってきたもんね。」

上条「自分のためだよ自分のため」

姫神「自分?」

上条「俺が誰かを助けるのは『俺が助けたいから』って気持ちでやってるから…」

上条「目の前に、とんでもない悲劇に涙を湛えて我慢してる奴がいるのが許せないからっていうか、」

姫神「…」

上条「だって、もし姫神の目の前にさ…って何で微笑んでるんだよ」

姫神「べつに?」フフ

上条「そんなに優しく笑ってるのに別にって事はないだろ」

姫神「別に?『きっと。そういうところが。上条くんの良い所なんだろうなぁ』って思っただけ。」ニコ...


147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:21:53.03 ID:IBNawDJd0

〜姫神宅前〜


姫神「ちょっと片付けと着替えしたいから。5分だけ待って欲しい。」

上条「はいはい」

姫神「あ。買い物袋は預かる」

上条「さんきゅ」

148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:22:47.79 ID:IBNawDJd0


ばたむ。


姫神「ふぅ。」

姫神(えっと。とりあえず下着の上下だけは揃えておきたい。)ヌギヌギ

姫神(万が一。万が一という事も!あるかもしれないから!)

姫神(そして洗濯物は隠して…軽く整理だけ。)

姫神(ふぅ…人なんて来ないけど。普段から綺麗にしておいてよかった。)


姫神(ふぅ。よし。呼ぼう)


149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:23:35.93 ID:IBNawDJd0


かちゃ。



姫神「上条くん。」ヒョコ

上条「お、もういいか?」

姫神「うん。お待たせ。もういいよ」

上条「じゃ、お邪魔するな」

姫神「うん。いらっしゃい」

上条「あ、姫神」

姫神「? なぁに?」




上条「その白いふわふわセーター似合ってるな」

姫神「そう?ありがとう。」ニコ



・・・。


150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:31:37.78 ID:IBNawDJd0


〜姫神s'キッチン〜


上条(E:エプロン)「ハイ!姫神さんのー三分間クッキングー」チパチパ

姫神(E:エプロン)「ごめん。三分では無理」

上条「わかってるって。で、今夜のメニューは?上条さんもお手伝いしますのことよ」

姫神「うん。今夜のメニューは」

姫神「ブリ大根と。」

上条「うんうん」

姫神「湯豆腐(白菜の梅あん乗せ)と」

上条「ほうほう」

姫神「胡瓜とワカメの酢の物。」

上条「おー」

姫神「大葉とひじきと天かすの混ぜごはん。」

上条「お?」

姫神「ウズラの茹で卵入り肉団子を作ります」

上条「結構作りますね!?」

姫神「それは仕方ない。上条くんに美味しい物を食べさせてあげたいからはりきってしまった」

上条「ありがてぇ…!」

姫神「美味しく作るから。いっぱい食べてね?」ニコ

上条「おう!」

上条「いやもう、なんかありがたすぎて上条さん涙出てきたよ」





151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:34:15.56 ID:IBNawDJd0

姫神「まずはブリ大根から。」

姫神「じゃあ私。大根の方やるから上条くんにはブリの方をお願いしてもいい?」

上条「任せろ!」


・・・。



上条「アラの両面に塩を振ってと 」?

姫神「あ。上条くん。」

上条「んー?」

姫神「上条くんは。大根は三日月形と輪切り。どっちがいい?」ショリショリ

上条「んー…どっちかっていうと三日月かな」

姫神「わかった。」ショリショリ

上条「ん?皮は捨てないのか?」

姫神「うん。厚めに剥いてキンピラとか浅漬けにするの。」

上条「へー…皮にそんな使い方あったのか…」

姫神「うん。上手にやれば美味しい。おすすめ。」



152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:36:41.58 ID:IBNawDJd0

姫神「上条くん。お豆腐用の白菜を煮ておいて欲しい。」

上条「了解!」

姫神「あとは…うん。そろそろ酢の物を作る。」


・・・・・。


姫神「おにく。ころころ。と。」

上条「姫神ー、梅あん出来たぞ」

姫神「ありがとう。」


・・・・。


153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:38:07.42 ID:IBNawDJd0



上条「ふー…もうコレで全部だな!」

姫神「うん。完成。全部机に持っていって」

上条「はいよー」

154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:42:09.55 ID:IBNawDJd0


上条「ウマそー…なんかこういうご飯は久しぶりだなぁ…」ホロリ

姫神「おかわりもあるから。たんとお食べ。」

上条「ありがてぇありがてぇ」

姫神「それじゃ。」



上条姫神「「いただきます。」」

?





            \「ゥンまああ〜いっ」/
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:46:41.43 ID:IBNawDJd0


〜その頃の上条さんち〜


オティヌス「んー…!このピザのチーズのもちもち感…!」モチモチ

オティヌス「そして、客人が持ってきた土産のワインをいただきながら夜景を見る…」クピクピ

オティヌス「うむうむ。美味だな。神的にもこの供物には大満足だ」



レッサー「ヒェーヒェッヒェッ!御満足いただけたようですね!」モミテモミテ

バードウェイ「なんだその不愉快な笑い方は」

156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:48:43.91 ID:IBNawDJd0


インデックス「はぐはぐはぐ!おいひーんだよ!久しぶりにもやし以外の物を口にしたかも!」

スフィンクス「なーお!なーお!」

オティヌス「はぁ…できればもやしは向こう10年は口にしたくないものだな」



レッサー「極貧すぎやしませんかね、上条さんち」ヒソヒソ

バードウェイ(バイトでも紹介してやるべきか)


157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [ saga]:2017/03/05(日) 22:51:20.55 ID:IBNawDJd0

オティヌス「しかし…ピザも美味いがコレも…ふむ。中々なワインだな」クピ

バードウェイ「フン、一本五万程するブルゴーニュ・ワインだぞ?これで不味いとか抜かしたら瓶で貴様をホームランしてやるところだ」

オティヌス「…まぁどちらかと言えばイタリアワインのフルボディタイプのが好みなんだが」クピクピ

バードウェイ「何?不味いだと?」

オティヌス「別に不味いとは言ってないだろう人間。好みの話だ」

バードウェイ「というか魔神、貴様本当にちゃんと味の違いがわかるのか?」

オティヌス「フン、当たり前だ。酒の呑めぬ齢の小娘が何を言うか」クピ-

158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:53:45.80 ID:IBNawDJd0

バードウェイ「そういう事を抜かす大人の大半は酒の細かい違いなどわからんものだがな」

バードウェイ「基本的にそこそこ高い、好みの味のモノを出してやれば産地だの造り主だの製造年だのに関わらず満足する」

オティヌス「ならお前の言うそいつらの舌は二流か三流だな。真の一流の舌は安酒には誤魔化されんよ」

バードウェイ「ほーう。なら貴様はわかると?」

オティヌス「当たり前だ」

バードウェイ「ならそのワインの産地や製造年を当ててみろ。できるものならな」

オティヌス「いいだろう。……フム…」クル..クル...

159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [ saga]:2017/03/05(日) 22:55:06.18 ID:IBNawDJd0

オティヌス「…花を思わせる華やかな芳香を放ち、しっかりした果実味と繊細さのバランスに優れた官能的な味わい…」

オティヌス「ジョルジュ・ルーミエが造ったシャンボール・ミュジニー・レ・ザムルーズ 。…1999年だな」クピ

バードウェイ「…適当言ってないだろうな?」

オティヌス「それを用意させた奴に聞いて答え合わせしてみろ」クピ

バードウェイ「チッ」ピッ

バードウェイ「……ああマークか?魔神懐柔用の土産として用意したワインの作り手、製造年、商品名を答えろ」

バードウェイ「…」

レッサー「…」ゴクリ

インデックス「…」モグモグ

バードウェイ「…わかった。」ピッ



バードウェイ「…ちっ、正解だ」

オティヌス「だから言っただろ」クピ

160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:57:56.05 ID:IBNawDJd0

バードウェイ「ふん!大体、酒なんて苦いのばっかりじゃないか。そんな物をありがたがる大人が私には理解できんな」

オティヌス「別に甘い酒もたくさんあるがな…ま、」

オティヌス「お前が”酒”と”酒を嗜む者”を語るには齢も経験も圧倒的に足りんのだよ」

オティヌス「エール、ワイン、蒸留酒…たくさん味わって美味さと奥深さの片鱗を知り、酒での失敗を十、二十としてから語るんだな」

オティヌス「”酒”を語るのはそれからだ”お嬢さん”」フフン

バードウェイ「…フン!」


レッサー(どーでもいいですけど彼女がここで『私はカクテル派だ!シンデレラ派だ!』とか言わなくて良かったですね)



161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 22:59:43.34 ID:IBNawDJd0

レッサー「ん?」

レッサー「おんやぁ?ふとベッドの方を見てみたら上条さんが普段使ってると思しき毛布発見!」

レッサー「あれ!?ひょっとしてこれを股間にクチュクチュしっかり擦り付けたら後で上条さんも『あ…あの時ベッドで嗅いだレッサーちゃんの[ピーーー]の香り…?レッサー、まさかコレで自分を慰めて…?』」

レッサー「そして『レッサーちゃんと付き合いたい!そのためにイギリスに尽くすぜ!』となるんじゃないですかね!」

インデックス「100%ならないに300£なんだよ」モキュモキュ

バードウェイ「『気持ち悪い』に300?だ」

オティヌス「はぁ…オイ、お前らいい加減そろそろ本題に入れ」

162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:00:17.35 ID:IBNawDJd0

オティヌス「で?突然土産を持って訪ねてきて何の用だ貴様らは」モキュモキュ

レッサー「いやー単刀直入に言いますとですね、上条さんにまたちょっと魔術結社との抗争に手助けしていただきたくてですね!ハイ!」

オティヌス「なるほど」

レッサー「で、上条さんはいつお戻りに?」

オティヌス「さあなぁ…」

オティヌス(またあいつをむざむざと要らん面倒な事に首をツッコませるのもな)

レッサー「さあなぁ、とは?」

オティヌス「…」

163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:01:40.47 ID:IBNawDJd0

オティヌス(あいつは『俺にできる事なら!』『俺が助けないとそいつらが泣くんだろ!だったら助ける!』とか言うのだろう)

オティヌス(そして死地へ赴いていくのだろう)

オティヌス(…なら、あえて伝えぬべきだろうか)

オティヌス(まぁ伝えずに後で知ったら相当怒るだろうが)

オティヌス(だが…このまま奴が他人を救い続け、そのお人好しを利用され続ければ自分の人生の選択の幅はかなり狭くなるだろう)

オティヌス(具体的にはただでさえ既に危ない進級、進学、将来の就職先とか。)

オティヌス(そういう十代の大事な積み重ねの時にボタンのかけ違いが起きたら人生は大きく変わる)

オティヌス(平凡に生きる道、危険な世界で生きる道…それらのどれを選択するかすら選べなくなってしまう)

オティヌス(もし奴が望むならいっそ魔術結社に入って傭兵になり、世界を渡り歩いて行く人生も有りだろう)

オティヌス(だがあいつもそれは望んでないだろう)

オティヌス(あいつが人生の選択をしなきゃいけなくなるにはまだ早すぎる。)

オティヌス(キチンと自分の世界で生きて、それからどんな選択をするかを選んで欲しい)

オティヌス(きっと。あいつに必要なのは充分なモラトリアムだろうと思う)


オティヌス(…仕方ない。後で怒られるだろうが…私が泥を被るか)


164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:04:53.99 ID:IBNawDJd0

オティヌス「いやな、さっきあいつから連絡があって今日は女の所に転がり込んで飯を食ってくると言っていてな」

レッサー「なぬぅうううう!!?」ガタッ

バードウェイ「はぁああああ!?」ガタッ

オティヌス「今は携帯も繋がらんし…」

オティヌス「しばらくの期間は家にも帰らんのじゃないか?」

レッサー「なんですとっ!?」


インデックス(絶対嘘なんだよ)ハグハグ

インデックス(けどまたとうまが面倒事に関わって危ない目にあうのもイヤだから黙ってるんだよ)ハグハグ

インデックス(スフィンクスも『シー!』だよ『シー!』)

スフィンクス「なーん」


165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:06:59.61 ID:IBNawDJd0

レッサー「ちょ、お泊まり!?それ本当なっ、ちょっ、どういう事ですか!?私というきゃわいー彼女がありながら!?」

バードウェイ「お前は黙れ!くそ、ふざけるな!一体どこの女狐が私のお兄c…」

レッサー「えっ?」

インデックス「えっ?」

オティヌス「ほう」

バードウェイ「…」

166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:11:22.74 ID:IBNawDJd0

バードウェイ「あーゴホン」

バードウェイ「まぁ奴も年頃だし仕方ないな!よし、撤収!」ガタッ

レッサー「ちょっ!誤魔化されませんよ!?」ガシッ

バードウェイ「なんの話だ?協力を得られないならさっさと諦めて帰るべきだろう」

レッサー「いやいやいや!貴女もですか!貴女もなんですか!?ダメですいけませんお姉さん許しませんよ!?」

バードウェイ「黙れ」

レッサー「わかりました!じゃあ探しましょうよ!彼の携帯に鬼電するとか!その女の所とやらを聞くとか!」

オティヌス「フゥウンヌッ!」ドコシャッ!

インデックス「あ゛ー!!とうまに買ってもらった私のけーたいデンワーが!!?」

オティヌス「大変だ!安物電化製品だからいきなり爆発したぞ!コレではもう確認しようがないぞー!困ったなー!(棒)」

レッサー「きっさまぁあああー!!?」




167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:25:44.53 ID:IBNawDJd0

レッサー「テラわざとじゃないですか!どーしてくれんですか!」

オティヌス「まぁ結論としてこうなってしまったのだから仕方ないな。とっとと帰れ!」

レッサー「なにをををを!!?だったらピザ代返してくださいよぉ!」

オティヌス「バカめ!ウチにそんな金があると思うか!?」

レッサー「じゃあ上条さん呼んで下さいよ!」

オティヌス「無理だ」モグモグモグモグ

レッサー「せめてムカつくドヤ顔でピザ食うのやめてくださいよ!」

オティヌス「むぅうう〜るるるるりりどぅああ〜☆」ムッチャッムッチャッ

レッサー「ムカつくぅううう!!ちょっと貴女もなんか言ってやってくださいよ!また”主神の槍”レプリカでも出してブッ飛ばしてやってください!」

バードウェイ「無理だ。ほら、早く帰るぞ」

レッサー「ムキィいいいい!!」

168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:40:41.03 ID:IBNawDJd0

〜そして姫神さんち〜


上条「げふー…あー美味しかったー…!」

姫神「ふふ。お粗末さま。」

姫神「…あ。上条くんも一緒に作ってくれたからコレは言っちゃいけなかったね」

上条「別にいいって」

姫神「…」

姫神(そういえば。あとちょっとで完全下校時刻。)

姫神(このままその時間になれば。今制服姿の上条くんは帰れなくなる。)

姫神(…あれ?じゃあもし。このまま帰れなかったら…?)

姫神「…」

上条「ふー…ちょっと休憩」ゴロ

姫神(上条くんはそれに気づいてない。)

姫神(…よし。引き留め作戦開始。)



169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:47:33.21 ID:IBNawDJd0

姫神「あれ?上条くん。ちょっと耳を見せて?」

上条「へ?」

姫神「いいから」

上条「お、おう」

姫神「やっぱり。…ちょっと。汚れてるよね」

上条「え、マジ?帰ったら耳掃除しよ…」

姫神「大丈夫。それには及ばない。」

上条「え?」

姫神「…確か。この辺に」ゴソゴソ

姫神「あった。」つJ

上条「貸してくれんの?」

姫神「ううん。だめ。貸さない。」

上条「ええ?じゃあなんで出したんだよ」





姫神「それは。私がやってあげるから」

上条「…なんですと?」




170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:49:11.37 ID:IBNawDJd0

姫神「よいしょ。」

姫神「ほら。おひざ。ここに来て?」ピタピタ

上条「いやしかしですね」

姫神「ヘイ。かむひあ。」ペシペシ

上条「えー…と、じゃあその、」

姫神「…上条くんは。私の事。…きらい……?」ウルッ

上条「お邪魔しまーす!」

姫神「うん。どうぞ。お邪魔されます」ニコッ

171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:52:17.91 ID:IBNawDJd0

姫神「〜♪」カリコリカリコリ

上条「おお…なんだろ、そんな記憶はないのになんだかすごく懐かしい感じがしますのことよ」

姫神「? 君のお母さんは。耳掃除やってくれなかったの?」

上条「…さあなぁ」

姫神「?」

上条「なんでもない」

姫神「…そう。」

172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 23:52:43.81 ID:MO5xeBQYo
家の中でする恋人らしいことの定番よね
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/05(日) 23:55:34.84 ID:IBNawDJd0


姫神「…」カリコリ

姫神(別に普通に綺麗だから耳掃除やる必要無い。けど。時間稼ぎはめいっぱいしようと思う。)

姫神「…結構。汚れてるね。」

上条「マジかー…一昨日やったばっかなのに」

姫神「これは。念入りにやるべきだね。」

上条「頼んでいいか?」

姫神「うん。任せて。綺麗にしてあげるね。」

上条「ありがとな」





姫神「〜♪」カリコリ

上条「あー気持ちー」


174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/06(月) 00:00:40.25 ID:LUzNu2UZ0


・・・・。



姫神「…」コリコリ

上条(なんかあったかくて安らぐな…)

姫神「…」

姫神(3。)

上条「…」ウツラウツラ

姫神(2。)

上条「…zz」

姫神(1。)

上条「おとと…」

姫神(ハイ。上条くんはもう今日帰れないー)ニヤリ




175 : ◆3rfPz4lVbmKs :2017/03/06(月) 00:06:02.94 ID:LUzNu2UZ0
眠いから今日はここまで。
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 00:07:47.37 ID:hKuSOjB9o

姫神ちゃんの新妻感よ
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 09:24:10.17 ID:w5CzoZqo0
姫神さんたら意外と策士
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 15:46:47.78 ID:kI4VWUBsO
この姫神はデキる女やね
179 : ◆3rfPz4lVbmKs :2017/03/17(金) 00:27:33.29 ID:j+Q4kT1a0

〜本来なら上条当麻が姫神宅からの帰宅途中に通るはずだった路地裏〜


バン!バンバン!


サンジェルマンα「撃て!撃て撃て!」

サンジェルマンβ「ふふ…さあ、”シャンボール”の恐ろしさを知るがいい!」

サンジェルマンγ「ははははははは!!」




土御門「おっと、危ねぇな」サッ

海原「あんまり顔を出さないでください。彼等にこっちに侵攻されたら終わりなんですから」


180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/17(金) 00:30:25.80 ID:j+Q4kT1a0

土御門「チッ、しかしツいてないな」カチャ

海原「どうしました?今更」

土御門「雲川に『そろそろ助けてやった借りを返せ』と言われてダイヤノイド襲撃犯を捕らえに来たらいきなりその敵は”増え”出して」

土御門「同様に組織のバックアップも金も身分証もないお前もその”仕事”を引き受けていて合流」

土御門「そして気づいたらこの路地裏に追い込まれてた…残弾ゼロの状態でな」

海原「絶望的ですね。今日は金星の光が届かないので自分も”槍”は使えないんですよ」

土御門「結標に連絡はついたのか?」




海原「ええつきました。『御愁傷様。あなた達のこと嫌いじゃなかったわ』と」

土御門「あのクソアマ…交渉材料の美山写影や加納神華の写真集が報酬じゃご不満だってのか」


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