俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2

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1 :1 [sage]:2017/02/12(日) 13:32:36.66 ID:yhf5+NBv0

前スレ 俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457710424/

俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 1〜106

俺ガイルSS 『そして彼と彼女は別々に歩み始める』  119〜244

俺ガイルSS 『かくして文化祭に房総の赤き狂犬は暴走す』 253〜742

俺ガイルSS 『(やはり)俺(に)は友達がい(ら)ない』 752〜




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1486873956
2 :1 [sage]:2017/02/12(日) 13:33:28.66 ID:yhf5+NBv0

取り敢えず、前スレで続いてます。ノシ
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/12(日) 22:23:46.98 ID:fXe4Y/q9o
>>1
リクエストに応えてくれてうれしい
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 00:56:19.70 ID:G7m5KkOuo
乙です
5 :1 [sage]:2017/02/15(水) 00:29:40.47 ID:arWTHg3M0

興が乗ったのでちょっとだけ更新。
6 :1 [sage]:2017/02/15(水) 00:32:21.44 ID:arWTHg3M0


小町「 ―――――― お兄ちゃん、どうかしたの?」


差し向かいで晩飯を食べていると、妹の小町が突然俺を見てそんなことを言い出した。
どうやら考え事をしていたのがバレたらしい。


八幡「 ……… 何がだよ?」


ご飯茶碗を置いた手でみそ汁の椀を取り、ズズズとわざとらしく音を立てて啜りながら、それとなく妹の様子を窺う。


小町「何が、じゃなくって、今日のお兄ちゃん何か変だよ。まぁ、お兄ちゃんは大抵変だし、いつもどうかしてるんだけど」

酷い言われようではあるのだが、それも兄妹ゆえの気安さと言えないこともない。
それに俺の様子を気遣ってくれているのだと思えば決して悪い気はしない。人はそれを“ポジティブ・シンキング”或いは“物は考えよう”と呼ぶ。


小町「どうせお兄ちゃんのことだから、また何かやらかしたんでしょ?」

八幡「おい、またってなんだよ、またって。お前お兄ちゃんのこと何か誤解してない?」

小町「いつも誤解されるような事ばっかしてるお兄ちゃんがいけないんでしょ?」

俺の反論に、ふんす、とばかりに鼻息を荒くして答える。


八幡「 ……… 返す言葉もないのが、お兄ちゃんは悲しいよ」


7 :1 [sage]:2017/02/15(水) 00:34:18.07 ID:arWTHg3M0

小町「まったく。で、今度は何したの? 相手は雪乃さん? 結衣さん? それとも両方? 小町からもよく謝っておいてあげるから」

八幡「おいちょっと待て、なんでそのふたり限定なんだよ?」

小町「だって、“合格したらどっか遊びに行きませんか”ってお誘いのメールしたのに、ふたりとも返事こないし」

今時の中学生にしては珍しく小町はLINEとかはやっていない。本人曰く、いちいち相手をするのがメンドクサイからイヤなんだそうだ。俺の。


小町「誘い方がまずかったのかなぁ …… 」

ボヤきながら、小さく首を捻る。

彼女達が返信できない理由を知る俺としては、そのことを話してやってもよいのだが、なにぶん小町は受験生だ。
合格が決まるまであまり余計な心配はかけたくはないので、取り敢えず今は黙っていることにした。


小町「 ……“お兄ちゃんも一緒に”って書いちゃったし」

八幡「 ………… お願いだからお兄ちゃんに内緒で勝手にそういうことするのやめてくれる?」


8 :1 [sage]:2017/02/15(水) 00:39:47.54 ID:arWTHg3M0

小町「どうでもいいけど、小町も入学するかもわかんないんだから、ふたりとギクシャクするようなことだけはやめてよね」

んー、とか、あーとか生返事でのらりくらりと交わしつつ、再び箸をすすめる。


八幡「まぁ、そうなったら、お兄ちゃん的には小町に変な虫がつかないように常に目を光らせる必要があるな」

俺がわざとその話題から逸れるように誘導すると、

小町「 …… それってもう無駄じゃない?」

小町がいかにもさりげなく、それでいて聞き捨てならないセリフを口にする。


八幡「なにっ? いつの間にっ?! 相手は誰だ相手はっ!? もしかして大志かっ? お父さんは絶対に認めんぞっ!」


小町「 ……… お父さんじゃなくってお兄ちゃんでしょ。でも、ちょっと似てるかも」

腰を半分浮かせかけた俺に苦笑いを浮かべながらとんでもないことを言い出した。

八幡「 ……… 頼むから冗談でもやめてくれ」

そうでなくとも最近は、朝、鏡見るとたまに自分の顔がオヤジに似てきたことを自覚することがままある。
このまま順当に成長したら、今は腐っている俺の目も、将来的にはオヤジのような死んだ社畜のような目になるのかと思うと、それだけでもうゲンナリとしてしまう。


小町「 …… そうじゃなくって、もう既に変なお兄ちゃんが四六時中つきまとってるし、目だっていつもこれ以上はないくらい腐ってるってことだよ」

そして、やれやれ合格しても先が思いやられるよ、とわざとらしく溜息を吐く。


八幡「何を言う? 合格すれば毎日嬉し恥ずかし兄妹二人乗りで自転車通学だってできるんだぞ?」 

小町「 …… それって、多分、嬉しいのはお兄ちゃんだけで小町は恥ずかしいだけだと思う」

9 :1 [sage]:2017/02/15(水) 00:42:14.51 ID:arWTHg3M0


小町「はいこれ」

小町がテーブルの脇から滑らせるようにして小さな紙片を差し出す。

見慣れたクセのある丸文字で書かれているのは、それぞれ11桁の数字と@マークを挿んだ、二組の文字の羅列。

ひとつは見覚えがあるが、もうひとつは初見だった。

それが何であるかに気が付いて、暫し葛藤の末、黙って手を伸ばす。もしかしたら今後何かの時に必要になるかも知れない。

ひょいと目を向けると、そんな俺を小町がニヤニヤと見ている。しかも、

小町「謝るなら早いに越したことはないよ」 

訳知り顔でそんなことまで言う。


八幡「こほん、あー…、ひょっとして、お兄ちゃんのこと心配してくれてるの? そんなに好きなの?」

空咳をひとつ、敢えて茶化すようにまぜっかえすと、


小町「そうじゃなくって、なんていうか、こう、うまく言えないけど ……………… 溜息が鬱陶しい?」

八幡「 ……… もしかしてお前、気遣うふりしてお兄ちゃんの心、ガチで折りに来てない?」

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